JP2016510214A - 廃水の処理から得られる、バイオマスのためのフェドバッチプロセスにおけるポリヒドロキシアルカノエート(pha)の生産性向上のための方法 - Google Patents

廃水の処理から得られる、バイオマスのためのフェドバッチプロセスにおけるポリヒドロキシアルカノエート(pha)の生産性向上のための方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、開放混合培養からPHAが豊富なバイオマスを生成するための方法に関する。バイオマスを含む混合液が、フェドバッチ反応器内に導かれる。反応器は、少なくとも1つのバイオマス刺激ゾーンと、少なくとも1つのバイオマス維持ゾーンとを含む。RBCOD、生物学的に利用可能なN、及び生物学的に利用可能なPを含むフィードが、フェドバッチ反応器内に導かれる。バイオマスの少なくとも一部の呼吸速度は、フィードをフェドバッチ反応器内に導き、バイオマスを比較的高い濃度のRBCODに曝露させることによって、刺激ゾーン内で断続的に繰り返し刺激される。バイオマスは、次いで、維持ゾーンに移送され、そこで、バイオマスは、比較的低い濃度のRBCODに曝露される。その後、バイオマスは、刺激ゾーンと維持ゾーンとの間で循環される。この方法を通じて、フィード中のRBCODに対するN及び/又はPの濃度は、フィード中のRBCODに対するNの比と、RBCODに対するPの比とを制御することによって制御される。

Description

[関連出願]
本出願は、35U.S.C§119(e)の下で、2013年1月11日に出願された米国仮出願、出願番号61/752449号からの優先権を主張する。この出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている。
化学的酸素要求量(COD:chemical oxygen demand)の除去のための廃水の生物学的処理は、バイオマスを生成する。無駄なバイオマスは、固体廃棄物処理の問題を表す。多くの関心を惹きつけている1つの機会は、廃水を処理することによる、活性スラッジのような、バイオマスによる生分解性ポリマの生成である。この方法では、生成される廃スラッジは、代わりに、処理プロセスから回収され得る価値のある副産物になる。
バイオマス処理廃水は、回収され、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA:polyhydroxyalkanoate)、中間炭素及びエネルギー貯蔵器としていくつかのバクテリアによって自然に生成されるポリエステルの群を蓄積させることができることが知られている。PHAは、バイオマスから取り出すことができ、広い範囲の特定の用途のために有用である商業的価値のある生分解性プラスチックに変換することができる(例えば、US2010/0200496、WO2011/070544A2、WO2011/073744A1、WO2012/022998A1、WO2012/023114A1参照)。
PHA分子量を維持し、生成物品質(値)を改善するために、バイオマス中のPHAの熱安定性を調整する実施形態は、WO2012/022998A1に開示されている。組み合わせで、上記で引用した開示は、汚染防止及び残留物管理のサービスを、公知の実際的かつ経済的な価値の生分解性のバイオベースポリマの生成と統合するためのレシピを提供する。前述の開示に基づいて、汚染防止設備は、すでに今日、劇的な修正なしに多くの例で、スラッジ処分の経済的負担がPHAが豊富なバイオマス生成の利益に相殺されるように転換することができる。
生物学的処理システムから来る過剰な活性スラッジのような効果的に無駄になるバイオマスは、このバイオマスをPHA蓄積プロセスに配置し、それによって、主要な有機基質として、揮発性脂肪酸のような易生分解性COD(RBCOD)が、制御された方法で、無駄な(収集される)バイオマスに供給されることによって、付加価値生生成物、すなわち、PHAが豊富なバイオマスに変換される。バイオマス中のPHAを蓄積し、高分子量を有するPHAを含むPHAが豊富なバイオマスを生成するための実施形態は、WO2011/070544A2に記載されている。
WO2011/070544A2に記載の方法及びプロセスの適用は、一般的に、バイオマスの混合培養物でのPHAの蓄積を可能にする。混合培養物により、2つ以上のタイプのバクテリアの種の集団の混合物を含むバイオマスが意味される。バイオマスは、一般的に、RBCODをPHAに変換することができるバクテリアの種の集団で富化されることが予想される。そのような富化にもかかわらず、混合培養物バイオマスは、PHAを蓄えず、刺激された場合、PHAを含まないバイオマスを生成するようにRBCODを消費することになるバイオマス中のバクテリアの他の種も含むことになる。バイオマスによるPHA量の生成速度が、非PHAバイオマスの生成速度よりも低くなる場合、好ましい蓄積プロセス条件は、失われる。
WO2011/070544A2では、工業規模の混合培養PHA蓄積のための需要時供給プロセスを維持するために、刺激及び維持プロセスゾーンを使用することができる方法が教示されている。維持ゾーンは、一般的に、比較的低いRBCOD濃度の環境内に呼吸バイオマスを維持する。刺激ゾーンは、一般的に、バイオマスの画分を、所与の時点で、比較的高いRBCODに曝露させ、その際、プロセス全体のバイオマスを、かなりの程度まで、RBCODを蓄えられたPHAに変換する代謝プロセスによる高い呼吸に刺激するように働く。この全体的に高いバイオマス呼吸速度は、基質の需要を引き起こし、この高いバイオマス呼吸速度を維持することに基づいて基質供給を制御することは、それによって、「需要時供給」のプロセス制御戦略を確立することができる。バイオマスは、そうでなければ、比較的低いRBCOD濃度のゾーンに維持されるので、利用可能な基質の制限が存在する。非PHAバイオマス生成、すなわち、細胞分裂によるバイオマス成長は、一般的に、例えば、モノー式に記載のように、基質濃度が比較的低いとき、基質濃度に比例する呼吸速度を示す。維持ゾーンで比較的低い基質濃度を維持するように基質供給を制御することによって、非PHAバイオマス生成のレベルは、プロセス中のPHAを蓄えるバクテリアによる呼吸及びRBCOD消費を優先することによって、軽減することができる。
本発明者らは、バクテリアを蓄えるPHAの呼吸及び活動を、維持ゾーンとは別の刺激ゾーンで「饗宴(feast)」の条件にバイオマスを周期的に繰り返しさらすことによって、持続させることができることを発見した。この饗宴刺激の条件は、好気的である必要はないが、短時間であっても十分な時間の曝露が、望ましいと思われる。実際には、このプロセスで非PHAを蓄えるバクテリアの増加した呼吸の発生を制限するように、この刺激の期間を比較的短く保ちたい。プロセスの他の解釈、及び、バイオマス呼吸に対する洞察の今後の展開にもかかわらず、本発明者らは、一般的に、低レベルの内因性呼吸から高い呼吸速度への完全な刺激に達するために必要な時間が、PHA蓄積バイオマスに関して、1分未満の長さの時間スケールオーダのものであることを発見した。
本明細書の方法は、解放培養からPHAが豊富なバイオマスを生成することに関する。バイオマスを含む混合液は、フェドバッチ(fed−batch)反応器に導かれる。反応器は、少なくとも1つのバイオマス刺激ゾーンと、少なくとも1つのバイオマス維持ゾーンとを有する。生分解性化学的酸素需要量(RBCOD)と、生物学的に利用可能な窒素(N)と、生物学的に利用可能なリン(P)とを含むフィードが供給される。フィード中の生物学的に利用可能なN及びPの濃度は、RBCOD比に対する平均Nが、2mg−N/g−RBCODと15mg−N/g/RBCODとの間になり、RBCOD比に対する平均Pが、0.5mg−P/g−RBCODと3mg−P/g−RBCODとの間になるように、RBCODに対して調整される。反応器内のバイオマスの画分は、刺激ゾーン内の調整されたフィードに曝露される。これは、バイオマスの呼吸速度を刺激する。調整されたフィードは、刺激されたバイオマスの平均呼吸速度がバイオマスの現存の最大呼吸速度の50%よりも大きくなるように供給される。調整されたフィードに曝露されたバイオマスの画分は、次いで、維持ゾーンに移動される。維持ゾーンでは、平均RBCOD濃度は、刺激ゾーン内のRBCODの平均濃度の半分未満に維持される。バイオマスを含む混合液は、刺激ゾーンと維持ゾーンとの間で循環される。この結果、刺激ゾーン内のとき、バイオマスの画分は、フィードに繰り返し曝露され、高い呼吸速度に達し、同時に、維持ゾーン内のとき、バイオマスの画分を、低RBCOD濃度であっても、この高い呼吸速度に維持する。
方法は、さらに、フェドバッチプロセス中の少なくともいくらかの期間中、非PHAバイオマスの同時の成長と共に、バイオマス中のPHA蓄積を促進させるように、基質を供給することによって、解放混合培養からのバイオマス内にPHAを生成するためのフェドバッチプロセスに関し、それによって、
a.フェドバッチプロセスは、バイオマス中の増加する又は一定のレベルのPHA含有量で、一定の期間にわたって維持され、
b.バイオマス中で達成されるPHA含有量の安定したレベルは、0.40g−PHA/g−VSSよりも上、好ましくは、0.50g−PHA/g−VSSよりも上、最も好ましくは、0.60g−PHA/g−VSSよりも上であり、
c.易生分解性有機基質又は易生分解性化学的酸素要求量(RBCOD)は、生物学的に利用可能な窒素(N)及びリン(P)と共に、2〜15mg−N/g−RBCODの範囲内の平均のN/COD比、及び、0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲内の平均のP/COD比で供給され、
d.バイオマスは、そうでなければ100mg−RBCOD/L未満、好ましくは10mg−RBCOD/L未満の平均炭素基質濃度の条件下に維持される際に、平均で最大現存呼吸速度の50パーセントを超え、好ましくは70パーセントを超えて維持されるように、全体として、又は部分的に、繰り返し刺激され、
e.バイオマスの画分は、任意の時点で、高い基質濃度のゾーンに循環され、100mg−RBCOD/Lを超える、しかし、好ましくは、500mg−RBCOD/L未満、最も好ましくは、2000mg−RBCOD/L未満のピーク平均有機基質濃度への曝露によって、最大現存呼吸速度に刺激され、
f.フェドバッチプロセスに供給されるバイオマス中のPHAの初期濃度は、0.10g−PHA/g−VSS未満、好ましくは、0.05g−PHA/g−VSS未満、最も好ましくは、0.02g−PHA/g−VSS未満であり、
g.プロセスにおけるバイオマスの初期濃度は、500mg−VSS/Lを超えるが、好ましくは、1000mg−VSS/Lを超え、最も好ましくは、2000mg−VSS/Lを超える。
RBCODとしてのFWP、及び、RBCODとしての酢酸塩に関するPHA蓄積潜在能力(PAP:PHA accumulation potential)(g−PHA/g−VSS)を示すグラフである。 RBCODとしての酢酸塩に関する時間(時間)がたつにつれてのPHA含有量(PHA/g−VSS)及び生成又は消費された質量(g)を示すグラフである。 RBCODとしてのFWPに関する時間(時間)がたつにつれてのPHA含有量(PHA/g−VSS)及び生成又は消費された質量(g)を示すグラフである。 RBCODとしてのFWP、及び、RBCODとしての酢酸塩に関するRBCOD(g−COD/g−COD)におけるバイオマス収量を示すグラフである。 バイオマス無機含有物及びPHAの相対的な初期質量(g/g)に対するPHA蓄積潜在能力(PHA)(g−PHA/g−VSS)を示すグラフである。 消費されるN又はPのパーセントに対するN/COD又はP/CODを示すグラフである。 相対的な質量増加(g/g)に対するN/COD比(mg N/g COD)を示すグラフである。 相対的な質量増加(g/g)に対するP/COD比(mg P/g COD)を示すグラフである。 廃水処理プロセスで本発明を実施するための実施形態を示す概略図である。 概略図である。 PHA蓄積システムのフェドバッチ反応器への様々な成分のフィード及び濃度を制御するための制御概要を示す流れ図である。 PHA蓄積システムのフェドバッチ反応器への様々な成分のフィード及び濃度を制御するための制御システムの概略図である。
