JP2017008831A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寒冷地におけるエンジン1の冷間始動時などに、VVT8に残留しているオイル中で氷塊が生成していても、ロックピン89の動作が阻害されないようにする。
【解決手段】エンジン1のクランクシャフト13(出力軸)にトルクを与えて、その回転が停止する位置を調整可能な停止位置調整手段(実施例ではモータジェネレータMG1)を備える。エンジン1を停止させる際に、VVT8の油圧室87,88に残留するオイルの油面高さOよりもロックピン89の位置が高くなるように、MG1トルクを制御して、クランクシャフト13の回転が停止する位置を調整する(ステップST2,ST3:停止位置制御手段)。
【選択図】図5

Description

本発明は、油圧動作式の可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関を停止させる際に、その出力軸の回転が停止する位置を好適に制御するための技術に関する。
従来より、車両に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)において、吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方の動弁時期を変更可能な油圧動作式の可変動弁機構(以下、VVTという)が知られている。一例として特許文献1に記載のVVTは、吸気カムシャフトに取り付けられたベーンロータと、これを回動可能に収容するハウジングとを備えており、このハウジングにスプロケットが取り付けられて、タイミングチェーンによりクランクシャフト(出力軸)の回転が伝達されるようになっている。
そして、前記のハウジング内に形成された油圧室にエンジンオイルを供給して、ベーンロータとの間に油圧力を発生させることにより、ベーンロータとハウジングとを相対的に回動させ、吸気カムシャフトのクランク角に対する位相、即ち吸気バルブの動弁時期を変更することができる。また、ベーンロータに設けられた収容孔には、進退可能にロックピンが収容され、これがハウジングに設けられた嵌合孔に嵌め込まれることによって、両者の相対的な回動を規制するようになっている。
特開2014−202080号公報
ところで、一般的にエンジンの燃焼ガスには水蒸気が含まれており、例えば未暖機状態のようにエンジンの温度が低いときにはクランクケース内で凝縮水が発生して、オイルに混入することになる。特に、ハイブリッド車両のようにエンジンの起動および停止が頻発するものでは、暖機の途中でエンジンの運転が停止されることも多く、オイル中に混入した水分が蒸発せずに蓄積されるようになる。
このようにしてオイルに混入した水分は、例えば寒冷地など氷点下になる環境下では凍結することがあり、これにより生成した氷塊がVVTの動作に悪い影響を及ぼすおそれがあった。すなわち、通常、エンジンの停止後もVVTの油圧室には少量のオイルが残留しており、このオイルにロックピンが漬かった状態でエンジンが停止していると、前記のようにオイルに含まれている水分が凍結し、生成した氷塊がロックピンの動作を阻害することになるからである。
このような問題点を考慮して本発明の目的は、エンジンの冷間始動時などに、VVTの油圧室に残留しているオイル中で氷塊が生成していても、これによりロック部材の動作が阻害されないようにすることにある。
本発明では、内燃機関(エンジン)を停止させる際に、その出力軸の回転が停止する位置を調整して、VVTのロック部材の高さが油圧室において残留するオイルの油面よりも高くなるようにした。
すなわち、本発明は、VVTを備えた内燃機関の制御装置を対象とするもので、そのVVTは、内燃機関の出力軸および動弁系のカム軸の一方とともに回転するハウジングと、当該ハウジング内に回動可能に収容されて、前記出力軸およびカム軸の他方とともに回転するロータと、前記ハウジング内に形成され、当該ハウジングおよびロータ間に相対的に回動するような油圧力を発生させる油圧室と、前記ハウジングおよびロータのいずれか一方に設けられた収容孔に、進退可能に収容されて、当該ハウジングおよびロータの他方に設けられた嵌合孔に嵌め込まれることで、両者の相対的な回動を規制するロック部材と、を備えている。
