リニア圧縮機においては、ガス圧縮プロセスは、主として2つのサブアセンブリ、すなわち、通常、クランクケースの中に画定されるシリンダによって構造され、かつ、クランクケースにまた固定され、シリンダの内部でピストンを変位させるためにおよびしたがってガス圧縮のために必要とされる推力を発生させることに関与する、リニアモータアセンブリによって構造される、第1のサブアセンブリと、ピストン、ロッドまたはコネクティングロッド、変位手段によって形成される第2のサブアセンブリとを含み、この変位手段は、モータによっておよび共振スプリングによって駆動される磁石を含み、この共振スプリングは、変位手段に接続されるその端部の一方と、クランクケースに接続される他方の端部とを有する。
圧縮機の適切な動作のために、まず第1に、ピストン頂部がその圧縮上死点にある場合には、ある一定の距離がシリンダ頂部とピストン頂部との間に保たれ、この種の距離は、圧縮機の容量およびこの種の容量の多様性を規定することが必須である。そのうえ、シリンダに対してピストンの位置合わせを確実にし、それによって、空気圧軸受またはオイル軸受として機能する、シリンダでのピストン負荷を最小限に抑えることがまた必須である。
取付けプロセス時にピストン頂部とシリンダ頂部との間の適正な間隔を得るために、取付けを終了するとこの種の距離が許容値の範囲内に保たれるように、数値が狭い帯域の範囲内に保たれている一連の公差が考慮されなければならないことを理解されたい。
そのうえ、シリンダに対するピストンの適正な位置合わせを得るために、圧縮機のメインシャフトに直交する公差はまた、狭い帯域の範囲内の値で保たれなければならない。これは、複雑で高価な操作を必要とする、必要な部品を製造するための高いコストを意味する。
ブラジル特許出願第PI0705541−2号明細書(国際公開第2009/076734号パンフレット)に説明されている、公知の取付構造は、スプリングの1つの端部に対して、および作動手段の1つの端部に対してそれぞれ注入される2つのプラスチック部品の間のプラスチック溶接によって共振スプリングの1つの端部を作動手段に固定するように第1の固定手段を備える。この解決策においては、第1の固定手段の前記プラスチック溶接は、接合する機能、および軸方向、横方向、およびねじれ公差を補償するための機能を有する。
この先行する解決策の取付構造は、シリンダ軸に対して、ならびにシリンダ頂部に対するピストン頂部部分の間の距離に対して可動アセンブリの同心の位置決めを危うくすることなく、シリンダ軸の方向にも直交方向にも互いに取り付けられるべき部品の非常に精密な公差を必要とせず、その距離は、既に述べられたように、圧縮機の排除容積およびそれに対応する冷凍能力を規定する。
これは、プロセスに関して非常に興味深い解決策であるが、2つの欠点が製品に取り込まれる。
1つの欠点は、プラスチック材料による固定が、使用されているプラスチックのタイプおよび品質に非常に依存するということによるものである。そのうえ、プラスチック材料は、時が経つにつれて熱化学的劣化を受け、それによって、得られる固定の信頼性が低下され得る。
もう1つの欠点は、作動手段を共振スプリングに接合する、第1の固定手段を規定するプラスチック部品が、その剛性に応じて、ピストン頂部によるガスの圧縮に起因する励起を増幅し、それによってスプリングの共振モードを励起することができる第2のスプリングとして機能するということによるものである。
ブラジル特許出願第PI1000181−6号明細書(国際公開第2011/082461号パンフレット)に説明されている、もう1つの公知の取付構造は、クランクケースおよびリニアモータに対して共振アセンブリの固定および位置合わせ手段を備え、主軸の方向にも直交方向にも部品の厳しすぎる公差を必要とせず、より広い公差の場合でも、ピストンとシリンダとの間の適切な位置合わせによってピストンの正しい位置決めが実現されるようにしている。
前記第2の先行技術の解決策においては、3つの方向の位置合わせ調整が、信頼性のある機械的固定手段を用いて行われることができ、これは、ピストン頂部によるガス圧縮によって発生される励起を増幅しない。
