JP2016522232A - ヘテロアリール置換されたピラゾール類 - Google Patents

ヘテロアリール置換されたピラゾール類 Download PDF

Info

Publication number
JP2016522232A
JP2016522232A JP2016520443A JP2016520443A JP2016522232A JP 2016522232 A JP2016522232 A JP 2016522232A JP 2016520443 A JP2016520443 A JP 2016520443A JP 2016520443 A JP2016520443 A JP 2016520443A JP 2016522232 A JP2016522232 A JP 2016522232A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
hydrogen
alkyl
general formula
pyrimidin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016520443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016522232A5 (ja
Inventor
ヒツチコツク,マーリオン
メンゲル,アンネ
ブリーム,ハンス
ガイスラー,イエンス
ジーマイスター,ゲルハルト
ボネ,ヴイルヘルム
フェルナンデス−モンタルバン,アマウリ・エルネスト
シユレーダー,イエンス
ホルトン,サイモン
メンニング,ウルズラ
Original Assignee
バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト, バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト filed Critical バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2016522232A publication Critical patent/JP2016522232A/ja
Publication of JP2016522232A5 publication Critical patent/JP2016522232A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

Bub1キナーゼの阻害薬である式(I)の化合物、それの製造方法、およびそれの医薬としての使用。【化1】

Description

本発明は、ヘテロアリール置換されたインダゾール化合物、それの製造方法およびそれの使用に関する。
癌細胞の最も基本的な特徴の一つは慢性的な増殖を維持する能力であるが、それに対して正常組織では、細胞分裂周期の開始および進行は細胞数の恒常性および正常組織機能の維持を確保するために厳密に制御されている。増殖制御の喪失が、癌の6種類の特徴のうちの一つとして強調されている[Hanahan D and Weinberg RA, Cell 100, 57, 2000; Hanahan D and Weinberg RA, Cell 144, 646, 2011]。
真核細胞分裂周期(または細胞周期)は、整合および調節された一連の事象を通過することでゲノムの複製および娘細胞へのそれの分配を確実に行う。細胞周期は次の4つの連続する期に分けられる。
1.G1期はDNA複製前の時期であって、細胞が増殖し、外部刺激に対して感受性である。
2.S期では、細胞はそれのDNAを複製する。
3.G2期では、有糸分裂に入るための準備がなされる。
4.有糸分裂期(M期)では、重複染色体が微小管から構築された紡錘体によって支持されて分離され、2個の娘細胞への細胞分裂が完了する。
染色体の娘細胞への正確な分配に必要な極めて高い忠実性を確保するために、細胞周期の進行は厳密に調節および制御される。周期の進行に必要な酵素類は正しい時に活性化され、相当する期が過ぎると直ちに再び不活化されなければならない。相当する制御点(「チェックポイント」)は、DNA損傷が検出されるか、DNA複製もしくは紡錘体形成が未完成なら、細胞周期の進行を停止または遅延させる。有糸分裂チェックポイント(紡錘体チェックポイントまたは紡錘体構築チェックポイントとしても知られる)は、重複染色体の動原体(微小管への結合部位)への紡錘体の微小管の正確な結合を制御する。有糸分裂チェックポイントは、未結合動原体が存在する限り活性であり、各動原体が紡錘極に確実に結合する時間を分裂中の細胞に与え、結合エラーを修正するために待機シグナルを出す。こうして有糸分裂チェックポイントは、有糸分裂細胞が、未結合または誤って結合した染色体を有したまま細胞分裂を完了することを防止するものである[Suijkerbuijk SJ and Kops GJ, Biochem. Biophys. Acta 1786, 24, 2008; Musacchio Aand Salmon ED, Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8, 379, 2007]。全ての動原体が正しい双極性(両糸性)様式で有糸分裂紡錘極と結合したら、チェックポイントは満足され、細胞は分裂後期に入り、有糸分裂を進める。
有糸分裂チェックポイントは、MAD(有糸分裂停止欠損、MAD1−3)およびBub(ベンズイミダゾールによって阻害されない発芽、Bub1−3)ファミリーの構成員、Mps1キナーゼ、cdc20、ならびに他の要素を含む多くの必須タンパク質の複雑なネットワークにより確立され[Bolanos−Garcia VM and Blundell TL, Trends Biochem. Sci. 36, 141, 2010によって総覧]、これらの多くが増殖中の細胞(例えば癌細胞)および組織で過発現されている[Yuan B et al., Clin. Cancer Res. 12, 405, 2006]。満足されない有糸分裂チェックポイントの主な機能は、分裂後期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)を不活性状態に維持することである。チェックポイントが満足されると直ちに、APC/Cユビキチン−リガーゼが、タンパク質分解のためのサイクリンBおよびセキュリンを標的とし、対の染色体の分離および有糸分裂の終了に至る。
Ser/ThrキナーゼBub1の不活性変異は、微小管脱安定化剤で出芽酵母細胞を処理した時の有糸分裂の進行遅延を妨げ、それによりBub1が有糸分裂チェックポイントタンパク質として同定されるに至った[Roberts BT et al., Mol. Cell Biol., 14, 8282, 1994]。多くの最近の刊行物が、Bub1が有糸分裂時に複数の役割を果たす証拠を提供しており、これにはEloweによる総覧がある[Elowe S, Mol. Cell. Biol. 31, 3085, 2011]。特に、Bub1は重複染色体の動原体に結合し、おそらく有糸分裂チェックポイント複合体を構成する足場タンパク質として作用する、最初の有糸分裂チェックポイントタンパク質の一つである。さらに、ヒストンH2Aのリン酸化を介して、Bub1はタンパク質シュゴシンを染色体のセントロメア領域に局在させ、対染色体の早期分離を防止する[Kawashima et al. Science 327, 172, 2010]。さらに、シュゴシンタンパク質は、Thr−3リン酸化ヒストンH3と共に、タンパク質スルビビン、ボレアリン、INCENPおよびオーロラBを含む染色体パッセンジャー複合体の結合部位として機能する。染色体パッセンジャー複合体は、有糸分裂チェックポイント機序内の張力センサーと考えられ、これはシンテリック結合(両姉妹動原体が1個の紡錘極に結合)またはメロテリック結合(1個の動原体が2個の紡錘極に結合)のような誤って形成された微小管−動原体結合を分解する[Watanabe Y, Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 75, 419, 2010]。最近のデータは、Bub1キナーゼによるThr121でのヒストンH2Aのリン酸化が、結合エラー修正チェックポイントを達成するためにオーロラBキナーゼを局在させるのに十分であることを示唆している[Ricke et al. J. Cell Biol. 199, 931−949, 2012]。
不完全有糸分裂チェックポイント機能は異数性および腫瘍形成と関連付けられてきた[Weaver BA and Cleveland DW, Cancer Res. 67, 10103, 2007; King RW, Biochim Biophys Acta 1786, 4, 2008]。対照的に、有糸分裂チェックポイントの完全阻害は、腫瘍細胞における重度の染色体誤分離ならびに細胞死およびアポトーシスの誘発に至るものと認識されている[Kops GJ et al., Nature Rev. Cancer 5, 773, 2005; Schmidt M and Medema RH, Cell Cycle 5, 159, 2006; Schmidt M and Bastians H, Drug Res. Updates 10, 162, 2007]。従って、Bub1キナーゼなどの有糸分裂チェックポイントの構成要素の薬理的阻害による有糸分裂チェックポイント抑止は、癌などの固形腫瘍、肉腫、白血病およびリンパ系悪性腫瘍その他の制御されない細胞増殖に関連する障害のような増殖性障害の治療の新しいアプローチとなる。
本発明は、Bub1キナーゼを阻害する化合物に関する。
ビンカアルカロイド類、タキサン類またはエポチロン類などの確立された抗有糸分裂剤は、有糸分裂チェックポイントを活性化して、微小管動態を安定化または脱安定化することにより有糸分裂停止を誘発する。この停止は、重複染色体の分離による2個の娘細胞の形成を阻止する。有糸分裂の長期の停止により、細胞は細胞質分裂のない有糸分裂終了(有糸分裂脱出または適応)または有糸分裂カタストロフを強制され、細胞死に至る[Rieder CL and Maiato H, Dev. Cell 7, 637, 2004]。対照的に、Bub1の阻害剤は、有糸分裂チェックポイントの確立および/または機能性を阻止し、それは最終的に、重度の染色体誤分離、細胞死誘発、例えばアポトーシスをもたらす。
これらの知見は、Bub1阻害剤が、ヒトなどの温血動物における、例えば癌、炎症、関節炎、ウィルス疾患、心血管疾患または真菌疾患などの亢進された制御されない増殖性細胞プロセスに関連する増殖性障害の処置に治療的価値があるはずであることを示唆している。
WO2013/050438、WO2013/092512、WO2013/167698には、Bub1キナーゼ阻害薬である置換されたベンジルインダゾール類、置換されたベンジルピラゾール類および置換されたベンジルベンジルシクロアルキルピラゾール類がそれぞれ開示されている。
WO2012/003405、WO2013/101830には、本発明の化合物に構造的に関係のある置換されたピラゾール誘導体が開示されている。しかしながら、そのような化合物はsGC刺激剤である。すなわち、それらは異なる標的に作用し/異なる作用機序を有し、完全に異なる目的のために、すなわち肺高血圧、動脈高血圧、心不全、アテローム性動脈硬化症、炎症、血栓症、腎線維症および腎不全、肝硬変、勃起不全および他の心血管障害などの障害の予防、管理および処置のために使用される。
WO2013/050438 WO2013/092512 WO2013/167698 WO2012/003405 WO2013/101830
Hanahan D and Weinberg RA, Cell 100, 57, 2000 Hanahan D and Weinberg RA, Cell 144, 646, 2011 Suijkerbuijk SJ and Kops GJ, Biochem. Biophys. Acta 1786, 24, 2008 Musacchio Aand Salmon ED, Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8, 379, 2007 Bolanos−Garcia VM and Blundell TL, Trends Biochem. Sci. 36, 141, 2010 Yuan B et al., Clin. Cancer Res. 12, 405, 2006 Roberts BT et al., Mol. Cell Biol., 14, 8282, 1994 Elowe S, Mol. Cell. Biol. 31, 3085, 2011 Kawashima et al. Science 327, 172, 2010 Watanabe Y, Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 75, 419, 2010 Ricke et al. J. Cell Biol. 199, 931−949, 2012 Weaver BA and Cleveland DW, Cancer Res. 67, 10103, 2007 King RW, Biochim Biophys Acta 1786, 4, 2008 Kops GJ et al., Nature Rev. Cancer 5, 773, 2005 Schmidt M and Medema RH, Cell Cycle 5, 159, 2006 Schmidt M and Bastians H, Drug Res. Updates 10, 162, 2007 Rieder CL and Maiato H, Dev. Cell 7, 637, 2004
特に、ヒトまたは動物身体の各種臓器の組織における制御されない増殖性細胞プロセスによって発現される癌疾患が、十分な薬物治療が既に存在する抑制される疾患であるとは未だに考えられていないことから、好ましくは新たな標的を阻害し、新たな治療選択肢を提供する、さらなる新規の治療的に有用な薬剤を提供することが強く望まれている。
従って、Bub1の阻害剤は、単剤としてまたは他の薬剤との組み合わせで、治療選択肢を補う貴重な化合物である。
第1の態様によれば本発明は、下記式(I)の化合物または前記化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩に関するものである。
Figure 2016522232
式中、
VはCH、Nであり、
YはCR、Nであり、
/Rは互いから独立に、水素、ハロゲンまたはフェニル−S−であり、
は互いから独立に、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシ、ハロゲン、2−6C−アルケニル、3−6C−シクロアルキル、1−6C−ハロアルコキシまたはC(O)OHであり、
nは0、1、2または3であり、
または
は−(1−6C−アルキレン)−S−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S−R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、または−O−(1−6C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14であり、
nは0または1であり、
は、
(a)水素;
(b)ヒドロキシ;
(c)
(c1)1から2個のOH、
(c2)NR10
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
(c7)−S(O)NR10
で置換されていても良い1−6C−アルコキシ、
(d)
Figure 2016522232
(*は結合箇所である。)、
(e)
Figure 2016522232
(*は結合箇所である。)、
(f)シアノ、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり、
は、
(a)水素、
(b)2−6C−ヒドロキシアルキル、
(c)
Figure 2016522232
(*は結合箇所である。)、
(d)−C(O)−(1−6C−アルキル)、
(e)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、
(f)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)
であり、
は、
(a)5員ヘテロアリール、
(b)
(b1)ピリジン−2−イル、
(b2)ピリジン−3−イル、
(b3)ピラジン−2−イル、
(b4)ピリダジン−3−イル、
(b5)ピリダジン−4−イル、
(b6)ピリミジン−2−イル、
(b7)ピリミジン−4−イル、
(b8)ピリミジン−5−イル、
(b9)1,3,5−トリアジン−2−イル、
(b10)1,2,4−トリアジン−3−イル、
(b11)1,2,4−トリアジン−5−イル、
(b12)1,2,4−トリアジン−6−イル
から選択される6員ヘテロアリール、
(c)フェニル
であり、
前記5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールまたはフェニルは独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−6C−アルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ハロアルコキシ、−(2−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良く、
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112、またはNR10であり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、またはNR10であり、
、R10は互いから独立に、水素または1−6C−アルキルであり、
11、R12は互いから独立に、水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキルまたは(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)であり、
13は、水素または1−4C−アルキルであり、
14は、1−6C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、フェニル、ベンジルから選択される基であり、
前記基は、ヒドロキシ、ハロゲン、またはNR10の群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で同一もしくは異なって置換されていても良く、
15は、水素、シアノ、またはC(O)R16であり、
16は、1−6C−アルキル、または1−6C−ハロアルキルである。
第2の態様において本発明は、
VがCH、Nであり、
YがCR、Nであり、
/Rが互いから独立に、水素、またはハロゲンであり、
が1−3C−アルコキシであり、
nが0、1、2または3であり、
または
が、−(1−4C−アルキレン)−S−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S−R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14または−O−(1−4C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14であり、
nが0または1であり、
が、
(a)水素;
(b)ヒドロキシ;
(c)
(c1)1から2個のOH、
(c2)NR10
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
(c7)−S(O)NR10
で置換されていても良い1−4C−アルコキシ、
(f)シアノ、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり、
が水素であり、
が、
(a)5員ヘテロアリール、
(b)
(b1)ピリジン−2−イル、
(b2)ピリジン−3−イル、
(b3)ピラジン−2−イル、
(b4)ピリダジン−3−イル、
(b5)ピリダジン−4−イル、
(b6)ピリミジン−2−イル、
(b7)ピリミジン−4−イル、
(b8)ピリミジン−5−イル、
(b9)1,3,5−トリアジン−2−イル、
(b10)1,2,4−トリアジン−3−イル、
(b11)1,2,4−トリアジン−5−イル、
(b12)1,2,4−トリアジン−6−イル
から選択される6員ヘテロアリール、
(c)フェニル
であり、
前記5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールまたはフェニルが独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−3C−アルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ハロアルコキシ、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良く、
が水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112、またはNR10であり、
が水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、またはNR10であり、
、R10が互いから独立に、水素または1−3C−アルキルであり、
11、R12が互いから独立に、水素、1−3C−アルキル、または2−3C−ヒドロキシアルキルであり、
13が水素または1−3C−アルキルであり、
14がメチル、またはシクロプロピルから選択される基であり、
15が水素、シアノ、またはC(O)R16であり、
16がメチル、またはトリフルオロメチルである、本明細書で定義の式(I)の化合物、または前記化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩に関するものである。
本発明の別の態様は、
VがCH、Nであり、
YがCR、Nであり、
/Rが互いから独立に、水素、またはハロゲンであり、
が1−3C−アルコキシであり、
nが0または1であり、
が、
(a)水素;
(b)ヒドロキシ;
(c)
(c1)OH、
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
(c7)−S(O)NR10
で置換されていても良い1−4C−アルコキシ、
(f)シアノ、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり、
が水素であり、
が、
(b)
(b4)ピリダジン−3−イル、
(b5)ピリダジン−4−イル、
(b6)ピリミジン−2−イル、
(b7)ピリミジン−4−イル、
(b8)ピリミジン−5−イル
から選択される6員ヘテロアリールであり、
前記6員ヘテロアリールがC(O)NR1112で置換されていても良く、
が、水素、1−3C−アルコキシ、または3−6C−シクロアルキルであり、
が、水素、ハロゲン、シアノ、または1−3C−アルキルであり、
、R10が互いから独立に、水素または1−3C−アルキルであり、
11、R12が互いから独立に、水素、1−3C−アルキル、または2−3C−ヒドロキシアルキルであり、
14が、メチル、またはシクロプロピルから選択される基であり、
15が水素である、本明細書で定義の式(I)の化合物、または前記化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩に関するものである。
さらに別の態様において本発明は、
VがNであり、
YがCRであり、
/Rが互いから独立に、水素、またはフルオロであり、
がエトキシであり、
nが0または1であり、
が、
(a)水素;
(c)メトキシ
であり、
が水素であり、
が、
(b)
(b5)ピリダジン−4−イル、
(b7)ピリミジン−4−イル
から選択される6員ヘテロアリールであり、
が水素、メトキシ、またはシクロプロピルであり、
が水素、クロロ、またはメチルである本明細書で定義の式(I)の化合物または前記化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩に関するものである。
本発明の1態様において、上記で記載の式(I)の化合物は、
2−[4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
N−{2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシピリミジン−4−イル}ピリダジン−4−アミン、
2−[1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
2−[4−クロロ−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、および
2−[1−(2−フルオロベンジル)−5−メトキシ−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
または前記化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩からなる群から選択される。
本発明の1態様は、実施例に記載の、表題におけるそれの名称によって特徴付けられる、請求項5で特許請求される式(I)の化合物および/またはそれの構造ならびに実施例の化合物において具体的に開示される全ての残基の下位組み合わせである。
本発明の別の態様は、それらの合成に使用される中間体である。
本明細書に開示の本発明の実施形態が式(I)の化合物に関するものである場合、それらの実施形態が、特許請求の範囲および実施例のいずれかに開示されている式(I)の化合物に言及するものであることは明らかである。
本発明の別の態様は、VがCH、またはNである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、VがNである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、YがCR、またはNである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、YがCRである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素、またはハロゲンである式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、Rが水素である式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、R/Rが互いから独立に、水素、またはハロゲンである式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、Rおよび/またはRが互いから独立に、水素またはハロゲン、好ましくは水素またはフッ素である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが1−3C−アルコキシ、特別にはエトキシである式(I)の化合物である。
上記の態様の別の実施形態において、本発明は、nが0または1である式(I)の化合物に関するものである。
上記の態様の別の実施形態において、本発明は、nが0である式(I)の化合物に関するものである。
上記の態様の別の実施形態において、本発明は、nが1である式(I)の化合物に関するものである。
本発明の別の態様は、Rが水素または1−6C−アルコキシである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが1−6C−アルコキシである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素または1−3C−アルコキシである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素または1−3C−アルコキシ、特別には水素またはメトキシである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが6員ヘテロアリール部分(ただし、当該部分はピリジン−4−イルではない。)である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが、
(a)5員ヘテロアリール、
(b)
(b1)ピリジン−2−イル、
(b2)ピリジン−3−イル、
(b3)ピラジン−2−イル、
(b4)ピリダジン−3−イル、
(b5)ピリダジン−4−イル、
(b6)ピリミジン−2−イル、
(b7)ピリミジン−4−イル、
(b8)ピリミジン−5−イル、
(b9)1,3,5−トリアジン−2−イル、
(b10)1,2,4−トリアジン−3−イル、
(b11)1,2,4−トリアジン−5−イル、
(b12)1,2,4−トリアジン−6−イル
から選択される6員ヘテロアリールであり、
前記5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールまたはフェニルが独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−6C−アルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ハロアルコキシ、−(2−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR11R12、NR9R10で1回以上置換されていても良い式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、
が、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルから選択される6員ヘテロアリールであり、
前記6員ヘテロアリールが独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−3C−アルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ハロアルコキシ、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良い式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが、独立にフッ素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良い1から2個の窒素原子を含む6員ヘテロアリール基(ただしそれはピリジン−4−イルではない。)である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが、独立にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−3C−アルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ハロアルコキシ、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良い少なくとも2個のヘテロ原子からなる6員ヘテロアリール基である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが、それぞれが独立にフッ素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)NR1112で1回以上置換されていても良いピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが、それぞれが独立にフッ素、ヒドロキシ、1−3C−アルキル、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)NR1112で1回以上置換されていても良いピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rがピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rがピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rがピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rがピリミジン−4−イル、ピリダジン−4−イルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素、1−3C−アルコキシまたは3−6C−シクロアルキルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素、メトキシまたはシクロプロピルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素、ハロゲンまたは1−3C−アルキルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、Rが水素、クロロまたはメチルである式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、R、R10が互いから独立に水素または1−6C−アルキルである式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、R、R10が水素である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、R11、R12が互いから独立に水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキルまたは(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)である式(I)の化合物である。
本発明の別の態様は、R11、R12が互いから独立に水素、1−3C−アルキルまたは2−3C−ヒドロキシアルキルである式(I)の化合物である。
本発明のさらに別の態様は、塩として存在する式(I)の化合物である。
本発明の別の実施形態は、定義が下記に開示の好ましいもしくはより好ましい定義に従って限定される特許請求の範囲のセクションに開示の請求項による化合物または例示の化合物の具体的に開示された残基およびそれらの下位組み合わせである。
定義
