JP2017009508A - 光学式ロータリエンコーダ - Google Patents

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清章 南
和志 濱田
Kazushi Hamada
和志 濱田
渡辺 國寛
Kokukan Watanabe
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Abstract

【課題】共通の光検出部を利用しながら多様な分解能のロータリエンコーダを実現する。
【解決手段】10進数系列である250[PPR]の分解能、バイナリ2進数系列である256[PPR]の分解能、360度系列である270[PPR]の分解能、にそれぞれ対応した半径の円周上にそれぞれ対応した角度幅を有するスリット21が形成されたディスク2のうちの一つと、250[PPR]と270[PPR]とのちょうど中間である260[PPR]の分解能に対応した半径の円弧上に所定の角度幅の受光面を有する微小受光素子を配列した共通の光検出部5とを組み合わせてロータリエンコーダを構成する。ディスク2のスリット21と光検出部5の微小受光素子51の受光面との形状等が若干合わないことで光検出信号の振幅は下がるものの、そのずれは小さいので必要十分な振幅の擬似sin波信号を得ることができ、隣接する微小受光素子51の出力信号の加算と逓倍とを組み合わせることで多様な分解能が実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転体が回転駆動される際の角度位置や回転量などを検知するための光学式ロータリエンコーダに関する。
モータ軸などの回転体の角度位置や回転量の検知を非接触で光学的に行うための装置として光学式ロータリエンコーダ(以下、本明細書では「光学式ロータリエンコーダ」を単に「ロータリエンコーダ」という)が広く用いられている。
周知のように、ロータリエンコーダは一般に、回転方向に所定パターンで複数のスリットが穿孔された円盤状のディスクを挟んで、発光部と受光部とを対向して配置した構成を有する。通常、発光部と受光部とは位置が固定され、ディスクは回転駆動される。ディスクが回転するに伴い、発光部から発しスリットを経て受光部に到達する光は隣接スリット間の遮光部によって遮られるため、その回転に応じて受光部からはパルス状(又は正弦波状)の光検出信号が得られる。その信号のパルス数(又は波の数)は回転角度や回転量に対応するから、それを計数することで回転角度や回転量などを求めることができる。
一般的なロータリエンコーダでは、A相と、該A相に対して位相が90°遅れたB相と呼ばれる2系統の出力信号が得られる。例えば非特許文献1に記載のエンコーダでは、回転方向にフォトダイオードが複数配列された受光部で得られた信号を処理することでA相、B相の信号が得られるようになっている。A相、B相の2系統の信号の位相の関係によって、回転方向を識別することができる。
また特許文献1に記載のエンコーダでは、A相とB相のほかに、A相とは位相が反転した(つまりはA相に対して位相が180°遅れた)反転A相(該文献中ではAA相)、B相とは位相が反転した(つまりはA相に対して位相が270°遅れた)BB相の四相の光検出信号を四つの受光素子及び固定スリットによって生成している。なお、特許文献1に記載のエンコーダは専らリニアエンコーダについて説明されているが、ロータリエンコーダでも同様であることは言うまでもない。
こうしたロータリエンコーダの分解能は、モータ軸等の回転体と同期して回転するディスクが1回転する期間に出力されるパルス数(単位はPPR)で定義される。目的や用途に応じて様々な分解能が必要になるため、従来、様々な分解能のロータリエンコーダが用意されている。一般に用いられている分解能は、100[PPR]や1000[PPR]などの10進数系列、或いは、256[PPR]や1024[PPR]などのバイナリ2進数(2のn乗)系列であるが、それ以外に、180[PPR]、360[PPR]などの360度系列が使用されることもある。
