JP2016214644A - キチン・キトサン多孔体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗菌性、親水性及びサブミクロン単位の孔も有し、多くの細胞が多孔体の孔内に侵入しやすくかつ細胞との接着性の良いキチン・キトサンからなる多孔体及びその製造法の提供。
【解決手段】多孔体原料のキチン・キトサンが溶解した水溶液に、水に不溶の一定の大きさの発泡ポリスチレンビーズからなるポロゲンを加えて、所定の型に注入し、水を凍結乾燥等により除去した後、ポロゲンを有機溶媒で抽出して除去し、キチン・キトサンを不溶化させる工程を含む製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】多孔体原料のキチン・キトサンが溶解した水溶液に、水に不溶の一定の大きさの発泡ポリスチレンビーズからなるポロゲンを加えて、所定の型に注入し、水を凍結乾燥等により除去した後、ポロゲンを有機溶媒で抽出して除去し、キチン・キトサンを不溶化させる工程を含む製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、再生医療に応用可能なキチン・キトサンからなる多孔体及びその製造方法に関する。
キチン・キトサン及びその誘導体は、成型加工性が良い、化学処理によって新しい機能を付与できる、生体に対して無害である、生物により分解される、といった優れた特性を有する。
また、キチン・キトサン及びその誘導体は、食料廃棄物として大量に存在し、資源の枯渇がない。このような優れた諸性質を有しているため、キチン・キトサン及びその誘導体は、医療分野、食品分野、農業分野、工業分野及び環境分野などで注目されている。
また、キチン・キトサン及びその誘導体は、食料廃棄物として大量に存在し、資源の枯渇がない。このような優れた諸性質を有しているため、キチン・キトサン及びその誘導体は、医療分野、食品分野、農業分野、工業分野及び環境分野などで注目されている。
これまで、キチン誘導体を用いた繊維に関連した幾つかの技術が報告されている。例えば、原料キチンをアルカリ処理した後、CS2によって硫化し、キチン・キトサンビスコースを製造し、そのまま又はセルロースビスコースとの任意の割合で混合してビスコース法の紡糸浴を使用して紡糸したもの(特許文献1)、キチン・キトサンをチオシアン酸ナトリウム水溶液に溶解して、アルコール類の凝固浴中で湿式紡糸を行ったもの(特許文献2)、キチン・キトサンの酢酸水溶液を、水溶性有機溶媒(アセトン、エタノール等)単独又はこれらの混合溶媒中に過剰量の塩基性溶液(水酸化ナトリウム等)を凝固浴として湿式紡糸を行い、イソシアネート類、エポキシ系架橋剤を用いて架橋繊維を製造したもの(特許文献3)、キチンをハロゲン化炭化水素とトリクロル酢酸の混合物、N−メチルピロリドン又はN,N−ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混合物に溶解し、ノズルから水、アルコール類、ケトン類又はアルカリ液等の凝固液中に押出して凝固させた繊維からなる綿状物と、コットン不織布とを積層化することで作製された創傷被覆材(特許文献4)、キチン・キトサン誘導体を酸水溶液とリン酸との混合溶液に溶解し、水酸化カルシウム水溶液とエタノールとの混合溶液を紡糸浴として作製されたキチン誘導体−リン酸カルシウム複合体繊維(特許文献5)等が開示されている。
しかしこれらの繊維から形成される不織布は多孔体であるが、孔のサイズはミクロンレベルにとどまっている。
また、サブミリメートルレベルのポロゲンを用いて調整した多孔質多糖足場材(特許文献6)が開示されている。
しかし、この足場材には人体に有害な架橋剤(オキシ塩化リン、エピクロロヒドリンやホルムアルデヒド等)を使用しており、人体への影響が懸念される。
また、合成ポリマーの足場材としてポロジェンを用いたポリ乳酸製の足場材(特許文献7)が知られている。この足場材はサブミリメートルレベルのポロジェンを使用しているが、ポリ乳酸自体が疎水性の為、細胞の侵入性が低くまた、培養液(体外の培養では培地、生体内では体液、血液)の循環性が低い。
しかしこれらの繊維から形成される不織布は多孔体であるが、孔のサイズはミクロンレベルにとどまっている。
また、サブミリメートルレベルのポロゲンを用いて調整した多孔質多糖足場材(特許文献6)が開示されている。
しかし、この足場材には人体に有害な架橋剤(オキシ塩化リン、エピクロロヒドリンやホルムアルデヒド等)を使用しており、人体への影響が懸念される。
また、合成ポリマーの足場材としてポロジェンを用いたポリ乳酸製の足場材(特許文献7)が知られている。この足場材はサブミリメートルレベルのポロジェンを使用しているが、ポリ乳酸自体が疎水性の為、細胞の侵入性が低くまた、培養液(体外の培養では培地、生体内では体液、血液)の循環性が低い。
再生医療における移植材料作製のための細胞足場材料として、各種多孔性材料の使用が期待され、一部のものは臨床応用がされている。多孔性材料の臨床応用に関して大きな問題になるのは、多孔性材料内への細胞の侵入性、接着性、及び培養液(体外での培養では培地、生体内では体液、血液)の循環性の低さである。材料のスケールが大きくなればなるほど、この問題は深刻となる。多くの細胞が材料内に侵入し、高い接着能を有し、細胞が培養液から必要な栄養素や成長因子を吸収し、細胞からの不要な老廃物が即時に除去されることができる、より安全な材料が望まれる。
