JP2016534839A - 境界層分離を組み込む、マイクロ流体器官補助装置 - Google Patents

境界層分離を組み込む、マイクロ流体器官補助装置 Download PDF

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Abstract

血液透析、血液ろ過及び血液透析ろ過などの血液ろ過処理の効力を改善するシステム及び方法。マイクロ流体装置は、透過性膜によって分離される第1及び第2の流路を含む。前記流路のうちの1つは血流用に構成されており、及び、タンパク質ゲル破壊層を含む。前記タンパク質ゲル破壊層は、血液−膜界面で境界層又はゲル層の形成を減らす、血液流路に少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年9月16日出願の米国特許仮出願第61/878,394号、名称「SYSTEM AND METHOD FOR DISRUPTING BOUNDARY LAYERS IN MICROFLUIDIC DEVICES」に対する優先権を主張し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
拡張する処理時間又は流量など、より高い透析効率を成し遂げる先行の方法は、不都合かつ高価であり、更なる合併症、並びに患者安全及び生活の質に関する問題を生じることがあり得る。これらの方法は、血液への好ましくない影響をもたらす可能性がある。
本開示の一態様により、マイクロ流体装置は、内部に第1の流路を定める第1層を含む。マイクロ流体装置は、内部に第2の流路を定める第2層も含む。第2の流路は、第1の流路の長さのかなりの部分に沿って第1の流路と重なり合う。膜が、第1の流路を第2の流路から分離する。前記装置は、第1の流路内に隣接する若しくは配置される、又は第1の流路に隣接する、タンパク質ゲル破壊層も含む。タンパク質ゲル破壊層は、第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む。前記要素は、少なくとも約1μmの高さを有し、第1の流路の高さの約1/3以下である膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する。
いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置は、内部に第3の流路を定める第3層も含む。第3の流路は、第1の流路に重なる。マイクロ流体装置は、第3の流路を第1の流路から分離する第2膜も含むことができる。
いくつかの実施態様において、複数の要素は第1の流路にわたって完全に伸びる。
いくつかの実施態様において、第1の流路の高さは、約50μm〜約100μmの間である。いくつかの実施態様において、ゲル破壊層の要素は、膜に組み込まれる複数のトポグラフィ的機構を含む。いくつかの実施態様において、ゲル破壊層が、第1の流路に配置されて、かつ膜と隣接するスクリーンを含む。スクリーンは複数のスクリーン開口部を定める。流路の長さに沿う複数のスクリーン開口部それぞれの寸法は、約100μm〜約5mmの間である。スクリーンは、生体適合性金属、ポリエステル及びポリアミドのうちの1つを含む。複数の要素それぞれの間のピッチは、約100μm〜約5mmの間である。
いくつかの実施態様において、第1の流路の長さは、約5cm〜約30cmの間である。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれの高さは、約1μm〜約3μmの間である。ある実施態様において、第1の流路は血流用に構成されて、第2の流路は、注入剤、透析液又は酸素の流れ用に構成されている。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれの高さは、ゲル層の高さとほぼ等しい。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれは、第1の流路にわたって完全に伸びる。
複数の要素それぞれは、膜の反対側の表面から膜に向かって伸びる。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれは、第1のポリマ層と一体であり、膜に隣接して第1の流路にわたって伸びる。
本開示の別の態様により、方法は、マイクロ流体装置を提供することを含む。マイクロ流体装置は、内部に第1の流路を定める第1層を含む。マイクロ流体装置は、内部に第2の流路を定める第2層も含む。第2の流路は、第1の流路の長さのかなりの部分に沿って第1の流路と重なり合う。マイクロ流体装置は、第1の流路を第2の流路から分離する膜を更に含む。マイクロ流体装置は、第1の流路内に隣接する又は配置される、タンパク質ゲル破壊層も含む。タンパク質ゲル破壊層は、第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む。要素は、少なくとも約1μmの高さを有し、第1の流路の高さの約1/3以下である膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する。前記方法は、第1の流路を通じて血液を、第2の流路を通じて処理流体を流すことも含む。
いくつかの実施態様において、方法は、複数の要素上に血液を流して、第1の流路を通じた血液の層流に障害を生成することも含む。いくつかの実施態様において、処理流体は透析液を含み、方法は、血液から透析液へ老廃物を移すことも含むことができる。
いくつかの実施態様において、処理流体は酸素を含み、方法は、第2の流路からを第1の流路を通じて流れる血液へ酸素を移すことを含む。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれの間のピッチは、約100μm〜約5mmの間である。第1の流路の高さは、約50μm〜約100μmの間である。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれは、第1の流路の床から膜に向かって伸びる。いくつかの実施態様において、複数の要素それぞれの高さは、約1μm〜約3μmの間である。
本開示の別の態様により、方法は、マイクロ流体装置を提供することを含む。マイクロ流体装置は、1つ又は2つ以上の血液流路を定める第1層を含む。マイクロ流体装置は、1つ又は2つ以上の処理流体流路を定める第2層も含む。1つ又は2つ以上の処理流体流路は、1つ又は2つ以上の血液流路の長さのかなりの部分に沿って1つ又は2つ以上の血液流路と重なり合う。膜は、1つ又は2つ以上の血液流路を1つ又は2つ以上の処理流体流路から分離する。マイクロ流体流通装置は、1つ又は2つ以上の血液流路内に隣接する又は配置される、タンパク質ゲル破壊層を含む。タンパク質ゲル破壊層は、1つ又は2つ以上の血液流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む。前記方法は、1つ又は2つ以上の血液流路を通じて血液を流すこと、及び1つ又は2つ以上の処理流体流路を通じて処理流体を流すことも含む。複数の要素上に血液を流すことは、1つ又は2つ以上の血液流路を通じて血液の層流に障害を生成する。
いくつかの実施態様において、処理流体は、透析液及び酸素のうちの1つを含む。
当業者は、本明細書に記載される図が、例示目的のためだけにあると理解するであろう。場合によっては、記載されている実施態様の様々な態様が、記載されている実施態様の理解を容易にするために、誇張されて又は拡大されて示され得ることを理解すべきである。図において、類似の参照文字は一般に、類似の特徴、様々な図面の全体にわたって機能的に類似する、及び/又は構造的に類似する要素、に関連する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本技術の原理を例示することに重点が置かれる。図は、いかなる形であれ、本技術の範囲を制限することを意図しない。システム及び方法は、以下の図に関して、以下に示す説明からより良く理解されることができる。
