JP2017008858A - 風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率の向上を期待できる風力発電装置を提供する。【解決手段】風の流れに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸12と、風を受けて該回転軸12と一体的に回転するように該回転軸12に取り付けられた複数の羽根体14とを有する垂直軸型の風車体16と、回転軸12に連結され該回転軸の回転により発電する発電機と、風車体16の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて該風車体16への風の流れをガイドする複数の導風板20であり、回転軸12に直交する断面視で、該羽根体14の回転軌跡円CRと該回転軌跡円CRに外接する仮想的な正多角形SPとの間の領域Z内に全体が収容されるように設置された複数の導風板20とを備えた風力発電装置10から構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、垂直軸型風車を用いた風力発電装置に関する。
風力発電は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出することなく、自然の風のエネルギーを利用して比較的小さな環境負荷で発電することができ、再生可能なエネルギーとして社会的にも関心が高まっている。近年では、大型の風車を用いた大規模な発電施設に限らず、小型の風車を利用した小規模な発電設備についても開発が進められており、低コストでの実用化に向けて、発電効率の向上を目指した技術が種々提案されている。風力発電に利用される風車には、風の方向に沿って回転軸が水平方向に設定された水平軸型風車と、風の方向に対して回転軸が垂直方向に設定された垂直軸型風車と、が利用されている。垂直軸型風車は、風向に対する風車の回転面の方向制御機構が不要である等のメリットがあるが、風車が風を受けて回転する際に、該風車の回転軸より半分の部分では羽根が受ける風は風車を回転する方向に有効作用する一方で、残りの半分の部分では羽根が受ける風は回転方向に対して逆方向となって抵抗作用となり、回転効率が低下する問題があった。これに対して、垂直軸型風車の周囲に導風板や整流板等のガイドベーン等を配置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のように垂直型風車の周囲にガイドベーン等を設置する構成では、風車が占めるスペースに加えて、その周囲にガイドベーンを設置するスペースが必要となるため、全体として大きなスペースを必要としていた。一般的に風車の回転径が大きいほど、風車の出力ひいては発電効率が大きくなるが、ガイドベーンを設ける場合には、限られたスペースでは、逆に風車自体のスペースすなわち風車の回転径を小さく製作せざるを得なくなることから、発電効率の向上をそれほど期待することができなかった。よって、同じ設置スペースに対してできるだけ効率の良い風力発電の開発が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、設置効率がよく、発電効率の向上を期待できる風力発電装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、風の流れFに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸12と、風を受けて該回転軸12と一体的に回転するように該回転軸12に取り付けられた複数の羽根体14とを有する垂直軸型の風車体16と、回転軸12に連結され該回転軸の回転により発電する発電機18と、風車体16の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて該風車体16への風の流れをガイドする複数の導風板20であり、回転軸12に直交する断面視で、該羽根体14の回転軌跡円CRと該回転軌跡円CRに外接する仮想的な正多角形SPとの間の領域Z内に全体が収容されるように設置された複数の導風板20とを備えた風力発電装置10から構成される。
また、導風板20は、回転軸12に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、該断面直線形状の一端(20A)を羽根体14の回転軌跡円CRに近接して設けられるとともに、他端(20B)を前記正多角形SPの辺上又は辺に近接して設けたこととしてもよい。
