JP2017005526A - 振動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる振動体を提供する。【解決手段】振動体101は、支持板1と、支持板1の第1主表面1a側に設けられている圧電体2と、支持板1の第2主表面1b側であって圧電体2と対向する位置に設けられている音響整合層3とを備える。圧電体2は切込み9によって区分された第1部分21と第2部分22とを含んでおり、第1部分21の切込み9が入る側の面に第1電極5が配置されており、第2部分22の切込み9が入る側の面に第2電極6が配置されており、圧電体2の切込み9が入る側とは逆の側の面に、第1部分21および第2部分22にまたがるように第3電極7が配置されており、第1部分21および第2部分22は、互いに逆の向きとなるように第1主表面1aに垂直な方向に分極されている。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波を送信または受信する振動体に関するものである。
特開2004−45441号公報(特許文献1)に、超音波流量計の一例が記載されている。この超音波流量計は、流路を挟んで互いに対向するように2つの超音波送受波器が配置されている。特許文献1の図15および図16には、真鍮からなる円筒形のケースの内部に圧電体を配置し、ケースの底面を挟んで対向する位置に整合層を配置した構成が記載されている。ここでは、ケースの底面が一方の電極を兼ね、圧電体の、ケースの底面に接しているのとは逆の端面にリード線が接続され、このリード線の先に他方の電極が接続されている。
特許文献1に記載された超音波送受波器のような構成においては、圧電体からの信号を引き出すための電極が同一平面上にないので、設計に制約がある。特許文献1に記載された構成では、圧電体のケースの底面から遠い側の端面にリード線を接続しているが、このように圧電体の面にリード線を接続しているということは、接続箇所、接続に用いるはんだなどの量のばらつきが生じやすく、その結果、共振周波数がばらつきやすい。2つの電極の間で接続方法が大きく異なるので、接続コストが増加する。振動時の負荷、各部材の線膨張係数の違いによる断線の懸念がある。
そこで、本発明は、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる振動体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく振動体は、互いに逆を向く第1主表面および第2主表面を有する支持板と、上記支持板の上記第1主表面の側に設けられ、上記第1主表面に対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体と、上記支持板の上記第2主表面の側であって上記圧電体と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層とを備え、上記圧電体は一体的でありながら上記第1面および上記第2面のうちいずれか一方から切込みが入っていることによって区分された第1部分と第2部分とを含んでおり、上記第1部分の上記切込みが入る側の面に第1電極が配置されており、上記第2部分の上記切込みが入る側の面に第2電極が配置されており、上記圧電体の上記切込みが入る側とは逆の側の面に、上記第1部分および上記第2部分にまたがるように第3電極が配置されており、上記第1部分および上記第2部分は、互いに逆の向きとなるように上記第1主表面に垂直な方向に分極されている。
本発明によれば、圧電体を区分した第1部分と第2部分とにまたがるように第3電極が配置されており、第1部分および第2部分は、互いに逆の向きとなるように第1主表面に垂直な方向に分極されているので、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における振動体について説明する。本実施の形態における振動体101は、互いに逆を向く第1主表面1aおよび第2主表面1bを有する支持板1と、支持板1の第1主表面1aの側に設けられ、第1主表面1aに対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体2と、支持板1の第2主表面1bの側であって圧電体2と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層3とを備える。ここで示す例では、支持板1は平板状である。支持板1は、少なくとも圧電体2および音響整合層3を設ける領域においては平坦であることが好ましい。圧電体2は、たとえば複数の略直方体形状の部分が切残し部を介して連なっている形状である。音響整合層3も同様である。ここで示した例では、圧電体2の図1における上面が第1面に相当し、図1における下面が第2面に相当する。
