JP2016525436A - モバイルラジオグラフィシステムのためのx線管アライメント機能 - Google Patents

モバイルラジオグラフィシステムのためのx線管アライメント機能 Download PDF

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Abstract

一つ以上のトランスミッタTX、一つ以上のレシーバRX及び一つ以上のリフレクタRFLを含むナビゲーション支援サブシステムを持つX線イメージャ。無線信号がトランスミッタTXによって送信され、そしてリフレクタRFLで反射され、レシーバRXにおいて受信される。そして受信信号は位置修正情報に解像され、これは最適イメージング結果を保証する所望の空間構成において管S及び/又は検出器Dを相互に対して位置付ける及び/又は整列させるようにイメージャの管S及び/又は検出器Dの動きをガイドするために使用されることができる。イメージャは検出器Dがポータブルなモバイルイメージングシステムであり得る。

Description

本発明はイメージングシステム、関連方法、コンピュータプログラム素子、及びコンピュータ可読媒体に関する。
集中治療室若しくはA&E(救急外来)における医療従事者は柔軟なラジオグラフィのためにモバイルX線イメージャにますます頼るようになっている。モバイルX線イメージャは厄介な悪条件下でもX線画像の収集が可能であり、又は異なる場所で使用されることができる。イメージャは言い換えればより従来のイメージングシステムのように特定X線検査室若しくは場所に常設されていない。モバイルX線イメージャの別の使用シナリオは例えば介護施設における。長い間寝たきりの高齢患者は、肺炎につながり得る肺の中の水の蓄積の可能性をモニタリングするために、時には毎日胸部X線を撮影される必要がある。
しかしながら時々、このようなモバイルイメージャは画質及び/又は被爆放射線量に関して期待に沿わないことが留意されている。
モバイルX線イメージャは出願人のWO2008/023301に記載されている。
従って少なくとも上述の欠陥に対処する代替的なX線システムの必要があり得る。
本発明の目的は独立クレームの主題によって解決され、さらなる実施形態は従属クレームに組み込まれる。以下に記載の本発明の態様は関連方法、コンピュータプログラム素子及びコンピュータ可読媒体に等しく当てはまることが留意されるべきである。
本発明の第一の態様によれば以下を有するイメージングシステムが提供される:
X線源と当該X線源から放出可能なX線放射を受信するための検出器(本明細書では"管‐検出器(サブ)システム"とよばれる)を持つイメージング装置。X線源が検出器に対して可動であるか又は検出器がX線源に対して可動である;
無線信号を送信するためのトランスミッタ;
上記無線信号を反射するように構成されるリフレクタ;
上記反射された無線信号を受信するためのレシーバ;
受信された無線信号を、X線源と検出器が整列している及び/又は相互から既定距離にあるX線源("管")と検出器の空間構成を実現するようにX線源若しくは検出器の動きをガイドするために適切な位置修正情報へ変換するように動作可能なトランスデューサ。
言い換えれば、本明細書で提案の通りイメージングシステム("イメージャ")は管‐検出器システムの空間構成をユーザが調節するのを支援する"ビーコン"ナビゲーションサブシステムを備える。ナビゲーションサブシステムは既存のイメージング装置、特にモバイルX線イメージング装置、又は他の常設されたものにアドオンとしてフィットされ得、検出器はポータブルなので、管とX線源との間に剛性機械接続がなく、言い換えれば相互空間構成は事前にわからない。
トランスデューサによって生成される位置修正情報は管‐検出器システムの所望の目標空間構成からの空間的"ずれ"を測定するか若しくはそれを示すようなものである。所望の詳細レベルに依存して、位置修正情報は修正が必要なこと、つまり現在の管/検出器システムが所望の空間構成を持たないことを単に示すのみである。この情報は、現在の構成を"試行錯誤"的に変更して所望の空間構成へ向かって管若しくは検出器を動かすために、ユーザによって手動で使用され得るか又は制御装置に与えられ得る。次の詳細レベルにおいて、位置修正情報は所望の空間構成へより近づくために検出器が回転若しくはシフトされる必要がある配向/方向も示す。最後に、さらに高い詳細レベルにおいて、位置修正情報は配向/方向のみならず所望の空間構成を実現するために管若しくは検出器がシフト若しくは回転される必要がある量も示す。位置構成情報に関して所望の詳細レベルは使用されるトランスミッタ/レシーバ及び/又はリフレクタの数によって定義される。本明細書では、システムが位置修正情報に関してより高い詳細レベルを供給する態勢が整っている場合であっても、かかるシステムが依然としてより低レベルの位置修正情報のみを供給するように調節され得ることが検討される。
本明細書で提案されるシステムは電波に作用し可視光には作用しないので、検出器と管の間に要求される視線がなく、その結果特にモバイルX線システムアプリケーションにおいて、検出器が患者の体若しくはオブジェクトによる光学的遮蔽のために通常見えないという先に指摘した問題に対処する。正確なポジショニングとアライメント(回転及び/又はセンタリング)が実現され得る。これはa)ミスアライメントに起因するグリッドアーチファクトの低下(散乱線除去グリッドが検出器と併用される場合)、b)高画質及び従って全体としてc)再撮影の削減による臨床ワークフローの改善につながる。例えば、適切なアライメントは散乱線除去グリッドによって投じられる影の量を最小化するのに役立つ。正確な管‐検出器システムアライメントはX線ビームをコリメートするためにコリメータが使用されるときにも、このようなコリメータが通常管に位置付けられるため、有益であり得る。本明細書では電波信号の周波数はkHz‐MHz範囲内であると想定される。特に医療用途の場合、周波数範囲は数百kHz範囲内であるか又は低MHz範囲内、例えば1若しくは2MHz又は1若しくは2MHzの間である。非医療X線アプリケーションでは、より高いMHz範囲内の高周波数が使用され得る(例えば手荷物検査若しくは非破壊工業材料試験など)。
本文脈において"整列している"とは、イメージング装置が作動中、X線ビームの中心ビームが検出器の画像面に当該画像面の中心点において直角に入射することを意味する。一部の実施形態では、検出器若しくは管のいずれかを(検出器面に垂直な軸まわりに)整列させる回転アライメントもある。
一実施形態において、既定距離は意図した画像収集のために必要なX線源‐検出器距離(SID)であり、これは通常わかっており検出器タイプの関数であり、特に検出器と併用される散乱線除去グリッドのタイプの関数である。
一実施形態において、(複数の)リフレクタは受動的である。この文脈において"受動的"とは、リフレクタが計測学の目的でバッテリー、スカベンジャーなどのような自律的若しくはスタンドアロンな"内蔵"電源(一つ以上のキャパシタ以外)を持たないことを意味する。また、一実施形態では、反射信号以外のデータを生成するオンボードIC"チップ"がない。特にこれは、一部の実施形態において、計測学の目的で、リフレクタからリフレクタの外側へ走るデータ接続(信号ケーブルなど)がないことを意味する。自律信号生成がリフレクタ内で起こらず、受信電力若しくは信号が単に反射される。一実施形態において、リフレクタ内に記憶素子はない。一実施形態において、複数のリフレクタが使用される場合、全リフレクタが受動的であるわけではなく一つ以上の能動的なものがある実施形態が想定される。好適な実施形態では全リフレクタが実際に受動的である。受動的な(さらに使い捨ての)リフレクタを使用することは管‐検出器調節の課題にとって費用効果的な解決法を提供する。しかしながら一部の実施形態において、リフレクタは全て能動的であり得る。
一実施形態において、トランスミッタとレシーバは空間的に分離された構成要素ではなく、トランシーバに組み合わされるか、又は共通ハウジング若しくは共通回路基板若しくは同様のものに配置される。
一実施形態によれば、リフレクタ及び/又は検出器はX線源及び/又は検出器の動きとともに可動である。一実施形態において、管‐検出器システムの空間構成を調節することは検出器の放射線感受性面に対する管の距離及び/又はアライメントを変えることを含む。検出器の位置と配向は一部の使用シナリオにおいて固定されるがこれは常にそうでなくてもよく場合によってはその位置及びアライメントが管に対して調節されるのは検出器であり、調節中に固定されるのは管である。しかしながら、一部の実施形態において、管と検出器の両方が空間構成のための調節をもたらすように可動である。
一実施形態において、トランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバはX線管において配置され、一方一つ以上のリフレクタは検出器において配置される。しかしながら、逆の配置も本明細書で想定され、すなわち(複数の)リフレクタが管において配置され、検出器において配置されるのはトランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバである。"X線源において配置される"とは例えばX線管ハウジングへの一体化によって若しくはハウジング上への配置によってX線源アセンブリにおいて配置されることを意味する。しかしながら、一部の実施形態において、少なくともトランスミッタ若しくはレシーバは他の方法で、つまりX線源との定義された空間位置関係を持つように、X線源から離れて、イメージャ本体のどこかに配置される。一実施形態では、トランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバがイメージャ本体から離れて置かれ、室内の既知の場所に設置されることさえ想定される。そして管‐検出器構成の調節に取り掛かる前に上記室内に予め設置されるローカルトランシーバ及び/又はローカルトランスミッタ及び/又はローカルレシーバとイメージャを"レジストレーション"した後にナビゲーションシステムが使用され得る。そしてトランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバのセットはトランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバを共有することによって異なるイメージャのために使用されることができる。この実施形態におけるレジストレーションは、固定されたトランシーバ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバの間の相対位置/距離/配向がレジストレーションされ、この距離を考慮するために対応するオフセットが位置修正情報に適用されることを意味する。
一実施形態によれば、
X線源と検出器が整列する及び/又は既定距離にあるとき、無線信号がもはやリフレクタ(RFL)によって反射されない及び/又はもはやレシーバ(RX)において受信されないように、
i)トランスミッタがチューニングされる、並びに/或いは、
ii)リフレクタとレシーバ及び/又はリフレクタとトランスミッタが空間内で相互に配向される、及び/又は相互に対してそのような距離にある。
