以下の説明および例は、本発明の好ましい一実施形態を詳細に示している。当業者であれば、本発明の範囲に包含される数多くの変更形態および修正形態があることを理解するであろう。したがって、好ましい一実施形態の説明が本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。
本明細書で使用されているような「分解性(可能)」という用語は、広義語であり、当業者にとって通常の、また慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、(たとえば、収縮が生じるような化学的、機械的、または他の手段(たとえば、光、放射線、熱など)によって)バルーンの構造的完全性が損なわれてゆく過程を指す。分解過程は、腐食、溶解、分離、消化、崩壊、層剥離、粉砕、および他のそのような過程を含み得る。
本明細書で使用されているような「嚥下(可能)」という用語は、広義語であり、当業者にとって通常の、また慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、外側カプセルおよびその成分が通常の蠕動を介して胃に送達されるように患者によって行われるバルーンの摂取を指す。好ましい実施形態のシステムは、嚥下可能であるが、それらは嚥下すること以外の方法によって摂取するようにも構成される。システムの嚥下可能性は、少なくとも一部は、自己膨張システムに対する外側容器サイズと、手動膨張システムに対するカテーテルおよび外側容器のサイズとによって導出される。自己膨張システムについて、外側カプセルは、内側容器およびその成分と、投与前に注入される活性剤の量と、バルーンのサイズと、バルーン材料の厚さを収容するのに十分である。システムは、好ましくは、平均標準食道直径より小さいサイズのものである。
本明細書で説明されているのは、経口摂取可能デバイスである。好ましい実施形態では、デバイスは、消化器官を横断することができる。デバイスは、たとえば、胃内容積占有デバイスとして、有用であり得る。デバイスは、現在の胃内容積占有デバイスに見られる上述の問題および欠点のうちの1つまたは複数を克服する。
好ましい実施形態の主題をより明確に説明するために、同じサブコンポーネントの異なる実施形態について、単一の関連する表題が付いている小見出しの下で説明される。この編成は、異なるサブコンポーネントの実施形態が本発明に従って組み合わされ得る様式を制限することを意図されていない。
[嚥下可能な胃内バルーンシステム]
選択された好ましい実施形態による嚥下可能な自己膨張または膨張可能胃内バルーンシステムは、コンポーネントとして、バルーンの内腔に、または内側容器に流体を加えるための自己封止弁システム(「弁システム」)、収縮およびコンパクト状態のバルーン(「バルーン」)、およびバルーンを収容する外側カプセル、容器、またはコーティング(「外側容器」)を備える。自己膨張バルーンについて、1つまたは複数のCO2発生コンポーネントを収容する内側カプセルまたは他の容器(「内側容器」)が、バルーンの内腔の内側に存在する。膨張可能バルーンに対して、胃内に摂取または留置した後にバルーンを膨張させるため、膨張流体源、カテーテル、およびチュービング(「膨張アセンブリ」)が用意されている。自己膨張バルーン構成において、弁は、接着剤または他の手段(たとえば、溶接)によってバルーンの内面に好ましくは取り付けられ、自己封止弁を介してバルーンの内腔内に液体活性剤を注入するための針または他の手段によるバルーンおよび内側容器の壁のパンクを防ぐために接種スペーサー(inoculation spacer)を備える。バルーンに対して弁の解放可能な取り付けを行う弁は、膨張可能バルーン構成で形成される。好ましくは、膨張可能構成でバルーンに(たとえば、その内面に)取り付けられている自己封止弁システムは、「万能」であるか、または嚥下可能カテーテルもしくは医師介助カテーテルとの適合性を有する。弁システムは、針アセンブリを含む小型カテーテルを使用してバルーン膨張を可能にする働きをし、また、膨張が完了した後のカテーテルの脱着のための機構も備える。
外側容器は、好ましくは、コンパクト状態(たとえば、折り畳まれた状態および巻かれた状態)でバルーンを組み込み、好ましくは自己膨張バルーン構成で活性化液体がバルーン内に注入されることを可能にする十分な空間を有し、ここにおいて、液体活性剤は、内側容器の分離、腐食、分解、および/または溶解と、内側容器内に収容されている膨張剤と接触してCO2を発生し、その後、CO2ガスの圧力により外側容器の分離、腐食、分解、および/または溶解を引き起こすこととを開始する。膨張可能バルーン構成において、外側容器は、コンパクト状態のバルーンを組み込むだけでよい。
好ましい一実施形態の嚥下可能胃内バルーンシステムの選択されたコンポーネントは、X線不透過リングを備えるシリコーンヘッドと、トリミングされた30Dシリコーン隔壁と、ナイロン6接種スペーサーと、圧縮されたバルーンと、内側容器(自己膨張する場合)と、組み立てられていない形態のシステムの構成要素としての外側容器とを備えることができる。完全に組み立てられた外側容器は、パンクして液体活性剤を注入するための隔壁(自己膨張の場合)またはチュービングとの接続のためのポート(膨張可能な場合)と整列された通気穴を備え得る。以下でさらに説明されるように、特に好ましいシステムのコンポーネントは、本明細書で説明されている属性を持つが、いくつかの実施形態では、他の属性および/または値を有するコンポーネントを利用するシステムが採用され得る。
好ましい実施形態によるデバイスは、侵襲的方法に頼る必要なく、患者による摂取、および配備を意図されている。したがって、好ましい実施形態のデバイスは、不快感を最低限度に抑えて患者によって嚥下され得るコンパクトな送達状態に適合するように動作可能であることが望ましい。胃に入った後、デバイスは実質的により大きい配備状態をとることが望ましい。送達状態から配備状態への遷移を達成するために、デバイスは、膨張作用を受ける。
肥満を治療するか、または減量を目標とする個人を補助するために、本明細書で説明されている胃内デバイスのさまざまな実施形態が、好ましくは、患者の胃に送達され、膨張状態で、好ましくは少なくとも30日間、患者の胃内に維持される。いくつかの実施形態では、膨張胃内デバイスは、1から3ヶ月間の治療持続時間において患者の胃内に維持され、いくつかの実施形態では、デバイスは、最大6ヶ月以上患者の胃内に維持される。複数の胃内デバイスが、治療持続時間において患者の胃に送達され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、最大2つまたは3つ以上の胃内デバイス(同じサイズまたは2つもしくはそれ以上の異なるサイズの)が、ある時点に患者の胃の中に存在し得る。治療の終了時に、デバイスは内視鏡で取り出され得る。他の実施形態では、デバイスは、収縮し、消化管下部を通過し得る。適切な膨張度を維持し、患者に対する不快感および/または副作用を減じるために、患者は、膨張された胃内デバイスが患者の胃内にある間に定期的に取る1つまたは複数の処方薬を処方され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害薬、制吐薬、および/または鎮痙薬が処方され得る。
[内側容器]
自己膨張構成の膨張を開始するために、膨張サブコンポーネントは、活性化剤などの外部投入を必要とし得る。活性化剤は、好ましくは、25から32までの基準径を持つ針を有する注射器を使用して注射される。針長は、好ましくは、30秒以内に、ただし内側容器を物理的に損傷しない様式/流れ/流動で、膨張剤の全量の送達を可能にする流量を生み出し、それによって早期のCO2発生および膨張を引き起こすような約0.25インチ(0.6cm)から1インチ(2.54cm)の長さのものである。活性化剤は、好ましくは、純水、または20℃の最大50%までの濃度の無水クエン酸を含む溶液、または無水クエン酸の溶解度に基づく可変の溶液温度でのそれと同等のものである。好ましくは、システムは約0.3mlから約4.5mlの外側容器内でコンパクトな形態のときにバルーンの中心内腔内に占有可能な空所を有するように構成され、これにより、対応する量の活性化剤がその空所内に注入され得る。
一実施形態において、折り畳む前に、CO2を発生するための膨張剤を入れた浮遊する内側容器は、好ましくは、隔壁/摂取スペーサーがカプセルの先端部の真上に留置されるように自己封止弁システムと垂直に整列される。バルーンは、内側容器を収容する。自己封止弁システムは、バルーンの壁の内側に接着剤で接着され、バルーンの反転構成は、パッチで封止された穴を通して反転によってもたらされる。バルーン壁の頂部約1/4が、内側カプセルの上に折り畳まれ、カプセルがある場所のひだは、紙飛行機を作る第2のステップで形成されるひだと同様に折り目を付けられ、次いで左へ、または右へ折り重ねられる。次いで、球体の底部約3/4が、2つ以下の折り目を使用して蛇腹にされ、カプセルの上に折り重ねられる。次いで、翼が触れるように、左半分が、カプセルの右半分の上に折り重ねられるか、またはその逆に折り重ねられる。次いで、材料が、堅く巻いた1本のロールになるまで巻かれる。次いで、デバイスは、外側容器の内側に留置される。
自己膨張構成において、バルーンは、内側カプセルの周りにポケットを形成するように折り畳まれ、自己封止弁システムを通して注入される液体がバルーンの表面積全体の10%未満の領域に収容されることを確実にする。内側カプセルは用意されないので、膨張可能構成でポケットを形成する必要はない。バルーンは、全折り畳みの数が最小になるように折り畳まれ、これにより、外側材料に対して発生し得る損傷または障壁特性が損なわれることを最小限度に抑える。全折り畳みの数は、好ましくは10未満である。バルーン材料は、もし可能であればバルーンを外側容器内に嵌め込むのに必要な折り目の数が最小になるように巻かれる。これは、内腔材料の損傷も防ごうとして行われる。自己封止弁は、好ましくは、その互いの上に層をなす折り畳みの数を最小にするようにバルーンの中心から外れて製作される。
自己膨張構成では、バルーンの壁を形成する材料は、内側容器内の反応物質に近い位置に維持されるようにバルーン内に注入される開始剤を局在化することによって反応効率を最大化するように処理され、折り畳まれる。バルーンは、反応が開始し、外側容器が分離した後、バルーンが折り畳まれた状態から、可能な最大の表面積を生み出すように広がり、バルーンが幽門括約筋を容易に通過するのを阻止する、ように折り畳まれる。開始剤と活性化剤の中の反応物質の比は、バルーンの内腔の内側の残留液体のpHが酸性であり、pHは6未満であり、胃酸が入るのを可能にするバルーンの漏れまたは裂けが、追加のCO2発生と、その結果の意図しない再膨張を引き起こさないように、選択される。
自己膨張構成では、膨張剤は、内側容器を保持するのに十分な形状および/または容積を最小にしながら、CO2発生の反応物質に対する表面積の利用度を良くする形状に圧縮されるか、形成されるか、または他の何らかの方法で保持される。好ましくは、内側容器は、約0.748インチ(1.9cm)から1.06インチ(2.7cm)の長さ(最長の寸法)と、約0.239インチ(0.6cm)から約0.376インチ(1cm)の直径または幅とを有する。内側容器の容積は、好ましくは約0.41mlから約1.37mlまでである。内側容器は、好ましくは、標準的な押し込み式ゼラチンカプセルの形態のものであるが、ゼラチンテープが、押し込み式カプセルの代わりに使用され得る。膨張剤を収容するために、好ましくは容器に頼るが、追加の封止または他のカプセル化も、膨張のタイミングを制御するために採用され得る。ゼラチンは、内側容器として使用するのに特に好ましいが、他の材料も、たとえば、セルロースも使用するのに適しているものとしてよい。システムの内部容積を最小限度に抑えるために、一般的に、単一の内側容器のみを含めるのが好ましいが、いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の内部容器が都合よく採用され得る。自己膨張のタイミングは、通常の食道通過時間と、食物大粒子の胃内容排出の通常の時間とに基づき選択され、したがって、バルーンは、食道通路を閉塞し得るか、または幽門括約筋を早くに通過してしまう可能性のあるサイズにまで膨張しない。タイミングは、活性化剤が内側カプセルの隣りのバルーン内に実質的に局在化されるようにバルーンをコンパクトにすることによっても制御され、これは効率的なCO2自己膨張方法を構成する。バルーン膨張は、液体活性化剤によって開始され、内側容器の分解を引き起こし、これにより、内側容器内の膨張剤が液体活性化剤に接触し、それによってガス発生反応を開始する。
[膨張アセンブリ]
いくつかの好ましい実施形態において、容積占有サブコンポーネントは、その後脱着され、容積占有サブコンポーネントから引き離されるチュービングを使用して流体を充填される。容積占有サブコンポーネントの一端は、巻きが解かれたときに口から胃への食道の全長に渡り得る十分な長さのチュービングに接続されたポートを有する。このチュービングは、容積占有サブコンポーネントが膨張させられた後に容積占有サブコンポーネントおよびセルフシールから引き離され得る自己封止可能弁または隔壁とともに容積占有サブコンポーネントに接続される。医者または他の医療専門家は、患者がデバイスを嚥下するときにチュービングの一端を固定する。デバイスが、胃内に落ち着いた後に、医者は、チューブを使用して空気、窒素、他のガス(複数可)、食塩液、純水、または同様のものなどの流体を容積占有サブコンポーネント内に送り込み、それを膨張させる。容積占有サブコンポーネントが完全に膨張させられた後、チュービングが解放され、患者の体内から引き抜かれ得る。
チューブは、多数の方式で解放され得る。たとえば、チュービングは、チュービングに軽く力を加えるか、または引っ張ることによって脱着され得る。代替的に、チュービングは、磁気的または電子的解放手段などの、離れた場所にある解放手段を作動させることによって脱着され得る。代替的に、チュービングは、自動放出機構によって容積占有サブコンポーネントから解放され得る。そのような放出機構は、膨張させられた容積占有サブコンポーネントの内圧によって作動され得る。たとえば、放出機構は、特定の圧力に対して敏感であるものとしてよく、この圧力を超えると開いて、過剰な圧力を解放し、それと同時にチューブを放出する。この実施形態は、患者の胃の中の容積占有サブコンポーネントの不測の過剰膨張を回避する働きをする安全弁とチュービングの解放との組合せを通じて望ましい機能を提供する。
この自動的解放実施形態は、デバイス膨張ステップがより精密に監視され制御され得るという利点ももたらす。現在の技術は、一般的に、クエン酸などの活性化剤とともに注入されてから4分の時間枠内で膨張を開始する自己膨張胃内容積占有サブコンポーネントを考慮するものである。このアプローチでは、容積占有サブコンポーネントは、いくつかの場合において、胃の中に(たとえば、食道内に)落ち着く前に膨張を開始するか、または胃ダンピング症候群もしくは急速胃内容排出疾患を患っている患者では、容積占有サブコンポーネントは、膨張が生じる時間前に小腸内で終わり得る。したがって、いくつかの実施形態では、容積占有サブコンポーネントが正しい配置で落ち着いていることが確認された後に、命令で容積占有サブコンポーネントを膨張させることが望ましいと思われる。
いくつかの実施形態において、容積占有サブコンポーネントは、徐々に、または時間の経過とともに段階を踏んで膨張することが有利でもあり得る。たとえば、望ましい膨張時間になる前にガスが容積占有サブコンポーネントから抜けた場合、拡張状態に保つためにデバイスが再膨張することが有利であり得る。
[外側容器]
バルーンは、好ましくは、カプセルまたは他の保持、収容、もしくはコーティング構造体(「外側容器」)内に収縮および折り畳み状態で用意される。外側容器は、好ましくは、標準的な押し込み式ゼラチンカプセルの形態をとり、収縮された/折り畳まれたバルーンを収容するのに押し込みに頼るが、ゼラチンラップは、いくつかの実施形態において有利に採用され得る。ゼラチンは、外側容器として使用するのに特に好ましいが、他の材料も、たとえば、セルロース、コラーゲン、および同様のものも使用するのに適しているものとしてよい。好ましくは、外側容器は、約0.95インチ(2.4cm)から2.5インチ(6.3cm)の長さ(最長の寸法)と、約0.35インチ(0.9cm)から約0.9インチ(2.4cm)の直径または幅とを有する。自己膨張可能バージョンに対する外側容器の容積は、好ましくは約1.2mlから約8.25mlまでである。自己膨張構成において、外側容器は、好ましくは、1つまたは複数の穴、スリット、通路、もしくは他の出口とともに、好ましくは各端部上で、構成され、これは、膨張剤が処理中に存在する凝縮物または他の環境内の水分に曝されることで生成されたガスが反応効率に望ましくない影響を及ぼし得る液体活性化剤の接種の後30秒より前に内側容器の早期の分離または分解を引き起こさないように排出口として働き得る。そのような出口は、膨張可能構成においてバルーンの膨張の準備のために外側容器の溶解を促進することもできる。外側カプセルの分解の過程(たとえば、分離、溶解、または他の何らかの形の開放)は、バルーンの膨張(自己膨張またはカテーテルを介した膨張)によって引き起こされる圧力増加によって促進される。外側カプセルは、嚥下とバルーン膨張との間に経過する時間を短縮するために、材料を柔らかくするが、バルーンを解放しないように短時間だけ水に浸され得る。膨張可能構成において、外側容器は、膨張チューブ針アセンブリを収納するために穴を備え、ここにおいて、カテーテル針ハウジングの直径は、バルーンアセンブリの押し込みまたは嚥下を円滑にするように収納されているバルーンをその中に維持しながら自己封止弁内に針が挿入されるように外側容器の穴の直径と機械的に適合する。好ましい一実施形態では、外側容器は、カプセルである。カプセルの遠位半分は、コンパクトにされたバルーンがカプセル内に挿入されるときにカプセルの前縁部によりバルーン材料の摩耗が生じるのを防ぐようにフレア状に広げられ得る。カプセルは、また、ジェルバンドと一緒に保持される2つの部分も備え、膨張がより迅速に行われるようにカプセルの分離をより速くすることができる折り畳まれたバルーンを包含し得る。外側カプセルは、摂取された流体摂取物(たとえば、摂取水分)と接触することで分解し(たとえば、分離する、溶解する、または他の何らかの形で開く)好ましくは、バルーン/カテーテルチューブが適所にある間に、患者への不快感を引き起こさないように、5分以内、より好ましくは2分以内に分解する。
好ましい一実施形態において、デバイスは、標準的なサイズのゼラチンカプセル内に嵌合される。カプセルは、胃の中に入る前にデバイスがカプセルから放出されるか、または他の何らかの形で配備されることのないように、知られている分解速度を有する材料から形成され得る。たとえば、カプセル材料は、1つまたは複数の多糖類および/または1つまたは複数の多価アルコールを含み得る。
代替的に、デバイスは、その送達状態において、嚥下も円滑にしながら、デバイスをその送達状態に制限する物質でコーティングされ得る。コーティングは、周囲または陽圧で行われ得る浸漬、スパッタリング、蒸着、または噴霧過程によって塗布され得る。バルーンは、また、バルーンの周りにゼラチンテープを巻き付けることと、次いで、そうするのが望ましければ、巻き付けられたバルーンをカプセル内に留置することによって、カプセル化され得る。
いくつかの好ましい実施形態において、嚥下を円滑にするため、カプセル化された、またはコーティングされたデバイスは潤滑油を差されるか、または他の何らかの形で処置される。たとえば、カプセル化された、またはコーティングされたデバイスは、患者による嚥下の前に、濡らされるか、または熱せられるか、または冷やされ得る。代替的に、カプセル化されるか、またはコーティングされたデバイスは、デバイスの食道通過を潤滑する働きをする粘質物中に浸漬され得る。可能なコーティングの例は、潤滑性および/または親水性の特性を持つ物質であるものとしてよく、これはグリセリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ワセリン、アロエベラ、シリコンベースの材料(たとえば、Dow 360)、およびテトラフルオロエチレン(TFE)を含み得る。コーティングは、スパッタリング、蒸着、または噴霧過程によっても塗布され得る。
追加の実施形態では、コーティングまたはカプセルは、嚥下を容易にするために、1つまたは複数の局所麻酔薬または鎮痛薬を含浸されるか、またはそれらで処置される。そのような麻酔薬は、アルチカイン、リドカイン、およびトリメカインなどの、アミノアミド基の麻酔薬と、ベンゾカイン、プロカイン、およびテトラカインなどの、アミノエステル基の麻酔薬とを含み得る。このような鎮痛薬は、クロラセプティックを含み得る。
いくつかの実施形態において、カプセルは、投与されるときに、食道を下って移動しているときに、および/または胃内にあるときに、適切に配向されるように、特定の端部のところで加重され得る。重み付けコンポーネントは、ポリマー材料または膨張反応物質を含み得る。
