JP2017008447A - 通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 - Google Patents
通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017008447A JP2017008447A JP2015125777A JP2015125777A JP2017008447A JP 2017008447 A JP2017008447 A JP 2017008447A JP 2015125777 A JP2015125777 A JP 2015125777A JP 2015125777 A JP2015125777 A JP 2015125777A JP 2017008447 A JP2017008447 A JP 2017008447A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inorganic fiber
- molded body
- fiber molded
- binder
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
【解決手段】多数の通気孔11を有し、無機繊維成形体100の支持手段1、成形体100の厚さ方向への通気乾燥手段53、成形体100の側面の挟持手段2と、から構成されており、そのうち、挟持手段2は、成形体100の側面に対して直交方向に伸縮可能な支柱21と、支柱21の先端に連結された成形体側平板面を有する当て板22と、当て板22の下端辺と接して配置される板状の蓋部23と、を備える可動式治具20を有し、この治具20により、当て板22や蓋部23が、無機繊維成形体100の幅や厚さに応じてその側面と接するように付勢されるため、支持手段1の露出領域の封止を効率よく行うことができ、露出領域からの熱風のリークを防ぐことができる乾燥装置10。
【選択図】図1
Description
バインダー含有無機繊維成形体の製造においては、無機繊維成形体のマットにバインダー液を含浸させた後、乾燥させる際に、バインダー液の溶媒や分散媒等が表面に移行すると同時にバインダーも表面に移行し、乾燥後は無機繊維成形体の表面にバインダーが局在する、いわゆるマイグレーションが起こることが知られている。
このため、無機繊維成形体の乾燥に際しては、全幅に対して均一に乾燥させる必要がある。中でも、無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させて乾燥を行う通気乾燥法は、バインダー液の溶媒や分散媒等が気化する際に熱風とともに厚み方向に移動するため、マイグレーションを抑制することができ、バインダーを無機繊維成形体の内部に含有させたままにすることができる点で好適とされる。
特許文献1には、無機質繊維マットに樹脂溶液を含浸させた後、無機質繊維マットに厚み方向に熱風を通過させて乾燥するという、樹脂含浸無機質繊維マットの製造方法が開示されている。
無機繊維成形体を搬送しながら搬送コンベア上で乾燥を行う場合、無機繊維成形体を幅方向に均一且つ十分に乾燥させるために、通常、無機繊維成形体の幅は搬送コンベアの幅よりも小さく設計される。このため、上記搬送コンベア上には、露出領域が必然的に存在することとなり、上記露出領域での熱風のリークが発生してしまう。
また、幅や厚さの異なる無機繊維成形体の製造を同一ラインで連続して行う場合、搬送コンベアの幅は一定であることから、搬送される無機繊維成形体の幅によって搬送コンベア表面の露出領域の大きさが変化し、それに伴い熱風のリーク量も変化する。このため、上記無機繊維成形体内を通過する熱風の単位時間当たりの流量に変化が生じ、得られる無機繊維成形体に乾燥不良が生じてしまう。
本発明の通気乾燥装置は、多数の通気孔を有し、無機繊維成形体を支持する支持手段と、上記通気孔を介して上記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させる通気乾燥手段と、上記無機繊維成形体の側面を挟持する挟持手段と、を有する通気乾燥装置であって、上記挟持手段は、上記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に伸縮可能な支柱と、上記支柱の先端に連結された、無機繊維成形体側平板面を有する当て板と、上記当て板の上記支柱側に、上記当て板の下端辺と接して配置される板状の蓋部と、を備える可動式治具を有し、上記支柱が上記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に上記当て板および上記蓋部を付勢することで、上記当て板の上記無機繊維成形体側平板面が上記無機繊維成形体の側面と接触し、且つ上記蓋部が上記当て板よりも上記支柱側に位置する上記支持手段の上記通気孔を塞ぐことを特徴とするものである。
