JP2016532749A - セルロースと相互作用する成分を有するポリマー結合剤を含有する水性インクジェットインク - Google Patents

セルロースと相互作用する成分を有するポリマー結合剤を含有する水性インクジェットインク Download PDF

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Abstract

結合剤としてポリマーインク添加剤を含有する水性インクジェットインクが開示される。結合剤は、セルロースと相互作用することが可能な成分を含有する。セルロースと同様のハンセン溶解パラメーターを有する、ある種のアクリレートモノマーが、ポリマー結合剤に組み込まれた。これらのインクからの印刷は、セルロースと相互作用することが可能な成分を有さない同様の添加剤よりも良好な耐久性を有する。

Description

本出願は、米国特許法第119条の下、2013年8月6日出願の米国仮特許出願第61/862558号明細書からの優先権を主張する。
本開示は、インクジェットインク、特に、着色剤と、セルロースと相互作用することが可能な少なくとも1種の成分を有するアクリル/アクリレートポリマーから誘導されるポリマーインク添加剤とを含んでなる水性インクジェットインクに関する。
ポリマーインク添加剤は、インクジェットインクに関して一般的である。それらは、印刷されたインクの耐久性を改善するため、ならびに粘度および他の重要なインク特性などの調節のために、しばしば含まれる。
米国特許出願公開第20080264298号明細書および同第20070100023号明細書は、多くの種類の紙に存在するカルシウム成分と相互作用することが可能な分散剤を開示する。
ポリマー添加剤を有する水性分散体をベースとするインクは、インクジェット印刷の多くの態様に、改善されたインクジェットインクを提供するが、特に、サーマルインクジェットプリントヘッドで使用される場合に良好な印刷品質および良好な噴射性を提供する、改善されたインクジェットインク調製物に関する要求が、なお存在する。サーマルインクジェットプリントヘッドは、ピエゾインクジェットプリントヘッドと比較して、その噴射性および信頼性において、ポリマー添加剤の追加に対してより低い耐性を有することは、当業者に周知である。本開示は、分散体安定性、長いノズル寿命などのインク特性の他の態様を維持しながら、改善された印刷耐久性を有する組成物を提供することによって、この要求を満たす。
一実施形態は、着色剤と、水性媒体と、結合剤としてのポリマーインク添加剤とを含んでなる水性インクジェットインクであって、上記ポリマーインク添加剤が、ランダムまたは構造化ポリマーであり、かつ少なくとも3種のモノマーA、BおよびCを含んでなり、モノマーAが疎水性アクリレートモノマーであり、モノマーBが親水性アクリルモノマーであり、かつモノマーCが、式(I):
Figure 2016532749
(式中、Wは、OまたはNHであり、
は、C〜Cアルキルであり、
、R、R、RおよびRは、独立して、HまたはC〜Cアルキルである)の構造を有するアクリレートモノマーである、水性インクジェットインクを提供する。
別の実施形態は、モノマーAが、ベンジルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルエタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートおよびスチレンからなる群から選択されるものを提供する。
別の実施形態は、モノマーBが、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、クロトン酸、クロトン酸モノエステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピリジンおよび2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸からなる群から選択されるものを提供する。
別の実施形態は、WがOであるものを提供する。
別の実施形態は、RがCHCH(CH)であるものを提供する。
別の実施形態は、RおよびRがHであるものを提供する。
別の実施形態は、RおよびRがC〜Cアルキルであるものを提供する。
別の実施形態は、RがCであるものを提供する。
別の実施形態は、RがCHであるものを提供する。
さらに別の実施形態は、WがNHであるものを提供する。
本実施形態のこれらおよび他の特徴および効果は、以下の詳細な説明の読むことによって、当業者により容易に理解されるであろう。開示された実施形態のある種の特徴は、明確にするため、上記および下記において別々の実施形態で記載されるが、これは単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよい。逆にまた、単一の実施形態に関して記載される開示された実施形態の様々な特徴は、別々に、またはいずれかの部分的組み合わせで提供されてもよい。
明示または定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本開示が関する技術の当業者によって一般に理解される意味を有する。
明示されない限り、全てのパーセント、部、比率などは重量による。
量、濃度または他の値またはパラメーターが、範囲、好ましい範囲、または上位の好ましい値および下位の好ましい値の記載として与えられる場合、いずれかの上位範囲限界または好ましい値およびいずれかの下位範囲限界または好ましい値のいずれかの対から形成される全ての範囲を特に開示するものとして理解される。数値的な値の範囲が本明細書に列挙される場合、特に明記されない限り、この範囲は、それらの終点、ならびに範囲内の全ての整数および分数を含むものとして意図される。
他に明示されるか、文脈から明らかでない限り、インクジェットインクの特性または成分を検討する場合、用語「インクジェットインク」は、インクジェットインクセットを含むものとして理解されてもよい。
範囲の値または終点を記載する際に、用語「約」が使用される場合、本開示は、参照される特定の値または終点を含むものとして理解されなければならない。
本明細書で使用される場合、「含んでなる」とは、明示された特徴、整数、ステップまたは成分の存在を参照されるように特定化するが、1つまたはそれ以上である特徴、整数、ステップまたは成分、あるいはそれらの群の存在または追加を排除しないものとして解釈される。追加的に、用語「含んでなる」は、用語「から本質的になる」および「からなる」によって包含される実施例を含むように意図される。同様に、用語「から本質的になる」は、用語「からなる」によって包含される実施例を含むように意図される。
本明細書で使用される場合、用語「分散体」は、1つの相が、バルク物質を通して分配される微細粒子(しばしばコロイド径範囲)からなり、粒子が分散または内部相であり、かつバルク物質が連続的または外部相である、2つの相系を意味する。バルク系は、しばしば水性系である。
本明細書で使用される場合、用語「顔料粒子の分散体」は、インクおよびペイントで通常使用されるポリマー分散顔料の安定性分散体である。
本明細書で使用される場合、用語「水性顔料分散体」は、ポリマー分散剤を使用する顔料の水性分散体である。
