以下の実施形態は、超音波センサといったアクティブセンサを使用する存在検出に関し、当該存在検出は、オフィス又は他の部屋といった空間における照明を制御するために使用される。上記されたように、通常、この種の存在検出システムには、猶予期間の継続時間の間に存在が検出されない限り、光源が消灯されないようにする「猶予期間」タイマーも組み込まれている。このようにして、ユーザは、ユーザが存在しているが比較的静止している(例えば座りながら机で作業している)場合に光源がすぐに消灯することに苛立たなくて済む。
存在検出器の性能は、動きに対する感度及びいわゆる誤トリガーがないことを含む幾つかの基準によって判断される。これらの2つの基準間には、微妙なバランスが見出されなければならない。システムの感度が高いと、通常、誤トリガーを生成する可能性も高い。猶予期間が短いほど、より多くのエネルギーが節約できる(例えば占有者がオフィスから離れた場合に、オフィス内の光源がより早く消灯するので、より多くのエネルギーが節約される)。その一方で、猶予期間が短いほど、照明システムの光源が点灯し続けているべきときに、当該光源が消灯する可能性が高くなる(例えば占有者はオフィスに存在し続けているが、しばらくあまり動きがない場合)。後者の場合は、「誤消灯」と呼ばれる。
誤消灯の問題を軽減する1つの方法は、存在検出システムのセンサの感度を増加させることである。上記例において、センサ感度が可能な限り高く設定される場合(また、背景ノイズがない場合)、占有者は、猶予期間タイマーをリセットしないようにするためには、ほぼ完全に静止していなければならないので、誤消灯は、非常にまれである。しかし、実際には、必ず、多少の背景ノイズがあるので、占有者の幾つかの小さい動きは、背景ノイズから区別することが困難(場合によっては不可能)である。明らかな解決策は、センサの感度を、最悪の場合の背景ノイズに基づいて設定し、誤消灯がほぼない又は全くない状態(これは直接に決定できる)となるまで猶予期間を拡大させることである。したがって、静的システム設定は、占有者の快適さに対してエネルギー節約のバランスを取ろうとして(即ち、誤消灯を最小限に抑えることによって)設定される。
例えばノイズレベルは、環境に依存する(即ち、超音波センサでは、気流が、高ノイズ源であることが知られている)。ノイズレベルは、センサの感度を決定する。即ち、ノイズレベルが高いほど、センサの感度は低く設定される。センサが取り付けられる環境が事前に分からないので、単純な解決策は、センサに、最悪の場合のシナリオにおける誤消灯を回避するように十分に大きいタイマーを具備させることである。
しかし、これは、ほとんどの場合、潜在的なエネルギー節約が利用されないことを意味する。
したがって、最低感度及び最悪の場合のノイズシナリオに対して猶予期間を単に設定するのではなく、本発明は、その代わりに、推定背景ノイズレベルの変動に依存して、猶予期間を動的に変化させるコントローラを提供する。例えば推定背景ノイズレベルは、センサ出力を平均化することによって得られる。したがって、エネルギー節約を向上させるために、測定されたノイズレベルを所与として、最適な継続時間を決定する技術が提供される。
図1は、本明細書に開示される実施形態が使用される照明システムを含む環境の一例を示す。
環境は、オフィス空間、家の内部空間、研究室、大テント、庭又は公園等といった屋内又は屋外空間2を含む。空間2は、センサ6を含み、当該センサ6は、それが空間2又は空間内の所望の領域12内の存在を検知できるようにする場所に取り付けられるか、そうでなければ、配置される。図示される例では、センサ6は、床10の上を歩いている誰かの存在を検知するように、オフィス2の天井8に取り付けられている。この場合、検知領域12は、床10の上の特定の領域14に対応する。
