本発明の化合物、組成物、物品、システム、デバイスおよび/または方法が、開示および説明される前に、これらは、特に断りのない限り特定の合成方法に、または特に断りのない限り特定の試薬に、このようなものは、当然に変わり得るので、限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、単に特定の態様を説明する目的のためであり、限定的であることは意図されないことも理解されるべきである。本明細書に記載されるものと類似または同等のいずれの方法および材料も本発明の実施または試験で使用され得るが、これから、方法および材料の例が説明される。
本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物がそれらに関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で検討される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためだけに提供される。本明細書でいかなるものも、本発明が先行発明によってこのような刊行物に先行する資格がないことの承認と解釈されるべきではない。さらに、本明細書で提供される刊行日は、実際の刊行日と異なることがあり得、これは独立した確認を必要とし得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、そうでないことが内容から明白である場合を除き、複数形も含む。したがって、例えば、「官能基(a functional group)」、「アルキル(an alkyl)」または「残基(an residue)」への言及は、2個以上のこのような官能基、アルキルまたは残基の混合物を含む。
範囲は、「約」1つの特定の値からおよび/または「約」別の特定の値までと本明細書で表現され得る。このような範囲が表現される場合、さらなる態様は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行する「約」の使用によって近似値として表現される場合、その特定の値はさらなる態様を形成することが理解される。範囲のそれぞれの端点は、他の端点に関連しておよび他の端点とは独立しての両方で有意であることがさらに理解される。本明細書ではいくつかの値が開示されること、および各値も、その値それ自体に加えて「約」その特定の値として本明細書で開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。2つの特定の単位間の各単位も開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14も開示される。
組成物中の特定の要素または成分の重量部への、本明細書および結びの特許請求の範囲での言及は、重量部が表現される組成物または物品中の要素または成分と任意の他の要素または成分との間の重量関係を意味する。したがって、2重量部の成分Xおよび5重量部の成分Yを含有する化合物において、XおよびYは、2:5の重量比で存在し、さらなる成分が化合物に含有されるかどうかに関係なく、このような比で存在する。
本明細書で使用される場合、「LSD1」および「リジン特異的脱メチル化酵素1」という用語は、区別しないで使用され得、KDM1A遺伝子によりコードされるヒストン脱メチル化酵素を指す。KDM1A遺伝子は、Entrez Gene細胞遺伝学的バンド、Ensembl細胞遺伝学的バンドおよびHGNC細胞遺伝学的バンドにより記載されるとおりの、1p36.12の遺伝子マップ遺伝子座を有する。LSD1という用語は、約92903Daの分子量とともに852アミノ酸を有する天然タンパク質を指し、フラビンモノアミンオキシダーゼファミリーのメンバーである。LSD1という用語は、当業者により使用される場合、LSD1、KDM1;RP1−184J9.1;AOF2;BHC110;KIAA0601;LSD1;BRAF35−HDAC複合タンパク質BHC110;FAD結合タンパク質BRAF35−HDAC複合体、110kDaサブユニット;アミンオキシダーゼ(フラビン含有)ドメイン2;リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素1;リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素1A;フラビン含有アミンオキシダーゼドメイン含有タンパク質2;リジン(K)特異的脱メチル化酵素1;アミンオキシダーゼ(フラビン含有)ドメイン2;およびFAD結合タンパク質BRAF35−HDAC複合体、110kDaサブユニットとしてのような代替的命名により言及される、タンパク質、遺伝子産物および/または遺伝子を含む。
本明細書で使用される場合、「LSD2および「リジン特異的脱メチル化酵素2という用語は、区別しないで使用され得、KDM1B遺伝子によりコードされるヒストン脱メチル化酵素を指す。KDM1B遺伝子は、Entez Gene細胞遺伝的バンド、Ensembl細胞遺伝学的バンドおよびHGNC細胞遺伝学的バンドにより記載されるとおりの、6p22.3の遺伝子マップ遺伝子座を有する。LSD21という用語は、約92098Daの分子量とともに822アミノ酸を有する天然タンパク質を指し、フラビンモノアミンオキシダーゼファミリーのメンバーである。LSD2という用語は、当業者により使用される場合、LSD2、AOF1;FLJ33898;FLJ34109;FLJ43328;C6orf193;DKFZp686I0412;OTTHUMP00000179125;bA204B7.3;dJ298J15.2;フラビン含有アミンオキシダーゼドメイン含有タンパク質1;リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素2;リジン(K)特異的脱メチル化酵素1B;アミンオキシダーゼ(フラビン含有)ドメイン1;アミンオキシダーゼ、フラビン含有1;リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素2;染色体6オープンリーディングフレーム193;およびリジン特異的ヒストン脱メチル化酵素1Bとしてのような代替的命名により言及される、タンパク質、遺伝子産物および/または遺伝子を含む。
本明細書で使用される場合、「ヒストン脱メチル化酵素」という用語は、ヒストンタンパク質からメチル基を除去する酵素群を指す。この用語は、ヒストンリジン脱メチル化酵素、すなわち、ヒストンにおけるリジン残基からメチル基を除去する酵素と、ヒストンアルギニン脱メチル化酵素、すなわち、ヒストンにおけるアルギニン残基からメチル基を除去する酵素との両方を含む。
本明細書で使用される場合、「ヒストンリジン脱メチル化酵素」または「リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素」という用語は、区別しないで使用され得、両方ともヒストンタンパク質のリジン残基からメチル基を除去する酵素群を指す。ヒストンリジン脱メチル化酵素は、以下の特定の形態:LSD1、LSD2、JMJD2A、JMJD2B、JMJD2CおよびJMJD2Dを含む酵素群である。
本明細書で使用される場合、「場合による」または「場合によって」という用語は、その後に記載される事象または状況が、起こり得るまたは起こり得ないこと、およびその記載が前記事象または状況が起こる場合、およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、脊椎動物、例えば、哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類または両性類であり得る。したがって、本明細書で開示される方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、げっ歯類であり得る。この用語は、特定の年齢または性別を意味しない。したがって、雄または雌にかかわらず、成人および新生児の対象、ならびに胎児に及ぶことが意図される。一態様において、対象は哺乳動物である。患者は、疾患または障害に冒されている対象を指す。「患者」という用語は、ヒトおよび脊椎動物の対象を含む。本開示の方法の一部の態様において、対象は、投与ステップの前にヒストンリジン脱メチル化酵素機能不全を伴う制御されない細胞増殖の障害の処置が必要と診断されている。本開示の方法の一部の態様において、対象は、投与ステップの前にヒストンリジン脱メチル化酵素の阻害が必要と診断されている。
本明細書で使用される場合、「処置」という用語は、疾患、病的状態または障害を治癒させ、寛解させ、安定化しまたは予防する意図を有する、患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、すなわち、疾患、病的状態または障害の改善を具体的に目指す処置を含み、原因的処置、すなわち、関連する疾患、病的状態または障害の原因の除去を目指す処置も含む。さらに、この用語は、姑息的処置、すなわち、疾患、病的状態または障害の治癒よりもむしろ症状の軽減について設計された処置;予防的処置、すなわち、関連する疾患、病的状態または障害の発症を最小化または部分的もしくは完全に阻害することを目指す処置;ならびに支持的処置、すなわち、関連する疾患、病的状態または障害の改善を目指す別の特定の治療を補完するために用いられる処置を含む。様々な態様において、この用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)を含めた、対象のあらゆる処置におよび、(i)疾患に羅患しやすい可能性があるが、疾患を有するとはまだ診断されていない対象において疾患が起こることを予防すること;(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を停止させること;または(iii)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすことを含む。一態様において、対象は、霊長類などの哺乳動物であり、さらなる態様において、対象はヒトである。「対象」という用語は、飼育動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエ、ゼブラフィッシュなど)も含む。
本明細書で使用される場合、「予防する」または「予防すること」という用語は、何かが起こることを特に事前措置によって不可能にする、回避する、不要にする、未然に防ぐ、停止させるまたは妨害することを意味する。減少させる、阻害するまたは予防するが本明細書で使用される場合、特に断りのない限り、他の2つの語の使用も明示的に開示されていると理解される。
本明細書で使用される場合、「診断される」という用語は、熟練者、例えば、医師による健康診断に供され、本明細書で開示される化合物、組成物または方法により診断または処置され得る状態を有することが発見されていることを意味する。例えば、「制御されない細胞増殖の障害と診断される」ことは、熟練者、例えば、医師による健康診断に供され、ヒストンリジン脱メチル化酵素を阻害し得る化合物または組成物により診断または処置される得る状態を有することが発見されていることを指す。さらなる例として、「ヒストン脱メチル化酵素の阻害が要と診断される」は、熟練者、例えば、医師による健康診断に供され、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全によって特徴付けられる状態を有することが発見されていることを指す。このような診断は、障害、例えば、本明細書で検討されるとおりの、制御されない細胞増殖、がんなどの障害に関連していることがあり得る。例えば、「ヒストン脱メチル化酵素活性の阻害が必要性と診断される」という用語は、熟練者、例えば、医師による健康診断に供され、ヒストン脱メチル化酵素活性の阻害により診断または処置され得る状態を有することが発見されていることを指す。例えば、「ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う制御されない細胞増殖の1つ以上の障害の処置が必要と診断される」は、熟練者、例えば、医師による健康診断に供され、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う制御されない細胞増殖の1つ以上の障害を有することが発見されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、「障害の処置を必要とすると特定される」という句などは、障害の処置の必要性に基づく、対象の選択を指す。例えば、対象は、熟練者による早期の診断に基づく障害(例えば、ヒストン脱メチル化酵素活性の機能不全に関連する障害)の処置の必要性を有すると特定され、その後、障害のための処置に供され得る。一態様において、特定は、診断を行った人物とは異なる人物により行われ得ることが企図される。さらなる態様において、投与は、投与をその後に行った者により行われ得ることも企図される。
本明細書で使用される場合、「投与すること」および「投与」という用語は、医薬調製物を対象に提供する任意の方法を意味する。このような方法は、当業者に周知であり、限定されないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、眼投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、尿道内投与および非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などの注射可能なものを含む。投与は、連続的または断続的であり得る。様々な態様において、調製物は、治療的に投与され得る;すなわち、既存の疾患または症状を処置するのに投与され得る。さらなる様々な態様において、調製物は、予防的に投与され得る;すなわち、疾患または状態の予防のために投与され得る。
本明細書で使用される場合の「接触させること」という用語は、開示の化合物、および細胞、標的受容体または他の生物学的実体を、直接的に:すなわち、標的それ自体と相互作用することによって、または間接的に;すなわち、標的の活性が依存している別の分子、補助因子、因子またはタンパク質と相互作用することによって、いずれかで、化合物が、標的(例えば、受容体、細胞など)の活性に影響を及ぼし得るように一緒にさせることを指す。
本明細書で使用される場合、「有効量」および「有効な量」という用語は、所望の結果を達成するためにまたは望ましくない状態に効果を有するために十分な量を指す。例えば、「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するためにまたは望ましくない症状に効果を有するために十分であるが、一般的に、有害な副作用を引き起こすために不十分な量を指す。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、種々の要因、例えば、処置される障害および障害の重症度;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身状態、性別および食事;投与の時間:投与の経路;用いられる具体的な化合物の排出速度;処置の期間;前記使用される具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物ならびに医療技術分野で周知の同様の要因を含めた種々の要因に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するのに必要なものより低いレベルで化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで、投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技術内である。必要に応じて、有効1日用量が、投与の目的のために複数回用量に分割され得る。結果として、単回用量組成物は、1日用量を構成するために、このような量またはこの約量を含有し得る。投与量は、任意の禁忌の事象の場合には、個々の医師により調整され得る。投与量は、変えることができ、1日1回以上の用量投与で、1日または数日間投与され得る。指針は、医薬品の所定の分類に適した投与量に関する文献に見出され得る。さらなる態様において、調製物は、「予防的有効量」、すなわち、疾患または状態の予防に有効な量で投与され得る。
「医薬として許容される」という用語は、生物学的またはそうでなければ望ましくなくはない、すなわち、許容され得ないレベルの望ましくない生物学的作用の原因となることまたは有毒な仕方で相互作用することがない材料を説明する。
本明細書で使用される場合、「安定な」という用語は、それらの製造、検出、ある特定の態様においては、それらの回収、精製および本明細書に開示される1つ以上の目的のための使用を可能にする条件に供された際に、実質的に変化しない化合物を指す。
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、親化合物(例えば、本明細書で開示される化合物)の構造に由来する構造を有する化合物を指し、その構造は、本明細書で開示されるものと十分類似し、その類似性に基づいて、特許請求された化合物と同じまたは類似の活性および有用性を示しまたは前駆体として、特許請求された化合物と同じまたは類似の活性および有用性をもたらすことが、当業者により予測される。例示的な誘導体には、親化合物の塩、エステル、アミド、エステルもしくはアミドの塩およびN−オキシドが含まれる。
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される担体」という用語は、滅菌の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液および使用の直前に滅菌の注射溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を指す。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびこれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)ならびに注射可能な有機エステル、例えば、エチルオレエートが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。これらの組成物は、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤も含有し得る。微生物の活動の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含めることにより確保され得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことも望ましくあり得る。注射可能な医薬品形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることにより、もたらされ得る。注射可能デポー形態は、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)における、薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。薬物とポリマーとの比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度は、制御され得る。デポー注射製剤は、身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を取り込むことによって調製される。注射製剤は、例えば、細菌保持フィルタに通してのろ過により、または使用直前に、滅菌水または他の滅菌注射可能媒体に溶解または分散させ得る滅菌の固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌され得る。好適な不活性担体には、糖、例えば、ラクトースなどの糖が含まれ得る。望ましくは、活性成分の粒子の少なくとも95重量%が、0.01から10マイクロメートルの範囲の有効粒径を有する。
化学種の残基は、本明細書および結びの特許請求の範囲で使用される場合、化学種からその部分が実際に得られるかどうかにかかわらず、特定の反応スキームにおける化学種またはその後の製剤もしくは化学品の結果として得られる生成物である、部分を指す。したがって、ポリエステルにおけるエチレングリコール残基は、エチレングリコールがポリエステルを調製するのに使用されたかどうかにかかわらず、ポリエステルにおける1つ以上の−OCH2CH2O−単位を指す。同様に、ポリエステルにおけるセバシン酸残基は、残基が、セバシン酸またはこのエステルを反応させてポリエステルを得ることにより得られるかどうかにかかわらず、ポリエステルにおける1つ以上の−CO(CH2)8CO−部分を指す。
本明細書で使用される場合、「置換される」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが企図される。広い態様において、許容される置換基には、有機化合物の非環状および環状、分岐および非分岐、炭素環式およびヘテロ環式ならびに芳香族および非芳香族の置換基が含まれる。例証となる置換基には、例えば、以下に記載されるものが含まれる。許容される置換基は、1個以上で、適切な有機化合物にとって同じまたは異なり得る。この開示の目的のために、ヘテロ原子、例えば、窒素は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす、本明細書に記載される有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。この開示は、有機化合物の許容される置換基によって限定されることは決して意図されない。また、「置換」または「で置換されている」という用語は、このような置換が、置換されている原子および置換基との許可される価数に従っていること、および置換が、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に受けない化合物をもたらすことという暗黙の条件を含む。ある特定の態様において、特に逆の指示がない限り、個別の置換基が、さらに場合によって置換され得る(すなわち、さらに置換されるまたは置換されない)ことも企図される。
本明細書で使用される場合の「アルキル」という用語は、1から24個の炭素原子の分岐または非分岐飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。アルキル基は、環状または非環式であり得る。アルキル基は、分岐または非分岐であり得る。アルキル基は、置換され得るまたは非置換であり得る。例えば、アルキル基は、限定されないが、本明細書に記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。「低級アルキル」基は、1から6個(例えば、1から4個)の炭素原子を有するアルキル基である。
例えば、「C1−C3アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルおよびシクロプロピルまたはこれらのサブセットから選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C3アルキル」基は、場合によってさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C4アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルおよびシクロブチルまたはこれらのサブセットから選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C4アルキル」基は、場合によってさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C6アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサンおよびシクロヘキサンまたはこれらのサブセットから選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C6アルキル」基は、場合によってさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C8アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタンおよびシクロオクタンまたはこれらのサブセットから選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C8アルキル」基は、場合によってさらに置換され得る。さらなる例として、「C1−C12アルキル」基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、シクロノナン、デカン、シクロデカン、ウンデカン、シクロウンデカン、ドデカンおよびシクロドデカンまたはこれらのサブセットから選択され得る。ある特定の態様において、「C1−C12アルキル」基は、場合によってさらに置換され得る。
本明細書全体を通して、「アルキル」は、一般に、非置換アルキル基および置換アルキル基の両方を指すために使用され;しかしながら、置換アルキル基も、アルキル基上の具体的な置換基を特定することにより、本明細書で具体的に言及される。例えば、「ハロゲン化アルキル」または「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲン化物、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素で置換されているアルキル基を具体的に指す。「アルコキシアルキル」という用語は、以下に記載されるとおりの1個以上のアルコキシ基で置換されているアルキル基を具体的に意味する。「アルキルアミノ」という用語は、以下に記載されるとおりの、1個以上のアミノ基で置換されているアルキル基を具体的に指す、などである。「アルキル」が一例で使用され、別に、例えば、「アルキルアルコール」などの具体的な用語が別に使用される場合、「アルキル」という用語はまた、例えば、「アルキルアルコール」などの具体的な用語を指さないことを暗示することを意味しない。
この実務は、本明細書で記載される他の基にも使用される。すなわち、例えば、「シクロアルキル」などの用語は、非置換および置換シクロアルキル部分の両方を指すが、置換部分は、さらに、本明細書で具体的に特定され得;例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば、「アルキルシクロアルキル」と称され得る。同様に、置換アルコキシは、例えば、「ハロゲン化アルコキシ」と、具体的に称され得る。具体的な置換アルケニルは、例えば、「アルケニルアルコール」などであり得る。再度、一般的な用語、例えば、「シクロアルキル」および具体的な用語、例えば、「アルキルシクロアルキル」を使用する実務は、一般用語が、具体的用語を含まないことも示唆することを意味しない。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、少なくとも3個の原子から構成される非芳香族性炭素系環である。シクロアルキル基には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、上で定義されたとおりのシクロアルキル基の1種であり、「シクロアルキル」という用語の意味内に含まれ、ここで、環の炭素原子の少なくとも1個が、ヘテロ原子、例えば、限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリンで置き換えられている。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、置換され得るまたは非置換であり得る。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、限定されないが、本明細書に記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミドまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。
