JP2016221389A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、他の操作が行いやすい遊技機を提供すること。
【解決手段】ハンドルベース530にはハンドルリング540が回動可能に配設され、そのハンドルリング540が回動可能に配設されたハンドルベース530が、ハンドル取付台520に対して変位されることで、所定の動作が行われる。よって、かかる所定の動作を行うための操作(ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の変位)を、ハンドルリング540の回動操作量を維持しつつ、容易に行うことができる。
【選択図】図17
【解決手段】ハンドルベース530にはハンドルリング540が回動可能に配設され、そのハンドルリング540が回動可能に配設されたハンドルベース530が、ハンドル取付台520に対して変位されることで、所定の動作が行われる。よって、かかる所定の動作を行うための操作(ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の変位)を、ハンドルリング540の回動操作量を維持しつつ、容易に行うことができる。
【選択図】図17
Description
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、ハンドルベースにハンドルリングが回動可能に取り付けられ、そのハンドルリングの回動操作量に応じて、球の発射強度を調整するものがある。また、ハンドルベースに、ハンドルリングとは別の操作子が配設され、その操作子を操作することで、所定の動作(例えば、球の発射の停止)を行うことができるものがある。
ハンドルリングは、付勢ばねによる付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと、ハンドルリングが初期位置へ復帰される。この場合、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、操作子を操作することが困難である場合があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、他の操作が行いやすい遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されるものであって、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースと、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材と、を備える。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技本体に対してハンドルベースを変位させることで、遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射強度の変更(所定の発射強度の設定)を容易に行うことができ、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
なお、発射強度設定手段により設定される所定の発射強度としては、例えば、設定可能な範囲での最大の発射強度、予め定められている発射強度(よって、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも弱い発射強度および強い発射強度の両者を含む)、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも少なくとも強い発射強度などが例示される。
ここで、遊技者は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を変更(例えば、発射強度を最大とする所謂「右打ち」)することがある。しかしながら、このような遊技球の発射強度を最大とすることが要求される時間は比較的短く、通常の遊技状態に戻るたびに、遊技球の発射強度を元の発射強度を戻す必要があり、その再調整に遊技者が煩わされるという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位を起点として、遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングを把持する手指の一部を離したり無理な姿勢を取ることなく、即ち、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。よって、ハンドルベース自体の変位を戻せば、遊技球の発射強度も元の発射強度(ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、遊技球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技本体に対してハンドルベースが変位されると、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、所定の発射強度に設定する際に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量に維持することができる。その結果、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、遊技球を所望の発射強度で発射することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図17を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図17を参照して、操作ハンドル51の詳細構成について説明する。
図5(a)は操作ハンドル51の上面図であり、図5(b)は操作ハンドル51の正面図である。また、図6は、図5(a)の矢印VI方向視における操作ハンドル51の側面図である。なお、図5(a)及び図6では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示される。
図5及び図6に示すように、操作ハンドル51は、ハンドル取付台520と、ハンドルベース530と、ハンドルリング540と、前カバー550とを備えて構成され、パチンコ機10(図1参照)の前面から水平姿勢で突出される。
ハンドル取付台520は、その背面(図5(a)左側)が下皿ユニット15の前面に固着され、ハンドルベース530は、ハンドル取付台520の前面(図5(a)右側)に配設される。これら両部材520,530は、一方が他方に軸支され、その軸支された部分を中心として、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が、上下方向に変位可能に連結される(図16及び図17参照)。
ハンドルベース530には、発射停止スイッチ操作部440が配設される。発射停止スイッチ操作部440は、ハンドルベース460の内部に設けられた打ち止めスイッチ51b(図7参照)のオン・オフを切り換えるためのレバーであり、ハンドルベース530の左側面(図5(b)左側)から突出した状態で配設される。遊技者は、発射停止スイッチ操作部440を押下することにより、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、遊技球の発射を停止することができる。
ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面(図5(a)右側)に回動可能に取り付けられる。遊技者は、ハンドルリング540を、操作ハンドル51の正面視(図5(b)参照)において、右回り(時計回り)方向に回動操作することにより、遊技球の発射強度を増大させることが可能である。
また、ハンドルリング540は、遊技者の回動操作が解除されると、リング付勢ばね537(図7参照)の付勢力により、その回動位置が初期位置へ復帰される。この場合、第1実施形態では、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として変位させることで(図17参照)、ハンドルリング540の回動位置を任意の回動位置で固定可能に構成される。即ち、球の発射強度を任意の強度で固定できる。かかるハンドルリング540の固定構造については、後述する。
なお、ハンドルリング540には、遊技者が指を掛けるための3つの指掛け部540a,540b,540cが形成される。前カバー550は、前方(図5(a)左方向)へ凸となる半球状に形成され、ハンドルリング540の前面に取り付けらる。
次いで、図7を参照して、ハンドルベース530について説明する。
図7はハンドル取付台520及びハンドルベース530の正面斜視図であり、ハンドルリング540及び前カバー550が取り外された状態における操作ハンドル51の前面斜視図に対応する。
図7に示すように、ハンドルベース530は、正面視が円形の筒状に形成される外周壁531と、その外周壁531の一方(背面)の開口を塞ぐ底壁532とを備え、これら両部材531,532によって、内部が背面側に窪んだ(即ち、前面側が開放された)容器形状に形成される。底壁532には、ガイド支柱533a〜533cと、内周壁534と、軸受部535とが背面から前面へ向けて立設される。
ガイド支柱533a〜533cは、前カバー550が締結固定される部位であり、締結ねじが挿通可能な(即ち、底壁532側および立設先端の両端に開口を有する貫通孔が貫通形成された)中空の筒形状に形成される。ガイド支柱533a〜533cの貫通孔に底壁532側から挿通された締結ねじが、前カバー550のねじ台座551a〜551c(図8(b)参照)にそれぞれ締結されることで、ハンドルベース530の前面に前カバー550が固着される。
内周壁534は、正面視円形の筒状に形成され、外周壁531との間に一定の間隔を隔てつつ、その外周壁531の内周側に同心に配設される。内周壁534は、周方向の2ヶ所で分断されており、それら2ヶ所の分断された部位(切り欠き部534a,534b)には、一方に発射停止スイッチ操作部440が、他方にリング規制部材700が、それぞれ配設される。
軸受部535は、ハンドルリング540を回動可能に保持(軸支)するための部位であり、ハンドルリング540の回動軸543(図8(a)参照)が回動可能に挿入される。軸受部535の内周面には、底壁532から前面へ向かって軸方向に延びる断面コ字状の溝535aが形成される。溝535aには、ハンドルリング540の回動軸543に突設される突起部543aが内嵌され、ハンドルリング540の挿入時の位相(回動位置)が位置決めされる。
軸受部535の側方には、従動ギヤ536が配設される。従動ギヤ536は、ハンドルリング540の主動ギヤ544(図8(a)参照)が歯合されるギヤであり、可変抵抗器(図示せず)の抵抗軸VRaに固着される。よって、従動ギヤ536が回動されると、その回動量(回動位置)に応じて、可変抵抗器VRの抵抗値が変化される。
従動ギヤ536には、ねじりばねとして形成されるリング付勢ばね537から、正面視右回り(時計回り)方向へ付勢力が付与され、その付勢力により初期位置(ストッパ部536aが軸受部535の外周突起535bに当接され回動が規制される位置)に復帰される。なお、可変抵抗器は底壁532に固着される。
軸受部535の側方であって、従動ギヤ536の反対側には、打ち止めスイッチ51bが固着される。打ち止めスイッチ51bの側方には、揺動可能な揺動片51b1が突出され、その揺動片51b1が、発射停止スイッチ操作部440により押下されることで、打ち止めスイッチ51bがオン・オフされる。
次いで、図8(a)及び図8(b)を参照して、ハンドルリング540及び前カバー550について説明する。
図8(a)はハンドルリング540の背面斜視図であり、図8(b)は前カバー550の背面斜視図である。
図8(a)に示すように、ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面を覆う正面視円形の円板状に形成される円板部531と、その円板部531の外周縁部から背面側へ向けて立設され正面視が円形の筒状に形成される外周壁542と、円板部531の中央に位置し背面へ向けて突設される回動軸543と、その回動軸543の基部に固着される主動ギヤ544と、円板部531を板厚方向に貫通して形成されるガイド孔545a,545bとを備える。
ハンドルリング540は、回動軸543がハンドルベース530の軸受部535(図7参照)に挿入されることで、ハンドルベース530に対して回動可能に保持(軸支)され、この場合、主動ギヤ544が、ハンドルベース530の従動ギヤ536に歯合される。よって、ハンドルリング540が回動操作されると、主動ギヤ544を介して従動ギヤ536が回動され、その従動ギヤ536の回動による抵抗軸VRaの回動が可変抵抗器の抵抗を変化させるので、可変抵抗器の抵抗値(即ち、ハンドルリング540の回動操作量)に応じて、球の発射強度を調整できる。
なお、本実施形態では、軸受部535と抵抗軸VRaとの軸方向が互いに平行とされると共にその軸方向に対し従動ギヤ536の歯(歯溝)が平行に延設される(図7参照)。また、ハンドルリング540の回動軸543の軸方向に対し主動ギヤ544の歯(歯溝)が平行に延設される。
ガイド孔545a,545bは、ガイド支柱533a〜533cを挿通させるための孔であり、それぞれハンドルリング540の外縁に沿った円弧状(即ち、回動軸543を中心とする円環形状を位相が180°異なる2ヶ所で分断した形状)に形成される。ガイド孔545aにはガイド支柱533aが挿通され、ガイド孔545bにはガイド支柱533b,533cが挿通される。
よって、ガイド支柱533a及びガイド支柱533b,533cは、ハンドルリング540の回動に伴って、ガイド孔545a及びガイド孔545bの中をそれぞれ案内される。そのため、ハンドルリング540の回動可能な範囲は、ガイド孔545a,545bの中をガイド支柱533a〜533cが相対的に移動可能な範囲に制限される。図8の例では、ガイド孔545a,545bがそれぞれ略半周に渡る円弧状となっているので、ハンドルリング540の回動範囲は、略半周となる。
図8(b)に示すように、前カバー550は、内部が前面側に窪んだ(即ち、背面側が開放された)半球の容器形状に形成され、その内壁面には、軸受部551と、ねじ台座552a〜552cとが前面から背面へ向けて立設される。軸受部551は、中空の筒形状に形成され、ハンドルリング540の前面側に突出する回動軸543の先端部分が回動可能に挿入される。ねじ台座552a〜552cは、ガイド支柱533a〜533cにそれぞれ締結固定される。
なお、前カバー550とハンドルリング540との間には、ねじりばねとして形成されるリング付勢ばね(図示せず)が配設される。このリング付勢ばねは、ハンドルリング540を正面視において左回り(反時計回り)へ付勢する。この付勢方向は、上述した従動ギヤ536を付勢するリング付勢ばね537が(図7参照)、従動ギヤ536及び主動ギヤ544を介して、ハンドルリング540を付勢する付勢方向と一致する。よって、遊技者がハンドルリング540から手を離すと、ハンドルリング540は、前カバー550とハンドルリング540との間に配設される図示しないリング付勢ばねと、従動ギヤ536を付勢するリング付勢ばね536との二つのばねの付勢力によって、初期位置へ復帰される。
次いで、図9を参照して、ボス部材560について説明する。図9は、ハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図9では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示されると共に、軸563と軸受523との位置関係が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図9に示すように、ボス部材560は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として、変位可能に連結するための部材であり、ハンドルベース530の背面から突設される。即ち、後述するように、ハンドル取付台520には軸受523が形成されると共に、ボス部材560には軸563が形成され、軸受523に軸563が回動可能に軸支されることで、その軸支された部分を中心(支点)として、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が変位可能とされる。なお、軸支された部分を中心(支点)とするハンドルベース530のハンドル取付台520に対する変位を「揺動」または「回動」と表現しても良い。
ボス部材560は、ハンドルベース530の背面(底壁532)に締結固定される平板状の基部561と、その基部561から背面へ向けて突出され断面円形の棒状に形成される突出部562と、その突出部562の外側面から左右へ向けて一対が張り出される軸状の軸563と、突出部562の突出先端における下面に配設されるハーネスガイド564とを主に備えて構成される。
突出部562の上面には、基部561(軸563)から離間する(即ち、ハーネスガイド564側へ向かう)に従って下降傾斜される傾斜面562aが形成される。ここで、ボス部材560の突出部562は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い、軸563よりも突出先端側(ハーネスガイド564側)の部位が上方へ向けて変位される部位であるため(図16及び図17参照)、上方に位置する他の部材(即ち、ハンドル取付台520内に配設されるスイッチ、IC装置、ハーネス、或いは、ハンドル取付台520に一体に形成される補強リブ526など)との干渉を避ける必要がある。
この場合、他の部材の配設位置を上方へ移動させるのでは、その分、ハンドル取付台520の大型化を招くところ、突出部562の上面に傾斜面562aを形成することで、ハンドル取付台520の小型化を図りつつ、他の部材と突出部562との干渉を回避できる。特に、傾斜面562aが上述のように軸563から離間するに従って下降傾斜する傾斜面として形成されることで、変位量が大きい突出先端側ほど逃げ量を大きくして、他の部材との干渉を効果的に回避しつつ、変位量が小さい軸563側では突出部562の切除量を最小として、突出部562の剛性を確保することができる。
突出部562の突出先端には、ベース付勢ばねSP(図12参照)を保持するための一対のガイド壁562bが立設される。このように、一対のガイド壁562aの間でベース付勢ばねSPを保持する構造とすることで、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができると共に、ベース付勢ばねSPを組み付ける際の組み付け性の向上を図ることができる。なお、ガイド壁562bの対向間に位置する突出部562の上面は、背面視において円弧状に湾曲して形成され、ベース付勢ばねSPをスムーズに弾性変形させることができる。
ハーネスガイド564は、電気的な配線をガイドするための部材であり、背面視において枠状に形成される。ハンドルベース530内から底壁532の開口を介してハンドル取付台520内に入り込む配線(打ち止めスイッチ51bの配線など)やハンドル取付台520内に存在する配線(可変抵抗器の配線など)を、ハーネスガイド564の枠内に収容する(枠内を通過させる)ことで、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される際に、突出部562の上面、或いは、ハーネスガイド564の下面と、他の部材やハンドル取付台520の内壁面との間に配線を挟み込んで、断線させてしまうことを回避することができる。
なお、突出部562の上面からガイド壁562bを突出させることは、他の部材やハンドル取付台520との間で配線を挟み込む可能性を高める。本実施形態では、ハーネスガイド564を設け、このハーネスガイド564の枠内を通過させることで、配線の挟み込み(断線)を抑制することが可能となっている。これにより、突出部562の上面にガイド壁562bを突出させることが可能となり、ベース付勢ばねSPを保持する構造の簡素化とその組み付け性の向上とを図ることができる。
ハンドルベース530の背面(底壁532)には、合わせ面部532aが形成される。合わせ面部532aは、ハンドル取付台520の上合わせ面部527(及び下合わせ面部528)が当接される部位であり、ボス部材560の基部561の周囲を取り囲む縦長の円環状の領域に、全体が面一の平坦面として形成される。
次いで、図10及び図11を参照して、ハンドル取付台520について説明する。図10はハンドル取付台520の分解状態における斜視図である。図11(a)はハンドル取付台520の組み立て状態における斜視図であり、図11(b)は第1本体520aの内側面図である。
図10及び図11に示すように、ハンドル取付台520は、縦長の筒状体として形成され、第1本体520aと第2本体520bとに縦に2分割される。これら第1本体520a及び第2本体520bの合わせ面には、位置決め突起521aが一方から突設されると共に、その位置決め突起521aを受け入れて位置決めを行うための位置決め孔521bが他方の対応する位置に凹設される。同様に、締結ねじを挿通させるための挿通孔522aが一方に貫通形成されると共に、その挿通孔522aを挿通された締結ねじが締結されることで第1本体520a及び第2本体520bを締結固定するための締結孔522bが他方の対応する位置に凹設される。
第1本体520a及び第2本体520bの内壁面には、軸受523と、係止爪部524と、収容凹部525と、補強リブ526とがそれぞれ形成される。軸受523は、ボス部材560の軸563を回動可能に軸支するための軸受部(凹部)であり、一対が対向して配設される。係止爪部524は、ベース付勢ばねSPの端部を係止するための部位であり(図12参照)、背面へ向けて張り出しつつ下方に折れ曲がるフック状に形成される。
収納凹部525及び補強リブ526は、第1本体520a及び第2本体520bの一方および他方の対向する位置に配設される部位である。即ち、収納凹部525は、IC装置などの部品を収容して保持するための凹部であり、その収容する部品の外形に対応する形状に形成され、補強リブ526は、内壁面から収納凹部525へ向けて突設され、その突設先端により、収納凹部525に収納された部品を押圧することで、ハンドル取付台520全体としての剛性を高める。
第1本体520a及び第2本体520bの前面(図11(b)右側面)には、ハンドルベース530の合わせ面部532a(図9参照)に当接される上合わせ面部527及び下合わせ面部528が形成される。これら上合わせ面部527及び下合わせ面部528は、ハンドル取付台520の前面側の端面(正面視において縦長の円環状の面)に形成されると共に、それぞれが面一の平坦面として形成される。なお、下合わせ面部528は、上合わせ面部527から離間するに従って背面へ向けて傾斜される。これにより、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位可能となる(図16及び図17参照)。
第1本体520aの下合わせ面部528は、その一部が拡大されて(即ち、第1本体520aの内壁面から径方向内方へ板状体が張り出され)、その拡大部分(張り出し部分)が、リング規制部材700の被押圧面部702aを押圧するための押圧面部528aとされる。押圧面部528aの背面側には補強部528bが連設される。補強部528bは、板状に形成され、押圧面部528aの上端側のみが、第1本体520aの内壁面および段差面520a1に連結される。これにより、第1本体520aの内壁面と補強部528bとの間に空間を形成できる分、樹脂材料を抑制して、部品コストの削減を図りつつ、押圧面部528aの剛性を効果的に高めて、耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図12を参照して、ベース付勢ばねSPについて説明する。図12は、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図12では、可変抵抗器などが取り外された状態が図示されると共に、その他の部品の配線の図示が省略される。
図12に示すように、ベース付勢ばねSPは、コイルスプリングとして形成され、弾性的に引張変形(伸張)された状態で、両端の円環状の部分が係止爪部524に係止されると共に、コイルスプリングの略中間部分がボス部材560の突出部562における突出先端(一対のガイド壁562bの対向間)に架け渡される。
これにより、ボス部材560は、ベース付勢部材SPの弾性回復力により、軸563を中心として、突出部562における突出先端が係止爪部524へ近接する方向(下方)へ付勢される。その結果、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が上方へ変位される(図16参照)。
ハンドル取付台520は、背面が開放して形成されるので、かかる背面の開放部分からハンドル取付台520の内部空間を露出させることができる。これにより、ベース付勢ばねSPの両端を係止爪部524に係止させると共に、その中間部分を一対のガイド壁562bの対向間に架設する作業を、ハンドル取付台520の背面の開放部分から行うことができるので、その取付作業の作業性の向上を図ることができる。
なお、ハンドルベース530が上方へ変位された(跳ね上げられた)状態では、ハンドルベース530の合わせ面部532aに、ハンドル取付台520の上合わせ面部527が当接された状態となる。即ち、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の対向面(合わせ面)には、平坦面状に形成された合わせ面部(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)が形成され、これら合わせ面部が、ハンドルベース530の変位位置が初期位置(第1位置)に配設された状態で、ベース付勢ばねSPの付勢力により密着される。この密着により、初期位置において、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530をがたつかせることなく、安定した状態に維持することができる。その結果、例えば、ハンドルリング540を回動操作する際の操作性の向上を図ることができる。
また、ハンドルベース530の変位位置が初期位置に配設された状態では、互いに密着される合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)がハンドル取付台520及びハンドルベース530の上方(上面)に位置するので、合わせ面が開放された場合に(図17参照)、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物がハンドル取付台520の内部に入り込むことを抑制できる。特に、ハンドルベース530は、ベース付勢ばねSPの付勢力によって初期位置(第1位置)に復帰され、その初期位置にある期間が長いため、合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)を上方に配設する構成が有効となる。
次いで、図13から図15を参照して、リング規制部材700について説明する。図13はリング規制部材700が装着された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図であり、図14は、リング規制部材700が取り外された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図である。なお、図13及び図14では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示される。
図13及び図14に示すように、ハンドルベース530には、内周壁534に形成された切り欠き部534bにリング規制部材700が装着される。なお、ハンドルベース530の底壁532には、前面から背面(詳細には合わせ面部532a)に貫通する正面視円形の貫通孔532bが形成される。なお、貫通孔532b及び切り欠き部534bは、ハンドルリング540の回動軸と平行とされる。
リング規制部材700は、ハンドルリング540が初期位置へ復帰することを規制する(即ち、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を固定する)ための樹脂材料製の部材であり、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された場合に、ハンドル取付台520(押圧面部528a)により前面へ向けて押し出され、ハンドルリング540の円板部541を押圧することで、ハンドルリングの回動を規制するように構成される(図17参照)。ここで、図15を参照して、リング規制部材700について説明する。
図15(a)及び図15(b)は、リング規制部材700の斜視図である。リング規制部材700は、本体部701と、その本体部701の背面から突出されるロッド部702と、本体部701の両側から突出される一対の腕部703とを主に備えて構成される。
本体部701は、板状に形成される部位であり、少なくとも上面(図15(b)上側面)が凹状に湾曲して形成される。これにより、ハンドルベース530に装着された場合には、ハンドルベース530の内部空間を確保して、他の部品の取り付けの自由度を高めることができると共に、取り付け作業時の作業性の向上を図ることができる。
本体部701の左右両側の側面には、スライド案内溝701aが凹設される。スライド案内溝701aは、断面コ字状の直線状の凹溝であり、ロッド部702の突設方向に平行に延設される。このスライド案内溝701aには、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された状態において、ハンドルベース530の内周壁534(切り欠き部534bの両側部分)が内嵌される。即ち、本体部701の底面側から突出する部分と腕部703の基部との対向間に、ハンドルベース530の内周壁534が挟み込まれる。これにより、本体部701(リング規制部材700)は、ロッド部702の延設方向への移動(スライド)のみが許容され、ハンドルベース530における周方向への移動が規制される。
本体部701の前面には、平坦面状の当接面部701bが形成される。当接面部701bは、ハンドルリング540の円板部541の背面に当接される部位であり(図17参照)、ハンドルリング540の回動軸に垂直(即ち、本体部701の移動(スライド)方向に平行)に形成される。
ロッド部702は、本体部701の背面から突設される断面円形の棒状体であり、ハンドルベース530の底壁532における貫通孔532bに挿通可能に形成される。ロッド部702の突設先端には、半球状の被押圧面部702aが形成される。なお、ロッド部702の本体部701の背面からの突設長さは、底壁532の厚みよりも大きくされ、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された状態では、ロッド部702の被押圧面部702aが、底壁532の背面(合わせ面部532a)から突出される(図16参照)。
なお、ロッド部702の被押圧面部702aが半球状に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、ハンドル取付台520の押圧面部528aにより被押圧面部702aが押圧される場合には(図16及び図17参照)、リング規制部材700を、安定して移動(スライド)させることができる。即ち、本実施形態では、ハンドル取付台520の押圧面部528aが軸563を中心として移動する一方、リング規制部材700がスライド(直線移動)する構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、ハンドル取付台520の押圧面部528aが平面として形成され、リング規制部材700の被押圧面部702aが押圧面部528aへ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い移動させ、リング規制部材700をハンドルリング540へ向かう方向へスライドさせるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、リング規制部材700を詰まらせる(即ち、スライド案内溝701aにハンドルベース530の内周壁534が噛み込む、或いは、ロッド部702が貫通孔532bに噛み込む)ことを抑制して、安定してスライドさせることができる。
腕部703は、本体部701の両側の側面から突設される断面略矩形の棒状体であり、その腕部703の底面は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面に対応する曲率で湾曲して形成される。これにより、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された(本体部701のスライド案内溝701aに内周壁534が内嵌された)状態では、かかる腕部703の底面を内周壁534の内周面に沿って湾曲させた状態とでき、腕部703が受止突起538から脱落することを抑制できる。また、腕部703が、ハンドルベース530の周方向に沿って延設されることで、他の部品の配設スペースに影響を与えることを抑制しつつ、腕部703をより長くすることができると共に腕部703の弾性変形に必要なスペースを確保することができる。
図13及び図14に戻って説明する。ハンドルベース530の内周壁534には、その内周面から径方向内方へ向けて一対の受止突起538が突設される。受止突起538は、リング規制部材700の腕部702を拘束して、その移動を規制することで、弾性変形させるための部位であり、リング規制部材700の腕部703の先端部分に対応する位置に配設される。
ハンドルベース530の切り欠き部534b(リング規制部材700をハンドルリング540へ向けてスライド移動可能に保持するスライド保持部)は、前面(ハンドルリング540に対面する側)が開放されて形成される。よって、その開放部分を利用して、リング規制部材700を切り欠き部534bに容易に装着することができるので、そのリング規制部材700を装着する作業に関する組み立てコストの削減を図ることができる。
