JP2016539081A - 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法 - Google Patents

揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016539081A
JP2016539081A JP2016517554A JP2016517554A JP2016539081A JP 2016539081 A JP2016539081 A JP 2016539081A JP 2016517554 A JP2016517554 A JP 2016517554A JP 2016517554 A JP2016517554 A JP 2016517554A JP 2016539081 A JP2016539081 A JP 2016539081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclopropene
energy
energy source
cyclodextrin
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016517554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6862179B2 (ja
Inventor
ゴーシュ,ティルタンカー
Original Assignee
アグロフレッシュ インコーポレイテッド
アグロフレッシュ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=51663498&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016539081(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by アグロフレッシュ インコーポレイテッド, アグロフレッシュ インコーポレイテッド filed Critical アグロフレッシュ インコーポレイテッド
Publication of JP2016539081A publication Critical patent/JP2016539081A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6862179B2 publication Critical patent/JP6862179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/20Combustible or heat-generating compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N27/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing hydrocarbons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B7/00Preservation or chemical ripening of fruit or vegetables
    • A23B7/14Preserving or ripening with chemicals not covered by groups A23B7/08 or A23B7/10
    • A23B7/144Preserving or ripening with chemicals not covered by groups A23B7/08 or A23B7/10 in the form of gases, e.g. fumigation; Compositions or apparatus therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23BPRESERVING, e.g. BY CANNING, MEAT, FISH, EGGS, FRUIT, VEGETABLES, EDIBLE SEEDS; CHEMICAL RIPENING OF FRUIT OR VEGETABLES; THE PRESERVED, RIPENED, OR CANNED PRODUCTS
    • A23B9/00Preservation of edible seeds, e.g. cereals
    • A23B9/16Preserving with chemicals
    • A23B9/18Preserving with chemicals in the form of gases, e.g. fumigation; Compositions or apparatus therefor

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)

Abstract

揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法であって、揮発性化合物の放出のためにエネルギー供給源を用いるシステムおよび方法が提供される。本明細書に示すシステムおよび方法は、(1)溶媒(例えば水)を不要とする、(2)即時の揮発性化合物の放出(例えば、HAIPからの1−MCPの放出が、水を使用する現行方法の数分または数時間の代わりに、数ミリ秒または数秒以内で可能となる)、および/または、(3)揮発性化合物の送達を瞬時に開始および中止することのうち少なくとも1つの利点を有する。

Description

先行する実験では、揮発性化合物の分子複合体(例えば、α−シクロデキストリンと複合した1−メチルシクロプロペン(1−MCP)、その粉末は高活性成分生成物(HAIP)としても知られる)を加熱した場合、揮発性化合物の分解に起因した著しい重量損失があることが示された。1−MCP(代表的な活性揮発性化合物)は、加熱すると分解することが知られているため、1−MCPの分子複合体を高温(例えば約200℃)に加熱した場合、1−MCPが劣化すると考えられる。
1−MCPは、湿気によってα−シクロデキストリン/1−MCP複合体から遊離することがよく知れられている。現在のところ、市販の1−MCP発生器はすべて、様々な果実および野菜の処理に用いる1−MCPの発生に水を使用する。しかし、現行方法は、1−MCPの放出に長時間(例えば1時間)を要し、また使用する水の品質にその放出が左右され易いという難点を有する。
したがって、1−MCPを含む有揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法の必要性が存続している。
本発明は、1−MCPとα−シクロデキストリンの分子複合体(例えばHAIP)を加熱することで、著しく損失することなく純粋な1−MCPが発生できるという驚くべき結果に基づく。揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法であって、揮発性化合物の放出のためにエネルギー供給源を用いるシステムおよび方法が提供される。本明細書に示すシステムおよび方法は、(1)溶媒(例えば水)を不要とする、(2)即時の揮発性化合物の放出(例えば、HAIPからの1−MCPの放出が、水を使用する現行方法の数分または数時間の代わりに、数ミリ秒または数秒以内で可能となる)、および/または、(3)揮発性化合物の送達を瞬時に開始および中止することのうち少なくとも1つの利点を有する。
一態様において、揮発性化合物の送達のための無溶媒システムが提供される。そのシステムは、(a)揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体、(b)処理区画、および(2)エネルギー供給源を含む。
別の態様において、揮発性化合物の送達のための無溶媒システムが提供される。そのシステムは、(a)揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体、(b)処理区画、および(2)エネルギー供給源の手段を含む。
一実施形態において、システムはさらにエラストマーを含む。さらなる実施形態において、エラストマーはエチレン酢酸ビニルを含む。さらなる適切なエラストマーは、米国特許公開第2006/0233857号および第2012/0273586号に記載されており、その内容は全体として参照により組み込まれる。
一実施形態において、シクロプロペンは、次式、

(式中、Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり、その置換基は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換のフェノキシである)のシクロプロペンである。
さらなる実施形態において、RはC〜Cアルキルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
一実施形態において、シクロプロペンは、次式、

(式中、Rは、置換または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり、R、R、およびRは水素である)のシクロプロペンである。
さらなる実施形態において、シクロプロペンは、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)である。
一実施形態において、シクロプロペンは、シクロプロペン分子複合体の一部である。別の実施形態において、シクロプロペン分子複合体は、包接錯体である。別の実施形態において、シクロプロペン分子複合体は、シクロプロペンおよび分子封入剤を含む。さらなる実施形態において、分子封入剤は、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、クラウンエーテル、ゼオライト、およびそれらの組合せからなる群より選択される。さらなる実施形態において、分子封入剤はシクロデキストリンを含む。別の実施形態において、分子封入剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。さらなる実施形態において、分子封入剤は、α−シクロデキストリンを含む。
一実施形態において、処理区画は、熱脱着管、ガラスボトル、テドラーバッグ、アルミニウムカップ、およびそれらの組合せからなる群より選択される。別の実施形態において、エネルギー供給源は、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー、超音波エネルギー、音響エネルギー、および熱エネルギーのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態において、そのエネルギー供給源は、波形、周波数、振幅、または継続時間のうちの少なくとも1つのエネルギー特性を含む。さらなる実施形態において、エネルギー供給源は、紫外(UV)線を含む。別の実施形態において、エネルギー供給源は、UV線を含まない。
一実施形態において、エネルギー供給源は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、または約200℃の温度に加熱することにより提供される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、または約200℃の温度に加熱することを含む。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、密閉環境で実行される。さらなる実施形態において、密閉環境は、冷蔵室/冷蔵施設、冷蔵庫、運送用コンテナ、およびそれらの組合せを含む。さらなる実施形態において、密閉環境は、冷蔵室/冷蔵施設、冷蔵庫、運送用コンテナ、およびそれらの組合せからなる群より選択される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、−30℃から10℃の間、−20℃から5℃の間、−10℃から0℃の間、または約4℃の温度環境で実行される。さらなる実施形態において、エネルギー供給源の手段は、冷蔵室または冷蔵施設で実行される。
別の実施形態において、エネルギー供給源は、熱風を通すことにより提供される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、熱風を通すことを含む。一実施形態において、熱風は希ガスを含む。さらなる実施形態において、希ガスは、ヘリウムである。別の実施形態において、熱風は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、またはおよそ200℃の温度である。
別の態様において、揮発性化合物の送達のための方法が提供される。その方法は、(a)揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体を用意すること、(b)処理区画内に分子複合体を配置すること、および(c)処理区画へエネルギー供給源を適用し、それによって分子複合体から揮発性化合物を放出することを含む。
別の態様において、揮発性化合物の送達のための方法が提供される。その方法は、(a)揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体を用意すること、(b)処理区画内に分子複合体を配置すること、および(c)処理区画へエネルギー供給源の手段を適用し、それによって分子複合体から揮発性化合物を放出することを含む。
一実施形態において、揮発性化合物の損失は、40%、30%、20%、10%、または5%未満である。別の実施形態において、揮発性化合物の損失は、40%から0.5%の間、30%から1%の間、20%から3%の間、または10%から5%の間である。別の実施形態において、本明細書に示すシステムを使用する。揮発性化合物の損失は、封入した揮発性化合物の量と、放出後に回収した揮発性化合物の量との比較として定義する。
一実施形態において、シクロプロペンは、次式、

