JP2017006508A - 腎臓透析および体外解毒に関する方法および装置 - Google Patents

腎臓透析および体外解毒に関する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 p−クレゾールなどの疎水性の無極性尿毒症毒素を血液から除去するために透析処置中に使用され得る方法および/または装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質20が結合された膜10を含む透析装置に関する。また、本発明は、本明細書中に記載する透析装置を利用して、処置対象から、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を除去する方法、ならびに対外解毒の方法に関する。
【選択図】図1

Description

本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2013年12月20日に出願した米国仮特許出願第61/919,024号および2014年7月31日に出願した同第62/031,257号の利益を主張し、2014年12月18日に出願した国際出願PCT/US2014/071212の一部継続出願である。これら出願の内容全体は、いずれもここに引用することで本明細書の一部をなすものとする。
本開示は、腎機能障害を伴う対象および/または薬物過剰摂取に陥っている対象由来の疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素の排出を促進するように設計された方法および透析装置に関する。
以下に腎臓透析または単なる「透析」と称される血液透析は、機能している腎臓に類似した方法で、蓄積した老廃物や毒素を血液から除去するために、処置対象に、例えばヒトに(およびさらに小規模ではペット動物にも)施される医療処置である。ヒトまたは動物の腎臓が、幾つかの急性もしくは慢性の疾患または容態(例えば、糖尿病、糸球体腎炎および高血圧は、腎不全の発症に関連した一般的に認識されている医療状態である)の1つまたは複数に起因して機能不全に陥ると、毒素が血流に蓄積する。
かかる蓄積した老廃物および毒性化合物、主に尿素、尿酸およびその類縁体ならびにクレアチニンなどの他の窒素化合物、ならびに過剰量のカリウム、リン、ナトリウム、塩化物や他のミネラルなどの元素は、血液から除去することができないことにより、身体組織および臓器系の劣化が生じ、治療されない場合には最終的に死に至る。さらに、かかる老廃物および毒素を除去することができないことにより、尿毒症が起こる場合があり、これは、多くの面で全身中毒症に類似する臨床的症候群である。身体におけるほとんど全ての臓器系が、尿毒症毒性に冒されており、既知の尿毒症性の臨床症状および副作用として、疲労、貧血、痒み、末梢神経障害、悪心、嘔吐および下痢を含む胃腸障害、ならびに冠血管および末梢血管の加速性疾患、左心室肥大、心筋線維症および不整脈に関わる加速を含む心血管系合併症が挙げられるが、これらに限定されない。従来の血液透析は、「水溶性の」非疎水性尿毒症毒素により生じる尿毒症症状を治療することが可能であるが、透析は、疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素により生じる症状の治療にはあまり効果がない。
一般に、透析は、血液流と適切な洗浄溶液との間に半透膜を介在させる。対流輸送および拡散輸送により、体液の組成は、透析溶液の組成に近づく。透析は、病院施設または診療所で実施されてもよく、または場合によって、処置対象は、在宅で処置を行うよう外来で訓練を受ける。透析の2つの主なタイプ、即ち従来の血液透析および腹膜透析が定期的に実施される。従来の血液透析では、処置対象が、透析機に接続される(動静脈フィステル、グラフトを介するか、カテーテルによる)。透析機は、処置対象から、汚染された血液を透析機に通して送り出すよう機能するが、ここで血液は、透析溶液を通して濾過され、それによって蓄積された老廃物(例えば、尿素)の濃度を低減させ、そこから処置対象に戻される。現在の透析膜および透析技術は、水溶性の尿毒症毒素を排出することが可能であるが、非極性、疎水性またはタンパク質結合性の毒素の排出は限定的である。
例えば、p−クレゾールは、式CH(OH)を有する有機化合物である。p−クレゾールは、フェノールの誘導体であり、o−クレゾールおよびm−クレゾールの異性体である無色の固体である。現在の透析治療の限界は、透析処置中に血流から全ての毒素を除去することができないことである。特に、p−クレゾールのような小さな疎水性化合物は、集積して、重篤な毒性を引き起こす可能性を有することが知られている。現在の透析膜および技術は、水溶性の尿毒症毒素を排出することが可能であるが、無極性のタンパク質結合性毒素の排除には限界がある。無極性の尿毒症毒素としては、p−クレゾール、p−クレゾール硫酸およびインドキシル硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、腎臓透析処置を受ける患者、特に進行性腎臓疾患を伴う処置対象を含む多くの処置対象が、血漿中にp−クレゾールを蓄積する。
さらに、p−クレゾールは、フェニルアラニン代謝に由来し、任意の既知の無極性尿毒性毒素では最も高い血漿レベルの1つを有する。さらに、p−クレゾール、インドキシル硫酸および他のタンパク質結合性の尿毒症毒素は、血管障害、左心室肥大、心筋線維症ならびに心房性および心室性不整脈の発症に関係がある。
したがって、必要とされているのは、p−クレゾールなどの疎水性の無極性尿毒症毒素を血液から除去するために透析処置中に使用され得る方法および/または装置である。
特定の実施形態では、本開示は、腎臓機能障害を伴う患者の蓄積された毒素を濾別するのに使用される材料を含む透析装置に関するものであり、材料としてはポリスルホンおよび他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。本装置における透析材料は、リポカリンファミリーのタンパク質由来の様々な組み合わせのうちの1種または複数のタンパク質に結合され得る。
他の実施形態では、本開示は、リポカリンファミリーの少なくとも1つのメンバーを有する修飾透析カートリッジに関連する。装置は、嗅覚物質(olfactory)結合タンパク質(OBP)のメンバーおよび透析濾過材料に共有結合されているリポカリンファミリーのタンパク質の任意の他のメンバーを含んでもよい。結合されたリポカリンタンパク質の治療上の目的は、進行性腎疾患を伴う患者の血漿中に蓄積する無極性、疎水性、水溶性、水不溶性および/またはタンパク質結合性血液毒素の除去を促進することである。
さらなる実施形態では、本開示は、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を処置対象から除去する方法であって、腎臓機能障害を伴う患者の蓄積された毒素を濾過するのに使用され、ポリスルホンおよび他の材料が挙げられるがこれらに限定されない材料を有する透析装置を使用することを含む方法を提供する。透析材料は、リポカリンファミリーのタンパク質由来の様々な組合せのうちの1種または複数のタンパク質に結合され得る。処置対象から、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を除去する方法であって、透析装置を使用することを含む方法は、使用前にカートリッジを通過させるプライミング溶液を使用することをさらに含み得る。溶液は、透析カートリッジ膜に付着することになる1つまたは複数のリポカリンを含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、尿毒症の臨床症状および副作用を含めて尿毒症を予防または治療する方法を提供する。
幾つかの実施形態では、本開示は、対象からの処方薬および非処方薬の排出または除去を促進するための方法および装置を提供する。
幾つかの実施形態では、本開示は、過剰摂取に起因する対象からの処方薬および非処方薬の排出または除去を促進するための方法および装置を提供する。
先述の概要および下記の詳細な記載はともに、本開示の実施形態を提示しており、特許請求される際に本開示の性質および特徴を理解するための概説または枠組みを提供することを意図することが理解されよう。この記載は、特許請求される主題の原理および作用を説明するのに役立つ。本開示の他のおよびさらなる特長ならびに利点は、下記開示を通読すれば当業者に容易に明らかとなる。
少なくとも1つのリポカリンタンパク質が結合されたポリスルホン膜を示す概略図である。 少なくとも1つのリポカリンタンパク質が結合されたポリスルホン膜を示す他の概略図である。 ポリスルホン膜に結合されたリポカリンタンパク質の内腔を示す概略図である。 本明細書中に記載する透析装置を使用して透析を実施するためのシステムを概略的に示す図である。
以下に、本開示の実施形態に対する言及が詳細に行われ、それらの1つまたは複数の実施例が、本明細書中に記述される。各実施例は、本開示の装置および/または方法の説明として提供されるものであり、本発明を限定するものではない。実際に、本開示の範囲を逸脱することなく、本開示の教示に対して様々な修正および変形が行われ得ることは、当業者に明らかである。例えば、1つの実施形態の一部として説明または記載する特徴は、別の実施形態とともに使用して、さらなる実施形態を生み出すことができる。
したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に見出されるようなかかる修正および変形を包含することが意図される。本開示の他の目的、特長および態様は、以下の詳細な説明に開示されるか、または以下の詳細な説明から明らかである。この議論は、例示的な実施形態のみの説明であり、本開示のより広い態様を限定することを意図しないことは、当業者に理解されよう。