混合培養物における廃水生物学的処理及びPHA生成は、2段階事業として実証されている。
第1の段階では、有意なPHA蓄積潜在能力を有するバイオマスを富化するような方法で水質改善のサービスを提供しながら、バイオマスが生成される(BiPP:Biomass Production Process−バイオマス生成プロセス)。米国特許出願公開第2010/0200498号、WO2010/073744A1、及びWO2012/023114A1を含む、当該技術分野での例の開示を参照することができる。BiPPから回収されたバイオマスは、PHA生成のための資源として利用される。一般的に、BiPPから回収されるバイオマスは、無視できるPHA含有量しか有さない。この回収されたバイオマスからのPHA含有量は、10%未満の乾燥バイオマス重量(g−PHA/g−VSS)であるべきであるが、より好ましくは、5%未満、さらにより好ましくは、2%未満であるべきである。
第2の段階では、BiPPから回収された余剰バイオマスは、フェドバッチPHA生成プロセス(PPP:PHA production process)で利用される。PPPの目的は、このバイオマス中のPHA蓄積の高い程度を達成することである。バイオマスのPHA含有量は、有機乾燥固体含有量(g−PHA/g−VSS)の40%よりも高くあるべきであるが、好ましくは、50%よりも高くあるべきであり、さらにより好ましくは、60%よりも高くあるべきである。バイオマスの高いPHA含有量は、できるだけ短い期間で達成されるべきである。一般的に、バイオマス中の最大PHA含有量に達するためのPHA蓄積プロセスは、48時間未満であるべきであり、好ましくは、24時間未満であるべきであり、さらにより好ましくは、12時間未満であるべきである。
PPPにおける現存のPHA生成速度と、平均PHA生成速度との間の違いを認識することが重要である。栄養飢餓PHA生成プロセスでは、現存のPHA生成速度は、一般的に、初期により高く、バイオマスがそのPHA蓄積潜在能力(PAP)に達する数時間後には無視できる。しかしながら、本発明者らは、現存のPHA生成速度が、十分な栄養素が、高い呼吸速度、及びCODの制限された利用可能性と組み合わせて提供されるとき、維持することができ、より高い平均生成速度になり得ることを発見した。栄養素が適切な量で供給される場合、PHA貯蔵有機体及びPHA蓄積の成長を維持することができそれによって現存のPAPがバイオマスによって示され、同時に、全体の活性バイオマス容量が遅れずに増加する。制限されたプロセス時間を前提として、増加した平均PHA蓄積速度は、PPP中のPHAを蓄積する活性バイオマスの同時増加と連動して、プロセスの生産性の向上をもたらすことになる。したがって、実際には、プロセスに十分なRBCOD以外の追加の栄養素を追加することにより、PPPは、バイオマスの最大PHAに達した後、長く生産的に作動させることができる。したがって、フェドバッチ混合培養物PHA蓄積プロセスは、非常に長い期間、生産性向上の目的のために作動させることができる。プロセスにおける高すぎるバイオマス濃度の蓄積を避けるために、PHAが豊富なバイオマスを、バッチプロセス終了の時点ではなく、徐々に時間をかけて回収することができる。一般的に、PHA蓄積プロセスは、バイオマスのPHA含有量が非PHAバイオマス生成と同時に維持される限り、12時間よりも長く、好ましくは、24時間よりも長く、さらにより好ましくは、48時間よりも長く作動させることができる。PPPのために利用可能な時間の制約は、RBCOD、N、及びPを含む原料、並びに、BiPPから回収されるバイオマスの供給速度に関連する。
PHA蓄積は、基質が要求に応じて供給速度で供給されるCODの供給速度と、PHAとしてより迅速に炭素を同化しやすいこれらの微生物によって優先的に高い呼吸速度を維持する適用の手段とによって、促進される。本明細書に示されるように、PPPの開始時にPHA蓄積の最大呼吸に刺激されるこれらの微生物は、また、PHA蓄積の活性と同時に活性バイオマス中で増加すると思われる。これは、バイオマスのPHA含有量の速度増加がゼロ以上でありながら、バイオマスが増加するときに示される。
本明細書で論じる実験結果は、PHAを蓄積することができる回収されたBiPPバイオマス中のこれらの微生物が、COD同化における運動性の競争の有利性を維持するために奨励され得ることを示唆している。適切な活性バイオマス成長のレベルよりも下で、栄養飢餓のレベルよりも上の、選択された制限された栄養素(N、P)の供給は、CODの供給と共に、従来の方法によって与えられる成長及び生成を超えて、PPPでのPHA生成による強固な持続される活性バイオマス成長をもたらす。戦略は、PHAを蓄積するバイオマスの画分が、フェドバッチプロセス操作におけるできるだけ長い間、それ自体の成長のための栄養素の利用のための選択有利性を維持するように、PPPにおけるバイオマスの代謝刺激を発生させることである。そのような有利性は、最大化されたバイオマス呼吸を保証する制限された炭素基質利用可能性の条件の下で栄養素が供給される場合、PPPにおいて促進させることができ、したがって、増加した時間平均PHA蓄積収量を有するバイオマス成長を促進する。組み合わされた成長及び蓄積のそのような条件の下で、フェドバッチシステムからの生成物のより大きい最終的な質量を達成するために、PHA蓄積プロセスを駆動し、PPPを動作させることができる。
一般的には、容易に利用可能な炭素基質による栄養素の利用可能性の下では、成長は、蓄積と比較して恵まれているが、栄養素が制限されている下では、基質のより大きい画分は、蓄積に向かって駆動されることが可能であり、バイオマスの成長は、制限されるようになる。例えば、アンモニウムが制限された条件の下で、成長収量は、増加するアンモニウム濃度に比例して増加し、蓄積収量は、減少する(Serafim他、2004年、Biotechnology and Bioengineering、87:145−160.)。蓄積の過剰な成長がPHAバッチ蓄積の間に発生した場合、バイオマス中のPHA含有量は、最大値に達することになり、非PHAバイオマスの優先的な成長がPHAの蓄積の間に支配的になるので、そこから減少することになる(Bengtsson他、2008年、Bioresource Technology、99:509−516)。したがって、本開示は、バッチ混合培養物PHA精製プロセスから得られるPHAの質量の生産性の増加を達成するための条件を達成する目的のための栄養素及び基質の供給の最適化に関する。
いくつかの学術的な研究が、PPPを用いて行われており、そこでは、バイオマスPHA蓄積潜在能力(PAP)における供給されるN及びPレベルの影響が調査されている。(例えば、Dionisi D他、2004年、Biotechnology and Bioengineering、85:569−579、Dionisi D他、2005年、Journal of Chemical Technology and Biotechnology、80:1305−1318、Dionisi D他、2006年、Biotechnology and Bioengineering、93(1):76−88、Bengtsson S.他、2006年、Bioresource Technology、99:509−516、Johnson他、2010年、Water Research、44.2141−2152、Wen他、2010年、Journal of Environmental Sciences、22(10):1602−1607、Basak他、2011年、Bioprocess and Biosystems Engineering、34(6):1007−1016を参照)。PPPでの栄養素の使用の実験の審査された調査結果にもかかわらず、これらの研究は、主に発現したバイオマスPAPに対する栄養素の影響に焦点を当てており、活性バイオマス成長と組み合わされたPHA蓄積の安定したプロセスを確実に駆動する事に関するPPP生産性には焦点を当てていない。PPPに供給されるバイオマスによって生成されるPHAの質量に関するプロセスの生産性の増加の結果による、PHA蓄積の持続的な活動のためのフェドバッチプロセスの制御に向けたバイオマスへのN及びP供給の選択された範囲の組み合わせを理解することに関して、ノウハウが欠落している。
本明細書に記載の方法は、生物学的処理システムから回収されたバイオマスからのPHAが豊富なバイオマス生成物の生産性を向上させるための手段に関する(例3)。そのような生産性を向上させる手段は、単位体積及び時間あたりに生成されるPHAの質量の増加を達成するものである。蓄積プロセス中に供給されるRBCODに対する窒素及びリンの供給を制御することによって、生成されるPHAが豊富なバイオマスの質量の全体的な増加を達成することができる。蓄積プロセスへの栄養素の選択された追加は、バイオマス中のPHAの含有量を減少させることなく、バイオマスの非PHA蓄積部分を刺激するために使用することができる。PHA蓄積速度を超える非PHAバイオマス生成速度の増加の傾向は、PHAの蓄積なしに成長するバイオマスのプロセスに関して一般的に理解されている栄養素要件に関する制限であるレベルで、窒素及びリンのような栄養素を供給することによって軽減することができる。
一実施形態では、PHA蓄積プロセスのためのバイオマスに生物学的に利用可能な窒素及びリンの供給源の評価が実行される。生物学的に利用可能な窒素及びリンは、蓄積プロセスに配置されているバイオマスを含む(回収された)混合液中にすでに存在する可能性がある。この実施形態では、収集プロセスに導入されるバイオマスを有する混合液は、蓄積プロセスの前に濃化する必要がある可能性がある。濃化された場合、蓄積プロセス中に供給すべきCODの質量に対して窒素及びリンの混合溶液の質量を減少させるために、過剰な水が少なくとも部分的に除去される。濃化し、過剰な水をバイオマスから除去した後、混合液は、直接用いることができる。必要ならば、混合液を、例えば、無視できる生物学的に利用可能なCODと、無視できる窒素及びリンとを含む希釈水で希釈することができる。この文脈では、無視できる窒素及びリンは、蓄積プロセスの過程で、バイオマスに供給される生物学的に利用可能な窒素及びリンが、15mg−N/g−COD及び3mg−P/g−CODの制限の関係でバイオマスによって消費されるべきRBCODの総質量を超えないように、十分に低い初期窒素及びリン濃度を意味する。
生物学的に利用可能な窒素及びリンは、PHA蓄積プロセスのためのバイオマスによって使用されるべきCODの供給を提供する流入液ストリーム中にも存在する可能性がある。一般的に、本発明者らは、窒素及びリンの供給が、蓄積プロセスでのバイオマスの高い呼吸速度を維持するためのバイオマスへのCODの需要と歩調を合わせて提供されるべきであることを発見した。一実施形態では、蓄積プロセスのためのCOD供給を含む流入液は、容易に生物学的に利用可能なCODと共にバイオマスに供給される窒素及びリンの供給が、2〜15mg−N/g−RBCOD及び0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲内に維持されるように、前処理され、又は、他のCODの供給若しくは流入液と混合される。流入液ストリームの前処理又は混合は、RBCOD:N:Pが、蓄積プロセス、PHA及び非PHAバイオマス生成の少なくとも一部をサポートする範囲内に入るように、窒素及びリンの濃度を追加、除去、又は希釈のいずれかをする手段である。当業者は、水から窒素及びリンを除去するために、物理化学的処理のような他の前処理プロセスを使用することができることを理解するであろう。
本出願の文脈では、バイオマスは、PHAバイオマス及び非PHAバイオマスの画分に分割される。バイオマスは、これらの両方の画分の合計である。一般的に、本発明者らは、バイオマスの有機画分、すなわち、反応器要素の揮発性有機固体(VSS:volatile organic solid)濃度掛けるそれぞれのボリュームのみを測定の目的ために検討する。この文脈における「活性バイオマス」は、バイオマスの非PHA画分、又は、言い換えると、総バイオマス(又はプロセスVSS)マイナスPHAバイオマスである。PHAは、バイオマスを構成するバクテリアによる細胞内顆粒として蓄えられるので、本発明者らは、PHAバイオマスと言う。本明細書で開示される栄養素の制限は、「活性バイオマス」における質量増加速度が蓄積プロセスのためのPHAにおける質量増加速度以下であることの高い信頼性を保証することを意図している。