(式中、Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり、その置換基は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換のフェノキシである)のシクロプロペンである。
さらなる実施形態において、Rは、C〜Cアルキルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
一実施形態において、シクロプロペンは、次式、

(式中、Rは、置換または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり、R、R、およびRは水素である)のシクロプロペンである。
さらなる実施形態において、シクロプロペンは、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)である。
一実施形態において、シクロプロペンは、シクロプロペン分子複合体の一部である。別の実施形態において、シクロプロペン分子複合体は、包接錯体である。別の実施形態において、シクロプロペン分子複合体は、シクロプロペンおよび分子封入剤を含む。さらなる実施形態において、分子封入剤は、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、クラウンエーテル、ゼオライト、およびそれらの組合せからなる群より選択される。さらなる実施形態において、分子封入剤は、シクロデキストリンを含む。別の実施形態において、分子封入剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびそれらの組合せからなる群より選択される。さらなる実施形態において、分子封入剤は、α−シクロデキストリンを含む。
一実施形態において、処理区画は、熱脱着管、ガラスボトル、テドラーバッグ、アルミニウムカップ、およびそれらの組合せからなる群より選択される。別の実施形態において、エネルギー供給源は、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー、超音波エネルギー、音響エネルギー、および熱エネルギーのうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態において、エネルギー供給源は、波形、周波数、振幅、または継続時間のうちの少なくとも1つのエネルギー特性を含む。さらなる実施形態において、エネルギー供給源は、紫外(UV)線を含む。別の実施形態において、エネルギー供給源は、UV線を含まない。
一実施形態において、エネルギー供給源は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、または約200℃の温度に加熱することにより提供される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、または約200℃の温度に加熱することを含む。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、密閉環境で実行される。さらなる実施形態において、密閉環境は、冷蔵室/冷蔵施設、冷蔵庫、運搬用コンテナ、またはそれらの組合せを含む。さらなる実施形態において、その密閉環境は、冷蔵室/冷蔵施設、冷蔵庫、運送用コンテナ、またはそれらの組合せからなる群より選択される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、−30℃から10℃の間、−20℃から5℃の間、−10℃から0℃の間、または約4℃の温度環境で実行される。さらなる実施形態において、エネルギー供給源の手段は、冷蔵室または冷蔵施設で実行される。
別の実施形態において、エネルギー供給源は、熱風を通すことにより提供される。別の実施形態において、エネルギー供給源の手段は、熱風を通すことを含む。一実施形態において、熱風は希ガスを含む。さらなる実施形態において、希ガスは、ヘリウムである。別の実施形態において、熱風は、100℃から300℃の間、150℃から250℃の間、180℃から220℃の間、または約200℃の温度である。
別の態様において、植物または植物の部分の成熟を遅延させる方法が提供される。一実施形態において、その方法は、本明細書に示すシステムを用いて植物または植物の部分を処理することを含む。別の実施形態において、その方法は、本明細書に示す方法を用いて植物または植物の部分を処理することを含む。
別の態様において、揮発性化合物の無溶媒送達のための装置が提供される。一実施形態において、その装置は、本明細書に示すシステム中で開示する構成部品を備える。さらなる好適な装置は、米国特許第7,540,286号、第7,832,410号、米国特許出願第2006/0037998号、および国際特許出願WO第2013/034453号に記載されており、その内容は全体として参照により組み込まれる。
本明細書に示すシステムの一部としての気化器の典型的な概略図であり、ここで、101は空気取入れ口を指し、102は換気扇を指し、103は加熱器を指し、104は試料ホルダーを指し、105は空気排出口を指す。 本明細書に示すシステムの一部としての発生器の典型的な概略図であり、ここで、201は試料カップを指し、202はガス排出口を指し、203はアルミニウムトップを指し、204は窒素(N)取入れ口を指し、205はシリコンガスケットを指し、206は絶縁体を指し、207はアルミニウムブロックを指し、208は加熱器を指す。
本発明は、HAIP(1−MCP/α−シクロデキストリン複合体)を加熱することによる1−MCPガスの発生に関する。本発明の結果は、α−シクロデキストリン/1−MCP複合体を加熱すると、1−MCPが定量的に発生できることを示す。一実施形態において、熱重量分析−質量分析(TGA−MS)から得た驚くべきデータは、HAIPを約200℃の温度に加熱することで純粋な1−MCPが発生できることを示す。別の実施形態において、水を要しないが、1−MCPを数ミリ秒で発生することができる処理手順が提供される。別の実施形態において、送達システム、および/または、HAIPの加熱によって1−MCPを発生する装置が提供される。
いくつかの研究によって、1−MCPは100℃を超える温度では他の分子に劣化する事が実証されてきたため(例えば、Srinivasan, R. Journal of the American Chemical Society, 1969, 91, 6250-6253; Hopf, H.; Wachholz, G.; Walsh, R. Chemische Berichte, 1985, 118, 3579-3587を参照されたい)、本発明の結果は驚くべきことである。
本明細書において使用される場合、シクロプロペンは、次式、