そして、本発明に係る制御装置は、前記出力軸にトルクを与えて、その回転が停止する位置を調整可能な停止位置調整手段と、内燃機関を停止させる際に、前記油圧室に残留するオイルの油面高さよりも前記ロック部材の位置が高くなるように、前記停止位置調整手段によって前記出力軸の回転が停止する位置を制御する停止位置制御手段と、を備えるものとした。
前記の構成により、内燃機関を停止させる際には、燃料の供給が停止されるとともに、停止位置制御手段による停止位置調整手段の制御が行われ、その出力軸の回転が停止する位置が調整される。すなわち、例えば、VVTがカムシャフトに取り付けられている場合、このVVTにおいて相対的に上方(カムシャフトの軸心よりも上方)にロック部材が位置するようにして、内燃機関を停止させる。これにより、ロック部材の位置は、油圧室に残留するオイルの油面よりも高くなるので、寒冷地などでの機関始動時にVVT内に残留しているオイル中の水分が凍結し、氷塊が生成していても、この氷塊がロック部材の動作を阻害する心配はない。
より具体的に、例えばロック部材が1つであれば、これがカムシャフトの真上に位置するようなクランク角位置を基準として、その進角側および遅角側にそれぞれクランク角で所定角度(例えば180°)までの範囲にエンジンを停止させればよい。また、例えばロック部材が2つであれば、それらの周方向の間隔のうち短い方の中央部が、カムシャフトの真上に位置するようなクランク角位置を基準とすればよい。
前記停止位置調整手段としては、オルタネータなどの補機や変速機のクラッチを利用することができるが、好ましいのは、ハイブリッド車両の電動モータを用いることである。このような電動モータは、トルクが大きく、制御性も高いので、内燃機関の停止位置を正確に調整できる上に、その際に大きなショックが発生する心配も少ない。
本発明に係る内燃機関の制御装置によると、内燃機関を停止させるときには、停止後のVVTの油圧室に残留するオイルの油面よりも高い位置に、ロック部材が位置するようにして、出力軸の回転を停止させる。これにより、その後の冷間始動時などにVVTの油圧室に残留するオイル中で氷塊が生成していても、これによりロック部材の動作が阻害されることはなく、VVTの動作に不具合が生じる心配はない。
実施の形態に係る車両のハイブリッドシステムの概略構成を示す図である。 エンジンの概略構成図である。 VVTの構造を示す横断面図である。 VVTの構造を示す縦断面図である。 実施の形態に係るエンジン停止位置制御の手順を示すフローチャートである。 MG1トルクマップの一例を示す模式図である。 エンジン停止位置制御における動力分割機構の動作を表す共線図である。 ロックピンが2つの他の実施形態に係る図3相当図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は一例として、本発明をハイブリッド車両に搭載されたガソリンエンジンに適用する場合について説明する。
−ハイブリッドシステムの概要−
図1に模式的に示すように本実施の形態のハイブリッドシステムは公知のものであり、エンジン1および2つのモータジェネレータMG1,MG2を有して、そのエンジン1の出力を、無段変速機としても機能する電気駆動系5を介して駆動輪6に伝達するようになっている。エンジン1について詳しくは後述するが、電気駆動系5は、モータジェネレータMG1,MG2の他に、リダクション機構51、動力分割機構52、インバータ53、HVバッテリ54などを備えている。
前記モータジェネレータMG1,MG2は、例えば交流同期電動機からなり、電動機または発電機として機能する。すなわち、モータジェネレータMG1,MG2はそれぞれインバータ53を介してHVバッテリ54に接続されており、モータジェネレータコントロールユニット55(以下、MG−ECU55という)によるインバータ53の制御によって、モータ動作と発電動作とに切替えられる。
