JP2016507639A - オーバースプレー及び物品からボンドコート及びバリア皮膜材料を回収するための方法 - Google Patents

オーバースプレー及び物品からボンドコート及びバリア皮膜材料を回収するための方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、一般的に、ボンドコート及びバリア皮膜材料の混ざり合った混合物(例えば、プラズマオーバースプレー廃棄物)並びに基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物から、ボンドコート材料及びバリア皮膜材料を回収することに関する。本開示はまた、混ざり合ったプラズマオーバースプレー廃棄物のバリア皮膜から又は基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物から、希土類元素(例えば、イットリウム)を回収することに関する。【選択図】 図1

Description

本発明は、オーバースプレー及び物品からボンドコート及びバリア皮膜材料を回収するための方法に関する。
ある特定の製造分野にかかわる加工技術は、大量の廃棄物を伴う堆積法を用いている。オーバースプレーの構成材料を回収できれば、廃棄物処分のコストが最小限に抑えられ、新たな材料の量が削減される。この領域におけるリサイクルの取り組みは、天然資源の保護にも役立つ。
例示的な一実施形態によれば、現代のガスタービン、殊に航空用エンジン及び発電システムは、信頼性、出力、効率性、経済性及び作動耐用年数に関して最も高い要求を満足させなければならない。航空用エンジン及び発電システムの開発においては、とりわけ、材料の選択、新たな好適な材料の探求、及び新たな生産方法の探求が、基準を満たし要求を満足させる上で重要な役割を果たしている。
燃焼器、高圧タービンブレード、ベーン及びシュラウドなどの部品へのコーティングの使用は、民間用並びに軍用のガスタービンエンジンにおいて増加しつつある。そのようなコーティングは、望ましい性能特性及びある特定の苛酷な環境条件での作動を可能にする。一例では、ボンドコート及びバリア皮膜は、航空エンジン及び工業用タービンなどの物品に堆積される。
一部の用途のバリア皮膜は、イットリア安定化ジルコニアなどの材料からなり、これは、様々な航空用エンジン及びガスタービンの燃焼部品に塗布される。母材とバリア皮膜の間の良好な接着を達成するために、典型的に、ボンドコートが基体材料に塗布される。次いで、バリア皮膜がボンドコートに塗布される。コーティング層は、粉末状のボンドコート及びバリア皮膜を、シースガス中で高温下高速で被覆すべきパーツに噴射する、高速フレーム溶射(HVOF)及び/又はプラズマ溶射法などを使用することによって塗布される。コーティングブースは、複数のボンドコート及びバリア皮膜化学物質のために交互に使用されるため、全てのこれらの材料(及び他の夾雑物)がオーバースプレーとして混ざり合う。これらの粉末は高価であり、オーバースプレー材料は、高コストの処分を必要とする。
HVOF及びプラズマ溶射工程は、本来の溶射効率と、多くの場合、被覆すべきパーツに接したり離れたりして働く部品の動作とが組み合わさると、非常に非効率となる傾向があり、ボンドコート又はバリア皮膜の一部のみがパーツに被覆される。バリア皮膜及びボンドコートを物品に堆積させる際、この工程は、物品の一部とはならずオーバースプレー廃棄物となるオーバースプレーを必然的に伴う。そのようなオーバースプレーは、一般的に、他のオーバースプレー廃材と混ざり合っている。バリア皮膜及びボンドコートをリサイクルすれば、コストが大幅に節減され、処分問題が解消される。実際、バリア皮膜が含有するイットリア又は他の希土類元素を回収することには、例えば、遮熱コーティング製造用の希土類元素を購入する必要性を補うこと並びに処分の考慮事項を解消することを含め、いくつかの利点がある。
現在、遮熱コーティング及び/又はボンドコート(セラミック及び金属材料)を含む廃棄オーバースプレーをリサイクルする新たな改善された方法が必要とされている。そのような新たな有用な方法及びシステムにより、例えば、航空及びエネルギー関連の製造サービスショップにおいて、使用する物品の製造に使用される高コストの原料の廃棄を減らすことが可能になり得る。特に、遮熱コーティング及びボンドコートを構成する成分の価値に起因して、塗布工程の結果として生じる遮熱コーティング及び/又はボンドコートの損耗を埋め合わせる及び/又は削減する手段があれば、業界にとって大きな価値があると思われる。
特開2012−017486号公報
本開示の態様は、混ざり合ったHVOF及びプラズマオーバースプレー廃棄物又は基材から物理的若しくは化学的に剥離されたコーティング由来の混ざり合った混合物から、ボンドコート(例えば、金属ボンドコート)及びバリア皮膜(例えば、セラミックトップコート)材料を分離することを実現する。遮熱コーティングなどのバリア皮膜及びボンドコートは部品に塗布されるが、遮熱コーティング及びボンドコートのオーバースプレーの一部は廃棄物として処分され、その理由は、リサイクル業者が、ニッケル又はコバルトなど、ある特定の元素含有物にしか関心がない可能性があるからである。しかしながら、オーバースプレーは、本質的に価値のある多くの材料(又は元素)を含む。一態様では、本開示は、混ざり合ったオーバースプレーを採取し、価値のあるボンドコート及びバリア皮膜の成分を抽出することである。特定の実施形態では、本開示は、ボンドコートをその酸化及び/又は還元形態で回収する方法を提供する。本開示に従って分離された廃材の価値は、混ざり合った廃棄物と比較して大きな価値がある。更に、一実施形態では、個々の成分、例えばイットリウムが、廃棄オーバースプレーから、又は修理及び再加工中にイットリウム含有コーティングの除去と併せて回収される。
本開示の一態様は、バリア皮膜並びに酸化及び未酸化のボンドコートを含む混ざり合ったオーバースプレー廃棄物を構成成分に分離するための方法であって、混ざり合ったオーバースプレー廃棄物を抽出し、ある特定のサイズの粒子を分離し、様々な常磁性及び反磁性成分を生成するための1以上の磁場を印加して、酸化及び未酸化のボンドコート成分並びにバリア皮膜材料を生成することを含む方法である。
一態様では、本開示は、そのような成分の分離が、混ざり合ったオーバースプレー廃棄物から開始する代わりに、出発材料が、バリア皮膜及びボンドコートを有する物品を化学的に剥離した後のスラリーの形態で存在する混ざり合った廃棄物である場合に生じることを可能にする。
本開示の一態様は、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料を含有するオーバースプレー廃棄物からボンドコート及びバリア皮膜材料を回収するための方法であって、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料を含むオーバースプレー廃棄物を用意し、ここで、該ボンドコート材料は、弱常磁性のボンドコート成分及び強常磁性のボンドコート酸化物成分を含み、常磁性のボンドコート酸化物成分を含む常磁性画分、及び反磁性のバリア皮膜材料と混ざり合ったボンドコート成分を含む弱/非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、オーバースプレー廃棄物に磁場を印加し、反磁性のバリア皮膜材料から弱常磁性のボンドコート成分を分離するのに有効な条件下で、弱/非常磁性画分を磁場に供することを含む方法である。
ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物を用意する段階は、空気プラズマ溶射及び/又は電子ビーム物理蒸着工程から、混ざり合った過剰のボンドコート材料及びバリア皮膜材料を収集することを含む。一実施形態では、ボンドコート材料及びバリア皮膜材料は、それぞれイットリウムを含む。特定の実施形態では、ボンドコート材料は、MCrAlY(式中、Mは、Fe、Ni又はCoである)を含む。別の実施形態では、バリア皮膜材料は、イットリア安定化ジルコニア、又はカルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、ランタナ、ネオジミア、イッテルビア、ストロンチア、酸化バリウム、酸化ニッケル、酸化第二鉄、酸化第一コバルト、ジスプロシア、ガドリニア、サマリア、エルビア、ユーロピア、プラセオジミア及びそれらの混合物などであるがこれらに限定されないジルコニア中の他の希土類安定化剤を含む。
ある特定の実施形態では、常磁性磁場を印加する段階は、オーバースプレー廃棄物を、強常磁性のボンドコート酸化物成分を引き付ける磁石に曝露し、それによって弱/非常磁性画分から強常磁性画分を分離することを含む。一実施形態では、磁石は、(例えば、Frantz LB−1で実施して)約0.001から約0.15アンペアの間の界磁電流を提供する。一実施形態では、オーバースプレー廃棄物に常磁性磁場を印加する段階は、弱/非常磁性画分を他の磁場に供する段階の前に、1回以上繰り返される。
ある特定の実施形態では、弱/非常磁性画分を磁場に供する段階は、弱/非常磁性画分を、反磁性の遮熱コーティング成分と反発する及び/又は弱常磁性のボンドコート成分を引き付ける磁石に曝露し、それによって弱常磁性のボンドコート材料から反磁性の遮熱コーティング成分を分離することを含む。特定の実施形態では、磁石は、約0.15アンペアより大きい界磁電流を提供する。一実施形態では、非常磁性画分を反磁性磁場に供する段階は、1回以上繰り返される。
ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法は、オーバースプレー廃棄物に常磁性磁場を印加する前に、サイズ排除によってオーバースプレー廃棄物から残骸を除去することを更に含んでもよい。
ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法は、オーバースプレー廃棄物から単離された、常磁性のボンドコート酸化物成分、反磁性のボンドコート成分又は遮熱コーティング材料の1つ以上を、化学的加工によって精製することを更に含んでもよい。
本開示の別の態様は、オーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法に従って、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を含有するオーバースプレー廃棄物から単離された再利用可能な画分の収集物であって、オーバースプレー廃棄物から単離された強常磁性のボンドコート酸化物成分を含む、第1の画分、オーバースプレー廃棄物から単離された弱常磁性のボンドコート成分を含む、第2の画分、及びオーバースプレー廃棄物から単離された反磁性の遮熱コーティング材料を含む、第3の画分を含み、第1、第2及び第3の画分のそれぞれが、互いに分離している収集物である。
本開示の別の態様は、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物からボンドコート及びバリア皮膜材料を回収するための方法であって、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物を用意し、ここで、該ボンドコート材料は、反磁性のバリア皮膜成分及び様々な常磁性のボンドコート成分を含み、強常磁性のボンドコート酸化物成分を含む常磁性画分、及び反磁性のバリア皮膜材料と混ざり合った弱常磁性のボンドコート成分を含む弱/非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に磁場を印加し、弱常磁性のボンドコート材料から反磁性のバリア皮膜成分を分離するのに有効な条件下で、残りの画分を磁場に供することを含む方法である。
ある特定の実施形態では、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物を用意する段階は、化学的酸エッチング又は物理的除去加工によって、バリア皮膜と、ボンドコート材料の少なくとも一部とを、基材から剥離することを含む。特定の実施形態では、物理的除去加工は、グリットブラスティングを含む。
本開示の別の態様は、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収するための方法に従って、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物から単離された再利用可能な画分の収集物であって、(i)混合物から単離された常磁性のボンドコート成分を含む、第1の画分、(ii)混合物から単離された反磁性の遮熱コーティング材料を含む、第2の画分を含み、第1及び第2の画分のそれぞれが、互いに分離している収集物である。