[(式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、Hおよび、次式、
−(L)−Z
(式中、nは0から12までの整数である)の化学基からなる群より選択される。Lはそれぞれ二価の基である。好適なL基には、例えば、H、B、C、N、O、P、S、Si、またはそれらの混合物から選択される、1つまたは複数の原子を含有する基が含まれる。L基内の原子は、単結合、二重結合、三重結合、またはそれらの混合によって互いに連結していてもよい。L基のそれぞれは、直鎖状、分岐状、環式、またはそれらの組合せでもよい。任意の1つのR基(すなわち、R、R、R、およびRのうちの任意の1つ)において、ヘテロ原子(すなわち、HでもCでもない原子)の総数は0から6である。独立して、任意の1つのR基において、水素でない原子の総数は50以下である。Zは、それぞれ一価の基である。Zは、それぞれ独立して、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、および三員から十四員の環系である化学基Gからなる群より選択される]の任意の化合物である。
、R、R、およびR基は、独立して、好適な基より選択される。R、R、R、およびR基は、互いに同じであっても、またはそれらの任意の数が他と異なっていてもよい。R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数として使用するのに好適な基は、例えば、脂肪族基、脂肪族オキシ基、アルキルホスホナト基、シクロ脂肪族基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、その他の基、ならびにそれらの混合および組合せである。R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数として使用するのに好適な基は、置換されていても、または置換されていなくてもよい。独立して、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数として使用するのに好適な基は、シクロプロペン環に直接連結していてもよく、または、介在基、例えばヘテロ原子含有基などを介してシクロプロペン環と連結していてもよい。
好適なR、R、R、およびR基の中には、例えば、脂肪族基がある。いくつかの好適な脂肪族基には、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基が含まれるが、それだけに限定されない。好適な脂肪族基は、直鎖状、分岐状、環式、またはそれらの組合せでもよい。独立して、好適な脂肪族基は、置換されていても、または置換されていなくてもよい。
本明細書において使用される場合、対象の化学基が有する1つまたは複数の水素原子が置換基で置き換えられている場合、該対象の化学基は「置換された」と言われる。そのような置換された基は、それだけに限定されないが、対象の化学基の非置換型を作製することと、次いで置換を行うこととを含む任意の方法で作製することができると考えられる。好適な置換基には、アルキル、アルケニル、アセチルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、トリアルキルシリル、ジアルキルアミノ、およびそれらの組合せが含まれるが、それだけに限定されない。さらなる好適な置換基は、存在する場合、単独で、あるいは別の好適な置換基との組合せで存在してもよいが、
−(L)−Z
(式中、mは0から8であり、LおよびZは本明細書で定義されている)である。単一の対象の化学基上に2つ以上の置換基が存在する場合、置換基はそれぞれ、異なる水素原子を置き換えていてもよく、もしくは、ある置換基が別の置換基に付いてもよく(これが対象の化学基に付いている)、またはそれらの組合せでもよい。
好適なR、R、R、およびR基の中には、置換および非置換の脂肪族−オキシ基があり、例えば、アルケノキシ、アルコキシ、アルキニルオキシ、およびアルコキシカルボニルオキシなどであるが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、置換および非置換のアルキルホスホナト、置換および非置換のアルキルホスファト、置換および非置換のアルキルアミノ、置換および非置換のアルキルスルホニル、置換および非置換のアルキルカルボニル、ならびに置換および非置換のアルキルアミノスルホニルがあるが、それだけに限定されない。アルキルホスホナト、ジアルキルホスファト、ジアルキルチオホスファト、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、およびジアルキルアミノスルホニルも含むが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、置換および非置換のシクロアルキルスルホニル基、およびシクロアルキルアミノ基があり、例えば、ジシクロアルキルアミノスルホニルおよびジシクロアルキルアミノなどであるが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、置換および非置換のヘテロシクリル基(すなわち、環の中に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族環基または非芳香族環基)があるが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、またはスルホニル基を介してシクロプロペン化合物に連結する置換および非置換のヘテロシクリル基があり、このようなR、R、R、およびR基の例には、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ジヘテロシクリルアミノ、およびジヘテロシクリルアミノスルホニルがあるが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、置換および非置換のアリール基があるが、それだけに限定されない。好適な置換基は、本明細書で上述した置換基を含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の置換されたアリール基は、少なくとも1つの置換基が、アルケニル、アルキル、アルキニル、アセチルアミノ、アルコキシアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルボキシ、アリールアミノ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリアルキルシリル、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、スルホニルアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アリールアミノスルホニル、およびハロアルキルチオのうちの1つまたは複数である場合に用いてもよい。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基、またはアミノスルホニル基を介してシクロプロペン化合物に連結した置換および非置換の複素環基があり、このようなR、R、R、およびR基の例は、ジヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、およびジヘテロアリールアミノスルホニルであるが、それだけに限定されない。
好適なR、R、R、およびR基の中にはまた、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト、ブロマト、ヨーダト、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ、アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、ペルクロラト、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、および、それらの置換類似体があるが、それだけに限定されない。
本明細書において使用される場合、化学基Gは、三員から十四員の環系である。化学基Gとして好適な環系は、置換されていても、または置換されていなくてもよく、それは、芳香族(例えばフェニルおよびナフチルを含む)、または脂肪族(不飽和脂肪族、部分飽和脂肪族もしくは飽和脂肪族)でもよい。また、炭素環または複素環でもよい。複素環のG基のうち、いくつかの好適なヘテロ原子は、窒素、硫黄、酸素、およびそれらの組合せであるが、それだけに限定されない。化学基Gとして好適な環系は、単環、二環、三環、多重環、スピロ、または縮合でもよく、二環、三環、または縮合である好適な化学基G環系の場合、単一の化学基Gにおける様々の環は、すべて同じ種類であってもよく、または2種類もしくは3種類以上であってもよい(例えば、芳香族環が脂肪族環と縮合していてもよい)。
