JP2016525162A - 反応樹脂組成物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

ラジカル重合性化合物を含む樹脂成分と、銅(II)塩と少なくとも1種の窒素含有リガンドとを含み、銅(II)塩とこの還元剤とが反応を抑制するように互いに分離されている開始剤系とを有する反応樹脂組成物と、その建築目的での使用が記載されている。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂成分並びに開始剤と触媒系とを含む開始剤系を有し、該触媒系が原位置で(in-situ)遷移金属錯体を触媒として生成することができる、ラジカル硬化性樹脂組成物に関する。
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂またはエポキシ樹脂をベースとする反応樹脂組成物を結合剤や接着剤として用いることはかなり前から知られている。これらは二成分系で、一方の成分が樹脂混合物を含み、他方の成分が硬化剤を含む。充填材、促進剤、安定剤、反応性溶媒(反応性希釈剤)を含む溶媒のような他の通常の構成成分は、これら二成分の一方または/及び他方に含まれていてよい。両成分を混合することにより、反応が開始され、硬化物を生成する。
化学的締結技術に使用されるべきモルタル材は、例えばモルタル材の粘度、比較的広い温度範囲、通常−10℃乃至+40℃での硬化及び完全硬化、硬化した材の固有安定性、異なる下地及び周囲条件に対する接着性、荷重値、耐クリープ性などのような特別な要求が課せられる複合系である。
二つの系が一般に化学的締結技術に使用される。一つは通例過酸化物を用いて硬化されるラジカル重合性エチレン性不飽和化合物をベースとし、一つはエポキシド−アミンベースである。
硬化性エポキシ樹脂とアミン硬化剤とをベースとする有機硬化性二成分反応樹脂組成物は、接着剤やスパックリング材として、クラックを充填したり、とりわけアンカーロッドやコンクリート鉄材(補強バー)やねじなどのような建築要素を掘削孔中に締結するのに使用される。この種のモルタル材は特許文献1乃至3から知られている。
欧州特許出願公開第1475412号明細書 独国特許出願公開第19832669号明細書 独国特許出願公開第102004008464号明細書
既知のエポキシドベースのモルタル材の不利な点は、腐食性アミン、例えばキシレンジアミン(XDA)、特にm−キシレンジアミン(m−XDA; 1,3−ベンゼンジメタンアミン)、及び/または芳香族アルコール化合物、例えば遊離フェノール、例えばビスフェノールAが、しばしば相当な量、硬化剤として使用されることである。こうした化合物はユーザにとっての健康リスクを伴い得る。極めて大量、つまり50%に及ぶこうした化合物が多成分モルタル材のそれぞれの成分に含有されている場合があり、こうして包装にラベル表示が義務づけられることが多いが、これより製品がユーザに受け入れられにくくなる。国によっては近年製品に許容されるm−XDAまたはビスフェノールAの含有量について限界値が導入され、その場合限界値をラベル表示しなければならない。
ラジカル硬化性の系、特に室温で硬化する系は、ラジカル重合を誘発するために開始剤としても知られるいわゆるラジカルスタータを必要とする。ラジカルスタータとして過酸化ベンゾイルを、促進剤としてアミン化合物を含む独国特許出願公開第3226602号明細書に記載の硬化剤組成物、及び 硬化剤としてペルエステルを、促進剤として金属化合物を含む欧州特許出願公開第1586569号明細書に記載の硬化剤組成物が、その特性故に化学的締結技術の分野で人気を博している。これらの硬化剤組成物は−30℃に至る極めて低い温度でも、迅速で高度に完全な硬化を可能にする。これらの系は樹脂と硬化剤の混合比に関してロバストでもある。このため、これらの硬化剤組成物は建築現場の条件下での使用に適している。
しかしながらこれらの硬化剤組成物で不利なのは、両者とも過酸化物をラジカルスタータとして用いなければならない点である。過酸化物は熱に弱く、不純物に極めて反応しやすい。これは、特に注入モルタル用のペースト状硬化剤成分の製剤設計において、貯蔵温度、貯蔵安定性及び適当な構成成分の選択に関し、相当な制約につながる。過酸化ジベンゾイル、ペルエステルなどのような過酸化物の使用を可能にするために、フタル酸塩または水のような鈍感剤を加えてこれらを安定化する。鈍感剤は軟化剤として作用するため、樹脂混合物の機械的強度を著しく損なう。
これらの既知の硬化剤組成物は、これらがかなりの量の過酸化物を含有しなければならない限りで有害でもある。これは、1%を超える濃度で過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイルを含有する製品は感作性としてラベル表示しなければならない国があるため問題である。アミン促進剤についても同じで、ラベル表示を義務づけられるものがある。
ラジカル重合性化合物をベースとし、過酸化物を含まない系を開発する試みはこれまで あまりなされていない。硬化剤として1,3−ジカルボニル化合物を、促進剤としてマンガン化合物を含む、ラジカル重合性化合物用の過酸化物を含まない硬化剤組成物と、ラジカル硬化性化合物をベースとする反応樹脂組成物に対するその使用が、独国特許出願公開第102011078785号明細書から知られている。しかしながらこの系は或る条件下では十分に硬化しない傾向があるため、特にプラギング材としての使用について、硬化した材の性能が低くなり、これをプラギング材として用いることは一般的には可能であるものの、頼りになる極めて高い荷重値が要求される用途には使用できない。
上述の二つの系において、結合剤が完全に硬化し、硬化した材の必要な特性が達成されるように、樹脂成分と硬化剤成分との決まった割合(以下で手短に「混合比」とも言う)がそれぞれについて維持されなければならないことも不利である。既知の系の多くは混合比に関してあまりロバストでなく、場合によっては混合物における変動に対する反応性が高く、これは硬化した材の特性に影響する。