嚥下可能な自己膨張胃内バルーンは、嚥下時に食道内にある間の早期膨張が回避され、胃に入った後幽門括約筋を通過するのを防ぐのに十分な膨張が確実にされるように自己膨張のタイミングを確実に制御するための機構を備える。食物大粒子に対する通常の食道通過時間は、文献には4〜8秒と記載されており、幽門を通る食物大粒子の胃内容排出は、少なくとも15〜20分間生じない。外側容器は、好ましくは、分離し、溶解し、分解し、腐食し、および/または他の何らかの形で収縮した/折り畳まれたバルーンが液体活性化剤による接種の後60秒以上、15分以内に折り畳まれている状態から広がり始まることを許すように構成される。内側容器は、好ましくは、バルーンを膨張させることを開始するのに十分なCO2が液体活性化剤による接種の後30秒よりも早く利用可能にならないように初期CO2発生化学反応を遅延させるが、バルーンの占有可能容積の少なくとも10%が30分以内に充填され、バルーンの占有可能容積の少なくとも60%が12時間以内に充填され、バルーンの占有可能な容積の少なくとも90%が24時間以内に充填されるように十分なCO2の発生を可能にするように化学的、機械的、またはこれらの組合せで構成される。このタイミングは、医療専門家による外側容器内への活性化剤の注入と、デバイスを患者に渡すことと、患者による通常の蠕動手段による嚥下とを可能にする。このタイミングは、また、直径7mmを超える物体は容易に通過しないのでバルーンの胃内容排出が容易に行われないようにバルーンが十分なサイズまで膨張させられることによって未膨張のバルーンが潜在的に十二指腸内に入ることも阻止する。
[送達コンポーネント]
いくつかの実施形態において、デバイスの投与者が送達ツールを使用してデバイスを口に送達するか、または最適な配向の食道通過を円滑にすることは有利であり得る。送達ツールは、デバイス10が患者に投与されているときにデバイス投与者が1つまたは複数の膨張剤とともにデバイスを注入することを可能にし得る。好ましい一実施形態において、そのような注入は、デバイスを送達ツールから解放して口または食道内に入れるために採用される投与者の同じ機械的動作(複数可)で遂行され得る。たとえば、送達ツールは、プランジャと、液体を有する貯槽と、注射針とを備えることができる。投与者は、順に、またはほぼ同時に、のいずれかで、注射針をデバイス内に力で押し込み、それによって貯槽内に収容されている液体をデバイス内に注入するプランジャを押す。プランジャへの力のその後の印加で、デバイスを送達ツールから押し出し、患者体内の所望の位置に押し込む。さらに、送達ツールは、デバイスの嚥下性を軽減するために麻酔薬または潤滑剤を患者の口または食道内に投与するサブコンポーネントも備えることができる。
[バルーン]
好ましい実施形態の容積占有サブコンポーネント(「バルーン」)は、一般的に、外面と内部空洞とを画成する壁を形成する可撓性材料から形成される。上述のサブコンポーネントのうちのさまざまなものが、容積占有サブコンポーネントの壁または内部空洞のいずれかに組み込まれ得る。図示されているように、容積占有サブコンポーネントは、患者の内法と望ましい結果とに応じてサイズおよび形状が異なり得る。容積占有サブコンポーネントは、セミコンプライアンス性を有するように設計され、これにより、容積占有サブコンポーネントが圧力および/または温度の増加とともに伸長または拡張することを可能にするものとしてよい。代替的に、いくつかの実施形態では、容積の増加に対してほとんど抵抗のないコンプライアント壁が望ましい場合がある。
球体または楕円体の容積占有サブコンポーネントは、いくつかの実施形態において好ましい。代替的に、容積占有サブコンポーネントは、穴が真ん中にある、ドーナツ形状になるように製作され、逆止弁と同様に、幽門括約筋の全部または一部を覆う配向を胃内でとるように加重され、整形され得る。次いで、容積占有サブコンポーネントの真ん中の穴は、胃の内容物が小腸に入る際の一時的通過部として働き、胃から出る食物の通過を制限し、胃内容排出を減じることによって満腹感を誘発することができる。容積占有サブコンポーネントは、胃内容排出が減じられるのが望まれる程度に従って異なるサイズのドーナツ穴を持つように製造され得る。容積占有サブコンポーネントの送達、膨張、および収縮は、上で説明されている方法のどれかによって遂行され得る。
いくつかの実施形態において、容積占有サブコンポーネント壁が高い強度と薄さの両方を有することが有利であり、これにより患者の食道を通るときにデバイスのコンパクトにされた容積を最小にできる。いくつかの実施形態において、容積占有サブコンポーネントの壁材料は、高弾性率値を容積占有サブコンポーネントに付与する二軸配向を持つように製造される。
一実施形態において、容積占有サブコンポーネントは、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン6、ナイロン12、またはポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの、重合物質を材料として作られる。容積占有サブコンポーネントは、熱可塑性物質などの、ガス障壁特性を修正する(高める、減じる、または時間の経過とともに変化させる)物質の1つまたは複数の層でコーティングされ得る。
好ましくは、ガス障壁材料は、容積占有サブコンポーネントを膨張させるために使用され得る二酸化炭素または他の流体に対する低い透過性を有する。障壁層は、ベース材料への良好な接着性を有しているべきである。好ましい障壁コーティング材料は、生体適合性ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サラン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、酸化ケイ素(SiOx)、アクリロニトリル共重合体、またはテレフタル酸およびイソフタル酸とエチレングリコールおよび少なくとも1つのジオールとの共重合体を含む。代替的ガス障壁材料は、ポリアミンポリエポキシドを含み得る。これらの材料は、通常、溶媒または水性ベースの熱硬化性組成物として入手され、また一般的に、プリフォーム上にスプレーコーティングされ、次いで、熱硬化されて、最終的な障壁コーティングを形成する。コーティングとして容積占有サブコンポーネントに塗布され得る代替的ガス障壁材料は、銀またはアルミニウムなどの金属を含む。容積占有サブコンポーネントのガス不透過性を改善するために使用され得る他の材料は、限定はしないが、たとえば、表1a〜bに列挙されているような、金または貴金属、サランでコーティングされたPET、コンフォーマルコーティング、および同様のものを含む。
いくつかの好ましい実施形態において、容積占有サブコンポーネントは、射出成形、吹き込み成形、または回転成形される。そのような成形の直後、または一定期間の硬化後のいずれかに、ガス障壁コーティングは、複合壁内にすでに塗布されていなければ塗布され得る。
別の実施形態では、胃内容積占有サブコンポーネントは、容積占有サブコンポーネントのガス不透過性を改善するために金属化表面としてマイラーポリエステルフィルムコーティング銀、アルミニウム、またはケルバライトを使用して形成される。
容積占有サブコンポーネントの壁が材料の複数の層からなる場合、いくつかの物質または方法を使用してそのような複数の層を接続するか、取り付けるか、または一緒に保持する必要があり得る。そのような物質は、溶媒またはエーテルベースの接着剤を含み得る。そのような複数の層は、ヒートシールで圧着され得る。そのような層が一緒に取り付けられて、(たとえば)容積占有サブコンポーネントにされる材料のシートを形成した後、追加の処置ステップをそのような材料に施して、(たとえば、ある程度の熱と圧力とを加えることによって)一緒に封止し容積占有サブコンポーネントにすることを可能にすることもできる。したがって、追加の層として容積占有サブコンポーネント内に封止するいくつかの材料を含めることが有利な場合がある。たとえば、有利な機械的およびガス不浸透特性を容積占有サブコンポーネントに付与する、PETとSiOx層との組合せからなる容積占有サブコンポーネントは、そのような容積占有サブコンポーネント内に封止可能なポリエチレンの層を含めることによって封止され得る。
好ましい実施形態のうちの別の実施形態によれば、容積占有サブコンポーネントおよび収縮コンポーネントの機能は、一部または全部のいずれかで組み合わされる。たとえば、容積占有サブコンポーネントは、所望の時間期間にわたって胃内で分解される物質から形成され得る。分解過程が容積占有サブコンポーネントの壁に裂け目を形成した後、容積占有サブコンポーネントは収縮し、分解を続け、消化管の残り部分を通過する。
好ましくは、完全に構成された容積占有サブコンポーネントを受け取り、内部空洞内の空気をすべて排出し、容積占有サブコンポーネントを折り畳むか、または圧縮して所望の送達状態にする自動化過程が採用される。たとえば、容積占有サブコンポーネントから空気を排出することは、真空または機械的圧力(たとえば、容積占有サブコンポーネントを圧延すること)によって作動させられ得る。いくつかの実施形態において、送達状態にあるときに容積占有サブコンポーネント内に作り出される折り目の数を最小限度に抑えることが望ましい。
別の実施形態では、容積占有サブコンポーネントの収縮は、容積占有サブコンポーネントの壁内の1つまたは複数の注入部位を通して達成され得る。たとえば、2つの自己封止注入部位は、容積占有サブコンポーネントの対向する側部で組み込まれ得る。容積占有サブコンポーネントは、容積占有サブコンポーネントから空気を排出するために2本の小ゲージ針を採用する固定具内に位置決めされ得る。
一実施形態において、自己封止注入部位は、容積占有サブコンポーネントの内部内に膨張サブコンポーネントの化学的な要素を挿入するためにさらに使用され得る。化学的な要素を容積占有サブコンポーネント内に注入した後、容積占有サブコンポーネントの排出を実行するために同じ針が使用され得る。
容積占有サブコンポーネントは、たとえば、負の真空圧力の下で、または正の外部圧力の下で、詰め込まれて送達状態にされることが望ましいものとしてよい。
容積占有サブコンポーネント壁の材料も、最初にパンクするか、または裂けた後、そのようなパンクまたは裂けの地点から比較的容易に裂けるように設計され得る。そのような特性は、たとえば、容積占有サブコンポーネントの収縮が、容積占有サブコンポーネント壁の裂けまたはパンクによって開始された場合に、そのような最初の裂けまたはパンクはその後範囲を広げ、収縮過程を高速化し、および/または最大化し得るので、有利であるものとしてよい。
容積占有サブコンポーネントは、その収縮に続いて身体から出るのを円滑にする潤滑物質によってもコーティングされ得る。可能なコーティングの例は、潤滑性および/または親水性の特性を持つ物質であるものとしてよく、これはグリセリン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ワセリン、アロエベラ、シリコンベースの材料(たとえば、Dow 360)、およびテトラフルオロエチレン(TFE)を含み得る。コーティングは、周囲または陽圧で行われ得る浸漬、スパッタリング、蒸着、または噴霧過程によって塗布され得る。
バルーン複合壁の材料は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許公開第2010−0100116−A1号において説明されているのと類似の構造および組成であってよい。これらの材料は、流体を、好ましくは、たとえば、N2、Ar、O2、CO2、もしくはこれらの混合物、または胃空間濃度をシミュレートする大気(N2、O2、Ar、CO2、Ne、CH4、He、Kr、H2、およびXeの混合物からなる)などの、圧縮または非圧縮ガス形態で収容することができる。いくつかの実施形態において、バルーンは、膨張してから最長6ヶ月まで、好ましくは少なくとも1から3ヶ月の間、流体(ガス)を保持し、許容可能な容積を維持することができる。特に好ましい充填ガスは、送達のため圧縮され得る無極性の巨大分子ガスを含む。
外側容器内に留置する前に、バルーンは収縮され、折り畳まれる。収縮状態の反転された構成において、バルーンは平たくなっており、反転された継ぎ目はバルーンの外周上に延在する。自己封止弁システムは、収縮したバルーンの中心の近くの内腔の内壁に貼り付けられ、内側容器は自己封止弁システムに隣接して位置決めされる。次いで、バルーンの壁が折り畳まれる。バルーン設計の一部として、自己封止弁システムは、それがバルーンを外側容器内に嵌合するのに必要な折り重ね回数(たとえば、二重または三重)を最小にするために「中心外れ」に留置され得る、また好ましくは留置されるような様式で製造される。たとえば、自己封止弁システムは、有利には、バルーンの中心から1/2r±1/4rのところに留置されるものとしてよく、ここにおいて、rは、バルーンの中心から出て隔壁を通る直線に沿ったバルーンの半径である。
[追跡および可視化サブコンポーネント]
本発明による追跡および可視化機能をデバイス内に実装することも有益であり得る。本発明のデバイスの非侵襲的性質により、医者は、膨張の前に、または治療の過程で、デバイスの配置および配向を決定するか、または確認することを望むことがある。
容積占有サブコンポーネントが折り目を付けられた、または折り畳まれた状態にあるときにX線写真撮影用マーカーが容積占有サブコンポーネントに塗布されるものとしてよく、これにより、容積占有サブコンポーネントが収縮状態にあるときに、マーカーは、可視化機器上に表示されると濃く見え、容積占有サブコンポーネントが収縮されたときに、マーカーは、可視化機器上に表示されるとあまり濃くないように見える。代替的に、マーカーは、容積占有サブコンポーネント内に、複数の位置のところで、塗布されるか、または組み込まれ、これにより、弁、ヘッド、または重りなどの、デバイスのさまざまなサブコンポーネントの識別および配置を円滑にすることができる。マーカーは、容積占有サブコンポーネントの表面上に、または容積占有サブコンポーネントを形成する材料の層の間に印刷されるか、または塗装され得る。代替的に、以下で説明されているような金属コーティングは、容積占有サブコンポーネントを識別し、および/または配置するためのマーカーとして使用され得る。容積占有サブコンポーネントを可視化するための金属コーティングは、銀、金、タンタル、または任意の貴金属を含み得る。代替的に、マーカーは、容積占有サブコンポーネントの全部または一部を覆うエラストマースリーブに塗布され得る。
別の実施形態では、容積占有サブコンポーネントは、容積占有サブコンポーネントの膨張後に機械的に変化するサブコンポーネントを組み込み、X線または他の可視化機器を使用して機械的変化が可視化され得る。たとえば、可視化マーカーを含む容積占有サブコンポーネントの機械的部分は、容積占有サブコンポーネント内の圧力の増加の後伸長することができる。
代替的に、マーカーは、容積占有サブコンポーネントが製作される際に使用される材料の層の間に配置された金属化メッシュを使用して形成され得る。埋め込まれたマーカーによって形成される1つまたは複数のパターンは、容積占有サブコンポーネントが膨張させられた展開状態にあるときに見える。
マーカー材料は、たとえば、MRI、CT、および超音波などの、さまざまな可視化技術を円滑にするため容積占有サブコンポーネント内に組み込まれ得ることが企図される。
容積占有サブコンポーネントは、容積占有サブコンポーネントの空洞が破られたことを指示するため収縮後に放出される染料またはマーカーも含み得る。そのような染料またはマーカーは、たとえば、容積占有サブコンポーネントが収縮を開始したという指標として患者の尿中に見えるものとしてよい。
さらなる実施形態において、マイクロチップおよび電子的モダリティを採用する他のコンポーネントが、デバイスを配置し、識別するために使用され得る。ペットの識別に利用されるものに似たマイクロチップは、デバイス特有の情報およびその近似的配置を伝達するために使用され得る。たとえば、ホイートストンまたは他のブリッジ回路がデバイスに組み込まれ、RF「ping and listen」技術と併せて、デバイスの近似的配置を決定し、デバイス特有の情報を測定し伝達するためにシステムの一部として使用され得る。そのようなデバイス特有の情報は、容積占有サブコンポーネントの膨張の程度を指示することができる、容積占有サブコンポーネントの内部圧力を含み得る。
さらなる実施形態において、機械的、化学的、視覚的、および他のセンサーは、デバイスおよび/または患者の内部環境に関係する情報を測定し、記録し、および/または伝送するためにデバイスの一部として含まれ得る。たとえば、デバイスは、カメラ、またはPillcamデバイスの他の撮像および伝送コンポーネントのうちのどれかを含み得る。追加の一例として、デバイスは、胃のpH、胃圧、ホルモンレベル、臓器の健康状態、および臓器の安全性に関係する情報を測定し、記録し、および/または伝送するセンサーを収容することができる。
[弁システム]
好ましい実施形態において、自己封止弁システムは、「万能」であるか、または嚥下可能カテーテルおよび医師介助カテーテルとの適合性を有するバルーンに(たとえば、その内面に)取り付けられる。弁システムは、針アセンブリを含む小型カテーテルを使用してバルーン膨張を可能にする働きをし、また、膨張が完了した後のカテーテルの脱着のための機構も備える。
図1A〜図1Dは、金属製同心シリンダー内に収納された自己封止隔壁を収容する自己封止弁システムの設計を表す図である。膨張可能構成において、自己封止弁システムは、好ましくは、弁の一部のみがバルーンの表面の外側にわずかに突き出て表面が滑らかになるようにバルーンの下側に接着される。膨張可能構成に対する弁システムは、自己膨張構成用に設計された同じ自己封止隔壁を利用することができる。隔壁は、好ましくは、20ショアAから60ショアDのデュロメータを有する材料からなる。隔壁は、好ましくは形状が円筒形である同心金属製保持構造体(図2A〜図2D)のより小さいシリンダー内に挿入されるか、または他の何らかの形で作り込まれる。より大きいシリンダー内のより小さいシリンダーは、カテーテル針スリーブ/針アセンブリと隔壁との整列を制御し、カテーテル針がバルーン材料を穿刺しないような堅い障壁(針停止機構)を構成し、また弁/隔壁が膨張とその後の針抜き取りの後に再封止するように圧縮を行う。
同心弁システムも、埋め込み時にX線不透過性を備えるものとしてよく、好ましくは、チタン、金、ステンレス鋼、MP35N(非磁性、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金)、または同様のものである。非金属製ポリマー材料、たとえば、アクリル、エポキシ、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、PEEK、ABS、またはPVCもしくはX線の下で見えるように製造された(たとえば、バリウムとともに埋め込まれた)熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性ポリウレタンも使用され得る。
隔壁は円錐形とすることができ、したがって、圧縮力は膨張後に自己封止するように最大化される。自己封止隔壁は、処理/コンパクト化および外側容器内への挿入のために空気がバルーンから排出されることを可能にし、膨張剤注射針(自己膨張構成)または膨張カテーテル針(膨張可能構成)による穿刺、次いで、その後の膨張剤注射針の抜き取りまたは膨張カテーテルの脱着および膨張過程におけるバルーンの外側のガス漏れを著しく制限するカテーテル針の抜き取りおよび針抜き取り/カテーテル脱着を可能にする。隔壁は、圧縮をもたらすために機械的嵌合機構を使用して弁内に挿入される。追加のリング(図3A〜図3C)は、内側シリンダーの遠位端に留置され、これにより、追加の圧縮を行い、隔壁材料が自己再封止するように事前装填されることを確実にすることができる。リングは、好ましくは本来は金属であるが、アクリル、エポキシ、または熱可塑性エラストマーもしくは熱可塑性ポリウレタンなどの非金属製ポリマー材料であってもよい。リング材料は、好ましくはシリンダーと同じ材料、チタンであるが、金、ステンレス鋼、MP35N、または同様のものであってもよい。
