本願出願人は、本願と同日に出願され、それぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる、以下の特許出願も所有している。
−米国特許出願、名称「FIRING MEMBER RETRACTION DEVICES FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7293USNP/130016、
−米国特許出願、名称「SECONDARY BATTERY ARRANGEMENTS FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7294USNP/130017、
−米国特許出願、名称「ERROR DETECTION ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」、代理人整理番号END7295USNP/130018、
−米国特許出願、名称「ATTACHMENT PORTIONS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」、代理人整理番号END7296USNP/130019、
−米国特許出願、名称「TAMPER PROOF CIRCUIT FOR SURGICAL INSTRUMENT BATTERY PACK」、代理人整理番号END7297USNP/130020、
−米国特許出願、名称「CLOSURE INDICATOR SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7298USNP/130021、
−米国特許出願、名称「TORQUE OPTIMIZATION FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7299USNP/130022、
−米国特許出願、名称「SHROUD RETENTION ARRANGEMENT FOR STERILIZABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END73000USNP/130023、
−米国特許出願、名称「CONDUCTOR ARRANGEMENTS FOR ELECTRICALLY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH ROTATABLE END EFFECTORS」、代理人整理番号END7301USNP/130024、
−米国特許出願、名称「END EFFECTOR DETECTION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7302USNP/130025、
−米国特許出願、名称「FIRING TRIGGER LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7303USNP/130026、
−米国特許出願、名称「MOTOR−POWERED ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END7305USNP/130028。
ここで、本明細書に開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び用途の原理を総合的に理解するために、特定の例示的実施形態について記載する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者は、本明細書で具体的に説明され、添付図面に示される装置及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本発明の様々な実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。ある例示的実施形態との関連において図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
用語「備える(comprise)」(並びにcomprises及びcomprisingなど、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(並びにhas及びhavingなど、haveの任意の語形)、「含む(include)」(並びにincludes及びincludingなど、includeの任意の語形)、「含有する(contain)」(並びにcontains及びcontainingなど、containの任意の語形)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ以上の要素を有しているが、それら1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の構造部を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の構造部を有しているが、それら1つ以上の構造部のみを有することに限定されない。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。便宜上、及び明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、「下」などの空間的用語は、本明細書において、図面に対して使用されることがあることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの方向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書で開示する様々な方法及びデバイスは、例えば、開放的な外科的処置と関連することを含めて、多数の外科的処置及び用途で使用できることが、当業者には容易に理解されるであろう。この「発明を実施するための形態」を読むにつれ、当業者は、本明細書に開示される様々な器具は、例えば、自然孔を通して、又は組織に形成された切開孔若しくは穿刺穴を通してなど何らかの方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作動部分、すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入できる、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを通過させることが可能な作業用チャンネルを有するアクセス装置を介して挿入され得る。
図1は、例えば、Zemlok‘763及び/又はZemlok‘344(それぞれがその全体を参照することによって本明細書に組み込まれている)に開示されている外科用器具(その様々な特徴部、構成部品、及びサブコンポーネントを含む)に多くの点で類似し得る、動力付き外科用器具10を示す。図1に示される外科用器具10は、器具の手動操作及び稼働を容易にするためのハンドル部14を有する、ハウジング12を備える。したがって、本明細書で使用するとき、用語「ハウジング」は、手持ち型、ないしは別の方法で手動操作可能な装置を包含してよい。しかしながら、用語「ハウジング」は、手持ち型であることは意図されないが、システムの様々な構成要素、部分、及び/又は作動装置によって別の方法で操作され、作動可能な、ロボット制御システムなどの自動外科用器具システムの部分も包含してよい。
内視鏡部分の形態の細長いシャフトアセンブリ16は、ハウジング12から突出し、それに加えられる発射運動に反応して少なくとも1つの外科的手技を行うように構成されている外科用エンドエフェクタに、動作可能に取り付けられるように構成されている。かかる外科用エンドエフェクタは、例えば、エンドカッター、把持器具、又は、1対のジョーであって、1つのジョーが別のジョーに対して選択的に移動可能であるか、若しくは、いくつかの構成では、両方のジョーが互いに対して移動可能であるジョーを含み得る他の装置を備えてよい。更なる例として、外科用エンドエフェクタは、図2及び3に示されるような「装填ユニット」20などの、組織を切断かつステープル留めするように構成されている装置を備えてよい。装填ユニット20などの外科用エンドエフェクタを、本明細書に詳述されるように、例えば、動力付き外科用器具10の細長いシャフトアセンブリ16に取り外し可能に取り付けることができる。
図2及び3は、外科用器具10と共に使用できる装填ユニット20の1つの代表的な形態を示す。かかる装填ユニット20は、上記米国特許出願公開(それぞれがその全体を参照することによって本明細書に組み込まれている)に開示されている装填ユニット、並びに、例えば、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENts」という名称の米国特許出願公開第2012−0298719A1号(この開示はその全体を参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている装填ユニットに類似し得る。
図2に示されるように、装填ユニット20は、内部のステープルカートリッジ26を動作可能に支持するキャリア24に対する旋回移動に対応している、アンビルアセンブリ22を備える。装着アセンブリ28は、カートリッジキャリア24に旋回式に連結し、器具の長手方向軸「LA−LA」に直交する関節屈曲軸「AA−AA」を中心としてキャリア24を旋回可能にする関節屈曲継手27を形成する。図3を参照すると、装着アセンブリ28は、例えば、上側及び下側取り付け部30及び32を備えてよい。各取り付け部30、32は、そのキャリア24の近位端を固定するために、その各側に、ねじ付きボルト(図示せず)を受容するサイズのねじ付き穴34を備えてよい。1対の中央に位置する枢動部材36は、ハウジング部40の遠位端と係合する1対の連結部材38を介して、上側取り付け部と下側取り付け部との間に延在し得る。連結部材38はそれぞれ、ハウジング部40の近位端に形成された溝42内に収容され、装着アセンブリ30及びハウジング部40を長手方向固定位置に保持するように構成されている、インターロック近位部39を備えてよい。
図3に更に示されるように、装填ユニット20のハウジング部40は、それぞれが外部ケーシング50内に収容されるように構成されている、上側ハウジング半体44と、下側ハウジング半体46と、を備えてよい。ハウジング半体44の近位端は、細長いシャフトアセンブリ16の遠位端を取り外し可能に係合するための係合突起部48を備えてよい。突起部48は、例えば細長いシャフトアセンブリ16の遠位端との「バヨネット型」連結を形成してよい。様々な連結装置が本明細書に詳述される。ハウジング半体44、46は、軸方向に移動可能な駆動梁60を摺動可能に収容するための溝47を画定してよい。第2関節屈曲連結部70は、ハウジング半体44と46との間に形成されたスロット72内に摺動可能に配置されるような寸法であってよい。1対の「ブローアウト」プレート74を、軸方向駆動梁60の遠位端に隣接するハウジング部40の遠位端に隣接して位置づけ、キャリア24の関節屈曲中の駆動梁60の外側への張出しを阻止することができる。
駆動梁60は、遠位作動ヘッド62と、近位係合部64と、を備えてよい。駆動梁60は、単一シート材料から、又は好ましくは、複数の積層シートから構成されてよい。係合部64は、駆動部材66内に形成された1対の対応する保持スロットを取り付けるように係合する寸法であり、かつそのように構成されている1対の係合指部を備えてよい。駆動部材66は、装填ユニット20の近位端が外科用器具10の細長いシャフトアセンブリと係合すると、発射ロッドの遠位端を収容するように構成されている近位ポートホール67を備えてよい。遠位作動ヘッド62は、内部に形成された組織切断部63を有してよい。遠位作動ヘッド62は、遠位作動ヘッド62がステープルカートリッジ26を通って遠位に駆動されると、アンビルアセンブリ22を係合し、それをアンビル22とステープルカートリッジ26との間の組織をクランプする閉鎖位置まで枢軸旋回するように構成されている、1対のピン65を更に備えてよい。遠位作動ヘッド62上の組織切断部63は、ステープルカートリッジ26内に支持されている外科用ステープル(図示せず)が、既知の様式でアンビル22との接触部を形成するように駆動されるとき、クランプした組織を切開するのに使用される。例えば、遠位作動ヘッド62は、ステープルカートリッジ26中に移動可能に支持されているスレッド(図示せず)を軸係合し、かつこれを前進させるように構成されている。スレッドが駆動部材66によって遠位方向に駆動されると、スレッドはステープルと関連している押子(図示せず)に接触し、押子によって、装填ユニット20上のアンビル22との係合部を形成するように、カートリッジ26からステープルを送り出す。
図1に示されるように、外科用器具10は、例えば以下で更に詳述するような、装填ユニット20に発射運動を与えるために使用され得る回転作動運動を生成するように構成されている、モーター100を備える。少なくとも1つの形態では、例えば、モーター100は、全体を通して82と表記される発射部材アセンブリに、回転作動運動を与えるように構成されている。1つの構成では、例えば、発射部材アセンブリ82は、ハウジング12内に回転可能に支持され、内部に形成された雌ねじ(図示せず)を有する、駆動チューブ102を備える。発射ロッド104の近位ねじ付き部分は、駆動チューブ102の回転によって発射ロッド104の軸方向移動が生じるように、駆動チューブ102と螺合して支持される。発射ロッド104は、装填ユニット20内の駆動梁60の内部をねじ止めにより接続できる。上記の組み込まれたZemlok‘763及びZemlok‘344に更に詳述されるように、第1方向(例えば、反時計方向)への駆動チューブ102の回転により、発射ロッド104が駆動部材60を遠位方向に前進させる。装填ユニット20内の駆動部材60の遠位方向への初期前進により、アンビル22をステープルカートリッジ26に向かって旋回させる。駆動部材60が遠位方向「DD」に初期駆動されると、アンビル22は、アンビル22を閉鎖位置までカム運動させる駆動部材60上のピン65によって作動される。発射ロッド104、最終的には装填ユニット20を通って駆動部材60の更に遠位への移動により、アンビル22上のステープル形成底面との接触を形成するようにステープルを駆動させる。
図1に更に示されるように、外科用器具10は、全体を通して109と表記される関節屈曲システムを備えてよい。しかしながら、外科用器具10は、本明細書に詳細に開示される様々なその他関節屈曲システム装置を備えてよい。少なくとも1つの形態では、関節屈曲システム109は、関節屈曲モーター112と、手動関節屈曲ノブ114と、を備える関節屈曲機構110を備えてよい。関節屈曲モーター112を、動力付き関節屈曲スイッチ116によって、又は、手動関節屈曲ノブ114を旋回させることによって作動できる。関節屈曲モーター112の作動は、関節屈曲機構110の関節屈曲歯車118の回転につながる。関節屈曲機構110の作動により、エンドエフェクタ(例えば、装填ユニット20のカートリッジ/アンビル部)を、その軸が、細長いシャフトアセンブリ16の器具の長手方向軸「LA−LA」と実質的に一直線である第1位置から、エンドエフェクタの軸が、細長いシャフトアセンブリの器具の長手方向軸「LA−LA」に対して、例えば関節屈曲軸「AA−AA」を中心にある角度で配置される位置まで移動させることができる。関節屈曲機構110の様々な態様に関する更なる説明は、その全体を参照することによって先に本明細書に組み込まれたZemlok‘763において見いだすことができる。加えて、その全体を参照することによって開示全体が本明細書に組み込まれる、「SURGICAL STAPLING APPARATUS WITH POWERED ARTICULATION」という名称の米国特許第7,431,188号は、外科用器具10と共に使用できるモーター動力付きの関節屈曲可能なエンドエフェクタを開示する。
様々な実施形態では、外科用器具は少なくとも1つのモーターを備えてよく、これは、別の場所に詳述されるように、装填ユニット20に対する発射運動、及び/又は、関節屈曲システム109に対する関節屈曲をもたらすことができる。モーター100は、例えば、Zemlok‘763において更に詳述されている種類の電源200によって、給電されてよい。例えば、電源200は、再充電可能電池(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)を含んでよい。電源200が少なくとも1つの使い捨て電池を含んでよいことも想定される。使い捨て電池は、例えば、約9ボルト〜約30ボルトであってよい。しかしながら、他の電源も使用できる。図1は、電源200が複数の電池202を備える1つの例を示す。使用される電池202の数は、器具10の電流負荷要件に依存し得る。
特定の実施形態では、外科用器具10は、外科用器具10の少なくとも1つのモーターに給電するための二次電源を備えてよい。例えば、ここで図129を参照すると、外科用器具10は、外科用器具10を操作するためのエネルギーを供給するように構成できる電力システム2000を備えてよい。図129に示されるように、電力システム2000は、例えば、ハウジング12のハンドル部14内に設置でき、一次電源2002と、二次、つまりバックアップ電源2004を備えてよい。一次電源2002は、通常操作中の外科用器具10の操作用エネルギーを供給するように構成されてよく、二次電源2004は、外科用器具10の操作用エネルギーを供給するのに一次電源2002が使用できないとき、例えば、一次電源2002が消耗したとき、及び/又は、外科用器具10から外されたときに、少なくとも限られた容量で外科用器具10の操作用エネルギーを供給するように構成されてよい。例えば、二次電源2002は、外科的手技中に一次電源2002が消耗した場合、及び/又は、外科用器具10から外された場合に、外科用器具10を初期状態に回復させるためのエネルギーを供給するように構成されてよい。
図1を参照すると、他の場所に詳述されるように、例えば、電源200などの電源は、外科用器具10の操作のための電力を供給できる。例えば、電源200は、例えば、モーター100などのモーターに電力を供給し、駆動チューブ102の第1方向への回転と、最終的には、装填ユニット20を通して駆動梁60を遠位に駆動する発射ロッド104の軸方向の前進を起こすことができる。別の方法としては、電源200は、モーター100に電力を供給し、駆動チューブ102の第1方向と反対の第2方向への回転と、最終的には、駆動梁60をその最初の及び/又は既定の位置まで近位に移動し得る発射ロッド104の軸方向の後退を起こすことができる。同様に、一次電源2002は、モーター100に電力を供給し、外科用器具10の通常操作中に発射ロッド104を前進及び/又は後退するように構成されてよい。加えて、二次電源2004は、例えば、一次電源2002が消耗したとき、及び/又は、外科用器具10から外されたときなどに、一次電源2002が必要な電力を供給できなくなった場合に、発射ロッド104を既定位置まで後退させるのに要する電力を供給するように構成されてよい。
上記に加え、他の場所に詳述されるように、外科用器具10は、例えば、エンドエフェクタ20の関節屈曲角度(図2参照)、エンドエフェクタ20の作動状態、センサの測定値、発射数、組織深さ、及び/又は発射ロッド104の位置などの、外科的手技中の外科用器具10の操作に関する様々な情報を記録し、保存するように構成されてよい。特定の例では、かかる情報は、例えば、保存された情報の維持に電力を要し得るランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットなどの、揮発性つまり一時メモリに記録され、保存されてよい。外科用器具10の通常操作中、一次電源2002は、他の場所に詳述される他の電源と同様に、外科用器具10の揮発性つまり一時メモリユニット内に保存された情報を維持するのに要する電力を供給できる。加えて、二次電源2004は、例えば、一次電源2002が消耗したとき、及び/又は、外科用器具10から外されたときなど、一次電源2002が必要な電力を供給できなくなった場合に、保存された情報を一時的に維持するのに要する電力を供給できる。
特定の態様では、外科用器具10は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているZemlok‘763に開示されている種類及び構成の制御システム2005を備えてよい。かかる制御システム2005の構成及び操作に関する更なる詳細は、当該公開特許から入手できる。例えば、制御システム2005は、視覚又は聴覚表示などのユーザーインターフェイスを介して、ユーザーに対して警告又は器具の状態などの情報を、生成又は提供するように構成されてよい。制御システム2005によって生成された信号又は入力は、例えば、ユーザー、器具構成要素によって提供される他の信号又は入力に反応してもよく、あるいは器具10と関連付けられる1つ以上の測定値の関数であってもよい。外科用器具10の通常操作中、他の場所に詳述されるように、例えば、一次電源2002(図129参照)などの電源は、制御システム2005が、ユーザーインターフェイスを介したユーザーとの対話などの機能を実行できるのに要する電力を供給できる。加えて、二次電源2004は、例えば、一次電源2002が消耗したとき、及び/又は、外科用器具10から外されたときなどに、一次電源2002が必要な電力を供給できなくなった場合に、ユーザーインターフェイスを介したユーザーとの一時的対話に必要な電力を少なくとも限られた容量で供給できる。
ここで図130を参照すると、電力システム2000は、一次電源2002及び二次電源2004に連結され得る電力管理回路2006を含んでよい。電力管理回路2006は、半導体、コンピュータチップ、又はメモリを含むか、又は、それらと選択的に関連付けられてもよい。電力管理回路2006は、制御システム2005、一次電源2002、及び/又は二次電源2004を含むが、これらに限定されない、外科用器具10の様々な構成要素に、又はそれらから、アナログ又はデジタルの入力又は信号を送信又は受信するように構成されてよい。様々な態様では、電力管理回路2006は、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを利用して、一次電源2002及び/又は二次電源2004を含む外科用器具10の様々な構成要素を制御かつ監視するための入力信号を更に組織化できる、ソフトウェアを使用してよい。かかる組織化された入力信号は、電力管理回路2006によって測定及び/若しくは計算される基準の関数であってもよく、又はいくつかの場合、別の器具構成要素、ユーザー、若しくは電力管理回路2006と動作可能に通信する別個のシステムによって、電力管理回路2006に提供されてもよい。
再度図129を参照すると、一次電源2002は、器具10の電流負荷必要量に応じた1つ又は2つ以上の電池を備えてよい。様々な態様では、図129に示されるように、一次電源2002は、例えば、互いに直列に接続できる複数の電池2010を含み得る、バッテリーパック2008を備えてよい。バッテリーパック2008は交換可能であってよい。換言すれば、バッテリーパック2008は、外科用器具10から切り離して取り外し、別の同様のバッテリーパックと交換できる。特定の態様では、一次電源2002は、再充電可能電池(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)を含んでよい。電池2008は、例えば、CR 123A電池などの3ボルトのリチウム電池であってよいが、例えば、別の実施形態では、例えば、異なる電圧レベル及び/又は異なる化学的性質を有する電池などの異なる種類の電池を使用できる。ユーザーは、消耗した、つまり使用済みのバッテリーパック2008を外科用器具10から切り離して取り外し、充電したバッテリーパック2008を接続して外科用器具10に電力を供給できる。消耗したバッテリーパック2008は、その後充電され、再利用できる。一次電源2002が少なくとも1つの使い捨て電池を含んでよいことも想定される。様々な態様では、使い捨て電池は、例えば約9ボルト〜約30ボルトであってよい。ユーザーは、消耗した使い捨てバッテリーパック2008を切り離して取り外し、新しい使い捨てバッテリーパック2008を接続して外科用器具10に電力を供給できる。
上記のように、バッテリーパック2008は再充電可能電池を備えてよく、例えば、ハウジング12のハンドル部14内に取り外し可能に設置できる。かかる状況では、充電器台を使用してバッテリーパック2008を充電してよい。例えば、図131に示されるように、ハンドル部14内の場所からバッテリーパック2008を取り外し、充電器台2012に接続することによって、充電器台2012をバッテリーパック2008に接続できる。図131に示されるように、充電器台2012は、バッテリーパック2008を充電するための電源2014を備えてよい。充電器台2012の電源2014は、例えば、電池(若しくはいくつかの直列接続した電池)、又は、電源の主管からなどの交流電力を、直流若しくはバッテリーパック2008の充電に好適な任意のその他電源に変換するAC/DC変換器であってよい。充電器台2012は、バッテリーパック2008の充電状態を示す、LED、LCDディスプレイなどのインジケータ装置を備えてもよい。
加えて、図131に示されるように、充電器台2012は、例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサ2016、1つ又は2つ以上のメモリユニット2018、及びi/oインターフェイス2020、2022を備えてよい。第1のi/oインターフェイス2020によって、充電器台2012は、電源パック2008(電源パックのi/oインターフェイスを介して)と通信し、例えば、充電器台2012のメモリ2020に電源パック2008のメモリに保存されたデータをダウンロード可能にできる。様々な状況では、ダウンロードしたデータは、その後、例えば、器具10が関与する操作が行われる病院システム、外科医の診察室、器具の販売元、器具の製造業者などによって評価及び解析するために、第2のi/oインターフェイス2022を介して別のコンピュータ装置にダウンロードできる。
充電器台2012は、バッテリーパック2008の電池全体の充電量を測定する充電メーター2024を備えてもよい。充電メーター2024はプロセッサ2016と通信してよく、そうして、電池が期待通りに機能し得ることを確実にするため、プロセッサ2016がバッテリーパック2008の使用適合性をリアルタイムに判定できる。
再度図129を参照すると、二次電源2004は、例えばハンドル部14内に配置できる1つ又は2つ以上の電池2026を備えてよい。電池2026は再充電可能であってよい(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)。例えば、電池2026は、CR 123A電池などの3ボルトのリチウム電池であってよい。加えて、電池2026を、器具10から取り外さずに再充電されるように構成してよい。例えば、一次電源2002が器具10に連結されるとき、一次電源2002を利用して電池2026を充電してよい。
図132を参照すると、電力管理回路2006の代表的な実施形態が示される。特に、電力管理回路2006は、一次電源2002及び/又は二次電源2004の稼働に関連する電気的パラメータを監視するように構成されてよい。例えば、電力管理回路2006は、一次電源2002及び/又は二次電源2004の電力レベルを監視するように構成されてよい。図132に示されるように、電力管理回路2006は、一次電源2002及び/又は二次電源2004全体の充電量を測定するように構成され得る充電メーター2028を備えてよい。電力管理回路2006は、フラッシュ又はROMメモリなどの不揮発性メモリ2030と、例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサ2032と、を備えてもよい。プロセッサ2032をメモリ2030に接続し、これを制御してよい。加えて、プロセッサ2032を充電メーター2028に接続して、充電メーター2028の測定値を読み取る、ないしは別の方法で制御してよい。加えて、プロセッサ2032は、例えばLEDなどの電力管理回路2006の出力装置を制御してよい。
充電メーター2024及び/又は2028が、電圧、充電量、抵抗及び/又は電流を測定するように構成され得ることを、読者は理解するであろう。特定の例では、充電メーター2024及び/又は2028は、既定の負荷における電圧の状態を測定するよう構成され得る電池容量測定回路を備えてよい。
上記に加え、プロセッサ2032は、一次電源2002及び/又は二次電源2004に関する情報をメモリ2030に保存できる。その情報は、特に、使用可能な総充電量、使用回数、及び/又は性能を含んでよい。加えて、メモリ2030に保存された情報は、電力管理回路2006が読み取り、保存することが可能な一次電源2002のID値を含んでよい。かかるIDは、例えば、RFIDトランスポンダ2034を介して電力管理回路2006によって読み取られるRFIDであってよい。RFIDトランスポンダ2034は、RFIDタグを含む電源からRFIDを読み取ることができる。ID値が読み取られ、メモリ2030に保存され、プロセッサ2032によってメモリ2030又は電力管理回路2006に関連する別の保存場所に保存された許容可能なID値リストと比較して、例えば、読み取られたID値に関連する取り外し可能/交換可能な一次電源2002が認証されたもの及び/又は適切なものかどうかを判定できる。かかる状況では、プロセッサ2032が、読み取られたID値に関連する取り外し可能/交換可能な構成要素を認証しないと判定する場合、電力管理回路2006は、電力が器具10に送られるのを防ぐスイッチ(図示せず)を開放することなどによって、器具10の使用を防ぐように構成され得る。構成要素が認証されたもの及び/又は適切なものかどうかを判定するためにプロセッサ2032が評価し得る様々なパラメータとして、例えば、日付コード、構成要素の型式/種類、製造業者、地域情報、及び/又は事前のエラーコードが挙げられる。
上記に加え、電力管理回路2006は、例えば、器具10が関与する操作が行われる病院システム、外科医の診察室、器具の販売元、器具の製造業者などによって評価及び解析するために、メモリ2030に保存されたデータが別の装置にダウンロードできるように、別の装置、例えばコンピュータと通信するためのi/oインターフェイス2036を備えてもよい。i/oインターフェイス2036は、例えば、有線又は無線インターフェイスであってよい。
図133に示されるブロック図を参照すると、電力管理回路2006は、一次電源2002及び二次電源2004から、外科用器具10に電力を選択的に送ることができる。例えば、プロセッサ2032は、器具10に電力を供給するのに一次電源2002が使用可能であるときは一次電源2002から、器具10に電力を供給するのに一次電源2002が使用できないときは二次電源2004から、器具10に電力を送ることを可能にするようにプログラムされてよい。
器具10の通常操作中、プロセッサ2032は、上記のような一次電源2002の検出及び認証時に、一次電源2002による器具10への電力供給を可能にすることができる。例えば、一次電源2002が切り離された及び/又は消耗したときなど、一次電源2002が既定の最低充電レベルに達する、又はそのレベルを下回るまで、一次電源2002が器具10に電力供給し続けてよい。電力管理回路2006を利用して、一次電源2002がいつ既定の最低充電レベルに達したが、又はそのレベルを下回ったのかを判定できる。例えば、プロセッサ2032は、一次電源2002の充電レベルを監視し、電力管理回路2006のメモリ2030に保存され得る既定の最低レベルにいつ達したか、又はそのレベルを下回ったのかを検出するために、充電メーター2028又は別の同様の充電メーターを使用するように構成されてよい。このような時点において、プロセッサ2032は、ユーザーに、一次電源2002の交換を警告することができる。電力管理回路2006は、器具10のユーザーに一次電源2002の交換を警告するために作動される、例えば1つ又は2つ以上のLED、LCDディスプレイなどのインジケータを備えてよい。更に、プロセッサ2032は、一次電源2002の充電レベルが既定の最低レベルに達した、又はそのレベルを下回ったことを検出すると、器具10の電力供給を一次電源2002から二次電源2004に切り替えるように構成されてよい。追加のインジケータを利用して、ユーザーに追加のフィードバックを提供できることを読者は理解するであろう。例えば、インジケータを利用して、器具10が一次電源2002から二次電源2004に切り替わっていること、またその逆をユーザーに警告できる。
上記に加え、プロセッサ2032をプログラムし、一次電源2002が外科用器具10に接続されると、一次電源2002によって二次電源2004を充電可能にしてよい。特定の例では、二次電源2004は、一次電源2002によって既定の最大電力レベルまで完全に充電されると、器具10の電力供給に一次電源2002が使用可能なままである限り使用されないままであってよい。加えて、電力管理回路2006を利用して、二次電源2004がいつ十分に充電されたのかを判定できる。例えば、プロセッサ2032は、充電レベルが電力管理回路2006のメモリ2030に保存され得る既定の最大レベル(プロセッサ2032が一次電源2002の二次電源2004への充電を止める点)に達するまで、充電メーター2028を利用して二次電源2004の充電レベルを監視するように構成されてよい。電力管理回路2006は、二次電源2004が十分に充電されると、器具10のユーザーに警告するように作動され得るインジケータ、例えば1つ又は2つ以上のLED、LCDディスプレイなどを備えてよい。
再度図129を参照すると、一次電源2002を、器具10のハンドル部14のチャンバ2038内に収容できる。一次電源2002を交換するため、ハンドル部14の外殻を取り外し、チャンバ2038を露出させてよい。特定の例では、トリガ又はスイッチをハンドル部14の外殻と連携させ、ハンドル部14の外殻を取り外そうとすることが、プロセッサ2032によって、一次電源2002から二次電源2004に切り替えるきっかけとなる事象として理解されるようにしてよい。
外科用器具10の一次電源2002を新しい一次電源2002と交換すると、電力管理回路2006は、上記のように新しい一次電源2002の認証を確認し、その認証が確認されると、電力管理回路2006は、新しい一次電源2002による器具10への電力送信を可能にすることができる。加えて、一次電源2002は上記のように二次電源2004を充電することもできる。
装填ユニット20(図2及び3)などの外科用エンドエフェクタを、例えば、動力付き外科用器具10(図1)の細長いシャフトアセンブリ16に動作可能に連結できる。例えば、ここで図38〜58を参照すると、例えば、使い捨て装填ユニット(DLU)5502などの外科用エンドエフェクタを、例えば、動力付き外科用器具10(図1)などの外科用器具に取り外し可能に取り付けることができる。様々な実施形態では、外科用器具は、例えばDLU 5502に係合できるシャフト5520を備えてよい。様々な実施形態では、回転可能なカラー5580などのカラーは、例えば、シャフト5520に対してDLU 5502を取り外し可能にロックできる。更に、様々な実施形態では、カラー5580の回転により、本明細書に記載される発射アセンブリ及び/又は関節屈曲アセンブリの取り付け及び/又は整列を容易にできる。
様々な実施形態では、DLU 5502は遠位取り付け部5504を備えてよく、シャフト5520は、外側チューブ5554と、近位取り付け部5522と、を備えてよい。DLU 5502の遠位取り付け部5504は、DLU 5502がシャフト5520に固定されると、シャフト5520の近位取り付け部5522を収容することができる(図39)。更に、回転可能なカラー5580をシャフト5520の近位取り付け部5522の周囲に位置づけ、DLU 5502の遠位取り付け部5504も回転可能なカラー5580内に位置づけられ得るようにしてよい。回転可能なカラー5580をシャフト5502及び/又は近位取り付け部5504に固定してよく、特定の実施形態では、例えば、シャフト5502の近位取り付け部5504に回転可能に固定してもよい。特定の実施形態では、DLU 5502がシャフト5520に固定されるとき、シャフト5520の近位取り付け部はDLU 5502の遠位取り付け部を収容できる。更に、特定の実施形態では、カラー5580をDLU 5502に回転可能に固定してよい。
更に図38〜58を参照すると、DLU 5502が外科用器具のシャフト5520に対して非取り付け位置と取り付け位置との間を移動するとき、DLU 5502は、シャフト5520によって画定される長手方向軸に沿って平行移動できる。DLU 5502が非取り付け位置から取り付け位置まで移動するとき、DLU 5502の遠位取り付け部5504をシャフト5520の近位取り付け部5522内に挿入できる。DLU 5502が非取り付け位置と取り付け位置との間を移動するとき、例えば、DLU 5502を方向Aに平行移動してよい(図39)。特定の実施形態では、遠位取り付け部5504と近位取り付け部5522との間の溝−スロット係合により、シャフト5520によって画定される長手方向軸に沿ってDLU 5502を導くことができる。主に図42を参照すると、遠位取り付け部5504はガイドレール5514を備えることができる。更に、主に図44を参照すると、近位取り付け部5522はガイドスロット5534を備えることができる。ガイドスロット5534は、DLU 5502の近位取り付け部5504がシャフト5520の遠位取り付け部5522内に挿入されると、ガイドレール5514を収容し、導くような寸法及び構造であってよい。例えば、ガイドスロット5534は長手方向スロットを備えてよく、ガイドレール5514は、例えば長手方向隆起部を備えてよい。特定の実施形態では、ガイドスロット5534及びガイドレール5514は、シャフト5520によって画定される長手方向軸に対して、DLU 5502がねじれたり、及び/又は回転したりするのを防ぐことができる。
主に図38を参照すると、遠位取り付け部5504に、例えば第1矢印などの第1位置合わせ用しるし5510を含んでよく、シャフト5520及び/又はカラー5580に、例えば第2矢印などの第2位置合わせ用しるし5590を含んでよい。第1及び第2位置合わせ用しるし5510、5590を合わせると、ガイドレール5514とガイドスロット5534を整列させることができ、近位取り付け部5522への遠位取り付け部5504の取り付けを容易にできる。本明細書に記載されるように、シャフト5520に向かって長手方向経路に沿ってDLU 5502を平行移動すると、DLU 5502をシャフト5520に対して取り外し可能にロックできる。かかる実施形態では、シャフト5520に対してDLU 5502を取り付けるのに、シャフト5520に対するDLU 5502の回転は不要であり得る。実際に、本明細書に記載されるような近位取り付け部5522と遠位取り付け部5504との間の溝−スロット係合によって、シャフト5520に対するDLU 5502の回転は、制止及び/又は妨害され得る。様々な実施形態では、カラー5580をDLU 5502及び/又はシャフト5520に対して回転させ、DLU 5502をシャフト5520に取り外し可能にロックしてもよい。例えば、本明細書に記載されるように、カラー5580を、初期方向(図53)から第2の方向(図54)に向けて回転させ、その後初期方向(図57)に向けて戻して、DLU 5502をシャフト5520にロックしてもよい。
主に図42及び43を参照すると、DLU 5502の近位部5504は、回転キー又はリブ5506を備えることができる。DLU 5502を、非取り付け位置(図38)と取り付け位置(図39)との間を方向Aに移動させると(図39)、回転キー5506がカラー5580の回転に影響を及ぼし得る。例えば、回転キー5506は、カラー5580を初期方向から第2の方向まで、方向B(図39)に回転させる、及び/又は付勢することができる。カラー5580が第2の方向に付勢されるとき、遠位取り付け部5504を近位取り付け部5522内に挿入できる。更に、遠位取り付け部5504が近位取り付け部5522内に完全に挿入されると、回転キー5506は、カラー5580が、第2の方向から初期方向まで、方向C(図39)に回転させることができる。例えば、方向Cは方向Bの反対方向であってよい。本明細書に記載されるように、カラー5580が初期方向まで戻ると、カラー5580は、近位取り付け部5522に対して遠位取り付け部5504をロックできる。更に図42及び43を参照すると、回転キー5506は、その近位端に回転ランプ5508を備えることができる。回転ランプ5508は、シャフト5520の要素と係合し、例えば、回転カラー5580を回転させることができる。
様々な実施形態では、回転ランプ5508は、シャフト5520内に位置する発射シャフト5540の回転に影響を及ぼし得る。例えば、主に図47〜50を参照すると、発射シャフト5540は、発射シャフト5540から半径方向外側に延出し得る発射シャフト回転子5544を備えることができる。DLU 5502がシャフト5520内に挿入されると、回転キー5506の回転ランプ5508は発射シャフト回転子5544を係合できる。様々な実施形態では、回転ランプ5508は発射シャフト回転子5544を回転させ、それによって発射シャフト5540を回転させることができる。例えば、発射シャフト5540及び発射シャフト回転子5544は、第1の向き(図53)と第2の向き(図54)との間を方向B(図54)に回転できる。更に図47〜50を参照すると、発射シャフト5540を回転可能なカラー5580と係合できる。例えば、回転可能なカラー5580は回転子溝5584を備えることができ、これは、発射シャフト回転子5544を収容し、及び/又は保持するような構造であり、寸法であり得る。発射シャフト回転子5544の回転によって回転可能なカラー5580が回転するように、発射シャフト回転子5544を回転子溝5584によって保持できる。かかる実施形態では、DLU 5502をシャフト5520内に挿入すると、発射シャフト回転子5544を例えば方向Bに回転させることによって、回転可能なカラー5580を方向B(図54)の回転に影響を及ぼし得る。
主に図44及び45を参照すると、近位取り付け部5522は回転キースロット5524を備えることができ、これは、遠位取り付け部5504が近位取り付け部5522内に挿入されると、回転キー5506を収容できる。様々な実施形態では、回転キースロット5524は、発射シャフト回転子5544を収容するための間隙ノッチ5526を備えてよい。例えば、回転キー5506の近位端にある回転ランプ5508は、発射シャフト回転子5544を第2の向きに、間隙ノッチ5526内まで回転させることができる(図54)。DLU 5502がシャフト5520内に挿入される際、回転キー5506は、回転キースロット5524に沿って移動し続けることができる。更に、回転キー5506の遠位端5509が発射シャフト回転子5544を過ぎて移動するとき、発射シャフト回転子5544は、第1の向き(図58)に向かって逆回転することができ、これにより、回転可能なカラー5580をその初期方向に向かって対応させて逆回転できる。
様々な実施形態では、回転可能なカラー5580は、シャフト5520及び/又は近位取り付け部5522に対して初期方向に付勢されていてよい。例えば、ばね5592は、ロックカラー5580を初期方向に付勢できる。ばね5592は、シャフト5520に対して固定できる近位端5594と、カラー5580に対して固定できる遠位端5596とを備えてよい。例えば、ばね5592の近位端5594を、シャフト5520の近位ばねスロット5538(図51)内に保持でき、例えば、ばね5592の遠位端5596を、回転可能なカラー5580の遠位ばねスロット5588(図46)内に保持できる。かかる実施形態では、カラー5580の回転により、ばね5592の遠位端5596をばね5592の近位端5594に対してずらすことができ、ねじり力が生じ得る。したがって、カラー5580は、初期方向から第2の方向への回転に抵抗でき、カラーが第2の方向に回転すると、ばね5592は初期方向に戻る方向にカラー5580を付勢できる。発射シャフト回転子5544はカラー5580と係合されているため、ばね5592は、発射シャフト5540もその第1の向きに付勢できる。
様々な実施形態では、回転可能なカラー5580は、DLU 5502をシャフト5520に取り外し可能にロックするロック移動止め5582を備えてよい。主に図46を参照すると、ロック移動止め5582は、回転可能なカラー5580の内部周辺部から半径方向内側に延出し得る。様々な実施形態では、ロック移動止め5582は、近位取り付け部5522の移動止めスロット5536(図44)内に延出し得る。主に図44を参照すると、移動止めスロット5536は、ガイドスロット5534内にノッチを形成し得る。様々な実施形態では、移動止めスロット5536はガイドスロット5534から延出し得、例えば、ガイドスロット5534に対して垂直又は実質的に垂直であってよい。更に、回転可能なカラー5580が、初期方向と第2の方向との間をシャフト5520に対して回転するとき、ロック移動止め5582は移動止めスロット5536に沿って移動できる。
様々な実施形態では、ロック移動止め5582はDLU 5502の遠位取り付け部5504を係合し、シャフト5520に対してDLU 5502をロックできる。例えば、再度図42を参照すると、遠位取り付け部5504はガイドレール5514を備えてよく、これは、内部に画定されるロックノッチ5516を有することができる。ロックノッチ5516は、DLU 5502が近位取り付け部5522内に完全に挿入されるとき、回転可能なカラー5580のロック移動止め5582を収容する構造かつ寸法であってよい。例えば、遠位取り付け部5504が近位取り付け部5522内に完全に挿入されるとき、遠位取り付け部5504のロックノッチ5516は、近位取り付け部5522の移動止めスロット5536と一直線になってよい。したがって、ロック移動止め5582は、近位取り付け部5522の移動止めスロット5536に沿って、遠位取り付け部のロックノッチ5516内に摺動できる。更に、ロック移動止め5582は、ねじりばね5592によってロックノッチ5516と係合する方向に付勢されてよい。例えば、発射シャフト回転子5544が回転キー5506の遠位端5509を通過した後、発射シャフト5540は第1の向きに向かって再度付勢され得、回転可能なカラー5580は、ねじりばね5592によって初期方向に向かって再度付勢され得る。更に、カラー5580が第2の方向から初期方向に戻るように回転されると、そのロック移動止め5582は、ガイドレール5514中のロックノッチ5516と一直線になって係合され得る。
