今日では、特定の期間にわたり、時として1日の間の特定の時期に、患者がかなりの量の薬剤を服用する必要があることがますます一般的になっている。
服薬必要量の増大に応じるとともに、特に薬剤が錠剤の形態で出される場合に、処方された薬剤を適切に整理するために、患者は、様々な形態の錠剤区画室を有する錠剤容器を使用する。錠剤区画室のそれぞれに収容される錠剤の量は、それぞれの患者に対応する処方薬剤によって決まる。
一例において、錠剤容器は、4個の縦列と7個の横列とを有する錠剤区画室の配列を成して構築される。特に、錠剤区画室は、それぞれの縦列および横列の交点に対応する。各縦列には、それが1日の間の特定の時間(朝、正午、午後、夜)を示すようにラベルが付され、一方、横列には、それが一週間の特定の曜日を示すようにラベルが付される。また、錠剤区画室は、錠剤が錠剤区画室のそれぞれに封じ込められるようにするべく閉鎖体によって密閉される。
しかしながら、患者は、しばしば、処方された日時に自身の錠剤を服用するのを怠る。この事実は、特に患者の生命が処方錠剤の厳格な遵守服用に依存するときには、患者の健康に悪影響を与える。
前述した健康への悪影響を減らすために、患者による錠剤の服用遵守の監視が必要である。その目的のため、患者による錠剤の服用遵守を監視するための錠剤管理システムが使用される。特に、前述した錠剤管理システムは、処方された日時に患者が自身の錠剤を受けたことを検出するようになっている。
米国特許第6,574,166号明細書は、そのような錠剤管理システムの一例を開示する。特に、前述した特許の管理システムは、錠剤容器を受けるようになっている領域を有するベースユニットを備える。錠剤容器は、錠剤区画室の配列と、それぞれが錠剤区画室の対応する1つを密閉する複数の破損可能閉鎖体とを備える。また、各破損可能閉鎖体は、該破損可能閉鎖体の破損時に破損するようになっている破断可能導体を備える。また、前述した錠剤管理システムはマイクロプロセッサも備え、該マイクロプロセッサは、それが患者による錠剤区画室のそれぞれのアクセスを感知できるように破断可能導体のそれぞれに接続される。マイクロプロセッサは、実際には、破断可能導体のそれぞれを通じてマイクロプロセッサへ伝送される電流の断ち切れに起因する電気信号の変化を感知する。電流の前述した断ち切れは、破断可能導体の対応する1つが沿うように通過する錠剤区画室の患者によるアクセス後の破断可能導体の対応する1つの破断後に起こる。
しかしながら、前述した検出は、錠剤区画室の対応する1つに関して、該錠剤区画室に沿って通り過ぎる破断可能導体の対応する1つが欠陥を有するときには行なわれない。例えば、破断可能導体の対応する1つが製造中に破断される場合には、言うまでもなく、対応する錠剤区画室のアクセス後にマイクロプロセッサにより受けられる電気信号に変化が存在しない。特に、破断可能導体が製造中に破断される場合には、対応する錠剤区画室の患者によるアクセス前またはアクセス後のいずれにおいても、電流が前述した破断可能導体によってマイクロプロセッサへ伝えられない。
したがって、言うまでもなく、錠剤容器の対応する1つ以上の錠剤区画室の1つ以上の破損可能閉鎖体に沿って通り過ぎる1つ以上の破断可能導体における想定し得る欠陥は、患者による錠剤の服用遵守の監視にかなり影響を及ぼすとともに、患者の健康にとって非常に危険な結果に終わる場合がある。
そのため、患者による錠剤の服用遵守を監視するための更に信頼できる錠剤管理システムの必要性がある。
本発明の目的は、患者による錠剤の服用遵守を監視するための更に信頼できる錠剤管理システムを提供することである。
