JP2016508714A - 改善されたマイクロマニピュレーション及び保存のための方法、システム並びに装置 - Google Patents

改善されたマイクロマニピュレーション及び保存のための方法、システム並びに装置 Download PDF

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Abstract

本発明は生体物質のマニピュレーションとハンドリングに関連し、1つの形態において、生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は生体物質を収容すると共に液体処理溶液の通過を許容するチャンネルを含み、前記装置は2部構造を含み、前記装置の2部分は、ガラス化プロセスステップに先立って前記2つの部分の中間において2次材料でヒートシールされるように構成されている、装置が提供される。生体試料のガラス化のためのシステムも提供されている。このシステムは、温度環境を制御するためのソフトウェア操作可能手段と、 液体処理溶液を前記生体試料につける(加える)ための流体ディスペンス体積及び速度と吸入体積及び速度とを制御するためのソフトウェア操作可能な手段と、 プロトコル時間を制御するためのソフトウェア操作可能手段と の内の1つ又は組合せを含む。

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は、Genea株式会社により2013年1月7日にオーストラリア特許庁に出願されたオーストラリア仮特許出願第2013900039号、発明の名称「改善されたマイクロマニピュレーション及び保存のための方法、システム並びに装置」、に基づく優先権を主張するものであり、オーストラリア仮特許出願第2013900039号の全内容を参照により本出願に援用する。
[技術分野]
本発明は、生体物質のマニピュレーション(manipulation)及びハンドリング(handling)の分野に関する。特に、この発明は、生体物質のマイクロマニピュレーション(micromanipulation)のための装置及び方法に関する。例えば、人間及び人類以外の卵母細胞、胚、胚盤胞、配偶子及び幹細胞を含む生体物質の凍結保存で使用される、装置及び方法論に関する。生体物質の範囲を有する広範囲のマイクロマニピュレーションの状況及び技術において発明が開発されており、適用されている。同時に、体外受精(IVF)のプロシージャ等中に適用されるようなガラス化による人間の卵母細胞、胚及び幹細胞の凍結保存での使用において特定の用途が見受けられる。しかし、本発明はその使用のみに限定されない。
[背景技術]
本明細書全体に亘って、用語、単数形の「発明者」の使用は、本発明の一人(単数)の発明者又は二人以上(複数)の発明者のことを指すように解釈される。
本明細書におけるドキュメント、装置、行為、又は知識の議論は本発明の文脈を説明するために含まれているということは理解される。更に、本明細書全体に亘っての議論は、発明者の認識及び/又は発明者による、ある関連する技術問題の識別により生じる。更に、本明細書におけるドキュメント、装置、行為、又は知識等の資料の如何なる議論も、発明者の知識及び経験の観点から本発明の文脈について説明するために含まれている。従って、そのような議論は、如何なるその資料についても、この本開示及び特許請求の範囲の優先日以前の、オーストラリア又は他の地域での、先行技術ベースの一部、又は関連する技術の共通の一般知識を形成することを認めるものと解釈されるべきではない。
人間及び動物の胚の凍結保存に関連し適用された技術は定着している。適切な技術の適用及びノウハウを使用して、現在の技術は体外受精の実現と成功において大きな改善を達成した。これを説明する目的で、胚のハンドリングに関して、以下の用語は以下の定義を有するように解釈される。
「凍結」とは、結晶を含んでいても良い固体状態へ、液体を冷却することである。
「ガラス化」とは、結晶のない固体状態へ、液体を冷却することである。
「凍結保存」とは、細胞が冷却により氷点下温度に、典型的には−196℃に保存されるプロセスである。
「解凍」とは、温度が徐々に上昇して凍結固体状態から液体に変化するプロセスである。これは、緩慢凍結技術により凍結保存された卵母細胞/胚に最も一般的に関連している。
「加温(温める)」とは、その温度では結晶化が抑制される温度への急速な上昇により、ガラス化された固体状態から液体状態に変わるプロセスである。これは、ガラス化技術により凍結保存された卵母細胞/胚に最も一般的に関連している。
理解され適用されるような技術は、卵母細胞の収穫及び抽出と、それらの体外受精と、そのような受精卵、結果として得られた胚、及び/又は後期胚盤胞の体外受精後の凍結保存とを含む複数のステップを有しながら、胚の収穫及び凍結保存を含む。要求される多くのステップ及びハンドリングステージ(段階)は、テクニカルオペレータを介してハイレベルのノウハウやスキルに極度に依存する。一度凍結された胚又は胚盤胞は、その後、必要に応じて利用可能になり、解凍され、受容者に移すことができる。それにより、子宮への注入の成功は胎児の正常な成長及びその結果得られる妊娠をもたらすことができる。
より最近、そのような凍結保存技術は、未受精の卵子及び卵母細胞に成功裏に適用されている。卵母細胞凍結保存は、未受精状態のドナー女性からの卵子又は卵母細胞の収穫と凍結と保存とを含んでいる。その後、そのような凍結された卵子は保存バンクから引き出され、解凍され、受精に利用可能にされ、要求に応じてドナーに移される。
受精卵及び胚よりはむしろ卵母細胞に適用されるような凍結保存の技術は、ある倫理的及び医学的長所を有していて、関連する技術を向上させるために、より多くの研究及び実験が行われてきている。
特に、「生きた」生体物質に適用される際の凍結保存のプロセスは、現在の技術に応じて要求される多重ハンドリングステップを特に考慮して、問題の生体物質にとって高度の外傷を伴う。物理的ハンドリングの結果としてもたらされた外傷に加えて、生体物質は、多くのプロセシング化学溶剤を介して移動中にもたらされる浸透圧性ショック及び有毒性ショックの他、任意の凍結プロセス中に可能な結晶形成にも被る。
凍結生体物質を準備する伝統的方法は、例えば、その生体物質自身から遠隔で慎重に氷晶の形成を開始することを目的として、保存温度までにその物質及びその周囲溶液をゆっくり冷却することを含む。伝統的方法は、氷晶の連続的形成に起因して最適ではない。代替の「ガラス化」方法は、氷晶形成問題に対処するために開発されている。しかしながら、ガラス化は、上手く成功させるには相当な技術的スキルが要求される。ガラス化は、如何なる結晶組織もないガラスのような無定形固体へプロセシング溶液を変化させることを含み、非常に迅速な冷却がその後に続く。非常に迅速な冷却は溶液がガラスのような無定形状態を達成することを可能にする。
凍結又はガラス化の伝統的方法の適用は化合物及び溶液の使用を含み、これらは凍結プロセス中の細胞損傷を最小限にするために生体物質に加えられる。化合物及び溶液は抗凍結剤として知られており、これらは浸透及び不浸透溶液を含む。浸透抗凍結剤は小さな分子である。氷晶を防ぐ目的で、生体物質の水分子への水素結合の形成により容易に生体物質の膜に浸透する。そのような浸透抗凍結剤の例としては、エチレングリコール(EG)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びグリセリンが挙げられる。水中の低濃度で、そのような浸透抗凍結剤は、その結果得られた溶液の凍結温度を低下させ、氷晶の防止及び最小化を支援することができる。異なる冷却速度にて異なり得る、より高い濃度では、そのような浸透抗凍結剤は、一般的な氷晶の形成を阻止すると共に、結晶又は膨張に先立って水が凝固される固体形状のガラス状態又はガラス化状態の進行をもたらすことができる。そのような浸透抗凍結剤の毒性は、濃度と共に増加し、問題の生体物質に潜在的には有毒である。生体物質の浸透抗凍結剤への露出は、非常に短い期間に亘り最小限でなくてならない。或いは、それは低温での露出でなくてはならない。それにより、問題の生体物質の代謝速度が低減される。
浸透抗凍結剤とは対照的に、不浸透抗凍結剤は細胞外にあるままである。不浸透抗凍結剤の幾つかの例は、二糖類、トレハロース及びスクロースを含んでいる。二糖類浸透抗凍結剤は、生体物質内から自由水を引き出し、細胞内のスペースを脱水することにより作用する。その結果起きた脱水は、細胞内スペースで浸透抗凍結剤の正味濃度が増加されることができるように、二糖類浸透抗凍結剤が浸透抗凍結剤と組み合わせて使用されるのを許容する。これらの技術は、浸透抗凍結剤が氷晶形成を防止又は最小限にするのを更に支援する。
生体物質の温度が氷点以上の所定レベルで制御されながら、浸透抗凍結剤はガラス化プロセス中に高濃度で加えられてもよい。しかし、浸透抗凍結剤のそのような高濃度の毒性はかなりのものなので、長期間そのような温度で生体物質を保持することは可能ではない。或いは、短縮された時間が平衡の為に許容され得る。平衡の後、卵母細胞又は胚を含んでいるかもしれない生体物質は、凍結を達成するために液体窒素(以後、液体窒素は「LN」と呼ぶ)内に直接沈められる。冷却の非常に迅速な速度は、生体物質上での浸透抗凍結剤の負の効果を最小限にすると共に、ガラス化を促進することにより氷晶形成を最小限にする。
ガラス化プロセスは、生体物質を多数のガラス化溶液に晒すことを含む。多数の井戸状穴を有する培養皿の連続した井戸状穴内に、ガラス化溶液は一般的に加えられる。この皿では、該皿及び多数のガラス化溶液が、問題の生体物質の要求に応じて決定された所定の温度に温められる。
従来のプロトコルでは、生体物質は第1井戸状穴内に物理的に移される。次に、セルピペットデバイスを使用して生体物質又は細胞を問題の溶液を通って物理的に移動させることにより、この生体物質は洗浄される。生体物質又は細胞が凍結保存の準備ができていると考えられるまで、洗浄工程は、所定時間に亘って、第2、第3、及び第4井戸状穴内で繰り返される。その後、ピペット又はその他のハンドリングデバイスを使用して、生体物質は所定量のガラス化溶液と共に物理的に引き上げられる。その後、ガラス化される生体物質又は細胞を含んでいる液滴は、ガラス化デバイス上にピペットで取られる。その後、ガラス化デバイスは液滴及び生体物質が付着した状態で物理的に移され、容器内に直接沈められ又は密封される。この容器はLN内に沈められ又は(LNで前もって冷却されている)ガラス化ブロックの表面上に載置される。一旦、生体物質及び担持している流体がガラス化されるようになったならば、その後、ガラス化デバイスは予め冷やされたストロ又はその他の保存装置内に挿入される。該ストロ又はその他の保存装置は、LN又はLN蒸気内の長期保存場所への次の移送のためのガラス化ブロック内のスロットに位置している。
様々なガラス化デバイスが、凍結保存プロセス中にサンプルをマニピュレートするために使用される。サンプルが中空チューブへ吸引され、その後、このチューブが溶液又はLN内に直接沈められるという、ピペットの態様のデバイスが提案される。そのようなデバイスは、Irvine Scientificにより販売され、Cryotip(登録商標)として市販されている。
他の技術は、ステムの端に取り付けられる、プラスチック又は金属ワイヤから作られた閉じたループ又はオープンフックを有すると共に生体試料を担持するのに使用されるループ/フックスタイルデバイスを使用する。そのようなデバイスは、国際特許出願公開WO00/21365で定義されているようなfibreplug(登録商標)又はCryoloop(登録商標)の商品名で、Cryologicにより販売されている。
