添付図1〜21に示されるように及び本明細書でさらに詳細に説明されるように、本開示は、多様な器具及び器具タイプを洗浄する能力を有し、1つ又は複数の外科器具から特定の材料(複数可)を除去すること及び収集することの組合せを実行するのを可能にする洗浄装置に関する。洗浄装置はドライ・クリーニング・プロセスであってよいか、又は、塩水又は無菌液体溶液と共に供給され得る。一実施例では、洗浄装置は迅速且つ効率的に血液、骨及び別のデブリを継続的にパージし、器具からデブリを除去及びパージするのを促進するための真空ポンプ又は遠心分離機をさらに備えることができる。
本明細書で説明される種々の実施例によると、本開示は、外科医及び他の手術従事者(surgical professional)によって使用される広範囲の多様な器具又はツールに接触するように好適には方向づけられてそれによりそれらの器具又はツールを洗浄する洗浄装置の受け領域内に配置される手動的、電子的又は空気圧的に動作する1つ又は複数の洗浄要素を好適には備える洗浄装置にさらに関する。一部の実施例では、1つ又は複数の洗浄要素は手動で動作する。別の実施例では、1つ又は複数の洗浄要素は、洗浄される器具の存在を検出するセンサによって動作する。例えば、近接センサ又は光電センサが、通常は金属又は金属合金から作られる器具の存在を検出するのに利用され得る。
洗浄装置のいくつかの好適な実施例が図1〜21に示される。これらの図に描かれるデバイスによると、本開示の一態様は、洗浄装置が、器具に付着するか又は器具によって回収されたいかなる材料/デブリも収容するか、取り込むか及び/又は収集するための手段を提供する。一実施例では、洗浄機構が、このように収容すること、取り込むこと、隔離すること及び収集することを可能にするための複数のコンパートメント又はゾーンを備える。
一実施例によると、洗浄装置は、容易に取り外され得る収集トレイ又はコンパートメントと、その中に収容されて処理される材料とを有する。例えば、収集トレイによって捕捉される材料には1つ又は複数の種類の骨が含まれてよく、これらは、次の外科手技で使用されるように、又は、一部の実施例では、骨を獲得するのと同じ手技で使用されるように、処理され得る。収集された骨材料は骨移植などの例えば外科的癒合手技で使用され得る。一実施例では、洗浄装置は、再利用のために外科医又は他の医療従事者によって回収されるまで、洗浄装置によって収集された骨又は別の再利用可能な材料を継続的に洗浄及び殺菌するための化学溶液の槽をさらに備える。
好適な実施例では、洗浄装置が洗浄される器具から材料を除去するための少なくとも1つのブラシを収容し、複数のブラシを備えることもできる。ブラシは洗浄される器具に応じて細かい又は粗いブラシであってよく、少なくとも一部の実施例では、用途及び外科手技の種類に応じて(及び、したがって、外科手技で使用されることになる器具の種類に応じて)取り外し可能及び交換可能であってよい。一実施例では、ブラシは廃棄可能である。ブラシは好適には回転ブラシ(rotational brush)であるが、別法として、ベルト駆動のブラシで溝付きであってもよく、これらは、ハウジング内部に器具が存在するときにブラシを移動させるのに必要となる回転力又は並進運動力を供給するためのモータ又は別の動力源に結合される。一実施例では、モータはリレー又はソリッド・ステート・モータ・スタータによって起動され、さらにこのリレー又はソリッド・ステート・モータ・スタータが近接センサ又は光電センサなどのセンサによって起動され、このセンサがハウジング内部の器具の存在を検出してブラシを回転させるようにモータに信号を出す。
一実施例では、洗浄装置はまた、ブラシに隣接して存在してよい流体リザーバを収容する。一実施例では、リザーバは、ブラシ及び/又は器具の表面を潤滑させるためにリザーバからブラシの表面に流体を分配するように方向づけられる1つ又は複数の流体注入ポートに接続される。好適な実施例では、洗浄オペレーションの前及び/又は洗浄オペレーション中にブラシを潤滑させることを目的として、ブラシの回転を始動させるセンサはまた、約5ccから50cの塩水溶液を例えば流体注入ポートに分配するためにリザーバ内に位置するポンプに信号を出す。代替的実施例では、ブラシは流体リザーバ中に少なくとも部分的に沈められるように配置され、その結果、ブラシはその回転中にリザーバ内で流体の中を通過してそれにより潤滑される。ここでは例として塩水が使用されるが、本開示の新規の態様から逸脱することなく洗浄装置と共に使用されるのに別の流体が適する可能性があることを明確に理解されたい。
次に特に図1〜4を参照すると、本開示の一実施例が示される。この実施例によると、洗浄装置10は手動で動作し、例えば、単一の器具をエントリー・バルブ30内に器具を挿入することにより単一の器具を洗浄装置10内に直線的に挿入するのを可能にする。本明細書で使用される「エントリー・バルブ」という用語は、洗浄される器具又は別のデバイスが洗浄装置10の内部洗浄部分又はチャンバ内に使用者によって挿入されるときに通過するエントリー・ポート又はアクセス・ポートを意味する。エントリー・バルブ30は、限定しないが例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、クロス形、又は、洗浄されるデバイスをデバイスの洗浄部分内に挿入するのを可能にするようにサイズ決定される別の任意適切な形状などの、特定の幾何形状の開口部である。本発明の別の実施例では、エントリー・バルブ30はバルブ開口部上にカバーを備えることができる。
本発明の一部の実施例では、エントリー・バルブ30は、そこを通して器具を挿入するのを可能にするためにカバーを通過する孔又はスロットを備える、可撓性、柔軟性、順応性又は可曲性を有する材料から構成されるカバーを備えることができる。カバーは、バルブ開口部の開いた表面を実質的にすべて覆うようにサイズ決定されてよい。例えば、可撓性のスロット付カバーが、装置10の非使用時に洗浄装置の内部構成要素を外部環境から少なくとも一定程度隔離して維持する。しかし、使用者が器具を洗浄する準備が整った場合、可撓性のスロット付カバーが、カバー及びエントリー・ポートを通して洗浄装置10の洗浄部分内に器具を挿入するのを可能にするために可逆的に開けられる。本発明の一部の実施例では、可撓性カバー内の孔又はスロットは、液密シールを形成するために、可撓性カバー内の孔又はスロットを通して挿入された器具の周りで融通性をもって可逆的に成形され得る。使用者がデバイスを洗浄するのを終了した場合、可撓性カバー内の孔又はスロットにより使用者が器具を容易に抜き取ることが可能となり、可撓性カバー内の孔又はスロットが装置の内部構成要素を外部環境から隔離するために再密閉される。エントリー・バルブ30のカバーは可撓性及び成形性を有する任意適切なプラスチック材料から構成されてよい。
本発明の一部の実施例では、エントリー・バルブ30は、円形ボディ12の頂端部に組み込まれるか又は取り付けられる円形平面構造の中心に配置される開口部であってよい。本発明の好適な実施例では、エントリー・バルブ30は円形漏斗形状構造を有することができ、ここでは、漏斗形状構造の下側内部部分が長方形形状の又はスロット付の開口部のところで終端する。このような実施例では、漏斗形状構造が2つの対向する角度付き平面構造を有し、これらは漏斗構造の底部のところでほぼ交差するが、交差位置のすぐ手前で終端することから、漏斗の底部のところに長方形開口部を形成する隙間を残す。本明細書で使用される場合、スロット付開口部のところで終端する漏斗を備えるこのようなエントリー・バルブ30は「ダック・ビル」エントリー・バルブと称されてよい。
本発明の別の実施例では、エントリー・バルブ30は、円形開口部又は楕円形開口部のところで終端する円形漏斗をさらに有することができる。洗浄装置10の内部洗浄構造に入るアクセス・ポート又はエントリー・ポートの上方に位置する漏斗形状構造を有するエントリー・バルブ30の利点は、漏斗が使用者が器具を洗浄装置10内に誘導するのを補助することである。例えばデリケートな外科手技などで使用者が視覚焦点を洗浄装置10から離した状態を維持しなければならいが洗浄のために医療デバイスを迅速に挿入する必要があるような事例では、漏斗形状が特に有利である。ダック・ビル・エントリー・バルブ30と漏斗形状構造との組合せにより、使用者は洗浄するデバイスを漏斗の大きい開いた領域内部に配置することのみを必要とされ、その後で、デバイスを挿入すること、洗浄すること及び抜き取ることが手探りで容易に達成され得る。
加えて、エントリー・バルブ30に統合される漏斗構造が洗浄装置10のクリーナー・オペレーションを促進し、ここでは、洗浄されるデバイス上の血液、骨及び/又は組織が、フロア、台又は周囲領域ではなく洗浄装置10の中に向かう傾向がある。これによりこれらの材料をより良好に回収することが促進され、とりわけ、作業領域内で器具及び装置がより良好に殺菌されるようになる。
本発明の一部の実施例では、エントリー・バルブ30は、ボディ12上のねじ山を受けることによるねじ取り付けを可能とし得るようなねじ山を備えることができる。別の実施例では、エントリー・バルブ30は、ボディ12に組み込まれる受け側スナップ・アタッチメントに物理的に結合されるスナップ・アタッチメントを備えることができる。別の実施例では、エントリー・バルブ30の外周がボディ12の頂端部に組み込まれる隆起部の内部に着座することができ、ここでは、エントリー・バルブ30は重力によりボディに対して面一で保持される。本発明の別の実施例では、エントリー・バルブ30が漏斗構造の狭い終端部のところに配置される円形開口部を備え、ここでは、漏斗構造の広い頂部分が広いファインネル構造の外周に沿ってねじ山を有し、その結果、このねじ山が頂端部のところでボディ12の内部壁上に位置する対応するねじ山に嵌合される。
次に図2及び3を参照すると、ボディ12が、好適には、少なくとも1つのブラシ・カートリッジ20及び少なくとも1つの付勢部材又はばね14のためのハウジングを提供し、例えば、ブラシ・カートリッジ20及びばね14が中空ボディ12の内部に位置する。本発明の一部の実施例では、ボディ12が、頂端部と、底端部と、これらの2つの端部の間で延びる長さ部分とを有する円筒を有する。長さ部分は円筒の全長にわたって一定の断面積を有してよい。ボディ12の頂端部が、好適には、例えばダック・ビル・エントリー・バルブなどのエントリー・バルブ30を受け、この頂端部はエントリー・バルブ30上に位置するねじ山を受けるようにねじ切りされてよい。ねじ山は円筒形ボディ12の内部壁の上又は円筒形ボディ12の外部壁の上に位置してよい。ボディ12の底端部が収集瓶又は標本瓶40を受けることができる。本発明の好適な実施例では、ボディ12の底端部が標本瓶40上のねじ山を受けるようにねじ切りされてよく、それにより、ボディ12の底端部に対して標本瓶40を容易に取り付けること及び取り外すことが可能となる。
