JP2016216879A - 塗工基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面の平滑性および均質性に優れた表面特性及び構造安定性を有し、作製時に物質の望ましくない減損を回避できる塗工基材の提供。
【解決手段】基材を提供し、少なくとも1種類の無機物を提供し、1種類以上の多糖類を含む多糖物質を提供し、基材に少なくとも1種類の無機物を塗工し、得られた無機物プレコート層にセルロース、デンプン、キトサンおよびキチンから選択される1種類以上の多糖類を含むゲルを塗工することによる塗工基材の製造方法、ならびにこの方法によって得られる塗工基材およびこの使用。
【選択図】図8

Description

本発明は、塗工基材の製造方法ならびにこの方法によって得られる塗工基材およびこの使用に関する。
表面の平滑性および均質性などの観点で、例えば、製紙において改善された表面特性ならびに構造安定性を有する紙を得るために特定の基材の特性を改善することは継続的な目的である。
大きな剛性という利点は、例えば、多糖類を充填剤または塗料として使用することによって得られ得る。例えば、ナノ−またはミクロフィブリルセルロースは、製紙においてコーティング材として、ならびにウェットエンドにおいてよく知られているが、典型的なウェットエンド用途では高いコストおよび潜在的浪費が妨げとなっている。
製紙/板紙作製のウェットエンドにおけるナノ−またはミクロフィブリルセルロースの使用は巻取紙の脱水を大きく障害し、乾燥または製紙機械の低速化のいずれかにおいて余分なコストがかかり、表面処理剤として使用した場合、示される塗料の定着性(holdout)は不充分なものである。
該物質の溶解度および微細性により保持は非効率的となり、保持されている場合は、一般的に、紙繊維マトリックスの空間分布内に非効率的に適用される。
従って、紙または板紙の繊維空隙マトリックス内におけるナノ−またはミクロフィブリルセルロースなどの高価な物質の減損を回避する必要があり、この表面の最大限の構造完全性を維持する必要がある。
従って、本発明の目的は、表面の平滑性および均質性などの観点で良好な表面特性ならびに構造安定性を有し、作製時に物質の望ましくない減損が回避される塗工基材を作製するための方法である。
驚くべきことに、基材に多糖物質を、かかる多糖物質を吸収し得る無機物プレコートと組み合わせて塗工すると、かかる物質の使用の効率ならびに、表面の平滑性および均質性、表面強度および曲げ剛性などの観点で基材の品質が有意に改善され、このとき、透過性はプレコートと多糖物質の比によって容易に制御され得ることがわかった。
無機物プレコートは、例えば、未公開欧州特許出願番号10168 352.2により一般的に知られているが、この先行技術には、かかる無機物プレコートを多糖物質層と合わせると、得られる紙に上記の改善された特性が得られるという示唆は見出され得ない。
無機物プレコートを使用することにより、多糖物質の多糖類は基材表面を通り抜けずに無機物プレコートの多孔質構造内に組み込まれ得、優れた定着性および基材表面での効率的な濃度の多糖の展開に不可欠な連続した薄層が得られ、これは、例えばナノフィブリルセルロースの場合、セルロース系物質を基材表面上にナノフィブリルセルロース由来のナノ微細物画分を吸収させることにより保持させてインサイチュ複合材層を形成させる場合、特に好適であり得ることがわかった。
従って、上記の問題は、以下の段階:
基材を提供する段階、
少なくとも1種類の無機物を提供する段階、
1種類以上の多糖類を含む多糖物質を提供する段階、
該基材に該少なくとも1種類の無機物を塗工し、無機物プレコート層を得る段階、
該無機物プレコート層に該1種類以上の多糖類を含む多糖物質を塗工する段階
を特徴とする、塗工基材の製造方法によって解決される。
観察された効果は、よく知られているIビームコンセプトと関連しているようであり、ここで、この場合のビームは、曲げられた状態で中立(無応力)軸から最も遠い軸方向の繊維に沿って高い応力を受ける紙シートまたは板紙などの基材からなる。
通常、建築において使用されるIビームコンセプトによれば、中立軸に近い領域では曲げ剛性に必要とされる材料は比較的少ないが、もちろん、印刷、折り畳みおよび糊付け過程での層間剥離に耐えるには充分なz−方向の強度を有することが必要である。
均質な物質のものであるこのコンセプトの代わりに、シートに密度分布が示されるIビームも想定され得る;中立軸は巻取紙の中心に沿って存在し、中心は比較的低密度であり得、高密度物質のほとんどは外側平面に集中する。
Iビームコンセプトは、ナノ−およびミクロフィブリルセルロース系物質ならびに本発明において使用されるデンプンなどの他の多糖類にあてはまる、即ち、該物質が構造的に密であるほど、補強効果を最大限にするために外側の強度供給層と内部の塊状構造層との間に大きな密度差が必要とされるが、全体の密度が低い場合は(例えば、非カレンダー加工紙)、有益性を最大限にするために桁様の紙構造が使用され得、外側層は低密度に維持され得る。
本発明による好適な基材は、紙または板紙、例えば、カレンダー加工または非カレンダー加工の紙または板紙であり得、上質紙であっても木材パルプ紙であってもよい標準的な塗工紙および非塗工紙(例えば、PlanoJet;Papyrus AB,スウェーデン)を含む群から選択され得る。
本発明において好ましく使用され得る基材は、印刷用紙、筆記用紙、コピー用紙、出版用紙、合成紙、不織布製品、板紙および包装材、建築資材、例えば、化粧紙および化粧板紙ならびに表面加工品を含む群から選択される。
基材上のプレコートとして使用される無機物は、好ましくは鉱物顔料および充填剤を含む群から選択される。
特に好ましくは、無機物は、バテライト様、カルサイト様またはアラゴナイト様結晶構造を有するものであり得る沈降炭酸カルシウム(PCC);大理石、石灰石および/または白亜から選択され得る天然磨砕炭酸カルシウム(GCC);表面改質炭酸カルシウム;ドロマイト;タルク;ベントナイト;クレイ;マグネサイト;サテンホワイト;セピオライト、ハンタイト、珪藻岩;シリケート;二酸化チタン;およびこの混合物を含む群から選択される。
特に好ましい一実施形態では、前記無機物は、表面改質炭酸カルシウム、より好ましくは、天然炭酸カルシウムと二酸化炭素および1種類以上の酸との反応生成物である表面反応炭酸カルシウムを含む群から選択され、該二酸化炭素は、該酸処理によってインサイチュで形成されるもの、および/または外部供給源から供給されるものである。
好ましくは、この反応に使用される天然炭酸カルシウムは、大理石、白亜、カルサイト、ドロマイト、石灰石およびこの混合物を含む群から選択される。好ましい一実施形態では、天然炭酸カルシウムを酸と二酸化炭素で処理する前に磨砕する。磨砕段階は当業者に知られた磨砕ミルなどの、任意の慣用的な磨砕デバイスで行なわれ得る。
好ましくは、本発明において使用される表面反応天然炭酸カルシウムは、20℃で測定したとき6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として調製される。
該水性懸濁液の調製の好ましい方法では、磨砕などによって微粉化されている、または微粉化されていない天然炭酸カルシウムを水に懸濁させる。好ましくは、このスラリーは、該スラリーの重量に対して1wt%から80wt%、より好ましくは3wt%から60wt%、さらにより好ましくは5wt%から40wt%の範囲内の天然炭酸カルシウム含有量を有するものである。
次の段階では、天然炭酸カルシウムを含む水性懸濁液に酸を添加する。好ましくは、酸は25℃で2.5以下のpKを有するものである。25℃でのpKが0以下である場合、酸は、好ましくは硫酸、塩酸またはこの混合物から選択される。25℃でのpKが0から2.5である場合、酸は、好ましくはHSO、HSO、HPO、シュウ酸またはこの混合物から選択される。1種類以上の酸をこの懸濁液に、濃縮液またはより薄い溶液として添加してもよい。好ましくは、天然炭酸カルシウムに対する酸のモル比は0.05から4、より好ましくは0.1から2である。