本明細書で使用される場合の「アルコキシ」および「アルコキシル」という用語は、エーテル連結により結合されているアルキルまたはシクロアルキル基を指し;すなわち、「アルコキシ」基は、−OA1と定義され得、ここで、A1は、上で定義されたとおりのアルキルまたはシクロアルキルである。「アルコキシ」は、ちょうど記載されたとおりのアルコキシ基のポリマーも含み;すなわち、アルコキシは、ポリエーテル、例えば、−OA1−OA2または−OA1−(OA2)a−OA3であり得、ここで、「a」は、1から200の整数であり、A1、A2およびA3は、アルキルおよび/またはシクロアルキル基である。
本明細書で使用される場合の「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも3つの炭素原子から構成され、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合、すなわち、C=Cを有する非芳香族性炭素系環である。シクロアルケニル基には、限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルネニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、上で定義されたとおりのシクロアルケニル基の1種であり、「シクロアルケニル」という用語の意味内に含まれ、ここで、環の炭素原子の少なくとも1個は、ヘテロ原子、例えば、限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリンで置き換えられている。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、置換され得るまたは非置換であり得る。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、限定されないが、本明細書に記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミドまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。
本明細書で使用される場合の「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する構造式の、2から24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、非置換であり得るまたは限定されないが、本明細書に記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミドまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。
本明細書で使用される場合の「シクロアルキニル」という用語は、少なくとも7つの炭素原子から構成され、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する非芳香族性炭素系環である。シクロアルキニル基には、限定されないが、シクロヘプチニル、シクロオクチニル、シクロノニニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルキニル」という用語は、上で定義されたとおりのシクロアルケニル基の1種であり、「シクロアルキニル」という用語の意味内に含まれ、ここで、環の炭素原子の少なくとも1個は、ヘテロ原子、限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリンなどで置き換えられている。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、置換され得るまたは非置換であり得る。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、限定されないが、本明細書に記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミドまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。
本明細書で使用される場合の「アリール」という用語は、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼンなどを含む任意の炭素系芳香族基を有する基である。「アリール」という用語は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基を有する基と定義される「ヘテロアリール」も含まれる。ヘテロ原子の例には、限定されないが、窒素、酸素、硫黄およびリンが含まれる。同様に、「アリール」という用語にも含まれる「非ヘテロアリール」という用語は、ヘテロ原子を有しない芳香族基を有する基を定義する。前記アリール基は、置換されていることもできるし、非置換であることもできる。アリール基は、限定されないが、本明細書に記載のされるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ−オキソ、ニトリル、スルホンアミドまたはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。「ビアリール」という用語は、アリール基の特定の種類であり、「アリール」の定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンとして、縮合環構造により一緒に結合されているまたはビフェニルとして、1つ以上の炭素−炭素結合を介して結合されている2個のアリール基を指す。
本明細書で使用される場合の「アルデヒド」という用語は、式−C(O)Hで表される。この明細書全体を通して、「C(O)」は、カルボニル基、すなわち、C=Oに関する、略記法である。
本明細書で使用される場合の「アルキルアミノ」という用語は、式−NH(−アルキル)で表され、ここで、アルキルは、本明細書に記載されるものである。代表的な例には、限定されないが、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、(sec−ブチル)アミノ基、(tert−ブチル)アミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、(tert−ペンチル)アミノ基、ヘキシルアミノ基などが含まれる。
本明細書で使用される場合の「ハロゲン」、「ハロゲン化物」および「ハロ」という用語は、ハロゲンである、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。様々な態様において、ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択され得ることも企図される。例えば、ハロゲンは、フルオロ、クロロおよびブロモから選択され得る。更なる例として、ハロゲンは、フルオロおよびクロロから選択され得る。さらなる例として、ハロゲンは、クロロおよびブロモから選択され得る。さらなる例として、ハロゲンは、ブロモおよびヨードから選択され得る。さらなる例として、ハロゲンは、クロロ、ブロモおよびヨードから選択され得る。一態様において、ハロゲンは、フルオロであり得る。さらなる態様において、ハロゲンは、クロロであり得る。なおさらなる態様において、ハロゲンは、ブロモである。なおさらなる態様において、ハロゲンは、ヨードである。
ある特定の態様において、擬ハロゲン(例えば、トリフレート、メシレート、トシレート、ブロシレートなど)は、ハロゲンに代えて使用され得ることも企図される。例えば、ある特定の態様において、ハロゲンは、擬ハロゲンで置き換えられ得る。さらなる例としては、擬ハロゲンは、トリフレート、メシレート、トシレートおよびブロシレートから選択され得る。一態様において、擬ハロゲンは、トリフレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンは、メシレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンは、トシレートである。さらなる態様において、擬ハロゲンは、ブロシレートである。
本明細書で使用される場合の「ヘテロ環」は、少なくとも1個の環メンバーが炭素以外である、単環式および多環式芳香族または非芳香族環系を指す。ヘテロ環には、アゼチジン、ジオキサン、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、モルホリン、オキサゾール、オキサゾール、例えば、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾールおよび1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラジン、例えば、1,2,4,5−テトラジン、テトラゾール、例えば、1,2,3,4−テトラゾールおよび1,2,4,5−テトラゾール、チアジアゾール、例えば、1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾールおよび1,3,4−チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、例えば、1,3,5−トリアジンおよび1,2,4−トリアジン、トリアゾール、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,3,4−トリアゾールなどが含まれる。
本明細書で記載されるとおりに、本発明の化合物は、「場合によって置換された」部分を含んでもよい。一般に、「場合によって」という用語により先行されている否かにかかわらず、「置換された」という用語は、指定された部分の1個以上の水素が、適切な置換基で置き換えられていることを意味する。特に断りがない限り、「場合によって置換された」基は、基の各置換可能な位置に適切な置換基を有してもよく、任意の所定の構造における2つ以上の位置が、特定された基から選択される2個以上の置換基で置換されていてもよい場合、置換基は、位置ごとに同一ありまたは異なる、のいずれであってもよい。本発明により想定される置換基の組合せは、好ましくは、安定または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。ある特定の態様において、特に逆の指示がない限り、個別の置換基は、さらに場合によって置換され得る(すなわち、さらに置換されているまたは置換されていない)ことも企図される。
「脱離基」という用語は、安定な種として置き換えられ、それと一緒に結合電子をとり得る、電子吸引能を有する原子(または原子の群)を指す。適切な脱離基の例には、ハロゲン化物−例えば、クロロ、ブロモおよびヨード−ならびに擬ハロゲン化物(スルホネートエステル)−例えば、トリフレート、メシレート、トシレートおよびブロシレートが含まれる。ヒドロキシル部分が、Mitsunobu反応により脱離基に変換され得ることも企図される。
「加水分解性基」および「加水分解性部分」という用語は、例えば、塩基性または酸性条件下で、加水分解を受けることができる官能基を指す。加水分解性残基の例には、限定しないが、酸ハロゲン化物、活性化カルボン酸、および当技術分野において公知の種々の保護基(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis、T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999年を参照のこと。)が含まれる。
「保護基」という用語は、特定の化合物の保護された誘導体を生じる化合物の1個以上の官能基を保護する基を意味する。保護されてもよい官能基には、例として、アミノ基、ヒドロキシル基などが含まれる。保護基は、当業者に周知であり、例えば、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley,New York、1999年およびこれに引用された参考文献に記載されている。
「アミノ−保護基」という用語は、アミノ基での望ましくない反応を防止するのに適切な保護基を意味し、限定されないが、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、トリチル(Tr)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、ホルミル、トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−フルオロベンジル、p−クロロベンジル、p−ブロモベンジル、ジフェニルメチル、ナフチルメチル、テトラヒドロピラン(THP)などを含む。
「ヒドロキシル−保護基」という用語は、ヒドロキシル基での望ましくない反応を防止するのに適切な保護基を意味する。代表的なヒドロキシル−保護基には、限定されないが、トリ(1−6C)−アルキルシリル基を含めたシリル基、例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)など;(1−6C)−アルカノイル基を含めたエステル(アシル基)、例えば、ホルミル、アセチルなど;アリールメチル基、例えば、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)、テトラヒドロピラン(THP)、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、ベンジルオキシメチル(BOM)などが含まれる。
「有機残基」という用語は、炭素含有残基、すなわち、少なくとも1つの炭素原子を含む残基を定義し、限定されないが、炭素含有基、残基または以上で定義された基を含む。有機残基は、種々のヘテロ原子を有し得るまたは酸素、窒素、硫黄、リンなどを含めたヘテロ原子によって別の分子に結合していることができる。有機残基の例には、限定されないが、アルキルまたは置換アルキル、アルコキシまたは置換アルコキシ、一置換もしくは二置換アミノ、アミド基などが含まれる。有機残基は、好ましくは1から18個の炭素原子、1から15個の炭素原子、1から12個の炭素原子、1から8個の炭素原子、1から6個の炭素原子または1から4個の炭素原子を含み得る。さらなる態様において、有機残基は、2から18個の炭素原子、2から15個の炭素原子、2から12個の炭素原子、2から8個の炭素原子、2から4個の炭素原子または2から4個の炭素原子を含み得る。
「残基」という用語の非常に近い同義語は、「基」という用語であり、これは、本明細書および結びの特許請求の範囲において使用される場合、分子がどのようにして調製されるかにかかわらず、本明細書に記載される分子の断片、基またはサブ構造を指す。例えば、特定の化合物における2,4−チアゾリジンジオン基は、チアゾリジンジオンが化合物を調製するために使用されるかどうかにかかわらず、構造:
その用語が、本明細書で定義および使用される場合の「有機基」は、1個以上の炭素原子を有する。有機基は、例えば、1−26個の炭素原子、1−18個の炭素原子、1−12個の炭素原子、1−8個の炭素原子、1−6個の炭素原子または1−4個の炭素原子を有し得る。さらなる態様において、有機基は、2−26個の炭素原子、2−18個の炭素原子、2−12個の炭素原子、2−8個の炭素原子、2−6個の炭素原子または2−4個の炭素原子を有し得る。有機基は、有機基の炭素原子の少なくも一部に結合した水素を有することが多い。無機原子を含まない有機基の一例は、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基である。一部の実施形態において、有機基は、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リンなどを含めた、これにまたはこの中に結合した1−10個の無機ヘテロ原子を含み得る。有機基の例には、限定されないが、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環または置換ヘテロ環基が含まれ、ここで、これらの用語は、本明細書で別に定義される。ヘテロ原子を含む有機基の2、3の非限定的な例には、アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、アセトキシ基、ジメチルアミノ基などが含まれる。
その用語が、本明細書で定義および使用される場合の「無機基」は、炭素原子を含まず、したがって、炭素以外の原子のみを含む。無機基は、水素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、セレンならびにハロゲン、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される、原子の結合された組合せを含む。これらの原子は、個別に存在し得るまたはそれらの化学的に安定な組合せで一緒に結合していることができる。無機基は、10個以下または好ましくは、1から6個もしくは1から4個の、互いに結合された上で列挙されたとおりの無機原子を有する。無機基の例には、限定されないが、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオール、サルフェート、ホスフェートおよび同様の一般に公知の無機基が含まれる。無機基は、ここに結合された、周期律表の金属元素(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属)を有しないが、このような金属イオンは、アニオン性無機基、例えば、サルフェート、ホスフェートまたは同様のアニオン性無機基に対して医薬として許容されるカチオンとして機能し得ることもある。無機基は、本明細書で別に特に断りがない限り、半金属元素、例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、スズ、鉛もしくはテルルまたは希ガスの元素を含まない。
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の二重結合を有し得、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体ならびに他の立体配座異性体を潜在的に生じる。逆の記載がない限り、本発明は、全てのこのような可能な異性体およびこのような異性体の混合物を含む。
逆の記載がない限り、実線だけでなく、くさび線または破線として示される化学結合を有する式は、各可能性のある異性体、例えば、各エナンチオマーおよびジアステレオマーならびに異性体の混合物、例えば、ラセミまたはスカレミック混合物を企図する。本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体を潜在的に生じる。逆の記載がない限り、本発明は、全てのこのような可能なジアステレオマーおよびこれらのラセミ混合物、これらの実質的に純粋な分割エナンチオマー、全ての可能な幾何異性体ならびにこれらの医薬として許容される塩を含む。立体異性体の混合物および単離された特定の立体異性体も含まれる。このような化合物を調製ために用いられる合成手順の過程の間、または当業者に公知のラセミ化またはエピマー化の手順を使用する際に、このような手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
多くの有機化合物は、平面偏光の面を回転させる能力を有する光学活性型で存在する。光学活性化合物の説明において、DおよびLまたはRおよびSの接頭辞は、そのキラル中心の周りの分子の絶対配置を示すために使用される。dおよびlまたは(+)および(−)の接頭辞は、前記化合物による平面偏光の回転の符号を指定するのに使用され、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭辞の化合物は、右旋性である。所定の化学構造について、立体異性体と呼ばれるこれらの化合物は、これらが、互いに重ねあわせることができない鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーとも呼ばれ得、このような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と称されることが多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物と称される。
本明細書に記載される化合物の多くは、1つ以上のキラル中心を有し得、したがって、種々のエナンチオマー型で存在し得る。必要に応じて、キラル炭素は、アスタリスク(*)で指定され得る。キラル炭素への結合が、本開示の式における直線として表される場合、キラル炭素の(R)および(S)配置の両方、したがって、エナンチオマーおよびこの混合物の両方が、式の内に包含されることが理解される。当技術分野で使用される場合、キラル炭素の周りの絶対配置を特定するのが望ましい場合、キラル炭素への結合の一方は、くさび形として表され得(平面の上の原子への結合)、他方は、一続きまたはくさび形の短い平行線として表され得る(平面の下の原子への結合)。Cahn−Inglod−Prelog系が、キラル炭素に対する(R)または(S)の配置を割り当てるために使用され得る。
本明細書に記載される化合物は、この天然同位体存在度および非天然存在度の両方において原子を含む。本開示の化合物は、記載されたものと同一であるが、1個以上の原子が、典型的に天然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられていること以外は、同位体標識または同位体置換化合物であり得る。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18Fおよび36Clが含まれる。化合物は、これらのプロドラッグをさらに含み、前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、前記化合物または前記プロドラッグの医薬として許容される塩は、本発明の範囲内である。本発明のある特定の同位体標識化合物、例えば、3Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化、すなわち、3Hおよび炭素−14、すなわち、14Cの同位体は、これらの調製の容易さおよび検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または投与量要求の低下から得られるある特定の治療的利点を与えることができ、したがって、一部の状況において好ましくあり得る。本発明の同位体標識化合物およびこのプロドラッグは、一般に、以下の手順を行い、容易に入手できる同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに置き換えることによって調製され得る。
本発明に記載される化合物は、溶媒和物として存在し得る。一部の場合には、前記溶媒和物を調製するために使用される溶媒は、水溶液であり、この場合、溶媒和物は、水和物と呼ばれることが多い。化合物は、水和物として存在し得、水和物は、例えば、溶媒または水溶液からの結晶化により得ることができる。これに関連して、1つ、2つ、3つまたは任意の数の溶媒和物または水分子が、本発明による化合物と組み合わせて、溶媒和物および水和物を形成し得る。逆の記載がない限り、本発明は、このような可能な溶媒和物のすべてを含む。
「共結晶」という用語は、非共有結合相互作用によってそれらの安定性を有する2つ以上の分子の物理的会合を意味する。この分子複合体の1つ以上の成分が、結晶格子における安定な枠組みを提供する。ある特定の例では、ゲスト分子が無水物または溶媒和物として結晶格子に組み込まれる。例えば、「Crystal Engineering ofthe「Crystal Engineering ofhe Compositionof Pharmaceutical Phases.Do Pharmaceutical Co−crystals Represent a New Path to Improved Medicines?」Almarasson,Oら、The Royal Society of Chemistry、1889−1896頁,2004年を参照のこと。共結晶の例には、p−トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。
本明細書に記載されるある特定の化合物は、互変異性体の平衡として存在し得ることも理解される。例えば、α−水素を有するケトンは、ケト形およびエノール形の平衡で存在し得る。
化学物質が、多形または変形と呼ばれる異なる秩序状態で存在する固体を形成するのは公知である。多形物質の種々の変形は、それらの物理的特性で大きく異なり得る。本発明による化合物は、特定の変形が準安定であることが可能である、種々の多形体で存在し得る。逆の記載がない限り、本発明は、このような可能な多形のすべてを含む。
本明細書で開示されるある特定の材料、化合物、組成物および成分は、商業的に入手され得るまたは当業者に一般に公知の技術を使用して容易に合成され得る。例えば、本開示の化合物および組成物を調製する際に使用される出発材料および試薬は、商業的供給元、例えば、Sigma−Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee、WI.)、Acros Organics(Morris Plains、NJ)、Fisher Scientific(Pittsburgh、PA.)もしくはSigma(St.Louis、MO.)のいずれかから入手できるまたは参考文献、例えば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、第1−17巻(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、第1−5巻および補遺(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions、第1−40巻(John Wiley and Sons,1991);March’s Advanced Organic Chemistry、(John Wiley and Sons、第4版);および、Larock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)に説明される手順に従って、当業者に公知の方法により調製される。
明示的に別段の定めをした場合を除き、本明細書で説明される任意の方法は、このステップが特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることはまったく意図されない。したがって、方法の特許請求項がそのステップを続ける順序を実際に列挙していないまたはステップが特定の順序に限定されることが特許請求の範囲もしくは明細書に別に具体的に記載されていない場合、いかなる点でも、順序が推測されることはまったく意図されない。これは、ステップまたは操作フローの配列に関する論理の問題;文法構成または句読点に由来する平易な意味;および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含めた、解釈のためのあらゆる可能な明示されていない根拠に当てはまる。