いくつかの実施形態において、Gは、飽和または不飽和の三員環を含む環系であり、例えば、置換または非置換のシクロプロパン、シクロプロペン、エポキシド、またはアジリジン環あるが、それだけに限定されない。
いくつかの実施形態において、Gは、四員複素環を含む環系であり、このような実施形態のいくつかにおいて、複素環は正確に1個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態において、Gは、五員以上の複素環を含む環系であり、このような実施形態のいくつかにおいて、複素環は1〜4個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態において、Gにおける環は非置換であり、他の実施形態において、環系は1〜5個の置換基を含み、Gが置換基を含むいくつかの実施形態において、置換基は、それぞれ独立して、本明細書に上述した置換基から選択してもよい。Gが炭素環系である実施形態も、好適である。
いくつかの実施形態において、Gは、それぞれ独立して、置換または非置換のフェニル、ピリジル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、トリアゾリル、ピラゾリル、1,3−ジオキソラニル、またはモルホリニルである。これらの実施形態の中には、例えば、Gが、非置換または置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘプチル、またはシクロヘキシルである実施形態が含まれる。いくつかの実施形態において、Gは、シクロペンチル、シクロヘプチル、シクロヘキシル、フェニル、または置換フェニルである。Gが置換フェニルである実施形態の中には、置換基が1個、2個、または3個ある実施形態があるが、それだけに限定されない。Gが置換フェニルであるいくつかの実施形態において、置換基は、独立して、メチル、メトキシ、およびハロから選択されるが、それだけに限定されない。
とRが結合して単一の基となって、二重結合でシクロプロペン環の第3炭素原子に付くことができる実施形態も考えられる。このような化合物の一部は、米国特許公開第2005/0288189号に記載されている。
いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数が水素である、1つまたは複数のシクロプロペンを用いてもよい。いくつかの実施形態において、RもしくはRが水素、または、RおよびRの両方が水素であってもよい。いくつかの実施形態において、RもしくはRが水素、または、RおよびRの両方が水素であってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、およびRが、水素であってもよい。
いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数が、二重結合を含まない構造であってもよい。独立して、いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数が、三重結合を含まない構造であってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数が、ハロゲン原子置換基を含まない構造であってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1つまたは複数が、イオンである置換基を含まない構造であってもよい。
いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRのうちの1個または複数は、水素または(C〜C10)アルキルであってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、RおよびRはそれぞれ、水素または(C〜C)アルキルであってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRはそれぞれ、水素または(C〜C)アルキルであってもよい。いくつかの実施形態において、R、R、R、およびRはそれぞれ、水素またはメチルであってもよい。いくつかの実施形態において、Rは(C〜C)アルキルで、かつR、R、およびRはそれぞれ水素であってもよい。いくつかの実施形態において、Rはメチルで、かつR、RおよびRはそれぞれ水素であってもよく、そして、そのシクロプロペンは、本明細書において、「1−メチルシクロプロペン」または「1−MCP」として知られる。
いくつかの実施形態において、シクロプロペンは、1気圧下、50℃以下、25℃以下、または15℃以下の沸点を有するシクロプロペンを用いてもよい。いくつかの実施形態において、シクロプロペンは、1気圧下、−100℃以上、−50℃以上もしくは−25℃以上、または0℃以上の沸点を有するシクロプロペンを用いてもよい。
シクロプロペンは、任意の方法で調製してもよい。好適なシクロプロペン調製方法のいくつかは、米国特許第5,518,988号および第6,017,849号で開示されたプロセスを含むが、それだけに限定されない。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの、シクロプロペンのための分子封入剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの分子封入剤は、1つもしくは複数のシクロプロペン、または1つもしくは複数のシクロプロペンの一部を封入してもよい。分子封入剤の分子中に封入された、シクロプロペン分子またはシクロプロペン分子の一部を含む複合体は、本明細書において、「シクロプロペン分子複合体」または「シクロプロペン化合物複合体」として知られる。いくつかの実施形態において、シクロプロペン分子複合体は、溶液に対する重量比率(w/w)で、少なくとも、1、2、3、4,5、6、7、8、9、10、20、30、32、40、50、60、70、80、または90%を占めてもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのシクロプロペン分子複合体は、包接錯体として存在してもよい。このような包接錯体では、分子封入剤は空洞を形成し、シクロプロペンまたはシクロプロペンの一部はその空洞内に位置する。包接錯体のいくつかの実施形態において、シクロプロペンと分子封入剤との間には共有結合がなくてもよい。包接錯体のいくつかの実施形態において、シクロプロペン内の1つまたは複数の極性部分と分子封入剤内の1つまたは複数の極性部分との間の静電引力の有無にかかわらず、シクロプロペンと分子封入剤との間にイオン結合はなくてもよい。
包接錯体のいくつかの実施形態において、分子封入剤の空洞の内部は、実質的に、無極性もしくは疎水性、またはその両方であってもよく、シクロプロペン(またはその空洞内に位置するシクロプロペンの一部)も、実質的に、無極性もしくは疎水性、またはその両方であってもよい。本発明はいかなる特定の理論または機序に限定されるものではないが、このような無極性のシクロプロペン分子複合体では、ファンデルワールス力もしくは疎水的相互作用、またはその両方が、シクロプロペン分子またはその一部を分子封入剤の空洞内に留めると考えられる。
シクロプロペン分子複合体は任意の手段で調製してもよい。一調製方法において、例えば、このような複合体は、シクロプロペンを分子封入剤の溶液またはスラリーと接触させた後、複合体を分離するという、例えば米国特許第6,017,849号に開示されるプロセスを用いて調製してもよい。例えば、シクロプロペンを分子封入剤に封入する、別の複合体調製方法では、シクロプロペンガスは分子封入剤の水溶液の中で気泡となり、そこから、複合体はすぐに沈殿するため、ろ過して分離することができる。いくつかの実施形態において、複合体は、上記のどちらの方法で作製してもよく、分離後は、乾燥させてもよく、後の有用組成物への添加用に、固体、例えば粉末として保管してもよい。
分子封入剤の量は、シクロプロペンのモルに対する分子封入剤のモル比によって特徴づけることができる。いくつかの実施形態において、シクロプロペンのモルに対する分子封入剤のモル比は、0.1以上、0.2以上、0.5以上、または0.9以上でもよい。いくつかの実施形態において、シクロプロペンのモルに対する分子封入剤のモル比は、2以下、または1.5以下であってもよい。
好適な分子封入剤には、有機および無機の分子封入剤が含まれるが、それだけに限定されない。好適な有機分子封入剤には、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが含まれるが、それだけに限定されない。好適な無機分子封入剤には、ゼオライトが含まれるが、それだけに限定されない。好適な分子封入剤の混合物も、好適である。いくつかの実施形態において、封入剤は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、またはそれらの混合物であってもよい。いくつかの実施形態において、α−シクロデキストリンを使ってもよい。いくつかの実施形態において、封入剤は、使われている1つまたは複数のシクロプロペンの構造に基づいて違ってもよい。任意のシクロデキストリンもしくはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン、またはそれらの混合物も利用してもよい。いくつかのシクロデキストリンは、例えば、Wacker Biochem Inc.、Adrian、MI、またはCerestar USA、Hammond、IN、およびその他の販売業者から入手可能である。