この実施形態において、トランスデューサによって生成される位置修正情報は(レシーバ若しくはトランシーバにおいて受信される)反射無線信号の信号強度が実質的にゼロまで減少するようにX線源若しくは検出器の動きをガイドするために適切である。このナビゲーションコンセプトは"デッドゾーン"若しくは"null応答"探索コンセプトとよばれ得る。この実施形態で使用されるリフレクタの応答の欠如(つまり上記"null応答")は、i)リフレクタ対レシーバ及び/又はトランスミッタ(又は組み合されるときはトランシーバ)の相互直交性に起因するか、又はii)トランスミッタ電流の、並びに/或いはトランスミッタ及び/又はレシーバ及び/又はトランシーバの物理的空間配置のチューニングに起因する。
ii)に関して、直交性のために、トランスミッタにおける電流はもはやリフレクタにおける応答を誘導することができず、その結果、管‐検出器システムが目標空間構成をとるとき、応答信号強度を本質的にゼロまで、又は感受性閾値よりも低く下げる。
i)に関して、チューニングはトランスミッタ/レシーバ/トランシーバの磁束パターンにおける"デッドゾーン"の形成を生じる。デッドゾーンは本質的にゼロの磁束が生じる、又は磁束がそこに置かれるリフレクタの感受性方向において少なくともゼロである場所(空間内の点、面若しくは線)である。
言い換えれば、イメージャのX線源‐検出器システムが整列する及び/又はX線源と検出器が所要距離離れるとき、レシーバにおいてリフレクタからのnull応答がある。さらに言い換えれば、ナビゲーションサブシステムは目標空間構成を見つけるためにnull応答を探し出すことを可能にする。nullゾーン若しくはnull応答はトランシーバ、又は別々に配置されるときはレシーバ若しくはトランスミッタ、又はリフレクタ(の少なくとも一部)を物理的に動かすことによって探し出されることができる。上記物理的運動に代替的に若しくは付加的に、nullゾーン若しくはnull応答は(複数の)トランシーバ若しくは(複数の)トランスミッタに供給する一つ若しくは複数の電流の振幅と位相の組み合わせを変えることによってトランスミッタ/トランシーバをチューニングする(つまり通電する)ことによってデッドゾーン自体を"電気的にシフトする"ことによって探し出されることができる。(複数の)デッドゾーン位置のこの"電気的"シフトはリフレクタの存在をより広域にわたって検索することを可能にする。トランスミッタ/レシーバは、一旦X線源と検出器の目標(空間)構成がとられたら、本質的にリフレクタ信号がレシーバによってピックアップされないようにチューニングされる。言い換えれば、計算される位置修正情報は目標空間構成へ向かってX線源‐検出器システムをガイドする"ガイドポスト"を与える。
このデッドゾーン実施形態は特定の非ゼロ信号強度の測定なしに管検出器システムを調節することを可能にする。null応答シーカー(seeker)及び/又はデッドゾーンコンセプトは比較的低周波数(医療用途にとって望ましい)を用いることを可能にし、依然としてそれぞれ数度の範囲及びmm範囲内のアライメント(つまり回転及び/又はセンタリング)と距離について解像することが可能である。
一実施形態において、"デッドゾーン"若しくは"null応答探索"の実施形態は、最初に、セットアップフェーズにおいて、(複数の)トランスミッタ/(複数の)レシーバ/(複数の)トランシーバを一つ以上のリフレクタに対して、(複数の)レシーバ対リフレクタ間の相互配向が管‐検出器システムの所望の空間構成において正確に直交するような空間的方法で戦略的に配置することによって実現される。レシーバ/リフレクタ配置に関するこのタイプの初期セットアップはデッドゾーン若しくは"直交性探索"ナビゲーション原理に基づかない他の実施形態においても要求され得る。
一実施形態によれば、X線源若しくは検出器が自動的に若しくはユーザによって手動で動かされている間に位置修正情報を更新するために、位置修正情報はデータストリームにおいて(一実施形態では"リアルタイム"に)トランスデューサによって供給される。
一実施形態によれば、イメージングシステムはさらに、i)X線源若しくは検出器の動きを生じさせるアクチュエータと、ii)アクチュエータの動作を制御し、X線源若しくは検出器の動きを制御するコントローラとを有し、コントローラは所望の空間構成を実現するために位置修正情報に応答して、及び位置修正情報に依存して作動する。この実施形態は所望の空間構成を探し出すときに管及び検出器位置/配向を自動的に変更することを可能にする。コントローラは目標空間構成がとられるようにX線源若しくは検出器のいずれかを動かすクローズドループ又は"フィードフォワード"(オープンループ)のいずれかである。構成における変化は自動的に(つまりユーザ入力なしに)生じるか、又は"遠隔制御ユニット"若しくは同様のものからのユーザ発行コマンドにコントローラが応答するという意味で半自動的に生じる。
一実施形態によれば、X線源は人のオペレータによって手動で動かされるように構成される。言い換えれば、システムは"grab‐and‐drag"システムである。例えば、一実施形態において、X線源ハウジングは多関節アーム上に配置され、ハウジングはオペレータがX線ハウジング及び従ってX線管を位置付けるために手動でX線源をあちこちに動かすことを好都合に可能にするハンドル若しくは他のグリップオプションを持つ。検出器が可動である実施形態において、上記ハンドル若しくはグリップオプションを備えるのは検出器本体である。
一実施形態によれば、システムは位置修正情報若しくは更新された位置修正情報を表示するための表示ユニットをさらに有する。
一実施形態によれば、リフレクタは各々が異なる周波数において共振するように構成される複数のリフレクタのうちの一つであり、トランスミッタは異なる周波数において無線信号を送信するように構成される。これは先に述べた通り位置修正情報に関して求められる詳細レベルを増すことを可能にする。他方で単一のリフレクタは多くて5自由度(DoF)について解像することができる。これは回転を要しない一部の実施形態にとっては十分であり得る。各々が固有周波数に応答する複数のリフレクタを使用することは、あるとすれば検出器の存在について、及び一実施形態では使用中の検出器のタイプについても調べることによって、"リアリティチェック"を実施することを可能にする。一実施形態によれば、リフレクタは各々X線源と検出器が既定距離において整列しているときに異なる配向を持つ。
一実施形態によればトランスミッタは複数のトランスミッタのうちの一つである。一実施形態において各トランスミッタは相互に対して固定若しくは可変の、異なる位置若しくは配向を持つ。これは(レシーバにおいてリフレクタから信号が受信されない)nullフィールド若しくはデッドゾーンを所要距離において形成することを可能にする。
他の組み合わせも想定される。一実施形態では、単一リフレクタと複数トランスミッタ若しくはトランシーバがある。一実施形態では、単一トランスミッタと複数レシーバ及び一つ以上のリフレクタがある。
一実施形態によれば複数のトランスミッタ(若しくはトランシーバ)はフェーズドアレイとして配置される。これは管ハウジングにおけるトランスミッタのコンパクトな統合を可能にする。一実施形態においてアレイはX線管の焦点まわりに形成される。このフェーズドアレイの実施形態は二つよりも多くのリフレクタと組み合わせて6DoFのX線源及び/又は検出器の各々について位置修正情報の信号を解像することを可能にする。
一実施形態によれば、システムはイメージング装置の人オペレータのために視覚、力覚/触覚若しくは音響/聴覚プロンプタ信号のいずれか一つ若しくは組み合わせを発するように構成されるプロンプタをさらに有し、信号は位置修正情報に依存して発せられ、X線源若しくは検出器が空間構成をとるように動かされている間に発せられるか、又は上記空間構成が一旦とられると発せられる。例えば、後者の場合、管及び/又は検出器を適宜動かした後に管‐検出器システムの所望の空間構成がとられるときのみ音声若しくは視覚信号が発せられる。
一実施形態によれば、プロンプタ信号は位置修正情報に従って変調される。例えば、一実施形態において、現在の管‐検出器構成が目標空間構成に近づくにつれ、又は一実施形態ではデッドゾーンに近づくにつれ、"チャープ若しくはビープ"などの音響信号はピッチ、若しくはシーケンス、若しくは強度若しくは別の官能属性を変更する。変調信号によって与えられる情報は一実施形態において、"Huckle buckle beanstalk"若しくは"hot or cold"のような子供のゲームにおいて与えられる位置情報と違わない、つまり所定位置にあるときどちらへ動くべきか事前にわからない。むしろ変調プロンプタ信号がどのように変化するかを観察するとき、所望の最適管‐検出器空間構成へ向かう正しい方向についての手掛かりを導き出すのは、試行錯誤による。複数のトランスミッタ/レシーバが使用される場合、運動方向も変調信号に含まれ得るので、信号はより位置の詳細を与えることができる。例えば運動方向は、例えば左若しくは右へのシフトが必要かどうか又は時計回り若しくは反時計回りに回転するかどうかなど、音若しくは視覚シンボロジーによって(ディスプレイ上のグラフィック矢印などによって)示され得る。
一実施形態によれば、トランスミッタ若しくはレシーバの少なくとも一つはX線源に取り付けられ、又はトランスミッタ若しくはレシーバの少なくとも一つはX線源から離れて位置する。
一実施形態によれば、リフレクタは検出器に取り付けられるか又はX線源に取り付けられる。
一実施形態によれば、イメージング装置はモバイルである、及び/又は検出器はポータブルタイプである。
本発明はモバイルラジオグラフィシステムのために、及び固定ラジオグラフィシステムにおける自由暴露のために適用可能である。これはそれによって二つのオブジェクトが1以上のDoFで整列される必要がある、及び二つのオブジェクトの一方を受動的にすることが望ましいいかなるシステムにも適用され得る。
本発明の実施形態例は以下の図面を参照して説明される。
ナビゲーション支援サブシステムを含むモバイルラジオグラフィシステムを示す。 ナビゲーション支援サブシステムのトランシーバとリフレクタを示す。 様々な相互配向におけるトランシーバとリフレクタを示す。 リフレクタに反射されトランシーバにおいて受信される無線信号と、当該信号がリフレクタとトランシーバの間の相互位置の関数としてどのように変化するかを示す。 複数のリフレクタを伴う配置におけるトランシーバを示す。 マルチコイルトランシーバ配置を示す。 重ね合わせた若しくは重なるマルチコイルリフレクタ配置を示す。 一つ以上のリフレクタを含む検出器の様々な実施形態を示す。 マルチコイルトランシーバの近傍周辺の磁束プロットを示す。 マルチコイルトランシーバと金属物体の近傍周辺の磁束プロットを示す。 管‐検出器システムを調節する方法のフローチャートを示す。 相互に対して回転されるトランスミッタとリフレクタを示す。
図1を参照するとモバイルX線イメージング装置IMAを含む配置が図示されている。一実施形態によれば、装置は"ドリータイプ"であり、患者PATに対して好都合な位置に位置付け可能であるようにローラ上の車台UCを有する。イメージャIMAは部屋などの固定場所に常設されず、要望通り場所から場所へあちこちに動かすことができるという意味でモバイルである。一つの可能な臨床用途(図1に例示される)はベッドサイド胸部X線であるが、例えば損傷検査が求められる場合に患者の手、足、脚若しくは頭などの他の身体部位のX線画像が頻繁に要求されるA&Eにおいて、他の使用も想定される。