また、羽根体14は、回転軸12に直交する断面形状が回転軸12に向けて凸状に湾曲された湾曲板材で形成されるとともに、回転方向前方側12Aに流線型を形成するように前端部12Aを外側に向けて略U字状に湾曲された返し部26を有することとしてもよい。
また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、該羽根体14の回転軌跡円CRの径方向の羽根体14の幅D1よりも長い長さで設けられたこととしてもよい。
また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、前記正多角形SPの頂点から該羽根体の回転軌跡円CRに接する接線の長さよりも短い長さで設けられたこととしてもよい。
また、導風板20は、該羽根体14の回転軌跡円CRの直径を導風板20の数で割った長さに設定されたこととしてもよい。
本発明の風力発電装置によれば、風の流れに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸と、風を受けて該回転軸と一体的に回転するように該回転軸に取り付けられた複数の羽根体とを有する垂直軸型の風車体と、回転軸に連結され該回転軸の回転により発電する発電機と、風車体の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて該風車体への風の流れをガイドする複数の導風板であり、回転軸に直交する断面視で、該羽根体の回転軌跡円と該回転軌跡円に外接する仮想的な正多角形との間の領域内に全体が収容されるように設置された複数の導風板とを備えたことから、設置スペースに対して風車体の回転径を最大限に大きくして、効率よく装置を設置できるとともに、導風板で羽根体の回転逆方向となって抵抗作用となる風を遮ることができるうえ、該導風板で分岐して流れる風を導風板近傍に流して、流速度の差による羽根体の回転促進作用を効果的に作用させて、風車体の回転効率を向上し、その結果、発電効率の向上を期待できる。
また、導風板は、回転軸に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、該断面直線形状の一端を羽根体の回転軌跡円に近接して設けられるとともに、他端を前記正多角形の辺上又は辺に近接して設けた構成とすることにより、導風板を羽根体の回転軌跡円にできるだけ近接して設置して該導風板で受けた風を効果的に羽根体に作用させるようにガイドすることができる。
また、羽根体は、回転軸に直交する断面形状が回転軸に向けて凸状に湾曲された湾曲板材で形成されるとともに、回転方向前方側に流線型を形成するように前端部を外側に向けて略U字状に湾曲された返し部を有する構成とすることにより、羽根体の板面で受ける風と羽根体の周囲を流れる風の流れを効果的に作用して、風車体の回転効率を向上しうる。
また、導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、該羽根体の回転軌跡円の径方向の羽根体の幅よりも長い長さで設けられた構成とすることにより、回転する風車体の羽根体に対して抵抗となる風の流れを効果的に遮りながら効率向上を実効しうる導風板を具体的に実現できる。
また、導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、前記正多角形の頂点から該羽根体の回転軌跡円に接する接線の長さよりも短い長さで設けられた構成とすることにより、回転する風車体の羽根体に対して効果的に風の流れを誘導して、効率向上を実効しうる導風板を具体的に実現できる。
また、導風板は、該羽根体の回転軌跡円の直径を導風板の数で割った長さに設定された構成とすることにより、風車体の回転効率が良いとともに、いずれの方向から風が吹いても比較的高い効率を保持でき、安定性が高い風力発電装置の製造を期待できる。
以下添付図面を参照しつつ本発明の風力発電装置の実施形態について説明する。本発明に係る風力発電装置は、回転軸を風に向けて垂直に設置する垂直軸型風車を利用した発電装置である。図1ないし図4は、本発明の風力発電装置の一実施形態を示している。図1、図2に示すように、本実施形態では、風力発電装置10は、回転軸12と羽根体14を有する風車体16と、発電機18と、複数の導風板20と、を備えている。