本明細書に記載のように置換されていても良い構成要素は、別段の断りがない限り、あらゆる可能な位置で互いから独立に、1回以上置換されていても良い。いずれかの構成要素において、いずれかの可変要素が複数ある場合、各定義は独立である。例えば、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、Vおよび/またはYがいずれかの式(I)の化合物において複数ある場合、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、VおよびYの各定義は独立である。
特許請求の範囲および説明において別段の定義がない限り、下記で定義される構成要素は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR10、シアノ、(=O)、−C(O)NR1112、−C(O)OR13から選択される置換基で1回以上、同一または異なって置換されていても良い。ハロゲンによって複数回置換されているアルキル構成要素は、例えばCFなどの完全にハロゲン化されたアルキル部分も含む。
例えば−O−(1−6Cアルキル)−(3−7C−シクロアルキル)のように、ある構成要素が複数部分から構成されている場合、可能な置換基の位置は、これらの部分のいずれかで、いずれか好適な位置であることができる。その構成要素の最初のハイフンは、分子の残りの部分への結合箇所を印すものである。環が置換される場合、置換基は、やはり好適であれば環窒素原子上で環のいずれか好適な位置であることができるものと考えられる。
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、「から成る」を包含する。
明細書内で「上記で言及した」または「上記で言及の」と言う場合、それは、先行するページのいずれかで本明細書中で行われた開示を指す。
本発明の意味の範囲内で、「好適な」は、当業者の知識の範囲内の方法によって行うことが化学的に可能であることを意味する。
「1−6C−アルキル」は、1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基を意味する。その例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルであり、好ましくは1から4個の炭素原子(1−4C−アルキル)、より好ましくは1から3個の炭素原子(1−3C−アルキル)である。これと異なる数の炭素原子を有する本明細書で言及される他のアルキル構成部分は、その鎖の異なる長さを考慮に入れて、上記のように定義されるものである。通常「アルキレン」部分と称される構成要素の二つの他の部分の間の架橋部分としてアルキル鎖を含む構成要素の部分は、好ましい鎖の長さを含む上記のアルキルについての定義に準じて定義され、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレンである。
「2−6C−アルケニル」は、2から6個の炭素原子、特に2個もしくは3個の炭素原子(「2−3−C−アルケニル」)を有する直鎖もしくは分岐アルケニル基である。例には、ブタ−2−エンイル、ブタ−3−エンイル(ホモアリル)、プロパ−1−エンイル、プロパ−2−エンイル(アリル)およびエテニル(ビニル)基がある。
本発明の意味の範囲内の「ハロゲン」は、ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素であり、好ましくは本発明の意味の範囲内の「ハロゲン」は塩素またはフッ素である。
「1−6C−ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素がハロゲン原子によって置換されている1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子(1−4C−ハロアルキル)、より好ましくは1から3個の炭素原子(1−3C−ハロアルキル)を有する直鎖もしくは分岐アルキル基である。例としては、クロロメチルまたは2−ブロモエチルである。部分フッ素化または完全フッ素化されたC1−C4−アルキル基については、次の部分フッ素化もしくは完全フッ素化された基が考えられ、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、およびペンタフルオロエチルであり、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、または1,1,1−トリフルオロエチルが好ましい。全ての可能な部分フッ素化もしくは完全フッ素化1−6C−アルキル基が、1−6C−ハロアルキルという用語に包含されるものと考えられる。
「1−6C−ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基によって置換されている1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子(1−4C−ヒドロキシアルキル)、より好ましくは1から3個の炭素原子(1−3C−ヒドロキシアルキル)を有する直鎖もしくは分岐アルキル基である。例としては、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピルである。
「1−6C−アルコキシ」は、酸素原子に加えて、1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子(1−4C−アルコキシ)、より好ましくは1から3個の炭素原子(1−3C−アルコキシ)を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を含む基を表す。挙げることができる例は、ヘキソキシ基、ペントキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、エトキシ基およびメトキシ基であり、好ましいのはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシである。アルコキシ基が置換されていても良い場合、(c1)から(c7)と定義された置換基を、化学的に好適であるアルコキシ(alkyoxy)基の炭素原子に位置するものであることができる。
「1−6C−ハロアルコキシ」は、酸素原子に加えて、少なくとも1個の水素がハロゲン原子によって置換されている1から6個の炭素原子、好ましくは1から4個の炭素原子(1−4C−ハロアルコキシ)、より好ましくは1から3個の炭素原子(1−3C−ハロアルコキシ)を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を含む基を表す。例としては、−O−CFH、−O−CFH、−O−CF、−O−CH−CFH、−O−CH−CFH、−O−CH−CFがある。
「3−6C−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル、好ましくはシクロプロピルを表す。
「ヘテロアリール」という用語は、5員ヘテロアリール基フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルまたは1,2,3−トリアゾリル)、チアジアゾリル(1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリルまたは1,2,4−チアジアゾリル)およびオキサジアゾリル(1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリルまたは1,2,4−オキサジアゾリル)、ならびに6員ヘテロアリール基ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニルならびに例えばフタリジル−、チオフタリジル−、インドリル−、イソインドリル−、ジヒドロインドリル−、ジヒドロイソインドリル−、インダゾリル−、ベンゾチアゾリル−、ベンゾフラニル−、ベンズイミダゾリル−、ベンゾオキサジノニル−、キノリニル−、イソキノリニル−、キナゾリニル−、キノキザリニル−、シンノリニル−、フタラジニル−、1,7−もしくは1,8−ナフチリジニル−.クマリニル−、イソクマリニル−、インドリジニル−、イソベンゾフラニル−、アザインドリル−、アザイソインドリル−、フラノピリジル−、フラノピリミジニル−、フラノピラジニル−、フラノピリダジニル−などの縮合環系(好ましい縮合環系はインダゾリルである。)を含む(これらに限定されるものではない)単環式の5員もしくは6員芳香族複素環部分または縮合二環式芳香族部分を表す。好ましい5員もしくは6員ヘテロアリール基は、フラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、ただしピリジン−4−イルは含まれない。より具体的な6員ヘテロアリール基は、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、.ピリミジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルである。
説明および請求項で使用される複素環の名称に関して疑問がある場合は、実験の部に開示の構造式が優先されるものとする。
概して、そして別段の断りがない限り、ヘテロアリール基またはヘテロアリーレン基は、それの全ての可能な異性体型、例えばそれの位置異性体を含む。従って、一部の例示的で非限定的な例では、ピリジニルまたはピリジニレンという用語は、ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イレン、ピリジン−3−イル、ピリジン−3−イレン、ピリジン−4−イルおよびピリジン−4−イレンを含む。
本明細書で言及されるヘテロアリール基、ヘテロアリーレン基または複素環基は、別段の断りがない限り、いずれか可能な位置、例えばいずれか置換可能な環炭素もしくは環窒素原子で、所定の置換基または親分子基によって置換されていても良い。同様に、ヘテロアリールまたは複素環基が化学的に好適である場合にいずれか好適な原子を介して分子の残りの部分に結合することが可能であることは明らかである。別段の断りがない限り、本明細書に記載の満たされない原子価を有するヘテロアリール環またはヘテロアリーレン環のヘテロ原子は、原子価を満たすために水素原子を有すると仮定される。別段の断りがない限り、四級化可能なアミノ型もしくはイミノ型環窒素原子(−N=)を含む環は好ましくは、これらのアミノ型もしくはイミノ型環窒素原子上で、言及される置換基または親分子基によって四級化できない。
NR10基には、例えば、NH、N(H)CH、N(CH、N(H)CHCHおよびN(CH)CHCHなどがある。
C(O)NR1112基には、例えば、C(O)NH、C(O)N(H)CH、C(O)N(CH、C(O)N(H)CHCH、C(O)N(CH)CHCHまたはC(O)N(CHCHなどがある。R11またはR12が水素ではない場合、それらはヒドロキシによって置換されていても良い。
C(O)OR13基には、例えばC(O)OH、C(O)OCH、C(O)OC、C(O)OC、C(O)OCH(CH、C(O)OCなどがある。
本発明の化合物の特性の文脈において、「薬物動態プロファイル」という用語は、好適な実験によって測定される、透過性、生物学的利用能、曝露、そして薬理効果の期間もしくは強さなどの薬力学パラメータなどの一つの単独のパラメータまたはそれらの組み合わせを意味する。改善された薬物動態プロファイルを有する化合物は、例えば、同じ効果を得るのにより低い用量で用いることができ、より長い作用期間を達成することができ、または両方の効果の組み合わせを達成することができる。
本発明による化合物の塩には、全ての無機酸および有機酸付加塩ならびに塩基との塩、特別には全ての医薬として許容される無機および有機酸付加塩ならびに塩基との塩、特には薬学において通常使用される全ての医薬として許容される無機および有機酸付加塩ならびに塩基との塩などがある。
本発明の1態様は、全ての無機および有機酸付加塩、特別には全ての医薬として許容される無機および有機酸付加塩、特には薬学において通常使用される全ての医薬として許容される無機および有機酸付加塩などの本発明による化合物の塩である。本発明の別の態様は、ジカルボン酸およびトリカルボン酸との塩である。
酸付加塩の例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、D−グルコン酸塩、安息香酸塩、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸塩、酪酸塩、サリチル酸塩、スルホサリチル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、ピルビン酸塩、アセト酢酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩およびトリフルオロ酢酸塩などがあるが、これらに限定されるものではない。
塩基との塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、チタン塩、メグルミン塩、アンモニウム塩、NHまたは例えばエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチルジイソプロピルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジメチルアミノエタノール塩、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N−メチルモルホリン塩、アルギニン塩、リシン塩、エチレンジアミン塩、N−メチルピペリジン塩およびグアニジウム塩などの1から16個のC−原子を有する有機アミン類から誘導されても良い塩などがあるが、これらに限定されるものではない。
塩には、水不溶性塩および特には水溶性塩が含まれる。
本説明において、特に実験の部において、本発明の中間体および実施例の合成に関して、化合物が相当する塩基もしくは酸との塩型として言及される場合、個々の製造方法および/または精製方法によって得られる前記塩型の正確な化学量論的組成は、ほとんどの場合で未知である。
別段の断りがない限り、例えば「塩酸塩」、「トリフルオロ酢酸塩」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCFCOOH」、「xNa」などの化学名および構造式への接尾辞は、化学量論的特定として理解すべきではなく、単に塩型として理解すべきである。
記載の製造方法および/または精製方法によって、合成中間体または実施例化合物もしくはそれの塩が(規定されている場合)化学量論的組成が未知の溶媒和物、例えば水和物として得られた場合にも、同様にこれは当てはまる。
当業者によれば、本発明による式(I)の化合物ならびにそれの塩は、例えば結晶形態で単離された場合、多様な量の溶媒を含むことができる。従って、本発明による式(I)の化合物の全ての溶媒和物、特に全ての水和物ならびに本発明による式(I)の化合物の塩類の全ての溶媒和物、特に全ての水和物が本発明の範囲に包含される。
本発明における「組み合わせ」という用語は、当業者に知られているように使用され、固定された組み合わせ、固定されていない組み合わせまたはキット・オブ・パーツとして提供され得る。
本発明における「固定された組み合わせ」は当業者に知られているように使用され、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が一つの単位用量中にまたは単一の物に一緒に存在する組み合わせと定義される。「固定された組み合わせ」の1例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が同時投与のために混合されて、例えば一つの製剤で存在する医薬組成物である。「固定された組み合わせ」の別の例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が混合されずに1単位で存在する医薬組み合わせである。
本発明における「固定されていない組み合わせ剤」または「キット・オブ・パーツ」は当業者に知られているように使用され、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が複数のユニットで存在する組み合わせと定義される。固定されていない組み合わせまたはキット・オブ・パーツの一つの例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が別々に存在する組み合わせである。固定されていない組み合わせまたはキット・オブ・パーツの構成成分は、別個に、順次に、同時に、一挙にまたは経時的に交互に投与することができる。
本発明の式(I)の化合物と下記で定義の抗癌剤とのそのような組み合わせは、特に下記で挙げた化合物のいずれかと組み合わせて、本発明の実施形態である。
「化学療法抗癌剤」という用語は、131I−chTNT、アバレリクス、アビラテロン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビスアントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、エクリズマブ、エドレコロマブ、エリプチニウムアセテート、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、ガリウムニトレート、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルトキシム(glutoxim)、ゴセレリン、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルボアミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イピリムマブ、イリノテカン、イクサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、レナリドマイド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ネララビン、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、オファツムマブ、オメプラゾール、オプレルベキン、オキサリプラチン、p53遺伝子治療、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガスパルガーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピシバニール、ピラルビシン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、ポリエストラジオールホスフェート、ポリサッカリドK、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、キナゴリド、ラジウム−223クロライド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、サルグラモスチム、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリプトレリン、トロホスファミド、トリプトファン、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム−90ガラスマイクロスフェア類、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシンを含むが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、互変異体として存在し得る。例えば、ヘテロアリール基としてピラゾール部分を含む本発明の化合物は例えば、1H互変異体もしくは2H互変異体、またはいずれかの量でのその二つの互変異体の混合物として存在することができ、例えばトリアゾール部分は、1H互変異体、2H互変異体もしくは4H互変異体、またはいずれかの量での前記1H、2Hおよび4H互変異体の混合物として存在し得る。そのような化合物の他の例は、互変異型として存在し得るヒドロキシピリジン類およびヒドロキシピリミジン類である。
Figure 2016522232
本発明の別の実施形態は、単一の互変異体として、またはいずれかの比率での前記互変異体の混合物としての本発明の化合物の全ての可能な互変異体である。
構造に応じて、本発明による化合物は、異なる立体異性体型で存在することができる。それらの形態には、立体配置異性体または適宜に立体配座異性体などがある(アトロプ異性体のものも含むエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)。従って本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ならびにそれらの混合物を包含する。そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、当業界で公知の方法、好ましくはクロマトグラフィー法によって、特別にはアキラル相またはキラル相を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、純粋な立体異性体型を単離することができる。本発明はさらに、ラセミ体など、比率とは無関係に上記で言及した立体異性体の全ての混合物を含むものである。
本発明による化合物および塩の一部は、各種結晶形態(多形)で存在することができ、それらは本発明の範囲に包含される。
さらに、本発明は、単独の多形体としての、またはいずれかの比率での複数の多形体の混合物としての、本発明の化合物の全ての結晶形態または多形体を包含する。
さらに、生体系で式(I)の化合物またはそれの塩に変換される式(I)の化合物の誘導体およびそれの塩(生体前駆体またはプロドラッグ)が、本発明に包含される。前記生体系は、例えば哺乳動物、特にヒト対象者である。生体前駆体は、例えば代謝プロセスにより式(I)の化合物またはそれの塩に変換される。
本発明はまた、本発明の化合物の全ての好適な同位体形態を包含する。本発明の化合物の同位体形態は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが自然界で通常もしくは支配的に見られる原子質量と異なる原子質量を有する原子によって置き換わっているものと定義される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えばそれぞれH(重水素)、H(三重水素)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iなどがある。本発明の化合物のある種の同位体形態、例えばHまたは14Cなどの1以上の放射性同位体が組み込まれているものは、薬剤および/または基質の組織分布研究において有用である。三重水素化同位体および炭素−14、すなわち14C同位体が、製造の容易さおよび検出性において特に好ましい。さらに、重水素などの同位体による置換が、より高い代謝安定性、例えばイン・ビボ半減期の増加もしくは必要用量の低減から生じるある種の治療的利点を提供する可能性があり、従って状況によっては好ましいものであり得る。本発明の化合物の同位体形態は通常、当業者に公知の従来の手順によって、例えば好適な試薬の適切な同位体形態を用いて、例示の方法により、または後述する実施例に記載の製造によって製造することができる。
前記本発明の化合物が驚くべきかつ有利な特性を有することが認められており、それが本発明の基礎を構成する。
特に、前記本発明の化合物は、驚くべきことに、Bub1キナーゼを効果的に阻害することが認められたことから、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答、もしくは不適切な細胞炎症応答による疾患または制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答が付随する疾患、特に、例えば血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移腫瘍のような頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍のような胸部の腫瘍、消化管腫瘍、内分泌腺腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍のような泌尿器腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはそれらの転移のような、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答にBub1キナーゼが介在する疾患の治療または予防に用いることができる。
本明細書に記載の式(I)の化合物の合成に使用される中間体、ならびに本明細書に記載の式(I)の化合物の合成におけるそれらの使用は、本発明の一つのさらに別の態様である。好ましい中間体は、下記で開示の中間体例である。
一般的手順
本発明による化合物は、下記の図式1から20に従って製造することができる。
下記に記載の図式および手順は、本発明の一般式(I)の化合物の合成経路を説明するものであり、限定するものではない。図式に例示された変換の順序は多様な形で変更可能であることは当業者には明らかである。従って、図式で例示される変換の順序は限定的なものではない。さらに、置換基R、R、R、R、R、R、RまたはRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
一般式(Ia)の化合物の一つの製造経路を図式1に記載している。
図式1(R=Oアルキルの場合)
Figure 2016522232
図式1:R、R、R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(Ia)の化合物の製造経路。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。Rはアルキルを表す。
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
化合物A、B、およびCは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。
好適に置換されたベンジルヒドラジン(A)は例えば酢酸およびジオキサンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で、好適に置換されたオキサル酢酸エステル(B)と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(1−1)の1−ベンジル−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エステル中間体を得る。副生成物として、メチルまたはエチルエーテル1−18を単離することができる。
一般式(1−1)の中間体は、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばアセトンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばヨードメタンなどの好適なアルキル化剤との反応によって一般式(1−2)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−2)の中間体を、例えばトルエンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で市販のトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで製造される試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、例えばメタノールなどの好適な溶媒系で反応停止して、所望の一般式(1−3a)の中間体を形成する。
一般式(1−3a)の中間体は、例えばピペリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えば3−メチルブタン−1−オールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなどの一般式(1−4)の好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリルと反応させることで一般式(1−5a)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5a)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ia)の化合物を得る。あるいは、次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは、一般式(1−5a)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミジン−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応を室温で行って、一般式(Ia)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5a)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応を90℃で行って、一般式(Ia)の化合物を得る。
図式2(R=アルケニルまたはシクロアルキルの場合)
Figure 2016522232
図式2:R、R、R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(Ib)の化合物の製造経路。XはF、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。ORは例えばトリフルオロメチルスルホネートなどの脱離基を表す。
さらに、置換基R、R、R、R、R、およびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
化合物Cは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。
一般式(1−1)の中間体を、例えばピリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えば無水トリフ酸などの好適なスルホン酸誘導体と反応させることで一般式(1−6)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−6)の中間体を、例えば炭酸ナトリウムなどの好適な塩基および例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1,2−ジメトキシエタン(ethan)などの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばシクロプロピルボロン酸などのボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることで、一般式(1−7a)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は75℃で行う。
一般式(1−7a)の中間体を、例えばトルエンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、市販のトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで製造される試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃でで行い、例えばメタノールなどの好適な溶媒系で反応停止して、所望の一般式(1−3b)の中間体を形成する。
一般式(1−3b)の中間体を、例えばピペリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えば3−メチルブタン−1−オールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなどの一般式(1−4)の好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリルと反応させることで、一般式(1−5b)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5b)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ib)の化合物を得る。あるいは次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミリン(pyrimirine)−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Ib)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ib)の化合物を得る。
図式3(R=N(アルキル)の場合)
Figure 2016522232
図式3:R、R、R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(Ic)の化合物の製造経路。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。RおよびRは、アルキル基、特別には1−4Cアルキルを表し、アルキル残基は同一でも異なっていても良い。
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
化合物Cは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。
中間体(1−8)は、Bioorg Med Chem Lett, 2001, 11/6, 781−784に描かれた手順に従って製造することができる。
一般式(1−8)の中間体を、例えば水素化リチウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばヨードメタンなどの好適なアルキル化剤と反応させることで、一般式(1−9)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−9)の中間体を、例えばメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、アンモニアと反応させることで、一般式(1−10)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は50℃、0.1から1MPa(1から10バール)の圧力下で行い、好ましくはその反応は密閉容器中で行う。
一般式(1−10)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、例えばピリジンなどの好適な塩基の存在下に、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、無水トリフ酸で処理し、好ましくはその反応を室温で行って、所望の一般式(1−11)の中間体を形成する。