また、支柱が蓋部を付勢するとは、上記支柱が上記付勢力をもって当て板を押すのに付随して、上記蓋部を間接的に押すことをいう。上記蓋部は、上記当て板の移動に付随して付勢前の位置(初期位置)から無機繊維成形体が位置する所望の方向に所望の距離分を移動可能となる。
本発明の通気乾燥装置10は、多数の通気孔11を有し、無機繊維成形体100を支持する支持手段1と、通気孔11を介して無機繊維成形体100の厚さ方向に熱風を通過させる通気乾燥手段(符号なし)と、無機繊維成形体100の側面を挟持する挟持手段2(破線で囲まれた部分)と、有する。
図1に示す通気乾燥手段は、無機繊維成形体100の上面側から下面側に向かって熱風53を通過させ、支持手段1の通気孔11から通過した熱風53を吸引した後、熱風53をドレンタンク51やヒーター52を介して再び無機繊維成形体100に通過させる循環方式の例である。無機繊維成形体100にはバインダー液が塗布されている。
挟持手段2は、無機繊維成形体100の側面に対して直交方向に伸縮可能な支柱21と、支柱21の先端に連結され、無機繊維成形体側平板面22Aを有する当て板22と、当て板22の支柱21側に、当て板22の下端辺と接して配置される板状の蓋部23と、を備える可動式治具20を有する。通常、支柱21および蓋部23の、当て板22側とは反対側が通気乾燥装置の壁面12に固定されている。挟持手段2において、可動式治具20は、無機繊維成形体100の側面を挟持可能となるように、無機繊維成形体100を介して対向して配置される。
可動式治具20の支柱21は、当て板22および蓋部23を無機繊維成形体100の側面に対して直交方向、すなわち挟持手段2により挟持された無機繊維成形体100の中央方向に付勢する機能を有する。当て板22は、支柱21により無機繊維成形体100の側面に対して直交方向に付勢されることで、無機繊維成形体100の側面に向かって移動し、当て板22の無機繊維成形体側平板面22Aと無機繊維成形体100の側面とが接触する。これにより、当て板22と無機繊維成形体100との間に生じる隙間からの熱風53のリークを防止することができる。同時に、蓋部23は、支柱21により付勢されることで無機繊維成形体100の側面に向かって移動し、当て板22よりも支柱21側に位置する支持手段1上に配置される。これにより、支持手段1の支柱21側の領域にある通気孔11が塞がれて、熱風53のリークを防止することができる。
図3(a)は、本発明の通気乾燥装置を用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法の製造方法の一例を示す模式図であり、図3(b)は、図3(a)における通気乾燥装置の上面図である。図3(b)において、支持手段および通気乾燥手段については図示を省略する。図3に示す例は、バインダー含有無機繊維成形体をライン上で製造する方法であり、通気乾燥装置において支持手段が搬送手段を兼ねている。
本発明の通気乾燥装置を用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法は、まず、ニードリング処理等で無機繊維成形体100’を製造し(無機繊維成形体形成工程、図示せず。)、通気孔を有するローラーコンベア(支持手段)1上に載置して噴霧装置41へ搬送する。噴霧装置41は、バインダー液32を噴霧するスプレーノズル42と、無機繊維成形体100’のバインダー液32の塗布面とは反対側の面に配置され、噴霧された余剰のバインダー液32を回収する液受けパン43とを有しており、無機繊維成形体100’の片面にスプレーノズル42にてバインダー液32を噴霧する(バインダー液塗布工程X)。
次いで、バインダー液32が塗布された無機繊維成形体100を通気乾燥装置10へ搬送し、通気乾燥装置10内で乾燥する(通気乾燥工程Y)。通気乾燥装置10内では、無機繊維成形体100の搬送方向Mに沿って挟持手段2が複数配置されており、当て板22および蓋部23が支柱21により付勢されることで、無機繊維成形体100が載置された領域以外のローラーコンベア1の通気孔が塞がれる。通気乾燥装置10内にて無機繊維成形体100内の溶媒や分散媒等が除去されることで、バインダー含有無機繊維成形体30が得られる。その後、バインダー含有無機繊維成形体30を搬送し、巻取ロール44にて巻き取る。なお、図3(a)では、バインダー含有無機繊維成形体30を巻取ロール44にて巻き取る態様を示したが、シート状にカットして回収する態様でもよい。
中でも、図3(b)で示すように、製造ライン上で無機繊維成形体100の幅D1およびD2を連続して変えながら搬送および通気乾燥を行う場合に、無機繊維成形体100の幅に応じて当て板22および蓋部23の支柱21から受ける付勢力を調整することで、当て板22および蓋部23を所望の位置に移動させることができる。これにより、無機繊維成形体の幅に因らず支持手段1の露出領域の封止を効率よく行うことができるからである。
本発明における挟持手段は、上記無機繊維成形体の側面を挟持するものである。
上記挟持手段は、上記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に伸縮可能な支柱と、上記支柱の先端に連結された、無機繊維成形体側平板面を有する当て板と、上記当て板の上記支柱側に、上記当て板の下端辺と接して配置される板状の蓋部と、を備える可動式治具を有する。
