JP2017003499A - 分光測定装置及び分光測定方法 - Google Patents

分光測定装置及び分光測定方法 Download PDF

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俊明 奥野
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Abstract

【課題】ハイパースペクトル画像を用いた測定対象物に係る定量分析の精度が向上した分光測定装置及び分光測定方法を提供する。【解決手段】分光測定装置100では、検量線を作成する際に、スペクトルデータを取得する複数の画素に対応する一または複数の受光素子それぞれについて個別に検量線を作成することを特徴とする。これにより、1画素に係るスペクトルデータを得るために用いられる受光素子の特性を考慮した検量線を作成することができることから、測定対象物に係る定量分析の精度の向上を実現可能とする。【選択図】図4

Description

本発明は、測定対象物のスペクトルデータを取得して分析を行う分光測定装置及び分光測定方法に関する。
測定対象物のスペクトルデータを取得して分析を行う際、検量のための検量線を予め作成した上で測定対象物の評価を行うことが一般的に知られている。例えば、特許文献1では、ラインセンサで受光した信号に基づいて糖度値を算出する方法が示されている。
特開平6−213804号公報
この方法は、複数波長の光に対する強度情報を画素毎に保持するハイパースペクトル画像を用いて測定対象物に含まれる特定の成分の定量分析を行う場合にも適用することができると考えられる。しかしながら、従来はハイパースペクトル画像を用いた定量分析自体が一般的ではなく、定量分析の測定精度の向上については検討されていなかった。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、ハイパースペクトル画像を用いた測定対象物に係る定量分析の精度が向上した分光測定装置及び分光測定方法を提供することを目的とする。
本願発明の分光測定装置は、複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、該測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定装置であって、
前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射手段と、
複数の受光素子を含み、前記照射手段より照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像して、ハイパースペクトル画像を得る撮像手段と、
検量線を作成する検量線作成手段と、
前記撮像手段による撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析手段と、
前記解析手段において求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力手段と、
を備える。
この分光測定装置において、(1)撮像手段は、受光素子が2次元配置されており、複数の画素それぞれのスペクトルデータを複数の受光素子のうち一方向に配列された複数の受光素子で取得するラインカメラの形態であってもよい。この場合、検量線作成手段は、検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した一方向に配列された複数の受光素子について個別に検量線を作成する。解析手段は、測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した一方向に配列された複数の受光素子について作成された検量線に基づいて、測定対象物の定量分析を行う。
あるいは、(2)撮像手段は、複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを複数の受光素子のそれぞれで取得するエリアカメラの形態であってもよい。この場合、検量線作成手段は、検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した複数の受光素子のそれぞれについて個別に検量線を作成する。解析手段は、測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した複数の受光素子それぞれについて作成された検量線に基づいて、測定対象物の定量分析を行う。
本願発明の分光測定方法は、複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、該測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定方法であって、
前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射ステップと、
前記照射ステップより照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を複数の受光素子で受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像して、ハイパースペクトル画像を得る撮像ステップと、
検量線を作成する検量線作成ステップと、
前記撮像ステップにおける撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析ステップと、
