JP2016221029A - 塗布具付き化粧料容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】スティック状の塗布具付き化粧料容器であって、簡易な構成で使いやすい、優れた塗布具付き化粧料容器を提供する。【解決手段】有底筒状の容器本体11と、その開口を着脱自在に蓋する蓋体12とを備え、上記容器本体11の内側には、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体30が収容されており、上記蓋体12には、容器本体11の開口を塞ぐ側の面に、容器本体11内に向かって延びる化粧料塗布具13が設けられており、上記蓋体12で容器本体11を蓋することにより、上記化粧料塗布具13の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体30を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体30に保持された化粧料が化粧料塗布具13の先端部分に付着するようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、少量の化粧料を収容してそのまま使用に供することのできる、携帯等に便利な塗布具付き化粧料容器に関するものである。
従来、アイカラーやチークカラーといった粉末化粧料は、例えば図7に示すような、コンパクトタイプの容器において、浅皿状の凹部8内に圧縮打型された状態で収容されている。そして、上記凹部8の手前側には、これらの粉末化粧料を塗布するためのチップや刷毛等の塗布具9が、色数に応じて収容されている。
しかし、このようなコンパクトタイプの容器では、収容する化粧料の色数が多くなればなるほど、その平面形状が大きくなるため、保管や携帯に不便であるという問題がある。また、携帯時に、ファンデーション等を収容する他のコンパクト容器と当たって、容器や内側の化粧料に損傷を招くおそれもある。
そこで、最近、細長いスティック状の容器本体内にアイカラー等の粉末化粧料を充填し、キャップ内側に、チップ等の化粧料塗布具を設けて、その化粧料塗布具に粉末化粧料を付着させて化粧できるようにしたものが、携帯等に便利であるとして、各種提案されている(下記の特許文献1〜3を参照)。
実公平3−31230号公報 特開2005−192865号公報 特許第5069047号公報
例えば、上記特許文献1には、筒状本体の先端にキャップを被着したまま筒状本体の後端突出部をノック(押圧)することにより、筒状本体に内蔵されたチップに、容器本体内の先端に充填された化粧料を付着させるようにしたパウダー容器が記載されている。しかし、この構成において、容器本体内に充填される化粧料がさらさらの粉末のままでは、容器本体からチップを取り出す際、化粧料が周囲にこぼれたりチップの把持部が汚れたりしやすく、逆に、圧縮充填されていると、ノックを繰り返しても化粧料を充分に付着させることが難しい、という問題がある。
一方、上記特許文献2には、キャップの着脱時に、化粧材充填部が、回転しながら軸方向に摺動して、化粧材が塗布具に付着しやすいようになっている化粧材塗布具容器が記載されている。より詳しく説明すると、この化粧材塗布具容器は、図8に示すように、筒状の容器本体1と、キャップ2と、このキャップ2から垂下して容器本体1内に延びる塗布具3とを備えており、上記容器本体1の内側には、化粧材4が圧着状態で充填された内筒5が、スプリング6を介して弾力的に保持されている。そして、キャップ2の着脱時に、塗布具3の軸部分が上下動すると、その動きに伴って、内筒5が回転しながら軸方向に摺動するため、それによって、化粧材4が、あたかもこすり取られるようにして塗布具3に付着する。したがって、化粧材4を、比較的硬い、圧着状態で充填しても塗布具3に付着させることができ、化粧材がこぼれたり周囲を汚したりすることがない。
しかし、この化粧材塗布具容器は、これを分解して示す図9を見てわかるように、容器を構成する部材の点数が多く、その形状が複雑で、組み立てに手間を要するという問題がある。また、容器全体が比較的重く、筒の形状も嵩張るため、携帯用途には不向きである。また、ごく少量の化粧材4を充填してサンプルとして配布したり、トラベルセットあるいはお試しセットとして提供したりする用途にも不向きである。
