JP2016513809A - 大腸直腸癌の予後を判定する方法 - Google Patents

大腸直腸癌の予後を判定する方法 Download PDF

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Abstract

本明細書において、a)被験体からの腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルで、マーカーパネルの各マーカーの発現レベルを決定することと、ここで該マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含み、該腫瘍区画パネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を含み、b)該被験体のTAPPSスコアを決定することと、c)被験体のTAPPSスコアと大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアを比較することとによって、大腸直腸癌と診断された被験体が大腸直腸癌を再発するリスクを決定する方法、並びに大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法が、開示される。また、関連するコンピュータで実行される方法及びシステム、キット並びに腫瘍マイクロアレイも開示される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年3月15日に提出された米国特許仮出願第61/793,565号の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、大腸直腸癌と診断された被験体が大腸直腸癌を再発するリスクを決定する、及び大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測するために役立つ発現レベルである、1組のバイオマーカーを提供する。
2013年に、米国の約143,000人が大腸直腸癌と診断される。同じ年、米国で大腸直腸癌によって約50,830人が死亡するだろう。大腸直腸癌は、皮膚癌、前立腺癌及び肺癌に次いで、男性に4番目に多く見られる癌である。それは、皮膚癌、乳がん癌及び肺癌に次いで、女性に4番目に多く見られる癌である。大腸直腸癌患者の再発のリスク又は予後を判定する方法は、これらの患者の治療上の決定を導くため大いに有益になるであろう。それぞれに重要な、大腸直腸癌のマルチ−マーカー予後判定法の作製を本明細書に記載する。前記データは、大腸直腸癌の予後評価を改善する際のマルチ−マーカー分析の可能性を示す。本明細書記載の方法は、大腸直腸癌の診断時に、被験体を再発のリスクが高いグループ又は低いグループに割り当てるのを可能にする。前記方法は、患者及び医師が、補助介入、又は少なくとも積極的経過観察調査の必要性を決定するのに役立つ。本明細書で記載される方法の目的は、残りの患者をアジュバント療法又は疾患再発のモニタリングに伴う危険及び費用にさらさずに、リスクの高い患者群の全生存期間を改善することである。
大腸直腸癌と診断された被験体が、バイオマーカー、特に被験体から得られた腫瘍組織試料の組織区画のパネルの遺伝子発現プロファイリングに基づいて、本疾患を再発するリスクを判定する方法が、本明細書に記載される。バイオマーカー、特に被験体から得られた腫瘍組織試料の腫瘍区画のパネルの遺伝子発現プロファイリングに基づいて、大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法も記載されている。更に、大腸直腸癌と診断された被験体を、TEM1発現大腸直腸癌のリスクが高いカテゴリ又はリスクが低いカテゴリに分類する、割り当てを可能にする鑑別診断の方法が、本明細書において開示される。大腸直腸癌の発生と関連するさまざまなリスクを予測するため組織試料の分析を可能にする、検出剤で標識化した組織試料アレイを産生するための材料及び方法も記載されている。記載されている組織試料アレイは、大腸直腸癌と診断された個人の有益な治療コース決定を助けるために、組織試料を分析するのに用いることもできる。本明細書で示す、組織試料又は組織アレイを標識化するのに適切な試薬を備えたキットも、本明細書に記載される。
生体区画マスキング及び代表的なバイオマーカーパネルを示す。(A)AQUA(登録商標)分析の間、生体区画マスクを生成するために用いた、各蛍光チャネルからの代表的な画像の例。核マスクを生成するためDAPIを使用し、サイトケラチンを標識化して腫瘍細胞質を識別するためにフルオレセインイソチオシアネート(FITC)を使用し、ビメンチンを標識化して間質を識別するためにCy3を使用し、脈管構造を識別するためにCD31を、及び腫瘍脈管構造を決定するためにサイトケラチンを、及び間質脈管構造を識別するためにビメンチンを標識化するためにCy7を使用した。(B)7つのバイオマーカーパネル(Cy5)の代表的な画像例。 TAPPSスコアが大腸直腸癌の予後を高度に表すことを示す。(A)YTMA8でのTAPPSスコア分布のヒストグラム図(n=265)。点線は、生存分析に使用される三分位値カットポイントを表す。(B)5年の無病生存期間があった全事例のカプラン・マイヤー生存分析。低TAPPS(時間60か月の上部の濃い灰色の線)n=88、事象=15、中間TAPPS(時間60ヵ月の中央の薄い灰色の線)n=99、事象=35、高TAPPS(時間60ヵ月の一番下の黒い線)n=73、事象=51。(C)5年の無病生存期間があった、リンパ節転移陰性事例のみのカプラン・マイヤー生存分析。低TAPPS(時間60ヵ月の上部の濃い灰色の線)n=44、事象=4、中間TAPPS(時間60ヵ月の中央の薄い灰色の線)n=50、事象=9、高TAPPS(時間60ヵ月の一番下の黒い線)n=26、事象=15。 TAPPSスコアが大腸直腸癌の予後を高度に表すことを示す。(C)5年の無病生存期間があった、リンパ節転移陰性事例のみのカプラン・マイヤー生存分析。低TAPPS(時間60ヵ月の上部の濃い灰色の線)n=44、事象=4、中間TAPPS(時間60ヵ月の中央の薄い灰色の線)n=50、事象=9、高TAPPS(時間60ヵ月の一番下の黒い線)n=26、事象=15。(D)5年の無病生存期間があった、リンパ節転移陽性事例のみのカプラン・マイヤー生存分析。低TAPPS(時間60ヵ月の中央の薄い灰色の線)n=27、事象=6、中間TAPPS(時間60ヵ月の上部の濃い灰色の線)n=37、事象=24、高TAPPS(時間60ヵ月の一番下の黒い線)n=41、事象=32。 注目バイオマーカーを無監督階層型クラスタ化により識別した、2つの主要な患者クラスタの概略図を示す。 組織区画(腫瘍、間質血管、腫瘍血管又は間質)によるマーカー発現のグラフ図を示す。(A)はTEM1の発現を示す。(B)はHIF2αの発現を示す。(C)はPDGFRーβの発現を示す。(D)はCAIXの発現を示す。 組織区画(腫瘍、間質血管、腫瘍血管又は間質)によるマーカー発現のグラフ図を示す。(E)はフィブロネクチンの発現を示す。(F)はコラーゲンIの発現を示す。(G)はコラーゲンIVの発現を示す。 A〜Dは、すべての区画のエンドシアリン/TEMー1発現用バリデーションセットのカプラン・マイヤー生存分析を示す。 (A)低、中及び高リスク打ち切りグループ、(B)低及び高リスク打ち切りグループ、(C)ステージIIの大腸直腸癌患者、(D)ステージIII/IVの大腸直腸癌患者のカプラン・マイヤー生存分析を示す。 (A)すべての症例及び(B)ステージIIの大腸直腸癌患者の3つの可変パラメータだけを含むモデルの、カプラン・マイヤー生存分析を示す。
別段の規定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 3rd ed.,J.Wiley & Sons(New York,N.Y.2006),and March,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 6th ed.,John Wiley & Sons(New York,N.Y.2007)は、当業者に、本出願において使用する多くの用語の一般的な指針を提供する。
当業者は、本明細書に記載されているものと類似である又は同じである、多くの方法及び材料を認識し、それは本発明の実施において使用されるだろう。実際、本発明は、記載されている方法及び材料に何ら制限しない。本発明の目的のために、以下の用語を次のとおり定める。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示被験体を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」への言及は、2つ以上の細胞の組み合わせ等を包含する。
本明細書において使用する場合、「約(about)」(「〜」記号でも示される)という用語は、量、一時的な持続期間等の測定可能な値について言及するとき、既定値から最大±10%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示される方法を実行するために適切である。別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される、成分の量、分子量等の特性、反応条件等を表すすべての数字は、すべての場合に、「約」という用語によって修飾されると理解されるものとする。したがって、それとは反対に指示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、そして特許請求の範囲と等価物の原則を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、報告された有効数字の数値を考慮し、及び通常のまるめ方を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範囲を示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例な実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、本質的に、それらそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる、ある誤差を含む。
「発現する」及び「産生する」という用語は、本明細書において同義的に使用され、遺伝子産物の生合成を指す。これらの用語は、遺伝子のRNAへの転写を包含する。これらの用語は、RNAの1つ以上のポリペプチドへの転写も包含し、すべての天然に存在する転写後及び翻訳後修飾を更に包含する。
本明細書において、「抗体」という用語は、各アイソタイプの様々な単量体及び高分子体を含む、免疫グロブリン(IgG、IgA、IgE、IgM、IgD、並びIgY)のすべてのアイソタイプを指し、並びに、抗原結合フラグメント、ダイアボディ及び一本鎖分子、並びにFab、F(ab’)2、Fc、Fabc及びFv分子、一本鎖(Sc)抗体、個別の抗体軽鎖、個別の抗体重鎖、抗体鎖又はCDRと他のタンパク質との間のキメラ融合、タンパク質足場、重鎖単量体又は二量体、軽鎖単量体又は二量体、1つの重鎖及び1つの軽鎖からなる二量体等を包含すると理解されるべきである。
抗原結合フラグメントは、特定の抗原に対する結合親和性を呈し得る、任意のタンパク質性構造である。いくつかの抗原結合フラグメントは、親抗体分子の抗原結合特異性を保持する、無傷の抗体の一部分からなる。例えば、抗原結合フラグメントは、特定の抗原に結合することが知られている抗体の少なくとも1つの可変領域(重鎖若しくは軽鎖可変領域のいずれか)又は1つ以上のCDRを含んでもよい。好適な抗原結合フラグメントの例としては、限定されないが、ダイアボディ及び一本鎖分子、並びにFab、F(ab’)2、Fc、Fabc、及びFv分子、一本鎖(Sc)抗体、個別の抗体軽鎖、個別の抗体重鎖、抗体鎖又はCDRと他のタンパク質との間のキメラ融合、タンパク質足場、重鎖単量体又は二量体、軽鎖単量体又は二量体、1つの重鎖及び1つの軽鎖からなる二量体等が挙げられる。すべての抗体アイソタイプは、抗原結合フラグメントを産生するために使用されてもよい。加えて、抗原結合フラグメントは、タンパク質足場等の関心対象の所与の抗原に対する親和性を付与する配向で、ポリペプチドセグメントを成功裏に組み込み得る、非抗体タンパク質性フレームワークを含んでもよい。抗原結合フラグメントは、組み換え産生され得るか、又は無傷の抗体の酵素若しくは化学切断によって産生され得る。「抗体又はその抗原結合フラグメント」という句は、所与の抗原結合フラグメントが、その句において言及される抗体の1つ以上のアミノ酸セグメントを組み込むことを示すために使用されてもよい。
「特異的結合」は、抗体又は抗体フラグメントの文脈において使用されるとき、分子の混合個体群を含有する試料中の他の分子に優先的に結合することなく、免疫グロブリン遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによってコードされるドメインを介して、関心対象のタンパク質の1つ以上のエピトープに結合することを表す。通常、抗体は、表面プラズモン共鳴分析又は細胞結合分析によって測定される、約1×10−8 M未満のKでコグネイト抗原に結合する。「[抗原]特異的」抗体(例えば、TEM1特異的抗体)という句は、列挙される抗体が、列挙される抗原に特異的に結合することを伝えることを意味する。
本明細書で使用する場合、「腫瘍」という用語は、すべての腫瘍性細胞成長及び増殖、並びにすべての前癌性並びに癌細胞及び組織を指す。
「癌」及び「癌性」という用語は、無秩序な細胞成長によって通常特徴づけられる哺乳類の生理的状態を意味する、又は表す。癌の一例は、大腸直腸癌である。
癌の「病状」は、患者の健康を損なう、すべての現象を含む。これには、異常な又は制御不能の細胞成長、転移、隣接細胞の正常機能の阻害、異常なレベルのサイトカイン又は他の分泌物の放出、炎症性若しくは免疫性反応の抑制又は悪化、腫瘍、前悪性、悪性、周囲若しくは遠隔組織又は器官(例えばリンパ節)への侵襲などが挙げられるが、これらに限定されない。
「大腸直腸癌」という用語は広い意味で使用され、並びに、(1)大腸及び/若しくは直腸の上皮細胞から生じる、癌のすべての段階並びにすべての形態、並びに/又は(2)大腸及び/若しくは直腸の内膜に影響を及ぼす、癌のすべての段階並びにすべての形態を指す。大腸直腸癌分類で使用するステージングシステムにおいて、結腸及び直腸は1つの器官とみなされる。
米国対がん合同委員会(AJCC)の腫瘍、リンパ節、転移(TNM)ステージングシステム(Edge et al.(eds.),AJCC Cancer Staging Manual.7th Ed.New York,N.Y.:Springer;2009)によれば、大腸直腸癌のさまざまな段階は以下のとおり定義される。
腫瘍:T0:原発腫瘍なし、T1:腫瘍が粘膜下層に侵襲する、T2:腫瘍が固有筋層に侵襲する、T3:腫瘍が固有筋層を介して、漿膜下層に、又は結腸周囲若しくは直腸周囲組織に侵襲する、T4:腫瘍が直接、他の器官若しくは組織に侵襲する、及び/又は穿孔する。
リンパ節:N0:局所リンパ節転移がない、N1:1〜3つの局所リンパ節転移、N2:4つ以上の局所リンパ節転移、
転移:M0:遠隔転移がない、M1:遠隔転移が存在する、
ステージ分類:ステージI:T1 N0 M0、T2 N0 M0、ステージII:T3 N0 M0、T4 N0 M0、ステージIII:TのどれかN1〜2、M0、ステージIV:TのどれかNのどれかM1、
修正デュークステージングシステムによれば、大腸直腸癌のさまざまな段階は以下のとおり定義される。
ステージA:腫瘍が腸壁の粘膜に侵入するが、それ以上ではない、
ステージB:腫瘍が固有筋層に侵入して通過する、
ステージC:腫瘍が固有筋層に侵入するが通過せず、リンパ節に大腸直腸癌の病理学的証拠がある、又は腫瘍が固有筋層に侵入して通過し、リンパ節に癌の病理学的証拠がある、
ステージD:腫瘍がリンパ節の範囲を超えて、肝臓、肺若しくは骨などの他の器官にまで広がっている。
