JP2016525491A - シュート及びホッパーライニング用のモザイクライナー - Google Patents

シュート及びホッパーライニング用のモザイクライナー Download PDF

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Abstract

シュートグ及びホッパーライニング用のモザイクライナーユニット(A)は、前面(10)及び後面(11)を有する本体を備える。前面(10)及び後面(11)はいずれもエラストマー材料(2)から作られる。このエラストマー材料内には複数の高硬度鋼部(3)が埋設されている。前面(10)はシュートまたはホッパー上に落下する材料の衝撃荷重を受けるように適合されており、後面(11)はシュートまたはホッパーの壁(12)に固定される。

Description

本発明は、概して、角のある粗いバルク固体材料を取り扱うためのシュート(chute、滑走台)またはホッパーのライナーに関し、特に、シュート壁上へのこのような材料の落下に起因する高い衝撃力に対する緩衝作用と、耐切削摩耗性とを提供するモザイクライナーに関する。緩衝作用は、鋼母材内にゴムを存在させることによって実現される。複数のこのようなライナーが、シュートまたはホッパーの壁の面あるいは摩耗からの保護が望まれる任意の面を覆うべく平坦なアレイを形成する。
以下の説明では簡潔さのためにシュートのみ記述したが、本発明はホッパー及び当業者に知られている他の類似用途にも同様に適用できる。
材料取り扱い作業では、材料をあるステーションから別のステーションに運搬または輸送するためのコンベアベルトが使用される。高さの異なるコンベア間でまたは異なる方向に移動するコンベア間で材料を移送しなければならないとき、シュートが使用される。シュートは、材料を重力下でシュートに沿って移送または案内するために異なる角度で配列される、比較的平滑な移送面を有する複数の平坦板である。鉱石粒子は高密度で硬く、コンベアベルトからシュートにかなりの速度で放出されるので、シュートが保護されていないままであると、シュートの表層を傷付け、削り取り、シュートの深刻な摩耗を引き起こすことがある。この摩耗は最終的にシュート板を裂き、シュート面に穴ができて材料の漏出を引き起こすことがある。したがって、シュートを交換しなければならないが、この作業は長時間生産を中断させる。コンベアシステムが稼働されないこの中断時間は生産性の損失を招く。このような損失を最小限に留める必要がある。
これを回避するためにライナーが使用される。ライナーはシュートを保護するための犠牲カバーとして使用される、複数の小型で矩形のブロックである。これらはシュート壁に機械的に締結される。
材料取扱機器には、特にシュートには、主に2種類の摩耗が見られる。
衝撃摩耗:材料取扱システムで取り扱われている大サイズの粒子または塊が強い力でシュート面に当たるときに起こる摩耗が衝撃摩耗である。
切削摩耗:全ての粒子が球体または滑らかでない場合、それらは鋭利な端を有し、ライナー面を浸食する。これが切削摩耗と呼称される。切削摩耗は、圧力、摩擦係数、及び滑走速度の関数である。切削摩耗は柔らかい材料で大きい。
シュート板は、保護されていなければ、材料の連続的な流れのせいで時間が経つにつれて摩耗する。この摩耗は、最終的にはシュート板を裂き、シュート面に穴を形成し、材料の漏れ及び損失を引き起こす。このような状況では、シュート全体を交換しなければならず、長時間生産が中断する。
これを回避するためにライナーが使用される。ライナーはシュート母板ようのカバーとして使用される、複数の小型で矩形状の板である。これらは、シュート本体の内面に機械的に締結される。
シュートライナーの利点
1)滑走面の修理や交換を容易にする。
2)不十分なシュート性能を是正する手段。
3)シュートの切削摩耗を回避する。
4)衝撃摩耗、騒音、粉塵及び材料劣化を低減する。
5)円滑な流れを促進する。
6)材料の堆積を回避する。
7)シュート及び製品両方の化学反応または腐蝕を防ぐ。
理想的なシュートライナーは衝撃摩耗及び切削摩耗の両方に抵抗し、材料の流れを向上するとともに劣化及び微小粒子の発生を低減する。
従来、採掘、鉄鋼及び他の産業において、角のある粒状の重い材料を取り扱うバルク材料取扱システムのシュートに鋼製ライナーが使用されている。
鋼製ライナーは、このような用途において大抵よい解決策であるが、いくつかの欠点を抱えている。鋼製ライナーがシュート内の高衝撃領域、すなわち移動材料がシュート壁に最初の衝撃を何度も起こす領域に取り付けられると、その表面に微小クラック形成が起こる。これは高衝撃疲労摩耗の結果である。したがって、切削摩耗に加えて高衝撃荷重に耐えることができ、かつ衝撃エネルギーを吸収できる、シュート壁用ライナーを開発するという長期要望がある。
本発明のシュート及びホッパーライニング用のモザイクライナーは前述の長期要望とそれに関連した他の要望に適合する。
