JP2016221710A - 産業機械 - Google Patents

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本 敏 仁 岡
Toshihito Okamoto
本 敏 仁 岡
田 剛 士 飯
Takeshi Iida
田 剛 士 飯
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Abstract


【課題】試運転およびサンプリングごとの比較動作を必要とせず、駆動部の異常を検出することができる産業機械を提供する。
【解決手段】本実施形態による産業機械は、一連の動作を繰り返し実行する産業機械であって、一連の動作の或る工程を実行する駆動対象と、駆動対象を動作させる駆動部と、駆動部の動作を駆動対象に伝達する伝達機構と、或る一連の動作の工程における駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた現在積算値を、それ以前の一連の動作の工程における駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた過去積算値と比較し、伝動機構が異常であるか否かを判断する演算部とを備える。
演算部は、現在積算値と過去積算値との差が所定値を超えた場合に、伝動機構が異常であると判断してよい。
【選択図】図4

Description

本発明による実施形態は、産業機械に関する。
射出成形機や工作機械等の産業機械は、様々な作業を行うためにモータを備える。作業を行う機構は、ベルトを介してモータと連結されており、モータおよびベルトの回転によって駆動される。このようなモータと機構とを連結するベルトが破断すると、モータが回転しても、機構が動作しないという事態が生じる。
しかし、モータを制御するコントローラは、モータに取り付けられたエンコーダからの情報に基づいてモータの動作を制御する。従って、コントローラは、ベルトが破断していても、機構が動作しているものとしてモータを制御してしまう。その結果、産業機械や金型を破損する場合がある。例えば、固定金型と移動金型とが閉じた状態でモータと型締機構とを連結するベルトが破断した場合、モータが型開動作を実行しても、固定金型と移動金型とは実際には閉じた状態を維持する。この後、製品を金型から取り外す押出動作を実行すると、押出ピンが固定金型または移動金型に当たり、金型または押出ピンが破損してしまう可能性がある。
このような問題に対処するためにベルトの破断を検出する技術が求められる。ベルトの破断の検出技術として、実際のモータのトルクと正常時のモータのトルクとを比較してベルトの破断を検出する技術が知られている(特許文献1)。
また、モータの負荷を周期的にサンプリングし、前回のサンプリングで検出された負荷と今回のサンプリングで検出された負荷との変化率を求める技術が知られている。この技術では、負荷の変化率が所定値以上の場合にベルトが破断していると判断する(特許文献2)。
特開平06−182845号公報 特開2004−074047号公報
しかし、特許文献1の技術では、試運転等により予め正常時のモータのトルクを測定し、そのトルクの情報を記憶部に格納しておく必要がある。また、特許文献2の技術では、サンプリングごとにモータの負荷を測定する必要があり、尚且つ、前回のサンプリングにおけるモータの負荷と今回のサンプリングにおけるモータの負荷とを逐次比較するため、演算部の負荷が大きかった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、試運転およびサンプリングごとの比較動作を必要とせず、駆動部の異常を検出することができる産業機械を提供することを目的とする。
本実施形態による産業機械は、一連の動作を繰り返し実行する産業機械であって、一連の動作の或る工程を実行する駆動対象と、駆動対象を動作させる駆動部と、駆動部の動作を駆動対象に伝達する伝達機構と、或る一連の動作の工程における駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた現在積算値を、それ以前の一連の動作の工程における駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた過去積算値と比較し、伝動機構が異常であるか否かを判断する演算部とを備える。
演算部は、現在積算値と過去積算値との差が所定値を超えた場合に、伝動機構が異常であると判断してよい。