予後因子は、大腸直腸癌の自然経過に関連した変数のようなものであり、大腸直腸癌が発症すると、それは患者の再発率及び転帰に影響する。より悪い予後と関連する臨床パラメータは、例えばリンパ節病変及び高度の腫瘍を含む。予後因子は、患者を、異なるベースライン再発リスクのあるサブグループに分類するために多用されている。
「予後」という用語は本明細書において、癌に起因する死、又は、再発、転移及び薬剤耐性を含む、大腸直腸癌のような腫瘍性疾患の進行の可能性の予測を意味して使用される。
「予測」という用語が本明細書において、肯定的又は否定的に関わらず、患者は特定の臨床転帰を有するという可能性を意味して使用される。本発明の予測方法は、特定の患者の最適な治療法を選択することによって治療上の決定をするために、臨床的に使用可能である。本発明の予測方法は、患者が外科的処置のような治療計画に好ましい反応をするか予測する際の有益な手段である。前記予測は、予後因子を含むことができる。
「肯定的臨床転帰」という用語は、当該技術分野で通常使用される手段を含む、無再発期間(RFI)持続の延長、全生存期間(OS)の延長、無病生存期間(DFS)持続の延長、無遠隔転移期間(DRFI)の延長などの、患者の状態のすべての指標の改善を意味する。
「リスク分類」という用語は、被験体が特定の臨床転帰を経験する、リスクのレベル又は予測を意味する。被験体は、本発明の予測方法に基づいて、リスク群に分類される、又はリスクのレベルで分類することができる。「リスク群」とは、特定の臨床転帰のリスクが同程度である、被験体又は個人の一群である。
「被験体」又は「患者」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を指し、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、マウス、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、及び爬虫類などの哺乳類並びに非哺乳類を含む。記載される方法の多くの実施形態において、被験体はヒトである。
「処置する」又は「処置」という用語は、症状の軽減、寛解、減退等の任意の客観的又は主観的パラメータを含む、傷害、病理、若しくは状態の減衰若しくは軽減、状態を患者にとってより耐えられるものにすること、変性若しくは減少速度を減速すること、変性の最終点をあまり衰弱性にしないこと、被験体の心身の健康を改善すること、又は生存期間を延長することにおける任意の成功又は成功のしるしを指す。処置は、身体検査、神経学的検査又は精神医学的評価の結果を含む、客観的又は主観的パラメータによって評価されてもよい。
「長期」生存という用語は、少なくとも3年間、より好ましくは少なくとも5年間生存することを意味するために、本明細書で使用される。
「無再発期間(RFI)」という用語は、再発がみられず、第1の事象又は死亡としての第2の原発性癌をくい止めている、第1の大腸直腸癌再発の時間を意味するために、本明細書で使用される。
「無憎悪生存期間(PFS)」という用語は、大腸直腸癌の一次処置から疾患の進行又は死亡までの時間で、その間に疾患は存在するが更に悪化しないことを意味するために、本明細書で使用される。
「全生存期間(OS)」という用語は、手術から、事象からの死亡までの時間を意味するために、本明細書で使用される。
「無病生存期間(DFS)」という用語は、大腸直腸癌再発、又は事象から死亡までの時間を意味するために、本明細書で使用される。
「無遠隔転移期間(DRFI)」という用語は、手術から最初の解剖学的遠隔癌再発までの時間を意味するために、本明細書で使用される。
本発明の文脈において、特定の遺伝子セットで表示されている、遺伝子の「少なくとも1つ」、「少なくとも2つ」、「少なくとも5つ」などは、記載されている遺伝子のどれか1つ又はあらゆる組合せを意味する。
「リンパ節転移陰性」大腸直腸癌のような「リンパ節転移陰性」癌という用語は、リンパ節で検出されなかった、及び/又はリンパ節まで広がらなかった癌を意味するために、本明細書で使用される。「リンパ節転移陽性」大腸直腸癌のような「リンパ節転移陽性」癌という用語は、リンパ節まで広がった、及び/又はリンパ節で検出された癌を意味するために、本明細書で使用される。
方法
大腸直腸癌と診断された被験体が、バイオマーカー、特に患者から得られた腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルの遺伝子発現プロファイリングに基づいて、本疾患を再発するリスクを判定する方法が、本明細書に記載される。バイオマーカー、特に被験体から得られた腫瘍組織試料の腫瘍区画のパネルの遺伝子発現プロファイリングに基づいて、大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法も記載されている。更に、大腸直腸癌と診断された被験体を、TEM1発現大腸直腸癌のリスクが高いカテゴリ又はリスクが低いカテゴリに分類する、割り当てを可能にする鑑別診断の方法が、本明細書において開示される。
被験体は、大腸直腸癌のリンパ節転移陽性、又はリンパ節転移陰性でもよい。患者の大腸直腸癌は、ほとんどの場合ステージI、ステージII又はステージIIIの癌であるが、いかなるステージであってもよい。
腫瘍組織試料は、固定した、固定してパラフィン埋め込まれている又は作成直後であってもよい。いくつかの態様において腫瘍組織試料は、患者から得られる生体試料の組織生検、細針吸引試料、外科的に切除された腫瘍組織又は組織学的調製物から得られる。いくつかの実施形態において、腫瘍組織試料は原発性大腸直腸癌腫瘍からのものである。他の実施形態において、腫瘍組織試料は転移性大腸直腸癌腫瘍からのものである。
マーカーパネルは、腫瘍内皮マーカ−1(TEM1、別名エンドシアリン又はCD248)、低酸素誘導因子2α(HIF2α)、炭酸脱水酵素9(CAIX)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFRβ)、フィブロネクチン(FN)、コラーゲンI(COLI)、コラーゲンIV(COLIV)及びCD31のうちの少なくとも2つを含む。好ましい実施形態において、マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は全8つを含む。いくつかの実施形態では、マーカーパネルは、少なくともTEM1及びCAIXを含む。いくつかの実施形態では、マーカーパネルは、少なくともTEM1、HIF2α、CAIX及びPDGFRβを、より好ましくはTEM1、HIF2α、CAIX、フィブロネクチン及びPDGFRβを、並びに、いくつかの実施形態では、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31を含む。
マーカーは、純粋な間質(脈管構造が実質的に又は完全にない間質)、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管のうちの少なくとも3つを含む、腫瘍区画のパネルに配置される。前記配置は、被験体からの腫瘍組織試料の少なくとも3つの区画を識別する、及び/又は標識化することを含んでもよい。好ましい実施形態において、バイオマーカーが配置される腫瘍区画のパネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管を含む。
いくつかの態様において、本明細書記載の方法は、以下のバイオマーカー及び腫瘍区画の組合せのうちの少なくとも2つ、3つ、4つ、又は5つの発現レベルを測定することを含む:腫瘍間質のTEM1の発現レベル、腫瘍血管のTEM1の発現レベル、間質血管のHIF2αの発現レベル、腫瘍間質のHIF2αの発現レベル、腫瘍血管のCAIXの発現レベル、腫瘍間質のPDGFRβの発現レベル及び腫瘍間質のフィブロネクチン(例えば、フィブロネクチン−1)の発現レベル。本明細書の方法の好ましい実施形態において、腫瘍間質のTEM1の発現レベル、腫瘍血管のTEM1の発現レベル、間質血管のHIF2αの発現レベル、腫瘍間質のHIF2αの発現レベル、腫瘍血管のCAIXの発現レベル、及び腫瘍間質のPDGFRβの発現レベルが、測定される。本明細書の方法のいくつかの好ましい実施形態において、腫瘍間質のTEM1の発現レベル、腫瘍血管のTEM1の発現レベル、間質血管のHIF2αの発現レベル、腫瘍間質のHIF2αの発現レベル、腫瘍血管のCAIXの発現レベル、腫瘍間質のPDGFRβの発現レベル、及び腫瘍間質のフィブロネクチンの発現レベルが、測定される。本明細書の方法のいくつかの実施形態において、間質のTEM1の発現レベル、腫瘍血管のTEM1の発現レベル、間質血管のHIF2αの発現レベル、腫瘍のCOLIVの発現レベル及び間質のフィブロネクチンの発現レベルが、測定される。本明細書の方法のいくつかの実施形態において、間質のTEM1の発現レベル、腫瘍のCOLIVの発現レベル及び間質のフィブロネクチンの発現レベルが、測定される。本明細書の方法において、少なくとも1つの細胞内区画(例えば、細胞核、細胞質、核膜、細胞膜、ミトコンドリア、小胞体、ペルオキシソーム及びリソソーム)も、識別又は標識化することができる。
バイオマーカーの発現レベルは、当該技術分野において周知の任意の方法によって測定することができる。遺伝子発現プロファイリングの方法は、ポリヌクレオチドのハイブリッド形成分析に基づく方法、ポリヌクレオチドのシークエンシングに基づく方法、及びプロテオミクスに基づく方法を含む。試料のmRNA発現の定量化のため、最も一般的に使用されている、当該技術分野において既知の方法は、ノーザンブロット法及びin situハイブリダイゼーション(Parker & Barnes,Methods in Molecular Biology 106:247〜283(1999))、RNaseプロテクションアッセイ(Hod,Biotechniques 13:852〜854(1992))、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)(Weis et al.,Trends in Genetics 8:263〜264(1992))のようなPCRに基づく分析を含む。別の方法としては、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA−タンパク質二本鎖を含む、配列特異的二本鎖を認識できる抗体を用いてもよい。シーケンシングに基づく遺伝子発現分析の代表的な方法は、遺伝子発現の逐次分析法(SAGE)及び超並列型シーケンシング(MPSS)による遺伝子発現分析を含む。バイオマーカーの発現レベルは、免疫組織化学法並びに自動化された組織マイクロアレイ分析(例えば、本明細書に参照として組み込まれる、米国特許第20120093387号及び第20110311123号参照)によって、測定することもできる。
本明細書で開示される方法は、全体又は一部を自動化することができる。いくつかの実施形態では、前記方法は、患者の大腸直腸癌腫瘍の試料の、マーカーパネルの定量的免疫蛍光(QIF)信号を含む。多数の定量的画像解析法は、当該技術分野において周知である。発現レベルを測定するために用いることができる定量的画像解析法の例は、発行済み米国特許第7,219,016号及び米国特許出願公開第2009/0034823号に記載されている、自動化定量分析(AQUA(登録商標))技術であり、これらの特許はそれぞれ、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。AQUA(登録商標)技術は、分析中の組織試料内の所与のマーカーのための蛍光信号だけの定量化ではなく、分子的に定義済みの腫瘍及び細胞内区画内の区分化も可能にする。
被験体の腫瘍区画パネル内のバイオマーカー発現レベルは、患者のTEM1−関連経路予後型(TAPPS)スコアの測定を可能にする(本明細書で使用する場合、「TAPPS」という用語は、下記の実施例部分で述べるように、本来定義されたTAPPSスコアの正確な表現「R−TAPPS」という用語の代わりに、使用することもできる)。被験体のTAPPSスコアは、被験体のバイオマーカー発現レベルを、TAPPS式の腫瘍区画のパネル内に組み入れることによって生成される。TAPPS方程式は、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、大腸直腸癌と診断された被験体の母集団の、腫瘍区画パネルのバイオマーカーパネルの発現プロファイルを調べて、所望のp値レベルを満たす予後モデルを提供することによって、生成される。このモデルから、係数が各マーカーに対して導出され、これらの係数を用いて、全体のリスクスコアを提供するTAPPS式が作られる。いくつかの実施形態では、TAPPS式は、大腸直腸癌患者の母集団を包含した中から選択された腫瘍区画の各マーカーの係数A、B、C、Dなどを決定して、許容可能なp値を有する予後モデルを提供することによって、決定される。いくつかの実施形態で、TAPPS式は、
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CCAIX_腫瘍脈管構造)+(〜DCAIX_腫瘍)であり、
式中、係数A、B、C及びDは、予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。他の実施形態で、TAPPS式は、
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CHIF2α_間質脈管構造)+(〜DHIF2α_間質)+
(〜ECAIX_腫瘍脈管構造)+(〜FCAIX_腫瘍)+(〜GPDGFRβ_間質)+
(〜Hフィブロネクチン_間質)であり、
式中、係数A、B、C、D、E、F、G及びHは、最適な予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。いくつかの実施形態で、TAPPS式は以下のとおりである。
(〜−1.063TEM1_間質)+(〜0.478TEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜−1.095HIF2α_間質脈管構造)+(〜0.407HIF2α_間質)+
(〜−1.096CAIX_腫瘍脈管構造)+(〜0.912CAIX_腫瘍)+(〜0.600PDGFRβ_間質)+(〜0.714フィブロネクチン_間質)。
いくつかの実施形態で、TAPPS式は、
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CHIF2α_間質脈管構造)+(〜DCOLIV_腫瘍)+(〜EFN間質)であり、
式中、係数A、B、C、D及びEは、予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。いくつかの実施形態で、TAPPS式は、
(〜−0.89TEM1_間質)+(〜1.19TEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜−0.76HIF2α_間質脈管構造)+(〜0.62COLIV_腫瘍)+
(〜0.83FN間質)であり、
式中、係数A、B、C、D及びEは、予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。いくつかの実施形態で、TAPPS式は、
(〜ATEM1_間質)+(〜BCOLIV_腫瘍)+(〜CFN間質)であり、
式中、係数A、B及びCは、予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。いくつかの実施形態で、TAPPS式は、
(〜0.89TEM1_間質)+(〜0.62COLIV_腫瘍)+(〜0.83FN間質)であり、
式中、係数A、B及びCは、予後モデルを大腸直腸癌患者の所与の母集団に提供するために、一変量カットポイントを採用する変数減少を用いた多変量コックス比例ハザードモデルで、各腫瘍区画の各マーカー用に導出された係数である。TAPPS式の係数が、大腸直腸癌と診断された被験体の母集団に応じて、いくらか変動する可能性があることは当業者にわかる。
