OAMシステム(単数または複数)では見えない一つ以上のオブジェクトの少なくとも幾つかの監視可能性を提供する技術の必要性がある。
第一の態様によれば、ワイヤレスネットワークのネットワークエレメントにより性能管理(PM)データを運用及び保守(OAM)システムに対して提供する方法が提供される。そのネットワークエレメントはOAMシステムに接続される。PMデータは、ネットワークエレメントと関連づけられた一つ以上のオブジェクトに関係している。この方法は、ネットワークエレメントによって、一つ以上のオブジェクトのうちの少なくとも一つが、OAMシステムでは見えないアンミラード(unmirrored)オブジェクトであるかどうかを判定し、一つ以上のオブジェクトのうちの少なくとも一つがアンミラードオブジェクトであるならば、ネットワークエレメントによって、そのネットワークエレメントと関連づけられたさらなるオブジェクトのPMデータと共に少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積し、ネットワークエレメントによって、蓄積されたPMデータをOAMシステムに提供する。
ネットワークエレメントと関連づけられた一つ以上のオブジェクトはそれぞれ、ネットワークエレメントの中の資源の表現とみなすことができる。一つ以上のオブジェクトは各々、それぞれの資源(単数又は複数)を監視し、管理するためにそれぞれ一つ以上のインタフェースを提供することができる。資源は例えば機能またはハードウェアモジュールであり得る。
そのオブジェクトの正確な具現化とは無関係に、そのオブジェクトは例えば、3GPP TS32.762において記述されるような3GPPオブジェクトモデルに従うオブジェクトであってよい。
ネットワークエレメントはワイヤレスネットワークの中のどのような種類の論理エンティティであってもよい。用語ネットワークエレメントはまた、(遠隔)通信サービスの規定において使用された施設または機器としても把握されてもよい。そのような用語は、そのような施設または機器によって提供され、例えば伝送、ルーティング、または(遠隔)通信サービスの他の規定において用いられる機構、機能および能力を含んでもよい。例えば、ワイヤレスネットワークは、物理層で、複数の相互接続されたネットワークエレメントを含むことができる。
このネットワークエレメントはネットワークノードと呼ばれることもある。例えば、ネットワークエレメントは、ネットワークに取り付けられ、通信チャネル上で情報を送信し、受信し、又は転送することができる能動的電子デバイスである物理ネットワークノードであってよい。二三の例を挙げると、それに限られないが、ネットワークエレメントは、広帯域符号分割多重接続(WCDMA(登録商標))システムでの無線基地局または無線ネットワークコントローラ(RNC)、または、移動通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))での基地局コントローラ(BSC)を含むか、またはそれらとして構成できる。LTEでは、ネットワークエレメントはeNodeB(略してeNB)を含むか、またはeNodeBとして構成できる。
上述したように、アンミラードオブジェクトは、OAMシステムでは見えないオブジェクトとして把握できる。アンミラードオブジェクトは、同様に、OAMシステムによって監視できない(すなわち監視され得ない)オブジェクトとして把握できる。例えば、OAMシステムは、アンミラードオブジェクトを監視することができないか、又は監視する能力がないことがある。結果として、アンミラードオブジェクトは、従来の方法でPMデータをOAMシステムに報告することができない。むしろ、アンミラードオブジェクトと関連づけられたネットワークエレメントが、アンミラードオブジェクトに関係したPMデータを有することがある。例えば、アンミラードオブジェクトと関連づけられたネットワークエレメントは、アンミラードオブジェクトに関係したPMデータを記憶するためのストレージ装置またはメモリ装置を有することができる。
PM測定は、セルレベルに統合された測定として理解することができる。PM測定は、ドライブテスト最小化(MDT)データの場合のような個々のUEレベルの性能の代わりに、全体のセルレベル性能を示すために使用することができる。この文脈において、例えばE−UTRAN PM測定に関するTS32.425と、UTRAN測定に関するTS32.405と、PM測定のための全体の概念及び要件に関するTS32.401とが参照される。
PMデータはオブジェクトまたはネットワークエレメントに関係したどのような種類の性能測定データであってよい。性能測定データはオブジェクトまたはネットワークエレメントに関係したイベント及び統計の少なくとも一つを含んでよい。イベントおよび統計またはそのいずれかは、カウンタ等を用いて記録できる。導出されたカウンター値はそのとき、PM測定データとして定期的にまたは不定期に(例えばOAMシステムの要求時に)OAMシステムに報告されるか、または送信されてよい。これらのカウンタのいくつかがセル単位またはCR単位であってよい。PM測定は、接続設定の成功率、ハンドオーバー、無線ベアラ設定、または平均セルスループット、利用率などについての統計を含んでよい。3GPP TS32.401によると、PM測定結果データは、多くの方法でネットワークの各ネットワークエレメントにおいて収集できる:測定されたイベントの発生によって引き起こされた累積増分カウンタ、ステータス検査(すなわち事前定義済みレートでの内部カウンタの高頻度サンプリングのためのメカニズム)、測定基準(すなわち満潮マーク、干潮マーク)、特定のイベントに関係したデータが捕捉される離散的イベント登録。
少なくとも一つのアンミラードオブジェクト、及び、オプションで更なるアンミラードオブジェクトのためのPMデータは、第一の態様による方法に関して上述したように、少なくとも一つのアンミラードオブジェクト、及び、オプションでさらなるアンミラードオブジェクトと関連づけられたネットワークエレメントに知られていてよく、例えば前記PMデータはネットワークエレメントのストレージ装置またはメモリ装置の中に記憶されてよい。
二三の例を挙げると、それに限定されることはないが、オブジェクトは隣接セル(NC)についての情報を含むか、又はその情報として構成されてよい。隣接セルは異なる周波数およびRATまたはそのいずれかを使用できる。代わりにまたは追加で、一つのセルのNC各々への隣接セル関係(CR)は、一つのオブジェクト、またはオブジェクトの一部であるとみなすことができる。一般に、各セルは他の隣接セルへのいくつかのCRを持っている。ネットワークエレメントは、ネットワークエレメント自身に関連付けられた、またはネットワークエレメント自身によってコントロールされたセルの表現だけでなく、他のネットワークエレメントによってコントロールされるセルとみなすことができる外部セル(ECs)の表現を保持できる。セルがECへのCRを持っている場合、そのECはNCと称されてもよい。結果として、ECの少なくともいくつかがNCでもあり得る。例えば、LTEにおいて、ECは、eNBにおけるすべてのセルに共通するオブジェクトである。ECはeNBに「属している」。ECへのCRがある場合、そのECはセルのNCになる。
例えば、選択されたECとCRは、OAMシステムにおいて、またはOAMシステムに知られておらず、移動通信ネットワークのネットワークエレメント(NE)においてだけ、またはNEにだけ知られていることがあり、それによりOAMシステム上の負荷が減る。OAMシステムにおいて、またはOAMシステムに知られておらず、NEにおいてだけ、またはNEにだけ知られているそのようなECとCRは、アンミラードEC及びアンミラードCRと称されることがある。代わりに、OAMデータ伝送およびストレージの容量決めを可能にするために、一つのセルあたりの許容された隣接セル関係の数は制限されてもよい。
