JP2016502860A - 発泡助剤の製造方法及びその使用 - Google Patents

発泡助剤の製造方法及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2016502860A
JP2016502860A JP2015550062A JP2015550062A JP2016502860A JP 2016502860 A JP2016502860 A JP 2016502860A JP 2015550062 A JP2015550062 A JP 2015550062A JP 2015550062 A JP2015550062 A JP 2015550062A JP 2016502860 A JP2016502860 A JP 2016502860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coffee
dihydroxyphenyl
surface active
dihydroxy
active fraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015550062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6584957B2 (ja
Inventor
ヴァレリー マルティーヌ, ジャニーヌ ルルー,
ヴァレリー マルティーヌ, ジャニーヌ ルルー,
フェデリコ モーラ,
フェデリコ モーラ,
エリック ドッシン,
エリック ドッシン,
フィリップ モンタヴォン,
フィリップ モンタヴォン,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nestec SA
Original Assignee
Nestec SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=47559195&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016502860(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nestec SA filed Critical Nestec SA
Publication of JP2016502860A publication Critical patent/JP2016502860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6584957B2 publication Critical patent/JP6584957B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F5/00Coffee; Coffee substitutes; Preparations thereof
    • A23F5/24Extraction of coffee; Coffee extracts; Making instant coffee
    • A23F5/36Further treatment of dried coffee extract; Preparations produced thereby, e.g. instant coffee
    • A23F5/40Further treatment of dried coffee extract; Preparations produced thereby, e.g. instant coffee using organic additives, e.g. milk, sugar
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23FCOFFEE; TEA; THEIR SUBSTITUTES; MANUFACTURE, PREPARATION, OR INFUSION THEREOF
    • A23F5/00Coffee; Coffee substitutes; Preparations thereof
    • A23F5/24Extraction of coffee; Coffee extracts; Making instant coffee
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23PSHAPING OR WORKING OF FOODSTUFFS, NOT FULLY COVERED BY A SINGLE OTHER SUBCLASS
    • A23P30/00Shaping or working of foodstuffs characterised by the process or apparatus
    • A23P30/40Foaming or whipping

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、発泡助剤及びコーヒー抽出物から上記発泡助剤を製造する方法に関する。本発明はさらに、可溶性コーヒー製品などのコーヒー製品を含む飲料の製造への上記発泡助剤の使用に関する。特に、本発明は、再溶解したときに安定したエスプレッソタイプの泡又はクレマを形成する可溶性コーヒー製品などのコーヒー製品に関する。【選択図】 図1