次に被験体のTAPPSスコアが、大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアと比較される。被験体は、TAPPSスコアのいかなる特定の値でもサブグループに分割することが可能であり、そこで、所与の範囲の値を有するすべての患者を、特定のリスク群又は特定の臨床転帰と関連する群に属するとして分類できる。分析結果は、報告書にまとめることが可能である。この情報は、患者及び医師にとって、患者に対する観察対アジュバント療法の、リスク対効果を評価するために有用である。例えば、被験体が大腸直腸癌再発のリスクが高いと判断される場合、更なる療法が選ばれる又は行うことができる。このような療法は、TEM1標的療法(例えば、MORAb−004)、化学療法、放射線療法、及び/又は疾患再発若しくは進行のモニタリングを含む。
いくつかの態様において、大腸直腸癌と診断される被験体が大腸直腸癌の再発するリスクを決定する方法は、a)被験体からの腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルで、マーカーパネルの各マーカーの発現レベルを決定することと、該マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含み、並びに、該腫瘍区画パネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を含み、b)被験体のTAPPSスコアを決定することと、c)被験体のTAPPSスコアと大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアを比較することと、と含む。被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して低い場合、大腸直腸癌の再発のリスクが低い群に割り当てられる。被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して高い場合、大腸直腸癌の再発のリスクが高い群に割り当てられる。いくつかの態様において、被験体の大腸直腸癌がリンパ節転移陰性であって、及び被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して中間である場合、被験体は大腸直腸癌の再発のリスクが低い群に割り当てられる。いくつかの態様において、被験体の大腸直腸癌がリンパ節転移陽性であって、及び被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して中間である場合、被験体は大腸直腸癌の再発のリスクが高い群に割り当てられる。
いくつかの態様において、大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法は、a)被験体からの腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルで、マーカーパネルの各マーカーの発現レベルを決定することと、該マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含み、並びに、該腫瘍区画パネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を含み、b)被験体のTAPPSスコアを決定することと、c)被験体のTAPPSスコアと大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアを比較することと、と含む。母集団のTAPPSスコアと比較して、低いTAPPSスコアの被験体は、肯定的臨床転帰が予測される。母集団のTAPPSスコアと比較して、高いTAPPSスコアの被験体は、不良臨床転帰が予測される。被験体の大腸直腸癌がリンパ節転移陰性である場合、母集団のTAPPSスコアと比較して、中間のTAPPSスコアの被験体は、肯定的臨床転帰が予測される。被験体の大腸直腸癌がリンパ節転移陽性である場合、母集団のTAPPSスコアと比較して、中間のTAPPSスコアの被験体は、不良臨床転帰が予測される。臨床転帰は、無憎悪生存期間(PFS)、無再発期間(RFI)、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)、又は無遠隔転移期間(DRFI)という用語で表すことができる。
不良臨床転帰が被験体に予測される場合、被験体は、TEM1標的療法(例えば、MORAb−004)、化学療法、放射線療法、及び/若しくは、疾患再発若しくは進行のためのモニタリングなどの更なる療法を選ぶ、又は受けることができる。
本明細書で開示された方法で、大腸直腸癌の再発、又は不良臨床転帰が予測される高いリスクが決定された被験体は、例えば、TEM1標的療法、化学療法及び/若しくは放射線療法といった大腸直腸癌の療法が施される、大腸直腸癌の処置の方法も、本明細書において開示される。本明細書で記載されている方法の臨床応用は、既存の基準に対して相補的である、患者の疾患再発の可能性の客観的な評価を提供するだろう。この情報に基づいて、アジュバント療法から、又はより積極的な疾患再発モニタリングから利益を得る可能性が高い患者を、識別できる。逆に、現在の予後基準に基づくアジュバント療法の候補になることができるが、本分析に基づき再発の危険性が低いと識別された患者は、既存のアジュバント療法に伴う不必要なリスクを回避できる。
本明細書に記載されている方法で、大腸直腸癌と診断された被験体を、再発のリスクが高い群若しくはリスクが低い群に、又は肯定的臨床転帰が予測される群若しくは不良臨床転帰が予測される群に、割当てることができる。前記方法は、患者及び医師が、補助介入、又は少なくとも積極的経過観察調査の必要性を決定するのに役立つ。本明細書で記載される方法の目的は、残りの患者をアジュバント療法又は疾患再発のモニタリングに伴う危険及び費用にさらさずに、リスクの高い患者群の全生存期間を改善することである。例えば、本明細書の方法で、高リスク試験結果があると識別されたリンパ節転移陰性の患者は、アジュバント療法を選ぶように促されるかもしれない。
大腸直腸癌腫瘍組織試料内にマーカーパネルを配置するためのコンピュータで実行される方法も、本明細書に記載されている。前記方法によれば、腫瘍組織試料(例えば、その1つ以上の断面)は、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を特異的に標識化する、標識パネルで培養される。腫瘍組織試料(例えば、その1つ以上の断面)も、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含むマーカーパネルを標識化する標識パネルで、培養される。いくつかの好ましい実施形態において、マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31の4つ、5つ、6つ、7つ、又は全8つを含む。好ましい実施形態において、マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX及びPDGFRβを含む。別の好ましい実施形態において、マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、フィブロネクチン及びPDGFRβを含む。一実施形態において、マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、コラーゲンIV及びフィブロネクチンを含む。腫瘍組織試料の各ラベルの高分解能画像は、光学撮像装置を使用して得られる。各腫瘍区画の画像及び各マーカーの画像が、生成される。次いで画素位置が、その画素位置で腫瘍区画を特異的に標識化するラベルの強度値に基づいて、各腫瘍区画に割り当てられる。そして各マーカーの画像が、各腫瘍区画に割り当てられた画素位置で分析されて、マーカーラベルの存在を示す強度値を有する画素位置を識別し、これにより腫瘍組織試料のマーカーパネルの各マーカーを配置する。
大腸直腸癌腫瘍組織試料内にマーカーパネルを配置するための、コンピュータ実行方法のいくつかの実施形態において、腫瘍組織試料は、細胞核、細胞質、核膜、細胞膜、ミトコンドリア、小胞体、ペルオキシソーム及びリソソームの2つ以上の細胞内区画を特異的に標識化する標識パネルで、更に培養される。次いで、細胞内区画を特異的に標識化する各ラベルの高分解能画像は、各細胞内区画の画像を得るための光学撮像装置を使用して得られる。そして画素位置が、その画素位置で細胞内区画を特異的に標識化するラベルの強度値に基づいて、各細胞内区画に割り当てられる。
本明細書に記載されている方法(大腸直腸癌腫瘍組織試料内にマーカーパネルを配置するコンピュータ実行方法、大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法、大腸直腸癌と診断された被験体が大腸直腸癌を再発するリスクを測定する方法、鑑別診断の方法及び処置の方法を含む)のいくつかの態様において、組織試料は、固定されている、固定してパラフィン埋め込まれている、若しくは新鮮である、及び/又は生検から得られる。いくつかの態様において、大腸直腸癌腫瘍組織試料は、組織マイクロアレイである。いくつかの実施形態において、腫瘍組織試料は厚さ約5ミクロンである。
本明細書で開示された方法のいくつかの実施形態によれば、大腸直腸癌は、リンパ節転移陰性又はリンパ節転移陽性である。いくつかの態様において、大腸直腸癌は、ステージI、ステージII、又はステージIIIの癌である。本明細書で記載されている方法は、大腸直腸癌の診断に応じて、大腸直腸癌の外科的切除の後、又は、MORAb−004による処置などの大腸直腸癌の処置の後、実施することができる。
本明細書に記載されている方法(大腸直腸癌腫瘍組織試料内にマーカーパネルを配置するコンピュータ実行方法、大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法、及び大腸直腸癌と診断された被験体が大腸直腸癌を再発するリスクを測定する方法を含む)で使用されるラベルは、容易に当業者に周知である。例えば適切なラベルは、抗体(例えば、検出可能な標識抗体)、放射線標識、蛍光物質、蛍光標識、エピトープタグ、ビオチン、発色団若しくは発色性標識(例えば、3,3−ジアミノベンジジン)、ECL標識又は酵素を含むが、これらに限定されると見なすべきではない。より具体的には、本明細書で記載されているラベルは、ルテニウム、111In−DOTA、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、ポリ−ヒスチジン(HISタグ)、アクリジン色素、シアニン染料、蛍光染料、オキサジン染料、フェナントリジン染料、ローダミン染料、Alexafluor(登録商標)染料などを含む。蛍光物質の例は、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)又はシアニン染料(例えば、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びCy7.5)を含む。いくつかの実施形態において、ラベルは、放射線標識、蛍光標識、エピトープタグ、ビオチン、発色団標識、ECL標識、酵素、ルテニウム、111In−DOTA、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、若しくはポリ−ヒスチジン、又は当該技術分野で既知の類似のそのようなラベルで標識化された抗体を含む。信号増幅システム(例えば、チラミド信号増幅)を、ラベルで使うことができる。腫瘍区画を定めるラベルは、CD31、CD34、サイトケラチン、βカテニン、αカテニン及びビメンチンのマーカーと反応できるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、任意の腫瘍区画マーカー又はバイオマーカーと反応するラベルは、抗体を含む。
組織試料アレイ
1つ以上の被験体の癌組織から産生された組織試料アレイが本明細書に記載されており、該組織試料は、癌細胞の発現を変化させ得る細胞又は細胞外タンパク質と特異的に結合する1つ以上の抗体で標識化されている。本明細書に記載されているアレイの組織試料は、単一又は複数の被験体からのものであり得、及び単一の腫瘍又は複数の腫瘍からのものであり得る。例えば、本明細書に記載されている組織アレイは、個々の被験体から得られる単一の腫瘍試料の複数の組織学的切片(histological sections)から産生することができる。あるいは、本明細書に記載されているアレイの癌組織は、被験体の複数の腫瘍から得られることが可能である。複数の腫瘍が組織学的試料をアレイに提供する、いくつかの実施形態において、腫瘍は、同じ種類、ステージ又はグレードの腫瘍でもよい。アレイの組織試料は、非癌細胞よりも癌細胞若しくは特定の癌細胞で示差的発現をする、1つ以上の細胞タンパク質又は細胞外タンパク質を検出するために、1つ以上の抗体で標識化することができる。いくつかの実施形態において、アレイの1つ以上の組織試料は、複数の抗体で標識化されて、複数のタンパク質の検出を可能にし、この標識化されたタンパク質のうちの少なくとも1つは、癌細胞で示差的発現をしない。
本明細書で記載されている組織試料アレイは、広範な実施形態に存在し得る。いくつかの実施形態において、組織試料アレイは、組織構造と関連していることが周知であるタンパク質と特異的に結合する、少なくとも1つの抗体で標識化された複数の組織腫瘍試料からなることができ、それによって関連する構造が標識化され、少なくともアレイのいくつかの該組織試料は、異なるタンパク質と特異的に結合する少なくとも1つの抗体で標識化されており、それは構造タンパク質であっても又はでなくてもよい。いくつかの実施形態において、アレイ試料は、構造タンパク質のために、サイトケラチン、ビメンチン及びCD31のどれか1つと特異的に結合する1つ以上の抗体で標識化することができ、その一方で、アレイ試料は、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXのどれか1つと特異的に結合する抗体で標識化することもできる。いくつかの実施形態において、アレイ試料は、構造タンパク質のために、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のどれか1つと特異的に結合する1つ以上の抗体で標識化することができ、その一方で、アレイ試料は、TEM1、フィブロネクチン、コラーゲンIV、及びHIF2と特異的に結合する抗体で標識化することもできる。
いくつかの実施形態において、本明細書記載のアレイは、アレイの各組織試料を異なる抗体の組み合わせで標識化するような方法で調製されて、さまざまな個々の組織構造をアレイ間で標識化することが可能になり、一方で同じ組織試料は、異なるタンパク質用に、1つ以上の抗体で同時に標識化することができ、そうすることで種々のタンパク質発現プロファイルが、アレイ間で同時に評価され得る。このようにアレイを使用することで、目的のタンパク質の発現に関するパラメータの組合せが、目的の組織又は腫瘍のために、アレイ間の複数のクエリパラメータを利用することによって得られるようになる。例えば一態様において、アレイの単一組織試料は、目的のタンパク質(例えばTEM1)を検出するために標識化することができ、並びに、サイトケラチン、ビメンチン及びCD31を検出して目的の特定の細胞又は組織構造を示すためにも標識化することができ、更に、核のような細胞の他の要素も、DNAと結合できるラベルを使用して検出することができる。同じアレイの他の組織試料は、同様の方法で標識化することが可能であるが、ただし、TEM1用のラベルが、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXといった、目的の異なるタンパク質用のラベルと置き換えられる場合は除く。次いで、互いと関連する、及び、各試料の標識構成要素に関連する、目的の標識タンパク質の発現レベルを評価することができた。したがって例えば、単一の腫瘍のTEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α及びCAIXの任意の組合せの発現レベルも決定すること、互いに関連するこれらのタンパク質の発現レベルを評価すること、更にアレイの各試料の標識構成要素と関連するそれらの発現位置を測定することができた。標識タンパク質の検出は、免疫組織化学的な手段によって達成され得る。例えば、標識化された第1の抗体又は標識化された第2の抗体を使用する、蛍光物質を利用した標識化、及び蛍光検出器を使用する検出である。
