JP2017006347A - 光治療用装置 - Google Patents

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敦 今村
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和央 吉田
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一樹 加藤
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峻 濱口
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Abstract

【課題】本発明の課題は、治療時に高エネルギーの光線治療と共に、血行促進効果を発現する磁性体による磁気治療を同時に施すことができ、かつ患部への密着性及び曲面対応性に優れ、いかなる治療環境でも高い光治療効果を発揮することができる光治療用装置を提供することである。【解決手段】本発明の光治療用装置は、基板、好ましくはフレキシブル基板上に、面発光体である電界発光素子、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子と、磁性体と、粘着層とを有し、該粘着層が光治療対象の患部に密着して、光治療と磁気治療を同時に行うことを特徴とする光治療用装置である。【選択図】図7

Description

本発明は光治療用装置に関し、更に詳しくは、電界発光材料、粘着層及び磁性体を有する光治療用装置に関する。
従来、特定の疾病に対し、光照射による治療、いわゆる光治療が有効であることが知られている。例えば、肩こりや腰痛などの疼痛緩和や薄毛治療には赤色光や赤外線の照射による治療が行われている。この赤外線、例えば、近赤外線光の照射により、血管を拡張させることにより、組織血流を増加させたり、交感神経系の興奮を抑制したり、細胞組織を活性化して創傷治癒を促進したり、炎症性サイトカインや発痛物質に働きかけて抗炎症作用や鎮痛作用をもたらしたりすることはよく知られている。特に、水、ヘモグロビン、メラニンに対する吸収が少ない波長800〜900nm近傍の近赤外線領域は生体透過度に優れ、温熱効果とは異なる作用機序によって炎症抑制や疼痛緩和されることが明らかになってきた。一方、アトピー性皮膚炎の治療には青色光や紫外線の照射による治療が行われている。
このように、様々な疾患に対する治療に光が用いられており、この単独で光を用いる方法を、光線療法といい、光の照射と共に、光化学療法剤を併用する治療法を光線力学的療法(PDT:Photo Dynamic Therapy)という。このPDTにおいては、光化学療法剤として知られる感光性治療剤が、身体の被処置領域に外部から又は内部から供給される。これらの療法を用いてさまざまな皮膚疾患および内部疾患の治療が可能である。
以上のような光治療に用いられる光治療用装置としては、面上に無機発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、LEDと略記する。)を配列した複数の発光手段と、発光手段のそれぞれについて発光量や発光時間を制御する制御手段とを備えた、近赤外線光により炎症性疼痛の緩解などの治療を行うための光治療用装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1で開示されている光治療用装置によれば、治療光の照射面における光強度分布や温度分布が均一化され、治療部位となる照射面全体に均一に治療光を照射して治療効果を高めることができるとされている。
しかしながら、光源として使用しているLEDは、LED自身が発する熱等による影響や、LED光源と共に、拡散板等を具備しているため、フレキシブル性に乏しい発光素子である。例えば、治療対象である患部の曲面構造に対し、均一に光照射させようとする場合には、多くのLEDを配置する必要があり、多数のLEDの発光制御が必要となるという問題も抱えている。
上記の問題に対し、光源として有機発光ダイオード(以下、有機エレクトロルミネッセンス素子、OLED又は有機EL素子という。)を用いた光治療用装置が提案されている。例えば、治療上又は美容上の処置で用いる移動式機器で、治療すべき領域に有機発光半導体として有機EL素子を用いて、光照射して治療する光治療用装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。また、治療用波長を発する有機EL素子と、当該有機EL素子の発光条件を制御する制御モジュールを有する光線治療器が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この開示されている方法によれば、複数の有機EL素子を選択的に選択あるいは制御モジュールで発光を制御することにより、光照射システムを所望の色特性に制御することができるとされている。
しかしながら、上記提案されている有機EL素子を用いた光治療用装置では、患部に均一な光の照射を行うような工夫がなされているが、OLEDから構成されている光治療装置の光源部は、多くの場合、曲面を有する患部に対し、一定の間隔をもって離間した位置に配置される場合が多い。その結果、治療時に腕、足、顔、胴等の治療対象の患部が動いたり、移動したりすることにより、光照射時の光束方向と患部位置にずれが生じ、効果的な光治療を行うことができなくなる。このようの問題に対し、光治療装置の全面にOLEDを配置することにより、一定の対応は可能ではあるが、多数のOLEDを配置することにより、OLEDの発光に伴い多量の熱エネルギーが発生し、患部等へ過度の熱量の付与が懸念され、安全な治療また長時間の治療をすることに障害があった。また、OLED単独による光線治療では、その治療効果としては自ずと制限がある。
また、特許文献4には、パッチの一方の面側に、接着層、薬剤層及び光照射又は化学反応により治療光線を発射する自発的発光層を有する光線治療パッチが提案されている。特許文献4に記載の方法によれば、内部に電源を配置させることがなく、薄膜設計が可能で、携帯に特徴を備えた光線治療パッチであるとされている。
しかしながら、特許文献4で提案されている光線治療パッチを構成する自発的発光層としては、化学反応により駆動する蛍光層や、光照射等により駆動して、治療光線を発射する有機発光層であるが、このような方法では、光治療に必要な光量としては低く、多くの自発的発光層を配置する必要があり、かつ、外光の無い治療環境では、使用することができないという問題を抱えている。
一方、磁気治療効果を発現する磁性体と粘着層から構成されている磁気治療器が開示されている(例えば、特許文献5及び特許文献6参照。)。これら開示されている方法では、皮膚にしっかりと貼付され、皮膚のかぶれ等を抑制し、皮膚の動きに追従する柔軟性を有する磁性体による磁気治療器である。しかしながら、これらの磁気治療装置は、磁力線による治療効果のみであり、様々な種類の疾病や美容的症状に対する広範囲にわたる治療効果としては、極めて乏しいのが現状である。
特開2009−055969号公報 特表2005−520583号公報 特表2012−514498号公報 特開2011−255157号公報 特開2009−172352号公報 特開2009−254905号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、治療時に高エネルギーの光線治療と共に、磁性体による磁気治療を同時に施すことができ、かつ患部への密着性及び曲面対応性に優れ、いかなる治療環境でも高い光治療効果を発揮することができる光治療用装置を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、基板上に、面発光体である電界発光素子と、粘着層と、磁性体を有することを特徴とする光治療用装置により、治療時に高エネルギーの光線治療と、磁性体による磁気治療を同時に施すことができ、かつ患部への密着性及び曲面対応性に優れ、いかなる治療環境でも高い光治療効果を発揮する光治療用装置を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.基板上に、面発光体である電界発光素子と、粘着層と、磁性体とを有することを特徴とする光治療用装置。
2.前記基板の一方の面側に、前記電界発光素子を有し、当該電界発光素子上に前記粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に前記磁性体を有することを特徴とする第1項に記載の光治療用装置。
3.前記基板の一方の面側に、前記電界発光素子を有し、当該電界発光素子上に前記粘着層を有し、かつ前記基板の前記電界発光素子を有する面とは反対側の面に、前記磁性体を有することを特徴とする第1項に記載の光治療用装置。
4.前記基板の一方の面側に、前記粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に前記磁性体を有し、かつ前記基板の前記粘着層を有する面とは反対側の面に、前記電界発光素子を有することを特徴とする第1項に記載の光治療用装置。
5.前記基板の一方の面側に、前記粘着層を有し、当該粘着層内に前記電界発光素子と前記磁性体とが並列配置されていることを特徴とする第1項に記載の光治療用装置。
6.前記電界発光素子が、電極として金属膜を有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の光治療用装置。
7.前記電界発光素子が、発光波長が400〜2000nmの波長域にある有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の光治療用装置。