一般式(1−11)の中間体を、例えばメタノールなどの相当するアルコールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばナトリウムメタノレートなどの好適なアルコラートと反応させ(好ましくはその反応は室温で行う。)、次に、例えば酢酸などの好適な酸の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば塩化アンモニウムなどの好適なアンモニウム源で処理する(好ましくはその反応は50℃で行う。)ことで、一般式(1−3c)の中間体に変換することができる。
一般式(1−3c)の中間体を、例えばピペリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えば3−メチルブタン−1−オールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなどの一般式(1−4)の好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリルと反応させることで、一般式(1−5c)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5c)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ic)の化合物を得る。あるいは次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは一般式(1−5c)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミジン−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応を室温で行って、一般式(Ic)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5c)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ic)の化合物を得る。
がNRである一般式(1−30)の中間体を、図式3aに描いた手順に従って化合物(K)から合成することができる。
図式3a(R=N(アルキル)の場合)
Figure 2016522232
図式3a:R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(1−30)の中間体の製造経路。Xは′F、Cl、Br、Iまたはスルホネートを表す。RおよびRは、アルキル基、特別には1−4C−アルキルを表し、そのアルキル残基は同一であっても異なっていても良い。
さらに、置換基R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999を参照)。具体例について、後の段落で説明する。
化合物GおよびKは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。
カルボン酸官能基を有する好適に置換されたピラゾール(K)を、例えばテトラヒドロフランおよびメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の範囲の温度で、例えば(トリメチルシリル)ジアゾメタン)などの好適にメチル化もしくはエチル化する試薬でエステル化することができ、好ましくはその反応は0℃でで行って、一般式(1−27)の中間体を得る。
一般式(1−27)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばベンジルブロマイドなどの一般式(G)の好適に置換されたベンジルハライドまたはベンジルスルホネートと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−28)の化合物を得る。
一般式(1−28)の中間体を、例えばメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばラネーニッケルおよびヒドラジン水和物などの好適な還元剤と反応させることで一般式(1−29)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−29)の中間体を、例えば水素化リチウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばヨードメタンなどの好適なアルキル化剤と反応させることで一般式(1−30)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
あるいは、一般式(1−29)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばホルムアルデヒド、パラジウム/活性炭および水素などの還元的アミノ化条件によってアルキル化して、一般式(1−30)の中間体とすることができ、好ましくはその反応は室温で行う。
図式1から3、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−30)の中間体を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
図式3b(R=ハロゲンの場合)
Figure 2016522232
図式3b:R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(1−31)の化合物の製造経路。Rは水素、アルキルまたはシクロアルキルの意味を有し、X″はフルオロ、クロロまたはブロモの意味を有する。
化合物Gは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。X′は例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表し、またはXは、例えばp−トルエンスルホネートなどのアリールスルホネート、または例えばメタンスルホネートもしくはトリフルオロメタンスルホネートなどのアルキルスルホネートを表す。
式LおよびMの化合物は市販されているか、文献に記載されており(例えばCAS登録番号:881668−70−8、1378271−66−9、1301742−22−2、115964−19−7、1301754−03−9、1416371−96−4、1328893−16−8、1328893−17−9、1392208−46−6、13745−16−9、1092791−47−3、929554−40−5)、または当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
式Lの化合物を、例えばテトラヒドロフランおよびメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、例えば(トリメチルシリル)ジアゾメタン)などの好適にメチル化もしくはエチル化する試薬でエステル化することができ、好ましくはその反応は0℃で行って、一般式(M)の中間体を得る。
図式3aに描いた方法により、一般式Mの化合物を、一般式(1−31)の中間体に変換することができる。
図式1から3、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−31)の中間体を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
図式3c(R=シアノの場合)
Figure 2016522232
図式3c:R、R、R、R、R、およびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(1−33)の化合物の製造経路。X″は、フルオロ、クロロまたはブロモの意味を有する。
さらに、置換基R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
図式1、2、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−31)の中間体を、一般式(1−32)の化合物に変換することができる。
一般式(1−32)の中間体を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばシアン化銅(I)などの好適な試薬と反応させることで一般式(1−33)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は150℃で行う。
図式1から3、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−32)の中間体を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
図式3d(R=水素、アルキルまたはシクロアルキル、およびR=ハロゲンの場合)
Figure 2016522232
図式3d:R、R、R、およびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(1−34)の化合物の製造経路。Rは、水素、アルキルまたはシクロアルキルの意味を有し、X″は、フルオロ、クロロまたはブロモの意味を有する。
化合物Gは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。具体例について、後の段落で説明する。X′は例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表し、またはXは、例えばp−トルエンスルホネートなどのアリールスルホネート、または例えばメタンスルホネートもしくはトリフルオロメタンスルホネートなどのアルキルスルホネートを表す。
式Nの化合物は、市販されているか、文献に記載されており(例えば、CAS登録番号:1291177−21−3、1281872−47−6、1232838−31−1、1005584−90−6、681034−80−0)、または当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
図式3aで描いた方法によって、式Nの化合物を、一般式(1−34)の中間体に変換することができる。
図式1から3、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−34)の中間体を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
図式3e(R=シアノの場合)
Figure 2016522232
図式3e:R、R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(1−36)の化合物の製造経路。X″は、フルオロ、クロロまたはブロモの意味を有する。
さらに、置換基R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
図式1、2、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−34)の中間体を、一般式(1−35)の化合物に変換することができる。
一般式(1−35)の中間体を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばシアン化銅(I)などの好適な試薬と反応させることで一般式(1−36)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は150℃で行う。
図式1から3、4、13および14に描いた方法により、一般式(1−36)の中間体を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
図式4に描いた手順に従って、一般式(Id)の化合物を合成することができる。
図式4
Figure 2016522232
図式4:R、R、R、R、R、R、Rおよびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(Id)の化合物の別途製造経路。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。
X′は、F、Cl、Br、Iまたはスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネートまたはp−トルオールスルホネートを表す。
さらに、置換基R、R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、以下の段落で説明する。
化合物C、D、E、FおよびGは、市販されているか、下記で言及のような当業者に理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
一般式Dの中間体を、例えばジエチルエーテルなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、例えばブロモ(エチル)マグネシウムなどの好適な有機金属化合物と反応させることで一般式(1−12)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は還流下に行う。
一般式(1−12)の中間体を、例えばビス−(トリメチルシリル)リチウムアミドなどの好適な塩基の存在下に、例えばジエチルエーテルなどの好適な溶媒系中、−78℃から室温の温度で、例えばジエチルオキサレートなどの好適なオキサレート(E)と反応させることで一般式(1−13)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−13)の化合物を、例えばエタノールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、ヒドラジンカルボン酸tert−ブチル(F)で処理することで一般式(1−14)の中間体に変換し、好ましくはその反応は個々の溶媒の沸点で行う。
一般式(1−14)の化合物を、例えばジオキサンなどの好適な溶媒系中、0℃から室温の温度範囲で、例えば塩酸などの酸性条件下での反応により、一般式(1−15)の中間体に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
あるいは、一般式(1−13)の化合物を、例えばエタノールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、ヒドラジンで処理することで直接一般式(1−15)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は個々の溶媒の沸点で行う。
あるいは、一般式(1−15)の化合物は、相当するカルボン酸から製造することができる。いくつかの例において、これらの酸ならびに一般式(1−15)の化合物は市販されている。
一般式(1−15)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えばベンジルブロマイドなどの一般式(G)の好適に置換されたベンジルハライドまたはベンジルスルホネートと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−7a)の化合物を得る。
一般式(1−7a)の中間体を、例えばトルエンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、市販のトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで製造される試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、例えばメタノールなどの好適な溶媒系で反応停止して、所望の一般式(1−3b)の中間体を形成する。
一般式(1−3b)の中間体を、例えばピペリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えば3−メチルブタン−1−オールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなどの一般式(1−4)の好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリルと反応させることで一般式(1−5b)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5b)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Id)の化合物を得る。あるいは次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミジン−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Id)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ib)の化合物を得る。
別法として、一般式(Id)の化合物は、図式5に描いた手順に従って脱ベンジル化およびそれに続くベンジル化を介して、R=メトキシもしくはエトキシである式(Id)の化合物である他の一般式(Id−1)の化合物から合成することができる。
図式5
Figure 2016522232
図式5:R、R、R、R、R、R、R、およびnが上記で一般式(I)について提供される意味を有する一般式(Id)の化合物の製造経路。X′はF、Cl、Br、Iまたはスルホネートを表す。さらに、置換基R、R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
化合物Gは、市販されているか、下記で上記図式1に言及するように当業者に理解できるように、パブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
一般式(Id−1)の化合物を、例えばジクロロエタンなどの好適な溶媒中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばトリフルオロ酢酸およびトリフルオロメタンスルホン酸の混合物などの好適な酸系で処理することで一般式(1−16)の中間体に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−16)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばベンジルブロマイドなどの一般式(G)の好適に置換されたベンジルハライドまたはベンジルスルホネートと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Id)の化合物を得る。
一般式(Ie)、(Ie−1)および(If)の化合物は、図式6に描いた手順に従ってR=メトキシである式(Ib)の化合物である一般式(Id−2)の化合物から合成することができる。
図式6
Figure 2016522232
図式6:一般式(Id−2)の化合物の脱メチル化による一般式(Ie)の化合物の取得およびその後のエーテル化による一般式(If)の化合物(R、R、R、R、R、R、R、およびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)の取得による一般式(If)の化合物の製造方法。さらに、置換基R、R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
一般式Hの化合物は市販されており、Xは例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表し、またはXは例えばp−トルエンスルホネートなどのアリールスルホネート、または例えばメタンスルホネートもしくはトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート基)などのアルキルスルホネートを表す。Rはアルキル(OH、NR10、SR14、S(O)NR10で置換されていても良い)を表す。
一般式(Id−2)の化合物を、例えば1−メチルピロリジン−2−オンなどの好適な溶媒中、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばベンゼンチオールなどの好適な脱メチル化剤で処理することで一般式(Ie)の化合物に変換し、好ましくはその反応は190℃で行う。RおよびRがフッ素である場合、副生成物(Ie−1)を単離することができる。
次に、一般式(Ie)の化合物を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、上記のように一般式(H)の化合物と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(If)の化合物を得る。
図式8に描いた手順に従って、一般式(Ie)の化合物を一般式(Ii)の化合物に変換することができる。
図式8
この手順の段階2の際に、残基は、修飾、例えば還元を受ける可能性があると考えられる。
Figure 2016522232
図式8:一般式(Id−3)の中間体を介した一般式(Ie)の化合物の一般式(Ii)の化合物への変換方法(R、R、R、R、R、R、およびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。O−R″′は、好適な脱離基、例えばトリフルオロメチルスルホネート基、またはノナフルオロブチルスルホニルオキシ基を表す。
さらに、置換基R、R、R、R、RまたはRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例を、下記の段落で説明する。
一般式(Ie)の化合物を、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒中、例えばピリジンなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば無水トリフルオロメタンスルホン酸または1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフルオリドなどの好適なスルホン酸誘導体と反応させることで一般式(Id−3)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
次に、一般式(Id−3)の中間体を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒中、例えばプロパン−1,3−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子とともに例えば酢酸パラジウム(II)などの好適なPd触媒の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばトリエチルシランなどの好適な水素化物源と反応させることができ、好ましくはその反応は60℃で行って、一般式(Ii)の化合物を得る。
図式9に描いた手順に従って、R=水素である式(Id)の化合物である一般式(Ii)の化合物を、一般式(IjおよびIk)の化合物に変換することができる。
図式9
Figure 2016522232
図式9:一般式(Ii)の化合物の一般式(Ik)および(Ij)の化合物への変換方法(R、R、R、R、R、Rおよびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。R5aは2−6C−ヒドロキシアルキルを表し、
XはF、Cl、Br、Iまたはスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネートまたはp−トルオールスルホネートを表す。
5bは、−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)などのアシル部分を表し、Zはハロゲン、ヒドロキシまたは−O−R5bを表す。
さらに、置換基R、R、R、R、R5a、R5b、R、RまたはRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。下記の段落で、具体例について説明する。
一般式(Ii)の化合物を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、例えば炭酸セシウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば1,3,2−ジオキサチオラン2−オキサイドなどの好適なハロアルキルまたはジオキサチオラン2−オキサイドと反応させることで一般式(Ij)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は60℃で行う。
一般式(Ii)の化合物を、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒中、例えばN,N−ジエチルエタンアミンなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばカルボン酸クロライドなどのカルボン酸ハロゲニドまたはカルボン酸無水物などの好適な炭酸誘導体と反応させることで一般式(Ik)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
図式10に描いた手順に従って、一般式(1−17)の化合物を一般式(1−4)の化合物に変換することができる。
図式10
Figure 2016522232
図式10:一般式(I−17)の化合物の一般式(1−4)の化合物への変換方法(Rは一般式(I)について提供された意味を有する。)。
一般式(1−17)の化合物を、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばメトキシアセトニトリルなどの好適な置換されたシアノアルキルと反応させることで一般式(1−4)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は80℃で行う。
図式11に描いた手順に従って、一般式(1−19)の化合物を、一般式(G)の化合物に変換することができる。
図式11
Figure 2016522232
図式11:一般式(1−19)の化合物の一般式(G)の化合物への変換方法(R、R、Rおよびnは一般式(I)について提供された意味を有する。)。X′は、F、Cl、Br、Iまたはスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネートまたはp−トルオールスルホネートを表す。
一般式(1−19)の化合物を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、−78℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えばボランなどの好適な還元剤と反応させることで一般式(1−20)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−20)の化合物を、例えば酸性酸(acidic acid)などの好適な溶媒中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えば臭化水素などの好適なハロゲン化剤もしくはスルホニル化剤と反応させることで一般式(G)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
図式12に描いた手順に従って、一般式(1−21)の化合物を、一般式(1−23)の化合物に変換することができる。
図式12
Figure 2016522232
図式12:一般式(1−21)の化合物の一般式(1−23)の化合物への変換方法(RおよびRは一般式(I)について提供された意味を有する。)。X′はF、Cl、Br、Iまたはスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネートまたはp−トルオールスルホネートを表す。
一般式(1−21)の化合物を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、例えば炭酸セシウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で例えばクロロ(ジフルオロ)酢酸ナトリウムなどの好適なジフルオロメチル化剤(agend)と反応させることで一般式(1−22)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−22)の化合物を、例えば酸性酸(acidic acid)などの好適な溶媒中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えば臭化水素などの好適なハロゲン化剤もしくはスルホニル化剤と反応させることで一般式(1−23)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
図式13に描いた手順に従って、一般式(1−7b)の化合物を、一般式(Id−4)の化合物に変換することができる。
図式13
Figure 2016522232
図式13:一般式(Id−4)の化合物の別途製造経路(R、R、R、R、RおよびRは上記の一般式(I)について提供された意味を有する。)。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。
X″は、Cl、Br、Iまたはスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネートを表す。
は、アルキル、シクロアルキルまたはアルケニルを表す。
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基およびそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。下記の段落で、具体例について説明する。
化合物Cは市販されているか、下記で言及のように当業者に理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
一般式(1−7b)の中間体を、例えば炭酸ナトリウムなどの好適な塩基および例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1,2−ジメトキシエタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばシクロプロピルボロン酸などのボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることで一般式(1−7c)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は75℃で行う。
一般式(1−7c)の中間体を、例えばトルエンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度で、市販のトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで製造される試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、例えばメタノールなどの好適な溶媒系で反応停止して、所望の一般式(1−3d)の中間体を形成する。
一般式(1−3d)の中間体を、例えばピペリジンなどの好適な塩基の存在下に、例えば3−メチルブタン−1−オールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなどの一般式(1−4)の好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリルと反応させることで一般式(1−5d)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5d)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Id−4)の化合物を得る。あるいは次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは一般式(1−5d)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミジン−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応を室温で行って、一般式(Id−4)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5d)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Id−4)の化合物を得る。
図式14に描いた手順に従って、一般式(1−3b)の化合物を、一般式(Id)の化合物に変換することができる。
図式14
Figure 2016522232
図式14:一般式(Id)の化合物の別途製造経路(R、R、R、R、R、R、Rおよびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸または例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)などのボロン酸エステルを表す。
さらに、置換基R、R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基およびそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。下記の段落で、具体例について説明する。
化合物Cは市販されているか、下記で言及のように当業者に理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
一般式(1−3b)の中間体を、例えばナトリウムメタノレートなどの好適な塩基の存在下に、例えばメタノールなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(エトキシメチレン)マロノニトリルなどの一般式(1−24)の好適に置換された3−メトキシアクリロニトリルと反応させることで一般式(1−5b)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は65℃で行う。