本開示の別の態様は、金属基材から剥離されたバリア皮膜からイットリウムを回収するための方法であって、(i)金属基材からバリア皮膜を剥離して、ボンドコート材料及び剥離工程の副産物の1つ以上と混ざり合った剥離されたバリア皮膜を含む混合物を生成し、ここで、ボンドコート材料は、反磁性のボンドコート成分及び常磁性のボンドコート成分の一方又は両方を含み、(ii)常磁性のボンドコート成分を含む常磁性画分、並びに反磁性のバリア皮膜及び場合により物理的分離媒体(非限定的な例は、グリットブラスト材料である)を含む非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に常磁性磁場を印加し、(iii)適宜、物理的分離媒体から反磁性のバリア皮膜成分を分離するのに有効な条件下で、非常磁性画分を反磁性磁場に供し、(iv)バリア皮膜からイットリウムを回収することを含む方法である。
ある特定の実施形態では、金属基材からバリア皮膜を剥離する段階は、化学的酸エッチング又は物理的除去加工を含む。特定の実施形態では、物理的除去加工は、グリットブラスティングを含み得るがこれに限定されない。
ある特定の実施形態では、バリア皮膜からイットリウムを回収する段階は、バリア皮膜からイットリウムを単離するのに有効な化学的処理工程を含む。
本開示のこれら及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面と併せた本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかとなる。
本発明のシステム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めばより良く理解され、図中、同様の文字は、図面全体を通じて同様の部分を表す。
ボンドコート及び遮熱コーティングを含有するプラズマ残留物をふるい分けシステムに付した後に得られた粒径分布の一実施形態を示す図である。 一例に従って、磁場を使用して、常磁性の酸化ボンドコート材料を未酸化のボンドコート及び遮熱コーティングから分離した後に得られた、粒径分布及び蛍光X線法(XRF)によって測定した元素組成を示すグラフ及びチャートである。 一実施形態に従って、電磁場を使用して、反磁性の未酸化のボンドコート材料を酸化ボンドコート及び遮熱コーティングから分離した後に得られた、粒径分布及び蛍光X線法(XRF)によって測定した元素組成についてのグラフ及びチャートである。 バリア皮膜、ボンドコート、並びにバリア皮膜及びボンドコートの構成物質を回収し再利用するための全工程の本開示の実施形態を示すチャートである。 使用済みグリットブラスト剥離工程に由来する、粒径分布並びにボンドコート及びバリア皮膜含有率に関するグラフである。 空気プラズマオーバースプレーの磁気分離に関する本開示の一実施形態で使用される磁場(アンペア)、斜面の長手方向の傾き(°)、及び軸方向の傾斜(°)の条件を示すチャートである。 空気プラズマオーバースプレーの磁気分離に関する本開示の一実施形態を実施することにより得られる界磁電流(アンペア)に基づく各画分のパーセンテージを示すグラフである。 空気プラズマオーバースプレーの磁気分離に関する本開示の一実施形態で使用される磁場(アンペア)、斜面の長手方向の傾き(°)、及び軸方向の傾斜(°)の条件を示すチャートである。 空気プラズマオーバースプレーの磁気分離に関する本開示の一実施形態を実施することにより得られる界磁電流(アンペア)に基づく各画分のパーセンテージを示すグラフである。 酸化ボンドコートからニッケル及びイットリウムを回収するために使用される化学的精製工程の一実施形態の結果を示すチャートである。 バリア皮膜が夾雑したボンドコートを回収するために使用される化学的精製工程の一実施形態の結果を示すチャートである。 ボンドコートが夾雑したバリア皮膜を回収するために使用される化学的精製工程の一実施形態の結果を示すチャートである。 使用済みグリットブラストからイットリウム安定化ジルコニアを回収するために使用される化学的精製工程の一実施形態の結果を示すチャートである。
本開示は、一般的に、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料を含むオーバースプレー及び物品から、ボンドコート(例えば、金属ボンドコート)及びバリア皮膜(例えば、遮熱コーティング、耐環境コート、アブレイダブルコート、摩耗コート)材料を回収する方法に関する。本開示はまた、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料から個々の構成物質、例えば、希土類金属(例えば、イットリウム)のような個々の構成物質を回収する方法に関する。
一般的な態様では、本開示は、オーバースプレーをその個々の成分:ボンドコート酸化物、ボンドコート、及びバリア皮膜に分離する手法で、廃棄プラズマ溶射堆積オーバースプレーを処理するための方法を提供する。例えば、本開示は、混ざり合ったプラズマオーバースプレー廃棄物から、ボンドコート(非限定的な例は、NiCrAlYである)及びバリア皮膜材料(非限定的な例は、イットリア安定化ジルコニアである)を分離するための方法を提供する。そのような廃棄物の流れは、これらのコーティングが塗布される航空及びエネルギーの製造及びサービスショップにおいてよく見られる。
本明細書でより詳細に提示するように、ボンドコートは、物品基材上に配置され、バリア皮膜は、ボンドコート上に配置される。ボンドコート及び/又はバリア皮膜は、オーバースプレーとして堆積する場合がある。現在の慣例では、一般的に、オーバースプレーを、これらのコーティングが含有する材料が本質的に価値のある場合であっても廃棄物として処分する。この理由は、どのようにしてオーバースプレー廃棄物をその個々の構成成分に分離するかについて、公知の有効な方法又は教示が存在しないことである。本開示の方法に従って成分を分離することによって、廃材の価値が、混ざり合った廃棄物の価値よりもはるかに高くなる。分離されたら、材料をリサイクルする又は場合によりプラズマ溶射工程において再利用することによって、材料に対する最大限の価値を得ることができる。個々のプラズマ溶射成分の分離が可能になることによって、製造所はこれらの材料をリサイクルすることができる。
本明細書で使用するとき、「基材」という用語は、バリア皮膜及びバリア皮膜によって被覆された部分を少なくとも含む任意の材料を指す。特定の例では、基材は、バリア皮膜によって被覆された部分が主に金属である金属基材を含み得るがこれに限定されない。他の特定の例では、「基材」は、バリア皮膜とバリア皮膜によって被覆された部分との間に、ボンドコートを更に含んでもよい。別の特定の例では、基材は、航空機、船舶推進装置、又は発電装置の製造において使用されるパーツの少なくとも一部を形成する金属基材を含み得るがこれに限定されない。
本明細書でより詳細に記載するように、本開示の態様に従えば、ふるい分け及び様々な磁場の印加を含めた物理的分離法の組合せを使用して、プラズマオーバースプレーの様々な成分を分離することができる。一般的に、ふるい分けは、廃棄物に入り込むバルク状の夾雑物を除去し、弱い磁場の印加は、ボンドコート酸化物を引き付けて分離し、強力な電磁場の印加は、未酸化のボンドコート材料を引き付けてバリア皮膜材料から分離する。
一実施形態では、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物は、ボンドコートとバリア皮膜材料との分離を容易にするのに有効な温度まで加熱されてもよい。特定の実施形態では、好適な加熱温度は、400℃を超える。別の特定の実施形態では、好適な加熱温度は、約400℃から750℃の間の任意の温度である。
バリア皮膜は、航空機及び船舶の推進及び発電において使用される。バリア皮膜は、材料源の減少及び原料をめぐる競争の激化(例えば、照明業界における需要増大の結果として)に曝されている材料である、希土類元素のイットリウム(並びに時に他の希土類及び貴金属)を含有する。バリア皮膜オーバースプレーを再利用すること並びに保守パーツ及び耐用年数を経た(スクラップ)パーツからイットリウム及び他の希少材料を回収することは、バリア皮膜塗布工程を通じて消費されるイットリウム及び他の希少材料を削減することによって、これらの供給源の減少に対処するのに役立ち得る。
本明細書で使用するとき、「残骸」という用語は、一般的に、オーバースプレー廃棄物又は基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物中に含まれ、ボンドコート材料でもバリア皮膜材料(例えば、遮熱コーティング材料)でもない、任意の材料を指す。例えば、残骸は、ゴミ、チリ、金属チップ、木片、昆虫、及び同様のものなどの材料を含み得るがこれらに限定されない。特定の例では、残骸は、ボンドコート材料でもバリア皮膜材料でもない、約0.15ミリメートル以上のサイズの任意の粒子を含み得るがこれに限定されない。
一実施形態では、残骸は、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料から残骸を分離するために、オーバースプレー廃棄物をふるい分けシステムに通過させることによって除去される。好適なふるい分けシステムは、残骸を捕捉し、且つ混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を通過させる、ふるいを含むことができる。一実施形態では、ふるいは、約100から約200の間のメッシュサイズを有する。特定の実施形態では、ふるいは、約140のメッシュサイズを有する。
本明細書で使用するとき、メッシュサイズ及びメッシュふるいは、別段の明記がない限り、米国標準ふるいを指すことが意図される。
本明細書で使用するとき、「バリア皮膜」という用語は、非限定的なものであり、燃焼環境で作動する物品などに、保護手段として表面に塗布される任意のコーティングを表すのに使用される。一例として、バリア皮膜という用語はまた、遮熱コーティング、耐環境コート、セラミックトップコート、アブレイダブルコート、摩耗コート、及び同様のものをも指し、これらは、当技術分野で一般的に知られている。
遮熱コーティング(TBC)は、断熱のため金属基材の高温ガス側に典型的に塗布される低熱伝導性セラミックである。TBCは、航空用エンジン、船舶用エンジン及びガスタービンの、燃焼器ライナー、トランジションピース、ベーン/ノズル、及びエアフォイル/ブレードなどの物品に使用される。空冷と併用すれば、TBCは、被覆する合金の融点に近い又は更にはそれを超える温度でのエンジン及びタービンの作動を可能にする。これらの作動温度の上昇は、出力、燃費及びパーツ寿命の向上をもたらし、これらは、多くの用途にとって決定的に重要である。
述べたように、遮熱コーティング(TBC)によって実現される断熱は、そのような部品がより高い作動温度に耐えることを可能にし、部品の耐久性を高め、エンジンの信頼性を改善する。TBCは、典型的に、環境保護ボンドコートに堆積させていわゆるTBC系を形成するセラミック材料である。TBC系において広く使用されるボンドコート材料は、MCrAlY(式中、Mは、鉄、コバルト、及び/又はニッケルであり、Xは、イットリウム又は別の希土類元素である)などの耐酸化性オーバーレイコーティング、及びアルミニウム金属間化合物を含有する拡散アルミナイドなどの拡散コーティングを含む。
様々なセラミック材料がTBCとして提案されているが、最も広く使用されているのは、イットリア(Y23)、マグネシア(MgO)又はセリア(CeO2)で部分的又は完全に安定化して、相変化に耐える正方晶の微細構造を生成するジルコニア(ZrO2)である。様々な他の安定化剤がジルコニアに対して提案されているが、多くの場合イットリア安定化ジルコニア(YSZ)が使用され、その原因は、少なくとも部分的には、その高温性能、低い熱伝導性、並びに空気プラズマ溶射(APS)、超高速フレーム溶射(HVOF)などのフレーム溶射、物理蒸着(PVD)及び他の公知のTBC塗布法などによる堆積が比較的容易なことである。セラミック材料、特に二成分のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が広く使用されている。これらの方法によって形成されるTBCは、一般的に、TBC微細構造の粒界及びその間に微細構造的欠陥及び細孔が存在する結果として、同じ組成の高密度セラミックよりも低い熱伝導性を有する。
イットリア安定化ジルコニアはまた、プラズマ溶射、フレーム溶射及び物理蒸着(PVD)法によって比較的容易に堆積できる結果として使用される。ガスタービンエンジンの最高温度領域で用いられるTBCは、多くの場合、PVD、特に電子ビーム物理蒸着(EBPVD)によって堆積され、これは、破砕につながる損傷応力を引き起こすことなく膨張及び収縮することが可能な柱状の耐歪み性粒状構造を生成する。類似の柱状微細構造は、他の原子及び分子蒸気工程、例えば、スパッタリング(例えば、高圧及び低圧、標準又は平行プルーム)、イオンプラズマ堆積、並びに全ての形態の溶融及び蒸着工程(例えば、陰極アーク、レーザー溶融等)を使用して生成することもできる。
TBCは、典型的に、接着を促進するボンドコート層及び断熱材として働くセラミックトップコートの2層で、金属基材に塗布される。様々な構成では、ボンドコート層は、おおよそ75から150μmの厚さであり、多くの場合MCrAlY(M=Fe、Ni、Co)合金からなるが、ニッケル及び白金アルミナイドもまた、航空用エンジンのボンドコートとして使用される。様々な実施形態では、トップコート層はより厚く、約300から600μmであり、最も多くの場合イットリア安定化ジルコニア(YSZ)でできており、これは、全てのセラミックの中で高温での熱伝導性が最も低いものの1つである。