前記解析ステップにおいて求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力ステップと、
を備える。
この分光測定方法において、(3)撮像ステップは、複数の画素それぞれのスペクトルデータを2次元配置された複数の受光素子のうち一方向に配列された複数の受光素子で取得するラインカメラの形態であってもよい。この場合、検量線作成ステップは、検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した一方向に配列された複数の受光素子について個別に検量線を作成する。解析ステップは、測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した一方向に配列された複数の受光素子について作成された検量線に基づいて、測定対象物の定量分析を行う。
あるいは、(4)撮像ステップは、複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを複数の受光素子のそれぞれで取得するエリアカメラの形態であってもよい。この場合、検量線作成ステップは、検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した複数の受光素子のそれぞれについて個別に検量線を作成する。解析ステップは、測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した複数の受光素子それぞれについて作成された検量線に基づいて、測定対象物の定量分析を行う。
本発明によれば、各受光素子の特性を考慮した検量線を作成することができることから、ハイパースペクトル画像を用いた測定対象物に係る定量分析の精度が向上した分光測定装置及び分光測定方法が提供される。加えて、(1)の分光測定装置、および、(3)の分光測定方法によれば、測定対象物に係る定量分析の精度の向上を実現することができる。
本実施形態に係る分光測定装置の構成を示す図である。 ハイパースペクトル画像についてその概略を説明する図である。 分析部について説明する図である。 本実施形態に係る分光測定方法を説明する図である。 従来の検量線の作成方法を用いた水分率予測の結果を示す図である。 本実施形態の検量線の作成方法を用いた水分率予測の結果を示す図である。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明に係る分光測定装置及び分光測定方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本実施形態に係る分光測定装置100について図1を用いて説明する。分光測定装置100は、測定台2上に載置された測定対象物3について、その測定対象となる領域毎の定量分析を行う装置である。分光測定装置100の測定対象物3は特に限定されない。また、定量分析を行う対象としては、例えば、測定対象物3に含まれる特定成分の濃度や物性が挙げられる。
分光測定装置100は、近赤外光である測定光を測定対象物3に対して照射することにより得られる拡散反射光のスペクトルを測定し、そのスペクトルに基づいて測定対象物3の分光測定を行う。このため、分光測定装置100は、光源ユニット10(照射手段)、検出ユニット20(撮像手段)、及び分析ユニット30(検量線作成手段、解析手段、出力手段)を備える。なお、以下の実施形態では近赤外光を分光測定に使用する場合について説明するが、他の波長範囲の光を測定に用いてもよい。また、拡散反射光のスペクトルに替えて透過光又は散乱光のスペクトルを測定してもよい。
光源ユニット10は、測定光を測定台2上における所定の照射領域A1へ向けて照射する。光源ユニット10が照射する測定光の波長範囲は、測定対象物3によって適宜選択される。測定光の波長は特に制限されないが、測定光として近赤外光を用いた場合、有機物は近赤外光に対する吸収ピークを持っている場合が多いため、定量が可能な成分が多くなる。近赤外光を測定光として用いる場合、具体的には、波長範囲が800nm〜2500nmの光が好適に用いられ、特に1000nm〜2300nmの光が好適に用いられる。なお、本実施形態では、ハロゲンランプからなる光源11を含む光源ユニット10について説明する。
照射領域A1とは、測定対象物3を載置する測定台2の表面の一部の領域である。この照射領域A1は、測定台2の一の方向(図1のx軸方向)に広がるライン状に延びる領域である。
光源ユニット10は、光源11と、照射部12と、光源11と照射部12とを接続する光ファイバ13と、を備える。光源11は、近赤外光を発生させる。
光源11により発生された近赤外光は、光ファイバ13の一方の端面へ入射される。この近赤外光は、光ファイバ13のコア領域を導波し、もう一方の端面から照射部12に対して出射される。
照射部12は、光ファイバ13の端面から出射される近赤外光を測定対象物3が載置される照射領域A1に対して照射する。照射部12は、光ファイバ13から出射される近赤外光を入射して、照射領域A1に対応した1次元のライン状に出射するため、照射部12としてシリンドリカルレンズが好適に用いられる。このように照射部12においてライン状に整形された近赤外光L1が、照射部12から照射領域A1に対して照射される。
光源ユニット10から出力された近赤外光L1は、照射領域A1上に載置された測定対象物3により拡散反射される。そして、その一部が、拡散反射光L2として検出ユニット20に入射する。
