JP2016511283A - ヘテロポリ酸を含む触媒を使用した再生可能な原料からの直鎖型の長鎖アルカンを製造するプロセス - Google Patents
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Abstract
エステル基、カルボン酸基、カルボニル基、及び/又はアルコール基を含む飽和又は不飽和C10〜18酸素化物を含む原料から、直鎖型アルカンを生成する水素化脱酸素プロセスが開示される。このプロセスは、原料を、(i)周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される約0.1重量%〜約10重量%の金属を含む触媒及び(ii)ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、約150℃〜約250℃の温度及び少なくとも約300psigの水素ガス圧で、接触させる工程を含む。原料を、これらの温度及び圧力条件下で、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触させることによって、C10〜18酸素化物は、C10〜18酸素化物と同一の炭素鎖長を有する直鎖型アルカンに水素化脱酸素される。
Description
本出願は、2013年3月14日付けでそれぞれ出願された米国仮特許出願第61/782,172号明細書及び米国仮特許出願第61/782,198号明細書の利益を主張するものであり、その双方のすべての開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、化学処理の分野に関する。より詳細には、本発明は、脂肪酸及びトリグリセリドなどのC10〜18酸素化物を含む原料から直鎖型の長鎖アルカンを生成するプロセスに関する。
長鎖である、アルファ、オメガのジカルボン酸(長鎖二酸「LCDA」)、例えば9以上の長さの炭素鎖を含むそれらは、様々な化学製品及びポリマー(例えば、長鎖ポリアミド)の合成における原材料として使用される。長鎖二酸の製造に使用される化学プロセスの種類は、これらのプロセスは再生可能ではない石油化学原料に基づいていることなどの、いくつかの制限及び不都合を受ける。又、長鎖二酸を調製するために使用される複反応変換プロセスは、収率の損失、重金属廃棄物、及び還元炉における分解が必要な窒素酸化物をもたらす不要な副生成物を生成する。
化石燃料による高コスト及び環境フットプリント(environmental footprint)の増加、並びに世界の限られた石油貯蔵を考慮すると、長鎖二酸などの化学製品及びポリマーを製造するために、植物、動物、及び微生物から得られる油脂などの再生可能な供給源を使用することに対する関心が高まっている。
長鎖二酸は、長鎖アルカンから製造可能であり、一方、長鎖アルカンは、水素化脱酸素(HDO)を介して、脂肪酸及びトリグリセリドを変換することによって製造可能である。この反応のアルカン生成物は、長鎖二酸を生成するために使用することができるだけでなく、それ自体による燃料、又は、石油原料から得られるディーゼルとの混合物における燃料としても有用である。
再生可能な原料を長鎖アルカンに変換する従来の脱酸素プロセスとしては、接触水素化脱酸素、接触脱炭酸又は熱脱炭酸、接触脱カルボニル、及び接触水素化分解が挙げられる。商業的に利用可能である脱酸素反応は、通常、水素ガスの存在下にて、高圧及び高温下で操作され、そのプロセスは費用のかかるものとなる。いくつかの低圧での脱酸素プロセスの記載もあるが、こうしたプロセスには、低活性、不十分な触媒安定性、及び望ましくない副反応などのいくつかの不利な点がある。通常、これらのプロセスには、高温が必要であり、高い程度の脱炭酸及び脱カルボニルが生じ、長鎖アルカン生成物の鎖長が短くなる。
例えば、特許文献1では、脱炭酸を介して、パルミチン酸(C16:0)及びオレイン酸(C18:1)から、ペンタデカン(C15:0)及びヘプタデカン(C17:0)がそれぞれ生成する脱酸素プロセスを開示している。このプロセスにおいても、少なくとも300℃の反応温度が必要であった。炭素損失を伴う生成物が生成することに加えて、又、脱酸素プロセスでは、ステアリン酸、オレイン酸の不飽和異性体、及び分岐型生成物などの、不完全な脱酸素された生成物が生成した。特許文献2及び特許文献3では開示されたプロセスを使用して、脱炭酸された生成物、並びに、分岐型生成物が形成することが認められた。
特許文献4では、少なくとも300℃の反応温度を必要とする植物油及び動物油からディーゼル燃料を生成する水素化脱酸素プロセスを開示している。特許文献5によって開示された水素化脱酸素プロセスでは、少なくとも400℃の反応温度が必要であった。
従って、低温及び低圧の条件にて実行可能であり、且つ、実質的な炭素損失を伴わず、再生可能な資源から得られる油脂の脂肪酸を、長鎖の直鎖型アルカンに確実に変換する、水素化脱酸素プロセスが継続して必要とされている。
一実施形態においては、本発明は、エステル基、カルボン酸基、カルボニル基、及びアルコール基からなる群から選択される部位を含む飽和又は不飽和C10〜18酸素化物を含む原料から直鎖型アルカンを生成する水素化脱酸素プロセスに関する。このプロセスは、原料を、(i)周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される約0.1重量%〜約10重量%の金属を含む触媒及び(ii)ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、約150℃〜約250℃の温度及び少なくとも約300psigの水素ガス圧で接触させる工程を含む。これらの温度及び圧力条件で、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、原料を接触させることによって、C10〜18酸素化物は、C10〜18酸素化物と同一の炭素鎖長を有する直鎖型アルカンに水素化脱酸素される。場合により、水素化脱酸素プロセスは、接触工程において生成された直鎖型アルカンを回収する工程を更に含む。
第2の実施形態においては、C10〜18酸素化物は、脂肪酸又はトリグリセリドである。
第3の実施形態においては、原料は、植物油又はその脂肪酸蒸留物を含む。原料は、例えば、(i)大豆油、パーム油、及びパーム核油からなる群から選択される植物油、又は(ii)パーム脂肪酸蒸留物を含むことができる。
第4の実施形態においては、触媒は、金属として約0.1重量%〜約6重量%の白金を含む。触媒は、第5の実施形態においては、金属として約0.25重量%〜約2重量%の白金を含む。
第6の実施形態においては、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、タングステンを含む。この実施形態におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、例えば、リンを更に含むことができる。
第7の実施形態においては、ヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸セシウム塩である。
第8の実施形態においては、触媒は、固体担体を更に含む。
第9の実施形態においては、原料は、触媒及びヘテロポリ酸塩と接触し、且つ、触媒は、ヘテロポリ酸塩と結合する。
第10の実施形態においては、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、ともに乾式混合され、その後、原料と接触する。触媒及びヘテロポリ酸は、第11の実施形態において、ともに乾式混合され、その後、原料と接触する。
第12の実施形態においては、温度は約200℃であり、且つ、圧力は約400psigである。
第13の実施形態においては、水素化脱酸素プロセスのモル収率は、C10〜18酸素化物の炭素鎖長より炭素原子が1つ以上短い炭素鎖長を有する反応生成物の場合に10%未満である。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書において使用される場合、「発明」又は「開示された発明」という用語は、限定されることを意味するものではないが、特許請求の範囲において定義される、又は本明細書において記載される発明のいずれかに一般的に適用される。「発明」、「開示された発明」および「本発明」という用語は本明細書において互換的に使用できる。
「水素化脱酸素」(HDO)、「水素化脱酸素プロセス又は反応」、「脱酸素プロセス又は反応」、及び「水素処理」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。本明細書において使用される場合、水素化脱酸素は、水素を使用して、エステル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、又はアルコールなどの、酸素含有有機化合物の酸素含有量を低減する化学プロセスを意味する。このような化合物の完全な水素化脱酸素は、通常、アルカンを生成し、この場合に、酸素原子に前もって結合した炭素原子は、水素で飽和する(即ち、炭素原子は「水素化脱酸素」されている)。例えば、カルボン酸基又はアルデヒド基の水素化脱酸素は、メチル基(−CH3)を生成し、一方、ケトン基の水素化脱酸素は、分子内の炭素部位−CH2−を生成する。
又、本明細書において記載される水素化脱酸素プロセスは、アルケン(C=C)及びアルキン(C≡C)基をC−C基に還元する。従って、この水素化脱酸素プロセスは、有機化合物における不飽和部位を還元するプロセスとも称することができる。
本明細書において使用される場合、水素化脱酸素は、カルボン酸基の除去(即ち、脱炭酸)、又は、カルボニル基の除去(即ち、脱カルボニル)により生じるなどの、炭素−炭素結合を切断することによって、炭化水素の酸素含有量を低減するプロセスを意味するものではない。本明細書においては、水素化脱酸素は、酸素化された炭素部位を不完全に還元するプロセス(例えば、カルボン酸基のカルボニル基又はアルコール基への還元)も意味するものではない。
「アルカン」、「パラフィン」、及び「飽和炭化水素」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。本明細書において使用される場合、アルカンは、水素及び炭素原子のみからなる化合物を意味し、この場合に、炭素原子は、単結合によってのみ結合される(即ち、飽和化合物である)。アルカンは直鎖型又は分岐型となり得、したがってメチル基を末端に含む。
「直鎖型アルカン」、「直鎖アルカン」、「n−アルカン」、及び「n−パラフィン」という用語は、本明細書において相互に交換して使用され、且つ、2つの末端メチル基のみを有し、且つ、それぞれの分子内(末端ではない)の炭素原子は、2つの水素と2つの炭素に結合するアルカンを意味する。直鎖型アルカンの略記した式は、CnH2n+2である。直鎖型アルカンは、3つ以上の末端メチル基を有する分岐型アルカンとは異なる。
本明細書において使用される場合、「C10〜18酸素化物」という用語は、1つ以上の炭素原子が酸素原子と結合した(即ち、1つ以上の酸素化された炭素)10〜18の炭素原子の直鎖を意味する。このような酸素が結合した炭素原子は、1つ以上のアルコール、カルボニル、カルボン酸、エステル、及び/又はエーテル部位の形態で、C10〜18酸素化物に含まれる。当技術分野において理解されるように、存在する場合、カルボン酸、エステル、及び/又はエーテル部位は、C10〜18酸素化物の一方の又は両方の末端に位置することになる。
C10〜18酸素化物は、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18の炭素原子の長さであることができるが、通常は、10、12、14、16、又は18の炭素原子の偶数の長さを有する。本明細書において言及されるC10〜18酸素化物の例としては、これらに限定されるものではないが、エステル、カルボン酸、ケトン、アルデヒド、及びアルコールが挙げられる。
本明細書において使用される場合、「飽和C10〜18酸素化物」は、構成する炭素原子が、単結合(即ち、二重又は三重結合でない)によって互いに結合されるC10〜18酸素化物を意味する。飽和C10〜18酸素化物の例は、ステアリン酸(C18:0)である。
本明細書において使用される場合、「不飽和C10〜18酸素化物」は、1つ以上の二重(アルケン)又は三重(アルキン)結合が、C10〜18酸素化物の炭素原子鎖に存在するC10〜18酸素化物を意味する。不飽和C10〜18酸素化物の例は、オレイン酸(C18:1)及びリノール酸(C18:2)であり、それぞれ1つ及び2つの二重結合を含む。
本明細書において使用される場合、「エステル基」は、エーテル結合に隣接したカルボニル基(C=O)を有する有機部位(以下に定義される)を意味する。エステル基の一般式は、
である。本明細書における前述のエステルの式におけるRは、9〜17の炭素原子からなる直鎖を意味し、この方式では、C=O炭素原子は、エステル基を含むC10〜18酸素化物の10〜18番目の炭素原子を表す。例えば、R’基は、アルキル又はアリール基を意味する。エステル基の例は、1つ、2つ、又は3つの脂肪酸をそれぞれ含み、グリセリンにエステル化されたモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドにおいて見られる。前述の式に対して、モノグリセリドのR’基は、分子のグリセリン部分を意味するものである。開示された水素化脱酸素プロセスによってエステルから生成される直鎖型アルカンは、R基及びC=O基の炭素原子を含む。
本明細書において使用される場合、「カルボン酸基」又は「有機酸基」は、「カルボキシル」又は「カルボキシ」基(COOH)を有する有機部位を意味する。カルボン酸基の一般式は、
である。前述のカルボン酸の式におけるRは、9〜17の炭素原子からなる直鎖を意味し、この方式では、カルボキシル基(COOH)炭素原子は、カルボン酸基を含むC10〜18酸素化物の10〜18番目の炭素原子を表す。開示された水素化脱酸素プロセスによって生成される直鎖型アルカンは、カルボキシル基炭素原子を保持する(即ち、生成物は、C10〜18酸素化物基質に対して脱炭酸されない)。
本明細書において使用される場合、「カルボニル基」は、酸素原子に二重結合で結合した炭素原子(C=O)を意味する。カルボニル基は、C10〜18酸素化物のいずれかの又は両方の端部に位置することができ、このような分子は、アルデヒドと称されることができる。或いは、1つ以上のカルボニル基は、C10〜18酸素化物の炭素原子鎖内に位置することができ、このような分子は、ケトンと称されることができる。
本明細書において使用される場合、「アルコール基」は、「ヒドロキシ」(OH)基に結合する炭素原子を意味する。1つ以上のアルコール基は、C10〜18酸素化物のいかなる炭素にも位置することができる(いずれかの又は両方の端部、及び/又はC10〜18酸素化物炭素鎖の1つ以上の分子内の炭素)。
「原料」及び「供給物」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。原料は、飽和及び/又は不飽和C10〜18酸素化物を含む材料を意味する。原料は「再生可能な」又は「バイオ再生可能な」原料であることができ、生物学的供給源又は生物学的に誘導された供給源から得られる材料を意味する。