タンパク質ゲル破壊層を有するマイクロ流体流通装置の使用について、例示のシステムのブロック図を示す。 図1Aに示されるシステムからのマイクロ流体流通装置の切欠斜視図を示す。 8つの二層からなる別の例示のマイクロ流体装置を示し、該例示のマイクロ流体装置は図1Aに示されるシステムの使用に適している。 図1Cに示されるマイクロ流体装置の使用に適している血液基材層を示す。 図1Aに示されるシステムの使用に適している、例示のスクリーン状タンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の断面図を示す。 図1Aに示されるシステムの使用に適している、別の例示のメッシュ状タンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の断面図を示す。 膜に組み込まれる別の例示のタンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の断面図を示し、該例示のマイクロ流体装置は図1Aに示されるシステムの使用に適している。 膜に組み込まれる別の例示のタンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の断面図を示し、該例示のマイクロ流体装置は図1Aに示されるシステムの使用に適している。 図1Aに示されるシステムの使用に適している、例示の中央−支柱タンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の切欠斜視図を示す。 図1Aに示されるシステムの使用に適している、別の例示の支柱タンパク質ゲル破壊層を備えた、例示のマイクロ流体流通装置の断面図を示す。 図1Aに示されるシステムの使用に適しているタンパク質ゲル破壊層を備えた、三層構造の例示のマイクロ流体装置の断面図を示す。 溶質濃度(C)及び血しょうタンパク質濃度(C)の働きとして、タンパク質ゲル層の厚さの例示のグラフを示す。 図1Aに示されるシステムを使用して透析を実行する、例示の方法のフローチャートを示す。 図1Aに示されるシステムを使用して、脱酸素化血液を部分的に酸素化する、例示の方法のフローチャートを示す。
上で紹介した及び以下で更に詳細に説明するように、記載された概念は実施の特定の方法を限定しないので、様々な概念は任意の多数の方法で行うことができる。特定の実施態様及び用途の例は、主に説明を目的として提供される。
図1Aは、マイクロ流体流通装置102の使用について、例示のシステム100のブロック図を示す。血液貯蔵部104からの血液は、第1のポンプ106により、マイクロ流体流通装置102の1つ又は2つ以上の血液流路を通じて汲み出される。第2のポンプ108は、処理流体(例えば、酸素、透析液又は注入剤)を処理流体貯蔵部110から、マイクロ流体流通装置102の1つ又は2つ以上の処理流体流路を通じてポンプで汲み出す。第1のポンプ106及び第2のポンプ108は、コントローラ112により制御される。マイクロ流体流通装置102を出た血液は、回収貯蔵部114に集められ、マイクロ流体流通装置102を出た使用済み処理流体又は他の廃物は、廃物回収貯蔵部116に集められる。いくつかの実施態様において、複数の処理流体は、マイクロ流体流通装置102を通じて流される。例えば、かつ図6に関して更に記載されているように、マイクロ流体流通装置102が対流クリアランス用に構成されるとき、注入剤はマイクロ流体流通装置102を通じて流されることができる。廃物がマイクロ流体流通装置102を通して流れる透析液へ移るので、注入剤は血液へ移って、流体圧を維持する。
システム100は、第1のポンプ106及び第2のポンプ108を制御するコントローラ112を含む。いくつかの実施態様において、コントローラ112は、1つ又は2つ以上の物理若しくはグラフィカルユーザインターフェースノブ、コントロール、又はユーザがマイクロ流体流通装置102を通じた流体の流量を制御できるスイッチを含む。いくつかの実施態様において、コントローラ112は、汎用コンピュータ装置である。例えば、コントローラ112は、ノートパソコン、タブレット型コンピュータ又はスマートフォンであり得る。他の実施態様では、コントローラ112は、特殊な目的のコンピュータ装置である。コントローラ112は、1つ又は2つ以上のプロセッサ、及びハードディスク、コンパクトディスク又は他の記憶装置などの少なくとも1つのコンピュータ可読媒体を含む。プロセッサの実行可能命令は、コンピュータ可読媒体に保存される。実行されるとき、命令によりコントローラ112に、本明細書に記載される機能及び方法を実行させる。例えば、コントローラ112は第1のポンプ106及び第2のポンプ108を制御して、マイクロ流体流通装置102を通じて、血液及び透析液(又は他の流体)をそれぞれ流す。いくつかの実施態様において、コントローラ112は、第1のポンプ106及び第2のポンプ108を制御して、異なる流量にする。
システム100は、マイクロ流体流通装置102を通じて流体を流すための、第1のポンプ106及び第2のポンプ108も含む。第1のポンプ106及び第2のポンプ108は、マイクロ流体流通装置の流路を通じて、流体の実質的な層流を生成するように構成される。いくつかの実施態様において、ユーザは、上述したコントローラ112を備えるマイクロ流体流通装置102を通じて流体の流体流量を制御する。いくつかの実施態様において、第1のポンプ106及び第2のポンプ108は、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、他の医療グレードポンプである。
図示するように、システム100は、新鮮材料及び廃物材料貯蔵用の血液貯蔵部104、処理流体貯蔵部110、回収貯蔵部114、及び、廃物回収貯蔵部116(一括して貯蔵部と言う)も含む。いくつかの実施態様において、1つ又は2つ以上の貯蔵部は、加熱及び混合要素を含む。例えば、血液貯蔵部104は、体温近くまで血液を加熱するための加熱要素を含むことができ、回収貯蔵部114は、回収貯蔵部114に貯蔵される血液に生じる凝血塊の可能性を低減するのに役立つために、ミキサ又は撹拌器を含むこともできる。いくつかの実施態様において、第1のポンプ106は血液貯蔵部104よりも患者の血管に直接連結し、マイクロ流体流通装置102を出る血液は、回収貯蔵部114よりも直接患者に戻される。
システム100は、マイクロ流体流通装置102も含む。図1Bは、マイクロ流体流通装置102の切欠斜視図を示す。図1Bに示されるように、マイクロ流体流通装置102の1つの壁が、マイクロ流体流通装置102の内部の長さを示すために取り出された。マイクロ流体流通装置102の異なる構造が、図2〜6に関して下記に詳述されているが、簡単に説明すると、マイクロ流体流通装置102は血流用に構成される第1の流路154を含む。第1の流路154は、第1のポリマ層152で定められる。マイクロ流体流通装置102は、第2のポリマ層156で定められる、第2の流路158も含む。第2の流路158は、透析液、注入剤、酸素又はこれらの組み合わせなどの処理流体の流れ用に構成される。膜160が、第1の流路を第2の流路から分離する。膜160により、第1の流路154を通じて流れる血液と第2の流路158を通じて流れる処理流体の間の、流体連通が可能になる。いくつかの実施態様において、第1の流路154及び第2の流路158は、約10μm〜約1mm、約10μm〜約500μm、約10μm〜約250μm、又は約50μm〜約100μmの範囲の高さを有し、及び、約50μm〜約1.5ミリメートルの範囲の幅を有する。いくつかの実施態様において、流路それぞれの幅は約900μm未満である。いくつかの実施態様において、単一の第2の流路158は、複数の第1の流路154に及ぶことができる。例えば、第2のポリマ層156の単一の第2の流路158は、第1のポリマ層152の5つの第1の流路154に及ぶことができる。いくつかの実施態様において、第1の流路154及び第2の流路158は、膜160を支持して、膜160が第1の流路154又は第2の流路158のうちの1つに曲折するのを防止する1つ又は2つ以上の横梁又は柱を含むことができる。