例えば、動力分割機構52に接続されているモータジェネレータMG1は、エンジン1の出力により駆動されて、発電動作を行うことができる。こうして発電された電力はインバータ53を介してHVバッテリ54の充電に供され、必要に応じてモータジェネレータMG2にも供給される。また、モータジェネレータMG1はスタータモータとしても機能する。一方、リダクション機構51に接続されているモータジェネレータMG2は、HVバッテリ54からの電力供給を受けて走行用のモータとして機能する。モータジェネレータMG2は車両の制動時には発電動作し、運動エネルギーを回生することもできる。これにより、インバータ53を介してHVバッテリ54が充電される。
リダクション機構51は公知の遊星歯車機構であって、エンジン1やモータジェネレータMG1,MG2で発生した動力をデファレンシャル7および車軸を介して駆動輪6に伝達する。リダクション機構51は、駆動輪6の回転力をエンジン1やモータジェネレータMG1,MG2に伝達することもできる。動力分割機構52も公知の遊星歯車機構であって、エンジン1からの動力をモータジェネレータMG2とモータジェネレータMG1とに分配する。一例として動力分割機構52では、リングギヤがモータジェネレータMG2に連結され、サンギヤがモータジェネレータMG1に連結され、キャリアがエンジン1に連結されている。
前記のようなシステムの全体的な制御は、パワーマネジメントコントローラ200(以下、PMC200という)によって行われる。例えば、図示しないアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度等に基づいて、PMC200が車両の駆動に必要なトルク、目標エンジン出力、目標モータトルクなどを計算し、エンジンコントロールユニット100(以下、EG−ECU100という)やおよびMG−ECU55に制御指令として出力する。これを受けてEG−ECU100は、エンジン1の運転制御を行い、MG−ECU55はインバータ53によりモータジェネレータMG1,MG2の動作制御を行う。これにより駆動輪6の駆動力および回転数などが制御される。
−エンジンの概要−
図2にはエンジン1の概略構成を示す。本実施の形態のエンジン1は例えば4気筒のガソリンエンジンであって、各気筒2(図には1つのみ示す)には燃焼室11を区画するようにピストン12が収容されている。ピストン12とクランクシャフト13(出力軸)はコンロッド14によって連結されており、そのクランクシャフト13の回転角(クランク角)を検出するクランク角センサ101が、シリンダブロック15の下部に配設されている。また、シリンダブロック15の側壁には、ウォータジャケットに臨んで冷却水温度を検出する水温センサ102が配設されている。
一方、シリンダブロック15の上端にはシリンダヘッド16が組み付けられており、各気筒2内に臨むように点火プラグ20が配設されて、イグナイタ21からの電力の供給により火花放電するようになっている。また、シリンダヘッド16には、各気筒2内の燃焼室11に連通するように吸気ポート30および排気ポート40が形成され、それぞれの気筒2内に臨む開口部が吸気バルブ31および排気バルブ41によって開閉されるようになっている。
これら吸気バルブ31および排気バルブ41を動作させる動弁系は、吸気および排気の2本のカムシャフト32,42(カム軸)を備えており、これらがタイミングチェーン(図示せず)およびスプロケット83(図3を参照)を介して、クランクシャフト13により回転される。また、吸気カムシャフト32の近傍には、特定の気筒2が所定クランク角位置(例えば第1気筒2が圧縮TDC近傍)にあるときにパルス状の信号を発生するように、カム角センサ103が設けられている。
吸気カムシャフト32(および排気カムシャフト42)は、クランクシャフト13の半分の速度で回転するので、クランクシャフト13が2回転(クランク角で720°変化)する毎に、カム角センサ103は少なくとも1回、パルス信号を出力する。そして、このカム角センサ103の信号と、前記クランク角センサ101の信号とに基づいて、各気筒2のクランク角位置(吸気、圧縮、膨張および排気の4つの行程からなる燃焼サイクルにおける現在の位置)を認識することができる。