過酸化物を使用せずにラジカル重合を開始する別の可能性は、巨大分子合成化学でよく使われるATRP(原子移動ラジカル重合)法によって提供される。メカニズムの説明によって限定は意図しないが、これは「リビング」ラジカル重合を含むと想定される。これらの方法では、遷移金属化合物が、移動性原子団を有する化合物を用いて変形される。その際、移動性原子団が遷移金属化合物に移動されて、金属が酸化される。この反応において、エチレン性不飽和基に付加されるラジカルが生成される。しかしながら原子団の遷移金属化合物への移動は可逆的であるため、原子団は成長しつつあるポリマーチェーンに戻され、その結果制御された重合系が生成される。この反応制御は ジェイ.エス.ワン(J. S. Wang)その他により米国化学会誌(J. Am. Chem. Soc.),vol. 117, pp. 5614-5615 (1995)にて、マチャツェフスキ(Matyjaszewski)によりマクロモレキュールズ(Macromolecules), vol. 28, pp. 7901-7910 (1995)にて説明されている。国際公開第96/30421号パンフレット、国際公開第97/47661号パンフレット、国際公開第97/18247号パンフレット、国際公開第98/40415号パンフレット及び国際公開第99/10387号パンフレットも、上述のATRPの別種を開示している。
ATRPは長い間科学的関心を引き、主にポリマーの特性の的を定めた制御やポリマーを所望の用途に適合させるのに用いられている。これらにはポリマーの粒径、構造、長さ、重量、及び重量分布の制御が含まれる。従ってポリマーの構造、分子量及び分子量分布を制御することができる。これによりATRPに対する経済的関心も高まっている。例えば米国特許第5807937号明細書及び米国特許第5763548号明細書は、分散剤や表面活性物質のような多数の用途に役立つ、ATRPを用いて製造される(共)重合体を記載している。
しかしながらATRP法は、これまで、建築用途、例えばモルタルや接着剤やプラギング材について必要であるように、原位置、例えば建築現場にて、そこで支配的な条件下で、重合を実施するのに用いられてこなかった。こうした用途が重合性組成物に課す要求、つまり−10℃乃至+60℃の温度範囲での重合の開始、無機充填された組成、ゲル時間の調整とその後の迅速でできるだけ完全な樹脂成分の重合、一成分または多成分系としての包装、及び硬化した材についてのその他の既知の要求は、これまでATRPに関する膨大な文献にて考慮されてこなかった。
ATRPに類似した開始剤系にて、その系が比較的複雑なことは有害である。というのも実際の反応種の生成に多数種の化合物が必要とされ、それらの化合物は互いに反応し、場合によっては開始剤系が使用されるべき組成物中の他の化合物によって悪影響を受ける可能性があるからである。このことが系、特に貯蔵安定的な系の調剤設計を極めて難しくする。
こうして本発明の目的は、既知の系の上述の不利点をもたず、二成分系として包装可能で、特に数ヶ月に亘って貯蔵安定的で低温硬化性である、上述のようなモルタル系用の反応樹脂組成物を提供することである。
発明者は驚くべきことに、単純化されたATRPに似た開始剤系を、上述のラジカル重合性化合物をベースとした反応樹脂組成物に対しラジカル開始剤として使用することにより、この目的を達成できることを発見した。
本発明のよりよい理解のために、ここで用いられる術語の以下の説明が有益であると考えられる。本発明の意味で、
− 「低温硬化性」は、二種の硬化性化合物の重合−ここでは同義的に「硬化」とも言われる−が、室温で、追加のエネルギーの投入、例えば熱の追加なしに、反応樹脂組成物に含まれる硬化手段の結果として、場合に応じて促進剤の存在下で、開始可能であり、予定される用途にとって十分な完全硬化を示すことを言う。
− 「反応を抑制するように分離された」は、化合物または成分間の分離が、例えば混合によりそれらが相互に接触させられるまで相互間の反応が起こり得ないように達成されていることを言う。一種または複数の化合物または成分の(マイクロ)カプセル化の結果としての反応抑制分離も考えられる。
− 「(−H原子」は、窒素含有リガンドに関して窒素原子に対して(位置にあること、つまり直接窒素原子と結合した炭素原子と結合した水素原子を言う。
− 「硬化手段」は基材樹脂の重合(硬化)を引き起こす物質を言う。
− 「脂肪族化合物」は非環式また環式の、飽和または不飽和炭化水素化合物で、芳香族でないものを言う(PAC, 1995, 67, 1307; 有機化合物及び反応性中間体の構造に基づく類名小辞典(Glossary of class names of organic compounds and reactivity intermediates based on structure)(IUPAC Recommendations, 1995))。
− 「重合抑制剤」−ここでは同義的に「抑制剤」とも言われる−は、重合反応(硬化)を抑制することのできる化合物であって、重合反応を、従って貯蔵中のラジカル重合性化合物の望ましくない早期重合を防止するために使用され(しばしば安定剤と言われる)、また硬化剤添加直後の重合反応の開始を遅らせるために使われる。貯蔵安定性という目的を達成するためには、抑制剤は通常ゲル時間に影響を及ぼさないようなわずかな量だけ使用される。重合反応開始時点に影響を及ぼすには、抑制剤は通常ゲル時間に影響を及ぼす量使用される。
− 「反応性希釈剤」は、液体または低粘度のモノマーや基材樹脂であって、他の基材樹脂または樹脂成分を希釈し、それによってそれらの用途に必要な粘度を与え、基材樹脂と反応可能な官能基を含み、重合(硬化)中に大部分が硬化した材(モルタル)の構成成分となるものを言う。