柔軟なストリップがプラスチック片に取り付けられた、国際出願WO02/085110「Cryotop」で開示されている、他のツールが使用される。Cryotopでは、試料はストリップ上に載置されるかLN内に直接沈められる。
現在の先行技術は、全てのハンドリングステップどれもが胚を失う可能性を増加させる多重装置を使用する、胚をハンドリングする(扱う)ための多くのステップを要求している。失われた胚の1〜2%がガラス化ステップ中でのハンドリングエラーに起因すると推測される。
前述のプロセスに関連した外傷、特に、卵子、細胞、胚及び胚盤胞を含む非常に壊れやすい生体物質における外傷であって、繰り返しの物理的ハンドリング及びマニピュレーションにより課された外傷は、残存率に影響を与え、それ故に、前述したプロセス及び方法の成功にも影響を与える。更に、浸透圧変化に反応する、生きている胚の物理的な力学は、迅速な収縮及び膨張、並びに胚の形へのその他の変化をもたらす。これらは、更に如何なるハンドリング、特に、そのような生体物質の自動化されたハンドリングにも挑む。どんな自動化も、様々な胚タイプ同様、そのような力学及び、流体粘性の高い範囲と共に流体移動を管理する必要がある。成功の可能性を最大限にすると共に扱われている材料に課された外傷を最小限にするために、そのような壊れやすい物質の物理的ハンドリングを絶対最小値に低減することは、明らかに、極めて望ましい。これにより、細胞収縮及び膨張が軽減される。
上述したように、ガラス化プロセスは、細胞内の水が徐々に取り除かれ置換されるように、胚又は細胞を抗凍結剤溶液(平衡ガラス化溶液ともいう)の上昇濃度に晒すことを含む。流体の濃度、細胞が受ける流体濃度変化のペース、プロセスが実行される温度、及びプロセスが実行される時間の長さは全て、胚の生存力を達成するための重要な変数である。また、重要なのは、ガラス化中の冷却、及び胚を回収するための加温の両方における伝熱率である。最後に、「加温」溶液を追加することにより、現在細胞内にある抗凍結剤を取り除き、水で置換し、その結果、胚をその初期状態に理想的に戻すことができる。
上記議論に加えて、従来技術には多数の短所がある。以下にそれらを要約する。その短所とは、非常に熟練したオペレータを必要とする、非常に困難な、時間のかかるプロセスであるということである。胚のロス(喪失)は、オペレータのスキルにもっぱら依存する。スキルのバラツキは、胚の回復(胚が単に見つからない)、及び胚の生存性(胚が生存できなかった)、の両方の結果におけるバラツキを意味する。研究所環境間のバラツキ、即ち、ある研究所は20℃であり、他の研究所は30℃であることは問題を生じさせる。温度のバラツキ又は任意の温度条件が胚の生体反応を加速又は減少させることが知られている。過剰な露出又は不十分な露出は胚を破損させるかもしれない。人間によるプロセシング時間におけるバラツキは、ある胚は過剰に露出され、また他の胚は不十分に露出されるということを意味する。即ち、最終溶液内に胚を30秒過剰に露出させるとその胚は損傷するかもしれない。閉鎖されたガラス化に適している現在の消耗品はヒートシールされているので、試料を回収するために切断する必要がある。試料を回収するのにあまりにも長くかかる、困難で時間のかかるステップは、胚を、20秒以上で、損傷させるであろう。実際、濃度上昇中の抗凍結剤溶液への胚の移動は最小限のステップ、通常2〜3のステップで行なわれる。これは、細胞のかなりの収縮と次の膨張とに関連した浸透圧衝撃に細胞を晒す。これらの収縮膨張は、細胞膜と細胞骨格と上に生じる関連するストレスを伴う。
従って、バラツキは現在の従来技術システムの主な問題のうちの1つかもしれない。ガラス化のバラツキは次のような領域で生じ得る。
−使用されているガラス化デバイスのタイプ。現在、市場では15以上のタイプがある。
−使用されているメディア。現在、10以上のメディアサプライヤが存在する。
−胎生学者及び経験。
−プロトコル(ステップ時間、温度、冷却速度、加温速度、メディア体積)。
−環境(温度、湿度)。
環境でのバラツキが原因で、人間の関わり合い及びプロトコルは生体物質の凍結保存の一貫性の欠如、及びその結果である低い妊娠率の一因となっている。
従って、環境を制御すると共に生体物質の反復可能な凍結保存を確実にするために、自動システムの提供によりバラツキをなくすことは好ましい。
「クローズ(closed)」、「半クローズ」及び「オープン(open)」システムの3つのタイプのガラス化デバイスがある。「クローズ」システムは、LNと生体物質との間の直接接触を防止するガラス化システムのことをいう。Cryotip(登録商標)は「クローズ」システムであると考えられる。「オープン」システムは、LNと生体物質との間の直接接触を許容するガラス化システムのことをいう。Fibreplug(登録商標)、Cryoloop(登録商標)、Cryotop(登録商標) は全て「オープン」システムであると考えられる。オープンシステムに関する問題は、凍結時又は保存中の生体試料への病原体感染の危険を伴う、必須LN冷却溶液との直接接触である。生体物質がLNと接触している時、LNが汚染されていると試料の汚染が生じ、或いは、試料が汚染されているとLNの汚染が生じるであろう。多くの国々が試料汚染の高い危険のためにオープンシステムを禁止した。
Cryotip(登録商標)プロトコルの例
Cryotip(登録商標)システムの注目すべき例では、実際、低いレベルから、中レベル、高レベルに至るまで多くの危険なプロセスステップがある。例えば、ガラス化のステージでは、平衡メディア、次にガラス化メディアを導入し、次に、ロード及びガラス化のステップを含み、これは一般には見積りで約16分の時間を要する。このステージのための開始プロトコルとして、胚は、タイマを開始した状態で、培養皿から平衡溶液(ES)投げ入れ口まで、通常、一度に最大2個移される。その後、平衡メディアのために、胚は約6〜10分間、乱されず培養され、培養完了2分前、ガラス化溶液(VS−4)の4つの20μLの液滴が一列に分配される。胚をESからVS1まで最小限の体積の媒体と共に5秒間移し、次にVS2に5秒間移し、次にVS3に10秒間移すことにより、平衡時間終了までに、胚はガラス化溶液(VS)に移され、ロードされ、シールされ、そして90秒間沈められる。Cryotip(登録商標)コネクタを使用してluer注射器のようなCryotip(登録商標)デバイスの広い端を無菌的に吸入ツールへ取り付けることが要求される、実際の投入及びガラス化を伴ってハイリスクのステップがその後、生じる。試料がCryotip(登録商標)にロードする準備ができている場合、金属カバースリーブは、細いティップ端を露出させるためにストロに沿って無菌的に注意深く滑らせられる。卵母細胞又は胚を第3マーカーより上に満たさないように注意しながら媒体と試料の持ち上げを制御するために注射器上のプランジャを使用しながら、試料はその後、Cryotip(登録商標)にその第2及び第3のマーク間に吸引により静かにロードされる。その後、細いティップは第1マークの下でヒートシールされ、金属カバースリーブは細いティップ上にそれを保護するためにスライドされる。その後、コネクタ及び注射器は取り除かれ、Cryotip(登録商標)の広い端は第4マークの上でヒートシールされる。最後に、密封されたCryotip(登録商標)は、金属カバーサイドを下向きにしてLN貯槽内に沈められる。
[発明の概要]
ここに記載された実施形態の目的は、関連技術又は従来技術システムの上述した短所の少なくとも1つを克服又は緩和すること、或いは従来技術システムに代わる有用なものを少なくとも提供することである。
ここに説明される実施形態の第1の態様において、生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は貯留層を有する容器を含み、前記容器は前記貯留層の一部に形成されたチャンネルを有し、前記チャンネルは前記生体物質の通過に抵抗するが液体処理溶液の通過を許容するように寸法が与えられた中間絞りを含み、前記チャンネルは約0.01mmから約0.09mmの範囲の厚さの壁を有する、装置が提供される。
前記チャンネルは、胚を少なくとも僅かな溶液内に保持/位置決めするように構成されている、約0.04μlから0.30μlまでの間の容積を有するディボットを更に含んでいてもよい。
生体物質及び液体処理溶液に晒されたチャンネルの表面は、流体が上記チャンネルの表面上を濡らし広がるように処理されている表面であるのが好ましい。また、前記チャンネル壁はポリマー材料を含んでいてもよく、前記装置は2部構造を含むインジェクション圧縮成形により形成される。前記ポリマーはポリプロピレンを含んでいてもよい。
前記2部構造はポリマー材料の第1成形インジェクションとポリマー材料の第2成形インジェクションとを含んでいてもよい。前記第1又は第2成形インジェクションの1つは前記チャンネルの形成を含んでいてもよい。
或いは、前記2部構造は前記装置の2つの別々に形成される部分を含んでいてもよい。
前記壁の厚みは約0.08mm〜0.12mmであるのが好ましい。この範囲では、速い伝熱が促進されると共に、厚みとしてはガス及び液体の移動を防止するのに十分であることが発明者により明らかになっている。
表面処理は次の方法、即ち、プラズマ表面処理、コロナ処理、殺菌処理、フレーム処理、化学処理の内の1つ又はその組合せを含むのが好ましい。
本発明及びその実施形態の別の態様において、生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は前記生体物質を収容すると共に液体処理溶液の通過を許容するチャンネルを含み、前記装置は2部構造を含み、前記装置の2部分は、ガラス化プロセスステップに先立って、前記2つの部分の中間において2次材料でヒートシールされるように構成されている、装置が提供される。
再び、前記2部構造はポリマー材料の第1成形インジェクションとポリマー材料の第2成形インジェクションとを含んでいてもよい。前記第1又は第2成形インジェクションの一方も前記チャンネルの形成を含んでいてもよい。
また、再び、前記2部構造は前記装置の2つの別々に形成される部分を含んでいてもよい。
本発明及びその実施形態の更に別の態様において、生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は前記生体物質を収容すると共に液体処理溶液の通過を許容するチャンネルを含み、前記装置は2部構造を含み、前記装置の2部分は、ガラス化プロセスステップに先立って前記2つの部分の中間において2次材料でヒートシールされるように構成されている、装置が提供される。
上記装置において、前記2次材料は前記2部構造の剥離を許容するのが好ましい。
前記装置は前記生体物質を収容するためのポッド又は前記生体物質を移すためのピペットの1つを含んでいてもよい。
マグネットの配置との操作的関連性により、前記装置は、位置決めすること、接続すること、配置すること又は熱接触を提供することの内の1つ又は組合せのために適合するのが好ましい。前記装置が挿入又は移動に適合する既存の構造内に前記磁石は配置される。前記既存構造はカセット、カートリッジ又はキャニスタの内の1つ又は組合せを含む。更に、好ましい実施形態の前記装置はLN槽内に浮かぶことに適している。
再び、前記2部構造は、ポリマー材料を含むことが好ましい。前記2つの部分はポリプロピレンを含み、前記2次材料は、LNの装置への進入を防止するように構成されたラミネートである。