本開示は一般に、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を含む透析装置に関する。幾つかの実施形態では、透析装置は、カートリッジの血液側内に位置する膜に共有結合されたリポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を有するように修飾された透析カートリッジである。幾つかの実施形態では、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質は、ポリスルホン膜に結合されている。さらに、本開示は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を含む透析装置を利用することにより、処置対象の血液から、無極性毒素、疎水性毒素および/またはタンパク質結合性毒素を除去する方法に関する。
一般に、透析カートリッジは、細胞代謝により生成される過剰の電解質、水および毒素(例えば、尿毒症毒素)を含む血液を濾過するように機能し得る修飾ポリマー(ポリスルホンまたはポリアクリルアミド材料)で構成されるチャンバを通って、腎臓機能のない患者からの大容量の血液を迅速に処理する(例えば、500ml/分)ように設計されるプラスチックおよび他の材料を含むデバイスである。これらのポリマーは一般に、血液が、ポリマー材料の片側に対して様々な度合いの圧力下に曝されるのを可能にする様式で、中空繊維の形態で製造されるか、または積層シート(例えば、プレート透析器)で配置される。ポリマー内の孔または開口部は、過剰の電解質、水および尿毒症毒素が、ポリマー内の「孔」を通って、ポリマーの反対側上に流れる複合電解質溶液(例えば、透析液)へと流れるのを可能にする。半透過性ポリマー膜を通って、透析液溶液へと、血液とともに電解質、水および尿毒症毒素の移動を可能にするこの構造は、一般に、透析カートリッジの定義を包含すると当該技術分野において理解される。透析装置は、透析フィステルまたはカテーテルのいずれかを接続するのに使用される大きなゲージの中空針の使用を含むことができ、ここではこれらの針からの血液が、高圧で透析カートリッジを通って送り出される。この透析装置(図中に示すような)は、カートリッジを通って血液の流れに対して反対の方向に送り出され得る。この血液透析液の界面は、フィルターを通って透析液中に入り、そして体外へ至る尿毒症毒素の移動のプロセスを最大限にし得る。したがって、透析装置は、過剰の電解質、水および尿毒症毒素の排出のプロセスを遂行し得る。
処置対象は、血液透析機に接続されて、処置対象の血液は、透析機を通って送り出される。血液は、中心透析カテーテル、透析動静脈フィステルまたは透析動脈グラフトにより本発明の概念による治療を必要とする患者に接続される。透析処置は、濃度勾配の下方への半透膜を横切る拡散(拡散性溶質輸送)を利用することにより、溶液中の要素を分離させる。老廃物、毒素および過剰の水は、処置対象の血液から除去されて、血液は、処置対象へ注入されて戻される。各透析治療は通常、1週間につき3回、3〜4時間続く。
血液透析技術は、施設内での、または自宅での透析治療用に設計および設定され得る。さらに、透析装置は、例えば処置対象が透析中に自由に移動し得る装着可能な人工腎臓のような携帯用透析治療デバイスで使用され得る。
本開示は、患者の自宅血液透析、夜間血液透析および「装着可能な」携帯用透析機の可能性を含む、処置対象における無極性の尿毒症毒素の排出を提供するための透析装置を提供する。
幾つかの実施形態では、本開示は、入口および出口を有しかつ内部を画定する本体を含む透析装置に関するものであり、上記内部は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つのポリスルホン膜を含む層を含む。幾つかの実施形態では、上記装置に入る血液や血漿などの流体が、上記装置に入る際に、および上記出口を通ってデバイスを出る前に、上記少なくとも1種のリポカリンタンパク質と接触するように、上記透析装置が構築および配置される。幾つかの実施形態では、透析装置は、リポカリンファミリー由来の複数のタンパク質が結合されたポリスルホン膜を含む。さらに、幾つかの実施形態では、ポリスルホン膜が複数のタンパク質を含む場合、複数のタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される同じタンパク質であってもよく、または複数のタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される異なる型のタンパク質の組合せを含んでもよい。特定の実施形態では、膜は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質に共有結合されている。さらに、膜は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質に特異的に結合されている。
一般に、リポカリンタンパク質のファミリーは、小さな疎水性分子を輸送するタンパク質のファミリーを指す。リポカリンファミリータンパク質の非限定的な例としては、下記の脂肪酸結合タンパク質、嗅覚物質結合タンパク質およびレチノール結合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。リポカリンファミリー内の各タンパク質は、配列相同性の限られた領域および共通の三次構造構築物を共に有する。一般に、三次構造は、8本鎖の逆平行ベータバレルを含み、内部の疎水性リガンド結合ドメインを囲い込む。さらに、リポカリンファミリーのタンパク質は、ベータバレルの下面上に位置する310様へリックスを含む。短い310へリックスは、リポカリンタンパク質のバレルの一端を閉鎖するのを助長し、ゆえに様々な疎水性分子の捕捉を可能にする。ベータバレルおよび310へリックスは、より大きなリポカリンファミリー内のタンパク質に共通している。
さらに、リポカリンフォールドの構造は、8本のベータ鎖により占められており、それらが一緒に、杯(Calys)またはコップ形状の逆平行ベータバレルを形成し、これが、内部リガンド結合部位を囲い込む。(Flower et al.,“Structure and sequence relationships in the Lipocalins and related proteins.” Protein Science(1993),2,753−761を参照)。
より具体的には、L1の構造は、大きなオメガループを含み、一般に内部のリガンド結合部位を蓋掛けするかまたは閉じるように折り返された蓋を形成する。このループの立体構造は、リポカリンファミリーの種々のタンパク質間で詳細が多様であるが、その全体的な形状、サイズおよび位置は保存されている。L1ループは、内部のリガンド結合部位を閉じる助けとなり、そのリガンド結合部位は、タンパク質中のリガンドを包囲して、タンパク質から次第に脱離するのを防ぐ助けとなる。次いで、310アルファへリックスは、バレルの他端を閉鎖する。その結果、これら2つの特別な構成成分、すなわちリポカリンタンパク質のL1ループおよび310アルファへリックスは連動して、リガンドを包み込む。
そのため、本明細書中の幾つかの実施形態では、類似のベータバレル構造、310へリックスおよび/またはL1ループを有するタンパク質が、本開示の実施において利用され得る。さらに、疎水性リガンドを結合することが可能であるベータバレル構造を含むタンパク質は、本開示の実施において幾つかの実施形態で利用され得る。当業者に理解されることになるように、ベータバレル、リポカリンファミリータンパク質の310へリックス構造、またはリポカリンファミリータンパク質のリガンド結合ドメインの開口部にあるL1ループについての任意の分子修飾または構造修飾を含むタンパク質が、本開示の実施において利用され得る。さらに、幾つかの実施形態では、少なくとも1種のリポカリンタンパク質は、遺伝子組換えリポカリンタンパク質を包み得る。考え得る遺伝子組換えとしては、タンパク質のいずれかの末端にあるL1ループまたは310アルファへリックス、ならびにタンパク質自体の内部構造の修飾が挙げられる。さらに、幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、尿毒症毒素の結合親和性の増加および/またはタンパク質結合量の増加(即ち、化学量論性の改善)を示すように修飾された遺伝子組換えリポカリンタンパク質を包んでもよく、これらはともに、本開示の実施において利用される場合に尿毒症毒素の排出を改善する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、当該技術分野で現在既知の、または後に開発される任意のプロセスにより遺伝子組換えされている遺伝子組換えリポカリンタンパク質であり得る。
幾つかの実施形態では、本開示の透析装置で使用される少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、以下のタンパク質、すなわちアルファ−1−ミクログロブリン(プロテインHC)、主要尿タンパク質、アルファ−1−酸性糖タンパク質(オロソムコイド)、アフロジシン、アポリポタンパク質D、ベータ−ラクトグロブリン、補体成分C8ガンマ鎖、クルスタシアニン、精巣上体−レチノイン酸結合タンパク質(E−RABP)、インセクタシアニン(insectacyanin)、匂い物質(odorant)結合タンパク質(OBP)、ヒト妊娠関連子宮内膜アルファ−2グロブリン(PAEP)、プロバシン(PB)、前立腺タンパク質、プロスタグランジンDシンターゼ、プルプリン、フォンエブネル腺タンパク質(VEGP)およびトカゲ精巣上体分泌タンパク質IV(LESP IV)の少なくとも1つまたは任意の組合せで構成され得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、以下のタンパク質の少なくとも1つまたは任意の組合せとして、FABP1、FABP2、FABP3、FABP4、FABP5、FABP6、FABP7、LCN1、LCN2、LCN8、LCN9、LCN10、LCN12、OBP2A、OBP2B、RBP1、RBP2、RBP4、RBP5、RBP7、PAEPPERF15、PMP2、PTGDSAMBP、APOD、C8G、CRABP1、CRABP2、UNX2541、ORM1およびORM2が挙げられる。タンパク質の少なくとも1つまたは任意の組合せの供給源は、特に限定されない。幾つかの実施形態では、タンパク質の供給源は、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(例えば、ラットおよびマウス)、ウサギ類、霊長類(非ヒト霊長類を含む)等のような哺乳動物である。1つの実施形態では、タンパク質は、ヒトタンパク質である。