− 「ゲル時間」。通常過酸化物を用いて硬化される不飽和ポリエステルまたはビニル樹脂について、樹脂の硬化段階の時間がゲル時間に当たり、その間に樹脂の温度は+25℃から35℃に上昇する。これはほぼ、まだ樹脂の流動性または粘度が、反応樹脂または反応樹脂材をまだ容易に操作または加工できる範囲にある期間に相当する。
− 「二成分系」は、互いに分離して貯蔵される二成分、一般に樹脂成分と硬化剤成分とを含み、両成分を混合するまで樹脂成分の硬化が起こらない系を言う。
− 「多成分系」は、互に分離して貯蔵される三またはそれ以上成分を含み、全成分を混合するまで樹脂成分の硬化が起こらない系を言う。
− 「(メタ)アクリル((Meth)acryl)・・・/・・・(メタ)アクリル((meth)acryl)・・・」は「メタクリル(Methacryl)・・・/・・・メタクリル(methacryl)・・・」化合物をも「アクリル(acryl)・・・/・・・アクリル(acryl)・・・」化合物をも含めることを意味する。
発明者は、ATRPの開始に用いられることのあるような特定の化合物の組み合わせを用いてラジカル重合性化合物を重合させることができることを発見した。
驚くべきことに、銅(II)塩及びα−H 原子を有するアミンリガンドの存在下で、メタクリレートが自然にラジカル重合すること、及びこの重合がラジカル捕捉剤によって抑制可能なことが見出された。
発明者は、室温で、ATRPには必要な開始剤の存在なしに、かつ銅(I)塩、または原位置で銅(II)塩から銅(I)塩を生成するための還元剤を用いずに、ラジカル重合を誘発させることに成功した。
本発明の第一の対象は、ラジカル重合性化合物を含む樹脂成分と、銅(II)塩と窒素含有リガンドとを含み、該銅(II)塩と該窒素含有リガンドとが反応を抑制するように互いに分離されている開始剤系とを有する反応樹脂組成物であって、前記窒素含有リガンドからラジカルを生成するために、酸化性の銅(II)カチオンが前記窒素含有リガンドよりも高い酸化還元電位をもつことを特徴とする。
こうして低温硬化性であって、特に二成分または多成分系として包装されて貯蔵安定的な反応樹脂組成物を提供することが可能である。
こうして過酸化物や危険なアミン化合物を含まず、従ってもはやラベル表示を義務づけられない反応性樹脂組成物を提供することもできる。更に、これらの反応性樹脂組成物は、硬化した材にて柔軟剤として機能する鈍感剤をもはや含まない。
本発明の別な利点は、二成分系として包装される場合、二成分の相互の割合をどのようにも選択でき、開始剤系が両成分中に均一に溶解されているため、開始剤系の濃度は低くてすむことである。本発明による組成物は、開始剤系が、通常ATRPに必要とされる開始剤系よりも少ない種類の構成成分を有し、従ってより単純で、特に問題がより生じにくいという利点もある。
本発明によれば、開始剤系は銅(II)塩と窒素含有リガンド(ここではアミンリガンドとも言う)を含む。銅(II)塩と窒素含有リガンドとは、当該の反応条件、つまり窒素含有リガンドと場合に応じて本組成物中に含まれる鉱物骨材の結果としての基本環境−これらはアルカリ性環境を結果することも多い−と周囲温度での反応という条件下で、銅(II)塩と窒素含有リガンドの窒素との間の酸化還元反応が生じ、その結果、ラジカルカチオン、より正確にはN−ラジカルカチオンが生成されるように選択される。
支配的な反応条件下では、窒素ラジカルカチオンは、銅(II)カチオンの酸化還元電位が窒素含有リガンド中の窒素原子の酸化還元電位よりも高い場合に生成されると想定される。支配的なアルカリ性環境では、恐らく窒素ラジカルカチオンに対して(位置にある炭素原子でプロトンが分離され、結果として生じた種が開始ラジカル、より正確にはN−アルキルラジカルに変換される。
銅(II)塩の銅(II)カチオンは有利には単電子酸化還元プロセスに関与可能でなければならず、可逆的に配位数を一だけ増加可能であるべきである。また銅(II)塩の銅(II)カチオンはアミンリガンドの窒素原子を酸化して窒素ラジカルカチオンにすることが可能でなければならない。従ってその酸化還元電位はアミンリガンドの窒素原子の酸化還元電位よりも高くなければならない。これは、一つには銅(II)塩のために溶媒が使用されているかどうかに、また一つには溶媒が使われている限りで溶媒の性質に、つまりその溶媒が銅(II)カチオン及び窒素原子の酸化還元電位にどのような影響を及ぼすかに依存する。更に、反応樹脂及び/または、含有されている限りで反応性溶媒中の銅(II)塩の溶解度も、銅(II)カチオンの酸化還元電位に影響を及ぼす。
塩基性アミンである窒素含有リガンドの存在下で、α位置にあるプロトンがN−アルキル残基から分離されて、N−アルキルラジカルのようなラジカル性反応生成物が結果として生成されるのではないかと思われる。これらのラジカル性反応生成物は重合を誘発可能で、実際の開始剤として作用する。
リガンドは有利には、銅塩自体がまだ十分溶解可能でない限りで、使用されるべきラジカル重合性化合物中の銅塩の溶解度に貢献し、反応性及びハロゲン移動に関して銅の酸化還元電位を調整することができる。
適当な銅(II)塩は、使用されるラジカル重合性化合物中、または場合に応じて樹脂混合物に添加される溶媒、例えば反応性希釈剤中に溶解可能なものである。この種の銅(II)塩は例えばCu(II)(PF62、CuX2、ただしX=Cl,Br,IでCuX2が好ましく、CuCl2または CuBr2 がより好ましい、Cu(OTf)2(−OTf=スルホン酸トリフロロメタン、CF3SO3 -) またはカルボン酸銅(II)である。使用されるラジカル重合性化合物の官能基としてそのラジカル重合性化合物中にリガンドの添加なしに溶解可能な銅(II)塩が特に好ましい。
適当な窒素含有リガンドは、銅(II)により室温で酸化可能であり、窒素に対するα−炭素原子上に容易に抽出可能な水素原子を有し、第三級アミノ基を有するアミン、例えば窒素原子に対するα−炭素原子上に水素原子を有する第三級脂肪族アミンである。
二個またはそれ以上の窒素原子を含む窒素含有リガンドが好ましい。