様々な実施形態では、カラー5580の回転により、発射アセンブリの取り付け及び/又は整列を容易にできる。例えば、発射シャフト5540は、近位端5546と遠位端5542との間を延在できる。近位端5546は回転継手を有してよく、これによって、発射シャフト5540が第1構成と第2構成との間を回転できる。更に、遠位端5542は、DLU 5502の切断要素を取り付けるための連結具を有してよい。発射シャフト5540の回転により、切断要素の取り付けを容易にできる。例えば、発射シャフト5540の遠位端5542にある連結具が回転すると、連結具は、DLU 5502中の切断要素を係合し、連結できる。特定の実施形態では、連結具はバヨネットマウントを備えてよく、これによって、DLU 5502中の切断要素の対応するバヨネット受部に係合できる。主に図40及び41を参照すると、発射アセンブリは、例えば、近位端5546と遠位端5542との間の発射シャフト5540の周囲に位置づけられるスリーブ5550を更に備えてよい。
様々な実施形態では、発射シャフト5540がシャフト5520内を回転するとき、発射シャフト5540は、DLU 5502中の発射シャフトスロット5518と一直線になるように回転できる。例えば、DLU 5502がシャフト5520に完全に挿入されて取り付けられると、発射シャフト回転子5544は発射シャフトスロット5518と一直線になり得る。しかしながら、様々な実施形態では、DLU 5502がシャフト5520内に部分的にのみ挿入されるとき、回転キー5506によって発射シャフト回転子5544は、発射シャフトスロット5518と一直線にならないように回転し得る。換言すれば、発射シャフト回転子5544は、発射シャフト5540が第1の向きにあるとき発射シャフトスロット5514と一直線になることができ、発射シャフト5540が第2の向きに向かって回転すると発射シャフトスロット5514とずれ得る。かかる実施形態では、DLU 5502がシャフト5520内に部分的にのみ挿入されるとき、及び/又は、DLU 5502が回転可能なカラー5580によってシャフト5520に取り外し可能にロックされる前は、発射シャフト回転子5544の発射経路は遠位取り付け部5504によって閉鎖され得る。発射シャフト5540及びカラー5580を一体化すると、発射シャフト5540が発射及び/又は前進する前に、DLU 5502をシャフト5520に確実にしっかり取り付けることができる。例えば、外科用器具は、例えば、DLU 5502中の切断要素が発射シャフト5540に連結されるまで、及び/又は、発射シャフト5540がシャフト5520ときちんと一直線になるまで、発射できない。
特定の実施形態では、カラー5580の回転により、関節屈曲アセンブリ5559の取り付け及び/又は整列を容易にできる。主に図40及び41を参照すると、関節屈曲アセンブリ5559は、近位関節屈曲バー5560と、遠位関節屈曲バー5562と、関節屈曲コネクタ5566と、を備え得る。更に、例えば、シャフト5520は近位関節屈曲バースロット5528を備え得、DLU 5502は遠位関節屈曲バースロット5512を備え得る。特定の実施形態では、近位関節屈曲バー5560は近位関節屈曲バースロット5528と整列でき、遠位関節屈曲バー5562は遠位関節屈曲バースロット5512と整列できる。ここで図46を参照すると、関節屈曲コネクタ5566は回転可能なカラー5580内に収容され得る。例えば、回転可能なカラー5580は関節屈曲コネクタスロット5586を備え得、関節屈曲コネクタ5566はその中に移動可能に配置され得る。
様々な実施形態では、再度図40及び41を参照すると、近位関節屈曲バー5560は近位ノッチ5572を有し得、遠位関節屈曲バー5562は遠位ノッチ5574を有し得る。更に、関節屈曲コネクタ5566は、近位関節屈曲ラグ5568と、遠位関節屈曲ラグ5572と、を備え得る。近位関節屈曲ラグ5568は、近位関節屈曲バー5560の近位ノッチ5572内に保持され得る。特定の実施形態では、遠位関節屈曲ラグ5570は、遠位関節屈曲バー5562の遠位ノッチ5574を動作可能に係合し得る。本明細書に記載されるように、回転可能なカラー5580は、初期構成と二次構成との間を回転できる。カラー5580が回転すると、内部に収容される関節屈曲コネクタ5566も、シャフト5520によって画定される長手方向軸に対して回転できる。様々な実施形態では、関節屈曲コネクタ5566が回転するとき、関節屈曲コネクタ5566の近位関節屈曲ラグ5568は、近位関節屈曲バー5560の近位ノッチ5572内に位置づけられたままであってよい。更に、関節屈曲コネクタ5566がカラー5580と共に第2の方向から初期方向に向かって回転すると、関節屈曲コネクタ5566の遠位関節屈曲ラグ5570は、遠位関節屈曲バー5562の遠位ノッチ5574と係合するように移動できる。例えば、DLU 5502がシャフト5508内に完全に挿入されるとき、遠位関節屈曲バー5562の遠位ノッチ5574は、関節屈曲コネクタ5566の遠位関節屈曲ラグ5568と一直線になってよい。かかる実施形態では、回転可能なカラー5580が初期構成に戻るように回転されると、遠位関節屈曲ラグ5568は遠位関節屈曲バー5562の遠位ノッチ5574内に滑り込む。遠位関節屈曲ラグ5568が遠位ノッチ5574内に位置づけられるとき、関節屈曲アセンブリ5559は完全に組み立てられ得る。
主に図45を参照すると、様々な実施形態では、近位関節屈曲バースロット5528は、第1間隙5530と、第2間隙5532と、を備え得る。関節屈曲コネクタ5566の近位及び遠位関節屈曲ラグ5568、5570は、それぞれ第1及び第2間隙5530、5532内に延出し得る。特定の実施形態では、第1及び第2間隙5530、5532は、例えば、カラー5580が回転するとき、及び/又は、関節屈曲アセンブリ5559が関節屈曲するときの、近位及び遠位関節屈曲ラグ5568、5570が移動する空間を提供できる。
ここで図51〜58を参照すると、DLU 5502を外科用器具のシャフト5520に連結するために、ユーザーは、DLU 5502の位置合わせ用しるし5510を、シャフト5520及び/又はカラー5580の位置合わせ用しるし5590(図51)と整列させることができる。位置合わせ用しるし5510、5590の整列を維持しながら、ユーザーは、シャフト5520に対してシャフト5520によって画定される長手方向軸に沿ってDLU 5502を移動できる。ユーザーは、真っ直ぐな又は実質的に真っ直ぐな経路に沿ってDLU 5502を移動でき、様々な実施形態では、例えばシャフト5520に対してDLUを回転させる必要はない。主に図53を参照すると、DLU 5502をシャフト5520に対して平行移動し続け、遠位取り付け部5504のガイドレール5514を、シャフト5520の近位取り付け部5522中のガイドスロット5534(図44)内に嵌めることができる。遠位取り付け部5504が近位取り付け部5522内に移動するとき、ガイドスロット5534はガイドレール5514を導くことができ、例えば、位置合わせ用しるし5510、5590の整列を維持できる。換言すれば、ガイドスロット5534及びガイドレール5514は、シャフト5520の長手方向軸に対してDLU 5502が回転するのを防ぐことができる。主に図52を参照すると、例えば、関節屈曲コネクタ5522の近位関節屈曲ラグ5568は第1間隙5530内に延出でき、近位関節屈曲バー5562の近位ノッチ5572に位置づけられ得、関節屈曲コネクタ5522の遠位関節屈曲ラグ5570は第2間隙5532を通って延出できる。
主に図54を参照すると、遠位取り付け部5504が近位取り付け部5522内に挿入されると、回転キー5506の回転キーランプ5508は発射シャフト回転子5544に当接し得る。回転キーランプ5508は、回転キースロット5524から延在する間隙ノッチ5526内に、発射シャフト回転子5544を導く、及び/又は方向付けることができる。更に、発射シャフト回転子5544が間隙ノッチ5526内に移動すると、発射シャフト5540は方向Bに回転できる。発射シャフト5540は、第1の向きから第2の向きまで回転できる。発射シャフト5540がこのように回転すると、発射シャフト5540の遠位端5542をDLU 5502中の切断要素に容易に取り付けできる。更に、発射シャフト回転子5544の回転により、発射シャフト回転子5544とカラー5580中の発射シャフト回転子溝5584(図46)との間の係合によって、カラー5580を方向Bに回転できる。カラー5580は、例えば、初期方向から第2の方向に回転できる。加えて、カラー5580が回転すると、ロック移動止め5582は、シャフト5520中を移動止めスロット5536に沿って移動できる。加えて、ばね5592の遠位端5596をカラー5580中の遠位ばねスロット5588(図46)に保持できるため、カラー5580の回転により、ばね5592の遠位端5596を回転できる。遠位端5596を近位端5594に対して移動させると、ねじり跳ね戻り力が生じ得、この力は、例えばカラー5580を第2の方向から初期方向に向けて付勢でき、例えば発射シャフト5540を第2の向きから第1の向きに向けて付勢できる。
主に図55を参照すると、カラー5580が第2の方向に向かって回転するとき、近位関節屈曲ラグ5568は、近位関節屈曲バー5560中の近位ノッチ5572と係合したままであり得る。更に、遠位関節屈曲ラグ5570がDLU 5502の遠位関節屈曲バー5562のための間隙を提供するように、遠位関節屈曲ラグ5570を回転できる。図56を参照すると、カラー5580及びその内部に位置づけられる関節屈曲コネクタ5566が第2の方向に回転するとき、DLU 5502をシャフト5520内に完全に挿入できる。様々な実施形態では、関節屈曲コネクタ5566が第2の方向に回転するとき、遠位関節屈曲バー5562は関節屈曲コネクタ5566の遠位関節屈曲ラグ5570を通過できる。更に、遠位関節屈曲ラグ5570は、関節屈曲コネクタ5566中の遠位ノッチ5574と回転可能に整列できる。引き続き図56を参照すると、DLU 5502がシャフト5520内に完全に挿入されるとき、発射ロッド回転子5544は、回転キー5506の遠位端5509を通過できる。
ここで図57を参照すると、回転キー5506の遠位端5509が発射シャフト回転子5544を通過すると、発射シャフト回転子5544は方向Cに回転できる。例えば、発射シャフト回転子5544は、第2の向きから第1の向きに向かって方向Cに回転できる。更に、発射シャフト回転子5544の回転により、第2の方向から初期方向に向かって方向Cへのカラー5580の回転に影響を及ぼし得る。様々な実施形態では、ばね5592は、発射ロッド5540をその第1の向きに向けて、カラー5580をその初期方向に向けて付勢できる。例えば、発射シャフト回転子5544の回転によりカラー5580が回転するように、発射シャフト回転子5544をカラー5580中の発射シャフト回転子溝5584(図46)に配置できる。関節屈曲コネクタ5566の遠位関節屈曲ラグ5570と遠位関節屈曲バー5562の遠位ノッチ5574が整列しているため、カラー5580が回転すると関節屈曲コネクタ5566は回転でき、遠位関節屈曲ラグ5570は遠位ノッチ5574と係合するように回転できる。遠位関節屈曲ラグ5570が遠位ノッチ5574を係合すると、関節屈曲アセンブリ5559を組み立てることができる。更に、発射シャフト回転子5544が方向Cに回転すると、発射シャフト5540の遠位端5542が方向Cに回転でき、これにより、DLU 5502中の切断要素の発射シャフト5540の遠位端5542への取り付けを容易にできる。
ここで図58を参照すると、カラー5580の回転により、遠位取り付け部5504のガイドレール5514中のロックノッチ5516内にある、カラー5580のロック移動止め5582も回転できる。例えば、DLU 5502がシャフト5520内に完全に挿入されるとき、ロック移動止め5582が移動止めスロット5536を通過して、ロックノッチ5516内まで回転できるように、ロックノッチ5516は移動止めスロット5536と一直線になってよい。本明細書に記載されるように、発射シャフト回転子5544が回転キー5506の遠位端5509を通過した後、ばね5592は、カラー5580を方向C(図57)に回転するように付勢し得る。引き続き図58を参照すると、発射シャフト回転子5544が方向Cに回転するとき、発射シャフト回転子5544は、DLU 5502中の発射シャフトスロット5518と一直線になるように回転できる。発射シャフト回転子5544が発射シャフトスロット5518と整列すると、例えば、発射シャフト5540を、DLU 5502を発射するために遠位に前進させることができる。
本明細書に記載されるように、回転可能なカラー5580は、シャフト5520に対してDLU 5502を取り外し可能にロックできる。更に、カラー5580の回転により、関節屈曲アセンブリ5559の取り付け及び/又は整列を、並びに、発射シャフト5540の、例えばDLU 5502中の切断要素との取り付け及び/又は整列を容易にできる。更に、カラーの回転により、DLU 5502のシャフトからのロック解除、関節屈曲アセンブリ5559の切り離し、及び/又は、発射シャフト5540のDLU 5502中の切断要素からの切り離しもできる。例えば、カラー5580を初期方向から第2の方向に向かって再度回転すると、ロック移動止め5582は、遠位取り付け部5504中のロックノッチ5516を係合解除できる。したがって、遠位取り付け部5504を、例えば、シャフト5520によって画定される長手方向軸に沿って近位取り付け部5522から引き出すことができる。様々な実施形態では、シャフト5520に対してDLU 5502を回転せずに、シャフト5520からDLU 5502を取り外すことができる。しかしながら、カラー5580をシャフト5520に対して回転でき、それによって、例えば、カラー5580中の関節屈曲コネクタ5566から遠位関節屈曲バー5562を切り離し、DLU 5502中の切断要素から発射シャフト5540を切り離すことができる。
ここで図59〜62を参照すると、使い捨て装填ユニット(DLU)又はエンドエフェクタ5602を、外科用器具のシャフト5620に取り外し可能に取り付けることができる。様々な実施形態では、例えば、ばね又は複数のばねは、シャフト5620に対してロック位置にDLU 5602を付勢できる。例えば、DLU 5602をバヨネットマウントによってシャフト5620に取り外し可能に取り付けでき、ばねは、DLU 5602を回転し、DLU 5602をバヨネット連結部においてシャフト5620に連結できる。例えば、DLU 5602は遠位取り付け部5604を備えてよく、シャフト5620は近位取り付け部5622を備えてよい。DLU 5602の遠位取り付け部5604は、DLU 5602がシャフト5620に固定されると、シャフト5620の近位取り付け部5622を収容することができる。別の実施形態では、DLU 5602がシャフト5620に固定されるとき、シャフト5620の近位取り付け部はDLU 5602の遠位取り付け部を収容できる。
様々な実施形態では、DLU 5602の遠位取り付け部5604は移動止め5606を備えてよく、これは、遠位取り付け部5604の一部から半径方向外側に延在し得る。更に、移動止め5606は傾斜面5608を備えてよい。本明細書に記載されるように、移動止め5606の傾斜面5608は、ばね5636bなどのばねを係合でき、例えば、遠位取り付け部5604が近位取り付け部5622内に挿入されると、ばね5636bを変形できる。更に、移動止め5606は、近位取り付け部5622によって保持され、DLU 5602をシャフト5622に取り外し可能にロックできる。主に図59を参照すると、シャフト5620の近位取り付け部5622は空洞5624を画定し得る。様々な実施形態では、空洞5624は、DLU 5602の遠位取り付け部5604を収容する構造かつ寸法であってよい。更に、ばね5636a、5636bを空洞5624内に配置できる。例えば、第1のばね5636aを空洞5624の第1側部上に配置でき、第2のばね5636bを空洞5624の第2側部上に配置できる。ばね5636a、5636bは、空洞5624に対して対称又は非対称であってよい。様々な実施形態では、少なくともばね5636a、5636bの一部は空洞5624内に延出し得る。例えば、第2のばね5636bの脚部5637は空洞5624内に延出でき、例えば、第2のばね5636の別の脚部5637は近位取り付け部5622内に保持され得る。
引き続き図59を参照すると、近位取り付け部5622はロックスロット5638も備えてよく、これは例えば、空洞5624内に画定でき、及び/又は、空洞5624を介して接近できる。ロックスロット5638は、例えば、移動止め5606を収容する構造かつ寸法であってよい。様々な実施形態では、ロックスロット5638は移動止め5606を保持し、DLU 5602をシャフト5620に対して取り外し可能にロックできる。更に、様々な実施形態では、近位取り付け部5622はラッチ5630を備えてよい。ラッチ5630は、ラッチ解除位置(図59及び60)とラッチ留め位置(図61及び62)との間を移動可能であってよい。様々な実施形態では、ラッチ5630はばね仕掛けであってよく、ばね5634は、ラッチ5630をラッチ留め位置内まで付勢できる。例えば、ラッチ5630はラッチばね5634を備えてよく、これは、ラッチ5630をラッチ留め位置に向けて及び/又はラッチ留め位置内まで付勢できる。ラッチ留め位置は、例えばラッチ解除位置より遠位であってよい。特定の実施形態では、ラッチ5630は、親指把持部及び/又は隆起部5632を備えて、ラッチ留め位置からラッチ解除位置へのラッチ5630の移動を容易にしてよい。例えば、ユーザーは親指把持部5632を引っかけ、ラッチ5630を近位に引いてラッチ5630をラッチ解除することができる。
様々な実施形態では、ラッチ5630は、ロックスロット5638を動作可能に閉鎖又は少なくとも部分的に閉鎖できる。例えば、ラッチ5630がラッチ留め位置(図61及び62)にあるとき、ラッチ5630のアーム5635は、ロックスロット5638の少なくとも一部を超えて延出し得る。ラッチ5630は、ロックスロット5638を覆う又は部分的に覆うことができ、ロックスロット5638への到達を阻止及び/又は制限できる。特定の実施形態では、ラッチ5630のアーム5635は、移動止め5606がロックスロット5638内に移動及び/又は摺動するのを防ぐことができる。その上、ラッチ5630がラッチ留め位置にあるとき、ラッチ5630は、ばね5636a、5636bを係合できる。例えば、図61及び62を参照すると、ラッチ5630は、ばね5636bの変形が制限される及び/又は阻止されるようにばね5636bを支持できる。更に、ラッチ5630は、空洞5624がDLU 5602の遠位取り付け部5604を収容できないようにばね5636bを支持できる。例えば、ばね5636bの少なくとも一部は空洞5624を閉鎖でき、それによって、遠位取り付け部5604が近位取り付け部5622内に完全に挿入されるのを防ぐことができる。特定の実施形態では、近位取り付け部5622は複数のばねを備えてよく、これらは、遠位取り付け部5604に回転力を及ぼし、近位取り付け部5622に対して遠位取り付け部5604を回転できる。例えば、近位取り付け部5622は、1対のばね又は4つ以上のばねを備えてよい。別の実施形態では、近位取り付け部5622中の1つのばねによって、近位取り付け部5622に対して遠位取り付け部5604を回転しようとしてよい。加えて又は別の方法としては、様々な実施形態では、DLU 5602の遠位取り付け部5602は少なくとも1つのばねを備えてよく、これは、例えば遠位取り付け部5602を近位取り付け部5622に対して回転できる。
様々な実施形態では、ラッチ5630がラッチ解除位置(図59及び60)にあるとき、ロックスロット5638は、ラッチ5630のアーム5635によって閉鎖解除及び/又はわずかに閉鎖されていてよい。例えば、移動止め5606を、ラッチ解除されたラッチ5630を超えてロックスロット5638内に嵌めることができる。更に、本明細書に記載されるように、移動止め5606を、ラッチ解除されたラッチ5630を超えてロックスロット5638内に付勢することができる。その上、様々な実施形態では、ラッチ5630がラッチ解除位置にあるとき、ラッチ5630は、ばね5636a、5636bを係合解除できる。例えば、ラッチ5630がラッチ解除されると、ラッチ5630は、ばね5636a、5636bの変形を防ぐ及び/又は制限することができない。
主に図59を参照すると、ラッチ5630が近位の及び/又はラッチ解除位置に移動され保持されるとき、例えば、ばね5636bはラッチ5630によって支持されていなくてよい。かかる実施形態では、遠位取り付け部5604を近位取り付け部5622に対して移動するように、DLU 5602を方向Aに移動できる。主に図60を参照すると、遠位取り付け部5604の移動止め5606は、ばね5636bを係合でき、例えば、ばね5636bを圧縮及び/又は変形できる。特定の実施形態では、移動止め5606の傾斜面5608は、ばね5636bに沿って摺動でき、ばね5636bの自由脚部5637を移動できる。ばね5636bの変形により、ばね5636bが移動止め5606上に及ぼし得る跳ね戻り力を生じさせることができる。ここで図61を参照すると、跳ね戻り力は移動止め5606の回転に影響を及ぼし得る。例えば、移動止め5606は、方向Bへ、空洞5624中に画定されるロックスロット5638内に回転できる。様々な実施形態では、ユーザーがラッチ5630を解放すると、ラッチばね5634はラッチ5630をラッチ解除位置まで戻すことができる。更に、ラッチ5630がラッチ解除位置まで戻ると、ラッチ5630のアーム5635はロックスロット5638を閉鎖又は部分的に閉鎖できる。かかる実施形態では、移動止め5606がロックスロット5638内に保持されるとき、遠位取り付け部5604の移動止め5606を、近位取り付け部5622に対して取り外し可能にロックできる。更に、特定の実施形態では、ラッチが再度ラッチ解除位置に移動するまで、ラッチ5630は、移動止め5606に対してばね5636bを保持及び/又は支持できる。様々な実施形態では、シャフト5620からDLU 5602を解放するため、ユーザーは、移動止め5606を回転させてロックスロット5638を出るように、ラッチ5630をラッチ留め位置からラッチ解除位置まで再度移動できる。かかる実施形態では、遠位取り付け部5604が近位取り付け部5622から引き出されるまで、移動止め5606の回転により、ばね5636bを再度圧縮及び/又は変形する。
上記に加え、外科用器具は、外科用器具に組み付けられているエンドエフェクタを識別する、又は少なくとも識別を試みるように構成されてよい。特定の実施形態では、以下で更に詳述されるように、エンドエフェクタは、エンドエフェクタがシャフトに組み付けられるときに外科用器具のシャフト上の対応する電気接点と係合し得る、電気接点を備えてよい。かかる実施形態では、外科用器具のコントローラはエンドエフェクタとの有線接続を確立でき、電気接点を通じてコントローラとエンドエフェクタとの間の信号通信をなすことができる。以下で詳述されるように、エンドエフェクタは、そこに保存された少なくとも1つのデータを含んでよく、これがコントローラによってアクセスされ、エンドエフェクタを識別できる。少なくとも1つのデータは、例えば、1ビット、1ビット超、1バイト、又は1バイト超の情報を含んでよい。特定の別の実施形態では、エンドエフェクタは、外科用器具のコントローラと無線信号通信できる送信機を備えてよい。上記と同様に、エンドエフェクタは、そこに保存された少なくとも1つのデータを含んでよく、これがコントローラに送信され、エンドエフェクタを識別できる。かかる実施形態では、外科用器具のコントローラは、エンドエフェクタからの送信を受信できる受信機を備えてよく、又はその受信機を利用してよい。かかる受信機は、例えば、外科用器具のシャフト及び/又はハンドル内に位置づけられてよい。
読者には理解されるように、コントローラと無線通信するエンドエフェクタは、例えば、無線信号を発するように構成されてよい。様々な状況では、エンドエフェクタは、この信号を1回、又は2回以上発するように構成されてよい。特定の状況では、エンドエフェクタは、所望の時点で信号を発するように、及び/又は、連続的に繰り返し信号を発するように指示されてよい。いくつかの状況では、エンドエフェクタは、外科用器具のエンドエフェクタが外科用器具に組み付けられる前、その間、及び/又はその後に、外科用器具のユーザーが操作できるスイッチを備えてよい。様々な実施形態では、エンドエフェクタのスイッチは、エンドエフェクタを閉鎖、つまり操作して作動させることができる、オン・オフ、つまり電源スイッチを含んでよい。少なくとも1つのこのような実施形態では、エンドエフェクタは、例えば電池などの少なくとも1つの電源を備えてよく、送信機によってこれを利用して、オン・オフスイッチを入れるときに信号を発することができる。エンドエフェクタを作動すると、様々な状況では、エンドエフェクタのコントローラは、信号を発生し、送信機を介してその信号を発信するように構成されてよい。いくつかの状況では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタが作動されるまで信号を発することができない。このような構成によって、例えば電池の電力を節約できる。特定の実施形態では、外科用器具を操作モードにしてよく、このモードは、エンドエフェクタのスイッチが作動される前に、エンドエフェクタからの信号を待つことができる。様々な状況では、外科用器具をスタンバイ、つまり低電力の操作モードにしてよく、このとき、コントローラによって信号が受信されると、コントローラは外科用器具を全出力操作モードにできる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタのスイッチは、外科用器具のコントローラに対して信号を発するようにエンドエフェクタのコントローラに指示できる。かかるスイッチは、電源スイッチを含んでも含まなくてもよいが、かかるスイッチは、所望の時点で、及び/又は、所望の時点から連続的に信号を発することをエンドエフェクタに指示するように、ユーザーによって選択的に作動できる。
ここで図114を見ると、エンドエフェクタ9560などのエンドエフェクタは、例えば、エンドエフェクタ9560の作動に利用できる、例えば接点9561などの1つ又は2つ以上の電気接点を備えてよい。例えば、ここで図112を見ると、外科用器具のシャフト9040は、エンドエフェクタ9560がシャフト9040に組み付けられるとき、2つ又はそれ以上の接点9561を短絡する、又は電気的に接続するように構成できる、接点ブリッジ9562を備えてよい。ブリッジ9562は、2つの接点9561と、電池9564と、プリント基板9565上に形成された少なくとも1つの集積回路9566と、を含む回路を閉じることができる。回路が閉じられると、上記に加え、電池9564は、集積回路、つまり回路9566に電力を供給でき、エンドエフェクタ9560を作動することができる。様々な状況では、プリント基板9565に形成された集積回路、つまり回路9566及びアンテナ9567は、上記のコントローラ及び送信機を含むことができる。特定の実施形態では、シャフト9040は、例えば、ばね9563などの付勢部材を備えてよく、これは、ブリッジ9562を電気接点9561に接触するように付勢するよう構成できる。ブリッジ9562を電気接点9561に接続する前、及び/又は、エンドエフェクタ9560がシャフト9040から取り外された後は、回路を開放でき、電池9564からの電力を集積回路9566に供給できず、及び/又は、集積回路9566に供給される電力が低下し得、エンドエフェクタ9560を非作動状態にできる。上記の結果、かかる実施形態では、エンドエフェクタのアセンブリを、エンドエフェクタを外科用器具に組み付けた結果として作動できる。様々な場合では、上記に加え、エンドエフェクタ及び外科用器具を、エンドエフェクタを外科用器具に完全にかつ正しく組み付けたときのみエンドエフェクタが作動するように、構成し、かつ配置できる。
上記のように、ここで図111を参照すると、エンドエフェクタを、外科用器具に取り付け(工程9600で示される)、作動し(工程9602で示される)、その後外科用器具によって評価(工程9604で示される)できる。外科用器具が作動したエンドエフェクタからの無線信号の評価を試みるとき、上記に加え、外科用器具を信号が完全かどうかを評価するように構成できる。様々な実施形態では、エンドエフェクタと外科用器具との間の非同期シリアル通信を利用して、外科用器具が受信した信号が完全かどうかを評価できる。例えば、エンドエフェクタは、データフレーム、例えばあるバイトの情報に先行するスタートビット、例えば、及び/又はデータフレームに続くストップビットを含む信号を発することができる。このような場合では、スタートビット、そのバイトのデータ、及びストップビットは、例えば10ビットの文字枠、つまりビットパターンを含んでよい。外科用器具のコントローラがビットパターンのスタートビット及びストップビットを識別できるとき、このような場合では、コントローラは、スタートビットとストップビットとの間に受信したそのバイトのデータ、つまりそのビットのデータが、正しい、及び/又は別の方法で完全であると仮定できる。様々な状況では、スタートビット及び/又はストップビットは、次のバイトの情報が送信される前、及び/又は、これまでのバイトの情報が再度通信される前の、停止期間を含んでよい。
上記に加え、ここで図110を見ると、外科用器具のコントローラは、ビットパターン、つまり特定のビットのデータを比較し、受信したデータが正しいか及び/又は別の方法で完全であるかを判定できる。様々な状況では、コントローラがデータを評価し、そのデータを、データの受信が予定されていたビットパターンテンプレート、つまりテンプレートと比較する方法で、データを送信できる。例えば、かかるテンプレートは、例えば左端のビットのデータなどの最上位ビットのデータが、例えば1を含むように構成され、配置されてよい。コントローラが、最上位ビットのデータが1に等しいことを識別できる場合(図110の工程9700参照)、工程9702に示されるように、コントローラは、データにおいてXOR演算を実行し、そのデータをコントローラが利用できるビットパターンテンプレート、つまりテンプレートと比較できる。XOR演算は既知であり、その詳細は、簡潔性のために本明細書に提供されない。外科用器具が受信したビットパターンがコントローラが利用できるビットパターンテンプレートと一致する場合、コントローラはエンドエフェクタを識別する。エンドエフェクタを識別すると、コントローラは、例えば、コントローラがアクセス可能なメモリチップ中の、エンドエフェクタに関する保存情報にアクセスできる。コントローラが、受信したビットパターン中の最上位ビットのデータが1に等しくないと判定する場合、再度工程9700を参照すると、コントローラはビットシフト演算を実行できる。例えば算術シフト、論理シフト、及び/又は循環シフトなどの多くのビットシフト演算は既知であり、これらを利用して、所望のビットパターンに先だって受信された不良データビットを除外できる。ここで図110の工程9704を参照すると、様々な状況では、先頭の、つまり左端の0のデータビットを除外でき、例えば、先頭ビットが1になるまでビットパターンを左にシフトできる。このような時点において、上記に加え、エンドエフェクタを識別するために、シフトされたビットパターンをビットパターンテンプレートと比較できる。シフトされたビットパターンがビットパターンテンプレートと一致しない場合、コントローラは、ビットパターン中の次の1が先頭ビットになるまでビットパターンを再度シフトでき、新たにシフトされたビットパターンをビットパターンテンプレートと比較できる。かかるシフト及び比較演算は、エンドエフェクタが識別される、及び/又は、外科用器具がエンドエフェクタは識別されないと見なすまで、任意の好適な回数実行できる。
読者には理解されるように、外科用器具は、任意の好適な数のエンドエフェクタに関する情報を含んでよい。外科用器具によってエンドエフェクタが識別されると、上記に加え、外科用器具はエンドエフェクタに関する保存された情報にアクセスできる。例えば、かかる保存情報は、例えば、(1)発射行程を完了するためにエンドエフェクタ中の発射部材が前進しなくてはならない距離、及び/又は、(2)外科用器具のモーターが発射部材に加える必要がある電力、つまりトルクの最大量について、外科用器具に指示できる。かかる情報又は情報セットは、各エンドエフェクタ特有であり得、したがって、何らかの方法によるエンドエフェクタの識別とは、外科用器具が所望の様式で操作できることである。かかる情報がないと、外科用器具は、エンドエフェクタを十分活用するのに要する行程長さを識別する、及び/又は、発射部材に加えられる電力を適切に制限することができない。様々な状況では、外科用器具は、発射行程が完了した時点、及び/又は、発射部材に加えられている電力が過剰かどうかを検出するよう構成されているセンサに依存してよい。かかるセンサは、外科用器具のモーターが、例えばエンドエフェクタの発射部材に過剰に電力を供給し、損傷させるのを防ぐことができる。
上記に加え、特定のエンドエフェクタは、別のエンドエフェクタよりも強靱であってよく、結果として、特定のエンドエフェクタは、外科用器具のモーターからのより大きい力に耐えることができる。それに対応して、別のエンドエフェクタは強靱性が低く、結果として、モーターからのより小さい力にのみ耐えることができる。外科用器具が、任意の特定のエンドエフェクタに加える適切な力を判定するために、上記に加え、外科用器具は、外科用器具に取り付けられたエンドエフェクタを識別しなくてはならない。エンドエフェクタがエンドエフェクタを識別できない場合、外科用器具は、既定の操作プログラム又は操作モードを使用できる。既定の操作モードでは、外科用器具のコントローラは、モーターがエンドエフェクタの発射部材にかけることができる電力を、例えば、最小の、つまり既定の電力に制限することができる。最小電力は、使用されているエンドエフェクタに関わらず、モーターがエンドエフェクタを損傷しないように選択することができる。いくつかの状況では、使用されているエンドエフェクタに関わらず、外科用器具がエンドエフェクタに過剰に電力を供給しないように、既定の操作モードによって外科用器具と共に使用できる最も弱い、つまり最も強靱性が低いエンドエフェクタが利用するパラメータを使用できる。様々な場合では、エンドエフェクタに過剰に電力を供給させることができるモーター式外科用器具が出現している。別の言い方をすれば、これまで手動式外科用器具によって使用され、かかる手動式外科用器具では本質的に破壊できないエンドエフェクタは、モーター式外科用器具によって容易に破壊され得る。その上、このようなこれまでのエンドエフェクタは、モーター式外科用器具によって識別される技術を備えることができず、本明細書に記載される既定の操作プログラムの結果、かかるこれまでのエンドエフェクタは、モーター式外科用器具でも依然として使用できる。しかし、既定の操作プログラムは、その他の既定のパラメータも利用できる。例えば、既定の操作プログラムは、最短の、つまり既定の発射行程長さを利用できる。様々な場合では、既定の操作プログラムは、外科用器具と共に使用できるエンドエフェクタの最短行程長さを利用できる。このような場合では、発射部材は、使用されているエンドエフェクタに関わらず、エンドエフェクタの遠位端と衝突、つまりぶつからない。
読者には理解されるように、外科用器具と共に使用できるエンドエフェクタに関して保存された情報を含む外科用器具では、外科用器具が使用可能な情報を更新する必要があり得る。例えば、特定のエンドエフェクタに関する好ましい操作パラメータが経時変化する場合、各外科用器具内に保存された情報を更新する必要があり得る。更に、例えば、外科用器具と使用するために新しいエンドエフェクタが開発されると、外科用器具を更新する必要があり得る。外科用器具が適時更新されない限り、外科用器具はエンドエフェクタを識別できず、結果的に、本明細書に記載される既定の操作プログラムを使用できる。様々な実施形態では、外科用器具は、外科用器具と共に使用でできるエンドエフェクタ、又は少なくとも特定のエンドエフェクタに関する保存された情報を含まなくてもよい。かかる実施形態では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタに関する保存された情報、つまりパラメータを含んでもよい。かかるパラメータは、外科用器具によってアクセスされ、及び/又は、外科用器具に伝達され得る。様々な状況では、上記に加え、エンドエフェクタの外科用器具への組み付けにより、エンドエフェクタに、外科用器具が受信できる信号を発信させることができる。これも上記と同様に、エンドエフェクタは、信号を発するように指示されてよい。この信号は、様々な状況では、有線及び/又は無線接続によって外科用器具に送信され得る。特定の実施形態では、外科用器具はエンドエフェクタに指示し、信号を送信できる。
上記に加え、エンドエフェクタは、内部に保存されたエンドエフェクタに関する1つ又は2つ以上のパラメータを含んでよい。かかるパラメータは、例えば1つ又は2つ以上の記憶装置に保存されてよい。様々な場合では、かかるパラメータは、発射部材の所望の発射速度、発射部材の所望の後退速度、発射部材が移動する距離又は行程、外科用器具のモーターによって発射部材に加えられる最大トルク、及び/又は、エンドエフェクタが、実際には、例えば関節屈曲エンドエフェクタである場合、エンドエフェクタが関節屈曲する最大角度を含んでよい。特定の関節屈曲エンドエフェクタは、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」という名称の米国特許出願第13/803,097号に開示されている。最大屈曲角度に関するパラメータについて、コントローラはこのパラメータを利用し、エンドエフェクタの関節屈曲可能な部分が関節屈曲する程度を制限できる。いくつかの場合では、外科用器具のシャフトの長手方向軸から測定するとき、最大屈曲角度は例えば45度であってよい。発射部材の発射速度及び/又は後退速度に関するパラメータについて、例えば、パラメータは、発射部材に関する所望の速度、及び/又は、例えば、モーターの最高速度のパーセント、つまり割合を伝えることができる。例えば、発射速度の3の値は、例えば、発射部材を進めるとき、コントローラは、その最高速度の30%でモーターを操作しなくてはならないことを伝え得る。また、例えば、後退速度の5の値は、例えば、発射部材を後退させるとき、コントローラは、その最高速度の50%でモーターを操作しなくてはならないことを伝え得る。モーターの最大トルクに関するパラメータについて、例えば、パラメータは、トルクの最大値、及び/又は、例えば、モーターの最大トルクのパーセント、つまり割合を伝えることができる。更に、発射部材の行程長さに関するパラメータについて、例えば、パラメータは、発射部材が前進する及び/若しくは後退する所望の距離、並びに/又は、外科用器具の最大行程長さのパーセント、つまり割合を伝えることができる。例えば、60という値は、例えば発射行程が60mmであることを示すことができる。様々な場合では、パラメータの値は、例えば、ビット及び/又はバイトのデータを含むバイナリ形式などの、任意の好適な形式で伝達できる。パラメータアレイの代表的な実施形態を図110Aに示す。
様々な実施形態では、上記に加え、外科用器具は、エンドエフェクタから特定の順序でパラメータを得るように構成されてよい。例えば、エンドエフェクタから発せられる信号は、例えば、スタートビット、最大屈曲角度などの第1パラメータに対する第1ビットパターン、発射速度などの第2パラメータに対する第2ビットパターン、後退速度などの第3パラメータに対する第3ビットパターン、最大モータートルクなどの第4パラメータに対する第4ビットパターン、行程長さなどの第5パラメータに対する第5ビットパターン、及びストップビットを含んでよい。これは一例に過ぎない。任意の好適な数のパラメータを、信号の一部として伝達してよい。更に、任意の好適な数のスタートビット及び/又はストップビットを利用してよい。例えば、スタートビットは、各パラメータのビットパターンに先行してよく、及び/又は、ストップビットは、各パラメータのビットパターンに後続してよい。上記のように、少なくとも1つのスタートビット及び/又は少なくとも1つのストップビットの利用により、外科用器具のコントローラによる、エンドエフェクタからの信号が完全であるかどうかの解析を容易にできる。特定の実施形態では、スタートビット及び/又はストップビットを利用しなくてよい。その上、エンドエフェクタのパラメータを外科用器具に伝えるために、複数の信号をエンドエフェクタから発信してよい。
様々な状況では、上記に加え、外科用器具のコントローラは、エンドエフェクタから受信している信号が完全かどうか、及び/又は、受信している信号が認証されたもの、すなわち、認識されたエンドエフェクタからのものかどうかを評価するため、チェックサムを利用してよい。チェックサムは、データがエラーなく保存され、送信され、及び/又は受信されたことを保証するために使用される値を含んでよい。これは、例えばデータの二進値を計算し、あるアルゴリズムを用いてその二進値を互いに組み合わせることによって、作成できる。例えば、データの二進値を合計することができるが、様々な他のアルゴリズムを利用してもよい。特定のエンドエフェクタに関するパラメータが外科用器具に保存される実施形態では、上記のように、チェックサム値もそれぞれのかかるエンドエフェクタに対して保存できる。使用中、外科用器具のコントローラは、パラメータデータ及びチェックサム値にアクセスでき、パラメータデータからチェックサム値を演算した後、すなわち、算出されるチェックサム値を演算した後、コントローラは、算出されたチェックサム値を保存されたチェックサム値と比較できる。算出されたチェックサム値が保存されたチェックサム値と等しい場合、コントローラは、外科用器具のメモリから取得されたデータの全てが正しいと仮定できる。このような時点において、コントローラは、続いて、メモリからアップロードされたデータに従って外科用器具を操作できる。算出されたチェックサム値が保存されたチェックサム値と等しくない場合、コントローラは、取得されたデータのうち少なくとも1つのデータが誤っていると仮定できる。様々な場合では、コントローラは、続いて、既定の操作プログラム下で外科用器具を操作し、上記に加え、外科用器具の発射トリガを閉鎖し、及び/又は別の方法で、例えば、外科用器具のユーザーに対して事象を通信できる。特定の場合では、コントローラは、外科用器具のメモリからデータのアップロードを再度試み、チェックサムの演算と上記比較を再度実行できる。再算出されたチェックサム値及び保存されたチェックサム値が一致する場合、コントローラは、続いて、メモリからアップロードされたデータに従って外科用器具を操作できる。再算出されたチェックサム値及び保存されたチェックサム値が等しくない場合、コントローラは、続いて、既定の操作プログラム下で外科用器具を操作し、上記に加え、外科用器具の発射トリガを閉鎖し、及び/又は別の方法で、例えば、外科用器具のユーザーに対して事象を通信できる。
エンドエフェクタに関するパラメータがエンドエフェクタのメモリに保存される実施形態では、上記のように、チェックサム値も、例えば、エンドエフェクタのメモリに保存できる。使用中、外科用器具のコントローラは、パラメータデータ及び保存されたチェックサム値にアクセスできる。様々な場合では、上記に加え、エンドエフェクタは、パラメータ及びチェックサム値を外科用器具に伝える1つ又は2つ以上の信号を発することができる。上記の結果として、保存されたチェックサム値及びパラメータを共に伝達でき、本明細書での説明において、外科用器具によって受信されたチェックサム値を受信されたチェックサム値と称することができる。パラメータデータが受信されると、上記と同様に、コントローラは、パラメータデータからチェックサム値を演算し、すなわち、算出されるチェックサム値を演算し、算出されたチェックサム値と受信されたチェックサム値と比較できる。算出されたチェックサム値が受信されたチェックサム値と等しい場合、コントローラは、エンドエフェクタから取得されたパラメータデータの全てが正しいと仮定できる。このような時点において、コントローラは、続いて、エンドエフェクタからアップロードされたデータに従って外科用器具を操作できる。算出されたチェックサム値が受信されたチェックサム値と等しくない場合、コントローラは、取得されたデータのうち少なくとも1つのデータが誤っていると仮定できる。様々な場合では、コントローラは、続いて、既定の操作プログラム下で外科用器具を操作し、上記に加え、外科用器具の発射トリガを閉鎖し、及び/又は別の方法で、例えば、外科用器具のユーザーに対して事象を通信できる。このような出来事は、パラメータデータが、例えば1つ又は2つ以上の無線伝送を介してエンドエフェクタから外科用器具に通信されるとき、より頻度が高い場合がある。いずれにせよ、特定の場合では、コントローラは、エンドエフェクタからデータのアップロードを再度試み、チェックサムの演算と上記比較を再度実行できる。再算出されたチェックサム値及び受信されたチェックサム値が一致する場合、コントローラは、続いて、エンドエフェクタからアップロードされたデータに従って外科用器具を操作できる。再算出されたチェックサム値及び受信されたチェックサム値が等しくない場合、コントローラは、続いて、上記に加え、既定の操作プログラム下で外科用器具を操作し、外科用器具の発射トリガを閉鎖し、及び/又は別の方法で、例えば、外科用器具のユーザーに対して事象を通信できる。様々な場合では、上記の結果として、外科用器具は、エンドエフェクタを使用するとき、外科用器具の操作に使用されるエンドエフェクタに関する任意の情報を保存する必要がない。このような場合では、エンドエフェクタのパラメータに関するデータ及びデータの完全性の確認に使用されるチェックサム値は、全体がエンドエフェクタに保存され得る。外科用器具は、エンドエフェクタを使用するために、エンドエフェクタから十分な入力のみを必要とする操作プログラムを備えてよい。外科用器具と共に使用できる各エンドエフェクタ向けの特定の操作プログラムを必要としない場合がある。単一の操作プログラムを全てのエンドエフェクタで使用できる。このため、外科用器具は、例えば、追加のエンドエフェクタ用の操作プログラム、及び/又は、既存のエンドエフェクタ用の変更プログラムを備えるために更新する必要がない場合がある。
