JP2017003558A - 推定方法 - Google Patents

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守 水沼
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真悟 峯田
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香織 根岸
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Abstract

【課題】地中金属構造物の腐食による劣化度を精度高く推定すること。【解決手段】全部または一部が地中に埋設される地中金属構造物が設置される環境を示す環境因子に基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線を取得し、経年変化曲線を用いて、地中金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該地中金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルを推定し、腐食モデルを用いて、地中金属構造物に負荷される所定の外力により各部位に負荷される応力Aの値を算出し、応力Aの値と、各部位が耐えうる応力を示す所定の応力Bの値とを比較することにより、地中金属構造物の各部位の劣化度を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、推定方法に関する。
鋼管柱、支持アンカや配管等のインフラ設備に代表される金属構造物は、全体またはその一部が地中に埋設された状態で利用される。このような地中金属構造物は、腐食により構成する部材の減肉が生じる場合がある。一般に、減肉が皆無または減肉の程度が軽微であって地中金属構造物が本来の機能を果たしている状態を健全状態という。一方、減肉の程度が高じて地中金属構造物が本来の機能を喪失しかねない状態を劣化状態という。
地中に埋設されている部分の劣化状態は、人または機械による直接的な観察や評価が困難である場合が多い。そこで、地中金属構造物のうち、配管に対しては、管中を流れる流体の漏洩を検知することで、本来の機能を喪失した状態を知り、その部分を特定して交換する事後保全方法がとられる場合がある。しかしながら、構造的な強度を担保する地中金属構造物では、本来の機能を喪失した状態は、破損、破壊、または倒壊等の事故につながるおそれがあることから、事後保全ではなく、予防保全が求められる。
予防保全の方法としては、一律に使用年限を決めて、その使用年限に達する前に交換する方法がある。使用年限は、例えば、地中金属構造物を構成する部材の地中における減肉の速度、すなわち、腐食速度と、地下金属構造物が本来の機能を維持できない状態となる限界の部材厚との関係で決まる。もっとも単純には、限界の部材厚に達する減肉量を、腐食速度で除した年数で使用年限を規定できる。
なお、金属材料の環境因子に応じた腐食減肉量の経年変化のデータが開示されている(非特許文献1参照)。
IRVING A.DENISON,MELVIN ROMANOFF,"Corrosion of Low-Alloy Irons and Steels in Soils",J.Res.Nat.Bur.Standards,1952年,49,No.5,p.315-323
しかしながら、実際の腐食速度は一律ではない。一般に、金属構造物の表面に腐食生成物が生じると、腐食生成物によって水分や酸素の供給が妨げられることにより、腐食速度は年数を経るごとに減少し、腐食減肉量の経年変化は非線形性を示すことが知られている。また、腐食速度は環境因子によっても異なる。地中の金属構造物に対しては、環境因子として最も重要な因子は土壌に関わる土壌因子であり、土壌因子のひとつである土壌中の水分量は例えば、降雨量、日射量、気温、湿度等の気象に関わる気象因子によっても変化する。