また、本実施の形態では吸気カムシャフト32に、その回転角(カム角)のクランク角に対する位相を連続的に変更可能な可変動弁機構8(以下、VVT8という)が取り付けられている。詳しくは図3などを参照して後述するように、VVT8は、いわゆる油圧動作式のものであり、吸気カムシャフト32とスプロケット83とを相対的に回動させることによって、吸気バルブ31の動弁時期を進角側または遅角側に変更することができる。
そして、前記吸気ポート30の上流側(吸気の流れの上流側)に連通する吸気通路3には、エアフローメータ104、吸気温センサ105(エアフローメータ104に内蔵)、および、電子制御式のスロットルバルブ33が配設されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動され、吸気の流れを絞ってエンジン1の吸気量を調整するものである。また、吸気通路3の下流側には、各気筒2毎に吸気ポート30に燃料を噴射するようにインジェクタ35も配設されている。
そのインジェクタ35によって吸気ポート30に噴射された燃料は、吸気と混じり合いながら吸気行程の気筒2内に吸入され、圧縮行程で圧縮された後に点火プラグ20により点火されて燃焼する。これにより発生した既燃ガスは、気筒2の排気行程で排気ポート40に流出する。この排気ポート40の下流側(排気の流れの下流側)に連通する排気通路4には、排気浄化用の触媒43が配設され、その上流側には空燃比センサ106が配設されている。
−VVT−
次に、図3および図4を参照してVVT8について説明する。このVVT8は、円筒状のハウジング80と、その内部に回動可能に収容されたロータ81とを備えていて、ロータ81がセンタボルト82によって吸気カムシャフト32の端部に固定されている一方、ハウジング80は、ボルト84によってスプロケット83に固定されている。スプロケット83はタイミングチェーンを介してクランクシャフト13に連係されている。
図3に表れているように、ロータ81の外周には放射状に突出する4つのベーン85が設けられている一方、ハウジング80の周壁には内方に向かって延びる4つの区画壁86が設けられていて、それらのベーン85および区画壁86の間に複数の油圧室87,88が形成されている。このうち、ベーン85を挟んで回転方向(図の時計回り)の後側に位置する油圧室87が、進角側の油圧室87であり、反対に回転方向の前側に位置する油圧室88が、遅角側の油圧室88である。
すなわち、ロータ81は、油圧室87,88に供給されるエンジンオイル(以下、単にオイルという)の油圧が電磁制御弁(図示せず)によって調整されることにより、油圧室87,88の油圧力をベーン85に受けて、ハウジング80に対して相対回動する。例えば、進角側の油圧室87の油圧力が増大すると、ロータ81はハウジング80に対して吸気カムシャフト32の回転方向前側に回動し、吸気バルブ31の動弁時期が進角側に変更される。反対に遅角側の油圧室88の油圧力が増大すれば、吸気バルブ31の動弁時期は遅角側に変更される。
そのように油圧室87,88にオイルを供給または排出するための油路は、ロータ81、吸気カムシャフト32、および軸受け部17(図4にのみ示す)に亘って形成されている。詳しくは、ロータ81には油圧室87,88にそれぞれ連通するロータ内油路81a,81bが形成され、これらが吸気カムシャフト32内を軸心の方向に延びるシャフト内油路32a,32b(図4にのみ示す)にそれぞれ連通している。また、シャフト内油路32a,32bはそれぞれ、カムジャーナル32cに形成された環状の凹部32d,32eを介して、軸受け部17内の油路17a,17bに連通し、図示しない電磁制御弁に至る。
また、ロータ81のベーン85の1つには、段差付きの貫通孔85a(収容孔)が形成され、ここにはフランジ付きのロックピン89が進退可能に収容されている。このロックピン89は、図4にのみ示す圧縮コイルばね90の弾性力によって付勢されており、その先端部と対向するようにハウジング80には嵌合孔80aが形成されている。そして、ロックピン89の先端部が嵌合孔80aに嵌め込まれることで、ロータ81およびハウジング80の相対的な回動が規制されるようになっている。
