JP2016501182A - ペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、更なる抗原プロセシングなしにMHCクラスII分子に結合し、第VIII因子特異的T細胞によって認識される能力がある、FVIIIから部分的に誘導可能なペプチドを提供する。特に、本発明は、N及びC末端に修飾を有する配列DNIMVTFRNQASRPY又はPRCLTRYYSSFVNMEを含むペプチドを提供する。本発明は、血友病A及び/又は後天性血友病におけるインヒビター抗体の形成の予防又は抑制のためのそのようなペプチドの使用にも関する。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくともその一部が、第VIII因子(FVIII)から誘導可能であるペプチドに関する。前記ペプチドを使用して、例えば、血友病Aの治療及び後天性血友病における、第VIII因子インヒビター抗体形成を低下又は予防することができる。
血友病
血友病は、血友病A、血友病B(クリスマス病)及びフォンウィルブランド病を含む遺伝性血液障害の群に属する。
血友病において、必須凝固因子が部分的又は完全に欠けているために血液の凝固能が大幅に低下しており、出血時間の増加をもたらす。
血友病Aは、第VIII凝固因子の欠乏症であるのに対し、血友病Bは、第IX凝固因子の欠乏症である。両疾患において、X染色体上に欠陥遺伝子が見出されるので、その状態はX連鎖性である。血友病Aは、血友病Bよりも5倍よく起こる。
血友病は、生涯続く遺伝性の遺伝的状態であり、保因者である女性及びこの状態を遺伝で受け継ぐ男性が罹患する。新規診断の約3分の1は、家族既往歴がない場合である。それは世界中でみられ、全ての人種集団で生じている。英国では、約6,000人が血友病に罹患している。
血友病患者は、傷害後、長期間出血する。切り傷及び擦り傷などの外傷は通常は大きな問題とはならず、ある程度圧迫し、患部を(例えば、絆創膏で)覆うことにより出血を止めることができる場合が多い。
主要な問題は、関節、筋肉及び軟組織中への内出血であり、これは自発的に起こり得る。脳内への大出血などの内出血は、管理が非常に困難であり、致命的であり得る。関節内での度重なる出血は、急性痛を引き起こし、関節炎及び/又は身体障害につながる長期関節損傷を引き起こし得る。
血友病のための治療は、通常、欠けている凝固因子の補充による。軽度又は中等度の血友病においては、出血が生じたときに注射を行うことができる(オンデマンド療法)。しかしながら、重度の血友病においては、血液が凝固するのを助け、長期関節損傷の可能性を最小限にするために、定期的な予防的注射が行われる。
血友病Aのための凝血因子補充療法の深刻になる恐れのある合併症は、第VIII因子の凝血促進性機能を中和する抗体の発達である。第VIII因子インヒビターは、重症血友病Aを有する人の約25%に生じる。先天性血友病A患者は、遺伝的にFVIII欠乏性であり得るので、インヒビターの合成は、出血エピソードを予防又は治療するために投与された外来タンパク質への同種免疫応答である。
CD4+T細胞は、FVIIIへの免疫応答において中心的な役割を果たしている。FVIIIは、抗原提示細胞(APC)によって取り込まれた後、タンパク質分解によりペプチド断片に分解される(Redingら(2006) Haemophilia 12(supp 6) 30-36)。次いで、これらのペプチドは、MHCクラスII分子と結合してAPCの表面に提示される。次いで、この複合体は、FVIIIに特異的なCD4+細胞のT細胞受容体によって認識される。適切な同時刺激シグナルの存在下で、この認識により、最終的に、CD4+細胞がB細胞による抗体の合成を方向付ける。
インヒビター形成の発生率は、最初は第VIII因子の処置回数とともに増加するが、曝露日数が50日〜100日の後に頭打ちになるように思われる。インヒビター形成は中等度又は軽度の疾患よりも重度の血友病においてはるかによく起こり、第VIII因子軽鎖内のいくつかの分子欠損、最も明瞭には大きな欠失及びナンセンス変異が、インヒビター形成の素因となるように思われる。補充因子の濃度、型(精製又は組換え)などのパラメーター及び治療歴も、抗体産生の可能性に影響を及ぼし得る。
インヒビターを有する血友病患者の管理は継続的課題である。脱感作技法を使用した免疫寛容誘導(ITI)は、第VIII因子に対する同種抗体を有する一部の患者において奏功している。この治療的手法は、因子補充療法への継続的な曝露を必要とするので、長期的戦略である。
ITIは奏功し得るが、著しい割合(約30%)の患者が、ITIに応答しない。高いインヒビター力価を有する患者は、治療に応答する見込みが非常に低い。別の重要な要因は、ITI開始時の年齢であり、患者が20歳を超えている場合、奏功率が大きく低下する(Hayら(2005) Seminars in Thrombosis and Hemostasis 32:15-21)。
ITI療法が奏功しない場合、インヒビターは、一般に、生涯存続し、そのような患者は、通常、高応答者であるため、活性化プロトロンビン複合体濃縮物(FEIBA(商標))、及び組換え活性化FVIIなどのFVIIIバイパス生成物で出血のエピソードを治療することが必要である。しかしながら、そのような薬剤の使用は、播種性血管内凝血、急性心筋梗塞、肺塞栓症及び血栓症などの有害事象と関連している(Acharya and DiMichele (2006) Best Practice & Research Clinical Haematology 19:51-66)。
ITIに応答しない患者には、免疫抑制療法が時折使用される。治療は、免疫系を非特異的に標的にするシクロホスファミド、プレドニゾン、アザチオプリン、シクロスポリンなどの免疫抑制剤の投与を含む。これらの治療は、一般的な免疫抑制と関連する副作用を有し得る。
B細胞CD20抗原に対するヒト化モノクロナール抗体であるRituximab(商標)を使用した、選択的B細胞枯渇に関する新たな関心がある。しかしながら、この薬剤で治療した一部の子供において輸注反応、血清病及び日和見感染が生じている(DiMichele (2007) J Thromb Haemost 5:143-50)。
後天性血友病
後天性血友病は、百万人ごとに1〜4人が罹患する希な自己免疫状態である。この状態において、血友病を持って生まれたのではない対象が、第VIII因子などの凝固因子のうちの1つに対して抗体を発生させる。妊娠及び関節リウマチなどの自己免疫疾患及び癌は、後天性血友病を発症するリスクを増大させ得ると考えられている。インヒビターの産生につながる根底にある免疫機構に違いはあるが、凝血因子補充療法に応答して産生されるFVIIIインヒビターと、後天性血友病において産生されるインヒビターの臨床的徴候は類似している。
後天性血友病患者は、後天性インヒビターと重症出血合併症との関連が原因の一つであるが、25%に迫る死亡率を有する。後天性自己抗体インヒビターの療法は、しばしば生命及び四肢を脅かす急性大出血性合併症を調節又は予防し、二次的に自己抗体を根絶して正常な凝血を回復する必要性に主に基づく。
低力価の自己抗体インヒビター(<5ベセスダ単位)と関連している一部の出血は、FVIII濃縮物を高用量で投与して効果的に治療することができる。ブタFVIII濃縮物は、後天性血友病関連の出血のための重要な第一選択治療薬と以前は考えられていたが、これはブタFVIII濃縮物が、実験室で輸注後FVIII凝血活性レベルを実際に測定する機会を提供する唯一の補充治療薬であったからである。この製品は、ブタパルボウイルスによるブタ血漿プールの汚染のために、2004年に市場から撤去された。現在、「バイパス」剤が最もよく使用されているが、血栓形成の潜在的なリスクが存在し、各製品の有効性は、約80%のみである。バイパス剤又はFVIII補充が適切な止血を提供するのに十分にインヒビター力価を一時的に低下させるために、血漿交換療法による血漿交換及び体外免疫吸着が必要であり得る。
自己抗体インヒビターの根絶は、(1)3〜6週間で30%〜50%の有効性を有する副腎皮質ステロイドの投与、(2)細胞毒性及び骨髄抑制化学療法剤、例えば、シクロホスファミド、シクロスポリン、2-クロロデオキシアデノシンの使用、(3)免疫グロブリン静注での免疫調節、及び(4)リツキシマブでの選択的Bリンパ球の枯渇、などの免疫抑制手段に依存する。リツキシマブ(Rituximab(商標))応答者は、ステロイドの同時使用を必要とし得、再発は、再治療に応答し得る。
したがって、血友病Aの治療に関連する同種抗体産生、及び後天性血友病における自己抗体産生を低下させるための現在利用可能な全ての方法は、欠点を有する。したがって、血友病A及び後天性血友病における抗FVIII抗体の問題に対処するための改善された方法が必要性である。
本発明者らは、FVIII由来ペプチドで患者を予め寛容化することによってFVIIIインヒビター抗体形成を予防すること、及びFVIIIインヒビター抗体を減少させるためにFVIII由来ペプチドを投与することによって、血友病などの状態を治療することが可能であることを見出した。
従って、本発明の第一の態様は、FVIIIを誘導するか、またはFVIIIに対する耐性を回復させることができる、その配列の少なくとも一部がFVIIIに由来するペプチドに関する。
本発明の第一の態様の第一の実施形態において、本発明は、以下の配列の1つを有するFVIII由来配列DNIMVTFRNQASRPYを含むペプチドを提供する:

Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys (配列番号17)

Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu (配列番号18)

Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys (配列番号19)

Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys (配列番号25)

Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu (配列番号26)

Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys (配列番号27)

Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys (配列番号29)

Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu (配列番号30)及び

Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys (配列番号31)。
第二の実施形態において、本発明は、以下の配列の1つを有する、FVIII由来の配列PRCLTRYYSSFVNMEを含むペプチドを提供する:

Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys (配列番号1)

Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu (配列番号2)

Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys (配列番号3)

Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys (配列番号5)

Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys (配列番号7)

Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys (配列番号9)

Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu (配列番号10)

Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys (配列番号11)及び

Glu-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys (配列番号13)。
第二の態様において、本発明は、本発明の第一の態様の1種以上のペプチドを含む、複数のペプチドを含有する組成物を提供する。
組成物は、第一の実施形態の少なくとも1種のペプチドと、本発明の第一の態様の第二の実施形態の少なくとも1種のペプチドとを含有し得る。
組成物は、配列番号1を有するペプチドと、配列番号17を有するペプチドとを含有し得る。
組成物は、複数のペプチドが別個に、続いて、連続的に、又は同時に投与するために別々に提供されるキットの形態であっても良い。
本発明のペプチド又は組成物は、第VIII因子インヒビター抗体の産生を抑制、低下、又は防止するのに使用するためのものであり得る。
本発明はまた、第VIII因子インヒビター抗体の産生を抑制、低下、又は防止するための医薬の製造における、このようなペプチド又は組成物の使用を提供する。
本発明はまた、このようなペプチド又は組成物を対象に投与するステップを含む、対象における第VIII因子インヒビター抗体の産生を抑制、低下、又は防止するための方法を提供する。
対象は第VIII因子が欠乏している状態であり得る。特に、対象は血友病Aであり、第VIII因子補充療法を受けているか、もしくは受けようとしている患者であり得る。
あるいはまた、対象は、後天性血友病を有するか、またはこれに罹患するリスクを有する者であり得る。
第VIII因子インヒビターは、HLA-DR2を発現する個体においてより頻繁に見られる。従って、本発明の方法によって治療される対象はHLA-DR2陽性であり得る。
修飾FVIIIペプチドの溶解性 合計32種のペプチドを試験した:そのうちの16種は、FVIIIペプチドPRCLTRYYSSFVNME(「PRCLT」)(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13)に基づき、そのうちの16種は、FVIIIペプチドDNIMVTFRNQASRPY(「DNIMV」)(配列番号17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32)に基づいた。それらの溶解性を、寛容化抗原としての適用のために十分に溶解性であることが知られている無関係の対照ペプチド(4Y)と比較して試験した。図において、緑は、少なくとも4Yと同じくらい溶解性であるペプチドを表し、オレンジは、4Yとまではいかないが、かなり近い溶解性であるペプチドを表し、赤は、4Yほど溶解性ではないペプチドを表す。緑にコードされたペプチドは、対照ペプチド4Yと同じくらいの溶解性であり、赤にコードされたペプチドは、溶解性が乏しく、琥珀にコードされた1種のペプチドは、中間の溶解性を有した。 水溶液中でのタグを付けたペプチドの溶解性 DMSO(対照)又はPBSへの溶解に続く溶液中のペプチドの濃度を、分光測定で決定し、4mg/mLの期待値と比較した。実測と期待濃度間のより大きな差異は、より低い比溶解性に相当する。 タグを付けたペプチドは、アピトープ(apitope)として働く 新鮮及び固定抗原提示細胞での抗原提示アッセイを行い、タグを付けたペプチドが、親ペプチドPRCLT及びDNIMVのように、抗原プロセシングなしにMHC分子に結合し、T細胞に提示される能力があるかどうかを調査した。(a)PRCLTペプチド、(b)DNIMVペプチド。 配列番号1及び配列番号2を有するペプチドは、PRCLTへのT細胞応答を制御する 図は、配列番号1、配列番号2又は対照(PBS)で処置し、PRCLTで抗原刺激したHLA-DR2トランスジェニックマウスからのリコール応答を示す。T細胞刺激指数を、ペプチド濃度の範囲にわたって、並びにFVIII及び対照PPDに対して示す。 配列番号17及び配列番号18を有するペプチドは、DNIMVへのT細胞応答を制御する 図は、配列番号17、配列番号18又は対照(PBS)で処置し、DNIMVで抗原刺激したHLA-DR2トランスジェニックマウスからのリコール応答を示す。T細胞刺激指数を、ペプチド濃度の範囲にわたって、並びにFVIII及び対照PPDに対して示す。 配列番号1及び配列番号17を有するペプチドは、それらの親ペプチドへのT細胞応答を制御する 図は、配列番号1又は配列番号17又は対照(PBS)で処置し、PRCLT及びDNIMVで抗原刺激し、PRCLT、DNIMV又はFVIIIでin vitroでリコールした、HLA-DR2トランスジェニックマウスからのリコール応答を示す。T細胞刺激指数を、ペプチド濃度の範囲にわたって、並びにFVIIIに対して示す。親ペプチドへのT細胞応答の有意な阻害がある。 配列番号1を有するペプチド及び配列番号17を有するペプチドの組合せは、in vivoでの抗FVIII抗体産生を阻害する 図は、配列番号1及び配列番号17の組合せ(又はPBS対照)で処置し、8週間週1回のFVIII免疫化で免疫したマウスのエンドポイント抗FVIII抗体力価を示す。