JP2016215521A - スクリーン製版装置 - Google Patents

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真市 江連
直之 堀川
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Abstract

【課題】スクリーンマスタの製版時に発生するスティッキングによるデラミの発生を抑制する。
【解決手段】紗11上に熱溶融性フィルム12を貼着させたスクリーンマスタ10を紗枠13に紗張りテンションを付与して取り付けて、発熱体20hを主走査方向に沿うライン上に複数配置させたサーマルヘッド20により画像情報に応じて熱溶融性フィルム12を加熱穿孔して、スクリーン版を製版する際、制御手段30は、紗枠13における前記紗張りテンションの値及び画像情報に応じた画像位置を取得して、画像ラインのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いと判断し、且つ、画像ラインのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の画像率が所定の閾値よりも高いと判断した場合に、デラミ抑制モードに切り替えるスクリーン製版装置1A。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーマルヘッドにより画像情報に基づいてスクリーンマスタを加熱穿孔して、スクリーン版を製版するスクリーン製版装置に関する。
一般的に、縦糸と横糸とを編み上げて複数のメッシュを有する紗上に熱溶融性フィルムを接着剤を用いて貼着したスクリーンマスタと、このスクリーンマスタを加熱穿孔するサーマルヘッドとを相対的に移動させて、サーマルヘッド内に設けた複数の発熱体(発熱素子)により熱溶融性フィルム上に画像情報を加熱穿孔してスクリーン版を製版するスクリーン製版装置は、構造が簡易で且つ製版作業が容易であるので多用されている。
そして、スクリーン製版装置により製版されたスクリーン版上にインクを滴下して用紙やTシャツなどに画像をスクリーン印刷している。
この種のスクリーン製版装置の一例として、本出願人は、スクリーンマスタの紗の解像度に基づいてサーマルヘッドが出力する製版エネルギーを最適の値となるように自動調整できる製版装置を先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された製版装置では、ここでの図示を省略するが、縦糸と横糸とを格子状に編み上げた紗上に熱溶融性フィルムを貼着したスクリーンマスタが、間隔を離して設けた2本1対のプラテンローラにより挟持搬送されている。この際、スクリーンマスタは熱溶融性フィルムを上側に向け、紗を下側に向けて搬送されている。
また、2対のプラテンローラの間には、スクリーンマスタの下側に紗の解像度(線数)を検出するための光源とセンサとが設置されている。
また、2対のプラテンローラの間には、スクリーンマスタの上側にサーマルヘッド(TPH)が熱溶融性フィルムに対して接離可能に設けられている。
そして、スクリーンマスタへのサーマルヘッドによる製版時に、制御手段はセンサで検出した紗の解像度(線数)に応じてサーマルヘッドの製版エネルギーが最適な値となるようにテーブルデータを利用して自動調整している。
この際、紗の解像度が比較的高い場合には高めの製版エネルギーに設定する一方、紗の解像度が比較的低い場合には低めの製版エネルギーに設定している。
上記から、紗の解像度によってサーマルヘッドの製版エネルギーの調整を自動的に行うことで、穿孔のバラツキを是正してスクリーンマスタ上に良好な穿孔画像を得ることができる。
特開2009−184310号公報
ところで、特許文献1に開示された製版装置では、前述したように、紗上に熱溶融性フィルムを貼着したスクリーンマスタをサーマルヘッドにより画像情報に基づいて加熱穿孔する際に、紗の解像度によってサーマルヘッドの製版エネルギーの調整を自動的に行っているが、通常、紗の解像度は紗の全面に亘って略均一であるので、サーマルヘッドの製版エネルギーもスクリーンマスタ全面に亘って紗の解像度に応じて略同一の値に調整されることになる。
しかしながら、本発明者等は、スクリーンマスタとサーマルヘッドとを副走査方向に相対的に移動させて、スクリーンマスタへの製版実験を行って、サーマルヘッドの発熱体によるスクリーンマスタの熱溶融性フィルムへの穿孔状態を目視で観察したところ、下記の現象が生じることが判明した。
この際、サーマルヘッドの発熱体により熱溶融性フィルム上に後述の図6中で示すように画像パターン中に複数の画像ラインが主走査方向と直交する副走査方向に向って形成されている。尚、図6において、画像パターン中に形成された複数の画像ラインのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍のラインをエッジラインと以下呼称して説明する。
即ち、サーマルヘッドの発熱体を製版途中で副走査方向のエッジラインで一時加熱停止するか、又は、副走査方向の最終エッジラインで加熱停止した場合に、加熱を停止したサーマルヘッドの発熱体が既印字領域(印字済み領域)から未印字領域へと移動するときに、サーマルヘッドの発熱体に熱溶融性フィルムが付着するスティッキングが起きる場合があり、このスティッキングによって熱溶融性フィルムが発熱体の移動と協働して紗上から剥離するデラミが発生することが判明した。
上記したデラミの発生は、スクリーンマスタの穿孔画像に対して品質不良の要因となり、このスクリーンマスタを用いて用紙やTシャツなどにスンクリーン印刷すると、画像品質が低下するので問題である。
ここで、上記したスティッキングによるデラミの発生原因を図9及び図10を用いて説明する。
図9はスクリーンマスタの製版時に発生するスティッキングによるデラミの発生原因を説明するために模式的に示しており、(a)はスティッキングが発生した状態を示し、(b)はデラミが発生した状態を示している。また、図10はデラミが発生したスクリーンマスタを示している。
図9(a)に示す如く、紗11上に熱溶融性フィルム12を貼着したスクリーンマスタ10にサーマルヘッド20を用いて画像情報を加熱穿孔させるときに、サーマルヘッド20内で紙面に垂直な主走査方向に沿うライン上に複数配置させた発熱体(発熱素子)20hを熱溶融性フィルム12上に接触させながらスクリーンマスタ10とサーマルヘッド20とを主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動させる。