本発明のこの目的および他の目的は、患者による錠剤の服用遵守を監視するための錠剤管理システムであって、錠剤容器を受けるようになっている領域を有するベースユニットを備え、錠剤容器が複数の錠剤区画室の配列を備え、領域が同じ複数の凹部の配列を備える錠剤管理システムによって達成される。錠剤容器の各錠剤区画室は少なくとも1つの錠剤を収容し、また、錠剤管理システムのベースユニットは、マイクロプロセッサと電源とを備える。錠剤容器は、それぞれが錠剤区画室の対応する1つを密閉する複数の破損可能閉鎖体を更に備える。各破損可能閉鎖体は、錠剤区画室の対応する1つの破損可能閉鎖体の破損時に破損してマイクロプロセッサで第1の錠剤区画室開放信号を発生させるようになっている破断可能導体を備える。錠剤管理システムは、ベースユニットが複数の光検出器を更に備え、各光検出器が、錠剤容器の錠剤区画室の対応する1つと関連付けられるとともに、錠剤区画室の対応する1つの破損可能閉鎖体の破損時にマイクロプロセッサで第2の錠剤区画室開放信号を発生させるようになっていることを特徴とする。
錠剤区画室の対応する1つの破損可能閉鎖体の破損時に第1の錠剤区画室開放信号および第2の錠剤区画室開放信号の両方がマイクロプロセッサで発生されるという事実は、従来技術の錠剤管理システムに対してこの錠剤管理システムの信頼性を高める。特に、従来技術のシステムでは、背景技術で説明されたように、破損可能閉鎖体の破損により、1つの錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサで発生される。
一実施形態において、錠剤管理システムの光検出器のそれぞれは、少なくとも1つの錠剤を備える錠剤区画室のそれぞれのうちの錠剤区画室の対応する1つに該当する凹部の対応する1つの側面に隣接して配置される発光体および対応する受光体を備える。発光体は、錠剤容器がベースユニットに固定されているときに少なくとも1つの錠剤の表面で反射されて受光体によって受けられる光ビームを発する。光検出器は、錠剤区画室の対応する1つの破損可能閉鎖体の破損時に、錠剤区画室の対応する1つからの少なくとも1つの錠剤の除去後に起こる反射光ビームの変化の検出に応じて、第2の錠剤区画室開放信号を発生させるようになっている。
他の実施形態において、錠剤管理システムのベースユニットは、第1の錠剤区画室開放信号および第2の錠剤区画室開放信号のうちの少なくとも一方を外部サーバへ通信するようになっているRFトランシーバを備える。
他の実施形態では、ベースユニットがメモリおよびクロックを備え、メモリは、錠剤区画室の対応する1つの破損可能閉鎖体の破損の時間に関連する情報を記憶するようになっている。
また、一実施形態において、錠剤管理システムのベースユニットは、外部サーバとの無線通信を可能にするようになっている無線通信モジュールを備える。
他の実施形態では、ベースユニットによる錠剤容器の識別のために、RFIDタグが錠剤管理システムの錠剤容器に取り付けられ、また、RFIDタグリーダが錠剤管理システムのベースユニットに取り付けられる。
他の実施形態では、RFIDタグリーダによるベースユニットの識別のために、RFIDタグがベースユニットに取り付けられる。
他の実施形態では、錠剤管理システムが複数の発光ダイオードを備え、各発光ダイオードは、錠剤区画室の対応する1つに収容される錠剤の予め決められた計画服用時間に錠剤区画室の対応する1つを照明するために、錠剤区画室の対応する1つの近傍に配置される。
本発明の前述の目的および特徴は、添付図面に関連して本発明の1つの/幾つかの実施形態を詳しく説明することによって更に理解できる。
図1は、患者による錠剤の服用遵守を監視するための錠剤管理システム10の一実施形態を示す。錠剤管理システム10はベースユニット20と錠剤容器30とを含む。ベースユニット20は、錠剤容器30を受けるようになっている領域11(図1の実施形態の錠剤管理システムの分解図を示す図2参照)を有する。特に、錠剤容器30は錠剤区画室12の配列を備え、一方、領域11は複数の凹部18を備える(図2参照)。各凹部18は、それが錠剤区画室12のうちの対応する1つを受けるように形成されて寸法付けられる。一例において、錠剤容器30は、4個の縦列と7個の横列とを有する28個の錠剤区画室の配列を備える。その例では、各錠剤区画室12が一週間の特定の曜日および1日の間の特定の時間に対応するように、1日の間の特定の時間(朝、正午、午後、夜)に関してそれぞれの縦列にラベルが付されてもよく、一方、一週間の特定の曜日に関してそれぞれの横列にラベルが付されてもよい。錠剤区画室12のそれぞれは、患者に処方されるべき少なくとも1つの錠剤を収容してもよい。