他の特定の実施形態では、タンパク質の少なくとも1つまたは任意の組合せとしては、ヒトリポカリン1(LCN1、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_001239546.1、NP_002288.1、NP_001239547.1および/またはNP_001239548.1に記載されるような);ヒトリポカリン2(LCN2、例えばGenBank/NCBI受託番号AAH33089.1および/またはNP_005555.2に記載されるような);ヒトリポカリン8(LCN8、例えばGenBank/NCBI受託番号AAQ81973.1、NP_848564.2、XP_005266115.1、XP_006717016.1、AAI32715.1および/またはAAI30466.1に記載されるような);ヒトリポカリン9(LCN9、例えばGenBank/NCBI受託番号AAQ81975.1、NP_001001676.1および/またはXP_006717169.1に記載されるような);ヒトリポカリン10(LCN10、例えばGenBank/NCBI受託番号AAQ81976.1、AAI33046.1および/またはNP_001001712.2に記載されるような);ヒトリポカリン12(LCN12、例えばGenBank/NCBI受託番号AAQ81977.1、NP_848631.2、XP_005266125.1、XP_005266126.1、XP_005266127.1、XP_005266128.1および/またはXP_005266129.1に記載されるような);ヒト嗅覚物質(匂い物質)結合タンパク質アイソフォーム2a(OBP2A、例えばGenBank/NCBI受託番号AAH69563.1、NP_055397.1、NP_001280118.1、NP_001280122.1および/またはXP_006717150.1に記載されるような);ヒト嗅覚物質(匂い物質)結合タンパク質アイソフォーム2b(OBP2B、例えばGenBank/NCBI受託番号AAQ89340.1、AAH98340.1、NP_055396.1、NP_001275916.1および/またはXP_006717149.1に記載されるような);ヒトレチノール結合タンパク質1(RBP1、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_002890.2、NP_001124464.1および/またはNP_001124465.1に記載されるような);ヒトレチノール結合タンパク質2(RBP2、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_004155.2、XP_005247750.1および/またはXP_006713785.1に記載されるような);ヒトレチノール結合タンパク質4(RBP4、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_006735.2および/またはXP_005270080.1に記載されるような);ヒトレチノール結合タンパク質5(RBP5、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_113679.1に記載されるような);および/またはヒトレチノール結合タンパク質7(RBP7、例えばGenBank/NCBI受託番号NP_443192.1に記載されるような)が挙げられる。
OBPは、リポカリンファミリーのタンパク質のメンバーであり、様々な昆虫の触角に見出される。本開示の目的には、「匂い物質結合タンパク質」および「嗅覚物質結合タンパク質」という用語は、OBPに関連して互換可能に使用され得る。例えば、ヒトOBP2A(NCBI受託番号NP_055397.1)は、170個のアミノ酸で構成されるが、最初の15個のアミノ酸は、タンパク質合成中に切断されるシグナルペプチドをコードする。したがって、成熟OBP2Aペプチドは、155個のアミノ酸を含有する。一般に、OBP2Aは、8本鎖の逆平行の対称性のあるβバレルフォールドであり、これは、円筒状に丸め込まれている。OBP2Aタンパク質のバレルの内部には、リガンド結合部位が存在する。OBP2Aの翻訳後修飾に関する具体的な情報は限られているが、位置74と166にそれぞれ位置するシステインの間に形成されるジスルフィド架橋が存在する。さらに、ラットOBPのセリン51はリン酸化され得るが、これがヒトに起こるかどうかは知られていない。Jonathan Pevsner S,Vivian Hou,Adele M.Snowman,and Solomon H.Snyder.Odorant−binding Protein:Characterization and Ligand Binding J.Biol.Chem.Vol.265,No.11,Issue of April 15,pp.6118−6125,1990を参照されたい。
したがって、幾つかの実施形態では、透析装置は、少なくとも1種の嗅覚物質結合タンパク質が結合された少なくとも1つのポリスルホン膜を含む。幾つかの実施形態では、少なくとも1種の嗅覚物質結合タンパク質は、下記:OBP2A、OBP2Bおよびそれらの組合せから選択され得るが、これらに限定されない。さらに幾つかの実施形態では、透析装置は、複数の嗅覚物質結合タンパク質が結合された少なくとも1つのポリスルホン膜を含む。幾つかの実施形態では、透析装置は、使い捨て透析カートリッジを含む。
幾つかの実施形態では、少なくとも1種のリポカリンタンパク質は合成してもよく、また完全タンパク質の合成を専門に扱う営利企業、例えばBio−synthesis(ルイスビル、TX)から購入してもよい。さらに、幾つかの実施形態では、リポカリンタンパク質の1種または複数に関するC−DNAベクターは、酵母培養系で発現される。発現されたリポカリンタンパク質の分解を最小限に抑えるために、一般的に酵母培養液は全て、各種プロテアーゼ阻害剤のカクテルを含む。幾つかの実施形態では、特定のリポカリンタンパク質が発現されたことの確認は、SDS−PAGE電気泳動およびウェスタンブロットの免疫ブロット法を使用して確定され得る。幾つかの実施形態では、リポカリンタンパク質は、夾雑物を少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%含まない。幾つかの実施形態では、本開示の実施で利用されるリポカリンタンパク質は、少なくとも90%純粋である。
幾つかの実施形態では、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質は、当該技術分野で既知の任意の方法により膜に結合され得る。例えば、幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、ヒスチジンタグにより膜に結合されている。ヒスチジンタグおよび/または多重ヒスチジン残基を有するリポカリンタンパク質を発現するための当該技術分野で既知の任意の方法が、リポカリンタンパク質を膜に結合させるのに本明細書中で利用され得る。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、当該技術分野で既知の任意の方法により、ポリスルホン膜に共有結合されている。幾つかの実施形態では、営利企業によるリポカリンタンパク質合成のもつ性質の結果として、リポカリンタンパク質は、それが発現される細胞の種類に関わらず、カートリッジ膜へのタンパク質の結合に利用されるヒスチジンタグを含有する。いかなる場合でも、結合は、特異的結合であり、非特異的結合ではない。
例えば、幾つかの実施形態では、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を結合するために、特定のリポカリンタンパク質をコードするベクターは、ヒスチジンタグを含む。例えば、幾つかの実施形態では、例えばMockel et al.,Journal of Membrane Science;158:63−75,1999およびGuiver et al.,British Polymer Journal;23:29−39,1990に記載されるカルボキシル反応は、参照により本明細書に組み込まれている。さらに、幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、Li1+の存在下で、またはNi2+もしくはCo2+のような幾つか他のキレート金属の存在下でドライアイスの存在下で、ヒスチジンタグを含む少なくとも1つのリポカリンタンパク質を、キレート化されたポリスルホン膜へ曝すことにより、ポリスルホン膜に結合されている。このプロセスにより、少なくとも1つのリポカリンタンパク質上に位置するヒスチジンの、キレート化されたポリスルホン膜への結合が可能となる。