臨床職員(以下オペレータ若しくはユーザとよばれる)がイメージャ100を操作するために車台に組み込まれるオペレータコンソールCONがある。コンソールCONはユーザが例えば当該コンソールCONに結合したジョイスティック若しくはペダル若しくは他の適切な入力手段を駆動することによって個々のX線暴露を発することによって画像収集を制御することを可能にする。
コンソールCONは収集したX線画像を見るため若しくはモバイルX線装置100を操作するときにユーザを支援するユーザインターフェースを表示するための表示ユニットMも含む。
イメージャの基本構成要素は(ハウジングSH内に配置される)X線管Sとモバイル若しくはポータブル検出器Dである。イメージング実行中、検出器Dは当該管Sによって発せられる放射を、患者PATの関連身体部位を通る当該放射の通過後に受信する。検出器DはX線管("管")Sと一緒に時に本明細書では"管‐検出器(サブ)システム"と呼ばれる。
一実施形態において、ポータブル検出器Dはハウジング若しくはフレームを伴う比較的フラット、スラブ、若しくはプレート状のオブジェクトである。検出器は検出器セルのアレイから形成される(一部の実施形態では平面の)放射線感受性撮像面を持つ。各セルは以下でより詳述される通りX線源から発せられる放射に応答する。一実施形態において、検出器ユニットDは約3‐5cm以下のz方向の厚みを持つx,y平面に約30cm×40cmの長方形であるが、他の形状も本明細書で想定される。放射線感受性領域は一実施形態においてハウジングの一部を形成する境界部分によって囲まれる。モバイル検出器Dはフィルムカセット若しくは完全デジタル化ユニットであり得る。一実施形態において、検出器Dは画像処理のためにコンソールへ検出画像(投影生)データを送信するために無線接続を介してX線装置操作コンソールと通信することができる。コンソールとモバイル検出器はこれをなすために適切な無線インターフェースを含む。より単純な有線実施形態も想定されるが、検出器Dとイメージャ間の通信は有線ソケット接続を介する。一部の実施形態において、散乱線除去グリッド(ASG)が使用される。ASGは本質的に検出器面から離れて検出器面に垂直に延在する小さな羽根若しくは"フィン"から形成されるグリッド状構造である。ASGは取り付けられると本質的に全検出器面をカバーする。
実際の画像収集は概して次の通り進行する:画像収集中、X線ビームXBはX線管Sから発し、(コリメータによる可能なコリメーションの後)関心領域において患者PATを通過し、その中の物質との相互作用による減衰を経験し、そのように減衰されたビームXBはそして複数の検出器セルにおいて検出器の表面に衝突する。(当該ビームXBの)個々の光線に衝突される各セルは対応する電気信号を発することによって応答する。そして当該信号の集合はデータ収集システム("DAS"‐不図示)によって上記減衰をあらわす各デジタル値へと変換される。ROI(関心領域)、例えば胸郭及び心臓組織を構成する有機物質の密度が減衰のレベルを決定する。高密度物質(骨など)は低密度物質(心臓組織など)よりも高い減衰を生じる。そしてそのようにレジストレーションされたデジタル値の集合は所与の(視野)FoV設定についてX線投影画像を形成するデジタル値のアレイへと統合される。
実際の画像収集前の重要な準備手順は所望の空間構成のための管‐検出器システムの空間調節である。このような構成は例えば患者の体格に依存して目下のイメージングタスクに依存する。構成は特にi)管Sと検出器Dの間の特異的距離(線源‐画像‐距離(SID))及びii)検出器Dの画像感受性面への若しくはそれとの管Sの配向のアライメントによって定義される。言い換えれば、特異的空間構成は最適画像を得るために必要な検出器と管の間の相互空間関係を定義する。一般にそのような最適空間管‐検出器システム構成はただ一つしかない。例えば、ASGの使用は配向(ロール、ヨー、ピッチ)について〜3°未満のアライメント誤差(個別に生じるとき)、及び〜7cm未満の軸外誤差を要求する。当該誤差が組み合わせて生じる場合、許容誤差はさらに厳しくなる。ASGと作動するときにこのようなマージンを観察しないことは画像中の望まないグリッドアーチファクトを生じ、所望の一次放射も部分的にブロックされるのでより高い線量を要し得る。画像アーチファクトを軽減するために、SID誤差は40cm未満であるべきである。しかしながら、SIDは実際に適用されるX線線量に強い影響を持つので(逆二乗則のため)、SID誤差は線量を減らすために臨床診療において好適には10cm以下であるべきである。
空間調節のこの要件に対処するために、モバイルX線装置IMAは一実施形態においてX線管ポジショニングメカニズムTSを含む。当該メカニズムはピッチ、ロール、ヨーのいずれか一つ若しくは組み合わせを調節するために実質的に基準フレームの各空間方向x,y,zに沿ったX線管XRの運動及び各方向x,y,z方向まわりの回転を可能にし、それによって6自由度(DoF)での位置調節を可能にし、管は3D空間において剛体とみなされる。これは丸い矢印で示される各回転オプションとともに管Sの焦点に原点を持つ局所座標系によって示される。X線管SポジショニングメカニズムTSは一実施形態においてその両端の一方については車台UCに取り付け、他方がそのハウジングにおいてX線管を担持する多関節アームとして実現される。言い換えれば当該管ポジショニングメカニズムはX線装置車台UCに対して可動である。多関節アームは実施形態例に過ぎず、純粋にトラックベースの方法も想定される。トラックベース法の一実施形態では、ビーム若しくはポールに沿って走るトラックのシステムがあり、管Sはトラックの一つに沿ってスライド可能であり、ビーム自体はx,y,zに沿って位置調節をもたらすようにビームのその他にわたってスライド自在に平行移動され得る。ポール若しくはビームはそれらの長手方向軸まわりに回転可能であり、並びに/或いはピッチ及び/又はロール及び/又はヨーの調節機能を与えるために管がボールジョイントを介してそのキャリーアームに取り付けられる。言い換えれば、6DoFまでの管及び/又はその焦点の空間調節を可能にする任意の機械的配置が本明細書で検討される。しかしながらこれはX線管ポジショニングメカニズムがいかなる実施形態においても、必然的に、6DoF全てについて調節を可能にしなければならないことを意味するのではなく、調節オプションが(より)制限されるより単純なシステムも本明細書で想定される。例えば、一部のシステムは管の回転オプションを伴わずにx,y軸に沿って管Sの平面調節のみを可能にしてもよく、又はヨーを調節するがピッチ若しくはロールは調節しないように回転はz軸まわりのみである。
図1に図示の通り、ハウジングは空間内の管XRの位置を手動で位置調整するためのハンドルHを含む。一実施形態において、ユーザは当該ハンドルHLによってX線管ハウジングをつかみ、患者PATに対して、特に検出器の位置/配向に対して所要位置へそれを"ドラッグ"する。電動の実施形態も想定され、その場合ステッピングモーターなどといった複数の適切な機械的アクチュエータMが配置され、それを介して各軸x,y,zに沿った動きが、本質的に管Sを位置調整するための遠隔制御機能を提供するジョイスティック若しくは他の入力装置によって独立してもたらされることができる。
使用中、モバイルX線イメージャ100はそのローラを介して、患者PATが横たわるベッドBに十分近くに位置付けられる。そして患者は起き上がるよう求められるか、又はそうするには衰弱し過ぎている場合、医療ケアスタッフによって優しく寝返りを打たされ、検出器Dがベッドの支持面上に位置付けられる。一実施形態において、ポータブル検出器ユニットDはそのポジショニングを容易にする検出器ハンドルを含む。そして患者PATは、胸若しくは背中若しくは他の関心領域でポータブル検出器Dを本質的にカバーするように寝返りを打たされるか又は横たわるように求められる。上記使用シナリオから、特に胸部X線シナリオから理解され得る通り、X線検出器の放射線感受性面自体の大部分(若しくはさらに全体)は、患者がその上に横たわっているのでイメージング中オペレータに実際に見えないかもしれない。
検出器は様々なサイズであり、例えば、かなり肥満の患者がその上に横たわるよう求められるとき、かなりコンパクトに作られた検出器は最終的に完全にカバーされ視界から隠されることになる可能性が高い。従ってモバイルイメージングにおいては、管‐検出器システムの相互空間構成が目下のイメージングタスクにとって最適なものではないため、準最適画像を収集する深刻なリスクがある。X線管/検出器及びコリメータが正しく整列されない可能性があり、及び/又はSIDが正しいものでない可能性がある。管‐検出器システムの誤った若しくは不正確な空間構成(アライメント及び距離)の危険は、管Sと検出器Dの間に剛性機械接続がないため、検出器の可動性によって悪化される。従って例えば検出器とX線管が剛性ヨーク形状Cアームの各端に対向関係で永久に及び剛性に取り付けられる常設"Cアーム"イメージャシステムの場合にあり得るように、X線管と検出器の画像面の間に永久的な、若しくは予め定義された、若しくは事前にわかっている空間構成はない。
図1における差し込み図(A)は誤る可能性があるものを示す。これはヨー外れのミスアライメントの一実施例を示し、これは例えばX線源Sのそのz軸まわりに修正角度分の回転とx,y平面における並進(必ずしもこの順序ではない)による修正を要する。対照的に、差し込み図(B)は正確なアライメントの一実施例を示し、つまりX線源の焦点を通って投じられる線(不図示)は検出器の放射線感受性面とその中心において交差し、当該線は当該中心点において放射線感受性面への接平面に垂直である。当該線は、管が作動中であるときの放射線ビームXBの中心ビーム若しくは主方向についての移動線を描く。例えば、放射線感受性面が平面であり長方形であるとき(実に一部の実施形態の場合と同様に)、中心点は放射線感受性面によって形成される長方形にわたる二つの対角線の交点によって定義される。
管‐検出器システム構成を空間的に調節するタスクをより容易に及び/又は迅速にするために、本明細書で提案されるモバイルX線イメージング装置IMA若しくはシステムはナビゲーション支援サブシステムを含む。
ナビゲーション支援は一つ以上の(無線信号)反射マーカー("リフレクタ"若しくは"タグ")RFL及び(無線信号)トランスミッタTX、及びリフレクタRFLによって反射される無線信号を受信する対応する無線信号レシーバRXを含む。受信した無線信号を位置修正情報へ変換するトランスデューサTRがある。この情報は、差し迫ったイメージングジョブのために、所要のSID及び管‐検出器アライメントが実現される(容認できる許容誤差範囲内のSID及びアライメントの両方若しくは少なくとも一方)、管‐検出器システムにとって所望の目標(空間)構成に達するために、現在の若しくは初期の管‐検出器構成をどのように空間的に調節すべきかについてのガイドの手がかりを与えるように処理される。そしてコンピュータ位置修正情報は一実施形態においてプロンプタ(プロセッサ)PRPによって人が知覚可能な官能形式へとレンダリングされることができ、これは管‐検出器構成をどのように調節すべきかについて人のユーザをガイドするのに適している。例えば、位置修正情報はモニタMなどの表示ユニット上でのビューのために視覚的にレンダリングされ得るか、又は位置修正情報は他の光学信号に変調され得るか、又は聴覚若しくは力覚/触覚形式信号へとレンダリングされ得る。位置修正情報の様々な官能形式が組み合わされてもよい。位置修正情報とその様々な官能知覚可能レンダリングは好適にはデータストリームを形成するために管‐検出器システムの空間変化に応答してリアルタイムに供給される。情報はミリ秒のオーダーで再計算若しくは更新され、それによって"リアルタイム"処理の印象をユーザに与える。