本明細書で使用される場合、用語「紙」は、セルロースファイバーの化学的処理によって製造される半合成製品を意味する。紙という用語は、コピー用紙、写真紙、新聞紙、パンフレット紙などの印刷において使用される様々な紙も指す。
本明細書で使用される場合、用語「溶解パラメーター」は、材料間の相互作用の程度の数値的な予想を提供し、かつ特に多くのポリマーなどの非極性材料の溶解性の良好な指標となることができる。
本明細書で使用される場合、用語「分散剤」は、しばしばコロイド径の極めて微細な固体粒子の均一および最大分離を促進するために懸濁媒体に添加される表面活性剤を意味する。顔料に関して、分散剤は、ほとんどポリマー分散剤であり、通常、分散剤および顔料は分散装置を使用して組み合わせられる。
本明細書で使用される場合、用語「構造化ポリマー」は、互いに組成が異なるセグメントから構成されるポリマーを意味する。例としては、ジブロック、トリブロック、グラフトおよび星型ポリマーが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「ランダムポリマー」は、初期モノマー組成物においてほぼ同モル比のモノマーで、ポリマー中にランダムな様式で分配されるモノマーから構成されるポリマーを意味する。
本明細書に使用される場合、用語「イオン安定化分散体」(「ISD」)は、安定化が立体的安定化よりもイオン安定化によるものである、重合的に安定させられた分散体である。
本明細書で使用される場合、用語「分散可能な粒子」は、ポリマー分散剤を含む分散剤によって分散することができるそれらの粒子である。
本明細書で使用される場合、用語「安定性分散体」は、分散体が少なくとも1週間、室温で貯蔵される時に、粒径成長が10%未満の粒径成長であり、かつ凝集がない粒子の分散体を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「顔料」は、別の物質または混合物に色を与える、通常粉末の形態のいずれの物質も意味する。分散染料、ホワイト顔料およびブラック顔料は、この定義に含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「P/D」は、初期分散体調製物における顔料対分散剤の重量比を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「周囲条件」は、しばしば、約1気圧の圧力、約50%の相対湿度および約25℃である周囲条件を指す。
本明細書で使用される場合、用語「架橋」は、少なくとも2つの異なる化学物質の反応基間での化学反応を意味し、ここで、化学物質の一方は少なくとも二置換である。
本明細書で使用される場合、用語「エマルジョン」は、数パーセントの乳化剤と呼ばれる物質によって懸濁液に保持される2種以上の非混和性液体の安定性混合物を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「ミニエマルジョン」は、油、水および界面活性剤を含有する系を剪断することによって調製される50〜500ナノメートル領域の径を有する、比較的安定性のある油の液滴の分散体を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「非イオン性」は、少なくとも4個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基がある、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドから誘導されるオリゴマーまたはポリマーを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「複素環」は、環中に炭素原子および少なくとも1個のN、OまたはSからなり、かつ環中に全4〜7個の原子を含有する環式化合物を意味する。環上の炭素原子は、カルボニル基を任意に形成してもよい。
本明細書で使用される場合、用語「インク添加剤」は、様々なインクジェットインク成分が組み合わせられてインクが製造される時に添加される成分を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「結合剤」は、インクジェットインク中のフィルム形成成分を意味する。この結合剤は通常、インクが調製される時に添加され、かつポリマーインク添加剤と考えられる。
本明細書で使用される場合、用語「HSD」は、高速分散を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「OD」は、光学密度を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「彩度」は、CIELAB色空間の明度Lによって正規化された彩度として定義され、すなわち、
Figure 2016532749
本明細書で使用される場合、用語「光沢」は、印刷表面からの反射光の観察を意味し、通常、印刷基材は光沢紙である。
本明細書で使用される場合、用語「SDP」は、「自己分散可能」、「自己分散」または「自己分散された」顔料を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「水性媒体」は、水、または水と少なくとも1種の水溶性有機溶媒(補助溶媒)との混合物を参照する。
本明細書で使用される場合、用語「イオン化可能な基」は、潜在的イオン基を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、かなりの程度、ほとんど全てであることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「Mn」は、通常ダルトンで報告される数平均分子量を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「Mw」は、通常ダルトンで報告される重量平均分子量を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「Pd」は、数平均分子量によって割られた重量平均分子量である、多分散を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「D50」は、粒子の50%がより小さい粒径を意味する、「D95」は、粒子の95%がより小さい粒径を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「cP」は、センチポアズの粘度単位を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「導電率」は、電気を伝達する能力を記載する物質または混合物の特性を意味し、mS/cmとして報告される。
本明細書で使用される場合、用語「プレポリマー」は、重合プロセスの中間体であるポリマーを意味し、ポリマーと考えられることもできる。
本明細書で使用される場合、用語「AN」は、固体ポリマーの酸価、mg KOH/グラムを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「中和剤」は、イオン化可能な基を、より親水性のイオン(塩)基に変換するために有用である全ての種類の薬剤を包含するように意味する。
