以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプリンター100(画像形成装置)の斜視図である。図2は、図1に示されるプリンター100の内部構造を概略的に示す断面図である。図1および図2に示される画像形成装置としてのプリンター100は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
プリンター100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101(装置本体)を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103(図2)と、上壁102と底壁103との間の本体後壁105(図2)と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を備える。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。また、プリンター100は、筐体101に対して開閉自在に装着される開閉カバー100C(図1)を備える。
開閉カバー100Cは、本体前壁104の上方部分である前壁上方部104Bと、上壁102の前方部分である上壁前方部102Bとから構成される。また、開閉カバー100Cは、左右方向の両端部に配置された一対のアーム部108に配置される不図示のヒンジ軸を支点として、上下方向に開閉可能とされる。開閉カバー100Cの開状態において、本体内部空間107の上方が外部に開放される。一方、開閉カバー100Cの閉状態において、本体内部空間107の上方が、閉塞される。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104の上下方向の中央部には、手差しトレイ104Aが配置される。手差トレイ104Aは、下端を支点として、上下に回動可能である(図2の矢印DT)。
図2を参照して、プリンター100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130とを備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113のシート搬送方向(以下、単に搬送方向ともいう)の下流(以下、単に下流ともいう)に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126(転写部)と、クリーニング装置127とを備える。
感光体ドラム121は、円筒形状を有する。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される周面を有するとともに、前記周面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピューターなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ30は、内部に補給トナーを収容し、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、筐体101の内部において現像装置20に対して着脱自在に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
プリンター100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
更に、プリンター100は、送受信部100V(図2)(本体側情報送受信部)を備える。送受信部100Vは、後記の記憶部30Vにトナーコンテナ30の各種情報を書き込むとともに、記憶部30Vから前記情報を読み取る。送受信部100Vには、RFID(Radio Frequency Identification)技術が適用され、記憶部30Vへの読み取りおよび書き込みが可能とされている。読み書きされるトナーコンテナ30の各種情報には、トナーコンテナ30の使用履歴、後記の移動壁34の位置情報およびトナーの残量情報などが含まれる。
<現像装置について>
図3は、現像装置20の内部構造を示す平面図である。現像装置20は、一方向(現像ローラー21の軸方向、左右方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング210を備える。該現像ハウジング210は、内部に貯留空間220を有する。貯留空間220には、現像ローラー21(現像剤担持体)と、第1攪拌スクリュー23(現像剤搬送部材)および第2攪拌スクリュー24と、トナー補給口25(現像剤補給口)とが配設されている。本実施形態では、一成分現像方式が適用され、この貯留空間220には、磁性トナーが現像剤として充填されている。一方、二成分現像方式の場合、トナーと磁性体からなるキャリアとが混合されたものが、現像剤として充填される。トナーは、貯留空間220内において攪拌搬送され、静電潜像を現像するために、逐次現像ローラー21から感光体ドラム121に供給される。
現像ローラー21は、現像ハウジング210の長尺方向に延設される円筒形状を有し、外周に回転駆動されるスリーブ部分を有する。現像ローラー21は、現像ハウジング210に回転可能に支持され、表面(スリーブ)にトナーを担持し、感光体ドラム121にトナーを供給する。