他の実施形態において、位置修正情報は代替的に若しくは付加的に、所望の管‐検出器システム構成を自動誘導的にもたらすようにX線管Sを動かし始めるためにアクチュエータACCを自動的に制御するコントローラCLCに与えられ得る。
レシーバRXとトランスミッタTXは管ヘッドS及び/又はそのハウジングSHに対して位置決めされる。例えば、一実施形態において、レシーバRX及び/又はトランスミッタTXはハウジングSH上に置かれるか、又はそうでなければ以下図6を参照する実施形態について説明される通りX線管ヘッドメカニズムに組み込まれる。
一実施形態において、レシーバとトランスミッタは単一ハウジングにおいて単一デバイスに組み合わされるか、又はトランシーバTXRXを形成するように単一回路基板上に配置される。
一実施形態において、トランシーバは管ハウジングSHの内部若しくは上に配置される。
より一般的に、一部の実施形態において、特にレシーバRXの配置はX線管/ハウジングの動き(若しくは少なくとも管運動に既知の機能的関係にある二次的運動)がレシーバRX若しくはトランスミッタTXのいずれかに同様に与えられるようなものである。例えば、一実施形態において、管の位置及び配向は管Sの位置及び配向が検出され得ることを保証するためにレシーバRX若しくはトランスミッタTX(又はトランシーバTXRX)に機械的に接続又は結合される。
一つ以上の信号リフレクタ若しくは"タグ"RFLは整列されて探し出されるように検出器D本体に取り付けられる。しかしながら一部の実施形態において、配置は逆にすることができ、検出器プレートD("患者側")に若しくはその中に配置されるのはトランシーバTXRX若しくは個別レシーバRXであり、一方X線管S若しくはX線管ハウジングSHに若しくはその中に配置されるのが一つ以上のリフレクタである。
さらに他の実施形態において、トランシーバTXRX及び/又はレシーバRX及び/又はトランスミッタTXは壁若しくはスタンド上の適切な位置に置かれるか、又は実際には天井に置かれる。そして管‐検出器システムの全体が高い位置からモニタリングされ得る。
配置スキームが使用されるかにかかわらず、TX、RX若しくはTX/RXによって定義される座標フレームがX線管の座標フレームと"決定論的"空間関係を持たなければならない(X線管Sの基準座標フレームについて図1参照)、つまり一方のフレームがわかる場合、他方のフレームが適切な変換によって計算されることができることが保証される必要がある。
ナビゲーションサブシステムの動作中、一つ以上のリフレクタタグRFLは電磁(EM)無線パルスを発することによってトランシーバTXRX若しくはトランスミッタTXによって"ピンされる(pinged)"か又は"探し出され"得る。そしてトランシーバTXRX若しくはレシーバRXはリフレクタからのエコーを"聞く"。そしてトランスデューサTRは一つ若しくは複数の反射信号(レシーバRX若しくはトランシーバTXRXにおいて受信される)をX線源Sに対する検出器Dの現在の(瞬時)位置/現在の距離及び/又は現在の配向情報へ変換する。一実施形態において、これはエコー信号の振幅を評価することによって("エコーがどれ位大きいか?")又はTX若しくはTXRX放出信号に対するエコーの位相シフト(若しくは"飛行時間")を評価することによってなされ得る。
プロンプタPRPは信号処理チェーンにおけるさらに先のステージを形成し、現在位置及び/又は距離及び/又は配向情報を、目標構成を得るために現在の検出器‐管構成に適用される必要がある位置修正情報へと変換するように動作する。
使用されるトランスミッタTX/レシーバRX及び/又はタグRFLの数に依存して、位置修正情報は増大した複雑性とコストでより詳細な情報を得るために異なるレベルにおいて解像され得る。例えば一実施形態では、ターゲットが期待される場所にあるか否かについてのみ解像されず、そうでない場合、位置修正情報はX線管の動きが手動にせよ自動的にせよ必要であることを示すに過ぎない。より詳細なレベルでは、ターゲットRFLが(管の位置に対して)左にあるか、右にあるか、又は上にあるか若しくは下にあるか、及び/又は近過ぎるか及び/又は遠過ぎるかどうかについて解像される。そして位置修正情報は必要な各修正変換の方向を示す。例えば、ターゲットRFLが期待される場所になく右に遠過ぎることが立証され、これがプロンプタPRPによってユーザに示される。
最後に一実施形態において、位置修正情報は修正運動が適用される必要がある量を規定することによって実際の距離にまで解像される。例えば、ターゲットが期待される場所になく例えば120mm右にある場合、位置情報は120mm左への修正運動が必要であることを示す。本明細書で使用される寸法は限定ではなく例示目的で使用されるに過ぎない。
上記の様々な実施形態と変更は以下の図2‐10及び12を参照して説明される。
図2を参照すると、所定(既定)周波数で励起されるトランシーバTXRXが概略的に示される。リフレクタRFLがこの周波数にチューニングされ、動作範囲内に存在する場合、当該リフレクタRFLは振動し始め、従って電磁的に放射もし始める、つまりタグRFLはトランシーバTXRXによって発せられる無線信号を電磁的に反射する。そしてレシーバRX若しくはトランシーバTXRXのレシーバ部品はリフレクタRFLからこの"エコー"をピックアップする。
その基本形において、タグRFLはインダクタンスLr(インダクタ)とキャパシタンスCr(キャパシタ)がループにおいて接続されるLCタンク回路として配置される。LCタンク素子は基板上に配列されるか又は基板に埋め込まれる。好適な実施形態において、基板上にマイクロチップ若しくはIC回路がない及び/又は自律内蔵電源がないという意味でタグRFLは"受動的"である。
リフレクタの素子は盗難防止タグにおいて使用される構成と類似してプリントインダクタ及びプリントキャパシタとして配置され得る。
リフレクタRFLは、別々に若しくは同時に複数のタグRFLを一義的に問い合わせることを可能にするよう、特異的な、一実施形態では固有の(無線)周波数のみに応答するようにさえ構成され得る。
(複数の)リフレクタは共振器として構成され得るか、又は非共振素子として、例えば"広帯域"リフレクタとして構成され得る。
トランスミッタ素子TXは問い合わせ無線信号を送信するためのエネルギーを生成する電源Vsを含む。
一実施形態において、タグRFLは所定応答時間窓中に反射信号を送り返すことによって応答する。この場合、レシーバRXは無線トランスミッタTXが問い合わせ無線信号の発信を停止したときのみフィードバックを聞くように構成され得る。時間的な分離を作り出すためにリフレクタの共振器の持続的な振動がここで利用される。別の実施形態において、レシーバRXは同時に、すなわちトランスミッタTXがまだ発信している間に、問い合わせ信号を聞くように構成され得る。リフレクタの反射信号がトランスミッタTX/トランシーバTXRX問い合わせ信号と干渉することを回避するために、RXコイルのTXコイルに対する感受性を選択的に低下させるために対称性などを利用するよう、幾何学的配置が使用され得る。さらに別の実施形態において、受動的であるが非線形の素子(ダイオードなど)がトランスミッタ問い合わせピンと異なる周波数において高調波を生成するために使用され得る。これらの実施形態の各々はその"ラウドな"トランスミッタに近いことによって生じる信号RXステージにおける信号干渉を回避するために使用され得る。言い換えれば、前述の実施形態はレシーバRXをトランスミッタTX/トランシーバTXRXから分離するのに役立つ。
一実施形態において、リフレクタは"広帯域"タイプである。この場合共振が回避されるべきであり、特に"非持続性"リフレクタRFLによって生じ得る持続的振動が回避されるべきである。しかしながら、TXRXとリフレクタの間に相互インダクタンスがあるかもしれない。RFLにおいて持続的振動がないので、RXコイルはTXコイルがまだ問い合わせている間に聞くように構成されなければならない。TXとRXの間の公称相互インダクタンスは予め決められることができる(典型的にはゼロに又は非常に低く設計される)。リフレクタの存在はこの相互インダクタンスを妨害し、そしてこれは(リフレクタの位置/配向の指標として)測定されることができ、従って以下図3‐10及び12においてより詳細に説明される通り、例えばリフレクタを磁束"デッドゾーン"へ、又は"null"応答を得るように動かすことによって補正されることができる。
以下、トランシーバTXRX構成が主に参照されるが、下記の全てはトランスミッタTXとレシーバRXが別々の構成要素として配置される構成に等しく適用可能であることが理解される。また以下ではトランシーバTXRXが管側に配置され、一方検出器タグRFが検出器側に配置される実施形態例が選ばれる。しかしながらこれは実施形態例に過ぎず、検出器側に配置されるのがトランシーバであり管側で管Sに取り付けられるのがタグRFLである逆の構成も想定されることが理解される。また、以下において、検出器Dは調節手順を通してずっと固定されていると仮定されるが、一方管Sは管‐検出器構成の所望の調節獲得をもたらすようにあちこち動かされる。
一実施形態において、使用時、無線トランシーバTXRX若しくはトランスミッタTXはタグRFLへ"ピン"を打ち、応答(若しくはその欠如)からトランスデューサTRはトランスミッタTX若しくはトランシーバTXRXに対するタグRFLの位置及び/又は配向に関するデータを計算する。好適には、両信号は同じ周波数を持ち得るが送信信号と反射信号の間で周波数変化がある実施形態があり、これはリフレクタのRFL回路におけるダイオードなどの非線形受動素子を用いることによって実現され得る。
トランスミッタTX及び/又はレシーバRXの位置がわかり、そしてタグRFLが検出器Dに取り付けられる特異的空間関係もわかるので、受信信号はトランシーバTXRX若しくはレシーバRXに対するタグRFLの現在位置及び/又は配向へ所望の詳細レベルまで解像されることができ、解像詳細レベルは使用されるトランスミッタTX/レシーバRX及びリフレクタRFLの数に依存する。これは図4‐8を参照して以下でより詳細に説明される。例えば、単一リフレクタRFLの使用は最大で5DoFについての解像を可能にし得る。例えば、単一リフレクタRFLの実施形態では、z軸(ビームXRの移動方向)まわりの回転など、全ての回転が考慮されるわけではないかもしれない。