本発明の別の実施例では、ボディ12がボディ12の頂端部上に位置するリップ又は隆起部を備えることができ、これはエントリー・バルブ30の外周を受けるように構成される。本発明の別の実施例では、ボディ12の内部壁が、oリング、ガスケット又はシールを受けるための、ボディ12の頂端部の近くに配置されるスロットを含有することができる。この場合、ボディ12の頂端部にエントリー・バルブ30を配置することにより、ボディ12の内部壁とエントリー・バルブ30の外周との間でoリング、ガスケット又はシールを圧縮することが促進され得、それにより液密シールが形成される。本発明の別の実施例では、ボディ12の内部壁が、oリング、ガスケット又はシールを受けるための、ボディ12の底端部の近くに配置されるスロットを含有することができる。この場合、ボディ12の底端部に標本瓶40を配置することにより、ボディ12の内部壁と標本瓶40の外周との間でoリング、ガスケット又はシールを圧縮することが促進され得、それにより液密シールが形成される。
本発明の一部の実施例では、ボディ12がブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段を備えることができる。係合及び回転のための手段はボディ12の内部壁をブラシ・カートリッジ20の外部壁に摺動可能に可逆的に接続するための1つ又は複数の任意の構造を有することができ、その結果、この機械的接続により、ブラシ・カートリッジ20をボディ12の長手方向軸に沿ういずれの方向にも可逆的に移動させることが可能となり、さらに、ブラシ・カートリッジ20をボディ12の長手方向軸の周りで回転させることが可能となる。本明細書で使用される場合、ブラシ・カートリッジ20の文脈で使用される「可逆的」という用語は、ブラシ・カートリッジ20がボディ12の長手方向軸に沿って上方及び下方の両方に移動することができることを意味する。
本発明の一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段が、ボディの内部壁内に一体に構成され得る少なくとも1つの凹部、スロット、溝又はチャンネルを含む第1の構造を有することができ、ここでは、第1の構造がボディ12の長さ部分の少なくとも一部分にわたってボディ12の内部壁の周りでスパイラル状に延在する。図7〜8に関連させてこの概念の別の説明を以下で提示する。本明細書で使用される「ピッチ」はボディの単位長さ当たりのスロット、溝又はチャンネルの完全な回転数(the number of complete rotations)を意味する。係合及び回転させるための手段は、ねじ山、突出部、タブ、延長部、又は、ブラシ・カートリッジ20の外部壁上に物理的に取り付けられるか又は一体に形成される別の適切な構造のうちの少なくとも1つを含む第2の構造をさらに備え、その結果、第2の構造が第1の構造内に摺動可能に可逆的に嵌合される。
別法として、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段が、ボディ12の内部壁内で一体に構成され得る少なくとも1つのねじ山、リッジ、リブ、棘、又は、別の適切な構造の直線状突起部を含む第1の構造を有することができ、ここでは、第1の構造がボディ12の長さ部分の少なくとも一部分にわたってボディ12の内部壁の周りでスパイラル状又はヘリカル状に延在する。この事例では、係合及び回転させるための手段が、ブラシ・カートリッジ20の外部壁上に物理的に取り付けられるか又は一体に形成される少なくとも1つの凹部、スロット、溝又はチャンネル或は別の適切な構造を含む第2の構造をさらに有し、その結果、第2の構造が、第1の構造の周りに嵌合されるか、第1の構造の中に嵌合されるか、及び/又は、第1の構造に結合される。
係合及び回転させるための手段の第1の構造と第2の構造との間のこのような物理的関係により、ボディ12の長手方向軸に沿ってブラシ・カートリッジ20が移動することで、ボディの内部壁に設置される第1の構造トラックに沿って第2の構造及びブラシ・カートリッジ20が移動するようになる。このように長手方向に移動することによりブラシ・カートリッジ20がボディ12の長手方向軸の周りで回転し、それにより、ブラシ・カートリッジ20の内部に位置する1つ又は複数のブラシ22が、洗浄される器具又は別の医療デバイスに対してその周りで回転する。第1の構造のピッチが、長手方向軸に沿う移動の単位長さ当たりでのブラシ・カートリッジ20の回転数を画定する。
本発明の別の実施例では、洗浄装置ボディ12内でブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段の第1の構造及び第2の構造のうちの少なくとも一方が、第1の構造と第2の構造との間の摩擦を軽減するための手段を備えることができる。第1の構造と第2の構造との間の摩擦を軽減するための手段には、限定しないが、軸受、ボール・ベアリング、ローラ、ホイール、非粘着表面、潤滑剤、及び、摩擦を軽減するための別の任意適切な構造、デバイス又は構成が含まれる。
当業者には認識されるであろうが、摩擦を軽減するための手段の必要性は、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための第1の構造に対して選択されるピッチに大きく左右される。言い換えると、ブラシ・カートリッジ20の回転数を大きくすることが望まれる場合、ボディの内部壁上に形成される第1の構造によって画定される「トラック」はボディ12の長手方向軸に対して小さい角度を有する。これによりボディ12内でブラシ・カートリッジ20を移動させるための最低限の力が大きくなり、この場合は「トラック」内に配置される軸受を使用することが有利である可能性がある。逆に、ブラシ・カートリッジ20の回転を低減するとボディ12の長手方向軸に対するトラックの相対角度が大きくなり、それによりボディ12内でブラシ・カートリッジ20を移動させるための最低限の力が小さくなり、この場合は摩擦を軽減するための手段は有利ではない可能性がある。
本発明の別の実施例では、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段が、ボディ12の内部壁に取り付けられる少なくとも1つの位置決め特徴を備えることができ、これはブラシ・カートリッジ20の外部壁に設置される少なくとも1つの適合する位置決め特徴に物理的に係合される。ボディ12の少なくとも1つの位置決め特徴はボディ12の内部壁から延在する表面を備え、この表面が少なくとも1つの角度付き底縁部及びテーパ形状頂縁部を備える。同様に、ブラシ・カートリッジ20の少なくとも1つの位置決め特徴もブラシ・カートリッジ20の外部壁から延在する表面を有し、ここでは、この第2の表面が少なくとも1つの角度付き頂縁部及びテーパ形状底縁部を備える。これらの2つの角度付き縁部は、同じ方向に同じ角度で角度をつけられるように構成される。
したがって、オペレーション中、使用者がブラシ・カートリッジ20をボディ内へと下方に押し込むとき、ブラシ・カートリッジ20の底部のテーパ形状縁部がボディ12の頂部のテーパ形状縁部の上を長手方向に摺動する。ブラシ・カートリッジ20は、円筒の底端部及び/又はばね14により長手方向へさらに移動することが防止されるようになるまで、下方に前進する。使用者がブラシ・カートリッジ20を下方に押圧するための力を取り除くと、ばね14がその最初のトップ位置まで戻すようにブラシ・カートリッジ20を移動させ始めるが、ここではブラシ・シリンダ20の頂部の角度付き縁部が洗浄装置のボディ12の底部の角度付き縁部に衝突し、それにより、2つの表面が長手方向において互いに対して摺動することが防止される。代わりに、2つの対向する角度付き縁部が互いに対して摺動し、それによりブラシ・カートリッジ20が図4に最も良好に示されるようにボディ12の長手方向軸の周りを回転運動する。第1及び第2の表面はまた、共に、一致する幅を有することができる。これらの幅と角度付き縁部の角度との組合せにより、ばね14をトップの初期位置まで戻すように前進させるときにブラシ・カートリッジ20によって達成され得る回転数が画定される。
米国特許第7,982,885号明細書、米国特許第7,518,598号明細書、米国特許第6,908,247号明細書及び米国特許第6,745,424号明細書、米国特許出願公開第2013/0055514号明細書、並びに、国際公開第2013/076026号及び国際公開第2009/091709号を含めた、ブラシ・シリンダを係合及び回転させるための手段のための本発明の別の考えられる実施例が、実施可能にすることを目的として参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
付勢部材又はばね14が好適には洗浄装置10のボディ12内のブラシ・カートリッジ20と標本瓶40との間に配置される。当業者には認識されるであろうが、ばね14は、好適には、ボディ12の底端部のところに位置するボトム位置から負荷位置までブラシ・カートリッジ20を戻すのに十分な力を供給するように選択され、負荷位置ではブラシ・カートリッジ20がボディ12の頂端部のところに位置する。しかし、ブラシ・カートリッジ20を下方に押圧するのに使用者が過度の力を加えるのを必要とさせるくらいのスティフネスを有さないようにばね14が設計されるように、バランスがとられる。本発明の一部の実施例では、少なくとも1つのばね14がブラシ・カートリッジ20と標本瓶40との間に配置される。一部の実施例で使用されるばね14には、少なくとも1つのコイルばね、平ばね、つる巻ばね、板ばね、又は、別の任意適切なばねが含まれてよい。本発明の一部の実施例では、洗浄装置10が、圧縮ばね、一定のばね及び可変ばねを含む少なくとも1つのばね14を備えることができる。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置10が、単独で、又は、ブラシ・カートリッジを係合及び回転させるための手段との組合せで、ねじりばねを備えることができる。本明細書で使用される「ねじりばね」はトルク又はねじり力を供給するばねであり、その結果、荷重が加えられる(又は、解放される)ときにばねの端部が一定の角度だけ回転する。