演算部は、現在積算値と過去積算値との比率が所定の範囲から外れた場合に、伝動機構が異常であると判断してよい。
演算部は、一連の動作の条件が変更された場合、過去積算値をリセットしてよい。
演算部は、過去積算値のリセット後に実行された工程における駆動部のトルクまたは供給電流を用いて過去積算値を得てよい。
一連の動作は、射出成形動作であり、工程は、射出成形の移動金型を固定金型へ移動させ接触させる型締工程と、射出成形時に移動金型を固定金型へ押し付ける昇圧工程と、成形材料を移動金型と固定金型との間の空間へ射出する射出工程と、射出形成後に移動金型を固定金型から離す型開工程とのいずれかであり、演算部は、少なくとも型締工程、昇圧工程、射出工程または型開工程のいずれかにおいて、現在積算値と過去積算値とを比較する。
演算部は、駆動部の動作速度が所定値未満の場合に、伝動機構が異常であるか否かを判断しなくてよい。
第1の実施形態に従った射出成形機1の構成例を示すブロック図。 演算制御部8の構成の一例を示す図。 本実施形態による産業機械1の或る一連のサイクル動作を示すフロー図。 今回のサイクル動作の型締工程における現在積算値および過去のサイクル動作の型締工程における過去積算値を示すグラフ。 第1の実施形態の変形例1による産業機械1の或る一連のサイクル動作を示すフロー図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に従った射出成形機1の構成例を示すブロック図である。産業機械1は、射出成形機の他、例えば、工作機械、ダイカストマシン、押出成形機等でもよい。産業機械1は、一連の動作(サイクル動作ともいう)を繰り返し実行可能な機械である。
産業機械としての射出成形機1は、フレーム2と、固定盤3と、移動盤4と、タイバー5と、型締駆動機構6と、射出装置7と、演算制御部8と、押出機構9と、ヒューマン・マシン・インタフェース60とを備えている。
フレーム2は、射出成形機1の土台である。固定盤3は、フレーム2上に固定されている。固定盤3には、固定金型11が取り付けられる。タイバー5の一端は、固定盤3に固定されており、その他端は、支持盤10に固定されている。タイバー5は、固定盤3から移動盤4を通過して支持盤10まで延びている。
移動盤4は、フレーム2に設けられたリニアガイド(図示せず)上に載置されている。移動盤4は、タイバー5またはリニアガイドに案内され、固定盤3に接近しあるいは固定盤3から離れるように移動することができる。移動盤4には、移動金型12が取り付けられる。移動金型12は、固定金型11に対向しており、移動盤4とともに固定金型11へ接近し、固定金型11に組み合わされる。移動金型12と固定金型11とが組み合わされ型閉めされることによって、移動金型12と固定金型11との間に製品形状に対応した空間が形成される。
型締駆動機構6は、トグル機構13と、トグル機構駆動部14とを備えている。トグル機構駆動部14は、トグル機構13を駆動するために、型締サーボモータ21と、ボールねじ22と、伝達機構23とを備えている。ボールねじ22の先端部には、クロスヘッド15が取り付けられている。ボールねじ22が回転することで、クロスヘッド15が移動盤4に接近し、あるいは、移動盤4から離れるように移動する。伝達機構23は、型締サーボモータ21の回転をボールねじ22に伝達し、クロスヘッド15を移動させる。伝達機構23は、例えば、型締サーボモータ21のロータとボールねじ22とを連結するベルトである。伝達機構23は、型締サーボモータ21の回転をボールねじ22に伝達することができる機構であればよく、例えば、金属で形成されたチェーンや歯車であってもよい。
トグル機構駆動部14がクロスヘッド15を移動させると、トグル機構13が作動する。例えば、クロスヘッド15が移動盤4へ向かって移動すると、移動盤4が固定盤3に向かって移動し、型閉が行われる。逆に、クロスヘッド15が移動盤4から離れる方向に移動すると、移動盤4が固定盤3から離れる方向に移動し、型開が行われる。
押出機構9は、成形後の製品を移動金型12から取り外すために、押出サーボモータ71と、ボールねじ72と、伝達機構73とを備えている。ボールねじ72の先端部は、移動金型12の内面に貫通している。ボールねじ72が回転することによって、ボールねじ72が移動金型12の内面に付着した製品を押し出す。伝達機構73は、押出サーボモータ71の回転をボールねじ72に伝達し、ボールねじ72を図1の左右方向に移動させる。伝達機構73は、例えば、押出サーボモータ71のロータとボールねじ72とを連結するベルトである。伝達機構73は、押出サーボモータ71の回転をボールねじ72に伝達することができる機構であればよく、例えば、金属で形成されたチェーンや歯車であってもよい。