第一の態様に応じた方法の第一の可能な実施によると、さらなるオブジェクトはネットワークエレメントと関連づけられたアンミラードオブジェクトであってよい。さらなるアンミラードオブジェクトは少なくとも一つのアンミラードオブジェクトと同じオブジェクトクラスに属してもよい。この第一の可能な実施に従って、蓄積するステップは、さらなるアンミラードオブジェクトのPMデータと共に、少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することを含んでよい。このように、二つ以上のアンミラードオブジェクトのPMデータが蓄積され得る。二つ以上のアンミラードオブジェクトは同じオブジェクトクラスに属してもよい。ふたつ以上のアンミラードオブジェクトのためのPMデータは、ネットワークエレメントに知られていてよく、例えば、ネットワークエレメントのストレージ装置またはメモリ装置に記憶されてよい。
例えば、蓄積するステップが、同じオブジェクトクラスに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することを含んでもよいことが考えられる。異なるオブジェクトクラスに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータは例えば、別々に蓄積されてもよい。全てのアンミラードオブジェクトのためのPMデータは、ネットワークエレメントに知られていてよく、例えば、ネットワークエレメントのストレージ装置またはメモリ装置に記憶されてよい。
例えば、蓄積するステップが、オプションで同じオブジェクトクラスに属している、監視対象のすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することを含んでもよいことが考えられる。OAMシステムは、どのアンミラードオブジェクトが監視対象であるかをネットワークエレメントに指示してもよい。結果として、オプションでどれが同じオブジェクトクラスに属する、監視対象のすべてのアンミラードオブジェクトのために、ネットワークエレメントはそれぞれのPMデータを蓄積してもよい。前記アンミラードオブジェクトのためのPMデータは、ネットワークエレメントに知られていてもよく、例えば、ネットワークエレメントのストレージ装置またはメモリ装置に記憶されてもよい。
オブジェクトはオブジェクトクラスのインスタンスであってもよい。オブジェクトクラスによって、オブジェクトプロパティ、使用可能なインタフェースなどが定義されてよい。
第一の態様に応じた方法の第一のバリエーションによると、蓄積するステップは、例えばオブジェクトクラスごとに、新たに作成されたオブジェクトの上にPMデータを蓄積することを含んでもよい。提供するステップは、新たに作成されたオブジェクトの上に蓄積されたPMデータをOAMシステムに報告することを含んでもよい。
蓄積するステップは、同じ新たに作成されたオブジェクトの上に、同じオブジェクトクラスに関係しているアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することを含んでもよい。代わりにまたは追加で、蓄積するステップは、異なる新たに作成されたオブジェクトの上に異なるオブジェクトクラスのPMデータを蓄積することを含んでもよい。このように、第一のオブジェクトクラスに関係しているアンミラードオブジェクトのPMデータは、第一の新たに作成されたオブジェクトの上に蓄積されてもよい。さらに、第二のオブジェクトクラスに関係しているアンミラードオブジェクトのPMデータは、第二の新たに作成されたオブジェクトの上に蓄積されてもよい。例えば、複数のオブジェクトクラスに関係しているアンミラードオブジェクトのPMデータは、複数の新たに作成されたオブジェクトのそれぞれの上に蓄積されてもよい。
第一の態様に応じた方法の第二のバリエーションによると、蓄積するステップは、オブジェクトクラスごとに、少なくとも一つのアンミラードオブジェクトの親オブジェクトの上にPMデータを蓄積することを含んでもよい。提供するステップは、親オブジェクトの上に蓄積されたPMデータをOAMシステムに報告することを含んでもよい。親オブジェクトは少なくとも一つのアンミラードオブジェクトの直接的な親であってもよい。親オブジェクトが間接的な親、すなわち、少なくとも一つのアンミラードオブジェクトの直接的な親のまた親の一つであってもよいことも考えられる。
例えば、蓄積するステップが、同じ親オブジェクトに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することを含んでもよいことが考えられる。異なる親オブジェクトに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータは例えば、別々に蓄積されてもよい。全てのアンミラードオブジェクトのためのPMデータは、ネットワークエレメントに知られていてよく、例えば、ネットワークエレメントのストレージ装置またはメモリ装置に記憶されてよい。
少なくとも一つのアンミラードオブジェクトは、ネットワークエレメントの隣接ネットワークエレメントについての情報を提供している隣接セルオブジェクトと、ネットワークエレメントと隣接ネットワークエレメントとの間の関係についての情報を提供している隣接セル関係オブジェクトとのうちの少なくとも一つを含むか、または前記隣接セルオブジェクトと前記隣接セル関係オブジェクトとのうちの少なくとも一つとして構成されてもよい。
3GPPオブジェクトモデルの具現化の場合、隣接セルオブジェクトは、ExternalEUtranGenericCellオブジェクトとして設定されてよく、隣接セル関係オブジェクトは、EUtranRelationオブジェクトとして設定されてよい。EUtranRelationオブジェクトである少なくとも一つのアンミラードオブジェクトの場合、PMデータが蓄積され得る親オブジェクトは、EUtranGenericCellオブジェクト(直接的な親)またはENBFuNCtionオブジェクト(間接的な親)として構成されてよく、後者はEUtranGenericCellの親である。
第一の態様に応じた方法の第二の可能な実施(それは第一の態様に応じた方法の第一の可能な実施と組み合わせて、またはそれとは無関係に実現することができる)によると、方法は、ネットワークエレメントによって、一つ以上のオブジェクトのうちの少なくとも一つが、OAMシステムでは見えているミラード(mirrored)オブジェクトであるかどうかを決定するステップをさらに含んでよい。ミラードオブジェクトは、OAMシステムでは見えているオブジェクトとして把握できる。ミラードオブジェクトはまた、OAMシステムによって監視できる(すなわち監視され得る)オブジェクトとして把握できる。例えば、アンミラードオブジェクトがPMデータをOAMシステムに報告できるように、OAMシステムは、アンミラードオブジェクトを監視できないか、またはその能力がないかもしれないが、ミラードオブジェクトがPMデータをOAMシステムに報告できるように、OAMシステムは、ミラードオブジェクトを監視できるか、またはその能力があってよい。PMデータの別々の報告の代わりに、この方法は、一つ以上のオブジェクトのうち少なくとも一つがミラードオブジェクトであるなら、少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータと共に少なくとも一つのミラードオブジェクトのPMデータを蓄積することをさらに含んでよい。
提供するステップは、アンミラードオブジェクトと、更なるオブジェクトのためのPMデータが蓄積されるその更なるオブジェクトとのうちの少なくとも一つのID又はID(複数)についての情報を報告することをさらに含んでもよい。ID又はID(複数)についての情報は、対応するオブジェクト(単数または複数)のPMデータとともに蓄積されてもよい。ID(単数又は複数)についての情報は、代わりに、親オブジェクトについての情報である属性としてOAMシステムで使用可能にされてもよい。親オブジェクトは直接的または間接的親オブジェクトであってよい。