なお、切り欠き部534bの開放部分は、ハンドルリング540に対面する側であるから(図16参照)、ハンドルベース530にハンドルリング540が配設されることで、リング規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することはない。
また、ハンドルベース530の内周壁534には、リング規制部材700の腕部703を受け止める受止突起538が突設されるので、ハンドルベース530の切り欠き部534bにその開放部分からリング規制部材700を装着した後、ハンドルベース530にハンドルリング540が装着されるまでの間に(即ち、図13に示す状態にある時に)、リング規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することを防止することができるる。よって、組み立て工程での作業性の向上を図ることができる。
一方、リング規制部材700の腕部703は、樹脂材料からなり、弾性変形可能に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けて押圧される場合には、先端部分が受止突起538に拘束される腕部702を弾性変形させることで、リング規制部材700を移動(スライド)させることができる。これにより、リング規制部材700の当接面部701bをハンドルリング540の背面(被当接面部)に当接させることができる(図17参照)。
また、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位が解除された場合には、弾性変形された腕部702の弾性回復力により、リング規制部材700を、ハンドルリング540から離間する方向へ移動させ、初期位置へ復帰させることができる(図16参照)。これにより、リング規制部材700の当接面部701bとハンドルリング540の背面(被当接面部)との間に隙間を形成できる。その結果、両者の当接による抵抗に起因してハンドルリング540の回動操作が阻害されることを回避できる。
ここで、受止突起538は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面から径方向内方へ向けて突設されるので、組み立て時における視認性を確保できる。その結果、腕部703と受止突起738との位置関係(即ち、腕部703が受止突起738に適正に係合されているか否か)の確認作業を容易として、作業性の向上を図ることができる。
また、受止突起738には、その突設上面に、前面から背面へ向かうに従って(即ち、リング規制部材700の装着方向に沿って)ハンドルベース530の内周壁534の内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されるので、切り欠き部534bにその開放部分からリング規制部材700を装着する際には、受止突起538の突設上面に形成される傾斜面に沿ってリング規制部材700の腕部703が移動することで、かかる受止突起538を腕部703に容易に乗り越えさせることができる。即ち、切り欠き部738の開放部分からリング規制部材700を押し込むだけでよく、腕部703を持ち上げて受止突起738を乗り越えさせる作業を別途行う必要がないので、その組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
次いで、図16及び図17を参照して、操作ハンドル51の動作について説明する。
図16は、変位操作される前の状態における操作ハンドル51の部分断面側面図であり、図17は、変位操作された後の状態における操作ハンドル51の部分断面側面図である。なお、図16及び図17では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台520の第2本体520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
図16に示すように、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される前の状態(即ち、遊技者によりハンドルベース530が下方へ向けて変位操作されていない状態)では、ハンドルベース530が水平位置(第1位置)にあり、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の合わせ面は、上合わせ面部527が合わせ面部532aに当接される一方、下合わせ面部528が合わせ面部532aから離間される。
図16に示す状態から、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位されると、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の押圧面部528aに押圧され、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けてスライド移動される。ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ更に変位されると、下合わせ面部528が合わせ面部532aに当接され、図17に示すように、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bがハンドルリング540の円板部541における背面に当接される。
その結果、ハンドルリング540は、その回動操作量(回動位置)にかかわらず、初期位置への復帰が規制され、回動操作量が固定される。よって、球の発射強度を、現在のハンドルリング540の回動操作量に応じた球の発射強度に固定することができる。
この場合、ハンドルリング540の回動操作量を固定する従来技術として、次のものがある。例えば、特開2012−5759号には、本実施の形態における前カバー550に相当する前カバーベースの頂部(遊技者から見て手前側)に、前方(遊技者側)へ向けて凸な半球状となるボタンを設け、このボタンを遊技者が手の平で奥側へ押し込むことで、ハンドルリングの回動操作量を固定する技術が開示される。
しかし、かかる従来技術では、ハンドルリングの回動操作を行いながら、かつ、ボタンの押し込み操作を行う必要がある。詳細には、手指で握ったハンドルリングを周方向へ動作させる操作(回動操作)と、手の平をボタン表面に回りこませつつ奥側へ向けて押し込む操作とを並行して行う必要がある。そのため、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンを押し込むには、遊技者に高度な技術が要求される。また、この状態(ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、ボタンを押し込んだ状態)は、遊技者にとって無理な姿勢となるため、かかる状態を継続する(即ち、球の発射強度を所望の発射強度に固定する)ことが遊技者の負担になる。その結果、ボタンを押し込む際だけでなく、押し込みを維持する際にも、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれ易く、所望の回動操作量に維持することが困難となる。
なお、このような無理な姿勢であるが故に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンの押し込みを解除する操作にも高度な技術が要求される。
これに対し、本実施形態によれば、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、このように、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心としてハンドルベース530を変位させる構造であれば、遊技者は、ハンドルベース530(前カバー550)に手のひらを添えると共に、そのまま手の重みを作用させる動作のみで、ハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位させることができる。即ち、遊技者は、手の重みを作用させるという簡易な動作を行うのみで、球の発射強度を所望の発射強度に固定することができる。
また、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが互いに平滑面として形成されるので、ハンドルリング540の回動位置を、任意の回動位置で固定可能とすることができる。
例えば、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とにそれぞれ鋸歯状の凹凸を設け、それら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリング540の回動位置を固定する構造では、ハンドルリング540の回動位置の固定を強固に行うことができる一方で、鋸歯状の凹凸のピッチ(間隔)が調整幅の最小値となる。そのため、固定可能な回動位置が断続的となり、所望の回動位置に固定できないおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bとハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが平滑面とされることで、固定可能な回動位置が連続的となるので、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
また、当接面部701bが円板部541の背面(被当接面部)に当接された状態とされ、ハンドルリング540の回動操作量が固定されたとしても、これら当接面部701b及び被当接面部が平滑面とされていることで、互いの当接面を相対的に滑動させることができるので、ハンドルリング540の回動操作量の固定後であっても、かかるハンドルリング540の回動操作量を微調整することができる。
ここで、前カバー550は、ハンドルリング540の前面側(図16右側)に配設されるので、遊技者は、ハンドルリング540を手指で把持する際に、前カバー550の外面に手の平を添えることができ、かかる前カバー550を、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させる際に力を加える部分(力点)として利用することができる。
この場合、図17に示すように、本実施形態では、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530を変位可能に軸支するボス部材560の軸563(支点)から押圧面部528a(被押圧面部702aの突出先端(作用点))までの距離Aが、少なくとも、ボス部材560の軸563からハンドルリング540の背面までの距離Bよりも小さくされる。よって、ボス部材560の軸563(支点)から前カバー550の外面(力点)までの距離は、距離Aよりも大きくされる。
即ち、力点から支点までの距離を、支点から作用点までの距離よりも大きくすることができるので、力点となる前カバー550の外面に加えられる力が小さくても、その力を増幅させて、作用点となる押圧面部528aによってリング規制部材700(被押圧面部702a)をより大きな力で押圧することができる。これにより、リング規制部材700をハンドルリング540に強固に当接させ、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を確実に固定することができる。
次いで、図18を参照して、第2実施形態について説明する。図18(a)及び図18(b)は、第2実施形態における操作ハンドル2051の部分断面側面図である。なお、図18(a)では変位操作される前の状態が、図18(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。また、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図18に示すように、第2実施形態におけるリング規制部材2700は、本体部701の前面に平坦面状に形成される当接面部2701bを備え、この当接面部2701bが、ハンドルリング2540の径方向(リング規制部材2700のスライド方向に直交する方向、図18(a)上下方向)に対して傾斜される。即ち、当接面部2701bは、ハンドルリング2540の回動軸に対して非垂直に形成され、その傾斜方向は、ハンドルリング540の回動軸に近接する側(図18(a)上側)ほど前面側(図18(a)右側)に位置する方向である。一方、ハンドルリング2540の円板部2541は、その背面(被当接面部)が、平坦面として形成されると共に、リング規制部材2700の当接面部2701bと平行に傾斜される。
ここで、上記第1実施形態の操作ハンドル51(図15参照)では、当接面部701b及び円板部541の背面(被当接面部)とが、ハンドルリング540の回動軸に対して垂直に形成されるため、操作ハンドル51(ハンドルベース530)が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された際(図16参照)、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)には、当接面部701bからハンドルリング540の回動軸方向の力成分のみが作用する。この力成分の方向(回動軸方向)には、ハンドルリング540(円板部541)は拘束されていないため、ハンドルリング540(円板部541)は、当接面部701bに押圧される部分が、回動軸方向(図16右方向)へ反って(逃げて)しまう。そのため、当接面部701bをハンドルリング540の背面(被当接面部)に密着させることができず、ハンドルリング540の回動位置を強固に固定することが困難となる。
これに対し、第2実施形態の操作ハンドル2051によれば、ハンドルリング2540の円板部2541における背面(被当接面部)に対し、リング規制部材2700の当接面部2701bから、回動軸方向の力成分だけでなく、径方向外方(図18(b)下方向)への力成分も発生させることができる。ハンドルリング2540は、径方向外方への力成分に対しては拘束されるため、リング規制部材2700の当接面部2701bをハンドルリング2540の背面(被当接面部)に密着させることでき、その分、ハンドルリング2540の回動位置を強固に固定することができる。
特に、リング規制部材2700の当接面部2701b及びハンドルリング2540の円板部2541における背面(被当接面部)が平坦面として形成される場合には、ハンドルリング2540が任意の回動位置で固定可能となり、その調整幅を確保することができる一方で、それら両面部の間での滑動(スリップ)が発生し易く、これらを互いに密着させることが必要となる。そのため、第2実施形態における構成が有効となる。
ここで、上記のように径方向外方への力成分も発生させるためには、リング規制部材の移動(スライド)の方向自体をハンドルリング540の回動軸の方向に対して傾斜させることも考えられるが、その傾斜の分、リング規制部材の配設に必要なスペースが径方向に嵩むこととなり、ハンドルベース530の大型化を招くと共に、ハンドルベース530を樹脂材料から金型を用いて射出成形する場合には、ハンドルベース530の金型からの脱型性が悪化する。これに対し、リング規制部材2700のスライド移動の方向をハンドルリング2540の回動軸の方向と平行とすることで、リング規制部材2700の配設に必要なスペースを抑制することができ、その分、ハンドルベース2530の小型化を図ることができる。また、リング規制部材2700がスライド移動可能に配設される部分(切り欠き部534b)の形状を、ハンドルベース530を射出成形する金型の脱型方向(即ち、回動軸の方向)に沿わせることができ、その分、成形性と金型構造の簡素化とを図ることができる。
次いで、図19を参照して、第3実施形態について説明する。図19(a)及び図19(b)は、第3実施形態における操作ハンドル3051の部分断面側面図である。なお、図19(a)では変位操作される前の状態が、図19(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。また、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19に示すように、第3実施形態におけるリング規制部材3700は、本体部701の底面に当接面部3701cを備える。当接面部3701cは、リング規制部材3700の背面から前面へ向かうに従って上昇傾斜(ハンドルリング3540の回動軸に近接)する傾斜面として形成される。即ち、当接面部3701cは、ハンドルリング3540の回動軸方向(図19(a)左右方向)に対して傾斜される。一方、ハンドルリング3540は、外周壁3542の内周面が、リング規制部材3700の当接面部3701bが当接される被当接面部とされ、当接面部3701bと平行に傾斜される。
なお、円板部3541の背面は、第1実施形態における円板部541の背面よりも前面側に位置し、操作ハンドル3051(ハンドルベース530)が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された場合に、図19(b)に示すように、リング規制部材3700の前面(当接面部701b)との間に隙間を有する。
第3実施形態の操作ハンドル3051によれば、ハンドルリング3540の外周壁3542の内周面(被当接面部)に、リング規制部材3700の当接面部3701cが当接されることで、回動軸方向の力成分だけでなく、径方向外方(図19(b)下方向)への力成分も発生させることができる。ハンドルリング3540は、径方向外方への力成分に対しては拘束されるため、リング規制部材3700の当接面部3701cをハンドルリング3540の外周壁3541の内周面(被当接面部)に密着させることでき、その分、ハンドルリング3540の回動位置を強固に固定することができる。
特に、リング規制部材3700の当接面部3701c及びハンドルリング3540の外周壁3541の内周面(被当接面部)が平坦面として形成される場合には、ハンドルリング3540が任意の回動位置で固定可能となり、その調整幅を確保することができる一方で、それら両面部の間での滑動(スリップ)が発生し易く、これらを互いに密着させることが必要となる。そのため、第3実施形態における構成が有効となる。
次いで、図20を参照して、第4実施形態について説明する。図20(a)及び図20(b)は、第4実施形態における操作ハンドル4051の部分断面側面図である。なお、図20(a)では変位操作される前の状態が、図20(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。
第1実施形態では、操作ハンドル51のハンドルリング540が回動操作されると、その回動操作量に対応して可変抵抗器の抵抗値が変化され、その可変抵抗値に対応した発射強度で球が発射される場合を説明した。第4実施形態では、発射強度変更スイッチ4640がオンされた場合には、ハンドルリング540の回動操作量(可変抵抗器の抵抗値)の大きさに関わらず、調整可能範囲内における最大の発射強度で球が発射される。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図20に示すように、第4実施形態における操作ハンドル4051は、発射強度変更スイッチ4640を備える。発射強度変更スイッチ4640は、ハンドルベース530の内周壁534を周方向に分断して形成される切り欠き部534b(図14参照)に配設される。即ち、第4実施形態では、第1実施形態に対し、リング規制部材700に代えて、発射強度変更スイッチ4640が配設される。
発射強度変更スイッチ4640は、オンされた場合に球の発射強度を最大とするスイッチであり、スイッチ操作部4640aを備える。スイッチ操作部4640aは、発射強度変更スイッチ4640のオン・オフを切り替えるための操作部であり、発射強度変更スイッチ4640内に配設される付勢ばね(図示せず)により突出方向へ付勢されている。このスイッチ操作部4640aが、付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれることで、発射強度変更スイッチ4640をオンさせる一方、押し込み力が解除されると、付勢ばねの付勢力により初期位置へ復帰し、発射強度変更スイッチ4640をオフさせる。
なお、スイッチ操作部4640aは、その先端が半球状に形成されると共に断面円形の棒状に形成され、図20(a)に示すように、半球状の先端部を底壁532の背面(合わせ面部532a)から突出させた状態(即ち、発射強度変更スイッチ4640をオフさせた状態)で、ハンドルベース530の貫通孔532bに挿通される。
図20(b)に示すように、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、スイッチ操作部4640aの半球状の先端部が、ハンドル取付台520の押圧面部528aに押圧され、前面へ向けてスライド移動される(付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれる)。これにより、発射強度変更スイッチ4640がオンされる。
発射強度変更スイッチ4640がオンされると、主制御装置110は、球の発射強度を制御する発射制御処理において、発射制御装置112に対して、最大の発射強度での球の発射を指示する(図4参照)。これにより、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)することができる(図2参照)。
ここで、遊技者は、通常中は、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙うべく、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射する(所謂「左打ち」)。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙う(図2参照)。
この場合、ハンドルリング540の回動操作量を最大として、「右打ち」を行っている時間は、比較的短く、「右打ち」が終了するたびに、ハンドルリング540の回動操作量を戻しつつ、球の発射強度を元の発射強度に再調整する必要があり、その再調整が遊技者にとっては煩わしかった。
これに対し、第4実施形態では、操作ハンドル4051(ハンドル取付台520に対してハンドルベース530)を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させることで、ハンドルリング540の回動操作量を変更しなくても、球の発射強度を最大として、「右打ち」を行うことができる。よって、「右打ち」が終了した際には、操作ハンドル51の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を解除するのみで、元の発射強度での「左打ち」に復帰することができる。
即ち、操作ハンドル4051は、ハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を起点として、球の発射強度を最大の発射強度に設定する構造であり、かかるハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、かかる軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。また、ハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を戻せば、球の発射強度を元の発射強度(ハンドルリング540の回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、ハンドルリング540を回動操作して、球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
図20(a)に示すように、操作ハンドル4051は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位位置がベース付勢ばねSPの付勢力(図15参照)によって初期位置(第1位置)にある状態では、スイッチ操作部4640aの半球状の先端部が、ハンドル取付台520の押圧面部528a、から所定距離だけ離間される(隙間が形成される)。これにより、発射強度変更スイッチ4640のオン(球の発射強度の変更)は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として初期位置から所定量以上だけ変位されなければ、行われないこととなる。これにより、遊技者の意図しない操作(ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作)によって、球の発射強度が不用意に変更される(即ち、不用意に「右打ち」となる)ことを抑制することができる。
図20(b)に示すように、操作ハンドル4051は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)においても、発射強度変更スイッチ4640がオンされた状態に維持される。よって、遊技者は、球の発射強度を最大に維持する場合には、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位をその可動範囲の終端まで操作すれば良く、可動範囲の途中で停めて維持する必要がない。即ち、「右打ち」の状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベース530を可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができるので、その操作性の向上を図ることができる。
また、このように、楽な姿勢であるので、「右打ち」を行っている間も、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)がずれ難く、所望の回動操作量に維持しやすくすることができる。その結果、「右打ち」を終了し、「左打ち」を再開する際には、元の発射強度(即ち、「右打ち」を行う前の発射強度)での球の発射をより高精度に再現することができる。
次いで、図21を参照して、第5実施形態について説明する。図21(a)及び図21(b)は、第5実施形態における操作ハンドル5051の部分断面側面図である。なお、図21(a)では変位操作される前の状態が、図21(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。
第5実施形態における操作ハンドル5051は、第1実施形態における操作ハンドル51に対し、発射強度変更スイッチ5640が追加された点のみが異なり、他の構成は同一である。かかる第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
発射強度変更スイッチ5640は、オンされた場合に球の発射強度を最大とするスイッチであり、揺動片5640aを備える。揺動片5640aは、発射強度変更スイッチ5640のオン・オフを切り替えるための操作部であり、付勢ばね(図示せず)により開放方向へ付勢されており、付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれた状態では、発射強度変更スイッチ5640をオフさせる一方、押し込み力が解除されると、付勢ばねの付勢力により初期位置へ復帰し、発射強度変更スイッチ5640をオンさせる。
発射強度変更スイッチ5640がオンされると、主制御装置110は、球の発射強度を制御する発射制御処理において、発射制御装置112に対して、最大の発射強度での球の発射を指示する(図4参照)。これにより、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)することができる(図2参照)。
図21(a)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される前の状態では、揺動片5640aがハーネスガイド564の前面によって押し込まれ、発射強度変更スイッチ5640がオフされている。この図21(a)の状態から、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、ハーネスガイド564が徐々に後退され、揺動片5640aが初期位置へ向けて開放され、ハーネスガイド564の後退量(即ち、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする下方への変位量)が所定量に達すると、揺動片5640aが初期位置へ復帰され、発射強度変更スイッチ5640がオンされる。
このように、発射強度変更スイッチ5640のオン(球の発射強度の変更)は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位量が所定量以上となった場合に行われるので、遊技者の意図しない操作(ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作)によって、球の発射強度が不用意に変更される(即ち、不用意に「右打ち」となる)ことを抑制することができる。
また、図21(b)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)では、発射強度変更スイッチ5640がオンされた状態に維持されるので、「右打ち」の状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベース530を可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができ、その操作性の向上を図ることができる。
ここで、上記した第4実施形態の操作ハンドル4051においても、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させる(発射強度変更スイッチ4640がオンさせる)ことで、「右打ち」を実行し、ハンドル取付台520に対するハンドル部エース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を解除することで、「左打ち」に復帰することができる。しかし、ハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させて、「右打ち」を実行している最中に、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にずれが発生した場合には、「左打ち」に復帰した際に、元の発射強度での球の発射を再現できないという問題がある。
これに対し、第5実施形態の操作ハンドル5051によれば、ハンドルリング540が初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材700を備えるので、図21(b)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位されると、ハンドルリング540が初期位置へ復帰されることをリング規制部材700によって規制して、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、「右打ち」を実行している際に、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量(即ち、「右打ち」を実行する前の元の発射強度)に維持することができる。その結果、「右打ち」を終了して、「左打ち」に復帰する際には、元の発射強度での球の発射を高精度に再現することができる。
次いで、図22から図24を参照して、第6実施形態について説明する。図22は、第6実施形態におけるハンドルベース6530の背面斜視図である。図23は、変位操作される前の状態における操作ハンドル6051の部分断面側面図であり、図24は、変位操作された後の状態における操作ハンドル6051の部分断面側面図である。
なお、図22では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示されると共に、軸563と軸受523との位置関係が二点鎖線を用いて模式的に図示される。また、図23及び図24では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台520の第2本体520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
第6実施形態における操作ハンドル6051は、第1実施形態における操作ハンドル51に対し、ハンドルベース6530に遮蔽壁6539が追加された点と、ハンドル取付台6520の挿通孔6522a(及び締結孔522b、図10参照)の配設位置が変更された点のみが異なり、他の構成は同一である。かかる第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
遮蔽壁6539は、ハンドルベース6530の底壁532から背面へ向けて立設される部位であり、合わせ面部532aの内周縁に沿って形成される。但し、合わせ面部532aの内の上半分(具体的には、軸563の中心よりも上方、図23上側)に相当する領域の内周縁のみに立設される。よって、遮蔽壁6539は、背面視において、縦長の円環の下半分を切除した形状に形成される。
図23に示すように、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位位置が初期位置(第1位置)にある状態では、遮蔽壁6539は、ハンドル取付台520の前面の開口からそのハンドル取付台520の内部に挿入された状態となる。この状態から、ハンドル取付台6520に対してハンドルベース6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、ハンドル取付台6520の第1合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部6532aとの間に開口が形成されるところ、本実施形態における操作ハンドル6051によれば、かかる開口を遮蔽壁6539によって遮蔽することができる。