前述したことを考慮すると、以下に記載の実施形態は、本明細書に開示される組織試料アレイの更なる理解を提供できる。一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出、並びに、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、及びCAIXのうちの1つ以上の検出を可能にし、該標識タンパク質は、組織学的スライドの細胞における配置及び定量を可能にする方法で標識化される。一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上で標識化された少なくとも1つの細胞も、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つ以上の抗体で標識化されており、該標識タンパク質は、組織学的スライドの細胞のそれらの配置及び定量を可能にする方法で標識化される。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上に特異的な抗体で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、コラーゲンIに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;並びにサイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライドを含み、該標識タンパク質は、組織学的スライドの細胞のそれらの配置及び定量を可能にする方法で標識化される。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びにサイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、コラーゲンIに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;
ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、コラーゲンIに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;を含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料の細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、以下の標識組み合わせのうちのいずれか1つ以上を含む:ビメンチンに特異的な抗体であり、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;サイトケラチンに特異的な抗体であり、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体であり、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;サイトケラチンに特異的な抗体であり、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体であり、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体であり、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体であり、コラーゲンIに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、コラーゲンIに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;ビメンチンに特異的な抗体であり、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体;又は、ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体であり、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、抗体。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料の細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、2〜5の組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料の細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみ;並びに、ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドのみを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体のみで標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、腫瘍の複数の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料の細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、PDGFRβに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;並びに、ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドを含む。
一実施形態において、本明細書の方法に記載の組織試料アレイは、複数の腫瘍の組織学的スライドを含むことができ、大多数の該組織学的スライドは標識化されて、組織試料における細胞の核の検出、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちの1つ以上の検出を可能にし、並びに、サイトケラチン、ビメンチン、及びCD31のうちのいずれか1つ以上で標識化された少なくとも1つの組織学的スライドが、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されており、それによりアレイは全体として、ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体のみで標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;サイトケラチンに特異的な抗体のみで標識化され、コラーゲンIVに特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライド;ビメンチンに特異的な抗体のみで標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、組織学的スライドを含む。
当業者には明らかであるように、本明細書記載の、抗原検出パラメータの他の実施形態は、実質的に類似の結果を、記載されている方法によって提供されるもの又は組織アレイにもたらすために使用され得る。例えば、上で別途に記載されている特定の標識化条件を単に結合することができたが、異なる検出条件を使用して、追加ラベルによって違ったふうに生じる干渉を回避できた。当業者には周知のその他のこのような修正は、記載されている検出方法を避けるために用いられることもできるが、しかしながら、本開示の観点から考えた場合、このような代替例は当業者の知識の範囲内で考慮されなければならない。
キット
本発明の方法で使用される材料は、周知の手順にしたがって作成したキットの調製に適している。このように本発明は、予後転帰を予測するために開示されたマーカーパネルの発現を検出及び/又は定量化するための薬剤を含むキットを提供し、それは、マーカーパネルに特異的なラベル、例えば、TEM1に特異的なラベル、PDGFRβに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、CAIXに特異的なラベル、フィブロネクチンに特異的なラベル、コラーゲンIに特異的なラベル、コラーゲンIVに特異的なラベル、及びCD31に特異的なラベルのうちの少なくとも2つのラベルを含むことができる。TEM1に特異的なラベルは、TEM1に対する抗体を含むことができる(例えば、抗体9G5(9G5抗体を産生する抗体産生細胞は、10801 University Blvd.,Manassas,Virginia 20110−2209にある米国菌培養収集所に2012年2月16日に預けられ、ATCC寄託番号PTA−12547を割り当てられた)。PDGFRβに特異的なラベルは、PDGFRβに対する抗体を含むことができる。HIF2αに特異的なラベルは、HIF2αに対する抗体を含むことができる。CAIXに特異的なラベルは、CAIXに対する抗体を含むことができる。フィブロネクチンに特異的なラベルは、フィブロネクチンに対する抗体を含むことができる。コラーゲンIに特異的なラベルは、コラーゲンIに対する抗体を含むことができる。コラーゲンIVに特異的なラベルは、コラーゲンIVに対する抗体を含むことができる。腫瘍区画を定めるラベルは、CD31、CD34、サイトケラチン、βカテニン、αカテニン及びビメンチンのマーカーと反応できるが、これらに限定されない。バイオマーカー及び腫瘍区画マーカーのためのラベルは、容易に当業者に周知である。例えば適切なラベルは、抗体(例えば、検出可能な標識抗体)、放射線標識、蛍光物質、蛍光標識、エピトープタグ、ビオチン、発色団若しくは発色性標識(例えば、3,3−ジアミノベンジジン)、ECL標識又は酵素を含むが、これらに限定されると見なすべきではない。より具体的には、本明細書で記載されているラベルは、ルテニウム、111In−DOTA、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、ポリ−ヒスチジン(HISタグ)、アクリジン色素、シアニン染料、蛍光染料、オキサジン染料、フェナントリジン染料、ローダミン染料、Alexafluor(登録商標)染料などを含む。蛍光物質の例は、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)又はシアニン染料(例えば、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びCy7.5)を含む。いくつかの実施形態において、ラベルは、放射線標識、蛍光標識、エピトープタグ、ビオチン、発色団標識、ECL標識、酵素、ルテニウム、111In−DOTA、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、若しくはポリ−ヒスチジン、又は当該技術分野で既知の類似のそのようなラベルで標識化された抗体を含む。信号増幅システム(例えば、チラミド信号増幅)をラベルで使うことができ、したがって本明細書記載のキットに含まれることができる。
これ以外にもキットは任意に、識別説明若しくはラベル、又は本明細書記載の方法での使用に関連する説明書のある試薬を含むことができる。キットは、本方法で利用する、1つ以上のさまざまな試薬(通常は濃縮された形態)入りの容器を含むことができる。予後若しくは予測情報を推定する、又は定量化するために用いる数学的アルゴリズムも、当然ながらキットの潜在的構成要素である。
いくつかの態様において、TEM1に特異的なラベル、PDGFRβに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、及びCAIXに特異的なラベルを含む、大腸直腸癌のマーカーパネルを配置又は定量化するためのキットが提供される。いくつかの実施形態では、キットを使用するための説明書が含まれる。
いくつかの態様において、TEM1に特異的なラベル、コラーゲンIVに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、及びフィブロネクチン−1に特異的なラベルを含む、大腸直腸癌のマーカーパネルを配置又は定量化するためのキットが提供される。いくつかの実施形態では、キットを使用するための説明書が含まれる。
本明細書記載のキットは、1つ以上の細胞核に特異的なラベル、腫瘍細胞質に特異的なラベル、腫瘍間質に特異的なラベル、脈管構造に特異的なラベル、腫瘍脈管構造のラベル、及び腫瘍間質脈管構造のラベルも含み得る。例えば、腫瘍細胞質に特異的なラベルはサイトケラチンと反応でき、腫瘍間質に特異的なラベルはビメンチンと反応でき、及び、脈管構造に特異的なラベルはCD31と反応できる。
本明細書記載のキットのいくつかの実施態様において、TEM1に特異的なラベルはTEM1に対する抗体を含み、PDGFRβに特異的なラベルはPDGFRβに対する抗体を含み、HIF2αに特異的なラベルはHIF2αに対する抗体を含み、CAIXに特異的なラベルはCAIXに対する抗体を含み、フィブロネクチンに特異的なラベルはフィブロネクチンに対する抗体を含み、コラーゲンIに特異的なラベルはコラーゲンIに対する抗体を含み、及びコラーゲンIVに特異的なラベルはコラーゲンIVに対する抗体を含む。
報告
本明細書記載の方法は、大腸直腸癌再発の可能性、臨床転帰の予測、若しくはマーカーの配置の、報告又は概要を作成する場合がある。本明細書記載の方法は及び報告は更に、報告をデータベースに記憶することを含むことができる。あるいは前記方法は更に、被験体のためのデータベースの記録をを作成することができて、該記録にデータを入れることができる。一実施例において報告は紙の報告であり、別の実施形態例では報告は音声による報告であり、別の実施形態では報告は電子記録である。報告は、医師及び/又は患者に提供されると考えられる。報告の受領は更に、データ及び報告を含むサーバーコンピュータにネットワーク接続を確立することと、並びにサーバーコンピュータからデータ及び報告を要請することとを含む。
選択された態様
本明細書記載の主題の選択された態様は、記載されている主題がどのように用いられているか、又は適用されているかを例示するために提供される。この選択された態様は、実例として提供されており、及び、いかなる意味においても本開示を制限することを意図しない。
以下の態様が提供される。
1.大腸直腸癌と診断される被験体が大腸直腸癌の再発するリスクを決定する方法であって、a)被験体からの腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルで、マーカーパネルの各マーカーの発現レベルを測定することであって、該マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含み、並びに、腫瘍区画パネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を含む、ことと、b)前記被験者のTAPPSスコアを決定することと、c)被験体のTAPPSスコアと大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアを比較することであって、該被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して低い場合、大腸直腸癌の再発のリスクが低く、及び該被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して高い場合、大腸直腸癌の再発のリスクが高い、ことと、を含む方法。
2.各前記マーカーパネルのマーカーの発現レベルが、自動化病理システムを使用して測定される、態様1に記載の方法。
3.各前記マーカーパネルのマーカーの発現レベルが、定量的画像解析システムを使用して測定される、態様1又は2に記載の方法。