以下、可動式治具の各部位について説明する。
上記支柱は、上記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に伸縮可能な部材である。上記支柱は、上記当て板および上記蓋部を、上記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に付勢する機能を有する。
上記支柱の上記当て板と連結する側とは反対側の先端は、通常、通気乾燥装置の壁面等に固定される。
ここで、支柱の伸縮方向が「無機繊維成形体の側面に対して直交方向」であるとは、一つの挟持手段により挟持される無機繊維成形体の、対向する側面間が一定幅である場合に、上記側面に対して直交方向であることをいう。また、無機繊維成形体の搬送を伴う場合、支柱の伸縮方向が「無機繊維成形体の側面に対して直交方向」であるとは、「無機繊維成形体の搬送方向と直交する方向(すなわち、無機繊維成形体の幅方向)」であると言い換えることができる。
支柱の初期位置においては、上記弾性部材は、最も圧縮された状態にあり、圧縮弾性力を保持する。支柱が初期位置から延伸する際に、上記圧縮弾性力の一部もしくは全部が当て板および蓋部を付勢する付勢力になる。
また、上記弾性部材の撓み等の他の物性についても適宜設計することができる。
中でも上記支柱は、図5で例示する構造、すなわち、上記当て板と連結する固定軸部と、上記固定軸部と連結し、上記固定軸部を介して上記当て板および上記蓋部を付勢する弾性部と、上記弾性部の付勢方向を固定する固定枠と、を有することが好ましい。弾性部の動く方向に自由度があると、所望の方向に当て板および蓋部を付勢することができない場合があるところ、固定枠により弾性部の付勢方向を固定することで、図5(b)で例示するように、当て板22および蓋部(図示せず)を所望の方向に付勢することができるからである。
具体的には、図6で例示するように、固定枠21Cが、最外に位置する最外固定枠121、最外固定枠121の内部に位置する第1内部固定枠122、および第1内部固定枠122の内部に位置する第2内部固定枠123から構成されることで、初期位置では、最外固定枠121内に第1内部固定枠122および第2内部固定枠123が収納されており(図6(a))、弾性部21Aの付勢力に応じて、第1内部固定枠122および第2内部固定枠123が弾性部21Aの付勢方向Wにスライド移動が可能となる(図6(b)〜(c))。
伸縮可能な固定枠とすることで、当て板および蓋部の移動距離の長短を問わず、当て板および蓋部を所望の方向に正確に付勢することができる。
上記支柱がスライド構造を有する固定枠を備える場合、上記支柱は、図6で例示したような、単一の弾性部に対して複数の固定枠を有する態様であってもよく、弾性部を複数有し、弾性部ごとに付勢方向を固定する固定枠を有する態様であってもよい。
なお、図4は、支柱の構造の例を示す模式図であり、初期位置での構造を示している。また、図5〜図6は支柱の構造の他の例を示す模式図であり、図5(a)および図6(a)は初期位置での構造、図5(b)および図6(b)〜(c)は当て板が付勢されたときの構造を示している。
上記当て板は、上記支柱の先端に連結された、無機繊維成形体側平板面を有する部材である。
また、当て板の高さとしては、無機繊維成形体の側面と当て板の無機繊維成形体側平板面とが揃う高さであればよく、無機繊維成形体の厚さに応じて適宜設計することができるが、無機繊維成形体の厚さと同等またはそれ以上であることが好ましい。
当て板をこのような形状または構造とすることで、屈曲部や上面押さえ板により無機繊維成形体の上面を押さえて平坦化させることでき、上記当て板と無機繊維成形体の側面との接触の際に、当て板の付勢力により上記無機繊維成形体の端部が上方にめくれたり、上記無機繊維成形体に曲げやしわ等が生じるのを防ぐことができる。
さらに、上記当て板は、図7(c)で例示するように、高さ方向に伸縮可能なスライド構造を有していてもよい。当て板の高さの調整が可能となるからである。スライドの伸縮については、無機繊維成形体の厚さに応じて自動または手動で伸縮可能とする制御機構を有していてもよい。図7(c)で例示する当て板22においては、スライドによる当て板22の高さ調節に付随して突起部131の高さ位置も変化することから、突起部131は上面押さえ板として機能することができる。
なお、図7(a)〜(c)は、当て板の例を説明する模式図であり、当て板の厚さ方向側面から見た図に相当する。
当て板の支柱側表面における上記支柱の先端との連結位置については、特に限定されないが、無機繊維成形体の厚さ方向の中心位置に相当する位置であることが好ましい。当て板が無機繊維成形体に接触する際に、上記無機繊維成形体の側面方向に均一に接触できるからである。無機繊維成形体の厚さ方向の中心位置とは、無機繊維成形体の厚さの半分の位置をいい、図1(b)においてTで示す部分である。