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における振動体について説明する。本実施の形態における振動体101は、互いに逆を向く第1主表面1aおよび第2主表面1bを有する支持板1と、支持板1の第1主表面1aの側に設けられ、第1主表面1aに対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体2と、支持板1の第2主表面1bの側であって圧電体2と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層3とを備える。ここで示す例では、支持板1は平板状である。支持板1は、少なくとも圧電体2および音響整合層3を設ける領域においては平坦であることが好ましい。圧電体2は、たとえば複数の略直方体形状の部分が切残し部を介して連なっている形状である。音響整合層3も同様である。ここで示した例では、圧電体2の図1における上面が第1面に相当し、図1における下面が第2面に相当する。
支持板1、圧電体2および音響整合層3は、支持板1の厚み方向すなわち第1主表面1aに垂直な方向に積層されている。以下、圧電体2または音響整合層3の「厚み」に言及する際には、第1主表面1aに垂直な方向での寸法を意味するものとする。圧電体2または音響整合層3の「厚み方向」といった場合、第1主表面1aに垂直な方向を意味するものとする。圧電体2の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば2.3mmである。音響整合層3の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば1.6mmである。
圧電体2は一体的でありながら第1面および第2面のうちいずれか一方から切込み9が入っていることによって区分された第1部分21と第2部分22とを含んでいる。圧電体2における第1部分21と第2部分22とは、略同一形状である。第1部分21の切込み9が入る側の面に第1電極5が配置されている。第2部分22の切込み9が入る側の面に第2電極6が配置されている。圧電体2の切込み9が入る側とは逆の側の面に、第1部分21および第2部分22にまたがるように第3電極7が配置されている。第1部分21および第2部分22は、互いに逆の向きとなるように第1主表面1aに垂直な方向に分極されている。ここで示した例では、第1部分21および第2部分22は、それぞれ矢印91,92の向きに分極されている。ここで示した例では、圧電体2の第1部分21および第2部分22の分極方向は、圧電体2の厚み方向と一致している。
音響整合層3は、厚み方向の途中まで切込み11が入ることによって2つの部分に区分されている。これら2つの部分は、略同一形状である。音響整合層3は一体物に切込み11を入れて複数の区分を形成したものであってもよいが、区分ごとに別々のピースとなっているものを寄せ集めて配置することによって複数の区分が間隙を介して配列されている構造を実現してもよい。
支持板1は、図示しない外部筐体によって支持されている。振動体101は、圧電体2に電圧が印加されることによって、支持板1を中心として支持板1の厚み方向(図1における上下方向)に振動する。
(作用・効果)
本実施の形態では、圧電体2の第1部分21が第1電極5と第3電極7との間に挟まれ、圧電体2の第2部分22が第2電極6と第3電極7との間に挟まれており、第1部分21と第2部分22とは互いに逆向きに分極されているので、このような構成においては、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。このように同一平面上に並ぶ2つの電極のみで駆動・検出が行なえることは、配線を設計する上で好都合である。
本実施の形態では、圧電体2の第1部分21が第1電極5と第3電極7との間に挟まれ、圧電体2の第2部分22が第2電極6と第3電極7との間に挟まれており、第1部分21と第2部分22とは互いに逆向きに分極されているので、このような構成においては、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。このように同一平面上に並ぶ2つの電極のみで駆動・検出が行なえることは、配線を設計する上で好都合である。
このように本実施の形態では、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる。
切込み9は、第1主表面1aに垂直な方向に形成されていることが好ましい。切込み9は第1主表面1aに対して斜めの方向に形成されていてもよいが、図1に示した例のように、第1主表面1aに垂直な方向に形成されていることが好ましい。
本実施の形態で示したように、切込み9は、圧電体2の支持板1に近い側の面から形成されていることが好ましい。このような構成を採用していることにより、第1電極5と第2電極6とは支持板1の表面に沿って配置されることとなるので、圧電体の駆動・検出に必要な電極への電気的接続を支持板1の表面に設ける配線のみで済ませることができる。