この第2の公知の解決策においては、第1の固定手段は、作動手段に既に組み込まれたクランプを備え、これは、スプリングワイヤの直径端部セグメントの周りに取り付けられ、締付ボルトによってセグメントに押し付けられる。作動手段とスプリング隣接端との間のこの公知の結合により、2つの方向の位置合わせ調整を得ることができ、この2つの方向は、スプリングワイヤの直径端部セグメントの周りの作動手段の回転、およびスプリングの前記直径セグメントに沿った作動手段の直線変位である。このスプリング−作動手段結合により、共振アセンブリの取付けプロセスの最初のステップとして、スプリングの長手方向軸に対してスプリング−作動手段を心出しすることができる。
しかし、前記先行技術の第2の解決策においては、スプリングの反対側端部は、2つの半径方向部分に画定される、1つのツーピース直径セグメントを備え、その各々は、スプリングワイヤのそれぞれの端部分によって形成され、前記ツーピース直径セグメントは、内部バイスジョーおよび外側バイスジョーによって画定される第2の固定手段を受け入れ、第1のものは、両方のバイスジョーがスプリングのツーピース直径セグメントの周りに、締付ボルトによって互いに押し付けられ得るように、他方のバイスジョーに面するハーフシェルを担持し、他方のバイスジョーには、非共振アセンブリに、特にシリンダクランクケースにこれを支えるための手段が設けられる。
ハーフシェルは、スプリングに対して直径方向に直線的に変位が可能であり、かつスプリングワイヤのツーピース直径セグメントに直交するように、内部バイスジョーに取り付けられ、この方向に従って調整の可能性を確保する。そのうえ、スプリングは、第1の方向に直交する方向に、すなわち、ツーピース直径セグメントのそれに適合する方向にハーフシェルに対して変位されることができ、第2の方向にアセンブリ調整を確保する。さらに、この取付構造は、スプリングワイヤのツーピース直径セグメントの周りに、バイスジョーおよびハーフシェルのアセンブリによって画定される、第2の固定手段を回転させる可能性によって規定される第3の調整方向を可能にする。
取付位置合わせプロセス時に、3つの方向の調整は、位置合わせが適切に設定されるまで行われる。これが発生した場合には、両方のバイスジョーは、次いで、2つのボルトを締め付けることによって、互いに対して、およびスプリングワイヤのツーピース直径セグメントの周りにロックされる。
この第2の公知の解決策は、プラスチック要素を用いた第1の取付けシステムに対してより有利であるが、共振アセンブリを規定する圧縮機構の位置合わせプロセス時に、第2の固定手段の内部および外側バイスジョーの締付ボルトが解除されなければならず、それにより、バイスジョーがスプリングワイヤの端部半径方向部分に対して移動できるようになっている。
しかし、スプリングは、形状の形成異常、特に、ツーピース直径セグメントにおいてワイヤの端部半径方向部分の間で位置合わせずれを有す。2つのバイスジョーの間の負荷が位置合わせ調整を行うために解除されると、スプリングは、自然に変形する傾向があり、それにより、位置合わせプロセスが望ましくないほど長くなる。そのうえ、精密機器が、クランクケースに対するピストン位置決め、ならびにモータ中心に対する磁石についてのピストン位置決めを測定するために必要とされる。なぜなら、アセンブリは、そのような場合には、解除されると機械的に強制されるべきでなく、機構は、スプリングに存在する張力により位置合わせを損なうことになるからである。
上記の開示により、上に挙げた先行する解決策の欠点がない、共振アセンブリによって構造される部品の完全な位置合わせを得るための新しい解決策を開発することが望ましい。
既に述べたように、本発明の共振スプリングの取付構造は、リニアモータによって駆動される冷凍圧縮機構造のために説明されている。
添付図面の図1に例示的に示されているように、通常、冷凍のために使用され、リニア型の電気モータによって駆動される圧縮機は、サスペンションスプリング11、たとえばコイルスプリングによってハウジング1に取り付けられ得るシリンダクランクケース10を含む、通常、密封式の、非共振アセンブリを収容するハウジング1を備える。
シリンダクランクケース10は、通常、弁プレート14によっておよびヘッド15によって閉鎖された1つの端部13aと、それを通じて円筒状スカート22aを組み込むピストン22が取り付けられる開放反対側端部13bとを有する圧縮チャンバ13を画定するスリーブ20がその内部に収容される円筒領域12を組み込み、このピストン22は、スリーブ20の圧縮チャンバ13の内部で往復運動する。ピストン22は、シリンダクランクケース10に取り付けられるリニアモータMの磁石41を担持する作動手段40に、通常、ロッド30によって結合される。