第1の流路154は、タンパク質ゲル破壊層170を含む。図示されているように、タンパク質ゲル破壊層170は、膜160の上に配置されたスクリーンである。第1の流路のタンパク質ゲル破壊層170は、第1の流路にわたって伸びて血液−膜界面で境界層又はゲル層の形成を失敗させる又は防止する複数の要素を含む。後述のように、タンパク質ゲル破壊層170は、スクリーン、フィルム、メッシュ、支柱、梁又はこれらの組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層は、マイクロ流体流通装置102の使用中、時間の経過と共に堆積できる血液タンパク質(又は他の境界層及び溶質)を含まない膜を実質的に保つことによって、マイクロ流体流通装置102の膜を通じた物質移動の有効性及び働きを高めることができる。タンパク質及び溶質は、膜表面で凝固することができ、及び、材料が1つ又は2つ以上の膜を通過するのを防止できる。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層の要素により、1つ又は2つ以上の血液流路を通じた血液の層流に軽微な障害が生じる。いくつかの実施態様において、血液の層流の障害は、血液−膜界面の近くで、実質的に発生する。例えば、流れ障害は、血液−膜界面でのゲル又は境界層の形成を妨害する程度に十分に大きいが、血液に有害な流れ関連の影響を引き起こすほど著しくはない。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層の高さは、マイクロ流体流通装置102がタンパク質ゲル破壊層を含まない場合ゲル層が形成し得るおおよその高さと、血液流路の高さの約2/3の間である。ゲル層の高さを推定することは、図7に関連して述べられる。
いくつかの実施態様において、マイクロ流体流通装置102の流路は、1つ又は2つ以上のポリマ層で定められる。異なるポリマ層の流路は、多孔性膜によって、重なり合う部分で互いに分離する。マイクロ流体流通装置102の層は、化学接着剤又はプラズマ結合に層を一緒にクランプすることによって、又はこれらの組み合わせを用いて、一緒に結合されている。ポリマ層それぞれは、ポリスチレン又はポリイミドなどの熱可塑性物質、ポリカプロラクトン(PCL)などの生物分解性ポリエステル、又はセバシン酸ポリグリセロール(PGS)などの軟質エラストマを含むことができる。他の実施態様では、ポリマ層は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、又はポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)を含む。他の実施態様において、マイクロ流体流通装置102の各層は、セラミック;例えば炭素若しくは酸化亜鉛から形成された金属、ガラス、ナノチューブ、若しくはナノワイヤ;又は他の非ポリマ材料などの非ポリマ材料を含むが、これらに限定されない。層により定められる流路は、例えば、フォトリソグラフィ技術、射出成形、直接超微細加工、深堀り反応性イオンエッチング、熱エンボス加工又はこれらの組み合わせを使用して、層それぞれに作成される。
図1Cは、システム100の使用に適している、8つの二層からなる例示のマイクロ流体装置102を示す。二層それぞれは、図1Bに示されるように、マイクロ流体装置102と類似し得る。二層それぞれは、第1のポリマ層152(血液基材層とも称される)及び第2のポリマ層156(処理流体基材層とも称される)を含む。図1Bに示されるように、第1のポリマ層152それぞれは、膜160によって、それぞれの第2のポリマ層156から分離される。第1のポリマ層152それぞれは、血流用の流路ネットワークを含み、第2のポリマ層156それぞれは、処理流体流用の第2の流路ネットワークを含む。タンパク質ゲル破壊層は、第1のポリマ層152の流路それぞれの中に配置される、又は流路それぞれに隣接することができる。マイクロ流体装置102は、血液入口マニホールド190及び血液出口マニホールド192も含み、両方とも第1のポリマ層に連結する。同様に、処理流体入口マニホールド194及び処理流体出口マニホールド196は、第2のポリマ層156に連結する。血液は、血液入口マニホールド190を通じて第1のポリマ層152それぞれの流路に入り、血液出口マニホールド192を通じて出る。処理流体は、処理流体マニホールド194を通じて第2のポリマ層それぞれの流路に入り、処理流体マニホールド196を通じて出る。いくつかの実施態様において、第1のポリマ層152及び第2のポリマ層156はそれぞれ、約10μm〜約10mmの範囲の厚みを有し、膜160は500nm〜約1mmの範囲の厚みを有する。
図1Dは、図1A〜1Cのマイクロ流体装置102の使用に適している、第1のポリマ層152を示す。第1のポリマ層152は流路ネットワークを含み、それは一次流路172、流路174などの二次流路、流路176などの三次流路、流路178などの四次流路、及び出口流路179を含む。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層は、例えば四次流路178などの、流路それぞれ若しくは流路の一部内に配置される、又は、隣接することができる。第1のポリマ層152は、10μm〜10mmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施態様において、第1のポリマ層152(及び第2のポリマ層156)の各流路は、約10μm〜約1mmの範囲の高さを有し、約50μm〜約1.5mmの範囲の幅を有する。いくつかの実施態様において、各流路の幅は約900μm未満である。
図2は、例示のタンパク質ゲル破壊層212を備えた例示のマイクロ流体流通装置200の断面図を示す。マイクロ流体流通装置200は、第1の流路204を定める第1のポリマ層202を含む。いくつかの実施態様において、第1の流路204は、血液流路と呼ばれる。マイクロ流体流通装置200は、第2の流路208(ろ液又は酸素流路とも呼ばれる)を定める第2のポリマ層206も含む。第1の流路204及び第2の流路208は、互いに重なり合い、膜210によって分離される。タンパク質ゲル破壊層212は、第1の流路204内に配置されて、膜210に隣接する。タンパク質ゲル破壊層212は、第1の流路204のかなりの長さ(例えば、約60%〜約100%間)に沿って配置される。
例示のタンパク質ゲル破壊層212は、膜210の血液接面にわたって配置されたスクリーンを含む。いくつかの実施態様において、スクリーンは、一緒に織り合わせられた複数の繊維から形成される。繊維の織りは、タンパク質ゲル破壊層212の複数の孔(又はスクリーン開口部)を作成する。他の実施態様では、スクリーンは、複数の構成要素を併せて融着することにより形成される。例えば、複数の水平段及び複数の垂直段は、スクリーンを形成するために併せて融着され得る。いくつかの実施態様において、スクリーン開口部それぞれは、膜210の孔より少なくとも1桁の単位で大きい。いくつかの実施態様において、スクリーン開口部それぞれの寸法は、スクリーンの織り内に繊維のピッチにより定められる。いくつかの実施態様において、第1の流路204を通じた流れと平行な繊維のピッチは、第1の流路204を通じた流れに対して水平に横断する繊維のピッチと同じである−正方形のスクリーン開口部を作成する。他の実施態様では、平行する繊維のピッチは、流体流れに対して横断する繊維のピッチより大きくても、小さくてもよい。他の実施態様において、スクリーンは、スクリーンの繊維が第1の流路の壁に対して、約15度〜約75度の間、又は約30度〜約60度の間の角度になるように構成され得る。いくつかの実施態様において、繊維のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。いくつかの実施態様において、スクリーンの高さは、約1μm〜約5μmの間、約1μm〜約2.5μmの間、又はタンパク質ゲル破壊層212なしで形成するゲルタンパク質層のおおよその厚さである。いくつかの実施態様において、スクリーンの繊維は、ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)、他の生体適合性繊維又はこれらの組み合わせから製造される、単繊維糸を含む。いくつかの実施態様において、スクリーンの繊維は、約1μm〜約150μmの間、約1μm〜約100μmの間、又は約1μm〜約50μmの間である。