再生医療において、骨・軟骨などの再生では再建すべき組織が大型であることが多く、移植用組織の作製に数cm程度の多孔体が必要となる場合がある。このような大型の多孔体に、細胞を効率よく導入し、接着させ、培養液循環性を担保するための技術が臨床上求められている。しかし、上記のとおり、この課題の達成は、材料が大きくなれば、より困難になる。
本発明は上記事案に鑑み、より安全で抗菌性を有し親水性で、サブミリメートル以上の直径を有し、多くの細胞が多孔体の孔内に侵入しやすくかつ細胞との接着性の良いキチン・キトサンからなる多孔体及びその製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ研究を進めた結果、多孔体原料のキチン・キトサンが溶解した水溶液に、水に不溶の一定の大きさのポロゲンを加えて、所定の型に注入し、水を凍結乾燥等により除去した後、ポロゲンを除去し、キチン・キトサンを不溶化させることにより得た多孔体が、多くの細胞が多孔体内の孔に侵入しやすいことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
〔1〕 キチン・キトサンを酸を含む水溶液に溶解させキチン・キトサン水溶液を生成する工程、前記キチン・キトサン水溶液に水に不溶のポロゲンを加えて分散さてポロゲン分散溶液を生成する工程、前記ポロゲン分散溶液から水を除去した後、ポロゲンを除去してキチン・キトサン多孔体を生成する工程、前記キチン・キトサン多孔体を水に対して不溶化させる工程を含むことを特徴とするキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔2〕 前記ポロゲン分散溶液中の水を、凍結乾燥により除去することを特徴とする前記〔1〕に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔3〕 前記ポロゲンを有機溶媒で抽出して除去することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔4〕 前記ポロゲンが、最大長径0.1mm以上5mm以下の粒子であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔5〕 前記ポロゲンが発泡ポリスチレンビーズであることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のキトサン多孔体の製造方法。
〔6〕 キチン・キトサンの不溶化方法が、塩基性化合物で処理することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔7〕 キチン・キトサン多孔質体中に長径がサブミリメートルから数ミリメートルの穴を有する前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法によって得られるキチン・キトサン多孔体。
〔8〕 前記〔7〕に記載のキチン・キトサン多孔体が生体適合性フィラーを含有することを特徴とするキチン・キトサン多孔体。
〔1〕 キチン・キトサンを酸を含む水溶液に溶解させキチン・キトサン水溶液を生成する工程、前記キチン・キトサン水溶液に水に不溶のポロゲンを加えて分散さてポロゲン分散溶液を生成する工程、前記ポロゲン分散溶液から水を除去した後、ポロゲンを除去してキチン・キトサン多孔体を生成する工程、前記キチン・キトサン多孔体を水に対して不溶化させる工程を含むことを特徴とするキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔2〕 前記ポロゲン分散溶液中の水を、凍結乾燥により除去することを特徴とする前記〔1〕に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔3〕 前記ポロゲンを有機溶媒で抽出して除去することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔4〕 前記ポロゲンが、最大長径0.1mm以上5mm以下の粒子であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔5〕 前記ポロゲンが発泡ポリスチレンビーズであることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のキトサン多孔体の製造方法。
〔6〕 キチン・キトサンの不溶化方法が、塩基性化合物で処理することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
〔7〕 キチン・キトサン多孔質体中に長径がサブミリメートルから数ミリメートルの穴を有する前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法によって得られるキチン・キトサン多孔体。
〔8〕 前記〔7〕に記載のキチン・キトサン多孔体が生体適合性フィラーを含有することを特徴とするキチン・キトサン多孔体。