図7a:28日目での結果図7b:56日目での結果 配列番号1を有するペプチド及び配列番号17を有するペプチドの組合せは、FVIII曝露時のin vivoでの中和抗FVIII抗体産生を予防する 図は、8週間週1回のFVIII免疫化の前又は免疫化中に配列番号1及び配列番号17の組合せ(又はPBS対照)で処置したマウスにおける、中和抗FVIII抗体のレベルを示す。56日目に、ペプチド処置マウスにおける中和抗体の有意な減少がある。 配列番号1を有するペプチド及び配列番号17を有するペプチドの組合せは、FVIIIへのT細胞応答を阻害する 図は、配列番号1及び配列番号17の組合せ又は対照(PBS)で処置し、DNIMV及びPRCLTで抗原刺激した、HLA-DR2トランスジェニックマウスからのリコール応答を示す。T細胞刺激指数を、FVIII濃度の範囲にわたって示す。 配列番号1を有するペプチド及び配列番号17を有するペプチドの組合せは、進行中のFVIII免疫応答を有する治療動物モデルにおける中和抗FVIII抗体産生を抑制する 図は、FVIII免疫応答及び抗FVIII抗体産生を誘導した後、配列番号1及び配列番号17の組合せ又は前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)133〜152対照ペプチド(PCT/US2006/031961に記載されている配列、配列番号15)で処置したマウスにおける、中和抗FVIII抗体のレベルを示す。マウスに、rFVIII免疫化の3週間後及びrFVIIIでの追加免疫化前にペプチド処置をほどこした。FVIII追加免疫化の2週間後(7週目)、ペプチド処置マウスにおける中和抗FVIII抗体の有意な減少があり、これは最大13週目までの実験の過程中維持された。
ペプチド
本発明は、ペプチドに関する。
「ペプチド」という用語は、典型的に、隣接するアミノ酸のα-アミノ基とカルボキシル基間のペプチド結合により一方が他方に結合した、一連の残基、典型的にL-アミノ酸を意味する通常の意味で使用される。この用語は、修飾ペプチド及び合成ペプチド類似体を含む。
本発明のペプチドは、化学的方法を使用して作製することができる(Peptide Chemistry, A practical Textbook. Mikos Bodansky, Springer-Verlag, Berlin.)。例えば、ペプチドは、固相技法(Roberge JYら(1995) Science 269: 202-204)によって合成し、樹脂から切断し、調製的高速液体クロマトグラフィーによって精製することができる(例えば、Creighton (1983) Proteins Structures And Molecular Principles, WH Freeman and Co, New York NY)。自動合成は、例えば、ABI 43 1 A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を使用して、製造者によって提供された説明書に従って達成することができる。
あるいはまた、ペプチドは、組換え法によって、又は第VIII因子からのペプチドの切断後の1つ又は両方の末端の修飾によって作製することができる。ペプチドの組成は、アミノ酸分析又は配列決定(例えば、Edman分解手順)によって確認することができる。
実際的な目的のために、ペプチドが示し得る種々の他の特性がある。例えば、ペプチドが、治療的に有用であるためにin vivoで十分安定であることが重要である。ペプチドのin vivoでの半減期は、少なくとも10分、30分、4時間又は24時間であり得る。
ペプチドは、in vivoで良好な生物学的利用能を示すこともできる。ペプチドは、これが然るべき障害なしに細胞表面のMHC分子に結合することを可能にするコンフォメーションをin vivoで維持することができる。
アピトープ
適応免疫応答において、Tリンパ球はタンパク質抗原の内部エピトープを認識する能力がある。抗原提示細胞(APC)は、タンパク質抗原を取り込み、それらを短いペプチド断片に分解する。ペプチドは、細胞内の主要組織適合性複合体(MHC)クラスI又はII分子に結合し、細胞表面に運ばれ得る。MHC分子と結合して細胞表面に提示されると、ペプチドは、T細胞によって(T細胞受容体(TCR)を介して)認識され得、この場合、ペプチドはT細胞エピトープである。
したがって、エピトープは、MHCクラスI又はII分子のペプチド結合溝に結合し、T細胞によって認識される能力がある、抗原から誘導可能なペプチドである。
最小エピトープは、MHCクラスI又はII分子のペプチド結合溝に結合し、T細胞によって認識される能力がある、エピトープから誘導可能な最短の断片である。所与の免疫原性領域に関して、エピトープとして働く重複ペプチドの「入れ子セット(nested set)」を作製することが典型的に可能であり、それらの全てが最小エピトープを含有するが、それらの隣接領域は異なる。
同様に、末端切断ペプチドへの応答を測定することによって、特定のMHC分子:T細胞の組合せのための最小エピトープを同定することが可能である。例えば、重複ライブラリ内の残基1〜15を含むペプチドに対して応答が得られる場合、両端で切断されたセット(すなわち、1〜14、1〜13、1〜12など及び2〜15、3〜15、4〜15など)を使用して、最小エピトープを同定することができる。
本発明者らはこれまでに、更なる抗原プロセシングなしにMHCクラスI又はII分子に結合してT細胞に提示されるペプチドの能力と、in vivoで寛容を誘導するペプチドの能力との間に関連があることを決定した(WO02/16410)。あるペプチドが、更なるプロセシング(例えばトリミング)なしに、MHC分子のペプチド結合溝に結合するには長すぎる、又は不適切なコンフォメーションで結合する場合、それはin vivoで寛容原性ではない。他方、ペプチドが、MHCペプチド結合溝に直接結合し、T細胞に提示されるのに適切な大きさ及びコンフォメーションを有する場合、このペプチドは寛容誘導に有用であると予測することができる。
したがって、ペプチドが、in vitroで更なる抗原プロセシングなしにMHCクラスI又はII分子に結合し、T細胞に提示され得るかどうかを調査することによって、そのペプチドの寛容原性能力を調査することが可能である。
本発明のペプチドは、それらが更なる抗原プロセシングなしにMHCクラスII分子に結合し、第VIII因子特異的T細胞からの応答を刺激することができる点において、アピトープ(抗原プロセシング非依存性エピトープ)である。そのようなアピトープは、WO02/16410に記載された規定に基づいた方法に従って、FVIIIへの寛容を引き起こすと予測することができる。
本発明のペプチドは、更なるプロセシングなしにMHCクラスI又はII分子に結合する能力がある任意の長さとすることができる。典型的に、本発明のペプチドは、MHCクラスIIに結合する能力がある。
MHCクラスI分子に結合するペプチドは、典型的に7〜13、より普通には8〜10アミノ酸長である。ペプチドの結合は、ペプチドの主鎖内の原子と、全てのMHCクラスI分子のペプチド結合溝におけるインバリアント部位との間の接触によって、その両端が安定化されている。ペプチドのアミノ及びカルボキシ末端を結合する溝の両端にインバリアント部位がある。ペプチドの長さの変動は、ペプチド主鎖内の、しばしば必要な柔軟性を与えるプロリン又はグリジン残基におけるよじれによって調整される。
MHCクラスII分子に結合するペプチドは、典型的に8〜20アミノ酸長、より普通には10〜17アミノ酸長であり、より長くてもよい(例えば、最大40アミノ酸長)。これらのペプチドは、(MHCクラスIペプチド結合溝と異なって)両端が開放されているMHC IIペプチド結合溝に沿って伸長されたコンフォメーションである。ペプチドは、主に、ペプチド結合溝に沿って並ぶ保存残基との主鎖の原子の接触によって所定の位置に保持される。
ペプチド配列
本発明の第一の実施形態は、FVIII由来配列を含むペプチドに関する。実施例で検討したFVIII由来配列は以下の配列を有する:

配列番号1: Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys

配列番号2: Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu

配列番号3: Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys

配列番号4: Lys-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Glu

配列番号5: Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys

配列番号6: Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu

配列番号7: Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys

配列番号8: Glu-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Glu

配列番号9: Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys

配列番号10: Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu

配列番号11: Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys

配列番号12: Lys-Glu-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Glu

配列番号13: Glu-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Lys

配列番号14: Glu-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Lys-Glu

配列番号15: Glu-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Lys

配列番号16: Glu-Lys-Gly-Pro-Arg-Cys-Leu-Thr-Arg-Tyr-Tyr-Ser-Ser-Phe-Val-Asn-Met-Glu-Gly-Glu-Glu

配列番号17: Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys

配列番号18: Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu

配列番号19: Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys

配列番号20: Lys-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Glu

配列番号21: Glu-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys

配列番号22: Glu-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu

配列番号23: Glu-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys

配列番号24: Glu-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Glu

配列番号25: Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys

配列番号26: Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu

配列番号27: Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys

配列番号28: Lys-Glu-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Glu

配列番号29: Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Lys

配列番号30: Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Lys-Glu

配列番号31: Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Lys

配列番号32: Glu-Lys-Gly-Asp-Asn-Ile-Met-Val-Thr-Phe-Arg-Asn-Gln-Ala-Ser-Arg-Pro-Tyr-Gly-Glu-Glu。
用語「有する(has)」又は「有している(having)」は、そのペプチドが所定のアミノ酸配列からなることを意味することが意図される。
本発明は、配列 DNIMVTFRNQASRPYを含み、以下の配列:配列番号17、18、19、25、26、27、29、30又は31の1つを有するペプチドを提供する。
ペプチドは以下の配列:配列番号17、18、25又は26の1つを有し得る。
ペプチドは配列番号17又は18を有し得る。
ペプチドは配列番号17を有し得る。
本発明はまた、配列PRCLTRYYSSFVNMEを含み、かつ以下の配列:配列番号1、2、3、5、7、9、10、11又は13の1つを有するペプチドを提供する。
ペプチドは以下の配列:配列番号1、2、9又は10の1つを有し得る。
ペプチドは配列番号1又は2を有し得る。
ペプチドは配列番号1を有し得る。
第VIII因子
本発明のペプチドの中心部分を形成する配列DNIMVTFRNQASRPY及びPRCLTRYYSSFVNMEは、両方とも第VIII因子から誘導可能である。
第VIII因子は血液凝血の内因性経路に関与し、第VIII因子は、Ca+2及びリン脂質の存在下で第X因子を活性化型Xaに転換する第IXa因子の補因子である。
第VIII因子遺伝子は、2つの選択的にスプライスされる転写物を産生する。転写物変異体1は、血漿中を循環し、フォンウィルブランド因子と非共有結合複合体で結合する大きな糖タンパク質、アイソフォームaをコードする。このタンパク質は、複数の切断事象を経る。転写物変異体2は、主に第VIIIc因子のリン脂質結合ドメインからなる推定小タンパク質、アイソフォームbをコードする。この結合ドメインは、凝血活性に必須である。
ヒト第VIII因子遺伝子の完全な186,000塩基対配列は、1980年代半ばに解明された(Gitschierら(1984) Nature 312 326-330)。同時に、完全な2,351個のアミノ酸配列をコードするDNAクローンを使用して、培養哺乳動物細胞において生物学的に活性な第VIII因子が作製された(Woodら(1984) Nature 312:330-337)。ヒト第VIII因子の完全な2,351個のアミノ酸配列を配列番号33に示す。
溶解性
本発明の第一の実施形態のペプチドは、下記ペプチドのうちの1種についての修飾形態である:
Figure 2016501182
これらのペプチドは、アピトープとして働き、in vivoで寛容原性(tolerogenic)であることが既に示されている(実施例及び国際特許出願PCT/GB2008/003996を参照されたい)。
ペプチド媒介寛容誘導において、溶解性が重要な考慮点であることが、それ以来明らかになっている。
本発明者らは、溶解性が、両端のグリシンスペーサーの組込み、それに続く、N及びC両末端のリジン(K)及び/又はグルタミン酸(E)とすることができる2個の追加のアミノ酸の組合せによって改善され得ることを発見した。したがって、所与の末端での可能な組合せは、KK、KE、EK又はEEである。
したがって、本発明の修飾ペプチドは、親DNIVM及びPRCLTペプチドと比較して、6個の追加のアミノ酸(各末端に3個)を有する。
本発明のペプチドは、一般式:
XXGDNIMVTFRNQASRPYGXX 又は
XXGPRCLTRYYSSFVNMEGXX
[式中、Xは、リジン又はグルタミン酸である。]
を有する。
修飾ペプチドは、親(非修飾)ペプチドよりも可溶性であり得る。修飾ペプチドは、親ペプチドよりも2、3、4、又は5倍大きい溶解性を有し得る。ペプチドは、最大0.5mg/ml、1mg/ml、又は5mg/mlの濃度で可溶性であり得る。
寛容
T細胞エピトープは、自己のものであろうと外来性であろうと、任意の抗原への適応免疫応答において、中心的な役割を果たす。過敏性疾患(アレルギー、自己免疫疾患及び移植片拒絶反応を含む)においてT細胞エピトープが果たす中心的な役割は、実験モデルの使用を通して実証された。炎症性又はアレルギー性疾患を、アジュバントと組み合わせた(T細胞エピトープの構造に基づいた)合成ペプチドの注射によって誘導することが可能である。
対照的に、特定の抗原への免疫寛容は、可溶型のペプチドエピトープの投与によって誘導することが可能であることが示された。可溶性ペプチド抗原の投与は、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE-多発性硬化症(MS)のモデル)(Metzler and Wraith (1993) Int. Immunol. 5:1159-1165、Liu and Wraith (1995) Int. Immunol. 7:1255-1263、Anderton and Wraith (1998) Eur. J. Immunol. 28:1251-1261)、並びに関節炎、糖尿病及びブドウ膜網膜炎の実験モデル(上記のAnderton and Wraith(1998)で概説されている)において疾患を阻害する効果的な手段であることが実証された。これは、EAEにおいて進行中の疾患を治療する手段となることも実証された(上記のAnderton and Wraith(1998))。