そこで、一律な腐食速度を採用して使用年限を定めて予防保全を行おうとすれば、当該地中金属構造物が本来の機能を喪失した状態に達する年限よりもずっと前に、あるいは逆に当該地中金属構造物が本来の機能を喪失した後に、保全措置を講じることになりかねない。地中金属構造物に対する保全は、当該地中金属構造物が有する機能を他の構造体で担保した上で、土壌を掘削して行われる。そのため、該地中金属構造物が本来の機能を喪失した状態に達する年限よりもずっと前に保全措置を講ずると、多大なコストが無駄になる。一方、当該地中金属構造物が本来の機能を喪失した後に保全措置を講ずることは、構造的な強度を担保するような地中金属構造物においては、非常に高いリスクを伴うため許容しがたい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、地中金属構造物の腐食による劣化度を精度高く推定することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る推定方法は、全部または一部が地中に埋設される金属構造物が設置される環境を示す環境因子に基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線を取得する経年変化曲線取得工程と、前記経年変化曲線を用いて、前記金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルを推定する腐食モデル推定工程と、前記腐食モデルを用いて、前記金属構造物に負荷される所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値を算出する応力算出工程と、前記所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値と、前記各部位が耐えうる応力を示す所定の応力の値とを比較することにより、前記金属構造物の前記各部位の劣化度を推定する劣化度推定工程と、を含んだことを特徴とする。
本発明によれば、地中金属構造物の腐食による劣化度を精度高く推定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る推定処理手順を示すフローチャートである。 図2は、本実施形態の腐食減肉量の経年変化曲線を例示する図である。 図3は、本実施形態の腐食速度の経年変化曲線を例示する図である。 図4は、本実施形態の地中金属構造物の各部位に負荷される応力を例示する図である。 図5は、他の実施形態に係る推定処理手順を示すフローチャートである。 図6は、他の実施形態の腐食減肉量の経年変化曲線を例示する図である。 図7は、他の実施形態の腐食速度の経年変化曲線を例示する図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、本実施形態に係る推定処理手順を示すフローチャートである。本実施形態の推定処理は、経年変化曲線取得工程と、腐食モデル推定工程と、応力算出工程と、劣化度推定工程とを含む。
[経年変化曲線取得工程]
経年変化曲線取得工程では、全部または一部が地中に埋設される地中金属構造物が設置される環境を示す環境因子に基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線が取得される。
具体的に、まず、地中金属構造物が設置されている環境を表す因子である環境因子が規定される(ステップS101)。そして、規定された環境因子に基づいて、腐食速度の経年変化曲線が取得される(ステップS102)。
ここで、環境因子としては、例えば、関東ロームや通気性等の土質、水分量の代表値、土の温度の代表値等が挙げられる。ただし、環境因子は、腐食速度の経年変化曲線を取得できれば足り、これらに類する情報でもよい。
腐食速度の経年変化曲線の取得は、非特許文献1に例示されるような文献データに基づいてもよいし、同様の土質等を用いて環境因子が再現された実験による実験データに基づいてもよい。文献データや実験データがばらつきを有する場合、腐食速度の経年変化曲線は、ばらつきを有するデータから得られる回帰曲線とし、該回帰曲線に不確からしさの値が附記されてもよい。
なお、腐食量としては、腐食速度に限らず、腐食減肉量でもよい。すなわち、腐食速度の経年変化曲線の代わりに、腐食減肉量の経年変化曲線が取得されてもよい。腐食減肉量の経年変化曲線から、腐食減肉量の経年変化曲線の時間微分である腐食速度の経年変化曲線が得られ、逆に、腐食速度の経年変化曲線から、腐食速度の経年変化曲線の時間積分である腐食減肉量の経年変化曲線が得られる。したがって、腐食速度の経年変化曲線と腐食減肉量の経年変化曲線とは同等である。
さらに、腐食減肉量は、対象とする地中金属構造物を構成する金属の密度が既知の場合には、該地中金属構造物の単位表面積当たりの重量で表わされてもよいし、腐食減肉厚で表わされてもよい。