本明細書に記載したように、様々な態様では、本開示は、供給源の減少の懸念に対処するための方法、並びにTBC及びボンドコートにおいて使用されている希土類金属の使用を提供することを対象とする。希土類金属であるイットリウムは、BCの構成物質であり、例えば、TBCにおいて、YSZトップコートは、6重量%のイットリウム(イットリア、Y23として)を含有し、MCrAlYボンドコートは、典型的に1重量%のイットリウムを含有する。加えて、イットリウムは、超合金基材自体においても使用され、超合金製造工程の他のどこかで更なるイットリウムが使用される。イットリウムは、限られた採掘活動及び世界的需要の増加に起因して、減少しつつある材料源であると考えられる。米国地質調査所(USGS)によれば、米国は、2010年に概算で760トン(イットリアとして)の消費する全てのイットリウムを輸入した。イットリウムを主に消費したのは照明業界であり、高効率蛍光ランプ用蛍光体を作製するためにおおよそ81%のイットリウムを使用した。残りのイットリウムの大半(17%)は、セラミック製造(TBC用のYSZなど)及び冶金(例えば、超合金中)において消費される。
BCコーティング、例えばTBCにおけるYSZは、エンジン及びタービンの生産において使用されるイットリウムのほとんどの原因である。軍用及び民間用の航空宇宙ガスタービンエンジンは、サイズに応じて、エンジン1基当たり最大20ポンドのイットリウムを消費する場合があり、工業用ガスタービンは、タービン1基当たり数百ポンドのイットリウムを消費する場合がある。何千基もの新たなエンジン及びタービンが、毎年稼働し始めている。これは、年間でかなりの体積のイットリウムに相当するが、新たなエンジン及びタービンのパーツに対してよりも修理及び交換パーツに対して、より多くのBCコーティングが、従ってより多くのイットリウムが塗布されると推定される。このことは、エンジン及びタービンの稼働寿命が長いこと(最大30年以上)と相まって、リビルドの頻度が比較的短いこと(3000〜6000稼働時間程度)に起因する。
BCは、空気プラズマ溶射(APS)及び電子ビーム物理蒸着(EB−PVD)を含む工程によって塗布され、これらはそれぞれ、異なる高温部品が必要とする異なるコーティング形態をもたらす。残念なことに、これらの工程は、非常に非効率となる場合があり、コーティング収率は、被覆されるパーツ及び塗布工程に応じて5〜20%程度に留まる場合があり、BCの大部分は使用されることがない。選ばれた作業からの少量のBCはリサイクルされるが、ほとんどのオーバースプレーは収集され、廃棄物として処分される。
従って、本開示は、全体の工程効率を改善し、イットリウム源の減少に対処する方法、例えば、BCオーバースプレーの再利用及び保守パーツからのイットリウムの回収を提供する。本開示によって提示されるように、再利用及び回収工程は、新たな製造だけでなく保守部品において消費されるBCも標的とし、その理由は、保守及びスクラップパーツ由来のBCコーティングは、全BC及びイットリウム消費量のかなり大きな部分に相当するからである。
上述のように、製造工程において、80〜95%程度ものBCが典型的に廃棄される。この問題に対する単純な解決策は、従来の手段によってオーバースプレー粉末を分別して収集及びリサイクルすることであると思われるが、これは多くの場合、製造環境において現実的でない。製造所及びサービスショップでは、多くの場合、溶射セルの数が限られており、特定の粒径分布を有する多様な異なるコーティング化学物質を使用している。生産時間的要件のせいで、多くの場合、複数のコーティングが同じブースで溶射される。従って、所与のブースのオーバースプレーは、多様なコーティング成分(即ち、ボンドコート及びYSZ)並びに夾雑物(金属チップ、ゴミ、チリ等)を含有し得る。その組成は、生産のニーズに応じて時間とともに変化し、これにより、技術的困難性が増大する。TBCオーバースプレー再利用工程の開発及び実施(直接的又はYSZ粉末製造用の原料として)は、イットリウム供給の減少を80〜95%程度も補うのに役立ち得る。
本開示の方法はまた、保守パーツからのイットリウムの回収を実現する。保守パーツは、リビルドのために保守されるパーツ及び耐用年数を経た部品からイットリウムを回収する更なる機会を提供する。様々な保守作業において、再利用されるパーツは、再加工する前に、既存のBCコーティングを剥離しなければならない。BC剥離は、化学的(酸エッチング)又は物理的(グリットブラスティング)工程によって行われる。これらの剥離されたBCは、典型的に回収されず、最終的に廃棄物となる。本開示の方法によって提示されるように、新たなBC剥離及びイットリウム回収工程を実施することは、殊に、耐用年数を経た部品に対して母材のリサイクルの前にこれらの技法を適用する場合、イットリウム供給の減少を5〜20%程度も補うのに役立ち得る。
本開示の方法は、本明細書に記載されたBC塗布とともに使用することができ、それによってBCの回収、リサイクル、及び再利用が可能になり、このことは、非常に重要であり価値がある。本開示の方法は、現代の製造環境の制約内で機能し、上述の供給源(APS及びEB−PVDオーバースプレー並びに物理的及び化学的に剥離されたコーティング)に対処することから、特に有用である。
バリア皮膜の塗布及び剥離工程の無駄の多い性質に対処するため、本開示は、一態様では、ボンドコート及びバリア皮膜の個々の構成物質を分離して再利用及びリサイクルを可能にする一連の方法を提供する。図4は、BC、ボンドコート、及びそれらの個々の構成物質の回収及び再利用に本開示の方法を組み入れるための全経路の一実施形態を例示している。図4に見られるように、様々な物理的及び化学的工程を個々に実施するか又は組み合わせて、オーバースプレー及び耐用年数を経たコーティングの再利用又はリサイクルを可能にすることができる。これらの工程段階の様々な特定の実施形態が本明細書に記載されている。
本開示の一態様は、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を含有するオーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収するための方法である。この方法は、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を含むオーバースプレー廃棄物を用意することを伴い、ここで、該ボンドコート材料は、弱常磁性のボンドコート成分及び強常磁性のボンドコート酸化物成分を含む。強常磁性のボンドコート酸化物成分を含む常磁性画分、及び反磁性の遮熱コーティング材料と混ざり合った弱常磁性のボンドコート成分を含む弱/非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、オーバースプレー廃棄物に弱い常磁性磁場を印加する。次いで、反磁性の遮熱コーティング材料からボンドコート成分を分離するのに有効な条件下で、弱/非常磁性画分を磁場に供する。
ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物を用意する段階は、空気プラズマ溶射及び/又は電子ビーム物理蒸着工程から、混ざり合った過剰のボンドコート材料及び遮熱コーティング材料を収集することを含む。一実施形態では、ボンドコート材料及び遮熱コーティング材料は、それぞれイットリウムを含む。特定の実施形態では、ボンドコート材料は、MCrAlY(式中、Mは、Fe、Ni又はCoである)を含む。別の実施形態では、遮熱コーティング材料は、イットリア安定化ジルコニアを含む。
ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法は、オーバースプレー廃棄物に常磁性磁場を印加する前に、サイズ排除によってオーバースプレー廃棄物から残骸を除去することを更に含んでもよい。本明細書において、「残骸」という用語は、一般的に、オーバースプレー廃棄物又は基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物中に含まれ、ボンドコート材料でもバリア皮膜材料(例えば、遮熱コーティング材料)でもない、任意の材料を指す。例えば、残骸は、ゴミ、チリ、金属チップ、木片、昆虫、及び同様のものなどの材料を含み得るがこれらに限定されない。特定の例では、残骸は、ボンドコート材料でもバリア皮膜材料でもない、約0.15ミリメートル以上のサイズの任意の粒子を含み得るがこれに限定されない。
ふるい分け
再び図4を参照すると、コーティング塗布及びコーティング剥離に関して、ふるい分けの様々な態様が示されている。一実施形態では、残骸は、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料から残骸を分離するために、オーバースプレー廃棄物をふるい分けシステムに通過させることによって除去される。好適なふるい分けシステムは、残骸を捕捉し、且つ混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を通過させる、ふるいを含むことができる。一実施形態では、ふるいは、約100から約200の間のメッシュサイズを有する。特定の実施形態では、ふるいは、約140のメッシュサイズを有する。
空気プラズマオーバースプレー:空気プラズマコーティングオーバースプレーは、典型的に、コーティングセルから収集システムへと集められる。この工程は非選択的であるため、他の夾雑物がオーバースプレー粉末に入り込む場合がある(虫、金属チップ、木片等)。ふるい分けは、これらのバルク状の夾雑物をはるかに微細なオーバースプレー粉末から取り除くための良好な手段となる。例えば、ボンドコート及びバリア皮膜を含有する空気プラズマオーバースプレーの試料を、最初の精製工程として100〜120メッシュのふるいでふるい分けした。ふるい分けにより得られるオーバーサイズの材料は処分してもよいが、価値のある材料を含有すると決定された場合、リサイクルするか又は化学的回収に供することもできる。
このふるい分け分離の一実施形態を図1に示し、これは、ボンドコート及び遮熱コーティングを含有するプラズマ残留物をふるい分けシステムに付した後に得られた粒径分布を例示している。この例では、プラズマ残留物を、Retsch Sieve Shakerを使用して、35、45、60、80、100、120、140、170、200、230及び270メッシュサイズでふるい分けした。大きい粒径(>140メッシュ)は主として夾雑物を含有し、小さい粒径(≦140メッシュ)はBC及びTBCを含有していた。
全試料重量の1%未満に相当する0.15mmふるい上の材料は処分した。より小さい粒径の材料は、ボンド及びバリア皮膜、試料を採取する前にセルにおいて溶射されたあらゆるものの混合物からなる。
使用済みグリットブラスト:物理的剥離工程では、多くの場合、酸化アルミニウムグリットブラストを使用して、修理又は母材のリサイクルの前にパーツからコーティングを除去する。これらのグリットブラストは、バリア皮膜及び一部のボンドコートを、細塵に粉砕することによって母材部分から剥離する。この工程において、グリットブラストの一部が破壊されて小片となる。ふるい分けを実施することによって、バリア皮膜を含有する微粒子を、バルク状のグリットブラストから分離することができ、これは、例えば図5に例示される。
図5に示すように、上のグラフは、重量%対粒径のプロットであり、下のグラフは、バリア皮膜及びボンドコート含有率対粒径のプロットである。粒子の大部分は、0.15mmより大きく、バリア皮膜をほとんど又は全く含有しない(大きい粒径は、バリア皮膜の目に見える痕跡を含有せず、分析しなかった)。有利なことに、このグリットブラスト(約60重量%)を、グリットブラスト工程において再利用し、工程廃棄物を最小限に抑えることができる。約0.15mm未満の小さい粒子は、剥離されたバリア皮膜及びボンドコートを含有する。剥離されたコーティングの濃度は、粒径の減少とともに増加する。この予備濃縮された材料は、有利なことに、その中に含有される貴重な材料を化学的に回収するための有用な原料として働く。
熱処理
図4に示すように、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物は、ボンドコートとバリア皮膜材料との分離を容易にするのに有効な温度まで加熱されてもよい。特定の実施形態では、好適な加熱温度は、400℃を超える。別の特定の実施形態では、好適な加熱温度は、400℃から750℃の間の任意の温度である。加えて、分離後の加熱処理を使用して、任意の酸化金属をそのゼロ価状態に還元することもできる。これらの加熱処理は、分離を改善するために必要に応じて制御雰囲気(例えば、酸化又は還元条件)下で実施することができる。非限定的な一例では、磁気的に分離できない混ざり合ったボンド及びバリア皮膜を、750℃で3時間加熱し、3時間でその温度まで昇温させ、3時間で周囲温度まで降温させた。この加熱処理の後、2つの画分を互いに分離することが可能であった。