寛容は、抗原に応答しないことである。自己抗原への寛容は免疫系の本質的な特徴であり、これが失われた場合、自己免疫疾患が生じ得る。適応免疫系は、それ自体の組織内に含まれる自己抗原の自己免疫性攻撃を回避する一方で、膨大な種類の感染病原体に応答する能力を維持しなければならない。これは、胸腺における未熟Tリンパ球のアポトーシス細胞死への感受性によって、かなりの程度まで調節されている(中枢性寛容)。しかしながら、全ての自己抗原が胸腺において検出される訳ではないので、自己反応性胸腺細胞の死は不完全なままである。したがって、末梢組織の成熟自己反応性Tリンパ球によって寛容が獲得され得る機構もある(末梢性寛容)。中枢性及び末梢性寛容の機構は、Andertonら(1999)(Immunological Reviews 169:123-137)において概説されている。
血友病Aにおいて、患者は第VIII因子遺伝子における欠損を有する。これは、第VIII因子が免疫系によって「自己」抗原として認識されないことを意味する。したがって、凝血因子補充療法中に第VIII因子が投与された場合、外来タンパク質への同種免疫応答が発生し、FVIIIインヒビター抗体の産生につながる。
本発明のペプチドは、FVIIIが予防的に投与される場合に、免疫応答を誘発せず、FVIIIインヒビターが発達しないように、治療的に投与される場合に進行中のFVIIIインヒビター産生が低下又は阻害されるように、第VIII因子への寛容を誘導する能力がある。
後天性血友病は、第VIII因子への寛容が崩壊している自己免疫疾患である。この場合、本発明のペプチドを投与して、この自己タンパク質への寛容を元通りにし、病因となる免疫応答を抑えることができる。
寛容は、CD4+T細胞の少なくとも一部におけるアネルギーの誘導から生じ得る、又はこれによって特徴付けられ得る。T細胞を活性化するために、ペプチドは、T細胞に2つのシグナルを送達する能力がある「プロフェッショナル」APCと結合しなければならない。第一のシグナル(シグナル1)は、APCの細胞表面のMHC-ペプチド複合体によって送達され、TCRを介してT細胞によって受け取られる。第二のシグナル(シグナル2)は、CD80、CD86などの、APCの表面の共刺激分子によって送達され、T細胞の表面のCD28によって受け取られる。T細胞が、シグナル2の非存在下でシグナル1を受け取ると、それは活性化されず、実際、アネルギー性になると考えられている。アネルギー性T細胞は、その後の抗原接種に不応性であり、他の免疫応答を抑制する能力があり得る。アネルギー性T細胞は、T細胞寛容の媒介に関与していると考えられている。
理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、MHC分子と結合して提示され得る前にプロセシングを必要とするペプチドは、成熟抗原提示細胞により処理される必要があるので、寛容を誘導しないと予測する。(マクロファージ、B細胞及び樹状細胞などの)成熟抗原提示細胞は、抗原プロセシングの能力があるが、シグナル1及び2の両方をT細胞に送達する能力もあり、これがT細胞活性化につながる。他方、アピトープは、未熟APCのクラスII MHCに結合することができる。したがって、それらは共刺激なしにT細胞に提示されることになり、T細胞アネルギー及び寛容をもたらす。
当然のことながら、アピトープは、成熟APCの細胞表面でMHC分子に結合する能力もある。しかしながら、免疫系は、成熟APCよりも未熟APCをより豊富に含有する(樹状細胞の10%未満が活性化されることが示唆されている、Summersら(2001) Am. J. Pathol. 159: 285-295)。したがって、アピトープへのデフォルトの位置(default position)は、活性化ではなくアネルギー/寛容となる。
FVIIIへの寛容の誘導は、当技術分野で公知の技法によって
(i)FVIII阻害性抗体、
(ii)FVIIIに特異的なCD4+T細胞
(iii)FVIII阻害性抗体を分泌する能力があるB細胞
のレベルの低下を調べることによって、in vivoでモニターすることができる。
したがって、寛容の誘導は、
(a)CD4+T細胞におけるアネルギーの誘導(その後のin vitroでのFVIII接種によって検出することができる)
(b)(i)増殖の低下、
(ii)IL-2、IFN-γ及びIL-4の産生の下方制御、及び
(iii)IL-10の産生の増加
を含む、CD4+T細胞集団の変化
を含む様々な技法によってモニターすることもできる。
本明細書では、「寛容原性の」という用語は、寛容を誘導する能力があることを意味する。
組成物
本発明は、本発明による1種以上のペプチドを含む医薬組成物などの組成物にも関する。
組成物は、ペプチドDNIMVTFRNQASRPYの修飾形態及びペプチドPRCLTRYYSSFVNMEの修飾形態を含むことができる。
ペプチドは、複数のペプチド、例えば、2、3、4、5又は6種のペプチドを含むことができる。
本発明の組成物は、予防的又は治療的使用のためのものとすることができる。
予防的使用のために投与する場合、組成物は、FVIIIへの免疫応答の発生を低下又は予防することができる。免疫応答のレベルは、組成物で治療されなかった患者において得られるレベル未満である。「低下する」という用語は、組成物で治療されなかった患者において観察される応答の(又は同じ時間枠にわたって治療されていない患者において観察される応答の)50%、70%、80%又は90%の低下などの、免疫応答の部分的な低下が観察されることを意味する。「予防する」という用語は、FVIIIへの測定可能な免疫応答が観察されないことを意味する。
治療的使用のために投与する場合、組成物は、FVIIIへの既に進行中の免疫応答を抑制することができる。「抑制する」という用語は、ペプチド治療前のレベル又は治療がされなかった場合に同時点で観察されるレベルと比較した、進行中の免疫応答のレベルの低下を意味する。
本発明の組成物での治療は、下記のいずれか又は全てについてレベルの低下を引き起こすことができる:
(i)FVIII阻害性抗体、
(ii)FVIIIに特異的なCD4+T細胞
(iii)FVIII阻害性抗体を分泌するB細胞。
これらの因子は全て、ELISA、フローサイトメトリー、発色凝固アッセイなどの、当技術分野で公知の技法によって検出することができる。
加えて又は代わりに、本発明の組成物での治療は、FVIIIに特異的なCD4+T細胞においてアネルギーを引き起こすこともできる。アネルギーは、例えばその後のin vitroでのFVIII接種によって、検出することができる。
FVIIIへの全ての免疫応答が病因となる訳ではないことを念頭に置いておくことは重要である。インヒビターを有さない血友病患者(Moreauら(2000) Blood 95:3435-41)及び健康な献血者の約15%(Algimanら(1992) 89:3795-9)において、非阻害性抗FVIII抗体が見出され得る。
FVIIIインヒビターは、正常血漿中のFVIIIを不活化する患者の血漿の能力を試験する、ベセスダ凝固アッセイのNijmegen変法によって、検出することができる。ベセスダ単位は、血漿FVIII活性の50%を中和する抗体の量と定義され、0.6BU以上の力価は、抗体の存在を示唆する。
インヒビターは、一般に、そのレベルが<5BUである場合低力価に、≧5BUである場合高力価に分類される。
循環FVIII阻害性抗体のレベルは、患者が治療を受けなかった場合に観察される抗体のレベルの90%、75%、50%、20%、10%、5%まで低下させることができる。
循環FVIII阻害性抗体のレベルは、5、4、3、2、1又は0.5BUまで低下させることができる。
本発明のペプチド及び組成物は、患者における凝固を助けるのに利用可能な治療的に投与されるFVIIIの量又は割合を増加させることができる。これは、ある割合のFVIIIをその治療的機能を発揮することから効果的に排除し得るFVIIIインヒビターの減少による。本発明のペプチド又は組成物は、利用可能なFVIIIの量を、例えば、10%、25%、50%、75%又は100%増加させることができる。
したがって、本発明のペプチド及び組成物は、患者における凝固を助けるために投与する必要があるFVIIIの量を減少させることができる。
製剤化
組成物は、溶液又は懸濁液としての注射剤として調製することができ、注射前に液体中に溶解又は懸濁させるのに適した固体形態を調製することもできる。この調製物は、乳化することもでき、又はペプチドは、リポソームに封入することができる。活性成分は、薬学的に許容され、活性成分と適合性の賦形剤と混合することができる。適した賦形剤は、例えば、水、生理食塩水(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、デキストロース、グリセロール、エタノールなど及びそれらの組合せである。
さらに、望ましい場合、組成物は、湿潤剤又は乳化剤及び/又はpH緩衝剤などの補助物質を少量含有することができる。緩衝塩は、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩を含み、塩酸及び/又は水酸化ナトリウムは、pH調整に使用することができる。安定化のために、スクロース又はトレハロースなどの二糖類を使用することができる。