さらに、シリンダクランクケース10は、2つの対向する延長部分17を組み込むことができ、これは、その間にリニアモータMを保持するために、同じ方向に、円筒領域12から軸方向に突出する2つのロッド17aの形をとる。各ロッド17aには、他方のロッド17aの貫通孔17bと位置合わせされた貫通孔17bが設けられる。
リニアモータMは、スリーブ20の圧縮チャンバ13の内部にピストン22を変位させるため、およびガス状の冷媒流体を圧縮するために必要とされる推力を与えることに関与する。
ピストン−ロッド−作動手段アセンブリによって規定される圧縮のための可動アセンブリは、圧縮チャンバ13内でピストン22が往復軸方向変位すると、該ピストン22に反対の軸方向力を加えるために取り付けられる共振スプリング手段50に結合される。共振スプリング手段50は、圧縮機のリニアモータMと共に、圧縮のための可動アセンブリに作用し、また、ピストン22の軸方向変位ガイドとして働く。圧縮のための可動アセンブリ、および共振スプリング手段は、圧縮機の共振アセンブリを規定する。
図1に例示として図示されている、先行技術の構造においては、共振スプリング手段50は、第1の直径端部セグメント50a、および第2の直径端部セグメント50b、通常、ツーピースを有する単一のコイルスプリングによって規定され、前記端部直径セグメント50a、50bは、第1の固定手段MF1によって圧縮のための可動アセンブリに(通常、作動手段40に)、および第2の固定手段MF2によって非共振アセンブリに、たとえばシリンダクランクケース10にまたはその支持構造体にそれぞれ取り付けられる。
添付図面に図示されていないが、共振スプリング手段50は、2つのコイルスプリング、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a、50bの各々が2つのコイルスプリングの各々の、実質的に互いに向かい合いかつ互いに同軸の端部半径方向延長部分によって規定される状態、によって形成され得ることを理解されたい。また、端部半径方向延長部分は、もう1つの構造実施形態によれば、互いに重なり合うように、かつ実質的に平行であるように位置決めされ得る。
したがって、共振スプリング手段50は、連続するスプリングワイヤ延長部分によって規定される第1の直径端部セグメント50aと、第2のツーピース直径端部セグメント50bとを有し、2つの半径方向部分によって規定される、少なくとも1つのコイルスプリングによって規定されることができ、その各々は、それぞれのスプリングワイヤ端部分によって形成される。
コイルの形の、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a、50bは、互いに同軸であり、共振スプリング手段50の軸に直交する方向に従って配置され、互いに対して強制的に平行ではない。この型の構造は、前記特許出願第PI1000181−6号明細書(国際公開第2011/082461号パンフレット)に説明され、図示されている。
本発明の共振スプリング取付構造が適用される冷凍圧縮機は、通常、密封式のハウジング1の内部に、図1に図示されているリニアモータ圧縮機のために説明された同じ基本構造部品を備え、前記共通の構造部品は、同じ参照符号によって規定されている。
第1の固定手段MF1は、前記特許出願第PI1000181−6号明細書に既に説明されているように、互いに対向し、かつ、共振スプリング手段50の第1の直径端部セグメント50aのそれぞれの延長部分がその内部に部分的に収容される、通常、半円形プロファイルを備える凹状クレードルとして働くように構造される凹部7がそれぞれ設けられる、2つのベアリング部分6を備え、そのセグメントは、通常、しかし強制的でなく、共振スプリング手段50を形成するワイアードの連続延長部分によって規定される。
図示した構造においては、2つのベアリング部分6は、作動手段40に組み込まれ、共振スプリング手段50の第1の直径端部セグメント50aを互いに強化し、固定するように構造される。