Description

発明の技術分野
本発明は、発泡助剤及びコーヒー抽出物から上記発泡助剤を製造する方法に関する。本発明はさらに、可溶性コーヒー製品などのコーヒー製品を含む飲料の調製への上記発泡助剤の使用に関する。特に、本発明は、再溶解の際に安定したエスプレッソタイプの泡又はクレマを形成する可溶性コーヒー製品などのコーヒー製品に関する。
発明の背景
エスプレッソコーヒーでは、「クレマ」とも称される持続する泡が、視覚による品質判断基準である。クレマの体積、テクスチャ、細かさ、色及び安定性は消費者を引きつける特有の特徴である。クレマは、表面活性コーヒー成分の抽出により生じ、この表面活性コーヒー成分は押し固められたエスプレッソコーヒーマトリックスを加圧した加熱水で吹き付けることによって作り出された気泡を被覆し、安定化する。
再溶解の際にエスプレッソタイプのクレマをもたらす可溶性コーヒーの開発は、最終的にコーヒー飲料製品の分野において競争力のある強みになるであろう。可溶性コーヒー組成物及びその製造は、エスプレッソの抽出とは全く異なるため、科学的及び技術的問題は少なくない。
コーヒーの加工に関しては、工業的な抽出により、抽出段階において付加的な多糖及び窒素を多く含んだ化合物の抽出が可能になる。次の濃縮時に抽出されたコーヒー化合物の物理的な状態に変化が起こり、化合物の凝集及び沈殿につながる。可溶性コーヒーに特有のこれらのコーヒー化合物の役割及びそれら化合物の物理的な状態がコーヒーの発泡性に与える影響はあまり理解されていない。
国際公開第2009/040249号パンフレット及び欧州特許第0839457号は、インスタントコーヒー、詳細には、噴霧乾燥されたインスタントコーヒーを製造する方法を開示しており、このインスタントコーヒーは、熱湯と接触させられると、エスプレッソのクレマをまねた泡をもたらす。可溶性「エスプレッソ」コーヒーの形成方法の一部として、抽出物が、加圧したガスの注入によって泡立てられ、十分な乾燥機の出口温度及び噴霧圧力条件下において噴霧乾燥されて気泡が組み込まれた多孔質の粒子を得る。カップ内の泡を改善させるためには微小なサイズの気泡を組み込むことが必須である。
消費者に選択してもらうには、消費中の製品の見た目及び満足感が重要な特質である。コーヒー飲料の品質を感じてもらうのに、泡の体積、安定性及び見た目が中心的な役割を果たす。したがって、安定したエスプレッソタイプのクレマをもたらす純粋な可溶性コーヒーは、コーヒー飲料分野において明白な利点になるであろう。
したがって、本発明の一つの目的は、飲料、特に、コーヒー飲料への使用に適した発泡助剤の提供に関する。特に、本発明の一つの目的は、コーヒー飲料、例えば、インスタントコーヒー飲料などの飲料の泡の体積、安定性及び見た目を改善する発泡助剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、改善された泡の体積、安定性及び見た目を有するコーヒー製品を製造する方法の提供に関する。
したがって、本発明の一態様は、発泡助剤を製造する方法であって、
(i)コーヒー抽出物を用意するステップと、
(ii)前記抽出物の表面活性画分を単離して発泡助剤を得るステップと
を含む、方法に関する。
本発明の別の態様は、本発明の上記の方法から得られ得る発泡助剤に関する。
本発明のさらに別の態様は、コーヒー抽出物から単離された表面活性画分の、発泡助剤としての使用に関する。
本発明の別の態様は、コーヒー製品を製造する方法であって、
(a)コーヒー抽出物を用意するステップと、
(b)本発明の発泡助剤をステップ(a)で用意された前記コーヒー抽出物に添加するステップと
を含む、方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、本発明のコーヒーを製造する方法によって得られたコーヒー製品に関する。
最後に、本発明の一態様は、本発明のコーヒー製品を含む容器に関する。
泡測定装置によって5秒(黒い棒)、30秒(灰色の棒)及び300秒(白い棒)の時点において85℃で評価した2.5% TCの再溶解したコーヒー粉末の泡の体積を示す。
(i)再溶解されたコーヒーの最初の泡の体積及び(ii)泡の消失速度/安定性に対する熱沈殿物の影響を示す。図2において、大きな破線は標準を表わし;太い黒の実線は参照を表わし、小さな破線は沈殿物が添加されたコーヒーを表わし、細い黒の実線は、KOHで可溶化された沈殿物が添加されたコーヒーを表わす。
ここで、本発明を以下でさらに詳細に説明する。
発明の詳細な説明
エスプレッソと比較して、工業的なコーヒー製造は、抽出、濃縮及び乾燥の間に、より多くの分子の抽出及びコーヒー化合物の好都合な物理的変化を可能にする。抽出、濃縮及び乾燥の処理段階が発泡性へ与える影響は十分には理解されていない。コーヒーの泡の化学及び物理学の科学的理解を深めることにより、再溶解したときに最適な泡がもたらされるようにコーヒー組成物及び粉末構造を改良するための適切な処理の解決策の開発が可能になる。
したがって、本発明の一つの目的は、再溶解したときに改善された泡を有する改善されたコーヒー製品を製造する方法の提供に関する。よって、本発明者らの目的は、コーヒーの泡の分子及び構造的な基礎を確立し、インスタント粉末を再溶解したときの泡の体積、見た目及び安定性を改善するための手段を開発することであった。
コーヒーの加工に関しては、工業的な抽出手順により、付加的な多糖及び窒素を多く含んだ化合物の抽出が可能になる。高温を用いると、不溶性材料、いわゆる、熱沈殿物も形成される。本発明者らは、これらの熱沈殿物により、最終的な粉末コーヒーの発泡性能がさらに良好になることを発見した。
定義
本発明をさらに詳細に考察する前に、以下の用語及び慣例を定義する:
クレマ
「クレマ」という用語は、高品質なエスプレッソの表面を覆う泡沫を指し、泡沫の色は、赤褐色(redish brown)からベージュ(biege)までさまざまである。クレマは、おいしいエスプレッソを作る際に非常に重要である。クレマの存在が、ドリップコーヒーとエスプレッソとの間の主な差である。クレマは、エスプレッソを飲んだ後に長く口及びのどに残る強いコーヒーの香り及び香味化合物を放つ。
発泡助剤
記述のとおり、本発明は、発泡助剤の提供に関する。本発明の文脈において、発泡助剤とは、発泡する物質に添加して、発泡する物質の発泡性を改善することができる作用剤を指す。本発明におけるこの発泡する物質とは、好ましくは、コーヒー飲料、例えば、インスタントコーヒー飲料を指すことができる。
表面活性画分
