以下に詳しく説明する本発明の実施例は、端末が2つ以上のスモールセルと接続される多重接続モードを支援する無線接続システムにおいて上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を送信する方法及びこれを支援する装置を提供する。
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれてもよく、又は他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えられてもよい。
図面に関する説明において、本発明の要旨を曖昧にさせうる手順又は段階などは記述を省略し、当業者のレベルで理解できるような手順又は段階も記述を省略した。
明細書全体を通じて、ある部分がある構成要素を「含む(又は備える又は有する)」としたとき、これは、特別に言及しない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…機」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合によって具現することができる。また、「ある(a又はan)」、「一つ(one)」、「その(the)」及び類似関連語は、本発明を記述する文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)、本明細書に特別に指示されたり文脈によって明らかに反駁されない限り、単数及び複数の両意味で使うことができる。
本明細書で、本発明の実施例は、基地局と移動局間のデータ送受信関係を中心に説明した。ここで、基地局は移動局と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network node)からなるネットワークで移動局との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われてもよい。ここで、「基地局」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、発展した基地局(ABS:Advanced Base Station)又はアクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。
また、本発明の実施例でいう「端末(Terminal)」は、ユーザ機器(UE:User Equipment)、移動局(MS:Mobile Station)、加入者端末(SS:Subscriber Station)、移動加入者端末(MSS:Mobile Subscriber Station)、移動端末(Mobile Terminal)、又は発展した移動端末(AMS:Advanced Mobile Station)などの用語に代えてもよい。
また、送信端は、データサービス又は音声サービスを提供する固定及び/又は移動ノードを意味し、受信端は、データサービス又は音声サービスを受信する固定及び/又は移動ノードを意味する。そのため、上りリンクでは、移動局を送信端とし、基地局を受信端とすることができる。同様に、下りリンクでは、移動局を受信端とし、基地局を送信端とすることができる。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802.xxシステム、3GPP(3rd Generation Partnership Project)システム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができ、特に、本発明の実施例は、3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.212、3GPP TS 36.213、及び3GPP TS 36.321の文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において説明していない自明な段階又は部分は、上記の文書を参照して説明することができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明が実施されうる唯一の実施の形態を示すためのものではない。
また、本発明の実施例で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
以下では、本発明の実施例を適用し得る無線接続システムの一例として3GPP LTE/LTE−Aシステムについて説明する。
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような様々な無線接続システムに適用することができる。
CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。
UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)システムは、3GPP LTEシステムの改良されたシステムである。本発明の技術的特徴に関する説明を明確にするために、本発明の実施例を3GPP LTE/LTE−Aシステムを中心に説明するが、IEEE 802.16e/mシステムなどに適用してもよい。
1. 3GPP LTE/LTE_Aシステム
無線接続システムにおいて、端末は下りリンク(DL:Downlink)を介して基地局から情報を受信し、上りリンク(UL:Uplink)を介して基地局に情報を送信する。基地局と端末が送受信する情報は、一般データ情報及び様々な制御情報を含み、これらが送受信する情報の種類/用途によって様々な物理チャネルが存在する。
1.1 システム一般
図1は、本発明の実施例で使用できる物理チャネル及びこれらを用いた信号送信方法を説明するための図である。
電源が消えた状態で電源がついたり、新しくセルに進入したりした端末は、S11段階で基地局と同期を取るなどの初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、端末は基地局から1次同期チャネル(P−SCH:Primary Synchronization Channel)及び2次同期チャネル(S−SCH:Secondary Synchronization Channel)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。
その後、端末は基地局から物理放送チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)信号を受信してセル内放送情報を取得することができる。
一方、端末は初期セル探索段階で下りリンク参照信号(DL RS:Downlink Reference Signal)を受信して下りリンクチャネル状態を確認することができる。
初期セル探索を終えた端末は、S12段階で、物理下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、及び物理下り制御チャネル情報に基づく物理下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
その後、端末は、基地局に接続を完了するために、段階S13乃至段階S16のようなランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を行うことができる。そのために、端末は物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を用いてプリアンブル(preamble)を送信し(S13)、物理下り制御チャネル及びこれに対応する物理下り共有チャネルを用いてプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S14)。競合ベースのランダムアクセスでは、端末は、さらなる物理ランダムアクセスチャネル信号の送信(S15)、及び物理下り制御チャネル信号及びこれに対応する物理下り共有チャネル信号の受信(S16)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
上述したような手順を行った端末は、その後、一般的な上り/下り信号送信手順として、物理下り制御チャネル信号及び/又は物理下り共有チャネル信号の受信(S17)及び物理上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)信号及び/又は物理上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)信号の送信(S18)を行うことができる。
端末が基地局に送信する制御情報を総称して、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)という。UCIは、HARQ−ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CQI(Channel Quality Indication)、PMI(Precoding Matrix Indication)、RI(Rank Indication)情報などを含む。
LTEシステムにおいて、UCIは、一般的にPUCCHを介して周期的に送信するが、制御情報とトラフィックデータが同時に送信されるべき場合にはPUSCHを介して送信してもよい。また、ネットワークの要請/指示に応じてPUSCHを介してUCIを非周期的に送信してもよい。
図2には、本発明の実施例で用いられる無線フレームの構造を示す。
図2(a)は、タイプ1フレーム構造(frame structure type 1)を示す。タイプ1フレーム構造は、全二重(full duplex)FDD(Frequency Division Duplex)システムと半二重(half duplex)FDDシステムの両方に適用することができる。
1サブフレームは、2個の連続したスロットと定義され、i番目のサブフレームは、2i及び2i+1に該当するスロットで構成される。すなわち、無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成される。1サブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(transmission time interval)という。ここで、T
sはサンプリング時間を表し、T
s=1/(15kHz×2048)=3.2552×10
-8(約33ns)と表示される。スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボル又はSC−FDMAシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block)を含む。
1スロットは、時間領域で複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含む。3GPP LTEは、下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルは1シンボル区間(symbol period)を表現するためのものである。OFDMシンボルは、1つのSC−FDMAシンボル又はシンボル区間ということができる。リソースブロック(resource block)は、リソース割り当て単位であって、1スロットで複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含む。
全二重FDDシステムでは、各10ms区間で10個のサブフレームを下り送信と上り送信のために同時に利用することができる。このとき、上り送信と下り送信は周波数領域で区別される。一方、半二重FDDシステムでは、端末は送信と受信を同時に行うことができない。
上述した無線フレームの構造は一つの例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
タイプ2フレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(GP:Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)の3つのフィールドで構成される特別サブフレームを含む。ここで、DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を合わせるために用いられる。保護区間は、上りリンクと下りリンクの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
下記の表1に、特別フレームの構成(DwPTS/GP/UpPTSの長さ)を示す。
図3は、本発明の実施例で使用できる下りリンクスロットのリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。
図3を参照すると、1つの下りリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含む。ここで、1つの下りリンクスロットは、7個のOFDMシンボルを含み、1つのリソースブロックは周波数領域で12個の副搬送波を含むとするが、これに限定されるものではない。
リソースグリッド上で各要素(element)をリソース要素(resource element)とし、1つのリソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの数NDLは、下りリンク送信帯域幅(bandwidth)に依存する。上りリンクスロットの構造は、下りリンクスロットの構造と同一であってもよい。
図4は、本発明の実施例で使用できる上りリンクサブフレームの構造を示す。
図4を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別される。制御領域には、上り制御情報を運ぶPUCCHが割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを運ぶPUSCHが割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末に対するPUCCHにはサブフレーム内にRB対が割り当てられる。RB対に属するRBは、2個のスロットのそれぞれで異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられたRB対はスロット境界(slot boundary)で周波数跳躍(frequency hopping)するという。
図5には、本発明の実施例で使用できる下りサブフレームの構造を示す。
図5を参照すると、サブフレームにおける第一のスロットでOFDMシンボルインデックス0から最大3個のOFDMシンボルが、制御チャネルが割り当てられる制御領域(control region)であり、残りのOFDMシンボルが、PDSCHが割り当てられるデータ領域(data region)である。3GPP LTEで用いられる下りリンク制御チャネルの例には、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)などがある。