他の実施態様では、タンパク質ゲル破壊層212は、膜210にわたって配置されたフィルムである。フィルムは、血液が膜210と相互作用することを可能にする、複数の孔を含む。フィルムの孔それぞれは、膜210の孔より少なくとも1桁の単位で大きい。フィルムは、約1μm〜約5μmの間、約1μm〜約2.5μmの間、又はタンパク質ゲル破壊層212なしで形成するゲルタンパク質層のおおよその厚さの高さである。いくつかの実施態様において、フィルムの孔それぞれは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間の幅である。いくつかの実施態様において、孔それぞれの間の間隔は、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。
図3は、別の例示のタンパク質ゲル破壊層312を備えた例示のマイクロ流体流通装置300の断面図を示す。マイクロ流体流通装置300は、第1の流路304を定める第1のポリマ層302、及び第2の流路308を定める第2のポリマ層306を含む。図3に示されるように、タンパク質ゲル破壊層312は、第1の流路304(例えば、血液流路)に配置されたメッシュを含む。タンパク質ゲル破壊層312は、第1の流路304の長さのかなりの部分(例えば、約60%〜約100%)に及んで、第1の流路304と実質的に同じ高さ及び幅である。いくつかの実施態様において、メッシュ構造のタンパク質ゲル破壊層312は、3次元メッシュを形成するために一緒に織り合わせられた複数の繊維を含む。例えば、タンパク質ゲル破壊層312は、第1の流路304を通じた流れに平行して伸びる複数の繊維、第1の流路304を通じた流れに対して水平に横断する複数の繊維、及び第1の流路304を通じた流れに対して垂直に直立する複数の繊維を含むことができる。いくつかの実施態様において、3方向のそれぞれ方向の繊維のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約200μm〜約4mmの間、約300μm〜約3mmの間、約400μm〜約2mmの間、又は、約500μm〜約1mmの間である。他の実施態様では、タンパク質ゲル破壊層312は、不織メッシュを含む。不織メッシュは、スポンジ、又は、スポンジ様材料、多孔性発泡体、フェルト様構造、セルロース又はこれらの組み合わせを含むことができる。
図4Aは、例示のタンパク質ゲル破壊層412を備えた例示のマイクロ流体流通装置400の断面図を示す。マイクロ流体流通装置400は、第1の流路404を定める第1のポリマ層402を含む。マイクロ流体流通装置400は、第2の流路408を定める第2のポリマ層406も含む。マイクロ流体流通装置400のタンパク質ゲル破壊層412は、第1の流路404を第2の流路408から分離する、膜410に組み込まれる。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層412を膜410に組み込むことは、膜410の血液接面のトポグラフィ的パターンを形成することを含む。トポグラフィ的パターンは、膜410に組み込まれる複数の要素414を含む。トポグラフィ的パターンの要素414は、第1の流路404内の膜410にわたって伸びる。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層412のトポグラフィ的パターンは、膜410を、トラックエッチング、ミリング、鍛造、めっき、熱エンボス加工、又は直接超微細加工することにより形成される。他の実施態様では、タンパク質ゲル破壊層412は、膜410を射出成形することにより作成され、該成形型はトポグラフィ的パターンを含む。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊層412の要素414は、膜410へと形成される、複数の溝、くぼみ、支柱、隆起又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施態様において、要素は、第1の流路404を通じた流体の流れに対して横断方向に伸びる、複数の溝又は隆起を含む。他の実施態様では、溝及び隆起は、第1の流路404を通じた流体の流れに対して非横断方向に伸びる。例えば、溝及び隆起は第1の流路404の壁に対して、約15度〜約75度の間、又は約30度〜約60度の間の角度になり得る。いくつかの実施態様において、膜410は、約30μm〜約125μmの間の厚さである。いくつかの実施態様において、タンパク質ゲル破壊の機構414それぞれ(又はトポグラフィ的パターン)の深さは、約1μm〜約50μmの間、約10μm〜約40μmの間若しくは約20μm〜約30μmの間、又はタンパク質ゲル破壊層412なしで形成するゲルタンパク質層のおおよその厚さである。いくつかの実施態様において、要素414の機構それぞれの間のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。
図4Bは、例示のタンパク質ゲル破壊層462を備えた例示のマイクロ流体流通装置450の断面図を示す。タンパク質ゲル破壊層462は、膜460の表面に沿って配置された複数の流れ破壊機構464を含む。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構464は、血液流路460にわたって伸びるトポグラフィ的パターンを作成する。いくつかの実施態様において、破壊機構464それぞれは、化学接着剤で、又はプラズマ結合で膜460に連結される。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構464の機構それぞれの間のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。
いくつかの実施態様において、流れ破壊機構464は、膜460に固定されない。これらの実施態様において、流れ破壊機構464は、ポリマ層と一体であり又はポリマ層内に埋められ、第1の流路の開口部にわたって伸びる梁を形成することができる。これらの実施態様において、梁は、膜460と物理的に接触することができる。梁は、約1μm〜約5μmの間、約1μm〜約2.5μmの間の厚さ(膜460に対して直角)、又は膜460上にタンパク質ゲル破壊層462なしで形成するゲルタンパク質層のおおよその厚さである。
図4Cは、例示の中流路支柱タンパク質ゲル破壊層472を備えた例示のマイクロ流体流通装置470の切欠斜視図を示す。マイクロ流体流通装置470は、図1Bに示されるマイクロ流体流通装置102に類似している。マイクロ流体流通装置102の様に、マイクロ流体装置470は、膜476によって第2の流路473から分離した第1の流路471を含む。第1の流路471は、血液流路として機能するように構成されることができ、第2の流路473は上述のように処理流体流路として機能するように構成されることができる。