本発明の上記手段により、治療時に高エネルギーの光線治療と共に、血行促進効果を発現する磁性体による磁気治療を同時に施すことができ、かつ患部への密着性及び曲面対応性に優れ、いかなる治療環境でも高い光治療効果を発揮することができる光治療用装置を提供することができる。
本発明で規定する構成により、上記問題を解決することができたのは、以下の理由によるものと推測している。
本発明の光治療用装置においては、面発光体として電界発光素子、例えば、LEDや有機EL素子、より好ましくはフレキシブル性を備えた有機EL素子を用いて光照射による治療を行うとともに、血行促進効果を発現する磁性体による磁気治療を併用し、かつ患部に接する面側に粘着層を設けることにより、光治療用装置を治療対象の患部に、確実に密着して光治療及び磁気治療を同時に行うことにより、より優れた光治療効果を得ることができることが特徴である。すなわち、本発明の光治療用装置における効果としては、一般的に知られた光治療効果に加え、血行促進効果を発現する磁気治療法を複合的に使用することによって、複数の治療効果や効果の相乗を見込むことができる。
一般的な治療器や治療装置の多くは、磁気(磁界)の影響を受けやすい層であり、磁性体を併用することはできない状況にあるが、本発明に係る電界発光素子、特には、有機EL素子は、磁気の影響を受けにくい発光素子であるため、光治療と磁気治療の併用を可能とすることができる。
さらには、有機EL素子が金属膜を電極とする場合、電極が平面上の金属膜となるため、磁気治療材料である磁性体から漏れる磁気を効率的に遮蔽することができ、金蔵ペースメーカー等の埋め込み型医用電子機器又は脳脊髄液短絡術用圧可変式シャント等磁気に弱い治療機器への影響を減少させることができる。
従来開示されている方法、例えば、特許文献4に記載されている光線治療パッチは、薬剤と光線治療を複合的に利用する方法であるが、光照射又は化学反応を利用した発光を利用する方法であり、技術的には太陽光を受けた蛍光体が発光し、赤色光により美白作用を発現する方法である。
上記方法に対し、本発明は、面発光体として電界発光素子、例えば、有機EL素子等を用い、電気的に励起した光を光治療に適用することを特徴とするものであり、特許文献4に記載の方法とは、その発光手段が異なる方法である。
また、前記特許文献5及び特許文献6に記載されている方法では、磁性体による磁気治療と粘着層とを組み合わせた方法のみであり、光治療を併用することにより、多種多様な疾病に対する優れた治療効果を発現することができことの記載は一切見られない。
加えて、本発明の光治療用装置においては、コンセント等の外部電源に接続することにより、夜間や室内の暗所でも使用することができ、また、装置内部に薄型電池等を具備することにより、使用する場所や時間に関係なく、光治療を行うことができる。更に、携帯性に優れた本発明の光治療用装置は、病院等の限定された場所以外に、専門の技術を必要としないような光治療の種類によっては、自宅や旅行先などでも、利用することができる。
更に、本発明の光治療装置においては、薬剤を粘着層に含有させ、光化学療法剤を併用する光線力学的療法を適用することもできる。
本実施形態の磁気治療を併用した光治療用装置の構成の一例(実施態様1)を示す概略断面図 電界発光素子として好適に用いられる有機機能層ユニットを含む有機EL素子の全体構成を示す断面図 本実施形態の磁気治療を併用した光治療用装置の他の構成(実施態様2)の一例を示す概略断面図 本実施形態の磁気治療を併用した光治療用装置の他の構成(実施態様3)の一例を示す概略断面図 本実施形態の光治療用装置の他の構成(実施態様4)の一例を示す概略断面図 本実施形態の光治療用装置の他の構成(実施態様5)の一例を示す概略断面図 接着層を介して曲面の患部に、本実施形態の光治療用装置を密着して装着した状態を示す模式図 電界発光素子の一例で、無機発光ダイオードであるLEDを光源とするLED発光デバイスの一例を示す概略断面図 有機EL素子の具体的構成の第1例(実施態様6)を示す概略断面図 有機EL素子の具体的構成の第2例(実施態様7)を示す概略断面図 有機EL素子の具体的構成の第3例(実施態様8)を示す概略断面図 有機EL素子の具体的構成の第4例(実施態様9)を示す概略断面図 本実施形態の光治療用装置内に、駆動用の薄膜電池を装着した一例(実施態様10)を示す概略断面図 本発明に適用可能な薄型電池の一例である薄型リチウムイオン電池の構成を示す概略断面図 本実施形態の光治療用装置の外部に、駆動用の電源を設けた一例(実施態様11)を示す概略断面図 粘着層中に、光散乱粒子を存在させた構成の一例(実施態様12)を示す概略断面図
本発明の光治療用装置は、基板上に、面発光体である電界発光素子と、粘着層と、磁性体とを有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項7に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、後述の図1(実施態様1)及び図3(実施態様2)で示すように、光治療用装置が、基板の一方の面側に、電界発光素子を有し、当該電界発光素子上に粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に磁性体を有する構成とすることが、光治療効果と磁気治療効果をより発現させることができる観点から好ましい態様である。
また、後述の図4(実施態様3)で示すように、基板の一方の面側に、電界発光素子を配置し、電界発光素子上に粘着層を有し、かつ基板の電界発光素子を有する面とは反対側の面(患部との非接触面側)に、磁性体を配置する構成とすることが、光治療効果と磁気治療効果をより発現させることができる観点から好ましい態様である。
また、後述の図5(実施態様4)で示すように、基板の一方の面側に、粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に磁性体を配置し、かつ基板の粘着層を有する面とは反対側の面(患部との非接触面側)に、電界発光素子を配置する構成とすることが、光治療効果と磁気治療効果をより発現させることができる観点から好ましい態様である。
また、後述の図6(実施態様5)で示すように、基板の一方の面側(患部との接触面側)に、粘着層を設け、当該粘着層内に電界発光素子と磁性体とが並列配置する構成とすることが、それぞれの光治療効果と、磁気治療効果とが、お互いに干渉することなく、より効率的な光治療を施すことができる。
また、基板としてフレキシブル基板を適用することにより、光治療装置として高いフレキシブル性を付与することができ、その結果、様々な患部の形態に対応する光放射面形状を形成し、患部に安定して密着させることができ、光治療効率を高めることができる観点から好ましい。
また、電界発光素子として、発光波長が400〜2000nmの波長域にある有機エレクトロルミネッセンス素子を適用することが、幅広い範囲で発光波長を設定でき、様々な病気の治療や美容的症状に対し、高い発光エネルギーで効果的な治療を行うことができる観点から好ましい構成である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《光治療用装置》
本発明の光治療用装置は、基板上に、面発光体である電界発光素子と、粘着層と、磁性体とを有することを特徴とする。
本発明の光治療用装置では、面発光体である電界発光素子により、治療対象である患部の治療目的に適合した波長の光を高いエネルギーで照射すると同時に、磁性体より磁束を患部に照射することにより、光治療と同時に、血行促進効果を発現する磁気治療を施すことができ、両者の相乗効果により、高い光治療を行うことができる。
更には、粘着層により、患部に光治療用の発光光源である電界発光素子と、磁性体を、正確な位置で配置させることができ、また、治療時に患部が動いたりすることによるズレを防止することができ、ピンポイントで、患部に治療用の光を照射と磁束の照射を行うことができるため、大面積の面発光部材を設ける必要がなくなり、安定した条件での光照射を可能とし、患部等での発熱等を抑制することにより、効率的な治療効果を得ることができる。
更には、粘着層中に薬剤等を含ませて、光化学療法剤を併用する治療法である光線力学的療法(PDT)を施すことも有効である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する各実施態様において同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各構成要素のあとの括弧内に記載の数字は、各図に記載した構成要素の符号を表す。
なお、以下の図面を用いた説明においては、粘着層を有する面が、患部と接する面となる。また、各図の下面側が、光照射面として記載してある。
《光治療用装置の全体概要》
以下の各光治療用装置の具体的な説明においては、電界発光素子の代表例として、有機EL素子(OLED)を用いた構成について説明する。
図1は、基板、電界発光素子、磁性体、及び粘着層より構成される本発明の光治療用装置の構成の一例である実施態様1を示す概略断面図である。
図1に示す光治療用装置(M)は、基板(100)上に、電界発光素子の一例である有機EL素子(OLED)を配置し、その下部(光照射側)に粘着層(102)を配置し、当該粘着層(102)の内部に、磁性体(101)を有する構成である。
図1で示す実施態様1においては、有機EL素子(OLED)より光治療用の発光光(L)を、下方に位置している患部に対し照射すると同時に、粘着材料により患部に密着している粘着層が有している磁性体(101)より、磁力線(MF)を患部に照射することにより、効率的に光治療と磁気治療を併用して実施することができる。