第二の態様によれば、運用及び保守(OAM)システムへの性能管理(PM)データを提供するためのワイヤレスネットワークのネットワークエレメントが提供される。そのネットワークエレメントはOAMシステムに接続される。PMデータは、ネットワークエレメントと関連づけられた一つ以上のオブジェクトに関係している。ネットワークエレメントは、判定コンポーネント、蓄積コンポーネント、および送信コンポーネントを含む。判定コンポーネントは、一つ以上のオブジェクトのうちの少なくとも一つが、OAMシステムでは見えないアンミラードオブジェクトであるかどうかを判定するよう構成される。蓄積コンポーネントは、もし一つ以上のオブジェクトのうちの少なくとも一つがアンミラードオブジェクトであるならば、ネットワークエレメントと関連づけられた更なるオブジェクトのPMデータと共に少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するよう構成される。送信コンポーネントは、蓄積されたPMデータをOAMシステムに提供するよう構成される。
蓄積コンポーネントは、同じオブジェクトクラスに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するか、又は、同じ親オブジェクトに属しているすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するか、又はそれらの両方を行うようにさらに構成されてもよい。
判定コンポーネントは、一つ以上のオブジェクトの少なくとも一つが、ミラードオブジェクトのためにPMデータをOAMシステムによって監視可能な、そのミラードオブジェクトであるかどうかを判定するよう構成されてもよい。蓄積コンポーネントは、一つ以上のオブジェクトのうち少なくとも一つがミラードオブジェクトであるなら、少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータと共に前記少なくとも一つのミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するようさらに構成されていてもよい。
ネットワークエレメントは、無線基地局、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または基地局コントローラ(BSC)を含むか、又は、無線基地局、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または基地局コントローラ(BSC)として構成されてもよい。無線基地局はeNodeB(略してeNB)であってよい。
ここでは明示的に説明されないけれども、ネットワークエレメントは、第一の態様に従う方法に関してここに説明されるような方法の態様のいずれか一つを実行するよう構成することができる。この目的のために、ネットワークエレメントは、前記方法の態様を実行するために適当なコンポーネントまたはユニットを有していて良い。
第三の態様によれば、無線通信システムが提供される。無線通信システムは、ここに説明されるようなネットワークエレメントと、
ネットワークエレメントによって提供されたPMデータを要求し、保守するよう構成された運用及び保守(OAM)システムとを含む。
第四の態様によると、コンピュータプログラムが提供され、そのコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが一つ以上のコンピューティングデバイスの上で実行されるときにここに説明された方法の態様のいずれか一つのステップを実行するためのプログラムコード部を含む。このコンピュータプログラムはコンピュータの読取り可能の記録媒体の上に記憶されてもよい。
説明の目的のため、限定されることなしに、以下の説明において、本明細書についての完全な理解を提供するために、特定のネットワークノードを含む具体的なネットワークトポロジなど、具体的な詳細が記述される。本開示が、これらの具体的な詳細を逸脱する他の実施形態において実施されてもよいことは当業者には明白であろう。例えば、当業者は、本開示が、本発明を説明するために以下で検討された長期発展(LTE)標準とは異なる移動通信システムの中で行われてもよいことを理解するであろう。また、本開示は、移動または固定ユーザが属することができるどのようなネットワークにおいても行われ得る。すなわちLTEは、範例となる無線アクセス技術として使われるであろう。しかし、実施形態はその上、本質的に他の無線アクセス技術に等しく適用可能である。さらに、本開示は具体的な3GPPオブジェクトモデルを参照して以下で説明されるけれども、この開示は他の、又は未来のオブジェクトモデルに等しく適用可能である。
当業者は、以下に説明された機能が、個々のハードウェア回路を用い、プログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと連携して機能しているソフトウェアを用い、特定用途向け集積回路(ASIC)を用い、および、一つ以上の信号処理プロセッサ(DSP)を使いて、または、これらの少なくとも何れかを用いて実装されてもよいことも理解するであろう。本開示が方法として説明されている場合、それはまた、コンピュータープロセッサとプロセッサに結合したメモリとに具現化されてもよく、ここでそのメモリは、プロセッサによって実行されたときに、ここに開示した方法を実行するための一つ以上のプログラムがエンコードされていることもまた理解されるであろう。さらに、本開示が方法として説明されている場合、その方法の態様を実行するよう構成された適当なユニットまたはコンポーネントに具現化されてもよい。
第3世代パートナーシップ計画(3GPP)はまだ、LTE(長期発展)とも呼ばれるE−UTRAN無線アクセスシステムの標準化の作業をしている。LTEは発展型パケット通信(Evolved Packet System:EPS)の一部であり、発展型パケットコア(Evolved Packet Core:EPC)も構成している。EPSのアーキテクチャは図1において概略的に示される。図1において示されたEPSは、LTEにおいてはeNodeBsまたはeNBs10、12、14(この後では区別なく用いられるであろう)と、EPCノード16、18と通常呼ばれる無線アクセスノードをネットワークエレメントとして含む。図1において示された模範的なアーキテクチャにおいては、EPCノード16、18は、モビリティ管理実体(MME)またはサービングゲートウェイ(S−GW)として構成することができる。MMEはLTEのアクセスネットワークのための制御ノードである。S−GWは、eNodeB間ハンドオーバー中はユーザプレーンのためのモビリティアンカーとして、かつ、LTEと他の3GPP技術との間の移動性のためのアンカーとしても動作する一方、ユーザデータパケットの経路を決め、また転送する。以下において、EPCノード16、18は、MME16、18と称されるであろう。eNBs10、12、14の間のインタフェースはX2と称され、eNBs10、14とMME16との間のインタフェースおよびeNBs12、14とMME18との間のインタフェースはS1と表示される。X2及びS1の上のシグナリング転送は、例えば3GPP TS36.412、3GPP TS36.422、およびRFC4960に記述されたストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)経由で実施される。
図2は、NBs10、12の管理に関するいくつかの更なる詳細を例示的に示す。一般化としてネットワークエレメント(NEs)とも称されるdeBs 10、12に加えて、ネットワークドメインマネージャ(NM)20および二つのドメインマネージャ(DM)22、24が図式的に示される。無線アクセスネットワーク内のNE、すなわち図2の例におけるeNodeBs10、12は、DMすなわちDM22の一つによって管理される。DM22、24はまた運用及び支援システム(OSS)と称されてもよい。図2においてさらに例示的に示されているように、DM22、24はまたNM20によって管理されてもよい。DM22、24とNM20との間のインタフェースはItf−Nと称され、DM22、24の間のインタフェースはItf−P2Pと称される。管理システムは、例えばDM22、24によって、またオプションとしてNM20によっても成形されるように、eNodeBs10、12のようなネットワークエレメントを設定するほか、eNodeBs10、12のようなネットワークエレメントにおける機能に関連付けられた監視結果を受信してもよい。例えば、DM22は、NEの例としてeNodeBs10、12を監視し、設定し、一方、NM20は、DM22を介して(DM22を介して、またはDM24とDM22とを介して)NEsの例としてeNodeBs10、12のほか、DM22、24を監視し、設定する。PM測定は、NE、例えばeNBs10、12によって生み出され、DM(単数または複数)22、24によって収集されて、オプションで、標準化されたItf−Nインタフェース経由でNM20に転送される。