また、図1の実施形態の錠剤区画室12のそれぞれは、少なくとも1つの錠剤が内部に封じ込められるようにするために、破損可能閉鎖体13(図3参照)によって密閉される。特に、図3は、図1の実施形態に係る錠剤区画室12のそれぞれの部分断面を示し、この場合、破損可能閉鎖体13が錠剤区画室12の対応する1つを密閉する。図3に示されるように、破損可能閉鎖体13は破断可能導体14を備える。破断可能導体14は、破損可能閉鎖体13の破損時に破断するようになっている。特に、破断可能導体14は、錠剤区画室12の対応する1つの破損可能閉鎖体13に沿って通り過ぎるとともに、患者が錠剤区画室12の対応する1つへアクセスする際に破損可能閉鎖体13が破損するときに破断する。破損可能閉鎖体13は、導電材料(例えば、アルミニウム箔)によってあるいは非導電材料(例えば、紙)によって形成されてもよい。また、破損可能閉鎖体13は、光を透過してもよくあるいは透過しなくてもよい。
図1の実施形態において、破断可能導体14は、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後の破断可能導体14の破断が第1の錠剤区画室開放信号をマイクロプロセッサ24で発生させるようにマイクロプロセッサ24に接続される。特に、錠剤区画室12の対応する1つのアクセスは、錠剤区画室12の対応する1つの破損可能閉鎖体13の破損によって行なわれ、この破損可能閉鎖体13は破断可能導体14を備える。図1は、錠剤区画室12の対応する1つ(図1に示される左上端の区画室)の破損可能閉鎖体13の対応する1つに沿って通り過ぎる破断可能導体14のうちの1つだけを示す。しかしながら、破断可能導体14が錠剤容器30の錠剤区画室12のそれぞれの破損可能閉鎖体13に沿って通り過ぎることを明確にすることが重要である。一例において、患者による28個の錠剤区画室のアクセス後、28個の異なる第1の錠剤区画室開放信号がマイクロプロセッサ24で発生される。このように、第1の錠剤区画室開放信号は、対応する錠剤区画室12のそれぞれのアクセス中の破断可能導体14のそれぞれの破断後にマイクロプロセッサ24で発生される。特に、第1の錠剤区画室開放信号のそれぞれは、錠剤区画室12の対応する1つが患者によってアクセスされることを示す。第1の錠剤区画室開放信号は、破断可能導体14の破断後に破断可能導体14によってマイクロプロセッサ24へ送られる電流の変化の結果として発生される。特に、電流は、破断可能導体14の対応する1つの破断前に、破断可能導体14の対応する1つを通じてマイクロプロセッサ24へ送られ、一方、破断可能導体14の対応する1つの破断後に、電流が断ち切られ、したがって、マイクロプロセッサ24が電流を受けない。
一例において、錠剤区画室12のそれぞれの破損可能閉鎖体13を覆う破断可能導体14は、細い配線が接着層上に接着されることによって形成される。また、接着層は、細い配線が破損可能閉鎖体13のそれぞれに沿って通り過ぎるように錠剤区画室12のそれぞれに対応する破損可能閉鎖体13上に付着する。細い配線は、錠剤容器30がベース20上に取り付けられるときにマイクロプロセッサ24に接続される端子を有する。あるいは、破断可能導体14は、破損可能閉鎖体13上に貼り付けられる非導電基板上にプリント回路を印刷することによって形成される。プリント回路の導電経路は、破断可能導体14のそれぞれが錠剤区画室12の対応する1つを密閉する破損可能閉鎖体13のそれぞれに沿って通り過ぎるように破断可能導体14を形成する。導電経路は、錠剤容器30がベース20上に取り付けられるときにマイクロプロセッサ24に接続される端子を有する。