現像ハウジング210の貯留空間220は、不図示の天板によって覆われるとともに、左右方向に延びる仕切り板22によって、左右方向に長尺の第1搬送路221と第2搬送路222とに区画されている。仕切り板22は、現像ハウジング210の左右方向の幅よりも短く、仕切り板22の左端及び右端には、第1搬送路221と第2搬送路222とをそれぞれ連通させる第1連通路223及び第2連通路224が備えられている。これにより、貯留空間220には、第1搬送路221、第2連通路224、第2搬送路222及び第1連通路223に至る循環経路が形成される。トナーは、該循環経路内を図3において反時計回りに搬送される。
トナー補給口25(現像剤受入口)は、トナーコンテナ30のトナー排出口319の下方において前記天板に穿孔された開口部であり、第1搬送路221の左端付近の上方に配置されている。トナー補給口25は、上記の循環経路に対向して配置され、トナーコンテナ30から補給される補給トナー(補給現像剤)を貯留空間220に受け入れる機能を備える。
第1攪拌スクリュー23は、第1搬送路221に配設されている。第1攪拌スクリュー23は、第1回転軸23aと、この第1回転軸23aの周上にスパイラル状に突設された第1螺旋羽根23bとを含む。第1攪拌スクリュー23は、第1回転軸23a回り(矢印R2)に回転駆動されることで、図3の矢印D1方向にトナーを搬送する。第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置を通過するように現像剤を搬送する。これにより、第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25から流入する新しいトナーと、第2搬送路222側から第1搬送路221に搬入されたトナーとを混合しながら搬送する機能を有する。第1攪拌スクリュー23のトナー搬送方向(D1方向)下流側には、第1パドル23cが配設されている。第1パドル23cは、第1回転軸23a上に配設された板状部材である。第1パドル23cは、第1回転軸23aと共に回転され、図3の矢印D4方向に向かって、第1搬送路221から第2搬送路222に、トナーを受け渡す。
第2攪拌スクリュー24は、第2搬送路222に配設されている。第2攪拌スクリュー24は、第2回転軸24aと、この第2回転軸24aの周上にスパイラル状に突設された第2螺旋羽根24bとを含む。第2攪拌スクリュー24は、第2回転軸24a回り(矢印R1)に回転駆動されることで、図3の矢印D2方向にトナーを搬送しながら、現像ローラー21にトナーを供給する。第2攪拌スクリュー24のトナー搬送方向(D2方向)下流側には、第2パドル24cが配設されている。第2パドル24cは、第2回転軸24aと共に回転され、図3の矢印D3方向に向かって、第2搬送路222から第1搬送路221に、トナーを受け渡す。
トナーコンテナ30(図2)は、現像ハウジング210のトナー補給口25の上方に配置されている。トナーコンテナ30は、トナー排出口319(図3)を備える。トナー排出口319は、現像装置20のトナー補給口25に対応して、トナーコンテナ30の底部311(図5(B))に配設されている。トナー排出口319から落下したトナーは、トナー補給口25から現像装置20に補給される。
<トナー補給について>
次に、トナー補給口25から新たに補給されるトナーの流れについて説明する。図4は、現像装置20に配設されたトナー補給口25およびトナーコンテナ30に配設されたトナー排出口319付近の断面図である。
トナーコンテナ30のトナー排出口319から供給された補給トナーT2は、第1搬送路221に落下して既存のトナーT1と混合され、第1攪拌スクリュー23により矢印D1方向に搬送される。この際、トナーT1、T2は攪拌され、帯電される。
第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25よりトナー搬送方向下流側に、部分的に現像剤の搬送性能が抑制される抑制パドル28(搬送能力抑制部)を備える。本実施形態では、抑制パドル28は、第1攪拌スクリュー23の隣接する第1螺旋羽根23b間に配置された板状部材である。抑制パドル28が第1回転軸23a回りに回転することで、抑制パドル28よりも上流側から搬送されるトナーは滞留し始める。そして、これらのトナーの滞留は、抑制パドル28の直ぐ上流側であって、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置(トナー補給口25の下方)まで累積していく。この結果、トナー補給口25の入口付近には、現像剤の滞留部29が形成される。
トナー補給口25から補給トナーT2が補給され、貯留空間220内のトナー量が増えると、この滞留部29で滞留するトナーがトナー補給口25を塞ぎ(封止し)、それ以上のトナーの補給を抑制する。その後、貯留空間220内のトナーが現像ローラー21から消費され滞留部29で滞留するトナーが減少すると、トナー補給口25を塞いでいたトナーが減り滞留部29とトナー補給口25との間に隙間が生じる。この結果、再び補給トナーT2がトナー補給口25から貯留空間220に流入する。このように、本実施形態では、滞留部29に滞留するトナーの減少に伴って、補給トナー量の受入量が調整される体積補給型のトナー補給形式が採用される。