図1Bに示されるマイクロ流体装置102とは対照的に、図4Cに示されるゲル破壊層472は、膜476から離れて第1の流路471に配置されて、同様に、第1の流路471の床から離れて配置される。タンパク質ゲル破壊層472は、第1の流路の幅にわたって少なくとも部分的に及ぶ複数の流れ破壊機構474を含む。流れ破壊機構474それぞれは、第1の流路の側壁の表面から出て伸びる。図4Cに示されるように、流れ破壊機構474は、第1の流路の中心のおおよその高さで配置される。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474は、膜476の近くに、又は離れて配置されることができる。
いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474それぞれの終端部(すなわち、膜476に又は第1の流路471の床に最も近い端部)と膜476の厚みの中央の間の距離は、第1の流路の高さの約1/3以下である。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474は血液流路の高さの約1/3〜約2/3の間の高さであり、他の実施態様では、流れ破壊機構474は約1μm〜血液流路の高さの約1/3の間の高さである。
いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474の表面は、血液流路を通じた血液の層流の乱流又は破壊を促進するように構成される。例えば、流れ破壊機能474は、丸くなっている、又は血液が膜476に向かうように翼形を有することができる。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474の機構それぞれの間のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。
いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474それぞれは、生体適合性金属又はポリマ(例えばポリエステル若しくはポリアミド)を含む。いくつかの実施態様において、流れ破壊機構474それぞれは、流れ破壊機能474を加熱することと、流れ破壊機構474が第1の流路に及ぶように、第1の流路の壁内に加熱された流れ破壊機構474を押圧することとによって、第1の流路に置かれる。他の実施態様では、フィラメントが使用されて、流れ破壊機構474それぞれを支えるために第1の流路のいずれかの壁内に溝を融解させる。いくつかの他の実施態様において、流れ破壊機構474は、第1の流路の基材又は壁と一体である。例えば、流れ破壊機構474は、第1層を形成するために用いる成形型の一部でもよい。別の例では、タンパク質ゲル破壊層472は、第1の流路内の適当な高さに支柱を置くために、流路の側壁を形成する第1の流路を通じた流れに平行に伸びる複数のより大きな支柱、及び一緒に融着される第1の流路を通じた流れに対して水平に横断して伸びる複数の支柱を含むことができる。
図5は、別の例示のタンパク質ゲル破壊層512を備えた、例示のマイクロ流体流通装置500を示す。マイクロ流体流通装置500は、第1の流路504を定める第1のポリマ層502、及び第2の流路508を定める第2のポリマ層506を含む。タンパク質ゲル破壊層512は、複数の支柱514を含む。複数の支柱514それぞれは、第1の流路504の幅にわたって及ぶ。他の実施態様では、1つ又は2つ以上の支柱514は、第1の流路504の全体の幅に及ばない。支柱514それぞれは、膜510の反対側の第1の流路504(例えば、血液流路)の表面から伸びる。支柱514それぞれの終端部516と膜510の厚みの中央の間の距離は、第1の流路504の高さの約1/3以下である。いくつかの実施態様において、支柱それぞれの間のピッチは、約100μm〜約10mmの間、約100μm〜約5mmの間、約100μm〜約3mmの間、約100μm〜約1mmの間、又は約100μm〜約500μmの間である。
いくつかの実施態様において、支柱514それぞれは、生体適合性金属、ポリエステル又はポリアミドを含む。いくつかの実施態様において、支柱514それぞれは、支柱が第1の流路504に及ぶように、支柱514を加熱することと、次いで第1の流路504の壁内に加熱された支柱514を押圧することとによって、第1の流路504に置かれる。他の実施態様では、フィラメントが使用されて、支柱514それぞれを支えるために第1の流路504の壁内に溝を融解させる。別の実施態様では、支柱514は、基材と一体である。例えば、支柱514は、ポリマ層を形成するために用いる成形型の一部でもよい。
図6は、タンパク質ゲル破壊層612を備えた、例示のマイクロ流体装置600を示す。マイクロ流体装置600は、三層構造に構成される。三層構造において、マイクロ流体装置600は、第1のポリマ層602で定められる第1の流路604、第2のポリマ層で定められる第2の流路606、及び、第3のポリマ層610で定められる第3の流路608を含む。第2の流路606は、膜614及び616によって、重なり合う部分で第1の流路604及び第3の流路608から分離される。第2流路の流路606は、タンパク質ゲル破壊層612を含む。図示されているように、タンパク質ゲル破壊層612はスクリーンとして構成されるが、本明細書に記載されるタンパク質ゲル破壊層のいずれかは、三層構造で使用するために許容可能である。いくつかの実施態様において、三層構造は、対流クリアランスを使用して作動する。より詳細には、血液は第2の流路606を通じて流れて、新しい注入剤は予め定められた速さ及び圧力で第1の流路に流される。膜間圧勾配により、注入剤は、第1の膜614を通過して、第2の流路606の血液に入る。透析液は、第3の流路608を通じて流れる。注入剤が第1の流路604から流れて、第2の流路606の血液に入るとき、血液からの老廃物は膜616を通過して、第3の流路608に入る。タンパク質ゲル破壊層612は、マイクロ流体装置600の効率を低下させ得る、タンパク質ゲル層の蓄積又は膜616上の境界層を防止する。いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置600は、マイクロ流体装置600の膜それぞれのタンパク質ゲル破壊層612を含むことができる。
図7は、溶質濃度(C)及び血しょうタンパク質濃度(C)として、タンパク質ゲル層の厚さの例示のグラフ700を示す。いくつかの実施態様において、定常状態で、膜を通じて移動した溶質の量は、フィックの第1法則を使用して算出することができる。この仮定の下、膜を通じた流量は、溶質濃度及び血しょうタンパク質濃度に基づく。膜を通じた流量は、以下の式で算出されることができる。
Figure 2016534839
上述の式において、Jは膜を通じた流量であり、dyはゲル層の厚さであり、Dは拡散係数であり、及び、dC/CはCとCの間の濃度勾配である。溶質が膜表面で堆積するとき、ゲル化濃度(C=C)に最終的に達し、それは膜を通じた流量を制限する。上述の式から、ゲル層厚さ(l)は、以下によって提供される。
Figure 2016534839
グラフ700は、式2を使用して作成されて、水中のアルブミンであるDが、7.1×10−11/sとすると、J=1.6×10−4m/s、及び、Cは約60g/lである。前記値は、100kDaの孔径を有する膜に関する文献を基にした。提供された条件を使用して示されるように、ゲル層の厚さは約2μmで漸近線に接近する。したがって通常の条件下で、最終的にゲル破壊層なしで形成するゲル層の厚さは、約1μm〜約2μmの間にあることが推定できる。類似の計算は、異なる孔径を有する膜に関して、タンパク質ゲル層の高さを推定するために行われ得る。