一般式(1−5b)の中間体を、例えばナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなどの好適な塩基および例えば(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなどの好適なパラジウム触媒の存在下に、例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)などの好適な配位子の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Id)の化合物を得る。あるいは次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−tert−ブチルメチルホスホニウム、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
を用いることができる。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えばトリエチルアミンなどの好適な塩基、例えばN,N−ジメチルピリジン−4−アミンなどの好適な活性化剤および例えば酢酸銅(II)などの好適な銅塩の存在下に、例えばトリクロロメタンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば(2−フルオロピリミジン−4−イル)ボロン酸などの一般式(C)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることができ、好ましくはその反応を室温で行って、一般式(Id)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−5b)の中間体を、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−フルオロピリミジンなどの一般式(C)の好適なハロゲン置換されたヘテロアリール化合物またはハロゲン置換されたアリール化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Id)の化合物を得る。
図式15に描いた手順に従って、一般式(Ie)の化合物を、一般式(Im)、(In)および(Io)の化合物に変換することができる。
図式15
Figure 2016522232
図式15:一般式(Im)、(In)および(Io)の化合物の製造方法(R、R、R、R、R、R、R14およびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。pは1から6の整数を表す。さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
一般式(J)の化合物は、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。X′はF、Cl、Br、Iまたはスルホネートを表す。
一般式(Ie)の化合物を、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3−クロロプロピルメチルスルフィドなどの一般式(J)の好適なハロ−アルキル−アルキル−スルフィドと反応させることができ、好ましくはその反応は60℃で行って、一般式(1m)の化合物を得る。
一般式(Im)の化合物を、例えばクロロホルムなどの好適な溶媒中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えばメタ−クロロ過安息香酸などの好適な酸化剤で処理することで一般式(In)の化合物に変換し、好ましくはその反応は0℃で行う。
一般式(In)の化合物を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えば過酸化水素などの好適な酸化剤および試薬アゾジカルボン酸ジエチルで処理することで一般式(Io)の化合物に変換することができ、好ましくはその反応は50℃で行う。
スルホキシイミン含有化合物は、シルフィド(silfides)のイミノ化(a)C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9、3809;b)C. Bolm et al、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2011, 21, 4888;c)J. M. Babcock、US特許公開US2009/0023782)とそれに続くN−シアノスルホキシイミン類への酸化および脱保護(a)C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9, 3809;b)J. E. G. Kemp et al, Tet. Lett. 1979, 39, 3785;c)M. R. Loso et al、US特許公開US2007/0203191;d)J. M. Babcock、US特許公開US2009/0023782.)によって、またはスルフィドのスルホキシドへの酸化(例えば:(a)M. H. Ali et al, Synthesis 1997, 764;(b)M. C. Carreno, Chem. Rev. 1995, 95, 1717;(c)I. Patel et al, Org. Proc. Res. Dev. 2002, 6, 225;(d)N. Khiar et al, Chem. Rev. 2003, 103, 3651参照)とそれに続くスルホキシドのイミノ化および脱保護(例えば:Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305参照)によって合成することができる。
図式17に描いた手順に従って、一般式(In)の化合物から一般式(Is)および(It)の化合物を合成することができる。
図式17
Figure 2016522232
図式17:一般式(Is)および(It)の化合物の製造経路(R、R、R、R、R、R、R、R14、R15およびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有し、pは1から6の整数である。)。さらに、置換基R、R、R、R、R、R、RおよびR15のいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
一般式(In)の中間体を、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えば2,2,2−トリフルオロアセトアミド、ヨード−ベンゼンジアセテートおよび酸化マグネシウムなどの好適な試薬混合物と、例えば酢酸ロジウム(II)二量体などの好適な触媒と反応させて、保護されたスルホキシイミンとすることができ、好ましくはその反応は室温で行って、保護された化合物を得る。脱保護は、好適な条件下に、例えばトリフルオロ酢酸エステルの場合には、例えばメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基などで行うことができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(It)の化合物を得る。一般式(It)のスルホキシイミンを、いくつかの方法によってN−官能化して、一般式(Is)のスルホキシイミンを得ることができる。
N−官能化スルホキシイミン類の製造については、複数の方法が知られている。
−アルキル化:例えば、a)U. Lucking et al, US 2007/0232632;b)C.R. Johnson, J. Org. Chem. 1993, 58, 1922;c)C. Bolm et al, Synthesis 2009, 10, 1601参照。
−アシル化:例えば、a)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2004, 10, 2942;b)C. Bolm et al, Synthesis 2002, 7, 879;c)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2001, 7, 1118参照。
−アリール化:例えば、a)C. Bolm et al, Tet. Lett. 1998, 39, 5731;b)C. Bolm et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 169;c)C. Bolm et al, Synthesis 2000, 7, 911;d)C. Bolm et al, J. Org. Chem. 2005, 70, 2346;e)U. Lucking et al, WO2007/71455参照。
−イソシアネートとの反応:例えば、a)V.J. Bauer et al, J. Org. Chem. 1966, 31, 3440;b)C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594;c)S. Allenmark et al, Acta Chem. Scand. Ser. B 1983, 325;d)U. Lucking et al, US2007/0191393参照。
−スルホニルクロライドとの反応:例えば、a)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 7369;b)C.R. Johnson et al, J. Org. Chem. 1978, 43, 4136;c)A.C. Barnes, J. Med. Chem. 1979, 22, 418;d)D. Craig et al, Tet. 1995, 51, 6071;e)U. Lucking et al, US2007/191393参照。
−クロルギ酸エステル(chloroformiates)との反応:例えば、a)P.B. Kirby et al, DE2129678;b)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 2183;c)P. Stoss et al, Chem. Ber. 1978, 111, 1453;d)U. Lucking et al, WO2005/37800参照。
図式18に描いた手順に従って、一般式(1−21)および(1−16)の化合物から、一般式(Iu)、(Iv)、(Iw)および(Ix)の化合物を合成することができる。
図式18
Figure 2016522232
図式18:一般式(Iu)、(Iv)、(Iw)および(Ix)の化合物の製造経路(R、R、R、R、R、R、R、R14およびR15は上記で一般式(I)について提供された意味を有し、pは1から6の整数を表す。)。さらに、置換基R、R、R、R、R、R、RおよびR15のいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。具体例について、後の段落で説明する。
一般式(J)の化合物は、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。X′はF、Cl、Br、Iまたはスルホネートを表す。
一般式(1−21)の中間体を、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば3−クロロプロピルメチルスルフィドなどの一般式(J)の好適なハロ−アルキル−アルキル−スルフィドと反応させることができ、好ましくはその反応は60℃で行って、一般式(1−25)の化合物を得る。
一般式(1−25)の中間体を、例えばジエチルエーテルなどの好適な溶媒系中、、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば臭化水素などの好適なハロゲン化試薬との反応によって、X′が脱離基を表す一般式(1−26)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−26)の中間体を得る。
一般式(1−16)の中間体を、例えばテトラヒドロフランなどの好適な溶媒系中、例えば水素化ナトリウムなどの好適な塩基の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばベンジルブロマイドなどの一般式(1−26)の好適に置換されたベンジルハライドまたはベンジルスルホネートと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Iu)の化合物を得る。
一般式(Iu)の化合物を、例えばクロロホルムなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えばメタ−クロロ過安息香酸などの好適な酸化剤で酸化することができ、好ましくはその反応は0℃で行って、一般式(Iv)の化合物を得る。
一般式(Iv)の化合物を、例えばジクロロメタンなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、例えば2,2,2−トリフルオロアセトアミド、ヨード−ベンゼンジアセテートおよび酸化マグネシウムなどの好適な試薬混合物と、例えば酢酸ロジウム(II)二量体などの好適な触媒と反応させて、保護されたスルホキシイミンとすることができ、好ましくはその反応は室温で行って、保護された化合物を得る。脱保護は、好適な条件下に、例えばトリフルオロ酢酸エステルの場合には、例えばメタノールなどの好適な溶媒系中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基などで行うことができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Ix)の化合物を得る。一般式(Ix)のスルホキシイミンを、いくつかの方法によってN−官能化して、一般式(Iw)のスルホキシイミンを得ることができる。
N−官能化スルホキシイミン類の製造については、複数の方法が知られている。
−アルキル化:例えば、a)U. Lucking et al, US 2007/0232632;b)C.R. Johnson, J. Org. Chem. 1993, 58, 1922;c)C. Bolm et al, Synthesis 2009, 10, 1601参照。
−アシル化:例えば、a)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2004, 10, 2942;b)C. Bolm et al, Synthesis 2002, 7, 879;c)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2001, 7, 1118参照。
−アリール化:例えば、a)C. Bolm et al, Tet. Lett. 1998, 39, 5731;b)C. Bolm et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 169;c)C. Bolm et al, Synthesis 2000, 7, 911;d)C. Bolm et al, J. Org. Chem. 2005, 70, 2346;e)U. Lucking et al, WO2007/71455参照。
−イソシアネートとの反応:例えば、a)V.J. Bauer et al, J. Org. Chem. 1966, 31, 3440;b)C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594;c)S. Allenmark et al, Acta Chem. Scand. Ser. B 1983, 325;d)U. Lucking et al, US2007/0191393参照。
−スルホニルクロライドとの反応:例えば、a)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 7369;b)C.R. Johnson et al, J. Org. Chem. 1978, 43, 4136;c)A.C. Barnes, J. Med. Chem. 1979, 22, 418;d)D. Craig et al, Tet. 1995, 51, 6071;e)U. Lucking et al, US2007/191393参照。
−クロルギ酸エステル(chloroformiates)との反応:例えば、a)P.B. Kirby et al, DE2129678;b)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 2183;c)P. Stoss et al, Chem. Ber. 1978, 111, 1453;d)U. Lucking et al, WO2005/37800参照。
図式19に描いた手順に従って、一般式OおよびGの化合物から一般式(Iu)の化合物を合成することができる。
図式19
Figure 2016522232
図式19:一般式(Iy)の化合物の製造方法(R、R、R、R、R、R、V、Yおよびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。さらに、置換基R、R、R、R、R、またはRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。
化合物T、G、OおよびPは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。X′は、例えばF、Cl、Br、Iまたはスルホネートなどの脱離基を表す。X″は、例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表す。具体例について、後の段落で説明する。X″′は、例えばCl、Br、Iまたはボロン酸もしくはボロン酸ピナコールエステルなどの脱離基を表す。
好適に置換されたピラゾールハロゲノイド(O)を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、例えば炭酸セシウムなどの好適な塩基の存在下に、−78℃から室温の範囲の温度で、例えばベンジルブロマイドなどの一般式(G)の好適に置換されたベンジルハライドまたはベンジルスルホネートと反応させることができ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−25)を得る。
一般式(1−25)の中間体を、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えば(1,1,−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)などの好適な触媒、および例えば臭化銅(I)などの好適な銅塩の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば4−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンなどのX″′が好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルである一般式(P)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルと反応させることで一般式(1−26)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(1−26)の化合物を得る。
あるいは、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適な触媒の存在下に、例えばジオキサンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えばヘキサメチルジスズなどの好適なスタンニル化試薬との反応によって一般式(1−25)をイン・サイツでスタンニル化合物に変換し(好ましくはその反応は100℃で行う。)、このスタンニル化合物を、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適な触媒の存在下に、例えばトルエンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば2−ブロモ−4−クロロピリミジンなどの好適なビス−ハロゲン化ヘテロアリール化合物(P)(X″′はハロゲンである。)と反応させることで一般式(1−26)の中間体に変換することで(好ましくはその反応は110℃で行う。)、一般式(1−25)の中間体を一般式(1−26)の中間体に変換することができる。
一般式(1−26)の中間体を、例えば炭酸セシウムなどの好適な塩基の存在下に、例えば4−アミノ−ピリミジンなどの一般式(T)の好適なアリール−またはヘテロアリール−アミンと反応させることができる。適宜に、例えば酢酸パラジウム(II)などの好適なパラジウム触媒、および例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)または(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)などの好適な配位子を加えることができる。その反応は、例えばジオキサンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で行い、好ましくはその反応は105℃で行って、一般式(Iy)の化合物を得る。あるいは、次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を用いることができ、次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−t−ブチルメチルホスホニウム、テトラフルオロホウ酸2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−t−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィンを加えても良い。
あるいは、一般式(1−26)の中間体を、例えば1−メチル−2−ピロリドンなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば1−エチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミンなどの一般式(T)の化合物と反応させることができ、好ましくはその反応は200℃で行って、一般式(Iy)の化合物を得る。
あるいは、図式20に描いた手順に従って、一般式(1−25)の化合物から一般式(Iy)の化合物を合成することができる。
図式20
Figure 2016522232
図式20:一般式(Iy)の化合物の製造方法(R、R、R、R、R、R、V、Yおよびnは上記で一般式(I)について提供される意味を有する。)。さらに、置換基R、R、R、R、R、またはRのいずれかの相互変換を、例示の変換の前および/または後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者には公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基ならびにそれらの導入および開裂は当業者には公知である(例えばT. W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis、3rd Edition, Wiley 1999参照)。
Xは、例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表す。X″は、例えばCl、BrもしくはIなどの脱離基を表す。具体例について、後の段落で説明する。X″′は、例えばCl、Br、I、またはボロン酸もしくはボロン酸ピナコールエステルなどの脱離基を表す。
化合物CおよびTは、市販されているか、当業者には理解できるようにパブリックドメインから入手可能な手順に従って製造することができる。
一般式(1−25)の中間体を、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下に、例えば(1,1,−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)などの好適な触媒、および例えば臭化銅(I)などの好適な銅塩の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、一般式(T)の好適なボロン酸またはボロン酸ピナコールエステル(X″′は、例えば2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−4−アミンなどのボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルである。)と反応させることで一般式(1−30)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(1−30)の化合物を得る。
あるいは一般式(1−25)の中間体を、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライドなどの好適な触媒の存在下に、例えばヘキサブチルジスズなどの好適なスタンニル化化合物(comounds)の存在下に、例えばジオキサンなどの好適な溶媒系中、、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、例えば6−クロロピリミジン−4−アミンなどのヘテロアリール−ハロゲニド(T)と反応させることで一般式(1−30)の中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(1−30)の化合物を得る。
一般式(1−30)の中間体を、例えば炭酸セシウムなどの好適な塩基の存在下に、例えば4−クロロピリミジンなどの脱離基を有する一般式(C)の好適な置換された置換されたヘテロアリール化合物またはアリール化合物と反応させて、一般式(Iy)の化合物を得ることができる。適宜に、例えば酢酸パラジウム(II)などの好適なパラジウム触媒、および例えば1′−ビナフタレン−2,2′−ジイルビス(ジフェニルホスファン)または(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)などの好適な配位子を加えることができる。その反応は、例えばN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶媒系中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で行い、好ましくはその反応は105℃で行って、一般式(Iu)の化合物を得る。あるいは、次のパラジウム触媒:
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を用いることができ、次の配位子:
ラセミ体−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、rac−BINAP、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、テトラフルオロホウ酸ジ−t−ブチルメチルホスホニウム、テトラフルオロホウ酸2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−t−ブチルホスホニウム、トリ−2−フリルホスフィン、またはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィンを加えても良い。
出発化合物または中間体化合物に多くの反応性中心がある場合、1以上の反応中心を一時的に保護基によりブロックして、反応が所望の反応中心で特異的に進行するようにする必要があり得ることは当業者には知られている。多数の立証ずみ保護基の使用についての詳細な記載は、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1999, 3rd Ed., or in P. Kocienski, Protecting Groups, Thieme Medical Publishers, 2000にある。
本発明の化合物を、自体公知の方法で、例えば、減圧下に溶媒を蒸留し、得られた残渣を好適な溶媒から再結晶するか、それについて好適な支持材料上のクロマトグラフィーのような一般的な精製法の一つを行うことで単離および精製する。さらに、十分に塩基性または酸性の官能性を有する本発明の化合物の逆相分取HPLCは、十分に塩基性の本発明の化合物の場合、例えばトリフルオロ酢酸塩もしくはギ酸塩、または十分に酸性の本発明の化合物の場合、例えばアンモニウム塩のような塩の形成を生じ得る。この種類の塩類は、当業者に公知の各種方法によってそれぞれ、その遊離塩基型もしくは遊離酸型に変換することができ、またはその後の生物アッセイに塩として使用することができる。さらに、本発明の化合物の単離の際の乾燥工程は、特にギ酸またはトリフルオロ酢酸のような微量の共溶媒を完全には除去しないようにして、溶媒和物または包接錯体を生じさせることができる。当業者には、どの溶媒和物または包接錯体が、その後の生物アッセイでの使用に許容されるかは明らかである。理解すべき点として、本明細書に記載のように単離した本発明の化合物の特定の形態(例えば塩、遊離塩基、溶媒和物、包接錯体)は、当該化合物が、必ずしも特異的生理活性を定量するための生物アッセイに適用できる唯一の形とは限らない。
本発明による式(I)の化合物の塩は、遊離化合物を、所望の酸もしくは塩基を含む好適な溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンなどのケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランもしくはジオキサンなどのエーテル、塩化メチレンもしくはクロロホルムなどの塩素化炭化水素またはメタノール、エタノールもしくはイソプロパノールなどの低分子量脂肪族アルコール)に溶解するか、それに所望の酸もしくは塩基を加えることで得ることができる。酸または塩基を、一塩基酸もしくは多塩基酸または塩基が関与するか否かおよびどの塩が所望であるかに応じて、等モル量比またはそれと異なる比で塩製造に用いることができる。塩は、濾過、再沈殿、塩に関しての非溶媒を用いる沈殿または溶媒留去により得られる。得られた塩を遊離化合物に変換でき、それを次に、塩に変換することができる。このようにして、例えば工業的規模での製造において工程製造物として得ることができる医薬として許容されない塩を、当業者に知られる方法によって医薬として許容される塩に変換することができる。特に好ましいものは、塩酸塩および実施例の部で使用する方法である。
本発明による化合物および塩の純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーは、例えば不斉合成により、合成におけるキラル出発化合物の使用により、および合成で得たエナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物の分割により得ることができる。
エナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物を、当業者に知られる方法により純粋なエナンチオマーおよび純粋なジアステレオマーに分割できる。好ましくは、ジアステレオマー混合物を、結晶化、特に分別結晶またはクロマトグラフィーにより分割する。エナンチオマー混合物は、例えばキラル補助剤を有するジアステレオマーを形成し、得られたジアステレオマーを分割し、キラル補助剤を除去することにより分割できる。キラル補助剤として、例えば、マンデル酸などのキラル酸を用いてエナンチオマー塩基を分割することができ、そしてキラル塩基を用いて、ジアステレオマー塩の形成を介してエナンチオマー酸を分割することができる。さらに、キラル助剤としてそれぞれキラル酸またはキラルアルコールを用いて、それぞれアルコールのエナンチオマー混合物または酸のエナンチオマー混合物から、ジアステレオマーエステルなどのジアステレオマー誘導体を形成することができる。さらに、ジアステレオマー複合体またはジアステレオマー包接化合物をエナンチオマー混合物の分離に使用することができる。あるいは、エナンチオマー混合物を、クロマトグラフィーにおけるキラル分離カラムを用いて分割できる。エナンチオマーの単離のための別の好適な方法は酵素分離である。
本発明の一つの好ましい態様は、実施例による請求項1から5の化合物の製造方法である。
適宜に、式(I)の化合物をその塩に変換することができ、または適宜に、式(I)の化合物の塩を遊離化合物に変換することができる。相当する方法は当業者には一般的である。
適宜に、式(I)の化合物をそのN−オキシドに変換することができる。N−オキシドは、中間体を介して導入することもできる。ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、0℃から40℃などの好適な温度で、適当な前駆体をメタクロロ過安息香酸などの酸化剤で処理することによりN−オキシドを製造することができ、概して室温が好ましい。N−オキシド類を形成するためのさらなる相当する方法は、当業者には一般的である。
商業的有用性
上記のように、本発明の化合物は、驚くべきことに、Bub1を効果的に阻害し、最終的に細胞死、例えばアポトーシスを生じることが認められていることから、例えば良性および悪性腫瘍、より具体的には血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移、例えば白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍および脳転移などの頭頸部腫瘍、非小細胞および小細胞肺腫瘍などの胸部の腫瘍、消化器腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、腎臓、膀胱および前立腺腫瘍などの泌尿器科腫瘍、皮膚腫瘍および肉腫および/またはその転移腫瘍、
特に血液腫瘍、乳房、膀胱、骨、脳、中枢神経系および末梢神経系、子宮頚部、結腸、内分泌腺(例えば甲状腺および副腎皮質)、内分泌腫瘍、子宮内膜、食道、消化器腫瘍、胚細胞、腎臓、肝臓、肺、喉頭および下咽頭、中皮腫、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、肛門、腎臓、小腸、軟組織、胃、皮膚、精巣、輸尿管、膣および外陰の固形腫瘍および/または転移ならびに当該臓器における原発腫瘍および遠位臓器における相当する二次性腫瘍(「腫瘍転移」)などの悪性腫瘍のような、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答の疾患、または制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答を伴う疾患、特に制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適切な細胞免疫応答または不適切な細胞炎症応答にBub1が介在する疾患の治療または予防に使用することができる。血液腫瘍は、例えば進行性および緩慢性型の白血病およびリンパ腫、すなわち非ホジキン病、慢性および急性骨髄球性白血病(CML/AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫およびT細胞リンパ腫を挙げることができる。骨髄異形成症候群、血漿細胞腫瘍、新生物随伴症候群および原発部位未知の癌ならびにAIDS関連悪性腫瘍も包含される。