図3に概略的に示されるように、センサ6は、コントローラ15と、コントローラ15に結合されている超音波送信器20及び超音波受信器22を含む超音波トランシーバ18とを含む。コントローラ15は、1つ以上の記憶媒体を含むメモリに記憶され、1つ以上の処理ユニットを含むプロセッサ上での実行のために構成されているコード(ソフトウェア)として実現されてもよい。当該コードは、メモリからフェッチされ、プロセッサ上で実行されると、以下に説明される実施形態に従って動作を行うように構成されている。或いは、機能の一部又は全部が、専用ハードウェア回路又はFPGAのような設定可能なハードウェア回路において実現されることも排除されるわけではない。
本明細書に開示される教示内容の例示的な応用において、空間2は、発光するように動作可能な1つ以上の照明器具の形である1つ以上の照明デバイス4を含む。センサ6のコントローラ15は、照明器具4に結合され、検知された存在に応じて、明かりを点灯、消灯又は減光するように制御する。照明器具4は、コントローラ15によって出力される検知結果によって直接に制御されるか、又は、コントローラ15が検知結果を別の制御ユニット(例えば複数の照明器具を制御する中央コントローラ)に報告することで制御される。
実施形態では、コントローラ15、送信器20及び受信器22は、自己充足型センサユニットを形成するために、同じユニット(例えば同じ筐体)内に一緒に組み込まれる。例えばコントローラ15は、センサ6の組み込みメモリに記憶され、センサ6の組み込みプロセッサ上での実行のために構成されるコードの形を取ってよい。更に、幾つかの実施形態では、センサ6は、自己充足型で、自律制御される照明ユニットを形成するために、照明器具4と同じユニット(同じ筐体)内に一緒に組み込まれてもよい。
図4に示される代替構成では、トランシーバ18は、自己充足型である必要はなく、及び/又は、受信器22と同じ数の送信器20を含む必要がない。その代わりに、空間2に分散配置され、共通の送信器20によって利用される複数の受信器22が提供されてもよい。これに代えて又は加えて、コントローラ15(又はその幾つかの要素)は、送信器20及び/又は受信器22から遠隔にあってもよい。例えば複数の受信器からの信号を処理する中央コントローラの一部であってもよい。一般に、集積又は分散コンポーネントの任意の組み合わせが可能である。
送信器20は、超音波信号を放出する。実施形態では、信号は、特定の周波数(例えば40kHz)の一連のパルスの形で放出されるが、信号は、その周波数(ここでも例えば40kHz)によって特定可能な連続波であってもよい。トランシーバ18は更に、送信された信号、例えば送信されたパルスのエコーを受信する受信器22を含む。例えば送信信号と受信エコーとの間のドップラーシフトに基づいて動きを検出することによる、存在からエコーされた(反射された)パルス(又はより一般的には信号)の検出に基づいて、存在が検知される。反射エコーに基づいた存在の検知技術自体は、当業者にはよく知られている。
図2は、検知を行うために、パルスを放出し、これらのパルスのエコーを検出するためのスキームを示す。ここでは、センサ6は、時間スロットに基づいたスキームに従って動作する。これにより、センサ6には、スキームの特定の時間スロットT1が割り当てられ、そこで、センサ6は検知を行う。時間スロットT1は、時間の経過と共に繰り返されるインスタンスに、例えば定期的に生じる。実施形態では、所与の時間スロットT1の連続インスタンスの間に間隔もある。例えば時間スロットT1のインスタンスは、定期的な間隔において生じる。例えばスキームは、一連の複数の排他的で連続的な時間スロットT1…TNを含み、センサ6は、同じ環境において動作する複数のセンサのうちの1つである。各センサは、時間スロットT1…TNのうちの異なる対応する1つの時間スロットを使用する。この場合、この一連は、経時的に繰り返され、各センサは、サイクルの繰り返されるインスタンス毎に、その対応する時間スロットのインスタンスを使用する。