射出装置7は、加熱バレル(バンドヒータ)41と、スクリュ42と、計量部43と、射出装置駆動部44とを備えている。加熱バレル41は、溶融材料を金型内に注入するノズル41aを備えるとともに、ホッパ45に接続されている。スクリュ42は、加熱バレル41の内部で移動可能に設けられている。
計量部43は、計量サーボモータ46と、計量サーボモータ46の回転をスクリュ42に伝える伝達機構47とを有する。計量サーボモータ46が駆動され、加熱バレル41内でスクリュ42が回転されると、成形材料の樹脂がホッパ45から加熱バレル41内に導入される。導入された樹脂は、加熱されかつ混練されながら加熱バレル41の先端側に送られる。樹脂は、溶融されて加熱バレル41の先端部分に貯えられる。成形材料は樹脂に限定されることはなく、金属、ガラス、ゴム、炭素繊維を含む炭化化合物など成形材料として用いることができるものであればよい。また、伝達機構47は、例えば、計量サーボモータ46のロータとスクリュ42とを連結するベルトである。ベルトは、例えば、柔軟な樹脂等で形成されている。伝達機構47は、計量サーボモータ46の回転をスクリュ42に伝達することができる機構であればよく、例えば、金属で形成されたチェーンや歯車であってもよい。
射出装置駆動部44は、射出サーボモータ51と、ボールねじ52と、伝達機構53とを有する。ボールねじ52が回転することで、加熱バレル41内でスクリュ42が図1の左右方向に移動する。伝達機構53は、射出サーボモータ51の回転をボールねじ52に伝達する。伝達機構53は、例えば、射出サーボモータ51のロータとスクリュ42とを連結するベルトである。伝達機構53は、射出サーボモータ51の回転をスクリュ42に伝達することができる機構であればよく、例えば、金属で形成されたチェーンや歯車であってもよい。伝達機構53により、射出サーボモータ51が回転されると、スクリュ42が移動する。スクリュ42が加熱バレル41の先端部分に貯えられた成形材料をノズル41aから押し出すことによって、成形材料がノズル41aから射出される。
ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI/F)60は、射出成形機1に関する様々な情報を表示する。HMI/F60は、例えば、表示部およびキーボードを備えてもよく、あるいは、タッチパネル式ディスプレイであってもよい。ユーザは、HMI/F60を通じて、射出成形機1の動作に関する指令等の設定を入力することができる。例えば、ユーザは、射出工程における射出速度(スクリュ42の回転速度)、押出工程における停止時間、型締工程および型開工程における移動金型12の速度、計量工程における計量速度(スクリュ42の回転速度)等の設定値をHMI/F60で入力する。
演算制御部8は、射出工程中に各種センサ(図2参照)から受け取るセンサ情報を監視し、そのセンサ情報から得られた数値が予め設定された閾値を超えないように射出装置7を制御する。また、演算制御部8は、HMI/F60を通じて、ユーザの指令を受けて必要なデータを表示部に表示させる。
図2は、演算制御部8の構成の一例を示す図である。演算制御部8は、情報処理部61と、設定部62と、記憶部63と、射出装置制御部64と、入出力部65とを含む。
演算処理部61は、各種センサ70から得られた検出値と設定部62に格納された設定値とを比較しながら、型締力、加熱バレル41の温度、射出圧力等を制御する。例えば、センサ70としては、圧力センサ、温度計、エンコーダまたは電流センサがある。トルクセンサまたは電流センサは、モータ21、46、51、71のそれぞれに設けられている。また、演算処理部61は、演算制御部8の各構成要素の制御も行う。
設定部62は、HMI/F60を介して入力された情報を格納する。例えば、設定部62は、オペレータから入力された最大射出圧力の設定値、型締力の設定値、動作モードの設定等に関する情報を格納する。
記憶部63は、射出成形機1を動作させるためのプログラム、上記設定値、各種センサ70から得られた検出値等の情報を格納する。
射出装置制御部64は、射出サーボモータ51の駆動を制御する。射出装置制御部64は、例えば射出サーボモータ51の駆動を制御することで、射出装置7の射出圧力を制御する。
入出力部65は、外部からの情報を演算制御部8へ取り込み、あるいは、演算制御部8の情報を外部へ出力するように構成されている。入出力部65は、他の端末と有線または無線で通信可能に接続され得る。