このような原料の例は、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、遊離脂肪酸、及び/又はそれらの組み合わせを含む材料であり、油脂などの脂質を含む。「油性の原料」とも称されることができる、これらの特定のタイプの、「油性の原料」とも呼ばれる原料としては、動物脂肪、動物油、鳥肉脂肪、鳥肉油、植物脂肪、植物油、酵母油(yeast oil)、レンダー処理された脂肪(rendered fat)、レンダー処理された油(rendered oil)、レストラン用グリース、茶色くなったグリース、廃棄する業務用揚げ油、魚油、魚脂肪、及びそれらの組み合わせが挙げられる。脂肪又は油を含む原料の場合、すべての又は大部分のC10〜18酸素化物は、エステルの形態(グリセリンにエステル化した脂肪酸)で、原料に含まれることは、当業者によって理解されているはずである。開示されたプロセスによるこのようなC10〜18酸素化物の水素化脱酸素は、エステルした脂肪酸のエステル基の完全な還元を伴い、脂肪酸及びグリセリン分子の間のエステル結合を切断することを部分的に引き起こす。
或いは、原料は、飽和又は不飽和C10〜18酸素化物を含む石油由来の又は化石燃料由来の材料を意味することができる。
本明細書において使用される場合、「脂肪酸蒸留物」及び「油の脂肪酸蒸留物」という用語は、特定のタイプの油の脂肪酸を含む組成物を意味する。例えば、パーム脂肪酸蒸留物は、パーム油に存在する脂肪酸を含む。脂肪酸蒸留物は、通常、植物油精練プロセスの副生成物である。
「部位」、「化学的部位」、「官能部位」、及び「官能基」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。本明細書において使用される場合、部位は、酸素原子に結合した炭素原子を含む炭素基を意味する。本明細書において使用される場合、部位の例としては、エステル、カルボン酸、カルボニル、及びアルコール基が挙げられる。
「重量パーセント」、「重量%(wt%)」、及び「重量−重量%(%w/w)」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。重量パーセントは、組成物又は混合物に含まれるように、質量基準での材料のパーセンテージを意味する。例えば、重量パーセントは、本明細書において記載される触媒に存在する質量による金属のパーセンテージを意味する。特に注記がなければ、本明細書において開示される金属または他の材料のすべてのパーセンテージ量は、触媒における金属または他の材料の重量パーセントを意味する。
本明細書において使用される場合、「psig」(平方インチゲージ当たりのポンドフォース)は、海面での大気圧に対する圧力の単位を意味する。30psigは、例えば、44.7psiの絶対圧を表す(即ち、30プラス14.7の大気中のpsi)。
「触媒」及び「金属触媒」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。触媒は、それ自体が消費される又は化学的変化を受けることなく、C10〜18酸素化物水素化脱酸素の速度を上昇させる金属を含む。触媒は、一般的に、反応物の量に対して少量で存在する。特定の実施形態においては、又、触媒は、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の存在下にある金属触媒の特性を決定することができる。このことは、金属触媒をヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と混合することによって(乾式又は湿式混合)、或いは、金属触媒をヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と結合させることによって、実現可能である。
「周期表」及び「元素の周期表」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。
「固体担体」、「担体」、及び「触媒担体」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。固体担体は、活性金属が固定される又は結合される材料を意味する。固体担体を包含する本明細書において記載される触媒は、「担持金属触媒」又は「担持触媒」の例である。特定の実施形態においては、金属触媒は、ヘテロポリ酸塩に担持されることができる。
本明細書において使用される場合、「ヘテロポリ酸」は、酸素が結合する中心元素及び周囲元素を有する化合物を意味する(例えば、H3PW12O40、式中、Pは中心元素であり、且つ、Wは周囲元素である)。例えば、ケギン、ウエルス−ドーソン及びアンダーソン−エバンス−ペアロフ構造などの、いくつかのヘテロポリ酸構造が報告されてきた。特定の実施形態における中心元素は、Si、P、Ge、As、B、Ti、Ce、Co、Ni、Al、Ga、Bi、Cr、Sn、又はZrであることができる。周囲元素の例は、W、Mo、V、又はNbなどの金属であることができる。ヘテロポリ酸は水溶解性である。本明細書において使用される場合、「ヘテロポリ酸塩」は、カチオン(例えば、セシウムカチオン)にイオン的に結合されるヘテロポリ酸である。ヘテロポリ酸塩は、「カチオン交換されたヘテロポリ酸」とも称されることができる。本明細書において言及されるヘテロポリ酸塩は、水不溶性である。
「比表面積」、「表面積」、及び「固体担体表面積」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。固体担体の比表面積は、固体担体のグラム当たりの平方メートル(m2/g)として、本明細書において表される。本明細書において開示される固体担体の比表面積は、例えば、Brunauer、Emmett及びTeller(BET)法(Brunauer et al.,J.Am.Chem.Soc.60:309−319、参照により本明細に組み込まれる)を使用して、測定されることができる。
「含浸」及び「添加」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。含浸とは、固体担体において金属塩を微細化された形状又は層にするプロセスを意味する。一般的に、このプロセスは、固体担体及び金属塩溶液、その他の水に溶解可能な化合物を含む混合物を乾燥させることを伴う。乾燥した生成物は、「前触媒」と称されることができる。金属触媒がヘテロポリ酸塩に担持される場合、例えば、金属触媒は、ヘテロポリ酸塩に含浸されている又は添加されていることを特徴とすることができる。
本明細書において使用される場合、「焼成する」及び「焼成」という用語は、前触媒の熱処理を意味する。このプロセスは、例えば、前触媒の乾燥した金属塩を金属的な又は酸化物の状態に変換することができる。熱処理は、不活性又は活性の大気中において実施可能である。
「モル収率」、「反応収率」、及び「収率」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。モル収率とは、モル基準で測定される、化学反応において得られた生成物の量を意味する。この量は、パーセンテージ、即ち、すべての反応生成物における特定の生成物のパーセント量として表されることができる。
「反応混合体」、「反応混合物」、及び「反応組成物」という用語は、本明細書において相互に交換して使用される。反応混合体は、原料(基質)、金属触媒、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩、及び溶媒を最小限に含むことができる。反応混合体は、水素化脱酸素の温度及び圧力条件を適用する前又は間に反応混合体が存在するものと特定することができる。
低温及び低圧の条件にて実行可能であり、且つ、実質的な炭素損失を伴わず、原料におけるC10〜18酸素化物を直鎖型アルカンに変換する、水素化脱酸素プロセスが、本明細書において開示される。従って、このプロセスは、より低温及び低圧条件にて実践可能であることから、このプロセスは、望ましくない副生成物の生成をより低減し、且つ、より経済的となる。
開示された発明の実施形態は、エステル基、カルボン酸基、カルボニル基、及びアルコール基からなる群から選択される部位を含む飽和又は不飽和C10〜18酸素化物を含む原料から、直鎖型アルカンを生成する水素化脱酸素プロセスに関する。このプロセスは、(i)周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される約0.1重量%〜約10重量%の金属を含む触媒及び(ii)ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、原料を、約150℃〜約250℃の温度及び少なくとも約300psigの水素ガス圧で、接触させる工程を含む。これらの温度及び圧力条件で、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、原料を接触させることによって、C10〜18酸素化物は、C10〜18酸素化物と同一の炭素鎖長を有する直鎖型アルカンに水素化脱酸素される。場合により、水素化脱酸素プロセスは、接触工程において生成された直鎖型アルカンを回収する工程を更に含む。
開示された発明の特定の実施形態において使用される原料は、1つ以上のモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、遊離脂肪酸、及び/又はそれらの組み合わせを含む材料を含むことができ、且つ、油脂などの脂質を含むことができる。このような原料の例としては、動物、鳥、魚、植物、微生物、酵母、菌、細菌、藻、鞭毛生物、及び黄色植物から得られる脂肪及び/又は油が挙げられる。植物油の例としては、カノーラ油、とうもろこし油、パーム核油、cheru種子油(cheru seed oil)、野生のアプリコット種子油、胡麻油、モロコシ油、大豆油、なたね油、大豆油、菜種油、トール油、ヒマワリ油、麻実油、オリーブ油、亜麻仁油、やし油、ヒマシ油、落花生油、パーム油、カラシ油、綿実油、カメリナ油、ジャトロファ油、及びハマナ油が挙げられる。その他の原料としては、例えば、レンダー処理された油脂、レストラン用グリース、黄色及び茶色くなったグリース、廃棄する業務用揚げ油、獣脂、ラード、鯨油、牛乳の脂肪、魚油、藻類の油、酵母油、微生物油、酵母バイオマス、微生物バイオマス、下水汚泥、及びソープストックが挙げられる。
脂肪酸蒸留物などの油の誘導体は、本発明の特定の実施形態において使用可能である原料のその他の例である。植物油蒸留物(例えば、パーム脂肪酸蒸留物)は、脂肪酸蒸留物の好適な例である。本明細書において開示される油脂のいずれかの脂肪酸蒸留物が、本発明のいくつかの実施形態において使用されることができる。
本発明の好ましい実施形態においては、原料は、植物油又はその脂肪酸蒸留物を含む。別の好ましい実施形態においては、原料は、(i)大豆油、パーム油、及びパーム核油からなる群から選択される植物油、又は(ii)パーム脂肪酸蒸留物を含む。(例えば、未精製のパーム油を精製することから生成される。)
パーム油は、アブラヤシの果物の中果皮(パルプ)から得られ、一方、パーム核油はアブラヤシの核から得られる。通常、パーム油に含まれる脂肪酸は、パルミチン酸(約44%)、オレイン酸(約37%)、リノール酸(約9%)、ステアリン酸及びミリスチン酸を含む。通常、パーム核油に含まれる脂肪酸は、ラウリン酸(約48%)、ミリスチン酸(約16%)、パルミチン酸(約8%)、オレイン酸(約15%)、カプリン酸、カプリル酸、ステアリン酸、及びリノール酸を含む。通常、大豆油は、リノール酸(約55%)、パルミチン酸(約11%)、オレイン酸(約23%)、リノレン酸及びステアリン酸を含む。
開示された発明の特定の実施形態において使用可能である化石燃料由来の原料及びその他のタイプの原料としては、石油系生成物、使用済みモーター油及び工業用潤滑油、使い古したパラフィンワックス、石炭由来の液体類、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンなどのプラスチックの解重合から得られる液体、並びに、石油化学プロセス及び化学プロセスから副生成物として生じるその他の合成油が挙げられる。
その他の原料の例は、米国特許出願公開第2011/0300594号明細書に記載されており、参照により本明細に組み込まれる。
原料に含まれるC10〜18酸素化物は、脂肪酸又はトリグリセリドであることができる。原料は、遊離の形態の(即ち、エステル化されていない)、又は、エステル化された1つ以上の脂肪酸を含むことができる。エステル化された脂肪酸は、例えば、グリセリド分子(即ち、脂肪又は油における)又は脂肪酸アルキルエステル(例えば、脂肪酸メチルエステル又は脂肪酸エチルエステル)の中に含まれるものであることができる。脂肪酸は、飽和型又は不飽和型であることができる。不飽和脂肪酸の例は、1つの二重結合のみが脂肪酸炭素鎖に存在する場合、モノ不飽和脂肪酸(MUFA)であり、且つ、脂肪酸炭素鎖が2つ以上の二重結合を有する場合、多不飽和脂肪酸(PUFA)である。原料における脂肪酸C10〜18酸素化物の炭素鎖長は、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18の炭素原子であることができる。好ましくは、炭素鎖長は、10、12、14、16、又は18の炭素原子である。別の好ましい脂肪酸長さは、16〜18の炭素原子である。原料中に存在することができる脂肪酸の例を、表1に示す。
開示された発明において使用される原料に含まれる酸素化物は、10〜18の炭素原子の長さを有するが、この範囲外の炭素長を有するその他の酸素化物が、原料に存在することもできる。例えば、原料として使用可能である油脂のグリセリド及び遊離脂肪酸は、約8〜24の炭素原子の長さの炭素鎖を含むこともできる。換言すれば、原料は、C10〜18酸素化物のみを含む必要はない。
脂質及び遊離脂肪酸によって表されるC10〜18酸素化物は、エステル及びカルボン酸部位をそれぞれ含む。その他のタイプのC10〜18酸素化物は、1つ以上のカルボニル及び/又はアルコール部位を含むC10〜18酸素化物などの原料に含まれることができる。更にその他のタイプのC10〜18酸素化物は、前述の部位のいずれかのうちの2つ以上を含むことができる。例としては、2つ以上の、アルコール部位(例えば、ジオール)、カルボニル部位(例えば、ジケトン又はジアルデヒド)、カルボン酸部位(ジカルボン酸)、又はエステル部位(ジエステル)を含むC10〜18酸素化物が挙げられる。アルコール及びカルボニル部位(例えば、ヒドロキシケトン及びヒドロキシアルデヒド)、アルコール及びカルボン酸部位(例えば、ヒドロキシカルボン酸)、アルコール及びエステル部位(例えば、ヒドロキシエステル)、カルボニル及びカルボン酸部位(例えば、ケト酸)、又はカルボニル及びエステル部位(例えば、ケトエステル)を含むC10〜18酸素化物は、開示された発明の実施形態において使用可能である原料のその他の例示の成分である。