追加の溶媒を用いかつ銅(II)塩を適当に選択する場合、複素環式アミン、例えば2,2’−ビピリジンまたは1,10−フェナントロリンは適当に酸化され得る。
窒素原子に対するα−炭素原子上に水素原子をもつ適当な窒素含有リガンドの例は、例えばエチレンジアミノテトラアセテート(EDTA)、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ジメチルアミノエチル)エチレンジアミン(Me6TREN)、またはN,N,N’,N’’、N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、及びそのより上級または下級の同族体である。
通例Cu対リガンドの比 1:2を、使用されるべき窒素含有リガンドの量に対して最適と記述する科学文献からの推奨に反して、発明者は驚くべきことに、窒素含有リガンドが過剰に加えられると、反応樹脂組成物がはるかに強い反応性を示す、つまりより迅速に硬化しかつより良く完全硬化することを発見した。この関連で「過剰に」はアミンリガンドが、実にCu対リガンドの比が 1:5に、または1:10にまでなる量添加されることを言う。重要なのは、この過剰が反応及び最終的な特性に有害な影響を及ぼさないことである。
これも科学文献からの推奨に反することだが、発明者は驚くべきことに、リガンドが第一級アミノ基を有する窒素含有化合物である場合、反応性樹脂組成物が使用量に関わりなくはるかに強い反応性を示すことを発見した。
窒素含有リガンドは単独で加えられても、二種またはそれ以上の混合物として加えられてもよい。
硬化反応は、非求核性強塩基を加えることによって促進できる。適当な塩基は有機合成分野の当業者に知られている。挙げることができる例は、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(DiPEA)、1,8−ジアザビシクロウンデス−7−エン(1,8-diazabicycloundec-7-ene)(DBU)、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、ホスファゼン塩基、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、シリコンベースのアミド、例えばナトリウムヘキサメチルジシラザン及びカリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS及びKHMDS)、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペルジン(LiTMP)、ナトリウムtert−ブトキシド及びカリウムtert−ブトキシドである。
本発明によれば、当業者に知られているようなエチレン性不飽和化合物、炭素−炭素三重結合を有する化合物、及びチオール−イン/エン樹脂がラジカル硬化性化合物として適している。
これらの化合物のうち、スチレン及びその誘導体、(メタ)アクリレート、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル、イタコネート、ジシクロペンタジエン化合物及び不飽和脂肪を含むエチレン性不飽和化合物の群が好ましく、そのうち特に不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂が適しており、例えば出願公報、欧州特許出願公開第1935860号明細書、独国特許出願公開第19531649号明細書、国際公開第02/051903号パンフレット及び国際公開第10/108939号パンフレットに記載されている。ビニルエステル樹脂は、その加水分解安定性と極めて優れた機械的特性ゆえに最も好ましい。
本発明による樹脂混合物中に使用可能な適当な不飽和ポリエステルの例は、エム.マリク(M. Malik)他により、ジェイ・エム・エス−レビュー オブ マクロモレキュール ケム フィジックス(J. M. S. - Rev. Macromol. Chem. Phys.),C40(2 and 3), pp.139-165 (2000) にて分類されたように、以下の類に分けられる。
(1)オルト樹脂。これらは、無水フタル酸、無水マレイン酸またはフマル酸とグリコール、例えば1,2−プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールまたは水素化ビスフェノールAをベースとする。
(2)イソ樹脂。これらは、イソフタル酸、無水マレイン酸またはフマル酸とグリコールから製造される。これらの樹脂はオルト樹脂より多い分量の反応性希釈剤を含有することができる。
(3)ビスフェノールAフマレート。これらは、エトキシル化ビスフェノールAとフマル酸をベースとする。
(4)ヘット酸樹脂(ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸樹脂)。これらは、不飽和ポリエステル樹脂を製造する際に塩素/臭素含有無水物またはフェノールから得られる樹脂である。
これらの樹脂の類と並んで、いわゆるジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)も不飽和ポリエステル樹脂と識別することができる。DCPD樹脂の類は、上記の樹脂種のうち一種をディールス−アルダー反応によりシクロペンタジエンで修飾して得るか、またはジカルボン酸、例えばマレイン酸とジシクロペンタジエニルとの第一反応、次いで第二反応、不飽和ポリエステル樹脂の通常の製造によって得られ、後者はDCPD−マレイン樹脂と言われる。
不飽和ポリエステル樹脂は好ましくは500乃至10,000ダルトン、より好ましくは500乃至5000ダルトン、更により好ましくは750乃至4000ダルトン(ISO 13885−1による)の分子量Mnを有する。不飽和ポリエステル樹脂は、0乃至80mg KOH/樹脂g、好ましくは5乃至70mg KOH/樹脂g(ISO 2114−2000による)の酸価を有する。DCPD樹脂が不飽和ポリエステル樹脂として用いられる場合、酸価は好ましくは0乃至50mg KOH/樹脂gである。