図2は、本実施形態における腐食減肉量の経年変化曲線を例示する図である。また、図3は腐食速度の経年変化曲線を例示する図である。例えば、非特許文献1には、一般的な鋼材の一つである平炉鋼(Open hearth steel)で構成された部材に対して、Chino Silt Loamという土壌、かつ通気性良好という環境因子で表される環境下での腐食減肉量の経年変化のデータが開示されている。この文献データから得られる回帰曲線を経年変化曲線とすることができる。
具体的に、平炉鋼に対する腐食減肉量の経年変化曲線は、次式(1)で表わされる。ここで、Wは単位面積当たりの腐食減肉重量(単位oz/ft)、k´は初年度の単位面積当たりの腐食減肉重量を表す定数、Tは経過年数(単位:年)、uは1以下の定数である。
また、上記式(1)から、既存文献から得られた対象とする地中金属構造物を構成する金属の密度を用い、腐食減肉量を腐食減肉厚Dで表すことにより、次式(2)が得られる。ここで、Dは腐食減肉量(単位:mm)、kは初年度の腐食減肉量を表す定数である。
図2は、上記式(2)で表される腐食減肉量の経年変化曲線を示す。また、図3は、上記式(2)を時間微分して得られる次式(3)で表される腐食速度の経年変化曲線を示す。ここで、dD/dTは腐食速度(単位:mm/年)を表す。
[腐食モデル推定工程]
腐食モデル推定工程では、腐食量の経年変化曲線を用いて、地中金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該地中金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルが推定される。
具体的に、まず、地中金属構造物を構成する部材の初期の形状すなわち元来の部材形状の設定が行われる(ステップS103)。その際、部材をさらに細かく分割し、部材を構成する部位ごとに形状が設定されてもよい。
次に、経過年数が設定される(ステップS104)。ここで、経過年数には、目的とする年数、劣化度を推定しようとする地中金属構造物の現在の設置年数、あるいは、将来における設置年数等が設定される。また、新設時の経過年数には0年を設定してもよい。
次に、ステップS102の処理で取得された腐食速度の経年変化曲線と、ステップS104の処理で設定された経過年数とにより、該経過年数における腐食減肉量が得られる。そして、ステップS103の処理で設定された地中金属構造物の元来の部材形状のサイズから腐食減肉量を減じることにより、経年時の部材形状が推定される(ステップS105)。
なお、ステップS103の処理において、部材をさらに細かく分割して部材を構成する部位ごとに形状が設定されていない場合には、目的に応じて、ステップS105の処理において、部材をさらに細かく分割し、部材を構成する部位ごとに経年時の形状を推定してもよい。あるいは、目的に応じて、部材を分割せず、部位と部材とを同等としてもよい。
次に、推定された経年時の部材形状を組み合わせることにより、該地中金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルが推定される(ステップS106)。
なお、本実施形態では、ステップS103の処理対象の1以上の部材は、同一の金属材料で構成され、腐食量は同一の経年変化曲線に従うものとする。また、腐食モデルは、地中金属構造物の全体形状に限定されない。例えば、構造上の注視すべき一部の同一金属材料からなる部材を腐食モデル推定工程での処理対象としてもよい。
[応力算出工程]
応力算出工程では、腐食モデルを用いて、地中金属構造物に負荷される所定の外力により各部位に負荷される応力Aの値が算出される。
具体的に、まず、地中金属構造物に負荷される所定の外力としての一定の力が設定される(ステップS107)。一定の力には、例えば、該地中金属構造物にかかる土の重量に重力加速度を乗じた値、該地中金属構造物が管状である場合の内部の流体による内壁への圧力に部材の内壁の表面積を乗じた値、内壁の単位表面積当たりの圧力値等が設定される。あるいは、該地中金属構造物が構造的役割を持って担保する一定の力、または、該地中金属構造物に最大限許容される一定の力等が設定されてもよい。なお、一定の力とはベクトル値であって、力の大きさ及び方向が設定される。
次に、ステップS107の処理で設定された一定の力が地中金属構造物に負荷された場合に、腐食モデルの各部位にかかる応力Aの値が算出される(ステップS108)。応力Aの値を算出する際には、構造力学シミュレーションで一般に用いられる有限要素法等の周知の方法が適用されればよい。応力Aの値として、目的に応じて、例えば、各部位にかかる様々な応力のうちの最大値、またはミーゼス応力値等が採用される。
[劣化度推定工程]