原料は、2つ以上のエステル及び/又はエーテル結合によってともに結合された1つ以上のC10〜18酸素化物を含むことができる。こうしたC10〜18酸素化物は、開示された水素化脱酸素プロセスの間、互いに分離され、こうした分子から酸素を除去することによって、エステル及び/又はエーテル結合を壊す。同様に、脂肪酸エステル結合は、酸素を除去することによって壊されることから、グリセリド原料に含まれる脂肪酸C10〜18酸素化物は、開示された水素化脱酸素プロセスの間、グリセリドのグリセリン成分から分離される。従って、異なるタイプの直鎖型アルカンは、C10〜18酸素化物がエステル及び/又はエーテル結合によって結合される場合であっても、2つ以上の異なるC10〜18酸素化物を含む原料から生成可能である。こうしたタイプのC10〜18酸素化物はすべて、原料の構成成分であることができる。
C10〜18酸素化物の直鎖は、直鎖の炭素原子の1つから、炭素−炭素結合を介して、任意のアルキル又はアリールの分岐鎖に結合されることはない。例えば、特定の実施形態においては、パルミチン酸は、C10〜18酸素化物である一方、−CH2−部位の1つにおいてアルキル基置換を有するパルミチン酸(例えば、15−メチルパルミチン酸)は、本明細書において記載されるタイプのC10〜18酸素化物ではない。本発明の水素化脱酸素プロセスは、炭素−炭素結合を除去する及び/又は炭素−炭素結合をC10〜18酸素化物の炭素に構築することを伴う異性化の事象を伴うことはない。従って、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、及びイソオクタデカンなどの分岐型アルカン生成物は生成されることはない。
開示された発明の特定の実施形態においては、C10〜18酸素化物は、原料自体を構成することができる。このような原料の例は、特定の脂肪酸の純粋な又は実質的に純粋な調製物である。或いは、原料は、複数の別個のC10〜18酸素化物(即ち、互いに結合されていない異なる分子)を含むことができる。前述の原料のいずれかの混合物が、開示された水素化脱酸素プロセスにおける共同供給物成分として使用されることができる。
直鎖型アルカンは、開示された水素化脱酸素プロセスにおいて飽和又は不飽和C10〜18酸素化物から生成される。特定の実施形態において生成される直鎖型アルカンとしては、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、及びオクタデカンが挙げられ、この場合に、偶数の炭素原子番号を有する直鎖型アルカンであるものが、好ましい実施形態において生成される。
前述のように、ヘキサデカンは、開示された水素化脱酸素プロセスの特定の実施形態において生成される直鎖型アルカンである。ヘキサデカノール(例えば、セチルアルコール)、ヘキサデシルアルデヒド、ヘキサデシルケトン、パルミチン酸、パルミチン酸パルミチル、及び/又は、例えば、C16鎖の1つ以上の炭素原子が酸素原子に結合した任意のその他のC16酸素化物を含む様々なC16酸素化物を原料として使用して、ヘキサデカンを生成することができる。特定の実施形態における原料は、これらの様々なC16酸素化物のいずれかを含むことができる。例えば、原料は、パルミチン酸(即ち、パルミトイル基を含む)又はパルミトレイン酸(即ち、9−ヘキサデセノイル基を含む)を含む油又は脂肪であることができる。
オクタデカンは、開示された水素化脱酸素プロセスのいくつかの実施形態にて生成される直鎖型アルカンである。オクタデカノール(例えば、ステアリルアルコール)、オクタデシルアルデヒド、オクタデシルケトン、ステアリン酸、ステアリン酸ステアリル、及び/又は、例えば、C18鎖の1つ以上の炭素原子が酸素原子に結合した任意のその他のC18酸素化物を含む様々なC18酸素化物を原料として使用して、オクタデカンを生成することができる。特定の実施形態における原料は、これらの様々なC18酸素化物のいずれかを含むことができる。例えば、原料は、ステアリン酸(即ち、ステアロイル基を含む)、オレイン酸(即ち、9−オクタデセノイル基を含む)、又はリノール酸、(即ち、9,12−オクタデカジエノイル基)を含む油又は脂肪であることができる。
直鎖型アルカンのモル収率は、開示された発明の特定の実施形態において少なくとも約25%である。その他の実施形態においては、直鎖型アルカンのモル収率は、少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、又は95%である。例えば、ラウリン酸がこのプロセスに用いる原料に含まれるC10〜18酸素化物である場合、ドデカンのモル収率は、少なくとも約25%である。
開示された水素化脱酸素プロセスの直鎖型アルカン生成物の炭素鎖長は、C10〜18酸素化物と同一の炭素鎖長である。例えば、C10〜18酸素化物がパルミチン酸である場合、得られる直鎖型アルカンは、ヘキサデカンであり、パルミチン酸及びヘキサデカンはともに、16の炭素原子からなる炭素鎖長を有する。従って、開示されたプロセスにおいて生成される直鎖型アルカンは、原料におけるC10〜18酸素化物の完全に水素で飽和された還元形態を表している。例えば、開示された水素化脱酸素プロセスにより、カプリン酸からデカン、ラウリン酸からドデカン、ミリスチン酸及びミリストレイン酸からテトラデカン、パルミチン酸及びパルミトレイン酸からヘキサデカン、及び、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸からオクタデカンが生成する。脂肪酸が遊離である又はエステル化されているかに関わらず、これらの直鎖型アルカンが生成する。開示されたプロセスの際、エステル及び/又はエーテル結合を介して1つ以上のその他の成分に結合するC10〜18酸素化物は、C10〜18酸素化物の完全に水素で飽和された還元形態を表す直鎖型アルカンを生成する。
開示された発明の特定の実施形態においては、モル収率は、C10〜18酸素化物の炭素鎖長より炭素原子が1つ以上短い炭素鎖長を有する反応生成物に対して、約10%未満である。例えば、ラウリン酸がこのプロセスに用いる原料に含まれるC10〜18酸素化物である場合、11の炭素原子からなる鎖長を有するウンデカンのモル収率は、約10%未満である。その他の実施態様においては、モル収率は、C10〜18酸素化物の炭素鎖長より炭素原子が1つ以上短い炭素鎖長を有する反応生成物に対して、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、又は9%未満である。開示された発明を用いたこのような副生成物の低いレベルは、水素化脱酸素反応の際、脱炭酸及び/又は脱カルボニルの事象によるC10〜18酸素化物の炭素損失は低いレベルであることを反映している。従って、開示されたプロセスによって、C10〜18酸素化物の炭素−炭素結合が著しく切断されることはない。
開示された発明の特定の実施形態におけるその他のタイプの副生成物のモル収率は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%未満である。このようなその他の副生成物としては、1つ以上の酸素化された炭素原子(例えば、アルコール基、カルボニル基、カルボン酸基、エステル基)、及び/又は、1つ以上の不飽和点を保持する、C10〜18酸素化物の不完全な還元形態を表す生成物が挙げられる。原料にラウリン酸を使用する水素化脱酸素プロセスのいくつかの実施形態において、副生成物の例としては、ドデカノール及びラウリン酸ラウリルが挙げられる。
本発明の水素化脱酸素プロセスは、ドデカノールをドデカンに変換する能力に関して試験されることができる。換言すれば、C16またはC18酸素化物をアルカンに変換する水素化脱酸素プロセスは、原料としてラウリン酸又はドデカノールを使用して試験されることができ、ラウリン酸又はドデカノールについて試験される際のこうようなプロセスは、直鎖型アルカンについて前述で列挙されたドデカンのモル収率を有することができる。同様に、ラウリン酸又はドデカノールについて試験される際のこのようなプロセスは、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%未満の副生成物のモル収率を有することができる。
開示されたプロセスにおいて生成される直鎖型アルカンは、例えば、クロースカット(close−cut)蒸留によって単離可能である。必要に応じて、モレキュラーシーブによる選択的吸着を使用して、直鎖型アルカンより大きい反応副生成物から、直鎖型アルカンを更に精製することができる。モレキュラーシーブは、孔によって相互接続される一連の中心腔を有する合成ゼオライトを含むことができる。孔は、直鎖型アルカンが通過できるのに十分な大きさの、しかし、分岐型副生成物が通過できるのに十分な大きさではない直径を有する。モレキュラーシーブを用いる商業的な単離プロセスとしては、例えば、IsoSiv(商標)(Dow Chemical Company)、Molex(商標)(UOPLLC)、及びEnsorb(商標)(Exxon Mobil Corporation)が挙げられる。
開示された発明は、約150℃〜約250℃の温度、及び、少なくとも約300psigの水素ガス圧で、C10〜18酸素化物を含む原料を触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触させる工程を含む。
原料を触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触させる工程は、制御された温度及び圧力条件にて反応を実施することを可能にする当技術分野において周知の反応容器又は任意のその他の容器において、実施されることができる。例えば、接触工程は、押し出し流れ式の、管状の又はその他の固定層反応器などの、充填層反応器において実施される。充填層反応器は、単一の充填層であることができ、或いは、直列及び/又は平行で複数の層を含むことができることを理解すべきである。或いは、接触工程は、バッチ式反応器、連続撹拌槽型反応器、及び/又は気泡塔反応器を含む、スラリー反応器において実施されることができる。スラリー反応器においては、触媒は、濾過又は遠心作用によって反応混合物から除去されることができる。反応容器のサイズ/容量は、選択した量の原料及び触媒を取り扱うのに適していなければならない。
接触工程は、当技術分野において周知である連続式又はバッチ式処理システムにおいて実施されることができる。連続式プロセスは、直列で一連の2つ以上の反応器を用いる多段式であることができる。新たな水素は、このタイプのシステムにおけるそれぞれの反応器の注入口で加えることができる。再循環流は、それぞれの反応器における所望の温度を維持する助けをするために使用することもできる。反応器の温度は、新たな原料温度及び再循環速度を制御することによって、制御されることもできる。
特定の実施形態においては、接触工程は、反応成分が、前述の温度及び水素ガス圧条件に供される前に、及び/又は、その間に、原料及び触媒を撹拌する又はヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と混合する工程を含むことができる。撹拌は、例えば、メカニカルスターラーを用いて、又は、スラリー反応器システムにおいて実施可能である。
原料が触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触することができる順序は、変動することができる。例えば、原料は、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩をともに含む調製物(乾式又は湿式混合体)と接触することができる。或いは、例えば、原料は、初めに反応混合体における触媒と接触することができ、その後、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩が反応混合体に加えられる。或いは依然として、例えば、原料は、初めに反応混合物におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触することができ、その後、触媒が反応混合体に加えられる。
特定の実施形態における接触工程は、有機溶媒又は水などの溶媒中で実施されることができる。溶媒は、純粋である又は実質的に純粋である(例えば、99%を超えて純粋である、又は、99.9%を超えて純粋である)1種類の溶媒からなることができる、或いは、ともに混合された2つ以上の異なる溶媒を含むことができる。溶媒は、均質(例えば、単相)、或いは、不均質(例えば、2つ以上の相)であることができる。好ましい実施形態においては、原料、及び触媒、及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、有機溶媒において接触する。特定の実施形態に使用される有機溶媒は、非極性又は極性であることができる。有機溶媒は、別の実施形態において、テトラデカン、ヘキサデカン、又はドデカンを含む。或いは、有機溶媒は、6〜18の炭素原子の鎖長を有するものなどの別のアルカンであることができる。有機溶媒は、水素を溶解するその能力に基づいて選択されることができる。例えば、水素ガス圧により提供される実質的にすべての水素が、開示された水素化脱酸素プロセスの前、及び/又は、その間、溶液に存在するように、溶媒は水素に対する比較的高い溶解性を有することができる。ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、特定の実施形態において有機溶媒に可溶性ではない。
本発明の特定の実施形態は、テトラデカン及びヘキサデカンを含む溶媒を使用することを含む。このような溶媒の例は、約15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1のテトラデカンのヘキサデカンに対する比を有し、この比は、重量に基づいて(例えば、グラム)決定される。テトラデカンのヘキサデカンに対する約17:1の比が、特定の実施形態において好ましい。本明細書において開示される特定の水素化脱酸素反応において、テトラデカン及びヘキサデカンのこれらの相対量を有する溶媒は、生成物の収率を上げることができる場合がある。
本発明のプロセスの接触工程は、約150℃〜約250℃の温度及び少なくとも約300psigの水素ガス圧で実施される。特定の実施形態における温度は、約150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、又は250℃であることができる。或いは、温度は、約150℃〜約200℃である。その他の実施形態においては、温度は約200℃であり、且つ、圧力は約400psigである。特定の実施形態における水素ガス圧は、約300psig〜約1000psig、約300psig〜約500psig、約350psig〜約450psig、又は約400psigであることができる。或いは、特定の実施形態における水素ガス圧は、約300psig〜約1000psigである。
開示された発明の特定の実施形態においては、原料、及び触媒、及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20時間、前述の温度及び水素圧の条件において接触する。原料及び触媒は、例えば、連続する期間の間、この温度及び水素圧の条件に供されることができる。