または、酸を水に、天然炭酸カルシウム懸濁させる前に添加することも可能である。
次の段階では、天然炭酸カルシウムを二酸化炭素で処理する。硫酸または塩酸などの強酸を天然炭酸カルシウムの酸処理に使用する場合は、二酸化炭素が自動的に形成される。それに代えてまたはそれに加えて、二酸化炭素を外部供給源から供給してもよい。
酸処理および二酸化炭素での処理は同時に行なってもよく、これは強酸を使用する場合である。まず酸処理を、例えば0から2.5の範囲のpKを有する中程度の強酸で行なった後、外部供給源から供給される二酸化炭素での処理を行なうことも可能である。
好ましくは、該懸濁液中の気体の二酸化炭素の濃度は、容量換算で、(懸濁液の容量):(気体のCOの容量)比が1:0.05から1:20、さらにより好ましくは1:0.05から1:5となる濃度である。
好ましい一実施形態では、酸処理段階および/または二酸化炭素処理段階を少なくとも1回、より好ましくは数回繰り返す。
酸処理および二酸化炭素処理後、該水性懸濁液のpHは、20℃で測定時、自然に6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きい値に達し、これにより、表面反応天然炭酸カルシウムが6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として調製される。水性懸濁液が平衡に達するようにするには、pHを7より大きくする。6.0より大きいpHは、水性懸濁液の攪拌を充分な時間、好ましくは1時間から10時間、より好ましくは1から5時間継続するすると、塩基の添加なしで調整することができる。
または、7より大きいpHで起こる平衡に達する前に、二酸化炭素処理の後、塩基の添加によって該水性懸濁液のpHを6より大きい値まで増大させてもよい。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの任意の慣用的な塩基が使用され得る。
表面反応天然炭酸カルシウムの調製に関するさらなる詳細は、WO00/39222およびUS2004/0020410A1に開示されており、これらの参考文献の内容は本明細書とともに本出願に含まれる。
表面反応天然炭酸カルシウムの調製の好ましい一実施形態では、天然炭酸カルシウムを酸および/または二酸化炭素と、シリケート、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウムもしくはカリウムなどのアルミン酸アルカリ土類金属、酸化マグネシウムまたはこの混合物からなる群より選択される少なくとも1種類の化合物の存在下で反応させる。好ましくは、少なくとも1種類のシリケートは、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはケイ酸アルカリ土類金属から選択される。このような成分は天然炭酸カルシウムを含む水性懸濁液に、酸および/または二酸化炭素を添加する前に添加され得る。
または、シリケートおよび/またはシリカおよび/または水酸化アルミニウムおよび/またはアルミン酸アルカリ土類金属および/または酸化マグネシウム成分を天然炭酸カルシウムの水性懸濁液に、天然炭酸カルシウムと酸および二酸化炭素との反応が既に開始している間に添加してもよい。少なくとも1種類のシリケートおよび/またはシリカおよび/または水酸化アルミニウムおよび/またはアルミン酸アルカリ土類金属成分の存在下での表面反応天然炭酸カルシウムの調製に関するさらなる詳細はWO2004/083316に開示されており、この参考文献の内容は、本明細書とともに本出願に含まれる。
表面反応沈降炭酸カルシウムを使用することも可能であり、これは、好ましくはEP出願番号2070991に記載の方法に従って、即ち、PCC含有顔料をHイオンと、および水不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種類のアニオンと接触させることにより作製され、前記アニオンは水性媒体中に可溶化されて表面反応PCC含有顔料のスラリーを形成しており、ここで、前記表面反応PCCは、該PCCの少なくとも一部の表面上に形成された前記アニオンの不溶性で少なくとも一部結晶性のカルシウム塩を含むものであり、過剰の可溶化カルシウムイオンがもたらされる。
好ましい一実施形態では、無機物は、窒素およびISO9277によるBET法を用いて測定され、1m/gから200m/g、より好ましくは20m/gから120m/g、さらにより好ましくは30m/gから115m/g、特に好ましくは46m/gから100m/g、最も好ましくは50m/gから80m/g、例えば55m/gの比表面積を有するものである。
さらに、無機物は、後述する方法に従って測定され、0.01から50μm、より好ましくは0.05から25μm、さらにより好ましくは0.1から10μm、特に好ましくは0.2から5μm、例えば2.7μm、特に0.5から1.5μm、例えば0.8μmの中央粒径(d50)を有するものであることが好ましい。
0.5μmより大きいd50を有する粒子では、重量中央粒径d50を米国Micromeritics社製Sedigraph 5100デバイスを用いて測定した。測定は、0.1wt%のNa水溶液中で行なった。試験物を高速攪拌器と超音波を用いて分散させた。d50≦500nmを有する粒子では、体積中央粒径を英国Malvern社製Malvern Zetasizer Nano ZSを用いて測定した。測定は、0.1wt%のNa水溶液中で行なった。試験物を高速攪拌器と超音波を用いて分散させた。
好ましい一実施形態では、無機物は、15から200m/gの範囲内の比表面積および0.1から50μmの範囲内の重量中央粒径を有する表面反応天然炭酸カルシウムである。より好ましくは、比表面積は20から80m/gの範囲内であり、重量中央粒径は0.5から25μmの範囲内である。さらにより好ましくは、比表面積は30から60m/gの範囲内であり、重量中央粒径は0.7から7μmの範囲内である。
無機物は、粉末の形態で提供してもよいが、好ましくは水性懸濁液などの懸濁液の形態で適用される。この場合、懸濁液の無機物固形分は、好ましくは10から80wt%であり、より好ましくは20から75wt%であり、さらにより好ましくは30から60wt%であり、最も好ましくは40から55wt%、例えば50wt%である。
基材上への無機物プレコートの結合を改善するため、無機物を結合剤、例えば、Acronal S360Dなどのスチレンアクリレートラテックス結合剤(BASF,Ludwigshafen,ドイツ)などと合わせることも可能である。
無機物と組み合わせて好適に使用され得るさらなる結合剤は、例えば、デンプン、タンパク質、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよびこの混合物を含む群から選択される。
結合剤は、乾燥無機物の重量に対して1から30wt%、好ましくは4から20wt%、より好ましくは5から15wt%、最も好ましくは7から10wt%の量で使用され得る。
本発明において使用される多糖物質は1種類以上の多糖類を含むものであり、多糖類は、好ましくは線状および分枝状の多糖類、例えば、セルロース、デンプン、キチン、キトサン、ペクチン、キサンタンガムおよびデキストランならびにこの誘導体を含む群から選択される。
本発明による1種類以上の多糖類を含む多糖物質は、乾燥状態で、または懸濁液、溶液、分散液もしくは乳液の形態で、またはゲル、特にナノゲルとして使用され得、液状媒体は水または有機溶媒であり得る。
該物質は、好ましくは、0.01wt%から50wt%、好ましくは1から15wt%、より好ましくは3から12wt%、最も好ましくは4から10wt%の固形分を有するものである。一般的に、固形分は、多糖の粘度にもよるが飽和濃度まで高くてもよい。
