ユーザーが、煙草の伝統的な副産物である香味を模倣する物質を吸入することができ、しかも、炎や煙を一切出さない、一般的に電子煙草として知られる電子喫煙代用装置が知られるようになり、長年が過ぎた。吸入する物質は、蒸気の形状であり、香味に加えてニコチンが含まれる場合と、含まれない場合がある。実際にユーザーは、電子煙草によって、葉巻や煙草等の従来の喫煙製品から得られるものと同様の感覚を得ることができるが、燃焼を伴わないので、健康を害する可能性は低いとされる。
電子煙草は一般的に、充電式電池、噴霧器、およびコンテナを含み、噴霧器は、電池から電力供給を受け、コンテナは液体を蒸発させ、噴霧器に接するように設置される。一般に知られる電子煙草のタイプでは、電池、噴霧器、および液体コンテナが、通常の煙草を視覚的に再現した細長形状のケース内に収納される。例えば、液体コンテナが、煙草のフィルターの代わりを果たす管状のケースの一部の内側に配置されるタイプ、電池に連結された噴霧器に挿入されるタイプ、煙草の円筒形状を模した管状ケースの遠位部の内側に配置されるタイプの電子煙草が知られている。
噴霧器が電池によって起動すると、コンテナの水溶液は、蒸発し、ユーザーによる吸入が可能となる。コンテナに含まれる水溶液は、一度、蒸発すると、所定の回数分の吸入が可能となる。
このようなタイプの電子喫煙代用装置は、例えば、(特許文献1)に開示されている。このような電子喫煙代用装置は、例えば、ニコチン等の香味の水溶液である吸入物質を含む液体が入ったタンクを有する管状体から構成される。電子喫煙代用装置はまた、タンクに直接的に接触する、加熱要素を含む。加熱要素は、充電式電池から電力供給を受ける。この電子喫煙代用装置内のタンクは、電子喫煙代用装置の他の部分を破ったり壊したりすることなく、管から取り外すことはできない。したがって、本電子喫煙代用装置は、通常の煙草と同じく、使い捨てタイプであるので、タンクの内容物を使い切ると、電子喫煙代用装置全体を廃棄する。
別のタイプの電子喫煙代用装置が、例えば、(特許文献2)に開示されており、同電子喫煙代用装置は、第1管状ユニットを有し、内部に電池を収納し、カトマイザーとして知られる第2管状ユニットは、使用時に、軸方向に第1管状ユニットと連結し、内部に水溶液のタンクと、タンクと接触する位置に噴霧器を保持する。この場合、カトマイザーのみが使い捨て可能であり、電池ユニットは再使用可能である。
(特許文献3)は、充電式電池と加熱要素等の電子要素を収納する、管状の再使用可能要素である第1部分を有する電子煙草を開示する。第2部分は、管状要素と連結した密封したアレーであり、定期的な交換が可能である。このような交換可能な部分は、ポリエチレン・グリコール、ニコチン、および、その他の香味の混合物を染み込ませた合成綿花等の材料を蒸発させるカートリッジを含む。第1部分は、ユーザーが電子煙草の端部のマウスピースを介して空気を吸い込む際の熱気が通過する。この熱気が揮発性材料を通過することによって、ユーザーは、蒸発したニコチンや他の物質を吸入することができる。カートリッジは、150〜200回の吸入が実行可能である。噴霧器は、揮発性物質を含むカートリッジからは分離されているので、交換可能部品のコストは低減される。
業界の進化により、進化した特徴を備えた電子煙草が生産され、デザイン面でも、通常の煙草を連想させることはない。このような電子煙草は、例えば、電子煙草の機能を制御する電子回路が備えられている。
現在、最も普及している電子煙草は、吸入液体のコンテナとして、電池と噴霧器が収納された管状体に連結する補充可能なタンクを備える。タンクは、一定量の液体を含む。当然ながら個人の習慣、つまり、どの位の頻度で普段、電子煙草を使用しているかによるが、例えば1日以上、電子煙草を継続的に使用できる程に、タンクは、十分な容量を有する。使用前、タンクは適切な量の液体が充填されているが、その液体を使い切ると、ユーザーは、そのタンクを電子煙草本体から取り外し、ボトルからタンクに補充する。