また、図1に示す実施態様1の構成において、磁性体(101)を配置する位置を、粘着層(102)内部から、粘着層(102)の表面に配置し、より患部に近接した位置に磁性体(101)を配置することにより、磁気治療効果をより高めることができ、好ましい方法である。
図1に示すような構成においては、有機EL素子(OLED)に対し、磁性体(101)が、より患部側に配置されている構成であり、相対的に、磁力線による磁気治療効果を高めることができる。また、有機EL素子(OLED)の下部に、発光光(L)の不透過性の磁性体(101)が配置していることにより、発光光(L)の一部が遮蔽される場合がある。
図2は、図1で示した有機EL素子(OLED)の構成を、更に詳細に説明するための部分構成図である。
本発明に係る有機EL素子(OLED)は、透明基材(1)上に、一対の電極を構成する第1電極(6、例えば、陽極)と、その上に、正孔注入層や正孔輸送層等から構成される有機機能層群1(7)と、発光層(8)及び電子注入層や電子輸送層等から構成される有機機能層群2(9)で構成される有機機能層ユニット(2)を有している。
図2では、便宜上、1つの有機機能層ユニット(2)のみを記載しているが、2つ以上の有機機能層ユニット(2)が積層された構造であってもよい。
上記説明した有機機能層ユニット(2)上には、第2電極(10、例えば、陰極)が形成されて、第1電極(6)〜第2電極(10)までで、発光ユニット(U)を構成している。第2電極(10)の上部には、少なくとも有機機能層ユニット(2)を被覆する形態で、封止用接着層(3)及び封止基板(4)が設けられて、有機EL素子(OLED)を形成している。有機EL素子(OLED)を構成する発光ユニット(U)は、発光量、発光波長や発光時間を制御するための発光制御手段(不図示)や駆動電力を供給する電源(不図示)等に接続されている。本発明でいう基材は、上記透明基材(1)又は封止基板(4)がそれに相当する。また、上記各基材とは別に、他の基材を設ける構成であってもよい。
上記図1において示す基板(100)としては、図2で示す有機EL素子(OLED)を構成する封止基材(4)が、その機能を有していてもよい。図1に示す構成においては、基板(100)は、光透過性であっても、不透過性であってもよい。
光治療用装置(M)は、粘着層(102)を介して、患部(AP)に密着して保持する。この時、有機EL素子(OLED)を構成する透明基材及び封止基材は、フレキシブル性を有する材料で構成することが、様々な表面形態を有する患部(AP)に対し、形状を自由に形成することができる観点から好ましい。
図2に示すような構成において、本発明では、透明基材(1)上に、一対の電極で挟持された発光層を含む有機機能層ユニット及封止部材を設けた構成を「有機EL素子(OLED)」と称し、一対の電極、例えば、陽極、発光層、有機機能層群、及び陰極によりなる構成を、「発光ユニット(U)」と称し、例えば、発光層及び有機機能層群により構成されるものを「有機機能層ユニット(2)」と称す。
図3は、本実施形態の磁気治療を併用した光治療用装置の他の構成(実施態様2)の一例を示す概略断面図である。
図3に記載の光治療用装置(M)は、基板(100)の下部に、平板上の磁性体層(101A)を有し、その下に有機EL素子(OLED)を配置し、その外部に粘着層(102)を設けた構成である。
図3に示す構成では、磁性体層(101A)の下部に、有機EL素子(OLED)を配置することにより、光治療に適用する発光光(L)量が、図1で示す構成のように磁性体により妨げられことがなく、光治療と磁気治療の双方を効率よく行うことができる。
図3に記載の構成では、磁束が有機EL素子(OLED)を通過することになるが、有機EL素子(OLED)は、一般的な治療装置に対し、磁気による影響が受けにくい素子であるため、そのような構成をとることが可能となる。
図4は、本実施形態の磁気治療を併用した光治療用装置の他の構成(実施態様3)の一例を示す概略断面図である。
図4に示す光治療用装置(M)は、図3で示した実施態様2の構成に対し、磁性体層(101A)の配置位置を、基板(100)の光照射面とは反対側の面とした構成(実施態様3)であり、実施態様2と同様に、光治療と磁気治療の双方を効率よく行うことができる。また、図4に記載の実施態様3の構成は、図3に示す実施態様2の構成に対し、磁性体層(101A)と、有機EL素子(OLED)を含む粘着層(102)を、それぞれ独立して形成することが可能であり、生産の容易性等に利点を有する。
図5は、本実施形態の光治療用装置の他の構成(実施態様4)の一例を示す概略断面図である。
図5に示す光治療用装置(M)は、図1で示した実施態様1の構成に対し、有機EL素子(OLED)の配置位置を、基板(100)の光照射面とは反対側の面とした構成(実施態様4)であり、良好な光治療効果と磁気治療効果を得ることができるとともに、磁性体(101)を含む粘着層(102)と、有機EL素子(OLED)を、それぞれ独立して形成する方法であり、生産の容易性等に利点を有する。
図6は、本実施形態の光治療用装置の他の構成(実施態様5)の一例を示す概略断面図である。
図6に示す光治療用装置(M)は、基板(100)の同一平面上に、有機EL素子(OLED)と磁性体層(101A)を、ストライプ状あるいは格子状に配置し、お互いに、発光光(L)と、磁力線(MF)を干渉させることなく、高い効率で照射することができる構成である。
図7は、接着層を介して曲面の患部に、本実施形態の光治療用装置を密着して装着した状態を示す模式図である。
図7では、先に図1で説明した実施態様1の光治療用装置(M)を用いた例を示しており、有機EL素子(OLED)、磁性体(101)及び粘着層(102)で構成されている光治療用装置(M)を、曲面形状の患部(AP)に対し、粘着層(102)を介して、密着して保持する。この時、光治療用装置(M)を構成している有機EL素子(OLED)は、フレキシブル性を有していることが、図7で示すような患部(AP)の様々な表面形態に対応して、形状を自由に形成することができる構成であることが好ましい。
光治療時には、図7で示すように患部(AP)に光治療用装置(M)を密着させた状態で、治療的疾患あるいは美容的症状の治療に対応した波長の発光光(L)を有機EL素子(OLED)より患部(AP)に照射するとともに、磁性体(101)より磁力線を照射することによる血行促進効果により、光線治療と磁気治療を同時に行う。
なお、図1〜図7で例示した本発明の光治療用装置(M)においては、必要に応じて、粘着層中に薬剤を更に添加して、所望の薬剤成分を患部に供給することにより、光線治療及び磁気治療共に、薬剤治療を同時に行う方法を用いることもできる。
次いで、本発明の光治療用装置(M)を構成する電界発光素子、磁性体及び粘着層の構成の詳細について説明する。
《電界発光素子》
本発明に係る電界発光素子は、発光する化合物(無機化合物又は有機化合物)を含有する発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、電界を印加することにより、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子が発光層内で再結合させること励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・リン光)を利用した発光素子である。
次いで、本発明に適用可能な電界発光素子(発光ダイオードともいう。)について、その代表例として、無機発光ダイオード(LED)及び有機EL素子について、その構成の詳細を説明する。
[無機発光ダイオード:LED]
以下、電界発光素子である無機発光ダイオード(LED)について説明する。
図8は、本発明に適用可能な電界発光素子の一例である無機発光ダイオード(LED)を光源とするLED発光デバイスの構成例を示す断面図である。
図8において、LED発光デバイス(301)は、電界発光素子であるLED光源(302)と、広範囲に、かつ均一に発光光(L)させるための、導光体(304)、反射板(305)及び拡散板(306)よりなる光学系より構成されている。導光体(304)としては、例えば、アクリル板を用いることができ、本発明においては、拡散板(306)に、光取り出し効率を上げるためのアウトカップリングフィルムとして、層中に散乱粒子を含有する光散乱フィルムや、表面の凹凸構造を有する光散乱フィルム、内部散乱層等を具備させることにより、本発明で規定する半値幅特性を得ることができる。
任意の波長の発光を得るためには、任意の波長のLED発光デバイス(301)の発光光(L)を放出するLED光源(302)を用いてもよいし、任意の発光波長を有する発光物質を塗布した層、もしくは含有させた層を、拡散板(306)の上面又は下面に配置、または任意の発光波長を有する発光物質を含有する拡散板(306)を用い、LED光源(302)で励起して発光させることにより、発光極大波長の角度依存性を抑制することができる。
このような機能を有する発光物質としては、例えば、量子ドットや蛍光材料がある。または、白色のLED光源(302)の光を、拡散板(306)の上面又は下面に設置したカラーフィルター、あるいはカラーフィルターの機能を有する拡散板(306)を用い、白色を変換して任意の波長の発光を得る方式であってもよい。
[有機EL素子]