好適には、図1の実施形態において、ベースユニット20は複数の光検出器15を更に備える。各光検出器15は、錠剤容器30の錠剤区画室12の対応する1つと関連付けられるとともに、患者による錠剤区画室の対応する1つのアクセス後にマイクロプロセッサ24で第2の錠剤区画室開放信号を発生させるようになっている。患者による錠剤区画室12の対応する1つのアクセスは、錠剤区画室12の対応する1つの破損可能閉鎖体13の破損によって行なわれる。図1は、錠剤区画室12の対応する1つ(図1に示される左上端の錠剤区画室)と関連付けられる1つの光検出器15のみを示す。しかしながら、光検出器15が錠剤区画室12のそれぞれ1つに対応することを明確にすることが重要である(図2参照)。したがって、第2の錠剤区画室開放信号は、錠剤区画室12のそれぞれのアクセス後にマイクロプロセッサ24で発生される。一例において、患者による28個の錠剤区画室のアクセス後、28個の異なる第2の錠剤区画室開放信号がマイクロプロセッサ24で発生される。特に、第2の錠剤区画室開放信号のそれぞれは、錠剤区画室12の対応する1つが患者によってアクセスされることを示す。
前述した第2の錠剤区画室開放信号の発生の利点は、破損可能閉鎖体13を覆う破断可能導体14が欠陥を有する場合であっても、したがって、マイクロプロセッサ24での第1の錠剤区画室開放信号の発生が達成されない場合であっても、第2の錠剤区画室開放信号がマイクロプロセッサ24で発生されることにより、マイクロプロセッサ24による錠剤区画室の対応する1つの開放の検出が依然として可能であるという点である。このように、錠剤容器の錠剤区画室のそれぞれのアクセスを検出することによって患者による錠剤の服用遵守を監視するための錠剤管理システムの信頼性は、錠剤区画室のそれぞれのアクセス後に、従来技術のシステムの場合のように1つの錠剤区画室開放信号のみではなく、2つの異なる錠剤区画室開放信号が発生されるときに向上される。
一実施形態において、錠剤容器30の錠剤区画室12の対応する1つと関連付けられる各光検出器15は、発光体16および受光体17を備える。発光体16および受光体17は、錠剤区画室12の対応する1つに該当するベースユニット20の凹部18の対応する1つの側面に配置され(図3参照)、錠剤区画室12は少なくとも1つの錠剤を収容する。発光体16は、錠剤容器30がベースユニット20上に取り付けられるときに錠剤区画室12の対応する1つに収容されている少なくとも1つの錠剤の表面で反射される光ビーム(図3に示されない)を発光体が放射するように配置される。発光体16により放射される光ビームが錠剤区画室12の表面で反射されることなく錠剤区画室12を通過するように錠剤区画室12のそれぞれが光を透過する材料から形成されることに留意することは重要である。一例では、錠剤区画室が透明なプラスチック材料により形成される。光ビームは、少なくとも1つの錠剤の表面での反射の後、受光体17によって受けられる。光検出器15は、錠剤区画室12の対応する1つからの少なくとも1つの錠剤の除去後に起こる反射光ビームの変化の検出に応じて、第2の錠剤区画室開放信号を発生させるようになっている。一実施形態では、発光体16が赤外線発光ダイオード(LED)であり、一方、受光体17がマイクロプロセッサ24に接続される赤外線フォトダイオードである。特に、錠剤区画室12の対応する1つからの少なくとも1つの錠剤の除去前に、赤外線フォトダイオードは、少なくとも1つの錠剤の表面上で反射される光ビームを受けるとともに、受けられた光ビームをマイクロプロセッサ24へ伝送される電流へ変換する。しかしながら、患者による錠剤区画室のアクセス後に少なくとも1つの錠剤が錠剤区画室12の対応する1つから除去されると、赤外線フォトダイオードにより受けられる反射光の量が減少され、そのため、マイクロプロセッサ24へ伝送される電流の量も減少される。したがって、患者による錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に行なわれる少なくとも1つの錠剤の除去後にマイクロプロセッサ24により感知される電流の変化の結果として第2の錠剤区画室開放信号がマイクロプロセッサ24で発生される。前述したアクセスは、錠剤区画室12の対応する1つの破損可能閉鎖体13の破損によって行なわれる。