特に好ましいのはナノゲルである、即ち、ゲル中に含まれる多糖粒子は、ナノメートル範囲、即ち1μm以下、例えば1から200nm、好ましくは10から100nm、より好ましくは15から80nm、さらにより好ましくは20から50nm、最も好ましくは25から40nm、例えば30nmの直径を有するものである。
かかる多糖物質、特にナノゲルの組合せは、吸収性無機物のプレコート上のトップコート用途として、幾つかのプラスの効果を有することがわかった。例えば、基材上におけるかかる層の定着性がかなり増大し、非塗工基材または無機物プレコートなしでかかる多糖物質を直接塗工した基材と比べてより平滑な表面ならびにより高い曲げ剛性を有する基材が得られる。
強化剤としてよく知られており、例えば製紙において一般的に使用され、ウェットエンドに直接または基材表面にサイジング剤としてのいずれかで適用されるデンプンなどの物質であっても、吸収性無機物プレコートとの組合せにより、例えばシートの補強の観点からずっとより有効に使用され得、これは一般的に内部強度または表面強度これ自体とは関連しておらず、この主要な特性は通常、デンプンによって付与され、多糖物質の少なくとも一部が無機物プレコート層内に吸収されることによるものである。
これに関連して、デンプンは、本発明により使用され得、塗工用途において一般的に知られているもののいずれか1つ、例えば、天然形態または化学的もしくは熱的に加工された形態のコーンスターチ、タピオカ、コムギおよびイモデンプンならびにカチオン性デンプンであり得る。本発明において有用なデンプンの例は、Cerestar Cargill(Krefeld,ドイツ)から入手可能な、商標名C Film TCF 07302、C Film TCF 07311、C Film TCF 07312、C Film TCF 07324などの加工デンプンならびにC Film HS 05978などのカチオン性デンプンであり、本発明において特に有用であるこれらのうちいずれか1つをコロイド状デンプン溶液に、デンプン粉末を水中に例えば45wt%までの特定の固形分で分散させ、この分散液を当業者に知られているようにして加熱することにより変換させてもよい。また、本発明によれば、デンプンは、一般的に溶液および分散液の形態でも使用され得る。
多糖物質と無機物プレコートの組合せの上記の効果は、ナノフィブリルセルロースゲルの使用によりインサイチュ表面ナノ複合材を形成させることによって、さらに増大させることができる。この増大は、可溶性結合剤と比べてより長期の強度完全性を発現するという観点におけるナノフィブリルの構造増強特性ためである。
従って、特に好ましい一実施形態では、多糖物質がナノフィブリルセルロースゲルである。
セルロースは、緑色植物の一次細胞壁の構造成分であり、地球上で最も一般的な有機化合物である。これは、多くの用途および工業において非常に重要である。
原料としてのセルロースパルプは、木材またはアサ、亜麻およびマニラ麻などの植物の茎から加工処理される。パルプ繊維は、主としてセルロースならびに他の有機成分(ヘミセルロースおよびリグニン)によって構成されている。セルロース巨大分子(1−4グリコシド結合β−D−グルコース分子で構成)は水素結合によって一体に連結されて、結晶性ドメインと非晶質ドメインを有するいわゆる一次フィブリル(ミセル)を形成している。幾つかの一次フィブリル(55個前後)でいわゆるミクロフィブリルが形成される。250個前後のこのようなミクロフィブリルでフィブリルが形成される。
フィブリルは異なる層(これには、リグニンおよび/またはヘミセルロースが含有され得る。)内に配列されて繊維を形成している。個々の繊維はリグニンによっても同様に一体に結合されている。
繊維は、エネルギー負荷下で精製状態になると、細胞壁が分解され、付着細片に崩壊するにつれてフィブリル化される、即ちフィブリルになる。この分解によってフィブリルが繊維本体から継続して分離されると、フィブリルが放出される。繊維のミクロフィブリルへの分解を「ミクロフィブリル化」と称する。この過程は、繊維が残っておらず、ナノサイズ(厚み)のフィブリルだけが残留するまで継続され得る。
該過程がさらに進行し、このようなフィブリルがさらにさらに小さいフィブリルに分解されると、最終的にはセルロース断片またはナノフィブリルゲルになる。この最後の段階がどの程度までかかるかによっては、一部のナノフィブリルがナノフィブリルゲル中に残存することがあり得る。一次フィブリルへの分解は「ナノフィブリル化」と称され得、この場合、この2つの形態間では円滑な移行が見られ得る。一次フィブリルは、水性環境中でゲル(一次フィブリルの準安定性網目)を形成し、これは「ナノフィブリルゲル」と称され得る。ナノフィブリルから形成されたゲルは、ナノセルロースを含有しているとみなされ得る。
従って、ナノフィブリルセルロースは、本発明との関連において、少なくとも一部が一次フィブリルに分解された繊維を意味し、ナノフィブリルゲルは、水性環境中でこのような一次フィブリルから形成されるゲル(微細限界では本質的にナノセルロースとみなされる一次フィブリルの準安定性網目)を意味し、このとき、ナノ繊維と、種々の程度のナノフィブリルを含むナノフィブリルゲルを含み、すべて本発明によるナノフィブリルセルロースゲルという用語に包含されるナノフィブリルゲルとの間では円滑な移行が見られる。
ナノフィブリルゲルは、通常、非常に微細な繊維を含有しており、
一部分がナノセルロースで構成されているとみなされており、互いに、または存在している他の物質に、これほど微細でない繊維またはナノセルロース構造を示さないフィブリルよりも強い結合潜在能を示すため望ましい。
かかるナノフィブリルゲルは、例えば、商標名AVOCEL(登録商標)MF 40−10(J.Rettenmaier & Sohne GmbH & Co KG,Rosenberg,ドイツ)で市販されている。
一般的に、本発明において有用なナノフィブリルゲルはフィブリル化によって作製され得る。これに関連して、フィブリル化は、主に繊維およびフィブリルがこの長軸方向に沿って分解されて、該繊維およびフィブリルのそれぞれの直径の縮小がもたらされる任意の過程を意味する。
フィブリル化前のセルロース繊維の大きさは原理上、重要でない。一般的に、市販されている、およびフィブリル化に使用されるデバイスで加工処理可能な任意の繊維が有用である。この起源にもよるが、セルロース繊維は、50mmから0.1μmの長さを有するものであり得る。かかる繊維、ならびに好ましくは20mmから0.5μm、より好ましくは10mmから1mm、典型的には2から5mmの長さを有するようなものが好適に使用され得、ここで、より長い繊維およびより短い繊維が有用な場合もあり得る。
セルロース繊維を懸濁液、特に水性懸濁液の形態で提供することが好適である。好ましくは、かかる懸濁液は0.2から35wt%、より好ましくは0.25から10wt%、さらにより好ましくは0.5から5wt%、特に1から4wt%、最も好ましくは1.3から3wt%、例えば1.5wt%の固形分を有するものである。
かかるゲルの作製に使用され得るセルロース繊維は、天然、化学、機械、ケミメカニカル、サーモメカニカルパルプ中に含有されているようなものであり得る。特に有用なのは、ユーカリパルプ、スプルースパルプ、マツパルプ、ブナパルプ、アサパルプ、コットンパルプ、タケパルプ、バガスおよびこの混合物を含む群から選択されるパルプである。一実施形態では、このセルロース繊維の全部または一部がセルロース繊維を含む物質のリサイクル段階に由来するものであり得る。従って、パルプは古紙および/または脱墨パルプであってもよい。
特別な一実施形態では、セルロース繊維を少なくとも1種類の充填剤および/または顔料の存在下でフィブリル化し、好ましいナノフィブリルセルロースゲルを得てもよい。フィブリル化はゲルが形成されるまで行ない、このとき、ゲルの形成は、剪断速度に依存性である粘度のモニタリングによって確認する。剪断速度を段階的に増大させると、粘度の低下を反映する特定の曲線が得られる。続いて剪断速度を段階的に低減させると、粘度は再び増大するが、対応する値は、剪断速度範囲の少なくとも一部において剪断がゼロに近づくにつれて剪断速度の増大の場合よりも低くなり、グラフでは、粘度を剪断速度に対してプロットするとヒステリシスが明白に示される。この挙動が観察されるとすぐ、本発明において有用なナノフィブリルセルロースゲルが形成される。