第1の固定手段MF1の構造により、共振スプリング手段50の第1の直径端部セグメント50aが、第1の直径端部セグメント50aの軸の直径方向に従って、また前記直径軸の周りで角度的に、ベアリング部分6の本締め前に、2つのベアリング部分6の内部を通して直線的に変位させられるようになっている。したがって、共振スプリング手段50の前記第1の直径端部セグメント50aの位置決めは、締付手段の最終押圧の前に、可動アセンブリの組み立て時に直線的におよび角度的に調整されることができ、アクチュエータ40に、すなわち圧縮のための可動アセンブリに、共振スプリング手段50の所望の同軸固定を容易に得るようにさせておく。共振スプリング手段50は、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a〜50bを、必ずしも互いに平行ではないが、共振スプリング手段50の軸に対して心出しして配置させるように構造されることを理解されたい。
図示された実施形態においては、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a、50bは、互いに同一平面上に、かつ共振スプリング手段50の軸に直交する方向に従って配置される。この場合は、ベアリング部分6は、共振スプリング手段50の軸に同様に直交して配置されるそれらの凹部7の軸を有し、それにより、スプリング手段の第1の直径端部セグメント50aの位置決めの直線的調整が、共振スプリング手段50の軸に直交する方向に従って行われ、かつ前記第1の直径端部セグメント50aの角度調節が、前記第1の直径端部セグメント50aの軸の周りに共振スプリング手段50の角度変異によって行われるようになっている。
本発明の図2〜図8によれば、第2の固定手段MF2は、所定の位置に共振スプリング手段50の、通常、ツーピースの第2の直径端部セグメント50bに堅固に取り付けられるベースバイスジョー60を備える。
共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bは、2つの半径方向部分で規定され、各々は、スプリングワイヤのそれぞれの端部分によって形成される。
同じ図2〜図8によれば、第2の固定手段MF2はまた、シリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の間に第1の締付手段80によって取り付けられるトップバイスジョー70を備える。第2の固定手段MF2は、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a、50bの軸が円筒領域12の軸と交差し、かつピストン22がスリーブ20の内部で所定の軸方向位置になっている状態において、ベースバイスジョー60に抗して、共振スプリング手段50のシャフトに対して、第2の締付手段90によって、軸方向および半径方向に調整可能にさらに当接され圧縮され、ベースバイスジョー60をトップバイスジョー70にロックする。
ベースバイスジョー60は、互いに平行な、第2の直径端部セグメント50bの軸に直交する、かつ共振スプリング手段50の長手方向軸に対して対称な平面に配置される2つのガイド面61を有することができる。
本発明の第1の実施形態を示す、図2〜図8に図示された構造においては、トップバイスジョー70は、シリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の間に第1の締付手段80によって取り付けられる「U」字状本体71を備え、かつ、第2の直径端部セグメント50bの軸に直交して配置され、ベースバイスジョー60のそれぞれのガイド面61にそれぞれ対して、第2の締付手段90によって当接され圧縮される、互いに平行な一対のフランジ72がそこから突出する基本部分71aを有し、互いに前記ベースジョーをロックする。
図2〜図8に図示される、本発明の第1の実施形態においては、ベースバイスジョー60には、2つのガイド面61を接合し、共振スプリング手段50の軸Xと交差するその長手方向軸を有する貫通開口62が設けられ、トップバイスジョー70の各フランジ72には、貫通孔73が設けられる。
第2の締付手段90は、ベースバイスジョー60の貫通開口62を通して緩く、およびトップバイスジョー70のそれぞれの貫通孔73を通して緊密に配置されるボルト91によって規定される。
ボルト91は、前記フランジ72の一方に外側から当接される大きな端部ヘッド91aと、前記フランジ72の他方と結合するロック手段MT1の内側にねじ込まれる反対側端部91bとを有する。