この際、サーマルヘッド20内に設けた複数の発熱体20hを加熱しながらスクリーンマスタ10とサーマルヘッド20とを副走査方向に相対的に移動させている最中には、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上に画像情報に応じた穿孔画像が通常通り形成されるが、加熱により溶融した熱溶融性フィルム12がサーマルヘッド20の発熱体20hの移動によって掻き取られる。
ここで、サーマルヘッド20の発熱体20hを製版途中で副走査方向のエッジラインで一時加熱停止又は最終エッジラインで加熱停止すると、熱溶融性フィルム12上で既に加熱穿孔された既印字領域(印字済み領域)と印字されていない未印字領域との境界において、発熱体20hの移動によって掻き取られた熱溶融性フィルム12がサーマルヘッド20の発熱体20hに付着するスティッキングが発生する。そして、溶融した熱溶融性フィルム12が直ちに空冷されて固化フィルムFsとなり、この固化フィルムFsがサーマルヘッド20の発熱体20hに固着される。
この後、図9(b)に示す如く、加熱を停止したサーマルヘッド20の発熱体20hが既印字領域から未印字領域に移動する動作と協働して、サーマルヘッド20の発熱体20hに固着された固化フィルムFsに引きずられて紗11上から熱溶融性フィルム12が剥離するデラミFdが発生する。
この際、デラミFdは、スクリーンマスタ10のテンション(張力)が高い場合に発生し易く、このときにサーマルヘッド20の発熱体20hと熱溶融性フィルム12との摩擦が大きくなり、溶融した熱溶融性フィルム12がサーマルヘッド20の発熱体20hでより多く掻き取られるために、サーマルヘッド20の発熱体20hに固化フィルムFaが固着され易くなるのでデラミFdも発生し易いと考えられる。
更に、デラミFdは、サーマルヘッド20の発熱体20hにより熱溶融性フィルム12上で副走査方向のエッジラインの近傍を5ライン以上に亘って連続して印字することで副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高い場合にも発生し易いと考えられる。
そして、図10に示す如く、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上にデラミFdが、未印字領域内で副走査方向の下流に向って発生している。
ここで、画像率とスクリーンマスタ10のテンションは、一方のみを調整するだけでは画像性が悪い場合がある。つまり、画像率とスクリーンマスタ10のテンションの組み合わせを考慮しなければ画像性を悪くするおそれがある。
そこで、本発明では、サーマルヘッド内に設けた複数の発熱体により画像情報に応じてスクリーンマスタを製版する際に、スクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付けても、スティッキングによるデラミを抑制できるスクリーン製版装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、紗上に熱溶融性フィルムを貼着させたスクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付けて、発熱体を主走査方向に沿うライン上に複数配置させたサーマルヘッドにより画像情報に応じて前記熱溶融性フィルムを加熱穿孔して、スクリーン版を製版するスクリーン製版装置において、
前記発熱体により前記熱溶融性フィルム上に複数の画像ラインを前記主走査方向と直交する副走査方向に向って形成する際に、前記発熱体を設定した製版エネルギーで加熱するか、又は、前記発熱体への加熱を停止させるサーマルヘッド駆動回路と、
前記サーマルヘッドを所望の押圧力で前記スクリーンマスタに相対的に押圧するサーマルヘッド押圧手段と、
前記スクリーンマスタと前記サーマルヘッドとを設定した製版速度で前記副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記スクリーンマスタを製版するときの製版条件として前記サーマルヘッド駆動回路により前記発熱体を加熱する前記製版エネルギー及び前記サーマルヘッド押圧手段による前記押圧力並びに前記移動手段による前記製版速度の各値が予め設定された通常モードと、前記製版エネルギー及び前記押圧力並びに前記製版速度の少なくとも一つを、前記通常モード時の値よりも下げる設定をされたデラミ抑制モードとを切り替え制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記紗枠における前記紗張りテンションの値及び前記画像情報に応じた画像位置を取得して、前記画像ラインのうち少なくとも前記副走査方向におけるエッジ近傍の前記紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いと判断し、且つ、前記画像ラインのうち少なくとも前記副走査方向におけるエッジ近傍の画像率が所定の閾値よりも高いと判断した場合に、前記デラミ抑制モードに切り替えることを特徴とするスクリーン製版装置である。
本発明に係るスクリーン製版装置によれば、紗上に熱溶融性フィルムを貼着させたスクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付けて、発熱体を主走査方向に沿うライン上に複数配置させたサーマルヘッドにより熱溶融性フィルムを画像情報に応じて加熱穿孔して、スクリーン版を製版する際、とくに、制御手段は、紗枠における紗張りテンションの値及び画像情報に応じた画像位置を取得して、画像ラインのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いと判断し、且つ、画像ラインのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の画像率が所定の閾値よりも高いと判断した場合に、デラミ抑制モードに切り替えているので、副走査方向のエッジラインの直前で製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モードで設定した値よりも下げることにより、スティッキングによるデラミの発生を確実に抑制し、画像品質を維持することができる。
本発明に係る第1構造形態のスクリーン製版装置を示した斜視図である。 (a),(b)は図1に示したスクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付ける際に、紗張りテンションを測定する紗張りテンション測定手段を示した平面図,イ−イ断面図である。 図1に示した制御手段を拡大して示した図である。 本発明に係る第2構造形態のスクリーン製版装置を示した斜視図である。 図4に示した制御手段を拡大して示した図である。 図3及び図5で示した制御手段内の画像パターン認識部で認識した画像パターンを拡大して示した図である。 本発明に係る第1,第2構造形態のスクリーン製版装置の動作を説明する際に、紗張りテンションと製版条件とを示した図である。 (a),(b),(c)は制御手段内の画像パターン認識部に格納した製版エネルギーテーブル,押圧力テーブル、製版速度テーブルをそれぞれ示した図である。 (a),(b)はスクリーンマスタの製版時に発生するスティッキングによるデラミの発生原因を説明するために模式的に示した図である。 デラミが発生したスクリーンマスタを示した図である。