<トナーコンテナの構造について>
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の一実施形態に係るトナーコンテナ30(現像剤収容容器)について説明する。図5は、トナーコンテナ30の(A)平面図、(B)正面図および(C)側面図である。図6は、トナーコンテナ30の移動壁34の斜視図(A)、(B)である。図7は、トナーコンテナ30の断面図である。
トナーコンテナ30は、略円筒体形状からなる。トナーコンテナ30は、内部に補給トナー(現像剤)を収容する。図5乃至図7を参照して、トナーコンテナ30は、コンテナ本体31(容器本体)と、攪拌ディスク32(攪拌部材)と、シャフト33と、移動壁34と、蓋部37(第2壁部)と、回転ギア38と、カバー39と、を備える。
コンテナ本体31は、略円筒体形状からなるトナーコンテナ30の本体部分である。コンテナ本体31は、内周部31Kと、内部空間31H(図7)と、を備える。内周部31Kは、コンテナ本体31の内周面であって、トナーコンテナ30の長手方向(第1方向、図7の矢印DA方向)に沿って筒状に延びた内部空間31Hを画定している。
図5および図7を参照して、コンテナ本体31は、底部311と、天板312と、前壁313と、後壁314と、左壁315(第1壁部)と、フランジ部316と、を備える。底部311は、コンテナ本体31の底部分であって、下方に向かって突出した半円筒形状からなる。前壁313および後壁314は、底部311の側端から上方に向かって立設された一対の側壁である。天板312は、底部311の上方に配置され内部空間31Hの上方を覆う。左壁315は、底部311、前壁313、後壁314および天板312の左端側に連設され、コンテナ本体31を塞ぐ壁部である。なお、内部空間31Hは、底部311、天板312、前壁313、後壁314および左壁315に加え、後記の蓋部37よって形成されている。また、内部空間31Hのうち、左壁315と後記の移動壁34との間の領域が、収容空間31Sとされる(図7)。収容空間31Sは、トナーコンテナ30の内部において、トナーが収容される空間である。
なお、図7に示すように、コンテナ本体31の右端側は開口されている。フランジ部316は、該開口部を形成するとともに、コンテナ本体31の右端部の外径が拡大された領域である。フランジ部316には、後記の蓋部37が装着される。
また、コンテナ本体31は、不図示のシャッターと、トナー排出口319(現像剤排出口)と、本体軸受部31J(図7)と、を備える。シャッターは、コンテナ本体31の左端部の外壁に配置される。シャッターは、左右方向に沿ってスライド移動可能とされる。シャッターは、トナー排出口319をコンテナ本体31の外側から塞ぐ(封止する)とともに、トナー排出口319を外部に露出させる。
図7を参照して、本体軸受部31Jは、左壁315に回転可能に支持された軸受である。本体軸受部31Jの外周部の右端部は、後記の攪拌ディスク32に一体回転可能に連結されている。一方、本体軸受部31Jの外周部の左端部はコンテナ本体31の外側に露出している。当該本体軸受部31Jの左端部には不図示のギア歯が備えられている。本体軸受部31Jは、現像装置20の後記のディスク伝達ギア51Aに連結され、現像モーター51が発生した回転駆動力を攪拌ディスク32に伝達する。また、本体軸受部31Jは、内部に軸穴31J1(図7)を備える。軸穴31J1は、シャフト33の第2シャフト端部332を回転可能に支持する。このように、本体軸受部31Jは、攪拌ディスク32への回転駆動力の伝達とシャフト33の軸支機能とを兼ね備えている。
トナー排出口319は、内部空間31H(収容空間31S)に連通してコンテナ本体31の底部311に開口されている開口である。図7に示すように、トナー排出口319は、コンテナ本体31の左端部に開口されている。また、トナー排出口319は、コンテナ本体31の円筒状の底部311の下端部よりも所定の高さだけ上方に配置されている。このトナー排出口319は後記のシャフト33よりも下方に位置する(図7参照)。収容空間31Sに収容されたトナーはトナー排出口319から現像装置20に向かって排出される。
攪拌ディスク32(図7)(攪拌部材)は、収容空間31Sの左端部において収容空間31Sに面して左壁315に沿って配置されている。また、攪拌ディスク32は、上下方向においてトナー排出口319に対向して配置されている。攪拌ディスク32は、上記のように、本体軸受部31Jとともにシャフト33回りに回転する。すなわち、攪拌ディスク32は、シャフト33に対して相対的に回転可能とされている。本実施形態では、攪拌ディスク32は、現像装置20の現像ローラー21と同期して回転される。攪拌ディスク32は、コンテナ本体31の下端部からトナー排出口319に向かう回転方向にシャフト33回りに回転する。攪拌ディスク32は、収容空間31S内において、トナー排出口319の周辺のトナーを攪拌する機能を備える。攪拌ディスク32は、円板部材から複数の羽根部材が右方に向かって突出した形状からなる。
シャフト33(図7)は、内部空間31Hにおいて左右方向に延びるようにコンテナ本体31および後記の蓋部37に回転可能に支持されている。シャフト33は、第1シャフト端部331と、第2シャフト端部332と、雄螺旋部333と、移動壁停止部334と、を備える。