電子煙草のタンクを頻繁に補充することは、特に、ユーザー自身で液体の入ったボトルを用意する必要がある場合等、概ね不便である。このため、電子煙草の製造業者は、一度の補充で吸入回数を大幅に増やすため、大きなサイズのタンクを好む傾向がある。しかし、このことは、意に反して、電子煙草のサイズが大きくなり、重量が増すことを意味する。頻繁に補充しなければならない問題は、適度な方法で喫煙できない喫煙者にも大きな変化をもたらすことはない。
従来の電子煙草の使用に際する別の欠点として、前述の操作による、液体タンクの衛生状態の劣化が挙げられる。
本発明の目的は、液体タンクを頻繁に補充する必要がない、電子煙草を考案することによって、上記の問題を解決することである。
さらに、本発明の目的の範囲として、重量とサイズを小さくした電子煙草を提供することが含まれる。
さらに、本発明の目的の範囲として、最良の衛生状態を確保する電子煙草を提供することが含まれる。
別の、本発明の目的の範囲として、構造および機能的概念が簡素であり、融通性があり、経済的な電子煙草を提供することが含まれる。
前記の本発明の目的は、請求項1に記載の本発明の電子煙草により、達成される。
本発明によると、電子煙草は、蒸気の吸入物質を吸入するためのプラスチックで製作された使い捨てマウスピースを使用し、このマウスピースは、取り外し可能に、電子喫煙代用装置の管状体の一端部に軸方向に連結し、管状体の内部には、水溶液の吸入物質を含むタンクを形成するチャンバを有する。
前記チャンバは、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填され、所定の回数の吸入が可能である。
結果として、本発明の電子煙草は、液体タンクへの補充を不要とする。
有利な点として、前記チャンバは、使用時開封手段によって一端部が噴霧器の近傍で密封して閉じられ、電子煙草の管状体の内部に配置される。
これによって、ユーザーが使い捨てマウスピースの液体に接触することがないので、最良の使用時の衛生状態が確保される。
本電子喫煙代用装置の一実施形態によると、前記使用時開封手段は、前記タンクの前面開口部を閉じる、ティアオフ・ピールを含む。
本電子喫煙代用装置の別の実施形態による使用時の前記開封手段は、前記タンクの前面を閉じるフタを備え、電子喫煙代用装置の噴霧器に連結された挿入手段により穴開けされる。
使い捨てマウスピースは、低刺激性のプラスチックで製作されることが好ましい。
本発明は、電子喫煙代用装置に使用する吸入物質の使い捨てタンクにも関し、このタンクは、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填される。
使い捨てタンクは、小型のバッグの内部に封入され販売される。
本発明による吸入物質のタンクは:電子喫煙代用装置の管状体の一端部に軸方向に連結され、電子喫煙代用装置によって蒸発させる吸入物質の吸入のためのマウスピースを形成する、プラスチック材料の使い捨てケースを含み、このケースは、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填されたチャンバを内部に有し、これによって所定の回数の吸入が可能となり、同ケースは、使用時開封手段によって密封して閉じられ、一方の端部が使用時に、電子喫煙代用装置の内側に向けられる。
有利な点として、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填されたチャンバが、前記ケースの中央部に形成され、使用前は前記使用時開封手段によって密封して閉じられた前面開口部を有する。
有利な点として、使用時の前記開封手段は、前記チャンバを正面から閉じるフタを含み、このフタは、前記電子喫煙代用装置の噴霧器に連結された挿入手段により穴開けされる。
前記フタは、シリコン系の材料で製作されることと、前記噴霧器の挿入手段による穴開けが簡単に行われるよう、中央に、補強ゾーンを有することが好ましい。