本発明の組成物を調製するために使用される成分および本明細書で開示される方法内で使用される組成物それら自体が開示される。これらおよび他の材料が本明細書で開示され、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群などが開示される場合、これらの化合物のそれぞれの様々な個別的および集合的な組合せおよび順列の具体的な言及を明示的に開示することができないが、それぞれが本明細書で具体的に企図および記載されていると理解される。例えば、特定の化合物が開示および検討され、化合物を含めた多くの分子に対してなされ得る数多くの変形が検討される場合、逆の記載がない限り可能である化合物および変形のそれぞれおよびあらゆる組合せおよび順列が具体的に企図される。したがって、分子A、BおよびCのクラスが、分子D、EおよびFのクラスと同様に開示される場合、組合せ分子の一例であるA−Dが開示され、この場合、それぞれが、個別に列挙されていないとしても、それぞれは個別的および集合的に企図され、組合せA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fが開示されていると見なされることを意味する。同様に、これらの任意のサブセットまたは組合せも開示される。したがって、例えば、A−E、B−FおよびC−Eのサブセットが、開示されていると見なされる。この概念は、本出願の態様のすべて、例えば、限定されないが、本発明の組成物を製造する方法およびそれを使用する方法におけるステップに適用される。したがって、行われ得る様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップのそれぞれは、本発明の方法のいずれかの特定の実施形態または実施形態の組合せによって行われ得ることが理解される。
本明細書で開示される組成物は、ある特定の機能を有することが理解される。本開示の機能に行うためのある特定の構造的要件が本明細書で開示され、本開示の構造に関連する同一の機能を行い得る様々な構造が存在することおよびこれらの構造が典型的には同一の結果を達成することが理解される。
それぞれの開示された誘導体が、場合によってさらに置換され得ることが企図される。任意の1種以上の誘導体が、本発明から場合によって省略され得ることも企図される。開示の化合物が本開示の方法によって提供され得ることが理解される。本開示の化合物が本開示の使用方法で用いられ得ることも理解される。
本発明はまた、哺乳動物における制御されない細胞増殖の障害の処置をする方法であって、哺乳動物に有効量の本発明の化合物のいずれかを投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、哺乳動物におけるヒストン脱メチル化酵素活性を低下させる方法であって、哺乳動物に有効量の本発明の化合物のいずれかを投与するステップを含む方法を提供する。
なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD1脱メチル化酵素活性を阻害する。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD1のFADドメインへの結合を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、Lys4位置でヒストン3(H3)のLSD1媒介脱メチル化の阻害を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、H3K3m1およびH3K4me2のLSD1媒介脱メチル化の阻害を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、H3K9me2およびH3K9me1のLSD1媒介脱メチル化の阻害を示す。
なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD2脱メチル化酵素活性を阻害する。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD2のFADドメインへの結合を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、Lys4位置でヒストン3(H3)のLSD2媒介脱メチル化の阻害を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、H3K3m1およびH3K4me2のLSD2媒介脱メチル化の阻害を示す。
さらなる態様において、本開示の化合物は、HDAC1/2、CoREST、CtBP1、BRAF35およびBHC80タンパク質の1種以上を含む複合体とのLSDの相互作用の中断を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、HDAC1/2、CoREST、CtBP1、BRAF35およびBHC80タンパク質から選択される1種以上のタンパク質へのLSD1の結合を中断する。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、G9a、NSD3、HDAC1/2、CoREST、CtBP1、BRAF35およびBHC80タンパク質から選択される1種以上のタンパク質へのLSD2の結合を中断する。
LSD活性の阻害は、当業者に公知の種々のインビトロ法およびインビボ法の両方により決定され得る。例えば、酵素活性は、インビトロ酵素アッセイ系において決定され得る。様々な態様において、LSD1またはLSD2のいずれかの酵素活性は、分光光度アッセイにおいて決定され得る。簡潔には、このアッセイは、LSD1またはLSD2が、最初にヒストンH3のN末端尾部の最初の21個のアミノ酸に相当するペプチド上のリジン4の脱メチル化の間に、H2O2を生成する多段階酵素反応に基づく。西洋ワサビペルオキシダーゼの存在下で、生成されたH2O2は、ADHPと反応して、530−540nmの励起波長および585−595nmの発光波長で分析され得る、非常に蛍光性の化合物レゾルフィンを生成する。このアッセイは、天然源(例えば、組織または培養細胞)から精製された、組換えによって発現されたタンパク質として単離された、または細胞抽出物全部における未精製のタンパク質としてのいずれかの、LSD1またはLSD2酵素源を必要とする。一態様において、本開示の化合物は、約300μM未満、約100μM未満、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満または約100nM未満のEMSAアッセイにおけるIC50でLSDタンパク質活性の阻害を示す。さらなる態様において、本開示の化合物は、約300μM未満、約100μM未満、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満または約100nM未満のEMSAアッセイにおけるIC50でLSD1タンパク質活性の阻害を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、約300μM未満、約100μM未満、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満または約100nM未満のEMSAアッセイにおけるIC50でLSD2タンパク質活性の阻害を示す。
一態様において、本開示の化合物は、LSDに対して選択的である。さらなる態様において、LSD活性の選択的阻害は、酵素アッセイを使用して決定される。様々なさらなる態様において、本化合物は、MAO Aおよび/またはMAO BについてのIC50よりも低いIC50で酵素アッセイにおいてLSD活性を阻害する。すなわち、開示の化合物は、MAO Aおよび/またはMAO Bと比べて、LSDタンパク質に対して選択性を有し得る。例えば、一態様において、開示の化合物は、MAO Aの場合の約5分の1の、MAO Aの場合の約10分の1の、MAO Aの場合の約20分の1の、MAO Aの場合の約30分の1の、MAO Aの場合の約50分の1の、MAO Aの場合の約100分の1の、MAO Aの場合の約250分の1の、MAO Aの場合の約500分の1の、MAO Aの場合の約1000分の1の、およびMAO Aの場合の約1000分の1より低いIC50でLSDを阻害し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Bの場合の約5分の1の、MAO Bについてものより約10分の1の、MAO Bの場合の約20分の1の、MAO Bの場合の約30分の1の、MAO Bの場合の約50分の1の、MAO Bの場合の約100分の1の、MAO Bの場合の約250分の1の、MAO Bの場合の約500分の1の、MAO Bの場合の約1000分の1の、およびMAO Bの場合の約1000分の1より低いIC50でLSDを阻害し得る。
一態様において、本開示の化合物は、LSD1に対して選択的である。さらなる態様において、LSD1活性の選択的阻害は、酵素アッセイを使用して決定される。様々なさらなる態様において、本化合物は、LSD2、MAO AおよびMAO Bの1つ以上についてのIC50より低いIC50で酵素アッセイにおいてLSD1活性を阻害する。すなわち、開示の化合物は、LSD2、MAO AおよびMAO Bの1つ以上と比べて、LSD1タンパク質に対して選択性を有し得る。例えば、一態様において、開示の化合物は、LSD2の場合の約5分の1の、LSD2の場合の約10分の1の、LSD2の場合の約20分の1の、LSD2の場合の約30分の1のまたはLSD2の場合の約50分の1のIC50でLSD1を阻害し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Aの場合の約5分の1の、MAO Aの場合の約10分の1の、MAO Aの場合の約20分の1の、MAO Aの場合の約30分の1の、MAO Aの場合の約50分の1の、MAO Aの場合の約100分の1の、MAO Aの場合の約250分の1の、MAO Aの場合の約500分の1の、MAO Aの場合の約1000分の1の、およびMAO Aの場合の約1000分の1より低いIC50でLSD1を阻害し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Bの場合のも約5分の1の、MAO Bの場合のも約10分の1の、MAO Bの場合の約20分の1の、MAO Bの場合の約30分の1の、MAO Bの場合のも約50分の1の、MAO Bの場合の約100分の1の、MAO Bの場合の約250分の1の、MAO Bの場合の約500分の1の、MAO Bの場合の約1000分の1の、およびMAO Bの場合の約1000分の1より低いIC50でLSD1を阻害し得る。
一態様において、本開示の化合物は、LSD2に対して選択的である。さらなる態様において、LSD2活性の選択的阻害は、酵素アッセイを使用して決定される。様々なさらなる態様において、本化合物は、LSD1、MAO AおよびMAO Bの1つ以上についてのIC50より低いIC50で酵素アッセイにおいてLSD2活性を阻害する。すなわち、開示の化合物は、LSD1、MAO AおよびMAO Bの1つ以上と比べて、LSD2タンパク質に対して選択性を有し得る。例えば、一態様において、開示の化合物は、LSD1の場合の約5分の1の、LSD1の場合の約10分の1の、LSD1の場合の約20分の1の、LSD1の場合の約30分の1のまたはLSD1の場合の約50分の1のIC50でLSD2を阻害し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Aの場合の約5分の1の、MAO Aの場合の約10分の1の、MAO Aの場合の約20分の1の、MAO Aの場合の約30分の1の、MAO Aの場合の約50分の1の、MAO Aの場合の約100分の1の、MAO Aの場合の約250分の1の、MAO Aの場合の約500分の1の、MAO Aの場合の約1000分の1の、およびMAO Aの場合の約1000分の1より低いIC50でLSD2を阻害し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Bの場合の約5分の1の、MAO Bの場合の約10分の1の、MAO Bの場合の約20分の1の、MAO Bの場合の約30分の1の、MAO Bの場合の約50分の1の、MAO Bの場合の約100分の1の、MAO Bの場合の約250分の1の、MAO Bの場合の約500分の1の、MAO Bの場合の約1000分の1の、およびMAO Bの場合の約1000分の1より低いIC50でLSD2を阻害し得る。
様々な態様において、本開示の化合物は、LSDタンパク質への結合を示す。さらなる態様において、本開示の化合物は、LSDタンパク質のFADドメインへの結合を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD1タンパク質への結合を示す。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、LSD2タンパク質への結合を示す。LSDタンパク質、例えば、LSD1タンパク質に対する開示の化合物の結合親和性は、当業者に公知の種々の方法で決定され得る。一態様において、本開示の化合物は、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満または約100nM未満のKDでLSDタンパク質への結合を示す。さらなる態様において、KDは、SPR法を使用して決定される。なおさらなる態様において、結合は、LSD1タンパク質を使用して決定される。なおさらなる態様において、結合は、LSD2タンパク質を使用して決定される。
様々なさらなる態様において、LSD1への結合は選択的である。さらなる態様において、本開示の化合物は、LSD2、MAO AおよびMAO Bの1つ以上についてのKDよりも低い、LSD1結合についてのKDを示す。すなわち、開示の化合物は、LSD2、MAO AおよびMAO Bタンパク質の1つ以上と比べて、LSD1タンパク質に対して選択性を有し得る。例えば、一態様において、開示の化合物は、LSD2の場合の約5分の1の、LSD2の場合の約10分の1の、LSD2の場合の約20分の1の、LSD2の場合の約30分の1のまたはLSD2の場合の約50分の1のKDでLSD1に結合し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Aの場合の約5分の1の、MAO Aの場合の約10分の1の、MAO Aの場合の約20分の1の、MAO Aの場合の約30分の1の、MAO Aの場合の約50分の1の、MAO Aの場合の約100分の1の、MAO Aの場合の約250分の1の、MAO Aの場合の約500分の1の、MAO Aの場合の約1000分の1の、およびMAO Aの場合の約1000分の1より低いKDでLSD1に結合し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Bの場合の約5分の1の、MAO Bの場合の約10分の1の、MAO Bの場合の約20分の1の、MAO Bの場合の約30分の1の、MAO Bの場合の約50分の1の、MAO Bの場合の約100分の1の、MAO Bの場合の約250分の1の、MAO Bの場合の約500分の1の、MAO Bの場合の約1000分の1の、およびMAO Bの場合の約1000分の1より低いKDでLSD1に結合し得る。
様々なさらなる態様において、LSD2への結合は選択的である。さらなる態様において、本開示の化合物は、LSD1、MAO AおよびMAO Bの1つ以上についてのKDより低い、LSD2結合についてのKDを示す。すなわち、開示の化合物は、LSD1、MAO AおよびMAO Bタンパク質の1つ以上と比べて、LSD2タンパク質に対して選択性を有し得る。例えば、一態様において、開示の化合物は、LSD1の場合の約5分の1の、LSD1の場合の約10分の1の、LSD1の場合の約20分の1の、LSD1の場合の約30分の1のまたはLSD1の場合の約50分の1のKDでLSD2に結合し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Aの場合の約5分の1の、MAO Aの場合の約10分の1の、MAO Aの場合の約20分の1の、MAO Aの場合の約30分の1の、MAO Aの場合の約50分の1の、MAO Aの場合の約100分の1の、MAO Aの場合の約250分の1の、MAO Aの場合の約500分の1の、MAO Aの場合の約1000分の1の、およびMAO Aの場合の約1000分の1より低いKDでLSD2に結合し得る。さらなる態様において、開示の化合物は、MAO Bの場合の約5分の1の、MAO Bの場合の約10分の1の、MAO Bの場合の約20分の1の、MAO Bの場合の約30分の1の、MAO Bの場合の約50分の1の、MAO Bの場合の約100分の1の、MAO Bの場合の約250分の1の、MAO Bの場合の約500分の1の、MAO Bの場合の約1000分の1の、およびMAO Bの場合の約1000分の1より低いKDでLSD2に結合し得る。
代わりに、STATタンパク質の活性の阻害は、細胞系アッセイにおいて決定され得る。当業者に公知のLSDタンパク質活性の阻害の決定に適した様々な細胞系アッセイが存在する。例えば、細胞増殖阻害または細胞停止は、機能不全活性を有するLSDタンパク質を有する永久細胞株または初代細胞培養のいずれかの、細胞を使用して決定され得る。さらなる態様において、LSDタンパク質は、LSD1である。なおさらなる態様において、LSDタンパク質は、LSD2である。なお更なる態様において、LSDタンパク質機能不全は、LSDタンパク質が機能獲得型変異を獲得してしまっているものである。代わりに、LSDタンパク質機能不全は、持続的または恒常的活性の表現型を有する。例えば、LSDタンパク質は、上流制御タンパク質における機能不全のために持続的または恒常的活性を有し得る。さらなる態様において、LSDタンパク質は、LSD遺伝子の転写および/または翻訳の制御における機能不全のために過剰発現される。さらなる態様において、活性な癌遺伝子を内部に持つ細胞は、LSD機能不全を伴う。
一態様において、本開示の化合物および開示の製造方法の生成物は、細胞増殖を阻害する。なおさらなる態様において、本開示の化合物および開示の方法の生成物は、インビトロアッセイ系における細胞増殖を阻害する。なおさらなる態様において、インビトロアッセイ系は、乳がん、卵巣がん、精巣がん、肺がん、肝がん、前立腺がん、膵臓がんおよび肉腫から選択されるがんまたは腫瘍に由来する細胞株を利用する。なおさらなる態様において、細胞株は、ヒト供給源に由来する。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、持続的に活性なLSDタンパク質による細胞における細胞増殖を阻害する。なおさらなる態様において、細胞株は、活性化されたLSDタンパク質を有する。なおさらなる態様において、細胞株は、AN3 CA、BT−20、BT−549、HCT 116、HER218、MCF7、MDA−MB−231、MDA−MB−235、MDA−MB−435S、MDA−MB−468、PANC−1、PC−3、SK−N−MC、T−47DおよびU−87 MGから選択される。一態様において、本開示の化合物は、約500μM未満、約250μM未満、約100μM未満、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約10nM未満および約1nM未満のIC50でインビトロ細胞系アッセイにおいて細胞増殖活性の阻害を示す。
一態様において、本開示の化合物および開示の製造方法の生成物は、細胞遊走を阻害する。なおさらなる態様において、本開示の化合物および開示の方法の生成物は、インビトロアッセイ系において細胞遊走を阻害する。なおさらなる態様において、インビトロアッセイ系は、乳がん、卵巣がん、精巣がん、肺がん、肝がん、前立腺がん、膵臓がんおよび肉腫から選択されるがんまたは腫瘍に由来する細胞株を利用する。なおさらなる態様において、細胞株は、ヒトの供給源に由来する。なおさらなる態様において、本開示の化合物は、持続的に活性なLSDタンパク質による細胞における細胞増殖を阻害する。なおさらなる態様において、細胞株は、活性化されたLSDタンパク質を有する。なおさらなる態様において、細胞株は、AN3 CA、BT−20、BT−549、HCT 116、HER218、MCF7、MDA−MB−231、MDA−MB−235、MDA−MB−435S、MDA−MB−468、PANC−1、PC−3、SK−N−MC、T−47DおよびU−87 MGから選択される。一態様において、本開示の化合物は、約300μM未満、約100μM未満、約50μM未満、約10μM未満、約1μM未満、約500nM未満または約100nM未満のIC50でインビトロ細胞系アッセイにおいて細胞遊走の阻害を示す。
一態様において、本発明は、ヒストン脱メチル化酵素の阻害剤として有用な化合物を製造する方法に関し、この方法は、制御されない細胞増殖の障害の処置に有用であり得る。さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、LSD1である。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、LSD2である。
本発明の化合物は、文献で公知の他の標準的な操作に加えて、実験の項で例示されまたは当業者に明らかな、以下のスキームに示されるとおりの反応を用いることにより調製され得る。明確にするために、1つの置換基を有する例が、複数の置換基が本明細書で開示される定義の下で許容される場合に示される。
本発明の化合物を生成するために使用される反応は、文献でまたは当業者に公知の他の標準的な操作に加えて、以下の反応スキームに示されるとおりの反応を用いることにより調製される。以下の例は、本発明がより完全に理解され得るために提供され、単に例証的なものであり、限定して解釈されるべきではない。
一態様において、本開示の化合物は、本明細書で開示される合成方法の生成物を含む。さらなる態様において、本開示の化合物は、本明細書で開示される合成方法によって生成される化合物を含む。なおさらなる態様において、本発明は、治療有効量の本開示の方法の生成物および医薬として許容される担体を含む医薬組成物を含む。なおさらなる態様において、本発明は、開示の化合物のいずれかの少なくとも1種の化合物または本開示の方法の少なくとも1種の生成物を、医薬として許容される担体または希釈剤と組み合わせることを含む薬剤を製造する方法を含む。
一態様において、経路Iは、適切に置換された酸誘導体(1.1)で始まる。適切に置換された酸誘導体(1.1)は、市販されているまたは当業者によって容易に調製され得る。典型的な反応では、タイプ1.1の化合物を、タイプ1.2のアミン誘導体に、THFなどの適切な溶媒中適切な塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下で添加する。反応物は、室温(約15−30℃)で反応を完了させるのに十分な時間、例えば約12時間撹拌する。反応の完了後、溶媒を真空下で除去し、タイプ1.3の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
一態様において、タイプ1.4の化合物は、エステル化反応によってタイプ1.3の化合物をアルコールと反応させるより調製され得る。典型的な反応では、タイプ1.3の化合物を、酸触媒、例えば、濃硫酸の存在下で適切なアルコール溶媒、例えば、メタノール中適切な温度(例えば、還流で約65℃)で反応を完了するのに十分な時間、例えば、一晩(約8−18時間)加熱する。反応の完了後、溶媒を真空下で除去し、タイプ1.4の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
一態様において、タイプ1.4の化合物は、適切なヒドラジン誘導体(NH2NHR4)との反応によりタイプ1.5の化合物を与え得る。典型的な反応では、タイプ1.4の化合物を、適切なヒドラジン誘導体(NH2NHR4)に添加し、適切な溶媒、例えば、メタノール中適切な温度(例えば、還流で約65℃)で反応を完了するのに十分な時間(例えば、約12時間)加熱する。反応の完了後、溶媒を真空下で除去し、タイプ1.5の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
一態様において、タイプ1.5の化合物は、適切なカルボニル含有化合物(1.6)との反応によりタイプ1.7の化合物を与え得る。典型的な反応では、タイプ1.6の化合物および適切なヒドラジン誘導体(1.5)を、適切な酸触媒(例えば、酢酸)の存在下で適切な溶媒、例えば、メタノールに溶解させ、この混合物を、マイクロ波反応装置を使用して、適切な温度、例えば、約120℃で反応を完了するのに十分な時間(例えば、約30分)加熱する。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空下で除去し、タイプ1.7の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
一態様において、経路IIは、適切な置換された酸誘導体(2.1)で始まる。適切な置換された酸誘導体(2.1)は、市販されているまたは当業者により容易に調製され得る。一態様において、タイプ2.2の化合物は、エステル化反応によってタイプ2.1の化合物をアルコールと反応させることにより調製され得る。典型的な反応では、タイプ2.1の化合物を、酸触媒、例えば、濃硫酸の存在下で適切なアルコール性溶媒、例えば、メタノール中適切な温度(例えば、還流で約70℃)で反応を完了するのに十分な時間、例えば、一晩(約8−18時間)加熱する。反応の完了後、溶媒を真空下で除去し、タイプ2.2の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
一態様において、タイプ2.3の化合物は、適切なカルボニル含有化合物(2.4)との反応によりタイプ2.5の化合物を与えるために使用され得る。典型的な反応では、タイプ2.4の化合物および適切なヒドラジン誘導体(2.3)を、適切な酸触媒(例えば、酢酸)の存在下で適切な溶媒、例えば、メタノールに溶解させる。この混合物を、マイクロ波反応装置を使用して、適切な温度、例えば、約120℃で反応を完了するのに十分な時間(例えば、約30分)加熱する。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空下で除去し、タイプ2.5の化合物をクロマトグラフィーにより単離および精製する。
さらなる態様において、生成された化合物は、ヒストン脱メチル化酵素の阻害を示す。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、ヒストン脱メチル化酵素のリジン特異的(LSD)ファミリーのメンバーである。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、LSD1である。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、LSD2である。なおさらなる態様において、生成された化合物は、細胞生存性の阻害を示す。
各開示の方法は、追加のステップ、操作および/または成分をさらに含み得ることが企図される。任意の1つ以上のステップ、操作および/または成分が、本発明から場合によって省略され得ることも企図される。開示の方法が、本開示の化合物を提供するために使用され得ることが理解される。本開示の方法の生成物が、本開示の使用方法で用いられ得ることも理解される。
さらなる態様において、本発明は、医薬として許容される担体および有効量の開示の合成方法の生成物を含む医薬組成物に関する。さらなる態様において、有効量は、治療有効量である。さらなる態様において、有効量は、予防的有効量である。さらなる態様において、本化合物は、開示の化合物である。
