JP2016506720A - 炎症性疾患のための抗tnf及び抗il17併用治療薬バイオマーカー - Google Patents
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Abstract
本発明は、炎症性疾患を患っている被験者に由来するサンプル中のCXCL1及び/またはCXCL5マーカーのレベルを測定することにより該被験者の治療における抗TNF及び抗IL17併用治療薬の有効性を予測するための方法を提供する。
Description
抗サイトカイン治療薬は炎症性疾患の症状を治療し、疾患の進行を抑えるためのケアの標準となっている。しかしながら、多数の治療薬オプションがあるにも関わらず、多くの患者はなお疾患活動度の大幅な減少を経験していない。原則、薬物を併用することにより免疫抑制のレベルを上げることが向上した有効性を達成するための妥当な戦略である。しかし、この目的のために抗サイトカイン治療薬を併用する試みは容認できない安全性及び耐薬性の問題に悩まされている(Genoveseら,Arthritis & Rheumatism,50(5):1412−1419,2004)。にもかかわらず、炎症性疾患を治療するための向上した応答及び許容できる安全性を与えることができる適切な併用治療薬を見つけることはまだ問題を残している。
関節リウマチ(RA)は原因不明の慢性全身性自己免疫疾患である。その主な臓器の症状発現には、貧血及び心血管事故の高いリスクを含む多数の合併症を伴って疼痛、膨張、及び骨や軟骨の進行性破壊をもたらす関節炎症が含まれる。RAは活性化したリンパ液、マスト細胞及び好中球による滑膜の浸潤を特徴とし、滑膜の過形成及び血管新生をもたらす。2012年現在、500万人以上の人がRAに冒されており、約26%は軽症、49%は中等度、25%は重症であり、女性の罹患率は男性の3倍である。多くの場合、現在の治療レジメンは完全には有効でない。
抗TNF治療薬はRAに対して最も処方されている抗サイトカイン治療薬である。TNFは、ケモカイン、サイトカイン、エイコサノイド及びマトリックスメタロプロテアーゼを含めた疼痛、炎症及び関節破壊の多くのメディエーターの発現を高める炎症性サイトカインである。寛解を達成できない多くのRA患者及びげっ歯類疾患モデルでは、抗TNF治療薬はこの炎症性カスケードの発現を抑制するのには部分的にしか有効でない。多数のインビトロ研究に基づいて、TNFは炎症性遺伝子発現のレギュレーションの点でIL17と協同して、2つの治療薬は併用治療薬の魅力的な候補となるであろう。事実、最近の刊行物はマウスCIAにおいて併用抗TNF/抗IL17の高い有効性を立証した(Koendersら,Arthritis Rheum,2011,63(8):2329−2339)。
従って、当業界では、炎症性疾患治療薬、並びに抗TNF及び抗IL17からなる併用炎症性疾患治療薬に対する応答性を評価または予測するのに有用な方法及び組成物が要望されている。
Genoveseら,Arthritis & Rheumatism,50(5):1412−1419,2004
Koendersら,Arthritis Rheum,2011,63(8):2329−2339
本発明は、抗TNF及び抗IL17併用治療薬のための新規バイオマーカーの同定に基づいている。具体的には、本発明は、少なくとも部分的に、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療薬が炎症性疾患を有している被験者におけるCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルを対照マーカーに比して低下させ得、前記併用治療薬が当該被験者の炎症性疾患の治療において有効であり、または有効であろうという所見に基づいている。従って、本発明は、(i)被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;(iv)炎症性疾患を有している被験者を治療するための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するために有用である。
従って、1つの態様で、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかを調べるための方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ、及び前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者を治療するのに有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者を治療するのに有効であろうことを示す。
別の態様で、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプルを形質転換して、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定することができるように前記サンプルをプロセッシングするステップ、及び前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いて治療する方法を提供する。その方法は、対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較してより高いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを示す被験者を選択するステップ、及び治療有効量の併用治療薬を被験者に投与するステップを含む。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬から禁忌とする方法を提供する。その方法は、対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較してより低いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを示す被験者を選択するステップを含む。
さらに別の態様では、本発明は、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療の有効性をモニターするための方法を提供する。その方法は、治療有効量の併用治療薬を被験者に投与した後の被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ、及び前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であったことを示す。
別の態様で、本発明は、炎症性疾患の治療のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択する方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ、及び前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、被験者が臨床試験に参加するのに適していることを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を治療するのに適している抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ、及び前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。その方法は複数の異なる併用治療薬を試験することを含み得る。或いは、併用治療薬を被験者に投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
さらに別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNFα抗体及び抗IL17抗体からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルをCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つが検出され得るようにCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用し、サンプルを形質転換する試薬を用いて測定するステップ、及びCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっとさらなる別の態様では、本発明は、(i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットを提供する。そのキットは、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベル及び対照マーカー、例えば正常範囲の値を測定するための試薬を含む。キットは、(i)被験者が併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書をも含む。使用説明書は本明細書中に記載されている態様の1つ以上に対応し得る。
1つの実施形態では、上記した1つ以上の態様は下記する1つ以上の要件と組み合わされ得る。
実施形態では、所定量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を被験者に投与した後にサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定する。実施形態では、所定量は治療量以下の用量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを含み得る。別の実施形態では、所定量は治療量以下の用量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを含み得る。別の実施形態では、所定量は治療量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを含み得る。別の実施形態では、所定量は治療量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を含み得る。
実施形態では、対照マーカーの発現レベルは、所定量の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を被験者に投与する前のサンプル中の対照マーカーの発現レベルである。
実施形態では、対照マーカーの発現レベルは、炎症性疾患を患っている被験者の集団における対照マーカーの発現の平均レベルである。別の実施形態では、対照マーカーの発現レベルは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を用いる併用療法前の被験者におけるマーカーの発現レベルである。
実施形態では、対照マーカーはCXCL1マーカーまたはCXCL5マーカーからなる。別の実施形態では、対照マーカーはCXCL1マーカー及びCXCL5マーカーの両方からなる。
実施形態では、炎症性疾患を患っている被験者の集団は抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを投与されている。1つの実施形態では、炎症性疾患を患っている被験者の集団は抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を投与されている。
実施形態では、抗TNF治療薬は抗TNF結合タンパク質からなる。実施形態では、抗TNF結合タンパク質はタンパク質に特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片からなる。別の実施形態では、抗TNF抗体またはその抗原結合断片はマウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体、または上記の抗原結合断片である。
実施形態では、抗TNF抗体は抗TNFα抗体、例えばヒト抗TNF抗体(例えば、アダリムマブ(R)またはその抗原結合断片)である。別の実施形態では、抗TNF抗体はヒト化抗TNF抗体(例えば、インフリキシマブまたはその抗原結合断片)からなる。
実施形態では、抗TNFα結合タンパク質は融合タンパク質(例えば、エタネルセプトまたはその抗原結合断片)からなる。
実施形態では、抗IL17治療薬は抗IL17結合タンパク質からなる。実施形態では、抗IL17結合タンパク質はタンパク質に特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片からなる。別の実施形態では、抗IL17抗体またはその抗原結合断片はマウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体、または上記の抗原結合断片である。
実施形態では、抗IL17抗体はヒト抗体(例えば、セクキヌマブまたはRG7624、またはその抗原結合断片)からなる。実施形態では、抗IL17抗体はヒト化抗体(例えば、10F7、B6−17、またはその抗原結合断片)からなる。
実施形態では、抗IL17結合タンパク質は融合タンパク質からなる。
実施形態では、抗TNF治療薬はメトトレキサート、そのアナログ、またはその医薬的に許容され得る塩からなる。実施形態では、抗IL17治療薬はメトトレキサート,そのアナログ、またはその医薬的に許容され得る塩からなる。実施形態では、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つはメトトレキサート、そのアナログ、またはその医薬的に許容され得る塩からなる。実施形態では、抗TNF治療薬と抗IL17治療薬の両方がメトトレキサート,そのアナログ、またはその医薬的に許容され得る塩からなる。
実施形態では、併用療法はTNF及びIL17の少なくとも1つに結合する多重特異性結合タンパク質の投与を含む。実施形態では、併用療法はTNF及びIL17に結合する多重特異性結合タンパク質の投与を含む。実施形態では、多重特異性結合タンパク質は、TNF及びIL17の少なくとも1つに結合する二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(TM))分子、ハーフボディDVD−Ig(hDVD−Ig)分子、三重可変ドメイン免疫グロブリン(TVD−Ig)分子、受容体可変ドメイン免疫グロブリン(rDVD−Ig)分子、多価DVD−Ig(pDVD−Ig)分子、モノボディDVD−Ig(mDVD−Ig)分子、クロスオーバー(coDVD−Ig)分子、血液脳関門(bbbDVD−Ig)分子、切断可能なリンカーDVD−Ig(clDVD−Ig)分子及び再方向付けされた細胞毒性DVD−Ig(rcDVD−Ig)分子からなる。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定する。別の実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの発現レベルを測定する。1例では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が有効であろうことを示す。別の例では、CXCL1とCXCL5マーカーの両方の発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が有効であろうことを示す。1例では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が有効であることを示す。別の例では、CXCL1とCXCL5マーカーの両方の発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が有効であることを示す。
実施形態では、被験者は以前抗TNF治療薬からなる単独治療薬または抗IL17治療薬からなる単独治療薬で治療されていない。
実施形態では、併用治療薬は、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを抗TNF治療薬からなる単独治療薬よりもかなり低下させる。実施形態では、併用治療薬はCXCL1及びCXCL5マーカーの発現レベルを抗TNF治療薬からなる単独治療薬よりもかなり低下させる。
実施形態では、併用治療薬は、抗TNF治療薬からなる単独治療薬よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する。
実施形態では、被験者は抗TNF治療薬からなる単独治療薬に応答しない。
実施形態では、併用治療薬は、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを抗IL17治療薬からなる単独治療薬よりもかなり低下させる。
実施形態では、併用治療薬は、抗IL17治療薬からなる単独治療薬よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する。
実施形態では、被験者は抗IL17治療薬からなる単独治療薬に応答しない。
実施形態では、併用治療薬は、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを抗TNF治療薬からなる単独治療薬と抗IL17治療薬からなる単独治療薬の両方よりもかなり低下させる。