本発明の一部の実施例では、コイルばね(又は、複数のばね)14が、結果としてボディの内部壁に接触する状態でコイルばね14が装置のボディ内部に配置され得るようにサイズ決定される外径を有するように選択される。ボディ12の内部壁内のばね14の間には小さい隙間が設けられてよく、それにより、コイルばね14の圧縮及び伸張時にコイルばね14を適切に機能させることが可能となる。また、この隙間は、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段の第1の構造に対してばね14が誤って接触するのを回避するくらいの十分な大きさを有する。コイルばね14は頂端部及び底端部をさらに備えることができ、ここでは、コイルばね14の頂端部がブラシ・カートリッジ20の底表面に当接される。コイルばね14の底端部はボディ12の内部壁から径方向外向きに延在する表面の上に載置されるように構成されてよく、又は別法として、ばね14の底端部は標本瓶40の頂表面の一部分の上に載置されてもよい。無理のない範囲内でブラシ・カートリッジ20の内径に可能な限り近い外形を有するようにコイルばね14をサイズ決定することにより、コイルばね14を圧縮及び解放するときにコイルばね14の形状及びコイルばね14によって得られるばね力を維持することが補助される。
本発明の別の実施例では、ばね14がボディ12の内径より実質的に小さい外径を有するばねを含む。このようなばねデザインにより、ばね14の外径とブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段の第1の構造とが望まれずに物理的に擦れる可能性が排除され、例えばばねがリッジ、ねじ山、ノッチなどに接触する可能性が排除される。ボディ12の直径に対して小さい直径を有するばね14の頂端部はブラシ・カートリッジ20の底表面に物理的に取り付けられるか又は当接され得、それにより、ボディ12の長手方向軸に対してばね14の垂直方向アライメントを維持することが補助される。本発明の別の実施例では、ばね14の底端部が標本瓶40の頂表面の一部分に物理的に取り付けられる。例えば、ブリッジが標本瓶40の頂表面に跨って延在してよく、それによりばね14を衝突させるための表面が形成され、ばね14を圧縮するのを可能にする止めバリアが形成される。同様に、このようなブリッジがボディ12の底端部を跨って延在してもよい。
洗浄装置のボディ12の断面積に対して小さい断面積を有するばね14を選択することが望ましい。その理由は、標本瓶40の中へとデブリ(例えば、骨物質(bone matter)、組織など)が邪魔されずに落下するのを可能にするために空の状態でのボディ12の内部容積を可能な限り大きく維持することが望ましいからである。この意味はまた、無理のない範囲で可能な限り小さい外径を有するばね14を選択してコイルの数も可能な限り少なくすることが望ましい場合があることも示している。
ばね14の別法として、本発明の一部の実施例はピストン又は別の種類の付勢部材を組み込むこともでき、ここでは、少なくとも1つの付勢部材が円筒形ハウジング内に配置される。ピストンは、洗浄される器具から除去されるデブリを収集する可能性がある表面を実質的に排除することができるという利点を有し得る。また、ピストンは使用の間で容易に洗浄を行うのを促進することができる。別の実施例では、ピストンはばね以外の何らかの別の可逆的に圧縮可能な要素を含むこともでき、例えば、エラストマ、流体、ガスなどを含むことができる。
少なくとも1つのフィルタ44が、好適には、実質的に標本瓶40の中に配置される。本発明の一部の実施例では、フィルタ44は、外周壁と、開いた頂面とを備える。開いた頂面は、ブラシ・カートリッジ20から出て、フィルタ44の円筒壁によって形成される内部容積の中へと液体粒子及び固体粒子の両方を重力によって落下させるのを可能にする。フィルタ44は閉じた底面をさらに備える。閉じた底面は、メッシュ材料、フィルタ材料又はスクリーン材料を含むことができ、液体粒子及び微小粒子が底面を通過することができる。しかし、大きい粒子はフィルタ44によって形成される容積内で保持される。フィルタ44の孔のサイズ及び形状は特定の用途ごとにサイズ決定及び選択され得る。例えば、ステンレス鋼メッシュを有する底面はTylerメッシュ・サイズ80を有するように選択され得、これは0.180mmを超える平均直径を有するすべての粒子を捕捉する。別法として、底面は、0.045mmより小さいすべての粒子がフィルタを通過するのを可能にするのに相当する例えばTylerメッシュ・サイズ325のように、より微小な粒子を捕捉するように選択されてもよい。特定の用途において所望される場合、複数のフィルタ44が連なって使用されてもよい。一部の実施例では、複数のフィルタ44は互いの内部に積層され、それにより、洗浄装置10を通過する液体に対して連続する濾過段階が提供される。
本発明の一部の実施例では、フィルタ44の概略円筒壁もメッシュ材料、フィルタ材料又はスクリーン材料で構成されてもよく、ここでは、液体粒子及び微小粒子が円筒壁を通過することができる。これは使用者が比較的大量のデブリを発生させてその結果として底面がデブリによって完全に覆われてしまってメッシュ、フィルタ又はスクリーン内の孔が塞がれて液体が通過できなくなるような用途で望まれる可能性がある。このような状況では、メッシュ材料、フィルタ材料又はスクリーン材料を含む円筒壁は「濾過」のための表面積を追加することになり、それにより、フィルタ44を空にする必要なしで使用者が手技をより長く実行することが可能となり得る。
本発明の一部の実施例では、フィルタ44はオートクレーブ処理されて再利用されるように設計される。したがって、フィルタ44(さらには、洗浄のための、装置の別の構成要素のいずれか)は、一般的なオートクレーブ条件(121〜123℃、103kPa(15psig)で少なくとも約30分)に適する材料から構成されてよい。オートクレーブをなすのに適切な材料には、限定しないが、ステンレス鋼、ホウケイ酸ガラス、ポリプロピレン、及び、ポリカーボネートが含まれる。
本開示の別の実施例では、フィルタ44は廃棄可能である。別の実施例では、フィルタは実質的にディスク形状であり、実質的に標本瓶40の中には存在せず、標本瓶40に直接に隣接してその上方に存在する。
本発明の好適な実施例では、標本瓶40が設けられる。標本瓶40はフィルタ44を好適には収容する内部容積を有し、ここでは、器具から除去された材料が収集される。本発明の一部の実施例では、標本瓶40はボディ12の延長部であってよく、ここでは、標本瓶40及びボディ12は単一部品であり、標本瓶40がばね14及びブラシ・カートリッジ20の下方に配置される。言い換えると、本発明の一部の実施例では、洗浄装置10のボディ12は、ブラシ・カートリッジ20と、ばね14と、フィルタ44とを収容する単一部品であり、頂端部ではエントリー・バルブ30によって塞がれ、底端部ではボディを排水するための手段によって塞がれる。
本発明の一部の別の実施例では、標本瓶40が洗浄装置10の分離される独立の要素であってよく、ここでは、標本瓶40がボディ12の底端部に着脱され得る。標本瓶40は中空円筒形側壁を備えることができ、この中空円筒形側壁が長さ、内径及び外径をさらに有する。一部の実施例では、標本瓶40の側壁が、ボディの内径及び外径にそれぞれが実質的に等しい内径及び外径を有することができる。標本瓶40の頂端部は大部分が開いた表面領域を有することができ、それにより、固体及び液体がボディ12から標本瓶40の内部容積内へと自由に流れて落下することが可能となる。
本発明の別の実施例では、標本瓶40の頂端部が接続手段を利用してボディ12の底端部に可逆的に相互接続される。接続手段には、嵌合するねじ山(mating thread)、又は、当業者には既知の迅速に取り外される任意の別の取付具のうちの少なくとも1つが含まれてよい。さらに、標本瓶40の頂端部が、oリング、ガスケット又はシールを受けるように構成されるリップ、隆起部又は凹部などを有することができ、その結果、標本瓶40をボディ12の底端部内に配置することにより、ボディ12の内部壁と標本瓶40の外周との間でoリング、ガスケット又はシールを圧縮することが促進され得、それにより液密シールが形成される。
本発明の一部の実施例では、標本瓶40が、標本瓶40の底面内に配置される出口ポートを備えることができる。標本瓶40の底部に組み込まれる出口ポートは洗浄装置10から固体及び液体を除去するのを促進する。このような除去は重力による出口ポートを介しての受動的な排水によるものであっても又は何らかの能動的な排水手段によるものであってもよい。能動的な排水手段の例には、出口ポートに真空源を追加すること、出口ポートを通るように流れを押し込むためにボディ12のエントリー・バルブ30に圧力を加えること、及び/又は、出口ポートを通るように流れを押し込むために洗浄装置10に遠心力を加えることが含まれる。
本発明の一部の実施例では、標本瓶40内の出口ポートは単純に開口部であってよい。例えば、管類を通して洗浄装置10から収集管まで液体を排水するのを可能にすることを目的として管類を取り付けるのを促進するために、ホース・ハーブが出口ポートに取り付けられてよい。ホース・ハーブは標本瓶40に真空源を追加するのにも使用され得る。このような実施例の場合、器具を洗浄するためのシステムが、洗浄装置と、液体トラップと、真空ポンプとを備えることができる。
本発明の別の実施例では、出口ポートがバルブをさらに備えることができ、この場合、バルブは使用者により必要に応じて開閉され得る。当業者には既知であろうが、任意のホース・ハーブ、バルブ又は別の所望の付属具が標本瓶の底端部に取り付けられてよく、これは付属具を標本瓶に溶接すること、或は、ねじ式接続具、圧縮付属具、衛星付属具、又は、別の任意適切な接続具を使用することによってなされる。この概念のさらなる説明が図7に関連して提示されており、これを以下で説明する。
本発明の一部の実施例では、標本瓶40が出口ポートを有さない。このような実施例では、標本瓶40がボディ12から取り外され得、それにより、標本瓶40内に収集されている液体及びデブリを除去することが容易になる。一部の別の実施例では、標本瓶40の開いた頂端部に可逆的に取り付けられる蓋が設けられてよい。これにより、フィルタ44が非常に細かいメッシュ材料、スクリーン材料又はフィルタ材料を含む場合には特に、液体から固体をより完全に分離するのを可能にするための遠心分離機内に標本瓶40を配置することが可能となる。