以下に本発明に係るスクリーン製版装置を実施する形態について、図1〜図8を参照して項目順に詳細に説明する。
<第1構造形態のスクリーン製版装置>
図1は本発明に係る第1構造形態のスクリーン製版装置を斜視的に示している。また、図2(a),(b)は図1に示したスクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付ける際に、紗張りテンションを測定する紗張りテンション測定手段を示している。また、図3は図1に示した制御手段を拡大して示している。
まず、図1に示す如く、本発明に係る第1構造形態のスクリーン製版装置1Aでは、スクリーンマスタ10が縦糸と横糸とを編み上げて複数のメッシュを有する紗11上に熱溶融性フィルム12を接着剤により貼着した状態で長方形状に形成されている。
また、長方形状に形成されたスクリーンマスタ10は、長方形状の紗枠13内に所望の紗張りテンションを付与して取り付けられている。
この際、スクリーンマスタ10に所望の紗張りテンション(張力)を付与する方法は、人手によってスクリーンマスタ10の外周辺を引っ張って付与する方法と、バネなどを用いた不図示のテンション付与手段によってスクリーンマスタ10の外周辺を引っ張って付与する方法のいずれを用いても良い。
そして、図2(a),(b)に示す如く、紗枠13内に張設したスクリーンマスタ10の略中央部位に円環14を載置し、且つ、円環14内にテンションメータ15を挿入して、このテンションメータ15の下端に取り付けた球状の押圧部15aでスクリーンマスタ10に所定の押圧力を印加している。このときに、スクリーンマスタ10に接触した円環14の底面に対して押圧部位の変位量を知ることで紗張りテンションを測定している。この後、テンションメータ15で測定した紗張りテンションの値を後述する紗張りテンション入力手段32(図1,図3)に手動又は自動により入力している。
図1に戻り、スクリーンマスタ10の紗11の下方には、プラテンローラ16がプラテンモータ駆動回路17を介して回転駆動されるプラテンモータ18により時計方向(矢印方向)に回転自在に設けられている。このプラテンローラ16は、スクリーンマスタ10の幅方向(Y方向)に沿ってこのスクリーンマスタ10の幅寸法と略同じ長さで長尺に形成されている。
上記したプラテンモータ駆動回路17及びプラテンモータ18は、スクリーンマスタ10を設定した製版速度で副走査方向に移動させる移動手段として構成されており、この製版速度の値を後述する通常モード時とデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
一方、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12の上方には、熱溶融性フィルム12を加熱穿孔するサーマルヘッド20A(20)がサーマルヘッド駆動回路21A(21)により駆動されるように設けられている。
上記したサーマルヘッド20Aも、スクリーンマスタ10の幅方向(Y方向)に沿ってこのスクリーンマスタ10の幅寸法と略同じ長さで長尺に形成されている。
このサーマルヘッド20Aは、発熱体(発熱素子)20hがY方向と平行な主走査方向に沿うライン上に所定のピッチ(例えば、600dpi)で複数配置されている。この際、例えばA2サイズ用のスクリーンマスタ10を用いたときには、スクリーンマスタ10の幅方向に沿う主走査方向に発熱体20hが9500個程度配置されている。
また、上記したサーマルヘッド駆動回路21Aは、サーマルヘッド20A内に設けた複数の発熱体20hを設定した製版エネルギーで加熱すると共に、後述するように、複数の発熱体20hによって画像パターンGP(図6)中に形成された複数の画像ラインGLのうちで副走査方向のエッジラインEL1,EL3,EL5で複数の発熱体20hへの加熱を停止させている。
このサーマルヘッド駆動回路21Aも、後述するように、サーマルヘッド20Aの製版エネルギーの値を通常モード時とデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
また、サーマルヘッド20Aに連結してサーマルヘッド押圧手段22A(22)が設けられており、このサーマルヘッド押圧手段22Aはサーマルヘッド20Aをスクリーンマスタ10を介してプラテンローラ16に所望の押圧力で押圧するようになっている。
このサーマルヘッド押圧手段22Aも、後述するように、サーマルヘッド20Aの押圧力を通常モード時とデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
この際、サーマルヘッド押圧手段22Aは、ここでの図示を省略するが、固定板とサーマルヘッド20Aとの間に複数の積層型圧電素子を設置して、各積層型圧電素子への印加電圧を制御することで、サーマルヘッド20Aの押圧力を瞬時に可変できるように構成されているが、これに限定されるものではなく、モータと連結した偏心カムとバネとを用いてサーマルヘッド20Aの押圧力を可変しても良い。
尚、サーマルヘッド押圧手段22Aとして、実施形態とは異なって、サーマルヘッド20Aを固定し、且つ、プラテンローラ16をスクリーンマスタ10を介してサーマルヘッド20Aに所望の押圧力で押圧することも可能である。従って、サーマルヘッド押圧手段22Aは、サーマルヘッド20Aを所望の押圧力でスクリーンマスタ10に相対的に押圧できれば良いものである。
また、スクリーン製版装置1A内には、制御手段30A(30)が適宜な位置に設置されており、この制御手段30Aはこの装置1Aを全体的に制御している。
上記した制御手段30Aには、スクリーンマスタ10に製版する画像情報を入力するパソコン31と、先に図2を用いて説明したように、テンションメータ15で測定した紗張りテンションの値を手動又は自動で入力する紗張りテンション入力手段32とが接続されている。
そして、制御手段30Aは、後述するように、スクリーンマスタ10を製版するときの製版条件としてサーマルヘッド駆動回路21Aにより発熱体20hを加熱する製版エネルギー及びサーマルヘッド押圧手段22Aによる押圧力並びに移動手段17,18による製版速度の各値が予め設定された通常モードと、製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モード時の値よりも下げる設定をされたデラミ抑制モードとを切り替え制御する機能を有している。