さらに、上記特許文献3には、筒状の容器本体の内側に、さらさらのパウダー化粧料をそのまま収容し、キャップ側から垂下する塗布具と化粧料収容部との間に、余分なパウダーをかき落とすリングを設けて、化粧料が周囲を汚さないよう工夫したパウダー容器が記載されている。しかしながら、この容器も、容器本体内にリングを取り付けるための構造や、塗布具をスライドさせるための構造が複雑なため、上記特許文献2と同様、携帯用途やサンプル用途等には不向きである。
そこで、アイカラー等の粉末化粧料を数回分だけ簡易な容器に収容し、その容器に設けられた塗布具で直接塗布することができるような塗布具付き化粧料容器が強く望まれている。すなわち、そのような塗布具付き化粧料容器があれば、サンプルとして配布することができるだけでなく、トラベルセット、お試しセット等としての商品価値もあり需要が高いと思われる。また、化粧料の色ごとに用意した多数の容器から、外出の都度、そのとき必要な色の化粧料を組み合わせて携帯すれば、複雑な色合いのメイクアップの化粧直しを外出先で手軽に行うこともできる。しかし、そのような塗布具付き化粧料容器は、未だ実用化されていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、スティック状の塗布具付き化粧料容器であって、簡易な構成で使いやすい、優れた塗布具付き化粧料容器の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、有底筒状の容器本体と、上記容器本体の開口を着脱自在に蓋する蓋体とを備え、上記容器本体の内側には、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体が収容されており、上記蓋体には、容器本体の開口を塞ぐ側の面に、容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具が設けられており、上記蓋体で容器本体を蓋することにより、上記化粧料塗布具の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっている塗布具付き化粧料容器を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記容器本体の下部と上記蓋体の上部とが互いに着脱自在に嵌合するようになっており、複数の容器本体を、蓋体を介して連結できるようになっている塗布具付き化粧料容器を第2の要旨とする。
さらに、本発明は、複数の同形状の有底筒状の容器本体の組み合わせからなり、上記容器本体の開口部と、他の容器本体の下部とが、互いに着脱自在に嵌合するようになっており、上記各容器本体の内側に、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体がそれぞれ収容され、各容器本体の、他の容器本体の開口を塞ぐ側の面には、他の容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具が設けられており、上記容器本体同士を連結することにより、上記化粧料塗布具の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっている塗布具付き化粧料容器を第3の要旨とする。
そして、本発明は、有底筒状の第1の容器本体と、この第1の容器本体と同一形状の第2の容器本体と、一端部で上記第1の容器本体の開口を着脱自在に蓋し、他端部で上記第2の容器本体の開口を着脱自在に蓋するよう設定された蓋体とを備え、上記第1、第2の容器本体の内側には、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体がそれぞれ収容されており、上記蓋体には、第1の容器本体の開口を塞ぐ側の面に、第1の容器本体内に向かって延びる第1の化粧料塗布具が設けられ、第2の容器本体の開口を塞ぐ側の面に、第2の容器本体内に向かって延びる第2の化粧料塗布具が設けられており、上記蓋体で第1、第2の容器本体を蓋することにより、上記第1、第2の化粧料塗布具の先端部分が、上記第1、第2の容器本体内の連続気泡多孔質弾性体をそれぞれ圧縮した状態で、第1の容器本体と第2の容器本体とが蓋体を介して連結され、各容器本体内の連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が、各化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっている塗布具付き化粧料容器を第4の要旨とする。