図3は、本実施形態による産業機械1の或る一連のサイクル動作を示すフロー図である。本実施形態において、産業機械1は、射出成形機であり、例えば、一連のサイクル動作として同一の射出形成動作を繰り返し実行する。各射出形成動作は、型締工程、昇圧工程、射出工程、計量工程、型開工程、押出工程等を含む。型締工程は、射出成形の移動金型12を固定金型11へ移動させ接触させる工程である。昇圧工程は、射出成形時に移動金型12が固定金型11から離れないように移動金型12を固定金型11へ押し付ける工程である。射出工程は、成形材料をノズル41aから金型11と12との間の空間へ注入する工程である。計量工程は、加熱バレル41内でスクリュ42を回転させ、所定量の成形材料を加熱バレル41の先端側に送る工程である。型開工程は、射出成形後に移動金型12を固定金型11から離す工程である。押出工程は、移動金型12から成形品を取り外す工程である。産業機械1は、これらの工程を繰り返し実行することによって樹脂等からなる成形品を形成することができる。尚、本実施形態では、産業機械1の一例として射出成形機を挙げているが、産業機械1は、同一のサイクル動作を繰り返し実行する産業機械であればよく、射出成形機以外の工作機械等であってもよい。
まず、産業機械1は、最初のサイクル動作において、設定部62または記憶部63に格納された設定条件に従って動作する。例えば、設定条件は、射出速度(スクリュ42の動作速度)、押出工程における停止時間、型締工程および型開工程における移動金型12の移動速度、計量工程における計量速度(スクリュ42の動作速度)等であり、産業機械1の設置時に予め設定され、あるいは、産業機械1の設置後にユーザによって入力された条件である。産業機械1は、この設定条件に従って最初のサイクル動作を実行する(S10)。
このとき、演算制御部8は、サイクル動作の各工程におけるモータ21、46、51、71のそれぞれのトルクの積算値(過去積算値)または供給電流の積算値(過去積算値)を得る(S20)。モータのトルクは、モータに流れる電流値から求め、トルクの積算値は、電流値のサンプリングごとに得られるモータのトルク値を足し算すればよい。あるいは、トルクの積算値は、モータへのトルク指令値を積算して算出してもよい。トルクの積算値は、トルク測定値の絶対値またはトルク指令値の絶対値の積算であってもよい。尚、モータのトルクは、モータに取り付けられたエンコーダ(図2の70)で測定された位置情報から加速度を求め、その加速度に基づいて算出してもよい。
モータの供給電流は、モータに取り付けられた電流センサ(図2の70)で測定する。供給電流の積算値は、電流センサにおいてサンプリングごとに得られるモータの電流値を足し算すればよい。あるいは、供給電流の積算値は、モータへの電流指令値を積算して算出してもよい。供給電流の積算値は、電流測定値の絶対値または電流指令値の絶対値の積算であってもよい。このように得られたモータのトルクの積算値または供給電流の積算値は、記憶部63に格納される。
演算制御部8は、伝達機構23、47、53、73のいずれかの破損を検出するために、トルクの積算値または供給電流の積算値を、伝達機構23、47、53、73に対応する工程ごとに算出すればよい。例えば、伝達機構23は、型締工程、昇圧工程および型開工程に対応する。伝達機構47は、計量工程に対応する。伝達機構53は、射出工程に対応する。伝達機構73は、押出工程に対応する。従って、演算制御部8は、伝動機構23の破損を検出するために、型締工程、昇圧工程および/または型開工程におけるモータ21のトルクの積算値または供給電流の積算値を算出すればよい。演算制御部8は、伝動機構47の破損を検出するために、計量工程におけるモータ46のトルクの積算値または供給電流の積算値を算出すればよい。演算制御部8は、伝動機構53の破損を検出するために、射出工程におけるモータ51のトルクの積算値または供給電流の積算値を算出すればよい。演算制御部8は、伝動機構73の破損を検出するために、押出工程におけるモータ71のトルクの積算値または供給電流の積算値を算出すればよい。伝動機構23、47、53、73の破損は、例えば、ベルトの切断、チェーンの切断、あるいは、歯車の破損等である。
モータ21、46、51、71のそれぞれのトルクの積算値または供給電流の積算値は、過去積算値として記憶部63に格納される(S30)。最初のサイクル動作においては、過去のサイクル動作におけるモータのトルクまたは供給電流の積算値(過去積算値)は、未だ記憶部63に登録されていない。従って、演算制御部8は、伝動機構の破損の検出を実行することなく、最初のサイクル動作を終了する。