膨張可能構成において、同心弁ハウジングのより大きい外側シリンダー(図4A〜図4D)は、内側のシリンダーよりわずかに堅いデュロメータの材料(50ショアA以上)を含むが、好ましくはシリコーンでもある。より堅いデュロメータの材料を使用する目的は、膨張のため針スリーブに接続されたときに封止を確実にすることである。同心弁の外側リング内に配置されたシリコーンは、内面からバルーンに接着される。外側シリンダー全体が充填され、内側シリンダーの直径よりわずかに大きく、バルーンの外面に延在するこの同じ材料の小さい円形リップ部が用意される。リップ部は、鐘形針スリーブとの適合性を有し、印加される膨張圧力に耐えるように弁とカテーテルとの接続を高める封止を行い、またカテーテルの放出距離または取り付け力も増加する。このシリコーンリップ部は、好ましくは、バルーン表面が比較的滑らかなままであり、粘膜の摩耗または潰瘍を引き起こさないことを確実にするようにバルーン表面から2mmを超えて突き出ることをしない。これは膨張および脱着のためにカテーテルの針スリーブに対して圧縮力を加えるように設計されており、これにより、膨張カテーテルの針スリーブに接続されたときに、接続カップリングは、好ましくは、膨張時に35PSIの圧力に耐えることができる。次いで、カップリングを分離するために好ましくは40PSIより大きく、200PSIより小さい水圧を使用して、脱着時にシールが破られる。好ましくは同心弁と同じ材料で作られている追加の保持リング(図5A〜図5C)が、弁システムに備えられ、これにより、金属と弁のシリコーンとの間の封止を高め、適切な機械的嵌合を確実にする追加の機械的支持をもたらし、また(張力の増加を引き起こす)堅い(金属)弁システムからのシリコーン材料のずれを阻止することを意図されている。
膨張可能構成に対する弁構造体は、機械的嵌合機構を使用して、カテーテルによる膨張およびその後のカテーテルの脱着のための自己封止可能弁の機能を実現するが、プライマーおよび/または接着剤が、アセンブリの製作の際の追加の支持体を用意するために使用され得る。構成は、金属コンポーネントの表面を修正することによって修正され、これにより、くっつきやすく、または滑りやすくし、たとえば、接着しやすくするか、または接着しにくくし、所望の機械的嵌合/締まり嵌めをもたらすことができる。弁とカテーテルとの間の締まり嵌めは、膨張および/または脱着に対する圧力要求条件を変えるように修正され得る。追加のアセンブリは、機械的嵌合と引張強さとカテーテルの膨張および脱着時にアセンブリを維持するのに必要な力とを確実にする追加の支持リングが省かれ得るようにシリコーンで金属部分または同心システムをオーバーモールドすることを含み得る。
膨張可能構成における全弁寸法は、直径8フレンチ(2.7mm、0.105インチ)を超えない小型カテーテルシステムに嵌合するように設計される。嚥下を円滑にするため、全直径は、1インチ(2.54cm)を超えず、好ましくは、0.5インチ(1.27cm)未満である。追加の弁が加えられ得るが、収縮された/折り畳まれたバルーンの容積(およびしたがって外側容器寸法)をできる限り小さく維持するために単一の弁を採用することが一般的に好ましい。弁システムは、好ましくは、バルーンに取り付けられ、弁システムを外すために9lbs(40N)を超える剪断力が必要になるように圧着される。
自己膨張構成において、弁システムは、バルーンの壁内で開口部、オリフィス、または他の導管を使用せずにバルーンに(たとえば、その内面に)取り付けられ得る。弁システムは、20ショアAから60ショアDのデュロメータを持つ隔壁を利用することができる。弁は、より高いデュロメータ、たとえば、40ショアDから70ショアD以上を有する保持構造体内に挿入されるか、または他の何らかの形で作り込まれ得る。保持構造体は、シリコーン、ゴム、軟質プラスチック、またはアクリル、エポキシ、熱可塑性エラストマー、または熱可塑性ポリウレタンなどの好適な非金属製ポリマー材料から製造され得る。好ましくは、金属製または非金属製であるが、放射線不透過性(たとえば、バリウム)を有し、X線の下で見える、リングなどの構造体が、保持構造体内に埋め込まれ得る。異なるデュロメータの2つの構造体の機械的嵌合機構を使用することで、より大きい直径を持つより軟質のもの(隔壁)がきちんと挿入され、より高いデュロメータの構造体が、一度は開いたオリフィス内に圧縮力を発生させて、CO2保持を可能にし、CO2ガス漏れに対する感受性を下げることができる。X線不透過性に対する金属製リングも、隔壁にかかる圧縮力を維持するのを助ける。自己封止隔壁は、処理/コンパクト化および外側容器内への挿入のために空気がバルーンから排出されることを可能にし、また、膨張開始のために膨張剤が外側容器内に挿入されることも可能にする。追加の隔壁が必要ならば用意され得るが、収縮された/折り畳まれたバルーンの容積(およびしたがって外側カプセル)をできる限り小さく最小化するために単一の隔壁を採用することが一般的に好ましい。弁システムは、好ましくは、弁システムを外すために9lbs(40N)を超える剪断力が必要になるようにバルーンの内側に取り付けられる。自己封止弁システムのシリコーンヘッドおよびX線不透過リングは、くさび形の隔壁のように採用され得る。
自己膨張構成において、接種スペーサーは、好ましくは、組み込まれ、これにより、針を自己封止弁内に案内して液体活性化剤をバルーンの内腔内に注入し、針が別の場所で収縮された/折り畳まれたバルーンの壁を貫通しバルーンの内腔内の圧力が維持され得ないようにするのを防ぐために組み込まれる。接種スペーサーは、液体活性化剤が内側容器または折り畳まれたバルーン材料を貫通するのを防ぎ、それによって、活性化剤を適切な様式で集中させて上で説明されている基準に従ってCO2発生のための反応物質を適切に混合することも円滑にする。接種スペーサーは、一般的に、チューブまたはシリンダーの形態をとる。接種スペーサーは、好ましくは、接着剤または他の固定手段で内側容器および/または自己封止弁システムに取り付けられるが、いくつかの実施形態では、接種スペーサーは、「浮遊」しているものとしてよく、バルーンの壁の折り畳みまたは転がしによって適所に維持され得る。接種スペーサーは、外側容器の分離、腐食、分解、消化、および/または溶解の後に渡され得る好適な材料を備えることができるが、好ましい材料は、40以上の最低ショアDデュロメータを持つ非金属材料、金属材料、またはこれらの組合せを含む。カップ状の針停止部(接種スペーサー)は、好ましい実施形態において採用され得る。
[バルーン]
好ましい一実施形態において、自己膨張バルーンは、周囲360度完全に封止される。自己膨張構成において、針注射器による膨張剤を注入する場合、好ましくは、中心内腔に対する外部開口部またはオリフィスはない。膨張可能構成では、弁構造体(突き出ているか、陥凹しているか、またはバルーンの表面と同一平面にある)が、膨張流体を中心内腔に供給するために用意される。バルーンは、「非反転」、「反転」、または「重ね合わせ」構成をとり得る。「非反転」構成では、継ぎ目または溶接部および継ぎ目縁は、もしあれば、膨張されたバルーンの外側にある。「重ね合わせ」構成では、層は重ね合わされ、適宜、1つまたは複数の折り目が設けられ、溶接部、継ぎ目、接着剤、または同様のものを介して互いに固定され、その結果、滑らかな外面が形成される。「反転」構成では、バルーンは、膨張されたバルーンの内側に継ぎ目、溶接部、接着ビーズ、または同様のものがある滑らかな外面を有する。反転構成のバルーン、たとえば、外部継ぎ目縁のないバルーン(バルーンの縁と溶接部、継ぎ目、または側部を繋ぎ合わせる他の特徴部との間に壁材料がない)を作製するために、バルーンの2つの半分が何らかの方法で一緒に繋ぎ合わされる(たとえば、使用されるバルーン材料に基づき接着剤または熱または同様のものを使用して接着される)。バルーンの2つの半分のうちの一方は、2つの半分の接着の後にバルーンがそれ自体を通るように引っ張られ、バルーンの継ぎ目が内側に来るようにするための開口部を包含する。形成された開口部は、好ましくは、円形であるが、類似の形状であってよく、開口部の直径は、好ましくは、3.8cm以下であるが、いくつかの実施形態では、より大きい直径も許容可能であるものとしてよい。材料のパッチが接着され(使用される材料に基づき接着剤で、熱溶接で、または同様の手段で)、元のバルーンの半分の開口部を覆う。その後パッチをあてがわれるこうして形成された反転穴は、膨張時に加えられる力がバルーン内の流体を維持するために使用される材料を損なわない程度に十分に小さい。最終アセンブリ内の膨張されたバルーンの好ましい形状は、楕円体、好ましくは回転楕円体または偏球体であり、公称半径は1インチ(2.5cm)から3インチ(7.6cm)であり、公称高さは0.25インチ(0.6cm)から3インチ(7.6cm)であり、容積は90cm3から350cm3(37℃、内部公称圧力および/または完全膨張)であり、内部公称圧力(37℃)は0psi(0Pa)から15psi(103421Pa)であり、重量は15g未満である。自己膨張バルーンは、CO2で自己膨張するように構成され、胃内に留まるときに少なくとも25日間、好ましくは少なくとも90日間、元の公称容積の75%超を保持するように構成される。膨張可能バルーンは、事前選択された時間期間(容積増加期間、容積減少期間、または定常状態容積期間のうちの1つまたは複数を含む)にわたる事前選択された容積プロフィールを送達するようにガスの適切な混合物で膨張させるように構成される。
最終アセンブリ内の膨張されたバルーンの好ましい形状は、楕円体、好ましくは回転楕円体または偏球体であり、公称半径は1インチ(2.5cm)から3インチ(7.6cm)であり、公称高さは0.25インチ(0.6cm)から3インチ(7.6cm)であり、容積は90cm3から350cm3(37℃、内部公称圧力および/または完全膨張)であり、内部公称圧力(37℃)は0psi(0Pa)から15psi(103421Pa)であり、重量は15g未満である。デバイスの耐用寿命において安定した容積が好ましいいくつかの実施形態では、バルーンは、元の公称容積の少なくとも90%から110%の容積を維持するように構成される。他の実施形態では、バルーンは、その耐用寿命にわたって容積を増加および/または減少させることが望ましい(たとえば、直線的な様式、段階的な様式、または別の非直線的な様式で)。
[内側容器]
自己膨張バルーンの内側容器は、バルーンの内腔内に収容され、バルーンの自己膨張のためにCO2発生器を収容する。CO2発生器は、容器内に収納されている膨張剤混合物を備える。好ましくは、使用される全膨張剤の約10%から約80%は粉末にしたクエン酸を備え、残りは粉末重炭酸ナトリウムを備える。CO2発生反応の完了後に、バルーンは上で説明されている公称膨張圧力で膨張を達成するように十分な膨張剤が用意される。好ましくは、膨張させられるバルーンのサイズに応じて、合計約0.28から4グラムの膨張剤混合物が採用され、好ましくは、最大1.15グラムの重炭酸ナトリウムが使用され、残りは粉末にしたクエン酸であり、公称圧力で300cm3のCO2を発生する。
[膨張アセンブリ]
小型カテーテルによって手動で膨張させられる胃内バルーンシステムは、いくつかの実施形態において採用され得る。システムは、好ましくは、「嚥下可能である」ままである。送達のためのバルーンは、コンパクトな状態にあり、好ましくは直径が4フレンチ(1.35mm)以下の、可撓性小型カテーテルに取り付けられる。カテーテルは、カプセル化されたバルーンとともに送達するためにカテーテルの一部が、束ねられるか、またはそれ自体の上に巻かれ、患者がカテーテルとバルーンの両方を嚥下して胃に送達できるように設計される。バルーンは、胃腔に達した後にカテーテルを取り付け、バルーンを膨張させるための自己封止可能弁システムを収容することができる。カテーテルの近位端は、患者の口のすぐ外側に残され、好ましい膨張流体(ガスまたは液体)を収納することができる膨張流体容器に接続することを可能にし得る。膨張の後、カテーテルは、バルーン弁から脱着され、口を通して引き戻され得る。この方法は、胃内バルーンがその嚥下可能性を維持することを可能にするが、カテーテルを介した流体源または流体源の混合による膨張を可能にする。代替的に、より硬質の押し込み可能なシステムが採用されるものとしてよく、ここにおいて、バルーン弁は、嚥下可能な可撓性カテーテルまたは押し込み可能な硬質のカテーテルアセンブリのいずれかに適合する。
本明細書で説明されている膨張カテーテル(嚥下可能または投与者介助押し込み可能)は、バルーンデバイスを経口で、追加のツールなしで、送達するように構成される。投与手技は、意識下鎮静もしくは他の類似の鎮静手技を必要とすること、または送達のための内視鏡ツールを必要とすることはない。しかし、デバイスの他のバージョンが、可視化のための内視鏡ツールと併せて使用され得るか、またはバルーンデバイスが経鼻的にも送達され得るように適合され得る。
動作時に、膨張カテーテルの近位端は、膨張源または切断源との接続を可能にする弁またはコネクタに接続され、これは好ましくはコネクタもしくは膨張弁である(それぞれ図6および図7)。コネクタ材料は、ポリカーボネートまたは同様のものからなるものとしてよく、単一またはマルチルーメンカテーテルチューブに接続することができる。膨張カテーテルの遠位端は、コンパクトにされゼラチンカプセル内に収納されるか、またはゼラチンバンドを使用してコンパクトにされたバルーンの万能バルーン弁に接続される(図8A〜図8B)。カテーテルチューブは、好ましくは直径1フレンチ(0.33mm)から6フレンチ(2mm)である。カテーテルは、好ましくは、口を超えて広がるように十分に長く(膨張コネクタまたは弁に接続される)、食道を横断して少なくとも胃の真ん中まで−約50〜60cm−下る。測定の刻みが、チュービングまたはカテーテルに加えられ、これにより、チューブの端部が配置される場所を識別するのを補助する。膨張のタイミングは、2つの解剖学的源の間の異なるpHに基づき食道(pH5〜7)と胃(pH1〜4)との間の配置の差を決定するpHセンサーをチューブに収容させることによって開始され得るか、または収容されている空間(すなわち、食道)と制約の少ない空間(すなわち、胃)との予想される圧力から導出されるか、または検証され得る。チューブは、嚥下に対するタイミングを考慮して、体温に合わせることができる伝達を有するニチノールも収容することができる。チューブは、単一のカテーテル上で一連のカプセル化またはコンパクトにされたバルーンにも接続され得る。各々、個別に膨張され、解放され得る。解放されるバルーンの数は、患者のニーズおよび所望の体重減少に合わせて調整可能であり得る。
いくつかの実施形態において、遠位端にバルーンのあるカテーテル(空気で膨張)が、バルーンを適所に一時的にしっかり保持するために採用される。小さい収縮されたバルーンカテーテルは、胃バルーン(たとえば、「バルーン内のバルーン」)のヘッドを通して位置決めされ、次いで、送達時に空気で膨張させられ、カプセルおよびバルーンを適所にしっかり保持し、カテーテルからバルーンが自然に脱着するのを防ぐことができる。このバルーンカテーテルは、より大きい胃バルーンを(ガスまたは液体によって)膨張させることもできる二重流路を組み込むことができる。胃バルーンが、十分に膨張させられた後、小さい空気バルーンカテーテルが、収縮されて弁から(弁を自己封止させることができる)、また身体から引き出され、胃内に膨張させられた胃バルーンを残すことができる。
他の実施形態では、カテーテルは、嚥下性を高めるためにコーティングされ得るか、または嚥下を容易にするために、香味料添加バージョンおよび/または1つまたは複数の局所麻酔薬または鎮痛薬を含浸されるか、またはそれらで処置される。そのような麻酔薬は、アルチカイン、リドカイン、およびトリメカインなどの、アミノアミド基の麻酔薬と、ベンゾカイン、プロカイン、およびテトラカインなどの、アミノエステル基の麻酔薬とを含み得る。このような鎮痛薬は、クロラセプティックを含み得る。
[二重内腔カテーテル]
好ましい一実施形態において、嚥下可能な二重内腔カテーテルが実現される。二重内腔カテーテル(図9A〜図9C)は、5フレンチ(1.67mm)以下、好ましくは4フレンチ(1.35mm)以下の完成アセンブリの直径を持つ2つの内腔を有する。内側内腔は、好ましくは、3フレンチ(1mm)以下であり、膨張チューブとして機能し、外側内腔は、好ましくは、5フレンチ(1.67mm)以下であり、切断チューブとして機能する。カテーテルアセンブリは、以下でさらに詳しく説明されている針アセンブリに、遠位端のところで、また二重ポート膨張コネクタに、近位端のところで接続される。カテーテルアセンブリが採用するチュービングは、嚥下可能なように可撓性であり、キンクができにくく、体温に耐えることができ、耐酸性を有し、チューブが消化器官を横断して胃腔内に入るときに生体適合性がある。チューブ材料は、好ましくは、軟質で可撓性を有し、中程度の引張強さを有し、印加される圧力を扱える著しいフープ強度を有する。内腔は、好ましくは丸く、同軸であり、柔軟性をもたらすように浮遊する。二重内腔アセンブリも、好ましくは、粘着剤または接着剤を必要としない。代替的内腔構成は、2つのD内腔またはD内腔と丸形内腔との組合せを含むものとしてよく、最終的なカテーテルアセンブリのより剛性の高い構成で使用され得る。チュービングに対する好ましい材料は、PEBAX(登録商標)などの耐熱性ポリエチレンチュービングまたはPELLETHANE(商標)、PEEK、またはナイロンなどの耐熱性ポリウレタンチュービングを含む。チュービングは、また、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−アスパラギン酸(PLAA)、ポリ乳酸/グリコール酸(PLG)、ポリカプロラクトン(PCL)、DL−ラクチド−co−ε−カプロラクトン(DL−PLCL)、または同様のものなどの生体吸収性材料から製造されるものとしてよく、ここにおいて、チューブは、膨張および脱着の後解放され、通常どおり嚥下され得る。
カテーテルアセンブリの遠位端で、内腔または膨張チューブは、好ましくは外側容器としてのゼラチンカプセルの内側に収納されているバルーンの頂点の1つに配置されている、パール自己封止弁をパンクさせるために使用される針アセンブリに取り付けられている。外側内腔は、針スリーブに接続され、カテーテルアセンブリとバルーンとの間に接続力を与え、好ましくは最大10psiまでの、また好ましくはアセンブリを一緒に維持しているときに35PSI以下の開始膨張圧力に耐える引張強さをもたらす。針スリーブは、バルーン弁アセンブリと機械的に結合するように構成される。針は、好ましくは、金属、好ましくはステンレス鋼、または同様のものから作られ、膨張タイミングを目的として最大サイズは25ゲージ(0.455mm)、好ましくは30ゲージ(0.255mm)以上である。針スリーブは、好ましくは、ナイロンまたは同様のものなどの軟質材料であるか、またはポリカーボネート、ポリエチレン、PEEK、ABS、またはPVCであってもよい。針スリーブは、針をその全長にわたって覆い、これにより、身体が針から保護され、針は、バルーン隔壁のみを穿刺することができる。好ましくは、針スリーブは、同一平面上にあるか、または針長さよりわずかに長く外に広がる。針は、嚥下前にバルーン隔壁内に挿入され、バルーン弁のシリコーン領域に結合されたときに約0.5lbの保持力を維持する。針スリーブは、弁のシリコーン領域内に挿入されたときにロックおよびキーの機構が生じてアセンブリの引張り強さを増加させ、膨張に対する封止を高めるように、好ましくはわずかに鐘形をしているか(図10A〜図10D)、または円形のレリーフもしくはリップ部を収容する。
近位端では、カテーテルアセンブリは、好ましくはポリカーボネートから作られたYアダプタアセンブリに接続される。yアダプタは、膨張ガスおよび接続流体がカテーテルアセンブリに適切に接続され、正しい内腔を下って移動するように「キー溝」を付けられる。
膨張の前に、液体を使用する切断内腔の呼び水が採用され得る。たとえば、外側内腔は、バルーン膨張の前に2cm3の水、食塩液、DI水、または同様のもので最初にフラッシングされる。その後、膨張源容器が、内側内腔に至るコネクタに取り付けられる。膨張源容器は、理想気体の法則および圧力減衰モデルの前提条件を基に動作する。与えられた圧縮ガス処方に対して、デバイスは、結果として生じるバルーンの最終圧力より高い開始圧力がバルーンを膨張させるために使用されるように平衡するように設計される。開始圧力および容積は、選択されたガス処方、さらにはカテーテルの長さと開始温度(典型的には周囲温度)と終了温度(典型的には体温)とに依存する。
膨張後、バルーンは、水圧を使用してカテーテルアセンブリから脱着される。水、DI水、または好ましくは食塩液を充填された注射器が、Yアセンブリの雌端部に取り付けられる。注射器は、2cm3の液体を収容し、注射器プランジャが押し込まれたときに、針がバルーン弁から放出される十分な水圧が加えられる。
[単一内腔カテーテル]
膨張カテーテルの直径をさらに減じ、これによって、バルーンのカプセルおよびカテーテルの嚥下可能性快適さを高めるために、直径3フレンチ(1.0mm)(0.033インチ)以下の単一の内腔カテーテル(図11A〜図11C)が採用され得る。
針/針スリーブアセンブリは、本明細書で説明されている二重内腔カテーテルと設計面で類似している。しかし、単一内腔システムを使用した場合、カテーテル内腔の遠位端は、針スリーブのみに接続し、第2のカテーテルは内側にない。その代わり、針ハブに取り付けられた単一のネジ山は、同軸上でカテーテルの長さにわたって走り、脱着および全体的な柔軟性に対する引張強さを補助する。