ある特定の態様において、本開示の医薬組成物は、活性成分として本開示の化合物(この医薬として許容される塩を含む)、医薬として許容される担体および場合によって、他の治療成分またはアジュバントを含む。本例の組成物は、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)の投与に適したものを含むが、任意の所与の場合の最も適切な経路は、活性成分が投与される、特定の宿主ならびに状態の性質および重症度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で都合よく提示され得るおよび調剤学の技術分野で周知の方法のいずれかにより調製され得る。
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される塩」という用語は、医薬として許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、医薬として許容される非毒性の塩基、例えば、無機塩基および有機塩基から、都合よく調製され得る。このような無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二銅および第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二マンガンおよび第一マンガン)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が含まれる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩が、特に好ましい。医薬として許容される有機の非毒性塩基に由来する塩には、一級、二級および三級のアミンならびに環状アミンおよび置換アミン、例えば、天然に存在する置換アミンおよび合成された置換アミンの塩が含まれる。塩が形成され得る他の医薬として許容される有機の非毒性塩基には、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
本明細書で使用される場合、「医薬として許容される非毒性の酸」という用語には、無機酸、有機酸およびこれらから調製される塩、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンフルスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などがあげられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が好ましい。
実際には、本発明の化合物またはこの発明のこの医薬として許容される塩は、慣用の医薬配合技術によって医薬担体と密接に混合して活性成分として組み合わせられ得る。担体は、所望の投与、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)投与のための調製物の形態に応じて、広範な形態を取り得る。したがって、本発明の医薬組成物は、それぞれ所定量の活性成分を含む、経口投与に適した別個の単位、例えば、カプセル剤、カシェ剤、または錠剤として存在し得る。さらに、本組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸濁液として、非水性液体として、水中油型エマルジョンとしてまたは油中水型液体エマルジョンとして存在し得る。上で提示された一般的な剤形に加えて、本発明の化合物および/またはこの医薬として許容される塩は、制御放出手段および/または送達装置によっても投与され得る。本組成物は、調剤学の方法のいずれかにより調製され得る。一般に、このような方法は、活性成分を1種以上の必要な成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般に、本組成物は、活性成分を、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と、均一および密接に混合することにより調製される。次いで、生成物は、所望の提示物に都合よく成形され得る。
したがって、この発明の医薬組成物は、医薬として許容される担体、および本発明の化合物または本発明の化合物の医薬として許容される塩を含み得る。本発明の化合物またはこの医薬として許容される塩はまた、1種以上の他の治療活性化合物と組み合わせて医薬組成物に含まれ得る。
用いられる医薬担体は、例えば、固体、液体または気体であり得る。固体担体には、ラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、液糖、ピーナッツ油、オリーブ油および水である。気体担体の例には、二酸化炭素および窒素が含まれる。
経口剤形用の組成物の調製において、任意の都合のよい医薬媒体が、用いられ得る。例えば、水、グリコール、オイル、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などが、経口の液体調製物、例えば、懸濁剤、エリキシル剤および溶液剤を形成するために使用され得;一方で、例えば、デンプン、糖、微結晶セルロール、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの担体は、経口固体状調製物、例えば、散剤、カプセル剤および錠剤を形成するために使用され得る。それらの投与の容易さのために、錠剤およびカプセル剤が、固体医薬担体がそれにより用いられる好ましい経口投与単位である。場合によって、錠剤は、標準的な水性または非水性技術によってコーティングされ得る。
この発明の組成物を含む錠剤は、場合によって1種以上の補助成分またはアジュバントと、圧縮または成形することにより調製され得る。圧縮錠剤は、場合によって結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの自由流動形態で活性成分を適切な機械において圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を、適切な機械において成形することにより製造され得る。
本発明の医薬組成物は、活性成分として本発明の化合物(またはこの医薬として許容される塩)、医薬として許容される担体および場合によって、1種以上の追加の治療剤またはアジュバントを含む。本例の組成物は、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適した組成物を含むが、任意の所与の場合に最も適した経路は、活性成分が投与される、特定の宿主ならびに状態の性質および重症度に依存する。本医薬組成物は、剤形単位で都合よく提示され、調剤学の技術分野で周知の方法のいずれかにより調製され得る。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水中で活性化合物の溶液または懸濁液として調製され得る。適切な界面活性剤には、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなど含まれ得る。分散液も、グリセロール、液状ポリエチレングリコールおよび油中のこれらの混合物で調製され得る。さらに、保存剤が、微生物の有害な増殖を防止するために含まれ得る。
注射剤の使用に適した本発明の医薬組成物は、滅菌の水溶液または分散液を含む。さらに、本組成物は、このような滅菌の注射可能な溶液または分散液のその場の調製のための滅菌の粉末形態であり得る。すべての場合において、最終的な注射可能形態は、滅菌であるべきであり、容易な注射のために有効に流動性であるべきである。本医薬組成物は、製造および保存条件下で安定であるべきであり;したがって、好ましくは、微生物、例えば、細菌および真菌の汚染活動に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエチレングリコール)、植物油およびこれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。
本発明の医薬組成物は、局所使用に適した形態、例えば、エアロゾル剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、粉剤、洗口剤、うがい剤などであり得る。さらに、本組成物は、経皮装置での使用に適した形態であり得る。これらの製剤は、本発明の化合物またはこの医薬として許容される塩を用いて、慣用の加工方法により調製され得る。一例として、クリーム剤または軟膏剤は、親水性材料および水を、約5重量%から約10重量%の本化合物と混合して、所望の稠度を有するクリーム剤または軟膏剤を製造することにより調製される。
この発明の医薬組成物は、担体が固体である、直腸投与に適した形態であり得る。この混合物は、単位用量坐剤を形成することが好ましい。適切な担体には、ココアバターおよび当技術分野で一般的に使用される他の材料が含まれる。坐剤は、最初に、本組成物を、軟化または溶融担体と混合し、続いて、型中で冷やし、成形することによって都合よく形成され得る。
前述の担体成分に加えて、上に記載された医薬製剤は、必要に応じて、1種以上の追加の担体成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(抗酸化剤を含む)などを含み得る。さらに、他のアジュバントが、製剤を目的の受容者の血液と等張にさせるために含まれ得る。本発明の化合物および/またはこの医薬として許容される塩を含有する組成物は、粉末または液体濃縮物の形態でも調製され得る。
LSDタンパク質活性の阻害または負の調節を必要とする処置状態において、適切な投与量レベルは、一般に、1日当たり患者の体重1kg当たり約0.01から500mgであり、単回または複数回用量で投与され得る。好ましくは、投与量レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg;より好ましくは、1日当たり0.5から100mg/kgである。適切な投与量レベルは、1日当たり約0.01から250mg/kg、1日当たり約0.05から100mg/kgまたは1日当たり約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、前記用量は、1日あたり0.05から0.5、0.5から5.0または5.0から50mg/kgであり得る。経口投与の場合、本組成物は、処置される患者の症状に対する用量の調整のために、好ましくは、1.0から1000ミリグラムの活性成分、特には1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。本化合物は、1日当たり1から4回、好ましくは、1日当たり1回または2回のレジメンで投与され得る。この用量レジメンは、最適な治療応答を与えるために調整され得る。
しかしながら、任意の特定の患者のための具体的な用量レベルは、様々な要因に依存することが理解される。このような要因には、患者の年齢、体重、全身健康、性別および食事が含まれる。他の要因には、投与の時間および経路、排出速度、薬物の組合せならびに治療を受ける特定の疾患の種類および重症度が含まれる。
本発明は、さらに、1種以上の開示の化合物、生成物または組成物を、医薬として許容される担体または希釈剤と組み合わせることを含む、哺乳動物(例えば、ヒト)においてLSDタンパク質活性を阻害または負に調整(例えば、制御されない細胞増殖の障害またはLSD機能不全を伴う1種以上神経変性障害の処置)するための薬剤を製造する方法を対象にする。したがって、一態様において、本発明は、少なくとも1種の開示の化合物または少なくとも1種の開示の生成物を、医薬として許容される担体または希釈剤と組み合わせることを含む、薬剤を製造する方法に関する。
対象に、少なくとも1種の開示の化合物;少なくとも1種の開示の医薬組成物;および/または少なくとも1種の開示の生成物を、対象における障害を処置するのに有効な投与量および量で投与するステップを含む、対象における、LSD阻害が有益であると予測される1種以上の障害を処置する方法も提供される。
一態様において、対象に、少なくとも1種の開示の化合物;少なくとも1種の開示の医薬組成物;および/または少なくとも1種の開示の生成物を、対象における障害を処置するのに有効な投与量および量で投与することを含む、制御されない細胞増殖の障害を処置する方法が提供される。さらなる態様において、対象に、少なくとも1種の開示の化合物;少なくとも1種の開示の医薬組成物;および/または少なくとも1種の開示の生成物を、対象における障害を処置するのに有効な投与量および量で投与することを含む、神経変性障害を処置または予防する方法が提供される。哺乳動物に、少なくとも1種の開示の化合物、組成物または薬剤を投与するステップを含む、哺乳動物における障害を処理する方法も提供される。
本発明は、LSD阻害が治療効果を有すると予測される患者(好ましくは、ヒト)における疾患または障害、例えば、制御されない細胞増殖(例えば、がん)の障害ならびに神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病およびパーキンソン病を、1種以上の開示の化合物または生成物を投与することにより処置するための記載された化学組成物の使用を対象にする。
本明細書に開示される化合物は、制御されない細胞増殖の種々の障害の処置、予防、緩和、制御またはリスクの軽減に有用である。一態様において、制御されない細胞増殖の障害は、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う。さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全は、LSDの調節不全である。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全は、LSD1の調節不全である。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全は、LSD2の調節不全である。
開示の化合物、組成物または薬剤の使用方法も提供される。一態様において、本使用方法は、障害の処置を対象にする。さらなる態様において、本開示の化合物は、本化合物または他の薬物が有用性を有する、前述の疾患、障害および状態の処置、予防、制御、緩和またはリスクの軽減において、単独の作用物質としてまたは1種以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、ここで、薬物を一緒に組み合わせることは、いずれかの薬剤単独でよりもより安全またはより有効である。他の薬物は、開示の化合物と同時または連続的に、これに一般的に使用される経路および量で投与され得る。開示の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に使用される場合、このような薬物および本開示の化合物を含有する単位剤形における医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ治療は、重複スケジュールでも投与され得る。1種以上の活性成分と開示の化合物との組合せが、単独の作用物質としてのいずれかよりもより効果的であり得ることも想定される。
ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う障害の例には、制御されない細胞増殖の障害が含まれる。なおさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは白血病である。なおさらなる態様において、がんは肉腫である。なおさらなる態様において、がんは固形腫瘍である。なおさらなる態様において、がんはリンパ腫である。
がんは、典型的には、制御されない細胞増殖を特徴とする、哺乳動物における生理的状態を指すまたは説明すると理解される。がんは、多剤抵抗性(MDR)または薬物感受性であってもよい。がんの例には、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫および白血病が含まれる。このようながんのより特定の例には、乳がん、前立腺がん、結腸がん、扁平上皮細胞がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、胃腸がん、膵臓がん、子宮頚がん、卵巣がん、腹膜がん、肝がん、例えば、肝癌、膀胱がん、結腸直腸がん、子宮内膜癌、腎臓がんおよび甲状腺がんが含まれる。
様々な態様において、がんのさらなる例は、基底細胞癌、胆道がん;骨がん;脳およびCNSがん;絨毛癌;結合組織がん;食道がん;眼がん;頭頸部がん;胃がん(gastric cancer);上皮内新生物;咽頭がん、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫:メラノーマ;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔がん(例えば、唇、舌、口および咽頭);網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸がん、呼吸器系のがん;肉腫:皮膚がん;胃がん(stomach cancer);精巣がん;子宮がん、尿路系のがんならびに他の癌腫および肉腫である。
さらなる態様において、がんは、血液がんである。なおさらなる態様において、血液がんは、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ芽性白血病(CLL)、毛状細胞白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、孤立性骨髄腫、限局性骨髄腫および髄外骨髄腫から選択される。なおさらなる態様において、がんは、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫および大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。
さらなる態様において、がん、脳のがんである。なおさらなる態様において、脳のがんは、グリオーマ、髄芽腫、未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)、聴神経腫、グリオーマ、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、CNSリンパ腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、頭蓋咽頭腫、脊索腫、髄芽腫、大脳神経芽腫、神経細胞腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、非定型奇形腫横紋筋腫瘍、軟骨肉腫、軟骨腫、膜連集網癌腫、膜連集網乳頭腫、頭蓋咽頭腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、神経節細胞腫、胚細胞腫、血管芽細胞腫、血管周囲細胞腫および転移性脳腫瘍から選択される。なおさらなる態様において、グリオーマは、上衣腫、星状細胞腫、乏突起膠腫および乏突起星細胞腫から選択される。なおさらなる態様において、グリオーマは、若年性毛様細胞性星細胞腫、上衣下巨細胞性星細胞腫、神経節膠腫、上衣下腫、多形性黄色星状膠細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性腫芽腫、脳幹グリオーマ、乏突起膠腫、上衣腫、乏突起星細胞腫、小脳星状細胞腫、線維形成乳児星状細胞腫、上衣下巨細胞性星細胞腫、びまん性星状細胞腫、混合性神経膠腫、視神経膠腫、神経膠腫症、多巣性神経膠腫、多中心性膠芽細胞腫多形性腫瘍、傍神経節腫および神経節膠腫から選択される。
一態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、乳房、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚の癌から選択されるがんであり得る。さらなる態様において、がんは、前立腺がん、多形性膠芽腫、子宮内膜がん、乳がんおよび結腸がんから選択される。さらなる態様において、がんは、乳房、卵巣、前立腺、頭部、首および腎臓のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、乳房、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、肺および肝臓のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房、卵巣、精巣および前立腺のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房のがんである。なおさらなる態様において、がんは、卵巣のがんである。なおさらなる態様において、がんは、前立腺のがんである。なおさらなる態様において、がんは、精巣のがんである。
様々な態様において、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う障害は、神経変性障害を含む。さらなる態様において、神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病から選択される。
本化合物は、さらに、本明細書に記載される疾患、障害および状態の予防、処置、制御、緩和またはリスクの軽減の方法に有用である。本化合物は、さらに、他の作用物質との組合せにおける、前述の疾患、障害および状態の予防、処置、制御、緩和またはリスクの軽減のための方法に有用である。
本発明はさらに、がんを含めた、制御されない細胞増殖の障害との関連で処置転帰を改善するためのLSD阻害剤の投与を対象にする。すなわち、一態様において、本発明は、哺乳動物に、有効量および投与量の少なくとも1つの本発明の化合物を、癌治療と関連して投与するステップを含む、共治療方法に関する。
さらなる態様において、投与は、がん治療との関連で処置転帰を改善する。がん治療と関連しての投与は、連続的または断続的であり得る。投与は、治療と同時である必要はなく、治療前、治療中および/または治療後であり得る。例えば、がん治療は、本化合物の投与1、2、3、4、5、6、7日前または後以内に与えられ得る。さらなる例として、がん治療は、本化合物の投与1、2、3もしくは4週間前または後以内に与えられ得る。なおさらなる例として、認知または行動治療は、投与される化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10半減期の期間内に、投与前または後で与えられ得る。
一態様において、本開示の化合物は、開示の化合物または他の薬剤が有用性を有し得る、疾患または状態の処置、予防、制御、緩和またはリスクの軽減において1種以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、ここで、薬物を一緒に組み合わせることは、いずれかの薬剤単独でよりもより安全またはより有効である。このような他の薬物は、本発明の化合物と同時または連続的に、これに一般的に使用される経路および量で投与され得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような他の薬物および開示の化合物を含有する単位剤形における医薬組成物が好ましい。しかしながら、組合せ治療は、開示の化合物および1種以上の他の薬物が、種々の重複スケジュールで投与される治療も含み得る。1種以上の他の活性成分との組合せで使用される場合、本開示の化合物および他の活性成分は、それぞれが単独で使用される場合より、より低い用量で使用され得ることも企図される。
上記組合せは、開示の化合物と、1種の他の活性化合物だけでなく、2種以上の他の活性な化合物との組合せを含む。同様に、開示の化合物は、開示の化合物が有用である、疾患または状態の予防、処置、制御、緩和またはリスクの軽減で使用される他の薬物と組み合わせて使用され得る。このような他の薬物は、本発明の化合物と同時または連続的に、これに一般的に使用される経路および量で投与され得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、開示の化合物に加えて、このような他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分も含有するものを含む。
開示の化合物と第2の活性成分との重量比は、変化され得、各成分の有効量に依存する。一般的に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が、別の作用物質と組み合わせられる場合、開示の化合物と他の作用物質との重量比は、一般に約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の活性成分との組合せは、一般に前述の範囲内であるが、それぞれの場合に、各活性成分の有効量が使用されるべきである。
このような組合せにおいて、開示の化合物および他の活性作用物質は、別個にまたは共に投与され得る。加えて、一方の要素の投与は、他方の作用物質の投与前、投与と同時または投与後であり得る。
したがって、本主題の化合物は、単独で、または対象の適応症に有益であることが公知の他の作用物質もしくは本開示の化合物の有効性、安全性、利便性を増加させるもしくは本開示の化合物の望ましくない副作用もしくは毒性を低下させるかのいずれかである受容体もしくは酵素に影響を及ぼす他の薬物と組み合わせて使用され得る。本主題の化合物および前記他の作用物質は、併用治療または固定組合せのいずれかで、共投与され得る。
LSDの阻害または負の調節を必要とする状態の処置において、適切な投与量レベルは、一般的に、単回または複数回用量で投与され得る1日当たり患者の体重1kg当たり約0.01から1000mgである。好ましくは、投与量レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg;より好ましくは、1日当たり約0.5から約100mg/kgである。適切な投与量レベルは、1日当たり約0.01から250mg/kg、1日当たり約0.05から100mg/kgまたは1日当たり約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投与量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgであり得る。経口投与の場合、本組成物は、処置される患者の症状に対する調整の投与量のために、好ましくは、1.0から1000ミリグラムの活性成分、特には、1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。本化合物は、1日当たり1から4回、好ましくは、1日当たり1回または2回のレジメンで投与され得る。この投与レジメンは、最適な治療応答を与えるために調整され得る。しかしながら、任意の特定の患者のための投与量の具体的な用量レベルおよび頻度は、変化され得、種々の要因、例えば、用いられる具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身健康、性別、食事、投与の方式および時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主に依存することが理解される。
したがって、一態様において、本発明は、少なくとも1つの細胞を、少なくとも1種の本発明の化合物と、少なくとも1つの細胞における、LSD活性応答、例えば、LSD1もしくはLSD2を調節または活性化をするのに有効な量で接触させるステップを含む、少なくとも1つの細胞におけるLSDを阻害または負に調節する方法に関する。さらなる態様において、細胞は、哺乳動物、例えば、ヒトである。さらなる態様において、細胞は、接触させるステップの前に対象から単離されている。さらなる態様において、接触は、対象への投与による。