2回目のサイクル動作において、産業機械1は、ステップS10、S20を実行する(S40)。このとき、演算制御部8は、最初のサイクル動作と同様に、モータ21、46、51、71のそれぞれのトルクの積算値または供給電流の積算値を算出する。ただし、このとき算出される積算値は、現在積算値として算出され、伝動機構の破損の検出のために用いられる。
演算制御部8は、現在積算値として算出されたトルクの積算値または供給電流の積算値に基づいて、伝動機構23、47、53、73の破損を検出する。より詳細には、演算制御部8は、今回のサイクル動作において得られたトルクまたは供給電流の積算値(現在積算値)を、それ以前(最初)のサイクル動作において得られたトルクまたは供給電流の積算値(過去積算値)と比較する(S50)。
例えば、図4(A)および図4(B)は、今回のサイクル動作の型締工程における現在積算値および過去のサイクル動作の型締工程における過去積算値を示すグラフである。横軸は、時間を示す。縦軸は、トルク値または電流値の絶対値を示す。
型締工程では、モータ21が移動金型12を固定金型11へ移動開始させる際に、移動金型12を加速させるために、トルク値または電流値は一旦上昇する。移動開始後、トルク値または電流値は低下し、その後、移動金型12を停止させるためにトルク値または電流値は再度上昇する。従って、ラインL0のように、2つのピークが現れる。尚、図4(A)および図4(B)において、ラインL1、L2は、トルクまたは電流の絶対値を示している。
ラインL0は、過去のサイクル動作において得られたトルクまたは供給電流を示す。過去積算値は、型締工程の開始時t0〜終了時t2の間において、ラインL0と横軸とによって囲まれた領域R0の面積に対応する。一方、ラインL1は、現在のサイクル動作において得られたトルクまたは供給電流を示す。現在積算値は、t0〜t2の間において、ラインL1と横軸とによって囲まれた領域R1の面積に対応する。
ここで、ラインL0では、伝達機構23は破損していない。一方、ラインL1では、t2において、伝達機構23が破損している。従って、t0〜t1において、ラインL1は、ラインL0に沿っているものの、t1〜t2において、ラインL1は、ラインL0から大きく外れている。図4(A)では、伝達機構23が破損することによって、モータ21に掛かるトルクが急激に低下している。トルクが低下すると、モータ21に供給される電流も低下する。このように、伝達機構23の破損によってトルク値または電流値が低下すると、領域R1の面積は、領域R0の面積より明確に小さくなる。即ち、現在積算値は、過去積算値より明確に小さくなる。図4(B)では、伝達機構23が破損することによって、モータ21に掛かるトルクまたは供給電流が大きく上下に変動している。このように、伝達機構23の破損によってトルク値または電流値は、大きく変動する場合もある。この場合、領域R1の面積は、領域R0の面積と一致することはほとんど無く、明確に相違する。即ち、現在積算値は、過去積算値と明確に相違する。
そこで、本実施形態による演算制御部8は、モータ21のトルクまたは供給電流について現在積算値と過去積算値とを比較し、伝動機構23が異常であるか否かを判断する。現在積算値と過去積算値との差が所定値を超えた場合(S50のYES)、演算制御部8は、伝達機構23が破損したと判断する(S60)。この場合、演算制御部8は、HMI/F60にアラームを発する(S70)。あるいは、演算制御部8は、モータ21の動作を停止したり、産業機械1の動作を停止してもよい。ユーザは、アラームや動作停止を受けて、破損した伝導機構23を修理または交換する。このように、本実施形態は、伝達機構23の破損を検出し、伝達機構23の破損に起因して生じる産業機械1の他の構成の破損を抑制することができる。尚、所定値は、面積R0とR1とのほぼ中間値となるように、予め設定され記憶部63に格納されている。
一方、現在積算値と過去積算値との差が所定値以下である場合(S50のNO)、演算制御部8は、伝達機構23が破損していないと判断する(S80)。この場合、現在積算値として得られたトルクまたは電流の積算値は、次のサイクル動作における過去積算値として用いられ得るように記憶部63に格納される(S90)。