特定の実施形態においては、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と原料を接触させる前に、原料は水素と接触して原料/水素混合物を形成する。その他の実施形態においては、水素及び/又は触媒、並びにヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、原料を接触させる前に、溶媒又は希釈液が原料に加えられる。例えば、原料/溶媒混合物を形成した後に、水素と接触して、原料/溶媒/水素混合物を形成することができ、次いで、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と接触する。
広範囲の適切な触媒濃度が、開示されたプロセスに使用されることができ、この場合に、一般的には、反応器当たりの触媒の量は、反応器の種類によって決められる。固定層反応器の場合、反応器当たりの触媒の容量は高くなり、一方で、スラリー反応器では、その容量はより低くなる。通常、スラリー反応器では、触媒は、反応器容量の0.1〜約30重量%を占める。
開示された発明は、(i)周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される約0.1重量%〜約10重量%の金属を含む触媒と、C10〜18酸素化物を含む原料を接触させる工程を含む。このような金属は、IB族金属である銅、銀、又は金、VIB族金属であるクロミウム、モリブデン、又はタングステン、或いは、VIII族金属である鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、又は白金であることができる。特定の好ましい実施形態においては、金属は白金である。
更なる実施形態においては、第2の金属は、約0.5重量%〜約15重量%の、タングステン、レニウム、モリブデン、バナジウム、マンガン、亜鉛、クロミウム、ゲルマニウム、スズ、チタン、金、又はジルコニウムなどの触媒に含まれることができる。
特定の実施形態における触媒は、約0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、7.5重量%、8.0重量%、8.5重量%、9.0重量%、9.5重量%、又は10重量%の、周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される金属のいずれか1つ以上を含むことができる。触媒に含まれる場合、第2の金属は、約0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、7.5重量%、8.0重量%、8.5重量%、9.0重量%、9.5重量%、10.0重量%、10.5重量%、11.0重量%、11.5重量%、12.0重量%、12.5重量%、13.0重量%、13.5重量%、14.0重量%、14.5重量%、又は15.0重量%であることができる。特定の実施形態においては、触媒は、1つ以下、2つ以下、又は3つ以下の異なる金属を含む。特定のその他の実施形態においては、触媒は、唯一の金属として白金を含むが、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩に存在する金属(例えば、タングステン)は、このような触媒とともに使用されることができる。
本発明の特定の実施形態における触媒は、金属として白金を含む。触媒は、特定の好ましい実施形態において、金属として約0.1重量%〜約6重量%の白金を含む。特定のその他の好ましい実施形態における触媒は、金属として約0.25重量%〜約2重量%の白金を含む。その他の実施形態においては、触媒は、金属として約0.1重量%〜約2重量%、約0.25重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%、又は約0.25重量%〜約1重量%の白金を含む。
触媒は、本発明の特定の実施形態において、固体担体を更に含む。例えば、1つ以上のWO3、Al2O3(アルミナ)、TiO2(チタニア)、TiO2−Al2O3、ZrO2、タングステン酸ZrO2(tungstated ZrO2)、SiO2、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、V2O5、MoO3、又は炭素(例えば、活性炭)を含む、当技術分野おいて周知である様々な固体担体は、触媒に含まれることができる。特定の好ましい実施形態においては、固体担体は、Al2O3又は炭素を含む。従って、固体担体は、無機酸化物、金属酸化物、又は炭素を含むことができる。使用されることができる固体担体のその他の例としては、粘土(例えば、モンモリロナイト)及びゼオライト(例えば、H−Yゼオライト)が挙げられる。前述のものなどの触媒において使用される担体材料は、塩基性(pH9.5以上)、中性、弱酸性(pH4.5〜7.0)、又は酸性(pH4.5以下)であることができる。開示された発明の特定の実施形態において使用されることができる固体担体の更なる例は、米国特許第7749373号明細書に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
開示された発明の特定の実施形態において使用される固体担体は、多孔性であることができ、これにより、金属触媒が付着される表面積を増加させる。特定の好ましい実施形態においては、固体担体は、孔を含み、且つ、(i)少なくとも10m2/g、場合により280m2/g以下である比表面積であって、孔は500オングストロームを超える直径を有し、且つ、固体担体の孔容積は少なくとも10ml/100gである比表面積、又は、(ii)少なくとも50m2/g、場合により280m2/g以下である比表面積であって、孔は70オングストロームを超える直径を有し、且つ、固体担体の孔容積は少なくとも30ml/100gである比表面積を有する。
従って、特定の実施形態における固体担体の比表面積は、約又は少なくとも約50、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、又は1500m2/gである。特定の比表面積を有する多孔性固体担体を調製することは、当技術分野において周知である孔径及び孔容積を調節することによって実施可能である(例えば、Trimm and Stanislaus,Applied Catalysis 21:215−238;Kim et al.,Mater.Res.Bull.39:2103−2112;Grant and Jaroniec,J.Mater.Chem.22:86−92)。
特定の実施形態における固体担体は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、又は35ミクロンの平均粒径及び/又は粒径分布D50を有することができる。中央値である「D50」は、この直径の上半分及び下半分を有する担体粒子の分布を分割する直径(通常、ミクロンで)である。
開示された発明の特定の実施形態において使用される触媒を調製するための固体担体は、例えば、Johnson Matthey,Inc.(West Deptford,NJ)、BASF(Iselin,NJ)、Evonik(Calvert City,KY)、及びSigma−Aldrich(St.Louis,MO)を含む、いくつかの商用の供給元から入手可能である。Johnson Matthey(JM)の担体材料に関しては、本明細書において#32(JM#32)と示されるアルミナ粒子は、8ミクロンの平均粒径及び300m2/gの表面積を有し、本明細書において#33(JM#33)と示されるアルミナ粒子は、18ミクロンの平均粒径及び180m2/gの表面積を有し、本明細書において#23(JM#23)と示される炭素粒子は、30ミクロンの平均粒径及び1500m2/gの表面積を有し、本明細書において#25(JM#25)と示される炭素粒子は、35ミクロンの平均粒径及び900m2/gの表面積を有し、且つ、本明細書において#26(JM#26)と示される炭素粒子は、30ミクロンの平均粒径及び1500m2/gの表面積を有する。Evonikの材料に関しては、本明細書において表記F 101 XR、F 101 KYF、F 1181 XR、及びF 1181 KYFは、1重量%又は2重量%の白金が添加された炭素を意味する。更にEvonikの材料に関しては、本明細書においてF 101 XRの炭素は、28ミクロンの粒径分布D50及び1090m2/gの表面積を有する粉末であり、本明細書においてF 101 KYFの炭素は、28ミクロンの粒径分布D50及び1090m2/gの表面積を有する粉末であり、本明細書において F 1181 XRの炭素は、18ミクロンの粒径分布D50及び1140m2/gの表面積を有する粉末であり、本明細書においてF 1181 KYFの炭素は、18ミクロンの粒径分布D50及び1140m2/gの表面積を有する粉末であり、本明細書において「EVONIK炭素上の5%のPt+5%のBi」の炭素は、28ミクロンの粒径分布D50及び1120m2/gの表面積を有する粉末であり、且つ、本明細書において「EVONIK炭素上の1%のPt+0.1%のCu」の炭素は、28ミクロンの粒径分布D50及び1120m2/gの表面積を有する粉末である。
特定の実施形態における担持金属触媒は、成形された粒子などの粒子の形態であることができる。触媒粒子は、シリンダー、ペレット、球形、又は任意のその他の形状として成形可能である。1つ以上の補強リブの有無にかかわらず、シリンダー形状の触媒は、中空内部を有することができる。使用されることができるその他の粒子の形状としては、例えば、三葉、クローバー形、十字型、「C」型形状、長方形及び三角形の管が挙げられる。或いは、担持金属触媒は、粉体の形態、又は、より大きなサイズのシリンダー若しくは錠剤の形態であることができる。
金属触媒は、特定の実施形態において担持ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩とともに使用可能である。ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、本明細書において開示されるものなどの、SiO2、Al2O3、又は任意のその他の担持材料に担持されることができる。特定の実施形態においては、白金は、担持ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩に対して添加されることができ、従って、これによって担持されることができる。例えば、白金は、SiO2、Al2O3、又は炭素に担持された(i)WPAに対して、或いは、SiO2、Al2O3、又は炭素に担持された(ii)Cs−WPAに対して添加されることができる。
開示された発明の特定の実施形態において使用されることができる金属触媒組成物のその他の例は、米国特許出願公開第2011/0300594号明細書及び米国特許出願公開第2012/0029250号明細書、並びに米国特許第8084655号明細書に記載されており、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
触媒は、当技術分野において周知である様々な方法のいずれかを用いて調製されることができる(例えば、Pinna,1998,Catalysis Today 41:129−137、Catalyst Preparation:Science and Engineering,Ed.John Regalbuto,Boca Raton,FL:CRC Press,2006、Mul and Moulijn,Chapter 1:Preparation of supported metal catalysts,In:Supported Metals in Catalysis,2nd Edition,Eds.J.A.Anderson and M.F.Garcia,London,UK:Imperial College Press,2011、Acres et al.,The design and preparation of supported catalysts,In:Catalysis:A Specialist Periodical Report,Eds.D.A.Dowden and C.C.Kembell,London,UK:The Royal Society of Chemistry,1981,vol.4,pp.1−30)。選択された方法によって調製される触媒は、開示された水素化脱酸素プロセスの間、活性であり、選択的であり、再利用可能であり、且つ、機械的及び熱化学的に安定であることが望ましい。
開示されたプロセスに使用する特定の触媒を調製する際の固体担体に対する金属の含浸は、固体担体を金属塩溶液と混合し、適切な量の時間、適切な温度(例えば、100〜120℃)でこの混合物を乾燥させて乾燥した生成物を得、次いで、適切な量の時間の間、適切な温度(例えば、300〜400℃)で乾燥した生成物を焼成することによって、実施されることができる。次いで、必要に応じて、この手順によって調製された担持金属触媒は、別の金属で含浸されることができる。必要に応じて、担体に2つ以上の金属を添加する別の方法は、固体担体を金属塩溶液と混合し、前述の通りこの混合物を乾燥させ、乾燥した生成物を別の金属塩溶液と混合し、前述の通りこの混合物を乾燥させ、次いで、前述の通り乾燥した生成物を焼成することによって実施されることができる。必要に応じて、前述の手順のいずれかを採用し、これにより、固体担体に対して更なる金属を添加することができる。
本発明は、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、C10〜18酸素化物を含む原料を接触させる工程を含む。当技術分野において周知であるヘテロポリ酸は、中心元素と、酸素が結合した周囲元素を有する化合物である。中心元素は、例えば、Si、P、Ge、As、B、Ti、Ce、Co、Ni、Al、Ga、Bi、Cr、Sn、又はZrであることができる。周囲元素の例は、W、Mo、V、又はNbなどの金属であることができる。例えば、ケギン、ウエルス−ドーソン及びアンダーソン−エバンス−ペアロフ構造などの、いくつかのヘテロポリ酸構造が報告されてきた。
特定の実施形態におけるヘテロポリ酸は、以下の式:
(I)HkXM12O40、或いは、
(II)AjHkXM12O40(式中、
X(中心元素)は、Si、P、Ge、As、B、Ti、Ce、Co、Ni、Al、Ga、Bi、Cr、Sn、又はZrであり、
M(周囲元素)は、独立して、Mo、W、V、又はNbであり、
A(式IIを参照)は、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、有機アミンカチオン、又はそれらの組合せであり、
kは0〜4であり、
jは0〜4であり、且つ、
j及びkの少なくとも1つは0を超える)
の1つによって表される化学構造を有することができる。
(I)HkXM12O40、或いは、
(II)AjHkXM12O40(式中、
X(中心元素)は、Si、P、Ge、As、B、Ti、Ce、Co、Ni、Al、Ga、Bi、Cr、Sn、又はZrであり、
