JP2016522617A - 別個のモジュロ決定を有する非線形プリコーダ - Google Patents

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Abstract

本発明は、クロストーク軽減のために信号を前処理するための信号処理ユニット(120)に関する。本発明の一実施形態によれば、信号処理ユニットは、第1のチャネル結合情報(L)に基づいてそれぞれの通信チャネル(H)を通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプル(U)のための個々のモジュロシフト(Δ)を決定し、モジュロシフトをそれぞれの送信サンプルに加算するように構成されたモジュロユニット(121)と、結果として得られた送信サンプルを、通信チャネルとの線形プリコーダの連結から生じる全体チャネル行列(HP’)を効果的に対角化することを目的とする第2のチャネル結合情報(ρ’)に基づいて合同して処理するように構成された線形プリコーダ(122)と、を含む。本発明はまた、クロストーク軽減のために信号を前処理するための方法にも関する。

Description

本発明は有線通信システム内におけるクロストーク軽減に関する。
クロストーク(またはチャネル間干渉)は、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line、DSL)通信システム等の、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output、MIMO)有線通信システムにとって、チャネル障害の主要な発生源である。
より高いデータ転送速度に対する需要が高まるにつれて、DSLシステムはより高い周波数帯域に向かって進化しており、隣接する伝送回線(すなわち、ケーブルバインダ内の撚り銅対線等の、それらの長さの一部または全部にわたって近接する伝送回線)間のクロストークはより顕著になる(周波数が高くなるほど、結合が大きくなる)。
MIMOシステムは以下の線形モデルによって記述することができる:
Y(k)=H(k)X(k)+Z(k) (1)、
ここで、N成分複素ベクトルX、Y、は、N個のチャネルを通じて送信され、それぞれ、それらから受信されるシンボルの、周波数/キャリア/トーンインデックスkの関数としての、離散周波数表現を表す。
NxN複素行列Hはチャネル行列と呼ばれる。チャネル行列Hの(i,j)番目の成分hijは、信号がj番目のチャネル入力に送信されるのに応答して、通信システムがi番目のチャネル出力上にどのように信号を生成するのかを記述する。チャネル行列の対角要素は直接チャネル結合を記述し、チャネル行列の非対角要素(クロストーク係数とも呼ばれる)はチャネル間結合を記述する。
N成分複素ベクトルZは、無線周波数干渉(Radio Frequency Interference、RFI)または熱雑音等の、N個のチャネル上の加法性雑音を表す。
クロストークを軽減し、実効スループット、到達範囲および回線安定性を最大化するために、様々な戦略が開発されている。これらの技法は、静的または動的なスペクトル管理技法からマルチユーザ信号調整(またはベクタリング)へと次第に進化している。
チャネル間干渉を低減するための1つの技法は合同信号プリコーディングである:送信データシンボルは、それぞれの通信チャネルを通じて送信される前にプリコーダを合同して通される。プリコーダは、プリコーダと通信チャネルとの連結の結果、受信機におけるチャネル間干渉はほとんどまたは全くなくなるというものである。
チャネル間干渉を低減するためのさらなる技法は合同信号後処理である:受信データシンボルは、検出される前にポストコーダを合同して通される。ポストコーダは、通信チャネルとポストコーダとの連結の結果、受信機におけるチャネル間干渉はほとんどまたは全くなくなるというものである。
ベクタリンググループ、すなわち、信号が合同して処理される通信回線のセット、の選定は、良好なクロストーク軽減性能を達成するために非常に重要である。ベクタリンググループ内において、各通信回線は、グループの他の通信回線内にクロストークを誘起する妨害回線と見なされ、その同じ通信回線が、グループの他の通信回線からクロストークを受ける被妨害回線と見なされる。ベクタリンググループに属さない回線からのクロストークは外来雑音として扱われ、除去されない。
理想的には、ベクタリンググループは、互いと物理的に顕著に相互作用する通信回線の全セットに一致するべきである。しかし、国家規制政策によるローカルループアンバンドリングおよび/または限られたベクタリング能力がこのような網羅的なアプローチを妨げる場合があり、この場合には、ベクタリンググループは、全ての物理的に相互作用する回線のサブセットのみを含むことになり、それにより、限られたベクタリング利得しかもたらさないであろう。
通例、信号ベクタリングは、ベクタリンググループの全ての加入者線を通じて並行して送信されるか、またはそれらから受信される全てのデータシンボルが利用可能となる、分配点ユニット(Distribution Point Unit、DPU)内で実行される。例えば、信号ベクタリングは、中央局(Central Office、CO)に配備されるか、または加入者宅内により近いファイバ供給遠隔ユニット(路上キャビネット、電柱キャビネット、等)として配備された、デジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(Digital Subscriber Line Access Multiplexer、DSLAM)内で有利に実行される。信号プリコーディングは(顧客宅内へ向かう)ダウンストリーム通信のために特に適しており、一方、信号後処理は、(顧客宅内からの)アップストリーム通信のために特に適している。
線形信号プリコーディングは行列積を用いて有利に実装される:線形プリコーダは、送信ベクトルU(k)とプリコーディング行列P(k)との周波数領域における行列積を実行する。プリコーディング行列P(k)は、全体チャネル行列H(k)P(k)が対角化される、つまり、全体チャネルH(k)P(k)の非対角係数、およびひいてはチャネル間干渉、がほとんど0に減少するというものである。
実際には、および一次近似として、プリコーダは被妨害回線上に、直接信号に加えて、受信機においてそれぞれの妨害回線からの実際のクロストーク信号に破壊的に干渉する逆位相クロストーク前置補償信号を重畳する。
より形式的に、チャネル行列Hを次式のように書くこととする:
H=D・(I+G) (2)
ここで、キャリアインデックスkは任意に省略されており、Dは、直接チャネル係数hiiを含む対角行列であり、Iは恒等行列であり、Gは、正規化されたクロストーク係数hij/hiiを含む非対角クロストークチャネル行列である。
理想的なゼロ・フォーシング(Zero−Forcing、ZF)線形プリコーディングは、プリコーディング行列Pが、正規化されたクロストーク結合チャネルの逆を実装するときに達成される。すなわち:
P=(I+G)−1 (3)、
このため、H・P=Dとなり、後者は受信機におけるシングルタップ周波数等化(Frequency EQualization、FEQ)によって補償される。線形ZFプリコーディングを用いると、受信機入力における雑音は直接チャネル周波数応答によって1/hi,i倍に増大される。さらに、雑音は同一の回線については均等に増大されることにも留意する。なぜなら、それらは全て、等しい経路損失hi,iを有すると期待されるためである。
新しい銅アクセス技術と最大100MHzおよびそれを超えるいっそうより広いスペクトルの使用の出現により、クロストーク電力は増大し、直接信号電力を超え、負の信号対雑音比(SNR)を生じさせる場合がある。それゆえ、被妨害回線上におけるクロストーク前置補償信号の重畳は、個々のユーザのための信号電力の許容量を周波数の関数として定義する、送信電力スペクトル密度(Power Spectral Density、PSD)マスクの違反を生じさせる場合があり、同様に、深刻な信号ひずみを生じさせるデジタル−アナログ変換器(Digital to Analog Converter、DAC)チップセット内における信号クリッピングをもたらす場合がある。
従来技術の解決策は、直接信号および前置補償信号の両方を含む送信信号が許容限度内にとどまるように、直接信号利得を縮小することである。PSD低減は回線および周波数に依存し、例えば、回線がベクタリンググループに加わるか、またはそれから離れる際に、経時的に変化する場合がある。直接信号利得の変化は、FEQ問題を回避するために、受信機へ伝達されなければならない。この第1の解決策は、「G.fast: Precoder Gain Scaling」と題する、Alcatel−Lucentから国際電気通信連合(International Telecommunication Union、ITU)への標準寄稿論文、参照ITU−T SG15 Q4a 2013−03−Q4−053、2013年3月、において説明された。
別の従来技術の解決策は、過剰な電力を有する送信コンステレーション点をシフトさせ、コンステレーション境界内へ戻すためにモジュロ算術演算を適用する、非線形プリコーディング(Non−Linear Precoding、NLP)の使用である。受信機において、同じモジュロ演算が信号をシフトさせ、意図された位置へ戻すことになる。
送信信号の値の境界を設けるためにモジュロ算術を用いるアイデアは、TomlinsonおよびHarashimaによって別々にほとんど同時に、単一ユーザ等化への適用とともに最初に導入された(M.Tomlinson、「New Automatic Equalizer Employing Modulo Arithmetic」、Electronics Letters、7(5−6)、138−139ページ、1971年3月、ならびにH.Harashima、およびH.Miyakawa、「Matched−Transmission Technique for Channels with Inter Symbol Interference」、IEEE Trans. on Communications、20(4)、774−780ページ、1972年8月)。GinisおよびCioffiはこのコンセプトを、クロストーク除去のためのプリコーディングを有するマルチユーザシステムに適用した(G.GinisおよびJ.M.Cioffi、「A Multi−User Precoding Scheme Achieving Crosstalk Cancellation with Application to DSL systems」、Proc. 34th Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers、2000年)。
しかし、モジュロ演算は、送信信号、およびひいては、システム上に誘起される実際のクロストークに直接影響を与え、「ニワトリ−卵」問題に帰してしまう:第1のユーザのためのモジュロ演算は第2のユーザのための前置補償を変更し、第2のユーザのための変更された前置補償は第2のユーザのためのモジュロ演算を変更し、第2のユーザユーザのための変更されたモジュロ演算は第1のユーザのための前置補償を変更し、第1のユーザのための変更された前置補償は第1のユーザのためのモジュロ演算を変更し、以下同様に続く。
この問題を克服するために、QR行列分解を用いて非線形プリコーダが構築される。機能のステップ毎の説明を用いた本技法の良い概説が、Ikanos(S.Singh、M.Sorbara、「G.fast: Comparison of Linear and Non−Linear Pre−coding for G.fast on 100m BT Cable」、ITU−T SG15 Q4a寄稿論文2013−01−Q4−031、2013年1月)によって与えられている。
正規化されたチャネル行列の共役転置をまず2つの行列に因子分解する。すなわち:
(I+G)=QR (4)、