その後、サイクル動作の条件が変更されていなければ(S100のNO)、次の(3回目の)サイクル動作を実行するためにステップS40〜S90を繰り返す。このように、本実施形態による産業機械1は、各サイクル動作において、現在積算値を過去積算値と比較し、伝達機構23が異常であるか否かを判断することができる。本実施形態において、過去積算値は、比較対象となる今回のサイクル動作の直前のサイクル動作の積算値である。しかし、過去積算値は、今回のサイクル動作以前の任意のサイクル動作の積算値であってもよく、あるいは、以前の複数のサイクル動作の積算値の平均であってもよい。
サイクル動作の条件が変更された場合(S100のYES)、演算制御部8は、記憶部63に格納されている過去積算値をリセットする(S110)。例えば、金型11、12が変更された場合、あるいは、射出速度、押出工程における停止時間、移動金型12の速度、計量速度等の設定値が変更された場合、その工程に対応するモータのトルク値または供給電流値が変化する。従って、サイクル動作の或る工程の条件が変更された場合、演算制御部8は、その工程に対応する過去積算値をリセットし、図3のステップS10〜S30を実行して、過去積算値を算出し直す。即ち、演算制御部8は、過去積算値のリセット後に実行されるサイクル動作を最初のサイクル動作として、そのサイクル動作におけるモータのトルクまたは供給電流を用いて過去積算値を再度算出する。これにより、演算制御部8は、伝達機構が破損していないにもかかわらず、条件変更によるモータのトルクや供給電流の変動によって、アラームが誤って発せられたり、あるいは、産業機械1の動作が誤って停止したりすることを抑制することができる。尚、設定条件の変更されていない工程の過去積算値は、リセットする必要は無い。
図4(A)および図4(B)では、演算制御部8は、型締工程について伝達機構23の破損を検出している。しかし、演算制御部8は、他の工程(例えば、昇圧工程、射出工程、計量工程、型開工程、押出工程)についてもそれぞれに対応する伝達機構(23、47、53、73)の破損を同様に検出してよい。
また、演算制御部8は、伝達機構23の破損を検出するために、型締工程、昇圧工程および型開工程のそれぞれまたはいずれかのトルクの積算値または供給電流の積算値を算出している。しかし、型締工程、昇圧工程、射出工程、計量工程、型開工程、押出工程の各工程をさらに複数の工程に細分化してもよい。演算制御部8は、細分化された各工程についてトルクの積算値または供給電流の積算値を算出してもよい。このようにしても、演算制御部8は、伝達機構の破損を検出することができる。
本実施形態による産業機械1は、各工程におけるモータのトルクまたは電流の積算値を用いて、各工程に対応する伝達機構の破損を検出する。これにより、本実施形態では、トルク値や電流値のサンプリングごとに比較動作を実行する必要が無い。従って、演算制御部8の負荷は、サンプリングごとに比較動作を実行する場合と比較して小さい。また、本実施形態では、上記ステップS90に示すように、サイクル動作を実行するごとに、記憶部63に格納されている過去積算値は、新たな積算値で更新される。よって、本実施形態は、現状の産業機械1の状況に適した過去積算値による伝達機構の破損を検出することができる。即ち、本実施形態は、時々刻々と変化する産業機械1の周囲環境や産業機械1の経年劣化に影響されることなく、伝達機構の破損を確実に検出することができる。
また、本実施形態では、最初のサイクル動作においても産業機械1は通常通り成形品を製造してよい。従って、本実施形態は、基準となるトルク値や電流値を得るために試運転を実行する必要が無い。
また、トルク値や電流値は、既存のセンサを用いて測定することができる。従って、本実施形態は、伝達機構の破損を検出するための専用の検出装置等を別途設ける必要が無い。
(変形例1)
図5は、第1の実施形態の変形例1による産業機械1の或る一連のサイクル動作を示すフロー図である。上記実施形態では、演算制御部8は、現在積算値と過去積算値との差を算出し、その差に基づいて伝達機構の異常を検出している(図3のステップS50)。これに対し、本変形例1では、演算制御部8は、現在積算値と過去積算値との比率が所定の範囲から外れた場合に、伝動機構が異常であると判断する。例えば、現在積算値V1と過去積算値V0との比率(V1/V0=R1/R0)が、1を挟む所定範囲(スペック)の内側にある場合(S51のYES)、演算制御部8は、伝動機構が正常であると判断する。一方、比率(V1/V0=R1/R0)が、その範囲外にある場合(S51のNO)、演算制御部8は、伝動機構が異常であると判断する。本変形例1のその他の構成およびその他の動作は、上記実施形態の対応する構成および動作と同様でよい。尚、所定範囲は、予め設定され、記憶部63に格納されている。