図3はリフレクタ面に対するトランシーバ面の配向の効果を図示する。所定直交配向において、対称性のために、トランシーバTXRXとリフレクタRFLの間の信号結合はゼロになり(つまり実質的にゼロ信号強度がある)、従ってリフレクタRFLを検出不可能にする。図3において、"分度器"はこの"直交性状態"配向を角度の観点で図示する。本明細書で使用される通り、任意の二つのコイルは、それらの一方が(電流の通過の結果として)生成する磁束線が、他方が生成し得る磁束線に垂直である場合、(磁気的に)直交するとみなされる(そして自動的に逆も当てはまる)。本明細書において、当該直交性状態はレシーバ対リフレクタ配向("レシーバが引き起こしたnull応答")によって実現され得るか、又はトランスミッタ対リフレクタ配向("トランスミッタが生じたnull応答")によって生じ得るか、又は両方によることが理解される。言い換えれば、角度直交性の状態にあるとき、二つのコイル間の相互インダクタンスはそれらの相互角度配向のおかげでゼロである。しかしながら、直交性に起因するそれらの"null応答"を正確に探し出すことによって管‐検出器システムの相対ピッチ、ヨー及びロールを整列させるために一実施形態において使用されるのはまさにこの特性である。図12を参照すると、ずれた構成があるときz軸まわりのロールが検出されることができる。レシーバRX若しくはトランシーバTXRXにおける応答は二つのコイルが直交する(図示の通り)ときのみゼロになる。所望のアライメントにおいて直交性を保証するために、(図示の通り)x軸に沿ってトランスミッタのコイルを走らせ(つまりそのコイル巻線が当該x軸に巻き付けられる)、リフレクタのコイルをy軸に沿って走らせ得る。z軸まわりの回転がある場合、レシーバRXは信号をレジストレーションし、それによって検出器Dと管がずれていることを示す。これは一実施形態例に過ぎずTX若しくはRXコイル対リフレクタRFLコイルの他の適切な配置が関心軸まわりの回転を検出可能にするために使用され得ることが理解される。図12におけるスキームは、管‐検出器システムが軸zまわりのアライメントへと回転され、傾斜がある場合非ゼロ応答があるので、所望の管‐検出器構成(この場合z軸まわりのアライメント)へ向かう一義的なガイダンスを提供することが留意される。応答曲線は修正‐方向があいまいであり得るピークを持つが、このピークは(約90°の)大きな傾斜においてのみ生じ、これは(例えば管Sが可動である実施形態において)管XRを誤った方向にドラッグすることが患者PATから"離れて"向けさせ得るので、これが意図した構成になり得ないことをユーザがわかりやすくする。
図4を参照すると、単一コイルレシーバ素子においてマルチコイルトランスミッタ素子を伴うトランシーバTXRXが図示される。より具体的に、逆並列トランスミッタコイルのペア、Ltx及びLtx'が使用され、これは二つのコイルの効果が等しく反対方向である軌跡対称面を定義することを可能にする。面は磁束線の二つのローブLb1,Lb2の間に垂直に広がるものとして図4に定義される。言い換えれば、この面に中心があるリフレクタRFLも無効になるので、信号が反射されない。従って軌跡面は一実施形態に従ってnull応答若しくはデッドゾーンについての一実施例を定義する。
別の、ただし"点別の"(つまり、人工的に作られた空間内のゼロ磁束スポット)、磁束デッドゾーンの実施例が図9において以下に説明され、これは絶対項で距離を決定するためにも利用される。図4のデッドゾーン面は磁束線の対称性に基づき、リフレクタRFLのセンタリングをもたらす。このトランシーバ構成はリフレクタRFLが並進方向x及び/又はyに整列され得る2DoFアライメント能をもたらす。二つの逆並列トランスミッタコイル配置は本明細書で使用される"フェーズドアンテナアレイ"の一実施例である。図6‐9の実施形態においてフェーズドアレイ構成を参照して以下説明される通り、フェーズドアレイを用いる様々な他の実施例も一部の実施形態において想定される。
図4をさらに参照すると、y軸(Pr)に沿ってリフレクタRFLの相対位置がリフレクタ若しくは管Sを動かすことのいずれかによって変化するにつれて、エコーの強度(及び位相)が変化する(グラフ例を参照)。レシーバコイルはエコーをピックアップし、リフレクタが"上"の場合は正、リフレクタが"下"の場合は負、及びリフレクタが軌跡面上の信号ローブLb1,2間の中央にある場合はゼロである。この受信信号は必要な位置修正についての情報を与えることができる。同様の考察は二つ以上のコイルが図4のものに垂直な軌跡面で使用される場合にも当てはまる。その場合はx方向Pxrに沿って同様に調節することができる。言い換えれば、管‐検出器アライメントは二並進DoFにまで解像され得る。そして二方向のいずれかにおけるnullゾーンからの管‐検出器構成のずれをあらわす信号強度が位置修正情報を形成する。言い換えれば、このデッドゾーン探索実施形態では、管‐検出器構成がnullゾーンからずれる程度が、以下より詳細に説明される通りトランスデューサプロンプタプロセッサ回路によって聴覚、視覚若しくは触覚信号へと変調される。この変調信号は検出器への管のアライメントを修正する"手がかり"若しくはガイダンスをユーザに与える。言い換えれば、図4の実施形態例において、i)管S上の若しくはそれに対するトランスミッタTX若しくはレシーバRXの"戦略的"配置によって、及びii)検出器Dにおける(複数の)リフレクタRFLの"戦略的"配置によって、及びiii)TX、RXに対してタグRFLを置くときの"直交性"基準を観察することによって、得られる"null応答"がタグRFL(及び従って検出器D)を管Sと整列させるために有益に使用されることができる。
図4中のグラフは受信信号強度及び極性対Pr偏差をプロットする。極性は管位置に適用される必要がある修正動作の方向についての手がかりを与える。代替的に、"null"がトランスミッタ強度及び/又は位相の組み合わせによって任意軌跡面において戦略的に作られることができる。図4の曲線に見られ得る通り、デッドゾーンDZを左若しくは右へ離れるとき、受信信号はピークに達し、そしてPr軸に沿って漸近的に消える。DZから離れる"誤った"動きは、ユーザが誤った方向に(つまりデッドゾーンから離れて)動いていることを常識から認識することができる、所望の構成から非常に大きく外れて動かなければならないので、ほとんどの場合回避されることができる。
図5はマルチリフレクタ構成を概略的に示す。各タグRFLは固有周波数にチューニングされ、当該周波数のみに応答する。適切なトランシーバ周波数を選ぶことによって、複数のリフレクタRFLからリフレクタのうちただ一つが選択的に問い合わせ/ピンされることができる。従って、適切なトランシーバ周波数を選択することによって多数のタグRFLが一意的に"アドレス指定"されることができる。一実施形態において、検出器ユニットDは当該検出器D上に戦略的に位置する複数の一意的に応答するタグRFLを担持する。そしてこれは検出器の位置と配向がトランシーバ(及び従ってX線源)に対して6自由度まで測定されることを可能にする。マルチタグ配置の実施例は以下図8a,bにおいて示される。
本明細書で使用される"戦略的に位置する"とは制御工学の言葉で"可観測性最大化"を意味する。これは例えば金属物体、ベッドポストなどから離れた配置など、干渉を回避若しくは最小化するリフレクタRFL及び/又はトランシーバTXRX、若しくはレシーバRX、若しくはトランスミッタTXの配置を選ぶことを含み得る。検出器の散乱線除去グリッドASGは別の干渉源であり得る。このASG由来の干渉は、例えば渦電流の形成を回避するようにASGの羽根若しくはフィンを相互から絶縁することなどによって、電気的"ループ"がその構成において回避されるようなASG構成を持つことによって軽減され得る。代替的に、リフレクタはASGから離れた場所に、例えば図8b右側の実施形態について図示の通り検出器ハウジング上に、ただしASGから可能な限り遠く離れて、置かれ得る。一実施形態において、ASGは例えばアルミニウムから形成され、強磁性物質若しくはリードから形成されず、又は非金属物質から形成される。また、戦略的配置の目的の促進のために、各々が既定周波数のみにおいて反射する複数のリフレクタを使用することは、"サニティチェック"の実施を可能にし、或いは、全リフレクタが存在することを保証するため、及び望まない若しくは寄生反射から区別するために、検出信号に対する冗長性となる。この実施形態において、トランスデューサTRステージは受信信号をその信頼性について処理する論理回路を含む。例えば、信号は複数のリフレクタから固有の既定周波数の組み合わせが検出される場合のみ有効と判断され得る。リフレクタ周波数の特異的組み合わせは特定検出器‐デバイスを識別する固有"バーコード"を構成し得る。複数のリフレクタは、環境が(無線閉塞のために又は強い寄生共振のために)特定リフレクタからの信号を受信することを不可能にするので依然少なくとも第二の測定点若しくはオプションが存在する場合に有用であり得る。
図6は管S周辺に配置されるトランシーバコイルの"スマートな"幾何学的配置の実施形態例である。利用可能面積を最大限利用するよう、トランシーバTXRXの四つのトランスミッタコイルA,B,C,DがX線エミッタ‐アパーチャX周辺に第一アレイARCにおいて配置される。この象限構成は"上下"方向だけでなく"左右"方向におけるリフレクタRFLの識別を可能にする。一実施形態において、第一アレイに隣接し平行な4コイルアレイのさらなる第二のセットARCがある。これは管ヘッドSの層状フェーズドアレイ配置にさらなるDoFについての解像能を追加し、それによって図6の実施形態のDoF解像能を3DoFにする。図6において、素子A/B/C/Dは例えば点線の通り(若しくは円として)走る溝を各々が伴う四つのプラスチックフォーマをあらわし、そして通電導体(一つ以上のターン)が各溝において走らされる。他の実施形態において、コイルはPCBコイルとして配置されるか、又はフォーマは(例えば銅)ワイヤを保持する成型プラスチックケージである。上記電流をこれらのコイルに与えるフィードライン(例えばツイストペア)もある。図6の上部はその長手方向軸(つまりコイルが巻き付けられている軸)に沿った四つのコイルの平面図を示し、磁束線は紙面に垂直である。図6の下部において、各コイル、例えばF及びBはそれらの軸を平行にし、縦に並んで配列される。図6では8コイルが平行であるように図示されるが、これは単なる実施形態例であり、必ずしも平行でない、異なるコイル‐形状及び/又はコイルアセンブリも本明細書で想定され、異なる磁束密度パターンをもたらす。
図7は図6の層状フェーズドアレイ構成のより詳細を示す。一実施形態において、フェーズドアレイの実現は個々のコイル素子を励起するときに異なる極性を選択することによる。例えば、コイルの組み合わせ(A+B)を正弦波信号+iで駆動し、及び同時にコイルの組み合わせ(C+D)を正弦波信号−iで駆動して、各タグRFL3ループ(及び従って検出器本体D)が上/下方向Pyに"センタリング"されることができる。各面まわりの各DoFについて同様のセンタリングが、以下のようにコイルグループを(対向極性で)駆動することによって実現され得る:
・左右方向Pxに沿ってセンタリングするために(A+D)及び(B+C);
・Pzに沿って"前後"検索においてセンタリングするために(A+B+C+D)及び(E+F+G+H)。