PCFICHは、サブフレームにおける最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内に制御チャネルの送信のために使われるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を運ぶ。PHICHは、上りリンクに対する応答チャネルであって、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgement)/NACK(Negative−Acknowledgement)信号を運ぶ。PDCCHを介して送信される制御情報を下り制御情報(DCI:downlink control information)という。下り制御情報は、上りリソース割り当て情報、下りリソース割り当て情報、又は任意の端末グループに対する上り送信(Tx)電力制御命令を含む。
1.2 PDCCH(Physical Downlink Control Channel)
1.2.1 PDCCH一般
PDCCHは、DL−SCH(Downlink Shared Channel)のリソース割り当て及び送信フォーマット(すなわち、下りリンクグラント(DL−Grant))、UL−SCH(Uplink Shared Channel)のリソース割り当て情報(すなわち、上りリンクグラント(UL−Grant))、PCH(Paging Channel)におけるページング(paging)情報、DL−SCHにおけるシステム情報、PDSCHで送信されるランダムアクセス応答(random access response)のような上位レイヤ(upper−layer)制御メッセージに対するリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令の集合、VoIP(Voice over IP)活性化の有無に関する情報などを運ぶことができる。
複数のPDCCHを制御領域内で送信することができ、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは、1つ又は複数の連続したCCE(control channel elements)の集合(aggregation)で構成される。1つ又は複数の連続したCCEの集合で構成されたPDCCHは、サブブロックインターリービング(subblock interleaving)を経た後、制御領域を通して送信することができる。CCEは、無線チャネルの状態による符号化率をPDCCHに提供するために使われる論理的割り当て単位である。CCEは、複数のリソース要素グループ(REG:resource element group)に対応する。CCEの数とCCEによって提供される符号化率の関係によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。
1.2.2 PDCCH構造
複数の端末に対する多重化された複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよい。PDCCHは1つ又は2つ以上の連続したCCEの集合(CCE aggregation)で構成される。CCEは、4個のリソース要素で構成されたREGの9個のセットに対応する単位のことを指す。各REGには4個のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)シンボルがマップされる。参照信号(RS:Reference Signal)によって占有されたリソース要素はREGに含まれない。すなわち、OFDMシンボル内でREGの総個数は、セル特定参照信号が存在するか否かによって異なってくることがある。4個のリソース要素を1つのグループにマップするREGの概念は、他の下り制御チャネル(例えば、PCFICH又はPHICH)にも適用することができる。
端末のデコーティングプロセスを単純化するために、n個のCCEを含むPDCCHフォーマットは、nの倍数と同じインデックスを有するCCEから始まってもよい。すなわち、CCEインデックスがiである場合、
を満たすCCEから始まってもよい。
基地局は1つのPDCCH信号を構成するために{1,2,4,8}個のCCEを使用することができ、ここで、{1,2,4,8}をCCE集合レベル(aggregation level)と呼ぶ。特定PDCCHの送信のために使われるCCEの個数はチャネル状態によって基地局で決定される。例えば、良子な下りチャネル状態(基地局に近接している場合)を有する端末のためのPDCCHは、1つのCCEだけで十分でありうる。一方、よくないチャネル状態(セル境界にある場合)を有する端末の場合は、8個のCCEが十分な堅牢さ(robustness)のために要求されることがある。しかも、PDCCHの電力レベルも、チャネル状態にマッチングして調節されてもよい。
下記の表2にPDCCHフォーマットを示す。CCE集合レベルによって表2のように4つのPDCCHフォーマットが支援される。
端末ごとにCCE集合レベルが異なる理由は、PDCCHに乗せられる制御情報のフォーマット又はMCS(Modulation and Coding Scheme)レベルが異なるためである。MCSレベルは、データコーディングに用いられるコードレート(code rate)と変調序列(modulation order)を意味する。適応的なMCSレベルはリンク適応(link adaptation)のために用いられる。一般に、制御情報を送信する制御チャネルでは3〜4個程度のMCSレベルを考慮することができる。
制御情報のフォーマットを説明すると、PDCCHを介して送信される制御情報を下り制御情報(DCI)という。DCIフォーマットによってPDCCHペイロード(payload)に乗せられる情報の構成が異なることがある。PDCCHペイロードは、情報ビット(information bit)を意味する。下記の表3は、DCIフォーマットによるDCIを示すものである。
表3を参照すると、DCIフォーマットには、PUSCHスケジューリングのためのフォーマット0、1つのPDSCHコードワードのスケジューリングのためのフォーマット1、1つのPDSCHコードワードの簡単な(compact)スケジューリングのためのフォーマット1A、DL−SCHの非常に簡単なスケジューリングのためのフォーマット1C、閉ループ(Closed−loop)空間多重化(spatial multiplexing)モードでPDSCHスケジューリングのためのフォーマット2、開ループ(Open−loop)空間多重化モードでPDSCHスケジューリングのためのフォーマット2A、上りリンクチャネルのためのTPC(Transmission Power Control)命令の送信のためのフォーマット3及び3Aがある。DCIフォーマット1Aは、端末にいずれの送信モードが設定されてもPDSCHスケジューリングのために用いることができる。
DCIフォーマットによってPDCCHペイロード長が変わることがある。また、PDCCHペイロードの種類とそれによる長さは、簡単な(compact)スケジューリングであるか否か、又は端末に設定された送信モード(transmission mode)などによって異なってもよい。
送信モードは、端末がPDSCHを介した下りリンクデータを受信するように設定(configuration)することができる。例えば、PDSCHを介した下りリンクデータには、端末にスケジュールされたデータ(scheduled data)、ページング、ランダムアクセス応答、又はBCCHを介したブロードキャスト情報などがある。PDSCHを介した下りリンクデータは、PDCCHを介してシグナルされるDCIフォーマットと関係がある。送信モードは、上位層シグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)によって端末に半静的に(semi−statically)設定することができる。送信モードは、シングルアンテナ送信(Single antenna transmission)又はマルチアンテナ(Multi−antenna)送信と区別できる。
端末は、上位層シグナリングによって半静的(semi−static)に送信モードが設定される。例えば、マルチアンテナ送信には、送信ダイバーシティ(Transmit diversity)、開ループ(Open−loop)又は閉ループ(Closed−loop)空間多重化(Spatial multiplexing)、MU−MIMO(Multi−user−Multiple Input Multiple Output)、及びビーム形成(Beamforming)などがある。送信ダイバーシティは、多重送信アンテナで同一のデータを送信して送信信頼度を高める技術である。空間多重化は、多重送信アンテナで互いに異なるデータを同時に送信し、システムの帯域幅を増加させることなく高速のデータを送信できる技術である。ビーム形成は、多重アンテナでチャネル状態による加重値を与えて信号のSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)を増加させる技術である。
DCIフォーマットは、端末に設定された送信モードに依存する。端末は、自身に設定された送信モードによってモニタする参照(Reference)DCIフォーマットがある。次の通り、端末に設定される送信モードは10個の送信モードを有することができる。
(1)送信モード1:単一アンテナポート;ポート0
(2)送信モード2:送信ダイバーシチ(Transmit Diversity)
(3)送信モード3:開ループ空間多重化(Open−loop Spatial Multiplexing)
(4)送信モード4:閉ループ空間多重化(Closed−loop Spatial Multiplexing)
(5)送信モード5:多重ユーザMIMO
(6)送信モード6:閉ループランク=1プリコーディング
(7)送信モード7:コードブックに基づかない、単一レイヤ送信を支援するプリコーディング
(8)送信モード8:コードブックに基づかない、2個までのレイヤを支援するプリコーディング
(9)送信モード9:コードブックに基づかない、8個までのレイヤを支援するプリコーディング
(10)送信モード10:コードブックに基づかない、CoMPのために用いられる、8個までのレイヤを支援するプリコーディング
1.2.3 PDCCH送信
基地局は、端末に送信しようとするDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(Cyclic Redundancy Check)を付加する。CRCにはPDCCHの所有者(owner)や用途によって固有の識別子(例えば、RNTI(Radio Network Temporary Identifier))をマスクする。特定の端末のためのPDCCHであれば、端末固有の識別子(例えば、C−RNTI(Cell−RNTI))をCRCにマスクすることができる。又は、ページングメッセージのためのPDCCHであれば、ページング指示識別子(例えば、P−RNTI(Paging−RNTI))をCRCにマスクすることができる。システム情報、より具体的にシステム情報ブロック(system information block、SIB)のためのPDCCHであれば、システム情報識別子(例えば、SI−RNTI(system information RNTI))をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、RA−RNTI(random access−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
続いて、基地局は、CRCの付加された制御情報にチャネルコーディングを行って符号化されたデータ(coded data)を生成する。このとき、MCSレベルによるコードレートにチャネルコーディングを行うことができる。基地局は、PDCCHフォーマットに割り当てられたCCE集合レベルによる伝送率マッチング(rate matching)を行い、符号化されたデータを変調して変調シンボルを生成する。この時、MCSレベルによる変調序列を用いることができる。1つのPDCCHを構成する変調シンボルは、CCE集合レベルが1、2、4、8のいずれか一つであってもよい。その後、基地局は、変調シンボルを物理的なリソース要素にマップ(CCE to RE mapping)する。
1.2.4 ブラインドデコーディング(BS:Blind Decoding)
一つのサブフレーム内で複数のPDCCHが送信されてもよい。
端末は、毎サブフレームごとに複数のPDCCHをモニタリングする。ここで、モニタリングとは、端末がモニタリングされるPDCCHフォーマットによってPDCCHのそれぞれのデコーディングを試みることをいう。
基地局は端末にサブフレーム内に割り当てられた制御領域で該当のPDCCHがどこに位置するかに関する情報を提供しない。端末は基地局から送信された制御チャネルを受信するために自身のPDCCHがどの位置でどのCCE集合レベルやDCIフォーマットで送信されるかを把握できず、端末は、サブフレーム内でPDCCH候補(candidate)の集合をモニタリングして自身のPDCCHを探す。これをブラインドデコーディング(BD)という。ブラインドデコーディングとは、端末がCRC部分に自身の端末識別子(UE ID)をデマスキング(De−Masking)した後、CRC誤りを検討し、当該PDCCHが自身の制御チャネルであるか否かを確認する方法をいう。
活性モード(active mode)で端末は自身に送信されるデータを受信するために毎サブフレームのPDCCHをモニタリングする。DRXモードで端末は毎DRX周期のモニタリング区間で起床(wake up)し、モニタリング区間に該当するサブフレームでPDCCHをモニタリングする。PDCCHのモニタリングが行われるサブフレームをnon−DRXサブフレームという。
端末は、自身に送信されるPDCCHを受信するためには、non−DRXサブフレームの制御領域に存在する全てのCCEに対してブラインドデコーディングを行わなければならない。端末は、いずれのPDCCHフォーマットが送信されるか把握できないことから、毎non−DRXサブフレーム内でPDCCHのブラインドデコーディングに成功するまで、可能なCCE集団レベルでPDCCHを全てデコーディングしなければならない。端末は、自身のためのPDCCHがいくつのCCEを用いるのか把握できず、PDCCHのブラインドデコーディングに成功するまで、可能な全てのCCE集団レベルで検出を試みなければならない。
LTEシステムでは端末のブラインドデコーディングのためにサーチスペース(SS:Search Space)概念を定義する。サーチスペースは、端末がモニタリングするためのPDCCH候補セットを意味し、各PDCCHフォーマットによって異なるサイズを有することができる。サーチスペースは、共用サーチスペース(CSS:Common Search Space)及び端末特定サーチスペース(USS:UE−specific/Dedicated Search Space)を含むことができる。
共用サーチスペースの場合、全ての端末が共用サーチスペースのサイズを認知できるが、端末特定サーチスペースは、端末ごとに個別に設定することができる。したがって、端末は、PDCCHをデコーディングするために、端末特定サーチスペース及び共用サーチスペースを全てモニタリングしなければならなくて、したがって、1サブフレームで最大44回のブラインドデコーディング(BD)を行うことになる。ここには、異なるCRC値(例えば、C−RNTI、P−RNTI、SI−RNTI、RA−RNTI)によって行うブラインドデコーディングは含まれない。