本発明の別の態様は、子宮頸腫瘍、乳房腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍およびメラノーマ腫瘍および/またはそれらの転移の治療、特別に好ましくはそれらの治療ならびに有効量の式(I)の化合物を投与することを含む子宮頸腫瘍、乳房腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍およびメラノーマ腫瘍および/またはそれらの転移の治療方法のための式(I)による化合物の使用である。
本発明の1態様は、子宮頸腫瘍の治療のための式(I)による化合物の使用、ならびに有効量の式(I)の化合物を投与することを含む子宮頸腫瘍の治療方法である。
従って本発明の1態様によれば、本発明は、疾患の治療または予防に使用するための、特に疾患の治療に使用するための、上記および本明細書で定義の一般式Iの化合物、または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または当該N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩、特にはそれらの医薬として許容される塩、またはそれらの混合物に関する。
従って、本発明の別の特定の態様は、過増殖性障害または細胞死、すなわちアポトーシスの誘発に応答する障害の予防または治療のための、上記の一般式Iの化合物、またはそれの立体異性体、互変異体、N−オキサイド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特には医薬として許容されるそれの塩またはそれらの混合物の使用である。
本発明の文脈の範囲内で、特に本明細書で使用される「不適切な細胞免疫応答、または不適切な細胞炎症応答」の文脈において、「不適切な」という用語は、好ましくは、正常より低いまたは正常より高い、そして当該疾患の病理に関連する、その疾患の原因となる、またはその疾患を生じる応答を意味するものと理解すべきである。
好ましくは、その使用は、疾患の治療または予防、特に治療における使用であり、その際に疾患は血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移である。
別の態様は、子宮頸腫瘍、乳房腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍およびメラノーマ腫瘍および/またはそれらの転移の治療、特別に好ましくはそれの治療のための式(I)の化合物の使用である。ある好ましい態様は、子宮頸腫瘍の予防および/または治療のための、特別に好ましくはそれの治療のための式(I)の化合物の使用である。
本発明の別の態様は、疾患の治療もしくは予防のための医薬製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物または本明細書に記載のそれの立体異性体、互変異体、N−オキサイド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にそれの医薬として許容される塩、またはそれらの混合物の使用であって、そのような疾患が過剰増殖性障害または細胞死、例えばアポトーシスの誘発に応答する障害である使用である。1実施形態において、当該疾患は血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移である。別の実施形態において、当該疾患は、子宮頸腫瘍、乳房腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍およびメラノーマ腫瘍および/またはそれらの転移である。ある好ましい態様において、当該疾患は子宮頸腫瘍である。
過増殖性障害の治療方法
本発明は、哺乳動物過増殖性障害を治療するための本発明の化合物およびそれの組成物の使用方法に関する。化合物を利用して、細胞増殖および/または細胞分裂の阻害、阻止、低減、低下などおよび/または細胞死、例えばアポトーシスを生じさせることができる。この方法は、ヒトなどの投与を必要とする哺乳動物に、本発明の化合物またはそれの医薬として許容される塩、異性体、多形体、代謝物、水和物、溶媒和物もしくはエステルなどを、障害の治療に有効な量で投与することを含む。過増殖性障害は、例えば乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響する他の過形成、良性前立腺肥大(BPH)、乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、眼球、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびその遠隔転移などの固形腫瘍である。これらの障害にはリンパ腫、肉腫および白血病などもある。
乳癌の例には、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌および非浸潤性小葉癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
気道の癌の例には、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺癌および胸膜肺芽細胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
脳の癌の例には、脳幹および視床下部神経膠腫、小脳および脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍などがあるが、これらに限定されるものではない。
男性生殖器の腫瘍には、前立腺および精巣癌などがあるが、これらに限定されるものではない。女性生殖器の腫瘍には、子宮内膜、子宮頸部、卵巣、膣および外陰部の癌、ならびに子宮の肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
消化管の腫瘍には、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺の癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
尿路の腫瘍には、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、輸尿管、尿道およびヒト乳頭腎癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
眼球の癌には、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
肝癌の例には、肝細胞癌(線維層板型異型を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および肝細胞・胆管混合型癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
皮膚癌には、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌などがあるが、これらに限定されるものではない。
頭頸部癌には、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭癌、口唇および口腔癌および扁平上皮細胞などがあるが、これらに限定されるものではない。
リンパ腫には、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
肉腫には、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫などがあるが、これらに限定されるものではない。
白血病には、急性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病およびヘアリー細胞白血病などがあるが、これらに限定されるものではない。
これらの障害はヒトで十分に特徴付けられているが、他の哺乳動物においても同様の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することで治療することができる。
本明細書を通じて記載されている「治療する」または「治療」という用語は、従来のように使用され、例えば癌などの疾患もしくは障害の状態の撲滅、軽減、低下、緩和、改善などを目的とした対象者の管理またはケアである。
キナーゼ障害の治療方法
本発明はまた卒中、心不全、肝腫大、心肥大、糖尿病、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、異種移植片拒絶反応の症状、敗血症性ショックまたは喘息など(これらに限定されるものではない)の異常マイトジェン細胞外キナーゼ活性に関連する障害の治療方法も提供する。
有効量の本発明の化合物を用いて、上記の「背景技術」セクションに記載した疾患(例えば癌)などのそのような障害を治療することができる。そうではあっても、作用機序および/またはそのキナーゼと障害との間の関係とは無関係に、そのような癌および他の疾患を本発明の化合物で治療することができる。
「異常キナーゼ活性」または「異常チロシンキナーゼ活性」という表現は、そのキナーゼをコードする遺伝子またはそれがコードするポリペチドのあらゆる異常発現または活性を含む。そのような異常活性の例には、本遺伝子またはポリペチドの過発現、遺伝子増幅、構成的に活性もしくは活動亢進キナーゼ活性を生じる変異;遺伝子変異、欠失、置換、付加などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明はまた、その塩、多形体、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えばエステル)およびそれのジアステレオマー型などの本発明の化合物の有効量を投与することを含む、キナーゼ活性、特にマイトジェン細胞外キナーゼの阻害方法も提供する。キナーゼ活性は、細胞内で(例えばイン・ビトロ)または治療を必要とする哺乳動物対象者、特にヒト患者の細胞で阻害することができる。
血管新生障害の治療方法
本発明はまた、過剰および/または異常血管形成関連の障害および疾患の治療方法も提供する。
血管形成の不適切なおよび異所性発現は、生物に対して有害であり得る。多くの病態が外来性血管の成長と関連する。これらには、例えば糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞および未熟児網膜症[Aiello et al. New Engl. J. Med. 1994, 331, 1480; Peer et al. Lab. Invest. 1995, 72, 638]、加齢黄斑変性症[AMD;Lopez et al. Invest. Opththalmol. Vis. Sci. 1996, 37, 855参照]、新生血管緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖症、血管線維腫、炎症、リウマチ性関節炎(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管再狭窄などがある。さらに、癌性組織および新生物組織に関連する血液供給増加は、増殖を助けて、急速な腫瘍拡大および転移に至る。さらに、腫瘍中の新血管およびリンパ管の成長は、異常細胞のための逃避経路を提供し、転移とその結果としての癌の拡散を助長する。従って、本発明の化合物を用いて、例えば、血管形成の阻害および/または低下、内皮細胞増殖または血管形成に関与する他の種類の現象の阻害、阻止、減少、低下などならびにそのような細胞型の細胞死、例えばアポトーシス誘発により、上記血管形成障害のいずれかを治療および/または予防することができる。
好ましくは、前記方法の疾患は、血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移である。
本発明の化合物は、特に腫瘍増殖および転移、特別には腫瘍増殖の前処置をするまたは行わない全ての適応症および段階の固形腫瘍における治療法および予防、例えば防止、特に治療法に使用できる。
本発明の化合物の医薬組成物
本発明はまた1以上の本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。これらの組成物を用いて、処置を必要とする患者に投与することにより所望の薬理効果を達成することができる。患者は、本発明に関して、特定の状態または疾患の治療を必要とするヒトなどの哺乳動物である。
従って、本発明は、医薬として許容される担体または補助剤および医薬として有効量の本発明の化合物またはそれの塩からなる医薬組成物を含む。
本発明の別の態様は、上記疾患の治療のため、特に血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移の治療のための、医薬として有効量の式(I)の化合物および医薬として許容される補助剤を含む医薬組成物である。
医薬として許容される担体または補助剤は好ましくは、担体が原因である副作用が有効成分の有益な効果を損ねないように、有効成分の有効活性と調和する濃度で患者に非毒性かつ無害である担体である。担体および補助剤は、組成物を投与に適するようにすることを助けるあらゆる種類の添加剤である。
医薬として有効量の化合物は、好ましくは処置される特定の状態に対して所期の結果を生じるまたは影響を与える量である。本発明の化合物は、当分野で公知の医薬として許容される担体または補助剤と、即時放出、遅延放出および持続放出製剤を含むあらゆる有効な慣用の単位製剤を使用して、経口投与、非経口投与、局所投与、経鼻投与、眼球投与、経耳投与、舌下投与、直腸投与、膣投与等することができる。
経口投与のために、本化合物を固体または液体製剤、例えばカプセル剤、丸薬、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、溶融物、粉剤、液剤、懸濁液または乳濁液に製剤でき、医薬組成物の製造のための当分野で公知の方法に従って製造できる。固体単位製剤は、補助剤、例えば界面活性剤、滑沢剤および不活性充填剤、例えば乳糖、ショ糖、リン酸カルシウムおよびトウモロコシデンプンを含む、通常の硬殻または軟殻ゼラチン型であることができるカプセル剤であり得る。
別の実施形態において、本発明の化合物は、慣用の錠剤基剤、例えば乳糖、ショ糖およびトウモロコシデンプンと共に、結合剤、例えばアカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン、投与後に錠剤の破壊および溶解を助けるための崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、アルギン酸、トウモロコシデンプンおよびグアーガム、トラガカントガム、アカシア、錠剤造粒の流動を改善し、錠剤物質の錠剤の型や抜き型表面への付着を防ぐための滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、錠剤の見た目を高め、患者に受け入れやすくするための色素、着色料および香味剤、例えばペパーミント、冬緑油またはサクランボ香味剤を組み合わせて打錠してよい。経口液体製剤での使用に適した添加物は、リン酸二カルシウムおよび希釈剤、例えば水およびアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールを、医薬として許容される界面活性剤、懸濁剤または乳化剤を伴いまたは伴わずに含む。種々の他の物質がコーティングとしてまたは他の方法で投与単位の物理的形態を変えるために存在してよい。例えば、錠剤、丸薬またはカプセル剤は、セラック、糖またはその両方でコーティングしてよい。
分散性粉末および顆粒は、水性懸濁液の製造に適している。それらは、有効成分を分散剤または湿展剤、懸濁剤および1種以上の保存料との混合物で提供する。適当な分散剤または湿展剤および懸濁剤は、すでに上に記載したものによって例示される。また、さらなる添加物、例えば上記甘味剤、香味剤および着色料が存在してもよい。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳濁液の形態であってよい。油相は、植物油、例えば液体パラフィンまたは複数植物油の混合物であってよい。適当な乳化剤は、(1)天然ガム、例えばアラビアガムおよびトラガカントガム、(2)天然リン脂質、例えば大豆およびレシチン、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、(4)エチレンオキシドと当該部分エステルの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってよい。乳濁液はまた、甘味剤および香味剤を含んでよい。
油性懸濁液は、有効成分を、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ごま油またはココナッツ油、または、鉱油、例えば液体パラフィンに懸濁させることによって製剤することができる。油性懸濁液は、濃化剤、例えば蜜蝋、硬パラフィンまたはセチルアルコールを含んでよい。懸濁液はまた、1種以上の保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル;1種以上の着色料;1種以上の香味剤および1種以上の甘味剤、例えばショ糖またはサッカリンを含んでよい。
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖と共に製剤することができる。このような製剤はまた、粘滑剤および保存料、例えばメチルパラベンおよびプロピルパラベン、および、香味剤および着色料を含んでよい。
本発明の化合物はまた、非経口で、すなわち、皮下に、静脈内に、眼内に、滑液嚢内に、筋肉内にまたは腹腔内に、化合物の注射用投与として、好ましくは、医薬として許容される界面活性剤、例えば石鹸または界面活性剤、懸濁剤、例えばペクチン、カルボマー、メチセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースまたは乳化剤および他の医薬補助剤を伴うまたは伴わない、滅菌液体または液体混合物、例えば水、食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、アルコール、例えばエタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール、グリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、グリセロールケタール、例えば2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル、例えばポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸グリセリドまたはアセチル化脂肪酸グリセリドであることができる生理的に許容される希釈剤と医薬担体中の化合物の注射用投与として投与し得る。
本発明の非経口製剤に使用できる油の実例は、石油由来、動物由来、植物由来または合成由来の油、例えば、落花生油、大豆油、ごま油、綿実油、コーン油、オリーブ油、石油および鉱油である。適当な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸などがある。適当な脂肪酸エステルは、例えばオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルである。適当な石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩を含み、適当な界面活性剤は、カチオン系界面活性剤、例えばハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウムおよびアルキルアミンアセテート;アニオン系界面活性剤、例えばスルホン酸アルキル、スルホン酸アリールおよびスルホン酸オレフィン、硫酸アルキル、硫酸オレフィン、硫酸エーテルおよび硫酸モノグリセリド、およびスルホスクシネート;ノニオン系界面活性剤、例えば、脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、および、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)またはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドコポリマー;および、両性界面活性剤、例えばβ−アミノプロピオン酸アルキルおよび2−アルキルイミダゾリンの4級アンモニウム塩、ならびに混合物を含む。
本発明の非経口組成物は、代表的には、約0.5重量%から約25重量%の有効成分を溶液中に含む。保存料および緩衝剤も有利に使用し得る。注射部位の刺激を最小としたり無くすために、このような組成物は、好ましくは約12から約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有するノニオン系界面活性剤を含み得る。このような製剤中の界面活性剤の量は、好ましくは、約5重量%から約15重量%の範囲である。界面活性剤は、上記HLBを有する単一の成分でも、所望のHLBを有する2種以上の成分の混合物でもよい。
非経口製剤に使用される界面活性剤の実例は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルのクラス、例えばモノオレイン酸ソルビタン、および、プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって形成されたエチレンオキシドと疎水性塩基の高分子量付加物である。
医薬組成物は、滅菌注射用水性懸濁液の形態であってよい。このような懸濁液は、既知の方法に従って、適当な分散剤または湿展剤および懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアガム;天然リン脂質、例えばレシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る分散剤または湿展剤を使用して製剤することができる。
滅菌注射用製剤はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってよい。用いられ得る希釈剤および溶媒は、例えば水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液および等張性ブドウ糖溶液である。さらに、滅菌固定油が、従来のように、溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる無刺激性固定油を用い得る。さらに、脂肪酸、例えばオレイン酸を注射剤の製造に使用できる。
本発明の組成物はまた、薬物の直腸投与のための坐薬の形態で投与してよい。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが直腸温度では液体であることから、直腸内で融解して薬物を放出する適当な非刺激性添加物と混合することによって製造できる。このような物質は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
非経口投与のための徐放製剤は、当分野で既知のリポソーム、ポリマーミクロスフェアおよびポリマーゲル製剤を含む。
医薬組成物を機械的送達を介して患者に導入することが望ましいまたは必要である場合がある。薬剤送達用の機械的送達装置の構築および使用は、当分野で周知である。例えば、薬物の脳への直接送達のための直接方法は、通常、血液脳関門を迂回するための患者の脳室系への薬物送達カテーテルの設置を含む。体の特定の解剖学的領域への薬物の輸送に使用される一つのこのような埋込可能な送達系は、米国特許第5,011,472号(1991年4月30日発行)に記載されている。
本発明の組成物はまた、必要に応じてもしくは所望により、一般的に担体または希釈剤と呼ばれる他の慣用の医薬として許容される配合成分も含み得る。このような組成物を適切な製剤で製造する慣用の方法を利用できる。このような成分および方法は、次の参考文献に記載されたものを含む:Powell, M.F. et al., ″Compendium of Excipients for Parenteral Formulations″, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998, 52(5), 238−311;Strickley, R.G, ″Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States (1999) Part 1″, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999, 53(6), 324−349;および Nema, S. et al., ″Excipients and Their Use in Injectable Products″, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997, 51(4), 166−171(それぞれ引用により本明細書に組み込まれる)。
組成物を所期の投与経路用に製剤するのに適宜使用できる一般的に使用される医薬成分は、次のものなどがある。
酸性化剤(例としては、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸などがあるが、これらに限定されるものではない。);
アルカリ化剤(例としては、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
吸着剤(例としては粉末セルロースおよび活性炭などがあるが、これらに限定されるものではない。);
エアロゾル噴霧剤(例としては、二酸化炭素、CCl、FClC−CClFおよびCClFなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
空気置換剤(例としては、窒素およびアルゴンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
抗真菌保存料(例としては、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
抗微生物保存料(例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
抗酸化剤(例としては、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
結合物質(例としては、ブロックポリマー、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコン、ポリシロキサンおよびスチレン−ブタジエンコポリマーなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
緩衝剤(例としては、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム無水物およびクエン酸ナトリウム二水和物などがあるが、これらに限定されるものではない。);
輸送剤(例としては、アカシアシロップ、芳香シロップ、芳香エリキシル、サクランボシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、コーン油、鉱油、落花生油、ごま油、静菌性塩化ナトリウム注射液および静菌性注射用水などがあるが、これらに限定されるものではない。);
キレート剤(例としては、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸などがあるが、これらに限定されるものではない。);
着色料(例としては、FD&C Red No. 3、FD&C Red No. 20、FD&C Yellow No. 6、FD&C Blue No. 2、D&C Green No. 5、D&C Orange No. 5、D&C Red No. 8、カラメルおよび酸化第二鉄赤色などがあるが、これらに限定されるものではない。);
清澄剤(例としてはベントナイトなどがあるが、これに限定されるものではない。);
乳化剤(例としては、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン50モノステアレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
封入剤(例としてはゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
香味剤(例としては、アニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
保湿剤(humectant)(例としては、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
研和剤(例としては、鉱油およびグリセリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
(例としては、落花生油、鉱油、オリーブ油、落花生油、ごま油および植物油などがあるが、これらに限定されるものではない。);
軟膏基剤(例としては、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏およびバラ香水軟膏などがあるが、これらに限定されるものではない。);
浸透促進剤(経皮送達)(例としては、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、一価または多価アルコール、飽和または不飽和脂肪アルコール、飽和または不飽和脂肪エステル、飽和または不飽和二カルボン酸、必須油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトンおよびウレアなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
可塑剤(例としては、フタル酸ジエチルおよびグリセロールなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
溶媒(例としては、エタノール、コーン油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、落花生油、精製水、注射用水、滅菌注射用水および滅菌灌注用水などがあるが、これらに限定されるものではない。);
硬化剤(例としては、セチルアルコール、セチルエステルロウ、微結晶性ロウ、パラフィン、ステアリルアルコール、白色ロウおよび黄色ロウなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
坐薬基剤(例としては、カカオバターおよびポリエチレングリコール(混合物)などがあるが、これらに限定されるものではない。);
界面活性剤(例としては、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール(oxtoxynol)9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびモノパルミチン酸ソルビタンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
懸濁剤(例としては、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびveegumなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
甘味剤(例としては、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびショ糖などがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤抗付着剤(例としては、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤結合剤(例としては、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮性糖、エチルセルロース、ゼラチン、液体ブドウ糖、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドンおよびアルファ化デンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤およびカプセル剤希釈剤(例としては、リン酸水素カルシウム、カオリン、乳糖、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、沈殿炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよびデンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤コーティング剤(例としては、液体ブドウ糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびセラックなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤直接圧縮添加物(例としては、リン酸水素カルシウムなどがあるが、これに限定されるものではない。);
錠剤崩壊剤(例としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤滑剤(例としては、コロイド状シリカ、トウモロコシデンプンおよびタルクなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤滑沢剤(例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛などがあるが、これらに限定されるものではない。);
錠剤/カプセル剤不透明化剤(例としては、二酸化チタンなどがあるが、これに限定されるものではない。);
錠剤艶出し剤(例としては、カルナウバロウおよび白色ロウなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