本明細書で使用される場合、用語「PUD」は、本明細書に記載されるポリウレタン分散体を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「GPC」は、ゲル透過クロマトグラフィーを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「IMEMA」は、イミダゾリルエチルメタクリレート、BASFからのモノマーを指す。
本明細書で使用される場合、用語「DMPA」は、ジメチロールプロピオン酸を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「TMXDI」は、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを意味する。
本明細書で使用される場合、Eternacoll(商標)UH−50は、宇部興産株式会社(日本、東京)からのポリカーボネートジオールである。
Denacol(登録商標)321は、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ナガセケミカル株式会社(日本、大阪)からの架橋剤である。
本明細書で使用される場合、用語「DEA」は、ジエタノールアミンを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「PROXEL(商標)殺生物剤」は、Arch Chemicals,Norwalk,CTから得られる殺生物剤を指す。
本明細書で使用される場合、用語「Surfynol(登録商標)465」は、Air Products(Allentown,PA USA)からの界面活性剤を指す。
本明細書で使用される場合、用語「グリセレス−26」は、グリセリンの26モルエチレンオキシド付加物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「2−P(95/5)」は、5%水混合物として供給される2−ピロリドンを意味する。
特に明記されない限り、上記の化学製品は、Aldrich(Milwaukee,WI)または他の同様の実験室化学製品の供給元から得られた。
ポリマー結合剤
インクジェットインクにおける顔料の有効利用のモデルは、顔料が基材の表面上へ保持され、高い光学濃度および他の望ましい印刷特性が得られるということである。表面上へ顔料を「保持すること」の例には、それが基材上へ噴射される時に、顔料を反応させるか、または生じさせる固定化剤を使用すること、自己分散顔料を使用すること、ならびに米国特許出願公開第20080264298号明細書および米国特許出願公開第200070100023号明細書などで示唆されるように、カルシウムと相互作用するようにデザインされた分散剤を使用することが含まれる。炭酸カルシウムは、しばしば、紙、特にインクジェット印刷に使用されるコピー用紙および同様の紙の成分である。
インクジェットインクから印刷された像のより良好な耐久性を得るためのより新しい方法を求めたところ、一連のモノマーが、紙の支配的成分であるセルロースと相互作用することが可能であるものとして識別された。これらのモノマーは、それらのハンセン(Hansen)溶解パラメーターをセルロースのものと適合させることによって選択された。これらのモノマーを重合プロセスに含むことによって、本開示のポリマー結合剤が提供される。理論によって束縛されないが、結合剤がセルロースと相互作用することができるモノマーを含有する場合、得られるインクジェットインクが異なって機能すると結論される。紙に噴射すると、即座に結合剤は紙に結合し、改善された耐久性を提供することができる。
したがって、セルロースと相互作用することが可能な官能基を有するポリマー結合剤が調製された。ポリマー結合剤は、少なくとも3種のモノマーA、BおよびCを含んでなり、モノマーAは疎水性アクリレートモノマーであり、モノマーBは親水性アクリルモノマーであり、かつモノマーCは、式(I):
Figure 2016532749
(式中、Wは、OまたはNHであり、
は、C〜Cアルキルであり、
、R、R、RおよびRは、独立して、HまたはC〜Cアルキルである)の構造を有するアクリレートモノマーである。
モノマーの量は、10〜80%のモノマーA、5〜50%のモノマーBおよび5〜50%のモノマーCである。
本開示のポリマー結合剤は、2000〜30000ダルトンの数平均分子量を有する。
親水性アクリルモノマーは、イオン含有量をポリマー結合剤に提供する。酸含有量は、酸価(AN、固体ポリマー1グラムあたりのKOHのmg)として測定されてもよい。酸価の下限は約10であり、かつ酸価の上限は約250である。
ポリマー結合剤は、ランダムまたは構造化ポリマーであってもよい。ポリマー結合剤は、疎水性(モノマーA)、親水性(モノマーB)モノマーおよび複素環含有アクリレートモノマーCのコポリマーであることができる。
構造化ポリマー結合剤は、水溶性であってもよく、25℃において少なくともポリマー10グラム/水100グラムの溶解性を有してもよい。溶解性は、その中和された形態で測定される。
着色剤
インクのための適切な着色剤には、可溶性着色剤、例えば、染料、および不溶性着色剤、例えば、分散顔料(顔料および分散剤)、ならびに自己分散顔料が含まれる。
アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性染料などの従来の染料が適切である。そのような染料は当業者に周知である。アニオン性染料は、水溶液中で着色したアニオンを生じるそれらの染料である。カチオン性染料は、水溶液中で着色したカチオンを生じるそれらの染料である。典型的に、アニオン性染料は、イオン部分としてカルボン酸またはスルホン酸基を含有する。カチオン染料は、通常、第4級窒素基を含有する。
最も適切なアニオン性染料の種類は、例えば、酸性染料、直接染料、食用色素、媒染染料および反応染料である。アニオン性染料は、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、アゾ化合物、スチルベン化合物、トリアリールメタン化合物、キサンテン化合物、キノリン化合物、チアゾール化合物、アジン化合物、オキサジン化合物、チアジン化合物、アミノケトン化合物、アントラキノン化合物、インジゴイド化合物およびフタロシアニン化合物からなる群から選択される。
最も適切であるカチオン性染料の種類には、主に塩基性染料、および繊維などの基材上で酸性部位を結合するようにデザインされるいくつかの媒染染料が含まれる。そのような染料の有用な種類には、とりわけ、アゾ化合物、ジフェニルメタン化合物、トリアリールメタン、キサンテン化合物、アクリジン化合物、キノリン化合物、メチンまたはポリメチン化合物、チアゾール化合物、インダミンまたはインドフェニル化合物、アジン化合物、オキサジン化合物およびチアジン化合物が含まれ、これらは全て当業者に周知である。
有用な染料には、(シアン)Acid Blue 9およびDirect Blue 199、(マゼンタ)Acid Red 52、Reactive Red 180、Acid Red 37、CI Reactive Red 23、ならびに(イエロー)Direct Yellow 86、Direct Yellow 132およびAcid Yellow 23が含まれる。