サーチスペースの制約によって、与えられたサブフレーム内で基地局がPDCCHを送信しようとする端末の全てにPDCCHを送信するためのCCEリソースが確保されれない場合が発生しうる。なぜなら、CCE位置が割り当てられて残ったリソースは、特定端末のサーチスペース内に含まれないことがある。次のサブフレームでも続き得るこのような障壁を最小化するために、端末特定跳躍(hopping)シーケンスを端末特定サーチスペースの始点に適用することができる。
表4は、共用サーチスペースと端末特定サーチスペースのサイズを示す。
ブラインドデコーディングを試みる回数による端末の負荷を軽減するために、端末は、定義された全てのDCIフォーマットによるサーチを同時に行うわけではない。具体的に、端末は、端末特定サーチスペースで常にDCIフォーマット0及び1Aに対するサーチを行う。この時、DCIフォーマット0と1Aは同じサイズを有するが、端末は、PDCCHに含まれたDCIフォーマット0と1Aを区別するために用いられるフラグ(flag for format0/format1A differentiation)を用いてDCIフォーマットを区別することができる。また、端末にDCIフォーマット0とDCIフォーマット1Aに加えて他のDCIフォーマットが要求されてもよいが、その一例としてDCIフォーマット1、1B、2がある。
共用サーチスペースで端末はDCIフォーマット1Aと1Cをサーチすることができる。また、端末はDCIフォーマット3又は3Aをサーチするように設定されてもよく、DCIフォーマット3と3Aは、DCIフォーマット0と1Aと同じサイズを有するが、端末は、端末特定識別子以外の識別子によってスクランブルされたCRCを用いてDCIフォーマットを区別することができる。
上述したように、端末は、PDCCHをデコーディングするために端末特定サーチスペース及び共用サーチスペースの両方をモニタリングする。ここで、共用サーチスペース(CSS)は、{4,8}の集合レベルを有するPDCCHを支援し、端末特定サーチスペース(USS)は、{1,2,4,8}の集合レベルを有するPDCCHを支援する。表5は、端末によってモニタリングされるPDCCH候補を表す。
1.3PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
PUCCHは、制御情報を送信するために次のフォーマットを含む。
(1)フォーマット1:オン−オフキーイング(OOK:On−Off keying)変調、スケジューリング要請(SR:Scheduling Request)に用いる
(2)フォーマット1aとフォーマット1b:ACK/NACK送信に用いる
1)フォーマット1a:1個のコードワードに対するBPSK ACK/NACK
2)フォーマット1b:2個のコードワードに対するQPSK ACK/NACK
(3)フォーマット2:QPSK変調、CQI送信に用いる
(4)フォーマット2aとフォーマット2b:CQI及びACK/NACKの同時送信に用いる
(5)フォーマット3:CA環境で複数のACK/NACK送信のために用いる
表6には、PUCCHフォーマットによる変調方式とサブフレーム当たりビット数を示す。表7には、PUCCHフォーマットによるスロット当たり参照信号の個数を示す。表8には、PUCCHフォーマットによる参照信号のSC−FDMAシンボル位置を示す。表6で、PUCCHフォーマット2aと2bは一般CP(Cyclic Prefix)の場合に該当する。
図6は、一般CPの場合におけるPUCCHフォーマット1a及び1bを示し、図7は、拡張CPの場合におけるPUCCHフォーマット1a及び1bを示す図である。
PUCCHフォーマット1a及び1bは、同じ内容の制御情報がサブフレーム内でスロット単位に反復される。各端末でACK/NACK信号は、CG−CAZAC(Computer−Generated Constant Amplitude Zero Auto Correlation)シーケンスの異なる循環シフト(CS:cyclic shift)(周波数ドメインコード)と直交カバーコード(OC/OCC:orthogonal cover/orthogonal cover code)(時間ドメイン拡散コード)とで構成された異なるリソースで送信される。OCは、例えば、ウォルシュ(Walsh)/DFT直交コードを含む。CSの個数が6個、OCの個数が3個なら、単一アンテナを基準に、総18個の端末を1つのPRB(Physical Resource Block)内で多重化できる。直交シーケンスw0、w1、w2、w3は、(FFT変調後に)任意の時間ドメインで、又は(FFT変調前に)任意の周波数ドメインで適用することができる。
SRと持続的スケジューリング(persistent scheduling)のために、CS、OC及びPRB(Physical Resource Block)で構成されたACK/NACKリソースを、RRC(Radio Resource Control)を用いて端末に与えることができる。動的ACK/NACKと非持続的スケジューリング(non−persistent scheduling)のために、ACK/NACKリソースは、PDSCHに対応するPDCCHの最も小さい(lowest)CCEインデックスによって暗黙的に(implicitly)端末に与えられてもよい。
表9には、PUCCHフォーマット1/1a/1bのための長さ4の直交シーケンス(OC)を示す。表10には、PUCCHフォーマット1/1a/1bのための長さ3の直交シーケンス(OC)を示す。
図8は、一般CPの場合におけるPUCCHフォーマット2/2a/2bを示し、図9は、拡張CPの場合におけるPUCCHフォーマット2/2a/2bを示す。
図8及び図9を参照すると、一般CPの場合に、1つのサブフレームは、RSシンボルの他、10個のQPSKデータシンボルで構成される。それぞれのQPSKシンボルはCSによって周波数ドメインで拡散された後、該当のSC−FDMAシンボルにマッピングされる。SC−FDMAシンボルレベルCSホッピングは、インターセル干渉をランダム化するために適用することができる。RSは、循環シフトを用いてCDMによって多重化することができる。例えば、可用のCSの個数を12又は6と仮定すれば、同一PRB内にそれぞれ12又は6個の端末を多重化することができる。要するに、PUCCHフォーマット1/1a/1bと2/2a/2bにおいて複数の端末をCS+OC+PRBとCS+PRBによってそれぞれ多重化することができる。
図10は、PUCCHフォーマット1a及び1bに対するACK/NACKチャネル化(channelization)を説明する図である。図10は、
の場合に該当する。
図11は、同一PRBにおいてPUCCHフォーマット1a/1bとフォーマット2/2a/2bとが混合された構造に対するチャネル化を示す図である。
循環シフト(CS:Cyclic Shift)ホッピング(hopping)と直交カバー(OC:Orthogonal Cover)再マッピング(remapping)を、次のように適用することができる。
(1)インターセル干渉(inter−cell interference)のランダム化のためのシンボルベースセル特定CSホッピング
(2)スロットレベルCS/OC再マッピング
1)インターセル干渉ランダム化のために
2)ACK/NACKチャネルとリソース(k)間のマッピングのためのスロットベース接近
一方、PUCCHフォーマット1a/1bのためのリソース(nr)は次の組合せを含む。
(1)CS(=シンボルレベルでDFT直交コードと同一)(ncs)
(2)OC(スロットレベルで直交カバー)(noc)
(3)周波数RB(Resource Block)(nrb)
CS、OC、RBを示すインデックスをそれぞれncs、noc、nrbとすれば、代表インデックス(representative index)nrはncs、noc、nrbを含む。nrは、nr=(ncs、noc、nrb)を満たす。
CQI、PMI、RI、及びCQIとACK/NACKとの組合せは、PUCCHフォーマット2/2a/2bで伝達することができる。リードマラー(RM:Reed Muller)チャネルコーディングを適用することができる。
例えば、LTEシステムにおいてUL CQIのためのチャネルコーディングは、次のように記述される。
拡張CPの場合、CQIとACK/NACKが同時送信される場合を除いて、最大情報ビットは、11ビットである。RMコードを用いて20ビットにコーディングした後、QPSK変調を適用することができる。QPSK変調前に、コーディングされたビットはスクランブルされてもよい。
表12には、(20,A)コードのための基本シーケンスを示す。
広帯域報告(wideband reports)の場合、CQI/PMIのためのUCI(Uplink Control Information)フィールドの帯域幅は、下記の表13乃至表15のとおりである。
表13には、広帯域報告(単一アンテナポート、送信ダイバーシチ(transmit diversity)又はオープンループ空間多重化(open loop spatial multiplexing)PDSCH送信)の場合に、CQIフィードバックのためのUCIフィールドを示す。
表14には、広帯域報告(閉ループ空間多重化(closed loop spatial multiplexing)PDSCH送信)の場合に、CQI及びPMIフィードバックのためのUCIフィールドを示す。
表15には、広帯域報告の場合、RIフィードバックのためのUCIフィールドを示す。
図12は、PRB割り当てを示す図である。図12に示すように、PRBは、スロットnsでPUCCH送信のために用いることができる。
2. キャリア併合(CA:Carrier Aggregation)環境
2.1 CA一般
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;Rel−8又はRel−9)システム(以下、LTEシステム)は、単一コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を複数の帯域に分割して使用する多重搬送波変調(MCM:Multi−Carrier Modulation)方式を用いる。しかし、3GPP LTE−Advancedシステム(以下、LTE−Aシステム)では、LTEシステムに比べて広帯域のシステム帯域幅を支援するために、一つ以上のコンポーネントキャリアを結合して使用するキャリア併合(CA:Carrier Aggregation)のような方法を用いることができる。キャリア併合は、搬送波集成、搬送波整合、マルチコンポーネントキャリア環境(Multi−CC)、又はマルチキャリア環境と呼ぶこともできる。
本発明でマルチキャリアはキャリアの併合(又は、搬送波集成)を意味し、この場合、キャリアの併合は、隣接した(contiguous)キャリア間の併合だけでなく、非隣接した(non−contiguous)キャリア間の併合も意味する。また、下りリンクと上りリンクにおいて集成されるコンポーネントキャリアの数を異なるように設定してもよい。下りリンクコンポーネントキャリア(以下、「DL CC」という。)数と上りリンクコンポーネントキャリア(以下、「UL CC」という。)数とが一致する場合を対称的(symmetric)併合といい、両者の数が異なる場合を非対称的(asymmetric)併合という。このようなキャリア併合は、搬送波集成、帯域幅集成(bandwidth aggregation)、スペクトラム集成(spectrum aggregation)などのような用語に言い換えてもよい。
2つ以上のコンポーネントキャリアが結合して構成されるキャリア併合は、LTE−Aシステムでは100MHz帯域幅まで支援することを目標とする。目標帯域よりも小さい帯域幅を有する1個以上のキャリアを結合するとき、結合するキャリアの帯域幅は、既存IMTシステムとの互換性(backward compatibility)維持のために、既存システムで使用する帯域幅に制限することができる。
例えば、既存の3GPP LTEシステムでは、{1.4、3、5、10、15、20}MHz帯域幅を支援し、3GPP LTE−advancedシステム(すなわち、LTE−A)では、既存システムとの互換のために、それらの帯域幅のみを用いて20MHzよりも大きい帯域幅を支援するようにすることができる。また、本発明で用いられるキャリア併合システムは、既存システムで用いる帯域幅にかかわらず、新しい帯域幅を定義してキャリア併合を支援するようにすることもできる。
また、このようなキャリア併合は、イントラ−バンドCA(Intra−band CA)とインター−バンドCA(Inter−band CA)とに区別できる。イントラ−バンドキャリア併合とは、複数のDL CC及び/又はUL CCが周波数上で隣接したり近接して位置することを意味する。言い換えると、DL CC及び/又はUL CCのキャリア周波数が同じバンド内に位置することを意味できる。一方、周波数領域において遠く離れている環境をインター−バンドCA(Inter−Band CA)と呼ぶことができる。言い換えると、複数のDL CC及び/又はUL CCのキャリア周波数が、互いに異なるバンドに位置することを意味できる。この場合、端末は、キャリア併合環境における通信を行うために、複数のRF(radio frequency)端を使用することができる。
LTE−Aシステムは、無線リソースを管理するためにセル(cell)の概念を用いる。上述したキャリア併合環境は、多重セル(multiple cells)環境と呼ぶことができる。セルは、下りリンクリソース(DL CC)及び上りリンクリソース(UL CC)の組合せと定義されるか、上りリンクリソースは必須要素ではない。このため、セルは、下りリンクリソース単独、又は下りリンクリソース及び上りリンクリソースの両者で構成することができる。
例えば、特定端末が、1個の設定されたサービングセル(configured serving cell)を有する場合、1個のDL CCと1個のUL CCを有することができる。しかし、特定端末が2個以上の設定されたサービングセルを有する場合には、セルの数だけのDL CCを有し、UL CCの数はそれと同数又は小さい数であってもよい。又は、これと逆にDL CCとUL CCが構成されてもよい。すなわち、特定端末が複数の設定されたサービングセルを有する場合、DL CCの数よりもUL CCが多いキャリア併合環境が支援されてもよい。
また、キャリア結合(CA)は、それぞれのキャリア周波数(セルの中心周波数)が異なる2つ以上のセルの併合と理解されてもよい。キャリア結合でいう「セル(Cell)」は、周波数の観点で説明されるものであり、一般的に使われる、基地局のカバーする地理的領域としての「セル」とは区別されなければならない。以下、上述したイントラ−バンドキャリア併合をイントラ−バンド多重セルといい、インター−バンドキャリア併合をインター−バンド多重セルという。
LTE−Aシステムで用いられるセルは、プライマリセル(PCell:Primary Cell)及びセカンダリセル(SCell:Secondary Cell)を含む。PセルとSセルはサービングセル(Serving Cell)として用いることができる。RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリア併合が設定されていないか又はキャリア併合を支援しない端末の場合、Pセルのみで構成されたサービングセルが1つのみ存在する。一方、RRC_CONNECTED状態であるとともに、キャリア併合が設定されている端末の場合、一つ以上のサービングセルが存在してもよく、全体サービングセルにはPセルと一つ以上のSセルが含まれる。