実施形態では、併用治療薬は、抗TNF治療薬からなる単独治療薬と抗IL17治療薬からなる単独治療薬の両方よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する。
実施形態では、被験者は抗TNF治療薬からなる単独治療薬か抗IL17治療薬からなる単独治療薬のいずれにも応答しない。
実施形態では、CXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルを核酸レベルで測定する。実施形態では、CXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをRNA(例えば、mRNA、miRNAまたはhnRNA)を検出することにより測定し得る。別の実施形態では、CXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをDNA(例えば、cDNA)を検出することにより測定し得る。実施形態では、CXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅反応、逆転写酵素PCR分析、定量的逆転写酵素PCR分析、ノーザンブロット分析、RNAアーゼプロテクションアッセイ、デジタルRNA検出/定量、並びにその組合せまたは部分的組合せを用いることにより測定し得る。
実施形態では、CXCL1及び/またはCXCL5マーカーはタンパク質からなる。タンパク質はCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つに結合する結合タンパク質を用いて検出され得る。1つの実施形態では、結合タンパク質はCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つに結合する抗体またはその抗原結合部分である。1つの実施形態では、抗体はCXCL1に特異的に結合する抗CXCL1抗体またはその抗原結合部分、及び/またはCXCL5に特異的に結合する抗CXCL5抗体またはその抗原結合部分である。1つの実施形態では、抗体はCXCL1及びCXCL5に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分である。
実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は標識、例えば放射能標識、ビオチン標識、発色団、発蛍光団及び酵素を含む。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルをイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ、免疫蛍光測定法、免疫沈降、平衡透析、免疫拡散、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ELISAアッセイ、イムノポリメラーゼ連鎖反応、並びにその組合せまたは部分的組合せを用いて測定する。実施形態では、イムノアッセイは例えば電気化学発光、化学発光、蛍光性化学発光、蛍光分極及び時間分割蛍光を含む溶液をベースとするイムノアッセイからなる。実施形態では、イムノアッセイは、例えば電気化学化学発光、化学発光または蛍光性化学発光を含むサンドイッチイムノアッセイからなる。
実施形態では、サンプル中のCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをインビトロで測定する。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルをバイオアッセイ、例えば患者細胞(例えば、単球)を除去し、併用治療薬と培養しながら試験するエクスビボアッセイを用いて測定する。
実施形態では、サンプルは被験者から得た流体またはその成分からなる。実施形態では、流体は羊水、房水、硝子体液、胆汁、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳び、嚢胞液、内リンパ液、便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、乳頭吸引液、心膜液、外リンパ液、腹腔液、血漿、胸膜液、膿、唾液、皮脂、精液、汗、血清、つば、滑液、涙、尿、膣分泌物及び生検から集めた流体の少なくとも1つからなる。
実施形態では、サンプルは被験者から得た組織または細胞、またはその成分からなる。
実施形態では、サンプルは炎症性疾患の少なくとも1つの症状を呈しているヒト被験者に由来している。1つの実施形態では、サンプルは関節リウマチの少なくとも1つの症状を呈しているヒト被験者に由来している。関節リウマチの症状には、関節腫脹、有痛関節、炎症及び/または骨量減少が含まれるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、サンプルは、乾癬の症状(皮膚炎症、皮膚のかぶれ、皮膚発赤、皮膚病変、爪点状陥凹、爪分離、爪肥厚及び/または爪変色が含まれ得るが、これらに限定されない)、乾癬性関節炎の症状(指の関節炎、脊椎の関節炎、破壊性関節炎及び/または乾癬に関連する骨糜爛が含まれ得るが、これらに限定されない)、強直性脊椎炎の症状(仙腸骨炎、硬化症、1つ以上の脊椎の炎症、仙腸関節の炎症及び/または脊柱または骨盤間の関節の炎症が含まれ得るが、これらに限定されない)、若年性特発性関節炎の症状(関節痛、関節腫脹、関節硬直、睡眠障害、歩行困難、及び/または発熱及び発疹が含まれ得るが、これらに限定されない)、ベーチェット病の症状(口の糜爛、皮膚病変、陰部びまんまたは病変、ブドウ膜炎、関節痛及び/または腫脹、静脈及び動脈の炎症、脈管炎、腹痛、下痢、及び/または脳及び/または神経系の炎症が含まれ得るが、これらに限定されない)、脊椎関節炎の症状(背痛、腕及び/または脚の痛み及び腫脹、及び/または脊椎固定が含まれ得るが、これらに限定されない)、ブドウ膜炎の症状(ブドウ膜の腫脹、かすみ目、眼の赤み、眼の刺激、眼の痛み及び/または飛蚊症が含まれ得るが、これらに限定されない)、または全身性エリテマトーデスの症状(疲労、関節及び筋肉の痛み、皮膚発疹、光感応、心膜炎及び/または肋膜炎が含まれ得るが、これらに限定されない)の少なくとも1つを呈しているヒト被験者に由来している。
実施形態では、被験者はヒト被験者である。1つの実施形態では、被験者は炎症性疾患を有している。1つの実施形態では、炎症性疾患は関節リウマチである。別の実施形態では、炎症性疾患は乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、脊椎関節炎、ブドウ膜炎及び全身性エリテマトーデス(SLE)である。
実施形態では、併用治療薬はTNF及びIL17に対するDVD−Ig(TM)分子を含む。実施形態では、DVD−Ig(TM)分子はTNFα及びIL17に結合する。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用する試薬は抗CXCL1または抗CXCL5抗体、またはその抗原結合断片である。1つの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分はCXCL1及び/またはCXCL5に特異的に結合する。1つの実施形態では、方法は、被験者からのサンプルをプロセッシングし、プロセッシングしたサンプルをCXCL1及び/またはCXCL5に対する抗体と接触させて、抗体とサンプル中に存在するCXCL1及び/またはCXCL5との間で複合体を形成し、複合体の形成を検出することを含む結合アッセイを実施することを含む。
抗CXCL1抗体の例には、EMD Millipore:AP1151−100UG;Everest Biotech:EB09637;Lifespan Biosciences:LS−B2843、LS−B2513及びLS−C108147;eBioscience:50−7519−42及び50−7519−41;AbD Serotec:AAM40B、AAM40及びAAR22B;Thermo Fisher Scientific,Inc.:PA1−32959、PA1−32924及びPA1−20861;Abbiotec:251349、12335−1−AP及びAP08852PU−N;NovaTeinBio:63059;Abgent:AT1688a;Aviva Systems Biology:AVARP07032_P050、OASA08635及びOAEB00281;United States Biological:C8297−97A、C8298−01B及びC8298−01C;Creative Biomart:CAB−1005MH、CAB−3086MH及びCAB−115MH;Novus Biologicals:NBP1−61297、NBP1−51486及びNBP1−19301;Abnova:H00002919−M01、H00002919−D01P及びH00002919−M03;Fitzgerald:70R−10502;及びProSci:31−057、42−129及び42−196が含まれるが、これらに限定されない。
抗CXCL5抗体の例には、Lifespan Biosciences:LS−B5529;AbD Serotec:AHP1279、AAM42及びAHP1279B;Proteintech Group:10809−1−AP及びPA1−29657;Biorbyt:orb13909及びorb13450;Acris Antibodies:AM31037PU−N、PP1003B2及びPP1003P1;NovaTeinBio:63066、AT1694a及びAT1693a;Aiva Systems Biology:OASA07658、OASA08449及びOASA07657;United States Biological:C8297−98H1、C8297−98H及びE2275−07;Creative Biomart:CAB−5426MH及びCAB−5425MH;Novus Biologicals:33140002;及びAbnova:H00006374−M05、H00006374−M03及びH00006374−B01が含まれる。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用する試薬はCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つに対して特異的な核酸プローブを含む。1つの実施形態では、方法は、被験者からのサンプルをプロセッシングし、プロセッシングしたサンプルをCXCL1及び/またはCXCL5に対するプローブと接触して、プローブとサンプル中に存在するCXCL1及び/またはCXCL5の間で複合体を形成し、複合体の形成を検出することを含む結合アッセイを実施することを含む。
実施形態では、サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定は抗CXCL1または抗CXCL5抗体を用いてイムノアッセイを実施することを含む。実施形態では、サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定はイムノアッセイを抗CXCL1及び抗CXCL5抗体を用いて実施することを含む。
実施形態では、サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定はアッセイの新規組合せを含む。
実施形態では、炎症性疾患は関節リウマチからなる。他の実施形態では、炎症性疾患は乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、脊椎関節炎、ブドウ膜炎及び全身性エリテマトーデスの少なくとも1つからなる。
1つの実施形態では、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法は、更に患者に対して抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与するステップを含む。
実施形態では、マーカーは遺伝子産物を含む。遺伝子産物はタンパク質またはRNAからなり得る。
もっとさらなる別の態様では、本発明は、(i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットを提供する。そのキットは、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つ及び対照マーカーの発現レベルを測定するための試薬を含む。キットは、(i)被験者が併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書をも含む。使用説明書は本明細書中に記載されている態様の1つ以上に対応し得る。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するためのキットの試薬はCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つを増幅し、検出するためのプローブを含む。
実施形態では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するためのキットの試薬は抗体またはその抗原結合断片を含む。
実施形態では、キットは更に被験者から生物サンプルを得るための試薬を含む。
本発明は、抗TNF及び抗IL17併用治療薬のための新規バイオマーカーの同定に基づく。具体的には、本発明は、少なくとも部分的に、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療薬が炎症性疾患を有している被験者においてCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルを対照マーカーに比して低下させ、この併用治療薬が炎症性疾患のための被験者の治療において有効であるかまたは有効であろうことを示すという所見に基づいている。従って、本発明は、(i)被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者を治療するための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するために有用である。
別段の規定がない限り、本発明に関連して使用されている科学用語及び技術用語は当業者が通常理解している意味を有している。用語の意味及び範囲は明瞭であるべきであるが、曖昧な場合には本明細書中に記載されている定義が辞書的または非本質的定義に優先する。更に、前後関係で別段の必要がない限り、例えば“a”または“an”で表す単数形は、例えば1つ以上のマーカー(例えば、バイオマーカー)、「幾つか」、「ある」及び「各種」のような複数形を含む。本明細書中、「または」の使用は別段の記述または区別されていない限り「及び/または」を意味する。更に、「含む(including)」及び「含む(comprising)」、並びに“includes”、“included”、“comprises”及び“comprised of”のような他の形の用語の使用は限定的でない。また、「要素」または「成分」のような用語は、特に記載されていない限り1つのユニットを含む要素及び成分、並びに2つ以上のユニットを含む要素及び成分の両方を包含する。
「炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる」という句は、被験者のある量の併用治療薬を用いる治療が治療上有効である(例えば、被験者に対して治療効果を与える)、または被験者において治療上有効でない可能性を評価することを指す。治療薬が治療上有効であるかないかの可能性の評価は典型的には治療を始める前または治療を再開する前に実施され得る。或いは、併用で、有効な治療の可能性の評価は、例えば治療を継続するべきかまたは中止すべきかを決定するために治療中に実施してもよい。
「抗TNF治療薬」という用語には、TNF関連疾患に対する治療薬及び/またはTNF経路に影響を与える(例えば、阻害する)治療薬が含まれる。この用語には、腫瘍壊死因子(TNF)の活性に結合する、或いは該活性を中和する、阻害する、減ずる、または負にモジュレートする作用を有するTNFアンタゴニストが含まれる。実施形態では、抗TNF治療薬は抗TNF結合タンパク質からなる。実施形態では、抗TNF治療薬は抗TNF抗体またはその抗原結合断片からなり得る。実施形態では、抗体はマウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体、または上記の抗原結合断片である。
実施形態では、抗TNF抗体は抗TNFα抗体、例えばヒト抗TNF抗体、例えばアダリムマブ(R)のようなヒト抗TNFα抗体、またはその抗原結合断片からなる(米国特許No.6,090,382を参照されたい)。別の実施形態では、抗TNF抗体はインフリキシマブのようなヒト化抗TNF抗体、またはその抗原結合断片からなる。別の実施形態では、抗TNF結合タンパク質はエタネルセプトのような融合タンパク質、またはその抗原結合断片からなる。他の実施形態では、抗TNF治療薬はメトトレキサート、そのアナログまたはその医薬的に許容され得る塩からなる。