本明細書に記載の外科用器具に取り付けられるエンドエフェクタを識別するのに利用される無線通信システムに加え、又はその代わりに、ここで図149〜154を見ると、少なくとも1つの実施形態による外科用器具は、エンドエフェクタをスキャンし、識別する手段を備えてよい。図153は、図151、152、及び154に示されるエンドエフェクタ11060上の、図149及び150に示されるバーコードをスキャンするように構成できる、バーコードリーダー11022を備えるハンドル11020を示す。本明細書に開示される別の実施形態と同様に、エンドエフェクタ11060は、シャフト部、アンビル11062、及び/又はステープルカートリッジ11064を備えてよく、例えば、エンドエフェクタ11060の1つ又は2つ以上の部分は、上面にバーコードを備えてよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ11060は、アンビル11062とステープルカートリッジ11064の中間に位置づけられる取り外し可能な構成要素11063を備えてよく、これは、エンドエフェクタ11060が外科用器具に組み付けられる前又はその後に取り外しできる。図151では、バーコード11065は、エンドエフェクタ11060のシャフト部に配置されているものとして示される。図152では、バーコード11065は、取り外し可能な構成要素11063に配置されているものとして示される。様々な実施形態では、外科用器具のハンドル11020は、例えば、エンドエフェクタ上のバーコードを読み取るように構成されている、バーコードリーダー11024などのバーコードリーダーを備えてよい。例えば、主に図154を参照すると、ハンドル11020は、エンドエフェクタ11060のシャフト上に画定されるバーコード11065を読み取るように構成されている、内部バーコードリーダー部11022を備えてよい。少なくとも1つのこのような場合では、バーコードリーダー部11022は、エンドエフェクタ11060のシャフトを収容するようにサイズ決めされ構成されている、トラフ11026を備えてよく、このときバーコードリーダー11024を、バーコードリーダー11024がバーコード11065を読み取れるように、トラフ11026中に画定される開口部11027内に、及び/又は、開口部に対して装着できる。読者には理解されるように、多くのバーコードリーダー及びバーコードのプロトコルが既知であり、任意の好適なものを利用してよい。いくつかの場合では、バーコードは、例えば、バーコードを2つの異なる方向に読めるようにする、二方向情報を含んでよい。いくつかの場合では、バーコードは複数層の情報を利用してよい。いくつかの場合では、バーコードのプロトコルは、エンドエフェクタを識別する情報に先行するプリアンブル情報を含んでよく、及び/又は別の方法で、外科用器具の操作、つまり、特定の操作プログラムを用いた操作を可能にする情報を外科用器具に供給してよい。いくつかの場合では、バーコードリーダーは、バーコードを含む複数の山部及び谷部に接触し得る1つ又は2つ以上の光ビームを放出できる。いくつかの場合では、バーコードの谷部は、エンドエフェクタのシャフトハウジング内に延出してよく、及び/又は、その内部に画定されてよい。放出された光ビームは、それらの読み取りができるバーコードリーダーに反射されてよい。とはいえ、ハンドル11020のバーコードリーダー11024は、放出され反射された光ビームがバーコードリーダー部11022内に閉じ込められる、又は少なくとも実質的に閉じ込められるように、トラフ11026内に位置決めされ、配置される。このようにして、バーコードリーダー11024は、異なるエンドエフェクタ、すなわち、手術室に存在し得る、外科用器具に組み付けられようとしているもの以外のエンドエフェクタを、偶発的に、つまり意図せずにスキャンできない。
様々な場合では、上記に加え、エンドエフェクタは、エンドエフェクタが外科用器具に組み付けられる前に、外科用器具のバーコードリーダーを通過させてよい。様々な代替の実施形態では、外科用器具は、エンドエフェクタが外科用器具に組み付けられた後に、エンドエフェクタのバーコードのスキャンに使用できる、移動可能なバーコードリーダーを備えてよい。いずれにせよ、エンドエフェクタが識別されると、少なくともいくつかの状況では、コントローラは、識別されたエンドエフェクタを使用するように構成されている操作プログラムにアクセスできる。ある意味では、バーコードはブートローダーを備えてよい。別の状況では、本明細書の他の箇所で概説したように、バーコードは、共通のオペレーティングシステムを使用するのに必要な情報、つまりパラメータを、コントローラに供給できる。いくつかの状況では、各エンドエフェクタは、任意の2つのエンドエフェクタが、同じ種類のエンドエフェクタであっても2つの異なるバーコードを上面に有し得るように、シリアル化番号によって識別されてよい。かかる状況では、コントローラは、外科用器具が以前にスキャンしたエンドエフェクタの使用を拒否するように構成されてよい。このようなシステムは、例えば、少なくとも一部使用されたエンドエフェクタの再使用を防ぐことができる。
上記のように、エンドエフェクタは、有線接続及び/又は無線接続によって外科用器具と通信するように構成されてよい。有線接続に関して、ここで図115を見ると、エンドエフェクタ9960の近位端9969などのエンドエフェクタの近位端は、例えば、外科用器具のシャフト9940の遠位端9942上に、及び/又はその内部に配置された複数の電気接点9948と電気通信状態にできる、複数の電気接点9968を備えてよい。主に図116を参照すると、各電気接点9968は、要素空洞9965内に少なくとも部分的に配置される、接触要素9967を備えてよい。各電気接点9968は、例えば、接触要素9967と要素空洞9965の内部側壁との中間に配置される、ばね9966などの付勢部材を更に備えてよい。ばね9966は、接触要素を半径方向外側に付勢するように構成されてよい。接触要素9967は、少なくともエンドエフェクタ9960がシャフト9940に組み付けられる前に、要素空洞9965の別の内部側壁と係合するようにばね9966によって移動可能に付勢され得る、そこから突出している停止部9964を備えてよい。停止部9964と要素空洞9965の側壁との間の相互作用によって、接触要素9967の外側への移動を阻止できる。エンドエフェクタ9960がシャフト9940に組み付けられるとき、図116に示されるように、電気接点9968の接触要素9967は、ばね9966によって加えられる付勢力に逆らって、シャフトの電気接点9948によって内向きに押され得る。様々な状況では、接点9948及び9968の各対は、回路、つまり通信チャネル9950を閉じることができる。3対の接点が示されているが、任意の好適な数の接点及び/又は通信チャネルを利用することができる。様々な実施形態では、図117を参照すると、シャフト接点10048は、移動可能要素10047を対応するエンドエフェクタ接点10068に押しつけるように構成されている、移動可能要素10047及び付勢ばね10046をそれぞれ備え得る。特定の実施形態では、ここで図118を見ると、エンドエフェクタ接点とシャフト接点の一方又は両方は、可撓性部を備えてよい。例えば、エンドエフェクタは、対応するシャフト接点9948に弾性的に係合できる可撓性接点10168を備えてよい。
上記実施形態に関して、様々な状況では、エンドエフェクタは、長手方向軸に沿ってシャフトに組み付けられ得る。かかる状況では、主に図115を参照すると、最近位のエンドエフェクタ接点9968は、最遠位のシャフト接点9948と、最初に電気的に接続する。読者には理解されるように、かかる接点が係合状態になるとき、エンドエフェクタ9960は完全にシャフト9940に取り付けられていない。これらの接点間のこのような係合が一時的であり得る間、すなわち、エンドエフェクタ9960がより深くシャフト9940内に取り付けられるまで、外科用器具のコントローラは、エンドエフェクタ9960からの1つ又は2つ以上の信号を混同し、誤解釈する状態になり得る。エンドエフェクタ9940が完全に取り付けられるまで、エンドエフェクタ接点9968の長手方向アレイが、シャフト接点9948の長手方向アレイと連続的に接触するとき、同様の混同が生じ得る。様々な実施形態では、最近位のエンドエフェクタ接点9968が最近位のシャフト接点9948と係合されるまで、外科用器具のコントローラは、接点から伝達される信号を無視するように構成されてよい。ここで図119及び120を見ると、当該接点対が係合しており、その結果、エンドエフェクタが完全に取り付けられているときにコントローラが識別できるように、接点対の1つは別の接点対と異なっていてよい。例えば、外科用器具のエンドエフェクタ及びシャフトは、第1の接点対10248a、10268a、第2の接点対10248b、10268b、及び第3の接点対10248c、10268cを備えてよく、このとき第3の接点対は、第1の接点対及び第2の接点対と異なっていてよい。第1の接点対10248a、10268aが係合しているとき、接触要素10267aは、接触要素10267aの第1の接続部10263aが通信経路9950aの第1の経路部9951aと接触し、接触要素10267aの第2の接続部10264aが通信経路9950aの第2の経路部9952aと接触するように、内向きに押され得る。接触要素10267aのこのような位置では、第1の経路部9951a及び第2の経路部9952aは、両方とも接触要素10267aを通じて信号を伝え得る。第2の接点対10248b、10268bが係合しているとき、接触要素10267bは、接触要素10267bの第1の接続部10263bが通信経路9950bの第1の経路部9951bと接触し、接触要素10267bの第2の接続部10264bが通信経路9950bの第2の経路部9952bと接触するように、内向きに押され得る。接触要素10267bのこのような位置では、第1の経路部9951b及び第2の経路部9952bは、両方とも接触要素10267bを通じて信号を伝え得る。第3の接点対10248c、10268cが係合しているとき、接触要素10267cは、接触要素10467cの第1の接続部10263cが通信経路9950cの第1の経路部9951cと接触せず、接触要素10267cの第2の接続部10264cが通信経路9950cの第2の経路部9952cと接触せず、第1の経路部9951cと接触するように、内向きに押され得る。接触要素10267aのこのような位置では、第1の経路部9951cは、接触要素10267cを通じて信号を伝え得る。上記の結果として、エンドエフェクタが完全に取り付けられているとき、第1、第2、及び第3の組は、それぞれのチャネル経路との接続性について特定の配置を有し得、コントローラは、この完全に係合した配置が適所にあるかどうかを評価するように構成され得る。例えば、エンドエフェクタが最初にシャフトに挿入されるとき、第3接点10264cは、第1シャフト接点10248aとまず接触し得る。このような位置では、2つの経路部、すなわち、9951a及び9952aのみが、エンドエフェクタからコントローラに信号を通信でき、このように、コントローラは、エンドエフェクタが完全に取り付けられると、5つの経路部、すなわち、9951a、9952a、9951b、9952b、及び9951cが信号を通信できるときに起こる電圧降下と比較して、相互接続部全体の異なる電圧降下を検出するように構成されてよい。同様に、第3接触要素10267cが第2シャフト接点10248bと接触し、第2接触要素10267bが第1シャフト接点10248aと接触するまで、エンドエフェクタをシャフト内に更に挿入してよい。このような位置では、4つの経路部、すなわち、9951a、9952a、9951b、及び9952bのみが、エンドエフェクタからコントローラに信号を通信でき、このように、コントローラは、エンドエフェクタが完全に取り付けられると、5つの経路部、すなわち、9951a、9952a、9951b、9952b、及び9951cが信号を通信できるときに起こる電圧降下と比較して、相互接続部全体の異なる電圧降下を検出するように構成されてよい。
特定の場合では、エンドエフェクタが外科用器具の細長シャフトに組み付けられるとき、操作者は、エンドエフェクタの駆動システム及び/又は関節屈曲システムを係合し、例えば、エンドエフェクタの閉鎖、発射、及び/又は関節屈曲を開始できる。エンドエフェクタは、第1ジョーと、第2ジョーと、第1ジョーの第2ジョーに対する位置を検出するように構成されている1つ又は2つ以上のセンサと、を備えてよい。ここで図121〜124を参照すると、エンドエフェクタ10360は、第1ジョー、つまりアンビル10362と、第2ジョー、つまりステープルカートリッジ10364と、を備えてよく、このときアンビル10362は、ステープルカートリッジ10364に向かって、及びそこから離れる方向に移動可能である。多くの場合、エンドエフェクタ10360は、内視鏡によってもエンドエフェクタ10360が容易に視認できない患者の体内へ、トロカールを通じて挿入される。その結果、外科用器具のユーザーは、第2ジョー10364の位置に対するアンビル10362の位置を容易に評価できない。エンドエフェクタの使用を容易にするため、上記のように、エンドエフェクタ10360は、アンビル10362の位置を検出するセンサを備えてよい。様々な状況では、かかるセンサは、アンビル10362とステープルカートリッジ10364との間の間隙を検出するように構成されてよい。特定のセンサは、アンビル10362のステープルカートリッジ10364に対する回転位置を検出するように構成されてよい。センサは、2013年3月13日出願の「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」という名称の米国特許出願第13/800,025号、及び2013年3月13日出願の「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」という名称の米国特許出願第13/800,067号に開示されている。2013年3月13日出願の「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」という名称の米国特許出願第13/800,025号、及び2013年3月13日出願の「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」という名称の米国特許出願第13/800,067号の開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。使用されるセンサ(1つ又は複数)に関わらず、アンビル10362の位置を、ディスプレイを通じて外科用器具のユーザーに伝えることができる。かかるディスプレイは、例えば、エンドエフェクタ10360、及び/又は、シャフト10340などの外科用器具のシャフト上に位置してよい。ディスプレイがエンドエフェクタ上に位置するとき、ディスプレイは、例えば内視鏡を用いて視認できる。このような場合では、ディスプレイは、エンドエフェクタを手術部位に挿入できるトロカールによって不明瞭にならないように、エンドエフェクタ上に配置され得る。別の言い方をすれば、使用時に、トロカールの遠位端に対して遠位にあるように、ディスプレイを配置してよい。ディスプレイがシャフト上に位置するとき、ディスプレイは、トロカールによって不明瞭にならないように、シャフト上に配置され得る。別の言い方をすれば、使用時に、トロカールの近位端に対して近位にあるように、ディスプレイを配置してよい。図121〜124に示される実施形態を参照すると、ディスプレイ10390はシャフト10340上に位置している。
引き続き図121を参照すると、エンドエフェクタ10360のアンビル10362は完全開放位置に示される。このアンビル10362の位置では、エンドエフェクタ10360の発射部材10330は近位位置にあり、まだ遠位に進んでいない。以下で詳述されるように、発射部材10330は遠位に進み、ステープルカートリッジ10364に向けてアンビル10362を移動する。図121に示される発射部材10330の位置は、発射部材10300の未発射の最近位位置を示し得る。アンビル10362が完全開放位置にあるとき、主に図125を参照すると、アンビルディスプレイ10390は光っていない場合がある。読者には理解されるように、アンビルディスプレイ10390は、いくつかの異なる位置のうちの1つにあるアンビル10362の位置を示すことができる。アンビルディスプレイ10390は、たまたまアンビル10362の5つの可能性のある位置を示すことができるが、5つを超えるインジケータ、又は5つ未満のインジケータを利用するアンビルディスプレイを備え得る別の実施形態が想定される。アンビル10362が開放位置から閉鎖位置に移動すると、ディスプレイ10390は、インジケータ10391〜10395を利用してアンビル10362の位置を順次示すことができる。インジケータ10391は、アンビル10362がわずかに閉鎖位置にあることを示す。インジケータ10392、10393、及び10394は、アンビル10362が部分的な閉鎖位置にあることを示す。インジケータ10395は、アンビル10362が完全に閉鎖した、平行位置にあることを示す。図121を図122と比較すると、読者は、発射部材10330が遠位に進み、少なくとも部分的にアンビル10362を閉じていることを理解するであろう。アンビル10362が図122に示される位置にあるとき、アンビル位置センサは、アンビル10362の新たな位置を検出でき、アンビルディスプレイ10390のインジケータ10391は、図126に示されるように光り得る。図122を図123と比較すると、発射部材10330は遠位に進み、アンビル10362を完全に閉じてはいないが更に閉じる。アンビル10362が図123に示される位置にあるとき、アンビル位置センサは、アンビル10362の新たな位置を検出でき、インジケータ10393は、図127に示されるように光り得る。図122と図123を更に比較すると、読者は、アンビル10362が約10度回転していること、例えば、アンビル10362が約5度のみ回転している場合、例えば、アンビルディスプレイ10390のインジケータ10392が光っていることを理解するであろう。図123を図124と比較すると、発射部材10330は遠位に進み、アンビル10362を完全に閉じている。アンビル10362が図124に示される位置にあるとき、アンビル位置センサは、アンビル10362の新たな位置を検出でき、インジケータ10395は、図128に示されるように光り得る。図123と図124を更に比較すると、読者は、アンビル10362が約10度回転していること、例えば、アンビル10362が約5度のみ回転している場合、例えば、アンビルディスプレイ10390のインジケータ10394が光っていることを理解するであろう。
上記に加え、エンドエフェクタ及び/又は外科用器具は、アンビルディスプレイ10390を制御するように構成され得るコントローラを備えてよい。例えば、エンドエフェクタがアンビルディスプレイ10390を備えるとき、コントローラは、エンドエフェクタ内に配置され得る。外科用器具のシャフトがアンビルディスプレイ10390を備えるとき、及び/又は、外科用器具の任意のその他部分がアンビルディスプレイ10390を備えるとき、外科用器具は、コントローラを備え得る。他の場合では、エンドエフェクタ及び外科用器具の一方は、アンビルディスプレイ10390を備えてよく、エンドエフェクタ及び外科用器具の他方は、コントローラを備えてよい。いずれにせよ、アンビル位置センサ(1つ又は複数)は、コントローラと信号通信を行うことができる。コントローラは、センサ(1つ又は複数)からの1つ又は2つ以上の信号を解釈し、アンビル10362の位置を判定するように構成されてよい。コントローラは、上記のようにインジケータ10391〜10395を光らせるために、アンビルディスプレイ10390と通信できる。様々な状況では、各インジケータ10391〜10395は、例えば発光ダイオードを含んでよい。かかる状況では、各発光ダイオードは、コントローラが、他の発光ダイオードとは無関係にある発光ダイオードを選択的に光らせるように、コントローラのマイクロプロセッサの出力チャネルと電気通信するように配置され得る。様々な場合では、コントローラは、アンビルセンサからのデータに基づいてアンビル10362の位置を連続的に評価でき、このデータを利用して、どのインジケータを光らせるかを連続的に更新する。例えば、アンビル10362が閉鎖されている又は開放されているとき、コントローラは、アンビル10362の位置を追跡し、インジケータ10391〜10395によってこの情報を外科用器具のユーザーに即座に表示できる。このような場合、アンビル10362の位置に関するリアルタイムの、又はほぼリアルタイムのフィードバックをユーザーに提供できる。他の場合では、コントローラは、アンビル10362が移動を止めた、又は少なくとも実質的に移動を止めた後まで、例えば一定期間、アンビル10362の位置の表示を待つ場合がある。読者には理解されるように、インジケータ10391〜10395は、アンビル10362の別々の位置を表し得るが、例えば、閉鎖されるとき、アンビル10362は、これらの別々の各位置を一瞬通過するのみである可能性がある。様々な状況では、コントローラは、どのインジケータを光らせるのかを決定するためのアルゴリズムを利用してよい。例えば、コントローラは、アンビル10362が、インジケータディスプレイ10390によって表され得る任意の別個の位置に一致していない場合でも、どのインジケータがアンビル10362の位置をより正確に表しているかを判定するアルゴリズムを適用できる。様々な状況では、アンビル10362が、2つの隣接するインジケータによって表される2つの別個の位置の中間に位置するとき、コントローラは、インジケータディスプレイ10390中の2つの隣接するインジケータを光らせることができる。
様々な場合では、上記に加え、インジケータ10391〜10395は、同じ色の光、又は少なくとも実質的に同じ色の光を放出する発光ダイオードをそれぞれ含んでよい。他の場合では、インジケータ10391〜10395の1つ又は2つ以上は、別のインジケータ10391〜10395と異なる色で発光できる。例えば、インジケータ10391を黄色に発光するように構成でき、一方インジケータ10392〜10395を、例えば、緑色に発光するように構成できる。読者には理解されるように、図122を参照すると、アンビル10362とカートリッジ10364との間に位置する組織Tは、アンビル10362が図122に示される部分閉鎖位置にあるとき、アンビル10362によって十分にクランプされ得ず、アンビル10362のこの位置に関連するインジケータ10391が黄色に光ると、外科用器具のユーザーは、エンドエフェクタ10360を動かす、及び/又は、発射プロセスを継続する前に、注意するようリマインドされ得る。いくつかの場合では、インジケータ10361〜10365の1つ又は2つ以上は、それぞれが2つ以上の色を発光するように構成され得る。例えば、各インジケータ10361〜10365は、緑色及び赤色を発光するように構成されている発光ダイオードを備えてよい。このような場合では、インジケータ10361〜10365は、上記のようにアンビル10362の位置を示すときに緑色を発光し、あるいは、エンドエフェクタ10360及び/又は外科用器具にエラーがあるときに赤色発光できる。
上記のように、エンドエフェクタのアンビルは、ステープルカートリッジに対して開放位置と閉鎖位置との間を移動可能であり得、外科用器具システムは、アンビルの位置を検出し、アンビルの移動をユーザーに伝えるように構成されてよい。とはいえ、ステープルカートリッジがアンビルに対して移動可能である実施形態が想定される。少なくとも1つのこのような実施形態では、アンビルは固定され、つまり枢動可能ではない場合がある。固定され、つまり枢動可能でない場合、アンビルは、エンドエフェクタフレームの一部から固定的に延在し得るが、エンドエフェクタフレームのその部分、そこから延在するアンビル、及びステープルカートリッジは、エンドエフェクタの別の部分又は外科用器具のシャフトに対して関節屈曲可能であってよい。エンドエフェクタが関節屈曲可能であろうとなかろうと、かかる実施形態では、ステープルカートリッジは、アンビルに対して枢動可能であり得る。アンビルの動きを検出するための本明細書に記載されるシステム及び方法は、ステープルカートリッジの動きの検出に適応され得る。その上、アンビルの動きを表示するための本明細書に記載されるシステム及び方法は、ステープルカートリッジの動きを表示するように適合され得る。
様々な場合では、操作者は、発射行程中に駆動部材を後退させることを望む場合がある。Zemlok‘763に開示される外科用器具は、ハンドルに装着された後退レバーをラチェット式に動かすことによって作動される駆動チューブを備える、手動駆動の機械的インターフェイスを備える、後退アセンブリを使用する。かかる構成は、臨床医が発射ロッドを後退させるのを可能にすることを意味し、最終的には、装填ユニットの駆動部材は、電源を遮断させ、又はモーター若しくは制御システムを発射中に破壊させるだろう。しかしながら、かかる後退アセンブリは、モーター及びモーター歯車ボックスがラチェット式に動かす(作動)プロセス中に係合したままであることから、効果的に操作することが難しい場合がある。したがって、装置の後退アセンブリは、駆動チューブの手動回転を可能にするために、十分なトルクを生じさせて、歯車ボックス中の歯車及びモーターシャフトを回転できなくてはならない。かかる力の発生により、後退アセンブリ部品に過剰な応力がかかり、後退アセンブリの破壊的不良を引き起こす可能性がある。図1〜28に示される外科用器具10は、この問題などを回避できる独特のかつ新規な後退アセンブリ装置を有して構成され得る。
例えば、外科用器具10は、上部126及び底部128を有する後退シャーシ124を含む、後退アセンブリ120を備えてよい。様々な形態では、後退アセンブリ120は、駆動歯車130及び後退歯車132を介して、駆動チューブ102と機械的に連動する。図5を参照されたい。駆動歯車130は、駆動歯車130の回転によって、駆動チューブ102に回転を付与するように、回転不能に駆動チューブ102に取り付けられる。駆動歯車130及び後退歯車132は、かさ歯車又は類似するものを含み、図5に示されるように、その間の噛合係合を可能にできる。後退歯車132は、後退シャーシ124の上部及び底部126及び128に対して実質的に垂直であり、その間を延在する、第1スピンドル134(図4及び5)に連結されてよい。スピンドル134は、外科用器具10の長手方向軸「LA−LA」に対して実質的に垂直であるスピンドル軸「SA−SA」の周囲を回転して動くように支持されてよい。図5を参照されたい。様々な形態では、後退歯車132は、そこに取り付けられた第1平歯車136を有してよい。第1平歯車136は、これも後退シャーシ124の上部126と底部128との間に実質的に垂直に配置され、それによって画定される第2シャフト軸「SA’−SA’」の周りを回転可能な第2スピンドル137上に、動作可能に支持される、第2平歯車138と連動する。第2平歯車138は、第1スピンドル134上に配置される第3平歯車140と噛合係合するように支持される。第3平歯車140は、一方向性クラッチアセンブリ142の第1クラッチ部144に取り付けられる。クラッチアセンブリ142は、第1クラッチ部144の上部の第1スピンドル134に回転可能に配置される、第2クラッチ部146を更に備える。ばね(1つ又は複数)(図示せず)は、第1クラッチ部144と第2クラッチ部146との間に配置され、それによって、図5に示されるように、第1及び第2クラッチ部144及び146を持ち上げた「非噛合」方向に維持できる。
駆動チューブ102が回転すると、駆動歯車130が、第1、第2、及び第3平歯車136、138、140に、並びに、第1クラッチ部144及び対応するスピンドル134、137に、回転を付与することが理解される。第2クラッチ部146はスピンドル134の周りを回転でき、その間に配置されたばね装置(図示せず)によって、第1クラッチ部144と係合しないように付勢されているため、第1クラッチ部144の回転は、第2クラッチ部146に伝えられない。図5に示されるように、第1及び第2クラッチ部144及び146は、平坦な噛合面及び傾斜した滑り面をそれぞれ有する複数の噛合歯148を備える。以下で更に詳述されるように、第2クラッチ部146は、後退レバー150によって、第1クラッチ部144と噛合係合するように付勢されてよい。歯148上の滑り面は、第2クラッチ部146の回転によって第1クラッチ部144を回転させるように、噛合面を互いに接触させることを可能にする。第1クラッチ部144の回転は、全ての連動している歯車を同様に回転させ、最終的には、器具の長手方向軸LA−LAを周る回転運動を駆動チューブ102に付与する。
ここで図6を参照すると、後退レバー150は、カム部154を含む細長ハンドル部152を備えてよい。カム部154は、後退レバー150を第1スピンドル134の周りを回転できるように第1スピンドル134に取り付けられ得る取り付け具(図示せず)によって、機械的に連動するよう支持される一方向性ニードルクラッチ(図示せず)を収容できる開口部を備えてよい。Zemlok‘763は、このような一方向性ニードルクラッチ及び取り付け具装置の操作を更に説明しており、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれた。様々な形態では、後退レバー150は、それぞれが上面にカム表面158を有する1つ又は2つ以上のカム部材156を備える。第1の向きでは、後退レバー150は、図1に示されるように、ハウジング12のレバーポケット14に沿って配置される。第1クラッチ部144と第2クラッチ部146との間に配置されるばねは、後退シャーシ124の上部126に逆らって後退レバー150を付勢するように働く。図6に示されるように、カム部材156は、後退シャーシ124の上部126中の対応するカムスロット、つまりポケット160内に配置される。後退レバー150は、後退シャーシ124の上部126と後退レバー150のカム部154との間に設置される戻りばね162によって、第1の向きに維持される。カム部材156及びカムスロット160は、後退レバー150が更に回転するのを防ぐ。
使用中、後退レバー150がハウジング12中のレバーポケット14(図1)から出ると、カム部材156は、対応するカムスロット160と連動し、第1クラッチ部144と第2クラッチ部146との間に配置されるばね(1つ又は複数)の付勢力に逆らって、後退レバー150のカム部154を下向き方向に付勢する。このような下向きの動きによって、ばね(1つ又は複数)が圧縮され、第1及び第2クラッチ部144、146を噛合係合するまで押し込む。カム部154を反時計方向に回転すると、取り付け具及び第1スピンドル134と連動するニードルクラッチが作動する。後退レバー150を連続的に作動すると、クラッチアセンブリ142が回転し、それが平歯車136、138、140、並びに後退及び駆動歯車132及び130を次々に回転させる。次に、これによって、器具の長手方向軸「LA−LA」の周りを駆動チューブ102が回転する。発射ロッド104は駆動チューブ102と螺合しているため、上記のように駆動チューブ102が回転した結果、発射ロッド104が駆動チューブ102内に後退(つまり、近位に軸方向移動)する。
操作中、駆動チューブ102は、モーター100によって、器具の長手方向軸「LA−LA」の周りを後退方向と反対の方向(例えば、時計方向など)に回転するように構成されてよい。このような駆動チューブ102の回転が、発射ロッド104を、遠位方向「DD」に軸方向に移動させる。この装填ユニット20の発射ロッド104及び駆動部材60の前進は、本明細書で「発射」操作と称されてよい。図5に示されるように、例えば、歯車アセンブリ170を利用して、装填ユニット20を作動させるため、発射ロッド104を遠位方向「DD」に駆動するのに必要な量の駆動トルクを確立する。歯車アセンブリ170は、モーター100に連結されている歯車ボックスハウジング172を備えてよい。例えば、歯車ボックスハウジング172は、ねじ103又は他の機械的締結具及び/若しくは締結具装置によって、モーターハウジング101に連結されてよい。歯車アセンブリ170及びモーター100は、全体を通して186と表記される「駆動ユニット」と集合的に称してよい。
歯車ボックスハウジング172は、一体成形される、ないしは別の方法でハウジング12によって回転不能に支持される、モーター保持部190に回転可能に支持されてよい。かかる構成は、駆動ユニット186が、ハウジング12内で器具の長手方向軸「LA−LA」の周りを回転するのを可能にするが、ハウジング12内の軸方向移動を防ぐ。モーター100は、例えば、Zemlok‘763において更に詳述されている種類の電源200及び/又は電力システム2000(図129)によって、給電されてよい。
駆動ユニット180への、より具体的には、モーター100への電流供給を容易にするため、独特の接点装置210を利用してよい。例えば、図4に示されるように、接点装置210は、環状の負のモーター接点212と、モーターハウジング101に支持される環状の正のモーター接点114と、を備えてよい。固定された負の接点216は、負のモーター接点112との摺動接点のため、ハウジング12内に支持されてよい。同様に、固定された正の接点218は、駆動ユニット180がハウジング12内で回転するとき、正のモーター接点214との摺動接点のために支持されてよい。固定された負及び正の接点216、218は、可撓性ばね様接点を備え、ハウジング12内への駆動ユニット186の組み付けと調整を容易にしてよい。固定された負の接点216は、負極リード220によって電源200に電気的に接続されてよく、固定された正の接点218は、正極リード222によって電源200に電気的に接続されてよい。かかる接点装置が、ハンドルハウジング内での器具の長手方向軸「LA−LA」の周りの駆動ユニット186の回転を促進しながら、電源200からモーター100に電力が供給されるのを可能にする。
図5を参照すると、歯車アセンブリ170は、モーターシャフト107に動作可能に連結されている遊星歯車装置を備えてよい。1つの構成では、例えば、輪歯車173は、歯車ボックスハウジング172の内側面上に形成されてよい。主要太陽歯車171は、モーターシャフト107に連結されてよい。主要太陽歯車171は、第1遊星歯車キャリア174に支持される複数の第1遊星歯車175が輪歯車173とも噛合係合するように、それらと噛合係合して支持されてよい。第1太陽歯車176は、第1遊星歯車キャリア174上に形成ないしは別の方法で取り付けられてよく、第2遊星歯車キャリア177に支持される複数の第2遊星歯車178と噛合係合して支持されてよい。第2遊星歯車178も、輪歯車173と噛合係合して支持されてよい。第2太陽歯車179は、第2遊星歯車キャリア177上に形成ないしは別の方法で取り付けられてよく、複数の第3遊星歯車181と噛合係合して支持されてよい。第3遊星歯車181は、輪歯車173と噛合係合して第3遊星歯車キャリア180に支持されてよい。第3太陽歯車183は、第3遊星歯車キャリア180上に形成ないしは別の方法で取り付けられてよく、軸受185によって歯車ボックスハウジング172内に回転可能に支持される出力シャフトユニット184に取り付けられ得る、複数の第4遊星歯車187と噛合係合する。第4遊星歯車187も、輪歯車173と噛合係合して支持されてよい。
図7は、駆動ユニット186をハウジング12内に回転可能に支持するための1つの構成を示す。この図に示されるように、モーター保持具190のモーター取り付けボス192は、その中に回転可能に支持される歯車ボックスハウジング分割部196を備えてよい。1つの構成では、例えば、歯車アセンブリ170は、軸受185によって歯車ボックスハウジング分割部196内に回転可能に支持される。同様に、モーター100は、軸受198によってモーター取り付けハウジング部13の内部に回転可能に支持される。駆動ユニット186をハウジング12内に回転可能に支持する他の方法も使用できる。
出力シャフトユニット184は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているZemlok‘763に開示されている種類及び構成のクラッチ230(図5)に、動作可能に連結されてよい。かかるクラッチ230の構成及び操作に関する更なる詳細は、当該公開特許から入手できる。しかしながら、代替の実施形態では、クラッチ230を、出力シャフトユニット184の駆動チューブ102への直接的連結を容易にする働きをする、シャフト−シャフト連結具又はスリーブ構成に置き換えてよい。
Zemlok‘763に開示される外科用器具の軸方向に移動可能な駆動梁が動かなくなったとき、又は器具への動力が失われたとき、ユーザーは、装填ユニットの取り外しを容易にするため、後退アセンブリを使用して、駆動梁を開始位置に後退させて戻す必要があった。しかしながら、後退システムが、歯車アセンブリ中の複数の歯車装置を逆転させるのに必要な、十分な量のトルクを発生させる必要があったため、効率よく後退させるのは困難であった。したがって、このような後退システムを効果的に操作するのは非常に難しい場合があった。
本明細書に開示される少なくとも1つの外科用器具の実施形態は、かかる問題に取り組むため、全体を通して240と表記される、独特のかつ新規な解放可能な駆動ユニットロックシステムを使用する。以下で更に詳述されるように、例えば、解放可能な駆動ユニットロックシステム240が「ロック」位置にあるとき、駆動ユニット186はハンドルハウジング12内で回転できない。モーター100から歯車アセンブリ170を介し、最終的に駆動チューブ102まで、モーターのトルクの伝達を促進するために外科用器具が「発射される」とき、駆動ユニット186はロック位置に保持される。後退アセンブリ120の作動が望ましいとき、駆動ユニットロックシステム240は「ロック解除」位置に移動して、駆動ユニット186がハウジング12内で自由に回転できるようになり、それによって、歯車アセンブリ170中の歯車装置を逆転させるための十分な後退トルク発生の必要がない。後退アセンブリ120の操作中、歯車アセンブリ170は、モーター100と駆動チューブ102との間に動作可能に連結したままであってよい。かかる実施形態では、歯車アセンブリ170は、モーター100及び駆動チューブ102に動作可能に連結したままであるが、駆動ユニット186が自由回転することで、歯車装置が逆転して駆動チューブ102を後退させると、歯車アセンブリ170の駆動に必要なトルクを減少できる。このような必要トルクの減少は、後退システムの効率を改善できる。
図8に示されるように、例えば、後退アセンブリ120の第3平歯車140は、駆動ユニットロックシステム240のロック歯止めアセンブリ250を作動するように構成されている、ロック解除カム141を備えてよい。ロック歯止めアセンブリ250の1つの形態を図9〜11に示す。図10に示されるように、例えば、ロック歯止めアセンブリ250は、内部に形成されたロックノッチ254を有する歯止め部材252を備えてよい。ロックノッチ254は、歯車ボックスハウジング172の外側周囲に形成された一連の離間配置された第1ロックくさび256が、その間を自由に通過できるような寸法である。例えば図12及び13を参照されたい。以下で更に詳述されるように、歯止めロックくさび258は、任意の第1ロックくさび256とロック係合するため、ロック歯止め252上に形成される。図8〜11にも示されるように、ロック歯止めアセンブリ250は、モーター取り付けボス192中の通路194内に摺動可能に収容されるように構成されている、歯止めガイドロッド260を更に備えてよい。歯止めばね262は、歯止めガイドロッド260に軸支され、歯止め部材252とモーター取り付けボス192との間に配置されて、歯止め部材252のカム係合部264を第3平歯車140と係合するように付勢する。
後退アセンブリ120及び駆動ユニットロックシステム240の1つの操作方法について、ここで図8、13及び14を参照して説明する。図13は、ロック位置にある駆動ユニットロックシステム240を示している。この図に示されるように、歯止め部材252は、歯止めばね262によって遠位ロック位置に付勢される。このロック位置にあるとき、歯止め部材252上の歯止めロックくさび258は、歯車ボックスハウジング172上の第1ロックくさび256の対応する1つとロック係合する。この位置にあるとき、後退アセンブリ120は作動されておらず、歯車アセンブリ170はハウジング12内で回転できない。主電源スイッチ80(図1)を押し下げることによってモーター100を作動させると、結果的に駆動チューブ102が回転し、最終的には発射ロッド104が軸方向に前進して、装填ユニット20を通して駆動梁60を遠位に駆動する。
例えば、駆動梁60が装填ユニット20にクランプされた組織中で動かなくなる場合、又は、モーター100への動力が失われた場合、又は、その他の理由でモーター100が駆動チューブ102の回転を逆転させることができず、最終的に、発射ロッド104を後退できない場合、臨床医は、後退アセンブリ120を利用して、発射ロッド104及び駆動梁60を手動で後退させることができる。図8は、非作動位置(例えば、駆動ユニットロックシステム240がロック位置にあるとき)にある、後退アセンブリ120を示す。手動による後退プロセスを開始するため、臨床医は、ハンドルハウジング12中のレバーポケット14から後退レバー150を引き出す(「R」方向へ、図6参照)。後退レバー150の「R」方向への移動の結果、後退シャーシ124内の後退レバー150のカム部154が回転する。このような後退レバー150の「R」方向への回転により、ロック解除カム141を歯止め部材252のカム係合部264に係合させて、歯止め部材252をロック解除位置に付勢し、それによって、駆動ユニット186をハンドルハウジング12内で自由に回転できるようにする。後退シャーシ中のカムスロット160は、クラッチアセンブリ142を最初に係合解除せずに、後退レバー150のカム部154のこのような回転移動を容易にするように位置され、かつ、そのために十分な長さを有する。したがって、カムスロット160は、駆動チューブ102の回転の結果による作動運動を適用する前に駆動ユニットアセンブリ186のロック解除を容易にするため、以前の後退シャーシ構成において配置されたカムスロットよりも長いものであってよい。例えば、少なくとも1つの構成では、カムスロット160が伸長して、後退レバー150が約15度回転するのを容易にしてよい。臨床医が後退レバー150を「R」方向に回転し続けると、カム係合部264は、第3平歯車140上のロック解除カム141の外側周囲に乗って進む。後退レバー150を「R」方向に回転し続けた結果、カム部154上のカム部材156がそれらの対応するカムスロット160の端部と係合し、カム部154を下向き方向に付勢する。この下向きの動きが、第1クラッチ部144と第2クラッチ部146との間に位置するばね(1つ又は複数)を圧縮し、その上部の歯148を互いに噛合係合させる。カム部154を反時計方向に回転し続けると、取り付け具及び第1スピンドルと連動するニードルクラッチを作動できる。後退レバー150を連続的に作動すると、クラッチアセンブリ142が回転し、それが平歯車136、138、140、並びに後退及び駆動歯車132及び130を次々に回転させる。これによって、次に駆動チューブ102が回転し、発射ロッド104が後退する。
後退レバー150は、後退レバー150の一部がハウジング12の一部に当接するまで、既定の移動量を作動できる。その後、後退レバー150は戻りばね162によって第1位置に戻る。この動作により、カム部152が立ち上がり、第2クラッチ部146の上方移動と、第1クラッチ部144の係合解除も可能になる。ニードルクラッチは取り付け具を解放し、それによって、駆動チューブ102の移動に影響せずに、後退レバー150が第1位置に戻るのを可能にできる。後退レバー150が第1位置に戻ると、駆動ユニット186は再度ロック位置に保持される。後退レバー150のラチェット式運動又は回転は、発射ロッド104が所望の位置に戻るまで何度も繰り返してよい。
この回転運動を適用している間、歯車ボックスハウジング172は自由に回転するため、駆動チューブ102及び歯車アセンブリ170内の歯車を回転させるのに要するトルク量は、以前の後退アセンブリの操作に要するトルクと比べて大きく低下する。またかかる構成は、歯車アセンブリ170のモーターシャフト107への駆動的連結を保持しつつ、後退アセンブリによって生じるトルク力のモーターシャフト107への伝達を防ぐのにも有利に役立つ。換言すれば、後退アセンブリ120の操作中、歯車アセンブリ170は、モーターシャフト107と駆動チューブ102との間に駆動的に連結したままであってよい。かかる構成は、例えば、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれており、後退システムの作動中、伝達部分が物理的に分断され、又は物理的に遮断される結果である米国特許第7,959,050号に開示されている後退構成とは異なっている。
図15〜18は、以下に記載される相違点以外は上記外科用器具10に実質的に類似している、別の外科用器具310を示す。図16に示されるように、器具310は、例えば、上記方法でモーター100に連結され得る歯車ボックスハウジング472を備える、歯車アセンブリ470を備える。歯車ボックスアセンブリ470及びモーター100は、全体を通して486と表記される「駆動ユニット」と集合的に称してよい。歯車アセンブリ470は、以下に記載される相違点以外は上記歯車アセンブリ170と同一であり得る。
少なくとも1つの構成では、歯車ボックスハウジング472は、本明細書に記載の様々な方法でハウジング12内に一体成形された、ないしは別の方法で回転不能に取り付けられたモーター保持部190中に、回転不能に支持されてよく、又はそれと一体成形されてよい。この構成では駆動ユニット486は回転しないため、電源に直接接続されてよい。例えば、モーター100は、Zemlok‘763に記載される方法又はその他好適な方法で給電されてよい。図16に示されるように、歯車アセンブリ470は、モーターシャフト107に動作可能に連結されている遊星歯車装置を備えてよい。1つの構成では、例えば、固定された輪歯車473は、歯車ボックスハウジング472の内側面上に形成されてよい。主要太陽歯車471は、モーターシャフト107に取り付けられてよい。主要太陽歯車471は、第1遊星歯車キャリア474に支持される複数の第1遊星歯車475と噛合係合して支持されてよい。第1遊星歯車475も、固定された輪歯車473と噛合係合して支持されてよい。第1太陽歯車476は、第1遊星歯車キャリア474上に形成されてよく、第2遊星歯車キャリア477に支持される複数の第2遊星歯車478と噛合係合されてよい。第2遊星歯車478も、固定された輪歯車473と噛合係合して支持されてよい。第2太陽歯車479は、第2遊星歯車キャリア477上に形成されるか、又はそれに取り付けられてよく、第3遊星歯車キャリア480に支持される複数の第3遊星歯車481と噛合係合して支持されてよい。第3遊星歯車481は、固定された輪歯車473と噛合係合される。第3太陽歯車483は、第3遊星歯車キャリア480上に形成されるか、ないしは別の方法でそれに取り付けられてよい。第3太陽歯車483は、軸受185によって歯車ボックスハウジング472内に回転可能に支持される出力シャフトユニット484に取り付けられる、複数の第4遊星歯車487と噛合係合して支持されてよい。複数の第4遊星歯車487は、歯車ボックスハウジング472に回転可能に装着されるロック可能な輪歯車485と噛合係合し得る。歯車471、473、475、476、478、479、481及び483は、本明細書で歯車列アセンブリ460と集合的に称されてよい。