本発明の主な目的は、高衝撃荷重及び切削摩耗の両方に対して理想的に適合し、衝撃エネルギーを吸収することができる、シュートまたはホッパーの壁用のモザイクライナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、コスト効率を良くする、低減された材料重量のライナーを提供することにある。
本発明のさらなる他の目的は、取り付けが容易で時間の浪費の少ない、ユーザーフレンドリーなライナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、シュートまたはライナーの頻繁な交換の必要性を減らすことにある。
本発明のさらなる目的は、シュートライナー交換による材料取扱システムの作動停止を減らすことを実現することにある。
本発明のもう1つの目的は、音の吸収に役立ち、ひいては材料取り扱いに伴う騒音公害を低減するライナーを提供することにある。
前述の目的がどのように達成されるのかが以下の記載から明らかとなる。この文脈において、以下の説明は非限定的なものであり、例示のためのものであることが明確である。
したがって、本発明は、前面及び後面を有する本体を備えるシュート及びホッパーライニング用のモザイクライナーユニットであって、前記前面及び前記後面はいずれも複数の高硬度鋼部が埋設されたエラストマー材料から作られたものであり、前記前面がシュートまたはホッパー上に落下する材料の衝撃荷重を受け止めるように適合されており、前記後面がシュートまたはホッパーの壁に固定される、モザイクライナーユニットを提供する。
本発明のモザイクライナーのいくつかの好ましい実施形態では、
・前記エラストマー材料が合成ゴムであり、前記複数の高硬度鋼部が前記ライナーユニットが供せられる用途の種類に応じて異なる形状を有し、
・前記ライナーユニットは、前記本体の異なる位置で前記ライナーユニットの前記前面及び前記後面の全体に配置された複数のボルト穴を通るボルトナット構造体の補助で、前記シュートまたはホッパーの壁に固定され、各ボルト穴には、前記シュートまたはホッパーの壁との堅固な固定のための、当該ボルト穴を囲む筒状部が設けられており、
・前記ライナーユニットは、前記シュートまたはホッパーの壁の母板に溶接された複数の鋲であって、複数のボルト穴を通過した後にナット及び座金で締結される前記複数の鋲の補助で、前記シュートまたはホッパーの壁に固定され、前記複数のボルト穴は前記本体の異なる位置で前記ライナーユニットの前記前面及び前記後面の全体に配置されており、前記複数のボルト穴には、前記シュートまたはホッパーの壁との堅固な固定のための、当該ボルト穴を囲む筒状部が設けられており、
・前記複数のボルトは、前記エラストマー部のみに配置されるか、または前記複数の高硬度鋼部のみに配置されるか、または前記エラストマー部及び前記複数の高硬度鋼部の両方に配置されるかのいずれかであり、
・前記複数の高硬度鋼部は前記エラストマー材料内で浮状態であり、
・前記ライナーユニットの背板として軟鋼板(mild steel plate)が設けられており、当該軟鋼板に前記複数の高硬度鋼部が溶接されているかまたは固定されており、
・前記複数の高硬度鋼部はその基部で前記軟鋼板に溶接されるかまたは固定されており、これら鋼製部品に前記エラストマー材料部が化学的に接着されており、
・シュート壁には、ライナーをシュート壁に固定するための鋲が溶接されており、当該鋲は、ゴム穴及び鋼穴を通過して、前記軟鋼板に載置されたナイロックナットに締結される。
本発明は、上述したライナーユニットを複数備えるアレイであって、当該複数のライナーユニットの各々がシュートまたはホッパーの壁に取り付けられ、前記複数のライナーユニットがサイドバイサイドに配置されているアレイも提供する。
本発明の本質及び範囲は、例示であって限定するものではないいくつかの好ましい実施形態を図示した添付図面からより理解されるであろう。
本発明に従うモザイクライナーユニットの正面図。 図1のモザイクライナーユニットの背面図。 モザイクライナーユニットの斜視図。 本発明に従うモザイクライナーユニットの側面図。 複数の不規則な高硬度鋼部を有するモザイクライナーユニットの第2の好ましい実施形態の斜視図。 いくつかのライナーユニットを備えるアレイの斜視図。 シュート壁に対するライナーの固定構造を示す側面図。
本発明の主な特徴を上述したが、いくつかの好ましい実施形態のより詳細で非限定的な説明が、以下の段落で図面を参照しながら記載される。
全ての図面において、類似の特徴を同じ参照番号で表す。
本発明のモザイクライナーユニット(A)の第1の好ましい実施形態が図1、2及び3に最もよく示されている。
ライナーユニットの本体はエラストマー材料から、最も好ましくは合成ゴム(2)から作られており、そこに複数の高硬度鋼部(3)が埋設されている。ライナーユニット(A)は2つの面を有している。前面(10)は、図1に示されており、シュートに落下する材料の衝撃荷重を受ける。後面(11)は、図2に示されており、シュート壁(12)に固定され、図7にも示されている。このシュート壁(12)を保護することが本発明の主な目的である。
