JP2016218641A - 加工誤差予測方法、プログラムおよび加工誤差予測装置 - Google Patents

加工誤差予測方法、プログラムおよび加工誤差予測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短い計算時間で精度高く予測できる加工誤差予測方法を実現する。
【解決手段】加工誤差予測方法は、第1撓み量を考慮して回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出工程と、算出した上記切削力に基づいて第2撓み量を算出する撓み量算出工程と、上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が収束した場合、上記第2撓み量に基づいて被削物(3)の加工誤差を算出する加工誤差算出工程と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンドミル等の回転工具の加工誤差予測方法、プログラムおよび加工誤差予測装置に関する。
従来から、プレス製品等の製造に使用される金型等は、CAM(Computer Aided Manufacturing)から出力された回転工具の移動経路のデータ(NCデータ)に基づいて回転工具を移動させ、被削物を切削加工することによって製作される。CAMは、回転工具の工具情報および加工条件に基づいて、目標形状であるCAD(Computer Aided Design)のモデル形状に正確に回転工具を沿わせるように、移動経路を出力する(仕上げ加工の場合)。しかしながら、実際には、回転工具の撓み等により、モデル形状に対して加工誤差を生じることは避けられない。この加工誤差の問題に対し、例えば、撓みを事前に算出し、被削物の加工誤差を打ち消すように移動経路を修正する技術の研究が進められている。
例えば、特許文献1には、入力データ中の工具形状等の初期値に応じた加工力を求め、かつ、加工力に基づいて動特性モデルの応答変位を求める解析手段を有する機械加工の最適化システム等が開示されている。また、特許文献2には、工具の微小切刃の切り取り厚さ等に基づいて工具1回転中の切削力を算出するステップと、算出された切削力に基づいて工具1回転中の撓みを算出するステップと、を含む加工誤差予測のためのコンピュータプログラム等が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、微小時間ステップ毎に切り込み量に対する加工力を演算する加工力予測手段と、該加工力に基づいて計算された工具および治具の応答変位波形から加工精度等の予測値を決定する加工精度・工具寿命予測手段と、を備えた機械加工最適化装置が開示されている。また、非特許文献1には、微小時間毎に切削力による工具の振動変位に基づいて被削物形状を計算し、これを回転工具が数回転するまで逐次算出することにより加工誤差を予測する方法が開示されている。また、特許文献4には、被加工物の加工後形状を算出する加工後形状算出手段と、算出された加工後形状と目標形状との差に基づいて被加工物の加工誤差を算出する加工誤差算出手段と、を備えた加工誤差算出装置等が開示されている。
さらに、例えば、非特許文献2には、エンドミルの切れ刃が被削物を切削することによって生じるびびり振動について、実際に切削を行っている切れ刃の1刃前の切れ刃に対応する撓みを考慮して、びびり振動の発生限界を計算する方法が開示されている。
特開2001−47340号公報(2001年2月20日公開) 特許第5309288号明細書(2013年10月9日発行) 特開2001−225243号公報(2001年8月21日公開) 特開2013−59840号公報(2013年4月4日公開)
「ボールエンドミルのたわみに起因する加工誤差の予測(第1報)」、2008年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、p.93−94 「講習会−生産加工基礎講座−実習で学ぼう『切削加工、びびり振動の基礎知識』資料」、日本機械学会、2003、p.25−36 「エンドミル加工の誤差補償システム(第1報)」、精密工学会誌、vol.78、No.11、2012、p.975−979 「プレディクション オブ ボール エンド ミリング フォーシーズ(Prediction of Ball End Milling Forces)」、Journal of Engineering for Industry、Transactions of the ASME、vol.118、1996、p.95-103
しかしながら、特許文献1に開示された最適化システム等および特許文献2に開示されたコンピュータプログラミング等ともに、加工力(切削力)の算出において撓みの変化を考慮していない。それゆえ、精度高く加工物(被削物)の加工誤差を予測できないという問題点があった。また、特許文献3に開示された機械加工最適化装置は、ある時点における工作物の加工精度の予測値を決定するのに、微小時間ステップ毎の予測値の決定を繰り返す必要があり、計算時間が長くなってしまうという問題点があった。非特許文献1および特許文献4に開示された加工誤差算出装置等についても、加工誤差を算出するのに、加工面形状を微小時間毎に逐次算出する必要があるため、やはり計算時間が長くなってしまうという問題点があった。さらに、非特許文献2に開示されたびびり振動の発生限界の計算方法は、被削物の加工誤差の予測を目的とするものではなく、撓み自体を計算することもできない。
本発明は、上記の各問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、被削物の加工誤差を、短い計算時間で、かつ精度高く予測できる加工誤差予測方法を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加工誤差予測方法は、回転工具に対する切削力の作用に起因して発生する被削物の加工誤差を予測するための加工誤差予測方法であって、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第1撓み量を考慮して、上記回転工具に作用する上記回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出工程と、上記切削力算出工程において算出された上記切削力に基づいて、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第2撓み量を算出する撓み量算出工程と、上記撓み量算出工程において算出された上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が、閾値より小さくなる収束条件を充足するか否かを判定する収束条件判定工程と、上記収束条件判定工程において上記収束条件を充足するとの判定がなされた場合に、上記第2撓み量に基づいて上記加工誤差を算出する加工誤差算出工程と、を含む。
本発明の一態様によれば、被削物の加工誤差を、短い計算時間で、かつ精度高く予測することができる。
本発明に係る加工誤差予測方法を含む、切削シミュレーションの全体的な流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る加工誤差予測方法を示すフローチャートである。 (a)は、ボールエンドミルの切れ刃の形状をモデル化した概略図である。(b)は、撓みを考慮した微小切れ刃の第1刃先位置の変化量と、その1刃前における、撓みを考慮した微小切れ刃の第2刃先位置の変化量との関係を示す概略図である。 (a)は、ねじれによる微小切れ刃の遅れ角の算出方法を説明するための模式図である。(b)は、ボールエンドミルの切れ刃球体部をその先端からZ軸方向に見た場合における、切れ刃の配置を示す概略図である。 (a)は、スクエアエンドミルの切れ刃について、被削物を切削している切れ刃における微小切れ刃とその1刃前の切れ刃における微小切れ刃との位置関係を示す概略図である。(b)は、上記各微小切れ刃の刃先位置を示す拡大図である。 (a)は、ローパスフィルタ処理を施した第2撓み量を用いた場合における、被削物の加工誤差を示すグラフである。(b)は、(a)のグラフにおける、回転工具が低速回転の部分を示す拡大図である。 カットオフ周波数の算出に用いる係数と、本実施形態に係る加工誤差予測方法における各工程の繰り返し回数(ループ回数)との関係を示すグラフである。 (a)は、回転工具と被削物の加工面との接触領域付近を示す概略図である。(b)は、上記加工誤差予測値の算出方法の説明図である。 (a)は、回転工具の回転数と、被削物の加工誤差の測定値および予測値との関係について、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた場合と従来の加工誤差予測方法を用いた場合との対比を示すグラフである。(b)は、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いて上記加工誤差を予測した際の、実際の切込み量と1回のピックフィード量とを示す概略図である。 本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた場合における、加工誤差予測値を算出するまでの総計算時間、および従来法を用いた場合における上記総計算時間を示すグラフである。 回転工具1回転中に発生する瞬間切削力について、測定値、従来法による算出値および上記加工誤差予測方法による算出値との関係を示すグラフである。 