図24に示すように、ハンドル取付台6520に対してハンドルベース6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)においても、ハンドル取付台6520の第1合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部6532aとの間の開口を遮蔽可能な立設高さで、遮蔽壁6539が形成される。これにより、開口から異物を差し込む不正行為を抑制できる。また、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物がハンドル取付台6520の内部に入り込むことを抑制できる。よって、例えば、内部に入り込んだ異物が、ボス部材560とハンドル取付台6520の内壁面との間に挟まり、ハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位が阻害されることで、ハンドルベース6530が初期位置(第1位置)へ復帰できなくなる不具合を抑制できる。
次いで、図25から図27を参照して、第7実施形態について説明する。
第1実施形態では、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位可能に配設される場合を説明したが、第7実施形態のハンドルベース7530は、ハンドル取付台7520に対して、スライド移動(変位)可能に配設される。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図25(a)は第7実施形態におけるハンドル取付台7520の組み立て状態における斜視図であり、図25(b)は第1本体7520aの内側面図である。図25に示すように、ハンドル取付台7520は、縦長の筒状体として形成され、第1本体7520aと第2本体7520bとに縦に2分割される。第1本体7520a及び第2本体7520bの内壁面には、スライド軸受7524が形成される。スライド軸受7524は、ボス部材560の軸563を一方向(図25(b)上下方向)に案内するための凹部であり、一対が対向して配設される。即ち、スライド軸受7524は、その溝幅(図25(b)左右方向寸法)が、軸563の直径と同等または若干大きくされ、挿入された軸563を延設方向(上下方向)に案内する。
なお、スライド軸受7524内には、そのスライド軸受7524に挿入させた軸563を上方へ向けて付勢するベース付勢ばねSP7が配設される。ベース付勢ばねSP7は、コイルスプリングであり、弾性的に圧縮変形された状態で、軸563とスライド軸受7524の下側内壁面との間に配設され、その弾性回復力により軸563を上方へ向けて付勢する。
第1本体7520a及び第2本体7520bの前面(図25(b)右側面)には、ハンドルベース530の合わせ面部532aに当接される合わせ面部7527が形成される。合わせ面部7527は、ハンドル取付台7520の前面側の端面(正面視において縦長の円環状の面)であり、スライド軸受7524の延設方向(図25(b)上下方向)に平行な全体が面一の平坦面として形成される。
第1本体7520aの合わせ面7527は、その一部が拡大されて(即ち、第1本体7520aの内壁面から径方向内方へ平行に張り出されて)形成される押圧面部7527aを備える。また、押圧面部7527aの上端には、傾斜面部7528aが連設される。傾斜面部7528aは、押圧面部7527aの上端から背面(図25(b)左側)へ向けて傾斜される。
なお、押圧面部7527a及び傾斜面部7528aの背面側には補強部7528bが連設される。補強部7528bは、第1実施形態における補強部528bと同様の構成であるので、その説明は省略する。
図26は、スライド操作される前の状態における操作ハンドル7051の部分断面側面図であり、図27は、スライド操作された後の状態における操作ハンドル7051の部分断面側面図である。
なお、図26及び図27では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台7520の第2本体7520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
図26に示すように、第7実施形態における操作ハンドル7051は、ハンドル取付台7520に対しハンドルベース7530がスライド移動される前の状態(即ち、遊技者によりハンドルベース7530が下方へ向けてスライド移動されていない状態、第1位置)では、ハンドル取付台7520の合わせ面部7527及びハンドルベース7530の合わせ面532aが、全面にわたって当接される。
図26に示す状態から、ハンドル取付台7520に対してハンドルベース7530が下方へ(即ち、スライド軸受7524の延設方向に沿って)スライド移動されると、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の傾斜面部7528aに当接された後、その傾斜面部7528aに沿って被押圧面部702aが移動されることで、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けてスライド移動される。
図27に示すように、ハンドルベース7530が下方へ更にスライド移動され、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の押圧面部7527aに到達されると、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bが、ハンドルリング540の円板部541における背面に当接される(背面を押圧する)。
その結果、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、その初期位置への復帰が規制され、ハンドルリング540の回動操作量を固定することができるので、ハンドルリング540の回動操作量に応じて調整される球の発射強度の固定を行うことができる。
第7実施形態における操作ハンドル7051によれば、ハンドルベース530を下方へスライド移動させる操作は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530をスライド移動させることができる。よって、第1実施形態における軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作の場合と同様に、操作性の向上を図ることができると共に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。例えば、第4実施形態における発射強度変更スイッチ4640を、第7実施形態におけるリング規制部材700と置き換えて、パチンコ機10を構成することが例示される。
上記各実施形態では、リング規制部材700〜3700が532b及び切り欠き部534bに保持(案内)されてスライド移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リング規制部材をハンドルベースに回動可能に軸支する構成であっても良い。即ち、ハンドル取付台に対するハンドルベースの変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)に伴い、リング規制部材を回動させ、回動されたリング規制部材の一部をハンドルリングに当接させる構成であっても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530が変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)可能に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドル取付台520,6520,7520を、ハンドルベース530,6530に代えて、遊技機本体(下皿本体15)に変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)可能に配設しても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を、下方へ向けて変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を、上方へ向けて変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)させる構成としても良い。即ち、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)させる前の初期位置(第1位置)を、変位(軸支部分を中心とする変位またスライド移動)させた後の位置(第2位置、即ち、ハンドルリング540の初期位置への復帰を規制可能な位置、又は、発射強度変更スイッチ4640,5640をオンさせる位置)よりも下方としても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動の初期位置へ復帰させるベース付勢ばねSP,SP7がコイルスプリングとして形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形態の付勢手段を採用することは当然可能である。他の付勢手段としては、例えば、金属性の板材からなる板ばね、金属性の線材を巻回してなるねじりばね、或いは、ウレタン状弾性体やゴム状弾性体からなる弾性体などが例示される。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位またはスライド移動する方向が上下方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10の正面視において、上下方向と左右方向とを合成した斜め方向であっても良い。
上記各実施形態では、リング規制部材700に一対の腕部703を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる一対の腕部703を省略しても良い。材料コストを削減することができる。
上記各実施形態では、リング規制部材700,2700の当接面部701b,2701bとハンドルリング540,2540の円板部541,2541の背面(被当接面部)とが平滑面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、これら当接面部701b,2701bと円板部541,2541の背面とに鋸歯状の凹凸を設けても良い。これら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリング540,2540の回動位置を固定する構造であれば、ハンドルリング540,2540の回動位置の固定を滑ることなく強固に行うことができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされた場合、球の発射強度が最大の発射強度に変更(調整)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、調整可能な発射強度の範囲内で任意に設定することができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている間、球の発射強度が所定の発射強度(上記実施形態では最大の発射強度)に変更(調整)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされた場合には、そのオンが検出されてから一定期間の間は、発射強度変更スイッチ4640,5640がオフされたとしても、球の発射強度を所定の発射強度(例えば、最大の発射強度)に維持する構成としても良い。これにより、遊技者は、「右打ち」の間、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位)を維持し続ける必要がないので、その負担を軽減することができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている間、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)に関わらず、球の発射強度が所定の発射強度(上記実施形態では最大の発射強度)に維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている状態で、ハンドルリング540が回動操作された場合には、そのハンドルリング540の回動操作の状態に応じて、球の発射強度を変更(調整)しても良い。これにより、遊技者は、「右打ち」の実行中に、球の発射強度を微調整することができる。
上記第4実施形態では、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、発射強度変更スイッチ4640として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成しても良い。即ち、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする下方(第2位置)への変位に伴い、スイッチ操作部4640aが付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれることで(図20(b)参照)、打ち止めスイッチがオンされ、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、球の発射が停止される一方、ハンドルベース530の初期位置(第1位置)への復帰に伴い、付勢ばねの付勢力によりスイッチ操作部4640aが初期位置へ復帰されることで(図20(a)参照)、打ち止めスイッチがオフされ、球の発射が許可されるように構成しても良い。第5実施形態においても同様である。
ここで、上記実施形態では、発射停止スイッチ操作部440の操作により、打ち止めスイッチ51bをオン・オフすることが可能であるが、かかる発射停止スイッチ操作部440は、ハンドルリング540とは別にハンドルベース530に設けられた別部材であるため、かかる発射停止スイッチ440の操作と、ハンドルリング540の回動操作とをそれぞれ別々に行う必要がある。そのため、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)によっては、発射停止スイッチ操作部440が遊技者にとって必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリング540を把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、発射停止スイッチ操作部440を操作する必要が生じ、その結果、操作性が悪いという問題があった。
これに対し、上述したように、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成する場合のように、ハンドルベース530自体の変位(第4実施形態及び第5実施形態における軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に限らず、例えば、第7実施形態におけるスライド移動を含む)を起点として、打ち止めスイッチをオンさせ、球の発射を停止する構造であれば、かかるハンドルベース530自体の変位は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング530を把持する手指の一部を離すことなく、そのハンドルベース530を変位させることができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
なお、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成する場合には、上記各実施形態で説明した打ち止めスイッチ51b及び発射停止スイッチ操作部440は省略しても良い。
上記第5実施形態では、発射強度変更スイッチ5640の揺動片5640aが、ハーネスガイド564により押下される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、任意の部位を利用することができる。即ち、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の相対移動を検出できる部位であれば良く、例えば、揺動片5460aを押下する部位は、ボス部材560の基部561や突出部562、ハンドルベース530の底壁532であっても良い。或いは、発射強度変更スイッチ5640をボス部材560に固着し、その揺動片5640aをハンドル取付台520の内壁面により押下する構成であっても良い。発射強度変更スイッチ5640を、打ち止めスイッチとして構成する場合も同様である。
上記第6実施形態では、遮蔽壁6539がハンドル取付台6520の内部に挿入(内壁面側に配設)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遮蔽壁6539を、ハンドルベース6530の合わせ面部532aの外周縁に沿って立設させ、かかる遮蔽壁6539の内壁面をハンド取付台6520の外壁面に対向させても良い。即ち、遮蔽壁6539の内壁面側にハンドル取付台6520の前面側を挿入しても良い。
これにより、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い、ハンドル取付台6520の上合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部532aとの間に形成される開口を、遮蔽壁6539により塞ぐ(遮蔽する)ことができる。よって、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位状態が固定されることを抑制できる。例えば、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位状態が固定された状態(即ち、ハンドルリング540の回動操作量に応じた球の発射強度が固定された状態)のままで、次の遊技者に引き継がれると、次の遊技者が同様の遊技を実現することが可能となるところ、開口へのコイン等の差し込みを抑制できれば、次の遊技者が同様の遊技を実現することを困難とできる。
上記第7実施形態では、ハンドル取付台7520に対するハンドルベース530のスライド移動により、リング規制部材700を動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限れられるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、発射強度変更スイッチ4640,5640を配設しても良い。発射強度変更スイッチ4640の場合は、第4実施形態の場合と同様に、リング規制部材700に代えて配設すれば良く、発射強度変更スイッチ5640の場合は、第5実施形態の場合のように、ボス部材7560によって揺動片5640aが押下されるように配設すれば良い。また、これら発射強度変更スイッチ4640,5640を、打ち止めスイッチとして構成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整される遊技機において、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースを備え、前記遊技機本体に対してハンドルベースが変位されることで、所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、ハンドルベースにはハンドルリングが回動可能に配設され、そのハンドルリングが回動可能に配設されたハンドルベースが、遊技機本体に対して変位されることで、所定の動作が行われる。よって、かかる所定の動作を行うための操作(遊技機本体に対するハンドルベースの変位)を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、容易に行うことができる。
なお、所定の動作としては、例えば、遊技球の発射の停止、遊技球の発射強度の変更(増加または減少)、ハンドルリングの初期位置への復帰の規制(ハンドルリングの回動の禁止または回動の抑制)などが例示される。
遊技機A1において、前記ハンドルベースが変位可能に配設されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備え、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、ハンドルベースが変位可能に配設されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備えるので、ハンドルリング、ハンドルベース及びハンドル取付台を少なくとも備え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位可能に構成された操作ハンドルをユニットとして組み立てることができる。よって、かかる操作ハンドルをユニットとして組み立てた上で、そのユニットを遊技機本体に組み付けることができるので、遊技機の製造の効率化を図ることができる。
遊技機A2において、前記ハンドルベースが前記ハンドル取付台に軸支され、その軸支された部分を中心として前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、ハンドルベースがハンドル取付台に軸支され、その軸支された部分を中心としてハンドル取付台(即ち、遊技機本体)に対してハンドルベースが変位されることで、所定の動作が行われるので、かかる所定の動作を行うための操作を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、より容易に行うことができる。
例えば、所定の動作を行うための操作として、ハンドルベースをハンドル取付台に対して直線方向へスライド移動させる必要がある場合、操作者は、ハンドルリングを把持する手指および腕の全体を直線方向へスライド移動させなければならず、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、かかるスライド移動を行うことが困難となる。これに対し、軸支された部分を中心としてハンドル取付台に対してハンドルベースを変位させる操作であれば、操作者は、手首を変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位)方向へ曲げる動作のみで行うことができるので、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を容易に行うことができる。
なお、「軸支された部分を中心(支点)として、ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位する」ことを「揺動」又は「回動」と表現しても良い。例えば、「揺動」を採用した場合には、遊技機A3の場合には、「ハンドルベースがハンドル取付台に揺動可能(回動可能)に軸支され、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが揺動されることで、所定の動作が行われる」となる。なお、上記変位を揺動または回動と表現しても良いことは、以下の遊技機A4〜A27,B1〜B3においても同様である。
遊技機A3において、前記軸支された部分を中心とする前記ハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向が少なくとも上下方向を含む方向であることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向が少なくとも上下方向を含む方向であるので、ハンドル取付台に対してハンドルベースを軸支された部分を中心として変位させる操作を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、手首を曲げる動作によって、より容易に行うことができる。
なお、上下方向を含む方向とは、遊技機本体を正面視した状態において、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向の成分を、上下方向とその上下方向に直交する左右方向とに分解した場合に、上下方向の成分を少なくとも有することを意味する。即ち、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向は、上下方向に完全に平行である必要はなく、上下方向に対して傾斜する方向であっても良い。
遊技機A3又はA4において、前記ハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースに付与するベース付勢部材を備え、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが前記ベース付勢部材の付勢力に抗して第1位置から少なくとも第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位されることで、前記所定の動作が行われると共に、第1位置におけるハンドルベースが第2位置におけるハンドルベースよりも上方に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、ハンドルベースの変位位置を第1位置に復帰させる付勢力がベース付勢部材によって付与されるので、ハンドルベースを第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位させ、所定の動作を行った後は、ベース付勢部材の付勢力を利用して、第1位置へ復帰させることができ、その結果、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
ここで、第1位置におけるハンドルベースは第2位置におけるハンドルベースよりも上方に配置されるので、ハンドルベースをベース付勢部材の付勢力に抗して軸支された部分を中心として変位させる方向を下向きとすることができる。即ち、遊技者は、ハンドルベースをベース付勢部材の付勢力に抗して変位させる操作を、ハンドルリングを把持する手指や腕の自重を利用して行うことができるので、その操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベースは、遊技機本体の比較的低い位置に配設され、遊技者にとって、操作位置が比較的低いため、下方へ向けて変位させる操作の方が力を作用させ易い。よって、この点からも操作性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材とを備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量に応じて調整される遊技球の発射強度の固定を容易に行うことができ、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、ハンドルリングとは別にハンドルベースに設けられた別部材(ハンドルリングの初期位置への復帰を規制するために遊技者に操作される操作子)を操作することで、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制する構造では、ハンドルリングの回動操作と別部材の操作とをそれぞれ別々に行う必要があるところ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)によっては、別部材が必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリングを把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、別部材を操作する必要が生じる。その結果、操作性が悪いという問題点があった。また、ハンドルリングの回動位置に位置ずれが生じ、遊技球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができないという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、ハンドルリングの初期位置への復帰をリング規制部材により規制する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングがどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリングを把持する手指の一部を離すことなく行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができ、また、ハンドルリングの回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、遊技球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
遊技機A6において、前記ハンドルベースが軸支されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備え、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングへ向けてスライド移動可能に前記ハンドルベースに配設され、軸支された部分を中心として前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記ハンドル取付台に押圧された前記リング規制部材が前記ハンドルリングへ向けてスライド移動されると共に、そのスライド移動されたリング規制部材がハンドルリングに当接され、ハンドルリングの初期位置への復帰が規制されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、リング規制部材がハンドルリングへ向けてスライド移動可能にハンドルベースに軸支されるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位に伴う両者の相対位置の変化を利用して、ハンドル取付台によりリング規制部材を押圧させ、リング規制部材をハンドルリングへ向けてスライド移動させることができる。その結果、リング規制部材をハンドルリングに当接させて、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制することができる。
この場合、ハンドルベースにリング規制部材がスライド移動可能に配設されるので、ハンドルベースにリング規制部材が揺動(軸支された部分を中心として変位)可能に配設される構造と比較して、構造の簡素化を図ることができる。また、リング規制部材を揺動させる構造では、力点、支点(揺動中心)及び作用点を形成する必要があり、力点および作用点が支点を中心としてそれぞれ異なる方向へ移動するため、リング規制部材の動作(配設)に必要なスペースが嵩む。
これに対し、リング規制部材をスライド移動させる構造では、力点と作用点とが一直線上で同方向へ移動するため、リング規制部材の動作(配設)に必要なスペースを抑制することができる。ハンドルベースには、他の部品を複数配設する必要があるところ、リング規制部材の配設に必要なスペースを抑制できることで、他の部品が配設し易くなり、設計の自由度を高めることができる。
遊技機A7において、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングに対面する当接面部を備えると共に、前記ハンドルリングは、前記リング規制部材の当接面部が当接される被当接面部を備え、それらリング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面として形成されることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面として形成されるので、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に当接させて、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定する(ハンドルリングの初期位置への復帰を規制する)際には、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
例えば、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部にそれぞれ鋸歯状の凹凸を設け、それら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定する構造では、ハンドルリングの回動位置の固定を強固に行うことができる一方で、鋸歯状の凹凸のピッチ(間隔)が調整幅の最小値となるため、固定可能な回動位置が断続的となり、所望の回動位置に固定できないおそれがある。これに対し、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面とされることで、固定可能な回動位置が連続的となるので、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
また、当接面部が被当接面部に当接された状態とされ、ハンドルリングの回動操作量が固定されたとしても、これら当接面部および被当接面部が平滑面とされていることで、互いの当接面を相対的に滑動させることができるので、ハンドルリングの回動操作量の固定後であっても、かかるハンドルリングの回動操作量を微調整することができる。
なお、平滑面とはその面に凹凸が完全に存在しないことを要求するものではなく、互いに係合させるための形状(凹凸)が形成されていなければ足りる趣旨である。よって、通常の製造工程において発生する凹凸(表面粗さ)は許容され、製造工程において平滑処理を施すことが要求されるものではない。また、平滑面は、平面である必要はなく、湾曲面であっても良く、球面であっても良い。