つまり、前記のロックピン89が、ハウジング80およびロータ81の相対的な回動を制限するロック部材であり、本実施の形態においてロックピン89と嵌合孔80aとは、吸気カムシャフト32の位相が最遅角位相になったときに合致して、ロックピン89の先端部が嵌合孔80aに嵌め込まれるようになっている。
−制御系−
以上のように構成されたエンジン1は、PMC200との協調の下、EG−ECU100によって制御される。すなわち、EG−ECU100とPMC200とは、エンジン制御およびモータジェネレータ制御に必要な情報を互いに送受可能に接続されている。また、PMC200にはMG−ECU55も接続されていて、モータジェネレータ制御に必要な情報を互いに送受可能になっている。
前記EG−ECU100、PMC200およびMG−ECU55はそれぞれ、CPU(中央処理装置)、ROM(プログラムメモリ)、RAM(データメモリ)、ならびにバックアップRAM(不揮発性メモリ)などを備える公知の構成である。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは例えばエンジン1の停止時に保存すべきデータ等を記憶する。
図2を参照して上述したように、EG−ECU100には、クランク角センサ101、水温センサ102、カム角センサ103、エアフローメータ104、吸気温センサ105、空燃比センサ106などが接続されている。また、図1にのみ示すがPMC200には、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ107の他、車輪速センサ108などが接続されている。
そして、PMC200は、アクセル開度センサ107の出力に基づいてアクセル開度を算出し、車輪速センサ108の出力に基づいて、駆動輪6の回転数や車速を算出し、さらに、車両の駆動に必要なトルク、目標エンジン出力、目標モータトルクなどを算出する。これらの目標エンジン出力、目標モータトルクなどに基づく制御指令が、PMC200からEG−ECU100およびMG−ECU55に出力される。
EG−ECU100は、上述した各種センサなどから入力される信号と、PMC200からの制御指令とに基づいて種々の制御プログラムを実行することにより、イグナイタ21による点火時期の制御、スロットルモータ34によるスロットル開度の制御(即ち、吸気量の制御)、およびインジェクタ35による燃料噴射制御を実行する。また、EG−ECU100はエンジン1の運転状態の変化に応じてVVT8を動作させ、吸気バルブ31の動弁時期を変更する。
さらに、EG−ECU100は、例えば車両のドライバの操作などに応じて、ハイブリッドシステムにおいてエンジン1の停止要求が生じた場合、インジェクタ35による燃料噴射およびイグナイタ21による点火を停止するとともに、以下に説明するようにモータジェネレータMG1のトルク(以下、「MG1トルク」ということもある)を制御して、クランクシャフト13の回転が停止する位置(エンジン1の停止位置)を調整する。
−エンジンの停止位置の制御−
以下に、本実施の形態の特徴とするエンジン停止位置制御について説明する。この制御は、例えば寒冷地などにおけるエンジン1の冷間始動時などに、オイル中に氷塊が含まれていてもVVT8の動作に不具合が生じないようにするためのものである。具体的には、エンジン1を停止させるときに、ロックピン89が吸気カムシャフト32よりも上方に位置するように、クランクシャフト13の回転が停止する位置を調整する。
すなわち、一般的にエンジン1の燃焼ガスには水蒸気が含まれているので、例えば未暖機状態のようにエンジン1の温度が低いときには、クランクケース内で発生した凝縮水がオイルに混入するようになる。特に、本実施の形態のようなハイブリッド車両のエンジン1は、始動および停止が頻発するため、暖機途中でエンジン1の運転が停止されることも多く、オイル中に混入した水分が蒸発せずに蓄積される。