図1、図2、図3に示すように、本実施形態では、例えば、風車体16、発電機22、導風板20等の装置構成要素は、機枠22に一体的に組み付けられて支持されている。例えば、機枠22を水平な接地面に置いたり、機枠22を介して支柱や台等に固定したりするだけで、簡単に風力発電装置10を所定の場所に設置できるようになっている。機枠22は、例えば、直線状の枠材等を組み付けて外形輪郭が縦長の略直方体状に形成されている。機枠22は、例えば、設置面に対して鉛直上に立設する4本の縦枠22aと、縦枠22aの上端、下端及び上下中間位置に架設された横枠22bと、を有する。縦枠22aは、例えば、平面視で、後述する風車体16を囲むように配置されており、後述の羽根体14の回転軌跡円CRに外接する正方形又は、該外接する正方形よりも若干小さな正方形の頂点位置に対応して配置されている。さらに、機枠22には、横枠22bに横架された中間枠22c部材を介して軸受24が該機枠22の平面視中心位置に取り付けられている。なお機枠22は、風車体等を支持できる構成であれば任意の構造でもよい。
図1、図2、図3に示すように、風車体16は、回転軸12の周りに複数の羽根体14を等間隔に取り付け、風を受けて一体回転する羽根車であり、回転軸12を風の流れに対して垂直に向けた垂直軸型の風車装置である。本実施形態では、回転軸12は、例えば、軸方向を地面等の設置面に対して鉛直に立てて配置され、機枠22の軸受24に回転自在に軸支されている。
羽根体14は、例えば、回転軸12の周囲に等間隔に複数配置され、回転軸12に対して支持手段を介して固定されている。本実施形態では、羽根体14は、例えば4つ配列されており、それぞれ回転軸12から径方向に離隔した位置に配置され、風を受ける板面を立てて形成された板状部材からなる。羽根体14は、回転軸12に上下方向に離隔して固定された円盤状の羽根支持材30の間に挟持されるように配置され、該羽根体14の上下端を支持板30に対して固定されている。風車体16の羽根体14が配置される部分は上下が閉鎖されている。なお、羽根体14を回転軸に支持する支持手段は回転軸から径方向に伸びるアーム等その他任意の支持構成でもよい。本実施形態では、図4にも示すように、各羽根体14は、例えば、一枚の板材又は複数の板材を組み合わせて形成されており、横断面形状すなわち回転軸に直交する断面形状が、回転軸12側に向けて凸状に湾曲されるとともに、回転方向前方側に流線型14Fを形成するように前端部を外側に向けて略U字状に湾曲された返し部26を有する。すなわち、羽根体14は、回転体12に対して外面側の板面は回転軌跡円CRから凹状に形成され、回転方向前方部には返し部26により外面側に連通し回転方向後方側を開放した中空部28が形成されている。羽根体14は、外面で風を受けるとその抗力で回転方向へ回転するとともに、返し部26の中空部28でも風を受けて回転に寄与する。加えて羽根体14は、板面湾曲形状や流線型形状による揚力により回転作用を生じる。さらに、羽根体14は、回転軸中心から回転方向後端辺14Eまでの距離Rと、回転軸中心から返し部26の終端辺26Eまでの距離Rが等しくなるように形成されている。回転方向後端辺14Eと返し部26の終端辺26Eは、羽根体14の回転軸12から最も遠い位置となるように設定されており、回転軸回りに回転すると該回転方向後端辺14Eと返し部26の終端辺26Eが回転軌跡円CRを描くこととなり、り、回転軌跡円CRは半径Rの円となる。羽根体14は回転軸から離隔して設置されるとともに、羽根体14どうしはそれらの端部どうしをある程度離隔させて間隙をあけて配置されており、風車体16内への風の流入、流出がスムーズに行なわれる。なお、羽根体14の枚数は任意でよく、例えば、図7の実施形態に示すように、3つでもよい、2枚又は4枚以上の数でもよい。また、羽根体14の形状も例えば、上記の形状に限らずダリウス型、クロスフロー型、サボニウス型、直線翼型、パドル型等、その他任意の風車の羽根形状でもよい。
複数の導風板20は、該風車体への風の流れをガイドするように風車体16の回転軌跡円CRよりも外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列された導風手段である。複数の導風板20は、羽根体14に対して回転を促進する方向に風をガイドするとともに、羽根体14の回転を妨げるように作用する風を一部遮るように整流する整流機構となる。図4に示すように、導風板20は、一部の風を遮りつつ、その流れを変えて回転している風車体の羽根体14に流すことにより、該導風板14の風下側、すなわち該導風板14の後方部分と、導風板をよけて流れていく部分と、で風の流れに速度差を生じさせる。その結果、例えば、導風板14の板面に風が当たった際に、導風板の後方に負圧を生じさせて、導風板20の背面側に回転する羽根体14が位置する際には、該羽根体14を回転方向Dに促進させて、回転効率の向上を期待できる。