実施形態では、抗TNFは多重特異性結合タンパク質からなる。実施形態では、多重特異性結合タンパク質は二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(TM))分子、ハーフボディDVD−Ig(hDVD−Ig)分子、三重可変ドメイン免疫グロブリン(TVD−Ig)分子、受容体可変ドメイン免疫グロブリン(rDVD−Ig)分子、多価DVD−Ig(pDVD−Ig)分子、モノボディDVD−Ig(mDVD−Ig)分子、クロスオーバー(coDVD−Ig)分子、血液脳関門(bbbDVD−Ig)分子、切断可能なリンカーDVD−Ig(clDVD−Ig)分子及び再方向付けされた細胞毒性DVD−Ig(rcDVD−Ig)分子からなる。
「抗IL17治療薬」という用語には、IL17関連疾患に対する治療薬及び/またはIL17経路に影響を与える(例えば、阻害する)治療薬が含まれる。この用語には、インターロイキン17(IL17)の活性に結合する、或いは該活性を中和する、阻害する、減ずる、または負にモジュレートする作用を有するIL17アンタゴニストが含まれる。実施形態では、抗IL17治療薬は抗IL17結合タンパク質からなる。別の例では、抗IL17結合タンパク質は融合タンパク質からなる。実施形態では、抗IL17治療薬は抗IL17抗体、またはその抗原結合断片からなる。実施形態では、抗IL17抗体はセクキヌマブ及びRG7624のようなヒト抗体、またはその抗原結合断片からなる。実施形態では、抗IL17抗体はイクセキズマブ、10F7、B6−17のようなヒト化抗体、またはその抗原結合断片からなる。他の実施形態では、抗IL17治療薬はメトトレキサート,そのアナログ、またはその医薬的に許容され得る塩からなる。実施形態では、抗IL17には上記し、以下に詳記する多重特異性結合タンパク質が含まれ得る。
バイオマーカーの発現レベルを測定するためのイムノアッセイで使用される抗体を検出可能な標識で標識してもよい。プローブまたは抗体に関して、「標識されている」という用語は標識(例えば、放射性原子)を取り込む、プローブまたは抗体に対して検出可能な物質をカップリングする(すなわち、物理的に結合する)ことによるプローブまたは抗体の直接標識、並びに直接標識した別の試薬と反応させることによるプローブまたは抗体の間接標識を含むことを意図する。間接標識の例には、蛍光標識した二次抗体を用いる一次抗体の検出及び蛍光標識したストレプトアビジンで検出され得るようにビオチンを用いるDNAプローブの末端標識が含まれる。
1つの実施形態では、抗体は放射能標識されている、発色団標識されている、発蛍光団標識されている、または酵素標識されている抗体のように標識されている。別の実施形態では、バイオマーカーに特異的に結合する抗体誘導体(例えば、物質、またはタンパク質−リガンド対(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン)のタンパク質またはリガンドとコンジュゲートした抗体)、または抗体断片(例えば、単鎖抗体、または単離した抗体超可変ドメイン)を使用する。
「炎症性疾患」という句は慢性または急性炎症を特徴とする疾患または障害を指す。関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎を含めた関節炎、壊死性腸炎(NEC)、胃腸炎、腸感冒、胃感冒、骨盤炎症性疾患(PID)、肺気腫、肋膜炎、腎盂炎、咽頭炎、咽頭痛、アンギーナ、尋常性ざそう、発赤、尿路感染症、虫垂炎、滑液包炎、大腸炎、膀胱炎、皮膚炎、静脈炎、鼻炎、腱炎、扁桃炎、脈管炎、喘息、自己免疫疾患、セリアック病、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、炎症性腸疾患、骨盤炎症性疾患、再潅流傷害、サルコイドーシス、移植片拒絶、脈管炎、間質性膀胱炎、枯草熱、歯周炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、脊椎関節炎、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス及び幾つかの癌(例えば、胆嚢癌)のような多数の炎症性疾患が当業界で公知である。
「マーカー」または「バイオマーカー」という用語は、生物学的状態の指標として使用される物質、例えば遺伝子、メッセンジャーRNA(mRNA、マイクロRNA(miRNA));ヘテロ核RNA(hnRNA)及びタンパク質、またはその一部を意味するために本明細書中で互換可能に使用されている。
「発現レベル」または「発現パターン」は、例えば標準または対照と比較して被験者中の1つ以上のマーカーまたはバイオマーカーの発現の定量的または定性的合計を指す。
CXCL1及び/またはCXCL5の「より高い発現レベル」または「発現レベルの上昇」は、試験サンプル中の発現レベルが発現を評価するために使用するアッセイの標準誤差よりも高いことを指し、好ましくは対照サンプル(例えば、炎症性疾患(例えば、RA)を患っていない健康な被験者由来のサンプル、及び/または病気の進行が遅い及び/または幾つかの対照サンプル中のCXCL1及び/またはCXCL5の平均発現レベルを有している被験者由来のサンプル)中のCXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルの少なくとも2倍、より好ましくは3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれ以上である。
CXCL1及び/またはCXCL5の「より低い発現レベル」または「発現レベルの低下」は、試験サンプル中の発現レベルが発現を評価するために使用するアッセイの標準誤差未満であることを指し、好ましくは対照サンプル(例えば、病気の進行が速い被験者由来のサンプル、及び/または炎症性疾患(例えば、RA)に対する治療薬の一部を投与する前の被験者由来のサンプル及び/または幾つかの対照サンプル中のCXCL1及び/またはCXCL5の平均発現レベル)中のCXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルの少なくとも1/2、より好ましくは1/3、1/4、1/5、1/6、1/7、1/8、1/9、1/10またはそれ未満である。
「CXCL1」という用語は、以前GRO1発癌遺伝子、GROα、KC、好中球活性化タンパク質3(NAP−3)及びメラノーマ増殖刺激活性α(MSGA−α)と呼ばれていたCXCケモカインファミリーに属する小サイトカインであるケモカインリガンド1に対する遺伝子を指す。ヒトでは、このタンパク質はCXCL1遺伝子によりコードされる。他の動物では、このタンパク質はオルソロガス遺伝子によりコードされる。CXCL1のヌクレオチド及びアミノ酸配列は当業界で公知であり、例えばNCBI GenBankのような公開されているデータベース中に見つけることができる。ヒトCXCL1遺伝子はGenBank受託番号AAH11976.1の名前で見つけることができ、ヒトCXCL1タンパク質はNCBI参照配列NM_001511.3の名前で見つけることができる。ヒトCXCL1タンパク質及び遺伝子の配列は図1A及び1B中に見つけることができる。
「CXCL5」という用語は、上皮由来好中球活性化ペプチド78(ENA−78)としても公知のCXCケモカインファミリーに属する小サイトカインであるCXCL5に対する遺伝子を指す。CXCL5は、細胞を炎症性サイトカインインターロイキン−1または腫瘍壊死因子αで刺激した後に産生される。ヒトでは、このタンパク質はCXCL5遺伝子によりコードされる。他の動物では、このタンパク質はオルソロガス遺伝子によりコードされる。CXCL5のヌクレオチド及びアミノ酸配列は当業界で公知であり、例えばNCBI GenBankのような公開されているデータベース中に見つけることができる。ヒトCXCL1遺伝子はGenBank受託番号EAX05696.1の名前で見つけることができ、ヒトCXCL1タンパク質はNCB参照配列NM_002994.3の名前で見つけることができる。ヒトCXCL1タンパク質及び遺伝子の配列は図2A及び2B中に見つけることができる。
遺伝子に対する言及は、被験者中に存在し得る遺伝子の天然に存在するまたは内因性バージョン、例えば遺伝子の野生型、多形または対立バリアントまたは変異体(例えば、生殖細胞変異、体細胞変異)を包含する。実施形態では、バイオマーカー遺伝子の配列はCXCL1及び/またはCXCL5配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である。配列同一性は、例えばNCBI BLAST(例えば、デフォルトパラメーターを有するメガブラスト)を用いて配列を比較することにより調べることができる。
実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを対照サンプル、例えば正常組織中のバイオマーカーの発現レベル(例えば、正常組織サンプル中で観察されるバイオマーカーの発現レベルから測定される範囲)に比して測定する。実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを対照サンプル、例えば炎症性疾患を患っている他の被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルに比して測定する。例えば、他の被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルを測定して、抗TNF治療薬及び/または抗IL17治療薬を用いる治療に対する感受性と相関する発現レベルを規定し得、被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルをこれらの発現レベルと比較する。
「公知の標準レベル」または「対照レベル」という用語は、被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルと比較するために使用されるバイオマーカー、例えばCXCL1及び/またはCXCL5の容認されているまたは所定の発現レベルを指す。1つの実施形態では、バイオマーカーの対照発現レベルは被験者の集団由来のサンプル中のバイオマーカーの平均発現レベル、例えば炎症性疾患(例えば、RA)を有している被験者の集団におけるバイオマーカーの平均発現レベルである。別の実施形態では、集団は抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を用いる併用治療に応答しなかった被験者の群、またはそれぞれのバイオマーカーを高いまたは正常レベルで発現している被験者の群からなる。別の実施形態では、対照レベルは正常組織中のバイオマーカーの発現の範囲からなる。別の実施形態では、対照レベルはRAを有しているいろいろな被験者由来の細胞または血漿中のバイオマーカーの発現の範囲からなる。別の実施形態では、「対照レベル」は被験者における前治療レベルをも指す。
本明細書中に記載されている方法をルーチンに実施する結果として更なる情報を利用することができるようになるので、本発明のバイオマーカーの発現の「対照」に対する集団平均値を使用し得る。他の実施形態では、バイオマーカーの発現の「対照」レベルは、被験者において炎症性疾患の発症が疑われる前の被験者から得た被験者サンプル、保管されている被験者サンプル等中のそれぞれのバイオマーカーの発現レベルを測定することにより調べられ得る。
本発明のバイオマーカーの発現の対照レベルは公開されているデータベースから入手可能であり得る。加えて、ユニバーサルリファレンストータルRNA(Clontech Laboratories)及びユニバーサルヒトリファレンスRNA(Stratagene)等を対照として使用し得る。例えば、バイオマーカーの発現レベルを調べるためにqPCRを使用し得、被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現を検出するために必要なサイクル数が対照を用いて検出するために必要なサイクル数に比して増加していることは、バイオマーカーの発現レベルが低いことを示す。
本明細書中に記載されている「被験者」または「患者」という用語は、ヒト及び非ヒト動物、例えば獣医患者を指す。「非ヒト動物」という用語には脊椎動物、例えば非ヒト霊長類、マウス、齧歯類、家兔、羊、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、羊、イヌ科、ネコ科、ウマ科またはウシ科種のような哺乳動物が含まれる。実施形態では、被験者はヒト(例えば、RAのような炎症性疾患を有しているヒト)である。
「サンプル」という用語は、被験者から得たまたは単離した細胞、組織または流体、及び被験者内に存在している細胞、組織または流体を指す。「サンプル」という用語には、被験者由来の体液、組織または細胞、または細胞集団、及びその成分、例えば画分または抽出物が含まれる。1つの実施形態では、組織または細胞が被験者から取り出される。別の実施形態では、組織または細胞は被験者内に存在している。実施形態では、流体は羊水、房水、硝子体液、胆汁、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳び、嚢胞液、内リンパ液、便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、乳頭吸引液、心膜液、外リンパ液、腹腔液、血漿、胸膜液、膿、唾液、皮脂、精液、汗、血清、つば、滑液、涙、尿、膣分泌物、または生検から集めた流体からなる。1つの実施形態では、サンプルは被験者由来のタンパク質(例えば、タンパク質またはペプチド)を含有している。別の実施形態では、サンプルは被験者由来のRNA(例えば、mRNA)または被験者由来のDNA(例えば、ゲノムDNA分子)を含有している。
本発明の各種態様を以下のサブセクションで更に詳細に記載する。
I.炎症性疾患を有している被験者における抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する応答の予測及び関連方法
各種態様で、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べるための方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが併用治療薬を用いる治療の前の対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
各種態様で、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べるための方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが併用治療薬を用いる治療の前の対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
別の態様で、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプルを形質転換して、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定できるように前記サンプルをプロセッシングするステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常または疾患の標準または範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いて治療する方法を提供する。その方法は、対照マーカーの発現レベルと比較してより高いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを呈している被験者を選択するステップ;及び被験者に対して治療有効量の併用治療薬を投与するステップを含む。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬から禁忌とする方法を提供する。その方法は、対照マーカーの発現レベル、または正常範囲の臨床検査値と比較してより低いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを呈している被験者を選択するステップを含む。
さらに別の態様では、本発明は、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療の有効性をモニターする方法を提供する。その方法は、治療有効量の併用治療薬を被験者に投与した後に被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベル、例えば正常範囲の臨床検査値と比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であったことを示す。