針スリーブは、弁のシリコーンヘッド内に挿入されたときにロックおよびキーの機構が生じてアセンブリの引張り強さを増加させ、膨張に対する封止を高めるように、わずかに鐘形をしているか、または円形のレリーフもしくはリップ部を収容し、これが単一の内腔アセンブリであるので、リップ部は、弁から針を取り出すのに必要な力を増加させ、したがって、これは膨張過程で偶然に生じることはない。
カテーテルの近位端は、膨張弁(図7)、好ましくは三方弁、またはバルーンの膨張および脱着のため排除の方法を使用することを可能にする弁に接続される。カテーテルの遠位端は、ナイロンまたは他の類似の源から作られる、針スリーブを収容する。針は、金属製であり、好ましくはステンレス鋼製である。
カテーテルアセンブリが採用するチュービングは、嚥下可能なように可撓性を有し、キンクができにくく、体温に耐えることができ、耐酸性を有し、チューブが消化器官を横断して胃腔内に入るときに生体適合性がある。チューブ材料は、好ましくは、軟質で可撓性を有し、ネッキングまたはバックリングまたはキンキングに耐性を示す。単一内腔システムでは、カテーテルチュービングは、好ましくは、PEBAX(登録商標)またはPELLETHANE(登録商標)(エーテルベースのポリウレタンエラストマー)から作られるが、PLA、PLAA、PLG、PCL、DL−PLCL、または同様のものなどの生体吸収性材料も備えることができ、ここにおいて、チューブは、膨張および脱着の後解放され、通常どおり嚥下され得る。針に取り付けられているカテーテルチュービングの内側の糸のようなワイヤ(図11B)は、好ましくは、ナイロン単繊維であるが、ケルバーまたはニチノールワイヤまたは他の好適な材料も使用され得る。
バルーンを膨張させるために、カテーテルの遠位端は、バルーンカプセルを取り付けられ、そこで、針が自己封止可能弁を通して突き出る(図11C)。容器が嚥下され、膨張カテーテルの一部が、口の外に出たままになる。膨張源容器は、膨張弁の近位端に接続され、そこで、膨張ガスのポートが、他のポートを除外することによって選択される。膨張流体(好ましくは、圧縮された窒素ガスまたはガスの混合物)は、単一のカテーテル内腔を下って移動し、それによって、膨張ガスは最小抵抗の経路、またはより具体的に、針空洞を通り、バルーン内に入る経路を選択する。バルーンは、好ましくは3分以内に膨張される。
バルーン弁から針を脱着し、抜き取るために、2cm3もしくは他の好適な体積の水または他の液体が高圧下でカテーテル内に注入される。水は、高い表面張力と粘度とを有するので、これは、針経路を閉塞し、圧力が外側の針スリーブに伝達され、それによって、針スリーブとバルーン弁との間の嵌合を破る。
バルーンの内側に、水または酸または代替的液体などの、物質を入れることが望ましい場合、これは、より低い圧力を使用して液体を注入することによって行われ得る。
[小型剛体膨張カテーテル]
いくつかの実施形態において、剛体膨張カテーテルが採用され、これは経口的にまたは経鼻的に留置され得る。このシステムは、直径1フレンチ(0.33mm)から10フレンチ(3.3mm)、好ましくは8フレンチ(2.7mm)であってよい。押し込み性を高めるために、より大きい直径が典型的には好ましく、壁厚さも押し込み性とキンク耐性に寄与する。チューブの長さは、約50〜60cmであるものとしてよい。上で説明されているように、測定の刻みが、チュービングに加えられ、これにより、チューブの端部がどこに配置されるかを識別するか、またはカテーテル上のpHまたは圧力センサーが、バルーンの配置を検出するために採用され得る。
膨張/脱着のためのこのシステムは、上で説明されている二重内腔システムに類似しているが、より大きい直径のチューブを受け入れるようにより大きい針スリーブを有する(図12A〜図12D)。内腔内に使用され得る材料は、たとえば、他の内腔用に延伸ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)と、内側内腔用にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。また押し込み性を高めるために、張力緩和デバイスが遠位端と近位端とに加えられ得る。カテーテルが喉頭をバイパスし、続いて食道内に入るのを確実にするため、遠位端のところに、たとえば、1から8インチ、好ましくは6インチの張力緩和部を有することが特に好ましい。近位端も張力緩和部を有することができ、たとえば、コネクタの嵌合を確実にすることができる。張力緩和部に対する好ましい材料は、ポリオレフィンである。膨張/脱着のための方法は、二重内腔構成と同じ方法であり、そこでは、外側内腔は針スリーブに接続し、内側内腔は針に接続する。剛性部材は、正しい量の柔軟性と押し込み性とをもたらしデバイスを患者体内に適切に留置するため、カテーテルシャフトの長さに沿って戦略的に留置される。手技の一部として、患者は、食道組織を広げてデバイスを滑らかに降下させるために水または他の好適な液体を嚥下することができる。患者は、また、領域の感覚を失わせ、咽頭反射を弱めるために喉の奥に麻酔薬を投与され得る。
チューブは、また、最大1000cm3以上の合計体積が、必要に応じて投与されるように単一のカテーテル上の一連のカプセル化されるか、またはコンパクトにされたバルーンに接続され得る。各々、個別に膨張され、解放され得る。解放されるバルーンの数は、患者のニーズおよび所望の体重減少に合わせて調整可能であり得る。
それに加えて、カテーテルは、血管形成的に称される「オーバーザワイヤ」または高速交換カテーテルにおいて使用されるバルーンカテーテルに類似の胃内バルーンを投与するために使用され得る(図13)。この場合、患者は、カテーテルを嚥下しようとするが失敗し、したがって剛体カテーテル−または医者介助カテーテル−は、可撓性カテーテルの上でスライドし、バルーンは、医者介助カテーテルと同じ様式で押し下げられ得る。さまざまな程度の柔軟性をもたらすために異なる材料が使用され得るか、または剛性の程度を変えるために長さにわたって異なる直径を有するように製造される1つの材料が使用され得る。
[膨張流体容器]
膨張流体容器は、バルーンの内側に留置された流体の量または体積を制御するために採用される。膨張流体容器は、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)などのポリマー材料、スズ塗装鋼板、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、または他の好適な材料から作られたキャニスターの形態をとり得る。容器は、注射器形態もとり得る。採用される材料は、流体を、好ましくは、ガス形態、たとえば、圧縮もしくは非圧縮N2、Ar、O2、CO2、もしくはこれらの混合物、または圧縮または非圧縮大気(N2、O2、Ar、CO2、Ne、CH4、He、Kr、H2、およびXeの混合物)で収容することができる。バルーンの複合壁材料およびそれぞれの拡散勾配およびガス透過性特性は、胃内バルーンの膨張のための流体を選択するのに使用される。膨張流体容器材料は、膨張カテーテルのコネクタまたは弁に接続される前に流体の拡散または漏出がないことを確実にするように選択される。膨張流体容器システム(図14A〜図14C)は、カテーテルおよび圧力計(図14C)へのコネクタ(図14B)を含む。膨張流体容器は、好適な材料、たとえば、ステンレス鋼から製造され得る(図15)。また、膨張が成功したかどうか、またはバルーンがシステム内のエラーにより脱着されるべきかを医療専門家に通知するスマートチップを収容することもできる。
いくつかの実施形態では、たとえば、図16Aおよび図16Bにおいて、膨張流体容器は、キャニスターまたは容器(可撓性を有する、または剛体の)、圧搾可能な袋、コンプライアントバルーン様チューブ、または同様のものの形態をとる。上で説明されている他の実施形態と同様に、キャニスターまたは容器は、ステンレス鋼、純アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、または他の好適な障壁材料から形成された壁を有する。壁は、内側貯槽または空洞を囲み、画成する。キャニスターは、ガスを供給するように送達システムを活性化することを可能にするアクチュエータと、弁コンポーネントを配置構成に保持するように構成された弁カップと、バネと、アクチュエータとバネとを接続するステムと、弁棒の周りの開口部を封止するステムガスケットと、弁から缶の底部に延在し、圧力下にあるガスをキャニスターから流れ出るのを可能にするチューブまたはストローと、バネを保持し、チューブまたはストローを弁アセンブリに接続するハウジングとを備え得る。開口は、典型的には、壁の1つの中に配設され、内側貯槽への開口部を構成する。キャニスターは、開口を封止して流体が貯蔵中に内側貯槽から漏れるのを防ぐように構成されたキャップ(図16A)を備える。キャップが取り外されると、ストローが見える状態になる(図16B)。ストローの一部がキャニスターから外に突き出て、ストローの残り部分は、開口を通り、内側貯槽内に貫入する。ストローは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、または他の好適なポリマー材料から形成され得る。いくつかの実施形態のキャニスターは、低圧勾配流体経路がバルーンの方へ開いたときにストローを介して内側貯槽から膨張流体を放出するように構成される。
いくつかの実施形態では、ガスの知られている内圧または量を有する膨張流体容器を使用して胃内バルーンを膨張させることが望ましい。たとえば、いくつかの実施形態では、たとえば、50cm3以下から400cm3以上、または100cm3から200cm3または300cm3、または125cm3から175cm3、または約150cm3の容積を有するように構成された膨張流体容器で開始することが望ましい。他の実施形態では、ガスの他の体積が選択され得る。いくつかの実施形態では、膨張流体容器は、たとえば、手技の前に膨張流体容器を圧縮ガスのタンクに接続することと、膨張流体容器を所望の体積または圧力に達するまで充填することとによって手技の部位で充填される。圧力は、圧力計を使用して監視され得る。他の実施形態では、膨張流体容器は、所望の量の流体を事前充填して用意される。そのような実施形態では、所望の体積のガスを有する膨張流体容器を用意するために、場所の高度(および結果として表れる大気圧)が考慮されるべきである。膨張流体容器は、各々が手直しされる高度範囲を示す異なるサイズ、色、または他の明確に区別できるマーキングで設計され得る。
バルーンの「嚥下可能性」を維持し、手技の実施中の患者の快適さを確実にするために、カテーテルが口/食道内に留置される時間の量を最小にすることが好ましい。膨張のタイミングは、時間を適切に短縮するように選択され得る。外側容器キャニスターアセンブリは、嚥下された後、胃に到達するまで約3から120秒かかる。胃の中に入った後、膨張流体容器は、カテーテルシステムの弁またはポートに取り付けられ得る。膨張タイミングは、カテーテルの長さと、カテーテルチューブの直径と、開始温度と、開始圧力とを選択することによって制御され得る。窒素に対する理想気体の法則と、ボイルの法則(P1V1=P2V2)とを使用することで、開始体積/圧力の量が導出されるものとしてよく、そこで、開始圧力について、体温における最終目標圧力を考慮する。5分未満、および好ましくは2〜3分の嚥下の後、バルーンの脱着およびカテーテルの引き抜きの前の、膨張時間を有することが望ましい。バルーンの膨張(好ましくは、3分未満)を導出するために使用される入力は、膨張容器容積と、膨張流体の種類(好ましくは、圧縮ガスまたは圧縮ガス混合物)と、開始圧力と、カテーテルの長さおよび直径と、バルーンの所望の最終容積および圧力とを含む。したがって、直径の差により、より小さい直径1フレンチまたは2フレンチのカテーテルシステムは、より大きい直径4または5フレンチのカテーテルと同じ時間枠内で同じ目標バルーン容積および圧力を達成するのにより低い開始圧力を必要とするが、ただし、同じ圧縮ガス処方の使用を仮定する。一般に、同じ流量/体積でより低い圧力から開始することは、膨張時間を増加させる可能性があることが理解される。
膨張源容器は、圧力減衰システムに基づきフィードバックをエンドユーザに提供することができる。バルーンが適切に膨張されているかどうかを示す予想される開始圧力および予想される終了圧力がある場合、内視鏡可視化は不要である(図17を参照)。図17に示されている予想される圧力出力の各シナリオは、偽陽性の可能性を減じるためにそれに関するそれ自体の公差を有することができ、膨張流体容器は、バルーンの膨張および脱着の状況に関するこれらの公差に基づくフィードバックを提供することができる。膨張容器は、デバイス配置を決定するために解放され、次いで、バルーンを膨張させることを意図されている第2のより大きいボーラスが続く、圧力の追加の低い体積ボーラスを収容する。ガス放出は、検出されることが意図されている事象に基づき1、2、3、または複数のボーラスで実行されることもあり得る。これは、理想気体の法則に基づき導出され、そこでは、バルーンの固定された容積に基づく予想された終了圧力がある。圧力が高いままであり、予想されたとおりに減衰しない場合、これは、システム内に障害があることを示すものとしてよい(たとえば、バルーン容器が溶解しなかった、バルーンが、たとえば、カテーテルシステムにおいてチューブのキンクまたは他の障害があるので、食道内に拡張している)。たとえば、窒素のみを膨張流体として使用して減衰を成功させるために、開始圧力を22〜30PSIとして、ナイロンベースの材料に対してバルーンを250cm3および1〜2.5psi(0.120kg/cm2)に膨張させる。成功したバルーン膨張を示すために、視覚的、聴覚的、または触覚的通知の少なくとも1つを提供するか、または他の何らかの形で膨張が成功したかどうか、もしくは圧力曲線と所定の圧力公差および予想される膨張タイミングのセットに基づきシステム内にエラーがあるかどうかの通知を医療専門家または投与者に伝送するマスチップが膨張源容器に追加され得る。
代替的に、バルーンは、バネ機構、バルーン内バルーン機構、または他の圧力源を使用することによって開始圧力に基づき充填され得る。これらの機構は、結果として潜在的に、予測可能な/一貫した圧力減衰曲線を示し、ここでもまた、エンドユーザへのフィードバックに関して随伴する、所定の公差を有し得る。図18は、圧力源のこれらの方法に対する予想される減衰曲線を示し、ここでもまた、エンドユーザへのフィードバックに関して随伴する、所定の公差を有するであろう。
[膨張流体分注器]
いくつかの実施形態では、図16Aおよび図16Bのキャニスターなどの、キャニスターは、膨張流体分注器に結合され、それによって、膨張流体を胃内バルーンまたは他の膨張可能胃内デバイスに送達する。そのような膨張流体分注器の1つは、図19Aおよび図19Bにおいて示されている。膨張流体分注器は、キャニスターに結合するように構成されたハウジングを含む。いくつかの実施形態は、セキュアメントラッチ(securement latch)、キャニスターを受け入れるように適合された受入空間、ネジ山付き係合特徴部、および/またはハウジングをエアロゾルキャニスターに結合して固定するように構成された他の特徴部を有する。
ハウジングは、エアロゾルキャニスターがハウジング内の固定位置にあるときにエアロゾルキャニスターのストローと接触するように位置決めされたバネをも備え得る。そのような実施形態では、キャニスターが固定位置に移動させられるときに、バネがキャニスターの方向に力をストローに印加して、予備的量の膨張流体がキャニスターから放出されることを引き起こす。いくつかの実施形態では、予備的量の膨張流体の放出は、エアロゾルキャニスター内の膨張流体を所望の開始体積または圧力まで下げるように設計されている。いくつかの実施形態では、バネの材料、サイズ、および強度は、バネによって加えられる力の量、および放出される膨張流体の結果としての予備的量が予め決定されるように選択される。バネの材料、サイズ、および強度は、膨張流体分注器が使用される場所の高度および平均大気圧に従って選択され得る。この様式で、膨張流体分注器は、特定の領域または高度範囲内での使用に合わせて較正され、標準サイズおよび充填体積が配置に関係なく使用され得る。
ハウジングは、少なくとも部分的にハウジングを貫通する、流路を画成する内壁も有することができる。そのような実施形態では、流路の近位入口は、キャニスターがハウジングに結合され固定されるときにキャニスターのストローの周りに位置決めされる。バネは、もし存在すれば、近位入口内に配設され得る。流路の遠位出口は、膨張流体分注器の遠位端に位置決めされ、カテーテルまたは他の可撓性チュービングが接続され得るポートとして構成される。さまざまな実施形態において、弁は、近位入口と遠位出口との間流路内に配設され、閉鎖位置と開放位置との間で遷移するように構成される。閉鎖位置では、弁は近位入口と遠位出口との間の流体の流れを遮断する。開放位置では、流体の流れは遮断されない。したがって、開放位置では、膨張流体は、エアロゾルキャニスターの内側貯槽から、キャニスターのストローと膨張流体分注器とを通り、遠位出口からカテーテル、胃内デバイス、および/またはポートに結合されている他のコンポーネントに流出し得る。
いくつかの実施形態では、膨張流体分注器は、ハウジングの外面上に配設され、弁に機械的に結合されているレバーを備える。医療専門家は、レバーを第1の位置と第2の位置との間で動かして、弁を開放位置と閉鎖位置との間で遷移させることができる。他の実施形態では、膨張流体分注器は、ハウジングの外面上に配設され、弁に電気的に結合されているボタン、キー、トグル、またはスイッチを備えることができる。医療専門家によって操作されたときに、ボタン、キー、トグル、またはスイッチは、開閉するための電気信号を弁に送信することができる。さらに他の実施形態では、ユーザによる操作に合わせて構成された好適な弁制御機構が、膨張流体分注器内に存在し得る。
いくつかの実施形態では、圧力計が、ハウジングに結合され、弁と遠位出口との間の流路内のケージ圧を検出するように構成されている。このようないくつかの実施形態では、圧力計は、デジタルディスプレイを備え、他の実施形態では、圧力計は、カードおよび機械的ダイアル式インジケータを有する。
いくつかの実施形態では、膨張流体分注器およびキャニスター(または他の膨張流体容器)は、膨張流体を膨張可能胃内デバイスに送達するために使用されるより大きい膨張システムの一部をなす。膨張システムの一例は、図20に提示されている。このようないくつかの実施形態では、可撓性チュービングおよび実質的にカプセル化されている胃内デバイスは、膨張流体分注器と、膨張流体容器とに結合される。可撓性チュービングは、カテーテル、合成ゴム延長チューブ、または内側内腔を有する他の曲げられる、細長いデバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、可撓性チュービングは、延長チューブと三方弁を有する栓のスポークを介して接続されるカテーテルの両方を備える。注射器は、三方弁の第3のスポークに接続され得る。システムのこれらのコンポーネントの各々については、上で詳しく説明されている。
膨張可能胃内デバイスを患者の胃の中に送達する一方法において、膨張流体分注器は、最初に、膨張流体容器に結合される。いくつかの実施形態では、この結合は、開放位置にある分注器の弁とともに実行される。膨張流体分注器は、温度、高度、開始圧力を考慮する気圧補償弁を収容するものとしてよく、ここで、現在の高度設定に基づき、バルーンをその目標圧力(一定であるが、1〜5psiの範囲とすることができる)まで膨張させるために必要な最終開始ガスモル数を調整する。この補償は、結合時に行われ、製造設定の環境およびデバイスが利用されている現在の環境(たとえば、高度)の差に基づき膨張流体容器が流路の近位入口内に位置決めされたバネと接触し、そのバネの力を受けるときに予備的量の膨張流体が流路の遠位出口から排出されることを引き起こし得る。圧力計を有するいくつかの実施形態において、弁が開いているときに、膨張流体容器の圧力が監視され得る。いくつかの実施形態では、膨張流体が膨張流体容器から、容器内の圧力が250kPa、300kPa、またはこれらの間の任意の値に達するまで排出されることが望ましい。他の実施形態では、膨張流体容器内の望ましい圧力は、257から297kPaの間にあり、ただし、これは前記値を含む。膨張流体容器が分注器に結合されて固定され、所望の圧力に達した後、弁は閉じられ得る。
いくつかの実施形態では、延長チューブ、栓、カテーテル、注射器、および少なくとも部分的にカプセル化された胃内デバイスは、互いに取り付けられ、延長チューブの近位端は、分注器の遠位端上のポートに取り付けられる。栓の三方弁が延長チューブとカテーテルとの間の流体接続を可能にする位置にある場合、流体は、分注器(分注器の弁から下流にある)の流路、延長チューブ、カテーテル、およびカプセル化された胃内デバイスの間を、平衡状態に達するまで流れる。圧力計の読み取り値は、一般的に、胃内デバイス内の圧力を反映するべきである。