劣化度推定工程では、応力Aの値と、各部位が耐えうる応力を示す所定の応力Bの値とを比較することにより、地中金属構造物の劣化度が推定される。
具体的に、まず、部位が耐えうる応力を示す一定の応力Bの値が設定される(ステップS109)。この応力Bの値としては、部材を構成する金属材料の降伏応力、あるいはこの降伏応力に一定割合を乗じて算出される降伏に達する前の一定の応力値等が設定される。
次に、腐食モデルの各部位にかかる応力Aの代表値と、応力Bの値とが比較される(ステップS110)。ここで、各部位にかかる応力Aは、部位ごとに値を有する。そこで、各部位にかかる応力Aの代表値には、各部位にかかる応力Aのうちの最大値、この最大値に一定割合を乗じた値、各部位にかかる応力Aの平均値、あるいはこの平均値に一定割合を乗じた値等が採用される。
そして、腐食モデルの各部位にかかる応力Aの代表値と応力Bの値との比較の結果を用いて劣化度が推定される(ステップS111)。
ここで、劣化度は、利用者により任意に定義されればよい。例えば、地中金属構造物の部材の破壊がいつ起きてもおかしくない状態を劣化度4と定義する。この場合に、例えば、ある環境因子について、1年後に劣化度4となる状態を劣化度3と定義し、5年後に劣化度4となる状態を劣化度2と定義し、10年後に劣化度4となる状態を劣化度1と定義することができる。
そして、実環境がある環境因子に該当する場合には、劣化度3の場合には1年、劣化度2の場合には5年、劣化度1の場合には10年までは、地中金属構造物を利用することが可能である。したがって、劣化度に応じて、地中金属構造物の部材に対する措置を講じることが可能となる。例えば、劣化度4の場合には、地中金属構造物の部材を直ちに更改、劣化度3の場合には、1年以内に地中金属構造物の部材を更改、劣化度2の場合には、5年以下の周期で点検を行い、劣化度1の場合には点検を1回省く等の措置を講じることが可能となる。
具体的に、例えば、応力Aの代表値が、各部位にかかる応力Aの平均値とされた場合に、応力Aの代表値が応力Bの値に比して大きく、部材の破壊がいつ起きてもおかしくない状態が、劣化度4と定義される。すなわち、ステップS110の処理において応力Aの代表値が応力Bの値を上回れば、ステップS111の処理において、劣化度4と推定される。
また、応力Aの代表値が、各部位にかかる応力Aの平均値とされた場合に、応力Aの代表値を応力Bの値で除した値を用いて、劣化度が定義される。すなわち、例えば、応力Aの代表値を応力Bの値で除した値が、0.8を上回り、0.9を下回る状態を、劣化度3と定義してもよい。すなわち、ステップS110の処理において、応力Aの平均値を応力Bで除した値が、0.8を上回り、0.9を下回れば、ステップS111の処理において、劣化度3と推定される。
図4は、地中金属構造物の一例として、支持アンカのうちの鋼を材料とする支線アンカについて、各部位に負荷される応力Aの大きさを例示した図である。ここで、腐食モデルでは、安全率を第一に考慮し、平均板厚が健全状態である新品の平均板厚の半分となっている。この腐食モデルについて、以下に示す解析ソルバを用いて解析を行って、ミーゼス応力を算出した。
解析ソルバ:汎用非線形解析コードAbaqus standard version 6.13
解法:静的陰解法による弾塑性接触解析
入力条件:自重を負荷した後、支線アンカロッド部先端に、14.1kNの張力負荷
この支線アンカについて、すべての部位が同一鋼種の部材で構成されている場合に、この鋼種の降伏応力を応力Bとすれば、応力Aの値が応力Bの値に近い部位、あるいは応力Bの値を上回る部位ほど、破壊される可能性が高くなる。また、応力Aの最大値あるいは平均値に基づいて決定される代表値を応力Bの値と比較することにより、劣化度を推定できる。
以上、説明したように、本実施形態の推定処理では、地中金属構造物が設置される環境を示す環境因子に基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線が取得される。また、経年変化曲線を用いて、地中金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該地中金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルが推定される。また、腐食モデルを用いて、地中金属構造物に負荷される所定の外力により各部位に負荷される応力Aの値が算出され、算出された応力Aの値と、各部位が耐えうる応力を示す所定の応力Bの値とを比較することにより、地中金属構造物の各部位の劣化度が推定される。これにより、地中金属構造物の腐食による劣化度を精度高く推定することができる。