本発明においては、電界発光素子として、上記説明したLEDに対し、更には有機EL素子を適用することがより好ましい態様である。有機EL素子は、LEDに対し、柔軟性の高い樹脂基板等を適用することができ、電界発光素子として優れたフレキシブル性を付与することにより、曲面を有する患部にフィットした形状に安定して応答することができる。加えて、有機EL素子は、発光輝度が高く、光治療時の発熱がほぼなく、やけど等の危険性がないという利点を有している。
〔1.有機EL素子の基本構成〕
前記図2で示したように、本発明に係る有機EL素子(OLED)は、透明基材(1)上に、一対の電極を構成する第1電極(6)、有機機能層群1(7)と、発光層(8)及び有機機能層群2(9)で構成される有機機能層ユニット(2)を有している。
更に、図2で示すように、有機機能層ユニット(2)上には、第2電極(10)が形成されて、第1電極(6)〜第2電極(10)までで、発光ユニット(U)を構成している。第2電極(10)の上部には、少なくとも有機機能層ユニット(2)を被覆する形態で、封止用接着層(3)及び封止基板(4)が設けられて、有機EL素子(OLED)を形成している。
〔2.有機EL素子の代表的な構成例〕
次いで、本発明において、電界発光素子として好適に用いることができる有機EL素子の具体的な構成例について、図を交えてその一例を説明する。なお、以下で説明する有機EL素子の構成は、その一例を示すものであり、ここで例示する構成のみに限定されるものではない。
(2.1:シングル型の有機EL素子(実施態様6))
図9は、基材、好ましくはフレキシブル基材上に、一対の電極に挟持される1つの有機機能層ユニットを有する構成(実施態様6)の有機EL素子を示す概略断面図である。なお、各構成要素の詳細については、後述する。
図9に示す構成の有機EL素子(OLED)では、フレキシブル基材(1)上に、透明電極として陽極(6)を配置し、その上に、正孔注入層(HIL)及び正孔輸送層(HTL)を積層して、第1の有機機能層群(7)が形成されている。第1の有機機能層群(7)上には、第1発光層(12)及び第2発光層(13)が中間層(14)を介して積層されて、発光層群(8)を構成している。また、中間層(14)は、中間コネクター層とも呼ばれ、電荷発生層であってもよく、マルチフォトンユニット構成であってもよい。
この発光層群(8)上に、電子輸送層(ETL)及び電子注入層(EIL)を積層した第2の有機機能層群(9)が形成されている。第1の有機機能層群(7)、発光層群(8)及び第2の有機機能層群(9)を、有機機能層ユニット(2)と称す。
この第2の有機機能層群(9)上に反射電極として陰極(10)が設けられて、発光ユニット(U)を構成している。最終的な有機EL素子を構成する場合には、図2で示すように、有機EL素子を封止部材で封止する構造をとるが、図9ではその記載は省略している。
図9に記載の構成では、透明な陽極(6)と陰極(10)の間に、電圧(V1)を印加することにより、2つの発光層(12及び13)又は発光層界面で発光し、透明電極である陽極(6)側から発光光(L)が放射される。
図9に示す発光層(12)及び発光層(13)は、発光材料としては、後述する発光ドーパント(例えば、燐光発光性化合物や蛍光発光性化合物)とホスト化合物により形成されている。
図9で示す構成の有機EL素子(OLED)を具備する光治療用装置により、治療時の発熱が少なく、患部との密着性及び曲面対応性に優れ、磁性体による磁力線の照射を併用することにより、光治療と磁気治療を併用し、高い治療効果を有する光治療用装置を実現することができる。
(2.2:2つ有機機能層ユニットを有するタンデム型の有機EL素子(実施態様7))
図10は、一対の電極に挟持される2つの有機機能層ユニットを有し、当該2つの有機機能層ユニットが、発光波長の異なる発光材料を含むタンデム型の有機EL素子の構成(実施態様7)を示す概略断面図である。
図10に示す有機EL素子(OLED)の構成は、フレキシブル基板(1)上に、透明な陽極(6)を形成し、その上に、第1の正孔注入層(HIL1)及び第1の正孔輸送層(HTL1)を積層して、その上に第1の発光層(12)を積層し、更にその上に、第1の電子輸送層(ETL1)及び第1の電子注入層(EIL1)を積層して有機機能層ユニット1(2A)を構成している。
次いで、有機機能層ユニット1(2A)上に中間層(14)を形成し、当該中間層(23)を介して、その上に、有機機能層ユニット1(2A)と同様の構成で、第2の正孔注入層(HIL2)及び第2の正孔輸送層(HTL2)を積層して、その上に第2の発光層(13)を積層し、更にその上に、第2の電子輸送層(ETL2)及び第2の電子注入層(EIL2)を積層して有機機能層ユニット2(2B)を構成している。最後に、最上層に陰極(10)が設けられて、フレキシブル基材(1)上に、発光ユニット(U)を構成している。
図10に記載の構成で、透明な陽極(6)と陰極(10)の間に、リード線(11)を介して電圧(V1)を印加することにより、発光層あるいは発光層界面で発光し、透明な陽極(6)側から発光光(L)が放射される。
このような構成においては、第1の発光層(12)と、第2の発光層(13)においては、それぞれ発光波長の異なる発光材料を含有している。また、中間層(14)は、中間コネクター層とも呼ばれ、電荷発生層であってもよく、マルチフォトンユニット構成であってもよい。
図10で示す構成の有機EL素子(OLED)を具備する光治療用装置により、治療時の発熱が少なく、患部との密着性及び曲面対応性に優れ、磁性体による磁力線の照射を併用することにより、光治療と磁気治療を併用し、高い治療効果を有する光治療用装置を実現することができる。
(2.3:2つの独立した発光ユニットを有する独立駆動型の有機EL素子(実施態様8))
図11に示す有機EL素子は、一対の電極に2つの有機機能層ユニットを有し、2つの有機機能層ユニット間に中間電極を配置し、それぞれの2つの発光ユニットを独立して形成している独立駆動型(調色方式)の有機EL素子の構成の一例(実施態様8)を示す概略断面図である。
図11に示す有機EL素子(OLED)の構成は、フレキシブル基板(1)上に、透明な陽極(6)を形成し、その上に、第1の正孔注入層(HIL1)及び第1の正孔輸送層(HTL1)を積層して、その上に第1の発光層(12)を積層し、更にその上に、第1の電子輸送層(ETL1)及び第1の電子注入層(EIL1)を積層して有機機能層ユニット1(2A)を構成し、有機機能層ユニット1(2A)上に中間電極(15)を形成し、陽極(6)と中間電極(15)間をリード線(11A)で接続して、独立制御が可能な第1の発光ユニット(U1)を構成している。
次いで、中間電極(15)上に、第2の正孔注入層(HIL2)及び第2の正孔輸送層(HTL2)を積層して、その上に第2の発光層(13)を積層し、更にその上に、第2の電子輸送層(ETL2)及び第2の電子注入層(EIL2)を積層して有機機能層ユニット2(2B)を構成し、最上層に陰極(10)が設けられている。更に、中間電極(15)と陰極(10)間をリード線(11B)で接続して、独立制御が可能な第2の発光ユニット(U2)を構成している。
図11に記載の構成では、透明な陽極(6)と中間電極(15)間に、リード線(11A)を介して電圧(V1)を印加することにより、発光ユニット1(U1)を独立して駆動し、中間電極(15)と陰極(10)の間に、リード線(11B)を介して電圧(V2)を印加することにより、発光ユニット2(U2)を独立駆動し、いずれも、透明な陽極(5)側から発光光(L)が放射される。
図11で示す構成の有機EL素子(OLED)を具備する光治療用装置により、治療時の発熱が少なく、患部との密着性及び曲面対応性に優れ、磁性体による磁力線の照射を併用することにより、光治療と磁気治療を併用し、高い治療効果を有する光治療用装置を実現することができる。
(2.4:3つの発光ユニットを有する独立駆動型の有機EL素子(実施態様9))
図12に示す有機EL素子は、一対の電極に3つの有機機能層ユニットを有し、3つの有機機能層ユニット間にそれぞれ中間電極を配置し、3つの発光ユニットを独立して駆動することができる独立駆動型(調色方式)の有機EL素子の構成の一例(実施態様9)を示す概略断面図である
図12に示す有機EL素子(OLED)の構成は、フレキシブル基板(1)上に、透明な陽極(6)を形成し、その上に、図9に記載の構成と同様にして、第1の発光層を含む有機機能層ユニット1(2A)を構成し、有機機能層ユニット1(2A)上に中間電極1(15A)を形成し、陽極(6)と中間電極1(15A)間をリード線(11A)で接続して、独立制御が可能な第1の発光ユニット(U1)を構成している。
次いで、中間電極1(15A)上に、図9の構成と同様にして、第2の発光層を含む有機機能層ユニット2(2B)を構成し、有機機能層ユニット2(2B)上に中間電極2(15B)を形成し、中間電極1(15A)と中間電極2(15B)間をリード線(11B)で接続して、独立制御が可能な第2の発光ユニット(U2)を構成している。
次いで、中間電極2(15B)上に、同様にして、第2の発光層を含む有機機能層ユニット3(2C)を構成し、最上層に陰極(10)が設けられ、中間電極2(15B)と陰極(6)間をリード線(11C)で接続して、独立制御が可能な第3の発光ユニット(U3)を構成している。
図12に記載の構成では、透明な陽極(6)と中間電極1(15A)間には、リード線(11A)を介して電圧(V1)を印加することにより、発光ユニット1(U1)を独立して駆動することでき、中間電極1(15A)と中間電極2(15B)の間に、リード線(11B)を介して電圧(V2)を印加することにより、発光ユニット2(U2)を独立駆動し、更に、中間電極2(15B)と陰極(10)の間に、リード線(11C)を介して電圧(V3)を印加することにより、発光ユニット3(U3)を独立駆動し、いずれも、透明な陽極(6)側から発光光(L)が放射される。