センサ6のコントローラ15は、制御モジュール16とタイマー17とを含む。制御モジュール16は、存在が空間2内にいるのかどうかを検出するために、受信器22に到着する入来信号を処理する。例えば検出は、動きに基づいて行われる。動きが検出される場合、これは、生き物(典型的な応用では人である可能性が最も高い)に由来すると想定される。したがって、制御モジュール16は、その大きさが受信器22の出力を表す信号を生成する。当該信号は、存在を示す(例えば検知された動きの量を表す)。例えば信号の大きさは、振幅又は電力(振幅の2乗)で表される。
送信器20は、その時間スロットT1の1つのインスタンスの始まりにおいてパルスを放出し、時間スロットT1の当該インスタンスの残りの時間において生じるエコーを聞く。受信器22において受信される信号の大きさが、検出閾値を超えると、制御モジュール16は、これは、空間2内に存在が発見されたことを示す肯定的な検知結果であると決定する(当然ながら、制御モジュール16は、検知されたものが生物であるか必ずしも分からないが、例えば動きである感知された特性は、生物に由来する可能性が高いと想定される)。その一方で、対応する時間スロットT1のインスタンスの終わりを過ぎたら、制御モジュール16は、受信信号が存在を示すものとは考えず、これらの信号を処理する必要はない。これは、例えば他のセンサからパルスが放出される時間スロットT2…TNになったからである、及び/又は、当該受信信号は、飛行時間、したがって、関心の範囲を越えたセンサからの距離を表すからである。
制御モジュール16は、対応する時間スロットT1のインスタンスにおいて、受信器22に到着する入来信号を所与として、肯定的な検知結果の発生が決定されるかどうかに依存して、1つ以上の照明器具4を制御して、点灯、消灯及び/又は減光する。制御モジュール16は更に、肯定的な検知結果がないことが、照明デバイス4の消灯(又は場合によっては減光)をもたらすかどうかを決定するために、タイマー17を参考にする。制御モジュール16は、肯定的な検知結果を決定する度に、その時に、タイマー17をリセットし、タイマー17は、本明細書では猶予期間と呼ぶ期間を計時し始める。制御モジュール16は、(最近のリセットから開始して)猶予期間が終わる前に、別の肯定的な検知結果の発生を決定すると、タイマー17を再びリセットし、タイマー17は、猶予期間を最初から計時し始める。即ち、タイマー値が、その開始値にリセットされる。その一方で、制御モジュール16は、(最近のリセットから介して)猶予期間が終わる前に、つまり、タイマー17が全猶予期間を計時し終わる前に、即ち、タイマー値がその終了値に到達する前に、肯定的な検知結果の発生を発見しなければ、1つ以上の照明機器4を消灯する(又は減光する)。
パルスベースの超音波存在センサといったセンサを使用する場合、存在(例えば動き)が検出されると、特定の振幅を有する信号がもたらされる。例えばこの信号の振幅は、動きの大きさ/速度に関連付けられる。歩行している(したがって、動きの大きい)人は、コンピュータの後ろでタイピングしている人よりも大きい信号を与える。不在の場合は、はるかに低い振幅を有する信号がもたらされる。
しかし、受信信号は、特定量の外乱も含む。「外乱」との用語は、本明細書では、同じ環境におけるアクティブである別のセンサといった別の信号源からのランダム若しくは意味のないノイズ及び/若しくは干渉、又は、完全にランダムとも別の信号によるものとも必ずしもすぐに分類されない任意の他の(所望信号以外の)不所望の外乱を指すとして使用される。例えば鍵のセットをじゃらじゃら鳴らすことは、超音波センサを妨げる高周波トーンを生成する。別の例では、ノイズレベルは、環境における外乱(即ち、気流)によっても影響を受ける。気流が多いと、ノイズレベルは上がる。例えばこれは空調からもたらされる。以下において、「ノイズ」との用語が使用されるが、当然ながら、これは、純粋にランダムなノイズに限定されず、教示内容は、受信信号における任意の種類の外乱の対処に関連する。