[他の実施形態]
上記実施形態の経年変化曲線取得工程において、経年変化曲線は、環境因子に基づいて取得されるが、本発明はこれに限定されない。以下に説明するように、経年変化曲線取得工程において、経年変化曲線は、全部または一部が地中に埋設される金属構造物のサンプルに基づいて求められる経年値と腐食量との組み合わせに基づいて取得されてもよい。
図5は、本実施形態の推定処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、上記の実施形態の推定処理とは、ステップS201およびステップS202の処理のみが異なる。具体的に、ステップS201の処理では、全部または一部が地中に埋設される地中金属構造物のサンプルに基づいて、経年値と腐食量との組み合わせが取得される。
具体的に、まず、地中金属構造物のサンプルに基づいた経年値と腐食量との組み合わせが取得される。ここで、地中金属構造物のサンプルとは、全部または一部が地中に埋設される推定対象の地中金属構造物を構成する金属材料と同一または同等とみなせる金属材料で構成され、地中に埋設された履歴を有する金属構造物からサンプリングされた部材を意味する。地中金属構造物のサンプルが地中に埋設されてから取り出されるまでの期間が経年値として得られる。また、地中金属構造物のサンプルの初期の形状すなわち元来の部材形状と、地中から取り出されたときの部材形状との差分から、腐食による地中金属構造物のサンプルの減肉量すなわち腐食量が得られる。このようにして、地中金属構造物のサンプルに基づいた経年値と腐食量との組み合わせが取得される。
なお、経年値と腐食量との組み合わせは、1以上取得されればよいが、2以上の複数の組み合わせが取得されることが望ましい。また、目的に応じて、地中金属構造物のサンプルの部材をさらに細かく分割し、部材を構成する部位ごとに経年値と腐食量との組み合わせが取得されてもよい。あるいは、目的に応じて、部材を分割せず、部位と部材とを同等としてもよい。
また、地中金属構造物のサンプルは、推定対象の地中金属構造物と同種の地中金属構造物の全部または一部でもよい。
次に、ステップS202の処理では、ステップS201の処理で取得された経年値と腐食量との組み合わせに基づいて、腐食速度の経年変化曲線が取得される。具体的に、まず、腐食速度の経年変化のマスター曲線が取得される。腐食速度の経年変化曲線は、非特許文献1に例示されるような文献データに基づいてもよいし、実験データに基づいてもよい。
次に、経年値と腐食量との組み合わせに基づいて、腐食速度の経年変化のマスター曲線のパラメータが決定され、腐食速度の経年変化曲線が取得される。具体的に、経年値と腐食量との組み合わせが複数ある場合には、これらの複数の組み合わせで表される複数の点にマスター曲線をフィッティングさせて回帰曲線が得られる。該回帰曲線には、不確からしさの値が付記されてもよい。得られた回帰曲線が腐食速度の経年変化曲線とされる。
また、経年値と腐食量との組み合わせが1つである場合には、経年値と腐食量との組み合わせで表される点を通り、かつ、非特許文献1に例示されるような文献に記載されているパラメータの範囲において不確からしさを有する曲線が、腐食速度の経年変化曲線とされる。
なお、上述したように、腐食量は、腐食速度でも腐食減肉量でもよい。また、腐食速度の経年変化曲線と腐食減肉量の経年変化曲線とは同等である。さらに、腐食減肉量は、密度が既知の金属で構成された地中金属構造物の単位表面積当たりの重量で表されてもよいし、腐食減肉厚で表されてもよい。
図6は、本実施形態における腐食減肉量の経年変化曲線を例示する図である。また、図7は腐食速度の経年変化曲線を例示する図である。例えば、非特許文献1には、一般的な鋼材の一つである平炉鋼(Open hearth steel)で構成された部材に対しての腐食減肉量の経年変化曲線が開示されている。この文献に開示された腐食減肉量の経年変化曲線もしくは同様の腐食減肉量の経年変化曲線を腐食減肉量のマスター曲線とし、経年値と腐食量との組み合わせで表される点にマスター曲線をフィッティングさせて得られる回帰曲線を腐食減肉量の経年変化曲線とすることができる。
具体的に、平炉鋼に対する腐食減肉量の経年変化曲線は、上記実施形態の式(1)と同様に、次式(4)で表わされる。ここで、Wは単位面積当たりの腐食減肉重量(単位oz/ft)、k´は初年度の単位面積当たりの腐食減肉重量を表す定数、Tは経過年数(単位:年)、uは1以下の定数である。