使用のために適切な顔料は、水性インクジェットインク用に当該技術で一般に周知のものである。因習的に、顔料は、媒体中で顔料の安定性のある分散体を製造するために、ポリマー分散剤または界面活性剤などの分散助剤によって安定化される。代表的な市販の乾燥顔料は、米国特許第5,085,698号明細書に記載される。分散染料は、本明細書に使用される水性インクにおいて不溶性であるため、顔料と考えられる。
インクを製造するために、多種多様な有機および無機顔料は、単独で、または組み合わせて選択されてもよい。用語「顔料」は、本明細書で使用される場合、インクジェットインクにおいて不溶性であるため、分散染料を含む不溶性着色剤を意味する。顔料粒子は、インクジェット印刷装置を通って、特に噴射ノズルでのインクの自由な流れを可能にするために十分小さく、通常、約10ミクロン〜約50ミクロンの直径を有する。粒径は、インクの寿命を通して重要な、顔料分散体安定性に対する影響も有する。微粒子のブラウン(Brownian)運動は、粒子が凝集することを防ぐために有用である。最大色強度および光沢のためにも、小さな粒子を使用することが望ましい。有用な粒径の範囲は、典型的に、約0.005ミクロン〜約15ミクロンであり、実施形態において、顔料粒径は約0.005〜約5ミクロンの範囲であり、実施形態において、約0.005〜約1ミクロンの範囲である。動的光散乱によって測定された平均粒径は、好ましくは約500nm未満、より好ましくは約300nm未満である。
選択された顔料は、乾燥または湿潤形態で使用されてもよい。例えば、顔料は、通常水性媒体で製造され、そして得られた顔料は、水湿潤プレスケーキとして得られる。プレスケーキ形態において、それが乾燥形態である範囲まで、顔料は凝塊形成されない。したがって、水湿潤プレスケーキの形態の顔料は、インクの調製プロセスにおいて、乾燥形態の顔料ほど多くの解膠を必要としない。
分散顔料は、分散体プロセスの後、濾過、限外ろ過または分散顔料の精製のために使用される他のプロセスによって精製されてもよい。
重合的に分散された顔料は、分散プロセスの完了後、架橋されたポリマー分散剤を有してもよい。この場合、顔料は、架橋された成分の添加によって、互いに架橋されるそのポリマー分散剤を有することが考えられる。この架橋の種類は、米国特許第6,262,152号明細書に記載される。
本開示の顔料は、自己分散(または自己分散可能な)顔料であることもできる。
用語自己分散顔料(または「SDP」)は、その表面が、親水性の分散性を付与する基によって化学的に変性された顔料粒子を指す。そのような変性によって、顔料は、別々の分散剤を用いずに水性媒体中で安定に分散されることが可能となる。「安定に分散される」とは、顔料が微細分割され、一様に分配されて、粒子成長および凝集に耐性があることを意味する。
SDPは、物理的処理(例えば真空プラズマ)によって、または化学的処理(例えば、オゾン、次亜塩素酸などによる酸化)によって、顔料の表面上へ官能基、または官能基を含有する分子グラフト化させることによって調製されてもよい。親水性官能基の単一の種類または複数の種類が、1つの顔料粒子に結合されてもよい。親水基は、水性媒体に分散した時に、マイナスの電荷を有するSDPを提供するカルボキシレートまたはスルホネート基である。カルボキシレートまたはスルホネート基は、通常、一価のおよび/または二価カチオン性対イオンと関連している。SDPの製造方法は周知であり、例えば、米国特許第5,554,739号明細書および米国特許第6,852,156号明細書で見ることができる。
SDPは、ブラック、例えば、カーボンブラックをベースとするものでもよく、または着色顔料でもよい。インクジェットインクで有用な色特性を有する顔料の例には、Pigment Blue 15:3およびPigment Blue 15:4(シアン);Pigment Red 122およびPigment Red 202(マゼンタ);Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 114、Pigment Yellow 128およびPigment Yellow 155(イエロー);Pigment Orange 5、Pigment Orange 34、Pigment Orange 43、Pigment Orange 62、Pigment Red 17、Pigment Red 49:2、Pigment Red 112、Pigment Red 149、Pigment Red 177、Pigment Red 178、Pigment Red 188、Pigment Red 255およびPigment Red 264(レッド);Pigment Green 1、Pigment Green 2、Pigment Green 7およびPigment Green 36264(グリーン);Pigment Blue 60、Pigment Violet 3、Pigment Violet 19、Pigment Violet 23、Pigment Violet 32、Pigment Violet 36およびPigment Violet 38(ブルー);およびカーボンブラックが含まれる。しかしながら、これらの顔料のいくつかは、SDPとしての調製のために適切ではない。着色剤は、それらの「C.I.」によって本明細書に参照される。
本開示のSDPは、アニオン性基の密度が、顔料表面1平方メートルあたり約3.5モル(3.5モル/m)未満、特に、約3.0モル/m未満である官能性度を有してもよい。約1.8モル/m未満、特に、約1.5モル/m未満の官能性度も適切であり、SDPの特定の種類に関して好ましくなり得る。
分散後の有用な粒径の範囲は、典型的に、約0.005マイクロメートル〜約15マイクロメートルである。典型例として、顔料粒径は、約0.005マイクロメートル〜約5マイクロメートル、特に、約0.005マイクロメートル〜約1マイクロメートルの範囲であるべきである。動的光散乱によって測定された平均粒径は、約500nm未満、典型的に約300nm未満である。
インクに存在する顔料の量は、インクの全重量に基づき、典型的に、約0.1%〜約25重量%の範囲、より典型的に約0.5%〜約10重量%の範囲である。無機顔料が選択される場合、一般に無機顔料は有機顔料より高い密度を有するため、インクは、有機顔料を利用する相当するインクよりも、より高い重量パーセントの顔料を含有する傾向がある。
ポリマー分散剤
非自己分散顔料のためのポリマー分散剤は、ランダムまたは構造化ポリマーであってもよい。典型的に、ポリマー分散剤は、疎水性および親水性モノマーのコポリマーである。「ランダムポリマー」は、各モノマーの分子が、ポリマー骨格鎖中に無作為に配置されるポリマーを意味する。適切なランダムポリマー分散剤の参照のために、米国特許第4,597,794号明細書を参照のこと。「構造化ポリマー」は、ブロック、分枝鎖、グラフトまたは星型構造を有するポリマーを意味する。構造化ポリマーの例には、米国特許第5,085,698号明細書に開示されるものなどのABまたはBABブロックコポリマー、欧州特許第0556649号明細書に開示されるものなどのABCブロックコポリマー、および米国特許第5,231,131号明細書に開示されるものなどのグラフトポリマーが含まれる。使用可能な他のポリマー分散剤は、例えば、米国特許第6,117,921号明細書、米国特許第6,262,152号明細書、米国特許第6,306,994号明細書および米国特許第6,433,117号明細書に記載される。