ここに説明される実施形態の更なる態様において、温度環境を制御するためのソフトウェア操作可能手段と、液体処理溶液を前記生体試料につける(加える)ための流体ディスペンス体積及び速度と吸入体積及び速度とを制御するためのソフトウェア操作可能な手段と、プロトコル時間を制御するためのソフトウェア操作可能手段との内の1つ又は組合せを含む、生体試料のガラス化のためのシステムが提供される。
前記システムは、前記温度が約5℃から約40℃の範囲で制御されるように構成されてもよい。更に、前記温度は約19℃から約37℃の範囲で制御されるのが好ましい。
前記流体注入及び吸入体積は、約0.1μlから約15μlの範囲、精密には約1μl±0.2μlから約10μl±1μlの範囲に制御されてもよい。
前記流体注入及び吸入速度は約0.01μl/sから約5μl/sの範囲に制御されてもよい。
実施形態の他の更なる態様において、生体物質をマイクロマニピュレートするためのシステムであって、前記システムは、固定されたアセンブリに各単軸ロボットアームが取り付けられた、独立した前記単軸ロボットアームの内の1つ又は組み合わせを含み、ロボットアームの組み合わせは、少なくとも2つの自由度における移動のための広範囲座標システムを提供し、前記システムは、次のプロセスステップ、即ち、胚ロード、平衡、ヒートシール、ガラス化の内の2つ又は組合せを通して、ここに記載されているように装置をハンドルすることに適合している、システムが提供される。
実施形態の他の更なる態様において、ここに記載されている装置を利用して生体物質をマイクロマニピュレートするための方法であって、前記方法は、
緩衝液中の装置に少なくとも1つの胚をロードする工程と、
所定流量で前記緩衝溶液を平衡溶液で置換する工程と、
前記ロードした胚を所定平衡期間、前記平衡溶液内で平衡に保つ工程と、
所定流量で前記平衡溶液をガラス化溶液で置換する工程と、
前記装置をヒートシールする工程と、
液体冷却槽内に前記装置を沈める工程と、を含む方法が提供される。
上述した、ヒートシールする工程は、前記装置内にロードした生体物質を含むための消耗品の存在の光学検出を必須条件で実行してもよい。
前記ステップは、固定されたアセンブリに各単軸ロボットアームが取り付けられた、独立した前記単軸ロボットアームの内の1つ又は組み合わせにより実行され、ロボットアームの組み合わせは、少なくとも2つの自由度における移動のための広範囲座標システムを提供する、のが好ましい。
本発明の他の実施形態は、生体物質をマイクロマニピュレートするように構成された装置を含んでいてもよい。前記装置は所定の指示セットに従って動作するように構成されたプロセッサ手段を含み、前記指示セットに連動して、前記装置は、ここに記載された方法ステップに関わるタイミングと温度とディスペンス体積と流量とを制御するように構成されている。胚への浸透圧性ショックを減少させると共に凍結保存品質を高めるように前記ガラス化溶液の濃度の徐々なる上昇を考慮するために、前記装置内で流体交換を制御することに適合したコンピュータソフトウェアを前記指示セットは含むのが好ましい。ここでの方法に記載された前記液体冷却槽はLNを含むのが好ましく、前記指示セットに連動して、前記装置はLNの前記液体冷却槽への及び該冷却槽からの移送を自動化することに適合してもよい。
他の実施形態は、コンピュータプログラムプロダクトを含む。前記コンピュータプログラムプロダクトは、前記データ処理システム内で生体物質のマイクロマニピュレーションのために前記媒体上で具体化される、コンピュータが読み取り可能なプログラムコード及びコンピュータが読み取り可能なシステムコードを有する、コンピュータが使用可能なメディアを有し、前記コンピュータプログラムプロダクトは、ここに記載された前記方法ステップを実行するために、前記コンピュータが使用可能な前記メディア内にコンピュータが読み取り可能なコードを含む。前記コンピュータが読み取り可能なコードは、胚への浸透圧性ショックが低減し凍結保存品質が高まるように前記ガラス化溶液の濃度が徐々に上昇することを許容するために、前記装置内で流体交換を制御することに適合したコンピュータソフトウェアを含むことが好ましい。
尚、ここでの説明において、用語「消耗品」は胚等の生体試料のマイクロマニピュレーション又はガラス化用システム及び装置で使用されてもよいポッド、ピペット、メディアガラス瓶又は他の消耗可能装置を指すように使用されている。
他の態様及び好ましい形態は本明細書に開示され、及び/又は添付された特許請求の範囲で定義され、本発明の説明の一部を形成する。
要するに、本発明の実施形態は、ガラス化プロセスが自動化されていないままであるといる認識に由来する。現在の方法は、手動でピペットを使用してメディアを変えることにより、卵母細胞/胚の多重移送を行う胎生学者を必要とする。胚がプロセスを経ると、その後すぐに、この胚は、熱質量を低減させるためにプラスチックデバイスに移動させられ、早い冷却と保存とが可能となる。ガラス化プロセスは時間がかかり、退屈で、手間がかかる。より重大なのは、アウトプットの品質は技術者の技術に大きく依存するということである。本発明の実施形態は、胚のプロセシングと同一デバイス内への凍結/保存とを一体化することにより、ガラス化が自動化されるのを許容する。1つの実施形態では、ピペット移送無しで胚の培養をしながらメディアが交換されるのを許容するデバイスが開発されている。このデバイスは、熱質量が殆どないので、このデバイスは、それ自体、凍結/保存デバイスとして使用するのに役立つ。加えて、本発明の実施形態は、独自の消耗品及び機器ワークステーションを提供する。
本発明により提供される長所は以下を含む。
−好ましい実施形態の改良されたピペット及び制御機構は、許容誤差をより小さくさせる、ガラス化プロセスの大きな制御を提供する。
−胚を破損しないようにヒートシールすること。
−占有されたカセット上に作用するのみのための光学検知に基づいてヒートシールチューブが選択的に作動される。
−機械の全体的構成が溶液交換機構からのシーリング機構の分離を許容する。
−強い剥離可能シールを与えるためにガラス化保存場所に対して封止する丈夫なラミネート材を使用すること。この点において、他のガラス化保存デバイスは2次シールを使用しない。それらは通常互いに封止され、従って、開封するのに切断する必要がある。ラミネートはポリプロピレン素材に封止されることができる。
−シールがLNの内部への侵入を防ぐ。
−シールの完全な状態がLN温度内で維持される。
−好ましい実施形態の機器は、毎回一貫した胚プロセシングを確実にするために、制御された環境を提供することができる。
−同時に多数のガラス化デバイスがプロセシングすること。
−一回の動作における一対多数のデバイス。
本発明の実施形態の適用可能性の更なる範囲は以下に与えられた詳細な説明から明らかになる。しかし、ここに開示される精神及び範囲内で様々な変更及び改良がこの詳細な説明から当業者にとって明らかになる。従って、本発明の好ましい実施形態を示している詳細な説明及び特定の例は例示のみの目的で与えられることは理解される。
本発明の好ましい、またその他の実施形態の更なる開示、目的、長所及び態様は、添付された図面に連動して提供された実施形態の次のような説明を参照することによって、関連技術の当業者により更に理解され、また、これらは例示のみの目的であって、ここでの開示を限定するものではない。
本発明による自動化ガラス化機器の好ましい実施形態の動作フローに従った、幾つかの典型的なプロセスステップを示す。 好ましい実施形態による機器のレイアウトを図式的に示す。 本発明の好ましい実施形態による機器の各部品の明細を示しているチャートである。 カバーが所定位置にある状態の、本発明の好ましい実施形態による例示的な機器を示す。 本発明の好ましい実施形態による機器の主モジュールである。 本発明の実施形態によるピペットモジュールを示す。 本発明の実施形態によるヒートシーラ及び蓋移送モジュールを示す。 本発明の好ましい実施形態による機器で使用される横軸アセンブリを示す。 本発明の実施形態で使用される例示的なLN移送バケットを示す。 本発明の好ましい実施形態による例示的なユーザインターフェースディスプレイを示す。 本発明の実施形態による、消耗品とそれにロードされたメディアと共に動作する例示的トレーを示す。 本発明の実施形態による、ポッドがロードされた状態のカセットの例を示す。 本発明の実施形態によるメディアカートリッジの例を示す。 本発明の好ましい実施形態で使用される消耗可能カートリッジの例を示す。 本発明の好ましい実施形態によるポッドと蓋を示す。 図15のポッドの斜視図の断面である。 図15のポッドの斜視図の更なる断面である。 図15のポッドと、本発明の好ましい実施形態による、容積が制御されたチャンネルとの断面図を示す。 全てのカットがロードされた状態の、本発明の実施形態によるキャニスタの例を示す。
明細書においては以下の定義が適用される。用語「胚」はこの文書中で哺乳類又は哺乳類以外の胚を指し、この胚は、一般に実験室で胚を生体外((試験)管内)で保つことができる期間、一般に卵母細胞回収後、1日から6日内に生じるステージにある人間の胚も含み、これに限定されない。卵母細胞が受精前に未受精の中期IIステージで1個のセル卵、又は最終的な卵母細胞以前に未熟なGVステージ卵母細胞であると解釈される場合、用語「胚」は、特に指定しない限り、「卵母細胞」も意味する。「溶液」は胚を凍結保存する目的で使用される流体に関係がある。「消耗品」という用語は、ユーザ又は技術者により扱われる際、導入、及びガラス化の準備用に、また実験室の機器類へのインタフェース用に、胚又は卵母細胞を収容し取り扱うために設計された、使い捨ての低コストの装置を意味する。「カセット」は、多数の消耗品がガラス化プロセス中に含まれ且つ長期間保存プラットフォームとして役立つホルダ/プラットフォームであってもよい。「カートリッジ」はガラス化溶液、廃棄物、蓋及び/又はガラス化プロセスに必要なティップ(先端)を含むように設計された容器を意味し、カートリッジは、プロセス毎の1回使用又は、消耗品毎の1回使用であるように設計されていてもよい。「プロトコル」は、溶液交換の順序として解釈され、それらのタイミングと速度と温度と体積とを含む。溶液交換の順序は、LNにプランジする(沈める)ことによる最終ガラス化ステップ用に胚を準備する。「回復」は、完全なガラス化及び加温プロセスを受けた胚が位置決めされ集められて、更に処理されるために準備がされる、ステージを意味する。「生存」は、完全なガラス化及び加温プロセルを受け回復された胚であって、且つ凍結保存及び加温後、胚に現在使用されているのと同じ又は少ない培養での期間後、細胞上及び発育上生存力の明らかな兆候を示す胚を指す。より具体的には、本明細書では、生存は胚が後続の臨床プロセス(卵母細胞のための受精、胚のための胚移植等)に臨床的に適していると判断されることを意味する。
好ましい実施形態では、機器及び装置は、ガラス化準備プロセスを自動化するために提供される。胚及び周囲の流体がガラス化された状態に入る、実際のガラス化ステップも自動化されてもよい。ガラス化プロセスに一旦おかれた胚を移動させる必要なくガラス化プロセスを生じさせることを考慮するとともに、また胚生存力を危険にさらすことなく、加温手順を手動で生じさせることを許容する消耗品が更に提供されてもよい。