本発明の一部の別の実施例では、標本瓶40がばね44の下側端部に物理的に当接される表面を有することができ、それにより、使用者によりブラシ・カートリッジ20に下向きの力が加えられるときにばね44を圧縮するのを可能にする物理的ストップが形成される。一部の実施例では、このような表面は標本瓶40の内部壁から標本瓶40の内周の周りを延在する隆起部又はリップであってよく、ここでは、隆起部又はリップの内周がばね14の外周より小さい。このような隆起部又はリップは、ばね44の直径がボディ12の内径に実質的に等しいような実施例の場合に想定される。
別法として、ばね14の下側端部に物理的に当接される表面は、標本瓶40の開いた上側端部の直径に跨って延在するブリッジを含むことができる。このような構造は、ボディ12の内径より実質的に小さい外径を有するばね14を採用するような実施例の場合に想定される。標本瓶40の頂端部の中に構成されるブリッジ或は隆起部又はリップの、いずれの実施例でも、ボディ12から標本瓶40を取り外すことにより、ばね14及びブラシ・カートリッジ20の両方をボディ12から取り外すことが可能となる。
ブラシ・カートリッジ20は好適には洗浄チャンバ内に設けられ、中で器具を物理的及び/又は化学的に洗浄するための内部容積を有する。本明細書で使用される「物理的に洗浄する」とは、洗浄される器具に対して、機械的、摩擦的、振動的及び/又は超音波的に力を加えるための任意の手段を意味する。本明細書で使用される「化学的に洗浄する」とは、ブラシ・カートリッジ内に保管される溶液の化学的性質及び/又は器具から洗浄されるデブリの化学的性質に影響する化学薬品を使用することを意味する。化学的性質の例には、限定しないが、溶解性、混和性、表面張力、密度及び反応性が含まれる。
本発明の一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20が、壁と、頂端部と、底端部とを含む中空円筒形ボディを備えることができる。壁が、ボディの長手方向軸に沿う長さ部分と、内径、及び、外径をさらに有することができる。壁の外径は、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段を使用することを介してブラシ・カートリッジ20をボディ12の内部壁に物理的に連通するように、構成される。したがって、ブラシ・カートリッジ20の外径はボディ12の内径より小さくてよい。
ブラシ・カートリッジ20の長さ部分が、ボディ12の長さ以下の長さを有することができる。ブラシ・カートリッジ20の長さがボディ12の長さに等しいような一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段及びばね14が必要なく、エントリー・バルブ30を通して器具をブラシ・カートリッジ20内に挿入する及びそこから後退させる動作によってのみ器具が洗浄される。このような実施例では、ボディ12内に挿入される分離される独立のブラシ・カートリッジ20が排除されてよく、ここでは、洗浄要素(例えば、ブラシ)がボディ12内に直接に物理的に組み込まれる/取り付けられる。
本発明の一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20の頂部分が平坦表面を有するキャップを備えることができ、又は言い換えると、ブラシ・カートリッジ・カラー24を有し、さらにそこを通るエントリー・ポートを有する。エントリー・ポートはそこを通して器具を挿入するのに対応するようにサイズ決定される開口部であってよい。ブラシ・カートリッジ20に入るエントリー・ポートは特定の幾何形状の開口部であってよく、限定しないが例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、又は、洗浄されるデバイスをブラシ・カートリッジに挿入するのを可能にするようにサイズ決定される別の任意適切な形状などである。別の実施例によると、エントリー・ポートが、エントリー・ポートから器具が取り外されるときに器具をさらに収容して洗浄するための第2の段階又はレベルを含む。本発明の一部の別の実施例では、ブラシ・カートリッジ・エントリー・ポートが、その上方にエントリー・バルブ30の開口部が配置されるときに実質的に等しいサイズ及び形状を有する。
本発明の一部の別の実施例では、洗浄装置が、ボディ12の頂部のところにブラシ・カートリッジ20があるときに(例えば、ばねが圧縮されていないとき)ブラシ・カートリッジ・エントリー・ポートがエントリー・バルブ30の開口部に実質的に位置合わせされるように、構成される。例えば、エントリー・バルブ30の開口部が円形である場合、円形のブラシ・カートリッジ・エントリー・ポートが円形のエントリー・バルブ30の開口部のすぐ下に配置される。例えば、エントリー・バルブ30の開口部が長方形である場合、長方形のブラシ・カートリッジ・エントリー・ポートが長方形のエントリー・バルブ30の開口部のすぐ下に位置合わせされる。長方形の開口部の場合、「位置合わせ」とは、長方形開口部の少なくとも長辺の寸法が平行であることを意味し、長方形の開口部が互いのすぐ上方又は下方に配置される。円形の開口部の場合、「位置合わせ」とは、円形の開口部の中心点がボディの同じ長手方向軸に実質的に沿うように配置されることを意味する。
本発明の一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20の頂端部上のブラシ・カートリッジ・カバー24が、ブラシ・カートリッジ20内の器具に対して物理的な洗浄を行うために、器具又は別のデバイスをブラシ・カートリッジ20に取り付けるための少なくとも1つの手段を備えることができる。
次に図4を参照すると、一部の実施例では、ブラシ・カートリッジ20の底端部が、器具から除去される液体及び/又はデブリを標本瓶40内で収集するのを可能にする実質的に開いた領域をさらに備えることができる。ブラシ・カートリッジ20の底端部がブラシ・カートリッジ20の内部壁に物理的に取り付けられる衝突プレートをさらに備えることができ、その結果、使用者によりブラシ・カートリッジ20内に器具が挿入されるときに器具の遠位端が衝突プレートに対して物理的に衝突し、それにより、ボディ12の長手方向軸に沿わせて器具及びブラシ・カートリッジ20を1つのユニットとしてボディ12の中へと下方に押圧するのに必要となる物理的ストップが形成される。本発明の一部の実施例では、衝突プレートが円形プレートを含むことができ、ここでは、円形プレートがブラシ・カートリッジ20の円形断面積内の中心に配置される。さらに、円形プレートがブラシ・カートリッジ20の内径より実質的に小さい外径を有することができるが、それでもこの外径は、エントリー・バルブ30に対する器具の挿入角度を広範囲にして器具をプレートに対して衝突させることができるくらいには十分に大きい。少なくとも1つのブリッジ構造が衝突プレートをブラシ・カートリッジの下側端部の内部壁に接続させることができる。
本発明の一部の実施例では、器具に対して物理的な洗浄を行うための手段が、ブラシと、スポンジと、外科タオル又はファブリックと、振動機構と、超音波と、別の任意適切な機械的洗浄機構とのうちの少なくとも1つを含むことができる。本発明の好適な実施例では、物理的な洗浄を行うための手段が、ブラシ・カートリッジ20の内部容積内に設置される少なくとも1つのブラシ22を備えることができ、この少なくとも1つのブラシ22が、ブラシ・カートリッジ20のキャップ及び/又は底端部に対して少なくとも1つのブラシ22を取り付けるための少なくとも1つの手段によってブラシ・カートリッジ20の内容容積内で物理的に接続される。本発明の一部の実施例では、物理的な洗浄を行うための手段が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は6つを超えるブラシ22を備えることができる。一部の別の実施例では、少なくとも1つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20の側壁の長さ以下の長さを有することができる。別の実施例では、少なくとも1つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20内に設置され、ここでは、少なくとも1つのブラシ・カートリッジ20の長さがボディ12の長軸に実質的に平行である。本発明の別の実施例では、少なくとも1つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20内に設置され、ここでは、少なくとも1つのブラシ・カートリッジ20の長さがボディ12の長軸に実質的に平行ではない。本発明の別の実施例では、少なくとも1つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20内に設置され、ここでは、少なくとも1つのブラシ・カートリッジ20の長さがボディ12の長軸に対して実質的に垂直である。このような実施例では、垂直なブラシ22をブラシ・カートリッジ20の内部壁に取り付けるための適切な手段が必要であることが当業者には明白であろう。
ブラシ・カートリッジ20の側壁、カバー24、又は、ブラシ・カートリッジ20の底端部のいずれでもあっても、適切な取り付け手段は当業者によって理解されるようなものとして企図されることから、本明細書で深くは説明しない。例えば、実施可能にすることを目的として、取り付け手段は、底端部に跨るキャップ及び/又はブリッジ内に作られる孔を備えることができる。別の実例では、少なくとも1つのブラシの各々が、ブラシ・カートリッジ・カバー24内に位置する対応する受け孔内にねじ込まれるねじ式付属具をその長さ部分の頂端部のところに備えることができる。次いで、カバー24がブラシ22が取り付けられる1つのユニットとして、ブラシ・カートリッジ20の側壁によって形成される内部容積内に挿入される。各ブラシ22はまた、各ブラシ22の底端部から延在するスタブを備える。したがって、これらのスタブは、ブラシ・カートリッジ20の底表面に跨るブリッジ内に位置する対応する孔によって受けられ、衝突プレートを支持する。このような構造では、頂部側の孔及び底部側の孔にブラシ22を物理的に接続すると、ねじ式に接続する際に必要となるカバー24の回転が妨害されることから、ブラシ・カートリッジのキャップとブラシ・カートリッジ20の側壁との間にスナップ・フィット接続が必要になることが当業者には明白であろう。別の実例では、ブラシ22及びカバー24が定位置にくると、カバー24が少なくとも1つのねじを使用して定位置で固定され得、ここでは、このねじがカバー24を通過して(例えば、予め作られた孔を通して)ブラシ・カートリッジ20の側壁の中に入り、またここでは、ねじがボディ12の長手方向軸に沿うように位置合わせされる。