第1シャフト端部331は、シャフト33の右端部である。第1シャフト端部331は、後記の蓋部37の蓋軸穴部37Jに軸支されている。第2シャフト端部332は、シャフト33の左端部である。第2シャフト端部332は、前述の本体軸受部31J(図7)に軸支されている。雄螺旋部333は、内部空間31Hにおいてシャフト33の外周面に左右方向に沿って形成された螺旋状のねじ部(係合部)である。本実施形態では、雄螺旋部333は、図7に示すようにシャフト33のうちフランジ部316が対向する領域からトナー排出口319の右端部に対向する領域まで配置されている。移動壁停止部334は、雄螺旋部333の左側に配置されている。移動壁停止部334は、シャフト33のうち雄螺旋部333が配置されていない軸部分のみの領域である。移動壁停止部334は、トナー排出口319の上方に配置されている。
移動壁34は、コンテナ本体31の内部空間31Hにおいて、左右方向に面し上下方向に延びる壁部である。移動壁34は、収容空間31Sの一方の端面(右端面)を画定する。なお、収容空間31Sの他方の端面(左端面)は、左壁315および攪拌ディスク32によって画定されている。また、移動壁34は、トナーコンテナ30の使用開始時から使用終了時までの間、収容空間31Sのトナーをトナー排出口319に向かって搬送しながら、内部空間31H内の右端側の初期位置から左端側の最終位置へシャフト33に沿って移動する。なお、本実施形態では、移動壁34は、後記の移動モーターユニット52(図5(B)、図9)によって、シャフト33に沿って左方向または右方向に移動可能とされている。
図6(A)、(B)を参照して、移動壁34は、搬送壁部340と、外周壁部341と、内壁シール342と、シャフトシール343と、補給孔キャップ344と、外周部34Kと、を備える。
搬送壁部340は、コンテナ本体31の内周部31Kとともに収容空間31Sを画定する壁部である。特に、搬送壁部340は、シャフト33に垂直な搬送面340Sを備える。搬送面340Sは、移動壁34の移動に伴って、収容空間31S内のトナーを押圧しながら搬送する。搬送壁部340は、更に、軸受部340Aと、トナー補給孔340Bと、円筒部340Cとを備える。軸受部340Aは、搬送壁部340の略中央部に形成された軸受部である。軸受部340Aは移動壁34を保持しながら左右方向に沿って移動する。前述のシャフト33は、この軸受部340Aに挿通される。トナー補給孔340Bは、軸受部340Aの上方において、左右方向に沿って搬送壁部340を貫通するように形成される。移動壁34がコンテナ本体31に装着されると、トナー補給孔340Bは収容空間31Sに連通する。トナーコンテナ30が製造される際に、トナー補給孔340Bから収容空間31Sに補給トナーが充填される。
円筒部340Cは、搬送壁部340のうち搬送面340Sとは反対側の面から右方向に向かって突設される円筒部分である。円筒部340Cは、軸受部340Aの一部を形成する。円筒部340Cは、雌螺旋部340Dを備える。雌螺旋部340Dは、円筒部340Cの内周面から突設された螺旋状のねじ部(係合部)である。雌螺旋部340Dは、シャフト33の雄螺旋部333と係合する(噛み合う)ことで、移動壁34を左右方向に沿って移動させる機能を備える。
外周壁部341は、搬送壁部340の外周縁から収容空間31Sとは反対側、すなわち、移動壁34の移動方向上流側に向かって突設されている。外周壁部341は、コンテナ本体31の内周部31Kに対向して配置される。
内壁シール342は、外周壁部341の搬送壁部340側において、外周壁部341の周囲を覆うように配置されるシール部材である。内壁シール342は、コンテナ本体31の内周部31Kと移動壁34との間で圧縮変形する。また、内壁シール342は、移動壁34の外周部34Kを形成する。外周部34Kは、コンテナ本体31の内周部31Kに摺動可能に密接して配置される。内壁シール342によって、収容空間31Sのトナーが、コンテナ本体31の内周部31Kと移動壁34との間から、移動壁34よりも移動方向上流側に流出することが防止される。
シャフトシール343は、軸受部340Aにおいて雌螺旋部340Dよりも移動壁34の移動方向先端側に配置されている(図7)。シャフトシール343は、移動壁34の移動に伴って、シャフト33の雄螺旋部333と接触する。この際、シャフトシール343は、雌螺旋部340Dよりも先に雄螺旋部333に接触し、雄螺旋部333に付着したトナーを清掃する。したがって、トナーが雄螺旋部333からほぼ除去された状態で、雄螺旋部333が雌螺旋部340Dに係合する。このため、雄螺旋部333と雌螺旋部340Dとの間でトナーが凝集することが抑止され、移動壁34の移動が安定して実現される。また、シャフトシール343はリング形状を有するため、シャフト33の周方向全体に亘ってシャフト33に密着する。このため、収容空間31Sのトナーが軸受部340Aを通って移動壁34よりも移動方向上流側に流出することが防止される。
補給孔キャップ344は、図6(B)に示すように、外周壁部341の内側を介してトナー補給孔340Bに装着され、トナー補給孔340Bを封止する。トナー補給孔340Bから補給トナーが収容空間31Sに充填された後、補給孔キャップ344がトナー補給孔340Bに装着される。この結果、トナー補給孔340Bからトナーが漏れ出すことが防止される。