組成物が、複数のペプチドを含む場合、ペプチドの相対比はほぼ等しいものとすることができる。あるいはまた、例えば、自己反応性T細胞の特定のサブセットに寛容原性応答を集中させるために、又は特定のHLA型においてあるペプチドが他のペプチドよりもよく作用することが発見されている場合に、各ペプチドの相対比を改変することができる。
製剤化後、組成物を滅菌容器に入れ、次いでこれを密封して低温、例えば4℃で保存することができ、又は組成物をフリーズドライすることができる。
好都合に、組成物は、凍結乾燥(フリーズドライ)粉末として調製される。凍結乾燥は、安定化した形での長期保存を可能にする。凍結乾燥手順は、当技術分野で周知であり、例えば、http://www.devicelink.com/ivdt/archive/97/01/006.htmlを参照されたい。フリーズドライに先だって、マンニトール、デキストラン、又はグリシンなどの増量剤が通例使用される。
組成物は、経口、静脈内(水溶性の場合)、筋肉内、皮下、舌下、鼻腔内、皮内若しくは坐剤経路又は埋め込み(例えば、持続放出分子を使用して)によってなどの都合のよい様式で投与することができる。
組成物は、鼻腔内、皮下又は皮内経路を介して有利に投与することができる。
本発明のペプチド及び組成物を使用して、ヒト対象を治療することができる。対象は、血友病A、特に重症血友病Aを有し得る。対象は、遺伝的にFVIIIを欠乏し得る。対象は、後天性血友病を有し得る。対象は、阻害性抗FVIII抗体を有し得る。
対象は、FVIIIでの凝血剤補充療法を受けているか、受けようとしていてもよい。
対象は、[FVIIIでの凝血剤補充療法とともに又はこれなしに]バイパス剤での療法を受けているか、受けようとしていてもよい。
対象は、FVIII遺伝子での遺伝子療法を受けているか、受けようとしていてもよい。
対象は、阻害性抗FVIII同種抗体又は自己抗体を発達させる素因と関連しているHLAハプロタイプとすることができる。対象は、HLA-DR2を発現する対象であり得る。個体のHLAハプロタイプを決定するための方法は、当技術分野で公知である。
典型的に、医師は、個々の対象に最も適した実際の投与量を決定し、それは、特定の患者の年齢、体重及び応答によって異なる。
好ましい実施形態において、複数の用量を濃度を段階的に上げて患者に投与する、「用量漸増」プロトコールに従うことができる。そのような手法は、例えば、ハチ毒アレルギーに対する免疫療法適用におけるホスホリパーゼA2ペプチドに使用されてきた(Mullerら(1998) J. Allergy Clin Immunol. 101:747-754及びAkdisら(1998) J. Clin. Invest. 102:98-106)。
キット
組成物が複数のペプチドを含む場合、それらを好都合に混合組成物又はカクテルの形態で一緒に投与することができる。しかしながら、同時、個別、連続又は組合せ投与のために、ペプチドをキットの形態で別々に提供することが好ましい状況があり得る。
キットは、混合及び/又は投与手段(例えば、鼻腔内投与のための気化器、又は皮下/皮内投薬のための注射器及び注射針)を含むこともできる。キットは、使用説明書を含むこともできる。
本発明の医薬組成物又はキットを使用して、疾患を治療及び/又は予防することができる。
特に、組成物/キットを使用して、血友病A又は後天性血友病患者における抗FVIIIインヒビター形成を治療及び/又は予防することができる。組成物/キットを使用して、中和FVIII抗体の存在によって損なわれた血友病を治療することができる。
血友病A
血友病A(古典的血友病)は、第VIII因子の欠乏によって引き起こされる。
血友病Aは、男性10,000人当たり1人の推定発症率を有し、一方、血友病Bは、男性40,000人当たり1人発症すると推定されている。女性5,000人当たり約1人が、血友病Aの保因者であり、20,000人当たり1人が、血友病Bの保因者である。
血友病は、血中の凝固因子のレベルに基づいて、3つのクラス:重症、中等症及び軽症に典型的に分類される。重症血友病では、正常凝固因子は1%未満である。重症度は何世代にもわたって一貫している傾向がある。
通念に反して、小さな切り傷及び創傷は、血友病患者にとって通常は脅威ではない。むしろ、最大の危険は、関節及び筋肉内に生じ得る自発的出血から来る。これは、急成長の年齢期、典型的に5〜15歳で最も生じやすい。
関節における度重なる自発的出血は、関節炎を引き起こし得、隣接する筋肉が弱くなる。血液の蓄積によって引き起こされる神経への圧迫は、痛み、しびれ及び患部の一時的動作不能をもたらし得る。
血友病Aは、凝固の有効性を決定し、凝固因子のレベルが異常かどうかを調査する血液検査で通常診断される。
献血された血液から単離された、1970年代における精製凝固因子の開発により、血友病患者の長期予後が著しく改善した。軽症から中等症血友病患者は、FVIIIでの治療を臨時的に使用することができ、一方、重症血友病患者は、定期的、無期限の治療を必要とし得る。
以前、患者は、何千もの献血血漿からプールされた第VIII因子濃縮物を投与された。これは、ウイルス性の病原体、特にヒト免疫不全ウイルス及び肝炎ウイルスでの汚染という重大な問題につながる。モノクローナル抗体精製技法、熱不活化及び殺ウイルス性界面活性剤処置により、血漿由来濃縮物は比較的安全になった。
現在、組換えDNA技術によって、Recombinate(商標)、Kogenate(商標)などの一連の合成製品が提供されている。Kogenateは、ヒト第VIII因子を発現するベビーハムスター腎細胞を使用して作製される。得られた因子は、高度に精製され、血漿からのウイルスの伝染のあらゆる可能性が排除されている。
本発明のペプチド又は組成物は、第VIII因子補充療法前及び/又は療法中に投与することができる。
血友病Aは、遺伝子治療の理想的な疾患標的である。何故なら、i)それは、単一の同定された遺伝子の変異によって引き起こされ、ii)in vivoでの凝固因子レベルの僅かな増加により、重症血友病をより軽症の疾患に転換することができ、且つiii)現行の補充療法が次善と考えられているからである。また、凝血活性の所望のレベルの「超過」がある場合、幅広い安全性がある。
残念ながら、主として、凝固因子の長期発現を可能にするのに十分非免疫原性である遺伝子送達系を見出す困難さのために、血友病の治療法としての遺伝子療法の将来性は現在に至るまで実現されていない。
本発明のペプチドは、第VIII因子での遺伝子療法前に対象を寛容化する、及び/又は遺伝子療法後の患者におけるFVIIIインヒビター形成を管理するのにも適している。
後天性血友病
後天性血友病は、以前は正常な凝血を有した個体におけるFVIIIに対する自己抗体インヒビターの存在によって特徴付けられる。それは、年間の推定発症率が人口百万人当たり1〜3人である、希な状態である。後天性自己抗体インヒビターと関連している死亡率は、同種抗体を有する人における実質的により低い死亡リスクと比較して25%に達する。
同種抗体インヒビター患者と比較して、後天性血友病は、(1)より重症の出血パターン、(2)高齢集団におけるより高い発症率、(3)約50%の症例における、特定可能な根底にある自己免疫疾患、リンパ球増殖性又は固形腫瘍悪性疾患、妊娠、及びペニシリン及びスルホンアミドなどのいくつかの抗生物質の使用に関連した発生、及び(4)患者血漿中の2%〜18%の範囲の残存第VIII因子レベルを典型的にもたらす、自己抗体による標的凝固因子活性の不完全な中和を有するII型薬物動態パターンに従うin vitroインヒビター活性、によって特徴付けられる。
本発明のペプチド又は組成物は、後天性血友病を有する患者に、又は、例えば、
i)例えばペニシリン又はスルホンアミドでの差し迫った治療、
ii)腫瘍又は他の悪性疾患の進行、
iii)差し迫った妊娠又は妊娠初期
のために後天性血友病を発症するリスクがあると考えられる患者に投与することができる。
ここで、実施例を介して本発明をさらに記載するが、これらは、本発明の実施において当業者を助けるのに役立つものであるとし、本発明の範囲を限定することは決して意図されていない。
[実施例1]
FVIII由来ペプチドの溶解性を調査する
合計32種のペプチドを試験した:そのうちの16種は、FVIIIペプチドPRCLTRYYSSFVNME(「PRCLT」)に基づき、そのうちの16種は、FVIIIペプチドDNIMVTFRNQASRPY(「DNIMV」)に基づくものとした。ペプチドを、下記表1及び2に要約する。
Figure 2016501182
Figure 2016501182
20mg/mLの各試験ペプチドの原液を、DMSO中で調製した。4Yとして知られるMBP由来ペプチドである、対照ペプチドの原液も、DMSO中で調製した。ペプチド4Yは、配列Ac-ASQYRPSQRを有する。それは、構造的に試験ペプチドに似ていないが、寛容化抗原としての適用に十分に溶解性であることが知られている。
96ウェルプレートに水を加えることによって、40μL量のペプチド溶液の段階的な希釈を行い、10、5、2.5及び1.25mg/mLの濃度を得た。
プレートを、室温で1時間放置してあらゆる沈殿物を形成させ、次いで14,800rpmで10分間遠心分離して、完全に溶解した溶質から沈殿した/コロイド性ペプチドを分離した。
2μL試料を、各チューブの最上部から分析のために取り出した。吸光度を、280nmの波長で測定し、濃度(mg/mL)を算出した。