検出ユニット20は、2次元に配置された受光素子によってハイパースペクトル画像を取得するハイパースペクトルセンサとしての機能を有する。ここで、本実施形態におけるハイパースペクトル画像について図2を用いて説明する。図2は、ハイパースペクトル画像についてその概略を説明する図である。図2に示すように、ハイパースペクトル画像とは、N個の単位領域(画素)P〜Pにより構成されている画像である。図2ではそのうちの一例として2個の単位領域P及びPについて具体的に示している。単位領域P及びPには、それぞれ複数の強度データからなるスペクトル情報S及びSが含まれている。この強度データとは、特定の波長(又は波長帯域)におけるスペクトル強度を示すデータであり、図2では、15個の強度データがスペクトル情報S及びSとして保持されている。このように、ハイパースペクトル画像は、画像を構成する領域毎に、それぞれ複数の強度データを持つという特徴から、画像としての二次元的要素と、スペクトルデータとしての要素をあわせ持った三次元的構成のデータである。なお、本実施形態では、ハイパースペクトル画像とは、1画素あたり少なくとも5つの波長帯域における強度データを保有している画像のことをいう。
図2では測定対象物3もあわせて示している。すなわち、図2においてPは測定対象物3を撮像した測定対象物上の領域であり、Pは背景(例えば、測定台2)上の領域である。このように、検出ユニット20では、測定対象物3だけでなく背景を撮像した画像も取得される。
図1に戻り、本実施形態に係る検出ユニット20は、カメラレンズ24と、スリット21と、分光器22と、受光部23と、を備える。この検出ユニット20は、その視野領域20s(撮像領域)が照射領域A1と同じ(x軸方向)に延びている。検出ユニット20の視野領域20sは、測定台2上の照射領域A1に含まれるライン状の領域であって、スリット21を通過した拡散反射光L2が受光部23上に像を結ぶ領域である。
スリット21は、照射領域A1の延在方向(x軸方向)と平行な方向に開口が設けられる。検出ユニット20のスリット21に入射した拡散反射光L2は、分光器22へ入射する。
分光器22は、スリット21の長手方向、すなわち照射領域A1の延在方向に垂直な方向(y軸方向)に拡散反射光L2を分光する。分光器22により分光された光は、受光部23によって受光される。
受光部23は、複数の受光素子が2次元に配列された受光面を備え、各受光素子が光を受光する。これにより、受光部23が測定台2上の照射領域A1の延在方向(x軸方向)に沿った領域で反射した拡散反射光L2の各波長の光をそれぞれ受光することとなる。各受光素子は、受光した光の強度に応じた信号を位置と波長とからなる二次元平面状の一点に関する情報として出力する。受光素子としては、InGaAs、MCT、PbS又はInGaAs/GaAsSbタイプの量子井戸型センサ等を用いることができる。この受光部23の受光素子から出力される信号が、ハイパースペクトル画像に係るスペクトルデータとして、検出ユニット20から分析ユニット30に送られる。
分析ユニット30は、入力された信号により拡散反射光L2のスペクトルを得て、この得られた画素毎のスペクトルデータを用いて、測定対象物3に係る定量分析に係る処理を行う。
この分析ユニット30は、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)、検出ユニット等の他の機器との間の通信を行う通信モジュール、並びにハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。そして、これらの構成要素が動作することにより、分析ユニット30としての機能が発揮される。
分析ユニット30の機能について図3を参照しながらさらに説明する。図3に示すように分析ユニット30は、データ読み取り部31と、演算部32と、検量線データベース33と、画像化部34とを含んで構成される。
データ読み取り部31は、検出ユニット20から送られるスペクトルデータを読み取る機能を有する。演算部32は、検量線データベース33に格納された検量線を利用した測定対象物の定量分析を行う機能を有する。演算部32による演算結果は、分析データとして出力することもできるし、画像化部34に送って画像化に係る処理を行うこともできる。また、検量線データベース33は、定量分析に係る検量線についての情報を保持し、演算部32からの要請に基づいて分析に必要な検量線に係る情報を提供する。そして、画像化部34は、演算部32における演算結果に基づいたイメージングを行う機能を有する。定量分析結果のイメージングを行った後に、画像データを画像化部34から出力(画像出力)することができる。このように、分析ユニット30は、定量分析に係る一連の処理を行う機能を有する。
上記の分光測定装置100は、一度の撮像によって、照射領域A1の延在方向(x軸方向)に沿って配列された画素毎にそれぞれスペクトルデータを取得することができる。したがって、測定対象物3が載置された測定台2を移動するか、又は、分光測定装置100による撮像領域を移動させることによって、測定対象物3全体について、2次元に配列された領域毎のスペクトルデータを取得することができる。
