JP2016519936A - バイオマスの加工 - Google Patents

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Abstract

バイオマス(例えば、植物バイオマス、動物バイオマス、および自治体廃棄物バイオマス)を加工して、有用な中間体および生成物、例えばポリカルボン酸およびポリカルボン酸誘導体を生成する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、以下の仮特許出願の優先権を主張するものである:2013年5月17日出願の米国特許出願第61/824,582号、2013年5月17日出願の同第61/824,597号、および2014年2月19日出願の同第61/941,771号。これらの仮特許出願それぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
例を挙げると農業残渣、木質バイオマス、自治体廃棄物、油料種子粕類および海藻など、多くの潜在的リグノセルロース原料が、今日は入手可能である。現在、これらの材料の多くは、十分に活用されておらず、例えば動物飼料、バイオコンポスト材料として用いられるか、コジェネレーション施設で焼却されるか、または埋め立てられることさえある。
リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロースマトリックスに包埋され、リグニンに包囲された結晶セルロース原繊維を含む。これが、酵素、ならびに他の化学的、生化学的および/または生物学的工程による接近が困難な緻密なマトリックスを生成する。セルロース系バイオマス材料(例えば、リグニンが除去されたバイオマス材料)は、酵素および他の変換工程により利用し易いが、それでも天然由来のセルロース材料は多くの場合、加水分解酵素と接触させると、低い収率となる(理論収率と比較)。リグノセルロース系バイオマスは、酵素の攻撃に対してより難分解性である。さらにリグノセルロース系バイオマスの各タイプは、それぞれに特有のセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの組成を有する。
概要
一般に本開示は、難分解性を低下させたバイオマス材料(例えば、セルロース材料、リグノセルロース材料および/またはデンプン質材料)を1種以上の酵素および/または1種以上の生物体で(例えば、任意の順序で)処理して、ポリカルボン酸、例えばジ−、トリ−またはテトラカルボン酸を生成させることに関する。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸、ムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、メリト酸、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリカルボン酸。例えば、難分解性を低下させたバイオマス材料は、1種以上の酵素で処理されて、1種以上の糖を放出することができ、その後、放出された糖の1種以上を1種以上のポリカルボン酸、例えばコハク酸に発酵することができる。本明細書の発明は、バイオマス原料などの材料、例えばセルロース材料、デンプン質材料またはリグノセルロース材料を有用な生成物、例えばポリカルボン酸誘導体に変換するための方法、工程およびシステムにも関する。
一態様において、本発明は、ポリカルボン酸を生成物に変換するための方法を特色とする。該ポリカルボン酸は、難分解性を低下させたリグノセルロール材料またはセルロース材料を1種以上の酵素で処理することにより生成することができる。場合により難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成するための処理は、難分解性を低下させた材料を生成するための照射、音波処理、酸化、熱分解および水蒸気爆発のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば照射処理(例えば、約20〜50Mradの線量)を用いて、材料の難分解性を低下させることができる。照射処理としては、電子ビーム照射を挙げることができる。場合により処理は、最初、1種以上の酵素で実施されてリグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で実施されてポリカルボン酸を産生する。例えば糖は、グルコース、キシロース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、これらのうちの任意の1種または2種の二糖類(例えば、セロビオースまたはフルクトース)、セロビオース、スクロース、これらのうちの任意の2種以上の多糖類、およびこれらの混合物からなる群から選択され得る。幾つかの実行において、ポリカルボン酸への変換の前に、処理により、糖の1種以上を中間体生成物(例えば、糖の発酵によるエタノールまたはグリコール)に変換する。
幾つかの実行において、ポリカルボン酸は、生成物に化学変換される。例えば重合、縮合、異性化、エステル化、アルキル化、酸化、アミノ化、酸ハロゲン化物の形成(例えば、酸または酸無水物からの酸塩化物または酸臭化物形成)、還元、水素添加、環化、イオン交換、脱水、アシル化およびそれらの組み合わせを含む反応による。場合により化学変換するステップとしては、触媒変換、非触媒変換およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
幾つかの実行において、ポリカルボン酸は、コハク酸であり、変換される生成物としては、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−ビニル−2−ピロリジノン、スクシンイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、スクシンジアミド、塩化スクシニル、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、1,4−ジアミノブタン、スクシノニトリル、1,4−ブタンジオール、コハク酸ジメチルまたはこれらの混合物が挙げられる。
別の態様において、本発明は、生成物を作製する方法を特色とし、該方法は、窒素供給源(例えば、酵母抽出物)および無機塩(例えば、NaHPO、NaHPO、NaCl、MgClおよびCaClのうちの任意の1つ以上)を有する混合糖溶液をコハク酸産生生物体と接触させて、コハク酸を産生することを含む。例えばコハク酸産生生物体は、糖溶液中の糖の少なくとも1種をコハク酸に発酵する。該方法は、コハク酸を精製すること、および精製されたコハク酸を生成物に変換すること(例えば、化学変換すること)をさらに含む。糖溶液は、電子ビームで処理されたセルロース系またはリグノセルロール系バイオマスを糖化することにより作製することができる。例えばセルロース材料またはリグノセルロース材料は、約10〜約50Mradの放射線線量を受ける。幾つかの実行において、生物体は、アクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、およびPEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌からなる群から選択される。
別の態様において、本発明は、難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を1種以上の酵素および/または生物体で処理して、ポリカルボン酸を生成することを含む、生成物を一致させる(mating)方法を特色とする。場合により原料(例えば、セルロース材料またはリグノセルロース材料)は、電離放射線で前処理されて、難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成する。場合により難分解性を低下された原料を処理することは、最初、1種以上の酵素で処理してリグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で処理して、ポリカルボン酸を産生することを含む。場合によりポリカルボン酸は、コハク酸ではない。
本明細書に記載された生成物、例えばコハク酸およびコハク酸誘導体、例えばアシル誘導体および無水物誘導体は、本明細書に記載された方法により生成することができる。発酵の方法および/または発酵方法と化学的方法との組み合わせは、非常に効率的になり得、高度のバイオマス変換、選択的変換および高い生成速度をもたらすことができる。本明細書に記載された方法は、出発原料(例えば、糖および/またはアルコール)がバイオマス(例えば、セルロース材料またはリグノセルロース材料)から完全に得ることができることも有利である。加えて、幾つかの発酵生物種はCO固定メカニズムを通して進行させるため、記載された発酵技術の幾つかは、更なるCOを吸着することもできる。本明細書に記載された生成物の幾つか、例えばバイオポリマーは、堆肥可能、生分解可能および/または再循環可能である。それゆえ、本明細書に記載された方法は、再生可能な供給源(例えば、バイオマス)から有用な材料および生成物をもたらし、炭素を捕捉し、生成物そのものを再利用させることまたは環境に単に安全に戻すことができる。
本発明の実行は、場合により以下に要約された特色の1つ以上を含むことができる。幾つかの実行において、選択された特色は、いずれの順序で適用または活用することができ、他の実行においては、特別な選択された順番が適用または活用される。個々の特色を、いずれかの順番で連続的に1回を超えて適用または活用することができる。加えて、適用または活用される特色の全体的な順番、または順番の一部を、一回、繰り返し、または連続していずれかの順序で適用または活用することができる。幾つかの選択的実行において、特色は、当業者に決定される、異なる、または適宜同一の、設定された、または変動する、定量的または定性的パラメータを提供または利用することができる。例えばサイズ、個々の寸法(例えば、長さ、幅、高さ)、使用場所、使用の程度(例えば、難分解性などの程度)、使用期間、使用頻度、密度、濃度、強度および速度は、適宜、当業者に決定される通り、変動しても、または設定されていてもよい。
例えば特色は、以下のことが挙げられる:生成物を作製する方法;難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を1種以上の酵素および/または生物体で処理してポリカルボン酸を生成すること;ポリカルボン酸を生成物に変換すること;原料を少なくとも照射により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;原料を少なくとも音波処理により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;原料を少なくとも酸化により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;原料を少なくとも熱分解により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;原料を少なくとも水蒸気爆発により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;原料を少なくとも電子ビーム照射により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;ポリカルボン酸を生成物に変換することが化学変換することを含む;化学変換することが少なくとも重合を含む;化学変換することが少なくとも縮合を含む;化学変換することが少なくとも異性化を含む;化学変換することが少なくともエステル化を含む;化学変換することが少なくともアルキル化を含む;化学変換することが少なくとも酸化を含む;化学変換することが少なくともアミノ化を含む;化学変換することが少なくとも酸ハロゲン化物の形成を含む;化学変換することが少なくとも還元を含む;化学変換することが少なくとも水素添加を含む;化学変換することが少なくとも環化を含む;化学変換することが少なくともイオン交換を含む;化学変換することが少なくとも脱水を含む;化学変換することが少なくともアシル化を含む;化学変換することが触媒変換を含む;化学変換することが非触媒変換を含む;処理することが1種以上の酵素で実施されてリグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で実施されてポリカルボン酸を産生する;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がグルコースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がキシロースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がスクロースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がマルトースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がラクトースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がマンノースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がガラクトースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がアラビノースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がフルクトースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がグルコース、キシロース、マルトース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、またはフルクトースのうちの少なくとも1種を含むまたは2種を含む二糖類である;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がセロビオースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がスクロースである;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がグルコース、キシロース、マルトース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、またはフルクトースのうちの2種以上のいずれかを含む多糖類である;リグノセルロース材料またはセルロース材料から放出された糖がセロビオースである;ポリカルボン酸への変換の前に処理により1種以上の糖を中間体生成物に変換する;中間体生成物がエタノールである;中間体生成物がグリコールである;糖が発酵により中間体生成物に変換される;ポリカルボン酸がシュウ酸である;ポリカルボン酸がマロン酸である;ポリカルボン酸がコハク酸である;ポリカルボン酸が酒石酸である;ポリカルボン酸がグルタル酸である;ポリカルボン酸がアジピン酸である;ポリカルボン酸がピメリン酸である;ポリカルボン酸がスベリン酸である;ポリカルボン酸がアゼライン酸である;ポリカルボン酸がセバシン酸である;ポリカルボン酸がウンデカン二酸である;ポリカルボン酸がドデカン二酸である;ポリカルボン酸がマレイン酸である;ポリカルボン酸がフマル酸である;ポリカルボン酸がグルタコン酸である;ポリカルボン酸がトラウマチン酸である;ポリカルボン酸がムコン酸である;ポリカルボン酸がフタル酸である;ポリカルボン酸がイソフタル酸である;ポリカルボン酸がテレフタル酸である;ポリカルボン酸がクエン酸である;ポリカルボン酸がイソクエン酸である;ポリカルボン酸がアコニット酸である;ポリカルボン酸がメリト酸である;ジカルボン酸から作製された生成物がテトラヒドロフランである;ジカルボン酸から作製された生成物がγブチロラクトンである;ジカルボン酸から作製された生成物が2−ピロリジノンである;ジカルボン酸から作製された生成物がN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)である;ジカルボン酸から作製された生成物がN−ビニル−2−ピロリジノンである;ジカルボン酸から作製された生成物がスクシンイミドである;ジカルボン酸から作製された生成物がN−ヒドロキシスクシンイミドである;ジカルボン酸から作製された生成物がスクシンイミドである;ジカルボン酸から作製された生成物が塩化スクシニルである;ジカルボン酸から作製された生成物が無水コハク酸である;ジカルボン酸から作製された生成物が無水マレイン酸である;ジカルボン酸から作製された生成物が1,4−ジアミノブタン、スクシノニトリルである;ジカルボン酸から作製された生成物が1,4−ブタンジオールおよびコハク酸ジメチルである。
特色は、例えば以下のことが挙げられる、またはさらに挙げられる:生成物を作製する方法;窒素供給源および無機塩を含む混合糖溶液をコハク酸産生生物体と接触させてコハク酸を産生すること;コハク酸を精製すること;精製されたコハク酸を生成物に変換すること;電子ビーム処理されたセルロース系またはリグノセルロース系バイオマスを糖化することにより糖溶液が作製される;無機塩がNaHPOを含む;無機塩がNaHPOを含む;無機塩がNaClを含む;無機塩がMgClを含む;無機塩がCaClを含む;窒素供給源が酵母抽出物を含む;生物体がアクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンスである;生物体がマンヘイミア・スクシニシプロデュセンスである;生物体がPEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌である;変換することが化学変換することを含む;セルロース材料またはリグノセルロース材料が約10〜約50Mradの放射線を受ける。
他の特色としては、例えば以下のことが挙げられる、またはさらに挙げられる:生成物を作製する方法;難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を1種以上の酵素および/または生物体で処理してポリカルボン酸を生成すること;原料を少なくとも電離放射線により前処理して難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成すること;電離放射線が電子ビームであること;処理が最初、1種以上の酵素で実施されてリグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で実施されてポリカルボン酸を産生する;生成されたポリカルボン酸がシュウ酸である;生成されたポリカルボン酸がマロン酸である;生成されたポリカルボン酸がコハク酸である;生成されたポリカルボン酸が酒石酸である;生成されたポリカルボン酸がグルタル酸である;生成されたポリカルボン酸がアジピン酸である;生成されたポリカルボン酸がピメリン酸である;生成されたポリカルボン酸がスベリン酸である;生成されたポリカルボン酸がアゼライン酸である;生成されたポリカルボン酸がセバシン酸である;生成されたポリカルボン酸がウンデカン二酸である;生成されたポリカルボン酸がドデカン二酸である;生成されたポリカルボン酸がマレイン酸である;生成されたポリカルボン酸がフマル酸である;生成されたポリカルボン酸がグルタコン酸である;生成されたポリカルボン酸がトラウマチン酸である;生成されたポリカルボン酸がムコン酸である;生成されたポリカルボン酸が酸、フタル酸である;生成されたポリカルボン酸がイソフタル酸である;生成されたポリカルボン酸がテレフタル酸である;生成されたポリカルボン酸がクエン酸である;生成されたポリカルボン酸がイソクエン酸である;生成されたポリカルボン酸がアコニット酸である;生成されたポリカルボン酸がメリト酸である。
本発明の他の特色および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明白となろう。
前述の事柄は、添付に示された通り、以下に示す本発明の例示的実施形態のより詳細な説明により明白となろう。図面は、必ずしも比率に応じて示されておらず、代わりに本発明の実施形態を例示することを重視して描かれている。
バイオマス原料から生成物を製造するための工程を示す流れ図である。 幾つかのポリカルボン酸の化学構造を示す。 糖をコハク酸に発酵するための生化学的経路を示す略図である。 コハク酸から得られた生成物を生成するための幾つかの可能な化学経路を示す略図である。 コハク酸の誘導体の幾つかの反応を示す。 モノマーの重合に関する反応系の略図である。 往復式スクレーパの第一の実施形態の上面図である。 往復式スクレーパの第一の実施形態の正面断面図である。 往復式スクレーパの第二の実施形態の上面図である。 往復式スクレーパの第二の実施形態の正面断面図である。 薄膜重合/脱揮デバイスおよび押出機の例を有する重合ユニットの略図を示す。 溶融ポリマーが流れる傾斜面を有する薄膜重合/脱揮デバイスの断面図を示す。 実験室規模の薄膜重合/脱揮デバイスの例を有する小規模重合ユニットを示す。 溶融ポリマーが流れる傾斜面を有する薄膜重合/脱揮デバイスの断面図を示す。 グルコシド系ジェミニ型界面活性剤の調製を示す略図である。 ジカルボン酸を用いる非イオン性界面活性剤の調製を示す略図である。 グルコースの消費とコハク酸の生成とを示すプロットである。 キシロースの消費とコハク酸の生成とを示すプロットである。 グルコース+キシロースの消費とコハク酸の生成とを示すプロットである。 アクチノバシルス・スクシノゲネスの1.2Lバイオリアクタ培養物を用いて消費された糖と生成された生成物とのプロットである。
詳細な説明
本明細書に記載された設備、方法およびシステムを利用して、例えばバイオマス(例えば、植物バイオマス、動物バイオマス、紙、および自治体廃棄物バイオマス)から供給され得る、セルロース原料およびリグノセルロース原料を、有用な生成物および中間体、例えば糖およびポリカルボン酸に転換することができる。バイオマスから生成された一次生成物を二次生成物、例えばポリマー(例えば、ポリエステルおよびポリウレタン)、ポリマー誘導体(例えば、複合体、エラストマーおよびコポリマー)、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン)、医薬品および他の有用な生成物に化学変換する設備、方法およびシステムが、含まれる。
バイオマスは、複雑な原料である。例えばリグノセルロース材料は、セルロースとヘミセルロースとリグニンとの異なる組み合わせを含む。セルロースは、グルコースの直鎖状ポリマーである。複数のヘテロポリマー、例えばキシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシランおよびキシログルカンのいずれかである。マンノース、ガラクトース、ラムノース、アラビノースおよびグルコースなどの他のモノマーが存在するが、ヘミセルロース中に存在す(例えば、最大濃度で存在する)主な糖モノマーは、キシロースである。リグニンは全て、様々な組成を示すが、それらは、フェニルプロペン単位の非晶質樹枝状ネットワークポリマーとして記載された。具体的なバイオマス材料中のセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの量は、バイオマス材料の供給源に依存する。例えば木材由来のバイオマスは、タイプによるが約38〜49%セルロース、7〜26%ヘミセルロースおよび23〜34%リグニンになり得る。牧草は、典型的には約33〜38%セルロース、24〜32%ヘミセルロースおよび17〜22%リグニンである。明らかなこととして、リグノセルロース系バイオマスが、基質の大部分を構成している。
先に記載されたバイオマスのセルロース、ヘミセルロースおよび/またはリグニン部分などのバイオマスを破壊する酵素およびバイオマス破壊生物体は、様々なセルロース分解酵素(セルラーゼ)、リグニナーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼまたは様々な小分子バイオマス破壊代謝産物を含有または製造する。セルロース基質は、最初、無作為な位置でエンドグルカナーゼにより加水分解されて、オリゴマー中間体を生成する。これらの中間体は、その後、セロビオヒドロラーゼなどのエクソ切断型グルカナーゼの基質になり、セルロースポリマーの末端からセロビオースを生成する。セロビオースは、グルコースの水溶性1,4−結合ダイマーである。最後にセロビアーゼは、セロビオースを切断してグルコースを生成する。ヘミセルロースの場合、キシラナーゼ(例えば、ヘミセルラーゼ)は、このバイオポリマー上で作用して、キシロースを可能な生成物の1つとして放出する。
図1に、ポリカルボン酸(例えば、セルロース材料またはリグノセルロース材料)を製造する工程、およびその酸を別の生成物にさらに変換する工程を示す流れ図である。最初のステップ110において、該方法は場合により、例えば原料を破砕するため/サイズを減少させるために、セルロース原料および/またはリグノセルロース原料を機械的に処理することを含む。この処理の前および/または後に、原料を別の物理的処理112、例えば照射、音波処理、水蒸気爆発、酸化、熱分解またはこれらの組み合わせで処理して、難分解性を低下させる、またはさらに低下させることができる。例えばグルコースおよび/またはキシロースをはじめとする、糖溶液は、原料を糖化することにより形成される114。糖化は、例えば1種以上の酵素、例えばセルラーゼおよび/またはキシラナーゼの添加111、加熱、および/または1種以上の酸を任意の順序で、そして場合により繰り返し加えることにより、効率的に完遂することができる。生成物または複数の生成物は、例えばポリカルボン酸への発酵116により、糖溶液から得ることができる。発酵に続いて、発酵生成物(例えば、または複数の生成物、または複数の発酵生成物の部分集合)を精製すること、またはそれらをさらに加工することができる。例えば化学変換(例えば、還元、酸化、アミノ化などの原子置換反応を受けること、環化、重合またはこれらの組み合わせ)、および/または単離124。幾つかの実施形態において、糖溶液は、糖の混合物であり、生物体が、糖の2種以上を発酵させる。場合により糖溶液は、糖の混合物であり、生物体が、糖の1種のみを選択的に発酵させる。混合物中の糖の1種のみの発酵は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2014年3月7日出願のPCT特許出願第PCT/US14/21813号に記載された通り有利になり得る。所望なら、リグニン量を測定するステップ118およびこの測定に基づいて工程パラメータを設定または調整するステップ120は、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年4月9日発行の米国特許第8,415,122号に記載された通り、工程の様々な段階で実施することができる。場合により酵素を(例えば、セルラーゼおよびキシラナーゼに加えて)、ステップ114に添加することができ、例えばグルコースイソメラーゼを用いて、グルコースをフルクトースに異性化することができる。イソメラーゼの幾つかの関連する使用が、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年12月20日出願のPCT特許出願第PCT/US12/1093号に議論されている。
幾つかの実施形態において、糖化および/または発酵の後の液体は、例えば遠心分離、濾過、ふるい分け、またはロータリー真空濾過により、処理して固体を除去することができる。例えば、糖化の間または糖化の後に用いられ得る幾つかの方法および設備を、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2014年3月7日出願のPCT特許出願第PCT/US14/21584号、および2013年7月1日出願の米国特許出願第13/932,814号に開示されている。加えて、他の分離技術を、液体に用いることができる。例えばイオンを除去するため、そして脱色するため。例えばクロマトグラフィー、擬似移動床式クロマトグラフィーおよび電気透析を用いて、本明細書に記載された溶液および/または懸濁液のいずれかを精製することができる。これらの方法の幾つかは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2014年3月7日出願のPCT特許出願第PCT/US14/21638号および2014年3月7日出願のPCT特許出願第PCT/US14/21815号に議論されている。加工の間に除去される固体は、エネルギーコジェネレーションに活用することができる。例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2014年3月7日出願のPCT特許出願第PCT/US14/21634号に議論される通り。
