JP2016501544A - キラルアミンを合成するための操作された生体触媒および方法 - Google Patents

キラルアミンを合成するための操作された生体触媒および方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、アミンを生成するための操作されたトランスアミナーゼポリペプチド、それらの操作されたトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチド、それらの操作されたトランスアミナーゼを発現することができる宿主細胞、およびそれらの操作されたトランスアミナーゼを使用して、有効な医薬品の生成において有用な化合物を調製する方法を提供する。本開示のトランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドは、Vibrio fluvialisの野生型トランスアミナーゼと比較して高い溶媒安定性および熱安定性を有する以前に操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(配列番号2のアミノ酸配列)と比べて、1つ以上の残基差異を有するように操作されている。

Description

この出願は、2012年12月21日に出願された同時係属の米国仮出願連続番号61/745,219(これは、全ての目的のためにその全体が援用される)に対する優先権を主張する。
1.技術分野
本開示は、トランスアミナーゼ生体触媒、およびキラルアミンを調製するためにこの生体触媒を使用するプロセスに関する。
2.配列表、表またはコンピュータプログラムに対する言及
配列表の公式の写しは、「CX2−126USP1_ST25.txt」というファイル名、2012年12月21日という作成日および606,099キロバイトというサイズを有するASCII形式のテキストファイルとしてEFS−Webを介して本明細書と同時に提出される。EFS−Webを介して出願される配列表は、本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書中に援用される。
3.背景
トランスアミナーゼ(E.C.2.6.1)は、スキーム1に示されるように、アミノドナー基質の第1級アミンからアミノアクセプター分子のカルボニル基へのアミノ基、電子対およびプロトンの転移を触媒する。
アミノアクセプター化合物(I)(所望のキラルアミン生成物(III)の前駆体である)は、アミノドナー化合物(II)と反応される。トランスアミナーゼは、アミノドナー(II)のアミン基がアミノアクセプター(I)のケト基に転移するのを触媒する。この反応により、所望のキラルアミン生成物化合物(III)、および副産物として、ケトン基を有する新しいアミノアクセプター化合物(IV)が生じる。
スキーム1の反応を触媒する能力を有する野生型トランスアミナーゼは、様々な微生物から単離されており、それらの微生物としては、Alcaligenes denitrificans、Bordetella bronchiseptica、Bordetella parapertussis、Brucella melitensis、Burkholderia malle、Burkholderia pseudomallei、Chromobacterium violaceum、Oceanicola granulosus HTCC2516、Oceanobacter sp.RED65、Oceanospirillum sp.MED92、Pseudomonas putida、Ralstonia solanacearum、Rhizobium meliloti、Rhizobium sp.(NGR234株)、Bacillus thuringensis、Klebsiella pneumoniaおよびVibrio fluvialisが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Shinら、2001,Biosci.Biotechnol,Biochem.65:1782−1788を参照のこと)。これらの野生型トランスアミナーゼ遺伝子およびコードされるポリペプチドのいくつかは、配列決定されており、それらとしては、例えば、Ralstonia solanacearum(Genbankアクセッション番号YP_002257813.1,GI:207739420)、Burkholderia pseudomallei 1710b(Genbankアクセッション番号ABA47738.1,GI:76578263)、Bordetella petrii(Genbankアクセッション番号AM902716.1,GI:163258032)およびVibrio fluvialis(Genbankアクセッション番号AEA39183.1,GI:327207066)が挙げられる。クラスEC2.6.1.18およびEC2.6.1−19の2つの野生型トランスアミナーゼが、結晶化され、構造が特徴付けられた(例えば、Yonahaら、1983,Agric.Biol.Chem.47(10):2257−2265を参照のこと)。
Vibrio fluvialis JS17由来の野生型トランスアミナーゼは、スキーム2の反応を触媒する補助因子としてピリドキサール−5’−リン酸を使用するω−アミノ酸:ピルビン酸トランスアミナーゼ(E.C.2.6.1.18)である。
Vibrio fluvialis由来のこの野生型トランスアミナーゼは、カルボキシル基を有しない脂肪族アミノドナーに対しても触媒活性を示すと報告された。
キラルアミン化合物は、セファロスポリン誘導体またはピロリジン誘導体などの様々な医薬品を調製するための中間体またはシントンとして、製薬産業、農薬産業および化学産業において頻繁に使用される。キラルアミン化合物のこれらの多数の産業上の適用では、ただ1つの特定の光学活性型を使用することが必要とされ、例えば、(R)または(S)エナンチオマーだけが、生理的に活性である。トランスアミナーゼは、アミノ酸の鏡像異性体濃縮などにおける、光学的に純粋なキラルアミン化合物の立体選択的な合成のための潜在的な工業的用途を有する(例えば、Shinら、2001,Biosci.Biotechnol.Biochem.65:1782−1788;Iwasakiら、2003,Biotech.Lett.25:1843−1846;Iwasakiら、2004,Appl.Microb.Biotech.69:499−505,Yunら、2004,Appl.Environ.Microbiol.70:2529−2534;およびHwangら、2004,Enzyme Microbiol.Technol.34:429−426を参照のこと)。
トランスアミナーゼの用途の他の例としては、プレガバリンの中間体および前駆体の調製(例えば、WO2008/127646);シクロパミンアナログの酵素的アミノ基転移(例えば、WO2011/017551);β−アミノ酸の立体特異的合成および鏡像異性体濃縮(例えば、WO2005/005633);アミンの鏡像異性体濃縮(例えば、米国特許第4,950,606号;米国特許第5,300,437号;および米国特許第5,169,780号);ならびにアミノ酸および誘導体の生成(例えば、米国特許第5,316,943号;米国特許第4,518,692号;米国特許第4,826,766号;米国特許第6,197,558号;および米国特許第4,600,692号)が挙げられる。
しかしながら、キラルアミン化合物を調製するための反応を触媒するために使用されるトランスアミナーゼは、工業的に有用なプロセス条件(例えば、溶媒、温度)に対する不安定性および限られた基質認識などの、商業的適用にとって望ましくない特性を有し得る。したがって、光学活性型のキラルアミン化合物を調製するための工業プロセスにおいて使用できる他のタイプのトランスアミナーゼ生体触媒が必要とされている。
国際公開第2008/127646号 国際公開第2011/017551号 国際公開第2005/005633号
Shinら、Biosci.Biotechnol,Biochem.(2001)65:1782〜1788 Yonahaら、Agric.Biol.Chem.(1983)47(10):2257〜2265
4.要旨
本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチド、それらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、それらのポリペプチドを作製する方法、およびケトン基質からアミン生成物への生体触媒による変換にそれらのポリペプチドを使用する方法を提供する。本開示のトランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドは、Vibrio fluvialisの野生型トランスアミナーゼと比較して高い溶媒安定性および熱安定性を有する以前に操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(配列番号2のアミノ酸配列)と比べて、1つ以上の残基差異を有するように操作されている。それらのアミノ残基差異は、とりわけ、活性、立体選択性、安定性、発現および製品公差(product tolerance)を含む、様々な酵素特性に影響する残基位置に配置されている。特に、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム3に示されるような、化合物(2)の例示的な大きなシクロパミンアナログケトン化合物から、化合物(1)の対応するキラルアミン生成物化合物への効率的な変換のために操作されている。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの進化した構造的特徴は、スキーム4に示されるような、式(II)の一連の大きなケトン基質化合物(化合物(2)以外)(例えば、シクロパミンアナログ、ベラトラミンアナログおよびステロイドアナログ)から式(I)の対応するキラルアミン生成物化合物への変換も可能にする。
式中、上記化合物の環A〜Dは、以下のとおり置換され得る:
環Aは、2位と3位との間および/もしくは5位と6位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または2、3、4、5および6位においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Bは、5位と10位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または9位および10位のうちの1つ以上においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Cは、10位においてハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択される基で必要に応じて置換される、5または6員の炭素環(すなわち、m=0または1)であり;
環Dは、1、2もしくは3つの不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または以下のとおり:
14位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノ、および12位に架橋しているシクロプロピルから選択される基で;
15位または16位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから選択される基で、
必要に応じて独立して置換される、5、6または7員の炭素環(すなわち、n=0、1または2)である。
したがって、本明細書中に開示される操作されたポリペプチドは、とりわけ、式(II)のプロキラルな大きなケトン基質化合物から式(I)の対応するキラルアミン生成物化合物への変換において、高い活性、高い立体選択性、高い溶媒安定性および熱安定性ならびに高い製品公差を示す。
したがって、1つの態様において、本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドを提供し、ここで、その操作されたポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも80%の同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。いくつかの実施形態において、残基位置X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450における残基差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X34A、X56A、X88H、X107G、X113L、X147H、X153C、X155V、X233V、X315G、X316N、X383IおよびX450Sから選択される少なくとも1つ以上の残基差異を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、X31M、X57F/L、X86N/S、X153A、X233T、X323T、X383VおよびX417Tから選択される1つ以上の残基差異をさらに含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X34A、X56A、X57L、X86S、X88A;X153C、X155V、X163F、X315GおよびX417Tを含む残基差異の組み合わせを少なくとも含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、残基差異X316Nをさらに含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、残基差異X316N、ならびにX31M、X57F、X323T、X383I/T、X415HおよびX450Sから選択される1つ以上の残基差異をさらに含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、残基差異X34A、X56A、X57L、X86S、X88A;X153C、X155V、X163F、X315G、X316NおよびX417Tを含み、(a)X31M、X57F、X323TおよびX383V;(b)X31M、X57F、X107G、X113L、X233T、X415HおよびX450S;(c)X31M、X57F、X233V、X323T、X383I、X415HおよびX450S;ならびに(d)X31M、X57F、X147H、X323T、X383I、X415HおよびX450Sから選択される残基差異の組み合わせをさらに含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、操作されたポリペプチドは、配列番号4のポリペプチドと比べて、少なくとも1.2倍高い安定性を有し、ここで、そのアミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X34T、X107G、X113L、X147H、X155V、X233T/V、X323T、X383I/VおよびX450Sから選択される1つ以上の残基差異を含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、操作されたポリペプチドは、化合物(2)を化合物(1)に変換する際に、配列番号4のポリペプチドと比べて少なくとも1.2倍高い活性を有し、ここで、そのアミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X56A、X86S、X88H、X153C、X415HおよびX417Tから選択される1つ以上の残基差異を含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、操作されたポリペプチドは、化合物(2)を化合物(1)に変換する際に、配列番号4のポリペプチドと比べて高いエナンチオ選択性を有し、ここで、そのアミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X57F、X153CおよびX316Nから選択される1つ以上の残基差異を含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X18A、X19W、X21H、X31M、X34A、X53M、X56A/C、X57C/F/L、X73R、X86C/N/S/Y、X88H/Y、X107G、X113C/L/P、X146L、X147H/K/V、X153A/C/V、X155A/V、X163L、X165F、X171Q、X178W、X190K、X206K、X228G、X233T/V、X235P、X244T、X251V、X259V、X268A、X277A、X286C/H、X312N、X314N、X315G、X316A/C/F/N/S/T、X317L、X319N、X323T、X358K、X366H、X383C/F/I/L/M/T/V、X395P、X399A、X414I、X415A/G/H/L/V、X417T/V、X424A、X426R、X427Y、X434TおよびX450Sから選択される残基差異をさらに含む。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X9、X45、X177、X211、X294、X324およびX391位に残基差異を含まない。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置にさらなる残基差異を有し得る。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼは、配列番号2と比べて、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45または1〜50個のさらなる残基差異を有し得る。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45または50個のさらなる残基差異を有し得る。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24または25個の残基差異をさらに有する。
様々な残基差異の組み合わせを含む残基差異を組み込んでおり、かつ改善された特性(例えば、好適な反応条件下において少なくとも90%のジアステレオマー過剰率で化合物(2)を化合物(1)に変換することができる特性)を有する例示的な操作されたポリペプチドが、表2Aおよび2Bならびに実施例に開示される。そのアミノ酸配列は、配列表に提供されており、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204を含む。
別の態様において、本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにそのポリヌクレオチドを含む発現ベクター、および操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を提供する。例示的なポリヌクレオチド配列は、参照により本明細書中に援用される配列表に提供されており、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201および203を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを製造する方法も提供し、ここで、その方法は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞をそのポリペプチドの発現に適した条件下で培養する工程を含み得る。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを製造するための方法は、(a)配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有する、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを合成する工程(ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される);および(b)そのポリヌクレオチドによってコードされるトランスアミナーゼポリペプチドを発現させる工程も含み得る。上で述べたように、残基位置X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450における残基差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択され得る。詳細な説明においてさらに提供されるように、さらなるバリエーションが、上記ポリヌクレオチドの合成中に組み込まれることにより、発現されるアミノ酸配列に対応する差異を有する操作されたトランスアミナーゼが調製され得る。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの構造的特徴により、化合物(2)以外のプロキラルな大きなケトン基質化合物から対応するアミン生成物化合物への変換が、必要に応じて、別のキラルアミノ生成物に対して一方のキラルアミン生成物が立体異性体過剰(stereomeric excess)で、可能である。したがって、本開示の別の態様は、アミノドナー由来のアミノ基がアミノアクセプターに転移される反応を触媒するために、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用するプロセスであり、ここで、そのプロセスは、アミノドナー(例えば、イソプロピルアミン)の存在下の、アミノアクセプターからアミン化合物への変換に適した反応条件下において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをアミノアクセプター(例えば、ケトン基質化合物)と接触させる工程を含む。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)のアミン化合物
(式中、環A、B、CおよびDは、上で定義されたとおりであるが、
ただし、式(I)の化合物は、化合物(1)
ではない)を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(II)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDは、上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
式(I)のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、本開示は、式(Ia)の化合物
(式中、
環AおよびBは、以下
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合を含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIa)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ia)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
式(I)のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、本開示は、式(Ib)の化合物
(式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合または12位と14位との間に架橋シクロプロピルを含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIb)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ib)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
式(I)のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、本開示は、式(Ic)の化合物
(式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、芳香族であり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIc)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ic)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
式(I)のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、本開示は、式(Id)の化合物
(式中、
環Aは、2位と3位との間または5位と6位との間に不飽和C−C結合を含み;
およびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシおよびメチルから独立して選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IId)のケトン基質化合物
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(Id)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
本開示のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、上記トランスアミナーゼの立体選択性は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Id)のキラルアミン化合物のジアステレオマー過剰での調製を提供する。いくつかの実施形態において、そのプロセスは、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Id)のキラルアミン化合物の形成を、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えるというジアステレオマー過剰率でもたらす。
本明細書中に提供されるように、操作されたトランスアミナーゼを使用するプロセスは、とりわけ、一連のアミンドナー、pH、温度、緩衝剤、溶媒系、基質負荷(loading)、ポリペプチド負荷、補助因子負荷、圧力および反応時間を含む、一連の好適な反応条件下で行われ得る。
いくつかの実施形態において、上記アミノ基転移プロセスに適した反応条件は、(a)約5g/L〜200g/Lの基質負荷;(b)約0.1〜50g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.1〜4Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約6〜9のpH;および(f)約30〜60℃の温度を含み得る。
いくつかの実施形態において、上記アミノ基転移プロセスに適した反応条件は、(a)約10g/L〜150g/Lの基質負荷;(b)約0.5〜20g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.1〜3Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約0.05〜0.20MのTEA緩衝液;(f)約1%〜約45%のDMSO;(g)約6〜9のpH;および(h)約30〜65℃の温度を含み得る。
いくつかの実施形態において、上記アミノ基転移プロセスに適した反応条件は、(a)約20g/L〜100g/Lの基質負荷;(b)約1〜5g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.5〜2Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.2〜2g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約0.1MのTEA緩衝液;(f)約25%のDMSO;(e)約8のpH;および(f)約45〜60℃の温度を含み得る。
操作されたトランスアミナーゼの選択、生体触媒の調製、酵素基質の選択および上記プロセスを行うためのパラメータに関する指針は、以下の詳細な説明においてさらに説明される。
5.詳細な説明
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の対象物を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」に対する言及は、1つより多いポリペプチドを含む。
同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」および「含む(including)」は、相互交換可能であり、限定していると意図されていない。
様々な実施形態の説明が、用語「〜を含む」を使用する場合、当業者は、いくつかの具体的な場合において、ある実施形態が、語法「〜から本質的になる」または「〜からなる」を使用して代わりに説明され得ることを理解するだろうということがさらに理解されるべきである。
図面を含む前述の全般的な説明と以下の詳細な説明の両方が、例示的であって、単なる説明に過ぎず、本開示を限定するものでないことが理解されるべきである。
本明細書中で使用される項の見出しは、単に構成上の目的のものであって、説明される主題を限定すると解釈されるべきでない。
5.1 省略形
遺伝的にコードされるアミノ酸に対して使用される省略形は、従来のものであり、以下のとおりである:
3文字の省略形が使用されるとき、明確に「L」もしくは「D」が前に付かないか、またはその省略形が使用される文脈から明らかでない限り、アミノ酸は、α−炭素(Cα)に関してL−配置またはD−配置であり得る。例えば、「Ala」は、α−炭素に関する配置を明記せずにアラニンを指し示すのに対し、「D−Ala」および「L−Ala」は、それぞれD−アラニンおよびL−アラニンを指し示す。1文字省略形が使用されるとき、大文字は、α−炭素に関してL−配置のアミノ酸を指し示し、小文字は、α−炭素に関してD−配置のアミノ酸を指し示す。例えば、「A」は、L−アラニンを指し示し、「a」は、D−アラニンを指し示す。ポリペプチド配列が、一続きの1文字省略形または3文字省略形(またはそれらの混合物)で示されるとき、それらの配列は、通常の慣行に従ってアミノ(N)からカルボキシ(C)への方向で示される。
遺伝的にコードするヌクレオシドに対して使用される省略形は、従来のものであり、以下のとおりである:アデノシン(A);グアノシン(G);シチジン(C);チミジン(T);およびウリジン(U)。明確に描写されない限り、省略されたヌクレオチドは、リボヌクレオシドまたは2’−デオキシリボヌクレオシドであり得る。ヌクレオシドは、個別でまたは一括で、リボヌクレオシドまたは2’−デオキシリボヌクレオシドであると明記され得る。核酸配列が、一続きの1文字省略形として示されるとき、それらの配列は、通常の慣行に従って5’から3’への方向で示され、リン酸は示されない。
5.2 定義
本開示について言及するとき、本明細書中の説明において使用される専門用語および科学用語は、別段明確に定義されない限り、当業者が通常理解している意味を有する。したがって、以下の用語は、以下の意味を有するよう意図されている。
「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、脂質化、ミリストイル化(myristilation)、ユビキチン化など)に関係なく、アミド結合によって共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーのことを表すために本明細書中で交換可能に使用される。D−アミノ酸およびL−アミノ酸、ならびにD−アミノ酸とL−アミノ酸との混合物が、この定義に含まれる。
「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、互いに共有結合的に連結された2つ以上のヌクレオシドのことを指す。ポリヌクレオチドは、リボヌクレオシド(すなわち、RNA)をもっぱら含み得るか、2’−デオキシリボヌクレオチド(すなわち、DNA)をもっぱら含み得るか、またはリボヌクレオシドと2’−デオキシリボヌクレオシドとの混合物をもっぱら含み得る。ヌクレオシドは、代表的には、標準的なホスホジエステル結合を介して互いに連結されるが、ポリヌクレオチドは、1つ以上の非標準的な結合を含むことがある。ポリヌクレオチドは、一本鎖もしくは二本鎖であり得るか、または一本鎖領域と二本鎖領域の両方を含み得る。さらに、ポリヌクレオチドは、代表的には、天然に存在するコード核酸塩基(すなわち、アデニン、グアニン、ウラシル、チミンおよびシトシン)から構成されるが、1つ以上の改変された核酸塩基および/または合成の核酸塩基(例えば、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなど)を含むことがある。好ましくは、そのような改変された核酸塩基または合成の核酸塩基は、コード核酸塩基である。
「アミノトランスフェラーゼ」および「トランスアミナーゼ」は、第1級アミン由来のアミノ基(NH)をアクセプター分子のカルボニル基(C=O)に転移させる酵素的能力を有するポリペプチドのことを指すために本明細書中で交換可能に使用される。本明細書中で使用されるトランスアミナーゼには、天然に存在する(野生型)トランスアミナーゼ、ならびにヒトの操作によって作製された天然に存在しない操作されたポリペプチドが含まれる。
「アミノアクセプター」および「アミンアクセプター」、「ケト基質」、「ケト」および「ケトン」は、ドナーアミンからアミノ基を受け取るカルボニル(ケトまたはケトン)化合物のことを指すために本明細書中で交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、アミノアクセプターは、以下の一般式の分子
であり、ここで、RαおよびRβの各々は、独立して見なされるとき、非置換であり得るかまたは1つ以上の酵素的に許容され得る基で置換され得る、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。Rαは、構造またはキラリティがRβと同じであっても、異なってもよい。いくつかの実施形態において、RαおよびRβは、一体となって、非置換であるか、置換されるか、または他の環に融合される、環を形成し得る。アミノアクセプターには、ケトカルボン酸およびアルカノン(ケトン)が含まれる。代表的なケトカルボン酸は、α−ケトカルボン酸(例えば、グリオキサル酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸など)ならびにこれらの酸の塩である。アミノアクセプターには、他の酵素または細胞全体のプロセスによってアミノアクセプターに変換される物質、例えば、フマル酸(オキサロ酢酸に変換され得る)、グルコース(ピルベートに変換され得る)、ラクテート、マレイン酸なども含まれる。使用され得るアミノアクセプターとしては、例として、これらに限定されないが、3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン、1−フェニルブタン−2−オン、3,3−ジメチルブタン−2−オン、オクタン−2−オン、エチル3−オキソブタノエート、4−フェニルブタン−2−オン、1−(4−ブロモフェニル)エタノン、2−メチル−シクロヘキサノン(cyclohexamone)、7−メトキシ−2−テトラロン、1−ヒドロキシブタン−2−オン、ピルビン酸、アセトフェノン、3’−ヒドロキシアセトフェノン、2−メトキシ−5−フルオロアセトフェノン、レブリン酸、1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−オン、1−(4−ニトロフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニルプロパン−2−オン、2−オキソ−3−メチルブタン酸、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)プロパン−1−オン、ヒドロキシプロパノン、メトキシオキシプロパノン、1−フェニルブタン−1−オン、1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)ブタン−2−オン、1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−3−オン、2−アセチルナフタレン、フェニルピルビン酸、2−ケトグルタル酸および2−ケトコハク酸(可能であれば(R)と(S)の両方の単一の異性体を含む)が挙げられる。
「アミノドナー」または「アミンドナー」とは、アミノ基をアミノアクセプターに供与し、それにより、カルボニル種になるアミノ化合物のことを指す。いくつかの実施形態において、アミノドナーは、以下の一般式の分子