本発明の一部の実施例では、少なくとも1つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20内で固定され得、その結果、ブラシ22はそれらの長手方向軸の周りで回転することができない。別の実施例では、ブラシ22はそれらの長手方向軸の周りで回転してもよい。別の実施例では、ブラシ22は、曲げられ得るように及び力を提供することができるように、ばね荷重を受けてよい。
本発明の一部の実施例では、少なくとも1つのブラシ22が、この少なくとも1つのブラシ22の長さに沿って断面形状を変化させないような、長さ及び断面形状を有することができる。例えば、断面形状は円形であってよく、その場合、1つ又は複数のブラシ22は円筒形状を有する。別法として、断面形状は、三角形、正方形、又は、別の任意適切な二次元形状であってよい。また、ブラシ22の断面形状はブラシ22の長さに沿ってその位置を変化させることができる。例えば、ブラシ22は少なくとも1つの円錐セクションを有することができ、ここでは、円形断面の直径が長さに沿って変化する。別の実例では、三角形断面を有するブラシ22は長手方向軸に沿うその位置に対してその三角形断面を回転させることができ、それによりヘリカル形状のブラシ22が得られる。
本発明の一部の実施例では、少なくとも1つのブラシ22は径方向に延在する複数のブラシ22から構成されてよく、これらは、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、フッ素化エチレンプロピレン(テフロン(登録商標))、ポリグレカプロン25(モノクリル)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリグラクチン−910(バイクリル)、ポリグリコール酸(Dexon)、又は、別の適切な材料、のうちの少なくとも1つを含む構成の材料から構築され得る。本発明の別の実施例では、1つ又は複数のブラシ22はオートクレーブに適する材料から構築され得る。
本発明の一部の実施例では、3つのブラシ22がブラシ・カートリッジ20内で垂直に配置され、ここでは、ブラシ22の外部表面が各々のブラシの長さ方向に沿って互いに物理的に接触し、また、これらの3つのブラシ22は、エントリー・バルブ30の開口部及びブラシ・カートリッジ20のエントリー・ポートの下方で中心に配置される内部空間を形成し、ここでは、この内部空間がブラシ22の全長にわたって延びる。このような実施例では、洗浄される器具は、使用者により、エントリー・バルブ30を介し、エントリー・ポートを介し、3つのブラシ22の間に形成される内部空間に入るように挿入される。器具がブラシ22の間に挿入されるとき、ブラシ22が器具と摩擦接触し、それにより器具からデブリが洗浄される。
再び図4を参照すると、器具の遠位端が衝突プレートに当接されると、ブラシ・カートリッジ20が長手方向軸に沿ってボディ内へと下方に押し込まれる。このように下方に移動することにより、ブラシ・カートリッジ20を係合及び回転させるための手段の第1及び第2の構造が互い係合され、それによりブラシ・カートリッジ20がボディの長手方向軸の周りを回転する。さらに、この回転運動によりブラシ22が器具に対して移動するようになる。この回転運動は、ブラシ22が例えば長手方向軸に対してそれ自体で回転することが阻害されるなどしてブラシ・カートリッジ20内で静止するような構造の場合には特に、器具を洗浄するのに特に効果的である。
本発明の一部の実施例では、化学的な洗浄手段が、装置のボディ、ブラシ・カートリッジ、及び、標本瓶、のうちの少なくとも1つの中に設けられ得る。本発明の一部の別の実施例では、液体を含む、器具を洗浄するための化学的な手段が設けられる。本発明の一部の実施例では、液体には、水、アルコール、有機体、塩水溶液、防腐剤、保存薬、ホルムアルデヒド、安定剤、酸、塩基、溶媒、及び、対象の特定の機能を達成するための任意の別の液体、のうちの少なくとも1つが含まれてよい。一部の別の実施例では、液体は洗浄装置の空の内部容積のすべてを充填するかそれより少ない形で充填する。液体洗浄薬品を取り入れる実施例では、好適には、洗浄装置の例えばボディ、標本瓶、エントリー・バルブなどの種々の要素の間の接続部の中にoリング、ガスケット又はシールが組み込まれることが当業者には明白であろう。
次に図5〜8を参照すると、手動で動作する洗浄デバイスの代替的実施例が示される。図示されないが、本発明の特定の実施例は、ブラシ・カートリッジを係合及び回転させるための手段の代わりに又はそれに追加して、少なくとも1つのモータを組み込むことができる。本発明の別の実施例では、少なくとも1つの円筒形ブラシがボディの内部容積内で長手方向に物理的に設置され、ここでは、少なくとも1つのブラシがモータに機械的に接続され、このモータが、ブラシの長さに対応させて軸の周りで少なくとも1つのブラシを回転運動させるように構成される。モータは、使用者によって指定されるときに起動及び停止されるように構成され得る。モータは、従来の壁ソケット及び/又は少なくとも1つのバッテリのいずれかによって形成されるAC又はDC電流源によって動力供給され得る。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置50の内部容積に入るエントリー・ポート70はデバイス上の蓋又はキャップを通過する孔を備えることができ、ここでは、可撓性ジョイント74の第1の端部がエントリー・ポートに取り付けられ、可撓性ジョイント74の第2の端部が漏斗形状構造76に接続される。可撓性ジョイント74はその全長を通過する孔を装備する。
漏斗形状構造76は、開いた広い口セクションと、可撓性ジョイント74を通過する孔のところで終端する狭い底部セクションとを備えることができる。本発明の一部の実施例では、可撓性ジョイント74に取り付けられる漏斗形状構造76は上述した「ダックビル・バルブ」を備えることができる。この可撓性ジョイント74により使用者が漏斗形状構造76を所望される角度で方向づけることが可能となり、それにより器具が洗浄装置50内により容易に挿入され得るようになる。
例えば、可撓性ジョイント74が所望される角度に向けられると、使用者は器具の終端部をダックビル・バルブ76の中に視覚的に配置しさせすればよく、したがって、器具をさらに、ダックビル・バルブ76と、可撓性ジョイント74と、エントリー・ポートとを通して洗浄装置50の内部容積の中に挿入するのを感覚的に進めることができる。
本発明の一態様は、ハウジング内に内部容積を画定する頂表面と、底表面と、頂端部と、底端部と、側壁とを備えるハウジング58を備える、器具のための洗浄装置50である。本発明の一部の実施例では、ハウジングは長方形のボックス形状を有する。この実施例による洗浄装置は、好適には、ブラシ組立体60及び収集デバイス80を備える。種々の別の構成要素が図7に描かれる。
本発明の一部の別の実施例では、ハウジング58の頂表面がエントリー・ポートを備え、このエントリー・ポートにより、使用者がハウジング58の内部容積内に洗浄する器具を挿入することが可能となる。エントリー・ポートは、例えば、長方形スロット、円形孔などの、任意適切な幾何形状を有する孔を備えることができる。本発明の別の実施例では、エントリー・ポートは孔の上にカバーを備えることができる。本発明の一部の実施例では、エントリー・ポートは、そこを通して器具を挿入するのを可能にするためにカバーを通過する孔又はスロットを備える、可撓性、柔軟性、順応性又は可曲性を有する材料から構成されるカバーを備えることができる。カバーは、エントリー・ポートの孔の開いた表面を実質的にすべて覆うようにサイズ決定されてよい。別の実施例では、エントリー・ポートはハウジング58の頂端部に配置されてよい。
ハウジングは、ブラシ組立体60に対して配置される第2の構造69に接続されるための上述した第1の構造59をさらに備えることができる。この実施例では、第1の構造59を第2の構造69に接合させることは、洗浄装置10に関連して上述した手法と同じ手法でなされる。さらに、洗浄装置50が、出口バルブ92に対するバルブ・ハンドル92の位置によって決定される少なくとも2つの位置を有する出口バルブ90を備えることができる。洗浄装置に関するさらなる細部は図1〜4に関連して上でも説明されていることから、図5〜8に示される実施例にも適用され得ることを明確に理解されたい。
次に図9〜14を参照すると、本発明の一部の実施例では、洗浄装置100が2つ以上の対向回転ベルト・ブラシ114を備えることができる。一部の実施例では、ベルト・ブラシ・システム114が、第1のベルト・ドライブ116と、第2のベルト・ドライブ116と、一定の幅、第1の端部及び第2の端部を有する可撓性平面表面を備えるベルト・ブラシと、を備えることができ、ここでは、第1及び第2の端部が互いに取り付けられてループ又は「ベルト」を形成する。本明細書で使用される「ベルト・ドライブ」は回転可能なシリンダである。ベルト・ブラシ・システムは多様な種類及びサイズのモータ120によって動力供給され得る。
ベルト・ドライブ116は、ベルト・ブラシ114をグリップするのを促進するための歯又は何らかの別の適切な摩擦形成表面を備えることができる。本発明の一部の実施例では、各第1のベルト・ドライブ116がハウジングの頂端部の方に配置され得、ハウジングを等しい部分に分割する長手方向の中心線から各々が等距離にあり、ここでは、両方の第1ベルト・ドライブ116の回転軸がハウジングの頂表面に対して垂直である。さらに、各第2のベルト・ドライブ116がハウジングの底端部の方に配置され得、ハウジングを等しい部分に分割する長手方向の中心線から各々が等距離にあるが2つの第1のベルト・ドライブ116と比較して一体により接近しており、ここでは、両方の第2のベルト・ドライブ116の回転軸がやはりハウジングの頂表面に対して垂直である。
このようにして、ベルト・ブラシ114が第1及び第2のベルト・ドライブ116の各対の周りに配置され、その結果、2つのベルト・ブラシ114が概略V形のフォーメーションを形成し、ここでは、V形の開いている方の端部がハウジングの頂端部の方を向いており、V形の尖っている方の端部が底部の方を向いている。このようして、洗浄装置100の頂部カバー110内の開口部111を通して挿入される器具を受けるように構成される間隙空間が2つのベルト・ドライブ114の間に形成される。この空間はハウジングの長手方向に沿って下にいくにつれて狭くなっており、2つのベルト・ブラシ114の表面を洗浄される器具の遠位端に接触させるように押し込む。