また、本発明は、それらのなかでも、特に、上記連続気泡多孔質弾性体が、ラテックススポンジ、乾式ウレタンスポンジ、湿式ウレタンスポンジのいずれかである塗布具付き化粧料容器を第5の要旨とし、そのなかでも、特に、上記連続気泡多孔質弾性体が、乾式ウレタンスポンジであり、その見かけ密度が20〜50kg/m、伸び率が80%以上、セル数が3〜20個/25mmである塗布具付き化粧料容器を第6の要旨とする。
すなわち、本発明の第1の要旨である塗布具付き化粧料容器は、化粧料を、連続気泡多孔質弾性体に保持した状態で容器本体内に収容するとともに、蓋体の内側から容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具を設け、蓋体を閉じた状態において、上記化粧料塗布具の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっている。
この構成によれば、化粧料を収容する容器本体と、これを蓋する蓋体とを組み合わせただけの簡易な構成でありながら、蓋体を閉じるという簡単な動作で容器本体内の化粧料を効率よく化粧料塗布具に付着させることができ、たとえ化粧料の量がごく少ない量であっても、その効果が損なわれることがない。しかも、上記化粧料が連続気泡多孔質弾性体の気泡内に保持されているため、化粧料が粉末状であっても、周囲に飛散したりこぼれたりすることがない。したがって、この塗布具付き化粧料容器は、携帯に便利であるばかりでなく、無料で配布するサンプル用、あるいは数回の使用を前提としたお試し用、トラベル用等といった、さまざまな形で好適に用いることができる。
また、この塗布具付き化粧料容器は、構成が簡単なため、一個の容器が、従来のスティック状の容器(例えば特許文献1〜3等)に比べて大幅に小さく軽量なものとなる。したがって、使用したい化粧料の色や種類の数だけ、この塗布具付き化粧料容器を準備し、それらを同時に携帯しても、嵩張らず、使い勝手のよいものとなる。
そして、本発明の第2の要旨である塗布具付き化粧料容器は、特に、上記容器本体の下部と上記蓋体の上部とが互いに着脱自在に嵌合するようになっており、複数の容器本体を、蓋体を介して連結できるようになっているものは、化粧料の色や種類に応じた数だけ用意されるこの容器を、互いに連結した状態で保管したり携帯したりすることができるため、容器がばらつかず、管理しやすい。また、蓋体を外して蓋体から延びる化粧料塗布具を使って化粧する際、化粧料塗布具の根元部分(蓋体の一部を含む)の長さが短くて手をかけにくい場合であっても、これに連結される他の容器本体の胴体部にも手をかけることができ、持ち方が安定して化粧しやすいという利点を有する。
また、本発明の第3の要旨である塗布具付き化粧料容器は、上記のように、蓋体を介するのではなく、複数の同形状の容器本体が直接、互いに着脱自在に嵌合するようになっており、各容器本体の、他の容器本体の開口を塞ぐ側の面から、他の容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具が設けられ、各容器本体内には、上記と同様、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体が収容されたものである。この構成によれば、蓋体を介さない分、複数の容器を、よりコンパクトに連結することができ、携帯や保管に便利である。そして、容器本体が蓋体を兼ねるため、製造コストもより低く抑えることができ、経済的である。