他の実施形態において、光検出器15の発光体16および受光体17は、凹部18の対応する1つの対向する2つの側面に配置される。発光体16は、錠剤容器30がベースユニット20上に取り付けられるときに光ビームが凹部18の対応する1つに該当する錠剤区画室12の対応する1つの側面のうちの一方から対向する側面へ横方向に伝送されるように受光体17へ光ビームを送る。発光体16によって対向配置される受光体17へ送られる光ビームが側面で反射されることなく錠剤区画室12を通過するように錠剤区画室12のそれぞれが光を透過する材料から形成されることに留意することは重要である。一例では、錠剤区画室が透明なプラスチック材料から形成される。また、この実施形態では、横方向に送られる光ビームが錠剤区画室12の対応する1つに収容される少なくとも1つの錠剤の表面で反射されず、光ビームが少なくとも1つの錠剤のこの表面よりも上側を通過することに留意することも重要である。第2の錠剤区画室開放信号は、対応する破損可能閉鎖体13の破損時に錠剤区画室12の対応する1つ内へのユーザの指の挿入によって引き起こされる受光体17への光ビームの伝送の遮断の結果としてマイクロプロセッサ24で発生される。一実施形態では、発光体16が赤外線発光ダイオード(LED)であり、一方、受光体17がマイクロプロセッサ24に接続される赤外線フォトダイオードである。錠剤区画室12の対応する1つ内へのユーザの指の挿入前に、赤外線フォトダイオードは、LEDによって横方向に送られる光ビームを受けるとともに、受けられた光をマイクロプロセッサ24へ伝送される電流へ変換する。しかしながら、錠剤区画室12の対応する1つ内へのユーザの指の挿入後、フォトダイオードへ向けて横方向に送られる光ビームが遮断され、したがって、指が錠剤区画室12から除去されるまで電流がマイクロプロセッサ24へ伝送されない。そのため、第2の錠剤区画室開放信号は、錠剤区画室12の対応する1つが患者によりアクセスされるときにマイクロプロセッサ24により感知される電流の短い遮断の結果としてマイクロプロセッサ24で発生される。
図1の実施形態におけるベースユニット20が該ベースユニット20の電気部品のそれぞれに電力を供給するための電源28も備えることに留意することは重要である。一実施形態では、電源28がバッテリーである。一例において、ベースユニット20は、バッテリーに接続されるとともに該バッテリーのレベルが低いときに連続光信号を発するようになっているLEDを備える。
一実施形態において、マイクロプロセッサ24は、錠剤容器30の錠剤区画室12の対応する1つが患者によりアクセスされるときに第1の錠剤区画室開放信号のみあるいは第2の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される場合に患者へ向けて警報信号を発生させるようになっている。特に、錠剤区画室12の対応する1つに該当する光検出器15に欠陥が存在する場合には、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に第1の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される。これに対し、錠剤区画室12の対応する1つに該当する破断可能導体14に欠陥が存在する場合には、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に第2の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される。マイクロプロセッサ24は、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に第1の錠剤区画室開放信号のみあるいは第2の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生されるときに音響信号または光信号が患者へ向けて発生されるように信号送信装置に接続される。信号送信装置は、音響源(例えばブザー)または光源(例えばLED)を備えてもよい。