増粘剤(例としては、蜜ロウ、セチルアルコールおよびパラフィンなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
等張化剤(例としてはデキストロースおよび塩化ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。);
粘度上昇剤(例としては、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントなどがあるが、これらに限定されるものではない。);および
湿展剤(例としては、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、モノオレイン酸ソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールおよびステアリン酸ポリオキシエチレンなどがあるが、これらに限定されるものではない。)。
本発明の医薬組成物は下記のとおり説明できる。
滅菌静注用溶液:所望の本発明の化合物の5mg/mL溶液は、滅菌注射用水を使用して製造でき、必要ならばpHを調節する。溶液を、投与のために、滅菌5%デキストロースで1から2mg/mLに希釈し、約60分間に亘る静脈内注入として投与する。
静注用凍結乾燥粉末:滅菌製剤を(i)凍結乾燥粉末としての所望の本発明の化合物100から1000mg、(ii)クエン酸ナトリウム32から327mg/mL、および、(iii)デキストラン40 300から3000mgで製造できる。製剤を、滅菌注射用食塩水または5%デキストロースで10から20mg/mLの濃度に再生し、それをさらに食塩水または5%デキストロースで0.2から0.4mg/mLに希釈し、静脈内ボラスまたは15から60分間に亘る静脈注入によって投与する。
筋注用懸濁液:筋注のために、下記の溶液または懸濁液を製造できる。
50mg/mLの所望の水不溶性の本発明の化合物
5mg/mLのカルボキシメチルセルロースナトリウム
4mg/mLのTWEEN80
9mg/mLの塩化ナトリウム
9mg/mLのベンジルアルコール
硬殻カプセル剤:多数の単位カプセルを、標準的な二ピース硬ゼラチンカプセルに充填することによって製造し、各々粉末有効成分100mg、乳糖150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを含む。
軟ゼラチンカプセル剤:消化可能な油、例えば大豆油、綿実油またはオリーブ油中の有効成分の混合物を調製し、容積式ポンプによって溶融ゼラチンに注入し、有効成分100mgを含む軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥させる。有効成分は、水混和性医薬混合物を製造するために、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解できる。
錠剤:多数の錠剤を、投与単位が有効成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶性セルロース275mg、デンプン11mgおよび乳糖98.8mgとなるように、慣用の方法で製造する。適切な水性および非水性コーティングを、食味の改良、見た目および安定性の改善または遅延吸収のために使用することができる。
即時放出錠剤/カプセル剤:これらは、慣用のおよび新規な工程によって製造される固体経口製剤である。これらの形態は、薬物の即時溶解および送達のために、経口で、水無しで摂取される。有効成分は、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味剤などの成分を含む液体中で混合される。これらの液体は、凍結乾燥および固体抽出技術によって固化されて、固体錠剤またはカプレットとされる。薬物化合物を粘弾性および熱弾性糖およびポリマーまたは発泡性成分と共に圧縮して、水を必要としない即時放出のための多孔性マトリックスを製造することができる。
用量および投与
過増殖性障害および血管形成障害の治療もしくは予防に有用な化合物を評価することが知られる標準的実験技術に基づき、標準的毒性試験によっておよび哺乳動物における上記で確認した状態の治療の決定のための標準的薬理アッセイによって、およびこれらの結果とこれらの状態を治療するのに使用される既知の医薬の結果の比較によって、本発明の化合物の有効用量を各所望の適応症の治療のために容易に決定できる。これら状態の一つの治療で投与すべき有効成分の量は、用いられる特定の化合物および用量単位、投与形態、治療期間、治療される患者の年齢および性別および治療される状態の性質および程度などを考慮して、広範囲で変動し得る。
投与される有効成分の総量は、一般的に約0.001mg/kgから約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kgから約20mg/kg/日の範囲である。臨床的に有用な投与スケジュールは、1日1から3回の投与から4週間毎に1回の投与の範囲である。さらに、患者が一定期間薬物を投与されない「休薬日」が、薬理効果と耐容性の全体的バランスのために有益であり得る。単位用量は約0.5mgから約1500mgの有効成分を含み、1日1回以上または1日1回未満投与し得る。静脈注射、筋肉注射、皮下注射および非経口注射および点滴法などの注射による投与のための平均1日用量は、好ましくは0.01から200mg/kg総体重である。平均1日直腸投与法は、好ましくは0.01から200mg/kg総体重である。平均1日膣投与法は、好ましくは0.01から200mg/kg総体重である。平均1日局所投与法は、好ましくは1日1から4回投与で0.1から200mgである。経皮濃度は、好ましくは0.01から200mg/kgの1日用量を維持するのに必要なものである。平均1日吸入投与法は、好ましくは0.01から100mg/kg総体重である。
当然のことながら、各患者についての特定の開始および連続投与法は、担当診断医によって決定される状態の性質および重度、用いる特定の化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与時間、投与経路、薬物排泄速度、薬物併用などに従って変わる。所望の処置方法および本発明の化合物またはその医薬として許容される塩またはエステルまたは組成物の投与回数は、従来の治療試験を使用して当業者が決定できる。
併用療法
本発明の化合物を、単一の医薬としてまたは組み合わせが許容されない有害効果を生じないとき1以上の他の医薬と組み合わせて投与することができる。その組み合わせる医薬は、例えば血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれの転移の治療のための抗増殖性効果を有する他の医薬および/または望まない副作用の処置剤であり得る。本発明はまたこのような組み合わせ剤に関する。
本発明の組成物とともに使用するのに好適な他の抗過増殖剤は、Goodman and Gilman′s The Pharmacological Basis of Therapeutics (Ninth Edition), Molinoffら編, McGraw−Hill発行, 1225−1287頁, (1996)(参照によって本明細書に組み込まれる)において腫瘍性疾患の治療に使用することが認められている化合物、特に上記で定義の(化学療法)抗癌剤である。場合によっては、その組み合わせは、固定されない組み合わせまたは固定用量の組み合わせであることができる。
特定の薬理特性または医薬特性を調べる方法は当業者に周知である。
本明細書に記載された実施例化合物の試験実験は本発明を説明するためのものであり、本発明は記載の実施例に限定されるものではない。
当業者には明らかなように、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内にある当該実施形態の全ての変形形態を包含する。
下記の実施例は、本発明をより詳細に説明するものであり、本発明を制限するものではない。製造が明瞭に記載されていない本発明によるさらなる化合物は、同様の方法で製造することができる。
実施例に記載される化合物およびそれの塩は、本発明の好ましい実施形態ならびに具体例により開示される式(I)の化合物の残基の全ての下位組み合わせを包含する請求項を代表するものである。
実験の部の「による」という用語は、言及されている手順が「と同様に」使用されるべきであるという意味で使用される。
実験の部
本文中で説明されていない場合に限り、本章および中間体実施例および実施例セクションにおいて使用される略称を下記の表に列記している。
Figure 2016522232
Figure 2016522232
他の略称は、自体が当業者に慣用的な意味を有する。
本明細書に記載の本発明の各種態様を、下記の実施例によって説明するが、これら実施例はいかなる意味においても本発明を限定するものではない。
具体的実験の説明
下記の具体的実験の説明におけるNMRピークの形状は、スペクトラムで見られるように記載し、可能な高次の効果は考慮していない。マイクロ波照射を用いる反応は、ロボットユニットを搭載していても良いBiotage Initator(登録商標)マイクロ波オーブンを用いて行った。マイクロ波加熱を用いる報告の反応時間は、指定の反応温度に到達した後の固定された反応時間と理解すべきである。本発明の方法に従って製造された化合物および中間体は精製を必要とする可能性がある。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同化合物を精製する方法がいくつか存在し得る。場合により、精製は必要ないこともある。場合により、化合物を結晶化によって精製することができる。場合により、不純物を好適な溶媒を使用して攪拌沈降させることができる。場合により、クロマトグラフィー、特にフラッシュカラムクロマトグラフィーで、例えばプレパックシリカゲルカートリッジ、例えばIsolute(登録商標) FlashシリカゲルまたはIsolute(登録商標) Flash NHシリカゲルのようなSepartisからのものをIsolera(登録商標) autopurifier(Biotage)および例えばヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配などの溶離液と組み合わせて、化合物を精製し得る。場合により、例えば、好適なプレパック逆相カラムおよび水およびアセトニトリル(トリフルオロ酢酸、ギ酸またはアンモニア水溶液などの添加剤を含んでいても良い)の勾配などの溶離液と組み合わせたダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析装置を搭載したWaters autopurifierを使用する分取HPLCによって、化合物を精製することができる。場合により、上記の精製方法は、十分に塩基性または酸性の官能基を有する本発明の化合物を、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の場合、例えばトリフルオロ酢酸塩もしくはギ酸塩として、または十分に酸性である本発明の化合物の場合、例えばアンモニウム塩などの塩の形態で提供することができる。この種類の塩は、当業者に知られた各種方法によって、それぞれその遊離塩基形態または遊離酸形態に変換するか、後の生物アッセイで塩として使用することができる。理解すべき点として、本明細書に記載の方法で単離された本発明の化合物の特定の形態(例えば塩、遊離塩基など)は、必ずしも、当該化合物が特定の生理活性を定量するための生物アッセイに適用できる唯一の形とは限らない。
下記の実施例に報告されている収率パーセントは、最低モル量で使用した原料に基づいたものである。空気および水分に感受性の液体および溶液は注射器またはカニューレを介して移し、ゴムセプタムから反応容器に導入した。商業用の試薬および溶媒を、それ以上精製せずに使用した。「減圧下に濃縮」という用語は、約15mmHgの最小圧でのBuchiロータリーエバポレータの使用を指す。全ての温度は摂氏(℃)で未補正で報告している。
本発明についての理解を深めるために、下記の実施例について説明する。これらの実施例は説明のみを目的とするものであり、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。本明細書で挙げられた刊行物はいずれも、参照によりその全体が本明細書に包含される。
分析LC−MS条件
後段の具体的実験説明で提供されたLC−MSデータは、(別段の断りがない限り)次の条件を指すものである。
Figure 2016522232
分取HPLC条件
後段の具体的実験説明における「分取HPLCによる精製」は、(別段の断りがない限り)次の条件を指すものである。
分析(前分析および後分析:方法B):
Figure 2016522232
分取:
Figure 2016522232
キラルHPLC条件
別段の断りがない限り、後段の具体的実験説明で提供のキラルHPLCデータは、次の条件を指すものである。
分析:
Figure 2016522232
分取:
Figure 2016522232
フラッシュカラムクロマトグラフィー条件
後段の具体的実験説明で記載の「(フラッシュ)カラムクロマトグラフィーによる精製」は、Biotage Isolera精製システムの使用を指す。技術的詳細については、www.biotage.comの「Biotage製品カタログ」の記載を参照する。
旋光度の測定
旋光度を、ジメチルスルホキシド中、波長589nm、20℃、濃度1.0000g/100mL、積分時間10秒、フィルム厚100.00mmで測定した。
合成中間体
中間体1−1−1
2−[4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]ピリミジン−4−アミンの製造
Figure 2016522232
4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩1:1、1−2−1、5.35g(11.91mmol、79%UV純度、1.0当量)、(2E)−3−エトキシアクリロニトリル3.58g(35.74mmol、3.0当量)および2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン1.81g(11.91mmol、1.0当量)をピリジン108mLに溶かし、混合物をアルゴン下に110℃で22時間撹拌した。反応が完了しなかったことから、混合物を115℃でさらに22時間撹拌した。水を反応混合物に加え、水層をDCMで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。粗生成物をメタノールから結晶化して、純度95%の標的化合物2.52g(6.21mmol、52%)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.86(m、2H)、1.02(m、2H)、1.26(t、3H)、1.75(m、1H)、4.02(q、2H)、5.34(d、2H)、6.29(d、1H)、6.73(brd、2H)、6.84(brs、2H)、8.05(d、1H)。
指定の原料から、同じ手順に従って下記の中間体を製造した(SM=原料)。
Figure 2016522232
中間体1−2−1
4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩1:1の製造
Figure 2016522232
塩化アンモニウムのトルエン中懸濁液に0℃でアルゴン下に、トリメチルアルミニウム(2Mヘキサン中溶液)を滴下した。混合物を昇温させて室温とし、ガス生成が認められなくなるまで室温で1.5時間撹拌した。4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル1−3−1 6.50g(17.53mmol、1.0当量)をトルエン50mLに溶かし、前述の懸濁液に滴下した。混合物を80℃で撹拌して、緩い懸濁液を形成し、次に冷却して0℃とし、その温度でメタノール100mLを加えた。混合物から濃厚懸濁液が形成された。沈澱を濾過し、メタノールで洗った。濾液を減圧下に濃縮し、DCM/メタノール9:1で希釈して、懸濁液を形成した。沈澱を濾過し、DCMで2回洗った。合わせた固体から、純度98%の標的化合物5.41g(15.25mmol、87%)が得られた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.84−0.90(m、2H)、1.04−1.12(m、2H)、1.28(t、3H)、1.78−1.87(m、1H)、4.03(q、2H)、5.44(s、2H)、6.71−6.79(m、2H)、9.12(brs、3H)。
指定の原料から、同じ手順に従って、下記の中間体を製造した(SM=原料)。
Figure 2016522232
中間体1−3−1
4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルの製造
Figure 2016522232
4−クロロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル1.00g(5.73mmol、1.0当量、CAS登録番号1291177−21−3)をTHF 14mLに溶かした。混合物を冷却して0℃とし、水素化ナトリウム275mg(60%、6.87mmol、1.2当量)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次に2−(ブロモメチル)−5−エトキシ−1,3−ジフルオロベンゼン1.58g(6.30mmol、1.1当量)を加え、室温で2時間撹拌した。水を加え、混合物を室温で30分間高撹拌した。層を分離し、水相を酢酸エチルで3回洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、純度95%の標的化合物1.85g(5.38mmol、94%)を得た。
H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ[ppm]=0.86(m、2H)、1.03(m、2H)、1.28(t、3H)、1.74(m、1H)、3.71(s、3H)、4.03(q、2H)、5.39(s、2H)、6.74(m、2H)。
指定の原料から、同じ手順に従って、下記の中間体を製造した(SM=原料)。
Figure 2016522232
中間体1−4−1
2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシピリミジン−4−アミンの製造
Figure 2016522232
5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩1:1、1−2−2、30g(85.6mmol、1.0当量)を脱水3−メチル−1ブタノール307mLに懸濁させた。窒素雰囲気下にピペリジン1.7mL(171mmol、0.2当量)および3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリル20.1g(117mmol、3.30当量)を加え、110℃浴温で24時間撹拌した。冷却して室温とした後、反応混合物を減圧下に濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから結晶化して、分析的に純粋な標的化合物14.1g(32mmol、38%)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.63−0.68(m、2H)、0.92−1.07(m、2H)、1.27(t、3H)、1.55−1.73(m、1H)、2.18(s、3H)、3.78(s、3H)、4.01(q、2H)、5.28(s、2H)、6.54−6.74(m、4H)、7.80(s、1H)。
指定の原料から、同じ手順に従って、下記の中間体を製造した(SM=原料)。
Figure 2016522232
Figure 2016522232
中間体1−5−1
1−シクロプロピルプロパン−1−オンの製造
Figure 2016522232
ジエチルエーテル中の3Mエチルマグネシウムブロマイド溶液198mL(596mmol、1.0当量)を冷却して0℃とし、脱水ジエチルエーテル80mLに溶かしたシクロプロパンカルボニトリル44.2mLを滴下した。混合物を還流下に6時間撹拌した。それを飽和塩化アンモニウム水溶液で加水分解し、室温で24時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。濾液を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した(40℃浴温および600mbarで)。粗生成物の真空蒸留により、分析的に純粋な標的化合物36.9g(376mmol、63%)を得た。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.73−0.84(m、4H)、0.91(t、3H)、1.91−2.02(m、1H)、2.52(q、2H)。
中間体1−6−1
4−シクロプロピル−3−メチル−2,4−ジオキソブタン酸エチルの製造
Figure 2016522232
1Mビス(トリメチルシリル)リチウムアミドのTHF中溶液165mL(166mmol、1.10当量)をジエチルエーテル500mLに加え、冷却して−78℃とした。1−シクロプロピルプロパン−1−オン1−5−1 14.8gをジエチルエーテル100mLに溶かし、−78℃で滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次にシュウ酸ジエチル24.5mLを滴下した。冷却浴を外し、混合物を室温で24時間撹拌した。1M塩化水素水溶液500mLを加え、混合物をDCMで抽出し、シリコーンフィルターで脱水し、減圧下に濃縮して、標的化合物27.2g(137mmol、91%)を粗生成物として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階に用いた。
中間体1−7−1
5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの製造
Figure 2016522232
エタノール100mL中の4−シクロプロピル−3−メチル−2,4−ジオキソブタン酸エチル1−6−1 10.0g(51mmol、1.0当量)に、ヒドラジン水和物3.16g(80%、50.4mmol、1.0当量)を加えた。反応混合物を、窒素下に70℃で1時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をジエチルエーテル100mLに溶かし、2M塩酸/ジエチルエーテル50mLを加えた。室温で2時間撹拌した後、生成物を濾過し、40℃で真空乾燥して、分析的に純粋な標的化合物7.40g(32mmol、66%)を得た。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.62−0.72(m、2H)、0.81−0.87(m、2H)、1.24(t、3H)、1.69−1.83(m、1H)、2.16(s、3H)、4.21(q、2H)。
中間体1−8−1:1−(2−フルオロベンジル)−5−メトキシ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの製造
Figure 2016522232
アセトン2.2リットル中の1−(2−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル1−9−1 21.6g(81.7mmol、1.0当量)に、ヨードメタン23.2g(163mmol、2.0当量)および炭酸カリウム40.6g(294mmol、3.6当量)を加えた。反応混合物を窒素下に室温で終夜撹拌し、海砂で濾過した。濾液を減圧下に濃縮した。残留物をジクロロメタンおよび水に懸濁させ、水層をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下に濃縮して、85%純度の粗生成物を得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。14.7g(53mmol、65%)。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ[ppm]=1.24(t、3H)、3.88(s、3H)、4.21(q、2H)、5.22(s、2H)、6.19(s、1H)、6.97−7.09(m、1H)、7.09−7.24(m、2H)、7.27−7.41(m、1H)。
中間体1−9−1:1−(2−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの製造
Figure 2016522232
オキサル酢酸ジエチルナトリウム塩22.5g(107mmol、1.0当量)をジオキサン250mLに溶かし、トリフルオロ酸性酸(trifluoroacidic acid)13.2mL(171mmol、1.6当量)および(2−フルオロベンジル)ヒドラジン15.0g(107mmol、1.0当量)を加えた。反応混合物を密閉管中にて115℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を熱酢酸エチルに懸濁させ、濾過して、分析的に純粋な標的化合物を得た。14.6g(55.1mmol、51%)。
H−NMR(300MHz、DMSO−d):δ[ppm]=1.21(t、3H)、4.17(q、2H)、5.17(s、2H)、5.77(s、1H)、6.93−7.07(m、1H)、7.09−7.23(m、2H)、7.24−7.40(m、1H)、11.60(brs、1H)。
実施例化合物
実施例2−1−1:2−[4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミンの製造
Figure 2016522232
2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]ピリミジン−4−アミン1−1−2(150mg、0.37mmol、1.0当量)、4−クロロピリミジン塩酸塩(79.5mg、0.41mmol、1.1当量)、炭酸セシウム(361mg、1.11mmol、3.0当量)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(32.0mg、0.06mmol、0.15当量)および酢酸パラジウム(II)(8.3mg、0.04mmol、0.1当量)を1,4−ジオキサン(4.7mL)に懸濁させた。反応混合物を、不活性雰囲気下に105℃で終夜撹拌した。冷却して室温とした後、混合物を濾過し、残留物をDCM/イソプロパノール8:2で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して粗生成物を得た。HPLCによる精製後に、所望の生成物2−1−1を得た(39mg、0.08mmol、21%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δ[ppm]=0.85−0.97(m、2H)、1.02−1.13(m、2H)、1.28(t、3H)、1.71−1.87(m、1H)、4.03(q、2H)、5.41(s、2H)、6.59−6.85(m、2H)、7.46(d、1H)、8.08−8.18(m、1H)、8.47(d、1H)、8.54(d、1H)、8.78(s、1H)、10.64(s、1H)。
指定の原料から同じ手順に従って、下記化合物を製造した(SM=原料)。
Figure 2016522232
Figure 2016522232
Figure 2016522232
生物学的研究
下記のアッセイを用いて、本発明による化合物の商業的有用性を説明することができる。
特定の生物アッセイで、実施例化合物を1回以上試験した。複数回試験する場合、データは平均値または中央値のいずれかとして報告する。
・算術平均値とも称される平均値は、得られた値の合計値を試験回数で割ったものであり、
・中央値は、昇順または降順で順位付けしたときの数値群の中央の数値を表す。データ集合の値の数が奇数である場合、中央値は中央の値である。データ集合の値の数が偶数である場合、中央値は2個の中央数値の算術平均である。
実施例化合物を1回以上合成した。複数回合成した場合、生物アッセイからのデータは、1回以上の合成バッチの試験から得られたデータ集合を利用して計算した平均値を表す。
生物アッセイ1.0:
Bub1キナーゼアッセイ
本発明で記載の化合物のBub1阻害活性を、N末端His6標識が付され、アフィニティ(Ni−NTA)クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーで精製されたHi5昆虫細胞で発現される、ヒトBub1の(組み換え)触媒ドメイン(アミノ酸704から1085)による、例えばBiosyntan(Berlin, Germany)から購入した合成ペプチドであるビオチン−Ahx−VLLPKKSFAEPG(アミドのC末端)のリン酸化を測定する時間分解蛍光エネルギー移動(TR−FRET)キナーゼアッセイを使用して定量した。
代表的アッセイにおいて、各種濃度の各化合物(0.1nM、0.33nM、1.1nM、3.8nM、13nM、44nM、0.15μM、0.51μM、1.7μM、5.9μMおよび20μM)を同じマイクロタイタープレートで二連で試験した。このために、透明低容量384ウェル原料マイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)中で100倍濃縮化合物溶液(DMSO中)を、2mM原液の連続希釈(1:3.4)により予め調製し、そこから化合物50nLを、同じ供給者からの黒色低容量試験マイクロタイタープレートに移した。続いて、水性アッセイ緩衝液[50mM Tris/HCl pH7.5、10mM塩化マグネシウム(MgCl)、200mM塩化カリウム(KCl)、1.0mMジチオトレイトール(DTT)、0.1mMオルトバナジン酸ナトリウム、1%(v/v)グリセロール、0.01%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)、0.005%(v/v)Trition X−100(Sigma)、1×完全EDTA非含有プロテアーゼ阻害剤混合物(Roche)]中のBub1(酵素ロットの活性に応じて、Bub1の最終濃度を調節して、アッセイのリニアダイナミックレンジ内になるようにした。代表的には約200μg/mLを使用した)2μLを試験プレート中の化合物に添加し、混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応開始前に推定酵素阻害剤複合体を予め平衡状態とし、アデノシン三リン酸(ATP、10μM最終濃度)およびペプチド基質(1μM最終濃度)の1.67倍濃縮溶液(アッセイ緩衝液中)3μLを加えることで反応開始した。得られた混合物(最終体積5μL)を22℃で60分間インキュベートし、TR−FRET検出試薬(0.2μMストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet, France]および1nM抗ホスホ−セリン抗体[Merck Millipore、カタログ番号35−001]および0.4nM LANCE EU−W1024標識抗マウスIgG抗体[Perkin−Elmer、製品番号AD0077、あるいはCisbio Bioassaysからのテルビウム−クリプテート標識抗マウスIgG抗体も用いることができる。])も含むEDTA水溶液(100mM HEPES pH7.5および0.2%(w/v)ウシ血清アルブミン中50mM EDTA)5μLを加えることで反応停止させた。反応停止した反応混合物をさらに1時間、22℃でインキュベートして、ペプチドと検出試薬の間で複合体を形成させた。次に、ホスホセリン残基を認識するEu−キレート−抗体複合体からペプチドのビオチン部分に結合したストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギー移動の測定により、生成物の量を評価した。このために、330から350nmで励起後の620nmおよび665nmの蛍光発光を、TR−FRETプレートリーダー、例えばRubystarまたはPherastar(いずれもBMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)またはViewlux(Perkin−Elmer)で測定し、発光の比(665nm/622nm)をリン酸化基質の量の指標として取った。高(=阻害剤なしの酵素反応=0%=最小阻害)および低(=酵素以外の全アッセイ成分=100%=最大阻害)Bub1活性についての2組の(代表的には32)対照ウェルを用いて、データを正規化した。4パラメータロジスティック方程式に正規化阻害データを適合させることにより、IC50値を計算した(最小、最大、IC50、Hill;Y=Max+(Min−Max)/(1+(X/IC50)Hill))。
生物アッセイ2.0:
増殖アッセイ:
培養腫瘍細胞(細胞はATCCに注文した。)を、96ウェルマルチタイタープレートにおいて、10%ウシ胎仔血清を補充した増殖培地200μLに3000細胞/ウェルの密度で播いた。24時間後、1個のプレート(ゼロ点プレート)の細胞をクリスタルバイオレット(下記参照)で染色し、他のプレートの培地は新鮮な培地(200μL)に交換し、それに試験物質を各種濃度(0μM、ならびに0.001から10μMの範囲;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%とした。)で加えた。試験物質存在下に、細胞を4日間インキュベートした。細胞をクリスタルバイオレットで染色することによって細胞増殖を求め、測定点当たり20μLの11%グルタルアルデヒド溶液を加えて室温で15分経過させることで、細胞を固定した。固定細胞について水による3サイクルの洗浄を行った後、プレートを室温で乾燥させた。測定点当たり100μLの0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH3.0)を加えることで細胞を染色した。染色細胞を水で3サイクル洗浄した後、プレートを室温で乾燥させた。測定点あたり100μLの10%酢酸溶液を加えることで、色素を溶解させた。波長595nmでの測光法により吸収を測定した。測定値をゼロ点プレート(=0%)の吸収値および未処理(0μm)細胞(=100%)の吸収に対して正規化することにより、細胞数変化パーセントを計算した。4パラメータ適合により、IC50値を求めた。
表1.化合物をHeLaヒト子宮頸癌細胞系で評価して、抗増殖活性を示した。
下記の表は、生物アッセイ1および2における本発明の実施例についてのデータを提供するものである。
Figure 2016522232