従来一般的に、こうした様々な分解能を持つロータリエンコーダは、それぞれの分解能に合わせた角度幅の受光面を有する微小受光素子(典型的にはフォトダイオード)を回転方向に配置した光検出器、又は、それぞれの分解能に合わせた角度幅のスリット開口を形成した固定スリットを受光素子の受光面の前面に設けた光検出器と、微小受光素子の受光面の角度幅や固定スリットのスリット開口の角度幅に合わせるとともに該受光面と同じ半径の位置にスリットを形成したディスクと、の組み合わせによって構成されていた。そのため、ユーザ(ロータリエンコーダの利用者)の要望に合わせて多種類の分解能のロータリエンコーダを製造するには、受光面の形状が相違する多種類の光検出器を使用しなければならない。その結果、同一種類の光検出器を大量に使用するというコストメリットが得られにくく、これがロータリエンコーダ自体のコスト低減を困難にする一因となっていた。また、こうした光検出器を製造するメーカーにとっても、他品種少量生産を強いられることになり、生産効率を上げることが難しいという問題があった。
例えば特許文献2には、異なる分解能に対応した異なる半径の位置にスリットが形成されている複数のディスクとそれぞれ組み合わせて異なる分解能を実現可能な光検出器として、半径がそれぞれ異なる同心円上の位置に複数の受光部を配置した光検出器が開示されている。しかしながら、このような構成では、多数形成された受光部の中で実際に使用されるのはそのうちの一部にすぎない。即ち、受光部の利用効率が低くなり、無駄な受光部を多く形成するために光検出器のコストが高いものとなる。また、大きく異なる複数の分解能に対応するには離れた位置に受光部を形成する必要があり、例えば1チップのICでこうした複数の分解能に対応しようとすると大形のチップが必要になってやはりコストが高くなるという問題もある。
特開2010−48833号公報([0002]〜[0005]) 特開2006−64702号公報
「エンコーダの基礎から応用(1):モーター制御に不可欠なエンコーダ、その多様な用途 (2/3)」、[平成27年6月16日検索]、インターネット <URL: http://ednjapan.com/edn/articles/1203/16/news012_2.html>
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、受光面形状や構成が同じである光検出器を使用しながら多様な分解能を実現できるようにすることで従来に比べてコストの削減が可能である光学式ロータリエンコーダを提供することである。
また本発明の他の目的は、360度系列と10進数系列という二つの系列の分解能、360度系列とバイナリ2進数系列という二つの系列の分解能、又はそれら三つの系列の分解能に対応可能な光学式ロータリエンコーダを提供することである。
上述したように一般のロータリエンコーダでは、或る分解能を実現する際に、その分解能に対応した半径の円周上に該分解能に対応した角度幅のスリットが形成されたディスクと、その分解能に対応した半径の円弧上に該分解能に対応した角度幅の受光面を有する微小受光素子が配列された光検出部との組み合わせが利用される。ただし、ディスク上のスリットと光検出部の微小受光素子の受光面とで回転中心に向いた側の円弧状の内周の半径や、角度幅、形状等が合っていない場合でも、そのずれが小さければ、ずれの程度に応じて波高値は減少するものの、そのディスクに対応する分解能に応じた擬似的な正弦波信号を光検出部によって得ることができる。
ところで、こうしたロータリエンコーダでは、光検出部において回転方向に隣接したm個の微小受光素子の出力信号を加算することで、実質的に、分解能を1/mに落とすことができる。例えば、250[PPR]の分解能が得られるロータリエンコーダにおいて、回転方向に隣接した5個の微小受光素子の出力信号を加算すると分解能は50[PPR]となる。一方、例えば2のべき乗の逓倍回路を利用すれば、分解能を上げることも比較的容易である。ただし、その場合、分解能の増加は2、4、8、…に限られる。こうした分解能の低下及び増加を組み合わせることで、分解能のバリエーションを増やすことができる。例えば、250[PPR]の分解能が得られる構成からは、100[PPR]や1000[PPR]等の分解能を実現することができる。