有利な点として、前記使い捨てケースは、水溶液の吸入物質が予め充填された前記チャンバの底部の近傍である、一方の端部に、蒸発した物質の損失を避けるシール要素のハウジング・ベーンを形成する。
前記シール要素は、前記使い捨てケースの端部に挿入された密閉要素によって、水溶液の吸入物質が予め充填されたチャンバの底部に固定されることが好ましい。
シール要素、および、密閉要素は、中央に蒸発した吸入物質の吸入穴を有する。
有利な点として、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填された前記チャンバの外側から、前記ケースの内側に、前記蒸発した吸入物質を吸入するための、少なくとも1つの縦溝が備えられている。
前記蒸発した吸入物質を吸入するため、水溶液の前記吸入物質が予め充填された前記チャンバの外側の正反対の位置に形成された一対の縦溝が備えられることが好ましい。
蒸発した吸入物質を吸入するための前記縦溝は、前記ケースの内側に挿入されたコンテナの外表面上に形成された一対の溝であり、前記水溶液の吸入物質が予め充填された前記チャンバを形成することが好ましい。
蒸発した吸入物質を吸入するための前記縦溝は、蒸発した吸入物質の損出を避けるシール要素を収納するベーンで終端することが好ましい。
前記ケースは、円形部を備える部分を有し、この部分は、前記電子喫煙代用装置の管状体に、少なくとも部分的に挿入され、実質的に平らな形状の部位に結合され、前記マウスピースを形成する。
前記水溶液の吸入物質は、1、3−プロパンジオールによる天然グリコールを含むことが好ましい。
前記1、3−プロパンジオールは、トウモロコシ糖から生物学的過程を経て得ることが好ましい。
前記1、3−プロパンジオールの含有量は、32〜98重量パーセントであることが好ましい。
最初に、図1〜7を参照する上で、以下に示す本発明による電子喫煙代用装置(具体的には電子煙草と呼ばれる)の全体に対し、番号1を付与する。
電子煙草1は、例えば、金属またはプラスチック材料の剛性材料から製作される管状体2を含む。管状体2は、例えば、円形または楕円等の形状を有する。図中の管状体2は、軸方向に連結される遠位部2aと近位部2bを有する。管状体2の遠位部2aは、自由端において閉じられ、近位部2bは、好ましくは円形の、開いた入口を有する。要件に応じて、管状体2を別の形状に変えることが可能である。
管状体2の内側には、充電式電池がそのまま配置される。電池は、例えばリチウム・イオン電池でよい。電池の充電は、一般的に知られる、従来の充電器を介して、コンセントに接続する方法でもよい。別の方法として、電池を、例えばパソコンの、USBポートにUSB接続してもよい。
管状体2の内側には、噴霧器もそのまま備えられており、電池から電力供給を受ける。 噴霧器は、コネクターを介して電池に接続される。
電子煙草1は、所定の量の水溶液の吸入物質が予め充填された、補充不可能タンク10を使用する。したがって、タンク10は使い捨てタイプである。
水溶液の吸入物質は、合成起源のプロピレン・グリコールの代わりに天然グリコールを含み、さらに、グリセロール、ニコチン、およびその他の香味料が含まれる場合がある。特に、使用される天然グリコールは、1,3−プロパンジオールである。好適な実施形態によると、1,3−プロパンジオールはトウモロコシ糖から抽出される。特に、1,3−プロパンジオールは、トウモロコシ糖を発酵することにより抽出できる。吸入物質内の1,3ープロパンジオールの量は、32〜98重量パーセントである。例えば、使用される1、3−プロパンジオールは、「Zemea」(DuPont Tate & Lyle Bioproducts)の商標で販売されているタイプがある。