ロック可能な輪歯車485は、モーター保持部190(図16)中の環状空洞490内に回転可能に装着されてよい。空洞490は、内部のロック可能な輪歯車485が器具の長手方向軸「LA−LA」の周りを自由回転できる寸法である。ロック可能な輪歯車485は環状通路490内に取り付けられ、その後、環状通路490内に圧入ないしは別の方法で保持される差し込み部材492によって適所に保持される。
外科用器具310は、移動可能なシフトリングアセンブリ542を備える駆動ユニットロックシステム540を、更に備えてよい。少なくとも1つの形態では、シフトリングアセンブリ542は、少なくとも1つの、好ましくは複数の、例えば、ピン544の形態のロック部材を有する、例えばシフトリング543を備えてよい。ピン544はシフトリング543から突き出ており、ロック可能な輪歯車485と選択的にロック係合をするように構成されている。ロックピン544はそれぞれ、差し込み部材492中の対応する通路546内に摺動可能に収容されてよい。シフトリング542は、クラッチクランプ560に取り付けられる反転リンク550によって軸方向移動するように支持される。図15に示されるように、クラッチクランプ560は、第3平歯車140の外側周囲の一部の周りに固定されるばねクランプを含んでよい。クラッチクランプ560は、シフタロッド564に取り付けられる出っ張り部562をその上面に有する。シフタロッド564は、ある程度可撓性であり、シフトリング542に旋回式に連結されてよい。通常使用の間(すなわち、モーター100が発射ロッド104を駆動しているとき)、ロックピン544は、ロック可能な輪歯車475とロック係合してロック可能な輪歯車475が回転するのを防ぎ、回転トルクが出力シャフトユニット484に、最終的には駆動チューブ102に伝達されるようにする。
臨床医が後退アセンブリ120を使用して発射ロッド104の後退を望むとき、後退レバー150を、図15に示される開始位置から「R」方向に回転する。後退レバー150が回転すると、クラッチクランプ560が第3平歯車140と共に回転し、それにより、シフタロッド564によって、シフトリング542を遠位方向「DD」に移動させる。シフトリング542が遠位方向「DD」に移動すると、ロックピン544が、ロック可能な輪歯車485とのロック係合状態から外れ、歯車ボックスハウジング472に対するロック可能な輪歯車485の回転を可能にする。臨床医は、図18に示される終了位置まで後退レバー150のラチェット式運動を続ける。少なくとも1つの構成では、例えば、ロック可能な輪歯車485からロックピン544を係合解除するのに必要であるのは、後退レバー150を約15度回転させることのみである。臨床医が後退レバー150を解放した後、戻りばね162が後退レバー150を開始位置まで戻し、臨床医は、発射ロッド104が所望の位置に後退するまで、この手順を繰り返すことができる。ロック可能な輪歯車485が軸受ハウジング472内で自由に回転するため、駆動チューブ102及び出力シャフトユニット484の回転は、歯車アセンブリ470中の別の歯車装置によって抵抗されない。そのため、発射ロッド104の後退に要するラチェット式トルク量は、後退プロセス中、歯車アセンブリ中の歯車装置と動作可能に係合したままである後退装置と比較して低減される。更に、必要なトルクは低減されるにもかかわらず、発射ロッド104は歯車アセンブリ470と動作可能に係合したままであり得る。換言すれば、発射ロッド104は、モーター100に動作可能に連結したままであり得る。シフトリング542がモーター取り付けボス192中の軸受185に接触するとき、ロックピン544は、ロック可能な輪歯車485をロック係合する。クラッチクランプ560は、シフトリングが軸受185又はモーター取り付けボス192の別の部分と接触した後に、第3平歯車140に対して摺動するように構成されてよい。したがって、駆動ユニットロックシステム540は、後退動作を駆動チューブ102に適用している間、ハンドルハウジング内の駆動ユニットの少なくとも一部を容易に回転させるのに役立ち、発射ロッド104の後退に要する後退トルク量を低減する。
図19の外科用器具610は、外科用器具310中に採用された反転リンク550を無くすように、クラッチクランプ560が第3平歯車140に取り付けられる以外は、外科用器具310と実質的に同一である。図18に示されるように、例えば、シフタロッド564は、シフトリング542に直接連結されている。上記方法で後退レバー150をラチェット式に動かした結果、シフトリング542が移動し、ロックピン544がロック可能な輪歯車485と係合及び係合解除する。
図20及び21は、以下の相違点以外は外科用器具610と実質的に同一である、別の外科用器具610’を示す。この構成では、例えば、少なくとも2つの「リーフ式」ロックばね620及び輪歯車ロック部材622が、歯車アセンブリ470’の歯車ボックスハウジング472’上に支持されている。図20に示されるように、各ロックばね620及び対応するロック部材622は、歯車ボックスハウジング472’中のスロット624内に支持される。この構成では、シフトリング542に取り付けられるロックピン544’は、対応する輪歯車ロック部材622を押し付けてロック可能な輪歯車485とロック係合させるため、対応するロックばね620を接触し、内向きにへこませるように構成されている。この位置にあるとき(図20に示す)、ロック可能な輪歯車485の歯車ボックスハウジング472’に対する回転が防がれる。シフタロッド564がシフトリング542を遠位方向「DD」に引っ張るとき、ロックピン544’は、対応するロックばね620を係合解除するが、このばね620が開始位置に屈曲できるようにして、輪歯車ロック部材622がロック可能な輪歯車485を係合解除し、歯車ボックスハウジング472’に対して回転できるようにする。したがって、後退アセンブリ120が作動されると、ロック可能な輪歯車485は歯車ボックスハウジング472’に対して自由に回転することによって、発射ロッド104を近位方向「PD」に後退されるのに要する後退トルク量を低減する。
図22〜24は、外科用器具に動作可能に取り付けられる発射ロッド又は他の構成要素の遠位部分が操作中に動かなくなった、又は発射ロッドアセンブリを前進するための操作電力が停止した場合に、外科用器具710の発射ロッドの遠位部分を選択的に手動後退させるための別の後退アセンブリ構成を示す。以下に記載される相違点以外は、外科用器具710は、上記の、及び/又は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれるZemlok‘763に開示されている外科用器具と、設計及び操作において類似し得る。
図22〜24に示されるように、外科用器具710は、発射ロッドアセンブリ720を動作可能に支持するハウジング712を備える。ハウジング712は、例えば、駆動チューブに回転運動を与え、その結果、本明細書に記載される様々な方法で発射ロッドアセンブリ720の軸方向移動をもたらし得るために、モーター及び歯車アセンブリ(図示せず)を動作可能に支持してよい。少なくとも1つの構成では、発射ロッドアセンブリ720は、本明細書に開示される様々な方法で駆動チューブと動作可能に連動する、近位発射部材、つまりロッド部722を備えてよい。更に別の外科用器具構成では、近位発射ロッド部722は、近位発射ロッド部722に軸方向運動を加えるように構成されている他の駆動構成及びシステムと、動作可能に連動し得る。
更に図22〜24に見られるように、発射ロッドアセンブリ720は、本明細書に記載される様々な方法で連結されている装填ユニット20の軸方向に移動可能な駆動梁60の近位端に、動作可能に連結されている遠位発射部材、つまりロッド部724を更に備えてよい。後退連結アセンブリ732の形態の後退アセンブリ730は、近位発射ロッド部722と遠位発射ロッド部724との間で旋回式に連結されてよい。示される構成では、後退連結アセンブリ732は、近位発射ロッド部722にピン留めされるリンクハンドル部736を有する、作動装置リンク734を備える。後退連結アセンブリ732は、示されるように作動装置リンク734及び遠位発射ロッド部724にピン留めされる、遠位後退リンク738を更に備える。示される実施形態では、ハウジング712は、遠位に延在するシャフトハウジング分割部716も含み得る、遠位に延在する関節屈曲ハウジング部714を備える。シャフトハウジング分割部716は、発射ロッドアセンブリ720の軸方向移動に対応して遠位及び近位方向に軸方向に移動するとき、後退連結アセンブリ732を軸方向に支持するように働き得る。シャフトハウジング分割部716に対する後退連結アセンブリ732の軸方向移動を容易にするため、作動装置リンク734は、示されるように、シャフトハウジング分割部716中に形成されるスロット718を通って延出する。
図22は、発射前の発射ロッドアセンブリ720及び後退アセンブリ730の位置を示す。図23は、遠位方向「DD」に発射された後の発射ロッドアセンブリ720及び後退アセンブリ730の位置を示す。発射プロセス中、臨床医が駆動梁60を後退させて開始位置まで戻すことを望む場合、臨床医は、作動装置リンク734のリンクハンドル部736を単に把持し、図24に示されるように「R」方向に枢動させてよく、これにより、遠位発射ロッド部724及び駆動梁60を近位「PD」方向に引き寄せる。図22及び23に示されるように、発射中、遠位発射ロッド部724の近位端725は、近位発射ロッド部734の遠位端735から、通常は軸方向に「RD」と示される距離分、離間していてよい。距離「RD」は、駆動ユニットによる発射ロッドアセンブリ720の発射及び通常の後退中、留まる、例えば変わらなくてよい。しかしながら、臨床医が後退アセンブリを作動させると、遠位発射ロッド部724の近位端725と近位発射ロッド部734の遠位端735との距離(距離「RD’」)は、距離「RD」より小さくなる。加えて、図22に示されるように、駆動梁60の遠位作動ヘッド62の開始位置と、遠位作動ヘッド62の終了位置(すなわち、発射行程完了後)との間の距離は、距離「FD」と表す。所望される場合、距離「RD」は、作動ヘッド62を終了位置から開始位置まで戻すために、遠位発射ロッド部724が十分に後退(すなわち、近位発射ロッド部722の遠位端735に近づけて移動)できるのに十分な距離であってよい。別の言い方をすれば、遠位発射ロッド部724は、発射距離「FD」に少なくとも等しいかそれ以上である、後退距離を後退してよい。かかる構成では、例えば、作動ヘッド65が動かなくなる、ないしは別の方法でその終了位置で停止した場合、後退アセンブリを作動することで、駆動梁60を完全に後退させ、遠位作動ヘッド62をその開始位置に移動させることができ、このとき、遠位作動ヘッド62により、アンビル22が枢動して開き、組織を解放することが可能になり得る。
図25〜28は、選択的に手動後退可能であり得る代替の発射ロッドアセンブリ720’を示す。示されるように、発射ロッドアセンブリ720’は、本明細書に開示される様々な方法で駆動チューブと動作可能に連動し得る、近位発射ロッド部722’を備える。更に別の外科用器具構成では、近位発射ロッド部722’は、近位発射ロッド部722’に制御運動を加えるように構成されている他の駆動構成及びシステムと、動作可能に連動し得る。発射ロッドアセンブリ720’は、本明細書に記載される様々な方法で連結されている装填ユニット20の軸方向に移動可能な駆動梁60の末端部を、少なくとも部分的にくぼませ、動作可能に連結されている、遠位発射ロッド部724’を更に備えてよい。例えば、遠位発射ロッド部724’は、遠位発射ロッド部724’が、近位発射ロッド部722’上を後退距離「RDD」分、軸方向に摺動できる寸法である、通路725を内部に有してよい。後退距離は、その作動ヘッド62を終了位置「EP」から開始位置「SP」まで移動するため、後退アセンブリ730’が、駆動梁60の十分な距離の後退を可能にするように、発射距離「FD」と同じ又はそれより大きくてよい。図25を参照されたい。後退アセンブリ730’は、後退ラッチ732’を備えてよい。後退ラッチ732’は、ラッチ留め位置(図25及び26)とラッチ解除位置(図27及び28)との間を移動可能なラッチハンドル735を備えてよい。ラッチ留め位置にあるとき、後退ラッチ732’は、近位発射ロッド部722’及び遠位発射ロッド部724’上方の軸方向摺動ができないように、遠位発射ロッド部724’を取り付ける。この向きにあるとき、近位発射ロッド部722’は、本質的に一体となって移動する。したがって、ラッチ留め方向にあるとき、図26に示されるように、発射ロッドアセンブリ720’は、遠位方向「DD」にその終了位置「EP」まで発射され得る。発射行程中に、駆動梁60が動かなくなった、又は器具への動力が停止した若しくは失われた(又はその他に理由)場合に、臨床医は、後退ラッチハンドル735をラッチ解除位置(図27)まで単純に移動させ、その後、図28に示されるように、後退ラッチ732’を近位方向「PD」に手動で引っ張ることができる。
本明細書に開示される様々な後退システム及び構成は、外科用エンドエフェクタによって利用されるモーター式駆動部材を後退させるのに使用された以前の後退構成が共通して直面する欠点に対応することができる。例えば、本明細書に開示される様々な後退構成は、歯車/電動装置構成がモーターとの「駆動的」つまり物理的な連結を維持可能である一方で、モーターを伴う歯車/電動装置構成によって通常もたらされる抵抗に遭わずに、駆動部材及び/又は関連する駆動構成への後退動作の手動適用を容易にできる。
したがって、少なくとも1つの例は、遠位方向及び近位方向への選択的軸方向移動のために支持される部分を含み得る、発射部材アセンブリを備えてよい外科用器具を含む。器具は、モーターシャフトを備えるモーターを含む、駆動ユニットを更に備えてよい。歯車アセンブリは、モーターシャフトに駆動的に連結されていてよく、モーターシャフトが第1回転方向に回転すると、発射部材アセンブリの部分が遠位方向に軸方向駆動され、モーターシャフトが第2回転方向に回転すると、発射部材の部分が近位方向に軸方向駆動されるように、発射部材アセンブリと連動するように構成されている出力シャフトアセンブリを備えてよい。外科用器具は、モーターが作動解除されるとき、発射部材アセンブリに第2回転方向への別の回転運動を手動で適用するために、発射部材アセンブリと連動する、後退アセンブリを更に備えてよい。外科用器具は、歯車アセンブリがモーターシャフトに駆動的に連結されたままで、別の回転運動のモーターシャフトへの伝達を阻止するための後退アセンブリ及び駆動ユニットと連動する、ロック手段を更に備えてよい。
更に別の例に従うと、外科用器具は、発射動作及び後退動作を生じさせる駆動ユニットを備えてよい。器具は、発射動作及び後退動作のうち少なくとも1つの適用に対して、少なくとも1つの外科的機能を実行するように構成されている外科用エンドエフェクタを更に備えてよい。外科用器具は、駆動ユニットと動作可能に連動し、そこからの回転作動運動を動作可能に受けるように構成されている近位発射部材部分を含み得る、発射部材アセンブリを更に備えてよい。発射部材アセンブリは、近位発射部材部分の遠位に支持され、発射動作及び後退動作を外科用エンドエフェクタに伝達するように構成されている、遠位発射部材部分を更に備えてよい。後退アセンブリは、近位発射部材部分及び遠位発射部材部分に動作可能に連結され得る。後退アセンブリは、後退アセンブリが発射動作及び後退動作を近位発射部材部分から遠位発射部材部分に伝達するように構成されている非作動位置と、遠位発射部材部分が近位発射部材部分に対して軸方向に移動する作動位置との間を、選択的に移動可能であってよい。
別の外科用器具の例は、動作可能に連結されている細長いシャフトアセンブリを含む、ハンドルハウジングを備えてよい。細長いシャフトアセンブリは、内部に軸方向に移動可能な発射ロッドを支持してよい。装填ユニットは、細長いシャフトに動作可能に連結されていてよく、発射ロッドと連動するように構成されてよい。駆動チューブは、ハンドルハウジング内に回転可能に支持され、発射ロッドと動作可能に連動し得る。外科用器具は、モーターシャフトを有するモーターを更に備えてよい。モーターは、ハンドルハウジング内に動作可能に支持されてよく、電源に動作可能に連結されてよい。歯車アセンブリは、モーターシャフトに駆動的に連結されてよく、モーターシャフトが第1回転方向に回転すると、駆動チューブが発射ロッドを遠位方向に駆動し、モーターシャフトが第2回転方向に回転すると、駆動チューブが発射ロッドを近位方向に駆動するように、駆動チューブと連動するように構成されている出力シャフトアセンブリを備えてよい。後退アセンブリは、モーターが作動解除されるとき、第2回転方向への別の回転運動を手動で加えるための駆動チューブと連動してよい。ロック手段は、歯車アセンブリがモーターシャフトに駆動的に連結されたままで、別の回転運動のモーターシャフトへの伝達を阻止するための後退アセンブリ及び歯車アセンブリと連動してよい。
再度図1〜3を参照すると、様々な実施形態では、外科用器具10のモーター100は、発射要素60などの発射要素と動作可能に連結でき、発射行程中にエンドエフェクタ、つまりDLU 20を通して発射要素60を駆動できる。例えば、発射要素60は、発射行程中に、組織の切断、及び/又は組織中へのステープルの発射が可能である。電池は、モーター100に電流を供給でき、例えば、モーター100に供給された電流は、モーター100によって発生するトルクに関連させることができる。更に、モーター100によって発生するトルクは、発射要素60によって及ぼされる発射力に関連させることができる。モーター全体の電圧は、モーター100の角速度に関連させることができ、例えば、それを発射要素60の速度に関連させることができる。ここで図63を参照すると、モーターは、トルク−電圧曲線5802を規定できる。様々な実施形態では、トルク−電圧曲線5802は、最適化電圧Vにおける最大トルクT1を有し得る。最適化電圧Vよりも大きい及び/又は小さい電圧において、例えば、モーターによって発生したトルクは、最大トルクT1よりも小さいこともある。例えば、1/2Vの電圧において、トルク−電圧曲線5802は、例えば、トルクT2(T1よりも小さいこともある)を有し得る。
様々な実施形態では、モーターとの信号通信における制御システムは、電池からモーターに電流を供給できる。いくつかの実施形態では、制御システムは、例えば、発射要素の速度を制御できる速度管理制御を含んでよい。制御システムは、例えば、モーターに供給される電流、及び/又は、モーター全体の電圧を制御できる、可変抵抗回路及び/又は電圧制御回路を含んでよい。かかる実施形態では、制御システムは、モーターのトルク及び/又は角速度を、したがってモーターに連結されている発射要素の発射力及び/又は速度を制御できる。例えば、電圧制御回路は、モーター全体の電圧を制御し、発射要素の速度に影響を及ぼすことができる。図63を参照すると、電圧制御回路が理想的電圧Vから例えば1/2Vまで電圧を下げる場合、トルクをT2(最大トルクT1より小さいこともある)まで減少でき、速度を、例えば速度S2に調節できる。
様々な実施形態では、制御システムは、パルス幅変調回路を含んでよく、この制御システムは、モーターに電流パルスを供給できる。主に図64(a)〜65(b)を参照すると、電流は、一定の電圧でパルス状であってよい。様々な実施形態では、パルスのデューティサイクル、すなわち、間隔又は時間当たりのパルスの持続時間は、発射要素5804の速度に影響し得る。デューティサイクルが高い(図64(a))とき、各パルスの間隔はより長くなり得、その結果、モーターは、より早い、例えば速度S1で発射要素5804を駆動できる。デューティサイクルが低い(図64(b))とき、各パルスの間隔はより短くなり得、その結果、モーターは、より遅い、例えば速度S3で発射要素5804を駆動できる。様々な実施形態では、パルス幅変調回路は、モーターの最適化電圧V(図63)において、モーターに電流パルスを供給できる。かかる実施形態では、モーターによって発生されるトルクを減少せずに、発射要素5804の速度を制御できる。例えば、モーターを最適化電圧Vで操作して、例えば最大トルクT1を発生でき、例えば速度S3などの低下させた速度で、及び/又は、電圧パルスの幅を変化させることによる任意の好適な速度で、エンドエフェクタを通して発射要素5804を駆動できる。
様々な実施形態では、電池は、ボルトアンペア制限、つまり電力閾値を有してよい。換言すれば、電池は、単位時間当たり制限量のエネルギーを供給できる。電池の電力閾値は、電池及び/又は回路の設計に関連させることができる。例えば、例えば熱容量及び/又は電線絶縁などの電池及び/又は回路上の熱的制限は、電力閾値に影響を与え得る。更に、電池の電力閾値は、モーターに供給される電流量を制限し得る。様々な実施形態では、例えば、パルス幅変調などの速度管理制御を利用するモーターは、電池の最大ボルトアンペアを必要としなくてよい。例えば、電池が最大又は最適化電圧で電流パルスを供給して、所望の速度かつ最大又は最適化トルクで発射要素を駆動するとき、発射要素の駆動に余剰電流を利用しなくてよい。かかる実施形態では、余剰電流を用いて、追加のトルクを産生できる。図66(a)〜66(c)を参照すると、モーターは、例えば追加の、つまり二次コイルセットを備えてよく、追加のトルクを発生させるため、余剰電流を追加のコイルセットに選択的に向けてよい。かかる実施形態では、モーターは、例えばより遅い速度で、より多くのトルクを産生できる。様々な実施形態では、制御システムは、例えば電池のボルトアンペア制限に基づいて、二次コイルセットに供給される余剰電流を最大化できる。更に、特定の実施形態では、制御システムは、発射行程の少なくとも一部の間にモーターによって発生されるトルクを最適化できる。
引き続き図66(a)〜66(c)を参照すると、電池6002は、モーター6004に電流を選択的に供給できる。モーター6004は、例えば一次コイルセット6006と、二次コイルセット6008と、を備えてよい。様々な実施形態では、モーター6004と信号通信する制御システム6020は、一次コイルセット6006及び/又は二次コイルセット6008に選択的に電流を向けることができる。例えば、制御システム6020は、例えば、第1操作状態中に一次コイルセット6006に電流を供給でき、第2操作状態中に一次コイルセット6006及び二次コイルセット6008の電流を供給できる。様々な実施形態では、例えばスイッチ6010などのスイッチは、開放位置と閉鎖位置との間を移動し、例えば、二次コイルセット6008に選択的に電流を供給できる。様々な実施形態では、コイルセット6006、6008は、別々に起動可能であってよい。更に、制御システム6020はパルス幅変調回路6022を備えてよく、電池6002は、例えばコイルセット6006、6008のうち少なくとも1つに電流パルスを供給してよい。様々な実施形態では、一次コイルセット6006を第1の回路6030(図66(a))に連結でき、二次コイルセットを、第1の回路6030と独立している第2の回路6032(図66(a))に連結できる。別の実施形態では、一次及び二次コイルセット6006、6008を、例えば、並列(図66(b))又は直列(図66(c))に配置できる。特定の実施形態では、モーター6004は、例えば、少なくとも1つの追加の一次コイルセット及び/又は少なくとも1つの追加の二次コイルセットを備えてよい。
様々な実施形態では、モーターは、第1操作状態中の第1のトルク量、及び第2操作状態中の第2のトルク量を発生できる。例えば、第2のトルク量は、第1のトルク量より大きくてよい。更に、第2操作状態中に二次コイルセット6006によって発生される追加のトルクは、発射行程中の発射要素のロックアウトを阻止及び/又は制限できる。例えば、図67を参照すると、モーターは、第1操作状態中に発射要素を遠位に駆動でき、第2操作状態中に発射要素を近位に駆動できる。様々な実施形態では、モーターは、発射要素を前進しているときよりも、発射要素後退しているときの方が、より多くのトルクを発生できる。かかる実施形態では、発射要素の後退を改善できる。例えば、組織が厚すぎて、及び/又は硬すぎて発射要素が切断及び/又はステープル留めできないなどで発射要素が動かなくなった場合、例えば追加のトルクを利用して、発射要素を工程してよい。引き続き図66を参照すると、モーターによって発生するトルクは、発射行程の「ソフト」スタート相5902中に徐々に増加でき、及び/又は、発射行程の「ソフト」ストップ相5904、5906中に徐々に減少できる。例えば、発射要素を前進しているとき、モーターは、発射行程の開始時に発射速度を徐々に、つまりゆっくりと上げることができ、発射要素が発射行程の前半部分を完了すると、発射速度を徐々に、つまりゆっくりと下げることができる。更に、様々な実施形態では、発射要素を後退させているとき、モーターは、直ちに又は実質的に直ちに最大トルク及び/又は速度を発生できる。モーターは、追加のコイルセット6008(図65(a)〜(c))を用いて、発生したトルクを、例えば後退の開始時に最大限にすることができる。
図68を参照すると、制御システムは、発射行程の試行部分5912中により遅い速度で移動するように発射要素を制御できる。例えば、発射要素が前進しているとき、発射要素が、当初はより遅い速度で移動して、標的組織に対してエンドエフェクタの選択及び/又は配置が適切であることを確実にすることができる。更に、本明細書に詳述されるように、外科医は、例えばスイッチ又はボタンなどの作動装置を係合し、モーターを作動して、例えば、エンドエフェクタジョーの開放及び閉鎖、発射要素の移動、並びに/又は装填ユニットの関節屈曲を開始できる。作動装置が係合され、モーター式の作動の開始時において、例えば、図68に示される試行部分5912などの試行部分を開始すると、外科医が外科的作業を「試行」し、意図される及び/又は適切な外科的作業が開始されていることを確実にすることができる。例えば、特定の実施形態では、第1ボタンは第1方向へのモーター式関節屈曲を開始でき、第2ボタンは第2方向へのモーター式関節屈曲を開始できる。外科用器具が「逆さま」に回転し及び/又は向けられるとき、操作者の視点から見ると、第1及び第2ボタンの位置が回転し、及び/又は標準位置から反対になり得る。第1方向が目的の関節屈曲方向である場合、試行部分中に、装填ユニットが第1方向に関節屈曲されている、すなわち、第1ボタンが実際に作動されたことを確実にすることが望ましい場合がある。同様に、第2方向が目的の関節屈曲方向である場合、試行部分中に、装填ユニットが第2方向に関節屈曲されている、すなわち、第2ボタンが実際に作動されたことを確実にすることが望ましい場合がある。特定の実施形態では、外科的作業の初期部中の試行部分は、目的ではない外科的作業が開始されていた場合に、その外科的作業を変更及び/又は修正する時間を外科医に与えることができる。本明細書に詳述されるように、例えばパルス幅変調回路6022などのパルス幅変調回路は、外科的作業の初期部中の試行部分を達成できる。
上記のように、モーターコントローラは、パルス幅変調を利用してモーター6004を操作するように構成されてよい。様々な場合では、モーターコントローラは、例えば、一次コイルセット6006及び二次コイルセット6008において同じパルス幅変調を利用できる。他の場合では、モーターコントローラは、一次コイルセット6006において第1のパルス幅変調信号を、二次コイルセット6008において第2の、つまり異なるパルス幅変調信号を利用できる。いくつかの場合では、モーターコントローラは、コイルセット6006、6008のうち一方にパルス幅変調信号を利用できるが、他方にはできない。その上、本明細書に記載の教示を3つ以上のコイルセットを有するモーターに適用することもできる。例えば、モーターコントローラは複数のパルス幅変調信号を利用し、複数のコイルセットを操作できる。
様々な実施形態では、モーターは、例えば、ブラシ付きDCモーター又はブラシレスDCモーターであってよい。特定の実施形態では、モーターは、例えばハイブリッド型ステッピングモーターなどのステッピングモーターであってよい。ステッピングモーターは、エンコーダが不要であるような回転制御をもたらすことができる。エンコーダを排除すると、例えばモーターのコスト及び/又は複雑度を低減できる。図69及び70を参照すると、モーターは、簡易ステッピングモーターであってよい。例えば、モーターは、周囲に離間配置された4つの電磁極を含んでよい。ここで図71〜74(c)を参照すると、モーターはハイブリッド型ステッピングモーターであってよい。ハイブリッド型ステッピングモーターは、例えば永久磁石及び電磁石を含んでよい。
例えば、Zemlok‘763及びZemlok‘344に開示されている以前の外科用器具構成は、2つの別個のモーターを利用している。1つのモーターを利用し、例えば、装填ユニットを通って駆動部材を遠位に前進させ、その結果、アンビルの閉鎖、組織の切断、及び装填ユニットに支持されるステープルカートリッジからのステープルの発射を行う。別のモーターを利用して、関節屈曲継手の周りで装填ユニットを関節屈曲する。関節屈曲装填ユニット構成に用いられるモーターに関する更なる詳細は、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,431,188号にも開示されている。かかる装置において2つのモーターを使用すると、複雑度が増し、外科用器具の全体的な支出が追加される場合がある。例えば、かかる構成は、使用中に故障し得る後退システム及びその他機構の数を2倍にし得る。図29〜31に示される外科用器具810は、加えられる発射運動に対応して少なくとも1つの外科的手技を実施するように構成されている外科用エンドエフェクタを、発射及び関節屈曲するために選択的に利用できる単一のモーターを使用している。
少なくとも1つの形態では、例えば、外科用器具810は、本明細書に詳述される様々な外科用器具で使用されるのと同じ構成要素の多くを使用できる。例えば、外科用器具810は、回転作動運動を生じるように構成されているモーター100を動作可能に内部に支持する、ハウジング12を備える。モーター100は、以下に更に詳細に説明される、それに伴って選択的に位置決め可能な駆動連結具アセンブリ840を有する歯車アセンブリ820に、動作可能に連結されている。外科用器具810は、外科用エンドエフェクタを関節屈曲するための細長いシャフトアセンブリと動作可能に連動する、全体を通して859と表記される関節屈曲システムを更に備えてよい。1つの形態では、例えば、関節屈曲システム859は、以下に記載される相違点以外は、Zemlok‘763及び/又はZemlok‘344及び/又は米国特許第7,431,188号に開示されている関節屈曲作動機構と実質的に類似し得る、全体を通して860と表記される関節屈曲作動機構を備えてよい。例えば、ハウジング12は、上部に装着される回転可能部材92を有するバレル部90を備えてよい。回転可能部材92は、細長いシャフトアセンブリの近位端と連動し、ハウジング12に対する細長いシャフトアセンブリの回転を容易にできる。回転可能部材92は、米国特許第7,431,188号に開示されるような関節屈曲ノブ及び滑りクラッチ構成を動作可能に支持できる。この構成のメイン関節屈曲歯車94は、図29及び30に破線で示される。メイン関節屈曲歯車94は、上記米国特許第7,431,188号に記載されるように、滑りクラッチによってメインシャフト95に連結され、メイン関節屈曲歯車94の回転が対応するメインシャフト95の回転を起こさせるようにできる。そこに更に記載されるように、関節屈曲ノブは、関節屈曲位置インジケータとして働くことができる。メインシャフト95は、関節屈曲連結アセンブリ97の近位端と動作可能に連動するJ型溝部材96と、動作可能に連動する。1つの形態では、関節屈曲連結アセンブリ97は、装填ユニット20中の関節屈曲連結部70(図3)と連動する近位関節屈曲連結部98を備えてよい。
関節屈曲機構860は、メイン関節屈曲歯車94及び駆動連結具アセンブリ840と動作可能に連動する、関節屈曲動力伝達系構成870を更に備えてよい。図29及び30に示されるように、関節屈曲動力伝達系構成870は、以下で更に詳述されるように、駆動連結具アセンブリ840の出力部に取り付けられる関節屈曲駆動シャフト872を備えてよい。第1関節屈曲駆動歯車873は関節屈曲駆動シャフトに取り付けられ、回転可能部材92内に回転可能に支持される第2関節屈曲伝達歯車874上の中心歯車系統875と噛合係合する。したがって、第1関節屈曲駆動歯車873が回転することにより、結果として、第2中心関節屈曲伝達歯車874が回転する。図29及び30に更に示されるように、「第3」関節屈曲シャフト歯車877は、上部に「第4」関節屈曲ウォーム歯車878を有する第2関節屈曲シャフト876に装着される。第3関節屈曲シャフト歯車877は、第1関節屈曲駆動歯車873が回転した結果、最終的に、第3関節屈曲シャフト歯車877及び第2関節屈曲シャフト876を回転するように、第2中心関節屈曲伝達歯車875と噛合係合する。第4関節屈曲ウォーム歯車878は、第4関節屈曲ウォーム歯車878が回転した結果、メイン関節屈曲駆動歯車94が回転し、最終的には、関節屈曲連結アセンブリ97を関節屈曲させるように、メイン関節屈曲歯車94と噛合係合する。以下で更に詳述されるように、駆動連結具アセンブリ840が関節屈曲制御方向にあるとき、関節屈曲駆動シャフト872はモーター100によって回転される。
図31に示されるように、モーター100は歯車アセンブリ820に動作可能に連結されている。歯車アセンブリ820は、モーター100に連結されている歯車ボックスハウジング822を備えてよい。例えば、歯車ボックスハウジング822は、ねじ103又は他の機械的締結具及び/若しくは締結具装置によって、モーターハウジング101に連結されてよい。歯車アセンブリ820は、モーターシャフト107に動作可能に連結されている遊星歯車装置821を備えてよい。1つの構成では、例えば、輪歯車823は、歯車ボックスハウジング822の内側面上に形成されてよい。主要太陽歯車821は、モーターシャフト107に連結されている。主要太陽歯車821は、第1遊星歯車キャリア824に支持される複数の第1遊星歯車825が輪歯車823とも噛合係合するように、それらと噛合係合する。第1太陽歯車826は、第1遊星歯車キャリア824上に形成ないしは別の方法で取り付けられ、第2遊星歯車キャリア827に支持される複数の第2遊星歯車828と噛合係合する。第2遊星歯車828も、輪歯車823と噛合係合して支持される。第2太陽歯車829は、第2遊星歯車キャリア827上に形成ないしは別の方法で取り付けられ、複数の第3遊星歯車831と噛合係合される。第3遊星歯車831は、輪歯車823と噛合係合して支持される第3遊星歯車キャリア830に支持される。第3太陽歯車833は、第3遊星歯車キャリア830上のシャフト伸張部832に形成ないしは別の方法で取り付けられ、シャフト伸張部832上に回転可能に支持される第4遊星歯車キャリア834を備える、連結具歯車に取り付けられた複数の第4遊星歯車835と、噛合係合される。加えて、スラスト軸受836は、第4遊星歯車キャリア834間のシャフト伸張部832に軸支され得る。第4遊星歯車835は、歯車ボックスハウジング822によって回転可能に支持される出力シャフトユニット850と噛合係合する。図30に示されるように、第2スラスト軸受836は、第4遊星歯車と出力シャフトユニット850との間に支持され得る。第4遊星歯車835は、内歯車系統854と噛合係合して支持される。
示される実施形態では、出力シャフトユニット850は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているZemlok‘763に開示されている種類及び構成のクラッチ230に、動作可能に連結されている。かかるクラッチ230の構成及び操作に関する更なる詳細は、当該公開特許から入手できる。しかしながら、代替の実施形態では、クラッチ230を、出力シャフトユニット850の駆動チューブ102への直接的連結を容易にする働きをする、シャフト−シャフト連結具又はスリーブ装置に置き換えてよい。
再度図31を参照すると、主要関節屈曲駆動歯車837は関節屈曲駆動シャフト872に取り付けられ得、第4遊星歯車キャリア834上の外部歯車リング838と噛合係合する。様々な形態では、駆動連結具アセンブリ840は、歯車ボックスハウジング822又はハウジング812の別の部分に移動可能に連結している、ないしは別の方法でこれらによって移動可能に支持される連結具セレクタ部材842を更に備えてよい。少なくとも1つの構成では、連結具セレクタ部材842は、第1駆動シャフト保持部844及び第1関節屈曲シャフト保持部846を備えて形成されてよい。第1駆動シャフト保持部844は、出力シャフトユニット850上の第2駆動シャフト保持部845を移動不可能に係合するよう構成されている、溝付け、粗面化などを施した領域を含む。同様に、第1関節屈曲シャフト保持部846は、第4遊星歯車キャリア834上の第2関節屈曲シャフト保持部847を移動不可能に係合するよう構成されている、溝付け、粗面化などを施した領域を含む。
連結具アセンブリ840の動作は、図29及び30を参照することによって理解することができる。図29に示されるように、連結具セレクタ部材842は関節屈曲位置に枢支され、第1関節屈曲シャフト保持部846は、出力シャフトユニット850上の第2関節屈曲シャフト保持部847と移動不可能に係合する。この位置にあるとき、出力シャフトユニット850は、長手方向軸LA−LAの周りを回転できない。したがって、この位置にあるとき、モーター100の作動により、第4遊星歯車835と噛合係合している第3太陽歯車833が回転する結果となる。第4遊星歯車835が回転した結果、自由回転できる第4遊星歯車キャリア834が回転する。このような第4遊星歯車キャリア834の回転によって、関節屈曲駆動シャフト872に連結されている主要関節屈曲歯車837も回転させる。関節屈曲駆動シャフト872の回転は、第1関節屈曲駆動歯車873による第2関節屈曲伝達歯車874の回転と駆動につながる。第2関節屈曲伝達歯車874が回転した結果、第3関節屈曲伝達歯車及び第4関節屈曲ウォーム歯車878が回転する。第4関節屈曲ウォーム歯車878の回転によりメイン関節屈曲歯車94が駆動した結果、関節屈曲連結部97、70が軸方向に関節屈曲し、最終的には、関節屈曲継手の周りを装填ユニット20が関節屈曲する。モーター駆動シャフト107を第1回転方向に回転させると、装填ユニットが第1関節屈曲方向に関節屈曲し、モーター駆動シャフト107を逆方向に回転させると、装填ユニットが第1関節屈曲方向とは逆の第2関節屈曲方向に関節屈曲する。
次に図30に示されるように、連結具セレクタ部材842は駆動、つまり発射位置に枢支され、第1駆動シャフト保持部844は、第4遊星歯車キャリア834上の第2駆動シャフト保持部845と移動不可能に係合する。この位置にあるとき、第4遊星歯車キャリア834は、長手方向軸「LA−LA」の周りを回転できない。したがって、この位置にあるとき、モーター100の作動により、第3太陽歯車833が回転する結果となる。第3太陽歯車833は、第4遊星歯車キャリア834上に支持される第4遊星歯車835と噛合係合する。第1関節屈曲シャフト保持部846と第4遊星歯車キャリア834上の第2関節屈曲シャフト保持部847との間の移動不可能な係合によって、第4遊星歯車キャリア834が回転できないため、第4遊星歯車835が回転すると出力シャフトユニット850が回転する。出力シャフトユニット850は、クラッチアセンブリ230又は直接的連結によって駆動チューブ102に連結されてよい。したがって、出力シャフトユニット850が回転することにより、結果として駆動チューブ102が回転する。上記のように、駆動チューブ102が回転した結果、発射ロッドが軸方向移動する(図31に示さず)。モーター駆動シャフト107を第1回転方向に回転させると、その結果、発射ロッドが遠位に前進し、モーター駆動シャフト107が逆方向に回転させると、その結果、発射ロッドが近位に移動する。様々な実施形態では、装填ユニット20のジョーを閉鎖すると、例えばキャリア24に対してアンビルアセンブリ22が旋回し、モーター100を外科用器具10の関節屈曲システム及び/又は発射システムに連結及び/又は連結解除できる。例えば、アンビルアセンブリ22をキャリア24に対して閉鎖すると、モーター100を関節屈曲システムから、例えば関節屈曲駆動シャフト872から連結解除でき、モーター100を発射システムに、例えば出力シャフトユニット850に連結できる。更に、アンビルアセンブリ22をキャリア24に対して開放すると、モーター100を発射システムから連結解除でき、モーター100を関節屈曲システムに連結できる。かかる実施形態では、モーター100は、装填ユニット20が開放されると装填ユニット20の関節屈曲に影響を及ぼすことができ、モーター100は、装填ユニット20が閉鎖されると発射ロッドの発射に影響を及ぼすことができる。外科用器具10は、例えばセンサ及び/又はセレクタ装置を備えてよい。特定の実施形態では、センサは、装填ユニット20のジョーの閉鎖を検出できる。更に、センサは、連結具セレクタ部材842などのセレクタ装置と信号通信できる。セレクタ装置は、例えば、アンビルアセンブリ22がキャリア24に対して開放及び/又は閉鎖されると、モーター100を関節屈曲システム及び/又は発射システムに連結及び/又は連結解除できる。本明細書に開示される様々な駆動連結具装置を使用する様々な動力付き外科用器具は、エンドエフェクタの関節屈曲及びエンドエフェクタ駆動部材の発射に複数のモーターを使用する以前の動力付き外科用器具に比べて、大きな進歩を示し得る。
例えば、少なくとも1つの外科用器具は、器具の長手方向軸を画定する細長いシャフトアセンブリを備える。外科用エンドエフェクタは、細長いシャフトアセンブリに対して選択的に関節屈曲するように、それに動作可能に連結されてよい。外科用エンドエフェクタは、それに適用される発射運動に対応して少なくとも1つの外科的手技を実施するように構成されてよい。関節屈曲システムは、外科用エンドエフェクタを関節屈曲させるために、細長いシャフトアセンブリと動作可能に連動できる。発射部材アセンブリは、外科用エンドエフェクタに発射運動を適用するために、細長いシャフトアセンブリと動作可能に連動できる。外科用器具は、回転作動運動を生じるように構成されているモーターを更に備えてよい。駆動連結具アセンブリは、駆動連結具アセンブリが第1構成にあるとき、モーターを動作によって、関節屈曲システムに作動運動を適用し、外科用エンドエフェクタを器具の長手方向軸に対して関節屈曲させ、駆動連結具アセンブリが第2構成にあるとき、モーターの動作によって、発射部材アセンブリに作動運動を適用し、発射部材アセンブリに、発射運動のうち少なくとも1つを外科用エンドエフェクタへ適用させるように、モーター及び関節屈曲システムと連動できる。
別の外科用器具例は、器具の長手方向軸を画定し、動作可能に連結されている細長いシャフトアセンブリを有するハンドルを備えてよい。装填ユニットは細長いシャフトアセンブリに動作可能に連結され、適用される発射運動に対応して組織を切断及びステープル留めするように構成されている。装填ユニットは、関節屈曲継手の周りを器具の長手方向軸に対して選択的に関節屈曲するように構成されてよい。外科用器具は、細長いシャフトアセンブリによって支持され、細長いシャフトアセンブリ及び装填ユニットの一方の関節屈曲継手部分に動作可能に連動するように構成されている、関節屈曲連結アセンブリを備える、関節屈曲システムを更に含んでよい。関節屈曲作動機構はハンドルによって支持されてよく、そこに関節屈曲作動運動を適用するために関節屈曲連結アセンブリと連動してよい。外科用器具は、そこに発射運動を適用するために装填ユニットと動作可能に連動する、発射部材アセンブリを更に備えてよい。モーターは、ハンドルによって動作可能に支持され、回転作動運動を生じるように構成されてよい。駆動連結具アセンブリは、駆動連結具アセンブリが第1構成にあるとき、モーターを動作によって、関節屈曲システムに作動運動を適用し、装填ユニットを器具の長手方向軸に対して関節屈曲させ、駆動連結具アセンブリが第2構成にあるとき、モーターの動作によって、発射部材アセンブリに作動運動を適用し、発射部材アセンブリに、発射運動のうち少なくとも1つを装填ユニットへ適用させるように、モーター及び関節屈曲作動機構と連動できる。
更に別の外科用器具例は、器具の長手方向軸を画定する細長いシャフトアセンブリを備えてよい。外科用エンドエフェクタは、細長いシャフトアセンブリに対して選択的に関節屈曲するように、それに動作可能に連結されてよい。外科用エンドエフェクタは、それに適用される発射運動に対応して少なくとも1つの外科的手技を実施するように構成されてよい。関節屈曲システムは、外科用エンドエフェクタを関節屈曲させるために、細長いシャフトアセンブリと動作可能に連動できる。発射部材アセンブリは、外科用エンドエフェクタに発射運動を適用するために、細長いシャフトアセンブリと動作可能に連動できる。モーターは、回転作動運動を生じさせるように構成されてよい。外科用器具は、モーターから関節屈曲システム及び発射部材アセンブリのそれぞれに、出力運動を選択的に適用する手段を更に備えてよい。
特定のモーター式外科用器具では、モーターは、外科用器具の操作者に触覚フィードバックを提供してよい。例えば、モーターの回転によって、例えば、モーターの回転方向及び/又は速度によって決定され得る振動又はノイズを発生させてよい。しかしながら、様々なモーターが発生できるノイズは最小限であるため、外科医に対する触覚フィードバックは制限される場合があり、及び/又は、外科医に認知されないこともある。例えば、モーター及び/又は変速機の設計を様々に改変及び/又は改善することにより、モーター及び/又は変速機によって発生される触覚ノイズを低下できる。かかる実施形態では、人工的又は意図的な触覚フィードバック及び/又は他の感覚フィードバックを発生させるため、モーター及び/又はモーターに動作可能に連結されている歯車アセンブリを改変することが有利である場合がある。特定の実施形態では、外科用器具は、外科医が手術部位から目をそらす必要がなく、外科医にフィードバックを伝えることができる。例えば、モーター及び/又は歯車は、外科医に伝えるための触覚及び/又は聴覚フィードバックを発生させることができる。かかる実施形態では、操作者は、外科用器具の操作状態又は状況を確認するために、例えば表示画面を見る必要がない。本明細書に詳述されるように、外科用器具は、例えば、発射部材の発射方向及び/又は装填ユニットの関節屈曲方向に対応し得る、例えば、モーターの回転方向を伝えることができる。加えて又は別の方法としては、外科用器具は、例えば、発射行程中の発射部材の速度及び/若しくは位置、並びに/又は、例えば、装填ユニットの関節屈曲の速度及び/若しくは程度を伝えることができる。