即ち、250[PPR]又は250×(n/2)[PPR]という分解能の信号に基づいて10進数系列の様々な分解能の信号を得ることができる。この250[PPR]に近いバイナリ2進数系列の分解能として256[PPR]がある。250[PPR]と256[PPR]とは分解能の差が小さいため、上述したように、例えば250[PPR]である分解能に対応した半径の円周上に該分解能に対応した角度幅のスリットが形成されたディスクと、256[PPR]である分解能に対応した半径の円弧上に該分解能に対応した角度幅(ただし回転方向の間隔(ピッチ)はディスク上のスリットと同じ)の受光面を有する微小受光素子が配列された光検出部とを組み合わせると、そのディスクに対応する分解能に応じた擬似的な正弦波信号を光検出部によって得ることができる。一方、360度系列の分解能で最も一般的である360[PPR]は250[PPR]や256[PPR]とは大きく相違するが、本発明者は、360[PPR]という分解能が250[PPR]や256[PPR]に比較的近い分解能である270[PPR]を1/3にしたあと4逓倍することで実現できることに着目した。そして、所定の半径の円弧上に複数の微小受光素子が配列された共通の光検出部を利用し、250[PPR]又は256[PPR]と270[PPR]という2種類の分解能にそれぞれ対応する、さらには250[PPR]、256[PPR]及び270[PPR]という3種類の分解能にそれぞれ対応するロータリエンコーダを実現することに想到した。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明は、回転軸を中心に回転自在な円盤状部材であってその盤面に回転方向に所定間隔でスリットが形成されたディスクと、該ディスクの盤面に対向して配置され、複数のスリットの少なくとも一部に光を照射する光照射部と、前記ディスクを挟んで前記光照射部と反対側に配置され、複数の微小受光素子が前記ディスクの回転方向に配列されてなる光検出部と、を具備し、それぞれ相異なる所定の分解能に対応して相異なる半径の円周上にスリットが形成された少なくとも二つのディスクのうちの一つと、使用されるディスクに依らない共通の光検出部と、を組み合わせることで、特定の分解能が得られるようにした光学式ロータリエンコーダであって、
前記少なくとも二つのディスクは少なくとも、所定の第1の半径の円周上に270×(n/2)[PPR](ただしnは1以上の整数)である分解能に対応した所定の間隔で以てスリットが形成された第1のディスクと、前記第1のディスク上のスリットと同じ間隔のスリットが、250×(n/2)[PPR]又は256×(n/2)[PPR]である分解能に対応した前記第1の半径よりも小さい所定の第2の半径の円周上に形成された第2のディスクとであり、
前記光検出部の複数の微小受光素子の受光面は、前記第1のディスク上のスリットと同じ間隔で、270×(n/2)[PPR]と250×(n/2)[PPR]又は256×(n/2)[PPR]との間の分解能に対応した、前記第1のディスク上のスリットの半径よりも小さく前記第2のディスク上のスリットの半径よりも大きい半径の円弧上に配列されてなり、
該光検出部は、その複数の微小受光素子の受光面の径方向の略中央が、前記少なくとも二つのディスクのうちの、使用されるディスク上のスリットが形成されている半径の円周上に位置するように該ディスクの盤面に対向して設置されていることを特徴としている。
本発明に係る光学式ロータリエンコーダにおいて、より好ましくは、上記少なくとも二つのディスクは、第1の半径の円周上に270×(n/2)[PPR]である分解能に対応した所定の間隔で以てスリットが形成された第1のディスク、該第1のディスク上のスリットと同じ間隔のスリットが、250×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径の円周上に形成された第2のディスク、それら二つのディスク上のスリットと同じ間隔のスリットが、256×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径の円周上に形成された第3のディスク、の三つを含む構成とするとよい。
本発明に係る光学式ロータリエンコーダにおいて、第2のディスクが250×(n/2)[PPR]である分解能に対応したディスクである場合(又は、250×(n/2)[PPR]、256×(n/2)[PPR]及び270×(n/2)[PPR]である分解能に対応した3種類のディスクに対応している場合)には、分解能が最も高いディスクにおいてスリットが形成されている半径と分解能が最も低いディスクにおいてスリットが形成されている半径との間のちょうど中央の半径は260×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径であるから、典型的には光検出部は、この半径の円弧上に微小受光素子の受光面が配置された構成であればよい。ただし、厳密に260×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径の円弧上である必要はなく、実用的には、250×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径と270×(n/2)[PPR]である分解能に対応した半径との間の半径の円弧上に配列されていればよい。