図7は多平面まわりのセンタリングを可能にするので、図7の配置は(一平面まわりのセンタリング例を示す)図4のセンタリング概念をさらに採用する。
図6において、A,B,C,Dコイルは"回転"波形("メキシカンウェーブ")で駆動され得る、つまりコイルは各々に一つずつ四つの正弦波で駆動される。四つの正弦波は同じ周波数を持つが、その位相に関して0‐90‐180‐270度離れている。これは回転"シーカー"場を作り出し、正確に回転軸を中心とするリフレクタコイルからのゼロ応答を与え得る。しかしながら、上記四つのコイル配置A+B+C+D若しくはE+F+G+Hは一実施形態例に過ぎず、各層ごとに四つよりも少ない(若しくは多い)コイルを持つフェーズドアレイ構成が代わりに使用されてもよい。
図8a,bは検出器プレートD上の、若しくはそれに対する、リフレクタコイルRFL配置についての実施例を示す。タグRFL配置のこの実施形態では、図3に関して上述した直交性のために適正にセンタリングされたときリフレクタコイルRFL2のみがトランシーバと"通信"することができる。他の二つのコイルRFL1及びRFL3は、各々TXのインダクタンスLsに直交し、瞬時のアライメントにおいて"不可視"のままであり、従って非反応性であるためタグRFL1及びRFL3からRXにおいて信号が受信されない。この実施形態において、三つのタグRFLは各々が他の二つに直交するループとして配置される。
コイルRFL2,3は必ずしも図8に示すように検出器デバイスDの側面まわりに配置されず、若しくは巻き付けられない。これは一実施形態例に過ぎない。
一実施形態例において、リフレクタ素子RFLは"分割"され、例えば小さなパッチとして広げられ、X線検出器Dの放射線感受性領域を遮蔽しないように位置付けられる。これは図8bの右側のRFLタグ配置で示され、RFLタグは検出器Dの境界部の角部分に収まるほど十分に小さく、放射線感受性領域に及ばないが、検出器ハウジングの境界に限局されるパッチ(目下のスペースの制約に適合する円形若しくは四角形若しくは他の適切な形状)である。検出器プレートの厚さが許す場合エッジ面ED上の配置も想定される。配置は対称若しくは非対称のいずれかであり得る。図8bの左側に、全部で五つのコイルが使用される配置がある。一つは検出器の境界部をたどるように検出器面内に配列されるが、残る四つは各グループに二コイル、二つの平行グループに配列される。各グループ内の各コイルは境界コイルに直交するが、異なるグループからのコイルは四つの検出器エッジの異なるペアにわたって検出器本体まわりに巻き付けられ、各グループ内の各コイルは各検出器境界部に限局される。
一つ以上のタグRFLはタグ内に配置される粘着ステッカーを介して、又はクリップを介して管S若しくは検出器Dに取り付けられるか、又は永久に若しくは移動できないように検出器D本体にねじ留め若しくはボルト締めされ得る。一実施形態において、検出器はトラックにマッチするように適切に形成されるタグRFLをその中にスライドして受けるようにハウジング内に形成されるトラックを含む。タグRFLは検出器ハウジング内部に組み込まれ得る(そのため人の観察者にとって見えない)か又は外側に、検出器ハウジング上に配置される。
図9は絶対ポジショニングのため、及び単にセンタリングとアライメントのためだけでなく、図4、8のようにnull若しくはデッドゾーンを探索するように構成されるフェーズドアレイを示す。この実施形態例において、二つの有効コイルグループA+B+C+D及びE+F+G+Hは図6、7と同様に"背中合わせ"で平行であり、各コイルグループは特定比率、例えば+2i及び−iで対向電流によって駆動される。図9はその長手方向軸と磁束線が紙面に平行なコイルのビューを示す。言い換えれば、図9はフェーズド対向平行トランスミッタTX(又は一実施形態ではトランシーバTXRX)コイルを示す。
コイルの幾何学的形状に依存して、この配置はコイルから特定距離において"null"スポットDZ(及び二コイル間に第二の痕跡'null'スポット)の形成をもたらす。これはこれら二つのコイルが対向するので生じる。コイルの軸に沿った磁場強度Bは軸方向距離の逆二乗として減少する。(遠い)距離では、より多くの電流を流すコイルが優勢になる。近い距離では、他の(より弱い)コイルが近さのために優勢になる。これは磁場の絶対値|B|がちょうどゼロである共通軸に沿ったちょうど二つのnull点を作り出す。これらnull点の一つ、痕跡nullスポットは二つのコイル間にあるはずであり、ここでは関心対象でない。他方のnullスポット若しくは点は二コイルグループの外側で(弱い)コイル側にある。これはビオ・サバールの法則の直接の結果であり、それによって磁束密度は距離の二乗に反比例する。両null点はコイルの(共通)軸上にある。リフレクタRFLがこのスポットDZよりもトランシーバに近い場合、近い方の(−i)コイルがより優勢であり、エコーに対して負の位相をもたらす。リフレクタが遠過ぎる場合、他方のコイル(+2iにおいて励起される)が優勢なものとなり、この場合反射信号は正の位相を持つことになる(すなわち"+2i"信号と"同相")。ちょうど"null"点DZにおいて、二つのトランスミッタコイルシステムによって生じる磁束はデッドゾーンスポットDZにおいて相互に相殺する。これは図9に磁束密度で示され、シェーディングはスポットDZにおいてゼロ密度を持つ磁場Bの磁束密度(テスラ)をエンコードする。この技術は軸(ここではz軸)に沿って位置を探し出すために非常に有効であるが、他の方向に沿って位置を探し出すためにはあまり有効でないかもしれない。従って、さらなるDoFを解像するために、図9の実施形態は図4の実施形態と組み合わされ得る。例えば、管Sと検出器Dを軸方向に整列させるために図4のように面内センタリングシフト左/右/上/下検索を見つけるために時間領域多重化(例えば、図6の実施形態に関して"メキシカンウェーブ"駆動スキームで前述した通り)を使用し得る。これがなされると、ユーザは正確なX線源‐検出器距離を設定するために図9のようにデッドゾーンを検索するために上記軸に沿ってシフトするよう促される。プロンプタPRPは例えば上記軸からのずれに従って聴覚/視覚若しくは触覚信号を変調することによって中心軸zに沿ってのみ移動を調節するようにユーザをガイドするように動作し得る。ユーザが大きく外れ過ぎる場合、もう一度再センタリングするために図4のようなさらなる反復が必要になり得る。
反射エコーの極性は所望の修正方向の指標である。さらに、二つのコイルをそれぞれ励起するために使用される電流‐振幅i1,i2の比率は、特定の(異なる)検出器にとって所望のSIDのために調節するようz軸に沿ってデッドゾーンDZを"少しずつ動かす"ように、又はリフレクタRFLの存在をより広域にわたって検索するために範囲を拡大するように調節され得る。距離対磁束のグラフが例示のため図9の右下にプロットされ、異なる極性(+/−)が推奨修正方向の指標として使用され得る。(信号'+2i'と比較して)負の位相を持つ受信信号はRFLが近過ぎることを示し、一方正の位相値はRFLが遠過ぎることを示す。一実施形態において、磁束値は位置修正情報として与えられ、値は管位置/配向への変化に応じてリアルタイムに更新される。単純な試行錯誤法において、ユーザはX線管ヘッドの位置変化とともに磁束値(及び特にその極性)がどう変化するかについて理解するためにX線管を暫定的に動かすことができる。このようにしてユーザはリアルタイムに表示される磁束値を観察することによって所望の管‐検出器構成の方へガイドされ、磁束が十分な程度で相殺されるまで管ヘッドを注意深くあちこち動かす。そのため方向の手掛かりが与えられない場合であっても、ユーザは依然デッドゾーンへの道を試行錯誤することができる。受信信号の極性(すなわち受信無線信号によって誘導される受信コイルにおける電流の極性)が処理され変調され、ユーザ若しくは管運動制御CLCのために与えられるとき、ユーザはデッドゾーンに近づくために適用すべき方向、並進若しくは回転について知らされるので、より詳細な修正の手掛かりが提供され得る。
図4を図9と比較すると、図4では、磁束成分Bxが対称性のためにゼロである軌跡面が作られる。これは距離ではなく方向/センタリングの局在化を可能にする。図9における実施形態自体は、電流とその極性のチューニングにより、デッドゾーン(逆二乗若しくは逆三乗減少のためにゼロ磁束を伴う)ポイントを形成して絶対項において距離を"固定(peg)"することを可能にする。リフレクタコイルが上記デッドゾーンスポットDZを通過するとき、その配向を問わず、リフレクタコイルから反応はない。図4と図9の実施形態を組み合わせることによって(図6におけるフェーズドアレイはこのような組み合わせの一実施形態例である)、所望の距離におけるセンタリングとポジショニングを実現することができるが、より低いDoF解像能が目下のタスクにとって十分である場合、一部の実施形態では他方を伴わずに図4若しくは図9のいずれか一方が使用され得る。一実施形態において、ナビゲーション支援サブシステムは目下のイメージングタスクにナビゲーション支援を調節するために選択距離におけるnullの検索をもたらすように極性及び/又は比率を変更することをユーザに促すユーザインターフェース(イメージャに組み込まれるモニタM若しくは専用LCDディスプレイ若しくは同様のものにおいて示される)を含み得る。一実施形態では、クリックボックス、ドロップダウンメニュー若しくは他の示唆的GUIウィジェットを介して特定検出器‐デバイスのためのSID仕様を供給することをユーザに促すためにスクリーンM上に(少なくとも最初は)表示されるセットアップGUIが使用され得る。現在のイメージングセッションのために使用されるべきSIDをユーザがタイプするキーボードなどの他のユーザ入力手段もより単純な実施形態において想定される。そして供給されるSIDは対応するコイル極性と振幅にマッピングされ、それに従ってトランスミッタ/トランシーバエミッタコイルを励起する。
代替的な実施形態において、図9のものと同様のシミュレーションプロットが距離ゲージを重ね合わせてモニタM若しくは専用(LCD若しくは他の)表示ユニット上に表示される。代替的に、表示されるものは磁束対距離グラフである。そしてユーザは二つのコイル電流をチューニングするために適切なGUIスライダ若しくは他の入力源を操作する。チューニング動作はデッドゾーンマーカーがASGを伴う検出器にとって所望のSIDをとるまでプロット若しくはグラフにわたって動くマーカー(クロスヘア、円若しくは他の適切なマーカー記号として示される)によって図示される。そして対応する電流値/極性は選択されたコイル電流の設定をもたらすためにコイル制御回路へ転送される。
本明細書で提案されるナビゲーション支援をイメージング装置にフィットさせた後に必要な所定の初期セットアップ作業があり得ることが理解されるべきである。セットアップ手順において、トランスミッタ/トランシーバの極性及び電流振幅を調節することにより、及びトランスミッタ/レシーバ及びタグRFLの適切な直交配置により、デッドゾーンが所要のSIDにおいて及び許容可能なアライメントにおいて形成されることが保証される。ナビゲーションサブシステムはそれによって最初に管‐検出器システムの許容可能な空間目標構成へセットアップされ、この目標構成はその後、信号デッドゾーンDZと、タグRFL及びトランシーバTXRX若しくはトランスミッタTX、若しくはレシーバRX間の適切な相互直交配向を見つけるために反射無線信号を処理するときに"読み出される"か又は"再発見"されることができる。