図1はライナーの前面(10)の図である。前面は複数の硬鋼部(3)が埋設された合成ゴム部(2)を備える。図1では、複数の硬鋼部(3)が全て矩形として示されている。しかし、この形状は後に説明するように用途の種類によって異なり得る。各ライナーユニットは複数のボルト穴(4)を有し、これらボルト穴はライナーユニットの本体全体にわたって配置され、ライナーユニットのゴム体上の様々な異なる位置に配置され得る。各ボルト穴(4)を囲むように筒状部(1)が設けられている。この筒状部は、(図7に示す)シュート壁(12)へのライナーの堅固な固定を確実にする。
図示されていないが、ボルト穴(4)がエラストマー部(2)のみに配置されていること、硬鋼部(3)のみに配置されていること、エラストマー部(2)と硬鋼部(3)の両方に配置されていることのいずれも本発明の範囲内にある。
図2は後面(11)の図であり、複数のボルト穴(4)も示す。
図3は、図1及び2にそれぞれ示される前面(10)及び後面(11)を有するモザイクライナーユニットの斜視図である。この図から様々な部品の配置が明らかになる。この図は、前述した、軟鋼板(6)がライナーユニットの背板として設けられていることも示す。複数の硬鋼部(3)がこの軟鋼板(6)に溶接されるかまたは固定されており、その構成がライナーユニット(A)の不可欠部分である。複数の硬鋼部(3)はその基部で軟鋼板(6)に溶接されるかまたは固定されており、ゴム(2)がライナーユニット(A)のこれら両鋼製部品に化学的に接着されている。
代わりに、複数の埋設された鋼部(3)はライナー本体のエラストマー材料内で浮状態(float)であり得る。
図4は図3に示したモザイクライナーの側面図である。軟鋼板(6)が示されており、特にこの板が厚み(5)を持つことが明確に示されている。
複数の硬鋼部(3)は、図1に示すような矩形のものであるか、または図5に示すような、ライナーが供される用途の種類に応じて、様々な形状及び大きさ(例えば、正方形、矩形、または他の任意の一様の(regular)または一様でない(irregular)形状)のものである。ゴム(2)は複数の鋼部(3)を囲み、衝撃力を吸収するクッションとして作用する。
ある実施形態では、図4を参照すると、ライナーをシュート壁(12)に取り付けるために、軟鋼板(6)の穴(図示しない)を貫通しかつゴムの穴(4、図1、2及び3に最もよく示される)を貫通するボルト脚を有するボルトの頭部(図示しない)が軟鋼板(6)上に載置されている。
鋲を用いる別の固定法が実施されてもよく、その場合、鋲(図示しない)がシュート壁(12、図6に最もよく示される)に溶接され、その鋲がゴム穴(4、図1、2及び3に最もよく示される)を貫通しかつ軟鋼板(6、図3、4に最もよく示される)の穴(図示しない)を貫通して、軟鋼板(6)に載置されたナイロックナット(図示しない)に締結される。
図5はモザイクライナーユニットの別の好ましい実施形態の斜視図である。複数の硬鋼部(3)が様々な形状及び大きさのものであり得ることが示されている。
図6に示されるように、前述したライナーユニットが複数個サイドバイサイドに配置されてライナーアレイ(B)を形成する。シュート壁(12)に固定されるこうしたいくつかのライナーによってシュート壁が保護される。
図7はシュート壁(12)への複数のライナーユニットの固定の詳細を示している。それらは、ボルト穴(4)を通るボルトナット構造体(13、14、15)の補助で、シュート壁(12)に固定される。
代わりに、図4を参照して前述したように、この固定はボルトの代わりに鋲の補助で実施されてもよい。鋲固定の場合、鋲はシュート壁(12、図6に最もよく示されている)の母板に溶接される。この鋲はライナーのボルト穴(4)を貫通し、ナット及び座金の補助により締結される。
前述したように、複数の鋼部(3)は、あらゆる形状、大きさ、厚さのものであり、一様なもの及び一様でないものの両方でもよい。これらの鋼部は最初の衝撃領域として機能し、シュート上に落下する材料によって発生するあらゆる衝撃荷重を受ける。一方、埋設された鋼の直下及び周囲にあるゴム(2)はクッションとして機能し、材料によって埋設された鋼上に発生する衝撃エネルギーを吸収する。ゴムマトリックス(2)は音の吸収に役立ち、ひいては材料取扱工場の騒音公害を低減する。鋼と比べると軽量であるゴムは、摩耗寿命性能を損なうことなくライナーユニットの全体重量を減らす。
本発明のシュートライナーの新規で独創性な複合構造は、ゴムと鋼の両方の利点を生かし、ライナーを高い衝撃荷重及び切削摩耗に対して理想的に適したものとする。したがって、本発明のシュートライナーは、前述した先行技術の課題に対する、コスト効率のよい解決策を提供する。
本発明の利点は、
1.衝撃摩耗の低減、
2.騒音の低減、
3.高衝撃領域に取り付け可能、
4.構成部品の重量の低減、
5.コストの低減、
6.頻繁なシュートの交換の排除、
7.作動停止の低減。
いくつかの図面と好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、単に理解を意図したものであり限定を意図したものではない。上記の説明内容及び添付の特許請求の範囲内での全ての合理的な変更例が本発明に含まれる。