エネルギー供給源、すなわち、利用しうるエネルギーの好適な主たる供給源には、伝導、対流、および放射が含まれる。伝導エネルギーは、電気抵抗(例えば、カートリッジヒーター、成形抵抗線、セラミックヒーター、バンドヒーター、ワイヤーフィルムヒーター、および薄型フレキシブルヒーター)によって発生させることができる。対流加熱は、加熱した気体を流動させることによって、または加熱した液体を流動させることによって獲得することができる。放射エネルギーには、例えば、レーザー、マイクロ波、および赤外線が含まれる。
実施形態には、本明細書に記載したシステムおよび/または方法を用いる植物の処理方法が含まれる。いくつかの実施形態において、提供したシステムおよび/または方法を用いる植物または植物の部分の処理は、植物または植物の部分におけるエチレン反応を阻害する。「植物」という用語は、農作物、鉢物、切り花、収穫された果実および野菜、ならびに観賞植物に加え、総称的に、木茎植物も含んで使用される。実施形態によって処理されうる植物の例には、以下に列記する植物が含まれるが、それだけに限定されない。
いくつかの実施形態において、植物または植物の部分は、植物または植物の部分におけるエチレン反応を阻害するレベルのシクロプロペンで処理してもよい。いくつかの実施形態において、植物または植物の部分は、植物毒性レベルより低いレベルで処理してもよい。植物毒性レベルは、植物だけでなく品種によっても変化しうる。処理は、生育中の植物に対し、または生育中の植物から収穫した植物の部分に対して行ってもよい。生育中の植物に対して処理を行う間、組成物は、植物全体と接触してもよく、または1つもしくは複数の植物の部分と接触してもよいと考える。植物の部分には、花、芽、蕾、種子、切り枝、根、鱗茎、果実、野菜、葉、およびそれらの組合せを含む、あらゆる植物の部分が含まれるが、それだけに限定されない。いくつかの実施形態において、植物は、有用な植物部分の収穫前、または収穫後に、本明細書に記載した組成物で処理してもよい。
好適な処理は、畑、庭、建築物(例えば、温室など)、密封容器、または別の場所で、植物または植物の部分に対して行ってもよい。好適な処理は、広々とした土地、1つまたは複数の容器(例えば、鉢、プランターまたは花瓶)、枠床もしくは揚げ床、またはその他の場所に植えられた植物に対して行ってもよい。いくつかの実施形態において、処理は、建築物以外の場所の植物に対して行ってもよい。いくつかの実施形態において、植物は、容器、例えば、鉢、平箱、または移動式の床などで生育する間に処理してもよい。別の実施形態において、提供するシステムおよび方法は、密閉環境の中で実行される。さらなる実施形態において、密閉環境には、冷蔵室、冷蔵庫、運送用コンテナ、またはそれらの組合せが含まれる。
本明細書に記載するシステムおよび方法は、正しく使用された場合、数多くのエチレン作用を予防するが、その多くは、米国特許第5,518,988号および第3,879,188号に開示されており、そのどちらも全体として参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する実施形態は、植物エチレン反応のうちの1つまたは複数に影響を与えることを目的に用いてもよい。エチレン反応は、外来性または内在性のエチレン供給源のどちらによって開始されてもよい。エチレン反応には、(i)花、果実および野菜の、成熟および/または老化、(ii)茎葉、花、および果実の器官脱離、(iii)鉢物などの観賞植物、切り花、低木、および休眠苗木の寿命の延長、(iv)マメ科植物などの一部の植物における生育阻害、ならびに(v)イネ科植物などの一部の植物における植物生育の刺激が含まれるが、それだけに限定されない。
老化阻害を目的に処理しうる野菜には、レタス(例えば、Lactuca sativa)、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)およびキャベツ(Brassica oleracea)などの葉物野菜、ジャガイモ(Solanum tuberosum)およびニンジン(Daucus carota)などの様々な根菜、タマネギ(Allium属)などの鱗茎菜、バジル(Ocimum basilicum)、オレガノ(Origanum vulgare)、およびディル(Anethum graveolens)などの香草、ならびにダイズ(Glycine max)、ライマメ(Phaseolus limensis)、エンドウ(レンリソウ属(Lathyrus))、トウモロコシ(Zea mays)、ブロッコリー(Brassica oleracea italica)、カリフラワー(Brassica oleracea botrytis)およびアスパラガス(Asparagus officinalis)が含まれるが、それだけに限定されない。
成熟阻害を目的に本発明の方法で処理しうる果実には、トマト(Lycopersicon esculentum)、リンゴ(セイヨウリンゴ(Malus domestica))、バナナ(Musa sapientum)、ナシ(セイヨウナシ(Pyrus communis))、パパイア(Carica papaya)、マンゴー(Mangifera indica)、モモ(Prunus persica)、アンズ(Prunus armeniaca)、ネクタリン(Prunus persica nectarina)、オレンジ(ミカン属(Citrus))、レモン(Citrus limonia)、ライム(Citrus aurantifolia)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、タンジェリン(Citrus nobilis deliciosa)、キウイ(オニマタタビ(Actinidia chinensis))、カンタローペ(C. cantalupensis)およびマスクメロン(C. melo)などのメロン、パイナップル(Ananas comosus)、カキ(Diospyros属)、ならびにキイチゴ(例えば、オランダイチゴ(Fragaria)またはクロイチゴ(Rubus ursinus))、ブルーベリー(スノキ属(Vaccinium))、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、キュウリ(C. sativus)などのウリ属の仲間、ならびにアボカド(ワニナシ(Persea americana))が含まれるが、それだけに限定されない。
老化阻害、および/または、花の寿命と外観を長持ちさせること(萎れの遅延など)を目的に本発明の方法で処理しうる花卉には、鉢植え観賞植物および切り花が含まれるが、それだけに限定されない。処理されうる鉢植え観賞植物および切り花には、ツツジ(Rhododendron属)、アジサイ(Hydrangea macrophylla)、ハイビスカス(Hibiscus rosasinensis)、キンギョソウ(Antirrhinum属)、ポインセチア(ショウジョウボク(Euphorbia pulcherrima))、サボテン(例えば、ジャコバサボテン(Schlumbergera truncata))、ベゴニア(Begonia属)、バラ(Rosa属)、チューリップ(Tulipa属)、ラッパスイセン(スイセン属(Narcissus))、ペチュニア(ツクバネアサガオ(Petunia hybrida))、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ユリ(例えば、Lilium属)、グラジオラス(Gladiolus属)、アルストロメリア(スリズイセン(Alstroemeria brasiliensis))、アネモネ(例えば、Anemone blanda)、オダマキ(Aquilegia属)、タラノキ(例えば、Aralia chinesis)、シオン(例えば、Aster carolinianus)ブーゲンビリア(イカダカズラ属(Bougainvillea))、ツバキ(Camellia属)、ベルフラワー(ホタルブクロ属(Campanula))、ケイトウ(Celosia属)、サワラ(ヒノキ属(Chamaecyparis))、キク(Chrysanthemum属)、クレマチス(センニンソウ属(Clematis))、シクラメン(Cyclamen属)、フリージア(例えば、Freesia refracta)、およびラン科のランが含まれるが、それだけに限定されない。