蓋部37(図5(B)、図7)は、コンテナ本体31のフランジ部316に固定され、コンテナ本体31の開口部を封止する。この結果、蓋部37は、コンテナ本体31の一部となり、内部空間31Hの右端面を画定する。蓋部37は、蓋軸穴部37J(図7)を備える。蓋軸穴部37Jは、シャフト33の第1シャフト端部331側を回転可能に軸支する。
回転ギア38は、シャフト33の蓋部37側の第1シャフト端部331に固定されるギアである。第1シャフト端部331の先端部は軸方向と交差する断面視でD面形状を備え、回転ギア38の中心部には、該D面形状に係合する不図示のD穴が開口されている。この結果、回転ギア38は、シャフト33とともに一体回転可能とされる。回転ギア38は、現像装置20に配置された後記の移動モーターユニット52に連結される。移動モーターユニット52から回転駆動力が伝達されると、回転ギア38は、シャフト33を回転させ、移動壁34を左右方向に移動させる。
カバー39は、トナーコンテナ30の右端部に配置されるカバー部材である。図5(C)を参照して、カバー39は、回転ギア38の半円部分を覆う形状からなる。換言すれば、カバー39が蓋部37を介してコンテナ本体31に固定されると、回転ギア38の半円部分がトナーコンテナ30の外部に露出する。コンテナ本体31の内部空間31Hに攪拌ディスク32、シャフト33および移動壁34が配置された上で、コンテナ本体31、蓋部37、回転ギア38およびカバー39が複数のスクリュー40(図5(C))によって一体的に固定される。
更に、トナーコンテナ30は、トナーセンサー31T(検知センサー)を備える(図5(B))。トナーセンサー31Tは、コンテナ本体31の底部311に配置されるセンサーである。トナーセンサー31Tは、底部311の下端部に底部311の円筒面に沿って配置されている。また、トナーセンサー31Tは、周方向においてトナー排出口319に隣接するように配置されている。なお、本実施形態では、上記のようにトナー排出口319が底部311の下端部よりも上方にずれた位置に配置されている。このため、トナーセンサー31Tを底部311の下端部周辺に配置することが可能となる。
トナーセンサー31Tは、透磁率センサーもしくは圧電素子からなるセンサーである。トナーセンサー31Tが圧電素子からなる場合、トナーセンサー31Tのセンサー部分は収容空間31Sに露出している。トナーセンサー31Tは、トナー排出口319の周辺のトナーの有無に応じて、後記の制御部50に出力信号を発信する。詳しくは、トナーセンサー31Tは、収容空間31Sのトナーに押圧されることで、HIGH信号(+5V)を出力する。また、トナーセンサー31Tの直下にトナーが存在しない場合には、トナーセンサー31TはLOW信号(0V)を出力する。トナーセンサー31Tの出力信号は、後記の制御部50によって参照される。なお、トナーセンサー31Tが透磁率センサーの場合、センサーが直接トナーに接触する必要がない。このため、他の実施形態において、トナーセンサー31Tは、コンテナ本体31の外壁に対向するようにプリンター100の筐体101側に配置されてもよい。更に、トナーセンサー31Tの配置は、底部311に限定されるものではない。他の実施形態において、トナーセンサーは、コンテナ本体31の天板312、前壁313および後壁314のいずれかに配置されてもよく、また、いずれかの壁部に対向して筐体101側にされてもよい。
更に、トナーコンテナ30は、記憶部30Vと不図示の送受信部(容器側情報送受信部)とを備える(図5(A)、(B))。記憶部30Vは、天板312に装着されている。記憶部30Vは、RFID技術に適用されるRFタグである。記憶部30Vは、トナーコンテナ30の使用履歴に関する履歴情報、移動壁34の位置情報およびトナーの残量情報を記憶する。トナーコンテナ30の送受信部は、送受信部100V(図2)との間で上記の各種情報の送受信を行う。
<トナーコンテナの機能について>
前述のとおり、トナーコンテナ30は、筐体101に備えられた現像装置20に対して着脱可能とされる。図1を参照して、筐体101の開閉カバー100Cが上方に開放されると、本体内部空間107の一部であるコンテナ収容部109が筐体101の外部に露出する。コンテナ収容部109は現像装置20の上面部に形成されている。本実施形態では、トナーコンテナ30はコンテナ収容部109に対して上方から装着される。この際、トナーコンテナ30のカバー39がコンテナ収容部109の右側部分に配置され、トナーコンテナ30の左壁315が、コンテナ収容部109の左側部分に配置される。
図8は、本実施形態に係る現像装置20およびトナーコンテナ30の斜視図である。図9は、本実施形態に係る移動モーターユニット52の斜視図である。図10は、現像装置20およびトナーコンテナ30の斜視図である。プリンター100は、更に、筐体101内に制御部50(駆動制御部)および現像モーター51(第2駆動機構)を備える(図10)。また、現像装置20は、移動モーターユニット52(第1駆動機構)を備える(図9)。なお、図8および図10では、先の図5乃至図7と比較してトナーコンテナ30の外観形状が若干異なるが、トナーコンテナ30の内部構造および機能においては同様である。