このようにしてオイル中に蓄積した水分は、例えば寒冷地において凍結することがあり、これにより生成した氷塊がVVT8のロックピン89の動作を阻害するおそれがあった。すなわち、エンジン1の停止後、VVT8の油圧室87,88内のオイルは、ロータ内油路81a,81bやシャフト内油路32a,32bを介して排出されるが、オイルの一部は油圧室87,88内に残留するようになる。このオイルの油面の高さを図3に一点鎖線Oで示す。
そして、仮にその油面Oよりも下方にロックピン89が位置していると、前記のように寒冷地などにおいてオイル中の水分が凍結し、生成した氷塊がロックピン89の動作を阻害することがあり、これによってVVT8の動作に不具合が生じるおそれがあった。これに対し、本実施の形態では、エンジン1を停止させるときに、クランクシャフト13に作用するMG1トルクを制御して、その回転が停止する位置を調整し、VVT8のロックピン89の位置が油面Oよりも高くなるようにしている。
以下、図5〜7を参照して、本実施の形態においてEG−ECU100により行われるエンジン停止位置制御の具体的な手順を説明する。この制御を実行することによってEG−ECU100は、エンジン1を停止させるときにモータジェネレータMG1(停止位置調整手段)によって、VVT8のロックピン89の位置が油圧室87,88に残留するオイルの油面高さOよりも高くなるように、クランクシャフト13の停止位置を制御する停止位置制御手段を構成する。
図5のフローに示す処理は、エンジン停止要求の発生に応じて割り込み処理として実行される。なお、エンジン停止要求は、例えば、車両の停車中にドライバがパワースイッチをOFF操作(パワースイッチを押し込み操作)した場合に生じる。また、車両の停車中にエンジン1が自動停止し、その後に、ドライバがパワースイッチをOFF操作した場合にもエンジン停止要求が生じたと判定される。
こうしてエンジン停止要求が生じて、処理がスタートすると、まず、ステップST1において、水温センサ102から出力される信号に基づいて、エンジン1の冷却水温度を算出する。続いてステップST2において、予めEG−ECU100のROMに記憶されているMG1トルクマップに従って、冷却水温度およびクランク角位置に対応するMG1トルク(目標MG1トルク)を算出する。なお、MG1トルクマップは、クランクシャフト13に与えるべき好適なMG1トルクを予め実験、シミュレーションによって適合したものである。
図6に一例を示すようにMG1トルクマップには、冷却水温度およびクランク角位置に対応づけてMG1トルクの制御目標値(目標MG1トルク)が設定されている。図の例では横軸に目標停止位置の範囲Xを示しており、この範囲X内においてクランクシャフト13の回転が停止すれば、VVT8のロックピン89の高さは油面Oよりも高くなる。言い換えると、そうなるように予め実験、シミュレーションによって目標停止置の範囲Xが設定されている。
詳しくは、VVT8が最遅角位相になる状態で、図3に示すようにロックピン89が吸気カムシャフト32の真上に位置するときのクランク角位置θ1を基準とし、ここから進角側(図3の右側)および遅角側(図3の左側)にそれぞれ120°(クランク角では240°)までの角度範囲にあれば、ロックピン89の位置は油面Oよりも高くなる。本実施の形態では余裕を持たせて、吸気カムシャフト32の真上から進角側および遅角側にそれぞれクランク角で180°までの範囲を、目標停止位置範囲Xとしている。
図6のMG1トルクマップにおいては、実線および破線のグラフで示すように、クランク角位置が目標停止位置範囲Xに達するまで、つまり、この範囲Xよりも進角側(図6の左側)では、その範囲Xに近づくほどMG1トルクが小さくなっていき、範囲Xに入るとMG1トルクは「0」になる。また、クランク角位置が目標停止位置範囲Xよりも遅角側(図6の右側)では、この範囲Xから離れるほどMG1トルクは大きくなっている。
また、MG1トルクマップにおける実線のグラフは、冷却水温度が比較的高い(例えば80℃)場合のものであり、破線のグラフは、冷却水温度が比較的低い(例えば30℃)場合のものである。目標停止位置範囲Xよりも進角側では、冷却水温度が低いほどMG1トルクが大きくなっており、これは、冷却水温度が低い場合はフリクションが大きいので、範囲Xに達するまでにクランクシャフト13の回転が停止してしまうことを防止するためである。