茎葉、花および果実の器官脱離の阻害を目的に処理しうる植物には、ワタ(Gossypium 属)、リンゴ、ナシ、サクランボ(セイヨウミザクラ(Prunus avium))、ピカン(Carva illinoensis)、ブドウ(Vitis vinifera)、オリーブ(例えば、Olea europaea)、コーヒー(アラビカコーヒーノキ(Coffea arabica))、スナップエンドウ(インゲンマメ(Phaseolus vulgaris))、およびベンジャミン(シダレガジュマル(Ficus benjamina))が含まれるが、それだけに限定されない。加えて、リンゴを含む様々な果樹の休眠苗木、花卉、低木、および樹木の苗木を含む休眠苗木が含まれるが、それだけに限定されない。
さらに、茎葉の器官脱離の阻害を目的に処理しうる低木には、イボタノキ(Ligustrum属)、カナメモチ(Photina属)、モチノキ(Ilex属)、ウラボシ科(Polypodiaceae)のシダ、シェフレラ(フカノキ属(Schefflera))、アグラオネマ(Aglaonema属)、コトネアスター(Cotoneaster属)、メギ(Berberis属)、ヤマモモ(Myrica属)、アベリア(ツクバネウツギ属(Abelia 属))、アカシア(Acacia属)、およびパイナップル科(Bromeliaceae)のブロメリアが含まれるが、それだけに限定されない。
本明細書において使用される場合、「植物」という表現には、双子葉植物および単子葉植物が含まれる。双子葉植物(dicotyledonous plant、dicotyledon plant、dicotyledon、またはdicot)の例には、タバコ、シロイヌナズナ属(Alabidopsis)、ダイズ、トマト、パパイア、キャノーラ、ヒマワリ、ワタ、アルファルファ、ジャガイモ、ブドウの蔓、キマメ、エンドウ、アブラナ属(Brassica)、ヒヨコマメ、テンサイ、ナタネ、スイカ、メロン、コショウ、ラッカセイ、パンプキン、ハツカダイコン、ホウレンソウ、カボチャ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナス、およびレタスが含まれる。単子葉植物(monocotyledonous plant、 monocotyledon plant、monocotyledon、またはmonocot)の例には、トウモロコシ、イネ、コムギ、サトウキビ、オオムギ、ライムギ、モロコシ、ラン、タケ、バナナ、ガマ、ユリ、エンバク、タマネギ、キビ、およびライコムギが含まれる。
本明細書において使用される場合、「植物材料」という表現は、葉、茎、根、花もしくは花部分、果実、花粉、卵細胞、接合子、種子、切り枝、細胞もしくは組織培養物、またはこの他のあらゆる植物の部分もしくは植物産物を指す。いくつかの実施形態において、植物材料には、子葉および葉が含まれる。
本明細書では、「植物組織」という表現は、1つの構造的単位および機能的単位に組織化された、植物細胞の一群を指す。植物または培養物の中のあらゆる植物組織が含まれ、例えば、植物体全部、植物器官、植物種子、組織培養物、ならびに、構造的および/または機能的単位に組織化された植物細胞のあらゆる群である。
揮発性化合物の無溶媒送達のための装置も提供される。一実施形態において、その装置は、本明細書に示すシステムで開示した構成部品を備える。さらなる好適な装置は、米国特許第7,540,286号(エアゾール粒子吸入装置)、第7,832,410号(電子タバコ用装置)、米国特許出願第2006/0037998号(熱制御作動装置)、および国際特許出願第WO2013/034453号(新規電子タバコ用装置)に記載されており、その内容は、全体として参照により組み込まれる。これらの装置は、送達する特定の揮発性化合物の性質に基づき改変することができる。
本発明は、以下の実施例で例示してさらに説明するが、これは、いかなる方法においても本発明を限定することを意図するものではない。
[実施例1]
α−シクロデキストリン/1−MCP複合体(AgroFresh提供、1−MCP=3.8%)10.38gは、200℃で、800mlの空気が充填済みのバッグ内に9.8mL/minでヘリウムを流しながら、熱脱着管に入れて脱着させる。最終的なバッグの総体積は、900mLである。1−MCPの存在は、質量分析によって確認する。1−MCP濃度は、ガスクロマトグラフィを用いて決定し、153ppmであることがわかる。開始試料に存在する1−MCPすべてが(劣化することなく)遊離するとすれば、バッグの中の濃度は197ppmであると考えられる。したがって、1−MCPは、理論値の78%がバッグ内に得られる。
[実施例2]
HAIP SF08016(AgroFresh、4.33%1−MCP)0.57mgを、123mLガラスボトルへ加え、ボトルを分析用ガス試料引込口と共に(気密シールで)閉じる(HAIPは、1−MCP濃度が3.5〜4.6%である、α−シクロデキストリンと1−MCPの複合体である高活性成分生成物を表す)。その後、30分間、様々な温度でボトルを加熱し、ボトル内の1−MCP濃度をガスクロマトグラフィで測定し、それを表1に示す。
[実施例3]
HAIP SF08016(AgroFresh、4.33%1−MCP)0.66mgを、123mLガラスボトルへ加え、ボトルを分析用ガス試料引込口と共に(気密シールで)閉じる。その後、30分間、180℃でボトルを加熱して、ボトル内の1−MCP濃度をガスクロマトグラフィで測定する。1−MCP濃度は121ppmである。算出値は105ppmである。
[実施例4]
市販の気化器(Extreme Q Vaporizer、図1参照)を使い、様々な供給源および量のHAIPを用いて、一連の実験を行う。下記一覧の実験すべてについて、加熱器は230℃に保ち、換気扇は流速毎分954ミリリットル(mL/min)を供給する最低速(F−1)に設定する。排気をテドラーバッグに捕集して、ガスクロマトグラフィでその内容物を分析して、イソブチレンを外部標準として用いて1−MCP濃度を決定する(Alは酸化アルミニウムを指す)。
表2の結果は、α−シクロデキストリンと1−MCPの複合体を加熱することによって、純粋な1−MCPが果実および野菜の処理に利用可能な高収量で発生できる、という結果を示している。
[実施例5]
市販の気化器(Extreme Q Vaporizer、図1参照)を改変して、低流速を得る。様々な供給源および量のHAIPを用いて、一連の実験を行う。
下記一覧の実験すべてについて、加熱器は、230℃、および流速254mL/minを保つ。排気をテドラーバッグに捕集して、ガスクロマトグラフィでその内容物を分析して、イソブチレンを外部標準として用いて1−MCP濃度を決定する。
表3の結果は、流速を954mL/minから254mL/minまで下げることによって、また、α−シクロデキストリンと1−MCPに鉄を加えることによって、発生した1−MCPの収量を増やすことができる、という結果を示している。
[実施例6]
数十グラムのHAIPを加熱できる新規に設計した発生器(図2参照)を使い、様々な量のHAIP、および様々なブロック温度を用いて、一連の実験を行う。排気を大型テドラーバッグ(40リットル(L))に捕集して、ガスクロマトグラフィで内容物を分析して、イソブチレンを外部標準として用いて1−MCP濃度を決定する。
表4のデータは、大量のHAIPを加熱して、高収量かつ60分未満で1−MCPが発生できる、ということを明確に示している。すべての実験において、30分で、少なくとも71%の1−MCPが遊離する。HAIP量が増加すると、ごく微量(≦0.4%)ではあるが、2−ブチンの形成が認められる。
[実施例7]
数十グラムのHAIPを加熱できる新規に設計した発生器(図2参照)の中の、加熱器ブロックからHAIPへの熱の流れを理解するために、様々な量のHAIPおよび様々なブロック温度を用いて、一連の実験を行う。加熱過程全般にわたって、混合粉末の温度を測定する。
α−シクロデキストリンの熱伝導率は低いため(20℃で毎メーター0.0681ワット・ケルビン(w/m・K)、および150℃で0.0841w/m・K)、試料カップの外側から混合粉末まで、温度は急激に低下する。ブロック温度を200℃に設定した場合、(30分後の)混合粉末の温度は、2gの試料(WJZ6546)での140.5℃から、30gの試料(WJZ6552)での105.9℃まで、低下する。2gの実験(WJZ6546)では、2−ブチンは認められない。したがって、熱伝達効率を上げて1−MCPの発生率を向上させると、2−ブチンの形成は減少して、おそらく消失することとなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、本開示の趣旨および範囲内において、さらに改変することができる。本出願は、これによって、本発明の一般原則を用いる、本発明のいかなる変形形態、用法、あるいは改変を含むことを意図する。さらに、本出願は、本発明が属し、かつ添付の特許請求の範囲に入る当技術分野で公知または慣例的な実施の範囲に該当するような、本開示からの逸脱も含むことを意図する。