上記当て板と支柱の先端とが連結するとは、当て板と支柱とが別体であり、支柱の先端が当て板と接触して連結していてもよく、当て板と支柱の一部とが一体であり、支柱の先端が当て板と同化して連結していてもよい。
図8(a)、(b)は、支柱と当て板との連結部分の構造を説明する説明図であり、上面図に相当する。
本発明における蓋部は、上記当て板の上記支柱側に、上記当て板の下端辺と接して配置される板状の部材である。
上記蓋部は、上記当て板よりも上記支柱側に位置する上記支持手段の上記通気孔を塞ぐ機能を有する。
図9は、蓋部の一例を示す模式図であり、説明のため図9(a)において戸袋23Aは内部が視認可能となるように表示している。
蓋部は、当て板の下端辺と接して配置される。蓋部が当て板の下端辺と接するとは、図2で示すように蓋部23上に当て板22が載置されることで蓋部23と当て板22の下端辺とが接してもよく、図示しないが蓋部の無機繊維成形体側側面と当て板の支柱側表面とが接することで、蓋部と当て板の下端辺とが接してもよい。
また、蓋部の蓋板が上記当て板と一体であってもよい。複数の蓋板を有する場合は、当て板の下端辺と接する蓋板が上記当て板と一体であってもよい。
上記蓋部および各蓋板の厚さとしては、支柱による付勢で動くことができ、通気しない厚さであれば特に限定されない。
上記可動式治具は、上記当て板の下端辺と連結されて上記支柱側と反対側に延伸され、かつ、多数の通気孔を備える補助板を有することが好ましい。図10は可動式治具の他の例を示す概略斜視図であり、多数の通気孔26を有する補助板25を備える例を示している。上記可動式治具が上記の補助板を有することで、無機繊維成形体と支持手段との間に上記補助板を挿入して可動式治具の配置を安定させ、当て板と無機繊維成形体側面とを精度よく接触させることができる。また、補助板には多数の通気孔が備わっていることから、無機繊維成形体と支持手段との間に挿入しても、無機繊維成形体内の通気を阻害せず、単位時間当たりの熱風の流量を維持することができる。
このような材質としては、例えば、金属、セラミック、樹脂等から、上記無機繊維成形体もしくは上記支持部材の摩擦係数等を考慮して選択することができる。また、補助板は、上述した蓋部の蓋板や当て板と同様の材質であってもよく、異なってもよい。
さらに、補助板は、上記無機繊維成形体もしくは上記支持部材に対する摩擦力を小さくするために、表面粗さを小さくするための表面処理が施されていてもよい。
通気孔の形状や個数については、無機繊維成形体への通気が可能であり、無機繊維成形体を通過する熱風の単位時間当たりの流量を低下させなければ、特に限定されない。
また、補助板の幅についても、無機繊維成形体への通気や、無機繊維成形体の載置および搬送を阻害しない幅であればよく、適宜設定することができる。
上記可動式治具は、上述の部材の他に、蓋部の伸縮を補助するガイドレール、上記可動式治具を初期位置で固定するストッパー等を有していてもよい。
本発明における通気乾燥手段は、上記通気孔を介して上記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させるものである。
上記通気乾燥手段は、無機繊維成形体を通過した熱風を循環させて再び無機繊維成形体に通過させる循環方式であってもよく、無機繊維成形体を通過した熱風を排気する開放方式であってもよい。中でも循環方式であることが好ましい。
本発明における支持手段は、多数の通気孔を有し、無機繊維成形体を支持するものであり、通気乾燥時の無機繊維成形体の搬送の有無に応じて固定型や、搬送手段を兼ねる移動型とすることができる。
支持手段に用いられる支持部材としては、通常、平板面を有し、上記平板面上に多数の通気孔を有するものであればよく、例えば、パンチングメタル、エキスバンドメタル、樹脂ネット、ワイヤーネット等が挙げられる。上記支持部材の形状としては、例えば、板状、コンベア状等、無機繊維成形体の搬送の有無に応じて適宜設計される。
通気孔の大きさや形状については、無機繊維成形体を通気乾燥させるのに十分な熱風を通過させることが可能な大きさや形状であれば、特に限定されない。
通気孔のパターンとしては、特に限定されず、網目状、格子状等が挙げられる。
上記支持手段が2つの支持部材を有する場合、上記無機繊維成形体の下面側に位置する支持部材の通気孔が、当て板および蓋部により封止される。
本発明の通気乾燥装置は、上記無機繊維成形体の存在を検知して、上記可動式治具の固定を解除しまたは上記可動式治具を初期位置に戻す検知手段を有することが好ましい。検知手段により無機繊維成形体の位置を検知することで、無機繊維成形体の有無に応じて可動式治具による支持手段の露出領域の封止を行うことができるからである。
すなわち、検知手段が支持手段上に無機繊維成形体が存在するのを検知することで、可動式治具の固定が解除されるため、支持手段の露出領域の封止を行うことができる。