図10は図9のようなシミュレーションデータに基づき、得られる"null"点DZの絶対位置がリフレクタRFLの近傍の磁気部MP(この実施例ではステンレス鋼)の存在に合理的に反応しないことを示す。これは提案されるナビゲーション支援サブシステムがベッド部品、機器、プロテーゼなどのような(フェロ)金属物体が多い典型的な臨床環境においてロバストに使用されることができることを示す。
一実施形態において、プロンプタはデッドゾーンDZからのずれを示す視覚インジケータを含み、それを駆動する。例えば、各々がマルチセグメントを持つ一つ以上の棒グラフ(例えば携帯電話で使用される充電インジケータとよく似た)が使用され、各々が各DoF及びコイルペアと関連する。各棒グラフは言わば"DoFチャネル"を形成し、所望の管‐検出器構成を見つけるためにX線源があちこち動かされるにつれてセグメント(棒)の表示数が上下することによって反応する。デッドゾーン近接は、管‐検出器構成が、対応するデッドゾーンがレシーバRX‐トランスデューサTR回路によって検出される標的構成に近づくにつれてより多くの棒セグメントを表示することによってエンコードされ得る。デッドゾーン若しくは相互直交性の状態に近づくにつれて表示される棒セグメントが次第に少なくなるような逆もまた可能である。そしてユーザはモニタリングされる自由度の各々について、各棒グラフが消えるまで又は最大数のセグメントが各DoFについて表示されるまで、管位置を調節する。
プロンプタPRPによって供給される視覚インジケータは、個別のLCDディスプレイ上でのビューのため、又はコンソールのモニタM上にステータスアイコン表示としてレンダリングされる仮想GUIとして、レンダリングされ得る。コンソールモニタM若しくは個別表示ユニットは、ユーザが管を動かしながら容易に調査しそれらを見張ることができるように配置される。例えば、コンソールモニタMが使用される場合、多関節モニタホルダアームが一実施形態では一端がイメージャIMAの車台UCに取り付けられ、一方他端はモニタMを受ける。モニタはそれによって好都合な位置へと動かされることができるので、管の位置を調節するときにプロンプタによって供給される視覚的手がかりが容易に観察されることができる。同様に、(小型LCD表示ユニットとして実現される)個別のプロンプタディスプレイを伴う実施形態において、これはイメージャのハウジング内の調査しやすい場所に埋め込まれ得るか、又は管ヘッドハウジングに組み込まれ得る。
一実施形態において、プロンプタPRP回路はスピーカシステムを含みそれを駆動し、所要の位置修正情報、つまり管若しくは検出器の動きに従って音の大きさ及び/又はピッチを変調するように動作する。管‐検出器システムが所望の目標空間構成に近づくほど、音が大きくなるか若しくはピッチが高くなり、或いは逆に管‐検出器システムが所望の目標空間構成に近いほど大きさが減少し、及び/又はピッチが低くなる。
一実施形態において、適切な電磁手段で、それを用いてユーザが管Sの動きを制御するユーザ入力手段に異なる周波数の機械的振動が与えられる、プロンプタ触覚/力覚変調が想定される。例えば、遠隔制御の実施形態において、管運動制御ジョイスティックが振動にセットされ、又はアクチュエータなしの手動実施形態において、ユーザが管をあちこち動かすためにそれをつかむ間ユーザの手に振動運動を与えるように構成されるものはハンドルである。ジョイスティック又は管ハンドルの振動周波数は位置修正情報によって変化するように変調される。例えば、振動周波数は管がデッドゾーンから離れて動かされているときは増加し、デッドゾーンDZに向かって動いているときは減少し、そうしてユーザガイド運動を正しい方向に少しずつ動かす。
他の視覚オプションはハウジング上、車台上若しくは他の方法で配置されるランプを持つことであり、その光強度は管をデッドゾーンから離して若しくはデッドゾーンへ向かって動かすかどうかをユーザに示すように信号強度とともに変化する。このように光強度を変調する代わりに、点滅周波数が変調され得るか、又は光のスペクトルがデッドゾーンDZへの近さを示唆するために所定範囲にわたって変更され得る。例えばプロンプタPRPは異なるスペクトルにおいて発光するカラーLEDのアレイを選択的に駆動し得る。例えば、デッドゾーンから離れるときに赤色LEDを励起し、一方デッドゾーン若しくは直交状態に近づくときは赤色の代わりに橙色そして緑色LEDが励起されることによって、示唆的なカラーシンボロジーが実現され得る。
様々な変調実施形態がデッドゾーンDZ検索実施形態を参照して上記で説明されているが、上記感覚信号変調は、位相若しくは飛行時間若しくは他の原理が管‐検出器システムの所望の空間構成を決定するターゲットRFLを探し出すために使用される他の実施形態において同様に応用されることが理解される。
本明細書で使用される無線信号の一つ若しくは複数の周波数は医療コンプライアンスのために適応され、誘電体(患者の体)に所要の非感受性を持つように選択される。kHzからMHz範囲、又はより具体的には30kHzから1MHzの範囲の低周波数無線信号を使用することが有利であるとわかっている。
提案されるナビゲーション支援サブシステムは既存のモバイルイメージャに"アドオン"として好都合にインストールされることができることも上記から理解されるべきである。適切な数のRFLリフレクタが例えばアップグレードされるべきイメージャの検出器に取り付けられる必要があり、トランスデューサTRが中央サーバ上に又はイメージャのワークステーション若しくはコンソール上にインストールされる。トランスデューサ及び/又はプロンプタ回路は例えば適切にプログラムされるフィールドデバイスとして、スタンドアロンデバイスとしても配置され得る。トランスミッタTX、レシーバRX若しくはトランシーバTXRXは目下の特定イメージングタスクのためのセットアップ若しくはインストールフェーズにおいてモバイルイメージャ上に若しくはモバイルイメージャに対して適切に配置される。
X線イメージャがドリータイプとして示される図3における実施形態は例に過ぎないこともまた理解される。例えば、異なる実施形態において、モバイルX線装置の天井取り付け実施形態が代わりに使用され得る。この実施形態はX線管が検査室内のどこにでも位置付けられることができるという意味で依然"モバイル"であり、特に依然としてモバイル検出器との(永久的な)機械的接続がない。この実施形態では部屋の天井に固定される頭上台車がある。頭上台車は多関節サスペンションアームを持つ。サスペンションアームはX線管を保持し、そしてこれは先に説明したドリータイプイメージャと同様に位置付けられることができる。先と同様に、管は遠隔制御によって位置調整可能であり得るか、又は所望の位置及び/又はアライメントへハンドルHを介してユーザによって手動で"ドラッグ"され得る。
ナビゲーションイメージャサブシステムの構成要素、つまりトランスデューサTR、プロンプタPRPプロセッサ、及びトランスミッタTX、レシーバRX(若しくはトランシーバTXRX)に接続するインターフェースは、Matlab(登録商標)などの適切な科学計算プラットフォームにおいてプログラムされ、そして、ライブラリ内に維持されワークステーションWSによって要求されるときにリンクされるC++若しくはCルーチンに変換される。構成要素は専用FPGAとして若しくはハードワイヤードスタンドアロンチップとして配置され得る。一実施形態において、構成要素はコンソールをサポートするイメージャのワークステーション上のソフトウェアモジュールとして実行する。他の実施形態において、ソフトウェアモジュールは中央サーバシステム上にインストールされ、ナビゲーション支援が実行されるべき場合に適切な通信ネットワークを介してイメージャのワークステーションが"クライアント"としてそれに接続する。この"シン"クライアント実施形態では、大きな医療施設内の多数のモバイルイメージャをサーバがサポートし得ることが想定される。トランスデューサTR及び/又はプロンプタPRPプロセッサ回路及びプロンプタがユーザをガイドするための各出力手段(スピーカシステム、点滅光など)は個別モバイルデバイス若しくは"ナビゲーションキット"として配置され、これはスタンドアロンである(そのためその独自のオペレーティングシステムと電源及び/又は表示(LSD若しくは同様の)ユニットなどを持つ)か、及び/又はイメージャのコンソールCON/ワークステーションと接続可能であるか又はその上にインストール可能である。後者の場合、コンソールCONのモニタM及び/又はスピーカシステム(もしあれば)が使用され得る。
提案されるナビゲーションシステムは、加速度計若しくは同様のもので"下"方向を感知する感知手段、及び/又は検出器D(見える場合)若しくは患者PAT上に管から投影されるレーザドット/十字/線/多角形若しくは他の"クロスヘア"光投影を使用する光ベースの"ラフポジショニング"設備といった他のポジショニング/アライメント支援と組み合わされ得る。加速度計は重力測定のために使用され、1度の何分の1かまで"下"方向を特定することができ、管‐検出器構成の角度整列(3回転DoFのうち2)を助けるように(上記実施形態のような)位置修正情報を補うこともできる。
図11を参照すると、イメージング装置の管‐検出器システムの空間構成を調節する方法のフローチャートが示される。管及び/又は検出器は可動である。
ステップS1100において、問い合わせ無線信号がトランスミッタから発せられる。
ステップS1105において、発せられた無線信号が一つ以上のリフレクタタグに反射される。
ステップS1110において、反射された無線信号がレシーバにおいて受信される。トランスミッタ、レシーバ及び一つ以上のリフレクタの相互空間関係は、反射信号が管若しくは検出器のいずれか、又は両方の動き及び/又は配向及び/又は位置によって影響されるようなものである。一実施形態においてトランスミッタ及び/又はレシーバは管において配置されるが一つ以上のタグは検出器において配置される。一実施形態において、トランスミッタ/トランシーバコイルの饋電電流は、管が検出器から所望の距離に位置するときに無線信号がもはやレシーバにおいて受信されないように、及び/又は管と検出器が(所望の)アライメントにあるときにリフレクタコイルとレシーバコイル、又はトランスミッタコイル、又はトランシーバコイル間の相互直交性があるためもはや受信されないように、チューニングされる。
ステップS1115において、受信信号は管検出器システムの所望の目標空間構成へ向かって管と検出器いずれかの動きをガイドするのに適した位置修正へと変換される。
ステップS1120において、位置修正情報は管若しくは検出器への上記位置修正情報の適用を促すためにプロンプタによって感覚信号形式にレンダリングされる。感覚信号形式(聴覚、触覚、視覚若しくはその他の方法)は、例えば管と検出器間の所望の空間構成を実現するように管及び/又は検出器を動かすことによって位置修正情報を適用するようユーザをガイドするために位置修正情報に従って変調される。
ステップS1125において、さらなる無線信号がステップS1105で受信されるかどうかが決定される("聞かれる")。さらなる無線信号が受信される場合、位置修正情報及びプロンプトの更新をもたらすために上記ステップS1115‐S1120が繰り返される。