場合により、本明細書に記載されたバイオマスから放出された糖。例えばグルコース、キシロース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、これらのホモダイマーおよびヘテロダイマー(例えば、セロビオース、スクロース)、トリマー、オリゴマー、ならびにこれらの混合物を、ポリカルボン酸(例えば、コハク酸)に発酵することができる。場合により糖化および発酵は、同時に行うことができる。幾つかの例において、バイオマスは、アルコール(例えば、エタノールおよびグリコール)に加工(例えば、発酵)することができ、アルコールは、その後、ポリカルボン酸に発酵することができる。
本明細書に記載された方法、システムおよび設備により生成され得るポリカルボン酸は、例えば2つ以上のカルボキシラート基を有し、カルボキシラート基のそれぞれが独立してプロトン化形態(例えば、酸)、非プロトン化形態(例えば、コンジュゲート塩基)またはそれらの塩になり得る、有機化合物を含む。例えば塩は、任意の正電荷イオンの塩になり得る。例えば、Li、Na、K、Cs、アルカリ土類金属、例えばMg、Ca、Sr、Ba、遷移金属、例えばMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、ランタニド、例えばLaおよびCe、ならびに主族元素、例えばB、AlおよびGaから得られる、金属イオン、または水酸化物などの金属化合物。幾つかの実施形態において、ポリカルボン酸は、塩ではなくむしろ金属イオンに対して配位化合物または共有結合化合物を形成する。
ポリカルボン酸は、例えば式:
(COH)(X)2m−n−o+2
によりプロトン化形態で、表すことができる。
式中、mは、少なくとも1であり、nは、2〜2m(2mを含む)から選択される整数である。「X」は、任意の官能基または複数の官能基、例えば水素、アミン、アルキル、アルキン、アレーン、芳香族、ベンジル、ケトン、エーテル、エステル、アルデヒド、アミド、アルコール、チオール、シアノ、スルファート、ホスファート、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物)、環状構造(ヘテロ原子含有芳香族基、例えばピリジンなど)、タンパク質、金属(例えば、Li、Na、K、Cs、アルカリ土類金属、例えばMg、Ca、Sr、Ba、遷移金属、例えばMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、ランタニド、例えばLaおよびCe、ならびに主族元素、例えばB、アルミニウムおよびガリウムから得られる金属イオン、または水酸化物などの金属化合物)、これらの1つ以上の選択およびこれらの組み合わせである。oの値は、0〜2m(2mを含む)から選択される整数である。ポリカルボン酸は、化合物とm、n、およびoの異なる値との混合を含むことができる。好ましくはmは、1〜20(20を含む)から選択される整数であり、nは、2〜4(4を含む)から選択される数値である。
ポリカルボン酸の構造は、直鎖状構造、分枝状構造、環状構造、縮合環状構造を含むことができ、異なる置換様式(例えば、α−、β−、δ−、γ−、ω−二酸)およびこれらの構造の組み合わせになり得る。例えばポリカルボン酸の幾つかの例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸、ムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、メリト酸、およびこれらの混合物が挙げられる。それらの構造の幾つかを、図2に示す。
コハク酸の調製
コハク酸は、天然の供給源、例えばコハクから抽出することができ、「スピリット・オブ・アンバー(Spirits of Amber)」としても公知である。コハク酸は、クレブス回路(例えば、クエン酸およびトリカルボン酸回路とも公知である)における役割を担う生物学的システムにおいても広く認められる。幾つかの生物体は、例えば還元的クレブス回路を利用して、ピルビン酸塩またはピルビン酸ホスホエノールピルビン酸(pyruvate phosphoenolpyruvate)からコハク酸塩を生成することができる(例えば、COを嫌気的に固定する)。他の経路としては、クレブス回路およびグリオキシル酸回路を好気的条件下で活性化させる生物体による発酵酸化が挙げられる。
コハク酸塩を生成する発酵生物体に関して、可能な生化学的経路を図3に示している。第一の段階において、グルコース(Glc)などの糖は、解糖ステップによりホスホエノールピルビン酸塩(PEP)、例えば中間体グルコース6−リン酸塩(G6P)、フルクトース6−リン酸塩(F6P)およびグルコース3リン酸塩に変換される。PEPから、系に利用可能な二酸化炭素レベルに応じて、代謝経路が2つの経路のうちの一方を採ることができる。低い二酸化炭素濃度の条件下では、好ましい代謝経路は、典型的な最終生成物をエタノール(EtOH)および酢酸塩(Ace)とする、ピルビン酸塩(Pyr)、ギ酸塩(For)およびアセチル−CoA(AcCoA)の形成にシフトする。高い二酸化炭素濃度の下では、例えば発酵溶液は、二酸化炭素が注入され、飽和される、または飽和に近づくと、微生物は、オキサロ酢酸塩の産生、その後、マレイン酸塩およびフマル酸塩の産生に傾き、コハク酸が最終生成物となり得る。グルコース以外の糖、例えばキシロースは、ペントースリン酸経路を利用して発酵されて、コハク酸塩も生成する。
複数の生物体、例えば細菌、酵母および真菌を用いて、糖およびアルコールなどのバイオマス由来生成物をコハク酸に発酵することができる。例えば生物体は、アクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・アルブス、フィブロバクター・スクシノゲネス、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・ルミニコラ、バクテロイデス・アミロフィルス、バクテリオデス・スクシノゲネス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、コリネバクテリウム・グルタミカム、アスペルギルス・ニゲル、アスペルギルス・フミガーツス、ビソクラミス・ニベア、レンチヌス・デジェネ、ペシロマイセス・バリオチ、ペニシリウム・ビニフェラム、サッカロマイセス・セレビシエ、エンテロコッカス・フェカリ、プレボテラ・ルミニコラ、デバリオマイセス・ハンセニイ、カンジダ・カテヌラタVKM Y−5、C.ミコデルマVKM Y−240、C.ルゴサVKM Y−67、C.パルジゲナ(paludigena)VKM Y−2443、C.ウティリスVKM Y−74、C.ウティリス766、C.ゼイラノイデスVKM Y−6、C.ゼイラノデスVKM Y−14、C.ゼイラノデスVKM Y−2324、C.ゼイラノデスVKM Y−1543、C.ゼイラノデスVKM Y−2595、C.バリダVKM Y−934、クルイベロマイセス・ウィッカーハミイVKM Y−589、ピキア・アノマラVKM Y−118、P.ベッセイイVKM Y−2084、P.メディアVKM Y−1381、P.ギリエルモンディH−P−4、P.ギリエルモンディ916、P.イノシトボラVKM Y−2494、サッカロマイセス・セレビシエVKM Y−381、トルロプシス・カンジダ127、T.カンジダ420、ヤロウイア・リポリティカ12a、Y.リポリティカVKM Y−47、Y.リポリティカ69、Y.リポリティカVKM Y−57、Y.リポリティカ212、Y.リポリティカ374/4、Y.リポリティカ585、Y.リポリティカ695、Y.リポリティカ704、およびこれらの生物体の混合物から選択することができる。
加えて、遺伝子組換えされた生物体を利用して、コハク酸などのポリカルボン酸を生成することができる(例えば、バイオマス由来の糖およびアルコールから)。例えば組換え大腸菌(例えば、PEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌)および遺伝子組換えされたコリネバクテリウム・グルタミカムを利用することができる。
例えば、本明細書に記載された生物体から選択される生物体の共培養を、任意の組み合わせで、バイオマス由来生成物(例えば、糖およびアルコール)からポリカルボン酸への発酵に用いることができる。例えば2種以上の細菌、酵母および/または真菌を、1種以上の糖/アルコール(例えば、エタノール、グリコール、グルコースおよび/またはキシロース)と組み合わせることができ、そこで生物体は、糖/アルコールを一緒に、選択的に、そして/または連続的に発酵させる。場合により1種の生物体を最初に添加し、発酵を一度に進めることができる。例えば発酵が停止するまで糖の1種以上を発酵させ、その後、第二の生物体を添加して同じ糖をさらに発酵させるか、または異なる糖を発酵させることができる。例えばリゾプス種を用いたグルコースの発酵から得られたフマル酸は、次にE.フェカリスによりコハク酸に変換することができる。または、パン酵母など、グルコースをエタノールに発酵する酵母を、アルコールをコハク酸に発酵するピキア・アノマラなどの酵母と混和することができる。
幾つかの実施形態において、添加剤(例えば、培地成分)は、発酵の間に添加することができる(例えば、糖化バイオマスまたはバイオマスから得られたアルコールと共に)。例えば使用され得る添加剤としては、グルコース、キシロースおよびアルコール、例えばエタノールおよびグリコールが挙げられる。他の任意選択による添加剤としては、例えば酵母抽出物、米ぬか、小麦ふすま、コーンスチープリカー、廃糖蜜、カゼイン加水分解物、植物抽出物、コーンスチープソリッド、コーンスチープリカー、ラムホーンウェイスト(ram horn waste)、ペプチド、ペプトン(例えば、バクトペプトン、ポリペプトン、ソイペプトン)、pharmamedia、粉(例えば、小麦粉、黄粉、綿実粉)、麦芽抽出物、牛肉抽出物、トリプトン、小麦粉加水分解物、トウモロコシ加水分解物、および真菌加水分解物(fungal hydrolysate)が挙げられる。金属/ミネラル、例えばKHPO、KHPO、NaHPO、NaHPO、(NHPO、NaCl、MgCl・6HO、CaCl・2HO、MgCO、MnSO.5HO、MgSO.7HO、CaCl.2HO、FeSO.7HO、CoCl・6HO、NaMoO、NiCl・6HO、NaWO・2HO、ZnCl、ZnSO、CuSO・5HO、AlK(SO・12HO、HBO、NaSeOもまた、場合により発酵媒体に添加され得る。チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ナイアシンアミド、パントテン酸、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン塩酸塩、ビオチン、葉酸、p−アミノ安息香酸塩、リポ酸などのビタミンもまた、添加することができる。プロテアーゼの添加もまた、発酵の間には有利になり得る。場合により、Tween 80などの界面活性剤およびクロラムフェニコールなどの抗生物質もまた、有利になり得る。Antifoam 204および/またはAFE−0010などの消泡性化合物もまた、用いることができる。これらの成分に加えて、COを培地に添加することができる。例えばガス注入管を利用して。
幾つかの実施形態において、発酵は、約8時間〜数日間実施することができる。例えば幾つかのバッチ発酵を、約1〜約20日間(例えば、約1〜10日間、約3〜6日間、約8時間〜48時間、約8時間〜24時間)実施することができる。
幾つかの実施形態において、発酵の間の温度が、制御される。例えば温度は、約20℃〜50℃(例えば、約25℃〜40℃、約30℃〜40℃、約35℃〜40℃)に制御することができる。幾つかの例において、約50℃を超えると、例えば約50℃〜100℃(例えば、約50〜90℃、約50〜80℃、約50〜70℃)で効率的に作用する好熱性生物体が、利用される。
幾つかの実施形態において、pHが、制御される。例えば酸または塩基の添加により。pHは、場合により、中性付近(例えば、約4〜8、約5〜7、約5〜6)に制御することができる。酸は、例えば硫酸、リン酸、硝酸、塩酸および酢酸などのプロトン酸であってもよい。塩基としては、例えば金属水酸化物および炭酸塩(例えば、水酸化ナトリウムおよびカリウム)、水酸化アンモニウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムを挙げることができる。リン酸および他の緩衝液もまた、用いることができる。幾つかの好ましい実施形態において、pHは、水酸化ナトリウムの添加により制御される。
発酵法としては、例えばバッチ、流加、反復バッチ、または連続反応器が挙げられる。多くの場合バッチ法は、より高濃度の乳酸を生成し得るが、連続法は、より高い生産性をもたらし得る。
流加法は、培地成分および基質(例えば、バイオマスからの糖)が枯渇した時にそれらを添加することを含み得る。場合により生成物、中間体、副産物および/または廃棄生成物は、生成されると除去することができる。加えて溶媒(例えば、水)を添加、または除去して、発酵の最適量を維持することができる。
任意選択として、細胞リサイクリングが挙げられる。例えば中空繊維の膜を利用して発酵が完了した後、培地成分および生成物から細胞を分離する。その後、細胞を、反復バッチに再利用することができる。他の任意選択による方法において、細胞を支持することができる。例えば、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年11月10日出願の米国特許出願第13/293,971号および2013年2月19日発行の米国特許第8,377,668号に記載される通り。
コハク酸の精製
多くの利用に関して、コハク酸のプロトン化形態が、求められる(例えば、有用な生成物への更なる変換のため)。複数の方法を、発酵ブロスから生成物を回収、濃縮および酸性化するために用いることができる。例えば反応抽出物、イオン交換樹脂、電気透析、沈殿、ナノ濾過、および擬似移動床式クロマトグラフィー(SMB)。
アミンを基にした抽出は、未解離の酸を除去するpKA値に基づいて有機酸(例えば、コハク酸などのポリカルボン酸)を分離する反応抽出法である。有利にはこの分離法は、室温および大気圧下で、前処理を行わずにインサイチュで可能である。例えばトリアルキルアミン(例えば、トリ−n−オクチルアミン)での反応抽出を利用して、ポリ有機酸を、生成された時、または発酵が完了した後に、疎水相に抽出することができる。抽出されたポリカルボン酸および/またはアミン添加剤を、次に酸性化して、ポリカルボン酸を放出し、その後、例えば沈殿、結晶化、蒸留または反応させることができる。トリアルキルアミンでの抽出の間のpHは、低く保持されなければならない。その方法は、発酵ブロス中のほとんどの有機酸を抽出するため、他の酸が存在すれば、更なる生成が必要になり得る。
場合によりイオン交換樹脂を利用して、例えば発酵ブロスから、ポリカルボン酸(例えば、コハク酸)を精製することができる。イオン交換技術は、イオン性樹脂と共に陽イオンを捕捉する樹脂の使用を必要とする。例えば陽イオン性樹脂を用いて、有機酸を除去することができる。あるいは強酸性イオン交換樹脂と、その後の弱塩基性交換樹脂により、陽イオン、陰イオンおよび他の不純物を除去して、低濃度の窒素性不純物、タンパク質不純物、リグニン不純物および硫酸塩を含む精製された流れを残留させることができる。好ましくは細胞および他の固体を液体から除去する精製ステップが、樹脂充填カラムを利用する前に利用される。あるいは交換樹脂を、バッチモードで使用することができる。
用いられ得る(例えば、発酵の間または発酵後に精製するためにカラム内で、またはバッチに添加されて)吸着剤の幾つかの例としては、強塩基および弱塩基ポリマー、分子ふるい、およびマクロ網状樹脂が挙げられる。例えば、Dow XUS 40285弱塩基ポリマー、Dow XUS 40091弱塩基ポリマー、Dow XUS 40323強塩基ポリマー、Dow XUS 40283強塩基ポリマー、Dow XUS 43432弱塩基ポリマー、Dow XUS 40196強塩基ポリマー、Dow XUS 40189強塩基ポリマー、Amberlite(登録商標) IRA−93 RH弱塩基マクロ網状樹脂、Amberlite(登録商標)IRA(登録商標)−35弱塩基マクロ網状樹脂、Amberlite(登録商標) XAD−4 弱塩基ポリマー、Amberliet(登録商標) XAD−7弱塩基ポリマー、Dowex(登録商標) 1x2弱塩基ポリマー、Marathon(登録商標) WBA強塩基マクロ網状樹脂、Dowex(登録商標) MSA−1(登録商標)強酸PVP、Dowex(登録商標) MSA−2(登録商標)強酸PVP、REILLEX(商標) 425 PVP、REILLEX(商標) HPQ疎水性分子ふるい、REILLEX(商標) 402ポリマー、SILICALITE(商標)粉末疎水性分子ふるい、SILICALITE(商標)結合剤含有ペレット型疎水性分子ふるい、AG−3(登録商標) Styrene、AG−(登録商標)1 Styrene quaternary amine、Dowex(登録商標) MWA−1 Tertiary amine macroreticular、Hytrel(登録商標) 8206およびHytrel(登録商標) G3548L。
吸着剤からポリカルボン酸を回収する方法としては、高温水、酸、塩基、溶媒およびこれらの組み合わせでの処理が挙げられる。これらの処理により、ポリカルボン酸を放出して、吸着剤を再生することができる。
ポリカルボン酸(例えば、コハク酸)を精製するための別の任意選択による方法が、電気透析である。発酵ブロスにおいて、解離されたコハク酸は、イオン性であるが、タンパク質、アミノ酸、リグニン由来基質および炭水化物などの他の成分は、多くの場合、弱イオン性または非イオン性のいずれかである。電気透析は、コハク酸の解離形態を標的とすることができ、他の化合物を残留させながらそれを除去する。場合により電気透析は、発酵を行ってコハク酸を除去しながら利用することができ、細胞を含む残りの流体は、発酵槽に戻してリサイクルすることができる。
ポリカルボン酸(例えば、コハク酸)の沈澱が、別の任意選択による精製法である。例えば発酵ブロスを遠心分離および/または濾過し(例えば、加圧濾過、ロータリー真空ドラム式濾過)、その後、ブロスを水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムで処理することができる。コハク酸カルシウムが、溶液から沈殿し、非沈殿物質から単離(例えば、濾過および洗浄)することができる。コハク酸カルシウムは、その後、例えば硫酸を用いて、酸性化されて、固体硫酸カルシウムを生成し、可溶性コハク酸から除去(例えば、濾過)することができる。
別の可能な精製法としては、ナノ濾過などのクロスフロー濾過技術が挙げられる。この方法において、ナノフィルターが、コハク酸などのポリカルボン酸をあまり高く帯電させずに保持することができ、より小さな分子は膜を通過することができる。
場合により反応蒸留/抽出もまた、ポリカルボン酸の精製に用いることができる。例えばメタノールでのエステル化により、メチルエステルを提供し、それを蒸留および/または抽出することができ、その後、エステルを酸に加水分解することができる。他のエステルへのエステル化を利用して、分離を容易にすることもできる。例えばアルコールとの反応によりエチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、さらには炭素が8個を超えるエステルを形成することができ、その後、溶媒で抽出するか、または蒸留することができる。
ポリカルボン酸の他の潜在的に有用な精製方法としては、SMBが挙げられる。例えば残留糖などの他の発酵生成物から酸を分離するために。場合により酸基は、例えばエステル化により、修飾することができる。他のクロマトグラフィー技術と同様に、溶液がSMBで処理されること、即ちSMBの前にほとんどの固体が、例えば濾過により、除去されることが、好ましい。
本明細書に記載された1つを超える方法を利用することができる。例えば濾過と、それに続く抽出、それに続く結晶化および/または蒸留を、利用することができる。
コハク酸の変換
コハク酸は、多くの重要な化学物質になる基礎的化学物質である。例えばコハク酸は、それ自体が無水マレイン酸などの基礎的化学物質への石油化学的経路となる、ブタンおよびベンゼンなどの石油化学物質の代用品である。図4に、コハク酸のために利用可能な転換(例えば、化学転換)の幾つかを示す。生物学的変換も、可能である。
環化などの反応および他の反応(例えば、アミノ化、アルキル化、酸化、還元、酸ハロゲン化物形成、例えば酸ハロゲン化物または酸臭化物形成)は、コハク酸をテトラヒドロフラン、無水コハク酸、γ−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−ビニル−2−ピロリジノン、他のN−置換−2−ピロリジノン(例えば、ここでRは、アルキル、アリールまたは他の基である)、スクシンイミド、塩化スクシニル、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび他のN−置換スクシンイミド(例えば、ここでRは、アルキル、アリールまたは他の基である)に変換することができる。2−ピロリジオンおよびスクシンイミドなどの化合物は、例えば、溶媒として、ポリマー(例えば、ペプチド、タンパク質およびプラスチック)用の官能化剤として、官能基活性化剤として、ポリビニルピロリドンおよびポリピロリドンなどのポリマーへの中間体として、そしてコチニン、ドキサプラム、ピラセタム、ポビドン、フェンスクシミド、メトスクシミドおよびエトスクシミドなどの医薬への中間体として、多くの適用例/用途を有する。テトラヒドロフラン(THF)は、重要な溶媒でありポリTHFの前駆体である。γ−ブチロラクトンは、溶媒、芳香族化合物、シミ染料除去剤および化学試薬である。
コハク酸は、二官能化直鎖状アルカンになる基礎的化学物質でもある。例えばスクシンジアミド、1,4−ジアミノブタン、スクシノニトリル、1,4−ブタンジオールおよびコハク酸ジメチル。これらの化学物質は、例えばファインケミカルの中間体として、溶媒として、そしてポリマー前駆体としての、用途を有する。例えば1,4−ジアミノブタン(例えば、プトレシンとしても公知)を、アジピン酸と反応させて、ポリアミドナイロン−4,6を生成することができ;1,4−ブタンジオールは、プラスチック、エラストマー、ポリエステルおよびポリウレタンの製造に用いられ;スクシノニトリルは、ニッケルメッキにおける艶出し剤、バッテリー溶液添加剤、キナクリドン顔料の原材料として用いることができ、ナイロン−4の中間体である。
無水コハク酸は、無水マレイン酸に脱水することができる。無水マレイン酸は、ディールスアルダー反応をはじめとする多くの反応を受けることができる。例として図4Bに、コハク酸とシクロペンタジエンとの反応でエンド生成物シス−ノルボルネン−5,6−エンド−ジカルボン酸無水物を生成し、コハク酸とアントラセンとの反応で9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−コハク酸無水物を生成することを示している。マレイン酸の他の転換は、リンゴ酸、テトラヒドロフタル酸無水物、α−オレフィンスクシンイミド、塩化スクシニルブタンジオール、テトラヒドロフラン、ポリスクシンイミド、エチルビニルアセタートポリマー、スチレンコポリマー、ポリイソブテニルスクシンイミド、不飽和ポリエステルを生成することができる。
コハク酸から得ることができる他の化合物としては、酒石酸、フマル酸、アスパラギン酸およびリンゴ酸が挙げられる。
ポリカルボン酸で作製されたポリマー
幾つかのポリマーは、ポリカルボン酸(例えば、コハク酸およびアジピン酸などのジカルボン酸)とジオールとの熱重縮合により作製することができ、例えば1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびこれらの混合物を用いることができる。この重縮合は、多くの場合、低分子量ポリマーしか提供しない。例えば数千の分子量である。分子量を増加させるために、鎖延長剤を用いることができる。例えば鎖延長試薬としては、ジエポキシド(例えば、1,3−ブタンジエンジエポキシド)、塩化ジアシル(例えば、二塩化セバコイル)、ジイソシアナート(例えば、4,4’−ジフェニルメタン、2,4−トルエンジイソシアナート)、フェノール(例えば、ビスフェノールA)、芳香族アミン(例えば、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)、ホスゲン(例えば、および置換ホスゲン、例えばジホスゲン、トリホスゲン、カルボニルジイミダゾール、ジスクシニミジルカルボナート)およびこれらの組み合わせが挙げられる。鎖延長剤の使用および選択により、ポリマーの特性を大きく改変して、例えばポリマーに剛性および熱安定性を加えることができる。例えばコハク酸と1,3-プロパンジオールとの重縮合により形成されたポリエステルと、鎖延長剤4,4’−ジイソフェニルメタンジイソシアナートおよび1,3−プロパンジオールとの反応は、セグメントポリエステル−ポリウレタンコポリマーを生成する。
図5に、例えばポリエステル(例えば、二酸とジオールのコポリマー;ポリ乳酸;ならびにD−乳酸および/またはL−乳酸のコポリマーとジカルボン酸とジアミンとのコポリマーを含む)およびポリウレタンを作製するための、モノマーの重合のための反応系の略図を示す。反応系510は、ステンレス鋼ジャケット付き反応タンク520、ベント式スクリュー押出機528、ペレタイザ530、熱交換器534および縮合タンク540を含む。反応タンクの出口521は、管(例えば、ステンレス鋼)に連結され、その管は熱交換器の入口545に連結される。熱交換器の出口546は、別の管(例えば、ステンレス鋼)に連結され、縮合タンク540への入口548に連結される。反応タンクおよび縮合タンクからの管および連結部が、2つのタンクの間に流体通路(例えば、水蒸気/空気)を提供する。口549に連結された真空ポンプ550を利用することにより、タンク520と540の間の流体通路に真空を施すことができる。
反応タンク520は、管(例えば、ステンレス鋼)に連結され得る出口524を含み、管は、スクリュー押出機への入口560に連結されている。押出機への出口562は、管に連結され、その管は、場合によりバルブ561を介して、入口527から反応タンク520に連結される。場合により押出機への出口562は、バルブ561を介して入口532からペレタイザ530に連結される。バルブ561が、再循環位置に設定されている場合には、反応タンクおよび押出機からの管および連結部が、反応タンクと押出機の間に循環流体通路(例えば、反応体および生成物)を提供する。バルブ561が、ペレット化の位置に設定されている場合には、反応タンクからペレタイザへの管および連結部が、反応タンクとペレタイザの間に流体通路を提供する。
運転の際、タンクにモノマー(例えば、二酸、ジオール、D−および/またはL−乳酸)またはオリゴマー(例えば、二酸、ジオール、D−および/またはL−乳酸をはじめとするモノマーの低分子量ポリマー)を充填することができる。モノマーまたはオリゴマーは、ステンレス鋼加熱ジャケット522を利用してタンク内で加熱することができる。加えて真空ポンプ550を用い、ステンレス鋼の配管および連結部を介して、縮合タンク540に、つまり反応タンク520に真空が施される。施された真空により生成される水の揮発を支援しながら、モノマー(例えば、またはオリゴマー)の加熱が、オリゴマーを形成させるための縮合反応(例えば、エステル化反応)を加速させる(例えば、オリゴマーが添加された場合には、オリゴマーの分子量を増加させることができる)。水蒸気は、反応体から、そして反応タンク520から熱交換器534に向かって、矢印に示される通り移動する。熱交換器が水蒸気を冷却して、縮合された水がこれまで記載された管および連結部を介して縮合タンク540に滴下する。複数の熱交換器を利用することができる。
加えて、運転の際、押出機528は、タンクから反応体(例えば、モノマー、オリゴマーおよびポリマー)を引き出すように係合し、運転することができる。バルブ561が、再循環位置に設定されている場合、タンク520の反応体/内容物は、矢印に示される方向に再度、反応タンクに循環される。押出機に加えて、バルブ525により、流動を制御することができる。例えばバルブは、流動させないために閉鎖させるように、最大に流動させるように開放させるように、またはより低速もしくは高速の流動のために中間の位置に(例えば、約0〜100%開放させる、例えば約0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または約100%開放させるように)設定することができる。
所望の重合度、組成および/または多分散性が実現されるまで、循環経路の後の反応体で、反応を継続することができる(例えば、再循環位置のバルブで)。この循環経路は、重合を支援し得る(例えば、分子量を増加させる、多分散性を制御する、重合速度を改善する、反応物質の温度分布および拡散を改善する)混合および剪断を提供する。生成物(例えば、ポリマー)は、その後、バルブ561をペレット化の位置に設定することにより、ペレタイザに向かわせることができる。その後ペレタイザは、ペレットを生成し、ペレットは回収することができる。ペレットは、様々な形状およびサイズになり得る。例えば球状またはほぼ球状、中空管形状、充填された管形状、例えば約1mm〜約1cmのおおよその体積である。ペレタイザは、他の設備に置き換えることもできる。例えば押出機(例えば、薄膜シートまたはフィラメント押出機)、ミキサー、反応器、およびフィラメントメーカ。