本発明の意味で、ビニルエステル樹脂は、少なくとも1つの(メタ)アクリレート末端基を有するオリゴマー、プレポリマーまたはポリマー、いわゆる(メタ)アクリレート官能化樹脂であり、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及びエポキシ(メタ)アクリレートをも含む。
末端位置にのみ不飽和基を有するビニルエステル樹脂は、例えばエポキシドオリゴマーまたはエポキシドポリマー(例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型のエポキシド、またはテトラブロムビスフェノールAをベースとするエポキシドオリゴマー)を、例えば(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリルアミドで変換することにより得られる。好ましいビニルエステル樹脂は、(メタ)アクリレート官能化樹脂、及びエポキシドオリゴマーまたはエポキシドポリマーをメタクリル酸またはメタクリルアミド、好ましくはメタクリル酸で変換することにより得られる樹脂である。こうした化合物の例は、出願公報、米国特許第3297745号明細書、米国特許第3772404号明細書、米国特許第4618658号明細書、英国特許出願公開第2217722号明細書、独国特許出願公開第3744390号明細書及び独国特許出願公開第4131457号明細書から知られている。
ビニルエステル樹脂として特に適していて好ましいのは、例えば独国特許出願公開第3940309号明細書に記載されているような、例えば二官能性及び/または多官能性のイソシアネートを、適当なアクリル化合物で、場合に応じて少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシル化合物の関与の下で、変換することによって得られる(メタ)アクリレート官能化樹脂である 。
イソシアネートとしては、脂肪族(環式または直鎖)及び/または芳香族の二官能性または多官能性イソシアネート、またはそのプレポリマーを用いることができる。こうした化合物の使用は湿潤能力の向上、従って付着特性の改善に役立つ。芳香族二官能性または多官能性イソシアネート、またはそのプレポリマーが好ましく、芳香族二官能性または多官能性プレポリマーが特に好ましい。例として、鎖補強向上のためのトルイレンジイソシアネート(TDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)及びポリマー性メチレンジフェニルジイソシアネート(pMDI)、並びに可撓性を高めるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)を挙げることができ、ポリマー性メチレンジフェニルジイソシアネート(pMDI)が特に好ましい。
アクリル化合物としては、アクリル酸及びヒドロカルビル基上で置換されているアクリル酸、例えばメタクリル酸、多原子価アルコールを有するアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシル基を含むエステル、ペンタエリトリトール(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、例えばトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートが適している。アクリル酸ヒドロキシルアルキルエステルまたはメタクリル酸ヒドロキシルアルキルエステル、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレートが好ましいが、それは特にこうした化合物が鹸化反応の立体障害に役立つからである。
場合に応じて添加可能なヒドロキシ化合物として適しているのは、二価以上の価数のアルコール、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレンの反応生成物、例えばエタンジオール、ジエチレングリコールまたはトリエチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、他のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエタノールアミン、更にビスフェノールAもしくはFもしくはそのエトキシ化/プロポキシル化もしくは水和もしくはハロゲン化生成物、より高い価数のアルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール及びペンタエリトリトール、ヒドロキシル基を含有するポリエーテル、例えば脂肪族もしくは芳香族のオキシランのオリゴマー及び/または多環式エーテル、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化スチレン及びフラン、主鎖にビスフェノールAもしくはFのもののような芳香族構造単位を含有するポリエーテル、前述のアルコールまたはポリエーテル及び二炭酸またはそれらの無水物、例えばアジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸またはヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸などをベースとしたヒドロキシル基含有ポリエステルである。特に好ましいのは、樹脂の鎖補強のための構造単位を有するヒドロキシル化合物、架橋密度を高めるための、フマル酸など不飽和構造単位を含有するヒドロキシル化合物、分岐または星状のヒドロキシル化合物、特に三価または多価アルコール及び/またはそれらの構造単位を含有するポリエーテルまたはポリエステル、反応性希釈剤中の樹脂またはその溶液のより低い粘度及びより高い反応性と架橋密度を達成するための分岐または星状のウレタン(メタ)アクリレートである。