本発明の文脈において「表面活性画分」という用語は、液体の表面張力を低下させることができる画分(又は組成物)を指す。本明細書に記載される表面活性画分は、コーヒー抽出物から単離された(又は単離によって得られ得る)組成物である。好適な実施形態において、「表面活性画分」又は「表面活性組成物」は、遠心分離によって単離することができる本明細書に記載される熱沈殿物のことである。熱沈殿物とは、疎水性アミノ酸が組成物のおよそ50%(w/w)を占める、窒素を多く含んだ化合物を含む組成物である。
ポリフェノール
本発明の文脈において、「ポリフェノール」とは、多数のフェノール単位の存在によって特徴づけられる天然、合成及び半合成の有機化学物質の構造的分類を指す。これらのフェノールの基礎構造の数及び特徴が、分類の特定のメンバー固有の物理的、化学的及び生物学的特性の基礎となる。
窒素化合物
本発明の文脈において、「窒素化合物」とは、それらの構造中における多くの窒素原子の存在によって特徴づけられる天然、合成及び半合成の有機化学物質の構造的分類を指す。「多くの窒素原子」という用語は、乾燥重量基準及び/又は全固形分含有量基準に基づいて測定される出発材料と比較した窒素原子の増加量に関連する。
メラノイジン
本発明の文脈において、メラノイジンは、高温及び低水分活性で糖とアミノ酸とを混合する場合のメイラード反応又はフェノール化合物の自動酸化及び重合によって形成される異成分からなる褐色の重合体である。メラノイジンは、一般的に、何らかの形の非酵素的褐変を受けた食品に存在する。コーヒーの場合、フェノール化合物の存在下において、熱処理、例えば、焙煎の間に、メイラード反応及び自動酸化プロセスの両方がメラノイジンの形成に寄与する。メラノイジンは、コーヒー飲料の乾物の最大25%を構成する。
乾燥重量
乾燥重量とは、完全に乾燥され、あらゆる流体が要素から完全に除去されたときの要素の質量の測定値を指す。物質の乾燥重量%とは、全乾燥重量要素のうちの上記物質の相対量を指す。例として、例えば、コーヒー抽出物から得られた100グラム(乾燥重量)の要素が、マンナンを30グラム含む場合であれば、上記抽出物中のマンナンの乾燥重量%は30%である。
全固形分含有量(TC)
全固形分含有量(TC)とは、溶液又は懸濁液中の要素の質量を指す。コーヒー溶液又は懸濁液のTCは、もとのコーヒー溶液又は懸濁液のうちの割合として重量/重量パーセント(w/w%)で表わされる、乾燥したコーヒー残留物の重量(w)と定義される。反対に、コーヒー溶液又は懸濁液を調製する場合、TCは、重量/重量パーセント(w/w%)で表わされる、コーヒー溶液又は懸濁液を作るために使用される乾燥コーヒー粉末(例えば、コーヒー抽出物)の重量である。例えば、50gのコーヒー溶液を作るために5g(乾燥重量)のコーヒー抽出物が使用される場合であれば、このコーヒー溶液のTCは10%(w/w%)である。
飲料
本発明の文脈において、飲料とは、ヒトが消費するために調製された液体を指す。粉末飲料とは、水などの液体を添加することによって飲料に戻すことができる(インスタント粉末などの)乾物製品を指す。ホット飲料という用語は、加熱されて出される飲料を指す。ホット飲料は、加熱された液体(例えば、水又は牛乳の形態)を添加するか、又は飲料自体を加熱することによって得られてもよい。インスタントコーヒーは、コーヒー豆の浸出により得られる飲料である。インスタントコーヒーは、コーヒー抽出物から得られ、粉末又は顆粒の形態に乾燥される。インスタントコーヒーは、熱いお湯又は冷たい水で再溶解されて飲用に適したコーヒー飲料が得られる。インスタントコーヒーは、液状の濃縮されたコーヒー抽出物の形態で提供されてもよい。
工業規模でのコーヒーの加工は、一般に、以下のような、逐次的に行われる複数の操作からなる:
グリーンコーヒーの選別、保管、ブレンド;
焙煎及び粉砕;
コーヒー抽出物を得るための抽出;
さらに、インスタントコーヒーの製造には、以下のさらなるステップが含まれる:
噴霧又はフリーズドライのいずれかによる乾燥。
コーヒーから発泡助剤を製造する方法。
熱沈殿物は、窒素を多く含んだ化合物(6〜7重量%)であり、その半分を疎水性アミノ酸(すなわち、LEU/ILE、VAL、PRO、PHE)が占める。上記沈殿物は、メラノイジンとして知られる他の分類の化合物をも含む。熱沈殿物は、表面活性特性を呈し、コーヒーの抽出段階の間に形成される。
ガス注入に供されるインスタントコーヒー抽出物に、単離された熱沈殿物を適用すると、得られた粉末を再溶解したときに、熱沈殿物がコーヒー製品の泡の安定性を改善することを本発明者らは発見した。実際に、熱沈殿物は、ガス抽出物界面(gas in extract interface)において容易に吸着する能力をもつ表面活性化合物を含む。得られた粉末の多孔度がより高く、粉末を再溶解したときの泡の体積がより多いことからわかるように、ガス処理したコーヒー抽出物のガス抽出物界面において熱沈殿物を再構成させるためのある程度の時間がとられると、気泡が効率的に封入され、安定化される。水酸化カリウム(KOH)などのアルカリを使用した熱沈殿物の可溶化により、得られたクレマはわずかに色が濃くなるが、クレマの安定性及び見た目が改善される。消失速度が低下することにより、さらに持続するクレマが生じる。最後に、クレマの粘度が向上して飲んだときにさらに口あたりがよくなる。熱沈殿物が混ぜ込まれたインスタントコーヒー粉末は、窒素化合物がわずかに増加する。
本発明のさらなる目的は、コーヒー製品などの飲料への使用に適した発泡助剤を製造する方法の提供に関する。
したがって、本発明は、発泡助剤を製造する方法であって、
(i)コーヒー抽出物を用意するステップと、
(ii)前記抽出物の表面活性特性を有する画分を単離するステップとを含む、方法に関する。単離された画分(表面活性画分と呼ぶ)は、発泡助剤として、例えば、コーヒー飲料などの飲料に使用されてもよい。単離された表面活性画分は、熱間抽出段階で形成される熱沈殿物の形態で提供されるのが好ましい。熱沈殿物は、遠心分離によって単離されてもよい。
したがって、本発明の一態様は、発泡助剤を製造する方法であって、
(i)コーヒー抽出物を用意するステップと、
(ii)前記抽出物の表面活性画分を単離して発泡助剤を得るステップと
を含む、方法に関する。
本明細書中で言及され、本発明の方法によって利用されるコーヒー抽出物は、焙煎され、挽かれたコーヒー豆の熱間抽出によって一般に得られる。熱間抽出は、110〜200℃の範囲内、例えば、150〜190℃の範囲内などの140〜200℃、好ましくは150〜180℃の範囲内の温度で一般に行われる。したがって、本発明の一実施形態では、ステップ(i)及び/又はステップ(a)で用意されたコーヒー抽出物は、熱間抽出によって得られる。別の実施形態において、ステップ(i)及び/又はステップ(a)で用意されたコーヒー抽出物は、液体形態(例えば、水様のコーヒー抽出物)である。別の実施形態において、ステップ(ii)及び/又はステップ(b)は、上記熱間抽出の後に行われる。