様々な実施形態では、本明細書に詳述されるように、モーターを、発射アセンブリ及び/又は関節屈曲アセンブリに動作可能に連結できる。図168を参照すると、モーター7010は、例えば歯車アセンブリ7020を係合し得る、モーターシャフト7014を駆動できる。様々な実施形態では、モーターシャフト7014上のキー7016などのキーは、歯車アセンブリ7020の一部を係合できる。特定の実施形態では、歯車アセンブリ7020は、例えば、ディスク7022、7024を備えてよく、これらは、キーによってモーターシャフト7014と共に係合されると、モーターシャフトと共に回転又は素早く回転する構造であってよい。例えば、第1ディスク7022は溝を備える(図示せず)。更に、モーターシャフト7014から延在する第1キー(図示せず)は、第1ディスク7022が、モーターシャフト7014が時計回り(CW)に回転するとCWに回転し、モーターシャフト7014が反時計回り(CCW)に回転するとCCWに回転するように、第1ディスク7022中の溝に係合できる。少なくとも1つの実施形態では、第1キーは、外科用器具及び/又はそのモーターの操作の間ずっと第1ディスク7022中の溝と係合したままであってよい。
特定の実施形態では、第1ディスク7022は、モーターシャフト7014に沿ったその回転軸に対してバランスが保たれてよい。引き続き図168を参照すると、例えば塊部7026などの塊部は、第1ディスク7022から延在でき、第1ディスク7022の塊部の中央部を第1ディスク7022の回転軸からずらしてよい。例えば、塊部7026は、モーターシャフト7014から離れる方向に、及び/又は、第1ディスク7022の外周から離れる方向に延在できる。換言すれば、塊部7026は、第1ディスク7022のバランスを崩した結果、第1ディスク7022の不均衡な回転をもたらし、それによって、第1ディスク7022がモーターシャフト7014と共に回転するとき遠心力を生じさせることができる。したがって、第1ディスク7022及び塊部7026の回転により、例えば外科用器具ハウジング及び/又はハンドルの振動又はがたつきなどの触覚フィードバックを発生できる。触覚フィードバックは、外科用器具の操作状態又は状況に対応し得る。更に、第1ディスク7022及び塊部7026の回転によって生じる触覚フィードバックは、モーターシャフト7014の回転速度に依存し得る。かかる実施形態では、発射速度及び/又は関節屈曲速度を、例えば外科医に伝えることもできる。例えば、第1ディスク7022は、モーターシャフト7014が早く回転するとより高い頻度で、モーターシャフト7014がゆっくり回転するとより低い頻度で触覚フィードバックを生じさせてよい。
第1ディスク7022と同様に、特定の実施形態では、第2ディスク7024は、モーターシャフト7014に沿ったその回転軸に対してバランスが保たれてよい。引き続き図168を参照すると、しかしながら、例えば塊部7028などの塊部は、第2ディスク7024から延在でき、その塊部の中央部をずらしてよい。例えば、塊部7028は、モーターシャフト7014から離れる方向に、及び/又は、第2ディスク7024の外周から離れる方向に延在できる。換言すれば、塊部7028は、第2ディスク7024のバランスを崩した結果、第2ディスク7024の不均衡な回転をもたらし、それによって、第2ディスク7024がモーターシャフト7014と共に回転するとき遠心力を生じさせることができる。したがって、第2ディスク7024及び塊部7028の回転により、例えば外科用器具ハウジング及び/又はハンドルの振動又はがたつきなどの触覚フィードバックを発生させることができる。触覚フィードバックは、外科用器具の操作状態又は状況に対応し得る。更に、第2ディスク7024及び塊部7028の回転によって生じる触覚フィードバックは、モーターシャフト7014の回転速度に依存し得る。かかる実施形態では、発射速度及び/又は関節屈曲速度を、例えば外科医に伝えることもできる。様々な実施形態では、第1及び/又は第2ディスク7022、7024は、例えば塊部7026及び/又は7028に類似する追加の塊部を備えてよく、例えば外科用器具ハウジング及び/又はハンドルの触覚反応に更に寄与することができる。更に、いくつかの実施形態では、モーターシャフト7014は、歯車アセンブリ7120の追加の及び/又は異なるディスクに動作可能に係合し、追加の及び/又は異なる触覚フィードバックを選択的に生じさせることができる。
引き続き図168を参照すると、第2ディスク7024は内部周辺部7026を含んでよい。様々な実施形態では、第2キー7016は、モーターシャフト7014から延在でき、内部周辺部7030を介して第2ディスク7024に動作可能に係合できる。内部周辺部7030は、複数の平面7032と、例えば隣接する平面7032間の複数の円弧状表面7034と、を含んでよい。平面及び円弧状表面7032、7034の各対は溝を画定でき、この溝は、第2キー7016を収容するように構造化できる。特定の実施形態では、キー7016が第1方向に回転すると、キー7016は平面7032に当接し、第2ディスク7024の溝に保持及び/又は維持されるようにできる。かかる構成では、第2ディスク7024は、モーターシャフト7014と同時に第1方向に回転できる。更に、特定の実施形態では、キー7016が第1方向と反対の第2方向に回転すると、キー7016は円弧状表面7034を超えて回転でき、内部周辺部7030中の溝に保持及び/又は維持するようにできる。換言すれば、キー7016は第2ディスク7024に対して回転できる。かかる構成では、モーターシャフト7014は第2ディスク7024に対して第2方向に回転できる。したがって、キー7016は、第2ディスク7024と係合するだけであり得、モーターシャフト7014が第1方向に回転するとき、第2ディスク7024を回転させる。特定の実施形態では、第1方向はCW回転に対応することができ、別の実施形態では、第1方向はCCW回転に対応することができる。
本明細書に記載されるように、第2ディスク7024の係合はモーターシャフト7014の回転方向に依存し得るため、モーターシャフト7014が一方向に回転するとき、例えば、モーター7010が発射部材を一方向に駆動する、及び/又は、装填ユニットを一方向に回転するとき、第2ディスク7024は回転できるのみである。例えば、第2ディスク7024は、例えばモーター7010が発射部材を後退する、又は、装填ユニットをCWに回転するとき、回転できるのみである。このような第2ディスク7024の選択的係合は、外科用器具によって生じる触覚フィードバックに影響を及ぼし得る。換言すれば、第2ディスク7024の選択的係合に基づいて、異なる及び/又はより大きな触覚フィードバックが起こり得る。例えば、モーター7010が回転して発射部材を後退させるとき第2ディスク7024が回転するのみである実施形態では、発射部材の前進中よりも後退中に、より大きな触覚フィードバックが生じ得る。後退中、第2ディスク7024は触覚フィードバックの発生にも寄与し得、それが、フィードバック力をより強く、つまり大きく累積する結果となり得る。かかる実施形態では、第1及び第2ディスク7022、7024により生じるより大きな触覚フィードバックは、モーター7010によって発射部材が後退していることを外科医に伝えることができる。様々な実施形態では、上記のことから、モーターシャフト7014が一方向に回転するとき第1ディスク7022のみが回転でき、モーターシャフト7014が反対方向に回転するとき、両方のディスク7022、7024が回転できる。このように、モーターシャフト7014が異なる方向に回転するとき、ディスク7022、7024は異なるフィードバックを生じさせることができる。
ここで図169を参照すると、特定の実施形態では、モーター7010は、歯車アセンブリ7120を係合し得る、モーターシャフト7014を駆動できる。様々な実施形態では、モーターシャフト7014上のキー7016などのキーは、例えば、歯車アセンブリ7120を係合できる。歯車アセンブリ7020と同様に、歯車アセンブリ7120は、第1ディスク7122及び第2ディスク7124などの複数のディスクを備えてよい。第1及び第2ディスク7122、7124は、キーによってモーターシャフト7014と共に選択的に係合されると、モーターシャフトと共に回転又は素早く回転する構造であってよい。例えば、第1ディスク7122は溝を備えてよい(図示せず)。更に、モーターシャフト7014から延在する第1キー(図示せず)は、第1ディスク7122がモーターシャフト7014と回転するように第1ディスク7122の溝に係合できる。特定の実施形態では、第1キーは、使用中、第1ディスク7122の溝から係合解除できない。第2ディスク7124は、例えば第2ディスク7024の内部周辺部7030に類似する内部周辺部7130を含んでよい。内部周辺部7130は、複数の平面7132と、複数の円弧状表面7134と、を含んでよい。図168について本明細書に記載されるように、キー7016は、モーターシャフト7014の回転方向に応じて第2ディスク7124の内部周辺部7130を選択的に係合かつ係合解除できる。例えば、モーターシャフト7014が第1方向に回転するとき、キー7016は第2ディスク7124を係合でき、それにより第2ディスク7124をモーターシャフト7014と共に回転させる。更に、モーターシャフト7014が第2方向に回転するとき、キー7016が、その内部周辺部7130内の第2ディスク7024に対して回転できるように、キー7016は第2ディスクから係合解除されたままであってよい。
様々な実施形態では、第1ディスク7122は少なくとも1つのツメ7126を備えてよく、第2ディスク7124も少なくとも1つのツメ7128を備えてよい。ディスク7122、7124が回転するとき、ツメ7126、7128は、音声フィードバック発生具7140の要素にぶつかり得る。例えば、ツメ7126、7128は、音声フィードバック発生具7140のクリッカー7142、7144にぶつかり得る。様々な実施形態では、ツメ、つまり第1ディスク7122のツメ7126は、第1ディスク7122が回転すると第1クリッカー7142にぶつかって曲がってよく、ツメ、つまり第2ディスク7124のツメ7128は、第2ディスク7124が回転すると第2クリッカー7144にぶつかって曲がってよい。クリッカー7142、7144に衝突して曲がると、クリッカー7142、7144を共鳴させ、聴覚信号を生じさせることができる。換言すれば、第1及び第2ディスク7122の回転により音声フィードバックが生じ得る。更に、回転するディスク7122、7124の回転速度、及び/又は、第1及び第2ディスク7122、7124から延在しているツメの数及び配置が、聴覚信号の頻度に影響し得る。かかる実施形態では、モーターの速度及び対応する発射要素の発射速度、並びに/又は装填ユニットの関節屈曲速度を、例えば外科医に伝えることができる。
主に図170及び171を参照すると、様々な実施形態では、ツメ7126、7128の形状は、音声フィードバック発生具7140によって発生する聴覚信号に影響し得る。例えば、ツメ7126、7128は、それぞれ非減衰面7150と、減衰面7152と、を備えてよい。例えば非減衰面7152は平面を含んでよく、例えば減衰面7152は円弧状表面を含んでよい。様々な実施形態では、ツメ7126の非減衰面7150がツメ7126の減衰面7152より回転的に先行する場合(図170)、ツメ7126の減衰面7152をたどることによって、クリッカー7142の共鳴を減衰及び/又は停止させることができる。例えば、減衰面7152の円弧形状は曲がったクリッカー7126に接し、クリッカー7126の振動つまり共鳴を阻止及び/又は抑制できる。反対に、ツメ7126の減衰面7152がツメ7126の非減衰面7150より回転的に先行する場合(図171)、ツメ7126の非減衰面7150によって、クリッカー7142の共鳴を減衰できない。例えば、非減衰面7150の平面形状は、クリッカー7126が共鳴できる及び/又はあまり抑制されないように、曲がったクリッカー7126との接触を防ぐ及び/又は制限できる。換言すれば、ディスク7122、1724及び関連するツメ7126、7128の回転方向は、外科用器具によって生じる聴覚フィードバックに影響し得る。したがって、外科医が手術部位から目をそらす必要がなく、外科用器具の操作者に使用中の外科用器具の操作状態を伝えることができる。例えば、発射部材が後退すると音声信号を減衰することができ、発射部材が前進すると減衰することができない。別の実施形態では、例えば、発射部材が前進すると音声信号を減衰することができ、発射部材が後退すると減衰することができない。更に、いくつかの実施形態では、例えば、減衰した聴覚信号を装填ユニットの一方向への関節屈曲に対応させることができ、減衰していない聴覚信号を装填ユニットの別の方向への関節屈曲に対応させることができる。様々な実施形態では、少なくとも1つの音声フィードバック発生具を単独で及び/又は少なくとも1つの触覚フィードバックシステムと組み合わせて使用できる。更に、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの触覚フィードバックシステムを単独で及び/又は少なくとも1つの音声フィードバック発生具と組み合わせて使用できる。音声フィードバック及び触覚フィードバックは、例えば、外科医に異なる操作状態を伝えることができ、及び/又は、同じ操作状態に関する外科医へのフィードバックを二重に提供できる。
様々な実施形態では、外科用器具は、発射要素が発射行程の終点に近づく及び/若しくは達するとき、並びに/又は、装填ユニットが関節屈曲限界に近づく及び/若しくは達するときに、フィードバックを生じることができる。様々な実施形態では、かかるフィードバックは、発射行程の間ずっと、及び/又は装填ユニットが関節屈曲するときに生じるフィードバックと異なっている、及び/又は追加されてよい。したがって、外科用器具は、例えば、発射行程が完了に近づいた、及び/若しくは完了したことを操作者に知らせることができ、並びに/又は、装填ユニットが関節屈曲限界に近づいた、及び/若しくは関節屈曲限界に達したことを操作者に知らせることができる。
ここで図172を参照すると、上で詳細に記載されるように、モーター7010及びモーターシャフト7014は、歯車アセンブリ7120と動作可能に係合できる。更に、歯車アセンブリ7120のディスク7122、7124は、例えば音声フィードバック発生具7140と類似し得る音声フィードバック発生具7240と接触できる。例えば、ディスク7122、7124上のツメ7126、7128は、音声フィードバック発生具7240のクリッカー7242、7244を曲げることによって、クリッカー7242、7244を共鳴させ、聴覚フィードバックを生じさせることができる。更に、音声フィードバック発生具7240は、歯車アセンブリ7120に対して移動、つまり平行移動できる。以下で詳述されるように、音声フィードバック発生具7240は、ディスク7122、7124上のクリッカー7242、7244と、選択的に係合及び/又は係合離脱するように移動し、選択的に聴覚信号を発生できる。別の実施形態では、ディスクのツメが音声フィードバック発生具のクリッカーと選択的に係合及び/又は係合離脱するように移動し、選択的に聴覚信号を発生するように、モーター、歯車アセンブリ、及び/又はそのディスクは移動できる。
様々な実施形態では、音声フィードバック発生具7240は、発射行程中に発射部材が移動すると、外科用器具中で平行移動できる。例えば、発射行程の開始時、音声フィードバック発生具7240は、ディスク7122、7124のツメ7126、7128と整列していなくてよい。更に、発射部材が遠位に移動及び/又は発射行程の終点に近づくと、音声フィードバック発生具7240は、ディスク7122、7124のツメ7126、7128と整列する方向に、及び/又は整列するように移動できる。かかる実施形態では、音声フィードバック発生具7240は、発射部材が発射行程の終点に近づくと、及び/又はその時点で、聴覚フィードバックを発生することができる。図173を参照すると、例えば、フィードバック発生具は、例えば、発射部材が発射行程の終点に近づいた位置の範囲内、及び/又はその場所にあるとき、フィードバックを発生させ、外科医に発射部材の位置を知らせることができる。かかる実施形態では、外科用器具は、操作者に発射行程の終点を伝えることができる。例えば、再度図172を参照すると、少なくとも1つのツメ7126、7128は、発射部材が発射行程の遠位端に近づくと、少なくとも1つのクリッカー7242、7244と整列できる。その時、外科用器具はフィードバックを発生させ、発射部材の位置を外科医に伝えることができる。各ツメ7126、7128がクリッカー7242、7242のうち1つと整列するとき、より大きな及び/又は異なるフィードバックを外科医に伝えることができる。更に、発射部材が後退すると、少なくとも1つのツメ7126、7128がクリッカー7242、7244と再度整列していない状態になり得、減少した及び/又は異なるフィードバックを外科医に伝えるようになる。したがって、フィードバック発生具が発射行程中に移動すると、フィードバック発生具は、発射部材の位置に基づいた様々なフィードバックを操作者に伝えることができる。更に、歯車アセンブリ7120は、音声フィードバック発生具7240と係合及び/若しくは係合離脱するように移動できる追加のディスク及び/又はツメを備えてよく、並びに/又は、音声フィードバック発生具7240は、ツメと係合及び/又は係合離脱するように移動できる追加のクリッカーを備えてよい。様々な実施形態では、音声フィードバック発生具は、発射部材の別の及び/又は追加の位置を外科医に伝えることができる。例えば、音声フィードバック発生具は、発射及び/又は後退行程の長さに沿った中間点及び/又は途中の点において聴覚フィードバックを伝えることができる。
ここで図174及び175を参照すると、移動可能なフィードバック発生具を、装填ユニットの関節屈曲限界を外科医に伝えるのに利用することもできる。例えば、図172に示される音声フィードバック発生具7240は、例えば、装填ユニットが関節屈曲するにつれて平行移動できる。例えば、装填ユニットが非関節屈曲構成にあるとき、音声フィードバック発生具7240は、ディスク7122、7124のツメ7126、7128と整列していなくてよい。更に、装填ユニットが関節屈曲すると、音声フィードバック発生具7240は、ディスク7122、7124のツメ7126、7128と整列する方向に、及び/又は整列するように移動できる。かかる実施形態では、音声フィードバック発生具7240は、装填ユニットが関節屈曲限界に近づくと、及び/又はその時点で、聴覚フィードバックを発生させることができる。例えば、再度図174及び175を参照すると、フィードバック発生具は、発射部材が発射行程の終点に近づいた位置の範囲内、及び/又はその場所にあるとき、フィードバックを発生させ、外科医に発射部材の位置を知らせることができる。かかる実施形態では、外科用器具は関節屈曲限界を操作者に伝えることができる。例えば、再度図172を参照すると、少なくとも1つのツメ7126、7128は、装填ユニットがその関節屈曲限界に近づく、例えば45度に近づくと、少なくとも1つのクリッカー7242、7244と整列できる。その時、外科用器具はフィードバックを発生させ、発射部材の位置を外科医に伝えることができる。装填ユニットが関節屈曲限界に近づいた、及び/又は限界のとき、各ツメ7126、7128はクリッカー7242、7242のうち1つと整列でき、より大きな及び/又は異なるフィードバックを外科医に伝えることができる。更に、装填ユニットが関節屈曲していない中間位置に向かって関節屈曲を戻すと、少なくとも1つのツメ7126、7128がクリッカー7242、7244と再度整列していない状態になり得、減少した及び/又は異なるフィードバックを外科医に伝えるようになる。したがって、フィードバック発生具が発射行程中に移動すると、フィードバック発生具は、装填ユニットの構成に基づいた様々なフィードバックを操作者に伝えることができる。
様々な実施形態では、外科用器具の特定の構成要素が液体接触するのを防ぐのに有利であり得る。例えば、使用中、意図せずに体液と接触すると、外科用器具を破壊する恐れがあり、外科用器具の耐用年数を制限及び/又は短くする場合がある。更に、外科用器具の特定の構成要素が消毒中に液体接触するのを防ぐのに有利であり得る。例えば、意図せずに消毒及び/又は洗浄液と接触すると、外科用器具を破壊する恐れがあり、外科用器具の再利用の可能性を妨げる及び/又は制限する場合がある。様々な実施形態では、外科用器具の特定の構成要素を封止及び/又は液体接触から保護できる。例えば、液体から保護するため、外科用器具中の電子機器をエポキシ中に封止してよい。例えば、モーター及び/又は歯車アセンブリの一部などの外科用器具の移動構成要素も、封止及び/又は液体接触から保護できる。かかる封止は、例えば、様々な移動構成要素の回転に対応できる。更に、様々な実施形態では、かかる封止は、外科用器具の操作中に生じる熱がより効率よく放熱されるように、熱伝達を促進してもよい。
ここで図185及び186を参照すると、特定の実施形態では、モーター7510並びに/又は歯車アセンブリ7520は封止され得、並びに/又は、使用中及び/若しくは消毒処理中に液体から保護され得る。例えば、モーター7510はモーター100と類似していてよく、例えば、歯車アセンブリ7520は歯車アセンブリ170と類似していてよい。モーター7510を封止し保護するため、例えばゴム製スリーブなどのモーターハウジングを、外科用器具10(図1)のハウジング12(図1)内のモーター7510の周囲に配置してよい。かかるゴム製スリーブは、モーター7510からの熱伝達を制限でき、モーター7510は過熱する傾向があり得る。別の実施形態では、再度図185及び186を参照すると、モーターハウジングは、例えば、モーター7510の周囲に配置され得る、クラムシェル型カバー7516を備えてよい。様々な実施形態では、クラムシェル型カバー7516は、例えば互いにヒンジ留め及び/又は把持され得る、少なくとも2つの部分を備えてよい。クラムシェル型カバー7516は、モーター7510及び/又はモーターシャフトの回転を可能にできる。加えて、特定の実施形態では、クラムシェル型カバー7516は、この中に保持されるモーター7510からの熱伝達を促進できる。例えば、接点装置210に類似する接点装置7512(図186)を用いて、電流をモーター7510に供給できる。例えば、接点装置7512は、例えば、クラムシェル型カバー7516によって保持される固定した正及び負の接点7518a、7518b(図186)に動作可能に接続され得る、正及び負の環状接点7514a、7514b(図186)を備えてよい。更に、クラムシェル型カバー7516は、例えば、モーター7510の周囲に当接し、クラムシェル型カバー7516内のモーター7510及び接点装置7512を封止し得る、環状の封止部、つまりガスケット7519を備えてよい。特定の実施形態では、クラムシェル型カバー7516は、モーター7510からの熱伝達を促進でき、例えば、モーター7410の過熱及び/又は破壊を防ぎ得る、金属材料を含んでよい。
引き続き図185及び186を参照すると、歯車アセンブリ7520も封止され得、並びに/又は、使用中及び/若しくは消毒処理中に液体から保護され得る。例えば、ガスケット7522は、モーター7510及び歯車アセンブリ7520が流体密な封止部を形成するように、モーター7510と歯車アセンブリ7520のハウジングとの間に配置されてよい。更に、封止スリーブ7530を歯車アセンブリ7520のハウジングの周囲に配置してよい。封止スリーブ7530は、クラムシェル型カバー7516及び/又はモーター7510に当接して、その間に流体密な封止部をもたらし得る、縁部7536を備えてよい。封止スリーブ7530は、出力シャフト7524用の開口部7532を備えてもよい。例えば、歯車アセンブリ7520の出力シャフト7524は、開口部7532を通って延出でき、フィン7534は、出力シャフト7524に向かって延在して、開口部7532内の出力シャフト7524の回転を可能にしながら、流体密な封止部をもたらすことができる。様々な実施形態では、封止スリーブ7530及び/又は縁部7536、ガスケット、及び/又はそのフィン7534は、ゴム及び/又は別の流体密な封止部を形成するのに好適な材料からなり得る。様々な実施形態では、例えば、保持具190と類似する装着ブラケット、つまりモーター保持具7540は、外科用器具10(図1)のハウジング12(図1)内に封止された歯車アセンブリ7520及びモーター7510を保持できる。
図32〜37は、本明細書に開示される別の外科用器具の多くの特徴部を備え得る、別の外科用器具910を示す。少なくとも1つの形態では、外科用器具910は、以下に記載される相違点以外は、Zemlok‘763、Zemlok‘344及び/又は米国特許第7,431,188号に開示されている関節屈曲機構と実質的に類似し得る、全体を通して860と表記される関節屈曲作動機構を備えてよい。別の構成では、外科用器具は、本明細書に記載されるように、様々な形態の別の関節屈曲作動機構を備えてよい。図32に示されるように、器具910は、上部に装着される回転可能部材92を有するバレル型取り付け部90を備えてよい、ハウジング12を備える。回転可能部材92は、細長いシャフトアセンブリ16の近位端と連動し、ハウジング12に対する細長いシャフトアセンブリ16の回転を容易にする。かかる構成によって、臨床医は、細長いシャフトアセンブリ16及びそこに連結されている装填ユニット20(又は別の形態の外科用エンドエフェクタ)を、器具の長手方向軸「LA−LA」の周りで選択的に回転させることができる。回転可能部材92は、バレル部90に取り外し不可能に装着されてよく、又は、そこから選択的に取り外されるように設計されてよい。
本明細書に開示されるように、採用される外科用エンドエフェクタの種類及び/又は構成に応じて、電流をエンドエフェクタに供給することが望ましい場合がある。例えば、エンドエフェクタは、作動に電力を要する、センサ(1つ又は複数)、ライト(1つ又は複数)、作動装置(1つ又は複数)などを使用できる。かかる構成では、しかしながら、細長いシャフトを通じて電源から電力を外科用エンドエフェクタ又は装填ユニットに運ぶ導体系は、特に細長いシャフトが1回転を超えて回転した場合、巻き付けられて、ひどく破壊される恐れがあるため、外科用エンドエフェクタが器具の長手方向軸「LA−LA」の周りを回転する能力は、厳しく制限され得る。本明細書に開示される様々な外科用器具は、これらの問題を回避し得る、全体を通して930と表記される導体系管理システムを使用できる。
再度図32を参照すると、外科用器具910は電源200によって電力が供給されてよい。電源は、例えば、Zemlok‘763において更に詳述されている種類であってよい。例えば、電源200は、再充電可能電池(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)を含んでよい。電源200が少なくとも1つの使い捨て電池を含んでよいことも想定される。少なくとも1つの構成では、例えば、使い捨て電池は、約9ボルト〜約30ボルトであってよい。図32は、電源200が複数の電池202を備える1つの例を示す。使用される電池の数は、器具910の電流負荷要件に依存し得る。電源に、手術室で使用可能な交流電流源を含んでよいことも考えられる。例えば、外部電源コード及びプラグ(図示せず)を使用して、手術室のコンセントから、外科用器具ハウジング及び/又はエンドエフェクタ中の様々な構成要素、導体系、センサ、スイッチ、回路などに交流電流を搬送できる。別の用途では、外科用器具910は、例えば、取り付けられた、ないしは別の方法で連携されたロボットシステムから電力を得ることができる。
図32に更に示されるように、導体系管理システム930は、そこから電力を受信するために電源200に連結されている、ないしは別の方法で連動される、一次導体部材、つまりワイヤ932を備えてよい。一次導体部材932は、回転可能部材92内に指示される、らせん状、糸巻き状、及び/又は巻き取り可能な導体アセンブリ934に連結されている。1つの構成では、例えば、らせん状導体アセンブリ934が形成されてよく、ないしは別の方法で、例えば、図36及び37に示される様式でらせん状に巻かれるリボン様導体系936を含んでよい。例えば、らせん状導体アセンブリ934は、例えば、ねじりばねなどのらせん状に巻かれたばねと類似する特性を有し得る、らせん状に巻かれた導体系から形成されてよい。1つの形態では、例えば、導体系936は、図36及び37に示されるように、連続的に回転して又は巻き付けて巻かれ得る。様々な構成において、導体系936は、1回又は2回以上完全に回転して巻き付けられ得る。例えば、図36及び37に示される導体系936は、5回以上完全に回転して構成されている。
様々な形態では、導体系936は、例えば、ハウジング12のバレル部90に固定され得る第1端部938を有する。加えて、導体系936は、回転可能部材92と共に回転移動するために回転可能部材に取り付けられ、ないしは別の方法でそれによって支持される、第2端部940を更に有する。したがって、回転可能部材92が、バレル部90の周りを第1回転可能方向に回転すると、らせん状に巻かれた導体系936はより締まるように巻き付けられる。反対に、回転可能部材92が第2回転可能方向に回転すると、らせん状に巻かれた導体系936の締まり度が緩くなり得る。回転可能部材92がバレル部90上に取り外し可能に支持される構成では、らせん状に巻かれた導体系936の第1端部938は、バレル部90中のスロット又は別の装着用空洞942に、取り外し可能に支持され得る。例えば図36及び37を参照されたい。加えて、一次導体部材932は、コネクタアセンブリ933によって、らせん状導体アセンブリ934に取り外し可能に連結され得る。具体的には、取り外し可能なコネクタアセンブリ933を使用して、バレル部90から回転可能部材92の取り外しを容易にするため、らせん状に巻かれた導体系936の第1端部938に一次導体部材932を連結できる。バレル部から回転可能部分92を取り外すことを意図しない別の構成では、らせん状に巻かれた導体系936の第1端部938をバレル部90に取り外し不可能に固着してよく、一次導体部材932をらせん状に巻かれた導体系936の第1端部に永続的に固着(例えば、はんだ付け)してよい。
らせん状に巻かれた導体系936の第2端部940は、接着剤、機械的保持具、スナップ機構などによって、回転可能部材92に取り外し不可能に固着されてよい。別の構成では、らせん状に巻かれた導体系936の第2端部940は、回転可能部材92に提供されるスロット又は他の装着機構中に取り外し可能に支持され、らせん状に巻かれた導体系936の回転可能部分92からの取り外しを容易にできる。図32及び33に示されるように、二次シャフト導体部材944は、らせん状ケーブルアセンブリ934の第2端部940に取り付けられる。二次シャフト導体部材944は、回転可能部材92内に支持され、中空の細長いシャフトアセンブリ16を通って延在してよい。例えば、二次シャフト導体部材944は、細長いシャフトアセンブリ16を通ってその遠位端まで延在し、取り付けられる外科用エンドエフェクタ、装填ユニットなどと関連する別の導体系、センサ、動力付き要素などと連動できる。したがって、臨床医がハウジング12に対して回転可能部材92を回転させるとき、らせん状導体アセンブリ934、より具体的には、らせん状に巻かれた導体系936はある程度締まったらせんに巻かれ、一方、電源200から外科用エンドエフェクタ、装填ユニットなどへの電力の供給は促進される。臨床医がハウジング12に対して回転可能部材92を反対方向に回転させる場合、らせん状に巻かれたケーブル936はある程度ほどかれ、一方、電源200から外科用エンドエフェクタ、装填ユニットなどの様々な構成要素、センサなどへの電力の供給は依然として促進される。
図34及び35に更に示されるように、導体系管理システム930は、全体を通して950と表記される回転制限アセンブリを更に備えてよい。少なくとも1つの構成では、例えば、回転制限アセンブリ950は、回転可能部材92に移動可能に取り付けられ、ハウジング12のバレル90上のねじ付き部分99をねじ止めにより係合するように構成されている、制限部材952を備える。図33に示されるように、制限具952は、回転可能部材92上に形成される軸方向フィン部958の各側部にある、1対の反対向きタブ954を備えてよい。かかる構成により、回転可能部材92がハウジング12のバレル部90上を回転するとき、制限具952は回転可能部材92内を軸方向に移動できる。制限部材952の反対側末端部960は、バレル90のねじ付き部分99をねじ止めにより係合するように構成されている。回転可能部材92の内向きに延在する近位停止壁962及び内向きに延在する遠位停止壁964は、回転可能部材92がバレル90上で回転するとき制限具942が軸方向に移動できる、移動距離「TD」を画定するのに役立つ。
図33は、近位停止壁952と遠位停止壁954との間のほぼ中間にある制限具952を示す。この位置にあるとき、回転可能部材92をバレル部90に対して第1方向に回転させた結果、図34に示されるように、制限具952が遠位停止壁964と接触するまで遠位方向「DD」に制限具が軸方向に移動する。同様に、回転可能部材92をバレル部90に対して反対方向に回転させた結果、制限具952が回転可能部材92の近位停止壁962と接触するまで、近位方向「PD」に軸方向に移動する。かかる構成によって、回転可能部材92がバレル部90の周りを完全に回転できる回数が制限され、らせん状導体アセンブリ934を不注意で破壊することを防ぐ。例えば、制限アセンブリ950は、臨床医が細長いシャフトアセンブリ、より具体的には、バレル部90周りをいずれの方向にも少なくとも1回完全に回転するが、例えば、3回以下で完全に回転する回転可能部材92を、回転させることを可能にできる。しかしながら、回転数、つまりより具体的には、バレル90上の回転可能部材92の回転可能な距離は、移動距離「TD」の程度を調節することによって調節できる。
図33は、制限具が遠位停止壁954と近位停止壁952との間の中心に配置されている、「中間」つまり「中心」位置にある制限具952を示す。少なくとも1つの形態では、細長いシャフトアセンブリ16及び回転可能部材92が中間位置にあるとき、付勢部材980を使用して、制限具952を対応する中間位置に付勢できる。臨床医が回転可能部分92に回転運動を加えると、細長いシャフトアセンブリ16は上記のように回転する。しかしながら、回転可能部材92及び細長いシャフトアセンブリ16に回転運動が継続して加えられないとき、付勢部材980は制限具952を中間位置に戻す。
例えば、少なくとも1つの外科用器具は、回転範囲内において周囲を回転させるため、ハウジングの取り付け部上に支持される回転可能部材を備え得る、ハウジングを備えてよい。器具の長手方向軸を画定する細長いシャフトアセンブリは、器具の長手方向軸の周りを回転可能部材と共に回転移動するため、回転可能部材に動作可能に連結されてよい。外科用器具は、電源を更に備えてよく、導体系管理システムを備えてよい。導体系管理システムは、回転可能部材中に支持され得る糸巻き状導体アセンブリを備えてよく、ハウジングの取り付け部に固定される第1導体端部と、回転範囲内において回転可能部材と共に回転するため、回転可能部材に固定される第2導体端部と、を備えてよい。導体系管理システムは、ハウジング内に支持され、電源から糸巻き状導体アセンブリに電力を送るように構成され得る、一次導体系を更に備えてよい。シャフト導体系は、細長いシャフトアセンブリの遠位端に電力を送るための糸巻き状導体アセンブリと連結されてよい。
別の外科用器具例は、ハウジングの取り付け部上に支持される回転可能部材を備える、ハウジングを備えてよい。外科用器具は、器具の長手方向軸を画定し、器具の長手方向軸の周りを回転可能部材と共に回転移動するため、回転可能部材に動作可能に連結され得る、細長いシャフトアセンブリを更に備えてよい。外科用器具は、電源と、電力を電源から細長いシャフトアセンブリを通って延在する導体系全体に送る手段と、を更に備えてよい。外科用器具は、回転可能部材の取り付け部の周りの回転移動量を、取り付け部の周りを少なくとも1回完全に回転すること、及び3回以下で完全に回転することを含む、回転移動範囲に制限する手段を更に備えてよい。
本明細書に概説されるように、エンドエフェクタを外科用器具に取り付けることができる。更に本明細書に概説されるように、外科用器具は、ステープルカートリッジを含むエンドエフェクタからステープルを発射するように構成されている、発射駆動部を備えてよい。ここで図94に示される代表的な実施形態を見ると、例えば、外科用器具9000は、ハウジングと、つかみ部9012と、発射作動装置9014と、ハウジング内に配置されるモーターと、を備える、ハンドル9010を備えてよい。外科用器具9000は、モーターによって遠位に前進及び/又は近位に後退できる発射ロッド9020を備える、シャフト9040を更に備えてよい。特定の状況では、エンドエフェクタは、関節屈曲継手の周りを近位部に対して関節屈曲できる遠位部分を備えてよい。別の状況では、エンドエフェクタは関節屈曲継手を有さなくてよい。外科用器具は、エンドエフェクタの少なくとも一部を関節屈曲させるように構成されている関節屈曲駆動部を更に備えてよい。図94に示される代表的な実施形態を再度参照すると、例えば、外科用器具9000は、関節屈曲継手の周りでエンドエフェクタの遠位部分を駆動するように構成され得る、関節屈曲作動装置9070を更に備えてよい。図94に示されるエンドエフェクタ、すなわち、エンドエフェクタ9060は、関節屈曲可能なエンドエフェクタとして示されていないが、しかしながら、関節屈曲可能なエンドエフェクタを外科用器具9000と共に使用できる。例えば、エンドエフェクタ9060などの関節屈曲不可能なエンドエフェクタを外科用器具9000と共に使用する場合、関節屈曲作動装置9070の操作が、エンドエフェクタ9060の操作に影響し得ない。
上記に加え、エンドエフェクタは、外科用器具の駆動システムに対応する駆動システムを備えてよい。エンドエフェクタ9060が外科用器具に組み付けられるとき、例えば、エンドエフェクタ9060は、外科用器具9000の発射ロッド9020と動作可能に係合され得る、発射部材を備えてよい。同様に、エンドエフェクタが外科用器具に組み付けられるとき、エンドエフェクタは、外科用器具の関節屈曲ロッドと動作可能に係合され得る、関節屈曲駆動部を備えてよい。更に、エンドエフェクタ9060が外科用器具9000に取り付けられるとき、エンドエフェクタ9060は、例えば、外科用器具9000のシャフト9040の遠位接続部9042に装着され得る、近位接続部9069を備えてよい。様々な状況では、エンドエフェクタが適切に使用できる前に、エンドエフェクタの接続部、駆動システム、及び関節屈曲システムを外科用器具に正しく組み付けることが必要であり得る。
再度図94を参照すると、ハンドル9010は、外科用器具9000のユーザーによって作動されるとき、ハンドル9010中のモーターを操作するように構成され得る、発射トリガ9014を備えてよい。様々な状況では、ハンドル9010は、発射トリガ9014の作動を検出するように構成され得る、コントローラを備えてよい。いくつかの場合では、発射トリガ9014の作動により、コントローラと信号通信する電気回路を閉鎖できる。このような場合では、コントローラは、次にモーターを作動させて、発射ロッド9020を遠位に前進し、エンドエフェクタ9060のジョー9062をジョー9064に向かって移動するように構成され得る。いくつかの状況では、ハンドル9010は、発射トリガ9014にかけられた力、及び/又は、発射トリガ9014が移動した程度を検出するように構成され得る、少なくとも1つのセンサを備えてよい。センサ(1つ又は複数)はコントローラと信号通信でき、このときコントローラは、センサからの1つ又は2つ以上の入力信号に基づいてモーターの速度を調節するように構成されてよい。ハンドル9010は、コントローラが発射トリガ9014からの入力に反応してモーターを作動する前に押下される必要がある、安全スイッチ9015を備えてよい。様々な状況では、安全スイッチ9015はコントローラと信号通信でき、このときコントローラは、安全スイッチ9015が押下されるまで、モーターの使用を電子的にロックアウトできる。ハンドル9010は、作動されると、モーターを反対方向に作動させて発射ロッド9020を後退し、ジョー9062を、ジョー9064から離れる方向に移動できるようにし得る、後退作動装置9074も備えてよい。様々な状況では、後退作動装置9074の作動により、コントローラと信号通信する電気回路を閉鎖できる。いくつかの場合では、安全スイッチ9015は、コントローラが後退作動装置9074からの入力に反応して反対方向にモーターを作動する前に、押下される必要があり得る。
外科用器具9000の使用前及び/又は使用中、外科用器具9000及び/又は外科用器具9000の特定のシステムは、動作不能、動作不良、及び/又は動作不完全になる場合がある。特定の状況では、かかる欠陥及び/又はそれらを解決する方法が外科用器具のユーザーに容易にわからない場合があり、これによってユーザーをいらいらさせる恐れがある。その上、このように不確定であると、欠陥、つまり「エラー」に対処するのに必要な時間が増える場合がある。外科用器具9000は、上記に対して改善したものである。再度図94を参照すると、外科用器具のコントローラ9000は、外科用器具9000のエラーを検出し、そのエラーを1つ又は2つ以上のインジケータを介して外科用器具9000のユーザーに伝えるように構成され得る。外科用器具9000は、コントローラによって作動されると、エラーの本質を示し、及び/又は別の方法で、何らかの様式で欠陥がある外科用器具9000のシステムに注意を向けさせることができる、1つ又は2つ以上のインジケータを備えてよい。例えば、外科用器具9000は、例えば、エンドエフェクタが外科用器具9010のシャフト9040に組み付けられていないことを示すように構成され得る、エンドエフェクタインジケータ9086を備えてよい。様々な状況では、外科用器具9000は、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられているとき、及び/又は、それに対応して、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられていないときを検出するように構成され得る、センサを備えてよい。センサは、コントローラがセンサから信号を受信でき、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられたかどうかを確認できるように、コントローラと信号通信できる。エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられていないことをコントローラが確認した場合、コントローラは、エンドエフェクタインジケータ9086を作動できる。様々な状況では、エンドエフェクタインジケータ9086は、例えば赤色ライトなどのライトを備えてよい。いくつかの状況では、エンドエフェクタインジケータ9086は、例えば赤色発光ダイオードなどの発光ダイオードを備えてよい。上記に加え、又はその代わりに、外科用器具9000は、シャフト9040に取り付けられたエンドエフェクタが以前に使用されているときを検出する様に構成され得る、コントローラと信号通信するセンサを備えてよい。例えば、かかるセンサは、エンドエフェクタ内に保存される少なくとも一部のステープルが発射されている、及び/又は、エンドエフェクタ内のステープル発射部材が以前に前進していることを確認するように構成されてよい。このような場合では、コントローラは、エンドエフェクタインジケータ9086を作動できる。したがって、エンドエフェクタインジケータ9086の作動は、外科用器具9000のユーザーに、エンドエフェクタに関するエラーがいくつか存在すること、及び、外科用器具9000を操作する前にかかるエラーに対処する必要がある、又は対処しなくてはならないことを知らせることができる。図94から、エンドエフェクタインジケータ9086がシャフト9040の遠位端に隣接していること、及び、様々な状況では、シャフト9040の遠位接続部9042に、又はその近くに配置され得ることを読者は理解するだろう。様々な状況では、エンドエフェクタインジケータ9086をエンドエフェクタ9060上に配置してもよい。いずれにせよ、エンドエフェクタインジケータ9086が光るとき、上記の結果として、外科用器具9000のユーザーは、エラーが存在し、そのエラーが何らかの様式でエンドエフェクタに関連することを素早く確認できる。エンドエフェクタインジケータ9086が光ると、エンドエフェクタのシャフト9040への組み付けが不完全である場合、及び/又は、エンドエフェクタを取り替える必要がある場合をユーザーに示すことができる。
エンドエフェクタインジケータ9086に加え、又はその代わりに、外科用器具は1つ又は2つ以上のインジケータを備えてよい。例えば、外科用器具9000は、発射トリガインジケータ9081を備えてよい。発射トリガインジケータ9081は、例えば、コントローラが外科用器具9000の発射駆動部に関するエラーを検出すると、コントローラが発射トリガインジケータ9081を作動できるように、外科用器具のコントローラ9000と信号通信できる。図94に示されるように、発射トリガインジケータ9081は、発射トリガ9014に隣接して配置され得る。かかる状況では、発射トリガインジケータ9081の作動を目にすると、外科用器具9000のユーザーは、発射駆動部に関するエラーが起こっていることを推測でき、エラー源の診断を開始できる。いくつかの状況では、コントローラは、例えば、外科用器具9000の電池が何らかの様式で不良になっているとき、発射トリガインジケータ9081を作動してよい。例えば、電池の電圧が所望のレベルを下回った場合、電池はモーターを所望の様式で作動できない場合があり、例えば、発射トリガインジケータ9081は、電池の交換が必要であることを示してもよい。様々な状況では、コントローラが、例えばエンドエフェクタインジケータ9086及び/又は発射トリガインジケータ9081などのインジケータを光らせるとき、コントローラは、外科用器具9000の1つ又は2つ以上のオペレーティングシステムをそのとき動作不能にできる。例えば、コントローラは、例えばエンドエフェクタインジケータ9086及び/又は発射トリガインジケータ9081が光っているとき、発射トリガ9014を作動してモーターを作動しないように、発射トリガ9014をモーターから動作可能に連結解除するように構成されてよい。このようなモーターからの発射トリガ9014の動作可能な連結解除は、外科用器具9000のユーザーに、外科用器具がエラーに遭遇している場合があること、及び、ユーザーが、そのエラーの本質を確認するため外科用器具9000のインジケータを点検する必要があることも示すことができる。