膨張可能胃内デバイスを患者の胃の中に送達するいくつかの方法において、患者は、実質的にカプセル化された胃内デバイスを嚥下してそれを胃に送達する。さまざまな実施形態において、カテーテルは、胃内デバイスに接続されたままであり、胃から、食道を通り、少なくとも患者の口の中に入る。いくつかの実施形態では、胃内デバイスの嚥下および位置決めは、たとえば、蛍光透視などの、X線撮像法を使用して監視される。
胃に入った後、さまざまな実施形態の胃内デバイスを囲むカプセルは、溶解し始める。いくつかの実施形態では、カプセルは、10分以内に溶解する。いくつかの実施形態では、カプセルは、30秒から4分以内に溶解する。いくつかの実施形態では、検出された圧力は、カプセルが溶解すると10kPaより下に下がる。いくつかの実施形態では、検出された圧力は、溶解後に7kPaより下に下がる。さまざまな実施形態において、膨張可能胃内デバイスを充填する過程は、カプセルの溶解後に開始し得る。膨張可能胃内デバイスに膨張流体を充填するために、分注器の弁は、開放位置に遷移される。膨張流体は、実質的に、膨張流体容器の比較的高い圧力がかかっている内側貯槽から膨張可能胃内デバイスの比較的低い圧力がかかっている内部空洞へ、システム内で平衡圧力に達するまで流れる。いくつかの実施形態では、制約されない大気における約150cm3のガスは、大気圧では28psiまたは約450ccに制約される。たとえば、N2は、胃内デバイス内に移送される。いくつかの実施形態では、胃内デバイスは、約250ccの胃内で最終的容積を達成する。他の実施形態では、胃内デバイスは、50から400cc、および好ましくは90から300cc、または個別の値もしくはそれらの間の範囲の胃内で最終容積を達成する。いくつかの実施形態の胃内デバイスは、5kPa、20kPa、またはこれらの間の任意の値の最終圧力を達成する。好ましい一実施形態において、胃内デバイス内の最終圧力は、8.3kPaと17.2kPaとの間にあり、より好ましくは、胃内デバイスの最終圧力は、13.8kPaである。いくつかの実施形態の胃内デバイスは、5分以内に所望の最終圧力に到達する。いくつかの実施形態では、最終圧力には、約2分で到達する。
この方法のいくつかの実施形態では、システムの圧力が安定し、平衡状態に到達した後、カテーテルは、胃内デバイスから分離され、患者から取り出され得る。いくつかの実施形態では、胃内デバイスからカテーテルを分離するために注射器が使用される。三方弁は、注射器がカテーテルおよび胃内デバイスと流体的に接続する位置に移動される。胃内デバイスからカテーテルをずらすのに十分な力で注射器から流体をバルーンの内部空洞内に追い込むために、注射器のプランジャが素早く押される。
[複合壁]
バルーンの複合壁に対して選択された材料は、著しい拡散を起こすことなく元の膨張ガスを維持するように最適化されるか、または、バルーンが胃内に留置された後、胃環境内に配置されているガスの拡散を行わせる、たとえば、CO2、O2、アルゴン、もしくはN2がバルーンの壁を通って拡散し、バルーンを部分的にまたは完全に膨張させることもできる。流体(液体もしくはガス)は、本明細書で説明されている膨張カテーテル(複数可)を使用してバルーンの内側に加えられ、これにより、バルーンの複合壁の拡散方向と、いつ静止状態になるかを内部および外部環境に基づき変えることもできる。
窒素、CO2ガス、単一流体(ガス)、またはガスの混合物によって膨張される胃内バルーンは、障壁特性(流体保持)と、胃環境またはバルーンの中心内腔内の環境におけるpHおよび水分条件への耐性を付与する特性と、胃内運動の力、生体内のバルーン壁の摩耗、およびバルーンの製造および折り畳み時の損傷に耐える構造特性とを備える複合壁を採用する。バルーン材料において採用されるいくつかの材料は、異物(たとえば、食物粒子)を砕くようになっている厳しい胃環境に耐えることができる。胃環境が包含する変数のいくつかは、1.5〜5の胃液pH、約37℃の温度、90〜100%の相対湿度、胃内空間ガス分の進入、および胃内の食物の入っている状態に基づく可変周波数およびサイクル時間における0〜4psiの一定の胃運動性外部圧力である。胃運動性によってもたらされる外部圧力も、バルーンの表面に摩耗を引き起こし得る。バルーン内腔の内側は、自動収縮のタイミングについてはバルーン内に注入された溶液からの水分、または外部湿潤環境による膜を横切った水分を含み得る。これらの環境ストレスに加えて、壁材料は、生体適合性要求条件を満たし、壁(障壁材料)の全厚がコンパクトにされ、著しい損傷もしくはずれを生じることなく嚥下可能サイズの容器(「外側容器」)の内側に留置されるのに十分な薄さであるように形成される。外側容器は、食道(約2.5cmの直径を有する)を超えるように十分に小さい。壁または障壁材料は、バルーン構成のために熱形成可能および封止可能でもあり、初期膨張圧力によって発生させられる最大10psiまでの内部ガス圧力、さらにはシステムのガス環境が静止状態に達するまで胃腔からガス分子が入り込むことによる圧力を含み得る圧着強さを維持する。バルーンの複合壁において使用するのに適しているかどうかを決定するために評価されるフィルム特性は、耐pH性、水蒸気透過率、ガス障壁特性、機械的強度/摩耗特性、耐温度性、成形性、耐曲げ割れ(Gelbo)性、表面エネルギー(湿潤性)コンプライアンス性、および熱圧着潜在性を含む。
複合壁内のさまざまな層は、1つまたは複数の望ましい特性をバルーンに付与することができる(たとえば、流体保持、水分耐性、酸性環境耐性、処理のための湿潤性、および構造強度)。組み合わせて多層予成形システム(「複合壁」)にされ得るポリマー樹脂およびコーティングのリストが、表1a〜表1bに提示されている。これらのフィルムは、接着剤で圧着されるか、同時押出成形されるか、もしくはタイ層を介して接着されるか、またはこれらの組合せで結合され、以下で説明されているように、複合壁に対する特性の所望の組合せを得ることができる。表1a〜表1bにおいてフィルムコーティングとして識別されている材料は、基本ポリマーフィルムに塗布されるコーティング、たとえばPET、ナイロン、または他の構造層として用意される。
[流体保持層]
好ましい実施形態において、複数の層を使用するブレンドされたポリマー樹脂は、膨張流体を意図された使用の持続時間の間保持することによって膨張されたバルーンの形状および容積を維持するために採用される。食品包装およびペットボトル産業において広く使用されている、特定の障壁フィルムは、バルーンの複合壁においてこの目的のために有利に採用され得る。好ましくは、障壁材料は、二酸化炭素(または容積占有サブコンポーネントを膨張させるために代替的にまたは追加として使用される他のガス、液体、または流体)に対する低い透過性を有する。これらの障壁層は、好ましくはベース材料への良好な接着性を有する。好ましい障壁コーティング材料およびフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ナイロン(PA)およびナイロン6(PA−6)などのポリアミド、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、生体適合性ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、サラン、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、酸化ケイ素(SiOx)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ナノポリマー(たとえば、ナノクレイ)、ポリイミド熱硬化性フィルム、EVALCA EVAL EF−XL、Hostaphan GN、Hostaphan RHBY、RHB MI、Techbarrier HX(SiOxコーティングPET)、Triad Silver(銀金属化PET)、Oxyshield 2454、Bicor 84 AOH、アクリロニトリル共重合体、およびテレフタル酸およびイソフタル酸とエチレングリコールおよび少なくとも1つのジオールとの共重合体を含む。代替的ガス障壁材料は、ポリアミンポリエポキシドを含む。これらの材料は、典型的には、溶媒ベースまたは水性ベースの熱硬化性組成物として提供され、また典型的には、プリフォーム上にスプレーコーティングされ、次いで、熱硬化されて、最終的な障壁コーティングを形成する。コーティングとして容積占有サブコンポーネントに塗布され得る代替的ガス障壁材料は、銀またはアルミニウムなどの金属を含む。容積占有サブコンポーネントのガス不透過性を改善するために使用され得る他の材料は、限定はしないが、金または貴金属、サランでコーティングされたPET、およびコンフォーマルコーティングを含む。
膨張流体の拡散を遅延させるために包装産業で使用される一方法は、材料を厚くすることである。材料を厚くすることは、一般的には好ましくないが、それは、バルーンが患者による嚥下に望ましい送達容器サイズに折り畳めるように複合壁の全厚が好ましくは0.004インチ(0.010cm)以下だからである。
バルーンの耐用寿命の過程で胃環境に耐えられる多層ポリマーフィルムは、ナイロン12フィルムに接着剤で圧着される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む。代替的に、PVDCなどの、障壁特性を持つ追加のフィルム層が、複合壁に追加され得る。
ガス障壁特性をもたらす層は、好ましくは、複合壁内に内層として置かれるが、それは、ナイロンおよび同様のものなどの「構造的」と考えられる樹脂よりも機械的頑丈さがあまりないからである。
[構造層]
ポリウレタン、ナイロン、またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの層は、構造目的のために複合壁に追加されるものとしてよく、好ましくは、一番外側の(胃環境の近位またはバルーンの中心内腔の近位の)層として留置されるが、ただし、そのような層の耐pH性が胃またはバルーンの中心内腔の酸性環境に耐えられる場合である。
[複合壁の製造]
ガス障壁層を含む、複合壁のさまざまな層は、特定の順序で置かれる必要はないが、酸性、温度、機械的摩耗に対する優れた耐性、および優れた生体適合性プロフィールのものが、好ましくは、胃環境と接触する層として採用される。たとえば、酸性および温度に対する優れた耐性を持つものが、好ましくは、バルーンの中心内腔と接触する層として採用される。
壁のさまざまな層は、単一の層または最大10以上の異なる単層を含むことができるが、0.001インチ(0.0254cm)から0.004インチ(0.010cm)のフィルム厚さが望ましく、その結果得られるバルーンはコンパクトにされ嚥下可能なカプセル内に嵌合する。その結果の複合壁は、好ましくは、表1a〜1bに列挙されている各カテゴリに関して良好な性能仕様を有する。
一部の接着剤は生体適合性の観点から望ましくない浸出物を含み得るので、同時押出成形フィルムが有利に採用される。それに加えて、同時押出成形では、材料がこの方式で組み合わされたときに元の特性を維持し、胃内運動の力に曝されたときに層剥離を生じる可能性が低いようにより適切にブレンドすることを可能にする。
類似の特性を持つフィルム、たとえば、優れたガス障壁特性を持つ2つのフィルム層を、複合壁において組み合わせることは、窒素、酸素、CO2、またはこれらの混合物を膨張ガスとして収容する胃内バルーン、または生成物が留置される外部環境がCO2を含むガスの混合物を収容する場所、たとえば、胃において使用するのに有利である。そのような複合フィルムの主要な利点は、フィルム厚さに対する制限が、ガス障壁特性を犠牲にすることなく従うことができるという点である。そのような構成は、処理中の損傷(たとえば、製造およびコンパクト化)および生体内状態(たとえば、胃運動の力)に曝されることによる損傷の効果を低減することにも寄与する。
特に好ましい一実施形態において、複合壁は、複数の層を含む。第1の層は、胃環境に曝されることに関して構成されている外側保護層である。この層は、機械的力、水(蒸気)に曝されること、摩耗、および高い酸性度レベルに対して耐性を有する。ナイロンまたはより具体的にはナイロン12は、胃環境に曝される層には特に好ましく、機械的力には特に耐性がある。
代替的一実施形態では、ポリウレタンが、サランにRF溶接され、厚さ6〜7ミルの複合壁を生み出す。別の実施形態では、2つのポリウレタン層の間に挟装されたサランの1つの層を備える5層システムが用意される。サラン層とポリウレタン層の各々との間に、タイ層がある。層同士が溶接されるか、同時押出成形されるか、または接着剤を使用して接着され得る。次いで、タイ層がナイロンに各側部上で同時押出成形され、次いで、最終封止層(ポリエチレンまたは同様のもの)が、全複合壁に対してナイロン層のうちの1つに追加される。市販の、または製造可能な、材料組合せの代表例は、表2に提示されている。層の配向(一番内側−中心バルーン内腔と接触する、または一番外側−胃環境と接触する)は、2つより多い層が提案されている複合壁を支持すると記述されている場合にも示される。
表2に列挙されているフィルム樹脂の大半は、ある程度のガス障壁特性をもたらす。したがって、多くは、バルーン壁を単層フィルムとして形成するためだけに使用され得るが、それらは、また、膨張ガスとバルーンが留置される外部環境とに基づくバルーンの耐用寿命について所望のガス保持および機械的仕様を満たすために他のフィルム樹脂とともに使用され得る。これらのフィルム樹脂は、また、表1a〜表1bに列挙されているガス障壁コーティング材でもコーティングされ得る。全複合壁を形成するために、追加のフィルム層が追加され得る。そのような追加の層は、実質的な障壁特性を付与し得ないが、構造的および/または機械的特性、水蒸気、湿度、pH、もしくは同様のものの影響を受けやすい複合壁の他の層に対する保護、または他の望ましい特性をもたらし得る。フィルム層は、さまざまな接着剤を使用して、同時押出成形を介して、ラミネート加工を介して、および/またはタイ層およびそのようなものを使用して組み立てられ、指定されたガス保持特性を持つ、少なくとも25日間、または最大90日以上までの間使用するのに適している胃内バルーンの要求条件を満たす複合壁を形成することができる。表2は、胃内バルーンに対する複合壁内で使用するのに適している層および層組合せのリストを提示している。複合材の説明、樹脂の略語、構成(単一の層、二重層、三重層、または同様のもの)、市販の組合せ品の商標が列挙されている。示されている層の数は、複合壁を製造するために使用される接着剤層またはタイ層を含まず、6層複合壁は、たとえば、全複合壁を構成する2また3つの接着剤層および/またはタイ層を有するものとしてよく、したがって、層の総数は、最終形態において8または9であり得る。本明細書で使用されているような「層」という用語は、広義語であり、当業者にとって通常の、また慣例的な意味を与えられ(特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない)、限定はしないが、均質な物質(たとえば、SiOxなどのコーティング、またはPETなどの層)の単一の厚さ、さらにはその上にコーティングを有する支持層を指す(ここにおいて、「コーティング」は、たとえば、コーティング層への構造的支持を行う基材と併せて典型的には採用される材料である)。たとえば、本明細書では、PET−SiOx「層」が参照され、ここにおいて、Si−Oxの層は、支持PET層上に設けられる。
特に好ましい実施形態において、複合壁は、0.005インチ以下(5.0ミル以下)の厚さを有するが、いくつかの実施形態では、より厚い複合壁も許容可能であるものとしてよい。一般的に、複合壁は、0.004インチ(4.0ミル)以下の厚さを有することが好ましい。
[バルーンの製造]
バルーンの良好な機械的強度を確実にするために、バルーンは、好ましくは、バルーンを形成するために使用される部品の縁が重なり合うように形成され、封止される。これは、任意の好適な方法によって遂行され得る。たとえば、材料の2枚の平坦なシートがフレーム内に留置され、磁化された縁が2枚のシートを適所に保持するようにできる。フィルムの部分品に弛みが加えられ、形成過程の後に特性を維持するように材料を配向することができる。フレームは、バルーンの半球を表す鋳型の上に留置され得る。材料は、圧力が印加される前に弛みが付けられた状態で、半球の形状の周りにより均一に分配されるように材料を再配向する。材料は、好ましくは、真ん中で最も厚く、側部でより薄くされ、そこで、第2の部分品に溶接され、実質的に均一な壁厚さを有する球体または楕円体を形成する。たとえば、0.0295”のフィルムから始めて、フィルムの真ん中またはその後の頂点は、0.0045”の終了フィルム厚さを有し、縁は、溶接過程においてその後重ね合わされるように0.0265”の終了厚さを有する。
弁は、半球のうちの1つの(たとえば、ポリエチレン、PE)側部に接着され、対向する(たとえば、ナイロン)側から突き出るものとしてよい。1つの半球は、典型的には、一番外側の層としてナイロンからなり、第2の半球は、典型的には、一番外側の層としてポリエチレン(封止ウェブ)を有する。2つの半球の縁は、好ましくは、少なくとも1mm、5mm以下で重なり合うように整列される。2つの半球の整列および重ね合わせは、熱成形過程において縁のところを薄くすることを補正するために実行され、次いで、生体内の継ぎ目破裂を抑制する。回転楕円体の各半分は、固定具上に留置され、形成過程からの過剰分は、トリミングされる。多層フィルム上で、封止層、PE、または類似の層は、第2のフィルムの半分の封止層に圧着される。これを行うために、ナイロンを外部環境に露出させている半球のフィルムは、一番外側の層上のポリエチレンにより半球に圧着されるように片方の半分における球体の縁(図21A〜図21Bを参照)に沿って折り畳まれる。
次いで、2つのフィルム部分品は、ローラー圧着装置またはバンド加熱装置を使用して封止される。ローラー圧着装置において、空気圧シリンダーは、圧縮を行い、加熱装置は、封止の加熱を行い、領域の周りで圧着装置を移動するモーターは適切な封止を確実にするために必要な時間を制御する。バンド加熱装置内に、加熱素子、圧縮を行う拡張可能プラグ、およびタイマーがある。バンドは、金属、好ましくは銅であり、スプール状の固定具が必要な圧縮を行う。異なる溶融温度のフィルム層を使用することで、最終バルーン構成の障壁層の完全性を確実なものとすることができる。2つの類似の材料同士が溶接される場合、絶縁体が採用され得る。好ましい一実施形態において、一方の球体は、外に面するナイロン層を備え、第2の球体は、外に面するPE層を有する。
[自発的収縮に耐えるバルーン]
胃内バルーンの不具合の最大のパーセンテージは、自発的収縮によるものである。自発的収縮は、(1)胃運動の力による胃内バルーンの外部パンク、(2)ガスおよび水蒸気の胃環境の摂取からのバルーンの内部圧力増加によるバルーンの膨張過剰、ならびに(3)過剰材料の疲労およびバルーンのその後のパンクに至るバルーンの膨張不足により生じ得る。これら2つの変数を管理し、これらの変数を調整して動的胃環境に耐えられるようにすることによって、バルーンシステムが手直しされ、全耐用寿命にわたって膨張されたままになることを確実にすることができる。この胃内バルーン内の自発的収縮の場合は、複合壁の材料および構造の選択と併せて開始膨張ガスを選択することによって最小にされ得る。胃内空間内容物の特性を利用するために水蒸気透過に関する透過性特性と複合壁のガス透過性とを選択することで、バルーン内への、またバルーンの外へのガスの拡散速度が制御されることを可能にできる。この方法は、膨張不足および膨張過剰の防止のための調整可能な方法を可能にする。
胃内バルーンおよび一般に肥満に見られる別の現象は、胃順応である。胃順応の過程において、胃は空間占有デバイスまたは摂取される過剰な食物に順応するように増大する。胃順応の過程において、胃内バルーンを収容する胃の容積は、時間の経過とともに増大し、患者はより飢えることになる。しかし、時間の経過とともに生じるバルーン上のガス拡散と水蒸気透過とを制御することによって、バルーンのサイズも、フィルムの開始膨張ガス(複数可)と水と他の生体内ガスの透過性特性とを、減量を維持するように選択することによって時間の経過とともに増加させることができる。自発的収縮に加えて、開始ガスと併せて複合壁の透過性特性を選択し、胃環境からのバルーンの内側のガスおよび水の移送を利用することで、バルーンは、胃順応に応えてその耐用寿命にわたって増大するように設計され得る。
実験が実施されており、ここにおいて、さまざまな開始膨張ガスが胃ガスおよび生体内水環境を模倣する変化する外部ガス環境と併せて選択された。胃環境は、水(塩酸)、ガスの混合物、および糜粥(胃によって十二指腸に追い出された部分的に消化された食物の半流動体)からなる。胃ガスは、通常、食事中に空気を嚥下することで生じる。空気の組成は、窒素(N2)78.084%、酸素(O2)20.9476%、アルゴン(Ar)0.934%、二酸化炭素(CO2)0.0314%、ネオン(Ne)0.001818%、メタン(CH4)0.0002%、ヘリウム(He)0.000524%、クリプトン(Kr)0.000114%、水素(H2)0.00005%、およびキセノン(Xe)0.0000087%である。