一実施形態において、ステップ(i)及び/又はステップ(a)で用意されたコーヒー抽出物は、グリーンコーヒー豆、焙煎コーヒー豆又はそれらの混合物の抽出物である。
熱沈殿物は、一般に高分子量の化合物である。したがって、ステップ(ii)で単離された表面活性画分は、好ましくは遠心分離又は濾過によって単離されてもよい。
コーヒー抽出物から単離された画分(表面活性画分)は、表面活性画分の発泡補助(foam aiding)作用に寄与するポリフェノール及び窒素化合物を含むことが好ましい。したがって、一実施形態において、上記の表面活性画分は、ポリフェノール及び窒素化合物の群から独立して選択される少なくとも1種の化合物を含む。
高濃度の発泡補助物質、例えば、ポリフェノール及び窒素化合物を含む組成物を得るために表面活性画分を濃縮することが有利である場合もある。したがって、本発明の一実施形態では、発泡助剤を製造する方法は、上記の表面活性画分を濃縮するさらなるステップを含む。したがって、好適な実施形態において、ポリフェノール及び窒素化合物の群から独立して選択される上記少なくとも1種の化合物の上記発泡助剤における濃度は、本発明の発泡助剤を製造する方法のステップ(i)で用意された上記のコーヒー抽出物における上記化合物の濃度より高い。一実施形態において、濃縮された後の単離された表面活性画分中のポリフェノール及び窒素化合物の濃度は、コーヒー抽出物中の上記化合物の濃度と比較して少なくとも2倍高い。別の実施形態において、濃縮された後の単離された表面活性画分中のポリフェノール及び窒素化合物の濃度は、ポリフェノール及び窒素化合物が得られたコーヒー抽出物中のポリフェノール及び窒素化合物の濃度より少なくとも10倍高い、例えば、少なくとも20倍高い、少なくとも50倍高い、例えば、少なくとも100倍高いなど少なくとも5倍高い。
本発明の好適な一実施形態において、表面活性画分が、メイラード、及び遊離コーヒー酸又はクロロゲン酸のコーヒー酸部分から得られた少なくとも2つの4−ビニルカテコール単量体の自動酸化重合によって得られ得るポリフェノール化合物を含む組成物である。
好適な別の実施形態において、上記の表面活性画分は、少なくとも1種のポリヒドロキシル化フェニルインダンを含む組成物である。一実施形態において、上記の表面活性画分は、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブタン、トランス−1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブテン、5,6−ジヒドロキシ−2−カルボキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、トランス−4,5−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−4,5−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−[3’,4’−ジヒドロキシ−5’−(1−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル)フェニル]インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−[3’,4’−ジヒドロキシ−5’−(1−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル)フェニル]インダン及び5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−2−[1−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル]−3−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)インダンからなるリストから選択される少なくとも1種の多ヒドロキシル化されたフェニルインダンを含む組成物である。
好適な一実施形態において、上記の表面活性画分は、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン及びトランス−1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブテンを含む組成物である。好適な別の実施形態において、上記の表面活性画分は、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン及びシス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダンを含む組成物である。
発泡助剤を製造する方法の好適な一実施形態において、表面活性画分は、メイラード及び自動酸化反応によって得られた上記の抽出物のタンパク質、アミノ酸、糖及びクロロゲン酸由来の褐色になった高分子量の窒素化合物を含む組成物である。
別の好適な実施形態において、表面活性画分の窒素化合物はメラノイジンである。好適な一実施形態において、表面活性画分は、少なくとも5%の炭水化物、5%の遊離クロロゲン酸、25%の遊離アミノ酸及び75%の褐色になった高分子量のメラノイジンを含む。
本発明者らは、単離された表面活性画分の発泡補助作用は、表面活性画分をアルカリにより処理することによって改善できることを発見した。したがって、好適な実施形態において、本発明の発泡助剤を製造する方法は、上記の表面活性画分をアルカリにより処理するさらなるステップを含む。アルカリは、水酸化カリウムであることが好ましい。
コーヒー抽出物由来の発泡助剤及びその使用。
本発明者らは、コーヒー抽出物から単離された表面活性画分(例えば、本明細書に記載されるような熱沈殿物の形態)は、表面活性特性をもち、発泡助剤として、例えば、コーヒー飲料などの飲料に使用できることを発見した。
したがって、本発明の別の態様は、本明細書に記載されるとおりの発泡助剤を製造する方法から得られ得る発泡助剤に関する。
本発泡助剤は、発泡助剤のさらなる使用に適合するようさまざまな形態で提供されてもよい。本発明の一実施形態では、発泡助剤は液体形態である。別の実施形態において、発泡助剤は、粉又は顆粒などの乾燥形態である。
本発明の別の態様は、コーヒー抽出物から単離された表面活性画分の発泡助剤としての使用に関する。一実施形態において、表面活性画分は、発泡助剤を製造することに関する本発明の方法によって得られ得る表面活性画分である。したがって、一実施形態において、表面活性画分は、発泡助剤を製造する方法について本明細書中で言及されるとおりの物理学的/化学的特徴を有する。