さらなる態様において、哺乳動物は、ヒトである。なおさらなる態様において、本方法は、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とする哺乳動物を特定するステップをさらに含む。なおさらなる態様において、哺乳動物は、投与ステップの前に、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全を伴う。さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD1である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD2である。
さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは、白血病である。なおさらなる態様において、がんは、肉腫である。なおさらなる態様において、がんは、固形腫瘍である。なおさらなる態様において、がんは、リンパ腫である。なおさらなる態様において、がんは、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫および大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。なおさらなる態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、乳房、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、肺および肝臓のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房、卵巣、精巣および前立腺のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房のがんである。なおさらなる態様において、がんは、卵巣のがんである。なおさらなる態様において、がんは、前立腺のがんである。なおさらなる態様において、がんは、精巣のがんである。
さらなる態様において、哺乳動物は、ヒトである。なおさらなる態様において、本方法は、ヒストン脱メチル化酵素活性の低下を必要とする哺乳動物を特定するステップをさらに含む。なおさらなる態様において、哺乳動物は、投与ステップの前に、ヒストン脱メチル化酵素活性の低下を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD1である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD2である。
さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素活性の低下の必要性は、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全に関連する。なおさらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素の機能不全は、制御されない細胞増殖の障害に伴う。なおさらなる態様において、本方法は、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とする哺乳動物を特定するステップをさらに含む。なおさらなる態様において、哺乳動物は、投与ステップの前に、制御されない細胞増殖の障害の処置を必要とすると診断されている。
なおさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは、白血病である。なおさらなる態様において、がんは、肉腫である。なおさらなる態様において、がんは、固形腫瘍である。なおさらなる態様において、がんは、リンパ腫である。なおさらなる態様において、がんは、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫および大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。なおさらなる態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、乳房、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、肺および肝臓のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房、卵巣、精巣および前立腺のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房のがんである。なおさらなる態様において、がんは、卵巣のがんである。なおさらなる態様において、がんは、前立腺のがんである。なおさらなる態様において、がんは、精巣のがんである。
さらなる態様において、細胞は、哺乳動物である。なおさらなる態様において、細胞は、ヒトである。なおさらなる態様において、接触は、哺乳動物への投与による。さらなる態様において、本方法は、細胞におけるヒストン脱メチル化酵素活性の低下を必要とする哺乳動物を特定するステップをさらに含む。なおさらなる態様において、哺乳動物は、投与ステップの前に、ヒストン脱メチル化酵素活性の低下を必要とすると診断されている。
さらなる態様において、ヒストン脱メチル化酵素は、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD1である。なおさらなる態様において、リジン特異的ヒストン脱メチル化酵素は、LSD2である。
さらなる態様において、細胞におけるヒストン脱メチル化酵素活性の低下の必要性は、制御されない細胞の障害に関連する。なおさらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは、白血病である。なおさらなる態様において、がんは、肉腫である。なおさらなる態様において、がんは、固形腫瘍である。なおさらなる態様において、がんは、リンパ腫である。なおさらなる態様において、がんは、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫および大細胞型B細胞リンパ腫から選択される。なおさらなる態様において、がんは、血液、脳、尿生殖路、消化管、結腸、直腸、乳房、肝臓、腎臓、リンパ系、胃、肺、膵臓および皮膚のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、肺および肝臓のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房、卵巣、精巣および前立腺のがんから選択される。なおさらなる態様において、がんは、乳房のがんである。なおさらなる態様において、がんは、卵巣のがんである。なおさらなる態様において、がんは、前立腺のがんである。なおさらなる態様において、がんは、精巣のがんである。
F.実験
以下の実施例は、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、装置および/または方法がなされおよび評価される仕方の完全な開示および説明を当業者に提供するために提示され、本発明の純粋に例示的なものであることが意図され、本発明者がそれらの発明とみなすものの範囲を限定することは意図されない。努力は、数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するように努めたが、一部の誤差および偏差が、説明されるべきである。特に断りがない限り、部は、重量部であり、温度は、℃であるまたは周囲温度であり、圧力は、大気圧であるまたは大気圧付近である。
この発明の化合物を調製するためのいくつかの方法が、以下の実施例で例証される。出発材料および必須の中間体は、一部の場合に市販されているまたは文献の手順に従ってもしくは本明細書で例証されるとおりに調製され得る。
本発明の以下の例示的な化合物を合成した。実施例は、本発明を例証するために本明細書で提供され、本発明を限定するとは決して解釈されるべきでない。実施例は、典型的には、IUPAC命名の慣例に従って、遊離塩基形態で示される。しかしながら、実施例の一部は、塩形態で得たまたは単離した。
示されるとおりに、実施例の一部は、1種以上のエナンチオマーまたはジアステレオマーのラセミ混合物として得た。本化合物は、別個のエナンチオマーを単離するように当業者によって分離されてもよい。分離は、化合物のラセミ混合物を、エナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせて、ジアステレオマー混合物を形成し、続いて、標準的な方法、例えば、分別結晶またはクロマトグラフィーにより別個のジアステレオマーを分離することにより行い得る。本化合物のラセミまたはジアステレオマー混合物も、キラル固定相を使用するクロマトグラフ法により、直接分離し得る。
1.一般的な化学材料および方法
すべての分析または無水グレートの試薬を、商業的供給元から購入し、さらに精製することなく使用した。溶媒は、分析または無水グレード(Sigma−Aldrich)のものであった。いくつかの供給元から入手した特殊化学製品および成分は、最高の提供純度(常に≧95%)のものであった。
NMR分光法は、5mmのブロードバンドプローブを備え、標準的なパルスシーケンスを使用するVarian Unity 400機器で行った。化学シフト(δ)は、溶媒基準からのパーツパーミリオン(ppm)低磁場で報告する。結合定数(J値)は、Hzで表す。
質量分析は、Finnigan LCQ Duo LCMSイオントラップエレクトロスプレー(ESI)質量分析計で行った。すべての試料を、ポジティブESI−MSにより分析し、プロトン化分子イオンの質量対電荷比(m/z)を報告する。
マイクロ波アシスト反応は、様々な出力でBiotage Initiator 2.5で行った。
水素添加反応は、標準的なParr水素添加装置で行った。
反応は、HPLCまたはTLCのいずれかによりモニターした。TLCによりモニターした場合、反応を、蛍光指示薬を含む200μmのシリカゲルで被覆されたBakerの柔軟裏打ちプレート上で分析した。分取TLCは、蛍光(UV 254)指示薬を含む1000または2000μmのシリカゲル層で被覆された、20cm×20cmのAnaltech Uniplate上で行った。溶出混合物は、v:vとして報告する。スポット視覚化は、UV光を使用して得た。
フラッシュクロマトグラフィーは、適切なサイズのRedisep Rf Goldまたは標準的な順相シリカもしくは逆相C−18カラムを使用して、Teledyne lsco CombiFlash RF 200で行った。粗化合物は、シリカゲル、70−230メッシュ40Å(順相用)またはセライト503(逆相用)に吸着させ、固体カートリッジ中に充填した。溶出混合物は、v:vとして報告する。
2.分子モデリングおよび仮想スクリーニング法
全てのコンピュータによる研究は、LSD1の構造座標のためにPDB ID 2Z5Uを用いた。仮想ドッキング法ICM、GlideおよびGOLDのプログラムを実行した。タンパク質の構造は、ICM力場および0.1のRMS勾配を有する距離依存性誘導電位を使用して、3Dプロトン化、水分子の欠失およびエネルギー最小化によって調製し;タンパク質中の重原子は固定したままとし、ヒスチジン残基は中性と見なした。仮想スクリーニング計算は、それぞれスコアリング関数としてICMおよびGlideスコアを有するデフォルトパラメータ(特に断りのない限り)を用いた。両方の場合で、FADは、配位子として規定し、活性部位領域は、LSD1との複合体における結合FADの周りの半径12Åの球により規定した。
適用したドッキングプロトコルの正確さおよび効率の確認は、FAD補助因子アデニンジヌクレオチドフラグメントおよびフラビンフラグメントならびに正の対照として公知のLSD1阻害剤(デコイセット)を使用した。2つの別個のドッキングランを、ICMおよびGlideドッキングプログラムによって行い;GOLDドッキングを、再スコアリングに用いた。
化合物データベースを、Ligprep 2.1.23(Schrodinger,LLC.,New York、New York)を使用して調製した。HTVSおよび標準的な精密(SP)ドッキングを含めた、VSの2ラウンドを採用した。Glideにより順位付け上位10000個の化合物を保存し、ICMドッキングを使用して、さらなるドッキング実験に供した。2000ヒットの最終セットを、ICMスコアに基づいて選択し、個々の化合物を、ドッキングポーズおよび配位子とLSD1との間の相互作用を点検するために視覚的に調べた。GOLDコンセンサススコアリング関数を、GlideおよびICMから選択された、さらにこれらの2000ヒットを再スコアリングするために用いた。最終的に、121個の化合物を、LSD1阻害研究のために購入した(可能であれば)または合成した。
3.MDシミュレーション法
すべてのシミュレーションは、LSD1に対してAMBER ff99SB力場(Hornak,V.ら、Proteins 2006年、65(3)、712−25頁)、化合物12に対して一般的なAmber力場(「gaff」;Wang,J.ら、J Comput Chem 2004年、25(9)、1157−74頁参照)を使用して行い、水のためのTIP3P(Jorgensen,W.L.、Journal of Chemical Physics 1982年、(77)、4156−4163頁)モデルを用いた。particle−mesh Ewald法(PME)の手順(Essmann,U.ら、Journal of Chemical Physics 1995年、(103)、8577−8593頁;Darden,T.ら、Journal of Chemical Physics 1993年、(98)、10089−10092頁)を使用して、シミュレーションは、長距離静電相互作用の近似値を求めた。LEaPを使用して、LSD1との複合体におけるICMドッキングから生成した結合モードを、中性電荷に溶媒和化させ、前記複合体を、最初にPMEMD(Case,D.A.ら、AMBER11、San Francisco、2010年)で最小化した。最小化に続いて、9Åの非結合相互作用カットオフを使用する、200psの無制限分子動力学シミュレーションを、1atmの圧力を維持する定圧周期境界および2psの緩和時間による等方性位置スケーリングによって、両結合モードについて実行した。SHAKEを使用して、水素にかかわる結合を拘束し、ランジュバン動力学を使用して、温度を制御し(Case,D.A.ら、AMBER11、San Francisco、2010年)、300Kを維持した。2つの結合モード間の比較のための結合の相対自由エネルギーを、軌道中に1psまたは101psいずれかで開始する1ps間隔での100スナップショットによるMMPBSA.py9を使用して、予測した。
4.仮想スクリーニングの結果
重要な構造特性を解明するLSD1の第1の結晶構造は、後に、Stavropoulosら(Nat Struct Mol Biol 2006年、13(7):626−32頁;Protein Data BankまたはPDB ID 2H94;http://www.wwpdb.org/参照)、Yangら(Mol Cell 2006年、23(3)、377−87頁;PDB ID 2IW5)およびChenら(Proc Natl Acad Sci USA 2006年、103(38)、13956−61頁;PDB ID 2HKO)によった。これらの2.9Å、2.57Åおよび2.8Åの構造は、それぞれ、ヒストンH3のN末端尾部を受け入れるのに十分な広い、非常に負に荷電した基質結合キャビティを示す。さらに、N末端SWIRMドメイン、およびタワードメインと呼ばれるコア触媒ドメインにおける挿入を、酵素活性および補助因子、例えば、CoRESTとの相互作用に関する必要な構造モチーフとして確立した。本明細書に記載した研究に関して、構造PDB ID 2Z5Uを、コンピュータによる研究、例えば、仮想スクリーニング、ドッキングおよび分子動力学のために結合LSD1阻害剤トラニルシプロミンと共に使用した(Mimasu,S.ら、Biochem Biophys Res Commun 2008年、366(1)、15−22頁)。トラニルシプロミンおよびポリアミン誘導体を除いた化学的環境を評価するために、HTVSを、社内ライブラリと共に使用した。公的に利用可能なベンダーのライブラリからの合計約1300万個の化合物から、社内で開発したカスタムフィルタを使用して、ライブラリを精選した。62,000個の化合物のみで生じることを除いて、化合物をリピンスキールールオブファイブに基づいてフィルタした。さらに、得られたライブラリが、約200万個の化合物の多様であるが、管理可能なセットを含むように、構造的に重複した化合物を除去した。スクリーニングの前に、生理的に関連するプロトン化状態が使用されるように、Schrodinger SuiteのLigPrepモジュールおよび3次元(3D)配位子のICM固有の調製を使用して、化合物を調製した。
次いで、LSD1上の3つの異なる部位;アミンオキシダーゼドメインに位置するFAD部位ならびにこのポケットのアデニンジヌクレオチドおよびフラビンフラグメントに対して、調製された配位子をドッキングさせた。ICMおよびGlideの両方によって使用したドッキングプロトコルを、正確性を確認するために、FAD、アデニンジヌクレオチド、フラビンフラグメントおよび公知のLSD1阻害剤に関して実行した。ドッキングアルゴリズムの順位付けに加えて、ドッキング結果の視覚的な検査を、結合部位、適切なポーズおよび配向性を評価するために使用した。これらを基に、ICMおよびGlideに由来するスコアリング関数は、使用したデコイセットの上位2%内の既知の阻害剤を正確に特定可能であった。GOLDを、再スコアリングするために使用し、GOLDの適合度関数は、類似のエンリッチメントを生成した。
仮想スクリーニングを、確立されたドッキングプロトコルおよび200万個の化合物データベースを使用して、LSD1のFAD結合ポケットに対してセットした。上位10,000個の化合物を、さらなる分析のために、ICMおよびGlideのスコアリング関数の両方から選択した。少数の同一の化合物を、2つのアルゴリズム間で同様にスコアリングし;この重複性を除去した。さらに、類似の化合物を除去し、最終的な選択の多様性を向上させるために、視覚的な検査を行った。視覚的な分析によっても、LSD1のFAD結合ポケット内の重要な相互作用を特定した。これらは、Ser289、Arg310およびArg316と結合する水素、Val590およびLeu625とのファンデルワールス相互作用ならびにTrp756とのΠ相互作用を含む。さらに、ヒドロキシルおよび疎水性電子吸引基を有する化合物は、最初のドッキング結果において、向上したエンリッチメントを示すと見なした。LSD1のFAD結合ポケットは、タンパク質内部において、深く狭い凹部であり、疎水性アミノ酸残基に取り囲まれている。このため、化合物の疎水特性は、活性部位内での化合物のランダムウォークにおいて重要な役割を果たし得る。
上で検討した選択基準に基づいて、121個の構造的に区別できる化合物を取得し、LSD1に対する生化学的スクリーニングに供した。実験の項で説明したように、生化学的アッセイは、ペプチド基質の酸化的脱メチル化から生じたH2O2を測定する。121個の化合物から、生化学的アッセイにおいて強力な活性を示した一連の関連する化合物を特定した。一連のドッキングスコア、順位および付随する生化学的アッセイ結果を表1、表2および表6−表9に表す。
仮想スクリーニング法を使用して発見した、表1における10個の活性な化合物(ならびに、生化学的および細胞のデータを提供する関連する表、表6、表8および表9)、例えば、化合物1、2、4および5は、LSD1のFAD結合部位内において、類似の結合モードを示した。さらに、化合物1、2、4および5のドッキングスコアを、観察された生化学的活性に十分に関連付けた。これらの結果は、LSD1のアミンオキシダーゼドメインにおけるアデニンジヌクレオチドポケットを標的とする、改善された阻害剤が利用できることを示唆した。
Glideスコアは、予測的であり、p−OHまたはm−Clアリール置換を有する化合物(化合物1および5)に十分関連付けた。疎水性電子吸引基、例えば、−Clが許容されることは、これらの研究から明らかであるが、一方で小さなアルキル置換基、例えば、メチル(例えば、化合物8)または縮合ビシクロ含有化合物10は、より低い活性を有する。第2の部位への任意の供与基、具体的には、−OCH3官能基の導入は、Gly314のH結合相互作用の欠失により、活性を失った(例えば、化合物6)。化合物6の生化学的活性の欠失は、ドッキングスコアから非常に予測され、ここで、ICMおよびGlideは、それぞれ、−18.39および−6.63kcal/molのエネルギーを与えた。その後のドッキング分析で、さらなるベンゾヒドラジンの一連の化合物を、仮想ヒット化合物9に例示されるように、ヒドラジン−Cメチルまたはアリール4−置換スルホン含有化合物に関して特定した。化合物9は、19nMのIC50を有する、強力なLSD1阻害活性を示した。化合物9の低いドッキングスコアは、主に、2−OHアリール環部位におけるシフトによる。スルホン/モルホリン置換基を有する化合物9を、ある程度、この化学的安定性のために、さらなる最適化のための骨格として選択した。
スルホン/モルホリンを有する化合物12の結合モードを、図1にICMから予測されるドッキングポーズによって示す。このモデルにおいて、フェノール基は、残基Ser289、Gly314およびArg316から構成されるポケットに十分適合する。中心のカルボニル基は、Arg310のアミノ基との強力なH結合相互作用に関与するように見える。モルホリンの酸素は、Val590とのH結合相互作用を示す。これらのセットの水素結合相互作用は、GlideおよびGOLDのドッキング実験によっても観察された。さらなる実験は、Trp756残基とのΠ−Π相互作用に関与するモルホリン置換アリール環を示したが、モルホリンの酸素は、Val590とのH結合に保持された。
化学的最適化は、化合物12のいずれかの側における、ヘテロアリール環を含む化合物の設計にも注目した。各種の化学的に納得のいく骨格を生成したこれらの結果を使用するコンピュータモデルから、置換されたピリジンを、Ser289、Gly314およびArg316、周囲の残基および理想の特性との相互作用が可能な適切な部分と特定した。代表例は、化合物24であり、強力なLSD1活性(28nM)を有し、化合物12のこれと類似の結合モードも示した(図2参照)。
代表的な化合物の多くは、シリーズの代謝安定性を増加させるC−アルキルヒドラジンを含む。しかしながら、化合物21のエチル基などのより嵩高い基は、化合物12および化合物21の種々の生化学的活性において例示されるとおりに、結合ポケットに十分受け入れられない。メチルスルホンによるアリール置換(化合物25)およびモルホリン環で置換されたアリール(化合物12)は、化合物11と比較した場合、おおよそ一桁の生化学的効力を増加させた。化合物23で例証されるとおりに、モルホリン環のみの付加が、一部の生化学的活性を維持する。化合物18で例証されるとおりに、スルホノ−モルホリンをスルホノ−N−ジメチルで置き換えることも、生化学的活性を維持した。さらに、2−OH基のクロロでの置き換えは、十分に受け入れられないことが見出され、化合物12と化合物16との間で活性の著しい低下を示した。化合物24の結果は、置換されたピリジンの使用が、酵素に受け入れられるが、種々の他の置換および複素環は、一般的に、化合物13、14、15、17、19、20および22で説明するように、生化学的活性の低下をもたらしたことを示唆する。
表2の代表的な化合物の多くは、シリーズの代謝安定性を増加させるC−アルキルヒドラジンを含んだ。しかしながら、化合物21のエチル基などのより嵩高い基は、化合物12および化合物21の種々の生化学的活性において例証されるとおりに、結合ポケットに十分に受け入れられない。メチルスルホンでのアリール置換(例えば、化合物25)およびモルホリン環で置換されたアリール(化合物12)は、化合物11と比較した場合、おおよそ一桁の生化学的効力を増加させた。複素環、例えば、モルホリン環の付加は、化合物23で例証されるとおりに、生化学的活性を維持する。スルホノ−モルホリンをスルホノ−N−ジメチルで置き換えることも、化合物18で例証されるとおりに、生化学的活性を維持した。さらに、2−OH基のクロロでの置き換えは、化合物12と化合物16との間での活性の著しい低下によって受け入れられないことが見出された。上で検討したとおりに、化合物24は、置換ピリジンの使用が、酵素に受け入れられることを示唆する。さらなる分析は、化合物12のヒドロキシルが、生化学的活性の増加に関連することを示唆する。例えば、この置換基が塩素で置換された場合(化合物16)、活性は低下した。
5.分子動力学シミュレーション結果
分子動力学(「MD」)シミュレーションを、化合物12の2つの異なるドッキングポーズを使用して実行し、一方のドッキングポーズが他方より優先するかどうかを決定した。これらのデータは、合成された化合物により得られた結果において、どの相互作用が役割を果たすかについて、より良好な情報を提供し得る。ドッキングの結果は、化合物12による、より高く順位付けられたポーズが、ジヌクレオチド結合ポケットに、このヒドロキシル部分を介した、Ser289またはArg316との直接的なH結合相互作用により結合したことを示す(結合モード1、図3および表3参照)。しかしながら、化合物12のモルホリン環によって、好ましくスコアされた別のポーズが、Ser289およびArg316と相互作用する(結合モード2、図3および表3参照)。
AMBERスイートを使用するMDを、両方の予測される結合モードに関する結合エネルギーを評価するために使用した。結合モード1に関するシミュレーションは、化合物12とArg316との間のΠ共役電子相互作用およびヒドロキシルとSer289との間の水素結合に関する可能性を示した。結合モード2の分析は、Arg310およびArg316とのより好ましい水素結合による、化合物12とTrp756との間の可能性のあるΠ−Π相互作用を示した。さらに、結合モード1は、Val590との水素結合を有すると予測される。一方で、結合モード2は、クロロ基に関するファンデルワールス相互作用を有する。シミュレーションの最後の100psのMMPBSA分析は、結合モード2が、約−40.8kcal/molの結合自由エネルギーを有すると予測されたことを示した。自由エネルギーは、結合モード1に関する、約−21.0よりほぼ20kcal/mol好ましい。最初の100psのシミュレーションは、算出された結合自由エネルギーが好ましくないように、おそらくある程度、複合体の平衡を反映する。この発見は、ドッキング工程中の結合ポーズの順位付けと対照的である。この差は、ドッキングプロトコルのスピードを向上させるために使用される硬い構造およびMDに使用される柔軟な構造によってドッキングおよびMD中における、タンパク質の構造の差から生じる可能性がある。
6.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(100mg、0.586mmol)およびベンゾヒドラジド(80mg、0.586mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(90mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ7.95 (m, 2H), 7.67-7.62 (m, 2H), 7.56 (m, 2H), 7.35 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.8 Hz), 6.95 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.35 (s, 3H). ESI-MS: 289.0 [M+H]+.