回転工具1回転中に該回転工具に発生する撓みについて、測定値、従来法による算出値および上記加工誤差予測方法による算出値との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る加工誤差予測方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る加工誤差予測方法において、第3撓み量を算出する際に用いる第1重み係数および第2重み係数のデータテーブルの一例を示す説明図である。 収束条件の充足判定に用いる計算式による計算結果と、本実施形態に係る加工誤差予測方法における各工程の繰り返し回数(ループ回数)との関係について、各重み係数を固定した場合と変更した場合との対比を示すグラフである。 被削物の加工誤差の予測値と上記ループ回数との関係について、各重み係数を固定した場合と変更した場合との対比を示すグラフである。 本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた場合における、加工誤差予測値を算出するまでの総計算時間、および従来法を用いた場合における上記総計算時間を示すグラフである。 (a)は、本発明の実施形態3に係る加工誤差予測方法を用いた場合において、回転工具の回転数と、ある分割経路における上記加工誤差予測方法の各工程の繰り返し回数(ループ回数)との関係を示すグラフである。(b)は、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いて上記加工誤差を予測した際の、実際の切込み量と1回のピックフィード量とを示す概略図である。 本発明の実施形態4に係るコンピュータ装置の主要部を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜12を参照しながら、詳細に説明する。なお、本実施形態以下の各実施形態においては、一例として、NC3軸加工機(図示せず)に図3〜5に示す回転工具2を取り付けて被削物3を切削することにより、金型(図示せず)を製作する場合について説明する。NC3軸加工機は、テーブルなどに固定した被削物3をその上部から側部にかけて回転工具2によって切削する。図4に示すように、回転工具2は、その回転軸心(工具軸)がZ軸方向に向くように駆動部(図示せず)に取り付けられ、回転工具2の下端の切れ刃4の位置決めを、X−Y平面を含めた直交3軸について数値制御(NC制御)によって行う。
実施形態1〜3に係る加工誤差予測方法に用いられる予測用装置(図19に基づいて後述する)は、汎用のワークステーションの他、一般的なパーソナルコンピュータ等によって構成することができる。この装置に、後述する各ステップを実行させる加工誤差プログラムをインストールして実行させることにより、被削物3の加工誤差を予測することができる。
また、実施形態1〜3では、回転工具2の移動経路(図示せず)を構成する複数パス(図示せず)のうち、1つのパス(回転工具2の移動経路を分割した分割経路;図示せず)内で1箇所の加工誤差の予測を行う方法について説明する。なお、連続するパス同士で角度変化が小さい場合または移動距離が短い場合は、該連続するパスを1つにまとめてもよいし、反対に移動距離が長い場合は、1つのパスをさらに分割した分割パスを設定してもよい。
<切削シミュレーションの全体的な流れ>
まず、図1を用いて、実施形態1〜3に係る加工誤差予測方法を含む、切削シミュレーションの全体的な流れについて説明する。図1に示すように、まず、工具仕様、切削力係数および動剛性を表す入力パラメータ、切削加工前の被削物形状データおよびNCデータを予測用装置に入力する(ステップ100;以下、S100と略記する;データ入力工程)。被削物形状データは、CAD等から出力された3次元図面データである。動剛性は、回転工具2の撓みを計算するための剛性データであり、静剛性に比してより正確な撓みを算出することができる。切削力係数の詳細については後述する。
次に、予測用装置は、加工誤差の計算を開始してもよいかどうか、すなわち、予測対象となっているパスにおいて、実際に切削の行われる箇所があるかどうかを判定する(S101;計算判断工程)。S101でYES(以下、Yと略記する)と判定した場合、予測用装置は、実施形態1〜3に係る加工誤差予測方法に基づく処理を行う(S102およびS103;加工誤差予測工程)。一方、S101でNO(以下、Nと略記する)と判定した場合、予測用装置は、このパスについて以降の各処理は行わず、次のパスについて加工誤差の計算を開始してもよいかどうか判定する。
次に、予測用装置は、計算判断工程および加工誤差予測工程を全ての移動経路について行ったかどうかを判定する(S104;予測終了判定工程)。S104でYと判定した場合、予測用装置は、算出された加工誤差の予測結果に基づいてNCデータを修正する(S105;NCデータ修正工程)。そして、修正されたNCデータを出力するとともに、予測用装置の表示部(図示せず)に加工誤差の予測結果を表示する(S106;演算結果出力工程)。一方、S104でNと判定した場合、予測用装置は、次のパスについて加工誤差の計算を開始してもよいかどうか判定する。
<本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた被削物の加工誤差の予測>
次に、S102およびS103の加工誤差予測工程の詳細フローを示す図2を用いて、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた被削物3の加工誤差の予測について説明する。以下では、S201〜S212の各処理の繰り返し回数をループ番号iで表す。
まず、予測用装置は、1ループ前(ループ番号i−1、以下、省略する)のS208で算出された第2撓み量D2i−1(θ)、またはS211で算出された第3撓み量D3i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)とした上で、1パス前までの被削物形状データに基づいて加工誤差の予測を開始する(S200;予測開始工程)。なお、第2撓み量D2i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)とする処理が基本形態であるが、以下では、第3撓み量D3i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)とすることによって、被削物3の加工誤差をより短い計算時間で求めることができる形態をまず説明する。
第1撓み量D1i(θ)は、回転工具1回転中に発生する該回転工具2のX方向およびY方向の撓みであり、例えば、図12に示すようなものである。なお、通常、エンドミル等の回転工具は細くて長いため、回転軸方向よりも径方向に撓みやすい。そのため、本実施形態ではX方向およびY方向の撓みのみを考慮しているが、さらにZ方向の撓みを考慮することも可能である。
第1撓み量D1i(θ)は、後述する収束条件が充足されるまで1ループ前のS211で算出された第3撓み量D3i−1(θ)によって更新される。ただし、第3撓み量D3i-1(θ)が求まる前の初期状態、すなわちループ番号i=1では、第1撓み量D1i(θ)の初期値には、回転工具2の撓みがない状態、すなわち0を用いる。第3撓み量D3i(θ)の詳細については後述する。
次に、予測用装置は、回転工具2の回転角θの初期値を0に、微小切れ刃番号jの初期値を0に、それぞれ設定する(S201;初期設定工程)。微小切れ刃番号(以下、番号と略記する)jは、微小切れ刃5に対して付与される番号である。微小切れ刃5は、回転工具2の切れ刃4(切れ刃4が複数の場合は全ての切れ刃4)を仮想的に複数分割することにより生成される仮想的な切れ刃である。例えば、回転工具2が2枚刃で、各切れ刃4に256個の微小切れ刃5を仮想的に生成する場合、1枚目の切れ刃4の各微小切れ刃5については、微小切れ刃番号j=0〜255が付与され、2枚目の切れ刃4の各微小切れ刃5については、微小切れ刃番号j=256〜511が付与される。
次に、予測用装置は、回転工具2の回転角θにおける第1撓み量D1i(θ)を考慮した、番号jの微小切れ刃5の刃先位置を算出する。そして、算出した刃先位置が1パス前までの被削物形状内にあるかによって、微小切れ刃5が実際に切削加工を行っている可能性があるかどうかを判定する(S202;切削判定工程)。上記刃先位置は、回転角θ、番号jに対応する、撓みを考慮しない微小切れ刃5の刃先位置ベクトルPにループ番号iにおける第1撓み量D1i(θ)の撓みベクトルU=[x1i_θ、y1i_θ、0](x1i_θおよびy1i_θは、回転角θにおけるX方向とY方向の撓み量を示す)を加えた、刃先位置ベクトルPとして算出する(P、U、Pにつき、式(25)および(26)参照)。
また、上記刃先位置が1パス前までの被削物形状内にあるかどうかの判定は、例えば、Z−mapモデルで表した被削物3の加工面の高さよりも上記刃先位置が下かどうかで判定する。また、回転工具2がスクエアエンドミルの場合で、径方向の切込みaが明らかな場合、後述する刃先位置ベクトルpにマイナス方向の加工面法線ベクトルn(単位ベクトル)の内積が、回転工具2の半径rと切込みaとの差以上となるかどうかで判定する(p・(−n)≧r−a)。
S202でYと判定した場合、予測用装置は、番号jの微小切れ刃5に生じる静的切り取り厚さtおよび動的切り取り厚さtを算出し、これらを足し合わせることによって番号jの微小切れ刃5の切り取り厚さtを算出する(S203;切り取り厚さ算出工程(切削力算出工程))。一方、S202でNと判定した場合、予測用装置は、番号j+1の微小切れ刃5が被削物形状内にあるかどうかを判定する。