別の実施形態において、表面活性画分は、発泡助剤として飲料に使用される。飲料は、ビール又はコーヒーなどの発泡することが望ましいさまざまな形態であってもよい。好適な実施形態において、本発明の表面活性画分は、発泡助剤としてコーヒー製品、好ましくは、インスタントコーヒー製品に使用される。
コーヒー抽出物を製造する方法。
本発明のさらに別の目的は、再溶解したときに改善された泡を有する改善されたコーヒー製品を製造する方法の提供に関する。
したがって、本発明の別の態様は、コーヒー製品を製造する方法であって、
(a)コーヒー抽出物を用意するステップと、
(b)本発明の発泡助剤をステップ(a)で用意された前記コーヒー抽出物に添加するステップと
を含む、方法を提供する。
本方法において、本発明の発泡助剤がコーヒー抽出物に添加されてもよい。しかしながら、好適なアプローチでは、本明細書に記載されるとおりの表面活性画分は、コーヒー製造方法の後の方の表面活性画分を発泡助剤として(再)導入するステップに先立ってコーヒー抽出物から除去される。
したがって、本発明の一実施形態では、表面活性画分が、ステップ(a)で用意されたコーヒー抽出物から除去された。この実施形態において言及される表面活性画分は、本発明の発泡助剤中に存在する化合物の組み合わせと同じ組み合わせを含む又は本質的に含むことが好ましい。
本発明によるコーヒー製品を製造する方法は、好ましくは、上記のコーヒー抽出物を濃縮するステップを少なくとも1つさらに含む。
熱沈殿物は、本方法に汚染をもたらす可能性があるため、コーヒー抽出物から除去されることが好適である。したがって、好適な実施形態において、上記の表面活性画分が、上記のコーヒー抽出物を濃縮する上記少なくとも1つのステップに先立ってステップ(a)で用意されたコーヒー抽出物から除去された。
好適な別の実施形態において、上記のコーヒー抽出物の濃縮の少なくとも1つのステップは、蒸発のステップである。一般に、コーヒー製品は、乾燥コーヒー製品、例えば、粉末又は顆粒の形態に乾燥される。脱水は、噴霧乾燥、フリーズドライ又は熱蒸発などの当業者に周知の手段を使用して行われてもよい。コーヒー製品は、水分含有量が6%(重量%)又はそれより低く、例えば、5%(重量%)又はそれより低く、好ましくは、4%(重量%)又はそれより低いコーヒー製品を得るために乾燥されるのが好ましい。
本発明の発泡助剤の形態の表面活性画分は、言及されるとおりのコーヒー製品を製造する方法のステップ(b)、例えば、コーヒー抽出物が高濃度の濃縮溶液の形態である段階(例えば、蒸発によるコーヒー抽出物の濃縮後及び例えば、噴霧乾燥又はフリーズドライによる最終的な乾燥の前)において(再)導入される。記述のとおり、例えば、熱沈殿物の形態の表面活性画分は、方法の早い段階、好ましくは、コーヒー抽出物の濃縮の前にコーヒー抽出物から除去されたことが好適であるが、必須ではない。
本発泡助剤は、コーヒー製造方法のさまざまな段階で導入されてもよいが、コーヒー抽出物の濃縮後に導入されるのが好ましい。
したがって、一実施形態において、本発泡助剤は、上記のコーヒー抽出物の乾燥に先立って添加される。第2の実施形態において、上記の発泡助剤は、例えば、発泡助剤をコーヒー粉末/顆粒又は最終的なコーヒー液体濃縮物に添加することによって上記のコーヒー抽出物の乾燥後に添加される。
導入された発泡助剤は、発泡助剤が使用されるのと同じコーヒー抽出物から作られてもよい(したがって、真のアドバック(add−back))。代替的に及び一般に、発泡助剤は、あらかじめ1つのバッチのコーヒー抽出物から調製され、コーヒー製品の調製に使用される。したがって、後者の場合では、発泡助剤は、発泡助剤が導入されるのと同じコーヒー抽出物からは(少なくとも完全には)作られない。
本発明の方法は、さまざまな種類のコーヒー製品の製造に適用することができる。一実施形態において、上記のコーヒー製品は可溶性コーヒー製品である。別の実施形態において、上記のコーヒー製品は、水溶性の粉末又は顆粒の形態である。さらに別の実施形態において、上記のコーヒー製品は、コーヒー濃縮物などの液体形態である。
本発明の一実施形態は、コーヒー製品を製造する方法であって、前記コーヒー製品が、インスタントコーヒー、インスタントエスプレッソコーヒー、液体コーヒー濃縮物、コーヒーミックス、コーヒー混合物、カプセル入り又はカプセルなしの焙煎され挽かれたコーヒー、焙煎され挽かれたコーヒー及びインスタントコーヒーのミックス並びにそのまま飲めるコーヒー飲料からなるリストから選択されるコーヒー製品である、方法に関する。
コーヒー抽出物
本発明は、本発明の方法によって得られたコーヒー製品をさらに提供する。したがって、本発明の一態様は、本発明の方法(コーヒー製造方法)によって得られたコーヒー製品に関する。
本発明のコーヒー製品は、可溶性コーヒー製品の形態で提供されてもよい。本発明のコーヒー製品は、水溶性の粉末又は顆粒の形態であってもよい。本発明のコーヒー製品は、コーヒー濃縮物などの液体形態であってもよい。一実施形態において、コーヒー製品は、インスタントコーヒー、インスタントエスプレッソコーヒー、液体コーヒー濃縮物、コーヒーミックス、コーヒー混合物、カプセル入り又はカプセルなしの焙煎され挽かれたコーヒー、焙煎され挽かれたコーヒー及びインスタントコーヒーのミックス並びにそのまま飲めるコーヒー飲料からなるリストから選択されるコーヒー製品である。
本明細書に記載される調製のすべてについて、結果として生じるコーヒー製品(本方法の最終製品)は、香料、牛乳、クリーマー、チコリ、穀類及び砂糖などの1種又は複数の他の原材料と組み合わせて使用されてもよい。
本発明のコーヒー製品は、一般に瓶、缶、袋又はカプセルなどの容器に詰められる。したがって、本発明のさらに別の態様は、本発明のコーヒー製品を含む容器を提供することである。容器は、中身の用途及び性質に応じてさまざまな形態が可能である。一実施形態において、容器はカプセルである。
本発明の態様のうちの1つの文脈において記載される実施形態及び特徴は、本発明のその他の態様にも当てはまることに注意すべきである。
本出願において挙げられた特許及び非特許参考文献のすべては、その全体を参照により本明細書に組み込んだものとする。
ここで、本発明を以下の非限定例においてさらに詳細に記載する。
本研究の目的は、事前に熱沈殿物の除去を行った又は行っていない試験を比較することにより可溶性コーヒーの発泡性に対する熱沈殿物の影響を評価することであった。最適化した処理の実施(すなわち、熱沈殿物の除去)及び製品の発泡性(すなわち、熱沈殿物アドバック)を組み合わせるために、種々の沈殿物除去/アドバック手順についても調査した。本研究はこれらのさまざまな試験の発泡性能について比較する。