7.(E)−N’−(1−(2,6−ジヒドロキシフェニル)エチリデン)ベンゾヒドラジドの調製
1−(2,6−ジヒドロキシフェニル)エタノン(100mg、0.657mmol)およびベンゾヒドラジド(89mg、0.657mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固形物として表題の化合物(100mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ7.59 (m, 2H), 7.49 (m, 1H), 7.39 (m, 2H), 7.11 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 6.45 (m, 2H), 2.35 (s, 3H). ESI-MS: 271.1 [M+H]+.
8.3−(モルホリノスルホニル)安息香酸の調製
3−(クロロスルホニル)安息香酸(250mg、1.133mmol)をモルホリン(99mg、1.133mmol)に、THF(5mL)中炭酸カリウム(313mg、2.266mmol)の存在下にて室温で添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(160mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.34 (m, 1H), 8.32 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.99 (m, 1H), 7.76 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.70 (m, 4H), 2.98 (m, 4H). ESI-MS: 272.0 [M+H]+.
9.メチル−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾエートの調製
3−(モルホリノスルホニル)安息香酸(100mg、0.369mmol)を、触媒濃H2SO4の存在下にてメタノール中65℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(60mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.38 (t, 1H, J = 1.6 Hz), 8.27 (m, 1H), 7.92 (m, 1H), 7.64 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.95 (s, 3H), 3.73 (m, 4H), 3.00 (m,4H). ESI-MS: 286.1 [M+H]+.
10.3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−(モルホリノスルホニル)ベンゾエート(120mg、0.421mmol)を、メタノール中ヒドラジン(17.52mg、0.547mmol)に添加し、65℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および反応混合物の冷却後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(90mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.16 (m, 1H), 8.12 (m, 1H), 8.04 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.63 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 4.19 (m, 2H), 3.71 (m, 4H), 2.97 (m, 4H). ESI-MS: 286.1 [M+H]+.
11.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(20mg、0.117mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(33.5mg、0.117mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させた。この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、次いで、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2% CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(16mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.26 (m, 1H), 8.17 (d, 1H, J = 8.0Hz), 7.92 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.72 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.48 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.22 (m, 1H), 6.91 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.72 (m, 4H), 3.01 (m, 4H), 2.43 (s, 3H). ESI-MS: 438.1 [M+H]+.
12.(E)−N’−(1−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)エタノン(20mg、0.116mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(33.1mg、0.116mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(22mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.43 (s, 1H), 8.37 (m, 1H), 8.16 (m, 1H), 7.87 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.65 (m, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.10 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.71 (m, 4H), 2.95 (m, 4H), 2.38 (s, 3H). ESI-MS: 440.1 [M+H]+.
13.(E)−N’−(1−(2−クロロピリジン−4−イル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(2−クロロピリジン−4−イル)エタノン(20mg、0.129mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(36.7mg、0.129mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、60%の収率で表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.43 (m, 1H), 8.39 (m, 2H), 8.15 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.93 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.70 (t, 1H, J= 7.6 Hz), 7.52 (m, 1H), 3.73 (m, 4H), 3.02 (m, 4H), 2.35 (s, 3H). ESI-MS: 423.1 [M+H]+.
14.(E)−N’−(1−(2,5−ジクロロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(2,5−ジクロロフェニル)エタノン(20mg、0.106mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(30.2mg、0.106mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、10mgの収量で表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.29 (m, 1H), 8.09 (m, 1H), 7.81 (m, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.26 (m, 2H), 3.52 (m, 4H), 2.91 (m, 4H), 2.28 (s, 3H). ESI-MS: 456.1 [M+H]+.
15.メチル4−ヒドラジニル−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾエートの調製
メチル4−フルオロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾエート(30mg、0.099mmol)を、メタノール(8mL)中ヒドラジン(4.44mg、0.138mmol)に添加し、65℃で5時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(20mg)。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.15 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.03 (dd, 1H, J = 2.4 & 9.2 Hz), 7.48 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 3.86 (s, 3H), 3.67 (m, 4H), 3.04 (m, 4H). ESI-MS: 316.1 [M+H]+.
16.メチル4−フルオロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾエートの調製
4−フルオロ−3−(モルホリノスルホニル)安息香酸(50mg、0.173mmol)を、メタノール(8mL)中濃硫酸(1.117mg、8.64μmol)の存在下にて70℃で、一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(20mg)。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.42 (dd, 1H, J = 2.0 & 6.4 Hz), 8.33 (m, 1H), 7.49 (t, 1H, J = 8.8 Hz), 3.94 (s, 3H), 3.71 (m, 4H), 3.16 (m, 4H).
17.メチル3−ブロモ−4−クロロベンゾエートの調製
3−ブロモ−4−クロロ安息香酸(200mg、0.849mmol)を、メタノール(10mL)中濃硫酸(5.49mg、0.042mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(130mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.29 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.91 (dd, 1H, J = 2.0 & 8.4 Hz), 7.52 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.92 (s, 3H). ESI-MS: 250.9 [M+H]+.
18.メチル3−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンゾエートの調製
3−(N,N−ジメチルスルファモイル)安息香酸(200mg、0.872mmol)を、メタノール(10mL)中濃硫酸(5.64mg、0.044mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(125mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.42 (s, 1H), 8.27 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.97 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.65 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.96 (s, 3H), 2.74 (s, 6H). ESI-MS: 244.0 [M+H]+.
19.3−ブロモ−4−クロロベンゾヒドラジドの調製
メチル3−ブロモ−4−クロロベンゾエート(120mg、0.481mmol)を、メタノール(8mL)中ヒドラジン(23.12mg、0.721mmol)に添加し、70℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(30mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.02 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.60 (dd, 1H, J = 2.0 & 8.0 Hz), 7.52 (d, 1H, J = 8.0 Hz). ESI-MS: 250.9 [M+H]+.
20.3−(ヒドラジンカルボニル)−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミドの調製
メチル3−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンゾエート(150mg、0.617mmol)を、メタノール(10mL)中ヒドラジン(29.6mg、0.925mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(60mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.11 (s, 1H), 8.01 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.65 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 2.73 (s, 6H). ESI-MS: 244.0 [M+H]+.
21.(E)−3−ブロモ−4−クロロ−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ベンゾヒドラジドの調製
3−ブロモ−4−クロロベンゾヒドラジド(30mg、0.120mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(20.51mg、0.120mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、表題化合物を得た(15mg)。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6):δ8.30 (s, 1H), 7.98 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.73 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.61 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.29 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.4 Hz), 6.93 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 2.55 (s, 3H). ESI-MS: 402.9 [M+H]+.
22.(E)−3−(2−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ヒドラジンカルボニル)−N,N−ジメチルベンゼンスルホン−アミドの調製
3−(ヒドラジンカルボニル)−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(50mg、0.206mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(35.1mg、0.206mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2% CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(15mg)。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6):δ8.29 (m, 2H), 8.01 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.83 (t, 1H, J = 8.4 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.32 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.8 Hz), 6.96 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 2.73 (s, 6H), 2.58 (s, 3H). ESI-MS: 396.0 [M+H]+.
23.5−ブロモ−6−クロロニコチノヒドラジドの調製
メチル5−ブロモ−6−クロロニコチネート(100mg、0.399mmol)を、メタノール(8mL)中ヒドラジン(19.19mg、0.599mmol)に添加し、70℃で一晩加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(20mg)。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.33 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.01 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
24.(E)−5−ブロモ−6−クロロ−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ニコチノヒドラジドの調製
5−ブロモ−6−クロロニコチノヒドラジド(15mg、0.060mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(10.22mg、0.060mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(8mg)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ8.39 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.28 (s, 1H), 7.63 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.32 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.8 Hz), 7.06 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 6.92 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.81 (d, 1H, J = 6.8 Hz), 2.47 (s, 3H). ESI-MS: 404.0 [M+H]+.
25.メチル−5−クロロニコチネートの調製
5−クロロニコチン酸(200mg、1.269mmol)を、メタノール(10mL)中濃硫酸(8.20mg、0.063mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(120mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.07 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 8.72 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.26 (m, 1H), 3.95 (s, 1H).
26.メチル5−クロロニコチネートの調製
5−クロロニコチン酸(200mg、1.269mmol)を、メタノール(8mL)中濃硫酸(8.20mg、0.063mmol)の存在下にて70℃で一晩還流した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空で除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(120mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.07 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 8.72 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.26 (m, 1H), 3.95 (s, 1H).
27.5−クロロニコチノヒドラジドの調製
ヒドラジン(17.93mg、0.560mmol)を、メタノール(8mL)中メチル−5−クロロニコチネート(80mg、0.466mmol)に添加し、70℃で一晩加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(40mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.85 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.70 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.22 (t, 1H, J = 2.0 Hz). ESI-MS: 172.0 [M+H]+.
28.(E)−5−クロロ−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ニコチノヒドラジドの調製
5−クロロニコチノヒドラジド(30mg、0.175mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(29.8mg、0.175mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(20mg)。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6):δ9.06 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.62 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.31 (dd, 1H, J = 2.0 & 8.4 Hz), 6.95 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 2.58 (s, 3H). ESI-MS: 324.0 [M+H]+.
29.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロピリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(40mg、0.140mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)プロパン−1−オン(25.9mg、0.140mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(20mg)。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6):δ8.26 (m, 2H), 8.00 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.84 (t, 1H,J = 8.0 Hz), 7.64 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.33 (m, 1H), 6.98 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 3.69 (m, 4H), 3.10 (q, 2H, J = 7.6 Hz), 2.99 (m, 4H), 1.26 (t, 3H, J = 7.6 Hz). ESI-MS: 452.1 [M+H]+.
30.(E)−3−(モルホリノスルホニル)−N’−(1−(ピリジン−3−イル)エチリデン)ベンゾヒドラジドの調製
3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(40mg、0.140mmol)および1−(ピリジン−3−イル)エタノン(16.98mg、0.140mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(15mg)。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.53 (bs, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.59 (m, 1H), 8.39 (m, 1H), 8.17 (m, 1H), 7.98 (m, 1H), 7.89 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.67 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.32 (m, 1H), 3.70 (m, 4H), 3.00 (m, 4H), 2.39 (s, 3H). ESI-MS: 389.0 [M+H]+.
31.3−モルホリノベンゾヒドラジドの調製
メチル3−モルホリノベンゾエート(100mg、0.452mmol)を、メタノール(10mL)中ヒドラジン(14.48mg、0.452mmol)に添加し、65℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、化合物をカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(52mg)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ9.69 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.27 (m, 2H), 7.07 (m, 1H), 4.45 (bs, 2H), 3.74 (m, 4H), 3.14 (m, 4H). ESI-MS: 222.1 [M+H]+.
32.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−モルホリノベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(40mg、0.234mmol)および3−モルホリノベンゾヒドラジド(51.9mg、0.234mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(60mg)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ7.65 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.42-7.32 (m, 4H), 7.20 (m, 1H), 6.94 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.77 (m, 4H), 3.19 (m, 4H), 2.48 (s, 3H). ESI-MS: 374.1 [M+H]+.
33.5−(メチルスルホニル)ニコチノヒドラジドの調製
メチル5−(メチルスルホニル)ニコチネート(100mg、0.465mmol)を、メタノール(10mL)中ヒドラジン(17.87mg、0.558mmol)に添加し、70℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(83mg、収率80%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ9.20 (d, 1H,J = 2.0 Hz), 9.17 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 8.61 (s, 1H), 3.11 (s, 3H). ESI-MS: 216.1 [M+H]+.
34.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−5−(メチルスルホニル)ニコチノヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(50mg、0.293mmol)および5−(メチルスルホニル)ニコチノヒドラジド(63.1mg、0.293mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(4mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(70mg、収率63.0%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ11.86 (s, 1H), 9.37 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.97 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.42 (s, 3H), 2.53 (s, 3H). ESI-MS: 368.8 [M+H]+.
35.3−(メチルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−(メチルスルホニル)ベンゾエート(100mg、0.467mmol)を、メタノール(10mL)中ヒドラジン(22.44mg、0.700mmol)に添加し、70℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(80mg、収率80%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ8.28 (s, 1H), 8.07 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.01 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.62 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.04 (s, 3H). ESI-MS: 215.1 [M+H]+.
36.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(メチルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(55mg、0.322mmol)および3−(メチルスルホニル)ベンゾヒドラジド(69.1mg、0.322mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(5mL)に溶解させ、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了および冷却後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た(75mg、収率63.4%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.49 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 8.18 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.80 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.60 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.27 (m, 1H), 6.93 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.19 (s, 3H), 2.49 (s, 3H). ESI-MS: 367.8 [M+H]+.