本発明に係る光学式ロータリエンコーダでは、ディスク上でスリットが形成されている半径及びそのスリットの角度幅によって決まる分解能と、光検出部における微小受光素子の受光面が位置する半径及び角度幅によって決まる分解能との差は、nが2である場合に、10[PPR]程度、最大でも20[PPR]程度である。そのため、光検出部の微小受光素子で得られる光検出信号の波高値はその分解能の差(角度幅や形状のずれ)に相当する分だけ低下するものの、逓倍したり角度検出したりするために必要十分な波高値が得られる。それによって、本発明に係るロータリエンコーダでは、使用するディスクに依らない共通の光検出部を利用しディスクを変更するとともにそのディスクに応じて光検出部を設置する位置を変更することによって、250×(n/2)[PPR]を元とする10進数系列の分解能と270×(n/2)[PPR]を元とする360度系列の分解能とを実現することができる。また同様に、250×(n/2)〜270×(n/2)[PPR]の範囲に含まれる256×(n/2)[PPR]を元とするバイナリ2進数系列の分解能も実現することができる。
上述したように各系列の分解能において、250×(n/2)[PPR]、256×(n/2)[PPR]、270×(n/2)[PPR]以外の分解能を実現するには、隣接する微小受光素子の出力信号を加算したり逓倍したりする必要がある。
そこで、本発明に係る光学式ロータリエンコーダにおいて、好ましくは、上記光検出部は、回転方向に配列されている各微小受光素子から取り出した信号を、A相及びB相の二相、又は、A相、B相、反転A相、及び反転B相の四相の信号とする信号線の接続状態と、回転方向に隣接するm個の(ただし、mは2以上の整数)微小受光素子をまとめて一組の受光部とし、回転方向に隣接する各組の受光部から取り出した信号を、A相及びB相の二相、又は、A相、B相、反転A相、及び反転B相の四相の信号とする信号線の接続状態とを切り替える切替部を備える構成とするとよい。
こうした切替部は、外部からのメカニカルな若しくは電子的な設定に応じて信号線の接続状態を切り替えるアナログスイッチ、又は、入力された若しくは予め記憶された選択データに応じて信号線の接続状態を切り替えるアナログスイッチを用いればよい。
本発明に係る光学式ロータリエンコーダの一実施態様として、上記第1のディスクと光検出部とを組み合わせ、該光検出部の複数の微小受光素子の中で回転方向に隣接する3×n×M(ただしn×Mは1以上の整数)個毎の微小受光素子を一組とし、一つの組に含まれる微小受光素子からそれぞれ得られる分解能が270×(n/2)[PPR]である信号を加えることで分解能が45/M[PPR]である信号を生成し、該信号を4×M×L逓倍(ただしLは1以上の整数)することによって分解能が180×L[PPR]である信号を得ることができる。
また本発明に係る光学式ロータリエンコーダでは、ディスク上のスリットの角度幅と光検出部の各微小受光素子の受光面の角度幅とが異なる場合があるため、回転方向に隣接する微小受光素子の間に光電変換に寄与しない領域があると、得られる信号の歪みが大きくなるおそれがある。そこで、本発明に係る光学式ロータリエンコーダにおいて、好ましくは、上記光検出部にあって回転方向に隣接する受光部の間に不感帯や光電変換効率が著しく異なる領域が存在しない構成とするとよい。
本発明に係る光学式ロータリエンコーダによれば、スリットが形成されているディスクについては所望の分解能に対応したものを用い、光検出部については使用されるディスクに依存しない同じ構成の光検出部を用いて、様々な分解能に対応したロータリエンコーダを実現することができる。特に本発明に係る光学式ロータリエンコーダによれば、10進数系列やバイナリ2進数系列の分解能だけでなく、360度系列の分解能も、他の系列の分解能を得ることも可能である共通の光検出部を利用して実現することができる。それによって、例えば光検出部が搭載されたICを調達してロータリエンコーダを製造するメーカーにおいては、目的とする分解能に依らず同じ種類の光検出用ICを利用することができるので、該ICの調達コストを引き下げることができるとともに該ICの管理も容易になる。また、光検出部が搭載されたICを提供するメーカーにおいては、複数の分解能用として同じ種類のICを製造すればよいので、大量生産のメリットを活かして製造コストを引き下げることができる。