本実施形態では、図1、図2に示すように、導風板20は、横断面視で、該羽根体14の回転軌跡円CRと、該回転軌跡円CRに外接する仮想的な正多角形SPと、の間の領域Z内に全体収容状に設置される。すなわち、導風板20がN枚(Nは3以上の整数)設置されるとすると、それぞれの導風板22は、平面的に見て該回転軌跡円CRの外側であってかつその回転軌跡円CRに外接する正N角形SPの内側で囲まれる仮想的な領域Z内に該導風板全体が収まるように配置される。本実施形態では、例えば図1に示すように、4つの導風板20を設置する場合には、羽根体14の回転軌跡円CRと、回転軌跡円CRに外接する正四角形(正方形)SPと、の間にできる4つの領域Zにそれぞれ回転軸周りに回転対称的に収容状に配置される。また、例えば、図8の実施形態に示すように、導風板20を6つ設置する場合には、それぞれの導風板20は、回転軌跡円CRと、該回転軌跡円CRに外接する正六角形SPとの間の6つの領域Z内にそれぞれ収容状に配置される。
図1、図2に戻って、本実施形態では、導風板20は、例えば、横断面形状が直線となる平板状部材からなり、機枠22の縦枠22aにスペーサ32を介して固定されている。なお、導風板20の固定方法は任意でよく、機枠の縦枠22aに直接固定してもよいし、横枠22b等を利用して固定してもよいし、その他任意の構成としてもよい。導風板20は、回転軸12方向の長さが少なくとも羽根体12の回転軸方向長さ以上に設けられ、回転軸に直交方向の幅長さWは後述のような所定の長さで設けられた矩形板状に形成されている。導風板20は、その横断面直線形状の一端が羽根体14の回転軌跡円CRに略当接するような近接位置、すなわち該羽根体14の回転を妨げないように出来るだけ近接させて設けられるとともに、他端が回転軌跡円CRより離隔して正方形SPの辺上に設けられている。なお、本実施形態では、導風板20の回転軌跡円CRに近接する側を先端20Aとし、他辺を基端20Bとする。導風板20の一端を回転軌跡円CRに近接させていることにより、図5、図6に示すように、風の流れを導風板20によって回転する羽根体26に対して有効的にガイドして効率向上を期待できる。また、上記のように風車体16の周囲に縦枠等を設置する場合には、該縦枠に対する風の影響から、導風板の基端20Bを該縦枠に近接して設置する方が好ましい。
図1、図4に示すように、導風板20は、例えば、平面視で、回転軸中心から基端20Bを通る径方向に対して先端20Aが羽根体14の回転方向に向けてθ(θ≧0度)だけ導風板面Tが傾斜した角度で設定されている。導風板20の角度θは、該導風板20で受けた風を羽根体14に対してガイドすることから、基端20Bから回転軌跡円CRに対する接線方向Xと該基点20Bを通る径方向とのなす角度よりも小さな角度で設定されている。例えば、導風板20の角度θが接線方向以上となると、受けた風が風車体の羽根体を回転させる方向に効率的に流れにくくなり、回転効率が低下するおそれがある。なお、導風板20の基端20Bは、正多角形SPの辺上に限らず、例えば、図7の実施形態に示すように正多角形SPの頂点位置に設置してもよいし、また正多角形SPより内側であって辺の近傍位置等に設定されていてもよい。すなわち、複数の導風板20の一端20Aどうしを結ぶ仮想的な線分は回転軌跡円CRに内接する正多角形と略近時する(又は若干大きな)正多角形を形成し、基端20Bどうしを結ぶ仮想的な線分は、回転軌跡円CRと外接する正多角形となるかそれより小さく回転軌跡円CRと線分が交差する正多角形を形成するように、導風板20の位置、長さ、角度等が設定される。
本実施形態では、導風板20の回転軸に直交する断面形状(横断面形状)の長さWは、例えば、該羽根体の回転軌跡円CRの直径を導風板20の数で割った長さに設定されている。図1では、羽根体14が4つ設けられていることから、回転軌跡円CRの直径の1/4の長さに設定されている。これにより、風車体16の回転効率が良いとともに、風の方向が異なることによって導風板20に風が当たる角度の違いによる回転効率の変化の差が小さくなる。なお、導風板20は、その横断面形状の長さWが、例えば、該羽根体14の回転軌跡円の径方向の羽根体の幅D1よりも長く、前記正多角形SPの頂点から該羽根体の回転軌跡円CRに接する接線の長さD2よりも短い長さに設定されるとよい。例えば、導風板20の横断面の幅長さWが、羽根体14の幅D1より小さくなると、該羽根体14が受ける回転逆方向の風の割合が大きくなり、回転効率が悪化するおそれがある。また、例えば、導風板20の横断面の幅長さWが、前記正多角形SPの頂点から該羽根体の回転軌跡円CRに接する接線の長さD2となると、前記のように導風板20の角度θが回転軌跡円CRの接線となることから、該導風板から風車体16を回転させる方向へのガイド機能が低下する。