37.3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)安息香酸の調製
4−メチルピペリジン(180mg、1.813mmol)を3−(クロロスルホニル)安息香酸(200mg、0.906mmol)に、THF(容量:5ml)中炭酸カリウム(251mg、1.813mmol)の存在下にて室温で添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ8.32 (m, 1H), 8.27 (m, 1H), 7.96 (m, 1H), 7.72 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.72 (m, 2H), 2.27 (m, 2H), 1.68 (m, 2H), 1.29 (m, 1H), 1.21 (m, 2H), 0.88 (d, 3H, J = 6.4 Hz). ESI-MS: 284.1 [M+H]+
38.メチル3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾエートの調製
3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)安息香酸(120mg、0.424mmol)を、メタノール中濃硫酸(2.74mg、0.021mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾエートを得た(100mg、0.319mmol、収率75%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.39 (m, 1H), 8.25 (m, 1H), 7.94 (m, 1H), 7.62 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.95 (s, 3H), 3.77 (m, 2H), 2.25 (m, 2H), 1.67 (m, 2H), 1.29 (m, 3H), 0.90 (d, 3H, J = 4.8 Hz). ESI-MS: 298.1[M+H]+
39.2−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
ヒドラジン(22.46mg、0.701mmol)を、メタノール中メチル2−(モルホリノスルホニル)ベンゾエート(100mg、0.350mmol)に添加し、70℃で12時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、固体として表題化合物2−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(40mg、0.129mmol、収率36.8%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ7.86 (m, 1H), 7.66-7.56 (m, 2H), 7.52 (dd, 1H, J = 1.2 & 7.6 Hz), 7.40 (m, 1H), 4.09 (m, 2H), 3.70 (m, 4H), 3.15 (m, 4H). ESI-MS: 286.1[M+H]+
40.3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾエート(100mg、0.336mmol)を、メタノール中ヒドラジン(21.55mg、0.673mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドを得た(70mg、0.217mmol、収率64.4%)。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ8.16 (m, 1H), 8.05 (m, 1H), 7.91 (m, 1H), 7.70 (t, 1H, J = 7.6Hz), 3.74 (m, 2H), 2.28 (m, 2H), 1.69 (m, 2H), 1.32-1.16 (m, 3H), 0.90 (d, 3H, J = 6.0 Hz). ESI-MS: 298.1[M+H]+
41.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジド(70mg、0.235mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(40.2mg、0.235mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この前記反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−((4−メチルピペリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジド(15mg、0.032mmol、収率13.60%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.11 (m, 2H), 7.81 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.39 (m, 1H), 7.19 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 3.69 (m, 2H), 2.41 (m, 2H), 2.24 (m, 2H), 1.63 (m, 2H), 1.24 (m, 4H), 0.87 (d, 3H, J = 4.4 Hz). 質量 [M+H]+ :450.2
42.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)エタノン(20mg、0.116mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(33.1mg、0.116mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(10mg、0.022mmol、収率19.22%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.26 (m, 1H), 8.09 (m, 1H), 7.80 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.58 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.37 (m, 1H), 7.21 (m, 1H), 6.95 (m, 1H), 3.61 (m, 4H), 2.90 (m, 4H), 2.29 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :440.1
43.メチル3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾエートの調製
3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)安息香酸(200mg、0.783mmol)を、メタノール中濃硫酸(5.06mg、0.039mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾエートを得た(150mg、0.535mmol、収率68.3%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.47 (m, 1H), 8.25 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.02 (dt, 1H, J = 1.2 & 8.0 Hz), 7.63 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.96 (s,3H), 3.27 (m, 4H), 1.77 (m, 4H). 質量 [M+H]+ :270.1
44.メチル3−(N−メチルスルファモイル)ベンゾエートの調製
3−(N−メチルスルファモイル)安息香酸(200mg、0.929mmol)を、メタノール中濃硫酸(6.01mg、0.046mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル3−(N−メチルスルファモイル)ベンゾエートを得た(120mg、0.497mmol、収率53.5%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.51 (m, 1H), 8.25 (m, 1H), 8.06 (dt, 1H, J = 1.2 & 8.0 Hz), 7.63 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 3.96 (s, 3H), 2.69 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :230.1
45.3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾエート(150mg、0.557mmol)を、メタノール中ヒドラジン(35.7mg、1.114mmol)に添加し、65℃で12時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジドを得た(110mg、0.396mmol、収率71.1%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.18 (m, 1H), 8.03 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.97 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.78 (bs, 1H), 7.63 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 4.17 (bs, 2H), 3.25 (m, 4H), 1.77 (m, 4H). 質量 [M+H]+: 270.1
46.3−(ヒドラジンカルボニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミドの調製
ヒドラジン(43.3mg、1.352mmol)を、メタノール中メチル3−(N−メチルスルファモイル)ベンゾエート(155mg、0.676mmol)に添加し、65℃で12時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(ヒドラジンカルボニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミドを得た(120mg、0.502mmol、収率74.3%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.25 (m, 1H), 8.01 (m, 2H), 7.64 (m, 2H), 4.63 (m, 1H), 4.17 (m, 2H), 2.69 (d, 3H, J = 5.2 Hz). ESI-MS: 230.0 [M+H]+
47.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−2−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
2−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(30mg、0.105mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(17.94mg、0.105mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この前記反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−2−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(10mg、0.022mmol、収率21.28%)を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ7.95 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.95-7.70 (m, 2H), 7.66 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.56 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.25 (dd, 1H, J = 2.8 & 8.8 Hz), 6.91 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.66 (m, 4H), 3.2(m, 4H), 2.36 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :438.1
48.(E)−3−(2−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ヒドラジンカルボニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミドの調製
3−(ヒドラジンカルボニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(120mg、0.523mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(89mg、0.523mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題の化合物(E)−3−(2−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ヒドラジンカルボニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(75mg、0.192mmol、収率36.8%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.21 (m, 1H), 8.06 (m, 1H), 7.95 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.59 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.39 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.18 (m, 1H), 6.90 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 2.56 (s, 3H), 2.36 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :382.1
49.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジド(105mg、0.390mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(66.5mg、0.390mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジド(70mg、0.163mmol、収率41.7%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.18 (m, 1H), 8.13 (m, 1H), 7.95 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.65 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.41 (m, 1H), 7.21 (m, 1H), 6.93 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.23 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.75 (m, 4H). 質量 [M+H]+ :422.1
50.メチル−3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾエートの調製
3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)安息香酸(100mg、0.392mmol)を、メタノール(5mL)中濃硫酸(2.53mg、0.020mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル−3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾエートを得た(99mg、0.353mmol、収率90%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ7.58 (m, 2H), 7.36 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.09 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.89 (m, 4H), 3.11 (m, 4H). 質量 [M+H]+: 270.1
51.3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾヒドラジドの調製
メチル−3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾエート(95mg、0.353mmol)を、メタノール中ヒドラジン(22.61mg、0.705mmol)に添加し、65℃で12時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾヒドラジド(32mg、0.109mmol、収率31.0%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ7.34 (m, 1H), 7.29 (t, 1H, J = 8.4 Hz), 7.18 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 6.70 (dd,1H, J = 4.8 & 8.0 Hz), 3.85 (m, 4H), 3.05 (m, 4H). 質量 [M+H]+ :270.1
52.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾヒドラジドの調製
3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾヒドラジド(30mg、0.111mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(19.00mg、0.111mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンゾヒドラジド(15mg、0.035mmol、収率31.3%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ7.65 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.47 (m, 1H), 7.41 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.36-7.27 (m, 3H), 6.94 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.87 (m, 4H), 3.17 (m, 4H), 2.48 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :422.2
53.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)エタノン(30mg、0.150mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(42.9mg、0.150mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(15mg、0.030mmol、収率20.09%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.20 (m, 1H), 8.07 (m, 1H), 7.88 (m, 1H), 7.66 (m,1H), 7.51 (m, 2H), 7.39 (m, 1H), 3.69 (m, 4H), 2.99 (m, 4H), 2.29 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :468.0
54.メチル3−スルファモイルベンゾエートの調製
3−スルファモイル安息香酸(150mg、0.746mmol)を、メタノール(5mL)中濃硫酸(4.82mg、0.037mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、固体としてメチル−3−スルファモイルベンゾエート(115mg、0.524mmol、収率70.2%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.53 (m, 1H), 8.18 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.08 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.57 (t,1H, J = 8.0 Hz), 3.92 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :216.0
55.メチル4−(モルホリノスルホニル)ベンゾエートの調製
4−(モルホリノスルホニル)安息香酸(150mg、0.553mmol)を、メタノール中濃硫酸(3.57mg、0.028mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、メチル4−(モルホリノスルホニル)ベンゾエートを得た(135mg、0.464mmol、収率84%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.21 (m, 2H), 7.82 (m, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.4 (m, 4H), 3.02 (m, 4H). 質量 [M+H]+ :286.0
56.3−(ヒドラジンカルボニル)ベンゼンスルホンアミドの調製
メチル3−スルファモイルベンゾエート(110mg、0.511mmol)を、メタノール中ヒドラジン(32.8mg、1.022mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(5%メタノール/DCM)により精製して、白色の固体として3−(ヒドラジンカルボニル)ベンゼンスルホンアミド(57mg、0.260mmol、収率50.8%)を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ8.32 (m, 1H), 8.04 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.97 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.63 (t, 1H, J = 8.0 Hz). 質量 [M+H]+ :216.0
57.4−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル4−(モルホリノスルホニル)ベンゾエート(135mg、0.473mmol)を、メタノール中ヒドラジン(30.3mg、0.946mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(3%メタノール/DCM)により精製して、白色の固体として4−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(102mg、0.350mmol、収率74.0%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ7.94 (m, 2H), 7.79 (m, 2H), 3.72 (m, 4H), 2.99 (m, 4H). 質量 [M+H]+ :286.0
58.(E)−3−(2−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ヒドラジンカルボニル)ベンゼンスルホンアミドの調製
3−(ヒドラジンカルボニル)ベンゼンスルホンアミド(50mg、0.232mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(39.6mg、0.232mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物(E)−3−(2−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)ヒドラジンカルボニル)ベンゼンスルホンアミド(36mg、0.094mmol、収率40.4%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.34 (s, 1H), 8.15 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.02 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.73 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.64 (m, 1H), 7.51 (bs, 2H), 7.32 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.4 Hz), 6.92 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 2.49 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :368.0
59.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン−4−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
4−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(100mg、0.350mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(59.8mg、0.350mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン−4−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド(80mg、0.177mmol、収率50.6%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.16 (m, 2H), 7.89 (m, 2H), 7.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.35 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.8 Hz), 6.95 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.64 (m, 4H), 2.92 (m, 4H), 2.49 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :438.0
60.3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)安息香酸の調製
3−(クロロスルホニル)安息香酸(200mg、0.906mmol)を1−メチルピペラジン(100mg、0.997mmol)に、THF(容量:5ml)中炭酸カリウム(251mg、1.813mmol)の存在下にて室温で添加し、この反応混合物を、室温で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)安息香酸(100mg、0.320mmol、収率35.3%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ7.77 (m, 2H), 7.63-7.55 (m, 2H), 3.04 (m, 4H), 2.46 (m 4H), 2.31 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :285.1
61.メチル3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾエートの調製
3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)安息香酸(250mg、0.879mmol)を、メタノール中濃硫酸(5.68mg、0.044mmol)の存在下にて70℃で一晩還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、粗物質を、精製することなくさらなる反応に使用した。
62.3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾエート(200mg、0.670mmol)を、メタノール中ヒドラジン(43.0mg、1.341mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(3%メタノール/DCM)により精製して、白色の固体として3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジド(125mg、0.406mmol、収率60.6%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ10.08 (s, 1H), 8.12 (m, 2H), 7.84 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.72 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 4.57 (m, 1H), 2.88 (m, 4H), 2.32 (m, 4H), 2.10 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :298.9
63.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジド(85mg、0.285mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(48.6mg、0.285mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ベンゾヒドラジド(70mg、0.152mmol、収率53.4%)を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ8.29 (s, 1H), 8.21 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.99 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.78 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.59 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.27 (dd, 1H, J = 2.4 & 9.2 Hz), 6.92 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.09 (m, 4H), 2.54 (m, 4H), 2.48 (s, 3H), 2.28 (s, 3H). 質量 [M+H]+ :450.9
64.3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
メチル3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾエート(150mg、0.529mmol)を、メタノール中ヒドラジン(50.9mg、1.588mmol)に添加し、65℃で8時間還流させた。冷却後、反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(3%メタノール/DCM)により精製して、白色の固体として3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジド(70mg、0.245mmol、収率46.2%)を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz):δ8.17 (t, 1H, J = 1.2 Hz), 8.05 (dt, 1H, J = 1.2 & 8.0 Hz), 7.90 (dt, 1H, J = 1.2 & 8.0 Hz), 7.69 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 2.99 (m, 4H), 1.62 (m, 4H), 1.43 (m, 2H). 質量 [M+H]+ :284.1
65.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジドの調製
3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジド(65mg、0.229mmol)および1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(39.1mg、0.229mmol)を、触媒としての酢酸の存在下でメタノール(容量:4ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を、マイクロ波照射により120℃に30分間加熱した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として生成物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)ベンゾヒドラジド(55mg、0.124mmol、収率53.9%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ8.09 (m, 2H), 7.85 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.62 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 7.41 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 6.93 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 2.97 (m, 4H), 2.41 (s, 3H), 1.61 (m, 4H), 1.40 (m, 2H). 質量 [M+H]+ :436.9
66.4−クロロ−2−(4−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)フェノールの調製
(E)−3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−メチルアクリルアルデヒド(40.0mg、0.203mmol)および4−メチルベンゼンスルホノヒドラジン(41.7mg、0.224mmol)のアセトニトリル(3mL)中混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、アセトニトリル(2mL)、水酸化ナトリウム(8.95mg、0.224mmol)を添加し、この混合物を還流で16時間加熱した。生成物を、精製することなくさらなる反応に使用した。
67.3−(モルホリノスルホニル)安息香酸の調製
3−(クロロスルホニル)安息香酸(250mg、1.133mmol)をモルホリン(99mg、1.133mmol)に、THF(容量:5ml)中炭酸カリウム(313mg、2.266mmol)の存在下にて室温で添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(160mg)を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ8.34 (m, 1H), 8.32 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.99 (m, 1H), 7.76 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.70 (m, 4H), 2.98 (m, 4H). ESI-MS: 272.0 [M+H]+
68.(3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)(3−(モルホリノスルホニル)フェニル)メタノンの調製
アセトニトリル(3mL)中(E)−3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−メチルアクリルアルデヒド(40mg、0.203mmol)および4−メチルベンゼンスルホノヒドラジド(41.7mg、0.224mmol)の混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで、アセトニトリル(2mL)、水酸化ナトリウム(8.95mg、0.224mmol)を添加し、この混合物を還流で16時間加熱し、次いで、水酸化ナトリウム(12.21mg、0.305mmol)および3−(モルホリノスルホニル)ベンゾイルクロリド(88mg、0.305mmol)(3−(モルホリノスルホニル)安息香酸から製造した)をその後に添加し、この混合物を室温で2時間撹拌した。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、生成物をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、溶媒を真空により除去した。得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として所望の生成物(3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)(3−モルホリノスルホニル)フェニル)メタノン(30mg、0.064mmol、31.3%収率)を得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ8.28 (m, 2H), 8.20 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.95 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.70 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.59 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.18 (dd, 1H, J = 2.8 & 8.8 Hz), 6.87 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.68 (m, 4H), 3.02 (m, 4H), 2.40 (s, 3H). ESI-MS: 462.0 [M+H]+
69.4−クロロ−2−(1H−ピラゾロ−3−イル)フェノールの調製
(E)−3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−2−メチルアクリルアルデヒド(40mg、0.203mmol)および4−メチルベンゼンスルホノヒドラジド(41.7mg、0.224mmol)のアセトニトリル(3mL)中混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで、アセトニトリル(2mL)、水酸化カリウム(8.95mg、0.224mmol)を添加し、この混合物を還流で16時間加熱した。生成物を、精製することなくさらなる反応に使用した。
70.(3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)(3−モルホリノスルホニル)フェニル)メタノンの調製
3−(モルホリノスルホニル)安息香酸(50mg、0.184mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(37.4mg、0.276mmol)、EDC(53.0mg、0.276mmol)および重炭酸ナトリウム(17.03mg、0.203mmol)をTHF(10mL)に溶解させ、次いで、4−クロロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(35.9mg、0.184mmol)を室温で添加し、この反応混合物を室温で一晩撹拌させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)(3−(モルホリノスルホニル)フェニル)メタノン(43mg、0.094mmol、収率51.0%)を得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ8.68 (s, 1H), 8.39 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.01 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 7.80 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.70 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 7.53 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.38 (dd, 1H, J = 2.4 & 8.4 Hz), 7.27 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.52 (s, 1H), 3.75 (m, 4H), 3.05 (m, 4H). ESI-MS: 448.0 [M+H]+
71.5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチノヒドラジドの調製
ヒドラジン(11.78mg、0.367mmol)を、メタノール(10mL)中メチル5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチネート(55mg、0.184mmol)に添加し、一晩還流させた。反応をTLCによりモニターし、反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/DCM)により精製して、固体として表題化合物5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチノヒドラジド(45mg、0.147mmol、収率80%)を得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ9.07 (s, 1H), 9.02 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.46 (bs, 1H), 4.09 (bs, 2H), 3.05 (m, 4H), 2.43 (m, 4H), 2.21 (s, 3H). ESI-MS: 300.1 [M+H]+
72.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチノヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(25.07mg、0.147mmol)および5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチノヒドラジド(40mg、0.134mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(10ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を70℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−5−((4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル)ニコチノヒドラジドを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ9.21 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.41 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.20 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.90 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.08 (m, 4H), 2.48 (m, 4H), 2.40 (s, 3H), 2.25 (s, 3H). ESI-MS: 452.0 [M+H]+
73.メチル5−(モルホリノスルホニル)ニコチネートの調製
メチル5−(クロロスルホニル)ニコチネート(35mg、0.149mmol)をモルホリン(25.9mg、0.297mmol)に、TMF(8ml)中炭酸カリウム(41.1mg、0.297mmol)の存在下にて室温で添加し、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(2%メタノール/DCM)により精製して、固体として生成物メチル5−(モルホリノスルホニル)ニコチネート(26mg、0.090mmol、収率60.5%)を得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ9.41 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.60 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 4.01 (s, 3H), 3.76 (m, 4H), 3.07 (m, 4H).