ここで、は共役転置を表し、RはN×N上三角行列であり、Qは、電力を保存するN×Nユニタリ行列であり(すなわち、QQ=I)、Nはベクタリンググループ内の加入者線の数を表す。
このとき、1つの対角化プリコーディング行列が、
P=QR*−1 (5)
によって与えられ、HP=D(I+G)QR*−1=DRQR*−1=Dを得る。
次式のように書くこととする:
*−1=LS−1 (6)、
ここで、Lは、単位対角を有するN×N下三角行列であり、Sは、要素がRの対角要素であるN×N正規化対角行列である。
対角行列Sは、符号化順序に依存する回線毎のプリコーディング利得を示す。モジュロ演算は、正規化された周波数サンプルに対して演算を行う必要があるため、Sスケーリングは破棄されるべきであり、これにより、P=QLおよびHP=D(I+G)QL=DRQR*−1S=DSを得る。それゆえ、さらなる等化ステップS−1が受信機において、初期送信サンプルを復元するために必要とされる。
非線形プリコーダは、第1のフィードフォワードフィルタL、もしくは同等に第1のフィードバックフィルタI−S−1を含み、それに続き、第2のフィードフォワードフィルタQを含む。
第1のステップでは、送信ベクトルUに行毎に下三角行列Lを乗算するが、次の行に進む前に、要素iについての出力はモジュロ演算を通して適合され、これにより、送信電力を許容境界内に保持する。行列Lの三角構造が上述の「ニワトリ−卵」問題への解決策となる:ユーザiのためのモジュロ出力は、後に符号化されるユーザj(j>i)のための入力の役割を果たすが、先に符号化されたユーザk(k<i)の出力に影響を与えない。
第2のステップでは、結果として得られたベクトルに行列Qを乗算する。Qはそのユニタリ特性のために初期送信電力を保存している。
より形式的に、非線形プリコーダX’の出力は次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、rijはRの係数を表し、Γi,kはキャリアkおよびユーザiについてのコンステレーションサイズの関数としてのモジュロ演算子を表す。
モジュロ演算子Γi,kは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、xi,kはキャリアkおよびユーザiについての送信周波数サンプルを表し、Mi,kはキャリアkおよびユーザiについてのI/Q次元毎のコンステレーション点の数を表し、dは1つの次元における隣接コンステレーション点間の距離を表す。
N本の回線を、NLPを通してベクタリングすることの複雑度は、b(N+N(N+1)/2)=b(3N/2+N/2)回の乗累算演算になり、ここで、bは、コンピュータ算術において用いられるビットの数を表している。回線毎に1回または2回の複雑度の乗累算演算としてカウントされてもよいモジュロ演算は除いている。
受信機において、等化された受信信号サンプルは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
次に、初期送信ベクトルUを復元するために、さらなる等化ステップS−1がさらなるモジュロ演算とともに必要とされる:
Figure 2016522617

Figure 2016522617
はコンステレーション境界内に入ることが期待され、それゆえ、
Figure 2016522617

Figure 2016522617
と等しくならなければならない。次に、そのサンプルに対する決定
Figure 2016522617
が行われる。
図1に、対応する参照モデルが示されている。
QR行列分解を用いて実装される非線形プリコーダはZF等化を達成するが、一方、受信機入力における雑音サンプルは1/rii倍に増大されることに注目する。さらに、同一の回線を有するケーブルについて、R行列の対角値は同じ値を有せず、それゆえ、雑音の増大は各回線上で同じにならず、そのために、クロストーク結合のレベルに依存した異なるユーザへのビットレートの不公平な分配をもたらし得ることにも注目する。
まずフィードバックフィルタを通過し、その後、フィードフォワードフィルタを通過するという段階的なアプローチのために、いくつかの問題が生じる。
第1の問題は、非線形プリコーダを更新するために必要とされる処理リソースの量である。Pが(例えば、クロストークチャネル変化を追跡するために)更新される必要がある場合には、このとき、QおよびLも同様に更新される必要がある。QおよびLを独立して同時に更新するための知られている解決策は存在しない。それゆえ、各追跡ステップは、更新されたPまたはH行列の新たな分解を含む。
別の問題は、余分の乗算段階のせいで付加される量子化雑音である。1回の単一の行列乗算を有する線形プリコーディングと比較すると、それぞれ2つの行列LおよびQによる2回の連続する乗算のせいで、量子化雑音は2倍になる。
さらに別の問題は、1本以上の加入者線が、信号が全く送信されない何らかの受動状態にされ、それによっていくらか実質的な電力を節約する、不連続送信モードに関連する。これは、QおよびLのいくつかのサブブロックを複数回通過することを伴い、実行時の複雑度をほぼ2倍増大させる。
Alcatel−Lucent、「G.fast: Precoder Gain Scaling」、国際電気通信連合(International Telecommunication Union、ITU)への標準寄稿論文、参照ITU−T SG15 Q4a 2013−03−Q4−053、2013年3月 M.Tomlinson、「New Automatic Equalizer Employing Modulo Arithmetic」、Electronics Letters、7(5−6)、138−139ページ、1971年3月 H.Miyakawa、「Matched−Transmission Technique for Channels with Inter Symbol Interference」、IEEE Trans. on Communications、20(4)、774−780ページ、1972年8月 G.GinisおよびJ.M.Cioffi、「A Multi−User Precoding Scheme Achieving Crosstalk Cancellation with Application to DSL systems」、Proc. 34th Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers、2000年 S.Singh、M.Sorbara、「G.fast: Comparison of Linear and Non−Linear Pre−coding for G.fast on 100m BT Cable」、ITU−T SG15 Q4a寄稿論文2013−01−Q4−031、2013年1月
本発明の目的は、従来技術の解決策の上述の短所または欠点を緩和または克服することである。
本発明の第1の態様によれば、クロストーク軽減のために信号を前処理するための信号処理ユニットは、第1のチャネル結合情報に基づいてそれぞれの通信チャネルを通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプルのための個々のモジュロシフトを決定し、モジュロシフトをそれぞれの送信サンプルに加算するように構成されたモジュロユニットと、結果として得られた送信サンプルを、線形プリコーダであって、通信チャネルとの線形プリコーダの連結から生じる全体チャネル行列を効果的に対角化することを目的とする第2のチャネル結合情報に基づいて合同して処理するように構成された線形プリコーダと、を含む。
本発明の別の態様によれば、クロストーク軽減のために信号を前処理するための方法は、第1のチャネル結合情報に基づいてそれぞれの通信チャネルを通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプルのための個々のモジュロシフトを決定することと、モジュロシフトをそれぞれの送信サンプルに加算することと、結果として得られた送信サンプルを、通信チャネルとの線形プリコーダの連結から生じる全体チャネル行列を効果的に対角化することを目的とする第2のチャネル結合情報に基づく線形プリコーディングを通して合同して処理することと、を含む。
本発明の一実施形態では、第1のチャネル結合情報は第2のチャネル結合情報とは独立して更新される。
本発明の一実施形態では、モジュロ演算は、線形プリコーディングより低い精度の算術を用いる。
本発明の一実施形態では、モジュロ演算のための精度算術は、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルの数の関数である。
本発明の一実施形態では、第1のチャネル結合情報は、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルのセットが変更すると更新され、一方、第2のチャネル結合情報は変更されずに残される。
本発明の一実施形態では、結果として得られた送信サンプルは、線形プリコーダを通して単一の行列乗算段階を用いて合同して処理される。
このような信号処理ユニットは、DSLAM、イーサネット(登録商標)スイッチ、エッジルータなど等の、アクセス設備を通じた加入者デバイスへの有線通信をサポートし、COにおいて、または加入者宅内により近いファイバ供給遠隔ユニット(路上キャビネット、電柱キャビネット、等)として配備される、アクセスノード(またはアクセスマルチプレクサ)の一部を有利に形成する。
本発明は、結合行列L(フィードフォワードフィルタ)に基づいて、または同等に結合行列I−S−1(フィードバックフィルタ)に基づいて、個々の送信サンプルuに適用されるべきモジュロシフトδの量をまず決定することを提案する。
しかし、中間の送信ベクトルX’を計算する必要はない。その代わりに、Δは対応するシフトベクトルを表すとして、ベクトルU+Δが、プリコーディング行列(単一の行列乗算段階として実装される)P’=PS=QLを有する線形プリコーダに直接送り込まれる。つまり、プリコーディング行列P’の目的は、プリコーディング行列P’を有する線形プリコーダとチャネル行列Hを有する通信チャネルとの連結から生じる全体チャネル行列HP’=HQL=DSを効果的に対角化することである。このように、モジュロ決定は実際のプリコーディングと別個に行うことができ、Lの乗算はデータ経路から取り除かれる。
図2に、対応する参照モデルが示されている。
以下の利点が生まれる:
− P’およびLを独立して追跡することができる。例えば、プリコーダ行列が更新されると、このとき、モジュロ決定プロセスも変更される必要は必ずしもなく、これにより、更新ステップのたびのQR行列分解を回避する。
− P’はLとは独立して追跡することができるため、線形プリコーディングのために開発された、知られている更新機構の多くを適用することができる。QおよびLを同期的に追跡するか、あるいは他方が一定に保たれたままどのように一方を追跡することができるのかを心配する必要はない。
− 送信ベクトルUは1つの行列P’のみを通過する必要があるのみであるため、Lおよび次にQを乗算するのとは対照的に、量子化雑音の増幅は存在しない。実際に、X’は捨てられ、所定の格子上にあるΔのみが格納されるため、フィードバックフィルタリングを通したあらゆる量子化雑音は取り除かれる。
− P’が正確である限り、たとえ、Lが完全に正確ではなくても、プリコーディングはクロストークを効果的に除去することになる。Lがあまり正確でなくても、送信電力の増大、および場合により、いくらかの一過的なPSD違反を生じさせる可能性があるのみである。
− Lの乗算はデータ経路内になく、シフトベクトルΔの生成において役目を果たすのみであり、Δ内の要素は粗い格子上にあるため、Lの乗算のための精度bを大きく低減することができる:b<b。これで、複雑度はb+b K(K+1)/2回の乗累算演算(モジュロ演算を除く)になり、それゆえ、伝統的な非線形プリコーディングのように必要とする処理リソースはより少なくてすむ。