であり、ここで、RεおよびRδの各々は、独立して見なされるとき、非置換であるかまたは1つ以上の酵素的に阻害しない基で置換される、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。Rεは、構造またはキラリティがRδと同じであっても、異なってもよい。いくつかの実施形態において、RεおよびRδは、一体となって、非置換であるか、置換されるか、または他の環に融合される、環を形成し得る。使用され得る代表的なアミノドナーには、キラルアミノ酸およびアキラルアミノ酸ならびにキラルアミンおよびアキラルアミンが含まれる。使用され得るアミノドナーとしては、例として、これらに限定されないが、イソプロピルアミン(2−アミノプロパンとも称される)、α−フェネチルアミン(1−フェニルエタンアミンとも呼ばれる)およびそのエナンチオマー(S)−1−フェニルエタンアミンおよび(R)−1−フェニルエタンアミン、2−アミノ−4−フェニルブタン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸、グルタミン酸一ナトリウム、L−アラニン、D−アラニン、D,L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−リジン、D,L−オルニチン、β−アラニン、タウリン、n−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、1,4−ブタンジアミン(プトレッシンとも称される)、1,6−ヘキサンジアミン、6−アミノヘキサン酸、4−アミノ酪酸、チラミンおよびベンジルアミン、2−アミノブタン、2−アミノ−1−ブタノール、1−アミノ−1−フェニルエタン、1−アミノ−1−(2−メトキシ−5−フルオロフェニル)エタン、1−アミノ−1−フェニルプロパン、1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−アミノ−1−(4−ブロモフェニル)プロパン、1−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)プロパン、1−フェニル−2−アミノプロパン、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−アミノプロパン、2−アミノプロパノール、1−アミノ−l−フェニルブタン、1−フェニル−2−アミノブタン、1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−アミノブタン、1−フェニル−3−アミノブタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−アミノブタン、1−アミノ−2−メチルシクロペンタン、1−アミノ−3−メチルシクロペンタン、1−アミノ−2−メチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−(2−ナフチル)エタン、3−メチルシクロペンチルアミン、2−メチルシクロペンチルアミン、2−エチルシクロペンチルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、1−アミノテトラリン、2−アミノテトラリン、2−アミノ−5−メトキシテトラリンならびに1−アミノインダン(可能であれば(R)と(S)の両方の単一の異性体を含み、これらのアミンの可能なすべての塩を含む)が挙げられる。
「キラルアミン」とは、一般式Rα−CH(NH)−Rβのアミンのことを指し、本明細書中ではその最も広い意味で使用され、それは、水素原子に加えて、(i)キラルな環構造を形成する二価の基、または(ii)構造もしくはキラリティが互いと異なる2つの置換基(水素以外)を有する第2級炭素原子に結合された第1級アミノ基の存在によって特徴付けられる、異なる官能基タイプおよび混合された官能基タイプの多種多様の脂肪族化合物および脂環式化合物を含む。キラルな環構造を形成する二価の基としては、例えば、2−メチルブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,5−ジイル、2−メチルペンタン−1,5−ジイルが挙げられる。第2級炭素原子上の2つの異なる置換基(上記のRαおよびRβ)もまた、非常に様々であり得、それらには、アルキル、アラルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、シクロアルキル、カルボキシ、カルバルコキシ(carbalkoxy)、カルバモイル、モノ−およびジ−(低級アルキル)置換カルバモイル、トリフルオロメチル、フェニル、ニトロ、アミノ、モノ−およびジ−(低級アルキル)置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミドなど、ならびに前述のものによって置換されたアルキル、アラルキルまたはアリールが含まれる。
「ピリドキサール−リン酸」、「PLP」、「ピリドキサール−5’−リン酸」、「PYP」および「P5P」は、トランスアミナーゼ反応において補酵素として作用する化合物のことを指すために本明細書中で交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、ピリドキサールリン酸は、CAS番号[54−47−7]である構造1−(4’−ホルミル−3’−ヒドロキシ−2’−メチル−5’−ピリジル)メトキシホスホン酸によって定義される。ピリドキサール−5’−リン酸は、ピリドキソール(ビタミンBとしても知られる)のリン酸化および酸化によってインビボで生成され得る。トランスアミナーゼ酵素を使用するアミノ基転移反応において、アミノドナーのアミン基は、補酵素に転移されることにより、ケト副産物を生成する一方で、ピリドキサール−5’−リン酸は、ピリドキサミンリン酸に変換される。ピリドキサール−5’−リン酸は、異なるケト化合物(アミノアクセプター)との反応によって再生される。ピリドキサミンリン酸からアミノアクセプターへのアミン基の転移により、アミンが生成され、補酵素が再生される。いくつかの実施形態において、ピリドキサール−5’−リン酸は、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)およびそれらのリン酸化された対応物;ピリドキシンリン酸(PNP)およびピリドキサミンリン酸(PMP)を含むビタミンBファミリーの他のメンバーによって置き換えられ得る。
「コード配列」とは、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)の一部のことを指す。
「天然に存在する」または「野生型」とは、天然に見られる形態のことを指す。例えば、天然に存在するまたは野生型のポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列は、天然での供給源から単離され得る、ヒトの操作によって意図的に改変されていない、生物の中に存在する配列である。
「組換え」または「操作された」または「天然に存在しない」は、例えば、細胞、核酸またはポリペプチドに関して使用されるとき、他の形では天然に存在しないであろう様式で改変された、材料またはその材料の自然のもしくは天然の形態に対応する材料のことを指すか、またはそれと同一であるが、合成の材料からおよび/もしくは組換え手法を用いる操作によって生成されるかもしくは得られる。非限定的な例としては、とりわけ、天然(非組換え)の形態の細胞内で見られないかまたは異なるレベルで別途発現される天然の遺伝子を発現する組換え細胞が挙げられる。
「配列同一性のパーセンテージ」および「パーセンテージ相同性」は、ポリヌクレオチド間およびポリペプチド間の比較のことを指すために本明細書中で交換可能に使用され、最適にアラインメントされた2つの配列を比較ウィンドウにわたって比較することによって決定されるものであり、ここで、その比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の一部は、それらの2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列と比べて付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。上記パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に存在する位置の数を決定することにより、マッチした位置の数を得て、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除算し、その結果に100を乗算することにより、配列同一性のパーセンテージを得ることによって、計算され得る。あるいは、上記パーセンテージは、同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基が両方の配列に存在する位置の数、または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップとアラインメントされる位置の数を決定することにより、マッチした位置の数を得て、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除算し、その結果に100を乗算することにより、配列同一性のパーセンテージを得ることによって、計算され得る。当業者は、2つの配列をアラインメントするために利用可能な確立されたアルゴリズムが数多く存在することを認識する。比較のための最適な配列のアラインメントは、例えば、Smith and Waterman,1981,Adv.Appl.Math.2:482のローカルホモロジーアルゴリズム、Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443のホモロジーアラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(GCG Wisconsin Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)または目視検査(Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubelら、eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を広く参照のこと)によって行われ得る。パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適したアルゴリズムの例は、Altschulら、1990,J.Mol.Biol.215:403−410およびAltschulら、1977,Nucleic Acids Res.3389−3402にそれぞれ記載されているBLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムである。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、まず、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントされたとき、マッチするかまたはいくつかの正値の閾値スコアTを満たす、クエリー配列中の長さWのショートワードを同定することによってスコアの高い配列対(HSP)を同定する工程を含む。Tは、隣接ワードスコア閾値と称される(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、これらを含むより長いHSPを見つけ出すための検索を開始するためのシード(seed)として作用する。次いで、このワードヒットを、累積アラインメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿って両方の方向に伸長する。累積スコアは、ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(マッチする残基対に対する報酬スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基に対するペナルティスコア;常に<0)を用いて計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリング行列を使用して、累積スコアが計算される。各方向におけるワードヒットの伸長は、累積アラインメントスコアが、その達成された最大値から数量Xだけ低下したとき;1つ以上のスコアが負である残基アラインメントの累積に起因して、累積スコアが0以下になるとき;またはいずれかの配列の末端に到達したとき、停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列の場合)は、11というワード長(W)、10という期待値(E)、M=5、N=−4および両方の鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3というワード長(W)、10という期待値(E)およびBLOSUM62スコアリング行列をデフォルトとして使用する(Henikoff and Henikoff,1989,Proc Natl Acad Sci USA 89:10915を参照のこと)。配列アラインメントおよび%配列同一性の例示的な決定は、提供されるデフォルトのパラメータを使用して、GCG Wisconsin Softwareパッケージ(Accelrys,Madison WI)内のBESTFITまたはGAPプログラムを使用し得る。
「参照配列」とは、配列比較のための基準として使用される規定の配列のことを指す。参照配列は、より大きな配列のサブセット、例えば、完全長の遺伝子またはポリペプチド配列のセグメントであり得る。一般に、参照配列は、少なくとも20ヌクレオチド長またはアミノ酸残基長、少なくとも25残基長、少なくとも50残基長、またはその核酸もしくはポリペプチドの完全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは各々、(1)それらの2つの配列の間で類似している配列(すなわち、完全な配列の一部)を含み得、(2)それらの2つの配列の間で非常に異なる配列をさらに含み得るので、2つ(以上)のポリヌクレオチド間またはポリペプチド間の配列比較は、配列が類似している局所的な領域を同定し、比較するために、代表的には、それらの2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を「比較ウィンドウ」にわたって比較することによって行われる。いくつかの実施形態において、「参照配列」は、1次アミノ酸配列に基づき得、ここで、その参照配列は、その1次配列中に1つ以上の変更を有し得る配列である。例えば、「X34に対応する残基にアラニンを有する配列番号2に基づく参照配列」またはX34Aとは、配列番号2のX34における対応する残基(トレオニンである)がアラニンに変更された参照配列のことを指す。
「比較ウィンドウ」とは、少なくとも約20個連続したヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念的なセグメントのことを指し、ここで、ある配列が、少なくとも20個連続したヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較され得、比較ウィンドウ内の配列の一部が、それらの2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列と比べて20パーセント以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。その比較ウィンドウは、20個連続した残基より長い場合があり、必要に応じて、30、40、50、100またはそれより長いウィンドウを含む。
「実質的な同一性」とは、少なくとも20残基位置の比較ウィンドウにわたって、しばしば、少なくとも30〜50残基のウィンドウにわたって、参照配列と比べて、少なくとも80パーセントの配列同一性、少なくとも85パーセントの同一性および89〜95パーセントの配列同一性、より一般的には、少なくとも99パーセントの配列同一性を有するポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のことを指し、ここで、その配列同一性のパーセンテージは、比較ウィンドウにわたって参照配列の合計20パーセント以下を占める欠失または付加を含む配列と参照配列を比較することによって計算される。ポリペプチドに適用される具体的な実施形態において、用語「実質的な同一性」は、2つのポリペプチド配列が、デフォルトのギャップウェイトを使用するプログラムGAPまたはBESTFITなどによって最適にアラインメントされるとき、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは、少なくとも89パーセントの配列同一性、少なくとも95パーセントの配列同一性またはそれを超える配列同一性(例えば、99パーセントの配列同一性)を共有することを意味する。好ましくは、同一でない残基位置は、保存的なアミノ酸置換によって異なる。
所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列のナンバリングの文脈において使用されるときの「〜に対応する」、「〜に関して」または「〜と比較して」は、その所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較されるときの特定の参照配列の残基のナンバリングのことを指す。換言すれば、所与のポリマーの残基番号または残基位置は、その所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の数値的な位置によってではなく、参照配列に関して指し示される。例えば、操作されたトランスアミナーゼのアミノ酸配列などの所与のアミノ酸配列は、それらの2つの配列間の残基のマッチを最適化するためにギャップを導入することによって、参照配列とアラインメントされ得る。これらの場合、ギャップが存在するが、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列における残基のナンバリングは、それとアラインメントされた参照配列に関して行われる。
「アミノ酸差異」または「残基差異」とは、参照配列中の対応する位置におけるアミノ酸残基と比較して、ポリペプチド配列の位置におけるアミノ酸残基の変更のことを指す。アミノ酸差異の位置は、通常、本明細書中で「Xn」と称され、ここで、nは、その残基差異が基づいている参照配列中の対応する位置のことを指す。例えば、「配列番号2と比べてX34位における残基差異」とは、配列番号2の34位に対応するポリペプチド位置におけるアミノ酸残基の変更のことを指す。したがって、配列番号2の参照ポリペプチドが、34位にトレオニンを有する場合、「配列番号2と比べてX34位における残基差異」は、配列番号2の34位に対応するポリペプチドの位置における、トレオニン以外の任意の残基のアミノ酸置換のことを指す。本明細書中のほとんどの場合において、ある位置における具体的なアミノ酸残基差異は、「XnY」と示され、ここで、「Xn」は、上に記載されたような対応する位置を特定し、「Y」は、操作されたポリペプチドに見られるアミノ酸(すなわち、参照ポリペプチドと異なる残基)の1文字識別子である。いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸が、特定の残基位置に見られ得る場合、代替のアミノ酸が、XnY/Zという形態で列挙され得、ここで、YおよびZは、代わりのアミノ酸残基を表す。いくつかの場合において(例えば、表2Aおよび2Bにおいて)、本開示は、従来の表記法「AnB」によって表される具体的なアミノ酸差異も提供し、ここで、Aは、参照配列中の残基の1文字識別子であり、「n」は、参照配列中の残基位置の番号であり、Bは、操作されたポリペプチド配列中の残基置換の1文字識別子である。さらに、いくつかの場合において、本開示のポリペプチドは、参照配列と比較して変更された特定の位置のリストによって示される、参照配列と比較したときの1つ以上のアミノ酸残基差異を含み得る。
「保存的なアミノ酸置換」とは、ある残基が、類似の側鎖を有する異なる残基で置換されることを指し、ゆえに、代表的には、ポリペプチド中のアミノ酸が、同一または類似の規定のアミノ酸クラス内のアミノ酸で置換されることを含む。例として、これらに限定されないが、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸、例えば、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンで置換され得;ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、セリンおよびトレオニンで置換され;芳香族側鎖を有するアミノ酸は、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびヒスチジンで置換され;塩基性側鎖を有するアミノ酸は、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、リジンおよびアルギニンで置換され;酸性側鎖を有するアミノ酸は、酸性側鎖を有する別のアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置換され;疎水性アミノ酸または親水性アミノ酸は、それぞれ別の疎水性アミノ酸または親水性アミノ酸で置換される。例示的な保存的置換を、下記の表1に提供する。
「非保存的置換」とは、著しく異なる側鎖特性を有するアミノ酸による、ポリペプチド中のアミノ酸の置換のことを指す。非保存的置換は、規定の群内ではなく、規定の群間のアミノ酸を使用し得、(a)その置換の領域内のペプチド骨格の構造(例えば、グリシンの代わりのプロリン)、(b)電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の嵩に影響する。例として、これらに限定されないが、例示的な非保存的置換は、塩基性アミノ酸または脂肪族アミノ酸で置換される酸性アミノ酸;小さいアミノ酸で置換される芳香族アミノ酸;および疎水性アミノ酸で置換される親水性アミノ酸であり得る。
「欠失」とは、参照ポリペプチドからの1つ以上のアミノ酸の除去による、そのポリペプチドに対する改変のことを指す。欠失は、操作されたトランスアミナーゼ酵素の酵素活性を保持しつつおよび/または改善された特性を保持しつつ、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、15個以上のアミノ酸または20個以上のアミノ酸、参照酵素を構成するアミノ酸の総数の10%まで、またはそのアミノ酸の総数の20%までの除去を含み得る。欠失は、ポリペプチドの内部の部分および/または末端の部分に向けられ得る。様々な実施形態において、欠失は、連続したセグメントを含み得るか、または不連続であり得る。
「挿入」とは、参照ポリペプチドからの1つ以上のアミノ酸の付加によるポリペプチドの改変のことを指す。いくつかの実施形態において、改善された操作されたトランスアミナーゼ酵素は、天然に存在するトランスアミナーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入、ならびに他の改善されたトランスアミナーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入は、ポリペプチドの内部の部分、またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端におけるものであり得る。本明細書中で使用される挿入には、当該分野で公知であるような融合タンパク質が含まれる。その挿入は、参照ポリペプチドにおいて、連続したアミノ酸のセグメントであり得るか、または1つ以上のアミノ酸によって分断され得る。
本明細書中で使用される「フラグメント」とは、アミノ末端および/またはカルボキシ末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列がその配列中の対応する位置と同一である、ポリペプチドのことを指す。フラグメントは、少なくとも14アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも50アミノ酸長またはそれを超えるアミノ酸長、および完全長トランスアミナーゼポリペプチド、例えば、配列番号2の操作された参照トランスアミナーゼポリペプチドの最大70%、80%、90%、95%、98%および99%であり得る。
「単離されたポリペプチド」とは、天然に伴う他の夾雑物、例えば、タンパク質、脂質およびポリヌクレオチドから実質的に分離されたポリペプチドのことを指す。この用語は、天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはインビトロ合成)から取り出されたかまたは精製されたポリペプチドを包含する。改善されたトランスアミナーゼ酵素は、細胞内に存在し得るか、細胞培地中に存在し得るか、または溶解産物もしくは単離された調製物などの様々な形態で調製され得る。したがって、いくつかの実施形態において、改善されたトランスアミナーゼ酵素は、単離されたポリペプチドであり得る。
「実質的に純粋なポリペプチド」とは、ポリペプチド種が、存在する優勢な種である(すなわち、モル濃度または重量に基づいて、それが、その組成物中の他の任意の個別の高分子種よりも豊富である)組成物のことを指し、通常、対象の種が、モル基準または%重量基準で、存在する高分子種の少なくとも約50パーセントを構成するとき、実質的に精製された組成物である。一般に、実質的に純粋なトランスアミナーゼ組成物は、モル基準または%重量基準で、その組成物中に存在するすべての高分子種の約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上および約98%以上を構成する。いくつかの実施形態において、対象の種は、本質的な均一性(すなわち、従来の検出方法では、組成物中に夾雑物種を検出できない)にまで精製され、ここで、その組成物は、単一の高分子種から本質的になる。溶媒種、小分子(<500ダルトン)および元素イオン種は、高分子種と見なされない。いくつかの実施形態において、単離された改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
「立体選択性」とは、化学反応または酵素反応において、1つの立体異性体が別の立体異性体よりも優先的に形成されることを指す。立体選択性は、一方の立体異性体の形成が他方よりも好まれる場合、部分的であり得るか、またはただ1つの立体異性体が形成される場合、完全であり得る。立体異性体が、エナンチオマーであるとき、立体選択性は、両方の合計における一方のエナンチオマーの割合(代表的には、パーセンテージとして報告される)であるエナンチオ選択性と称される。それは、通常、式[主要なエナンチオマー−少数のエナンチオマー]/[主要なエナンチオマー+少数のエナンチオマー]に従って計算される、鏡像体過剰率(e.e.)として当該分野において別の方法で(代表的には、パーセンテージとして)報告される。立体異性体が、ジアステレオ異性体である場合、立体選択性は、2つのジアステレオマーの混合物中の一方のジアステレオマーの割合(代表的には、パーセンテージとして報告される)である、ジアステレオ選択性と称され、通常、その代わりにジアステレオマー過剰率(d.e.)として報告される。鏡像体過剰率およびジアステレオマー過剰率は、立体異性体過剰率(stereomeric excess)の一種である。
「高度に立体選択的」とは、基質、例えば、化合物(2)を、対応するキラルアミン生成物、例えば、化合物(1)に、少なくとも約85%の立体異性体過剰率で変換することができる化学反応または酵素反応のことを指す。
「改善された酵素特性」とは、参照トランスアミナーゼと比べて任意の酵素特性の改善を示すトランスアミナーゼポリペプチドのことを指す。本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの場合、その比較は、通常、野生型トランスアミナーゼ酵素に対して行われるが、いくつかの実施形態において、参照トランスアミナーゼは、別の操作されたトランスアミナーゼであり得る。改善が望ましい酵素特性としては、酵素活性(基質のパーセント変換に関して表現され得る)、熱安定性、溶媒安定性、pH活性プロファイル、補助因子の要件、阻害剤(例えば、基質阻害または生成物阻害)に対する不応性、および立体選択性(エナンチオ選択性を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
「高い酵素活性」とは、参照トランスアミナーゼ酵素と比べて、高い比活性(例えば、生成された生成物/時間/重量タンパク質)または基質から生成物への高いパーセント変換(例えば、特定の量のトランスアミナーゼを使用したときの特定の時間内での開始量の基質から生成物へのパーセント変換)によって表され得る、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの改善された特性のことを指す。酵素活性を決定する例示的な方法は、実施例に提供される。K、Vmaxまたはkcatといった従来の酵素特性を含む、酵素活性に関する任意の特性が、影響され得、その変化が、高い酵素活性をもたらし得る。酵素活性の改善は、そのトランスアミナーゼポリペプチドが由来した天然に存在するトランスアミナーゼまたは別の操作されたトランスアミナーゼよりも、対応する野生型トランスアミナーゼ酵素の約1.2倍の酵素活性から、2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍またはそれを超える酵素活性までであり得る。トランスアミナーゼ活性は、標準的なアッセイのいずれか1つによって(例えば、反応物または生成物の分光光度的な特性の変化をモニターすることによって)計測され得る。いくつかの実施形態において、生成された生成物の量は、o−フタルジアルデヒド(OPA)などを用いた誘導体化後に、UV吸光度または蛍光検出と組み合わされた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分離によって計測され得る。酵素活性の比較は、本明細書中で詳細にさらに記載されるように、規定の酵素調製物、所定の条件下での規定のアッセイおよび1つ以上の規定の基質を用いて行われる。通常、溶解産物を比較するとき、宿主細胞によって産生される酵素の量および溶解産物中に存在する酵素の量の変動を最小にするために、同一の発現系および同一の宿主細胞を使用して、細胞数およびアッセイされるタンパク質の量が決定される。
「変換」とは、基質から対応する生成物への酵素的変換のことを指す。「パーセント変換」とは、特定の条件下、ある時間内で生成物に変換される基質のパーセントのことを指す。したがって、トランスアミナーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、基質から生成物への「パーセント変換」として表現され得る。
「熱安定」とは、ある時間(例えば、0.5〜24時間)にわたって高温(例えば、40〜80℃)に曝露された後に、野生型酵素と比べて類似の活性(例えば、60%〜80%超)を維持するトランスアミナーゼポリペプチドのことを指す。
「溶媒安定」とは、ある時間(例えば、0.5〜24時間)にわたって様々な濃度(例えば、5〜99%)の溶媒(エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert−ブチルエーテルなど)に曝露された後に、野生型酵素と比べて類似の活性(例えば、60%〜80%超)を維持するトランスアミナーゼポリペプチドのことを指す。
「熱安定および溶媒安定」とは、熱安定と溶媒安定の両方であるトランスアミナーゼポリペプチドのことを指す。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、核酸ハイブリッドが安定である条件のことを指すために本明細書中で使用される。当業者に公知であるように、ハイブリッドの安定性は、そのハイブリッドの融解温度(T)に反映される。一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン強度、温度、G/C含量およびカオトロピック剤の存在の関数である。ポリヌクレオチドに対するT値は、融解温度を予測するための公知の方法を用いて計算され得る(例えば、Baldinoら、Methods Enzymology 168:761−777;Boltonら、1962,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:1390;Bresslauerら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci USA 83:8893−8897;Freierら、1986,Proc.Natl.Acad.Sci USA 83:9373−9377;Kierzekら、Biochemistry 25:7840−7846;Rychlikら、1990,Nucleic Acids Res 18:6409−6412(erratum,1991,Nucleic Acids Res 19:698);Sambrookら、前出);Suggsら、1981,Developmental Biology Using Purified Genes(Brownら、eds.),pp.683−693,Academic Press;およびWetmur,1991,Crit Rev Biochem Mol Biol 26:227−259を参照のこと。すべての刊行物が参照により本明細書中に援用される)。いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示されるポリペプチドをコードし、規定の条件(例えば、中程度にストリンジェントな条件または高度にストリンジェントな条件)下で、本開示の操作されたトランスアミナーゼ酵素をコードする配列の相補鎖にハイブリダイズする。
「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションにおける洗浄条件などのハイブリダイゼーション条件に関する。一般に、ハイブリダイゼーション反応は、より低いストリンジェンシーの条件下で行われた後、様々であるがより高いストリンジェンシーの洗浄が行われる。用語「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション」とは、標的DNAが、標的ポリヌクレオチドに対する約90%超の同一性とともに、その標的DNAに対して約60%の同一性、好ましくは、約75%の同一性、約85%の同一性を有する相補的な核酸に結合することを可能にする条件のことを指す。例示的な中程度にストリンジェントな条件は、42℃の50%ホルムアミド、5×Denhart’s溶液、5×SSPE、0.2%SDS中でのハイブリダイゼーションの後の、42℃の0.2×SSPE、0.2%SDSでの洗浄に等価な条件である。「高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション」とは、規定のポリヌクレオチド配列に対する溶液条件下で測定されたときの熱融解温度Tからの約10℃以下の条件のことを広く指す。いくつかの実施形態において、高ストリンジェンシー条件とは、65℃の0.018M NaCl中で安定なハイブリッドを形成するそれらの核酸配列だけのハイブリダイゼーションを可能にする条件のことを指す(すなわち、ハイブリッドが、65℃の0.018M NaCl中で安定でない場合、それは、本明細書中で企図されるような高ストリンジェンシー条件下では安定でないだろう)。高ストリンジェンシー条件は、例えば、42℃の50%ホルムアミド、5×Denhart’s溶液、5×SSPE、0.2%SDSに等価な条件におけるハイブリダイゼーションの後の、65℃の0.1×SSPEおよび0.1%SDSでの洗浄によって提供され得る。別の高ストリンジェンシー条件は、65℃の0.1%(w:v)SDSを含む5×SSC中でのハイブリダイズに等価な条件でのハイブリダイズおよび65℃の0.1%SDSを含む0.1×SSCでの洗浄である。他の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件ならびに中程度にストリンジェントな条件は、上で引用された参考文献に記載されている。
「異種」ポリヌクレオチドとは、研究室の手法によって宿主細胞に導入される任意のポリヌクレオチドのことを指し、それには、研究室の操作に供され、次いで、宿主細胞に再導入される、宿主細胞から取り出されたポリヌクレオチドが含まれる。