蓄積プロセスの流入液が2〜15mg−N/g−RBCOD及び0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲以下のCOD:N:Pを有する別の実施形態では、窒素及びリンは、主要な流入液COD供給とは別の流入液ストリームとして追加することができる。そのようなプロセスでは、COD供給ストリームの主要な流入液、及び別個の流入液栄養素供給により、栄養素の流入流量は、蓄積プロセスの間、動的に調整することができる。本実施形態では、バイオマス濃度及びPHA含有量は、比較的速いオフライン測定によって、又は、オンラインでも、赤外線又は近赤外線分光法を含む、光吸収の分光法を使用することによって測定することができる。懸濁固形物濃度(VSS)及び懸濁固形物のPHA含有量の両方の変化を並行して考えることができる。そのような測定から、バイオマスのPHA含有量の傾向を、時間的に追跡することができる。この傾向の傾きは、重要である。
・正の傾きは、活性バイオマス生成速度よりも高いPHA生成速度の条件を示す。これらの条件の下では、バイオマスのPHAの全体的な増加によって示されるように、バイオマス中のPHAの正味の蓄積がある。
・ゼロの傾きは、PHA生成速度と活性バイオマス生成速度との間の均衡を示す。これらの条件の下では、プロセスにおけるバイオマスの質量が依然として増加している場合、個々の細胞が同時にPHAを蓄積しながら、バイオマス中のPHA蓄積バクテリアが増加していることが示される。PHAを含むバクテリアが分裂したとき、両方の娘細胞が同じ数のPHA顆粒を受け継ぐことが、当該分野の専門家に一般的に知られている。言い換えると、6つのPHA顆粒を含む細胞が分裂したとき、両方の娘細胞は、3つの顆粒を含むことになる。娘細胞は、再び分裂する前に、「活性質量」及びPHA含有量の両方が比例して増加し、成長し、再び分裂し、と同様に続く。このようにして、個々のセルのPHA含有量は、バイオマスの成長により維持され、バイオマス全体におけるPHAの一定の含有量をもたらす。
・負の傾きは、活性バイオマス生成速度よりも低いPHA生成速度を示し、この場合には、全体としてのバイオマスは、バクテリア細胞増殖又は他の非PHAバイオマス生成に起因して増加しているが、非PHAバイオマスの成長は、一般的に、ここでは、バイオマスPHA蓄積活性と競合する。
限定はしないが、例えば、制御戦略は、以下の定性的な決定要素を含むことができる。
1.正の傾き:PHA含有量は、
a.減少する特定のCOD需要、その後の増加する栄養素供給速度、又は、
b.増加する若しくは一定の特定のCOD需要、その後の一定の栄養素供給速度の維持、若しくは栄養素供給速度の減少
により増加する。
2.ゼロの傾き:PHA含有量は、
a.減少する特定のCOD需要、その後の増加する栄養素供給速度、又は、
b.増加する又は一定の特定のCOD需要、その後の一定の栄養素供給速度の維持、若しくは栄養素供給速度の減少
により一定である。
3.負の傾き:PHA含有量は、
a.減少する特定のCOD需要、その後の停止するフェドバッチプロセス、又は、
b.増加する又は一定の特定のCOD需要、その後の減少する栄養素供給速度若しくは停止するフェドバッチプロセス
により減少する。
本明細書に含まれる知見を踏まえて、そのような制御戦略における栄養素供給速度は、COD:N:P供給が2〜15mg−N/g−RBCOD及び0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲内に保たれるように維持されるべきである。
栄養素(窒素及びリン)が混合微生物培養のバイオマス中のPHA蓄積の生産性を改善することに向けて使用され得る程度は、十分に理解されていない。混合微生物培養からのPHA生成に関する科学文献は、PHAとしての炭素基質蓄積を促進させ、最終的なバイオマス中に蓄積されたPHAの高いレベルに達するために、少なくとも1つの栄養素の制限の下で、PHA蓄積が最高に達成されると考えている。したがって、この対象領域における学術的焦点は、混合培養物PHA蓄積プロセスにおいて、バイオマスのできるだけ高いPHA含有量を達することになっている。逆に、バイオマスの適度に高いPHA含有量が重要であると仮定されている一方で、本開示の焦点は、混合培養物フェドバッチPHA蓄積プロセスからのPHA生成の全体的に改善された生産性を達成するための方法及びプロセスである。PHA蓄積のためのフェドバッチプロセスの高い生産性は、バイオマス中のPHAの総含有量だけに依存せず、さらに、フェドバッチプロセスに供給されるバイオマスの初期量から開始する反応器の単位体積当たりに生成されるPHAの最終的な総質量又は量に依存する。生産性は、さらに、単位体積当たりのPHA質量の生成速度に依存すると考えることができる。生産性はPHA生成プロセスに関して異なる方法で定義され得るが、本開示は、フェドバッチ蓄積で処理されるバイオマスのバット毎の蓄積プロセスに提供されるバイオマスの量に対する、フェドバッチPHA蓄積プロセスに関する生産性の改善に関係する。言い換えると、本明細書に記載の方法及び実施形態は、
1.40%(g−PHA/g−VSS)よりも大きい予想されるPHA蓄積能力を有するが、無視できる初期PHA含有量を有するバイオマスの初期量、
2.一般的に12時間よりも長いが、BiPPからのバイオマスのストリームを管理するコスト及びロジスティクスにおける実際的な考慮事項のため、72時間未満である、供給されたバイオマスからのPHA生成を達成するための定義された利用可能な時間、
を仮定して、フェドバッチプロセス混合培養物蓄積プロセスにおけるPHA含有量の合理的な範囲内のPHAのより大きい全質量を生成する目的がある。
本明細書で開示する方法を利用して、窒素及びリンの同時供給範囲内の有機基質の「需要時供給」の条件の下で高いバイオマス呼吸速度を維持するフェドバッチプロセスは、PHA及び活性バイオマス生成の組み合わせ及び持続した均衡をサポートする。フィード中の制限された栄養素(N及びP)供給、(維持ゾーン環境によって確立された)制限された有機基質の利用可能性、並びに、(刺激ゾーン環境によって確立された)高いバイオマス呼吸速度の組み合わせの効果は、プロセスに供給される活性バイオマスの質量当たりに生成されるPHAのより大きい可能な質量をもたらす。
窒素及びリンの少なすぎる供給は、ほとんどない又は無視できる活性バイオマス成長による独占的又はほとんど独占的なPHA生成のうちの1つとなるようにフェドバッチプロセスを制限する。栄養飢餓のこの場合には、フェドバッチプロセスの潜在能力は、利用されていない。栄養素の最適なレベルがRBCODによって提供される場合、PHA及び活性バイオマス生成の組み合わせは、蓄積プロセスに供給されるバイオマスから生成することができるPHAの総質量において、少なくとも25%の増加、好ましくは、少なくとも50%より多い増加をもたらすことができる。一般的に、より大きいプロセスの生産性は、バイオマスがその現存のPAPによって表されるPHA含有量に達した後、(組み合わされたPHA蓄積により)バイオマス成長の期間を延長することによって増すことができる。
窒素及びリンの多すぎる供給は、バイオマス代謝「需要」を十分に超える有機炭素供給速度との組み合わせで、非PHAバイオマス生成がプロセスを支配し、生産性の正味の減少をもたらすリスクを増大させる。過剰な栄養素及び有機基質の供給のこの場合には、PHA生産性に関するフェドバッチプロセス及びバイオマスの潜在能力は、バイオマスがPHAなしで生成されるので、失われている可能性がある。
高分子量のPHA蓄積の目的のための全体的に高いバイオマス呼吸速度を維持するプロセスにおける需要時の炭素基質の搬送の実施形態は、以前にWO2011/070544A2に開示されている。バイオマス呼吸能力が少なくとも1つの刺激ゾーン内のバイオマスの画分の繰り返される刺激によって維持される、需要時のフェドバッチプロセスのプロセスが記載されている。しかしながら、フェドバッチプロセスの少なくとも一部の間、バイオマスにおける成長及びPHA蓄積の組み合わせを促進される傾向がある栄養素供給の条件は、以前に開示されていない。
富化されたPHA蓄積潜在能力を有する混合培養物を含むバイオマスは、0.40g−PHA/g−VSSを超えるレベルまでのPHAのかなりの量を蓄積することを期待することができる。実際にはより頻繁に、0.50g−PHA/g−VSSを十分に超える混合培養物PHA蓄積結果が実証されている。混合培養物バイオマスにおけるPHA蓄積潜在能力のこれらの高くて均一な過剰なレベルは、しばしば、バイオマスへの窒素及び/又はリンの供給なしに、バイオマスにRBCODだけを供給することによって実証されている(例えば、Johnson et.al.、Biomacromolecules 2009、10、670−675の開放培養結果を参照されたい)。しかしながら、PHA蓄積を伴いかつバイオマスのPHA含有量を犠牲にすることなく、活性バイオマス生成の組み合わせを刺激するために、そのような蓄積プロセス中に栄養素を追加するためのレシピは、以前には記載されていない。
本発明者らは、40パーセントと70パーセント(g−PHA/g−VSS)との間のPHA蓄積潜在能力を有するバイオマスに関して、フィードのCOD:N:P比は、200:0.4:0.1と200:3:0.6との間にあるべきであることを発見した。制限された量の生物学的に利用可能な窒素及びリンをRBCODと共に加えることによって、需要時供給プロセス制御戦略により、本発明者らは、活性バイオマスの同じ初期ソースからのPHAの生産性の増加を発見した。生産性におけるこの増加は、同じRBCODを有するが、窒素又はリンをフィードに追加しない、バイオマスの同じソースからのPHAの蓄積に対してであった。RBCODの同じ供給で、過剰な栄養素を追加した(すなわち、200:5:1を超えるCOD:N:P)とき、本発明者らは、バイオマスが、PHA蓄積潜在能力におけるその期待される潜在能力に到達することなく、活性バイオマスに成長することになるリスクの増加を観察した。
本開示は、開放培養プロセス条件の下での混合培養物のためのフェドバッチPHA生成プロセスに向けられた方法に関し、それによって、改善されたプロセス生産性が、フェドバッチプロセス中の制限された活性バイオマス成長を促進させるように、
・窒素とリンの両方の制限された利用可能性と組み合わされた、
・易生分解性炭素源の制限された「需要時の」利用可能性による高いバイオマス呼吸を保証することによって達成され得る。バイオマスにおける成長及びPHA蓄積の組み合わせを維持することは、蓄積プロセスの過程で、オンライン及び/又はオフラインで容易に監視することができる。フェドバッチプロセスは、時間若しくは生産性の目標が達成された時点(収穫逓減の基準)で、又は、生産性の減少の始まりが検出されるように、成長の条件がPHA蓄積を上回った時点で終了することができる。生産性のそのような減少は、例えば、バイオマスのPHA含有量における進行的な減少をもたらす、PHA蓄積速度を超える成長の始まりに起因する可能性がある。
PHAを生成する混合微生物培養物における微生物バイオマスは、細胞内顆粒としてPHAを蓄積することができる有機体と、PHAを蓄積しない有機体とを含む。再び、本明細書の活性バイオマスは、サンプルのPHA質量を差し引いた総バイオマスの量を表す。本明細書で開示する方法及びプロセスの1つの目的は、PHAを蓄積し続けながら成長する活性バイオマスの画分の優先的な成長と並行してPHA蓄積を促進させるように、フェドバッチプロセス中の条件を作成することである。