− 不連続送信モードが容易化される:非アクティブ化順序に一致させるために符号化順序を変更する必要がなく、それゆえ、新しいプリコーダ係数を書き込むか、または新しいプリコーディング利得を受信機へ送る必要がない。同様に、不連続送信モードを可能にするための実行時の複雑度の増加がない。
実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、発明の上記およびその他の目的および特徴はより明瞭となり、本発明そのものは最もよく理解されるであろう。
先に論じられた、従来技術の非線形プリコーダのための参照モデルを示す図である。 同様に論じられた、本発明による非線形プリコーダのための参照モデルを示す図である。 アクセス設備の概観を示す図である。 本発明によるアクセスノードに関するさらなる詳細を示す図である。 本発明による非線形プリコーダに関するさらなる詳細を示す図である。
図3に、COにおけるネットワークユニット10と、1本または複数の光ファイバを介してネットワークユニット10に結合され、銅線ループ設備を介して様々な加入者宅内における顧客宅内機器(Customer Premises Equipment、CPE)30にさらに結合されるDPU20と、を含むアクセス設備1が見られる。
銅線ループ設備は、加入者線が互いに近接し、それゆえ互いの内にクロストークを誘起する、共通アクセス区間40、および加入者宅内への最終接続のための専用ループ区間50を含む。伝送媒体は通例、銅シールド無し撚り対線(Unshielded Twisted Pair、UTP)で構成される。
DPU 20は、共通アクセス区間内で誘起されるクロストークを軽減するため、およびそれぞれの加入者線を通じて達成可能な通信データ転送速度を増大させるために、ループ設備を通じて送信されているか、またはそれから受信されているデータシンボルを合同して処理するためのベクタリング処理ユニットを含む。
図4には、本発明によるDPU 100に関するさらなる詳細が見られる。DPU 100は、同じベクタリンググループの一部を形成すると仮定される、それぞれの伝送回線Liを通じてCPE 200iに結合される。
DPU 100は以下のものを含む:
− DSL送受信機110i、
− ベクタリング処理ユニット(Vectoring Processing Unit、VPU)120、および
− VPU 120の動作を制御するためのベクタリング制御ユニット(Vectoring Control Unit、VCU)130。
DPU 100はまた、アップストリーム受信信号からのクロストークを除去するためのポストコーダを含んでもよい。図3では、対応するブロックは、本発明にとって重要でないため、意図的に省略されている。
DSL送受信機110iは、VPU 120に、およびVCU 130に個々に結合される。VCU 130はVPU 120にさらに結合される。
DSL送受信機110iはそれぞれ以下のものを含む:
− デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)111i、および
− アナログフロントエンド(Analog Front End、AFE)112i。
CPE 200iはそれぞれのDSL送受信機210iを含む。
DSL送受信機210iはそれぞれ以下のものを含む:
− デジタル信号プロセッサ(DSP)211i、および
− アナログフロントエンド(AFE)212i。
AFE 112iおよび212iはそれぞれ、デジタル−アナログ変換器(Digital− to−Analog Converter、DAC)およびアナログ−デジタル変換器(Analog−to−Digital Converter、ADC)、帯域外干渉を阻止しつつ信号エネルギーを適当な通信周波数帯域内に限定するための送信フィルタおよび受信フィルタ、送信信号を増幅するため、および伝送回線を駆動するためのラインドライバ、ならびにできるだけ少ない雑音を有するように受信信号を増幅するための低雑音増幅器(Low Noise Amplifier、LNA)を含む。
AFE 112iおよび212iは、低い送信機−受信機結合比を達成しつつ、送信機出力を伝送回線に、および伝送回線を受信機入力に結合するためのハイブリッド、伝送回線の特性インピーダンスに適合するためのインピーダンス整合回路機構、および分離回路機構(通例、変圧器)をさらに含む。
DSP 111iおよび211iはそれぞれ、ダウンストリームおよびアップストリームDSL通信チャネルを動作させるように構成される。
DSP 111iおよび211iは、診断または管理コマンドおよび応答等の、DSL制御トラフィックを搬送するために用いられるダウンストリームおよびアップストリームDSL制御チャネルを動作させるようにさらに構成される。制御トラフィックはユーザトラフィックとともにDSLチャネルを通じて多重化される。
より具体的には、DSP 111iおよび211iは、ユーザおよび制御データをデジタルデータシンボルに符号化し、変調するため、ならびにデジタルデータシンボルからユーザおよび制御データを復調し、復号するためのものである。
通例、DSP 111iおよび211i内では以下の送信ステップが実行される:
− データ多重化、フレーム化、スクランブリング、誤り訂正符号化およびインタリーブ等の、データ符号化、
− キャリア順序付けテーブルに従ってキャリアを順序付けするステップ、順序付けされたキャリアのビットローディングに従って、符号化されたビットストリームを解析するステップ、および場合によりトレリス符号化を用いて、各ビットチャンクを(それぞれのキャリア振幅および位相を有する)適切な送信コンステレーション点上にマッピングするステップ、を含む、信号変調、
− 信号スケーリング、
− 逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)、
− サイクリックプレフィクス(Cyclic Prefix、CP)挿入、および場合により、
− 時間ウィンドウイング。
通例、DSP 111iおよび211i内では以下の受信ステップが実行される:
− CP除去、および場合により、時間ウィンドウイング、
− 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)、
− 周波数等化(FEQ)、
− 等化された周波数サンプル1つ1つ全てに、パターンがそれぞれのキャリアビットローディングに依存する適切なコンステレーション格子を適用するステップ、場合によりトレリス復号を用いて、期待される送信コンステレーション点および対応する送信ビット列を検出するステップ、ならびに全ての検出されたビットチャンクを、キャリア順序付けテーブルに従って順序付けし直すステップ、を含む、信号復調および検出、ならびに
− データデインタリーブ、誤り訂正、デスクランブル、フレーム識別(frame delineation)および多重分離化等の、データ復号。
DSP 111iは、送信周波数サンプルuを逆高速フーリエ変換(IFFT)ステップの前に合同信号プリコーディングのためにVPU 120に供給するようにさらに構成される。
DSP 111iは、さらなる伝送のためにVPU 120から、訂正された周波数サンプルxを受信するようにさらに構成される。代替的に、DSP 111iは訂正サンプルを受信し、初期周波数サンプルに加算してもよい。
VPU 120は、線形プリコーダ122に直列結合されるモジュロユニット121を含む。初期送信ベクトルUはモジュロユニット120へ入力され、一方、前置補償された送信ベクトルXはそれぞれの伝送回線Liを通じたさらなる送信のためにDSP 111iへ出力される。
モジュロユニット121は、第1のチャネル結合行列Lに基づいてそれぞれの送信サンプルuに適用するべきモジュロシフトδの量を決定するように構成される。そのように決定された個々のモジュロシフトδから、送信ベクトルUに加算されるモジュロシフトベクトルΔが得られる。モジュロユニット120はbビット算術を用いて演算する。
線形プリコーダ122は、伝送回線L1からLNを通じて誘起されるクロストークを軽減するように構成される。より具体的には、線形プリコーダ122は、全体チャネル行列HP’=DSを対角化するために、入力ベクトルU+Δにプリコーディング行列P’=(I+G)−1S=QLを乗算する。線形プリコーダ122はbビット算術を用いて演算する。ここで、b>bである。つまり、モジュロユニット121は、線形プリコーダ122と比較してより低精度の算術で演算する。
図5には、VPU 120に関するさらなる詳細が見られる。
送信ベクトルUはモジュロシフトベクトルΔの決定のためにモジュロユニット121へ入力される。モジュロシフトベクトルΔの成分δは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、モジュロシフト演算子γi,k(.)は次式によって定義される:
Figure 2016522617
次に、モジュロシフトベクトルΔは送信ベクトルUに加算され、モジュロユニット121の出力においてU+Δを得る。
前の行j<iの出力u+δが現在のモジュロシフトδの計算のために必要とされるため、式(11)は行毎に計算されることになる。δ=0であること、およびuはモジュロユニット121の出力へ透過的に渡されることにも留意されたい。
次に、線形プリコーダ121は入力ベクトルU+Δを取得し、単一の行列乗算段階を通してそれにP’=(I+G)−1S=QLを乗算し、前置補償された送信ベクトルX=QL(U+Δ)を得る。ベクトルXの個々の成分は、それぞれの伝送回線を通じたさらなる送信のためにそれぞれのDSP 111へ戻される。
VCU 130は基本的に、チャネル結合行列LおよびP’をモジュロユニット121および線形プリコーダ122にそれぞれ供給するためのものである。それらの行列は伝送回線L1からLNの間のクロストーク推定から計算される。
VCU 130は、まず、それぞれの伝送回線L1からLNを通じて用いられるべきそれぞれのダウンストリームパイロット系列を構成することによって開始する。所与のシンボル期間mの間に周波数インデックスkにおいて伝送回線Liを通じて送信されるパイロットディジットは
Figure 2016522617
と表される。パイロット系列は相互に直交し、M個のシンボル期間にわたって送信されるべきM個のパイロットディジット
Figure 2016522617
を含む。ここで、(直交性要件を満足するために)M≧Nである。通例、パイロット系列は、いわゆるSYNCシンボル等の、特定のシンボル期間の間に、および/またはいわゆるプローブキャリア(十分に代表になるために送信スペクトルの相当部分に及ぶものとする)等の、特定のキャリアを通じて送信される。
VCU 130は、パイロットディジットの検出の間にリモート送受信機210iによって測定されたそれぞれのスライサ誤差を集める。シンボル期間mの間の周波数インデックスkにおける被妨害回線Liを通じた、送受信機210iによって測定されたスライサ誤差は
Figure 2016522617
と表される。
送受信機210iは、測定されたスライサ誤差値
Figure 2016522617
をVCU 130に報告するようにさらに構成される(図4におけるErr−Rメッセージを参照)。
誤差フィードバック情報の量を低減するために、周波数インデックスのデシメートされたセットにおける干渉測定が通例利用可能である。
次に、VCU 130は、周波数インデックスkにおける妨害回線Ljから被妨害回線Li内への等化されたクロストーク係数hij(k)/hii(k)の推定を得るために、完全な収集サイクルにわたり被妨害回線Liを通じて測定されたM個の誤差測定
Figure 2016522617
を、妨害回線Ljを通じて送信されたパイロット系列のM個のそれぞれのパイロットディジット
Figure 2016522617
と相関させる。パイロット系列は相互に直交するため、他の妨害回線からの寄与はこの相関ステップの後に0に減少する。