「コドンが最適化された」とは、コードされるタンパク質が目的の生物において効率的に発現されるように、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンを特定の生物において優先的に使用されるコドンに変更することを指す。ほとんどのアミノ酸が、「同義語」または「同義の」コドンと呼ばれるいくつかのコドンによって表されるという点で遺伝暗号は縮重しているが、特定の生物のコドン使用頻度(codon usage)は、ランダムではなく、特定のコドントリプレットに偏っていることが周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所与の遺伝子、共通の機能または祖先起源の遺伝子、低コピー数のタンパク質と比べて高度に発現されるタンパク質、および生物のゲノムの集合したタンパク質コード領域に関して、より高い場合がある。いくつかの実施形態において、トランスアミナーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択された宿主生物からの最適な生成のためにコドンが最適化される場合がある。
「好ましい、最適な、高い、コドン使用頻度の偏りのコドン」とは、同じアミノ酸をコードする他のコドンよりも高い頻度でタンパク質コード領域に使用されているコドンのことを交換可能に指す。それらの好ましいコドンは、単一の遺伝子、共通の機能または起源の遺伝子セット、高度に発現される遺伝子におけるコドン使用頻度、生物全体の集合したタンパク質コード領域におけるコドン頻度、関連する生物の集合したタンパク質コード領域におけるコドン頻度、またはそれらの組み合わせに関して、決定され得る。遺伝子発現のレベルとともに頻度が上昇するコドンは、概して、発現にとって最適なコドンである。具体的な生物におけるコドン頻度(例えば、コドン使用頻度、相対的な同義語コドン使用頻度)およびコドン優先度を測定するための種々の方法が知られており、それらとしては、例えば、クラスター解析または対応分析およびある遺伝子において使用されるコドンの有効数を使用する多変量解析が挙げられる(GCG CodonPreference,Genetics Computer Group Wisconsin Package;CodonW,John Peden,University of Nottingham;McInerney,J.O,1998,Bioinformatics 14:372−73;Stenicoら、1994,Nucleic Acids Res.222437−46;Wright,F.,1990,Gene 87:23−29を参照のこと)。増加している生物リストに対するコドン使用頻度表が入手可能である(例えば、Wadaら、1992,Nucleic Acids Res.20:2111−2118;Nakamuraら、2000,Nucl.Acids Res.28:292;Duretら、前出;Henaut and Danchin,“Escherichia coli and Salmonella,”1996,Neidhardtら、Eds.,ASM Press,Washington D.C.,p.2047−2066を参照のこと。コドン使用頻度を得るためのデータソースは、タンパク質をコードすることができる任意の入手可能なヌクレオチド配列に依存し得る。これらのデータセットには、発現されるタンパク質をコードすると実際に知られている核酸配列(例えば、完全なタンパク質コード配列−CDS)、発現配列タグ(ESTS)またはゲノム配列の予測されるコード領域が含まれる(例えば、Mount,D.,Bioinformatics:Sequence and Genome Analysis,Chapter 8,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,2001;Uberbacher,E.C.,1996,Methods Enzymol.266:259−281;Tiwariら、1997,Comput.Appl.Biosci.13:263−270を参照のこと)。
「調節配列」は、本開示のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要または有益なすべての構成要素を含むと本明細書中で定義される。各調節配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対して天然であり得るか、または外来性であり得る。そのような調節配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列および転写ターミネーターが挙げられるが、これらに限定されない。最低でも、調節配列は、プロモーターならびに転写および翻訳の停止シグナルを含む。調節配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と調節配列とのライゲーションを容易にする具体的な制限酵素認識部位を導入する目的でリンカーとともに提供され得る。
「作動可能に連結された」は、調節配列が、目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指示するかまたは制御するように、その調節配列が、目的のポリヌクレオチドに対する位置に適切に配置された(すなわち、機能的な関係性で)配置として本明細書中で定義される。
「プロモーター配列」とは、コード配列などの目的のポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞によって認識される核酸配列のことを指す。プロモーター配列は、目的のポリヌクレオチドの発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモーターは、変異体プロモーター、切断型プロモーターおよびハイブリッドプロモーターを含む、最適な宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞と相同または異種である細胞外または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得られることがある。
「好適な反応条件」とは、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドが、基質化合物を生成物化合物に変換することができる(例えば、化合物(2)から化合物(1)への変換)、生体触媒反応溶液中の条件(例えば、一連の酵素負荷、基質負荷、補助因子負荷、温度、pH、緩衝剤、共溶媒など)のことを指す。例示的な「好適な反応条件」は、詳細な説明において提供され、実施例によって例示される。
「化合物負荷」または「酵素負荷」または「補助因子負荷」におけるような「負荷」とは、反応の開始時における反応混合物中のある成分の濃度または量のことを指す。
生体触媒によって媒介されるプロセスの文脈における「基質」とは、その生体触媒によって作用される化合物または分子のことを指す。例えば、本明細書中に開示されるプロセスにおける操作されたトランスアミナーゼ生体触媒に対する例示的な基質は、化合物(2)である。
生体触媒によって媒介されるプロセスの文脈における「生成物」とは、その生体触媒の作用の結果生じる化合物または分子のことを指す。例えば、本明細書中に開示されるプロセスにおける操作されたトランスアミナーゼ生体触媒の例示的な生成物は、化合物(1)である。
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」とは、1つ以上の炭素原子が、各々独立して、同じまたは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子団で置き換えられた、本明細書中で定義されるようなアルキル、アルケニルおよびアルキニルのことを指す。炭素原子を置き換え得るヘテロ原子および/またはヘテロ原子団としては、−O−、−S−、−S−O−、−NRγ−、−PH−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)NRγ−、−S(O)NRγ−など(それらの組み合わせを含む)が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各Rγは、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび他の好適な置換基から選択される。
「アリール」とは、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する6個以上12個以下の炭素原子の不飽和の芳香族炭素環式基のことを指す。例示的なアリールとしては、フェニル、ピリジル、ナフチルなどが挙げられる。
「アリールアルキル」とは、好ましくは、アルキル部分に1個以上6個以下の炭素原子およびアリール部分に6個以上12個以下の炭素原子を有する、アリールで置換されたアルキル、すなわち、アリール−アルキル基のことを指す。そのようなアリールアルキル基は、ベンジル、フェネチルなどによって例証される。
「アリールアルケニル」とは、好ましくは、アルケニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびアリール部分に6個以上12個以下の炭素原子を有する、アリールで置換されたアルケニル、すなわち、アリール−アルケニル基のことを指す。
「アリールアルキニル」とは、好ましくは、アルキニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびアリール部分に6個以上12個以下の炭素原子を有する、アリールで置換されたアルキニル、すなわち、アリール−アルキニル基のことを指す。
「シクロアルキル」とは、1〜3個のアルキル基で必要に応じて置換され得る単一の環式環または複数の縮合環を有する3個以上12個以下の炭素原子の環式アルキル基のことを指す。例示的なシクロアルキル基としては、単一の環状構造(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなど)またはアダマンチルなどのような架橋環系を含む複数の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
「シクロアルキルアルキル」とは、好ましくは、アルキル部分に1個以上6個以下の炭素原子およびシクロアルキル部分に3個以上12個以下の炭素原子を有する、シクロアルキルで置換されたアルキル、すなわち、シクロアルキル−アルキル基のことを指す。そのようなシクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルエチルなどによって例証される。
「シクロアルキルアルケニル」とは、好ましくは、アルケニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびシクロアルキル部分に3個以上12個以下の炭素原子を有する、シクロアルキルで置換されたアルケニル、すなわち、シクロアルキル−アルケニル基のことを指す。
「シクロアルキルアルキニル」とは、好ましくは、アルキニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびシクロアルキル部分に3個以上12個以下の炭素原子を有する、シクロアルキルで置換されたアルキニル、すなわち、シクロアルキル−アルキニル基のことを指す。
「アミノ」とは、基−NHのことを指す。置換アミノとは、基−NHRη、NRηηおよびNRηηηのことを指し、ここで、各Rηは、独立して、置換または非置換のアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アシル、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル、スルホニルなどから選択される。代表的なアミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルスルホニルアミノ(methylysulfonylamino)、フラニル−オキシ−スルファミノ(sulfamino)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルアミノ」とは、−NHRζ基のことを指し、ここで、Rζは、アルキル、そのN−オキシド誘導体または保護された誘導体、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、iso−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、iso−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノまたはメチルアミノ−N−オキシドなどである。
「アリールアミノ」とは、−NHRλ(Rλは、アリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールアミノ」とは、−NHRσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アミノアルキル」とは、水素原子の1つ以上が、置換アミノ基を含むアミノ基で置き換えられた、アルキル基のことを指す。
「オキソ」とは、=Oのことを指す。
「オキシ」とは、エーテルおよびエステルを含む、二価の基−O−のことを指し、それは、種々のオキシ基を形成する様々な置換基を有し得る。
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、基−ORζのことを指すために本明細書中で交換可能に使用され、ここで、Rζは、本明細書中で定義されるような必要に応じて置換されるアルキル基を含む、アルキル基である。
「アリールオキシ」とは、−ORλ基(Rλは、アリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールオキシ」とは、−ORσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「カルボキシ」とは、−COOHのことを指す。
「カルボキシアルキル」とは、カルボキシ基で置換されたアルキルのことを指す。
「カルボニル」とは、酸、酸ハロゲン化物、アルデヒド、アミド、エステルおよびケトンを含む種々のカルボニル基を形成する種々の置換基を有し得る、−C(O)−のことを指す。
「アルキルカルボニル」とは、−C(O)Rζ(Rζは、アルキル基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アリールカルボニル」とは、−C(O)Rλ(Rλは、アリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールカルボニル」とは、−C(O)Rσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アルキルオキシカルボニル」とは、−C(O)ORζ(Rζは、アルキル基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アリールオキシカルボニル」とは、−C(O)ORλ(Rλは、アリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールオキシカルボニル」とは、−C(O)ORσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アリールアルキルオキシカルボニル」とは、−C(O)ORρ(Rρは、アリール−アルキル基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アルキルカルボニルオキシ」とは、−OC(O)−Rζ(Rは、アルキル基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アリールカルボニルオキシ」とは、−OC(O)Rλ(Rは、アリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールアルキルオキシカルボニル」とは、−C(O)ORω(Rωは、ヘテロアリールアルキル基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「ヘテロアリールカルボニルオキシ」とは、−OC(O)Rσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アミノカルボニル」とは、−C(O)NHのことを指す。置換アミノカルボニルとは、−C(O)NRηηのことを指し、ここで、アミノ基NRηηは、本明細書中で定義されるとおりである。
「アミノカルボニルアルキル」とは、アミノカルボニル基で置換されたアルキルのことを指す。
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードのことを指す。
「ハロアルキル」とは、1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル基のことを指す。したがって、用語「ハロアルキル」は、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルなど、ペルハロアルキルまでを含むと意味される。例えば、表現「(C)ハロアルキル」には、1−フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1トリフルオロエチル、ペルフルオロエチルなどが含まれる。
「ヒドロキシ」とは、−OHのことを指す。
「ヒドロキシアルキル」とは、1つ以上のヒドロキシ基で置換されたアルキルのことを指す。
「シアノ」とは、−CNのことを指す。
「ニトロ」とは、−NOのことを指す。
「チオ」または「スルファニル」とは、−SHのことを指す。置換チオまたは置換スルファニルとは、−S−Rηのことを指し、ここで、Rηは、アルキル、アリールまたは他の好適な置換基である。
「アルキルチオ」とは、−SRζ(Rζは、アルキルである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリールチオ」とは、−SRλ(Rλは、アリールである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアリールチオ基としては、フェニルチオ、(4−メチルフェニル)チオ、ピリジニルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリールチオ」とは、−SRσ(Rσは、ヘテロアリールである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「スルホニル」とは、−SO−のことを指す。置換スルホニルとは、−SO−Rηのことを指し、ここで、Rηは、アルキル、アリールまたは他の好適な置換基である。
「アルキルスルホニル」とは、−SO−Rζ(Rζは、アルキルである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリールスルホニル(Arysulfonyl)」とは、−SO−Rλ(Rλは、アリールである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、ピリジニルスルホニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリールスルホニル」とは、−SO−Rσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「スルフィニル」とは、−SO−のことを指す。置換スルフィニルとは、−SO−Rηのことを指し、ここで、Rηは、アルキル、アリールまたは他の好適な置換基である。
「アルキルスルフィニル」とは、−SO−Rζ(Rζは、アルキルである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリールスルフィニル(Arysulfinyl)」とは、−SO−Rλ(Rλは、アリールである)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。代表的なアリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル、(4−メチルフェニル)スルフィニル、ピリジニルスルフィニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリールスルフィニル」とは、−SO−Rσ(Rσは、ヘテロアリール基である)のことを指し、それは、必要に応じて置換され得る。
「アルキルアミノスルホニルアルキル」とは、アルキル−NH−SO−基で置換されたアルキルのことを指す。
「アリールスルホニルアルキル」とは、アリール−SO−基で置換されたアルキルのことを指す。
「ヘテロアリールスルホニルアルキル」とは、ヘテロアリール−SO−基で置換されたアルキルのことを指す。
「アミノスルホニル」とは、−SONHのことを指す。置換アミノスルホニルとは、−SONRδδのことを指し、ここで、アミノ基−NRηηは、本明細書中で定義されるとおりである。
「ヘテロアリール」とは、環内の1個以上10個以下の炭素原子、ならびに酸素、窒素および硫黄から選択される1個以上4個以下のヘテロ原子の芳香族複素環式基のことを指す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。
「ヘテロアリールアルキル」とは、好ましくは、アルキル部分に1個以上6個以下の炭素原子およびヘテロアリール部分に5個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されたアルキル、すなわち、ヘテロアリール−アルキル基のことを指す。そのようなヘテロアリールアルキル基は、ピリジルメチルなどによって例証される。
「ヘテロアリールアルケニル」とは、好ましくは、アルケニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびヘテロアリール部分に5個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されたアルケニル、すなわち、ヘテロアリール−アルケニル基のことを指す。
「ヘテロアリールアルキニル」とは、好ましくは、アルキニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびヘテロアリール部分に5個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロアリールで置換されたアルキニル、すなわち、ヘテロアリール−アルキニル基のことを指す。
「複素環」、「複素環式」および交換可能に「ヘテロシクロアルキル」とは、単環または複数の縮合環、2個以上10個以下の炭素環原子および環内に窒素、硫黄または酸素から選択される1個以上4個以下のヘテロ環原子を有する飽和基または不飽和基のことを指す。そのような複素環式基は、単環(例えば、ピペリジニルまたはテトラヒドロフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリニル、ジヒドロベンゾフランまたはキヌクリジニル)を有し得る。複素環の例としては、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、インドリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクロアルキルアルキル」とは、好ましくは、アルキル部分に1個以上6個以下の炭素原子およびヘテロシクロアルキル部分に3個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロシクロアルキルで置換されたアルキル、すなわち、ヘテロシクロアルキル−アルキル基のことを指す。
「ヘテロシクロアルキルアルケニル」とは、好ましくは、アルケニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびヘテロシクロアルキル部分に3個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロシクロアルキルで置換されたアルケニル、すなわち、ヘテロシクロアルキル−アルケニル基のことを指す。
「ヘテロシクロアルキルアルキニル」とは、好ましくは、アルキニル部分に2個以上6個以下の炭素原子およびヘテロシクロアルキル部分に3個以上12個以下の環原子を有する、ヘテロシクロアルキルで置換されたアルキニル、すなわち、ヘテロシクロアルキル−アルキニル基のことを指す。
「脱離基」とは、通常、化学反応において別の原子または部分によって置き換えられることが可能な任意の原子または部分のことを指す。より詳細には、脱離基とは、求核剤(例えば、アミン、チオール、アルコールまたはシアニド)によって容易に置き換えられるおよび置換される原子または部分のことを指す。そのような脱離基は、周知であり、それらには、カルボキシレート、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)およびアルキルオキシ基が含まれる。脱離基の非限定的な特色および例は、例えば、Organic Chemistry,2d ed.,Francis Carey(1992),328−331頁;Introduction to Organic Chemistry,2d ed.,Andrew Streitwieser and Clayton Heathcock(1981),169−171頁;ならびにOrganic Chemistry,5th Ed.,John McMurry,Brooks/Cole Publishing(2000),398頁および408頁に見られ;これらのすべてが参照により本明細書中に援用される。
別段特定されない限り、前述の基の中の水素によって占有される位置は、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ハロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、置換カルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ(amidoximo)、ヒドロキサモイル(hydroxamoyl)、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、複素環、(複素環)オキシおよび(複素環)アルキルによって例証されるがこれらに限定されない置換基でさらに置換され得;好ましいヘテロ原子は、酸素、窒素および硫黄である。開殻の原子価(open valence)が、これらの置換基上に存在する場合、それらは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび/または複素環基でさらに置換され得ること、これらの開殻の原子価が、炭素上に存在する場合、それらは、ハロゲンおよび酸素、窒素または硫黄に結合された置換基によってさらに置換され得ること、ならびに複数のそのような開殻の原子価が存在する場合、これらの基はつなぎ合わされることにより、結合の直接的な形成または新しいヘテロ原子、好ましくは、酸素、窒素もしくは硫黄との結合の形成によって、環を形成し得ることが、理解される。水素を置換基で置き換えることが、許容できない不安定性を本開示の分子にもたらさず、その他の点で化学的に妥当であるならば、上記の置換を行うことができることがさらに理解される。
「随意の」または「必要に応じて」は、その後に記載される事象または状況が、生じてもよいし生じなくてもよいこと、ならびにその記載が、その事象または状況が生じる場合およびその事象または状況が生じない場合を含むことを意味する。当業者は、1つ以上の随意の置換基を含むと記載される任意の分子に関して、立体的に実際的であるおよび/または合成的にあり得る化合物だけが含まれると意味されることを理解するだろう。「必要に応じて置換される」は、1つの用語の化学基または一連の化学基におけるその後のすべての修飾語について言及する。例えば、用語「必要に応じて置換されるアリールアルキル」において、その分子の「アルキル」部分および「アリール」部分は、置換されてもよいし置換されなくてもよく、一連の「必要に応じて置換されるアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール」の場合、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、他のものとは無関係に、置換されてもよいし置換されなくてもよい。
「保護基」とは、ある分子の中の反応性の官能基に付着されたとき、官能基の反応性をマスクするか、減少させるかまたは妨げる原子の群のことを指す。代表的には、保護基は、合成の経過中に望むとおりに選択的に除去され得る。保護基の例は、Wuts and Greene,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,”4th Ed.,Wiley Interscience(2006)およびHarrisonら、Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1−8,1971−1996,John Wiley & Sons,NYに見られる。保護基を有し得る官能基としては、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert−ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「SES」)、トリチル基および置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「ポリオール」とは、複数のヒドロキシ基を含む化合物のことを指す。ポリマーに関して、ポリオールは、ヒドロキシル官能基を有するポリマーを含む。例示的なポリマーポリオールとしては、例として、これらに限定されないが、ポリエーテルおよびポリエステル、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(テトラメチレン)グリコールおよびポリテトラヒドロフランが挙げられる。
5.3 操作されたトランスアミナーゼポリペプチド
本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチド、それらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびそれらのポリペプチドを使用するための方法を提供する。前述の説明は、ポリペプチドに関するものであるが、それが、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのことも説明していると理解されるべきである。
アミノトランスフェラーゼとしても知られるトランスアミナーゼは、アミノドナー基質の第1級アミンからアミノアクセプター分子のカルボニル基(例えば、ケトまたはアルデヒド基)へのアミノ基の転移を触媒する。トランスアミナーゼは、種々の微生物から同定されており、それらの微生物としては、Alcaligenes denitrificans、Bordetella bronchiseptica、Bordetella parapertussis、Brucella melitensis、Burkholderia malle、Burkholderia pseudomallei、Chromobacterium violaceum、Oceanicola granulosus HTCC2516、Oceanobacter sp.RED65、Oceanospirillum sp.MED92、Pseudomonas putida、Ralstonia solanacearum、Rhizobium meliloti、Rhizobium sp.(NGR234株)、Bacillus thuringensis、Klebsiella pneumoniaeおよびVibrio fluvialisが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Shinら、2001,Biosci.Biotechnol,Biochem.65:1782−1788を参照のこと)。
トランスアミナーゼは、そのトランスアミナーゼが立体特異的様式で反応を行うことができる能力、すなわち、一方のエナンチオマーを対応するケトンに優先的に変換し、それにより、他方のエナンチオマーが濃縮された混合物をもたらす能力を利用することによる、ラセミアミンのキラル分割にとって有用である(例えば、Koselewskiら、2009,Org Lett.11(21):4810−2を参照のこと)。また、ケトンから対応するアミンへの変換におけるトランスアミナーゼの立体選択性のおかげで、これらの酵素は、対応するケト化合物からの光学的に純粋なアミンの不斉合成において有用になる(例えば、Hoehneら、“Biocatalytic Routes to Optically Active Amines,”Chem Cat Chem 1(1):42−51;Zua and Hua,2009,Biotechnol J.4(10):1420−31を参照のこと)。
Vibrio fluvialis ω−VfT由来の野生型ω−トランスアミナーゼは、ある特定のキラルアミンの(S)−エナンチオマーに対して高いエナンチオ選択性を示し、キラル芳香族アミンに対して基質特異性を有する(例えば、Shin and Kim,2002,J.Org.Chem.67:2848−2853を参照のこと)。このω−VfTの高いエナンチオ選択性は、アミンのキラル分割に応用されている(例えば、Yunら、2004,Biotechnol.Bioeng.87:772−778;Shin and Kim,1997,Biotechnol.Bioeng.55:348−358;M.Hchneら、2008,Adv.Synth.Catal.350:802−807を参照のこと)。ω−VfTトランスアミナーゼは、プロキラルなケトン基質を使用する光学的に純粋なアミンの不斉合成にも使用されている。しかしながら、キラルアミンの不斉合成におけるこのトランスアミナーゼの使用は、逆反応の好ましくない平衡状態(例えば、Shin and Kim,1999,Biotechnol.Bioeng.65,206−211を参照のこと);キラルアミン生成物による阻害(例えば、Shinら、2001,Biotechnol Bioeng 73:179−187;Yun and Kim,2008,Biosci.Biotechnol.Biochem.72(11):3030−3033を参照のこと);芳香族基などの嵩高い側鎖を有するアミンアクセプターに対する低い活性(例えば、Shin and Kim,2002,J.Org.Chem.67:2848−2853を参照のこと);および低い酵素安定性(例えば、Yun and Kim、前出を参照のこと)によって限定される。
Vibrio fluvialisのω−VfTトランスアミナーゼに由来する改変体トランスアミナーゼは、脂肪族ケトンに対して高い抵抗性(例えば、Yunら、2005,Appl Environ Micriobiol.71(8):4220−4224を参照のこと)および広いアミノドナー基質特異性(例えば、Choら、2008,Biotechnol Bioeng.99(2):275−84を参照のこと)を有すると報告されている。特許公報WO2010081053およびUS20100209981(これらの各々が、参照により本明細書中に援用される)には、温度および/または有機溶媒に対する高い安定性ならびに構造的に異なるアミノアクセプター分子に対する高い酵素活性を含む、キラルアミン化合物の合成において使用するための改善された特性を有するω−VfTに由来する操作されたトランスアミナーゼが記載されている。特許公報WO2011159910(参照により本明細書中に援用される)には、基質である3’−ヒドロキシアセトフェノンから生成物である(S)−3−(1−アミノエチル)−フェノールへのエナンチオ選択的な変換に対して最適化された、ω−VfTに由来する操作されたトランスアミナーゼが記載されている。
本開示は、特許公報WO2010081053に開示されている以前に操作されたトランスアミナーゼに由来する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドに関する。本開示の操作されたトランスアミナーゼは、特に大きなアミノアクセプター化合物基質を対応するキラルアミン化合物生成物に変換することを可能にするアミノ酸残基置換によって操作されている。
著しいことに、本開示は、これらの特に大きなアミンアクセプター基質を用いて、酵素活性、エナンチオ選択性、安定性および生成物阻害に対する不応性を高め得る、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドにおけるアミノ酸残基位置および対応するアミノ酸残基置換を同定する。