74.5−(モルホリノスルホニル)ニトチノヒドラジドの調製
ヒドラジン(5.60mg、0.175mmol)をメタノール(10ml)中メチル5−(モルホリノスルホニル)ニコチネート(25mg、0.087mmol)に添加し、一晩還流させた。この反応をTLCによりモニターし、反応の完了後、溶媒を真空により除去し、次いで、化合物をカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/DCM)により精製して、固体として表題化合物5−(モルホリノスルホニル)ニトチノヒドラジドを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ9.15 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 3.71 (m, 4H), 3.02 (m, 4H)
75.(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリジン)−5−(モルホリノスルホニル)ニコチノヒドラジドの調製
1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エタノン(6.55mg、0.038mmol)および5−(モルホリノスルホニル)ニコチノヒドラジド(10mg、0.035mmol)を、触媒として酢酸の存在下でメタノール(3ml)に溶解させ、次いで、この反応混合物を70℃で12時間還流させた。反応をTLCによりモニターした。反応の完了後、冷却に続いて、溶媒を真空により除去し、得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2%CH3OH/CH2Cl2)により精製して、固体として表題化合物(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリジン)−5−(モルホリノスルホニル)ニコチノヒドラジド(10mg、0.023mmol、収率65.2%)を得た。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6):δ11.82 (bs, 1H), 9.35 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.34 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.94 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 3.63 (m, 4H), 2.99 (m, 4H), 2.50 (s, 3H). ESI-MS: 439.1 [M+H]+
76.一般的な生化学的および細胞材料ならびに方法
LSD1活性は、Cayman Chemical Company(Ann Arbor、Michigan)から購入したLSD1阻害剤スクリーニングアッセイキット(Cayman Chemical 商品番号700120)を使用して測定した。(バキュロウイルスに感染したBTI昆虫細胞において発現された)組換えモノアミンオキシダーゼAおよびモノアミンオキシダーゼB(それぞれ、カタログ番号M7316およびM7441)は、Sigma−Aldrich Co.LLC.(St.Louis、Missouri)から購入した。MAO−Glo(商標)アッセイキットは、Promega Corporation(Madison、Wisconsin)から購入した。ATPlite(商標)発光アッセイシステム(例えば、カタログ番号V1401)は、PerkinElmer Inc.(Waltham、Massachussetts)から購入した。
77.細胞培養
がん細胞株を、ATCCから得た。提供された手順に基づいて、細胞を培養した。使用した細胞株としては、以下の表4に示されるものがあった。表4に示される補足に加えて、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(100IU/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン)も、培地に添加した。細胞を、37℃および5%CO2で培養した。ATCCは、アメリカ培養細胞系統保存機関(Manassas、Virginia)である。
78.LSD1ヒストン脱メチル化酵素アッセイ
化合物の阻害活性に関する第1のアッセイを、LSD1阻害剤スクリーニングアッセイキット(Cayman Chemical Company、Ann Arbor、Michigan;Cayman Chemical 商品番号700120)とした。要約すると、試験化合物を、100% DMSOにおいて、20×所望の試験濃度に希釈し、2.5μLの希釈薬物試料を、ブラック384ウェルプレートに添加した。LSD1酵素ストックを、アッセイバッファーで17倍に希釈し、40μLの希釈LSD1酵素を、適切なウェルに添加した。反応混合物は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ジメチルK4ペプチド(ヒストンH3のN末端尾部の最初の21個のアミノ酸に対応)から構成され、次いで、10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジンを、ウェルに添加した。レゾルフィンの発生(前記反応において生成したH2O2と反応することにより発生する)を、530nmの励起波長および595nmの発光波長によってEnvisionマイクロプレートリーダーで分析した。
79.モノアミンオキシダーゼ(「MAO」)アッセイ
モノアミンオキシダーゼ活性の阻害を、MAO−Glo(商標)アッセイキットを使用して、製造元が提示するプロトコルに従って行った。要約すると、6.25μLの試験化合物を、384ウェルプレートの各ウェルに添加した。酵素(MAO AまたはBのいずれか)を添加し(1μgのタンパク質を含む2×バッファーにおいて、12.5μL)、5分間インキュベートした。最後に、6.25μLの4×MAO基質を、各ウェルに添加した。1時間のインキュベート後、25μLのルシフェリン検出試薬を、各ウェルに添加し、20分間インキュベートした。次いで、Envisionマイクロプレートリーダーで、発光を測定した。各MAOアイソフォームの阻害に関するIC50を決定するのに使用した代表的なデータを、図4に提供し、いくつかの化合物に関する代表的なデータを、以下の表8にまとめる。
80.細胞生存性アッセイ
ATPlite(商標)発光アッセイシステム(PerkinElmer Inc.、Waltham、Massachussetts)を使用し、上記および表4に記載の種々の細胞株を使用して、細胞生存性を測定した。要約すると、細胞を、96ウェルプレートに播種し、次いで、種々の濃度の阻害剤(0.1%最終DMSO濃度)で処理した。96時間のインキュベート後、ATPlite検出試薬を、培養ウェルに直接添加した。Envisionマイクロプレートリーダーで、5分後に発光を読み取った。種々の細胞株についての細胞増殖の阻害に関する代表的なIC50データを、以下の表6、7および9に提供する。
81.リアルタイムPCR
要約すると、T−47D細胞を、96ウェルプレートに播種し、示した濃度の阻害剤で処理した。細胞ライゼート、逆転写および単色サイバーグリーンリアルタイムPCRを、Cells−to−Ctキット(Life Technologies)を使用して行った。ヘムオキシゲナーゼ(HMOX)の転写レベルを、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)およびβ−アクチンに正規化した。リアルタイムPCRに使用したプライマーを、以下の表5に示す。HMOX発現に対する開示の化合物の作用に関する代表的なデータを、表6および表7に提供する。
82.IC50の計算
GraphPad Prism5ソフトウェアを使用して、IC50値を決定した。薬物の各濃度に関するパーセント阻害として、データを、X−Yプロットとして、ソフトウェアに入力した。薬物の濃度値を、log変換し、非線形回帰を、前記データをモデル化し、IC50値を計算するために、GraphPadソフトウェア内の「シグモイドの用量−応答(可変勾配)」オプションを使用して行った。報告されたIC50値は、50%阻害が達成される薬物の濃度である。
83.化合物の活性
種々の生化学的および細胞の活性を調節する代表的な開示の化合物の能力を、上記アッセイを使用して決定した。結果を、以下の表に示す。T−47D細胞を使用した、LSD1活性または細胞増殖のいずれかの阻害についてのIC50(μM)を、表6および7に示す。さらに、ヘムオキシゲナーゼ(HMOX)発現に対する代表的な化合物の作用も、表6および7に示す。対照化合物であるトラニルシプロミンと比較した、代表的な化合物による、モノアミンオキシダーゼA(「MAO A」)およびB(「MAO B」)の阻害についてのIC50を、表8に示す。種々の細胞株に関する細胞増殖についての、化合物番号12(表7で使用される化合物番号を参照、または(E)−N’−(1−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチリデン)−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾヒドラジド)の作用を、表9に示す。IC50または他のアッセイ結果が「n.d.」と表される場合、それは示されたアッセイにおいて測定されなかった。
化合物12を、がん細胞株の一団における感受性を評価するために使用した(表9)。この生存性アッセイにおける化合物12に対する細胞株感受性は、IC50値に関して、300nM付近から3μM直下まで、1ログだけ異なった。代表的な化合物の中での比較に関して、IC50値を、T−47D細胞において決定した(表6および7参照)。あまり例外なく、T−47D細胞は、LSD1の生化学的アッセイにおいて活性であった試験化合物に対して感受性であり、LSD1のアッセイにおいてあまり活性を示さない化合物に対して、あまり感受性がないことが観察された。
これらの化合物による細胞培養におけるLSD1阻害のさらなるレベルの分析を追加するために、発現アレイ実験を、化合物12により誘導される転写変化を評価するために行った(データを示さず)。これらのデータは、ヘムオキシゲナーゼ1(HMOX1)は、この化合物での処理後に、複数の細胞株にわたって、最も一貫して上方制御された遺伝子の1つであることを示した。HMOX1は、プロモータにおけるH3のメチル化により制御されることが公知であるので(Krieg,A.J.ら、Mol Cell Biol2010年、30(1)、344−53頁)、T−47D細胞におけるHMOX1発現に対する試験化合物の作用を、決定した(表6および表7参照)。データは、HMOX1発現の上方制御に関連する代表的な化合物が、LSD1アッセイおよび細胞生存性アッセイにおける阻害活性にも関連することを示す。
LSD1は、モノアミンオキシダーゼファミリーの酵素に対して、高い構造相同性を有する(モノアミンオキシダーゼAおよびB;それぞれMAO AおよびBの両方に関して、17.6%;例えば、Gooden,D.M.ら、Bioorg Med Chem Lett 2008年、18(10)、3047−51頁参照)。MAO AまたはMAO Bのいずれかと比較したLSD1に関する、代表的な化合物の選択的活性は、LSD1を標的とする治療化合物に関する望ましい特性である。化合物1および化合物12の特異性を、本明細書に記載されるMAO生化学的アッセイにおいて試験した(表8にまとめた代表的な結果に関する図3参照)。このアッセイでは、公知のMAO阻害剤であるトラニルシプロミンは、MAO AおよびBの両方に対して活性を示した。対照的に、化合物1は、MAO Bに対して、トラニルシプロミンに匹敵する活性を示したが、MAO Aに対して活性を示さなかった。しかしながら、化合物12は、いずれのMAO酵素に対しても活性を示さなかった(>300μM)。化合物18および24も試験し、MAO AまたはBに対する活性を示さなかった。結果を、表8に提供する。これらの結果は、代表的な化合物が、MAO酵素について著しく低下した作用を有する、LSD1に関する特異性を有することを実証する。MAO AおよびBは両方とも、FADが、Cys406およびCys397それぞれにチオエーテル結合により、前記酵素に共有結合される点において、LSD1とは異なることが留意されるべきである(Kearney,E.B.ら、European Journal of Biochemistry 1971年、(24)、321−327頁;および、Bach,A.W.ら、Proc Natl Acad Sci USA 1988年、(85)、4934−4938頁)。
84.予測的なインビボにおける抗腫瘍作用:細胞株異種移植モデル
本開示の化合物のインビボ作用の以下の実施例は、予測的である。一般的に、クロマチンの制御を調節する作用物質、例えば、ヒストン脱メチル化酵素の阻害剤は、がんの前臨床モデルで効力を示す。先の実施例に記載した化合物のインビボ作用は、当業者に公知のがんの種々の動物モデル、例えば、腫瘍異種移植モデルにおいて示されると予測される。これらのモデルは、典型的には、げっ歯類において、ほとんどの場合、マウスにおいて行われるが、本研究の目的に都合がよいのであれば、他の動物種で行ってもよい。本明細書に開示の化合物、生成物および組成物は、当業者に公知のがんの種々の動物モデル、例えば、マウス腫瘍異種移植モデルにおいて、インビボ作用を示すことが予測される。
化合物のインビボ作用は、マウス腫瘍異種移植研究により評価され得る。1つの可能性のある研究プロトコルを、本明細書に記載する。要約すると、細胞(100mLの培養培地において、2から5×106個)を、無胸腺nu/nuヌードマウス(5から6週齢、18−22g)の右後ろの脇腹に、例えば、皮下注射により皮下に移植する。本発明の試験化合物に関して、腫瘍異種移植研究に使用した典型的な細胞株は、AN3、CAまたはBT−20である。これらの研究に関する他の適切な細胞株は、BT−549、HCT 116、HER218、MCF7、MDA−MB−231、MDA−MB−235、MDA−MB−435S、MDA−MB−468、PANC−1、PC−3、SK−N−MC、T−47DおよびU−87 MGの細胞である。細胞を、本明細書に記載のこのプロトコル用に収集する前に培養する。
移植後に、動物を、処理群(例えば、媒体、ポジティブコントロールおよび種々の用量レベルの試験化合物)にランダム化する前に、腫瘍を、典型的に移植後約6−18日で、約100mm3に増殖させる。群あたりの動物の数は、典型的には、8−12匹とする。研究の1日目は、動物が、この最初の投与を受ける日に対応する。試験化合物の効力は、研究の目的に応じて、種々の長さの研究において決定され得る。典型的な研究期間は、14、21および28日間である。投与頻度(例えば、試験化合物を、毎日、1日おき、2日おきまたは他の頻度で動物に投与するかどうか)を、試験化合物の毒性および効力に応じて、各研究に関して決定する。典型的な研究設計は、週末での回収による、試験化合物で毎日(M−F)投与することを含む。研究全体を通して、腫瘍体積および体重を、1週間に2回測定する。研究の最後に、動物を安楽死させ、腫瘍を収集し、さらなる分析のために凍結させる。代わりに、分析のために、腫瘍を直ちに処理、例えば、緩衝ホルマリンにおいて固定し、パラフィン包埋し、ヘマトキシリン/エオシン染色および、所望の腫瘍学マーカーに関するさらなる免疫組織化学的な分析用に切片化してもよい。
例えば、本発明の化合物またはこの医薬として許容される塩、溶媒和物、多形体、水和物および立体化学的な異性型は、このようなインビボ作用を示すと予測される。
85.予測的なインビボにおける抗腫瘍作用:腫瘍移植片モデル
代わりに、腫瘍外植片モデルまたは腫瘍移植片動物モデル(例えば、Rubio−Viqueira B.ら、Clin Cancer Res.(2006年)12:4652−4661頁;Fiebig,H.H.、Maier,A.およびBurger,A.M.Eur.J.Canc.(2004)40:802−820;および、DeRose,Y.S.ら、「Patient−derived tumor grafts authentically reflect tumor pathology,growth,metastasis and disease outcomes.」(2011年)Nat.Med.、印刷中を参照)における、本開示の化合物のインビボにおける有用性を評価するのが望ましくあり得る。これらのモデルは、治療的な化合物のインビボ作用についての、より高い品質の情報を提供し得る。腫瘍移植片モデルは、多くの種類のがん、例えば、ヒトの乳がんの、腫瘍の生物学およびがんが転移する方法を試験するのに、より信頼性の高いインビボモデルであると考えられる。実際の患者の腫瘍組織の免疫不全のマウスへの移植(「腫瘍移植片」と呼ばれる)は、ヒトの腫瘍を表現型描写することおよび患者における薬物応答を予測することに関して、細胞株の移植を超える改善をもたらす(Clarke,R.Breast Cancer Res(2009年)11 Suppl 3、S22;Press,J.Z.ら、Gynecol Oncol(2008年)110:56−264頁;Kim,M.P.ら、Nat Protoc(2009年)4:670−1680頁;Daniel,V.C.ら、Cancer Res(2009年)69:3364−3373頁;およびDing,L.ら、Nature(2010年)464:999−1005頁)。
要約すると、組織試料を、認可されたIRBプロトコルに基づいて、ユタ州のハンツマンガン病院/大学において、インフォームドコンセントした患者から収集する。試料を収集し、移植用に取得される前に、ハンツマンガン研究所の組織活用および応用コア施設により特定化する。すべての原発腫瘍は、組織収集の前に化学療法を受けていない個体に由来し、すべての転移性胸水は、化学療法、ホルモン療法および/または放射線療法で処置されている個体に由来すると見込まれる。ユタ大学研究所の動物治療および利用委員会が、すべてのマウスの実験を総説し、認可する。実験群あたりの最も小さい3匹のマウスを使用し、メスのマウスのみを、乳がん腫瘍に関する研究に使用することが見込まれる。新鮮または凍結させた腫瘍(約8mm3)の1つの断片またはマトリゲルにおける約106個の細胞を、3−4週齢のメスのNOD/SCIDマウスのクリアな鼠径乳房脂肪体に移植する。同様に、肩甲骨間のエストロゲンペレットを、ER+の腫瘍と共に、マウスの皮下に移植する。腫瘍の増殖を、キャリパーを使用して週に1回測定する。腫瘍が約150−2,000mm3に達する時点で、マウスを安楽死させ、組織断片を別のコホートのマウスに再移植し、後の使用のために凍結し、および/または、組織構造、遺伝子発現およびDNAコピー数を分析した。腫瘍体積を、式0.5×長さ×(幅)2を使用して算出する。エストロゲン依存性を決定する実験に関して、ER+の腫瘍を、肩甲骨間エストロゲンペレットの存在または不存在下において、および標準的な方法に基づいて行われる卵巣を取り除く同時外科手術の有無と共に、上記のようにマウスに移植する。
患者またはマウスから新鮮に収集された腫瘍組織を、約8mm3片に切断し、液体窒素において、後の移植のために、95%FBSおよび5%DMSOの溶液に保存する。代わりに、組織を、コラゲナーゼ溶液(2.5%FBS、10mM HEPES、10μg/mLペニシリン−ストレプトマイシンを補充したRPMI1640培地における、1mg/mlのコラゲナーゼ[IV型、Sigma])により、250rpmで振とうしながら、37℃で40−60分間消化する。消化された組織を、細片を除去するために引張り、ヒト乳房上皮細胞(HBEC)培地(10mM HEPES、5% FBS、1mg/mL BSA、0.5μg/mL ヒドロコルチゾン、50μ/mL ゲンタマイシン、1μg/mL ITS−X100を添加したDMEM F/12)において、3回洗浄する。ペレットを、凍結培地(HBEC培地における5%FBSおよび10%DMSO)に再懸濁させ、液体窒素において保存する。
開示の化合物の作用を評価するために、動物を処理群(例えば、媒体、正の対照および種々の用量レベルの試験化合物)にランダム化する前に、マウスにおける腫瘍を、典型的に移植後約6−18日で、約100mm3に増殖させる。群あたりの動物の数は、典型的には、8−12匹とする。研究の1日目は、動物が、この最初の投与を受ける日に対応する。試験化合物の効力は、研究の目的に応じて、種々の長さの研究において決定され得る。典型的な研究期間を、14、21および28日間とする。投与頻度(例えば、試験化合物を、毎日、1日おき、2日おきまたは他の頻度で動物に投与するかどうか)を、試験化合物の毒性および効力に応じて、各研究に関して決定する。典型的な研究設計は、週末での回収による、試験化合物で毎日(M−F)投与することを含む。研究全体を通して、腫瘍体積および体重を、1週間に2回測定する。研究の最後に、動物を安楽死させ、腫瘍を収集し、さらなる分析のために凍結させる。または、分析のために、腫瘍を直ちに処理、例えば、緩衝化ホルマリンにおいて固定し、パラフィン包埋し、ヘマトキシリン/エオシン染色および、所望の腫瘍学マーカーに関する更なる免疫組織化学的な分析用に切片化し得る。
例えば、本発明の化合物またはこの医薬として許容される塩、溶媒和物、多形体、水和物および立体化学的な異性型は、このようなインビボ作用を示すと予測される。
86.予測的な医薬組成物の実施例
これらの実施例全体を通して使用する場合の「活性成分」は、1種以上の本発明の化合物またはこの医薬として許容される塩、溶媒和物、多形体、水和物および立体化学的な異性型に関する。錠剤、懸濁剤、注射剤および軟膏剤における本発明の化合物おける製剤の以下の実施例が、予測される。
本発明の製剤に関するレシピの典型的な実施例は、以下に示すとおりである。本発明によって所望の投与量におけて開示の化合物を用いる、種々の他の剤形、例えば、充填ゼラチンカプセル剤、液体状のエマルジョン剤/懸濁剤、軟膏剤、坐剤またはチュアブル錠剤の形態を、本明細書に適用し得る。適切な剤型を調製するための種々の従来の技術が、予測的な医薬組成物、例えば、本明細書に開示のものおよび標準的な参考テキスト、例えば、英国および米国の薬局方、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)およびMartindale The Extra Pharmacopoeia(London The Pharmaceutical Press)におけるものを調製するために使用され得る。
この参考文献の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
a.経口投与用の医薬組成物
錠剤は、以下のとおりに調製し得る:
代わりに、約100mgの開示の化合物、50mgのラクトース(一水和物)、50mgのとうもろこしデンプン(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP25)(例えば、BASF、Ludwigshafen、Germanyから)および2mgのステアリン酸マグネシウムを、錠剤あたりに使用する。活性成分、ラクトースおよびデンプンの混合物を、水におけるPVPの5%溶液(m/m)で顆粒化する。乾燥後、顆粒を、ステアリン酸マグネシウムと、5分間混合する。この混合物を、通常の錠剤プレス(例えば、錠剤の形状:直径8mm、曲率半径12mm)を使用して成形する。適用される成形力は、典型的には約15kNである。
代わりに、開示の化合物は、経口用途に製剤化された懸濁剤において投与され得る。例えば、約100−5000mgの所望の開示の化合物、1000mgのエタノール(96%)、400mgのキサンタンガムおよび99gの水を、撹拌しながら合わせる。約10−500mgの所望の開示の化合物の1回の用量が、10mlの経口懸濁剤により提供され得る。
これらの実施例では、活性成分は、同量の本発明による化合物のいずれかと、具体的には、同量の例示した化合物のいずれかにより置き換えられ得る。一部の状況では、錠剤に代えて、カプセル剤、例えば、充填ゼラチンカプセル剤の使用が望ましいことがある。錠剤またはカプセル剤の選択は、使用される具体的な開示の化合物の物理化学的な特徴に、ある程度依存する。
経口調製物を製造するための代替となる有用な担体の例は、ラクトース、スクロース、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶性セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガムなどである。これらの代替となる担体は、所望の溶解性、吸収性および製造特性に必要であれば、上に示されたものと置換され得る。
ヒトへの使用に関する医薬組成物の使用に関する、錠剤あたりの開示の化合物の量は、適切な動物モデル、例えば、ラットおよび少なくとも1つの非げっ歯類種において取得された毒性学データおよび薬物動態データの両方から決定され、ヒトの臨床試験データに基づいて調節される。例えば、開示の化合物は、錠剤の投与量単位あたりに、約10から1000mgのレベルで存在するのが適切であり得る。
b.注射剤用途のための医薬組成物
非経口組成物は、以下の通りに調製し得る:
代わりに、静脈内注射の医薬組成物は、場合により、約15%以下のCremophorEL、および場合によって、15%以下のエチルアルコール、および場合によって、2当量以下の医薬として適切な酸、例えば、クエン酸または塩酸が使用される生理食塩水における、約100−5000mgの開示の化合物、15gのポリエチレングリコール400および250gの水を含む組成物で使用され得る。このような注射剤組成物の調製は、以下のとおりに達成され得る:本開示の化合物およびポリエチレングリコール400を、撹拌しながら水に溶解させる。この溶液を、滅菌ろ過し(孔径0.22μm)、滅菌条件下において、加熱滅菌した注入ボトルに充填した。注入ボトルを、ゴム栓で密封する。
さらなる例では、静脈内注射用の医薬組成物は、約10−500mgの開示の化合物、標準的な生理食塩水溶液、場合によって、15重量%以下のCremophor ELおよび場合によって、15重量%以下のエチルアルコールおよび場合によって、2当量以下の医薬として適切な酸、例えば、クエン酸または塩酸を含む組成物で使用され得る。調製は、以下のとおりに達成され得る:所望の開示の化合物を、撹拌しながら、生理食塩水溶液に溶解する。場合によって、Cremophor EL、エチルアルコールまたは酸を添加する。溶液を、滅菌ろ過し(孔径0.22μm)、滅菌条件下において、加熱滅菌した注入ボトルに充填した。注入ボトルを、ゴム栓で密封する。
この実施例では、活性成分は、同量の本発明による化合物のいずれかと、具体的には、同量の例示した化合物のいずれかにより置き換えられ得る。
ヒトへの使用に関する医薬組成物の使用に関する、アンプル剤当たりの開示の化合物の量は、適切な動物モデル、例えば、ラットおよび少なくとも1つの非げっ歯類種において取得された毒性学データおよび薬物動態データの両方から決定され、ヒトの臨床試験データに基づいて調整される。例えば、開示の化合物は、錠剤の投与単位あたりに、約10から1000mgのレベルで存在するのが適切であり得る。
非経口調製物に適した担体は、例えば、溶解剤またはpH調整剤としての役割を果たす、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどと使用され得る、水、生理食塩水溶液などである。非経口調製物は、投与単位当たり、好ましくは、50から1000mgの開示の化合物を含む。
本発明の範囲または精神を逸脱することなく、種々の変更および変形が本発明になされ得ることは、当業者に明らかである。本発明の他の実施形態は、本明細書の検討および本明細書に開示の発明の実施から当業者に明らかである。本明細書および実施例は、例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示されることが意図される。