磁気分離
本明細書に記載したように、本開示の方法は、磁気分離を使用して、BC/ボンドコートオーバースプレー廃棄物及び基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料から様々な画分を単離し、これは、例えば図4に例示される。それらに限定されることを意図したものではないが、様々な磁気分離法は、典型的に、当技術分野で公知の磁石及び磁気分離機を伴い、例えば、米国特許第4,235,710号、米国特許第5,049,540号、及び米国特許第5,968,820号に記載されたものなどである。
ある特定の実施形態では、常磁性磁場を印加する段階は、オーバースプレー廃棄物を、強常磁性のボンドコート酸化物成分を引き付ける1以上の磁石に曝露し、それによって弱/非常磁性画分から常磁性画分を分離することを含む。一実施形態では、磁石は、約0.001から約0.15アンペアの間の電流で作動する磁気分離機(例えば、Frantz LB−1)によって発生する磁場と同等の磁場を提供する。一実施形態では、オーバースプレー廃棄物に磁場を印加する段階は、弱/非常磁性画分を磁場に供する段階の前に、1回以上繰り返される。
ある特定の実施形態では、弱/非常磁性画分を磁場に供する段階は、弱/非常磁性画分を、弱常磁性のボンドコート成分を引き付ける磁石に曝露し、それによって反磁性の遮熱コーティング材料からボンドコート成分を分離することを含む。特定の実施形態では、磁石は、約0.15アンペアより大きい電流で作動する磁気分離機(例えば、Frantz LB−1)によって発生する磁場と同等の磁場を提供する。一実施形態では、弱/非常磁性画分を磁場に供する段階は、1回以上繰り返される。
様々な実施形態で提示するように、本開示は、特定の電流で作動する磁気分離機(例えば、Frantz磁気分離機)によって発生する磁場と同等の磁場を提供する磁石の使用を伴う。特定の実施形態では、電流(アンペア)は、斜面の長手方向の傾き5〜25°及び軸方向の傾斜0〜25°で測定したものである。斜面の長手方向の傾きは、それに沿って粒子が移動する分離シュートの長さに対して測定され(水平は勾配0°である)、軸方向の傾斜は、分離シュートの幅に対して測定される(水平は傾斜0°である)。
空気プラズマオーバースプレーの磁気分離:空気プラズマオーバースプレーの磁気分離に関する特定の実施形態では、ふるい分けしたボンドコート及びバリア皮膜オーバースプレーの混合物を、磁気分離を使用して個々の粉末に分離することができる。例えば、空気プラズマ溶射コーティングセルに取り付けたバッグ式集塵機から、5ガロン容器1杯の混合プラズマオーバースプレーを使用することができる。これらのコーティングセルは、様々なボンドコート及びバリア皮膜粉末を溶射するのに任意に使用されるため、試料は、コーティングセルにおいて溶射されたあらゆるものの混合物を含有し得る。
特定の例では、108.3gの混合プラズマオーバースプレーを、5ガロン容器からサンプリングした。このプラズマオーバースプレーを、120メッシュのふるいに通過させて、夾雑物(大きなチップ、チリ、残骸等)をバルク除去した。夾雑物は全材料の1重量%未満に相当し、廃棄物として処分した。ふるい分けした試料をFrantz LB−1 Electromagnetic Separatorに通過させたが、Frantz LB−1 Electromagnetic Separatorと同様の働きをする他の磁気分離機を使用してもよい。オーバースプレー材料の分離に関しては、磁場(アンペア)、斜面の長手方向の傾き(°)、及び軸方向の傾斜(°)の条件は、図6に記載した条件を含み得るがこれらに限定されない。
図6に記載したように、各条件の場合の分離された材料の重量及び元の試料に対する%を右の列に示す。最低磁場(低アンペア)から開始し、次第に高い磁場へと進めて、上記設定のそれぞれについて材料を1回通過させることができる。予想外なことに、様々な材料を異なる磁場強度で分離することが可能である。
各画分のパーセンテージを図7のチャートに示す(15°未満の傾斜角で実行した試料を合わせて1.7アンペアとして示すが、その理由は、傾斜角の減少は、事実上磁場強度の増加と類似し、これにより、それらの画分を同じチャートに示すことが可能になるからである)。分離により、3つの主要な画分(>2重量%)、即ち、約0.1アンペア未満の画分、約1.0から1.5アンペアの間の画分、及び約1.6アンペア超の画分が得られたことが分かる。3つの主要な画分が分離されたことは予想外であり、その理由は、この溶射セルにおいては、2つの異なるコーティングタイプ(NiCrAlYボンドコート及びYSZバリア皮膜)しか塗布されないからである。
本開示によれば、更なる分析により、3つの画分を分離できた理由が示される。例えば、0.1アンペア未満、1.0から1.5アンペア、及び1.6アンペア超の画分を合わせ、蛍光X線法(XRF)を使用して分析した。結果を以下のように表1に示す:
表1に示すように、>0.1アンペア画分は99%ボンドコート材料であることが見出されたが、このことは予想外であり、その理由は、ボンドコート材料は強常磁性であるとは考えられないからである。
更なる分析により、高濃度の酸素が示され、これは、このボンドコート材料が部分的又は完全に酸化していることに起因する。この結果も非常に予想外であり、その理由は、これらのボンドコート材料が空気プラズマ溶射条件下で酸化するとは思われないからである。この知見により、0.1アンペア画分の強常磁性の性質が説明される。本明細書に記載された分離は、これらの材料の全ての改良されたリサイクルを可能にするが、その理由は、酸化ボンドコートは、典型的に、未酸化のボンドコートとは異なる工程を使用してリサイクルされるからである。加えて、YSZバリア皮膜は、典型的に、酸化及び未酸化のボンドコートのいずれとも異なる工程を使用してリサイクルされる。1.0から1.5アンペア画分は99%ボンドコートを含有することが見出され、>1.6画分は98%バリア皮膜を含有することが見出された。従って、本発明の技法は、十分な純度を達成できた場合、これらの材料を直接再利用することを可能にする。本開示の方法によれば、分離画分の98〜99%の純度を達成することが可能である。同じ磁石条件下で複数回通過させると、分離効率が上昇し、所与の画分についてより高い純度が得られると思われる。
本開示はまた、本明細書で言及した条件を、他の廃棄空気プラズマ溶射粉末に対して使用できることも企図している。例えば、空気プラズマ溶射コーティングセルに取り付けたDonaldson Toritバッグ式集塵機から、混合プラズマオーバースプレー粉末の別の試料を得ることができる。これらのコーティングセルは、様々なボンドコート及びバリア皮膜粉末を溶射するのに任意に使用されるため、試料は、コーティングセルにおいて溶射されたあらゆるものの混合物を含有していた。特定の例では、110.5gの混合プラズマオーバースプレーを、試料容器からサンプリングすることができる。次いで、このプラズマオーバースプレーを、120メッシュのふるいに通過させて、夾雑物(大きなチップ、チリ、残骸等)をバルク除去することができる。一例では、夾雑物は全材料の1重量%未満に相当し、廃棄物として処分した。次いで、ふるい分けした試料をFrantz LB−1 Electromagnetic Separatorに通過させてもよいが、Frantz LB−1 Electromagnetic Separatorと同様の働きをする他の磁気分離機を使用してもよい。オーバースプレー材料の分離に関しては、磁場(アンペア)、斜面の長手方向の傾き(°)、及び軸方向の傾斜(°)の条件は、図8に記載した条件を含み得るがこれらに限定されない。
図8に示すように、各条件の場合の分離された材料の重量及び元の試料に対する%を右の列に示す。この例では、試料は、元素純度が異なっている多くの異なるプラズマ溶射粉末を含有していたため、最低磁場(低アンペア)から開始し、次第に高い磁場へと進めて、上記設定のそれぞれについて材料を複数回通過させた。以前の実験で実証したように、様々な材料を異なる磁場強度で分離した。各画分のパーセンテージを図9のチャートに示す(15°未満の傾斜角で実行した試料を合わせて1.7アンペアとして示すが、その理由は、傾斜角の減少は、事実上磁場強度の増加と類似し、これにより、それらの画分を同じチャートに示すことが可能になるからである)。図9に示すように、分離により、4つの主要な画分(>2重量%)、即ち、0.1アンペア未満の画分、0.1から0.6アンペアの間の画分、1.0から1.5アンペアの間の画分、及び1.6アンペア超の画分が得られたことが分かる。本開示によれば、4つの主要な画分が分離されたことは、前の実験の結果として、またこの試料が、元素純度が異なっている多くの異なるプラズマ溶射粉末を含有していたことから予想された。
本開示によれば、更なる分析により、これらの画分を分離できた理由が説明される。0.1アンペア未満、0.1から0.6アンペア、1.2から1.3アンペア、及び1.6アンペア超の画分を、XRFを使用して分析した。結果を下記の表2に示す:
表2に示すように、<0.1アンペア画分は主にボンドコート材料であることが見出されたが、このこともやはり予想外であり、その理由は、ボンドコート材料は強常磁性ではないはずだからである。上記のように、更なる分析により、高濃度の酸素が示され、これは、このボンドコート材料が部分的又は完全に酸化していることに起因する。やはり、本開示によって提示されるように、この結果は非常に予想外であり、その理由は、これらのボンドコート材料が空気プラズマ溶射条件下で酸化することは知られていないからである。この知見により、0.1アンペア画分の強常磁性の性質が説明される。0.1から0.6アンペア画分は、ボンドコート及びバリア皮膜の混和物を含有していた。これらの材料は類似の磁性を有することから、それらを磁気的に分離することは不可能である。代わりに、別の技法によって、例えば、密度を使用して又は化学的手段によって、この画分を分離することができる。1.2から1.3アンペア画分もまた、ボンドコート及びバリア皮膜材料の混合体を含有することが見出された。0.1から0.6アンペア画分と同じように、これらの材料は類似の磁性を有するはずであり、それらを磁気的に分離することは不可能である。代わりに、別の技法によって、例えば、密度を使用して又は化学的手段によって、この画分を分離することができる。いずれの手法を使用してもよいが、密度分離により、分離されたボンドコート及びバリア皮膜材料を生成した。(本明細書に記載された)化学的分離もまた、バリア皮膜からボンドコートを分離するのに機能し得る。一例では、>1.6アンペア画分は97%バリア皮膜を含有することが見出された。従って、本発明の技法は、十分な純度が達成された場合、これらの材料を直接再利用することを可能にし得る。
本明細書に記載された分離は、酸化ボンドコート及びYSZバリア皮膜材料の改良されたリサイクルを可能にするが、その理由は、酸化ボンドコートは、典型的に、YSZバリア皮膜とは異なる工程を使用してリサイクルされるからである。特に、本開示は、十分な純度が達成された場合、これらの材料を直接再利用することを可能にする。本開示の方法を使用すれば、分離画分の98〜99%の純度を達成することができる。また、本開示に従えば、同じ磁石条件下での複数回の通過を実施して、分離効率を上昇させ、所与の画分についてより高い純度を得ることもできる。やはり、同じ磁石条件下で複数回通過させると、分離効率が上昇し、所与の画分についてより高い純度が得られると予想される。
使用済みグリットブラスト:上記の条件を使用した磁気分離は、酸化ボンドコート、ボンドコート、及びYSZバリア皮膜を分離するのに有効となり得ることから、本開示はまた、磁気分離を使用して、使用済みグリットブラスト中のボンド及びバリア皮膜からグリットブラストを更に分離できることを提示する。
本開示の別の態様は、オーバースプレー廃棄物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法に従って、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を含有するオーバースプレー廃棄物から単離された再利用可能な画分の収集物であって、(i)オーバースプレー廃棄物から単離された常磁性のボンドコート酸化物成分を含む、第1の画分、(ii)オーバースプレー廃棄物から単離された反磁性のボンドコート成分を含む、第2の画分、及び(iii)オーバースプレー廃棄物から単離された遮熱コーティング材料を含む、第3の画分を含み、第1、第2及び第3の画分のそれぞれが、互いに分離している収集物である。
本開示の別の態様は、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収するための方法であって、(i)基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物を用意し、ここで、該ボンドコート材料は、反磁性のバリア皮膜成分及び常磁性のボンドコート成分を含み、(ii)常磁性のボンドコート成分を含む常磁性画分、並びに反磁性の遮熱コーティング材料及び場合によりグリットブラスト材料を含む非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に磁場を印加し、(iii)グリットブラスト材料から反磁性の遮熱コーティング材料を分離するのに有効な条件下で、非常磁性画分を磁場に供することを含む方法である。