M(周囲元素)は、独立して、Mo、W、V、又はNbであり、
A(式IIを参照)は、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、有機アミンカチオン、又はそれらの組合せであり、
kは0〜4であり、
jは0〜4であり、且つ、
j及びkの少なくとも1つは0を超える)
の1つによって表される化学構造を有することができる。
式IIは、ヘテロポリ酸塩又はカチオン交換されたヘテロポリ酸(式中、式IIのAはカチオンである)を表すことは、当技術分野において理解されるであろう。式IIのA(カチオン)の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、銅、ルビジウム、タリウム、金、又はガリウムのイオンなどの金属イオンが挙げられ、従って、ヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸金属塩であることができる。式IIのAのその他の例としては、アンモニウム(NH4 +)及び有機アミンなどのオニウム基が挙げられる。式IIの特定の実施形態におけるカチオンは、カチオン交換されたヘテロポリ酸は酸性であり、且つ、水に不溶性であることに基づいて選択されることができる。従って、特定の実施形態における触媒組成物は、酸性であり、且つ、水に不溶性であるヘテロポリ酸塩を含む。このようなヘテロポリ酸塩は、例えば、セシウム交換されたヘテロポリ酸(ヘテロポリ酸セシウム塩)であることができる。このようなヘテロポリ酸塩におけるセシウムイオンは、式IIのA基を表すことは、当技術分野において理解されるであろう。特定のその他の実施形態におけるA基は、二者択一的に、カリウム又はアンモニウムであることができる。特定の実施形態においては、式IIにおいてj+kは4以下である。
開示された発明の特定の実施形態におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、タングステン(W)を含む。このようなヘテロポリ酸におけるタングステンは、式I又はIIの周囲元素Mを表すことは、当技術分野において理解されるであろう。特定の実施形態におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、リン(P)を含む。このようなヘテロポリ酸におけるリンは、式I又はIIの中心元素Xを表すことは、当技術分野において理解されるであろう。
使用可能であるヘテロポリ酸の例としては、ともに式Iに従う、H3PW12O40(リンタングステン酸、本明細書において「WPA」と略記される)及びH4SiW12O40が挙げられる。ヘテロポリ酸塩の例としては、ともに式IIに従う、Cs2.5H0.5PW12O40(リンタングステン酸セシウム塩、本明細書において「Cs−WPA」と略記される)及びCs2.5H0.5SiW12O40が挙げられる。
特定の実施形態におけるヘテロポリ酸は、無水であることができる、或いは、水和されることができる。水和ヘテロポリ酸(即ち、結晶化水を含む)としては、例えば、H3PW12O40・(H2O)x及びH4SiW12O40・(H2O)xが挙げられ、この場合に、xは1以上である。しかしながら、特定の実施形態においては、開示された触媒組成物を調製するために、水和ヘテロポリ酸は使用前に脱水される。
触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、原料を接触させる場合、様々な量のヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩が使用可能である。例えば、反応混合体におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の重量パーセントは、少なくとも、約1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、又は5.0%(反応混合体の総重量のパーセント)であることができる。反応混合体におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の量は、例えば、反応混合体に存在する担持金属触媒の量に対してなど、異なって表されることができる。
特定の実施形態においては、反応混合体におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の量は、反応混合体における担持金属触媒の重量パーセンテージとして設定されることができる。例えば、.10gの担持金属触媒が使用される場合、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の50%の「添加」は、.05gのヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩が、反応において使用されることを意味することになる。ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の約10%、20%、30%、40%、50%、又は60%の添加が、この測定スキームに従う特定の実施形態において使用されることができる。
特定の実施形態においては、反応混合体におけるヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の量は、特定のヘテロポリ酸又はその塩を使用する反応に導入可能なタングステン(W)の量に対して設定可能である。例えば、リンタングステン酸(WPA)が反応においてヘテロポリ酸として使用される場合、担持金属触媒が添加されるWの所望の量は、担持金属触媒の特定のパーセンテージの重量に等しくなる。例としては、0.1gの担持金属触媒が反応混合体において使用され、且つ、Wの所望の「添加量」はWPAを使用して2%である場合、約0.026gのWPAが使用されて、0.1gの重量の2%である0.002gのWを提供することになる。この例で使用するWPAの量(0.026g)は、WPAの1分子において約76.6重量%のWであることに基づく。ヘテロポリ酸(例えば、WPA)又はヘテロポリ酸塩を使用する反応混合体への、Wの約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の添加量は、この測定スキームに従う特定の実施形態において使用されることができる。
特定の実施形態においては、原料は、触媒及びヘテロポリ酸塩と接触し、且つ、触媒は、ヘテロポリ酸塩と結合する。これは、ヘテロポリ酸塩が、担持物質として効果的に機能する例である。特定の実施形態におけるこの役割において、ヘテロポリ酸塩は、金属触媒の活性を変える又は強化することができ、且つ/又は、金属触媒の触媒活性にそれ自体が寄与することができる。
金属触媒担体としてのヘテロポリ酸塩の調製は、当技術分野において周知の任意の手順に、又は、本明細書において開示される手順のいずれかに、従うことができる。特定の実施形態におけるヘテロポリ酸塩は、担体として使用される前に、焼成されることができる(又は焼成されない)。特定の実施形態におけるヘテロポリ酸の添加は、例えば、金属触媒塩溶液(例えば、硝酸白金アンモニウム)を用いて、湿式含浸を使用して実施されることができる。例えば、ヘテロポリ酸塩に対する触媒金属塩溶液の適用及び除去の後、湿式含浸されたヘテロポリ酸塩は、適切な温度(例えば、約100℃)で乾燥され、次いで適切な量の時間の間(例えば、約3時間)、適切な温度(例えば、約350℃)で焼成されることができる。
金属触媒がヘテロポリ酸塩に結合する特定の実施形態においては、金属触媒は、最終触媒組成物の約0.25重量%、0.5重量%、1.0重量%、又は2.0重量%で添加されることができる。金属触媒は、これらの実施形態のいずれかにおいて、例えば、白金であることができる。その他の例においては、ヘテロポリ酸塩は、リンタングステン酸セシウム塩などの、リンタングステン酸塩であることができる。本明細書において開示される任意の触媒的金属結合ヘテロポリ酸塩は、このヘテロポリ酸塩が、例えば、反応混合体の総重量の少なくとも約1〜10%、1〜5%、2〜5%、3〜5%、又は4〜5%(例えば、約4.7%)である水素化脱酸素反応において使用されることができる。
触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、開示された水素化脱酸素プロセスの特定の実施形態において、ともに乾式混合され、その後これらは原料と接触する。その他の実施形態においては、触媒及びヘテロポリ酸は、ともに乾式混合され、その後これらは原料と接触する。
特定の実施形態においては、触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、乾燥条件の下、触媒をヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と混合することによって調製されることができる。言い換えれば、混合は、水又はいかなる溶液も導入することなく実施される。例えば、乾燥量の金属触媒及び乾燥量のヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩が、ともに入れられて、粉末に粉砕される。得られた粉末は、金属触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の微細粒子を含む。この混合は、緊密混合とも称されることができる。従って、特定の実施形態においては、触媒組成物は、金属触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩の乾燥混合物を含む。この混合物は、微細混合物、緊密混合物、又は粉末混合物とも称されることができる。
代替の実施形態においては、混合は、それぞれすでに粉末にされた触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩をともに混合することによって実施されることができる(即ち、金属触媒粉末は、ヘテロポリ酸粉末と混合される)。更に或いは、事前に粉末にされなかった一成分は、すでに粉末にされた別の成分とともに入れられることができ、その後、第1の成分は粉砕される(例えば、金属触媒粉末及び非粉末ヘテロポリ酸塩は、ともに入れられ、粉砕/粉末化に供されることができる)。
操作の大きさに応じて、乾式混合は、当技術分野において周知のように工業用粉砕機を用いて、又は、例えば、乳鉢と乳棒を使用してより小さいスケールで、実施されることができる。特定量の圧力又は力が、混合デバイスによって混合されている粒子に加わる特定の実施形態において、乾式混合は実施されることができる。例えば、混合デバイスは、約100〜500ポンド(例えば、約300ポンド)の力を、混合されている成分に加えることができる。混合されている成分に加えられる力は、混合プロセスの全体にわたって均一に加えられる必要はない。
混合プロセスは、任意の適切な量の時間の間、実行されることができる。例えば、金属触媒及びヘテロポリ酸成分を混合することは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10分の間、実施されることができる。乾式混合によって調製された触媒組成物は、調製直後(例えば、約15又は30分以内)に、水素化脱酸素反応に使用されることができ、或いは、好ましくは不活性雰囲気下で、後の使用のために保存されることができる。
金属触媒及びヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩成分を乾式混合することによって調製された触媒組成物は、例えば、約140、130、120、110、100、90、80、70、60、50、又は40(又は約140〜40メッシュ)の平均メッシュサイズ(米国標準スケール)を有する粒子を含むことができる。特定の実施形態においては、平均粒径(例えば、最も長い長さ寸法)は、約150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、又は250ミクロン(又は約150〜250ミクロン)である。従って、乾燥混合物、微細混合物、又は緊密混合物は、前述で列挙されたような平均メッシュサイズ又は粒径を有する金属触媒及びヘテロポリ酸/ヘテロポリ酸塩粒子の混合体を意味することができる。
「乾燥混合物」という用語は、その製造の際の触媒組成物の状態を意味すると意図される。この意味では、特定の実施形態における触媒組成物は、乾式混合によって生成されたものであることができる。開示された水素化脱酸素プロセスにおける乾式混合物の使用は、乾式混合物を、溶媒などの液体、特定の原料、及び/又は特定の生成物に曝すことと理解されるであろう。
本明細書において開示される様々な実施形態に使用されるヘテロポリ酸塩は、当技術分野において周知のいかなる手段によっても調製されることができる。或いは、ヘテロポリ酸塩は、以下の工程によって調製されることができる。
初めに、例えば、適切な量の時間の間(例えば、約2時間)、熱(例えば、約60℃)及び/又は真空を使用してヘテロポリ酸(水和された場合)を脱水することによって、水性ヘテロポリ酸溶液は、調製されることができる。次いで、脱水されたヘテロポリ酸は、水に溶解されて水溶液を得る。ヘテロポリ酸塩は、この溶液から沈殿してヘテロポリ酸塩を得る。
ヘテロポリ酸を沈殿させるために使用された塩(「ヘテロポリ酸沈殿塩」)は、例えば、塩の溶液を調製する前に、適切な量の時間の間(例えば、約2時間)、高熱(例えば、約420℃)及び/又は真空の下で、初めに乾燥されることができる。
特定の実施形態におけるヘテロポリ酸沈殿塩は、式IIのAによって表される元素又は基を含むことができる。例えば、塩は、式IIのAによって表される元素又は基のいずれかの、1つ以上の炭酸、水酸化物、硫酸、又は硫化物であることができる。Cs2CO3は、ヘテロポリ酸沈殿塩として用いられることができる炭酸の例である。
特定の実施形態における沈殿されたヘテロポリ酸塩は、適切な量の時間の間(例えば、約2時間)、水を除去するために、熱(例えば、約100〜150℃又は120℃)及び/又は真空条件を使用して、乾燥されることができる。この乾燥された生成物は、適切な量の時間の間(例えば、約1時間)、約250〜350℃の温度(例えば、約300℃)で、特定の実施形態において更に焼成されることができる。
開示された発明によって生成される直鎖型アルカンは、発酵による長鎖の二酸の生成に使用するのに適している。例えば、直鎖型アルカンは、個々に、又は、組み合わせて、長さにおいて、10(デカン二酸)、12(ドデカン二酸)、14(テトラデカン二酸)、16(ヘキサデカン二酸)、又は18(オクタデカン二酸)の炭素からなる直鎖型ジカルボン酸に、発酵によって変えられることができる。直鎖型アルカンを直鎖型ジカルボン酸に発酵によって変える方法及び微生物は、例えば、米国特許第号5254466明細書、米国特許第5620878号明細書、米国特許第5648247号明細書、並びに、米国特許出願公開第2011/0300594号明細書、米国特許出願公開第2005/0181491号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0146999号明細書に記載されている(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)。前述の参考文献のいくつかにおいて、又、米国特許第6288275号明細書及び国際公開第2000/020620号パンフレットにおいて開示されているように、発酵ブロスから直鎖型ジカルボン酸を回収する方法も周知である。