Claims (10)

  1. 前面(10)及び後面(11)を有する本体を備える、シュート及びホッパーライニング用のモザイクライナーユニット(A)であって、前記前面(10)及び前記後面(11)はいずれも複数の高硬度鋼部(3)が埋設されたエラストマー材料(2)から作られたものであり、前記前面(10)はシュートまたはホッパー上に落下する材料の衝撃荷重を受け止めるように適合されており、前記後面(11)はシュートまたはホッパーの壁(12)に固定される、モザイクライナーユニット(A)。
  2. 前記エラストマー材料は合成ゴム(2)であり、前記複数の高硬度鋼部(3)は前記ライナーユニットが供せられる用途の種類に応じて異なる形状を有する、請求項1に記載のモザイクライナーユニット(A)。
  3. 前記ライナーユニットは、前記本体の異なる位置で前記ライナーユニットの前記前面(10)及び前記後面(11)の全体に配置された複数のボルト穴を通るボルトナット構造体(13、14、15)の補助で、前記シュートまたはホッパーの壁(12)に固定され、各ボルト穴(4)には、前記シュートまたはホッパーの壁(12)との堅固な固定のための、当該ボルト穴(4)を囲む筒状部(1)が設けられている、請求項1に記載のモザイクライナーユニット(A)。
  4. 前記ライナーユニットは、前記シュートまたはホッパーの壁(12)の母板に溶接された複数の鋲であって、複数のボルト穴(4)を通過した後にナット及び座金で締結される前記複数の鋲の補助で、前記シュートまたはホッパーの壁(12)に固定され、前記複数のボルト穴(4)は前記本体の異なる位置で前記ライナーユニットの前記前面(10)及び前記後面(11)の全体に配置されており、前記複数のボルト穴(4)には、前記シュートまたはホッパーの壁との堅固な固定のための、当該ボルト穴(4)を囲む筒状部(1)が設けられている、請求項1に記載のモザイクライナーユニット。
  5. 前記複数のボルト(2)は、前記エラストマー部(2)のみに配置されるか、または前記複数の高硬度鋼部(3)のみに配置されるか、または前記エラストマー部(2)及び前記複数の高硬度鋼部(3)の両方に配置されるかのいずれかである、請求項1と請求項3、4のいずれか一項とに記載のモザイクライナーユニット。
  6. 前記複数の高硬度鋼部(3)は前記エラストマー材料(2)内で浮状態である、請求項1、2のいずれか一項に記載のモザイクライナーユニット。
  7. 前記ライナーユニットの背板として軟鋼板(6)が設けられており、当該軟鋼板(6)に前記複数の高硬度鋼部(3)が溶接されているかまたは固定されている、請求項1、2のいずれか一項に記載のモザイクライナーユニット。
  8. 前記複数の高硬度鋼部(3)はその基部で軟鋼板(6)に溶接されるかまたは固定されており、これら鋼製部品(3、6)に前記エラストマー材料部(2)が化学的に接着されている、請求項1、2、7に記載のモザイクライナーユニット。
  9. シュート壁(12)には、前記ライナーを前記シュート壁に固定するための鋲が溶接されており、当該鋲は、ゴム穴(4)及び鋼穴を通過して、軟鋼板(6)に載置されたナイロックナットに締結される、請求項1、2、7に記載のモザイクライナーユニット。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のライナーユニットを複数備えるアレイ(B)であって、当該複数のライナーユニットの各々が前記シュートまたはホッパーの壁(12)に取り付けられ、前記複数のライナーユニットがサイドバイサイドに配置されている、アレイ(B)。
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