なお、図6の例では目標停止位置範囲Xよりも遅角側では、冷却水温度が低いほどMG1トルクが小さくなっているが、これに限らず、遅角側でも冷却水温度が低いほどMG1トルクを大きく設定してもよい。また、前記実線および破線のグラフでそれぞれ示す冷却水温度(30℃および80℃)以外であれば、補間計算によって現在の冷却水温度に応じたMG1トルクが算出される。
このようにして目標MG1トルクを算出した後にステップST3では、そのMG1トルクの制御指令をMG−ECU55に出力する。すなわち、制御指令はEG−ECU100からPMC200を介してMG−ECU55に出力され、このMG−ECU55によってモータジェネレータMG1が制御されることにより、クランクシャフト13に与えられるMG1トルクが制御される。
一例として図7には、停車状態においてエンジン1を停止させるときの動力分割機構52の動作を表している。この共線図に実線αとして示す状態からエンジン1を停止させる場合、燃料の供給および点火を停止した状態でモータジェネレータMG1をモータ動作させ、動力分割機構52のサンギヤ(S)を正回転させながら、このモータジェネレータMG1のトルク(MG1トルク)をピニオンギヤおよびキャリヤ(C)を介して、エンジン1のクランクシャフト13に与える。
これにより、図7にEGとして示すようにクランクシャフト13の回転速度が徐々に低下してゆくので、ステップST5では、クランク角センサ101の信号に基づいて、クランクシャフト13の回転が停止したか否か判定する(エンジン停止?)。そして、未だクランクシャフト13の回転が停止しておらず、否定判定(NO)であればステップST2に戻って、再び冷却水温度およびクランク角位置に応じた目標MG1トルクを算出する。図6を参照して上述したように目標MG1トルクは、目標停止位置範囲Xに近づくほど小さくなっていく。
これにより、図7において破線βとして示すようにモータジェネレータMG1の回転速度を低下させ、ピニオンギヤおよびキャリヤ(C)を介してエンジン1のクランクシャフト13に与えるMG1トルクを減少させることができる。よって、目標停止位置範囲Xに近づくほどクランクシャフト13の回転速度は低下してゆく。一方、目標停止位置範囲Xを超えるとMG1トルクは大きくなっていくので、図7において一点鎖線γとして示すようにモータジェネレータMG1の回転速度を上昇させてゆき、エンジン1のクランクシャフト13に付与するトルクを増大させることができる。
このようにして、クランク角位置が目標停止位置範囲Xに近づいていくときには、クランクシャフト13の回転速度を低下させる一方、目標停止位置範囲Xを超えてしまえば、次の目標停止位置範囲Xに向けて、クランクシャフト13の回転速度を上昇させる。そして、いずれかの目標停止位置範囲Xにおいてクランクシャフト13の回転が停止し、前記のステップST5において肯定判定(YES)すれば、エンジン1の停止位置制御を終了する(エンド)。
以上、説明したように本実施の形態では、エンジン1を停止させる際にMG1トルクを制御して、クランクシャフト13の回転が停止する位置を調整し、VVT8のロックピン89の位置が油圧室87,88に残留するオイルの油面Oよりも高くなるようにしたので、寒冷地などにおけるエンジン1の始動時に、VVT8に残留するオイル中に氷塊が含まれていても、ロックピン89の動作が阻害されることはなく、VVT8の動作に不具合が生じる心配はない。
また、本実施の形態では、ハイブリッド車両においてエンジン1のクランクシャフト13に連結されたモータジェネレータMG1を利用して、クランクシャフト13の回転が停止する位置を調整している。モータジェネレータMG1はトルクが大きく、制御性も高いので、クランクシャフト13の停止位置を正確に調整できる上に、その際に大きなショックが発生する心配も少ない。
−他の実施の形態−
前記した実施の形態では、VVT8においてロータ81のベーン85に設けた貫通孔85aにロックピン89を収容し、ハウジング80に設けた嵌合孔80aに嵌め込むように構成しているが、これに限らず、ロックピン89を、ハウジング80側に設けた貫通孔に収容し、ロータ81側に設けた嵌合孔80aに嵌め込むように構成してもよい。