従って、通常モードと、この通常モードで製版している最中に複数の画像ラインGL(図6)のうちで副走査方向のエッジラインで複数の発熱体20hへの加熱を停止したときに発生するスティッキングによるデラミを抑制するデラミ抑制モードとを切り替え制御できる。
また、制御手段30Aは、スティッキングによるデラミが発生し易い状態であるかを判断するために、紗張りテンション入力手段32に入力した紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いか否かを判断したり、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上で副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高いか否かを判断する機能を有している。
ここで、第1構造形態における制御手段30Aについて、図3を用いて具体的に説明する。
上記した制御手段30Aは、各種の情報に対して演算処理したり、紗張りテンションの値が下記のRAM30cに格納された所定のテンション閾値よりも高いか否かを判断し、且つ、後述する画像パターンGP(図6)中に形成された複数の画像ラインGLのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の画像率の値が下記のRAM30cに格納された所定の閾値(所定の連続印字ライン閾値)よりも高いか否かを判断するCPU30aを内部に有している。
また、制御手段30Aは、装置1Aの動作プログラムなどを格納したROM30bと、装置1A内で変更可能な各種の情報などを一時的に記憶するRAM30cと、後述する複数の画像ラインGL(図6)中で副走査方向のエッジラインの近傍で連続印字される連続印字ライン数を計数するカウンタ30dと、製版エネルギーを印加時間で制御するときに用いられるタイマ30eとを内部に有している。
この際、RAM30c内には、例えば、デラミが発生し易い紗張りテンションの所定のテンション閾値(例えば、15N/cm,20N/cm)や、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上で副走査方向のエッジラインの近傍で例えば5ライン以上連続して印字することで副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高いと判断すると共に、後述するようにエッジラインの直前で通常モードからデラミ抑制モードに切り替え制御するための所定の連続印字ライン閾値(例えば、5ライン)などを格納している。
また、制御手段30A内には、パソコン31から送られた画像情報のパターンを解析して認識する画像パターン認識部30fと、紗張りテンション入力手段32から送られた紗張りテンションの値により制御される製版エネルギー設定部30g及び押圧力設定部30h並びに製版速度設定部30iとを有している。
また、この制御手段30Bでは、画像パターン認識部30fがサーマルヘッド駆動回路21A及びサーマルヘッド押圧手段22A並びにプラテンモータ駆動回路17に接続されている。また、製版エネルギー設定部30gはサーマルヘッド駆動回路21Aに接続され、また、押圧力設定部30hはサーマルヘッド押圧手段22Aに接続され、また、製版速度設定部30iはプラテンモータ駆動回路17に接続されているが、こられの構成部30f〜30iの作用については後で詳述する。
そして、制御手段30Aの指令により、プラテンモータ駆動回路17及びプラテンモータ18を介してプラテンローラ16を時計方向(矢印方向)に回転させると、プラテンローラ16とサーマルヘッド20Aとの間に挟み込まれたスクリーンマスタ10が主走査方向と直交する副走査方向(X1方向)に移動する。
ここでは、サーマルヘッド20Aを固定し、このサーマルヘッド20Aをスクリーンマスタ10上の左方の初期位置にセットして、プラテンローラ16の時計方向の回転によりスクリーンマスタ10を初期位置から副走査方向(X1方向)に移動しながらサーマルヘッド20A内に設けた複数の発熱体20hによりスクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12に画像情報を加熱穿孔している。
尚、第1構造形態では、プラテンローラ16とサーマルヘッド20Aとでスクリーンマスタ10を副走査方向(X1方向)に挟持搬送しているが、プラテンローラ16を用いない方法でも良い。この場合には、サーマルヘッド20Aを固定してスクリーンマスタ10を取り付けた紗枠13を副走査方向(X1方向)に移動させるか、又は、スクリーンマスタ10を取り付けた紗枠13を固定してサーマルヘッド20Aを副走査方向(X1方向)に移動させれば良い。
<第2構造形態のスクリーン製版装置>
図4は本発明に係る第2構造形態のスクリーン製版装置を斜視的に示している。また、図5は図4に示した制御手段を拡大して示している。
図4に示す如く、本発明に係る第2構造形態のスクリーン製版装置1Bは、先に図1を用いて説明した本発明に係る第1構造形態のスクリーン製版装置1Aに対して一部異なっており、ここでは第1構造形態に対して異なる点について説明する。
本発明に係る第2構造形態のスクリーン製版装置1Bでは、スクリーンマスタ10を加熱穿孔する際に、サーマルヘッド20B(20)が図1で示した第1構造形態1のサーマルヘッド20Aよりもスクリーンマスタ10の幅方向(Y方向)に沿って短尺に形成されており、且つ、複数の発熱体20hの数が主走査方向に対して第1構造形態よりも少なく数個〜数十個程度になっている。
そして、サーマルヘッド20B(20)は、サーマルヘッド駆動回路21B(21)により駆動されるように設けられており、且つ、サーマルヘッド押圧手段22B(22)によりスクリーンマスタ10を押圧するように設置されている。
上記したサーマルヘッド駆動回路21Bも、第1構造形態と同様に、サーマルヘッド20B内に設けた複数の発熱体20hを画像情報に応じて選択的に加熱すると共に、後述するように、サーマルヘッド20Bの製版エネルギーを通常モードとデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
また、上記したサーマルヘッド押圧手段22Bも、第1構造形態と同様な構造により、後述するように、サーマルヘッド20Bの押圧力を通常モード時とデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
上記した短尺なサーマルヘッド20Bを用いた場合に、スクリーンマスタ10側を固定してサーマルヘッド20BをX方向及びY方向に移動させる方法と、サーマルヘッド20Bを固定してスクリーンマスタ10側をX方向及びY方向に移動させる方法のいずれでも良いものであるが、以下では、サーマルヘッド20Bを移動させる場合について説明する。