制御部50は、現像モーター51および移動モーターユニット52を制御して、移動壁34の移動と攪拌ディスク32の回転とを個別に制御する。現像モーター51は、攪拌ディスク32を回転させる回転駆動力を発生するとともに、現像装置20の現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24を回転させる回転駆動力を発生する。現像装置20が筐体101に装着されると、現像モーター51は、現像装置20の右端側に備えられた不図示の入力ギアに連結される。当該入力ギアは、現像ローラー21を回転させる。また、現像ローラー21と第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24との間には、現像装置20の左端側において不図示のアイドラギアが配置されている。このため、現像ローラー21に同期して、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24が回転される。更に、第1攪拌スクリュー23と同軸に配置されたアイドラギアには、ディスク伝達ギア51A(図10)が連結されている。ディスク伝達ギア51Aは、コンテナ収容部109の左端側部分に露出するように、現像装置20の現像ハウジング210に回転可能に支持されている。トナーコンテナ30がコンテナ収容部109に装着されると、ディスク伝達ギア51Aは、前述の本体軸受部31Jの外周部のギアに係合される。この結果、現像モーター51が発生させた回転駆動力は、現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24に伝達されるとともに、攪拌ディスク32に伝達される。
移動モーターユニット52は、現像装置20の現像ハウジングのうち右端部に配置されたモーター収容部20Rに備えられている(図8)。移動モーターユニット52は、移動壁34を移動させる移動力を発生する。移動モーターユニット52は、トナーコンテナ30の長手方向において移動壁34をトナー排出口319に向かう第1方向および第1方向とは反対の第2方向に移動させる駆動力を発生する。図9を参照して、移動モーターユニット52は、移動モーター52Aと、ギア52B、52C、52Dとを備える。移動モーター52Aによって発生された回転駆動力は、ギア52B、52Cおよび52Dに順次伝達される。そして、図8に示すように、ギア52Dは、コンテナ収容部109の右端側部分に露出している。トナーコンテナ30がコンテナ収容部109に装着されると、ギア52Dは、前述の回転ギア38に係合される。この結果、移動モーターユニット52が発生させた回転駆動力は、回転ギア38からシャフト33に伝達される。この結果、図7の雄螺旋部333と雌螺旋部340Dとの係合(噛み合い)によって、移動壁34がシャフト33に沿って第1方向または第2方向に沿って移動される。
トナーコンテナ30がコンテナ収容部109に装着されると、ユーザーによって、または、不図示の開閉機構によって、シャッターがスライド移動され、トナー排出口319が開放される。この結果、トナー排出口319がトナー補給口25の上方に対向して配置される(図3、図4)。なお、トナー排出口319とトナー補給口25との間には不図示の隔壁が配置されており、トナー排出口319から落下したトナーはすべてトナー補給口25に流入する。
図11は、トナーコンテナ30において移動壁34が移動する様子を示す断面図(A)、(B)、(C)および(D)である。図11(A)は、移動壁34が充填位置に配置された様子を示し、図11(B)は、移動壁34が初期位置に配置された様子を示し、図11(C)は、移動壁34が初期位置から第1方向に移動した様子を示している。また、図11(D)は、移動壁34が最終位置に配置された様子を示している。図11(B)に示すように、移動壁34の初期位置は、トナー排出口319から右側に離間した位置であり、図11(D)に示すように、移動壁34の最終位置は、トナー排出口319の近傍に配置されている。更に、図12は、移動壁34および攪拌ディスク32の回転制御を示すタイミングチャートである。
所定の工場において、トナーコンテナ30が製造される場合、図11(A)において、トナーコンテナ30から蓋部37、回転ギア38およびカバー39が取り外された状態で、トナーが収容空間31Sに充填される。この際、前述のように、移動壁34の補給孔キャップ344も取り外されている。そして、不図示の充填ノズルがトナー補給孔340Bに挿入され、収容空間31Sにトナーが充填される。本実施形態では、この際、移動壁34は、図11(A)に示される充填位置に配置される。充填位置は、図11(B)に示される初期位置よりも右方向(第2方向)に所定の距離をおいた位置である。充填位置では、収容空間31Sが最大の容積を備える。このため、収容空間31Sの容積が充分確保され、トナーの充填が安定して実現される。なお、充填工程では、およそ収容空間31Sの90%の容積にトナーが充填される。