本発明の第1の構造によれば、ロック手段MT1は、トップバイスジョー70の前記フランジ72の他方に外側から当接される反対側端部ナット91cによって規定される。詳細に本明細書において図示されていないが、ロック手段MT1は、内側をねじ切りされ、トップバイスジョー70の前記他方のフランジ72の貫通孔73自体によって規定され得ることを理解されたい。
ベースバイスジョー60は、トップバイスジョー70の本体71の基本部分71aに面する前面60aを有し、貫通開口62は、ベースバイスジョー60の前記前面60aに開かれている下部部分62aによって画定される。
第1の締付手段80は、2つのフランジ72の間に、および第2の締付手段90とトップバイスジョー70の基本部分71aとの間に、トップバイスジョー70を通して、かつシリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の各々のロッド17aに設けられる貫通孔17bを通して緩く設けられるボルト81によって規定される。前記ボルト81は、前記ロッド17aの一方に外側から当接される大きな端部ヘッド81aと、前記ロッド17aの他方と結合するロック手段MT2の内部にねじ切りされる反対側端部81bとを有する。
第1の図示された構造においては(図2〜図8)、ロック手段MT2は、シリンダクランクケース10の前記ロッド17aの他方と動作可能に結合するナット81cによって規定される。
図2〜図8において詳細に図示されていないが、ナット81cは、シリンダクランクケース10の他方のロッド17aに外側から当接され、あるいはまた、たとえば、後者のオーバーインジェクティングによって、シリンダクランクケース10の前記他方のロッド17aに組み込まれるインサートによって規定され得ることを理解されたい。
ロック手段MT2は、内側をねじ切りされ、シリンダクランクケース10の前記他方のロッド17aの貫通孔17b自体によって規定され得る。
第1の構造のベースバイスジョー60は、共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bに当接される裏面64を有することができ、前記第2の直径端部セグメント50bに当接される弓形中央部分65aを有するブラケット65と、共振スプリング手段50の前記第2の直径端部セグメント50b(図示された構造においてはツーピース)をベースバイスジョー60に、たとえば溶接し、押圧し、ロックすることによって、ベースバイスジョー60の前記裏面64に着座され、堅固に恒久的に固定される一対の側方タブ65bとを備える。
図2〜図8に図示されている構造によれば、圧縮機の形成は、共振スプリング手段50の第2のツーピース直径端部セグメント50bにベースバイスジョー60およびブラケット65を取り付けて、スプリングワイヤの2つの端部半径方向部分をロックすることによって開始する。この取付けによって、ベースバイスジョー60およびブラケット65によって規定されるアセンブリは、もはや分解されないことになり、ブラケット65は、ベースバイスジョー60に対する側方タブ65bの押圧とこれに続く固定、通常、溶接によってベースバイスジョー60の裏面64に対して取り付けられる。
この取付け作業においては、共振スプリング手段50の軸Xに対するベースバイスジョー60の位置合わせが得られ、前記軸Xは、共振スプリング手段50の反対の側の第1の直径端部セグメント50aの中心を、かつまた、ベースバイスジョー60の中央通路62の中心を通過すべきであるということが理解される。取付けのこの段階においては、また、ベースバイスジョー60のガイド面61が、共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bの軸に対して直交して、または実質的に直交して位置決めされることが重要である。
第2の取付け段階においては、共振スプリング手段50の第1の直径端部セグメント50aは、以前に説明されたように、第1の固定手段MF1を用いるが、共振スプリング手段50の第2のツーピース直径端部セグメント50bに既に取り付けられたベースバイスジョー60を基準として有する、作動手段40に取り付けられる。この方法により、作動手段40の軸が、共振スプリング手段50の軸Xと、およびしたがってベースバイスジョー60の軸と同軸に位置合わせされるようになっている。