サービングセル(PセルとSセル)は、RRCパラメータを用いて設定することができる。PhysCellIdは、セルの物理層識別子であって、0から503までの整数値を有する。SCellIndexは、Sセルを識別するために使われる簡略な(short)識別子であって、1から7までの整数値を有する。ServCellIndexは、サービングセル(Pセル又はSセル)を識別するために使われる簡略な(short)識別子であって、0から7までの整数値を有する。0値はPセルに適用され、SCellIndexはSセルに適用するためにあらかじめ与えられる。すなわち、ServCellIndexにおいて最も小さいセルID(又はセルインデックス)を有するセルがPセルとなる。
Pセルはプライマリ周波数(又は、primary CC)上で動作するセルを意味する。端末が初期接続設定(initial connection establishment)過程を行ったり、接続再−設定過程を行うために用いられてもよく、ハンドオーバー過程で指示されたセルのことを指してもよい。また、Pセルは、キャリア併合環境で設定されたサービングセルのうち、制御関連通信の中心となるセルを意味する。すなわち、端末は、自身のPセルでのみPUCCH割り当てを受けて送信することができ、システム情報を取得したり、モニタリング手順を変更する時にPセルのみを用いることができる。E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は、キャリア併合環境を支援する端末に対して、移動性制御情報(mobilityControlInfo)を含む上位層のRRC接続再設定(RRCConnectionReconfigutaion)メッセージを用いてハンドオーバー手順のためにPセルのみを変更することもできる。
Sセルはセカンダリ周波数(又は、Secondary CC)上で動作するセルを意味できる。特定端末にPセルは1一つのみ割り当てられ、Sセルは1つ以上割り当てられてもよい。Sセルは、RRC接続設定がなされた後に構成可能であり、追加の無線リソースを提供するために用いることができる。キャリア併合環境で設定されたサービングセルにおいてPセル以外のセル、すなわち、SセルにはPUCCHが存在しない。
E−UTRANは、Sセルをキャリア併合環境を支援する端末に追加する時、RRC_CONNECTED状態にある関連したセルの動作に関する全てのシステム情報を特定シグナル(dedicated signal)を用いて提供することができる。システム情報の変更は、関連したSセルの解除及び追加によって制御することができ、このとき、上位層のRRC接続再設定(RRCConnectionReconfigutaion)メッセージを用いることができる。E−UTRANは、関連したSセル内でブロードキャストするよりは、端末別に異なるパラメータを有する特定シグナリング(dedicated signaling)をすればよい。
初期保安活性化過程が始まった後に、E−UTRANは、接続設定過程で初期に構成されるPセルに加えて一つ以上のSセルを含むネットワークを構成することができる。キャリア併合環境でPセル及びSセルはそれぞれのコンポーネントキャリアとして動作することができる。以下の実施例では、プライマリコンポーネントキャリア(PCC)はPセルと同じ意味で使われ、セカンダリコンポーネントキャリア(SCC)はSセルと同じ意味で使われてもよい。
図13は、本発明の実施例で用いられるコンポーネントキャリア(CC)、及びLTE_Aシステムで用いられるキャリア併合の一例を示す図である。
図13(a)は、LTEシステムで用いられる単一キャリア構造を示す。コンポーネントキャリアにはDL CCとUL CCがある。一つのコンポーネントキャリアは20MHzの周波数範囲を有することができる。
図13(b)は、LTE_Aシステムで用いられるキャリア併合構造を示す。図12(b)では、20MHzの周波数サイズを有する3個のコンポーネントキャリアが結合された場合を示している。DL CCとUL CCがそれぞれ3個ずつあるが、DL CCとUL CCの個数に制限があるわけではない。キャリア併合の場合、端末は3個のCCを同時にモニタリングすることができ、下りリンク信号/データを受信することができ、上りリンク信号/データを送信することができる。
仮に、特定セルでN個のDL CCが管理される場合には、ネットワークは、端末にM(M≦N)個のDL CCを割り当てることができる。この時、端末はM個の制限されたDL CCのみをモニタリングしてDL信号を受信することができる。また、ネットワークはL(L≦M≦N)個のDL CCに優先順位を与えて主なDL CCを端末に割り当てることもでき、この場合、UEはL個のDL CCは必ずモニタリングしなければならない。この方式は上りリンク送信にも同一に適用されてもよい。
下りリンクリソースの搬送波周波数(又はDL CC)と上りリンクリソースの搬送波周波数(又は、UL CC)とのリンケージ(linkage)は、RRCメッセージのような上位層メッセージやシステム情報で示すことができる。例えば、SIB2(System Information Block Type2)によって定義されるリンケージによってDLリソースとULリソースとの組合せを構成することができる。具体的に、リンケージは、ULグラントを運ぶPDCCHが送信されるDL CCと該ULグラントを用いるUL CCとのマッピング関係を意味することができ、HARQのためのデータが送信されるDL CC(又はUL CC)とHARQ ACK/NACK信号が送信されるUL CC(又はDL CC)とのマッピング関係を意味することもできる。
2.2 クロスキャリアスケジューリング(Cross Carrier Scheduling)
キャリア併合システムには、キャリア(又は搬送波)又はサービングセル(Serving Cell)に対するスケジューリング観点で、自己スケジューリング(Self−Scheduling)方法及びクロスキャリアスケジューリング(Cross Carrier Scheduling)方法がある。クロスキャリアスケジューリングは、クロスコンポーネントキャリアスケジューリング(Cross Component Carrier Scheduling)又はクロスセルスケジューリング(Cross Cell Scheduling)と呼ぶこともできる。
自己スケジューリングは、PDCCH(DL Grant)とPDSCHが同一DL CCで送信されたり、又はDL CCで送信されたPDCCH(ULグラント)によって送信されるPUSCHが、ULグラントを受信したDL CCとリンクされているUL CCで送信されることを意味する。
クロスキャリアスケジューリングは、PDCCH(DLグラント)とPDSCHがそれぞれ異なるDL CCで送信されたり、又はDL CCで送信されたPDCCH(ULグラント)によって送信されるPUSCHが、ULグラントを受信したDL CCとリンクされているUL CC以外のUL CCで送信されることを意味する。
クロスキャリアスケジューリングは、端末特定(UE−specific)に活性化又は非活性化することができ、上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)用いて半静的(semi−static)に各端末に対して知らせることができる。
クロスキャリアスケジューリングが活性化された場合、PDCCHには、該PDCCHが示すPDSCH/PUSCHがどのDL/UL CCで送信されるかを知らせるキャリア指示子フィールド(CIF:Carrier Indicator Field)が必要である。例えば、PDCCHは、PDSCHリソース又はPUSCHリソースをCIFを用いて複数のコンポーネントキャリアのうちの一つに割り当てることができる。すなわち、DL CC上のPDCCHが多重集成されたDL/UL CCのうちの一つにPDSCH又はPUSCHリソースを割り当てる場合にCIFが設定される。この場合、LTE Release−8のDCIフォーマットはCIFによって拡張されてもよい。このとき、設定されたCIFは、3ビットフィールドに固定されてもよく、設定されたCIFの位置はDCIフォーマットサイズに関係なく固定されてもよい。また、LTE Release−8のPDCCH構造(同一のコーディング及び同一のCCEベースのリソースマッピング)を再使用してもよい。
一方、DL CC上のPDCCHが同DL CC上のPDSCHリソースを割り当てたり、単一リンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てる場合には、CIFが設定されない。この場合、LTE Release−8と同じPDCCH構造(同一のコーディング及び同一のCCEベースのリソースマッピング)とDCIフォーマットが用いられてもよい。
クロスキャリアスケジューリングが可能な場合、端末はCC別送信モード及び/又は帯域幅によってモニタリングCCの制御領域で複数のDCIに対するPDCCHをモニタリングする必要がある。このため、これを支援できる検索空間の構成とPDCCHモニタリングが必要である。
キャリア併合システムにおいて、端末DL CC集合は、端末がPDSCHを受信するようにスケジュールされたDL CCの集合を指し、端末UL CC集合は、端末がPUSCHを送信するようにスケジュールされたUL CCの集合を指す。また、PDCCHモニタリング集合(monitoring set)は、PDCCHモニタリングを行う少なくとも一つのDL CCの集合を意味する。PDCCHモニタリング集合は、端末DL CC集合と同一であってもよく、端末DL CC集合の副集合(subset)であってもよい。PDCCHモニタリング集合は、端末DL CC集合におけるDL CCの少なくとも一つを含むことができる。又は、PDCCHモニタリング集合は、端末DL CC集合とは別個に定義されてもよい。PDCCHモニタリング集合に含まれるDL CCは、リンクされたUL CCに対する自己スケジューリング(self−scheduling)は常に可能なように設定することができる。このような、端末DL CC集合、端末UL CC集合及びPDCCHモニタリング集合は、端末特定(UE−specific)、端末グループ特定(UE group−specific)又はセル特定(Cell−specific)に設定することができる。
クロスキャリアスケジューリングが非活性化された場合には、PDCCHモニタリング集合が常に端末DL CC集合と同一であるということを意味し、このような場合にはPDCCHモニタリング集合に対する別のシグナリングのような指示が必要でない。しかし、クロスキャリアスケジューリングが活性化された場合には、PDCCHモニタリング集合が端末DL CC集合内で定義されることが好ましい。すなわち、端末に対してPDSCH又はPUSCHをスケジューリングするために、基地局はPDCCHモニタリング集合のみを通じてPDCCHを送信する。
図14は、本発明の実施例で用いられるクロスキャリアスケジューリングによるLTE−Aシステムのサブフレーム構造を示す図である。
図14を参照すると、LTE−A端末のためのDLサブフレームは、3個の下りリンクコンポーネントキャリア(DL CC)が結合されており、DL CC 「A」はPDCCHモニタリングDL CCとして設定された場合を示す。CIFが使用されない場合、各DL CCはCIF無しで自身のPDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することができる。一方、CIFが上位層シグナリングによって使用される場合には、一つのDL CC 「A」のみがCIFを用いて自身のPDSCH又は他のCCのPDSCHをスケジューリングするPDCCHを送信することができる。この時、PDCCHモニタリングDL CCとして設定されていないDL CC 「B」及び「C」はPDCCHを送信しない。
図15は、本発明の実施例で用いられるクロスキャリアスケジューリングによるサービングセル構成の一例を示す図である。
キャリア結合(CA)を支援する無線接続システムでは基地局及び/又は端末を一つ以上のサービングセルで構成することができる。図15で、基地局は、Aセル、Bセル、Cセル及びDセルの総4個のサービングセルを支援することができ、端末AはAセル、Bセル及びCセルで構成され、端末BはBセル、Cセル及びDセルで構成され、端末CはBセルで構成された場合を仮定する。ここで、各端末に構成されたセルのうち少なくとも一つをPセルとして設定することができる。この時、Pセルは常に活性化された状態であり、Sセルは基地局及び/又は端末によって活性化又は非活性化されてもよい。
図15で、構成されたセルは、基地局のセルのうち、端末からの測定報告(measurement report)メッセージに基づいてCAにセル追加が可能なセルであって、端末別に設定可能である。構成されたセルは、PDSCH信号送信に対するACK/NACKメッセージの送信のためのリソースをあらかじめ予約しておく。活性化されたセル(Activated cell)は、構成されたセルのうち、実際にPDSCH信号及び/又はPUSCH信号を送信するように設定されたセルであり、CSI報告及びSRS(Sounding Reference Signal)送信を行う。非活性化されたセル(De−Activated cell)は、基地局の命令又はタイマー動作によってPDSCH/PUSCH信号の送受信を行わないように構成されるセルであって、CSI報告及びSRS送信も中断される。
2.3 CA PUCCH(Carrier Aggregation Physical Uplink Control Channel)
キャリア併合を支援する無線通信システムにおいてUCI(例、多重ACK/NACビット)をフィードバックするためのPUCCHフォーマットを定義することができる。以下、説明の便宜のために、このようなPUCCHのフォーマットをCA PUCCHフォーマットと呼ぶ。
図16は、CA PUCCHの信号処理過程を例示する図である。
図16を参照すると、チャネルコーディングブロック(channel coding block)は、情報ビットa_0,a_1,…,a_M−1(例、多重ACK/NACKビット)をチャネルコーディングしてコーディングビット(encoded bit,coded bit or coding bit)(又は、コードワード)b_0,b_1,…,b_N−1を生成する。Mは情報ビットのサイズを表し、Nはコーディングビットのサイズを表す。情報ビットは、上りリンク制御情報(UCI)、例えば、複数の下りリンクコンポーネントキャリアで受信した複数のデータ(又はPDSCH)に対する多重ACK/NACKを含む。ここで、情報ビットa_0,a_1,…,a_M−1は、情報ビットを構成するUCIの種類/個数/サイズにかかわらずにジョイントコーディングされる。例えば、情報ビットが複数の下りリンクコンポーネントキャリアに対する多重ACK/NACKを含む場合、チャネルコーディングは、下りリンクコンポーネントキャリア別、個別ACK/NACKビット別に行われず、全体ビット情報を対象に行われ、これによって単一コードワードが生成される。チャネルコーディングはこれに制限されるものではないが、単純反復(repetition)、単純コーディング(simplex coding)、RM(Reed Muller)コーディング、パンクチャリングされたRMコーディング、TBCC(Tail−biting convolutional coding)、LDPC(low−density parity−check)或いはターボ−コーディングを含む。図示してはいないが、コーディングビットは、変調次数とリソース量を考慮してレート−マッチング(rate−matching)されてもよい。レートマッチング機能は、チャネルコーディングブロックの一部として含まれてもよく、別個の機能ブロックで行われてもよい。