本発明は、以下の実施例において更に定められる。本発明の好ましい態様を示すとともに、これらの実施例は、単に例示的なものであることを理解すべきである。前述の説明及びこれらの実施例から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を確認することができ、それらの本質及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な変更及び改変を施し、本発明を様々な使用及び条件に適合させることができる。
実施例1
触媒合成:Al2O3上の2%のタングステン/5%の白金
この実施例では、アルミナ(Al2O3)担持白金(Pt)触媒上のタングステン(W)の含浸について記載する。得られたアルミナ担持タングステン/白金触媒を、実施例2及び3に記載の低温/低圧水素化脱酸素プロセスにおいて使用した。
触媒合成:Al2O3上の2%のタングステン/5%の白金
この実施例では、アルミナ(Al2O3)担持白金(Pt)触媒上のタングステン(W)の含浸について記載する。得られたアルミナ担持タングステン/白金触媒を、実施例2及び3に記載の低温/低圧水素化脱酸素プロセスにおいて使用した。
2重量%のタングステンを、湿式の含浸法を使用して、5重量%のアルミナ担持白金触媒(Pt/Al2O3)に添加した。担体に対するタングステン含浸を実現するために、0.083gのタングステン酸アンモニウム五水和物(Strem Chemicals,Newburyport,MA;lot no.19424200)を、2mLの脱イオン水に溶解した。次いで、この溶液を、2.92gの、Johnson Matthey,Inc.(West Deptford, NJ; #33 in the Heterogeneous Catalyst Screening Kit, Catalyst Designation B301099−5)の乾燥アルミナ担持5%白金触媒(Pt/Al2O3)粉末に加えた。このPt/Al2O3粉末は、1%の含水量、均一な金属配置、180m2/gの表面積、15ミクロンの平均粒径、及び200mLH2/15分のニトロベンゼン活性を有する。混合物−溶液を、約5分間ボルテックスした。次いで、試料を、20mmHgの真空下、110℃、真空オーブンにて、約16時間、一晩乾燥させた。この乾燥プロセスの間、水蒸気の除去を助けるために、小さい窒素ブリードを使用した。次いで、試料を室温まで冷却した後、350℃で3時間、試料を焼成した。
このようにして、2%のタングステン/5%の白金アルミナ担持触媒を得た。
実施例2
600ccの反応器におけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、実施例1において調製したアルミナ担持タングステン/白金触媒(5%のPt/アルミナ上の2%のW)を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスを、200℃の温度及び500psig(平方インチゲージ当たりのポンドフォース)の圧力を含む条件にて実行した。
600ccの反応器におけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、実施例1において調製したアルミナ担持タングステン/白金触媒(5%のPt/アルミナ上の2%のW)を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスを、200℃の温度及び500psig(平方インチゲージ当たりのポンドフォース)の圧力を含む条件にて実行した。
30.5gのラウリン酸(Sigma Aldrich,St.Louis,MO、>99%、lot.no.MKBG4553V)、253.0gのテトラデカン(Alfa Aesar,Ward Hill,MA、99+%、lot.no.E09Y007)、15.3gのヘキサデカン(Sigma Aldrich,99.9%、lot.no.26396JMV)、及び実施例1で調製した3.19gのアルミナ担持タングステン/白金触媒を、メカニカルスターラーを備えた600ccのHastelloy Parr(登録商標)圧力反応器に加えた。メカニカルスターラーを、700rpmの回転速度に設定した。毎回、反応器を約400psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、6回、窒素ガスで置換洗浄した。次いで、反応器を200psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、6回、水素ガスで置換洗浄した。
これらの置換洗浄のサイクルの後、反応器を約100psig水素まで加圧し、200℃まで加熱した。反応器が200℃で平衡化されると、反応器の圧力は、500psigの実験的設定点まで上昇した。反応条件(200℃及び500psig)に到達した直後に、前述の投入材料(テトラデカン、ヘキサデカン、及びW/Pt触媒を伴ったラウリン酸)の試料を、試料ポートによって収集した。更なる試料を、次の5時間の間、毎時間収集した。200℃で6時間後に、反応器を、50℃まで冷却し、一晩この条件にて維持した。
翌日、反応器を200℃まで再度再加熱し、水素圧を500psigに調整した。再度、反応条件(200℃及び500psig)に到達した直後に、試料を収集し、次の6時間の間、毎時間、試料を収集した。6時間後に、反応器を、室温まで冷却し、周囲圧力まで減圧し、反応器を分解し反応混合物を収集した。
すべての収集した試料を、テトラヒドロフランで希釈し、標準的な0.45ミクロンのディスポーザブルフィルターによって濾過した。次いで、濾過した試料を、GC/FID(ガスクロマトグラフィー/水素炎イオン化検出器)によって分析し、この成分を同定し、反応物及び生成物の濃度を測定した。個々の成分を、成分の滞留時間を特定の較正標準の滞留時間と照合することによって同定した。反応に含まれたヘキサデカンを内部標準として使用して、個々の成分のそれぞれの濃度を決定した。
反応の最終生産物に関しては、ラウリン酸の変換は、約95%であることが認められ、一方、ドデカンのモル収率は約65%であった。モル収率は、ドデカノールについては約12%、ラウリン酸ラウリルについては約11%、及びウンデカンについては約2%であった。
これらの結果は、C12酸素化物であるラウリン酸を含む原料を使用して、低温及び低圧の条件にて、W/Pt/アルミナ触媒を利用する水素化脱酸素プロセスを介して、直鎖型アルカンを生成することができることを実証している。水素化脱酸素プロセスでは、特定の副生成物は少量で、主として、完全に脱酸素化された生成物(ドデカン)を生成した。
詳細には、ウンデカン(C11)が少量生成したことは、ラウリン酸の脱炭酸による非常に低いレベルの炭素損失が、このプロセスの間に生じたに過ぎないことを実証している。比較的少量の副生成物であるドデカノール及びラウリン酸ラウリルとともに生成したドデカンの高いレベルは、このプロセスが、ラウリン酸原料のカルボン酸部位を効果的に脱酸素化したことを実証している。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例3
20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、実施例1において調製したアルミナ担持タングステン/白金触媒(5%のPt/アルミナ上の2%のW)を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件にて実行した。
20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、実施例1において調製したアルミナ担持タングステン/白金触媒(5%のPt/アルミナ上の2%のW)を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件にて実行した。
水素化脱酸素反応を、8つのステンレス鋼反応容器を含むEndeavor(登録商標)反応器システムにおいて実施した。それぞれの容器は、約25mLの容積を有し、且つ、メカニカルスターラーを備える。20mLのガラスバイアルが、このシステムにおけるそれぞれの反応器用のライナーとして使用される。
0.20gのラウリン酸(Sigma Aldrich,>99%,lot.no.MKBG4553V)、1.71gのテトラデカン(Alfa Aesar,99+%,lot.no.E09Y007)、0.10gのヘキサデカン(Sigma Aldrich,99.9%,lot.no.26396JMV)、及び実施例1において調製した0.10gのアルミナ担持タングステン/白金触媒を、Endeavor(登録商標)反応器システムにおける反応容器の1つに使用した20mLのガラスバイアルに加えた。このシステムを封止し、高圧ガス集合装置に接続した。反応器を毎回400psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、4回、窒素ガスで置換洗浄した。次いで、反応器を400psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、3回、水素ガスで置換洗浄した。
置換洗浄のサイクルの後、反応器を100psig水素まで加圧し、200℃まで加熱した。反応器の温度が200℃に到達すると、より多くの水素を反応器に加えて、400psigの実験的設定点まで圧力が上昇した。反応を4時間等温にて実行した後、熱を切り、反応器を50℃未満まで冷却した。反応のすべての期間に渡り、圧力を、圧力が399psig未満に低下したときはいつでも、水素を加えることによって400psigの設定点に維持した。
反応器を冷却した後、反応に用いたガラスバイアルを反応器から取り除き、5分間、2000rpmで遠心分離した。得られた試料をデカンタして、反応混合物(液体試料)の残りから、触媒(固体試料)を分離した。液体試料を、テトラヒドロフランで更に希釈し、標準的な0.45ミクロンのディスポーザブルフィルターによって濾過した。次いで、濾過した液体試料を、GC/FIDによって分析し、この成分を同定し、反応物及び生成物の濃度を測定した。個々の成分を、成分の滞留時間を特定の較正標準の滞留時間と照合することによって同定した。反応に含まれたヘキサデカンを内部標準として使用して、個々の成分のそれぞれの濃度を決定した。
反応の最終生産物に関しては、ラウリン酸の変換は、約99%であることが認められ、一方、ドデカンのモル収率は約79%であった(表2、7番目の列)。モル収率は、ドデカノールについては約1%、ラウリン酸ラウリルについては約2%、及びウンデカンについては約3%であった。
これらの結果は、低温及び低圧の条件にて、W/Pt/アルミナ触媒を利用する水素化脱酸素プロセスを使用して、C12酸素化物であるラウリン酸から直鎖型アルカンを生成することができることを更に実証している。水素化脱酸素プロセスでは、副生成物は非常に少量で、主として、完全に脱酸素化された完全な長さの生成物であるドデカンを生成した。生成した低いレベルのウンデカンは、プロセスの間にほとんど炭素損失がなかったことを示しており、一方、低いレベルのドデカノール及びラウリン酸ラウリルは、ラウリン酸のカルボン酸部位は効果的に脱酸素化されたことを示している。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例4
様々な触媒を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、前述の5%のPt/アルミナ上の2%のWとは別に、様々なその他の触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。白金及びタングステンを含むその他の触媒の場合、触媒は、その中に含まれる白金及びタングステンの量において、及び/又は、触媒調製の際、白金及びタングステンがアルミナ担体に適用された方法において、互いに異なるものであった。ニッケル、銅、ビスマス、モリブデン、パラジウム、マンガン、クロミウム、及びバナジウムなどのその他の金属を含む触媒も試験した。
様々な触媒を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、前述の5%のPt/アルミナ上の2%のWとは別に、様々なその他の触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。白金及びタングステンを含むその他の触媒の場合、触媒は、その中に含まれる白金及びタングステンの量において、及び/又は、触媒調製の際、白金及びタングステンがアルミナ担体に適用された方法において、互いに異なるものであった。ニッケル、銅、ビスマス、モリブデン、パラジウム、マンガン、クロミウム、及びバナジウムなどのその他の金属を含む触媒も試験した。
実施例3に記載の20ccの反応手順に従い、その他の触媒を調製し、ラウリン酸のドデカンへの脱酸素を触媒作用する能力について試験した。これらのその他の触媒を表2に列挙する。これらのその他の触媒は、5%のPt/アルミナ上の2%のWを調製するために、実施例1に記載のプロトコールと同様な方法で調製した。一般的に、タングステン及び白金を含む触媒は、アルミナ担持白金(「Pt/アルミナ」)に対してタングステンを含浸することによって、又は、アルミナに対してタングステン及び白金を含浸することによって調製された。その他の触媒の調製においては、アルミナを、その他の金属(バナジウム、パラジウム、マンガン、クロミウム、モリブデン)で含浸した。Pt/アルミナ(実施例1を参照)及びアルミナはともに、Johnson Matthey,Inc.から得られた。
「1%のPt/アルミナ上の0.4%のW」、「1%のPt/アルミナ上の0.8%のW」、「1%のPt/アルミナ上の2%のW」、「2%のPt/アルミナ上の0.4%のW」、「2%のPt/アルミナ上の0.8%のW」、「2%のPt/アルミナ上の2%のW」、「1%のPt/アルミナ上の5%のW」、「1%のPt/アルミナ上の7.5%のW」、「1%のPt/アルミナ上の10%のW」、「2%のPt/アルミナ上の5%のW」、「2%のPt/アルミナ上の7.5%のW」、及び「2%のPt/アルミナ上の10%のW」として表2に列挙した触媒は、実施例1に記載の手順に従い調製した。しかしながら、異なる濃度のタングステン酸アンモニウム五水和物を使用し、これにより、1重量%又は2重量%の白金を含むPt/アルミナに対してタングステンを添加した。