ある特定の実施形態では、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物を用意する段階は、化学的酸エッチング又は物理的除去加工によって、遮熱コーティングと、ボンドコート材料の少なくとも一部とを、基材から剥離することを含む。特定の実施形態では、物理的除去加工は、グリットブラスティングを含む。
本開示の別の態様は、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収するための方法に従って、基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料の混合物から単離された再利用可能な画分の収集物であって、(i)混合物から単離された常磁性のボンドコート成分を含む、第1の画分、(ii)混合物から単離された反磁性の遮熱コーティング材料を含む、第2の画分、及び(iii)グリットブラスト材料を含む、第3の画分を含み、第1、第2及び第3の画分のそれぞれが、互いに分離している収集物である。
本開示の別の態様は、金属基材から剥離されたバリア皮膜からイットリウムを回収するための方法であって、(i)金属基材からバリア皮膜を剥離して、ボンドコート材料及び剥離工程の副産物の1つ以上と混ざり合った剥離されたバリア皮膜を含む混合物を生成し、ここで、ボンドコート材料は、反磁性のバリア皮膜成分及び常磁性のボンドコート成分の一方又は両方を含み、(ii)常磁性のボンドコート成分を含む常磁性画分、及び物理的分離媒体と混ざり合った反磁性のバリア皮膜成分を含む非常磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に磁場を印加し、(iii)物理的分離媒体から反磁性のバリア皮膜成分を分離するのに有効な条件下で、非常磁性画分を磁場に供し、(iv)バリア皮膜からイットリウムを回収することを含む方法である。
ある特定の実施形態では、金属基材からバリア皮膜を剥離する段階は、化学的酸エッチング又は物理的除去加工を含む。特定の実施形態では、物理的除去加工は、グリットブラスティングを含み得るがこれに限定されない。
化学的精製
再利用又はリサイクルに必要な純度を達成するために更に精製することが望まれる場合には、化学的精製を使用して、純度を改善する又は望ましい材料を抽出することもできる。
従って、ある特定の実施形態では、オーバースプレー廃棄物又は基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料からボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収する方法は、オーバースプレー廃棄物又は基材から剥離された混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料の混合物から単離された、常磁性のボンドコート酸化物成分、反磁性のボンドコート成分又はバリア皮膜材料(例えば、遮熱コーティング材料)の1つ以上を、化学的加工(例えば、化学的精製)によって精製することを更に含んでもよい。
同様に、ある特定の実施形態では、バリア皮膜からイットリウムを回収することを伴う方法及び任意の関連する段階は、バリア皮膜からイットリウムを単離するのに有効な化学的処理工程を含むことができる。
一般的に説明してきた本技法は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解することができるが、これらは、ある特定の態様及び実施形態を例示するために含まれるにすぎず、本システム及び方法を限定することを意図したものでは決してない。
実施例
この例では、本開示の方法の特定の実施形態に従って、混ざり合ったボンドコート及び遮熱コーティング材料を回収した。プラズマ残留物の組成は、約1%の収集槽に入り込む様々な残骸、約33%のボンドコート、及び約66%の遮熱コーティングを含むことが見出された。この残骸は、140メッシュを用いてふるい分けして、約1%を約100μm以上の大粒子として、及び99%を約100μm以下の小粒子として分離することによって除去される。
この99%の第1の画分は、NiCrAlY酸化物及び他のボンドコート酸化物質を含有しており、これを、1以上の磁石を使用する常磁性分離によって更に分離した。分離により、約11%が磁性材料として得られ、約88%が非磁性材料として回収された。非磁性材料は、今度はNiCrAlY及び他のボンドコート材料を含有しており、これを、反磁性分離を使用して更に分離して、反磁性である約21%の材料及び非反磁性である約79%の材料を得た。この最終段階により、イットリア安定化ジルコニアの分離及び回収が可能になる。
ふるい分けに関しては、BC及びTBCを含有するプラズマ残留物を、ふるい分けシステムにかける。プラズマ残留物を、Retsch Sieve Shakerを使用して、35、45、60、80、100、120、140、170、200、230及び270メッシュのふるいでふるい分けした。得られた粒径分布を図1に示す。大きい粒径(>140メッシュ)は主として夾雑物を含有し、小さい粒径(≦140メッシュ)はBC及びTBCを含有していた。この例では、≦140メッシュの材料のみを更に加工した(即ち、99%の画分)。
常磁性分離に関しては、酸化BC材料は常磁性であり、磁石を使用して未酸化のBC及びTBCから分離される。希土類磁石を使用して、常磁性のBC材料を、ふるい分けしたBC及びTBC画分から分離した。得られた粒径分布を図2A〜2Cに示す。これらの図は、磁場を使用して、常磁性の酸化ボンドコート材料を未酸化のボンドコート及び遮熱コーティングから分離した後に得られた粒径分布を示すグラフ及びチャートである。粒径による元素の割合を図2A〜2Cに示す。常磁性及び非常磁性材料の粒径分布は、小さい粒径ほどより多くの非常磁性材料が存在することを除いて類似している。≦140メッシュの材料のみを更に加工した。常磁性画分のXRF分析は、金属酸化物に変換された高純度NiCrAlYボンドコートと一致する。示されるように、1%未満のTBCが存在する。非常磁性画分のXRF分析は、高純度イットリア安定化ジルコニアTBCと組み合わさった高純度元素NiCrAlYボンドコートの混和物と一致し、その収率は約100%である。一例では、収率は、11%のボンドコート酸化物、並びに88%のボンドコート及び遮熱コーティングの混合物であった。
反磁性分離に関しては、未酸化のBC材料は反磁性であり、電磁場発生器を使用してTBCから分離される。電磁分離機を使用して、反磁性のBC材料を、TBC画分から分離した。得られた粒径分布を図3A〜3Cに示し、これらは、電磁場を使用して、反磁性の未酸化のボンドコート材料を酸化ボンドコート及び遮熱コーティングから分離した後に得られた粒径分布についてのグラフ及びチャートである。粒径による元素の割合をこれらの図に示す。
反磁性画分のXRF分析は、高純度NiCrAlYボンドコートと一致し、おおよそ1%のTBCが存在する。非反磁性画分のXRF分析は、高純度元素NiCrAlYボンドコートの混和物と一致し、おおよそ1%のボンドコートが存在する。収率は約100%である。一例では、収率は、24%のボンドコート及び76%の遮熱コーティングであった。
前処理及び後処理などの更なる工程を、適宜実施してもよい。例えば、未酸化のBC材料を、電磁場発生器を使用してTBCから分離することを可能にするために、酸化BCに変換してもよい。酸化は、化学酸化であってもよく、酸化性雰囲気中での加熱によるものであってもよい。一部の夾雑物は、高温(例えば、炭素系夾雑物の場合>750℃)で焼成することによって除去することができる。洗浄により、可溶性の夾雑物を除去することもできる。ある特定の実施形態では、還元性雰囲気により、BC酸化物を元のBCに変換する。
実施例2:化学的精製
再利用又はリサイクルに必要な純度を達成するために非化学的精製工程では十分でない場合には、化学的精製を使用して、純度を改善する又は望ましい材料を抽出することもできる。図4を参照すると、いくつかの例示された化学的精製の選択肢が示されている。酸の混合物を含め、異なる酸のマトリックスを評価して、様々な試料を精製するためのそれらの有用性を決定した。ある特定の化学的工程は、予想外なことに、ある特定の試料から特定の材料を回収するのに有利であることが発見された。
酸化ボンドコートからニッケル及びイットリウムを回収するための化学的処理
酸化ボンドの回収/化学的精製の選択肢を図4に示す。磁気的に分離された材料の0.1アンペア未満の画分は、高濃度(約99%)の酸化ボンドコート材料を含有する。ニッケルは、この材料中に最も高い濃度(最大66%)で存在し、また構成物質と重量で比較して最も大きな値を有する。イットリウムは、より低い濃度(1〜2%)で含有されるが、やはり高い値を有する。硝酸、王水、及び塩酸による処理は、ニッケル及びイットリウムを選択的に可溶化し、アルミニウム及びクロムのほとんどが後に残る。一例として、0.1アンペア未満の磁気的に分離された材料の試料をXRFによって分析し、60%のニッケル、24%のクロム、14%のアルミニウム、2%のイットリウム、及び<1%のジルコニウムという金属組成を有することが見出された(これは、一部のバリア皮膜夾雑物質を含む典型的なボンドコート組成である)。この試料を以下の実験で使用した。
硝酸試験
上記試料の一部0.2178gを、硝酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−OES)によって分析した。溶解された試料の25.8%は、25.4%のニッケル、0.1%のアルミニウム、0.0%のクロム、0.1%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、98%のニッケル及び2%未満の他の材料であることに等しい。これは、高ニッケル純度溶液をもたらすほぼ定量的な抽出である。この溶液中のニッケルは、電解採取又は他の公知の技法によって回収することができる。同じ試料を用いて実施した他の試験(例えば、硫酸)の結果を踏まえると、これらの結果は予想外である。
王水試験
上記試料の一部0.2196gを、王水中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の50.8%は、48.3%のニッケル、0.6%のアルミニウム、0.2%のクロム、1.2%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、95%のニッケル、1%のアルミニウム、2%のイットリウム、及び2%未満の他の材料であることに等しい。これは、高ニッケル純度溶液をもたらすほぼ定量的な抽出である。この溶液中のニッケル及びイットリウムは、電解採取又は他の公知の技法によって回収することができる。同じ試料を用いて実施した他の試験の結果を踏まえると、これらの結果は予想外である。
塩酸試験
上記試料の一部0.2009gを、塩酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の30.2%は、28.6%のニッケル、0.3%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.9%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、95%のニッケル、1%のアルミニウム、3%のイットリウム、及び1%未満の他の材料であることに等しい。これは、比較的高いニッケル純度の溶液であり、この溶液中のニッケル及びイットリウムは、電解採取又は他の公知の技法によって回収することができる。
硫酸試験
上記試料の一部0.2153gを、硫酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の0.9%は、0.4%のニッケル、0.1%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.1%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、46%のニッケル、6%のアルミニウム、7%のクロム、11%のイットリウム、及び2%未満の他の材料であることに等しい。これは、低純度のニッケル及びイットリウム溶液であり、電解採取又は他の公知の技法による回収にあまり適さない。このように、硫酸は、ニッケル回収のための溶解%が低かった。
酸混合液試験(110R1)