次に、トップバイスジョー70は、作動されると、トップバイスジョー70の両方のフランジ72を変形させる第2の締付手段90を用いてベースバイスジョー60に固定され、その中にベースバイスジョー60をロックする。この段階では、第2の締付手段90の駆動は、最終的に、かつ最大所要トルクによって行われるには及ばない。この段階のロックは、予備的なものであり、最終的なロックは、さらに下記に説明されるように、取付けプロセスの終わりにおいてのみ実行される。
フランジ72、およびベースバイスジョー60に対するそれらの間隔の設計は、組立てと、互いの間の2つのバイスジョーの確かなロックの両方を可能にするように行われることを理解されたい。
作動手段40、共振スプリング手段50、およびピストン22によって規定される予め取り付けられたアセンブリは、シリンダクランクケース10の内部に挿入され、ピストン22は、スリーブ20の内部に位置決めされ、これは、シリンダクランクケース10の円筒領域12に予め取り付けられ、したがって、シリンダクランクケース10に対して位置合わせされる。この時点で、スリーブ20において、およびシリンダクランクケース10においてピストン22の頂部と弁プレートの着座面との間の距離が、所望の値に調整される。
その後、磁石41は、互いに直交し、かつシリンダクランクケース10の軸を含む両方の長手方向平面に従って、シリンダクランクケース10に対して心出しされる。また、この心出しは、図示されていない取付装置を用いることによって行われることができ、これは、共振アセンブリを心出しし、シリンダクランクケース10の軸に位置合わせされた位置に共振アセンブリを保つことができる。
いったん共振アセンブリがシリンダクランクケース10に位置合わせされ、位置決めされると、シリンダクランクケース10の対向する延長部分17を通して配置される、第1の締付手段80の作動により、トップバイスジョー70の隣接する端面に対して前記対向する延長部分17のロッド17aの締付けが行われ、シリンダクランクケース10に対してトップバイスジョー70をロックすることになる。
次に、ベースバイスジョー60のガイド面61の圧縮を行うように第2の締付手段90の作動が行われ、ベースバイスジョー60をトップバイスジョー70にロックする。
共振アセンブリによって示される機構全体が、言及した取付装置(図示せず)によってシリンダクランクケースの軸に位置合わせされるので、2つの締付手段80、90の駆動の後に、取付装置は取り除かれることができ、したがって、共振アセンブリには、所望の位置合わせが実現される。
図9〜図11は、第2の固定手段MF2のための第2の構造を用いる本発明を図示しており、これはまた、第1の実施形態のベースバイスジョー60の取付けに関して既に正確に説明されているように、所定の位置に共振スプリング手段50の、第2の直径端部セグメント50b、通常、ツーピースに堅固に固定されるベースバイスジョー60’を備える。同じ図9〜図11によれば、第2の固定手段MF2はまた、シリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の間に第1の締付手段80’によって同様に取り付けられるトップバイスジョー70’を備える。また、第2の固定手段MF2は、共振スプリング手段50の端部直径セグメント50a、50bの軸が円筒領域12の軸と交差し、かつピストン22がスリーブ20の内部で所定の軸方向位置になっているような状態において、ベースバイスジョー60’に抗して、共振スプリング手段50の軸に対して、2つの第2の締付手段90’によって、および軸方向および半径方向に調整可能に当接され圧縮されて、ベースバイスジョー60’をトップバイスジョー70’にロックする。
ベースバイスジョー60’は、互いに平行な平面に規定され、第2の直径端部セグメント50bの軸に直交し、かつ共振スプリング手段50の長手方向軸に対して対称な、2つのガイド面61’を有することができる。
図9〜図11に図示される構造においては、トップバイスジョー70’は、「U」字状の、かつ互いに平行な一対のフランジ72’がそこから突出する基本部分71a’を有する本体71’を備え、トップバイスジョー70’は、シリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の間に第1の締付手段80’によって取り付けられる。
トップバイスジョー70’のフランジ72’は、第2の直径端部セグメント50bの軸に直交して配置され、ベースバイスジョー60’のそれぞれのガイド面61’にそれぞれ対して、第2の締付手段90’によって当接され圧縮され、互いに前記ベースジョーをロックする。