本変形例1のように、現在積算値と過去積算値との比率に基づいて、伝動機構の異常を検出してもよい。このようにしても、第1の実施形態の効果は失われない。
(変形例2)
変形例2による演算制御部8は、モータの動作速度が所定値未満の場合に、伝動機構が異常であるか否かを判断しない。例えば、型締工程において、モータの動作速度が非常に遅い場合、モータ21のトルクおよび供給電流は、あまり上昇せず、ピークも現れない場合がある。このような場合、モータ21のトルクおよび供給電流の積算値は、伝動機構が異常であっても、正常時とあまり相違しなくなってしまう。従って、モータの動作速度が非常に遅い場合、演算制御部8は、伝動機構が異常を正確に検出することが困難である。そこで、本変形例2では、演算制御部8は、モータの動作速度が所定値未満の場合に、伝動機構が異常であるか否かを判断しない。これにより、変形例2は、伝達機構が破損していないにもかかわらず、アラームが誤って発せられたり、あるいは、産業機械1の動作が誤って停止したりすることを抑制することができる。変形例2は、第1の実施形態の効果も得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…射出成形機、2…フレーム、3…固定盤、4…移動盤、5…タイバー、6…型締駆動機構、7…射出装置、8…演算制御部、9…押出機構、60…ヒューマン・マシン・インタフェース、21…型締サーボモータ、23…伝達機構、71…押出サーボモータ、73…伝達機構、46…計量サーボモータ、47…伝達機構、51…射出サーボモータ、53…伝達機構

Claims (7)

  1. 一連の動作を繰り返し実行する産業機械であって、
    前記一連の動作の或る工程を実行する駆動対象と、
    前記駆動対象を動作させる駆動部と、
    前記駆動部の動作を前記駆動対象に伝達する伝達機構と、
    或る一連の動作の前記工程における前記駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた現在積算値を、それ以前の一連の動作の前記工程における前記駆動部のトルクまたは供給電流を積算して得られた過去積算値と比較し、前記伝動機構が異常であるか否かを判断する演算部とを備えた産業機械。
  2. 前記演算部は、前記現在積算値と前記過去積算値との差が所定値を超えた場合に、前記伝動機構が異常であると判断する、請求項1に記載の産業機械。
  3. 前記演算部は、前記現在積算値と前記過去積算値との比率が所定の範囲から外れた場合に、前記伝動機構が異常であると判断する、請求項1に記載の産業機械。
  4. 前記演算部は、前記一連の動作の条件が変更された場合、前記過去積算値をリセットする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の産業機械。
  5. 前記演算部は、前記過去積算値のリセット後に実行された前記工程における前記駆動部のトルクまたは供給電流を用いて前記過去積算値を得る、請求項4に記載の産業機械。
  6. 前記一連の動作は、射出成形動作であり、
    前記工程は、射出成形の移動金型を固定金型へ移動させ接触させる型締工程と、射出成形時に前記移動金型を前記固定金型へ押し付ける昇圧工程と、成形材料を前記移動金型と前記固定金型との間の空間へ射出する射出工程と、射出形成後に前記移動金型を前記固定金型から離す型開工程とのいずれかであり、
    前記演算部は、少なくとも前記型締工程、前記昇圧工程、前記射出工程または前記型開工程のいずれかにおいて、前記現在積算値と前記過去積算値とを比較する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の産業機械。
  7. 前記演算部は、前記駆動部の動作速度が所定値未満の場合に、前記伝動機構が異常であるか否かを判断しない、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の産業機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5851054A (ja) * 1981-09-18 1983-03-25 Okuma Mach Works Ltd 工具異常検知装置
JPH06182845A (ja) * 1992-12-15 1994-07-05 Japan Steel Works Ltd:The 電動射出成形機の動力伝達手段の破断検知方法および検知装置

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