タンク10は、取り外せるように管状体2の噴霧器の近傍に配置される。さらに具体的には、吸入溶液のタンク10は、蒸気となった吸入物質をユーザーが吸入するためのプラスチックで製作された使い捨てマウスピースのそばに形成され、前記の開いた入口において、管状体2の一端部に軸方向に連結される。この使い捨てマウスピースは、ケースを形成し、内部にチャンバ12を備え、チャンバ12は、水溶液の吸入物質を含んだタンク10を形成する。チャンバ12は、所定の量の前記吸入物質が予め充填され、所定の回数の吸入が可能になる。マウスピースは、プラスチック低刺激性材料で製作されることが好ましい。
好適な実施形態において、タンク10のケースは、実質的に円筒形の形状の中央部11を有し、中央部11は、管状体2の近位部2bのオープン・インレットを通して管状体2に少なくとも部分的に挿入される。中央部11の内部は、液体のコンテナの、ベーンつまりチャンバ12が形成される。タンクの中央部11には、外側部分13が連結され、外側部分13は、例えば実質的に平らな形状を有して、電子煙草のマウスピースとなり、既知の方法で吸入用の穴が設けられている。
タンク10の反対側の端部は、使用時は、電子煙草の内側に向けられ、タンク10は、使用時開封手段によって密封して閉じられる。好ましくは、そのような使用時開封手段にはティアオフ・ピール14が含まれ、タンクのチャンバ12に連結された前面開口部を閉じる。ティアオフ・ピール14は、アルミニウム系の材料を使用して製作されることが好ましい。
ふた15は、タンクを確実に密封して閉じるのに使用され、タンクの前面開口部に連結するので、ティアオフ・ピール14の偶発的な破壊や破断を阻止し、液漏れを防ぐ。
液体用のタンクの形状は、上記のタンクの形状とは違っていてもよい。例えば、密封して閉じるティアオフ・ピール14をタンクの封止用のフタ15の上に使用してもよく、それによって、フタ15が適用されると、タンク前面開口部の周囲の縁部がシールされる。別の方法として、密封して閉じるティアオフ・ピール14は、噴霧器のピンに差し込むことによって穴が開き、開くことができる。
タンク10に充填される液体の所定量は、0.5 ml以上が好ましく、例えば、0.5〜2.0 mlの範囲が好ましい。当然ながら、この所定の量は、要件によって異なる。
さらに、電子煙草1は、電池によって噴霧器を加熱する起動手段が備えられている。その起動手段は、例えば、ボタン5が含まれ、電子煙草の管状体2の中間位置に配置される。ボタン5を押すことによって、ユーザーは噴霧器の加熱を開始することができ、タンクのチャンバ12に充填された水溶液を蒸発させる。
電子煙草の機能は、上記の説明から、容易に理解されよう。
使用時は、電子煙草の管状体2に、所定量の液体が充填された使い捨てタンクのマウスピースを挿入する。タンクは、例えば、透明材料のバッグ16内にシールされ販売され、それによって完全性を保持し、吸入液体に含まれる香味を保存する(図2参照)。次に、ユーザーは、バッグ16を開封し、バッグ16から使い捨てタンクを取り出し、フタ15を取り外し、ケースの前面開口部から、使い捨てタンクを密封して閉じるティアオフ・ピール14を取り外す(図5、6、および7参照)。開いたタンク10は、前述の通り、電子煙草の管状体2の近位部2bの内側に挿入される。
これで電子煙草の準備が整い、所定の回数の吸入を行うことができる。タンク10内に充填されている液体をすべて消費すると、タンク10を電子煙草の管状体2から取り出して、廃棄する。上記の量の液体が予め充填された新しいタンクは、同じ方法で、同じ場所に挿入する。
図8では、管状体2が単体で構成され、実質的に楕円断面形状を有する電子煙草の第二実施形態を示す。電子煙草に使用される使い捨てタンクに番号10を付与して、再び詳細に示すが、使い捨てタンク10は、電子煙草の管状体2のインレット2cの一部分に挿入できるよう、楕円形状を有する。
より具体的には、この場合、タンク10は、中央部11を有し、中央部11内に、液体のコンテナであるチャンバ12が形成され;マウスピースの役割を果たす外側部分13は、タンクの前記中央部11に連結される。チャンバ12は、前面開口部17を通して外部に連結され、使用前、前面開口部17は、使い捨てのティアオフ・ピール14により閉じられている。さらに、タンク10は、フタ15により正面向きに密封され閉じられ、バッグ16内部にシールされて販売される。