その方法では、患者は、錠剤区画室12の対応する1つの破断可能導体14または光検出器15のいずれかが欠陥を有することが知らされる。一実施形態において、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に第1の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される場合の音響信号または光信号は、錠剤区画室12の対応する1つのアクセス後に第2の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される場合の音響信号または光信号とは異なる。その方法では、患者は、欠陥が錠剤区画室12の対応する1つに該当する破断可能導体14に存在するのかあるいは光検出器15に存在するのかどうかを区別することができる。
錠剤区画室12の対応する1つが患者によってアクセスされるときに第1の錠剤区画室開放信号のみあるいは第2の錠剤区画室開放信号のみがマイクロプロセッサ24で発生される場合であっても錠剤管理システム10が患者による錠剤の服用遵守を監視できることに留意することは重要である。一例では、ベースユニット20が光検出器15を備えず、したがって、前述した監視は、錠剤区画室12の対応する破損可能閉鎖体13のそれぞれに沿って通り過ぎる破断可能導体14のそれぞれの破断後におけるマイクロプロセッサ24での第1の錠剤区画室開放信号の発生のみによって行なわれる。他の例では、ベースユニット20が光検出器15を備え、一方、錠剤区画室12の破損可能閉鎖体13が破断可能導体14を備えない。したがって、前述した監視は、錠剤区画室12の対応する1つが患者によりアクセスされるときに光検出器15のそれぞれによりマイクロプロセッサ24で発生される第2の錠剤区画室開放信号の発生のみによって行なわれる。
一実施形態において、ベースユニット20は、第1の錠剤区画室開放信号および第2の錠剤区画室開放信号のうちの少なくとも一方を外部サーバへ通信するようになっているRFトランシーバ25を備える。錠剤容器30の錠剤区画室12の対応する1つが患者によりアクセスされ、したがって、錠剤区画室12の対応する1つが開放されたという事実に関する情報をこれらの2つの信号のそれぞれが与えることに留意することは重要である。特に、RFトランシーバ25は、マイクロプロセッサ24に接続されるとともに、第1の錠剤区画室開放信号および第2の錠剤区画室開放信号のうちの少なくとも一方を受けてそれを外部サーバへ送信する。錠剤区画室12のうちの少なくとも1つに対応する破断可能導体14のうちの少なくとも1つに欠陥が存在する場合、RFトランシーバ25は、錠剤区画室12のうちの少なくとも1つのアクセスを示す少なくとも1つの第2の錠剤区画室開放信号を受ける。これに対し、錠剤区画室12のうちの少なくとも1つに対応する光検出器15のうちの少なくとも1つに欠陥が存在する場合、RFトランシーバ25は、錠剤区画室12のうちの少なくとも1つのアクセスを示す少なくとも1つの第1の錠剤区画室開放信号を受ける。外部サーバは、薬局または病院に、あるいは、より一般的にはウェブサーバに配置されて、患者による錠剤の服用遵守に関与する薬剤師または第三者へ錠剤区画室12のそれぞれのアクセスに関する情報を与えてもよい。
一実施形態では、ベースユニット20がメモリ26およびクロック27を備える。メモリ26は、それがユーザによる錠剤容器30の錠剤区画室12のそれぞれのアクセスの日時に関する情報を記憶するようにマイクロプロセッサ24およびクロック27に接続される。錠剤容器30の錠剤区画室12のそれぞれのアクセスの日時に関する情報は、それぞれの錠剤区画室12に関するマイクロプロセッサ24での第1の錠剤区画室開放信号および第2の錠剤区画室開放信号の発生の日時によって決定される。