ビニルエステル樹脂は、好ましくは500乃至3000ダルトン、より好ましくは500乃至1500ダルトン(ISO 13885−1による)の分子量Mnを有する。ビニルエステル樹脂は、0乃至50mg KOH/樹脂g、好ましくは0乃至30mg KOH/樹脂g(ISO 2114−2000による)の酸価を有する。
本発明に従って使用可能なこれらの樹脂は全て、例えばより低い酸価、水酸化物価または無水物価を達成するために、当業者に知られている方法により修飾されてもよく、または可撓性単位を基本構造に導入することよって、より可撓にされるなどしてもよい。
更に、樹脂は、本発明による開始剤系を用いて重合され得る他の反応基、例えば、イタコン酸、シトラコン酸及びアリル基などから誘導された反応基を含有していてもよい。
本発明の好ましい一実施形態にて、反応樹脂組成物は、必要な場合、その粘度を調整するために、追加の低粘度のラジカル重合性化合物を、上述のラジカル重合性化合物の反応性希釈剤として含有する。
適当な反応性希釈剤は、出願公報、欧州特許出願公開第1935860号明細書及び独国特許出願公開第19531649号明細書に記載されている。好ましくは樹脂混合物は反応性希釈剤として(メタ)アクリル酸エステルを含有し、(メタ)アクリル酸エステルは好ましくは、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、プロパンジオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール−1,2−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルトリグリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール−1,4−ジ(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、エタンジオール−1,2−ジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコルジ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及び/またはトリシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−(メタ)アクリレート、ノボラケポキシジ(メタ)アクリレート、ジ[(メタ)アクリロイル−マレオイル]−トリシクロ−5.2.1.0.2.6−デカン、ジシクロペンテニルオキシエチルクロトネート、3−(メタ)アクリロイル−オキシメチル−トリシクロ−5.2.1.0.2.6−デカン、3−(メタ)シクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びデカリル−2−(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
原則として、他の通常のラジカル重合性化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アルキル化スチレン、例えばtert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン及びアリル化合物も、単独で、または(メタ)アクリル酸エステルと混合して使用されてよい。
本発明の別な実施形態にて、反応樹脂組成物は抑制剤も含んでいる。
上述のラジカル重合性化合物の、従って上述の樹脂成分の貯蔵安定性のため、並びにゲル時間の調整のための抑制剤としては、当業者に知られているような、ラジカル重合性化合物用の抑制剤として通常使用される安定なラジカル、例えばN−オキシルラジカルが適している。他の場合にラジカル硬化性樹脂組成物に通常使用されるようなフェノール性抑制剤はこの場合は使用できない。なぜならそうすると抑制剤が還元剤として銅(II)塩と反応し、貯蔵安定性及びゲル時間に悪影響が及ぶからである。
例えば独国出願公開第19956509号明細書に記載されているもののようなN−オキシルラジカルを用いることができる。 適当な安定なn−オキシルラジカル(ニトロキシルラジカル)は、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペルジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペルジン−4−オール(TEMPOLとも称される)、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペルジン−4−オン(TEMPONとも称される)、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−カルボキシル−ピペルジン(4−カルボキシ−TEMPOとも称される)、1−オキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、1−オキシル−2,2,5,5−テトラメチル−3−カルボキシルピロリジン(3−カルボキシ−PROXYLとも称される)、アルミニウム−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミンの中から選択されてよい。他の適当なN−オキシル化合物は、オキシム、例えばアセトアルドキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、サリチルオキシム、ベンゾオキシム、グリオキシム、ジメチルグリオキシム、アセトン−O−(ベンジルオキシカルボニル)オキシム、 またはインドリンーニトロキシドラジカル、例えば2,3−ジヒドロ−2,2−ジフェニル−3−(フェニリミノ)−1H−インドール−1−オキシルニトロキシド、またはβ−リン酸化ニトロキシドラジカル、例えば1−(ジエトキシホスフィニル−2,2−ジメチルプロピル−1,1−ジメチルメチル−ニトロキシド、などである。