幾つかの実施形態では、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質は、当該技術分野で既知の任意の適切な膜へ結合され得る(例えば、特異的結合)。幾つかの実施形態では、選択される膜として、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、AN69(アクリロニトリル膜)および酢酸セルロースの任意の1つまたは組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、透析装置に使用される膜として、セルロース系の膜、合成膜およびそれらの組合せが挙げられ得る。セルロース系の膜の非限定的な例としては、酢酸セルロース、トリアセテートおよびそれらの組合せが挙げられる。合成膜の非限定的な例としては、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチルおよびそれらの組合せが挙げられる。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの膜は、ポリエーテルスルホンであってよい。幾つかの実施形態では、ポリエーテルスルホン膜は、記載するように、膜表面に共有結合イオンをキレートするように化学的に修飾してもよい。同様に、Kroll et al.,Journal of Membrane Science;299:181−189,2007を参照されたい。ポリスルホンの他に、幾つかの実施形態では、選択される膜は、ポリスルホンに類似した構造を有する膜であってもよい。
簡潔に述べると、図1は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を含む透析装置の本体の内側を示す。図1に示すように、ポリスルホン膜10は、ヒスチジンタグ30を介してポリスルホン膜10に共有結合されているリポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質20を備える。さらに、幾つかの実施形態では、ポリスルホン膜は、リポカリンファミリー由来の複数のタンパク質20を備える。本開示の透析装置の本体の内側のさらなる図説を、図2に示す。図3は、リポカリンタンパク質が結合されたポリスルホン膜の内腔の模式図を提示する。
図4に示すように、処置対象からの流体老廃物流100は、流体流路102に入り、そして透析装置104に入る。透析装置104は、入口105および出口106を備える。図1での説明で記載したように、透析装置の内側は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を備える(図4では図示省略)。幾つかの実施形態では、透析装置104は、透析カートリッジである。流体老廃物流100は、透析装置104に入る前に何らかの処理をされていてもよく、又は処理されなくてもよい。流体老廃物流が透析装置104を通過する際に、無極性、疎水性またはタンパク質結合性の尿毒症毒素は、それらが透析装置104の内側に結合されているリポカリンファミリー由来のタンパク質と接触することとなるため、流体老廃物流100から除去される。透析装置104を通過した結果として、無極性、疎水性またはタンパク質結合性の尿毒症毒素が無い又はより低濃度である清浄な流体流114が、透析装置104の出口106から現れる。清浄な流体流114は、最大70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%低くなった濃度の無極性、疎水性またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を有し得る。次に、清浄な最終流体流114は、出口106を介して透析装置104を出て、流体流路116に入り、そして処置対象へ戻る。
幾つかの実施形態では、透析装置104は、さらなるフィルターを含んでもよく、例えば、幾つかの実施形態では、透析装置104は、Ca2+、Mg2+、Naおよびタンパク質のような荷電種を保持することが可能である濾過膜を含んでもよい。
ある特定の実施形態では、透析装置104の処理容量を改善するために、流体老廃物流100の流速は、無極性、疎水性またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を、透析装置104内に位置するリポカリンファミリー由来のタンパク質と結合させるのを可能にするために十分に遅くすべきである。例えば、幾つかの実施形態では、流体老廃物流100の流速は、約200ml/分〜約600ml/分でよい。さらに幾つかの実施形態では、流体老廃物流100の流速は、約300ml/分〜約500ml/分でもよい。さらに、他の実施形態では、流体老廃物流100は、約350ml/分〜約450ml/分でもよい。
幾つかの実施形態では、透析装置104を出てから処置対象へ戻る清浄な流体流114の流速は、約50ml/分〜約300ml/分でよい。さらに幾つかの他の実施形態では、清浄な流体流114の流速は、約100ml/分〜約200ml/分でもよい。
さらに、幾つかの実施形態では、例えば適切な流体供給源からのイオンおよび/または流体は、浸透圧剤(osmotic agent)(例えば、デキストロース、イコデキストリン、グルコースポリマー、グルコースポリマー誘導体、アミノ酸)、緩衝液(例えば、乳酸塩、重炭酸塩)および電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)のような濃縮された透析構成成分の添加によって、流中で置換してもよい。
幾つかの実施形態では、ポンプを使用して、流体老廃物流を、流体流路102から透析装置104を通って第2の流体流路116に流れ、そして処置対象へと戻るように推進してもよい。当該技術分野で既知である又は使用されている任意のポンプを、本発明でも用いることができる。幾つかの実施形態では、第1のポンプを使用して、流体老廃物流104を処置対象から透析装置104へ送り出すことができ、一方、第2のポンプを利用して、清浄な流体流を透析装置104から処置対象に戻すように送り出すことができる。さらに他の実施形態では、少なくとも1つの流量制限器および/または少なくとも1つのポンプを使用して、圧力勾配を創出することができる。これに関して、少なくとも1つの流量制限器および/または少なくとも1つのポンプは、透析装置104および流体流路102、114に流体を流すのに十分な高い圧力を供給することができる。
幾つかの実施形態では、清浄な流体流114は、処置対象に再び入る前に、清浄なカートリッジ120を通過させてもよい。図4に示すように、幾つかの実施形態では、清浄な流体流114は、清浄なカートリッジ120を迂回して、処置対象に再び入ってもよく、他の実施形態では、清浄な流体流114は、別の流体流路112に入り、これにより、清浄な流体流114が、処置対象に再び入る前に清浄なカートリッジ120を通過することが可能となる。
さらに、処置対象から、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性毒素を除去する方法であって、透析装置を利用することを含む方法が本明細書中に開示される。この透析装置は、リポカリンファミリーから選択される少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つの膜を備える。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの膜はポリスルホン膜である。幾つかの実施形態では、本明細書中に開示する方法は、カテーテルまたは他の適切なデバイスを処置対象へ挿入して、処置対象から血液を取り出すステップと、流体流路を通って、本明細書中に開示する透析装置へと血液を通過または移動させるステップを含んでもよい。さらに、幾つかの実施形態では、当該技術分野で既知のさらなる濾過または透析技法は、処置対象から、本明細書中に開示する透析装置へと血液を通過させる前に利用してもよい。さらに幾つかの実施形態では、処置対象から、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素を除去する方法であって、透析装置を使用することを含む方法は、使用前にカートリッジを通過するプライミング溶液を使用することをさらに含んでもよい。溶液は、上述するようなリポカリンおよび他の構成成分を含む内臓型(self−contained)カートリッジに関して記載するような透析カートリッジ膜に結合される1つまたは複数のリポカリンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、血液が、膜の血液側に結合されているリポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するようになるように、血液を透析装置に通過させるステップをさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、この膜は、ポリスルホン膜である。さらに、幾つかの実施形態では、この方法は、血液が少なくとも1つのOBPと接触するようになるように、血液を透析装置に通過させるステップをさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、OBPは、ポリスルホン膜に結合されてもよい。
幾つかの実施形態では、血液は、有効な流速でポリスルホン膜を通過する。有効な流速は一般に、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素が、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質に結合するのを可能にする速度である。リポカリンタンパク質への無極性毒素の結合を最大限にするための最適流速は、過度の実験を伴わずに当業者により決定することができる。ポリスルホン膜が、リポカリンファミリー由来の複数のタンパク質を含む実施形態では、複数のタンパク質が、無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性毒素を除去し、それにより血液からこれらの毒素の量を効果的に低減させるか、又はこれらの毒素を除外する。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリポカリンタンパク質は、OBP2A、OBP2Bおよびそれらの組合せから選択される。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのポリスルホン膜は、複数のOBP2Aが結合されていてもよい。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのポリスルホン膜は、複数のOBP2Bが結合されていてもよい。さらに幾つかの実施形態では、少なくとも1つのポリスルホン膜は、複数のOBP2AおよびOBP2Bが結合されていてもよい。