ベースバイスジョー70’の各フランジ72’は、他方のフランジ72’のそれぞれの貫通孔73’に同軸に位置合わせされる一対の貫通孔73’と、さらに共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bを緩く受け入れるのに十分に大きい隙間を画定する中央切込み74’とを有し、中央切込み74’の各々には、圧縮機を組み立て時に、前記第2の直径端部セグメント50bがその内部にさらにより緩く位置決めされる内端拡幅75’がさらに設けられる。
本発明の第2の構造においては、ベースバイスジョー60’には、2つのガイド面61a’を接合し、平行に配置され、互いから間隔を置いて配置され、共振スプリング手段50の軸および第2の直径端部セグメント50bの軸を含む平面に対して、通常、対称に、両側に画定される、2つの貫通開口62’が設けられる。
第2の締付手段90’の各々は、ベースバイスジョー60’のそれぞれの貫通通路62’を通して緩く設けられるボルト91’によって規定される。貫通通路62’は、本発明の第1の構造に関して以前に説明されたように、半径方向および軸方向アセンブリ調整を可能にするために、ボルト91’の直径よりも大きな直径を有する。
各ボルト91’は、トップバイスジョー70’のそれぞれの対の貫通孔73’を通して、緊密に配置される。
各ボルト91’は、トップバイスジョー70’の前記フランジ72’のうちの1つに外側から当接される大きな端部ヘッド91a’と、前記フランジ72’の他方と結合するロック手段MT1’の内側にねじ込まれる1つの反対側端部91b’とを有する。
前記第2の構造によれば、ロック手段MT1は、トップバイスジョー70’の前記フランジ72’の他方に外側から当接される反対側端部ナット91c’によって規定される。本明細書において詳細に図示されていないが、ロック手段MT1’は、内側をねじ切りされ、トップバイスジョー70’の前記他方のフランジ72’の貫通孔73’によって規定され得ることを理解されたい。
前記第2の構造においては、第1の締付手段80’は、トップバイスジョー70’のフランジ72’の間にトップバイスジョー70’を通して、およびシリンダクランクケース10の2つの対向する延長部分17の各々のロッド17aに設けられる貫通孔17bを通して緩く配置されるボルト81’によって規定される。ボルト81’は、第1の構造のボルト81に関して既に説明された同じ構造およびアセンブリを有し、図2〜図8に関して説明された同じ変形構造が同様に適用できる。
図9〜図11に図示されている、第2の構造のベースバイスジョー60’は、図2〜図8に図示されている構造に関して既に説明されているまさに同じ方法で、すなわち、同じブラケット65を用いることによって共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bに取り付けられ得る。
図9〜図11に図示されている構造によれば、圧縮機の取付けは、共振スプリング手段50の第2のツーピース直径端部セグメント50bにベースバイスジョー60’およびブラケット65を取り付けて、スプリングワイヤの2つの端部半径方向部分をロックすることによって開始する。この取付けによって、ベースバイスジョー60’およびブラケット65によって規定されるアセンブリは、もはや分解されないことになり、ブラケット65は、ベースバイスジョー60’に対する側方タブ65bの押圧とこれに続く固定、通常、溶接によってベースバイスジョー60’の裏面64’に対して取り付けられる。ベースバイスジョー60’は、2つのバイスジョーを取り付けると、トップバイスジョー70’の本体71’の基本部分71a’に面するベースバイスジョー60’の裏面64’を有する。この実施形態においては、第1の締付手段80’は、フランジ74’の間に、およびトップバイスジョー70’の基本部分71a’とベースバイスジョー60’の裏面64’との間に緩く配置される。
この取付け作業においては、共振スプリング手段50の軸Xに対するベースバイスジョー60’の位置合わせが得られる。前記軸Xは、共振スプリング手段50の反対の側の第1の直径端部セグメント50aの中心を通って、およびまた、ベースバイスジョー60’の2つの貫通通路62’の間を通過すべきであるということを理解されたい。この取付け段階においては、また、ベースバイスジョー60’のガイド面61’が、共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bの軸に対して直交して、または実質的に直交して位置決めされることが重要である。