図94の代表的な実施形態を再度参照すると、外科用器具9000は、後退作動装置9074に隣接して配置される後退作動装置インジケータ9085を備えてよい。上記と同様に、後退作動装置インジケータ9085はコントローラと信号通信でき、このとき、コントローラが後退駆動に関連したエラーを検出した場合、例えば、コントローラは後退作動装置インジケータ9085を光らせることができる。様々な状況では、コントローラは、後退作動装置9074を作動する前に安全スイッチ9015が押下されていない場合、後退作動装置インジケータ9085を光らせることができる。かかる状況では、後退作動装置インジケータ9085は、安全スイッチ9015押下のリマインダとして働くことができる。特定の状況では、外科用器具9000は、安全スイッチ9015に隣接して配置される安全スイッチインジケータ9082を備えてよい。いくつかの状況では、外科用器具のコントローラ9000は、ユーザーが、安全スイッチ9015を作動する前に後退作動装置9074を作動するとき、安全スイッチインジケータ9082を光らせることができる。安全スイッチインジケータ9082はコントローラと信号通信でき、このとき、コントローラが、発射モードと後退モードとの間に発射システムのスイッチを入れることができないことを検出した場合、例えば、コントローラは安全スイッチインジケータ9082を光らせることができる。外科用器具9000は、関節屈曲作動装置9070に隣接して配置される関節屈曲作動装置インジケータ9084を備えてよい。上記と同様に、関節屈曲作動装置インジケータ9084はコントローラと信号通信でき、このとき、コントローラが関節屈曲駆動に関連したエラーを検出した場合、例えば、コントローラは関節屈曲作動装置インジケータ9084を光らせることができる。外科用器具9000は、シャフト9040をハンドル9010に取り付けるように構成されているシャフト連結部に隣接して配置される、シャフトインジケータ9083を備えてよい。上記と同様に、シャフトインジケータ9083はコントローラと信号通信でき、このとき、コントローラがシャフト9040に関連したエラーを検出した場合、例えば、コントローラはシャフトインジケータ9083を光らせることができる。
ここで図95を見ると、外科用器具9100は、外科用器具9100及び/又はそこに取り付けられたエンドエフェクタに関する1つ又は2つ以上のエラーが存在し得ることを、外科用器具のユーザー9100に示すように構成され、作動される、インジケータアレイ9190を含む、ハンドル9110を備えてよい。インジケータアレイ9190は、任意の好適な方法で配置できる。様々な状況では、インジケータアレイ9190は、例えば、外科用器具9100及び/又はそれに取り付けられたエンドエフェクタの形状、又はそれに近似した形状で配置されてよい。少なくとも1つの場合、ハンドル9110の外側表面は、例えば、外科用器具9100及び/又は外科用器具に取り付けられるエンドエフェクタの描写を含んでよい。インジケータアレイ9190は、例えば、エラーが起こっている、エラーが起こっていた、及び/又は、エラーに対処するために調べる必要がある外科用器具9100及び/又はエンドエフェクタの部分を知らせるように構成されている方法で、外科用器具及びエンドエフェクタの輪郭に対して配置できる。例えば、エンドエフェクタ9060、シャフト9040、ハンドル9010、発射トリガ9014、安全スイッチ9015、逆作動装置9074、及び/又は関節屈曲作動装置9070を示すための境界を輪郭に定めてもよい。様々な状況では、例えば、エンドエフェクタインジケータ9192は、エンドエフェクタ9060の描写に隣接して配置されてよく、シャフトインジケータ9193は、シャフト9040の描写に隣接して配置されてよく、発射トリガインジケータ9191は、発射トリガ9014の描写に隣接して配置されてよく、安全スイッチインジケータ9195は、安全スイッチ9015の描写に隣接して配置されてよく、逆作動装置インジケータ9196は、逆作動装置9074の描写に隣接して配置されてよく、及び/又は、関節屈曲作動装置インジケータ9194は、関節屈曲作動装置9070の描写に隣接して配置されてよい。様々な状況では、インジケータ9191、9192、9193、9194、9195、及び/又は9196はそれぞれ、発光ダイオードを含んでよい。いくつかの状況では、各発光ダイオードは、エラーの存在を示すためコントローラによって光ることができる赤色発光ダイオードを含んでよい。様々な状況では、コントローラは、インジケータが光っていることをユーザーに気づかせるのに要する時間を減らし得る、発光ダイオードの光を脈動させるように構成されてよい。特定の状況では、各インジケータは、2つ以上の色を放出できる発光ダイオードを含んでよい。いくつかの状況では、かかる発光ダイオードはそれぞれ、例えば、赤色及び緑色を選択的に放出するように構成されてよい。コントローラは、外科用器具9100及び/又はそれに取り付けられたエンドエフェクタの関連部分についてエラーが検出されない場合に緑色の、又は別の方法として、外科用器具9100及び/又はそれに取り付けられたエンドエフェクタの関連部分についてエラーが検出される場合に赤色の発光ダイオードを光らせるように構成されてよい。
いくつかの状況では、以下で更に詳述されるように、コントローラが作動装置に関連するインジケータを光らせるとき、外科用器具のコントローラ9000は、外科用器具の1つ又は2つ以上の作動装置、例えば発射トリガ9014、後退作動装置9074、及び/又は関節屈曲作動装置9070などをロックアウトできる。例えば、コントローラは、発射トリガインジケータ9081を光らせるときに発射トリガ9014を、後退作動装置インジケータ9085を光らせるときに後退作動装置9074を、及び/又は、関節屈曲作動装置インジケータ9084を光らせるときに関節屈曲作動装置9070をロックアウトできる。外科用器具9000のハンドル9010は、例えば、発射トリガ9014を選択的に「ロックアウト」し、発射トリガ9014が作動するのを防ぐように構成され得る、発射トリガロックを備えてよい。発射トリガロックは、外科用器具のモーターを作動するために発射トリガ9014を十分に作動するのを防ぐことができる。少なくとも1つのこのような状況では、発射トリガ9014が発射トリガスイッチを閉鎖するのを防ぐことができる。特定の状況では、外科用器具のコントローラ9000は、発射トリガロックの作動に加え、発射トリガ9014を電子的にロックアウトする、すなわち、電池の電力がモーターに供給されるのを防ぐように、構成されてよい。かかる状況では、電子的ロックアウト及び機械的ロックアウトは重複し得るが、機械的ロックアウトは、発射駆動部が動作可能に作動解除されていることについて、外科用器具9000のユーザーへのフィードバックを提供できる。上記のように、外科用器具のコントローラ9000は、例えば発射トリガインジケータ9081を介したフィードバックも提供できる。このように、外科用器具9000のユーザーに、エラーが起こったことの触覚フィードバック及び/又は視覚フィードバックを提供できる。いくつかの状況では、触覚フィードバックは、外科用器具9000のユーザーに、視覚フィードバックを探し始めることを促す場合がある。例えば、ユーザーが発射トリガ9014の作動を試み、発射トリガ9014が作動できないとき、その後にユーザーは、光ったインジケータについて器具を点検できる。いずれにせよ、エラーが解決されると、コントローラは、発射トリガロックを作動解除することによって、発射トリガ9014をロック解除できる。
ここで図100を見ると、外科用器具9000は、発射トリガ9014をロックアウトするよう構成され得る、発射トリガロック9390を備えてよい。発射トリガロック9390は、図100、101、及び103に示されるロック状態と、図102に示されるロック解除状態と、の間を移動可能であってよい。エンドエフェクタが外科用器具9000のシャフト9040に組み付けられていないとき、発射トリガロック9390をそのロック状態に付勢できる。このロック状態では、発射トリガロック9330は発射トリガ9014の作動を妨害、又は少なくとも実質的に妨害できる。より具体的には、発射トリガロック9390は、シャフトラック9391と、ピニオン9392と、ハンドルラック9393と、例えば、ばねなどの付勢部材と、を備えてよく、これは、シャフトラック9391を近位位置に、ハンドルラック9393を下向き位置に付勢するよう構成され得る。シャフトラック9391の近位位置及びハンドルラック9393の下向き位置を図101に示す。主に図101を参照すると、ハンドルラック9393は開口部9396を含んでよく、発射トリガ9014は、ハンドルラックが下向き位置にあるとき、開口部9396と整列しない突起部9395を含んでよい。より具体的には、発射トリガ9014は、支点9397を含む振動部スイッチを備えてよく、ハンドルラック9393が下向き位置にあるとき、発射トリガ9014をロックすると、発射トリガ9014から延在する突起部9395の少なくとも1つをハンドルラック9393に当接させ、発射トリガ9014が完全に作動されるのを防ぐ。
エンドエフェクタがシャフト9040に取り付けられるとき、上記に加え、発射トリガロック9390は、ロック構成とロック解除構成との間を移動できる。発射トリガロック9390のロック解除構成では、主に図102を参照すると、ハンドルラック9393が上向き位置にあることができる。ハンドルラック9393の上向き位置では、ハンドルラック9393中に画定された開口部9396は、発射トリガ9014から延在する突起部9395と整列する。かかる状況では、発射トリガ9014を揺らし、発射トリガ9014を作動することができる。より具体的には、突起部9395は開口部9396を通過し、発射トリガ9014が支点9397を中心に揺れるのを可能にできる。したがって、上記のことから、下向き位置と上向き位置との間でハンドルラック9393が移動することによって、対応して発射トリガ9014をロック、及びロック解除する。様々な機構を利用して、ハンドルラック9393の下向き位置と上向き位置との間を移動させることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、再度図100を参照すると、シャフト9040は、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられると、エンドエフェクタによって近位にずらされ得る、発射ロック作動装置9399を備えてよい。シャフトラック9391は、発射ロック作動装置9399に装着され、及び/又は、そこから近位に延在してよく、上部に画定される歯9391aを備えてよい。歯9391aは、発射ロック作動装置9399及びシャフトラック9391が近位にずれると、ピニオン歯車9392が軸の周りを回転できるように、ピニオン歯車9392上に画定される歯9392aと噛合い係合できる。それに対応して、ハンドルラック9393は、これもピニオン歯車の歯9392aと噛合い係合される、上部に画定されるラック歯9393aを備えてよく、したがって、シャフトラック9391が近位に駆動されると、ハンドルラック9393を下向き位置から上向き位置に駆動することによって、発射トリガ9014をロック解除できる。ハンドルラック9393を下向き位置に戻すため、シャフトラック9391を遠位に移動させ、ピニオン歯車9392を反対方向に回転させてよい。様々な状況では、エンドエフェクタがシャフト9040から取り外された結果、シャフトラック9391は遠位に移動できる。
ここで図96〜97を見ると、ハンドル9010は、例えば、トリガロック9290を備えてよい。トリガロック9290は、ハウジング9291と、展開可能なロックピン9292と、保持具9293と、ロックピン9294が、図96及び98に示される未展開位置と、図97及び99に示される展開位置との間で移動するように構成されている付勢部材9294と、を備えてよい。様々な場合では、保持具9293は、熱の影響を受ける感温材料から構成されてよい。少なくとも1つのこのような場合では、感温材料は、例えば、固体と、液体、懸濁液、及び/若しくは気体などの流体との間、並びに/又は、例えば、固体材料と半固体材料との間を転移するように構成されてよい。感温材料が固体と流体との間を転移、又は少なくとも部分的に転移するとき、保持具9293は、ロックピン9294を開放し、ハンドル9010の発射トリガ、及び/又は任意のその他好適なトリガをロックできる。様々な場合では、展開されると、ロックピン9294は発射トリガの後ろを摺動し、及び/又は別の方法で発射トリガに係合できる。ハンドルは、任意の好適な数のトリガロック9290などを備え、例えば、任意の好適な数のトリガ及び/又はボタンを選択的にロックアウトできる。読者には理解されるように、トリガロック9290はリセットできない。このような場合では、作動したトリガロック9290は、器具がもう使えないように、例えば、ハンドルの発射トリガを永続的にロックアウトできる。器具の発射トリガ及び/又は任意の他のトリガの永続的ロックアウトとは、何であれ器具がもう使用可能でないことを意味でき、一方別の状況では、永続的ロックアウトは、容易にリセット可能であり得ず、例えば、器具を修理して再利用すべきか、又は、器具を廃棄すべきかを評価できる正規の技術者、又は施設に、器具を送る必要があり得る。保持具9293の感熱材料が少なくとも部分的に流体に転換されると、技術者は、感熱材料の転移温度を超える温度に器具が曝露されたと推測するであろう。様々な場合では、感熱材料の転移温度は、例えば固体材料が、例えば液化、気化、及び/又は、昇華する温度であってよい。いずれにせよ、保持具9293の感熱材料、したがってその転移温度は、ロックピン9294の解放により、外科用器具が特定の、又は閾値温度を超える温度に曝露されたことを示すことができるように、選択できる。様々な場合では、外科用器具は、過度の温度を超えた場合に破壊される場合がある。例えば、外科用器具は、例えば、このような過度の温度に曝露されると破壊され得る固体電子機器を備えてよい。このような場合では、器具の閾値温度及び保持具9293の転移温度は等しい、又は少なくとも実質的に等しくてよく、その結果、トリガロック9290が作動されていないときは、器具が閾値温度を超える温度に曝露されておらず、それに対応して、トリガロック9290が作動し、そのため、外科用器具が破壊されている恐れがある、又は少なくとも破壊されたかどうかを調べる必要があり得る時は、器具が閾値温度を超える温度に曝露されたと推測できる。
上記に加え、外科用器具は、外科用器具を滅菌するとき、閾値温度及び/又は転移温度を超える温度に曝露されることがある。多くの滅菌手順は既知であり、そのいくつかは、外科用器具を熱に曝露する工程を含む。トリガロック3290に加え、又はその代わりに、外科用器具は、外科用器具が曝露される温度を評価できる少なくとも1つの温度センサを備えてよい。様々な場合では、温度センサ(1つ又は複数)は、外科用器具が閾値温度を超える温度に曝露されたかどうかを評価するように構成され得る、外科用器具のコントローラと信号通信できる。少なくとも1つのこのような場合では、コントローラは、マイクロプロセッサと、温度センサ(1つ又は複数)から受信した信号を評価できるアルゴリズムと、を備えてよい。コントローラが閾値温度に到達した及び/又はその温度を超えたと判定する場合、コントローラは、器具が操作されるのを永続的に防ぐことができる。別の言い方をすれば、コントローラは、外科用器具に電子的ロックアウトを適用できる。上記と同様に、器具の永続的ロックアウトとは何であれ器具がもう使用可能でないことを意味でき、一方別の状況では、永続的ロックアウトは、容易にリセット可能であり得ず、例えば、器具を修理して再利用すべきか、又は、器具を廃棄すべきかを評価できる正規の技術者、又は施設に、器具を送る必要があり得る。読者には理解されるように、外科用器具が滅菌されている間、電源は、外科用器具のコントローラ及び/又はセンサを操作するのに必要であり得る。外科用器具のいくつかの実施形態は、外科用器具を滅菌する前に取り外される、取り外し可能な電池、つまり電源を備え、このような場合では、取り外し可能な電池は別々に滅菌及び/又は再処理される。以前の器具から取り外し可能な電源が取り外されると、読者には理解されるように、コントローラ及び/又はセンサは、外科用器具の温度を監視するのに十分な電力を有することができない。本明細書に開示される外科用器具の実施形態は、再処理されるときに外科用器具から取り外されない電池、つまり電源を備えてよい。かかる電池は、器具が滅菌されている間にコントローラ及び/又は温度センサに電力を供給できることから、永久電池と称される場合がある。様々な場合では、永久電池を備える器具は、取り外し可能電池及び/又は再充電可能電池も備えてよい。いずれにせよ、器具は、器具が曝露される温度を検出し、記録するために十分な電力を有し得る。少なくとも1つの場合、器具のコントローラは、例えば温度記録器中などの温度測定値を記憶するよう構成されている、メモリチップを備えてよい。様々な状況では、コントローラは、断続的に、すなわち、適当なサンプリングレートで、センサの測定値を記録できる。いくつかの場合では、コントローラは、閾値温度下回っていても、特定の温度を超える温度測定値を記録すると、コントローラがサンプリングレートを上げられるように構成されてよい。それに対応して、コントローラは、特定の温度を下回る温度測定値を引き続いて記録すると、コントローラが、例えば元のサンプリングレートに戻すなど、サンプリングレートを下げられるように構成されてよい。
ここで図99Aを見ると、コントローラのアルゴリズムが示される。特定の場合では、このアルゴリズムは、例えば、滅菌プロセスを経た後に外科用器具を最初に使うときなどの、外科用器具の始動手順を含んでよい。始動手順は、器具のスイッチが入れられた後に開始できる。エンドエフェクタが器具に組み付けられると、器具のスイッチを自動的に入れることができる。少なくとも1つのこのような場合では、エンドエフェクタの外科用器具の組み付けにより、コントローラと信号通信しているスイッチを閉じることができる。上記に加え、又はその代わりに、例えば、ハンドル上のボタン及び/又はスイッチを押下すると、器具のスイッチが入ってよい。いずれにせよ、コントローラは、次に、上記メモリチップに保存された温度測定値を評価できる。例えば、コントローラは、任意の保存された温度測定値が閾値温度と等しいか、又はそれを超えているかを評価できる。コントローラが、保存された温度測定値の全てが閾値温度を下回ると判定する場合、コントローラは、通常の始動手順に進むことができる。コントローラが、保存された温度測定値の1つ又は2つ以上が閾値温度に等しい又はそれを超えると判定する場合、コントローラは、別の手順に進むことができる。少なくとも1つの場合、本出願の他の部分に記載されるように、コントローラは、電子的ロックアウト及び/又は機械的ロックアウトを実行するなどによって、器具を永続的に使用不能にできる。特定の他の場合では、コントローラは、保存された温度測定値の1つ又は2つ以上が閾値温度に等しい又はそれを超えるとコントローラが判定したにもかかわらず、器具を使用可能にできる。コントローラは、その判定をメモリに保存でき、及び/又は、例えば、閾値温度が以前に超えていたことを発光ダイオードなどの表示によってユーザーに示すことができ、その後通常の始動手順に進むことができる。様々な場合では、コントローラは、絶対最大値として閾値温度を処理でき、すなわち、閾値温度の、又はそれを超える単一の温度測定値は、別の始動プログラムを起動する、又は器具を永続的にロックアウトするのに十分である。他の場合では、時間及び温度の両方が、例えば、滅菌処置によって器具に欠陥が生じたかを考慮する因子になり得るため、コントローラは、閾値温度の、又はそれを超える温度測定値のパターンが、別の始動プログラムを起動する、又は器具を永続的にロックアウトするのに十分かどうかを評価するように構成されてよい。
ここで図104〜109を見ると、例えば外科用器具9000などの外科用器具は、発射トリガロックシステム9490を備える、ハンドル9410を備えてよい。ハンドル9410は、多くの点でハンドル9110と類似してよく、かかる点は、簡潔性のために本明細書においては反復されない。上記と同様に、発射トリガロックシステム9490は、発射トリガ9414をロック及びロック解除するように構成されてよい。また上記と同様に、発射トリガロックシステム9490は、図104〜107に示されるように、エンドエフェクタが外科用器具のシャフト9040に組み付けられていないと、ロック状態に付勢されてよく、図108及び109に示されるように、エンドエフェクタがシャフト9040に完全に組み付けられると、ロック解除状態に移動してよい。エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられると、上記に加え、主に図108及び109を参照すると、エンドエフェクタは、感知部材9499を近位に押すことができる。感知部材9499は、シャフト9040の遠位端からその近位端まで、シャフト9040を通って延在してよい。使用中、エンドエフェクタは、上記のように、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられ、感知部材9499を近位に押すとき、感知部材9499の遠位端に当接することができる。図108及び109に示されるように、感知部材9499が近位に押されると、感知部材9499は、発射トリガロックシステム9490のスイングアーム9486に接触し、スイングアーム9486を上向きに回転できる。スイングアーム9486は、スイングアーム9486が軸の周りを回転できるように構成されているピン9487を介して、ハンドルハウジングに旋回可能に装着される端部を備えてよい。スイングアーム9486は、感知部材9499によって接触できる、カム従動子部分9488を更に備えてよい。使用中、感知部材9499は、スイングアーム9486を下向き位置と上向き位置との間で動かし、発射トリガロックシステム9490を、それぞれロック位置とロック解除位置との間で動かすことができる。発射トリガロックシステム9490は、スイングアーム9486が上向きに回転すると上向きに引っ張られ、それに対応して、スイングアーム9486が下向きに回転すると下向きに押され得る、スイングアーム9486に装着されるロックピン9485を更に備えてよい。ロックピン9485は、スイングアーム9486に旋回可能に装着される上端部と、ロックピン9485が下向き位置にあるとき、発射トリガ9481中に画定される開口部9483を通って延在する下端部と、を備えてよい。様々な状況では、開口部9483は、発射トリガ9414から延在するアーム9482中に画定されてよい。ロックピン9485が開口部9483内に配置されると、発射トリガ9414は、支点9484を中心に旋回できず、その結果、発射トリガ9414は、ユーザーによって作動できない。ロックピン9485が上向き位置にあるとき、ロックピン9485を開口部9483内に配置できず、その結果、発射トリガ9414はユーザーによって作動され得る。エンドエフェクタがシャフト9040から取り外されると、感知部材9499は、近位位置から遠位位置まで移動できる。別の言い方をすれば、エンドエフェクタがシャフト9040に取り付けられていない状態で、例えばばね9489などの付勢部材は、スイングアーム9486を下向きに付勢でき、したがって、発射トリガロックシステム9490をロック状態に付勢できる。その上、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられていないとき、ばね9489は、アーム9482によって感知部材9499に付勢力を加え、感知部材9499を遠位に押すことができる。
上記に加え、感知部材9499及び発射トリガロックシステム9490を作動すると、外科用器具のユーザーと通信する働きができる。例えば、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられていないとき、感知部材9499は遠位に付勢され、発射トリガ9414はロックアウトされるが、このとき、ユーザーが発射トリガ9414の作動を試みようとした場合、ユーザーは、外科用器具の発射システムの何かがおかしいことにすぐ気づくであろう。この例では、ユーザーは、外科用器具を使用するために、エンドエフェクタをシャフト9040に組み付ける必要があることにすぐ気づくであろう。様々な状況では、エンドエフェクタがシャフト9040に取り付けられていても、使用されていた場合、発射トリガをロックアウトできる。少なくとも1つのこのような状況では、エンドエフェクタは、最近位位置に配置されると、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられているときに感知部材を近位に押す、発射部材を備えてよく、しかしながら、エンドエフェクタがシャフト9040に組み付けられているときに、かかる発射部材が少なくとも部分的に既に前進している場合、感知部材を近位に押すことができず、その結果、発射トリガはロックアウトされたままであり得る。ここでも、かかる発射トリガのロックアウトによって、発射駆動部において問題がある、すなわちこの状況では、エンドエフェクタが既に使用されていることをユーザーに伝えることができる。かかる触覚ロックアウトがない場合、ユーザーは、押下された作動装置への外科用器具の反応がない状態で、作動装置を押下できる状況に気づき得るため、ユーザーの混乱につながる可能性がある。
上記のように、以前に未発射であったエンドエフェクタをシャフト9040に組み付けると、感知部材を近位に押し、発射トリガをロック解除できる。様々な状況では、感知部材及び発射トリガロックシステムは、エンドエフェクタが完全にシャフト9040に組み付けられるまで、発射トリガがロック解除されないように構成されてよい。エンドエフェクタがシャフト9040に部分的にのみ組み付けられた場合、感知部材が十分にずれて、発射トリガをロック解除することができない。ここでも、かかる発射トリガのロックアウトによって、発射駆動部において問題がある、すなわちこの状況では、エンドエフェクタがシャフト9040に完全に組み付けられていないことをユーザーに伝えることができる。
本明細書に記載されるように、エンドエフェクタを識別するように構成されているコントローラを備え得る、外科用器具にエンドエフェクタを組み付けてよい。いくつかの場合では、コントローラは、コントローラが作動されると、エンドエフェクタの識別情報を評価するように構成されてよい。特定の場合では、ここで図176を見ると、電池がハンドル内に挿入されるとき、コントローラを作動できる。上記に加え、又はその代わりに、コントローラは、コントローラが作動されると、外科用器具の状態を評価するように構成されてよい。例えば、コントローラは、閉鎖システムの閉鎖部材の位置、発射システムの発射部材の位置、及び/又は、関節屈曲システムの関節屈曲部材の位置を評価するように構成されてよい。特定の場合では、外科用器具は、絶対位置決めセンサを備え、発射部材の位置を検出できる。かかるセンサは、2013年3月14日出願の、「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」という名称の米国特許出願第13/803,097号に開示されており、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる。いくつかの場合では、外科用器具は行程終了記録器を備えてよい。かかる行程終了記録器は、機械的スイッチ、カウンタ、及び/若しくはトグルスイッチ、並びに/又は、不揮発性メモリに保存されたデータを含む、電子的スイッチ、カウンタ、及び/若しくはトグルスイッチを備えてよい。かかる実施形態では、コントローラは、以前の発射行程が完了したかどうかを評価できる。かかる実施形態は、様々な状況で有用であり得る。例えば、コントローラは、外科的手技の最中に、偶発的にスイッチが切れる、ないしは別の方法で動力を失う場合があり、コントローラを再作動すると、コントローラは、器具を初めて初期化しているのか、又は、器具が以前の発射行程の途中だったのかを評価することができない。行程終了記録器は、コントローラがこれら2つの事象間を識別するのに役立つことができる。その上、器具の動力損失又は停止によって失われない、つまりリセットされない行程終了の記録により、コントローラが、発射行程中に外科用器具の動力が失われたのかを評価できるようにする。コントローラが、以前の発射行程が完了していなかったと判定する場合、コントローラは、1)発射行程を終了させるためにモーターへの電力供給を許可する、並びに/又は、2)発射部材、閉鎖部材、及び/若しくは関節屈曲部材をホーム位置、つまり未作動位置まで後退させるためにモーターへの電力供給を許可するように、構成されてよい。様々な場合では、コントローラは、発射行程を進めるか、又は、器具の機械的システム及び/若しくは電気システムを元の、つまり未作動の位置まで戻すかの選択肢を外科用器具のユーザーに提供できる。かかる実施形態では、外科用器具は、これらシステムを元の、つまり未作動の位置まで自動的に戻すことができない。いずれにせよ、外科用器具がそのホーム状態、つまり未作動状態にあると、以前に発射されたエンドエフェクタを外科用器具から取り外すことができ、及び/又は、未発射のエンドエフェクタを外科用器具に組み付けることができる。様々な場合では、本明細書に概説されるように、外科用器具は続いて、未発射のエンドエフェクタを識別、又は少なくとも識別を試みることができる。
ここで図177を見ると、外科用器具のコントローラは、器具及び/又は電池の診断チェックを実施できる。例えば、コントローラを作動すると、本明細書に記載されるように、外科用器具は、その外科用器具が外科用器具の閾値温度を超える温度に曝露されたかどうかを評価できる。また例えば、これも本明細書に記載されるように、外科用器具は、使用可能な電池の電力、電圧、及び/又は電流を評価できる。器具が、これらの診断テストのうち1つ又は2つ以上に不合格である場合、コントローラは、モーターへの電力供給、器具の物理的ロックアウト、及び/又は、かかるエラーの外科用器具のユーザーへの表示ができない。かかる状況では、器具はメモリにかかるエラーを記録し、後で器具を調べる際にテストデータが技術者の役に立つようにできる。器具がこれらの診断テストに合格した場合、上記と同様に、器具は、診断テストに合格したことに関するテストデータも記録できる。いずれにせよ、器具はこの後、器具がホーム状態、つまり未作動状態にあるかどうかを調べ、エンドエフェクタの識別情報を評価するのに進むことができる。本明細書に概説されるように、エンドエフェクタを識別する方法は開示されている。また本明細書に開示されるのは、「スマート」エンドエフェクタ又は「ダム」エンドエフェクタが外科用器具に取り付けられたのかを評価する方法である。様々な場合では、「スマート」エンドエフェクタは、識別プロセスの一環として、パラメータ及び/又は少なくとも一部の操作プログラムを外科用器具に供給できるエンドエフェクタであってよい。「スマート」エンドエフェクタは、エンドエフェクタが外科用器具によって使用される方法を何らかの形で識別するエンドエフェクタであってよい。特定の場合では、「ダム」エンドエフェクタは、いかなる方法でも外科用器具と共に使用される方法を識別できないエンドエフェクタである。上記に従った代表的な操作手順を図178に概説する。
本明細書に記載されるように、電池を利用して外科用器具に電力を供給できる。様々な場合では、外科用器具及び/又は電池は、電池が、1つ又は2つ以上の機能を実行するために十分な電力を外科用器具に供給できるかどうかを評価するように構成されてよい。特定の場合では、外科用器具及び/又は電池は、電池が、1つ又は2つ以上の機能を実行するために十分な電力を有することを外科用器具のユーザーに示すように構成されてよい。図179は、電池の電圧を示すために構成された回路を示す。かかる回路は、外科用器具及び/又は電池内に存在してよい。いずれにせよ、回路は、充電量、電圧、及び/又は電池によって供給できる電力を示すことができる、複数のインジケータを備えてよい。例えば、回路は、電池が少なくとも第1電圧を含むことを示すように構成されている第1インジケータと、電池が少なくとも第2電圧を含むことを示すように構成されている第2インジケータと、電池が少なくとも第3電圧を含むことを示すように構成されている第3インジケータと、を含む、3つのインジケータを備えてよい。図179に示されるように、回路12100は、互いが並列で配置される、第1インジケータ回路12110と、第2インジケータ回路12120と、第3インジケータ回路12130と、を備えてよい。スイッチ12101が閉じると、インジケータ回路12110、12120、及び12130全体に電池から電位が印可されてよい。第1インジケータ回路12110は、ツェナーダイオード12111と、発光ダイオード12112と、抵抗器R1 12113と、を備えてよい。同様に、第2インジケータ回路12120は、ツェナーダイオード12121と、発光ダイオード12122と、抵抗器R2 12123と、を備えてよく、第3インジケータ回路12130は、ツェナーダイオード12131と、発光ダイオード12132と、抵抗器R3 12133と、を備えてよい。ツェナーダイオード12111、12121、及び12131は、それぞれ異なる破壊電圧を有してよい。例えば、第1のツェナーダイオード12111は、例えば11.5Vの破壊電圧を有してよく、第2のツェナーダイオード12121は、例えば10Vの破壊電圧を有してよく、第3のツェナーダイオード12131は、例えば8Vの破壊電圧を有してよい。かかる実施形態では、電池の電圧が11.5V以上である場合、LED 12112、12122、及び12132が光る。LEDの全てが光るということは、電池がフル充電である、及び/又は、外科用器具によって必要とされる任意の機能を実施するのに少なくとも十分に充電されていることを外科用器具のユーザーに示すことができる。電池の電圧が10V以上であるが、11.5V未満である場合、LED 12112及び12122は光るが、LED 12132は光らない。LED 12112及び12122は光るが、LED 12132が光らないということは、電池がフル充電未満であるが、外科用器具によって必要とされる任意の機能を実施するのに少なくとも十分に充電されていることを外科用器具のユーザーに示すことができる。電池の電圧が8V以上であるが、10V未満である場合、LED 12112は光るが、LED 12122及び12132は光らない。LED 12112が光るが、LED 12122及び12132は光らないということは、電池の充電量が消費間近であり、外科用器具によって必要とされる特定の機能を実施するのに十分な充電量を有する場合と有さない場合があることを外科用器具のユーザーに示すことができる。かかるLED表示は、電池の交換が必要であり得ることを示す。電池の電圧が8V未満である場合、LED 12112、12122、及び12132の全てが光らない。かかるLED表示は、外科用器具の任意の機能を確実に実施するために電池が使用できないことを示すことができる。回路12100は3つのインジケータ回路12110、12120、及び12130を使用しているが、回路は、異なる破壊電圧のツェナーダイオードを有する4つ以上のインジケータ回路を備えてよい。かかる実施形態は、例えば、電池の電圧の表示をより細かく段階分けして提供できる。インジケータ回路を2つのみ使用する別の実施形態が想定される。
様々な場合では、電池は、電池が充電されている、及び/又は外科用器具と共に使用できる十分な充電量を有することを示すように構成されている、回路を備えてよい。特定の場合では、外科用器具は、取り付けられた電池が充電されている、及び/又は外科用器具と共に使用できる十分な充電量を有することを示すように構成されている、回路を備えてよい。いずれにせよ、ここで図180を見ると、回路12200は、例えば9Vの電池であってよい電池と通信する、1つ又は2つ以上のゲートを備える、マイクロプロセッサ12201を備えてよい。回路12200は、ダイオード12203及び抵抗器12204を備える回路から電力を受信できる、例えば10マイクロファラッドのコンデンサなどのコンデンサ12202を更に備えてよい。回路12200は、コンデンサ12202の放電経路中に、LED 12205及び抵抗器12206を更に備えてよい。かかる回路は、電池が回路12200に十分な電力を供給できる限り、LED 12205を断続的に脈動させることができる。このような場合では、ユーザーは、脈動するLED 12205を認識でき、外科用器具と共に使用するのに十分な電力でない場合、電池が少なくともいくらかの電力を有することを知り得る。ユーザーがLED 12205の脈動を認識しない場合、ユーザーは、電池が使用するのに十分な電力を欠いていると推測できる。
様々な状況では、本明細書に記載されるように、かつ、図284を参照すると、電池及び/又は電池と共に使用されるように構成されている外科用器具は、電池が供給できる電力、電圧、及び/又は電流を評価するように構成されている診断回路を備えてよい。ここで図184を見ると、電池診断回路12300が開示される。かかる回路は、外科用器具によって使用される前、外科用器具によって使用されている間、及び/又は外科用器具によって使用された後に、電池を調べるように構成されてよい。様々な場合では、電池を2回以上使用してよく、様々な場合では、電池は再充電可能であっても再充電不可能であってもよい。電池の使用、及び電池の診断評価中に得られた情報は、電池及び/又は外科用器具中のメモリチップに保存することができる。図183は、メモリチップに記録され得る情報の種類を代表する、情報12400の方を示す。例えば、使用回数を記録できる。各使用において、例えば、電池の充電又は再充電の最大電圧及び/又は最大電流を記録できる。各使用において、例えば、電流容量、使用電流mA、使用電流Ah、及び/又は使用中に遭遇した最低電圧を記録できる。各使用において、例えば、電池が充電された時間、電池が使用された時間、電池の充電中の温度、及び/又は、電池の使用中の温度を記録できる。これらはいくつかの単なる記録可能な情報の例である。様々な場合では、外科用器具及び/又は技術者によってかかる情報を利用して、例えば、電池の以前の性能及び/又は電池の更なる使用適合性を評価できる。
様々な場合では、ここで図182を見ると、電池及び/又は電池で使用される外科用器具は、電池の充電量が最低充電レベル未満に落ちると電池を止める回路を備えてよい。いくつかの場合では、リチウムイオン電池は、最低充電レベル未満で使用された場合に熱的事象を有し得、この最低充電レベル未満で電池を使用することを阻止する停止回路により、かかる熱的事象が起こるのを阻止できる。
様々な場合では、ここで図181を見ると、外科用器具は、器具及び/又はそこに組み付けられる電池の診断チェックを実施するように構成されているコントローラを備えてよい。例えば、コントローラは、クロックと、器具及び/又は電池が使用されたときに評価し、記録するように構成されているメモリチップと、を備えてよい。特定の場合では、コントローラは、器具及び/又は電池が最後に使用されてから長期間経つ場合、器具及び/又は電池を使用不可能にするように構成されてよい。特定の場合では、器具及び/又は電池は、器具及び/又は電池の様々な状態、例えば、温度、湿度、並びに/又は、器具及び/若しくは電池がその温度及び/若しくは湿度に曝露された時間などを評価するように構成され得る、1つ又は2つ以上のセンサを備えてよい。コントローラは、センサが正しく動作しているかを調べるように構成されていてよく、そうでない場合、コントローラは器具及び/又は電池を使用不可能にできる。コントローラは、器具及び/又は電池が使用された回数を調べるように構成されていてもよく、特定の回数を超えた場合、器具及び/又は電池を使用不可能にする。本明細書に概説されるように、コントローラは、電池が供給できる電力を評価するように構成されていてもよく、使用可能な電力が不十分である場合、器具及び/又は電池を使用不可能にする。
本明細書に記載されるように、外科用器具は、フィードバック及び/又はその他器具の状態に関する情報を収集するための様々なセンサを備えてよい。更に、外科用器具は、フィードバック及び/又は器具の状態に関する情報をユーザーに提供するため、感覚インジケータを備えてよい。特定の場合では、内視鏡を外科用器具と連結して使用し、追加のフィードバック及び/又は器具の状態に関する情報をユーザーに提供できる。本明細書に記載されるように、内視鏡及び外科用器具は、例えば、内視鏡及び/又は外科用器具のセンサからのフィードバックを表示できる、ディスプレイと信号通信してよい。ここで図75〜93を参照すると、内視鏡5018(図93)は、ディスプレイ5002(図75)と信号通信できる。特定の実施形態では、ディスプレイ5002は、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)及び/又はビデオモニターを含んでよい。更に、ディスプレイ5002は、例えばプラズマスクリーン、LCDスクリーン、又はエレクトロルミネセンススクリーンであってよい。様々な実施形態では、ディスプレイ5002は、例えば、ビデオフィードバックを含み得る、第1の情報層5010を送信できる。ビデオフィードバックは、例えば、手術部位において内視鏡5018(図93)が観察した画像のフィードバックであってよく、例えば、内視鏡5018によって見たときの外科用器具5020少なくとも一部を示すことができる。
様々な実施形態では、ディスプレイ5002は、タッチスクリーン5004を含んでよい。主に図75を参照すると、ユーザーは、タッチスクリーン5004と対話し、ディスプレイ5002及び/又は外科用器具5020とインターフェイスを取ることができる。例えば、タッチスクリーン5004はディスプレイ5002と通信でき、タッチスクリーン5004への入力により、ディスプレイ5002上に示される情報を調整及び/又は修正できる。かかる実施形態では、ユーザーは、例えば、キーボード及び/又はコンピュータマウスなどのディスプレイへの追加の入力装置を使用せずに、ディスプレイ5002と通信できる。換言すれば、追加の入力装置及び/又は部品は、ディスプレイ5002に示される情報の調整及び/又は修正に必要とされない場合がある。更に、様々な実施形態では、タッチスクリーン5004を容易に清浄及び/又は消毒できる。例えば、タッチスクリーン5004は、手術室及び/又は処置室内で容易に拭き取り清浄できる平面を有してよい。加えて又は別の方法としては、タッチスクリーン5004は、タッチスクリーン5004の入力が外科用器具5020への入力をもたらすように、直接的及び/又は間接的に外科用器具5020と通信できる。ユーザーは、例えば、外科医、操作者、及び/又は助手であり得る。
様々な実施形態では、タッチスクリーン5004をディスプレイ5002の少なくとも一部に配置でき、例えば、ディスプレイ5002に取り外し可能に固定されてよい。例えば、タッチスクリーン5004は、複数のディスプレイと互換性があってよく、少なくとも1つのディスプレイから取り外し可能に取り付けられ、かつ取り外されてよい。更に、特定の実施形態では、タッチスクリーン5004は、ディスプレイ5002と独立して動作できる独立ディスプレイであってよい。例えば、取り外し可能なLCDスクリーンはタッチスクリーン5004を備えてよく、取り外し可能なLCDスクリーンをディスプレイ5002の少なくとも一部に重ねて表示してよい。別の実施形態では、タッチスクリーン5004は、ディスプレイ5002に組み込まれてよい。タッチスクリーン5004は、例えば、抵抗技術、容量技術、超音波ビーム技術、及び/又は近視野像技術を利用できる。
主に図93を参照すると、様々な実施形態では、フィードバックコントローラ5016は、外科用器具5020、内視鏡5018、及び/又はディスプレイ5002と信号通信できる。特定の実施形態では、フィードバックコントローラ5016と内視鏡5018との間の有線及び/又は無線接続5017は、内視鏡5018からフィードバックコントローラ5016にビデオフィードバックを提供できる。更に、フィードバックコントローラ5016と外科用器具5020及び/又は外科用器具5020のマイクロコントローラとの間の有線及び/又は無線接続5019は、外科用器具5020が測定及び/又は検出したフィードバックデータをフィードバックコントローラ5016に提供できる。例えば、様々なセンサが、本明細書、並びに、その開示全体が本明細書に組み込まれているZemlock‘263及びZemlock‘344に記載されており、様々なセンサは、フィードバック及び/又は器具の状態に関する情報を検出できる。加えて、フィードバックコントローラ5016とディスプレイ5002との間の有線及び/又は無線接続5015は、外科用器具5020からのフィードバックデータ、及び/又は内視鏡5018からのビデオフィードバックをディスプレイ5002に提供できる。少なくとも1つの実施形態では、ビデオフィードバックはディスプレイ5002上の第1の情報層5010に示されてよく、フィードバックデータはディスプレイ5004上の第2の情報層5012に示されてよい。タッチスクリーン5004を含む取り外し可能なLCDディスプレイがディスプレイ5002の上部に配置される実施形態では、フィードバックコントローラ5016と取り外し可能なLCDディスプレイとの間の有線及び/又は無線接続は、例えば、フィードバックデータを取り外し可能なLCDディスプレイに、及び/又は、LCDディスプレイからフィードバックコントローラ5010に提供できる。
主に図76を参照すると、ディスプレイ5002は、例えば内視鏡5018(図93)からのビデオフィードバックを含み得る、第1の情報層5010を送信できる。様々な場合では、ビデオフィードバック5010は、組織Tに作用している外科用器具5020の表示を含んでよい。様々な実施形態では、外科用器具5020は、例えば外科用器具10(図1)と類似していてよく、外科用器具に連結されている使い捨て装填ユニット(DLU)及び/又はエンドエフェクタ5022は、例えば装填ユニット20(図2)と類似していてよい。外科用器具5020のDLU 5022は、本明細書に記載されるように、組織Tに対して関節屈曲でき、1対のジョー間の組織Tを把持及び/若しくはクランプでき、組織Tをステープル留めでき、並びに/又は、組織Tを切断要素で切断できる。更に、手術部位及び/又はその付近に配置され得る内視鏡5018は、DLU 5022を観察でき、ビデオフィードバック及び/又は記録をフィードバックコントローラ5016(図93)に伝達できる。様々な実施形態では、ディスプレイ5002上の第1の情報層5010中のビデオフィードバックは、手術部位のライブの視覚フィードバックを外科用器具5020の操作者に提供できる。