幾つかの実施形態では、本発明の透析装置またはカートリッジは、循環している血液と、結合されたリポカリンとの間の界面が最大限になる「体系(edifices)」および領域を血液の流れが創出するように、内部で修飾される。さらに他の実施形態では、これらのダムおよび構造的修飾は、リポカリンの特定組合せに対する結合を最大限にするように設計される。さらに他の実施形態では、リポカリン、ダムおよび血液の流れの仕様の特定組合せを伴う本発明の透析装置またはカートリッジは、個々の患者の代謝要求に応じるように設計される。さらに、本明細書中に開示する方法は、本明細書中に開示する透析装置から、きれいにした血液を取り出すステップと、きれいにした血液を流体流路に通過させるステップと、および/またはきれいにした血液を処置対象に戻すステップをさらに含んでもよい。きれいにした血液は、カテーテルを介するような当該技術分野で既知の任意の適した方法を介して、処置対象に戻され得る。当該技術分野で既知であるようなさらなる濾過および/または透析液技法は、きれいにした血液を処置対象に戻して通す前に、さらに施されてもよい。
本明細書中に開示する透析装置および方法を介して除去され得る無極性、疎水性および/またはタンパク質結合性の尿毒症毒素の非限定的な例としては、p−クレゾール、p−クレシル硫酸、インドキシル硫酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フランプロパン酸、馬尿酸、インドール酢酸およびそれらの組合せが挙げられる。さらに、本明細中にその全体が参照により組み込まれているVanholder et al.,“Review on uremic toxins:Classification,concentration,and interindividual variability” Kidney International,Vol.63,(2003),pp.1934−1943は、本明細書中に開示する透析装置および/または方法を介して除去され得る尿毒症毒素を開示する。(Vanholder et al.、表1、表2および表3を参照)。
本明細書中に開示する透析装置または方法により除去される無極性尿毒症毒素は、遊離物質として存在し得るか、またはアルブミンのような血清タンパク質に結合し得る。したがって、幾つかの実施形態では、本明細書中に開示する透析装置および方法は、血清タンパク質に結合されている少なくとも1つの無極性尿毒症毒素を除去することに関する。例えば、幾つかの実施形態では、これは、アルブミンに結合されている少なくとも1つの無極性尿毒症毒素の除去を含む。
さらに、処置対象の血液から、少なくとも1つの無極性尿毒症毒素を除去する方法であって、処置対象の血液を透析装置に通すステップを含む方法が本明細書中に開示され、ここで透析装置は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つのポリスルホン膜を含み、無極性尿毒症毒素は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質に結合し、標的患者の血液から除去される。幾つかの実施形態では、除去される無極性尿毒症毒素は、p−クレゾールである。さらに幾つかの実施形態では、少なくとも1つの無極性尿毒症毒素は、遊離物質である。さらに幾つかの実施形態では、少なくとも1つの無極性尿毒症毒素は、少なくとも1つの血清タンパク質に結合されている。
本開示は、尿毒症臨床症状および副作用を含む尿毒症を防止または治療する方法をさらに提供する。尿毒症臨床症状および副作用としては、疲労、貧血、痒み、末梢神経障害、吐気、嘔吐、下痢を含む胃腸障害、加速性冠血管および末梢血管疾患、左心室肥大、心筋線維症および加速速度の不整脈を含む心血管の合併症が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、尿毒症は、疎水性、タンパク質結合性の尿毒症毒素により生じる。
さらに、本開示は、対象の体液から、処方薬および/または非処方薬を除去する目的で、本明細書中に記載するような本発明の装置において、結合された(例えば、特異的結合)本明細書中に記載する1つまたは複数のリポカリンタンパク質を利用する方法を提供する。幾つかの実施形態では、対象の体液中の処方薬または非処方薬の存在は、偶発的または意図的な過剰摂取によって生じる。幾つかの実施形態では、薬物としては、アセトアミノフェン、フェニトイン(ディランチン)、ロラゼパム(アティバン)、ワルファリン(クマディン)、三環系抗鬱薬、ジゴキシン、テオフィリン、バルプロ酸、カルバマゼピン(テグレトール)およびコカインが挙げられるが、これらに限定されない。
「対象」は本明細書中で使用する場合、腎臓透析が必要とされるか、または望ましい対象である。対象は、患者であり得る。幾つかの実施形態では、対象はヒトであるが、本開示の対象は、獣医学、治療または調合薬開発目的で、家畜、ペットおよび野生動物を含む動物対象、特にイヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(例えば、ラットおよびマウス)、ウサギ類、霊長類(非ヒト霊長類を含む)等のような哺乳動物対象を含み得る。
本開示に関連する対象は、雄であってもよく、または雌であってもよく、任意の種であってもよく、白色人種、アフリカ系アメリカ人、アフリカ人、アジア人、ヒスパニック系人種、インド人等および複合の背景を含むが、これらに限定されない任意の人種または民族性であってもよい。対象は、新生児、生後28日未満の新生児(neonate)、幼児、子供、青少年、大人および高齢者を含む任意の年齢であってもよい。
幾つかの実施形態では、対象は、腎臓機能障害、腎臓疾患、急性腎臓疾患、慢性腎臓疾患、進行性腎臓疾患または末期腎臓疾患(ESRD)を有する。幾つかの実施形態では、対象は、糖尿病、高血圧または糸球体腎炎を含むが、これらに限定されない糸球体濾過量(GFR)障害を招く任意のタイプの原発性疾患を有し得る。
幾つかの実施形態では、対象は、処方薬もしくは非処方薬の排除または除去が必要とされるか、または望ましい個体である。さらに、対象は、医療施設、病院環境、外来診療環境、緊急または救命医療環境、救急医療班環境、薬物更生環境等における患者であり得る。幾つかの実施形態では、対象は、急性もしくは慢性の処方薬または非処方薬毒性を患い得る。幾つかの実施形態では、対象は、偶発的もしくは意図的な処方薬または非処方薬過剰摂取を受けている。幾つかの実施形態では、対象は、処方薬または非処方薬過剰摂取の医学的管理が望ましい個体である。
全ての論文、刊行物、特許、特許出願、発表、テキスト、報告書、原稿、冊子、書籍、インターネット投稿、学術論文、定期刊行物等を含むが、限定されない本明細書中で引用する参照文献は全て、それらの全体が参照により本明細書によって組み込まれている。本明細書中の参照文献の論述は、それらの著者らにより行われる主張を単に要約すると意図され、いずれの参照文献も従来技術を構成するという了承は行われていない。出願人らは、引用する参照文献の正確さおよび適切性に挑む権利を留保する。
ここで、本発明を記載してきたが、本発明は、ある特定の実施例を参照して説明され、ある特定の実施例は、単に説明の目的で本明細書中に含まれるものであり、本発明を限定するものとは意図されない。
リポカリン修飾した透析カートリッジの有効性を確認する仮想(Prophetic)実験
実験1:初期実験によりP−クレゾールの濃度を確立して、ここで蛍光は線形であり、下記仮想実験に関してこの濃度範囲を使用する。本発明者他の初期実験により、遊離p−クレゾール、インドキシル硫酸および他の無極性のタンパク質結合性尿毒症毒素に対する、嗅覚物質結合タンパク質OBP−2aおよびOBP−2bおよびレチナール結合タンパク質−RBP−4および他のリポカリン分子の結合親和性、解離定数(Kd)およびモル化学量論を決定される。下記表は、研究される尿毒症毒素およびタンパク質結合性毒素を列挙するが、これらに限定されない。
(実施例1)
C−Myc抗体と結合されたアガロースビーズを使用して、OBPおよびRBPならびに全ての他のリポカリンの、アルブミン結合ストアからp−クレゾール、p−クレゾール硫酸ならびに全ての他の極性および無極性のタンパク質結合性尿毒症毒素を置換する能力を確立する。この観察を確認するための研究は、下記の通りに実施される。
簡潔に述べると、抗C−Myc抗体と結合されたアガロースビーズを、C−mycで標識したOBP2a、OBP2bおよびRBP−4とともにインキュベートする。標識したアガロースビーズ1mlは、C−mycでタグ付けしたリポカリン7.0nモルを結合する。
C−Myc抗体でタグ付けしたアガロースビーズを、Sigma SC−100−Sigma Prep Spinアフィニティーカラムに負荷して、続いて防腐剤として15mM Na+アジドを含有するリン酸緩衝生理食塩水pH7.4 400μlで洗浄する。
Sigmaスピンカラムは、およそ8200×g(Eppendorf 5415C微量遠心機で10,000rpm)で1秒間遠心分離して、洗浄緩衝液を除去した後、C−Mycでタグ付けしたOBP2a、OBP2bまたはRBP−4 3.0nモルを添加する。カラムを室温25℃で1時間インキュベートする。