別の態様で、本発明は、炎症性疾患を治療するための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択する方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、被験者が臨床試験に参加するのに適していることを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が臨床試験において被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を治療するために適している抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及びこれらのマーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。方法は複数の異なる併用治療薬を試験することを含む。或いは、併用治療薬を被験者に投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが併用治療薬を用いる治療前の対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
さらに別の態様では、本発明は、炎症性疾患を有している被験者が抗TNFα抗体及び抗IL17抗体からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法を提供する。その方法は、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルをCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つが検出され得るようにCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用し、サンプルを形質転換する試薬を用いて測定するステップ;及びCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップを含む。CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベル、例えば正常範囲の臨床検査値と比較して高いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。或いは、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは、併用治療薬が被験者の治療に有効であろうことを示す。
もっと更なる別の態様では、本発明は、(i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットを提供する。そのキットは、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベル及び対照マーカー、例えば正常範囲の値を測定するための試薬を含む。キットは、(i)被験者が併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;及び/または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書をも含む。使用説明書は本明細書中に記載されている態様の1つ以上に対応し得る。
サンプル中のバイオマーカーの発現レベルを(直接または間接的に)評価するために本発明の方法において適当な分析方法を利用し得る。実施形態では、バイオマーカーの発現の対照レベルと比較したバイオマーカーの発現レベルの差を観察する。1つの実施形態では、差はバイオマーカーの発現レベルを測定するための方法の検出限界を超えている。更なる実施形態では、差は評価方法の標準誤差に等しいかまたはそれ以上である。例えば、差は評価方法の標準誤差より少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約100倍、約500倍または約1000倍大きい。実施形態では、対照発現レベルと比較したサンプル中のバイオマーカーの発現レベルはパラメトリックまたはノンパラメトリック記述統計、比較、回帰分析等を用いて評価する。
実施形態では、被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルの差は対照に比して検出され、その差は対照サンプル中のバイオマーカーの発現レベルよりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約150%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%または約1000%大きい。
実施形態では、被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルの差は対照に比して検出され、その差は対照サンプル中のバイオマーカーの発現レベルより約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%未満である。
被験者から得たサンプル中のバイオマーカー、例えばCXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルは、サンプル内のバイオマーカーを検出され及び/または定量され得る部分に変換する各種技術及び方法によりアッセイされ得る。前記方法の非限定例には、タンパク質を検出するための免疫学的方法、タンパク質精製方法、タンパク質機能または活性アッセイ、核酸ハイブリダイゼーション方法、核酸逆転写方法、核酸増幅方法、イムノブロッティング、ウェスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、電子顕微鏡法、質量分析法(例えば、MALDI−TOF及びSELDI−TOF)、免疫沈降、免疫蛍光、免疫組織化学、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、増幅ELISA)、定量的血液ベースアッセイ(例えば、血清ELISA)、定量的尿ベースアッセイ、フローサイトメトリー、サザンハイブリダイゼーション、アレイ分析等、並びにその組合せまたは部分的組合せを用いてサンプルを分析することが含まれる。
1つの実施形態では、サンプル中のバイオマーカーの発現レベルをバイオマーカー遺伝子の転写されたポリヌクレオチドまたはその一部(例えば、mRNAまたはcDNA)を検出することにより測定する。RNAは細胞から、例えば酸フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasy RNA作成キット(Qiagen)またはPAXgene(PreAnalytix,スイス国)を用いるRNA抽出技術を用いて抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する典型的なアッセイフォーマットには、核ランオンアッセイ、RT−PCR、定量的PCR分析、RNアーゼ保護アッセイ(Meltonら,Nuc.Acids Res.,12:7035)、ノーザンブロッティング及びin situハイブリダイゼーションが含まれる。mRNサンプル分析のための他の適当なシステムには、マイクロアレイ分析(例えば、AffymetrixのマイクロアレイシステムまたはIlluminaのビードアレイテクノロジー)が含まれる。
1つの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを核酸プローブを用いて測定する。本明細書中で使用されている「プローブ」という用語は、特定のバイオマーカーに選択的に結合し得る分子を指す。プローブは当業者により合成され得、または適当な生物学的調製物から誘導され得る。プローブは、標識を添加または配合することにより標識されるように具体的に設計され得る。プローブとして利用され得る分子の例には、RNA、DNA、タンパク質、抗体及び有機分子が含まれるが、これらに限定されない。
上述したように、単離したmRNAは、非限定的にサザンまたはノーザン分析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析及びプローブアレイが含まれるハイブリダイゼーションまたは増幅アッセイにおいて使用され得る。mRNAレベルを測定するための1つの方法は、単離したmRNAをバイオマーカーmRNAにハイブリダイズし得る核酸分子(プローブ)と接触させることを含む。核酸プローブは、例えば完全長cDNAまたはその一部、例えば少なくとも約7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、250または約500ヌクレオチド長を有し且つ適切なハイブリダイゼーション条件下でバイオマーカーゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドであり得る。特定の実施形態では、プローブはストリンジェントな条件下でバイオマーカーゲノムDNAに結合する。前記ストリンジェントな条件、例えば6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中約45℃でハイブリダイゼーションした後、0.2×SSC、0.1% SDSを用いて50〜65℃で1回以上洗浄するという条件は当業者に公知であり、その教示内容を参照により本明細書に組み入れるCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編集,John Wiley & Sons,Inc.(1995)、セクション2、4及び6に見つけることができる。追加のストリンジェントな条件は、その教示内容を参照により本明細書に組み入れるMolecular Cloning:A Laboratory Manual,Sambrookら,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)、7、9及び11章に見つけることができる。
1つの実施形態では、mRNAを固体表面上に固定化し、例えば単離したmRNAをアガロースゲル上に流し、mRNAをゲルから膜、例えばニトロセルロースに移すことによりプローブと接触させる。代替実施形態では、プローブを固体表面、例えばAffymetrix遺伝子チップアレイ上に固定化し、プローブをmRNAと接触させる。当業者はバイオマーカーmRNAのレベルを測定する際に使用するためのmRNA検出方法を容易に採用することができる。
サンプル中のバイオマーカーの発現レベルは、例えばRT−PCR(Mullis,1987,米国特許No.4,683,202に記載されている実施例)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:189−193)、自家持続配列複製(Guatelliら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1874−1878)、転写増幅システム(Kwohら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:1173−1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardiら(1988)Bio/Technology,6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardiら,米国特許No.5,854,033)または他の核酸増幅方法によりサンプル中の例えばmRNAの核酸増幅及び/または逆転転写酵素(cDNAを作成するために)の使用、その後増幅させた分子の検出を含む方法を用いても測定され得る。これらのアプローチは、核酸分子が非常に少数しか存在していない場合に核酸分子を検出するために特に有用である。本発明の特定態様では、バイオマーカーの発現レベルを定量的蛍光性RT−PCR(例えば、TaqMan(TM)システム)により測定する。その方法は典型的にはバイオマーカーに特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの対を使用している。公知の配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを設計するための方法は当業界で公知である。
バイオマーカーmRNAの発現レベルは、(ノーザン、サザン、ドット等のようなハイブリダイゼーション分析で使用されるような)膜ブロット、またはマイクロウェル、サンプルチューブ、ゲル、ビーズまたはファイバー(または、結合核酸を含む固体支持体)を用いてモニターされ得る。例えば、これらのアッセイに関する全内容を参照により本明細書に組み入れる米国特許Nos.5,770,722、5,874,219、5,744,305、5,677,195及び5,445,934を参照されたい。バイオマーカーの発現レベルの測定は溶液中の核酸プローブの使用を含み得る。
本発明の1つの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを検出または定量するためにマイクロアレイを使用する。各種実験間の再現性のためにマイクロアレイがこの目的に特に適している。DNAマイクロアレイは多数の遺伝子の発現レベルを同時測定するための1つの方法を提供する。各アレイは、固体支持体上に結合させた捕捉プローブの再現可能なパターンから構成されている。標識したRNAまたはDNAをアレイ上の相補的プローブにハイブリダイズした後、レーザースキャニングにより検出する。アレイ上のプローブ毎のハイブリダイゼーション強度を測定し、相対的遺伝子発現レベルを表す定量値に変換する。例えば、これらのアッセイに関する全内容を参照により本明細書に組み入れる米国特許Nos.6,040,138、5,800,992、6,020,135、6,033,860及び6,344,316を参照されたい。高密度オリゴヌクレオチドアレイがサンプル中の多数のRNAについての遺伝子発現プロフィールを調べるために特に有用である。
バイオマーカーの発現は、バイオマーカーのmRNAによりコードされるタンパク質産物を直接または間接的に検出する検出試薬を用いてタンパク質レベルでも評価され得る。例えば、検出しようとするバイオマーカータンパク質産物に特異的に結合する抗体試薬が入手可能ならば、その抗体試薬を用いて被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現を免疫組織化学、ELISA、FACS分析等のような技術を用いて検出することができる。
バイオマーカーをタンパク質レベルで検出するための他の公知方法には、電気泳動、ハャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー等のような方法、或いは流体またはゲル沈降反応、免疫拡散法(一元または二元)、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ及びウェスタンブロッティングのような各種免疫学的方法が含まれる。
サンプルからタンパク質は当業者に公知の技術を含めた各種技術を用いて単離され得る。使用されるタンパク質単離方法は、例えばHarlow and Lane(Harlow and Lane,1988,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York)に記載されているものであり得る。
1つの実施形態では、抗体または抗体断片が発現したタンパク質を検出するための方法、例えばウェスタンブロットまたは免疫蛍光技術において使用される。本発明のバイオマーカーの発現を調べるための抗体は市販されている。
抗CXCL1抗体は多数の商業製造業者から容易に入手可能である。例えば、EMD Millipore:AP1151−100UG;Everest Biotech:EB09637;Lifespan Biosciences:LS−B2843、LS−B2513、LS−C108147;eBioscience:50−7519−42、50−7519−41;AbD Serotec:AAM40B、AAM40、AAR22B;Thermo Fisher Scientific,Inc.:PA1−32959、PA1−32924、PA1−20861;Abbiotec:251349、12335−1−AP、AP08852PU−N;NovaTeinBio:63059;Abgent:AT1688a;Aviva Systems Biology:AVARP07032_P050、OASA08635、OAEB00281;United States Biological:C8297−97A、C8298−01B、C8298−01C;Creative Biomart:CAB−1005MH、CAB−3086MH、CAB−115MH;Novus Biologicals:NBP1−61297、NBP1−51486、NBP1−19301;Abnova:H00002919−M01、H00002919−D01P、H00002919−M03;Fitzgerald:70R−10502;ProSci:31−057、42−129、42−196。
抗CXCL5抗体は多数の商業製造業者から容易に入手可能である。例えば、Lifespan Biosciences:LS−B5529;AbD Serotec:AHP1279、AAM42、AHP1279B;Proteintech Group:10809−1−AP、PA1−29657;Biorbyt:orb13909、orb13450;Acris Antibodies:AM31037PU−N、PP1003B2、PP1003P1;NovaTeinBio:63066、AT1694a、AT1693a;Aiva Systems Biology:OASA07658、OASA08449、OASA07657;United States Biological:C8297−98H1、C8297−98H、E2275−07;Creative Biomart:CAB−5426MH、CAB−5425MH;Novus Biologicals:33140002;Abnova:H00006374−M05、H00006374−M03、H00006374−B01。