本発明のキチン・キトサン多孔体は孔のサイズがサブミリメートル以上と大きく、又キチン・キトサンが親水性の為、多くの細胞が多孔体の孔に侵入しやすくなり、キチン・キトサンと細胞との親和性が高いために接着性が良い足場材を提供することが出来る。
本発明のキチン・キトサン多孔体は、酸性水溶液には可溶であるが、水不溶性のキチン・キトサンを用いるので、長期間水に曝露しても溶解せず、構造を維持できる。従って、水分が多い環境に暴露した状態で構造を維持する必要がある用途、例えば、生体内の組織を再生させるための細胞の足場材として好適に使用することができる。なお、足場材料とは、生体組織、例えば神経等の欠損部位で細胞が接着、増殖するための人工の細胞外マトリックスのことを示す。なお、キチン・キトサンから形成されているので、本発明のキチン・キトサン多孔体は、一定期間、例えば2〜3ヶ月構造を維持した後、最終的には生体内で酵素等により作用を受けて分解し生体内に吸収され(生分解性)、生体に悪影響を及ぼすことはない。
本発明において、キチン・キトサンとは、キチンから化学変化によって生成する化合物であって酸性水溶液には可溶であるが、水に対して不溶性のものを意味する。従って、水溶性のキチン・キトサン誘導体は含まれない。
本発明に用いるキチン・キトサンは、キチンを濃アルカリ溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)中で加熱することで得られる脱アセチル化物である。純粋なキチンの脱アセチル化度を0%とし、純粋なキトサンの脱アセチル化度を100%とした場合、脱アセチル化度は一本の高分子におけるキトサンユニット%として表わすことができる。キチン・キトサンを使用する場合、脱アセチル化度は、溶媒への溶解性やキチン・キトサン多孔体の用途に応じて適宜選択することができるが、特に、キチン・キトサンとして、脱アセチル化度が50〜100%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは70〜100%のキチン・キトサンを用いることが出来る。
本発明のキトサン多孔体の製造方法は、キチン・キトサンを酸を含む水溶液に溶解させキチン・キトサン水溶液を生成する工程を含む。
キチン・キトサン水溶液は、キチン・キトサンを水に分散させた後、酸(有機酸や無機酸等)を加えるか、あるいは酸を加えた水にキチン・キトサンを溶解させることにより得ることが出来る。
キチン・キトサン水溶液は、キチン・キトサンを水に分散させた後、酸(有機酸や無機酸等)を加えるか、あるいは酸を加えた水にキチン・キトサンを溶解させることにより得ることが出来る。
酸としては、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸等)、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)が挙げられる。
キチン・キトサン水溶液中におけるキチン・キトサンの濃度は、通常1〜20重量%であり、好ましくは2〜15重量%であり、特に好ましくは3〜15重量%である。
本発明のキトサン多孔体の製造方法は、キチン・キトサンを酸を含む水溶液に溶解させキチン・キトサン水溶液を生成する工程の後に、前記キチン・キトサン水溶液に水に不溶のポロゲンを加えて分散さてポロゲン分散溶液を生成する工程を含む。
本発明において、ポロゲンとは、キチン・キトサン内で孔を形成する能力を有する任意の固形剤を意味し、通常は、固形粒子である。
粒子の形状は、どのような形状であっても良い。通常、球状、楕円球状、柱状、繊維状、塊状などの粒状であれば良い。
ポロゲンとしては、水に不溶で有機溶媒あるいはアルカリ性水溶液に可溶の化合物であれば特に制限は無い。好ましくは、水に不溶で、水に可溶な有機溶媒に可溶あるいはアルカリ性水溶液に可溶な化合物が挙げられる。具体的な化合物としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリメチルメタクリレート、パラフィン、シクロオレフィンポリマー、安息香酸誘導体(安息香酸、p−メチル安息香酸及びp−ヒドロキシ安息香酸等)、フェノール誘導体(p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル及びp−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル等)等が挙げられる。好ましくは、ポリスチレン、ポリ乳酸、安息香酸誘導体及びフェノール誘導体が挙げられる。さらに好ましくは、前記化合物の中で、抽出しやすい多孔質体(発泡体)であることが好ましい。より好ましい化合物としては、発泡ポリスチレンビーズが挙げられる。
粒子の形状は、どのような形状であっても良い。通常、球状、楕円球状、柱状、繊維状、塊状などの粒状であれば良い。