さらに、本発明の第4の要旨である塗布具付き化粧料容器は、上記と同様、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体が収容された容器本体が、二個同時に、単一の蓋体の両側においてそれぞれ蓋されるようになっているものである。上記蓋体の、容器本体の開口を塞ぐ側の面には、それぞれ化粧料塗布具が設けられており、この化粧料塗布具によって、各容器体内の化粧料を、第1〜第3の要旨である塗布具付き化粧料容器と同様にして、その先端部分に付着させて化粧できるようになっている。この構成によれば、色等の異なる2種類の化粧料を、一つのセットとして取り扱うことができ、使い勝手がよい。
そして、これら本発明の塗布具付き化粧料容器において、特に、上記連続気泡多孔質弾性体が、ラテックススポンジ、乾式ウレタンスポンジ、湿式ウレタンスポンジのいずれかであるものは、圧縮弾性が良好で、化粧料塗布具への化粧料の移行がスムーズに行われるため、より好ましいものとなる。
そして、本発明の塗布具付き化粧料容器のなかでも、特に、上記連続気泡多孔質弾性体が、乾式ウレタンスポンジであり、その見かけ密度が20〜50kg/m、伸び率が80%以上、セル数が3〜20個/25mmであるものは、化粧料塗布具への化粧料の移行が、とりわけスムーズに行われるため、さらに好ましいものとなる。
本発明の一実施の形態を示す分解斜視図である。 (a)は上記実施の形態に用いられる蓋体の部分断面説明図、(b)は同じく上記実施の形態に用いられる容器本体の部分断面説明図、(c)は(b)のA−A′断面図である。 (a)は上記実施の形態において容器本体内に化粧料が保持された状態を示す部分断面説明図、(b)は同じく上記実施の形態において容器本体を蓋体で蓋した状態を示す部分断面説明図である。 上記実施の形態である塗布具付き化粧料容器を二個連結した状態を示す部分断面説明図である。 本発明の他の実施の形態を示す部分断面説明図である。 本発明のさらに他の実施の形態を示す部分断面説明図である。 粉末化粧料を収容する従来の化粧料容器の一例を示す説明図である。 従来の塗布具付き化粧料容器の一例を示す説明図である。 上記塗布具付き化粧料容器の分解説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態を示す分解斜視図である。この塗布具付き化粧料容器は、粉末化粧料であるアイカラーを収容しており、容器に付けられた化粧料塗布具によって、このアイカラーを目元に塗布して化粧することができるようになっている。すなわち、上記塗布具付き化粧料容器は、有底筒状の容器本体11と、上記容器本体11の開口を着脱自在に蓋する蓋体12とを備え、上記蓋体12の、容器本体11の開口を塞ぐ側の面に、容器本体11内に向かって延びる化粧料塗布具13が設けられている。
より詳しく説明すると、上記蓋体12は、図2(a)に示すように、この部分を把持して蓋体12を容器本体11(図1参照)の開口に嵌合したり外したりする動作を行う大径筒部14と、容器本体11の開口に嵌入される小径筒部15と、底面部16とを備えている。そして、上記底面部16の下面には、さらに下方に延びる、化粧料塗布具13の軸部13aが設けられている。これらは、ポリプロピレンの一体成形品によって形成されている。なお、上記小径筒部15の外周面には、環状凸部15aが設けられており、この部分を、容器本体11の開口内周面に設けられた環状凹部20aと係合させることにより、蓋体12の抜け止めがなされるようになっている。
また、上記化粧料塗布具13の軸部13aには、化粧料を付着させるための、ウレタンフォームからなるチップ13bが接着されており、蓋体12で容器本体11を蓋すると、容器本体11内に、このチップ13bを下向きにして、化粧料塗布具13が容器本体11内に入り込むようになっている。
一方、容器本体11は、図2(b)に示すように、全体が有底筒状で、上側の部分では、周壁の厚みが略同一の楕円筒状の円筒部21になっており[図2(b)のA−A′断面である図2(c)を参照]、その下の部分が、内径が下にいくほど縮径されたテーパ面となるテーパ筒部22になっている。また、さらにその下の部分は、外径が一回り小さい小径部23になっており、下面は底面部24で塞がれている。これらは、ポリプロピレンの一体成形品によって形成されている。なお、上記円筒部21の開口近傍の内周面には、環状凹部20aが設けられており、すでに述べたとおり、蓋体12の小径筒部15を容器本体11の開口を嵌入した際、この環状凹部20aと蓋体12側の環状凸部15aとが係合して、蓋体12の抜け止めがなされるようになっている。