従来、はんだなどによって電極に配線を接続する場合には、圧電体にはんだが加わることによって振動する部分の構造ないし重量がばらつくこととなって、その結果、圧電体の共振周波数がばらつく場合があったが、本実施の形態では、電極に外部から引き込んだ配線をはんだ付けする必要はないので、共振周波数を制御しやすい。
本実施の形態で示したように、第3電極7は他の導電体と電気的に接続されていないことが好ましい。すなわち、第3電極7は、いわゆる浮き電極となっていることが好ましい。このような構成を採用していることにより、支持板1から離れた位置の第3電極7に対する配線接続が不要となり、工数の削減、部品点数の削減を図ることができる。
本実施の形態では、圧電体2の中で無駄になる部分、すなわちいわゆる不活性部分はなく、圧電体2の全体を有効に活用することができている。
次に、圧電体2の第1部分21と第2部分22とに同様の振動が加わり、同様の変形をした場合を想定する。第1電極5と第3電極7との間、および、第2電極6と第3電極7との間で圧電体に発生しうる電荷量は分極の向きによらないが、本実施の形態では、分極の向きが矢印91,92で示すように互いに逆となっているので、第1部分21と第2部分22とで発生する電荷は正負が逆である。しかも、第1部分21と第2部分22とは、第3電極7を介して接続されているので、第1電極5と第2電極6との間の電位差は、第1電極5と第3電極7との間の電位差と、第2電極6と第3電極7との間の電位差との合わさったものとなる。こうして、見かけ上の電圧感度が良くなる。
(比較実験1)
実施の形態1の構成によって電圧感度が改善されるか否かを確認するために、発明者は比較実験1としてシミュレーションを行なった。シミュレーションに当たって、発明者は、試料A,Bとして2種類の振動体を用意した。試料Aは比較例であり、圧電体の第1部分と第2部分とが同じ向きに分極した構成のものである。試料Aを図2に示す。以下、試料Aを実施の形態1における振動体101に比較したときの異なる部分について説明し、同一の部分については説明を繰り返さない。試料Aは電極15,16,17を備える。電極17にははんだ18を介して配線19が接続されている。圧電体2は第1部分21と第2部分22とに区分されているが、これらは矢印93で示すように同じ向きに分極されている。試料Aは、圧電体2に生じた変形を電極15,16と配線19との間の電位差によって検出するものである。
実施の形態1の構成によって電圧感度が改善されるか否かを確認するために、発明者は比較実験1としてシミュレーションを行なった。シミュレーションに当たって、発明者は、試料A,Bとして2種類の振動体を用意した。試料Aは比較例であり、圧電体の第1部分と第2部分とが同じ向きに分極した構成のものである。試料Aを図2に示す。以下、試料Aを実施の形態1における振動体101に比較したときの異なる部分について説明し、同一の部分については説明を繰り返さない。試料Aは電極15,16,17を備える。電極17にははんだ18を介して配線19が接続されている。圧電体2は第1部分21と第2部分22とに区分されているが、これらは矢印93で示すように同じ向きに分極されている。試料Aは、圧電体2に生じた変形を電極15,16と配線19との間の電位差によって検出するものである。
試料Bは、圧電体の第1部分と第2部分とで互いに逆の向きに分極した構成のものである。試料Bは実施の形態1で示した振動体101(図1参照)と同じ構成のものである。試料Bは、圧電体2に生じた変形を第1電極5と第2電極6との間に電位差によって検出するものである。
試料Aと試料Bとで電圧感度を調べた結果を、図3に示す。このグラフからわかるように、試料Aに比べて試料Bの方が、電圧感度が優れた結果となった。
(実施の形態2)
(構成)
図4を参照して、本発明に基づく実施の形態2における振動体について説明する。本実施の形態における振動体102は、互いに逆を向く第1主表面1aおよび第2主表面1bを有する支持板1と、支持板1の第1主表面1aの側に設けられて、第1主表面1aに対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体2と、支持板1の第2主表面1bの側であって圧電体2と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層3とを備える。ここで示す例では、支持板1は平板状である。支持板1は、少なくとも圧電体2および音響整合層3を設ける領域においては平坦であることが好ましい。圧電体2は、たとえば複数の略直方体形状の部分が切残し部を介して連なっている形状である。音響整合層3も同様である。ここで示した例では、圧電体2の図4における上面が第1面に相当し、図4における下面が第2面に相当する。圧電体2の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば2.3mmである。音響整合層3の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば1.6mmである。