上記試料の一部0.2264gを、33重量%の98%硫酸、33%のフッ化水素アンモニウム、及び33%の水からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の1.0%は、0.2%のニッケル、0.1%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.0%のイットリウム、及び0.2%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、24%のニッケル、10%のアルミニウム、13%のクロム、2%のイットリウム、及び18%のジルコニウムであることに等しい。これは、低純度のニッケル及びイットリウム溶液であり、電解採取又は他の公知の技法による回収にあまり適さない。このように、110R1酸は、ニッケル回収のための溶解%が低かった。
酸混合液試験(ACR1)
上記試料の一部0.1065gを、71重量%の34%ヘキサフルオケイ酸、24%のリン酸、及び5%の塩酸からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の17.7%は、15.3%のニッケル、0.5%のアルミニウム、0.1%のクロム、1.0%のイットリウム、及び0.1%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、87%のニッケル、3%のアルミニウム、1%のクロム、6%のイットリウム、及び1%のジルコニウムであることに等しい。これは、低純度のニッケル及びイットリウム溶液であり、電解採取又は他の公知の技法による回収にあまり適さない。このように、ACR1酸は、ニッケル回収のための溶解%が低かった。
27%フッ化水素アンモニウム
上記試料の一部0.2200gを、27%フッ化水素アンモニウム水溶液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の2.1%は、1.2%のニッケル、0.1%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.0%のイットリウム、及び0.2%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、59%のニッケル、3%のアルミニウム、4%のクロム、0%のイットリウム、及び9%のジルコニウムであることに等しい。これは、電解採取又は他の公知の技法による回収に適さない可能性がある低純度のニッケル及びイットリウム溶液である。このように、27%フッ化水素アンモニウム水溶液は、ニッケル回収のための溶解%が低かった。
概要
酸化ボンドの回収/化学的精製加工に関して、硝酸、王水、及び塩酸は、定量的観点と定性的観点の両方から、ニッケルを有効に抽出した。これらの結果は予想外であり、その理由は、硝酸、王水、及び塩酸は、図10に示すように、金属を区別なく溶解することが知られているからである。
バリア皮膜が夾雑したボンドコートを回収するための化学的処理
図4を参照すると、ボンドの回収/化学的精製のための任意選択の工程が示されている。0.1アンペアを超える画分(1.0から1.5アンペア及び1.6アンペア超の画分)を合わせ、夾雑ボンドコート回収のためのサロゲートとして使用した。この磁気的に分離された材料は、未酸化のボンドコート材料(約24%)及びバリア皮膜(約76%)を含有する。このボンドコートは酸化していないことから、単にニッケル及びイットリウムを回収するのではなく、ボンドコートとしてリサイクルすることができる(ボンドコートは、ニッケル及びイットリウムそれ自体よりも価値がある)。
予想外なことに、フッ化水素アンモニウム及び水/硫酸の混合物を用いたこの画分の処理は、イットリア安定化ジルコニウムを選択的に可溶化し、アルミニウム、クロム、ニッケル、及びイットリウムを十分に溶解しない。一例として、磁気的に分離された材料の1.0から1.5アンペア及び1.6アンペア超の画分の試料をXRFによって分析し、2%のアルミニウム、5%のクロム、8%のニッケル、7%のイットリウム、及び78%のジルコニウムという金属組成を有することが見出された(これは、かなりのボンドコート夾雑物質を含む典型的なバリア皮膜組成である)。この試料を以下の実験で使用した。
27%フッ化水素アンモニウム
上記試料の一部0.2673gを、27%フッ化水素アンモニウム水溶液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の10.6%は、9.8%のジルコニウム、0.0%のアルミニウム、0.0%のクロム、0.2%のニッケル、及び0.0%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、92%のジルコニウム、0%のアルミニウム、0%のクロム、2%のニッケル、及び0%のイットリウムであることに等しく、この混合物は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。この例におけるこの試料は、多量のバリア皮膜を含有していたが、これらの結果から、この溶液を使用して、ボンドコート材料からジルコニア系バリア皮膜夾雑物質を選択的に除去できることが示唆され得る(例えば、試料が99%のボンドコート及び1%のバリア皮膜であった場合、この化学物質は、最小限のボンドコートを伴いバリア皮膜夾雑物質を定量的に除去すると思われる)。フッ化物化学物質は、シリカを溶解することが知られていることから、この化学物質は、ボンドコートからシリカ系バリア皮膜夾雑物質を除去するのにも有用であると思われる。
酸混合液試験(149R5)
上記試料の一部0.2086gを、90重量%の66%硫酸及び10%のフッ化水素アンモニウムからなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の6.1%は、5.3%のジルコニウム、0.1%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.3%のニッケル、0.1%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、87%のジルコニウム、2%のアルミニウム、1%のクロム、5%のニッケル、及び2%のイットリウムであることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。この例におけるこの試料は、多量のバリア皮膜を含有していたが、これらの結果から、この溶液を使用して、ボンドコート材料からジルコニア系バリア皮膜夾雑物質を選択的に除去できることが示唆され得る(例えば、試料が99%のボンドコート及び1%のバリア皮膜であった場合、この化学物質は、最小限のボンドコートを伴いバリア皮膜夾雑物質を定量的に除去すると思われる)。フッ化物化学物質は、シリカを溶解することが知られていることから、この化学物質は、ボンドコートからシリカ系バリア皮膜夾雑物質を除去するのにも有用であると思われる。
酸混合液試験(110R1)
上記試料の一部0.3701gを、33重量%の98%硫酸、33%のフッ化水素アンモニウム、及び33%の水からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の32.6%は、29.1%のジルコニウム、0.7%のアルミニウム、1.6%のクロム、0.1%のニッケル、及び0.0%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、89%のジルコニウム、2%のアルミニウム、5%のクロム、0%のニッケル、及び0%のイットリウムであることに等しく、この混合物は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。この例におけるこの試料は、多量のバリア皮膜を含有していたが、これらの結果から、この溶液を使用して、ボンドコート材料からジルコニア系バリア皮膜夾雑物質を選択的に除去できることが示唆され得る(例えば、試料が99%のボンドコート及び1%のバリア皮膜であった場合、この化学物質は、最小限のボンドコートを伴いバリア皮膜夾雑物質を定量的に除去すると思われる)。フッ化物化学物質は、シリカを溶解することが知られていることから、この化学物質は、ボンドコートからシリカ系バリア皮膜夾雑物質を除去するのにも有用であると思われる。
酸混合液試験(ACR1)
上記試料の一部0.1003gを、71重量%の34%ヘキサフルオケイ酸、24%のリン酸、及び5%の塩酸からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の20.9%は、3.6%のジルコニウム、1.4%のアルミニウム、3.7%のクロム、10.4%のニッケル、及び1.2%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、17%のジルコニウム、7%のアルミニウム、18%のクロム、49%のニッケル、及び6%のイットリウムであることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して選択的でなく、ボンドコートを溶解する申し分のない働きをする。ACR1酸混合液は、ボンドコートからバリア皮膜夾雑物質を除去するのに有用となり得るが、27%フッ化水素アンモニウム、149R5酸混合液、及び110R1酸混合液の方が、定性的観点と定量的観点の両方から、ジルコニウムを抽出するのに高い収率を示した。
硫酸試験
上記試料の一部0.5093gを、硫酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の0.6%は、0.0%のジルコニウム、0.0%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.2%のニッケル、及び0.1%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、3%のジルコニウム、7%のアルミニウム、13%のクロム、28%のニッケル、及び14%のイットリウムであることに等しい。硫酸は、ボンドコートをわずかに溶解するが、バリア皮膜を十分に溶解しない。従って、硫酸は、ボンドコートからバリア皮膜を除去するのにあまり有効でない。
硝酸試験
上記試料の一部0.4041gを、硝酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の1.6%は、0.0%のジルコニウム、0.2%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.9%のニッケル、及び0.2%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、2%のジルコニウム、11%のアルミニウム、7%のクロム、57%のニッケル、及び15%のイットリウムであることに等しい。硝酸は、ボンドコートをわずかに溶解するが、バリア皮膜を十分に溶解しない。従って、硝酸は、ボンドコートからバリア皮膜を除去するのにあまり有効でない。
王水試験
上記試料の一部0.2015gを、王水中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の22.6%は、0.0%のジルコニウム、2.2%のアルミニウム、4.9%のクロム、14.7%のニッケル、及び0.4%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、0%のジルコニウム、10%のアルミニウム、22%のクロム、65%のニッケル、及び2%のイットリウムであることに等しい。これらの濃度は、典型的なボンドコート組成と非常に近いため、王水は、バリア皮膜に作用することなく、ボンドコートを区別なく溶解する。従って、王水は、ボンドコートからバリア皮膜を除去するのにあまり有効でない。
塩酸試験
上記試料の一部0.2079gを、塩酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の16.7%は、0.0%のジルコニウム、1.6%のアルミニウム、3.6%のクロム、10.9%のニッケル、及び0.3%のイットリウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、0%のジルコニウム、10%のアルミニウム、22%のクロム、65%のニッケル、及び2%のイットリウムであることに等しく、王水の結果と同一である。これらの濃度は、典型的なボンドコート組成と非常に近いため、塩酸は、バリア皮膜に作用することなく、ボンドコートを区別なく溶解する。従って、塩酸は、ボンドコートからバリア皮膜を除去するのにあまり有効でない。
概要
図11に示すように、一実施形態によれば、27%フッ化水素アンモニウム、149R5酸混合液、及び110R1酸混合液は、定量的観点と定性的観点の両方から、ACR1酸混合液、硫酸、硝酸、王水、及び塩酸よりも、ボンドコートからバリア皮膜を抽出する際に高い収率を示した。
ボンドコートが夾雑したバリア皮膜を回収するための化学的処理