一方で、検知手段が支持手段上に無機繊維成形体が存在しないことを検知することで、付勢後の可動式治具が元の初期位置に戻るため、手動により可動式治具を初期位置まで戻す操作を行う必要がない。また、可動式治具が付勢後の位置に停滞しないため、次に乾燥を行う際の無機繊維成形体の載置や搬送を阻害しない。
図11は、製造ライン上での検知手段の機能を説明する説明図である。図11において可動式治具および可動式治具に備わる各部材については符号を省略する。図11(a)〜(c)に示すように、検知手段3で製造ライン上での無機繊維成形体100が存在する位置Lを検知し、検知位置よりも搬送方向Mの下流側にある挟持手段2の可動式治具20の固定を解除することで(図11(a))、可動式治具20の各部材が初期位置Fから移動する。これにより、無機繊維成形体100の搬送を阻害することなく、搬送に合わせて支持手段1の露出領域の封止を行うことができる(図11(b))。また、無機繊維成形体100の搬送が終わり、検知手段3が支持手段1上の所望の位置での無機繊維成形体100の不存在を検知すると、挟持手段2の可動式治具20が初期位置Fに戻る(図11(c))。これにより、可動式治具が付勢後の位置に停滞しないため、次に搬送される無機繊維成形体の搬送を阻害しない。
このとき、上記検知手段は、無機繊維成形体の幅も検知し、可動式治具の移動位置を調整する調整手段を有することが好ましい。検知した幅に応じた可動式治具の移動により、支持手段の露出領域の封止を適切に行うことができるからである。
本発明の通気乾燥装置は、バインダーを含有した無機繊維成形体を通気乾燥する際に好適に用いることができるが、これに限定されず、通気乾燥を要するあらゆる部材に用いることができる。特にライン上で製造される部材であって、上記部材を搬送しながら通気乾燥を行う際の乾燥装置として好適に用いることができる。
本発明のバインダー含有無機繊維成形体の製造方法は、無機繊維成形体を形成する無機繊維成形体形成工程と、上記無機繊維成形体にバインダー液を塗布するバインダー液塗布工程と、上記バインダー液が塗布された上記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させて乾燥する通気乾燥工程と、を有し、上記通気乾燥工程にて、「A.通気乾燥装置」の項で説明した通気乾燥装置を用いることを特徴とする製造方法である。
以下、本発明の無機繊維成形体の製造方法について、工程ごとに説明する。
本発明における無機繊維成形体形成工程は、無機繊維成形体を形成する工程である。
本工程において形成される無機繊維成形体は、無機繊維の不織布状の集合体であり、シート状のものである。シート状の無機繊維成形体には、例えばマット、ブランケットまたはブロック等と称されるものである。
本発明におけるバインダー液塗布工程は、上記無機繊維成形体にバインダー液を塗布する工程である。
バインダー液に含まれるバインダーとしては、有機バインダーおよび無機バインダーのいずれも用いることができる。中でも、少なくとも有機バインダーを用いることが好ましい。この場合、有機バインダーのみを用いてもよく、有機バインダーおよび無機バインダーを組み合わせて用いてもよい。有機バインダーは加熱により分解除去することができるため、バインダー含有無機繊維成形体の使用時に有機バインダーを加熱により分解除去することで、バインダー含有無機繊維成形体の厚みを復元することができ、バインダー含有無機繊維成形体を例えば排ガス浄化装置用保持材として好適に使用することができる。
無機酸化物の粒径は、例えば1μm以下とすることができる。
また、無機バインダーの場合、バインダー液としては、上記無機バインダーを含むゾル、コロイド、スラリー、溶液を用いることができる。無機バインダー液には、有機バインダーが含有されていてもよい。また、無機バインダー液には、無機バインダーの安定性を高めるために分散安定剤が添加されていてもよい。分散安定剤としては、例えば酢酸、乳酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。
バインダー液の塗布方法としては、無機繊維成形体にバインダー液を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばキスコート法、スプレー法、浸漬法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、カーテンコート法等、一般的な塗布方法から適宜選択することができる。バインダー液の塗布は複数回繰り返し行ってもよい。
本発明における通気乾燥工程は、上記バインダー液が塗布された上記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させて乾燥する工程である。
本工程は、「A.通気乾燥装置」の項で説明した通気乾燥装置を用いることを特徴とする。
本発明は、上述の工程の他に、バインダー液塗布工程と通気乾燥工程との間に、無機繊維成形体から液体を除去する脱液工程を行ってもよい。通気乾燥工程にてバインダー液の溶媒等の無機繊維成形体に含まれる液体を除去しやすくなり、乾燥時間の短縮化が図れるからである。