また、上記容器本体11の下部に設けられた小径部23は、前記蓋体12の大径筒部14の開口に嵌入されるようになっており、この小径部23の外周面に設けられた環状凸部23aが、前記蓋体12の大径筒部14の内周面に設けられた環状凹部14aと係合して、両者の嵌合の抜け止めがなされるようになっている。
そして、上記容器本体11の内側には、図3(a)に示すように、その底面からテーパ筒部22にかけて、化粧料を保持した連続気泡多孔質弾性体30が収容されている。この連続気泡多孔質弾性体30への化粧料の保持は、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、図3(a)において一点鎖線で示すように、まず、化粧料を保持しない連続気泡多孔質弾性体30のみを、容器本体11内に収容する。上記連続気泡多孔質弾性体30の形状は、容器本体11の円筒部21の内側形状と略同一の、断面楕円状の円柱形状であり、容器本体11内に収容された状態において、テーパ筒部22から小径部23に向かって、下にいくほど圧縮され高密度になっている。この連続気泡多孔質弾性体30の上から化粧料(粉末化粧料:アイカラー)を充填することにより、化粧料を、連続気泡多孔質弾性体30の上部に多く保持させる。そして、ロッドで下向きに押圧して化粧料と連続気泡多孔質弾性体30に荷重をかけ、その状態でタッピングや超音波等による振動をかけることによって、連続気泡多孔質弾性体30の気泡内に化粧料を入り込ませる。このようにして、化粧料を保持した連続気泡多孔質弾性体30が収容された容器本体11が得られる。
上記容器本体11の上面開口に、蓋体12の小径筒部15を嵌入して蓋をした状態を図3(b)に示す。この状態では、小径筒部15の外周面に設けられた環状凸部15aが、容器本体11内の環状凹部20aと係合して、蓋体12の抜け止めがなされている。そして、上記蓋体12の下面から延びる化粧料塗布具13のチップ13bの先端部分が、上記容器本体11内の連続気泡多孔質弾性体30を押圧し、図3(a)と図3(b)の間において矢印Pで示すように、その厚みを小さくして圧縮しており、この圧縮の際に、連続気泡多孔質弾性体30の気泡内に保持された化粧料が、化粧料塗布具13側に付着する。また、上記化粧料塗布具13は、上記容器本体11の円筒部21の内径と同一寸法とすることにより、化粧料の飛散を防止することができる。
この状態から蓋体12を外すと、上記化粧料塗布具13のチップ13bに化粧料が付着した状態で化粧料塗布具13を取り出すことができるため、この化粧料塗布具13を用いて、化粧することができる。
このように、上記塗布具付き化粧料容器は、化粧料を収容する容器本体11と、これを蓋する蓋体12とを組み合わせただけの簡易な構成であって、嵩張らず、軽量である。そして、容器本体11内の化粧料を効率よく化粧料塗布具13に付着させることができ、たとえ化粧料の量がごく少ない量であっても、充分に化粧料塗布具13に付着させることができる。しかも、上記粉末状の化粧料が連続気泡多孔質弾性体30の気泡内に保持されており、上記化粧料塗布具13が容器本体11の円筒部21の内径と同一寸法になっているため、その出し入れ時に、化粧料が周囲に飛散したりこぼれたりすることもない。したがって、この塗布具付き化粧料容器は、それ自体携帯しやすいだけでなく、化粧料の種類に応じて複数個の容器をまとめて携帯しても負担にならず、便利である。そして、構成が簡単で安価に提供することができるため、携帯用に限らず、無料で配布するサンプル用、あるいは数回の使用を前提としたお試し用、トラベル用等といった、さまざまな形で好適に用いることができる。