ポロゲンとしては、水に不溶で有機溶媒あるいはアルカリ性水溶液に可溶の化合物であれば特に制限は無い。好ましくは、水に不溶で、水に可溶な有機溶媒に可溶あるいはアルカリ性水溶液に可溶な化合物が挙げられる。具体的な化合物としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリメチルメタクリレート、パラフィン、シクロオレフィンポリマー、安息香酸誘導体(安息香酸、p−メチル安息香酸及びp−ヒドロキシ安息香酸等)、フェノール誘導体(p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル及びp−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル等)等が挙げられる。好ましくは、ポリスチレン、ポリ乳酸、安息香酸誘導体及びフェノール誘導体が挙げられる。さらに好ましくは、前記化合物の中で、抽出しやすい多孔質体(発泡体)であることが好ましい。より好ましい化合物としては、発泡ポリスチレンビーズが挙げられる。
前記ポロゲンは、最大長径0.1mm以上5mm以下の粒子であることが好ましい。
特に、ポロゲンとして発泡ポリスチレンビーズを用いる場合は、粒径が0.1〜3mmであることが好ましい。
特に、ポロゲンとして発泡ポリスチレンビーズを用いる場合は、粒径が0.1〜3mmであることが好ましい。
キチン・キトサンの重量に対して用いるポロゲンの量は、少なすぎると、ポロゲンに由来する孔の数が不十分で、孔が独立孔になりやすく細胞が入りにくくなり好ましくない。逆に多すぎても多孔質体の力学的強度が低下してしまい好ましくない。
通常は、キチン・キトサンの重量に対して20〜5,000重量%であり、好ましくは30〜5,000重量%であり、特に好ましくは30〜3,000重量%である。
通常は、キチン・キトサンの重量に対して20〜5,000重量%であり、好ましくは30〜5,000重量%であり、特に好ましくは30〜3,000重量%である。
本発明のキチン・キトサン多孔体の製造方法は、前記ポロゲン分散溶液からから水を除去した後、ポロゲンを除去してキチン・キトサン多孔体を生成する工程を含む。
前記ポロゲン分散溶液は、粘性を有する液体でありそのままでも水を除去することができるが、キチン・キトサンの濃度が低く粘性が低い場合、目的とする形状の本発明のキチン・キトサン多孔体を成形した状態で得たい場合などは、前記ポロゲン分散溶液を所定の型に注入した後に水を除去することができる。そして、前記所定の型は、ろ紙のような前記ポロゲン分散溶液の溶媒を透過する可能な材料で構成されていることが好ましい。
前記ポロゲン分散溶液から水を除去することにより、ポロゲンを含有したキチン・キトサンの多孔質体となる。すなわち、水が除去されたポロゲン以外のキチン・キトサン部分はミクロンオーダーの微細な細孔を有する多孔質体を形成している。
キチン・キトサン水溶液の水を除去する方法としては、常圧乾燥による除去、水に可溶な溶媒により置換除去し、その後使用した溶媒を常圧あるいは減圧で除去あるいは凍結乾燥による除去などが挙げられる。
常圧乾燥による除去の場合、室温による自然乾燥でも加熱しても良く、乾燥時の温度は特に限定されない。
常圧乾燥による除去の場合、室温による自然乾燥でも加熱しても良く、乾燥時の温度は特に限定されない。
水に可溶な溶媒による置換除去の場合、用いる具体的な有機溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。これらのうち好ましい溶媒としては、水溶性のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒等が挙げられる(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等)。
これらの水に可溶な溶媒による置換除去を行った後、用いた溶媒を常圧あるいは減圧で除去することにより水を除去することが出来る。
これらの水に可溶な溶媒による置換除去を行った後、用いた溶媒を常圧あるいは減圧で除去することにより水を除去することが出来る。
上記除去方法のうち、水に可溶な溶媒による置換除去および凍結乾燥による除去方法が好ましく、特に凍結乾燥がキチン・キトサン部分をより微細で均一な多孔質体に形成することができるので好ましい。
前記ポロゲン分散溶液からから水を除去した後のポロゲンの除去は、有機溶媒により抽出することにより行う。
ポロゲンを抽出する有機溶媒としては、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン等)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、テトラリン等)、ハロゲン系炭化水素系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。これらのうち、水溶性のエーテル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等)。
ポロゲンを抽出する際の温度は特に限定されないが、通常室温から用いる溶媒の沸点の間で抽出可能である。
例えば室温で、ポロゲンを溶媒で抽出後、溶媒除去の操作を数回繰り返すことによりポロゲンを除去することが出来る。
また、ソックスレー抽出器を用いれば、少量の溶媒でポロゲンを除去することが可能である。
例えば室温で、ポロゲンを溶媒で抽出後、溶媒除去の操作を数回繰り返すことによりポロゲンを除去することが出来る。
また、ソックスレー抽出器を用いれば、少量の溶媒でポロゲンを除去することが可能である。
本発明のキトサン多孔体の製造方法は、前記ポロゲン分散溶液から水を除去した後、ポロゲンを除去してキチン・キトサン多孔体を生成し、前記キチン・キトサン多孔体を水に対して不溶化させる工程を含む。