本発明の一実施例によるロータリエンコーダの概略構成図。 本実施例のロータリエンコーダにおける信号処理部の概略ブロック図。 本実施例のロータリエンコーダにおける光検出部の微小受光素子とディスク上のスリットとの形状及び位置の説明図。 本実施例のロータリエンコーダにおける信号線の接続状態の一例を示す図。 本実施例のロータリエンコーダにおける信号切替部の一例を示す図。
以下、本発明に係るロータリエンコーダの一実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施例のロータリエンコーダの概略構成図である。円盤状のディスク2は回転体である軸1を中心に回転自在であり、ディスク2の盤面には回転方向にその全周に亘って多数のスリット21が穿孔されている。ディスク2の盤面を挟んで一方(この例では上方)には、LED等の発光部3とレンズ4とが配置されており、その他方(この例では下方)には、光検出部5が配置されている。スリット21は所定の半径を有する円周上に、回転方向に一定の間隔で設けられている。光検出部5は、後述するように、ディスク2の回転中心である軸1を中心とした所定の半径の円弧上に受光面が配列された複数の微小受光素子(典型的にはフォトダイオード)51を含む。発光部3から発せられた光はレンズ4にて平行化され、回転方向に延在する光検出部5をカバーする範囲に光を照射する。この光の中でスリット21を通過した光が光検出部5に到達する。複数の微小受光素子51のそれぞれの出力信号は信号処理部6に入力され、該信号処理部6はA相、B相、反転A相(図中では反転をバー記号で示している)、反転B相なる四相の信号を出力する。なお、光検出部5及び信号処理部6は個別のICで構成することもできるが、通常は一つのIC(LSI)に集積化される。
上述したように、A相、B相、反転A相、反転B相の四相の信号を得るには最低4個の微小受光素子が配列されていればよいが、本実施例のロータリエンコーダにおいて光検出部5は、回転方向に60個の微小受光素子51を配列した構成となっている。この「60」という個数は、「3」、「4」及び「5」の最小公倍数であり、後述するように、それによって様々な分解能を実現することができる。
なお、ディスク2に形成されている各スリット21は該ディスク2の径方向に細長いが、その径方向におけるスリット21の中心の位置で該スリット21が位置する円周の半径を定義するものとする。また、微小受光素子51の受光面も同様にディスク2の径方向に細長いが、その径方向における微小受光素子51の受光面の中心の位置で該微小受光素子51が配列されている円弧の半径を定義するものとする。
従来の一般的なロータリエンコーダでは、ディスクと光検出部(或いは光検出部が搭載されたIC)とは組であり、該ディスク上でスリットが位置する円周の半径と光検出部において微小受光素子が配列される円弧の半径とは等しくなっている。これに対し本実施例のロータリエンコーダでは、その分解能に応じて、10進数系列用、バイナリ2進数系列用、360度系列用という3種類の分解能の系列にそれぞれ対応したディスクのうちの一つと、使用されるディスクに無関係である共通の光検出部5との組み合わせが利用される。
図3は、この3種類のディスク2A、2B、2Cにおけるスリット21a、21b、21cの形状及び配置と、光検出部5における微小受光素子51の受光面の形状とを示した図である。それらスリット21a、21b、21cのピッチ(回転方向の間隔)は同一である。ここでは、煩雑になるのを避けるために、スリット21a、21b、21cと微小受光素子51とはいずれも6個のみを描いているが、上述したようにスリット21a、21b、21cはディスク2の全周(円周の全体)に設けられ、微小受光素子51の数は60個である。図3においてOは軸1の中心点であり、これはディスク2A、2B、2C上に形成されたスリット21a、21b、21cが位置する半径の中心点であるとともに、光検出部5における各微小受光素子51が配列される円弧の半径の中心点でもある。