N2、O2、CO2、H2、およびメタンの5種類のガスが胃腸管系内のガスの99%超を構成し、中でも窒素が大部分を占める。胃pCO2は、局所(内臓)動脈および排出静脈血pCO2値によく似ている。胃酸の中和もガスを発生し得る。たとえば、胃酸が消化液中の重炭酸塩(たとえば、特定の制酸薬中に存在するような)と反応すると、化学過程がCO2を発生し、これは通常血流中に吸収される。腸内の食物の消化は、もっぱら結腸細菌による発酵を通じて、CO2と、H2と、メタンとを発生する。微生物が、腸内で生成される水素およびメタンのすべての単独の発生源のように見える。これらは、栄養物の発酵および消化から発生する(果物および野菜からの多糖類は、小腸では消化されない)。硫化水素と、インドールと、アンモニアとを含む、わずかな他のガスも少量発生し得る。
生体環境内の胃内バルーンの制御された自己膨張は、バルーン内の半透過性または透過性複合壁を使用し、N2またはO2などの、事前選択された単一ガスをバルーンに最初に充填することによって、達成され得る。バルーンは、ガスの濃度の差と、内部バルーン環境と生体内外部環境(GI/胃)との間の水の濃度差とを利用して、時間の経過とともに体積および/または圧力を増加させ、および/または減少させる。体積および/または圧力の制御された減少を達成するために、生体内胃腸環境内に存在する他のガスよりも、バルーンを膨張させるために使用される単一ガスへの透過性が比較的高い壁が採用され得る。たとえば、窒素ガスが膨張ガスとして採用された場合、生体内環境において時間の経過とともに、バルーン内の体積および/または圧力は、窒素が酸素透過性壁を通じて生体内環境内に拡散するときに減少する。同様に、酸素ガスが膨張ガスとして採用された場合、生体内環境において時間の経過とともに、バルーン内の体積および/または圧力は、酸素が酸素透過性壁を通じて生体内環境内に拡散するときに減少する。バルーン内の単一ガスの分圧(高い)対生体内環境の分圧(低い)の差は、平衡または恒常性の状態に達するまでこの過程を駆動する。体積および/または圧力の制御された増加を達成するために、生体内胃腸環境内に存在する他のガスよりも、バルーンを膨張させるために使用される単一ガスへの透過性が比較的低い壁が採用され得る。たとえば、窒素ガスが膨張ガスとして採用された場合、生体内環境において時間の経過とともに、バルーン内の体積および/または圧力は、CO2などがCO2透過性壁を通じてバルーン内に拡散するときに増加する。バルーン内の透過性ガスの分圧(低い)対生体内環境の分圧(高い)の差は、平衡状態に達するまでこの過程を駆動する。
それに加えて、バルーンの膨張を維持し、および/または制御することも、内部バルーン環境とバルーンの容積/圧力が製品の耐用寿命を延ばすために必要に応じて増加または減少させることができる胃外環境との間の濃度の差を使用して行うことができる。圧力を減少させる理由の1つは、最初にバルーンを、バルーンを事前に引き延ばすために窒素のようなより多くの不活性ガスを加えてCO2などの大きいが、拡散性/溶解性が高いガス分子で膨張させる、溶解性ガスはバルーンから外に拡散し、バルーン内に元から存在していない他のガスは中に入り込んでバルーンを充填するという点である。
膨張ガスは、大きい、不活性ガスまたは選択された複合壁を通して低い拡散率を有するガスを備えるバルーン内のガスの大半で開始するように選択され得る。胃環境内でより溶解性の高い不活性度の低いガス(複数可)と併せて不活性ガスが組み合わされ、開始バルーン膨張ガス組成を備えることができる。患者の食事および投薬も、主に胃環境で引き起こされるCO2濃度効果によるバルーン膨張状況に影響を及ぼし/制御し得る。それに加えて、胃pHも、CO2濃度に影響を及ぼす。この特定の方法は、複合壁材料、たとえば、障壁/非障壁と、非障壁に対して障壁を有する場合に中に拡散するガスがバルーン内でより長く維持されるかどうかとに基づきデバイスの耐用寿命のより大きな程度の調整も可能にし得る。この特定の形態の自己膨張は、自己膨張胃内バルーン(たとえば、嚥下後に開始されるバルーン内のガス発生反応によって最初に膨張させられる)、または膨張可能胃内バルーン(たとえば、内視鏡補助あり、またはなしで、カテーテルを使用して膨張させられる、鼻と胃との間で送達される、他の送達方法)を使用して採用され得る。この方法は、嚥下可能なバルーンと、たとえば、内視鏡法によって胃内に留置されるバルーンとを含む、胃内バルーンとともに使用され得る。この方法は、胃内デバイスに関連して使用する場合に特に好ましいが、たとえば、肺ウェッジカテーテルおよび尿失禁バルーンデバイスでの使用にも応用され得る。この技術の利点は、胃順応を補正する機能を含み、バルーンを時間の経過とともに容積の増加を生じ得る胃に適合させることができ、これによって患者の満腹感を維持する。また、自己膨張バルーンに対するより少量の膨張ガス成分から開始することを可能にする。これは、胃内バルーンシステムと生体内胃環境との間の拡散勾配を利用することによって自発的膨張を防ぐことができる。
膨張剤としてN2(CO2あり、またはなし)に関連して使用される、特に好ましい実施形態では、壁層に対する多層同時押出成形ブレンドが採用される。特に好ましい構成は、ナイロン12/エチルメチルアクリレート/ポリ塩化ビニリデン/エチルメチルアクリレート/ナイロン12/直鎖状低密度ポリエチレン+低密度ポリエチレン(同時押出成形ナイロン12カプセル化PVDCナイロン12−LLDPE+LDPE多層とも称される)である。別の特に好ましい構成は、同時押出成形多層ナイロン12/直鎖状低密度ポリエチレン+低密度ポリエチレンである。複合壁構造に対する樹脂の選択(さらには同時押出成形方法または接着剤の選択)は、特定の効果を生じさせるためにコンプライアンス性(伸張性)と、耐パンク性と、厚さと、接着と、封止圧着強度と、配向と、耐酸性と、ガスおよび水蒸気への透過性特性とを制御するように変えられ得る。
[胃内バルーンシステムの自動収縮]
自己膨張(自動膨張とも称される)または膨張可能(手動膨張とも称される)胃内バルーンは、収縮のタイミングを確実に制御するための機構を備える。好ましい実施形態において、バルーンは、所定の耐用寿命の終わりに(非自発的)、好ましくは30から90日の間に、自動収縮して、胃を通過し、消化管下部を通り、身体から出て来るが、6ヶ月以内に収縮するようにタイミング設定され得る。以下で説明されている好ましい実施形態では、収縮のタイミングは、胃外環境を介して(たとえば、温度、湿度、溶解度、および/またはpHの条件によって)、または膨張されたバルーンの内腔内の環境を介して達成され得る。内部バルーン環境を操作することによって自己収縮過程の開始を制御することが一貫して好ましい。
他の実施形態では、上で説明されているように反転された継ぎ目を許容するように貼られたパッチおよび/または1つまたは複数の追加のパッチまたはバルーン構造に追加される他の構造体は、腐食性、分解性、または溶解性材料(天然または合成)から作られ、バルーンの壁に組み込まれる。パッチ(複数可)は、急速に収縮させるのに十分な表面積の開口部を確保し、バルーン内に胃液が浸透することによる再膨張を防ぐ十分なサイズのものである。バルーンパッチ(複数可)は、実質的に滑らかな表面が維持されるようにバルーンに施され得る材料を備え、好ましくは、単一層または多層化材料を備える。パッチ(複数可)は、好ましくは組織適合性のある、また無毒の生成物に分解するか、または時間の経過とともにゆっくりと加水分解し、および/または溶解する材料である、腐食性、崩壊性、分解性、または他のそのような材料を使用して製作される(たとえば、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)、ポリ(ラクチド−グリコリド共重合体)(PLG)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステルアミド(PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHBV)、コハク酸ポリブチレンサクシネート(PBSA)、芳香族コポリエステル(PBAT)、ポリ(ラクチド−カプロラクトン共重合体)(PLCL)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−乳酸PLAA、プルラン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、マルチブロックポリエーテルエステル、ポリグレカプロン、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、および他の類似の材料)。これらの腐食性、崩壊性、または分解性材料は、単独で、もしくは他の材料と組み合わせて使用され得るか、または非腐食性ポリマー(たとえば、PETまたは同様のもの)と併せて鋳造/同時押出成形、ラミネート加工、および/または浸漬被覆され、バルーンの構造内で採用され得る。分解/腐食は、胃環境で発生し、胃環境によって開始され、および/または制御されるか(たとえば、温度、湿度、溶解度、および/またはpHの条件によって)、またはパッチが何に曝されるかに基づきバルーンの内腔内で制御される(たとえば、湿度および/または導出されたpHの条件によって)。ポリマーの厚さ、さらには分解および暴露時間に影響を及ぼす環境も、分解タイミングの設定を円滑にし得る。分解/腐食は、所定のバルーンの耐用寿命が尽きた後発生するようにタイミング設定される(たとえば、膨張は25から90日間生体内で胃において維持され、その後、分解/腐食の結果、収縮を可能にする開口部が形成される)。分解性材料をパッチに使用する代わりに(またはそれに関連して)、パッチは、類似の流体保持障壁フィルムまたは弱い接着剤を使用してバルーンに接着されるか、または指定された時間の経過後にパッチが施された領域から剥離し、膨張流体放出のための開口部を作って収縮できるように溶接または接着されるバルーン上の残りの壁と同じフィルムを備えることができる。または、急速な収縮のために必要とみなされる場合、バルーンの複合壁全体が腐食性材料から作られ得る。腐食性材料、または事前指定時間の経過後に機械的に衰える材料を使用する機構も、以下で説明されている収縮機構に対するすべての実施形態について類似している。分解または腐食のタイミングは、胃外環境を使用して制御され(たとえば、温度、湿度、溶解度、および/またはpHの条件によって)、および/またはバルーンの内腔内の条件によって制御され得る(たとえば、バルーン内の残留液体の湿度および/またはpHの条件によって)。
他の実施形態では、1つまたは複数のプラグ(適宜、別の分解性保持構造体と併せて)は、バルーン構造内に組み込まれ、全部および一部だけ、上で説明されているものと似た腐食性、崩壊性、もしくは他の何らかの形の分解性の合成または天然ポリマー(たとえば、PLGA、PLAA、PEG、または同様のもの)からなるものとしてよい。プラグは、腐食性ポリマーに対する事前選択され、予測可能なバルク分解パターンをもたらすようにさまざまな表面/体積比を得るためにさまざまな形状(たとえば、図22A〜22Dに示されているような円筒形状または放射状形状)に形成され得る。プラグは、分解/腐食が開始した後に化学的に開始され得る放出機構を組み込むことができ、隔壁またはプラグ材料が、バルーンから急に飛び出るか、またはバルーン内に落ち込み、それによって、流体放出およびその後のバルーンの収縮のための通路を形成することができる。プラグと併せて使用され得る機械的追加は、プラグ(たとえば、非腐食性または腐食性材料の)を適所に保持する分解性/腐食性/崩壊性材料または保持構造体もしくはプラグ構造体内に収納された圧縮されたバネを備える。より具体的に、収縮を達成するための好ましい一実施形態は、ハウジングと、放射状シールと、固体腐食芯と、腐食芯の外面に取り付けられた保護フィルムとを備えることができる(図22A〜図22B)。腐食芯の内側は、内部バルーン液体に曝される。芯は、シールをハウジングに当接して保持する圧縮力を発生する。芯が腐食するにつれ、ハウジングと放射状シールとの間の圧縮は、ハウジングとシールとの間に隙間ができるまで減じられる。隙間ができると、ガスがバルーンの内側から外側環境に自由に移動することができる(図24A)。シールは、ハウジングから出てバルーン内に落ち込み得る。直径、長さ、および材料種類は、所望の時点において収縮を発生するように調整され得る。この収縮機構を達成するために使用される各コンポーネントに関する例示的な材料は、以下のとおりとしてよい。ハウジング−気密シールを形成するのに十分な径方向力に耐えることができる、生体適合性を有する構造材料。材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、UHMWPE、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム、PEEK、またはナイロンを含み得る。放射状シール−酸性環境に対する液体およびガス障壁を形成することができる、生体適合性を有する弾性材料からなる。材料は、ケイ素、ポリウレタン、およびラテックスを含み得る。腐食芯−与えられた環境条件において予測可能な速度で崩壊することができる材料。材料は、PLGA、PLA、または時間の経過とともに完全性を喪失することができる他のポリアンハイドライドもしくは腐食性特性をもたらす上に列挙されている材料を含み得る。
バネ機構については、材料が分解した後、バネが解放され、および/またはプラグ/隔壁がバルーン内に引き込まれるか、またはバルーンから引き出され、それによって、オリフィスがバネ機構の解放によって形成された後に流体を放出し、プラグから押し出すか、または押し込む(図24B)。
隔壁および水分吸収拡張材料と水分腐食材料とを利用する収縮機構。腐食材料は、水分に曝されるとゆっくりと腐食し、最終的に、水分吸収拡張材料を露出させる。水分拡張材料が水分を吸収し始めると、拡張で、隔壁リップ部または隔壁に取り付けられているリングを押すことによって隔壁をヘッド内で引っ張り位置をずらす。隔壁を引っ張って位置をずらすことは、バルーンの即時収縮を引き起こす(図24C)。所望の時点になるまで拡張材料を水分から保護するために、拡張材料は、パリレンなどの、遮水材料、さらには水によりゆっくり分解する材料で被覆されるとよい。水分接触は、小さな入口ポートによって制御され得る。入口ポートは、小さい穴、または制御しながら水分を引くウィック材料とすることができる。所望の収縮時間は、腐食材料と、遮断材料と、入口ポートサイジングとの組合せを通じて達成される。
いくつかの実施形態において、バルーンは、圧縮されたペレット(図25A〜図25B)またはガス放出ペレットを収容する1つまたは複数のプラグをバルーンの壁内に組み込むことができる。ペレットは、活性化されたときに、CO2ガスを放出する成分の組合せ(たとえば、重炭酸ナトリウムとクエン酸、または重炭酸カリウムとクエン酸、または同様のもの)からなるものとしてよい。ペレットは、好ましくは組織適合性を有し、無毒の生成物に分解するか、または上で説明されているプラグおよびパッチと同様にゆっくり加水分解し、および/または溶解する腐食性、崩壊性、または分解性材料によって保護されるタブレットまたロッド形態をとり得る(たとえば、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−L−乳酸PLAA、プルラン、ポリエチレングリコール、ポリアンハイドライド、ポリオルトエステル、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、マルチブロックポリエーテルエステル、ポリグレカプロン、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、および他の類似の材料)。プラグの分解/腐食は、ペレット内の2つの化学物質の反応を開始し、その後ガス(たとえば、CO2)の形成に至る。十分なガスが捕捉されるか、または増加するにつれ、十分な圧力が最終的に発生し、軟質ポリマー材料を押し出し、バルーン内のCO2ガスが漏出するより大きい流路を形成する。胃によってバルーンに印加される外部圧力(たとえば、圧搾)は、より大きい流路を形成する過程に寄与し得る。ポリマーからなるプラグの寸法および特性(直径、厚さ、組成、分子量など)は、分解のタイミングの駆動力となる。
他の実施形態では、上で説明されているプラグのと似た異なる形状またはサイズのプラグまたはパッチは、バルーン収縮を円滑にする半透過性膜を含む多層構成でバルーン内腔内に採用され得る。プラグまたはパッチは、上で説明されているような類似の分解性/腐食性/溶解性材料(たとえば、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、PLAA、プルラン、および他の同様の材料)から作られ、溶質またはオスモライト(グルコース、スクロース、他の糖類、塩類、またはこれらの組合せ)の濃縮溶液を収容する半透過性膜(オスモライトには不透過性)によって囲まれる区画を収容する。プラグまたはパッチが、分解または腐食し始めると、水分子が浸透作用によって水勾配を下ってより大きい水濃度の領域からより低い水濃度の領域へ半透性膜を横切り区画内の高張液内に移動する。オスモライトを収容する区画が膨らみ、最終的に破裂して、膜と分解されたプラグまたはパッチとを押し出し、それによって、新しく形成された流路または領域を通して急速にガスを喪失することができる。
いくつかの実施形態において、隔壁と、入口ポートの内側の水分腐食材料と、水分吸収拡張材料とからなるバルーンが採用される。腐食材料は、水分に曝されるとゆっくりと腐食し、最終的に、水分吸収拡張材料を露出させる。水分拡張材料が水分を吸収し始めると、拡張で、隔壁リップ部または隔壁に取り付けられているリングを押すことによって隔壁をヘッド内で引っ張り位置をずらす。隔壁を引っ張って位置をずらすことは、バルーンの即時収縮を引き起こす。所望の時点に達するまで拡張材料を水分から保護するために、拡張材料は、パリレンなどの、遮水材料、さらには水によりゆっくり分解する材料で被覆されるとよい。水分接触は、小さな入口ポートによって制御され得る。入口ポートは、小さい穴、または制御しながら水分を引くウィック材料とすることができる。所望の収縮時間は、腐食材料と、遮断材料と、入口ポートサイジングとの組合せを通じて達成される。
自己収縮のための別の機構は、急速な収縮を確実にするより広い表面積をもたらし得る、強制的層剥離の仕組みを生み出すものである。たとえば、三層壁を有するバルーンでは、一番外側の層は、膨張流体を保持するのに実質的に十分強く(たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)または同様のもの)、中間層は、全部腐食性材料(たとえば、PVOHまたは同様のもの)からなるが、内側の層は、より弱い材料(たとえば、ポリエチレン(PE)または同様のもの)からなる。PETまたは一番外側の層は、時間の経過とともに腐食する小さな流路を形成するため腐食性材料で「ひっかき線を付けられる」または斜線を入れられる(図23)。これは、胃液がバルーンの層内に浸透し、完全腐食性材料を分解することを開始するように流路を形成する。腐食性層が分解または溶解すると、一番内側の層を有する材料も腐食し、分解し、または溶解するが、それは、自然に胃の力/環境に耐えるほど強くないからである。次いで、バルーンは、自らの上につぶれ、最終的に、消化管下部を通過する。腐食性層を強い層と弱い層との間に挟装させることで、胃環境によって影響される腐食性プラグまたはパッチより長い経路長を形成することによって腐食のタイミングを円滑に設定する。ひっかき傷または開口部の間の距離も、所望の収縮速度をもたらすように選択され得る。
所望の時間期間が経過した後にバルーンの急激な収縮を行わせる別の実施形態において、バルーン全体の複合壁または複合壁(パッチ)の一セクションは、製造過程でまたは膨張過程でバルーンの内側に注入された水によってゆっくり貫通されるいくつかの材料層を含む(図27A〜図27E)。この水は、層を貫通し、最終的に、実質的に拡張する材料に到達し、薄い外部保護層を破裂させ、ガスが漏出しバルーンが収縮するための大きな穴を形成する(図27D)。水拡張材料は、制御可能な量の水分暴露を可能にする、パリレンなどの、コーティングまたは鞘を介して液体から保護される。水が拡張材料に到達すると、これは、力を保護外層にかけて、それを破裂させる。外層は、弱い圧着領域(図27E)、部分的にひっかき傷を付けられた領域、または所望の破裂場所を確保し、自動収縮が生じる所望のタイミングの設定を円滑にする他の方法により形成され得る。水分環境と水分拡張中心との間の層はいくつもあり得る。各材料層は、異なる腐食速度(たとえば、高速または低速)を有することができ、収縮が生じてほしい所定の時間(たとえば、30日、60日、またはそれ以上の日数の後の)によって選択され得る。周上の層の数と、厚さと、各々の速度を変化させることによって、収縮までの時間が正確に制御され得る。