上記に伴って、サーマルヘッド20BをX方向に往復移動させるX軸モータ駆動回路23及びX軸モータ24と、サーマルヘッド20BをY方向に往復移動させるY軸モータ駆動回路25及びY軸モータ26とが設けられている。
この際、上記したX軸モータ駆動回路23及びX軸モータ24は、後述するように、サーマルヘッド20Bを設定した製版速度で副走査方向に移動させる移動手段として構成されており、この製版速度の値を通常モード時とデラミ抑制モード時に瞬時に可変できるように構成されている。
また、スクリーン製版装置1B内には、制御手段30B(30)が適宜な位置に設置されており、この制御手段30Bはこの装置1Bを全体的に制御している。
ここで、第2構造形態における制御手段30Bについて図5を用いて具体的に説明すると、制御手段30Bは第1構造形態と同様に構成されているが、制御手段30Bと接続する部材が一部異なっている。
この制御手段30Bでは、画像パターン認識部30fがサーマルヘッド駆動回路21B及びサーマルヘッド押圧手段22B並びにX軸モータ駆動回路23に接続されている。また、製版エネルギー設定部30gはサーマルヘッド駆動回路21Bに接続され、また、押圧力設定部30hはサーマルヘッド押圧手段22Bに接続され、また、製版速度設定部30iはX軸モータ駆動回路23に接続されている。更に、制御手段30Bには、Y軸モータ駆動回路25が接続されている。
そして、スクリーンマスタ10を取り付けた紗枠13を固定した上で、制御手段30BによりX軸モータ駆動回路23及びY軸モータ駆動回路25を介してX軸モータ24及びY軸モータ26を動作させている。
ここでは、サーマルヘッド20Bをスクリーンマスタ10の一端側からX1方向の往路方向に移動するときのみ複数の発熱体20hによりスクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12に対して画像情報を加熱穿孔している。
この後、加熱穿孔しないでサーマルヘッド20BをX2方向の復路方向に移動してスクリーンマスタ10の一端側に戻している。更にその後、サーマルヘッド20BをY1方向にヘッド幅分に移動させた後に、サーマルヘッド20BをX1方向に向って加熱穿孔し、これを繰り返すことでスクリーンマスタ全面に亘って加熱穿孔している。
<第1,第2構造形態のスクリーン製版装置の動作>
ここで、第1,第2構造形態のスクリーン製版装置1A,1Bの動作について、先に説明した図1〜図5と、新たな図6〜8とを併用して説明する。
図6は図3及び図5で示した制御手段内の画像パターン認識部で認識した画像パターンを拡大して示している。また、図7は本発明に係る第1,第2構造形態のスクリーン製版装置の動作を説明する際に、紗張りテンションと製版条件とを示している。また、図8(a),(b),(c)は、制御手段内の画像パターン認識部に格納した製版エネルギーテーブル,押圧力テーブル、製版速度テーブルをそれぞれ示している。
尚、図6において、画像パターンGP中に形成された複数の画像ラインGLのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍のラインをエッジラインと以下呼称して説明する。
本発明に係る第1構造形態のスクリーン製版装置1A又は第2構造形態のスクリーン製版装置1Bを用いてスクリーンマスタ10を製版する際に、紗枠13内に張設されたスクリーンマスタ10の紗張りテンションをテンションメータ15により測定し、測定結果を紗張りテンション入力手段32に手動又は自動で入力している。
一方、パソコン31で作成した画像情報を制御手段30(30A,30B)内の画像パターン認識部30fに入力すると、この画像パターン認識部30fでは入力された画像情報のパターンを解析して例えば図6に示した画像パターンGPとして認識し、この画像パターンGPに基づいてサーマルヘッド20でスクリーンマスタ10を製版している。
ここで、図6に示した画像パターンGPは、第1構造形態による長尺なサーマルヘッド20Aを用いた場合には一つの画像ラインGLの主走査方向を1回で形成でき、一方、第2構造形態による短尺なサーマルヘッド20Bを用いた場合には一つの画像ラインGLの主走査方向を複数回に分けて形成できる。
そして、制御手段30内の画像パターン認識部30fは、図6に示した画像パターンGPに対して外周辺の内側に余白BSが形成されていることを認識している。
また、画像パターン認識部30fは、画像パターンGPに対して副走査方向に沿って記録された複数の画像ラインGLのうちで、例えば、副走査方向の下流に向って複数のエッジラインEL1,EL2,EL3,EL4,EL5があることを認識している。
また、画像パターン認識部30fは、複数のエッジラインEL1,EL2,EL3,EL4,EL5の近傍で連続して印字される連続印字ライン数を制御手段30内のカウンタ30dで計数して認識している。これにより、画像パターンGP中で副走査方向に沿って記録された複数の画像ラインGLをサーマルヘッド20の発熱体20hによりスクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上に製版するときに、複数の画像ラインGLのうちで副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高いか否かを認識できると共に、副走査方向のエッジラインの直前で通常モードからデラミ抑制モードに切り替え制御できる。
また、画像パターン認識部30fは、エッジラインEL1,EL2間の空白区間WK1と、エッジラインEL3,EL4間の空白区間WK2とがあることを認識している。
また、画像パターン認識部30fは、空白区間WK1,WK2内に仮想的に何本のライン数があるかを制御手段30内のカウンタ30dで計数して認識している。例えば、空白区間WK1内は10ライン以上のライン数があり、一方、空白区間WK2内は10ライン未満のライン数があるものとする。
尚、サーマルヘッド20内に設けた複数の発熱体20hのピッチが600dpiに形成されている場合に、隣り合うライン間の間隔は42、3μmであるので、10ライン分の間隔は42.3μm×10=423μmとなる。
そして、スクリーンマスタ10の製版時に、画像パターン認識部30fは、エッジラインEL1,EL3の各位置でサーマルヘッド20の発熱体20hを一時加熱停止し、また、エッジラインEL2,EL4の各位置でサーマルヘッド20の発熱体20hを再加熱開始し、更に、エッジラインEL5は余白と接している最終エッジラインであるのでサーマルヘッド20の発熱体20hを加熱停止するように、サーマルヘッド駆動回路21に知らせている。