フェドバッチ蓄積プロセスのための合理的な時間内に単体積当たりに生成されるPHAの増加した質量に到達することは、具体的には、単体積当たりの成長及び蓄積速度に関して、活性バイオマスの成長及びPHA蓄積の組み合わせを促進させることを必要とする。そのような組み合わせは、主基質としての易生分解性有機炭素又はRBCODに対してバイオマスと共に供給される栄養素の量によって影響される可能性がある。栄養素の追加は、バイオマス中のPHA含有量が少なくとも一定、又は、より好ましくは時間的に増加するように選択される。PHA蓄積のために典型的に使用されるRBCODは、揮発性脂肪酸である。ここで、本発明者らは、混合微生物培養において増加した生体高分子の生産性を達成するために必要なフェドバッチPHA蓄積プロセスを駆動するための条件を発見しており、戦略は、バイオマスのPHA含有量が、延長された期間(6時間〜72時間)の間、40%g−PHA/g−VSSよりも高い有意なレベルに維持されるように、PHA蓄積活性バイオマスの成長とPHA蓄積の両方を刺激することである。混合微生物培養物での課題は、蓄積プロセス中にそのようなPHA蓄積有機体の成長を優先的に促進させることである。本発明者らは、バイオマス中のPHA蓄積有機体の優先的な成長及びPHA蓄積活動は、
1.選択されたN/COD(mg−N/g−RBCODとして)及びP/COD(mg−P/g−RBCODとして)の比の範囲内でRBCODとともに栄養素の窒素及びリンを同時供給する、
2.最大又は最大に近い呼吸速度を維持するような方法でCODを供給する、並びに、
3.炭素基質を「需要時」であるように制限し、それによって、同時のPHA蓄積ではない種類の活性バイオマス成長の開始を妨げるように、そうでなければCODの利用可能性が最小限である環境にバイオマスを維持する
の組み合わされた条件の下で、フェドバッチシステムにおいて達成することができることを発見している。
バイオ処理を必要とする多くの廃水流は、易生分解性CODに加えて栄養素を含み、したがって、そのような流れからの効率的なPHA生成は、最も高いPHA生産性を与えるCOD:N:Pの実際的な作用範囲を確立することに依存する。N又はPが必要であるよりも多い又は少ないCOD流を含む場合には、フィードの目標COD:N:Pは、PHA蓄積活性バイオマス成長によるPHA蓄積を維持する目的を提供するCOD:N:P比に到達するために、必要に応じて、COD若しくはN及びPの他の供給源を組み合わせることによって、又は、N及びPを除去することによって調整することができる。本発明者らは、そのようなやり方が、そのようなフェドバッチプロセスにおける全体的な生産性を大幅に改善することに適用され得ることを発見している。
例1.RBCODとしてアセテート又はVFAの混合物を含む工業プロセス水のいずれかを使用するPHA生成プロセスにおけるN/COD及びP/CODフィード供給比の影響の評価。
2系統の需要時供給フェドバッチPHA生成実験が、2つのそれぞれのRBCOD供給源を用いて行われた。PHA生成フェドバッチプロセスの評価を含んだ実験の各系統は、プロセスフィードにおける適用されたN/COD(mg−N/g−RBCOD)及びP/COD(mg−P/g−RBCOD)比の範囲にわたって進行する。すべての実験に関して、バイオマスの同じ供給源が使用された。
材料及び方法
ソースバイオマスは、かなりのPHA蓄積潜在能力で富化された活性スラッジの混合培養物であった。このバイオマスは、パイロット規模のSBR(400l)で生産された。パイロット規模のSBR(バイオマス生成プロセス又はBiPP)は、フィードのためのRBCODの供給源として発酵されたチーズホエー透過液を用いて、OLR=1〜1.6g−COD/L/d、SRT=4〜8d、及びHRT=1〜2dの好気的饗宴−飢餓選択条件の下で、3年よりも長く作動された。SBRサイクル(飢餓)の終わりに回収された余剰バイオマスは、PHA蓄積能力において安定した性能を有していた。したがって、バイオマスは、PHA生成の生産性に対する所与のRBCODによる栄養素レベルの影響をテストするための富化バイオマスの供給源として使用された。
蓄積フェドバッチセットアップは、各々、DO(Oxymax W COS41、Endress+Hauser)、pH(H63 Schott Instruments、Reagecon standards;Liquisys M CP 223/253トランスミッタ)、及び温度プローブ、隔膜フィードストック−投与ポンプ(Grundfos DME)、磁気撹拌プレート(400rpm)、空気供給用の空気ポンプ、及び、温度調節水ジャケットを備えた、2つの並列作動された1l反応器(0.5l作動容量)で構成された。各蓄積実験のために、2つのフェドバッチ反応器は、並列に作動された。一方のフェドバッチ反応器は、常に同じN/COD及びP/COD比を使用する基準であり、それによって、それぞれの実験系統の過程でバイオマス性能の一貫性を確認するための実験対照として用いられた。第2のフェドバッチ反応器では、異なる範囲のN/COD又はP/COD比が適用された。基質送達は、需要時供給呼吸制御(WO2011/070544A2)に基づく、トリガパルスにおける半連続なものであった。そのような小規模の実験室プロセスでは、刺激ボリューム及び維持ボリュームを組み合わせ、それによって、プロセスにおけるすべてのバイオマスを同時に刺激することが実際的であることに留意されたい。工業規模では、WO2011/070544A2によって具体化された方法は、バイオマスの画分が別個の刺激ゾーン内で所定の時間刺激される、バイオマスの非同時刺激の方法を開示している。
蓄積は、2mg/lよりも高い溶存酸素レベル、及び、200mg−RBCOD/lのパルス当たりの基質濃度の基質刺激で、30℃の一定温度で24時間実行された。両方の反応器からのプロセス混合液(4〜10ml)のグラブサンプルは、プロセス性能を監視するために、蓄積の間の選択された時点で収集された。
2系統の蓄積実験は、2つの異なるRBCOD供給源、発酵チーズホエー透過液(FWP)及びアセテートで実行された。FWP(表1)は、8〜12dのHRTで作動されたパイロット規模のCSTR(V=200l)で生成され、発酵された放流水が、使用前に4℃で冷蔵保存された。FWPは、400−LパイロットBiPPにおけるバイオマス生成のために使用されたフィードストックとして使用されたのと同じRBCOD供給源であった。
4つの蓄積実験の最初のセットでは、目的は、バイオマス応答に対するN/COD比の影響を評価することであった。ここで、基準反応器には、規定されたレベルのN/COD及びP/COD(表2)を含んだFWP対照フィードを供給した。並行反応器には、フィードストック選択された範囲のN/COD比(表2)をカバーするようにNHClを追加した同じFWPを供給した。蓄積のうちの一方では、N及びP飢餓状態(N/COD=0、P/COD=0)が、FWPのVFA組成及びpH(表1)を模倣するVFA混合物を使用することによって適用された。リンは、FWPにおいて過剰にある(表1)とみなされ、したがって、実験の第1のセットでは、N/COD比のみが系統的に変化された。FWPによる各実験の前に、BiPPを発生源とするバイオマス混合液中の残留栄養素レベルの変化に起因する実験の変動の影響の可能性を除去するために、SBRバイオマスが遠心分離され(4000xg、5分)、次いで、水道水に再懸濁された。
7つの蓄積の第2のセットは、酢酸ナトリウム(50g−COD/L)のフィードストックCODを用いて行われ、ある範囲のNHCl及びNHPHレベルが、フィードにおける異なるN/COD及びP/COD比(表3)を目標とするために適用された。これらの蓄積実験では、フィードストックにおける栄養素レベルの影響を比較する一貫した基盤を維持するために、SBRバイオマスは、遠心分離され(4000xg、5分)、緩衝溶液(0.248g−NaCO/L、0.262g−NaHCO/L、0.5g−MgSO・7HO/L、0.25g−CaCl・2HO/L)に再懸濁された。pHは、蓄積中、7〜8の間であった。微量栄養素は、実験の開始時に、それぞれ、0.2及び0.6mlのFe/Zn原液及び微量元素溶液の単独追加によって提供された。Fe/Zn溶液は、7.8g−FeCl・6HO/L及び0.78g−ZnSO・7HO/Lを含み、微量元素溶液は、0.25g−HBO/L、0.25g−CoCl・6HO/L、0.205g−MnCl・2HO/L、0.1g−NaMoO・2HO/L、0.05g−CuSO・5HO/L、及び0.3g−KI/Lを含んだ。フィードのpHは、4M NaOHで3.5に調整された。100:1:0.9のフィードの固定されたCOD:N:P比が、基準反応器における実験対照として適用された。並行蓄積反応器では、適用されたCOD:N:P比は、飢餓、制限、及び過剰のN及びP条件をカバーした。制限及び過剰の定義は、FWP(表2)による蓄積の第1のセットにおける同じSBRバイオマスによる観察された栄養素除去に基づいて定義された。実験の両方のセットにおいて、基準蓄積は、実験が実行された期間にわたるPHA蓄積潜在能力におけるSBRバイオマスの性能の再現性を評価するために使用された。
蓄積反応器からの混合溶液サンプルは、遠心分離され(5分間4000xg)、遠心分離液は、次いで、濾過された(Munktell MGA、1.6μm)。濾液は、可溶性COD(LCK114)、N−NH (LCK138及び238)並びにP−PO 3−(LCK349及び350)について、必要に応じて蒸留水希釈液を使用して、ハック・ランゲ法(LT100、Xion500分光光度計)によって分析された。VFA濃度は、少し修正したMorgan−Sagastumeら(2010.Water Res.44:5196−5211)により、0.22μmフィルタを通してさらに濾過した後、ガスクロマトグラフィ(Perkin−Elmer Autosystems)によって測定され、25%の蟻酸及び3gL−1クロトン酸を含む内部標準が、0.9mlの濾過サンプルに加えられた。
バイオマスペレットは、70℃で一晩乾燥され、TSS測定のために秤量され、次いで、PHA分析のために使用された。混合液TSS及びVSSは、標準的な方法(APHA、1998)に基づいて、蓄積の開始、中間、及び終了時に測定された。バイオマスペレットのPHA含有量は、他の場所で以前に報告されたように(Werker他 2008.Water Res.42:2517−2526)測定された。P(3HB)及びグルコース(Aidrich36、350−2)は、それぞれ、3HB及び多糖類の校正標準のために使用された。
バイオマス中のPHA含有量は、g−VSS当たりのg−PHAとして計算された。収量は、消費されたCODによって形成されたPHAの質量(1.67g−COD/g−/PHB及び1.92g−COD/g−PHV)を変換することによって、COD基準で計算された。活性バイオマス(X)は、PHA含有量を減じたVSSとして定義された。COD基準でのバイオマス生成を考慮するために、1.42g−COD/g−Xの変換係数が、CNOの公称バイオマス組成を仮定してCOD基準で活性バイオマスを表すために使用された。全体のバイオマス収量は、したがって、消費されたRBCODに対するCOD基準で生成された推定VSSであった。
経験的な漸近的又は二次の関数が、バイオマスのPHA含有量、VSS生成、及びCOD消費の測定値から時間(t)での質量収支傾向を表すために使用された。それぞれの時間ベースの経験的関数の導関数は、変化の累積パラメータ率に関する傾向を推定するために使用された。
結果及び考察
図1は、数ヶ月にわたる22のPHA生成実験にわたる発現したPHA蓄積潜在能力におけるバイオマスの性能の一貫性を示す。全体的に、バイオマスは、50%と70%(g−PHA/g−VSS)の間のPAPを示した。PAPにおける異常値は、アセテートRBCODに関して観測され、そうでなければ均衡している、リンに関する窒素制限及び窒素過剰に関連していた。過剰なNと均衡するPの結果は、過剰な栄養素による性能は、十分に強くない可能性があることを示唆した。いずれにしても、(必要な場合)栄養素を追加するコストのため、及び/又はPHA生成の放流水管理のため、蓄積プロセスのために過剰に栄養素を追加することは、有利ではない。理想的には、PHA生成プロセスからの放流水は、プロセス放流水管理における不必要な運用コスト及び投資を回避するために、できる限り処理された廃水であるべきである。
図2及び図3は、すべての場合において需要時供給プロセス方法によって供給されたアセテート及びFWP RBCOD基質に関するPHA蓄積の典型的な観測された傾向を示す。これらの図では、バイオマスPHA含有量(a)、RBCOD消費量(b)、バイオマス(VSS)生成量(c)、及びPHA生成量(d)の典型的な経験的フィット傾向が示されている。図2では、活性バイオマス成長の開始は、経時的にPHA生成を超えるバイオマス生成の傾向によって観察される。その間じゅう、常にゼロ以上であるPHA含有量の傾きによって示されるように、PHA蓄積速度は、活性バイオマス生成以上である。図3は、FWP基準の蓄積の場合に関して、活性バイオマス生成は、やがてPHA含有量において観測された最大値のために、PHA生成活動を引き継ぐようになり、PHA含有量の傾向における最終的な負の傾きが観察された。