4.前記大腸直腸癌がリンパ節転移陰性である、態様1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.前記被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して中間の場合、大腸直腸癌の再発のリスクが低い、態様4に記載の方法。
6.前記大腸直腸癌がリンパ節転移陽性である、態様1〜3のいずれか一つに記載の方法。
7.前記被験体は、被験体のTAPPSスコアが母集団のTAPPSスコアと比較して中間の場合、大腸直腸癌の再発のリスクが高い、態様6に記載の方法。
8.前記大腸直腸癌が、ステージI、ステージII又はステージIIIの癌である、態様1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9.被験体から腫瘍組織試料の、少なくとも3つの区画を識別することを更に含む、態様1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10.腫瘍細胞核及び腫瘍細胞細胞質のうちの少なくとも1つを識別することを更に含む、態様1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの3つを含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの4つを含む、態様1〜11のいずれか一つに記載の方法。
13.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CA9、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの5つを含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
14.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの6つを含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
15.前記マーカーパネルが、TEM1及びCAIXを含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
16.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、及びPDGFRβを含む、態様12に記載の方法。
17.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、フィブロネクチン、及びPDGFRβを含む、態様13に記載の方法。
18.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、フィブロネクチン、及びコラーゲンIVを含む、態様1〜10のいずれか一つに記載の方法。
19.前記腫瘍区画パネルが、間質及び腫瘍のうちの1つ以上を含む、態様1〜18のいずれか一つに記載の方法。
20.前記腫瘍区画パネルが、間質、腫瘍、間質血管、及び腫瘍血管のうちの1つ以上を含む、態様1〜19のいずれか一つに記載の方法。
21.工程a)が、腫瘍間質のTEM1の発現レベルを測定することと、腫瘍血管のTEM1の発現レベルを測定することと、腫瘍血管のCAIXの発現レベルを測定することと、腫瘍のCAIXの発現レベルを測定することと、を含む、態様1〜20のいずれか一つに記載の方法。
22.工程a)が、腫瘍間質のTEM1の発現レベルを測定することと、腫瘍血管のTEM1の発現レベルを測定することと、間質血管のHIF2α発現レベルを測定することと、腫瘍間質のHIF2αの発現レベルを測定することと、腫瘍のCAIXの発現レベルを測定することと、腫瘍血管のCAIXの発現レベルを測定することと、腫瘍間質のPDGFRβの発現レベルを測定することと、を含む、態様1〜20のいずれか一つに記載の方法。
23.工程a)が、腫瘍間質のフィブロネクチンの発現レベルを測定することを更に含む、態様22に記載の方法。
24.前記リスクをまとめた報告を作成する工程を含む、態様1〜23のいずれか一つに記載の方法。
25.前記被験体が大腸直腸癌再発のリスクが高いと決定される場合、前記被験体が更なる療法を受ける、態様1〜24のいずれか一つに記載の方法。
26.前記更なる療法が、TEM1標的療法、化学療法及び/又は放射線療法を含む、態様25に記載の方法。
27.前記TEM1標的療法がMORAb−004を含む、態様26に記載の方法。
28.前記被験体が大腸直腸癌再発のリスクが高いと決定される場合、前記被験体が疾患再発又は進行のためのモニタリングを受ける、態様1〜27のいずれか一つに記載の方法。
29.腫瘍組織試料が、固定してパラフィン埋め込まれている、態様1〜28のいずれか一つに記載の方法。
30.腫瘍組織試料が新鮮である、態様1〜29のいずれか一つに記載の方法。
31.腫瘍組織試料が組織生検から得られる、態様1〜30のいずれか一つに記載の方法。
32.前記被験体がヒトである、態様1〜31のいずれか一つに記載の方法。
33.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団を包含した中から選択された腫瘍区画の各マーカーの係数A、B、C、Dなどを測定することによって、決定される、態様1に記載の方法。
34.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団の係数A、B、C及びDを測定することによって、以下のTAPPS式:
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CCAIX_腫瘍脈管構造)+(〜DCAIX_腫瘍)であり、
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+(〜CHIF2α_間質脈管構造)+(〜DCOLIV_腫瘍)+(〜EFN間質)、
又は
(〜ATEM1_間質)+(〜BCOLIV_腫瘍)+(〜CFN間質)のうちのいずれか1つを提供し、
及び、該TAPPS式を使用している被験体のTAPPSスコアを測定することによって、決定される、態様1に記載の方法。
35.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団の係数A、B、C、D、E,F、G及びHを測定することによって、TAPPS式:
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CHIF2α_間質脈管構造)+(〜DHIF2α_間質)+
(〜ECAIX_腫瘍脈管構造)+(〜FCAIX_腫瘍)+(〜GPDGFRβ_間質)+(〜Hフィブロネクチン_間質)を提供し、
及び、該TAPPS式を使用している被験体のTAPPSスコアを測定することによって、決定される、態様1に記載の方法。
36.被験体のTAPPSスコアが、以下のTAPPS式:
(〜−1.063TEM1_間質)+(〜0.478TEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜−1.095HIF2α_間質脈管構造)+(〜0.407HIF2α_間質)+
(〜−1.096CAIX_腫瘍脈管構造)+(〜0.912CAIX_腫瘍)+(〜0.600PDGFRβ_間質)+(〜0.714フィブロネクチン_間質)、
(〜−0.89TEM1_間質)+(〜1.19TEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜−0.76HIF2α_間質脈管構造)+(〜0.62COLIV_腫瘍)+(〜0.83FN間質)
又は
(〜0.89TEM1_間質)+(〜0.62COLIV_腫瘍)+(〜0.83FN間質)、のいずれか一つを使用して測定される、態様1に記載の方法。
37.大腸直腸癌と診断された被験体の臨床転帰を予測する方法であって、a)被験体からの腫瘍組織試料の腫瘍区画パネルで、マーカーパネルの各マーカーの発現レベルを測定することであって、該マーカーパネルは、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31のうちの少なくとも2つを含み、並びに、該腫瘍区画のパネルは、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管の少なくとも3つの腫瘍区画を含むことと、b)前記被験者のTAPPSスコアを決定することと、c)被験体のTAPPSスコアと大腸直腸癌と診断された被験体の母集団のTAPPSスコアを比較することであって、母集団のTAPPSスコアと比較して低いTAPPSスコアの被験体は肯定的臨床転帰が予測され、及び母集団のTAPPSスコアと比較して高いTAPPSスコアの被験体は不良臨床転帰が予測されることと、を含む方法。
38.各前記マーカーパネルのマーカーの発現レベルが、自動化病理システムを使用して測定される、態様37に記載の方法。
39.各前記マーカーパネルのマーカーの発現レベルが、定量的画像解析システムを使用して測定される、態様37又は38に記載の方法。
40.前記大腸直腸癌がリンパ節転移陰性である、態様37〜39のいずれか一つに記載の方法。
41.前記母集団のTAPPSスコアと比較して中間の前記被験体のTAPPSスコアは、前記被験体の肯定的臨床転帰を予測する、態様34に記載の方法。
42.前記大腸直腸癌がリンパ節転移陽性である、態様37〜39のいずれか一つに記載の方法。
43.前記母集団のTAPPSスコアと比較して中間の前記被験体のTAPPSスコアは、前記被験体の不良臨床転帰を予測する、態様42に記載の方法。
44.前記大腸直腸癌が、ステージI、ステージII、又はステージIIIの癌である、態様37〜43のいずれか一つに記載の方法。
45.前記被験体から腫瘍組織試料の、少なくとも2つの区画を識別することを更に含む、態様37〜44のいずれか一つに記載の方法。
46.腫瘍細胞核及び腫瘍細胞細胞質のうちの少なくとも1つを識別することを更に含む、態様37〜45のいずれか一つに記載の方法。
47.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31の3つを含む、態様37〜46のいずれか一つに記載の方法。
48.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31の4つを含む、態様37〜46のいずれか一つに記載の方法。
49.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31の5つを含む、態様37〜46のいずれか一つに記載の方法。
50.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31の6つを含む、態様37〜46のいずれか一つに記載の方法。
51.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、コラーゲンIV、及びフィブロネクチンを含む、態様48に記載の方法。
52.前記腫瘍区画パネルが、a)間質、腫瘍血管、間質血管及び腫瘍、又はb)間質及び腫瘍のどちらかを含む、態様51に記載の方法。
53.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX及びPDGFRβを含む、態様48に記載の方法。
54.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、フィブロネクチン及びPDGFRβを含む、態様49に記載の方法。
55.前記マーカーパネルが、TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIV及びCD31を含む、態様37〜46のいずれか一つに記載の方法。
56.前記腫瘍区画パネルが、純粋な間質、腫瘍、間質血管及び腫瘍血管を含む、態様37〜55のいずれか一つに記載の方法。
57.工程a)が、腫瘍間質のTEM1の発現レベルを測定することと、腫瘍血管のTEM1の発現レベルを測定することと、間質血管のHIF2α発現レベルを測定することと、腫瘍間質のHIF2αの発現レベルを測定することと、腫瘍のCAIXの発現レベルを測定することと、腫瘍血管のCAIXの発現レベルを測定することと、腫瘍間質のPDGFRβの発現レベルを測定することと、を含む、態様37〜56のいずれか一つに記載の方法。
58.工程a)が、腫瘍間質のフィブロネクチンの発現レベルを測定することを更に含む、態様57に記載の方法。
59.前記予測をまとめた報告を作成する工程を含む、態様37〜58のいずれか一つに記載の方法。
60.不良臨床転帰が前記被験体に予測される場合、前記被験体は更なる療法を受ける、態様37〜58のいずれか一つに記載の方法。
61.前記更なる療法が、TEM1標的療法、化学療法及び/又は放射線療法を含む、態様60に記載の方法。
62.前記TEM1標的療法がMORAb−004を含む、態様61に記載の方法。
63.不良臨床転帰が前記被験体に予測される場合、前記被験体は疾患再発又は進行のモニタリングを受ける、態様37〜62のいずれか一つに記載の方法。
64.腫瘍組織試料が、固定してパラフィン埋め込まれている、態様37〜63のいずれか一つに記載の方法。
65.腫瘍組織試料が新鮮である、態様37〜64のいずれか一つに記載の方法。
66.腫瘍組織試料が組織生検から得られる、態様37〜65のいずれか一つに記載の方法。
67.前記被験体がヒトである、態様37〜66のいずれか一つに記載の方法。
68.前記臨床転帰が、無憎悪生存期間(PFS)、無再発期間(RFI)、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)、又は無遠隔転移期間(DRFI)という用語で表すことができる、態様37〜67のいずれか一つに記載の方法。
69.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団を包含した中から選択された腫瘍区画の各マーカーの係数A、B、C、Dなどを測定することによって、決定される、態様37に記載の方法。
70.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団の係数A、B、Cを測定することによって、TAPPS式:
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CCAIX_腫瘍脈管構造)+(〜DCAIX_腫瘍)が提供され、
及び、該TAPPS式を使用している被験体のTAPPSスコアを測定することによって、決定される、態様37に記載の方法。
71.TAPPS式が、大腸直腸癌患者母集団の係数A、B、C、D、E,F、G、及びHを測定することによって、TAPPS式:
(〜ATEM1_間質)+(〜BTEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜CHIF2α_間質脈管構造)+(〜DHIF2α_間質)+
(〜ECAIX_腫瘍脈管構造)+(〜FCAIX_腫瘍)+(〜GPDGFRβ_間質)+(〜Hフィブロネクチン_間質)が提供され、
及び、該TAPPS式を使用している被験体のTAPPSスコアを測定することによって、決定される、態様37に記載の方法。
72.被験体のTAPPSスコアが、以下のTAPPS式:
(〜−1.063TEM1_間質)+(〜0.478TEM1_腫瘍脈管構造)+
(〜−1.095HIF2α_間質脈管構造)+(〜0.407HIF2α_間質)+
(〜−1.096CAIX_腫瘍脈管構造)+(〜0.912CAIX_腫瘍)+(〜0.600PDGFRβ_間質)+(〜0.714フィブロネクチン_間質)を使用して測定される、態様37に記載の方法。
73.TEM1に特異的なラベル、PDGFRβに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、CAIXに特異的なラベル、フィブロネクチンに特異的なラベル、コラーゲンIに特異的なラベル、コラーゲンIVに特異的なラベル、及びCD31に特異的なラベルからなる群から選択される、少なくとも2つのラベル、並びにキット使用のための説明書を含むキット。