例えば、1つの実施形態では、本発明の方法は、被験者由来のサンプルをCXCL1及び/またはCXCL5に特異的に結合する抗体と接触させて、抗体とCXCL1及び/またはCLXCL5の複合体を形成し、複合体を検出するために標識されており且つCXCL1及び/またはCXCL5に結合する抗体と反応性の検出試薬または抗体を添加し、結合していない検出試薬または抗体を除去するために洗浄し、標識を検出可能なシグナルに変換し、測定したCXCL1及び/またはCXCL5のレベルを対照サンプルから得たCXCL1及び/またはCXCL5の参照レベルと比較することを含み得る。
1つの実施形態では、抗体またはタンパク質をウェスタンブロット及び免疫蛍光技術のための固体支持体上に固定化し得る。適当な固相支持体または担体には、抗原または抗体を結合することができる支持体が含まれる。公知の支持体または担体には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然及び変性セルロース、ポリアクリルアミド、はんれい岩及びマグネタイトが含まれる。
当業者は抗体または抗原を結合させるための多くの他の適当な担体を周知しており、本発明で使用するために前記支持体を採用することができる。例えば、細胞から単離したタンパク質をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、固相支持体、例えばニトロセルロース上に固定化し得る。次いで、支持体を適当なバッファーで洗浄した後、検出可能に標識した抗体で処理し得る。次いで、固相支持体を再びバッファーで洗浄して、結合していない抗体を除去し得る。次いで、固体支持体上の結合標識の量を慣用の手段により検出し得る。電気泳動技術を用いてタンパク質を検出する手段は当業者に公知である(一般的に、R.Scopes(1982)Protein Purification,Springer−Verlag,N.Y.;Deutscher(1990) Methods in Enzymology,Vol.182:Guide to Protein Purification,Academic Press、Inc.,N.Y.を参照されたい)。
他の標準方法には、当業者に公知であり、Principles And Practice Of Immunoassay,第2版,Price and Newman編,MacMillan(1997)及びAntibodies,A Laboratory Manual,Harlow and Lane編,Cold Spring Harbor Laboratory,Ch.9(1988)中に見つけることができるイムノアッセイ技術が含まれる。
本発明の1つの実施形態では、プロテオミクス方法、例えば質量分析法を使用する。質量分析法は、化合物をイオン化して帯電分子(または、その断片)を生成し、その質量電荷比を測定することからなる分析技術である。典型的な質量分析手順では、サンプルを被験者から得、質量分析法にかけ、その成分(例えば、バイオマーカー)を各種方法により(例えば、成分に電子ビームを当てることにより)イオン化して、帯電粒子(イオン)を形成する。次いで、イオンは電磁場中を通過するので質量電荷比をイオンの運動から計算する。
例えば、血清のような生物サンプルのタンパク質結合チップへの適用を含むマトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF MS)または表面促進レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(SELDI−TOF MS)(Wright,G.L.,Jr.ら(2002)Expert Rev Mol Diagn,2:549;Li,J.ら(2002)Clin Chem 48:1296;Laronga,C.ら(2003)Dis Biomarker,19:229;Petricoin,E.F.ら(2002)359:572;Adam,B.L.ら(2002)Cancer Res,62:3609;Tolson,J.ら(2004)Lab Invest,84:845;Xiao,Z.ら(2001)Cancer Res,61:6029)がバイオマーカーの発現レベルをタンパク質レベルで測定するために使用され得る。
更に、バイオマーカーの発現レベルを測定するためのインビボ技術は、バイオマーカーに結合し、バイオマーカーを検出可能な分子に変換するバイオマーカーに対する標識抗体を被験者に導入することを含む。上で検討したように、被験者における検出可能なバイオマーカーの存在、レベルまたは位置は標準の画像処理技術を用いて検出し得る。
一般的に、バイオマーカーと対照の発現レベルの差を検出しようとする場合、炎症性疾患(例えば、RA)を有しており且つ抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬で治療されているかまたは治療検討中の被験者由来のサンプル中のバイオマーカーの発現レベルと対照サンプル中のバイオマーカーの量の差ができる限り大きいことが好ましい。この差が発現レベルを測定するための方法の検出限界くらい小さくてもよいが、この差が方法の検出限界より大きい、または評価方法の標準誤差よりも大きいことが好ましく、評価方法の標準誤差より少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約100倍、約500倍、1000倍大きい差が好ましい。或いは、差が方法の検出限界より大きい、または評価方法の標準誤差より大きいことが好ましく、評価方法の標準誤差より少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約100倍、約500倍、1000倍未満の差が好ましい。
炎症性疾患を有している被験者(例えば、RA)から得た適当なサンプルがバイオマーカー、例えばCXCL1及び/またはCXCL5の発現不足を含めた発現レベルを評価するために使用され得る。例えば、サンプルは被験者から得た流体またはその成分(例えば、画分または抽出物)、例えば血液、血漿、リンパ液、滑液、嚢胞液、尿、乳頭吸引液、生検から集めた流体、羊水、房水、硝子体液、胆汁、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳び、嚢胞液、内リンパ液、便、胃酸、胃液、粘液、心膜液、外リンパ液、腹腔液、血漿、胸膜液、膿、唾液、皮脂、精液、汗、血清、つば、滑液、結合組織または流体、涙、膣分泌物であり得る。典型的な状況で、流体は被験者から得た血液またはその成分、例えば血漿、血清及び血液細胞(例えば、赤血球、白血球及び血小板)を含めた全血またはその成分であり得る。別の典型的な状況で、流体は滑液、関節組織または流体、または炎症性疾患(例えば、RA)を反映している他のサンプルであり得る。サンプルは被験者から得た組織またはその成分、結合組織、リンパ組織または筋肉組織であり得る。
被験者からサンプルを得るための技術または方法は当業界で公知であり、例えばマウススワブまたはマウスウオッシュによりサンプルを得ること;採血すること;生検材料を得ること;炎症性疾患を患っている被験者から滑液または他のサンプル(例えば、乾癬または乾癬性関節炎の場合のように皮膚)を得ることが含まれる。流体または組織サンプルの成分(例えば、細胞、RNAまたはDNA)の単離は各種技術を用いてなし得る。サンプルを得た後、そのサンプルを更にプロセッシングしてもよい。
II.抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療
炎症性疾患(例えば、RA)を有している被験者のCXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルが抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療薬に対する被験者の応答性に影響を与えるという所見を考えると、当業者は被験者におけるCXCL1及び/またはCXCL5バイオマーカーの発現レベルに基づいて当該被験者に対する適切な治療レジメンを選択することができる。
炎症性疾患(例えば、RA)を有している被験者のCXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルが抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療薬に対する被験者の応答性に影響を与えるという所見を考えると、当業者は被験者におけるCXCL1及び/またはCXCL5バイオマーカーの発現レベルに基づいて当該被験者に対する適切な治療レジメンを選択することができる。
従って、本発明は、炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いて治療するための方法を提供する。
実施形態では、被験者が前もって抗TNF治療薬または抗IL17治療薬からなる単独治療薬、または抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬、及び/または代替治療薬を用いて治療されていてもよい。他の実施形態では、被験者は最初に抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療について検討中であり得る。CXCL1マーカー及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定する。CXCL1及びCXCL5バイオマーカーの少なくとも1つの発現レベルが発現の対照レベルよりも高いと判明したならば、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療は有効であろう。しかしながら、アッセイしたバイオマーカーのすべてがそれぞれの対照と比較して高い発現レベルを有している必要はない。例えばあるバイオマーカーが正常またはより高い発現レベルで存在していてもよいが、例えばCXCL1またはCXCL5のいずれかが対照レベルよりも低いレベルで発現している場合には抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療を適応し得る。
選択される抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する治療レジメンには、典型的には以下のパラメーターの少なくとも1つ、より典型的には以下のパラメーターの多くまたはすべてを含む:用量、製剤、投与ルート及び/または投与頻度。治療レジメンの具体的パラメーターの選択は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられるアダリムマブ(R)、インフリキシマブ及びセクキヌマブについてのFDA承認医薬品添付文書に記載されている用量及び投与プロトコルに記載されているように当業界で既に確立されている抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬に対する公知の治療パラメーターに基づき得る。用量、製剤、投与ルート及び/または投与頻度に対する各種修飾は、当業界で公知の方法により例えば患者の疾患、年齢、性別及び体重、並びに炎症性疾患(例えば、RA)の重症度またはステージを含めた各種要因に基づいてなされ得る。
抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬は同時にまたは異なる時に投与され得る。併用療法は抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の同時またはほぼ同時投与を含み得る。他の実施形態では、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬が同時に作用する及び/または相乗効果を達成するように併用療法は抗TNF治療薬、次いで抗IL17治療薬を分離して投与し得る。他の実施形態では、抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬が同時に作用する及び/または相乗効果を達成するように併用療法は抗IL17治療薬、次いで抗TNF治療薬を分離して投与し得る。実施形態では、併用治療薬は同一製剤中に(例えば、単一分子として、または2つの別々の分子として)抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の治療薬を両方含む。他の実施形態では、併用治療薬は1つが抗TNF治療薬を含み、もう一方が抗IL17からなる2つの別々の製剤を含む。
1つの実施形態では、併用治療薬は、例えばその全体を参照により本明細書に組み入れるWO/2010/102251に記載されているDVD−Ig結合タンパク質(例えば、及び抗TNF−抗IL17 DVD−Ig)であり得る。
1つの実施形態では、併用治療薬は、例えば全体を参照により本明細書に組み入れるWO/2010/102251に記載されているDVD−Ig結合タンパク質(例えば、及び抗TNF−抗IL17 DVD−Ig)であり得る。
本明細書中に記載されている「治療有効量」という用語は、炎症性疾患(例えば、RA)を治療し得る本明細書中に記載されている抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の量を意味する。本発明に従って投与しようとする治療薬の用量は、勿論例えば投与する治療薬、投与ルート、患者の状態及び治療対象の病的状態、例えば被験者のRAの重症度を含めた症例を取り巻く具体的環境にてらして決定される。
被験者に投与する場合、併用治療薬は典型的には抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬、及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に製剤化される。治療用組成物は、典型的には滅菌され、製造及び保存条件下で十分に安定でなければならない。
本明細書中で使用されている「医薬的に許容され得る担体」には、生理学的に適合性の溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤のいずれかまたはすべてが含まれる。好ましくは、担体は非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、髄腔内)投与(例えば、注射または注入による)のために適している。投与ルートに応じて、活性化合物を不活性にする恐れがある酸の作用及び他の自然条件から活性化合物を保護するように該化合物を材料でコーティングしてもよい。
本発明に従って抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬と一緒に使用され得る抗炎症性アプローチのタイプは多数ある。これらには、例えば非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ステロイド;メトトレキサート(トレキサル)、レフルノミド(アラバ)、ヒドロキシクロロキン(プラキニル)、スルファサラジン(アザルフィジン)及びミノサイクリン(ダイナクチン、ミノシン)を含めた疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD);及びアザチオプリン(イムラン、アザサン)、シクロスポリン(ネオーラル、サンディミュン、ジェングラフ)及びシクロホスファミド(サイトキサン)を含めた免疫抑制剤が含まれる。
本発明の方法は、当業界で使用することが公知である炎症性疾患と同一タイプの炎症性疾患及び当業者により決定され得るような他のタイプの炎症性疾患を治療するためにこれらのアプローチを使用し得る。また、これらのアプローチは、使用するために当業界で公知のパラメーターに類似のパラメーター(例えば、レジメン及び用量)に従って実施され得る。しかしながら、当業界で理解されているように、これらのアプローチと共に抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を追加使用しているためにこれらのパラメーターの幾つかを調節することが望ましいことがある。例えば、別の薬物が通常単一治療薬として投与されているならば、本発明に従う抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬と組み合わせる場合にはその薬物の用量を当業者により決定され得るように減少させることが望ましいことがある。
III.本発明のキット