平均して、中規模IVFクリニックでは毎年、約800以下の胚をおそらく凍結させるであろう。大規模IVFクリニックでは毎年、約4000までの胚又は卵母細胞をおそらく凍結させるであろう。現在、プロセスは時間的に重要な工程及び/又は細かいモータスキル制御を必要とする手順及びプロトコルを含んでいる。このためにユーザがとる意図された対応を以下に説明する。
重要な要素は、機器をシンプルに保つことである。そういうものとして、機器は、ロード領域から、ディスペンス位置又は密閉位置等の機器内の様々な位置に胚ポッド(単にポッドとも呼ぶ)を移動させるために、X軸を用いる。他の機能はZ方向のガントリ台車に向かって移動する。
1つの好ましい態様において、本発明の実施形態は、処理用の胚を保持及び/又は位置決め用のディボットを備える制御された容積チャンネルを提供する。そうする際に、好ましくは約0.04μlから約0.30μlの範囲の制御されたディボット容積を有するディボットが設けられる。この容積は、胚が配設されることができる少なくとも少量又は制限された量の溶液を収容するのに十分である。これは胚の乾燥を防止する役目をする。また、それは処理を通して前回の溶液のキャリオーバを制御する。ディボットは胚の初期位置決めを支援し、流体交換中の胚の保持に備える。更に、チャンネルは、迅速な伝熱がポッド内に生じることを可能にするために、約0.01mmから約0.90mmの範囲の厚さ、好ましくは約0.08mmの厚さの壁を備える。
機器の主要な機能は、ガラス化準備プロセスを達成すること、また、潜在的には、胚のガラス化を容易にすること、である。それを達成するために、典型的なプロトコルにおける機器により達成される主なステップが、図1に示されている。機器は、プロセスを通してポッドと溶液との温度を維持する等、他の機能を完成してもよい。機器は、好ましい実施形態において、ポッドと正確な流体交換を行う。名目上、これは標準OEMピペットティップを介して行われる。可能性のあるLN汚染に関してシステムが「クローズ」システムになるように機器もポッドを密閉してもよい。典型的な機器準備プロセスは、ユーザが行う次のステップを含む。
−ユーザは機器を起動させ、プロトコルを選択する。
−バケットにLNを充填し、機器にロードする。
−適切な列を成したメディアカートリッジと消費可能カートリッジとを操作トレーにロードする。
−(理想的には)予期されたプロトコル温度に操作トレーを事前加温する。
−胚と2〜8μlの適切な緩衝溶液、例えば、Cryobase(登録商標)とを適切なポッド内に入れ、(もしまだ載置されていないならば)カセット内に載置する。
−機器内に操作トレーをロードする。
−機器中にカセットをロードする。
−スタートを押す。
典型的な機器アンロードプロセスは次のステップを含む。
−機器が警告アラームを発する時は機器を注意して見る。
−LNバケットから蓋を除去したり開けたりする。
−「カセット取り外し」アラームが発する時は速やかにアクセスドアを開けカセットを除去する。
−速やかにLN内にカセットを浸す。
−長期保存場所へカセットを移すために、LNバケットはその後、機器から除去される。
胚の加温及び生存力の結果についての考えられる要因を調査する時に、後日、正確な処理にアクセスするために、関連情報を取得するSDカード又はその同等物により、記録されたデータにアクセスすることができる。外部接続及びPCを介してサービスマンが機器に接続できることが想定される。これは、RS232又はRS485インタフェース経由である可能性が最も高い。また、当業者により認識されるようなGUIを介して利用可能な制限されたデバッグ機能性がある。
好ましい実施形態における図5を参照すると、自動機器は、胚を収容している操作トレーを溶液交換ロボットと蓋移送ロボットとヒートシーラとの間で移動させるために単一X軸を使用している。独立したZ方向移動のみで各機能が実行されるのに必要な場所にX軸は操作トレーを移動させる。
装着した消耗品を検出するために考えられる3つの基本的なオプション、即ち、物理的切り換え、光学的切り換え、及び画像検出がある。消耗品検出のための予期される典型的な動作フローは以下のとおりである。
画像検出
−検出のために起動する(ドアセンサ又はユーザ画面入力)。
−消耗し得るトレーの画像を取得する。
−成分を検出するために画像解析/検出アルゴリズムを実行する。
−許容された状態で成分がロードされることをチェックする。
−問題がなければ継続し、問題があれば修正をするためにユーザにフィードバックする。
光学的切り換え検出
−検出のために起動する(ドアセンサ又はユーザ画面入力)。
−ポッド、メディアカートリッジ、ティップ及び蓋の光学チェックをする。
−許容された状態で成分がロードされることをチェックする。
−問題がなければ継続し、問題があれば修正をするためにユーザにフィードバックする。
例えば以下のように、 多くの重要な特徴及びデザイン面の配慮が消耗品検出のために考慮に入れられている。
−ポッド、カートリッジ、及び部品(瓶、ティップ、蓋)を検出するための適切な分解能(及び適用可能な場合、色)。
−上記のリストされた部品の存在の検出。
−上記のリストされた部品の正確な方向の検出。
−「合理的な」検出アルゴリズムが典型的な実験室照明で機能することを許容する照明条件制御(照明条件制御は極端な状態において検出アルゴリズムがロバストであることを要求しないかもしれない)。
−LED輝度調節。
−外部照明の制御された影響(例、着色カバー)。
溶液交換は重要な考慮事項であり、以下のように考えられている。胚を平衡に保つために、機器は正確にポッド内に溶液を供給するとともに除去する必要がある。ディスペンスティップが最大4つのポッド消耗品内に正確に位置決めされることと、ガラス化に先立って胚の平衡に必要な流体交換を行うこととを許容するために、溶液交換システムが提供される。流体供給速度は本発明の重要な要因と考えられる。好ましい実施形態は、卵母細胞とさまざまな胚タイプとを収容するために、可変のディスペンス吸引速度を有する能力を機器に設ける。可変ディスペンス速度のこの機能は、制御可能な平衡シーケンスを提供するために可変平衡プロトコルと関連する。
システムは、ティップを正確な配置にガイドするためにポッド上の特徴を使用してもよい。自動ガラス化の予期される典型的な動作フローは以下のとおりである。
−ポッド、消耗し得るカートリッジ、及びメディアカートリッジを確保するための機器チェックが正確に位置する。
−流体システムに新しい無菌の使い捨てティップを嵌合させる。
−形成されたディボット内に胚を保護している約0.1μLの必要な体積だけを所望の位置から残しながら、緩衝溶液をポッドから吸引する。
−排水された溶液を廃棄容器内に供給する。
−平衡溶液3(ES3)を吸引する。
−秒速0.1〜3.0ulのディスペンス速度でゆっくり、約5μLの平衡溶液3を所望の位置でポッド内に供給する。
−必要なプロトコル時間(4〜20分)待機する。
−デボット内に胚を保護している約0.1μLだけを所望の位置から残しながら、平衡溶液3をポッドからゆっくり排水する。
−排水された溶液を廃棄容器内に、又は所望の廃棄位置に供給する。
−ガラス化溶液4(VS4)を収集する。
−所望の位置でポッド内に約1μLのガラス化溶液4を供給する。
−必要なプロトコル時間(30〜120分)待機する。
−システムからティップを押し出す。
−蓋をピックアップしてポッド上に置く。
−ポッド上に蓋をヒートシールする。
−手動又は自動でカセットを取り外し、LN内に置く。
−凍結保存タンク内にカセットを置く。
機器は以下のように動作する。
−ポッドに入る溶液の無菌を維持する。
−同一過程又は後続過程での胚同士間のいかなる相互汚染をも防止する。
−約2ul〜8ul(約10μLまでの)緩衝溶液、及びVS3を再度、ポッドから排水する。
−約5μL±15%ES3を供給する。
−約1μL±20%VS3を供給する。毎秒0.01ul〜2ulで吸引及び供給速度が制御される。
−約19〜37度の温度で処理温度が所定温度に制御される。
−ポッド毎に新しい使い捨て無菌ティップを使用する。
−流体工学がポッドから使い捨てティップまでを連結し、ポッドに対する使い捨てティップは考慮すべき事項である。このインタフェースは信頼し得るものであるべきであり、ティップのプッシュオン高さにおける差及びティップの振れ公差(最大約1.016mm)を考慮すべきである。
−流体工学メカニズムは、電子制御システムに連結するように構成されている。
−流体ディスペンサはティップ位置決めシステムに取り付けるように構成されている。
機器及びポッドデザインの別の利点はこのソフトウェアはガラス化メディアの濃度を徐々に増加させるために流体交換を制御することができるということである。これにより、今度は、胚への浸透圧衝撃が減少し、下のグラフから分かるように、凍結保存品質が高まる。
自動及び手動手段を対比させている下の比較グラフは抗凍結剤の濃度増加を示している。
溶液交換工程を行うために、機器はティップをピックアップするように構成されていて、最後の溶液交換が行なわれた後、機器はそれらのティップを押し出す。
1つの実施形態において、自動システムは、ピペット軸による垂直方向上向きの動きがティップを下方の容器内に解放するようにティップ上のピペットに係合する湾曲したステンレススチールプロフィールを使用する。この形式の除去は信頼性がある。また、本発明の実施形態におけるティップ除去の使い勝手について、システムが、汚染されたティップや溶液にユーザを容易に接触させないようにユーザフレンドリで安全であることを保証するために、注意深く考慮されるべきである。このことを考慮して、実施形態は以下のことを提供する仕様を有するインタフェースを備える。
−過程毎のピペット毎に1つのティップ。
−ティップは1つのティップ当たり約10Nの力で典型的には押される。
−ティップはそれらを押すのに必要とされる少ない力で典型的には除去される。
−容易で安全なティップ廃棄のために閉鎖されたボトム及び側面を有する(但し、トップは開口可能)容易に除去可能な容器内にティップは押し出されるべきである。
好ましい実施形態において、消耗品は、LNと胚又はガラス化された流体との間の直接接触を防止するシールされた器を得るためにヒートシールされる。特に、好ましい実施形態は、ガラス化及び保存中にLNが胚又はガラス化流体と接触するのを防止するために蓋の移送及び該蓋のポッドへのヒートシールリングを提供する。図7は、蓋の移送とヒートシールリングとを組み合わせるための単一軸を備える、本発明による機器の好ましい形態のヒートシーリングシステムを示す。
実質的に不浸透性を提供することと、メカニカルシーリングを達成するのに必要な応力を受けた特徴部を急速凍結することと、を含む技術的なリスクについて、メカニカルシーリングは緩和していない。また、その結果、加温プロセス中にそれらの特徴部に対する懸念が再び生じる。更に、メカニカルシーリングを容易にするために、特徴部を許容可能なスペースは、ガス及びLN蒸気に起因して伝熱率を著しく制限する。一般にヒートシーリングは、既存のフォイル材料を使用する場合及びポリマーストローをヒートシールする場合に行われる。ある例では、ヒートシーリングアレンジメント、及び蓋ピックアップ用吸着盤は、加熱したシールリングヘッド内に位置決めされていた。好ましい形態では、機器は蓋をロードされる位置からポッド上に移送するように構成されていて、これは個々の吸着盤と真空源とにより行われてもよい。蓋のシールリングは、およそ2〜3秒間、名目上、約140〜175℃の温度で約5〜8Nの圧力を加えることにより行われてもよい。それは、より少ない時間でより高い温度を加え使用するために、安定した胚温度を維持する目的で効果的であるということを、試験は示した。反対に、シール完全性テストに基づいたより低い温度が、表面が処理され殺菌されたポッドのために要求される。最適温度は約140℃から約155℃の範囲である。消費可能なシーリングのための典型的な予期された動作フローは以下のとおりである。