したがって、熱沈殿物除去を行って/行わずに、濃縮した抽出物への熱沈殿物の再導入を行って/行わずに予備試験を行った。試験の1つでは、熱沈殿物の再導入に先立って、熱沈殿物を水酸化カリウム(KOH)で可溶化した。濃縮した抽出物をさらに乾燥した。粉末の発泡性能について評価した。泡測定装置(FMD)(自己発泡)、KOMO(起泡性)及び糖試験(泡粘度)を使用して発泡性を評価した。短時間(BPA)及び長時間(トラッカー(Tracker))表面活性特性を評価した。
最大170℃の抽出温度が関与する可溶性コーヒーを生産する技術分野における周知の方法により、焙煎され挽かれたコーヒー豆の抽出によって可溶性コーヒーを生成した。沈殿物除去に関する実験では、抽出後にコーヒー抽出物を遠心分離することによって沈殿物を除去した。このコーヒー抽出物を、可溶性コーヒーを生産する技術分野における周知の方法により蒸発によって濃縮した。沈殿物を添加した実験では、蒸発後及び乾燥前に濃縮した抽出物に沈殿物を添加した。国際公開第2009/040249号に開示されている方法を使用して、溶解時にクレマをもたらすことができる多孔質粉末を生成するために噴霧の前にガスを注入し、濃縮した抽出物を噴霧乾燥によって乾燥した。
可溶性粉末の発泡性能に対する熱沈殿物の影響を評価するために、一連の4つの試験を行った。試験は以下から構成されるものとした:
1.遠心分離を含むコーヒー製造方法(標準)、(試験参照記号aと称する);
2.遠心分離を含まないコーヒー製造方法(参照)、(試験参照記号bと称する);
3.遠心分離及び沈殿物アドバックを含むコーヒー製造方法(+沈殿物)、(試験参照記号cと称する);
4.遠心分離及び可溶化された沈殿物アドバックを含むコーヒー製造方法(+KOH沈殿物)、(試験参照記号dと称する)。
試験条件:
沈殿物の取り扱い−参照試験を除いて、熱沈殿物を遠心分離によって回収した。
沈殿物の再導入−ガス注入の前に、熱沈殿物(89.6Kg、TC 20%)を濃厚な抽出物(TC 57%)にバッチ式で添加し、熱沈殿物が乾燥した最終粉末の約14%(重量%)を占めた。
沈殿物の可溶化−タンク中で9kgの食品グレードのKOH(約9%)を87.8kgの熱沈殿物(TC 20%)に添加した。pHが8に安定するまで、混合物を機械的に約15分間撹拌した。得られた混合物を、記載されるとおり濃厚な抽出物に再導入した。乾燥最終粉末に対する13.5%の乾燥沈殿物及び0.2%のカリウムの添加に相当する。
泡の特性の評価
以下のとおり発泡性を評価した。
泡測定装置(FMD)分析−粉末の自己発泡性を測定した:粉末を2.5% TC及び85℃で再溶解した。5秒、30秒及び300秒の時点で泡の体積を測定した。
KOMO分析−抽出物の起泡性を測定した:75℃のミリQ(MilliQ)水にインスタント粉末を溶解することによって、コーヒー抽出物(すなわち0.1〜2%)を調製し;84mLのコーヒー抽出物をKOMO機械において泡立て、泡立った液体をメスシリンダーに回収した。泡の体積を30秒毎に最大3分記録した。最初の泡の体積及び泡の消滅速度を、対数モデルを使用した泡の体積の曲線から推定した。
実施例1−粉末の多孔度
実施例1で生成された粉末の粉末多孔度の分析から、熱沈殿物を含む粉末の場合に、粉末多孔度がより高い、すなわち、a(59.4%)に対してd(61.2%)、c(64.8%)、b(66.1%)であることが明らかになった。熱沈殿物が表面活性化合物の量を増加させ、それによりさらに効率的に粉末内に窒素ガスを捕捉し、保持することが可能となった可能性が最も高い。
実施例2−自己発泡性(図1)
実施例1で生成された粉末の自己発泡性を、2.0% TC、85℃で再溶解した抽出物についてFMDにより測定した。その測定した値を、2.5% TCの抽出物に関してさらに修正した(図1)。自己発泡性の分析から、沈殿物が遠心分離によって除去され、沈殿物がアドバックされなかった場合に、泡の体積が最も少なかった(すなわち、aの8.4mLの泡)ことが明らかになった。沈殿物が遠心分離によって除去され、高濃度の濃縮溶液に沈殿物がさらに再導入された場合に、泡の体積が最も多いことがわかった(すなわち、dの10.3〜10.6mLの泡)。遠心分離されなかった抽出物については中間の体積だった(すなわち、bの9.1mLの泡)。
結論として、熱沈殿物は、泡の界面の形成にプラスに寄与し、効果的に窒素を捕捉し、泡の体積を増加させることができる。
実施例3−クレマの見た目及び粘度(図1)。
泡の体積、安定性及び見た目の分析から、熱沈殿物を含む試験の粉末は、カップの表面により多くの泡の体積をもたらすことが明らかになった(すなわち、a(8.4mL)に対してd(10.6mL)、c(10.3mL)、b(9.1mL))。最初に遠心分離によって沈殿物を除去し、その後、沈殿物を高濃度の濃縮溶液にアドバックした試験(すなわち、a、b)の場合に、泡がより持続した。水酸化カリウムで可溶化した場合(すなわちb)、色は濃くなったが、泡が細かく均質でより粘性があった。
実施例4−コーヒー抽出物の消失速度(図2)。
KOMO機械を使用して泡立てること(高エネルギー入力)によって再溶解した抽出物の起泡性を評価した。泡の分析から、参照用コーヒー(すなわち、aの30mL)の泡の体積が最も多かったことが明らかになった。ただし、参照用コーヒーは、泡の消失速度も最も速かった(すなわち、1.3mL/分)。粉末中に熱沈殿物が存在すると(すなわち、d、c、b)、泡の体積が減少するが(すなわち、23〜24mL)、泡の安定性が改善され(すなわち、1.1〜1.3mL/分)、すなわち、消失が低減される(図2参照)。結論として、熱沈殿物は泡の安定性を改善する。
実施例5−表面張力
再溶解した粉末の表面張力を、短い時間スケール及び平衡において測定した。短い時間スケールにおいて、bを除くすべての生成物が、表面活性材料の急速な吸着に関しておおよそ同じ動態を示している。b試験は、予想外に遅い吸着の動態を示している。平衡において、すべての抽出物が同様に挙動し、界面で起こる分子の再構成プロセスが完了したことを示す。
結論として、熱沈殿物は、界面に易に吸着する能力をもつ表面活性化合物を含む。試験d及びcの多孔度がより高く、泡の体積がより多いことからわかるように、界面において熱沈殿物を再構成させるためのある程度の時間がとられると、気泡を効率的に封入し、安定化することができる。しかしながら、泡立て試験(すなわち、高エネルギー入力、短時間)のとおり、もっと瞬間的な泡形成に対する沈殿物の添加の利益は観察されていない。結果として生じるクレマはわずかに色が濃くなるが、熱沈殿物の可溶化(d)により泡の均質性及び見た目が改善される。消失速度が低下することにより、長く持続するクレマが生じる。最後に、クレマの粘度が高まり飲んだときの口あたりがさらに良くなる。