図8は、透析を実行するための例示の方法800のフローチャートを示す。方法800は、マイクロ流体装置を提供すること(工程802)を含む。血液はマイクロ流体装置の第1の流路を通じて流されて(工程804)、処理流体はマイクロ流体装置の第2の流路を通じて流される(工程806)。血液は、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流される(工程808)。血液がマイクロ流体の第1の流路を通じて、かつ、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流されるとき、廃物が血液から除去されて、同時にタンパク質ゲル層の形成を回避する。
上述のように、かつ図2を参照して、マイクロ流体流通装置が提供される(工程802)。マイクロ流体流通装置は、本明細書に記載される、マイクロ流体流通装置のいずれかであり得る。一般に、マイクロ流体流通装置は、第1のポリマ層202で定められる第1の流路204、及び第2のポリマ層206で定められる第2の流路208を含む。第1の流路204及び第2の流路208は、重なり合い、実質的に互いに平行に伸びる。重なり合う部分において、第1の流路204と第2の流路208の間に流体連通を可能にする膜210によって、第1の流路204及び第2の流路208は分離される。タンパク質ゲル破壊層212は、血液流路(例えば、第1の流路204)に配置される。タンパク質ゲル破壊層212は、第1の流路204にわたって伸びる複数の要素を含む。いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置がタンパク質ゲル破壊層212を含まない場合、タンパク質ゲル破壊層の高さは、膜210の近くで形成されるゲルタンパク質層又は境界層のおよその高さになるように構成される。例えば、タンパク質ゲル破壊層212の要素は、少なくとも約1μmの高さを有し、第1の流路204の高さの約1/3以下である膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる。いくつかの実施態様において、第1の流路は、第2の流路とは異なって構成される。例えば、第1の流路は、丸くなった端部、抗凝固性コーティングを含むことができる、又はさもなければ、血液などの剪断感応性流体の輸送用に最適化された形状を有することができる。このような最適化により、第1の流路で凝血塊が形成されるの可能性を減らすことができる。
次に、血液は、提供されたマイクロ流体装置の血液流路を通じて流される(工程804)。いくつかの実施態様で、図1Aに示したように、血液は、ポンプ106によって、血液貯蔵部104からマイクロ流体装置に流される。他の実施態様では、血液は、患者から直接マイクロ流体装置に流される。いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置は、マイクロ流体装置内の血液流路それぞれに血液を分配するマニホールドを含む。いくつかの実施態様において、ワルファリン又はヘパリンなどの、抗凝血剤又は凝固防止剤が血液に加えられて、マイクロ流体装置又はシステム100の別の構成要素内で血液が凝固するのを防止する。
次いで、透析液などの処理流体が、提供されたマイクロ流体装置の第2の流路を通じて流される(工程806)。図6に示される三層構造などのいくつかの実施態様において、注入剤は、提供されたマイクロ流体装置の注入剤流路を通じても流される。いくつかの実施態様において、血液は、マイクロ流体装置を通じて一方向へ流れ、処理流体は、マイクロ流体装置を通じて反対方向へ流れる。
血液が第1の流路を通じて流れるとき、血液は、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流れる(工程808)。上述の通り、タンパク質ゲル破壊層は、スクリーン、メッシュ、膜、あるいは梁、支柱又はこれらの組み合わせに埋め込まれる、又は固定される複数のトポグラフィ的機構を含むことができる。血液がタンパク質ゲル破壊層の要素上を流れるとき、タンパク質ゲル破壊層の要素は、第1の流路を通じた血液の層流に軽微な障害を引き起こす。いくつかの実施態様において、層流の障害は実質的に膜に近接しており−例えば、膜表面から約1μm〜5μmの間である。いくつかの実施態様において、血液の層流の障害は、膜表面に沿うタンパク質ゲル層の形成を低減する。例えば前記障害が、膜の近くに蓄積するタンパク質を、第1の流路を通じて流れる大半の血液中へ、除去する又は移動することができる。
血液が第1の流路を通じて流れるとき、廃物が血液から除去される(工程810)。血液が血液流路を通じて流れるとき、血液内の尿素、カリウム、リン及び他の老廃物は、膜にわたって、第2の流路を通じて流れる透析液内に拡散する。いくつかの実施態様において、注入剤は、注入剤流路から血液に移動することができる。タンパク質ゲル破壊層が血液−膜界面で通常形成される境界層又はゲル層を減らすので、マイクロ流体装置は、血液透析又は血ろ過期間にわたってその効率を維持できる。
図9は、脱酸素化血液を部分的に酸素化する、例示の方法900のフローチャートを示す。方法900は、マイクロ流体装置を提供すること(工程902)を含む。血液はマイクロ流体装置の第1の流路を通じて流されて(工程904)、酸素はマイクロ流体装置の第2の流路を通じて流される(工程906)。血液は、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流される(工程908)。血液がマイクロ流体の第1の流路を通じて、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流されるとき、酸素が血液内に拡散されて、同時にタンパク質ゲル層の形成を回避する。
上述のように、かつ図2を参照して、マイクロ流体流通装置が提供される(工程902)。マイクロ流体流通装置は、本明細書に記載される、マイクロ流体流通装置のいずれかであり得る。一般に、マイクロ流体流通装置は、第1のポリマ層202で定められる第1の流路204、及び第2のポリマ層206で定められる第2の流路208を含む。第1の流路204及び第2の流路208は、重なり合い、実質的に互いに平行に伸びる。重なり合う部分で、第1の流路204と第2の流路208の間に流体連通を可能にする膜210によって、第1の流路204及び第2の流路208は分離される。タンパク質ゲル破壊層212は、血液流路(例えば、第1の流路204)に配置される。タンパク質ゲル破壊層212は、第1の流路204にわたって伸びる複数の要素を含む。いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置がタンパク質ゲル破壊層212を含まない場合、タンパク質ゲル破壊層212の高さは、膜210の近くで形成されるゲルタンパク質層又は境界層のおよその高さになるように構成される。例えば、タンパク質ゲル破壊層212の要素は、少なくとも約1μmの高さを有し、第1の流路204の高さの約1/3以下である膜の厚みの中央から、ある距離のとろこで終わる。いくつかの実施態様において、第1の流路は、第2の流路とは異なって構成される。例えば、第1の流路は、丸くなった端部、抗凝固性コーティングを含むことができる、又はさもなければ、血液などの剪断感応性流体の輸送用に最適化された形状を有することができる。これらの最適化により、第1の流路で凝血塊が形成される可能性を減らすことができる。
次に、血液は、提供されたマイクロ流体装置の血液流路を通じて流される(工程904)。いくつかの実施態様で、図1Aに示したように、血液は、ポンプ106によって、血液貯蔵部104からマイクロ流体装置に流される。他の実施態様では、血液は、患者から直接マイクロ流体装置に流される。いくつかの実施態様において、マイクロ流体装置は、マイクロ流体装置内の血液流路それぞれに血液を分配するマニホールドを含む。いくつかの実施態様において、ワルファリン又はヘパリンなどの、抗凝血剤又は凝固防止剤が血液に加えられて、マイクロ流体装置又はシステム100の別の構成要素内で血液が凝固するのを防止する。