再び図4を参照すると、バリアの回収/化学的精製のための任意選択の工程が示されている。0.1アンペアを超える画分(1.0から1.5アンペア及び1.6アンペア超の画分)を合わせ、夾雑バリア皮膜回収のためのサロゲートとして使用した。この磁気的に分離された材料は、高濃度のバリア皮膜及び未酸化のボンドコート材料を含有する。王水及び塩酸を用いたこの画分の処理は、アルミニウム、クロム、ニッケル、及びイットリウムを選択的に可溶化し、イットリア安定化ジルコニウムを溶解しない。一例として、磁気的に分離された材料の1.0から1.5アンペア及び1.6アンペア超の画分の試料をXRFによって分析し、2%のアルミニウム、5%のクロム、8%のニッケル、7%のイットリウム、及び78%のジルコニウムという金属組成を有することが見出された(これは、かなりのボンドコート夾雑物質を含む典型的なバリア皮膜組成である)。この試料を以下の実験で使用した。
王水試験
上記試料の一部0.2015gを、王水中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の22.6%は、2.2%のアルミニウム、4.9%のクロム、14.7%のニッケル、0.4%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、10%のアルミニウム、22%のクロム、65%のニッケル、2%のイットリウム、及び0%のジルコニウムであることに等しい。この組成は、典型的なボンドコート組成と非常に類似しているため、王水は、ボンドコートを溶解するが、バリア皮膜を溶解しない。従って、王水は、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのに有効である。
塩酸試験
上記試料の一部0.2079gを、塩酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の16.7%は、1.6%のアルミニウム、3.6%のクロム、10.9%のニッケル、0.3%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、10%のアルミニウム、22%のクロム、65%のニッケル、2%のイットリウム、及び0%のジルコニウムであることに等しく、王水の結果と同一である。この組成は、典型的なボンドコート組成と非常に類似しているため、塩酸は、ボンドコートを溶解するが、バリア皮膜を溶解しない。従って、塩酸は、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのに有効である。
硫酸
上記試料の一部0.5093gを、硫酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の0.6%は、0.0%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.2%のニッケル、0.1%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、7%のアルミニウム、13%のクロム、28%のニッケル、14%のイットリウム、及び3%のジルコニウムであることに等しい。硫酸は、ボンドコートをわずかにしか溶解しない。従って、硫酸は、バリア皮膜からボンドコートを除去するのにあまり有効でないと思われる。
硝酸
上記試料の一部0.4041gを、硝酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の1.6%は、0.2%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.9%のニッケル、0.2%のイットリウム、及び0.0%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、11%のアルミニウム、7%のクロム、57%のニッケル、15%のイットリウム、及び2%のジルコニウムであることに等しい。硝酸は、ボンドコートをわずかに溶解するが、バリア皮膜を十分に溶解しない。従って、硝酸は、バリア皮膜からボンドコートを除去するのにあまり有効でないと思われる。
酸混合液試験(149R5)
上記試料の一部0.2086gを、90重量%の66%硫酸及び10%のフッ化水素アンモニウムからなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の6.1%は、0.1%のアルミニウム、0.1%のクロム、0.3%のニッケル、0.1%のイットリウム、及び5.3%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、2%のアルミニウム、1%のクロム、5%のニッケル、2%のイットリウム、及び87%のジルコニウムであることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、149R5酸混合液は、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのにあまり有効でない。
酸混合液試験(110R1)
上記試料の一部0.3701gを、33重量%の98%硫酸、33%のフッ化水素アンモニウム、及び33%の水からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の32.6%は、0.7%のアルミニウム、1.6%のクロム、0.1%のニッケル、0.0%のイットリウム、及び29.1%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、2%のアルミニウム、5%のクロム、0%のニッケル、0%のイットリウム、及び89%のジルコニウムであることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、110R1酸混合液もまた、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのにあまり有効でない。
酸混合液試験(ACR1)
上記試料の一部0.1003gを、71重量%の34%ヘキサフルオケイ酸、24%のリン酸、及び5%の塩酸からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の20.9%は、1.4%のアルミニウム、3.7%のクロム、10.4%のニッケル、1.2%のイットリウム、及び3.6%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、7%のアルミニウム、18%のクロム、49%のニッケル、6%のイットリウム、及び17%のジルコニウムであることに等しく、この酸混合液は、ボンドコートに対して選択的でなく、イットリア安定化ジルコニウムを溶解するほぼ同程度に良好な働きをする。従って、ACR1酸混合液は、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのにあまり有効でない。
27%フッ化水素アンモニウム
上記試料の一部0.2673gを、27%フッ化水素アンモニウム水溶液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の10.6%は、0.0%のアルミニウム、0.0%のクロム、0.2%のニッケル、0.0%のイットリウム、及び9.8%のジルコニウムからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、0%のアルミニウム、0%のクロム、2%のニッケル、0%のイットリウム、及び92%のジルコニウムであることに等しく、この混合物は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、110R1酸混合液は、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を除去するのにあまり有効でない。
概要
図12に示すように、王水及び塩酸は、定量的観点と定性的観点の両方から、バリア皮膜からボンドコート夾雑物質を抽出する際に有効である。硫酸及び硝酸は、ボンドコート夾雑物質の除去に有用となるのに十分なボンドコートを溶解しなかった。149R5、110R1及びACR1酸混合液並びに27%フッ化水素アンモニウムは、バリア皮膜を溶解する際により有効であり、従って、ボンドコート夾雑物質の除去には有用でない。
使用済みグリットブラストからイットリア安定化ジルコニアを回収するための化学的処理
再び図4を参照すると、イットリアの回収/化学的精製のための任意選択の工程が示されている。使用済みグリットブラストから分離された小さい粒径の材料は、上記に示したように、高濃度(1〜7%)のバリア皮膜を含有する。フッ化物系酸混合液を用いたこの画分の処理は、イットリア安定化ジルコニウムを選択的に可溶化し、アルミニウム、クロム、ニッケル、金属イットリウム、及び夾雑物を溶解しない。例えば、240メッシュのふるいでふるい分けしたグリットブラスト材料の試料をXRFによって分析し、4.2%のジルコニウム、0.4%のイットリウム、41%のアルミニウム、2.3%のチタン、1.0%のケイ素、0.5%のカルシウム、0.2%のニッケル、0.2%のクロム、及び他の夾雑物という金属組成を有することが見出された(これは、イットリア安定化ジルコニアバリア皮膜を含有する典型的なバリア使用済みグリットブラスト材料である)。この試料を以下の実験で使用した。
酸混合液試験(149R5)
上記試料の一部0.2420gを、90重量%の66%硫酸及び10%のフッ化水素アンモニウムからなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の3.5%は、2.0%のジルコニウム、0.7%のイットリウム、0.2%のアルミニウム、0.3%のカルシウム、0.1%のチタンからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、57%のジルコニウム、21%のイットリウム、4%のアルミニウム、9%のカルシウム、2%のチタン、及び<7%の他の金属であることに等しく、この酸混合液は、イットリア安定化ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、酸混合液149R5は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのに有効である。二次的な洗浄及び硝酸処理では、更なるイットリウムは回収されなかった。
酸混合液試験(110R1)
上記試料の一部0.3377gを、33重量%の90%硫酸、33%のフッ化水素アンモニウム、及び33%の水からなる酸混合液中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の5.8%は、2.8%のジルコニウム、0.0%のイットリウム、0.7%のアルミニウム、0.3%の鉄、0.4%のケイ素、及び1.1%のチタンからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、49%のジルコニウム、0%のイットリウム、11%のアルミニウム、4%の鉄、8%のケイ素、18%のチタン、及び<10%の他の金属であることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、酸混合液110R1は、使用済みアルミニウムグリットからジルコニウムを溶解するのに有効である。しかしながら、溶液中にイットリウムは存在しなかったため、イットリウムを回収するための更なる処理を実施した。
得られた固体を10mLの脱イオン(DI)水で洗浄し、洗浄された固体を硝酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の1.1%は、0.4%のジルコニウム、0.3%のイットリウム、0.7%のアルミニウム、0.2%のカルシウム、及び0.1%のチタンからなることが見出された。これは、上清中の金属含有率が、36%のジルコニウム、23%のイットリウム、20%のカルシウム、7%のチタン、及び<14%の他の金属であることに等しく、この酸処理は、ジルコニウム及びイットリウムに対して選択的であった。従って、硝酸による後処理は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのに有効である。
27%フッ化水素アンモニウム
上記試料の一部0.5300gを、27%フッ化水素アンモニウム中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の4.8%は、3.1%のジルコニウム、0.2%の鉄、0.1%のマンガン、0.1%のニッケル、0.4%のケイ素、及び0.8%のチタンからなることが見出された。測定可能なイットリウムは溶解されていなかった。これは、上清中の金属含有率が、64%のジルコニウム、0%のイットリウム、1%のアルミニウム、4%の鉄、9%のケイ素、17%のチタン、及び<5%の他の金属であることに等しく、この酸混合液は、ジルコニウムに対して非常に選択的である。従って、酸混合液110R1は、使用済みアルミニウムグリットからジルコニウムを溶解するのに有効である。しかしながら、溶液中にイットリウムは存在しなかった。酸混合液110R1で使用したのと類似の、但し塩酸又は硫酸を使用した更なる処理を使用して、イットリウムを回収することもできる。
硫酸試験