74.TEM1に特異的なラベル、PDGFRβに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、CAIXに特異的なラベル、及びキット使用の説明書を含む、態様73に記載のキット。
75.細胞核に特異的なラベル、腫瘍細胞質に特異的なラベル、腫瘍間質に特異的なラベル、脈管構造に特異的なラベル、腫瘍脈管構造のラベル、及び腫瘍間質脈管構造のラベルのうちの1つ以上を更に含む、態様73又は74に記載のキット。
76.腫瘍細胞質に特異的なラベルがサイトケラチンと反応し、腫瘍間質に特異的なラベルがビメンチンと反応し、及び脈管構造に特異的なラベルがCD31と反応する、態様75に記載のキット。
77.TEM1に特異的な前記ラベルはTEM1に対する抗体を含み、PDGFRβに特異的な前記ラベルはPDGFRβに対する抗体を含み、HIF2αに特異的な前記ラベルはHIF2αに対する抗体を含み、CAIXに特異的な前記ラベルはCAIXに対する抗体を含み、フィブロネクチンに特異的な前記ラベルはフィブロネクチンに対する抗体を含み、コラーゲンIに特異的な前記ラベルはコラーゲンIに対する抗体を含み、及びコラーゲンIVに特異的な前記ラベルはコラーゲンIVに対する抗体を含む、態様73に記載のキット。
78.TEM1に対する前記抗体が、ATCCに寄託された受託番号PTA−12547のハイブリドーマにより産生される、態様77に記載のキット。
79.前記ラベルのそれぞれが、放射線標識、蛍光物質、エピトープタグ、ビオチン、発色団標識、ECL標識、酵素、ルテニウム、111In−DOTA、DAB(3,3’−ジアミノベンジジン)、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、又はポリ−ヒスチジンを含む、態様73に記載のキット。
80.蛍光物質が、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、及びシアニン染料からなる群から選択される、態様79に記載のキット。
81.サイトケラチン、ビメンチン、CD31、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXと特異的に結合する、1つ以上の抗体で標識化した腫瘍組織試料を含む、組織試料アレイであって、該各アレイは、サイトケラチン、ビメンチン、CD31、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXと特異的に結合する、少なくとも1つの抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料を含む、組織試料アレイ。
82.前記組織試料のうちの1つ以上が核ラベルで標識化される、態様80に記載の組織試料アレイ。
83.前記核ラベルがDAPIである、態様82に記載の組織試料アレイ。
84.前記アレイが、サイトケラチン、ビメンチン又はCD31のいずれか1つと特異的に結合する抗体、及びTEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α又はCAIXのいずれか1つと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料を含む、態様80〜83のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
85.前記アレイがサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更を含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
86.前記アレイがビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
87.前記アレイがCD31と特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
88.前記アレイが、CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
89.前記アレイが、CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
CD31と特異的に結合する抗体及びサイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
90.前記アレイが、サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料を含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、PDGFRβと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体を更に含み、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料が、CAIXと特異的に結合する抗体を更に含む、態様80〜84のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
91.前記アレイが複数の組織試料を含み、いずれか1つ以上が態様85〜90の標識の組み合わせのいずれか1つで標識化される、態様80に記載の組織試料アレイ。
92.前記アレイが、
ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、TEM1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
サイトケラチンに特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
サイトケラチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、CAIXに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;
ビメンチンに特異的な抗体、CD31に特異的な抗体で標識化され、HIF2αに特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;及び
ビメンチンに特異的な抗体で標識化され、フィブロネクチン−1に特異的な1つの抗体でも標識化されている、少なくとも1つの組織試料;を含む、態様80に記載の組織試料アレイ。
93.前記アレイが、
TEM1と特異的に結合する抗体、
HIF2αと特異的に結合する抗体、
CAIXと特異的に結合する抗体、及び
PDGFRβと特異的に結合する抗体、のうちの1つ以上で標識化された複数の組織試料を含む、態様80に記載の組織試料アレイ。
94.前記アレイが複数の組織試料を含み、
アレイの少なくとも1つの組織試料がTEM1と特異的に結合する抗体で標識化されており、
アレイの少なくとも1つの組織試料がHIF2αと特異的に結合する抗体で標識化されており、
アレイの少なくとも1つの組織試料がCAIXと特異的に結合する抗体で標識化されており、
アレイの少なくとも1つの組織試料がPDGFRβと特異的に結合する抗体で標識化されている、態様93に記載の組織試料アレイ。
95.TEM1、HIF2α、CAIX、又はPDGFRβと特異的に結合する抗体で標識化した前記組織試料が、
ビメンチンと特異的に結合する抗体、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体、又は
CD31と特異的に結合する抗体、のうちのいずれか1つ以上を更に含む、態様94に記載の組織試料アレイ。
96.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される抗体の2つの組み合わせで標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
97.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される抗体の3つの組み合わせで標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
98.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される抗体の4つの組み合わせで標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
99.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される抗体の5つの組み合わせで標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
100.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される抗体の6つの組み合わせで標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
101.アレイの少なくとも1つの組織試料が列挙される7つすべての抗体で標識化される、態様93又は94に記載の組織試料アレイ。
102.前記アレイが複数の組織試料を含み、該アレイが、
TEM1と特異的に結合する抗体、
HIF2αと特異的に結合する抗体、
CAIXと特異的に結合する抗体、及び
PDGFRβと特異的に結合する抗体、のうちのいずれか3つで標識化される、態様80に記載の組織試料アレイ。
103.前記アレイが、
ビメンチンと特異的に結合する抗体、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体、又は
CD31と特異的に結合する抗体、のうちの1つ以上を更に含む、態様102に記載の組織試料アレイ。
104.前記アレイが複数の組織試料を含み、該アレイが、
TEM1と特異的に結合する抗体、
HIF2αと特異的に結合する抗体、
CAIXと特異的に結合する抗体、及び
PDGFRβと特異的に結合する抗体、のうちのいずれか3つで標識化される、態様80に記載の組織試料アレイ。
105.前記アレイが、
ビメンチンと特異的に結合する抗体、
サイトケラチンと特異的に結合する抗体、又は
CD31と特異的に結合する抗体、のうちのいずれか1つ以上を更に含む、態様94に記載の組織試料アレイ。
106.
フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体、
コラーゲンIと特異的に結合する抗体、及び
コラーゲンIVと特異的に結合する抗体、のうちの1つ以上を更に含む、態様103〜105のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
107.前記アレイの腫瘍組織試料が同じ腫瘍から得られる、態様80〜106のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
108.前記アレイの腫瘍組織試料が異なる腫瘍から得られる、態様80〜106のいずれか一つに記載の組織試料アレイ。
109.前記腫瘍組織試料が組織学的切片である、態様107又は108に記載の組織試料アレイ。
110.前記腫瘍組織試料が大腸直腸癌の被験体から得られる組織学的切片である、態様109に記載の組織試料アレイ。
本発明を記述したので、同様のことが、例示として提供され、かついかなる意味においても制限することを意図していない、以下の実施例を参照してより容易に理解されるであろう。
実施例1:バイオマーカーパネルの第1の配置
バイオマーカーに関連する、推定上のTEM1の細胞配置及び発現プロファイルは、組織試料を使用して評価された。これらの試験のための組織試料は、Yale University Tissue Microarray Facility(New Haven、CT)で構築された、腫瘍マイクロアレイ(TMA)からなる、Yale Colorectal Cancer Cohort(YTMA8)から得られた。TMAは、1970〜1981年にYale University−New Haven Hospital(New Haven、CT)で得られた、ホルマリン固定、パラフィン埋め込み腫瘍試料の、原発性大腸直腸癌腫(CRC)599つを含んだ。各腫瘍試料ブロックは区分されて、最初にヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色されて、それにより浸潤性癌の部分が識別されて丸で囲まれた。丸で囲まれた部分は、0.6mmのコアがとられた最初のブロックに転写された。各コアは1mm間隔の格子の受容体ブロックに配列されて、厚さ5ミクロンの切片が調製された。このコーホート用の臨床病理変数は、T−ステージ、N−ステージ、組織学的グレード、器官部位、性別、及び年齢を含む。全コーホート(すべての利用できる臨床情報)用、及び、本調査の多変量解析で使用する完全なデータを有する事例だけ用の各臨床病理変数の、5年の疾患特異的生存に基づく一変量コックス比例ハザードモデリングを、表1に見ることができる。
各推定上のTEM1関連バイオマーカー(TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFRβ、フィブロネクチン(FN)、コラーゲンI(COLI)及びコラーゲンIV(COLIV))は、目的のすべての細胞並びに細胞内区画において、定量的免疫組織化学(IHC)分析法(AQUA(登録商標)技術、HistoRx、Inc)を用いて、定量化された。各TEM1関連のバイオマーカーは、核を識別するDAPI(4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)、腫瘍細胞質を識別する蛍光標識サイトケラチン、間質を識別する蛍光標識ビメンチン、及び、脈管構造を識別する蛍光標識CD−31の存在下で、分析された。次いで、標識組織試料が、最新の画像解析アルゴリズムを使用して分析されて、目的の各組織学的区画から含まれる、又は除外される各ピクセルを識別する2値化画像を生成した。図1Aは、本試験で使用する、各ターゲット及び各区画の実施例を提供する。図1Bは、テストした各潜在的バイオマーカーを用いて見られる、ラベル配置の実施例を提供する。目的の各バイオマーカーの量は目的の組織区画ごとに決定されて、及び、これらの値は各バイオマーカーのAQUA(登録商標)スコアに変換された。目的の4つの組織区画である、腫瘍(膜/細胞質)、腫瘍脈管構造、純粋なストロマ(脈管構造に寄与することのない間質)、及び間質脈管構造が、評価された。平均値及び各区画のAQUA(登録商標)スコアに対する95%の信頼区間が、最高の発現のある組織区画を決定するためにプロットされた。これらのデータに基づいて、並びに次の統計解析を目的として、すべての区画のAQUA(登録商標)スコアは、TEM1、HIF2α用間質及び間質脈管構造、CAIX用腫瘍及び腫瘍脈管構造、PDGFRβ用間質及び間質脈管構造、FN用間質、COLI用間質及び間質脈管構造、並びにCOLIV用間質及び間質脈管構造のために含まれた。
免疫組織化学(IHC)