第2の取付け段階においては、共振スプリング手段50の第1の直径端部セグメント50aは、以前に説明されたように、第1の固定手段MF1を用いるが、共振スプリング手段50の第2のツーピース直径端部セグメント50bに既に以前に固定されたベースバイスジョー60’を基準として有する、作動手段40に取り付けられる。この方法により、作動手段40の軸が、共振スプリング手段50の軸Xと、およびしたがってベースバイスジョー60’の軸と同軸に位置合わせされるようになる。
次に、トップバイスジョー70’は、作動されると、トップバイスジョー70’の2つの側方部分72a’を変形させる第2の締付手段90’を用いてベースバイスジョー60’に固定され、その中にベースバイスジョー60’をロックする。この段階では、第2の締付手段90の作動は、最終的に、かつ最大所要トルクによって行われるとは限らない。この段階のロックは、予備的なものであり、最終的なロックは、取付けプロセスの終わりにおいてのみ行われる。
フランジ72’、およびベースバイスジョー60’に対するそれらの間隔の寸法決めは、取付けと、互いに対する2つのバイスジョーの安全なロックの両方を可能にするように行われることを理解されたい。
作動手段40、共振スプリング手段50、およびピストン22によって規定される予め取り付けられたアセンブリは、シリンダクランクケース10の内部に挿入され、前記ピストン22は、スリーブ20の内部に位置決めされ、これは、シリンダクランクケース10の円筒領域12に予め取り付けられ、したがって、シリンダクランクケース10に対して位置合わせされる。この時点で、図示されていない外側装置によって、スリーブ20において、およびシリンダクランクケース10においてピストン22の頂部と弁プレートの着座面との間の距離が、所望の値に調整される。
次に、磁石41は、互いに直交し、かつシリンダクランクケース10の軸を含む2つの長手方向平面に従って、シリンダクランクケース10に対して心出しされる。また、この心出しは、図示されていない取付装置を用いることによって行われ、共振アセンブリを心出しし、シリンダクランクケース10の軸に位置合わせされた位置に共振アセンブリを保つことができる。
シリンダクランクケース10における共振アセンブリの位置合わせおよび位置決めに続いて、次に、第1の締付手段80’の、およびその後、図2〜図8の第1の構造に関してまさに以前に説明されたように第2の締付手段90’の作動が行われる。
要するに、上記に規定される型に属するリニアモータ圧縮機における、共振スプリングの取付けプロセスは、共振スプリング手段50の軸Xに対して所定の位置合わせされた位置において、ベースバイスジョー60、60’を共振スプリング手段50の第2の直径端部セグメント50bに堅固に最終的に取り付けるステップと、第1の固定手段MF1によって共振スプリング手段50の直径端部セグメント50aを作動手段40に取り付けるステップであり、作動手段40の軸が共振スプリング手段50の軸Xに、およびベースジョー60、60’の軸に同軸に位置合わせされて配置される、ステップと、少なくとも1つの第2の締付手段90、90’を用いてトップバイスジョー70、70’をベースバイスジョー60、60’に予備取り付けするステップと、作動手段40、共振スプリング手段50、およびピストン22によって画定される予め取り付けられたアセンブリをシリンダクランクケース10の内部に挿入するステップであり、ピストン22がスリーブ20の内部に位置決めされる、ステップと、シリンダクランクケース10においてピストン22の頂部と弁プレート14の着座面との間の距離を調整するステップと、互いに直交し、かつシリンダクランクケース(10)の軸を含む2つの長手方向平面に従って、シリンダクランクケース(10)に対して磁石を心出しし、共振アセンブリを位置合わせされた位置に維持する、ステップと、トップバイスジョー70、70’をシリンダクランクケース10の対向する延長部分17にロックするために、第1の締付手段80、80’を作動させるステップと、ベースバイスジョー60、60’をトップバイスジョー70、70’にロックするために、少なくとも1つの第2の締付手段90、90’を作動させるステップと、を含む。