遊技機A7又はA8において、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングに対面する当接面部を備え、前記ハンドルリングは、前記リング規制部材の当接面部が当接される被当接面部を備えると共に中心側が軸支された円板状に形成され、前記リング規制部材の当接面部が前記ハンドルリングの被当接面部に当接されると、前記ハンドルリングの被当接面部に、前記ハンドルリングの回動軸方向の力成分と、前記ハンドルリングの回動軸に直交する径方向の力成分とが作用されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)の固定を強固として、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制することができる。例えば、ハンドルリングの被当接面部に、ハンドルリングの回動軸方向の力成分のみが作用する構造では、その力成分の方向(回動軸方向)にはハンドルリングが拘束されていないため、ハンドルリングが回動軸方向へ反ってしまい、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させられないことから、ハンドルリングの回動位置を強固に固定することが困難となる。
これに対し、ハンドルリングは、中心側が軸支されるので、その軸支により径方向への力成分に対して拘束される。よって、径方向への力成分に対しては、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させることできるので、その分、ハンドルリングの回動位置を強固に固定することができる。特に、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平坦面として形成される場合には、これら当接面部および被当接面部を互いに密着させることが必要となるため、遊技機A9の構成が有効となる。
遊技機A9において、前記リング規制部材のスライド移動の方向が前記ハンドルリングの回動軸の方向と平行とされ、前記リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が前記ハンドルリングの回動軸に直交する径方向に対し傾斜されることを特徴とする遊技機10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制しつつ、ハンドルベースの小型化を図ることができる。
即ち、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部がハンドルリングの回動軸に直交する径方向に対し傾斜されるので、ハンドルリングの被当接面部に、ハンドルリングの回動軸方向の力成分に加え、ハンドルリングの回動軸に直交する径方向の力成分を作用させ、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させることができる。よって、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を強固に固定して、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制できる。
この場合、リング規制部材のスライド移動の方向自体をハンドルリングの回動軸の方向に対して傾斜させることも考えられるが、その傾斜の分、リング規制部材の配設に必要なスペースが径方向に嵩むこととなり、ハンドルベースの大型化を招くと共に、ハンドルベースを樹脂材料から金型を用いて射出成形する場合には、ハンドルベースの金型からの脱型性が悪化する。これに対し、リング規制部材のスライド移動の方向がハンドルリングの回動軸の方向と平行とされることで、リング規制部材の配設に必要なスペースを抑制することができ、その分、ハンドルベースの小型化を図ることができる。また、リング規制部材がスライド移動可能に配設されるハンドルベースの部分の形状を、ハンドルベースを射出成形する金型の脱型方向に沿わせることができ、その分、成形性と金型構造の簡素化とを図ることができる。
遊技機A7からA10のいずれかにおいて、前記ハンドルベースに配設され前記ハンドルリングの前面側に位置する前カバーを備え、前記ハンドル取付台は、そのハンドル取付台に対して前記ハンドルベースが軸支された部分を中心として変位されることで、前記リング規制部材を押圧する押圧面部を備え、前記ハンドル取付台に前記ハンドルベースが変位可能に軸支される軸から前記前カバーまでの距離が、前記軸から前記ハンドル取付台の押圧面部までの距離よりも大きくされることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、遊技機A7からA10のいずれかの奏する効果に加え、ハンドルリングの前面側に前カバーが配設されるので、遊技者は、ハンドルリングを手指で把持する際に、前カバーに手の平を添えることができ、かかる前カバーを、ハンドル取付台に対してハンドルベースを軸支された部分を中心として変位させる際に力を加える部分(力点)として利用することができる。
この場合、ハンドル取付台にハンドルベースを変位可能に軸支する軸(支点)から前カバー(力点)までの距離が、軸(支点)からハンドル取付台の押圧面部(作用点)までの距離よりも大きくされる、即ち、力点から支点までの距離が、支点から作用点までの距離よりも大きくされるので、力点となる前カバーに加えられる力が小さくても、その力を増幅させて、作用点となる押圧面部によりリング規制部材を大きな力で押圧することができる。これにより、リング規制部材をハンドルリングに強固に当接させ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を確実に固定することができ、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制できる。
なお、前カバーは前面側へ向けて膨出する半球状であることが好ましい。この場合、軸から前カバーまでの距離とは、前カバーの外面(前面)の内で軸までの直線距離(軸に直交する方向での距離)が最大となる位置での距離を意味する。同様に、軸から押圧面部までの距離とは、リング規制部材を押圧する押圧面部の領域の内で軸までの直線距離(軸に直交する方向での距離)が最大となる位置での距離を意味する。
遊技機A7からA11のいずれかにおいて、前記ハンドル取付台は、そのハンドル取付台に対して前記ハンドルベースが軸支された部分を中心として変位されることで、前記リング規制部材を押圧する押圧面部を備えると共に、前記リング規制部材は、前記ハンドル取付台の押圧面部により押圧される被押圧面部を備え、前記ハンドル取付台の押圧面部が平面として形成され、前記リング規制部材の被押圧面部が前記ハンドル取付台の押圧面部へ向けて膨出する球面として形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A7からA11のいずれかの奏する効果に加え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが軸支された部分を中心として変位された場合に、ハンドル取付台の押圧面部に被押圧面部が押圧されたリング規制部材を、安定してスライド移動させることができる。即ち、ハンドル取付台の押圧面部が軸支された部分を中心として移動する一方、リング規制部材がスライド移動(直線移動)する構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、ハンドル取付台の押圧面部が平面として形成され、リング規制部材の被押圧面部がハンドル取付台の押圧面部へ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を軸支された部分を中心とする変位に伴い移動させ、リング規制部材をハンドルリングへ向かう方向へスライド移動させるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、リング規制部材を詰まらせることなく、安定してスライド移動させることができる。
遊技機A7からA12のいずれかにおいて、前記ハンドルベースは、前記リング規制部材を前記ハンドルリングへ向けてスライド移動可能に保持するスライド保持部を備え、そのスライド保持部は、前記ハンドルリングに対面する側が開放されて形成される共に、その開放部分からリング規制部材を受け入れ可能に形成されることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A7からA12のいずれかの奏する効果に加え、リング規制部材をスライド可能に保持するハンドルベースのスライド保持部は、ハンドルリングに対面する側が開放されて形成されると共に、その開放部分からリング規制部材を受け入れ可能に形成されるので、かかる開放部分を利用して、リング規制部材をハンドルベースのスライド保持部に容易に装着することができ、組み立てコストの削減を図ることができる。なお、スライド保持部の開放部分は、ハンドルリングに対面する側であるから、ハンドルベースにハンドルリングが配設(装着)されることで、リング規制部材がスライド保持部の開放部分から脱落することがなく、また、リング規制部材の一部(当接面部)をハンドルリングの一部(被当接面部)に対面して配置させることができる。
遊技機A13において、前記リング規制部材は、弾性変形可能な腕部を備えると共に、前記ハンドルベースのスライド保持部は、前記リング規制部材が前記ハンドルリングへ向けてスライド移動する際に前記リング規制部材の腕部を受け止める受止突起を備えることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、ハンドルベースのスライド保持部は、リング規制部材がハンドルリングへ向けてスライド移動する際にリング規制部材の腕部を受け止める受止突起を備えるので、ハンドルベースのスライド保持部にその開放部分からリング規制部材を装着した後、ハンドルベースにハンドルリングが装着されるまでの間に、リング規制部材がスライド保持部の開放部分から脱落することを防止することができ、組み立て作業性の向上を図ることができる。
一方、リング規制部材の腕部は、弾性変形可能に形成されるので、ハンドル取付台に対してハンドルベースが軸支された部分を中心として変位され、リング規制部材がハンドル取付台により押圧された場合には、受止突起に受け止められた腕部が弾性変形することで、リング規制部材をハンドルリングへ向けてスライド移動させることができる。これにより、リング規制部材をハンドルリングに当接させ、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制できる。ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位が解除された場合には、腕部の弾性回復力によって、リング規制部材をハンドルリングから離間する方向へスライド移動させることができる。これにより、リング規制部材を初期位置へ復帰させ、ハンドル取付台(押圧面部)がリング規制部材(被押圧面部)を押圧可能な状態を形成できると共に、リング規制部材(当接面部)とハンドルリング(被当接面部)との間に隙間を形成できる。隙間を形成することで、両者の当接による抵抗に起因してハンドルリングの回動操作が阻害されることを回避できる。
遊技機A14において、前記リング規制部材の腕部は、ハンドルベースの周方向に沿って延設されると共に、前記スライド保持部の受止突起は、ハンドルベースの内周面から径方向内方へ向けて突設されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、リング規制部材の腕部が、ハンドルベースの周方向に沿って延設されるので、他の部品の配設スペースに影響を与えることを抑制しつつ、腕部を長くすることができると共に腕部の弾性変形に必要なスペースを確保することができる。また、スライド保持部の受止突起が、ハンドルベースの内周面から径方向内方へ向けて突設されるので、組み立て時における視認性を確保できる。その結果、腕部と受止突起との位置関係の確認作業を容易として、作業性の向上を図ることができる。
遊技機A15において、前記スライド保持部の受止突起には、その突設上面に、ハンドルリングから離間するに従って前記ハンドルベースの内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、スライド保持部の受止突起には、その突設上面に、ハンドルリングから離間するに従ってハンドルベースの内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されるので、ハンドルベースのスライド保持部にその開放部分からリング規制部材を装着する際には、受止突起の突設上面に形成される傾斜面に沿ってリング規制部材の腕部が移動することで、かかる受止突起を腕部に乗り越えさせることができる。即ち、スライド保持部の開放部分からリング規制部材を押し込むだけでよく、腕部を持ち上げて受止突起を乗り越えさせる作業を行う必要がないので、その組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段による遊技球の発射を停止させる発射停止手段とを備えることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、遊技球発射手段による遊技球の発射を発射停止手段により停止することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射の停止を容易に行うことができ、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、ハンドルリングとは別にハンドルベースに設けられた別部材(遊技球の発射を停止するために遊技者に操作される操作子)を操作することで、遊技球の発射を停止する構造では、ハンドルリングの回動操作と別部材の操作とをそれぞれ別々に行う必要があるところ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)によっては、別部材が必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリングを把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、別部材を操作する必要が生じる。その結果、操作性が悪いという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、遊技球の発射を発射停止手段により停止する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングがどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリングを把持する手指の一部を離すことなく行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射強度の変更(所定の発射強度の設定)を容易に行うことができ、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
なお、発射強度設定手段により設定される所定の発射強度としては、例えば、設定可能な範囲での最大の発射強度、予め定められている発射強度(よって、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも弱い発射強度および強い発射強度の両者を含む)、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも少なくとも強い発射強度などが例示される。
ここで、遊技者は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を変更(例えば、発射強度を最大とする所謂「右打ち」)することがある。しかしながら、このような遊技球の発射強度を最大とすることが要求される時間は比較的短く、通常の遊技状態に戻るたびに、遊技球の発射強度を元の発射強度を戻す必要があり、その再調整に遊技者が煩わされるという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングを把持する手指の一部を離したり無理な姿勢を取ることなく、即ち、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。よって、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を戻せば、遊技球の発射強度も元の発射強度(ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、遊技球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
遊技機A17又はA18において、前記発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、前記発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、ハンドルベースの変位が所定量以上となった場合に行われることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A17又はA18の奏する効果に加え、発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対するハンドルベースの変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心とする変位)が所定量以上となった場合に行われ、ハンドルベースの変位が所定量に達するまでの間は行われないので、遊技者の意図しない操作(ハンドルベースの変位)によって、遊技球の発射が不用意に停止される、又は、所定の発射強度に不用意に設定されることを抑制することができる。
遊技機A17からA19のいずれかにおいて、前記発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、前記発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、ハンドルベースの変位が最大量に達した状態で維持されることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A17からA19のいずれかの奏する効果に加え、発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対するハンドルベースの変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心とする変位)が最大量に達した状態で維持されるので、遊技者は、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度への設定を行う場合には、ハンドルベースの変位(軸支された部分を中心とする変位)を可動範囲の終端まで操作すれば良く、可動範囲の途中で停めて維持する必要がない。即ち、遊技球の発射を停止する状態、又は、所定の発射強度に設定する状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベースを可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができるので、その操作性の向上を図ることができる。
また、楽な姿勢であるので、遊技球の発射を停止している間、又は、所定の発射強度に設定している間も、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれ難く、所望の回動操作量に維持しやすくすることができる。その結果、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、元の発射強度での球の発射をより高精度に再現することができる。
遊技機A17からA20のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材とを備えることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A17からA20のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースが変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)されると、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、遊技球の発射を停止する際に、又は、所定の発射強度に設定する際に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量に維持することができる。その結果、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、遊技球を所望の発射強度で発射することができる。
遊技機A1からA21において、前記ハンドルベースが変位可能に軸支されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台と、そのハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースに付与するベース付勢部材とを備え、前記ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面には、平坦面状に形成され前記第1位置において互いに当接される合わせ面部が形成されることを特徴とする遊技機A22。
遊技機A22によれば、遊技機A1からA21の奏する効果に加え、ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面には、平坦面状に形成され第1位置において互いに当接される合わせ面部が形成されるので、ハンドルベースの変位位置が第1位置に配設された状態では、平坦面状に形成された互いの合わせ面部をベース付勢部材の付勢力により密着させることができる。これにより、第1位置において、ハンドル取付台に対しハンドルベースをがたつかせることなく、安定した状態に維持することができる。その結果、例えば、ハンドルリングを操作する際の操作性の向上を図ることができる。
遊技機A22において、前記合わせ面部が前記ハンドルベース及びハンドル取付台の上方に位置することを特徴とする遊技機A23。
遊技機A23によれば、遊技機A22の奏する効果に加え、ハンドルベースの変位位置が第1位置に配設された状態では、ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面において、互いの合わせ面部が密着されるところ、かかる合わせ面部がハンドルベース及びハンドル取付台の上方に位置するので、第1位置において、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物が内部に入り込むことを抑制できる。特に、ハンドルベースは、ベース付勢部材の付勢力によって第1位置に復帰され、第1位置に配設される期間が長いため、合わせ面部を上方に配設する構成が有効となる。
遊技機A22又はA23において、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが第1位置から第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位された場合に前記ハンドル取付台の合わせ面部とハンドルベースの合わせ面部との間に形成される開口を覆う覆設部材を備えることを特徴とする遊技機A24。
遊技機A24によれば、遊技機A22又はA23の奏する効果に加え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが第1位置から第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位されると、ハンドル取付台の合わせ面部とハンドルベースの合わせ面部との間に開口が形成されるところ、かかる開口を覆う覆設部材を備えるので、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位状態が固定されることを抑制できる。例えば、遊技機A6からA16のように、ハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位に伴い、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定できる構造では、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位状態が固定された状態(即ち、ハンドルリングの回動操作量に応じた遊技球の発射強度が固定された状態)のままで、次の遊技者に引き継がれると、次の遊技者が同様の遊技を実現することが可能となるところ、開口へのコインの差し込みによる変位状態の固定を抑制できることで、次の遊技者が同様の遊技を実現することを困難とできる。
遊技機A1からA24において、遊技機本体に固設されると共に前面側が開放して形成されるハンドル取付台と、前記ハンドルベースの背面から突設されると共に前記ハンドル取付台の前面側の開放部分から内部に挿通されるボス部材とを備え、そのボス部材が前記ハンドル取付台の内壁面に軸支されることで、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位可能に軸支されることを特徴とする遊技機A25。
遊技機A25によれば、遊技機A1からA24のいずれかの奏する効果に加え、ハンドルベースの背面から突設されるボス部材を備え、そのボス部材が、ハンドル取付台の内部に挿通され、ハンドル取付台の内壁面に軸支されるので、その軸支された部分を中心としてハンドル取付台に対してハンドルベースを変位させるための構造を、ハンドル取付台の内部に収容することができる。これにより、デッドスペースとなるハンドル取付台の内部空間を有効利用できるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位を可能としつつ、その小型化を図ることができる。
遊技機A25において、前記ハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースのボス部材に付与するベース付勢部材を備え、前記ベース付勢部材は、前記ハンドル取付台に軸支される部位よりも前記ボス部材の突設先端側と、前記ハンドル取付台の内壁面との間に介設されることを特徴とする遊技機A26。
遊技機A26によれば、遊技機A25の奏する効果に加え、第1位置に復帰させるためにハンドルベースのボス部材に付勢力を付与するベース付勢部材は、ボス部材とハンドル取付台の内壁面との間に介設されるので、かかるベース付勢部材をハンドル取付台の内部に収容することができる。これにより、デッドスペースとなるハンドル取付台の内部空間を有効利用できるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位を可能としつつ、その小型化を図ることができる。
この場合、ベース付勢部材がボス部材に接続される位置は、ボス部材がハンドル取付台に軸支される部位(支点)よりもボス部材の突設先端側であるので、ボス部材の支点よりもハンドルベース側となる部位に接続される場合と比較して、支点からの距離を確保し易くすることができる。これにより、ハンドルベースを第1位置に復帰させる付勢力を確保できる。
遊技機A26において、前記ハンドル取付台は、背面側が開放して形成されることを特徴とする遊技機A27。
遊技機A27によれば、遊技機A26の奏する効果に加え、ハンドル取付台は、背面側が開放して形成されるので、かかる背面側の開放部分からハンドル取付台の内部空間を露出させることができる。これにより、ボス部材の突出先端側とハンドル取付台の内壁面との間にベース付勢部材を介設させるための取付作業を、ハンドル取付台の背面側の開放部分から行うことができるので、その取付作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
15 下皿ユニット(遊技機本体)
520,6520,7520 ハンドル取付台
527 上合わせ面部(合わせ面部)
528a 押圧面部
530,6530 ハンドルベース
532a 合わせ面部
534b 切り欠き部(スライド保持部)
538 受止突起
6539 遮蔽壁(覆設部材)
540,2540,3540 ハンドルリング
541,2541 円板部(被当接面部)
3542 外周壁(被当接面部)
550 前カバー
560 ボス部材
700,2700 リング規制部材
701b,2701b 当接面部
3701c 当接面部
702a 被押圧面部
703 腕部
SP ベース付勢ばね(ベース付勢部材)
15 下皿ユニット(遊技機本体)
520,6520,7520 ハンドル取付台
527 上合わせ面部(合わせ面部)
528a 押圧面部
530,6530 ハンドルベース
532a 合わせ面部
534b 切り欠き部(スライド保持部)
538 受止突起
6539 遮蔽壁(覆設部材)
540,2540,3540 ハンドルリング
541,2541 円板部(被当接面部)
3542 外周壁(被当接面部)
550 前カバー
560 ボス部材
700,2700 リング規制部材
701b,2701b 当接面部
3701c 当接面部
702a 被押圧面部
703 腕部
SP ベース付勢ばね(ベース付勢部材)
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、ハンドルベースにハンドルリングが回動可能に取り付けられ、そのハンドルリングの回動操作量に応じて、球の発射強度を調整するものがある。また、ハンドルベースに、ハンドルリングとは別の操作子が配設され、その操作子を操作することで、所定の動作(例えば、球の発射の停止)を行うことができるものがある。
ハンドルリングは、付勢ばねによる付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと、ハンドルリングが初期位置へ復帰される。この場合、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、操作子を操作することが困難である場合があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、他の操作が行いやすい遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されるものであり、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースと、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの所定量以上の変位を検出する検出手段と、その検出手段により前記ハンドルベースの前記所定量以上の変位が検出された場合に、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段と、を備え、前記検出手段により前記ハンドルベースの前記所定量以上の変位が検出されてから一定の期間は、前記検出手段による前記ハンドルベースの前記所定量以上の変位が非検出とされても、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度が前記所定の発射強度に維持される。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図17を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図17を参照して、操作ハンドル51の詳細構成について説明する。
図5(a)は操作ハンドル51の上面図であり、図5(b)は操作ハンドル51の正面図である。また、図6は、図5(a)の矢印VI方向視における操作ハンドル51の側面図である。なお、図5(a)及び図6では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示される。
図5及び図6に示すように、操作ハンドル51は、ハンドル取付台520と、ハンドルベース530と、ハンドルリング540と、前カバー550とを備えて構成され、パチンコ機10(図1参照)の前面から水平姿勢で突出される。
ハンドル取付台520は、その背面(図5(a)左側)が下皿ユニット15の前面に固着され、ハンドルベース530は、ハンドル取付台520の前面(図5(a)右側)に配設される。これら両部材520,530は、一方が他方に軸支され、その軸支された部分を中心として、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が、上下方向に変位可能に連結される(図16及び図17参照)。
ハンドルベース530には、発射停止スイッチ操作部440が配設される。発射停止スイッチ操作部440は、ハンドルベース460の内部に設けられた打ち止めスイッチ51b(図7参照)のオン・オフを切り換えるためのレバーであり、ハンドルベース530の左側面(図5(b)左側)から突出した状態で配設される。遊技者は、発射停止スイッチ操作部440を押下することにより、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、遊技球の発射を停止することができる。
ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面(図5(a)右側)に回動可能に取り付けられる。遊技者は、ハンドルリング540を、操作ハンドル51の正面視(図5(b)参照)において、右回り(時計回り)方向に回動操作することにより、遊技球の発射強度を増大させることが可能である。