結果を、図1に示す。いくつかのタグを付けたペプチドは、高濃度でさえも4Yに等しい溶解性を示した。緑にコードされたペプチドは、対照ペプチド4Yと同じくらいの溶解性であり、赤にコードされたペプチドは、溶解性が乏しく、琥珀にコードされた1種のペプチドは、中間の溶解性を有した。
[実施例2]
臨床的に関連する濃度でのタグを付けたペプチドの水性溶媒への直接溶解
各試験ペプチド及び親ペプチド(PRCLT及びDNIMV)に関して、DMSO(対照)又はPBS中の4mg/mLで、2つのチューブを調製した。
各チューブを、小型遠心機において最高速度で5分間回転させた。各溶液の上部から10μL試料を取り出し、分子量及び吸収の係数を各ペプチドに関して記録した。
上清の吸光度を、NanoDropを使用して測定し、濃度を算出した。実際の濃度を、4mg/mLの期待値と比較し、結果を図2に示す。この図において、実際と期待濃度間のより大きな差異は、より低い比溶解性に相当する。
図2において示されるように、タグを付けたペプチド配列番号1、2、9、10、17、18、25及び26は全て、親ペプチドと比較して、PBS中の改善された溶解性を有した。
[実施例3]
タグを付けたペプチドは、アピトープとして働く
HLA-DR2トランスジェニックマウスを、親ペプチドPRCLT又はDNIMVで抗原刺激した。次いで、脾臓及びリンパ節を採取し、CD4精製後、細胞を、1ug/mlヒト組換えFVIIIで再刺激した。BW5147細胞との融合後、得られたクローンを増殖させ、DNIMV又はPRCLTへの特異性を「スクリーニングした」。これは、5×104DR2陽性抗原提示細胞(MGAR細胞系)及び10ug/ml PRCLT/DNIMV又は培地で48時間、ハイブリドーマ細胞をインキュベートすることによって行われる。次いで、上清を、ELISAによってIL-2産生に関して分析した。
ペプチドと共にインキュベートした場合に特異的にIL-2を産生したクローンを増殖させ、FVIII(1ug/ml)を用いて再びスクリーニングした。
次いで、FVIIIとペプチドの両方に応答してIL-2を産生したクローンを使用して、修飾DNIMV及びPRCLTペプチドがアピトープであるかどうか、すなわち、それらが、MHC分子に結合し、固定と新鮮APCの両方によりT細胞に提示される能力があるかどうかを評価した。
5×104ハイブリドーマ細胞を、5×104新鮮又は固定MGAR細胞、及び10ug/mlのペプチド、1ug/ml FVIII又は培地中で48時間インキュベートした。次いで、上清を、ELISAを使用してIL-2に関して分析した。結果を、PRCLTに関して図3aに、DNIMVに関して図3bに示す。
タグを付けたペプチドの全ては、固定抗原提示細胞によって提示される能力があり、それらは全て親ペプチドPRCLT及びDNIMVのようにアピトープであることを示した。
[実施例4]
Ex vivo T細胞寛容
修飾アピトープが親ペプチドへのT細胞応答を制御する能力があるかどうかを決定するために、雄HLA-DR2トランスジェニックマウスを、3×100μgペプチド(ペプチド配列番号1、2、17又は18)又は対照としてPBSで処置し、次いで、完全フロイントアジュバント中のそれぞれ100μgの親ペプチド(PRCLT及びDNIMV)で免疫化した。10日後、流入領域リンパ節及び脾臓を採取し、PRCLT又はDNIMVでin vitroで刺激した。結果を、図4(PRCLT)及び5(DNIMV)に示す。修飾ペプチド配列番号1又は配列番号2での処置は、PRCLTへのT細胞応答を低下させ、修飾ペプチド配列番号17又は配列番号18での処置は、DNIMVへのT細胞応答を低下させる。したがって、修飾ペプチドは、親ペプチドで免疫されたマウスからの免疫応答を低下させることができる。
[実施例5]
Ex vivo T細胞寛容
親ペプチドへのT細胞応答の制御に対する修飾アピトープの効果が、FVIIIへの応答の制御にまで及ぶかどうかを決定するために、雌HLA-DR2トランスジェニックマウスを、3×100μgペプチド(ペプチド配列番号1又は配列番号17)で処置し、次いで、完全フロイントアジュバント中のそれぞれ100μgの親ペプチド(PRCLT及びDNIMV)で抗原刺激した。10日後、流入領域リンパ節を採取し、PRCLT、DNIMV又は組換えFVIIIでin vitroで刺激した。結果を、図6に示す。ペプチド配列番号1は、PRCLTペプチドへのT細胞応答を有意に(p<0.01)低下させた。ペプチド配列番号17は、DNIMVへのT細胞応答を有意に(p<0.02)低下させた。
ペプチド配列番号1は、PRCLTへの応答を制御し、ペプチド配列番号17は、DNIMVへの応答を制御した。個々のペプチドを有するFVIIIに応答した、有意でないいくつかの低下もあった。FVIII免疫応答に対するペプチドの有効性を強化するために、修飾DNIMV及び修飾PRCLTの組合せを更なる実験において使用した。
[実施例6]
PRCLT及びDNIMV修飾ペプチドの組合せの用量漸増での抗体産生予防
雄HLA-DR2トランスジェニックマウスを、用量漸増プロトコールに従って、ペプチド配列番号1及びペプチド配列番号17の組合せで処置した。組合せの6回の注射を、以下の用量で投与した:(組合せ中の各ペプチドに関して)0.1、1.0、10及び3×100μg。
次いで、動物を、1μg組換えヒトFVIII、及びペプチド配列番号1/配列番号17(各100μg)の組合せでの併用処置(rFVIII免疫化3日後)で毎週プライムし、4回及び8回のFVIII免疫化後に採取した血液試料から抗FVIII抗体の産生を分析した(それぞれ、28日目、図7a、56日目、図7b)。血清を滴定し、直接ELISAによって分析した。非免疫マウスの抗体価は、全ての場合において陰性であり、一方、抗FVIII抗体は処置マウスの血清中に存在していると考えられ、結合割合は(割合を算出するために陰性血清を使用して)、1.9より大きかった。結果を、実験の28日目及び56日目について図7a及びbにそれぞれ示す。
さらに、中和FVIII抗体を、56日目に測定した。FVIII中和抗体を、発色法を使用して決定した。簡潔に述べると、試料を、1IU/ml FVIIIと混合し、凝血を、FIX、FX、トロンビン、CaCl2及びリン脂質の添加によって開始させた。インキュベーション後、生成したFXaの量を、発色基質S-2760の添加によって決定し、ODシグナルを測定した。ODシグナルは、試料中のFVIII活性と比例し、既知量のFVIIIを含有し、中和抗体を含有しない試料と比較する。試験試料の残存活性%を、標準試料と比較して算出し、ベセスダ様単位で表し、図8に示した。ペプチド配列番号1及び配列番号17で処置したマウスは、PBSで処置したマウスよりも有意に低いレベルの中和抗FVIII抗体を有した。
[実施例7]
PRCLT及びDNIMV修飾ペプチドの組合せの用量漸増を使用したEx vivo T細胞寛容
雄/雌DR2マウスを、実施例6に記載した用量漸増プロトコールに従って、ペプチド配列番号1/配列番号17の組合せで処置した。
動物を、CFA中の100μg PRCLT及び100μg DNIMVで免疫刺激した。10日後、流入領域リンパ節細胞及び脾細胞を単離し、組換えヒトFVIIIでin vitroで再刺激した。
T細胞応答を、増殖アッセイにより評価した(図9)。マウスをペプチド配列番号1及び配列番号17の組合せで処置した場合、試験したFVIIIの全ての濃度にわたって、FVIIIへのT細胞応答の有意な低下がみられた。
[実施例8]
治療動物モデルにおける、PRCLT及びDNIMV修飾ペプチドの組合せの用量漸増での中和抗体産生の抑制
HLA-DR2トランスジェニックマウスを、CFA中の3μg rFVIIIで抗原刺激し、免疫化の3週間後、用量漸増プロトコールに従ってペプチド配列番号1及びペプチド配列番号17の組合せで処置した。組合せの6回の注射を、以下の用量で投与した:(組合せ中の各ペプチドに関して)0.1、1.0、10及び3×100μg。対照動物を、同じ用量漸増プロトコールを使用して、関係のないFVIII DR2結合前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)133〜152ペプチド(PCT/US2006/031961に記載された配列、配列番号15)で処置した。全ての動物に、rFVIII免疫化の5週間後及びペプチド処置の最後のラウンドの4日後に、IFA中の3μg rhFVIIIで追加免疫をほどこした。中和抗体の産生を、最初のFVIII免疫化の3週間後及びあらゆるペプチド処置の前、5週目(FVIII追加免疫化前及びペプチド処置後)及び7、9及び13週目での追跡調査期間中に、採取した血漿試料から分析した。血漿試料中の中和FVIII抗体レベルを、実施例6に記載したように決定した。
図10における結果は、FVIIIでの免疫化の3週間後(3週目)のペプチド配列番号1及び配列番号17での処置が、対照ペプチドでの処置と比較して、追加免疫化(5週目)後の中和抗FVIII抗体の形成を有意に抑制することを示している。
上記の明細書に記載した全ての刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれる。記載した方法及び本発明の体系の様々な変更形態及び変形形態は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連づけて記載したが、特許請求した本発明が、そのような特定の実施形態に不当に制限されるべきではないことが理解されよう。実際に、分子免疫学又は関連分野の当業者には明白である、本発明を実行するための記載した様式の様々な変更形態は、下記特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
Figure 2016501182