全ての適用可能な周波数インデックスにおける等化されたクロストーク係数を見いだすために、通例、いくらかの追加の補間ステップが必要とされる。
今度は、VCU 130はZFプリコーディング行列(I+G)−1の計算に進み、さらに、式(4)から(6)によるそのQR行列分解に進むことができ、ユニタリ行列Q、単位対角を有する下三角行列L、およびスケーリング対角行列Sを得る。線形プリコーダ122内にプッシュされるべき結合行列はP’=(I+G)−1S=QLと等しく、モジュロユニット121内にプッシュされるべき結合行列はLと等しい。スケーリング行列S−1の成分rii −1はCPE 200iへのさらなる伝達のためにそれぞれのDSP 110iへ戻されなければならない。
通例、VCU 130は、行列(I+G)−1の初期係数を計算するために、1次または2次の行列反転を用いる。
チャネル追跡モードの間に、VCU 130はP’およびLを同時に更新する必要がない。実際に、プリコーディング行列P’は、例えば、観察された残留クロストークに基づいてプリコーディング行列P’の係数をそれらの最適値に調整する最小二乗平均(Least Mean Square、LMS)反復アルゴリズムを用いて、あらゆる残留クロストークを取り除くために、チャネル行列Hのあらゆる変化を正確に追跡する必要がある。逆に、行列Lにおける誤差はいずれも送信PSDマスクの一時的な違反を生じさせるのみであろうから、行列Lはより粗いパターンで更新することができる。
不連続送信モードが用いられる場合には、このとき、アクティブな回線および中断回線は、一続きの連続したサブセットに再グループ化される必要がある。U(p)=πU内の最後の要素群が中断回線となるように置換行列πをとる。
図1による従来技術の非線形プリコーダでは、πX=πQLU=πQLππU、すなわち:
(p)=πQLπ(p) (13)
を得る。
πは行列Q(p)=πQおよび行列L(p)=Lπの置換をし、それにより、式(13)は次式のように書くことができる:
Figure 2016522617
ここで、AおよびDの添字は、アクティブなサブセットおよび中断されたサブセットをそれぞれ表す。上記の置換は行列乗算を全く伴わないことに留意されたい。
置換のために、L(p)はもはや下三角型ではない。しかし、置換行列πは、LAA (p)およびLDD (p)が下三角型となるように、すなわち、符号化順序が各サブセットAまたはD内で維持されるように選ぶことができる。
不連続送信を用いる場合には、V (p)は、X (p)=0、または代替的に:
Figure 2016522617
となるように選ばれる。
(p)=πPπとすると、式(15)は次式のように書き直すことができる:
Figure 2016522617
これは「ニワトリ−卵」問題をもたらす。なぜなら、V (p)を得るためにはU (p)が必要とされ、U (p)を得るためにはモジュロ演算を適用するためにV (p)が必要とされるからである。そこで、V (p)は前置補償信号のみからなり、サブセットAのアクティブな回線上の送信PSDに過度に寄与しないと期待されることに注目する。したがって、LAA (p)を通じて非線形プリコーディングをU (p)に適用することによって、サブセットAのアクティブな回線に対する必要とされるモジュロ演算を得ることができる。同等のプリコーダ入力をU (p)+Δと表す。次に、
Figure 2016522617
を計算し、前置補償された送信ベクトルXを次式のように得る:
Figure 2016522617
すなわち
Figure 2016522617
上式のうち、LAA (p)(U (p)+Δ)およびLDA (p)(U (p)+Δ)はすでに計算されている。
このアプローチの全複雑度は、全ての回線がアクティブである非線形プリコーディングのものよりも大きい。なぜなら、8つのサブブロックのうちの6つに2つの異なるベクトルを乗算する必要があるからである。
提案されている非線形プリコーディング実装形態を用いると、不連続モードは以下のように演算する。
まず、上述のように、アクティブな回線および不連続の回線が、一続きの連続したサブセットを形成するように、回線が置換される。次に、送信サンプルのアクティブなサブセットU (p)が非線形プリコーダLAA (p)を通され、対応するシフトベクトルΔが格納される。次に、仮想信号V (p)
Figure 2016522617
として計算される。ここで、P’(p)=πP’π=πPSπである(すなわち、プリコーディング行列はスケーリング行列Sを含む)。
Figure 2016522617
を決定するために一次近似を用いてもよい。最後に、X (p)が次式のように計算される:
Figure 2016522617
この場合には、不連続モードのゆえに部分行列乗算の数が増加することはない。不連続モードを有効にするために追加の処理リソースを予見する必要はない。
シフトベクトルΔは中断回線上の仮想信号V (p)を考慮せずに計算されるため、ファクタ
Figure 2016522617
によるエネルギー増加が存在し得る。
ただし、いくつかの回線が中断される時には、束全体にわたる総電力が同様の状態にとどまる限り、他の回線上における送信電力増大は許されてもよいことに留意されたい。
さらに、不連続モードを容易化するために、モジュロユニット121のためにより低精度の算術を利用することもできる。この場合、利益は、Lの乗算はデータ経路内になく、シフトベクトルΔを決定する役割を果たすのみであり、Δは粗い格子上に載っているという事実から得られる。このとき、不連続送信モードは以下のように演算するであろう。
行列
Figure 2016522617
に対して、潜在的に
Figure 2016522617
の近似を通して、より低精度で最初のQL行列分解を実行する。完全な精度では、行列反転はb 回の乗累算演算を要するであろう。ここで、Nは中断回線の数を表す。より低精度では、行列反転はb 回の乗累算演算を要するのみである。次に、送信サンプルのアクティブなサブセットU (p)が同じくより低精度で非線形プリコーダLAA (p)を通され、対応するシフトベクトルΔが格納される。次に、仮想信号V (p)
Figure 2016522617
としてフル精度で計算される。最後に、X (p)
Figure 2016522617
として同じくフル精度で計算される。
不連続送信モードの間に、プリコーディング行列P’は更新される必要がないことに留意されたい。上述の置換πは、実際は、入力ベクトルU+Δの成分に、特定の順序で選択された既存の行列P’の係数を乗算するだけの問題にすぎない。行列Lのみが更新される必要がある。新しい行列Lのための符号化順序は、中断回線を省いた以前の行列Lのためのものと同じであることができる。
同様に、
Figure 2016522617
を得る計算複雑度はNに依存する。それゆえ、異なるNのために異なるbを用いることが、チャネル結合行列Lの適時の更新を得るために有益となり得る。
用語「を含む(comprising)」は、その後に列挙される手段に限定されるものと解釈されるべきではないことに留意されたい。それゆえ、表現「手段AおよびBを含むデバイス」の範囲は、構成要素AおよびBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連構成要素はAおよびBであることを意味する。
用語「結合される(coupled)」は、直接接続のみに限定されるものと解釈されるべきではないことにさらに留意されたい。それゆえ、表現「デバイスBに結合されるデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続される、および/またはその逆であるデバイスまたはシステムに限定されるべきではない。それは、Aの出力とBの入力との間、および/またはその逆の間に、他のデバイスまたは手段を含む経路であってもよい、経路が存在することを意味する。
説明および図面は単に本発明の原理を示しているにすぎない。それゆえ、当業者は、本明細書において明示的に説明されるかまたは示されていなくても、本発明の原理を具現化し、その範囲内に含まれる様々な機構を考案することができるであろうことが理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙されている全ての例は主として、本発明の原理、および発明者(単数または複数)によって当技術を促進するために貢献されたコンセプトを読者が理解するための、単なる教育上の目的のためのものにすぎず、上記の具体的に列挙されている例および条件に限定することなく解釈されるべきであることが明示的に意図されている。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書における全ての説明は、それらの均等物を包含することが意図されている。
図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行する能力を有するハードウェアの使用を通じて提供されてもよい。プロセッサによって提供される場合には、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または複数の個々のプロセッサであって、そのうちのいくつかは共有されてもよい、プロセッサによって提供されてもよい。さらに、プロセッサは、ソフトウェアを実行する能力を有するハードウェアにもっぱら言及するように解釈されるべきではなく、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array、FPGA)、等を暗黙のうちに含んでもよい。リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、および不揮発性記憶装置等の、従来の、および/または特注の、その他のハードウェアが同様に含まれてもよい。
本発明は有線通信システム内におけるクロストーク軽減に関する。
クロストーク(またはチャネル間干渉)は、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line、DSL)通信システム等の、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output、MIMO)有線通信システムにとって、チャネル障害の主要な発生源である。
より高いデータ転送速度に対する需要が高まるにつれて、DSLシステムはより高い周波数帯域に向かって進化しており、隣接する伝送回線(すなわち、ケーブルバインダ内の撚り銅対線等の、それらの長さの一部または全部にわたって近接する伝送回線)間のクロストークはより顕著になる(周波数が高くなるほど、結合が大きくなる)。
MIMOシステムは以下の線形モデルによって記述することができる:
Y(k)=H(k)X(k)+Z(k) (1)、
ここで、N成分複素ベクトルX、Y、は、N個のチャネルを通じて送信され、それぞれ、それらから受信されるシンボルの、周波数/キャリア/トーンインデックスkの関数としての、離散周波数表現を表す。
NxN複素行列Hはチャネル行列と呼ばれる。チャネル行列Hの(i,j)番目の成分hijは、信号がj番目のチャネル入力に送信されるのに応答して、通信システムがi番目のチャネル出力上にどのように信号を生成するのかを記述する。チャネル行列の対角要素は直接チャネル結合を記述し、チャネル行列の非対角要素(クロストーク係数とも呼ばれる)はチャネル間結合を記述する。
N成分複素ベクトルZは、無線周波数干渉(Radio Frequency Interference、RFI)または熱雑音等の、N個のチャネル上の加法性雑音を表す。
クロストークを軽減し、実効スループット、到達範囲および回線安定性を最大化するために、様々な戦略が開発されている。これらの技法は、静的または動的なスペクトル管理技法からマルチユーザ信号調整(またはベクタリング)へと次第に進化している。
チャネル間干渉を低減するための1つの技法は合同信号プリコーディングである:送信データシンボルは、それぞれの通信チャネルを通じて送信される前にプリコーダを合同して通される。プリコーダは、プリコーダと通信チャネルとの連結の結果、受信機におけるチャネル間干渉はほとんどまたは全くなくなるというものである。