収容空間31Sにトナーが充填されると、補給孔キャップ344、蓋部37、回転ギア38およびカバー39がトナーコンテナ30に装着される。その後、トナーコンテナ30は、一旦、プリンター100に装着される。そして、制御部50は、トナーコンテナ30の出荷前に、移動モーターユニット52を制御して、トナーコンテナ30の移動壁34を充填位置から左方向(第1方向)に移動させ初期位置に配置させる。この結果、充填位置と比較して、移動壁34の初期位置における収容空間31Sの容積が縮小され、収容空間31S内のトナーの充填率が100%に近い状態となる。その後、制御部50は、トナーコンテナ30の記憶部30Vの使用履歴が「未使用状態」であることを確認する。この場合、制御部50は、トナーコンテナ30の未使用状態を検知する未使用検知部として機能する。その後、トナーコンテナ30は、プリンター100の筐体101内、または、筐体101の外側において、プリンター100とともに梱包され、出荷される。あるいは、交換用のトナーコンテナ30は、単独で梱包され出荷される。
なお、他の実施形態において、トナーが充填されたトナーコンテナ30は、プリンター100ではなく、プリンター100と同様に制御部50、現像装置20および移動モーターユニット52の機能を備えた製造治具装置に装着され、上記と同様の移動壁34の移動動作が実行されてもよい。
移動壁34が初期位置に配置され、収容空間31Sのトナーの充填率が高い状態によって、トナーコンテナ30が出荷および輸送されると、輸送中にトナーが多量の空気に触れることがなく、トナーの吸湿が抑制される。このため、トナーコンテナ30内のトナーが現像装置20に補給された際に、吸湿によるトナーの凝集や帯電不良が抑制される。したがって、プリンター100において、トナーの吸湿に伴う画像欠陥が抑止され、安定した画像が形成される。
プリンター100の使用環境(設置場所)において、ユーザーによって新たなトナーコンテナ30がプリンター100に装着され、開閉カバー100C(図1)が閉じられると、制御部50は、送受信部100Vを介してトナーコンテナ30の記憶部30Vを参照する。そして、制御部50は、参照された記憶部30Vの履歴情報が「未使用」であった場合、移動モーターユニット52を制御してトナーコンテナ30の移動壁34を初期位置から右方向(第2方向)に所定の距離だけ移動した待機位置に配置させる。この際、移動壁34よりも右側の内部空間31Hの空気が、内壁シール342およびシャフトシール343(図7)の周辺から、移動壁34よりも左側の収容空間31Sに流入する。したがって、トナーの充填率が僅かに低下し、トナーが流動しやすくなる。この結果、トナー排出口319からトナーが安定して排出される。
更に、本実施形態では、未使用のトナーコンテナ30がプリンター100に装着されると、制御部50は、現像モーター51を制御して攪拌ディスク32を回転させる。したがって、収容空間31Sへの空気の流入に伴って、トナーが安定して撹拌され、トナーの流動性が向上される。特に、制御部50は、移動壁34の初期位置から右方向(第2方向)への移動と同時、または、前記移動後に攪拌ディスク32を回転させることが望ましい。この場合、収容空間31S内に流入した空気とともに、トナーが安定して撹拌される。なお、未使用のトナーコンテナ30がプリンター100に装着された際、移動壁34は、初期位置から充填位置まで移動されてもよく、初期位置と充填位置との間の位置まで移動されてもよい。
トナーコンテナ30内のトナーの流動性が確保され、プリンター100において画像形成動作が開始されると、制御部50は現像モーター51を駆動させ、現像ローラー21、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24を回転させる(図12の時刻T1)。同時に、トナーコンテナ30では攪拌ディスク32が回転され、収容空間31S内のトナーが更に攪拌される。そして、現像ローラー21に印加される現像バイアスによって、現像ローラー21から感光体ドラム121にトナーが移動される。
前述のように、本実施形態では、図4に示すように体積補給型のトナー補給形式が採用されている。このため、現像装置20側の滞留部29(図4)がトナー補給口25を下方から封止している場合、トナーコンテナ30から補給トナーは落下しない。一方、現像装置20の現像ローラー21から感光体ドラム121にトナーが供給され、滞留部29のトナーが減少すると、トナー排出口319からトナー補給口25を介して現像装置20にトナーが流入する。この結果、トナーコンテナ30の収容空間31Sでは、トナーセンサー31Tが対向する領域のトナーが消失するため、トナーセンサー31TがLOW信号を出力する(図12の時刻T2)。このトナーありからトナーなしへの出力信号の変化を受けて、制御部50は、移動モーターユニット52を制御し、移動壁34をトナー排出口319に向かって移動させる(図12の時刻T3)。やがて、トナーセンサー31Tの周辺がトナーで満たされると、トナーセンサー31TがHIGH信号を出力する(図12の時刻T4)。そして、制御部50は、このトナーなしからトナーありへの出力信号の変化を受けて、移動モーターユニット52を制御して、移動壁34を停止させる(図12の時刻T5)。このように、トナー排出口319周辺のトナーの有無に応じて移動壁34が移動制御されるため、移動壁34が過剰にトナーを押圧することが防止される。画像形成動作の終了とともに、制御部50は、現像モーター51を停止させる(図12の時刻T6)。同時に、攪拌ディスク32の回転が停止する。