このように複数の導風板20を構成することにより、本実施形態では、図5に示すように、導風板20全体が、回転軌跡円CRに接する正方形SP内に収容されることにより、例えば、該導風板20の板面に垂直な風が流れる場合には、導風板20に当たった風が分岐されて風車体16の内側と外側に流れる際に、それぞれの風(Fa、Fb)は風車体16近傍を流れる。よって、回転する羽根体14が導風体20後方側に位置すると、該導風板後方側において、該羽根体の内側及び外側の近傍で風の流れ(Fa、Fb)による速度差を生じさせる結果、負圧等の作用による該羽根体14を回転促進方向へ作用させることが期待できる。これに対して、例えば、従来の風力発電機の風車の技術のように、導風板の一部が風車体の回転軌跡円に接する正多角形よりも外側に設定される場合には、導風板に風が当たって流れが分岐されて、風車体の内側及び外側をそれぞれ風が流れると、そのうちの風車体の外側を流れる風は、回転する羽根体よりも遠隔した位置を流れることとなる。したがって、導風板の後方側に生じる負圧等の該羽根体の回転を促進させる方向の作用が小さいと考えられる。よって、本実施形態のように導風板20の設置領域を上記構成とするにより、風車体の回転効率を向上し、発電装置の発電効率の向上を期待することができる。
発電機18は、回転軸12に連結され、風車体16の回転軸12の回転により発電する発電手段である。発電機18は、例えば、従来周知のものでよく、回転軸12の下端に直接的に、又は減速機等を介して連結され、機枠22の下部側に収容状に配置され、中間枠22c等を介して固定されている。発電機18には、図示しない電力機器類又は蓄電池や等を接続して、発電した電力を使用したり、蓄電したりされる。
次に図5、図6をも参照しつつ、本実施形態に係る風力発電装置10の作用を説明する。風が吹いて風車体16の羽根体14に当たると垂直な回転軸12と一体的に回転して、発電機18で電力を発電する。この際、例えば、図5に示すように、図上、下方側から風が流れるとすると、回転する羽根体14が図5のような配置状態にある場合には、図上、左下に配置された羽根体14が板面で風を受けて右周りに回転を作用させる。そして、右下に配置される導風板20により、右下の羽根体14は回転逆方向となる風が直接当たるのを防止しる。さらに、該導風板20に当たった風Fは、内側の流れFaと外側の流れFbに分岐して、流れていく。この際、右下の羽根体14近傍を風が流れていくことにより、導風板の後方側に空気の流れの速度差を生じさせて負圧を形成し、該羽根体14を回転方向に向けて促進させるように作用させる。羽根体14が図6のような配置状態にある場合には、図上、下側に配置される羽根体14が板面で風を受けるとともに、右下の導風板20に当たった風の分岐された一部が該羽根体14側に流れ、返し部26に作用して、右周りに回転を作用させる。このように導風板20の配置や羽根体14の形状を構成することにより、風車体16の回転効率向上を期待できる結果、発電機18での発電効率の向上を期待できる。
次に、本発明の風力発電装置10の実施例について説明する。本実施例では、羽根体14の横断面の幅長さWの違いによる風車体の回転効率を比較した。実施例では、図9に示すように、上記実施形態のように構成した風力発電装置10を送風機VからL=3100mmだけ離した位置に設置し、風速0.6m/秒で風を当てて風車体16の回転を目視で計測し、30回転に要する時間を測定した。図9(a)と図9(b)では、風力発電装置10に対する風の方向を45度変更して各導風板に当たる風の角度を変更して測定した。実施例では、風車体16の羽根体14の回転軌跡円CRの直径は276mm、羽根体14の回転軸方向長さは600mmとし、導風板20の回転軸方向長さは600mm、導風板20の横断面の幅長さWを下記のように変更して、それぞれ風車体が30回転するのに要する時間を5回計測してその平均値を求め、その平均値から平均回転数(1分あたりの回転数)を算出した。また、比較例として、導風板を設けないで回転数を計測した。以下にその結果を示す。