「アルミナ上の2%のW上の2%のPt」、「アルミナ上の5%のW上の2%のPt」、「アルミナ上の2%のPt上の2%のW」、及び「アルミナ上の2%のPt上の5%のW」として表2に列挙した触媒は、アルミナに対して白金及びタングステンを連続して含浸することによって調製した。アルミナ上の2%のW上の2%のPt及びアルミナ上の5%のW上の2%のPtの触媒は、初めにアルミナに対してタングステンを添加し(アルミナ担持タングステンを形成する)、その後、アルミナ担持タングステンに対して、白金を添加することで調製した。反対に、アルミナ上の2%のPt上の2%のW及びアルミナ上の2%のPt上の5%のWの触媒は、初めにアルミナに対して白金を添加し(アルミナ担持白金を形成する)、その後、アルミナ担持白金に対して、タングステンを添加することで調製した。実施例1に記載のプロセスと同様な方法で、それぞれの金属を担体に対して添加した。簡潔には、タングステンの塩(タングステン酸アンモニウム五水和物)又は白金の塩(硝酸テトラアミン白金)を、脱イオン水に溶解し、次いでアルミナと混合した。混合物を、20mmHgの真空下にて110℃で約16時間乾燥させ、冷却し、次いで、350℃で3時間、焼成させて、アルミナ担持タングステン又はアルミナ担持白金を生成した。次いで、次の金属(タングステン又は白金)の含浸を、添加目標として第1の工程から生成したアルミナ担持タングステン又はアルミナ担持白金を用いた以外は、この同一の手順を介して実施した。従って、これらの特定の触媒の生成には2つ焼成工程を要した。適切な金属塩を用いて、同様なプロセスを使用し、これにより、「アルミナ上の2%のPd上の2%のMo」、「アルミナ上の2%のPd上の2%のW」、「アルミナ上の2%のPd上の2%のCr」、「アルミナ上の2%のPd上の2%のMn」、及び「アルミナ上の2%のPd上の2%のV」として表2に列挙した触媒を調製した。
「アルミナ上の2%のW及び2%のPt」及び「アルミナ上の5%のW及び2%のPt」として表2に列挙した触媒は、1つの焼成工程を使用して、以下の通り調製した。硝酸テトラアミン白金溶液を、アルミナと混合し、次いで、20mmHgの真空下にて110℃で約16時間、乾燥させた。次いで、乾燥した生成物を、タングステン酸アンモニウム五水和物溶液と混合した後、前述の通り乾燥させた。次いで、アルミナとともに白金及びタングステンをともに含む乾燥した生成物を、350℃で3時間焼成した。担体として適切な金属塩及び炭素を用いて、同様なプロセスを使用し、これにより、「炭素上の1%のPt及び0.1%のCu」及び「炭素上の5%のPt及び5%のBi」として表2に列挙した触媒を調製した。
表2に列挙した結果では、5%のPt/アルミナ上の2%のWに加えて、いくつかの触媒が、200℃及び400psigで、ラウリン酸のドデカンへの水素化脱酸素を触媒作用することができることを示している。例えば、2%のPt/アルミナ上の2%のW(表2、6番目の列)及びアルミナ上の2%のPt上の5%のW(表2、11番目の列)の触媒を用いた反応の生成物は、ウンデカンのそれぞれのモル収率より2倍を超えるドデカンのモル収率を有した。又、表2のいくつかの触媒を用いた反応は、25%を超えるドデカンのモル収率を有した。例えば、2%のPt/アルミナ上の5%のWの触媒の3つの別個の調製を用いた反応は、ウンデカンの収率は3%以下で、少なくとも56%のドデカンの収率を有した。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例5
様々なpHレベルのアルミナを含む触媒を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、酸性、弱酸性、中性、又は塩基性のアルミナ固体担体に担持された5%のW及び2%のPtを含む触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
様々なpHレベルのアルミナを含む触媒を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、酸性、弱酸性、中性、又は塩基性のアルミナ固体担体に担持された5%のW及び2%のPtを含む触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
この実施例における触媒は、「アルミナ上の2%のPt上の5%のW」と示される触媒に用いた実施例4に記載の方法に従って、特定のタイプのアルミナ(酸性、弱酸性、中性、又は塩基性)を使用して調製した。次いで、これらの触媒を、実施例3に記載の条件にて、ラウリン酸水素化脱酸素反応において使用した。これらの反応の結果を表3に列挙する。
表3に列挙した結果では、酸性、弱酸性、中性、又は塩基性のアルミナに担持された5%のW及び2%のPtを含む触媒はすべて、200℃及び400psigで、ラウリン酸のドデカンへの水素化脱酸素を触媒作用することができることを示している。すべての反応において、22%〜32%のドデカンが生成し、一方、ウンデカンの生成は3%以下であった。これらの結果は、様々なpHレベルからなるアルミナに担持された様々な量のタングステン及び白金を含む触媒は、C10〜18酸素化物水素化脱酸素を触媒作用することができることを示す。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例6
6時間の反応期間を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、200℃及び400psigの条件を、4時間の代わりに6時間保持したこと以外は、実施例3に記載の反応手順に従い、様々な触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
6時間の反応期間を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、200℃及び400psigの条件を、4時間の代わりに6時間保持したこと以外は、実施例3に記載の反応手順に従い、様々な触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
タングステン及びPt/アルミナ(アルミナ担持白金)を含むこの実施例における触媒を、実施例4に記載の手順に従い調製した。同様な手順に従い、2%のPt/アルミナ上の5%のMoの触媒を調製した。次いで、200℃及び400psigの反応条件を、4時間の代わりに6時間保持したこと以外は、実施例3に記載の条件にて、これらの触媒を、ラウリン酸水素化脱酸素反応において使用した。これらの反応の結果を表4に列挙する。
表4に列挙した結果は、200℃及び400psigで6時間の期間を用いた以外は、実施例3に記載の反応条件であり、これによって、ウンデカンの副生成物の生成は少量で、ラウリン酸のドデカンへの水素化脱酸素が可能になることを示している。具体的には、2%の白金、及び2%、5%、7.5%、又は10%のタングステンを有する触媒は、ウンデカンの収率は4%以下で、40%〜82%のドデカンを生成することができた。
又、表4は、アルミナに担持された5%のモリブデン及び2%の白金を含む触媒が、ウンデカンをほとんど生成することなく、ドデカンへのラウリン酸水素化脱酸素を効果的に触媒作用したことを示している。この結果は、白金及びモリブデンを含む触媒は、本明細書において記載される特定のC10〜18酸素化物水素化脱酸素プロセスを実行するのに有用であることを示している。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例7
様々な溶媒条件を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、異なる溶媒及び異なる量のラウリン酸基質を使用した以外は、実施例3に記載の反応手順に従い、タングステン及び白金を含む触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
様々な溶媒条件を用いた20ccの複数反応器システムにおけるラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、異なる溶媒及び異なる量のラウリン酸基質を使用した以外は、実施例3に記載の反応手順に従い、タングステン及び白金を含む触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。
2%のタングステン及び5%の白金を含んだこの実施例に使用する触媒を、実施例1及び4に記載の手順に従い調製した。次いで、以下の例を除いて、実施例3に記載の条件にて、この触媒を、ラウリン酸水素化脱酸素反応において使用した。反応では、0.20グラムのラウリン酸の代わりに、1又は2グラムのラウリン酸基質を使用した。又、溶媒としてテトラデカンとヘキサデカンの約17:1の混合物を使用することとは対照的に、ヘキサデカン(1g)のみ、水(1g)、又は無溶媒を使用した。これらの反応の結果を表5に列挙する。
表5に列挙した結果は、ヘキサデカンなどの有機溶媒を利用する水素化脱酸素反応において、タングステン及び白金を含む触媒が、良好に機能することを示している。しかしながら、溶媒を含まない反応も機能する。溶媒非存在下の5%のPt/アルミナ上の2%のWの触媒は、ウンデカンの収率はわずか1%で、15%のドデカンを生成した反応を触媒作用することができた。
この実施例、並びに、5%のPt/アルミナ上の2%のWの触媒が、テトラデカン及びヘキサデカンを含む溶媒において使用された実施例3に基づいて、これらの及び同様な有機溶媒が、本明細書において記載される特定のC10〜18酸素化物水素化脱酸素プロセスにおいて使用可能であることは明白である。
実施例8〜11に記載される結果を考慮すると、ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩を包含することは、この実施例に記載される反応手順に適用可能であろう。
実施例8
40ccの反応器におけるヘテロポリ酸の存在下でのラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、ヘテロポリ酸、リンタングステン酸(WPAと本明細書において略記される)を含む反応において調製される炭素担持白金触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び1000psigの圧力を含む条件下にて実行された。
40ccの反応器におけるヘテロポリ酸の存在下でのラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、ヘテロポリ酸、リンタングステン酸(WPAと本明細書において略記される)を含む反応において調製される炭素担持白金触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び1000psigの圧力を含む条件下にて実行された。
6.0gのラウリン酸(Sigma Aldrich,St.Louis,MO;>99%,lot.no.MKBG4553V)、5.4gのテトラデカン(Alfa Aesar,Ward Hill,MA;99+%,lot.no.E09Y007)(この反応用の溶媒)、0.6gのヘキサデカン(Sigma Aldrich,99.9%,lot.no.26396JMV)、1.426g(0.6gの乾燥重量)のJohnson Matthey,Inc.(West Deptford,NJ;JM#25炭素担体)の炭素担持1%白金触媒、及び0.174gのWPA(Sigma Aldrich Inc.)(WPA、例えば、約1.3重量%の反応混合物)を、乳鉢と乳棒で粉砕し、次いでマグネチックスターラーを備えた40ccのHastelloy(登録商標)圧力反応器に加えた。反応器を毎回約150psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、3回、窒素ガスで置換洗浄した。次いで、反応器を150psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、3回、水素ガスで置換洗浄した。
これらの置換洗浄のサイクルの後、反応器を約250psigの水素まで加圧し、200℃まで加熱した。反応器が200℃で平衡になると、1000psigの実験的設定点まで反応器圧力が上昇した。200℃で6時間後に、反応器を50℃まで冷却し、一晩この条件にて維持した。
翌日、反応器を開放し、再封止される前に、試料をGC分析のために取り出した。同様に、反応器を窒素での3回の置換洗浄、及び、水素での3回の置換洗浄で前日まで置換洗浄し、それぞれ反応器における250psigの水素を最終的に実現した。次いで、反応器を200℃まで再加熱し、設定点温度に到達すると水素圧は1000psigまで上昇した。6時間後に、反応器を室温まで冷却し、ここで一晩維持した。
3日目の実施日は前日に続き、試料の除去及び反応器調製をそのとおり含んだ。試料について更に6時間実施し、3日間にわたって18時間の合計実施時間となった。3日目の実施日の後、試料を収集しGCを実施し、GCは以下に示すように実施した。
すべての収集した試料を、テトラヒドロフランで希釈し、標準的な0.2ミクロンのディスポーザブルフィルターによって濾過した。次いで、濾過した試料を、GC/FID(ガスクロマトグラフィー/水素炎イオン化検出器)によって分析し、その成分を同定し、反応物及び生成物の濃度を測定した。個々の成分を、成分の滞留時間を特定の較正標準の滞留時間と照合することによって同定した。反応に含まれたヘキサデカンを内部標準として使用して、個々の成分のそれぞれの濃度を決定した。
反応の最終生成物に関しては、ラウリン酸の変換は、約99%であることが認められ、一方、ドデカンのモル収率は約73%であった。モル収率は、約76%の質量に近い質量収支を考慮し、ドデカノール及びラウリン酸ラウリルについては約0%、及びウンデカンについては約1%であった。
これらの結果は、C12酸素化物であるラウリン酸を含む原料を使用して、低温の条件にてヘテロポリ酸の存在下で炭素担持白金触媒を利用する水素化脱酸素プロセスを介して、直鎖型アルカンを生成することができることを実証している。水素化脱酸素プロセスでは、特定の副生成物は少量で、主として、完全に脱酸素化された生成物(ドデカン)が生成した。
詳細には、ウンデカン(C11)の生成が低かったことは、ラウリン酸の脱炭酸による非常に低いレベルの炭素損失が、このプロセスの間に生じたに過ぎなかったことを実証している。比較的少量の副生成物であるドデカノール及びラウリン酸ラウリルとともに生成したドデカンの高いレベルは、このプロセスが、ラウリン酸原料のカルボン酸部位を効率的に脱酸素化したことを実証している。
このように、担持金属触媒をヘテロポリ酸と混合することによって、水素化脱酸素プロセスにおいて、最小限の鎖長の減少での酸素化された炭素鎖の直鎖型アルカンへの変換を効率的に触媒した触媒がもたらされた。
実施例9
ヘテロポリ酸の存在下にて調製された担持白金触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、ヘテロポリ酸、リンタングステン酸(WPA)の存在下にて調製された様々な担持白金触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件下にて20ccの複数反応器システムにおいて実行された。