もっと更に別の態様では、本発明は、(i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ、(ii)併用治療薬の有効性をモニターし、(iii)炎症性疾患のための併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し、または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットを提供する。キットは、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つ及び対照マーカーの発現レベルを測定するための試薬を含む。キットは、(i)被験者が併用治療薬に応答するかどうかを調べ、(ii)併用治療薬の有効性をモニターし、(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し、または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書をも含む。使用説明書は本明細書中に記載されている方法の1つ以上に対応し得る。
もっと更に別の態様では、本発明は、(i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ、(ii)併用治療薬の有効性をモニターし、(iii)炎症性疾患のための併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し、または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットを提供する。キットは、被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つ及び対照マーカーの発現レベルを測定するための試薬を含む。キットは、(i)被験者が併用治療薬に応答するかどうかを調べ、(ii)併用治療薬の有効性をモニターし、(iii)併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し、または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書をも含む。使用説明書は本明細書中に記載されている方法の1つ以上に対応し得る。
本発明のキットは、場合により本発明の方法を実施するために有用な追加の成分を含み得る。
例として、キットは、被験者からの生物サンプル及び/または対照サンプルを得るための試薬を含み得る。
更に、キットは、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬を含む。1つの例では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬はCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つを増幅し、検出するためのプローブを含む。別の例では、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬は抗体またはその抗原結合断片を含む。
対照マーカーに関して、キットは(例えば、被験者の所定集団に基づく)所定対照値を含み得る。或いは、キットは、被験者(例えば、治療に対する可能性ある候補者、または治療薬を受けている被験者)において対照の発現レベルを測定するための追加試薬及び使用説明書を含み得る。
1つの実施形態では、被験者由来の生物サンプル中の少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを測定するための試薬は、該バイオマーカーをコードする核酸(例えば、mRNA)の発現を検出するのに十分な核酸調製物を含む。この核酸調製物が被験者由来のサンプル中のバイオマーカーをコードする核酸(例えば、mRNA)の発現を検出することができるように設計された配列を有する核酸プローブまたはプライマーを少なくとも1つ含み、2つ以上含み得る。好ましい核酸調製物は、当該バイオマーカーをコードするmRNAのセグメントをPCR増幅することができる2つ以上のPCRプライマーを含む。他の実施形態では、キットはCXCL1及び/またはCXCL5に対する核酸調製物を含む。
CXCL1及び/またはCXCL5の発現レベルを測定するための手段は、例えば(例えば、核酸またはタンパク質レベルのいずれかでの)発現を評価するためのアッセイで使用するためのバッファーまたは他の試薬をも含み得る。アッセイはバイオアッセイ、例えば患者細胞(例えば、単球)を除去し、併用治療薬と培養しながら試験するエクスビボアッセイであり得る。
別の実施形態では、キットは更に、本明細書中に記載されている炎症性疾患を治療するための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を含み得る。例として、併用治療薬はTNF及びIL17、またはより具体的にTNFα及びIL17に対するDVD−Ig分子を含む。
好ましくは、キットはヒト被験者で使用するために設計されている。
本発明は、更に限定すると解釈されるべきでない下記実施例により更に説明する。本明細書を通して引用されている文献、特許及び特許出願明細書の全ての内容及び図面は明白にその全体を参照により本明細書に組み入れる。
実施例1−マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおける抗TNF及び抗IL17単独、及び併用の有効性
本実施例では、抗TNFまたは抗IL17、またはその併用の有効性をコラーゲン誘発関節炎のマウスモデルで評価し、結果を図3に示す。雄DBA/1Jマウスの尾根部に0.1N 酢酸中に溶解した100μgのII型ウシコラーゲン及び100μgの結核菌(Mycobacterium Tuberculois)H37Raを含有している100μLの完全フロイントアジュバントを含有しているエマルジョン(100μL)をi.d.注射した。21日後、マウスにリン酸緩衝食塩液(PBS)(200μL)中の1.0mg ザイモサンAをi.p.ブーストした。疾患発症はブーストの3日以内に生じた。マウスを最初の1週間は毎日、その後は1週間に3回関節炎についてモニターした。各足を以下の基準で採点した:0=正常;1=足または足首の一ケ所に腫脹;2=足及び足首に腫脹;3=強直。各動物の四足すべてについてのスコアを合計し(最高点12)、全スコアを各群の全ての動物の平均として表示し、平均関節炎スコア(MAS)として表示した。動物にリン酸緩衝食塩液(PBS)中の12mg/kgの抗TNF抗体8C11、12mg/kgの抗IL17抗体MAB421、または12mg/kgの各抗体を腹腔内注射することにより投与して週2回治療した。1つの実験では、関節炎の徴候を呈する前に動物に予防治療モードで抗体治療薬を与えた。第2の実験では、関節炎徴候の発症後に動物に治療モードで抗体治療薬を与えた。両タイプの実験で、抗TNFまたは抗IL17を用いる治療は足の関節炎を縮小させるのに部分的に有効であったのに対して、抗TNF及び抗IL17の併用は単独治療薬のみよりもより大きな有効性を与えた。
本実施例では、抗TNFまたは抗IL17、またはその併用の有効性をコラーゲン誘発関節炎のマウスモデルで評価し、結果を図3に示す。雄DBA/1Jマウスの尾根部に0.1N 酢酸中に溶解した100μgのII型ウシコラーゲン及び100μgの結核菌(Mycobacterium Tuberculois)H37Raを含有している100μLの完全フロイントアジュバントを含有しているエマルジョン(100μL)をi.d.注射した。21日後、マウスにリン酸緩衝食塩液(PBS)(200μL)中の1.0mg ザイモサンAをi.p.ブーストした。疾患発症はブーストの3日以内に生じた。マウスを最初の1週間は毎日、その後は1週間に3回関節炎についてモニターした。各足を以下の基準で採点した:0=正常;1=足または足首の一ケ所に腫脹;2=足及び足首に腫脹;3=強直。各動物の四足すべてについてのスコアを合計し(最高点12)、全スコアを各群の全ての動物の平均として表示し、平均関節炎スコア(MAS)として表示した。動物にリン酸緩衝食塩液(PBS)中の12mg/kgの抗TNF抗体8C11、12mg/kgの抗IL17抗体MAB421、または12mg/kgの各抗体を腹腔内注射することにより投与して週2回治療した。1つの実験では、関節炎の徴候を呈する前に動物に予防治療モードで抗体治療薬を与えた。第2の実験では、関節炎徴候の発症後に動物に治療モードで抗体治療薬を与えた。両タイプの実験で、抗TNFまたは抗IL17を用いる治療は足の関節炎を縮小させるのに部分的に有効であったのに対して、抗TNF及び抗IL17の併用は単独治療薬のみよりもより大きな有効性を与えた。
実施例2:マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおける抗TNF及び抗IL17単独、及び併用による骨保護の比較
本実施例では、TNF及びIL17の併用阻害薬の骨量減少からの保護に対するより高い有効性を立証し、図4に示す。DBA/1Jマウスにおいて関節炎を実施例1に記載されているように誘発させた。骨量減少のレベルを関節炎の徴候が発症してから3週間後の研究の終了時に評価した。骨量減少からの保護効果を治療レジメンを受けている動物で調べた。後足を脛骨/腓骨の中程で取り除き、10% 中性緩衝ホルマリン中に保存した。足を高解像度セッティング(2048×2048ピクセル復元で1000投影/180°)及び18μm×18μm×18μmの最終等方ボクセルサイズを生ずる180ミリ秒の積分時間の等方ボクセルを用いて55kVp及び145μAでScanco μCT40(Scanco Medical AG)を使用して画像処理した。踵骨及び舟状骨の近位接合部から足根骨に延びている当該領域の周囲で100スライスの固定高さ(1.8mm)で円筒輪郭を手動で描いた。社内の未処置の対照は、この領域が分析のための高度に保存されている統計的に再現可能な容積測定領域を与えることを示した。骨量(mm3)及び足根骨の表面粗度(mm−1)の概算を与える表面積対容積比のために3D定量的評価をScancoAG分析ソフトウェアにより実施した。1000の上限及び320の下限で0.8シグマガウス及び1.0の分析セッティングを使用した。図4に示すように、ビヒクル治療薬を受けた関節炎マウスでは骨量の大きな減少があった。対照的に、抗TNまたは抗IL17単独での治療により、それぞれ42または66%(p値<0.05対ビヒクル対照)の骨量減少からの有意な保護が生じた。抗TNF及び抗IL17の併用治療により、80%対ビヒクル(p<0.05)の骨量減少からの大きな保護が生じた。
本実施例では、TNF及びIL17の併用阻害薬の骨量減少からの保護に対するより高い有効性を立証し、図4に示す。DBA/1Jマウスにおいて関節炎を実施例1に記載されているように誘発させた。骨量減少のレベルを関節炎の徴候が発症してから3週間後の研究の終了時に評価した。骨量減少からの保護効果を治療レジメンを受けている動物で調べた。後足を脛骨/腓骨の中程で取り除き、10% 中性緩衝ホルマリン中に保存した。足を高解像度セッティング(2048×2048ピクセル復元で1000投影/180°)及び18μm×18μm×18μmの最終等方ボクセルサイズを生ずる180ミリ秒の積分時間の等方ボクセルを用いて55kVp及び145μAでScanco μCT40(Scanco Medical AG)を使用して画像処理した。踵骨及び舟状骨の近位接合部から足根骨に延びている当該領域の周囲で100スライスの固定高さ(1.8mm)で円筒輪郭を手動で描いた。社内の未処置の対照は、この領域が分析のための高度に保存されている統計的に再現可能な容積測定領域を与えることを示した。骨量(mm3)及び足根骨の表面粗度(mm−1)の概算を与える表面積対容積比のために3D定量的評価をScancoAG分析ソフトウェアにより実施した。1000の上限及び320の下限で0.8シグマガウス及び1.0の分析セッティングを使用した。図4に示すように、ビヒクル治療薬を受けた関節炎マウスでは骨量の大きな減少があった。対照的に、抗TNまたは抗IL17単独での治療により、それぞれ42または66%(p値<0.05対ビヒクル対照)の骨量減少からの有意な保護が生じた。抗TNF及び抗IL17の併用治療により、80%対ビヒクル(p<0.05)の骨量減少からの大きな保護が生じた。
実施例3:CIA及びRAにおけるTNF及びIL17相互作用
本実施例では、抗TNF及び抗IL17治療薬の共同作用を反映するバイオマーカーを研究するための道具として遺伝子発現プロファイリングを使用した。この場合、別段の記述がない限り、8C11抗体を抗TNF治療薬として使用し、ラット抗マウス抗IL17抗体のMAB421を抗IL17治療薬として使用した。当業界で公知の方法を用いて疾患関連RNAの応答を特徴づけ、併用抗TNF及び抗IL17治療薬に対して感受性であったが、抗TNFまたは抗IL17単独治療薬に対して実質的に余り感受性でなかったコホートを同定した。CXCL1及びCXCL5は、臨床現場で最小の調製または取り扱いしか必要としない容易に入手できる生物学的流体中で経時的に安定であるので、これらをバイオマーカーとして同定した。マウスのコラーゲ誘発関節炎(CIA)モデルを用いて、全足ホモジネート中のCXCL1及びCXCL5バイオマーカーの測定はRNAレベルの変化がタンパク質レベル変化の良好な予測子であったことを示した。更に、結果は、以下に検討するように相乗的効果が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療で見られることを立証している。
本実施例では、抗TNF及び抗IL17治療薬の共同作用を反映するバイオマーカーを研究するための道具として遺伝子発現プロファイリングを使用した。この場合、別段の記述がない限り、8C11抗体を抗TNF治療薬として使用し、ラット抗マウス抗IL17抗体のMAB421を抗IL17治療薬として使用した。当業界で公知の方法を用いて疾患関連RNAの応答を特徴づけ、併用抗TNF及び抗IL17治療薬に対して感受性であったが、抗TNFまたは抗IL17単独治療薬に対して実質的に余り感受性でなかったコホートを同定した。CXCL1及びCXCL5は、臨床現場で最小の調製または取り扱いしか必要としない容易に入手できる生物学的流体中で経時的に安定であるので、これらをバイオマーカーとして同定した。マウスのコラーゲ誘発関節炎(CIA)モデルを用いて、全足ホモジネート中のCXCL1及びCXCL5バイオマーカーの測定はRNAレベルの変化がタンパク質レベル変化の良好な予測子であったことを示した。更に、結果は、以下に検討するように相乗的効果が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の併用治療で見られることを立証している。
CXCL1及びCXCL5の統計解析−応答性及び非応答性
変化の有意に関係なく、治療を受けたマウス及び病気マウス間の有意差のp値(多重比較のために補正せずにスチューデントt検定を用いて)が0.05を上回ったり、治療薬による倍率変化が0.1log(25%)未満であったならば、CXCL1及び/またはCXCL5遺伝子は所与の治療薬に対して非応答性と見なされた。
変化の有意に関係なく、治療を受けたマウス及び病気マウス間の有意差のp値(多重比較のために補正せずにスチューデントt検定を用いて)が0.05を上回ったり、治療薬による倍率変化が0.1log(25%)未満であったならば、CXCL1及び/またはCXCL5遺伝子は所与の治療薬に対して非応答性と見なされた。
CIAモデル及びRNA作成
雄DBA/1Jマウスの尾根部に0.1N 酢酸中に溶解した100μgのII型ウシコラーゲン及び100μgの結核菌(Mycobacterium Tuberculois)H37Raを含有している100μLの完全フロイントアジュバントを含有しているエマルジョン(100μL)をi.d.注射した。21日後、マウスにリン酸緩衝食塩液(PBS)(200μL)中の1.0mg ザイモサンAをi.p.ブーストした。疾患の発症がブーストの3日以内に生じた。
雄DBA/1Jマウスの尾根部に0.1N 酢酸中に溶解した100μgのII型ウシコラーゲン及び100μgの結核菌(Mycobacterium Tuberculois)H37Raを含有している100μLの完全フロイントアジュバントを含有しているエマルジョン(100μL)をi.d.注射した。21日後、マウスにリン酸緩衝食塩液(PBS)(200μL)中の1.0mg ザイモサンAをi.p.ブーストした。疾患の発症がブーストの3日以内に生じた。
マウスを最初の1週間は毎日、その後は1週間に3回関節炎についてモニターした。各足を以下の基準で採点した:0=正常;1=足または足首の一カ所に腫脹;2=足及び足首に腫脹;3=強直。各動物の四足すべてについてのスコアを合計し(最高点12)、全スコアを各群の全ての動物の平均として表示し、平均関節炎スコア(MAS)として表示した。足腫脹の変化をカリパス厚さゲージ(Dyer,310−115)を用いて測定した。治療投与に対して、マウスを最大スコア2で疾患の最初の臨床徴候で群に登録した。
RNAを疾患の症状が最初に現れてから7日後マウスの皮膚を剥がした後足から作成した。登録時に、マウスを単独治療薬(6mg/kgのいずれかの抗体)、併用治療薬(6mg/kgの各抗体)、アイソタイプ対照で治療したマウスからなる治療コンホートにランダム化した。用量は6mg/kgが最大有効用量であることが判明した以前の用量−応答実験に基づいて選択した。
パスウェイ解析