変調器(modulator)は、コーディングビットb_0,b_1,…,b_N−1を変調して変調シンボルc_0,c_1,…,c_L−1を生成する。Lは変調シンボルのサイズを表す。変調は、送信信号のサイズと位相を変形することによって行われる。変調方法は、例えば、n−PSK(Phase Shift Keying)、n−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を含む(nは、2以上の整数)。具体的に、変調方法は、BPSK(Binary PSK)、QPSK(Quadrature PSK)、8−PSK、QAM、16−QAM、64−QAMなどを含むことができる。
分周器(divider)は、変調シンボルc_0,c_1,…,c_L−1を各スロットに分周する。変調シンボルを各スロットに分周する順序/パターン/方式は別に制限されない。例えば、分周器は、変調シンボルを前から順にそれぞれのスロットに分周することができる(ローカル型方式)。この場合、図示のように、変調シンボルc_0,c_1,…,c_L/2−1はスロット0に、変調シンボルc_L/2,c_L/2+1,…,c_L−1はスロット1に分周することができる。また、変調シンボルは、それぞれのスロットに分周時に、インターリービング(又はパーミュテーション)されてもよい。例えば、偶数の変調シンボルはスロット0に分周され、奇数の変調シンボルはスロット1に分周されてもよい。変調過程と分周過程をの順序を互いに変えてもよい。
DFTプリコーダ(precoder)は、単一搬送波波形(single carrier waveform)を生成するために、それぞれのスロットに分周された変調シンボルに対してDFTプリコーディング(例、12−ポイントDFT)を行う。同面を参照すると、スロット0に分周された変調シンボルc_0,c_1,…,c_L/2−1は、DFTシンボルd_0,d_1,…,d_L/2−1にDFTプリコーディングされ、スロット1に分周された変調シンボルc_L/2,c_L/2+1,…,c_L−1は、DFTシンボルd_L/2,d_L/2+1,…,d_L−1にDFTプリコーディングされる。DFTプリコーディングは、相応する他の線形演算(linear operation)(例、walsh precoding)に取り替えてもよい。
拡散ブロック(spreading block)は、DFTの行われた信号をSC−FDMAシンボルレベルで(時間ドメイン)拡散する。SC−FDMAシンボルレベルの時間ドメイン拡散は、拡散コード(或いは、拡散シーケンス)を用いて行われる。拡散コードは、準直交コードと直交コードを含む。準直交コードは、これに制限されるものではないが、PN(Pseudo Noise)コードを含む。直交コードは、これに制限されるものではないが、ウォルシュコード、DFTコードを含む。直交コード(Orthogonal Code、OC)は、直交シーケンス(orthogonal sequence)、直交カバー(Orthogonal Cover、OC)、直交カバーコード(Orthogonal Cover Code、OCC)と同じ意味で使われてもよい。本明細書は、説明の容易性のために、拡散コードの代表例として直交コードを取り上げて説明するが、これは例示であり、直交コードは準直交コードに取って代わってもよい。拡散コードサイズ(又は、拡散因子(SF:Spreading Factor))の最大値は、制御情報の送信に用いられるSC−FDMAシンボルの個数によって制限される。一例として、1スロットで5個のSC−FDMAシンボルが制御情報の送信に用いられる場合、スロット別に長さ5の(準)直交コード(w0,w1,w2,w3,w4)を用いることができる。SFは、制御情報の拡散度を意味し、端末の多重化次数(multiplexinig order)又はアンテナ多重化次数と関連してもよい。SFは、1,2,3,4,5,…のようにシステムの要求条件によって可変してもよい。また、SFは、基地局と端末との間にあらかじめ定義されていてもよく、DCI或いはRRCシグナリングによって端末に知らされてもよい。
上記の過程を経て生成された信号は、PRB内の副搬送波にマップされた後、IFFTを経て時間ドメイン信号に変換される。時間ドメイン信号にはCPが付加され、生成されたSC−FDMAシンボルはRF端から送信される。
2.4 PUCCHを用いたCSI(Channel State Information)のフィードバック
まず、3GPP LTEシステムでは、下りリンク受信主体(例えば、端末)が下りリンク送信主体(例えば、基地局)に接続している時に、下りリンクで送信される参照信号の受信強度(RSRP:reference signal received power)、参照信号の品質(RSRQ:reference signal received quality)などに対する測定を任意の時間に行い、測定結果を基地局に周期的(periodic)に或いはイベントベース(event triggered)に報告することができる。
それぞれの端末は、下りリンクチャネル状況による下りリンクチャネル情報を上りリンクで報告し、基地局はそれぞれの端末から受信した下りリンクチャネル情報を用いて、それぞれの端末別にデータ送信のために適切な時間/周波数リソースと変調及びコーディング技法(MCS:Modulation and Coding Scheme)などを定めることができる。
このようなチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)は、CQI(Channel Quality Indication)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoder Type Indication)及び/又はRI(Rank Indication)で構成することができる。また、それぞれの端末の送信モードによって、CSIは全て送信されてもよく、一部のみ送信されてもよい。CQIは、端末の受信信号品質(received signal quality)によって定められるが、これは一般に、下りリンク参照信号の測定に基づいて決定することができる。このとき、実際に基地局に伝達されるCQI値は、端末の測定した受信信号品質でブロックエラー率(BLER:Block Error Rate)を10%以下に維持しながら最大の性能を奏するMCSに該当する。
また、このようなチャネル情報の報告方式は、周期的に送信される周期的報告(periodic reporting)と、基地局の要請に応じて送信される非周期的報告(aperiodic reporting)とに区別される。
非周期的報告の場合、基地局が端末に送信する上りリンクスケジューリング情報に含まれた1ビットの要請ビット(CQI request bit)によってそれぞれの端末に設定され、それぞれの端末は、この情報を受けると、自身の送信モードを考慮したチャネル情報をPUSCHで基地局に伝達することができる。同じPUSCH上でRI及びCQI/PMIが送信されないように設定することができる。
周期的報告の場合、上位層信号を用いて、チャネル情報の送信される周期、及び当該周期におけるオフセット(offset)などをサブフレーム単位にそれぞれの端末にシグナルし、定められた周期にしたがって、それぞれの端末の送信モードを考慮したチャネル情報をPUCCHで基地局に伝達することができる。定められた周期にしたがってチャネル情報が送信されるサブフレームに、上りリンクで送信されるデータが同時に存在する場合には、当該チャネル情報をPUCCHではなくPUSCHでデータと併せて送信することができる。PUCCHを用いる周期的報告の場合には、PUSCHに比べて制限されたビット(例えば、11ビット)が用いられてもよい。同じPUSCH上でRI及びCQI/PMIが送信されてもよい。
周期的報告と非周期的報告とが同一のサブフレーム内で衝突する場合には、非周期的報告のみを行うことができる。
広帯域(Wideband)CQI/PMIの計算において、最近に送信されたRIを用いることができる。PUCCH CSI報告モード(reporting mode)におけるRIは、PUSCH CSI報告モードにおけるRIとは独立しており(independent)、PUSCH CSI報告モードにおけるRIは、当該PUSCH CSI報告モードにおけるCQI/PMIにのみ有効(valid)である。
表16は、PUCCHで送信されるCSIフィードバックタイプ及びPUCCH CSI報告モードを説明する表である。
表16を参照すると、チャネル状態情報の周期的報告(periodic reporting)においてCQIとPMIフィードバックタイプによって、モード1−0、1−1、2−0及び2−1の4つの報告モード(reporting mode)に区別することができる。
CQIフィードバックタイプによって広帯域CQI(WB CQI:wideband CQI)とサブバンド(SB CQI:subband CQI)とに分けられ、PMI送信の有無によってNo PMIと単一(single)PMIとに分けられる。表16では、No PMIが開−ループ(OL:open−loop)、送信ダイバーシチ(TD:Transmit Diversity)及び単一−アンテナ(single−antenna)の場合に該当し、単一PMIは閉−ループ(CL:closed−loop)に該当する。
モード1−0は、PMI送信はなく、WB CQIが送信される場合である。この場合、RIは、開−ループ(OL)空間多重化(SM:Spatial Multiplexing)の場合にのみ送信され、4ビットで表現される一つのWB CQIが送信される。RIが1を超える場合には、第1コードワードに対するCQIが送信されてもよい。
モード1−1は、単一PMI及びWB CQIが送信される場合である。この場合、RI送信と併せて、4ビットのWB CQI及び4ビットのWB PMIが送信されてもよい。さらに、RIが1超える場合には、3ビットのWB空間差分CQI(Wideband Spatial Differential CQI)が送信されてもよい。2コードワードの送信において、WB空間差分CQIは、コードワード1に対するWB CQIインデックスとコードワード2に対するWB CQIインデックスとの差値を表してもよい。これらの差値は、集合{−4,−3,−2,−1,0,1,2,3}のいずれか一つの値を有し、3ビットで表現されてもよい。
モード2−0は、PMI送信はなく、端末が選択した(UE selected)帯域のCQIが送信される場合である。この場合、RIは、開−ループ空間多重化(OL SM)の場合にのみ送信され、4ビットで表現されるWB CQIが送信されてもよい。また、それぞれの帯域幅部分(BP:Bandwidth Part)で最適(Best−1)のCQIが送信され、Best−1 CQIは4ビットで表現されてもよい。また、Best−1を指示するLビットの指示子(indicator)が併せて送信されてもよい。RIが1を超える場合には、第1コードワードに対するCQIが送信されてもよい。
モード2−1は、単一PMI及び端末が選択した(UE selected)帯域のCQIが送信される場合である。この場合、RI送信と併せて、4ビットのWB CQI、3ビットのWB空間差分CQI及び4ビットのWB PMIが送信されてもよい。さらに、それぞれの帯域幅部分(BP)で4ビットのBest−1 CQIが送信され、LビットのBest−1指示子が併せて送信されてもよい。さらに、RIが1超える場合には、3ビットのBest−1空間差分CQIが送信されてもよい。これは、2コードワード送信において、コードワード1のBest−1 CQIインデックスとコードワード2のBest−1 CQIインデックスとの差値を表すことができる。
各送信モード(transmission mode)に対して次のように周期的なPUCCH CSI報告モードが支援される。
1)送信モード1:モード1−0及び2−0
2)送信モード2:モード1−0及び2−0
3)送信モード3:モード1−0及び2−0
4)送信モード4:モード1−1及び2−1
5)送信モード5:モード1−1及び2−1
6)送信モード6:モード1−1及び2−1
7)送信モード7:モード1−0及び2−0
8)送信モード8:端末がPMI/RI報告が設定される場合にはモード1−1及び2−1、端末がPMI/RI報告をしないように設定される場合にはモード1−0及び2−0
9)送信モード9:端末がPMI/RIを報告するように設定され、CSI−RSポートの数>1の場合にモード1−1及び2−1、端末がPMI/RI報告をしないように設定されたりCSI−RSポートの数=1の場合にモード1−0及び2−0
各サービングセルで周期的なPUCCH CSI報告モードは、上位層シグナリングによって設定される。モード1−1は、「PUCCH_format1−1_CSI_reporting_mode」パラメータを使用する上位層シグナリングによってサブモード(submode)1又はサブモード2のいずれか一つに設定される。
端末の選択したSB CQIにおいて特定サービングセルの特定サブフレームでCQI報告は、サービングセルの帯域幅の一部分である帯域幅部分(BP:Bandwidth Part)の一つ以上のチャネル状態の測定を意味する。帯域幅部分は、最も低い周波数から始まって周波数が増加する順序で帯域幅サイズの増加無しでインデックスが与えられる。
3. PUCCHを用いたACK/NACK送信方法
3.1 LTEシステムにおけるACK/NACK送信
端末が基地局から受信した多重データユニットに相応する複数のACK/NACK信号を同時に送信しなければならない状況で、ACK/NACK信号の単一キャリア特性を維持させるとともに総ACK/NACK送信電力を減少させるために、PUCCHリソース選択に基づくACK/NACK多重化方法を考慮することができる。ACK/NACK多重化と共に、多重データユニットに対するACK/NACK信号のコンテンツは、実際にACK/NACK送信に用いられるPUCCHリソースとQPSK変調シンボルのうちの一つとの組合せによって識別することができる。例えば、仮に一つのPUCCHリソースが4ビットを搬送し、最大4データユニットが送信されるとすれば(この時、各データユニットに対するHARQ動作は、単一ACK/NACKビットによって管理されると仮定する。)、送信ノード(Tx node)は、PUCCH信号の送信位置及びACK/NACK信号のビットに基づいてACK/NACK結果を次の表17のように識別することができる。
表17で、HARQ−ACK(i)は、データユニットiに対するACK/NACK結果を表す。例えば、最大4個のデータユニットが送信される場合、i=0,1,2,3である。表17で、DTXは、相応するHARQ−ACK(i)に対して送信されたデータユニットがないことを意味したり、又は受信ノード(Rx node)がHARQ−ACK(i)に相応するデータユニットの検出に失敗したことを意味する。