OBPリポカリンで標識したアフィニティーカラムを、増加濃度のp−クレゾール、クレゾール硫酸およびインドキシル硫酸とともにインキュベートして、無極性のタンパク質結合性尿毒症毒素に対するリポカリンの結合親和性を確認する。カラムの完全な洗浄後、溶出液を組み合わせて、p−クレゾールの最終濃度は、超高圧液体クロマトグラフィー(U−HPLC)により決定する。HPLC法を簡潔に概要する。
超高圧液体クロマトグラフィーは、Pretorius,C.J.,McWhinney,B.C.,Bilyana Sipinkoski,B.,Johnson,L.A.,Megan Rossi,M.,Campbell,K.,Ungerer,P.J.J.Reference ranges and biological variation of free and total serum 2 indoxyl−and p−cresol sulphate measured with a rapid UPLC 3 fluorescence detection method.Clin Chim Acta.18;419:122−6.2013に概要されるように実施する。化学物質は、Sigma(USA)から購入する:3−インドキシル硫酸カリウム塩(IS)、p−クレゾール、4−エチルフェノール、ピリミジン、ジエチルエーテルおよびオクタン酸ナトリウム。アセトニトリル、エタノール、メタノールおよび水は、HPLC等級であった。クロマトグラフィーは、二成分溶媒マネージャー、流水式ニードルオートサンプラー、蛍光検出器およびカラムマネージャー(ミルフォード MA、USA)、ならびにAcquity BEH C18 1.7μm VanGuardプレカラム(2.1×5mm)を伴うAcquity HSS T3 1.8μm(2.1×50mm)カラムで構成されるWaters Acquity UPLC Iクラスシステムを用いて実施される。移動相Aは、50mmol/Lのギ酸アンモニウム(pH5.0)であり、移動相Bは、100%アセトニトリルであった。移動相Bを、2.1分かけて5%から25%へ線形勾配で増加させ、70%で0.4分間、続いて99%で0.5分間、定組成で(isocratically)維持する。カラムを初期条件で0.5分間、再度平衡化させる。システム内のロードアヘッド(load−ahead)機能により、実行時間を最小限に抑えることが可能となる。注入容量は、総IS(tIS)および総pCS(tpCS)に関しては2μL、95fIS試料およびfpCS試料に関しては5μLである。カラム温度は、45℃で維持した。ISは、1.5分で、pCSは、2.1分で、内部標準物質は、2.65分で溶出した。IS、pCSおよび内部標準物質(50μmol/L)(4−エチルフェノール)は、特定励起/放出波長(IS:300/390nm;pCS:260/283nm;および4−エチルフェノール:285/310nm)で、時限プログラミングされた蛍光検出モニタリングを用いて定量化する。較正物質、品質管理較正物質および試料調製較正物質は、tpCSおよびtISに関しては、1〜500μmol/Lの範囲にわたって、またfpCSおよびfISに関しては、0.1〜100μmol/Lの範囲にわたって生理食塩水中で調製する。品質管理試料は、表1に記載するように3つのレベルを得るように、プールした血清を添加することにより調製される。品質管理材料の一定分量を−80℃で保管する。fpCSおよびfISは、内部標準物質の添加なしで、30,000MWCOフィルター(メルク、キルシス、オーストラリア)を用いて、13,000rpmで10分間遠心分離した血清200μLから室温で調製される限外濾過液で直接測定する。tISおよびtpCSは、内部標準物質(50μmol/Lの4−エチルフェノール)を含有するエタノール300μLを使用して、アルブミンまたは血清溶液100μLの除タンパク質後に測定する。混合物を13,000rpmで5分間遠心分離して、HO 200μLおよびジクロロメタン1mLを含有する2.0mLのチューブへ注ぐ。1分間ボルテックスして、13,000rpmで5分間遠心分離した後、上清水150μLを注入バイアルへ移した。エタノール対タンパク質置換を比較するために、血清100μLを、0.25Mオクタン酸ナトリウム(結合競合物質)100μLに添加した。室温で10分間のインキュベーション後、内部標準物質を有するエタノール600μLを、ジクロロメタンへの抽出前に添加する。
(実施例2)
上記実験は、OBP2a、OBP2bおよびRBP−4および他のリポカリンの、ヒト血清中のアルブミンおよび他のタンパク質から、p−クレゾールおよび他のタンパク質結合性尿毒症毒素を除去する能力を確定するように拡張される。増加濃度のp−クレゾールを、生理学的濃度のヒトアルブミン(4.0gm/dl)とともにインキュベートして、続いてステップ1〜4に概要するようにアフィニティークロマトグラフィーに付す。遊離および結合されたp−クレゾールの混合物を含有するカラム溶出液を、U−HPLCを使用して分離させて、リポカリンカラムに結合しなかったp−クレゾールの濃度を決定する。これらの実験を、ヒト血清およびヒトアルブミンを使用して繰り返す。
(実施例3)
三次実験は、ステップ1〜5の観察を拡張して、p−クレゾールおよびインドキシル硫酸に対するOBPおよび他のリポカリンの結合親和性に対するpHの役割を検討する。論理的根拠は、重炭酸塩透析液の高いpHが、結合されたリポカリンに対するp−クレゾールおよび他のタンパク質結合性尿毒症毒素、無極性尿毒症毒素に関する透析器に結合されたリポカリンの結合親和性を変更させることができる可能性があったことである。これらの実験により、既存のポリスルホン透析器のリポカリン修飾が、水溶性および水不溶性尿毒症毒素の両方を同時に排除することが可能な単一透析カートリッジの創出をもたらし得るかどうかを決定する。
方法:これらの実験は、実験1および2に類似した様式で行われる。簡潔に述べると、リポカリンタンパク質への結合により生じるp−クレゾール蛍光のレベルに対する、変化するpHの役割を検討する。これらの実験は、透析前CKDを伴う患者および安定なESRD患者由来の正常なヒト血清を含むように拡張される。これらの後者の実験それぞれにおいて、pHは、6.0から8.0まで上昇させて、蛍光のレベルを測定する。
リポカリンおよびp−クレゾールに関するモル結合比を実証する研究
初期研究は、最も広範に研究されており、また原型的な無極性尿毒症毒素であるという点でP−クレゾールを用いて実施した。P−クレゾールおよび下記リポカリンに関するモル結合比を決定した:嗅覚物質結合タンパク質2a(OBP−2a)、嗅覚物質結合タンパク質2b(OBP−2b)、レチナール結合タンパク質−RBP−4およびL型脂肪酸結合タンパク質(LFABP)。これらの実験は、P−クレゾール硫酸、インドキシル硫酸ならびに他の既知および未知のタンパク質結合性尿毒症毒素のモル結合比の決定を含むように拡張される。例えば、上記リストを参照されたい。
方法:簡潔に述べると、OBP2a、OBP2bおよびRBP−4タンパク質溶液を含むヒスチジンおよびC−Mycでタグ付けしたリポカリンの精製(90%)調製物をOrigeneから入手して、ストック溶液(6.0μg/ml)を創出した。次に、抗c−myc抗体でコーティングしたアガロースビーズを、OBP2aとともにインキュベートした。アガロース親和性ゲルを、1.5mLスピンカラムへピペットで取り、カラムを微量遠心機に入れて、懸濁保存液を振り落とす。樹脂を0.1M水酸化アンモニウムで洗浄した後、TBSで5回洗浄した。TBS中に希釈した2.25nMのc−MYCでタグ付けしたOBP2Aを、樹脂を有するスピンカラムに添加して、オービタル振とう機に1時間入れて、樹脂へのOBP2Aの結合を可能にした。カラムを微量遠心機に入れて、TBSおよび任意の未結合OBP2Aを振り落とした。この後、TBSで2回洗浄して、任意の残留未結合タンパク質を除去した。OBP2aの最終濃度1.75nモルは、アガロースビーズへ結合したままであった。続いて、カラムを、TBS中に希釈したp−クレゾール3μg(27.9nM)とともにインキュベートして、オービタル振とう機に入れて、OBP2Aへのp−クレゾールの結合を可能にした。1時間後、カラムを微量遠心機に入れて、任意の未結合p−クレゾールを除去した。この後、トリス緩衝液で洗浄して、任意のさらなる未結合P−クレゾールを除去した。トリス洗浄液全てを組み合わせて、未結合P−クレゾールの量は、超高圧液体クロマトグラフィー、および特定励起/放出波長:インドキシル硫酸(300/390nm)、P−クレゾール硫酸:260/283nmを使用した時限プログラミングされた蛍光検出モニタリングにより決定した。モル結合比を確認するために、C−mycでタグ付けしたOBP2aカラムを、0.1M水酸化アンモニウムで4回洗浄して、OBP2aにより樹脂に結合されたp−クレゾールを全て放出させた。溶出液全てを収集して、さらなる分析用に保存した。本発明者らは、OBP2aのモル対モル結合比が1.32であることを決定し、さらなるより低い親和性結合ドメインを示唆する。実験を続けて、C−mycカラムをNaOHで落として、P−クレゾール対OBP2aのモル対モル結合1:1を算出した。以下を参照されたい。
P−クレゾールおよびOBP2bに関して類似の1:1.14のモル比が決定された。方法:これらの実験は、実験#1に類似した様式で実施する。簡潔に述べると、p−クレゾール結合性アルブミンとのインキュベーション後の蛍光のレベルは、OBPおよび他のリポカリンの、アルブミンストアから無極性尿毒症毒素を置換する能力を反映する。