3種類のディスク2A、2B、2Cの中で、10進数系列である250[PPR]用のディスク2Aはスリット21aが位置している円周の半径が最も小さく、回転方向に隣接するスリット21aの角度間隔は[360/250×(n/2)]°である。バイナリ2進数系列である256[PPR]用のディスク2Bはスリット21bが位置している円周の半径が次に小さく、回転方向に隣接するスリット21bの角度間隔は[360/256×(n/2)]°である。360度系列である270[PPR]用のディスク2Cはスリット21cが位置している円周の半径が最も大きく、回転方向に隣接するスリット21cの角度間隔は[360/270×(n/2)]°である。なお、本実施例ではn=2である。スリット21a、21b、21cの角度間隔(角度幅)は分解能に依存するから、250[PPR]用のディスク2Aにおけるスリット21aの角度間隔と256[PPR]用のディスク2Bにおけるスリット21bの角度間隔とは差が小さいが、それらと270[PPR]用のディスク2Cにおけるスリット21cの角度間隔とは差が大きい。ただし、上述したように、スリット21a、21b、21cのピッチは同一である。なお、各スリット21a、21b、21cの径方向の長さも同じである。
光検出部5における各微小受光素子51が配列される(厳密に言えば各微小受光素子51の略扇状である受光面が配列される)円弧の半径は、上記3種のディスク2A、2B、2Cの中で分解能が最も低い250[PPR]と分解能が最も高い270[PPR]とのちょうど中間の値である260[PPR]の分解能に相当する半径に定められている。
いま一例として、260[PPR]の分解能に対応する円弧又は円周の半径が30[mm]であるとすると、光検出部5の微小受光素子51における受光面のピッチは、
2×30×π/260=0.725mm
となる。この光検出部5を、分解能が270[PPR]であるスリット21cが形成されたディスク2Cと組み合わせて分解能が270[PPR]である回転位置の検出を行う場合、微小受光素子51の受光面のピッチは0.725mmであるから、同じピッチであるスリット21cが位置している円周の半径は、
0.725×270/(π×2)=31.17[mm]
となる。
即ち、半径が31.17[mm]である円周上に0.725[mm]ピッチのスリット21cを有するディスクを用い、0.725[mm]ピッチである微小受光素子51を半径が31.17mmである円周上に置いて上記ディスクのスリットを通過した光を受光することによって、疑似的な正弦波信号を得ることができる。ここでは光検出部5の微小受光素子51の径方向の中心とスリット21cの径方向の中心とは合っており、それらが位置している円周の半径はいずれも31.17[mm]であるものの、微小受光素子51の受光面の配列や形状は半径が30[mm]である円弧に沿ったものであるため、スリット21cと微小受光素子51の受光面とでは形状や角度幅、さらには位置が若干ずれている。そのため、270[PPR]の分解能に相当する半径(上記例では31.17[mm])の円弧上に微小受光素子が配列された光検出部を上記ディスク2Cと組み合わせた場合に比べれば、光検出信号の振幅は小さくなる。ただし、上述したような形状や角度幅等のずれは小さいので、角度検出するのに十分な振幅を確保することができる。
光検出部5に対し外周側でなく内周側にずれた位置にスリット21aがある分解能:250[PPR]に対応するディスク2Aと上記光検出部5とを組み合わせる場合も同様である。本実施例のロータリエンコーダでは、上述したように、最高分解能と最低分解能の間のちょうど中間付近の分解能に対応した半径及び角度間隔となるように微小受光素子51の受光面の形状を定めるとともにそれを配置しているため、最高の分解能のためのディスク2C、最低の分解能のためのディスク2Aのいずれと組み合わせる場合でも、光検出信号の振幅の低下を同程度に抑えることができ、性能のばらつきを最小限にとどめることができる。
上述したように本実施例のロータリエンコーダでは、スリット21a、21b、21cが位置している半径及び角度間隔がそれぞれ相違する(ただしスリット21a、21b、21cのピッチは同じ)ディスク2A、2B、2Cのいずれを用いるのかによって、各微小受光素子51では270[PPR]、256[PPR]又は250[PPR]のいずれかに対応した擬似正弦波状の受光信号を得ることができる。
光検出部5から光検出信号を受ける信号処理部6は、図2に示すように、信号切替部61、信号増幅部62、及び逓倍部63を含む。