このような分光測定装置100は、照射領域A1の延在方向に沿って受光面上に配列された複数のセンサにより構成されるラインセンサであるともいえる。(各々のセンサが「画素」に対応する。)そして、1つのセンサにより受光される各波長の光は、分光器22において分光されることで、照射領域A1の延在方向に対して直交する方向(y軸方向)に配列された複数の受光素子により受光されてスペクトルデータを構成する。すなわち、y軸方向に配列された複数の受光素子によって、1つの画素に係るスペクトルデータが取得される。換言すると、ラインセンサを構成する、x軸に沿って配列された各センサに係るスペクトルデータは、それぞれy軸方向に配列された複数の受光素子において受光された光の情報に基づいて形成される。この「1画素に係るスペクトルデータを構成するデータ(光の強度情報)を取得するy軸方向に配列された複数の受光素子」は分光器22によって予め決められている。したがって、「1画素」と「当該1画素のスペクトルデータを構成するデータを取得する複数の受光素子」との対応関係は固定されていて、撮像の度に変化することはない。
同一の規格により生産された受光素子の性能は一定となることが望まれている。しかしながら、実際には、受光素子毎に特性に若干のバラつきが生じる。したがって、ラインセンサを構成する各センサにて取得されるスペクトルデータを比較すると、同一のサンプルのスペクトルデータを撮像した場合であっても、センサ毎にその形状に若干の違いが生じる。これは、ラインセンサを構成する各センサのスペクトルデータを取得するための受光素子が互いに異なるからである。ここでの受光素子の特性のバラつきとは、例えば同一波長で同一強度の光を受光したとしても、受光した光の強度を信号として出力する際の信号が異なることをいう。
したがって、高い測定精度が望まれる定量分析を行う場合に、ラインセンサを構成する各センサで取得されるスペクトルデータを全て平均化して検量線を作成してしまうと、受光素子の特性のバラつき等を何ら考慮しない検量線となってしまう。したがって、受光素子の特性のバラつきの分だけ、検量線の精度が低下すると考えられる。
そこで、本実施形態における分光測定装置100では、検量線を作成する際に、スペクトルデータを取得する複数の画素それぞれに対応する一または複数の受光素子について個別に検量線を作成することを特徴とする。これにより、1画素に係るスペクトルデータを得るために用いられる受光素子の特性を考慮した検量線を作成することができることから、測定対象物に係る定量分析の精度の向上を実現可能とする。特に、本実施形態の分光測定装置100のように、y軸方向に配列された複数の受光素子によって、一の画素に係るスペクトルデータが取得される場合には、一の画素のスペクトルデータの取得に係る複数の受光素子によって取得されるデータ毎に、当該一の画素に係る検量線を作成する構成とすることで、測定対象物に係る定量分析の精度の向上を実現することができる。
上記の分光測定装置100を用いた測定対象物3に係る定量分析方法を図4に示す。ハイパースペクトル画像の取得は、分光測定装置100の光源ユニット10、検出ユニット20によって行われ、その他の処理は、分析ユニット30によって行われる。なお、図4では、測定対象物3に含まれる特定の成分の濃度を定量分析する場合について説明する。
まず、定量分析のための検量線を作成する。具体的には、定量分析の対象となる特定成分の濃度が既知の試料である検量線用試料を複数水準(互いに異なる濃度のものを複数)準備し、各検量線用試料についてのハイパースペクトル画像を取得する(S01:照射ステップ、撮像ステップ)。次に、このハイパースペクトル画像から、有効画素、すなわち、検量線用試料を撮像した画素を抽出する(S02)。有効画素の抽出方法は適宜設定することができる。例えば、所定の波長の光の受光強度が所定の値以上である画素を有効画素と判定する方法等を用いて、検量線用試料を撮像した画素を抽出する方法が用いられる。
次に、抽出した検量線用試料を撮像した画素に係るスペクトルデータから検量線を作成する(S03:検量線作成ステップ)。このとき、検量線用試料を撮像した画素のデータを全て平均化して検量線を作成するのではなく、画素に対応する一または複数の受光素子毎にスペクトルデータを区別して保持しておき、検量線をそれぞれ作成する。
なお、検量線の作成の際には、取得されたスペクトルデータに対して、例えば標準正規変量(Standard Normal Variate:SNV)等を用いた規格化等を行ってもよい。その後、複数水準のハイパースペクトル画像から生成されたスペクトルデータを用いて、公知の解析手法を用いて濃度とスペクトルとの相関関係を示す検量線を作成する。作成された検量線は、検量線を作成した画素に対応する一または複数の受光素子を特定する情報(例えば受光素子を示す座標等を用いることができる)と対応付けて検量線データベース33に格納される。
次に、測定対象物3のハイパースペクトル画像を取得する(S04:撮像ステップ)。その後、画素毎に対応する一または複数の受光素子の検量線を適用して定量測定を行う(S05:解析ステップ)。このとき、撮像した画素に対応した一または複数の受光素子の検量線をそれぞれ検量線データベース33から取得して、定量分析を行う。これにより、受光素子の特性を反映した検量線に基づいた定量測定が可能となる。
その後、定量分析の結果のイメージングを行う(S06:出力ステップ)。イメージングとしては、定量分析を行った画素毎に、定量分析の結果(濃度)に基づいて、予め濃度に対応したカラーマップ(例えば、Jet:赤→緑→青と変遷するもの)や白黒の濃淡(グレイスケール)を定めておき、定量結果に基づいた着色を行う。これにより、定量分析の結果を視覚的に容易に認識することができる。
従来から、ハイパースペクトル画像を用いた定量分析は可能であると考えられていたものの、実際にはほとんど行われていなかった。したがって、定量分析の結果の精度も考慮した具体的な分光測定方法は検討されていなかった。また、一般的な従来の分光測定法による定量分析では、検量線を作成する際のデータの数が多い方が、ノイズ成分等を除去することができるため好ましいと考えられていた。したがって、ハイパースペクトル画像を用いた定量分析に対して従来の定量分析における思想を適用した場合、各画素で取得された検量線用のスペクトルデータを平均化して検量線を作成することが好ましいと考えられるのが当然である。