NM20は、DM22、24と共に、例として、運用及び保守(OAM)システムの単純なアーキテクチャを成形する。
図3は、Itf−Nの上で通信するときに、すなわちDM22、24とNM20との間で使われる従来のいわゆるオブジェクトモデルの一部を示している。オブジェクトモデルのオブジェクトはNE、例えばeNBs10、12から報告している性能管理(PM)データのためのベースとして使われる。ネットワークの中の隣接セル関係(CR)と外部セル(EC)の完全なイメージ(picture)を得るために、すべてのCRとECとはOAMシステムにおいてコピーされ保存される(mirrored)。セルがECへのCRを持っている場合、ECはまた隣接セル(NC)とも称されてよい。例えば、LTEにおいて、ECは、eNBにおけるすべてのセルに共通のオブジェクトである。ECはeNBに「属している」。ECへのCRがある場合、そのECはそのセルのNCになる。
図3において示された従来のオブジェクトモデルにおいて、CRはEUtranRelationオブジェクト34によって定義されて、ECはExternalEUtranGenericCellオブジェクト42によって定義される。NEにおける性能データと構成の変化でOAMシステム、例えばNM20又は一つ以上のDM22、24又はNM20と一つ以上のDM22、24との両方をアップデートするために、OAMシステムは選択されたPMカウンタインスタンスに対し、また選択されたオブジェクトの上の選択された属性の最新情報に対して申し込むことができる。例えば、マネジメントシステム(OAMシステム)は、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト42及びEUtranRelationオブジェクト34の最新情報に対して申し込むことができる。OAMシステムが申し込んだオブジェクト、すなわちOAMシステムが「見ている」一つ以上のオブジェクトに変化がある場合にはいつでも、またはOAMシステムが申し込んだ一つ以上のオブジェクトが使われる場合にはいつでも、PMデータはそれぞれのオブジェクトと関連づけられたネットワークエレメントからOAMシステムに送られる。例えば、二つのネットワークエレメント、EUtranGenericCellオブジェクト32によって表されている第一のネットワークエレメントのセルと、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト42によって表されている第二のネットワークエレメントのセルとの間でハンドオーバーがあれば(第一のネットワークエレメントの視点または展望において、第二のネットワークエレメントのセルはECであり、従って、第一のネットワークエレメントの視点において、第一のネットワークエレメントのセルはEUtranGenericCellオブジェクト32によって表され、第二のネットワークエレメントのセルはExternalEUtranGenericCellオブジェクト42によって表される。)、EUtranRelationオブジェクト34が使用されて、関連づけられたPMデータはOAMシステムに送信される。
さて、図3のオブジェクトモデルの使用は、図1の概略アーキテクチャを参照して説明されるであろう。以下において、eNB10の視点において、EUtranGenericCellオブジェクト32がeNB10によって提供されたセルと関連づけられて、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト42がeNB12によって提供されたセルと関連づけられて、さらなるExternalEUtranGenericCellオブジェクト(不図示)がeNB14によって提供されたセルと関連づけられると仮定される。さらに、移動局(LTEにおいて移動局は通常ユーザ機器(UE)と称されるので、以下では用語UEが説明を通して用いられるであろう。)が、eNB10によって提供されたセルに置かれる、すなわちeNB10はサービングeNB10であると仮定する。UEがeNB12によって提供されたセルに入るならば、eNB10からeNB12へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB12はUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB12へのこのハンドオーバーによって、EUtranRelationオブジェクト34が使用され(例えば、カウンタが進められるところまで変更される)、従って、EUtranRelationオブジェクト34に関係したPMデータがOAMシステムに転送される。
さらにまた、更なるUEがeNB10によって提供されたセルからNB14によって提供されたセルの中に移動するならば、eNB10からeNB14へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB14はこの更なるUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB14へのこのハンドオーバーによって、さらなるEUtranRelationオブジェクト(不図示)が使用されて、従って、さらなるEUtranRelationオブジェクト(不図示)に関係したPMデータがOAMシステムに送信される。
一般に、複数のUEはずっとセルの間で動き回り、従って、ハンドオーバーはかなり頻繁に起こる。これらのハンドオーバーの各々のために、それぞれのeNB(単数又は複数)に記憶されたEUtranRelationオブジェクトの一つに関係したPMデータがOAMシステムに送信される。
高度に高密度化された移動通信ネットワークの場合、この高密度化は、これらのネットワークの中のセルが非常に多くのNCとCRを得ることをもたらす。すなわち各セルは他の隣接セルとのいくつかの隣接関係を持っている。ネットワークは、各セルが複数のECを有し、膨大な量のCRを結果として生じる非常に大量のセルを含むことがあり得る。結果として、図2の管理アーキテクチャにおいて図3のオブジェクトモデルを使う場合に、これは膨大な量のPMデータシグナリングをもたらすことがある。
OAMシステムに非常に大量のPMデータをシングナリングし、かつ記憶するという問題点に対処するために、OAMシステムがすべてのオブジェクトを監視するわけではないことがここで考慮される。例えば、ECまたはCRオブジェクトのどちらかがOAMシステムには見え、それぞれのオブジェクトはそのときOAMシステムによって完全に監視することができるか、さもなければEC及びCRオブジェクトはOAMシステムには見えず、そのときは監視できない。この解決策によって、アンミラードオブジェクト(すなわち、OAMシステムでは見えない(可視でない)オブジェクト)を監視することはできない。この状況の例は図4において示される。図4は、ECを参照する一つのミラードCRを持っている一つのミラードECと、対応するEC(破線で示される)を参照する一つのアンミラードCRをそれぞれ持っている三つのアンミラードEC(破線で示される)とを例として示している。図4のオブジェクトモデルに関して言えば、CRとして一つのミラードEUtranRelationオブジェクト340と、ECとして一つのミラードExternalEUtranGenericCellオブジェクト420が提供される。この図はまた、アンミラードCR(EUtranRelationオブジェクト340aから340c)を持っているアンミラードECのグループ(アンミラードExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aから420c)を示す。EUtranRelationオブジェクト340が、PMデータを取得するためにOAMシステムによって監視され得る間、OAMシステムは、アンミラードEUtranRelationオブジェクト340aから340cまでを監視することができない、すなわちOAMシステムは、アンミラードEUtranRelationオブジェクト340aから340cまでと関連づけられたPMデータを取得することができない。