本発明の別の実施形態例において、先の実施形態の一つにかかる方法の方法ステップを適切なシステム上で実行するように適応されることを特徴とするコンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム素子が提供される。
従ってコンピュータプログラム素子は、これも本発明の実施形態の一部であり得るコンピュータユニット上に記憶され得る。このコンピュータユニットは上記方法のステップを実行するか又は実行を誘導するように適応され得る。さらに、これは上記装置の構成要素を操作するように適応され得る。コンピュータユニットは自動的に動作するか及び/又はユーザの命令を実行するように適応され得る。コンピュータプログラムはデータプロセッサのワーキングメモリにロードされ得る。データプロセッサは従って本発明の方法を実行するように装備され得る。
本発明のこの実施形態例は最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、アップデートによって既存プログラムを本発明を使用するプログラムにするコンピュータプログラムの両方をカバーする。
さらに、コンピュータプログラム素子は上記方法の実施形態例の手順を実行する必要な全ステップを提供することができてもよい。
本発明のさらなる実施形態例によれば、CD‐ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は前節によって記載されるコンピュータプログラム素子をその上に記憶する。
コンピュータプログラムは他のハードウェアと一緒に若しくはその一部として供給される光学記憶媒体若しくはソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶及び/又は分散され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムなどを介して、他の形式で分散されてもよい。
しかしながら、コンピュータプログラムはワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされることができる。本発明のさらなる実施形態例によれば、コンピュータプログラム素子をダウンロードのために利用可能にするための媒体が提供され、当該コンピュータプログラム素子は本発明の前述の実施形態の一つにかかる方法を実行するように構成される。
本発明の実施形態は異なる主題を参照して記載されていることが留意されるべきである。特に、一部の実施形態は方法タイプクレームに関して記載されるが、他の実施形態は装置タイプクレームに関して記載される。しかしながら、当業者は上記及び以下の記載から、他に通知されない限り、一つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組み合わせもまた本願とともに開示されるとみなされることを推測するだろう。しかしながら、全特徴は組み合わされて特徴の単なる総和にとどまらない相乗効果を提供することができる。
本発明は図面及び上記記載において詳細に図示され記載されているが、かかる図示と記載は例示若しくは説明であって限定ではないとみなされるものとする。本発明は開示の実施形態に限定されない。開示の実施形態への他の変更は図面、開示及び添付のクレームの考察から、請求される発明を実践する上で当業者によって理解されもたらされることができる。
クレームにおいて、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一のプロセッサ若しくは他のユニットはクレームに列挙される複数の項目の機能を満たし得る。特定の手段が相互に異なる従属クレームに列挙されるという単なる事実はこれら手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。クレームにおける任意の参照記号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。

Claims (19)

  1. X線源と、当該X線源から放出可能なX線放射を受信するための検出器とを持つイメージング装置であって、前記X線源が前記検出器に対して可動であるか又は前記検出器が前記X線源に対して可動である、イメージング装置と、
    無線信号を送信するためのトランスミッタと、
    前記無線信号を反射するように構成されるリフレクタと、
    反射された前記無線信号を受信するためのレシーバと、
    受信された前記無線信号を、前記X線源と前記検出器が整列する及び/又は相互から既定距離にあるX線源と検出器の空間構成を実現するように前記X線源若しくは前記検出器の動きをガイドするために適切な位置修正情報へと変換するように動作可能なトランスデューサであって、前記トランスデューサによって生成される前記位置修正情報は前記レシーバにおいて受信される前記無線信号の信号強度に基づく、トランスデューサと
    を有する、イメージングシステム。
  2. 前記リフレクタ及び/又はトランスミッタ及び/又はレシーバは前記X線源の動き及び/又は前記検出器の動きとともに可動であり、
    前記X線源と前記検出器が整列する及び/又は既定距離にあるとき、前記無線信号がもはや前記リフレクタによって反射可能ではないように、及び/又はもはや前記レシーバにおいて受信可能ではないように、
    i)前記トランスミッタがチューニングされ、及び/又は
    ii)前記リフレクタと前記レシーバ若しくは前記リフレクタと前記トランスミッタが空間内で相互に配向され、
    前記位置修正情報は前記レシーバにおいて受信される反射された前記無線信号の信号強度を減少させるように前記X線源若しくは前記検出器の動き及び/又は配向の変化をガイドするために適切である、
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記X線源若しくは前記検出器が自動的に若しくはユーザによって手動で動かされている間に前記位置修正情報を更新するために、前記位置修正情報がデータストリームにおいて前記トランスデューサによって供給可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記X線源若しくは前記検出器の動きをもたらすアクチュエータと、
    前記アクチュエータの動作を制御し、前記X線源若しくは前記検出器の動きを制御するコントローラとをさらに有し、前記コントローラは所望の空間構成を実現するように前記位置修正情報に応じて及び前記位置修正情報に依存して動作する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記X線源若しくは前記検出器が人のオペレータによって手動で動かされるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記位置修正情報若しくは更新された位置修正情報を表示するための表示ユニットをさらに有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記リフレクタは各々が異なる周波数において共振するように構成される複数のリフレクタのうちの一つであり、前記トランスミッタは前記異なる周波数において前記無線信号を送信するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記リフレクタは前記X線源と前記検出器が既定距離において整列するときに各々が異なる配向を持つ複数のリフレクタのうちの一つである、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記トランスミッタは各々が相互に対し固定若しくは可変の異なる位置若しくは配向を持つ複数のトランスミッタのうちの一つである、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記トランスミッタがフェーズドアレイとして配置される複数のトランスミッタのうちの一つである、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記イメージング装置の人のオペレータのための光学、触覚若しくは聴覚プロンプタ信号のいずれか一つ若しくは組み合わせを発するように構成されるプロンプタをさらに有し、前記信号は前記位置修正情報に依存して変調され、前記空間構成をとるように前記X線源若しくは前記検出器が動かされている間に発せられるか、又は一旦前記空間構成がとられると発せられる、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記トランスミッタと前記レシーバが共通ハウジング内にトランシーバとして構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記トランスミッタ若しくは前記レシーバの少なくとも一方が前記X線源に取り付けられるか、又は前記トランスミッタ若しくは前記レシーバの少なくとも一方が前記X線源から離れて位置する、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記リフレクタが前記検出器又は前記X線源に取り付けられる、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記イメージング装置がモバイルである、及び/又は前記検出器がポータブルタイプである、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. X線源と、当該X線源から放出可能なX線放射を受信するための検出器とを含むイメージング装置の空間構成を調節する方法であって、前記X線源が前記検出器に対して可動であるか又は前記検出器が前記X線源に対して可動である方法において、
    無線信号を送信するステップと、
    前記無線信号をリフレクタにおいて反射するステップと、
    反射された前記無線信号をレシーバにおいて受信するステップと、
    受信された前記無線信号を、前記X線源と前記検出器が整列する及び/又は相互から既定距離にあるX線源と検出器の空間構成を実現するように前記X線源若しくは前記検出器の動きをガイドするために適切な位置修正情報へと変換するステップであって、前記位置修正情報は前記レシーバにおいて受信される前記無線信号の信号強度に基づく、ステップと
    を有する方法。
  17. 前記位置修正情報に従って変調される信号を用いて、前記X線源若しくは前記検出器に前記位置修正情報を適用するように人のユーザをガイドするステップを有する、請求項16に記載の方法。
  18. 処理ユニットによって実行されるとき、請求項16から17の方法ステップを実行するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステムを制御するためのコンピュータプログラム素子。
  19. 請求項18に記載のプログラム素子をその上に記憶するコンピュータ可読媒体。
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