顔料粒子の分散体
重合的に分散された顔料のための分散ステップは、超音波装置、メディアミル、水平ミニミル、アトライターにおいて、または少なくとも5,000psiの液体圧力で液体ジェット相互作用チャンバー中で複数のノズルを通して混合物を通過させ、水性キャリア媒体中で顔料粒子の均一な分散体を製造することによって達成されてもよい(マイクロ流動化装置)。メディアミル用の媒体は、ジルコニア、YTZおよびナイロンを含む一般に入手可能な媒体から選択される。媒体は約0.1ミクロン程度の小ささであることができるが、0.のミクロンより大きい粒子が一般に使用される。これらの様々な分散体プロセスは、米国特許第5,022,592号明細書、米国特許第5,026,427号明細書、米国特許第5,891,231号明細書、米国特許第5,679,138号明細書、米国特許第5,976,232号明細書および米国特許出願公開第20030089277明細書によって例示されるように、当該技術において周知の一般的な意味である。メディアミルが好ましく、そして少なくとも5,000psiの液体圧力で液体ジェット相互作用チャンバー内の複数のノズルに混合物を通過させることである。プロセスの間に必要とされる混合強度は、より少ない混合プロセスの乱暴な混合ではなく、分散体プロセスと通常関連する混合である。
分散装置の組み合わせが使用されてもよい。高速分散装置(HSD)で溶媒混合物、粒子およびポリマー分散剤を混合し、それに続いて、メディアミルまたはマイクロ流動化装置で製粉することが、より都合がよい。極性溶媒の添加は、プロセスのHSD部分の間に生じてもよく、次いで、メディアミルにおいて製粉が継続される。
粒子分散体の最終使用は、溶媒が粒子分散体混合物から除去されることを必要としてもよい。溶媒は、蒸留処理、限外ろ過または他の都合のよい手段によって除去されてもよい。これらの溶媒除去方法のいずれも、プロセスに組み込まれてもよい。分散装置および溶媒除去は連結していてもよく、そして溶媒は、分散プロセスの間、および極性溶媒の追加の間に除去されてもよい。
分散プロセスの進行を監視する1つの方法は、粒径を測定し、混合物の最終D50のターゲット値を設定することである。インクジェットインクに使用される典型的な顔料に関して、D50のターゲット値は、125nm以下、好ましくは100nm未満である。また、D95および204nm未満の粒子も、顔料分散体の試験基準として使用することができる。
多種多様な有機および無機顔料は、単独で、または組み合わせて、このプロセスによる分散のために選択されてもよい。分散された顔料は、ペイント、インク、特にインクジェットインクで使用されてもよい。用語「顔料」は、本明細書で使用される場合、不溶性着色剤を意味し、本出願において、分散染料を含む。顔料粒子は、インクジェット印刷装置を通って、特に噴射ノズルでのインクの自由な流れを可能にするために十分小さく、通常、約10ミクロン〜約50ミクロンの直径を有する。粒径は、インクの寿命を通して重要な、顔料分散体安定性に対する影響も有する。微粒子のブラウン(Brownian)運動は、粒子が凝集することを防ぐために有用である。最大色強度および光沢のためにも、小さな粒子を使用することが望ましい。
分散顔料は、分散プロセスの後、分散顔料の精製のために使用される濾過、限外ろ過または他のプロセスによって精製されてもよい。
架橋されたポリマー分散剤
顔料分散体が調製された後、ポリマー分散剤は架橋されてもよい。
アセトアセトキシ、酸、アミン、エポキシ、ヒドロキシル、ブロック化イソシアネートおよびそれらの混合物を含む架橋性部分で置換されたポリマー分散剤では、架橋が可能である。典型的に、架橋剤は、架橋を実行するために添加される。典型的な架橋剤は、アセトアセトキシ、酸、アミン、無水物、エポキシ、ヒドロキシル、イソシアネート、ブロック化イソシアネートおよびそれらの混合物を含む。典型的に、顔料が分散された後にポリマー分散剤の架橋が実行される。架橋ステップの後、過剰量のポリマー分散剤は、限外ろ過などの精製プロセスによって除去することができる。
架橋部分/架橋剤の対の特定の例は、ヒドロキシル/イソシアネートおよび酸/エポキシである。
この架橋プロセスによって、安定な分散顔料が製造される。この安定な顔料分散体は、分散体が少なくとも1週間、室温で貯蔵される場合に10%未満の粒径成長を有し、凝集しないものである。1週間またはそれ以上の試料の加熱による促進試験を伴うより厳密な試験を、粒子分散体の安定性を決定するために使用することもできる。最適な粒子分散体安定性は、分散体の特徴および/または最終使用次第である。安定な分散粒子の別の基準は、通常の分散プロセス条件で、ゲルに変化することなく、または他の不都合な特性を有することなく、加工することができるということである。
成分の量/比率
インクジェットインクに関して、ポリマーインク添加剤の量は、全インク組成物の重量に基づき、0.05〜12重量%の範囲であることができる。あるいは、量は0.2〜7重量%であることができる。
インクジェットインクに関して、顔料対ポリマー分散剤の質量比は、0.33〜400の範囲であることができる。この比率は、顔料の質量および分散体に添加されるポリマー分散剤の質量に基づく。有機顔料に関して、比率は0.33〜12、任意に0.5〜10である。無機顔料に関して、比率は3〜400、任意に5〜200である。
有機顔料の場合、インクジェットインクは、インクの全インク重量に基づき、約30重量%、任意に0.11〜25重量%、さらに0.25〜15重量%の顔料を含有してもよい。無機顔料が選択される場合、一般に無機顔料は有機顔料より高い密度を有するため、インクは、有機顔料を利用する相当するインクよりも、より高い重量パーセントの顔料を含有する傾向があり、そして場合によっては、インクは75重量%程度の高さであってもよい。無機顔料の例は、二酸化チタン、酸化鉄などが含まれる。
水性キャリア媒体
上記のカプセル化された顔料を利用するインクジェットインクのための水性キャリア媒体(水性媒体)は、水、または水と少なくとも1種の水混和性有機溶媒との混合物である。適切な混合物の選択は、所望の表面張力および粘度などの特定の用途の必要条件、選択された顔料、着色インクジェットインクの乾燥時間、そしてインクが印刷される紙の種類次第である。選択されてもよい水溶性有機溶媒の代表的な例には、(1)アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコールおよびテトラヒドロフルフリルアルコール;(2)ケトンまたはケトアルコール、例えば、アセトン、メチルエチルケトンおよびジアセトンアルコール;(3)エーテル、例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン;(4)エステル、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレン;(5)多価アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール1,2,6−ヘキサントリオールおよびチオジグリコール;(6)アルキレングリコールから誘導された低級アルキルモノ−またはジエーテル、例えば、エチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、ジエチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、プロピレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテルおよびジエチレングリコールジメチル(または−エチル)エーテル;(7)窒素含有環状化合物、例えばピロリドン、Nメチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ならびに(8)硫黄含有化合物、例えば、ジメチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホンが含まれる。