〔有機EL素子の構成材料〕
(1.全体構成)
本発明に適用可能な有機EL素子の概要については、例えば、特開2014−003249号公報、特開2014−003299号公報、特開2014−013910号公報、特開2014−017493号公報、特開2014−017494号公報等に記載されている構成を挙げることができる。
また、タンデム型の有機EL素子の具体例としては、例えば、米国特許第6337492号明細書、米国特許第7420203号明細書、特開2003−045676号公報、国際公開第2005/009087号、国際公開第2005/094130号等に記載の素子構成や構成材料等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
更に、有機EL素子を構成する各層について説明する。
(2:基板)
有機EL素子(EL)に適用可能な基板(1)としては、特に制限はなく、例えば、ガラス、プラスチック等の種類を挙げることができる。更には、基板がフレキシブル性を有していることが好ましい。本発明でいうフレキシブル性とは、直径5mmのABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体樹脂)製の棒に10回巻きつけと開放を繰り返した後、目視確認にて基板に割れや欠け等の損傷がない特性をいう。
本発明において、最表面(光放射面側)に配置される基板(1)は、少なくとも電界発光素子、例えば、有機EL素子により照射される光を、治療する患部に照射するため、400〜2000nmの波長域で光透過性を有している(透明)ことが必要である。本発明でいう光透過性とは、基板(1)としては、400〜2000nmの波長域における透過率が60%以上であることをいい、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明に適用可能な樹脂基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名、JSR社製)及びアペル(商品名、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
これら樹脂基板のうち、コストや入手の容易性の点では、ポリブチレンテレフタレート等のフィルムが可撓性の樹脂基板として好ましく用いられる。
樹脂基板の厚さとしては、10〜500μmの範囲内にある薄膜の樹脂基板であることが好ましいが、より好ましくは30〜400μmの範囲内であり、特に好ましくは、50〜300μmの範囲内である。厚さが10μmであれば、光照射用発光ダイオードを安定して保持することができ、厚さが500μm以下であれば、光治療時に発生する熱エネルギーを効率的に拡散させることができ、また、患者が衣服を着用したままでも肌に密着させることができる。
また、本発明に係るフレキシブル性を有する基板として適用可能な薄板フレキシブルガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。薄板フレキシブルガラスの厚さとしては、例えば、10〜500μmの範囲であり、好ましくは50〜300μmの範囲である。
(3:第1電極:陽極)
有機EL素子を構成する陽極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、あるいはインジウム−スズの複合酸化物(ITO)、SnO及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。
透明陽極を、銀を主成分として構成する場合、銀の純度としては、99%以上であることが好ましい。また、銀の安定性を確保するためにパラジウム(Pd)、銅(Cu)及び金(Au)等が添加されていてもよい。
透明陽極は銀を主成分として構成されている層であるが、具体的には、銀単独で形成しても、あるいは銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀−マグネシウム(Ag−Mg)、銀−銅(Ag−Cu)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銀−パラジウム−銅(Ag−Pd−Cu)、銀−インジウム(Ag−In)などが挙げられる。
上記陽極を構成する各構成材料の中でも、本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある透明陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、透明陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう銀を主成分として構成されている層とは、透明陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る透明陽極でいう「透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
透明陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
また、本発明においては、陽極が、銀を主成分として構成する透明陽極である場合には、形成する透明陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、透明陽極を形成する方法が好ましい態様である。
(4:中間電極)
本発明に係る有機EL素子においては、ハイパワーを得ることができる点から、陽極と陰極との間に、有機機能層群と発光層から構成される有機機能層ユニットを二つ以上積層、さらに、二つ以上積層した有機機能層層ユニット間で電気的接続を得るため、独立した接続端子を有する中間電極層ユニットで分離した構造をとることが好ましい。
中間電極についても、上記説明した第1電極(陽極)の形成材料を同様に用いることができる。
(5:発光層)
有機EL素子(OLED)を構成する発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
また発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)及び発光材料(発光ドーパント化合物ともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
(6:有機機能層群)
次いで、有機機能層ユニットを構成する各層について、電荷注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
〈6.1:電荷注入層〉
電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細が記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができるが、本発明においては、透明電極に隣接して電荷注入層を配置させることを特徴とする。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていれば良い。
正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、透明電極である陽極に隣接して配置される層であり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、陰極が本発明に係る透明電極で構成されている場合には、当該透明電極に隣接して設けられ、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
〈6.2:正孔輸送層〉
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層の機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
〈6.3:電子輸送層〉
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料から構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
〈6.4:阻止層〉
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層等を挙げることができる。
(7:第2電極:陰極)
陰極は、有機機能層群や発光層に正孔を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO及びSnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
陰極は、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、有機EL素子が、陰極側からも発光光Lを取り出す、両面発光型の場合には、光透過性の良好な陰極を選択して構成すればよい。
本発明の有機EL素子の各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)及びインクジェット法等の公知の方法により形成することができる。
(8:封止部材)
有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、フレキシブル封止部材と、陰極及び透明基板とを封止用接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
また、前記図1で示すような構成においては、この封止部材(4)が、光治療用装置(M)を構成する基板(100)となる。