特に、この塗布具付き化粧料容器では、蓋体12の上部に設けられた大径筒部14と、容器本体11の下部に設けられた小径部23とが、互いに着脱自在に嵌合するようになっているため、図4に示すように、容器本体11と蓋体12とを交互に嵌合することにより、複数の塗布具付き化粧料容器を、一本の長い棒のように連結して、一まとまりにすることができる。したがって、化粧料の色や種類に応じて、この塗布具付き化粧料容器を複数個揃えた場合、これらの容器を、互いに連結した状態で保管したり携帯したりすることができるため、容器がばらつかず、管理しやすい。また、蓋体12を外して蓋体12から延びる化粧料塗布具13を使って化粧する際、化粧料塗布具13の根元部分から蓋体12の周壁部分にまたがる部分の長さが短くて把持しにくい場合であっても、これに連結される他の容器本体11の胴体部にも手をかけることができ、持ち方が安定して化粧しやすいという利点を有する。
また、化粧料の色や種類の異なる多数の化粧料を、容器ごとに多数、揃えておき、そのときの服装や外出の用件等に応じて、使用する化粧料の種類の組み合わせを変える場合、そのときどきに組み合わせて使用する化粧料の容器同士を、互いに連結しておけば、効率よく化粧することができる。また、その組み合わせで連結した塗布具付き化粧料容器を、一まとまりで携帯することができ、使い勝手がよい。
なお、上記の例において、容器本体11内に収容する連続気泡多孔質弾性体30としては、連続気泡を有し、化粧料と接触しても変質せず、繰り返し圧縮されても弾性を失うことのないものが好適に用いられる。具体的には、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、天然ゴム(NR)ラテックス、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテッスクス、イソプレンゴム(IR)ラテックス、クロロプレンゴム(CR)ラテックス等のラテックスを主原料とするラテッスクスポンジ、ポリウレタンを主原料とする乾式ウレタンスポンジ(ポリエステルタイプ)、同じくポリウレタンを主原料とする湿式ウレタンスポンジ(ポリエステルタイプ、ポリエーテルタイプ)等があげられる。なかでも、セルサイズの選択可能性、耐薬品性等の点から、乾式ウレタンスポンジが好適である。
そして、上記乾式ウレタンスポンジのなかでも、特に、その見かけ密度が20〜50kg/m、伸び率が80%以上、セル数が3〜20個/25mmの特性を有するものが、とりわけ、化粧料に対する保持力と、圧縮解除時に化粧料塗布具側に化粧料を付着させる作用に優れており、好適である。ちなみに、このような特性を有する乾式ウレタンスポンジの市販品として、モルトフィルター MF−8(イノアックコーポレーション社製)やモルトフィルター CFH−13(イノアックコーポレーション社製)等があげられる。
また、上記の例では、上記連続気泡多孔質弾性体30に保持させる化粧料として、粉末化粧料であるアイカラーを用いたが、化粧料の種類は、アイカラーに限らず、フェイスカラー、チークカラー等、各種の粉末化粧料をあげることができる。また、連続気泡多孔質弾性体30内に保持することができ容器本体11から外に流出しないものであれば、粉末化粧料に限らず、粘度の高い液体状もしくはペースト状、クリーム状の化粧料を用いてもよい。
なお、本発明において、上記化粧料を連続気泡多孔質弾性体30に保持させる割合は、化粧料の種類や目的に応じて、適宜に設定されるが、通常、自然状態での連続気泡多孔質弾性体30の体積に対し、化粧料を、5〜50体積%程度保持させることが好適である。5体積%未満では、連続気泡多孔質弾性体30を大きく圧縮させても、その解除によって化粧料塗布具13側に付着する化粧料の量が不充分になるおそれがあり、逆に、50体積%を超えると、連続気泡多孔質弾性体30の種類にもよるが、化粧料を完全に保持しきれなくなるおそれがあるからである。
また、上記化粧料が保持された連続気泡多孔質弾性体30を、化粧料塗布具13の先端部分で圧縮する際、その圧縮率は、化粧料の種類や連続気泡多孔質弾性体30の材質、物性にもよるが、通常、10〜80%に設定することが好適である。すなわち、圧縮率が10%未満では、化粧料塗布具13による連続気泡多孔質弾性体30の圧縮動作時に、化粧料塗布具13に付着する化粧料が不充分になるおそれがあり、逆に、80%を超えると、連続気泡多孔質弾性体30の気泡が潰れすぎて化粧料が偏って化粧料塗布具13に付着して、好ましくない。