チャネル間干渉を低減するためのさらなる技法は合同信号後処理である:受信データシンボルは、検出される前にポストコーダを合同して通される。ポストコーダは、通信チャネルとポストコーダとの連結の結果、受信機におけるチャネル間干渉はほとんどまたは全くなくなるというものである。
ベクタリンググループ、すなわち、信号が合同して処理される通信回線のセット、の選定は、良好なクロストーク軽減性能を達成するために非常に重要である。ベクタリンググループ内において、各通信回線は、グループの他の通信回線内にクロストークを誘起する妨害回線と見なされ、その同じ通信回線が、グループの他の通信回線からクロストークを受ける被妨害回線と見なされる。ベクタリンググループに属さない回線からのクロストークは外来雑音として扱われ、除去されない。
理想的には、ベクタリンググループは、互いと物理的に顕著に相互作用する通信回線の全セットに一致するべきである。しかし、国家規制政策によるローカルループアンバンドリングおよび/または限られたベクタリング能力がこのような網羅的なアプローチを妨げる場合があり、この場合には、ベクタリンググループは、全ての物理的に相互作用する回線のサブセットのみを含むことになり、それにより、限られたベクタリング利得しかもたらさないであろう。
通例、信号ベクタリングは、ベクタリンググループの全ての加入者線を通じて並行して送信されるか、またはそれらから受信される全てのデータシンボルが利用可能となる、分配点ユニット(Distribution Point Unit、DPU)内で実行される。例えば、信号ベクタリングは、中央局(Central Office、CO)に配備されるか、または加入者宅内により近いファイバ供給遠隔ユニット(路上キャビネット、電柱キャビネット、等)として配備された、デジタル加入者線アクセスマルチプレクサ(Digital Subscriber Line Access Multiplexer、DSLAM)内で有利に実行される。信号プリコーディングは(顧客宅内へ向かう)ダウンストリーム通信のために特に適しており、一方、信号後処理は、(顧客宅内からの)アップストリーム通信のために特に適している。
線形信号プリコーディングは行列積を用いて有利に実装される:線形プリコーダは、送信ベクトルU(k)とプリコーディング行列P(k)との周波数領域における行列積を実行する。プリコーディング行列P(k)は、全体チャネル行列H(k)P(k)が対角化される、つまり、全体チャネルH(k)P(k)の非対角係数、およびひいてはチャネル間干渉、がほとんど0に減少するというものである。
実際には、および一次近似として、プリコーダは被妨害回線上に、直接信号に加えて、受信機においてそれぞれの妨害回線からの実際のクロストーク信号に破壊的に干渉する逆位相クロストーク前置補償信号を重畳する。
より形式的に、チャネル行列Hを次式のように書くこととする:
H=D・(I+G) (2)
ここで、キャリアインデックスkは任意に省略されており、Dは、直接チャネル係数hiiを含む対角行列であり、Iは恒等行列であり、Gは、正規化されたクロストーク係数hij/hiiを含む非対角クロストークチャネル行列である。
理想的なゼロ・フォーシング(Zero−Forcing、ZF)線形プリコーディングは、プリコーディング行列Pが、正規化されたクロストーク結合チャネルの逆を実装するときに達成される。すなわち:
P=(I+G)−1 (3)、
このため、H・P=Dとなり、後者は受信機におけるシングルタップ周波数等化(Frequency EQualization、FEQ)によって補償される。線形ZFプリコーディングを用いると、受信機入力における雑音は直接チャネル周波数応答によって1/hi,i倍に増大される。さらに、雑音は同一の回線については均等に増大されることにも留意する。なぜなら、それらは全て、等しい経路損失hi,iを有すると期待されるためである。
新しい銅アクセス技術と最大100MHzおよびそれを超えるいっそうより広いスペクトルの使用の出現により、クロストーク電力は増大し、直接信号電力を超え、負の信号対雑音比(SNR)を生じさせる場合がある。それゆえ、被妨害回線上におけるクロストーク前置補償信号の重畳は、個々のユーザのための信号電力の許容量を周波数の関数として定義する、送信電力スペクトル密度(Power Spectral Density、PSD)マスクの違反を生じさせる場合があり、同様に、深刻な信号ひずみを生じさせるデジタル−アナログ変換器(Digital to Analog Converter、DAC)チップセット内における信号クリッピングをもたらす場合がある。
従来技術の解決策は、直接信号および前置補償信号の両方を含む送信信号が許容限度内にとどまるように、直接信号利得を縮小することである。PSD低減は回線および周波数に依存し、例えば、回線がベクタリンググループに加わるか、またはそれから離れる際に、経時的に変化する場合がある。直接信号利得の変化は、FEQ問題を回避するために、受信機へ伝達されなければならない。この第1の解決策は、「G.fast: Precoder Gain Scaling」と題する、Alcatel−Lucentから国際電気通信連合(International Telecommunication Union、ITU)への標準寄稿論文、参照ITU−T SG15 Q4a 2013−03−Q4−053、2013年3月、において説明された。
別の従来技術の解決策は、過剰な電力を有する送信コンステレーション点をシフトさせ、コンステレーション境界内へ戻すためにモジュロ算術演算を適用する、非線形プリコーディング(Non−Linear Precoding、NLP)の使用である。受信機において、同じモジュロ演算が信号をシフトさせ、意図された位置へ戻すことになる。
送信信号の値の境界を設けるためにモジュロ算術を用いるアイデアは、TomlinsonおよびHarashimaによって別々にほとんど同時に、単一ユーザ等化への適用とともに最初に導入された(M.Tomlinson、「New Automatic Equalizer Employing Modulo Arithmetic」、Electronics Letters、7(5−6)、138−139ページ、1971年3月、ならびにH.Harashima、およびH.Miyakawa、「Matched−Transmission Technique for Channels with Inter Symbol Interference」、IEEE Trans. on Communications、20(4)、774−780ページ、1972年8月)。GinisおよびCioffiはこのコンセプトを、クロストーク除去のためのプリコーディングを有するマルチユーザシステムに適用した(G.GinisおよびJ.M.Cioffi、「A Multi−User Precoding Scheme Achieving Crosstalk Cancellation with Application to DSL systems」、Proc. 34th Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers、2000年)。
しかし、モジュロ演算は、送信信号、およびひいては、システム上に誘起される実際のクロストークに直接影響を与え、「ニワトリ−卵」問題に帰してしまう:第1のユーザのためのモジュロ演算は第2のユーザのための前置補償を変更し、第2のユーザのための変更された前置補償は第2のユーザのためのモジュロ演算を変更し、第2のユーザユーザのための変更されたモジュロ演算は第1のユーザのための前置補償を変更し、第1のユーザのための変更された前置補償は第1のユーザのためのモジュロ演算を変更し、以下同様に続く。
この問題を克服するために、QR行列分解を用いて非線形プリコーダが構築される。機能のステップ毎の説明を用いた本技法の良い概説が、Ikanos(S.Singh、M.Sorbara、「G.fast: Comparison of Linear and Non−Linear Pre−coding for G.fast on 100m BT Cable」、ITU−T SG15 Q4a寄稿論文2013−01−Q4−031、2013年1月)によって与えられている。
正規化されたチャネル行列の共役転置をまず2つの行列に因子分解する。すなわち:
(I+G)=QR (4)、
ここで、は共役転置を表し、RはN×N上三角行列であり、Qは、電力を保存するN×Nユニタリ行列であり(すなわち、QQ=I)、Nはベクタリンググループ内の加入者線の数を表す。
このとき、1つの対角化プリコーディング行列が、
P=QR*−1 (5)
によって与えられ、HP=D(I+G)QR*−1=DRQR*−1=Dを得る。
次式のように書くこととする:
*−1=LS−1 (6)、
ここで、Lは、単位対角を有するN×N下三角行列であり、Sは、要素がRの対角要素であるN×N正規化対角行列である。
対角行列Sは、符号化順序に依存する回線毎のプリコーディング利得を示す。モジュロ演算は、正規化された周波数サンプルに対して演算を行う必要があるため、Sスケーリングは破棄されるべきであり、これにより、P=QLおよびHP=D(I+G)QL=DRQR*−1S=DSを得る。それゆえ、さらなる等化ステップS−1が受信機において、初期送信サンプルを復元するために必要とされる。
非線形プリコーダは、第1のフィードフォワードフィルタL、もしくは同等に第1のフィードバックフィルタI−S−1を含み、それに続き、第2のフィードフォワードフィルタQを含む。
第1のステップでは、送信ベクトルUに行毎に下三角行列Lを乗算するが、次の行に進む前に、要素iについての出力はモジュロ演算を通して適合され、これにより、送信電力を許容境界内に保持する。行列Lの三角構造が上述の「ニワトリ−卵」問題への解決策となる:ユーザiのためのモジュロ出力は、後に符号化されるユーザj(j>i)のための入力の役割を果たすが、先に符号化されたユーザk(k<i)の出力に影響を与えない。
第2のステップでは、結果として得られたベクトルに行列Qを乗算する。Qはそのユニタリ特性のために初期送信電力を保存している。
より形式的に、非線形プリコーダX’の出力は次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、rijはRの係数を表し、Γi,kはキャリアkおよびユーザiについてのコンステレーションサイズの関数としてのモジュロ演算子を表す。
モジュロ演算子Γi,kは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、xi,kはキャリアkおよびユーザiについての送信周波数サンプルを表し、Mi,kはキャリアkおよびユーザiについてのI/Q次元毎のコンステレーション点の数を表し、dは1つの次元における隣接コンステレーション点間の距離を表す。
N本の回線を、NLPを通してベクタリングすることの複雑度は、b(N+N(N+1)/2)=b(3N/2+N/2)回の乗累算演算になり、ここで、bは、コンピュータ算術において用いられるビットの数を表している。回線毎に1回または2回の複雑度の乗累算演算としてカウントされてもよいモジュロ演算は除いている。
受信機において、等化された受信信号サンプルは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
次に、初期送信ベクトルUを復元するために、さらなる等化ステップS−1がさらなるモジュロ演算とともに必要とされる:
Figure 2016522617

Figure 2016522617
はコンステレーション境界内に入ることが期待され、それゆえ、
Figure 2016522617

Figure 2016522617
と等しくならなければならない。次に、そのサンプルに対する決定
Figure 2016522617
が行われる。