具体的には、フレキシブル性を備えた薄膜ガラス板、ポリマー板、フィルム、金属フィルム(金属箔)等が挙げられる。
本発明においては、封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。さらに、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm(1atmは、1.01325×10Paである)以下であって、温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましい。
また、有機EL素子における発光機能層ユニットを完全に覆い、かつ有機EL素子における第1電極である陽極(3)と、第2電極である陰極(6)の端子部分を露出させる状態で、透明基板上に封止膜を設けることもできる。
以上のような封止材は、有機EL素子における第1電極である陽極(3)と、第2電極である陰極(6)の端子部分を露出させると共に、少なくとも発光機能層を覆う状態で設けられている。
〔有機EL素子への駆動電力の供給方法〕
本発明の光治療用装置を光治療に適用する場合には、発光光を患部に照射する電界発光素子である有機EL素子を駆動するため、電力供給手段を具備する。
電力供給手段としては、方法1としては、光治療用装置の内部に薄型電池を内蔵する方式であり、方法2としては、有機EL素子に引き出し配線を装備し、外部に設けた電源より電力を供給する方法である。
(方法1:薄型電極を内蔵した光治療用装置)
図13は、本実施形態の光治療用装置内に、駆動用の薄膜電池を装着した一例(実施態様10)を示す概略断面図である。このような構成とすることにより、使用する場所の制限を受けることなく、本発明の光治療用装置による光治療を行うことができる。
図13の(a)で示す構成では、前記図4で示した構成に対し、基板(100)と有機EL素子(OLED)の間に、有機EL素子に電力を供給ための薄型電池(50)を設ける構成を示しており、薄型電池(50)と有機EL素子(OLED)は、電気的に接合する部材(不図示)により接合されている。
図13の(b)では、有機EL素子(OLED)と、薄型電池(50)を並列配置し、その間を電気的に接合する部材(106)により接合されている構成を示す。
次いで、本発明の光治療用装置に適用可能な薄型電池について説明する。
本発明に適用可能な薄型電池としては、いかなる電池でも適用可能であり、一次電池であっても、二次電池であってもよく、例えば、アルカリ蓄電池、有機電解液電池、太陽電池等を挙げることができ、厚さとしては1.5mm以下であることが好ましい。
本発明においては、その中でも、有機電解液電池、更には、リチウム電池が好ましく、特に、厚さが1.5mm以下のリチウムイオン電池が好ましい。すなわち、本発明においては、リチウムイオン電池を用いることが、1.5mm以下に薄膜化した形態であっても、有機EL素子の駆動に十分な電力を供給することが可能となる点で好ましい。
リチウムイオン電池の詳細については、例えば、特開2001−266946号公報、特開2003−317695号公報、特開2004−087432号公報、特開2006−278141号公報、特開2007−257885号公報、特開2008−251342号公報、特開2010−033937号公報、特開2011−023361号公報、特開2012−084547号公報等に記載されている内容及び構成を参照することができる。
図14は、先の図13の(b)で示した平行配置した薄型電池の一例であるリチウムイオン二次電池と、有機EL素子との接合状態を示す概略断面図である。
図14の左側には、薄型電池が薄型のリチウムイオン二次電池である場合、リチウムイオン二次電池(50)の構成を示してある。リチウムイオン二次電池(50)は、正極集電体(51)、正極活物質層(52)、電解質層(53)、セパレーター(54)、電解質層(53)、負極活物質層(55)、負極集電体(56)の各層が積層されて、周囲が封止材(57)により封止されている構成である。正極集電体(51)及び負極集電体(56)には、取り出しタグ(51a:電極端子)及び取り出しタグ(56a:電極端子)が、封止材(57)の外部に延びて形成されている。
図14に示すように、リチウムイオン二次電池(50)と有機EL素子(OLED)を接合する場合には、リチウムイオン二次電池(50)側の正極端子(51a)及び負極端子(56a)と、有機EL素子(EL)側の陽極からの陽極端子(6a)及び陰極端子(10a)と、電気的に接続する部材によりそれぞれ接続して、接続部(106)を構成している。
電気的に接続する部材としては、導電性を備えた部材であれば特に制限はないが、異方性導電膜(ACF)、導電性ペースト、又は金属ペーストであることが好ましい態様である。
(方法2:外部電源より電力供給する方法)
図15は、本実施形態の光治療用装置の外部に、有機EL素子を駆動するための電源を設けた一例(実施態様11)を示す概略断面図である。
図15で示すように、例えば、図4で示す光治療用装置(M)を構成する有機EL素子(OLED)の電極間に電圧を印加して発光させるため、外部に設置してある外部駆動電源(108、例えば、AC電源)より、電力供給用配線(107)を介して、電力を供給する方法をとることにより、高輝度で有機EL素子を発光させることができ、好ましい態様の一つである。
《磁性体》
本発明の光治療装置においては、有機EL素子に代表される電界発光素子と共に、磁性体を用いることを特徴とする。
本発明に係る磁性体の形態は、例えば、図1で示すような粒状磁性体であっても、あるいは、図3や図4で示すような磁性体層を形成する形態であってもよい。
粒状磁性体としては、例えば、ピップフジモト社製の皮膚貼付用磁気治療器(商品名;ピップエレキバン)などで代表されるような磁性体であり、ネオジム−鉄−ホウ素系合金焼結磁石やサマリウム−コバルト系合金焼結磁石の粉末を、エポキシ樹脂やポリアミド樹脂をバインダーとして成形したものを挙げることができる。この粒状磁性体は、おおむね直径が約1〜5mm、厚さが0.2〜2.5mm程度の寸法の円盤状磁石である。
ネオジム−鉄−ホウ素系合金は、ネオジム、鉄及びホウ素のみからなる合金の他、ネオジム−鉄−ホウ素系合金にジスプロシウム、テルビウム、プラセオジム等その他の添加物を加えた合金も含む。また、サマリウム−コバルト系合金は、サマリウム及びコバルトを主成分とし、鉄や銅等その他の添加物を加えた合金である。
また、磁性体層の形成に用いる磁性体材料としては、例えば、アルニコ(Fe−Al−Ni−Co)2、3、5、6、7、8やMK鋼等に代表されるアルニコ、バリウムフェライト(BaO・6Fe)やストロンチウムフェライト(SrO・6Fe)、ランタン(La;原子番号57)−亜鉛(Zn;原子番号30)系ストロンチウムフェライト(Sr1−XLaFe12−XZn19)、ランタン−コバルト(Co;原子番号27)系ストロンチウムフェライト(Sr1−XLaFe12−XCo19)等に代表されるフェライト、及びサマリウム・コバルト(SmCo、SmCo、Sm(CoCuFeZr)17)、ネオジウム・鉄・ボロン(NdFe14B)、サマリウム・鉄・窒素(SmFe17)などに代表される希土類、希土類鉄が挙げられる。
フェライト系磁性体の結晶構造としては、スピネル型、ガーネット型、六方晶系マグネトプランバイト型、コランダム型、ペロフスカイト型、NiAs型などがある。これらのフェライト系磁性体のなかでも、六方晶系マグネトプランバイト(M)型が最も好ましい。
六方晶系マグネトプランバイト(M)型フェライトとしては、バリウムフェライト(BaO・6Fe)、ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe)、ランタン−亜鉛系ストロンチウムフェライト、ランタン−コバルト系ストロンチウムフェライト等が好適である。
磁性体層は、バインダー樹脂と磁性体を含む磁性体層形成用塗布液を塗布し、乾燥固化させて形成することができる。
本発明で、磁性体層の形成に使用するバインダーとしては、例えば、ポリエステルウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、ウレア系樹脂など公知の樹脂が挙げられる。また、磁性体層形成用塗布液に用いる有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン等が挙げられる。
磁性体の平均粒径は0.5〜5μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは1〜3μmである。平均粒径が0.5μm以上であれば、磁性体とバインダーを含む磁性体層形成用塗布液のチキソトロピー性が高くなりすぐることがなく、塗布時の取扱性を維持することができる。また、平均粒径が5μm以下であれば、磁性体層形成用塗布液中の磁性体の安定した分散性を維持することができる。磁性体の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真から各粒子の最大径(針状粉では長軸径)を実測し、100個の平均値により求めた数平均粒径である。
《粘着層》
本発明の光治療用装置においては、患部に接する面側に、粘着層を有することが特徴の一つである
本発明に係る粘着層は、含有する粘着材料により、光治療用装置を、光治療及び磁気治療を行う患部の位置に密着させる機能を有している。
(粘着材料)
本発明に係る粘着層の形成に用いる粘着材料としては、400〜2000nmの波長域において、光透過率が50%以上で、かつ患部である皮膚に対し、光治療用装置を構成する有機EL素子等を安定して固定することができる密着性を有している材料であれば、特に制限はない。