主に図77を参照すると、ディスプレイ5002は、第2の情報層5012を表示できる。更に、ユーザーは、第2の情報層5012を選択、移動、サイズ変更、最小化、拡大、修正、及び/又は別の方法で操作できる。例えば、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取ることによって第2の情報層5012を操作できる。本明細書に記載されるように、第2の情報層5012は、外科用器具5020及び/又は外科用器具5020を制御する制御部からのフィードバックデータを含んでよい。様々な実施形態では、第2の情報層5012は制御パネル5030を備えてよく、タッチスクリーン5004を用いて、制御パネル5030の機能を選択及び/又は利用できる。制御パネル5030は、タッチスクリーン5004によって、折り畳み可能、サイズ変更可能、移動可能、及び/又は別の方法で操作可能であり得る。例えば、ユーザーは、最小化/最大化アイコン5032を選択することによって制御パネル5030を最小化、つまり折り畳むことができ、最小化/最大化アイコン5032を再度選択することによって最大化、つまり展開することができる。更に、ユーザーは、例えば、ディスプレイ5002全体で制御パネル5030を「ドラッグアンドドロップ」することによって、ディスプレイ5002上の制御パネル5030を移動できる。加えて、ユーザーは、タッチスクリーン5004上の複数の接点を「拡大」及び/又は「縮小」することによって、制御パネル5030をディスプレイ5002に対してサイズ変更できる。当業者は、タッチスクリーン5004に対する様々な従来の及び/又は直感的接点を利用して、例えば、第2の情報層5012及び/又はその制御パネル5030を変更及び/又は操作できることを理解するであろう。
引き続き図77を参照すると、制御パネル5030は、複数のメニュー、カテゴリー、及び/又は分類を含んでよい。例えば、制御パネル5030は、器具フィードバックメニュー5036、ディスプレイメニュー5060、及び/又は器具コントローラメニュー5070を含んでよい。ユーザーは、制御パネル5030を使用し、メニューを選択し、及び/又はタッチスクリーン5004の操作状態間を切り替えることができる。例えば、ユーザーが制御パネル5030の器具コントローラメニュー5070を選択すると、タッチスクリーン5004は、器具コントローラ5016(図93)及び/又はマイクロコントローラに指示及び/又は制御を通信できる。かかる実施形態では、本明細書に記載されるように、タッチスクリーン5004は器具制御状態で操作され得る。更に、例えば、制御パネル5030からディスプレイメニュー5060が選択されると、ユーザーは、第2の情報層5012及び/又はディスプレイ5002に関する設定を変更できる。かかる実施形態では、タッチスクリーン5004は設定変更状態で操作され得る。加えて又は別の方法としては、器具フィードバックメニュー5036が選択されると、ユーザーは、第2の情報層5012に含まれるフィードバックデータを変更できる。かかる実施形態では、タッチスクリーン5004はフィードバック操作状態で操作され得る。様々な実施形態では、制御パネル5030は、追加の及び/又はより少ないメニュー、カテゴリー、及び/又は分類を含んでよい。更に、制御パネル5030の様々なメニュー、カテゴリー、及び/又は分類を、例えばユーザーの好みによって変更してよい。第2の情報層5012中に、メニュー、カテゴリー、及び/又は分類を、言葉で及び/又は希望で示してよい。様々な実施形態では、各メニュー5036、5060、5070の下のカテゴリーを、第2の情報層5012に選択的に表示できる。例えば、各メニュー5036、5060、5070の下のカテゴリーは、ユーザーが対応する上層のメニュー5036、5060、5070を選択するときのみ第2の情報層5012に表示されてよい。別の実施形態では、ユーザーは、例えば、各メニュー5036、5060、及び/又は5070に対応するカテゴリー及び/又はサブカテゴリーを、手動で最小化及び/又は最大化できる。
図77を更に参照すると、器具フィードバックメニュー5036は、複数のフィードバックカテゴリーを含んでよく、外科的手技中に外科用器具5020(図93)によって測定された及び/又は検出されたフィードバックデータに関係していてよい。本明細書に記載されるように、外科用器具5020は、例えば、開放方向と閉鎖方向との間の可動ジョーの位置、クランプした組織の深さ、クランプした組織上のクランプ力、DLU 5022の関節屈曲、並びに/又は、発射要素の位置、速度、及び/若しくは力を、検出及び/又は測定できる。更に、外科用器具5020と信号通信するフィードバックコントローラ5016(図93)は、第2の情報層5012にフィードバックを表示できるディスプレイ5002に、検出したフィードバックを提供できる。本明細書に記載されるように、第2の情報層5012中に表示されるフィードバックデータの選択、配置、及び/又は形態は、例えば、タッチスクリーン5004へのユーザーの入力に基づいて変更できる。
様々な実施形態では、制御パネル5030のディスプレイメニュー5060は、例えば、単位系5062及び/又はデータモード5064などの複数のカテゴリーに関係していてよい。特定の実施形態では、ユーザーは単位系のカテゴリー5062を選択し、例えばメートル法と米慣習単位などの単位系の間を切り替えることができる。加えて、ユーザーは、データモードカテゴリー5064を選択し、例えば、フィードバックデータの数値表示(図79〜81)の種類、及び/又は、フィードバックデータのグラフ表示(図82〜83)の種類の間を切り替えることができる。フィードバックデータの数値表示は、例えば、数値及び/又は百分率として表示できる。更に、フィードバックデータのグラフ表示は、例えば、時間(図82)及び/又は距離(図83)の関数として表示できる。本明細書に記載されるように、ユーザーは、制御パネル5030から器具コントローラメニュー5070を選択し、例えば、器具コントローラ5016(図93)及び/又はマイクロコントローラを介して実行され得る、外科用器具5020(図93)のための指示を入力できる。
ここで図78を参照すると、第2の情報層5012は、ディスプレイ5002上の第1の情報層5010の少なくとも一部に重なっていてよい。更に、タッチスクリーン5004は、ディスプレイ5002上の下層にある第1の情報層5010中のビデオフィードバックに対する、ユーザーによる第2の情報層5012の操作を可能にできる。例えば、ユーザーは、タッチスクリーン5004を操作し、第2の情報層5012に表示された情報を選択、操作、再フォーマット、サイズ変更、及び/又は別の方法で変更できる。特定の実施形態では、ユーザーは、タッチスクリーン5004を使用して、ディスプレイ5002上の第1の情報層5010に示される外科用器具5020に関する第2の情報層5012を操作できる。ユーザーは、例えば、その制御パネル5030のメニュー、カテゴリー及び/又は分類を選択でき、第2の情報層5012及び/又は制御パネル5030を、ユーザーの選択を反映して調整してよい。様々な実施形態では、ユーザーは、第1の情報層5010中に示される外科用器具5020の特定の特徴部(1つ又は複数)に対応する、器具フィードバックカテゴリー5036からカテゴリーを選択してよい。ユーザーが選択したカテゴリーに対応するフィードバックを、外科用器具5020の特定の特徴部(1つ又は複数)に関するディスプレイ5002上の位置に、移動させる、それ自身を位置づける、及び/又は「スナップ」してよい。例えば、選択したフィードバックを移動させ、第1の情報層5010に示される外科用器具5020の特定の特徴部(1つ又は複数)の付近に、及び/又はそこに重ねて配置してよい。
図79及び80を参照すると、ユーザーが、例えば、器具フィードバックメニュー5036からナイフ前進カテゴリー5040を選択する場合、ナイフの前進に関して検出されたデータ及び/又は情報を、例えば、第1の情報層5010に示されるDLU 5022のナイフに対する第2の情報層5012の位置に、移動及び/又は「スナップ」できる。更に、ユーザーが器具フィードバックメニュー5036から所望のカテゴリー(1つ又は複数)を選択した後、制御パネル5030を折り畳む及び/又は最小化できる。ナイフの前進に関するフィードバックデータ5052は、第1の情報層5010に示されるDLU 5022の検出されたナイフ付近で、ディスプレイ5002上に表示してよく、ナイフがDLU 5022によって平行移動及び/又は移動すると、例えば、ナイフが発射行程の開始点付近にあるときの第1位置(図79)と、ナイフが発射行程の遠位端付近にあるときの第2位置(図80)との間を移動させてよい。例えば、ナイフが距離Xmmを平行移動したとき、ナイフの前進に関するデータ5052を第1位置(図79)に配置でき、ナイフが距離Ymmを平行移動したとき、ナイフの前進に関するデータ5052を第2位置(図80)に配置できる。かかる実施形態では、操作者は、スクリーン5002上のフィードバックデータ5052を見ることによって、発射行程中のナイフの前身をたどることができる。例えば、エンドエフェクタジョー5024及び/又は組織Tの表示によってDLU 5022のナイフが閉鎖されると、例えば、操作者は、下層の第1の情報層5010に示されるDLU 5022に対する、フィードバックデータ5052の変化値及び/又はフィードバックデータ5052の変化位置に基づいて、DLU 5020中のナイフの位置をたどる及び/又は近づけることができる。更に、ディスプレイ5002は、ナイフの前進の数値表示、並びに、ナイフの前進の図形及び/又は記号表示を合体させることができる。例えば、例えば矢印などの記号5054を、下層の第1の情報層5010に示されるDLU 5022に対して移動及び/又は伸長させ、DLU 5022によるナイフの前進を示すことができる。引き続き図79及び80を参照すると、例えば、発射行程の開始点付近の位置(図79)から発射行程の遠位端付近の位置(図80)までナイフが遠位に前進すると、例えば、記号5054は遠位に伸長できる。
様々な実施形態では、ユーザーは、器具フィードバックメニュー5036から1つ又は2つ以上の異なるカテゴリーのフィードバックデータを選択でき、異なるカテゴリーのフィードバックデータをディスプレイ5002上の第2の情報層5012に表示できる。かかる実施形態では、ユーザーが器具フィードバックメニュー5036から異なるカテゴリーのフィードバックデータを選択すると、フィードバックデータの数値及び/又は記号表示を、下層の第1の情報層5010に示されるDLU 5022に対するディスプレイ5002上の適切な位置に移動させることができる。例えば、ユーザーが器具フィードバックメニュー5036からジョー位置カテゴリー5038を選択する場合、開放位置とクランプ位置との間の可動ジョーの位置に関するフィードバックデータを第2の情報層5012に表示でき、例えば、ディスプレイ5002上の外科用器具5020の可動ジョー(1つ又は複数)5024付近の位置に移動させることができる。更に、ナイフ速度カテゴリー5042が選択される場合、ナイフの速度に関するフィードバックデータ5058(図82)を第2の情報層5012に表示でき、上記の数値データ5052及び/又は記号5054と同様に、ディスプレイ5002上のDLU 5022中のナイフ付近の位置に移動させることができる。ユーザーによって組織深さカテゴリー5044が選択される場合、検出される組織深さに関するフィードバックデータを第2の情報層5012に表示でき、例えば、ディスプレイ5002上の測定される組織T付近の位置に移動させることができる。更に、少なくとも1つの実施形態では、第2の情報層5012は、検出される組織深さを示し得る目盛り及び/又は定規を含んでよい。ユーザーは、第1の情報層5010に示される下層の組織Tに対してタッチスクリーン5004によって定規を移動し、例えば、組織深さの変化をユーザーに容易に認識させてよい。ユーザーがエンドエフェクタ関節屈曲カテゴリー5046を選択する場合、DLU 5022の関節屈曲に関するフィードバックデータ5252(図84〜88)を第2の情報層5012に表示でき、例えば、ディスプレイ5002上のDLU 5022の関節屈曲継手5026(図84及び85)付近の位置に移動させることができる。ユーザーが発射力カテゴリー5048を選択する場合、ナイフによって組織に加えられる発射力に関するフィードバックデータを第2の情報層5012に表示でき、例えば、ディスプレイ5002上のDLU 5022のナイフ付近の位置に移動させることができる。加えて、ナイフによって加えられる発射力に関するフィードバックデータを、例えば、発射行程中にナイフがDLU 5022に対して移動すると、第2の情報層5012中で移動できる。更に、クランプ力カテゴリー5050が選択される場合、組織T上のクランプ力に関するフィードバックデータ5158(図83)を第2の情報層5012に表示でき、下層の第1の情報層5010に示されるDLU 5022付近に移動させることができる。かかる実施形態では、クランプ力に関するフィードバックデータ5158は、例えば、クランプ中及び/又は発射行程の間ずっと、DLU 5022の長さ及び/又は幅に沿って、クランプ圧の変化を示すことができる。
様々な実施形態では、第2の情報層5012に示されるフィードバックは、第1の情報層5010中の外科用器具5020の対応する特徴部と共に移動できる。例えば、DLU 5022が手術部位の周囲で操作されるとき、DLU 5022はディスプレイ5002を動き回る場合がある。かかる実施形態では、DLU 5022に関するフィードバック、例えばジョー位置及び/又は関節屈曲データなどは、DLU 5022と共に移動してよい。関連するフィードバックが移動することで、ディスプレイ5002上の第1の情報層5010に示される外科用器具5020の対応する特徴部から操作者が目をそらす必要がなく、そのフィードバックが確実に操作者の視野に留まるようにできる。更に、関連するフィードバックが移動することで、そのフィードバックが、操作者がディスプレイ5002上で確認することを望む、第1の情報層5010に示される外科用器具5020の特徴部(1つ又は複数)を、確実に遮らないようにできる。
特定の実施形態では、ユーザーは複数のフィードバックカテゴリーを選択し、ディスプレイ5002上で同時に確認できる。更に、選択されたフィードバック(1つ又は複数)をディスプレイ5002上で自動的に配置し、第2の情報層5012中で関連するデータを重ならない配置で表示できる。換言すれば、第2の情報層5012に表示されるフィードバックは、第2の情報層5012に表示される別のフィードバックと重ならないようにできるが、しかしながら、かかるフィードバックは、例えば、ディスプレイ5002上に表示される第1の情報層5010のビデオフィードバックと重なる場合がある。様々な実施形態では、フィードバックデータが、下層の第1の情報層5010に示される外科用器具5020に対するスクリーン上の位置に移動する及び/又は「スナップ」されるとき、ユーザーは、第2の情報層5012中の別の場所にフィードバックデータを「ドラッグアンドドロップ」することによって、既定位置を上書きできる。
ここで図81を参照すると、ナイフの前進の記号表示5056、例えば、十字、標的中心、並びに/又は、ナイフ及び/若しくはナイフ縁部の図形表示などを、第1の情報層5010に示されるナイフの位置に重なる、第2の情報層5012中の位置に移動できる。特定の実施形態では、例えば、ナイフの表示が邪魔される場合にナイフがディスプレイ5002上に見えないときでも、ナイフの記号表示5056を動かし、及び/又はスクリーン5002上のDLU 5022中のナイフの検出位置を追うことができる。例えば、記号表示5056は、DLU 5022に対して発射行程の開始点付近の第1位置にあってよく、記号表示5056を、DLU 5022に対して発射行程の終点付近の第2位置に移動させてよい。
様々な実施形態では、タッチスクリーン5004を介してユーザーによって選択されるフィードバックを、ディスプレイ5002上の角部、縁部、及び/又は別の既定の位置に「スナップ」してよい。例えば、引き続き図81を参照すると、ナイフの前進に関する数値データ5052を、ディスプレイ5002の角部に移動させてよい。加えて又は別の方法としては、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、タッチスクリーン5004上の異なる位置に数値データ5052を移動させてよい。第1の情報層5010中の下層の外科用器具5020の位置に基づき、ユーザーは、DLU 5022の対応する及び/又は特定の特徴部が数値データ5052によって遮られない、及び/又は邪魔されないように、数値データ5052を第2の情報層5012中の位置に移動してよい。加えて又は別の方法としては、ユーザーは、ユーザーが容易に、対応するDLU 5022の特徴部と数値データ5052を同時に確認できるように、数値データ5052をDLU 5022の対応する特徴部の付近の位置に移動してよい。
図84及び85を参照すると、フィードバックコントローラ5016(図93)からのフィードバックデータの記号表示5254(図85)が、第2の情報層5012中に含まれ得る。例えば、DLU 5022の関節屈曲の記号表示5254、例えば、輪郭を示す角度及び/又は弧などを第2の情報層5012に表示でき、第1の情報層5010中に示される外科用器具5020の関節屈曲継手5026付近の、及び/又はこれに重なった、ディスプレイ5002上の位置に移動させることができる。例えば、輪郭を示す弧は、関節屈曲していないDLU 5022(図84)によって画定される軸Aと、関節屈曲したDLU 5022(図85)によって画定される軸A’との間を伸長する。特定の実施形態では、関節屈曲継手5026がスクリーン上に見えないときであっても、関節屈曲角度の記号表示5254は、第2の情報層5012中で可視できる。例えば、関節屈曲継手5026が内視鏡の視野内に位置していない、及び/又は、邪魔されている若しくは遮られている場合、関節屈曲角度の記号表示5254は、関節屈曲の可視指示をユーザーに提供できる。様々な実施形態では、DLU 5022の移動及び/又は関節屈曲に応じて、記号表示5252が調整される及び/又は変化してよい。例えば、記号表示5254は、DLU 5022(図84)の初期の及び/又は関節屈曲していない位置から、器具5020によって検出されるような、DLU 5022(図85)の関節屈曲した位置に向けて伸長し得る、矢印の付いた弧、つまり線であってよい。更に、様々な実施形態では、記号表示5254がDLU 5022に重なる及び/又は一直線に並ぶように、記号表示5254を第1の情報層中に示されるDLU 5022に対する位置に「スナップ」できる。例えば、主に図85を参照すると、関節屈曲角度の記号表示5254を、ディスプレイ5002上の第1の情報層5010に示される関節屈曲継手5026の場所、及び/又はその付近に移動でき、初期の及び/又は関節屈曲していない位置にあるDLU 5022によって画定される軸Aと、DLU 5022が関節屈曲するとDLU 5022によって画定される軸A’との間を伸長できる。
更に、様々な実施形態では、DLU 5022の関節屈曲に関する数値データ5252を、ディスプレイ5002上の第2の情報層5012中に表示できる。更に、DLU 5022が関節屈曲すると、データ5252が変化し得る。例えば、第2の情報層5012は、DLU 5022が関節屈曲する前(図84)に関節屈曲がX°と示すことができ、DLU 5022が関節屈曲した後(図85)に関節屈曲がY°と示すことができる。様々な実施形態では、DLU 5022の関節屈曲に関するフィードバックデータ5252を、例えば、第1の情報層5010に表示される、外科用器具5020の関節屈曲継手5026の場所、及び/又はその付近において、第2の情報層5012中に表示してよい。ユーザーは、タッチスクリーン5004を利用して、第2の情報層5012に表示される関節屈曲データ5252を、例えば、第1の情報層5010に表示されるビデオフィードバックに対して、移動、サイズ変更、最小化、及び/又は別の方法で操作することができる。加えて又は別の方法としては、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、タッチスクリーン5004上の異なる位置に記号表示5254及び/又は数値データ5252を移動させてよい。第1の情報層5010中の下層の外科用器具5020の位置に基づき、ユーザーは、DLU 5022の特定の特徴部(1つ又は複数)が数値データ5252によって遮られない、及び/又は邪魔されないように、数値データ5252を第2の情報層5012中の位置に移動してよい。加えて又は別の方法としては、ユーザーは、ユーザーが容易に、対応するDLU 5022の特徴部(1つ又は複数)と数値データ5252を同時に確認できるように、数値データ5252をDLU 5022の対応する特徴部(1つ又は複数)の付近の位置に移動してよい。
ここで図82を参照すると、例えばタッチスクリーン5004によって、制御パネル5030のディスプレイメニュー5060からグラフ表示が選択されてよい。かかる実施形態では、フィードバック5058のグラフ表示を、ディスプレイ5002上の第2の情報層5012中に表示できる。ユーザーは、グラフ表示を選択し、時間及び/又は空間に対する外科用器具5020及び/又はそのコントローラから測定及び/又は検出されたデータを確認できる。例えば、ユーザーが発射行程全体の発射要素の速度の観察を望む場合、器具フィードバックメニュー5036(図78)からナイフ速度カテゴリー5042(図78)を選択できる。かかる実施形態では、例えば、ナイフの速度のグラフ表示5058は、データポイントを獲得し続け、発射行程中に増加できる。様々な実施形態では、発射行程の完了時に、グラフ表示5058は、ナイフの「ソフト」スタート期間5057及び/又は「ソフト」ストップ期間5059を示すことができる。更に、グラフ表示5058を、エンドエフェクタジョー5024の長さに沿った特定の位置におけるナイフの速度が、第1の情報層5010に表示されるエンドエフェクタジョー5022の長さに沿った特定の位置に対応するように、ディスプレイ5002上に配置できる。例えば、グラフ表示5058は、第1の情報層5010に表示されるDLU 5022全体のナイフ工程の開始点及び/又はその付近で開始でき、例えば、第1の情報層5010に表示されるDLU 5022全体のナイフ工程の終点及び/又はその付近で終了できる。更に、本明細書に記載されるように、グラフ表示5058をスクリーン上の適切な位置に「スナップ」でき、ユーザーは、タッチスクリーン5004を利用して、グラフ表示5058を所望の通り移動及び/又はサイズ変更できる。特定の実施形態では、発射速度の数値表示を、グラフ表示5058と共に第2の情報層5012中に表示できる。
ここで図83を参照すると、様々な実施形態では、ユーザーは、エンドエフェクタジョー5024の長さ及び/又は幅に沿って組織T上に加えられたクランプ力の観察を望む場合があり、したがって、器具フィードバックメニュー5036(図78)からクランプ力カテゴリー5050(図78)を選択することができる。かかる実施形態では、クランプ力のグラフ表示5158を第2の情報層5012中に表示できる。いくつかの実施形態では、グラフ表示5158を、第1の情報層5010に表示されるクランプした組織に対して、第2の情報層5012中に配置できる。例えば、グラフ表示5158は、第1の情報層5010に示されるジョー5024の近位端及び/又はその付近で開始でき、例えば、第1の情報層5010に表示されるジョー5024の遠位端及び/又はその付近で終了できる。更に、本明細書に記載されるように、グラフ表示5158をスクリーン上の適切な位置に「スナップ」でき、ユーザーは、タッチスクリーン5004を利用して、グラフ表示5158を例えば移動及び/又はサイズ変更できる。特定の実施形態では、使用中にグラフ表示を変更し、例えば、発射行程中のクランプ圧の変化を反映させてよい。
図86〜88を参照すると、様々な実施形態では、ユーザーはタッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラを介して、外科用器具5020に制御及び/又は指示を入力できる。例えば、ユーザーは、DLU 5022の関節屈曲、エンドエフェクタジョー5024のクランプ、切断要素の前進及び/若しくは後退、並びに/又は、DLU 5022からのステープルの排出を対象とした制御を入力できる。様々な実施形態では、ユーザーは、ユーザーがタッチスクリーン5004を介して外科用器具5020を制御できるように、タッチスクリーン5004を介して制御パネル5030から器具コントローラカテゴリー5070を選択し、器具制御状態を起動できる。器具制御についてタッチスクリーン5004が起動すると、ユーザーはタッチスクリーン5004とインターフェイスを取って、外科用器具5020を制御できる。例えば、ユーザーは、第2の情報層5012中の制御ボタン及び/若しくはアイコンとインターフェイスを取り、並びに/又は、下層の外科用器具5020に対応するタッチスクリーン5004上の位置とインターフェイスを取り、例えば、外科用器具5020に指示を入力できる。
例えば、図86を参照すると、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取って、例えば、DLU 5022の所望の関節屈曲方向及び程度を示すことができる。特定の実施形態では、ユーザーは、DLU 5022の場所及び/又はその付近から、エンドエフェクタ5002の所望の関節屈曲位置に向けて、タッチスクリーン5004上で接点をドラッグすることができる。図86を参照すると、ユーザーは、第1の情報層5010に表示されるDLU 5022の場所及び/又はその付近から、DLU 5022の所望の関節屈曲位置に向けて、線、つまり弧5352をたどることができる。例えば、弧5352は、DLU 5022によって画定される軸Aから及び/又はほぼ軸Aから伸長でき、弧5352は、DLU 5022の所望の関節屈曲した位置によって画定される軸A’に伸長できる。更に、弧5352は、例えば、矢印5354によって示される方向に伸長できる。特定の実施形態では、弧5352は、ユーザーがタッチスクリーン5004によって所望の関節屈曲を入力するとき、第2の情報層5010中に見えていない場合がある。様々な実施形態では、タッチスクリーン5004は、DLU 5022の関節屈曲を所望の関節屈曲角度にし得る、所望の関節屈曲角度を器具コントローラ5016(図93)及び/又はマイクロコントローラに伝えることができる。ここで図88を参照すると、器具コントローラ5016(図93)及び/又はマイクロコントローラは、例えば、タッチスクリーン5004を介するユーザーの入力に基づいて、DLU 5022を関節屈曲して軸A’にすることができる。
主に図87を参照すると、様々な実施形態では、ユーザーは、第1の情報層5012中の制御ボタン、概略図、及び/又はアイコンとインターフェイスを取り、外科用器具5020に指示を入力できる。例えば、第1の情報層5012は記号、つまりアイコン5356を含んでよく、ユーザーは、アイコン5356を移動及び/又は操作して、DLU 5022の関節屈曲を起こさせることができる。様々な実施形態では、アイコン5356は、例えばDLU 5022の概略図を含んでよい。更に、ユーザーは、DLU 5022の関節屈曲を起こさせる、関節屈曲した及び/又は回転した向きに、アイコン5356をドラッグしてよい。様々な実施形態では、線及び/又は弧5358は、ユーザーが所望する関節屈曲の方向及び/又は程度を示すことができる。例えば、弧5358は、アイコン5356の非関節屈曲方向からアイコン5356’の関節屈曲方向まで伸長できる。関節屈曲したアイコン5356’は、例えばDLU 5022の所望の関節屈曲に対応することができる。ここで図88を参照すると、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラは、例えば、タッチスクリーン5004を介するユーザーの入力に基づいて、DLU 5022を関節屈曲して軸A’にすることができる。例えば、DLU 5022を、図87に示される関節屈曲していないアイコン5356と関節屈曲したアイコン5356’との間の弧5358によって画定される輪郭を示す角度まで、関節屈曲させることができる。
主に図89及び90を参照すると、様々な実施形態では、ユーザーはタッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、ジョー5024の閉鎖に関する指示を外科用器具5020に入力できる。特定の実施形態では、ユーザーは、可動ジョー5024の場所及び/又はその付近から、可動ジョー5024の閉鎖方向に向けて、タッチスクリーン5004上で接点をドラッグし、ジョー5024の閉鎖を開始できる。例えば、ユーザーは、第1の情報層5010に表示される可動ジョー5024の場所及び/又はその付近から、可動ジョー5024の所望の閉鎖方向に向けて、線、つまり弧5362(図89)をたどることができる。様々な実施形態では、タッチスクリーン5004は、可動ジョー(1つ又は複数)5024の閉鎖に影響を及ぼし得る、閉鎖運動を器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラに伝えることができる。特定の実施形態では、タッチスクリーン5004上でユーザーによってたどられる弧5362は、可動ジョー5024によって画定される軸Aから及び/又はほぼ軸Aから伸長でき、弧5362は、可動ジョー5024の所望のクランプ方向によって画定される軸A’(図90)に伸長できる。更に、弧5362は、例えば、矢印5364によって示される方向に伸長できる。ここで図90を参照すると、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラは、例えば、タッチスクリーン5004を介するユーザーの入力に基づいて、軸A’に対する可動ジョー5024の閉鎖に影響を及ぼすことができる。
ここで図91及び92を参照すると、様々な実施形態では、ユーザーは、第1の情報層5012中の制御ボタン及び/又はアイコンとインターフェイスを取り、外科用器具5020に指示を入力できる。例えば、第1の情報層5012は、例えば、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラに指示を入力するためのボタン5074、5075、5076、5077、5078を備え得る、制御インターフェイス5072を含んでよい。器具コントローラ5016(図93)及び/又はマイクロコントローラに指示を入力するためのボタンは、例えば、DLU 5022の関節屈曲、ジョー5024の閉鎖及び/若しくはクランプ、切断要素の発射及び/若しくは後退、並びに/又は、DLU 5022からのステープルの排出に関するものであってよい。ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、制御インターフェイス5072からボタン(1つ又は複数)を選択できる。主に図91を参照すると、制御インターフェイス5072は、例えば、停止/後退ボタン5474、一次停止ボタン5475、開始ボタン5476、加速ボタン5477、及び/又は減速ボタン5478を含んでよい。ユーザーは、例えば、開始ボタン5476に触れ、発射行程を開始及び/若しくは発射要素を前進させ、一次停止ボタン5475に触れ、発射行程を一次停止し、並びに/又は、停止/後退ボタン5474に触れ、発射行程を停止し、発射要素を後退させることができる。更に、ユーザーは制御インターフェイス5072とインターフェイスと取り、発射行程の間の発射要素の速度を調節できる。例えば、ユーザーは加速ボタン5477に触れ、発射要素の速度を増加させることができ、ユーザーは、減速ボタン5478に触れ、発射要素の速度を低下させることができる。ユーザーは、例えば、発射行程の「ソフト」スタート相の後、及び/若しくはその途中に発射要素の速度を増加させてよく、並びに/又は、例えば、発射行程の端部に向かう発射行程の「ソフト」ストップ相において、発射要素の速度を低下させてよい。別の実施形態では、制御インターフェイス5072は、例えば、ジョー5024の閉鎖及び/又はDLU 5022の関節屈曲を変更するための、ボタン及び/又は制御部を備えてよい。様々な実施形態では、器具コントローラ5070メニューが制御パネル5030から選択されると、及び/又はユーザーによって別の方法で器具制御状態が選択されると、制御インターフェイス5072は、第2の情報層5012中の位置を「スナップ」できる。ユーザーは、例えば、第1の情報層5010及び/又はディスプレイ5002に対して、制御インターフェイス5072を移動、調整及び/又は操作できる。
様々な実施形態では、図92を参照すると、第2の情報層5012は、例えば、DLU 5022中の発射要素の位置を示し得る、進行状況バー5480を含むことができる。進行状況バー5480は、近位端5482と遠位端5488との間を伸長し、発射行程中の発射要素の最近位位置と最遠位位置を画定できる。様々な実施形態では、発射要素の位置を、例えば進行状況バー5480に沿って示すことができる。特定の実施形態では、ユーザーは、制御インターフェイス5072中の制御部を使用して、発射行程を調整できる。例えば、ユーザーは、制御インターフェイス5072とインターフェイスを取り、進行状況バー5480に沿った発射要素示される位置に基づいて、発射行程「ソフト」スタート相及び/又は「ソフト」ストップ相を開始及び/又は停止できる。更に、進行状況バー5480は、例えば、「ソフト」スタート相及び/又は「ソフト」ストップ相が始まる及び/又は終わり得る、進行状況バー5480に沿った位置を設定できる、計測用しるし及び/又はガイド5484、5486を含んでよい。ガイド5484、5486は、例えば発射行程中に、加速ボタン5077によって「ソフト」スタート期間を、及び/又は、減速ボタン5078によって「ソフト」ストップ相を開始及び/又は停止するための、視覚的候補をユーザーに提供できる。様々な実施形態では、ガイド5484、5486の位置は、ユーザーによって予め設定されてよい。
引き続き図92を参照すると、様々な実施形態では、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラは、進行状況バー5480に沿ったガイド5484、5486の位置に基づいて、発射要素の速度の変化に自動的に影響を及ぼし得る。更に、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、進行状況バー5480を移動及び/又は操作でき、したがって、発射行程の「ソフト」スタート相及び「ソフト」ストップ相を変更できる。例えば、「ソフト」スタート相及び/又は「ソフト」ストップ相を、進行状況バー5480に沿って、近位端5482と遠位端5488との間の既定の位置に設定できる。特定の実施形態では、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、進行状況バー5480の長さに沿ったガイド5484、5486の位置を移動及び/又は調整できる。例えば、ユーザーは、ガイド5484、5486をドラッグして放すことによって進行状況バー5480上の複数の位置間でガイド5484、5486を切り替え、発射行程の「ソフト」スタート相及び/又は「ソフト」ストップ相をより長く及び/又はより短くできる。特定の実施形態では、ユーザーは、タッチスクリーン5004とインターフェイスを取り、発射行程を長くする及び/又は短くするために、進行状況バー5480の遠位端5488の位置を移動及び/又は調整できる。例えば、ユーザーは、遠位端5488を近位にドラッグして発射行程を短くでき、及び/又は、例えば、遠位端5488を遠位にドラッグして発射行程を長くできる。様々な実施形態では、器具コントローラ5016及び/又はマイクロコントローラは、例えば、ガイド5484、5486の修正位置、及び/又は進行状況バー5480に沿った遠位端5488に基づいて、発射要素の速度及び/又は発射行程長さを調整できる。
様々な実施形態では、外科用器具10は、少なくとも1つの作動解除機構を備えてよい。本明細書に詳述されるように、かかる作動解除機構は、エンドユーザーによる外科用器具の不正変更を防ぐことができる。例えば、ここで図134を参照すると、電源2500が示される。電源2500を用いて、例えば、外科用器具10(図1参照)などの外科用器具に電力を供給でき、この電源は、本明細書の他の場所に記載される、例えば電源200(図1参照)などの別の電源、及び、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているZemlok‘763に更に詳述されている別の種類の電源に、多くの点で類似している。電源2500の不正変更を防ぐため、電源2500は、不正変更された場合に操作不能、つまり作動停止になるように構成されてよい。例えば、電源2500は、例えば、エネルギーの受信、保存、及び/又は伝達が中止されることによって作動停止となってよい。不正変更から防ぐことにより、外科用器具10の使用中、電源2500を確実に正しく操作できる。
図134及び135を参照すると、電源2500は、例えば、バッテリーパック2510などの電源2500の様々な構成要素を密閉し得る、外部ケーシング2502を備えてよい。ケーシング2502は、図135に示されるように、第1シェル2504と、第1シェル2504に分離可能に連結され得る第2シェル2506と、を備えてよい。特定の例では、シェル2504及び2506は、例えば、ポリカーボネートなどの熱可塑性材料から形成されてよい。あるいは、適切な特徴を有する別の材料を使用してよい。更に、シェル2504及び2506を、例えば、接着剤、溶接、噛合構造、及び/又はねじなどの1つ又は2つ以上の締結手法によって、互いに連結できる。1つの例では、シェル2504及び2506を、スナップ嵌めタイプの係合によって互いに固定してよい。別の例では、図135に示されるように、シェル2504及び2506を、締結部材2508によって互いに固定してよい。
図135〜137を参照すると、電源2500は、電源2500に欠陥がある場合に電源2500を操作不能にし得る、作動解除機構2512を備えることができる。例えば、作動解除機構2512は、ケーシング2502が不正変更された場合に、電源2500を操作不能にできる。図135〜137に示されるように、作動解除機構2512は、破壊可能部2516(図136参照)を含み得る、回路2514を備えてよい。特定の例では、破壊可能部2516は、容易に破断され得る導電材料から構成されてよい。図136に示されるように、回路2514をバッテリーパック2510に連結でき、破壊可能部2516が無傷のままである限り、電流を流すことができる。図137に示されるように、破壊可能部2516が破壊されると、回路2514が分断されることによって、そこに流れる電流の流れを停止することができる。上記に加え、図135に示されるように、回路2514は、第1シェル2504及び第2シェル2506が分離されると、破壊可能部2516が破断され得るように配置でき、破断された回路2514を修復するために何ら大きな努力をせずに、電源2500が、受信、保存、及び/又は外科用器具10に電力を供給できなくし得る。
図135を参照すると、電源2500は、器具10の電流負荷必要量に応じて1つ又は2つ以上の電池を備えてよい。様々な態様では、電源2500は、互いに直列に連結できる複数の電池を含み得る、例えば、バッテリーパック2510などのバッテリーパックを含んでよい。電源2500は交換可能であってよい。特定の態様では、電源2500は、再充電可能電池(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)を含んでよい。電池は、例えば、CR 123A電池などの3ボルトのリチウム電池であってよいが、別の実施形態では、異なる種類の電池を使用できる(異なる電圧レベル及び/又は異なる化学的性質を有する電池など)。ユーザーは、消耗した電源2500を外科用器具10から切り離して取り外し、充電した電源2500を適所に接続できる。消耗した電源2500は、その後充電され、再利用できる。電源2500が少なくとも1つの使い捨て電池を含んでよいことも想定される。様々な態様では、使い捨て電池は、約9ボルト〜約30ボルトであってよい。ユーザーは、消耗した使い捨て電源2500を切り離して取り外し、新しい使い捨て電源2500を接続して外科用器具10に電力を供給できる。
上記のように、電源2500は再充電可能電池を備えてよく、例えば、ハウジング12のハンドル部14内に取り外し可能に設置できる(図1参照)。かかる状況では、電源2500を充電するための電源を備え得る、充電器台を用いて電源2500を充電できる。例えば、作動解除機構2512などの作動解除機構を利用して、上記のように、電源2500が不正変更された場合に、電源2500が充電器台によって再充電されるのを防ぐことができる。例えば、回路2514は、バッテリーパック2510に連結され得、充電器台がバッテリーパック2510を再充電できるように、充電器台に連結可能であってよい。上記のように、第1シェル2504が第2シェル2506から分離され、それによって、回路2514全体を流れる電流を遮断されると、破壊可能部2516(図135参照)が破壊され得、充電器台がバッテリーパック2510を再充電するのを防ぐことができる。電源2500の不正変更により、引き続いて外科用器具10を使用するために、電源を再充電できなくなるため、エンドユーザーによる電源2500の不正変更を防ぐのに有利であり得る。
ここで図138〜141を参照すると、電源2500は、例えば、使用可能な総充電量、使用回数、及び/又は性能などの電源2500に関する情報を含むデータを保存できる、例えばメモリ2552などのデータ記憶装置を備えてよい。加えて、メモリ2552は、例えば、様々なセンサの測定値、発射回数、使用カートリッジ数、及び/又は治療患者に関する情報など、外科的手技中の外科用器具10の操作に関する様々な情報を含む、外科用器具10に関するデータを保存できる。メモリ2552は、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、RPOM(プログラマブルROM)、EERPOM(電気的消去可能PROM)、及び/又は他のコンピュータ読み取り可能なメディアが挙げられるが、これらに限定されない、ソフトウェアを保存するための任意の手段を含んでよい。
上記に加え、再度図138〜141を参照すると、電源2500は、例えば、I/Oインターフェイス2550などのデータアクセスポータルを備え、メモリ2552中に保存されたデータにアクセスできる。例えば、I/Oインターフェイス2550によって、電源2500のメモリ2552中に保存されたデータの、評価及び分析のための外部コンピュータ装置へのダウンロードが可能になる。特定の状況では、I/Oインターフェイス2550は有線インターフェイスであってよく、I/Oインターフェイス2550によるデータ伝送を防ぐために切り離しできる破断可能な連結部を得る、作動解除機構2512に動作可能に連結されてよい。作動解除機構2512の破壊可能部2516と同様に、作動解除機構2554の破断可能な連結部は、ケーシング2502が壊れたとき、例えば、第1シェル2504と第2シェル2506がそれぞれから分離されたときなどに、切り離しできるように配置できる。
上記に加え、図139〜141に示されるように、I/Oインターフェイス2550は、例えば、メモリ2552とコンピュータ装置との間のデータ転送を可能にするため、外部コンピュータ装置の対応するコネクタ2556を受けるように構成され得る、コネクタ2555を備えてよい。加えて、コネクタ2554は、コネクタ2554が露出していないロック位置(図139参照)と、対応するコネクタ2556を受けるためにコネクタ2554が露出しているロック解除位置(図140参照)との間を移動するように構成され得る、例えば、枢動カバー2559などのカバーによって保護されてよい。1つの例では、らせん状ねじ2558を用いて、枢動カバー2559をケーシング2502に固定できる。コネクタ2556を可逆的にカバーするその他の手段が本開示によって意図される。上記に加え、特定の例では、コネクタ2554及び2556は、メモリ2552内に保存されたデータへの不正アクセスを防ぐ、又は少なくとも制限するために、コネクタ2554及び2556が、例えば、コネクタ2554が別のコネクタを受けるのを防ぐ、特有の補完形状を有し得る、キーロック式係合部を備えてよい。特定の例では、図141に示されるように、コネクタ2554をケーシング2502内に配置し、メモリ2552中に保存されたデータへの不正アクセスを更に制限できる。かかる状況では、コネクタ2554は、第1シェル2504をケーシング2502の第2シェル2506から分離することによって、アクセスできる。しかしながら、上で詳述されるように、作動解除機構2512は、ケーシング2502が破壊されると電源2500を操作不能にでき、メモリ2552中に保存されたデータへのアクセスを得るためのコネクタ2554を露出する試みを更に防ぐことができる。
図142を参照すると、電源2500は、メモリ2552中に保存されたデータを管理し得るプロセッサ2560を備えてよい。かかるデータを不正アクセスから保護するため、プロセッサ2560を破壊検出機構2562に連結してよい。例えば、プロセッサ2560を回路2514に連結でき、破壊可能部2516の破断を検出するように構成されてよい。1つの例では、破壊検出機構2562は、ケーシング2502の破壊を検出するように構成されている、1つ又は2つ以上のセンサを備えてよい。いずれにせよ、破壊を検出すると、プロセッサ2560は、例えば、データを削除又は暗号化することによって、メモリ2552中に保存されたデータへの不正アクセスを防ぐようにプログラムされてよい。
図143〜145を参照すると、外科用器具2600が示される。外科用器具2600は、多くの点で、外科用器具10(図1参照)及び/又は外科用器具2100(図146参照)に類似している。例えば、外科用器具2600は、外科用器具2100のハウジングアセンブリ2102及び/又は外科用器具10のハウジング12に類似する、ハウジングアセンブリ2602を備えてよい。更に、外科用器具2600は、外科用器具2600に電力を供給するのに使用できる電源2500’を備えてよく、この電源は、例えば、電源2500(図134参照)などの本明細書の他の場所に記載される電源、及び、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれているZemlok‘763に更に詳述されている別の種類の電源に、多くの点で類似している。加えて、図143に示されるように、電源2500’は、電源2500’の充電レベルについてのフィードバックをユーザーに提供するように構成され得る、充電レベルインジケータ2660を備えてよい。フィードバックは、例えば、音及び/又は光の形態であってよい。電源2500’は、1つ又は2つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでよい。プロセッサ2560は、例えば充電メーターによって測定されるような、電源2500’の充電レベルについてのフィードバックをユーザーに提供するため、例えば、LEDを制御するようにプログラムされてよい。