V形フォーメーションの角度は特定の器具に対応するために必要に応じて調整され得る。一部の実施例では、2つのベルト・ブラシ114の間の角度は概して約5°から約25°の範囲内にある。本発明の別の実施例では、弾性ベルト・ブラシ114と可動の第1のドライブ116との組合せにより、使用者がベルト・ブラシ114の間の角度を所望の設定に調整することが可能となる。
例えば、ベルト・ドライブ116は、シリンダの長手方向の長さに沿って位置合わせされる軸に回転可能に結合されるシリンダを備えることができる。この軸は第1の端部及び第2の端部を有することができ、これらの端部の少なくとも一方がハウジングの前方表面及び後方表面のうちの少なくとも一方に取り付けられる。シリンダの軸は、例えば、ワッシャ及び蝶ナット(ハウジングの外部表面上にあり、例えばハウジング内にはない)を受けるために前方表面又は後方表面を通って延在するねじ切りされる端部分を備えることができ、それにより、使用者が所望される位置でベルト・ドライブを固定するために蝶ナットを締めることが可能となる。
シリンダの軸のねじ切りされる端部分は孔又は好適にスロットを通して挿入され得る。スロットが存在することにより、所望される位置と、その所望される位置でブラシ114を固定するために蝶ナットを締めてよいポイントでの2つのベルト・ブラシ114の間の角度とを得るために、シリンダの軸の端部分をスロット内で摺動させることが可能となる。本発明の一部の実施例では、両方の第1のベルト・ドライブ116がねじ切りされる端部を備える軸を備え、それらの両方が後方表面内のそれらのそれぞれのスロットを通して挿入され、その結果、対応するベルト・ブラシ114の間の角度が所望される通りに調整され得、ねじ切りされる蝶ナット又は同様の固定機構を使用して定位置で固定され得る。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置100が、V形フォーメーションの尖った方の端部内(例えば、ハウジングの底部の方の、2つのベルト・ブラシの間の最も狭い位置)で実質的に中心に配置されるように間隙空間内に配置される物理的障害物106をさらに備えることができる。この物理的障害物106の目的は、器具をハウジング内の許容される最大深さまで挿入したことを使用者に触知的に指示することである。言い換えると、器具が挿入されるとき、最終的に器具の遠位端が物理的障害物106に衝突し、それにより器具がさらに挿入されることが防止される。
本発明の一部の実施例では、物理的障害物106が、間隙空間の狭い部分のところに配置される三角形のくさびを備えることができる。三角形のくさびは、そのくさびからハウジングの底端部まで重力によりより容易に落下するのを促進するためのわずかに出っ張る頂表面をさらに備えることができる。別法として、三角形のくさびは、洗浄装置100内の所望される深さを越えてベルト・ブラシにより医療デバイスが引っ張られるのを防止することを目的として洗浄される器具の終端部を捕捉するのを促進するためのわずかに窪む頂表面を備えることもできる。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置100が、少なくとも1つのベルト・ブラシ114の少なくとも一部分に物理的に連通する少なくとも1つのスクレーパ108を備えることができる。本発明の一部の実施例では、スクレーパ108は平坦な平面構造を有することができ、ベルト・ブラシに物理的に接触する下側の先端縁部を備える。V形構造の2つのベルト・ブラシを利用する構造の場合、各ベルト・ブラシ114に対して1つずつ存在する2つのスクレーパ108がベルト・ブラシのV構造の外側でそのすぐ遠位側に構成されてよく、それによりV構造のベルト・ブラシがV構造のスクレーパ108の中に配置されることになる。この構造により、ベルト・ブラシ114の表面からデブリを物理的に除去するための機械的剪断力が得られる。
本発明の一部の実施例では、ベルト・ブラシ114が下側ループ上に設置されるブラシ表面を有し、それにより連続する積層ベルト・ブラシが形成される。下側ループはゴム材料を含むことができる。ベルト・ブラシの下側ループが第1のベルト・ドライブ116及び第2のベルト・ドライブ116上に設置され、その結果、下側ループさらにはそれによりベルト・ブラシ114自体が2つのベルト・ドライブ116の間で実質的に捕捉されて保持される。2つのベルト・ドライブ116の間に設置されるベルト・ブラシ114の構造により、ブラシ表面の第1の部分が収集デバイスに向かって下方に移動する。
ブラシ表面のこの第1の部分はハウジング内の最下位置に到達してベルト・ドライブ116の周りで回転し、それにより、下向きとは反対の移動方向に変更される。したがって、ベルト表面は2つのベルト・ドライブ116の間に第2の部分を有し、ここでは、ベルト・ブラシ114が収集トレイ130から離れて上方に移動する。本発明の一部の別の実施例では、スクレーパ108がベルト・ブラシ114の第3の部分内に配置され、ここでは、第3の部分が、ベルトをベルト・ドライブ116の上に載置させて下向きの方向から上向きの方向に変更させる領域内で第1の部分と第2の部分との間に位置する。
本明細書で使用される「アプローチ角度」とは実質的に平坦なブラシ表面に対する平面的なスクレーパの角度を意味し、ここでは、0度は平面的なスクレーパがブラシ表面に対して平行であることを意味し、平面的なスクレーパの先端縁部がブラシ表面の移動方向の方を向き、180度は平面的なスクレーパがブラシ表面に平行であることを意味し、平面的なスクレーパの先端縁部がブラシ表面の移動方向の反対方向の方を向き、90度は平面的なスクレーパがブラシ表面に対して垂直であることを意味する。本発明の一部の実施例では、実質的に平坦なブラシ表面に対する平面的なスクレーパのアプローチ角度は約90度から約180度の範囲である。本発明の別の実施例では、平坦なスクレーパのアプローチ角度は約120度から約160度の範囲である。
本発明の別の実施例では、デブリ・ランプ(debris ramp)が少なくとも1つのベルト・ドライブと収集トレイ130との間に配置され得る。デブリ・ランプは、少なくとも1つのベルト・ブラシ114及び/又は少なくとも1つのスクレーパ108により重力を用いて除去されるデブリを方向転換させてそれらのデブリを収集トレイ130の中に誘導するのに使用される少なくとも1つの平坦な平面構造を有することができる。本発明の別の実施例では、デブリ・ランプは、ベルト・ブラシ114からのデブリを方向転換させて収集トレイ130の方に誘導するための、漏斗形状となるように構成される2つ以上の平面表面を有することができる。
本発明の一部の別の実施例では、スクレーパ108がそこを通過する長方形スロットらに備えることができ、ここでは、ベルト・ブラシ114の一部分がこの長方形スロットを通過することによりスクレーパ108と交差する。
本発明の一部の実施例では、少なくとも、第1のベルト・ドライブ116及び第2のベルト・ドライブ116の両方が、ベルト・ドライブ116を回転させてそれによりハウジングに対してベルト・ブラシ114を移動させるように構成されるモータ120に機械的に連通する。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置が、ベルト・ブラシのV形構造の狭い方の端部の下方に配置される収集トレイ130を備えることができ、その結果、器具から除去されるいかなるデブリ及び材料も重力によって落下して収集トレイ130内で収集される。本発明の一部の実施例では、収集トレイはボックス状又はトレイ状の構造を有することができ、デブリが落下するときに通過させるための開いた頂部を備える。本発明の別の実施例では、洗浄装置100のハウジングが、必要に応じて使用者により収集トレイ130を挿入及び取り外しして装置100からデブリを空にするのを促進するのを可能にするための、スロット、容器又はポートを備える。
本発明の別の実施例では、洗浄装置100が可撓性ヒンジ要素118を備えることができ、この可撓性ヒンジ要素118により、収集トレイ130内で重力によりデブリを収集するのを促進するような角度となるように使用者により洗浄装置100を配置することが可能となりさらには使用者によりデバイスを人間工学的に好適な位置に配置することが可能となる。例えば、デバイスの後方表面が、洗浄デバイスの長い方の長手方向軸の周りでデバイスを回転させるのを可能にする第1のヒンジ118に可逆的に接続され得る。さらに、第1のヒンジ118が、第1のヒンジに対して垂直である第2のヒンジに取り付けられる接続表面を備えることができ、ここでは、第2のヒンジが静止物体(例えば、台、デスクなど)に直接に取り付けられるか、又は、第2のヒンジが第2の表面に取り付けられてその第2の表面が静止物体にさらに取り付けられる。横方向軸の周りで回転するのを可能にするために第2のヒンジ要素128が設けられてもよい。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置100が、貫通するエントリー・ポート又は開口部111を含む頂端部を備える長方形ハウジングを備える。ハウジングの内部容積は、好適には、ハウジングの長軸に沿って同じ高さのところに設置される2つの円筒形ブラシを備え、ここでは、円筒形ブラシの軸がハウジングの前方表面と後部表面との間でそれらに対して垂直となるように設置される。使用時、使用者が洗浄される器具を開口部111を通して2つの円筒形ブラシの間に挿入する。この幾何学的構造により、使用者が別の仕事を継続しながら別のデバイスの器具を洗浄デバイス内に残すことが可能となる。さらに、開口部111を覆うフラップ112が設けられてよい。
次に図11〜14を参照すると、一実施例では、洗浄装置100が、複数の流体注入ポートと、流体カートリッジからの少なくとも1つの流体を複数の流体注入ポートに分配するシステムとをさらに備えることができる。このシステムは、好適には、図13に示されるように、少なくとも1つのポンプ152と、流体カートリッジ150を1つ又は複数のノズル168に相互接続させる管類154とを備える。流体は塩水溶液であってよいか又は一連のブラシ114を洗浄及び潤滑するための滅菌水又は別の適切な液体であってもよい。ノズルが好適にはハウジングの頂部のところで洗浄チャンバ内に配置され、その結果、流体が重力及び回転力(ノズルに近接する回転するブラシによって加えられる)により洗浄装置100内に注入されて洗浄装置100の前方部分又は下側部分に向かうように通過して最終的に洗浄装置100内の器具又はデバイスと、ブラシ114とに接触する。このようにして流体が器具からデブリ及び材料を洗浄すること及びパージすることの両方を行うように働くが、ブラシ114を潤滑及び洗浄するようにも働く。このシステムはまた、ブラシ又は洗浄装置の内部が十分な水分を有さないことを検出するときにポンプ152に信号を出すセンサ164を備えることができる。このような感知能力を達成するための当業者には既知の種々のセンサが本開示の範囲内にあると考えられる。
