JP2016213085A - 固体酸化物型燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排燃料ガスから水素を分離して有効活用しつつ、水素が分離された排燃料ガスに含まれる一酸化炭素を燃料として利用可能にする。【解決手段】燃料極側に供給される燃料ガスに含まれる水素および一酸化炭素と空気極側に供給される酸化性ガスとを反応させるセルスタック101と、セルスタック101に隣接して配置されるとともに炭化水素系ガスを改質して水素および一酸化炭素を含む燃料ガスを生成する改質チューブ102と、改質チューブ102から排出される燃料ガスG3に含まれる水素を分離して一酸化炭素を含む第1排燃料ガスG1を排出する水素分離器270と、水素分離器270から排出される第1排燃料ガスG1をセルスタック101の燃料極へ供給する第2排燃料ガス循環系統241と、を備えるSOFCモジュール201を提供する。【選択図】図7

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池システムに関する。
従来、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどを化学反応により水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を含む混合ガスに改質し、混合ガスから分離した水素を燃料として運転される燃料電池が知られている。
燃料電池の一つである固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」という。)は、イオン伝導率を高めるために作動温度が約700〜1100℃程度と高く、用途の広い高効率な高温型燃料電池として知られている。円筒型SOFCは、空気極と燃料極とが外周面に形成された筒状のセルスタックの内部に供給される燃料ガスと外部に供給される酸化性ガスとを反応させることにより電力を発生させる装置である。
特開2013−80677号公報
特許文献1に開示された燃料電池を備える発電システムにおいては、都市ガス等の燃料を水素および一酸化炭素を含む燃料ガスに改質し、燃料電池で使用された燃料ガス中の残存燃料をガスタービンシステムの燃料として用いるものである。
近年では水素および一酸化炭素を含む燃料ガスから水素のみを分離して利用する要求が高まっているが、特許文献1のシステムは水素および一酸化炭素が混合された燃料ガスを燃料電池及びガスタービンシステムの燃料として用いるものであるため、水素のみを分離して利用することについて考慮されていなかった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、排燃料ガスから水素を分離して有効活用しつつ、水素が分離された排燃料ガスに含まれる一酸化炭素を燃料として利用可能にした固体酸化物型燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムは、燃料極と電解質と空気極とが順次積層して形成されるとともに前記燃料極側に供給される燃料ガスに含まれる水素および一酸化炭素と前記空気極側に供給される酸化性ガスとを反応させる固体酸化物型燃料電池と、前記固体酸化物型燃料電池に隣接して配置されるとともに炭化水素系ガスを改質して水素および一酸化炭素を含む燃料ガスを生成する改質部と、前記改質部から排出される前記燃料ガスに含まれる水素を分離して一酸化炭素を含む第1排燃料ガスを排出する水素分離器と、前記水素分離器から排出される前記第1排燃料ガスを前記燃料極へ供給する供給流路と、を備える。
本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムによれば、改質部に供給される炭化水素系ガスを改質して、水素および一酸化炭素を含む燃料ガスを生成するとともに該燃料ガスを排出する。改質部から排出された燃料ガスは水素分離器に供給され、高純度の水素が生成される。一方、水素が分離された燃料ガスは、一酸化炭素を含む第1排燃料ガスとして水素分離器から排出される。
本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムによれば、水素分離器から排出された第1排燃料ガスが供給流路を介して固体酸化物型燃料電池の燃料極へ供給される。固体酸化物型燃料電池は、一酸化炭素と酸化性ガスとを反応させて電力を得ることが可能である。そのため、供給流路を介して燃料極へ供給される一酸化炭素が燃料ガスとして利用される。
このように、本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムによれば、固体酸化物型燃料電池の燃料極側に供給される燃料ガスに含まれる水素および一酸化炭素と空気極側に供給される酸化性ガスとが反応して電力が発生する。一方、改質部に供給される炭化水素系ガスが改質反応し、炭化水素系ガスから水素及び一酸化炭素を含む合成ガスが生成される。
固体酸化物型燃料電池における電池反応は発熱反応であり、改質部における改質反応は吸熱反応であるため、固体酸化物型燃料電池の過剰な発熱を防止することができる。
また、改質部から供給される燃料ガスから水素を分離して高純度の水素ガスを得ることができる。また、改質器から供給される燃料ガスに含まれる一酸化炭素を、供給流路を介して固体酸化物型燃料電池へ再び供給し、燃料ガスとして利用することができる。
本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムにおいて、前記固体酸化物型燃料電池には炭化水素系ガスが供給され、前記固体酸化物型燃料電池は、前記炭化水素系ガスを改質反応させて前記燃料ガスを生成して前記燃料極側に供給し、前記固体酸化物型燃料電池から排出される第2排燃料ガスを前記水素分離器へ供給する構成としてもよい。
このようにすることで、固体酸化物型燃料電池から排出される第2排燃料ガスから水素を分離して高純度の水素ガスを得ることができる。また、固体酸化物型燃料電池から排出される第2排燃料ガスに含まれる一酸化炭素を、供給流路を介して固体酸化物型燃料電池へ再び供給し、燃料ガスとして利用することができる。
本発明の一態様に係る固体酸化物型燃料電池システムにおいては、前記固体酸化物型燃料電池から排出される前記第2排燃料ガスを前記水素分離器の上流側から前記固体酸化物型燃料電池へ循環させる循環流路を備えるものであってもよい。