不溶化させる方法としては、水溶性の有機溶媒あるいは水溶性有機溶媒と水との混合溶液に塩基性化合物を溶解した液に前記キチン・キトサン多孔体を浸漬する方法や前記塩基性化合物溶解液を前記キチン・キトサン多孔体にスプレーすることにより不溶化させることが出来る。そして、前記浸漬又はスプレー処理したキチン・キトサン多孔体から塩基性化合物及び溶解液を除去することにより、本発明のキチン・キトサン多孔体が得られる。
キチン・キトサン不溶化の際に用いる塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、有機塩基{例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等}、無機塩基(例えばアンモニア等)等が挙げられる。
用いる塩基性化合物の量は、キチン・キトサンを溶解させる為に用いた酸の等モル以上であればよいが、不溶化後の塩基性化合物の除去を考慮すると100モル以下が好ましい。
用いる塩基性化合物の量は、キチン・キトサンを溶解させる為に用いた酸の等モル以上であればよいが、不溶化後の塩基性化合物の除去を考慮すると100モル以下が好ましい。
キチン・キトサン不溶化の際に用いられる有機溶媒としては、水溶性の有機溶媒あるいは水溶性の有機溶媒と水との混合溶媒が挙げられる。
水溶性の有機溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。これらのうち好ましい溶媒としては、水溶性のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒等が挙げられる(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等)。
水溶性の有機溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。これらのうち好ましい溶媒としては、水溶性のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒等が挙げられる(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等)。
水溶性の有機溶媒と水との混合溶媒の場合、水が多すぎると不溶化処理の段階で不溶化する前にキチン・キトサンが溶解するため好ましくいない。有機溶媒に対する水の割合%は1〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%であり特に好ましくは10〜30重量%である。
不溶化後、塩基性化合物を除去する方法としては、水による洗浄除去が挙げられる。
塩基性化合物を水で洗浄除去することにより水溶性の有機溶媒も除去することができ、その後、水を除去する方法としては、常圧乾燥による除去、水に可溶な溶媒による置換除去および凍結乾燥による除去などが挙げられる。
常圧乾燥による除去の場合、室温による自然乾燥でも加熱しても良く、乾燥時の温度は特に限定されない。
塩基性化合物を水で洗浄除去することにより水溶性の有機溶媒も除去することができ、その後、水を除去する方法としては、常圧乾燥による除去、水に可溶な溶媒による置換除去および凍結乾燥による除去などが挙げられる。
常圧乾燥による除去の場合、室温による自然乾燥でも加熱しても良く、乾燥時の温度は特に限定されない。
水に可溶な溶媒による置換除去の場合、用いる具体的な有機溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラハイドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル等)、非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。これらのうち好ましい溶媒としては、水溶性のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒等が挙げられる(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン等)。
これらの水に可溶な溶媒による置換除去を行った後、用いた溶媒を常圧あるいは減圧で除去することにより水を除去することが出来る。
これらの水に可溶な溶媒による置換除去を行った後、用いた溶媒を常圧あるいは減圧で除去することにより水を除去することが出来る。
上記除去方法のうち、水に可溶な溶媒による置換除去および凍結乾燥による除去方法が好ましく、特に好ましくは凍結乾燥である。
本発明のキチン・キトサン多孔体は、ミクロンオーダーの微細な細孔を有するキチン・キトサン多孔質体中に長径がサブミリメートルから数ミリメートルの穴を有するキチン・キトサン多孔体であり、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法によって得られる。
本発明のキチン・キトサン多孔体は、前記ポロゲン分散溶液から水を除去することにより、ポロゲンを含有したキチン・キトサンの多孔質体となる。すなわち、水が除去されたポロゲン以外のキチン・キトサン部分はミクロンオーダーの微細な細孔を有する多孔質体であり、その中にポロゲンが含まれている。そして、ポロゲンが前記方法により除去されると、その部分に長径がサブミリメートルから数ミリメートルの穴を形成することができる。