RBCODにおけるバイオマスの収量は、RBCOD供給源としてFWPの場合に関して、平均してより大きかったが、RBCODにおけるバイオマスの全収量は、比較的一貫していた(図4)。バイオマスは、FWPを処理するプロセスから供給され、したがって、このフィードストックのより多様な有機内容物への順応のより高いレベルを期待することができる。もう一度、異常値は、制限された(FWPの上ひげ(upper whisker))又は過剰な(アセテート異常値)窒素供給と関連していた。したがって、RBCODにおけるバイオマスの最も低い収量は、過剰な窒素の場合のためであった。この観察は、RBCODとしてFWPを使用する際の過剰な窒素に関しては再現されなかった。本発明者らは、生物系においてすべての要因を制御することが困難であるとして、栄養素の部分的な制限に基づいて非PHAバイオマス成長を制限する厳しい制約が欠けているために、工業化プロセスの信頼性にとって最も多くのリスクを導入する過剰な栄養素の条件を考えた。しかしながら、それにもかかわらず、FWP蓄積の場合について、PHA生成の良好な生産性が、いくつかの場合では、過剰な栄養素を供給されたRBCODについてでさえうまく達成され得ることを観察することが実際的に重要であった。
すべてのことがPHA蓄積プロセスについて等しくても、それにもかかわらず、PAPにおけるいくらかの変動が、同じ供給源から来るバイオマスによって発現し得ることを観察することが重要であった(図5)。観察された相関は、RBCODとしてアセテートを用いるバイオマスの発現した最大PHAに関して、及び、適用された栄養素均衡((N/COD,P/COD)=(10,9)mg/g)の複製された対照(基準)条件に関して注目された。ここで、Ashは、初期バイオマスの無機質量を指し、PHAは、初期バイオマスのPHAを指し、Xaは、初期活性バイオマスを指す。バイオマスの初期PHA及び無機材料含有量の違いは、RBCODとしてアセテートを用いる系列の実験の7セットに使用されたバイオマスの多かれ少なかれ「飢餓」ストレスを示唆した。したがって、混合培養物のためのPHA生成の生産性を最適化する方法及びプロセスのこれらの観察及び知見にもかかわらず、供給源からのバイオマス履歴も、PHA生成プロセスにおける生産性の結果になんらかの変動を導入する可能性がある。
調査の主な目的は、40〜70g−PHA/g−VSSの間のPHAを発現するバイオマスを与えられた混合培養物PHA生成のための最適な栄養素範囲を確立することであった。改善されたプロセス生産性を達成するために必要な活性バイオマス生成をサポートするために、十分な栄養素が提供されるべきである。しかしながら、過剰な栄養の追加は、非PHA蓄積バイオマス成長を過度に制限することになるプロセス制約の損失のため、及び、可能な限り最高のプロセス放流水品質基準を維持するために必要な基本要件のため、回避されるべきである。図6では、アセテートRBCOD系列(黒丸)から、及び、FWP RBCOD系列(黒丸)からの栄養素消費のデータが提示されている。四角記号は、適用されたP/CODの関数としての消費されたパーセントPのため、及び示されているように一定の適用されたN/CODのためのものである。円形記号は、適用されたN/CODの関数としての消費されたパーセントNのため、及び示されているように一定の適用されたP/CODのためのものである。
図6にまとめられた、適用された栄養素のパーセント消費のデータは、N/CODが制限された(10mg−N/g−COD)際の約2mg−P/g−CODの最適なP/CODを示唆した。過剰なP/CODの場合について、これらのデータは、約15mg−N/g−CODを超えるN/CODが過剰であったことを示した。
(図6のデータから示されるように)栄養素が制限又はほぼ制限されたレベルで供給される場合、本発明者らは、プロセスに供給される活性バイオマスの質量当たりに生成されるPHAの質量の生産性により、フェドバッチPHA生成プロセスが需要時供給戦略に基づいて確実に動作することができることを見出した(図7及び図8)。栄養飢餓が適用される場合、バイオマスは、同様のPAPを発現し得るが、任意の活性バイオマス成長の不在下で、PHAの生産性は、少なくなる。栄養飢餓の下では、PHAが発現すると、バイオマスは、呼吸にますます反応しなくなるので、より多くのPHA生成を得るために動作時間を延長する機会は、ほとんど又はまったくない。この場合には、追加されたRBCODは、一般に、混合液中に蓄積し始める。栄養過剰が適用される場合、本発明者らは、PHA蓄積なしの活性バイオマス成長の発生がもはや制限されないリスクを観察した。栄養過剰のこの場合には、低PAPの発現、及び/又はPHA生成速度を超える活性バイオマス成長速度の発生は、PHA生成プロセスが駆動され得る時間の長さを制限する。栄養素の制限された供給は、長い時間の蓄積を達成する条件を促進し、そこでは、バイオマスのPHA含有量は、比較的一定のままであるが、生成される材料の質量は、やがて次第に増加する。この場合には、プロセスがより長く動作状態に保たれていれば、プロセスの生産性は、増加する。動作の長さは、この場合には、BiPPからのバイオマスの供給速度と、この、ここでは、タンクの利用可能な資源により加えられるストリームの値、及びPHA生成プロセスのためのRBCOD供給を管理する進行中の必要性とにより、工業的な実施において制限されるようになる可能性がある。
例2.パイロット規模での好ましい実施形態の実証
フェドバッチ蓄積プロセスにおける需要時供給によって増加するPHA生成潜在能力は、パイロット規模で実証された。選択されたN/COD及びP/COD基質比は、廃棄活性スラッジからのPHA生成のためのRBCODとしてアセテートを使用して適用された。バイオマスは、都市下水の生物学的処理の過程で、PHA蓄積能力において富化された。
材料及び方法
2つのフェドバッチ蓄積が、呼吸測定(WO2011/070544A2)に基づいて制御される需要時供給で、N及びPの追加あり及びなしで、RBCOD供給源としてアセテートを使用して行われた(83〜100g−COD/Lフィードストック、NaOHにより5に調整されたpH)。栄養素追加ありの蓄積では、NHCl及びKHPOが、100:1.2:0.07のCOD:N:P比を有するフィードに追加された(mg−N/g−RBCOD=12、mg−P/g−RBCOD=0.7)。目標N/COD及びP/COD値は、増加したPHA生産性を得るために例1で決定された範囲内であり、反応器中の濃度を刺激する目標呼吸は、80〜110mg−COD/Lの範囲であった。
約1g−VSS/Lの初期活性スラッジバイオマスレベルを有する400L蓄積反応器が使用された。活性スラッジは、増加したPHA蓄積潜在能力のための好気的饗宴−飢餓選択の確立された条件(WO2012/023114A1)の下で都市下水を処理するパイロット規模の反応器から供給された。PHA生成プロセス中にとられたグラブサンプルからの水質分析は、例1で説明したのと同様に実行された。
両方の蓄積は、25℃で行われ、20時間持続した。2つの実験における可溶性の全体のNの初期レベルは、正確に同じではなかった。N及びPの追加なしでのN濃度は、最初に13mg−N/Lであり、N及びPの追加ありでの開始濃度は、6mg−N/Lであった。
結果及び考察
テストにおける利用可能なN(最初に存在する及び/又は追加された)は、それぞれの蓄積の過程でバイオマスによって同化された(除去効率≧92%)。パイロット規模での原理のこの実証の結果は、表4にまとめられている。好ましい実施形態の範囲で供給された栄養素、及び、PHA蓄積の需要時供給方法の適用は、P飢餓の基準条件に対して20時間の生成プロセスにわたる特定のPHA生成において85パーセントの増加をもたらした。
例3.商業的実施のための実施形態
限定はしないが、知見の実施態様の実際的な表現を、図7に図式的に提供する。図7を参照すると、廃水処理プロセス(2)は、流入液(1)を受け、放流水質(3)に関する必要な基準を満たすために、水質を改善する。バイオマスは、プロセスにおいて生成され、バイオマスは、プロセスから分離され(4)、それによって、混合液からの過剰な水が、放流水質と同様の制約で排出される(5)。希釈水(6)を脱水バイオマスに混合することができ、(2)から回収されたバイオマスは、フェドバッチPHA蓄積プロセス(7)に配置される。
水処理施設からのバイオマスは、PHA蓄積のための能力において有意な潜在能力で富化される。富化の技術分野において教示する実施形態の例は、US2010/0200498、WO2011/070544A2、WO2011/073744A1、WO2012/022998A1、及びWO2012/023114A1において見出すことができる。富化は、PHAとしてその乾燥重量(g−PHA/g−VSS)の少なくとも40%、好ましくは50%超を含むPHAが豊富なバイオマス(8)の結果により、(2)から(7)に配置されたバイオマスがPHAを蓄積することを可能にする。(7)のプロセス実施形態の例は、WO2012/022998A1に見出すことができる。PHAが豊富なバイオマス(8)は、WO2012/022998A1によって教示されるように、バイオマス中のPHAの熱安定性を確実にするために、さらに処理することができる。PHA蓄積プロセス(7)からの放流水(9)は、排出のための水質基準を、放流水(3)及び(5)についてと同様に満たす、又は満たすようにされなければならない。
COD及び/又は栄養素(N及びP)を蓄積プロセス(7)に供給するいくつかの流入液ストリームのうちのいずれか1つが存在することができる。流入水ストリームのいくつか又はすべては、フィードのRBCOD含有物の品質を改善するか、さもなければ、供給源の栄養素含有量を調整する(増加させる、又は減少させる)手段として、なんらかの前処理(13及び14)を必要とすることができる。平均して、栄養素が2〜15mg−N/g−RBCOD及び0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲でRBCODによって供給されるように、流入水ストリームは、RBCODの基質の(7)への供給に到達するために、必要に応じて(15)混合することができる。いくつかの実施形態は、さらに、プロセス水質、バイオマス生成量、及びバイオマスPHA含有量を測定し、それによって、流入液ストリーム及び/又はプロセス全体の混合、及び供給の速度を調整するために制御戦略のためのフィードバックを提供するために、1つ又は複数の方法及び/又はデバイスを含むことができる。例えば、蓄積プロセスは、バイオマス呼吸、バイオマス濃度、及びバイオマスのPHA含有量の発達を反映する時間的な傾向を提供するオフライン及び/又はオンライン測定を含む。この情報に基づいて、プロセス監視(10)に対するプロセス制御応答(11)は、プロセスのための需要時供給RBCOD取り込み速度を確立し、2〜15mg−N/g−RBCOD及び0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲内のフィード内の栄養素バランスを調整するために使用される。
例4.バイオマス呼吸の刺激及び維持
単純な実験室での練習として、呼吸刺激の原理は、実施の実験で実証された。限定はしないが、都市下水を処理するパイロット規模の生物学的窒素除去プロセスからの活性スラッジが用いられた。バイオマスは、最近実証されているように(Anterrleu他、2013.New Biotechnology、DOl−10.1016/j.nbt.2013.11.008)、嫌気的饗宴と好気的飢餓を使用して、選択の饗宴−飢餓戦略に基づく有意なPHA蓄積潜在能力を示すために富化された。活性スラッジは、好気的飢餓サイクルの終わりに、パイロットプロセスから回収された。
非エアレーションの100ml容器において、5g−VSS/Lの濃度のバイオマスは、100mg−COD/Lの呼吸刺激RBCOD濃度に到達するように、アセテートと共に投与された。容器の溶存酸素量は、ごくわずかであり、内容物は、呼吸刺激の時間を表す1分間混合された。