次いで、酸素又は気体の混合物が、提供されたマイクロ流体装置の第2の流路を通じて流される(工程906)。血液及び酸素がマイクロ流体装置を通過するとき、酸素は血液内に移る。いくつかの実施態様において、血液は、マイクロ流体装置を通じて一方向へ流れ、気体はマイクロ流体装置を通じて反対方向へ流れる。
血液が第1の流路を通じて流れるとき、血液は、タンパク質ゲル破壊層の要素上を流れる(工程908)。上述の通り、タンパク質ゲル破壊層は、スクリーン、メッシュ、膜、あるいは梁、支柱又はこれらの組み合わせに埋め込まれる又は固定される複数のトポグラフィ的機構を含むことができる。血液がタンパク質ゲル破壊層の要素上を流れるとき、タンパク質ゲル破壊層の要素は、第1の流路を通じた血液の層流に軽微な障害を引き起こす。いくつかの実施態様において、層流の障害は実質的に膜に近接しており−例えば、膜表面から約1μm〜5μmの間である。いくつかの実施態様において、血液の層流の障害は、膜表面に沿うタンパク質ゲル層の形成を低減する。例えば前記障害が、膜の近くに蓄積するタンパク質を、第1の流路を通じて流れる大半の血液中へ、除去する又は移動することができる。
血液が第1の流路を通じて流れるとき、気体流路からの酸素が、膜にわたって、第1の流路の血液内に拡散して、部分的に脱酸素化された血液を酸素化する。タンパク質ゲル破壊層が血液−膜界面で通常形成される境界層又はゲル層を減らすので、マイクロ流体装置は、血液酸素化処置にわたってその効率を維持できる。
本発明は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。したがって先の実施態様は、本発明の制限というよりも、あらゆる点で例示とみなされるべきである。
〔実施の態様〕
(1) マイクロ流体装置であって、
内部に第1の流路を定める第1層と、
内部に第2の流路を定める第2層であって、該第2流路が前記第1の流路の長さのかなりの部分に沿って前記第1の流路と重なり合う、第2層と、
前記第1の流路を前記第2の流路から分離する膜と、
前記第1の流路に隣接する又は前記第1の流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含み、該要素が、少なくとも約1μmの高さを有し、前記第1の流路の高さの約1/3以下である前記膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する、マイクロ流体装置。
(2) 内部に第3の流路を定める第3層であって、該第3の流路が前記第1の流路と重なり合う、第3層と、
前記第3の流路を前記第1の流路から分離する第2膜と、を更に含む、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(3) 前記複数の要素が前記第1の流路にわたって完全に伸びる、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(4) 前記第1の流路の高さが約50μm〜約100μmの間である、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(5) 前記第1の流路にわたって伸びる前記ゲル破壊層の前記要素が、前記膜に組み込まれる複数のトポグラフィ的機構を含む、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(6) 前記ゲル破壊層が、前記第1の流路に配置され、かつ前記膜と隣接するスクリーンを含む、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(7) 前記スクリーンが複数のスクリーン開口部を定めており、前記流路の長さに沿う該複数のスクリーン開口部それぞれの寸法が約100μm〜約5mmの間である、実施態様6に記載のマイクロ流体装置。
(8) 前記スクリーンが生体適合性金属、ポリエステル及びポリアミドのうちの1つを含む、実施態様6に記載のマイクロ流体装置。
(9) 前記複数の要素それぞれの間のピッチが約100μm〜約5mmの間である、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(10) 前記第1の流路の長さが約5cm〜約30cmの間である、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(11) 前記複数の要素それぞれの高さが約1μm〜約3μmの間である、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(12) 前記第1の流路が血流用に構成されて、前記第2の流路が、注入剤、透析液又は酸素の流れ用に構成されている、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(13) 前記複数の要素それぞれが、前記膜の反対側の前記第1の流路の表面から前記膜に向かって伸びる、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(14) 前記複数の要素それぞれが、前記第1のポリマ層と一体であり、前記膜に隣接して前記第1の流路にわたって伸びる、実施態様1に記載のマイクロ流体装置。
(15) 方法であって、
マイクロ流体装置を提供することであって、該マイクロ流体装置が、
内部に第1の流路を定める第1層と、
内部に第2の流路を定める第2層であって、該第2流路が前記第1の流路の長さのかなりの部分に沿って前記第1の流路と重なり合う、第2層と、
前記第1の流路を前記第2の流路から分離する膜と、
前記第1の流路に隣接する又は前記第1の流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含み、該要素が、少なくとも約1μmの高さを有し、前記第1の流路の高さの約1/3以下である前記膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する、マイクロ流体装置を提供することと、
前記第1の流路を通じて血液を流すことと、
前記第2の流路を通じて処理流体を流すことと、を含む、方法。
(16) 前記複数の要素上に前記血液を流して、前記第1の流路を通じた前記血液の層流に障害を生成することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記処理流体が透析液を含み、前記方法が、
前記血液から前記透析液へ老廃物を移すことを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記処理流体が酸素を含み、前記方法が、
前記第2の流路からの酸素を、前記第1の流路を通じて流れる血液へ移すことを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記複数の要素それぞれの間のピッチが約100μm〜約5mmの間である、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記第1の流路の高さが約50μm〜約100μmの間である、実施態様15に記載の方法。
(21) 前記複数の要素それぞれが、前記第1の流路の床から前記膜に向かって伸びる、実施態様15に記載の方法。
(22) 前記複数の要素それぞれの高さが約1μm〜約3μmの間である、実施態様15に記載の方法。
(23) 方法であって、
マイクロ流体装置を提供することであって、該マイクロ流体装置が、
内部に1つ又は2つ以上の血液流路を定める第1層と、
内部に1つ又は2つ以上の処理流体流路を定める第2層であって、該1つ又は2つ以上の処理流体流路が前記1つ又は2つ以上の血液流路の長さのかなりの部分に沿って前記1つ又は2つ以上の血液流路と重なり合う、第2層と、
前記1つ又は2つ以上の血液流路を前記1つ又は2つ以上の処理流体流路から分離する膜と、