さらにこの場合、ユーザーはバッグ16を開き、タンク10を取り出し、フタ15を取り外し、前面開口部17から、タンクを密封するティアオフ・ピール14を取り外す(図9および10参照)。開いたタンク10は、電子煙草の管状体2のインレット2cに挿入される。
図12では、電子煙草のさらなる実施形態を図示するが、ここでは管状体2がフタ6に連結されインレット2cを閉じ;電子煙草を使用しない時は、フタ6が管状体2に挿入され、タンク10を覆っている。
このような場合、タンク10は、軸方向に短くしてもよい。実際に、タンク10は、ケースのみで構成され、このケースは液体が充填されたチャンバ12を形成する。
実際の使用時に、ユーザーは、前述の通り、タンク10が封入されたバッグ16を開き、タンク10を取り出し、フタ15を取り外し、次に、タンク10の前面開口部から、タンクを強固に密封して閉じるティアオフ・ピール14を取り外す。フタ6を取り外した後、開いたタンク10を、電子煙草の管状体2のインレット2cに挿入する。
図15では、タンク10の別の実施形態を図示するが、ここでは、チャンバ12を前面から閉じるフタ15が中央部11に固定され、中央部11において上記のチャンバ12が形成される。フタ15は、例えば、シリコン系の材料で製作される。
フタ15は、噴霧器に連結した挿入手段により、穴開けされる。特に、フタ15は、噴霧器のピンによって穴開けされ、噴霧器は、軸方向にフタ15に挿入される。フタ15の端部には、中央補強穴18があり、噴霧器のピンによる穴開けが容易になる。
図16〜20に、さらなる実施形態を図示するが、ここでは複数の構成部品を組み立てた。このタンク10は、実質的に、管状のシェル23を含み、シェル23は、例えば、楕円の断面と、緩やかなテーパー形状を有してタンクの外側ケースを構成し;特に、電子喫煙代用装置内の管状体に挿入できるよう、この外側シェル23の、遠位部分から始まり、マウスピースを形成する近位部分に向かうテーパー形状はより鋭くなっている。シェル23の内部には、コンテナ24が挿入され、コンテナ24は、シェル23の内部形状を補完する形状と、軸方向に延びる小さな延長部を有する。内部コンテナ24は、底部で閉じられ、チャンバ12を形成し、チャンバ12には、水溶液の吸入物質が含まれる。閉じられた底部において、内部のコンテナ24は、上記の近位部近傍で、外側シェル23内部に横方向に形成されるダイアフラム25と接触する。コンテナ24は、楕円の断面の主軸の端部において、一対の縦溝26を形成し、縦溝26は、内部コンテナの全長に渡って延伸する。縦溝26は、ダイアフラム25に形成されている、各スロット27において終端する。
以下に、詳説するが、ダイアフラム25は、内部コンテナ24を挿入する側の反対側において、シール要素33が挿入されたベーン28を形成し、噴霧された物質の損失を避ける。シール要素33は、実質的に、シェル23の内部形状を補完する形状を有するプレートから成り、ダイアフラム25に接触する周辺縁部が備えられている。シール要素33は、組立て位置において、タンク10の外側シェル23の開口部に挿入されシェル23の周囲境界部で周囲が支持される密閉要素34によって、ダイアフラム25に固定される。シール要素33と密閉要素34は、中央に吸入穴35、36を有し、これにより吸入物質の吸入が可能となる。
コンテナ24の開口端において、それに対応する密閉要素37が挿入され、密閉要素37は、実質的にプレートで構成され、このプレートは、一端にコンテナの内部形状を補完する形状を有するクラウン38を形成し、別の一端に、外側に向く軸方向スリーブ39を設けるプレートであり;スリーブ39は、例えば、シリコン系材料で製作されるフタ15により閉じられる。外部形状としての密閉要素37は、シェル23の内部表面を複製する。