水または他の揮発性化合物を更なる加工のために除去し得るように、押出機528がベント式スクリュー押出機であってもよい。押出機は、単軸押出機または多軸押出機であってもよい。例えば押出機は、スクリューを同方向または逆方向に回転させる二軸押出機であってもよい。スクリュー押出機は、中空フライト押出機であってもよく、加熱または冷却されていてもよい。スクリュー押出機は、内部への口に嵌合されていてもよい。口は、例えば添加物の添加、コモノマーの添加、架橋剤の添加、触媒の添加、鎖延長剤の添加、照射処理および溶媒の添加のために、利用することができる。口は、サンプリングのために(例えば、反応の進行を検査するために、または工程のトラブル解決のために)用いることもできる。サンプリングに加えて、押出機に適用されるトルクを利用して、重合の進行をモニタリングすることができる(例えば、粘度上昇率として)。例えばインラインミキサー(例えば、スタティックミキサー)も、循環する反応体の経路、例えばスクリュー押出機の前または後に配設して、反応体の蛇行した通路を提供し、反応体に加えられる混合を改善することができる。材料が例えば1時間あたり約0.25〜10回(例えば、1時間あたり約1〜5回または1〜4回)再循環されるように、押出機をサイズ決定することができる。
もどし口527の位置により、反応体がタンクの側部を下降し、反応体の表面積を増加させて水の除去を容易にすることができる。もどし口は、複数(例えば、複数の口)含まれ、タンク内の様々な位置に配設させることができる。例えば複数のもどし口を、タンクの周りに環状に配置させることができる。
タンクは、反応タンクの下方への、形成されたポリマー/オリゴマーの押出を支援し得る往復式スクレーパ529を含むことができる。例えば、反応の間、または反応の完了後。往復式スクレーパが、下方へ移動したら、その後、スクレーパは、上方に戻ることができる。例えば静止位置に。スクレーパは、ハブ650に取り付けられたアクセル640を係合することにより、タンクの上方および下方に移動させることができる(図6参照)。別の可能な実施形態において、ハブを、スクリューへの機械的連結のためにタッでつなぐことができる。例えばアクセルが、タンクの底部に延在するスクリューアクセルである場合。スクリューアクセルは、その後、回転してスクレーパを下方または上方へ移動させることができる
往復式スクレーパの一実施形態の上面図を、図6Aに示し、正面断面図を、図6Bに示す。往復式スクレーパは、ハブ650とスクレーピング末端630に取り付けられたピストン620を含む。スクレーピング末端は、溝660を備えた圧縮リングの形態である。ピストンは、スクレーピング末端630を介してタンク615の内表面に対して圧力を加え、スクレーパは、図6Bの矢印に示される通りタンクの下方に移動させることができる。溝660は、スクレーパの拡張および圧縮を可能にする。スクレーパは、任意の可撓性材料で作製することができる。例えばステンレス鋼などの鋼。溝は、好ましくは可能な限り小さい(例えば、約1インチ未満、約0.1インチ未満、さらには約0.001インチ未満)。
往復式スクレーパの別の実施形態を、図6Cおよび図6Dに示す。この第二の実施形態において、スクレーピング末端は、リップシールを含む。リップシールは、可撓性材料、例えばゴムで作製することができる。スクレーパが上方および下方に移動する時のリップシールの移動は、反応タンクの内側に対してスキージとして作用する。
タンク520は、100ガロンサイズになり得るが、より翁サイズおよびより小さなサイズ(例えば、約20〜10,000ガロン、例えば少なくとも50ガロン、少なくとも200ガロン、少なくとも500ガロン、少なくとも1000ガロン)を使用することが可能である。タンクは、例えば円錐底または丸底の形状になり得る。
議論された入口および出口に加えて、タンクは、他の開口部を含むこともできる。例えば試薬の添加を可能にするために、または修理のためにタンクの内側に接近するために。
反応の間、タンク内の温度は、約100〜180℃に制御することができる。重合は、好ましくは約100℃で出発し、その温度を数時間(例えば、1〜48時間、1〜24時間、1〜16時間、1〜8時間)かけて約160℃に上昇させることができる。真空を、約0.1〜2mmHg施すことが可能である。例えば反応開始時は約0.1mmHgとし、反応終了時には約2mmHgとする。
コンデンサタンク540からの水は、制御バルブ544を利用して開口部542から排水することができる。
熱交換器は、流体冷却式熱交換器であってもよい。例えば水、空気または油での冷却。例えば可能な限り多くの水が凝縮に必要な場合に、複数の熱交換器を使用することができる。例えば第二の熱交換器を、真空ポンプ550と凝縮ポンプ540の間に配置させることができる。
幾つかの任意選択による実施形態において、モノマーまたはモノマー混合物が、最初に脱水される。例えばモノマーまたはモノマー混合物は、ポリカルボン酸を含むことができる。重合は、3段階または3相として考慮され得る。脱水された混合物は、最初のステップで約5〜約50の重合度でオリゴマー化される。第二のステップにおいて、第一のステップから得られたオリゴマーは、約35〜約500の重合度になるまで、溶融重合の温度に加熱される。第三のステップにおいて、ステップ2のポリマーが、さらに重合される。例えば、記載された重合ステップのいずれかにおいて、往復式スクレーパを有するタンクを用いることができる。
幾つかの任意選択による実施形態において、モノマーまたはモノマー混合物が、最初に脱水される。例えばモノマーまたはモノマー混合物は、ポリカルボン酸を含むことができる。重合は、3段階または3相が考慮され得る。脱水された混合物は、最初のステップで約5〜約50の重合度にオリゴマー化される。第二のステップにおいて、第一のステップから得られたオリゴマーは、約35〜約500の重合度になるまで、溶融重合の温度に加熱される。第三のステップにおいて、ステップ2のポリマーが、例えばこれまで記載されたような脱揮デバイスを使用して、さらに重合される(例えば、図5、7a、7b、8aおよび8b参照)。
図7Aは、例えばヒドロキシルカルボン酸および/またはポリカルボン酸を、重合または共重合するための重合システムの略図である。生成物を単離するため、または薄膜式エバポレータもしくは薄膜重合/脱揮デバイスに戻してリサイクルするための薄膜式エバポレータまたは薄膜重合/脱揮デバイス1200、および(任意選択による)押出機1202と、加熱されたリサイクルループ1204と、加熱凝縮器1206と、水および他の揮発性成分を凝縮するための冷却凝縮器1208と、回収容器1210と、凝縮された水および揮発性成分を除去するための流体輸送ユニット1212(例えば、ポンプを含む)と、生成物単離デバイス1214。1212からの溶出液は、場合により別のユニットの運転のために送られて、重合ステップに戻されてリサイクルするための有用な揮発性成分を回収することができる。例えば先に議論された第一のステップ。薄膜式エバポレータまたは薄膜重合/脱揮デバイスは、好ましくは先に記載された第三のステップにおいて使用される。流体輸送ユニットが、ポンプとして示される。
図7Bは、薄膜重合/脱揮デバイスの断面図である。角度のある長方形の部品1250は、溶融ポリマーが流れる、場合により加熱された表面である。入ってくる溶融ポリマー流れ1252は、表面を流れ、1254のデバイスの出口に流れる流動ポリマーの楕円1258として示されている。揮発性物質は、パイプ1256から除去される。
薄膜式エバポレータまたは薄膜重合/脱揮デバイスの内部は、異なる配置であってもよいが、ポリマーの流体がデバイスを通って薄膜中に流れることが確実に行われるように配置することができる。これは、ポリマー流体中に存在する水、または凝縮反応により形成される水の揮発を容易にするためである。例えば表面が、デバイスの真っ直ぐの側に対して一定角度に傾斜を持たせてもよい。表面がポリマー流体よりも0〜40℃高温になるように、表面が別個に加熱されてもよい。この加熱された表面により、表面はデバイスの全体的温度よりも40℃も高い300℃まで加熱することができる。
デバイスの薄膜部分に沿って流れるポリマー流体の厚さは、1cm未満、場合により0.5cm未満、あるいは0.25cm未満である。
薄膜式エバポレータおよび薄膜重合/脱揮デバイスは、機能が類似している。機能が類似する他の類似デバイスが、これらと同一機能を有することが、考慮されなければならない。記述的にはこれらには、ワイプ型薄膜式エバポレータ(wiped thin film evaporator)(例えば、先に記載された通り)、ショートパスエバポレータ、殻および管型熱交換器などがある。これらのエバポレータ配置のそれぞれに関して、分配機を利用して、薄膜の分配を確実にしてもよい。その制約により、先に記載された条件で運転することが可能でなければならない。
図8Aは、ヒドロキシカルボン酸および/またはポリカルボン酸を重合するための試験規模での重合システムの略図である。薄膜式エバポレータまたは薄膜重合/脱揮デバイス1900、加熱されたライザー1902、水および他の揮発性成分を凝縮するための冷却凝縮器1904、回収容器1906、ポンプとして示された、ポリマーをリサイクルするための流体輸送ユニット1908。連結している配管は、明瞭さのために示されていない。ポンプの吐出口1916は、入口1910に連結され、デバイスの吐出口1912は、ポンプの入口1914に連結されている。生成物単離区分は、示されていない。薄膜重合/脱揮デバイスの内部は、傾斜を有する表面である。ポリマー流体が、傾斜を有する表面に流れるような配置で、ポリマー流体が入口に流れる。この傾斜を有する表面は、先に記載された通り別個に加熱されてもよい。
図8Bは、薄膜重合/脱揮デバイスの断面図である。角度のある長方形の部品1950は、溶融ポリマーが流れる、場合により加熱された表面である。入ってくる溶融ポリマー流れ1952は、表面を流れ、1954のデバイスの出口に流れる流動ポリマーの台形1956として示されている。
記載された重合システムおよびデバイスは、化学加工設備のために任意の通常用いられる金属で作製することができる。カルボン酸およびポリカルボン酸は、腐食性になり得るため、薄膜式エバポレータは、Internationalから商標登録された合金Hastelloy(商標)などのタンタル合金などの耐腐食性金属で覆われていても、またはコーティングされていてもよい。それは、デラウエア州ウィルミントン所在のDupont社のTeflon(登録商標)などの不活性高温ポリマーコーティングでコーティングすることもできる。例えば、乳酸のpKaが酢酸よりも0.8小さいため、ヒドロキシカルボン酸系の腐食性は意外ではなかろう。同じく、水は疑いなく、酸およびポリマーの酸末端を水和する。それらの水和水が除去されると、酸性度は水和水により標準化されないためかなり高くなり得る。
場合により重合は、触媒および/またはプロモータを利用して実施することができる。触媒は、所望の重合度が得られた後に添加することができる。例えばプロトン酸およびルイス酸が、用いられてもよい。酸の例としては、スルホン酸、HPO、HSO、スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、デラウエア州ウィルミントン所在のDuPont社製のNafion(登録商標) NR50H+型(場合によりテトラフルオロエチレンバックボーンを有し得るポリマーに支持/結合されたスルホン酸)、ポリマー上に支持または結合された酸が挙げられ、金属、Mg、Al、Ti、Zn、Sn、金属酸化物、TiO、ZnO、GeO、ZrO、SnO、SnO、Sb、金属ハロゲン化物、ZnCl、SnCl, AlCl、SnCl、Mn(AcO)、Fe(LA)、Co(AcO)、Ni(AcO)、Cu(OAc)、Zn(LA)、Y(OAc)、Al(i−PrO)、Ti(BuO)、TiO(acac)、(Bu)SnO、オクチル酸スズ、これらのいずれかの溶媒和物およびこれらの混合物を用いることができる。例えばP−トルエンスルホン酸およびオクチル酸スズは、一緒に用いられてもよい。
幾つかの実施形態において、重合は、約100〜約260℃、例えば約110〜約240℃、または約120〜約200℃の温度で実施することができる。場合により重合の少なくとも一部を、真空下で(例えば、約0.005〜300kPaで)実施することができる。
重合が所望の分子量に達した後、ポリマーから触媒を不活性化および/または除去する必要があり得る。シリカ、官能化シリカ、アルミナ、クレー、官能化クレー、アミン、カルボン酸、亜リン酸塩、無水酢酸、官能化ポリマー、EDTA、および類似のキレート化剤をはじめとし、様々な化合物と反応することができる。
スズ系と同様のそれらの触媒に関する理論に束縛されるものではないが、添加された化合物が、スズの複数の部位を占め得る場合、それは、重合(および脱重合)に関して不活性にさせることができる。例えばEDTAなどの化合物は、スズの配位圏内の複数の部位を占めることができ、その一方で配位圏内の触媒部位を妨害することができる。あるいは、吸収された触媒がポリマーから濾過され得るように、添加された化合物を十分なサイズにすることができ、触媒が表面に接着することができる。シリカなどの添加された化合物は、シリカが触媒に吸着して濾過可能になるのに十分な酸性/塩基性を有していてもよい。
場合により触媒が、溶融ポリマーから除去されてもよい。触媒の除去が、重合デバイスの使用の直前、使用時または使用後に完遂されてもよい。触媒は、スクリーンパックと類似の濾過システムを利用することにより、溶融ポリマーから濾過されてもよい。例えば溶融ポリマーは、薄膜式エバポレータ/薄膜重合デバイス/脱揮デバイスの周辺を流れているため、濾過システムを添加することができる。あるいはポリマーは、スクリュー押出機を流れるため(例えば、図5に関連して)、濾過システムは、スクリュー押出機に即して添加することができる。
触媒除去を容易にするために、中和またはキレート化化学物質が、添加されてもよい。候補化合物としては、亜リン酸塩、酸無水物、ポリカルボン酸、ポリアミン、ヒドラジド,EDTA(および類似の化合物)などが挙げられる。これらの中和および/またはキレート化化合物は、溶融ポリマーに不溶性であり得るため、濾過が容易になり得る。ポリカルボン酸は、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸を包含する。後者は、ランダムポリマー、ブロックポリマーおよびグラフトポリマーの構成になり得る。アミンとしては、エチレンジアミン、エチレンジアミンのオリゴマー、および他の類似ポリアミン、例えばメチルビス−3−アミノプロパンが挙げられる。
触媒を除去するための別の選択肢には、固体材料をポリマー溶融物に添加することがある。添加される材料の例としては、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、粘土、珪藻土、ポリマーおよび類似の固体材料が挙げられる。これらのそれぞれは、場合により官能化されて、触媒と反応/結合させることができる。触媒がこれらの構造に結合/接合する場合、それは、ポリマーから濾過され得る。
(コ)ポリマー生成物は、所望の変換/物理的性質が実現された時に単離される。生成物は、生成物の回収/単離エリアに運搬され得る。場合により最終脱揮ステップは、生成物単離の直前に実施されてもよい。(コ)ポリマー生成物を単離するための設備の型としては、生成物を冷却して使用可能な形態で得る、Rotoformパスチレーションシステム(pastilltion system)および類似のシステムを挙げることができる。場合により最終生成物は、これまで議論されたペレタイザに送出し、ペレットを形成させることができる。
本明細書に記載された(例えば、図5、7a、7b、8aおよび8bを参照して記載された)設備および反応は、他のモノマーの重合に用いることもできる。加えて該設備は、ポリマーのブレンディングのために重合の後または重合の間に使用することができる。例えば、本明細書に記載されたヒドロキシル酸およびポリカルボン酸のいずれかを、本明細書に記載された方法、設備およびシステムにより重合することができる。
化学的方法に加えて、乳酸を、LA重合酵素および生物体により重合させることができる。例えば開環重合(ROP)を、カンジダ・アンタークティカ・リパーゼBおよびヒドロラーゼにより触媒することができる。
ポリカルボン酸から作製された界面活性剤
ポリカルボン酸を用いて、界面活性剤を調製することができる。例えばジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、テレフタル酸およびアジピン酸、または本明細書に記載されたものなどの任意の他の二酸を利用して、酸基の1つを例えば長鎖アルコールと縮合することにより界面活性剤を調製することができ、またはジェミニ界面活性剤は、両方の酸基を反応させることにより作製することができる。例えば約10〜約40(例えば、さらには少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60などの長鎖)の炭素原子を有するアルコール、例えばケトステアリルアルコール、ゲディーアルコール、1−ドトリアコンタノール、ミリチルアルコール、1−ノナコサノール、モンタニルアルコール、1−ヘプタコサノール、セリルアルコール、リグノセリルアルコール、エルシルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘネイコシルアルコール、アラキジルアルコール、ノナデシルアルコール、ステアリルアルコール、ヘプタデシルアルコール、パルミトレイルアルコール、セチルアルコール、ペンタデシルアルコール、ミリスチルアルコール、トリデシルアルコール、ラウリルアルコール、ウンデシルアルコール、カプリンアルコール。場合により他の基を用いて、二酸への結合を形成することができる。例えば、界面活性剤は、Mariano et al. ARKIVOC 2005 (xii) 253−267に記載された通り生成することができ、図9に示される。この調製において、ブチル(n=2)、オクチル(n=6)、ドデシル(n=10)、テトラデシル(n=12)およびドデシル/テトラデシル(n=10/12)α−グルコピラノシドは、最初、D−グルコースのフィッシャーグリコシド化およびアセチル化により調製される。化合物16〜20は、その後、炭素が1〜4個のベンジレーションにより調製される。該化合物は、コハク酸(m=2)またはグルタル酸(n=3)の酸塩化物と縮合されて、化合物21〜26を生成する。21〜26の水素添加は、グルコシド系のジェミニ界面活性剤27〜32を生成する。グルコースは、バイオマス材料から調製することができる。例えば本明細書に記載された通り。キシロースなどの他の糖を用いて、類似の手法で界面活性剤を作製することができる。他のアシル基を用いて、炭素鎖が14を超えるような(例えば、14〜40またはそれを超える炭素鎖)α−グルコピラノシドを作製することができる。
二酸を、2個を超えるヒドロキシル基を有するアルコール、例えばグリセロールと反応させ、その後、例えば一方または両方の末端で飽和および不飽和脂肪酸(例えば、約10〜30の炭素原子を有する)とさらに反応させて、非イオン性界面活性剤を形成させることもできる。これらの種類の界面活性剤の調製の例は、Kandeel, Der chemikal Sinica, 2011, 2(3):88−9に記載された通りであり、図10に示されている。n=2の化合物Aは、3−アシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル2,3−ジヒドロキシプロピルスクシナート;n=4のBは、3−アシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル2,3−ジヒドロキシプロピルアジパート;n=4のCは、ビス(3−アシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)スクシナートおよび;n=4のDは、ビス(3−アシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)アジパートである。アシルオキシ基は、ラウリン酸(m=12)、ミリスチン酸(m=14)およびパルミチン酸(m=16)から得られる。
コハク酸は、スルホスクシナート系界面活性剤に作製することもできる。一般構造を、本明細書において構造Iとして示す:
Figure 2016519936
構造Iに関しては、対イオン(図示しない)は、任意の陽イオンであってもよい。例えばアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Cs)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)、遷移金属およびランタニドのイオン。好ましくはNa1+、K1+、Mg2+およびCa2+が、対イオンとして用いられる。R基は、例えば長鎖飽和、不飽和、分枝状または非分枝状アルキル基、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、シリコーン、またはこれらの基の組み合わせであってもよい。それらの鎖は、芳香族基、エステル、ケトン、アミン、アルコール、環状脂肪族基およびこれらの基の組み合わせなど他の基を含むこともできる。例えば、コハク酸およびコハク酸誘導体から調製され得る幾つかのスルホコハク酸塩は、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム;スルホコハク酸ラウレス−6二ナトリウム;スルホコハク酸ラウレス−9二ナトリウム;スルホコハク酸ラウレス−12二ナトリウム;スルホコハク酸デセス−5二ナトリウム;スルホコハク酸デセス−6二ナトリウム;スルホコハク酸ラウレス−3マグネシウム;C12−14スルホコハク酸パレス−1二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸パレス−2二ナトリウム;C12−15スルホコハク酸パレス二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸sec−パレス−3二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸sec−パレス−5二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸sec−パレス−5二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸sec−パレス−9二ナトリウム;C12−14スルホコハク酸sec−パレス−12二ナトリウム;スルホコハク酸オレス−3二ナトリウム;スルホコハク酸三ナトリウム;スルホコハク酸ラネス−5二ナトリウムおよび;スルホコハク酸コセス−3二ナトリウムである。
コハク酸およびコハク酸誘導体の他の用途
コハク酸およびコハク酸誘導体は、ポリエステル(例えば、ポリアスパラギン酸、ポリスクシンイミド)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオール、ポリブチレンスクシナート、スチレンコポリマー、ポリイソブテニルスクシンイミド、EVAコポリマー、これらのポリマーのコポリマーおよびブレンドなどのバイオポリマーの生成に用いることができる。
該ポリマーは、再生可能な材料から供給されることだけでなく、堆肥化すること、リサイクルすること、燃料として使用すること(燃焼させること)ができる。分解反応の幾つかとして、熱分解、加水分解および生物的分解が挙げられる。
最終生成物の市場には、パーソナルケア用品、環境に配慮した包装、ガーデニング(例えば、植木鉢)、家庭用電化製品、電気機器、食品包装、使い捨て可能な包装、ゴミ袋、マルチフィルム、制御放出性マトリックスおよびコンテナ(例えば、肥料、殺虫剤、除草剤、栄養素、医薬品、香味剤、食品用の)、買い物袋、一般目的のフィルム、高温用フィルム、ヒートシール層、表面コーティング、使い捨て可能な食器(例えば、皿、コップ、フォーク、ナイフ、スプーン、先割れスプーン、ボール)、自動車部品(例えば、パネル、布地、アンダーフードカバー)、カーペットの繊維、布の繊維および糸(例えば、衣類、運動着、靴下)、生物医学的適用ならびにエンジニアリングプラスチックがある。
ポリマー、コハク酸、コハク酸誘導体および類似の化合物(例えば、ポリカルボン酸)に加えて、クーラント、防氷装置(例えば、コハク酸塩)、化粧品、パーソナルケア製品、食品、医薬品、農薬、化学的中間体、ファインケミカル、溶媒、可塑化剤(例えば、コハク酸エステル)、燃料添加剤(例えば、コハク酸エステル)、腐食防止剤、メッキ用化合物、洗浄剤、界面活性剤、発泡剤、潤滑添加剤およびキレート化剤(例えば、金属用)。
照射処理
原料は、照射により処理されて、難分解性を低下させるように構造を改良することができる。そのような処理は、例えば原料の平均分子量を低下させ、原料の結晶構造を変化させ、そして/または原料の表面積および/もしくは多孔性を増加させることができる。照射は、例えば電子ビーム、イオンビーム、100nm〜28nmの紫外(UV)線、γ線またはX線照射であってもよい。照射処理および処理用システムは、米国特許第8,142,620号および2010年4月15日公開の米国特許出願公開第2010−009324号で議論されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
照射の各形態は、照射エネルギーにより決定される特定の相互作用を介してバイオマスをイオン化する。重荷電粒子は、主にクーロン散乱を介して物体をイオン化し、さらにこれらの相互作用が、物体をさらにイオン化し得るエネルギー電子を生成する。α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、キュリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムの同位体のα崩壊により生じる。電子は、電子の速度変化により生じたクローン散乱および制動放射を介して相互作用する。
粒子が用いられる場合、それらは、中性(非電荷)、正電荷または負電荷であってもよい。電荷を帯びている場合、荷電粒子は、単一の正もしくは負電荷、または多重電荷、例えば1、2、3、もしくは4つ以上の電荷を帯びることができる。炭水化物含有材料の分子構造を変化させるために分子鎖切断が望ましい場合には、酸性であることを一部の理由として、正の電荷を帯びた粒子が望ましい場合がある。粒子が用いられる場合、粒子は、静止電子の質量、またはそれを超える、例えば静止電子の質量の500、1000、1500、または2000倍またはそれを超える質量を有することができる。例えば該粒子は、約1原子単位〜約150原子単位、例えば約1原子単位〜約50原子単位、または約1原子単位〜約25原子単位、例えば1、2、3、4、5、10、12、または15原子単位の質量を有することができる。
γ線は、試料中の様々な材料への顕著な浸透深さという利点を有する。
照射が電磁放射線で実施される実施形態において、電磁放射線は、例えば10eVを超える、例えば10evを超える、10、10、10、または10eVを超える光子あたりのエネルギー(電子ボルトで)を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、10〜10、例えば10〜10eVの光子あたりのエネルギーを有することができる。電磁放射線は、例えば1016Hzを超える、1017Hzを超える、1018Hz、1019Hz、1020Hz、または1021Hzを超える周波数を有することができる。幾つかの実施形態において、電磁放射線は、1018〜1022Hz、例えば1019〜1021Hzの周波数を有する。
電子衝撃は、10MeV未満、例えば7MeV未満、5MeV未満、または2MeV未満、例えば約0.5〜1.5MeV、約0.8〜1.8MeV、または約0.7〜1MeVの公称エネルギーを有する電子ビームデバイスを用いて実施されてもよい。幾つかの実行において、公称エネルギーは、約500〜800keVである。
電子ビームは、比較的高い総ビーム出力(全ての加速ヘッドのビーム出力を合せたもの、または複数の加速器が用いられる場合には、全ての加速器および全てのヘッドのビーム出力を合せたもの)、例えば少なくとも25kW、例えば少なくとも30、40、50、60、65、70、80、100、125、または150kWを有していてもよい。幾つかの例において、該出力は、500kW、750kW、または1000kW以上にも上る。幾つかの例において、電子ビームは、1200kW以上、例えば1400、1600、1800、または3000kWのビーム出力を有する。
この高い総ビーム出力は、通常、複数の加速ヘッドを用いることにより実現される。例えば電子ビームデバイスは、2、4、またはそれを超える加速ヘッドを含んでいてもよい。それぞれが比較的低いビーム出力を有するヘッドを複数使用することで、材料の過剰な温度上昇が予防され、それにより材料の燃焼が予防され、材料の層の厚さを通る線量の均一性も上昇する。
バイオマス材料のベッドが比較的均一な厚さを有することが、一般には好ましい。幾つかの実施形態において、厚さは、約1インチ未満(例えば、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.25インチ未満、約0.1インチ未満、約0.1〜1インチ、0.2約〜0.3インチ)である。