前記1つ又は2つ以上の血液流路に隣接する又は前記1つ又は2つ以上の血液流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記1つ又は2つ以上の血液流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含む、マイクロ流体装置を提供することと、
前記1つ又は2つ以上の血液流路を通じて血液を流すことと、
前記1つ又は2つ以上の処理流体流路を通じて処理流体を流すことと、
前記複数の要素上に前記血液を流して、前記1つ又は2つ以上の血液流路を通じた前記血液の層流に障害を生成することと、を含む、方法。
(24) 前記処理流体が透析液及び酸素のうちの1つを含む、実施態様23に記載の方法。

Claims (24)

  1. マイクロ流体装置であって、
    内部に第1の流路を定める第1層と、
    内部に第2の流路を定める第2層であって、該第2流路が前記第1の流路の長さのかなりの部分に沿って前記第1の流路と重なり合う、第2層と、
    前記第1の流路を前記第2の流路から分離する膜と、
    前記第1の流路に隣接する又は前記第1の流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含み、該要素が、少なくとも約1μmの高さを有し、前記第1の流路の高さの約1/3以下である前記膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する、マイクロ流体装置。
  2. 内部に第3の流路を定める第3層であって、該第3の流路が前記第1の流路と重なり合う、第3層と、
    前記第3の流路を前記第1の流路から分離する第2膜と、を更に含む、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  3. 前記複数の要素が前記第1の流路にわたって完全に伸びる、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  4. 前記第1の流路の高さが約50μm〜約100μmの間である、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  5. 前記第1の流路にわたって伸びる前記ゲル破壊層の前記要素が、前記膜に組み込まれる複数のトポグラフィ的機構を含む、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  6. 前記ゲル破壊層が、前記第1の流路に配置され、かつ前記膜と隣接するスクリーンを含む、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  7. 前記スクリーンが複数のスクリーン開口部を定めており、前記流路の長さに沿う該複数のスクリーン開口部それぞれの寸法が約100μm〜約5mmの間である、請求項6に記載のマイクロ流体装置。
  8. 前記スクリーンが生体適合性金属、ポリエステル及びポリアミドのうちの1つを含む、請求項6に記載のマイクロ流体装置。
  9. 前記複数の要素それぞれの間のピッチが約100μm〜約5mmの間である、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  10. 前記第1の流路の長さが約5cm〜約30cmの間である、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  11. 前記複数の要素それぞれの高さが約1μm〜約3μmの間である、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  12. 前記第1の流路が血流用に構成されて、前記第2の流路が、注入剤、透析液又は酸素の流れ用に構成されている、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  13. 前記複数の要素それぞれが、前記膜の反対側の前記第1の流路の表面から前記膜に向かって伸びる、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  14. 前記複数の要素それぞれが、前記第1のポリマ層と一体であり、前記膜に隣接して前記第1の流路にわたって伸びる、請求項1に記載のマイクロ流体装置。
  15. 方法であって、
    マイクロ流体装置を提供することであって、該マイクロ流体装置が、
    内部に第1の流路を定める第1層と、
    内部に第2の流路を定める第2層であって、該第2流路が前記第1の流路の長さのかなりの部分に沿って前記第1の流路と重なり合う、第2層と、
    前記第1の流路を前記第2の流路から分離する膜と、
    前記第1の流路に隣接する又は前記第1の流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記第1の流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含み、該要素が、少なくとも約1μmの高さを有し、前記第1の流路の高さの約1/3以下である前記膜の厚みの中央から、ある距離のところで終わる端を有する、マイクロ流体装置を提供することと、
    前記第1の流路を通じて血液を流すことと、
    前記第2の流路を通じて処理流体を流すことと、を含む、方法。
  16. 前記複数の要素上に前記血液を流して、前記第1の流路を通じた前記血液の層流に障害を生成することを更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記処理流体が透析液を含み、前記方法が、
    前記血液から前記透析液へ老廃物を移すことを更に含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記処理流体が酸素を含み、前記方法が、
    前記第2の流路からの酸素を、前記第1の流路を通じて流れる血液へ移すことを更に含む、請求項15に記載の方法。
  19. 前記複数の要素それぞれの間のピッチが約100μm〜約5mmの間である、請求項15に記載の方法。
  20. 前記第1の流路の高さが約50μm〜約100μmの間である、請求項15に記載の方法。
  21. 前記複数の要素それぞれが、前記第1の流路の床から前記膜に向かって伸びる、請求項15に記載の方法。
  22. 前記複数の要素それぞれの高さが約1μm〜約3μmの間である、請求項15に記載の方法。
  23. 方法であって、
    マイクロ流体装置を提供することであって、該マイクロ流体装置が、
    内部に1つ又は2つ以上の血液流路を定める第1層と、
    内部に1つ又は2つ以上の処理流体流路を定める第2層であって、該1つ又は2つ以上の処理流体流路が前記1つ又は2つ以上の血液流路の長さのかなりの部分に沿って前記1つ又は2つ以上の血液流路と重なり合う、第2層と、
    前記1つ又は2つ以上の血液流路を前記1つ又は2つ以上の処理流体流路から分離する膜と、
    前記1つ又は2つ以上の血液流路に隣接する又は前記1つ又は2つ以上の血液流路内に配置されるタンパク質ゲル破壊層であって、該タンパク質ゲル破壊層が前記1つ又は2つ以上の血液流路にわたって少なくとも部分的に伸びる複数の要素を含む、タンパク質ゲル破壊層と、を含む、マイクロ流体装置を提供することと、
    前記1つ又は2つ以上の血液流路を通じて血液を流すことと、
    前記1つ又は2つ以上の処理流体流路を通じて処理流体を流すことと、
    前記複数の要素上に前記血液を流して、前記1つ又は2つ以上の血液流路を通じた前記血液の層流に障害を生成することと、を含む、方法。
  24. 前記処理流体が透析液及び酸素のうちの1つを含む、請求項23に記載の方法。
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