このように、実際ACK/NACKコンテンツを、PUCCHリソース選択及びPUCCHリソースで送信される実際ビットコンテンツと連係(linking)することによって、多重データユニットに対するACK/NACKを単一のPUCCHリソースを用いて送信することができる。
基本的に、全てのデータユニットに対する少なくとも一つのACKが存在すると、ACK/NACK多重化方法(表17参照)においてNACK及びDTXはNACK/DTXのように連結される。なぜなら、PUCCHリソースとQPSKシンボルとの組合せはあらゆるACK,NACK及びDTX状況をカバーするには足りないからである。一方、いずれのデータユニットに対してもACKが存在しない場合には(すなわち、NACK又はDTXのみが存在する場合)、DTXとデカップルされた単一NACKが、一つのHARQ−ACK(i)と定義される。このような場合、単一NACKに相応するデータユニットに連結されたPUCCHリソースは、多重ACK/NACK信号の送信のために留保されてもよい。
3.2 LTE−AシステムにおけるACK/NACK送信
LTE−Aシステム(例えば、Rel−10、11、12など)では、複数のDL CCで送信された複数のPDSCH信号に対する複数のACK/NACK信号を、特定UL CCで送信することを考慮している。そのために、LTEシステムのPUCCHフォーマット1a/1bを用いたACK/NACK送信とは違い、複数のACK/NACK信号をチャネルコーディング(例、Reed−Muller code、Tail−biting convolutional codeなど)した後、PUCCHフォーマット2、又は次のようなブロック拡散(Block−spreading)ベースの変形された形態の新しいPUCCHフォーマット(例えば、E−PUCCH format)を用いて、複数のACK/NACK情報/信号を送信することができる。
図17は、ブロック拡散ベースの新しいPUCCHフォーマットの一例を示す図である。
ブロック拡散技法は、制御情報/信号(例、ACK/NACKなど)の送信を、LTEシステムにおけるPUCCHフォーマット1又は2系列とは違い、SC−FDMA方式を用いて変調する方法である。ブロック拡散技法は、図17に示すように、シンボルシーケンスを直交カバーコード(OCC:Orthogonal Cover Code)に基づいて時間領域上で拡散(time−domain spreading)して送信する方式である。すなわち、OCCを用いてシンボルシーケンスを拡散することによって、同じRBに複数の端末に対する制御信号を多重化することができる。
前述した、PUCCHフォーマット2では、一つのシンボルシーケンスが時間領域にわたって送信され、CAZACシーケンスの循環遷移(すなわち、CCS:Cyclic Shift)によって端末多重化が行われる。しかし、ブロック拡散ベースの新しいPUCCHフォーマットの場合、一つのシンボルシーケンスが周波数領域にわたって送信され、OCCベースの時間領域拡散によって端末多重化が行われる。
例えば、図17に示すように、一つのシンボルシーケンスを、長さ−5(すなわち、SF=5)のOCCによって5個のSC−FDMAシンボルとして生成することができる。図17では、1スロットにおいて総2個のRSシンボルが用いられているが、3個のRSシンボルが用いれ、SF=4のOCCを用いる方式などの様々な方式が可能である。このとき、RSシンボルは、特定循環遷移を有するCAZACシーケンスによって生成されてもよく、また、時間領域の複数RSシンボルに特定OCCが適用された(掛けられた)形態で送信されてもよい。
本発明の実施例では、説明の便宜のために、PUCCHフォーマット2又は新しいPUCCHフォーマット(例えば、E−PUCCH format)を使用するチャネルコーディングベースの複数ACK/NACK送信方式を、「マルチビットACK/NACKコーディング(multi−bit ACK/NACK coding)送信方法」と定義する。
マルチビットACK/NACKコーディング方法は、複数DL CC上で送信されるPDSCH信号に対するACK/NACK又はDTX情報(PDCCHの受信/検出に失敗したことを意味する。)をチャネルコーディングして生成されたACK/NACKコードブロックを送信する方法を意味する。
例えば、端末があるDL CCでSU−MIMOモードで動作し、2個のコードワード(CW:Codeword)を受信すると、当該DL CCに対してCW別にACK/ACK、ACK/NACK,NACK/ACK、NACK/NACKの総4個のフィードバック状態、又はDTXをさらに含んで最大5個のフィードバック状態を有することができる。また、仮に、端末が単一CWを受信するすれば、ACK、NACK及び/又はDTXの最大3個の状態を有することができる。仮に、NACKをDTXと同一に処理すると、ACK、NACK/DTXの総2個の状態を有することができる。
したがって、端末に最大5個のDL CCが構成され、端末が全てのDL CCでSU−MIMOモードで動作すると、最大55個の送信可能なフィードバック状態を有することができる。この時、55個のフィードバック状態を表現するためのACK/NACKペイロードのサイズとしては、総12ビットが必要である。仮に、DTXをNACKと同一に処理すると、フィードバック状態数は45個となり、これを表現するためのACK/NACKペイロードサイズとしては、総10ビットが必要である。
LTE TDDシステムに適用されるACK/NACK多重化(すなわち、ACK/NACK選択)方法では、基本的に、各UEに対するPUCCHリソース確保のために、各PDSCHをスケジューリングするPDCCHに対応する(すなわち、最小CCEインデックスとリンクされている)暗黙的PUCCHリソースをACK/NACK送信に使用する暗黙的ACK/NACK選択方式が用いられている。
一方、LTE−A FDDシステムでは、UE特定(UE−specific)に設定される一つの特定UL CCで、複数のDL CCで送信される複数のPDSCH信号に対する複数ACK/NACK信号を送信することを考慮している。そのために、特定、一部又は全てのDL CCをスケジューリングするPDCCHにリンクされている(すなわち、最小CCEインデックスnCCEにリンクされている、又はnCCEとnCCE+1にリンクされている)暗黙的PUCCHリソース、或いは当該暗黙的PUCCHリソースとRRCシグナリングを通じて各UEにあらかじめ割り当てられた明示的PUCCHリソースとの組合せを使用する「ACK/NACK選択(ACK/NACK選択)」方式を考慮している。
一方、LTE−A TDDシステムでも複数のCCが結合された状況を考慮している。例えば、複数のCCが結合される場合、端末が、複数のDLサブフレームと複数のCCで送信される複数のPDSCH信号に対する複数のACK/NACK情報/信号は、PDSCH信号が送信される複数のDLサブフレームに対応するULサブフレームで特定CC(すなわち、A/N CC)を用いて送信することを考慮している。
このとき、LTE−A FDDとは違い、UEに割り当てられた全てのCCで送信可能な最大CW数に対応する複数のACK/NACK信号を、複数のDLサブフレームの全てに対して送信する方式(すなわち、full ACK/NACK)を考慮したり、又はCW、CC及び/又はサブフレーム領域に対してACK/NACKバンドリング(bundling)を適用し、全体送信ACK/NACK数を減らして送信する方式(すなわち、bundled ACK/NACK)を考慮することができる。
ここで、CWバンドリングとは、各DLサブフレームに対してCC別にCWに対するACK/NACKバンドリングを適用することを意味し、CCバンドリングとは、各DLサブフレームに対して全て又は一部のCCに対するACK/NACKバンドリングを適用することを意味する。また、サブフレームバンドリングは、各CCに対して全て又は一部のDLサブフレームに対するACK/NACKバンドリングを適用することを意味する。
サブフレームバンドリング方法として、DL CCのそれぞれに対して受信された全てのPDSCH信号又はDLグラントPDCCHに対して、CC別総ACK個数(又は、一部のACK個数)を知らせるACKカウンター(ACK−counter)方式を考慮することができる。このとき、UE別ACK/NACKペイロード、すなわち、各端末別に設定された全ての又はバンドリングされたACK/NACK送信のためのACK/NACKペイロードのサイズによって、多重ビットACK/NACKコーディング方式又はACK/NACK選択方式ベースのACK/NACK送信技法を変更可能に(configurable)適用することができる。
4. スモールセル環境でPUCCHを用いたACK/NACK信号送信方法
4.1 スモールセル環境
本発明の実施例で説明する「セル」は、基本的に下りリンクリソース(Downlink Resource)で構成し、選択的に上りリンクリソース(Uplink Resource)を組み合わせて構成することができる(2.1節参照)。このとき、下りリンクリソースのための搬送波周波数(Carrier Frequency)と上りリンクリソースのための搬送波周波数(Carrier Frequency)間の連係(Linking)は、下りリンクリソースで伝達されるシステム情報(SI:System Information)に明示される。
また、「セル」という用語は、基地局のカバレッジであり、特定周波数領域又は特定地理的領域を意味する。ただし、「セル」は、説明の便宜上、特定カバレッジを支援する基地局と同じ意味で使われてもよい。例えば、マクロ基地局とマクロセル(Macro Cell)、スモール基地局とスモールセルは、それぞれ同じ意味で使われてもよい。ただし、セルと基地局を明示的に区別して使用する場合には本来の意味で使われる。
次世代無線通信システムでは、マルチメディアなどのデータサービスをより安定的に保障するために、マクロセルベースの同種網に、低電力/近距離通信のためのスモールセル(Small Cell)であるマイクロセル(micro Cell)、ピコセル(Pico Cell)、及び/又はフェムトセル(Femto Cell)が混在する階層的セル構造(hierarchical cell structure)或いは異種セル構造(Heterogeneous Cell Structure)の導入への関心が高まっている。これは、既存の基地局配置にマクロセルをさらに設置することは、システム性能の向上に比べてその費用及び複雑度が大きく、効率的でないからである。
以下に説明する実施例が適用される「セル」は、特別な言及がない限り、スモールセルであると仮定する。ただし、一般セルラーシステムで用いられるセル(例えば、マクロセル)にも本発明を適用することができる。
4.2 多重接続モード(Multi Connectivity Mode)
本発明の実施例では新しい接続モードを提案する。すなわち、端末が2つ以上のセルと同時に接続を維持できる多重接続モードである。端末は、多重接続モードで下りリンクキャリア周波数が同一である又は異なる複数個のセルと同時に接続することができる。多重接続モードは、本発明の実施例で新しく提案する接続モードであり、多重接続モード、ニュー接続モード又はニュー連結モードなどと呼ぶこともできる。
多重接続モードは、端末が複数のセルに同時に接続できるモードを意味する。以下では、説明の便宜のために、2個のセルに接続した状況の下に説明する。ただし、このような説明は、端末が3つ以上のセルと接続した状況にも同一に拡張適用されてもよい。
例えば、端末は、第1セルと第2セルから同時にサービス提供を受けることができる。この時、端末は、第1セル及び第2セルを通じてコントロールプレーン(C−plane)で提供される機能(Functionalities、例、接続管理(connection management)、移動性(mobility)管理)をそれぞれ受けることができる。
また、端末は、2つ以上のセルとキャリア結合(CA)を行うことができる。例えば、第1セルは、任意のn個(nは任意の正の整数)のキャリアを使用することができ、第2セルは、任意のk個(kは、任意の正の整数)のキャリアを使用することができる。このとき、第1セルと第2セルのキャリアは、同じ周波数キャリアであってもよく、異なる周波数キャリアであってもよい。例えば、第1セルがF1及びF2周波数帯域を使用し、第2セルがF2及びF3周波数帯域を使用することができる。
複数のセルは、物理的に同じ位置に存在してもよく、異なる位置に存在してもよい。このとき、複数のセルは互いにバックホールで接続されているが、バックホールの送信遅延が非常に大きいため、特定端末に対するスケジューリング情報やデータを共有し難い非理想的バックホールを仮定する。
本発明の実施例で、セルはスモールセルであると仮定する。例えば、スモールセルが配置される環境は、都心のホットスポット(Hot spot)などを考慮することができる。すなわち、特定の地域に複数個のスモールセルが配置されるため、端末が同時に接続を維持しているスモールセル間には、端末の時間優先(TA:Timing Advance)値に大差がないと仮定する。すなわち、特定の条件の下では、複数のスモールセルが端末の送信する信号を同時に受信することができる。
多重接続モードにおいて端末は複数のスモールセルから同期信号を受信してそれぞれ下りリンク同期を維持することができる。また、端末は、複数のスモールセルからPDCCH信号などの制御信号を受信することによって、複数のスモールセルからデータであるPDSCH信号を同時に受信することができる。端末は、複数のスモールセルからデータを受信するために一つ以上の受信器を具備できる。このような受信器としては、複数のセルが相互間及ぼす干渉を効率的に除去するためのMMSE−IRC(Minimum Mean Square Error−Interference Rejection Combining)受信器を用いることができる。このような受信器性能に関する情報は、各セルに対する初期セル接続段階で端末が各セルに知らせることができる。
MMSE−IRC受信器で受信した受信信号は、次の式4のように表現することができる。この時、N
TX個の送信アンテナとN
RX個の受信アンテナが用いられるシステムを仮定する。
ここで、Rは、送信されるDM−RSを用いて、次の式7のように計算することができる。
4.3 スモールセル環境でACK/NACK送信方法
本発明の実施例において、多重接続モードである端末にデータ送受信のためのスケジューリングを行うスモールセル同士は非理想的なバックホールで接続されている。このため、スモールセル同士の間においては端末に対するスケジューリング情報を実時間で共有し難い状況である。このような場合、端末の送信するACK/NACK信号はそれぞれスケジューリングを行ったスモールセルに対して個別に送信されることが好ましい。多重接続モードにおいて端末は2つ以上のスモールセルと接続を維持することができる。ただし、説明の便宜のために、以下では2つのスモールセルと接続が維持されている状況について説明する。