可能な限り急速に材料を処理することが、望ましい。一般には、処理が0.25Mrad/秒を超える線量率、例えば約0.5、0.75、1、1.5、2、5、7、10、12、15、または約20Mrad/秒を超える、例えば約0.25〜2Mrad/秒の線量率で実施されることが好ましい。より高い線量率により、目的の(所望の)線量を得るためのより高い処理能力が可能になる。より高い線量率は、一般に、材料の熱分解を回避するためにより高いライン速度を必要とする。1つの実行において、加速器は、3MeV、50mAビーム電流に設定され、ライン速度は、約20mmの試料厚さ(例えば、嵩密度0.5g/cmの破砕されたトウモロコシの穂軸材料)の場合24フィート/分である。
幾つかの実施形態において、電子衝撃は、材料が少なくとも0.1Mrad、0.25Mrad、1Mrad、5Mrad、例えば少なくとも10、20、30または少なくとも40Mradの総線量を受けるまでに、実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が約10Mrad〜約50Mrad、例えば約20Mrad〜約40Mrad、または約25Mrad〜約30Mradの線量を受けるまでに実施される。幾つかの実行において、25〜35Mradの総線量が好ましく、それが理想的には数回のパスであてられ、例えば5Mrad/パスで、各パスが約1秒であてられる。冷却スクリューコンベヤおよび/または冷却された振動コンベヤを利用することにより、冷却の方法、システムおよび設備を、照射前、照射間、照射後および照射と照射の間に利用することができる。
先に議論された複数のヘッドを用いることにより、材料を複数のパスで、例えば10〜20Mrad/パス、例えば12〜18Mrad/パスを、数秒間冷却することで間を開けて2パス、または7〜12Mrad/パス、例えば5〜20Mrad/パス、10〜40Mrad/パス、9〜11Mrad/パスで3パス処理することができる。本明細書に議論された通り、1回の高線量よりもむしろ複数回の比較的低い線量で材料を処理することで、材料の過熱を防ぐ傾向があり、材料の厚さを通る線量均一性が上昇する。幾つかの実行において、材料は、各パスの間または後に撹拌されるか、さもなければ混合され、その後、次のパスの前に再度、均一層に平滑化されることで、処理の均一性が高まる。
幾つかの実施形態において、電子は、例えば光速の75%よりも大きな速度、例えば光速の85、90、95、または99%を超える速度で加速される。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載された任意の加工は、例えば熱および/または減圧を利用して、得られた乾燥を維持した、または乾燥されたリグノセルロース材料で行われる。例えば幾つかの実施形態において、セルロース材料および/またはリグノセルロース材料は、25℃および50%の相対湿度で測定して約25重量%未満(例えば、約20重量%未満、約15重量%未満、約14重量%未満、約13重量%未満、約12重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、約7重量%未満、約6重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満)の保留水を有する。
幾つかの実施形態において、2つ以上のイオン源、例えば2つ以上の電子源を用いることができる。例えば試料は、任意の順序で電子ビームで、続いてγ線および約100nm〜約280nmの波長を有するUV光で処理することができる。幾つかの実施形態において、試料は、3つの電離放射線源、例えば電子ビーム、γ線、およびエネルギー性の紫外光で処理される。バイオマスは、処理ゾーンを通って運搬され、そのゾーンで電子衝撃され得る。
処理を繰り返して、バイオマスの難分解性をより徹底して低下させることおよび/またはバイオマスをさらに改良することが、有利となり得る。特に工程のパラメータを、材料の難分解性に応じて、最初の(例えば、2番目、3番目、4番目またはそれより後の)パスの後に調整することができる。幾つかの実施形態において、バイオマスが先に記載された様々な工程を通して複数回運搬される循環システムを含むコンベヤを、用いることができる。幾つかの他の実施形態において、多重処理デバイス(例えば、電子ビーム発生機)を用いて、バイオマスを複数回(例えば2、3、4回またはそれを超える回数)処理する。さらに別の実施形態において、1つの電子ビーム発生機が、バイオマスの処理に用いられ得る多重ビーム(例えば、2、3、4またはそれを超えるビーム)の供給源であってもよい。
分子/超分子構造を変化させること、および/または炭水化物含有バイオマスの難分解性を低下させることにおける有効性は、用いられる電子エネルギーおよびあてられる線量に依存するが、暴露時間は、出力および線量に依存する。幾つかの実施形態において、線量率および総線量は、バイオマス材料を破壊しない(例えば、焦がさないまたは燃やさない)ように調整される。例えば炭水化物は、例えば単量体の糖として、バイオマスから無傷で放出され得るように、加工の際に損傷させてはならない。
幾つかの実施形態において、処理(任意の電子源または電子源の組み合わせでの)は、材料が少なくとも約0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、2.5、5.0、7.5、10.0、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175または200Mradの線量を受けるまで実施される。幾つかの実施形態において、処理は、材料が0.1〜100Mrad、1〜200、5〜200、10〜200、5〜150、50〜150Mrad、5〜100、5〜50、5〜40、10〜50、10〜75、15〜50、20〜35Mradの線量を受けるまで実施される。
幾つかの実施形態において、比較的低い線量の放射線が、例えばセルロースまたはリグノセルロース材料の分子量を増加させるために、用いられる(本明細書に記載された任意の放射線源または線源の組み合わせによる)。例えば、少なくとも約0.05Mrad、例えば少なくとも約0.1Mradまたは少なくとも約0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0または少なくとも約5.0Mradの線量。幾つかの実施形態において、照射は、材料が0.1Mrad〜2.0Mrad、例えば0.5Mrad〜4.0Mradまたは1.0Mrad〜3.0Mradの線量受けるまで、実施される。材料への放射線の所望の透過度を実現するために、複数の方向から同時に、または連続して照射されることも望ましくなり得る。例えば木材などの材料の密度および水分量、ならびに用いられる放射線源のタイプ(例えば、γ線または電子ビーム)に応じて、材料への放射線の最大透過は、わずか約0.75インチであってもよい。そのような場合、最初に一方の側から材料を照射し、その後材料を回して他の側から照射することにより、より厚い区分(最大1.5インチ)を照射することができる。複数の方向からの照射は、γ線よりも急速に照射するが大きな浸透深さに達しない電子ビーム線では、特に有用となり得る。
放射線不透過性材料
本発明は、放射線不透過性材料を用いて構築される保管庫および/または燃料庫内で材料を加工することを含むことができる。幾つかの実行において、放射線不透過性材料は、多くの材料を透過し得る高エネルギーのX線の成分を遮蔽し得るように選択される。放射線遮蔽格納庫を設計する際の1つの重要な因子は、用いられる材料の減衰長であり、それは特定の材料、材料のブレンド、または層構造に必要となる厚さを決定する。減衰長は、放射線を入射放射線のおよそ1/e(e=オイラー数)倍に減少させる透過距離である。事実上全ての材料が放射線不透過であるが、十分に厚ければ、高いZ値(原子数)を有する元素の高組成率(例えば、密度)を含む材料は、より短い放射線減衰長を有し、つまりそのような材料がより薄く用いられれば、より軽い遮蔽が提供され得る。放射線遮蔽において用いられる高Z値の材料の例が、タンタルおよび鉛である。放射線遮蔽における別の重要なパラメータが、半量距離であり、それは、γ線強度を50%低下させる特定材料の厚さである。0.1MeVのエネルギーのX線照射の例として、半量厚さはコンクリートでは約15.1mmであり、鉛では約2.7mmであるが、1MeVのX線エネルギーでは、コンクリートの半量厚さは、約44.45mmであり、鉛では約7.9mmである。放射線不透過性材料は、別の側に通過する放射線を減少させ得る限りは、厚い材料または薄い材料であってもよい。つまり、特定の格納庫が、例えば軽量にするため、またはサイズの制約のため、薄い壁厚を有することが望ましい場合、半量長さが格納庫の所望の壁厚以下になるように、選択された材料が、十分なZ値および/または減衰長を有さなければならない。
幾つかの例において、放射線不透過性材料は、層状材料であってもよい。例えば、良好な遮蔽を提供するために、より高Z値の材料の層を有する、および他の特性(例えば、構造完全性、衝突抵抗性など)を提供するためにより低Z値の材料の層を有する。幾つかの例において、層材料は、高い原子番号の元素から連続的に低い原子番号の元素に続く勾配を作る積層体を含む、「原子番号の傾斜のある」積層体であってもよい。幾つかの例において、放射線不透過性材料は、インターロックしたブロックであってもよく、例えば鉛および/またはコンクリートのブロックは、NELCO Worldwide(マサチューセッツ州バーリントン所在)により供給することができ、再構成可能な保管庫を用いることができる。
放射線不透過性材料は、入射放射線に比較して、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%)の材料で形成された構造(例えば、壁、ドア、天井、格納庫、これらの連続またはこれらの組み合わせ)を通過する放射線を減少させることができる。それゆえ放射線不透過性材料で作製された格納庫は、同じ量の設備/システム/構成部分の暴露を減少させることができる。放射線不透過性材料としては、ステンレス鋼、原子番号が約25の金属(例えば、鉛、鉄)、コンクリート、泥土、砂およびそれらの組み合わせを挙げることができる。放射線不透過性材料は、少なくとも約1mm(例えば、5mm、10mm、5cm、10cm、100cm、1m、さらには少なくとも約10m)の入射放射線の方向にバリアを含むことができる。
放射線源
放射線のタイプが、用いられる放射線源の種類に加え、放射線デバイスおよび関連の設備を決定する。例えば材料を放射線で処理するための、本明細書に記載された方法、システムおよび設備は、本明細書に記載された線源に加え、任意の他の有用な線源を用いることができる。
γ線源としては、コバルト、カルシウム、テクネチウム、クロム、ガリウム、インジウム、ヨウ素、鉄、クリプトン、サマリウム、セレン、ナトリウム、タリウム、およびキセノンの同位体などの放射線核種が挙げられる。
X線源としては、タングステンまたはモリブデンまたは合金などの金属ターゲットを有する得電子ビーム衝突、Lyceanから営利目的で製造されるものなどのコンパクトな光源が挙げられる。
α粒子は、ヘリウム原子の核と同一であり、様々な放射性核種、例えばビスマス、ポロニウム、アスタチン、ラドン、フランシウム、ラジウム、複数のアクチニド系列、例えばアクチニウム、トリウム、ウラン、ネプツニウム、クリウム、カリホルニウム、アメリシウム、およびプルトニウムなどのα崩壊により生成される。
紫外線の供給源としては、ジューテリウムまたはカドミウムランプが挙げられる。
赤外線の供給源としては、サファイア、亜鉛、またはセレン化物の窓を含むセラミックランプが挙げられる。
マイクロ波の供給源としては、クリストロン、Slevin型RF源、または水素、酸素、もしくは窒素ガスを用いた原子ビーム供給源が挙げられる。
粒子(例えば、電子またはイオン)を加速するのに用いられる加速器は、DC(例えば、静電式DC(electrostatic DC)または電気力学的DC(electrodynamic DC))、RFリニア、磁気誘導リニアまたは連続波であってもよい。例えば、フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、電気力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器、コッククロフトワトソン加速器(例えば、PELLETRON(登録商標)加速器)、LINACS、Dynamitrons(例えば、 PELLETRON(登録商標)加速器)、(例えば、DYNAMITRON(登録商標)加速器)、サイクロトロン、シンクロトロン、ベータトロン、変圧器型加速器、マイクロトロン、プラズマ発生装置、カスケード加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いることができる。例えばサイクロトロン型加速器は、RHODOTRON(商標)システムなど、ベルギーのIBAから入手でき、DC型加速器は、DYNAMITRON(登録商標)など、RDI、現在のIBA Industrialから入手できる。他の適切な可塑性システムとしては、例えば日本の日新ハイボルテージから入手できる絶縁鉄心変圧器(ICT)型システム;L3−PSD(USA)、Linac Systems(フランス)、Mevex(カナダ)および三菱重工業(日本)から入手できるS−バンドLINAC;Iotron Industries(カナダ)から入手できるL−バンドLINAC;ならびにBudker Laboratories(ロシア)から入手できるILU型加速器が挙げられる。イオンおよびイオン加速器は、Introductory Nuclear Physics, Kenneth S. Krane, John Wiley & Sons, Inc. (1988)、Krsto Prelec, FIZIKA B 6 (1997) 4, 177‐206、Chu, William T., “Overview of Light−Ion Beam Therapy”, Columbus−Ohio, ICRU−IAEA Meeting, 18−20 March 2006、Iwata, Y. et al., “Alternating−Phase−Focused IH−DTL fwor Heavy−Ion Medical Accelerators”, Proceedings of EPAC 2006, Edinburgh, Scotland、およびLeitner, C.M. et al., “Status of the Superconducting ECR Ion Source Venus”, Proceedings of EPAC 2000, Vienna, Austriaに議論されている。幾つかの粒子加速器およびその使用は、例えばMedoffへの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。
電子は、β崩壊を受ける放射性核種、例えばヨウ素、セリウム、テクネチウムおよびイリジウムにより生成されてもよい。あるいは電子銃を、熱イオン放出を介して電子源として用い、加速電位を通して加速することができる。電子銃は電子を発生し、その電子をその後、大きな電位(例えば、約500000ボルトを超える、約1000000ボルトを超える、約2000000ボルトを超える、約5000000ボルトを超える、約6000000ボルトを超える、約7000000ボルトを超える、約8000000ボルトを超える、約9000000ボルトを超える、または約10000000ボルトを超える)を通して加速し、その後、X−Y平面内で磁気的に走査し、そこで最初、電子をZ方向に加速管の下へ加速し、窓箔を通して抽出する。電子ビームを走査することは、操作ビームを通して運搬される材料、例えばバイオマスを照射する際に、照射表面を増加させるのに有用である。電子ビームを走査することは、熱負荷も窓上で均一に分布させ、電子ビームによる部分的加熱により窓箔の破裂の低減を支援する。窓箔の破裂は、その後必要となる電子銃を修復および再始動するためのかなりの中断時間の原因となる。
フィールドイオン化源、静電気イオン分離器、フィールドイオン化発生装置、熱電子放出源、マイクロ波放電式イオン源、再循環または静電加速器、力学的直線型加速器、ファンデグラフ加速器および折り返しタンデム型加速器をはじめとする様々な他の照射デバイスを、本明細書に開示された方法で用いてもよい。そのようなデバイスは、例えばMedoffの米国特許第7,931,784号に開示されており、その開示全てが、参照により本明細書に組み入れられる。
電子ビームを、放射線源として用いることができる。電子ビームは、高線量率(例えば、1、5、または10Mrad/秒)、高処理能力、少ない閉じ込め、および少ない封じ込め設備の利点を有する。電子ビームは、高い電気効率(例えば、80%)も有することができ、他の放射線方法に比較して低いエネルギー使用が可能で、言い換えれば用いられる少量のエネルギーに対応して低い運転コストおよび低い温室ガス放出に変えることができる。電子ビームは、例えば静電発電機、カスケードジェネレータ、トランスジェネレータ、走査システムを有する低エネルギー加速器、リニアカソードを有する低エネルギー加速器、リニア型加速器、およびパルス加速器により発生させることができる。
電子は、例えば分子鎖切断機構により、炭水化物含有材料の分子構造に変化を起こす際により効率的になり得る。加えて、0.5〜10MeVのエネルギーを有する電子は、本明細書に記載されたバイオマス材料などの低密度材料、例えば嵩密度0.5g/cm3未満および深さ0.3〜10cmを有する材料を透過することができる。電離放射源としての電子は、例えば材料の比較的薄い、例えば約0.5インチ未満、例えば約0.4インチ未満、0.3インチ、0.25インチ、または約0.1インチ未満の堆積、層またはベッドの場合に有用となり得る。幾つかの実施形態において、電子ビームの各電子のエネルギーは、約0.3MeV〜約2.0MeV(100万電子ボルト)、例えば約0.5MeV〜約1.5MeV、または約0.7MeV〜約1.25MeVである。材料を照射する方法は、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に開示されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
電子ビーム照射デバイスは、商業的に入手してもよく、または構築されてもよい。例えばインダクター、キャパシター、ケーシング、電源、ケーブル、配線、電圧制御システム、電流制御要素、絶縁材料、マイクコントローラー、および冷却設備などの要素または構成部分を購入して、デバイスに組み立てることができる。場合により市販のデバイスを、改良および/または適合させてもよい。例えばデバイスおよび構成部分は、Ion Beam Applications (Louvain−la−Neuve、ベルギー所在)、Wasik Associates Inc. (マサチューセッツ州ドレーカット)、NHVコーポレーション(日本)、the Titan Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ所在)、Vivirad High Voltage Corp(マサチューセッツ州ビレリカ所在)、および/またはBudker Laboratories(ロシア)をはじめとする本明細書に記載された市販の供給業者のいずれかから購入することができる。典型的な電子エネルギーは、0.5MeV、1MeV、2MeV、4.5MeV、7.5MeV、または10MeVであってもよい。典型的な電子ビーム照射デバイスの電力は、1kW、5kW、10kW、20kW、50kW、60kW、70kW、80kW、90kW、100kW、125kW、150kW、175kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、600kW、700kW、800kW、900kWまたは1000kWであってもよい。用いられ得る加速器としては、NHV照射装置の中エネルギーシリーズEPS−500(例えば、500kV加速電圧および65、100または150mAビーム電流)、EPS−800(例えば、800kV加速電圧および65または100mAビーム電流)、またはEPS−1000(例えば、1000kV加速電圧および65または100mAビーム電流)が挙げられる。同じくNHVの高エネルギーシリーズの加速器、例えばEPS−1500(例えば、1500kV加速電圧および65mAビーム電流)、EPS−2000(例えば、2000kV加速電圧および50mAビーム電流)、EPS−3000(例えば、3000kV加速電圧および50mAビーム電流)およびEPS−5000(例えば、5000kV加速電圧および30mAビーム電流)を用いることができる。
電子ビーム照射デバイスの電力仕様を考慮する上でのトレードオフとしては、運転コスト、資本コスト、減価償却、およびデバイスの設置面積が挙げられる。電子ビーム照射の暴露線量レベルを考慮する上でのトレードオフは、エネルギーコスト、ならびに環境、安全、および健康(ESH)の問題であろう。典型的には発生機は、特にこの工程で発生されるX線からの生成では、例えば鉛またはコンクリートの、保管庫に収容されている。電子エネルギーを考慮する上でのトレードオフとしては、エネルギーコストを包含する。
電子ビーム照射デバイスは、固定ビームまたは走査ビームのいずれかを生成することができる。走査ビームは、大きな固定ビーム幅を効果的に交換するため、長い走査・掃引および高い走査速度が有利となり得る。さらに0.5m、1m、2mまたはそれを超える、入手可能な掃引幅が、利用可能である。走査ビームは、より大きな走査幅であること、ならびに部分的加熱および窓が不能になる可能性が低いことから、本明細書に記載されたほとんどの実施形態において好ましい。
電子銃 − 窓
電子加速器の抽出システムは、2つの窓箔を含むことができる。2つの窓箔抽出システムの冷却ガスは、パージガスまたは混合物であってもよい。例えば、空気、または純粋な気体。一実施形態において、ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび/または二酸化炭素などの不活性ガスである。電子ビームへのエネルギー損失が最小限に抑えられることから、液体よりもむしろ気体を用いることが好ましい。窓上または窓の間の空間に衝突する前にラインで予備混合または混合されたパージガスの混合物を用いることもできる。例えば熱交換システム(例えば、冷凍装置)を使用すること、および/または凝縮ガス(例えば、液体窒素、液体ヘリウム)からのボイルオフを使用することにより、冷却ガスを冷却することができる。窓箔は、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64332号に記載されており、それらの開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる。
放射線処理の間の加熱および処理能力
電子ビームからの電子が非弾性衝突のものと相互作用する場合、複数の工程が、バイオマス中で起こる可能性がある。例えば材料のイオン化、材料中のポリマーの分子鎖切断、材料中のポリマーの架橋、材料の酸化、X線(ブレムスシュトラールンク)の発生および分子の振動励起(例えば、フォノン発生)。特定の機構に束縛されるものではないが、難分解性の低下は、これらの非弾性衝突効果の幾つかによる可能性がある。例えばイオン化、ポリマーの分子鎖切断、酸化およびフォノン発生。その作用の幾つか(例えば、特にX線発生)は、遮蔽およびバリアの工作、例えばコンクリート(または他の放射線不透過性材料)の保管庫に照射工程を封入することを必要とする。照射の別の作用である振動励起は、試料を温めることに等しい。以下に説明される通り、照射による試料の加熱は、難分解性低下を支援し得るが、過剰な加熱は、材料を破壊する可能性がある。
電離放射線の吸着による断熱温度上昇(ΔT)は、式:ΔT=D/Cp(式中、Dは、kGyでの平均線量であり、Cpは、J/g℃での熱容量であり;ΔTは、℃での温度変化である)により示される。典型的な乾燥バイオマス材料は、2に近い熱容量を有する。水の熱容量は、非常に高い(4.19J/g℃)ため、湿性バイオマスは、水の量に存してより高い熱容量を有する。金属は、かなり低い熱容量を有する。例えば、304ステンレス鋼は、0.5J/g℃の熱容量を有する。放射線の様々な線量に関するバイオマスおよびステンレス鋼の一定した放射線吸着による温度変化を、表1に示す。高温では、バイオマスが分解することで、推定温度変化から極めて大きく逸脱するであろう。
Figure 2016519936
高温は、バイオマス中のバイオポリマーを破壊および/または変性して、ポリマー(例えば、セルロース)が、更なる加工に適さなくなる。高温に供されたバイオマスは、暗色および粘着性を帯びるようになり、臭気を発して、分解を示す可能性がある。粘着性により材料の運搬が困難になる可能性もある。臭気は、不快に感じる場合があり、安全性の問題を生じ得る。事実、バイオマスを約200℃未満(例えば、約190℃未満、約180℃未満、約170℃未満、約160℃未満、約150℃未満、約140℃未満、約130℃未満、約120℃未満、約110℃未満、約60℃〜約180℃、約60℃〜約160℃、約60℃〜約150℃、約60℃〜約140℃、約60℃〜約130℃、約60℃〜約120℃、約80℃〜約180℃、約100℃〜約180℃、約120℃〜約180℃、約140℃〜約180℃、約160℃〜約180℃、約100℃〜約140℃、約80℃〜約120℃)に保持することが、本明細書に記載された工程において有益であることが見出されている。
約10Mradを超える照射が本明細書に記載された工程に望ましいことが、見出されている(例えば、難分解性の低下)。高い処理能力もまた、照射がバイオマスを加工する上でのボトルネックにならないために望ましい。処理は、線量率の式:M=FP/D・時間(式中、Mは、照射される材料の質量(kg)であり、Fは、吸着される電力の比率(単位なし)であり、Pは、発せられる電力(kW=MeVでの電圧×mAでの電流)であり、時間は、処理時間(秒)であり、Dは、吸着された線量(kGy)である)により左右される。吸着される電力の比率が固定されている模範的工程において、発せられる電力は、一定であり、設定された放射線量が望ましく、処理能力(例えば、M、加工されるバイオマス)は、照射時間を増加させることにより増加し得る。しかし材料を冷却させずに放射時間を増加させると、先に示された計算により示される通り、材料を過度に加熱する可能性がある。バイオマスは、低い熱伝導率(約0.1Wm−1−1未満)を有するため、放熱が緩やかである。例えばエネルギーが伝達されるヒートシンクが存在する限り、エネルギーを急速に放出し得る金属(約10Wm−1−1を超える)とは異なり。
電子銃 − ビームストップ
幾つかの実施形態において、該システムおよび方法は、ビームストップ(例えば、シャッター)を含む。例えばビームストップを用いて、電子ビームデバイスの出力を下げずに、材料の照射を急速に停止または減少させることができる。あるいはビームストップは、電子ビームの出力を上昇させながら用いることができ、ビームストップは、所望のレベルのビーム電流に達するまで、電子ビームを停止させることができる。ビームストップは、第一の窓箔と第二の窓箔の間に配置させることができる。例えばビームストップは、可動性であるように、即ちビームパスの内外へ移動できるように、搭載することができる。例えば照射線量を制御するために、ビームの部分的な被覆を用いることもできる。ビームストップは、床に、バイオマスのコンベヤに、壁に、放射線デバイスに(例えば、スキャンホーンの)、または任意の構造支持体に搭載することができる。好ましくは、ビームがビームストップにより効果的に制御され得るように、ビームストップがスキャンホーンに関して固定されている。ビームストップは、ヒンジ、レール、ホイール、スロット、または他の手段を組み込むことができ、ビーム内外へ移動する操作を可能にする。ビームストップは、電子の少なくとも5%、例えば電子の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%を停止させる任意の材料で作製することができる。
ビームストップは、非限定的に、ステンレス鋼、鉛、鉄、モリブデン、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、またはこれらの合金、またはそのような金属で作製された(例えば、金属コートセラミック、金属コートポリマー、金属コート複合体、多層金属材料)積層体(層化材料)をはじめとする金属で作製することができる。
ビームストップは、例えば水溶液またはガスなどの冷却流動体で、冷却することができる。ビームストップは、部分的または完全に中空であってもよい。例えば空洞を有する。ビームストップの内部空間は、流体およびガスを冷却するのに用いることができる。ビームストップは、平面、曲線、円形、楕円形、正方形、長方形、面取りのある形状およびくさび形など、任意の形状であってもよい。