−ヒートシーラのヘッドを予熱する。
−ロボットを移動して位置を合わせ、蓋をピックアップする。
−Z−ロボットに蓋をしっかり固定するために吸引をオンにする。
−蓋をポッド位置に移動させる。
−蓋を解放する。
−ロボットを移動して位置を合わせ、必要な時間、蓋を密封する。1実施形態において、蓋上に空気を吹かせるために気流が逆方向にされることがこのステップ後に想定される。
−速やかに、ロボットを邪魔にならない所に移動させる。
−速やかに、カセットをアンロード位置に移動させる。
−ユーザによるアンロードのためアラームを鳴らす。
胚生存力は、特にVS4溶液中では温度に敏感である。胚の温度は37.5℃以上に上げるべきではないと考慮される。ある実施形態では、シーリング後10秒間、胚の温度は約5℃以上、上げないのが好ましい。これら2つの制限は、それらが機器や動作フローの設計に大きく影響を与えるかもしれないので注意深く考慮されるべきである。
シール一貫性に影響を与えるために、ポッドに対するヒートシールヘッドの位置合わせについて、好ましい実施形態に示されている。ポッド又はカセットの装着においてもし僅かな位置合わせズレが生じても、一貫且つ均一なシールが形成されるように、設計において考慮されている。
蓋がヒートシーリングの前の時点で存在せずにポッドに接触していない場合、機器はそれを検出すべきである。これにより、ヒートシーラはポッドからの溶融ポリプロピレンに汚染されないことが確実になる。
ヒートシール用の仕様及びインタフェースの要約は以下のとおりである。
−シール時間は名目上、約2.5秒±0.5秒である。
−シール温度は、ヒートシール完全性テストに示されるように、名目上、約140℃から155℃である。
−シール面での目標温度を±2.5℃以内に正確に維持すること。
−シール力は名目上、約0.08MPa〜0.2MPaである。
−紛失した蓋を検出し、ヒートシーラが露出したポッドに接触することを防止する。
−シールに妥協することなくポッド/蓋の位置ずれを考慮すること。
実施形態においては、機器上での平衡ステップの間、目標プロトコル温度で胚を維持するためにペルチェモジュール又は他の同等な熱電気の伝熱装置を採用するのが好ましい。また、ペルチェは、位置付けすること、熱接触を提供すること、及び確実に連結することの内の1つ又は組合せを介してポッドを動作可能に関連させる役目をするのが好ましい。位置付けすることとペルチェからカセットを解放することとはマグネットの配置により支援されてもよい。これらの機能は他の消耗品に適用されることができるであろう。この点で、ポッドとメディアとはプロトコルの始めから終りまで特定温度で維持される。研究室の室温が最低のプロトコル温度より大きいかもしれず、冷却も考慮にいれなければならない。冷却の別の動機としては、周囲の熱拡散に依存するよりはむしろ、異なる温度のプロトコル間のより短い時間を考慮に入れることである。これを行うために、横行台車は、X軸ロボットに取り付けられたアルミニウムステージを備え、正確な温度を維持するためにペルチェと温度センサとを使用している。ポッド及びメディアのガラス瓶は、ペルチェモジュールのインタフェースプレートと良好な熱伝導性、又は実際に達成し得る良好な熱接触を有する。従って、以下の事が考慮され提供される。
−機器は約19℃と約37℃との間の温度範囲でプロトコルを実行するように構成されている。
−機器は約18℃と約27℃との間で動作するように更に構成されている。
−トレーを操作している機器は、当業者により容易に理解されるような、最適な、ソフトウェア制御された温度設定手段を介して達成される意図されたプロトコル温度の約0〜2℃以内で動作する。
−当業者により容易に理解されるような、最適な、ソフトウェア制御された温度設定手段を介して達成される、消耗品内の流体とガラス化溶液の温度差は約0〜2℃以内である。
−ポッド、メディアガラス瓶及びピペットティップは、少なくとも1つのペルチェモジュールの使用を介して制御された温度であってもよい。
横軸ロボット手段は、プロトコルにおける要求に応じてペルチェモジュールを各X位置に移動させるために設けられている。これは、レイアウト決定により達成されても良い。従って、例えば、蓋に合わせてヒートシーラを移動させ或いは供給目的でティップの先端をポッド内に載置するために、必要に応じて台車を各x位置に移動させる1つの横軸を機器は有していてもよい。好ましい実施形態において、組み立てられた機器と、1.016mmの逃げを有するロードされたティップと、ポッド及び台車間の嵌合に起因する他の許容誤差と、の間の許容誤差の積み重ね(蓄積)を考慮するために、横軸手段は約0.1mm以内の位置精度を提供する。これは、組み込まれた精度に起因してティップの上記逃げと合理的な許容誤差の積み重ねとに基づいて評価される。横軸ロボット手段は、約100mm/秒までの推定された速度で移動することができる。ステップロスが如何なる機器機能の可能性ある不具合を生じさせないようにステップロスが確実に防止或いはステップロス検出が実行されるべきである。横軸及び台車は多数のインタフェースを有し、それらの幾つかをより詳細に後述する。重要なインタフェースは横軸とZ軸(又はガントリと呼ばれるかもしれない)との間にある。基盤技術は、横及びZ軸の両方により動かされる位置精度により決まる。従って、横軸は機器のシャーシ内に確実に設けられる。横軸に対する許容誤差は、消耗品検出システムが許容誤差に対処できるならば、Z軸に対する許容誤差より大きくてもよい。整備のために、横軸部品は、機器において直接、又はサブアセンブリを交換することにより交換可能に設計されているのが好ましい。
好ましい実施形態では、Z軸ロボット手段又はガントリは、溶液交換システムと消耗品シーリングシステムとを、プロトコルに要求されるような高さになるようZ方向に移動させるように設けられている。Z軸ロボット手段は、ピペットティップをピペットに押すと共にティップをピペットから除去するのにも使用される。一般には、Z軸は、親螺子/ボール螺子が取り付けられた台車を駆動するためにステッピングモータを利用している。追加支援及び拘束が、ガントリプレートの溶液交換側に取り付けられた2つのリニアベアリングを介して台車に提供される。これは、ヒートシーリングに比べて、許容誤差がポッドのティップとの相互作用より重要だからである。好ましい実施形態では、加熱された台車に取り付けられたティップ除去特徴部を使用してティップはディスペンスポンプから除去される。ディスペンスポンプを下方へ移動させ、次に横行台車を横切らせることにより、ティップはティップ除去装置により適所に保持される。これと同時に、使い捨てティップをディスペンスポンプアダプタから取り外すためにディスペンス軸ロボットを上方に駆動する。個別のビンを必要とするよりはむしろ、ティップがそれらのオリジナルホルダに後ろへストリップされることを可能にする場所へ「ティップストリッパ」を移動させるために個別の単純な軸を加えることにより、横行台車、及びユーザ作用の周りのスペースを簡素にしてもよい。
胚のガラス化を可能にするために、液体窒素(LN)は必要である。機器のためのLN保存容器の例が図7に示されている。ハンドルを付け加えてもよいということは注目すべきである。手動によるガラス化のために、LN槽が、プロトコル終了時、カセットの迅速な液浸のために利便よく位置するように、LNの収容は機器のフットプリント以内で行われる。特定の実施形態では、ガラス化用LNへのカセットの移送は自動化されている。手動ガラス化の場合には、LNの機能がLNの存在及びレベルを検出する。自動ガラス化の場合には、機器もカセットを横行台車からLN経路まで移送するのが好ましい。この移送は、テストにより決定された撹拌を含んでいてもよい。自動平衡ステップの終わりに胚ガラス化のためにカセットが移送する槽内に十分なLNがあることを機器が検出するように構成されている。手動ガラス化では、ガラス化するために容器内に十分なLNがあることを最終的に確かめるのはユーザの責任である。しかし、機器は、LNが入っていない、少ない、十分にある等のフィードバックを提供することができる。機器がカセットを移送する際に十分なLNがなければ胚は生き残ることができず、提供された自動ガラス化では、LNレベルの検出/チェックは重要な行いである。いずれの場合にも、機器は、プロトコルの初めに、好ましくは、消耗品の存在をチェックする際に、LNレベルのチェックを実行するように構成されているのが好ましい。機器の動作環境範囲(18℃から27℃)内でLNが最低限必要なレベル以下に約30分内で蒸発しないようにLN槽は十分に大きく且つ制御された蒸気を有するように形成されている。オペレータがLN蒸気内に手を通過させないようにし、また、LN蒸気が、ロードされた消耗品の上を通過したり横行台車の温度制御を乱したりすることが生じにくくなるように、LNは装着エリアから分離されるのが好ましい。LNを備えたどんな除去可能な容器も、OH&Sの理由に基づきハンドルを有するのが好ましい。同様の安全グラウンド上では、選択された物質はその(物質)中にLNを注がせると共に大気温度で繰り返される熱衝撃に耐えることができるのが好ましい。好ましい製品は、HDPEから製造される。
30分間持続できる槽のサイズを減らすために、幾つかの要因がLN蒸発速度を低下させるかもしれない。この点において、槽自体の絶縁特性は、おそらく最も最大効果を有するかもしれない。また、蓋を追加することによりLNの蒸発速度は更に低減するであろう。要約すると、LNのための器具類の適応は次の通りである。
−約18℃と約27℃との間の環境において30分間持続するために十分なLNを保存すべきである。
−器具類は機器シャーシや蓋に嵌る。
−カセット内の全てのポッドが約30分後沈んだままになることが幾何学により確実になる。
−機器不使用時の蓋を含む。
−LNが入っている容器を移送する際、OH&Sの理由によりハンドルを含む。
器具類の全てのサブシステムアセンブリはシャーシに取り付けられる。あらゆる位置ずれが加えられるかもしれず、ポッドにおける位置ずれが生じるので、サブシステムは正確に位置付けられるのが好ましい。これは、ポッド内でのティップの不正確な位置決め又はポッド上での蓋の位置合わせの失敗等、深刻な結果をもたらす。
好ましい実施形態は、高精度オペレーションに関わっているシステムの全てを分離するサブモジュールを組込んでいる。これらの重要なオペレーションは、横行台車上のアイテムと溶液交換システム又は消耗品シーリングシステムとの間の相互作用を含んでいる。許容誤差の複合要求を最小限にするために、ガントリと横行モジュールとの組み合わせが設けられていて、これらの組み合わせはメインシャーシ内に組み立てられる。従って、部品を一般的に適合させるためにメインシャーシは「標準」許容誤差を有することができる。好ましい実施形態では、機器の重さ及びサイズは、最大重さが約45kgで、約750mm幅x約700mm奥行x約600mm高さの最大サイズに対応する。