水とジエチレングリコールなどの多価アルコールとの混合物は、水性キャリア媒体として好ましい。水とジエチレングリコールとの混合物の場合、水性キャリア媒体は、通常、30%の水/70%のジエチレングリコール〜95%の水/5%のジエチレングリコールを含有する。好ましい比率は、約60%の水/40%のジエチレングリコール〜約95%の水/5%のジエチレングリコールである。パーセントは、水性キャリア媒体の全重量に基づく。水とブチルカルビトールとの混合物も有効な水性キャリア媒体である。
インク中の水性キャリア媒体の量は、インクの全重量に基づき、典型的に70%〜99.8%、好ましくは80%〜99.8%の範囲にある。
水性キャリア媒体は、グリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールなどの界面活性剤または浸透剤を含むことによって、急速に浸透(急速に乾燥)するように製造することができる。グリコールエーテルには、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、およびジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテルが含まれる。1,2−アルカンジオールは、好ましくは1,2−C4〜6アルカンジオール、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。適切な界面活性剤には、エトキシル化アセチレンジオール(例えば、Air ProductsからのSurfynols(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第1級(例えば、ShellからのNeodol(登録商標)シリーズ)および第2級(例えば、Union CarbideからのTergitol(登録商標)シリーズ)アルコール、スルホサクシネート(例えば、CytecからのAerosol(登録商標)シリーズ)、有機シリコーン(例えば、WitcoからのSilwet(登録商標)シリーズ)そして、フルオロ界面活性剤(例えば、DuPontからのZonyl(登録商標)シリーズ)が含まれる。
添加されるグリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールの量は、適切に決定されなければならないが、典型的に、インクの全重量に基づき、1〜15重量%、より典型的に2〜10重量%の範囲である。界面活性剤は、インクの全重量に基づき、典型的に0.01〜5%、好ましくは0.2〜4%の量で使用されてもよい。
他の添加剤
他の成分、添加剤は、そのような他の成分がインクジェットインクの安定性および噴射性に干渉しない範囲で、インクジェットインクに調製されてもよい。当業者は、これを通常の実験によって容易に決定し得る。
界面活性剤は、一般に表面張力および湿潤特性を調節するためにインクに添加される。適切な界面活性剤には、上記の媒体の項目で開示されるものが含まれる。界面活性剤は、インクの全重量に基づき、典型的に約5%まで、より典型的に2重量%までの量で使用される。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−五酢酸(DTPA)およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)およびそれらの塩などの金属イオン封鎖(またはキレート)剤を含有することは、例えば、重金属不純物の悪影響を排除するために有利となり得る。
耐久性または他の特性を改善するために、ポリマーがインクに添加されてもよい。ポリマーは、媒体中で可能性であることができるか、または分散された形態であることができ、かつイオン性または非イオン性であることができる。可溶性ポリマーは、直鎖ホモポリマーおよびコポリマー、またはブロックポリマーを含む。それらは、グラフトまたは分枝鎖ポリマー、星型およびデンドリマーを含む構造化ポリマーであることも可能である。分散ポリマーは、例えば、ラテックスおよびヒドロゾルを含んでもよい。ポリマーは、限定されないが、フリーラジカル、基移動、イオン性、縮合および他の種類の重合を含み得る製造プロセスによって製造されてよい。それらは、溶液、エマルジョンまたは懸濁重合プロセスによって製造されてもよい。ポリマー添加剤の典型的な種類には、アニオン性アクリル、スチレン−アクリルおよびポリウレタンポリマーが含まれる。
ポリマーが存在する場合、その量は、インクの全重量に基づき、典型的に約0.01%〜約3重量%である。上限は、インク粘度または他の物理的限界によって指定される。
インクセット
用語は「インクセット」は、インクジェット印刷機が噴射のために備える全ての個々のインクまたは他の流体を指す。インクセットは、典型的に、少なくとも3つの異なる色のインクを含んでなる。たとえば、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)インクは、CMYインクセットを形成する。より典型的に、インクセットは少なくとも4つの異なる色のインクを含み、例えば、CMYインクセットにブラック(K)インクを添加することによって、CMYKインクセットが形成される。インクセットのマゼンタ、イエローおよびシアンインクは、典型的に水性インクであって、着色剤として、染料、顔料またはそれらの組合せを含有してもよい。そのような他のインクは、一般的な意味で当業者に周知である。
典型的なCMYKインクに加えて、インクセットは、オレンジインク、グリーンインク、レッドインクおよび/またはブルーインクなどの異なる色のインク、ならびに全強度および淡強度インク、例えば、淡シアンおよび淡マゼンタの組み合わせを含む、1つまたはそれ以上の「色域を拡張する」インクをさらに含んでもよい。そのような他のインクは、一般的な意味で当業者に既知である。
典型的なインクセットは、マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックインクを含んでなり、ブラックインクは、水性媒体および自己分散カーボンブラック顔料を含んでなる本開示によるインクである。特に、マゼンタ、イエローおよびシアンインクのそれぞれの中の着色剤は、染料である。
インク特性