吸引脱液の方法としては、液体を吸引できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば無機繊維成形体の液体の塗布面とは反対側の面を減圧する方法が挙げられる。
また、加圧脱液の場合には、無機繊維成形体の液体の塗布面を加圧してもよい。液体が無機繊維成形体の液体の塗布面から反対側の面に移動するのに伴って、バインダー液も移動させることができるからである。
本発明においては、上記無機繊維成形体形成工程、上記バインダー液塗布工程、および上記通気乾燥工程が、同一の搬送手段上で行われることが好ましい。製造ライン上で無機繊維成形体を搬送しながら行われる通気乾燥工程において上述の通気乾燥装置を用いることで、本発明による効果が発揮されやすくなるからである。その理由については、「A.通気乾燥装置」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明においては、無機繊維成形体と、無機繊維成形体に含有されるバインダーとを有するバインダー含有無機繊維成形体を得ることができる。
バインダー含有無機繊維成形体中のバインダーの含有量としては、特に限定されるものではなく、無機繊維やバインダーの種類、バインダー含有無機繊維成形体の厚み、用途等に応じて適宜選択される。例えばバインダー含有無機繊維成形体中のバインダー固形分量は、無機繊維成形体中の無機繊維100質量部に対して、0.5質量部〜10.0質量部の範囲内であることが好ましい。上記バインダー固形分量が少なすぎるとバインダー含有無機繊維成形体の所望の厚みが得られないおそれがあり、多すぎるとコスト高になる。また、有機バインダーの場合、上記の有機バインダー固形分量が多いと、有機バインダーが分解されにくくなったり、有機バインダーの分解によって生じるガスにより作業環境が悪化したりするおそれがある。また、無機バインダーの場合、上記の無機バインダー固形分量が多いとクッション性が損なわれるおそれがある。
排ガス浄化装置の構成は特に限定されるものではなく、本発明におけるバインダー含有無機繊維成形体は、上記の構成を備える一般的な排ガス浄化装置に適用することが可能である。
2 … 挟持手段
3 … 検知手段
10 … 通気乾燥装置
11 … 通気孔
20 … 可動式治具
21 … 支柱
22 … 当て板
22A … 無機繊維成形体側平板面
23 … 蓋部
30 … バインダー含有無機繊維成形体
100 … 無機繊維成形体
Claims (7)
- 多数の通気孔を有し、無機繊維成形体を支持する支持手段と、
前記通気孔を介して前記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させる通気乾燥手段と、
前記無機繊維成形体の側面を挟持する挟持手段と、
を有する通気乾燥装置であって、
前記挟持手段は、前記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に伸縮可能な支柱と、
前記支柱の先端に連結された、無機繊維成形体側平板面を有する当て板と、
前記当て板の前記支柱側に、前記当て板の下端辺と接して配置される板状の蓋部と、
を備える可動式治具を有し、
前記支柱が前記無機繊維成形体の側面に対して直交方向に前記当て板および前記蓋部を付勢することで、前記当て板の前記無機繊維成形体側平板面が前記無機繊維成形体の側面と接触し、且つ前記蓋部が前記当て板よりも前記支柱側に位置する前記支持手段の前記通気孔を塞ぐことを特徴とする通気乾燥装置。 - 前記支持手段が、前記無機繊維成形体を搬送する搬送手段を兼ねており、
前記無機繊維成形体の搬送方向に沿って前記挟持手段が複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の通気乾燥装置。 - 前記支柱は、前記当て板と連結する固定軸部と、
前記固定軸部と連結し、前記固定軸部を介して前記当て板および前記蓋部を付勢する弾性部と、
前記弾性部の付勢方向を固定する固定枠と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通気乾燥装置。 - 前記当て板が、前記支柱との連結部分で回動可能であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の通気乾燥装置。
- 前記無機繊維成形体の位置を検知して、前記可動式治具の固定を解除しまたは前記可動式治具を初期位置に戻す検知手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の通気乾燥装置。
- 無機繊維成形体を形成する無機繊維成形体形成工程と、
前記無機繊維成形体にバインダー液を塗布するバインダー液塗布工程と、
前記バインダー液が塗布された前記無機繊維成形体の厚さ方向に熱風を通過させて乾燥する通気乾燥工程と、
を有し、