次に図14〜20を参照すると、本開示の一実施例が、液体を保持する内部容積を画定するハウジングを備える洗浄装置に関し、ここでは、混合デバイス210が液体を撹拌する。本発明の一部の実施例では、ハウジング230が、頂表面と、底表面と、少なくとも1つの側壁とを備えることができる。本発明の別の実施例では、ハウジング230が円筒形状を有することができ、ここでは、頂表面が実質的に円形であり、底表面が実質的に円形であり、頂表面及び底表面が、底表面と頂表面との間を延在する垂直側壁によって接続される。
本発明の一部の実施例では、頂表面が、ハウジング230の内部容積にアクセスするのを可能にするための、頂表面を通過する開口部を備えるエントリー・ポート234を備えることができる。エントリー・ポート234は特定の幾何形状の開口部であってよく、これは限定しないが例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、又は、洗浄されるデバイスをデバイスの洗浄部分に挿入するのを可能にするようにサイズ決定される別の任意適切な形状などである。本発明の別の実施例では、エントリー・ポート234が開口部の上にカバーを備えることができる。本発明の一部の実施例では、エントリー・ポートは、そこを通して器具を挿入するのを可能にするためにカバーを貫通する孔又はスロットを備える、可撓性、柔軟性、順応性又は可曲性を有する材料から構成されるカバーを備えることができる。カバーは、エントリー・ポート234の開口部の開いた表面領域を実質的にすべて覆うようにサイズ決定されてよい。
本発明の一部の実施例では、エントリー・ポート234は、円筒形ハウジング230の頂端部に組み込まれるか又は取り付けられる、円形頂表面の中心に配置される開口部であってよい。本発明の一部の別の実施例では、エントリー・ポート234が円形漏斗形状構造を有することができ、ここでは、漏斗形状構造の下側内部部分が、円形、楕円形、正方形又は長方形の開口部のところで終端する。本発明の別の実施例では、エントリー・ポート234が、漏斗形状構造と、貫通する孔を備える可撓性カバーとを備えることができ、ここでは、カバーが漏斗の広い方の頂部分のところに配置される。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置200がハウジング230の内部容積の少なくとも一部分の内部に液体を保持する。本発明の一部の実施例では、液体が、液体中に挿入される器具に対して機械的な洗浄及び化学的な洗浄の両方を行うのに利用される。本発明の一部の実施例では、液体には、水、アルコール、有機体、塩水溶液、防腐剤、保存薬、ホルムアルデヒド、安定剤、酸、塩基、溶媒、及び、対象の特定の機能を達成するための任意の別の液体、のうちの少なくとも1つが含まれてよい。一部の別の実施例では、液体は洗浄装置200の空の内部容積のすべてを充填するか又はそれより少ない形で充填する。液体洗浄薬品を取り入れる本発明の実施例では、好適には、洗浄装置200の種々の要素の間の接続部の中にoリング、ガスケット又はシールが組み込まれることが当業者には明白であろう。
本発明の一部の実施例では、混合デバイス210は、ジェット、ノズル、攪拌機、インペラ、タービン、ホイール、及び、洗浄装置200内に含有される液体を撹拌又は混合するための別の任意適切なデバイス、のうちの少なくとも1つを備えることができる。本発明の一部の実施例では、混合デバイス210は、攪拌機、インペラ、タービン、ホイール、及び、別の任意適切な回転混合デバイス、のうちの少なくとも1つを含む回転デバイスを備える。本発明の一部の実施例では、長軸と、第1の端部と、第2の端部とを有するシャフトを備える回転デバイスが利用され得、シャフトの長軸に対して実質的に垂直な方向に延在する少なくとも1つの表面がシャフトに取り付けられ、ここでは、その長軸の周りをシャフトが回転することで少なくとも1つの表面が回転する。したがって、少なくとも1つの表面が液体中に沈められると、少なくとも1つの表面が液体に対して機械的に作用し、ハウジング230内で液体を移動及び混合させる。
本発明の一部の実施例では、混合を実施するための混合デバイス210が、軸流インペラ、半径流インペラ、Rushtonタービン、プロペラ、パドル・ミキサ、タービン、フラット・ブレード・インペラ、傾斜翼インペラ、湾曲翼インペラ、アンカー・インペラ、及び、それらの組合せ、のうちの少なくとも1つである。本発明の別の実施例では、混合デバイス210が水車式の攪拌機(water wheel agitator)を備えることができ、ここでは、水車が円形外部部材を備え、この円形外部部材の平面内を延在する少なくとも2つのスポークを備え、これらのスポークが円形外部部材の外周から延在し、ここでは、2つのスポークが円形部材の中心点のところに配置されるハブのところでぶつかり、ハブもスポークの平面内にある。水車式の攪拌機は、円形外部部材の外周に接続され、円形外部部材の平面に対して垂直に上方に延在する少なくとも1つの長方形混合表面をさらに備える。
本発明の別の実施例では、水車式の攪拌機が底部円形外部部材及び頂部円形部材を備えることができ、ここでは、底部円形外部部材が底部円形外部部材の平面内を延在する少なくとも2つのスポークをさらに備え、これらのスポークが底部円形外部部材の外周から延在し、2つのスポークが底部円形外部部材の中心点のところに配置されるハブのところでぶつかり、ハブも底部円形外部部材の平面内にある。水車式の攪拌機は、第1の端部及び第2の端部を備える少なくとも1つの長方形混合表面をさらに備え、ここでは、各混合表面の第1の端部が底部円形外部部材の外周に接続され、各混合表面が外部円形部材の平面に対して垂直に上方に延在し、各混合表面の第2の端部が頂部円形外部部材の外周に取り付けられる。
本発明の一部の実施例では、水車式の攪拌機がハブ232に対して垂直に設置されるシャフトをさらに備え、このシャフトが、連結具と、混合デバイス210を動作させるのに必要となる機械的駆動力を提供するためのモータとをさらに備えることができる。本発明の一部の実施例では、洗浄装置200のハウジング内部で保持される液体に対して混合を行うための混合デバイス210が、混合デバイス210のシャフトを底表面の内部面の実質的に中心に添着することによりハウジングに取り付けられ得る。本発明の別の実施例では、シャフトが底表面内の孔を通って延在してよく、ここでは、oリング、シール又はガスケットが、ハウジングの内部容積から液体が漏出するのを防止するための液密シールを形成する。このようにして底表面を通して挿入されるシャフトはさらにモータに物理的に係合され、それによりモータがシャフトを回転させるように駆動させる。
本発明の別の実施例では、洗浄装置200が、ハウジング230の断面プロフィールと実質的に同じ断面プロフィールを有する基部構造240をさらに備えることができ、ここでは、ハウジング230が基部構造240に位置合わせされて基部構造240の上に配置される。さらに、モータ並びに任意の別の電子的且つ機械的手段が基部構造240内に配置され得る。別の実施例では、基部構造240が、頂表面と、底表面と、頂表面と底表面との間を延在する側壁とを備えることができる。基部構造240が、シャフトを受けるための頂部ポート244、又は、混合デバイス210に対する別の連結具をさらに備えることができる。基部構造240はまた、電気的又は空気圧的な動力源を受けるためのアパーチャ242を備えることができる。
本発明の別の実施例では、少なくとも1つの混合デバイス210が、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの回転デバイスを備えることができ、ここでは、各回転デバイスがハウジングの底表面に添着されるシャフトを備え、各シャフトがモータによって回転させられる。
本発明の一部の実施例では、器具を洗浄するための混合デバイス210が、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間で延びる長さ部分とを含む少なくとも1つの円筒形ブラシを備えることができ、ここでは、第2の端部が、ハウジングの底表面に添着されてモータによって駆動されるシャフトを備える。このような実施例では、少なくとも1つのブラシが液体を混合することができ、さらに、ブラシ表面が追加の機械的な洗浄手段を形成することができる。
本発明の別の実施例では、混合デバイス210が少なくとも1つのジェット又はノズルを備えることができる。少なくとも1つのジェット又はノズルを利用する実施例が水の加圧供給源を必要とすることを当業者であれば理解するであろう。これは例えば水道などの「家庭」の水源によって実現され得るか、又は、高い圧力が必要となる場合には、洗浄装置によって提供されるポンプによって実現され得る。「家庭」の水を使用する場合には洗浄装置200に加えられる水を単位体積ごとに除去する必要があることが不都合であるが、対して、内部に配置されるポンプには装置自体の液体の内部容積を再利用することができるという利点がある。また、内部のポンプは水以外にも他にも多くの液体を使用するのを可能にする。さらに、例えば入口及び出口などのポンプの内部流れ経路が、洗浄される器具から液体を除去するときに液体からデブリを除去するためのフィルタ機構を提供するための好都合の手段を形成することができる。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置のハウジングがフィルタ・デバイス220をさらに備えることができ、ここでは、フィルタ・デバイス200が混合デバイス210内に存在する。この実施例では、ポンプ(図示せず)がポンプの出口を通して水を吐出することができる。さらにこの出口が洗浄装置のハウジング内に位置するノズル又はジェットに繋がっており、その結果、水がノズル及び/又はジェットを通してハウジング内に再注入される。本発明の一部の実施例では、ポンプは遠心ポンプ又は容積式ポンプである。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置のハウジングがハウジングの容積を10%未満で液体で満たす状態で維持し、スプレー・ノズルが装置を洗浄するのに使用される。上記のようにジェット又はノズルの実施例では、スプレー・ノズルもやはり水の加圧供給源を必要とする。