Claims (12)

  1. 下記式(I)の化合物または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩。
    Figure 2016522232
    [式中、
    VはCH、Nであり、
    YはCR、Nであり、
    /Rは互いから独立に、水素、ハロゲンまたはフェニル−S−であり、
    は互いから独立に、1−6C−アルキル、1−6C−アルコキシ、ハロゲン、2−6C−アルケニル、3−6C−シクロアルキル、1−6C−ハロアルコキシまたはC(O)OHであり、
    nは0、1、2または3であり、
    または
    は−(1−6C−アルキレン)−S−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−6C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S−R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、−O−(1−6C−アルキレン)−S(O)−R14、または−O−(1−6C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14であり、
    nは0または1であり、
    は、
    (a)水素;
    (b)ヒドロキシ;
    (c)
    (c1)1から2個のOH、
    (c2)NR10
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    (c7)−S(O)NR10
    で置換されていても良い1−6C−アルコキシ、
    (d)
    Figure 2016522232
    (*は結合箇所である。)、
    (e)
    Figure 2016522232
    (*は結合箇所である。)、
    (f)シアノ、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり、
    は、
    (a)水素、
    (b)2−6C−ヒドロキシアルキル、
    (c)
    Figure 2016522232
    (*は結合箇所である。)、
    (d)−C(O)−(1−6C−アルキル)、
    (e)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、
    (f)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)
    であり、
    は、
    (a)5員ヘテロアリール、
    (b)
    (b1)ピリジン−2−イル、
    (b2)ピリジン−3−イル、
    (b3)ピラジン−2−イル、
    (b4)ピリダジン−3−イル、
    (b5)ピリダジン−4−イル、
    (b6)ピリミジン−2−イル、
    (b7)ピリミジン−4−イル、
    (b8)ピリミジン−5−イル、
    (b9)1,3,5−トリアジン−2−イル、
    (b10)1,2,4−トリアジン−3−イル、
    (b11)1,2,4−トリアジン−5−イル、
    (b12)1,2,4−トリアジン−6−イル
    から選択される6員ヘテロアリール、
    (c)フェニル
    であり、
    前記5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールまたはフェニルは独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−6C−アルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ハロアルコキシ、−(2−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良く、
    は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112、またはNR10であり、
    は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、またはNR10であり、
    、R10は互いから独立に、水素または1−6C−アルキルであり、
    11、R12は互いから独立に、水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキルまたは(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)であり、
    13は、水素または1−4C−アルキルであり、
    14は、1−6C−アルキル、3−7C−シクロアルキル、フェニル、ベンジルから選択される基であり、
    前記基は、ヒドロキシ、ハロゲン、またはNR10の群から選択される1個もしくは2個もしくは3個の置換基で同一もしくは異なって置換されていても良く、
    15は、水素、シアノ、またはC(O)R16であり、
    16は、1−6C−アルキル、または1−6C−ハロアルキルである。]
  2. VがCH、Nであり、
    YがCR、Nであり、
    /Rが互いから独立に、水素、またはハロゲンであり、
    が互いから独立に1−3C−アルコキシであり、
    nが0、1、2または3であり、
    または
    が、−(1−4C−アルキレン)−S−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−(1−4C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S−R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14、−O−(1−4C−アルキレン)−S(O)−R14または−O−(1−4C−アルキレン)−S(=O)(=NR15)R14であり、
    nが0または1であり、
    が、
    (a)水素;
    (b)ヒドロキシ;
    (c)
    (c1)1から2個のOH、
    (c2)NR10
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    (c7)−S(O)NR10
    で置換されていても良い1−4C−アルコキシ、
    (f)シアノ、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり、
    が水素であり、
    が、
    (a)5員ヘテロアリール、
    (b)
    (b1)ピリジン−2−イル、
    (b2)ピリジン−3−イル、
    (b3)ピラジン−2−イル、
    (b4)ピリダジン−3−イル、
    (b5)ピリダジン−4−イル、
    (b6)ピリミジン−2−イル、
    (b7)ピリミジン−4−イル、
    (b8)ピリミジン−5−イル、
    (b9)1,3,5−トリアジン−2−イル、
    (b10)1,2,4−トリアジン−3−イル、
    (b11)1,2,4−トリアジン−5−イル、
    (b12)1,2,4−トリアジン−6−イル
    から選択される6員ヘテロアリール、
    (c)フェニル
    であり、
    前記5員ヘテロアリールまたは6員ヘテロアリールまたはフェニルが独立に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、1−3C−アルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ハロアルコキシ、−(2−3C−アルキレン)−O−(1−3C−アルキル)、C(O)OR13、C(O)NR1112、NR10で1回以上置換されていても良く、
    が水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112、またはNR10であり、
    が水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、またはNR10であり、
    、R10が互いから独立に、水素または1−3C−アルキルであり、
    11、R12が互いから独立に、水素、1−3C−アルキル、または2−3C−ヒドロキシアルキルであり、
    13が水素または1−3C−アルキルであり、
    14がメチル、またはシクロプロピルから選択される基であり、
    15が水素、シアノ、またはC(O)R16であり、
    16がメチル、またはトリフルオロメチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物、または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩。
  3. VがCH、Nであり、
    YがCR、Nであり、
    /Rが互いから独立に、水素、またはハロゲンであり、
    が互いから独立に1−3C−アルコキシであり、
    nが0または1であり、
    が、
    (a)水素;
    (b)ヒドロキシ;
    (c)
    (c1)OH、
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    (c7)−S(O)NR10
    で置換されていても良い1−4C−アルコキシ、
    (f)シアノ、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり、
    が水素であり、
    が、
    (b)
    (b4)ピリダジン−3−イル、
    (b5)ピリダジン−4−イル、
    (b6)ピリミジン−2−イル、
    (b7)ピリミジン−4−イル、
    (b8)ピリミジン−5−イル
    から選択される6員ヘテロアリールであり、
    前記6員ヘテロアリールがC(O)NR1112で置換されていても良く、
    が、水素、1−3C−アルコキシ、または3−6C−シクロアルキルであり、
    が、水素、ハロゲン、シアノ、または1−3C−アルキルであり、
    、R10が互いから独立に、水素または1−3C−アルキルであり、
    11、R12が互いから独立に、水素、1−3C−アルキル、または2−3C−ヒドロキシアルキルであり、
    14が、メチル、またはシクロプロピルから選択される基であり、
    15が水素である、請求項1に記載の式(I)の化合物、または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩。
  4. VがNであり、
    YがCRであり、
    /Rが互いから独立に、水素、またはフルオロであり、
    がエトキシであり、
    nが0または1であり、
    が、
    (a)水素;
    (c)メトキシ
    であり、
    が水素であり、
    が、
    (b)
    (b5)ピリダジン−4−イル、
    (b7)ピリミジン−4−イル
    から選択される6員ヘテロアリールであり、
    が水素、メトキシ、またはシクロプロピルであり、
    が水素、クロロ、またはメチルである請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩。
  5. 2−[4−クロロ−5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
    2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
    2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
    N−{2−[5−シクロプロピル−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシピリミジン−4−イル}ピリダジン−4−アミン、
    2−[1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、
    2−[4−クロロ−1−(4−エトキシ−2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン、および
    2−[1−(2−フルオロベンジル)−5−メトキシ−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン
    からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物、
    または該化合物のN−オキサイド、塩、互変異体もしくは立体異性体、または前記N−オキサイド、互変異体もしくは立体異性体の塩。
  6. 疾患の治療もしくは予防のための請求項1から5のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  7. 前記疾患が、過増殖性疾患および/または細胞死誘発に応答する障害である請求項6に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  8. 前記過増殖性疾患および/または細胞死誘発に応答する障害が血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれらの転移である請求項7に記載の一般式(I)の化合物の使用。
  9. 前記腫瘍が子宮頸腫瘍および/またはそれの転移である請求項8に記載の式(I)の化合物の使用。
  10. 少なくとも一つの医薬として許容される担体または補助剤とともに、少なくとも一つの請求項1から5のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物を含む医薬組成物。
  11. 血液腫瘍、固形腫瘍および/またはそれらの転移の治療のための請求項10に記載の組成物。
  12. 請求項1から5のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物から選択される1以上の第1の有効成分および化学療法抗癌剤および標的特異的抗癌剤から選択される1以上の第2の有効成分を含む組み合わせ。
JP2016520443A 2013-06-21 2014-06-17 ヘテロアリール置換されたピラゾール類 Pending JP2016522232A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP13173280 2013-06-21
EP13173280.2 2013-06-21
PCT/EP2014/062694 WO2014202588A1 (en) 2013-06-21 2014-06-17 Heteroaryl substituted pyrazoles