体積補給型のトナー補給形式の場合、トナー補給口25の下方に形成された空間に補給トナーが速やかに流入することが望ましい。本実施形態では、未使用のトナーコンテナ30がプリンター100に装着された後、上記のように、移動壁34の移動と攪拌ディスク32の回転が行われる。したがって、常に、トナーコンテナ30内のトナーの流動性が確保され、滞留部29(図4)の現像剤量に応じて、体積補給型のトナー補給が安定して実現される。
トナーコンテナ30の収容空間31Sのトナーが使用され続けると、やがて移動壁34は図11(D)に示す最終位置に至る。移動壁34がトナー排出口319に至ると、攪拌ディスク32と移動壁34の搬送面340Sとが近接して配置される。このように、移動壁34が左方向(第1方向)に沿って徐々に移動していくことで、収容空間31Sのトナーが移動壁34に押圧されながら、トナー排出口319まで搬送される。この際、移動壁34がトナー排出口319に至るまでの間、収容空間31Sが徐々に縮小されていく。したがって、トナーコンテナ30の内部において、トナーが残留する空間自体が徐々に消失される。そして、図11(D)に示す最終位置では、収容空間31Sがほぼ消失される。この結果、収容空間の容積が変化しない従来のトナーコンテナと比較して、使用終了時に、コンテナ本体31の収容空間31Sに残留するトナー量が減少される。更に、移動壁34と攪拌ディスク32との間に残った僅かなトナーは、攪拌ディスク32の回転によってトナー排出口319から排出される。したがって、トナーコンテナ30内のトナーを効率良く排出することができる。
更に、図7に示すように、本実施形態に係るトナーコンテナ30は、移動壁停止部334を備えている。移動壁停止部334は、前述のように、シャフト33のうち雄螺旋部333が配置されていない領域であって、トナー排出口319に対向して配置されている。このため、移動壁34が図11(D)に示す最終位置に到達する直前で、移動壁34の雌螺旋部340D(図6(B))は、雄螺旋部333から脱離され、移動壁停止部334に対向して配置される。このように、移動壁34がひとたび図11(D)の最終位置に配置されると、雌螺旋部340Dと雄螺旋部333とが再び係合することが防止される。この結果、誤って回転ギア38が逆回転された場合であっても、移動壁34が蓋部37側に向かって逆行することがない。また、図11(D)に示す最終位置では、移動壁34の内壁シール342(図7)がトナーコンテナ30の内周部31Kを内側から弾性力をもって径方向に付勢している。このため、移動壁34が最終位置に安定してロックされ、移動壁34の逆行が一層防止される。
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ30およびこれを備えたプリンター100について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の実施形態では、プリンター100としてモノクロプリンターをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。特に、プリンター100がタンデム式のカラープリンターの場合には、プリンター100の開閉カバー100C(図2)が開放された後、複数色のトナーに対応してそれぞれのトナーコンテナ30が上方から隣接するように筐体101に装着されてもよい。
(2)また、上記の実施形態では、トナーコンテナ30が現像装置20の長手方向に沿うようにプリンター100に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。トナーコンテナ30は、現像装置20の長手方向と交差する方向に沿って装着される態様でもよい。
(3)また、上記の実施形態では、攪拌ディスク32が左壁315に沿って配置され、移動壁34が蓋部37側から左壁315側に向かって移動する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の変形実施形態において、攪拌ディスク32が蓋部37側に配置され、予め左壁315に沿った初期位置に配置された移動壁34が蓋部37側に移動する態様でもよい。この場合、トナー排出口319は、コンテナ本体31のうちフランジ部316近傍に開口されればよい。
(4)また、上記の実施形態では、体積補給型のトナー補給形式をもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像装置20に不図示のトナーセンサーが配置される態様でもよい。トナーセンサーによって現像装置20内のトナーが減少したことが検知されると、制御部50によって移動モーターユニット52が駆動され、移動壁34が第1方向に沿って移動される。この結果、トナー排出口319からトナーが落下し現像装置20に流入する。
(5)更に、上記の実施形態では、未使用のトナーコンテナ30がプリンター100に装着されると、記憶部30Vの履歴情報に基づいて、移動壁34が移動される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。プリンター100に備えられた不図示の操作部やプリンター100に接続されたパーソナルコンピューターなどから入力されたコマンド信号に基づいて、移動壁34が初期位置から第2方向に移動されるものでもよい。この場合、上記の操作部やパーソナルコンピューターなどは、トナーコンテナ30の未使用状態を検知する未使用検知部として機能する。