Claims (15)

  1. 発泡助剤を製造する方法であって、
    (i)コーヒー抽出物を用意するステップと、
    (ii)前記抽出物の表面活性画分を単離して発泡助剤を得るステップと
    を含む、方法。
  2. 前記表面活性画分が、ポリフェノール及び窒素化合物の群から独立して選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記表面活性画分が、メイラード、及び遊離コーヒー酸又はクロロゲン酸のコーヒー酸部分から得られた少なくとも2つの4−ビニルカテコール単量体の自動酸化重合によって得られ得るポリフェノール化合物を含む組成物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記表面活性画分が、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブタン、トランス−1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブテン、5,6−ジヒドロキシ−2−カルボキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、トランス−4,5−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−4,5−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−[3’,4’−ジヒドロキシ−5’−(1−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル)フェニル]インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−[3’,4’−ジヒドロキシ−5’−(1−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル)フェニル]インダン及び5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−2−[1−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)−1−エチル]−3−(3’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)インダンからなるリストから選択される少なくとも1種の多ヒドロキシル化されたフェニルインダンを含む組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記表面活性画分が、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン、シス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン及びトランス−1,3−ビス(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)ブテンを含む組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記表面活性画分が、トランス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダン及びシス−5,6−ジヒドロキシ−1−メチル−3−(3’−4’−ジヒドロキシフェニル)インダンを含む組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記表面活性画分をアルカリにより処理するステップをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法から得られ得る発泡助剤。
  9. コーヒー抽出物から単離された表面活性画分の、発泡助剤としての使用であって、表面活性画分が請求項1〜8のいずれか一項において定義されるとおりである、使用。
  10. 前記表面活性画分が発泡助剤として、コーヒー製品などの飲料に使用される、請求項9に記載の使用。
  11. (a)コーヒー抽出物を用意するステップと、
    (b)請求項1〜8のいずれか一項に記載の発泡助剤を、ステップ(a)で用意された前記コーヒー抽出物に添加するステップと
    を含む、コーヒー製品を製造する方法。
  12. 表面活性画分が、ステップ(a)で用意された前記コーヒー抽出物から除去されている、請求項11に記載のコーヒー製品を製造する方法。
  13. 前記コーヒー抽出物を濃縮するステップを少なくとも1つさらに含み、前記表面活性画分が、前記コーヒー抽出物を濃縮する少なくとも1つの前記ステップに先立って、ステップ(a)で用意された前記コーヒー抽出物から除去されている、請求項11又は12に記載のコーヒー製品を製造する方法。
  14. 前記コーヒー製品が、インスタントコーヒー、インスタントエスプレッソコーヒー、液体コーヒー濃縮物、コーヒーミックス、コーヒー混合物、カプセル入り又はカプセルなしの焙煎され挽かれたコーヒー、焙煎され挽かれたコーヒー及びインスタントコーヒーのミックス並びにそのまま飲めるコーヒー飲料からなるリストから選択されるコーヒー製品である、請求項11〜13のいずれか一項に記載のコーヒー製品を製造する方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法によって得られたコーヒー製品。
JP2015550062A 2012-12-28 2013-12-23 発泡助剤の製造方法及びその使用 Active JP6584957B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP12199585 2012-12-28
EP12199585.6 2012-12-28
PCT/EP2013/077883 WO2014102231A1 (en) 2012-12-28 2013-12-23 Process of preparing a foaming aid and uses thereof