比較パスウェイ分析はインジェヌイティーパスウェイアシスト(TM)及びフィッシャーの正確検定方法を使用した。本分析の場合、示したパスウェイは<0.05の有意差及び少なくとも2つのレギュレートしたトランスクリプトを有していた。
比較パスウェイ分析はインジェヌイティーパスウェイアシスト(TM)及びフィッシャーの正確検定方法を使用した。本分析の場合、示したパスウェイは<0.05の有意差及び少なくとも2つのレギュレートしたトランスクリプトを有していた。
結果:
IL17及びTNはCIAマウスにおいて遺伝子発現を協同的にレギュレートするようである
疾患の活動度のレギュレーションにおける2つのサイトカイン経路の相互作用を研究するためにCIAマウス由来の全ての足RNAを分析した。CXCL1及びCXCL5遺伝子発現は健康な動物と比較して病的動物において有意にアップレギュレートした。クラスタリング結果は、類似の治療レジメンを受けたマウスは類似のRNA発現プロフィールを有していたことを示した。抗IL17抗体単独で治療された動物を遺伝子発現に対して最少の効果しか示さないビヒクル治療動物とクラスター化した。抗TNF抗体で治療したマウスを一緒に、ただし抗IL17単独治療薬の効果に対して中間の効果を有する抗TNF及び抗IL17の両方で治療したマウスとは別にクラスター化した。よって、公平なクラスタリング分析に基づいて、3つの治療レジメンで効果の勾配があった。
IL17及びTNはCIAマウスにおいて遺伝子発現を協同的にレギュレートするようである
疾患の活動度のレギュレーションにおける2つのサイトカイン経路の相互作用を研究するためにCIAマウス由来の全ての足RNAを分析した。CXCL1及びCXCL5遺伝子発現は健康な動物と比較して病的動物において有意にアップレギュレートした。クラスタリング結果は、類似の治療レジメンを受けたマウスは類似のRNA発現プロフィールを有していたことを示した。抗IL17抗体単独で治療された動物を遺伝子発現に対して最少の効果しか示さないビヒクル治療動物とクラスター化した。抗TNF抗体で治療したマウスを一緒に、ただし抗IL17単独治療薬の効果に対して中間の効果を有する抗TNF及び抗IL17の両方で治療したマウスとは別にクラスター化した。よって、公平なクラスタリング分析に基づいて、3つの治療レジメンで効果の勾配があった。
クラスター分析に従って、少数の疾患関連遺伝子が抗TNF治療薬に対して有意に応答したのに対して、更に少数が抗IL17治療薬に対して有意に応答した。しかしながら、抗TNF単独治療薬に応答した遺伝子の数に比して約2倍の数の遺伝子が併用治療薬に応答した。同一の統計基準を用いる更なる分析は、抗IL17単独でレギュレートされたmRNAの大部分が併用治療薬によってもレギュレートされたことを示した。対照的に、抗TNF単独によりレギュレートされた遺伝子の半分しか併用治療薬によってレギュレートされなかった。
パスウェイ解析は併用治療薬が単独治療薬よりも実質的により多くの系に影響を与えることを示す
観察された高いmRNAレギュレーションは高いポテンシーの結果であり、単独治療薬により影響されるとほぼ同一経路内でより多くのmRNAが検出された。一方、高いmRNAレギュレーションは単独治療薬による影響を受けない経路に対する影響を示す定性的結果をも有していた。これらの2つのメカニズムの区別を助けるために、各治療薬群においてレギュレートされた遺伝子のパスウェイ解析を精選パスウェイデータベース(インジェヌイティーパスウェイアシスト(TM))を用いて実施した。この解析は、幾つかの経路が共通してレギュレートされたが、併用治療薬により影響された経路は実質的により多くあり、併用抗TNF及び抗IL17治療薬に寄与し得る追加の非重複機能を示している。
観察された高いmRNAレギュレーションは高いポテンシーの結果であり、単独治療薬により影響されるとほぼ同一経路内でより多くのmRNAが検出された。一方、高いmRNAレギュレーションは単独治療薬による影響を受けない経路に対する影響を示す定性的結果をも有していた。これらの2つのメカニズムの区別を助けるために、各治療薬群においてレギュレートされた遺伝子のパスウェイ解析を精選パスウェイデータベース(インジェヌイティーパスウェイアシスト(TM))を用いて実施した。この解析は、幾つかの経路が共通してレギュレートされたが、併用治療薬により影響された経路は実質的により多くあり、併用抗TNF及び抗IL17治療薬に寄与し得る追加の非重複機能を示している。
mRNAレベルの上昇がタンパク質レベルの変化を反映していたかどうかを調べるために、CXCL1タンパク質及びCXCL5タンパク質のレベルをインジェヌイティーパスウェイアシスト(TM)を用いて分析した。全足ホモジネート中で検出されたCXCL1タンパク質及びCXCL5タンパク質レベルの両方で実質的な疾患関連低下があった。これらのタンパク質レベルの低下は程度の差はあっても抗TNF及び抗IL17治療薬単独、及び併用に応答して生じた。いずれの場合も、CXCL1タンパク質及びCXCL5タンパク質レベルは単独治療薬に比して併用治療薬に応答して大きく低下した。よって、CXCL1 RNA及びCXCL5 RNAレベルの変化は、マウスCIAモデルにおいてCXCL1タンパク質及びCXCL5タンパク質発現の定性的に信頼できる予測子及び抗TNF及び抗IL17治療薬に対する応答性の指標である。
図7は、マウス足ライゼート(左カラム)及び血清(右カラム)におけるタンパク質発現を示す。血清で観察された傾向は、通常CXCL1について足ライゼートで観察された傾向を反映していた。CXCL1タンパク質レベルは病的マウスにおいていずれかの単独治療薬によりアップレギュレートされ、ダウンレギュレートはあったとしてもほんの僅かだったが、併用治療薬により実質的にダウンレギュレートされた。よって、足及び血清ケモカインレベル間に一般的な相関性があった。
分泌したCXCL1及びCXCL5タンパク質レベルがヒトにおいて同様にレギュレートされたかどうかを調べるために、血清サンプルを罹患しているRA患者及び健康な対照から得た。図8は、CXCL1及びCXCL5タンパク質レベルが非RA対照と比較してRA患者において高度にアップレギュレートされたことを示す。既存の商業的併用治療薬に対して応答性のバイオマーカーが必要であるので、図8に示した研究のRAコホートには、CXCL1及びCXCL5マーカーが追加のTNF阻害薬の存在下で過剰発現し続けるかどうかを調べるためにメトトレキサート単独またはヒュミラ(R)+メトトレキサートを用いて治療した患者が含まれていた。図9は、メトトレキサート単独または抗TNF治療薬+メトトレキサートがCXCL1及びCXCL5レベルに対して有意な影響がないことを示す。図10は図9に図示した実験の数値結果を示す。
参照による引用
本明細書を通して引用され得る(参考文献、特許、特許出願明細書、データベース及びウェブサイトを含めた)すべての引用文献の内容は、本明細書中に引用されている文献のようにその目的に応じてその全体を参照により明白に明細書に組み入れる。別段の指示がない限り、本発明の実施は当業界で公知の免疫学、分子生物学及び細胞生物学の慣用技術を用いる。
本明細書を通して引用され得る(参考文献、特許、特許出願明細書、データベース及びウェブサイトを含めた)すべての引用文献の内容は、本明細書中に引用されている文献のようにその目的に応じてその全体を参照により明白に明細書に組み入れる。別段の指示がない限り、本発明の実施は当業界で公知の免疫学、分子生物学及び細胞生物学の慣用技術を用いる。
均等
本発明は、本発明の趣旨または本質を逸脱することなく他の特定形態で具体化され得る。従って、先の実施形態は全ての点で本明細書に記載されている発明を限定するというより例示していると見なされるべきである。よって、本発明の範囲は先の記載ではなく添付の特許請求の範囲に示されており、従って特許請求の範囲と均等の意味及び範囲に入るすべての改変が本発明に包含されると意図される。
本発明は、本発明の趣旨または本質を逸脱することなく他の特定形態で具体化され得る。従って、先の実施形態は全ての点で本明細書に記載されている発明を限定するというより例示していると見なされるべきである。よって、本発明の範囲は先の記載ではなく添付の特許請求の範囲に示されており、従って特許請求の範囲と均等の意味及び範囲に入るすべての改変が本発明に包含されると意図される。
Claims (96)
- 炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法であって、前記方法は、
前記被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及び
前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いこと、及び/または前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示す前記方法。 - 炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法であって、前記方法は、
前記被験者から得たサンプルを形質転換して、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定できるように前記サンプルをプロセッシングするステップ;及び
前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示し、及び/または前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示す前記方法。 - 炎症性疾患を有している被験者の抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療方法であって、前記方法は、
対照マーカーの発現レベルと比較してより高いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを示す被験者を選択し、及び/または前記併用治療薬に応答して対照マーカーの発現レベルと比較してより低いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを示す被験者を選択するステップ;及び
治療有効量の前記併用治療薬を当該被験者に投与するステップ;
を含む前記方法。 - 抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療の有効性をモニターする方法であって、前記方法は、
被験者に対して治療有効量の前記併用治療薬を投与した後当該被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及び
前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であったことを示す前記方法。 - 炎症性疾患の治療のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択する方法であって、
当該被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及び
前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いことは当該被験者が臨床試験に参加するのに適しており、及び/または抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示す前記方法。 - 炎症性疾患を有している被験者を治療するのに適している抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための方法であって、
当該被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するステップ;及び
前記マーカーの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いこと、及び/または抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示す前記方法。 - 複数の異なる併用治療薬を試験する請求項6に記載の方法。
- 所定量の前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を当該被験者に投与した後に前記サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定する請求項1に記載の方法。
- 前記所定量は治療量以下の用量の前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを含む請求項8に記載の方法。
- 前記所定量は治療量以下の用量の前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を含む請求項8に記載の方法。
- 前記所定量は治療量の前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを含む請求項8に記載の方法。
- 前記所定量は治療量の前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を含む請求項8に記載の方法。
- 前記対照マーカーの発現レベルは所定量の前記した抗TNF治療薬及び/または抗IL17治療薬を当該被験者に投与する前のサンプル中の対照マーカーの発現レベルである請求項1に記載の方法。
- 前記対照マーカーの発現レベルは炎症性疾患を患っている被験者の集団中の対照マーカーの発現の平均レベルである請求項1に記載の方法。
- 前記の炎症性疾患を患っている被験者の集団は前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬の少なくとも1つを投与されている請求項14に記載の方法。
- 前記の炎症性疾患を患っている被験者の集団は前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬を投与されている請求項14に記載の方法。
- 前記対照マーカーはCXCL1マーカーまたはCXCL5マーカーからなる請求項1に記載の方法。
- 前記対照マーカーはCXCL1マーカー及びCXCL5マーカーの両方からなる請求項1に記載の方法。
- 前記抗TNF治療薬は抗TNF結合タンパク質からなる請求項1に記載の方法。
- 前記抗TNF結合タンパク質はTNFまたはIL17に特異的に結合する融合タンパク質、抗体またはその抗原結合断片からなる請求項19に記載の方法。
- 前記抗TNF結合タンパク質は抗IL17抗体またはその抗原結合断片からなり、マウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体またはその抗原結合断片である請求項19に記載の方法。
- 前記抗TNF抗体は抗TNFα抗体である請求項21に記載の方法。
- 前記抗TNF抗体はヒト抗TNF抗体からなる請求項22に記載の方法。
- 前記抗TNFα抗体はアダリムマブ(R)またはその抗原結合断片からなる請求項23に記載の方法。
- 前記抗TNF抗体はヒト化抗TNF抗体からなる請求項22に記載の方法。
- 前記ヒト化抗TNF抗体はインフリキシマブまたはその抗原結合断片からなる請求項25に記載の方法。
- 前記抗TNF結合タンパク質は抗TNFα融合タンパク質からなる請求項19に記載の方法。
- 前記抗TNFα結合タンパク質はエタネルセプトまたはその抗原結合断片からなる請求項27に記載の方法。
- 前記抗IL17治療薬は抗IL17結合タンパク質からなる請求項1に記載の方法。
- 前記抗IL17治療薬は抗IL17抗体またはその抗原結合断片からなる請求項1に記載の方法。
- 前記抗IL17抗体はヒト抗体からなる請求項30に記載の方法。
- 前記抗IL17抗体はセクキヌマブ及びRG7624、またはその抗原結合断片からなる群から選択される請求項30に記載の方法。
- 前記抗IL17抗体はヒト化抗体からなる請求項30に記載の方法。
- 前記抗IL17抗体はイクセキズマブ、10F7、B6−17、またはその抗原結合断片である請求項33に記載の方法。
- 前記抗IL17結合タンパク質はIL17に特異的に結合する融合タンパク質、抗体、またはその抗原結合断片からなる請求項29に記載の方法。
- 前記抗IL17結合タンパク質は抗IL17抗体またはその抗原結合断片からなり、マウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体、またはその抗原結合断片からなる請求項30に記載の方法。
- 前記抗IL17治療薬はメトトレキサート、そのアナログまたはその医薬的に許容され得る塩からなる請求項1に記載の方法。
- 前記抗TNF治療薬はメトトレキサート、そのアナログまたはその医薬的に許容され得る塩からなる請求項1に記載の方法。
- 前記した抗TNF治療薬と抗IL17治療薬の両方はメトトレキサート、そのアナログまたはその医薬的に許容され得る塩からなる請求項1に記載の方法。
- 前記併用療法はTNF及びIL17の少なくとも1つに結合する多重特異性結合タンパク質の投与を含む請求項1に記載の方法。