適切なユーザインターフェースとして、カラータッチスクリーン、例えば、LCDタッチスクリーンがユーザによる機器制御用に使用されている。図8は、好ましい実施形態におけるGUIのスクリーンショットの一例を示している。他の表示オプションがその機能性を提供するかもしれないが、このレベルのテクノロジーの機器を制御するために、現在の市場予測はカラータッチスクリーンを要求していると考えられ、GUIはそのようなユーザインターフェースを具体化している。好ましい実施形態では、GUIは5.7インチのディスプレイを備え、他の実施形態では4.3インチのディスプレイ等の異なるスクリーンサイズを備えている。抵抗性及び容量性タッチスクリーンは適切であると考えられる。抵抗性タッチスクリーンは、好ましい実施形態において、競争率が高いその開発時間に基づいて提供される。通常、アルコール又は芳香薬は臨床検査室で許可されず、マイルドな石鹸及び水だけが洗浄用に典型的には許可される。スクリーン上のガラス蓋のための特定の要求はないが、ガラス蓋は設けられてもよい。
データのロギング(logging)は2つの形態で生じてもよい。ロギングの1つのレベルは、それは単にサービスマンによりアクセスされ、各プロトコルの実行のために詳細な機器データをログすることである。ロギングの別のレベルは、後日温められる胚のために使用されるプロトコルの詳細を確認するのに関係するデータをログすることである。関係するデータはハイレベル機器機能確認(例えば、台車温度)を含む。これらの「ログ」は固有の識別子及び時間と日付スタンプにより追跡されてもよい。
全体として、器具は好ましい実施形態では最適な標準に従って設計されている。最適標準の例としては、標準、即ち、「ANSI/AAMI HE75:2009人間工学―医療機器の設計」からガイダンスを使用している「ANSI/AAMI/IEC 62366:2007医療機器‐医療機器へのユーザビリティエンジニアリングの適用」等が挙げられる。
安全性配慮に対しては、好ましい実施形態では、機器は国際標準、即ち、IEC61010、又は規定する要求により示されるその同等の標準に従う。ハザード解析は安全性を高めるために注意を要するエリアを識別するために行なわれてもよい。
擦り減り又は役立たなくなるかもしれない部品を有する全てのサブアセンブリは、交換の最適レベルを考慮して設計されている。例えば、ペルチェは役立たなくなり、又は、ベアリング或いはガイドは擦り減り、潜在的な故障に結びつくかもしれない。差し支えなければ、これらは比較的容易に交換されるように設計されている。
消耗品とアクセサリ
好ましい実施形態でのポッドは自動流体交換及び胚ガラス化を可能にする。胚は、典型的には、プロセス中であっても直径が約50μm〜300μmであり、それより小さいときには、胚は崩壊し再度膨張するかもしれない。従って、それらは時々これよりはるかに小さいが。凍結保存による破壊をなくし又は減らす目的で胚のセル内及び周囲の水を抗凍結剤と置換するために特定期間、特定温度で胚が幾つかの溶液に晒されることをガラス化プロセスは必要とする。また、上述したように破壊は典型的には氷結晶により生じる。好ましい実施形態によれば、ポッドデバイスは吸引された流体共に引き上げられるのを防止するが、流体交換が生じるのを許容し、「クローズ」システム内での高い伝熱率を許容する。この場合の「クローズ」システムは、LNと胚との間の直接接触を防止するガラス化システムを指す。図9は、本発明の好ましい実施形態による典型的なポッドを示している。本質的には、好ましい実施形態のポッドは3つの部品、即ち、指示用台車、蓋、及びチャンネルを備えている。チャンネルは試料胚を収容するためのディボットを備えている。これは、公開されたPCT出願明細書(No.WO2011/146998)に記載されている。好ましい胚設計は次の特徴を有する。
−図18に示すようなディボットにより、明白に識別可能な胚載置領域による容易なロードを許容する。
−オペレータが胚を位置付けるのを支援する目的で、光学上透明であってもよい。
−流体が胚の上で交換されることを可能にするために、湿潤性の表面を有していてもよい。
−LN汚染を防止するために密封されている。 約7000℃/分より速いガラス化及び加温率を許容する。
−溶液のキャリオーバを最小限にする(例えば、緩衝液と平衡溶液との間、及び平衡溶液とガラス化溶液との間)。
−胚の異なるタイプ及び胚の発達年齢とステージに役に立つ。例えば、人間の胚の役に立たなければならない。しかし、開発の必要の為にマウスの胚にも役に立たなければならない。また、他の哺乳類及び哺乳類以外の種の胚に役立つ、少なくとも可能性(未解決の更なるプロトコル最適化)を有さなければならない。それは、完全に孵化された胚盤胞に完結するまで卵母細胞に役立つかもしれない。
−現在確立されているクローズ手動プロセスにより、回復及び残存率に対処する。
−人間の胚と使用される際、1つの胚と2つまでの卵母細胞が同一の容器内でガラス化されるのを可能にする。
−胚及び卵母細胞の加温化及び再平衡を許容する。
−ポッドはユーザにより容易に開かれるべきである。
−ポッドは、胚が加温化後に容易に見つかることを考慮すべきである。また、これは、ポッドは良好な光学的鮮明さを有するが、胚を見ることを妨害する形状を有さないということを示す。
−ポッドは約 20kGyと約35kGy(名目上25kGy)との間で殺菌することができる。
−ポッドはアルミニウム/ポリプロプラミネート材へのヒートシールを許容する。これは、ポッドの上のシーリング面がポリプロピレン/ポリエチレンであることを要求する。
−破壊的なヒートシールと比較して剥離可能なヒートシール。
胚は生きた細胞で、非常に小さく(約50〜300μm)、脆弱で、容易に得られなく、プロセスの間、形が変化し、浮き、また非常に敏感である、等の追加された複雑さにも関わらず、上記機能は果たされる。
好ましい実施形態において、4つのポッドがカセット内に保存される。カセットは、LN貯蔵タンク或いはLN液体又は蒸気保存タンク内の現在の保存容積を減らすことなく、LNタンク内に載置される最終保存容器としての機能も果たす。また、ポッドは、プロセシング中の良好な温度制御を維持するために十分な伝熱が生じるように横行台車上に嵌まるように構成されている。
ポッドチャンネルは別々に製造されるのが好ましく、それは1つの単位部品へ組み込まれることができる。ポッドは、プロセシングの間、良好な温度制御を維持するための十分な伝熱が生じるように、横行台車上にうまく嵌まるように構成されている。チャンネルは表面処理又はその他の改良を通して湿潤性である。フレーム処理、化学、コロナ及びプラズマ処理(これらに限定されないが)を含む多くの表面処理がテストされた。ポッドはプラズマ処理されるのが好ましい。チャンネルの光学的鮮明さはその使い易さに関係する。チャンネルはLNに対して不浸透性であるキャリアをシールするように構成されている。ポッドに加えることができる流体の最大体積は約55μLである。キャリアは、チャンネルを扱う手段を提供すると共にラベルを担持するポッドの部分である。この点において、キャリアはLNとプルーフ用ラベルリングと適切な表面とのためにスペースを提供している。キャリアは室温から約−196℃に至るまでカセット付着し、同じ温度範囲において除去可能であってもよい。
一般には、蓋は、上述したようにアルミニウム/ポリプロピレンでラミネートされたヒートシールを含み、ポッドチャンネルとキャリアとにシールされる。蓋は、再平衡溶液の迅速な追加のために加温するや否や容易に除去されるように設計されている。
カセットは、適切な数、好ましくは4つまでのポッドを一度に保持する部分であり、例が図11に示されている。キャリアは、LN又は蒸気保存タンク内の同一患者からのフック、Cryotop(登録商標)、ストロ(straws)等の多数のガラス化デバイスを保存するために、現在のシステムで使用されている「ケイン(canes)」の代わりである。カセットは、ポッド内の胚をガラス化するためにユーザがカセットを保持できるハンドルを含んでいるのが好ましい。カセットもバーコードと他のID用の十分なエリアとを有するように装備されている。1つの形態において、カセットは、図12で示すように、カセットで満ちているキャニスタを上から判読可能であるようにIDの或る形式に適している。カセットは次の特徴を有するのが好ましい。
−ポッドのキャリアの特徴的な形状設計により、ポッドのロード、アンロードが容易で直観的である。
−ユーザの指を火傷させることなく、LN内にカセットを素早く浸しアジテイト(激しく動かす)することが容易である。
−格納場所から特定のカセットを取り出そうとする時、キャニスタ又は他の保存形態から他のカセットを取り除くことなくユーザはカセットを識別することができることを欲する。
−約28.5mmのピッチに適合する必要がある。
ポッドとのインタフェースに関しては、ポッドは室温でのカセット内への容易な挿入に適している。機器上にロードされる時、ポッドはカセットにより拘束されるよりはむしろ、台車に位置付けるために移動することができる。ポッドはLN又は蒸気下で除去可能であり、カセットから容易に落下しない。カセットからのポッドの一貫した除去を可能にするために、適切に位置決めされた反復可能な力がマグネットにより加えられる。これらのマグネットは、ポッド内に存在する鉄金属に任意の大きさの磁界強度を及ぼすように構成されている。この目的のために、マグネットはカセット内の分散された場所に位置しているのが好ましい。カセットは台車を介して機器と連結し、保存場所のキャニスタと連結する。更に、カセットは、LNか蒸気のいずれかの内の胚を全て維持しながら、キャニスタから容易に除去可能である。ポッドがLNタンク内のカセットから離脱させられることになっていた場合に浮く目的で十分な浮力を有するようにポッドは設計されてもよい。
図13を参照すると、消耗可能トレーが、ガラス化溶液のガラス瓶、廃棄物、及びピペットティップのために設けられている。トレーは、ベンチ又は加熱板にフラットに座り、ポッドと溶液までずっと伝熱を許容する。また、トレーは取り扱いが容易であり、それは加熱した台車上の位置に容易に且つ正確にロードされる。カセットの嵌合と、ポッド内で溶液への伝熱を援助する消耗可能トレーに関するポッド特徴とにより、ポッドは、消耗可能トレー内に位置付けられる。位置及び伝熱両方の理由でガラス瓶は消耗可能トレー内にしっかりと嵌合している。
ステーション毎のZ軸移動を低減するために、低いクリアランス高さで消耗品が様々なステーションの下を通過することを可能にするように、消耗可能トレーは構成されている。しかしながら、ティップは他の部品よりはるかに高いのが好ましい。この要求及びベンチ上でフラットに座る要求を与えられて、このトレーは、ベンチ又は加熱板上にある時はトレーが高く静止できると共に機器上にロードされた時はトレーがカットアウト(cut−out)内に低く静止できるように、浮かぶティップホルダを有して設計されている。ティップは消耗可能トレー内のそれらのホルダに逆らってディスペンス軸を下方向にティップ内に駆動することによりロードされてもよい。ティップをピックアップする力は垂直方向下へ約60〜100N(6〜10kg)である。トレーは、約28.5mmのピッチに適合するように構成されると共に、約60mmの全体の最大高さを有して確実に機器内に係合するように構成されている。
メディアカートリッジには以下を含む特徴が提供されてもよい。メディアカートリッジは除去可能な無菌の方法で少なくとも2個の流体ガラス瓶を保持するように構成されている。メディアカートリッジは約28.5mmのピッチへ適合するように構成されている。それは、メディアガラス瓶への熱交換を最大限にすることができると共にメディアガラス瓶に確実に係合するように構成されている。メディアガラス瓶が提供されてもよい。メディアガラス瓶には最低約100μLの溶液が入る。また、メディア生産及び保存寿命に適していることによりこの瓶が決定される。