(構成)
図4を参照して、本発明に基づく実施の形態2における振動体について説明する。本実施の形態における振動体102は、互いに逆を向く第1主表面1aおよび第2主表面1bを有する支持板1と、支持板1の第1主表面1aの側に設けられて、第1主表面1aに対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体2と、支持板1の第2主表面1bの側であって圧電体2と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層3とを備える。ここで示す例では、支持板1は平板状である。支持板1は、少なくとも圧電体2および音響整合層3を設ける領域においては平坦であることが好ましい。圧電体2は、たとえば複数の略直方体形状の部分が切残し部を介して連なっている形状である。音響整合層3も同様である。ここで示した例では、圧電体2の図4における上面が第1面に相当し、図4における下面が第2面に相当する。圧電体2の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば2.3mmである。音響整合層3の厚みは支持板1の厚みよりも大きく、たとえば1.6mmである。
圧電体2は一体的でありながら第1面および第2面のうちいずれか一方から切込みが入っていることによって区分された第1部分21と第2部分22とを含んでいる。圧電体2における第1部分21と第2部分22とは、略同一形状である。第1部分21の切込み9が入る側の面に第1電極5が配置されている。第2部分22の切込み9が入る側の面に第2電極6が配置されている。圧電体2の切込み9が入る側とは逆の側の面に、第1部分21および第2部分22にまたがるように第3電極7が配置されている。圧電体2の第1部分21および第2部分22は、支持板1と平行に配置された1以上の中間電極8a,8b,8c,8dを含む。第1部分21および第2部分22は、1以上の中間電極8a,8b,8c,8dによって隔てられることによって厚み方向に並ぶ複数の要素部分21a,21b,21c,22a,22b,22cに分割されている。複数の要素部分21a,21b,21c,22a,22b,22cは、厚み方向に隣接する要素部分同士が互いに逆の向きとなるように厚み方向に分極されている。圧電体2の第1部分21のうち第3電極7に最も近い要素部分と、圧電体2の第2部分22のうち第3電極7に最も近い要素部分とは、互いに逆向きに分極されている。すなわち、圧電体2における第1部分21と第2部分22とは、各々が積層構造を有する。圧電体2は、積層圧電体である。
第1電極5と中間電極8bと中間電極8cとは、図示しない導電体によって電気的に接続されており、同電位となっている。第2電極6と中間電極8aと中間電極8dとは、図示しない導電体によって電気的に接続されており、同電位となっている。
ここで示した例では、圧電体2の第1部分21は中間電極8a,8bを含んでおり、圧電体2の第2部分22は中間電極8c,8dを含んでいるが、中間電極の数はここで示したものに限らない。第1部分21に含まれる中間電極の数と第2部分22に含まれる中間電極の数とが同じであるとは限らず、異なっていてもよい。圧電体2の第1部分21と第2部分22との両方に中間電極が含まれているとは限らず、片方にのみ中間電極が含まれていてもよい。ただし、ここで示した例のように、圧電体2の第1部分21と第2部分22との各々に同数ずつの中間電極が配置されていることが好ましい。
(作用・効果)
本実施の形態では、圧電体2の第1部分21および第2部分22に属する各要素部分は、それぞれいずれかの2つの電極の間に挟まれている。このような構成においては、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。
本実施の形態では、圧電体2の第1部分21および第2部分22に属する各要素部分は、それぞれいずれかの2つの電極の間に挟まれている。このような構成においては、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。
このように本実施の形態では、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる。
本実施の形態で示したように、圧電体2が中間電極を備えることによって複数の要素部分に分かれている構成においても、切込み9は、圧電体の前記支持板に近い側の面から形成されていることが好ましい。このような構成を採用していることにより、第1電極5と第2電極6とは支持板1の表面に沿って配置されることとなるので、圧電体の駆動・検出に必要な電極への電気的接続を支持板1の表面に設ける配線のみで済ませることができる。本実施の形態では、電極に外部から引き込んだ配線をはんだ付けする必要はないので、共振周波数を制御しやすい。