使用時に、マウスピースを形成するタンク10が電子煙草の管状体に挿入されると、水溶液の吸入物質が充填されたチャンバ12を正面から閉じるフタ15が、噴霧器に連結された挿入手段によって穴開けされる。その目的のため、フタ15は、中央に補強ゾーンを有する。噴霧器が始動することによって、チャンバ12に充填された液体の吸入物質を蒸発させることができる。蒸発した吸入物質は、ケース内の内部コンテナ24の縦溝26によって形成される側面流路を通して、ユーザーにより吸入される。
外側シェル23のベーン28の内部の、実質的にマウスピースを形成するタンクの部分において配置されるシール要素33は、噴霧された物質の損失を防ぐのに適切であり、凝縮した状態に戻す場合があることに留意されたい。そのような凝縮した物質は、事実上、シール要素33の吸入穴35から流出不可能となり、内部に残り続ける。
図21は、ケースの一実施形態を例示し、外側シェルおよび内部コンテナ(それぞれ、再度、23と24で示す)が1つの構成部を形成するが、概念的には、前述の実施形態に類似する。コンテナ24の底部を形成するダイアフラム25の近傍の、ケースの端部には、密閉要素によって固定されるシール要素を収納するハウジング・ベーン28があり(両者とも図示せず);ケースのもう一方の端部には、対応する密閉要素が挿入され、穴開けが可能な、噴霧器のフタを保持する。
本発明の電子煙草は、液体タンクの頻繁な補充を不要とする。実際に、液体タンクは、補充ができず、予め液体が充填されているので、ユーザーがタンク内のすべての液体を吸入し終えると、タンクを廃棄する必要がある。
本発明は、補充可能タンクを使用し、別途提供される液体を定期的に補充する必要がある現在の電子煙草の技術的な先入観を打開するものであることに留意されたい。本発明によって、電子煙草のユーザーは、液体の吸入物質用のタンクを自ら用意して補充作業を行う必要がなくなるので、電子煙草の使用が簡素化される。
本発明による電子煙草の別の利点として、小型で軽量であることが挙げられるが、これは、タンクが使用時のみに挿入され、タンク自体の重量とサイズも小さくなっていることと、長期間に渡って使用しないことによる。
本発明の電子煙草のさらなる利点に、最良の衛生状態で確実に使用できることが挙げられる。
特に、前述の通り、バッグ16(透明材料等で製作)内に封入され、所定の量の液体が予め充填されたタンク10は、一個単位での提供が可能である。使用時、ユーザーがバッグを開封するのは使用直前に限られるので、吸入物質の香味を完全に残しながら、最良の衛生状態が確保される。新しいコンテナを使用することは、当然ながら、電子煙草の衛生状態の維持に大きく寄与する。
バッグ16内に封入されたタンク10は、パッケージ20として単数または複数で販売され、図3a、3b、3c、4a、4b、および4cに示す。
例えば、パッケージ20は、ポケット21に収納され、1つまたは複数のタンクが1個ずつ並べられる。折り曲げ可能なタブ22はパッケージを閉じ、タンクが散らばることを防止する。1個のパッケージ20内に収納されるタンクの数は、例示されているものと異なる場合がある。
別の方法として、タンクを、図9、11、および13に示すような、段ボール等の、剛性または準剛性材料から製作されるボックス・パッケージ30内に提供する方法も可能である。このボックス・パッケージ30は、上部を折り曲げ可能な密閉要素31を備える。ボックス・パッケージ30のサイズは、その内部に含まれるタンクの数に応じて異なる。
実際に、本発明の実施形態で使用される材料および形状、ならびに寸法は、要件によって異なることがある。
各請求項において言及される技術的特徴には参照記号が付与されているが、それらの参照記号は、請求項の内容をさらに深く理解することのみを目的としているので、それらの参照記号によって例示する目的のために特定された各要素の範囲は、如何なるものでも、如何なる場合であっても、それらに限定されることはない。