Claims (42)

  1. 揮発性化合物の送達のための無溶媒システムであって、
    (a)前記揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体、
    (b)処理区画、および
    (c)エネルギー供給源の手段
    を含む無溶媒システム。
  2. さらにエラストマーを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記エラストマーがエチレン酢酸ビニルを含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記揮発性化合物がシクロプロペンを含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記シクロプロペンが、次式、

    (式中、Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり、置換基は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換のフェノキシである)のシクロプロペンである、請求項4に記載のシステム。
  6. RがC〜Cアルキルである、請求項5に記載のシステム。
  7. Rがメチルである、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記シクロプロペンが、次式、

    (式中、Rは置換または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり、R、R、およびRは水素である)のシクロプロペンである、請求項4に記載のシステム。
  9. 前記シクロプロペンが1−メチルシクロプロペン(1−MCP)である、請求項4に記載のシステム。
  10. 前記分子封入剤が置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、クラウンエーテル、ゼオライト、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記分子封入剤がシクロデキストリンを含む、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記処理区画が、熱脱着管、ガラスボトル、テドラーバッグ、アルミニウムカップ、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記エネルギー供給源が、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー、超音波エネルギー、音響エネルギー、および熱エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記エネルギー供給源が、波形、周波数、振幅、または継続時間のうちの少なくとも1つのエネルギー特性を含む、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記エネルギー供給源の手段が100℃から300℃の間の温度に加熱することを含む、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記エネルギー供給源の手段が150℃から250℃の間の温度に加熱することを含む、請求項1に記載のシステム。
  18. 前記エネルギー供給源の手段が密閉環境で実行される、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記エネルギー供給源の手段が−30℃から10℃の間の温度環境で実行される、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記エネルギー供給源の手段が冷蔵室または冷蔵施設において実行される、請求項1に記載のシステム。
  21. 揮発性化合物の送達のための方法であって、
    (a)前記揮発性化合物の分子封入剤との分子複合体を用意すること、
    (b)処理区画内に前記分子複合体を配置すること、および
    (c)前記処理区画にエネルギー供給源の手段を適用し、それによって前記分子複合体から前記揮発性化合物を放出すること
    を含む方法。
  22. 前記揮発性化合物の損失が20%未満である、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項1に記載のシステムを使用する、請求項21に記載の方法。
  24. 前記揮発性化合物がシクロプロペンを含む、請求項21に記載の方法。
  25. 前記シクロプロペンが、次式、

    (式中、Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり、置換基は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、または置換もしくは非置換のフェノキシである)のシクロプロペンである、請求項24に記載の方法。
  26. RがC〜Cアルキルである、請求項25に記載の方法。
  27. Rがメチルである、請求項25に記載の方法。
  28. 前記シクロプロペンが、次式、

    (式中、Rは、置換または非置換のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはナフチル基であり、R、R、およびRは水素である)のシクロプロペンである、請求項24に記載の方法。
  29. 前記シクロプロペンが1−メチルシクロプロペン(1−MCP)である、請求項24に記載の方法。
  30. 前記分子封入剤が、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、クラウンエーテル、ゼオライト、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
  31. 前記分子封入剤がシクロデキストリンを含む、請求項21に記載の方法。
  32. 前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記処理区画が、熱脱着管、ガラスボトル、テドラーバッグ、アルミニウムカップ、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  34. 前記エネルギー供給源が、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー、超音波エネルギー、音響エネルギー、および熱エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の方法。
  35. 前記エネルギー供給源が、波形、周波数、振幅、または継続時間のうちの少なくとも1つのエネルギー特性を含む、請求項21に記載の方法。
  36. 前記エネルギー供給源の手段が100℃から300℃の間の温度に加熱することを含む、請求項21に記載の方法。
  37. 前記エネルギー供給源の手段が150℃から250℃の間の温度に加熱することを含む、請求項21に記載の方法。
  38. 前記エネルギー供給源の手段が密閉環境で実行される、請求項21に記載の方法。
  39. 前記エネルギー供給源の手段が−30℃から10℃の間の温度環境で実行される、請求項21に記載の方法。
  40. 前記エネルギー供給源の手段が冷蔵室または冷蔵施設において実行される、請求項21に記載の方法。
  41. 植物または植物の部分の成熟を遅延させるための方法であって、請求項1に記載のシステムを用いて植物または植物の部分を処理することを含む方法。
  42. 植物または植物の部分の成熟を遅延させるための方法であって、請求項21に記載の方法を用いて植物または植物の部分を処理することを含む方法。
JP2016517554A 2013-09-25 2014-09-19 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法 Active JP6862179B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361882378P 2013-09-25 2013-09-25
US61/882,378 2013-09-25
PCT/US2014/056488 WO2015047897A1 (en) 2013-09-25 2014-09-19 Systems and methods for solvent-free delivery of volatile compounds

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019218159A Division JP2020063267A (ja) 2013-09-25 2019-12-02 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016539081A true JP2016539081A (ja) 2016-12-15
JP6862179B2 JP6862179B2 (ja) 2021-04-21

Family

ID=51663498

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016517554A Active JP6862179B2 (ja) 2013-09-25 2014-09-19 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法
JP2019218159A Pending JP2020063267A (ja) 2013-09-25 2019-12-02 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019218159A Pending JP2020063267A (ja) 2013-09-25 2019-12-02 揮発性化合物の無溶媒送達のためのシステムおよび方法

Country Status (20)