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019104727A Division JP2019162146A (ja) 2012-12-28 2019-06-04 発泡助剤の製造方法及びその使用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016502860A true JP2016502860A (ja) 2016-02-01
JP6584957B2 JP6584957B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=47559195

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015550062A Active JP6584957B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-23 発泡助剤の製造方法及びその使用
JP2019104727A Pending JP2019162146A (ja) 2012-12-28 2019-06-04 発泡助剤の製造方法及びその使用

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019104727A Pending JP2019162146A (ja) 2012-12-28 2019-06-04 発泡助剤の製造方法及びその使用

Country Status (14)

Country Link
US (1) US11147286B2 (ja)
EP (1) EP2938202B2 (ja)
JP (2) JP6584957B2 (ja)
CN (1) CN104883896B (ja)
AU (1) AU2013369357B2 (ja)
ES (1) ES2733504T5 (ja)
FI (1) FI2938202T4 (ja)
HU (1) HUE044729T2 (ja)
MX (1) MX2015008303A (ja)
PH (1) PH12015501462A1 (ja)
PL (1) PL2938202T5 (ja)
RU (1) RU2653759C2 (ja)
TR (1) TR201909877T4 (ja)
WO (1) WO2014102231A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105851246B (zh) * 2016-03-27 2021-03-09 上海海融食品科技股份有限公司 一种咖啡奶油的制备方法
US11566999B2 (en) 2018-04-24 2023-01-31 Union College Spectral analysis of gasses emitted during roasting food

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1073738A (en) * 1963-10-26 1967-06-28 Walter Josef Mach A method of producing instant coffee
JP2000210022A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Illycaffe Spa 高起泡性のコ―ヒ―画分およびその製造方法
JP2007297628A (ja) * 2006-05-04 2007-11-15 Kraft Foods Holdings Inc コーヒーから誘導される界面活性剤
JP2008500440A (ja) * 2004-05-24 2008-01-10 ネステク ソシエテ アノニム コーヒーからのアラビノガラクタンの単離
JP2008543336A (ja) * 2005-06-20 2008-12-04 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 食料及び飲料製品に使用するための苦味化合物の単離方法
WO2012069359A1 (en) * 2010-11-23 2012-05-31 Nestec S.A. Products with improved foaming properties

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3644122A (en) * 1969-09-25 1972-02-22 Gen Foods Corp Alkaline treatment of coffee
CH681680A5 (ja) 1991-01-17 1993-05-14 Nestle Sa
US5882717A (en) * 1996-10-30 1999-03-16 Kraft Foods, Inc. Soluble espresso coffee
EP1074181A1 (en) * 1999-08-03 2001-02-07 Societe Des Produits Nestle S.A. Foaming creamer ingredient and powders containing it
US7713565B2 (en) 2004-08-17 2010-05-11 Kraft Foods Holdings, Inc. Method of preparing a foaming soluble coffee powder
US20060088627A1 (en) * 2004-10-25 2006-04-27 Sensient Flavors Inc. Methods for the production of food grade extracts
EP2194795B2 (en) * 2007-09-28 2022-03-02 Société des Produits Nestlé S.A. Instant drink powder
GB2458450B (en) 2008-03-12 2012-08-29 Krafts Food R & D Inc Foaming coffee composition
CN102119328B (zh) 2008-08-07 2013-01-23 凯德易株式会社 检查系统
GB0921826D0 (en) 2009-12-14 2010-01-27 Kraft Foods R & D Inc Coffee treatment method
GB2486487B (en) * 2010-12-16 2015-09-02 Kraft Foods R & D Inc Instant coffee

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1073738A (en) * 1963-10-26 1967-06-28 Walter Josef Mach A method of producing instant coffee
JP2000210022A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 Illycaffe Spa 高起泡性のコ―ヒ―画分およびその製造方法
JP2008500440A (ja) * 2004-05-24 2008-01-10 ネステク ソシエテ アノニム コーヒーからのアラビノガラクタンの単離
JP2008543336A (ja) * 2005-06-20 2008-12-04 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 食料及び飲料製品に使用するための苦味化合物の単離方法
JP2007297628A (ja) * 2006-05-04 2007-11-15 Kraft Foods Holdings Inc コーヒーから誘導される界面活性剤
WO2012069359A1 (en) * 2010-11-23 2012-05-31 Nestec S.A. Products with improved foaming properties

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FOOD BIOPHYSICS (2011) VOL.6, PP.335-348, JPN6017042186 *
J. AGRIC. FOOD CHEM. (2004) VOL.52, PP.7118-7125, JPN6017042182 *
J. AGRIC. FOOD CHEM. (2010) VOL.58, PP.3720-3728, JPN6017042180 *

Also Published As

Publication number Publication date
ES2733504T5 (es) 2023-03-16
RU2653759C2 (ru) 2018-05-14
PL2938202T5 (pl) 2023-03-27
AU2013369357B2 (en) 2017-03-30
RU2015131077A (ru) 2017-02-02
EP2938202B2 (en) 2022-11-09
HUE044729T2 (hu) 2019-11-28
TR201909877T4 (tr) 2019-07-22
CN104883896B (zh) 2019-06-21
FI2938202T4 (fi) 2023-02-09
EP2938202A1 (en) 2015-11-04
AU2013369357A1 (en) 2015-07-02
US11147286B2 (en) 2021-10-19
CN104883896A (zh) 2015-09-02
EP2938202B1 (en) 2019-05-22
PH12015501462B1 (en) 2015-09-21
PH12015501462A1 (en) 2015-09-21
JP6584957B2 (ja) 2019-10-02
ES2733504T3 (es) 2019-11-29
WO2014102231A1 (en) 2014-07-03
MX2015008303A (es) 2015-10-14
PL2938202T3 (pl) 2019-11-29
JP2019162146A (ja) 2019-09-26
US20150320071A1 (en) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2651237B1 (en) Instant coffee
KR101462268B1 (ko) 인스턴트 동결건조 커피와 갓 뽑은 커피의 맛과 향을 갖는 레귤러 로스팅 미분쇄 커피로 조성되는 커피 조성물 및 이의 제조 방법
AU2014266923B2 (en) Coffee product
MX2013009790A (es) Producto de cafe.
JP2019162146A (ja) 発泡助剤の製造方法及びその使用
AU2023200816A1 (en) Beverage composition useful in beverage capsules
WO2023198841A1 (en) Coffee beverage
RU2648367C2 (ru) Пенообразующее средство и способ его приготовления
CN116941699A (zh) 咖啡饮料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190604

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190614

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6584957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250