本発明のキチン・キトサン多孔体は、機械的強度を向上させるために生体適合性フィラーを含有しても良い。
生体適合性フィラーとして例えば、医療機器である生体吸収性の縫合糸やセラミック系のフィラーが挙げられる。具体的な材料として、生体吸収性の縫合糸の場合、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン等からなる繊維が挙げられる。
これらの繊維の長さは0.1〜10mmであり、好ましくは0.1〜5mmであり、特に好ましくは1〜5mmである。
またセラミック系のフィラーとして、ハイドロキシアパタイト、トリリン酸カルシウム(α−TCP、β−TCP)等からなるものが挙げられる。
これらの繊維の長さは0.1〜10mmであり、好ましくは0.1〜5mmであり、特に好ましくは1〜5mmである。
またセラミック系のフィラーとして、ハイドロキシアパタイト、トリリン酸カルシウム(α−TCP、β−TCP)等からなるものが挙げられる。
キチン・キトサン中に含まれる生体吸収性フィラーの割合は、キチン・キトサンに対して通常0.1〜70重量%であり、好ましくは0.1〜60重量%であり、特に好ましくは1〜50重量%である。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するものであり、制限を加えるものではない。以下特記しない限り、部は重量部を意味する。
〔実施例1〕
大日精化工業株式会社製ダイキトサンM4.0gを、35%塩酸水1.6gを含む脱イオン水96gに溶解させた。得られたポリマー溶液50gに、フジカット有限会社製ポリスチレンビーズ(半径約1mm)2.0gを加えてポリスチレンビーズを均一に分散させた。得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
大日精化工業株式会社製ダイキトサンM4.0gを、35%塩酸水1.6gを含む脱イオン水96gに溶解させた。得られたポリマー溶液50gに、フジカット有限会社製ポリスチレンビーズ(半径約1mm)2.0gを加えてポリスチレンビーズを均一に分散させた。得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
〔実施例2〕
実施例1で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、エタノールで水を置換除去した後エタノールを常圧で除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
実施例1で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、エタノールで水を置換除去した後エタノールを常圧で除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様の操作で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、エタノールで水を抽出した後、エタノールを除去した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
実施例1と同様の操作で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、エタノールで水を抽出した後、エタノールを除去した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様の操作で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、アセトンで水とポリスチレンビーズを抽出した後、アセトンを除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
実施例1と同様の操作で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、アセトンで水とポリスチレンビーズを抽出した後、アセトンを除去した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
〔実施例5〕
大日精化工業株式会社製ダイキトサンM4.0gを、35%塩酸水1.8gを含む脱イオン水96gに溶解させた。得られたポリマー溶液50gに、フジカット有限会社製ポリスチレンビーズ(半径約1mm)2.0g及びジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製PDS(ポリジオキサノン)縫合糸(製品番号:D10057)を3〜5mmに切断したもの0.2gを加え均一に分散させた。得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