噴射速度、液滴の分離長さ、液滴径および流れ安定性は、インクの表面張力および粘度に非常に影響を受ける。着色インクジェットインクは、典型的に、25℃で約20ダイン/cm〜約70ダイン/cmの範囲の表面張力を有する。粘度は、25℃で30cP程度の高さであることができるが、典型的にいくらかより低い。インクは、広範囲にわたる噴射条件、すなわち、ピエゾ素子の駆動周波数、またはドロップオンデマンドデバイスもしくは連続デバイスのサーマルヘッドの噴射条件、ならびにノズルの形状および径と適合可能な物理的特性を有する。インクは、インクジェット装置中で有意な範囲で詰まらせないために、長期間の優れた貯蔵安定性を有さなければならない。さらにまた、インクは、それが接触するインクジェット印刷装置の部品を腐食してはならず、かつ、それは本質的に無臭および非中毒性でなければならない。
いずれかの特定の粘度範囲またはプリントヘッドに制限されないが、本発明のインクセットは、特に、サーマルプリントヘッドにおいて必要とされるものなどの、より低粘度の用途に適切である。したがって、25℃における本発明のインクの粘度は、約7cP未満、典型的に約5cP未満、より典型的に約3.5cP未満であることができる。サーマルインクジェットアクチュエータは、インク液滴を噴射するために、瞬間的な加熱/気泡形成に依存し、そして液滴形成のこの機構は、一般により低粘度のインクを必要とする。
基材
本実施形態は、特に、普通紙、例えば、一般的な電子写真コピー紙および写真紙、光沢紙およびインクジェット印刷機で使用される同様の紙などにおける印刷のために有利である。
以下の実施例は、本開示の様々な実施形態を、限定することなく例示する。ここで記載される試験は、試験顔料分散体およびインクジェットインクに一般に使用されるものである。
顔料分散体およびインクの粒径は、Honeywell/Microtrac(Montgomeryville PA)からのMICROTRAC UPA 150分析器を使用して、動的光散乱によって決定した。
この技術は、粒子の速度分布および粒径の関係に基づく。レーザ生成光は各粒子から散乱して、粒子のブラウン運動によってドップラーシフトする。シフトした光およびシフトしていない光の周波数差異を増幅して、デジタル化し、分析して粒径分布を回収する。結果は、D50およびD95、ならびに204nm未満の粒子として報告される。
ポリマーインク添加剤のMW特徴決定
予測された分子量および分子量分布を確認するために、ゲル透過クロマトグラフィーまたはGPCを使用した。GPCシステムは、40℃に設定されたWaters Column Heaterセットと連続して、Waters 1515 Isocratic HPLC Pump、Waters 2414 Refractive Index Detector、717 plus Waters Autosampler、Four Styregel Columns(HR0.5、HR1、HR2およびHR4)を含んだ。試料を、1mL/分の流速でテトラヒドロフラン(THF)に溶離した。幅が狭い分子量、ポリメチルメタクリレート(PMMA)標準から校正曲線を作成して、Breeze 3.30 Softwareを使用して試料を分析した。Polymer Laboratories Ltd.からの光散乱データに基づき、PMMA標準の公称ピーク分子量は、300000、150000、60000、30000、13000、6000、2000および1000であった。
EpsonおよびHP印刷機を用いて様々な基材に印刷することによってインクを試験した。普通紙、光沢紙およびパンフレット紙を試験した。
光学密度は、Greytag−Macbeth SpectroEye(商標)機器(Greytag−Macbeth AG,Regensdorf,Switzerland)を使用して測定した。
ポリウレタン分散剤
窒素雰囲気下、滴下漏斗、凝縮器および撹拌器を備えた乾燥した塩基および酸を含まないフラスコに、Terathane 650、DMPA、スルホランおよびDBTLを添加した。得られた混合物を60℃まで加熱し、完全に混合した。この混合物に、フラスコに取り付けられた滴下漏斗を介してIDPIを添加し、続いて、スルホランを用いて、滴下漏斗中に残ったいずれのIDPIもフラスコ中にすすぎ入れた。反応混合物の温度を85℃まで高め、1.2%以下のイソシアネート含有量が達成されるまで85℃で維持した。次いで、温度を60℃まで冷却し、5分間かけて滴下漏斗を介してDEAを添加し、続いて、スルホランを用いて、滴下漏斗中に残ったいずれのDEAもフラスコ中にすすぎ入れる間、温度を60℃に維持した。1時間、60℃の温度に保持した後、10分間かけて滴下漏斗を介してKOH水を添加し、続いて、脱イオン水を添加した。混合物を1時間60℃に保持し、そして室温まで冷却して、80mg/KOHの酸価および20.16%の固体を有するポリウレタン分散剤を提供した。
着色分散体の調製
着色分散体は、カーボンブラック顔料によって調製した。ポリウレタン分散剤を用いて着色分散体を調製するために、以下の手順を使用した。プレミックスは、典型的に20〜30%の顔料添加で調製し、そして標的分散剤度は、約3.0の顔料/分散剤(P/D)比に選択された。任意に、プレミックス段階における顔料湿潤および分散剤の溶解ならびに製粉段階における粉砕の容易さを促進するため、全分散体調製物の10%で補助溶媒を添加した。他の同様の補助溶媒は適切であるが、トリエチレングリコールものブチルエーテル(Dow Chemicalから供給されるTEB)が選択の補助溶媒であった。上記の通りに調製されたポリウレタン分散剤は、水への溶解性および溶解性を促進するために、KOHによって予め中和することができる。プレミックス段階の間、顔料濃度は典型的に27%に維持され、その後、製粉段階の間、最適なメディアミル粉砕条件のための脱イオン水の添加によって、約24%まで低下される。典型的に4時間の製粉段階の完了後、残りの脱イオン水を添加し、完全に混合した。
補助溶媒を用いて処理される全ての着色分散体は、補助溶媒を除去して、存在し得る他の不純物をろ過するための限外ろ過プロセスを使用して精製された。完了後、分散体の顔料量は約10〜15まで低下した。
架橋ブラック顔料分散体1の調製
架橋ステップにおいて、架橋化合物、Denacaol 321を上記の着色分散体と混合し、そして効率的に撹拌しながら、6〜8時間、60℃〜80℃で加熱した。架橋反応の完了後、必要であればpHを少なくとも約8.0まで調節した。
結合剤インク添加剤の調製
インク添加剤1:20HPCA/60BzMA/20MAA
機械式撹拌器、水冷凝縮器および窒素パージを備えた2L丸底反応器に、128.7gの2−ピロリドン(95%/5%の水)および25.8gのイソプロパノールを添加した。混合物を123〜126℃で20分間還流した。モノマー(222.4gのベンジルメタクリレート、74.2gのメタクリル酸、および105.6gのヒドロキシプロピルカルバメートアクリレート、BASFからのエタノール中70%のHPCA)を混合し、500mL滴下漏斗で添加した。開始剤(14.87gのWako V−501、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を、2−ピロリドン(370.6g)と混合し、そして一旦透明溶液が得られたら、第2の500mL滴下漏斗で添加した。反応器へのモノマーの最初の10%の添加後、わずかな還流、125〜128℃を維持しながら、開始剤およびモノマー供給を4時間にわたって同時に供給した。還流反応時間の追加後、第2の開始剤混合物(2.23gのWako V−501および55.6gの2−ピロリドン)1時間かけて添加し、続いて、さらに40分間還流させ、反応を終了させた。溶液をさらに130〜132℃で加熱し、備え付けられたディーントラップによって、IPAおよび他の揮発性物質を除去した。HPLCによる残留モノマーは、0.2%のMAA、0.9%のBzMAおよび0.2%のHPCAであった。最終アクリル溶液は、40.20%の固体含有量、156.35mgのKOH/g固体の酸価、ならびにMn 7592のGPCによる分子量、およびPD 2.02を有した。