例示的な大きな基質アミンアクセプターの化合物のプロキラルなケトン基から対応するキラルアミン生成物への変換に基づく活性アッセイを使用して、改善された機能特性についてのスクリーニングによって、構造に基づく合理的配列ライブラリー設計を使用する定向進化法によって操作することによる、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドにおける具体的な残基位置および置換の同定。詳細には、スキーム3に示されるような、化合物(2)のシクロパミンアナログ化合物のケトンから化合物(1)の対応するキラルアミン化合物への変換。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを、アミノドナーの存在下、好適な反応条件下、かつジアステレオマー(diasteriomeric)過剰で(すなわち、キラルアミン中心に反対のエナンチオマーを有する他のジアステレオマーを上回って)、例示的な基質化合物(2)のケトンを例示的な生成物化合物(1)の対応するキラルアミンに効率的に変換するように進化させた。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの具体的な構造的特徴および構造と機能の相関情報によってもまた、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドが、化合物(2)以外のプロキラルな大きなケトン基質化合物から化合物(1)以外のキラルアミン化合物への変換を行うことが可能になる。いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、化合物(2)の構造アナログであるプロキラルな大きなケトン基質化合物を、化合物(1)の構造アナログである対応するキラルアミン生成物化合物に変換することができる。本開示によって提供される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用して触媒変換を起こすことができる大きなケトン基質構造アナログ化合物の範囲は、スキーム4に示される式(II)の化合物から式(I)の化合物への変換によって例示される。
スキーム4に示されるように、式(II)の大きな基質ケトン化合物は、環Aの1位に位置するキラルアミンに変換されるプロキラルなケトン基を有する4つの環を含む構造を有する。環AおよびBは、2〜10位の1つ以上において必要に応じて独立して置換される6員の炭素環であり;環Cは、11位において必要に応じて置換される5または6員の炭素環(すなわち、m=0または1)であり;環Dは、14、15および16位において必要に応じて独立して置換される5、6または7員の炭素環(すなわち、n=0、1または2)である。本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの構造的特徴は、式(II)の化合物の環Aの1位におけるケトンからキラルアミンへの立体選択的な変換における活性を維持しつつ、環Dの14、15および16位において置換される大きな基を有する基質である式(II)の化合物を収容することができる。理論に拘束されるものではないが、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの構造は、立体選択的なアミノ基転移に対する活性部位の適切な位置において環Aの1位にケトンを維持しつつ、環Dの14、15および16位において置換される大きな基が、その酵素の周りの溶媒に伸びることを可能にする。さらに、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの結合ポケットは、式(II)の化合物の環Aの1位におけるケトンからキラルアミンへの立体選択的な変換における活性を維持しつつ、環A、BおよびC上のある特定の位置におけるより小さい基の置換を可能にする(下記でさらに説明されるように)。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(II)のケトン基質化合物を式(I)の対応するキラルアミン化合物に変換することができ、ここで、それらの化合物の環A〜Dは、以下のとおり置換され得る:
環Aは、2位と3位との間および/もしくは5位と6位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または2、3、4、5および6位においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Bは、5位と10位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または9位および10位のうちの1つ以上においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Cは、10位においてハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択される基で必要に応じて置換される、5または6員の炭素環(すなわち、m=0または1)であり;
環Dは、1、2もしくは3つの不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または以下のとおり:
14位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノ、および12位に架橋しているシクロプロピルから選択される基で;
15位または16位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから選択される基で、
必要に応じて独立して置換される、5、6または7員の炭素環(すなわち、n=0、1または2)である。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(IIa)の化合物(式中、環Cは、11位において必要に応じて置換される5員の炭素環であり、環Dは、16位において置換される7員の炭素環である)などのシクロパミンアナログ化合物である式(II)のケトン基質化合物を変換することができ、そのケトン基質化合物は、スキーム5に示されるように、式(Ia)のキラルアミン生成物に変換され得る:
式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合を含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(IIb)の化合物(式中、環Cは、5員の炭素環であり、環Dは、6員の炭素環である)などのシクロパミンアナログ化合物である式(II)のケトン基質化合物を変換することができ、そのケトン基質化合物は、スキーム6に示されるように、式(Ib)のキラルアミン生成物に変換され得る:
式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合または12位と14位との間に架橋シクロプロピルを含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(IIc)の化合物(式中、環Cは、5員の炭素環であり、環Dは、6員の炭素環である)などのベラトラミンアナログ化合物である式(II)のケトン基質化合物を変換することができ、そのケトン基質化合物は、スキーム7に示されるように、式(Ic)のキラルアミン生成物に変換され得る:
式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、芳香族であり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される。
いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(IId)の化合物(式中、環Cは、6員の炭素環であり、環Dは、5員の炭素環である)などのステロイドアナログ化合物である式(II)のケトン基質化合物を変換することができ、そのケトン基質化合物は、スキーム8に示されるように、式(Id)のキラルアミン生成物に変換され得る:
式中、
環Aは、2位と3位との間または5位と6位との間に不飽和C−C結合を含み;
およびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシおよびメチルから独立して選択される。
式(II)の大きなケトン基質化合物から式(I)のキラルアミン生成物化合物への効率的な変換に適合された操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2の操作された参照トランスアミナーゼポリペプチドのアミノ酸配列と比べて、1つ以上の残基差異を有する。その残基差異は、酵素活性、酵素安定性および生成物のアミンによる阻害に対する抵抗性を含む酵素特性の増強に関連する。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、規定の時間において同じ量の酵素を用いたとき、野生型または配列番号4の操作された参照トランスアミナーゼと比べて、式(II)の基質化合物(例えば、化合物(2))から式(I)のアミノ生成物化合物(例えば、化合物(1))への、ジアステレオマー過剰での変換において高い活性を示す。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、好適な反応条件下において、配列番号4によって表される操作された参照ポリペプチドと比べて、少なくとも約1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍もしくは50倍またはそれを超える活性を有する。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、野生型または操作された参照酵素と比べて、変換反応において使用される温度および/または溶媒に対して高い安定性を有する。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、好適な反応条件下において、配列番号4の参照ポリペプチドと比べて、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれを超える安定性を有する。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、野生型または操作された参照酵素と比べて、化合物(1)の生成物キラルアミンによる阻害に対して高い不応性または抵抗性を有する。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、下記でさらに説明されるように、好適な反応条件下において、配列番号4によって表されるポリペプチドと比べて、化合物(1)の生成物による阻害に対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍またはそれを超える高い抵抗性を有する。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、好適な反応条件下において、化合物(2)の基質を化合物(1)に、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%超またはそれを超えるジアステレオマー過剰率で(すなわち、キラルアミン中心に反対のエナンチオマーを有する他のジアステレオ異性生成物化合物に対して過剰で)変換することができる。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、好適な反応条件下において、配列番号4の参照ポリペプチドと比較して、基質の存在について高い許容度で基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる。したがって、いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、好適な反応条件下、約72時間以下、約48時間以下、約36時間以下または約24時間以下(24h less)の反応時間において、少なくとも約1g/L、約5g/L、約10g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約70g/L、約100g/L、約125g/L、約150g/L、約175g/Lもしくは約200g/Lまたはそれを超える基質負荷濃度において、少なくとも約少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%のパーセント変換で、基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる。
上に記載された改善された特性の操作されたポリペプチドが上記変換を行う好適な反応条件は、下記および実施例においてさらに説明されるように、ポリペプチドの濃度もしくは量、基質、補助因子、緩衝剤、共溶媒、pHならびに/または温度および反応時間を含む条件に関して決定され得る。
本開示は、化合物(2)の構造アナログである式(II)のプロキラルな大きなケトン基質化合物を、化合物(1)の構造アナログである式(I)の対応するキラルアミン生成物化合物に変換することができる構造的特徴を有する200個の例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供する。本開示は、本開示に添付されている配列表の電子ファイル(参照により本明細書中に援用される)に、その200個の例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの配列構造を配列番号5〜204として提供する。奇数の配列識別子(すなわち、配列番号)は、偶数の配列番号によって提供されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を指す。本開示は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの機能活性とともに具体的なアミノ酸配列の特徴と相関する配列の構造情報も、表2Aおよび2Bに提供する。この構造と機能との相関関係の情報は、配列番号2の操作された参照ポリペプチドと比較したときの具体的なアミノ酸残基の差異および配列番号5〜204の200個の例示的な操作されたトランスアミナーゼに対する実験的に決定された関連する活性データの形態で提供される。アミノ酸残基差異は、野生型ω−VfTポリペプチドの配列(アクセッション:gi|327207066|gb|AEA39183.1|)と比較して以下の10個のアミノ酸残基差異を有する配列番号2の参照配列との比較に基づく:A9T;N45H;W57L;F86S;V153A;V177L;R211K;M294V;S324G;およびT391A。例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの各々の相対的なトランスアミナーゼ活性を、1次スクリーニングとして使用されたハイスループット(HTP)アッセイにおいて、所定の時間および温度にわたって、配列番号4の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのトランスアミナーゼ活性と比較して、基本型である化合物(2)の大きな基質ケトンから化合物(1)のキラルアミン生成物への変換として決定した。活性の基準として使用された配列番号4の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2の参照配列と比較して以下の8つのアミノ酸残基差異を有する:T34A;L56A;R88H;A153C;A155V;K163F;E315G;およびL417T。表2AにおけるHTP活性アッセイの値は、表および実施例において記述されるようなアッセイ反応条件に従って、1ウェルあたり約200μLの体積の96ウェルプレート形式において、大腸菌の透明な細胞溶解産物を使用して決定された。
場合によっては、振とうフラスコ粉末(shake−flask powder)(SFP)および/またはダウンストリームプロセス(downstream processed)(DSP)粉末アッセイを、例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの特性を評価する二次スクリーニングとして使用した(その結果が、表2Bに提供される)。このSFPおよびDSPの形態は、操作されたポリペプチドのより精製された粉末調製物を提供する。例えば、SFP調製物中の操作されたトランスアミナーゼは、その調製物中におよそ30%の総タンパク質であるが、DSP調製物中の操作されたトランスアミナーゼは、およそ80%の総タンパク質である。安定性の評価は、2つの異なる温度、55℃および60℃における活性を比較することによって行われた。
アミノ酸配列の観察、ならびに表2Aおよび2Bの200個の例示的な操作されたポリペプチドに対する結果から、配列番号4と比べて、以下の残基位置:X18、X19、X21、X31、X34、X53、X56、X57、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X163、X165、X171、X178、X190、X206、X228、X233、X235、X244、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X314、X316、X317、X319、X323、X358、X366、X383、X395、X399、X414、X415、X417、X424、X426、X427、X434およびX450における1つ以上の残基差異に関連する高い活性、エナンチオ選択性および/または安定性の改善された特性。改善された特性に関連するこれらの位置の各々における具体的なアミノ酸差異は:X18A;X19W;X21H;X31M;X53M;X56A/C;X57C/F;X73R;X86C/N;X88H/Y;X107G;X113C/L/P;X146L;X147H/K/V;X153V;X155A;X163L;X165F;X171Q;X178W;X190K;X206K;X228G;X233T/V;X235P;X244T;X251V;X259V;X268A;X277A;X286C/H;X312N;X314N;X316A/C/F/N/S/T;X317L;X319N;X323T;X358K;X366H;X383C/F/I/L/M/T/V;X395P;X399A;X414I;X415A/G/H/L/V;X417V;X424A;X426R;X427Y;X434T;およびX450Sを含む。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4によって表される操作されたトランスアミナーゼと比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4によって表される操作されたトランスアミナーゼと比べて、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450から選択される残基位置に残基差異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450位における具体的なアミノ酸差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。
配列番号4と比べたときの上記の残基位置における残基差異に関連する具体的な酵素特性としては、とりわけ、酵素活性および安定性が挙げられる。高い酵素安定性に関連する残基差異は、具体的な残基差異であるX34T、X107G、X113L、X147H、X155V、X233T/V、X323T、X383I/VおよびX450Sを含む、残基位置X34、X107、X113、X147、X155、X233、X323、X383およびX450における残基差異に関連する。式(II)の大きなケトン基質から式(I)の対応するキラルアミン化合物への変換における高い活性に関連する残基差異は、具体的な残基差異であるX56A、X57F、X88H、X153C、X316N、X415HおよびX417Tを含む、残基位置X56、X57、X86、X88、X153、X316、X415およびX417における残基差異に関連する。化合物(2)などの式(II)の化合物から化合物(1)などの式(I)の化合物への変換に対する高い%eeに明確に関連する残基差異としては、X57F、X153CおよびX316Nが挙げられる。
当業者によって認識されるように、表2Aおよび2Bに開示された残基差異は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの活性および/またはエナンチオ選択性に対して有意な悪影響を及ぼさず、それは、化合物(2)から化合物(1)への変換に対するトランスアミナーゼ活性およびエナンチオ選択性(85%d.e.以上)を維持する。上記ポリペプチドのほぼすべてが、95%de以上のエナンチオ選択性を有する。したがって、当業者は、本明細書中に開示される残基位置における残基差異が、個別にまたは様々な組み合わせで使用されることにより、式(II)の大きなケトン基質化合物を式(I)のキラルアミン化合物に変換する際のトランスアミナーゼ活性、立体選択性および安定性をとりわけ含む所望の機能特性を有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドが生成され得ることを理解するだろう。
本明細書中に提供される指針に照らすと、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204の例示的な操作されたポリペプチドのいずれかが、例えば、表2Aおよび2Bの中の他のポリペプチドからの様々なアミノ酸差異と本明細書中に記載される他の残基位置との新しい組み合わせを付加することによるその後の進化のラウンドによって、他の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを合成するための開始時のアミノ酸配列として使用され得ることがさらに企図される。さらなる改善は、それより前の進化のラウンドを通じて変更されないまま維持された残基位置にアミノ酸差異を含めることによってもたらされ得る。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、トランスアミナーゼ活性、および必要に応じて、ケトン基質化合物(2)をキラルアミン生成物化合物(1)に変換する際の、配列番号4の参照ポリペプチドと比べて改善された特性を有する操作されたポリペプチドを提供し、ここで、そのポリペプチドは、参照配列である配列番号2に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。いくつかの実施形態において、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450位における具体的なアミノ酸差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、本明細書中に記載される改善されたエナンチオ選択性、例えば、≧90%deで、基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される参照配列に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。いくつかの実施形態において、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450位における具体的なアミノ酸差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4、8、26、36、40、78、100、102、148、156、160、170、172、180および198から選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号100である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号148である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号156である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号160である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号180である。
いくつかの実施形態において、本開示のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される参照配列に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える同一性、ならびに配列番号2と比べて、少なくとも以下の残基差異の組み合わせ、X34A、X56A、X57L、X86S、X88A;X153C、X155V、X163F、X315GおよびX417Tを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、(a)X31M、X57F、X316N、X323TおよびX383V;(b)X31M、X57F、X107G、X113L、X233T、X316N、X415HおよびX450S;(c)X31M、X57F、X233V、X316N、X323T、X383I、X415HおよびX450S;ならびに(d)X31M、X57F、X147H、X316N、X323T、X383I、X415HおよびX450Sから選択される残基差異の組み合わせをさらに含む。
当業者によって認識されるように、いくつかの実施形態において、選択される上記の1つまたは組み合わせの残基差異は、コア配列(または特徴)として、操作されたトランスアミナーゼにおいて保存され得、他の残基位置におけるさらなる残基差異が、そのコア配列に組み込まれることにより、改善された特性を有するさらなる操作されたトランスアミナーゼポリペプチドが生成され得る。したがって、上記の残基差異の1つまたはサブセットを含む任意の操作されたトランスアミナーゼに対して、本開示は、それらの残基差異の1つまたはサブセットおよび本明細書中に開示される他の残基位置におけるさらなる1つ以上の残基差異を含む他の操作されたトランスアミナーゼを企図することが理解されるべきである。例として、これらに限定されないが、残基位置X316に残基差異を含む操作されたトランスアミナーゼは、他の残基位置、例えば、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450に1つ以上の残基差異をさらに組み込み得る。別の例は、残基位置X56に残基差異を含む操作されたトランスアミナーゼであり、それは、他の残基位置、例えば、X19、X21、X34、X53、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450に1つ以上の残基差異をさらに含み得る。前述の実施形態の各々について、操作されたトランスアミナーゼは、X18A;X19W;X21H;X31M;X53M;X56A/C;X57C/F;X73R;X86C/N;X88H/Y;X107G;X113C/L/P;X146L;X147H/K/V;X153V;X155A;X163L;X165F;X171Q;X178W;X190K;X206K;X228G;X233T/V;X235P;X244T;X251V;X259V;X268A;X277A;X286C/H;X312N;X314N;X316A/C/F/N/S/T;X317L;X319N;X323T;X358K;X366H;X383C/F/I/L/M/T/V;X395P;X399A;X414I;X415A/G/H/L/V;X417V;X424A;X426R;X427Y;X434T;およびX450Sから選択されるさらなる残基差異をさらに含み得る。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4の参照ポリペプチドの活性と比較して、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれを超える活性で、基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態において、配列番号4の参照ポリペプチドの活性と比較して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれを超える活性で基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4と比べて、X34T、X107G、X113L、X147H、X155V、X233T/V、X323T、X383I/VおよびX450Sから選択される1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、配列番号4と比較して少なくとも1.2倍の活性で基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、78、82、84、86、88、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4の操作された参照トランスアミナーゼと比べて、変換反応において使用される温度および/または溶媒に対して高い安定性を有する。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、同じアッセイ条件下の55℃における活性と比べた60℃における相対的な活性によって計測されるとき、配列番号4の参照ポリペプチドよりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍またはそれを超える安定性を有する。いくつかの実施形態において、配列番号4のポリペプチドと比べて少なくとも1.2倍高い安定性を有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比べて、X34T、X107G、X113L、X147H、X155V、X233T/V、X323T、X383I/VおよびX450Sから選択される1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、表2Bの反応条件B、CまたはDのもと、少なくとも約20g/Lの基質負荷、24時間以下で、化合物(2)の少なくとも90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上または95%以上を化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、55℃において少なくとも約20g/Lの基質負荷、24時間以下で、化合物(2)の少なくとも90%以上を化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態において、55℃の条件下、少なくとも約20g/Lの基質負荷、24時間以下で、化合物(2)の少なくとも90%以上を化合物(1)に変換することができる操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号8、26、40、148、156、160、170、172および180から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、例えば、基質化合物(2)から生成物化合物(1)への変換において、トランスアミナーゼ活性を有する本開示の操作されたポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される配列を含むアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態において、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたトランスアミナーゼは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204のうちの1つに対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性、ならびに配列番号2と比べて、表2Aおよび2Bに提供されるような、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204のいずれか1つに存在するアミノ酸残基差異を有するアミノ酸配列を含む。
上で特定された残基位置に加えて、本明細書中に開示される任意の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較して、他の残基位置、すなわち、X18、X19、X21、X31、X34、X53、X56、X57、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X163、X165、X171、X178、X190、X206、X228、X233、X235、X244、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X314、X316、X317、X319、X323、X358、X366、X383、X395、X399、X414、X415、X417、X424、X426、X427、X434およびX450以外の残基位置に他の残基差異をさらに含み得る。これらの他の残基位置における残基差異は、トランスアミナーゼ反応(例えば、化合物(2)から化合物(1)への変換)を行うポリペプチドの能力に悪影響を及ぼさずに、そのアミノ酸配列にさらなるバリエーションを提供する。したがって、いくつかの実施形態において、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのうちのいずれか1つのアミノ酸残基差異に加えて、その配列は、他のアミノ酸残基位置に、配列番号2と比べて、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45または1〜50個の残基差異をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、参照配列と比べたときのアミノ酸残基差異の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45または50個の残基位置であり得る。これらの他の位置における残基差異は、保存的な変更または非保存的な変更を含み得る。いくつかの実施形態において、それらの残基差異は、V.fluvialisの野生型トランスアミナーゼポリペプチドまたは配列番号2の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと比べて、保存的置換および非保存的置換を含み得る。
野生型V.fluvialisまたは配列番号2の参照配列と比較して他の位置におけるアミノ酸残基差異および酵素機能に対するこれらの差異の影響は、特許公報WO2010081053、US20100209981およびWO2011159910;Yunら、2005,Appl Environ Micriobiol.,71(8):4220−4224);およびChoら、2008,Biotechnol Bioeng.99(2):275−84(これらのすべてが、参照により本明細書中に援用される)に、他の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドに対して記載されている。したがって、いくつかの実施形態において、配列番号2の配列と比べたアミノ酸差異のうちの1つ以上が、X4;X6;X12;X18;X30;X44;X56;X81;X82;X85;X95;X112;X122;X127;X130;X157;X164;X166;X167;X174;X181;X208;X228;X253;X256;X272;X285;X286;X293;X297;X302;X311;X312;X316;X317;X319;X320;X321;X332;X385;X407;X408;X409;X415;X418;X431;X434;X438;X444;およびX446から選択される残基位置において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドにも導入され得る。特に、前述の位置におけるアミノ酸残基は、以下から選択され得る:X4R/Q/L;X6R/I/N;X12A/G/K;X18A/V/L/I;X30A;X44A;X56V;X81D;X82H;X85A/S/V/T/N/C/G;X95T;X112I;X122E;X127L;X130G/M/A/V/L/I;X157T;X164N/Q/S/T/G/M/A/V/L/I;X166S;X167K/R;X174E/D;X181R;X208I;X228G/T;X253M;X256A;X272A;X285H;X286N/Q/S/T;X293N/Q/S/T;X297A;X302K;X311V;X312D/E;X316K/H/P;X317L/M/Y;X319Q/G/M/N/V;X320A/K;X321L/M/I;X332N/Q/S/T;X385R;X407S;X408A;X409G;X415M/L;X418V/N/Q/S/T;X431D;X434V;X438L;X444V;およびX446V。これらの残基位置におけるアミノ酸残基の選択の指針および望ましい酵素特性に対するそれらの影響は、引用される参考文献に見られる。