上記の表の羽根板の幅長さWの実際の長さ(mm)の下方の括弧内の数値(%)は、羽根体の回転軌跡円の直径(実施例では、276mm)に対する割合である。実施例1〜6の結果により、風力発電装置に当たる風の向きが図9(a)、(b)のいずれの場合でも、導風板の幅長さWを長くすると回転数が向上し、導風板20の幅長さWを回転軌跡円の直径を導風板の数で割った値(実施例では、69mm)とした場合に回転数が最大となり、さらに該幅長さWをその値を超えた長さとすると回転数が低下するのが分かる。導風板が4つの場合には、導風板20の幅長さWを、例えば回転軌跡円の直径の20〜30%程度に設定するとある程度高い回転数で風車体が回転すると推測できる。実施例6に示すように、導風板20の幅長さWを長くして正方形の頂点から該羽根体の回転軌跡円に接する接線の長さ、すなわち回転軌跡円に外接する正方形の一辺の長さの半分の長さ(実施例では、138mm)に近づけると回転効率が劣ることが分かる。
以上説明した本発明の風力発電装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の風力発電装置は、特に場所を選ばず、例えば、地上や建物の屋上、ベランダ等を含む屋外などに設置して発電することができる。
10 風力発電装置
12 回転軸
14 羽根体
16 風車体
18 発電機
20 導風板
26 返し部
12 回転軸
14 羽根体
16 風車体
18 発電機
20 導風板
26 返し部
Claims (6)
- 風の流れに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸と、風を受けて該回転軸と一体的に回転するように該回転軸に取り付けられた複数の羽根体とを有する垂直軸型の風車体と、
回転軸に連結され該回転軸の回転により発電する発電機と、
風車体の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて該風車体への風の流れをガイドする複数の導風板であり、回転軸に直交する断面視で、該羽根体の回転軌跡円と該回転軌跡円に外接する仮想的な正多角形との間の領域内に全体が収容されるように設置された複数の導風板とを備えたことを特徴とする風力発電装置。 - 導風板は、回転軸に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、該断面直線形状の一端を羽根体の回転軌跡円に近接して設けられるとともに、他端を前記正多角形の辺上又は辺に近接して設けたことを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
- 羽根体は、回転軸に直交する断面形状が回転軸に向けて凸状に湾曲された湾曲板材で形成されるとともに、回転方向前方側に流線型を形成するように前端部を外側に向けて略U字状に湾曲された返し部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の風力発電装置。
- 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、該羽根体の回転軌跡円の径方向の羽根体の幅よりも長い長さで設けられたことを特徴とする請求項3記載の風力発電装置。
- 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、前記正多角形の頂点から該羽根体の回転軌跡円に接する接線の長さよりも短い長さで設けられたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の風力発電装置。
- 導風板は、該羽根体の回転軌跡円の直径を導風板の数で割った長さに設定されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の風力発電装置。
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JP (1) | JP2017008858A (ja) |
Citations (5)
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2015
- 2015-06-24 JP JP2015126609A patent/JP2017008858A/ja active Pending
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