上記試料の一部0.2010gを、硫酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の0.5%は、0.1%のアルミニウム、0.1%の鉄、0.1%のニッケル、及び0.1%のチタンからなることが見出された。測定可能なイットリウム又はジルコニウムは溶解されていなかった。従って、硫酸は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのにあまり有効でない。
硝酸試験
上記試料の一部0.2007gを、硝酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の0.9%は、0.2%のアルミニウム、0.2%のカルシウム、0.1%の鉄、及び0.1%のチタンからなることが見出された。測定可能なイットリウム又はジルコニウムは溶解されていなかった。従って、硝酸は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのにあまり有効でない。
王水試験
上記試料の一部0.1998gを、王水中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の2.3%は、0.5%のアルミニウム、0.3%のカルシウム、0.1%のコバルト、0.1%のクロム、0.3%の鉄、0.1%のマンガン、0.3%のニッケル、0.4%のチタン、及び0.1%のジルコニウムからなることが見出された。測定可能なイットリウムは溶解されておらず、ごく微量のジルコニウムが溶解されていた。従って、王水は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのにあまり有効でない。
塩酸試験
上記試料の一部0.2057gを、塩酸中で60℃で8時間処理した。処理の後、試料を遠心分離し、上清を取り出し、ICP−OESによって分析した。溶解された試料の1.8%は、0.4%のアルミニウム、0.2%のカルシウム、0.1%のコバルト、0.1%のクロム、0.3%の鉄、0.1%のマンガン、0.2%のニッケル、0.3%のチタン、及び0.1%のジルコニウムからなることが見出された。測定可能なイットリウムは溶解されておらず、ごく微量のジルコニウムが溶解されていた。従って、塩酸は、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収するのにあまり有効でない。
概要
図13に示すように、酸混合液110R1と二次的な硝酸処理及び酸混合液149R5は、定量的観点と定性的観点の両方から、硫酸、硝酸、王水、及び塩酸よりも、使用済みアルミニウムグリットからイットリア安定化ジルコニウムを回収する際に有効であった。27%フッ化水素アンモニウムは、ジルコニアを容易に溶解する。次いで、得られた固体からのイットリウム含有物を、110R1で使用したのと類似の工程を使用して回収することもできる。
上記の説明は例示することを意図したものであり、制限することを意図したものではないことを理解されたい。例えば、上記の実施形態(及び/又はそれらの態様)を、互いに組み合わせて使用してもよい。加えて、特定の状況又は材料を、その範囲から逸脱することなく様々な実施形態の教示に適合させるように、多くの改変を加えることもできる。本明細書に記載された材料の寸法及びタイプは、様々な実施形態のパラメータを定義することを意図したものであるが、それらは決して限定的なものではなく、例示的なものにすぎない。多くの他の実施形態は、上記の説明を精査すれば当業者には明らかとなる。従って、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、及びそのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「ここで(in which)」という用語は、それぞれ「含む(comprising)」及び「ここで(wherein)」という用語の平易な英語の均等物として使用される。更に、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」等の用語は、標識として使用されるにすぎず、それらの対象物に数値的な要件を課すことを意図したものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ−プラス−ファンクション形式で書かれたものではなく、そのような特許請求の範囲の限定が「〜のための手段」という語句を明示的に使用し、それに続いて更なる構造を持たない機能を記述したものでない限り、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図したものではない。上に記載したそのような目的又は利点の必ずしも全てが、任意の特定の実施形態に従って達成できるとは限らないことを理解されたい。従って、例えば、本明細書に記載されたシステム及び技法は、本明細書で教示された1つの利点又は利点の群を達成する又は最大限に利用する様式で、本明細書で教示又は示唆され得る他の目的又は利点を必ずしも達成することなく具現化又は実行できることが当業者には認識される。
本発明を限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明してきたが、本発明はそのような開示された実施形態に限定されないことは容易に理解されるはずである。寧ろ、本発明は、これまでに記載していないが本発明の趣旨及び範囲に相応する、多数の変形、変更、置換、又は均等な構成を組み込むように改変することができる。加えて、本発明の様々な実施形態を記載してきたが、本発明の態様は、記載された実施形態の一部のみを含んでもよいことを理解されたい。従って、本発明は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定される。本明細書に記述された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれると具体的に且つ個々に示されている場合と同様に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合には、本明細書におけるあらゆる定義を含め、本出願が優先される。
本明細書は、最良の形態を含め、本発明を開示するため、またあらゆる当業者が、あらゆる装置又はシステムを作製及び使用すること並びにあらゆる組み込まれた方法を実施することを含め、本発明を実施することを可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有するか、又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。

Claims (24)

  1. ボンドコート及び/又はバリア皮膜材料を回収するための方法であって、
    ボンドコート材料とバリア皮膜材料とが混ざり合った混合物を用意し、
    ボンドコート材料の一部を含む1以上の常磁性画分、及びバリア皮膜材料の一部を含む反磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に1以上の磁場を印加する
    ことを含む方法。
  2. 1以上の磁場を印加する段階が、
    常磁性のボンドコート酸化物成分を含む第1の常磁性画分、及び反磁性のバリア皮膜材料と混ざり合った常磁性のボンドコート成分を含む常磁性−反磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物を第1の磁場に供し、
    反磁性のバリア皮膜材料から常磁性のボンドコート成分を分離するのに有効な条件下で、常磁性−反磁性画分を第2の磁場に供する
    ことを含み、
    第1の磁場が、第2の磁場よりも弱い、請求項1記載の方法。
  3. ボンドコート材料及びバリア皮膜材料が、それぞれ1種以上の希土類元素を含む、請求項1記載の方法。
  4. ボンドコート材料が、MCrAlY(式中、Mは、Fe、Ni及びCoの1つ以上である)を含む、請求項3記載の方法。
  5. バリア皮膜材料が、イットリア安定化ジルコニア、又はカルシア、セリア、スカンジア、マグネシア、インジア、ランタナ、ネオジミア、イッテルビア、ストロンチア、酸化バリウム、酸化ニッケル、酸化第二鉄、酸化第一コバルト、ジスプロシア、ガドリニア、サマリア、エルビア、ユーロピア、プラセオジミア及びそれらの混合物からなる群から選択されるジルコニア中の他の希土類安定化剤を含む、請求項3記載の方法。
  6. 混合物が、ボンドコート材料とバリア皮膜材料との分離を容易にするのに有効な温度まで加熱される、請求項1記載の方法。
  7. 温度が、400℃を超える、請求項6記載の方法。
  8. 混合物を第1の磁場に供する段階が、混合物を、常磁性のボンドコート酸化物成分を引き付ける第1の磁石に曝露し、それによって常磁性−反磁性画分から常磁性のボンドコート酸化物成分を分離することを含む、請求項2記載の方法。
  9. 第1の磁石が、約0.001から約0.15アンペアの間の電流で作動する磁気分離機によって発生する磁場と同等の磁場を提供する、請求項8記載の方法。
  10. 常磁性−反磁性画分を第2の磁場に供する段階が、常磁性−反磁性画分を、反磁性のバリア皮膜材料と反発する第2の磁石に曝露し、それによって反磁性のバリア皮膜材料からボンドコート成分を分離することを含む、請求項2記載の方法。
  11. 第2の磁石が、斜面の長手方向の傾き5〜25°及び軸方向の傾斜0〜25°で測定して、約0.15アンペアより大きい電流で作動する磁気分離機によって発生する磁場と同等の磁場を提供する、請求項10記載の方法。
  12. 混合物を第1の磁場に供する段階が、常磁性−反磁性画分を第2の磁場に供する段階の前に、1回以上繰り返される、請求項2記載の方法。
  13. 常磁性−反磁性画分を第2の磁場に供する段階が、1回以上繰り返される、請求項2記載の方法。
  14. 混合物に1以上の磁場を印加する前に、サイズ排除によって混合物から残骸を除去する
    ことを更に含む、請求項1記載の方法。
  15. 残骸が、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料から残骸を分離するために、混合物をふるい分けシステムに通過させることによって除去される、請求項14記載の方法。
  16. ふるい分けシステムが、約100から約200の間のメッシュサイズを有する、請求項15記載の方法。
  17. 残骸が、ボンドコート及びバリア皮膜材料以外の材料を含み、約0.15ミリメートル以上の粒径を有する、請求項14記載の方法。
  18. 混合物から単離された、常磁性のボンドコート酸化物成分、常磁性のボンドコート成分又は反磁性のバリア皮膜材料の1つ以上を、化学的加工によって精製する
    ことを更に含む、請求項2記載の方法。
  19. 混合物が、混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料を含有する廃材を含み、廃材が、空気プラズマ溶射工程、電子ビーム物理蒸着工程、及び/又はバリア皮膜剥離工程から、混ざり合った過剰のボンドコート材料及びバリア皮膜材料を収集することによって用意される、請求項1記載の方法。
  20. バリア皮膜剥離工程が、化学的酸エッチング又は物理的除去加工によって、バリア皮膜と、ボンドコート材料の少なくとも一部とを、基材から剥離することを含む、請求項19記載の方法。
  21. 混ざり合ったボンドコート及びバリア皮膜材料を含有する混合物から再利用可能な画分の収集物を単離することを更に含み、単離が、
    混合物から単離された常磁性のボンドコート酸化物成分を含む、第1の画分を単離し、
    混合物から単離された常磁性のボンドコート成分を含む、第2の画分を単離し、
    混合物から単離されたバリア皮膜材料を含む、第3の画分を単離する
    ことを含み、
    第1、第2及び第3の画分のそれぞれが、互いに実質的に分離している、請求項1記載の方法。
  22. イットリウムを回収するための方法であって、
    金属基材からバリア皮膜を剥離して、ボンドコート材料及び剥離工程の副産物の1つ以上と混ざり合った剥離されたバリア皮膜を含む混合物を生成し、ここで、ボンドコート材料は、ボンドコート成分及びボンドコート酸化物成分の一方又は両方を含み、
    ボンドコート酸化物成分を含む常磁性画分、及びバリア皮膜と混ざり合ったボンドコート成分を含む常磁性−反磁性画分を生成するのに有効な条件下で、混合物に第1の磁場を印加し、
    バリア皮膜からボンドコート成分を分離するのに有効な条件下で、常磁性−反磁性画分を第2の磁場に供し、
    イットリウムを回収する
    ことを含む方法。
  23. 金属基材からバリア皮膜を剥離することが、化学的酸エッチング又は物理的除去加工を含む、請求項22記載の方法。
  24. バリア皮膜からイットリウムを回収する段階が、バリア皮膜からイットリウムを単離するのに有効な化学的処理工程を含む、請求項22記載の方法。
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