他の実施形態では、RFIDタグが錠剤容器30に取り付けられ、また、ベースユニット20による錠剤容器30の識別の目的で、RFIDタグリーダがベースユニット20に取り付けられる。また、一実施形態では、ベースユニット20に取り付けられるRFIDタグリーダによるベースユニット20の識別の目的で、RFIDタグがベースユニット20に取り付けられる。患者へ錠剤管理システム10を与えた薬剤師の識別情報に関するデータおよび錠剤管理システムを受けた患者の識別情報に関するデータは、ベースユニット20に取り付けられるRFIDタグへエンコードされる。ベースユニット20に取り付けられるRFIDタグは、薬局または病院の外部監視システムに配置される遠隔RFIDタグリーダによる錠剤管理システム10の識別も可能にする。外部監視システムによる同じ識別目的のため、錠剤管理システムにはその製造中にシリアルナンバーが与えられてもよい。
特に、錠剤容器30がベースユニット20上に取り付けられる瞬間に、ベースユニット20のRFIDタグリーダは、ベースユニット20が錠剤容器30を識別するように錠剤容器30に取り付けられるRFIDタグを読み取る。ベースユニット20は、該ベースユニット20上に取り付けられる前述した錠剤容器30に対応する処方処置情報を外部サーバから受けるために、RFトランシーバ25を用いて外部サーバと通信するようになっている。特に、処方処置情報は、医師により提案される処方処置にしたがって錠剤区画室12のそれぞれが患者によりアクセスされるべき日時に関する情報を含む。処方処置情報はベースユニット20のメモリ26に記憶される。一実施形態では、ベースユニット20が複数の発光ダイオード(LED)を備え、LEDのそれぞれは、前述した錠剤容器30のために外部サーバにより与えられる処方処置情報にしたがって錠剤区画室内に収容される少なくとも1つの錠剤を患者が受けなければならないときに対応する錠剤区画室12を照明するべく、錠剤区画室12の対応する1つの近傍に配置されるとともに、マイクロプロセッサ24およびメモリ26に接続される。一例において、照明は、前述したLEDにより発せられる輝く光によって行なわれてもよい。
前述した処置情報にしたがって患者が錠剤区画室12の対応する1つにアクセスしなかった場合、ベースユニット20は、RFトランシーバ25を用いて第1の警報信号を前述した外部サーバへ送信するようになっている。特に、ベースユニット20は、処方処置情報に示される正確な日時に第1の錠剤区画室開放信号および/または第2の錠剤区画室開放信号がマイクロプロセッサ24で発生されなかった場合にのみ前述した信号を送信する。例えば、外部サーバにより受けられる処方処置情報に示される日時よりも遅いあるいは早い時間または日にベースユニット20により識別される錠剤容器30の錠剤区画室12の対応する1つに患者がアクセスする場合には、ベースユニット20が第1の警報信号を外部サーバへ送信する。その後、外部サーバは、処方処置情報にしたがって患者が錠剤区画室12の対応する1つにアクセスしなかったことを示す第2の警報信号を患者へ送信してもよい。一例において、前述した第2の警報信号は、ショートメッセージサービス(SMS)、発声メッセージ、または、電子メールを用いて患者の携帯電話へ送信される。同様に、前述した警報信号は、患者による錠剤の服用遵守を懸念する薬剤師または医師または第三者へ送信されてもよい。
一実施形態において、ベースユニット20は、外部サーバと無線通信する目的で無線通信モジュールを備える。特に、ベースユニット20は、ジェネラルパケットラジオサービス(GPRS)技術を使用することによりそれが外部サーバと情報をやりとりできるようにSIMカードを受けるようになっている。
一実施形態において、錠剤管理システム10は、錠剤容器30をベースユニット20に締結するようになっている締結手段を備える。一例では、錠剤容器30をベースユニット20に取り付け固定するために、ベースユニット20には、フックをその一端に有する回転可能なハンドルと、回転可能なハンドルのフックを受けるように適切に配置されるフック受け部材とが設けられる。
一実施形態において、ベースユニット20は、錠剤容器30がベースユニット20に適切に締結されないときに音響信号または光信号を送信するようになっている信号送信装置を備える。