JP2017009104A - 簡単に解けるナット - Google Patents

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JP2017009104A
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利宣 岩崎
Toshinori Iwasaki
利宣 岩崎
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Abstract

【課題】部品の交換作業時ボルト、ナットが錆や傷などにより解けない問題の解決を可能とする。【解決手段】ナット2にヘリサート9を組み込みボルト側のねじ部が動かなくてもナット2側のねじ部が解け、かつナット2にヘリサート9を剥ぎ取る機能を持たしてある。【選択図】図2

Description

定期的に交換する消耗部品や点検用部品などの取り付けに使用するボルト、ナットにおいて、部品の取り外し作業時にサビや傷により解けないボルト、ナットを取り外す技術に関する。
多くのプラントでは、定期的な消耗部品の交換や点検作業がある。その部品の取り付けは、ボルト、ナットを使用している場合が多い。しかしそのボルト、ナットの全てが必ず解けるとはかぎらない。さび付いて緩まない一組のボルト、ナットのために大変な労力を要するものである。
ナットを規定のトルクで締め付け、ナットより1〜2山ボルトのねじ山がはみ出した余り代が有るのがいいとされているが、次の部品交換時、余り代部分に傷や錆が発生しねじ山が破損した場合、ねじが解けない事がある。
ガス切断や砥石切断が簡単である、しかし火気の使用できない場所もある。その場合ナットスプリッターや金きり工具でナットを切断する方法も考えられるが、工具の取り付け不可能な場所もある。上記の方法以外で簡単な方法は現在のところ無い状態である。
余り代を傷や錆から守るために、袋ナットを使用する方法もあるが、袋ナットは使用可能なボルト長さがあり、そのボルトを準備し取り付け場所ごとに規定のボルトを配分する事は大変な作業である。また袋ナットも袋部分の肉厚が薄く傷に弱い。
文献1のボルトはこのような場合非常に有効なボルトであるが全てのボルトの種類と長さを製造するのは現実的でない。
文献1
実登録 3057009
ボルトの錆や傷によりナットが解けない場合文献1のようにボルトに緩む機能を組み込むのではなく、ナットにその機能を組み込めばボルト長に関係なくナットの種類のみ用意すればよい。ナットに簡単にその機能を組み込み使用者が従来のナットと同様に使用でき、かつ必要なとき簡単に解けるナットが課題である。
上記課題を解決するためにヘリサートを組み込んだナットを使用する事でボルトのねじ部が錆び付き又は破損している場合ヘリサートとナットとのねじ部が解けナットが外れるが、ボルト上にヘリサートが残り、ペンチなどで取り外す必要がある。ナットを外すときにヘリサートも同時に外すことができれば便利がいい。
したがって、ナットに締め付け面と反締め付け面との区別を付け、締め付け面より反締め付け面近くまで規定のヘリサートを挿入できる溝加工をし、反締め付け面近くにヘリサート挿入を阻止する停止部を設け、締め付け面にナット外側面よりヘリサート溝の有効寸法の始まり部にヘリサート溝の進行回転方向に向かって略接線状に連絡するヘリサート通過用溝を作りその溝から前記ヘリサート溝の停止部までヘリサートを組み込むナットにより、ナットを緩める時点でボルト上に残ったヘリサートが案内溝より押し出されナットが解けると同時にボルトより外れる。
この発明によるナットはボルトの余り代部が破損し、ナットが解けず交換部品が取り外せない場合、破損部のねじにヘリサートのボルト側ネジ部が止まり、次にヘリサートのナット側ネジ部が緩みナットが取り外れる。かつヘリサートが締め付け面に作られた案内溝を通りナットを解いてゆく動作によりボルトより剥ぎ取られる状態で外れる機能を持っている。
交換部品の取り付け時は規定のボルトを通しこの発明のナットを、締め付け面を部品側に向け締め付ける。ヘリサートはヘリサート停止部により締め付けに対して固定されており、ナットは交換部品を固定できる。ボルトが痛んでない場合のナットは再利用可能である。
図1は交換部品の取り付け状態で、ボルト1とナット2によって交換部品3が本体4に取り付けられている。ボルトとナットの締結部よりはみ出ている余り代5にサビや傷が有ると、従来のナットの場合はボルト1より外れない。
図1のナット2にヘリサート9を設置してある。ボルトの余り代5にサビや傷があってボルトとヘリサートのネジ部6が動かない場合ヘリサートとナットのネジ部7が動きヘリサートとナットが外れる。ボルト上にはヘリサートが残るがヘリサートはコイル状に巻いたネジ状の金属であるのでペンチのような工具で取り外さなければならない。
図2のナット2は締め付け面10と反締め付け面11を定めてヘリサート9を締め付け面より挿入し、反締め付け面の手前でヘリサートの停止部12で止める。締め付け面のナット外側面よりヘリサート溝の有効寸法の始まり部にヘリサートの進行回転方向に向かって連絡するヘリサート溝外周に略接線状、又は緩やかな螺旋状のヘリサート通過用の案内溝を作りヘリサートをその溝より組み込み停止部12まで設置する
図2のナットを緩める時ボルトの余り代が破損し図1の5の状態であれば、ボルトとヘリサートのネジ部6が止まりヘリサートとナット部7が緩む、その時ヘリサートは図2の溝8を抜けながらナットが緩む動きに従い剥ぎ取られていく。
ヘリサートの組み込みは、ナットの案内溝から半周程度ナットのネジ部を取り去り、最後のねじ込み時にヘリサートの弾性を利用し案内溝に押し込み、案内溝の締め付け面を少し潰して溝より外れないよう半固定させる。ヘリサートとナットには防錆処理を施し、弱い接着処理すれば、普通のナットを操作するのと変わりない。
は機械部品をボルト、ナット、ヘリサートで取り付けた、部分断面図である。 はヘリサートを組み込んだナットの断面図で、ヘリサートの抜け出る案内溝と停止部を持っている。
記号の説明
1 ボルト
2 ナット
3 交換部品
4 機械本体
5 ボルトの錆びた余り代部
6 ヘリサートとボルトの接触部
7 ヘリサートとナットの接触部
8 ヘリサート通過用案内溝
9 ヘリサート
10 ナットの締め付け面
11 ナットの反締め付け面
12 ヘリサートの停止部

Claims (1)

  1. 機械部品の取り付け時に使用されるボルトに結合されるナットであって、ナットのねじ部にヘリサート(インサートネジの種類で螺旋体をねじ溝に巻きつけてボルトとナットを結合させる部品)を具備したナットにおいて、前記ナットに締め付け面と、反締め付け面を決め、ヘリサート挿入用溝を前記反締め付け面手前で止めヘリサート挿入を阻止する停止部と、前記締め付け面に作られるナット外側面から前記ヘリサート挿入用溝の有効寸法の始まり部にヘリサート溝の進行回転方向に向かって略接線方向で連絡するヘリサート通過用案内溝と、前記案内溝より始まり前記ヘリサート挿入用溝を通り前記停止部まで具備されたヘリサートと、を特徴とするナット。
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