この刺激の周期の後、バイオマスは、バイオマスを含まず、700mlの量の希釈水を含む、よく混合された維持反応器に移された。希釈水は、溶存酸素(DO)で予め飽和され、バイオマス呼吸速度は、溶存酸素の減少時における線形傾向から評価された。溶存酸素が約5mg−O/Lに減少した後、希釈容器へのエアレーションが導入された。溶存酸素は、一般に、飽和値未満の定常状態値に増加する。溶存酸素のその後の突然の増加は、追加されたRBCODの完全な消費を示した。RBCODは、8倍に希釈されたが、刺激ゾーン接触濃縮によって確立された呼吸レベルは、約12mg−COD/Lへの基質希釈後、維持された。
基質が消費され、溶存酸素が、初期の飽和値に近い定常状態のDO濃度に再び増加した後、アセテートの第2のパルスがバイオマスに加えられた。このとき、同じ質量のCODが加えられるが、この質量は、このとき維持容器内にあったバイオマスに加えられた。この基質の第2のアリコートを加える直前に、維持容器のエアレーションは、止められたので、呼吸速度は、以前のように基質消費の期間と同様に監視することができた。同じ質量の基質を維持ゾーンに加えることによって、はるかにより低い、公称では12mg/Lの「刺激濃度」が確立された。
この例では、100mg−COD/Lにおける非好気的呼吸刺激は、0.24mg−O/L/分の呼吸速度をもたらした。刺激容器内でのより高い濃度との接触時間の利益なしに同じ質量の基質を加えることによっては、同じバイオマスの呼吸は、0.18mg−O/L/分のみであった。したがって、30%より高い呼吸速度が、刺激容器の使用によってバイオマスにおいて達成され、このより高い呼吸速度は、維持ゾーン又は反応器内の大幅により低いRBCOD濃度の環境内で維持することができた。
簡単な実験の第2のセットでは、50〜60パーセント(g−PHA/g−VSS)の間の公称PHA蓄積潜在能力を有するバイオマスの呼吸は、200−mg−COD/Lの刺激RBCOD濃度に達するようなアセテートのインパルス追加によって、内因性の呼吸速度のレベルから饗宴呼吸のレベルに刺激された。バイオマス刺激容器は、約1800mg−VSS/LのVSS濃度でよく混合された1リットルの混合液を含んでいた。容器内の石の拡散器に接続された小型の水槽ポンプが、エアレーションのために使用された。
実験は、以下のように進み、すなわち、溶存酸素は、7〜8mg−O/Lの間にされ、その後、エアレーションが止められ、溶存酸素濃度が監視され、DO値が10秒毎に記録された。バイオマスの内因性呼吸により溶存酸素が6未満に低下した後の選択された時点で、アセテートが反応器中にパルス状に追加され、呼吸応答が、溶存酸素消費の速度の増加の開始によって監視された。溶存酸素が2mg−O/L未満に低下した後、エアレーションがオンにされ、溶存酸素レベルは、レベルが基質消費を示す7〜8mg−O/Lの間の定常状態値に再び増加した後、内因性レベルの呼吸に戻るまで追跡された。呼吸刺激の手順は、次いで、2回繰り返され、全実験手順が再現された。
溶存酸素の傾向は、溶存酸素プローブの経験的に決定された一次遅れ定数について補正され、内因性から刺激された呼吸速度への傾きの傾向は、最小二乗回帰分析によってフィッティングされた。これらのデータから、容器への基質のインパルス追加の時点から刺激された呼吸を示す時点までの遅延時間が推定された。基質濃度の突然の上昇による増加した呼吸のバイオマス刺激の応答時間は、比較的短く、容器内の均一な基質濃度に到達するために必要な混合時間スケールの考慮なしで、12±3秒であると推定された。したがって、蓄積プロセスの好ましい実施形態における刺激ゾーン内のより高いRBCOD濃度によってバイオマスが影響されるために必要な最短時間は、控えめに、1分程度の時間スケールであると考えられた。
制御システムの実施形態
上述したように、本明細書に記載の方法又はプロセスは、RBCODに対するリン及び窒素の比をある範囲内に維持することを伴う。一実施形態では、平均して、RBCODに対する窒素の比は、一般的に、2〜15mg−N/g−RBCODの範囲内に維持され、RBCODに対するリンの比は、0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲内に維持される。図11は、フェドバッチ反応器の1つ又は複数のタンクに向けられ、PHA蓄積システムの一部を形成するフィードストリームの構成(特に、窒素、リン、及びRBCOD)を制御するように設計された制御システム100を示す。図11に示す制御システムは、1つの例示的な制御システムである。他のものが存在する。加えて、図12は、フェドバッチ反応器に向けられているフィードストリーム中への窒素、リン、及びRBCODの混合を制御するための1つの例示的な論理制御を説明する論理制御図である。制御システム100と同様に、図12の制御論理図200は、そのような論理制御手法の1つの例示的な実施形態にすぎない。
図11を参照すると、制御システム100がそこに示されている。制御システム100は、PHA蓄積プロセスに向けられたRBCOD、N、及びPの量を制御するように設計される。上述したように、本発明の方法は、RBCODに対する窒素及びリンの比をある範囲内に制御することが、蓄積プロセスに供給されるバイオマスからのPHAの生成の質量を増すことを伴う。
制御システム100は、符号20によって全体的に示す一連のセンサを含む。センサは、プロセスにオフラインとオンラインの両方で行うことができる測定を具体化するが、一般的には、検出からのデータは、蓄積プロセスのタイムフレーム(典型的には、数分又は数十分)に対して短いタイムフレーム内で提供される。センサ20は、PHA蓄積プロセスの一部を形成するフェドバッチ反応器内のプロセス変数のレベルを感知するように適合される。加えて、制御システム20は、センサ20からデータ入力を受信し、制御動作を決定するためのコントローラ40を含む。コントローラ40には、一連の栄養素源12に動作可能に接続された一連のインジェクタが関連付けられる。一実施形態では、栄養素源12は、1つ又は複数のリンの供給源と、1つ又は複数の窒素の供給源と、1つ又は複数のRBCODの供給源とを含む。プロセスへの少なくとも2つの独立した供給源が存在し、それによって、各供給源は、RBCOD、N、又はPの濃度に関して少なくとも1つの方法で区別される。
センサ20は、PHA蓄積システムのフェドバッチ反応器内に配置されたバイオマスの濃度、及びバイオマス中のPHAのレベルを検出するためのセンサ22を含む。センサ24は、フェドバッチ反応器内の混合液のCOD又はRBCODレベルを検出するために用いられる。センサ26は、混合液中の窒素レベルを検出するように機能し、センサ28は、混合液中のリンレベルを検出するように機能する。センサ20は、一般的に、これらのプロセス変数を連続的に監視することができる。一実施形態では、1つ又は複数のセンサは、赤外線検出のような分光法を取り入れることができる。センサ22、24、26、及び28からの信号は、それぞれ、導体23、25、27、及び29を経て、コントローラ40に導かれる。この例示的な実施形態は、反応器内で生じる測定を示しているが、当業者は、この例示的な例の実施形態又は精緻化が存在し、そこでは、濃度のような他の変数も、フィードにおいて測定することができ、コントローラロジックへの入力として使用することができることを認識する。
コントローラ40は、当業者には公知の入力信号条件付き機能を含む。さらに、コントローラは、RBCODに対するNの比及びRBCODに対するPの比を制御する目的のためにインジェクタ15に伝達されるコマンドを形成するロジックを実現するように動作する。コントローラ40は、また、フェドバッチ反応器内で生じるプロセスが、PHAが豊富なバイオマスを回収することを必要とする条件を作成するときを決定し、そうでなければプロセスを終了又は一時停止するためのロジックを実現する。一般的に、これらの条件は、概してバイオマス生成の速度に対するバイオマス中のPHAの生成の速度、並びに、増分コスト及び利益、及び/又はフェドバッチ反応器内のPHA蓄積プロセスを継続するための実際的な制限の考慮に基づく。
ここで、インジェクタ15及び栄養素源12を備えるシステムの部分に移ると、各栄養素源は、対応するインジェクタ15と流体連通することが理解される。栄養素源12は、様々な栄養素源を含むことができる。好ましい一実施形態では、栄養素源12は、RBCOD、窒素、及びリンを組み合わせて含む。供給源12は、RBCOD、窒素、及びリンを含む混合物を含むこともできる。必要であれば、例えば、窒素は、塩化アンモニウム(NHCl)などの独立した供給源として提供することができ、リンは、リン酸カリウム(KHPO)などの別の独立した供給源として提供することができる。RBCODは、例えば、原又は前処理された(発酵された)廃水、窒素及びリンの無視できる生物学的に利用可能な形態で揮発性脂肪酸(VFA)を含む溶液として供給することができる。供給源12は、また、選択された残留物、プロセス、又は、栄養素(窒素及びリン)並びにRBCODの混合物を含む廃水流であり得る。インジェクション(15)の選択されたバランスによって、RBCOD:N:Pの比の範囲は、蓄積中に確立することができる。一例では、供給源12Aは、内部に含まれた選択された栄養素の流れを、パイプ11Aを介してインジェクタ15Aに提供する。インジェクタ15Aは、供給源12Aからの選択された栄養素をフェドバッチ反応器内に注入するように命令される。この場合には、図11に示すように、栄養素は、パイプ17Aを介してパイプ17に導かれ、そこで、栄養素は、パイプ17を介して反応器内に導かれるために、コントローラ40によって指示された任意の他の栄養素と混合される。最後に、RBCODを含む混合された栄養素は、パイプ17を介して反応器内に導かれる。
最後に、コントローラ40は、一実施形態では、上記で説明したように、RBCODに対するリンの特定の比、及びRBCODに対する窒素の特定の比を達成するように、決定された量のリン、窒素、及び/又はRBCODを供給するようにプログラムされる。一般的には、コントローラは、供給源の水質の初期条件(RBCOD、窒素、リン、及び他の栄養素のレベル)に基づいて最適な混合を確立することができ、並びに/又は、蓄積中、蓄積混合液における検出された(30)水質基準の傾向(RBCOD、窒素、リン、及び他の栄養素のレベル)、若しくはプロセス(40)におけるバイオマス及びPHA生成の傾向に基づいて、蓄積中、供給源(12)の動的な混合を提供することができる。
ここで図12を参照すると、論理制御図200がそこに示されている。ロジック200は、図11中に示すコントローラ40内に、当業者には公知のいくつかの形態で実装され得る。ロジック200は、プロセスを変化させるためにバイオマスのPHA含有量が観測されている方法に基づいて制御の流れを決定するバイオマスPHA含有量比較器212及び214を備える。ロジック200は、バッチにおけるバイオマスからのCOD需要がどのように変化しているかに基づいて制御の流れを決定する化学的酸素需要量(COD)消費比較器216、222、及び228も含む。ロジック200は、予め定められた経済的又は他の動作条件に基づいてプロセスを終了するかどうかを判断することができる経済的基準比較器226も含む。例えば、経験に基づいて、バイオマスの特定のタイプ及び反応器のサイズに関して、プロセスを、例えば24時間を越えて続行することは、不経済であることが観測され得る。一例では、比較器226は、総経過処理時間が24時間に達した、又はそれを超えたとき、プロセスを停止することになる。さらに、それぞれ、制御が各ブロックに進んだときのコントローラ40によって命令された実施の制御動作を示す制御動作ブロック218、220、224、230、及び232が、論理200内に構成される。