信号切替部61は、例えば図5に示すような、各微小受光素子51からの信号出力線とA相、B相、反転A相、反転B相の各相に対応した信号線とをマトリクス状に接続する多数のスイッチ611を含む。このスイッチ611はメカニカルな又は電子的なアナログスイッチとしてもよいし、或いは、外部から入力された選択データに応じて接続が論理回路によって制御されるアナログスイッチでもよい。信号切替部61におけるスイッチ611の接続状態に応じて、複数(本例では60個)の微小受光素子51による光検出信号は適宜加算され、四つの相の信号に集約される。この信号はそれぞれ信号増幅部62において増幅されたあと、必要に応じて逓倍部63で逓倍されることで周波数が異なるパルス信号が生成される。ここでは、2倍、4倍、8倍、16倍の逓倍が選択可能である。
上述したように本実施例のロータリエンコーダでは、ディスク2を交換するとともに光検出部5の設置位置を使用するディスク2に合わせて変更することによって、該光検出部5において、270[PPR]、256[PPR]又は250[PPR]のいずれかに対応した擬似正弦波状の光検出信号を得ることができる。このような光検出信号に対し、信号切替部61での信号の切替え・選択と逓倍部63での逓倍数とを適宜組み合わせることで、三つの系列に属する様々な分解能を実現することができる。ここで幾つかの例を挙げる。
10進数系列では、100[PPR]、1000[PPR]の分解能が要求されることが多い。100[PPR]の分解能が必要な場合には、分解能が250[PPR]であるスリット21aが形成されたディスク2Aを用い、図4(c)に示すように、回転方向に隣接する5個の微小受光素子51を一組とし、回転方向に一組毎にA相、B相、反転A相、反転B相の信号が得られるように信号切替部61において信号の接続状態を設定する。微小受光素子51の個数は60個であるから、各相の信号線には、5個一組である微小受光素子51が三組接続されることになる。こうして得られる信号は250[PPR]を1/5にした50[PPR]の分解能を持つ信号となるから、この信号を2逓倍することで100[PPR]の分解能を得ることができる。
また1000[PPR]の分解能が必要な場合には、分解能が250[PPR]であるスリット21aが形成されたディスク2Aを用い、図4(a)に示すように、回転方向に並ぶ各微小受光素子51が順にA相、B相、反転A相、反転B相の信号線に接続されるように信号切替部61において信号の接続状態を設定する。こうして得られる信号は250[PPR]の分解能を持つから、この信号を4逓倍することで1000[PPR]の分解能を得ることができる。
一方、360度系列では360[PPR]の分解能が要求されることが多い。360[PPR]の分解能が必要な場合には、分解能が270[PPR]であるスリット21cが形成されたディスク2Cを用い、図4(b)に示すように、回転方向に隣接する3個の微小受光素子51を一組とし、回転方向に一組毎にA相、B相、反転A相、反転B相の信号が得られるように信号切替部61において信号の接続状態を設定する。微小受光素子51の個数は60個であるから、各相の信号線には、3個一組である微小受光素子51が五組接続されることになる。こうして得られる信号は270[PPR]を1/3にした90[PPR]の分解能を持つ信号となるから、この信号を4逓倍することで360[PPR]の分解能を得ることができる。
同様にして、三つの系列に含まれる上記以外の様々な分解能を実現することができる。
なお、光検出部5には複数の微小受光素子51が回転方向に配列されているが、隣接する微小受光素子51の間に不感帯(つまりはその表面等で遮光されて光が光電変換部に到達しない領域、或いは、光電変換部が存在せず光入射によって光電荷を得られない領域)が存在すると、微小受光素子51による光電流の変化はディスク2の回転移動に対して滑らかでなくなる。そこで、光検出部5ではこうした不感帯を設けない構造を採用してもよい。
また、上記実施例は本発明の一例にすぎないから、本発明の趣旨の範囲で適宜、修正、変形、追加等を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
例えば上記実施例では、微小受光素子51を60個配列した光検出部5を用いたが、微小受光素子51の数はこれに限らない。上述したように「3」、「4」及び「5」の公倍数でない個数を選んだ場合、組み合わせによっては一部の微小受光素子51の出力信号を使用しないこともあり得るが、それでも構わない。また、原理的には微小受光素子51の数が多いほうが動作の安定性は向上するものの、それら全体に均一に光が照射されるようにする必要がある。