制御モジュール16は、ノイズフロアに依存して、検出閾値を自動的に調節する。したがって、低いノイズレベルでは、閾値は低くなり(高感度)、センサ6は小さい動きを検出することができる。その一方で、ノイズレベルが高い場合、検出閾値は高くなり(低感度)、センサ6は大きい動きにしか反応しない。
図5及び図6を参照するに、ノイズレベルが増加すると、細かい動きによってもたらされる低振幅信号の検出がより困難又は不可能となり、低感度がもたらされる。
図5は、相対的に低いノイズ条件における信号レベルの一例を示す。ここでは、受信器22から出力された超音波センサ信号の所望成分25は、無視可能なノイズ成分27に重ねられて示されている。センサ信号の各ピーク(実線で示されている)は、ノイズから区別できる。所望信号の振幅は、不在状態では、観察されるノイズレベルよりも著しく高いので、制御モジュール16は、その検出閾値(閾値より上では、信号の大きさは、肯定的な結果と取られる)を下げることができる。これにより、制御モジュール16は、感度が高くなり、存在を比較的簡単に検出でき、更には、様々な動きを区別することも可能となる。
その一方で、図6は、相対的に高いノイズの条件下での信号レベルの一例を示す。ここでは、超音波センサ信号の所望成分25は、増加されたノイズ27と拮抗している。この例では、センサ信号のピークのうちの2つ(破線で示されている)は、ノイズから区別できない。制御モジュール16は、その検出閾値を上げて、ノイズによってトリガーされる誤検出結果、つまり、幾つかの本物の存在結果(例えば小さい動き)が逃すことを回避しなければならない。例えばノイズレベルは、気流(例えば室内の空調がつけられたこと)によって増加し、結果として、人が作業しているときの小さい動きが検出されなくなる。
これは、ノイズレベルが増加した状況では、存在検出器は、その決定を、小さい動きよりも生じる頻度が低い大きい動き(これは、閾値よりも依然として上の信号しかないことによる)にしか基づくことができないことを意味する。したがって、存在タイマー17は、センサ6が妥当に信頼高く動作するには、十分に大きい猶予期間で設定されなければならない。
本明細書に開示される実施形態では、猶予期間を、最悪の場合のシナリオ用にデザインされた固定値に事前に設定するのではなく、制御モジュール16は、関連の時間に実際に観察されたノイズに依存して、猶予期間を動的に調整させる。つまり、ノイズレベルは、「現場で」又は実際の動作条件下のランタイム時に自動的に測定され、これに基づいて、猶予期間は、照明を制御している際のコントローラの現在進行中の動作の間に、「オンザフライ」で自動的に調整される。検知が、時間スロットT1の繰り返されるインスタンスで行われる場合、測定及び調整は、したがって、複数の時間スロットのインスタンスに及ぶ時間に亘って(例えば複数の時間スロットのインスタンスのそれぞれの間に)、制御ユニット6によって自動的に行われる。更に、測定及び調整は、システムの任意の最初のコミッショニング又は較正後に、即ち、エンドユーザによるシステムの現在進行中の使用の間に、制御モジュール16によって自動的に行われる。
図7は、制御モジュール16において実施される方法の一例を説明するフローチャートを示す。
ステップS10において、制御モジュール16は、受信器22において受信した信号内のノイズの推定の値を測定する。実施形態では、測定は、センサの時間スロットの1つ以上のインスタンス、好適には、(現在の検出閾値を基準として)肯定的な検知結果の発生がないことが決定されるインスタンスのみにおいて、受信信号レベルを測定することによって行われる。例えば制御モジュール16は、時間スロットの1つ以上のインスタンスに亘る信号レベルの平均値(例えば平均信号レベル又はこれらのインスタンスにおける全体の若しくは代表的な信号レベルのその他の指示)を測定する。実施形態では、制御モジュール16は、時間スロットT1の各インスタンスの間の平均値を個別に測定し、毎回、猶予期間を調整させる方法を決定してもよい。或いは、制御モジュール16は、時間を遡って時間スロットT1の複数のインスタンスに亘る移動平均を維持し、移動平均への複数の更新のそれぞれの後に、猶予期間を調整させる方法を決定してもよい。