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの機能活性および/または改善された特性を保持する、その操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの任意のフラグメントを含む操作されたトランスアミナーゼポリペプチドも提供する。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、好適な反応条件下で化合物(2)を化合物(1)に変換する際に、トランスアミナーゼ活性を有する、ポリペプチドフラグメントを提供し、ここで、そのフラグメントは、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(例えば、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチド)の完全長アミノ酸配列の少なくとも約80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%を含む。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(例えば、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204の例示的な操作されたポリペプチド)のうちのいずれか1つの欠失を含むアミノ酸配列を有し得る。したがって、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの各実施形態およびすべての実施形態に対して、アミノ酸配列は、トランスアミナーゼポリペプチドの1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、3つ以上のアミノ酸、4つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、6つ以上のアミノ酸、8つ以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、15個以上のアミノ酸または20個以上のアミノ酸、アミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の10%まで、アミノ酸の総数の20%まで、またはアミノ酸の総数の30%までの欠失を含み得、ここで、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼの関連する機能活性および/または改善された特性は、維持される。いくつかの実施形態において、欠失は、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45または1〜50個のアミノ酸残基を含み得る。いくつかの実施形態において、欠失の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45または50個のアミノ酸残基であり得る。いくつかの実施形態において、欠失は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24または25個のアミノ酸残基の欠失を含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(例えば、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204の例示的な操作されたポリペプチド)のうちのいずれか1つと比べて挿入を含むアミノ酸配列を有し得る。したがって、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドの各実施形態およびすべての実施形態に対して、挿入は、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、3つ以上のアミノ酸、4つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、6つ以上のアミノ酸、8つ以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、15個以上のアミノ酸、20個以上のアミノ酸、30個以上のアミノ酸、40個以上のアミノ酸または50個以上のアミノ酸を含み得、ここで、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼの関連する機能活性および/または改善された特性は、維持される。それらの挿入は、トランスアミナーゼポリペプチドのアミノ末端もしくはカルボキシ末端または内部の部分への挿入であり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される配列、ならびに必要に応じて、1つまたはいくつか(例えば、最大3、4、5個または最大10個)のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を含むアミノ酸配列を有し得る。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、必要に応じて、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45または1〜50個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、必要に応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45または50個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列は、必要に応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24または25個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、それらの置換は、保存的置換または非保存的置換であり得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドを提供し、そのポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される配列に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むが、ただし、そのアミノ酸配列は、特許出願公開公報WO2010081053、US20100209981およびWO2011159910;Yunら、2005,Appl Environ Micriobiol.,71(8):4220−4224);ならびにChoら、2008,Biotechnol Bioeng.99(2):275−84(これらのすべてが、参照により本明細書中に援用される)に開示されている例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのアミノ酸配列のいずれとも同一でない(つまり、それらを除外する)。
上記の実施形態において、操作されたポリペプチドに適した反応条件は、表2Aおよび2B、実施例ならびに本明細書中の他の箇所に記載されているものであり得る。
いくつかの実施形態において、本開示のポリペプチドは、操作されたポリペプチドが、他のポリペプチド(例えば、例として、これらに限定されないが、抗体タグ(例えば、mycエピトープ)、精製配列(例えば、金属への結合のためのHisタグ)および細胞局在化シグナル(例えば、分泌シグナル))に融合された、融合ポリペプチドの形態であり得る。したがって、本明細書中に記載される操作されたポリペプチドは、他のポリペプチドへの融合を伴ってまたは伴わずに、使用され得る。
本明細書中に記載されるポリペプチドが、遺伝的にコードされるアミノ酸に限定されないことが理解されるべきである。遺伝的にコードされるアミノ酸に加えて、本明細書中に記載されるポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸および/またはコードされない合成のアミノ酸を全体的にまたは部分的から構成され得る。本明細書中に記載されるポリペプチドを構成し得る一般的に遭遇するある特定のコードされないアミノ酸としては、遺伝的にコードされるアミノ酸のD−立体異性体(stereomer);2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr);α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸(Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシンまたはサルコシン(MeGlyまたはSar);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t−ブチルアラニン(Bua);t−ブチルグリシン(Bug);N−メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);ナフチルアラニン(Nal);2−クロロフェニルアラニン(Ocf);3−クロロフェニルアラニン(Mcf);4−クロロフェニルアラニン(Pcf);2−フルオロフェニルアラニン(Off);3−フルオロフェニルアラニン(Mff);4−フルオロフェニルアラニン(Pff);2−ブロモフェニルアラニン(Obf);3−ブロモフェニルアラニン(Mbf);4−ブロモフェニルアラニン(Pbf);2−メチルフェニルアラニン(Omf);3−メチルフェニルアラニン(Mmf);4−メチルフェニルアラニン(Pmf);2−ニトロフェニルアラニン(Onf);3−ニトロフェニルアラニン(Mnf);4−ニトロフェニルアラニン(Pnf);2−シアノフェニルアラニン(Ocf);3−シアノフェニルアラニン(Mcf);4−シアノフェニルアラニン(Pcf);2−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Otf);3−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Mtf);4−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Ptf);4−アミノフェニルアラニン(Paf);4−ヨードフェニルアラニン(Pif);4−アミノメチルフェニルアラニン(Pamf);2,4−ジクロロフェニルアラニン(Opef);3,4−ジクロロフェニルアラニン(Mpcf);2,4−ジフルオロフェニルアラニン(Opff);3,4−ジフルオロフェニルアラニン(Mpff);ピリド−2−イルアラニン(2pAla);ピリド−3−イルアラニン(3pAla);ピリド−4−イルアラニン(4pAla);ナフト−1−イルアラニン(1nAla);ナフト−2−イルアラニン(2nAla);チアゾリルアラニン(taAla);ベンゾチエニルアラニン(bAla);チエニルアラニン(tAla);フリルアラニン(fAla);ホモフェニルアラニン(hPhe);ホモチロシン(hTyr);ホモトリプトファン(hTrp);ペンタフルオロフェニルアラニン(5ff);スチリルアラニン(styrylkalanine)(sAla);アウトリルアラニン(authrylalanine)(aAla);3,3−ジフェニルアラニン(Dfa);3−アミノ−5−フェニルペンタン酸(phenypentanoic acid)(Afp);ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(Mso);N(w)−ニトロアルギニン(nArg);ホモリジン(hLys);ホスホノメチルフェニルアラニン(pmPhe);ホスホセリン(pSer);ホスホトレオニン(pThr);ホモアスパラギン酸(hAsp);ホモグルタミン酸(homoglutanic acid)(hGlu);1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4カルボン酸;ピペコリン酸(PA)、アゼチジン−3−カルボン酸(ACA);1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸;アリルグリシン(aOly);プロパルギルグリシン(pgGly);ホモアラニン(hAla);ノルバリン(nVal);ホモロイシン(hLeu)、ホモバリン(hVal);ホモイソロイシン(hIle);ホモアルギニン(hArg);N−アセチルリジン(AcLys);2,4−ジアミノ酪酸(Dbu);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys);ホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp)およびホモプロリン(hPro)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に記載されるポリペプチドを構成し得るさらなるコードされないアミノ酸は、当業者に明らかだろう(例えば、Fasman,1989,CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,CRC Press,Boca Raton,FL,at pp.3−70およびそれらの中で引用されている参考文献(これらのすべてが、参照により援用される)に提供されている様々なアミノ酸を参照のこと)。これらのアミノ酸は、L−配置またはD−配置であり得る。
当業者は、側鎖保護基を有するアミノ酸または残基もまた、本明細書中に記載されるポリペプチドを構成し得ることを認識するだろう。そのような保護されたアミノ酸(この場合、芳香族のカテゴリーに属する)の非限定的な例(保護基が括弧内に列挙される)としては:Arg(tos)、Cys(メチルベンジル)、Cys(ニトロピリジンスルフェニル)、Glu(δ−ベンジルエステル)、Gln(キサンチル)、Asn(N−δ−キサンチル)、His(bom)、His(ベンジル)、His(tos)、Lys(fmoc)、Lys(tos)、Ser(O−ベンジル)、Thr(O−ベンジル)およびTyr(O−ベンジル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載されるポリペプチドを構成し得る立体構造的に制約される非コードアミノ酸としては、N−メチルアミノ酸(L−配置);1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4−カルボン酸;ピペコリン酸;アゼチジン−3−カルボン酸;ホモプロリン(hPro);および1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、固体支持体(例えば、膜、樹脂、固体キャリアまたは他の固相材料)上に提供され得る。固体支持体は、有機ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシおよびポリアクリルアミド)ならびにそのコポリマーおよびグラフトから構成され得る。固体支持体は、無機でもあり得る(例えば、ガラス、シリカ、コントロールドポアガラス(controlled pore glass)(CPG)、逆相シリカまたは金属、例えば、金または白金)。固体支持体の形状は、ビーズ、球、粒子、顆粒、ゲル、膜または表面の形態であり得る。表面は、平面、実質的に平面または非平面であり得る。固体支持体は、多孔性または非多孔性であり得、膨潤するまたは膨潤しない特徴を有し得る。固体支持体は、ウェル、くぼみの形態、または他の容器、うつわ、特徴もしくは場所で形成され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、配列番号4の参照ポリペプチドと比較して改善された活性、立体選択性および/または他の改善された特性を保持するように、固体支持体上に固定化され得る。そのような実施形態において、固定化されたポリペプチドは、式(II)の基質化合物または他の好適な基質から、式(I)の生成物化合物または対応する生成物(例えば、本明細書中に記載されるスキーム4〜8に示されているような)への生体触媒変換を促進することができ、その反応が完了した後、容易に保持され(例えば、ポリペプチドが固定化されているビーズを保持することによって)、次いで、その後の反応において再使用されるかまたは再利用される。そのような固定化された酵素プロセスは、さらなる効率およびコスト低減を可能にする。したがって、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用する任意の方法が、固体支持体上に結合されたまたは固定化された同じ操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用して行われ得ることがさらに企図される。
酵素の固定化の方法は、当該分野で周知である。操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、非共有結合的にまたは共有結合的に結合され得る。酵素を固体支持体(例えば、樹脂、膜、ビーズ、ガラスなど)に結合体化するためおよび固定化するための様々な方法が、当該分野で周知であり、それらは、例えば、Yiら、“Covalent immobilization of ω−transaminase from Vibrio fluvialis JS17 on chitosan beads,”Process Biochemistry 42(5):895−898(2007年5月);Martinら、“Characterization of free and immobilized(S)−aminotransferase for acetophenone production,”Applied Microbiology and Biotechnology 76(4):843−851(2007年9月);Koszelewskiら、“Immobilization of ω−transaminases by encapsulation in a sol−gel/celite matrix,”Journal of Molecular Catalysis B:Enzymatic,63:39−44(2010年4月);Truppoら、“Development of an Improved Immobilized CAL−B for the Enzymatic Resolution of a Key Intermediate to Odanacatib,”Organic Process Research & Development,published online:dx.doi.org/10.1021/op200157c;Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Second Edition,Academic Press(2008);Mateoら、“Epoxy sepabeads:a novel epoxy support for stabilization of industrial enzymes via very intense multipoint covalent attachment,”Biotechnology Progress 18(3):629−34(2002);およびBioconjugation Protocols:Strategies and Methods,Methods in Molecular Biology,C.M.Niemeyer ed.,Humana Press(2004)(これらの各開示は、参照により本明細書中に援用される)に記載されている。本開示の操作されたトランスアミナーゼを固定化するために有用な固体支持体としては、エポキシド官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシド官能基を有するポリメタクリレート、オクタデシル官能基を有するスチレン/DVBコポリマーまたはポリメタクリレートを含む、ビーズまたは樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の操作されたトランスアミナーゼを固定化するために有用な例示的な固体支持体としては、キトサンビーズ、Eupergit CおよびSEPABEAD(Mitsubishi)(以下の異なるタイプのSEPABEAD:EC−EP、EC−HFA/S、EXA252、EXE119およびEXE120を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、操作されたポリペプチドは、様々な形態、例えば、単離された調製物、実質的に精製された酵素、その酵素をコードする遺伝子で形質転換された細胞全体、ならびに/またはそのような細胞の細胞抽出物および/もしくは溶解産物として、存在し得る。それらの酵素は、下記でさらに論じられるように、凍結乾燥され得るか、噴霧乾燥され得るか、沈殿され得るか、または粗ペーストの形態で存在し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるポリペプチドは、キットの形態で提供され得る。それらのキット内の酵素は、個別にまたは複数の酵素として存在し得る。それらのキットは、酵素反応を行うための試薬、酵素の活性を評価するための基質、ならびに生成物を検出するための試薬をさらに備え得る。それらのキットは、試薬ディスペンサーおよびそれらのキットを使用するための指示書も備え得る。
いくつかの実施形態において、上記ポリペプチドは、位置的に異なる場所にそれらのポリペプチドが配置されたアレイの形態で固体支持体上に提供され得る。そのアレイは、上記ポリペプチドによる変換について種々の基質化合物を試験するために使用され得る。複数の支持体が、アレイ上に、ロボットによる試薬の送達のためにまたは検出方法および/もしくは検出機器によってアドレス可能な様々な場所に、配置され得る。基材、例えば、膜、ビーズ、ガラスなどに結合体化するための様々な方法が、とりわけ、Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,2nd Edition,Academic Press;(2008)およびBioconjugation Protocols:Strategies and Methods,Methods in Molecular Biology,C.M.Niemeyer ed.,Humana Press(2004)(これらの開示は、参照により本明細書中に援用される)に記載されている。
いくつかの実施形態において、本開示のキットは、本明細書中に開示される複数の異なる操作されたケトレダクターゼポリペプチドをアドレス可能な異なる位置に含むアレイを備え、ここで、その異なるポリペプチドは、参照配列の異なる改変体であり、その各々が、少なくとも1つの異なる改善された酵素特性を有する。複数の操作されたポリペプチドを含むそのようなアレイおよびそれらを使用する方法は、WO2009008908に記載されている。
5.4 操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、発現ベクターおよび宿主細胞
別の態様において、本開示は、本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。それらのポリヌクレオチドは、遺伝子発現を調節する1つ以上の異種制御配列に作動可能に連結されることにより、そのポリペプチドを発現することができる組換えポリヌクレオチドが作製され得る。操作されたトランスアミナーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物は、適切な宿主細胞に導入されることにより、対応するトランスアミナーゼポリペプチドが発現され得る。
当業者に明らかであるように、タンパク質配列の利用可能性および様々なアミノ酸に対応するコドンの知識は、主題のポリペプチドをコードすることができるすべてのポリヌクレオチドの説明を提供する。同じアミノ酸が代替のコドンまたは同義語コドンによってコードされる遺伝暗号の縮重により、そのすべてが改善されたトランスアミナーゼ酵素をコードする極めて多数の核酸を作製することが可能になる。したがって、特定のアミノ酸配列に関する知識を有していれば、当業者は、そのタンパク質のアミノ酸配列を変化させずに1つ以上のコドンの配列を単純に改変することによって、任意の数の異なる核酸を作製することができるだろう。この点において、本開示は、可能性のあるコドン選択に基づいて組み合わせを選択することによって、本明細書中に記載されるポリペプチドをコードするようにすることができるであろうポリヌクレオチドの可能性のある各バリエーションおよびすべてのバリエーションを明確に企図し、そのようなバリエーションのすべてが、表2Aおよび2Bに提示され、参照により本明細書中に援用される配列表に配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204として開示されるアミノ酸配列を含む本明細書中に記載される任意のポリペプチドに対して明確に開示されたと見なされるべきである。
様々な実施形態において、コドンは、好ましくは、そのタンパク質が産生されている宿主細胞に適合するように選択される。例えば、細菌において使用される好ましいコドンは、細菌における発現のために使用され;酵母において使用される好ましいコドンは、酵母における発現のために使用され;哺乳動物において使用される好ましいコドンは、哺乳動物細胞における発現のために使用される。いくつかの実施形態において、天然の配列が好ましいコドンを含み得るので、また、好ましいコドンを使用することが、すべてのアミノ酸残基にとって必要でないことがあるので、すべてのコドンが、トランスアミナーゼのコドン使用頻度を最適化するために置き換えられる必要があるわけではない。その結果として、トランスアミナーゼ酵素をコードするコドンが最適化されたポリヌクレオチドは、完全長コード領域のコドン位置の約40%、50%、60%、70%、80%または90%超に好ましいコドンを含み得る。
いくつかの実施形態において、上に記載されたように、上記ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示される特性(例えば、基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換する能力)とともにトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、ここで、そのポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される参照配列に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える同一性、ならびに配列番号2の参照ポリペプチドと比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。いくつかの実施形態において、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450位における具体的なアミノ酸差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4、8、26、36、40、78、100、102、148、156、160、170、172、180および198から選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号100である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号148である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号156である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号160である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号180である。
いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、本明細書中に開示される特性とともにトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、ここで、そのポリペプチドは、参照配列の配列番号2に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含み、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。
いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、ここで、そのポリペプチドは、参照配列の配列番号2に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性、および配列番号2と比べて、少なくとも以下の残基差異の組み合わせ:X34A、X56A、X57L、X86S、X88A;X153C、X155V、X163F、X315GおよびX417Tを有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、配列番号2と比べて、(a)X31M、X57F、X316N、X323TおよびX383V;(b)X31M、X57F、X107G、X113L、X233T、X316N、X415HおよびX450S;(c)X31M、X57F、X233V、X316N、X323T、X383I、X415HおよびX450S;ならびに(d)X31M、X57F、X147H、X316N、X323T、X383I、X415HおよびX450Sから選択される残基差異の組み合わせをさらに含むポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、ここで、そのポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204のうちのいずれか1つから選択される参照ポリペプチドに対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むが、ただし、そのアミノ酸配列は、配列番号2と比べて、表2Aおよび2Bに列挙されたような配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204のポリペプチド配列のうちのいずれか1つに含められる残基差異セットのうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201および203から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201および203から選択される参照ポリヌクレオチド配列またはその相補鎖に、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、本明細書中に記載される改善された特性のうちの1つ以上とともにトランスアミナーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードし、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。
いくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドは、本明細書中に記載されるポリペプチドをコードするが、操作されたトランスアミナーゼをコードする参照ポリヌクレオチドに対して、ヌクレオチドレベルで約80%以上の配列同一性、約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれを超える配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、参照ポリヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201および203から選択される。
本明細書中の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのいずれかをコードする単離されたポリヌクレオチドは、そのポリペプチドの発現をもたらすように、種々の方法で操作され得る。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を制御する1つ以上の調節配列が存在する発現ベクターとして提供され得る。発現ベクターに応じて、ベクターに挿入する前に、単離されたポリヌクレオチドを操作することが、望ましい場合があるか、または必要である場合がある。組換えDNA法を利用してポリヌクレオチドおよび核酸配列を改変するための手法は、当該分野で周知である。指針は、Sambrookら、2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubel.F.ed.,Greene Pub.Associates,1998,2006年改訂、に提供されている。
いくつかの実施形態において、調節配列には、とりわけ、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列および転写ターミネーターが含まれる。好適なプロモーターは、使用される宿主細胞に基づいて選択され得る。細菌宿主細胞の場合、本開示の核酸構築物の転写の指示に適したプロモーターとしては、大腸菌のlacオペロン、Streptomyces coelicolorのアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisのレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus licheniformisのアルファ−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus stearothermophilusのマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bacillus amyloliquefaciensのアルファ−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus licheniformisのペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilisのxylAおよびxylB遺伝子ならびに原核生物のベータ−ラクタマーゼ遺伝子(Villa−Kamaroffら、1978,Proc.Natl Acad.Sci.USA 75:3727−3731)から得られるプロモーター、ならびにtacプロモーター(DeBoerら、1983,Proc.Natl Acad.Sci.USA 80:21−25)が挙げられる。糸状菌宿主細胞に対する例示的なプロモーターとしては、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus nigerの中性アルファ−アミラーゼ、Aspergillus nigerの酸安定性アルファ−アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamoriのグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiのリパーゼ、Aspergillus oryzaeのアルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzaeのトリオースホスフェートイソメラーゼ、Aspergillus nidulansのアセトアミダーゼおよびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787)に対する遺伝子から得られるプロモーター、ならびにNA2−tpiプロモーター(Aspergillus nigerの中性アルファ−アミラーゼおよびAspergillus oryzaeのトリオースホスフェートイソメラーゼに対する遺伝子由来のプロモーターのハイブリッド)ならびにそれらの変異体プロモーター、切断型プロモーターおよびハイブリッドプロモーターが挙げられる。例示的な酵母細胞プロモーターは、出芽酵母のエノラーゼ(ENO−1)、出芽酵母のガラクトキナーゼ(GAL1)、出芽酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)および出芽酵母の3−ホスホグリセリン酸キナーゼに対する遺伝子に由来し得る遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞に対する他の有用なプロモーターは、Romanosら、1992,Yeast 8:423−488によって記載されている。