図143〜145に示されるように、電源2500’は、第1 LED 2662と、第2 LED 2664と、を備えてよい。プロセッサ2560は、LED 2662及び2664に連結でき、電源が完全に充電されたという信号を充電メーターから受信すると、LED 2662及び2664の両方を光らせるようにプログラムされてよい。加えて、プロセッサ2560は、電源がなくなったという信号を充電メーターから受信すると、LED 2662及び2664の両方を消すようにプログラムされてよい。更に、プロセッサ2560は、電源が、外科用器具2600の操作を1回のみ完了させるのに十分な充電量を有するという信号を充電メーターから受信すると、第2 LED 2664ではなく第1 LED 2662のみを光らせるようにプログラムされてよい。電源2500’の充電レベルをユーザーに警告する別の手段が本開示によって意図される。
特定の実施形態では、例えば、外科用器具10の様々な構成要素は再利用可能であってよく、様々な構成要素は交換可能であってよい。更に、外科用器具10は、少なくとも部分的に組み付けられ、分解され、及び/又は再組み付けされてよい。例えば、外科用器具10は、少なくとも部分的に分解されて、例えば、再利用可能な構成要素及び交換構成要素を再組み付けしてよい。加えて、外科用器具10は、外科的手技間の洗浄、消毒、及び/又は再処理のために少なくとも部分的に分解されてよい。その後、外科用器具10を、例えば再組み付けしてよい。本明細書に詳述されるように、外科用器具10の様々な特徴部、アセンブリ及び/又はシステムは、これらの分解及び組み付けを容易にできる。例えば、ここで図146〜148を参照すると、外科用器具2100が示される。外科用器具2100は、多くの点で外科用器具10(図1参照)と類似している。例えば、外科用器具2100は、外科用器具10のハウジング12に類似する、ハウジングアセンブリ2102を備えてよい。加えて、ハウジングアセンブリ2102は、例えば、作動アセンブリ2106などのハウジング本体2104に、取り外し可能に固定され得る、いくつかの取り外し可能要素2103を備えてよい。ハウジングアセンブリ2102の他の構成要素は、ハウジング本体2104に取り外し可能に固定されてよい。例えば、ハウジングアセンブリ2102は、ハウジング本体2104のハンドル部2110に取り外し可能に固定され得る、交換可能な電源2108を備えてよい。電源2108は、例えば、電源200(図1参照)などの本明細書の他の場所に記載される他の電源に、多くの点で類似している。
再度図147を参照すると、ハウジングアセンブリ2102、又は、その一部若しくは全部の構成要素は再利用可能であってよい。換言すれば、ハウジングアセンブリ2102、又は、その一部若しくは全部の構成要素は、複数の外科的手技において使用されてよく、外科的手技間に、ハウジングアセンブリ2102の洗浄、消毒、及び/又は再処理を必要とし得る。簡便かつ再現可能な方法で、ハウジングアセンブリ2102を可逆的に分解できる、又は、例えば、作動アセンブリ2106などの一部若しくは全部の構成要素を取り外せることによって、ハウジングアセンブリ2012の洗浄、消毒、及び/又は再処理工程を簡略化でき、及び/又はコストを削減できる。
図147を参照すると、ハウジングアセンブリ2102を外科的手技の後に分解でき、分解されたハウジングアセンブリ2102の構成要素、例えば、ハウジング本体2104、作動アセンブリ2106及び/又は電源2110などを、各構成要素の特徴及び内部部品に応じて、それぞれ個別に、又は別の構成要素と組み合わせて洗浄、消毒、及び/又は再処理できる。特定の例では、ハウジング本体2104は使い捨てであってよい。言い換えれば、ハウジングアセンブリ2102は外科的手技の後に分解でき、ハウジング本体2104を新しいハウジング本体2104と取り替えることができる。しかしながら、残りの構成要素を洗浄、消毒、及び/又は再処理した後、新しいハウジング本体2104に取り付けてよい。読者は、ハウジングアセンブリ2102の別の構成要素も使い捨てであってよく、新しい同様の構成要素と取り替えられることを理解するだろう。
再度図146〜148を参照すると、ハウジング本体2104は、簡便で、予測可能であり、かつ再現可能な方法で、ハウジングアセンブリ2102を組み付けかつ分解できるように構成されてよい。例えば、ハウジング本体2104は、第1側板部2112(図147参照)と、第1側板部2112に取り外し可能に取り付けられ得る第2側板部2114(図146参照)と、を備えてよい。1つの例では、側板部2112及び2114は、スナップ嵌め式係合部を備えてよい。側板部2112及び2114は、互いに噛合係合するように適合されてよい。1つの例では、側板部2112は、側板部2112及び2114が互いに組み付けられるとき、形状が円柱状で、スナップ嵌め係合する側板部2114上に配置される対応する雄型部材(図示せず)を受けるように構成され得る、複数の雌型部材2116(図147参照)を備えてよい。
上記に加え、作動アセンブリ2106を第1側板部2112内に入れ子にしてよい。図147に示されるように、ユーザーによって、ハウジング本体2104から作動アセンブリ2106の取り外しを可能にするために、第2側板部2114を取り外し、第1側板部2112内に入れ子になっている作動アセンブリ2106を露出できる。図147に示されるように、作動アセンブリ2106は、エンドエフェクタ(例えば、図2に示される装填ユニット20のカートリッジ/アンビル部)に回転運動を生じさせ得る、モーター2118を備えてよい。モーター2118は、例えば、モーター100(図1参照)などの本明細書の他の場所に記載される他のモーターに、多くの点で類似している。加えて、作動アセンブリ2106は、モーター2118に動作可能に連結され得る伝達アセンブリ2120も備えてよく、これは、例えば、歯車アセンブリ170(図5参照)などの本明細書の他の場所に記載される他の伝達アセンブリに、多くの点で類似している。更に、作動アセンブリ2106は、モーター2118によって生じる回転運動を軸方向運動に変換し、これが発射ロッド2124を通ってエンドエフェクタに伝達され得る、発射部材アセンブリ2122も備えてよい。発射部材アセンブリ2122は、例えば、発射部材アセンブリ82などの本明細書の他の場所に記載される他の駆動アセンブリに、多くの点で類似している。
図147及び148を参照すると、第1側板部2112は、作動アセンブリ2106を収容するように設計され、その空間を有する、複数の区画を備えてよい。例えば、側板部2112は、図147に示されるように、モーター2118を収容する空間を有し得る、モーター入れ子区画2126を備えてよい。特定の例では、モーター入れ子区画2126は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、モーター2118を適合する設計であってよい。加えて、モーター入れ子区画2126は、正しい組み付けを確実にするために、例えば、モーター入れ子区画2126の壁部上に成形され得る、組み付け指図部を備えてよい。例えば、モーター入れ子区画2126の側壁は、モーター2118を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、モーター2118を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。
同様に、側板部2112は、図147に示されるように、伝達アセンブリ2120を収容する空間を有し得る、伝達アセンブリ入れ子区画2128を備えてよい。更に、特定の例では、伝達アセンブリ入れ子区画2128は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、伝達アセンブリ2120を適合する設計であってよい。例えば、伝達アセンブリ入れ子区画2128の側壁は、伝達アセンブリ2120を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、伝達アセンブリ2120を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。加えて、伝達アセンブリ入れ子区画2128は、正しい組み付けを確実にするために、例えば、伝達アセンブリ入れ子区画2128の壁部上に成形され得る、組み付け指図部を備えてよい。同様に、側板部2112は、図147に示されるように、発射部材アセンブリ2122を収容する空間を有し得る、発射部材アセンブリ入れ子区画2130を備えてよい。更に、特定の例では、発射部材アセンブリ入れ子区画2130は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、発射部材アセンブリ2122を適合する設計であってよい。例えば、発射部材アセンブリ入れ子区画2130の側壁は、発射部材アセンブリ2122を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、発射部材アセンブリ2122を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。加えて、発射部材アセンブリ入れ子区画2130は、正しい組み付けを確実にするために、例えば、発射部材アセンブリ入れ子区画2130の壁部上に成形され得る、組み付け指図部を備えてよい。読者は、作動アセンブリ2106の別の構成要素も、側板部2112内で、特有の指定された収容区画と共に提供され得ることを、理解するだろう。また読者は、正しく組み付けられると、作動アセンブリ2106と、例えば電源2108などのハウジングアセンブリ2102の別の構成要素、及び/又は外科用器具2100の別の構成要素との間に電気的接続が確立されるように、作動アセンブリ2106の構成要素に対する電気接点も、側板部2112の区画に埋め込まれることができることについても理解するだろう。
上記に加え、図147に示されるように、作動アセンブリ2106を発射ロッド2124に分離可能に連結でき、これにより、作動アセンブリ2106の分解及び再組み付けを簡便にするため、ユーザーは、外科用器具2100から1つのユニットとして作動アセンブリ2106を取り外し、再連結できる。1つの例では、図147に示されるように、発射部材アセンブリ2122は、発射ロッド2124の近位部2134を収容し、例えばスナップ嵌め式係合でその上面に取り外し可能にロックされるように構成されている、遠位開口部を備え得る、中空の管状遠位部分2132を備えてよい。
再度図147及び148を参照すると、作動アセンブリ2106と同様の方法で、ハウジングアセンブリ2102の別の構成要素を、側板部2112内の専用の区画に入れ子にすることができる。例えば、側板部2112は、電源2108を収容する空間を有し得る、電源入れ子区画2136を備えてよい。更に、特定の例では、電源入れ子区画2136は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、電源2108を適合する設計であってよい。例えば、電源入れ子区画2136の側壁は、電源2108を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、電源2108を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。加えて、電源入れ子区画2136は、正しい組み付けを確実にするために、例えば、電源入れ子区画2136の壁部上に成形され得る、組み付け指図部を備えてよい。
上記に加え、図147及び148に示されるように、例えば、発射ボタン2138及び/又は閉鎖スイッチ2140などの特定のユーザー入力機構も、発射ボタン2138を収容する空間を有し得る、発射ボタン入れ子区画2142と、及び/又は、閉鎖スイッチ2140を収容する空間を有し得る、閉鎖スイッチ入れ子区画2144と、を備え得る、ハウジング本体2104から取り外し可能であってもよい。更に、特定の例では、発射ボタン入れ子区画2142は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、発射ボタン2138を適合する設計であってよい。例えば、発射ボタン入れ子区画2142の側壁は、発射ボタン2138を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、発射ボタン2138を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。同様に、閉鎖スイッチ入れ子区画2144は、正確な組み付けを確実にするために、特定の配置において、閉鎖スイッチ2140を適合する設計であってよい。例えば、閉鎖スイッチ入れ子区画2144は、閉鎖スイッチ2140を緊密に収容するように構成されてよい。その上、側方は、少なくとも一部の点で、閉鎖スイッチ2140を一方向、すなわち、正しい方向のみで収容するように、非対称に構成されてよい。加えて、発射ボタン入れ子区画2142及び/又は閉鎖スイッチ入れ子区画2144は、正しい組み付けを確実にするために、例えば、発射ボタン入れ子区画2142及び/又は閉鎖スイッチ入れ子区画2144の壁部上に成形され得る、組み付け指図部を備えてよい。
再度図147及び148を参照すると、入れ子区画に加えて、側板部2112は、取り外し可能要素2103をそれぞれの区画内に入れ子にして確実に保持するために、ハウジングアセンブリ2102の取り外し可能要素2103の一部又は全部を、それぞれの区画に固定する固定機構(1つ又は複数)を備えてよい。かかる固定機構は、ロック解除構成(図148参照)とロック構成(図147参照)との間を移動可能であり、ハウジングアセンブリ2102の取り外し可能要素2103を側板部2112内のそれぞれの区画にロックできる、固定部材を備えてよい。読者は、1つ又は複数の固定部材を利用して、1つ又は2つ以上の取り外し可能要素2103を側板部2112に固定できることを理解するだろう。加えて、固定機構は、ハウジングアセンブリ2102の取り外し可能要素2103の正しい組み付けを確実にするため、不適切な組み付けの場合に、固定部材がロック構成に移動するのを防ぎ得る、安全性機構も備えてよい。図147の代表的な実施形態に示されるように、作動アセンブリ2106を、例えば、モーター固定部材2148、伝達アセンブリ固定部材2150、及び/又は発射部材アセンブリ固定部材2152などのいくつかの固定部材によって、側板部2112に固定できる。特定の例では、図147に示されるように、電源固定部材2154、発射ボタン固定部材2156、及び閉鎖スイッチ固定部材2158を利用して、それぞれ電源2108、発射ボタン2138、及び閉鎖スイッチ2140を固定できる。
ロック解除構成(図148参照)からロック構成(図147参照)に移動させることによって、固定部材を取り外し可能要素2103上に留めることができる。例えば、ロック解除構成(図148参照)からロック構成(図147参照)に移動させることによって、モーター固定部材2148をモーター2118上に留めることができる。特定の例では、取り外し可能要素2103の一部又は全部は、ロック解除構成からロック構成に移動すると、固定部材を収容するように構成されている、レールを備えてよい。このレールは、取り外し可能要素2103が側板部2112内のそれぞれの区画内に正しく入れ子になったときのみ、移動する固定部材を収容して整列できるように、配置されてよい。例えば、モーター2118がモーター入れ子区画2126内で正しく入れ子になっていない場合、モーター固定部材2148はそのレールと正しく整列できず、そのため、モーター固定部材2148がロック解除構成からロック構成に移動すると、モーター固定部材2148はレール内に入ることができず、例えば、モーター2118の外壁に当接する場合がある。特定の例では、モーター固定部材2148がロック構成にないときに、ユーザーが側板部2112及び2114の組み付けを試みた場合、第1側板部2112が第2側板部2114と噛合係合するのを防ぐことができるように、モーター固定部材2148を配置できる。この構成により、ユーザーに警告し、正しい組み付けのために、ハウジングアセンブリ2102の組み付けられる構成要素を再確認できる。
モーター固定部材2148と同様に、伝達アセンブリ固定部材2150を伝達アセンブリ2120上の専用のレール内に収容でき、伝達アセンブリ固定部材2150を、伝達アセンブリ2120が伝達アセンブリ入れ子区画2128内で正しく入れ子になった場合のみ、対応するレールと整列するように配置できる。加えて、発射部材アセンブリ固定部材2152を、例えば、発射部材アセンブリ2122上の専用のレール内に収容でき、発射部材アセンブリ固定部材2152を、発射部材アセンブリ2122が発射部材アセンブリ入れ子区画2130内で正しく入れ子になった場合のみ、そのレールと整列するように配置できる。これもモーター固定部材2148と同様に、伝達アセンブリ固定部材2150及び/又は発射部材アセンブリ固定部材2152がロック構成にないときに、ユーザーが側板部2112及び2114の組み付けを試みた場合、第1側板部2112が第2側板部2114と噛合係合するのを防ぐことができるように、伝達アセンブリ固定部材2150及び/又は発射部材アセンブリ固定部材2152を配置できる。上記のように、取り外し可能要素2103の一部を取り外し、合わせて1つのアセンブリとして、側板部材2112に再取り付けでき、複数の固定部材によって固定できる。例えば、図147に示されるように、作動アセンブリ2106を、モーター固定部材2148、伝達アセンブリ固定部材2150及び/又は発射部材アセンブリ固定部材2152によって、側板部2112に固定できる。かかる構成は、作動アセンブリ2106の構成要素のうち任意の1つを正しく組み付けできないと、対応する固定部材がロック構成に達することが防がれ、少なくとも1つの固定部材がロック構成に達していないときに、ユーザーが側板部2112及び2114の組み付けを試みた場合、第1側板部2112が第2側板部2114と噛合係合するのを防ぎ得るため、正しいアセンブリを保証する更なる段階を提供できる。
再度図147及び148を参照すると、固定部材の一部又は全部は、第1側板部2112に枢動可能に取り付けられてよく、ロック解除構成(図148参照)からロック構成(図147参照)に、又はその逆に第1側板部2112に対して移動可能であってよい。特定の例では、ハウジングアセンブリ2102の組み付け中に側板部2112及び2114を噛合係合のために整列させるとき、第2側板部2114は、第1側板部2112内で入れ子になっている取り外し可能要素2103中の対応する収容部材(図示せず)内に収容されるように構成されている、突出固定部材(図示せず)を備えてよい。突出固定部材は、確実に、取り外し可能要素2103を第1側板部2112中で固定されたままにできる。加えて、突出固定部材は、突出固定部材がその対応する収容部材と正しく整列していないときに、ユーザーが側板部2112及び2114の組み付けを試みた場合、例えば、取り外し可能要素2103の不適切な組み付けによって、ユーザーに警告し、正しい組み付けのために、ハウジングアセンブリ2102の取り外し可能要素2103の組み付けを再確認でき、第1側板部2112が第2側板部2114と噛合係合するのを防ぐことができる。読者は、突出固定部材が取り外し可能要素2103から突出し、第2側板部2114上の対応する収容部材内に収容されるように構成できるように、突出固定部材及びそれらの対応する収容部材の位置を逆にできることを理解するだろう。いずれにせよ、突出固定部材及びそれらの対応する収容部材を、お互いに、例えばスナップ嵌め式係合で取り外し可能に取り付けることができる。別の係合機構が本開示によって意図される。
上記に加え、取り外し可能要素2103の一部又は全部は、ロック解除構成(図148参照)からロック構成(図147参照)に移動すると、第1側板部2112の固定部材を収容するように構成されている、カム表面を備えてよい。カム表面は、取り外し可能要素2103の一部又は全部の外側表面に配置されてよく、対応する固定部材によって、ロック構成にある取り外し可能要素2103上に圧力を加えることができ得る。例えば、モーター2118は、そのレールに沿ってカム表面を有してよい。モーター固定部材2148がロック解除構成(図148参照)からロック構成(図147参照)に移動すると、モーター固定部材2148はカム表面に沿ってモーター2118上を移動し、モーター固定部材2148によって、例えばロック構成において最大圧で、モーター2118上に圧力を高めて加えることができる。モーター2118上に加えられる圧力は、モーター入れ子区画2126内のモーターの固定に役立ち得る。
上記のように、エンドエフェクタは、遠位に前進し、組織をステープル留め及び/又は切開できる発射部材を備えてよい。ここで図155を参照すると、エンドエフェクタ11260は、アンビル11262を備える第1ジョーと、ステープルカートリッジ11264を備える第2ジョーと、を備えてよい。エンドエフェクタ11260は、1)アンビル11262及びステープルカートリッジ11264から近位に延在するハウジング及び/又はフレーム11261と、2)ハウジング11261、アンビル11262、及びカートリッジ11264に対して移動できる発射部材11266と、を更に備えてよい。エンドエフェクタ11260は、アンビル11262及びカートリッジ11264が、関節屈曲駆動部11268によって関節屈曲できるように構成されている、関節屈曲継手11230を更に備えてよい。使用中、エンドエフェクタ11260は、例えば、1)エンドエフェクタハウジング11261が、エンドエフェクタハウジング11261を支持するように構成されているシャフトハウジング11241に連結されており、2)エンドエフェクタ発射部材11266が、エンドエフェクタ発射部材11266を前進かつ後退させるように構成されているシャフト発射作動装置11246に連結されており、及び/又は、3)エンドエフェクタ関節屈曲駆動部11268が、エンドエフェクタ関節屈曲駆動部11268を前進かつ後退するように構成されているシャフト関節屈曲作動装置11248に連結されているように、外科用器具のシャフト11240に組み付けられてよい。使用中、発射部材11266を遠位に前進させ、組織がアンビル11262及びカートリッジ11264の中間部に配置され得る開放位置から、アンビル11262がカートリッジ11264に対して組織を圧迫している閉鎖位置まで、アンビル11262を移動できる。様々な状況では、発射部材11266は、発射部材11266が遠位に前進するとき、アンビル11262が、係合部材によってステープルカートリッジ11264に向かって枢動できるように、第1ジョーを係合するように構成されている第1係合部材と、第2ジョーを係合するように構成されている第2係合部材と、を備えてよい。エンドエフェクタを再開放し、アンビル11262が開放位置に戻るのを可能にするため、発射部材11266は十分に後退しなくてはならない。様々な状況では、発射部材11266は、少なくとも部分的に発射された位置で動かなくなる場合があり、その結果、アンビル11262を再開放できず、そのため、外科用器具を手術部位から取り出すのが困難になる。
ここで図156〜161を見ると、例えばエンドエフェクタ11360などのエンドエフェクタは、エンドエフェクタ11360の発射部材が少なくとも部分的に発射された位置で動かなくても、エンドエフェクタ11360のアンビル11262を再開放できる発射部材を備えてよい。より具体的には、エンドエフェクタ11360は、様々な場合において、アンビル11262とカートリッジ11264との間の相対移動を可能にするように構成され得る、分離可能部11366a及び11366bを備える、発射部材11366を備えてよい。主に図157及び158を参照すると、分離可能部11366a及び11366bは、図158に示されるように、ロック11390がロック状態にあるとき、ロック11390によって互いに保持できる。それに対応して、ロック11390がロック解除状態にあるとき、分離可能部11366a及び11366bは互いに対して移動できる。発射部材11366の分離可能部11366aは、第1側部11363aと、第2側部11367aと、側部11363a及び11367aの中間に配置される切断部材部11365aと、を備えてよい。様々な状況では、側部11363a及び11367aは、図157及び158には示されず、内部に画定される開口部11396aを通って延在する1つ又は2つ以上のピンによって、切断部材部11365aに保持されてよい。発射部材11366の分離可能部11366bは、第1側部11363bと、第2側部11367bと、側部11363b及び11367bの中間に配置される切断部材部11365bと、を備えてよい。様々な状況では、側部11363b及び11367bは、図157及び158には示されず、そこから延在する足部11396bと係合する少なくとも1つの保持部材によって、切断部材部11365bに保持されてよい。読者には理解されるように、上記保持ピンは、分離可能部11363aの様々な構成要素を互いに保持し、一方上記保持部材は、分離可能部11363bの様々な構成要素を互いに保持する。これも読者には理解されるように、ロック11390は、ロック位置にあるとき、分離可能部11363a及び11363bを互いに保持する。様々な場合では、主に図158を参照すると、ロック11390は、第1の切断部材部11365aの第1ロック部11361aを係合するように構成されている第1ロック部材11397aと、加えて、第2の切断部材部11365bの第2ロック部11361bを係合するように構成されている第2ロック部材11397bと、を備えてよい。第1ロック部11361a及び第2ロック部11361bは、切断部材部11365a及び11365bを互いに協働的かつ取り外し可能に保持するように構成できる。様々な場合では、ロック部11397a、11397bは、切断部材部11365a及び11365bのそれぞれの切断面11395a及び11395bが、連続的又は少なくとも実質的に連続的な切断面を形成するように、切断部材部11365a及び11365bを互いに保持できる。再度図158を参照すると、ロック11390のロック部11397a、11397bは、切断部材部11365a及び11365bのそれぞれのキー11361a及び11361bが協働的に係合し、保持されるように構成できる。様々な場合では、ロック部11397a、11397bは、ロック11390がロック位置にあるとき、キー11361a及び11361bを収容するように構成されている、これらの間の凹部11398を画定できる。ロック11390が近位に引っ張られると、ロック部11397a及び11397bは、キー11361a及び11361bを係合解除できる。かかる時点では、ロック11390はすでに、切断部材部11365a及び11365bを互いに保持できない。かかる状況では、その結果、分離可能部11366a及び11366bが互いに対して移動できる。例えば、分離可能部11366aは、ジョー11262が再開放されると、ジョー11262と共に移動でき、それに対応して、分離可能部11366bは、カートリッジ11264と共に留まることができる。上記のことから、発射部材11366が、例えば、少なくとも部分的に発射された位置で動かなくなったとき、ロック11390を近位に引っ張って、分離可能部11366a及び11366bをロック解除できる。
上記のように、ロック11390を近位に引っ張って、発射部材11366の分離可能部11366a及び11366bをロック解除できる。ここで図159を見ると、ロックバー11391によって、ロック11390を近位に引っ張る、及び/又は遠位に押すことができる。ロックバー11391は、エンドエフェクタ11360内に配置でき、近位端11392と、遠位端11393と、を備えることができる。ロックバー11391の遠位端11393は、ロック11390と係合してよい。より具体的には、少なくとも1つの実施形態では、遠位端11393は、ロック11390内に画定される細長スロット11399内に摺動可能に配置され得る、そこから延在する突起部を備えてよい。ロック11390を近位に引っ張るために、ロックバー11391を、その突起部が細長スロット11399の近位端11394に接するまで近位に引っ張ってよく、このとき、ロックバー11391の動きをロック11390に伝達することができる。それに対応して、突起部は、ロック11390を遠位に押すために、細長スロット11399の遠位端11395に接するように構成されてよい。読者には理解されるように、再度図156を参照すると、発射部材11366は、上記のように、ロックバーの突起部がそこを通って延在でき、ロック11390を係合できるように構成され得る、内部に画定される1つ又は2つ以上の長手方向スロット11369を備えてよい。
上記に加え、主に図156及び160を参照すると、ロックバー11391の近位端11392は、外科用器具のシャフト11340のロック作動装置11348によって係合されるように構成されている、取り付け部を備えてよい。主に図160を参照すると、ロック作動装置11348は、例えば、ロックバー11391の近位端11392を収容するように構成され得る、ノッチを備える遠位端11349を備えてよい。ロック作動装置11348は、ロック作動装置11348及びロックバー11391を、それぞれ近位及び/又は遠位に移動するため、外科用器具のユーザーによって近位に引っ張られ及び/又は遠位に押され得る、近位端11347を更に備えてよい。使用中、ロックバー11391の近位端11392は、エンドエフェクタ11360がシャフト11340に組み付けられるとき、ロック作動装置11348の遠位端11349に組み付けられ得る。
上記のように、モーターを利用して、エンドエフェクタから締結具を展開する、及び/又はエンドエフェクタ内に捕捉された組織を切開するため、発射部材前進及び/又は後退させることができる。様々な場合では、モーターは、回転可能な駆動シャフトを備えてよく、その回転を平行移動に転換し、例えば、切断部材及び/又はステープルドライバなどの発射部材に伝えることができる。少なくとも1つのこのような場合では、回転可能な駆動シャフトは、その内部に画定されるねじ付き開口部を含むカラーと、ねじ止めにより係合されるねじ付き部分を備えてよく、使用中、駆動シャフトの回転により、駆動シャフトの回転方向に依存して、カラーを遠位に前進させる、及び/又はカラーを近位に後退させるように、カラーの回転を制限できる。特定の場合では、発射部材が動かなくなる、及び/又は別の方法で、所望の、若しくは既定の最大力、つまりトルクを超える力、つまりトルクに遭遇する場合がある。ここで図162〜167を見ると、モーターアセンブリ12000は、モーター12010と、シャフト12020と、滑りクラッチアセンブリ12030と、を備えてよく、滑りクラッチアセンブリ12030は、モーター12010がシャフト12020に伝えることができる力、つまりトルクを制限できる。様々な場合では、主に図162及び163を参照すると、滑りクラッチアセンブリ12030は、モーター12010の回転可能な駆動出力部12012と、シャフト12020との間にトルクを伝達できる。ここで図165〜167を参照すると、駆動出力部12012は、様々な場合において、実質的に環状の外側輪郭部12011と、平坦、又は少なくとも実質的に平坦であってよい移行面12014と、を備えてよい。駆動出力部12012の外側輪郭は、環状の輪郭部12011と平面12014との間に画定される第1駆動ショルダ12016と、加えて、平面12014の反対側末端部と環状の輪郭部12011との間に画定される第2駆動ショルダ12018と、を更に備えてよい。
図165〜167にも示されるように、滑りクラッチアセンブリ12030は、付勢要素、つまりばね12036によって、駆動出力部12012と係合するように付勢される、駆動要素12034を備えてよい。駆動要素12034は、駆動要素12034のハウジング12037に対する移動が、軸に沿って画定できるように、滑りクラッチアセンブリ12030のハウジング12037内に画定される保持スロット内に、少なくとも部分的に配置されてよい。読者には理解されるように、ハウジング12037及びシャフト12020が互いに同調して回転するように、滑りクラッチアセンブリのハウジング12037をシャフト12020に装着してよい。これも読者には理解されるように、少なくとも特定の状況では、駆動要素12034は、駆動出力部12012の回転運動をハウジング12037に伝えることができる。より具体的には、駆動出力部12012が、矢印12017で示されるように第1方向に回転して、発射部材を遠位に前進させるとき、第1駆動ショルダ12016が駆動要素12034に接触するまで、駆動出力部12012を駆動要素12034に対して回転できる。読者には理解されるように、付勢部材12036が、駆動要素12034の半径方向外側への移動に抵抗できる、又は少なくとも十分に抵抗できる限り、第1駆動ショルダ12016は、駆動要素12034に接触したまま維持できる。駆動要素12034が第1駆動ショルダ12016に接触している限り、モーター12010は、発射部材を遠位に前進させる方向にシャフト12020を回転できる。様々な場合では、モーター12010は、駆動出力部12012の第1駆動ショルダ12016が駆動要素12034によって滑り、その結果、駆動出力部12012が、駆動要素12034、滑りクラッチハウジング12037、及びシャフト12020に対して回転するように、駆動要素12034を半径方向外側にずらすのに十分大きいトルクを、駆動出力部12012に加えることができる。別の言い方をすれば、駆動出力部12012に加えられたトルクが既定の、つまり最大トルクを超えるとき、駆動要素12034は無効になり、モーター12010から動作可能に係合解除され得る。駆動出力部12012に加えられたトルクがこの既定の、つまり最大トルクを下回るとき、駆動要素12034は、第1駆動ショルダ12016を再係合でき、その結果、シャフト12020がモーター12010の駆動出力部12012によって回転されるように、シャフト12020をモーター12010と動作可能に再係合できる。
上記に加え、駆動出力部12012が、矢印12019で示されるように第2方向に回転して、発射部材を近位に後退させるとき、第2駆動ショルダ12018が駆動要素12034に接触するまで、駆動出力部12012を駆動要素12034に対して回転できる。読者には理解されるように、付勢部材12036が、駆動要素12034の半径方向外側への移動に抵抗できる、又は少なくとも十分に抵抗できる限り、第2駆動ショルダ12018は、駆動要素12034に接触したまま維持できる。駆動要素12034が第2駆動ショルダ12018に接触している限り、モーター12010は、発射部材を近位に後退させる方向にシャフト12020を回転できる。様々な場合では、モーター12010は、駆動出力部12012の第2駆動ショルダ12018が駆動要素12034によって滑り、その結果、駆動出力部12012が、駆動要素12034、滑りクラッチハウジング12037、及びシャフト12020に対して回転するように、駆動要素12034を半径方向外側にずらすのに十分大きいトルクを、駆動出力部12012に加えることができる。別の言い方をすれば、駆動出力部12012に加えられたトルクが既定の、つまり最大トルクを超えるとき、駆動要素12034は無効になり、モーター12010から動作可能に係合解除され得る。駆動出力部12012に加えられたトルクがこの既定の、つまり最大トルクを下回るとき、駆動要素12034は、第2駆動ショルダ12018を再係合でき、その結果、シャフト12020がモーター12010の駆動出力部12012によって回転されるように、シャフト12020をモーター12010と動作可能に再係合できる。
様々な場合では、上記に加え、第1駆動ショルダ12016及び第2駆動ショルダ12018は、同じ構成を備えてよい。特定の場合では、第1駆動ショルダ12016は第1曲率半径によって画定されてよく、第2駆動ショルダ12018は第2曲率半径によって画定されてよい。いくつかの場合では、第1曲率半径は第2曲率半径と同じであってよい。このような場合では、駆動出力部12012が第1方向12017に回転しているときに、モーター12010が加えることができる最大の、つまり滑りトルクは、駆動出力部12012が第2方向12019に回転しているときに、モーター12010が加えることができる最大の、つまり滑りトルクと、同じ、又は実質的に同じであってよい。いくつかの場合では、第1曲率半径は第2曲率半径と異なっていてよい。このような場合では、駆動出力部12012が第1方向12017に回転しているときに、モーター12010が加えることができる最大の、つまり滑りトルクは、駆動出力部12012が第2方向12019に回転しているときに、モーター12010が加えることができる最大の、つまり滑りトルクと、異なっていてよい。少なくとも1つのこのような場合では、第1曲率半径は第2曲率半径より大きくてよく、その結果、第1方向12017の最大の、つまり滑りトルクは、第2方向12019の最大の、つまり滑りトルクより小さくてよい。別の言い方をすれば、モーター12010は、発射要素が前進しているときより、発射要素が後退しているときに、より大きいトルクをシャフト12020に加えることができる。このような場合は、発射要素を後退させて、外科用器具のエンドエフェクタを、例えば再開放し、組織からクランプを外すことが望ましいときに有利であり得る。少なくとも1つの場合では、第1曲率半径は第2曲率半径より小さくてよく、その結果、第1方向12017の最大の、つまり滑りトルクは、第2方向12019の最大の、つまり滑りトルクより大きくてよい。別の言い方をすれば、モーター12010は、発射要素が後退しているときより、発射要素が前進しているときに、より大きいトルクをシャフト12020に加えることができる。
上記に加え、主に図163及び164を参照すると、付勢部材12036は、滑りクラッチハウジング12037内に画定される周方向溝12031内に配置される、ばねカラー12032によって弾性的に支持されてよい。このような場合では、ばねカラー12032及び付勢部材12036を協働させ、半径方向内側に付勢力を加え、及び/又は駆動要素12034の半径方向外側への移動に抵抗できる。様々な場合では、ばねカラー12032は、第1自由末端部12033と、第2自由末端部12034と、を備える環状本体を備えてよく、環状本体は、半径方向外側に上記力が加えられると弾性的に拡大し、半径方向外側への力がなくなる又は少なくなると弾性的に収縮できる。このような場合では、ばねカラー12032の第1自由末端部12033は、第2自由末端部12034に対して移動できる。
本明細書において開示される装置は、1回の使用の後に廃棄されるように設計されてもよいし、又は複数回使用されるように設計されてもよい。しかしながら、いずれの場合も、装置は少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解と、これに続く洗浄と、又は特定部品の交換と、及びその後の再組み付けと、の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部材を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部材の洗浄及び/又は交換に際し、装置を再調整施設において、あるいは外科手術の直前に手術チームが再組み付けしてから、その後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整に、分解、洗浄/交換、及び再組み付けのための様々な技術を利用できる点が認識されるであろう。かかる技術、及び結果として得られる再調整された装置の使用は、全て本発明の範囲内にある。
好ましくは、本明細書に記載する発明は、手術の前に処理されるであろう。まず、新品の又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄される。次いで器具を滅菌してもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖及び封止容器に器具を入れる。次いで容器及び器具を、ガンマ線、X線又は高エネルギー電子線などの、容器を貫入することができる放射線野の中に置く。この放射線によって器具の表面上及び容器内の細菌が死滅する。次に、滅菌された器具を滅菌容器に格納することができる。封止された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
全体又は部分において、参照により本明細書に組み込まれるとされるいずれの特許公報又は他の開示物も、援用される内容が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれるものとする。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
例示の設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用法、又は適応を包含するものとする。更に、本出願は、かかる逸脱を、本発明が関連する分野において知られてきているか又は慣例になってきているものとして包含するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 内視鏡下手術中のフィードバックを表示するために外科用器具と信号通信するシステムであって、
タッチセンシティブインターフェイスを備えるスクリーンであって、前記タッチセンシティブインターフェイスは、少なくとも1つの入力を受信するように構成されている、スクリーンと、
前記スクリーン上に示される第1層であって、前記第1層は、前記外科用器具からの一次フィードバックを含む、第1層と、
前記スクリーン上に示される第2層であって、前記第2層は、前記外科用器具からの二次フィードバックを含む、第2層と、を備え、前記第2層が、少なくとも部分的に前記第1層に重なっており、前記タッチセンシティブインターフェイスへの少なくとも1つの入力が、前記第1層の前記一次フィードバックに対して前記第2層の前記二次フィードバックを操作するように構成されている、システム。
(2) 前記一次フィードバックが、前記外科用器具のビデオフィードバックを含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記二次フィードバックが、前記外科用器具によって検出されたデータを含む、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記少なくとも1つの入力が、前記外科用器具によって検出された前記データのうち少なくとも1つのデータを、前記第2層に示された前記外科用器具に対して、前記スクリーン上の特定の位置にドラッグすることを含む、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記少なくとも1つの入力が前記二次フィードバックの一部を選択することを含み、前記二次フィードバックの前記一部が前記外科用器具の特徴部に対応し、前記二次フィードバックの前記選択された一部が、前記第1層に示された前記外科用器具の対応する特徴部付近の前記スクリーン上の位置に自身を位置付ける、実施態様1に記載のシステム。
(6) 前記スクリーン上の前記位置が、前記第1層に示された前記外科用器具の対応する特徴部に重なる、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記少なくとも1つの入力が、複数の位置間で前記二次フィードバックを移動させることを含む、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記少なくとも1つの入力が、複数の単位系間で前記二次フィードバックを変換することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記少なくとも1つの入力が、数値表示とグラフ表示との間で前記二次フィードバックを変換することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記少なくとも1つの入力が、前記二次フィードバックをサイズ変更することを含む、実施態様1に記載のシステム。
(11) 前記タッチセンシティブインターフェイス及び前記外科用器具と信号通信するコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記少なくとも1つの入力に基づいて前記外科用器具を選択的に制御する、実施態様1に記載のシステム。
(12) 内視鏡器具と信号通信する装置であって、
前記内視鏡器具からのビデオフィードバックの下層表示と、
前記内視鏡器具からの動的フィードバックの上層表示と、
動的フィードバックの前記上層表示を、ビデオフィードバックの前記下層表示に対して操作するための、操作手段と、を備える、装置。
(13) 動的フィードバックの前記上層表示が、前記内視鏡器具によって検出された情報を含む、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記操作手段がタッチスクリーンを含む、実施態様12に記載の装置。
(15) 外科用器具と共に使用するためのシステムであって、
タッチセンシティブインターフェイスを備えるスクリーンであって、前記外科用器具からのフィードバックが、前記スクリーン上に示されるように構成されており、前記フィードバックが、
内視鏡ビデオフィードと、
前記内視鏡ビデオフィードの少なくとも一部に重なっている前記外科用器具の状態と、を含む、スクリーンと、
前記タッチセンシティブインターフェイス及び前記外科用器具と信号通信するコントローラであって、前記コントローラは、前記タッチセンシティブインターフェイスへの入力に基づいて前記外科用器具を選択的に制御する、コントローラと、を備える、システム。
(16) 前記コントローラが前記外科用器具と無線通信する、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記外科用器具が限界閾値を備え、前記コントローラが前記限界閾値を超えるように前記外科用器具を制御する、実施態様15に記載のシステム。
(18) 前記タッチセンシティブインターフェイスが、前記外科用器具の少なくとも一部の操作可能概略図を備え、前記操作可能概略図の操作により、前記外科用器具の対応する少なくとも一部を制御するように構成されている、実施態様15に記載のシステム。
(19) 前記操作可能概略図が、前記内視鏡ビデオフィードに対して移動可能である、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記タッチセンシティブインターフェイスが複数の制御部を備え、前記複数の制御部が調整可能である、実施態様15に記載のシステム。