反応樹脂組成物は更に、充填材及び/または他の添加剤のような無機骨材を含んでいてよい。
充填材としては、通常の充填材、好ましくは鉱物性もしくは鉱物様充填材、例えば石英、ガラス、砂、石英砂、石英粉末、ポースレン、コランダム、セラミック、滑石、ケイ酸(例えば発熱性ケイ酸)、シリケート、粘土、二酸化チタン、チョーク、重晶石、長石、玄武岩、水酸化アルミニウム、花崗岩または砂岩、ポリマー性充填材、例えばデュロプラスト、水中硬化性充填材、例えば硬膏剤、生石灰またはセメント(例えばアルミナセメントまたはポルトランドセメント)、金属、例えばアルミニウム、カーボンブラック、更に木繊維、鉱物繊維もしくは有機繊維など、またはそれらのうち2種以上の混合物が使用され、これらは粉末として、顆粒状でまたは成形体の形で添加されていてよい。充填材は任意の形で、例えば粉末もしくは粉として、または成形体として、例えば円筒形、環状、球形、プレート状、ロッド状、鞍状もしくは結晶形、または更に繊維状(繊維状充填材)で存在していてよく、それぞれの基礎粒子は好ましくは最大直径が10mmである。しかしながら、球状の不活性物質(球形)が好ましく、はるかによりに補強的に作用する。
考えられる添加剤は、チキソトロピー剤、例えば使用可能な場合、後処理された発熱性ケイ酸、ベントナイト、アルキル及びメチルセルロース、ヒマシ油誘導体など、軟化剤、例えばフタル酸もしくはセバシン酸エステル、安定剤、帯電防止剤、増粘化剤、柔軟剤、硬化触媒、レオロジー添加剤、湿潤剤、例えば成分の混合をより良く制御するために成分を異なる色に着色するための、例えば染料または特に顔料のような着色添加剤などであり、またはそれらのうち2種以上の混合物も可能である。非反応性希釈剤(溶媒)、例えば低級アルキルケトン、例えば、アセトン、ジ−低級アルキル−低級アルカノイルアミド、例えばジメチルアセトアミド、低級アルキルベンゼン、例えばキシロールまたはトルエン、フタル酸エステルまたはパラフィン、水またはグリコールも存在していてよい。更に、金属捕捉剤が、表面修飾された発熱性ケイ酸の形で、反応樹脂組成物に含有されていてもよい。
これに関して、出願公報、国際公開第02/079341号パンフレット、国際公開第02/079293号パンフレット及び国際公開第2011/128061号パンフレットが参照され、それによりその内容が本出願に含められる。
従って、本発明の更なる対象は、上述の反応樹脂組成物を含む二成分系または多成分系である。
本発明の一実施形態にて、反応樹脂組成物の成分は、銅(II)塩と少なくとも一種の窒素含有リガンドが互いに分離されるように、つまり、それぞれが互いに分離して配置された成分中にあるように、空間的に配置されている。こうして反応種、つまりアルカリラジカルの生成が、従ってラジカル重合性化合物の重合が貯蔵中に始まるのが防止される。
好ましい一実施形態は、ラジカル重合性化合物と銅(II)塩と窒素含有リガンドと抑制剤と、場合に応じて少なくとも1種の反応性希釈剤と、場合に応じて無機骨材とを含む反応樹脂組成物を含む二成分系に関する。これに関し、銅(II)塩は第一成分、A成分に含まれ、窒素含有リガンドは第二成分、B成分に含まれ、これら二成分は混合前に互いの間で成分の反応が起こらないように互いに分離して貯蔵される。ラジカル重合性化合物、抑制剤、反応性希釈剤及び無機骨材はA成分とB成分の間で分配される。
反応樹脂組成物は、二つまたはそれ以上の互いに分離されたチャンバをもつカートリッジ、ドラム、カプセルまたはフォイルバッグに収容されてよく、銅(II)塩と窒素含有リガンドは反応が抑制されるように互いに分離して収容される。
本発明による反応樹脂組成物は主に建築部門で、例えばコンクリートの修復に、またはポリマーコンクリートとして、または合成樹脂をベースとするコーティング材として、または低温硬化性の路面標示として用いられる。それらは特にアンカー、補強バー、ねじなどのような繋留要素を掘削孔、特に様々な下地、特に鉱物下地、例えばコンクリート、ポアコンクリート、煉瓦積み、石灰質砂岩、砂岩、天然石などをベースとした鉱物下地に設けられた掘削孔中に化学的に固定するのに適している。
上で定義した反応樹脂モルタル組成物の建築目的での使用は、銅(II)塩を還元剤と、または銅(II)塩を還元剤及びリガンドと混合することによる組成物の硬化を含む。
ねじ切りアンカーロッド、補強鉄材、ねじ切りスリーブ及びねじを様々な下地に設けた掘削孔に締結するためには、銅(II)塩がリガンドと、また場合に応じて更に反応樹脂を伴った塩基と、また場合に応じて更に上に挙げた他の構成成分と混合される。この混合物が掘削孔に加えられ、ねじ切りアンカーロッド、補強鉄材、ねじ切りスリーブまたはねじが掘削孔の中の混合物中に導入され、混合物が硬化される。
本発明を一連の例及び比較例によってより詳しく説明する。例はすべて請求項の範囲を支持する。しかし本発明は例に示される特定の実施形態に限定されない。
下記の重合実験にて、以下に記載する成分がプラスチックカップ中でプラスチックスパチュラを用いて手で混合され、混合物が重合するかどうかが観察され、重合する場合、いつ、どのような強さで発熱が起こり、最終生成物がどのような特性(ゲル状、ゴム状、ガラス状=硬質)をもつかが観察された。
例1
0.8gのオクタン酸銅(II)が、1.3gのペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)及び15.1gの1,4−ブタンジオールジメタクリレート(BDDMA)と室温で混合された。発熱を伴う自然重合が観察され、硬質のポリマーが得られた。
この例は、ATRPから修正された本発明による系が、単純な条件の下で、つまり反応に積極的に影響する添加成分なしに、かつ昇温なしに、自然重合し、従って反応樹脂組成物として適していることを示す。
例2