セルロース繊維のフィブリル化に使用される少なくとも1種類の充填剤および/または顔料は、好ましくは沈降炭酸カルシウム(PCC);天然磨砕炭酸カルシウム(GCC);表面改質炭酸カルシウム;ドロマイト;タルク;ベントナイト;クレイ;マグネサイト;サテンホワイト;セピオライト、ハンタイト、珪藻岩;シリケート;およびこの混合物を含む群から選択される。バテライト様、カルサイト様もしくはアラゴナイト様結晶構造を有するものであり得る沈降炭酸カルシウムおよび/または大理石、石灰石および/または白亜から選択される天然磨砕炭酸カルシウムが特に好ましい。
特別な一実施形態では、超微細な離散型の斜方晶系、犬牙状または菱面体晶系沈降炭酸カルシウムの使用が好適であり得る。
充填剤および/または顔料は、粉末の形態で提供してもよいが、好ましくは水性懸濁液などの懸濁液の形態で添加する。この場合、懸濁液の固形分は、該液がポンプ輸送可能な液体である限り重要でない。
好ましい一実施形態では、セルロース繊維のフィブリル化に使用される充填剤および/または顔料粒子は、0.01から15μm、好ましくは0.1から10μm、より好ましくは0.3から5μm、特に0.5から4μm、最も好ましくは0.7から3.2μm、例えば2μmの中央粒径を有するものであり、ここで、上記のように、0.5μmより大きい中央粒径d50を有する粒子では、重量中央粒径をSedigraph 5100デバイスを用いて測定し、中央粒径d50≦500nmを有する粒子では、体積中央粒径をMalvern Zetasizer Nano ZSを用いて測定した。
フィブリル化過程中、充填剤および/または顔料の大きさならびに繊維の大きさが変化し得る。
従って、フィブリルとも称するフィブリル化繊維は、セルロース分子の凝集体を含むものであり、体積中央粒径としてMalvern Zetasizer Nano ZSを用いて測定され、1から200nm、好ましくは10から100nm、より好ましくは15から80nm、さらにより好ましくは20から50nm、最も好ましくは25から40nm、例えば30nmの直径を有するものであり得る。
かかるフィブリルの長さは、パルプ供給源および作製方法に極めて依存的に異なり得るが、典型的には、1から5000μm、好ましくは10から2000μm、より好ましくは50から1000μm、最も好ましくは100から500μmであり得、SEM写真で測定し、ここで、長さはスケールバーとの比較によって測定した。
繊維と少なくとも1種類の充填剤および/または顔料を合わせることは、充填剤および/または顔料を繊維に1段階または数回の段階で添加することにより行なわれ得る。同様に、繊維を充填剤および/または顔料に1段階または数回の段階で添加してもよい。充填剤および/または顔料ならびに繊維は、全部または一部がフィブリル化段階前または該段階中に添加され得る。しかしながら、フィブリル化前の添加が好ましい。
好ましくは、充填剤および/または顔料に対する繊維の重量比は、乾燥重量基準で1:33から10:1、より好ましくは1:10から7:1、さらにより好ましくは1:5から5:1、典型的には、1:3から3:1、特に1:2から2:1、最も好ましくは1:1.5から1.5:1、例えば1:1である。
充填剤および/または顔料の適用量は重要であり得る。充填剤および/または顔料が多すぎると、これはゲルの形成に影響を及ぼすことがあり得る。従って、特定の組合せでゲルの形成が観察されない場合は、充填剤および/または顔料の量を低減させることが必要であり得る。
さらに、一実施形態では、理想的には繊維の膨潤がもたらされ、フィブリル化が助長されるため、該組合せをフィブリル化する前に2から12時間、好ましくは3から10時間、より好ましくは4から8時間、例えば6時間保存する。
繊維の膨潤は、高pHでの保存によって、ならびに例えば、銅(II)エチレンジアミン、酒石酸ナトリウム鉄もしくは塩化リチウム/ジメチルアセトアミンなどのセルロース溶媒の添加によって、または当該技術分野で知られた任意の他の方法によって助長され得る。
フィブリル化は、これに有用な任意のデバイスによって行なわれる。好ましくは、デバイスはホモジナイザーである。また、超微細摩擦磨砕機、例えば、日本国増幸産業株式会社製スーパーマスコロイダーまたはUS6,214,163もしくはUS6,183,596に記載のものであってもよい。
任意の市販のホモジナイザー、特に高圧ホモジナイザーがフィブリル化に好適であり、ホモジナイザーでは懸濁液が高圧下で、弁を備えてもよい狭小開口部によって加圧され、該狭小開口部から高圧で該狭小開口部の直前にある硬質衝突面に対して排出され、従って粒径が低減される。圧力はピストンポンプなどのポンプによって発生させ得、衝突面は、環状の弁開口部の周囲に延在する衝突リングを備えたものであり得る。本発明において使用され得るホモジナイザーの一例はGEA Niro SoaviのAriete NS2006Lである。しかしながら、とりわけ、APV Gaulinシリーズ、HST HLシリーズまたはAlfa Laval SHLシリーズのものなどのホモジナイザーも使用され得る。
さらに、例えば、スーパーマスコロイダーなどの超微細摩擦磨砕機のようなデバイスも本発明において好適に使用され得る。
少なくとも1種類の充填剤および/または顔料の存在下でのナノフィブリルセルロースゲルの作製に関するさらなる詳細は、欧州特許出願番号2236545から得られ得る。
充填剤および/または顔料の存在下で作製されたかかるゲルを、さらにゲルの形成後、さらなる非フィブリル化繊維および/または少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料と合わせることはさらに好適である。
これに関連して、該さらなる非フィブリル化繊維は、好ましくは、上記に定義したセルロース繊維から選択される。しかしながら、他の繊維物質もまた、本発明の方法の該過程においてさらなる非フィブリル化繊維として好適に使用され得る。
少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料は、沈降炭酸カルシウム(PCC);天然磨砕炭酸カルシウム(GCC);表面改質炭酸カルシウム;ドロマイト;タルク;ベントナイト;クレイ;マグネサイト;サテンホワイト;セピオライト、ハンタイト、珪藻岩;シリケート;およびこの混合物を含む群から選択され得る。バテライト様、カルサイト様もしくはアラゴナイト様結晶構造を有するものであり得る沈降炭酸カルシウムおよび/または大理石、石灰石および/または白亜から選択される天然磨砕炭酸カルシウムが特に好ましい。
特別な一実施形態では、超微細な離散型の斜方晶系、犬牙状または菱面体晶系の沈降炭酸カルシウムの使用が好適であり得る。
また、このようなさらなる充填剤および/または顔料は、粉末の形態で提供してもよいが、好ましくは水性懸濁液などの懸濁液の形態で添加する。この場合、懸濁液の固形分は、該液がポンプ輸送可能な液体である限り重要でない。
しかしながら、少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料が、粒径の点でかなり微細な生成物である場合、特に好ましくは少なくとも一部の割合がナノメートル範囲の中央直径d50を有する粒子を含むものである場合、ゲル形成使用されるかなり粗いものである顔料および/または充填剤とは反対に特に好適であることがわかった。