前記通気乾燥工程にて、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の通気乾燥装置を用いることを特徴とするバインダー含有無機繊維成形体の製造方法。 - 前記無機繊維成形体形成工程、前記バインダー液塗布工程、および前記通気乾燥工程が、同一の搬送手段上で行われることを特徴とする請求項6に記載のバインダー含有無機繊維成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015125777A JP6503920B2 (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | 通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015125777A JP6503920B2 (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | 通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017008447A true JP2017008447A (ja) | 2017-01-12 |
JP6503920B2 JP6503920B2 (ja) | 2019-04-24 |
Family
ID=57763424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015125777A Active JP6503920B2 (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | 通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6503920B2 (ja) |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4868864A (ja) * | 1971-12-24 | 1973-09-19 | ||
JPS546976A (en) * | 1977-06-09 | 1979-01-19 | Saint Gobain | Heat treating method and apparatus for fibrous mat |
JPS558621B1 (ja) * | 1968-11-29 | 1980-03-05 | ||
JPS5634895U (ja) * | 1979-08-27 | 1981-04-04 | ||
JPS5748289U (ja) * | 1980-08-29 | 1982-03-18 | ||
JP2001316965A (ja) * | 2000-05-01 | 2001-11-16 | Ibiden Co Ltd | 樹脂含浸無機質繊維マットの製造方法及び乾燥装置 |
JP2002317376A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-10-31 | Uenoyama Kiko Co Ltd | ウエブの乾燥または熱処理装置 |
JP2002363846A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | 耐熱性マットの製造方法 |
US20140186599A1 (en) * | 2011-09-07 | 2014-07-03 | Mitsubishi Plastics, Inc. | Inorganic fiber molded body and process for producing the same |
JP2015509860A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-04-02 | サン−ゴバン イゾベ | ミネラルウール製品を製造するためのオーブン |
-
2015
- 2015-06-23 JP JP2015125777A patent/JP6503920B2/ja active Active
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS558621B1 (ja) * | 1968-11-29 | 1980-03-05 | ||
JPS4868864A (ja) * | 1971-12-24 | 1973-09-19 | ||
JPS546976A (en) * | 1977-06-09 | 1979-01-19 | Saint Gobain | Heat treating method and apparatus for fibrous mat |
JPS5634895U (ja) * | 1979-08-27 | 1981-04-04 | ||
JPS5748289U (ja) * | 1980-08-29 | 1982-03-18 | ||
JP2001316965A (ja) * | 2000-05-01 | 2001-11-16 | Ibiden Co Ltd | 樹脂含浸無機質繊維マットの製造方法及び乾燥装置 |