ここで、静的切り取り厚さtは、第1撓み量D1i(θ)を考慮しない番号jの微小切れ刃5の第1刃先位置(図5の(b)におけるPS1)と、第1刃先位置と回転工具2の回転中心とを結ぶ線分の上に位置し、1刃前の切れ刃4において第1撓み量D1i(θ)を考慮しない第2刃先位置(図5の(b)におけるPS2)との差である。ここで、「第1刃先位置と回転工具2の回転中心とを結ぶ線分」とは、図3の(a)に示すように、回転工具2がボールエンドミルの場合、微小切れ刃5の刃先位置と切れ刃球体部2aの中心O’とを結ぶ線分を指す。また、図5の(a)に示すように、スクエアエンドミルの場合、Z方向において微小切れ刃5の刃先位置と、該刃先位置と同じ高さの回転中心上の位置Oとを結ぶ線分を指す。
動的切り取り厚さtは、第1撓み量D1i(θ)を考慮した第1刃先位置(図5の(b)におけるPd1)における上記線分方向の変化量dtnと、第1撓み量D1i(θ)を考慮した第2刃先位置(図5の(b)におけるPd2)における上記線分方向の変化量dtoとの差である。ここで、「第1撓み量D1i(θ)を考慮した」刃先位置とは、切れ刃4に対して作用する切削力によって発生する、回転工具2の撓みを考慮した刃先位置を指す。なお、上記撓みを回転工具1回転分集めたものが、第1撓み量D1i(θ)となる。静的切り取り厚さtおよび動的切り取り厚さtの算出方法については後述する。
次に、下記のS204〜S207の各工程を含む切削力算出工程について説明する。予測用装置は、S203の処理で算出した切り取り厚さtが正の値になるかどうかを判定する(S204;切削力計算可否判定工程)。S204でYと判定した場合、予測用装置は、切り取り厚さtを用いて、番号jの微小切れ刃5に作用する微小切削力dF_θを算出し、これをX方向、Y方向およびZ方向の力に分解する。そして、この値を番号0からj−1までの微小切れ刃5に作用する微小切削力におけるX方向、Y方向およびZ方向の力それぞれの和である瞬間切削力Fi_θ’=〔Fxi_θ’、Fyi_θ’、Fyi_θ’〕に加算することで、番号0からjまでの微小切れ刃5に作用する微小切削力の和である瞬間切削力Fi_θ’を算出する(S205;瞬間切削力算出工程)。瞬間切削力Fi_θ’は、回転工具2の切れ刃4(切れ刃4が複数の場合は全ての切れ刃4)に仮想的に生成された微小切れ刃5に作用する微小切削力dF_θを、全て積算した切削力を指す。
次に、予測用装置は、切れ刃4に仮想的に生成された微小切れ刃5のうち、被削物形状内にあると判定された全ての微小切れ刃5について、微小切削力dF_θを算出したかどうかを判定する(S206;算出終了判定工程)。S206でYと判定した場合、予測用装置は、回転工具2が1回転したかどうか、すなわち回転角θを微小角度Δθずつ増やしながらS202〜206の処理を繰り返した結果、回転角θが360°となったかどうかを判定する(S207;1回転判定工程)。一方、S206でNと判定した場合、予測用装置は、番号jの微小切れ刃5の次の微小切れ刃である番号j+1の微小切れ刃5について、S202からS205までの処理を行う。なお、微小切削力dF_θの算出方法については後述する。
S207でYと判定した場合、予測用装置は、回転工具1回転中に算出された瞬間切削力Fi_θ’の集合を回転工具1回転分の切削力F(θ)とした上で、該切削力F(θ)をフーリエ変換してF(ω)を算出する。そして、F(ω)に回転工具2の動剛性の逆数であるコンプライアンス伝達関数G(ω)を乗じてD(ω)=G(ω)×F(ω)を算出し、算出したD(ω)を逆フーリエ変換することで、第2撓み量D2i(θ)を算出する(S208;撓み量算出工程、特許文献2参照)。一方、S207でNと判定した場合、予測用装置は、回転工具2を回転角θから微小角度Δθ回転させた場合について、S202からS206までの処理を行う。
ここで、第2撓み量D2i(θ)は、第1撓み量D1i(θ)(初期値以外は、1ループ前に算出された第3撓み量D3i−1(θ)に相当する)、具体的には動的切り取り厚さtを考慮して算出された、回転工具1回転中に発生する該回転工具2の撓みを指す。
次に、予測用装置は、S208の処理で算出した第2撓み量D2i(θ)にローパスフィルタ処理を施して第4撓み量D4i(θ)を生成した上で(S209;ローパスフィルタ処理工程)、第4撓み量D4i(θ)に基づいて、収束条件を充足するかどうかを判定する(S210;収束条件判定工程)。収束条件は、回転工具2が数回転して切削力および撓みが安定する定常状態となるための条件を指す。
収束条件は、式(1)に示すように、第4撓み量D4i(θ)を構成する撓みのX成分x4i_θと第1撓み量D1i(θ)を構成する撓みのX成分x1i_θとの差を2乗したものと、第4撓み量D4i(θ)を構成する撓みのY成分y4i_θと第1撓み量D1i(θ)を構成する撓みのY成分y1i_θとの差を2乗したものとの和を、全ての撓み分積算した2乗和Aが、閾値λよりも小さくなるかで、収束条件を充足するかどうかを判定する。閾値λは、式(2)に示すように、第4撓み量D4i(θ)を構成する撓みについて、そのX成分x4i_θを2乗したものとY成分y4i_θを2乗したものとの和を全ての撓みについて積算した値に、係数α(0.01程度の値)を乗じた値を指す。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
なお、必ずしも、上述のような収束条件の判定方法を採用する必要はない。例えば、第4撓み量D4i(θ)のX成分x4i_θと第1撓み量D1i(θ)のX成分x1i_θとの差、および第4撓み量D4i(θ)のY成分y4i_θと第1撓み量D1i(θ)のY成分y1i_θとの差が、それぞれ所定の閾値よりも小さくなったら収束条件を充足したと判定してもよい。また、例えば、後述するS213の処理をS210よりも先に行うようにし、算出した加工誤差予測値eと、1ループ前に算出した加工誤差予測値eとの差が所定の閾値よりも小さくなったら収束条件を充足したと判定してもよい。さらに、係数αの値についても、閾値λが、ユーザにとって収束条件を充足したとみなすことができる値となるように、ユーザが任意に設定することができる。
S210でYと判定した場合、予測用装置は、収束条件が充足された時点で算出されていた第4撓み量D4i(θ)に基づいて被削物3の加工誤差予測値eを算出する(S213;加工誤差算出工程)。加工誤差予測値eの算出方法については後述する。一方、S210でNと判定した場合、予測用装置は、第1撓み量D1i(θ)に用いる第1重み係数w=1と第4撓み量D4i(θ)に用いる第2重み係数w=1によって、第1撓み量D1i(θ)と第4撓み量D4i(θ)との重み平均としての第3撓み量D3i(θ)を算出する(S211;撓み量平均化工程)。具体的には、第1撓み量D1i(θ)を構成する、ある回転角θにおける回転工具2の撓みd1i_θと、第4撓み量D4i(θ)を構成する、該回転角θにおける回転工具2の撓みd4i_θとを、式(3)(式(4)および(5))によって重み平均した値d3i_θ=〔x3i_θ、y3i_θ〕を回転角θ毎に算出し、この値を回転工具1回転分集めたものが第3撓み量D3i(θ)=〔X3i(θ)、Y3i(θ)〕となる。なお、「回転角θ毎に」とは、「回転工具2を微小角度Δθ回転させる毎に」との意味である。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
Figure 2016218641
そして、S211の処理終了後、予測用装置は、ループ番号iに1を足し(i=i+1)、次のループの第1撓み量D1i(θ)をS211で算出された第3撓み量D3i−1(θ)として(S212;第1撓み量置換工程)、再びS201以降の各処理を実行する。こうして、S201〜S212の処理は、収束条件が充足されるまで繰り返される。S201〜S212の処理の繰り返し回数をループ回数と呼ぶ。
なお、本実施形態では、1ループ前(ループ番号i−1)のS211で算出された第3撓み量D3i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)とした上で、加工誤差の予測を開始している。しかし、第3撓み量D3i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)とする必要は必ずしもなく、1ループ前のS208で算出された第2撓み量D2i−1(θ)を新たに第1撓み量D1i(θ)としてよい。すなわち、本実施形態に係る加工誤差予測方法から撓み量平均化工程(S211)を省略してもよいし、S211において、第1重み係数w=0、第2重み係数w=1に設定して第3撓み量D3i(θ)(すなわち第2撓み量D2i(θ))を算出してもよい。また、S209のローパスフィルタ処理工程は、後述するように収束を速める効果を奏するが、本発明にとって必須ではなく省略することもできる。
<回転工具1回転分の切削力の算出方法>
(回転工具がボールエンドミルの場合)
次に、図3および4を用いて、回転工具2がボールエンドミルの場合における、回転工具1回転分の切削力F(θ)の算出方法について説明する。まず、予測用装置は、回転角θにおける番号jの微小切れ刃5の静的切り取り厚さtおよび動的切り取り厚さtを算出する。静的切り取り厚さtは式(6)によって算出される(非特許文献3参照)。ここで、式(6)におけるbは式(7)によって算出される。
Figure 2016218641
r:切れ刃球体部2aの半径
f:回転工具2の1刃当り送り量
Figure 2016218641
θ:微小切れ刃5の回転方向の位置を示す角度であり、回転角θと後述するねじれによる遅れ角Ψqnを用いて、θ=θ−Ψqnとなる。回転角θについては、送り方向(回転工具2の移動方向)をXY平面に投影した方向をY軸の正方向とし、回転中心軸近傍の切れ刃4がX軸の負方向と一致するときを0°とする(図4の(b)参照)。
:微小切れ刃5と切れ刃球体部2aの中心O’とを結ぶ線分と、Z軸とのなす角度
φ:回転工具2の送り方向とY軸とのなす角度
また、動的切り取り厚さtは、前述したように式(8)によって算出される。ここで、番号jの微小切れ刃5における、第1刃先位置(図示せず)の線分方向の変化量dtnおよび第2刃先位置(図示せず)の線分方向の変化量dtoは、それぞれ式(9)および(10)によって算出される。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
1i_θ=(x1i_θ、y1i_θ):回転角θにおける回転工具2の撓み
Figure 2016218641
1i_θo=(x1i_θo、y1i_θo):回転角θにおける回転工具2の撓み
また、1刃前の切れ刃4の回転角θ(図示せず)は、式(11)によって算出される。なお、式(11)で求めた回転角θが負になる場合は、回転角θに360°を加えて該回転角θを0°から360°の範囲内に修正することで、回転工具2の撓みd1i_θoを算出する。ここで、角度qに位置する微小切れ刃5における、ねじれによる遅れ角Ψqiは、式(12)によって算出される(図4および非特許文献4参照)。なお、上記ねじれとは、切れ刃4の刃先形状のねじれを意味する。
Figure 2016218641
θ:1刃前の切れ刃4との角度ピッチ(等ピッチの場合:2π/z(z:刃数))
Figure 2016218641
:エンドミルの先端から微小切れ刃5までのZ軸方向の距離
β:ねじれ角(z=rの位置でのねじれ角(非特許文献4参照))
:微小切れ刃5と切れ刃球体部2aの中心O’とを結ぶ線分と、Z軸とのなす角度
また、1刃前の切れ刃4に対応する、微小切れ刃5と切れ刃球体部2aの中心O’とを結ぶ線分と、Z軸とのなす角度qは、式(13)によって算出される。
Figure 2016218641
次に、静的切り取り厚さtと動的切り取り厚さtとの和を求めることにより、切り取り厚さtを算出した上で、番号jの微小切れ刃5に作用する微小切削力dF_θ=〔dFt_θ、dFr_θ、dFa_θ〕を式(14)〜(16)によって算出する(非特許文献3参照)。dFt_θは微小切削力dF_θの主分力、dFr_θは微小切削力dF_θの切れ刃球体部2aの中心O’方向分力、dFa_θはこれら2つの分力と直交する方向の分力である。切削力係数Kte、Ktc、Kre、Krc、Kae、Kacは、主として、被削物3の材質と用いられる回転工具2との組み合わせにより決定する値であり、予め設定しておく必要のある係数である。tは微小切れ刃長さである。なお、算出した切り取り厚さtが0以下となる場合、微小切削力dF_θ=0となることから、微小切削力dF_θの計算は行わない。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
Figure 2016218641
次に、微小切削力dF_θをX方向、Y方向およびZ方向の力に分解する。そして、被削物形状内にあると判定された全ての微小切れ刃5について求めた上で、それらを積算することで、回転角θに対応する切れ刃4に作用する瞬間切削力Fi_θ’を算出する。そして、微小角度Δθ回転する毎に瞬間切削力Fi_θ’を算出した上で、算出された瞬間切削力Fi_θ’をボールエンドミル1回転分集めることで、切削力F(θ)が算出される。
(回転工具がスクエアエンドミルの場合)
次に、図5を用いて、回転工具2がスクエアエンドミルの場合における、回転工具1回転分の切削力F(θ)の算出方法について説明する。なお、以下の説明では、ねじれによる微小切れ刃5の遅れ角Ψqiが0であることを前提としている。
回転工具2がボールエンドミルの場合と同様、予測用装置は、回転角θにおける番号jの微小切れ刃5の静的切り取り厚さtおよび動的切り取り厚さtを算出する。静的切り取り厚さtは式(17)によって算出される。また、動的切り取り厚さtは式(18)によって算出される。ここで、番号jの微小切れ刃5における、第1刃先位置Pd1の線分方向の変化量dtnおよび第2刃先位置Pd2の線分方向の変化量dtoは、それぞれ式(19)および(20)によって算出される(図5の(b)参照)。1刃前の切れ刃4の回転角θ(図示せず)は式(21)によって算出され、1刃前の微小切れ刃5の刃先位置(PS2、Pd2)に対応する回転角θonは式(22)によって算出される。回転角θが負になる場合の処理については、回転工具2がボールエンドミルの場合と同様である。
Figure 2016218641
r:回転工具の半径
Figure 2016218641
Figure 2016218641
Figure 2016218641
Figure 2016218641
θ:1刃前の切れ刃4との角度ピッチ(等ピッチの場合:2π/z(z:刃数))
Figure 2016218641
次に、静的切り取り厚さtと動的切り取り厚さtとの和を求めることにより、切り取り厚さtを算出した上で、番号jの微小切れ刃5に作用する微小切削力dF_θ=〔dFt_θ、dFr_θ〕を式(23)および(24)によって算出する。dFt_θは微小切削力dF_θの回転方向分力(主分力)、dFr_θは分力dFt_θと直交する回転中心O方向の分力(背分力)である。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
次に、微小切削力dF_θをX方向およびY方向の力に分解し、被削物形状内にあると判定された全ての微小切れ刃5について求めた上で、それらを積算することで、回転角θに対応する切れ刃4に作用する瞬間切削力Fi_θ’を算出する。そして、微小角度Δθ回転する毎に瞬間切削力Fi_θ’を算出した上で、算出された瞬間切削力Fi_θ’をスクエアエンドミル1回転分集めることで、切削力F(θ)が算出される。
<第2撓み量に対するローパスフィルタ処理>
(ローパスフィルタ処理の意義)
一般に、高い周波数で振動する撓みは、切削中のダンピング効果により減衰する。したがって、被削物3の加工誤差を予測するに際し、高い周波数で振動する撓みを考慮しなくてもその予測精度への影響は小さい。また、第2撓み量D2i(θ)に対してローパスフィルタ処理を施した場合、カットオフ周波数より高い周波数で振動する第2撓み量D2i(θ)については考慮する必要がなくなることから、その分収束条件が早く充足する。したがって、第2撓み量D2i(θ)に対してローパスフィルタ処理を施すことで、予測精度を低下させることなく、より短時間で加工誤差予測値eを予測することができる。
(カットオフ周波数について)
回転工具1回転分の切削力F(θ)の周波数は、切削条件、加工形態等によって異なることから、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数は、計算するパスによって変更する必要がある。そこで、本実施形態では、1枚の切れ刃4の実切削時間からカットオフ周波数を算出する。具体的には、まず実切削時間t(図11参照)を算出し、算出した実切削時間の逆数に係数γを乗じた値(γ/t)を、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数とする。
次に、図6および7を用いて、ユーザがどの程度の範囲内で係数γの値を設定するのが好ましいかについて説明する。図6の(a)および(b)の黒丸は測定値を表しているので、加工誤差予測値eと測定値との乖離が小さいほど、予測精度が高いことを意味する。まず、加工誤差予測値eの予測精度については、回転工具2の回転数Sが約7000min−1より多い場合、図6の(a)に示すように、カットオフ周波数が低いγ=0.1の場合を除いてローパスフィルタ処理の有無(LPFの有無)に拘らず、予測精度に差異はほとんどない。一方、回転工具2の回転数Sが約7000min−1以下の場合、図6の(b)に示すように、LPFの有無および係数γの値に応じて予測精度に差異が生じる。具体的には、LPFの係数γの値が小さい、0.1、0.5では予測精度の低下が顕著となる。係数γの値が1.0、2.0と大きくなるにつれて、予測精度は高くなる。LPF無の場合も予測精度は比較的高いが、約2500min−1以下で予測値にばらつきがみられる。
前記ループ回数については、図7に示すように、LPF無の場合が最もループ回数が多く、次いで、係数γ=2.0の場合が多い。また、係数γの値が小さくなるにつれてループ回数も少なくなっていく。すなわち、LPF無の場合が加工誤差の予測、言い換えると収束に最も時間を要し、係数γの値が小さいほど収束が早くなる。なお、図7のグラフは、係数γの値毎に、ピックフィード3回分、かつ回転数Sを1000min−1から16000min−1までの間で変更した場合(161パターン)の総ループ回数を算出したものである。
上記結果から、加工誤差予測値eの予測精度については、係数γ=1.0および2.0、特にγ=2.0で高精度となることが分かる。また、ループ回数についても、ローパスフィルタ処理の効果が顕著に現れている。これらのことから、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数を決める係数γの値は、γ=1.0〜2.0程度の範囲内に設定するのが好ましい。
<加工誤差予測値の算出方法>
次に、図8を用いて、加工誤差予測値eの算出方法について説明する。なお、以下の説明は、回転工具2がボールエンドミルであることを前提としている。加工誤差予測値eの算出は、まず、回転角θ毎に、実際に切削している全ての微小切れ刃5について、切削力F(θ)に起因して発生する撓みを考慮した刃先位置を算出する。この撓みは、収束条件を充足した時点における第4撓み量D4i(θ)(ローパスフィルタ処理を省略する場合は、第2撓み量D2i(θ))を構成するものである。そして、算出した各刃先位置と被削物3の理想加工面H(加工面法線ベクトルn(図8の(a)および(b)参照)と直交する平面)との距離(理想加工面Hから切れ刃球体部2aの中心O’の方向への距離を正とした符号付きの距離)をそれぞれ求め、これらの最小値をとることにより予測値eを算出する(図8の(b)参照)。
具体的には、まず、収束条件を充足した時点における第4撓み量D4i(θ)を考慮した微小切れ刃5の刃先位置を、刃先位置ベクトルPとして算出する。刃先位置ベクトルPは、式(25)および(26)を用いて算出する。ここで、式(25)におけるU=〔x4i_θ、y4i_θ、0〕は、回転角θにおける撓みベクトルである。
Figure 2016218641
Figure 2016218641
:撓みを考慮しない場合における刃先位置ベクトル
:工具接角度(後述する加工面創成点Pから回転工具2の切れ刃球体部2aの中心O’に向かう線分が、回転工具2の回転軸Jとなす角度、図8の(a)参照)
次に、式(27)を用いて、上記微小切れ刃5が被削物3を切削する場合の加工誤差の予測値e’の算出を、回転角θ毎に、実際に切削している全ての微小切れ刃5について行う。
Figure 2016218641
そして、算出した全ての加工誤差の予測値e’の最小値を求めることで、加工誤差予測値eを算出する(e=min(e’))。
ここで、加工面法線ベクトルnは、回転工具2と被削物3の加工後の理想形状とが接する点Pから切れ刃球体部2aの中心O’に向かう単位ベクトルである(図8の(a)参照)。点Pは、例えば、被削物3の加工面に関する情報から、回転工具2が該加工面を切削するときの微小切れ刃5の刃先位置である加工面創成点Pを特定することによって算出される。加工面創成点Pは、例えば、被削物3の加工面を描画した画像データを検出し、該画像データにおける座標(X座標、Y座標)の平均値を求めることによって特定される(特許文献2参照)。
<加工誤差予測値、総計算時間、瞬間切削力および撓み>
(予測値および計算時間)
次に、図9および10を用いて、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた場合における、加工誤差予測値eおよび全ての加工誤差予測値eを算出するまでの総計算時間Tについて説明する。なお、図9の(a)のグラフは、図9の(b)に示すように、加工面法線方向の切込みc=0.23mmおよびピックフィード量pf=0.49mmのピックフィードを3回行った場合のグラフである。回転工具2の直径は12mmであり、切れ刃4が2枚のボールエンドミルを用いている。また、収束条件に関して上述した係数α=0.01、ローパスフィルタ処理に関して上述した係数γ=2.0の条件下で作成したものである。また、図10のグラフは、予測用装置として、CPU;Intel(登録商標) Corei7−950 3.07GHz、GPU;NVIDIA(登録商標) GeForce(登録商標) GTX680の仕様のパーソナルコンピュータを用いた場合のものである。
図9の(a)に示すように、加工誤差予測値eは、回転工具2の回転数Sに拘らず、高精度の加工誤差予測を実現した従来法2(撓み考慮(時間領域)モデル;非特許文献1、特許文献3および4参照)と同程度の予測精度となる。また、従来法1(剛体モデル;特許文献1および2参照)に比して、特に、回転数Sが約5000min−1以下の場合にその予測精度が著しく向上している。また、図10に示すように、全ての予測値eを算出するまでの総計算時間Tは、短時間での加工誤差予測を実現した従来法1と比べても、約1.3倍の総計算時間Tで全ての予測値eを算出することができる。また、予測精度が同程度に高い従来法2に比して、総計算時間Tの大幅な短縮化が図られている。
なお、従来法1の予測精度が悪化する回転数の上限(図9では約5000min−1)は、工具の動剛性(特に固有振動数)と、切削条件および加工形態から決定される切削力とに依存する。また、回転工具の固有振動数が高くなるほど、予測精度が悪化する回転数の上限は高くなると考えられる。一般に、回転工具が小径工具であるほど固有振動数が高くなることから、本実施形態に係る加工誤差予測方法は、回転工具2が小径工具の場合の加工誤差予測において、より有効性が高いと考えられる。
(瞬間切削力および撓み)
次に、図11および12を用いて、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた場合における、回転工具1回転中に発生する瞬間切削力Fi_θ’および撓みdi_θについて説明する。なお、図11、図12ともに、図9の(a)のグラフにおける回転数Sが3000min−1の場合のものである。まず、図11に示すように、瞬間切削力Fi_θ’=〔FXi_θ’、FYi_θ’〕については、FXi_θ’、FYi_θ’ともに、収束条件を充足した時点の値が測定値と略同一となる。そして、上記値は、ループ番号i=1(1回目の計算)の場合におけるFXi_θ’およびFYi_θ’の値に比して、測定値との誤差が小さく、より高精度な値となっている。また、図12に示すように、撓みdi_θ=〔xi_θ、yi_θ〕についても、収束条件を充足した時点の値が測定値と略同一となる。そして、上記値は、ループ番号i=1(1回目の計算)の場合の値に比して、測定値との誤差が小さく、より高精度な値となっている。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図13〜17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した工程と同じ処理を行う工程については、その説明を省略する。本実施形態に係る加工誤差予測方法は、収束条件判定工程(図2のフローチャートにおけるS210に相当)において、さらに、第4撓み量D4i(θ)と第1撓み量D1i(θ)との差が収束せずに発散するかどうかを判定する点で、実施形態1に係る加工誤差予測方法と異なる。また、本実施形態に係る加工誤差予測方法は、収束条件判定工程において発散するとの判定がなされた場合に、上記撓み平均化工程(S211)の演算に用いる第1重み係数wおよび第2重み係数wの少なくともいずれか一方の数値を変更する重み係数変更工程をさらに含む点でも、実施形態1に係る加工誤差予測方法と異なる。
<本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた被削物の加工誤差の予測>
図13および14を用いて、本実施形態に係る加工誤差予測方法を用いた被削物の加工誤差の予測について説明する。なお、図13のフローチャートにおけるS300〜S310は、図2のフローチャートにおけるS200〜S210と同様の処理を行う。また、図13のフローチャートにおけるS312、S315およびS316はそれぞれ、図2のフローチャートにおけるS211、S212およびS213と同様の処理を行う。したがって、図13のフローチャートにおける上記各ステップについては、その説明を省略する。
図13に示すように、S310でNと判定した場合、予測用装置は、さらに、第4撓み量D4i(θ)と第1撓み量D1i(θ)との差が収束せずに発散するかどうかを判定する(S311;発散条件判定工程(収束条件判定工程))。具体的には、式(1)により求まる2乗和Aの値が、その1ループ前(ループ番号i−1)以前に求めた各2乗和Aの最小値のβ倍(βの値は、例えば、2.0〜5.0に設定される。)を超えれば、発散するものと判定する。なお、発散の判定には、上述の方法以外の方法を採用してもよい。例えば、複数回(例えば10回)計算してもAの最小値が更新されなければ発散と判定してもよい。一方、S310でYと判定した場合、予測用装置は、S316の処理を行う。
S311でYと判定した場合、予測用装置は、上記発散を解消すべく、第1重み係数wおよび第2重み係数wの少なくともいずれか一方の数値を変更する(S313;重み係数変更工程)。具体的には、予測用装置に備えられた記憶部(図19参照)に、図14に示すような各重み係数のデータテーブル(第2重み係数w=1に固定)を予め記憶させておき、1回目の発散判定がなされた場合、データテーブルから1回目の重み係数変更に対応する数値データ(w=3)を呼び出すことで、第1重み係数wの値を変更する。
ここで、第1重み係数wの値が小さい(例えばw<1)場合、言い換えると、wとwとの比率が小さい場合、特に回転工具2の回転数Sが少ないと(例えば3000min−1以下)発散し易くなる。一方、第1重み係数wの値が(例えば2より)大きくなると、言い換えると、wとwとの比率が大きくなると、収束条件を充足するまでのループ回数が多くなり、計算時間が長くなる傾向が現れる。したがって、できるだけ少ないループ回数で確実に発散を解消すべく、上記データテーブルにおける第1重み係数wの各数値データは、1から10程度の範囲内で、かつ、変更回数が多くなるにつれて数値が大きくなるように設定するのが好ましい(図14参照)。一方、S311でNと判定した場合、予測用装置は、S312以降の各処理を行う。
次に、予測用装置は、変更後の第1重み係数wを用いて、第3撓み量D3i(θ)を算出し直す(S314;撓み量平均化工程)。そして、ループ番号iに1を足し(i=i+1)、S314で算出し直された第3撓み量D3i-1(θ)を次のループにおける新たな第1撓み量D1i(θ)とした上で(S315;第1撓み量置換工程)、再びS301以降の各処理を実行する。
なお、図14のデータテーブルは一例であり、例えば、第1重み係数wに加えて第2重み係数wの数値データも変更するようにしてもよい。
<重み係数変更の意義>
次に、図15〜17を用いて、重み係数を変更することの意義について説明する。なお、図15、図16のグラフとも、回転工具の回転数S=2000min−1、α=0.01、β=3の条件下で作成したものである。また、上記各グラフの作成においては、第3撓み量D3i(θ)の算出に際し、第4撓み量D4i(θ)に代えて第2撓み量D2i(θ)を用いている。すなわちローパスフィルタ処理工程(S310)を省略した上で、第3撓み量D3i(θ)を算出している。
まず、収束条件の充足し易さについては、図15に示すように、第1重み係数wおよび第2重み係数wを固定(両者とも1)した場合、収束条件の充足判定に用いる2乗和Aは、ループ回数に拘らず略一定の値で推移し(約0.3mm〜0.5mm)、収束条件は充足されない。一方、第1重み係数wを1から3に変更した場合(第2重み係数wは1で固定)、ループ回数が増える毎に2乗和Aの値が小さくなっていき、ループ回数が40回になったところで収束条件が充足される。したがって、重み係数を変更できるようにすることは、収束条件をより充足させ易くする、すなわち、より確実に加工誤差予測値eを算出することができるという意義を有する。
次に、加工誤差予測値eについては、図16に示すように、第1重み係数wおよび第2重み係数wを固定した場合、収束条件が充足されないことから、予測値eを算出してもループ回数によって値が大きく搖動する。一方、第1重み係数wを1から3に変更した場合、ループ回数が40回になったところで収束条件が充足される、すなわち定常状態となることから、ループ回数40回の時点で算出した予測値eは、測定値に近い高精度の値となる。
次に、サンプル金型を用いた場合における、全ての予測値eを算出するまでの総計算時間Tは、図17に示すように、短時間での加工誤差予測を実現した従来法1と比べても、約2倍弱の総計算時間Tで全ての予測値eを算出することができる。また、予測精度が同程度に高い従来法2と比較した場合、総計算時間Tの短縮化が図られている。このサンプル金型の予測対象となったパス総数は、306929パスである。
なお、図14のデータテーブルを用いて重み係数を変更しても収束条件を充足しない場合には、従来法2の方法を用いて予測値eを算出した。この場合でも、従来法2と比較して大幅な総計算時間Tの短縮化が図られる。
以上より、重み係数を変更できるようにすることは、高精度の加工誤差予測値eを、少ない計算時間でより確実に算出することができるという意義を有する。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した工程と同じ処理を行う工程については、その説明を省略する。本実施形態に係る加工誤差予測方法は、複数パスを構成する1つのパスにおける被削物3の加工誤差を予測する場合、予測対象となるパスの1つ前のパスにおいて加工誤差の算出に用いられた第4撓み量D4i(θ)を、予測対象となるパスにおいて新たに第1撓み量D1i(θ)とした上で、切削力算出工程(S203〜S207、S303〜S307に相当)と撓み量算出工程(S208およびS308に相当)と収束条件判定工程(S210、S310およびS311に相当)とを行う点で、実施形態1および2に係る加工誤差予測方法と異なる。なお、ローパスフィルタ処理を省略する場合には、第4撓み量D4i(θ)ではなく第2撓み量D2i(θ)を用いるが、ここでは第4撓み量D4i(θ)を用いるものとして説明する。
上記複数パスを回転工具2の移動経路の全体と捉えると、1つのパスは移動経路を分割した分割経路と捉えることができる。また1つのパスを分割して複数の分割経路を生成し、予測対象となる分割経路の1つ前の分割経路に対して用いた第4撓み量D4i(θ)を、予測対象となるパスの新たな第1撓み量D1i(θ)としてもよい。
<1つ前のパスの第4撓み量を新たに第1撓み量とすることの意義>
図18を用いて、1つ前のパスにおいて被削物3の加工誤差の算出に用いられた第4撓み量D(θ)を、新たに第1撓み量D1i(θ)とすることの意義について説明する。なお、図18の(a)のグラフは、図18の(b)に示すように、加工面法線方向の切込みc=0.23mmおよびピックフィード量pf=0.49mmのピックフィードを2回行い、2回目のパスの計算ループ回数を示したグラフである。
図18の(a)に示すように、予測対象となるパスにおける第1撓み量D1i(θ)の初期値を0とした場合、回転工具2の回転数Sが約3000min−1以下で収束条件を充足するまでのループ回数が急激に増加する。一方、上記第1撓み量D1i(θ)の初期値を、1つ前のパスにおいて被削物3の加工誤差の算出に用いられた第4撓み量D4i(θ)とした場合、回転数Sに拘らず、少ないループ回数で収束条件が充足される。これは、隣り合うパス同士では、被削物3の加工面形状、回転工具2の切込み量および1刃当りの送り量などがあまり変わらないからである。
このように、予測対象となるパスにおける第1撓み量D1i(θ)の初期値として、1つ前のパスにおいて被削物3の加工誤差の算出に用いられた第4撓み量D4i(θ)を用いることは、特に、回転工具2が低速回転する場合(例えば約3000min−1以下)において、より短い計算時間で高精度の加工誤差予測値eを算出可能にするという意義を有する。
〔実施形態4〕
<コンピュータ装置の概要>
図19を用いて、コンピュータ装置100の概要について説明する。コンピュータ装置100は、実施形態1〜3にて説明した予測用装置と同様の機能を有するものである。図19に示すように、コンピュータ装置100は、表示部21、操作入力部22および制御部23を備えている。
表示部21は、コンピュータ装置100に装備されている各種機能(アプリケーションソフト)が実行されることに起因する画像等の各種画像を表示するものである。操作入力部22は、入力されたユーザ操作を取得する。制御部23は、加工誤差予測装置1を備え、かつコンピュータ装置100の統括的な制御も行う。加工誤差予測装置1は、回転工具2に対する1回転分の切削力F(θ)の作用に起因して発生する、被削物3の加工誤差を予測するための各種処理を統括するものである。
<加工誤差予測装置の主要部の構成>
図19に示すように、加工誤差予測装置1は、記憶部11、切削判定部12、切削力算出部13、撓み量算出部14、ローパスフィルタ処理部15、収束条件判定部16、重み係数変更部17、撓み量平均化部18、加工誤差算出部19およびNCデータ修正部20を備えている。
記憶部11は、操作入力部22からユーザ入力された、工具仕様、切削力係数、動剛性の入力パラメータ、切削加工前の被削物形状データおよびNCデータを記憶するとともに、加工誤差予測プログラムを含めて、制御部23が実行する各種の制御プログラム等を記憶している。なお、上記各入力データは、予め記憶部11に記憶されていてもよい。また、記憶部11は、加工誤差予測装置1の内部および外部のどちらに具備されてもよい。
切削判定部12、切削力算出部13、撓み量算出部14、ローパスフィルタ処理部15、収束条件判定部16、重み係数変更部17、撓み量平均化部18および加工誤差算出部19はそれぞれ、実施形態1〜3に係る加工誤差予測方法における切削判定工程、切削力算出工程、撓み量算出工程、重み係数変更工程、撓み量平均化工程および加工誤差算出工程でなされる処理と同様の処理を行う。
NCデータ修正部20は、回転工具2の全ての移動経路について、加工誤差予測値eを算出したかどうかを判定する。全ての移動経路について予測値eを算出したと判定した場合、NCデータ修正部20は、全移動経路分の加工誤差予測値eに基づいてNCデータを修正し、修正したNCデータを作成し、ファイルとして保存する。
なお、切削判定部12、ローパスフィルタ処理部15、重み係数変更部17および撓み量平均化部18は必須の構成要素ではなく、加工誤差予測装置1にこれらの各部が備えられていなくてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
加工誤差予測装置1の制御ブロック(特に、切削力算出部13、収束条件判定部16およびNCデータ修正部21)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、加工誤差予測装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、および上記記憶部11としてのROM(Read Only Memory:コンピュータ読取可能な記録媒体)とRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、CPUが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録部11を「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などで構成してもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加工誤差予測方法は、回転工具(2)に対する切削力の作用に起因して発生する被削物(3)の加工誤差を予測するための加工誤差予測方法であって、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第1撓み量を考慮して、上記回転工具に作用する上記回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出工程と、上記切削力算出工程において算出された上記切削力に基づいて、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第2撓み量を算出する撓み量算出工程と、上記撓み量算出工程において算出された上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が、閾値より小さくなる収束条件を充足するか否かを判定する収束条件判定工程と、上記収束条件判定工程において上記収束条件を充足するとの判定がなされた場合に、上記第2撓み量に基づいて上記加工誤差を算出する加工誤差算出工程と、を含む。
上記構成によれば、加工誤差予測方法は、回転工具1回転中に発生する第1撓み量を考慮して回転工具1回転分の切削力を算出し、該切削力に基づいて被削物の加工誤差を算出する。それゆえ、第1撓み量を考慮せずに上記加工誤差の算出を行う場合に比して、その予測精度が向上する。
また、上記切削力の計算において、回転工具の微小角度毎に被削物形状データを更新する必要がないことから、その分、簡易かつ迅速に加工誤差を算出することができる。それゆえ、計算時間の短縮化を図ることができる。
また、一般に、被削物の加工誤差を高精度で予測するためには、回転工具が数回転して切削力および撓みが安定した状態となる定常状態となったとき以降に発生する撓みに基づいて、上記加工誤差を予測する。そして、回転工具が数回転した後に発生する撓みを算出する場合、微小時間毎に発生する切削力および撓みの計算を数回転分行わなければならない。
その点、上記構成によれば、加工誤差予測方法は、回転工具1回転当りの切削力を算出しつつ、回転工具の撓みに関する収束条件を充足した場合に被削物の加工誤差を算出する。したがって、従来の加工誤差の予測方法に比して、より少ない計算回数で定常状態(収束条件を充足した状態)における被削物の加工誤差を予測できる。それゆえ、被削物の加工誤差を、短い計算時間で、かつ精度高く予測することができる。
本発明の態様2に係る加工誤差予測方法は、態様1において、上記回転工具は1つ以上の切れ刃(4)を備え、上記切削力算出工程は、上記切れ刃を仮想的に複数分割して仮想的な微小切れ刃(5)を生成した上で、上記第1撓み量を考慮しない上記微小切れ刃の第1刃先位置と、上記第1刃先位置と上記回転工具の回転中心とを結ぶ線分の上に位置し、上記回転工具の1刃前において上記第1撓み量を考慮しない上記微小切れ刃の第2刃先位置との差を、静的切り取り厚さとして算出するとともに、上記第1撓み量を考慮した上記第1刃先位置における上記線分方向の変化量と、上記第1撓み量を考慮した上記第2刃先位置における上記線分方向の変化量との差を動的切り取り厚さとして算出し、上記静的切り取り厚さと上記動的切り取り厚さとの和を用いて、上記微小切れ刃に作用する微小切削力を算出した上で、上記微小切削力を全ての上記微小切れ刃について積算することで、上記切れ刃に作用する瞬間切削力を算出し、上記瞬間切削力の算出を、上記回転工具が微小角度回転する毎に、上記回転工具1回転分繰り返すことにより、上記回転工具1回転分の切削力を算出してもよい。
上記構成によれば、加工誤差予測方法は、微小切れ刃の動的切り取り厚さが考慮された微小切削力を全ての微小切れ刃について積算することで瞬間切削力を算出し、該瞬間切削力の算出を回転工具1回転分繰り返すことで回転工具1回転分の切削力を算出している。
したがって、動的切り取り厚さを考慮することなく回転工具の切れ刃に作用する瞬間切削力を算出する場合に比して、より実測値に近い値で瞬間切削力を算出できる。ひいては、回転工具1回転分の切削力も、より実測値に近い値となる。それゆえ、実測値に近い第2撓み量を用いて少ない計算回数で収束条件を充足させることができ、被削物の加工誤差を、より短い計算時間で精度高く予測することができる。
本発明の態様3に係る加工誤差予測方法は、態様1または2において、上記第1撓み量に用いる第1重み係数と上記第2撓み量に用いる第2重み係数とによって、上記第1撓み量と上記第2撓み量との重み平均としての第3撓み量を算出する撓み量平均化工程をさらに含み、上記第3撓み量を新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程と上記撓み量平均化工程とを繰り返してもよい。
被削物の加工誤差の予測において、特に、回転工具が低速回転(例えば、回転数が2000min−1〜3000min−1)の場合、第2撓み量を新たに第1撓み量とした上で切削力算出工程以下の各工程を繰り返しても、収束条件を充足するまでに多数回各工程を繰り返すことを要したり、場合によっては何回各工程を繰り返しても収束条件を充足しない発散現象が生じることがある。一方、第2撓み量に代えて、重み係数を用いて第1撓み量と第2撓み量とを重み平均した値を新たに第1撓み量とした場合、回転工具が低速回転であっても少ない繰り返し回数で収束条件を充足し易くする。
その点、上記構成によれば、加工誤差予測方法は、第1重み係数および第2重み係数を用いて第1撓み量と第2撓み量との重み平均としての第3撓み量を新たに第1撓み量とした上で、切削力算出工程と撓み量算出工程と収束条件判定工程と撓み量平均化工程とを繰り返す。また、加工誤差算出工程における加工誤差は、収束条件が充足された時点で算出されていた第2撓み量に基づいて算出される。なお、収束条件が充足された場合には、その時点で算出されていた第1撓み量、第2撓み量および第3撓み量は、互いにほぼ等しくなる。
したがって、第3撓み量を求めずに第2撓み量を新たに第1撓み量とした上で切削力算出工程以下の各工程を繰り返す場合に比して、少ない繰り返し回数で収束条件を充足させ易くすることができる。それゆえ、被削物の加工誤差を、より短い計算時間で精度高く予測できる可能性を高めることができる。
本発明の態様4に係る加工誤差予測方法は、態様3において、上記収束条件判定工程において、上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が収束せずに発散するとの判定がなされた場合に、上記第1重み係数および上記第2重み係数の少なくともいずれか一方の数値を変更する重み係数変更工程をさらに含み、上記重み係数変更工程の実施後に、上記撓み量平均化工程で算出し直した上記第3撓み量を新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程と上記撓み量平均化工程と上記重み係数変更工程とを繰り返してもよい。
被削物の加工誤差の予測において、第2撓み量と第1撓み量との差が収束せずに発散した場合、重み係数を適宜変更することでその発散を解消させることができる。その点、上記構成によれば、加工誤差予測方法は、第2撓み量と第1撓み量との差が収束せずに発散すると判定した場合、第1重み係数および第2重み係数の少なくともいずれか一方の数値を変更する。また、加工誤差算出工程における加工誤差は、第2撓み量に基づいて算出される。
したがって、第1重み係数および第2重み係数の少なくともいずれか一方の数値を適宜変更しつつ、切削力算出工程以下の各工程を繰り返すことによって、発散が解消され、最終的には収束条件が充足される。それゆえ、収束条件が充足されないことによって加工誤差が算出できないリスクを低減することができ、より確実に被削物の加工誤差を予測することができる。
本発明の態様5に係る加工誤差予測方法は、態様1から4のいずれかにおいて、上記撓み量算出工程において算出された上記第2撓み量に対してローパスフィルタ処理を施すことにより、第4撓み量を生成するローパスフィルタ処理工程をさらに含み、上記収束条件判定工程は、上記ローパスフィルタ処理工程において生成された上記第4撓み量と上記第1撓み量との差に基づいて、上記収束条件を充足するか否かを判定してもよい。
撓み量算出工程において算出された第2撓み量に対してローパスフィルタ処理を施した場合、カットオフ周波数より高い周波数で振動する第2撓み量については考慮する必要がなくなることから、その分収束条件が早く充足する。その点、上記構成によれは、加工誤差予測方法は、第2撓み量に対してローパスフィルタ処理を施した第4撓み量と第1撓み量との差に基づいて、収束条件を充足するか否かを判定する。また、加工誤差算出工程における加工誤差は、収束条件が充足された時点で算出されていた第4撓み量に基づいて算出される。なお、収束条件が充足された場合には、その時点で算出されていた第1撓み量、第3撓み量および第4撓み量は、互いにほぼ等しくなる。
したがって、ローパスフィルタ処理が施された撓み量を用いて収束条件を充足するか否かを判定する場合、該処理が施されていない撓み量を用いた場合に比して、より少ない各工程の繰り返し回数で収束条件が充足される。それゆえ、被削物の加工誤差を、より短い計算時間で予測することができる。
本発明の態様6に係る加工誤差予測方法は、態様1から5のいずれかにおいて、上記回転工具の移動経路を分割した分割経路における上記加工誤差を予測する場合、予測対象となる上記分割経路の1つ前の上記分割経路において上記加工誤差算出工程による上記加工誤差の算出に用いられた上記第2撓み量を、上記予測対象となる上記分割経路において新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程とを行ってもよい。
上記構成によれば、加工誤差予測方法は、回転工具の移動経路を分割した分割経路における加工誤差を予測する場合、予測対象となる分割経路の1つ前の分割経路において加工誤差の算出に用いられた第2撓み量、すなわち、収束条件が充足した際に用いられた第2撓み量を新たに第1撓み量として、切削力算出工程以下の各工程を行う。なお、上記分割経路は、複数パスをまとめた1つのパスでもよいし、1つのパスを分割した分割パスでもよい。
ここで、回転工具の移動経路における、ある分割経路とその1つ前の分割経路とでは、被削物の加工面形状、回転工具の切込み量および1刃当りの送り量等はあまり変わらないと想定される。したがって、ある分割経路において収束条件が充足する場合の第2撓み量は、その1つ前の分割経路において収束条件が充足した際に用いられた第2撓み量とあまり変わらないと想定される。それゆえ、ある分割経路における被削物の加工誤差を予測する場合に、その1つ前の分割経路において収束条件が充足した際に用いられた第2撓み量を第1撓み量とすることで、収束条件をより短い計算時間で充足させることができる。この効果は、特に、ある分割経路における被削物の加工面形状と、その1つ前の分割経路における被削物の加工面形状とが近似しているほど顕著に現れる。
以上より、分割経路における被削物の加工誤差を予測する場合において、該加工誤差を、より短い計算時間で精度高く予測することができる。
本発明の態様7に係る加工誤差予測装置(1)は、回転工具(2)に対する切削力の作用に起因して発生する被削物(3)の加工誤差を予測するための加工誤差予測装置であって、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第1撓み量を考慮して、上記回転工具に作用する上記回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出部(13)と、上記切削力算出部において算出された上記切削力に基づいて、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第2撓み量を算出する撓み量算出部(14)と、上記撓み量算出部において算出された上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が、閾値より小さくなる収束条件を充足するか否かを判定する収束条件判定部(16)と、上記収束条件判定部において上記収束条件を充足するとの判定がなされた場合に、上記第2撓み量に基づいて上記加工誤差を算出する加工誤差算出部(19)と、を備える。
上記構成によれば、被削物の加工誤差を短い計算時間で精度高く予測できる加工誤差予測装置を提供することができる。
本発明の各態様に係る加工誤差予測方法は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記加工誤差予測方法に含まれる各工程(ソフトウェア要素に限る)として動作させることにより上記加工誤差予測方法をコンピュータにて実現させるためのプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、金型等の製作時における加工誤差予測に利用することができる。
1 加工誤差予測装置
2 回転工具
3 被削物
4 切れ刃
5 微小切れ刃
13 切削力算出部
14 撓み量算出部
16 収束条件判定部
19 加工誤差算出部

Claims (8)

  1. 回転工具に対する切削力の作用に起因して発生する被削物の加工誤差を予測するための加工誤差予測方法であって、
    上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第1撓み量を考慮して、上記回転工具に作用する上記回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出工程と、
    上記切削力算出工程において算出された上記切削力に基づいて、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第2撓み量を算出する撓み量算出工程と、
    上記撓み量算出工程において算出された上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が、閾値より小さくなる収束条件を充足するか否かを判定する収束条件判定工程と、
    上記収束条件判定工程において上記収束条件を充足するとの判定がなされた場合に、上記第2撓み量に基づいて上記加工誤差を算出する加工誤差算出工程と、を含むことを特徴とする加工誤差予測方法。
  2. 上記回転工具は1つ以上の切れ刃を備え、
    上記切削力算出工程は、
    上記切れ刃を仮想的に複数分割して仮想的な微小切れ刃を生成した上で、
    上記第1撓み量を考慮しない上記微小切れ刃の第1刃先位置と、上記第1刃先位置と上記回転工具の回転中心とを結ぶ線分の上に位置し、上記回転工具の1刃前において上記第1撓み量を考慮しない上記微小切れ刃の第2刃先位置との差を、静的切り取り厚さとして算出するとともに、上記第1撓み量を考慮した上記第1刃先位置における上記線分方向の変化量と、上記第1撓み量を考慮した上記第2刃先位置における上記線分方向の変化量との差を動的切り取り厚さとして算出し、
    上記静的切り取り厚さと上記動的切り取り厚さとの和を用いて、上記微小切れ刃に作用する微小切削力を算出した上で、上記微小切削力を全ての上記微小切れ刃について積算することで、上記切れ刃に作用する瞬間切削力を算出し、
    上記瞬間切削力の算出を、上記回転工具が微小角度回転する毎に、上記回転工具1回転分繰り返すことにより、上記回転工具1回転分の切削力を算出することを特徴とする請求項1に記載の加工誤差予測方法。
  3. 上記第1撓み量に用いる第1重み係数と上記第2撓み量に用いる第2重み係数とによって、上記第1撓み量と上記第2撓み量との重み平均としての第3撓み量を算出する撓み量平均化工程をさらに含み、
    上記第3撓み量を新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程と上記撓み量平均化工程とを繰り返すことを特徴とする請求項1または2に記載の加工誤差予測方法。
  4. 上記収束条件判定工程において、上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が収束せずに発散するとの判定がなされた場合に、上記第1重み係数および上記第2重み係数の少なくともいずれか一方の数値を変更する重み係数変更工程をさらに含み、
    上記重み係数変更工程の実施後に、上記撓み量平均化工程で算出し直した上記第3撓み量を新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程と上記撓み量平均化工程と上記重み係数変更工程とを繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の加工誤差予測方法。
  5. 上記撓み量算出工程において算出された上記第2撓み量に対してローパスフィルタ処理を施すことにより、第4撓み量を生成するローパスフィルタ処理工程をさらに含み、
    上記収束条件判定工程は、上記ローパスフィルタ処理工程において生成された上記第4撓み量と上記第1撓み量との差に基づいて、上記収束条件を充足するか否かを判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加工誤差予測方法。
  6. 上記回転工具の移動経路を分割した分割経路における上記加工誤差を予測する場合、予測対象となる上記分割経路の1つ前の上記分割経路において上記加工誤差算出工程による上記加工誤差の算出に用いられた上記第2撓み量を、上記予測対象となる上記分割経路において新たに上記第1撓み量とした上で、上記切削力算出工程と上記撓み量算出工程と上記収束条件判定工程とを行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加工誤差予測方法。
  7. コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の加工誤差予測方法における各工程として機能させるためのプログラム。
  8. 回転工具に対する切削力の作用に起因して発生する被削物の加工誤差を予測するための加工誤差予測装置であって、
    上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第1撓み量を考慮して、上記回転工具に作用する上記回転工具1回転分の切削力を算出する切削力算出部と、
    上記切削力算出部において算出された上記切削力に基づいて、上記回転工具1回転中に発生する上記回転工具の撓みである第2撓み量を算出する撓み量算出部と、
    上記撓み量算出部において算出された上記第2撓み量と上記第1撓み量との差が、閾値より小さくなる収束条件を充足するか否かを判定する収束条件判定部と、
    上記収束条件判定部において上記収束条件を充足するとの判定がなされた場合に、上記第2撓み量に基づいて上記加工誤差を算出する加工誤差算出部と、を備えることを特徴とする加工誤差予測装置。
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