また、画像パターン認識部30fは、エッジラインE1〜E5の各位置と、副走査方向のエッジラインの近傍の連続印字ライン数と、空白区間WK1,WK2内の各ライン数とを、サーマルヘッド駆動回路21と、サーマルヘッド押圧手段22と、プラテンモータ駆動回路17又はX軸モータ駆動回路23とに知らせている。
ところで、スクリーンマスタ10への製版時に、サーマルヘッド20の発熱体20hを後述する通常モードで加熱しているときには何らの支障もきたさない。
しかしながら、紗枠13内に張設されたスクリーンマスタ10の紗張りテンションが所定のテンション閾値よりも高く、且つ、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上で副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高い場合に、先に図9及び図10を用いて説明したように、サーマルヘッド20の発熱体20hを製版途中で副走査方向のエッジラインで一時加熱停止するか、又は、最終エッジラインで加熱停止したときに、サーマルヘッド20の発熱体20hに熱溶融性フィルム12が付着するスティッキングが起こり、このスティッキングによって熱溶融性フィルム12が発熱体20hの移動と協働して紗11上から剥離するデラミFdが発生する。
そこで、本発明では、スティッキングによるデラミFd{図9(b),図10}を抑制するための1例として、図7に示す如く、紗張りテンションと製版条件とを設定していると共に、後述するように、画像パターンGP(図6)中に形成された複数の画像ラインGLのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の画像率の値が所定の閾値(所定の連続印字ライン閾値)よりも高いか否かを判断している。
ここで、図7を用いて紗張りテンションについて先に説明すると、この図7において、紗張りテンションはテンションメータ15で測定して紗張りテンション入力手段32に入力した値を用いており、所望の紗張りテンションの値は通常5N/cm以上に張られているが、紗張りテンションの値が15N/cm以上の場合にはデラミが発生し易いので、後述するようにデラミ抑制モードにおける15N/cm〜20N/cmの場合に15N/cmを、20N/cmよりも高い場合に20N/cmを所定のテンション閾値としてそれぞれ制御手段30内のRAM30cに予め格納している。
また、制御手段30は、紗枠13における紗張りテンションの値及び画像情報に応じた画像位置を取得して、画像ラインGLのうち少なくとも副走査方向におけるエッジ近傍の紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いか否かを判断している。
一方、スクリーンマスタ10への製版条件は、サーマルヘッド20の製版エネルギーと、サーマルヘッド20の押圧力と、スクリーンマスタ10の製版速度の3つとした。この際、製版エネルギーは発熱体20hへの印加電圧又は印加時間で制御している。
そして、スクリーンマスタ10を通常通りに製版するときの通常モードでは、600dpiに形成されているサーマルヘッド20の製版エネルギーを350μJ/dot、且つ、サーマルヘッド20の押圧力を550gf、且つ、スクリーンマスタ10の製版速度を30mm/secに予め設定している。
また、紗張りテンションの値が15N/cm以上でデラミが発生する場合に対応して、デラミ発生部位のみに対応するデラミ抑制モードを、紗張りテンションの値が15〜20N/cmの場合と、紗張りテンションの値が20N/cmよりも高い場合とに分けて製版条件を設定している。
即ち、紗張りテンションの値が15〜20N/cmのデラミ抑制モードでは、サーマルヘッド20の製版エネルギーを通常モードよりも低い320μJ/dot、且つ、サーマルヘッド20の押圧力を通常モードよりも低い450gf、且つ、スクリーンマスタ10の製版速度を通常モードよりも遅い25mm/secに予め設定している。
一方、紗張りテンションの値が20N/cmよりも高いデラミ抑制モードでは、サーマルヘッド20の製版エネルギーを通常モードよりも低い290μJ/dot、且つ、サーマルヘッド20の押圧力を通常モードよりも低い350gf、且つ、スクリーンマスタ10の製版速度を通常モードよりも遅い20mm/secに予め設定している。
そして、図7に示した通常モード及びデラミ抑制モードの各製版条件の値を、制御手段30内の製版エネルギー設定部30g及び押圧力設定部30h並びに製版速度設定部30iに記憶させている。
尚、ここでの図示を省略するが、サーマルヘッド20内に設けた複数の発熱体20hのピッチを300dpiで形成した場合には、製版条件の各値を600dpiで形成した場合よりも大きな値に設定すれば良い。
上記のように、紗張りテンションと対応して通常モード及びデラミ抑制モードを設定したときのスクリーンマスタ10への製版動作について説明する。
まず、制御手段30は紗張りテンション入力手段32に入力された紗張りテンションの値を把握し、且つ、この紗張りテンションの値を制御手段30内のRAM30cに格納された所定のテンション閾値(15N/cm,20N/cm)に対して大小を比較する。
ここで、制御手段30により紗張りテンションの値の値が15N/cmよりも低いと判断された場合に、制御手段30内の製版エネルギー設定部30g及び押圧力設定部30h並び製版速度設定部30iは、先に図7に示した通常モードの製版条件に従って製版エネルギーを350μJ/dot、押圧力を550gf、製版速度を30mm/secに設定した上でスクリーンマスタ10への製版動作を開始する。
そして、紗張りテンションの値の値が15N/cmよりも低い場合には、サーマルヘッド20の発熱体20hを、先に図6に示した画像パターンGPの製版途中で副走査方向のエッジラインEL1,EL3で一時加熱停止し、且つ、最終エッジラインEL5で加熱停止してもスティッキングによるデラミが発生しないので、何らの支障もなく製版できる。
一方、制御手段30により紗張りテンションの値の値が15N/cmよりも高いと判断された場合でも、制御手段30内の製版エネルギー設定部30g及び押圧力設定部30h並び製版速度設定部30iは、先に図7に示した通常モードの製版条件に従って製版エネルギーを350μJ/dot、押圧力を550gf、製版速度を30mm/secに設定した上でスクリーンマスタ10への製版動作を開始する。
しかしながら、紗張りテンションの値の値が15N/cmよりも高い場合には、サーマルヘッド20の発熱体20hを、先に図6に示した画像パターンGPの製版途中で副走査方向のエッジラインEL1,EL3で一時加熱停止し、且つ、最終エッジラインEL5で加熱停止したときにスティッキングによるデラミが発生し易い。
そこで、制御手段30は、スティッキングによるデラミが発生する発生部位に対してのみに製版条件を通常モードからデラミ抑制モードに瞬時に切り替える制御を行っている。
この際、デラミ抑制モードの製版条件は、図7に示す如く、紗張りテンションの値が15〜20N/cmの場合に、製版エネルギーを320μJ/dot、押圧力を450gf、製版速度を25mm/secに設定する一方、紗張りテンションの値が20N/cmよりも高い場合に、製版エネルギーを290μJ/dot、押圧力を350gf、製版速度を20mm/secに設定している。
更に、制御手段30は、図6に示した画像パターンGPに対して画像パターン認識部30fで計数したエッジラインEL1,EL2間の空白区間WK1のライン数が10ライン以上であり、エッジラインEL3,EL4間の空白区間WK2のライン数が10ライン未満であることを予め認識しており、且つ、空白区間WK1,WK2は加熱を停止した状態で発熱体20hが移動する区間である。
上記に伴って、制御手段30は、発熱体20hへの加熱を停止するエッジラインEL1でスティッキングによるデラミが発生し易いときに、ライン数が10ライン以上の空白区間WK1においてサーマルヘッド20の発熱体20hが移動する距離が長いので、デラミ抑制モードへの切り替えが可能と判断している。
一方、制御手段30は、発熱体20hへの加熱を停止するエッジラインEL3でスティッキングによるデラミが発生し易いものの、ライン数が10ライン未満の空白区間WK2においてサーマルヘッド20の発熱体20hが移動する距離が短いので、デラミ抑制モードへの切り替えが不可能と判断している。
具体的には、紗張りテンションの値の値が15N/cmよりも高い場合に、図6に示した画像パターンGPに対して、副走査方向の上流側のエッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)までは製版条件を通常モードで制御して、サーマルヘッド20の発熱体20hによりスクリーンマスタ10上に既印字領域を形成している。
この際、副走査方向のエッジラインEL1よりも上流側の直前の位置は、先に説明した制御手段30内のRAM30cに予め格納した連続印字ライン閾値(例えば、5ライン)の情報を利用している。
この後、サーマルヘッド20の発熱体20hがエッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)から未印字領域となる空白区間WK1に移動するときに、発熱体20hへの加熱を停止するエッジラインEL1とこのエッジラインEL1よりも下流で加熱を再開始されるエッジラインEL2までの間隔が10ライン以上と長いので、エッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)に至ったら通常モードからデラミ抑制モードに直ちに切り替えて、デラミの発生を抑制している。
上記したデラミ抑制モード時には、製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モードで設定した値よりも下げている。そして、発熱体20hがエッジラインEL1に達したときに、発熱体20hへの加熱を停止してそのまま空白区間WK1を移動させる一方、押圧力及び製版速度はエッジラインEL1の直前からエッジラインEL2までデラミ抑制モードの値を維持させている。
この際、エッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)で製版エネルギーを下げることにより、熱溶融性フィルム12の溶融フィルム量を減らすことができる。
また、エッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)で押圧力を下げることにより、サーマルヘッド20の発熱体20hと熱溶融性フィルム12との間の摩擦を小さくして、熱溶融性フィルム12の溶融フィルムの掻き取り量を減らすことができる。
また、エッジラインEL1の直前(例えば、5ライン手前)で製版速度を下げることにより、サーマルヘッド20の発熱体20hに固着した固化フィルムFs{図9(a)}をゆっくり剥がすことができる。
上記の各理由により、製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モード時の値よりも下げることで、スティッキングによるデラミの発生を確実に抑制できるが、上記2者又は3者を下げればより効果的にデラミの発生を抑制できる。
この後、エッジラインEL2で製版条件を通常モードに戻してサーマルヘッド20の発熱体20hを再加熱開始してエッジラインEL3に至るまでの区間を通常モードで制御している。この際、制御手段30は、エッジラインEL3でサーマルヘッド20の発熱体20hを一時加熱停止してスティッキングによるデラミが発生しても、発熱体20hへの加熱を停止するエッジラインEL3とこのエッジラインEL3よりも下流で加熱を再開始されるエッジラインEL4までの間隔が10ライン未満と短いのでデラミ抑制モードへの切り替え制御をしない。
これにより、発熱体20hへの加熱を停止するエッジラインEL3とこのエッジラインよりも下流で加熱を再開始されるエッジラインEL4との間隔が10ライン未満のときに製版条件を通常モードのまま継続させることができる。
更に、サーマルヘッド20の発熱体20hがエッジラインEL4に至ったら通常モードのままサーマルヘッド20の発熱体20hを再加熱開始して、最終エッジラインEL5の直前(例えば、5ライン手前)に至ったら、製版条件を通常モードからデラミ抑制モードに直ちに切り替えて、デラミの発生を抑制している。
上記したデラミ抑制モード時も、製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モードで設定した値よりも下げている。そして、発熱体20hが最終エッジラインEL5に達したときに、発熱体20hへの加熱を停止してそのまま余白BS内を移動させた後に、サーマルヘッド20を停止させている一方、押圧力及び製版速度はサーマルヘッド20が停止するまでデラミ抑制モードの値を維持させている。
尚、上記では、通常モードとデラミ抑制モードとに対して製版条件の製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の各値を図7に示した状態で制御手段30内の画像パターン認識部30fに予め記憶させているが、これに代えて、図8(a),(b),(c)にそれぞれ示した製版エネルギーテーブル及び押圧力テーブル並びに製版速度テーブルを制御手段30内の画像パターン認識部30fに予め記憶させても良い。
即ち、図8(a),(b),(c)にそれぞれ示す如く、製版エネルギーテーブル及び押圧力テーブル並びに製版速度テーブルでは、紗張りテンションの値が15N/cmよりも低い場合には、先に図7を用いて説明した通常モードと同様に、製版エネルギーを直線上の値350μJ/dotに設定し、且つ、押圧力を直線上の値550gfに設定し、且つ、製版速度を直線上の値30mm/secに設定している。