また、ハンドルリング540は、遊技者の回動操作が解除されると、リング付勢ばね537(図7参照)の付勢力により、その回動位置が初期位置へ復帰される。この場合、第1実施形態では、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として変位させることで(図17参照)、ハンドルリング540の回動位置を任意の回動位置で固定可能に構成される。即ち、球の発射強度を任意の強度で固定できる。かかるハンドルリング540の固定構造については、後述する。
なお、ハンドルリング540には、遊技者が指を掛けるための3つの指掛け部540a,540b,540cが形成される。前カバー550は、前方(図5(a)左方向)へ凸となる半球状に形成され、ハンドルリング540の前面に取り付けらる。
次いで、図7を参照して、ハンドルベース530について説明する。
図7はハンドル取付台520及びハンドルベース530の正面斜視図であり、ハンドルリング540及び前カバー550が取り外された状態における操作ハンドル51の前面斜視図に対応する。
図7に示すように、ハンドルベース530は、正面視が円形の筒状に形成される外周壁531と、その外周壁531の一方(背面)の開口を塞ぐ底壁532とを備え、これら両部材531,532によって、内部が背面側に窪んだ(即ち、前面側が開放された)容器形状に形成される。底壁532には、ガイド支柱533a〜533cと、内周壁534と、軸受部535とが背面から前面へ向けて立設される。
ガイド支柱533a〜533cは、前カバー550が締結固定される部位であり、締結ねじが挿通可能な(即ち、底壁532側および立設先端の両端に開口を有する貫通孔が貫通形成された)中空の筒形状に形成される。ガイド支柱533a〜533cの貫通孔に底壁532側から挿通された締結ねじが、前カバー550のねじ台座551a〜551c(図8(b)参照)にそれぞれ締結されることで、ハンドルベース530の前面に前カバー550が固着される。
内周壁534は、正面視円形の筒状に形成され、外周壁531との間に一定の間隔を隔てつつ、その外周壁531の内周側に同心に配設される。内周壁534は、周方向の2ヶ所で分断されており、それら2ヶ所の分断された部位(切り欠き部534a,534b)には、一方に発射停止スイッチ操作部440が、他方にリング規制部材700が、それぞれ配設される。
軸受部535は、ハンドルリング540を回動可能に保持(軸支)するための部位であり、ハンドルリング540の回動軸543(図8(a)参照)が回動可能に挿入される。軸受部535の内周面には、底壁532から前面へ向かって軸方向に延びる断面コ字状の溝535aが形成される。溝535aには、ハンドルリング540の回動軸543に突設される突起部543aが内嵌され、ハンドルリング540の挿入時の位相(回動位置)が位置決めされる。
軸受部535の側方には、従動ギヤ536が配設される。従動ギヤ536は、ハンドルリング540の主動ギヤ544(図8(a)参照)が歯合されるギヤであり、可変抵抗器(図示せず)の抵抗軸VRaに固着される。よって、従動ギヤ536が回動されると、その回動量(回動位置)に応じて、可変抵抗器VRの抵抗値が変化される。
従動ギヤ536には、ねじりばねとして形成されるリング付勢ばね537から、正面視右回り(時計回り)方向へ付勢力が付与され、その付勢力により初期位置(ストッパ部536aが軸受部535の外周突起535bに当接され回動が規制される位置)に復帰される。なお、可変抵抗器は底壁532に固着される。
軸受部535の側方であって、従動ギヤ536の反対側には、打ち止めスイッチ51bが固着される。打ち止めスイッチ51bの側方には、揺動可能な揺動片51b1が突出され、その揺動片51b1が、発射停止スイッチ操作部440により押下されることで、打ち止めスイッチ51bがオン・オフされる。
次いで、図8(a)及び図8(b)を参照して、ハンドルリング540及び前カバー550について説明する。
図8(a)はハンドルリング540の背面斜視図であり、図8(b)は前カバー550の背面斜視図である。
図8(a)に示すように、ハンドルリング540は、ハンドルベース530の前面を覆う正面視円形の円板状に形成される円板部531と、その円板部531の外周縁部から背面側へ向けて立設され正面視が円形の筒状に形成される外周壁542と、円板部531の中央に位置し背面へ向けて突設される回動軸543と、その回動軸543の基部に固着される主動ギヤ544と、円板部531を板厚方向に貫通して形成されるガイド孔545a,545bとを備える。
ハンドルリング540は、回動軸543がハンドルベース530の軸受部535(図7参照)に挿入されることで、ハンドルベース530に対して回動可能に保持(軸支)され、この場合、主動ギヤ544が、ハンドルベース530の従動ギヤ536に歯合される。よって、ハンドルリング540が回動操作されると、主動ギヤ544を介して従動ギヤ536が回動され、その従動ギヤ536の回動による抵抗軸VRaの回動が可変抵抗器の抵抗を変化させるので、可変抵抗器の抵抗値(即ち、ハンドルリング540の回動操作量)に応じて、球の発射強度を調整できる。
なお、本実施形態では、軸受部535と抵抗軸VRaとの軸方向が互いに平行とされると共にその軸方向に対し従動ギヤ536の歯(歯溝)が平行に延設される(図7参照)。また、ハンドルリング540の回動軸543の軸方向に対し主動ギヤ544の歯(歯溝)が平行に延設される。
ガイド孔545a,545bは、ガイド支柱533a〜533cを挿通させるための孔であり、それぞれハンドルリング540の外縁に沿った円弧状(即ち、回動軸543を中心とする円環形状を位相が180°異なる2ヶ所で分断した形状)に形成される。ガイド孔545aにはガイド支柱533aが挿通され、ガイド孔545bにはガイド支柱533b,533cが挿通される。
よって、ガイド支柱533a及びガイド支柱533b,533cは、ハンドルリング540の回動に伴って、ガイド孔545a及びガイド孔545bの中をそれぞれ案内される。そのため、ハンドルリング540の回動可能な範囲は、ガイド孔545a,545bの中をガイド支柱533a〜533cが相対的に移動可能な範囲に制限される。図8の例では、ガイド孔545a,545bがそれぞれ略半周に渡る円弧状となっているので、ハンドルリング540の回動範囲は、略半周となる。
図8(b)に示すように、前カバー550は、内部が前面側に窪んだ(即ち、背面側が開放された)半球の容器形状に形成され、その内壁面には、軸受部551と、ねじ台座552a〜552cとが前面から背面へ向けて立設される。軸受部551は、中空の筒形状に形成され、ハンドルリング540の前面側に突出する回動軸543の先端部分が回動可能に挿入される。ねじ台座552a〜552cは、ガイド支柱533a〜533cにそれぞれ締結固定される。
なお、前カバー550とハンドルリング540との間には、ねじりばねとして形成されるリング付勢ばね(図示せず)が配設される。このリング付勢ばねは、ハンドルリング540を正面視において左回り(反時計回り)へ付勢する。この付勢方向は、上述した従動ギヤ536を付勢するリング付勢ばね537が(図7参照)、従動ギヤ536及び主動ギヤ544を介して、ハンドルリング540を付勢する付勢方向と一致する。よって、遊技者がハンドルリング540から手を離すと、ハンドルリング540は、前カバー550とハンドルリング540との間に配設される図示しないリング付勢ばねと、従動ギヤ536を付勢するリング付勢ばね536との二つのばねの付勢力によって、初期位置へ復帰される。
次いで、図9を参照して、ボス部材560について説明する。図9は、ハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図9では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示されると共に、軸563と軸受523との位置関係が二点鎖線を用いて模式的に図示される。
図9に示すように、ボス部材560は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を、軸支された部分を中心として、変位可能に連結するための部材であり、ハンドルベース530の背面から突設される。即ち、後述するように、ハンドル取付台520には軸受523が形成されると共に、ボス部材560には軸563が形成され、軸受523に軸563が回動可能に軸支されることで、その軸支された部分を中心(支点)として、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が変位可能とされる。なお、軸支された部分を中心(支点)とするハンドルベース530のハンドル取付台520に対する変位を「揺動」または「回動」と表現しても良い。
ボス部材560は、ハンドルベース530の背面(底壁532)に締結固定される平板状の基部561と、その基部561から背面へ向けて突出され断面円形の棒状に形成される突出部562と、その突出部562の外側面から左右へ向けて一対が張り出される軸状の軸563と、突出部562の突出先端における下面に配設されるハーネスガイド564とを主に備えて構成される。
突出部562の上面には、基部561(軸563)から離間する(即ち、ハーネスガイド564側へ向かう)に従って下降傾斜される傾斜面562aが形成される。ここで、ボス部材560の突出部562は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い、軸563よりも突出先端側(ハーネスガイド564側)の部位が上方へ向けて変位される部位であるため(図16及び図17参照)、上方に位置する他の部材(即ち、ハンドル取付台520内に配設されるスイッチ、IC装置、ハーネス、或いは、ハンドル取付台520に一体に形成される補強リブ526など)との干渉を避ける必要がある。
この場合、他の部材の配設位置を上方へ移動させるのでは、その分、ハンドル取付台520の大型化を招くところ、突出部562の上面に傾斜面562aを形成することで、ハンドル取付台520の小型化を図りつつ、他の部材と突出部562との干渉を回避できる。特に、傾斜面562aが上述のように軸563から離間するに従って下降傾斜する傾斜面として形成されることで、変位量が大きい突出先端側ほど逃げ量を大きくして、他の部材との干渉を効果的に回避しつつ、変位量が小さい軸563側では突出部562の切除量を最小として、突出部562の剛性を確保することができる。
突出部562の突出先端には、ベース付勢ばねSP(図12参照)を保持するための一対のガイド壁562bが立設される。このように、一対のガイド壁562aの間でベース付勢ばねSPを保持する構造とすることで、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができると共に、ベース付勢ばねSPを組み付ける際の組み付け性の向上を図ることができる。なお、ガイド壁562bの対向間に位置する突出部562の上面は、背面視において円弧状に湾曲して形成され、ベース付勢ばねSPをスムーズに弾性変形させることができる。
ハーネスガイド564は、電気的な配線をガイドするための部材であり、背面視において枠状に形成される。ハンドルベース530内から底壁532の開口を介してハンドル取付台520内に入り込む配線(打ち止めスイッチ51bの配線など)やハンドル取付台520内に存在する配線(可変抵抗器の配線など)を、ハーネスガイド564の枠内に収容する(枠内を通過させる)ことで、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される際に、突出部562の上面、或いは、ハーネスガイド564の下面と、他の部材やハンドル取付台520の内壁面との間に配線を挟み込んで、断線させてしまうことを回避することができる。
なお、突出部562の上面からガイド壁562bを突出させることは、他の部材やハンドル取付台520との間で配線を挟み込む可能性を高める。本実施形態では、ハーネスガイド564を設け、このハーネスガイド564の枠内を通過させることで、配線の挟み込み(断線)を抑制することが可能となっている。これにより、突出部562の上面にガイド壁562bを突出させることが可能となり、ベース付勢ばねSPを保持する構造の簡素化とその組み付け性の向上とを図ることができる。
ハンドルベース530の背面(底壁532)には、合わせ面部532aが形成される。合わせ面部532aは、ハンドル取付台520の上合わせ面部527(及び下合わせ面部528)が当接される部位であり、ボス部材560の基部561の周囲を取り囲む縦長の円環状の領域に、全体が面一の平坦面として形成される。
次いで、図10及び図11を参照して、ハンドル取付台520について説明する。図10はハンドル取付台520の分解状態における斜視図である。図11(a)はハンドル取付台520の組み立て状態における斜視図であり、図11(b)は第1本体520aの内側面図である。
図10及び図11に示すように、ハンドル取付台520は、縦長の筒状体として形成され、第1本体520aと第2本体520bとに縦に2分割される。これら第1本体520a及び第2本体520bの合わせ面には、位置決め突起521aが一方から突設されると共に、その位置決め突起521aを受け入れて位置決めを行うための位置決め孔521bが他方の対応する位置に凹設される。同様に、締結ねじを挿通させるための挿通孔522aが一方に貫通形成されると共に、その挿通孔522aを挿通された締結ねじが締結されることで第1本体520a及び第2本体520bを締結固定するための締結孔522bが他方の対応する位置に凹設される。
第1本体520a及び第2本体520bの内壁面には、軸受523と、係止爪部524と、収容凹部525と、補強リブ526とがそれぞれ形成される。軸受523は、ボス部材560の軸563を回動可能に軸支するための軸受部(凹部)であり、一対が対向して配設される。係止爪部524は、ベース付勢ばねSPの端部を係止するための部位であり(図12参照)、背面へ向けて張り出しつつ下方に折れ曲がるフック状に形成される。
収納凹部525及び補強リブ526は、第1本体520a及び第2本体520bの一方および他方の対向する位置に配設される部位である。即ち、収納凹部525は、IC装置などの部品を収容して保持するための凹部であり、その収容する部品の外形に対応する形状に形成され、補強リブ526は、内壁面から収納凹部525へ向けて突設され、その突設先端により、収納凹部525に収納された部品を押圧することで、ハンドル取付台520全体としての剛性を高める。
第1本体520a及び第2本体520bの前面(図11(b)右側面)には、ハンドルベース530の合わせ面部532a(図9参照)に当接される上合わせ面部527及び下合わせ面部528が形成される。これら上合わせ面部527及び下合わせ面部528は、ハンドル取付台520の前面側の端面(正面視において縦長の円環状の面)に形成されると共に、それぞれが面一の平坦面として形成される。なお、下合わせ面部528は、上合わせ面部527から離間するに従って背面へ向けて傾斜される。これにより、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位可能となる(図16及び図17参照)。
第1本体520aの下合わせ面部528は、その一部が拡大されて(即ち、第1本体520aの内壁面から径方向内方へ板状体が張り出され)、その拡大部分(張り出し部分)が、リング規制部材700の被押圧面部702aを押圧するための押圧面部528aとされる。押圧面部528aの背面側には補強部528bが連設される。補強部528bは、板状に形成され、押圧面部528aの上端側のみが、第1本体520aの内壁面および段差面520a1に連結される。これにより、第1本体520aの内壁面と補強部528bとの間に空間を形成できる分、樹脂材料を抑制して、部品コストの削減を図りつつ、押圧面部528aの剛性を効果的に高めて、耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図12を参照して、ベース付勢ばねSPについて説明する。図12は、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の背面斜視図である。なお、図12では、可変抵抗器などが取り外された状態が図示されると共に、その他の部品の配線の図示が省略される。
図12に示すように、ベース付勢ばねSPは、コイルスプリングとして形成され、弾性的に引張変形(伸張)された状態で、両端の円環状の部分が係止爪部524に係止されると共に、コイルスプリングの略中間部分がボス部材560の突出部562における突出先端(一対のガイド壁562bの対向間)に架け渡される。
これにより、ボス部材560は、ベース付勢部材SPの弾性回復力により、軸563を中心として、突出部562における突出先端が係止爪部524へ近接する方向(下方)へ付勢される。その結果、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が上方へ変位される(図16参照)。
ハンドル取付台520は、背面が開放して形成されるので、かかる背面の開放部分からハンドル取付台520の内部空間を露出させることができる。これにより、ベース付勢ばねSPの両端を係止爪部524に係止させると共に、その中間部分を一対のガイド壁562bの対向間に架設する作業を、ハンドル取付台520の背面の開放部分から行うことができるので、その取付作業の作業性の向上を図ることができる。
なお、ハンドルベース530が上方へ変位された(跳ね上げられた)状態では、ハンドルベース530の合わせ面部532aに、ハンドル取付台520の上合わせ面部527が当接された状態となる。即ち、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の対向面(合わせ面)には、平坦面状に形成された合わせ面部(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)が形成され、これら合わせ面部が、ハンドルベース530の変位位置が初期位置(第1位置)に配設された状態で、ベース付勢ばねSPの付勢力により密着される。この密着により、初期位置において、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530をがたつかせることなく、安定した状態に維持することができる。その結果、例えば、ハンドルリング540を回動操作する際の操作性の向上を図ることができる。
また、ハンドルベース530の変位位置が初期位置に配設された状態では、互いに密着される合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)がハンドル取付台520及びハンドルベース530の上方(上面)に位置するので、合わせ面が開放された場合に(図17参照)、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物がハンドル取付台520の内部に入り込むことを抑制できる。特に、ハンドルベース530は、ベース付勢ばねSPの付勢力によって初期位置(第1位置)に復帰され、その初期位置にある期間が長いため、合わせ面(上合わせ面部527及び合わせ面部532a)を上方に配設する構成が有効となる。
次いで、図13から図15を参照して、リング規制部材700について説明する。図13はリング規制部材700が装着された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図であり、図14は、リング規制部材700が取り外された状態におけるハンドルベース530の正面斜視図である。なお、図13及び図14では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示される。
図13及び図14に示すように、ハンドルベース530には、内周壁534に形成された切り欠き部534bにリング規制部材700が装着される。なお、ハンドルベース530の底壁532には、前面から背面(詳細には合わせ面部532a)に貫通する正面視円形の貫通孔532bが形成される。なお、貫通孔532b及び切り欠き部534bは、ハンドルリング540の回動軸と平行とされる。
リング規制部材700は、ハンドルリング540が初期位置へ復帰することを規制する(即ち、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を固定する)ための樹脂材料製の部材であり、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された場合に、ハンドル取付台520(押圧面部528a)により前面へ向けて押し出され、ハンドルリング540の円板部541を押圧することで、ハンドルリングの回動を規制するように構成される(図17参照)。ここで、図15を参照して、リング規制部材700について説明する。
図15(a)及び図15(b)は、リング規制部材700の斜視図である。リング規制部材700は、本体部701と、その本体部701の背面から突出されるロッド部702と、本体部701の両側から突出される一対の腕部703とを主に備えて構成される。
本体部701は、板状に形成される部位であり、少なくとも上面(図15(b)上側面)が凹状に湾曲して形成される。これにより、ハンドルベース530に装着された場合には、ハンドルベース530の内部空間を確保して、他の部品の取り付けの自由度を高めることができると共に、取り付け作業時の作業性の向上を図ることができる。
本体部701の左右両側の側面には、スライド案内溝701aが凹設される。スライド案内溝701aは、断面コ字状の直線状の凹溝であり、ロッド部702の突設方向に平行に延設される。このスライド案内溝701aには、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された状態において、ハンドルベース530の内周壁534(切り欠き部534bの両側部分)が内嵌される。即ち、本体部701の底面側から突出する部分と腕部703の基部との対向間に、ハンドルベース530の内周壁534が挟み込まれる。これにより、本体部701(リング規制部材700)は、ロッド部702の延設方向への移動(スライド)のみが許容され、ハンドルベース530における周方向への移動が規制される。
本体部701の前面には、平坦面状の当接面部701bが形成される。当接面部701bは、ハンドルリング540の円板部541の背面に当接される部位であり(図17参照)、ハンドルリング540の回動軸に垂直(即ち、本体部701の移動(スライド)方向に平行)に形成される。
ロッド部702は、本体部701の背面から突設される断面円形の棒状体であり、ハンドルベース530の底壁532における貫通孔532bに挿通可能に形成される。ロッド部702の突設先端には、半球状の被押圧面部702aが形成される。なお、ロッド部702の本体部701の背面からの突設長さは、底壁532の厚みよりも大きくされ、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された状態では、ロッド部702の被押圧面部702aが、底壁532の背面(合わせ面部532a)から突出される(図16参照)。
なお、ロッド部702の被押圧面部702aが半球状に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、ハンドル取付台520の押圧面部528aにより被押圧面部702aが押圧される場合には(図16及び図17参照)、リング規制部材700を、安定して移動(スライド)させることができる。即ち、本実施形態では、ハンドル取付台520の押圧面部528aが軸563を中心として移動する一方、リング規制部材700がスライド(直線移動)する構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、ハンドル取付台520の押圧面部528aが平面として形成され、リング規制部材700の被押圧面部702aが押圧面部528aへ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い移動させ、リング規制部材700をハンドルリング540へ向かう方向へスライドさせるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、リング規制部材700を詰まらせる(即ち、スライド案内溝701aにハンドルベース530の内周壁534が噛み込む、或いは、ロッド部702が貫通孔532bに噛み込む)ことを抑制して、安定してスライドさせることができる。
腕部703は、本体部701の両側の側面から突設される断面略矩形の棒状体であり、その腕部703の底面は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面に対応する曲率で湾曲して形成される。これにより、リング規制部材700がハンドルベース530に装着された(本体部701のスライド案内溝701aに内周壁534が内嵌された)状態では、かかる腕部703の底面を内周壁534の内周面に沿って湾曲させた状態とでき、腕部703が受止突起538から脱落することを抑制できる。また、腕部703が、ハンドルベース530の周方向に沿って延設されることで、他の部品の配設スペースに影響を与えることを抑制しつつ、腕部703をより長くすることができると共に腕部703の弾性変形に必要なスペースを確保することができる。
図13及び図14に戻って説明する。ハンドルベース530の内周壁534には、その内周面から径方向内方へ向けて一対の受止突起538が突設される。受止突起538は、リング規制部材700の腕部702を拘束して、その移動を規制することで、弾性変形させるための部位であり、リング規制部材700の腕部703の先端部分に対応する位置に配設される。
ハンドルベース530の切り欠き部534b(リング規制部材700をハンドルリング540へ向けてスライド移動可能に保持するスライド保持部)は、前面(ハンドルリング540に対面する側)が開放されて形成される。よって、その開放部分を利用して、リング規制部材700を切り欠き部534bに容易に装着することができるので、そのリング規制部材700を装着する作業に関する組み立てコストの削減を図ることができる。
なお、切り欠き部534bの開放部分は、ハンドルリング540に対面する側であるから(図16参照)、ハンドルベース530にハンドルリング540が配設されることで、リング規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することはない。
また、ハンドルベース530の内周壁534には、リング規制部材700の腕部703を受け止める受止突起538が突設されるので、ハンドルベース530の切り欠き部534bにその開放部分からリング規制部材700を装着した後、ハンドルベース530にハンドルリング540が装着されるまでの間に(即ち、図13に示す状態にある時に)、リング規制部材700が切り欠き部534bの開放部分から脱落することを防止することができるる。よって、組み立て工程での作業性の向上を図ることができる。
一方、リング規制部材700の腕部703は、樹脂材料からなり、弾性変形可能に形成されるので、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位され、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けて押圧される場合には、先端部分が受止突起538に拘束される腕部702を弾性変形させることで、リング規制部材700を移動(スライド)させることができる。これにより、リング規制部材700の当接面部701bをハンドルリング540の背面(被当接面部)に当接させることができる(図17参照)。
また、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位が解除された場合には、弾性変形された腕部702の弾性回復力により、リング規制部材700を、ハンドルリング540から離間する方向へ移動させ、初期位置へ復帰させることができる(図16参照)。これにより、リング規制部材700の当接面部701bとハンドルリング540の背面(被当接面部)との間に隙間を形成できる。その結果、両者の当接による抵抗に起因してハンドルリング540の回動操作が阻害されることを回避できる。
ここで、受止突起538は、ハンドルベース530の内周壁534の内周面から径方向内方へ向けて突設されるので、組み立て時における視認性を確保できる。その結果、腕部703と受止突起738との位置関係(即ち、腕部703が受止突起738に適正に係合されているか否か)の確認作業を容易として、作業性の向上を図ることができる。
また、受止突起738には、その突設上面に、前面から背面へ向かうに従って(即ち、リング規制部材700の装着方向に沿って)ハンドルベース530の内周壁534の内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されるので、切り欠き部534bにその開放部分からリング規制部材700を装着する際には、受止突起538の突設上面に形成される傾斜面に沿ってリング規制部材700の腕部703が移動することで、かかる受止突起538を腕部703に容易に乗り越えさせることができる。即ち、切り欠き部738の開放部分からリング規制部材700を押し込むだけでよく、腕部703を持ち上げて受止突起738を乗り越えさせる作業を別途行う必要がないので、その組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
次いで、図16及び図17を参照して、操作ハンドル51の動作について説明する。
図16は、変位操作される前の状態における操作ハンドル51の部分断面側面図であり、図17は、変位操作された後の状態における操作ハンドル51の部分断面側面図である。なお、図16及び図17では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台520の第2本体520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
図16に示すように、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される前の状態(即ち、遊技者によりハンドルベース530が下方へ向けて変位操作されていない状態)では、ハンドルベース530が水平位置(第1位置)にあり、ハンドル取付台520及びハンドルベース530の合わせ面は、上合わせ面部527が合わせ面部532aに当接される一方、下合わせ面部528が合わせ面部532aから離間される。
図16に示す状態から、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位されると、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の押圧面部528aに押圧され、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けてスライド移動される。ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ更に変位されると、下合わせ面部528が合わせ面部532aに当接され、図17に示すように、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bがハンドルリング540の円板部541における背面に当接される。
その結果、ハンドルリング540は、その回動操作量(回動位置)にかかわらず、初期位置への復帰が規制され、回動操作量が固定される。よって、球の発射強度を、現在のハンドルリング540の回動操作量に応じた球の発射強度に固定することができる。
この場合、ハンドルリング540の回動操作量を固定する従来技術として、次のものがある。例えば、特開2012−5759号には、本実施の形態における前カバー550に相当する前カバーベースの頂部(遊技者から見て手前側)に、前方(遊技者側)へ向けて凸な半球状となるボタンを設け、このボタンを遊技者が手の平で奥側へ押し込むことで、ハンドルリングの回動操作量を固定する技術が開示される。
しかし、かかる従来技術では、ハンドルリングの回動操作を行いながら、かつ、ボタンの押し込み操作を行う必要がある。詳細には、手指で握ったハンドルリングを周方向へ動作させる操作(回動操作)と、手の平をボタン表面に回りこませつつ奥側へ向けて押し込む操作とを並行して行う必要がある。そのため、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンを押し込むには、遊技者に高度な技術が要求される。また、この状態(ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、ボタンを押し込んだ状態)は、遊技者にとって無理な姿勢となるため、かかる状態を継続する(即ち、球の発射強度を所望の発射強度に固定する)ことが遊技者の負担になる。その結果、ボタンを押し込む際だけでなく、押し込みを維持する際にも、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれ易く、所望の回動操作量に維持することが困難となる。
なお、このような無理な姿勢であるが故に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、ボタンの押し込みを解除する操作にも高度な技術が要求される。
これに対し、本実施形態によれば、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、このように、軸支部分(軸563及び軸受523)を中心としてハンドルベース530を変位させる構造であれば、遊技者は、ハンドルベース530(前カバー550)に手のひらを添えると共に、そのまま手の重みを作用させる動作のみで、ハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ変位させることができる。即ち、遊技者は、手の重みを作用させるという簡易な動作を行うのみで、球の発射強度を所望の発射強度に固定することができる。