以下では、図4のオブジェクトモデルの使用が、図1の概略アーキテクチャを参照して説明されるであろう。以下において、eNB10の視点において、EUtranGenericCellオブジェクト320がeNB10によって提供されたセルと関連づけられて、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420がeNB12によって提供されたセルと関連づけられて、さらなるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aがeNB14によって提供されたセルと関連づけられると仮定される。ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420、さらにEUtranRelation340(すなわちeNB10からeNB12への関係)は、ミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムでは見える(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができる)。それどころか、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420a、さらにEUtranRelationオブジェクト340a(すなわちeNB10からeNB14への関係)は、アンミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムでは見えない(OAMシステムは前記オブジェクトを監視することができない)。
さらに、UEがeNB10により提供されたセル内に置かれている、すなわちeNB10がサービングeNB10であるとする。UEがeNB12によって提供されたセルに入るならば、eNB10からeNB12へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB12はUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB12へのこのハンドオーバーによって、EUtranRelationオブジェクト340が使用されて、従って、EUtranRelationオブジェクト340に関係したPMデータがOAMシステムに送信される。
さらにまた、更なるUEがeNB10によって提供されたセルからNB14によって提供されたセルの中に移動するならば、eNB10からeNB14へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB14はこの更なるUEの新しいサービングeNBになる。このeNB10からeNB14へのハンドオーバーによって、更なるEUtranRelationオブジェクト420aが使用される。しかしながら、EUtranRelationオブジェクト420aはアンミラードオブジェクトであるため、EUtranRelationオブジェクト420aに関係したPMデータはOAMシステムに送信されない。
このように、OAMシステムにシグナリングしているPMデータの量、およびOAMシステムの中の記憶容量またはその両方は減らされる。一方、OAMシステムは、EUtranRelationオブジェクト340aおよびExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aのようなアンミラードオブジェクトについていかなるPMデータも受信しない。
一定の状況の下で、アンミラードオブジェクトのためにも、性能の表示を取得することはネットワークの事業者とって興味深いかもしれない。一つの理由は、オブジェクトが時間とともにより重要になり、ミラードオブジェクトのセットの中に含まれるべきということであり得る。3GPP TS36.300において説明されるように、これは自動近隣関係(ANR)のような機能の導入によってよりいっそう重要になる可能性がある。ANRは、自動的に新しいECとCRとを追加するネットワーク中の機能である。これらがそのときアンミラードとして分類されるならば、OAMシステムは新しいオブジェクトについての知識を全然持っておらず、ネットワークエレメントからどのようなPMデータも取り寄せることができない。
この問題点に対処するために、OAMシステムに従来は見えず、すなわち、OAMシステムによって監視できない一つ以上のアンミラードオブジェクトの、或いはための少なくとも何らかの可観測性を提供することが考案される。この目的のために、現在のオブジェクトに加えて、アンミラードオブジェクトについての統計を搬送するよう、新しいオブジェクトが導入されてもよい。代わりに、アンミラードオブジェクトについての統計は、アンミラードオブジェクトの親オブジェクトのような既存のオブジェクトで搬送されてもよい。アンミラードオブジェクトのためのカウンタはそのとき、これらの新しいオブジェクトまたは既存のオブジェクトの上で報告できる。新しいオブジェクトはPMのようにアンミラードオブジェクトのグループを代表する。同じ親オブジェクトの下で、例えばそのオブジェクトクラスのすべてのアンミラードオブジェクトのカウンタは取りまとめられて、一つのオブジェクトで報告されてよい。このように、また、アンミラードオブジェクトのためのPMデータは、OAMシステムまたはNEとOAMシステムとの間の伝送システムに高負荷をかけることなく監視できる。新しいオブジェクトは今後PMオブジェクトと称される。
図5は基本的に図4においてと同じ例を示すけれども、図5においては、ミラードオブジェクトだけが示されている。それにも関わらず、図4によって図式的に示されるようなやり方でアンミラードオブジェクトもまた存在しており、従って、アンミラードオブジェクトを参照するときには、図4の参照符号が使われるであろう。図5はまた、アンミラードオブジェクト(すなわち、アンミラードEUtranRelationオブジェクト340a、340b、340cに関係し、かつまたオプションでミラードEUtranRelationオブジェクト340のためのPMオブジェクトであるEUtranRelation PMオブジェクト360および、アンミラードExternalEUtranGenericCellオブジェクト420a、420b、420cに関係し、かつまたオプションで外部のExternalEUtranGenericCellオブジェクト420のためのPMオブジェクトであるExternalEUtranGenericCell PMオブジェクト440)に関する統計を報告するために使われたPMオブジェクトを示す。
アンミラードオブジェクトが使われる場合には、PMオブジェクトはCRとECとのために実装できるが、すべての他のオブジェクトタイプのためにも実装され得る。以下において、それに限定されることはないが、図5に例示するようにCRとECとのために実装されたPMオブジェクトが参照されるのみであろう。
以下では、図5のオブジェクトモデルの使用が、図1の概略アーキテクチャを参照して説明されるであろう。以下において、eNB10の視点において、EUtranGenericCellオブジェクト320がeNB10によって提供されたセルと関連づけられて、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420がeNB12によって提供されたセルと関連づけられて、さらなるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aがeNB14によって提供されたセルと関連づけられると仮定される。ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420、さらにEUtranRelation340(すなわちeNB10からeNB12への関係)は、ミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムでは見える(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができる)。それどころか、更なるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420a、更なるEUtranRelationオブジェクト340a(すなわちeNB10からeNB14への関係)は、アンミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムには見えない(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができない)。