ティップカートリッジには次の特徴が提供されている。ティップをピックアップするのに必要な力は垂直方向下へ約60〜100N(6〜10kg)である。ティップカートリッジは、ポストプロトコル胚チェック用に少なくとも1個の透明な不用ガラス瓶を保持すると共に、少なくとも1つの無菌ピペットティップを保持する。ティップカートリッジは、少なくとも1つの無菌でヒートシール可能な蓋を保持し、約28.5mmのピッチに嵌まる。ティップカートリッジは、乾燥成分のための保管容積を最小限にする。また、それは処分用の消耗品/使い捨て用品内に除去可能なティップを提供する。
ディスペンスティップが設けられ、OEMティップが好ましい。1つの実施形態では、10μLのフィルタ付きAxygen(登録商標)TFティップが使用されている。ディスペンスティップの特徴及び配慮は、ティップがポッドとティップと機器との許容誤差を考慮しながらポッドチャンネル内に嵌まることができるように細い先端を有するということを含む。ティップは、最低約10μLを保持するように構成されていて、それはフィルタを付けるべきである。また、ディスペンスティップがピペットティップとの相互作用に適しているのが望ましい。
図14を参照すると、保存タンク又はデュワー内に多数のカセットを保持するために容器として使用されるキャニスタが提供されている。現在の方式はケインを保持するためにキャニスタを保持する。このシステムはその後、多数のストロ又は他のガラス化デバイスを保持する。この実施形態では、例示としてのキャニスタは以下のシステム、即ち、LN保存タンク、LN蒸気相保存タンク、ドライシッパー、デュワー保存システムのために設計されている。
デュワーストレージに関しては、16個の小さなケイン、即ち、各ケインに3〜6つの胚、又は4個の大きなケイン、即ち、各ケインに7つの胚の容量がある。小缶キャニスタ容量は約20人の患者、即ち、総容積と一致する76の胚に相当する。タンク保存場所に関しては、16個の小さなケイン、即ち、各ケインに3つの胚、又は10個の大きなケイン、即ち、各ケインに7つの胚の容量がある。キャニスタ容量は約26人の患者、即ち118の胚に相当する。2つのキャニスタの積み重ねた場合は、約52人の患者(即ち、236の胚)に相当する容量がある。
LN又は蒸気内にまだある間にポッドをカセットから除去するのを支援する目的で、ポッド除去ツールのために潜在的な要求が確認されている。これは、もしポッドとカセットとの設計において、ポットの除去が困難な場合にだけ必要とされるであろう。しかし、一方で、上述されるようなマグネット位置方式を使用することは望ましい。
参考までに記載するが、係合及び解放の為に屈曲するように通常は設計されている特徴部は、極低温でのプラスチック剛性の増加により、ユーザフレンドリな力未満ではもはや屈曲することはできないということが観察されている。
本発明がその特定の実施形態に関連して記載されてきたが、更なる変更も可能であることは理解される。この適用は、一般的に本発明の原理に従いながら、且つ本発明に関連する技術内で既知又は慣行であるような、また先に明記された本質的特徴に適用されるような、本開示からの逸脱を含みながら、本発明のいかなる変形、使用、又は適応もカバーするように意図されている。
本発明は本発明の本質的特徴の精神から逸脱することなく幾つかの形態で実行されてもよいが、上述の実施形態は特に言及がなければ本発明を制限するものではないと理解されるべきであり、添付された特許請求の範囲に定義されているような本発明の精神及び範囲内でむしろ広く解釈されるべきである。記載された実施形態は全ての点において例示としてのものであり、制限するものではない。
様々な変更及び同等のアレンジが、本発明及び添付された特許請求の範囲の精神と範囲内に含まれるように意図されている。従って、特定の実施形態は本発明の原理が実行される多数の方法の例示であると解釈されるべきである。次の特許請求の範囲とmeans‐plus‐functionの節とは定義された機能を果たす構造及び構造的な同等物のみならず同等の構造物をもカバーするように意図されている。例えば、ネイル(nail)は木製部品を互いにしっかり固定させる円筒形表面を使用しているのに対して、スクリュウ(screw)は木製部品を互いにしっかりと固定させる螺旋状表面を使用しているという点で、ネイルとスクリュウとは構造的な同等物ではないかもしれない。しかし、木製部品を固定させる環境において、ネイルとスクリュウとは同等の構造物である。
用語「サーバ」、「安全なサーバ」又は類似用語がここで使用されている場合、もし文脈が別段要求しなければ、通信システムで使用されるかもしれない通信デバイスが説明されるということは注目すべきである。また、本発明を特定の通信デバイスタイプに限定するように解釈すべきではない。従って、通信デバイスは安全であろうとなかろうと、制限なく、ブリッジ、ルータ、ブリッジルータ(単にルータ)、スイッチ、ノード又は他の通信デバイスを含んでもよい。
また、本発明の様々な対応を実演説明するためにここでフローチャートが使用される場合、本発明を特定のロジックフロー又はロジックインプリメンテーションに限定するように解釈すべきではないということは注目すべきである。記載されたロジックは全体の結果を変更することなく、又はさもなければ本発明の正確な範囲から逸脱することなく異なるロジックブロック(例えば、プログラム、モジュール、ファンクション、又はサブルーチン)へ分割されてもよい。しばしば、論理素子は異なる順に加えられ、修正され、省略され、実行されてもよいし、或いは全体の結果を変更することなく、又はさもなければ本発明の正確な範囲から逸脱することなく異なるロジック構図(例えば、ロジックゲート、ルーピングプリミティブ、条件付きロジック、又は他のロジック構図)を使用して実行されてもよい。
プロセッサと共に使用するコンピュータプログラムロジックを含みながら、発明の様々な実施形態は多くの異なる形態で実行されてもよい。プロセッサとしては、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセサ、又は汎用コンピュータが挙げられる。さらに言えば、本発明の実施形態を実行するためにどんな商用プロセッサもシステムにおいてシングルプロセッサ又は直列又は並列セットのプロセッサとして使用されてもよい。また、そのようなものとして、商用プロセッサの例としては、限定的ではないが、Merced(登録商標)、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Xeon(登録商標)、Celeron(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、Efficeon(登録商標)、Athlon(登録商標)、AMD(登録商標)等が挙げられる。また、プログラマブルロジカルデバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はその他のPLD)と共に使用するプログラマブルロジック、又は個別部品、又は集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はそれらの組み合わせを含む如何なるその他の手段も含みながら、本発明の様々な実施形態は多くの異なる形態で実行されてもよい。本発明の例示的実施形態において、主にユーザとサーバと間の全ての通信は1セットのコンピュータプログラム命令として実行される。1セットのコンピュータプログラム命令はコンピュータ実行可能形式に変換され、コンピュータが読み取り可能メディア内等に保存され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサにより実行される。
ここに記載されている機能性の全て又は一部を実行するするコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、及び様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ又はロケータにより形成された形式)を含む様々な形で具体化されてもよい。ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又は操作環境と共に使用する、様々なプログラミング言語のうちのどれにおいても実行される一連のコンピュータプログラム命令を含んでいてもよい(様々なプログラミング言語の例としては、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又はFortran、C、C++、JAVA、又はHTML等の高水準言語が挙げられる。更に、本発明の実施形態を実行するのに使用されてもよい何百もの利用可能なコンピュータ言語がある。より普及しているものとしては以下のものがある。Ada、Algol、APL、awk、Basic、C、C++、Conol、Delphi、Eiffel、Euphoria、Forth、Fortran、HTML、Icon、Java、Javascript、Lisp、Logo、Mathematica、MatLab、Mranda、Modula‐2、Oberon、Pascal、Perl、PL/I、Prolog、Python、Rexx、SAS、Scheme、sed、Simula、Smalltalk、Snobol、SQL、Visual Basic、Visual C++、Linux及びXML)。ソースコードは様々なデータ構造及びコミュニケーションメッセージを定義し使用してもよい。ソースコードは、(例えばインタープリタを介して)コンピュータ実行可能形式であってもよい。あるいは、ソースコードは、(例えば、翻訳機、アセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能な形式に変換されてもよい。
コンピュータプログラムは任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)で永久的に又は一時的に具体的な記憶媒体中に固定されてもよい。具体的な記憶媒体としては、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュ‐プログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD‐ROM又はDVD‐ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又はその他のメモリデバイス等がある。様々な通信技術のうちいずかを使用してコンピュータに送信可能な信号において、コンピュータプログラムは、任意の形式に固定されてもよい。様々な通信技術は限定的ではないが、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びネットワーキング間技術を含む。(例えば、システムROM又は固定ディスク上に)コンピュータシステムを前もって搭載した、又は通信システム(例えば、インターネットかワールドワイドウェブ)上にサーバ又は電子掲示板から分配された印刷又は電子ドキュメンテーション(例えば、市販パッケージソフトウェア)を伴いながら、コンピュータプログラムは除去可能記憶媒体として任意の形式で分配されてもよい。