また、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作を行った後は、その操作状態(ハンドルリング540の回動操作量が所望の回動操作量に固定された状態)を維持することも容易となる。よって、ハンドルベース530の操作時およびその操作状態を維持する際に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
また、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが互いに平滑面として形成されるので、ハンドルリング540の回動位置を、任意の回動位置で固定可能とすることができる。
例えば、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bと、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とにそれぞれ鋸歯状の凹凸を設け、それら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリング540の回動位置を固定する構造では、ハンドルリング540の回動位置の固定を強固に行うことができる一方で、鋸歯状の凹凸のピッチ(間隔)が調整幅の最小値となる。そのため、固定可能な回動位置が断続的となり、所望の回動位置に固定できないおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bとハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)とが平滑面とされることで、固定可能な回動位置が連続的となるので、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
また、当接面部701bが円板部541の背面(被当接面部)に当接された状態とされ、ハンドルリング540の回動操作量が固定されたとしても、これら当接面部701b及び被当接面部が平滑面とされていることで、互いの当接面を相対的に滑動させることができるので、ハンドルリング540の回動操作量の固定後であっても、かかるハンドルリング540の回動操作量を微調整することができる。
ここで、前カバー550は、ハンドルリング540の前面側(図16右側)に配設されるので、遊技者は、ハンドルリング540を手指で把持する際に、前カバー550の外面に手の平を添えることができ、かかる前カバー550を、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させる際に力を加える部分(力点)として利用することができる。
この場合、図17に示すように、本実施形態では、ハンドル取付台520に対しハンドルベース530を変位可能に軸支するボス部材560の軸563(支点)から押圧面部528a(被押圧面部702aの突出先端(作用点))までの距離Aが、少なくとも、ボス部材560の軸563からハンドルリング540の背面までの距離Bよりも小さくされる。よって、ボス部材560の軸563(支点)から前カバー550の外面(力点)までの距離は、距離Aよりも大きくされる。
即ち、力点から支点までの距離を、支点から作用点までの距離よりも大きくすることができるので、力点となる前カバー550の外面に加えられる力が小さくても、その力を増幅させて、作用点となる押圧面部528aによってリング規制部材700(被押圧面部702a)をより大きな力で押圧することができる。これにより、リング規制部材700をハンドルリング540に強固に当接させ、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を確実に固定することができる。
次いで、図18を参照して、第2実施形態について説明する。図18(a)及び図18(b)は、第2実施形態における操作ハンドル2051の部分断面側面図である。なお、図18(a)では変位操作される前の状態が、図18(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。また、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図18に示すように、第2実施形態におけるリング規制部材2700は、本体部701の前面に平坦面状に形成される当接面部2701bを備え、この当接面部2701bが、ハンドルリング2540の径方向(リング規制部材2700のスライド方向に直交する方向、図18(a)上下方向)に対して傾斜される。即ち、当接面部2701bは、ハンドルリング2540の回動軸に対して非垂直に形成され、その傾斜方向は、ハンドルリング540の回動軸に近接する側(図18(a)上側)ほど前面側(図18(a)右側)に位置する方向である。一方、ハンドルリング2540の円板部2541は、その背面(被当接面部)が、平坦面として形成されると共に、リング規制部材2700の当接面部2701bと平行に傾斜される。
ここで、上記第1実施形態の操作ハンドル51(図15参照)では、当接面部701b及び円板部541の背面(被当接面部)とが、ハンドルリング540の回動軸に対して垂直に形成されるため、操作ハンドル51(ハンドルベース530)が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された際(図16参照)、ハンドルリング540の円板部541における背面(被当接面部)には、当接面部701bからハンドルリング540の回動軸方向の力成分のみが作用する。この力成分の方向(回動軸方向)には、ハンドルリング540(円板部541)は拘束されていないため、ハンドルリング540(円板部541)は、当接面部701bに押圧される部分が、回動軸方向(図16右方向)へ反って(逃げて)しまう。そのため、当接面部701bをハンドルリング540の背面(被当接面部)に密着させることができず、ハンドルリング540の回動位置を強固に固定することが困難となる。
これに対し、第2実施形態の操作ハンドル2051によれば、ハンドルリング2540の円板部2541における背面(被当接面部)に対し、リング規制部材2700の当接面部2701bから、回動軸方向の力成分だけでなく、径方向外方(図18(b)下方向)への力成分も発生させることができる。ハンドルリング2540は、径方向外方への力成分に対しては拘束されるため、リング規制部材2700の当接面部2701bをハンドルリング2540の背面(被当接面部)に密着させることでき、その分、ハンドルリング2540の回動位置を強固に固定することができる。
特に、リング規制部材2700の当接面部2701b及びハンドルリング2540の円板部2541における背面(被当接面部)が平坦面として形成される場合には、ハンドルリング2540が任意の回動位置で固定可能となり、その調整幅を確保することができる一方で、それら両面部の間での滑動(スリップ)が発生し易く、これらを互いに密着させることが必要となる。そのため、第2実施形態における構成が有効となる。
ここで、上記のように径方向外方への力成分も発生させるためには、リング規制部材の移動(スライド)の方向自体をハンドルリング540の回動軸の方向に対して傾斜させることも考えられるが、その傾斜の分、リング規制部材の配設に必要なスペースが径方向に嵩むこととなり、ハンドルベース530の大型化を招くと共に、ハンドルベース530を樹脂材料から金型を用いて射出成形する場合には、ハンドルベース530の金型からの脱型性が悪化する。これに対し、リング規制部材2700のスライド移動の方向をハンドルリング2540の回動軸の方向と平行とすることで、リング規制部材2700の配設に必要なスペースを抑制することができ、その分、ハンドルベース2530の小型化を図ることができる。また、リング規制部材2700がスライド移動可能に配設される部分(切り欠き部534b)の形状を、ハンドルベース530を射出成形する金型の脱型方向(即ち、回動軸の方向)に沿わせることができ、その分、成形性と金型構造の簡素化とを図ることができる。
次いで、図19を参照して、第3実施形態について説明する。図19(a)及び図19(b)は、第3実施形態における操作ハンドル3051の部分断面側面図である。なお、図19(a)では変位操作される前の状態が、図19(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。また、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19に示すように、第3実施形態におけるリング規制部材3700は、本体部701の底面に当接面部3701cを備える。当接面部3701cは、リング規制部材3700の背面から前面へ向かうに従って上昇傾斜(ハンドルリング3540の回動軸に近接)する傾斜面として形成される。即ち、当接面部3701cは、ハンドルリング3540の回動軸方向(図19(a)左右方向)に対して傾斜される。一方、ハンドルリング3540は、外周壁3542の内周面が、リング規制部材3700の当接面部3701bが当接される被当接面部とされ、当接面部3701bと平行に傾斜される。
なお、円板部3541の背面は、第1実施形態における円板部541の背面よりも前面側に位置し、操作ハンドル3051(ハンドルベース530)が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位された場合に、図19(b)に示すように、リング規制部材3700の前面(当接面部701b)との間に隙間を有する。
第3実施形態の操作ハンドル3051によれば、ハンドルリング3540の外周壁3542の内周面(被当接面部)に、リング規制部材3700の当接面部3701cが当接されることで、回動軸方向の力成分だけでなく、径方向外方(図19(b)下方向)への力成分も発生させることができる。ハンドルリング3540は、径方向外方への力成分に対しては拘束されるため、リング規制部材3700の当接面部3701cをハンドルリング3540の外周壁3541の内周面(被当接面部)に密着させることでき、その分、ハンドルリング3540の回動位置を強固に固定することができる。
特に、リング規制部材3700の当接面部3701c及びハンドルリング3540の外周壁3541の内周面(被当接面部)が平坦面として形成される場合には、ハンドルリング3540が任意の回動位置で固定可能となり、その調整幅を確保することができる一方で、それら両面部の間での滑動(スリップ)が発生し易く、これらを互いに密着させることが必要となる。そのため、第3実施形態における構成が有効となる。
次いで、図20を参照して、第4実施形態について説明する。図20(a)及び図20(b)は、第4実施形態における操作ハンドル4051の部分断面側面図である。なお、図20(a)では変位操作される前の状態が、図20(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。
第1実施形態では、操作ハンドル51のハンドルリング540が回動操作されると、その回動操作量に対応して可変抵抗器の抵抗値が変化され、その可変抵抗値に対応した発射強度で球が発射される場合を説明した。第4実施形態では、発射強度変更スイッチ4640がオンされた場合には、ハンドルリング540の回動操作量(可変抵抗器の抵抗値)の大きさに関わらず、調整可能範囲内における最大の発射強度で球が発射される。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図20に示すように、第4実施形態における操作ハンドル4051は、発射強度変更スイッチ4640を備える。発射強度変更スイッチ4640は、ハンドルベース530の内周壁534を周方向に分断して形成される切り欠き部534b(図14参照)に配設される。即ち、第4実施形態では、第1実施形態に対し、リング規制部材700に代えて、発射強度変更スイッチ4640が配設される。
発射強度変更スイッチ4640は、オンされた場合に球の発射強度を最大とするスイッチであり、スイッチ操作部4640aを備える。スイッチ操作部4640aは、発射強度変更スイッチ4640のオン・オフを切り替えるための操作部であり、発射強度変更スイッチ4640内に配設される付勢ばね(図示せず)により突出方向へ付勢されている。このスイッチ操作部4640aが、付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれることで、発射強度変更スイッチ4640をオンさせる一方、押し込み力が解除されると、付勢ばねの付勢力により初期位置へ復帰し、発射強度変更スイッチ4640をオフさせる。
なお、スイッチ操作部4640aは、その先端が半球状に形成されると共に断面円形の棒状に形成され、図20(a)に示すように、半球状の先端部を底壁532の背面(合わせ面部532a)から突出させた状態(即ち、発射強度変更スイッチ4640をオフさせた状態)で、ハンドルベース530の貫通孔532bに挿通される。
図20(b)に示すように、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、スイッチ操作部4640aの半球状の先端部が、ハンドル取付台520の押圧面部528aに押圧され、前面へ向けてスライド移動される(付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれる)。これにより、発射強度変更スイッチ4640がオンされる。
発射強度変更スイッチ4640がオンされると、主制御装置110は、球の発射強度を制御する発射制御処理において、発射制御装置112に対して、最大の発射強度での球の発射を指示する(図4参照)。これにより、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)することができる(図2参照)。
ここで、遊技者は、通常中は、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙うべく、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射する(所謂「左打ち」)。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙う(図2参照)。
この場合、ハンドルリング540の回動操作量を最大として、「右打ち」を行っている時間は、比較的短く、「右打ち」が終了するたびに、ハンドルリング540の回動操作量を戻しつつ、球の発射強度を元の発射強度に再調整する必要があり、その再調整が遊技者にとっては煩わしかった。
これに対し、第4実施形態では、操作ハンドル4051(ハンドル取付台520に対してハンドルベース530)を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させることで、ハンドルリング540の回動操作量を変更しなくても、球の発射強度を最大として、「右打ち」を行うことができる。よって、「右打ち」が終了した際には、操作ハンドル51の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を解除するのみで、元の発射強度での「左打ち」に復帰することができる。
即ち、操作ハンドル4051は、ハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を起点として、球の発射強度を最大の発射強度に設定する構造であり、かかるハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、かかる軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。また、ハンドルベース530自体の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を戻せば、球の発射強度を元の発射強度(ハンドルリング540の回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、ハンドルリング540を回動操作して、球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
図20(a)に示すように、操作ハンドル4051は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位位置がベース付勢ばねSPの付勢力(図15参照)によって初期位置(第1位置)にある状態では、スイッチ操作部4640aの半球状の先端部が、ハンドル取付台520の押圧面部528a、から所定距離だけ離間される(隙間が形成される)。これにより、発射強度変更スイッチ4640のオン(球の発射強度の変更)は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として初期位置から所定量以上だけ変位されなければ、行われないこととなる。これにより、遊技者の意図しない操作(ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作)によって、球の発射強度が不用意に変更される(即ち、不用意に「右打ち」となる)ことを抑制することができる。
図20(b)に示すように、操作ハンドル4051は、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)においても、発射強度変更スイッチ4640がオンされた状態に維持される。よって、遊技者は、球の発射強度を最大に維持する場合には、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位をその可動範囲の終端まで操作すれば良く、可動範囲の途中で停めて維持する必要がない。即ち、「右打ち」の状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベース530を可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができるので、その操作性の向上を図ることができる。
また、このように、楽な姿勢であるので、「右打ち」を行っている間も、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)がずれ難く、所望の回動操作量に維持しやすくすることができる。その結果、「右打ち」を終了し、「左打ち」を再開する際には、元の発射強度(即ち、「右打ち」を行う前の発射強度)での球の発射をより高精度に再現することができる。
次いで、図21を参照して、第5実施形態について説明する。図21(a)及び図21(b)は、第5実施形態における操作ハンドル5051の部分断面側面図である。なお、図21(a)では変位操作される前の状態が、図21(b)では変位操作された後の状態が、それぞれ図示される。
第5実施形態における操作ハンドル5051は、第1実施形態における操作ハンドル51に対し、発射強度変更スイッチ5640が追加された点のみが異なり、他の構成は同一である。かかる第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
発射強度変更スイッチ5640は、オンされた場合に球の発射強度を最大とするスイッチであり、揺動片5640aを備える。揺動片5640aは、発射強度変更スイッチ5640のオン・オフを切り替えるための操作部であり、付勢ばね(図示せず)により開放方向へ付勢されており、付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれた状態では、発射強度変更スイッチ5640をオフさせる一方、押し込み力が解除されると、付勢ばねの付勢力により初期位置へ復帰し、発射強度変更スイッチ5640をオンさせる。
発射強度変更スイッチ5640がオンされると、主制御装置110は、球の発射強度を制御する発射制御処理において、発射制御装置112に対して、最大の発射強度での球の発射を指示する(図4参照)。これにより、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射(所謂「右打ち」)することができる(図2参照)。
図21(a)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位される前の状態では、揺動片5640aがハーネスガイド564の前面によって押し込まれ、発射強度変更スイッチ5640がオフされている。この図21(a)の状態から、ハンドル取付台520に対し、ハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、ハーネスガイド564が徐々に後退され、揺動片5640aが初期位置へ向けて開放され、ハーネスガイド564の後退量(即ち、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする下方への変位量)が所定量に達すると、揺動片5640aが初期位置へ復帰され、発射強度変更スイッチ5640がオンされる。
このように、発射強度変更スイッチ5640のオン(球の発射強度の変更)は、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位量が所定量以上となった場合に行われるので、遊技者の意図しない操作(ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作)によって、球の発射強度が不用意に変更される(即ち、不用意に「右打ち」となる)ことを抑制することができる。
また、図21(b)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)では、発射強度変更スイッチ5640がオンされた状態に維持されるので、「右打ち」の状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベース530を可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができ、その操作性の向上を図ることができる。
ここで、上記した第4実施形態の操作ハンドル4051においても、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させる(発射強度変更スイッチ4640がオンさせる)ことで、「右打ち」を実行し、ハンドル取付台520に対するハンドル部エース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を解除することで、「左打ち」に復帰することができる。しかし、ハンドルベース530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位させて、「右打ち」を実行している最中に、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にずれが発生した場合には、「左打ち」に復帰した際に、元の発射強度での球の発射を再現できないという問題がある。
これに対し、第5実施形態の操作ハンドル5051によれば、ハンドルリング540が初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材700を備えるので、図21(b)に示すように、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位されると、ハンドルリング540が初期位置へ復帰されることをリング規制部材700によって規制して、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、「右打ち」を実行している際に、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量(即ち、「右打ち」を実行する前の元の発射強度)に維持することができる。その結果、「右打ち」を終了して、「左打ち」に復帰する際には、元の発射強度での球の発射を高精度に再現することができる。
次いで、図22から図24を参照して、第6実施形態について説明する。図22は、第6実施形態におけるハンドルベース6530の背面斜視図である。図23は、変位操作される前の状態における操作ハンドル6051の部分断面側面図であり、図24は、変位操作された後の状態における操作ハンドル6051の部分断面側面図である。
なお、図22では、可変抵抗器や発射停止スイッチ操作部440などが取り外された状態が図示されると共に、軸563と軸受523との位置関係が二点鎖線を用いて模式的に図示される。また、図23及び図24では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台520の第2本体520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
第6実施形態における操作ハンドル6051は、第1実施形態における操作ハンドル51に対し、ハンドルベース6530に遮蔽壁6539が追加された点と、ハンドル取付台6520の挿通孔6522a(及び締結孔522b、図10参照)の配設位置が変更された点のみが異なり、他の構成は同一である。かかる第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
遮蔽壁6539は、ハンドルベース6530の底壁532から背面へ向けて立設される部位であり、合わせ面部532aの内周縁に沿って形成される。但し、合わせ面部532aの内の上半分(具体的には、軸563の中心よりも上方、図23上側)に相当する領域の内周縁のみに立設される。よって、遮蔽壁6539は、背面視において、縦長の円環の下半分を切除した形状に形成される。
図23に示すように、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位位置が初期位置(第1位置)にある状態では、遮蔽壁6539は、ハンドル取付台520の前面の開口からそのハンドル取付台520の内部に挿入された状態となる。この状態から、ハンドル取付台6520に対してハンドルベース6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて変位されると、ハンドル取付台6520の第1合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部6532aとの間に開口が形成されるところ、本実施形態における操作ハンドル6051によれば、かかる開口を遮蔽壁6539によって遮蔽することができる。
図24に示すように、ハンドル取付台6520に対してハンドルベース6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として下方へ向けて最大に変位された変位位置(第2位置)においても、ハンドル取付台6520の第1合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部6532aとの間の開口を遮蔽可能な立設高さで、遮蔽壁6539が形成される。これにより、開口から異物を差し込む不正行為を抑制できる。また、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物がハンドル取付台6520の内部に入り込むことを抑制できる。よって、例えば、内部に入り込んだ異物が、ボス部材560とハンドル取付台6520の内壁面との間に挟まり、ハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位が阻害されることで、ハンドルベース6530が初期位置(第1位置)へ復帰できなくなる不具合を抑制できる。
次いで、図25から図27を参照して、第7実施形態について説明する。
第1実施形態では、ハンドル取付台520に対してハンドルベース530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位可能に配設される場合を説明したが、第7実施形態のハンドルベース7530は、ハンドル取付台7520に対して、スライド移動(変位)可能に配設される。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図25(a)は第7実施形態におけるハンドル取付台7520の組み立て状態における斜視図であり、図25(b)は第1本体7520aの内側面図である。図25に示すように、ハンドル取付台7520は、縦長の筒状体として形成され、第1本体7520aと第2本体7520bとに縦に2分割される。第1本体7520a及び第2本体7520bの内壁面には、スライド軸受7524が形成される。スライド軸受7524は、ボス部材560の軸563を一方向(図25(b)上下方向)に案内するための凹部であり、一対が対向して配設される。即ち、スライド軸受7524は、その溝幅(図25(b)左右方向寸法)が、軸563の直径と同等または若干大きくされ、挿入された軸563を延設方向(上下方向)に案内する。
なお、スライド軸受7524内には、そのスライド軸受7524に挿入させた軸563を上方へ向けて付勢するベース付勢ばねSP7が配設される。ベース付勢ばねSP7は、コイルスプリングであり、弾性的に圧縮変形された状態で、軸563とスライド軸受7524の下側内壁面との間に配設され、その弾性回復力により軸563を上方へ向けて付勢する。
第1本体7520a及び第2本体7520bの前面(図25(b)右側面)には、ハンドルベース530の合わせ面部532aに当接される合わせ面部7527が形成される。合わせ面部7527は、ハンドル取付台7520の前面側の端面(正面視において縦長の円環状の面)であり、スライド軸受7524の延設方向(図25(b)上下方向)に平行な全体が面一の平坦面として形成される。
第1本体7520aの合わせ面7527は、その一部が拡大されて(即ち、第1本体7520aの内壁面から径方向内方へ平行に張り出されて)形成される押圧面部7527aを備える。また、押圧面部7527aの上端には、傾斜面部7528aが連設される。傾斜面部7528aは、押圧面部7527aの上端から背面(図25(b)左側)へ向けて傾斜される。
なお、押圧面部7527a及び傾斜面部7528aの背面側には補強部7528bが連設される。補強部7528bは、第1実施形態における補強部528bと同様の構成であるので、その説明は省略する。
図26は、スライド操作される前の状態における操作ハンドル7051の部分断面側面図であり、図27は、スライド操作された後の状態における操作ハンドル7051の部分断面側面図である。
なお、図26及び図27では、下皿ユニット15の前面が二点鎖線により模式的に図示されると共に、ハンドル取付台7520の第2本体7520bが取り外された状態が図示され、また、各部品の配線の図示が省略される。
図26に示すように、第7実施形態における操作ハンドル7051は、ハンドル取付台7520に対しハンドルベース7530がスライド移動される前の状態(即ち、遊技者によりハンドルベース7530が下方へ向けてスライド移動されていない状態、第1位置)では、ハンドル取付台7520の合わせ面部7527及びハンドルベース7530の合わせ面532aが、全面にわたって当接される。
図26に示す状態から、ハンドル取付台7520に対してハンドルベース7530が下方へ(即ち、スライド軸受7524の延設方向に沿って)スライド移動されると、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の傾斜面部7528aに当接された後、その傾斜面部7528aに沿って被押圧面部702aが移動されることで、リング規制部材700が前面(ハンドルリング540)へ向けてスライド移動される。
図27に示すように、ハンドルベース7530が下方へ更にスライド移動され、リング規制部材700のロッド部702における被押圧面部702aが、ハンドル取付台520の押圧面部7527aに到達されると、リング規制部材700の本体部701における当接面部701bが、ハンドルリング540の円板部541における背面に当接される(背面を押圧する)。
その結果、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、その初期位置への復帰が規制され、ハンドルリング540の回動操作量を固定することができるので、ハンドルリング540の回動操作量に応じて調整される球の発射強度の固定を行うことができる。
第7実施形態における操作ハンドル7051によれば、ハンドルベース530を下方へスライド移動させる操作は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、遊技者は、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング540を把持する手指の一部を離すことなく、ハンドルベース530をスライド移動させることができる。よって、第1実施形態における軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作の場合と同様に、操作性の向上を図ることができると共に、ハンドルリング540の回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。例えば、第4実施形態における発射強度変更スイッチ4640を、第7実施形態におけるリング規制部材700と置き換えて、パチンコ機10を構成することが例示される。