また、例えば図8に示すように2つのロックピン91、92を備え、前記実施の形態のように最遅角位相でのロック(ハウジング80およびロータ81の相対的な回動を規制する)以外に、より進角側の位相においてもロック(中間ロック)できるようにしたものであっても、本発明を適用することができる。なお、図8に示す他の実施形態の基本的な構造は前記実施の形態のVVT8と同じなので、ハウジング80やロータ81などには同一の符号を付す。
図8に示す他の実施形態においては、2つのロックピン91、92が略同じ高さにあって、いずれも吸気カムシャフト32の軸心よりも高くなるようにして、クランクシャフト13を停止させればよい。すなわち、図8に示す中間ロック位相の状態、或いは、図示しない最遅角位相のロック状態のいずれかにおいて、2つのロックピン91、92の周方向の間隔のうち、短い方の中央部Cがカムシャフト32の真上に位置するようなクランク角位置を基準とする。
そして、その基準となるクランク角位置から進角側(図8の右側)および遅角側(図8の左側)にそれぞれ30°(クランク角では60°)くらいまでの角度範囲であれば、ロックピン91、92の両方の位置が油面Oよりも高くなるので、この範囲を、目標停止位置範囲Xとして、前記実施の形態と同様にクランクシャフト13の停止位置を制御すればよい。
さらに、前記実施の形態では吸気カムシャフト32の端部にVVT8を固定した場合について説明したが、これにも限定されず、例えば排気カムシャフト42の端部にVVTを固定した場合についても、本発明を適用することができる。
さらにまた、前記実施の形態ではモータジェネレータMG1を用いてクランクシャフト13にトルクを与え、その回転が停止する位置を調整するようにしているが、これにも限定されない。ハイブリッドシステムを搭載しない車両においては、例えばオルタネータなどのエンジン補機や変速機のクラッチを利用して、クランクシャフト13にトルクを与えるようにしてもよい。
本発明は、エンジンの停止位置を好適に制御することによって、例えば寒冷地などでの始動時にVVT8に残留するオイル中で氷塊が生成していても、その動作に不具合が生じないようにすることができるので、自動車に搭載されたエンジンに適用して効果が高い。
1 エンジン(内燃機関)
8 可変動弁機構(VVT)
80 ハウジング
80a 嵌合孔
81 ロータ
85 ベーン
85a 貫通孔(収容孔)
87,88 油圧室
89,91,92 ロックピン(ロック部材)
13 クランクシャフト(出力軸)
32 吸気カムシャフト(動弁系のカム軸)
100 EG−ECU(停止位置制御手段)
MG1 モータジェネレータ(停止位置調整手段)
O VVT内に残留するオイルの油面高さ

Claims (1)

  1. 可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記可変動弁機構は、
    内燃機関の出力軸および動弁系のカム軸の一方とともに回転するハウジングと、
    当該ハウジング内に回動可能に収容されて、前記出力軸およびカム軸の他方とともに回転するロータと、
    前記ハウジング内に形成され、当該ハウジングおよびロータ間に相対的に回動するような油圧力を発生させる油圧室と、
    前記ハウジングおよびロータのいずれか一方に設けられた収容孔に、進退可能に収容されて、当該ハウジングおよびロータの他方に設けられた嵌合孔に嵌め込まれることで、両者の相対的な回動を規制するロック部材と、を備えており、
    前記出力軸にトルクを与えて、その回転が停止する位置を調整可能な停止位置調整手段と、
    内燃機関を停止させる際に、前記油圧室に残留するオイルの油面高さよりも前記ロック部材の位置が高くなるように、前記停止位置調整手段によって前記出力軸の回転が停止する位置を制御する停止位置制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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