ビームストップは、幾つかの電子を通すような穿孔を有することができ、それにより窓の全エリアまたは窓の特定の領域を通る放射線レベルを制御(例えば、低下)することができる。ビームストップは、例えば繊維またはワイヤから形成された、メッシュであってもよい。複数のビームストップを一緒に、または独立に使用して、照射を制御することができる。ビームストップは、ビームを所定の場所の内外に移動させるために、例えばモーターへの無線信号またはハードウエアにより、遠隔制御することができる。
ビームダンプ
本明細書に開示された実施形態は、放射線処理を活用する際に、ビームダンプを含むこともできる。ビームダンプの目的は、荷電粒子のビームを安全に吸収することである。ビームダンプは、ビームストップと同様に、荷電粒子のビームを遮断するのに用いることができる。しかしビームダンプは、ビームストップよりもかなり強固で、長期間にわたりフルパワーの電子ビームを遮断することを目的とする。それらは多くの場合、加速器の出力を増加させながら、ビームを遮断するのに用いられる。
ビームダンプは、そのようなビームにより発生した熱に順応するようにも設計されており、通常、銅、アルミニウム、炭素、ベリリウム、タングステン、または水銀などの材料で作製されている。例えばビームダンプと熱接触し得る冷却流体を利用して、ビームダンプを冷却することができる。
バイオマス材料
リグノセルロース材料としては、例えば木材、パーティクルボード、林業廃棄物(例えば、おがくず、アスペン材、木材チップ)、牧草(例えば、スイッチグラス、ススキ、コードグラス、クサヨシ)、穀物残渣(例えば、籾殻、オーツ麦の殻、小麦殻、大麦殻)、農業廃棄物(例えば、サイレージ、菜種のわら、小麦わら、大麦わら、オーツ麦わら、米わら、ジュート、麻、亜麻、竹、サイザル、マニラ麻、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの葉茎、大豆の葉茎、トウモロコシ繊維、アルファルファ、干し草、ココナッツの毛)、糖加工残渣(例えば、バガス、ビートパルプ、リュウゼンツランバガス)、藻類、海藻、肥やし、下水汚物、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられる。
幾つかの例において、リグノセルロース材料としては、トウモロコシの穂軸が挙げられる。粉砕またはハンマーミルされたトウモロコシの穂軸は、照射のために比較的均一な厚さの層に広げることができ、照射の後、更なる加工のために媒体中に分散することが容易である。収穫および回収を容易にするために、幾つかの例において、トウモロコシの茎、トウモロコシの穀粒などとうもろこしの植物全体が用いられ、そして幾つかの例において、該植物の根系さえも用いられる。
有利には更なる栄養素(窒素供給源以外、例えば尿素またはアンモニア以外)が、トウモロコシの穂軸、または顕著な量のトウモロコシの穂軸を含むセルロースもしくはリグノセルロース材料の発酵の際に必要となる。
破砕の前後のトウモロコシの穂軸は、運搬および分散も容易であり、干し草および牧草などの他のセルロースまたはリグノセルロース材料よりも空気中で爆発性混合物を形成する傾向が小さい。
セルロース材料としては、例えば紙、紙製品、紙廃棄物、紙パルプ、着色紙、積載紙(loaded paper)、塗工紙、充填紙、雑誌、印刷物(例えば、本、カタログ、使用説明書、ラベル、カレンダー、グリーティングカード、パンフレット、目論見書、新聞紙)、印刷用紙、ポリコート紙、カードストック、厚紙、ボール紙、高α−セルロース量を有する材料、例えば綿、およびこれらのいずれかの混合物が挙げられる。例えば開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願第13/396,365号(Medoffらによる2012年2月14日出願の“Magazine Feedstocks”)に記載された紙製品である。
セルロース材料は、部分的または完全に脱木質化されたリグノセルロース材料も含むことができる。
幾つかの例において、他のバイオマス材料を用いることができる。例えば、デンプン質材料。デンプン質材料としては、デンプンそのもの、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、ジャガイモデンプンもしくは米デンプン、デンプン誘導体、または食用の食品もしくは作物などのデンプンを含む材料が挙げられる。例えばデンプン質材料は、アラカチャ、蕎麦、バナナ、大麦、キャッサバ、クズ、オクラ、サゴ、モロコシ、通常の家庭用のジャガイモ、サツマイモ、タロイモ、ヤマノイモ、または1種以上の豆、例えば空豆、レンズ豆、エンドウ豆であってもよい。任意の1種以上のデンプン質材料のブレンドもまた、デンプン質材料である。デンプン質材料とセルロースまたはリグノセルロース材料との混合物を用いることもできる。例えばバイオマスは、植物全体、植物の一部または植物の異なる部分、例えば小麦の苗、綿の苗、トウモロコシの苗、米の苗または樹木であってもよい。デンプン質材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより処理することができる。
原料として用いられ得る微生物材料としては、非限定的に、炭水化物(例えば、セルロース)、例えば原生生物、例えば動物の原生生物(例えば、鞭毛藻類、アメーバ、繊毛虫、および胞子虫などの原虫)および植物の原生生物(例えば、アルベオラータ、クロララクニオン藻、クリプトモナド、ユーグレナ藻、灰色藻、ハプト藻、紅藻、ストラメノパイル、および緑色植物亜界)の供給源を含む、または供給源を提供することが可能な任意の天然由来または遺伝子組換え微生物体または生物体を挙げることができる。他の例としては、海藻、プランクトン(例えば、マクロプランクトン、メソプランクトン、ミクロプランクトン、ナノプランクトン、ピコプランクトン、およびフェムトプランクトン)、植物プランクトン、細菌(例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および好極限性細菌)、酵母および/またはこれらの混合物が挙げられる。幾つかの例において、微生物バイオマスは、天然供給源、例えば海洋、湖、水体、例えば塩水もしくは淡水、または陸上から得ることができる。代わりまたは追加として、微生物バイオマスは、培養系、例えば大規模乾式および湿式培養、ならびに発酵系から得ることができる。
別の実施形態において、バイオマス材料、例えばセルロース、デンプン質およびリグノセルロース原料は、野生型の変種に関して修飾されたトランスジェニックの微生物および植物から得ることができる。そのような修飾は、例えば選択および育種の反復ステップにより植物中の所望の素質を得てもよい。その上、植物は、野生型の変種に関して除去、修飾、発現抑制および/または付加されていてもよい。例えば遺伝子修飾植物は、組換えDNA法により生成することができ、その場合の遺伝子修飾は、親種からの特異的遺伝子を導入もしくは修飾すること、または例えば異なる種の植物および/または細菌から植物に特異的遺伝子(複数可)が導入されるトランスジェニック育種を利用すること、を含む。遺伝子変種を作出する別の方法は、新しい対立遺伝子を内在遺伝子から人工的に作出する突然変異育種による。その人工遺伝子は、例えば化学的突然変異原(例えば、アルキル化剤、エポキシド、アルカロイド、過酸化物、ホルムアルデヒドの使用による)、照射(例えば、X線、γ線、中性子、β粒子、α粒子、陽子、重陽子、UV線)および温度ショックまたは他の外部ストレス負荷により植物または種子を処理すること、それに続く選択技術をはじめとし、様々な方法により作出することができる。修飾遺伝子を提供する他の方法は、エラープローンPCRおよびDNAシャッフルの後、所望の修飾DNAを所望の植物または種子に挿入することによる。所望の遺伝子変異を主旨または植物に導入する方法としては、例えば細菌保有者、微粒子銃、リン酸カルシウム沈殿法、電気穿孔、遺伝子スプライシング、遺伝子サイレンシング、リポフェクション、ミクロインジェクション、およびウイルス保有者の使用が挙げられる。更なる遺伝子修飾材料は、2012年2月14日出願の米国特許出願第13/396,369号に記載されており、その開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載された方法のいずれかは、本明細書に記載された任意のバイオマス材料の混合物で実践することができる
他の材料
本明細書に記載された方法、設備およびシステムを使用して、他の材料(例えば、天然または合成材料)、例えばポリマーを、処理および/または作製することができる。例えばポリエチレン(例えば、直鎖状低密度エチレンおよび高密度ポリエチレン)、ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエステル(例えば、ナイロン、DACRON(商標)、KODEL(商標))、ポリアルキレンエステル、ポリビニルエステル、ポリアミド(例えば、KEVLAR(商標))、ポリエチレンテレフタラート、酢酸セルロース、アセタール、ポリアクリロニトリル、ポリカルボナート(例えば、LEXAN(商標))、アクリル系[例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリロニトリル]、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、ポリクロロプレン(例えば、ネオプレン)、ポリ(シス−1,4−イソプレン)[例えば、天然ゴム]、ポリ(トランス−1,4−イソプレン)[例えば、グッタペルカ]、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、エポキシド、ポリエステル、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリ酸無水物、ポリフルオロカーボン(例えば、TEFLON(登録商標))、ケイ素類(例えば、シリコーンゴム)、ポリシラン、ポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、ワックス、オイル、およびこれらの混合物。プラスチック、ゴム、エラストマー、繊維、ワックス、ゲル、オイル、接着剤、熱可塑性物質、熱硬化性物質、生分解性ポリマー、これらのポリマーから生成された樹脂、他のポリマー、他の材料およびこれらの組み合わせも含まれる。カチオン重合、アニオン重合、ラジカル重合、メタセシス重合、開環重合、グラフト重合、付加重合をはじめとする任意の有用な方法により生成することができる。幾つかの例において、本明細書に開示された処理は、例えばラジカルで開始されるグラフト重合および架橋に用いることができる。ポリマーと、例えばガラス、金属、バイオマス(例えば、繊維、粒子)、セラミックとの複合体を、処理および/または作製することもできる。
本明細書に開示された方法、システムおよび設備を用いることにより処理され得る他の材料は、セラミック、無機質、金属、無機化合物である。例えばケイ素とゲルマニウムの結晶、窒化ケイ素、金属酸化物、半導体、絶縁体、セメントおよび/または導体。
追加として、製造された複数部品の、または成形された材料(例えば、鋳造された、押出された、溶接された、リベットで留められた、層状の、またはいずれかの方法の組み合わせ)を処理することができる。例えば、ケーブル、パイプ、板、格納庫、集積半導体チップ、開路板、ワイヤ、タイヤ、窓、積層材料、ギア、ベルト、機械、これらの組み合わせ。例えば本明細書に記載された方法により材料を処理して、表面を修飾し、例えば更なる官能基化、結合(例えば、溶接)および/または処理を受け易くすることで、材料を架橋することができる。
バイオマス材料の調製 − 機械的処理
バイオマスは、乾燥形態であってもよい。例えば、約35%未満の水分量(例えば、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満または約1%未満)。バイオマスは、湿潤状態で送達することもできる。例えば、固体が少なくとも約10重量%(例えば、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%)の湿性固体、スラリー、または懸濁物として。
本明細書に開示された工程は、低嵩密度の材料を活用することができる。例えば、約0.75g/cm未満、例えば約0.7g/cm未満、0.65、0.60、0.50、0.35、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05g/cmまたはそれ未満、例えば0.025g/cm未満の嵩密度を有するように物理的に前処理されたセルロースまたはリグノセルロース原料。嵩密度は、ASTM D1895Bを利用して決定することができる。概要を述べると、該方法は、既知の容積のメスシリンダに試料を充填すること、および試料の重量を得ること、を含む。嵩密度は、試料のグラム重量をシリンダーの既知の容積の立方センチメートルで割ることにより計算される。所望なら、低密度材料を、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第7,971,809号に記載された方法により、高密度化することができる。
幾つかの例において、処理前加工は、バイオマス材料のふるい分けを含む。ふるい分けは、所望の開口サイズ、例えば約6.35mm(1/4インチ、0.25インチ)未満、(例えば、約3.18mm(1/8インチ、0.125インチ)未満、約1.59mm(1/16インチ、0.0625インチ)未満、約0.79mm(1/32インチ、0.03125インチ)未満、例えば約0.51mm(1/50インチ、0.02000インチ)未満、約0.40mm(1/64インチ、0.015625インチ)未満、約0.23mm(0.009インチ)未満、約0.20mm(1/128インチ、0.0078125インチ)未満、約0.18mm(0.007インチ未満)、約0.13mm(0.005インチ)未満、または約0.10mm(1/256インチ、0.00390625インチ)未満)を有するメッシュまたは穿孔板を通して行うことができる。1つの構成において、所望のバイオマスは、その穿孔またはふるいを通り抜け、つまりその穿孔またはふるいよりも大きなバイオマスは、照射されない。これらの大きな材料は、例えば破砕により、再加工され、またはそれらは単に加工から取り除くことができる。別の構成において、穿孔よりも大きな材料は、照射され、より小さな材料は、ふるい分け工程により除去されるか、または再循環される。この種の構成において、コンベヤそのもの(例えば、コンベヤの一部)を、穿孔することができ、またはメッシュを含んで作製することができる。例えば1つの特定の実施形態において、バイオマス材料は、湿潤性であってもよく、穿孔またはメッシュによって照射の前に水をバイオマスから流出させてもよい。
材料のふるい分けは、手動での方法、例えば望ましくない材料を除去するオペレータまたはメカノイド(例えば、色、反射性または他のセンサーを備えたロボット)により行うことができる。ふるい分けは、磁石が運搬される材料の付近に配設されていて磁気材料が磁石により除去される、磁気ふるいによって行うこともできる。
任意の処理前加工が、材料の加熱を含むことができる。例えばバイオマスまたは他の材料を運搬するコンベヤの一部を、加熱されたゾーンに送出することができる。加熱されたゾーンは、例えばIR線、マイクロ波、燃焼(例えば、ガス、石炭、オイル、バイオマス)、抵抗加熱および/または誘導コイルにより作製することができる。熱は、少なくとも一方の側または1つ以上の側からあてること、連続的または周期的にてること、そして材料の一部だけまたは材料全てにあてることができる。例えば、コンベヤトラフの一部を、加熱ジャケットの使用により加熱することができる。加熱は、例えば材料の乾燥を目的とするものであってもよい。材料を乾燥する場合、加熱により、または加熱せずに、運搬されている時にガス(例えば、空気、酸素、窒素、He、CO、アルゴン)をバイオマスの上部および/またはバイオマスの中に移動させることにより、乾燥を容易にすることもできる。
場合により処理前加工は、材料を冷却することを含むことができる。材料の冷却は、開示が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第7,900,857号に記載される。例えば冷却は、冷却流体を供給することによって行うことができる。例えば、コンベヤトラフの底に水(例えば、グリセロールを含む)、または窒素(例えば、液体窒素)を。あるいは冷却ガス、例えば凍結窒素を、バイオマスの上部、または運搬システムの下に吹き付けることができる。
別の任意の処理前加工法は、材料をバイオマスまたは他の原料に添加することを含むことができる。更なる材料は、例えばバイオマスが運搬されている時に材料をバイオマスの上に浴びせること、振りかけること、および/または注入することにより、添加することができる。添加され得る材料としては、例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開第2010/0105119 A1(2009年10月26日出願)および米国特許出願公開第2010/0159569 A1(2009年12月16日出願)に記載された金属、セラミックおよび/またはイオンが挙げられる。添加され得る任意の材料としては、酸および塩基が挙げられる。添加され得る他の材料は、酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩)、ポリマー、重合性モノマー(例えば、不飽和結合を含むもの)、水、触媒、酵素および/または生物体である。材料は、純粋な形態で、例えば溶媒(例えば、水または有機溶媒)中の溶液として、そして/または溶液として、添加することができる。幾つかの例において、溶媒は、揮発性であり、例えばこれまで記載された通りガスの加熱および/または吹き出しにより、蒸発するように作製することができる。添加される材料は、バイオマス上に均一なコーティングを形成することができ、または異なる成分(例えば、バイオマスおよび更なる材料)の均質混合物であってもよい。添加される材料は、照射の効率を上昇させること、照射を弱めること、または照射の作用を変化させること(例えば、電子ビームからX線または加熱へ)により、次の照射ステップを変調することができる。該方法は、照射への影響を有していなくてもよいが、さらに下流の加工に有用であってもよい。添加材料は、例えば粉塵のレベルを低下させることにより、材料の運搬を支援してもよい。
バイオマスは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、ホッパー、パイプ、手動で、またはこれらの組み合わせによりコンベヤ(例えば、本明細書に記載された保管庫内で用いられる振動コンベヤ)に送達することができる。バイオマスは、例えばこれらの方法のいずれかによりコンベヤ上に滴下、注入および/または配置させることができる。幾つかの実施形態において、材料は、封入された材料の分配システムを用いてコンベヤに送達されて、低酸素大気の維持ならびに/または粉塵および微粉の制御を支援する。舞い上がる、または空気に浮遊させたバイオマスの微粉および粉塵は、爆発災害を形成する、または電子銃の窓箔を損傷する可能性があるため(そのようなデバイスが、材料を処理するのに用いられる場合)、望ましくない。
材料をならして、約0.0312〜5インチ(例えば、約0.0625〜2.000インチ、約0.125〜1インチ、約0.125〜0.5インチ、約0.3〜0.9インチ、約0.2〜0.5インチ、約0.25〜1.0インチ、約0.25〜0.5インチ、0.100+/−0.025インチ、0.150+/−0.025インチ、0.200+/−0.025インチ、0.250+/−0.025インチ、0.300+/−0.025インチ、0.350+/−0.025インチ、0.400+/−0.025インチ、0.450+/−0.025インチ、0.500+/−0.025インチ、0.550+/−0.025インチ、0.600+/−0.025インチ、0.700+/−0.025インチ、0.750+/−0.025インチ、0.800+/−0.025インチ、0.850+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチ、0.900+/−0.025インチの均一な厚さを形成することができる。
一般に、電子ビームを通して可能な限り急速に材料を運搬して、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、20、25、30、35、40、45、50フィート/分の速度で運搬することができる。運搬速度は、例えばバイオマスの厚さ1/4インチでのビーム電流に関し、100mAでのコンベヤは、約20フィート/分で移動して有用な照射線量を提供することができ、50mAでのコンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。
バイオマス材料が、放射線ゾーンを通って運搬された後、任意の処理後加工を実施することができる。任意の処理後加工は、例えば照射前加工に関して記載された工程であってもよい。例えばバイオマスを、ふるい分けても、加熱しても、冷却しても、そして/または添加剤と混和してもよい。照射後に特有なこととして、ラジカルのクエンチング、例えば流体もしくは気体(例えば、酸素、亜酸化窒素、アンモニア、液体)の添加、圧力、熱の利用、および/またはラジカルスカベンジャーの添加によるラジカルのクエンチングを行うことができる。例えばバイオマスを、囲い込まれたコンベヤの外部で運搬して、ガス(例えば、酸素)に暴露し、そこでクエンチしてカルボキシル化された基を形成することができる。一実施形態において、バイオマスは、反応性ガスまたは流体への照射の間に暴露される。照射されたバイオマスのクエンチングは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第8,083,906号に記載される。
所望なら、照射に加えて1つ以上の機械的処理を利用して、炭水化物含有材料の難分解性をさらに低下させることができる。これらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。
幾つかの例において、機械的処理としては、受け取り時の原料の初期調製、例えば破砕、例えば切断、粉砕、せん断、微粉砕または打ち切りなどによる材料のサイズ減少を挙げることができる。例えば幾つかの例において、まとまりのない原料(例えば、リサイクル紙、デンプン質材料、またはスイッチグラス)は、せん断または細断により調製される。機械的処理は、炭水化物含有材料の嵩密度を低下させ、炭水化物含有材料の表面積を増加させ、そして/または炭水化物含有材料の1つ以上の寸法を減少させることができる。
代わりまたは追加として、原料を、別の処理で処理することができる。例えば、酸(HCl、HSO、HPO)、塩基(例えば、KOHおよびNaOH)、化学的酸化剤(例えば、過酸化物、塩素酸塩、オゾン)、照射、水蒸気爆発、熱分解、音波処理、酸化、化学的処理などの化学的処理。処理は、どのような順序でも、どのような連続でも、そしてそれらを組み合わせていてもよい。例えば原料は最初、1つ以上の処理方法、例えば酸加水分解(例えば、HCl、HSO、HPOの使用)を含みそれらと組み合わせた化学的処理、放射線、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発により物理的に処理し、その後、機械的に処理することができる。この連続は、他の処理、例えば照射または熱分解の1つ以上により処理される材料がより脆性の傾向があり、それゆえ機械的処理により材料の構造をさらに変化させることが容易となり得るため、有利となろう。別の例として、原料は、本明細書に記載されたコンベヤを用いて電離放射線を通って運搬され、その後、機械的に処理することができる。化学的処理は、リグニンの一部または全てを除去することができ(例えば、化学パルプ化)、材料を部分的または完全に加水分解することができる。該方法は、予め加水分解された材料で使用することもできる。該方法は、予め加水分解されていない材料で用いることもできる。該方法は、加水分解材料と、非加水分解材料との混合物で用いることができる。例えば、約50%以上の非加水分解材料、約60%以上の非加水分解材料、約70%以上の非加水分解材料、約80%以上の非加水分解材料、または約90%以上の非加水分解材料。
加工の最初および/または後に実行され得るサイズ減少に加えて、機械的処理は、炭水化物含有材料を「切り開く」、「応力を加える」、破壊する、または破断して、物理的処理の間に材料のセルロースに分子鎖切断および/または結晶構造の崩壊を受け易くさせるのにも有利となり得る。
炭水化物含有材料を機械的に処理する方法としては、例えば、湿式もしくは乾式ミリング、および/または湿式もしくは乾式粉砕が挙げられる。ミリングは、例えばハンマーミル、ボールミル、コロイドミル、コニカルもしくはコーンミル、ディスクミル、エッジミル、ウィリーミル、グリストミル、ローター/ステーターまたは他のミルが挙げられる。粉砕は、例えば切断/衝撃型グラインダーを用いて実施されてもよい。幾つかの模範的グラインダーとしては、石材用グラインダー、ピングラインダー、コーヒーグラインダーおよびバーグラインダーが挙げられる。粉砕またはミリングは、例えば、ピンミルの場合のように、往復運動ピンまたは他の要素により、提供されてもよい。他の機械的処理方法としては、機械的切り裂きまたは引き裂き、繊維に圧力を加える他の方法、および空気摩耗ミリングが挙げられる。適切な機械的処理は、これまで加工処理ステップにより開始された材料の内部構造の崩壊を継続する任意の他の技法をさらに含む。例えばローター/ステーターを使用することなど、幾つかのミリング方法は、2010年1月21日公開の国際公開第WO2010/009240号;2011年7月28日公開の同第WO2011/090543号;2012年12月13日公開の同第WO2012/170707号に記載されており、これらの出願それぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
機械的供給調製系は、例えば、特定最大サイズ、特定の長さ対幅、または特定の表面積比などの特定の性質を有する流れを生じるよう構成することができる。物理的調製は、反応速度を上昇させ、コンベヤ上の材料の動きを改善し、材料の照射プロファイルを改善し、材料の放射線均一性を改善し、または材料を切開して、それらを工程および/もしくは試薬、例えば溶液中の試薬に接近し易くすることによって必要とされる加工時間を減少させることができる。
原料の嵩密度は、制御(例えば、増大)することができる。幾つかの状況では、例えば材料を高密度化し(例えば高密度化は、別の場所に運搬するのを容易にかつ低コストにし得る)、その後、材料をより低い嵩密度状態に戻す(例えば、運搬後)ことにより、低嵩密度材料を調製することが望ましい。該材料は、例えば、約0.2g/cc未満から約0.9g/ccを超えるまで(例えば、約0.3未満〜約0.5を超えるまで、約0.3未満〜約0.9g/ccを超えるまで、約0.5未満〜約0.9を超えるまで、約0.3未満〜約0.8g/ccを超えるまで、約0.2未満〜約0.5g/ccを超えるまで)に高密度化することができる。例えば材料は、開示全体が、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7,932,065号(Medoff)および国際公開WO 2008/073186号(2007年10月26日出願;英語で公開;米国を指定)に開示された方法および設備により高密度化され得る。高密度化材料は、本明細書に記載された方法のいずれかにより加工することができ、または本明細書に記載された方法のいずれかにより加工された任意の材料は、次に、高密度化することができる。
幾つかの実施形態において、加工される材料は、繊維源をせん断することにより提供される繊維を含む繊維性材料の形態である。例えば、剪断は、回転式ナイフカッターで実施することができる。
例えば、難分解性であるか、または難分解性レベルが低減された繊維源は、例えば回転式ナイフカッターで剪断されて、最初の繊維性材料を提供し得る。最初の繊維性材料は、例えば1.59mm以下(1/16インチ、0.0625インチ)の平均開口サイズを有する、第一のふるいに通されて、第二の繊維性材料を提供する。所望なら、繊維源は、例えばシュレッダーで、剪断前に切断することができる。例えば、紙が繊維源として用いられる場合、紙は最初、シュレッダー、例えばMunson(ニューヨーク州ユーティカ所在)製造のものなどの卓上回転式スクリューシュレッダーを用いて、例えば、1/4〜1/2インチ幅の細片に切断することができる。細断に代わるものとして、ギロチンカッターを用いて、所の望サイズに切断することにより、紙はサイズを減少することができる。例えば、ギロチンカッターは、紙を、例えば幅10インチ、長さ12インチの、シートに切断するために用いることができる。
幾つかの実施形態において、繊維源の剪断、およびその結果生じる第一の繊維性材料の第一のふるいへの通過は、同時に実施される。剪断および通過は、バッチ式工程でも実施することができる。
例えば、回転式ナイフカッターを用いて、同時に、繊維源を剪断して第一の繊維性材料をふるい分けすることができる。回転式ナイフカッターは、繊維源を細断することにより調製される細断繊維源を積載され得るホッパーを含む。