本発明に適用可能な粘着材料としては、湿布剤等の外用貼付剤等で広く用いられている粘着剤とその形成方法を適用することができ、その詳細は、例えば、特開2001−097857号公報、特開2001−348329号公報、特開2002−087954号公報、特開2002−104957号公報、特開2004−174202号公報、特開2004−224701号公報、特開2005−263756号公報、特開2007−112991号公報、特開2011−068610号公報、特開2011−20997号公報、特開2012−97108号公報、特開2012−140460号公報、特開2013−095749号公報等に記載されており、それらを参照することができる。
例えば、粘着材料としては、ポリアクリル酸系粘着剤に代表される親水性アクリルポリマー系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ゴム系粘着剤(例えば、天然ゴム、合成ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、イソプレンゴム、ポリイソブチレン(PIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテン等)を挙げることができる。
粘着材料により形成する粘着層の厚さは特に制限はないが、100〜1000μmの範囲内で選択することが好ましい。
(薬剤)
本発明に係る粘着層には、粘着材料と共に、光治療に有効な薬剤を添加することができる。本発明に適用可能な薬剤としては、光線力学的療法(PDT)に適用する光化学療法剤の他に、薬効成分、美肌成分等を、治療の目的に応じて選択することができる。
〈光線力学的療法(PDT)の適用〉
本発明の光治療用装置を用いる光治療法においては、有機EL素子による光照射と共に、粘着層より光化学療法剤を供給する光線力学的療法(PDT)を適用することが好ましい態様である。
本発明に係るPDTでは、治療されるべき体の領域に、光化学療法剤(photopharmaceutical)として公知の感光性の療法用剤を、粘着層より付与し、同時に、その領域に、電界発光素子より適切な波長及び強度の光に放射して、光化学療法剤を活性化させる方法である。例えば、光化学療法剤として光増感性の物質を腫瘍細胞に取り込ませ、光を照射することにより、細胞を死滅させる腫瘍の治療方法である。より具体的には、腫瘍細胞又は腫瘍組織内の新生血管の内皮細胞内に、光増感性蛍光タンパク質等を導入し、適当な光を照射することにより、活性酸素を発生させる。この活性酸素により、腫瘍細胞又は腫瘍組織が傷害され、腫瘍が消失する方法である。
上記光線力学的療法(PDT)に適用される光化学療法剤(光増感性化合物ともいう。)としては、光活性化する光線の照射を受けて、細胞毒性の形態に変換されるか、細胞毒性種を生じさせる光増感性の物質を含有する製剤をいう。
光化学療法剤としては、例えば、5−アミノレブリン酸塩酸塩(クロフォード・ファーマスーティカルズ(Crawford Pharmaceuticals))、メチルアミノレブリン酸(メトフィックス(登録商標)(Metfix(登録商標))、フォトキュア(Photocure))等の局所用剤がある。また、たとえばフォトフィン(登録商標)(Photofin(登録商標))(アクスカン(Axcan)から)およびフォスカン(登録商標)(Foscan(登録商標))(バイオリテック・リミテッド(Biolitech Ltd)から)など、内部の悪性疾患に対して主に用いられる注射用薬剤がある。薬剤は、不活性な形態で適用されることが多く、この薬剤は、感光性の光化学療法剤へと代謝される。
〈その他の薬剤〉
本発明に適用可能な薬剤としては、その他には、特開2004−174202号公報の段落(0025)〜(0033)に記載の薬効成分等、特開2005−263756号公報の段落(0029)や特開2007−112991号公報の段落(0033)に記載されている鎮痛消炎剤、抗真菌剤、抗尿失菌剤、筋弛緩剤、鎮けい剤、強心剤、禁煙補助剤、抗アレルギー剤、美白剤、抗しわ剤、保湿剤、皮膚刺激剤等、特開2012−97108号公報の段落(0053)〜(0142)に記載されている血行促進剤、抗炎症剤、角質柔軟剤、抗真菌剤、抗菌剤、鎮痛剤、静菌・殺菌・消毒剤、止血剤、抗凝血剤、局所麻酔剤、鎮痒剤、抗ヒスタミン剤、凝血剤、アミノ酸、ビタミン類、美白剤、真皮構造改善剤、抗生物質、化学療法剤、制癌剤、向精神剤、抗パーキンソン病剤、性ホルモン剤、抗発汗剤、サンスクリーン剤、抗アレルギー剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、血管拡張剤、血管補強剤、筋弛緩剤、制吐剤、乾癬治療剤、皮膚軟化剤又は皮膚緩和剤、プロスタグランジン類、脂溶性ビタミン類、酵素製剤、ペプチドホルモン類、糖尿病治療剤、多糖類、動植物抽出エキス類、菌体エキス類、抗しわ剤、皮脂抑制剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収斂剤、局所刺激剤、抗男性ホルモン作用剤、毛賦活剤、抗脂漏剤、耐酸性増強・再石灰化剤、酵素、再石灰化促進剤、歯石沈着防止剤、歯磨剤、消炎剤、等が挙げられる。
(光散乱粒子の添加)
本発明に係る粘着層には、有機EL素子からの発光光の効率を高める観点から、発光光が通過する粘着層に、光散乱粒子の添加することが好ましい。
図16は、粘着層中に、光散乱粒子(109)を存在させた構成の一例(実施態様12)を示す概略断面図である。
図16に示す光治療用装置(M)において、構成する粘着層(102)中に、磁性体(101)と共に、光散乱粒子(109)を存在させることにより、そこを通過する発光光(L)を拡散させ、光治療の領域を拡大させ、光治療効率を高めることができる。
本発明に係る粘着層に適用可能な光散乱粒子としては、無機微粒子や有機微粒子を挙げることができ、無機微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸ソーダ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン及びこれらの混合粒子等を用いることができる。無機微粒子の無機材料としては、これらのうち、酸化ケイ素が特に好ましい。
また、有機微粒子としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合、ジビニルベンゼン樹脂、アクリロニトリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等より構成される微粒子を挙げることができる。
《電界発光素子を用いた光治療法の適用分野》
次いで、本発明の光治療用装置において、磁性体を用いた磁気治療と共に行う、電界発光素子による、光治療法(以下、本発明に係る光治療法ともいう。)の概要について説明する。
本発明でいう光治療法、あるいは光線療法とは、前述のとおり、特定の疾病に対し、光照射による治療、いわゆる光治療を行う方法であり、本発明の光治療用装置とは、磁性体による磁気治療と共に、上記説明した電界発光素子、好ましくは有機EL素子を装備し、当該有機EL素子を、粘着層を介して、患部である皮膚等に密着配置して、光治療に有効な光線を、患部に対し的確に照射する装置である。
例えば、肩こりや腰痛などの疼痛緩和や薄毛治療には、磁気治療と共に、赤色光や赤外線の照射による治療が行われている。この赤外線による治療は、例えば、患部に近赤外線光の照射を行うことにより、血管を拡張させることにより組織血流を増加させ、交感神経系の興奮を抑制したり、細胞組織を活性化して創傷治癒を促進したり、炎症性サイトカインや発痛物質に働きかけて抗炎症作用や鎮痛作用をもたらしたりする。特に、水、ヘモグロビン、メラニンに対する吸収が少ない波長800〜900nm近傍の近赤外線領域は生体透過度に優れ、温熱効果とは異なる作用機序によって炎症抑制や疼痛緩和されることができ、アトピー性皮膚炎の治療には青色や紫外線の照射による治療が行われている。
このように、様々な疾患の治療に対し、光照射を用いる方法を光線療法といい、光照射と共に、光化学療法剤を併用する治療法を光線力学的療法(PDT)という。
本発明に係る光治療法は、任意の病気、症候群、疾患、症状、又は光治療に反応する様々な病気の治療や美容的症状に適用することができる。
光治療法を適用することが可能な治療的疾患及び美容的症状としては、例えば、皮膚疾患、並びに、皮膚の老化及びセルライトを含む皮膚に関連する症状、肥大した毛穴、油性肌、毛嚢炎、前癌状態の日光性角化症、皮膚損傷、老化、皺の多い皮膚及び太陽で傷んだ皮膚、目じりの皺、皮膚潰瘍(糖尿病性、褥瘡、静脈うっ滞)、酒さ性座瘡、セルライト;脂腺及び周辺組織の光調整、皺とり、ニキビの痕及びニキビの細菌、炎症、痛み、外傷、精神的及び神経系に関連する疾患及び症状、面皰、浮腫、パジェット病、原発腫瘍及び転移性腫瘍、結合組織病、コラーゲン処置、線維芽細胞、及び哺乳類の組織における線維芽細胞由来の細胞レベル、網膜照射、腫瘍性疾患、新生血管疾患及び肥大性疾患、炎症反応及びアレルギー反応、汗、エクリン汗腺(汗腺)又はアポクリン腺からの汗かき及び過剰な発汗(hyper−hydrosis)、黄疸、白斑、眼球新生血管疾患、神経性大食症、疱疹、季節性情動障害、憂うつ、睡眠障害、皮膚癌、クリーグラー・ナジャー病、アトピー性皮膚炎、糖尿病性皮膚潰瘍、褥瘡、膀胱感染症、筋肉痛の軽減、痛み、関節のこわばり、細菌の低減、歯肉炎、歯のホワイトニング、歯及び口中の組織の治療、創傷治癒が含まれる。
美容的症状としては、ニキビ、肌の若返り並びに皮膚の皺、セルライト、及び、白斑、乾癬(軽度、軽度から重度、及び、重度)から選択される。