Claims (12)

  1. FVIII由来の配列DNIMVTFRNQASRPYを含むペプチドであって、
    (a)以下の式:XXGDNIMVTFRNQASRPYGXX
    [式中、Xはリジンまたはグルタミン酸である。]
    を有し、かつ
    (b)以下の配列:
    KKGDNIMVTFRNQASRPYGKK (配列番号17)
    KKGDNIMVTFRNQASRPYGKE (配列番号18)
    KKGDNIMVTFRNQASRPYGEK (配列番号19)
    KEGDNIMVTFRNQASRPYGKK (配列番号25)
    KEGDNIMVTFRNQASRPYGKE (配列番号26)
    KEGDNIMVTFRNQASRPYGEK (配列番号27)
    EKGDNIMVTFRNQASRPYGKK (配列番号29)
    EKGDNIMVTFRNQASRPYGKE (配列番号30)及び
    EKGDNIMVTFRNQASRPYGEK (配列番号31)
    の1つを有する、上記ペプチド。
  2. FVIII由来の配列PRCLTRYYSSFVNMEを含むペプチドであって、
    (a)以下の式:XXGPRCLTRYYSSFVNMEGXX
    [式中、Xはリジンまたはグルタミン酸である。]
    を有し、かつ
    (b)以下の配列:
    KKGPRCLTRYYSSFVNMEGKK (配列番号1)
    KKGPRCLTRYYSSFVNMEGKE (配列番号2)
    KKGPRCLTRYYSSFVNMEGEK (配列番号3)
    EEGPRCLTRYYSSFVNMEGKK (配列番号5)
    EEGPRCLTRYYSSFVNMEGEK (配列番号7)
    KEGPRCLTRYYSSFVNMEGKK (配列番号9)
    KEGPRCLTRYYSSFVNMEGKE (配列番号10)
    KEGPRCLTRYYSSFVNMEGEK (配列番号11)及び
    EKGPRCLTRYYSSFVNMEGKK (配列番号13)
    の1つを有する、ペプチド。
  3. 請求項1又は2記載の1種以上のペプチドを含む、複数のペプチドを含む組成物。
  4. 少なくとも1種の請求項1記載のペプチド及び少なくとも1種の請求項2記載のペプチドを含む、請求項3記載の組成物。
  5. 配列番号1を有するペプチドと、配列番号17を有するペプチドとを含む、請求項4記載の組成物。
  6. in vivoにおける第VIII因子インヒビター抗体の産生の抑制又は予防において使用するための、請求項1もしくは2記載のペプチド、又は請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. in vivoにおける第VIII因子インヒビター抗体の産生の抑制又は予防のための医薬の製造における、請求項1もしくは2記載のペプチド、又は請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
  8. 対象における第VIII因子インヒビター抗体の産生を抑制又は予防する方法であって、請求項1もしくは2記載のペプチド、又は請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物を対象に投与するステップを含む、上記方法。
  9. 請求項1もしくは2記載のペプチド、又は請求項3〜5のいずれか1項記載の組成物を対象に投与するステップを含む、対象の血友病を治療する方法。
  10. 対象が血友病Aを有し、第VIII因子補充療法及び/又はFVIIIバイパス療法を受けているか、あるいは受けようとしている、請求項8又は9記載の方法。
  11. 対象が後天性血友病を有するか、又はこれに罹患するリスクを有する、請求項8又は9記載の方法。
  12. 対象がHLA-DR2である、請求項8〜11のいずれか1項記載の方法。

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