リポカリンへのp−クレゾールの結合を証明するための別の実験では、総計38.2μgの複合リポカリンタンパク質(2.02nM)とするために、OBP2A(1.12nM)20μgをOBP2B 8.6μg(0.44nM)およびRBP4 9.6μg(0.46nM)と組み合わせた。タンパク質を、2mLの微量遠心機チューブ中のp−クレゾール3μg(27.8nM)とともに、28℃で30分間振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、溶液をAmicon Ultra−0.5mL 3K遠心フィルターにピペットで取り、14000rpmで30分間遠心分離した。次に、内部フィルターをめくり上げて、1000rpmで1分間遠心分離して、任意の結合されたp−クレゾールとともに濃縮タンパク質を収集した。濃縮器から回収した容量は、48μLであり、上述するのと同一のHPLC条件を使用したHPLCでの分析用に、500μLに増加させた。タンパク質は、元の濾液中でのBradfordアッセイにより検出されなかった。任意の未結合p−クレゾールが遠心フィルター中に残存するかどうかを決定するための対照実験は陰性であった。
(実施例5)
これらの研究は、OBPおよび他のリポカリンによるp−クレゾールおよび他のタンパク質結合性尿毒症毒素の除去に関する最適な流速を算出し、および/または結合性されたリポカリンへのp−クレゾール、インドキシル硫酸および他の尿毒症毒素の結合に対する増加する血漿流の影響および外来患者血液透析に匹敵する条件下で、これらのタンパク質の、アルブミン結合部位から無極性尿毒症毒素を置換する能力を研究する。結合容量は、50〜500ml/分から算出される。
方法:簡潔に述べると、ヒスタミンでタグ付けしたリポカリンを、ニッケルコーティングしたカラムに結合させる。様々な濃度の生理食塩水中のp−クレゾール、アルブミン溶液またはヒト血清を、5.0ml/分から最大400ml/分までの増加流速でカラムに通して流す。続いて、p−クレゾールが結合されたOBPをカラムから放出させて、これまでに記録されるように、蛍光度を測定する。
(実施例6)
無極性のタンパク質結合性尿毒症毒素のバルク除去が、心筋細胞を通る励起電位のギャップ結合伝播に関わるタンパク質であるコネキシン43の分解を阻止するかどうかを決定するために慢性腎臓疾患のブタモデル(ジョージア医科大学と連携)を使用する。実施例6での研究は、片側腎摘出術および2/3対側腎摘出術を使用して慢性腎不全のブタモデルを創出する。CKDブタを3カ月で屠殺して、段落番号[0070]で論述するようにU−HPLCにより定量化される血漿p−クレゾールのレベルを、心筋細胞におけるコネキシン−43発現のレベルと相関させる。論理的根拠は、ESRD患者間で一般に見られる濃度で、p−クレゾールが心臓ギャップ結合内でコネキシン−43の用量依存的分解を誘導し得ることを細胞培養モデルが示したことである。コネキシン、またはギャップ結合タンパク質は、ギャップ結合を形成するように集合する構造上関連する膜貫通タンパク質のファミリーである。各ギャップ結合は、2つのヘミチャネル、または6つのコネキシン分子で構成されるコネクソンで構成される。1つの細胞中のコネキシンは、ギャップ結合を通って隣接細胞中のコネキシンと結合して、細胞を電気的に接続させる。心房性細動(AF)は、細胞間のコネキシンの数の変化に関連付けることができる。AFはまた、コネキシン分布、特にコネキシンの側性化の変化に関連付けることができる。Peng,Y.S.,Ding,H.S.,Lin,Y.T.,Syu,J.P.,Chen,Y.,Wang,S.M.Uremic toxin p−cresol induces disassembly of gap junctions of cardiomyocytes Toxicology 302(2012)11−17を参照されたい。
これらの実験は、4つの動物群:群−1の正常な対照、群−2の介入なしのCKDブタ、群−3の毎日血漿交換で1週間処理したCKDブタ、および群−4の毎日血漿交換で処理して、p−クレゾールの毎日注入を受けたCKDブタを研究することにより拡張される。p−クレゾールは、コネキシン−43を迅速に分解して、このタンパク質の損失が心房性不整脈の一因となるため、群−3の対象は、正常な対照のレベルに近いコネキシン−43レベルを示すと考えられる。
(実施例7)
これらの研究は、CLEARカートリッジの実験用平行プレート透析器原型を構築し、ここではポリスルホン材料のシートへのリポカリンファミリー由来のタンパク質を共有結合するプロセスが改良される。プレート透析器技術は、CKDブタモデルに適用され、ここでp−クレゾール除去の生物学的終点は、心臓ギャップ結合におけるコネキシン−43発現の回復である。これらの実験は、ポリスチレン中空繊維透析膜を使用したCLEARカートリッジの創出に拡張される。
(実施例8)
これらの研究は、実施例7の結果を拡張させて、ESRDを伴う患者におけるCLEARカートリッジの安全性および有効性を決定するための第1相治験を行う。
(実施例9)
これらの研究は、従来の血液透析を、末期腎臓疾患(ESRD)の下記臨床的合併症における血液透析およびCLEARカートリッジ技術と比較する無作為化プロスペクティブ治験を含む。
1)透析後徐脈の速度および心房性または心室性不整脈の発生
2)突発的な透析患者における左心室肥大(LVH)および拡張機能障害の発症の割合の決定
3)尿毒症掻痒症(Pruritis)の発生および重篤性に対するCLEARカートリッジ技術の有効性の決定
4)鬱病およびESRDの他の神経精神病学的合併症の認知、割合に対するCLEARカートリッジ技術の有効性の決定
5)ESRD患者における嗅覚能力に対するCLEARカートリッジ技術の有効性の決定
6)マラリアの流行人口を有する国々に存在するESRDにおけるマラリア感染の割合を低減させる際のCLEARカートリッジ技術の有効性の決定。
タンパク質結合性毒および薬物過剰摂取のリポカリン修飾透析カートリッジ結合および排除の有効性を確認する仮想実験
(実施例10)
リポカリン修飾透析カートリッジの実用性を展開するために、本発明者らは、本明細書中に記載するようなリポカリン、特にOBP2a、OBP2b、RBP4およびLFABPの、タンパク質結合性薬物を結合して、血漿から高度に除去する能力を立証する予備実験を実施する。この拡張の主な臨床的応用は、潜在的に生命を脅かす薬物過剰摂取を除去するためのCLEARカートリッジの使用である。リポカリン結合および薬物除去に関して試験される薬物としては、下記薬物、アセトアミノフェン、フェニトイン(ディランチン)、ロラゼパム(アティバン)、ワルファリン(クマディン)、三環系抗鬱薬、ジゴキシン、テオフィリン、バルプロ酸、カルバマゼピン(テグレトール)およびコカインが挙げられるが、これらに限定されない。様々な組合せで結合されたリポカリンを含むように修飾された透析カートリッジへのこれらの薬物の結合は、薬物排除を大いに増強させて、患者の罹患率および死亡率を低下させる。
薬物過剰摂取の原因であると一貫して報告されている上記薬物のモル対モル結合親和性は、それらの、本明細書中に記載するような膜に結合されたリポカリンと結合して、それらにより排除される能力に関して研究される。上述する実験で使用される同じ方法を使用して、従来の透析機に適合した流速でCLEARカートリッジに対する薬物の結合を確認する。
選択したリポカリンタンパク質の増幅およびCLEARカートリッジ原型の作成を実証する仮想実験
実験は、原型CLEARカートリッジを構築するのに使用される精製OBP2a、OBP2b、RBP4およびLFABPの大規模供給を作成するように目下実施している。特定のリポカリンタンパク質が、各々のリポカリンのアミノ末端に結合される6つのアミノ酸「ヒスチジンタグ」によりポリスルホンマトリックスに共有結合されているポリスルホンシートで構成される平行プレート透析器を使用する。原型を構築するためのリポカリンの増幅は、下記プロトコルに従って実施される。研究されるべき現在のリポカリン4つ全てに関するC−DNAを、特異的なプライマーを使用してPCRにより増幅させた。次に、C−DNAをPSV278ベクターに挿入して、大腸菌の形質転換後に増幅させた。PSV278ベクターを増幅させて、DNAミニプレップにより単離して、アガロースゲル上で分離した。続いて、制限酵素BamH1/Sal1およびBamH1/Hind111で、プラスミドを2時間消化させて、DNAフラグメントをアガロースゲル上で分離した。OBP2a、OBP2b、RBP−4およびLFABPに特異的なタンパク質を精製して、さらなる実験および/または潜在的な原型の作成に必要とされるまで−80℃で保管する。
仮想第I相および第II相動物モデル研究
さらなる動物モデル研究を行って、慢性腎臓疾患のブタモデルにおいて装置を研究する。ジョージア医科大学にある大規模動物実験室と連携して、小〜中サイズのブタ(75kg)に片側腎摘出術を施し、続いて対側腎の選択的塞栓術を行って、20〜30ml/分のeGFRを伴う慢性腎臓疾患(CKD)の維持動物を創出する。
安定化後、CKDを伴うブタを3つの別個の群に分ける:対照、血漿交換のみ、および血漿交換+p−クレゾール注入実験群。HPLCを使用して、ベースライン時、および血漿交換の5日後に、血漿P−クレゾール、P−クレゾール硫酸およびインドキシル硫酸レベルを決定する。対照動物に、偽透析カテーテルを施すが、血漿交換は行わない。次に、2つの実験群には、標準的な血漿交換のプロトコルに従って、ブタ血漿による完全置換により毎日の血漿交換×5日を行う。血漿交換に加えて、動物の一方の群には、P−クレゾールの連続注入を施す。
血漿交換の5日の完了後、動物群全てを屠殺して、心室および心房心臓組織を、免疫組織化学研究用に収集する。次に、心室および心房心臓組織を、心筋細胞間の励起電位を伝導するのに必須のタンパク質であるコネキシン43の密度および位置に関して検査する。論理的根拠は、P−クレゾールが用量依存的な様式でコネキシン43の発現を低減させることを、これまでの研究が示していることである。対照およびp−クレゾール置換による血漿交換を受けた動物で低減される場合、本発明者他らは、p−クレゾールの低減が尿毒症の心合併症に関与すると結論付ける。