ヘテロポリ酸の存在下にて調製された担持白金触媒を用いたラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、ヘテロポリ酸、リンタングステン酸(WPA)の存在下にて調製された様々な担持白金触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件下にて20ccの複数反応器システムにおいて実行された。
水素化脱酸素反応を、8つのステンレス鋼反応容器を含むEndeavor(登録商標)反応器システムにおいて実施した。それぞれの容器は、約25mLの容積を有し、且つ、メカニカルスターラーを備える。20mLのガラスバイアルが、このシステムでのそれぞれの反応器におけるライナーとして使用される。
乾燥重量0.10gの炭素又はアルミナ担持白金触媒、及び0.05gのWPAを、乳鉢と乳棒で混ぜ合わせ、粉砕した後、Endeavor(登録商標)反応器システムにおける反応容器の1つに使用した20mLのガラスバイアルに加えた。この調製は、使用したWPAの重量が担持白金触媒の重量に対して50%であった触媒(「50%の触媒添加WPA(Cat loading WPA)」として表6に列挙される)を表す。又、担持白金触媒の重量に対して30%(即ち、0.03gのWPA及び0.10gの担持白金触媒)などの、その他の量のWPAを使用した。
表6では、「WPAを使用したWの2%の添加」などの触媒におけるその他の量のWPAを列挙している。これは以下の通りに算出した。WPAのタングステン(W)含有量を算出し、担持白金触媒の重量に対して2%であるWの総質量を与えるWPAの量を使用する。例えば、0.10gの担持白金触媒、約0.002gのWを使用することが、「WPAを使用したWの2%の添加」に必要である。WPAの1分子において約76.6重量%のWであることに基づいて、0.002gのWを添加するために、約0.026gのWPAを触媒と混合する。表6に列挙した、「WPAを使用したWの5%の添加」、「WPAを使用したWの10%の添加」、「WPAを使用したWの30%の添加」、「WPAを使用したWの50%の添加」、及び「WPAを使用したWの100%の添加」触媒を調製するために、この同一種類の算出を使用した。
触媒乾燥混合体を調製した後、0.20gのラウリン酸(Sigma Aldrich,>99%,lot.no.MKBG4553V)、1.71gのテトラデカン(Alfa Aesar,99+%,lot.no.E09Y007)(この反応用の溶媒)、及び0.10gのヘキサデカン(Sigma Aldrich,99.9%,lot.no.26396JMV)を、触媒を含んだバイアルに加えた。このシステムを封止し、高圧ガス集合装置に接続した。反応器を毎回400psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、4回、窒素ガスで置換洗浄した。次いで、反応器を400psigまで加圧し、次いで減圧することによって、反応器を、3回、水素ガスで置換洗浄した。
置換洗浄のサイクルの後、反応器を100psigの水素まで加圧し、200℃まで加熱した。反応器の温度が200℃に到達すると、より多くの水素を反応器に加えて、400psigの実験的設定点まで圧力が上昇した。反応を4時間等温で実行し、その後、加熱のスイッチを切り50℃未満まで反応器を冷却した。反応のすべての期間の間、圧力が399psig未満に低下したときはいつでも、水素を加えることによって圧力を400psigの設定点に維持した。
反応器を冷却した後、反応に用いたガラスバイアルを反応器から取り除き、5分間、2000rpmで遠心分離した。得られた試料をデカンタして、反応混合物(液体試料)の残りから、触媒(固体試料)を分離した。液体試料を、テトラヒドロフランで更に希釈し、標準的な0.45ミクロンのディスポーザブルフィルターによって濾過した。次いで、濾過した液体試料を、GC/FIDによって分析し、その成分を同定し、反応物及び生成物の濃度を測定した。個々の成分を、成分の滞留時間を特定の較正標準の滞留時間と照合することによって同定した。反応に含まれたヘキサデカンを内部標準として使用して、個々の成分のそれぞれの濃度を決定した。そのそれぞれが特定の触媒/WPA調製を使用した、これらを実施した結果を表6に示す。
このように、金属触媒をヘテロポリ酸塩と結合させることによって、水素化脱酸素プロセスにおいて、最小限の鎖長の減少での酸素化された炭素鎖の直鎖型アルカンへの変換を効率的に触媒した触媒がもたらされた。又、混合手順は、ヘテロポリ酸塩を使用して適用可能でなければならない。
表6における結果は、ヘテロポリ酸の存在下で調製された担持白金触媒を利用する水素化脱酸素プロセスを使用して、低温及び低圧の条件にて、C12酸素化物であるラウリン酸から直鎖型アルカンを生成することができることを更に実証している。水素化脱酸素プロセスでは、副生成物は非常に少量で、主として、完全に脱酸素化された、完全な長さの生成物、ドデカンが生成した。ドデカノール及びラウリン酸ラウリルの低いレベルは、ラウリン酸のカルボン酸部位を効率的に脱酸素化したことを示している一方、生成したウンデカンの低いレベルは、プロセスの間、炭素損失がほとんどなかったことを示している。
このように、担持金属触媒をヘテロポリ酸と乾式混合することによって、酸素化された炭素鎖を直鎖型アルカンへ変換する水素化脱酸素プロセスに使用されることができる触媒がもたらされた。又、乾式混合手順は、ヘテロポリ酸塩を使用して適用可能でなければならない。
実施例10
ヘテロポリ酸セシウム塩の調製
この実施例では、部分的にCs交換されたヘテロポリ酸Cs2.5H0.5PW12O40及びCs2.5H0.5SiW12O40を調製するための一般的な手順について記載する。これらのヘテロポリ酸セシウム塩が、実施例11に使用されて、白金が添加されたヘテロポリ酸塩を含む様々な触媒組成物を調製した。得られた触媒組成物は、水素化脱酸素反応手順に使用可能である。
ヘテロポリ酸セシウム塩の調製
この実施例では、部分的にCs交換されたヘテロポリ酸Cs2.5H0.5PW12O40及びCs2.5H0.5SiW12O40を調製するための一般的な手順について記載する。これらのヘテロポリ酸セシウム塩が、実施例11に使用されて、白金が添加されたヘテロポリ酸塩を含む様々な触媒組成物を調製した。得られた触媒組成物は、水素化脱酸素反応手順に使用可能である。
タングステンヘテロポリ酸のセシウム塩を、Cs2CO3の水溶液、及びH3PW12
O40又はH4SiW12O40の水溶液を使用して調製した。ヘテロポリ酸H3PW12O40又はH4SiW12O40を、初めに2時間、真空下にて60℃で脱水することによって、水溶液に使用するために調製した。Cs2CO3を、水溶液を調製するために、その使用の前に、真空下にて420℃で2時間、脱水した。
O40又はH4SiW12O40の水溶液を使用して調製した。ヘテロポリ酸H3PW12O40又はH4SiW12O40を、初めに2時間、真空下にて60℃で脱水することによって、水溶液に使用するために調製した。Cs2CO3を、水溶液を調製するために、その使用の前に、真空下にて420℃で2時間、脱水した。
部分的にCs交換されたヘテロポリ酸を、1mL/分の速度にて室温で、H3PW12O40(.08モルdm−3)又はH4SiW12O40(.08モルdm−3)の水溶液を、Cs2CO3(0.25モル/L)の水溶液で滴定することによって調製した。得られた白色のコロイド懸濁液(沈殿したヘテロポリ酸塩)を、真空下にて50℃で固体にまで蒸発させた。次いで、固体を、2時間、120℃の真空オーブンに入れ、水を除去した。場合により、乾燥固体を300℃で空気中、1時間、焼成させた。
このように、部分的にCs交換されたヘテロポリ酸Cs2.5H0.5PW12O40及びCs2.5H0.5SiW12O40を調製した。本明細書においては、Cs2.5H0.5PW12O40は、リンタングステン酸セシウム塩(Cs−WPA)とも称される。下記の実施例11では、選択的水素化脱酸素反応を実施するための特定の触媒組成物を調製する際のCs−WPAの使用について記載する。
実施例11
白金結合リンタングステン酸セシウム塩を含む触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、リンタングステン酸セシウム塩(Cs−WPA)に対して白金を添加することによって調製された触媒を使用した、ラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件下にて20ccの複数反応器システムにおいて実行された。
白金結合リンタングステン酸セシウム塩を含む触媒を使用したラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素
この実施例では、リンタングステン酸セシウム塩(Cs−WPA)に対して白金を添加することによって調製された触媒を使用した、ラウリン酸のドデカンへの選択的水素化脱酸素について記載する。このプロセスは、200℃の温度及び400psigの圧力を含む条件下にて20ccの複数反応器システムにおいて実行された。
実施例10で調製されたように、硝酸白金アンモニウムの水溶液を使用して、Cs−WPAに対して、湿式含浸によって白金を添加した。適切な量の硝酸白金アンモニウム水溶液を使用して、0.25重量%、0.5重量%、1.0重量%、又は2.0重量%のPtがCs−WPA触媒成分に添加された触媒を調製した。湿式含浸を焼成又は非焼成Cs−WPAに実施した(実施例10を参照)。湿式含浸した試料を、わずかな真空下にて100℃で乾燥させ、その後、350℃で3時間、焼成炉にて焼成させた。
0.10gの焼成触媒調製物を、Endeavor(登録商標)反応システムにおける反応容器に使用された個々の20mLガラスバイアルに加えた。次に、0.20gのラウリン酸(Sigma Aldrich,>99%,lot.no.MKBG4553V)、1.71gのテトラデカン(Alfa Aesar,99+%,lot.no.E09Y007)(この反応用の溶媒)、及び0.10gのヘキサデカン(Sigma Aldrich,99.9%,lot.no.26396JMV)を、触媒を含むバイアルに加えた。試料を、実施例9に記載の同一の方法にて、20ccのEndeavor(登録商標)反応器システムにおいて実施し分析した。結果を表7にまとめる。
表7における結果は、ヘテロポリ酸塩に添加された白金触媒を利用する水素化脱酸素プロセスを使用して、低温及び低圧の条件にて、C12酸素化物であるラウリン酸から直鎖型アルカンを生成することができることを実証している。水素化脱酸素プロセスでは、副生成物は非常に少量で、主として、完全に脱酸素化された、完全な長さの生成物、ドデカンを生成した。ドデカノール及びラウリン酸ラウリルの低いレベルは、ラウリン酸のカルボン酸部位を効率的に脱酸素化したことを示している一方、生成したウンデカンの低いレベルは、プロセスの間、炭素損失がほとんどなかったことを示している。
このように、金属触媒をヘテロポリ酸塩と結合させることによって、水素化脱酸素プロセスにおいて、最小限の鎖長の減少での酸素化された炭素鎖の直鎖型アルカンへの変換を効率的に触媒した触媒がもたらされた。
Claims (15)
- エステル基、カルボン酸基、カルボニル基、及びアルコール基からなる群から選択される部位を含む飽和又は不飽和C10〜18酸素化物を含む原料から、直鎖型アルカンを生成する水素化脱酸素プロセスであって、
a)前記原料を(i)周期表のIB族、VIB族、又はVIII族から選択される約0.1重量%〜約10重量%の金属を含む触媒、及び(ii)ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩と、約150℃〜約250℃の温度及び少なくとも約300psigの水素ガス圧で接触させる工程であって、前記C10〜18酸素化物は、直鎖型アルカンに水素化脱酸素され、前記直鎖型アルカンは、前記C10〜18酸素化物と同一の炭素鎖長を有する工程と、
b)場合により、工程(a)において生成された前記直鎖型アルカンを回収する工程と、
を含む水素化脱酸素プロセス。 - 前記C10〜18酸素化物は、脂肪酸又はトリグリセリドである、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記原料は、植物油又はその脂肪酸蒸留物を含む、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記原料は、(i)大豆油、パーム油、及びパーム核油からなる群から選択される植物油、又は(ii)パーム脂肪酸蒸留物を含む、請求項3に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記触媒は、前記金属として約0.1重量%〜約6重量%の白金を含む、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記触媒は、前記金属として約0.25重量%〜約2重量%の白金を含む、請求項5に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、タングステンを含む、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、リンを更に含む、請求項7に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記ヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸セシウム塩である、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記触媒は、固体担体を更に含む、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記原料は、前記触媒及び前記ヘテロポリ酸塩と接触し、且つ、前記触媒は、前記ヘテロポリ酸塩と結合する、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記触媒及び前記ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は、ともに乾式混合され、その後、前記触媒及び前記ヘテロポリ酸又はヘテロポリ酸塩は前記原料と接触する、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記触媒及び前記ヘテロポリ酸は、ともに乾式混合され、その後、前記触媒及び前記ヘテロポリ酸は前記原料と接触する、請求項12に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記温度は、約200℃であり、且つ、前記圧力は、約400psigである、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
- 前記モル収率は、前記C10〜18酸素化物の炭素鎖長より炭素原子が1つ以上短い炭素鎖長を有する反応生成物に対して10%未満である、請求項1に記載の水素化脱酸素プロセス。
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