AQUA(登録商標)分析のための免疫蛍光染色は、米国特許第7,219,016号に、及び米国特許出願公開番号第2009/0034823号に記載されており、それぞれはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。要約すると、事前にカットされたパラフィン被覆の組織マイクロアレイスライドが脱パラフィンされて、並びに、スライドをTEM1及びCAIX用に染色する抗原賦活化が、10倍DIVAバッファ、pH 6.2で、Decloaking Chamber(Biocare Medical DV2004MX)を使用して行われた。スライドは、加圧培養が0.10〜0.14MPa(15〜20PSI)で30秒間、最高125℃に達し、続いて15分間95℃まで冷却されるチャンバ内で、15分間インキュベートされた。PDGFRβ、フィブロネクチン、HIF2α、コラーゲンI及びコラーゲンIV用に染色されるスライドの抗原賦活化は、3倍EDTAバッファ、pH9で、PT Module(Labvision,Fremont,CA)で行われた。染色は、前述のプロトコルにしたがって、LabVision Autostainer(Labvision、Fremont、CA)で実施された。スライドは、TEM1、CAIX、フィブロネクチン、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV用のマウス抗−CD−31(DAKO、clone JC70A、ロット番号00079267)と、又はHIF2α用のウサギ抗−CD−31(Abcam、ロット番号GR−61759−4)と、1時間室温でインキュベートされた。CD−31抗体培養の後、スライドは、1倍TBS−Tweenで洗浄され、次いで、マウスEnvision(商標)Plus(DAKO、Carpinteria、CA)、又はウサギEnvision(商標)Plus(DAKO、Carpinteria、CA)と、室温で30分間インキュベートされた。それからスライドは、1倍TBS−Tweenで洗浄されて、ビオチン化チラミド(TSA plus Biotin system、Perkin Elmer)と、10分間室温でインキュベートされた。スライドは1倍TBS−Tween(登録商標)で洗浄されて、これに続いて、安息香酸ヒドラジド(Sigma Aldrich)と8分間、過酸化水素と7分間、インキュベートされた。スライドは1倍TBS−Tween(登録商標)で洗浄されて、Alexa Fluor(登録商標)750ストレプトアビジンとインキュベートされた。この後に、一次抗体TEM1ラット(Morphotek、clone 9G5、ロット番号26089C)、又はフィブロネクチン−1ウサギ(Abcam、ロット番号GR16465−1)、又はPDGFRβウサギ(Cell Signaling、clone 28E1、ロット番号3169S)、又はコラーゲンIウサギ(Fitzgerald、ロット番号70R−CR007x)、又はコラーゲンIVウサギ(Fitzgerald、ロット番号70R−CR013x)、又はHIF2αマウス(Novus Biologicals、clone ep190b、ロット番号J−3)、又はCAIXラット(Morphotek、clone 165F3)と、1時間室温でインキュベートされた。一次抗体は、ニワトリ抗ビメンチン(Millipore、ロット番号2028291、1:200)入りカクテルに含まれた。一次抗体培養の後、スライドは、1倍TBS−Tweenで洗浄されて、次いで、二次抗体Immpress抗−ラット(Vector laboratories、TEM1及びCAIX)、又はImmpress抗−ウサギ(Vector laboratories、フィブロネクチン、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV)、又はImmPRESS(商標)抗−マウス(Vector laboratories、HIF2α)と、30分室温でインキュベートされた。それからスライドは、抗−ニワトリ(Invitrogen,A21437,Carlsbad,CA,1:200)共役Alexa Fluor(登録商標)555カクテルと、30分間室温でインキュベートされた。続いて、Alexa Fluor(登録商標)染色スライドは、マウスIgGブロック(Biocare Medical、NC494 H)と、次いでAlexa Fluor(登録商標)488パンサイトケラチン、AE1/AE3(eBioscience、53−9003−82)と、30分間室温でインキュベートされた。それからスライドは、10分間のCy5 tyramide増幅システム(Perkin Elmer、SAT705A、増幅バッファで1:50希釈、Waltham、MA)とインキュベートされて、各ヒストスポット内の核の識別用DAPI(Invitrogen、P36931、Carlsbad、CA)入りProlong退色防止剤とマウントされて、一晩乾燥することができた。
撮像及び画像解析
細胞内区画の中の相対的タンパク質濃度は、AQUA(登録商標)分析システムを使用して高精度で測定することができる。要約すると、FITCを有するサイトケラチン、Cy3を有するビメンチン、DAPIでの核染色、Cy5でのバイオマーカーパネル染色、及びCy7を有するCD−31の、高分解能、12ビット(獲得した画像の1ピクセルにつき離散強度4096になる)のデジタル画像は、アレイのヒストスポットごとに、PM2000エピ−蛍光顕微鏡システム(HistoRx,Inc.,New Haven,CT)を用いてキャプチャされて保存した。統計解析の前に、画像は、DAPI及びCy3信号の質(例えば、不良組織、飽和性、焦点及び他のアーチファクト)並びに信号強度をチェックした。パン−サイトケラチン信号は、上皮の「マスク」を作って、正常及び腫瘍両サンプル内で間質成分から上皮組織部位を識別するために使用された。ビメンチンは、全間質に特異的マスクを作るため使用された。CD−31は、脈管構造に特異的マスクを作るために使用された。これらのマスクの組み合わせを用いて、腫瘍脈管構造、間質脈管構造及び純粋な間質(間質脈管構造を除く全間質)区画が、生成された。
Figure 2016513809
統計解析
教師なし階層型クラスタ化は、TM4 Microarray Software SuiteのMultiple Experiment Viewerを用いて実施された(Saeed et al.,Biotechniques 34(2):374−8(2003))。クラスタ化は、パーソンの非中心相関による、平均連結クラスタ化を使用して実施された。すべての分析は、SPSS v17以降を用いて実施された(SPSS Inc.,Chicago,IL)。すべてのバイオマーカーのAQUA(登録商標)スコアは偏った分布を示し、すなわち、常用対数2転換スコアが、次のパラメータの分析(すなわち手段比較)のために使用された。しかしながら、線形比較を提供するために、未加工のAQUA(登録商標)スコアデータが報告されることがある。臨床特徴間の平均スコアの違いは、一元配置の分散分析に基づく一般的な線形モデリングにより評価された。5年の疾患特異的生存に対するバイオマーカーのための、最適カットポイント及びカプラン・マイヤー分析は、Monte−Carloシミュレーション使用の多比較を修正する、X−Tile(商標)(Camp参照)を用いて実行された。X−Tile(商標)用に、2つのp値、未修正p値及びMonte−Carloシミュレーションにより修正されたP値が、報告される。未修正p値が有意(<0.05)でもよいが、修正P値は、発見の更なるバリデーションに対する必要性を示す有意でなくてもよい。コックス比例ハザードモデリングは、最適分析モデルを決定するWald統計によって、変数減少を用いた多変量設定で実行された。対数尤度カイ二乗比(LR−χ2)は、モデルを比較するために用いられた。すべての生存分析は、5年の疾患特異的生存に基づいた。カプラン・マイヤー生存は、ログランク統計を使用して比較された。
実施例2:臨床病理変数との関連
分析は、利用可能な臨床病理変数、T−ステージ、N−ステージ、組織学的グレード、性別、腫瘍部位及び年齢(表示されないデータ)を有する各バイオマーカーの、一次配置区画のAQUA(登録商標)スコアとの関連を測定するために、実施された。要約すると、所見は、間質TEM1が高分化型腫瘍の発現を著しく増加させたことと、CAIX腫瘍脈管構造発現は、若い患者で著しく高かったことと、間質及び間質脈管構造両方のPDGFRβ発現は、男性で著しく高かったことと、FN発現は、リンパ節転移陽性事例で著しく高かったことと、HIF2α間質脈管構造発現は、低分化型腫瘍で著しく高かったことと、HIF2α間質脈管構造発現が、リンパ節転移陰性の事例で著しく高かったことと、コラーゲンI間質脈管構造発現は、リンパ節転移陽性事例で著しく高かったことと、を示した。
実施例3:一変量生存分析
評価された各バイオマーカーの腫瘍関連の発現及び定量が、評価される試料の臨床転帰を考慮して分析された。最適カプラン・マイヤー生存カットポイントが、最適カットポイント分析用X−Tileを使用する連続AQUA(登録商標)スコアデータの範囲内で定められた。TEM1発現と関連した5年の無病生存期間データが、表2にまとめられる。
Figure 2016513809
これらの分析結果は、TEM1、特に間質発現が著しく、CRCの良好な(増加した)5年の疾患特異的生存と関連することを示した。CAIX腫瘍血管発現が、良好な(増加した)5年の疾患特異的生存と著しく関連する一方で、間質FN、コラーゲンI及びコラーゲンIV発現は悪化した(減少した)疾患特異的生存と著しく関連する。生存との有意な関連は、PDGFRβ又はHIF2αでは観察されなかった。
実施例4:TAPPSスコアモデル及び予後値の生成
選択されたバイオマーカー(間質のTEM1、腫瘍のTEM1、間質血管のTEM1、腫瘍血管のTEM1、間質血管のHIF2α、間質のHIF2α、腫瘍血管のCAIX、腫瘍のCAIX、間質血管のPDGFRβ、間質のPDGFRβ、間質のフィブロネクチン、間質血管のコラーゲンI、間質のコラーゲンI、間質血管のコラーゲンIV、及び間質のコラーゲンIV)の発現プロファイルを、一変量カットポイントを使用する多変量コックス比例ハザードモデルで、一緒に調べた。全体で、これら15つの二値変数(低発現対高発現)は、Wald統計に基づき0.10に設定されたαを有する変数減少を使用するコックス比例ハザードモデルに入れられて、最適予後モデルを提供した。結果が表3に示され、モデルに含まれる各標識/生体区画の、最適モデル及び最適AQUA(登録商標)スコアカットポイントのp=3.92×10−10が示される。
Figure 2016513809
このモデルから各マーカーの係数が導出されて、その結果、これらの係数を用いて、TEM1−関連経路予後型すなわちTAPPSと称される、全体のリスクスコアを提供する式が作られた。
このコーホート用のTAPPSスコア式は、以下のとおりである。
(−1.063TEM1_間質)+(0.478TEM1_腫瘍脈管構造)+
(−1.095HIF2α_間質脈管構造)+(0.407HIF2α_間質)+
(−1.096CAIX_腫瘍脈管構造)+(0.912CAIX_腫瘍)+(0.600PDGFRβ_間質)+(0.714フィブロネクチン_間質)
概念実証として、このCRCコーホートの各患者のTAPPSスコアが生成された。図2AがTAPPSスコア配布であり、TAPPSスコアのほぼ正規分布を示す。次いで患者母集団が、三分位値(図2A)に分けられた。TAPPSスコアは、−1.75〜2.10の範囲である。リスクの低い群のTAPPSスコア範囲は−1.75〜0.00であり、中間の群のTAPPSスコア範囲は0.00〜0.91であり、及び、高い群のTAPPSスコア範囲は0.91〜2.10である。予想通りカプラン・マイヤー生存率分析は、高いTAPPSスコアの患者は中間のTAPPSスコアの患者と比較して著しく減少した5年生存があること、中間のTAPPSスコアの患者は低いTAPPSスコアの患者と比較して著しく減少した予後があることを示した(p<0.0001、図2B)。興味深いことに、リンパ節転移陰性患者だけの同じ三分位値TAPPSスコアカットポイントを使用する場合、中間又は低いTAPPSスコア母集団一方と比較したとき、高いTAPPSスコアが、著しく減少した予後のリンパ節転移陰性患者の一部を識別できることが見いだされた(p<0.0001、図2C)。そのうえリンパ節転移陰性患者だけの同じ分析は、中間又は高いTAPPSスコアの患者一方と比較したとき、低いTAPPSスコアの患者が著しく生存を増加させたことを示した(p<0.0001、図2D)。表4に示すように、コックス比例ハザードモデリングは、すべて事例の完全なデータ(左)又はリンパ節転移陰性患者のみ(右)の一方の連続変数として、TAPPSスコアの独立した予後値を決定するために用いられた。連続TAPPSスコアは、すべての患者の結節病変の病期(N−ステージ)、T−ステージ及び組織学的グレード用に(ハザード比2.7、p<0.001)調整したコックス比例ハザード多変量モデルにおいて独立して及び重要であり、並びに、リンパ節転移陰性患者だけのT−ステージ及び組織学的グレード用(ハザード比3.7、p<0.001)では独立している。
Figure 2016513809
選択されたバイオマーカー(間質のTEM1、腫瘍のTEM1、間質血管のTEM1、腫瘍血管のTEM1、間質血管のHIF2α、間質のHIF2α、腫瘍血管のCAIX、腫瘍のCAIX、間質血管のPDGFRβ、間質のPDGFRβ、間質のフィブロネクチン、間質血管のコラーゲンI、間質のコラーゲンI、間質血管のコラーゲンIV、及び間質のコラーゲンIV)の同じセットの発現プロファイルが、一変量カットポイントを使用する多変量コックス比例ハザードモデルで一緒に調べられた、追加モデルが生成された。全体で、これら15つの二値変数(低発現対高発現)は、Wald統計に基づき0.10に設定されたαを有する変数減少を使用するコックス比例ハザードモデルに入れられて、追加の予後モデルを提供した。結果を表5に示す。
Figure 2016513809
このモデルから、係数が各マーカー用に導出されて、その結果、これらの係数を用いて別のTAPPS式が作られた。
このコーホート用の別のTAPPSスコア式は、以下のとおりである。
(−0.796TEM1_間質)+(0.312TEM1_腫瘍脈管構造)+
(−1.071CAIX_腫瘍脈管構造)+(0.905CAIX_腫瘍)
実施例5:全発現分析
1970〜1981年にYale University−New Haven Hospital(New Haven、CT)で得られた、ホルマリン固定、パラフィン埋め込み腫瘍試料の、原発性大腸直腸癌腫(CRC)599つを含むTMAは、他で詳細にて説明したように(参照:Rimm TMAレビュー)、Yale University Tissue Microarray Facility(New Haven、CT)で構築された。599つの事例のうち、494つはバイオマーカーデータ及び臨床データの両方を有した。コーホートは、診断日付(トレーニングセットに2事例及びバリデーションセットに1事例)からの連続登録に基づく、トレーニング(67%)及びバリデーション(33%)セットに分裂した。
このコーホートに利用可能な臨床変数は、デュークステージング、組織学的グレード、性別及び年齢を含む。カイ二乗分析は、トレーニングとバリデーションセットの間に臨床変数の比率に有意差を示さなかった(表6)。疾患特異的経過観察中央値は、68年の中央年齢を有する24か月であった。各臨床変数の5年の疾患特異的生存に基づくコックス比例ハザードモデリングは、進行期及び男性の生存の予想低下を示すが、有意差は組織学的グレード及び年齢で観察されない(表6)。
すべてのTEM1関連のバイオマーカー(TEM1、HIF2α、CAIX、PDGFR−β、フィブロネクチン(FN)、コラーゲンI及びコラーゲンIV)が腫瘍及び間質細胞区画両方の推定の発現を示したので、実験が、CRCコーホートの全組織レベル発現を調べるために行われた(表6)。教師なし階層型クラスタ化が、2つの主患者クラスタを明らかにした(図3)。「遺伝子」クラスタ1において、すべての患者は比較的低濃度の全タンパク質を発現し、一方、クラスタ2で、すべての患者試料はCAIXを除く、比較的高濃度の全タンパク質を発現した。バイオマーカー(「アレイ」)クラスタ化で、エンドシアリン/TEM1は、最も密接にPDGFR−β、コラーゲンI及びコラーゲンIVとクラスタ化した。これは、0.62、0.43及び0.31それぞれの、有意の(p<0.001)スピアマンの順位相関係数を有する二変量相関分析においても、実証した。完全な二変量相関分析が、表7に提供される。CAIXはテストされた他のバイオマーカーのいずれともクラスター化せず、したがって最小程度関連がある。生存転帰は全発現に対して調べられたが、すべてのマーカーは、有意に(p<0.10)生存を予測する、トレーニングセットの最適カットポイントを示し、バリデーションセットで確認されるこれらのカットポイントはなかった。