調節配列は、転写を終結するための、宿主細胞によって認識される配列である好適な転写ターミネーター配列でもあり得る。そのターミネーター配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞において機能的である任意のターミネーターが、本発明において使用され得る。例えば、糸状菌宿主細胞に対する例示的な転写ターミネーターは、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸シンターゼ、Aspergillus nigerのアルファ−グルコシダーゼおよびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼに対する遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞に対する例示的なターミネーターは、出芽酵母のエノラーゼ、出芽酵母のシトクロムC(CYC1)および出芽酵母のグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素に対する遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞に対する他の有用なターミネーターは、Romanosら、1992,前出によって記載されている。
調節配列は、宿主細胞による翻訳にとって重要なmRNAの非翻訳領域である好適なリーダー配列でもあり得る。そのリーダー配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞において機能的である任意のリーダー配列が、使用され得る。糸状菌宿主細胞に対する例示的なリーダーは、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼおよびAspergillus nidulansのトリオースホスフェートイソメラーゼに対する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞に対する好適なリーダーは、出芽酵母のエノラーゼ(ENO−1)、出芽酵母の3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、出芽酵母のアルファ−因子および出芽酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)に対する遺伝子から得られる。
調節配列は、核酸配列の3’末端に作動可能に連結される配列であり、かつ転写されたとき、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして宿主細胞によって認識される配列である、ポリアデニル化配列でもあり得る。最適な宿主細胞において機能的である任意のポリアデニル化配列が、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞に対する例示的なポリアデニル化配列は、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸シンターゼ、Fusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼおよびAspergillus nigerのアルファ−グルコシダーゼに対する遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞に対する有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman,1995,Mol Cell Bio 15:5983−5990によって記載されている。
調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に方向づける、シグナルペプチドコード領域でもあり得る。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み枠で天然に連結されたシグナルペプチドコード領域を本質的に含み得る。あるいは、コード配列の5’末端は、コード配列に対して外来のシグナルペプチドコード領域を含み得る。発現されたポリペプチドを最適な宿主細胞の分泌経路に方向づける任意のシグナルペプチドコード領域が、操作されたポリペプチドの発現のために使用され得る。細菌宿主細胞に対する効果的なシグナルペプチドコード領域は、Bacillus NClB11837のマルトース生成アミラーゼ、Bacillus stearothermophilusのアルファ−アミラーゼ、Bacillus licheniformisのサブチリシン、Bacillus licheniformisのベータ−ラクタマーゼ、Bacillus stearothermophilusの中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)およびBacillus subtilisのprsAに対する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、Simonen and Palva,1993,Microbiol Rev 57:109−137によって記載されている。糸状菌宿主細胞に対する効果的なシグナルペプチドコード領域は、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerの中性アミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensのセルラーゼおよびHumicola lanuginosaのリパーゼに対する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域であり得る。酵母宿主細胞に対する有用なシグナルペプチドは、出芽酵母のアルファ−因子および出芽酵母のインベルターゼに対する遺伝子に由来し得る。
調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に配置されたアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域でもあり得る。結果として生じるポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(または場合によってはチモーゲン)と称される。プロポリペプチドは、そのプロポリペプチド由来のプロペプチドの触媒的切断または自己触媒的切断によって、成熟した活性なポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード領域は、Bacillus subtilisのアルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilisの中性プロテアーゼ(nprT)、出芽酵母のアルファ−因子、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼおよびMyceliophthora thermophilaのラクターゼ(WO95/33836)に対する遺伝子から得られることがある。シグナルペプチド領域とプロペプチド領域の両方が、ポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域が、ポリペプチドのアミノ末端の隣に配置され、シグナルペプチド領域が、プロペプチド領域のアミノ末端の隣に配置される。
宿主細胞の増殖に関連してポリペプチドの発現の制御を可能にする制御配列を付加することが望ましい場合もある。制御系の例は、化学的刺激または物理的刺激(制御化合物の存在を含む)に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフにするものである。原核生物宿主細胞において、好適な制御配列としては、lac、tacおよびtrpオペレーター系が挙げられる。酵母宿主細胞において、好適な制御系としては、例として、ADH2系またはGAL1系が挙げられる。糸状菌において、好適な制御配列としては、TAKAアルファ−アミラーゼプロモーター、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼプロモーターおよびAspergillus oryzaeのグルコアミラーゼプロモーターが挙げられる。
別の態様において、本開示は、導入される宿主タイプに応じた、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター、および1つ以上の発現制御領域(例えば、プロモーターおよびターミネーター、複製起点など)にも関する。上に記載された様々な核酸配列および調節配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列を好都合な制限酵素認識部位に挿入または置換することを可能にする1つ以上のそのような部位を含み得る組換え発現ベクターを生成するように、共につなぎ合わされ得る。あるいは、本開示の核酸配列は、核酸配列またはその配列を含む核酸構築物を、発現にとって適切なベクターに挿入することによって、発現され得る。発現ベクターを作製する際、コード配列は、コード配列が、発現にとって適切な調節配列と作動可能に連結されるように、ベクター内に配置される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に便利に供され得る任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得、ポリヌクレオチド配列の発現をもたらし得る。ベクターの選択は、代表的には、ベクターが導入される宿主細胞とベクターの適合性に依存し得る。ベクターは、直鎖状または閉環状のプラスミドであり得る。
発現ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の実体、例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体または人工染色体として存在するベクターであり得、その複製は、染色体の複製とは無関係である。そのベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含み得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体とともに複製されるベクターであり得る。さらに、単一のベクターもしくはプラスミド、または2つ以上のベクターもしくはプラスミド(それらが合わせて、宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを含む)あるいはトランスポゾンが、使用され得る。
発現ベクターは、好ましくは、形質転換された細胞を容易に選択することを可能にする1つ以上の選択マーカーを含む。選択マーカーは、その産物が、殺生物剤抵抗性またはウイルス抵抗性、重金属に対する抵抗性、栄養素要求株に対する原栄養性などを提供する遺伝子である。細菌の選択マーカーの例は、Bacillus subtilisもしくはBacillus licheniformis由来のdal遺伝子、または抗生物質耐性(例えば、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、クロラムフェニコール耐性(実施例1)またはテトラサイクリン耐性)を付与するマーカーである。酵母宿主細胞に対する好適なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。糸状菌宿主細胞において使用するための選択マーカーとしては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにそれらの等価物が挙げられるが、これらに限定されない。Aspergillus細胞において使用するための実施形態は、Aspergillus nidulansまたはAspergillus oryzaeのamdSおよびpyrG遺伝子ならびにStreptomyces hygroscopicusのbar遺伝子を含む。
別の態様において、本開示は、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供し、そのポリヌクレオチドは、宿主細胞においてトランスアミナーゼ酵素を発現するための1つ以上の調節配列に作動可能に連結される。本発明の発現ベクターによってコードされるポリペプチドの発現において使用するための宿主細胞は、当該分野で周知であり、それらとしては、細菌細胞(例えば、大腸菌、Vibrio fluvialis、StreptomycesおよびSalmonella typhimuriumの細胞);真菌細胞(例えば、酵母細胞(例えば、出芽酵母またはPichia pastoris(ATCCアクセッション番号201178)));昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO、COS、BHK、293およびBowesメラノーマ細胞);および植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な宿主細胞は、大腸菌W3110(ΔfhuA)およびBL21である。
したがって、別の態様において、本開示は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを製造する方法を提供し、ここで、その方法は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を、そのポリペプチドの発現に適した条件下で培養する工程を含み得る。その方法は、本明細書中に記載されるような発現されたトランスアミナーゼポリペプチドを単離する工程または精製する工程をさらに含み得る。
上に記載された宿主細胞に対する適切な培養培地および増殖条件は、当該分野で周知である。上記トランスアミナーゼの発現のためのポリヌクレオチドは、当該分野で公知の様々な方法によって細胞に導入され得る。手法としては、とりわけ、エレクトロポレーション、遺伝子銃(biolistic particle bombardment)、リポソーム媒介性トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクションおよびプロトプラスト融合が挙げられる。
本明細書中の実施形態の場合、操作されたポリペプチドおよび対応するポリヌクレオチドは、当業者が使用する方法を用いて得ることができる。Vibrio fluvialisの野生型ポリペプチドをコードする親ポリヌクレオチド配列は、Shinら、2003,Appl.Microbiol.Biotechnol.61(5−6):463−471に記載されており、改善された安定性および基質認識特性を有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを作製する方法は、参照により本明細書中に援用される特許出願公開公報WO2010081053およびUS20100209981に開示されている。
本明細書中に開示される特性を有する操作されたトランスアミナーゼは、上で論じたように、天然に存在するまたは操作されたトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを変異誘発および/または定向進化法に供することによって、得ることができる。例示的な定向進化技術は、Stemmer,1994,Proc Natl Acad Sci USA 91:10747−10751;WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767および米国特許第6,537,746号に記載されているような、変異誘発および/またはDNAシャフリングである。使用され得る他の定向進化手順としては、とりわけ、付着伸長プロセス(staggered extension process)(StEP)、インビトロ組換え(Zhaoら、1998,Nat.Biotechnol.16:258−261)、変異誘発PCR(Caldwellら、1994,PCR Methods Appl.3:S136−S140)およびカセット変異誘発(Blackら、1996,Proc Natl Acad Sci USA 93:3525−3529)が挙げられる。本明細書中の目的にとって有用な変異誘発および定向進化法は、以下の参考文献にも記載されている:Lingら、1997,Anal.Biochem.254(2):157−78;Daleら、1996,“Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method,”Methods Mol.Biol.57:369−74;Smith,1985,Ann.Rev.Genet.19:423−462;Botsteinら、1985,Science 229:1193−1201;Carter,1986,Biochem.J.237:1−7;Kramerら、1984,Cell,38:879−887;Wellsら、1985,Gene 34:315−323;Minshullら、1999,Curr Opin Chem Biol 3:284−290;Christiansら、1999,Nature Biotech 17:259−264;Crameriら、1998,Nature 391:288−291;Crameriら、1997,Nature Biotech 15:436−438;Zhangら、1997,Proc Natl Acad Sci USA 94:45−4−4509;Crameriら、1996,Nature Biotech 14:315−319;Stemmer,1994,Nature 370:389−391;Stemmer,1994,Proc Natl Acad Sci USA 91:10747−10751;WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767および米国特許第6,537,746号。すべての刊行物が、参照により本明細書中に援用される。
変異誘発処理後に得られたクローンは、所望の改善された酵素特性を有する操作されたトランスアミナーゼについてスクリーニングされ得る。例えば、所望の改善された酵素特性が、熱安定性である場合、酵素活性は、酵素調製物を規定の温度に供した後に、熱処理の後に残っている酵素活性の量を計測して、計測され得る。次いで、トランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを含むクローンが、単離され、配列決定されることにより、ヌクレオチド配列の変化(もしあれば)が同定され、宿主細胞において酵素を発現するために使用される。発現ライブラリーからの酵素活性の計測は、標準的な生化学手法(例えば、生成物アミンの、例えば、OPAを用いた、誘導体化後のHPLC解析)を用いて行われ得る。
操作されたポリペプチドの配列が、公知である場合、その酵素をコードするポリヌクレオチドは、公知の合成法に従って、標準的な固相法によって調製され得る。いくつかの実施形態において、最大約100塩基のフラグメントは、個々に合成され、次いで、つなぎ合わせる(例えば、酵素的もしくは化学的なライゲーション(litigation)法、またはポリメラーゼに媒介される方法によって)ことにより、任意の所望の連続した配列が形成され得る。例えば、本明細書中に開示されるポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、通常、自動化された合成方法で実施されるように、例えば、Beaucageら、1981,Tet Lett 22:1859−69によって記載された従来のホスホルアミダイト法、またはMatthesら、1984,EMBO J.3:801−05によって記載された方法を使用する、化学合成によって、調製され得る。ホスホルアミダイト法によると、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置において、合成され、精製され、アニールされ、ライゲートされ、適切なベクターにクローニングされる。
したがって、いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを調製するための方法は、(a)配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、かつ配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するポリヌクレオチドを合成する工程(ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される);および(b)そのポリヌクレオチドによってコードされるトランスアミナーゼポリペプチドを発現させる工程を含み得る。その方法のいくつかの実施形態において、残基位置X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450における残基差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。
上記方法のいくつかの実施形態において、上記ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列は、必要に応じて、1つまたはいくつか(例えば、最大3、4、5個または最大10個)のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有し得る。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45または1〜50個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45または50個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24または25個のアミノ酸残基の欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、それらの置換は、保存的置換または非保存的置換であり得る。
発現される操作されたトランスアミナーゼは、本明細書中に記載される任意のアッセイ条件による化合物(2)から化合物(1)への変換において、所望の改善された特性、例えば、活性、エナンチオ選択性、安定性および製品公差について計測され得る。
いくつかの実施形態において、宿主細胞において発現された任意の操作されたトランスアミナーゼ酵素は、とりわけ、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心分離およびクロマトグラフィーを含むタンパク質精製のための周知の手法のうちのいずれか1つ以上を使用して、細胞およびまたは培養培地から回収され得る。大腸菌などの細菌からタンパク質を溶解するためおよび高効率で抽出するために適した溶液は、表2Aおよび実施例に提供され、商業的にも入手可能であり、例えば、St.Louis MOのSigma−Aldrich製のCelLytic B(商標)である。
トランスアミナーゼポリペプチドを単離するためのクロマトグラフ法としては、とりわけ、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動およびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。特定の酵素を精製するための条件は、正味の電荷、疎水性、親水性、分子量、分子の形状などのような因子に部分的に依存し、それらは、当業者に明らかだろう。
いくつかの実施形態において、アフィニティー法が、改善されたトランスアミナーゼ酵素を単離するために使用され得る。アフィニティークロマトグラフィー精製の場合、トランスアミナーゼポリペプチドに特異的に結合する任意の抗体が、使用され得る。抗体を作製するために、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない様々な宿主動物を、注射によって、トランスアミナーゼポリペプチドまたはそのフラグメントで免疫化し得る。そのトランスアミナーゼポリペプチドまたはフラグメントは、側鎖官能基または側鎖官能基に付着されたリンカーを用いて、BSAなどの好適なキャリアに付着され得る。
5.7 操作されたトランスアミナーゼ酵素を使用する方法
上で述べたように、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において、例示的な基質化合物(2)のケトンを例示的な生成物化合物(1)の対応するキラルアミンにジアステレオマー過剰で効率的に変換するように進化させた。操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの構造的特徴は、化合物(2)以外のプロキラルな大きなケトン基質化合物から対応するキラルアミン化合物への立体異性体過剰での変換も可能にする。したがって、別の態様において、本開示は、アミノ基転移反応を行うために、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用するプロセスを提供し、ここで、アミノドナー由来のアミノ基は、アミノアクセプター、例えば、ケトン基質化合物に転移されることにより、アミン化合物が生成される。通常、アミノ基転移反応を行うためのプロセスは、アミノアクセプターからアミン化合物への変換に適した反応条件下において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをアミノアクセプター(例えば、ケトン基質化合物)およびアミノドナー(例えば、イソプロピルアミン)と接触させるかまたはインキュベートする工程を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、式(I)のアミン化合物
(式中、
環Aは、2位と3位との間および/もしくは5位と6位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または2、3、4、5および6位においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Bは、5位と10位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または9位および10位のうちの1つ以上においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
環Cは、10位においてハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択される基で必要に応じて置換される、5または6員の炭素環(すなわち、m=0または1)であり;
環Dは、1、2もしくは3つの不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または以下のとおり:
14位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノ、および12位に架橋しているシクロプロピルから選択される基で;
15位または16位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから選択される基で;
必要に応じて独立して置換される、5、6または7員の炭素環(すなわち、n=0、1または2)であるが、
ただし、式(I)の化合物は、化合物(1)
ではない)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(II)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDは、式(I)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、式(IIa)のシクロパミンアナログ化合物(式中、環Cは、11位において必要に応じて置換される5員の炭素環であり、環Dは、16位において置換される7員の炭素環である)を変換することができ、そのシクロパミンアナログ化合物は、スキーム5におけるように、式(Ia)のアミン生成物化合物に変換され得る。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、式(Ia)のアミン化合物
(式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合を含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択されるが;
ただし、式(I)の化合物は、化合物(1)
ではない)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIa)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ia)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム6に示されているように、式(IIb)のシクロパミンアナログ化合物(式中、環Cは、5員の炭素環であり、環Dは、6員の炭素環である)を式(Ib)のキラルアミン生成物化合物に変換することができる:
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、式(Ib)のアミン化合物
(式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合または12位と14位との間に架橋シクロプロピルを含み;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIb)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ib)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、参照により本明細書中に援用される2011年2月10日に公開されたWO2011017551A1に開示されているシクロパミンアナログ化合物のいずれかを調製するために使用され得る。
数多くの他のシクロパミンアナログ化合物(式(Ia)および(Ib)によって包含される化合物以外)が、当該分野で公知である。いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、公知のベラトラミンアナログ化合物のいずれかを調製する生体触媒プロセスにおいて使用され得ることが企図される。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム7に示されているように、式(IIc)のベラトラミンアナログ化合物(式中、環Cは、5員の炭素環であり、環Dは、6員の炭素環である)を式(Ic)のキラルアミン生成物化合物に変換することができる:
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、式(Ic)のアミン化合物
(式中、
環AおよびBは、以下:
(a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
(b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
(c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
(d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
のうちの1つを含み;
環Dは、芳香族であり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IIc)のケトン基質化合物
(式中、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRは、式(Ic)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
数多くの他のベラトラミンアナログ化合物(式(Ic)によって包含される化合物以外)が、当該分野で公知である。いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、公知のベラトラミンアナログ化合物のいずれかを調製する生体触媒プロセスにおいて使用され得ることが企図される。
いくつかの実施形態において、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム8に示されているように、式(IId)のステロイドアナログ化合物(式中、環Cは、6員の炭素環であり、環Dは、5員の炭素環である)を式(Id)のキラルアミン生成物に変換することができる:
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、式(Id)のアミン化合物
(式中、
環Aは、2位と3位との間または5位と6位との間に不飽和C−C結合を含み;
およびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから独立して選択され;
、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシおよびメチルから独立して選択される)
を調製するためのプロセスを提供し、ここで、その方法は、式(IId)のケトン基質化合物
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(Id)の化合物に対して上で定義されたとおりである)
を、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む。
式(Id)のアミン化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、そのプロセスは、表3に示されるものから選択される式(IId)のケトン基質化合物を使用して行われ得る。
表3に示されるものを含む式(IId)の化合物に加えて、当該分野で公知のステロイドアナログ化合物が数多く存在する。本開示は、1位にキラルアミン基を有する対応するステロイドアナログ化合物を調製するプロセスにおいて、ケトン基質として、環Aの1位にケトン基を有する任意のステロイドアナログ化合物が、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドとともに使用され得ることを企図する。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの立体選択性を考慮すると、いくつかの実施形態において、上記プロセスは、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Id)のキラルアミン化合物をジアステレオマー過剰で形成する。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)および式(Id)のキラルアミン化合物を、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えるジアステレオマー過剰率で形成する。
前述のプロセスの場合、本明細書中に記載される任意の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドが、使用され得る。例として、限定されないが、いくつかの実施形態において、上記プロセスは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される参照配列に対して少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X323、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含む本開示のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドを使用し得、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X323、X383、X415、X417およびX434における残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X133A、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X323A、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される。いくつかの実施形態において、X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450位における具体的なアミノ酸差異は、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4、8、26、36、40、78、100、102、148、156、160、170、172、180および198から選択される。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号4である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号100である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号148である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号156である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号160である。いくつかの実施形態において、参照配列は、配列番号180である。