上記各実施形態では、リング規制部材700〜3700が532b及び切り欠き部534bに保持(案内)されてスライド移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リング規制部材をハンドルベースに回動可能に軸支する構成であっても良い。即ち、ハンドル取付台に対するハンドルベースの変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)に伴い、リング規制部材を回動させ、回動されたリング規制部材の一部をハンドルリングに当接させる構成であっても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530が変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)可能に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドル取付台520,6520,7520を、ハンドルベース530,6530に代えて、遊技機本体(下皿本体15)に変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)可能に配設しても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を、下方へ向けて変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を、上方へ向けて変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)させる構成としても良い。即ち、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を変位(軸支部分を中心とする変位またはスライド移動)させる前の初期位置(第1位置)を、変位(軸支部分を中心とする変位またスライド移動)させた後の位置(第2位置、即ち、ハンドルリング540の初期位置への復帰を規制可能な位置、又は、発射強度変更スイッチ4640,5640をオンさせる位置)よりも下方としても良い。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530を軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位またはスライド移動の初期位置へ復帰させるベース付勢ばねSP,SP7がコイルスプリングとして形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形態の付勢手段を採用することは当然可能である。他の付勢手段としては、例えば、金属性の板材からなる板ばね、金属性の線材を巻回してなるねじりばね、或いは、ウレタン状弾性体やゴム状弾性体からなる弾性体などが例示される。
上記各実施形態では、ハンドル取付台520,6520,7520に対してハンドルベース530,6530が軸支部分(軸563及び軸受523)を中心として変位またはスライド移動する方向が上下方向である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10の正面視において、上下方向と左右方向とを合成した斜め方向であっても良い。
上記各実施形態では、リング規制部材700に一対の腕部703を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる一対の腕部703を省略しても良い。材料コストを削減することができる。
上記各実施形態では、リング規制部材700,2700の当接面部701b,2701bとハンドルリング540,2540の円板部541,2541の背面(被当接面部)とが平滑面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、これら当接面部701b,2701bと円板部541,2541の背面とに鋸歯状の凹凸を設けても良い。これら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリング540,2540の回動位置を固定する構造であれば、ハンドルリング540,2540の回動位置の固定を滑ることなく強固に行うことができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされた場合、球の発射強度が最大の発射強度に変更(調整)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、調整可能な発射強度の範囲内で任意に設定することができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている間、球の発射強度が所定の発射強度(上記実施形態では最大の発射強度)に変更(調整)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされた場合には、そのオンが検出されてから一定期間の間は、発射強度変更スイッチ4640,5640がオフされたとしても、球の発射強度を所定の発射強度(例えば、最大の発射強度)に維持する構成としても良い。これにより、遊技者は、「右打ち」の間、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位)を維持し続ける必要がないので、その負担を軽減することができる。
上記第4実施形態または第5実施形態では、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている間、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)に関わらず、球の発射強度が所定の発射強度(上記実施形態では最大の発射強度)に維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発射強度変更スイッチ4640,5640がオンされている状態で、ハンドルリング540が回動操作された場合には、そのハンドルリング540の回動操作の状態に応じて、球の発射強度を変更(調整)しても良い。これにより、遊技者は、「右打ち」の実行中に、球の発射強度を微調整することができる。
上記第4実施形態では、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、発射強度変更スイッチ4640として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成しても良い。即ち、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする下方(第2位置)への変位に伴い、スイッチ操作部4640aが付勢ばねの付勢力に抗して押し込まれることで(図20(b)参照)、打ち止めスイッチがオンされ、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)にかかわらず、球の発射が停止される一方、ハンドルベース530の初期位置(第1位置)への復帰に伴い、付勢ばねの付勢力によりスイッチ操作部4640aが初期位置へ復帰されることで(図20(a)参照)、打ち止めスイッチがオフされ、球の発射が許可されるように構成しても良い。第5実施形態においても同様である。
ここで、上記実施形態では、発射停止スイッチ操作部440の操作により、打ち止めスイッチ51bをオン・オフすることが可能であるが、かかる発射停止スイッチ操作部440は、ハンドルリング540とは別にハンドルベース530に設けられた別部材であるため、かかる発射停止スイッチ440の操作と、ハンドルリング540の回動操作とをそれぞれ別々に行う必要がある。そのため、ハンドルリング540の回動操作量(回動位置)によっては、発射停止スイッチ操作部440が遊技者にとって必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリング540を把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、発射停止スイッチ操作部440を操作する必要が生じ、その結果、操作性が悪いという問題があった。
これに対し、上述したように、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成する場合のように、ハンドルベース530自体の変位(第4実施形態及び第5実施形態における軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に限らず、例えば、第7実施形態におけるスライド移動を含む)を起点として、打ち止めスイッチをオンさせ、球の発射を停止する構造であれば、かかるハンドルベース530自体の変位は、ハンドルベース530とハンドルリング540とを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリング540がどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリング530を把持する手指の一部を離すことなく、そのハンドルベース530を変位させることができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
なお、ハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位操作に伴いオン・オフされるスイッチを、打ち止めスイッチとして構成する場合には、上記各実施形態で説明した打ち止めスイッチ51b及び発射停止スイッチ操作部440は省略しても良い。
上記第5実施形態では、発射強度変更スイッチ5640の揺動片5640aが、ハーネスガイド564により押下される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、任意の部位を利用することができる。即ち、ハンドル取付台520に対するハンドルベース530の相対移動を検出できる部位であれば良く、例えば、揺動片5460aを押下する部位は、ボス部材560の基部561や突出部562、ハンドルベース530の底壁532であっても良い。或いは、発射強度変更スイッチ5640をボス部材560に固着し、その揺動片5640aをハンドル取付台520の内壁面により押下する構成であっても良い。発射強度変更スイッチ5640を、打ち止めスイッチとして構成する場合も同様である。
上記第6実施形態では、遮蔽壁6539がハンドル取付台6520の内部に挿入(内壁面側に配設)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遮蔽壁6539を、ハンドルベース6530の合わせ面部532aの外周縁に沿って立設させ、かかる遮蔽壁6539の内壁面をハンド取付台6520の外壁面に対向させても良い。即ち、遮蔽壁6539の内壁面側にハンドル取付台6520の前面側を挿入しても良い。
これにより、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位に伴い、ハンドル取付台6520の上合わせ面部527とハンドルベース6530の合わせ面部532aとの間に形成される開口を、遮蔽壁6539により塞ぐ(遮蔽する)ことができる。よって、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドル取付台6520に対するハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位状態が固定されることを抑制できる。例えば、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドルベース6530の軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位状態が固定された状態(即ち、ハンドルリング540の回動操作量に応じた球の発射強度が固定された状態)のままで、次の遊技者に引き継がれると、次の遊技者が同様の遊技を実現することが可能となるところ、開口へのコイン等の差し込みを抑制できれば、次の遊技者が同様の遊技を実現することを困難とできる。
上記第7実施形態では、ハンドル取付台7520に対するハンドルベース530のスライド移動により、リング規制部材700を動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限れられるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、発射強度変更スイッチ4640,5640を配設しても良い。発射強度変更スイッチ4640の場合は、第4実施形態の場合と同様に、リング規制部材700に代えて配設すれば良く、発射強度変更スイッチ5640の場合は、第5実施形態の場合のように、ボス部材7560によって揺動片5640aが押下されるように配設すれば良い。また、これら発射強度変更スイッチ4640,5640を、打ち止めスイッチとして構成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整される遊技機において、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースを備え、前記遊技機本体に対してハンドルベースが変位されることで、所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、ハンドルベースにはハンドルリングが回動可能に配設され、そのハンドルリングが回動可能に配設されたハンドルベースが、遊技機本体に対して変位されることで、所定の動作が行われる。よって、かかる所定の動作を行うための操作(遊技機本体に対するハンドルベースの変位)を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、容易に行うことができる。
なお、所定の動作としては、例えば、遊技球の発射の停止、遊技球の発射強度の変更(増加または減少)、ハンドルリングの初期位置への復帰の規制(ハンドルリングの回動の禁止または回動の抑制)などが例示される。
遊技機A1において、前記ハンドルベースが変位可能に配設されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備え、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、ハンドルベースが変位可能に配設されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備えるので、ハンドルリング、ハンドルベース及びハンドル取付台を少なくとも備え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位可能に構成された操作ハンドルをユニットとして組み立てることができる。よって、かかる操作ハンドルをユニットとして組み立てた上で、そのユニットを遊技機本体に組み付けることができるので、遊技機の製造の効率化を図ることができる。
遊技機A2において、前記ハンドルベースが前記ハンドル取付台に軸支され、その軸支された部分を中心として前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記所定の動作が行われることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、ハンドルベースがハンドル取付台に軸支され、その軸支された部分を中心としてハンドル取付台(即ち、遊技機本体)に対してハンドルベースが変位されることで、所定の動作が行われるので、かかる所定の動作を行うための操作を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、より容易に行うことができる。
例えば、所定の動作を行うための操作として、ハンドルベースをハンドル取付台に対して直線方向へスライド移動させる必要がある場合、操作者は、ハンドルリングを把持する手指および腕の全体を直線方向へスライド移動させなければならず、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、かかるスライド移動を行うことが困難となる。これに対し、軸支された部分を中心としてハンドル取付台に対してハンドルベースを変位させる操作であれば、操作者は、手首を変位(軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位)方向へ曲げる動作のみで行うことができるので、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支部分(軸563及び軸受523)を中心とする変位を容易に行うことができる。
なお、「軸支された部分を中心(支点)として、ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位する」ことを「揺動」又は「回動」と表現しても良い。例えば、「揺動」を採用した場合には、遊技機A3の場合には、「ハンドルベースがハンドル取付台に揺動可能(回動可能)に軸支され、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが揺動されることで、所定の動作が行われる」となる。なお、上記変位を揺動または回動と表現しても良いことは、以下の遊技機A4〜A27,B1〜B3においても同様である。
遊技機A3において、前記軸支された部分を中心とする前記ハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向が少なくとも上下方向を含む方向であることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向が少なくとも上下方向を含む方向であるので、ハンドル取付台に対してハンドルベースを軸支された部分を中心として変位させる操作を、ハンドルリングの回動操作量を維持しつつ、手首を曲げる動作によって、より容易に行うことができる。
なお、上下方向を含む方向とは、遊技機本体を正面視した状態において、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向の成分を、上下方向とその上下方向に直交する左右方向とに分解した場合に、上下方向の成分を少なくとも有することを意味する。即ち、軸支された部分を中心とするハンドル取付台に対するハンドルベースの変位方向は、上下方向に完全に平行である必要はなく、上下方向に対して傾斜する方向であっても良い。
遊技機A3又はA4において、前記ハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースに付与するベース付勢部材を備え、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが前記ベース付勢部材の付勢力に抗して第1位置から少なくとも第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位されることで、前記所定の動作が行われると共に、第1位置におけるハンドルベースが第2位置におけるハンドルベースよりも上方に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、ハンドルベースの変位位置を第1位置に復帰させる付勢力がベース付勢部材によって付与されるので、ハンドルベースを第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位させ、所定の動作を行った後は、ベース付勢部材の付勢力を利用して、第1位置へ復帰させることができ、その結果、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
ここで、第1位置におけるハンドルベースは第2位置におけるハンドルベースよりも上方に配置されるので、ハンドルベースをベース付勢部材の付勢力に抗して軸支された部分を中心として変位させる方向を下向きとすることができる。即ち、遊技者は、ハンドルベースをベース付勢部材の付勢力に抗して変位させる操作を、ハンドルリングを把持する手指や腕の自重を利用して行うことができるので、その操作性の向上を図ることができる。また、ハンドルベースは、遊技機本体の比較的低い位置に配設され、遊技者にとって、操作位置が比較的低いため、下方へ向けて変位させる操作の方が力を作用させ易い。よって、この点からも操作性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材とを備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量に応じて調整される遊技球の発射強度の固定を容易に行うことができ、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、ハンドルリングとは別にハンドルベースに設けられた別部材(ハンドルリングの初期位置への復帰を規制するために遊技者に操作される操作子)を操作することで、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制する構造では、ハンドルリングの回動操作と別部材の操作とをそれぞれ別々に行う必要があるところ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)によっては、別部材が必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリングを把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、別部材を操作する必要が生じる。その結果、操作性が悪いという問題点があった。また、ハンドルリングの回動位置に位置ずれが生じ、遊技球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができないという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、ハンドルリングの初期位置への復帰をリング規制部材により規制する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングがどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリングを把持する手指の一部を離すことなく行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができ、また、ハンドルリングの回動位置に位置ずれが生じることを抑制し、遊技球の発射強度を所望の発射強度に精度良く固定することができる。
遊技機A6において、前記ハンドルベースが軸支されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台を備え、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングへ向けてスライド移動可能に前記ハンドルベースに配設され、軸支された部分を中心として前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位されることで、前記ハンドル取付台に押圧された前記リング規制部材が前記ハンドルリングへ向けてスライド移動されると共に、そのスライド移動されたリング規制部材がハンドルリングに当接され、ハンドルリングの初期位置への復帰が規制されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、リング規制部材がハンドルリングへ向けてスライド移動可能にハンドルベースに軸支されるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位に伴う両者の相対位置の変化を利用して、ハンドル取付台によりリング規制部材を押圧させ、リング規制部材をハンドルリングへ向けてスライド移動させることができる。その結果、リング規制部材をハンドルリングに当接させて、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制することができる。
この場合、ハンドルベースにリング規制部材がスライド移動可能に配設されるので、ハンドルベースにリング規制部材が揺動(軸支された部分を中心として変位)可能に配設される構造と比較して、構造の簡素化を図ることができる。また、リング規制部材を揺動させる構造では、力点、支点(揺動中心)及び作用点を形成する必要があり、力点および作用点が支点を中心としてそれぞれ異なる方向へ移動するため、リング規制部材の動作(配設)に必要なスペースが嵩む。
これに対し、リング規制部材をスライド移動させる構造では、力点と作用点とが一直線上で同方向へ移動するため、リング規制部材の動作(配設)に必要なスペースを抑制することができる。ハンドルベースには、他の部品を複数配設する必要があるところ、リング規制部材の配設に必要なスペースを抑制できることで、他の部品が配設し易くなり、設計の自由度を高めることができる。
遊技機A7において、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングに対面する当接面部を備えると共に、前記ハンドルリングは、前記リング規制部材の当接面部が当接される被当接面部を備え、それらリング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面として形成されることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面として形成されるので、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に当接させて、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定する(ハンドルリングの初期位置への復帰を規制する)際には、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
例えば、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部にそれぞれ鋸歯状の凹凸を設け、それら鋸歯状の凹凸同士を係合させることで、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定する構造では、ハンドルリングの回動位置の固定を強固に行うことができる一方で、鋸歯状の凹凸のピッチ(間隔)が調整幅の最小値となるため、固定可能な回動位置が断続的となり、所望の回動位置に固定できないおそれがある。これに対し、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平滑面とされることで、固定可能な回動位置が連続的となるので、任意の回動位置で固定可能として、その調整幅を確保することができる。
また、当接面部が被当接面部に当接された状態とされ、ハンドルリングの回動操作量が固定されたとしても、これら当接面部および被当接面部が平滑面とされていることで、互いの当接面を相対的に滑動させることができるので、ハンドルリングの回動操作量の固定後であっても、かかるハンドルリングの回動操作量を微調整することができる。
なお、平滑面とはその面に凹凸が完全に存在しないことを要求するものではなく、互いに係合させるための形状(凹凸)が形成されていなければ足りる趣旨である。よって、通常の製造工程において発生する凹凸(表面粗さ)は許容され、製造工程において平滑処理を施すことが要求されるものではない。また、平滑面は、平面である必要はなく、湾曲面であっても良く、球面であっても良い。
遊技機A7又はA8において、前記リング規制部材は、前記ハンドルリングに対面する当接面部を備え、前記ハンドルリングは、前記リング規制部材の当接面部が当接される被当接面部を備えると共に中心側が軸支された円板状に形成され、前記リング規制部材の当接面部が前記ハンドルリングの被当接面部に当接されると、前記ハンドルリングの被当接面部に、前記ハンドルリングの回動軸方向の力成分と、前記ハンドルリングの回動軸に直交する径方向の力成分とが作用されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A7又はA8の奏する効果に加え、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)の固定を強固として、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制することができる。例えば、ハンドルリングの被当接面部に、ハンドルリングの回動軸方向の力成分のみが作用する構造では、その力成分の方向(回動軸方向)にはハンドルリングが拘束されていないため、ハンドルリングが回動軸方向へ反ってしまい、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させられないことから、ハンドルリングの回動位置を強固に固定することが困難となる。
これに対し、ハンドルリングは、中心側が軸支されるので、その軸支により径方向への力成分に対して拘束される。よって、径方向への力成分に対しては、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させることできるので、その分、ハンドルリングの回動位置を強固に固定することができる。特に、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が平坦面として形成される場合には、これら当接面部および被当接面部を互いに密着させることが必要となるため、遊技機A9の構成が有効となる。
遊技機A9において、前記リング規制部材のスライド移動の方向が前記ハンドルリングの回動軸の方向と平行とされ、前記リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部が前記ハンドルリングの回動軸に直交する径方向に対し傾斜されることを特徴とする遊技機10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制しつつ、ハンドルベースの小型化を図ることができる。
即ち、リング規制部材の当接面部およびハンドルリングの被当接面部がハンドルリングの回動軸に直交する径方向に対し傾斜されるので、ハンドルリングの被当接面部に、ハンドルリングの回動軸方向の力成分に加え、ハンドルリングの回動軸に直交する径方向の力成分を作用させ、リング規制部材の当接面部をハンドルリングの被当接面部に密着させることができる。よって、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を強固に固定して、ハンドルリングの初期位置への復帰を確実に規制できる。
この場合、リング規制部材のスライド移動の方向自体をハンドルリングの回動軸の方向に対して傾斜させることも考えられるが、その傾斜の分、リング規制部材の配設に必要なスペースが径方向に嵩むこととなり、ハンドルベースの大型化を招くと共に、ハンドルベースを樹脂材料から金型を用いて射出成形する場合には、ハンドルベースの金型からの脱型性が悪化する。これに対し、リング規制部材のスライド移動の方向がハンドルリングの回動軸の方向と平行とされることで、リング規制部材の配設に必要なスペースを抑制することができ、その分、ハンドルベースの小型化を図ることができる。また、リング規制部材がスライド移動可能に配設されるハンドルベースの部分の形状を、ハンドルベースを射出成形する金型の脱型方向に沿わせることができ、その分、成形性と金型構造の簡素化とを図ることができる。
遊技機A7からA10のいずれかにおいて、前記ハンドルベースに配設され前記ハンドルリングの前面側に位置する前カバーを備え、前記ハンドル取付台は、そのハンドル取付台に対して前記ハンドルベースが軸支された部分を中心として変位されることで、前記リング規制部材を押圧する押圧面部を備え、前記ハンドル取付台に前記ハンドルベースが変位可能に軸支される軸から前記前カバーまでの距離が、前記軸から前記ハンドル取付台の押圧面部までの距離よりも大きくされることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、遊技機A7からA10のいずれかの奏する効果に加え、ハンドルリングの前面側に前カバーが配設されるので、遊技者は、ハンドルリングを手指で把持する際に、前カバーに手の平を添えることができ、かかる前カバーを、ハンドル取付台に対してハンドルベースを軸支された部分を中心として変位させる際に力を加える部分(力点)として利用することができる。
この場合、ハンドル取付台にハンドルベースを変位可能に軸支する軸(支点)から前カバー(力点)までの距離が、軸(支点)からハンドル取付台の押圧面部(作用点)までの距離よりも大きくされる、即ち、力点から支点までの距離が、支点から作用点までの距離よりも大きくされるので、力点となる前カバーに加えられる力が小さくても、その力を増幅させて、作用点となる押圧面部によりリング規制部材を大きな力で押圧することができる。これにより、リング規制部材をハンドルリングに強固に当接させ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を確実に固定することができ、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制できる。
なお、前カバーは前面側へ向けて膨出する半球状であることが好ましい。この場合、軸から前カバーまでの距離とは、前カバーの外面(前面)の内で軸までの直線距離(軸に直交する方向での距離)が最大となる位置での距離を意味する。同様に、軸から押圧面部までの距離とは、リング規制部材を押圧する押圧面部の領域の内で軸までの直線距離(軸に直交する方向での距離)が最大となる位置での距離を意味する。
遊技機A7からA11のいずれかにおいて、前記ハンドル取付台は、そのハンドル取付台に対して前記ハンドルベースが軸支された部分を中心として変位されることで、前記リング規制部材を押圧する押圧面部を備えると共に、前記リング規制部材は、前記ハンドル取付台の押圧面部により押圧される被押圧面部を備え、前記ハンドル取付台の押圧面部が平面として形成され、前記リング規制部材の被押圧面部が前記ハンドル取付台の押圧面部へ向けて膨出する球面として形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A7からA11のいずれかの奏する効果に加え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが軸支された部分を中心として変位された場合に、ハンドル取付台の押圧面部に被押圧面部が押圧されたリング規制部材を、安定してスライド移動させることができる。即ち、ハンドル取付台の押圧面部が軸支された部分を中心として移動する一方、リング規制部材がスライド移動(直線移動)する構造であり、両者の相対的な位置関係が不定であるところ、ハンドル取付台の押圧面部が平面として形成され、リング規制部材の被押圧面部がハンドル取付台の押圧面部へ向けて膨出する球面として形成されることで、両者の接触位置を軸支された部分を中心とする変位に伴い移動させ、リング規制部材をハンドルリングへ向かう方向へスライド移動させるための力成分を連続的に発生させることができる。これにより、リング規制部材を詰まらせることなく、安定してスライド移動させることができる。