さらに、上記の例では、蓋体12で蓋した容器本体11を、互いに着脱自在に嵌合できるようにして、あたかも一本の棒のように連結することができるようにしたが、複数の化粧料塗布具13および容器本体11を、必ずしも連結できるようにする必要はなく、蓋体12と容器本体11とを一組とする塗布具付き化粧料容器を、ばらばらで保管したり携帯したりするものであっても差し支えない。
もちろん、上記の例とは異なる構成によって、複数の塗布具付き化粧料容器を、あたかも一本の棒のように連結できるようにしてもよい。例えば、図5に示す塗布具付き化粧料容器は、基本的には、上記の例と同様の構成の容器本体31において、その底面部24の下面から下向きに、上記の例と同様の化粧料塗布具13が設けられている。他の構成は、上記の例と同一であり、同一部分に同一番号を付して、その説明を省略する。
そして、上記容器本体31の上部開口に、この容器本体31と同一形状の他の容器本体31の下部に設けられた小径部23が着脱自在に嵌合するようになっており、上記の例における蓋体12との嵌合と同様、上記上部開口の内周面に設けられた環状凹部20aに、上記小径部23の外周面に設けられた環状凸部23aが係合して、両者の嵌合の抜け止めがなされるようになっている。
したがって、図5において一点鎖線で示すように、同一形状の容器本体31同士を、複数、互いに嵌合して連結すれば、それぞれの容器本体31の内側に収容された、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体30が、その上に嵌合された他の容器本体31の下面から延びる化粧料塗布具13のチップ13bの先端部分によって押圧され、圧縮される。そして、上段の容器本体31を下段の容器本体31から外すと、前記の例と同様、外された方の容器本体31から延びる化粧料塗布具13のチップ13bに化粧料が付着しており、これを用いて化粧することができる。
なお、図5に示す例において、複数の容器本体31を連結する場合、最上段の容器本体31の開口は、図1に示す例で用いた蓋体12で蓋することができる。あるいは、最上段の容器本体31には、化粧料を保持した連続気泡多孔質弾性体30を収容せず、空(から)の状態にして、単なる蓋として用いるようにしてもよい。一方、最下段においては、上記容器本体31に代えて、図1に示す例の容器本体11と同様の構成のものを用いると、最下段において化粧料塗布具13が突出した状態にならず、好ましい。
また、本発明の、さらに他の例を図6に示す。この例の塗布具付き化粧料容器は、蓋体41を挟んでその左右両側に、前記図1の例で用いたものと同様の容器本体11をそれぞれ嵌合して連結できるようにしたものである。すなわち、この蓋体41は、ベースとなる大径部42の片面側に、第1の容器本体11の開口と嵌合してこれを塞ぐ第1の小径筒部43が設けられ、その反対側に、第2の容器本体11′(構成は第1の容器本体11と同一)の開口と嵌合してこれを塞ぐ第2の小径筒部44が設けられている。そして、上記小径筒部43、44の各端面から、それぞれの部分に嵌合される容器本体11、11′の内側に向かって、図1に示す例と同様の化粧料塗布具13、13′が設けられている。それ以外の構成は、第1の図に示す例と同様であり、同一部分に同一番号を付して、その説明を省略する。
この例によれば、二つの容器本体11、11′にそれぞれ、色や種類の異なる化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体30を収容し、単一の蓋体41によって、この二つの容器本体11、11′を、あたかも一本の棒のように連結することができるため、これら2種類の化粧料を、常に、一つのセットとして取り扱うことができ、使い勝手がよい。
なお、上記一連の例において、用いる容器本体11(31、11′を含む、以下同じ)や蓋体12(41を含む、以下同じ)は、いずれも、図2(c)に示すような断面楕円状であるが、いずれも、その筒状部分の断面形状が楕円状である必要はなく、真円状や多角形状であっても差し支えない。
また、容器本体11と蓋体12との嵌合の抜け止め、あるいは容器本体11同士の嵌合の抜け止めは、上記一連の例において、環状凸部15a、23aと環状凹部14a、20aとの係合によってなされているが、これらの抜け止めを、周方向に適宜の間隔で設けられた複数の凹部および凸部の係合によって行ってもよい。あるいは、これらの嵌合を、ねじ係合に代えてもよい。