しかしながら、ハイパースペクトル画像を撮像する際には、スペクトルデータの特性が画素毎に異なる。これは、スペクトルデータを取得する際に用いられる受光素子が画素毎に異なるためである。従来の分光測定法では同一の受光素子により繰り返し測定を行うことが一般的である。したがって、受光素子が互いに異なることにより画素毎に取得されるスペクトルデータの特性が異なるという可能性という点までは着目されていなかった。このように、上記の課題は、ハイパースペクトル画像を用いた定量分析の際にのみ生じるものである。これに対して、本実施形態に係る分光測定装置及び分光測定方法によれば、画素に対応する一または複数の受光素子毎に検量線を作成する構成とすることで、より高い精度の定量分析を実現する。
この点について、実施例を参照しながらさらに説明する。水分量が既知の酒石酸ナトリウム二水和物(水分量15.66%)について、分光測定装置100により水分量を測定した。受光部23として、空間方向(x軸方向)に320個、波長方向(y軸方向)に256個の受光素子が配置された受光面を使用した。すなわち、一度の撮像により320画素のスペクトル情報を取得することができ、1画素のスペクトルデータは256個のデータにより構成される。検量線を作成するために、濃度が異なる複数水準のサンプルを測定して検量線を作成した後、上記の酒石酸ナトリウム二水和物(水分量15.66%)のハイパースペクトル画像から水分量の予測値を算出した。
図5は、従来の定量分析法のように、空間方向(x軸方向)の320画素分のスペクトルデータの全平均を基に検量線を作成した後に、その検量線を用いて測定した水分量の予測値の結果を画素毎にプロットしたものである。水分量の真値が15.66%であるのに対し、予測値は14.2%〜17.1%となり、予測結果にバラつきがあることが確認できる。
これに対し、図6は、空間方向の320画素それぞれについて、波長方向の256個の受光素子で得られたデータを用いたスペクトルデータに関する検量線を個別に作成した後に、それぞれの検量線を利用して試料の水分量を測定した結果を画素毎にプロットしたものである。図6では、試料に関して10回測定を行った結果のエラーバーを併せて示している。図6に示すように、画素毎に検量線を作成した場合、水分量の真値の15.66%に対して±0.1%以内のバラつきとなることが確認された。したがって、画素毎に検量線を作成することで、定量分析の精度を向上することができることが確認された。
なお、本発明に係る分光測定装置は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態のように分光測定装置が光源ユニット、検出ユニットおよび分析ユニットを備えている構成には限定されない。
また、上記実施形態では、2次元に配列された受光素子のうち、一方向(波長方向:y軸方向)に配列された複数の受光素子を用いて1画素に係るスペクトルデータを取得していたが、ハイパースペクトル画像を取得することができる分光測定装置100の装置は上記に限定されない。例えば、1受光素子がスペクトルデータを取得することにより、各受光素子において取得されたスペクトルデータを各画素のスペクトルデータとすることができる分光測定装置(エリアカメラ)でもハイパースペクトル画像を取得することができる。具体的には、光源ユニット10からの光の波長を変化させるか、又は、検出ユニット20の分光器22に代えて特定の波長のみを選択して透過できるフィルタ又はバンドパスフィルタ等を設けることで、時間と共に光の波長を変えながら受光部23に2次元に配置された受光素子のそれぞれで受光をすることで、各受光素子でスペクトルデータを得ることができる。
上記の分光測定装置の場合、1画素におけるスペクトルデータは1受光素子にて取得されたデータにより構成される。この場合、各受光素子における感度の波長依存性がそのまま各画素のスペクトルの特性として表れる。したがって、このような分光測定装置において定量分析を行う場合には、画素毎、すなわち、受光素子毎に検量線を作成することが好ましく、このような構成を備えることで、定量分析の精度を向上させることができる。
2…測定台、3…測定対象物、10…光源ユニット、20…検出ユニット、30…分析ユニット、100…分光測定装置。

Claims (4)

  1. 複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定装置であって、
    前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射手段と、
    2次元配置された複数の受光素子を含み、前記照射手段より照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像し、前記複数の画素それぞれのスペクトルデータを前記複数の受光素子のうち一方向に配列された複数の受光素子で取得して、ハイパースペクトル画像を得る撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像により得られた前記検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した前記一方向に配列された複数の受光素子について個別に検量線を作成する検量線作成手段と、