さらに、UEがeNB10により提供されたセル内に置かれている、すなわちeNB10がサービングeNB10であるとする。UEがeNB12によって提供されたセルに入るならば、eNB10からeNB12へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB12はUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB12へのこのハンドオーバーによって、EUtranRelationオブジェクト340が使用されて、従って、EUtranRelationオブジェクト340に関係したPMデータがOAMシステムに送信される。
さらにまた、更なるUEがeNB10によって提供されたセルからNB14によって提供されたセル内に移動するならば、そのとき、eNB10からeNB14へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB14はこの更なるUEの新しいサービングeNBになる。このeNB10からeNB14へのハンドオーバーによって、更なるEUtranRelationオブジェクト340aが使用される。しかしながら、更なるEUtranRelationオブジェクト340aはアンミラードオブジェクトであるため、EUtranRelationオブジェクト340aに関係したPMデータは、従来の方法でOAMシステムに送信されない。むしろ、さらなるEUtranRelationオブジェクト340aと関連づけられたPMデータはExternalEUtranRelation PMオブジェクト360上で蓄積される。さらにまた、いっそうさらなるEUtranRelationオブジェクトと340b、340c(図4)と関連づけられたPMデータが、EUtranRelation PMオブジェクト360上で蓄積されてもよい。蓄積されたPMデータは、そのとき、EUtranRelation PMオブジェクト360を用いてOAMシステムに送信されてもよい。
このように、EUtranRelationオブジェクトのためのPMデータがすべてのオブジェクトのために別々に転送されるわけではないので、OAMシステムへのPMシグナリングは、図3に示されたオブジェクトモデルに比べて減らされるけれども、アンミラードオブジェクトのためにEUtranRelation PMオブジェクトの上で蓄積される。図4のみを参照して前に説明したオブジェクトモデルに比べて、OAMシグナリングは、もう少し高い(図4を参照して前に説明したように、アンミラードオブジェクトのために報告されるPMデータはない)かもしれないが、複数のアンミラードオブジェクトのために蓄積されたPMデータを提供することによって、OAMシステムはアンミラードオブジェクトからの、かつアンミラードオブジェクトのついてのPM情報を受信する。しかしながら、図4のみを参照して説明したような方法でオブジェクトモデルが使用される場合に、アンミラードオブジェクトのためにOAMシステムに提供されるPMデータフィードバックはない。
上述したミラードオブジェクトのPMデータの報告のバリエーションとして、ミラードオブジェクトもまたそれぞれのPMオブジェクトの上で蓄積されてもよい。例えば、ミラードEUtranRelationオブジェクト340と関連づけられたPMデータは、アンミラードEUtranRelationオブジェクト(単数又は複数)340a、340b、340cのPMデータとともにEUtranRelation PMオブジェクト360上で蓄積されてもよい。
新しく作成されたPMオブジェクトの使用の代案として、アンミラードオブジェクトに関する統計をアンミラードオブジェクトの親オブジェクトの上で処理することができる。例えば、アンミラードEUtranRelationオブジェクト340a、340b、340cの統計を、EUtranGenericCellオブジェクト320上で処理してもよい。これは、以下で再び図1の概略アーキテクチャを参照して、かつ図4を参照して例示されるであろう。
以下において、eNB10の視点において、EUtranGenericCellオブジェクト320がeNB10によって提供されたセルと関連づけられて、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420がeNB12によって提供されたセルと関連づけられて、さらなるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aがeNB14によって提供されたセルと関連づけられると仮定される。ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420、さらにEUtranRelation340(すなわちeNB10からeNB12への関係)は、ミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムには見える(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができる)。それどころか、更なるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420a、さらに、更なるEUtranRelationオブジェクト340a(すなわちeNB10からeNB14への関係)は、アンミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムには見えない(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができない)。
さらに、UEがeNB10により提供されたセル内に置かれている、すなわちeNB10がサービングeNB10であるとする。UEがeNB12によって提供されたセルに入るならば、eNB10からeNB12へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB12はUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB12へのこのハンドオーバーによって、EUtranRelationオブジェクト340が使用されて、従って、EUtranRelationオブジェクト340に関係したPMデータがOAMシステムに送信される。
さらにまた、更なるUEがeNB10によって提供されたセルからNB14によって提供されたセル内に移動するならば、そのとき、eNB10からeNB14へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB14はこの更なるUEの新しいサービングeNBになる。このeNB10からeNB14へのハンドオーバーによって、更なるEUtranRelationオブジェクト340aが使用される。しかしながら、更なるEUtranRelationオブジェクト340aはアンミラードオブジェクトであるため、EUtranRelationオブジェクト340aに関係したPMデータは、従来の方法でOAMシステムに送信されない。むしろ、さらなるEUtranRelationオブジェクト340aと関連づけられたPMデータは、更なるEUtranRelationオブジェクト340aの親オブジェクト上で蓄積される。以下では、例として、更なるEUtranRelationオブジェクト340aの直接親オブジェクト、すなわちEUtranGenericCellオブジェクト320が使用される。この結果、さらなるEUtranRelationオブジェクト340aと関連づけられたPMデータはEUtranGenericCellオブジェクト320上で蓄積される。さらに、いっそうさらなるEUtranRelationオブジェクトと340b、340cと関連づけられたPMデータも、EUtranGenericCellオブジェクト320上で蓄積されてもよい。蓄積されたPMデータは、そのとき、EUtranGenericCellオブジェクト320を用いてOAMシステムに送信されてもよい。