いくつかの実施形態において、本明細書中のプロセスを行うことができる例示的なトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドであり得る。操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの選択および使用に関する指針は、本明細書中の説明、例えば、表2Aおよび2Bならびに実施例に提供される。
本明細書中の実施形態および実施例において例示される実施形態において、使用され得る好適な反応条件の様々な範囲としては、アミノドナー、pH、温度、緩衝剤、溶媒系、基質負荷、ポリペプチド負荷、補助因子負荷、圧力および反応時間の範囲が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用して、基質化合物を生成物化合物に生体触媒変換するためのプロセスを行うのにさらに適した反応条件は、本明細書中に提供される指針に照らして、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと基質化合物とを、濃度、pH、温度、溶媒条件の実験的反応条件下で接触させ、生成物化合物を検出することを含むがこれらに限定されない通例の実験によって容易に最適化され得る。
本明細書中のいくつかの実施形態において、トランスアミナーゼポリペプチドは、アミノドナーを使用して、生成物化合物を形成する。いくつかの実施形態において、反応条件のアミノドナーは、イソプロピルアミン(本明細書中で「IPM」とも称される)、プトレッシン、L−リジン、α−フェネチルアミン、D−アラニン、L−アラニンもしくはD,L−アラニンまたはD,L−オルニチンから選択され得る。いくつかの実施形態において、アミノドナーは、IPM、プトレッシン、L−リジン、D−またはL−アラニンから選択される。いくつかの実施形態において、アミノドナーは、IPMである。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約0.1〜約3M、0.2〜約2.5M、約0.5〜約2Mまたは約1〜約2Mの濃度で存在するアミノドナー、特に、IPMを含む。いくつかの実施形態において、アミノドナーは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.5、2、2.5または3Mの濃度で存在する。より高い濃度のアミノドナー、例えば、IPMを使用することにより、平衡状態をアミン生成物の形成にシフトさせることができる。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用する好適な反応条件は、代表的には、補助因子も含む。本明細書中のトランスアミナーゼ酵素に有用な補助因子としては、ピリドキサール−5’−リン酸(ピリドキサール−リン酸、PLP、P5Pとしても知られる)、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、ならびにそれらのリン酸化された対応物であるピリドキシンリン酸(PNP)およびピリドキサミンリン酸(PMP)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、補助因子PLPは、天然には細胞抽出物中に存在し、補充される必要はない。上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、例えば、部分的に精製されたまたは精製されたトランスアミナーゼ酵素を使用するとき、酵素反応混合物に加えられる外来性の補助因子を含む。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約0.1g/L〜約10g/L、約0.2g/L〜約5g/L、約0.5g/L〜約2.5g/Lの濃度の、PLP、PN、PL、PM、PNPおよびPMPから選択される補助因子の存在を含み得る。いくつかの実施形態において、反応条件は、約0.1g/L以下、0.2g/L以下、0.5g/L以下、1g/L以下、2.5g/L以下、5g/L以下または10g/L以下のPLP濃度を含む。いくつかの実施形態において、補助因子は、反応の開始時に加えられ得、かつ/またはさらなる補助因子が、反応中に加えられる。
反応混合物中の基質化合物は、例えば、生成物化合物の所望の量、酵素活性に対する基質濃度の影響、反応条件下での酵素の安定性、および基質から生成物へのパーセント変換を考慮して、変動させることができる。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約0.5〜約200g/L、1〜約200g/L、約5〜約150g/L、約10〜約100g/L、約20〜約100g/Lまたは約50〜約100g/Lの基質化合物負荷を含む。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約75g/L、少なくとも約100g/L、少なくとも約150g/Lもしくは少なくとも約200g/L、またはなおもそれより多い基質化合物負荷を含む。本明細書中に提供される基質負荷に対する値は、化合物(2)の分子量に基づくが、しかしながら、等価なモル量の化合物(2)の様々な水和物および塩もまた、そのプロセスにおいて使用され得ることも企図される。さらに、式(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)の化合物を含む式(II)のケトン基質化合物もまた、化合物(2)に対して使用される量に照らして、適切な量で使用され得る。
本明細書中に記載される反応を行う際に、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、精製された酵素、その酵素をコードする遺伝子で形質転換された細胞全体ならびに/またはそのような細胞の細胞抽出物および/もしくは溶解産物の形態で、反応混合物に加えられ得る。操作されたトランスアミナーゼ酵素をコードする遺伝子で形質転換された細胞全体またはその細胞抽出物、溶解産物および単離された酵素は、固体(例えば、凍結乾燥されたもの、噴霧乾燥されたものなど)または半固体(例えば、粗ペースト)を含む種々の異なる形態で使用され得る。細胞抽出物または細胞溶解産物は、沈殿(硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、熱処理など)に続く脱塩手順の後の凍結乾燥(例えば、限外濾過、透析など)によって、部分的に精製され得る。いずれの細胞調製物も、公知の架橋剤(例えば、グルタルアルデヒド)を使用する架橋または固相(例えば、Eupergit Cなど)への固定化によって安定化され得る。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする遺伝子は、宿主細胞に別々に、または同じ宿主細胞に共に形質転換され得る。例えば、いくつかの実施形態において、1セットの宿主細胞が、1つの操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換され得、別のセットが、別の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換され得る。形質転換された両方のセットの細胞が、細胞全体の形態で、またはそれらに由来する溶解産物もしくは抽出物の形態で、反応混合物において共に使用され得る。他の実施形態において、宿主細胞は、複数の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換され得る。いくつかの実施形態において、操作されたポリペプチドは、分泌されるポリペプチドの形態で発現され得、その分泌されるポリペプチドを含む培養培地が、トランスアミナーゼ反応のために使用され得る。
本明細書中に開示される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの活性および/または立体選択性の増強は、より低い濃度の操作されたポリペプチドを用いてより高いパーセンテージ変換が達成され得るプロセスをもたらす。そのプロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約0.01〜約50g/L;約0.05〜約50g/L;約0.1〜約40g/L;約1〜約40g/L;約2〜約40g/L;約5〜約40g/L;約5〜約30g/L;約0.1〜約10g/L;約0.5〜約10g/L;約1〜約10g/L;約0.1〜約5g/L;約0.5〜約5g/L;または約0.1〜約2g/Lの操作されたポリペプチド濃度を含む。いくつかの実施形態において、トランスアミナーゼポリペプチドは、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、35、40または50g/Lの濃度である。
アミノ基転移反応の経過中、反応混合物のpHは、変化し得る。反応混合物のpHは、所望のpHでまたは所望のpH範囲内で維持され得る。これは、反応の前および/または反応の経過中に酸または塩基を加えることによって行われ得る。あるいは、pHは、緩衝剤を使用することによって調節され得る。したがって、いくつかの実施形態において、反応条件は、緩衝剤を含む。所望のpH範囲を維持するのに好適な緩衝剤は、当該分野で公知であり、それらとしては、例として、これらに限定されないが、ホウ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、トリエタノールアミン(TEA)などが挙げられる。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、ホウ酸塩である。上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、TEAの緩衝溶液を含み、ここで、そのTEAの濃度は、約0.01〜約0.4M、0.05〜約0.4M、0.1〜約0.3Mまたは約0.1〜約0.2Mである。いくつかの実施形態において、反応条件は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.07、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.3または0.4MのTEA濃度を含む。いくつかの実施形態において、反応条件は、好適な溶媒として、緩衝剤が存在しない水を含む。
上記プロセスの実施形態において、反応条件は、好適なpHを含み得る。所望のpHまたは所望のpH範囲は、酸もしくは塩基、適切な緩衝剤または緩衝剤と酸もしくは塩基の添加との組み合わせを使用することによって維持され得る。反応混合物のpHは、反応の前および/または反応の経過中に調節され得る。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約6〜約12の溶液pH、約6〜約10のpH、約6〜約8のpH、約7〜約10のpH、約7〜約9のpHまたは約7〜約8のpHを含む。いくつかの実施形態において、反応条件は、約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5または12の溶液pHを含む。
本明細書中のプロセスの実施形態において、例えば、より高い温度における高い反応速度、および反応時間中の酵素の活性を考慮して、好適な温度が、その反応条件のために使用され得る。例えば、本開示の操作されたポリペプチドは、天然に存在するトランスアミナーゼポリペプチド、例えば、配列番号2の野生型ポリペプチドと比較して高い安定性を有し、そのおかげで、高い変換率および改善された基質溶解度の特徴のために、より高い温度において、操作されたポリペプチドを使用することが可能である。したがって、いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約10℃〜約70℃、約10℃〜約65℃、約15℃〜約60℃、約20℃〜約60℃、約20℃〜約55℃、約30℃〜約55℃または約40℃〜約50℃の温度を含む。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃または70℃の温度を含む。いくつかの実施形態において、酵素反応中の温度は、反応の経過全体にわたってある温度で維持され得るか、または反応の経過中に温度プロファイルに対して調整され得る。
本明細書中のプロセスは、通常、溶媒中で行われる。好適な溶媒としては、水、水性の緩衝溶液、有機溶媒、ポリマー溶媒および/または共溶媒系(通常、水性溶媒、有機溶媒および/またはポリマー溶媒を含む)が挙げられる。水性溶媒(水または水性共溶媒系)は、pHが緩衝され得るか、または緩衝されないものであり得る。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、通常、有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−オクタノール、ヘプタン、オクタン、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トルエンなど)、イオン性溶媒または極性溶媒(例えば、1エチル4メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1ブチル3メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1ブチル3メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、グリセロール、ポリエチレングリコールなど)を含む水性共溶媒系において行われる。いくつかの実施形態において、その共溶媒は、極性溶媒(例えば、ポリオール、ジメチルスルホキシド、DMSOまたは低級アルコール)であり得る。水性共溶媒系の非水性共溶媒成分は、水性成分と混和性であり、単一の液相を提供し得るか、または水性成分と部分的に混和性もしくは不混和性であり、2つの液相を提供し得る。例示的な水性共溶媒系は、水、ならびに有機溶媒、極性溶媒およびポリオール溶媒から選択される1つ以上の共溶媒を含み得る。通常、水性共溶媒系の共溶媒成分は、それが、反応条件下においてトランスアミナーゼ酵素を不利に不活性化しないように選択される。適切な共溶媒系は、本明細書中に記載されるアッセイなどの酵素活性アッセイを使用して、候補溶媒系において目的の規定の基質を用いて特定の操作されたトランスアミナーゼ酵素の酵素活性を計測することによって、容易に特定され得る。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、水性共溶媒を含み、ここで、その共溶媒は、約1%〜約80%(v/v)、約1〜約70%(v/v)、約2%〜約60%(v/v)、約5%〜約40%(v/v)、10%〜約40%(v/v)、10%〜約30%(v/v)または約10%〜約20%(v/v)でDMSOを含む。上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または80%(v/v)でDMSOを含む水性共溶媒を含む。上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約15%(v/v)〜約45%(v/v)、約20%(v/v)〜約30%(v/v)のDMSO、およびいくつかの実施形態では、約25%(v/v)のDMSO濃度を含む水性共溶媒を含む。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、水性共溶媒を含み、ここで、その共溶媒は、ポリマーポリオール溶媒を含み得る。好適なポリオール溶媒の例としては、例として、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびポリプロピレングリコールが挙げられる。いくつかの実施形態において、水性共溶媒は、種々の分子量で入手可能なポリエチレングリコールを含む。より低い分子量のポリエチレングリコール(例えば、PEG200〜PEG600)が、特に有用である。したがって、いくつかの実施形態において、水性共溶媒は、約1%〜約40%v/v;約1%〜約40%v/v;約2%〜約40%v/v;約5%〜約40%v/v;2%〜約30%v/v;5%〜約30%v/v;1〜約20%v/v;約2%〜約20%v/v;約5%〜約20%v/v;約1%〜約10%v/v;約2%〜約10%v/vのPEG200を含み得る。いくつかの実施形態において、好適な反応条件は、約1%、2%、5%、10%、15%、20%;25%;30%;35%;35%または約40%v/vでPEG200を含む水性共溶媒を含む。
アミノ基転移反応において使用される反応物の量は、通常、所望の生成物の量、および同時に、使用されるトランスアミナーゼ基質の量に応じて変動する。当業者は、これらの量を所望の生成レベルおよび生成規模に合わせるために、それらの量を変動させる方法を容易に理解するだろう。
いくつかの実施形態において、反応物の添加の順序は、重大ではない。反応物は、共に同時に溶媒(例えば、単相の溶媒、二相の水性共溶媒系など)に加えられてもよいし、あるいは、反応物のいくつかが、別々に加えられ、いくつかが、異なる時点において共に加えられてもよい。例えば、補助因子、トランスアミナーゼおよびトランスアミナーゼ基質が、最初に溶媒に加えられ得る。
固体反応物(例えば、酵素、塩、基質化合物など)は、粉末(例えば、凍結乾燥されたもの、噴霧乾燥されたものなど)、溶液、エマルジョン、懸濁物などを含む種々の異なる形態で、反応に提供され得る。反応物は、当業者に公知の方法および装置を用いて、容易に凍結乾燥され得るか、または噴霧乾燥され得る。例えば、タンパク質溶液は、少量のアリコートで−80℃において凍結され、次いで、予冷された凍結乾燥チャンバーに入れた後、真空が適用され得る。
改善された混合効率のために、水性共溶媒系が使用されるとき、トランスアミナーゼおよび補助因子が、最初に水相に加えられ、混合され得る。次いで、有機相が加えられ、混合された後、トランスアミナーゼ基質が加えられ得る。あるいは、トランスアミナーゼ基質は、有機相において予め混合された後、水相に加えられてもよい。
アミノ基転移反応は、通常、ケトン基質からアミン生成物へのさらなる変換が、反応時間に伴って有意に変化しなくなるまで、例えば、基質の10%未満しか変換されないか、または基質の5%未満しか変換されなくなるまで、進められる。いくつかの実施形態において、反応は、基質ケトンを生成物アミンに完全にまたはほぼ完全に変換するまで、進められる。基質から生成物への変換は、基質および/または生成物を検出することによって、公知の方法を用いてモニターされ得る。好適な方法としては、ガスクロマトグラフィー、HPLCなどが挙げられる。反応混合物において生成されるキラルアミン生成物の変換収率は、通常、約50%超であり、約60%超でもあり得、約70%超でもあり得、約80%超でもあり得、90%超でもあり得、約97%超でもあり得る。いくつかの実施形態において、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを好適な反応条件下で使用して式(I)の化合物を調製するための方法は、約48時間以下、約36時間以下、約24時間以下またはなおもそれ以下の時間において、ケトン基質、例えば、式(II)の化合物からアミン生成物化合物、例えば、式(I)の化合物への少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える変換をもたらす。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/Lまたはそれを超える基質負荷を含み、ここで、そのプロセスは、約48時間以下、約36時間以下または約24時間以下において、基質化合物から生成物化合物への少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える変換をもたらす。
好適な反応条件下で式(I)のキラルアミン化合物を調製するためのプロセスにおいて使用されるときの本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、98、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%d.e.の、キラルアミンのジアステレオマー過剰率をもたらす。
上記プロセスのさらなる実施形態において、好適な反応条件は、後にポリペプチドと接触される反応溶液に対する最初の基質負荷を含み得る。次いで、この反応溶液に、少なくとも約1g/L/h、少なくとも約2g/L/h、少なくとも約4g/L/h、少なくとも約6g/L/hまたはそれを超える速度で、時間にわたっての連続添加として、さらなる基質化合物がさらに補充された。したがって、これらの好適な反応条件によると、ポリペプチドは、少なくとも約20g/L、30g/Lまたは40g/Lという最初の基質負荷を有する溶液に加えられる。次いで、このポリペプチドの添加の後、さらなる基質が、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/L、150g/L、200g/Lまたはそれを超えるといういっそう多い最終的な基質負荷に達するまで、その溶液に約2g/L/h、4g/L/hまたは6g/L/hという速度で連続添加される。したがって、上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、少なくとも約20g/L、30g/Lまたは40g/Lという最初の基質負荷を有する溶液への上記ポリペプチドの添加に続く、少なくとも約30g/L、40g/L、50g/L、60g/L、70g/L、100g/Lまたはそれを超えるという最終的な基質負荷に達するまでの、約2g/L/h、4g/L/hまたは6g/L/hという速度でのその溶液へのさらなる基質の添加を含む。この基質補充の反応条件は、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えるというケトン基質からアミン生成物への高い変換率を維持しつつ、より多い基質負荷が達成されることを可能にする。このプロセスのいくつかの実施形態において、加えられるさらなる基質は、少なくとも約0.5M、少なくとも約1.0M、少なくとも約2.5M、少なくとも約5.0M、少なくとも約7.5M、少なくとも約10.0Mの濃度で、イソプロピルアミンまたは酢酸イソプロピルアミンを含む溶液中に存在する。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件(a)約5g/L〜200g/Lの基質負荷;(b)約0.1〜50g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.1〜4Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約6〜9のpH;および(f)約30〜60℃の温度を含み得る。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件:(a)約10g/L〜150g/Lの基質負荷;(b)約0.5〜20g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.1〜3Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約0.05〜0.20MのTEA緩衝液;(f)約1%〜約45%のDMSO;(g)約6〜9のpH;および(h)約30〜65℃の温度を含み得る。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、アミノ基転移反応は、以下の好適な反応条件:(a)約20g/L〜100g/Lの基質負荷;(b)約1〜5g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;(c)約0.5〜2Mのイソプロピルアミン(IPM);(d)約0.2〜2g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;(e)約0.1MのTEA緩衝液;(f)約25%のDMSO;(e)約8のpH;および(f)約45〜60℃の温度を含み得る。
いくつかの実施形態において、さらなる反応成分または行われるさらなる手法が、反応条件に付け加えられる。これらは、酵素を安定化するためもしくは酵素の不活性化を防ぐため、生成物阻害を減少させるため、および/または反応の平衡状態を生成物アミンの形成にシフトさせるために措置を講じることを含み得る。
したがって、キラルアミンなどのアミンを調製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、さらなる量のアミノアクセプターが、加えられ得(飽和するまで)、かつ/または形成されたアミノアクセプター(ケトン)が、反応混合物から連続的に取り出され得る。例えば、溶媒ブリッジ(solvent bridge)または二相の共溶媒系を使用することにより、アミン生成物を抽出溶液に移動させ、それにより、アミン生成物による阻害を減少させることができ、また、平衡状態を生成物形成にシフトさせることができる(例えば、Yun and Kim,2008,Biosci.Biotechnol.Biochem.72(11):3030−3033を参照のこと)。
上記プロセスのいくつかの実施形態において、好適な反応条件は、トランスアミナーゼ酵素の不活性化を制限するように作用し得る、還元型の補助因子であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の存在を含む(例えば、van Ophemら、1998,Biochemistry 37(9):2879−88を参照のこと)。NADHが存在するそのような実施形態において、補助因子再生系(例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)およびグルコースデヒドロゲナーゼまたはギ酸デヒドロゲナーゼおよびホルメート)が、反応媒質中でNADHを再生するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、上記プロセスは、アミノ基がアミノ基アクセプターに転移されるときにアミノ基ドナーから形成されるカルボニル副産物の除去をさらに含み得る。そのようなその場での除去は、正反応が優位を占め、次いで、より多くの基質が生成物に変換されるように、逆反応の速度を低下させることができる。カルボニル副産物の除去は、いくつかの方法で行われ得る。アミノ基ドナーが、アラニンなどのアミノ酸である場合、カルボニル副産物であるケト酸は、過酸化物との反応によって除去され得る(例えば、参照により本明細書中に援用されるUS2008/0213845を参照のこと)。使用され得る過酸化物としては、とりわけ、過酸化水素;ペルオキシ酸(過酸)(例えば、過酢酸(CHCOH)、トリフルオロ過酢酸およびメタクロロペルオキシ安息香酸);有機過酸化物(例えば、t−ブチル過酸化物((CHCOOH));または他の選択的酸化剤(例えば、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、MnO、KMnO、四酸化ルテニウムおよび関連する化合物)が挙げられる。あるいは、ピルベートの除去は、乳酸デヒドロゲナーゼを使用して、平衡状態を生成物アミンにシフトさせることによる、ラクテートへの還元によって達成され得る(例えば、Koszelewskiら、2008,Adv.Syn.Catal.350:2761−2766を参照のこと)。ピルベートの除去は、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(例えば、Hoehneら、2008,Chem BioChem 9:363−365を参照のこと)またはアセト乳酸シンターゼ(例えば、Yun and Kim,前出を参照のこと)を使用することによる、脱炭酸によっても達成され得る。
あるいは、アミノ酸がアミノ基ドナーとして使用される実施形態において、ケト酸カルボニル副産物は、アンモニアなどのアミンドナーの存在下で、適切なデヒドロゲナーゼ酵素、例えば、アミノ酸デヒドロゲナーゼを使用する、アンモニアおよびNADHとの反応によってアミノ酸に再利用され得、それにより、アミノ基ドナーが補充される。
いくつかの実施形態において、アミノドナーの選択によって、水より高い蒸気圧を有するカルボニル副産物(例えば、揮発性の有機カルボニル化合物などの低沸点の副生成物)がもたらされる場合、そのカルボニル副産物は、反応溶液を非反応性ガスとともに噴霧することによって、または真空を適用して反応の圧力を低下させ、気相中に存在するカルボニル副産物を除去することによって、除去され得る。非反応性ガスは、反応成分と反応しない任意のガスである。様々な非反応性ガスとしては、窒素ガスおよび貴ガス(例えば、不活性ガス)が挙げられる。いくつかの実施形態において、非反応性ガスは、窒素ガスである。いくつかの実施形態において、上記プロセスにおいて使用されるアミノドナーは、アミノ基アクセプターにアミノ基を転移する際にカルボニル副産物であるアセトンを形成するイソプロピルアミン(IPM)である。このアセトンは、窒素ガスとともに噴霧することによって、または反応溶液に真空を適用して、冷却器または他の冷却トラップなどのアセトントラップによってアセトンを気相から除去することによって、除去され得る。あるいは、アセトンは、トランスアミナーゼを使用してイソプロパノールに還元することによって除去され得る。
カルボニル副産物が除去される上記プロセスのいくつかの実施形態において、対応するアミノ基ドナーは、アミノ基ドナーを補充するためおよび/または反応のpHを維持するために、アミノ基転移反応中に加えられ得る。アミノ基ドナーの補充は、平衡状態を生成物形成にシフトさせ、それにより、基質から生成物への変換も増加させる。したがって、アミノ基ドナーがイソプロピルアミンであり、アセトン生成物がその場で除去される、いくつかの実施形態において、イソプロピルアミンは、アセトン除去中に失われたアミノ基ドナーを補充するためおよび反応のpHを維持するために、その溶液に加えられ得る。
さらなる実施形態において、基質化合物を生成物化合物に変換するための上に記載された任意のプロセスが、生成物化合物の抽出、単離、精製および結晶化から選択される1つ以上の工程も含み得る。上で開示された方法によって生成された生体触媒反応混合物から生成物アミンを抽出するため、単離するため、精製するためおよび/または結晶化するための方法、手法およびプロトコルは、当業者に公知であり、かつ/または通例の実験によって到達される。さらに、例示的な方法が、下記の実施例に提供される。
本開示の様々な特徴および実施形態が、例示的であって限定すると意図されない、以下の代表的な実施例において例示される。
6.実施例
実施例1:操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの合成、最適化およびスクリーニング
遺伝子の合成および最適化:Vibrio fluvialis JS17由来の453アミノ酸の野生型ω−トランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(Genbankアクセッション番号AEA39183.1,GI:327207066)を予めコドン最適化し、合成した。このコドン最適化されたV.fluvialis野生型トランスアミナーゼ遺伝子の配列は、参照により本明細書中に援用される2011年12月22日に公開されたWO2011159910A2において配列番号1として開示された。このコドン最適化された遺伝子を、pCK110900ベクター系(例えば、参照により本明細書中に援用される米国特許出願公開第20060195947号を参照のこと)にクローニングし、続いて、大腸菌W3110fhuAにおいて発現させた。大腸菌W3110は、lacプロモーターの支配下において、そのトランスアミナーゼポリペプチドを細胞内タンパク質として発現する。配列番号1の配列を有する本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするものであり、WO2011159910A2のコドン最適化されたV.fluvialis野生型トランスアミナーゼ遺伝子の定向進化によって得られた。配列番号2の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、Genbankアクセッション番号AEA39183.1,GI:327207066の野生型V.fluvialisトランスアミナーゼポリペプチド配列と比べて、10個のアミノ酸残基差異(A9T;N45H;W57L;F86S;V153A;V177L;R211K;M294V;S324G;およびT391A)を有する。配列番号1の配列を有する本開示のポリヌクレオチド(配列番号2の操作されたポリペプチドをコードする)をさらに最適化することにより、配列番号4の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする配列番号3を得た。配列番号4の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比べて、以下の8つのアミノ酸残基差異を有する:T34A;L56A;R88H;A153C;A155V;K163F;E315G;およびL417T。遺伝子合成の後にヒットをスクリーニングし、配列決定することによって、改変体ライブラリーを繰り返し作製することによる標準的な定向進化の方法を用いるさらなる最適化のための最初の骨格として、配列番号3の配列を有する本開示のポリヌクレオチド(配列番号4の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする)を使用し、配列番号4のポリペプチドと比較して増強された酵素特性を有する、化合物(2)を化合物(1)に変換することができる操作されたトランスアミナーゼをコードする遺伝子を作製した。得られた操作されたトランスアミナーゼポリペプチド配列および具体的な変異および相対的な活性は、表2Aおよび配列表に列挙されている。
実施例2:操作されたトランスアミナーゼの産生
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを、lacプロモーターの支配下で発現される細胞内タンパク質として、宿主大腸菌W3110において産生させた。そのポリペプチドは、主に、サイトゾルの可溶性の活性な酵素として蓄積する。振とうフラスコ法を用いることにより、本明細書中に開示される活性アッセイまたは生体触媒プロセスにおいて使用され得る操作されたポリペプチドの粉末を生成した。
ハイスループットでの増殖および発現。細胞を拾い、1%グルコースおよび30μg/mLクロラムフェニコール(CAM)を含むLB培地中で一晩、30℃、200rpmおよび85%湿度の培養条件下で増殖させる。一晩増殖物の20μLアリコートを、30μg/mL CAM、1mM IPTGを含む380μLの2×YT増殖培地を含む深ウェルプレートに移し、30℃、200rpmおよび85%湿度で約18時間インキュベートする。継代培養TB培地は、TB培地(380μL/ウェル)、30μg/mL CAMおよび1mM IPTGから構成される。細胞培養物を、4000rpm、4℃で10分間遠心分離し、培地を廃棄する。細胞ペレットを、250または400μLの溶解緩衝液(400μg/mL PMBSおよび500μg/mLリゾチームを含む0.1Mのトリエタノールアミン(TEA)緩衝液,pH9.0)に再懸濁し、溶解産物を、下記に記載されるようなHTPアッセイにおいて使用する。