代替実施形態では、ノイズを測定する他の方法を使用してもよい。例えば制御モジュール16は、センサの対応する時間スロットT1のインスタンスの間に、受信信号レベルを測定してもよい。これに代えて又は加えて、制御モジュール16は、同じ時間スロットにおいて、更には、肯定的な検知結果が検出される時間と同じ時間において、信号レベルを測定してもよいが、エコー(所定の波形、したがって、スペクトル密度である)の予期される周波数帯の外側の周波数スペクトルの領域において測定される。例えば信号レベルは、エコーの予期される周波数帯のどちらか一方の側のすぐ近くであるが内側にはない領域において測定される。これは、周波数帯におけるノイズがどのようなものであるかを示すと見なされる。
本発明の目的として、周波数帯内の同じ時間スロットにおいて、また、検出結果がない場合にのみ(即ち、信号が現在の検出閾値を超えない場合に)、測定する技術を使用することが好適である。しかし、一般に、ノイズを測定する任意の技術又は技術の組み合わせを使用してもよい。更に、猶予期間を調整させるために使用されるノイズの測定は、必ずしも、センサ6の検出閾値(即ち、感度)を調節するために使用される測定でなくてもよい。しかし、実施形態では、猶予期間を調整させるために使用されるノイズの測定は、センサ6の検出閾値を調節するために使用される測定である。
ステップS20において、制御モジュール16は、現在のノイズレベルが、第1の、小さい動きの電力レベル閾値(又は、より一般的には、大きさ閾値)を下回るかどうかを決定する。下回る場合、ステップS30において、制御モジュール16は、存在タイマー17の猶予期間を、相対的に短い第1の所定値に設定する。低ノイズによって、制御モジュール16は、センサの感度も、より高いレベルに調節する(検出閾値を下げる)。したがって、システムは、「不在」に対してより迅速に反応して、光源は速く消灯され、これは、平均的にエネルギー節約が高くなることを意味する。次に、方法はステップS10に戻り、制御モジュール16は、猶予期間の調整に関する電力の測定及び更なる決定の実行を続ける。
その一方で、現在のノイズレベルが、第1の、小さい閾値を下回らない場合、方法は、ステップS40に進み、制御モジュール16は、現在のノイズレベルが、第2の、中位の動きの電力レベル閾値だけを下回るかどうかを決定する。下回る場合、ステップS50において、制御モジュール16は、存在タイマー17の猶予期間を、第2の中級の所定値に設定する。中間ノイズ量によって、制御モジュール16は、センサの感度も、幾分低いレベルに調節する(検出閾値を上げる)。したがって、システムは、「不在」にあまり迅速に反応しなくなるので、光源は、あまり速く消灯されることなく、これは、中間的なエネルギー節約を意味する。次に、方法はステップS10に戻り、制御モジュール16は、猶予期間の調整に関する電力の測定及び更なる決定の実行を続ける。
現在のノイズレベルが、第2の中間閾値も下回らない場合、即ち、ノイズレベルが、大きい動きの電力レベルである場合、方法は、ステップS60に進み、制御モジュール16は、存在タイマー17の猶予期間を、第1及び第2の値に比べて大きい第3の所定値に設定する。高いノイズ量によって、制御モジュール16は、センサの感度も、更に低いレベルに調節する(検出閾値をより高いレベルにまで上げる)。したがって、システムは、「不在」に対してゆっくりと反応して、光源は、ゆっくりと消灯され、これは、エネルギー節約が減少することを意味する。次に、方法はステップS10に戻り、制御モジュール16は、猶予期間の調整に関する電力の測定及び更なる決定の実行を続ける。
この方法は、より高いエネルギー節約を可能にする一方で、依然として、誤消灯に対するロバスト性を維持するために使用される。