従って、少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料粒子は、0.01から5μm、好ましくは0.05から1.5μm、より好ましくは0.1から0.8μm、最も好ましくは0.2から0.5μm、例えば0.3μmの中央粒径を有するものであることがさらに好ましく、ここで、上記のように、0.5μmより大きい中央粒径d50を有する粒子では、重量中央粒径をSedigraph 5100デバイスを用いて測定し、中央粒径d50≦500nmを有する粒子では、体積中央粒径をMalvern Zetasizer Nano ZSを用いて測定した。
かかるゲルの形成後にさらなる非フィブリル化繊維および/またはさらなる充填剤および/または顔料と合わせたナノフィブリルセルロースゲルに関するさらなる詳細は、未公開欧州特許出願番号10161166.3および10161173.9から得られ得る。
ナノフィブリルセルロースゲルに使用される無機物ならびに充填剤および/または顔料の任意の1種類を、ポリカルボン酸のホモポリマーもしくはコポリマーおよび/またはこの塩もしくは誘導体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ベースのエステルなど、例えば、アクリルアミドもしくはアクリル酸エステル、例えば、メチルメタクリレート、またはこの混合物;アルカリポリホスフェート、ホスホン酸、クエン酸および酒石酸ならびにこの塩もしくはエステル;またはこの混合物を含む群から選択されるものなどの分散剤と合わせてもよい。
無機物ならびに多糖物質は、それぞれ基材または無機物プレコート上に、基材への塗工のためのよく知られた任意の設備によって、例えば、当該技術分野で知られたベンチコーティング、カーテンコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティングなどによって塗工され得る。
特に研究室規模では、Erichsen GmbH & Co.KG,Hemer,Germanyから入手可能なものなどのベンチコーターが特に好ましく、所望の塗工量に応じて、異なる巻き線型ロッドなどの異なるロッドが使用され得る。
最適な塗膜被覆率を得るためには、ドローダウンさせる前にロッドの前面に大量の該生成物を負荷することが好適であり得る。これにより、塗工される生成物が充分に存在し、ナノフィブリルゲルを使用する場合に繊維などの残留生成物がある場合、ロッドとともに引き離され得ることが確保される。
また、この後者の特長は、繊維保持画分をリサイクルするとともに可溶性のナノ微細物画分を塗膜構造に送達する手段としても機能も果たし得る。かかる濾過過程は、さらにセルロースゲルを生成させ、従って生成時の粘度の上昇およびこれに伴うエネルギー減損をさらに回避するための選択的濾過および繊維画分の再利用ならびに必要な場合は効率的な加工処理を採用することによってナノフィブリルセルロースゲルを使用する場合、製造エネルギーを低減させるために使用され得、従って、ナノ−およびミクロフィブリルセルロースの作製全体においてコスト削減が可能である。
従って、吸収性の無機物プレコートの適用は、あまり充分に精製されていないフィブリルセルロース系物質から強化性液相を吸収するための濾過過程を促進させるためにも使用され得る。
また、かかる手順により、オンサイト型ナノフィブリル生成過程においてより良好な効率が得られ得、従って、塗工過程中に収集された過剰のミクロ繊維保持物が戻されることにより有効な循環過程で重要なナノゲルの半連続的抽出がもたらされる。
基材の材料を節約する機会が明白に確認できる:例えば、製紙では精製コストが削減され得る、および/または高負荷量の充填剤が適用可能である、またはより多くの再生繊維が使用され得る。また、改善された表面特性により、印刷適性の改善および費用効果の高いバリア層の作製の両方のための透過性の制御が向上する。
しかしながら、粗粒画分も表面処理材として適用される場合、想定される適用では、非接触法、または剪断要素内でのサイズ排除の回避するサイズプレス型の適用のいずれかが必要とされ得よう。また、過剰の塗工を吹き飛ばすエアナイフ要素の使用も有用であり得る。
非セルロース系多糖物質、例えばデンプンベースの多糖物質などは、このような問題点を有しておらず、ドローダウンロッドを用いて直接適用することができる。
無機物ならびに多糖物質は、互いに独立して、基材および/または無機物プレコート上に、それぞれ1つまたは幾つかの層で塗工され得る。
無機物プレコートの総塗工量は2gm−2から50gm−2、好ましくは5gm−2から40gm−2、より好ましくは7gm−2から30gm−2、最も好ましくは8gm−2から25gm−2であり得る。
多糖物質の総塗工量は0.5gm−2から20gm−2、好ましくは1gm−2から15gm−2、より好ましくは2gm−2から11gm−2、最も好ましくは3gm−2から5gm−2であり得る。
上記に詳細に説明した方法によって得られる塗工基材を提供することは本発明のさらなる態様である。
従って、本発明のさらなる態様は、無機物プレコートと1種類以上の多糖類を含む多糖物質を含む塗膜とを備えた塗工基材であって、使用される多糖に応じて該多糖物質が無機物プレコートによって一部または完全に吸収され得るものである塗工基材である。また、例えばセルロース繊維などの多糖物質の一部が無機物を被覆し、該多糖物質の残りが該無機物プレコート中に吸収されることも考えられ得る。
好ましい一実施形態では、塗工基材は上記に定義した塗工紙である。
最後に、本発明の別の態様は、包装材、複合材、バリア層、印刷面、強化助剤および/または結合剤としての本発明による塗工基材の使用である。
以下に示す図ならびに実施例および実験は、本発明を例示するために示しており、本発明はこれになんら限定されるべきでない。
以下に示すSEM画像は、試験物をプローブホルダーに固定し、電気伝導性にするためにこの試験物に金を塗工し、続いて試験物をSEM(走査型電子顕微鏡)装置の高真空チャンバ内に入れ(真空:およそ2から3×10−5ミリバール,室温,電圧:30kV,作動距離:10mm)、イメージングを開始することにより取得した。事前に試験物の調製を行なった場合は記載のとおりである。
表面反応天然磨砕炭酸カルシウムのSEM画像を示す。試験物は、これを噴霧器で濾紙上に噴霧することにより調製した。次いで、試験物層を有する濾紙を室温で乾燥させた。 (a)凍結乾燥後の市販のナノ分散セルロースゲルの異なる倍率でのSEM画像を示す。水中の10wt%の該物質の固形分を有する試験物に液体窒素を衝撃つや消し(shock frost)した後、衝撃つや消しされた試験物を真空(およそ0.080ミリバール,温度およそ−55℃)内で凍結乾燥させた。 (b)凍結乾燥後の市販のナノ分散セルロースゲルの異なる倍率でのSEM画像を示す。水中の10wt%の該物質の固形分を有する試験物に液体窒素を衝撃つや消し(shock frost)した後、衝撃つや消しされた試験物を真空(およそ0.080ミリバール,温度およそ−55℃)内で凍結乾燥させた。 (a)凍結乾燥後の炭酸カルシウムの存在下で形成したナノフィブリル化セルロースゲルのSEM画像を示す。水中0.5wt%の該物質の固形分を有する試験物に液体窒素を衝撃つや消しした後、衝撃つや消しされた試験物を真空(およそ0.080ミリバール,温度およそ−55℃)内で凍結乾燥させた。 (b)濾紙上に懸濁液として噴霧し、次いで乾燥させた炭酸カルシウムの存在下で形成したナノフィブリル化セルロースゲルのSEM画像を示す。水中0.5wt%の該物質の固形分を有する試験物は噴霧器で濾紙上に噴霧した。試験物層を有する濾紙を室温で乾燥させた。 適用した定量容量の関数としての、非塗工基材および無機物基材のそれぞれの種々の多糖物質の塗工量(取込み)を示す。 (a)単独の非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す。 (b)市販のセルロースゲルを塗工した(3回適用)非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す。 (a)無機物のみを塗工した非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す。 (b)無機物層の上面に三重層の市販のセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す。 (a)炭酸カルシウムの存在下で無機物をプレコートし、続いて形成されたナノフィブリル化セルロースゲルを塗工した原紙のSEM画像を示す。 (b)デンプン物質の存在下で無機物をプレコートし、続いて形成されたナノフィブリル化セルロースゲルを塗工した原紙のSEM画像を示す。 非カレンダー加工原紙上の吸収性無機物プレコート層上の市販のセルロースゲルの定着繊維の断面のSEM画像である。 非カレンダー加工原紙上の無機物プレコート層の表面内に吸収されたデンプン物質の断面のSEM画像である。 選択した塗工試験物の粗さの値の図である。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性の図である。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性のより詳細な図であり、本発明の有益性を示す。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性のより詳細な図であり、本発明の有益性を示す。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性のより詳細な図であり、本発明の有益性を示す。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性のより詳細な図であり、本発明の有益性を示す。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の曲げ剛性のより詳細な図であり、本発明の有益性を示す。 漸増量の無機物をプレコートし、漸増量の市販の、充填剤とデンプン物質を含むセルロースゲルを塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の透過性の図である。
実施例
1.材料
基材:標準的な80gm−2の上質非塗工コピー用紙(PlanoJet;Papyrus AB,Sweden)。
無機物:表面反応天然磨砕炭酸カルシウム(Omyajet B6606;Omya AG,Oftringen,Switzerland;図1参照);重量中央粒子直径d50=2.70μm(Sedigraph 5100);比表面積=56m/g;無機物に対して50wt%の固形分を有する水性スラリーの形態;
無機物を、無機物の量に対して10wt%のスチレンアクリレートラテックス結合剤(Acronal S360D;BASF,Ludwigshafen,Germany)と混合し、希釈して40wt%の総固形分を得た。
多糖物質:
PM1:ARBOCEL MF 40−10(J.Rettenmeyer und Sohne GmbH & Co.KG,Rosenberg,Germany)、固形分10wt%、中央粒子(繊維性)直径<1μmおよび25μmにおける湿潤ふるい残分<0.2wt%を有するナノ分散セルロース(図2参照)。
PM2:溶解槽ディスクを用いて炭酸カルシウムの存在下で形成させ、次いで、スーパーマスコロイダーを用いてフィブリル化したナノフィブリルセルロースゲル(図3参照)。
180gの乾燥ユーカリパルプ、5820gの水道水および18gのOmyacarb 1 AV(Omya AG製;高純度の白大理石から製造される炭酸カルシウム微粉末;Malvern Mastersizer Xによって測定された重量中央粒径d50は1.7μmである)(パルプ:充填剤は10:1,乾燥/乾燥)を、Pendraulik攪拌器を用いて、搭載された溶解槽ディスク(d=70mm)により2000rpmで少なくとも10分間混合した。この混合物を、スーパーマスコロイダーにより後述のようにして加工処理した。
上記の組成物を、グリットクラス46(グリットサイズ297から420μm)を有する炭化ケイ素石を積載した日本国増幸産業株式会社製超微細摩擦磨砕機のスーパーマスコロイダー(Model MKCA 6−2)により加工処理した。石同士の隙間は“−50”μmに調整した(動的0点,供給元によって示されたマニュアルに記載のとおり)。回転式磨砕機の速度を通過1から5回目では2500rpm、通過6および7回目では2000rpm、通過8および9回目では1500rpm、通過10および11回目では1000rpm、通過12および13回目では750rpmおよび通過14および15回目では500rpmに設定した。
PM3:カチオン性デンプン溶液(C−FILM 05978;Cargill International S.A,1206 Geneva,Switzerland),12wt%の固形物濃度にする。
比較例:
比較目的のため、上記の多糖物質を基材上に直接、即ち、無機物のプレコートなしで後述する設備を用いて塗工した。
本発明の実施例:
本発明により多糖物質と無機物プレコートを組み合わせ、これにより多糖類、特にセルロース繊維物質が表面を通り抜けないという有益性の実例を示すため、無機物からなる別々の2形態多孔質塗料層(即ち、粒子内細孔および粒子間細孔を有する。)をまず、原紙上に直接適用した。
無機物塗料配合物は原紙に、ベンチコーター(Erichsen GmbH & Co.KG,Hemer,Germany)の一連の異なる巻き線型ロッドを用いて適用し、一連の種々の塗工量(以下の表参照)を得た。
次いで、これらのシートに上記の多糖物質PM1、PM2およびPM3のそれぞれを塗工し、また、各々を3つの異なる塗工量まで塗工した。
2.方法
軽量の塗膜しか必要とされないため、ベンチコーターで入手可能な最も質のよいロッドを使用した。
多糖物質の含水量が高いため、特に大量を適用する場合に、生じる紙のうねりが課題であった。この問題は、乾燥時に紙をできるだけ平らに維持すること、および適用重量が多い場合は、多重適用層間に維持することにより対処された。
また、最適な塗膜被覆率を得るためには、ドローダウンさせる前にロッドの前面に大量の該生成物を負荷するのがよいことがわかった。これにより、塗工される微フィブリルゲルが充分に存在し、残りの繊維はロッドとともに引き離され得ることが確保される。
以下の表から、原紙自体の上または無機物−ラテックスプレコート上のいずれかに塗工された無機物−ラテックスプレコート、またゲル層について、種々のロッドを使用したときに達成される塗工量がわかる。
Figure 2016216879
各プレコート基材では、一般的に、適用するプレコート層の塗工量を増やすにつれて多糖物質の取込みの減少がみとめられる。これは、非塗工紙上での多糖物質の取込みが紙繊維マトリックスの多孔度によって規定されること、即ち、非塗工紙における定着性が非常に不充分であり、顔料を含む塗料層を適用した場合のみ、表面での多糖物質の捕捉によって該定着性が改善されることを明白に示す。従って、該物質の取込みは透過粗度と関連している、または、塗工した場合、塗膜被覆率に反比例する。
続いて、1つのニップに4回通過を採用し,VoithカレンダーHB THERM Series 3を使用して、紙を90℃にて40バールの負荷でカレンダー加工した。
3.特性
3.1.定着性
定着性は、LEO 435 VPi SEM二次電子検出器を使用したSEM画像により、本質的に目視検査により評価した。
この目的のため、試験物を標準的なアルミニウム試験物ホルダー上にテープで取り付け、50nmの金をプレコートした。
図5は、単独(図5a)および無機物プレコートなしでPM1、即ち市販のセルロースゲルを塗工した(3回適用)(図5b)非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す。
図5bからわかるように、PM1(3回)によって比較的良好な被覆率がみとめられるが、依然として下層の繊維の輪郭がはっきりしており、シート中へのゲルの浸透が一部にみとめられる。