大日精化工業株式会社製ダイキトサンM4.0gを、35%塩酸水1.8gを含む脱イオン水96gに溶解させた。得られたポリマー溶液50gに、フジカット有限会社製ポリスチレンビーズ(半径約1mm)2.0g及びジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製PDS(ポリジオキサノン)縫合糸(製品番号:D10057)を3〜5mmに切断したもの0.2gを加え均一に分散させた。得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、水を凍結乾燥により除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
〔実施例6〕
実施例5で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、エタノールで水を置換除去した後エタノールを除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
実施例5で得られた粘稠ポリマー溶液をろ紙で作製した型枠(約3×3×1.5cm)に詰め、凍結乾燥した。得られた多孔質体中のポリスチレンビーズをソックスレー抽出器(抽出溶媒:アセトン)にて抽出した。次に水酸化カリウム/エタノール溶液(水酸化カリウム濃度約2%)100mlの中に入れ、室温で一晩軽く撹拌した。得られたゲルを脱イオン水で洗浄後、エタノールで水を置換除去した後エタノールを除去することにより本発明の化合物であるキチン・キトサンからなる多孔体を得た。
先行技術文献、特開2009−209188号公報の実施例に記載の方法で得た細孔がサブミリメートルであるポリ乳酸製足場材の表面に水50μlを滴下したが、足場材の親水性が無いため水滴の形はそのままで水は吸収されなかった。
一方、本発明のサブミリメートルの細孔を有する足場材(実施例1〜6で作製)は水を速やかに吸収したことから、多くの細胞が多孔体内の孔に侵入しやすいことは明らかである。
一方、本発明のサブミリメートルの細孔を有する足場材(実施例1〜6で作製)は水を速やかに吸収したことから、多くの細胞が多孔体内の孔に侵入しやすいことは明らかである。
本発明のキチン・キトサンからなる多孔体の製造法によって得られたキチン・キトサン多孔体は、カチオン性基(アミノ基)を有しているため親水性で抗菌性を有し、孔が大きいため多くの細胞が多孔体の孔内に侵入しやすく、生体内の活性酸素や酵素により分解されるため、再生医療における足場材料に使用できる。さらに本発明の多糖架橋体の製造法を用いることで、複雑な形状の多糖架橋体製品が容易に製造できる。また、手術時等の保湿剤、創傷被覆剤、DDS(ドラッグデリバリーシステム)等の医薬分野の用途に使用できる。
Claims (8)
- キチン・キトサンを酸を含む水溶液に溶解させキチン・キトサン水溶液を生成する工程、前記キチン・キトサン水溶液に水に不溶のポロゲンを加えて分散さてポロゲン分散溶液を生成する工程、前記ポロゲン分散溶液から水を除去した後、ポロゲンを除去してキチン・キトサン多孔体を生成する工程、前記キチン・キトサン多孔体を水に対して不溶化させる工程を含むことを特徴とするキチン・キトサン多孔体の製造方法。
- 前記ポロゲン分散溶液中の水を、凍結乾燥により除去することを特徴とする請求項1に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
- 前記ポロゲンを有機溶媒で抽出して除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
- 前記ポロゲンが、最大長径0.1mm以上5mm以下の粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
- 前記ポロゲンが発泡ポリスチレンビーズであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキトサン多孔体の製造方法。
- キチン・キトサンの不溶化方法が、塩基性化合物で処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法。
- キチン・キトサン多孔質体中に長径がサブミリメートルから数ミリメートルの穴を有する請求項1〜6のいずれかに記載のキチン・キトサン多孔体の製造方法によって得られるキチン・キトサン多孔体。
- 請求項7に記載のキチン・キトサン多孔体が生体適合性フィラーを含有することを特徴とするキチン・キトサン多孔体。
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Citations (3)
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JPH08239503A (ja) * | 1995-02-28 | 1996-09-17 | Nishikawa Rubber Co Ltd | 多糖類の発泡方法 |
JP2008161502A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Univ Of Fukui | 組織再生用組成物及びそれを用いたスキャフォールド |
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-
2015
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