- 前記多重特異性結合タンパク質は二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(TM))分子、ハーフボディDVD−Ig(hDVD−Ig)分子、三重可変ドメイン免疫グロブリン(TVD−Ig)分子、受容体可変ドメイン免疫グロブリン(rDVD−Ig)分子、多価DVD−Ig(pDVD−Ig)分子、モノボディDVD−Ig(mDVD−Ig)分子、クロスオーバー(coDVD−Ig)分子、血液脳関門(bbbDVD−Ig)分子、切断可能なリンカーDVD−Ig(clDVD−Ig)分子及び再方向付けされた細胞毒性DVD−Ig(rcDVD−Ig)分子からなる群から選択される請求項40に記載の方法。
- 前記多重特異性結合タンパク質はTNFα及びIL17に結合する請求項40に記載の方法。
- 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定する請求項1に記載の方法。
- 前記したCXCL1とCXCL5マーカーの両方の発現レベルを測定する請求項1に記載の方法。
- 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルに比較して低いことは前記併用治療薬が有効であることを示す請求項44に記載の方法。
- 前記したCXCL1とCXCL5マーカーの両方の発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が有効であることを示す請求項44に記載の方法。
- 前記被験者は以前抗TNF治療薬からなる単独治療薬または抗IL17治療薬からなる単独治療薬を用いて治療を受けていない請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗TNF治療薬からなる単独治療薬よりもCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを大きく低下させる請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗TNF治療薬からなる単独治療薬よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する請求項1に記載の方法。
- 前記被験者は抗TNF治療薬からなる単独治療薬に応答しない請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗IL17治療薬からなる単独治療薬よりもCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを大きく低下させる請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗IL17治療薬からなる単独治療薬よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する請求項1に記載の方法。
- 前記被験者は抗IL17治療薬からなる単独治療薬に応答しない請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗TNF治療薬からなる単独治療薬と抗IL17治療薬からなる単独治療薬の両方よりもCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを大きく低下させる請求項1に記載の方法。
- 前記併用治療薬は抗TNF治療薬からなる単独治療薬と抗IL17治療薬からなる単独治療薬の両方よりも良好な臨床成績または臨床エンドポイントを有する請求項1に記載の方法。
- 前記被験者は抗TNF治療薬からなる単独治療薬か抗IL17治療薬からなる単独治療薬のいずれにも応答しない請求項1に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルを核酸レベルで測定する請求項1に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをRNAを検出することにより測定する請求項57に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをmRNA、miRNAまたはhnRNAを検出することにより測定する請求項57に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをDNAを検出することにより測定する請求項57に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをcDNAを検出することにより測定する請求項57に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーの発現レベルをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅反応、逆転写酵素PCR分析、定量的逆転写酵素PCR分析、ノーザンブロット分析、RNAアーゼプロテクションアッセイ、デジタルRNA検出/定量、並びにその組合せまたは部分的組合せからなる群から選択される技術を用いることにより測定する請求項57に記載の方法。
- 前記サンプル中の前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定は抗CXCL1及び抗CXCL5抗体を用いてイムノアッセイを実施することを含む請求項57に記載の方法。
- 前記したCXCL1及び/またはCXCL5マーカーはタンパク質からなる請求項1に記載の方法。
- 前記タンパク質をCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つに結合する結合タンパク質を用いて検出する請求項64に記載の方法。
- 前記結合タンパク質はタンパク質に特異的に結合する抗体、またはその抗原結合断片からなる請求項64に記載の方法。
- 前記抗体またはその抗原結合断片はマウス抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、ScFv、SMIP、アフィボディ、アビマー、バーサボディ、ナノボディ、ドメイン抗体、またはその抗原結合断片からなる群から選択される請求項66に記載の方法。
- 前記結合タンパク質は多重特異性結合タンパク質からなる請求項65に記載の方法。
- 前記多重特異性結合タンパク質は二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(TM))分子、ハーフボディDVD−Ig(hDVD−Ig)分子、三重可変ドメイン免疫グロブリン(TVD−Ig)分子、受容体可変ドメイン免疫グロブリン(rDVD−Ig)分子、多価DVD−Ig(pDVD−Ig)分子、モノボディDVD−Ig(mDVD−Ig)分子、クロスオーバー(coDVD−Ig)分子、血液脳関門(bbbDVD−Ig)分子、切断可能なリンカーDVD−Ig(clDVD−Ig)分子及び再方向付けされた細胞毒性DVD−Ig(rcDVD−Ig)分子からなる群から選択される請求項68に記載の方法。
- 前記抗体またはその抗原結合断片は標識を含む請求項66に記載の方法。
- 前記標識は放射能標識、ビオチン標識、発色団、発蛍光団及び酵素からなる群から選択される請求項70に記載の方法。
- 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルをイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ、免疫蛍光測定法、免疫沈降、平衡透析、免疫拡散、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)、ELISAアッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応、イムノポリメラーゼ連鎖反応、並びにその組合せまたは部分的組合せからなる群から選択される技術を用いて測定する請求項1に記載の方法。
- 前記イムノアッセイは電気化学発光、化学発光、蛍光性化学発光、蛍光分極及び時間分割蛍光からなる群から選択される溶液をベースとするイムノアッセイからなる請求項72に記載の方法。
- 前記イムノアッセイは電気化学発光、化学発光及び蛍光性化学発光からなる群から選択されるサンドイッチイムノアッセイからなる請求項72に記載の方法。
- 前記サンプルは当該被験者から得た流体またはその成分からなる請求項1に記載の方法。
- 前記流体は血液、血清、滑液、リンパ液、血漿、尿、羊水、房水、硝子体液、胆汁、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳び、嚢胞液、内リンパ液、便、胃酸、胃液、粘液、乳頭吸引液、心膜液、外リンパ液、腹腔液、胸膜液、膿、つば、皮脂、精液、汗、血清、つば、涙、膣分泌物及び生検から集めた流体からなる群から選択される請求項75に記載の方法。
- 前記サンプルは当該被験者から得た組織または細胞、またはその成分を含む請求項1に記載の方法。
- 前記被験者はヒト被験者である請求項1に記載の方法。
- (i)炎症性疾患を有している被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べ;(ii)前記併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)前記した炎症性疾患のための併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;または(iv)炎症性疾患を有している被験者のための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するためのキットであって、前記キットは、
当該被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬;
対照マーカー;及び
(i)当該被験者が前記併用治療薬に応答するかどうかを調べ;(ii)前記併用治療薬の有効性をモニターし;(iii)前記併用治療薬に対する臨床試験に参加するための被験者を選択し;または(iv)炎症性疾患を有している被験者を治療するための抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を同定するための使用説明書;
を含む前記キット。 - 前記併用治療薬はTNF及びIL17に対するDVD−Ig分子からなる請求項79に記載のキット。
- 前記DVD−Ig分子はTNFα及びIL17に対する請求項80に記載のキット。
- CXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬は前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つを増幅し、検出するためのプローブを含む請求項79に記載のキット。
- 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを測定するための試薬は抗体またはその抗原結合断片を含む請求項79に記載のキット。
- 更に、被験者から生物サンプルを得るための試薬を含む請求項79に記載のキット。
- 炎症性疾患を有している被験者が抗TNFα抗体及び抗IL17抗体からなる併用治療薬を用いる治療に応答するかどうかを調べる方法であって、前記方法は、
当該被験者から得たサンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つが検出され得るようにCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用し、前記サンプルを形質転換する試薬を用いて測定するステップ;及び
前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルを対照マーカーの発現レベルと比較するステップ;
を含み、前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して高いこと、及び/または前記した抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬を投与した後の前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは前記併用治療薬が当該被験者の治療において有効であろうことを示す前記方法。 - 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用する試薬は抗CXCL1または抗CXCL5抗体、またはその抗原結合断片である請求項85に記載の方法。
- 前記した抗CXCL1抗体はEMD Millipore:AP1151−100UG;Everest Biotech:EB09637;Lifespan Biosciences:LS−B2843、LS−B2513及びLS−C108147;eBioscience:50−7519−42及び50−7519−41;AbD Serotec:AAM40B、AAM40及びAAR22B;Thermo Fisher Scientific,Inc.:PA1−32959、PA1−32924及びPA1−20861;Abbiotec:251349、12335−1−AP及びAP08852PU−N;NovaTeinBio:63059;Abgent:AT1688a;Aviva Systems Biology:AVARP07032_P050、OASA08635及びOAEB00281;United States Biological:C8297−97A、C8298−01B及びC8298−01C;Creative Biomart:CAB−1005MH、CAB−3086MH及びCAB−115MH;Novus Biologicals:NBP1−61297、NBP1−51486及びNBP1−19301;Abnova:H00002919−M01、H00002919−D01P及びH00002919−M03;Fitzgerald:70R−10502;及びProSci:31−057、42−129及び42−196からなる群から選択される請求項86に記載の方法。
- 抗CXCL5抗体はLifespan Biosciences:LS−B5529;AbD Serotec:AHP1279、AAM42及びAHP1279B;Proteintech Group:10809−1−AP及びPA1−29657;Biorbyt:orb13909及びorb13450;Acris Antibodies:AM31037PU−N、PP1003B2及びPP1003P1;NovaTeinBio:63066、AT1694a及びAT1693a;Aiva Systems Biology:OASA07658、OASA08449及びOASA07657;United States Biological:C8297−98H1、C8297−98H及びE2275−07;Creative Biomart:CAB−5426MH及びCAB−5425MH;Novus Biologicals:33140002;及びAbnova:H00006374−M05、H00006374−M03及びH00006374−B01からなる群から選択される請求項86に記載の方法。
- 前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つと相互作用する試薬はCXCL1またはCXCL5マーカーの少なくとも1つに対して特異的な核酸プローブを含む請求項85に記載の方法。
- 前記サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定は抗CXCL1または抗CXCL5抗体を用いてイムノアッセイを実施することを含む請求項86に記載の方法。
- 前記サンプル中のCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルの測定はアッセイの新規組合せを含む請求項85に記載の方法。
- 前記炎症性疾患は関節リウマチからなる請求項1に記載の方法。
- 前記炎症性疾患は乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、脊椎関節炎、ブドウ膜炎及び全身性エリテマトーデスの少なくとも1つからなる請求項1に記載の方法。
- 前記マーカーは遺伝子産物からなる請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子産物はタンパク質またはRNAからなる請求項94に記載の方法。
- 炎症性疾患を有している被験者を抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬から禁忌とする方法であって、当該被験者は対照マーカーの発現レベルと比較してより低いCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルまたは正常範囲の臨床検査値を示すことを調べるステップを含み、前記したCXCL1及びCXCL5マーカーの少なくとも1つの発現レベルが対照マーカーの発現レベルと比較して低いことは当該被験者が抗TNF治療薬及び抗IL17治療薬からなる併用治療薬に対して禁忌でないことを示す前記方法。
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