一方、紗張りテンションの値が15N/cmよりもよりも高い場合に、製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の各値をそれぞれ曲線に沿って通常モードよりも低く設定しているので、デラミ抑制モード時に紗張りテンションの値に応じてその都度、曲線線上から各値を読み取って用いれば良い。
次に、背景技術で説明したように、スクリーンマスタ10の熱溶融性フィルム12上で副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が高い場合にもスティッキングによるデラミが発生し易いが、このデラミの発生を抑制する場合について簡略に説明する。
この場合、先に説明したように、制御手段30は図6に示した副走査方向のエッジラインEL1,EL5の近傍で紗張りテンションが所定のテンション閾値よりも高いと判断していると共に、制御手段30内の画像パターン認識部30fは、図6に示した副走査方向のエッジラインEL1,EL5の近傍で複数の画像ラインGLが5ライン以上連続して印字されるか否かをカウンタ30dで計数している。
そして、計数した結果がRAM30c内に格納した所定の連続印字ライン閾値(5ライン)よりも大きい場合に、副走査方向のエッジラインの近傍の画像率が所定の閾値(所定の連続印字ライン閾値)よりも高いと判断している。尚、副走査方向のエッジラインEL3ではエッジラインEL4までの間隔が短いので画像率は判断しない。
そして、制御手段30によりエッジラインEL1,EL5の近傍の画像率が高いと判断した場合には、先に紗張りテンションの値が高いと判断したときに説明したように、エッジラインEL1,EL5の各直前(例えば、5ライン手前)で通常モードから直ちにデラミ抑制モードに切り替えて、デラミの発生を抑制している。
以上、詳述したように、本発明に係るスクリーン製版装置1A,1Bによれば、紗11上に熱溶融性フィルム12を貼着させたスクリーンマスタ10を紗枠13に所望の紗張りテンションを付与して取り付けて、発熱体20hを主走査方向に沿うライン上に複数配置させたサーマルヘッド20により画像情報に応じて熱溶融性フィルム12を加熱穿孔して、スクリーン版を製版する際、とくに、制御手段30は、紗枠13における紗張りテンションの値及び画像情報に応じた画像位置を取得して、画像ラインGLのうちで副走査方向のエッジラインEL1,EL5の近傍の紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いと判断し、且つ、画像ラインGLのうちで副走査方向のエッジラインEL1,EL5の近傍の画像率が所定の閾値よりも高いと判断した場合に、デラミ抑制モードに切り替えているので、副走査方向のエッジラインEL1,EL5の直前で製版エネルギー及び押圧力並びに製版速度の少なくとも一つを、通常モードで設定した値よりも下げることにより、スティッキングによるデラミの発生を確実に抑制し、画像品質を維持することができる。
これにより、本発明に係るスクリーン製版装置1A,1Bを用いてスクリーンマスタ10を製版するときに、製版品質向上に寄与でき、デラミのない良好なスクリーン版を作製することができる。
1A…第1構造形態のスクリーン製版装置、
1B…第2構造形態のスクリーン製版装置、
10…スクリーンマスタ、11…紗、12…熱溶融性フィルム、
13…紗枠、14…円環、15…テンションメータ、
16…プラテンローラ、17…プラテンモータ駆動回路、18…プラテンモータ、
20,20A,20B…サーマルヘッド、20h…発熱体、
21,21A,21B…サーマルヘッド駆動回路、
22,22A,22B…サーマルヘッド押圧手段、
23…X軸モータ駆動回路、24…X軸モータ、
25…Y軸モータ駆動回路、26…Y軸モータ、
30,30A,30B…制御手段、
30a…CPU、30b…ROM、30c…RAM、30d…カウンタ、
30e…タイマ、30f…画像パターン認識部、30g…製版エネルギー設定部、
30h…押圧力設定部、30i…製版速度設定部、
Fd…デラミ、Fs…固化フィルム、
GP…画像パターン、GL…画像ライン、BS…余白、
EL1〜EL5…副走査方向のエッジライン、WK1,WK2…空白区間。

Claims (1)

  1. 紗上に熱溶融性フィルムを貼着させたスクリーンマスタを紗枠に所望の紗張りテンションを付与して取り付けて、発熱体を主走査方向に沿うライン上に複数配置させたサーマルヘッドにより画像情報に応じて前記熱溶融性フィルムを加熱穿孔して、スクリーン版を製版するスクリーン製版装置において、
    前記発熱体により前記熱溶融性フィルム上に複数の画像ラインを前記主走査方向と直交する副走査方向に向って形成する際に、前記発熱体を設定した製版エネルギーで加熱するか、又は、前記発熱体への加熱を停止させるサーマルヘッド駆動回路と、
    前記サーマルヘッドを所望の押圧力で前記スクリーンマスタに相対的に押圧するサーマルヘッド押圧手段と、
    前記スクリーンマスタと前記サーマルヘッドとを設定した製版速度で前記副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記スクリーンマスタを製版するときの製版条件として前記サーマルヘッド駆動回路により前記発熱体を加熱する前記製版エネルギー及び前記サーマルヘッド押圧手段による前記押圧力並びに前記移動手段による前記製版速度の各値が予め設定された通常モードと、前記製版エネルギー及び前記押圧力並びに前記製版速度の少なくとも一つを、前記通常モード時の値よりも下げる設定をされたデラミ抑制モードとを切り替え制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記紗枠における前記紗張りテンションの値及び前記画像情報に応じた画像位置を取得して、前記画像ラインのうち少なくとも前記副走査方向におけるエッジ近傍の前記紗張りテンションの値が所定のテンション閾値よりも高いと判断し、且つ、前記画像ラインのうち少なくとも前記副走査方向におけるエッジ近傍の画像率が所定の閾値よりも高いと判断した場合に、前記デラミ抑制モードに切り替えることを特徴とするスクリーン製版装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018084053A1 (ja) 2016-11-02 2018-05-11 国立大学法人筑波大学 Vavファミリーに属する癌原遺伝子タンパク質のリン酸化で同定される腫瘍の治療剤

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