例えば、端末は、特定スモールセルから送信されたPDSCH信号に対するACK/NACK信号を、当該スモールセルの物理セル識別子(PCI:Physical Cell ID)を用いて送信することができる。すなわち、端末は、第1スモールセルの送信した第1PDSCH信号に対するACK/NACKは、第1スモールセルのPCIを用いて送信し、第2スモールセルの送信したPDSCH信号に対するACK/NACKは、第2スモールセルのPCIを用いて送信することができる。
このとき、端末がACK/NACKを送信するための無線リソースは、各スモールセルで指定する無線リソースを使用することができる。ただし、2つのスモールセルはスケジューリング情報を共有できず、両セルはそれぞれ同一サブフレームでPDSCH領域を端末にスケジューリングしうる。この場合、端末は両セルに対するそれぞれのACK/NACK信号を同一サブフレームで各セルに送信しなければならない。
このとき、各セルで指定したACK/NACKリソースを用いて2つのACK/NACKが送信されうる。これは、端末のPAPR又はキュービックメトリック(CM:Cubic Metric)性能を劣化させ、端末の省電力(power saving)性能を劣化させうる。
したがって、両スモールセルであらかじめ知っている一つのACK/NACKリソース領域を用いて、両スモールセルに対するACK/NACKを送信すると、PAPR又はCM性能の劣化を避けることができる。
多重接続モード状態であるスモールセル同士は非理想的バックホールで接続されることから実時間でスケジューリング情報を共有することはできないが、多重接続モードに進入時に又は周期的に上りリンク及び/又は下りリンク制御情報を共有することができる。例えば、多重接続モードで下りリンク制御情報を衝突なく送信するために、各スモールセルに対するPDCCH及び/又はE−PDCCH領域を重なり合わないように割り当てることができる。また、多重接続モードでスモールセル同士はPDSCHリソース情報を共有していてもよく、端末がUCIを送信するためのPUCCH領域及び/又はPUSCH領域をあらかじめ定義しておくことができる。
以下では、多重接続モードの端末が一つのACK/NACKリソース領域を用いて2つのスモールセルに対するACK/NACK信号を送信する方法について説明する。
図18は、多重接続モードの端末がACK/NACK信号を送信する方法の一つを示す図である。
図18を参照すると、端末、第1セル(Cell 1)及び第2セル(Cell 2)は多重接続モード状態であると仮定する。すなわち、端末は、第1セル及び第2セルにそれぞれ接続しており、第1セル及び第2セルから個別にスケジューリングを受けることができる。また、第1セル及び第2セルはスモールセルであると仮定する(S1810)。
第1セル及び第2セルは、端末ごとにACK/NACKリソース領域を割り当てなければならず、多くのACK/NACKリソースを必要とする可能性が大きい。そこで、各セルは一定数の端末を一つのグループに設定した後、当該端末グループでは同一のACK/NACKリソースを用いるようにスケジューリングすることによって、ACK/NACKリソースの過度な確保を防止することができる。もちろん、端末の個数が多くない場合には、各端末別にACK/NACKリソースを割り当てることができる。
図18で、第1セル及び第2セルは、端末、端末グループ及び/又は端末グループに属している端末に関する情報を互いに共有していなければならない。また、仮に特定端末グループに属した端末が同時にスケジューリングされると、ACK/NACKリソースの過度な予約を避けることができない。このため、セルは、端末グループに対してスケジューリング可能な時間などに関する情報も有線又は無線リンクを介して共有することができる。また、セル同士は、各端末又は端末グループに割り当てるACK/NACKリソースに関するリソース割り当て情報を共有することができる(S1820)。
S1820ステップで、多重接続モード状態であるセル同士は、UE情報及びACK/NACKリソース情報の他に、PDCCH領域(例、CCEなど)に関する情報、E−PDCCH領域に関する情報、PDSCHリソース情報などについてもあらかじめ共有していてもよい。ここで、ACK/NACKリソース情報は、上りリンク制御情報(UCI)が送信される上りリンク制御チャネル領域に関する情報を意味する。
第1セル及び/又は第2セルは、端末に割り当てたACK/NACKリソース割り当て情報を、上位層信号を用いて端末に送信することができる。このとき、ACK/NACKリソース割り当て情報は、第1セル及び第2セルで同一のリソース領域(例えば、同一のPUCCHリソース領域)を指定するように設定されてもよい(S1830)。
その後、端末に下りリンクデータを送信する必要がある場合、第1セルは、第1PDCCH信号を端末に送信してPDSCH領域を割り当てることができる。また、第2セルも、下りリンクデータを送信する必要がある場合、第2PDCCH信号を端末に送信してPDSCH領域を割り当てることができる(S1840a、S1840b)。
S1840a及びS1840b段階で第1PDCCH信号及び第2PDCCH信号が送信されるCCEリソースは互いに重ならないように第1セル及び第2セル間においてあらかじめ設定しておいてもよい。また、第1PDCCH信号及び第2PDCCH信号は、E−PDCCH信号であってもよい。この場合、第1セル及び第2セルはそれぞれ異なるモニタリングセットを設定することによって、各セルから送信されるE−PDCCH信号が互いに重ならないようにすることができる。
端末は、第1PDCCH信号及び第2PDCCH信号が割り当てるPDSCH領域で第1PDSCH信号及び第2PDSCH信号を各スモールセルから受信することができる(S1850a、S1850b)。
S1840a及びS1840b段が互いに異なるサブフレームで行われる場合には、端末は、PDCCH信号と連係されたPUCCHリソースを用いて各スモールセルに別個のサブフレームでACK/NACK信号を送信すればよい。しかし、S1840a及びS1840b段階が同一サブフレームで行われる場合には、端末が同一サブフレームで送信するACK/NACK信号が多くなり、端末の過度な電力消耗が発生し、CM特性が劣化する。
そこで、この場合、端末は第1セルの第1PDSCH信号及び第2セルの第2PDSCH信号に対するACK/NACK情報を多重化して一つのACK/NACK信号を生成することができる(S1860)。
その後、端末は、S1830ステップで受信したACK/NACKリソース割り当て情報が示すACK/NACKリソース領域で、S1860ステップで生成したACK/NACK信号を送信することができる。ここで、第1セル及び第2セルはスモールセルであり、多重接続モードに設定されている。また、ACK/NACKリソース割り当て情報は一つのリソース領域を示すため、端末の送信したACK/NACK信号を第1セル及び第2セルの両方で受信することができる(S1870)。
ただし、端末の送信したACK/NACK信号は第1セル及び第2セルに対するACK/NACK情報を全て含んでおり、第1セル及び第2セルはそれぞれ自身に該当するACK/NACK情報のみを抽出して使用することができる。すなわち、図18にはACK/NACK信号が第1セル及び第2セルにそれぞれ送信されることが図示されているが、実際に、端末は一つのACK/NACK信号を、割り当てられたPUCCHリソース領域で送信する。
本発明の実施例は、FDDシステムを中心に説明するが、TDDシステムでも類似の方法を適用することができる。また、図18では、説明の便宜のために2つのセルが構成されるとしたが、3つ以上のスモールセルが多重接続モードを構成してもよい。
以下では、多重接続モードを構成する2つ以上のセルに対するACK/NACK情報(すなわち、ACK/NACK信号)を生成及び送信する方法らについて詳しく説明する。
4.4 PUCCHフォーマット1bチャネル選択を用いたACK/NACK信号送信方法
次の表18には、端末が同時に送信しなければならないACK/NACKの個数によってACK/NACKを送信するスモールセルとACK/NACKビットの関係を示す。表18で,TB(Transport Block)は、PDSCHで送信されるデータブロック(data block)を意味する。MIMO送信の場合、端末は2個のTBをPDSCHで同時に送信することができる。表18で、第1サービングセル(serving cell 1)及び第2サービングセル(serving cell 2)は、スケジューリングを行うセルであり、ACK/NACKリソース領域を、PDSCH信号の送信を始める前に決定して端末にシグナリングすることができる。
ACK/NACK信号送信時に用いるリソース領域は、両セルがPDSCH送信を行う前にあらかじめ約束しなければならない。このようなリソース領域に対する割り当て情報は、両セルの間において有線又は無線リンクを介して共有することができる。そして、両セルのいずれか一方又は両方は該当のACK/NACKリソース領域を端末にシグナリングすることができる。
本発明の実施例では、下りリンク制御チャネルでACK/NACKリソース領域を指示するARI(Acknowledgement Resource Indicator)を用いないことが好ましい。この場合、ARIフィールドはTPC又は他の用途に用いることができる。
次の表19には、端末が送信するACK/NACKの個数(N)が2のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の一例を示す。
表19で、「A」はACKを、「N」はNACKを、「D」はDTXを意味する。また、HARQ−ACK(0)は第1セルに対するACK/NACK結果を、HARQ−ACK(1)は第2セルに対するACK/NACK結果を意味する。表19によれば、N=2のとき、PUCCHリソースを意味する「PUCCH resource n1」は、スモールセルの上位層で当該端末に割り当てることができ(図18、S1830段階を参照)、ACK/NACKビットは、QPSK変調方式を用いて変調することができる。
したがって、端末がPUCCHリソース領域n1でACK/NACKビット(1,0)を送信した場合、第1セルは、自身の送信した第1PDSCH信号が成功的に受信されたことを確認でき、第2セルは、自身の送信した第2PDSCH信号に誤りが発生したことが確認できる。すなわち、各セルは、ACK/NACK信号の受信位置及びACK/NACK信号のコンテンツによって、自身のスケジューリングしたPDSCHに対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
また、表19で、第1セルに対するACK/NACK情報が「D」であり、第2セルに対するACK/NACK情報が「N/D」である場合、端末は、割り当てられたPUCCHリソースn1で何らデータを送信しない。この場合、第1セル及び第2セルは、自身の送信したPDSCH信号がそれぞれDTX状態、DTX又はNACKであると推定できる。
受信したACK/NACK信号に対して各スモールセルは、表19に基づいて、自身のスケジューリングしたPDSCH信号に対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
次の表20には、端末の送信すべきACK/NACKの個数(N)が2のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の他の例を示す。
表20は、表19と同一であり、ただし、各スモールセルのACK/NACK情報がDTXである場合にのみPUCCH送信を行わない点で異なる。表20の場合、HARQ−ACK(1)のACK/NACK情報送信のオンオフキーイング(on−off keying)の代わりにQPSK送信が可能となり、表19に比べて、ACK/NACK送信の性能を一層向上させることができる。
これは、第1セルと第2セルとが異なる物理的、地理的位置に存在することから、「D」と「N」の意味するところに大きな差がありうるからである。本発明の実施例で、第1セル及び第2セルは互いに端末に対するスケジューリング情報が確認できない状況であるから、自身のスケジューリングに基づいてACK/NACK検出を個別に行う。この場合、表19をそのまま用いると、HARQ−ACK(1)の場合、N/Dが「No transmission」となり、第2セルでDTX検出を行わなければならず、第2セルの性能が低下しうる。しかし、表20のように、第2セルがスケジューリングを行わない場合にのみ「No transmission」状況において第2セルがDTX検出を行うと、ACK/NACKのBPSK検出が可能となり、第2セルの性能を向上させることができる。
次の表21は、端末の送信すべきACK/NACKの個数(N)が2のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の更に他の例を示す。
表21は、2つのスモールセルが多重接続モードを構成する環境において2つのPUCCHリソースn1及びn2が割り当てられる場合を示す。すなわち、N=2のとき、PUCCHリソースn1,n2を上位層によって当該端末に割り当てることができ、ACK/NACKビットの送信は、QPSK変調方式によって送信される。
ただし、表21では、リソース領域によってHARQ−ACK(i)情報が区別されるので、ACK/NACK信号に含まれる2ビットは一つのビットで表現されてもよい。例えば、ACK/NACK信号がPUCCHリソースn1を通じて受信され、ACK/NACK情報が「1」を示すと、第1セルは、第1PDSCH信号が成功的に受信されたことが確認でき、第2セルは、第2PDSCH信号に誤りが発生したことが確認できる。又は、ACK/NACK信号がPUCCHリソースn2を通じて受信され、ACK/NACK情報が「0」を示すと、第1セルは、第1PDSCH信号に誤りが発生したことが確認でき、第2セルは、第2PDSCH信号が成功的に受信されたことが確認できる。
この方式により、受信したACK/NACK信号に対して各スモールセルは、表21に基づいて、自身のスケジューリングしたPDSCH信号に対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
次の表22には、端末の送信すべきACK/NACKの個数(N)が3のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の一例を示す。
表22によれば、N=3のとき、PUCCHリソースn1、n2及びn3が上位層によって当該端末に割り当てられてもよい。このとき、ACK/NACK情報ビットの送信は、QPSK変調方式で送信されてもよい。
表22は、多重接続モードを構成するスモールセルが3個である場合、スモールセルが2個であるが、スモールセルに構成されたコンポーネントキャリアの個数が3個である場合、又はスモールセルの個数によらず、端末の送信すべきACK/NACK情報が3個である場合に用いることができる。送信されたACK/NACK信号に対して、各スモールセルは、表22に基づいて、自身のスケジューリングしたPDSCH信号に対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
次の表23には、端末の送信すべきACK/NACKの個数(N)が4のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の一例を示す。
表23によれば、N=4のとき、PUCCHリソースn1、n2、n3、n4が上位層によって当該端末に割り当てられてもよい。このとき、ACK/NACK情報ビットの送信は、QPSK変調方式でて送信されてもよい。