本発明の別の実施例では、超音波源が本発明の実施例に設けられ、ここでは、ハウジングが実質的に液体で満たされる。
次に図21を参照すると、洗浄装置が、洗浄装置を手術室の台或は手術室内の別の備品又は固定設備に結合するための選択可能なアタッチメント300をさらに備える。この実施例によると、この選択可能なアタッチメントが、洗浄装置に結合される第1の端部を備えて多様な軸の周りで多様な方向に配置され得るアームから構成され得、これは、アームと洗浄装置との間の旋回接続部又はボール・ソケット接続部などによって達成され得る。この実施例によるアームは、アームの第2の端部を手術室の台又は別の備品に結合することができる結合デバイスを有する第2の端部をさらに備えることができる。一実施例では、この結合デバイスはクランプから構成される。別の実施例では、結合デバイスは磁気式である。別の実施例では、結合デバイスはバイスである。本開示の新規性から逸脱することなく、これらの好適な結合デバイスに対して、当業者には既知の結合機構のいくつかの変形形態及び組合せが代用されてもよく、したがってこれらも本開示の範囲及び特許請求の範囲内にあるとみなされる。
本発明の一部の実施例では、洗浄装置が、作業環境に対して特定の所望される位置又は構造で洗浄装置を使用者が配置するのを可能にするような固定デバイスに取り付けられ得る。本発明の一部の実施例では、固定デバイスが可撓性及び/又は移動可能であるアームを備えることができ、ここでは、アームの第1の端部が、例えば、台、デスク、カウンターなどの静止物体に取り付けられ、アームの第2の端部が洗浄装置に取り付けられる。
本発明の一部の実施例では、移動可能なアームの長さ部分が第1の長さ部分及び第2の長さ部分に分割され得、これらの第1の長さ部分及び第2の長さ部分が静止物体を洗浄装置に接続する。第1の長さ部分の遠位端はジョイントのところで終端し、このジョイントが第2の長さ部分の近位端に取り付けられ得る。第1の長さ部分の近位端がジョイントに枢動可能に結合され得、このジョイントがジョイントに対して静止物体を枢動運動させるために静止物体に取り付けられる。第1の長さ部分は、洗浄装置を通って延在する垂直方向軸の周りを完全に360度回転することができる。さらに、静止物体のところに位置するジョイントはさらに水平面から外れて上方に最大で180度回転することができる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の長さ部分の回転運動の範囲が別の値を有してもよいことを理解されたい。第2の長さ部分の近位端が第2のジョイントのところで第1の長さ部分の遠位端に取り付けられ得る。この第2のジョイントは、ジョイントの周りで三次元空間内の所望される任意の位置まで第2の長さ部分が回転するのを可能にするための当業者には既知の任意の連節手段を備えることができる。例えば、第2の長さ部分は、第1の長さ部分の遠位端のところで第2のジョイントの周りで一平面内で完全に360度回転することができる。また、第2の長さ部分は第1の長さ部分に対して垂直方向の平面内で回転することもできる。
しかし、第2の長さ部分の水平方向及び垂直方向の回転範囲並びに第1の長さ部分の水平方向及び垂直方向の回転範囲さらには三次元空間内でのそれらの全体的な移動(general movement)が洗浄装置の使用者の特定のデザイン要求及び機能要求に適合するように変更され得ることを理解されたい。同様に、第1及び第2の長さ部分の特定の長さは使用者又は環境の要求に応じた所望される任意特定の値を有し得る。
本発明の別の実施例は単一の静止アームを備える固定デバイスを必要とする可能性があり、ここでは、アームの一方の端部が回転点に添着される。
別の実施例によると、選択可能なアタッチメントが、洗浄装置を1つ又は複数の外科的ドレープに取り付けるための機構から構成され得る。一実施例では、これはVelcro(登録商標)などのファブリックの適切な組合せによって達成され得る。別の実施例によると、取り付けは複数の逆電荷の磁石を介して達成され得、これらの磁石は分離可能であり、洗浄装置を固定するために1つ又は複数のドレープの両側に配置され得る。
洗浄装置を台又は備品に取り付けるための実施例であるかどうかにかかわらず、アタッチメントには、内科医又は洗浄装置の別の使用者に対して洗浄装置の高さ及び/又は向きを選択的に確立するための手段がさらに含まれることが好ましい。例えば、これらの手段には、外科医が立つロケーション、外科医の高さ、左手に対する右手の優先度、別の装備に対して好適なロケーション、及び、手術環境など、に関しての理想的なロケーションで洗浄装置を固定するための高さ位置の調整などの1つ又は複数の調整可能要素が含まれてよい。別の例として、調整には、使用されない場合又は一時的に必要ではない場合に手術部位から離すように洗浄装置を回転させるのを可能にするための能力が含まれてよい。本明細書で説明される手段は、調整可能な機構の種類の中でもとりわけ、テレスコープ機構、Cアーム機構、単純なヒンジ機構、枢動機構、ボール・ソケット機構、リビング・ヒンジ機構、止めねじ機構、又は、ギア機構から構成されてよい。
別の実施例では、選択可能なアタッチメントは、使用者の好みに応じて洗浄装置の向きを回転させる能力がさらに含まれてもよく、その結果、洗浄装置の受け面が上方を向くように或いは一方の側方側又はもう一方の側方側の方を向くように方向づけられる。このようにして、洗浄装置は、洗浄装置内の上方を向く受け領域又は側方を向く受け領域(つまり、手術野の平面に平行である)に外科医が器具を挿入することが可能となるように、方向づけされ得る。
本開示の別の態様は、手術環境の無菌状態を維持することと、無菌フィールドから洗浄装置を遮蔽することとに関する。例えば、洗浄装置は、材料が洗浄装置によって洗浄される器具又は別のデバイスから、洗浄装置及び収集トレイの内部の方向以外の方向へ離れるのを防止するためのシールド又はバリアをさらに備えることができる。このようにして、手術室内で使用されて洗浄されることを必要とする任意の器具に対して、外科医又は別の医療従事者が、ドレープ上の、患者の上の、又は、無菌ゾーンの上の器具から流体又はデブリを誤って除去することなく或いは他にはこの非無菌材料を概して別の器具又は手術部位に対して露出することなく、器具を好都合に洗浄することができる。
一実施例では、収集トレイが乾燥材料を収集するのを可能にする。別の実施例では、このように収集することは、収集される材料を収集する前に洗浄するのを可能にする塩水槽によって促進される。好適な実施例では、収集トレイは洗浄装置の底部の近くに存在し、その結果、洗浄オペレーション中に収集される材料及びデブリがブラシを通過して重力により収集トレイの中に入る。洗浄装置は、例えば洗浄プロセス中に収集される別の材料及び流体から骨材料を分離するのを促進するために多様な精度の1つ又は複数のフィルタを備えることができる。フィルタは、定期的な洗浄のために及びフィルタから材料を除去するために、取り外し可能であってよい。
装置は、装置によって洗浄される器具又は別のデバイスを配置するのを促進するための特定のエントリー・ポータルを備えることができる。特定の一実施例によると、器具のエントリー・ポータルがしばしば長くて不均衡であるような器具を握持して安定させるように方向づけられ得、また、洗浄を継続することを目的として、又は、別の器具を使用するときに外科医が自分の手を一時的に自由にするのを可能にすることを目的として、外科医により洗浄装置内に器具を残すのを可能にする。ダック・ビル・エントリー・ポータルを有する好適な実施例が図1に示されるが、本開示の精神から逸脱することなく別の形で方向づけられるいくつかのエントリー・ポータルが提供され得る。
本明細書で開示される装置は多様な異なる材料で作られ得る。これらの材料には、例えば、限定しないが、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、クロム合金、及び、別の金属又は合金が含まれてよい。さらに、これらの材料には、例えば、PEEK、炭素繊維、ABSプラスチック、ポリウレタン、樹脂、particularly fiber−encased resinous materialsのゴム、ラテックス、合成ゴム、合成物質、重合体及び天然物質が含まれてよい。
本開示の種々の実施例を詳細に説明してきたが、これらの実施例の修正形態及び代替形態が当業者には思い付くことは明白である。しかし、このような修正形態及び代替形態が、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲及び精神の範囲内にあることを明確に理解されたい。さらなる説明のために、添付書類Aの情報及び資料は明確に本開示の一部とされ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示の上記の考察を例示及び説明を目的として提示してきた。上記は、本開示を本明細書で開示される1つ又は複数の形態のみに限定することを意図されない。上記の詳細な説明では、例えば、本開示の種々の特徴が、本開示を合理化することを目的として1つ又は複数の実施例で一体に分類される。本開示のこの手法は、特許請求される開示では各請求項で明確に記載される特徴以外の特徴も必要であるというような意図を反映するものとして解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲を反映して、本発明の態様は、上で開示される単一の実施例のすべての特徴より小さい範囲内にある。したがって、以下の特許請求の範囲は本明細書においてこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は本開示の個別の好適な実施例として個々に成り立つ。
また、本開示は1つ又は複数の実施例並びに特定の変形形態及び修正形態を含むが、別の変形形態及び修正形態も、例えば本開示の理解後に当業者の技能及び知識に含まれ得るものとして、本開示の範囲内にある。特許性のある主題を公的に提示する意図が一切なくても、代替の、交換可能な及び/又は等価の構造、機能、範囲又はステップを含めた、特許請求の範囲に対しての許容される程度の代替的実施例を含む権利を得ることが意図され、これには、このような代替の、交換可能な及び/又は等価の構造、機能、範囲又はステップが本明細書に開示されているかどうかは関係ない。