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016522232A true JP2016522232A (ja) 2016-07-28
JP2016522232A5 JP2016522232A5 (ja) 2017-07-20

Family

ID=48651937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016520443A Pending JP2016522232A (ja) 2013-06-21 2014-06-17 ヘテロアリール置換されたピラゾール類

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20160168130A1 (ja)
EP (1) EP3010911A1 (ja)
JP (1) JP2016522232A (ja)
CN (1) CN105452242A (ja)
CA (1) CA2916109A1 (ja)
HK (1) HK1223097A1 (ja)
WO (1) WO2014202588A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UA111754C2 (uk) 2011-10-06 2016-06-10 Байєр Фарма Акцієнгезелльшафт Заміщені бензиліндазоли для застосування як інгібіторів bub1-кінази для лікування гіперпроліферативних захворювань
ES2638144T3 (es) 2011-12-21 2017-10-18 Bayer Intellectual Property Gmbh Bencilpirazoles sustituidos
EP2976335A1 (en) * 2013-03-21 2016-01-27 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Heteroaryl substituted indazoles
US9745285B2 (en) 2013-06-21 2017-08-29 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Heteroaryl substituted pyrazoles
JP2016526540A (ja) * 2013-06-21 2016-09-05 バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト 置換ベンジルピラゾール
CA2916116A1 (en) 2013-06-21 2014-12-24 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Substituted benzylpyrazoles
CN105764893A (zh) 2013-10-30 2016-07-13 拜耳制药股份公司 杂芳基取代的吡唑
CA2933250A1 (en) * 2013-12-11 2015-06-18 Ironwood Pharmaceuticals, Inc. Sgc stimulators
WO2015193339A1 (en) 2014-06-17 2015-12-23 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 3-amino-1,5,6,7-tetrahydro-4h-indol-4-ones
CN107001331A (zh) 2014-09-19 2017-08-01 拜耳制药股份公司 作为bub1抑制剂的苄基取代的吲唑
JP6704398B2 (ja) 2015-01-28 2020-06-03 バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト 4H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン誘導体
JP2018522847A (ja) 2015-06-17 2018-08-16 バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト 3−アミノ−1,5,6,7−テトラヒドロ−4h−インドール−4−オン類
WO2017148995A1 (en) 2016-03-04 2017-09-08 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 1-(pyrimidin-2-yl)-1h-indazoles having bub1 kinase inhibiting activity
WO2017157992A1 (en) 2016-03-18 2017-09-21 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Annulated pyrazoles as bub1 kinase inhibitors for treating proliferative disorders
WO2017157991A1 (en) 2016-03-18 2017-09-21 Bayer Pharma Aktiengesellschaft 1-alkyl-pyrazoles and -indazoles as bub1 inhibitors for the treatment of hyperproliferative diseases
WO2018122168A1 (en) 2016-12-29 2018-07-05 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Combinations of bub1 kinase and parp inhibitors
WO2018158175A1 (en) 2017-02-28 2018-09-07 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Combination of bub1 inhibitors
WO2018206547A1 (en) 2017-05-12 2018-11-15 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Combination of bub1 and atr inhibitors
WO2018215282A1 (en) 2017-05-26 2018-11-29 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Combination of bub1 and pi3k inhibitors
TW202227405A (zh) * 2020-08-24 2022-07-16 以色列商安道麥馬克西姆有限公司 用於製備經取代的吡唑之方法
IL301532A (en) 2020-09-23 2023-05-01 Scorpion Therapeutics Inc History Pyrrolo[2,3-C]pyridin-4-one is useful in cancer treatment
WO2022072645A2 (en) 2020-09-30 2022-04-07 Scorpion Therapeutics, Inc. Methods for treating cancer
WO2022072634A1 (en) 2020-09-30 2022-04-07 Scorpion Therapeutics, Inc. Bicyclic compounds for use in the treatment cancer
BR112023006531A2 (pt) 2020-10-09 2023-10-03 Scorpion Therapeutics Inc Inibidores heterocílicos de egfr e/ou her2, para uso no tratamento de câncer
WO2022094271A1 (en) 2020-10-30 2022-05-05 Scorpion Therapeutics, Inc. Methods for treating cancer
WO2022098992A1 (en) 2020-11-05 2022-05-12 Scorpion Therapeutics, Inc. Use of macrocyclic compounds in methods of treating cancer
WO2022197913A1 (en) 2021-03-18 2022-09-22 Scorpion Therapeutics, Inc. Bicyclic derivatives which can be used to treat cancer
WO2023173083A1 (en) 2022-03-11 2023-09-14 Scorpion Therapeutics, Inc. Tetrahydroindole derivatives as egfr and/or her2 inhibtors useful for the treatment of cancer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070179133A1 (en) * 2003-03-14 2007-08-02 David Bebbington Compositions useful as inhibitors of protein kinases
WO2012003405A1 (en) * 2010-06-30 2012-01-05 Ironwood Pharmaceuticals, Inc. Sgc stimulators
WO2013050438A1 (en) * 2011-10-06 2013-04-11 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Substituted benzylindazoles for use as bub1 kinase inhibitors in the treatment of hyperproliferative diseases.

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5976778B2 (ja) * 2011-04-11 2016-08-24 ネルビアーノ・メデイカル・サイエンシーズ・エツセ・エルレ・エルレ キナーゼ阻害剤としてのピラゾリル−ピリミジン誘導体
ES2638144T3 (es) * 2011-12-21 2017-10-18 Bayer Intellectual Property Gmbh Bencilpirazoles sustituidos
US9745285B2 (en) * 2013-06-21 2017-08-29 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Heteroaryl substituted pyrazoles

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070179133A1 (en) * 2003-03-14 2007-08-02 David Bebbington Compositions useful as inhibitors of protein kinases
WO2012003405A1 (en) * 2010-06-30 2012-01-05 Ironwood Pharmaceuticals, Inc. Sgc stimulators
WO2013050438A1 (en) * 2011-10-06 2013-04-11 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Substituted benzylindazoles for use as bub1 kinase inhibitors in the treatment of hyperproliferative diseases.

Also Published As

Publication number Publication date
HK1223097A1 (zh) 2017-07-21
WO2014202588A1 (en) 2014-12-24
CA2916109A1 (en) 2014-12-24
EP3010911A1 (en) 2016-04-27
US20160168130A1 (en) 2016-06-16
CN105452242A (zh) 2016-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016522232A (ja) ヘテロアリール置換されたピラゾール類
JP6141866B2 (ja) 置換ベンジルピラゾール類
JP2016525076A (ja) 置換されたベンジルピラゾール類
JP6704398B2 (ja) 4H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−4−オン誘導体
JP6140170B2 (ja) 過増殖性疾患の処置におけるbub1キナーゼ阻害剤として使用するための置換ベンジルインダゾール類
US9745285B2 (en) Heteroaryl substituted pyrazoles
ES2620316T3 (es) Cicloalquenopirazoles sustituidos como inhibidores de BUB1 para el tratamiento del cáncer
US9682974B2 (en) Heteroaryl substituted pyrazoles
JP2016514719A (ja) ヘテロアリール置換インダゾール
JP2016526540A (ja) 置換ベンジルピラゾール
JP2016514718A (ja) 3−ヘテロアリール置換インダゾール類
JP2016522231A (ja) ジアミノヘテロアリール置換ピラゾール類
JP2016514717A (ja) ジアミノヘテロアリール置換インダゾール
JP2018525375A (ja) 1h−ピロール−3−アミン類
TW201335150A (zh) 經取代之苯甲基吡唑

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180327

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181016