PHA蓄積プロセスの開始により、ブロック201が開始されると、コントローラ40は、測定及び制御のサイクルを繰り返す際に本例のロジックを実行することができる。各サイクルでは、以下に説明するように、RBCOD:N又はRBCOD:Pの比を、上下に、一般的には特定の栄養素制限の所望の範囲内に調整しながら、バイオマスのCOD需要を維持するために、反応器内への様々な栄養素含有材料の注入速度がどれくらいであるべきかが判断される。したがって、任意の制御サイクルでは、システム中への栄養素の流れのいずれか又はすべてを増加させる、一定に保持する、又は減少させると判断することができる。各測定及び制御サイクルの開始は、ブロック210の、バイオマス中のPHAの含有量、及びバッチにおけるCOD消費速度に基づくCOD需要量の測定により生じる。COD消費速度は、維持ゾーン内のCODの測定と組み合わせた、既知の供給速度の組み合わせ情報から導出することができる。前記量は、時系列、PHA含有量値の時系列、及びCOD需要量値の時系列として、コントローラ40内に存在する、又はコントローラ40とインターフェースするメモリに記憶することができる。第1のサイクルの後、ブロック210にも示すように、PHA含有量の変化、及びCOD需要量の変化を、コントローラによって計算することができる。これらの計算は、時間に対する2つの時系列の傾きを推定することを含むことが理解される。PHA含有量の正の傾きは、増加するPHA蓄積状態を示し、COD需要量の正の傾きは、バイオマスによるRBCODの需要量を示す。同様に、ゼロの傾きは、それぞれ、PHA含有量及びCOD需要量の一定の又は安定した値を示し、負の傾きは、減少している値を示す。傾きは、定常動作中の一連の先行サイクルにわたって平均することによって決定することができることがさらに理解される。
各サイクルでは、次いで、ブロック210でPHA含有量及びCOD需要量を測定した後、比較器ステップ212は、PHA含有量が増加しているか否かを判断する。PHAが増加している(正の傾き)と思われる場合、制御は、比較器216に進み、そこで、COD需要量が減少しているかどうかについての判断が行われる。COD需要量が減少している(負の傾き)場合、より多くの栄養素を注入し、COD供給速度を調整するために、インジェクタ15へのコマンドがコントローラ40によって発せられ、制御は、次の測定及び制御サイクルのためのブロック210に戻る。栄養素を増加させる判断は、所望のRBCOD:N:Pの比及び測定されたCOD、N、及びPを維持することに基づいて行うことができる。すなわち、例えば、NがCOD及びPに対して低すぎる場合、インジェクタ15A〜15Dの中のN含有材料を注入するために割り当てられたインジェクタが、コントローラ40によって命令されることになる。別の例として、COD及びPが、各々Nに対して低い場合、RBCOD及びPを注入するために割り当てられたインジェクタが、コントローラ40によって活性化されることになる。このとき、N含有材料、P含有材料、及びRBCOD含有材料の配列のいずれかが、おそらくは、RBCOD:N:Pの比を所望の範囲と一致させように混合され、注入されることが理解される。
ここでブロック218に進むと、比較結果が、COD需要量が減少していない(正でない)という結果であった場合、コマンドは、ブロック220に進み、そこでは、コントローラ40は、栄養素注入の変化がないことを要求され、栄養素注入速度を一定に保持するか、又は、RBCOD:N:P比を所望の範囲内にするために、1つ若しくは複数の栄養素注入速度が減少されるべきであるのかのいずれかを判断する。制御は、次いで、次の測定及び制御サイクルのためのブロック210に戻る。
ここで、比較器212に進むと、比較の結果が、PHA含有量が増加していない(傾きが正でない)場合、PHAが一定(ゼロの傾き)又は減少している(負の傾き)であるかどうかを判断するために、制御は、PHA比較器214に進む。PHA含有量の連続のゼロの傾きの場合には、制御は、COD需要量が減少している(負の傾き)かどうかを判断するための比較器228に進む。COD需要量が減少している場合、制御は、これまで説明してきたように、コントローラ40が1つ又は複数の栄養素の注入速度の増加を指示することを示すブロック232に進み、制御は、次いで、次の測定及び制御サイクルのためのブロック210に進む。他方では、ブロック228で、COD需要量が減少していない(CODの傾きが負ではない)と判断した場合、これまで説明してきたように、栄養素注入を変化させないことがコントローラ40によって指示されるか、RBCOD:N:Pの比を所望の範囲内にするために、1つ又は複数の栄養素の注入速度が減少させられる。制御は、次いで、次の測定及び制御サイクルのためのブロック210に進む。
再び比較器214に進むと、この場合では、傾きが負である(PHA含有量が減少している)ことを意味する、PHA含有量が一定でないと判断された場合、制御は、COD消費速度がどのように変化しているのかにアクセスするためのCOD需要量比較器222に進む。COD需要量が減少しているとは思われない場合、栄養素の過剰は、本当であり、RBCOD:N:Pの比を範囲内にするために、1つ又は複数の栄養素の注入速度は、減少される。制御は、次いで、経済的基準比較器226に進む。この時点で、特定の経済的又は他の動作条件が満たされているかどうかに基づいて、制御は、次の測定及び制御サイクルのためのブロック210に戻るか、プロセスを停止させるブロック202に進む。
COD需要量比較器222に向かうと、COD需要量が増加していると思われる場合、制御は、プロセスを停止させるブロック202に進む。すなわち、増加したCOD消費速度を伴う減少するPHA含有量レベルは、PHAの生成に関する収穫逓減点に達していることを示すことができる。
工業的実施形態
図10に向かうと、本明細書に記載の方法の例示的な工業的実施形態が提供されている。フェドバッチプロセスの開始時に、混合液中のバイオマスの新鮮なバッチが、30Aを介して維持ゾーン50B内に送達される。混合液中のバイオマスの少なくとも小部分は、ポンプ10Aによって、通路30Bを通って、刺激ゾーン50A内に循環される。いくつかの実施形態では、刺激ゾーン50Aは、タンクであってもよい。いくつかの実施形態では、刺激ゾーンのボリュームは、維持ゾーンのボリューム内に組み込まれてもよいが、物理的構造によって、維持ゾーンから分離される。他の実施形態では、刺激ゾーン50Aは、バイオマスのための上昇した(刺激する)濃度のRBCODとの接触ゾーンを提供するチューブ内の混合ゾーンであってもよい。さらに他の実施形態では、刺激ゾーンは、刺激ゾーンに配置されたバイオマスが少なくとも20秒の水力学的滞留時間を可能にするのに十分なボリュームのものである。
RBCOD、生物学的に利用可能なN、及び生物学的に利用可能なPを含むストリームを含む様々な栄養素供給源12A、12B、12C、及び図12Dは、混合ステーション17で、調整されたフィードを形成するために、一緒に混合される。コントローラ40は、インジェクタ15A、15B、15C、及び15Dを介して混合物に加えられる各供給源12A、12B、12C、及び12Dの量を制御する。コントローラ40は、刺激ゾーン50A及び維持ゾーン50Bからの測定値から得られたデータ20A及び/又は20Bを分析することによって、インジェクタ15A、15B、15C、及び15Dから混合する量を決定する。そのようなデータは、とりわけ、そこからRBCOD、N、及び/又はPの濃度、並びに、バイオマス及びPHA生成速度の傾向を決定することができる測定値を含む。センサ20A及び20Bからのデータは、バイオマス呼吸速度を測定するのに十分なデータを含むこともできる。コントローラ40は、次いで、調整されたフィード中のN:RBCODが2〜15mg−N/g−RBCODの間になり、調整されたフィード中のP:RBCODが0.5〜3mg−P/g−RBCODの間になるように、インジェクタ15A、15B、15C、及び15Dを調整し、RBCODの供給速度を確立する。
混合ステーション17で混合した後、調整されたフィードのストリームは、刺激ゾーン50A内で、バイオマスを含む混合液の画分と混合される。画分は、次いで、維持ゾーン50B中にリサイクルされる。バイオマス中の混合液は、維持ゾーン50B内の平均RBCOD濃度が刺激ゾーン50A内の平均RBCOD濃度の半分未満になるような速度でリサイクルされる。17からの流入基質供給速度、及びリサイクル速度は、センサ20A及び/又は20Bからのデータに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、リサイクル速度は、とりわけコントローラ40によって制御することができる。
混合液中のバイオマスは、ポンプ10Bを介して維持ゾーンから除去し、沈降タンク又はクラリファイア50Cに送ることができる。タンクは、バイオマスが沈降することを可能にし、除去することができる放流水30Dを生成する。沈降したバイオマスは、ポンプ10Cによって沈降タンク50Cから除去し、チューブ30Cを介して維持ゾーンに再循環させることができ、及び/又は回収する(30E)ことができる。
いくつかの実施形態は、コントローラ40、センサ20A及び20B、供給源12A、12B、12C、及び12D、インジェクタ15A、15B、15C、及び15D、並びに混合ステーション17を、WO2011−070544A2に記載のシステムと組み合わせることができることに留意されたい。したがって、WO2011/070544A2は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Figure 2016510214
Figure 2016510214
Figure 2016510214
Figure 2016510214
注意:以下の変換係数が使用された:酢酸1g=COD1.0667g;3−HB1g=COD1.67g;VSS1g=COD1.45g;Xa1g=COD1.45g、ここで、Xaは、非PHAのVSS(Xa=VSS−PHA)。Xa0は、フェドバッチ蓄積プロセスによって提供された初期の活性バイオマスを指す。Sは、基質としてのRBCODを指す。

Claims (32)

  1. 開放混合培養物からPHAリッチなバイオマスを生産する需要時供給フェドバッチ方法であって、
    バイオマスを含む混合液を、少なくとも1つのバイオマス刺激ゾーンと少なくとも1つのバイオマス維持ゾーンとを含むフェドバッチ反応器に導くことと、
    生物利用可能な窒素(N)及びリン(P)とともに容易に生分解可能な化学的酸素要求量(RBCOD)を含むフィードを与えることと、
    RBCODに対するNの平均の比率が2から15mg−N/g−RBCODの範囲に入る調整されたフィードを得るように、RBCOD濃度に対する前記生物利用可能なNの濃度を調整することと、
    RBCODに対するPの平均の比率が0.5から3mg−P/g−RBCODの範囲に入る調整されたフィードを得るように、RBCOD濃度に対する前記生物利用可能なPの濃度を調整することと、
    前記反応器内の前記バイオマスの少なくとも一分画についてのバイオマス呼吸速度を、前記バイオマスが平均して当該バイオマスの現存最大呼吸速度の50%よりも大きくなるように刺激されるように、前記バイオマスの前記一分画を前記刺激ゾーンにおいて前記調整されたフィードにさらすことにより、間欠的にかつ繰り返し刺激することと、
    前記刺激ゾーンにおいて前記バイオマスの前記一分画を前記調整されたフィードにさらした後に、前記刺激ゾーンから、平均RBCOD濃度が前記刺激ゾーンにおける平均RBCOD濃度の半分よりも小さい前記維持ゾーンへと、バイオマスの前記一分画の少なくとも一部を移送することと、