表23は、多重接続モードを構成するスモールセルが4個である場合、スモールセルが2個であるが、スモールセルに構成されたコンポーネントキャリアの個数が4個である場合、又はスモールセルの個数によらず、端末の送信すべきACK/NACK情報が4個である場合に用いることができる。送信されたACK/NACK信号に対して、各スモールセルは、表23に基づいて、自身のスケジューリングしたPDSCH信号に対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
次の表24には、端末の送信すべきACK/NACKの個数(N)が4のとき、PUCCHフォーマット1bチャネル選択方式の他の例を示す。
表24は、表23と同一であり、ただし、各スモールセルに対するACK/NACK情報がDTXである場合にのみPUCCH送信をしないように設定(「No transmission」)される点で異なる。表24は、HARQ−ACK(2)、HARQ−ACK(3)のACK/NACK情報送信時にオンオフキーイング(on−off keying)の代わりにQPSK送信が可能となり、ACK/NACK送信の性能を向上させることができる。
表24によれば、N=4のとき、PUCCHリソースn1、n2、n3、n4が上位層によって当該端末に割り当てられてもよい。このとき、ACK/NACK情報ビット、QPSK変調方式で送信されてもよい。送信されたACK/NACK信号に対して、各スモールセルは、表24に基づいて、自身のスケジューリングしたPDSCH信号に対するACK/NACK情報を選択的に取得することができる。
4.5 PUCCHフォーマット3を用いたACK/NACK信号送信方法
4.5.1 2つのRMエンコーダを用いる方法
PUCCHフォーマット3を用いる場合にも、ACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソース領域は、図18に示すように、あらかじめスモールセル間の交渉によって設定することができる。ただし、PUCCHフォーマット3を用いる場合には、PUCCHフォーマット1bを用いる場合に比べてより多い情報ビットを送信することができる。
図19は、PUCCHフォーマット3を用いるために2つのRMエンコーダを用いてACK/NACK情報を構成する方法の一つを示す図である。
図19に関する説明は基本的に、図16で説明した内容に従う。ただし、図19で、「A」は、第1RMエンコーダに入力される第1スモールセルに対するACK/NACK情報ビットを意味し、「B」は、第2RMエンコーダに入力される第2スモールセルに対するACK/NACK情報ビットを意味する。すなわち、端末は、第1スモールセル(cell 1)に対するACK/NACK情報ビットは「A」に配置して(32,A)に該当するRMコーディングを行い、第2スモールセル(cell 2)に対するACK/NACK情報ビットは「B」に配置して(32,B)RMコーディングを行う。その後、全体RMエンコードされたビット列に対してインターリービングを行うことによってACK/NACK信号を生成する(S1860段階参照)。その後、端末は、あらかじめ割り当てられたPUCCH領域で、生成したACK/NACK信号を送信する。
各スモールセルは、受信したACK/NACK情報ビット列をデインターリービング(deinterleaving)した後、自身に該当するACK/NACKビットに対するエンコードされたビット列を取得する。その後、各スモールセルは、RMデコーディングを行ってACK/NACK情報を取得することができる。
仮に、PDSCH信号を送信していないスモールセルに対しては、当該RMコーディング入力端にNACKに該当する情報ビット列を入力するようにする。このため、RMエンコードされた情報ビット列がいずれも「0」になり、インターリーバの入力端に入力される。すなわち、インターリーバの出力端に当該情報ビット列に対応する部分をいずれも「0」に設定することと同じ結果が得られる。
例えば、第2スモールセルがPDSCH信号を送信せず、第1スモールセルのみがPDSCH信号を送信する場合、端末は、第1スモールセルに対するACK/NACK情報ビットに対して(32,A)RMコーディングのみを行う。逆に、第1スモールセルのPDSCH送信がない場合、端末は、第2スモールセルに対するACK/NACK情報ビットに対して(32,B)RMコーディングのみを行うことができる。
4.5.2 一つのRMエンコーダを用いる方法
4.5.1節で説明した方法と異なる方式でPUCCHフォーマット3を構成する方法について説明する。
端末は、第1スモールセルに対するACK/NACK情報ビット及び第2スモールセルに対するACK/NACK情報ビットを連接させた後、連接した情報ビットの長さが11ビット以上であれば、図19のように2個のRMエンコーダを用いてRMエンコーディングを行い、11ビット以下であれば、1個のRMエンコーディングを行うことができる。
多重接続モードを構成するスモールセル同士の間において端末に対するスケジューリング情報を共有し難い環境で、各スモールセルに対するACK/NACK情報ビットを正確にデコーディングするためには、各スモールセルに対するACK/NACK情報ビットの長さに関する情報をスモールセルが共有していることが好ましい。そのために、スモールセル同士は、バックホールを構成する有無線リンクを介して下りリンク送信モードとTDD上りリンク−下りリンク構成(TDD uplink−downlink configuration)などの情報をあらかじめ共有することができる。
4.5.3 ACK/NACK情報ビット固定方法
端末がPUCCHフォーマット3を用いてACK/NACK情報ビットとSRを同時に送信する場合、ACK/NACKのみを送信する場合と同様に、ACK/NACK情報ビット及びSR情報ビットの位置を固定してエンコーディングすることが好ましい。ACK/NACK及びSRの情報ビットの位置を固定する方法は、次のとおりである。
第一の方法として、同じ種類の情報ビットを連接させた後、異なる種類の情報ビットを連接させてエンコーディングですることがきる。例えば、2つのスモールセルが多重接続モードを構成する場合、端末は、PUCCHフォーマット3を構成する際、第1スモールセルのACK/NACK情報ビット+第2スモールセルのACK/NACK情報ビット+第1セルのSR+第2セルのSRの順に連接させた後にエンコーディングすることができる。
第二の方法として、複数のスモールセルのいずれか一つのスモールセルに対するACK/NACK情報及びSR情報を連接させた後、他のスモールセルの情報を連接させてエンコーディングすることができる。例えば、2つのスモールセルが多重接続モードを構成する場合、端末は、第1スモールセルのACK/NACK情報+第1スモールセルのSR情報+第2スモールセルのACK/NACK情報+第2スモールセルのSRの順に連接させた後にエンコーディングすることができる。
上述した方法において、端末が第1スモールセルにのみSRを送信する場合には、端末は該当のSR情報ビットを除いてエンコーディングを行うことができる。例えば、端末が第2スモールセルにSRを送信しない場合には、SR情報ビットの挿入される位置に「0」を埋めてエンコーディングを行うことができる。
又は、上述した方法で、一つのスモールセルにのみSRを送信する場合(例えば、第1スモールセルにのみSRを送信する場合)には、端末は、第1スモールセルのACK/NACK情報+第1スモールセルのSR情報+第2スモールセルのACK/NACK情報の順、又は第1スモールセルのACK/NACK情報+第2スモールセルのACK/NACK情報+第1スモールセルのSR情報 の順に情報ビットを連接させた後にエンコーディングすることができる。
又は、上述した方法において、端末がPUCCHフォーマット3を用いてACK/NACKのみを送信し、SRを送信しない場合には、SR情報ビットの挿入される位置に「0」を埋めてRMエンコーディングを行うことができる。
4.5.4 電力制御方法
以下では、端末が4.5.3節のようにPUCCHフォーマット3を構成して上りリンク制御情報を送信する場合、電力制御のための送信電力設定方法について説明する。
4.5.4.1 各スモールセルで設定したACK/NACK情報ビット及びSR情報ビットの最大値によって送信電力を設定する方法
この方法によれば、端末が多重接続モードを構成するスモールセルに対して個別にSR情報ビットを送信する場合、第1スモールセルに対するACK/NACK及びSRの情報ビット数の最大値がn1であり、第2スモールセルに対するACK/NACK及びSR情報ビット数の最大値がn2であると仮定する。このとき、端末は、上りリンク制御情報の送信電力をn1+n2に比例して設定することができる。
又は、多重接続モードを構成するスモールセルのうち一つのスモールセルにのみSRを送信する場合、第1スモールセルに対するACK/NACK情報ビット数の最大値がn1であり、第2スモールセルに対するACK/NACK情報ビット数の最大値がn2であると仮定する。このとき、端末は、n1+n2+[1](SRを送信する場合に含む。)に比例して送信電力を設定することができる。
4.5.4.2 サービングセル以外のスモールセルのACK/NACK情報ビット及びSR情報ビットの最大値、及びサービングセルに実際に送信するACK/NACK及びSR情報ビットを考慮して送信電力を設定する方法
端末がそれぞれのスモールセルにSRを送信する場合、第1スモールセルに対するACK/NACK及びSRビット数の最大値n1及び実際に送信するACK/NACK及びSRビット数をm1と仮定し、第2スモールセルに対するACK/NACK及びSRビット数の最大値をn2及び実際に送信するACK/NACK及びSRビット数をm2と仮定する。このとき、端末は、max(n1+m2,n2+m1)に比例して送信電力を設定することができる。
端末が一つのスモールセルにSRを送信する場合、第1スモールセルに対するACK/NACK情報ビットの最大値をn1と仮定し、実際に送信するACK/NACK情報ビットの数をm1と仮定する。また、第2スモールセルに対するACK/NACK情報ビットの最大値をn2と仮定し、実際に送信するACK/NACK情報ビットの数をm2と仮定する。この場合、端末は、max(n1+m2,n2+m1)+[1](SRを送信する場合に含む。)に比例して送信電力を設定することができる。
5. 具現装置
図20に説明する装置は、図1乃至図19で説明した方法を具現できる手段である。
端末(UE:User Equipment)は、上りリンクでは送信機として動作し、下りリンクでは受信機として動作することができる。また、基地局(eNB:e−Node B)は、上りリンクでは受信機として動作し、下りリンクでは送信機として動作することができる。
すなわち、端末及び基地局は、情報、データ及び/又はメッセージの送信及び受信を制御するためにそれぞれ送信モジュール(Tx module)2040,2050、及び受信モジュール(Rx module)2020,2070を備えることができ、情報、データ及び/又はメッセージを送受信するためのアンテナ2000,2010などを備えることができる。
また、端末及び基地局はそれぞれ、上述した本発明の実施例を行うためのプロセッサ(Processor)2020,2030、及びプロセッサの処理過程を臨時的に又は持続的に記憶できるメモリ2080,2090を備えることができる。
上述した端末及び基地局装置の構成成分及び機能を用いて本願発明の実施例を実行することができる。例えば、基地局のプロセッサは、上述した第1節乃至第4節に開示された方法を組み合わせて、スモールセルの間においてあらかじめACK/NACK送信のための上りリンクチャネル領域を割り当てることができる。また、基地局のプロセッサは、送信モジュールを制御して、割り当てたチャネル領域に関するリソース割り当て情報を、上位層シグナルを用いて端末に明示的に送信することができる。また、端末のプロセッサは、2つ以上のスモールセルから受信したPDSCH信号に対するACK/NACK情報ビット、スケジューリング要請のためのSR情報ビット、及びチャネル状態を報告するためのCSIビットのうち一つ以上を生成し、割り当てられたチャネル領域で基地局に送信することができる。詳細な内容は、第1節乃至第4節を参照する。
端末及び基地局に含まれた送信モジュール及び受信モジュールは、データ送信のためのパケット変復調機能、高速パケットチャネルコーディング機能、直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)パケットスケジューリング、時分割デュプレックス(TDD:Time Division Duplex)パケットスケジューリング及び/又はチャネル多重化機能を実行することができる。また、図20の端末及び基地局は、低電力RF(Radio Frequency)/IF(Intermediate Frequency)モジュールをさらに備えることができる。
一方、本発明で端末として、個人携帯端末機(PDA:Personal Digital Assistant)、セルラーフォン、個人通信サービス(PCS:Personal Communication Service)フォン、GSM(Global System for Mobile)フォン、WCDMA(Wideband CDMA)フォン、MBS(Mobile Broadband System)フォン、ハンドヘルドPC(Hand−Held PC)、ノートパソコン、スマート(Smart)フォン、又はマルチモードマルチバンド(MM−MB:Multi Mode−Multi Band)端末機などを用いることができる。
ここで、スマートフォンは、移動通信器末機と個人携帯端末機の長所を組み合わせた端末機であって、移動通信器末機に、個人携帯端末機の機能である日程管理、ファックス送受信及びインターネット接続などのデータ通信機能を統合した端末機を意味できる。また、マルチモードマルチバンド端末機は、マルチモデムチップを内蔵し、携帯インターネットシステムでも、その他の移動通信システム(例えば、CDMA2000システム、WCDMAシステムなど)でも作動できる端末機のことを指す。
本発明の実施例は、様々な手段によって具現することができる。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
ハードウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、1つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などの形態として具現することもできる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリユニット2080,2090に記憶され、プロセッサ2020,2030によって駆動されてもよい。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の種々の手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化されてもよい。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって決定されなければならず、本発明の等価的範囲における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。