第II相動物モデル研究に関して、これらの実験を繰り返し、ここで血漿交換を受ける動物群には、CLEARカートリッジを用いて、または標準的なポリスルホン透析カートリッジを使用して、毎日の透析を施す。5日目の最後に、動物を屠殺して、心臓組織を、コネキシン43の染色密度および組織分布に関して検査する。本発明の装置による透析を受けた動物は、コネキシン43の一般的な組織分布を有すると予測される。
続いて、さらなる研究は、上記で論述するようなESRDの臨床的合併症において、従来の血液透析を、本発明の血液透析および装置と比較する無作為化プロスペクティブ治験を含む。
本開示の実施形態は、特定用語、デバイスおよび方法を使用して記載してきたが、かかる記述は、単なる説明目的のためのものである。使用する語句は、限定ではなく、記述の語句である。下記の特許請求に範囲に記載する本開示の精神または範囲を逸脱することなく、修正および変形が当業者により行われ得ることが理解されよう。さらに、各種実施形態の態様は、全体的にまたは部分的に交換可能であり得ることが理解されるべきである。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書中に含まれる様式の記述に限定されるべきではない。

Claims (33)

  1. 透析処置用の装置であって、この装置は、入口および出口を有するとともに内部を画定する本体を備えており、前記内部は、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つの膜を備え、この装置に入る流体は、この装置に入ると前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するように構成されている装置。
  2. 前記膜が、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、トリアセテート、ポリアクリロニトリルまたはポリメタクリル酸メチルの少なくとも1種である請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの膜がポリスルホン膜である請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1種のタンパク質が、前記少なくとも1つの膜に共有結合されている請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される同じ型のタンパク質を含むものである請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される異なる型のタンパク質の組合せを含むものである請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が、嗅覚物質結合タンパク質である請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素の排出が促進される請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素が、p−クレゾール、インドキシル硫酸またはp−クレゾール硫酸の少なくとも1つである請求項8に記載の装置。
  10. 入口および出口を有するとともに内部を画定する本体を備える装置に、対象由来の体液を流すことを含む透析方法であって、前記内部が、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つの膜を備えており、前記装置に入る前記体液は、前記装置に入ると前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するように前記装置が構成されている方法。
  11. 前記少なくとも1つの膜が、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、トリアセテート、ポリアクリロニトリルまたはポリメタクリル酸メチルの少なくとも1種である請求項10に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの膜がポリスルホン膜である請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1種のタンパク質が、前記少なくとも1種の膜に共有結合されている請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される同じ型のタンパク質を含むものである請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される異なる型のタンパク質の組合せを含むものである請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が、嗅覚物質結合タンパク質である請求項10から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素の排除が促進される請求項10から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素が、p−クレゾール、インドキシル硫酸またはp−クレゾール硫酸の少なくとも1つである請求項17に記載の方法。
  19. 入口および出口を有するとともに内部を画定する本体を備える装置に、対象由来の体液を流すことを含む尿毒症を予防または治療する方法であって、前記内部が、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が結合された少なくとも1つの膜を備えており、前記装置に入る前記体液は、前記装置に入ると前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するように前記装置が構成されている方法。
  20. 前記少なくとも1つの膜が、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、トリアセテート、ポリアクリロニトリルまたはポリメタクリル酸メチルの少なくとも1種である請求項19に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1つの膜がポリスルホン膜である請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1種のタンパク質が、前記少なくとも1つの膜に共有結合されている請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される同じ型のタンパク質を含むものである請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記少なくとも1種のタンパク質が、複数のタンパク質を含み、これらタンパク質が、リポカリンファミリーから選択される異なる型のタンパク質の組合せを含むものである請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質が、嗅覚物質結合タンパク質である請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
  26. 疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素の排出が促進される請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素が、p−クレゾール、インドキシル硫酸またはp−クレゾール硫酸の少なくとも1つである請求項26に記載の方法。
  28. 前記尿毒症が、疲労、貧血、痒み、末梢神経障害、胃腸障害、吐気、嘔吐、下痢、心血管の合併症、冠血管疾患、末梢血管疾患、左心室肥大、心筋線維症および不整脈に関わる加速の少なくとも1つを特徴とする請求項19から27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記尿毒症が、疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素によって引き起こされるものである請求項19から28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 透析方法であって、
    (a)透析装置の内部に、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を含む溶液を供給するステップと、
    (b)前記透析装置に、対象由来の体液を流すステップであって、前記透析装置が、入口および出口を有するとともに内部を画定する本体を備えており、前記内部が、前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を結合可能な少なくとも1つの膜を備えており、前記透析装置に入る前記体液は、前記透析装置に入ると前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するように前記透析装置が構成されており、疎水性のタンパク質結合性尿毒症毒素の排出が促進されるステップと
    を含む方法。
  31. 体外解毒の方法であって、この方法は、入口および出口を有するとともに内部を画定する本体を備える装置に、対象由来の体液を流すことを含み、前記内部が、リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質を結合可能な少なくとも1つの膜を備え、前記装置に入る前記体液は、前記装置に入ると前記リポカリンファミリー由来の少なくとも1種のタンパク質と接触するように前記装置が構成されており、薬物の排出が促進される方法。
  32. 前記薬物が、処方薬または非処方薬である請求項31に記載の方法。
  33. 前記対象が、偶発的または意図的な薬物過剰摂取に陥っている請求項31に記載の方法。
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