JP2002317376A (ja) * | 2001-04-24 | 2002-10-31 | Uenoyama Kiko Co Ltd | ウエブの乾燥または熱処理装置 |
JP2002363846A (ja) * | 2001-06-05 | 2002-12-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | 耐熱性マットの製造方法 |
US20140186599A1 (en) * | 2011-09-07 | 2014-07-03 | Mitsubishi Plastics, Inc. | Inorganic fiber molded body and process for producing the same |
JP2015509860A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-04-02 | サン−ゴバン イゾベ | ミネラルウール製品を製造するためのオーブン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6503920B2 (ja) | 2019-04-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5014070B2 (ja) | マット材および排気ガス処理装置 | |
RU2482965C2 (ru) | Способ изготовления профиля из волоконного композиционного материала | |
EP1840346B1 (en) | Sheet member and exhaust gas processing device and manufacturing method of the same | |
JP2015045338A (ja) | フレキシブル縁保護剤を備えた装着マットおよび該装着マットが組込まれた排気ガス処理装置 | |
JP2009085093A (ja) | マット材、マット材を作製する方法、排気ガス処理装置および消音装置 | |
JP2010101308A (ja) | マット製品、マット製品を製造する方法、排気ガス処理装置および消音装置 | |
JP2021058887A (ja) | 吸放湿用自己発熱性シート状物、吸放湿体及びそれらを用いた吸放湿装置 | |
JP2017008447A (ja) | 通気乾燥装置、およびそれを用いたバインダー含有無機繊維成形体の製造方法 | |
JP4688599B2 (ja) | 保持シール材および排気ガス浄化装置 | |
JP6327359B2 (ja) | バインダー含有無機繊維成形体の製造方法 | |
JP4688614B2 (ja) | 保持シール材および排気ガス浄化装置 | |
EP3051186B1 (en) | Production method for holding seal material | |
JP4419273B2 (ja) | 樹脂含浸無機質繊維マットの製造方法 | |
KR20130132929A (ko) | 조립하기 위한 저마찰 표면 및 장착하기 위한 고마찰 표면을 갖는 장착 매트 | |
CN103429345B (zh) | 排气净化设备 | |
JP6421636B2 (ja) | 排ガス浄化装置用保持材 | |
JP6805846B2 (ja) | 有機バインダー含有無機繊維成形体の製造方法 | |
JP5999980B2 (ja) | 取付システム及び汚染制御装置 | |
JP2007268462A (ja) | ハニカム状素子の製造方法 | |
JP6268084B2 (ja) | ハニカム担体の製造方法 | |
JP6161485B2 (ja) | 保持シール材、保持シール材の製造方法、排ガス浄化装置の製造方法、及び、排ガス浄化装置 | |
JP7224156B2 (ja) | マット材及びその製造方法、並びに、無機接着シート、汚染コントロール装置及び断熱構造体 | |
BR102015031970A2 (pt) | catalisador do tipo favo de mel inserido | |
US9266063B2 (en) | Holding material for gas treatment device, gas treatment device, and method relating to same | |
JP6365217B2 (ja) | 排ガス浄化装置用保持材の製造方法および打抜型 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170509 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190311 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6503920 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |