JP2016218663A - 照明光色推定装置、照明光色推定方法及び照明光色推定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の特性に応じて適切な照明光色推定手法を選択することができる照明光色推定装置を提供する。
【解決手段】入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置であって、画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段と、入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が適用条件に合致する照明光色推定手段を選択し、選択した照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置であって、画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段と、入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が適用条件に合致する照明光色推定手段を選択し、選択した照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像から照明光色を推定する照明光色推定装置、照明光色推定方法及び照明光色推定プログラムに関する。
従来から、AR(Augmented Reality:人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術)やMR(Mixed Reality:現実世界と仮想世界を融合させる映像技術)のように、カメラ等でキャプチャした画像にCG(コンピュータグラフィックス)等を重畳することによりリアルな合成画像を生成することが行われている。このような技術を用いて、よりリアルな合成画像を生成するには、照明光の条件を合わせることが重要である。そのためには、得られた画像から照明光色を推定し所定の照明光色下の画像に変換する技術が必要となる。
画像から照明光色を推定する手法は、事前知識を利用する手法と利用しない手法に分類される。前者には、例えば、様々な照明光下における様々な物体からの反射光の色の範囲を事前に取得し、入力画像の色分布と最も合致度の高い色の範囲を抽出することにより照明光色を推定する手法がある(例えば、非特許文献1参照)。
一方、後者は事前知識を利用する代わりに、照明光や物体の色に関する性質、例えば、誘電体の鏡面反射成分からなるハイライト領域が照明光色を反映するという性質を利用する手法がある(例えば、非特許文献2参照)。また、シーン中の全ての被写体の色を平均すると灰色になるという仮説(灰色仮説)を利用する手法(例えば、非特許文献3、4参照)もある。さらに、両者を組み合わせた手法(例えば、非特許文献5参照)もある。
G.D. Finlayson, S.D. Hordley and I.Tastl, "Gamut constrained illuminant estimation", International Journal of Computer Vision, Vol.67, No.1, pp.93-109 (2006).
G.J.Klinker, S.A.Shafer, T.Kanade, "Using a color reflection model to separate highlights from object color", Proceedings of the First International Conference on Computer Vision, pp.145-150 (1987).
R.Gershon and A.D.Jepson,"The Computation of Color Constant Descriptors in Chromatic Images", Color Research and Application, Vol.14, No.6, pp.325-334 (1989).
川村、米村、大谷、松浦:"反対色の特性を利用した色選択による灰色仮説判定に基づくカラー画像からの照明光推定法"、電子情報通信学会論文誌D, Vol.J94-D, No.8, pp.1346-1358 (2011).
川村、米村、大谷、小島:"高彩度・低彩度gamutと反対色特性を利用した灰色仮説ベースの照明光色推定法"、電子情報通信学会論文誌D, Vol.J96-D, No.12, pp.3079-3089 (2013).
しかしながら、上述した従来手法には以下のような問題がある。事前知識を必要とする非特許文献1に記載の手法の場合、高彩度の色は照明光色による影響が小さいため、異なる照明光下の色領域間でオーバーラップの範囲が大きく、入力画像に高彩度の色が少ない場合には、入力画像の画素値の大半が上記オーバーラップの範囲に含まれるため、照明光色を正確に推定することができないという問題がある。
一方、非特許文献2の手法では画像中に鏡面反射成分を含むことが必須である。また、非特許文献3の手法ではシーン中にある全ての被写体の色を平均すると灰色になることが条件である。これらの条件が満たされない場合には推定精度が悪化するという問題がある。
また、非特許文献4は、非特許文献3における上述の課題を解決するため、反対色同士の平均が灰色になるという色空間の性質を用いて画像中から反対色のペアを抽出し灰色仮説を満たす色の組合せを取得することによって照明光色を推定する手法である。しかし、特定の色相のみに偏った画像の場合には、画像中に反対色のペアを抽出できず、正しく照明光色を推定できない。
また、非特許文献5の手法では、画像中に存在する色が特定の色相に偏っている場合を対象とした手法であるが、元々画像中に様々な色が含まれている場合には、推定精度が悪化するという課題がある。
このように、画像から照明光色を推定する手法は、それぞれ適用条件が限定されており、その条件を外れると推定精度が悪化するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、画像の特性に応じて適切な照明光色推定手法を選択することができる照明光色推定装置、照明光色推定方法及び照明光色推定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置であって、画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段と、前記入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が前記適用条件に合致する前記照明光色推定手段を選択し、選択した前記照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定手段とを備える照明光色推定装置である。
本発明の一態様は、前記照明光色推定装置であって、前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において鏡面反射成分の有無を判定し、前記鏡面反射成分が有る場合には、鏡面反射成分が有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する。
本発明の一態様は、前記照明光色推定装置であって、前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において色歪度の有無を判定し、前記色歪度に偏りが有る場合には、色歪度に偏りが有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する。
本発明の一態様は、前記照明光色推定装置であって、前記入力画像において類似の色からなるクラスタを生成するクラスタ生成手段をさらに備え、前記画像特性判定手段では、前記クラスタの数に応じて、前記入力画像中において色歪度の有無を判定する。
本発明の一態様は、前記照明光色推定装置であって、前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において白色領域の有無を判定し、前記白色領域が有る場合には、白色領域が有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する。
本発明の一態様は、前記照明光色推定装置であって、前記入力画像に対して画像入力装置に依存しない色空間への色変換を行う色変換手段をさらに備える。
本発明の一態様は、画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段を備え、入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置が行う照明光色推定方法であって、前記入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が前記適用条件に合致する前記照明光色推定手段を選択し、選択した前記照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定ステップを有する照明光色推定方法である。
本発明の一態様は、コンピュータを、前記照明光色推定装置として機能させるための照明光色推定プログラムである。
本発明によれば、対象画像の画像特性に合致した照明光色推定手法を選択して適用するようにしたため、精度よく照明光色を推定することが可能になるという効果が得られる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による照明光色推定装置を説明する。図1は第1実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。図1に示す照明光色推定装置はコンピュータ装置によって構成され、画像入力部110、画像・データ記憶部120、色変換部130、画像特性判定部140、照明光色計算部150から成る。照明光色計算部150には、N種類の照明光色推定部151〜15Nが備えられており、それぞれ画像特性判定部140の判定結果に応じて選択して適用する。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による照明光色推定装置を説明する。図1は第1実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。図1に示す照明光色推定装置はコンピュータ装置によって構成され、画像入力部110、画像・データ記憶部120、色変換部130、画像特性判定部140、照明光色計算部150から成る。照明光色計算部150には、N種類の照明光色推定部151〜15Nが備えられており、それぞれ画像特性判定部140の判定結果に応じて選択して適用する。
画像入力部110は、デジタルカメラやスキャナ等の画像入力機器によって対象シーンをデジタルのカラー画像として入力する。画像・データ記憶部120は、画像入力部110により入力されたカラー画像と、各処理で得られた画像や途中の計算結果のデータを記憶するもので、コンピュータ装置のメモリに相当する。なお、画像・データ記憶部120において格納される画像は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三成分から構成されるものとするが、HSVやYCbCr等の色空間内の座標を画素値とする画像であっても構わない。
色変換部130では、画像・データ記憶部120に格納されている画像に対して、デバイス(カメラ等の機器の入力特性)に依存しない色空間への変換を行い、結果を画像・データ記憶部120に記憶する。デバイスに依存しない色空間とは、例えば、CIE(国際照明委員会)で規定されたXYZ三刺激値やCIELAB空間やCIELUV空間である。
画像特性判定部140は、画像・データ記憶部120に記憶されている入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性に合致した照明光色推定部を予め備えられた複数の照明光色推定部151〜15Nの中から選択する。画像特性判定部140は、予め決められた複数の画像特性(例えば、物体の反射特性や色相成分のバランス等)を特定する機能を有し、特定した画像特性毎に予め関係付けられている照明光色推定部(照明光色推定部151〜15Nのいずれか)を特定することによって、入力画像が適用範囲に合致する各照明光色推定部を選択する。画像特性判定部140は、選択した照明光色推定部(ここでは、照明光色推定部151〜15Nのいずれか)に対して入力画像を転送し、照明光色の推定を実施する。この処理動作によって、入力画像について適用範囲が合致する照明光色推定部が照明光色の推定を行うことになる。
このように、入力画像の画像特性に応じた照明光色推定部を選択して適用するようにしたため、精度よく照明光色を推定することが可能になる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態による照明光色推定装置を説明する。図2は、第2実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。この図において、図1に示す照明光色推定装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡単に行う。この図に示す照明光色推定装置が図1に示す照明光色推定装置と異なる点は、画像特性判定部140を、反射成分判定部141、クラスタ生成部142、色歪度判定部143によって構成した点と、照明光色計算部150内に3つの照明光色推定部151、152、153を備えた点である。
次に、本発明の第2実施形態による照明光色推定装置を説明する。図2は、第2実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。この図において、図1に示す照明光色推定装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を簡単に行う。この図に示す照明光色推定装置が図1に示す照明光色推定装置と異なる点は、画像特性判定部140を、反射成分判定部141、クラスタ生成部142、色歪度判定部143によって構成した点と、照明光色計算部150内に3つの照明光色推定部151、152、153を備えた点である。
ここで、照明光色推定部151は、例えば、非特許文献2にあるような物体領域からの鏡面反射成分を用いた照明光色推定手法を用いたものである。また、照明光色推定部152は、例えば、非特許文献4にあるような灰色仮説をベースとした照明光色推定手法を用いたものである。また、照明光色推定部153は、例えば、非特許文献5にあるような画像中に含まれる色分布に偏りがある場合の照明光色推定手法を用いたものである。
画像入力部110は、デジタルカメラやスキャナ等の入力機器によって対象シーンをデジタルのカラー画像として入力する。画像・データ記憶部120は、画像入力部110により入力されたカラー画像と、各処理で得られた画像や途中の計算結果のデータを記憶する。色変換部130では、画像・データ記憶部120に格納されている画像に対して、デバイス(カメラ等の機器の入力特性)に依存しない色空間への変換を行い、結果を画像・データ記憶部120に記憶する。
反射成分判定部141は、対象とする画像に鏡面反射成分が含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、照明光色推定部151において照明光色を推定する。クラスタ生成部142は、画像・データ記憶部120に記憶されているデバイスに依存しない色空間で表現された入力画像に対し、類似の色からなるクラスタを生成し、結果を画像・データ記憶部120に記憶する。
色歪度判定部143では、クラスタ生成部142で得られたクラスタの数に応じて画像の色空間における色分布の歪度を判定し、バランスがとれていると判定された場合には照明光色推定部152によって照明光色を推定する。一方、バランスがとれていないと判定された場合には照明光色推定部153によって照明光色を推定する。
照明光色計算部150では、複数の照明光推定部を備えており、画像特性判定部140における判定結果に基づいて入力画像に適した照明光色推定手法を用いた照明光色推定部を適用し照明光色を推定する。
次に、図3を参照して、図2に示す照明光色推定装置の処理動作を説明する。図3は、図2に示す照明光色推定装置の処理動作を示すフローチャートである。まず、画像入力部110は、カラー画像を入力し、入力したカラー画像を画像・データ記憶部120に記憶する(ステップS1)。続いて、反射成分判定部141は、入力画像中に鏡面反射成分が含まれるか否かを判定する(ステップS2)。
ここで、反射成分判定部141の処理動作を図4を参照して説明する。図4は、反射成分判定部141の処理動作を示すフローチャートである。まず、反射成分判定部141は、画像中からハイライトを含む色領域を自動もしくは手動によって抽出する(ステップS11)。手動で抽出する場合には、目視でハイライトを含む領域をマウスやデジタイザ等の入力装置を用いて画像上の位置を指定する。自動で抽出する場合には、ハイライトを含む色領域は、他の色領域に比較して輝度の高い領域であることを利用し、画像中から輝度の高い画素を抽出し、その点を中心に類似の色をもつ色領域を拡大させることによって得ることが可能である。
図5は、ハイライトを含む色領域を自動抽出する様子を図示したものであり、画像中のXで示す点が高輝度点であり、白い三日月形状で表される領域(ハイライト領域)に含まれる場合が多い。なお、輝度は画像のRGB画素値を用いて以下の(1)式で表される。
輝度(Y)=0.299×(Rの画素値)+0.5864×(Gの画素値)+0.1146×(Bの画素値) ・・・(1)
輝度(Y)=0.299×(Rの画素値)+0.5864×(Gの画素値)+0.1146×(Bの画素値) ・・・(1)
ハイライトを含む色領域においては、隣接する画素間では緩やかに画素値が変化するため、高輝度点の隣接近傍(4近傍もしくは8近傍)と比較して所定の閾値よりも差が小さい場合には同色領域と判定することで領域を拡大し、ハイライトを含む色領域を得る。図5に、ハイライトを含む色領域を破線の矩形で示す。
次に、反射成分判定部141は、各ハイライトを含む色領域内の画素値をRGB空間に射影し、その分布を直線近似する(ステップS12)。図6は、ハイライトを含む色領域内の画素値をRGB空間に射影した状態を示す図である。図6中、小さい黒丸が各画素値を表す。図6では、画素値分布が2種類の直線(反射成分1と反射成分2)で近似される様子が示されている。輝度の高い方(図6では反射成分1に対応)を鏡面反射成分、低い方(図6の反射成分2に対応)を拡散反射成分とみなす。反射成分判定部141は、直線近似した際の反射成分数が2である場合には、その領域に鏡面反射成分が含まれると判定し、1である場合には拡散反射成分のみしか含まれないと判定する(ステップS13)。
図3に戻り、ステップS2において、”有”と判定された場合に、反射成分判定部141は、鏡面反射成分を用いた照明光色推定部151において照明光色を計算する指示を出す。これを受けて、照明光色推定部151は、照明光色を計算し、その結果を照明光色の推定結果として出力する(ステップS3)。
一方、ステップS2において、”無”と判定された場合、色変換部130は、画像・データ記憶部120に格納されている入力画像の画素値をデバイスに依存しない色空間上の値に変換する(ステップS4)。RGB画素値をXYZ三刺激値に変換する式を(2)式に示す。RGB画素値をXYZ三刺激値に変換する処理は、公知の技術であるためここでは詳細な説明を省略する。
(2)式に示すように、RGB画素値とXYZ三刺激値は、3×3の行列Aで表される。この行列Aがデバイス(入力機器)の特性に対応する。行列Aを得るには、例えば色票に対し、各色領域の測定値(XYZ三刺激値)と、デバイス(入力機器)で取得した際の対応する色領域のRGB値を対として、二次の重回帰分析等によって得られる。
その後、クラスタ生成部142は、デバイスに依存しない色空間における画素値の色成分で類似のものを統合しクラスタを生成する(ステップS5)。図7は、色空間内でクラスタが生成される様子を示す図である。図7に示す二次元の色空間はXYZ三刺激値を以下の(3)式に基づいて計算した色度x、yからなる色度図である。
図7において、小さい黒丸が各画素値のxy色度、A,B,C,Dがクラスタに対応する。また、破線で示す曲線Lは黒体放射軌跡である。自然光(太陽光)および家庭やオフィス等の屋内で使用される人工光源の色はこの曲線上にのることが知られている。図7では、黒体放射軌跡の上部に2つ、下部に2つのクラスタが生成される様子が示されている。
クラスタ生成の後、色歪度判定部143は、色空間上の色分布の偏り具合(色歪度の有無)を判定し(ステップS6)、偏っていない(偏り無)と判定された場合には、照明光色推定部152において照明光色を計算するように指示を出す。これを受けて、照明光色推定部152は、照明光色を計算し、その結果を照明光色の推定結果として出力する(ステップS7)。
一方、偏っていると判定された場合、色歪度判定部143は、照明光色推定部153において照明光色を計算するように指示を出す。これを受けて、照明光色推定部153は、照明光色を計算し、その結果を照明光色の推定結果として出力する(ステップS8)。
偏り具合の判定は、図7に示す色度図において黒体放射軌跡Lの上部および下部に生成されたクラスタ数に基づいて行う。例えば、上部、下部共にクラスタが生成された場合には偏りがないと判定し、クラスタが黒体放射軌跡Lの上部もしくは下部の一方のみにしか生成されない場合は偏りがあると判定する。
このように、反射成分判定部141および色歪度判定部143における判定条件を用いることによって、入力画像に適した照明光色推定手法を適用することが可能となり、トータルとして推定精度を向上させることが可能となる。また、判定手法の自動化により人間が画像毎に適用手法を判定する煩雑さも軽減することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態による照明光色推定装置を説明する。図8は、第3実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。この図において、図2に示す照明光色推定装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す照明光色推定装置が図2に示す照明光色推定装置と異なる点は、白色判定部144と照明光色推定部154が追加されている点である。
次に、本発明の第3実施形態による照明光色推定装置を説明する。図8は、第3実施形態による照明光色推定装置の構成を示すブロック図である。この図において、図2に示す照明光色推定装置と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す照明光色推定装置が図2に示す照明光色推定装置と異なる点は、白色判定部144と照明光色推定部154が追加されている点である。
第2の実施形態では、3種類の照明光色推定部151〜153に対して、2種類の適用条件を設けることで適用する照明光色推定手法を選択する場合を説明したが、新たに適用条件が明確な照明光色推定手法を用いた照明光色推定部154を追加することによってトータルな推定精度を向上させることが可能である。図8に示す照明光色推定部154は、参考文献1に示す照明光色推定手法を用いた照明光色推定部である。参考文献1に記載の照明光色推定手法は、白色領域が照明光色を反映して反射する特性のあることを利用し、画像に存在する最も輝度の高い領域を白色とみなし、その領域における反射光の色を照明光色として推定するものである。
参考文献1:E. H. Land, "The Retinex Theory", Scientific American, Vol.237, No.6, pp.108-128 (1977).
参考文献1:E. H. Land, "The Retinex Theory", Scientific American, Vol.237, No.6, pp.108-128 (1977).
次に、図9を参照して、図8に示す照明光色推定装置の処理動作を説明する。図9は、図8に示す照明光色推定装置の処理動作を示すフローチャートである。この図において、図3に示す処理動作と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図9に示す処理動作が、図3に示す処理動作と異なる点は、白色領域の有無を判定するステップ(ステップS9)と照明光色推定部154による照明光色の計算(ステップS10)が追加された点である。以下、差分を中心に処理動作を説明する。
入力画像に対して、反射成分判定部141が鏡面反射成分の有無を判定(ステップS2)した結果、反射成分が入力画像中に含まれないと判定された場合に、白色判定部144は、入力画像中に白色領域が含まれるか否かを判定する(ステップS9)。
ここで、ステップS9における処理の具体的な処理動作を図10を参照して説明する。図10は、図9に示すステップS9の詳細な処理動作を示すフローチャートである。一般に白色領域は画像全体の中で輝度の高い領域であることから、白色判定部144は、入力画像から輝度の高い領域を抽出する(ステップS21)。次に、白色判定部144は、その領域の平均色を計算し(ステップS22)、その色が事前に設定した照明光色領域に含まれるか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、事前に設定した照明光色領域とは、色温度毎に異なる照明光の色に対応するRGB値の範囲であり、例えば、参考文献2のように、(R−G)/Gと(B−G)/Gを軸とする座標系上で各照明光色の範囲を示したものである。ステップS21で抽出された輝度の高い領域が照明光色領域に含まれている場合には、白色領域であると判定し、どの色温度の照明光色領域にも含まれない場合には、白色領域ではないと判定する。
参考文献2:特開2002−290988号公報
参考文献2:特開2002−290988号公報
図9に戻り、白色領域と判定された場合に白色判定部144は、照明光色推定部154において照明光色を計算するように指示を出す。これを受けて、照明光色推定部154は、照明光色を計算し、その結果を照明光色の推定結果として出力する(ステップS10)。一方、白色領域ではないと判定された場合には、色変換部130においてデバイスに依存しない色に変換し(ステップS4)、次に続く判定を行う。
前述の説明においては、白色領域の有無判定の後に色変換を行っているが、鏡面反射成分の有無判定の直後に、色変換を行ってから白色領域有無の判定を行っても構わない。その場合には、照明光色の範囲として図7に破線の曲線で示す黒体放射軌跡Lを用いる。太陽光および日常的に利用される人工光源の色は色空間上で黒体放射軌跡Lの近傍に位置することから、照明光色の範囲をこの曲線とみなす。
次に、前述した実施形態の変形例について説明する。変形例は、図11に示すように複数のカメラで同一シーンを撮像する場合である。図11は、同一シーンを複数の撮像系で取得する状況を示す図である。物体表面上に現れるハイライトは光源方向と撮像方向の関係によって生じるため、図12に示すように同一被写体であっても、カメラBとカメラCによる画像上のハイライト領域の位置は異なる。図12は、撮像系(カメラ)の位置によって同一被写体中に生じるハイライトの位置が異なる様子を示す図である。このような撮像位置によるハイライト領域の位置が異なる場合、この領域を鏡面反射成分に起因するものであると判定するようにしてもよい。
さらには、動画を対象とした場合、動画を構成するフレーム毎に、図1に示す構成での判定に基づいて適用する照明光色推定手法を判定し照明光色推定を行う。その際、隣接フレーム間では照明光色が大きく変動しないという前提で、各フレームから得られた照明光色を比較し、他フレームから得られた結果と異なる場合には推定ミスが発生していると判定し隣接フレームの結果に置きかえることによって、動画全体の推定精度を向上させるようにしてもよい。
以上説明したように、照明光色を推定する手法は数多くあるが、それぞれに一長一短があるため、上記本実施形態では、入力画像中に含まれる物体の反射特性や色相成分のバランスに基づいて、その入力画像に適した照明光色推定手法を選択することにより、精度よく照明光色を推定することが可能になる。
前述した実施形態における照明光色推定装置の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行ってもよい。
照明光色が未知の画像から照明光色を推定することが不可欠な用途に適用できる。
110・・・画像入力部、120・・・画像・データ記憶部、130・・・色変換部、140・・・画像特性判定部、141・・・反射成分判定部、142・・・クラスタ生成部、143・・・色歪度判定部、150・・・照明光色計算部、151・・・照明光色推定部、152・・・照明光色推定部、153・・・照明光色推定部、154・・・照明光色推定部、15N・・・照明光色推定部
Claims (8)
- 入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置であって、
画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段と、
前記入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が前記適用条件に合致する前記照明光色推定手段を選択し、選択した前記照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定手段と
を備える照明光色推定装置。 - 前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において鏡面反射成分の有無を判定し、前記鏡面反射成分が有る場合には、鏡面反射成分が有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する請求項1に記載の照明光色推定装置。
- 前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において色歪度の有無を判定し、前記色歪度に偏りが有る場合には、色歪度に偏りが有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する請求項1または2に記載の照明光色推定装置。
- 前記入力画像において類似の色からなるクラスタを生成するクラスタ生成手段をさらに備え、
前記画像特性判定手段では、前記クラスタの数に応じて、前記入力画像中において色歪度の有無を判定する請求項3に記載の照明光色推定装置。 - 前記画像特性判定手段では、前記入力画像中において白色領域の有無を判定し、前記白色領域が有る場合には、白色領域が有る画像に適した前記照明光色推定手段を選択する請求項1から4のいずれか1項に記載の照明光色推定装置。
- 前記入力画像に対して画像入力装置に依存しない色空間への色変換を行う色変換手段をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の照明光色推定装置。
- 画像から照明光色を推定する際の画像特性の適用条件がそれぞれ異なる複数の照明光色推定手段を備え、入力画像の照明光色を推定する照明光色推定装置が行う照明光色推定方法であって、
前記入力画像の画像特性を特定し、特定した画像特性が前記適用条件に合致する前記照明光色推定手段を選択し、選択した前記照明光色推定手段によって照明光色の推定を行わせる画像特性判定ステップを有する照明光色推定方法。 - コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の照明光色推定装置として機能させるための照明光色推定プログラム。
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JP2015101672A JP2016218663A (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 照明光色推定装置、照明光色推定方法及び照明光色推定プログラム |
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- 2015-05-19 JP JP2015101672A patent/JP2016218663A/ja active Pending
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