振とうフラスコ粉末(SFP)の生成。振とうフラスコ法を用いることにより、二次スクリーニングアッセイまたは本明細書中に開示される生体触媒プロセスにおいて使用される、操作されたトランスアミナーゼポリペプチド粉末を生成した。振とうフラスコ粉末(SFP)は、およそ30%の総タンパク質を含み、従って、HTPアッセイにおいて使用される細胞溶解産物と比べて、操作された酵素のより精製された調製物を提供する。目的の操作されたトランスアミナーゼをコードするプラスミドを含む大腸菌のシングルコロニーを、30μg/mlクロラムフェニコールおよび1%グルコースを含む50mLのLuria Bertaniブロスに接種する。250rpmで振盪しながら、30℃の恒温器内で一晩(少なくとも16時間)、細胞を増殖させる。その培養物を、1リットルのフラスコ内で、30μg/mlクロラムフェニコールを含む250mLのTerrificブロス(12g/Lバクト−トリプトン、24g/L酵母エキス、4mL/Lグリセロール、65mMリン酸カリウム,pH7.0、1mM MgSO)中に、0.2という600nmの光学濃度(OD600)に希釈し、30℃で増殖させる。培養物のOD600が0.6〜0.8になったら、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(「IPTG」)を1mMという最終濃度まで加えることによって、トランスアミナーゼ遺伝子の発現を誘導する。次いで、インキュベーションを一晩(少なくとも16時間)続ける。遠心分離(5000rpm、15分、4℃)によって細胞を回収し、上清を廃棄する。細胞ペレットを、等体積の冷(4℃)100mMトリエタノールアミン(塩化物)緩衝液,pH7.0に再懸濁し、上記のように遠心分離によって回収する。洗浄された細胞を2体積の冷トリエタノールアミン(塩化物)緩衝液に再懸濁し、4℃で維持しつつ、12,000psiでフレンチプレスに2回通した。遠心分離(9000rpm、45分、4℃)によって細胞残屑を除去する。透明の溶解産物上清を集め、−20℃で保管する。凍結された透明の溶解産物の凍結乾燥により、粗トランスアミナーゼポリペプチドの乾燥した振とうフラスコ粉末が得られる。あるいは、細胞ペレット(洗浄の前または後)は、4℃または−80℃で保存され得る。
ダウンストリームプロセス(DSP)粉末の生成:DSP粉末は、およそ80%の総タンパク質を含み、従って、ハイスループットアッセイにおいて使用される細胞溶解産物と比べて、操作されたトランスアミナーゼ酵素のより精製された調製物を提供する。DSP粉末を生成するための、操作されたトランスアミナーゼのより大きなスケール(約100〜120g)の発酵が、標準的なバイオプロセス法に従って、短時間培養の後、流加培養プロセスとして行われ得る。簡潔には、IPTGを1mMという最終濃度まで加えることによって、トランスアミナーゼの発現を誘導する。発酵の後、細胞を回収し、100mMトリエタノールアミン−HSO緩衝液に再懸濁し、次いで、均質化によって機械的に破砕する。細胞残屑および核酸を、ポリエチレンイミン(PEI)を用いて凝集させ、懸濁物を遠心分離によって清澄化する。得られた透明の上清を、タンジェンシャルクロスフロー限外濾過膜を用いて濃縮することにより、塩および水を除去する。次いで、濃縮され、部分的に精製された酵素濃縮物は、凍結乾燥機において乾燥され、包装され得る(例えば、ポリエチレン容器内に)。
実施例3:式(II)の大きなケトン基質化合物から式(I)のキラルアミン化合物への変換についてのトランスアミナーゼのハイスループット(HTP)スクリーニング
細胞溶解産物のHTPスクリーニングを用いることにより、大きなケトン基質(例えば、化合物(2))からキラルアミン生成物(例えば、化合物(1))への変換についての、改善された特性を有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの一次選択を誘導した。
溶解産物を調製するために、細胞を、上に記載されたように96ウェルプレートにおいて増殖させ、200μL(配列番号4〜144の場合のHTPアッセイ)または250μL(配列番号146〜204の場合のHTPアッセイ)の溶解緩衝液(1mg/mLリゾチーム、0.5mg/mLポリミキシンBスルフェート、1mM PLP、0.1Mトリエタノールアミン(TEA),pH7.0)を各ウェルに分注することによって、溶解産物を調製した。プレートを密封し、2時間振盪し、次いで、4,000rpm、4℃で10分間遠心分離することにより、細胞残屑をペレットにした。
配列番号4〜144のポリペプチドの活性についてのHTPアッセイ:基質原液(DMSOに溶解された80g/L化合物(2))の50μLアリコートを、イソプロピルアミン(IPM)/ピリドキサールリン酸(PLP)(100mM TEA,pH9中の、3.33M IPMおよび1.67g/L PLP)の60μLの予め混合された原液および35μLの0.1MのTEA緩衝液pH9.0とともに、96ウェルプレートの各ウェルに加えた。55μLの細胞溶解産物/ウェルを加えることによって、反応を開始した。プレートを密封し、60℃で24時間振盪しながらインキュベートした。24時間後、プレートを4000rpm、18℃で3分間遠心分離した。400μLのアセトニトリルで反応をクエンチし、実施例4に記載されるようにHPLCによってサンプルを調べた。
配列番号146〜204のポリペプチドの活性についてのHTPアッセイ:基質原液(DMSOに溶解された80g/L化合物(2))の50μLアリコートを、イソプロピルアミン(IPM)/ピリドキサールリン酸(PLP)(100mM TEA,pH9中の、3.33M IPMおよび1.67g/L PLP)の60μLの予め混合された原液および60μLの0.1MのTEA緩衝液pH9.0とともに、96ウェルプレートの各ウェルに加えた。30μLの細胞溶解産物/ウェルを加えることによって、反応を開始した。プレートを密封し、60℃で24時間振盪しながらインキュベートした。24時間後、プレートを4000rpm、18℃で3分間遠心分離した。400μLのアセトニトリルで反応をクエンチした。プレートを、室温において5分間さらに振盪し、次いで、4000rpm、18℃で15分間、さらに遠心分離することにより、すべての残屑をペレットにした。実施例4に記載されるようにHPLCによってサンプルを調べた。
配列番号146〜204のポリペプチドによって生成された化合物(1)の%deについてのHTPアッセイ:基質原液(DMSOに溶解された40g/L化合物(2))の50μLアリコートを、イソプロピルアミン(IPM)/ピリドキサールリン酸(PLP)(100mM TEA,pH9中の、3.33M IPMおよび1.67g/L PLP)の60μLの予め混合された原液とともに、96ウェルプレートの各ウェルに加えた。90μLの細胞溶解産物/ウェルを加えることによって、反応を開始した。プレートを密封し、250rpm、60℃で48時間振盪しながらインキュベートした。48時間後、プレートを4000rpm、18℃で3分間遠心分離した。400μLのアセトニトリルで反応をクエンチした。プレートを、室温において5分間さらに振盪することにより、確実にすべての基質および生成物を溶解させた。プレートを4000rpm、18℃で15分間遠心分離することにより、すべての残屑をペレットにした。実施例4に記載されるようにHPLCによってサンプルを調べた。
実施例4:分析手順
HTP反応の活性のHPLC解析:実施例3におけるようなクエンチされたHTP反応の20μLアリコートを取り、1:1アセトニトリル:水および0.37%(v/v)濃HClを含む180μLの希釈剤溶液に加えることによって、活性をHPLC解析するためのサンプルを調製した。それらのサンプルを、以下の条件のHPLC解析に供した。
化合物(2)から化合物(1)への変換を、以下のとおり、得られたクロマトグラムから決定した:
変換(%)=生成物面積/(生成物面積+基質面積)×100% 。
生成物のキラル純度(%de)についてのHPLC解析:実施例3におけるようなクエンチされたHTP反応の40μLアリコートを取り、1:1アセトニトリル:水および0.84%(v/v)濃HClを含む160μLの希釈剤溶液に加えることによって、化合物(1)のキラル純度またはジアステレオマー過剰率をHPLC解析するためのサンプルを調製した。それらのサンプルを、以下の条件のHPLC解析に供した。
実施例5:10mLスケールで式(II)の大きなケトン基質化合物を式(I)のキラルアミン化合物に変換するためのプロセス
配列番号4、8、26、36、40、78、100、102、148、156、160、170、172、180および198の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのSFP調製物を、化合物(2)の大きなケトン基質からキラルアミン化合物(1)への変換の10mLスケールの反応において使用した。これらの反応から、どれくらいのこれらの生体触媒が式(I)の化合物を調製するために使用され得るかが実証される。10mLスケールでの反応を、以下のとおり行った。十字形の磁気撹拌子を備えた20mLのガラスバイアルに、4mLの100mM TEA緩衝液(pH8.0)を加えた。そのバイアルに、2mLの5M IPM・HCl原液を加えた後、1mLの5mM PLP原液を加えた。その溶液のpHは、約8.0だった。その混合物を、500rpmで撹拌した(磁気撹拌)。200mgの化合物(2)のケトン基質を2.5mLのDMSOに溶解し、次いで、そのバイアルに加えた。1.0M NaOH溶液を使用して、その混合物のpHを8.0に調整した。最後に、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのDSP調製物の40g/L原液の0.5mLアリコートを加えることにより、反応を開始した。成分の最終濃度は、20g/Lの化合物(2);0.5g/L PLP;1M IPM;25%v/vDMSO;2g/Lトランスアミナーゼポリペプチド調製物;および100mM TEA,pH7.0だった。次いで、この混合物を55℃のホットプレート上で撹拌した。
10μLのサンプルを、異なる時点において採取し、200μLのアセトニトリル:水(1:1)で希釈した。そのサンプルに1μLの濃HClを加え、それを20,000rpmで5分間遠心分離した。これらのサンプルをHPLCによって解析することにより、反応の時間経過をモニターした。24時間後、反応混合物を10mLのアセトニトリルでクエンチし、その混合物をHPLCによって解析することにより、化合物(2)から生成物化合物(1)への最終的な%変換を得た。24時間後の化合物(2)から生成物化合物(1)への%変換に対する結果は、表2Bに示されている。
本願において引用されたすべての刊行物、特許、特許出願および他の文書は、各個別の刊行物、特許、特許出願または他の文書が、すべての目的のために参照により援用されると個別に示されたのと同程度に、すべての目的のために、それらの全体が参照により援用される。
様々な具体的な実施形態が、例示され、説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが認識されるだろう。

Claims (55)

  1. 配列番号2に対して少なくとも80%の同一性、ならびに配列番号2と比べて、X19、X21、X34、X53、X56、X73、X86、X88、X107、X113、X147、X155、X165、X171、X178、X233、X251、X259、X268、X277、X286、X312、X316、X317、X358、X366、X383、X399、X414、X415、X417、X426、X434およびX450から選択される残基位置に1つ以上の残基差異を有するアミノ酸配列を含む、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドであって、ここで、残基位置X21、X56、X86、X88、X107、X113、X133、X147、X233、X286、X312、X316、X383、X415、X417およびX434における前記残基差異は、X21H、X56A/C、X86C、X88H/Y、X107G、X113L/P、X147H/V、X233V、X286C/H、X312N、X316C/F/G/N/S/T、X383C/F/I/M/T、X415A/G/H/L/V、X417VおよびX434Tから選択される、操作されたポリペプチド。
  2. 前記残基位置X19、X34、X53、X73、X155、X165、X171、X178、X251、X259、X268、X277、X317、X358、X366、X399、X414、X426およびX450における前記残基差異が、X19W、X34A、X53M、X73R、X155V、X165F、X171Q、X178W、X251V、X259V、X268A、X277A、X317L、X358K、X366H、X399A、X414I、X426RおよびX450Sから選択される、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  3. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X34A、X56A、X88H、X107G、X113L、X147H、X153C、X155V、X233V、X315G、X316N、X383IおよびX450Sから選択される少なくとも1つ以上の残基差異を含む、請求項1または2に記載の操作されたポリペプチド。
  4. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X31M、X57F/L、X86N/S、X153A、X233T、X323T、X383VおよびX417Tから選択される1つ以上の残基差異をさらに含む、請求項1、2または3に記載の操作されたポリペプチド。
  5. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X34A、X56A、X57L、X86S、X88A;X153C、X155V、X163F、X315GおよびX417Tを含む残基差異の組み合わせを少なくとも含む、請求項4に記載の操作されたポリペプチド。
  6. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X316Nの残基差異をさらに含む、請求項5に記載の操作されたポリペプチド。
  7. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X31M、X57F、X323T、X383I/T、X415HおよびX450Sから選択される残基差異をさらに含む、請求項6に記載の操作されたポリペプチド。
  8. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、以下:
    X31M、X57F、X323TおよびX383V;
    X31M、X57F、X107G、X113L、X233T、X415HおよびX450S;
    X31M、X57F、X233V、X323T、X383I、X415HおよびX450S;ならびに
    X31M、X57F、X147H、X323T、X383I、X415HおよびX450S
    から選択される残基差異の組み合わせをさらに含む、請求項7に記載の操作されたポリペプチド。
  9. 前記トランスアミナーゼが、配列番号4のポリペプチドと比べて、少なくとも1.2倍高い安定性を有し、前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X34T、X107G、X113L、X147H、X155V、X233T/V、X323T、X383I/VおよびX450Sから選択される1つ以上の残基差異を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  10. 前記トランスアミナーゼが、化合物(2)を化合物(1)に変換する際に、配列番号4のポリペプチドと比べて少なくとも1.2倍高い活性を有し、前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X56A、X86S、X88H、X153C、X415HおよびX417Tから選択される1つ以上の残基差異を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  11. 前記トランスアミナーゼが、化合物(2)を化合物(1)に変換する際に、配列番号4のポリペプチドと比べて高いエナンチオ選択性を有し、前記アミノ酸配列は、配列番号2と比べて、X57F、X153CおよびX316Nから選択される1つ以上の残基差異を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  12. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X18A、X19W、X21H、X31M、X34A、X53M、X56A/C、X57C/F/L、X73R、X86C/N/S/Y、X88H/Y、X107G、X113C/L/P、X146L、X147H/K/V、X153A/C/V、X155A/V、X163L、X165F、X171Q、X178W、X190K、X206K、X228G、X233T/V、X235P、X244T、X251V、X259V、X268A、X277A、X286C/H、X312N、X314N、X315G、X316A/C/F/N/S/T、X317L、X319N、X323T、X358K、X366H、X383C/F/I/L/M/T/V、X395P、X399A、X414I、X415A/G/H/L/V、X417T/V、X424A、X426R、X427Y、X434TおよびX450Sから選択される残基差異をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の操作されたポリペプチド。
  13. 前記アミノ酸配列が、配列番号2と比べて、X9、X45、X177、X211、X294、X324およびX391位に残基差異を含まない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の操作されたポリペプチド。
  14. 前記アミノ酸配列が、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202および204から選択される配列を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、固体支持体上に固定化されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の操作されたポリペプチド。
  16. 前記固体支持体が、エポキシド官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシド官能基を有するポリメタクリレート、オクタデシル官能基を有するスチレン/DVBコポリマーまたはポリメタクリレートを含むビーズまたは樹脂である、請求項15に記載の操作されたポリペプチド。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
  18. 配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201および203から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  19. 請求項17または18に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  20. 調節配列を含む、請求項19に記載の発現ベクター。
  21. 請求項17もしくは18に記載のポリヌクレオチドまたは請求項19もしくは20に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  22. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の操作されたポリペプチドを調製する方法であって、前記方法は、請求項21に記載の宿主細胞を前記ポリペプチドの発現に適した条件下で培養する工程を含む、方法。
  23. 前記操作されたポリペプチドを単離する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 式(I):
    のアミン化合物を調製するためのプロセスであって、式中、
    環Aは、2位と3位との間および/もしくは5位と6位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または2、3、4、5および6位においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
    環Bは、5位と10位との間に不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または9位および10位のうちの1つ以上においてハロ、ヒドロキシおよびメチルから選択される基で必要に応じて独立して置換される、6員の炭素環であり;
    環Cは、10位においてハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択される基で必要に応じて置換される、5または6員の炭素環(すなわち、m=0または1)であり;
    環Dは、1、2もしくは3つの不飽和C−C結合を必要に応じて含み、かつ/または以下のとおり:
    14位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノ、および12位に架橋しているシクロプロピルから選択される基で;
    15位または16位において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから選択される基で、
    必要に応じて独立して置換される、5、6または7員の炭素環(すなわち、n=0、1または2)であるが;
    ただし、式(I)の化合物は、化合物(1):
    ではなく、
    前記方法は、環A、B、CおよびDが、式(I)の化合物に対して上で定義されたとおりである、式(II):
    のケトン基質化合物を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む、プロセス。
  25. 式(I)のアミン化合物が、式(Ia):
    の化合物である、請求項24に記載のプロセスであって、式中、
    環AおよびBは、以下:
    (a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
    (b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
    (c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
    (d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
    のうちの1つを含み;
    環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合を含み;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択され;
    前記方法は、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRが、式(Ia)の化合物に対して上で定義されたとおりである、式(IIa):
    のケトン基質化合物を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む、プロセス。
  26. 式(I)のアミン化合物が、式(Ib):
    の化合物である、請求項24に記載のプロセスであって、式中、
    環AおよびBは、以下:
    (a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
    (b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
    (c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
    (d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
    のうちの1つを含み;
    環Dは、12位と14位との間に不飽和C−C結合、または12位と14位との間に架橋シクロプロピルを含み;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択され;
    前記方法は、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRが、式(Ib)の化合物に対して上で定義されたとおりである、式(IIb):
    のケトン基質化合物を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む、プロセス。
  27. 式(I)のアミン化合物が、式(Ic):
    の化合物である、請求項24に記載のプロセスであって、式中、
    環AおよびBは、以下:
    (a)5位と6位との間に、不飽和C−C結合;
    (b)5位と10位との間に、不飽和C−C結合;
    (c)5位に、4位のメチル基に対してシスである水素;または
    (d)5位に、4位のメチル基に対してトランスである水素
    のうちの1つを含み;
    環Dは、芳香族であり;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、エチルおよびカルボニルから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから選択され;
    は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニルおよびアミノカルボニル(C−C)アルキルから選択され;
    前記方法は、環A、B、CおよびDならびにR、RおよびRが、式(Ic)の化合物に対して上で定義されたとおりである、式(IIc):
    のケトン基質化合物を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む、プロセス。
  28. 式(I)のアミン化合物が、式(Id):
    の化合物である、請求項24に記載のプロセスであって、式中、
    環Aは、2位と3位との間または5位と6位との間に不飽和C−C結合を含み;
    およびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルオキシ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)ジアルキルアミノ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルチオ、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルホニル、必要に応じて置換される(C−C)アルキルスルフィニル、カルボキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルオキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるアミノカルボニル、アミノカルボニル(C−C)アルキル、必要に応じて置換されるシクロアルキル、必要に応じて置換されるヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されるアリール、必要に応じて置換されるヘテロアリール、必要に応じて置換されるアリールオキシ、必要に応じて置換されるアリールアミノ、必要に応じて置換されるアリールチオ、必要に応じて置換されるアリールスルホニル、必要に応じて置換されるアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるアリールカルボニルオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換されるヘテロアリールアミノ、必要に応じて置換されるヘテロアリールチオ、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルホニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールスルフィニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールオキシカルボニル、必要に応じて置換されるヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルアミノスルホニル(C−C)アルキル、アリールスルホニル(C−C)アルキルおよびヘテロアリールスルホニル(C−C)アルキルから独立して選択され;
    、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、チオ、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖の(C−C)アルケニルおよび直鎖または分枝鎖の(C−C)アルキルアミノから独立して選択され;
    、RおよびRは、水素、ハロ、ヒドロキシおよびメチルから独立して選択され;
    前記方法は、R、R、R、R、R、R、RおよびRが、式(Id)の化合物に対して上で定義されたとおりである、式(IId):
    のケトン基質化合物を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと、アミノドナーの存在下の好適な反応条件下において接触させる工程を含む、プロセス。
  29. 式(II)の基質化合物が、約0.5〜約200g/L、1〜約200g/L、5〜約150g/L、約10〜約100g/Lまたは約20〜約100g/Lの負荷である、請求項24〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
  30. 式(II)の基質化合物が、少なくとも約0.5g/L、1g/L、5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、100g/L、150g/Lまたは200g/Lの負荷である、請求項29に記載のプロセス。
  31. 前記アミノドナーが、イソプロピルアミン、L−リジン、α−フェネチルアミン、D−アラニン、L−アラニンまたはD,L−アラニンまたはD,L−オルニチンからなる群より選択される、請求項24〜30のいずれか1項に記載のプロセス。
  32. 前記アミノドナーが、イソプロピルアミン(IPM)である、請求項31に記載のプロセス。
  33. 前記イソプロピルアミンが、約0.1〜約3M、0.2〜約2.5M、約0.5〜約2Mまたは約1〜約2Mの濃度である、請求項32に記載のプロセス。
  34. 前記イソプロピルアミンが、約0.1M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5M、0.6M、0.7M、0.8M、1M、1.5M、2M、2.5Mまたは3Mの濃度である、請求項33に記載のプロセス。
  35. 前記好適な反応条件が、緩衝剤を含む、請求項24〜34のいずれか1項に記載のプロセス。
  36. 前記緩衝剤が、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、トリエタノールアミン(TEA)およびTrisから選択される、請求項35に記載のプロセス。
  37. 前記緩衝剤が、TEAを含み、前記TEAの濃度は、約0.01〜約0.4M、約0.05〜約0.4M、約0.1〜約0.3Mまたは約0.1〜約0.2Mである、請求項36に記載のプロセス。
  38. 前記TEAの濃度が、約0.01M、0.02M、0.03M、0.04M、0.05M、0.07M、0.1M、0.12M、0.14M、0.16M、0.18M、0.2M、0.3Mまたは0.4Mである、請求項37に記載のプロセス。
  39. 前記好適な反応条件が、約6〜約12のpH、約6〜約10のpH、約6〜約8のpH、約7〜約10のpH、約7〜約9のpHまたは約7〜約8のpHを含む、請求項24〜38のいずれか1項に記載のプロセス。
  40. 前記好適な反応条件が、約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10.10.5、11、11.5または12のpHを含む、請求項39に記載のプロセス。
  41. 前記好適な反応条件が、約10℃〜約70℃、約10℃〜約65℃、約15℃〜約60℃、約20℃〜約60℃、約20℃〜約55℃、約30℃〜約55℃または約50℃〜約60℃の温度を含む、請求項24〜40のいずれか1項に記載のプロセス。
  42. 前記好適な反応条件が、少なくとも約10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃または70℃の温度を含む、請求項41に記載のプロセス。
  43. 前記好適な反応条件が、ピリドキサール補助因子であるピリドキサール−5’−リン酸(PLP)を約0.1g/L〜約10g/L、約0.2g/L〜約5g/Lまたは約0.5g/L〜約2.5g/Lの濃度で含む、請求項24〜42のいずれか1項に記載のプロセス。
  44. 前記好適な反応条件が、約0.1g/L、0.2g/L、0.5g/L、1g/L、2.5g/L、5g/Lまたは10g/LのPLP濃度を含む、請求項43に記載のプロセス。
  45. 前記好適な反応条件が、共溶媒を含む、請求項24〜44のいずれか1項に記載のプロセス。
  46. 前記共溶媒が、極性共溶媒を含む、請求項45に記載のプロセス。
  47. 前記共溶媒が、ポリオール、DMSOまたは低級アルコールから選択される、請求項46に記載のプロセス。
  48. 前記共溶媒が、DMSOである、請求項47に記載のプロセス。
  49. 前記DMSOが、約1%〜約40%v/v;約2%〜約30%v/v;または約5%〜約25%v/vの濃度で存在する、請求項44に記載のプロセス。
  50. 前記DMSOが、約1%v/v、2%v/v、5%v/v、10%v/v、15%v/v、20%v/v、25%v/v、30%v/v、35%v/v、35%v/vまたは40%v/vの濃度で存在する、請求項49に記載のプロセス。
  51. 前記トランスアミナーゼポリペプチドが、約0.01〜約50g/L、約0.05〜約50g/L、約0.1〜約40g/L、約1〜約40g/L、約2〜約40g/L、約5〜約40g/L、約5〜約30g/L、約0.1〜約10g/L、約0.5〜約10g/L、約1〜約10g/L、約0.1〜約5g/L、約0.5〜約5g/Lまたは約0.1〜約2g/Lの濃度である、請求項24〜50に記載のプロセス。
  52. 前記トランスアミナーゼポリペプチドが、約0.01g/L、0.05g/L、0.1g/L、0.2g/L、0.5g/L、1g/L、2g/L、5g/L、10g/L、15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/Lまたは50g/Lの濃度である、請求項51に記載のプロセス。
  53. 前記好適な反応条件が、以下:
    (a)約5g/L〜200g/Lの基質負荷;
    (b)約0.1〜50g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;
    (c)約0.1〜4Mのイソプロピルアミン(IPM);
    (d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;
    (e)約6〜9のpH;および
    (f)約30〜65℃の温度
    を含む、請求項24〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
  54. 前記好適な反応条件が、以下:
    (a)約10g/L〜150g/Lの基質負荷;
    (b)約0.5〜20g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;
    (c)約0.1〜3Mのイソプロピルアミン(IPM);
    (d)約0.1〜10g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;
    (e)約0.05〜0.20Mのトリエタノールアミン(TEA)緩衝液;
    (f)約1%〜約45%のDMSO;
    (g)約6〜9のpH;および
    (h)約30〜65℃の温度
    を含む、請求項24〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
  55. 前記好適な反応条件が、以下:
    (a)約20g/L〜100g/Lの基質負荷;
    (b)約1〜5g/Lの操作されたトランスアミナーゼポリペプチド;
    (c)約0.5〜2Mのイソプロピルアミン(IPM);
    (d)約0.2〜2g/Lのピリドキサールリン酸(PLP)補助因子;
    (e)約0.1MのTEA緩衝液;
    (f)約25%のDMSO;
    (e)約8のpH;および
    (f)約45〜60℃の温度
    を含む、請求項24〜28のいずれか1項に記載のプロセス。
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