また、上記式(4)から、既存文献から得られた対象とする地中金属構造物を構成する金属の密度を用い、腐食減肉量を腐食減肉厚Dで表すことにより、上記式(2)と同様に、次式(5)が得られる。ここで、Dは腐食減肉量(単位:mm)、kは初年度の腐食減肉量を表す定数である。
図6は、上記式(5)で表されるマスター曲線を、kおよびuをパラメータとして、図6に白抜き丸で示した経年値と腐食量との組み合わせで表される点にフィッティングさせて得られた回帰曲線を示す。すなわち、経年値と腐食量との組み合わせに基づいて、上記式(5)で表されるマスター曲線のパラメータkおよびuが決定される。
また、図7は、上記式(5)を時間微分して得られる次式(6)で表される腐食速度の経年変化曲線を示す。ここで、dD/dTは腐食速度(単位:mm/年)を表す。なお、決定されたパラメータkおよびuは、次式(6)にも用いられる。
以降の処理は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。以上、説明したように、本実施形態の推定処理では、地中金属構造物のサンプルに基づいて求められる経年値と腐食量との組み合わせに基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線を取得される。この経年変化曲線を用いて、上記実施形態と同様に、地中金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該地中金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルが推定される。また、腐食モデルを用いて、地中金属構造物に負荷される所定の外力により各部位に負荷される応力Aの値が算出され、算出された応力Aの値と、各部位が耐えうる応力を示す所定の応力Bの値とを比較することにより、地中金属構造物の各部位の劣化度が推定される。これにより、地中金属構造物の腐食による劣化度を精度高く推定することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

Claims (4)

  1. 全部または一部が地中に埋設される金属構造物が設置される環境を示す環境因子に基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線を取得する経年変化曲線取得工程と、
    前記経年変化曲線を用いて、前記金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルを推定する腐食モデル推定工程と、
    前記腐食モデルを用いて、前記金属構造物に負荷される所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値を算出する応力算出工程と、
    前記所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値と、前記各部位が耐えうる応力を示す所定の応力の値とを比較することにより、前記金属構造物の前記各部位の劣化度を推定する劣化度推定工程と、
    を含んだことを特徴とする推定方法。
  2. 全部または一部が地中に埋設される金属構造物のサンプルに基づいて求められる経年値と腐食量との組み合わせに基づいて、腐食量の経年変化を示す経年変化曲線を取得する経年変化曲線取得工程と、
    前記経年変化曲線を用いて、前記金属構造物の各部位の経年時の形状を推定することにより、該金属構造物の経年時の全体形状を示す腐食モデルを推定する腐食モデル推定工程と、
    前記腐食モデルを用いて、前記金属構造物に負荷される所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値を算出する応力算出工程と、
    前記所定の外力により前記各部位に負荷される応力の値と、前記各部位が耐えうる応力を示す所定の応力の値とを比較することにより、前記金属構造物の前記各部位の劣化度を推定する劣化度推定工程と、
    を含んだことを特徴とする推定方法。
  3. 前記所定の応力は、前記各部位を構成する金属材料の降伏応力であることを特徴とする請求項1または2に記載の推定方法。
  4. 前記腐食量は、腐食減肉量または腐食速度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の推定方法。
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