本実施の形態で示したように、圧電体2が中間電極を備えることによって複数の要素部分に分かれている構成においても、第3電極7は他の導電体と電気的に接続されていないことが好ましい。すなわち、第3電極7は、いわゆる浮き電極となっていることが好ましい。このような構成を採用していることにより、支持板1から離れた位置の第3電極7に対する配線接続が不要となり、工数の削減、部品点数の削減を図ることができる。
本実施の形態では、電極の数が多くなっており、厚み方向に隣接する要素部分同士が互いに逆の向きとなるように厚み方向に分極されているので、第1電極5と第2電極6との間に印加される駆動電圧を同じと仮定すると、圧電体2の単位厚み当たりにかかる電界が高くなる。その結果、圧電体2の全体として変形量が大きくなり、整合層3に生じる振動の変位が大きくなる。
(比較実験2)
放出する超音波の出力の大きさは、整合層3の上面に生じる最大変位量によって評価することができる。実施の形態2の構成によって整合層3の上面に生じる最大変位量が改善されるか否かを確認するために、発明者は比較実験2としてシミュレーションを行なった。シミュレーションに当たって、発明者は、試料Aと試料Cとを用意した。試料Aは比較例であり、比較実験1で用いた試料Aと同じである(図2参照)。
放出する超音波の出力の大きさは、整合層3の上面に生じる最大変位量によって評価することができる。実施の形態2の構成によって整合層3の上面に生じる最大変位量が改善されるか否かを確認するために、発明者は比較実験2としてシミュレーションを行なった。シミュレーションに当たって、発明者は、試料Aと試料Cとを用意した。試料Aは比較例であり、比較実験1で用いた試料Aと同じである(図2参照)。
試料Cは、実施の形態2で示した振動体102(図4参照)と同じ構成のものである。
試料Aと試料Cとで整合層3の上面に生じる最大変位量を調べた結果を、図5に示す。このグラフからわかるように、試料Aに比べて試料Cの方が電圧感度が優れた結果となった。
試料Aと試料Cとで整合層3の上面に生じる最大変位量を調べた結果を、図5に示す。このグラフからわかるように、試料Aに比べて試料Cの方が電圧感度が優れた結果となった。
(実施の形態3)
(構成)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における振動体について説明する。本実施の形態における振動体103は、基本的な構成は、実施の形態1で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における振動体103においては、切込み9は、圧電体2の支持板1から遠い側の面から形成されている。振動体103においては、第1電極5および第2電極6が圧電体2の支持板1から離れた位置にあるので、第1電極5および第2電極6に対する接続は、支持板1とは別に用意された配線によって行なわれている。第1電極5の下面には、はんだ18によって配線19aが接続されており、第2電極6の下面には、はんだ18によって配線19bが接続されている。
(構成)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における振動体について説明する。本実施の形態における振動体103は、基本的な構成は、実施の形態1で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における振動体103においては、切込み9は、圧電体2の支持板1から遠い側の面から形成されている。振動体103においては、第1電極5および第2電極6が圧電体2の支持板1から離れた位置にあるので、第1電極5および第2電極6に対する接続は、支持板1とは別に用意された配線によって行なわれている。第1電極5の下面には、はんだ18によって配線19aが接続されており、第2電極6の下面には、はんだ18によって配線19bが接続されている。
圧電体2の第1部分21および第2部分22は、互いに逆の向きとなるように厚み方向に分極されている。ここで示した例では、圧電体2の第1部分21および第2部分22は、それぞれ矢印94,95の向きに分極されている。