幾つかの実行において、原料は、糖化および/または発酵の前に物理的に処理される。物理的処理工程は、本明細書中に記載された工程、例えば機械的処理、化学的処理、照射、音波処理、酸化、熱分解または水蒸気爆発のいずれかのうちの1つ以上を含むことができる。処理方法は、これらの技法のうちの2、3、4、または全ての組み合わせ(任意の順序)で用いることができる。1つより多い処理方法が用いられる場合、該方法は、同時に、または異なる時点で適用することができる。バイオマス原料の分子構造を変化させる他の工程も、単独で、または本明細書に開示された工程と組み合わせて用いることができる。
用いられ得る機械的処理、ならびに機械的処理される炭水化物含有材料の性質は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年10月18日出願の米国特許出願公開第2012/0100577 A1号にさらに詳細に記載される。
音波処理、熱分解、酸化、水蒸気爆発
所望により、炭水化物含有材料の難分解性を低下させる、またはさらに低下させるために、照射の代わりまたは追加として、1つ以上の音波処理、熱分解、酸化または水蒸気爆発工程を用いることができる。例えばこれらの工程は、照射の前、照射の間および/または照射後に適用することができる。これらの工程は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Medoffの米国特許第7,932,065号に詳細に記載される。
バイオマスの熱処理
代わりまたは追加として、バイオマスが、約90℃〜約160℃の範囲内の温度で最大12時間、熱処理されてもよい。場合によりこの熱処理ステップは、バイオマスが電子ビームを照射された後、実施される。熱処理の時間は、9時間まで、あるいは6時間まで、場合により4時間まで、さらには約2時間までである。処理時間は、バイオマスが効果的に加熱され得る場合には、最大30分でもよい。
熱処理は、90℃〜約160℃、または場合により100〜150℃、あるいは120〜140℃で実施することができる。バイオマス量が、水中に10〜75重量%になるように、バイオマスが、水に懸濁される。バイオマスが照射されたバイオマスである場合、水が添加されて、熱処理が実施される。
熱処理は、バイオマスの水性懸濁液または混合物中で実施される。バイオマス量は、混合物全体の10〜90重量%であるか、あるいは20〜70重量%、または場合により25〜50重量%である。照射されたバイオマスは、最小限の水量を有していてもよく、そのため水は、熱処理の前に添加されなければならない。
100℃を超える温度では、少なくとも一部として水の蒸発により、圧力が存在するであろうから、収容および/または圧力保持のために、加圧容器を利用することができる。熱処理の工程は、バッチ式、連続、半連続または他の反応器構成であってもよい。連続反応器構成は管状反応器であってもよく、熱処理およびバイオマスの混合/懸濁を容易にする管の中にデバイス(複数可)を含んでいてもよい。これらの管状デバイスは、1つ以上のスタティックミキサーを含んでいてもよい。熱は、流れの直接注入によりシステムに投入されてもよい。
中間体および生成物
本明細書中に記載される工程を用いて、バイオマス材料を、1種以上の製品、例えばエネルギー、燃料、食物および材料に変換することができる。例えば、有機酸、有機酸の塩、酸無水物、有機酸のエステルおよび燃料、例えば内燃機関のための燃料または燃料電池のための原料などの中間体および生成物。即座に入手可能であるが、多くの場合、加工するのが困難になり得るセルロースおよび/またはリグノセルロース材料、例えば自治体廃棄物流れおよび廃棄紙流れ、例えば新聞、クラフト紙、段ボール紙またはこれらの混合物を含む流れを原料として用い得るシステムおよび工程が、本明細書に記載される。
生成物の具体的例としては、水素、糖(例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、二糖、オリゴ糖および多糖)、アルコール(例えば、一価アルコールまたは二価アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールまたはn−ブタノール)、水和または水性アルコール(例えば、10%を超える、20%、30%、または40を超える水を含有)、バイオディーゼル、有機酸、炭化水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、イソブテン、ペンタン、n−ヘキサン、バイオディーゼル、バイオガソリンおよびそれらの混合物)、共生成物(例えば、セルロース分解タンパク質(酵素)または単細胞タンパク質などのタンパク質)、ならびに任意の組み合わせまたは相対濃度での、ならびに場合により任意の添加剤(例えば、燃料添加剤)と組み合わせたこれらのいずれかの混合物が挙げられるが、これらに限らない。他の例としては、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸とカルボン酸塩とカルボン酸エステルとの混合物(例えば、メチル、エチルおよびn−プロピルエステル)、ケトン(例えば、アセトン)、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド)、αおよびβ不飽和酸(例えば、アクリル酸)およびオレフィン(例えば、エチレン)が挙げられる。その他のアルコールおよびアルコール誘導体としては、プロパノール、プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,3‐プロパンジオール、糖アルコール (例えば、エリトリトール、グリコール、グリセロール、ソルビトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、マンニトール、ダルシトール、フシトール、イジトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、キシリトールおよびポリオール)、ならびにこれらのアルコールのいずれかのメチルまたはエチルエステルが挙げられる。その他の生成物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、乳酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、吉草酸、カプロン酸、3‐ヒドロキシプロピオン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、オレイン酸、リノール酸、グリコール酸、γ‐ヒドロキシ酪酸、およびそれらの混合物、これらの酸のいずれかの塩、これらの酸およびその各塩のいずれかの混合物が挙げられる。
上記生成物と互いとの任意の組み合わせ、および/または上記生成物と本明細書中に記載される工程もしくは他の方法で製造され得る他の生成物との任意の組み合わせは、一緒に包装され、製品として販売され得る。該生成物は、混和され、例えば混合、ブレンド、もしくは共溶解されてもよく、または単に一緒に包装もしくは販売され得る。
本明細書中に記載された生成物または生成物の組み合わせのいずれかは、製品販売の前に、例えば精製もしくは単離後、または包装後でも、生成物(複数可)中に存在し得る1つ以上の潜在的に望ましくない混入物を中和するために、衛生化または滅菌され得る。そのような衛生化は、電子衝撃で、例えば約20Mrad未満、例えば約0.1〜15Mrad、約0.5〜7Mrad、または約1〜3Mradの線量で実行することができる。
本明細書中に記載された工程は、プラントの他の部分で用いられる、または公開市場で販売される水蒸気と電気を生成する(コジェネレーション)に有用となる様々な副産物流れを生成することができる。例えば、燃焼副産物流れから生成された水蒸気は、蒸留工程に用いることができる。別の例として、燃焼副産物流れから生成された電気は、前処理に用いられる電子ビーム発生機を作動するために用いることができる。
水蒸気および電気を生成するために用いられる副産物は、工程全体を通して複数の供給源から得られる。例えば廃水の嫌気性消化は、メタンが高濃度のバイオガスと、少量の廃棄物バイオマス(スラッジ)を生じ得る。別の例として、糖化後および/または蒸留後固体(例えば、前処理および一次工程後に残存する未変換のリグニン、セルロースおよびヘミセルロース)が用いること、例えば燃料として燃焼することができる。
食品および医薬品をはじめとする他の中間体および生成物は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2010年5月20日公開のMedoffへの米国特許出願公開第2010/0124583 A1号に記載される。
リグニン由来生成物
記載された方法によるリグノセルロース加工からの使用済みバイオマス(例えば、使用済みリグノセルロース材料)は、高いリグニン量を有することが期待され、コジェネレーションプラントでの燃焼を通したエネルギー生成に有用であることに加え、他の貴重な生成物としての用途を有し得る。例えばリグニンは、プラスチックとして入手されたまま使用することができ、または合成により他のプラスチックに格上げすることもできる。幾つかの例において、それは結合剤、分散剤、乳化剤もしくは金属イオン封鎖剤として用いられ得るリグのスルホナートに変換することができる。
結合剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えば練炭中で、セラミック中で、カーボンブラックを結合させるために、肥料と除草剤を結合させるため、粉塵抑制剤として、合板およびパーティクルボードを作製する際、動物飼料を結合させるため、ファイバーガラスの結合剤として、リノリウムペースト中の結合剤として、そして土壌安定化剤として、用いることができる。
分散剤として用いられる場合、リグニンまたはリグのスルホナートを、用いることができる。例えば、コンクリートミックス、粘土およびセラミック、染料および顔料、革のなめしおよび石膏ボードにおいて。
乳化剤として用いられる場合、リグニンまたはリグノスルホナートは、例えばアスファルト、顔料および染料、殺虫剤、ならびにワックスエマルジョン中で用いることができる。
金属イオン封鎖剤としてとして、リグニンまたはリグノスルホナートが、例えば微量栄養素系、洗浄化合物および水処理システム中で、例えばボイラおよび冷却システムに用いることができる。
エネルギー生成の場合、リグニンは一般に、ホモセルロース(セルロールおよびヘミセルロース)よりも多くの炭素を含むため、ホロセルロースよりも高いエネルギー量を有する。例えば乾性リグニンは、ホロセルロースの7,000、8,000BTU/ポンドに比較して、約11,000〜12,500BTU/ポンドのエネルギー量を有することができる。そのためリグニンは、高密度化して燃焼用のブリケットおよびペレットに変換することができる。例えばリグニンは、本明細書に記載された任意の方法によりペレットに変換することができる。より緩やかに燃焼するペレットまたはブリケットの場合、約0.5Mrad〜5Mradの放射線量をあてるなどで、リグニンを架橋させることができる。架橋は、緩やかな燃焼のフォームファクターを作ることができる。ペレットまたはブリケットなどのフォームファクターは、例えば400〜950℃で、空気の存在下で熱分解することにより「合成の炭」または木炭に変換することができる。熱分解の前に、リグニンを架橋して、構造完全性を維持することが望ましくなり得る。
糖化
原料を即座に加工され得る形態に変換するために、原料中のグルカン−またはキシラン−含有セルロースを、糖化剤、例えば酵素または酸により、低分子量炭水化物、例えば糖に加水分解することができる(糖化と称される工程)。その後、低分子量炭水化物を、例えば既存の製造プラントにおいて、例えば単細胞タンパク質プラント、酵素製造プラント、または燃料プラント、例えばエタノール製造施設において、用いることができる。
原料は、酵素を用いて、例えば溶媒中で、例えば水溶液中で、材料および酵素を混和することにより、加水分解することができる。
あるいは、バイオマス、例えばバイオマスのセルロースおよび/またはリグニン部分を分解し、様々なセルロース分解酵素(セルラーゼ)、リグニナーゼまたは様々な小分子バイオマス分解代謝産物を含有または製造する生物体により供給することができる。これらの酵素は、結晶セルロースまたはバイオマスのリグニン部分を分解するために相乗的に作用する酵素の複合体であり得る。セルロース分解酵素の例としては、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼおよびセロビアーゼ(β−グルコシダーゼ)が挙げられる。
糖化の間に、セルロース基質は最初、任意の位置でエンドグルカナーゼにより加水分解されて、オリゴマー中間体を生成し得る。これらの中間体は、その場合、セルロースポリマーの末端からセロビオースを生成するためのセロビオヒドロラーゼのような外分割グルカナーゼのための基質である。セロビオースは、グルコースの水溶性1,4−結合二量体である。最後に、セロビアーゼは、セロビオースを切断して、グルコースを生成する。この工程の効率(例えば、加水分解するための時間および/または加水分解の完全性)は、セルロース材料の難分解性に依存する。
それゆえ処理されたバイオマス材料は、一般には該材料およびセルラーゼ酵素を流動媒体、例えば水溶液中で混和することにより、糖化することができる。幾つかの例において、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年4月26日公開のMedoffおよびMastermanへの米国特許出願公開第2012/0100577 A1号に記載される通り、材料は、糖化の前に高温水中で沸騰、浸漬、または蒸解される。
糖化工程は、製造プラントにおいてタンク(例えば、少なくとも4000、40,000または500,000Lの容積を有するタンク)中で部分的もしくは完全に実施することができ、そして/または輸送中に、例えば鉄道車輛、タンカートラック、スーパータンカーもしくは船の船倉において、部分的もしくは完全に実施することができる。完全糖化に要する時間は、工程条件、ならびに用いられる炭水化物含有材料および酵素に依存する。糖化が、制御された条件下で製造プラントにおいて実施される場合、セルロースは、約12〜96時間で、実質的に完全に、糖、例えばグルコースに変換され得る。糖化が、輸送中に部分的または完全に実施される場合、糖化は、より長い時間を要し得る。
例えば開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、WO 2010/135380号として英語で公開され米国を指定した、2010年5月18日出願の国際出願PCT/US2010/035331号に記載されたようなジェットミキシングを用いて、糖化中にタンク内容物が混合されるのが、一般的に好ましい。
界面活性剤の添加により、糖化の速度を増強することができる。界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、例えばTween(登録商標)20またはTween(登録商標)80ポリエチレングリコール界面活性剤、イオン性界面活性剤、または両性イオン性界面活性剤が挙げられる。
糖化により生じる糖溶液の濃度が相対的に高いこと、例えば40重量%を超える、または50重量%を超える、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%または95重量%を超えることが、一般的に好ましい。水は、例えば蒸発により除去されて、糖溶液の濃度を増大し得る。これは、出荷される容量を減少させ、溶液中での微生物増殖も阻害する。
あるいは低濃度の糖溶液が用いられてもよく、この場合、抗菌性添加剤、例えば広域抗生物質を、低濃度で、例えば50〜150ppmで添加することが望ましくなり得る。他の適切な抗生物質としては、アンフォテリシンB、アンピシリン、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、ヒグロマイシンB、カナマイシン、ネオマイシン、ペニシリン、プロマイシン、ストレプトマイシンが挙げられる。抗生物質は、運搬および貯蔵中の微生物の増殖を阻害し、適切な濃度で、例えば15〜1000重量ppm、例えば25〜500ppm、または50〜150ppmで用いることができる。糖濃度が相対的に高い場合でも、所望なら、抗生物質を含ませることができる。あるいは、防腐特性を有する抗菌性の他の添加物が、用いられてもよい。好ましくは、抗菌性添加剤(複数可)は、食品等級である。
酵素を有する炭水化物含有材料に添加される水の量を限定することにより、相対的に高濃度の溶液が得られる。例えば糖化が起こる程度を制御することにより、濃度を制御することができる。例えば、濃度は、溶液により多くの炭水化物含有材料を添加することにより、増大され得る。溶液中で生成されている糖を保持するために、界面活性剤、例えば先に議論された界面活性剤の1種を添加することができる。溶液の温度を上昇させることにより、溶解度も増大することができる。例えば、溶液は、40〜50℃、60〜80℃、またはそれを超える温度を保持することができる。
糖化剤
適切なセルロース分解酵素としては、バシラス属、ヒトヨタケ属、ミセリオフィトラ属、セファロスポリウム属、シタリジウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、シュードモナス属、フミコラ属、フザリウム属、チエラビア属、アクレモニウム属、クリソスポリウム属およびトリコデルマ属の菌株由来のセルラーゼが挙げられ、特にアスペルギルス種(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)、フミコラ・インソレンス(シタリジウム・テルモフィルムとして再分類;例えば、米国特許第4,435,307号参照)、コプリヌス・シエレウス、フザリウム・オキシスポルム、ミセリオフィトラ・テルモフィラ、メリピルス・ギガンテウス、チエラビア・テレストリス、アクレモニウム種(例えば非限定的に、A.ペルシシヌム、A.アクレモニウム、A.ブラキペニウム、A.ジクロモスポルム、A.オブクラバツム、A.ピンケルトニエ、A.ロゼオグリセウム、A.インコロラツムおよびA.フラツムなど)の種から選択される菌株により産生されるものが挙げられる。好ましい菌株としては、フミコラ・インソレンス DSM1800、フザリウム・オキシスポルム DSM2672、ミセリオフィトラ・テルモフィラ CBS117.65、セファロスポリウム種 RYM−202、アクレモニウム種 CBS478.94、アクレモニウム種 CBS265.95、アクレモニウム・ペルシシヌム CBS169.65、アクレモニウム・アクレモニウム AHU9519、セファロスポリウム種 CBS535.71、アクレモニウム・ブラキペニウム CBS866.73、アクレモニウム・ジクロモスポルム CBS683.73、アクレモニウム・オブクラバツム CBS311.74、アクレモニウム・ピンケルトニエ CBS157.70、アクレモニウム・ロゼオグリセウム CBS134.56、アクレモニウム・インコロラツム CBS146.62、およびアクレモニウム・フラツム CBS299.70Hが挙げられる。セルロース分解酵素は、クリソスポリウム属、好ましくはクリソスポリウム・ルクノウエンスの菌株から得ることもできる。用いられ得る更なる菌株としては、トリコデルマ属(特に、T.ビリデ、T.リーセイおよびT.コニンギー)、好アルカリ性バシラス属(例えば米国特許第3,844,890号および欧州特許公開第0458162号参照)、およびストレプトミセス属(例えば、欧州特許公開第0458162号参照)が挙げられるが、これらに限らない。
酵素に加えて、またはそれと併せて、酸、塩基および他の化学物質(例えば、酸化剤)を、リグノセルロース材料およびセルロース材料を糖化するのに用いることができる。これらは、任意の組み合わせまたは順番(例えば、酵素の添加前、添加後および/または添加中)で用いることができる。例えば強い鉱酸(例えば、HCl、HSO、HPO)および強塩基(例えば、NaOH、KOH)を用いることができる。

本明細書に記載された工程において、例えば糖化後に、糖(例えば、グルコースおよびキシロース)を単離することができる。例えば糖は、沈降、結晶化、クロマトグラフィー(例えば、擬似移動床クロマトグラフィー、高圧クロマトグラフィー)、遠心分離、抽出、当該技術分野で公知の任意の他の単離方法、およびそれらの組み合わせにより単離することができる。
水素添加および他の化学転換
本明細書に記載された工程は、水素添加を含み得る。例えば、グルコースおよびキシロースは、それぞれソルビトールおよびキシリトールに水素添加され得る。水素添加は、高圧(例えば、10〜12000psi)下で、Hと併用で触媒(例えば、Pt/γ−Al、Ru/C、ラネーニッケル、または当該技術分野で公知の他の触媒)の使用により遂行され得る。本明細書に記載された工程から得られた生成物の化学転換の他のタイプ、例えば有機糖由来生成物(例えば、フルフラルおよびフルフラル由来生成物)の生成を、利用することができる。糖由来生成物の化学転換は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2012年7月3日出願の米国特許出願第13/934,704号に記載される。
発酵
例えば酵母およびザイモモナス菌は、糖(複数可)からアルコール(複数可)への発酵または変換に用いることができる。他の微生物は、以下に議論される。発酵の至適pHは、約pH4〜7である。例えば、酵母の至適pHは、約pH4〜5であるが、ザイモモナス属の至適pHは、約5〜6である。典型的な発酵時間は、約24〜168時間(例えば24〜96時間)で、温度は20℃〜40℃(例えば、26℃〜40℃)の範囲内であるが、好熱性微生物では、より高温が好ましい。
幾つかの実施形態において、例えば嫌気性生物が、用いられる場合、発酵の少なくとも一部は、酸素の非存在下、例えばN2、Ar、He、COまたはそれらの混合物などの不活性ガスで覆われて、実行される。加えて混合物は、発酵の一部または全ての間、タンクを通して流れる不活性ガスの一定したパージを有し得る。幾つかの例において、嫌気性条件が、発酵中の二酸化炭素生成により達成または保持され、更なる不活性ガスは必要とならない。
幾つかの実施形態において、発酵工程の全てまたは一部を、低分子量の糖が完全に生成物(例えば、エタノール)に変換される前に、遮断することができる。中間発酵生成物としては、高濃度の糖および炭水化物が挙げられる。糖および炭水化物は、当該技術分野で公知の任意手段により単離され得る。これらの中間発酵生成物は、ヒトまたは動物消費のための食物の調製に用いることができる。追加または代わりとして、中間発酵生成物は、ステンレス鋼の実験用ミルで微粒子径に粉砕されて、小麦粉様物質を生成することができる。ジェットミキシングを、発酵中に用いることができ、幾つかの例において、糖化および発酵は、同一タンク中で実施される。
微生物のための栄養素は、糖化および/または発酵中に添加され、例えば食物ベースの栄養素パッケージは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年7月15日出願の米国特許出願公開第2012/0052536号に記載される。
「発酵」は、内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、2013年6月27日公開のPCT/US2012/71093号、2012年6月27日公開のPCT/US2012/71907号、および2012年6月27日公開のPCT/US2012/71083号に開示される。
内容が全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願PCT/US2007/074028号(2007年7月20日出願;WO2008/011598として英語で公開され、米国を指定)に記載されているように、可動性発酵槽を利用することができる。同様に、糖化設備は、可動性であってもよい。さらに、糖化および/または発酵は、輸送中に、一部または完全に実施されてもよい。
発酵剤
発酵に用いられる微生物(複数可)は、天然由来微生物および/または遺伝子操作された微生物であってもよい。例えば微生物は、細菌(例えば非限定的に、セルロース分解性細菌など)、真菌(例えば非限定的に、酵母など)、植物、原生生物、例えば原生動物または真菌様原生生物(例えば非限定的に、粘菌など)、または藻類であってもよい。生物体が適合性である場合、生物体の混合物を利用することができる。
適切な発酵微生物は、炭水化物、例えばグルコース、フルクトース、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、オリゴ糖または多糖を発酵生成物に変換する能力を有する。発酵微生物としては、サッカロミセス種(例えば非限定的に、S.セレビシエ(パン酵母)、S.ディスタチクス、S.ウバルムなど)、クルイベロミセス属(例えば非限定的に、K.マルキシアヌス、K.フラギリスなど)、カンジダ属(例えば非限定的に、C.シュードトロピカリスおよびC.ブラッシケ)、ピキア・スチピチス(カンジダ・シェハテの共通系統)、クラビスポラ属(例えば非限定的に、C.ルシタニエおよびC.オプンチエなど)、パチソレン属(例えば非限定的に、P.タンノフィルスなど)、ブレタンノミセス属(例えば非限定的に、B.クラウセニイ(Philippidis, G. P., 1996, Cellulose bioconversion technology, in Handbook on Bioethanol: Production and Utilization, Wyman, C.E., ed., Taylor & Francis, Washington, DC, 179212)など)の菌株が挙げられる。その他の適切な微生物としては、例えば、ザイモモナス・モビリス、クロストリジウム種(例えば非限定的に、C.テルモセルム(Philippidis, 1996,上記)、C.サッカロブチラセトニクム、C.チロブチリクム、C.サッカロブチリクム、C.プニセウム、C.ベイジェルンキイおよびC.アセトブチリクム)、モニリエラ種(例えば非限定的に、M.ポリニス、M.トメントサ、M.マディダ、M.ニグレッセンス、M.エドセファリ(M.oedocephali)、M.メガチリエンシス)、ヤロウィア・リポリチカ、アウレオバシジウム種、トリコスポロノイデス種、トリゴノプシス・バリアビリス、トリコスポロン種、モニリエラアセトアブタンス種、チフラ・バリアビリス、カンジダ・マグノリエ、ウスチラギノミセテス種、シュードザイマ・ツクバエンシス、ジゴサッカロミセス属の酵母種、デバリオマイセス属、ハンセヌラ属およびピチカ属、ならびにトルラ属の黒色真菌(例えば、T.コラリナ)などが挙げられる。
多くのそのような微生物菌株は、商業的に、または寄託機関、幾つか挙げるとATCC(American Type Culture Collection、 米国バージニア州マナサス所在)、NRRL(Agricultural Research Service Culture Collection, Peoria、米国イリノイ州ピオリア所在)またはDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、ドイツ ブラウンシュバイク所在)などを通して、公的に入手可能である。
市販の酵母としては、例えばRed Star(登録商標)/Lesaffre Ethanol Red(米国のRed Star/LesaffreAから入手可能)、FALI(登録商標)(米国のBurns Philip Food Inc.,のFleischmann’s Yeast, a divisionから入手可能)、SUPERSTART(登録商標)(Alltech、現在のLalemandから入手可能)、GERT STRAND(登録商標)(スウェーデンのGert Strand ABから入手可能)およびFERMOL(登録商標)(DSM Specialtiesから入手可能)が挙げられる。
蒸留
発酵後、得られた流体は、例えば「ビールカラム」を用いて蒸留されて、大部分の水および残留固体からエタノールおよび他のアルコールを分離し得る。ビールカラムを出る蒸気は、例えば35重量%エタノールであり、精留塔に供給することができる。精留塔からのほぼ共沸混合性(92.5%)のエタノールおよび水の混合物は、蒸気相分子ふるいを用いて、純(99.5%)エタノールに精製することができる。ビールカラム底は、三重効用蒸発器の第一効用に送出することができる。精留塔還流冷却器は、この第一効用のために熱を提供することができる。第一効用後、固体は、遠心分離器を用いて分離して、回転式乾燥機で乾燥することができる。遠心分離流出液の一部(25%)は、発酵に再循環され、残りは第二および第三蒸発器効用に送出することができる。蒸発器凝縮物のほとんどが、かなり透明な凝縮物として該工程に戻され、小部分が、廃水処理に分けられて、低沸点化合物の蓄積を防止することができる。
炭化水素含有材料