代替的に、バルーン材料内の穿孔の上に接着剤で圧着されている圧力封止ボタンが、収縮のために用意され得る(図28Aおよび図28B)。ボタンを圧着している接着剤は、胃液に由来する、またはバルーンの内側に注入されている水分と接触すると時間の経過とともに腐食する。接着剤がもはや、圧着せず、接着剤とボタンとの間の気密シールを形成しなくなった後、バルーンは急速に収縮する。穴のサイズおよび接着剤の水分暴露を制御することによって、腐食時間は正確に予測され得る。
収縮は、隔壁内に、またはバルーン複合壁に取り付けられている別の類似の構造体上に一連の接続ポートを形成することによっても円滑にされ得る。ポートは、ゼラチンなどの、水に溶解する、または酸に溶解する、生体適合性を有する、低透過性の物質を使用して作製され得る(図29A〜29B)。穴の直径、穴の数、流路幅、および流路長はすべて、溶解パラメータを制御するように調整され得る。ポートおよび流路内の材料が溶解されると、バルーン内に捕捉されているガスが漏出するための邪魔な物のない経路ができ、最終的に結果として、バルーンが収縮する。水は、胃液であるか、または組み立てもしくは膨張過程において、バルーンの内側に水を入れることによって内部的に制御され得る。ガス透過を保証する複数のポート開口部があり得る。それに加えて、溶解時間を制御するように調整され得る複数の変数、すなわち、ポート開口部のサイズ、ポート開口部の数、内部流路の長さ、内部流路の幅、および材料溶解速度がある。ポート/流路レイアウト設計は、特定の時間にごく少量の表面積が水分に曝されることを確実にすることができ、それによって、腐食速度を、また最終的に収縮を制御することができる。図29C〜29Eに示されている代替的実施形態では、拡張可能材料が、押し出しコンポーネントを変位させて収縮を開始させるために採用される。
自己収縮のための機構も有する手動膨張バルーンの好ましい一実施形態は、同じ配置で膨張および収縮機構を包含するポートである(図30Aを参照)。デバイスは、充填するときに膨張チューブに取り付けられている、たとえば、シリコン部品に封止するナイロンまたはプラスチックのカテーテル針スリーブを備える。これは針スリーブに封止するシリコンヘッドをさらに備え、膨張およびカテーテルからの脱着を可能にする。シリコンヘッドは、部品#7を拡張することによって押されてずれるまで部品#6にも封止する。たとえば、ステンレス鋼から製造された針が、バルーンを膨張させる。部品#6と部品#2との間の圧縮シールは、変位されたときに内部ガスを排出する。たとえばチタンなどの不活性物が、撮像可視性をもたらし(図30B)、また部品#2および部品#4に対する剛体支持を形成し、部品#6に干渉性ロックし、滑り嵌めし、圧入する。たとえば、シリコンの隔壁は、膨張時に部品#3に封止する。たとえば、PEEKまたは硬質プラスチックのケーシングは、バルーンの外側フィルムに圧着し、部品#2への封止表面を形成する。これは、部品#7が拡張した後のバルーンの内側からバルーンの外側への排出口を収容する。拡張デバイス、たとえば、制御された水蒸気透過率材料(さまざまな厚さのポリウレタンのさまざまなブレンド)によって囲まれている結合材中のポリアクリルアミドは、摂取しサイズを膨らませるためにバルーンの内側で利用可能な水分を使用する。部品#5と部品#6との間の圧入は、部品#7が水分摂取から拡張し始めるまで部品を適所にしっかり保持する。
好ましい実施形態において、本発明は、針と針スリーブとを収容する膨張カテーテルと適合性を有する自己封止弁を含む。自己封止弁は、膨張過程において針スリーブに封止される。自己封止弁の遠位には、チタン、ステンレス鋼、MP35N、または撮像可視性、さらには膨張過程における機械的支持をもたらす他の放射線不透過性剛体材料挿入物がある。挿入物の下には、拡張デバイスからなる収縮機構がある。拡張デバイスは、溶質材料、すなわち、定められた水蒸気透過率(MVTR)を有する水分制限材料によって囲まれている結合材中に入れられたポリアクリルアミド材料または同様のものからなる。水分率制限材料の例は、限定はしないが、さまざまな厚さのポリウレタンのさまざまなブレンドを含む。PEEKなどの、硬質プラスチックケーシングは、自己封止弁と、放射線不透過性挿入物と、拡張材料と、水分率制限材料とを包含する。硬質プラスチックケースは、外側シールが適所になかった場合にバルーンの内側と外側との間に流体を流せる排出口を収容する。放射線不透過性挿入物は、直線的移動を可能にするが、硬質プラスチックケーシングから追い出すことを許さない、圧入などの機械的手段を介して、硬質プラスチックケーシングに結合される。第2の外側封止弁は、硬質プラスチックケーシングへの気密シールを形成し、ケーシング排出口を遮断し、拡張デバイスが容積を増すにつれ直線的に移動する。バルーンの内側に留置された水分は、拡張デバイス、さらには胃外環境からの寄与する水分よって吸収される。水分が移動した後、拡張材料は、外側封止弁が直線的に押されてケーシングのリップ部を超える十分な圧力を発生する。これは、排出口経路を開き、内部膨張流体が素早く減圧し、バルーンを収縮させることを可能にする。収縮されたバルーンは、幽門を通過し、また消化器官の残り部分を通過することができる。バルーンの表面上の1つまたは複数の膨張/収縮ポートが採用され得る。
膨張ポートおよび収縮ポートが分離した実体である代替的一実施形態が、図31に示されている。デバイスは、たとえば、Bunaゴムまたは類似の封止材料のシールを備え、部品#1と#3との間に気密シールを形成する。これは、部品#3の表面に沿って、気密シールが弱り、内部空気が出るのを許すまで摺動する。排出口は、シールがずれた後ガスがバルーンから流れることを可能にする。また、チタンプランジャ、水保持器(水を保持し、部品#4の表面に当接して保持し定水分環境を維持することができる綿またはスポンジ様材料)、および接着剤を介してバルーンフィルムに封止し、部品#1、#2、#4、および#5に対する剛体による封じ込めを行うPEEKもしくは他の硬質材料のケーシングも含まれる。この設計は、また、内部バルーン環境と外部バルーン環境との間で排出を可能にし、また強制的に部品#4を一方向に拡張させる部品#4への水の進入も可能にする。拡張デバイス、制御された水蒸気透過率材料(さまざまな厚さのポリウレタンのさまざまなブレンド)によって囲まれている結合材中のポリアクリルアミドは、摂取するためにバルーンの内側で利用可能な水分を使用する。デバイスは、硬質プラスチックまたは金属から作られた硬質外側ケーシングと、水蒸気透過率制限膜によって囲まれている超吸収性芯からなる拡張デバイスと、水分拡張デバイスが容積を増している間に直線的に移動することができる気密シールとを備えることができる。拡張デバイスは、水分がどれだけ利用可能であるかに基づき与えられた速度で拡張する。拡張速度を制御するために、ポリウレタンなどの膜が使用され、これにより、超吸収性デバイスに利用可能な所望の水蒸気透過率を制御する。水蒸気透過率は、材料処方または材料厚さによって調整され得る。水蒸気制限膜への一定の水分接触を維持するために、綿などのスポンジ様材料が、拡張デバイスに対する水分貯槽として使用され得る。拡張デバイスがシールを押して硬質外側ケーシングのリップ部を超えると、流体は、バルーンの内側から外部環境に排出され、バルーンが収縮し、幽門を通過し、消化器官の残り部分を通過することを行わせる。バルーンは、少なくとも1つの収縮ポートを有することができるが、完全に収縮し、腸閉塞症を引き起こす残留膨張流体が残らないように収縮するのに必要とみなされるだけ有することができる(すなわち、部分収縮)。
通過を円滑にする機構は、バルーンが破れて胃腸系下部を予測可能に通過するより高い確率を有するサイズになることを可能にする腐食機構を伴う。好ましくは、収縮されたときのバルーンのサイズは、長さ5cm未満、厚さ2cmである(予測可能に、容易に幽門括約筋を通過することが示されている類似のサイズのさまざまな異物に類似する)。これは、「腐食性の継ぎ目」を持つバルーンを用意することによって達成され得る。バルーンを裂いて(最低でも)2つの半分にする1つの継ぎ目、またはより多くの継ぎ目が、複数のより小さいバルーン個片が解離反応において生成されるように設けられる(図18)。使用される継ぎ目の数は、バルーンの元の表面積と、バルーンを消化管をより容易に予測可能に通過できるサイズの個片に解離するために必要なものとに基づき選択され得る。継ぎ目の腐食速度は、たとえば、胃外環境pH、液体、湿度、温度、またはこれらの組合せによる影響を受ける材料を使用することによって制御され得る。継ぎ目は、腐食性材料のみからなる単一層、または多層であってよい。自己収縮のタイミングは、継ぎ目層の設計、たとえば、継ぎ目材料の反応および/または分解を外部環境ではなくバルーンの内部環境に依存させることによって、さらに制御され得る。腐食または分解が、内部環境(たとえば、バルーンの内部pH、湿度、または他の要因)によって開始されるように反応を操作することによって、腐食タイミングに影響を及ぼし得る人毎の胃内変動(pH、など)の影響が最小限度に抑えられる。内部バルーン環境は、注入時に過剰な水を加えることによって操作され、より湿度の高い内部環境を形成するか、またはpHなどを操作するため追加される成分の量が変化させられ得る。
[実施例]
使い捨て型窒素充填システムおよびプロシージャキャニスターデバイスが、Obalon胃内バルーン(OGB)への付属品として用意される。使用時に、使い捨て型窒素充填システムの弁からキャップが取り外される。使い捨て型窒素充填システムは、プロシージャキャニスター内に挿入され、レバーが閉じられて、使い捨て型キャニスター上の弁を係合する。より低い圧力勾配の流体経路がないことで、流体は放出されない。プロシージャキャニスターは、ルアーフィッティングを介してアクセサリキットに取り付けられる。アクセサリキット上の3ポート、2ポート弁が、90°弁を開く前に閉じられていることを確認される。デジタルゲージを介して適切な圧力が確認され、次いで、標準のOGBシステム膨張手順が開始し、流体経路が体内のバルーンへ開かれる。この手順の後に、使い捨て型窒素充填システムがプロシージャキャニスターから取り外され、適切に処分される。プロシージャキャニスターは、再利用され、少なくとも1年の耐用寿命を有するものとしてよい。
窒素充填システムは、キャニスター分注器に嵌合する適切なサイズのものであり、たとえば、弁なしキャニスターの主外径は45±1mmである。窒素充填システムは、キャニスター分注器に嵌合する適切なサイズのものであり、たとえば、弁なしキャニスターの高さは115±1mmである。窒素充填システムは、耐圧性を有し、たとえば、18バールの耐圧性を有する。窒素充填システムの内部容積は、バルーンキットを適切な充填圧力で充填するのに十分であり、たとえば、弁なしのキャニスターの目一杯の容積は161±3cm3である。窒素充填システムは、正確に加圧され、たとえば、サンプリング直接圧力測定は±1psiまたは±7KPaである。組み立てられた窒素充填システムは、気泡漏れがない、たとえば、加圧された使い捨て型キャニスターは、水槽気泡検出試験で漏れがないか目視検査される。キャニスターの容積は、カテーテルを破裂させるほどには大きくない圧力で十分な空気を入れられ、たとえば、完全加圧されたキャニスターの圧力は、75psi以下であるものとする。プロシージャキャニスターは、バルーンキットに接続する機能を有する。プロシージャキャニスターは、嚥下カテーテルに接続するルアーフィッティングを収容する。プロシージャキャニスターは、膨張に有効な弁を有する。窒素充填システムは、1/4回転弁を有する。弁は、ガス用に設計され、1から75psiを含む動作圧力範囲を有する。プロシージャキャニスターは、圧力を正確に表示する。プロシージャキャニスターは、分解能0.01psiまたは分解能0.1KPAのデジタルゲージを収容する。加圧窒素充填システムは、気泡漏れがない、たとえば、130°Fの水槽内の1.5分間の気泡漏れ試験で気泡がない。窒素充填システムは、バルーンを充填して、適切な圧力にする、たとえば、海抜ゼロで2.0±.5psiにする。圧力は、組み立てられた窒素充填システムによって、バルーン充填圧力を仕様から外さないよう十分効果的に保持される。収容されているガスの量は、1年間にわたって<5psiを超えて低下しないものとする。プロシージャキャニスターは、少なくとも1年間信頼性を維持し、プロシージャキャニスターは、少なくとも1000回の作動サイクルに対して良好である。プロシージャキャニスターは、窒素充填システムと互換性を有する。プロシージャキャニスターの動的コンポーネントは、使い捨て型キャニスターが挿入された状態で意図された運動範囲内を循環することができる。
プロシージャキャニスターは、レシーバが閉じられたときに使い捨て型キャニスター弁を開く。プロシージャキャニスターは、窒素充填システムの内容物を分注し、5〜10分の全システム手順時間目標を支持することができる。完全加圧された窒素充填システムは、30秒以内に分注され得る。プロシージャキャニスターのデジタルゲージは、電池残量低下の事前通知を行う。デジタルゲージは、電池残量低下インジケータを収容する。プロシージャキャニスターのデジタルゲージの電池寿命はデバイスの耐用年数の間有効であるものとする。デジタルゲージの電池寿命は、少なくとも2000時間の定格である。電池は標準のものであり、必要に応じて現場で交換可能である。デジタルゲージは、使用しないときに、たとえば、ボタンが最後に押されてから60分経つと自動的にオフにすることによって、電池電力を保持する。プロシージャキャニスターは、窒素充填システムに漏れを防ぐように封止する。プロシージャキャニスター内に係合された窒素充填システムは、5分間にわたって0.1psiを超えて漏れない。プロシージャキャニスターのデジタル圧力計は、電磁的適合性を有する。プロシージャキャニスターのゲージ読み取り値は、読み取りやすい、たとえば、ゲージサイズは、デジタルディスプレイで少なくとも直径3”である。プロシージャキャニスターの圧力計は、直観的に操作できる、たとえば、ゲージは、明確に示されている1つのタッチオンおよびタッチオフボタンを有する。バルーンを膨張させるためのプロシージャキャニスター上のアクチュエータは、直観的である、たとえば、オン、オフ位置のみがある着色された弁レバーが、プロシージャキャニスターからの初期バルーン充填に使用される。窒素充填システムは、プロシージャキャニスター内に容易に挿入される、たとえば、プロシージャキャニスターの開口部は、大きく、はっきり見える。
窒素充填システムによって収容されている窒素の量は、所望の最終バルーン圧力を達成するのに適している、たとえば、窒素充填システムサンプルは、充填の前後に加重され、0.52±.01グラムのガスを保証する。プロシージャキャニスターは、十分な精度のデジタルゲージを有し、最終バルーン圧力が達成されることを確実にする、たとえば、プロシージャキャニスターのデジタルゲージは、フルスケールの0.25%の精度を有する。プロシージャキャニスターは、その耐用寿命にわたって精度を維持するデジタルゲージを有する、たとえば、プロシージャキャニスターのデジタルゲージは、0psiから30psiまたは0KPaから26Kpaの1000サイクルの後にフルスケールの0.25%の精度を有する。窒素充填システムは、好ましくは、妥当な環境条件、たとえば、−18℃から55℃の温度、および30%から85%の相対湿度の下で動作する。高度分類システムは、<2000mの高度(61から101KPa)で使用される。
Obalon胃内バルーンシステム(「システム」またはOGB)は、部分的に胃に充填し、満腹感を誘発することによって減量を補助するように設計されている。システムは、胃内に非侵襲的に留置され(カテーテルカプセルアセンブリを介して)、最大3ヶ月間(12週間)胃内に留まる最大3個までの胃内バルーンからなる。投与のために、各バルーンは、小型カテーテルに取り付けられている、医療グレードのブタゼラチンカプセル内に収容される。バルーンカプセルは、バルーンを、薬剤カプセルが調合薬を送達するのと同じ方式で送達する。カテーテルは、コンパクトにされたバルーンの放射線不透過性再封止弁に事前に取り付けられた状態で届く。デバイスを投与(留置)するために、カテーテル/カプセルは、患者によって嚥下される。次いで、カテーテルは、バルーンを充填するために使用される使い捨て型窒素充填システムを収容するプロシージャキャニスターに取り付けられる。患者がバルーンカプセルを嚥下した後、X線撮影で、嚥下後にバルーンが胃内にあることを確認する(放射線不透過性マーカーによって可視化される)。好ましいX線撮影方法は、低レベルの放射線を使用してバルーンのリアルタイム画像を提供するので蛍光透視である。完全膨張した単一のバルーンは、約250ccの容積を持つ楕円体である。3つのバルーンが留置される場合には、全バルーン容積は、750ccである。投与手順は、鎮静を必要としない。膨張が完了した後、カテーテルは手動でバルーン弁から排出され、医者によって取り出され、バルーンを最大3ヶ月間患者の胃の中に残す。
バルーン使用では、使用持続時間の間プロトンポンプ阻害薬の同時使用、たとえば、40mg/日のパントプラゾールまたは同等の用量の類似の投薬を採用することができる。これは、留置されているデバイスの耐久性を高めるであろう診断未確定の既存の食道炎および胃炎の効果的な治療法となる可能性が高い。制吐薬および鎮痙薬は、バルーン留置の直後に与えられ、バルーン(複数可)が胃内にある間必要に応じて与えられるものとしてよい。
臨床試験は、1つのバルーンを最初に留置し、その後のバルーンは3ヶ月の期間内に後から留置されることが好ましいことを示している(図32)。患者が追加の容積を必要とするかどうかの決定は、患者の減量進捗状況と、報告された満腹レベルとに基づき行われるべきである。追加のバルーンは、第1のバルーンの留置と同じようにして留置され、留置の際にX線撮影をするだけでよい。
バルーンは、患者が着座毎により少ない食物を摂るのを補助する。バルーン(複数可)に加えて低カロリー食品の選択のみが、減量を円滑にするのに役立つ。バルーンは、第1のバルーンが留置されたときから3ヶ月間(12週間)、胃内に留まることが意図されている。留置されているすべてのバルーンは、標準的な内視鏡法を使用して3ヶ月の終わりに取り除かれる。デバイス(複数可)は、胃内視鏡に堪能である訓練を受けた医療専門家によって取り除かれる。
デバイスが使用される医療環境では、デバイスが投与されるときに蛍光透視またはデジタルX線を利用することができ、膨張前に胃内のバルーン/カプセル留置を確認する。それに加えて、指定医は、投与時に問題が発生した場合に、内視鏡ユニットならびに、胃内視鏡および異物取り出しに堪能である要員を即座に利用することができる。胃内視鏡機器および異物取り出しの訓練を受けている人員が、デバイス取り出しに採用される。
Obalon胃内バルーンシステム(「システム」)は、監視されている体重管理プログラムにすでに失敗しているBMIが27以上である太りすぎの肥満成人における減量に対する一時的使用について指示されている。Obalon胃内バルーンシステムは、食事および行動療法と併せて使用されることを意図されている。最大3つまでのObalon胃内バルーンが、個別の減量の進捗状況と満腹レベルとに基づき3ヶ月間(12週間)にわたって胃内に留置され得る。Obalon胃内バルーン(複数可)に対する最大留置期間は、3ヶ月間(12週間)であり、すべてのバルーンは、そのとき以前に取り除かれなければならない。
すべてのコンポーネントは、無消毒で供給される。システムは、実際のデバイスと同じ材料、サイズ、形状、および重量のカプセルを含むが、バルーンまたはカテーテルを収容しないプラセボカプセルアセンブリを含み得る。カプセルは、デバイス重量をシミュレートするための食品グレードの糖と、嚥下可能なゼラチンカプセル内に収容され、1つの使い捨て型可撓性カテーテル送達システム(図33)に取り付けられた1つの折り畳まれたバルーンを含むObalon胃内バルーンアセンブリと、2つの3cm3注射器と、延長チューブおよび三方弁を備える栓(図34)と、60cm3注射器とを含むアクセサリキットと、再利用可能なコンポーネントであり、デジタル圧力計が取り付けられている使い捨て型窒素充填システムと連携して使用されるプロシージャキャニスター(図35)と、2つのAAA電池と、150cm3の窒素を充填された窒素充填システムとを充填される。システムを投与し、および/または取り出すことと併せて使用され得る他の物品は、小さいきれいなボウル、ボトル詰めの水、タイマー/クロック、デジタルX線または蛍光透視装置、真空吸引源、胃内視鏡、胃内視鏡の作動流路に適合する胃内視鏡注入針(最小長は6mmであり、最小針ゲージサイズは23であるものとしてよい)、ワニ口把持鉗子を備える鼠歯(最小開口幅は15mmとすることができる)、または胃内視鏡の作動流路に適合する二叉把持器などの他の市販の内視鏡取り出し工具を含む。