Country Link
US (3) US9992995B2 (ja)
EP (1) EP3048895A1 (ja)
JP (2) JP6862179B2 (ja)
KR (1) KR20160062059A (ja)
CN (1) CN105813464A (ja)
AR (1) AR097749A1 (ja)
AU (1) AU2014327163B2 (ja)
BR (1) BR102014023648B1 (ja)
CA (1) CA2925285C (ja)
CL (1) CL2016000681A1 (ja)
CR (1) CR20160139A (ja)
MX (1) MX2016003792A (ja)
PE (1) PE20160513A1 (ja)
PH (1) PH12016500564A1 (ja)
RU (1) RU2016115798A (ja)
SG (1) SG11201602363QA (ja)
TW (1) TW201511682A (ja)
UY (1) UY35744A (ja)
WO (1) WO2015047897A1 (ja)
ZA (1) ZA201602548B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9992995B2 (en) 2013-09-25 2018-06-12 Agrofresh Inc. Systems and methods for solvent-free delivery of volatile compounds
US9394216B2 (en) 2014-11-10 2016-07-19 Mirtech, Inc. Complexes of 1-methylcyclopropene with metal coordination polymer networks
ES2820879R1 (es) 2016-02-19 2021-06-21 Hazel Tech Inc Composiciones para la liberación controlada de ingredientes activos y métodos de preparación de las mismas
US11033870B1 (en) * 2019-11-16 2021-06-15 Nazir Mir Generators for 1-methylcyclopropene release from carrier complex
US11306046B2 (en) * 2019-11-16 2022-04-19 Nazir Mir Generators for 1-methylcyclopropene release from carrier complex
CN111157654A (zh) * 2020-01-14 2020-05-15 贵州民族大学 一种毛白蜡叶挥发油的成分提取分析方法
KR102372431B1 (ko) * 2020-11-05 2022-03-08 주식회사 에코플랜츠 1-메틸시클로프로펜 발생 장치
WO2023225459A2 (en) 2022-05-14 2023-11-23 Novozymes A/S Compositions and methods for preventing, treating, supressing and/or eliminating phytopathogenic infestations and infections
WO2023288294A1 (en) 2021-07-16 2023-01-19 Novozymes A/S Compositions and methods for improving the rainfastness of proteins on plant surfaces
WO2022241073A1 (en) * 2021-05-14 2022-11-17 Hazel Technologies, Inc. Systems and methods for dispersing active ingredients

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11302103A (ja) * 1998-04-24 1999-11-02 Earth Chem Corp Ltd 加熱蒸散方法
JP2002523337A (ja) * 1998-08-20 2002-07-30 アグロウフレッシュ・インコーポレーテッド 植物エチレン応答阻害化合物および複合体
JP2005320328A (ja) * 2004-05-05 2005-11-17 Rohm & Haas Co シクロプロペン用の湿度活性化デリバリーシステム
WO2012134539A1 (en) * 2011-03-27 2012-10-04 Cellresin Technologies, Llc Cyclodextrin compositions, articles, and methods

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3879188A (en) 1969-10-24 1975-04-22 Amchem Prod Growth regulation process
US5518988A (en) 1994-06-03 1996-05-21 North Carolina State University Method of counteracting an ethylene response in plants
US20040067182A1 (en) * 2002-10-08 2004-04-08 Kelly Robert Charles Gas-release packet
FR2865555B1 (fr) 2004-01-26 2006-04-28 Lacroix Soc E Dispositif actionneur a commande thermique
CN2719043Y (zh) 2004-04-14 2005-08-24 韩力 雾化电子烟
US7540286B2 (en) 2004-06-03 2009-06-02 Alexza Pharmaceuticals, Inc. Multiple dose condensation aerosol devices and methods of forming condensation aerosols
EP1609359A3 (en) 2004-06-24 2011-10-05 Rohm and Haas Company A method for treating plants or plant parts
US20060233857A1 (en) 2005-04-14 2006-10-19 Amsden Brian G Degradable elastomeric network
US20120273586A1 (en) 2011-04-29 2012-11-01 Shook Mark R Plasticized Elastomer Including a Volatile Compound
WO2013034453A1 (en) 2011-09-06 2013-03-14 British American Tobacco (Investments) Limited Heating smokeable material
US9992995B2 (en) 2013-09-25 2018-06-12 Agrofresh Inc. Systems and methods for solvent-free delivery of volatile compounds

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11302103A (ja) * 1998-04-24 1999-11-02 Earth Chem Corp Ltd 加熱蒸散方法
JP2002523337A (ja) * 1998-08-20 2002-07-30 アグロウフレッシュ・インコーポレーテッド 植物エチレン応答阻害化合物および複合体
JP2005320328A (ja) * 2004-05-05 2005-11-17 Rohm & Haas Co シクロプロペン用の湿度活性化デリバリーシステム
WO2012134539A1 (en) * 2011-03-27 2012-10-04 Cellresin Technologies, Llc Cyclodextrin compositions, articles, and methods

Also Published As

Publication number Publication date
PH12016500564A1 (en) 2016-05-23
JP6862179B2 (ja) 2021-04-21
US20180255775A1 (en) 2018-09-13
WO2015047897A1 (en) 2015-04-02
CA2925285C (en) 2021-09-07
JP2020063267A (ja) 2020-04-23
AU2014327163B2 (en) 2018-02-22
AR097749A1 (es) 2016-04-13
EP3048895A1 (en) 2016-08-03
UY35744A (es) 2015-04-30
CL2016000681A1 (es) 2016-09-23
AU2014327163A1 (en) 2016-04-21
CR20160139A (es) 2016-06-17
NZ718340A (en) 2020-10-30
PE20160513A1 (es) 2016-05-15
US9992995B2 (en) 2018-06-12
CN105813464A (zh) 2016-07-27
US20150087520A1 (en) 2015-03-26
BR102014023648B1 (pt) 2020-06-16
KR20160062059A (ko) 2016-06-01
US10869473B2 (en) 2020-12-22
US20180206488A1 (en) 2018-07-26
TW201511682A (zh) 2015-04-01
MX2016003792A (es) 2016-06-24
BR102014023648A2 (pt) 2015-10-06
ZA201602548B (en) 2018-12-19
SG11201602363QA (en) 2016-04-28
RU2016115798A (ru) 2017-10-30
CA2925285A1 (en) 2015-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10869473B2 (en) Systems and methods for solvent-free delivery of volatile compounds
ES2281966T3 (es) Compuestos y complejos de inhibicion de la respuesta de etileno en plantas.
US10375954B2 (en) Compositions and methods for stabilizing cyclopropene in solutions
JP7046606B2 (ja) 農業生産、輸送、および貯蔵における精製過酸化水素ガスの使用方法
ES2215970T3 (es) Sistemas de difusion de ciclopropenos.
JP2019507188A (ja) 活性成分の制御放出のための組成物およびその作製方法
AU2014219231B2 (en) Methods for increasing crop yield
NZ718340B2 (en) Systems and methods for solvent-free delivery of volatile compounds

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161122

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20161122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191202

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20191202

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20191210

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200115

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200121

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200207

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200218

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200811

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200929

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210104

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210126

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210302

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6862179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150