本明細書に記載された方法およびシステムを使用する他の実施形態において、炭化水素含有材料を加工することができる。本明細書に記載された任意の工程は、本明細書に記載された任意の炭化水素含有材料を処理するのに用いることができる。本明細書で用いられる「炭化水素含有材料」は、油砂、油頁岩、タールサンド、粉炭、石炭スラリー、ビチューメン、様々なタイプの石炭、ならびに炭化水素成分および固形分の両方を含む他の天然由来および合成材料を含むことを意味する。固形分としては、岩、砂、粘土、石、沈泥、掘削スラリー、または他の固体有機物および/もしくは無機物を挙げることができる。その用語は、掘削廃棄物および副産物などの廃棄生成物、精錬された廃棄物および副産物、または炭化水素成分を含む他の廃棄生成物、例えばアスファルトシングルおよび被覆、アスファルト舗装なども包含し得る。
本明細書に記載された方法およびシステムを用いるさらに別の実施形態において、木材および木材含有生成物を、加工することができる。例えば用材、例えば厚板、薄板、積層材、角材、パーティクルボード、複合材、粗切りした木材、軟材および硬材を加工することができる。加えて、間材、灌木、木材チップ、おがくず、根、バーク、切株、腐敗した木材、およびバイオマス材料を含む他の木材を、加工することができる。
運搬システム
様々な運搬システムを用いて、バイオマス材料を、例えば議論された通り保管庫へ、そして保管庫内の電子ビームの下に運搬することができる。模範的コンベヤは、ベルトコンベヤ、空気式コンベヤ、スクリューコンベヤ、カート、列車、線路上の列車またはカート、エレベータ、フロントローダ、バックホー、クレーン、様々なスクレーパおよびショベル、トラック、ならびに投入デバイスを用いることができる。例えば振動コンベヤは、本明細書に記載された様々な工程で用いることができる。振動コンベヤは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年10月10日出願のPCT/US2013/64289号に記載される。
振動コンベヤは、材料を広げて、コンベヤトラフの表面で均一な層を生成するのに、特に有用である。例えば最初の原料は、少なくとも4フィートの高さ(例えば、少なくとも約3フィート、少なくとも約2フィート、少なくとも約1フィート、少なくとも約6インチ、少なくとも約5インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約3インチ、少なくとも約2インチ、少なくとも約1インチ、少なくとも約1/2インチ)およびコンベヤの幅よりも小さい全長(例えば、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満、約95%未満、約99%未満)になり得る材料の堆積を形成することができる。振動コンベヤは、材料を、好ましくは先に議論された通り、コンベヤトラフの幅全体にかけ、均一な厚さを有するように、広げることができる。幾つかの例において、更なる展延方法が、有用になり得る。例えば散布スプレッダ、滴下スプレッダ(例えば、CHRISTY SPREADER(商標))またはそれらの組み合わせなどのスプレッダを用いて、広い面積に原料を滴下すること(例えば、配置すること、注入すること、ばらまくこと、および/または振りかけること)ができる。場合によりスプレッダは、振動コンベヤ上に広いシャワーまたはカーテンとしてバイオマスを送達することができる。さらに、第一のコンベヤ(例えば、第一のコンベヤは原料の照射において用いられる)から上流の第二のコンベヤが、第一のコンベヤ上にバイオマスを滴下することができ、そこで第二のコンベヤが、第一のコンベヤよりも小さい、運搬方向に対して横方向の幅を有し得る。特に第二のコンベヤが、振動コンベヤである場合、原料は、第二のコンベヤおよび第一のコンベヤの活動により広げられる。幾つかの選択的実施形態において、第二のコンベヤは、斜め方向に切断された端部から吐出されるようになっており(例えば、4:1比で斜めに切断)、材料が広いカーテンとして(例えば、第二のコンベヤの幅よりも広い)第一のコンベヤに滴下することができる。スプレッダ(例えば、散布スプレッダ、滴下スプレッダ、コンベヤ、またはクロスカット振動コンベヤ)によるバイオマスの最初の滴下エリアは、第一の振動コンベヤの幅全体に広がり得るか、またはこの幅の一部に広がり得る。材料は、コンベヤに滴下されると、コンベヤの振動により、さらに均一に広げられて、好ましくはコンベヤの幅全体が、バイオマスの均一層で覆われるようになる。幾つかの実施形態において、スプレッダの組み合わせを使用することができる。原料を広げる幾つかの方法は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2002年7月23日に出願され2006年12月26日に公開された米国特許第7,153,533号に記載される。
一般に、電子ビームを通って可能な限り急速に材料を運搬し、処理能力を最大にすることが好ましい。例えば材料は、少なくとも1フィート/分、例えば少なくとも2フィート/分、少なくとも3フィート/分、少なくとも4フィート/分、少なくとも5フィート/分、少なくとも10フィート/分、少なくとも15フィート/分、少なくとも20フィート/分、少なくとも25フィート/分、少なくとも30フィート/分、少なくとも40フィート/分、少なくとも50フィート/分、少なくとも60フィート/分、少なくとも70フィート/分、少なくとも80フィート/分、少なくとも90フィート/分の速度で運搬することができる。運搬の速度は、ビーム電流および目的となる照射線量に関係し、例えば、5.5フィート幅のコンベヤに1/4インチ厚のバイオマスを100mAで広げる場合、コンベヤは、約20フィート/分で移動して、有用な照射線量を提供することができ(例えば、1パスで約10Mrad)、50mAでは、コンベヤは、約10フィート/分で移動して、ほぼ同じ照射線量を提供することができる。
材料を運搬し得る速度は、運搬される材料の形状および重量、ならびに所望の処理に依存する。材料、例えば粒子材料を流す場合、振動コンベヤでの運搬には特に実行し易い。運搬速度は、例えば少なくとも100ポンド/時間(例えば、少なくとも500ポンド/時間、少なくとも1000ポンド/時間、少なくとも2000ポンド/時間、少なくとも3000ポンド/時間、少なくとも4000ポンド/時間、少なくとも5000ポンド/時間、少なくとも10000ポンド/時間、少なくとも15000ポンド/時間、または少なくとも25000ポンド/時間)になり得る。幾つかの典型的な運搬速度は、約1000〜10,000ポンド/時間(例えば、約1000〜8,000ポンド/時間、約2000〜7,000ポンド/時間、約2000〜6,000ポンド/時間、約2000〜5,000ポンド/時間、約2000〜4,500ポンド/時間、約1500〜5,000ポンド/時間、約3000〜7,000ポンド/時間、約3000〜6,000ポンド/時間、約4000〜6,000ポンド/時間および約4000〜5,000ポンド/時間)になり得る。典型的な運搬速度は、材料の密度に依存する。例えば密度約35ポンド/フィートおよび運搬速度約5000ポンド/時間のバイオマスの場合、材料は、約143フィート/時間の速度で運搬され、材料が1/4インチ厚で、5.5フィート幅のトラフに入れられる場合、材料は約1250フィート/時間(約21フィート/分)の速度で運搬される。それゆえ材料を運搬する速度は、大きく変動し得る。好ましくは例えば1/4インチ厚のバイオマスは、約5〜100フィート/分(例えば、約5〜100フィート/分、約6〜100フィート/分、約7〜100フィート/分、約8〜100フィート/分、約9〜100フィート/分、約10〜100フィート/分、約11〜100フィート/分、約12〜100フィート/分、約13〜100フィート/分、約14〜100フィート/分、約15〜100フィート/分、約20〜100フィート/分、約30〜100フィート/分、約40〜100フィート/分、約2〜60フィート/分、約3〜60フィート/分、約5〜60フィート/分、約6〜60フィート/分、約7〜60フィート/分、約8〜60フィート/分、約9〜60フィート/分、約10〜60フィート/分、約15〜60フィート/分、約20〜60フィート/分、約30〜60フィート/分、約40〜60フィート/分、約2〜50フィート/分、約3〜50フィート/分、約5〜50フィート/分、約6〜50フィート/分、約7〜50フィート/分、約8〜50フィート/分、約9〜50フィート/分、約10〜50フィート/分、約15〜50フィート/分、約20〜50フィート/分、約30〜50フィート/分、約40〜50フィート/分)の速度で運搬される。例えば電子ビーム(例えば、シャワー、照射野)の下を通過する時に材料の一定した照射の維持を支援するために、材料が一定速度で運搬されることが好ましい。
記載された振動コンベヤは、材料をふるい分けて選別するためのふるいを含むことができる。トラフの側面または底部の開口部を、例えばサイズまたは形状により、特定材料を選別、選択または除去するために用いることができる。幾つかのコンベヤは、支持構造への動的力を低減するために、釣合い重りを有する。幾つかの振動コンベヤは、螺旋エレベータとして構成され、表面のあたりで湾曲するように設計され、そして/または1つのコンベヤから他方のコンベヤに材料を滴下するように(例えば、段階的、カスケードまたは一連の段もしくは階段として)設計されている。材料を運搬することに加えて、コンベヤは、ふるい分け、分離、選別、分類、分配、サイズわけ、検閲、抜き取り、金属除去、凍結、ブレンド、混合、配列、加熱、蒸解、乾燥、脱水、浄化、洗浄、濾過、クエンチング、コーティング、除塵、および/または供給のために単独で、または他の設備もしくはシステムと連結させて、使用することができる。コンベヤは、カバー(例えば、防塵カバー)、側部吐出ゲート、底部吐出ゲート、特別なライナー(例えば、抗粘着性、ステンレス鋼、ゴム、特注のスチール、および/または溝付き)、分離したトラフ、クエンチプール、ふるい、穿孔プレート、検出器(例えば、金属検出器)、高温設計、食品等級の設計、ヒータ、乾燥機および/または冷却器を含むこともできる。加えてトラフは、様々な形状、例えば平坦な底部、V字形の底部、最上部のフランジ、湾曲した底部、いずれかの方向に隆起のある平板、管状、半円型、覆い付き、またはこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。特に該コンベヤは、照射システムおよび/または設備と連結することができる。
コンベヤ(例えば、振動コンベヤ)は、耐腐食性材料で作製することができる。コンベヤは、ステンレス鋼(例えば、304、316ステンレス鋼、HASTELLOY(登録商標)合金およびINCONEL(登録商標)合金)を含む構造材料を使用することができる。例えばHynes(米国インディアナ州コーコモー所在)のHASTELLOY(登録商標)耐腐食性合金、例えばHASTELLOY(登録商標)B−3(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)HYBRID−BC1(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−4合金、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−22HS(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)C−276合金、HASTELLOY(登録商標)C−2000(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−30(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)G−35(登録商標)合金、HASTELLOY(登録商標)N合金およびHASTELLOY(登録商標)ULTIMET(登録商標)合金。
振動コンベヤは、非粘着性の剥離コーティング、例えばTUFFLON(商標)(Dupont、米国デラウエア所在)を含むことができる。振動コンベヤは、耐腐食性コーティングを含むこともできる。例えば、Metal Coatings Corp(米国テキサス州ヒューストン所在)から供給され得るコーティングなど、例えばフルオロポリマーXYLAN(登録商標)、二硫化モリブデン、エポキシフェノール、リン酸第一鉄金属コーティング、エポキシ用のポリウレタン高光沢トップコート 、無機亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン、PPS/RYTON(登録商標)、フッ素化エチレンプロピレン、PVDF/DYKOR(登録商標)、ECTFE/HALAR(登録商標)およびセラミックエポキシコーティング。コーティングは、プロセスガス(例えば、オゾン)、化学腐食、点食、焼き付き腐食および酸化への耐性を改善することができる。
場合により、本明細書に記載された運搬システムに加えて、1つ以上の他の運搬システムが取り囲まれていてもよい。囲みを利用する場合、取り囲まれた運搬システムは、酸素レベルの低い大気中に保持されるように、不活性ガスでパージさせることもできる。酸素レベルを低く保つことで、幾つかの例において反応性および毒性により望ましくない、オゾンの形成が回避される。例えば酸素は、約20%未満(例えば、約10%未満、約1%未満、約0.1%未満、約0.01%未満または約0.001%未満の酸素)になり得る。パージは、非限定的に窒素、アルゴン、ヘリウムまたは二酸化炭素などの不活性ガスを用いて実施することができる。これは、液体供給源(例えば、液体窒素またはヘリウム)の蒸発により供給すること、そのものの位置で空気から発生もしくは分離すること、またはタンクから供給することができる。不活性ガスは、再循環することができ、任意の残留酸素を、銅触媒床などの触媒を用いて除去することができる。あるいはパージと、再循環と、酸素除去の組み合わせを、酸素レベルを低く保つために実施することができる。
取り囲まれたコンベヤは、バイオマスと反応し得る反応性ガスでパージすることもできる。これは、照射工程の前、照射工程中または照射工程後に実施することができる。反応性ガスは、亜酸化窒素、アンモニア、酸素、オゾン、炭化水素、芳香族化合物、アミド、過酸化物、アジド、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、リン化物、ホスフィン、アルシン、スルフィド、チオール、ボラン、および/または水素化物であってもよいが、これらに限らない。反応性ガスは、例えば照射(例えば、電子ビーム、UV照射、マイクロ波照射、加熱、IR線)により、囲みの中で活性化させて、反応性ガスをバイオマスと反応させることができる。バイオマスそのものは、例えば照射により、活性化することができる。好ましくはバイオマスは、電子ビームにより活性化されてラジカルを生成し、その後、例えばラジカルカップリングまたはクエンチングにより、活性化または不活性化反応性ガスと反応させる。
取り囲まれたコンベヤに供給されたパージガスは、例えば約25℃未満、約0℃未満、約−40℃未満、約−80℃未満、約−120℃未満に冷却することもできる。例えばガスは、液体窒素などの圧縮ガスから蒸発させること、または固体二酸化炭素から昇華させることができる。別の例として、ガスは冷凍機により冷却することができ、またはコンベヤの一部もしくは全体を冷却することができる。
他の実施形態
本明細書で議論された任意の材料、加工または加工された材料を用いて、複合体、充填剤、結合剤、可塑性添加剤、吸着剤および制御放出剤などの生成物および/または中間体を作製することができる。該方法は、例えば圧力および熱を材料に加えることによる、高密度化を含むことができる。例えば複合体は、繊維性材料を樹脂またはポリマーと混和することにより作製することができる。例えば放射線架橋性樹脂、例えば熱可塑性樹脂を繊維性材料と混和して、繊維性材料/架橋性樹脂の混和物を提供することができる。そのような材料は、例えば建築材料、保護シート、コンテナおよび他の構造材料(例えば、鋳造および/または押出生成物)として有用になり得る。吸収剤は、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。吸着剤を、例えばペット用寝床材、梱包材として、または汚染制御システムにおいて用いることができる。制御放出性マトリックスは、例えばペレット、チップ、繊維および/またはシートの形態であってもよい。制御放出性マトリックスは、例えば薬物、殺生物剤、芳香剤を放出するために用いることができる。例えば複合体、吸収剤および制御放出剤、ならびにそれらの使用は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2006年3月23日出願の国際特許出願PCT/US2006/010648号および2011年11月22日出願の米国特許第8,074,910号に記載される。
幾つかの例において、バイオマス材料は、例えば加速された電子を用いて、第一のレベルで処理されて難分解性を低下させ、1種以上の糖(例えば、キシロース)を選択的に放出する。バイオマスは、その後、第二のレベルに処理されて、1種以上の他の糖(例えば、グルコース)を放出することができる。場合によりバイオマスは、処理間で乾燥させることができる。処理は、化学処理および生化学処理を施して、糖を放出することができる。例えばバイオマス材料は、約20Mrad未満(例えば、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約2Mrad未満)のレベルに処理され、その後、10%未満(例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.75%未満、約0.50%未満、約0.25%未満)の硫酸を含む硫酸溶液で処理されて、キシロースを放出することができる。例えば溶液に放出されるキシロースを固体から分離し、場合により固体を溶媒/溶液(例えば、水および/または酸性化水)で洗浄することができる。場合により固体を、例えば空気中、および/または真空下で場合により加熱しながら(例えば、約150℃未満、約120℃未満)で水分量約25重量%未満(約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、)に乾燥させることができる。その後、固体を約30Mrad未満(例えば、約25Mrad未満、約20Mrad未満、約15Mrad未満、約10Mrad未満、約5Mrad未満、約1Mrad未満または全くない)のレベルで処理し、その後、酵素(例えば、セルラーゼ)で処理して、グルコースを放出することができる。グルコース(例えば、溶液中グルコース)を、残留固体から分離することができる。その後、固体をさらに加工して、例えばエネルギーまたは他の生成物(例えば、リグニン由来生成物)を生成するのに用いることができる。
香味剤、芳香剤および着色剤
例えば本明細書に記載された工程、システムおよび/または設備により生成される、本明細書に記載された生成物および/または中間体のいずれかを、香味剤、芳香剤、着色剤および/またはこれらの混合物と混和することができる。例えば、糖、有機酸、燃料、ポリオール、例えば糖アルコール、バイオマス、繊維および複合体(場合により香味剤、芳香剤および/または着色剤と共に)の任意の1種以上を、混和(例えば、製剤、混合または反応)することができ、または他の生成物を作製するのに用いることができる。例えば1種以上のそのような生成物を用いて、石鹸、洗剤、キャンディー、飲料(例えば、コーラ、ワイン、ビール、リキュール、例えばジンまたはウォッカ、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶)、医薬品、接着剤、シート(例えば、織物、不織布、フィルター、ティッシュ)および/または複合体(例えば、板)を作製することができる。例えば1種以上のそのような生成物を、ハーブ、花、花びら、スパイス、ビタミン、ポプリ、または蝋燭と混和することができる。例えば製剤、混合または反応させた混和物は、グレープフルーツ、オレンジ、アップル、ラズベリー、バナナ、レタス、セロリ、シナモン、チョコレート、バニラ、ペパーミント、ミント、玉ねぎ、にんにく、胡椒、サフラン、生姜、ミルク、ワイン、ビール、紅茶、赤身の牛肉、魚、二枚貝、オリーブオイル、ココナッツ脂肪、豚脂、バター脂肪、ビーフブイヨン、マメ科植物、ジャガイモ、マーマレード、ハム、コーヒーおよびチーズの香味剤/芳香剤を有することができる。
香味剤、芳香剤および着色剤は、任意の量、例えば約0.001重量%〜約30重量%、例えば約0.01重量%〜約20重量%、約0.05重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約5重量%添加することができる。これらは、任意の手段および任意の順序または連続で(例えば、撹拌、混合、乳化、ゲル化、注入、加熱、音波処理、および/または懸濁)製剤、混合および/または反応させることができる(例えば、本明細書に記載される任意の1種以上の生成物または中間体と)。充填剤、結合剤、乳化剤、抗酸化剤、例えばタンパク質のゲル、デンプンおよびシリカを、用いることもできる。
一実施形態において、照射により生成された反応部位が香味剤、芳香剤および着色剤の反応適合性部位と反応し得るようにバイオマスを照射した直後に、香味剤、芳香剤および着色剤をバイオマスに添加することができる。
香味剤、芳香剤および着色剤は、天然および/または合成材料であってもよい。これらの材料は、化合物、組成物またはこれらの混合物のうちの1つ以上であってもよい(例えば、複数の化合物の製剤または天然組成物)。場合により香味剤、芳香剤、抗酸化剤および着色剤は、例えば発酵工程(例えば、本明細書に記載された糖化材料の発酵)から、生物学的に誘導することができる。代わりまたは追加として、これらの香味剤、芳香剤および着色剤は、生物体の全体(例えば、植物、真菌、動物、細菌または酵母)または生物体の一部から採取することができる。生物体は、回収および/または抽出されて、本明細書に記載された方法、システムおよび設備を用いること、高温抽出、超臨界流体抽出、化学的抽出(例えば、酸および塩基を含む溶媒または反応性抽出)、機械的抽出(例えば、圧迫、破砕、濾過)、酵素の使用、出発原料を破壊するような細菌の使用、ならびにこれらの方法の組み合わせなど任意の手段により、色、香味剤、芳香剤および/または抗酸化剤を提供することができる。該化合物は、化学反応、例えば糖(例えば、本明細書に記載された通り生成される)とアミノ酸との混和(メイラード反応)により誘導することができる。香味剤、芳香剤、酸化剤および/または着色剤は、本明細書に記載された方法、設備またはシステムにより生成される中間体および/または生成物、例えばエステルおよびリグニン由来生成物であってもよい。
香味剤、芳香剤または着色剤の幾つかの例が、ポリフェノールである。ポリフェノールは、多くの果物、野菜、穀粒および花の赤色、紫色および青色着色剤を担う顔料である。ポリフェノールは、抗酸化性も有することができ、多くの場合、苦味を有する。抗酸化性は、これらを重要な防腐剤にする。ポリフェノールの分類に、フラボノイド、例えばアントシアニジン、フラバノノール、フラバン−3−オール、フラバノンおよびフラバノノールである。用いられ得る他のフェノール性化合物としては、フェノール酸およびそのエステル、例えばクロロゲン酸および高分子タンニンが挙げられる。
着色剤のうち、無機化合物、無機質または有機化合物、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カドミウムイエロー(例えば、CdS)、カドミウムオレンジ(例えば、若干のSeを含むCdS)、アリザリンクリムゾン(例えば、合成または非合成ローズマダー)、ウルトラマリン(例えば、合成ウルトラマリン、天然ウルトラマリン、合成ウルトラマリンバイオレット)、コバルトブルー、コバルトイエロー、コバルトグリーン、ビリジアン(例えば、酸化クロム(III)水和物)、黄銅鉱、コニカルコ石、コルヌビア石、コーンウォール石およびリロコナイトを用いることができる。カーボンブラックおよび自己分散型ブラックなどの黒色顔料を用いてもよい。
用いられ得る幾つかの香味剤および芳香剤としては、アカレアTBHQ、アセットC−6、アリルアミルグリコラート、α−テルピネオール、アンブレットリド、アンブリノール95、アンドラン、アフェルメート、アップルライド(APPLELIDE)、BACDANOL(登録商標)、ベルガマル、β−イオノンエポキシド、β−ナフチルイソブチルエーテル、ビシクロノナラクトン、BORNAFIX(登録商標)、カントキサール、CASHMERAN(登録商標)、CASHMERAN(登録商標)VELVET、CASSIFFIX(登録商標)、セドラフィックス、CEDRAMBER(登録商標)、セドリルアセタート、セレストリド、シンナマルバ、シトラルジメチルアセタート、CITROLATE(商標)、シトロネロール700、シトロネロール950、シトロネロールクール、シトロネリルアセタート、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルアセタートピュア、シトロネリルホルマート、クラリセット、クロナール、コニフェラン、コニフェランピュア、コルテクスアルデヒド50%ペオモサ、シクラブテ、CYCLACET(登録商標)、CYCLAPROP(登録商標)、CYCLEMAX(商標)、シクロヘキシルエチルアセタート、ダマスコル、δダマスコン、ジヒドロシクラセット、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピニルアセタート、ジメチルシクロルモール、ジメチルオクタノールPQ、ジミルセトール、ジオラ、ジペンテン、DULCINYL(登録商標) RECRYSTALLIZED、エチル−3−フェニルグリシダート、フレーラモン、フレーラニル、フローラルスーパー、フロラロゾン、フロリフォール、フレイストン(FRAISTONE)、フルクトン、GALAXOLIDE(登録商標)50、GALAXOLIDE(登録商標)50 BB、GALAXOLIDE(登録商標)50 IPM、GALAXOLIDE(登録商標) UNDILUTED、GALBASCONE、ゲラルデヒド、ゲラニオール5020、ゲラニオール600タイプ、ゲラニオノール950、ゲラニオール980(ピュア)、ゲラニオールCFTクール、ゲラニオールクール、ゲラニルアセタートクール、ゲラニルアセタートピュア、ゲラニルホルマート、グリサルバ、グアイルアセタート、HELIONAL(商標)、ヘルバック、HERBALIME(商標)、ヘキサデカノリド、ヘキサロン、ヘキセニルサリチラートシス−3,ヒヤシンスボディ、ヒヤシンスボディNo.3、ハイドラトロピックアルデヒドDMA、ヒドロキシオール、ハイポーレム、インドラローム、イントレレベンアルデヒド、イントレレベンアルデヒドスペシャル、イオノンアルファ、イオノンベータ、イソシクロシトラル、イソシクロゲラニオール、ISO E SUPER(登録商標)、イソブチルキノリン、ジャスマル、JESSEMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)、KHARISMAL(登録商標)SUPER、クフシニル、KOAVONE(登録商標)、KOHINOOL(登録商標)、LIFFAROME(商標)、リモキサール、LINDENOL(商標)、LYRAL(登録商標)、リレイムスーパー、マンダリンアルド10%トリエチル、CITR、マリティマ、MCKチャイニーズ、MEIJIFF(商標)、メラフレール、メロゾン、メチルアントラニラート、メチルイオノンアルファエキストラ、メチルイオノンガンマA、メチルイオノンガンマクール、メチルイオノンガンマピュア、メチルラベンダーケトン、MONTAVERDI(登録商標)、ミュゲシア、ミュゲアルデヒド50、ムスクZ4、ミラックアルデヒド、ミルセニルアセタート、NECTARATE(商標)、ネロール900、ネリルアセタート、オシメン、オクタセタール、オレンジフラワーエーテル、オリボン、ORRINIFF25%、オキサスピラン、オゾフレール、PAMPLEFLEUR(登録商標)、ペオモサ、PHENOXANOL(登録商標)、ピコニア、プレシクレモンB、プレニルアセタート、プリスマントール、レセダボディ、ロザルバ、ロザムスク、サンジノール、SANTALIFF(商標)、シベルタール、テルピネオール、テルピノレン20、テルピノレン90PQ、テルピノレンレクト(TERPYNOLENE RECT.)