    前記撮像手段による撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した前記一方向に配列された複数の受光素子について作成された前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析手段と、
    前記解析手段において求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力手段と、
    を備える分光測定装置。
  2. 複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定装置であって、
    前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射手段と、
    複数の受光素子を含み、前記照射手段より照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像し、前記複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを前記複数の受光素子のそれぞれで取得して、ハイパースペクトル画像を得る撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像により得られた前記検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した前記複数の受光素子のそれぞれについて個別に検量線を作成する検量線作成手段と、
    前記撮像手段による撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した前記複数の受光素子それぞれについて作成された前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析手段と、
    前記解析手段において求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力手段と、
    を備える分光測定装置。
  3. 複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定方法であって、
    前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射ステップと、
    前記照射ステップより照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を2次元配置された複数の受光素子で受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像し、前記複数の画素それぞれのスペクトルデータを前記複数の受光素子のうち一方向に配列された複数の受光素子で取得して、ハイパースペクトル画像を得る撮像ステップと、
    前記撮像ステップにおける撮像により得られた前記検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した前記一方向に配列された複数の受光素子について個別に検量線を作成する検量線作成ステップと、
    前記撮像ステップにおける撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した前記一方向に配列された複数の受光素子について作成された前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析ステップと、
    前記解析ステップにおいて求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力ステップと、
    を備える分光測定方法。
  4. 複数の画素のそれぞれ毎にスペクトルデータを有するハイパースペクトル画像に基づいて、測定対象物に含まれる特定成分の濃度を定量分析する分光測定方法であって、
    前記特定成分の濃度が既知である検量線用試料及び前記測定対象物に対して測定光を照射する照射ステップと、
    前記照射ステップより照射された前記測定光による前記検量線用試料及び前記測定対象物からの光を2次元配置された複数の受光素子で受光することで、前記検量線用試料及び前記測定対象物を撮像し、前記複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを前記複数の受光素子のそれぞれで取得して、ハイパースペクトル画像を得る撮像ステップと、
    前記撮像ステップにおける撮像により得られた前記検量線用試料のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータを取得した前記複数の受光素子のそれぞれについて個別に検量線を作成する検量線作成ステップと、
    前記撮像ステップにおける撮像により得られた前記測定対象物のハイパースペクトル画像に含まれる複数の画素のそれぞれのスペクトルデータと、該スペクトルデータを取得した前記複数の受光素子それぞれについて作成された前記検量線に基づいて、前記測定対象物の定量分析を行う解析ステップと、
    前記解析ステップにおいて求められた前記測定対象物の定量分析の結果を、画素毎に表示して画像出力する出力ステップと、
    を備える分光測定方法。
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