プロシージャキャニスターは、最初に、プロシージャキャニスターが設備の高度に対して正しく、適切なバルーン最終圧力を保証するように開始圧力を調整するための大気圧補償弁を収容することを確実にすることによって使用できるよう準備される。正しいプロシージャキャニスターを使用できないと、結果として、バルーンは収縮するか、または過剰膨張し得る。プロシージャキャニスター弁は、開放位置にある(図36)。「オン」ボタンが圧されると、プロシージャキャニスターゲージがオンになる。延長チューブおよび三方弁を備える栓は、アクセサリキットパッケージングから取り出される。ルアーロックプラグが、プロシージャキャニスターゲージの端部から取り出される(図37)。ルアーロックプラグが保存され、手順が完了した後プロシージャキャニスターに戻し、プロシージャキャニスターに異物がないようにする。延長チューブ(アクセサリキットからの)のルアーコネクタの近位端は、弁が開いた状態でプロシージャキャニスター(図38)に接続される。栓弁は、ガスの流れを停止するために閉鎖位置にある(図39)。キャップが、使い捨て型キャニスターから取り外される。キャニスターは、このキャップが取り外されないとキャニスター分注器内に嵌合しないように構成されている(図40)。レバーが「開放」位置にある状態で、使い捨て型窒素充填システムがキャニスター分注器内にまっすぐ下に向けて挿入される(図41)。レバーは、「閉鎖」位置に設定され、使い捨て形窒素充填システムを適所に固定する(図42)。ゲージ上の初期読み取り値は、257kpaと297kpaとの間にあることが確認され、これにより、適切なバルーン膨張を確実にする。プロシージャキャニスター上の弁は、弁を時計回りに(右に)回転させることによって閉じられる(図43)。プロシージャキャニスター弁は、次のステップに進む前に閉鎖位置あり、これは、バルーン充填ステップに進む前にバルーンカプセルの適切な位置決めおよび状況を確実にする。3cm3注射器が、そのパッケージングから取り出され、1.5mlの室温の水を充填され、取っておかれる。小さいきれいなボウルの中ほどまで水を入れる。Obalon胃内バルーンカプセルおよびカテーテル送達システムがそのパッケージングから取り出される。
患者が機能しているデバイスを嚥下する前に、最初にプラセボカプセルを嚥下することが推奨される。この手順の目的は、どの患者が実際のデバイスを留置するのに適切な候補であり、どの患者がそうでないかを決定することである。プラセボカプセルは容易に下るものであるべきである。患者が問題なくプラセボカプセルを嚥下した場合、バルーン療法に進むことが推奨される。
通常のピル嚥下方法を使用してObalonバルーンカプセルが患者に投与される。内視鏡は、留置に不要である。デバイスの膨張の前に胃内のバルーンの留置を確認するために留置手技において蛍光透視(またはデジタルX線)が採用される。別のカプセルを嚥下する前に、既存のバルーンも撮像され、その完全性を確認する。全留置時間は、留置される各バルーンについて15分未満である。
患者が強い咽頭反射を有している場合、カプセル投与の直前に、局所麻酔薬が施されてもよい。バルーンを留置するために、患者は、投与過程に影響を及ぼす恐れのあるリップスティック、光沢剤、または皮膚軟化剤を唇に付けないことが好ましい。患者は、好ましくは、立っているか、または背筋を伸ばして座り、カプセル投与の準備として水を3回ごくごくと飲む。カテーテルを噛みしめること、カテーテル上で自分の口を閉じること、手でカテーテルを捕まえておくこと、またはカテーテルを掴むことを、しないよう患者は指示され得る。カプセル/カテーテルは、10秒以上水の入ったボウル内に沈めることによって濡らされる。カプセルを水の中に沈めて1分以内に、患者は、カプセル/カテーテルを手渡され、カプセルを口の中に即座に入れ、水の入った別の大きなグラスでカプセルを嚥下するよう指示される。近位カテーテルポートは、患者の口の外側に保持される。カプセル/カテーテルを嚥下のため口内に留置する時間は、文書に記載されている。患者は、嚥下後に追加の水またはジュース(少なくとも100ml)を与えられる。患者は、背筋を伸ばして座ったまま、または立ったままの位置を最初から最後までの時間の間続ける。バルーンが胃の中に入っていることが確認できない場合に、患者は、絶えず水またはジュースを飲み、カプセル/カテーテルの蠕動運動を円滑にするよう求められる。嚥下された後、カプセル/カテーテルアセンブリの近位端は、バルーンが充填された後になるまで患者の口の外側に留まる。カテーテルは、嚥下後にカテーテルがどれだけ移動しているかを決定する補助となるレファレンスガイドとして使用されるか、またはX線写真による確認あり、またはなしで、デジタルゲージによってもたらされる測定結果あり、またはなしで使用されるマーキングを有することができる。「標的」マーキングが患者の歯にある場合、これは、バルーンが食道より約45cm下にあることを示し、蛍光透視が、このときに、バルーンが胃内にあるかどうかを決定するために使用される(図44)。膨張の前の適切なバルーン留置を確認するための好ましい方法は、X線写真(蛍光透視/デジタルX線)を使用するものである。カテーテルマーキングは、X線写真を適切にいつ撮るかに関する追加の基準に使用され得るか、または胃の中に移動された長さを確認するために単独でも使用される可能性がある。
アクセサリキットからの延長チューブを備えるプロシージャキャニスターは、カテーテルをプロシージャキャニスターにすでに接続されている延長管路の三方栓上のオスルアーポートに接続することによってバルーンカテーテルに接続される(図45)。ルアーフィッティングが、指でぴったり締め付けられる。プロシージャキャニスター上の弁は、次のステップに進む前に閉鎖位置あり、これは、バルーン充填に進む前にバルーンカプセルの適切な位置決めおよび状況を確実にする。
嚥下後約1〜2分してから、患者が立っているか、または背筋を伸ばして座っている状態でデジタルX線または蛍光透視が実行され、胃内の放射線不透過性バルーンマーカーの配置を決定する。嚥下後少なくとも3〜5分してから、デバイス配置の第2の確認が、プロシージャキャニスターを使用して実行される。これは、「オン」ボタンを圧し、ゲージバックライトをオンにし、再び「オン」ボタンを圧し、栓上の三方弁を反時計回りに90°、弁が止まって延長チュービングからバルーンへのガスの流れを開くまで回すことによってプロシージャキャニスターデジタルゲージをオンにすることによって達成される(図46)。圧力は、最初に、約20kPaだけ圧力計上で低下し、次いで、カプセルが溶解すると7kPaよりさらに下がる。これには、約45秒かかるが、4分以内である。圧力が7kPaを超えたままである場合、カプセルは十分に溶解していないか、またはカテーテルにキンクができている。患者により多くの液体を飲ませることで、カプセル溶解を円滑にすることができる。圧力は、最大4分間監視される。この時間の後、圧力が7.0kPa未満に下がらなかった場合、カプセルは溶解していないか、またはカテーテルにキンクができている。バルーン充填ステップは、放射線不透過性バルーン弁が胃内で可視化され、プロシージャキャニスター圧力計の読み取り値が7.0kPa未満になるまで開始されない。膨張時に、制約された空間内の膨張の(圧力読み取り値または患者症状による)指示がある場合、プロシージャキャニスター上の弁を閉じることによってガス流を遮断し、カテーテルをプロシージャキャニスターから脱着し、60cm3の注射器でバルーンからガスを排出する。次いで、バルーンが内視鏡で取り出され得る。ゲージ読み取り値が7.0kPa未満である場合、バルーンは充填されるものとしてよい。バルーンは、バルーン充填が完了する前にカテーテルから切断されない。早期の切断があった場合、カテーテルは、それを引き出すことによって取り出され、次いで、バルーンは、内視鏡でパンクさせられ、取り出される。
使い捨て型窒素キャニスターは、単一のバルーンを容積の8.3〜17.2kPaおよび250cm3まで充填するためにバルーン内に移送される150cm3の窒素を収容する。ゲージが、初期設定膨張圧力から減少した後一定であれば、バルーンは、約2分以内に、13.8kPaの所望の圧力で250cm3の所望の容積まで充填される。バルーンを充填するために、プロシージャキャニスター弁は、オン/開放位置に回される(図47)。弁を開いてから約2分で平衡状態が観察される(膨張時間)。プロシージャキャニスターのデジタルゲージ上の最終読み出し圧力は、安定しているものとして確認され、読み取り値は8.3〜17.2kPaである。圧力が指定された範囲外にある場合、バルーンの内視鏡による取り出しが実行される。事前充填された注射器が、三方弁を備える栓に取り付けられる。三方弁を備える栓は、90度逆回転されて、プロシージャキャニスターからのガスの流れを閉鎖する(図48)。三方弁栓弁は、バルーンが3ヶ月間その容積を維持し得ないようにバルーン内の最終開始圧力を減じるのを防ぐために事前充填された注射器に取り付けられるまで回転されない。ゲージは、そのときにバルーンを内視鏡で取り出す必要性を回避するため、圧力が伝えられている間ゼロボタンを保持することによってゼロ調整されない。
キャニスターは、1.5cm3充填注射器プランジャを1回の急速な、意図的な運動で押すことによって取り出され、これにより、胃内のバルーン弁からカテーテルを脱着する。カテーテルが、最初の試行の後に脱着しない場合、第2の1.5cm3水充填注射器が、再びカテーテルを取り出すことを試みるために使用され得る。第2の試行で、カテーテルが真っ直ぐであり(キンクがない)、プランジャが急速な、意図的な運動で押されたことが確認される。注射器を押すときに力が使用され、カテーテルが適切に排出されないのを回避するために、このステップはゆっくり実行されない。カテーテルが、バルーンに取り付けられたままである場合、第2の3ml注射器は、水を中ほどまで充填されるものとしてよく、脱着が再び試行され得る。脱着を円滑にするために、患者は、自分の顎を持ち上げて、咽頭反射を減じやすくし、次いで、カテーテルが、ゆっくりと患者の口から引き抜かれる。カテーテルおよび針スリーブの内側の針が可視化され(カプセルデバイスに取り付けられて届いた白色の保護ハブ)、針が無傷であることを確実にする。針が針スリーブの内側にない場合、バルーンが取り出される。カテーテルは、ルアーロックを緩めることによって三方弁を備える栓から分離される。バルーンの配置は、X線または蛍光透視を使用して再確認され得る。
使い捨て型窒素充填システムは、プロシージャキャニスターから取り外されて、破棄され得る。取り外すために、プロシージャキャニスターレバーが「開放」位置に移動され、窒素充填システムは、プロシージャキャニスターの反対側から押し上げられるか、またはプロシージャキャニスターは、ひっくり返され、使い捨て型水素充填システムは自然に脱落する。プロシージャカテーテルは、次のバルーン留置のために再利用される。
患者は、最初の24時間の間、液体を飲み、次の24時間の間柔らかい固形物に移るようアドバイスを受けることができる(留置後最初の48時間以内)。患者は、アルコール、ソーダ、または他の「泡立つ」または炭酸ドリンクを飲まないよう指示される。3日後、患者は、固形食物に戻り、医者によって提供される食事および行動療法に従うことができる。
バルーンの留置が内視鏡を必要としない間、バルーンの嚥下に問題があるか、未発見の嚥下疾患が手技の実施中に検出された場合に、訓練を受けた内視鏡医が容易に利用可能であることが望ましいものとしてよい。患者が自分の最初の留置試行に不成功であった場合に以下の点が考慮されるべきである。30秒嚥下を試行した後にデバイスが患者の口の中の咽頭を通らない場合、カプセルは、口から取り出される。新しい濡れたバルーンカプセル/カテーテルアセンブリが使用される。患者が試行を2回とも失敗した場合、この問題について患者と話し合われ、患者がいぜんとしてこの療法の適切な候補であるかどうかが決定される。嚥下の失敗が、不安によるものである場合、患者の不安を減じる標準的な方法が使用され得る。デバイスの食道通過は、透明炭酸飲料を使用することで円滑にされ得る。
患者は、満腹感の変化(すなわち、空腹感の増大)、および/または体重増加を報告するようアドバイスされるが、これは療法に対する追加のバルーンが保証され得る兆候であり得るからである。複数のバルーンが留置されており、患者が満腹感レベルの変化(すなわち、早期満腹の減少)を報告した場合、これは、バルーン収縮の兆候であるものとしてよい。バルーン収縮は、X線写真(フィルムX線、デジタルX線、または蛍光透視)と胃内視鏡とを適宜使用して評価され得る。患者は、受けた有害事象の頻度が予想されたのより多いか、または耐え難くなった場合に医者に連絡するようアドバイスされる。プロトンポンプ阻害薬の同時使用は、これは、留置されているデバイスの耐久性を高め得る診断未確定の既存の食道炎および胃炎の効果的な治療法となる可能性が高いという点で、使用持続時間、たとえば、40mg/日のパントプラゾールまたは同等の用量の類似の投薬に対して望ましいものとしてよい。制吐薬および鎮痙薬は、バルーン留置の直後に与えられ、バルーン(複数可)が胃内にある間必要に応じて与えられものとしてよい。
12週間使用した後、1つまたは複数のバルーンが患者から取り出される。1200mm未満の作動長の内視鏡を使用して手技が実施され、内径はバルーンのパンクおよび取り出しについて提案されている付属工具に適合している。提案された工具は、針器具、たとえば、テフロン(登録商標)スリーブ23G×6mmまたは吸引用の内腔を有する類似物内の注射針、ワニ口または2つの顎把持鉗子を備える鼠歯把持器(最小開口幅15mm)、または同じ最小開口部を備える二叉把持器を含む。他の取り出し工具も、バルーンを取り出すために許容可能であるものとしてよい。取り出し手技は、一般に、異物を取り出すための胃内視鏡メーカーの取扱説明書に従って実施される。実行される内視鏡手技は、インターベンションまたは治療手技のと類似しているが、固有の製品特徴に従って内視鏡アプローチを手直しすることが推奨され、たとえば、バルーンは、1回だけパンクさせるべきであり、したがって、最大量のガスがそれらから(真空を介して)吸引されるものとしてよく、胃の膨張の程度が低いほど(空気吹送が少ないほど)バルーンのパンクを容易に行える。典型的なカプセルは、成分として、ブタゼラチンと、水と、メチルパラベンと、プロピルパラベンと、ラウリル硫酸ナトリウムとを含み得る。典型的なバルーンは、ナイロンおよびポリエチレン(壁材料として)と、シリコーン(弁の中)と、チタン(放射線不透過性成分として)とから作製され得る。プロシージャキャニスターは、典型的には、ステンレス鋼、6061AL、真鍮、アセタール、およびシリコーンから作製される。窒素充填システムは、18バールの150cm3の窒素を収容する。
好ましくは、患者は、胃内視鏡手技のために胃が空になり、したがってバルーン(複数可)が容易に見えることを確実にするように少なくとも24時間の間、または病院プロトコルに従って絶食させられる。患者は、胃内視鏡手技のために病院および医師推奨に従って麻酔される。胃内視鏡が患者の胃内に挿入され、充填されたバルーンの明確な像が胃内視鏡を通して得られる。針器具が胃内視鏡の作動流路を下って挿入される。バルーンの弁が配置され、バルーンは、針で1回だけパンクさせられる(取り出しが容易になるように可能ならば弁の対向端部のところで)。吸引が印加され、大型注射器(60cc)または吸引チューブを使用してバルーンガスが吸引される。針が、作動流路から取り出され、把持器が、作動流路を通して挿入される。バルーンが、弁の対向端部のところで把持器により掴まれる。バルーンをしっかり把持することで、食道を通してバルーンがゆっくりと引き上げられ、口を通してバルーンを取り出す。取り出し手技は、もしあればバルーンの残り部分について繰り返される。
本発明は、特定の実施形態を参照しつつ上で説明されている。しかしながら、上で説明されている実施形態以外の実施形態も、本発明の範囲内で等しく可能である。上で説明されているステップと異なるステップは、本発明の範囲内で与えられるものとしてよい。本発明の異なる特徴およびステップは、説明されている以外の組合せで組み合わされ得る。本発明の範囲は、付属の特許請求項によってのみ限定される。
本明細書で引用されているすべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれている公報および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する場合には、本明細書がそのような矛盾材料に取って代わり、および/または優先するものとする。
参照により本明細書に組み込まれている公報および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する場合には、本明細書がそのような矛盾材料に取って代わり、および/または優先するものとする。
別に定義されていない限り、すべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、当業者にとって通常の、また慣例的な意味を与えられ、本明細書で明確にそのように定義されていない限り特別な意味、または特別な条件に合わせた意味に限定されない。
本出願で使用されている用語および語句、ならびにその変形は、別に明確に規定されていない限り、制限することとは反対に、無制約であると解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という語は、「限定することなく、含む」または同様の言い回しを意味すると読まれるべきであり、本明細書で使用されるような「備える」という語は、「含む」、「収容する」、または「特徴付けられる」の同義語であり、包括的または非制約的であり、別の引用されていない要素または方法ステップを排除するものではなく、「例」という語は、説明の中の項目の、網羅的なまたは限定するリストではなく、その事例を与えるために使用され、「知られている」、「通常の」、「標準的な」などの形容語、および類似の意味の語は、説明されている項目を与えられた時間期間に、または与えられた時間現在利用可能な項目に制限するものとして解釈されるべきでないが、その代わりに、利用可能であり得る、または現在もしくは将来の任意の時点において知られている可能性のある知られている、通常の、または標準的な技術を包含すると読まれるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、「望ましい」、および類似の意味の単語のような語の使用は、いくつかの特徴が本発明の構造体または機能にとって重大である、本質的である、またはさらに重要であることを暗示すると理解されるべきでないが、その代わりに、本発明の特定の実施形態において利用され得るか、または利用され得ない代替的もしくは追加の特徴を強調することを単に意図されていると理解されるべきである。同様に、接続詞「and」で結び付けられた項目の群は、それらの項目のありとあらゆる項目が群内に存在することを要求していると読まれるべきでなく、むしろ、別に明確に規定されていない限り「および/または」として読まれるべきである。同様に、接続詞「or」で結び付けられた項目の群は、その群の間で相互排他的であることを要求していると読まれるべきでなく、むしろ、別に明確に規定されていない限り「および/または」として読まれるべきである。それに加えて、本出願で使用されているように、英語原文の冠詞「a」および「an」は英語原文中では冠詞の文法的目的語のうちの1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すものと解釈されるべきであり、日本語訳文中では特に訳出されない。例として、「an element」(「要素」)は、1つの要素または複数の要素を意味する。
「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」、「限定はしないが」、または他の同様の語句などの広げる語がいくつかの事例中に存在している場合、これは、より狭い場合が意図されているか、またはそのような広げる語句が存在しないこともあり得る事例において必要とされることを意味すると読まれないものとする。
本明細書で使用された、成分、反応条件等の量を表現するすべての数字は、すべての場合において「約」という語で修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないと記載されていない限り、記載されている数値パラメータは概算であり、取得されるべき所望の特性によって変化することがあり得る。最低限、本出願の優先権を主張するどのような出願の特許請求の範囲の同等物の原理の適用を制限しようとするものではないが、数値パラメータはそれぞれ、有効桁および通常の丸め方法の数字に照らして解釈されるべきである。
さらに、前述の内容は、明確さおよび理解を目的として図解と例とを用いてある程度詳しく説明されているけれども、当業者にとっては、いくつかの変更および修正が実施され得ることは明らかである。したがって、説明および例は、本発明の範囲を本明細書で説明されている特定の実施形態および例に限定するものと解釈されるべきでなく、むしろ、本発明の真の範囲および精神に付随するすべての修正形態および代替的形態をも対象とするものとして解釈されるべきである。