別の実施形態では、常により最適な設定を実現することを目的に、ノイズレベルとタイマー設定との間に直接的関係(式を介する計算)を組み込んでもよい。つまり、制御モジュール16は、実質的に連続的に可変である(即ち、デジタル表現の制約の中にある)ノイズと猶予期間との間の関係に従って設定されてもよい。これは、ずれた(staggered)アプローチを回避し、実施形態では、より最適な電力節約を可能にする。例えば制御モジュール16は、ノイズレベルとタイマー設定との間に直接的な直線関係を組み込んでもよい。
当然ながら、上記実施形態は、例として説明されたものに過ぎない。
例えば存在の検知は、動きの検知又は人間の検知に限定されない。一般に、存在検知技術は、任意の存在(人間であっても他の生物であってもよい)の動き又は存在を検知するために利用可能である。更に、上記教示内容は、超音波検知に限定される必要はなく、任意の信号の放出(例えば機械的又は電磁放射)とそのような信号のエコーの受信とに基づく任意のアクティブ検知技術にまで拡大適用される。センサが超音波センサであっても、受信器22は、超音波受信専用であってもなくてもよい。実施形態では、超音波内容を測定することに加えて、マイクロホンを使用して、可聴音を受信してもよい。
更に、本明細書に開示される技術は、ヘリオスタット又は窓周りの装飾(例えば自動ブラインド)といった空間に提供される光源、又は、空調又は暖房といった存在に提供される又は空間に予期される存在のための空間の他の機能を制御する他の方法にまで拡大適用されてもよい。機能が光源である場合、これは、イエス/ノー形式で点灯及び消灯されることに限定されず、本発明の考えは、光源が減光される前の時間を調整させることに拡大適用されてもよい。同様に、その他の機能が問題になっている場合、猶予期間は、当該機能が無効にされる又は動作の幾らか低い電力状態に低下される前の期間を決定してもよい。一般に、猶予期間は、空間の一部の機能の状態の任意の変化が起きる前の期間である。更に、状態の変化は、必ずしも、状態が突然生じる瞬間を指すわけではない。例えば猶予期間は、光源が徐々に低いレベルに減光する期間を含み、この場合、状態の変化は、光源がこの減光過程において最低レベルに到達する(例えば消灯状態又は低定常状態レベルに到達する)猶予期間の終了時を指してよい。
実施形態では、制御モジュール16は、センサの感度だけでなく、猶予期間も調節し、ノイズが減少するにつれて、感度を高める。しかし、他の応用では、センサは、固定の感度を有してもよい。例えば特定の期間(例えば1秒、2秒)の間、存在を検出し続けるという条件で、光源又は他の機能をオンにする固定感度のセンサが考えられる。この場合の課題は、誤ったオンを回避することである。固定感度の場合、ノイズが多ければ、誤検知結果がより多いことを意味する。したがって、光源又は他の機能をオンにする前に、肯定的な検知結果が(明らかに)検出され続けられなければならない期間(即ち、機能をトリガーするために、信号は検出閾値を上回ったままでなければならない期間)を延長することが望ましい。
ある値が制限又は閾値(等)以内であると上で述べた個所において、これは、「未満」というタイプの動作と、「以下」のタイプの動作の両オプションを対象としている。同様に、ある値が制限又は閾値(等)を超える又は超過すると上で述べた個所において、これは、「〜よりも多い」及び「以上」のタイプの動作の両オプションを対象としている。
開示されている実施形態に対する他の変形態様は、図面、開示内容及び従属請求項を検討することにより、請求項に係る発明を実施する当業者には理解されかつ実施可能である。請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載される幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体又は固体媒体といった適切な媒体上に格納/分散配置されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介するといった他の形態で分散されてもよい。請求項における任意の参照符号は、範囲を限定しているものと解釈されるべきではない。