インク添加剤2:20HPCA/60BMA/20MAA
機械式撹拌器、水冷凝縮器および窒素パージを備えた2L丸底反応器に、128.8gの2−ピロリドン(95%/5%の水)および25.7gのイソプロパノールを添加した。混合物を116〜118℃で25分間還流した。モノマー(222.4gのブチルメタクリレート、74.1gのメタクリル酸、および105.9gのヒドロキシプロピルカルバメートアクリレート、BASFからのエタノール中70%のHPCA)を混合し、500mL滴下漏斗で添加した。開始剤(14.83gのWako V−501、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を、2−ピロリドン(370.6g)と混合し、そして一旦透明溶液が得られたら、第2の500mL滴下漏斗で添加した。反応器へのモノマーの最初の10%の添加後、わずかな還流、116〜120℃を維持しながら、開始剤およびモノマー供給を4時間にわたって同時に供給した。還流反応時間の追加後、第2の開始剤混合物(2.23gのWako V−501および55.6gの2−ピロリドン)1時間かけて添加し、続いて、さらに1時間還流させ、反応を終了させた。溶液をさらに131℃で加熱し、備え付けられたディーントラップによって、IPAおよび他の揮発性物質を除去した。HPLCによる残留モノマーは、0.1%のMAA、0.1%のBMAおよび0.2%のHPCAであった。最終アクリル溶液は、40.28%の固体含有量、162.83mgのKOH/g固体の酸価、ならびにMn 9570、Mw 18103のGPCによる分子量、およびPD 1.89を有した。
インク添加剤3:20HPCA/70BMA/10MAA
機械式撹拌器、水冷凝縮器および窒素パージを備えた2L丸底反応器に、128.7gの2−ピロリドン(95%/5%の水)および25.8gのイソプロパノールを添加した。混合物を110℃で25分間還流した。モノマー(260.0gのブチルメタクリレート、37.1gのメタクリル酸、および106.0gのヒドロキシプロピルカルバメートアクリレート、BASFからのエタノール中70%のHPCA)を混合し、500mL滴下漏斗で添加した。開始剤(14.83gのWako V−501、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を、2−ピロリドン(370.6g)と混合し、そして一旦透明溶液が得られたら、第2の500mL滴下漏斗で添加した。反応器へのモノマーの最初の10%の添加後、わずかな還流、110〜125℃を維持しながら、開始剤およびモノマー供給を4時間にわたって同時に供給した。還流反応時間の追加後、第2の開始剤混合物(2.22gのWako V−501および55.6gの2−ピロリドン)1時間かけて添加し、続いて、さらに1時間還流させ、反応を終了させた。溶液をさらに131℃で加熱し、備え付けられたディーントラップによって、IPAおよび他の揮発性物質を除去した。最終アクリル溶液は、38.41%の固体含有量、97.76mgのKOH/g固体の酸価、ならびにMn 9378、Mw 29231のGPCによる分子量、およびPD 3.12を有した。
インク添加剤1〜3の特性を下記の表1に記載する。
Figure 2016532749
インク添加剤1〜3を、滴定値で90%塩基性までKOH水で中和し、そしてポリマー固体含有量が17〜20%に達するまで、水中で分散した。
インク調製
下記の表2に記載される成分を使用して、インク1〜4を調製した。
Figure 2016532749
耐久性試験
次いで、#9ブレードを使用して、インクをHP multipurposeおよびXerox 4200紙にドローダウンし、そして10、20、30、40、60および80秒後、そして、Xerox 4200紙の小部分に汚れをつけた。ドローダウンから紙へ移されるインクの量を視覚的に評価し、そして結果を下記の表3に示す。
Figure 2016532749
ポリマーを含有する本発明のインクは、対照インクと比較して、改善されたスマッジ耐性を示した。

Claims (20)

  1. 着色剤と、水性媒体と、結合剤としてのポリマーインク添加剤とを含んでなる水性インクジェットインクであって、前記ポリマーインク添加剤が、ランダムまたは構造化ポリマーであり、かつ少なくとも3種のモノマーA、BおよびCを含んでなり、モノマーAが疎水性アクリレートモノマーであり、モノマーBが親水性アクリルモノマーであり、かつモノマーCが、式(I):
    Figure 2016532749
    (式中、Wは、OまたはNHであり、
    は、C〜Cアルキルであり、
    、R、R、RおよびRは、独立して、HまたはC〜Cアルキルである)の構造を有するアクリレートモノマーである、水性インクジェットインク。
  2. 前記モノマーAが、ベンジルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルエタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートおよびスチレンからなる群から選択される、請求項1に記載のインク。
  3. 前記モノマーBが、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、クロトン酸、クロトン酸モノエステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピリジンおよび2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸からなる群から選択される、請求項2に記載のインク。
  4. WがOである、請求項3に記載のインク。
  5. がCHCH(CH)である、請求項4に記載のインク。
  6. およびRがHである、請求項5に記載のインク。
  7. およびRがC〜Cアルキルである、請求項5に記載のインク。
  8. がCである、請求項4に記載のインク。
  9. およびRがHである、請求項8に記載のインク。
  10. およびRがC〜Cアルキルである、請求項8に記載のインク。
  11. がCHである、請求項4に記載のインク。
  12. およびRがHである、請求項11に記載のインク。
  13. およびRがC〜Cアルキルである、請求項11に記載のインク。
  14. WがNHである、請求項3に記載のインク。
  15. がCHである、請求項14に記載のインク。
  16. およびRがHである、請求項15に記載のインク。
  17. およびRがC〜Cアルキルである、請求項15に記載のインク。
  18. がCである、請求項14に記載のインク。
  19. およびRがHである、請求項18に記載のインク。
  20. およびRがC〜Cアルキルである、請求項18に記載のインク。
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