無機物(ロッド4)のみを塗工した(図6a)、および無機物層(ロッド4)の上面にPM1の三重層を塗工した(図6b)非カレンダー加工原紙のSEM画像を示す図6からわかるように、原紙繊維はもはや確認され得ないが、セルロースフィブリル残留物がはっきり見える。
原紙に無機物を塗工したら、もはや個々の原紙繊維を視認することは可能でなくなり、PM1の塗工により完全な定着性が示される。
これは、無機物プレコートによりセルロースゲルでの被覆率の改善がもたらされることを明白に示す。
無機物層(ロッド4)をプレコートし、続いてPM2(3回)を塗工した試験物では、SEM画像において幾つかの明るい斑と暗い斑が示されている(図7a)。続いてPM3(3回)を塗工した試験物でも同等の結果が示されるが、塗膜はより均一である(図7b)。
さらに、断面の画像を撮影すると(図8参照)、これによりPM1(3回)のフィブリル部分の一部がプレコート層(ロッド4)の上面に定着していることが示された。より多くの割合の繊維が表面上に保持されるが、ナノゲル成分は無機物の塗膜構造内に染み込んで保持され、従って層状複合材が形成され、特に良好な強度がI−ビーム方式によってもたらされる。
他方で、図9からわかるように、PM3(3回)は吸収層内に直接吸収され、従ってインサイチュでナノ複合材が同様に形成される。
3.2.粗さ
塗工面の粗さを表面形状測定により、共焦点レーザー走査型顕微鏡(CLSMまたはLSCM)によって、高分解度で焦点の合った光学画像を種々の色の濃さで取得するための手法であるZeiss LSM 5 PASCALを用いて測定した。規定の測定位置におけるこれらの色の濃さを粗さの値に変換することができる。CLSM解析により、対象試験物の表面粗さの比較が可能である。
CLSMでの粗さの値を図10に示す。各点は、式(色の濃さのプロフィールはシート上の異なる10ヶ所で測定し、次いで、これらの10点の平均を計算する。):
Figure 2016216879
から計算した10個の3D測定値の平均である。式中、Rqは二乗平均平方根偏差である。NxとNyでの二重総和は、x−またはy−方向のピクセル数を示し、zは表面高さの値であり、<z>は平均表面高さの値である。
図10から、原紙試験物が最も粗い表面を有すること、カレンダー加工により
平滑効果が得られることがわかる。図において、無機物プレコート適用での値はすべて、図10の左側の「原紙」という表示の上部に示している。原紙に無機物を塗工すると低い粗さの値が得られ、この場合もカレンダー加工によりこの値は有意に低下する。
1層のPM1を塗工では、紙自体ならびに軽量無機物プレコート層に塗工した場合、粗さが低減される。3層のPM1の適用(PM1 3回)はより大きな効果を有するが、この場合、重量無機物プレコートの大きな効果も観察される(三角点)。
3.3.曲げ剛性
試験物を曲げ剛性について、ビーム法(Lorentzen & Wettre Bending Tester)を用いて非カレンダー加工試験物およびカレンダー加工試験物の両方において測定した。1枚のシートあたり8つの試験物を測定した。これらは縦方向にカットし、表側の4ヶ所と裏側の4ヶ所で測定した。これらの8ヶ所の測定値の平均を報告する。
漸増量の無機物をプレコートし、漸増量のPM1、PM2およびPM3を塗工した非カレンダー加工紙およびカレンダー加工紙の試験物の曲げ剛性を測定し、この結果を図11に示す。
曲げ剛性の値は、試験物について測定された塗料重量に伴う傾向にある。また、この値は、予測され得るようにカレンダー加工すると小さくなる。剛性の最大の改善のためには高いプレコート重量が必要であった。これは、該補強剤の定着性の改善の必要性を裏付けている。
図12a)からe)は、本発明の有益性を非常に明白に示している。破線は、多糖物質プレコートの適用の有益性を示す基材に関する参照を構成している。紙およびプレコートロッド1では、非カレンダー加工試験物で最も高い有益性が示される。プレコートロッド2およびロッド3では、カレンダー加工試験物で最も高い有益性が示される。
3.4.透過性
紙試験物の積層体(1.5×1.5cmのシートにカットしたおよそ70枚)をわずかに超過圧力下に置き、内径30mmを有するPTFE成型(Dietikon,SwitzerlandのPrufmaschinen AG製)内で、シートが平らであることが確保される適切な軽加重量を負荷し、柱状包埋部の形成に使用した。続いて、樹脂(Technovit 4000;Heraeus Kulzer GmbH,Wehrheim/Ts,ドイツ)を、この紙が包埋されるようにこの周囲に注入した。
選択した硬化性樹脂の粘度の急速な上昇により、試験物の外側境界部で局所的におよそ1mmの浸透がもたらされる。この浸透の深さは、試験物の辺縁部が不透明に変化するため明白に視認可能であり、従って較正可能である。多孔質試験物の開放領域、即ち樹脂が無い部分を、透過性の断面積を求めることができるように評価する。装置内に入れる前に、試験物の空隙網目が満たされるようにプローブ液を入れた皿の中に試験物ディスクを入れる。実験には、密度ρ=773kgm−3および粘度η=0.0034kgm−1−1を有するヘキサデカンを使用する。次いで、特別に構築した圧力セル内に試験物ディスクを入れる。試験物の包埋に樹脂を使用することにより、圧力セルチャンバ内での試験物のしっかりとした固定および密封が可能になる。超過圧力のガスを窒素ボトルから供給する。圧力セルを微量天秤とPC試験物上に固定し、この天秤のデータの連続フローには、特別に開発されたソフトウェア(Omya Development AG,CH 4665 Oftringen,スイスのC.J.Ridgway博士から入手可能)を使用する。この測定手法の詳細はRidgway et al.[Ridgway et al.,2003]において知得され得る。
この連続フローは、ダルシーの透過定数kに関して、
Figure 2016216879
と表示することができる。式中、dV(t)/dtは、単位断面積Aあたりの流量または体積流量と定義され、ΔPは、試験物における負荷圧力の差であり、ηは該液状物の粘度であり、lは試験物の長さであり、この場合、積層されたシートの枚数としてシートカリパスによって計算される。
高いプレコート重量を有し、ゲル1から3を1回または3回塗工しカレンダー加工試験物の透過性を測定した。結果を図13に示す。PM1を塗工すると吸収性のプレコート層の表面が密閉され、液状(油性)バリア層が形成されることにより、透過性がかなり低下したことがわかる。また、PM2でも透過性が低下した。PM3を適用すると、プレコート層に対するほぼ密封性の効果が得られ、透過性の値が非常に低くなる。

Claims (24)

  1. 塗工基材の製造方法であって、
    基材を提供する段階、
    少なくとも1種類の無機物を提供する段階、
    1種類以上の多糖類を含む多糖物質を提供する段階、
    該基材に該少なくとも1種類の無機物を塗工し、無機物プレコート層を得る段階、
    該無機物プレコート層に該1種類以上の多糖類を含む多糖物質を塗工する段階
    を特徴とする、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    基材が、紙および板紙、例えば、カレンダー加工紙および板紙、ならびに非カレンダー加工紙および板紙、塗工紙および板紙、ならびに非塗工紙および板紙;合成紙;不織布製品;包装材;建築資材、例えば、化粧紙および化粧板紙;ならびに表面加工品を含む群から選択されることを特徴とする、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、
    前記無機物が、鉱物顔料および/または充填剤を含む群、好ましくは、沈降炭酸カルシウム(PCC);天然磨砕炭酸カルシウム(GCC);表面改質炭酸カルシウム;ドロマイト;タルク;ベントナイト;クレイ;マグネサイト;サテンホワイト;セピオライト、ハンタイト、珪藻岩;シリケート;二酸化チタン;およびこの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、
    前記無機物が、天然炭酸カルシウムと二酸化炭素および1種類以上の酸との反応生成物である表面改質炭酸カルシウムから選択され、該二酸化炭素は、該酸処理によってインサイチュで形成される、および/または外部供給源から供給されることを特徴とする、方法。
  5. 請求項3に記載の方法であって、
    前記無機物が、PCC含有顔料とHイオンとの反応生成物および水不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種類のアニオンとの反応生成物である表面改質炭酸カルシウムから選択され、ここで、前記アニオンは水性媒体中に可溶化されて表面反応PCC含有顔料のスラリーを形成しており、ここで、前記表面反応PCCは、該PCCの少なくとも一部の表面上に形成された前記アニオンの不溶性で少なくとも一部結晶性のカルシウム塩を含むものであり、ならびに過剰の可溶化カルシウムイオンを提供することを特徴とする、方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記無機物が、0.01から50μm、より好ましくは0.05から25μm、さらにより好ましくは0.1から10μm、特に好ましくは0.2から5μm、例えば2.7μm、特に0.5から1.5μm、例えば0.8μmの中央粒径を有するものであることを特徴とする、方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記無機物を、10から80wt%、より好ましくは20から75wt%、さらにより好ましくは30から60wt%、最も好ましくは40から55wt%、例えば50wt%の固形分を有する水性懸濁液の形態で提供することを特徴とする、方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記無機物を結合剤と組み合わせて提供し、該結合剤が、好ましくはスチレンアクリレートラテックスデンプン、タンパク質、スチレンブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよびこの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記多糖物質中に含まれる前記1種類以上の多糖類が、線状および分枝状の多糖類、例えば、セルロース、デンプン、キチン、キトサン、ペクチン、キサンタンガムおよびデキストランならびにこの誘導体を含む群から選択されることを特徴とする、方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記1種類以上の多糖類を含む多糖物質が乾燥状態であるか、または懸濁液、溶液、分散液もしくは乳液の形態であるか、またはゲル、特にナノゲルとしてであり、液状媒体が水または有機溶媒であり得ることを特徴とする、方法。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記1種類以上の多糖類を含む多糖物質がナノフィブリルセルロースゲルであることを特徴とする、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、
    前記ナノフィブリルセルロースゲルが、セルロース繊維を少なくとも1種類の充填剤および/または顔料の存在下でゲルが形成されるまでフィブリル化することにより作製されることを特徴とする、方法。
  13. 請求項11または12のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記セルロース繊維が、ユーカリパルプ、スプルースパルプ、マツパルプ、ブナパルプ、アサパルプ、コットンパルプ、タケパルプ、バガス、ならびに古紙パルプおよび/または脱墨パルプおよびこの混合物を含む群から選択されるパルプ中に含有されているようなものから選択されることを特徴とする、方法。
  14. 請求項12または13に記載の方法であって、
    前記充填剤および/または顔料が、沈降炭酸カルシウム(PCC)、天然磨砕炭酸カルシウム(GCC)、表面改質炭酸カルシウム;ドロマイト;タルク;ベントナイト;クレイ;マグネサイト;サテンホワイト;セピオライト、ハンタイト、珪藻岩;シリケート;およびこの混合物を含む群から選択され;好ましくはバテライト様、カルサイト様またはアラゴナイト様結晶構造を有する沈降炭酸カルシウム、特に、超微細な離散型の斜方晶系、犬牙状または菱面体晶系の沈降炭酸カルシウムの群から選択され;天然磨砕炭酸カルシウムは、大理石、石灰石および/または白亜;ならびにこの混合物から選択され、好ましくは、0.01から15μm、好ましくは0.1から10μm、より好ましくは0.3から5μm、特に0.5から4μm、最も好ましくは0.7から3.2μm、例えば2μmの中央粒径を有するものであることを特徴とする、方法。
  15. 請求項11から14のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記ナノフィブリルセルロースゲルをさらに、さらなる非フィブリル化繊維および/または少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料と合わせることを特徴とする、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、
    前記少なくとも1種類のさらなる充填剤および/または顔料が0.01から5μm、好ましくは0.05から1.5μm、より好ましくは0.1から0.8μm、最も好ましくは0.2から0.5μm、例えば0.3μmの中央粒径を有するものであることを特徴とする、方法。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、
    無機物ならびに1種類以上の多糖類を含む多糖物質を、互いに独立して基材および/または無機物プレコート上に、それぞれ1つまたは幾つかの層で塗工することを特徴とする、方法。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の方法であって、
    無機物プレコートの総塗工量が2gm−2から50gm−2、好ましくは5gm−2から40gm−2、より好ましくは7gm−2から30gm−2、最も好ましくは8gm−2から25gm−2であることを特徴とする、方法。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の方法であって、
    多糖物質の総塗工量が0.5gm−2から20gm−2、好ましくは1gm−2から15gm−2、より好ましくは2gm−2から11gm−2、最も好ましくは3gm−2から5gm−2であることを特徴とする、方法。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の方法によって得られる塗工基材。
  21. 請求項20に記載の塗工基材であって、
    多糖物質が無機物プレコートによって一部または完全に吸収され得るものであることを特徴とする、塗工基材。
  22. 請求項20または21に記載の塗工基材であって、
    多糖物質の一部が該無機物を被覆し、一方、該多糖物質の残りが該無機物プレコート中に吸収されることを特徴とする、塗工基材。
  23. 請求項20から22のいずれか一項に記載の塗工基材であって、
    塗工紙であることを特徴とする、塗工基材。
  24. 包装材、複合材、バリア層、印刷面、強化助剤および/または結合剤としての請求項20から23のいずれか一項に記載の基材の使用。
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