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。このように本実施の形態では、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる。本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、圧電体2の中で無駄になる部分、すなわちいわゆる不活性部分はなく、圧電体2の全体を有効に活用することができている。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3電極7に積極的に電圧を印加しなくても、第1電極5と第2電極6との間で電圧を印加することで圧電体2の駆動が可能である。圧電体2に生じる振動を検出する際にも、第1電極5と第2電極6との間の電位差のみで検出が可能となる。このように本実施の形態では、圧電体からの信号を引き出すための電極を同一平面上に揃えることができ、圧電体に対する必要な接続を簡便に行なうことができる。本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、圧電体2の中で無駄になる部分、すなわちいわゆる不活性部分はなく、圧電体2の全体を有効に活用することができている。
本実施の形態では、第3電極7から信号を引き出す配線接続が不要となり、工数の削減、部品点数の削減を図ることができる。
本実施の形態では、支持板1の材料を気にすることなく設計することができる。実施の形態1では、支持板1に第1電極5および第2電極6が配置されていたので、支持板1自体を絶縁体で形成するか、支持板1が導電体である場合には、支持板1と第1電極5および第2電極6との間の絶縁対策が必要であったが、本実施の形態では、たとえ支持板が導電体であったとしても絶縁対策をしなくても目的を達成することができる。
本実施の形態では、支持板1として接地した金属板を用いることもできる。このようにして支持版1がシールドを兼ねることで、ノイズの影響を低下させることができる。
本実施の形態においても、分極方向が矢印94,95で示すように互いに逆の向きとなっているので、圧電体2の第1部分21と第2部分22とで発生する電荷は正負が逆であり、見かけ上の電圧感度が良くなる。
(実施の形態4)
(構成)
図7を参照して、本発明に基づく実施の形態4における振動体について説明する。本実施の形態における振動体104は、基本的な構成は、実施の形態2で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における振動体104においては、切込み9は、圧電体2の支持板1から遠い側の面から形成されている。
(構成)
図7を参照して、本発明に基づく実施の形態4における振動体について説明する。本実施の形態における振動体104は、基本的な構成は、実施の形態2で説明したものと同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における振動体104においては、切込み9は、圧電体2の支持板1から遠い側の面から形成されている。
(作用・効果)
本実施の形態においては、実施の形態2で説明した効果と、実施の形態3で説明した効果との両方を得ることができる。
本実施の形態においては、実施の形態2で説明した効果と、実施の形態3で説明した効果との両方を得ることができる。
(実施の形態5)
(センサとしての使用)
図8を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるセンサについて説明する。
(センサとしての使用)
図8を参照して、本発明に基づく実施の形態5におけるセンサについて説明する。
実施の形態1〜4で説明した振動体は、超音波の送信に用いることができる一方、超音波の受信に用いることができる。したがって、図8に示すように2つの振動体201,202を互いに離隔した状態で対向させることによって、一方の振動体201から発した超音波30を他方の振動体202で受信することによって、これら2つの振動体201,202の間の空間における物体の有無などを検出するセンサとして使用することができる。本実施の形態におけるセンサは、振動体201と、振動体202とを含む。
特に、実施の形態1,3で示した振動体は、感度が良好となっているので、受信側の振動体202として用いることが好ましい。実施の形態2,4で示した振動体は、振幅が大きくなることによって超音波の出力が増大しているので、送信側の振動体201として用いることが好ましい。実施の形態1,3で示した振動体のいずれかと、実施の形態2,4で示した振動体のいずれかとを組み合わせて、前者を受信側、後者を送信側として互いに対向させることによって、良好なセンサを実現することができる。
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 支持板、1a 第1主面、1b 第2主面、2 圧電体、3 音響整合層、5 第1電極、6 第2電極、7 第3電極、8a,8b,8c,8d 中間電極、9 (圧電体の)切込み、11 (音響整合層の)切込み、15,16,17 電極、18 はんだ、19 配線、21 第1部分、22 第2部分、21a,21b,21c,22a,22b,22c 要素部分、30 超音波、91,92,93,94,95 (分極の向きを示す)矢印、101 振動体。
Claims (9)
- 互いに逆を向く第1主表面および第2主表面を有する支持板と、