Figure 2016513809
Figure 2016513809
実施例6:細胞区画に特異的なバイオマーカー表示
目的のバイオマーカーが細胞発現を変化させることができるのは知られているので、区画特異的「マスク」が特に、腫瘍、間質、間質特異的脈管構造、及び腫瘍特異的脈管構造を、識別して分離するために開発された。要約すると、各エンドシアリン/TEM1関連バイオマーカーは、核を識別するためにDAPIと結合し、腫瘍細胞質を識別するためにサイトケラチンと結合し、間質を識別するためにビメンチンと結合し、及び脈管構造を識別するためにCD−31と結合する。次いで高度な画像解析アルゴリズムが、目的の各区画に含まれる又は区画から除外される、いずれかとして、各ピクセルを識別する2値化画像を生成するために用いられた。各バイオマーカーのAQUAスコアが、目的の4つの生体区画である、腫瘍(膜/細胞質)、腫瘍血管、間質(脈管構造に寄与し間質)及び間質血管のために、生成された。手段解析は、区画によって、重要な示差的発現を示した(図4A〜G)。すべてのマーカーは、CAIXを除いて、腫瘍と比較して、間質及び/又は脈管構造で著しくより高レベルの発現を示した。逆に、CAIXは、間質区画と比較して、腫瘍及び腫瘍血管でより高レベルの発現を示した。利用可能な臨床変数に対する発現は、最小限の関連(示されないデータ)だけを示した。すなわち、PDGFR−β及びコラーゲンIVは、女性と比較して男性の著しく増大した発現を示し、間質フィブロネクチン及びコラーゲンIは、疾患の進行期に応じて増大発現を示した。
実施例7:一変量生存分析
最適なカプラン・マイヤー生存カットポイントは、トレーニングセット(表6)の最適カットポイント分析のX−Tileを使用する連続AQUAスコアデータ内で定められて、その後、バリデーションセットに適用された。バイオマーカーは、有意性(p<0.05)がトレーニングセット及びバリデーションセットの両方で達したかどうかを検証すると考えられる。個々のマーカー/区画の各組合せの5年の無病生存期間データが、表8にまとめられる。すべてのマーカーが生存(トレーニングp<0.20)との関連の傾向を示したが、腫瘍血管及び間質TEM−1発現、並びに間質血管コラーゲンI及びHIF2αが、一変量設定で確認するための最適なバイオマーカーだった。腫瘍血管及び間質TEM1、並びに間質容器HIF2αの高発現は、増大した5年の疾患特異的生存と関連しており(それぞれHR=0.47/p=0.03、HR=0.49/p=0.03、及びHR=0.33/p=0.02)、一方で間質血管コラーゲンI高発現は、5年の生存の減少と関連する(HR=2.31/p=0.008)。すべての区画のエンドシアリン/TEM1発現のバリデーションセットのカプラン・マイヤー生存分析が、図5A〜Dに示されて、差別的な生存有益性、及び遠隔細胞区画のバイオマーカー発現を定量化する正当性を示す。
実施例8:R−TAPPSスコアの生成
本明細書に記載するマーカー(図5)、及び、それらがontuxizumabを介して、生存及びエンドシアリン/TEM1標的療法への潜在的反応の両方に、一括して有することができる、推定上の影響の関連性のため、一変量カットポイントを使用する多変量コックス比例ハザードモデルに、マーカーを一緒に組み込んだ。モデルへの最初の登録の基準は、トレーニングセット及びバリデーションセット両方の20%の優位水準であった。(表8で太字で強調されるバイオマーカー、n=13)。トレーニングセットでWald統計に基づく変数減少モデリングを用いることによって、13つのバイオマーカーの出発モデルは、5つのバイオマーカー(表9)、TEM1間質、TEM1腫瘍血管、HIF2α間質血管、コラーゲンIV腫瘍、及びFN間質まで絞り込める。この全体のモデルは、9.0×10−8のp値とかなり有意性があった。
Figure 2016513809
マーカーごとにモデルに係数を持つことで、「洗練されたTAPPS」(TEM1関連経路予後型)スコアと称される、全体のリスクスコアを提供する式が作られた。R−TAPPSスコアは、以下のとおり定義される。
R−TAPPS=(TEM1間質(0/1) −0.89)+(TEM1腫瘍血管(0/1)+1.19)+(HIF2α間質血管(0/1) −0.76)+(コラーゲンIV腫瘍(0/1) 0.62)+(FN間質(0/1) 0.83)
Figure 2016513809
得られたR−TAPPSスコアは、中央スコア1.13の、−0.89〜3.88の範囲だった。訓練セットの連続変数として、予想どおり、R−TAPPSスコアは減少した生存と著しく関連した[HR=1.76(95% CI:1.44〜2.15;p=4.3×10−9;表3]、が、有意性のあるバリデーションセットに適用された[HR=1.38(95%CI:1.02〜1.88;p=0.04;表3]。周知の臨床変数を有する高度な有意モデルに入れられるとき(LR−χ=49.7)、R−TAPPSスコアは独立しており、及び、有意な付加的予後値を提供した[HR=1.66(95%CI:1.37〜2.03);p<0.001、LR−χ=67.2]。
R−TAPPSスコアが臨床現場の診断として使用されるために、リスク群(すなわち、オンコタイプDX)は、患者の分類を可能にするために、連続リスクスコアの関数として設定されなければならない。したがってR−TAPPSスコアは、3つのグループ、推定的に低いリスク(R−TAPPS<0.3)、中間のリスク(R−TAPPS 0.3〜1.86)、及び、高いリスク(R−TAPPS>1.86)を表す三分位値に分けられた。しかしながら、生存がカプラン・マイヤーによって調べられたとき、高度に有意性(P<0.0001)があるにもかかわらず、中間及び高いリスク群に大きな違いがなかった(図6A)。このように中間及び高いリスク群は、1つの高いリスク群を形成するために統合された(図6B)。
CRC処置の重要な臨床問題は、化学療法をステージIIの患者に提供するべきかどうかということであり、したがって分析は、ステージIIの患者のR−TAPPSリスク群関連の検査が実施された。得られた所見は、生存との高い有意的関連(p=0.006)を示した(図6C)。ステージIII/IV患者の有意な関連を観察した(図6D)。
アッセイのバリデーションのため、及び、少しのマーカーで役立つ結果研究を得られるかどうか判断することが、モデルのマーカー数を減らすために実施された。血管マーカーを除去することは、アッセイの可動部分、すなわち、CD31(脈管構造)区画に必要とされている部分を除去することである。したがってTEM1間質、コラーゲンIV腫瘍及びFN間質だけを有するモデルが、テストされた(図7)。この最小モデルが同程度の予後的価値を提供しなかった(最小モデルLR−χ=32.2対最高モデルLR−χ=37.2)が、それは非常に有意的であった[HR=2.7(95%CI:1.9〜3.8;p=2.5×10−8)。

Claims (19)

  1. サイトケラチン、ビメンチン、CD31、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXと特異的に結合する、1つ以上の抗体で標識化した腫瘍組織試料を含む、組織試料アレイであって、
    各アレイは、サイトケラチン、ビメンチン、CD31、TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXと特異的に結合する、少なくとも1つの抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料を含む、
    組織試料アレイ。
  2. 前記アレイが、
    サイトケラチン、ビメンチン、又はCD31のいずれか1つと特異的に結合する抗体、及び
    TEM1、フィブロネクチン−1、PDGFRβ、コラーゲンI、コラーゲンIV、HIF2α、又はCAIXのいずれか1つと特異的に結合する抗体で
    標識化した少なくとも1つの組織試料を含む、請求項1に記載の組織試料アレイ。
  3. 前記アレイが、
    サイトケラチン、ビメンチン又はCD31のいずれか1つと特異的に結合する抗体、及び
    TEM1、フィブロネクチン−1、コラーゲンIV又はHIF2αのいずれか1つと特異的に結合する抗体で
    標識化した少なくとも1つの組織試料を含む、請求項2に記載の組織試料アレイ。
  4. 前記アレイは、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料と、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体、及びCD31と特異的に結合する第2の抗体で標識化した複数の組織試料と、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体、及びCD31と特異的に結合する第2の抗体で標識化した複数の組織試料と、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料と、を含み、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、TEM1と特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、TEM1と特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、HIF2αと特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体でも標識化されている、請求項3に記載の組織試料アレイ。
  5. 前記アレイは、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料と、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した複数の組織試料と、を含み、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、TEM1と特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体でも標識化されており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体で標識化した少なくとも1つの組織試料は、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体でも標識化されている、請求項3に記載の組織試料アレイ。
  6. 前記組織試料のうちの1つ以上が核ラベルで標識化される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組織試料アレイ。
  7. 前記核ラベルがDAPIである、請求項6に記載の組織試料アレイ。
  8. 前記アレイの前記腫瘍組織試料が同じ腫瘍から得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組織試料アレイ。
  9. 前記アレイの前記腫瘍組織試料が異なる腫瘍から得られる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組織試料アレイ。
  10. 前記腫瘍組織試料が組織学的切片(histological sections)である、請求項8又は9に記載の組織試料アレイ。
  11. 前記腫瘍組織試料が大腸直腸癌を有する被験者から得られる組織学的切片である、請求項10の組織試料アレイ。
  12. TEM1に特異的なラベル、コラーゲンIVに特異的なラベル、HIF2αに特異的なラベル、フィブロネクチン−1に特異的なラベル、間質に特異的なラベル、腫瘍組織に特異的なラベル、及び脈管構造に特異的なラベルから選択される少なくとも4つのラベルを含むキット、並びに組織試料を標識化する前記キットを使用するための説明書。
  13. 間質に特異的なラベルがビメンチンを検出し、腫瘍組織に特異的なラベルがサイトケラチンを検出し、及び脈管構造に特異的なラベルがCD31を検出する、請求項12に記載のキット。
  14. 細胞核に特異的なラベルのうちの1つ以上を更に含む、請求項12又は13に記載のキット。
  15. TEM1に特異的な前記ラベルがTEM1に特異的に結合する抗体を含み、HIF2αに特異的な前記ラベルがHIF2αに特異的に結合する抗体を含み、フィブロネクチン−1に特異的な前記ラベルがフィブロネクチン−1に特異的に結合する抗体を含み、コラーゲンIVに特異的な前記ラベルがコラーゲンIVに特異的に結合する抗体を含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のキット。
  16. TEM1に対する前記抗体が、ATCCに寄託された受託番号PTA−12547のハイブリドーマにより産生される、請求項15に記載のキット。
  17. 前記ラベルのそれぞれが、放射線標識、蛍光物質、エピトープタグ、ビオチン、発色団標識、ECL標識、酵素、ルテニウム、111In−DOTA、DAB(3,3’−ジアミノベンジジン)、111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリンホスファターゼ、及びβ−ガラクトシダーゼ、又はポリ−ヒスチジンを含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載のキット。
  18. 組織試料アレイを標識化する方法であって、
    被験体からの複数の組織試料を有する組織試料アレイを得ることと、
    複数の組織試料と、ビメンチンと特異的に結合する抗体を接触させることと、
    複数の組織試料と、サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体を接触させることと、
    複数の組織試料と、ビメンチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体を接触させることと、
    複数の組織試料と、サイトケラチンと特異的に結合する抗体を接触させることと、を含み、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体とも接触しており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体とも接触しており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体及びCD31と特異的に結合する第2の抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、HIF2αと特異的に結合する抗体とも接触しており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体とも接触しており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体とも接触しており、
    前記組織試料アレイが標識度で評価される、方法。
  19. 組織試料アレイを標識化する方法であって、
    被験体からの複数の組織試料を有する組織試料アレイを得ることと、
    複数の組織試料と、ビメンチンと特異的に結合する抗体を接触させることと、
    複数の組織試料と、サイトケラチンと特異的に結合する抗体を接触させることと、を含み、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、TEM1と特異的に結合する抗体とも接触しており、
    サイトケラチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、コラーゲンIVと特異的に結合する抗体とも接触しており、
    ビメンチンと特異的に結合する抗体と接触した少なくとも1つの組織試料が、フィブロネクチン−1と特異的に結合する抗体とも接触しており、
    前記組織試料アレイが標識度で評価される、方法。
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