1…軸(回転軸)
2、2A、2B、2C…ディスク
21、21a、21b、21c…スリット
3…発光部
4…レンズ
5…受光部
51…微小受光素子
6…信号処理部
61…信号切替部
611…スイッチ
62…信号増幅部
63…逓倍部

Claims (4)

  1. 回転軸を中心に回転自在な円盤状部材であってその盤面に回転方向に所定間隔でスリットが形成されたディスクと、該ディスクの盤面に対向して配置され、複数のスリットの少なくとも一部に光を照射する光照射部と、前記ディスクを挟んで前記光照射部と反対側に配置され、複数の微小受光素子が前記ディスクの回転方向に配列されてなる光検出部と、を具備し、それぞれ相異なる所定の分解能に対応して相異なる半径の位置にスリットが形成された少なくとも二つのディスクのうちの一つと、使用されるディスクに依らない共通の光検出部と、を組み合わせることで、特定の分解能が得られるようにした光学式ロータリエンコーダであって、
    前記少なくとも二つのディスクは少なくとも、所定の第1の半径の円周上に270×(n/2)[PPR](ただしnは1以上の整数)である分解能に対応した所定の間隔で以てスリットが形成された第1のディスクと、前記第1のディスク上のスリットと同じ間隔のスリットが、250×(n/2)[PPR]又は256×(n/2)[PPR]である分解能に対応した前記第1の半径よりも小さい所定の第2の半径の円周上に形成された第2のディスクとであり、
    前記光検出部の複数の微小受光素子の受光面は、前記第1のディスク上のスリットと同じ間隔で、270×(n/2)[PPR]と250×(n/2)[PPR]又は256×(n/2)[PPR]との間の分解能に対応した、前記第1のディスク上のスリットの半径よりも小さく前記第2のディスク上のスリットの半径よりも大きい半径の円弧上に配列されてなり、
    該光検出部は、その複数の微小受光素子の受光面の径方向の略中央が、前記少なくとも二つのディスクのうちの、使用されるディスク上のスリットが形成されている半径の円周上に位置するように該ディスクの盤面に対向して設置されていることを特徴とする光学式ロータリエンコーダ。
  2. 請求項1に記載の光学式ロータリエンコーダであって、
    前記光検出部は、回転方向に配列されている各微小受光素子から取り出した信号を、A相及びB相の二相、又は、A相、B相、反転A相、及び反転B相の四相の信号とする信号線の接続状態と、回転方向に隣接するm個の(ただし、mは2以上の整数)受光部をまとめて一組の受光部とし、回転方向に隣接する各組の受光部から取り出した信号を、A相及びB相の二相、又は、A相、B相、反転A相、及び反転B相の四相の信号とする信号線の接続状態とを切り替える切替部を備えることを特徴とする光学式ロータリエンコーダ。
  3. 請求項1又は2に記載の光学式ロータリエンコーダであって、
    前記光検出部にあって回転方向に隣接する微小受光素子の間に不感帯や光電変換効率が著しく異なる領域が存在しないことを特徴とする光学式ロータリエンコーダ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学式ロータリエンコーダであって、
    前記第1のディスクと前記光検出部とが組み合わせられ、該光検出部の複数の微小受光素子の中で回転方向に隣接する3×n×M(ただしn×Mは1以上の整数)個毎の微小受光素子を一組とし、一つの組に含まれる微小受光素子からそれぞれ得られる分解能が270×(n/2)[PPR]である信号を加えることで分解能が45/M[PPR]である信号を生成し、該信号を4×M×L逓倍(ただしLは1以上の整数)することによって分解能が180×L[PPR]である信号を得ることを特徴とする光学式ロータリエンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111307187A (zh) * 2020-03-20 2020-06-19 大连探索者科技有限公司 一种快速寻零的微小型增量式角度传感器及其测量方法
JP2020118576A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 大銀微系統股▲分▼有限公司Hiwin Mikrosystem Corp. 光学式エンコーダ及びその制御方法

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