ここに記載されている機能性の全て又は一部を実行するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスと共に使用するプログラマブルロジックを含む)は、従来の手動方法を使用して設計されてもよいし、あるいはコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)等の様々なツールを使用して電子的に設計、取り込み、シミュレート、又は文書化されてもよい。本発明の実施形態を実行するために、ハードウェアロジックもディスプレイスクリーンに組み込まれてもよい。ディスプレイスクリーンは、セグメント化されたディスプレイスクリーン、アナログディスプレイスクリーン、デジタルプレイスクリーン、CRT、LEDスクリーン、プラズマスクリーン、液晶ダイオードスクリーン等であってもよい。
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD‐ROM又はDVD‐ROM)等の具体的なメモリデバイスに永久に又は一時的に固定されてもよい。プログラマブルロジックは、様々な通信技術のうちいずかを使用してコンピュータに送信可能な信号において固定されてもよい。様々な通信技術は限定的ではないが、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びネットワーキング間技術を含む。(例えば、システムROM又は固定ディスク上に)コンピュータシステムを前もって搭載した、又は通信システム(例えば、インターネットかワールドワイドウェブ)上にサーバ又は電子掲示板から分配された印刷又は電子ドキュメンテーション(例えば、市販パッケージソフトウェア)を伴いながら、プログラマブルロジックは除去可能記憶媒体として分配されてもよい。
本明細書で使用される時に「備える/備えている」及び「含む/含んでいる」は、定められた特徴、整数、ステップ又は部品の存在を指定すると解釈される。しかし、それらの1つ以上のその他の特徴、整数、ステップ、部品又はグループの存在や追加を除外するものではない。従って、もし、明細書及び特許請求の範囲全体に亘り文脈が別段明白に要求しなければ、その用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる。」等は、排他的な意味に対立するものとして包括的な意味、即ち、「を含み、これ(これら)に限定されずに」と解釈されることになっている。

Claims (39)

  1. 生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は貯留層を有する容器を含み、前記容器は前記貯留層の一部に形成されたチャンネルを有し、前記チャンネルは前記生体物質の通過に抵抗するが液体処理溶液の通過を許容するように寸法が与えられた中間絞りを含み、前記チャンネルは約0.01mmから約0.09mmの範囲の厚さの壁を有する、装置。
  2. 前記チャンネルは、胚を少なくとも僅かな溶液内に保持/位置決めするように構成されている、約0.04μlから0.30μlまでの間の容積を有するディボットを更に含む、請求項1に記載の装置。
  3. 生体物質及び液体処理溶液に晒されたチャンネルの表面は、流体が上記チャンネルの表面上を濡らし広がるように処理されている表面である、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記チャンネル壁はポリマー材料から成る、請求項1、2、又は3に記載の装置。
  5. 前記装置は2部構造を含む圧縮成形により形成される、請求項4に記載の装置。
  6. 前記2部構造はポリマー材料の第1成形インジェクションとポリマー材料の第2成形インジェクションとを含む、請求項5に記載の装置。
  7. 前記第1又は第2成形インジェクションの一方は前記チャンネルの形成を含む、請求項6に記載の装置。
  8. 前記2部構造は前記装置の2つの別々に形成される部分を含む、請求項5に記載の装置。
  9. ポリマーはポリプロピレンを含む、請求項4から請求項8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記壁厚さは約0.08mm〜0.12mmである、請求項4から請求項9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 表面処理は、プラズマ表面処理、
    化学表面処理、
    殺菌表面処理、
    コロナ表面処理、又は
    フレーム表面処理の内の1つ又はその組合せを含む、請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 生体物質のマイクロマニピュレーションのための装置であって、前記装置は前記生体物質を収容すると共に液体処理溶液の通過を許容するチャンネルを含み、前記装置は2部構造を含み、前記装置の2部分は、ガラス化プロセスステップに先立って前記2つの部分の中間において2次材料でヒートシールされるように構成されている、装置。
  13. 前記2部構造はポリマー材料の第1成形インジェクションとポリマー材料の第2成形インジェクションとを含む、請求項12に記載の装置。
  14. 前記第1又は第2成形インジェクションの一方は前記チャンネルの形成を含む、請求項13に記載の装置。
  15. 前記2部構造は前記装置の2つの別々に形成される部分を含んでいてもよい、請求項12に記載の装置。
  16. 前記2次材料は前記2部構造の剥離を許容する、請求項12に記載の装置。
  17. 前記装置は前記生体物質を収容するためのポッド又は前記生体物質を移すためのピペットの一方を含む、請求項12から請求項16のいずれか1項に記載の装置。
  18. マグネットの配置との操作的関連により、前記装置は位置決めすること、接続すること、位置付けすること又は熱接触を提供することの内の1つ又は組合せに適合する、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記装置が挿入又は移動に適合する既存の構造内に前記磁石は位置付けされる、請求項18に記載の装置。
  20. 前記既存構造はカセット、カートリッジ又はキャニスタの内の1つ又は組合せを含む、請求項19に記載の装置。
  21. 前記装置はLN内に浮かぶことに適した、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記2部構造はポリマー材料を含む、請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の装置。
  23. 前記2つの部分はポリプロピレンを含み、前記2次材料はLNの装置への進入を防止するように構成されたラミネートである、請求項12から請求項22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 温度環境を制御するためのソフトウェア操作可能手段と、
    液体処理溶液を前記生体試料につける(加える)ための流体ディスペンス体積及び速度と吸入体積及び速度とを制御するためのソフトウェア操作可能な手段と、
    プロトコル時間を制御するためのソフトウェア操作可能手段と
    の内の1つ又は組合せを含む、生体試料のガラス化のためのシステム。
  25. 前記温度は約5℃から約40℃の範囲で制御される、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記温度は約19℃から約37℃の範囲で制御される、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記流体注入及び吸入体積は約0.1μlから約15μlの範囲、精密には約1μl±0.2μlから約10μl±1μlの範囲に制御される、請求項24に記載のシステム。
  28. 前記流体注入及び吸入速度は約0.01μl/sから約5μl/sの範囲に制御される、請求項24に記載のシステム。
  29. 生体物質をマイクロマニピュレートするためのシステムであって、前記システムは、固定されたアセンブリに各単軸ロボットアームが取り付けられた、独立した前記単軸ロボットアームの内の1つ又は組み合わせを含み、ロボットアームの組み合わせは、少なくとも2つの自由度における移動のための広範囲座標システムを提供し、前記システムは、次のプロセスステップ、即ち、胚ロード、平衡、ヒートシール、ガラス化の内の2つ又は組合せを通して、請求項1から19に記載されているように装置をハンドルすることに適合している、システム。
  30. 請求項1から22いずれか1項に記載されている装置を利用して生体物質をマイクロマニピュレートするための方法であって、前記方法は、
    緩衝液中の装置に少なくとも1つの胚をロードする工程と、
    所定流量で前記緩衝溶液を平衡溶液で置換する工程と、
    前記ロードした胚を所定平衡期間、前記平衡溶液内で平衡に保つ工程と、
    所定流量で前記平衡溶液をガラス化溶液で置換する工程と、
    前記装置をヒートシールする工程と、
    液体冷却槽内に前記装置を沈める工程と、を含む方法。
  31. 前記ヒートシールする工程は、前記装置内にロードした生体物質を含むための消耗品の存在の光学検出を必須条件で実行される請求項30に記載のシステム。
  32. 前記ステップは、固定されたアセンブリに各単軸ロボットアームが取り付けられた、独立した前記単軸ロボットアームの内の1つ又は組み合わせにより実行され、ロボットアームの組み合わせは、少なくとも2つの自由度における移動のための広範囲座標システムを提供する、請求項30又は31に記載の装置。
  33. 生体物質をマイクロマニピュレートするように構成された装置であって、前記装置は所定の指示セットに従って動作するように構成されたプロセッサ手段を含み、前記指示セットに連動して前記装置は、請求項30から32いずれか1項に記載された方法ステップに関わるタイミングと温度とディスペンス体積と流量とを制御するように構成されている、装置。
  34. 胚への浸透圧衝撃を減少させると共に凍結保存品質を高めるように前記ガラス化溶液の濃度の徐々なる上昇を考慮するために、前記装置内で流体交換を制御することに適合したコンピュータソフトウェアを、前記指示セットは含む、請求項34に記載された装置。
  35. 前記液体冷却槽はLNを含み、前記指示セットに連動して前記装置はLNの前記液体冷却槽への及び該冷却槽からの移送を自動化することに適合する、請求項35に記載の装置。
  36. コンピュータプログラムプロダクトであって、前記コンピュータプログラムプロダクトは、前記データ処理システム内で生体物質のマイクロマニピュレーションのために前記媒体上で具体化される、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードとコンピュータが読み取り可能なシステムコードとを有するコンピュータが使用可能なメディアを有し、前記コンピュータプログラムプロダクトは、請求項30から32のいずれか1項に記載された前記方法ステップを実行するために前記コンピュータが使用可能なメディア内にコンピュータが読み取り可能なコードを含む、コンピュータプログラムプロダクト。
  37. 胚への浸透圧衝撃を減少させると共に凍結保存品質を高めるように前記ガラス化溶液の濃度の徐々なる上昇を考慮するために、前記装置内で流体交換を制御することに適合したコンピュータソフトウェアを、前記コンピュータが読み取り可能なコードは含む、請求項36に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
  38. ここに開示された方法及びプロトコル。
  39. ここに開示された装置、システム、及び/又は装置。
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