〔光治療法に適用する波長〕
本発明の光治療用装置においては、有機EL素子の発光波長が400〜2000nmの波長域にあることが好ましい態様である。
更に、有機EL素子の発光波長としては、好ましくは400〜1000nm、より好ましくは400〜950nm、特に好ましくは430〜950nmの範囲である。
本発明の光治療用装置を用いた光治療法の主たる効果の一つは、皮膚面に対し様々な波長の光を照射することにより、例えば、コリや痛みを緩和することができることが知られている。すなわち、ミトコンドリアにおける代謝の刺激である。光治療法を施した後、細胞は代謝が増大して伝達がより向上し、よいストレス等に対する耐性が向上する。
本発明に係る有機EL素子は、細胞刺激のために使用することができる。細胞刺激のための好ましい波長又は波長の範囲は600〜900nmであり、より好ましくは620〜880nmであり、特に好ましくは650〜870nmである。細胞刺激のための特に好ましい波長の例は、683.7nm、667.5nm、772.3nm、750.7nm、846nm、及び812.5nmである。
また、スキンケア及び皮膚修復のために適用される波長又は波長の範囲としては400〜800nmの範囲が好ましく、より好ましくは450〜750nmの範囲であり、更に好ましくは500〜700nmの範囲であり、特に好ましくは580〜640nmの範囲である。
また、ニキビの治療に用いられる有機EL素子としては、赤色光と青色光の組み合わせが特に好ましい。上記赤色光は、好ましくは590〜750nm、より好ましくは600〜720nm、更に好ましくは620〜700nmの範囲内から選択される。ニキビの治療に好ましい2つの更なる波長は、633nm及び660nmである。
又、面皰の場合には、500nmの波長、又は500〜700nmの範囲の波長を有する光を放射する有機EL素子を適用することが特に好ましい。
また、セルライト(皮下脂肪)の治療又は予防のための波長は、400〜1000nmの範囲であり、好ましくは400〜900nmの範囲であり、より好ましくは450〜900nmであり、特に好ましくは500〜850nmである。
また、皮膚の老化の治療や防止や、しわの形成を減少あるいは予防するための波長としては、400〜950nmの範囲である。この波長は、好ましくは550〜900nmの範囲であり、より好ましくは550〜860nmの範囲である。
また、皮膚の若返りに対して適用する有機EL素子は、700〜1000nmの範囲、好ましくは750〜900nmの範囲、より好ましくは750〜860nmの範囲、特に好ましくは800〜850nmの範囲の光を放出する有機EL素子である。
また、皮膚の赤みの治療や予防のための波長は、460〜660nmの範囲である。波長は、好ましくは500〜620nmの範囲であり、より好ましくは540〜580nmの範囲である。この目的のための1つの特に好ましい波長は、560nmである。
また、皮膚炎の治療や予防のための波長は、470〜670nmの範囲である。波長は、好ましくは490〜650nmの範囲であり、より好ましくは530〜610nmの範囲である。この目的のための2つの特に好ましい波長は、550nmと590nmである。
また、アトピー性湿疹の治療や予防のための波長は、470〜670nmの範囲である。波長は、好ましくは490〜650nmの範囲であり、より好ましくは530〜610nmの範囲である。
また、浮腫の治療に使用される波長としては、好ましくは、760〜940nmの範囲、より好ましくは780〜920nmの範囲、更に好ましくは800〜900nmの範囲、特に好ましくは820〜880nmの範囲である。
また、本発明の光治療用装置は、創傷を治療するための使用することができる。光線療法による創傷の治療に好ましい波長は、600〜950nmの範囲であり、より好ましくは650〜900nmの範囲であい、特に好ましい波長は、660、720、880nmである。
また、特表2002−51916号公報に記載されているように、1917nmの赤外線を照射することにより、免疫システムに刺激を与えることにより、正常な細胞に害を及ぼすことなしに、細胞レベルでの治療を行うことができる。
また、神経系及び精神的疾患、症状の治療及び予防のための波長は、350〜600nmの範囲である。波長は、好ましくは400〜550nmの範囲であり、より好ましくは440〜500nmの範囲である。この目的のための好ましい2つの波長は460nmと480nmである。
〔光治療用装置のその他の機能〕
本発明の光治療用装置には、上記説明した有機EL素子と共に、必要に応じ様々な機能を付与させることができる。
例えば、
1)過度の光照射を防止するための「やりすぎ防止タイマー」を設置し、有機EL素子の発熱あるいは過熱時に自動的に装置をオフにする機能を付与する方法、
2)ハイパワーの有機EL素子を用い、患部の温度が高くなる場合には、放熱構造、放熱板、放熱層等の放熱手段を併用する方法、
3)冷却機能を付与する。例えば、患部に密着させる面をメッシュ状、冷却層の付与、湿布層の設置する方法、あるいは光治療用装置そのものを、治療前に、冷蔵庫や冷凍庫で冷却した後、光治療を行う方法、
4)熱源と併用して、温熱治療効果を利用する方法、
5)患部に優しい光治療方法として、肌等に対し影響のある400nm未満の紫外線を遮断するUVカットフィルターを併用する方法、
6)患部のムレ等を防止するため、患部に接する面側に、細かな穴を有するシートを、有機EL素子とやや間隔をあけて設置する方法。この際、形成した穴部に光照射効果を付与するためには、光取出しフィルムや内部散乱層を有する構成であることが好ましい、
7)光治療の完了を通知するため、設定時間になったら有機EL素子の発光色を変化させる調色機能を有していること、
8)放射光の色調を変えずに、光照射強度の切り替えができる機能を付与する方法、
9)水を使用する環境でも安全に使用することができる防水機能の付与、あるいは、この防水機能を利用して、入浴時に温熱と光治療を併用する方法、
10)有機EL素子として、広い発光面積を有し、かつ発光均一性が高い機能を付与する方法(この機能に対しては、グリッド電極を適用することが有効)、
11)磁気治療材料から漏れる磁気を遮蔽することができるため、近接する他の治療装置への悪影響を軽減させながら同時に使用する方法
等を挙げることができる。
本発明の光治療用装置は、治療時に高エネルギーの光線治療と、光化学療法剤を併用する光線力学的療法を可能とし、かつ患部への密着性及び曲面対応性に優れた高輝度の有機EL素子を具備した光治療用装置であり、任意の病気、症候群、疾患、症状、又は有機EL治療に反応する様々な病気の治療や美容的症状に適用することができる。
1 透明基材
2、2A、2B、2C 有機機能層ユニット
3 封止用接着層
4 封止基板
6 第1電極(陽極)
6a 陽極端子
7、9 有機機能層群
8 発光層
10 第2電極(陰極)
10a 陰極端子
11、11−A、11−B、11−C リード線
12、13 発光層
14 中間層
15、15A、15B 中間電極
50 薄型電池(リチウムイオン二次電池)
51 正極集電体
51a 正極端子
52 正極活物質層
53 電解質層
54 セパレーター
55 負極活物質層
56 負極集電体
56a 負極端子
57 封止材
100 基板
101 磁性体
101A 磁性体層
102 粘着層
106 接続部
107 電力供給用配線
108 外部駆動電源
109 光散乱粒子
301 LED発光デバイス
302 LED光源
303 放射光
304 導光板
305 反射板
306 拡散板
AP 患部
EIL、EIL1、EIL2 電子注入層
ETL、ETL1、ETL2 電子輸送層
HIL、HIL1、HIL2 正孔注入層
HTL、HTL1、HTL2 正孔輸送層
L 発光光
h 発光点
M 光治療用装置
MF 磁力線
OLED 有機EL素子
V1、V2、V3 電圧
U、U1、U2、U3 発光ユニット

Claims (7)

  1. 基板上に、面発光体である電界発光素子と、粘着層と、磁性体とを有することを特徴とする光治療用装置。
  2. 前記基板の一方の面側に、前記電界発光素子を有し、当該電界発光素子上に前記粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に前記磁性体を有することを特徴とする請求項1に記載の光治療用装置。
  3. 前記基板の一方の面側に、前記電界発光素子を有し、当該電界発光素子上に前記粘着層を有し、かつ前記基板の前記電界発光素子を有する面とは反対側の面に、前記磁性体を有することを特徴とする請求項1に記載の光治療用装置。
  4. 前記基板の一方の面側に、前記粘着層を有し、当該粘着層の内部又は表面部に前記磁性体を有し、かつ前記基板の前記粘着層を有する面とは反対側の面に、前記電界発光素子を有することを特徴とする請求項1に記載の光治療用装置。
  5. 前記基板の一方の面側に、前記粘着層を有し、当該粘着層内に前記電界発光素子と前記磁性体とが並列配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光治療用装置。
  6. 前記電界発光素子が、電極として金属膜を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光治療用装置。
  7. 前記電界発光素子が、発光波長が400〜2000nmの波長域にある有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光治療用装置。
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