、テルピニルアセタート、テルピニルアセタートJAX、TETRAHYDRO MUGUOL(登録商標)、テトラヒドロミルセノール、テトラメラン、TIMBERSILK(商標)、トバカロール、TRIMOFIX(登録商標)O TT、TRIPLAL(登録商標)、TRISAMBER(登録商標)、バノリス、VERDOX(商標)、VERDOX(商標)HC、VERTENEX(登録商標)、VERTENEX(登録商標)HC、VERTOFIX(登録商標)COEUR、ベルトリフ、ベルトリフイソ、ビオリフ、ビバルディエ、ゼノリド、ABS インディア 75 PCT ミグリオール、ABS モロッコ 50 PCT DPG、ABS モロッコ 50 PCT TEC、アブソルートフレンチ、アブソルートインディア、アブソルートMD 50 PCT BB、アブソルートモロッコ、コンセントレート PG、ティンクチャー20 PCT、アンバーグリス、アンブレットアブソルート、アンブレットシードオイル、アルモワーズオイル70 PCT ツヨン、バジルアブソルートグランベール、バジルグランベールABS MD、バジルオイルグランベール、バジルオイルバーベナ、バジルオイルベトナム、ベイオイルテルペンレス、ビーズワックスABS N G、ビーズワックスアブソルート、ベンゾインレジノイドシアム、ベンゾインレジノイドシアム50 PCT DPG、ベンゾインレジノイドシアム 50 PCT PG,ベンゾインレジノイドシアム 70.5 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS 65 PCT PG、ブラックカラントブッド ABS MD 37 PCT TEC、ブラックカラントブッド ABS ミグリオール、ブラックカラントブッドアブソルートバーガンディ、ボアドローズオイル、ブランアブソルート、ブランレジノイド、ブルームアブソルートイタリー、カルダモングアテマラCO2エキストラクト、カルダモンオイルグアテマラ、カルダモノイルインディア、キャロットハート、キャシーアブソルートエジプト、キャシーアブソルート MD 50 PCT IPM、キャストレウム ABS 90 PCT TEC、キャストレウム ABS C 50 PCT ミグリオール、キャストレウム アブソルート、キャストレウムレジノイド、キャストレウムレジノイド 50 PCT DPG、セドロールセドレン、セドラスアトランティカオイルレジスト、カモミールオイルロマン、カモミールオイルワイルド、カモミールオイルワイルドロウリモネン(CHAMOMILE OIL WILD LOW LIMONENE)、シナモンバークオイルセイロン、シストアブソルート、シストアブソルートカラーレス、シトロネラオイルアジアアイロンフリー、シベット ABS 75 PCT PG、シベットアブソルート、シベットティンクチュア 10 PCT、クラリセージ ABS フレンチ デコル(DECOL)、クラリセージアブソルートフレンチ、クラリセージ シーレス(C’LESS) 50 PCT PG、クラリセージオイルフレンチ、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コリアンダーシードオイル、シプレスオイル、シプレスオイルオーガニック、ダバナオイル、ガルバノール、ガルバナムアブソルートカラーレス、ガルバナムオイル、ガルバナムレジノイド、ガルバナムレジノイド 50 PCT DPG、ガルバナムレジノイドヘルコリンBHT、ガルバナムレジノイドTEC BHT、ゲンチアン(GENETIANE)アブソルート MD 20 PCT BB、ゲンチアンコンクリート、ゲラニウム ABS エジプト MD、ゲラニウムアブソルートエジプト、ゲラニウムオイルチャイナ、ゲラニウムオイルエジプト、ジンジャーオイル624、ジンジャーオイル 精留可溶性(RECTIFIED SOLUBLE)、グアヤクウッドハート、ヘイ ABS MD 50 PCT BB、ヘイアブソルート、ヘイアブソルート MD 50 PCT TEC、ヒーリングウッド、ヒソップオイルオーガニック、イモーテル ABS ユーゴ MD 50 PCT TEC、イモーテルアブソルートスペイン、イモーテルアブソルートユーゴ、ジャスミンABSインディアMD、ジャスミンアブソルートエジプト、ジャスミンアブソルートインディア、ジャスミン(ASMIN)アブソルートモロッコ、ジャスミンアブソルートサンバック、ジョンキルABS MD 20 PCT BB、ジョンキルアブソルートフランス、ジュニパーベリーオイルFLG、ジュニパーベリーオイル 精留可溶性、ラブダニウムレジノイド 50 PCT TEC、ラブダニウムレジノイド BB、ラブダニウムレジノイド MD、ラブダニウムレジノイド MD 50 PCT BB、ラバンジンアブソルート H、ラバンジンアブソルート MD、ラバンジンオイル、アブリアルオーガニック、ラバンジンオイルグロッソオーガニック、ラバンジンオイルスーパー、ラベンダーアブソルート H、ラベンダーアブソルート MD、ラベンダーオイルクマリンフリー、ラベンダーオイルクマリンフリーオーガニック、ラベンダーオイルメイレットオーガニック、ラベンダーオイルMT、メイスアブソルート BB、モクレン花オイルローメチルオイゲノール、モクレン花オイル、モクレン花オイル MD、モクレン葉オイル、マンダリンオイル MD、マンダリンオイル BHT、マテアブソルート BB、モスツリー(MOSS TREE)アブソルート MD TEX IFRA 43、モスオーク ABS MD TEC IFRA 43、モスオークアブソルート IFRA 43、モスオークアブソルート MD IPM IFRA 43、ミルラレジノイド BB、ミルラレジノイド MD、ミルラレジノイドTEC、マートルオイルアイロンフリー、マートルオイルチュニジア精留、ナルシスABS MD 20 PCT BB、ナルシスアブソルートフレンチ、ネロリオイルチュニジア、ナツメグオイルテルペンレス、カーネーションアブソルート、オリバナムアブソルート、オリバナムレジノイド、オリバナムレジノイド BB、オリバナムレジノイド DPG、オリバナムレジノイドエキストラ 50 PCT DPG、オリバナムレジノイド MD、オリバナムレジノイド MD 50 PCT DPG、オリバナムレジノイドTEC、オポポナックスレジノイド TEC、オレンジビガラーデオイル MD BHT、オレンジビガラーデオイル MD SCFC、オレンジフラワーアブソルートチュニジア、オレンジフラワーウォーターアブソルートチュニジア、オレンジリーフアブソルート、オレンジリーフウォーターアブソルートチュニジア、オリスアブソルートイタリー、オリスコンクリート 15 PCT イロン(IRONE)、オリスコンクリート 8 PCT イロン、オリスナチュラル 15 PCT イロン 4095C、オリスナチュラル 8 PCT イロン 2942C、オリスレジノイド、オスマンサスアブソルート、オスマンサスアブソルート MD 50 PCT BB、パチョリハートNo3、パチョリオイルインドネシア、パチョリオイルインドネシアアイロンフリー、パチョリオイルインドネシア MD、パチョリオイルレジスト、ペニーロイヤルハート、ペパーミントアブソルート MD、プチグレインビガラードオイルチュニジア、プチグレインシトロニエオイル、プチグレインオイルパラグアイテルペンレス、プチグレインオイルテルペンレスSTAB、ピメントベリーオイル、ピメントリーフオイル、ロジノールEXゲラニウムチャイナ、ローズABSブルガリアンローメチルオイゲノール、ローズABSモロッコローメチルオイゲノール、ローズABSターキッシュローメチルオイゲノール、ローズアブソルート、ローズアブソルートブルガリアン、ローズアブソルートダマスケナ、ローズアブ
ソルートMD、ローズアブソルートモロッコ、ローズアブソルートターキッシュ、ローズオイルブルガリアン、ローズオイルダマスケナ低メチルオイゲノール、ローズオイルターキッシュ、ローズマリーオイルカンファーオーガニック、ローズマリーオイルチュニジア、ビャクダンオイルインディア、ビャクダンオイルインディア精留、サンタロール、シヌスモーレオイル、STジョンブレッドティンクチュア 10 PCT、スチラックスレジノイド、タジェットオイル、ティーツリーハート、トンカ豆 ABS 50 PCT ソルベント、トンカ豆アブソルート、チュベローズアブソルートインディア、ベチバーハートエキストラ、ベチバーオイルハイチ、ベチバーオイルハイチ MD、ベチバーイルジャワ、ベチバーオイルジャワMD、バイオレットリーフアブソルートエジプト、バイオレットリーフアブソルートエジプトデコル、バイオレットリーフアブソルートフレンチ、バイオレットリーフアブソルート MD 50 PCT BB、ニガヨモギオイルテルペンレス、イランエキストラオイル、イランIIIオイルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
着色剤は、英国染料染色学会によるカラーインデックスに列挙されたものであってもよい。着色剤は、染料および顔料を含み、織物、ペイント、インクおよびインクジェット用インクを着色するために一般に用いられるものを含む。用いられ得る幾つかの着色剤としては、カロテノイド、アリーリドイエロー、ジアリーリドイエロー、β−ナフトール、ナフトール、ベンゾイミダゾロン、ジスアゾ濃縮顔料、ピラゾロン、ニッケルアゾイエロー、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレンおよびペリノン、イソインドリノンおよびイソインドリン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴイドが挙げられる。カロテノイドとしては、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、リコペン、ルテインおよびアスタキサンチンアナットーエキス、脱水ビート(ビート粉末)、カンタキサンチン、カラメル、β−アポ−8’−カロテナール、コチニールエキス、カーミン、銅クロロフィリンナトリウム、焼成し部分的に脱脂し蒸解した綿実粉(toasted partially defatted cooked cottonseed flour)、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、ニンジンオイル、パプリカ、パプリカオレオレジン、雲母系パールエッセンス顔料、リボフラビン、サフラン、二酸化チタン、トマトリコペンエキス、トマトリコペン濃縮物、ターメリック、ターメリックオレオレジン、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、オレンジB、シトラスレッド2号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、アルミナ(乾燥水酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、銅クロロフィリンカリウムナトリウム(クロロフィリン−銅錯体)、ジヒドロキシアセトン、オキシ塩化ビスマス、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、フェロシアン化第二鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、グアニン、パイロフィライト、タルク、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、銅粉末、酸化亜鉛、D&C青色4号、D&C緑色5号、D&C緑色6号、D&C緑色8号、D&C橙色4号、D&C橙色5号、D&C橙色10号、D&C橙色11号、FD&C赤色4号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色17号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色30号、D&C赤色31号、D&C赤色33号、D&C赤色34号、D&C赤色36号、D&C赤色39号、D&C紫色2号、D&C黄色7号、D&C黄色7号エキス、D&C黄色8号、D&C黄色10号、D&C黄色11号、D&C黒色2号、D&C黒色3(3)号、D&C茶色1号、D&Cクロム−コバルト−酸化アルミニウムエキス、クエン酸鉄アンモニウム、ピロガロール、ログウッドエキス、1,4−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンビス(2−プロパノイック)エステルコポリマー、1,4−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン、1,4−ビス[4−(2−メタクリルオキシエチル) フェニルアミノ]アントラキノンコポリマー、カルバゾールバイオレット、クロロフィリン−銅錯体、クロム−コバルト−酸化アルミニウム、C.I.バットオレンジ 1、2−[[2,5−ジエトキシ−4−[(4−メチルフェニル)チオール]フェニル]アゾ]−1,3,5−ベンゼントリオール、16,23−ジヒドロジナフト[2,3−a:2’,3’−i]ナフト[2’,3’:6,7]インドロ[2,3−c]カルバゾール−5,10,15,17,22,24−ヘキソン、N,N’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,5−アントラセンジイル)ビスベンズアミド、7,16−ジヒドロ−6,15−ジヒドロ−5,9,14,18−アントラジンテトロン、16,17−ジメトキシジナフト(1,2,3−cd:3’,2’,1’−lm)ペリレン−5,10−ジオン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリラート)−ダイコポリマー(3)、リアクティブブラック5、リアクティブブルー21、リアクティブオレンジ78、リアクティブイエロー15、リアクティブブルー 19、リアクティブブルー4、C.I.リアクティブレッド11、C.I.リアクティブイエロー86、C.I.リアクティブブルー163、C.I.リアクティブレッド180、4−[(2,4−ジメチルフェニル)アゾ]−2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル− 3H−ピラゾ−3−オン(ソルベントイエロー18)、6−エトキシ−2−(6−エトキシ−3−オキソベンゾ[b]チエン−2(3H)−イリデン)ベンゾ[b]チオフェン−3(2H)−オン、フタロシアニングリーン、ビニルアルコール/メタクリル酸メチル−ダイ反応生成物、C.I.リアクティブレッド180、C.I.リアクティブブラック5、C.I.リアクティブオレンジ78、C.I.リアクティブイエロー15、C.I.リアクティブブルー21、1−アミノ−4−[[4−[(2−ブロモ−1−オキソアリル)アミノ]−2−スルホナトフェニル]アミノ]−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソアントラセン−2−スルホン酸二ナトリウム(リアクティブブルー69)、D&C青色9号、[フタロシアニナト(2−)]銅およびこれらの混合物が挙げられる。
実施例
アクチノバシルス・スクシノゲネスを用いた、糖化されたトウモロコシの穂軸からのコハク酸産生
材料と方法
検査されたコハク酸産生菌株
アクチノバシルス・スクシノゲネス
アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス
マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス
組換え大腸菌:好気性のPEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌
種培養
凍結(−80℃)細胞バンクから得た細胞を、150rpmで20時間撹拌しながら、30℃の増殖培地(BDトリプチカーゼソイ培地)で培養した。この種培養物を、以下に記載された培地を充填した1.2Lバイオリアクタに移した。トリプチカーゼソイ(TS)は、17g/Lカゼイン膵液消化物、3g/L 大豆粕パパイン消化物、2.5g/Lグルコース、5g/L 塩化ナトリウムおよび2.5g/Lリン酸二カリウムを含む。
培地および条件の検査
表1に、コハク酸産生に及ぼす様々な培地成分および条件の影響を決定するための実験を要約している。
Figure 2016519936
培地成分および条件検査の結果に基づき、以下の培地および条件を、次の検査に用いた。1.2L容器のバイオリアクタ(New Brunswick)中で培地容量0.7Lを検査した。20時間培養した種の1%を接種用に用いた。CO注入は利用しなかった。炭酸マグネシウムを5%(w/v)まで添加して、5〜6のpHを保持した。温度は、37℃を保持した。培養開始時にAntifoam 204を添加し(0.1% 1ml/L)、その後、さらには添加しなかった。無機塩を使用した。
結果
1.アクチノバシルス・スクシノゲネス(ATCC55618)とグルコースおよびキシロース試薬とのバイオリアクタ培養
先の培地および条件を用いて、3種の独立した実験を実施した。最初は、グルコースを炭素供給源として用いた。図11は、最初の実験におけるグルコース消費およびコハク酸産生を示すプロットである。第二の実験は、キシロースを炭素供給源として用いた。図12は、第二の実験におけるグルコース消費およびコハク酸産生を示すプロットである。第三の実験は、グルコースおよびキシロースの両方を炭素供給源として用いた。図13は、第三の実験におけるグルコース+キシロース消費およびコハク酸産生を示すプロットである。
2.アクチノバシルス・スクシノゲネス(ATCC55618)と糖化されたトウモロコシの穂軸とのバイオリアクタ培養
先に記載された培地成分(最も好ましい)に加えて、糖化バイオマスからの糖溶液を用いた。糖溶液には、ハンマーミルされ、約35Mrad電子ビームを照射された糖化トウモロコシ穂軸が含まれた。例えば糖化トウモロコシ穂軸は、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2013年3月8日出願の米国特許仮出願第61/774,723号に記載された通り調製することができる。
アクチノバシルス・スクシノゲネス(ATCC55618)を、様々な培地成分条件で(表1)、1.2Lバイオリアクタ内の産生培地(培養容量は0.7L)中で培養した。培養期間は、3〜5日間であった。
図14は、好ましい条件のアクチノバシルス・スクシノゲネス(ATCC55618)と糖化トウモロコシ穂軸との1.2Lバイオリアクタ培養物を利用して称された糖と産生された生成物とのプロットである。条件は、培地成分:糖化トウモロコシ穂軸、20g/L酵母抽出物、無機塩;物理的条件:37℃および200rpm
グルコースおよびキシロースの同時消費が観察され、グルコースは30g/L付近で出発して約12g/Lに減少し、キシロースは約24g/Lで出発して約5g/Lに減少した。セロビオースは、消費されなかった(図示しない)。コハク酸 約30g/Lが産生され、それによりグルコースおよびキシロースに基づく収率が約50%強になった。
本明細書の実施例以外で、または他に明記されなければ、本明細書の以下の部分および添付の特許請求の範囲における材料、元素、量、反応時間および温度、量の比などの数値範囲、量、値およびパーセント値の全ては、用語「約」が値、量、または範囲と共に明確に表れ得ないとしても、言語「約」によって始まると読み取ることができる。したがって反することが示されない限り、以下の明細書および特許請求の範囲に示された数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、そして特許請求の範囲と同様の原則の適用を限定する試みではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、通常の端数処理法を利用することにより、解釈されなければならない。
本発明の広範囲に示された数値範囲およびパラメータは近似であるが、具体的実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしな がら、いずれの数値も、基礎をなす各検査測定に見出された標準偏差から必然的に生じた誤差を本質的に含有する。さらに数値範囲が、本明細書に示されている場合、これらの範囲は、引用された範囲の終了点を含む(例えば、終了点が用いられてもよい)。重量パーセントが、本明細書に用いられている場合、報告された数値は、全重量に対するものである。
同じく、本明細書に引用された任意の数値範囲はそこに包含される部分範囲の全てを含むことが理解されなければならない。例えば「1〜10」の範囲は、引用された最小値1と引用された最大値10の間の(そしてそれらを含み)部分範囲全てを含み、即ち1と等しいまたは1よりも大きな最小値と、10と等しいまたは10よりも小さい最大値を有するものとする。本明細書で用いられる用語「one」、「a」、または「an」は、他に断りがなければ、「少なくとも1」、または「1以上」を含むものとする。
本明細書で参照により組み入れられると述べられた任意の特許、特許公開、または他の開示材料の全体または一部は、組み入れられた材料が既存の定義、表明、また本開示に示された他の開示材料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み入れられる。そのため必要な程度にまで、本明細書に明白に示された開示は、参照により本明細書に組み入れられた任意の矛盾材料にとって代わる。参照により本明細書に組み入れられると述べられていながら、本明細書に示された既存の定義、表面、または他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその一部は、組み入れられた材料と既存の開示材料の間で矛盾が生じない程度のみ組み入れられる。
本発明は、好ましい実施形態を参照して具体的に図示および記載されたが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を施し得ることは、当業者に理解されよう。

Claims (30)

  1. 生成物を作製する方法であって、
    難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を1種以上の酵素および/または生物体で処理して、ポリカルボン酸を生成すること;ならびに
    前記ポリカルボン酸を前記生成物に変換すること、
    を含む、方法。
  2. 原料を照射、音波処理、酸化、熱分解および水蒸気爆発のうちの少なくとも1つで前処理して、前記難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記照射が、電子ビームで実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリカルボン酸を前記生成物に変換することが、化学変換することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記化学変換することが、重合、縮合、異性化、エステル化、アルキル化、酸化、アミノ化、酸ハロゲン化物の形成、還元、水素添加、環化、イオン交換、脱水、アシル化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記化学変換することが、触媒変換、非触媒変換およびそれらの組み合わせから選択されるステップを含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記処理が、最初に1種以上の酵素で実施されて前記リグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で実施されて前記ポリカルボン酸を生成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記糖が、グルコース、キシロース、スクロース、マルトース、ラクトース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、これらのうちの任意の1種または2種の二糖類)、セロビオース、スクロース、これらのうちの任意の2種以上の多糖類、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記処理が、前記ポリカルボン酸への変換の前に、前記糖の1種以上を中間体生成物に変換する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記中間体生成物が、エタノールまたはグリコールである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記糖が、発酵により前記中間体生成物に変換される、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記ポリカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸、ムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、メリト酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記ポリカルボン酸が、コハク酸である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記生成物が、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−ビニル−2−ピロリジノン、スクシンイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、スクシンジアミド、塩化スクシニル、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、1,4−ジアミノブタン、スクシノニトリル、1,4−ブタンジオールおよびコハク酸ジメチルからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 生成物を作製する方法であって、
    窒素供給源および無機塩を含む混合糖溶液をコハク酸産生生物体と接触させてコハク酸を産生すること;
    前記コハク酸を精製すること;ならびに
    前記精製されたコハク酸を前記生成物に変換すること、
    を含み、
    前記糖溶液が、電子ビーム処理されたセルロース系またはリグノセルロース系バイオマスを糖化することにより作製される、方法。
  16. 前記無機塩として、NaHPO、NaHPO、NaCl、MgClおよびCaClが挙げられる、請求項12に記載の方法。
  17. 前記窒素供給源が、酵母抽出物を含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記生物体が、アクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、およびPEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌からなる群から選択される、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記変換することが、化学変換することを含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記セルロース材料またはリグノセルロース材料が、約10〜約50Mradの放射線を受ける、請求項15〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 生成物を作製する方法であって、
    窒素供給源および無機塩を含む混合糖溶液を、アクチノバシルス・スクシノゲネス、アナエロビオスピリルム・スクシニシプロデュセンス、マンヘイミア・スクシニシプロデュセンス、およびPEPカルボキシラーゼを過剰発現する大腸菌からなる群から選択される生物体と接触させて、少なくとも1種の糖をコハク酸に発酵すること、ならびに
    前記コハク酸を前記生成物に変換すること、
    を含み、
    前記糖溶液が、電子ビーム処理されたセルロース系またはリグノセルロース系バイオマスを糖化することにより作製される、方法。
  22. 前記変換することが、化学変換することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記化学変換することが、重合、縮合、異性化、エステル化、アルキル化、酸化、アミノ化、酸ハロゲン化物の形成、還元、水素添加、環化、イオン交換、脱水、アシル化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記リグノセルロース材料が、約10〜約50Mradの放射線を受ける、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 生成物を作製する方法であって、
    難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を1種以上の酵素および/または生物体で処理して、ポリカルボン酸を生成すること、
    を含む、方法。
  26. 原料を電離放射線で前処理して、前記難分解性を低下させたリグノセルロース材料またはセルロース材料を生成する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記電離放射線が、電子ビームで実施される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記処理が、最初に1種以上の酵素で実施されて前記リグノセルロース材料またはセルロース材料から1種以上の糖を放出し、その後、1種以上の生物体で実施されて前記ポリカルボン酸を生成する、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記ポリカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、トラウマチン酸、ムコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、メリト酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記ポリカルボン酸が、コハク酸でない、請求項29に記載の方法。
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