さらに、上記一連の例においては、化粧料塗布具13(13′も含む、以下同じ)の先端塗布部分がチップ13bであるが、化粧料塗布具13の構成は、これらの例に限らず、化粧料の種類に応じて、その塗布に用いることができれば、どのような構成であってもよい。ただし、化粧料塗布具13の先端部分で容器本体11内の連続気泡多孔質弾性体30を押圧して圧縮させることができるようになっていなければならない。
本発明は、スティック状の塗布具付き化粧料容器であって、簡易な構成であり、携帯用やトラベル用、お試し用等の容器として、広く利用することができる。
11 容器本体
12 蓋体
13 化粧料塗布具
14 大径筒部
15 小径筒部
30 連続気泡多孔質弾性体

Claims (6)

  1. 有底筒状の容器本体と、上記容器本体の開口を着脱自在に蓋する蓋体とを備え、上記容器本体の内側には、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体が収容されており、上記蓋体には、容器本体の開口を塞ぐ側の面に、容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具が設けられており、上記蓋体で容器本体を蓋することにより、上記化粧料塗布具の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっていることを特徴とする塗布具付き化粧料容器。
  2. 上記容器本体の下部と上記蓋体の上部とが互いに着脱自在に嵌合するようになっており、複数の容器本体を、蓋体を介して連結できるようになっている請求項1記載の塗布具付き化粧料容器。
  3. 複数の同形状の有底筒状の容器本体の組み合わせからなり、上記容器本体の開口部と、他の容器本体の下部とが、互いに着脱自在に嵌合するようになっており、上記各容器本体の内側に、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体がそれぞれ収容され、各容器本体の、他の容器本体の開口を塞ぐ側の面には、他の容器本体内に向かって延びる化粧料塗布具が設けられており、上記容器本体同士を連結することにより、上記化粧料塗布具の先端部分が上記連続気泡多孔質弾性体を圧縮し、連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっていることを特徴とする塗布具付き化粧料容器。
  4. 有底筒状の第1の容器本体と、この第1の容器本体と同一形状の第2の容器本体と、一端部で上記第1の容器本体の開口を着脱自在に蓋し、他端部で上記第2の容器本体の開口を着脱自在に蓋するよう設定された蓋体とを備え、上記第1、第2の容器本体の内側には、化粧料を保持する連続気泡多孔質弾性体がそれぞれ収容されており、上記蓋体には、第1の容器本体の開口を塞ぐ側の面に、第1の容器本体内に向かって延びる第1の化粧料塗布具が設けられ、第2の容器本体の開口を塞ぐ側の面に、第2の容器本体内に向かって延びる第2の化粧料塗布具が設けられており、上記蓋体で第1、第2の容器本体を蓋することにより、上記第1、第2の化粧料塗布具の先端部分が、上記第1、第2の容器本体内の連続気泡多孔質弾性体をそれぞれ圧縮した状態で、第1の容器本体と第2の容器本体とが蓋体を介して連結され、各容器本体内の連続気泡多孔質弾性体に保持された化粧料が、各化粧料塗布具の先端部分に付着するようになっていることを特徴とする塗布具付き化粧料容器。
  5. 上記連続気泡多孔質弾性体が、ラテックススポンジ、乾式ウレタンスポンジ、湿式ウレタンスポンジのいずれかである請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布具付き化粧料容器。
  6. 上記連続気泡多孔質弾性体が、乾式ウレタンスポンジであり、その見かけ密度が20〜50kg/m、伸び率が80%以上、セル数が3〜20個/25mmである請求項5記載の塗布具付き化粧料容器。
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