遊技機A7からA12のいずれかにおいて、前記ハンドルベースは、前記リング規制部材を前記ハンドルリングへ向けてスライド移動可能に保持するスライド保持部を備え、そのスライド保持部は、前記ハンドルリングに対面する側が開放されて形成される共に、その開放部分からリング規制部材を受け入れ可能に形成されることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A7からA12のいずれかの奏する効果に加え、リング規制部材をスライド可能に保持するハンドルベースのスライド保持部は、ハンドルリングに対面する側が開放されて形成されると共に、その開放部分からリング規制部材を受け入れ可能に形成されるので、かかる開放部分を利用して、リング規制部材をハンドルベースのスライド保持部に容易に装着することができ、組み立てコストの削減を図ることができる。なお、スライド保持部の開放部分は、ハンドルリングに対面する側であるから、ハンドルベースにハンドルリングが配設(装着)されることで、リング規制部材がスライド保持部の開放部分から脱落することがなく、また、リング規制部材の一部(当接面部)をハンドルリングの一部(被当接面部)に対面して配置させることができる。
遊技機A13において、前記リング規制部材は、弾性変形可能な腕部を備えると共に、前記ハンドルベースのスライド保持部は、前記リング規制部材が前記ハンドルリングへ向けてスライド移動する際に前記リング規制部材の腕部を受け止める受止突起を備えることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、ハンドルベースのスライド保持部は、リング規制部材がハンドルリングへ向けてスライド移動する際にリング規制部材の腕部を受け止める受止突起を備えるので、ハンドルベースのスライド保持部にその開放部分からリング規制部材を装着した後、ハンドルベースにハンドルリングが装着されるまでの間に、リング規制部材がスライド保持部の開放部分から脱落することを防止することができ、組み立て作業性の向上を図ることができる。
一方、リング規制部材の腕部は、弾性変形可能に形成されるので、ハンドル取付台に対してハンドルベースが軸支された部分を中心として変位され、リング規制部材がハンドル取付台により押圧された場合には、受止突起に受け止められた腕部が弾性変形することで、リング規制部材をハンドルリングへ向けてスライド移動させることができる。これにより、リング規制部材をハンドルリングに当接させ、ハンドルリングの初期位置への復帰を規制できる。ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位が解除された場合には、腕部の弾性回復力によって、リング規制部材をハンドルリングから離間する方向へスライド移動させることができる。これにより、リング規制部材を初期位置へ復帰させ、ハンドル取付台(押圧面部)がリング規制部材(被押圧面部)を押圧可能な状態を形成できると共に、リング規制部材(当接面部)とハンドルリング(被当接面部)との間に隙間を形成できる。隙間を形成することで、両者の当接による抵抗に起因してハンドルリングの回動操作が阻害されることを回避できる。
遊技機A14において、前記リング規制部材の腕部は、ハンドルベースの周方向に沿って延設されると共に、前記スライド保持部の受止突起は、ハンドルベースの内周面から径方向内方へ向けて突設されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、リング規制部材の腕部が、ハンドルベースの周方向に沿って延設されるので、他の部品の配設スペースに影響を与えることを抑制しつつ、腕部を長くすることができると共に腕部の弾性変形に必要なスペースを確保することができる。また、スライド保持部の受止突起が、ハンドルベースの内周面から径方向内方へ向けて突設されるので、組み立て時における視認性を確保できる。その結果、腕部と受止突起との位置関係の確認作業を容易として、作業性の向上を図ることができる。
遊技機A15において、前記スライド保持部の受止突起には、その突設上面に、ハンドルリングから離間するに従って前記ハンドルベースの内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、スライド保持部の受止突起には、その突設上面に、ハンドルリングから離間するに従ってハンドルベースの内周面から上昇傾斜する傾斜面が形成されるので、ハンドルベースのスライド保持部にその開放部分からリング規制部材を装着する際には、受止突起の突設上面に形成される傾斜面に沿ってリング規制部材の腕部が移動することで、かかる受止突起を腕部に乗り越えさせることができる。即ち、スライド保持部の開放部分からリング規制部材を押し込むだけでよく、腕部を持ち上げて受止突起を乗り越えさせる作業を行う必要がないので、その組み立て作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段による遊技球の発射を停止させる発射停止手段とを備えることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、遊技球発射手段による遊技球の発射を発射停止手段により停止することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射の停止を容易に行うことができ、遊技者の操作性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、ハンドルリングとは別にハンドルベースに設けられた別部材(遊技球の発射を停止するために遊技者に操作される操作子)を操作することで、遊技球の発射を停止する構造では、ハンドルリングの回動操作と別部材の操作とをそれぞれ別々に行う必要があるところ、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)によっては、別部材が必ずしも操作し易い位置にあるとは限らず、ハンドルリングを把持している手指の一部を離して、或いは、無理な姿勢で、別部材を操作する必要が生じる。その結果、操作性が悪いという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、遊技球の発射を発射停止手段により停止する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングがどのような回動位置にあったとしても、ハンドルリングを把持する手指の一部を離すことなく行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースを変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)させることで、遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射強度の変更(所定の発射強度の設定)を容易に行うことができ、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
なお、発射強度設定手段により設定される所定の発射強度としては、例えば、設定可能な範囲での最大の発射強度、予め定められている発射強度(よって、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも弱い発射強度および強い発射強度の両者を含む)、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも少なくとも強い発射強度などが例示される。
ここで、遊技者は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を変更(例えば、発射強度を最大とする所謂「右打ち」)することがある。しかしながら、このような遊技球の発射強度を最大とすることが要求される時間は比較的短く、通常の遊技状態に戻るたびに、遊技球の発射強度を元の発射強度を戻す必要があり、その再調整に遊技者が煩わされるという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を起点として、遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングを把持する手指の一部を離したり無理な姿勢を取ることなく、即ち、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。よって、ハンドルベース自体の変位(軸支された部分を中心とする変位)を戻せば、遊技球の発射強度も元の発射強度(ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、遊技球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
遊技機A17又はA18において、前記発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、前記発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、ハンドルベースの変位が所定量以上となった場合に行われることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A17又はA18の奏する効果に加え、発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対するハンドルベースの変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心とする変位)が所定量以上となった場合に行われ、ハンドルベースの変位が所定量に達するまでの間は行われないので、遊技者の意図しない操作(ハンドルベースの変位)によって、遊技球の発射が不用意に停止される、又は、所定の発射強度に不用意に設定されることを抑制することができる。
遊技機A17からA19のいずれかにおいて、前記発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、前記発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、ハンドルベースの変位が最大量に達した状態で維持されることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A17からA19のいずれかの奏する効果に加え、発射停止手段による遊技球の発射の停止、又は、発射強度設定手段による所定の発射強度の設定は、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対するハンドルベースの変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心とする変位)が最大量に達した状態で維持されるので、遊技者は、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度への設定を行う場合には、ハンドルベースの変位(軸支された部分を中心とする変位)を可動範囲の終端まで操作すれば良く、可動範囲の途中で停めて維持する必要がない。即ち、遊技球の発射を停止する状態、又は、所定の発射強度に設定する状態を遊技者にとって楽な姿勢(ハンドルベースを可動範囲の終端まで操作した姿勢)で形成することができるので、その操作性の向上を図ることができる。
また、楽な姿勢であるので、遊技球の発射を停止している間、又は、所定の発射強度に設定している間も、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれ難く、所望の回動操作量に維持しやすくすることができる。その結果、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、元の発射強度での球の発射をより高精度に再現することができる。
遊技機A17からA20のいずれかにおいて、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材とを備えることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A17からA20のいずれかの奏する効果に加え、遊技本体(遊技機A2からA5においてはハンドル取付台)に対してハンドルベースが変位(遊技機A3からA5においては軸支された部分を中心として変位)されると、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、遊技球の発射を停止する際に、又は、所定の発射強度に設定する際に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量に維持することができる。その結果、遊技球の発射の停止、又は、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、遊技球を所望の発射強度で発射することができる。
遊技機A1からA21において、前記ハンドルベースが変位可能に軸支されると共に遊技機本体に固設されるハンドル取付台と、そのハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースに付与するベース付勢部材とを備え、前記ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面には、平坦面状に形成され前記第1位置において互いに当接される合わせ面部が形成されることを特徴とする遊技機A22。
遊技機A22によれば、遊技機A1からA21の奏する効果に加え、ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面には、平坦面状に形成され第1位置において互いに当接される合わせ面部が形成されるので、ハンドルベースの変位位置が第1位置に配設された状態では、平坦面状に形成された互いの合わせ面部をベース付勢部材の付勢力により密着させることができる。これにより、第1位置において、ハンドル取付台に対しハンドルベースをがたつかせることなく、安定した状態に維持することができる。その結果、例えば、ハンドルリングを操作する際の操作性の向上を図ることができる。
遊技機A22において、前記合わせ面部が前記ハンドルベース及びハンドル取付台の上方に位置することを特徴とする遊技機A23。
遊技機A23によれば、遊技機A22の奏する効果に加え、ハンドルベースの変位位置が第1位置に配設された状態では、ハンドルベース及びハンドル取付台の対向面において、互いの合わせ面部が密着されるところ、かかる合わせ面部がハンドルベース及びハンドル取付台の上方に位置するので、第1位置において、遊技者が不用意に落下させた異物や埃、ゴミなどの異物が内部に入り込むことを抑制できる。特に、ハンドルベースは、ベース付勢部材の付勢力によって第1位置に復帰され、第1位置に配設される期間が長いため、合わせ面部を上方に配設する構成が有効となる。
遊技機A22又はA23において、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが第1位置から第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位された場合に前記ハンドル取付台の合わせ面部とハンドルベースの合わせ面部との間に形成される開口を覆う覆設部材を備えることを特徴とする遊技機A24。
遊技機A24によれば、遊技機A22又はA23の奏する効果に加え、ハンドル取付台に対してハンドルベースが第1位置から第2位置へ向かう方向へ軸支された部分を中心として変位されると、ハンドル取付台の合わせ面部とハンドルベースの合わせ面部との間に開口が形成されるところ、かかる開口を覆う覆設部材を備えるので、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位状態が固定されることを抑制できる。例えば、遊技機A6からA16のように、ハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位に伴い、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定できる構造では、開口にコイン等が差し込まれ、ハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位状態が固定された状態(即ち、ハンドルリングの回動操作量に応じた遊技球の発射強度が固定された状態)のままで、次の遊技者に引き継がれると、次の遊技者が同様の遊技を実現することが可能となるところ、開口へのコインの差し込みによる変位状態の固定を抑制できることで、次の遊技者が同様の遊技を実現することを困難とできる。
遊技機A1からA24において、遊技機本体に固設されると共に前面側が開放して形成されるハンドル取付台と、前記ハンドルベースの背面から突設されると共に前記ハンドル取付台の前面側の開放部分から内部に挿通されるボス部材とを備え、そのボス部材が前記ハンドル取付台の内壁面に軸支されることで、前記ハンドル取付台に対してハンドルベースが変位可能に軸支されることを特徴とする遊技機A25。
遊技機A25によれば、遊技機A1からA24のいずれかの奏する効果に加え、ハンドルベースの背面から突設されるボス部材を備え、そのボス部材が、ハンドル取付台の内部に挿通され、ハンドル取付台の内壁面に軸支されるので、その軸支された部分を中心としてハンドル取付台に対してハンドルベースを変位させるための構造を、ハンドル取付台の内部に収容することができる。これにより、デッドスペースとなるハンドル取付台の内部空間を有効利用できるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位を可能としつつ、その小型化を図ることができる。
遊技機A25において、前記ハンドル取付台に対して第1位置と第2位置との間で軸支された部分を中心として変位可能とされる前記ハンドルベースの変位位置を第1位置へ復帰させる付勢力を前記ハンドルベースのボス部材に付与するベース付勢部材を備え、前記ベース付勢部材は、前記ハンドル取付台に軸支される部位よりも前記ボス部材の突設先端側と、前記ハンドル取付台の内壁面との間に介設されることを特徴とする遊技機A26。
遊技機A26によれば、遊技機A25の奏する効果に加え、第1位置に復帰させるためにハンドルベースのボス部材に付勢力を付与するベース付勢部材は、ボス部材とハンドル取付台の内壁面との間に介設されるので、かかるベース付勢部材をハンドル取付台の内部に収容することができる。これにより、デッドスペースとなるハンドル取付台の内部空間を有効利用できるので、ハンドル取付台に対するハンドルベースの軸支された部分を中心とする変位を可能としつつ、その小型化を図ることができる。
この場合、ベース付勢部材がボス部材に接続される位置は、ボス部材がハンドル取付台に軸支される部位(支点)よりもボス部材の突設先端側であるので、ボス部材の支点よりもハンドルベース側となる部位に接続される場合と比較して、支点からの距離を確保し易くすることができる。これにより、ハンドルベースを第1位置に復帰させる付勢力を確保できる。
遊技機A26において、前記ハンドル取付台は、背面側が開放して形成されることを特徴とする遊技機A27。
遊技機A27によれば、遊技機A26の奏する効果に加え、ハンドル取付台は、背面側が開放して形成されるので、かかる背面側の開放部分からハンドル取付台の内部空間を露出させることができる。これにより、ボス部材の突出先端側とハンドル取付台の内壁面との間にベース付勢部材を介設させるための取付作業を、ハンドル取付台の背面側の開放部分から行うことができるので、その取付作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA27のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されるものであって、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースと、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段と、を備える。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材と、を備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技本体に対してハンドルベースを変位させることで、遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射強度の変更(所定の発射強度の設定)を容易に行うことができ、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
なお、発射強度設定手段により設定される所定の発射強度としては、例えば、設定可能な範囲での最大の発射強度、予め定められている発射強度(よって、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも弱い発射強度および強い発射強度の両者を含む)、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも少なくとも強い発射強度などが例示される。
ここで、遊技者は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を変更(例えば、発射強度を最大とする所謂「右打ち」)することがある。しかしながら、このような遊技球の発射強度を最大とすることが要求される時間は比較的短く、通常の遊技状態に戻るたびに、遊技球の発射強度を元の発射強度を戻す必要があり、その再調整に遊技者が煩わされるという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位を起点として、遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングを把持する手指の一部を離したり無理な姿勢を取ることなく、即ち、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。よって、ハンドルベース自体の変位を戻せば、遊技球の発射強度も元の発射強度(ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、遊技球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技本体に対してハンドルベースが変位されると、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、所定の発射強度に設定する際に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量に維持することができる。その結果、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、遊技球を所望の発射強度で発射することができる。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整されるものであって、前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースと、前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段と、を備える。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材と、を備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技本体に対してハンドルベースを変位させることで、遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定することができる。これにより、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、遊技球の発射強度の変更(所定の発射強度の設定)を容易に行うことができ、遊技者の負担の軽減を図ることができる。
なお、発射強度設定手段により設定される所定の発射強度としては、例えば、設定可能な範囲での最大の発射強度、予め定められている発射強度(よって、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも弱い発射強度および強い発射強度の両者を含む)、回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度(即ち、現在のハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)よりも少なくとも強い発射強度などが例示される。
ここで、遊技者は、遊技状態に応じて、遊技球の発射強度を変更(例えば、発射強度を最大とする所謂「右打ち」)することがある。しかしながら、このような遊技球の発射強度を最大とすることが要求される時間は比較的短く、通常の遊技状態に戻るたびに、遊技球の発射強度を元の発射強度を戻す必要があり、その再調整に遊技者が煩わされるという問題があった。
これに対し、ハンドルベース自体の変位を起点として、遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する構造であれば、かかるハンドルベース自体の変位は、ハンドルベースとハンドルリングとを一体的に変位させる動作であるから、ハンドルリングを把持する手指の一部を離したり無理な姿勢を取ることなく、即ち、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を維持しつつ、行うことができる。よって、ハンドルベース自体の変位を戻せば、遊技球の発射強度も元の発射強度(ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度)に復帰させることができる。これにより、遊技状態が変化するたびに、遊技球の発射強度を再調整する手間を不要とすることができ、遊技者の負担を軽減することができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技本体に対してハンドルベースが変位されると、ハンドルリングが初期位置へ復帰されることをリング規制部材によって規制して、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)を固定することができる。これにより、所定の発射強度に設定する際に、ハンドルリングの回動操作量(回動位置)がずれることを抑制して、所望の回動操作量に維持することができる。その結果、所定の発射強度の設定を解除して、ハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度での遊技球の発射を再開する場合には、遊技球を所望の発射強度で発射することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
15 下皿ユニット(遊技機本体)
520,6520,7520 ハンドル取付台
527 上合わせ面部(合わせ面部)
528a 押圧面部
530,6530 ハンドルベース
532a 合わせ面部
534b 切り欠き部(スライド保持部)
538 受止突起
6539 遮蔽壁(覆設部材)
540,2540,3540 ハンドルリング
541,2541 円板部(被当接面部)
3542 外周壁(被当接面部)
550 前カバー
560 ボス部材
700,2700 リング規制部材
701b,2701b 当接面部
3701c 当接面部
702a 被押圧面部
703 腕部
SP ベース付勢ばね(ベース付勢部材)
15 下皿ユニット(遊技機本体)
520,6520,7520 ハンドル取付台
527 上合わせ面部(合わせ面部)
528a 押圧面部
530,6530 ハンドルベース
532a 合わせ面部
534b 切り欠き部(スライド保持部)
538 受止突起
6539 遮蔽壁(覆設部材)
540,2540,3540 ハンドルリング
541,2541 円板部(被当接面部)
3542 外周壁(被当接面部)
550 前カバー
560 ボス部材
700,2700 リング規制部材
701b,2701b 当接面部
3701c 当接面部
702a 被押圧面部
703 腕部
SP ベース付勢ばね(ベース付勢部材)
Claims (2)
- 遊技者によって回動操作されるハンドルリングを備え、そのハンドルリングの回動操作量に応じて遊技球の発射強度が調整される遊技機において、
前記ハンドルリングが回動可能に配設されると共に遊技機本体に対して変位可能とされるハンドルベースと、
前記ハンドルリングの回動操作量を検出する回動操作量検出手段と、
その回動操作量検出手段により検出されるハンドルリングの回動操作量に応じた発射強度により遊技球を発射する遊技球発射手段と、
前記ハンドルベースの変位に伴って、前記遊技球発射手段により発射される遊技球の発射強度を所定の発射強度に設定する発射強度設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記ハンドルリングの回動位置を初期位置に復帰させる付勢力を前記ハンドルリングに付与するリング付勢部材と、
前記ハンドルベースの変位に伴って、前記ハンドルリングが初期位置へ復帰されることを規制するリング規制部材と、を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016197649A JP2016221389A (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016197649A JP2016221389A (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 遊技機 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012143558A Division JP6019808B2 (ja) | 2012-06-26 | 2012-06-26 | 遊技機 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018150998A Division JP2018167107A (ja) | 2018-08-10 | 2018-08-10 | 遊技機 |
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---|---|
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Family
ID=57745003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016197649A Pending JP2016221389A (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016221389A (ja) |
Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JP2002210098A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-07-30 | Takao:Kk | パチンコ遊技機 |
JP2009000294A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Olympia:Kk | 弾球遊技機の発射ハンドル |
JP2013223525A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-31 | Daiichi Shokai Co Ltd | 遊技機 |
JP6019808B2 (ja) * | 2012-06-26 | 2016-11-02 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
2016
- 2016-10-06 JP JP2016197649A patent/JP2016221389A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002210098A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-07-30 | Takao:Kk | パチンコ遊技機 |
JP2009000294A (ja) * | 2007-06-21 | 2009-01-08 | Olympia:Kk | 弾球遊技機の発射ハンドル |
JP2013223525A (ja) * | 2012-04-19 | 2013-10-31 | Daiichi Shokai Co Ltd | 遊技機 |
JP6019808B2 (ja) * | 2012-06-26 | 2016-11-02 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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