    高い呼吸速度に達するためにバイオマスの分画が繰り返し前記刺激ゾーンへと供給された前記調整されたフィードにさらされ、前記バイオマスはそうではなければ前記維持ゾーンにおけるより低いRBCOD濃度に維持されるように、前記刺激ゾーンと前記維持ゾーンとの間でバイオマスを含む前記混合液を行ったり来たり循環させることと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記バイオマスの呼吸速度により創出された需要に比例する速度で前記調整されたフィードを前記刺激ゾーンに供給することを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フィードは、前記刺激ゾーンに供給されるフィードにおいて、RBCODに対する窒素を選択された濃度で提供するために、少なくとも2つの異なる供給源から混合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記フィードは、前記刺激ゾーンに供給されるフィードにおいて、RBCODに対して、リンを選択された濃度で提供するために、少なくとも2つの異なる供給源から混合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記フェドバッチ反応器における、及び/又は前記フェドバッチ反応器に供給されるリン、窒素、及び/又はRBCODの濃度を測定することと、かつ前記測定された濃度に応じて、前記刺激ゾーンに供給されるフィードにおける窒素、リン、及び/又はRBCODの濃度を調整することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記フェドバッチ反応器におけるバイオマスについて、前記バイオマスのPHA含有量及び/又はバイオマスのPHA含有量の変化の時間速度を測定することと、前記測定した含有量又は含有量の経時変化に応じて、前記刺激ゾーンに供給されたフィードにおいて確立された窒素、リン、及び/又はRBCODの濃度を調整することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記フェドバッチ反応器におけるバイオマスについて、前記バイオマスの呼吸速度及び/又はバイオマスの呼吸速度の変化の時間速度を測定することと、前記測定した呼吸速度又は呼吸速度の経時変化に応じて、前記刺激ゾーンに供給されたフィードにおいて確立された窒素、リン、及び/又はRBCODの濃度を調整することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 前記フェドバッチ反応器におけるバイオマスについて、CODの消費速度及び/又はCODの消費速度の変化の時間速度を測定することと、前記測定したCODの消費速度又はCODの消費速度の経時変化に応じて、前記刺激ゾーンに供給されたフィードにおいて確立された窒素、リン、及び/又はRBCODの濃度を調整することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 請求項6〜8に記載の方法の少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記フェドバッチ反応器は、少なくとも2つのタンクを含み、少なくとも1つのタンクは前記刺激ゾーンを含み、少なくとも1つのタンクは前記維持ゾーンを含み、前記フェドバッチ反応器へのフィードは、前記刺激ゾーンを含むタンクへ導かれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 前記刺激ゾーンのボリュームは、前記刺激ゾーンに配置されたバイオマスが少なくとも20秒の水力学的滞留時間を提供するのに十分なボリュームであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 前記刺激ゾーンのボリュームは、前記維持ゾーンのボリューム内に組み込まれるが、前記刺激ゾーンのボリュームは物理的構造によって少なくとも部分的に前記維持ゾーンから分離されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  13. 生物学的廃水処理システムにおいて、廃水流を生物学的に処理することと、前記廃水流から前記混合液とバイオマスを分離し、前記フェドバッチ反応器に混合液とバイオマスを導くことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  14. 前記バイオマスを含む混合液を継続的に、前記刺激ゾーンと前記維持ゾーンの間に前後に循環させ、バイオマスのPHA含有量が、平均して0.40g−PHA/g−VSSより高くなるまで、前記RBCODに対するリン及び窒素の比率を前記範囲内に継続的に維持することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  15. フェドバッチ操作中に、かつバッチプロセスの終了前に、前記プロセスから前記バイオマスの少なくとも一分画を収集することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  16. いったん前記バイオマスのPHA含有量が0.40g−PHA/g−VSSより高くなった時に、フェドバッチ操作中に前記プロセスから前記バイオマスの少なくとも一分画を収集し始めることを含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. バイオマスが平均して現存最大呼吸速度の70%よりも大きくなるように刺激されるように、バイオマス呼吸速度を刺激することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  18. 前記バイオマスは、前記フェドバッチ反応器に導かれる前に生物学的廃水処理プロセスから収集され、収集されたバイオマスのPHA含有量は、乾燥バイオマス重量の10%より少ないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  19. 前記混合液を前記フェドバッチ反応器に導く前に、前記混合液を前処理することを含み、前処理は、前記フェドバッチ反応器に導かれる混合液における、リン及び窒素の濃度を低下させるように、混合液を濃化することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  20. 前記混合液の濃化後に、前記混合液におけるリン及び窒素の濃度をさらに低下させるために、前記混合液に希釈液を添加することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 開放混合培養物からPHAリッチなバイオマスを生産する需要時供給フェドバッチ方法であって、
    バイオマスを含む混合液を、少なくとも1つのバイオマス刺激ゾーンと少なくとも1つのバイオマス維持ゾーンとを含むフェドバッチ反応器に導くことと、
    生物利用可能なN及びPとともにRBCODを含むフィードを前記フェドバッチ反応器に導くことと、
    前記フィードを前記フェドバッチ反応器に導き、かつ前記刺激ゾーンにおいて、前記バイオマスを比較的に高い濃度のRBCODにさらすことにより、前記バイオマスの少なくとも一部の呼吸速度を間欠的にかつ繰り返し刺激することと、
    前記刺激ゾーンにおいて、前記バイオマスが前記比較的に高い濃度のRBCODにさらされた後に、前記バイオマスが比較的に低い濃度のRBCODにさらされる前記維持ゾーンへと前記バイオマスを移送し、
    前記刺激ゾーンと前記維持ゾーンとの間で前記バイオマスを行ったり来たり循環させることと、
    RBCODに対するNの比率とRBCODに対するPの比率を制御することにより、前記フェドバッチ反応器に導かれた前記フィードにおけるRBCOD濃度に対するN及びPの濃度を制御することと、
    を含むことを特徴とする方法。
  22. RBCODに対するNの平均の比率が2〜15mg−N/g−RBCODの範囲に入る調整されたフィードを得るように、RBCOD濃度に対する生物利用可能なNの濃度と、及びRBCODに対するPの平均の比率が0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲に入る調整されたフィードを得るように、RBCOD濃度に対する生物利用可能なPの濃度とを調整することによって、前記フィードにおけるRBCODに対するN及びPの濃度を制御することを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 前記フェドバッチ反応器における前記混合液におけるNの濃度及びPの濃度を測定することと、予め決定された範囲内で選択された比率を得るように、前記フィードにおけるRBCODに対するNの比率又はRBCODに対するPの比率を調整することと、を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  24. 前記フェドバッチ反応器におけるバイオマスのPHA含有量、バイオマスの呼吸速度、及びCOD消費速度の変化のうちの少なくとも1つを推測する信号を測定することと、前記信号の1つ以上に基づいて、予め決定された範囲内で選択された比率を得るように、前記フィードにおけるRBCODに対するNの比率又はRBCODに対するPの比率を調整することと、を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  25. 前記フェドバッチ反応器における前記混合液又は前記フィードにおけるN、P、及びRBCODを測定するためにセンサが使用され、前記センサはデータをコントローラに導くように動作可能であり、前記データはP、N、及びRBCODのうちの少なくとも1つの濃度を表すものであり、前記コントローラは、RBCODに対するNの比率及びRBCODに対するPの比率を、当該比率が平均して予め選択された範囲に入るように制御することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  26. バイオマスのPHA含有量、バイオマスの呼吸速度、及びCODの消費速度のうちの少なくとも1つの比例する変化を測定又は推測するためにセンサが使用され、前記センサはデータをコントローラに導くように動作可能であり、前記データはフィード供給におけるP、N、及びRBCODのうちの少なくとも1つの濃度を表すものであり、前記コントローラは、RBCODに対するNの比率及びRBCODに対するPの比率を、当該比率が平均的に予め選択された範囲に入るように制御することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  27. RBCODに対するNの平均の比率が2〜15mg−N/g−RBCODの範囲に入る調整されたフィードを得るようにRBCODの濃度に対する生物利用可能なNの濃度を調整することにより、前記フィードにおけるRBCODに対するNの濃度を制御することを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  28. RBCODに対するPの平均の比率が0.5〜3mg−P/g−RBCODの範囲に入るフィードを得るようにRBCODの濃度に対する生物利用可能なPの濃度を調整することにより、前記フィードにおけるRBCODに対するPの濃度を制御することを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  29. 前記フェドバッチ反応器中の前記バイオマスについて、バイオマスのPHA含有量とバイオマスのPHA含有量の変化の時間速度との少なくとも一方を測定することと、前記測定した含有量又は時間による含有量の変化に応じて、前記刺激ゾーンに供給される前記フィードにおいて確立された窒素、リン、及びRBCODのうちの少なくとも1つの濃度を調整することと、を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  30. 前記フェドバッチ反応器中の前記バイオマスについて、バイオマスの呼吸速度とバイオマスの呼吸速度の変化の時間速度との少なくとも一方を測定することと、前記測定した呼吸速度又は時間による呼吸速度の変化に応じて、前記刺激ゾーンに供給される前記フィードにおける窒素、リン、又はRBCODの濃度を調整することと、を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  31. 前記バイオマスを含む混合液を継続的に、前記刺激ゾーンと前記維持ゾーンの間に前後に循環させ、バイオマスのPHA含有量が、平均して0.40g−PHA/g−VSSより高くなるまで、前記RBCODに対するリン及び窒素の比率を前記範囲内に継続的に維持することを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  32. バイオマスが平均して現存最大呼吸速度の70%よりも大きくなるように刺激されるように、バイオマス呼吸速度を刺激することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
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