前記支持板の前記第1主表面の側に設けられ、前記第1主表面に対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体と、
前記支持板の前記第2主表面の側であって前記圧電体と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層とを備え、
前記圧電体は一体的でありながら前記第1面および前記第2面のうちいずれか一方から切込みが入っていることによって区分された第1部分と第2部分とを含んでおり、
前記第1部分の前記切込みが入る側の面に第1電極が配置されており、
前記第2部分の前記切込みが入る側の面に第2電極が配置されており、
前記圧電体の前記切込みが入る側とは逆の側の面に、前記第1部分および前記第2部分にまたがるように第3電極が配置されており、
前記第1部分および前記第2部分は、互いに逆の向きとなるように前記第1主表面に垂直な方向に分極されている、振動体。 - 前記切込みは、前記第1主表面に垂直な方向に形成されている、請求項1に記載の振動体。
- 前記切込みは、前記圧電体の前記支持板に近い側の面から形成されている、請求項1または2に記載の振動体。
- 前記第3電極は他の導電体と電気的に接続されていない、請求項3に記載の振動体。
- 前記切込みは、前記圧電体の前記支持板から遠い側の面から形成されている、請求項1または2に記載の振動体。
- 互いに逆を向く第1主表面および第2主表面を有する支持板と、
前記支持板の前記第1主表面の側に設けられ、前記第1主表面に対向する第1面およびその反対側を向く第2面を有する圧電体と、
前記支持板の前記第2主表面の側であって前記圧電体と対向する位置に直接または他の層を介して設けられている音響整合層とを備え、
前記圧電体は一体的でありながら前記第1面および前記第2面のうちいずれか一方から切込みが入っていることによって区分された第1部分と第2部分とを含んでおり、
前記第1部分の前記切込みが入る側の面に第1電極が配置されており、
前記第2部分の前記切込みが入る側の面に第2電極が配置されており、
前記圧電体の前記切込みが入る側とは逆の側の面に、前記第1部分および前記第2部分にまたがるように第3電極が配置されており、
前記第1部分および前記第2部分は、前記支持板と平行に配置された1以上の中間電極を含み、前記第1部分および前記第2部分は、前記1以上の中間電極によって隔てられることによって前記第1主表面に垂直な方向に並ぶ複数の要素部分に分割されており、
前記複数の要素部分は、前記第1主表面に垂直な方向に隣接する要素部分同士が互いに逆の向きとなるように前記第1主表面に垂直な方向に分極されており、
前記第1部分のうち前記第3電極に最も近い要素部分と、前記第2部分のうち前記第3電極に最も近い要素部分とは、互いに逆向きに分極されている、振動体。 - 前記切込みは、前記圧電体の前記支持板に近い側の面から形成されている、請求項6に記載の振動体。
- 前記第3電極は他の導電体と電気的に接続されていない、請求項7に記載の振動体。
- 前記切込みは、前記圧電体の前記支持板から遠い側の面から形成されている、請求項6に記載の振動体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015118295A JP2017005526A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 振動体 |
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JP2015118295A JP2017005526A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 振動体 |
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JP2017005526A true JP2017005526A (ja) | 2017-01-05 |
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JP2015118295A Pending JP2017005526A (ja) | 2015-06-11 | 2015-06-11 | 振動体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023500772A (ja) * | 2019-11-28 | 2023-01-11 | ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト | 2チャンネル検出器 |
-
2015
- 2015-06-11 JP JP2015118295A patent/JP2017005526A/ja active Pending
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