0.5gのオクタン酸銅(II)と7.5gのBDDMAとを混合することにより第一成分(A成分)を得た。0.6gのPMDETAと7.6gのBDDMAとを混合することにより第二成分(B成分)を得た。
両成分が混合され、約2時間後に混合物のゲル化が観察された。
同様な材料にTEMPOLを添加すると、ゲル化は観察されなかった。これはラジカル重合が起きると思われるのに、ラジカル捕捉剤であるTEMPOLの存在下で抑制されたことを示している。
例3
例2と同様にA成分とB成分が生成されたが、オクタン酸銅(II)の代わりにナフテン酸銅(II)がA成分に使用された点が異なる。
約4分後、激しい重合が観察され、硬質のポリマーが得られた。
これは明らかに、酸化性銅(II)カチオンが同じ条件下でより高い酸化還元電位をもつ銅(II)塩のために、反応(重合)がより速くなることを示している。
例4
0.6gのナフテン酸銅(II)と15gのBDDMAを混合することにより第一成分(A成分)を得た。1.2gのPMDETAと15gのBDDMAを混合することにより第二成分(B成分)を得た。
両成分が混合され、11分後に混合物のゲル化が観察され、混合物の温度は60℃に上昇した。
A成分及びB成分を同様に生成することにより例4が再度実施されたが、今回は0.12gの1,8−ジアザビシクロウンデス−7−エンもB成分に加えられた。この場合、ゲル化は丁度9分後に観察された。
これは明らかに、非求核性強塩基の添加により重合を促進できることを示している。
例5
実施例4と同様にA 成分とB成分が生成されたが、1.2gのPMDETAの代わりに1.1gの2,2’−ビピリジン(bipy)が使用された点が異なる。
これら二成分の混合後、重合は観察できなかった。
これは、重合が起こるためには、銅(II)カチオンによってアミンが酸化されねばならないことを示している。bipyは例えばPMDETAに比べはるかに耐酸化性が高い。
例6
0.75gのオクタン酸銅(II)と15gのBDDMAを混合することにより第一成分(A成分)を生成し、1.7gのヘキサメチルトリエチレンテトラミン(HMTETA)と15gのBDDMAを混合することにより第二成分(B成分)を生成した。
混合物は約6分後にゲル化した。
これらの例は明らかに、本発明により、ATRPに類似した系によって室温で重合を誘発できる反応樹脂混合物を提供できることを示している。この重合は、安定なN−オキシルラジカルを加えることにより遅くして止めることができ、非求核性強塩基を加えることにより促進することができ、こうして添加物の選択により反応性を制御し調整することが可能である。

Claims (15)

  1. ラジカル重合性化合物を含む樹脂成分と、酸化性銅(II)カチオンを有する銅(II)塩と窒素含有リガンドとを含み、該銅(II)塩と該窒素含有リガンドとが反応を抑制するように互いに分離されている開始剤系とを有する反応樹脂組成物であって、前記窒素含有リガンドからラジカルを生成するために、前記酸化性銅(II)カチオンが前記窒素含有リガンドよりも高い酸化還元電位をもつことを特徴とする反応樹脂組成物。
  2. 前記銅(II)塩が有機溶媒及び/または前記ラジカル重合性化合物中に溶解可能であることを特徴とする、請求項1に記載の反応樹脂組成物。
  3. 前記銅(II)塩が、Cu(II)(PF62、CuX2、ただしX=Cl,Br,I、Cu(OTf)2及びカルボン酸銅(II)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の反応樹脂組成物。
  4. 前記窒素含有リガンドが、窒素原子に対するα−炭素原子上に水素原子を有する第三級脂肪族アミンであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  5. 前記窒素含有リガンドが過剰に存在することを特徴とする、請求項4に記載の反応樹脂組成物。
  6. 前記開始剤系が非求核性強塩基を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  7. 前記ラジカル重合性化合物が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及び/またはビニルエステル−ウレタン樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  8. 前記組成物が非フェノール性抑制剤をも含むことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  9. 前記非フェノール性抑制剤が安定なN−オキシルラジカルであることを特徴とする、請求項8に記載の反応樹脂組成物。
  10. 前記樹脂成分が少なくとも1種の反応性希釈剤をも含むことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  11. 前記組成物が無機骨材をも含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の反応樹脂組成物。
  12. 前記無機骨材が添加剤及び/または充填材であることを特徴とする、請求項11に記載の反応樹脂組成物。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の反応樹脂組成物を含む二成分または多成分系。
  14. 前記銅(II)塩が第一成分に、前記窒素含有リガンドが第二成分に含まれ、前記ラジカル重合性化合物及び、使用される場合前記抑制剤は、該第一、第二成分間に分配され、該第一、第二成分は反応が抑制されるように互いに分離されていることを特徴とする、請求項13に記載の二成分系。
  15. 前記反応樹脂組成物が、前記第一、第二成分の一方または双方に含有される少なくとも1種の反応性希釈剤及び/または無機骨材をも含むことを特徴とする、請求項14に記載の二成分系。
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