図1に、対応する参照モデルが示されている。
QR行列分解を用いて実装される非線形プリコーダはZF等化を達成するが、一方、受信機入力における雑音サンプルは1/rii倍に増大されることに注目する。さらに、同一の回線を有するケーブルについて、R行列の対角値は同じ値を有せず、それゆえ、雑音の増大は各回線上で同じにならず、そのために、クロストーク結合のレベルに依存した異なるユーザへのビットレートの不公平な分配をもたらし得ることにも注目する。
まずフィードバックフィルタを通過し、その後、フィードフォワードフィルタを通過するという段階的なアプローチのために、いくつかの問題が生じる。
第1の問題は、非線形プリコーダを更新するために必要とされる処理リソースの量である。Pが(例えば、クロストークチャネル変化を追跡するために)更新される必要がある場合には、このとき、QおよびLも同様に更新される必要がある。QおよびLを独立して同時に更新するための知られている解決策は存在しない。それゆえ、各追跡ステップは、更新されたPまたはH行列の新たな分解を含む。
別の問題は、余分の乗算段階のせいで付加される量子化雑音である。1回の単一の行列乗算を有する線形プリコーディングと比較すると、それぞれ2つの行列LおよびQによる2回の連続する乗算のせいで、量子化雑音は2倍になる。
さらに別の問題は、1本以上の加入者線が、信号が全く送信されない何らかの受動状態にされ、それによっていくらか実質的な電力を節約する、不連続送信モードに関連する。これは、QおよびLのいくつかのサブブロックを複数回通過することを伴い、実行時の複雑度をほぼ2倍増大させる。
本発明、および従来技術に対する本発明の関係を理解するために有用と考えることができる以下の背景技術をさらに確認し、簡単に説明する。
「Non−Linear Precoding Method for a Digital Broadcast Channel」と題し、2006年9月7日に米国特許出願公開第2006/0198459A1号の公開番号を有して公開された米国特許出願は、ブロードキャストチャネルを通じて加入者信号を、互いに協働しない集中化されていない受信機へ同時に送信する中央送信機を開示している。送信側での信号前処理方法によって、全ての加入者信号および現在の送信条件の知識を用いて、誤差のない個々の受信を可能にする共通送信信号が生成されなければならない。知られている非線形プリコーディング方法は干渉信号を全体的に抑圧するため、チャネルダイバーシティを用いることができない。特許請求されているプリコーディング方法では、逆に、発生する干渉信号が考慮される。モジュロ算術計算に基づいて、送信チャネルは全体的に等化されないが、仮想的に分割され、それにより、加入者信号の送信は周期的に継続され、信号は、線形的な仕方で、最小送信電力に従って選択されて事前に等化され、加入者信号間に依然として残っている残留干渉は、事前設定された値のセットからの特別な値を仮定してもよい。値のセットは、他の加入者の干渉信号も、別様にすでに存在する周期的継続内に単に反映されるのみであり、受信側において、モジュロ決定によって必要に応じて抑圧されるか、または用いられることができるように、選択される。
米国特許出願公開第2006/0198459号明細書
Alcatel−Lucent、「G.fast: Precoder Gain Scaling」、国際電気通信連合(International Telecommunication Union、ITU)への標準寄稿論文、参照ITU−T SG15 Q4a 2013−03−Q4−053、2013年3月 M.Tomlinson、「New Automatic Equalizer Employing Modulo Arithmetic」、Electronics Letters、7(5−6)、138−139ページ、1971年3月 H.Miyakawa、「Matched−Transmission Technique for Channels with Inter Symbol Interference」、IEEE Trans. on Communications、20(4)、774−780ページ、1972年8月 G.GinisおよびJ.M.Cioffi、「A Multi−User Precoding Scheme Achieving Crosstalk Cancellation with Application to DSL systems」、Proc. 34th Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers、2000年 S.Singh、M.Sorbara、「G.fast: Comparison of Linear and Non−Linear Pre−coding for G.fast on 100m BT Cable」、ITU−T SG15 Q4a寄稿論文2013−01−Q4−031、2013年1月
本発明の目的は、従来技術の解決策の上述の短所または欠点を緩和または克服することである。
本発明の第1の態様によれば、アクセスノードは、クロストーク軽減のために信号を前処理するための信号プロセッサと、信号プロセッサの演算を制御するためのコントローラと、を含む。信号プロセッサは、第1のチャネル結合情報に基づいてそれぞれの通信チャネルを通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプルのための個々のモジュロシフトを決定し、モジュロシフトをそれぞれのプリコードされていない送信サンプルに加算するように構成されたモジュロユニットを含む。信号プロセッサは、結果として得られた送信サンプルを第2のチャネル結合情報に基づいて合同して処理するように構成された線形プリコーダをさらに含む。コントローラは、第1のチャネル結合情報および第2のチャネル結合情報を互いに独立して更新するように構成される。
本発明の別の態様によれば、クロストーク軽減のために信号を前処理するための方法は、第1のチャネル結合情報に基づいてそれぞれの通信チャネルを通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプルのための個々のモジュロシフトを決定することと、モジュロシフトをそれぞれのプリコードされていない送信サンプルに加算することと、結果として得られた送信サンプルを、第2のチャネル結合情報に基づく線形プリコーディングを通して合同して処理することと、を含む。方法は、第1のチャネル結合情報および第2のチャネル結合情報を互いに独立して更新することをさらに含む。
本発明の一実施形態では、モジュロ演算は、線形プリコーディングより低い精度の算術を用いる。
本発明の一実施形態では、モジュロ演算のための精度算術は、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルの数の関数である。
本発明の一実施形態では、第1のチャネル結合情報は、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルのセットが変更すると更新され、一方、第2のチャネル結合情報は変更されずに残される。
本発明の一実施形態では、結果として得られた送信サンプルは、線形プリコーダを通して単一の行列乗算段階を用いて合同して処理される。
アクセスノード(またはアクセスマルチプレクサ)は、アクセス設備を通じた加入者デバイスへの有線通信をサポートし、例えば、DSLAM、イーサネット(登録商標)スイッチ、エッジルータ等を指し得る。アクセスノードは、COにおいて、または加入者宅内により近いファイバ供給遠隔ユニット(路上キャビネット、電柱キャビネット、等)として配備される。
本発明は、結合行列L(フィードフォワードフィルタ)に基づいて、または同等に結合行列I−S−1(フィードバックフィルタ)に基づいて、個々の送信サンプルuに適用されるべきモジュロシフトδの量をまず決定することを提案する。
しかし、中間の送信ベクトルX’を計算する必要はない。その代わりに、Δは対応するシフトベクトルを表すとして、ベクトルU+Δが、プリコーディング行列(単一の行列乗算段階として実装される)P’=PS=QLを有する線形プリコーダに直接送り込まれる。つまり、プリコーディング行列P’の目的は、プリコーディング行列P’を有する線形プリコーダとチャネル行列Hを有する通信チャネルとの連結から生じる全体チャネル行列HP’=HQL=DSを効果的に対角化することである。このように、モジュロ決定は実際のプリコーディングと別個に行うことができ、Lの乗算はデータ経路から取り除かれる。
図2に、対応する参照モデルが示されている。
以下の利点が生まれる:
− P’およびLを独立して追跡することができる。例えば、プリコーダ行列が更新されると、このとき、モジュロ決定プロセスも変更される必要は必ずしもなく、これにより、更新ステップのたびのQR行列分解を回避する。
− P’はLとは独立して追跡することができるため、線形プリコーディングのために開発された、知られている更新機構の多くを適用することができる。QおよびLを同期的に追跡するか、あるいは他方が一定に保たれたままどのように一方を追跡することができるのかを心配する必要はない。
− 送信ベクトルUは1つの行列P’のみを通過する必要があるのみであるため、Lおよび次にQを乗算するのとは対照的に、量子化雑音の増幅は存在しない。実際に、X’は捨てられ、所定の格子上にあるΔのみが格納されるため、フィードバックフィルタリングを通したあらゆる量子化雑音は取り除かれる。
− P’が正確である限り、たとえ、Lが完全に正確ではなくても、プリコーディングはクロストークを効果的に除去することになる。Lがあまり正確でなくても、送信電力の増大、および場合により、いくらかの一過的なPSD違反を生じさせる可能性があるのみである。
− Lの乗算はデータ経路内になく、シフトベクトルΔの生成において役目を果たすのみであり、Δ内の要素は粗い格子上にあるため、Lの乗算のための精度bを大きく低減することができる:b<b。これで、複雑度はb+b K(K+1)/2回の乗累算演算(モジュロ演算を除く)になり、それゆえ、伝統的な非線形プリコーディングのように必要とする処理リソースはより少なくてすむ。
− 不連続送信モードが容易化される:非アクティブ化順序に一致させるために符号化順序を変更する必要がなく、それゆえ、新しいプリコーダ係数を書き込むか、または新しいプリコーディング利得を受信機へ送る必要がない。同様に、不連続送信モードを可能にするための実行時の複雑度の増加がない。
実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、発明の上記およびその他の目的および特徴はより明瞭となり、本発明そのものは最もよく理解されるであろう。
先に論じられた、従来技術の非線形プリコーダのための参照モデルを示す図である。 同様に論じられた、本発明による非線形プリコーダのための参照モデルを示す図である。 アクセス設備の概観を示す図である。 本発明によるアクセスノードに関するさらなる詳細を示す図である。 本発明による非線形プリコーダに関するさらなる詳細を示す図である。
図3に、COにおけるネットワークユニット10と、1本または複数の光ファイバを介してネットワークユニット10に結合され、銅線ループ設備を介して様々な加入者宅内における顧客宅内機器(Customer Premises Equipment、CPE)30にさらに結合されるDPU20と、を含むアクセス設備1が見られる。
銅線ループ設備は、加入者線が互いに近接し、それゆえ互いの内にクロストークを誘起する、共通アクセス区間40、および加入者宅内への最終接続のための専用ループ区間50を含む。伝送媒体は通例、銅シールド無し撚り対線(Unshielded Twisted Pair、UTP)で構成される。
DPU 20は、共通アクセス区間内で誘起されるクロストークを軽減するため、およびそれぞれの加入者線を通じて達成可能な通信データ転送速度を増大させるために、ループ設備を通じて送信されているか、またはそれから受信されているデータシンボルを合同して処理するためのベクタリング処理ユニットを含む。