このように、EUtranRelationオブジェクトのためのPMデータがすべてのオブジェクトのために別々に転送されるわけではないので、OAMシステムへのPMシグナリングは、図3に示されたオブジェクトモデルに比べて減らされるけれども、アンミラードオブジェクトのためにEUtranGenericCellオブジェクト320の上で蓄積される。図4のみを参照して前に説明したオブジェクトモデルに比べて、OAMシグナリングは、もう少し高い(図4を参照して前に説明したように、アンミラードオブジェクトのために報告されるPMデータはない)かもしれないが、複数のアンミラードオブジェクトのために蓄積されたPMデータを提供することによって、OAMシステムはアンミラードオブジェクトからのPM情報を受信する。しかしながら、図4を参照して前に説明したような、アンミラードオブジェクトのためにシグナリングされるPMデータがないオブジェクトモデルを使用する場合、アンミラードオブジェクトのためにOAMシステムへのPMデータのフィードバックは提供されない。
上述したミラードオブジェクトのPMデータの報告のバリエーションとして、ミラードオブジェクトもまたそれぞれの親オブジェクトの上で蓄積されてもよい。例えば、ミラードEUtranRelationオブジェクト340と関連づけられたPMデータは、アンミラードEUtranRelationオブジェクト(単数又は複数)340a、340b、340cのPMデータとともにEUtranGenericCellオブジェクト320上で蓄積されてもよい。
上述した態様が模範的な方法実の施形態についてさらに説明されるであろう前に、PM報告を可能ならしめる基本構造が例として簡単に説明されるであろう。
図6において見ることができるように、ネットワークエレメント10とOAMシステム200が提供され、それらは互いに接続されている。ネットワークエレメント10は、処理装置110、記憶装置120、およびOAMシステムインタフェース130を含んでいる。記憶装置120は、ネットワークエレメント10に関係した統計のようなPMデータを記憶するよう構成される。処理装置は記憶装置120と接続され、PMデータに関係したデータまたはPMデータ自身を処理するよう構成される。OAMシステムインタフェース130は処理装置110に接続していて、OAMシステム200と双方向に情報を交換するよう構成される。
図7に示された第一の方法の実施形態に関してこれからより詳細に説明されるであろう。上述した態様のすべては、互いに組み合わせて、または互いに独立して、図7及び図8を参照して以下に説明される第一と第二の方法の実施形態に適用することができる。
処理装置110は、一つ以上のオブジェクトのうち少なくとも一つがアンミラードオブジェクトであるかどうかをステップ702において判定するよう構成された判定コンポーネント112と、前記一つ以上のオブジェクトのうち少なくとも一つがアンミラードオブジェクトであるならば、ネットワークエレメントと関連付けられた更なるオブジェクトのPMデータと共に前記少なくとも一つのアンミラードオブジェクトのPMデータをステップ704において蓄積するよう構成された蓄積コンポーネント114とを有する。OAMシステムインタフェース130は、OAMシステム200に蓄積されたPMデータをステップ706において提供するよう構成された送信コンポーネント132を有する。
より詳細には、処理装置110は判定コンポーネント112によって、ネットワークエレメント10のためのPMデータがOAMシステムに提供されることになっているそのネットワークエレメント10と関連づけられたなんらかのアンミラードオブジェクトがあるか判定するよう構成される(ステップ702)。一つ以上のアンミラードオブジェクトのためのPMデータがOAMシステム200に提供されることになっているその一つ以上のアンミラードオブジェクトがあるならば、処理装置110は、記憶装置120からアンミラードオブジェクトのPMデータを検索するよう構成される。さらに、処理装置110は、蓄積コンポーネント114によって、ネットワークエレメントと関連づけられたさらなるオブジェクトのPMデータと共に、検索されたアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するよう構成される(ステップ704)。処理装置110は、蓄積されたPMデータをOAMシステムインタフェース130に転送するよう構成される。
OAMシステムインタフェース130は、蓄積されたPMデータを受信するよう構成される。さらに、OAMシステムインタフェース130は、送信コンポーネント132により、OAMシステム200へ蓄積されたPMデータを提供するよう、例えば送信するよう、構成される(ステップ706)。
PMデータは多くの異なる方法で処理装置110によって蓄積され得る。
例えば、図5を参照して上述したように、ひとつのアンミラードオブジェクトクラスごとに、PMオブジェクトのための統計が蓄積できるひとつのPMオブジェクトがあり得る。すなわち、処理装置110は、一つのPMオブジェクトの上に、同じオブジェクトクラスに属しているアンミラードPMオブジェクトのPMデータを蓄積するよう構成され得る。例えば、処理装置110は、一つのPMオブジェクトの上に一つのアンミラードPMオブジェクトのPMデータを蓄積するよう構成され得る。代わりに、処理装置110は、一つのPMオブジェクトの上に二つ以上のアンミラードオブジェクトのPMデータを蓄積するよう構成され得る。同じ親オブジェクトの下にアンミラードオブジェクトを持っている異なるオブジェクトクラスがあるならば、いくつかのPMオブジェクトが同じ親オブジェクトの下にあってよい。
処理装置110が、一つ以上のアンミラードオブジェクトのために記憶装置120から検索されたPMデータ、例えば統計を、親オブジェクトまたは他の蓄積クラスに置くよう構成されることが考えられる。例えば、処理装置110は、EUtranGenericCellオブジェクト320上に、アンミラードEUtranRelationオブジェクト340aのような蓄積されたCRオブジェクトのためのカウンタを置くことができる。
アンミラードオブジェクトのみについての統計を蓄積することの代案は、ミラードオブジェクトとアンミラードオブジェクトの両方についての統計を蓄積することである。そのとき、ミラードオブジェクトとアンミラードオブジェクトとの間の分離は、蓄積された統計の全体と、ミラードオブジェクトについての個別の統計に関する知識を有しているOAMシステムにおいて成される。この代案は、OAM200システムが個々のオブジェクトに関するどのような統計も集めなくても、すべてのオブジェクトについての蓄積された統計が常に使用可能であるという利点を持っている。
例えば、PMオブジェクトは、ミラードオブジェクトについての統計も蓄積するために処理装置110によって使用でき、それによりOAMシステムの上のPM負荷を減少させる。このように、アンミラードオブジェクト及びミラードオブジェクトのPMデータは両方とも、たとえば同じ又は別々のPMオブジェクトの上に蓄積できる。一例を挙げると、ミラードEUtranRelationオブジェクト340のPMデータは、新しく作成されたPMオブジェクトとしてのEUtranRelation PMオブジェクト360上で、または親オブジェクトとしてのEUtranGenericCellオブジェクト320上で、アンミラードEUtranRelationオブジェクト(単数又は複数)340a、340b、340cのPMデータと共に蓄積できる。
処理装置110が、アンミラードオブジェクトのための統計のようなPMデータのほかに、OAMシステム200が個別の統計を集めないミラードオブジェクトのための統計のようなPMデータを含むことも考えられる。他のミラードオブジェクトについては、OAMシステム200は従来の方法でPMのためにデータを集め、それゆえ、処理装置110は、前記他のミラードオブジェクトについてのいかなるPMデータも蓄積しない。このように、(従来監視されていたミラードオブジェクトについての)個々の統計として、選択された一部のオブジェクトについての統計と、他の全てのオブジェクト、すなわち個別の統計を持たないミラードオブジェクト、およびアンミラードオブジェクトについての統計とが、蓄積された統計の中で利用可能である。
貢献が大きいけれどもOAMシステム200が個々の統計を集めない、より多くの個々のオブジェクトに関する統計をオペレータが起動させることをより容易にすべく、これらのオブジェクトのIDを、蓄積されたカウンタが報告される処理装置110によってオブジェクトの上の属性に書き込むことができる。オペレータは、どのオブジェクトまたはオブジェクトらが最も統計に寄与しているか容易に把握でき、そしてそれらのための個々のカウンタを起動させることを選択できる。
図8は、更なる方法の実施形態を示す。特に、図8は、図7の蓄積ステップ704と提供ステップ706との一つの可能な具現化を説明する。
ステップ802において、処理装置110は、一定の収集期間中、ネットワークエレメント10(この中に処理装置110が配置されている)内のすべてのアンミラードオブジェクトに関する統計を集める。収集期間は固定されていてもよいし、OAMシステム200によって提供された情報に基づいて、処理装置110によって変更されてもよい。収集期間は1分以上かつ1時間または数時間までであってよい。制限するものではないが説明のためのいくつかの例をあげると、収集期間の例は、5分、15分、30分、または1時間であってよい。
収集期間の後すなわち収集期間が終わったとき、処理装置110はステップ804においてアンミラードオブジェクトのためのカウンタを蓄積する。例えば、処理装置110は、親オブジェクトごとにオブジェクトクラスごとにPMオブジェクトの上に前記カウンタを蓄積する。
ステップ806において、処理装置は、蓄積されたカウンタをOAMシステムインタフェース130に転送し、そしてそれは、それ自身がそのときに、PMオブジェクトの上に蓄積されたカウンタをOAMシステム200に報告する。
第二の方法の実施形態が更に、図1の概略アーキテクチャを参照してこれから以下に説明される。
以下において、eNB10の視点において、EUtranGenericCellオブジェクト320がeNB10によって提供されたセルと関連づけられて、ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420がeNB12によって提供されたセルと関連づけられて、さらなるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420aがeNB14によって提供されたセルと関連づけられると仮定される。ExternalEUtranGenericCellオブジェクト420および、さらにEUtranRelation340(すなわちeNB10からeNB12への関係)はミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステムでは見える(OAMシステムは、前記オブジェクトを監視することができる)。それどころか、更なるExternalEUtranGenericCellオブジェクト420a、そしてさらに、更なるEUtranRelationオブジェクト340a(すなわちeNB10からeNB14への関係)は、アンミラードオブジェクトであり、すなわちそれらは、OAMシステム200では見えない(OAMシステム200は、前記オブジェクトを監視することができない)。
さらに、第一のUEがeNB10により提供されたセル内に置かれている、すなわちeNB10がサービングeNB10であるとする。UEがeNB12によって提供されたセルに入るならば、eNB10からeNB12へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB12は第一のUEの新しいサービングeNBになる。eNB10からeNB12へのこのハンドオーバーによって、EUtranRelationオブジェクト340が使用されて、それによって、EUtranRelationオブジェクト340に関係したPMデータがOAMシステム200に送信される。
さらにまた、第二のUEがeNB10によって提供されたセルからNB14によって提供されたセル内に移動し、そのとき、eNB10からeNB14へのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、eNB14はこの更なるUEの新しいサービングeNBになるとする。さらにまた、第三のUEがeNB10によって提供されたセルから更なるeNB(eNB)によって提供された他のセル内に移動し、そのとき、eNB10から更なるeNBへのハンドオーバーが開始されて、このハンドオーバーの結果として、更なるeNBは第三のUEの新しいサービングeNBになるとする。eNB10からeNB14への、およびeNB10から更なるeNB(不図示)へのこれらハンドオーバーにより、二つのEUtranRelationオブジェクト340a、340bが使用される。しかしながら、二つのEUtranRelationオブジェクト340a、340bはアンミラードオブジェクトであるため、二つのEUtranRelationオブジェクト340a、340b関係したPMデータは、従来の方法ではOAMシステムに送信されない。むしろ、二つのEUtranRelationオブジェクト340a、340bと関連づけられたPMデータは収集期間中に集められる(ステップ802)。収集期間は柔軟に調整できてもよいし、一定期間に固定されてもよい。
収集期間が終わった後、アンミラードEUtranRelationオブジェクト420a、420bのようなすべてのアンミラードオブジェクトのPMデータは、対応するPMオブジェクトまたは親オブジェクトの上に蓄積される(ステップ804)。この結果、すべてのEUtranRelationオブジェクト340a、340bと関連づけられたPMデータは、一つの単一オブジェクト上に蓄積される。蓄積されたPMデータは、それから、単一のオブジェクト、例えば単一のPMオブジェクトまたは単一の親オブジェクトを用いてOAMシステムに転送される(ステップ806)。
上述したミラードオブジェクトのPMデータの報告のバリエーションとして、ミラードオブジェクトもまたそれぞれのPMオブジェクトまたは親オブジェクトの上に蓄積されてもよく、アンミラードオブジェクトのためには何でも使用される。例えば、ミラードEUtranRelationオブジェクト340と関連づけられたPMデータは、アンミラードEUtranRelationオブジェクト(単数又は複数)340a、340bのPMデータとともに、EUtranRelation PMオブジェクト360またはEUtranGenericCellオブジェクト320上に蓄積されてもよい。
上述した実施形態および実施形態のバリエーションによって、いくつかのオブジェクト例えば隣接セル及びセル関係がOAMシステムにおいてコピー(mirrored)されない、多くのセルを有する巨大なネットワークの中で、アンミラードセルを監視することも可能である。また、ミラードオブジェクトのためのOAMシステムの上のPM負荷を減少させることができる。
この解決策は、例えば3GPP TS32.762に従う既存のオブジェクトクラスを用いて、PMオブジェクトを特定する特定の属性値を使うか、或いは、ミラードオブジェクトクラスおよびアンミラードオブジェクトクラスのほかに、新たなオブジェクトクラスのための統計が報告されるその新たなオブジェクトクラスを定義することによって、実施できる。新たなオブジェクトクラスが使われるならば、それは属性によって、オブジェクトのための統計が蓄積されるそのオブジェクトのIDを示すことができる。
本開示の多くの利点が前述の説明から十分に理解されるであろうし、本開示の範囲を逸脱せずにまたはその利点のすべてを犠牲にせずにそれの模範的な態様の形式、構造、および配置において、様々な変更ができることは明らかであろうと考えられる。本開示が多くの点で変更することができるので、本開示が以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであることは認められるであろう。