図4には、本発明によるDPU 100に関するさらなる詳細が見られる。DPU 100は、同じベクタリンググループの一部を形成すると仮定される、それぞれの伝送回線Liを通じてCPE 200iに結合される。
DPU 100は以下のものを含む:
− DSL送受信機110i、
− ベクタリング処理ユニット(Vectoring Processing Unit、VPU)120、および
− VPU 120の動作を制御するためのベクタリング制御ユニット(Vectoring Control Unit、VCU)130。
DPU 100はまた、アップストリーム受信信号からのクロストークを除去するためのポストコーダを含んでもよい。図3では、対応するブロックは、本発明にとって重要でないため、意図的に省略されている。
DSL送受信機110iは、VPU 120に、およびVCU 130に個々に結合される。VCU 130はVPU 120にさらに結合される。
DSL送受信機110iはそれぞれ以下のものを含む:
− デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)111i、および
− アナログフロントエンド(Analog Front End、AFE)112i。
CPE 200iはそれぞれのDSL送受信機210iを含む。
DSL送受信機210iはそれぞれ以下のものを含む:
− デジタル信号プロセッサ(DSP)211i、および
− アナログフロントエンド(AFE)212i。
AFE 112iおよび212iはそれぞれ、デジタル−アナログ変換器(Digital− to−Analog Converter、DAC)およびアナログ−デジタル変換器(Analog−to−Digital Converter、ADC)、帯域外干渉を阻止しつつ信号エネルギーを適当な通信周波数帯域内に限定するための送信フィルタおよび受信フィルタ、送信信号を増幅するため、および伝送回線を駆動するためのラインドライバ、ならびにできるだけ少ない雑音を有するように受信信号を増幅するための低雑音増幅器(Low Noise Amplifier、LNA)を含む。
AFE 112iおよび212iは、低い送信機−受信機結合比を達成しつつ、送信機出力を伝送回線に、および伝送回線を受信機入力に結合するためのハイブリッド、伝送回線の特性インピーダンスに適合するためのインピーダンス整合回路機構、および分離回路機構(通例、変圧器)をさらに含む。
DSP 111iおよび211iはそれぞれ、ダウンストリームおよびアップストリームDSL通信チャネルを動作させるように構成される。
DSP 111iおよび211iは、診断または管理コマンドおよび応答等の、DSL制御トラフィックを搬送するために用いられるダウンストリームおよびアップストリームDSL制御チャネルを動作させるようにさらに構成される。制御トラフィックはユーザトラフィックとともにDSLチャネルを通じて多重化される。
より具体的には、DSP 111iおよび211iは、ユーザおよび制御データをデジタルデータシンボルに符号化し、変調するため、ならびにデジタルデータシンボルからユーザおよび制御データを復調し、復号するためのものである。
通例、DSP 111iおよび211i内では以下の送信ステップが実行される:
− データ多重化、フレーム化、スクランブリング、誤り訂正符号化およびインタリーブ等の、データ符号化、
− キャリア順序付けテーブルに従ってキャリアを順序付けするステップ、順序付けされたキャリアのビットローディングに従って、符号化されたビットストリームを解析するステップ、および場合によりトレリス符号化を用いて、各ビットチャンクを(それぞれのキャリア振幅および位相を有する)適切な送信コンステレーション点上にマッピングするステップ、を含む、信号変調、
− 信号スケーリング、
− 逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)、
− サイクリックプレフィクス(Cyclic Prefix、CP)挿入、および場合により、
− 時間ウィンドウイング。
通例、DSP 111iおよび211i内では以下の受信ステップが実行される:
− CP除去、および場合により、時間ウィンドウイング、
− 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)、
− 周波数等化(FEQ)、
− 等化された周波数サンプル1つ1つ全てに、パターンがそれぞれのキャリアビットローディングに依存する適切なコンステレーション格子を適用するステップ、場合によりトレリス復号を用いて、期待される送信コンステレーション点および対応する送信ビット列を検出するステップ、ならびに全ての検出されたビットチャンクを、キャリア順序付けテーブルに従って順序付けし直すステップ、を含む、信号復調および検出、ならびに
− データデインタリーブ、誤り訂正、デスクランブル、フレーム識別(frame delineation)および多重分離化等の、データ復号。
DSP 111iは、送信周波数サンプルuを逆高速フーリエ変換(IFFT)ステップの前に合同信号プリコーディングのためにVPU 120に供給するようにさらに構成される。
DSP 111iは、さらなる伝送のためにVPU 120から、訂正された周波数サンプルxを受信するようにさらに構成される。代替的に、DSP 111iは訂正サンプルを受信し、初期周波数サンプルに加算してもよい。
VPU 120は、線形プリコーダ122に直列結合されるモジュロユニット121を含む。初期送信ベクトルUはモジュロユニット120へ入力され、一方、前置補償された送信ベクトルXはそれぞれの伝送回線Liを通じたさらなる送信のためにDSP 111iへ出力される。
モジュロユニット121は、第1のチャネル結合行列Lに基づいてそれぞれの送信サンプルuに適用するべきモジュロシフトδの量を決定するように構成される。そのように決定された個々のモジュロシフトδから、送信ベクトルUに加算されるモジュロシフトベクトルΔが得られる。モジュロユニット120はbビット算術を用いて演算する。
線形プリコーダ122は、伝送回線L1からLNを通じて誘起されるクロストークを軽減するように構成される。より具体的には、線形プリコーダ122は、全体チャネル行列HP’=DSを対角化するために、入力ベクトルU+Δにプリコーディング行列P’=(I+G)−1S=QLを乗算する。線形プリコーダ122はbビット算術を用いて演算する。ここで、b>bである。つまり、モジュロユニット121は、線形プリコーダ122と比較してより低精度の算術で演算する。
図5には、VPU 120に関するさらなる詳細が見られる。
送信ベクトルUはモジュロシフトベクトルΔの決定のためにモジュロユニット121へ入力される。モジュロシフトベクトルΔの成分δは次式によって与えられる:
Figure 2016522617
ここで、モジュロシフト演算子γi,k(.)は次式によって定義される:
Figure 2016522617
次に、モジュロシフトベクトルΔは送信ベクトルUに加算され、モジュロユニット121の出力においてU+Δを得る。
前の行j<iの出力u+δが現在のモジュロシフトδの計算のために必要とされるため、式(11)は行毎に計算されることになる。δ=0であること、およびuはモジュロユニット121の出力へ透過的に渡されることにも留意されたい。
次に、線形プリコーダ121は入力ベクトルU+Δを取得し、単一の行列乗算段階を通してそれにP’=(I+G)−1S=QLを乗算し、前置補償された送信ベクトルX=QL(U+Δ)を得る。ベクトルXの個々の成分は、それぞれの伝送回線を通じたさらなる送信のためにそれぞれのDSP 111へ戻される。
VCU 130は基本的に、チャネル結合行列LおよびP’をモジュロユニット121および線形プリコーダ122にそれぞれ供給するためのものである。それらの行列は伝送回線L1からLNの間のクロストーク推定から計算される。
VCU 130は、まず、それぞれの伝送回線L1からLNを通じて用いられるべきそれぞれのダウンストリームパイロット系列を構成することによって開始する。所与のシンボル期間mの間に周波数インデックスkにおいて伝送回線Liを通じて送信されるパイロットディジットは
Figure 2016522617
と表される。パイロット系列は相互に直交し、M個のシンボル期間にわたって送信されるべきM個のパイロットディジット
Figure 2016522617
を含む。ここで、(直交性要件を満足するために)M≧Nである。通例、パイロット系列は、いわゆるSYNCシンボル等の、特定のシンボル期間の間に、および/またはいわゆるプローブキャリア(十分に代表になるために送信スペクトルの相当部分に及ぶものとする)等の、特定のキャリアを通じて送信される。
VCU 130は、パイロットディジットの検出の間にリモート送受信機210iによって測定されたそれぞれのスライサ誤差を集める。シンボル期間mの間の周波数インデックスkにおける被妨害回線Liを通じた、送受信機210iによって測定されたスライサ誤差は
Figure 2016522617
と表される。
送受信機210iは、測定されたスライサ誤差値
Figure 2016522617
をVCU 130に報告するようにさらに構成される(図4におけるErr−Rメッセージを参照)。
誤差フィードバック情報の量を低減するために、周波数インデックスのデシメートされたセットにおける干渉測定が通例利用可能である。
次に、VCU 130は、周波数インデックスkにおける妨害回線Ljから被妨害回線Li内への等化されたクロストーク係数hij(k)/hii(k)の推定を得るために、完全な収集サイクルにわたり被妨害回線Liを通じて測定されたM個の誤差測定
Figure 2016522617
を、妨害回線Ljを通じて送信されたパイロット系列のM個のそれぞれのパイロットディジット
Figure 2016522617
と相関させる。パイロット系列は相互に直交するため、他の妨害回線からの寄与はこの相関ステップの後に0に減少する。
全ての適用可能な周波数インデックスにおける等化されたクロストーク係数を見いだすために、通例、いくらかの追加の補間ステップが必要とされる。
今度は、VCU 130はZFプリコーディング行列(I+G)−1の計算に進み、さらに、式(4)から(6)によるそのQR行列分解に進むことができ、ユニタリ行列Q、単位対角を有する下三角行列L、およびスケーリング対角行列Sを得る。線形プリコーダ122内にプッシュされるべき結合行列はP’=(I+G)−1S=QLと等しく、モジュロユニット121内にプッシュされるべき結合行列はLと等しい。スケーリング行列S−1の成分rii −1はCPE 200iへのさらなる伝達のためにそれぞれのDSP 110iへ戻されなければならない。
通例、VCU 130は、行列(I+G)−1の初期係数を計算するために、1次または2次の行列反転を用いる。
チャネル追跡モードの間に、VCU 130はP’およびLを同時に更新する必要がない。実際に、プリコーディング行列P’は、例えば、観察された残留クロストークに基づいてプリコーディング行列P’の係数をそれらの最適値に調整する最小二乗平均(Least Mean Square、LMS)反復アルゴリズムを用いて、あらゆる残留クロストークを取り除くために、チャネル行列Hのあらゆる変化を正確に追跡する必要がある。逆に、行列Lにおける誤差はいずれも送信PSDマスクの一時的な違反を生じさせるのみであろうから、行列Lはより粗いパターンで更新することができる。
不連続送信モードが用いられる場合には、このとき、アクティブな回線および中断回線は、一続きの連続したサブセットに再グループ化される必要がある。U(p)=πU内の最後の要素群が中断回線となるように置換行列πをとる。
図1による従来技術の非線形プリコーダでは、πX=πQLU=πQLππU、すなわち:
(p)=πQLπ(p) (13)
を得る。
πは行列Q(p)=πQおよび行列L(p)=Lπの置換をし、それにより、式(13)は次式のように書くことができる:
Figure 2016522617
ここで、AおよびDの添字は、アクティブなサブセットおよび中断されたサブセットをそれぞれ表す。上記の置換は行列乗算を全く伴わないことに留意されたい。
置換のために、L(p)はもはや下三角型ではない。しかし、置換行列πは、LAA (p)およびLDD (p)が下三角型となるように、すなわち、符号化順序が各サブセットAまたはD内で維持されるように選ぶことができる。
不連続送信を用いる場合には、V (p)は、X (p)=0、または代替的に:
Figure 2016522617
となるように選ばれる。
(p)=πPπとすると、式(15)は次式のように書き直すことができる:
Figure 2016522617
これは「ニワトリ−卵」問題をもたらす。なぜなら、V (p)を得るためにはU (p)が必要とされ、U (p)を得るためにはモジュロ演算を適用するためにV (p)が必要とされるからである。そこで、V (p)は前置補償信号のみからなり、サブセットAのアクティブな回線上の送信PSDに過度に寄与しないと期待されることに注目する。したがって、LAA (p)を通じて非線形プリコーディングをU (p)に適用することによって、サブセットAのアクティブな回線に対する必要とされるモジュロ演算を得ることができる。同等のプリコーダ入力をU (p)+Δと表す。次に、
Figure 2016522617
を計算し、前置補償された送信ベクトルXを次式のように得る:
Figure 2016522617
すなわち
Figure 2016522617
上式のうち、LAA (p)(U (p)+Δ)およびLDA (p)(U (p)+Δ)はすでに計算されている。
このアプローチの全複雑度は、全ての回線がアクティブである非線形プリコーディングのものよりも大きい。なぜなら、8つのサブブロックのうちの6つに2つの異なるベクトルを乗算する必要があるからである。
提案されている非線形プリコーディング実装形態を用いると、不連続モードは以下のように演算する。
まず、上述のように、アクティブな回線および不連続の回線が、一続きの連続したサブセットを形成するように、回線が置換される。次に、送信サンプルのアクティブなサブセットU (p)が非線形プリコーダLAA (p)を通され、対応するシフトベクトルΔが格納される。次に、仮想信号V (p)
Figure 2016522617
として計算される。ここで、P’(p)=πP’π=πPSπである(すなわち、プリコーディング行列はスケーリング行列Sを含む)。
Figure 2016522617
を決定するために一次近似を用いてもよい。最後に、X (p)が次式のように計算される:
Figure 2016522617
この場合には、不連続モードのゆえに部分行列乗算の数が増加することはない。不連続モードを有効にするために追加の処理リソースを予見する必要はない。
シフトベクトルΔは中断回線上の仮想信号V (p)を考慮せずに計算されるため、ファクタ
Figure 2016522617
によるエネルギー増加が存在し得る。
ただし、いくつかの回線が中断される時には、束全体にわたる総電力が同様の状態にとどまる限り、他の回線上における送信電力増大は許されてもよいことに留意されたい。
さらに、不連続モードを容易化するために、モジュロユニット121のためにより低精度の算術を利用することもできる。この場合、利益は、Lの乗算はデータ経路内になく、シフトベクトルΔを決定する役割を果たすのみであり、Δは粗い格子上に載っているという事実から得られる。このとき、不連続送信モードは以下のように演算するであろう。
行列
Figure 2016522617
に対して、潜在的に
Figure 2016522617
の近似を通して、より低精度で最初のQL行列分解を実行する。完全な精度では、行列反転はb 回の乗累算演算を要するであろう。ここで、Nは中断回線の数を表す。より低精度では、行列反転はb 回の乗累算演算を要するのみである。次に、送信サンプルのアクティブなサブセットU (p)が同じくより低精度で非線形プリコーダLAA (p)を通され、対応するシフトベクトルΔが格納される。次に、仮想信号V (p)
Figure 2016522617
としてフル精度で計算される。最後に、X (p)
Figure 2016522617
として同じくフル精度で計算される。
不連続送信モードの間に、プリコーディング行列P’は更新される必要がないことに留意されたい。上述の置換πは、実際は、入力ベクトルU+Δの成分に、特定の順序で選択された既存の行列P’の係数を乗算するだけの問題にすぎない。行列Lのみが更新される必要がある。新しい行列Lのための符号化順序は、中断回線を省いた以前の行列Lのためのものと同じであることができる。
同様に、
Figure 2016522617
を得る計算複雑度はNに依存する。それゆえ、異なるNのために異なるbを用いることが、チャネル結合行列Lの適時の更新を得るために有益となり得る。
用語「を含む(comprising)」は、その後に列挙される手段に限定されるものと解釈されるべきではないことに留意されたい。それゆえ、表現「手段AおよびBを含むデバイス」の範囲は、構成要素AおよびBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連構成要素はAおよびBであることを意味する。
用語「結合される(coupled)」は、直接接続のみに限定されるものと解釈されるべきではないことにさらに留意されたい。それゆえ、表現「デバイスBに結合されるデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続される、および/またはその逆であるデバイスまたはシステムに限定されるべきではない。それは、Aの出力とBの入力との間、および/またはその逆の間に、他のデバイスまたは手段を含む経路であってもよい、経路が存在することを意味する。
説明および図面は単に本発明の原理を示しているにすぎない。それゆえ、当業者は、本明細書において明示的に説明されるかまたは示されていなくても、本発明の原理を具現化し、その範囲内に含まれる様々な機構を考案することができるであろうことが理解されるであろう。さらに、本明細書に列挙されている全ての例は主として、本発明の原理、および発明者(単数または複数)によって当技術を促進するために貢献されたコンセプトを読者が理解するための、単なる教育上の目的のためのものにすぎず、上記の具体的に列挙されている例および条件に限定することなく解釈されるべきであることが明示的に意図されている。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書における全ての説明は、それらの均等物を包含することが意図されている。
図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行する能力を有するハードウェアの使用を通じて提供されてもよい。プロセッサによって提供される場合には、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または複数の個々のプロセッサであって、そのうちのいくつかは共有されてもよい、プロセッサによって提供されてもよい。さらに、プロセッサは、ソフトウェアを実行する能力を有するハードウェアにもっぱら言及するように解釈されるべきではなく、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array、FPGA)、等を暗黙のうちに含んでもよい。リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、および不揮発性記憶装置等の、従来の、および/または特注の、その他のハードウェアが同様に含まれてもよい。

Claims (14)

  1. クロストーク軽減のために信号を前処理するための信号処理ユニット(120)であって、第1のチャネル結合情報(L)に基づいてそれぞれの通信チャネル(H)を通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプル(U)のための個々のモジュロシフト(Δ)を決定し、モジュロシフトをそれぞれの送信サンプルに加算するように構成されたモジュロユニット(121)と、線形プリコーダ(122)であって、結果として得られた送信サンプルを、通信チャネルとの線形プリコーダの連結から生じる全体チャネル行列(HP’)を効果的に対角化することを目的とする第2のチャネル結合情報(p’)に基づいて合同して処理するように構成された線形プリコーダ(122)と、を含む、信号処理ユニット(120)。
  2. 第1のチャネル結合情報が第2のチャネル結合情報とは独立して更新される、請求項1に記載の信号処理ユニット(120)。
  3. モジュロユニットが、線形プリコーダより低い精度の算術を用いるようにさらに構成される、請求項1または2に記載の信号処理ユニット(120)。
  4. モジュロユニットのための精度算術が、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルの数の関数である、請求項3に記載の信号処理ユニット(120)。
  5. 第1のチャネル結合情報が、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルのセットが変更すると更新され、一方、第2のチャネル結合情報が変更されずに残される、請求項1から4のいずれか一項に記載の信号処理ユニット(120)。
  6. 結果として得られた送信サンプルが、線形プリコーダを通して単一の行列乗算段階を用いて合同して処理される、請求項1から5のいずれか一項に記載の信号処理ユニット(120)。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の信号処理ユニット(120)を含むアクセスノード(100)。
  8. アクセスノードがデジタル加入者線アクセスマルチプレクサDSLAMである、請求項7に記載のアクセスノード(100)。
  9. クロストーク軽減のために信号を前処理するための方法であって、第1のチャネル結合情報(L)に基づいてそれぞれの通信チャネル(H)を通じて送信されるべきそれぞれの送信サンプル(U)のための個々のモジュロシフト(Δ)を決定することと、モジュロシフトをそれぞれの送信サンプルに加算することと、結果として得られた送信サンプルを、通信チャネルとの線形プリコーダの連結から生じる全体チャネル行列(HP’)を効果的に対角化することを目的とする第2のチャネル結合情報(P’)に基づく線形プリコーディングを通して合同して処理することと、を含む、方法。
  10. 第1のチャネル結合情報を第2のチャネル結合情報とは独立して更新することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 線形プリコーディングのためのものより低い精度の算術をモジュロ演算のために用いることをさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
  12. モジュロ演算のための精度算術が、通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルの数の関数である、請求項11に記載の方法。
  13. 通信チャネルのうちのアクティブな通信チャネルのセットが変更すると第1のチャネル結合情報を更新し、一方、第2のチャネル結合情報を変更せずに残すことをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 結果として得られた送信サンプルが、線形プリコーダを通して単一の行列乗算段階を用いて合同して処理される、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
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