このようにすることで、固体酸化物型燃料電池から排出される第2排燃料ガスに含まれる未反応の水素および一酸化炭素を再び固体酸化物型燃料電池へ供給して燃料ガスとして再利用することができる。
本発明によれば、排燃料ガスから水素を分離して有効活用しつつ、水素が分離された排燃料ガスに含まれる一酸化炭素を燃料として利用可能にした固体酸化物型燃料電池システムを提供することができる。
SOFCモジュールの一態様を示す斜視図である。 図1に示すSOFCカートリッジの縦断面図である。 図1に示すSOFCカートリッジの斜視図である。 図2に示すセルスタックの要部拡大図である。 図2に示す改質チューブの要部拡大図である。 図2に示すSOFCカートリッジの平面図である。 SOFCモジュールを示す概略構成図である。 SOFCモジュールの変形例を示す概略構成図である。
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて各構成要素の位置関係を特定するが、鉛直方向に対して必ずしもこの限りである必要はない。例えば、紙面における上方向が鉛直方向における下方向に対応してもよい。また、紙面における上下方向が鉛直方向に直行する水平方向に対応してもよい。
以下、図面を参照して本実施形態のSOFCモジュール(固体酸化物型燃料電池システム)201について説明する。
SOFCモジュール201は、炭化水素系燃料ガス(例えば、メタンガスを主成分とするガス)を水素(H)と一酸化炭素(CO)を含む合成ガスに改質し、合成ガスと酸素イオンとを電気化学的に反応させて、水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するモジュールである。SOFCモジュール201は、反応時に酸素イオンから放出される電子によって発電する。
なお、以下の説明においては、炭化水素系燃料ガスを単に「燃料ガス」ともいう。
図1に示すようにSOFCモジュール201は、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを有する。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207aとを有する。またSOFCモジュール201は、燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを有する。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管(図示略)と酸化性ガス供給枝管(図示略)とを有する。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス排出管(図示略)と複数の酸化性ガス排出枝管(図示略)とを有する。
燃料ガス供給管207は、圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料供給系(図示略)に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、燃料供給系(図示略)から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導く。
燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス排出枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。燃料ガス排出管209に導かれた排燃料ガスは、その一部が後述する第1排燃料ガス循環系統240(循環流路)に導かれ、その他が後述する水素分離器270に導かれる。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えば、SUS304などのステンレス系材料を用いるのが好適である。
SOFCカートリッジ203は、図2に示す通り、複数のセルスタック(固体酸化物型燃料電池)101と、複数の改質チューブ(改質器)102と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを有する。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板(支持体)225aと、下部管板(支持体)225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを有する。
なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図2のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、他の構造であっても良い。例えば、セルスタック101の内側と外側とを平行して同方向に流れる、または酸化性ガスがセルスタック101の長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置され、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、SOFCモジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1100℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域である。また、燃料ガス供給室217は、上部ケーシング229aに備えられた燃料ガス供給部231aによって、燃料ガス供給枝管207a(図示略)と連通されている。
また、燃料ガス供給室217には、セルスタック101の一方の端部が、セルスタック101の基体管(第1基体管)101aの内部が燃料ガス供給室217に対して開放して配置されている。この燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207a(図示略)から燃料ガス供給部231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管101aの内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させる。
また、燃料ガス供給室217には、改質チューブ102の一方の端部が、改質チューブ102の基体管(第2基体管)102aの内部が燃料ガス供給室217に対して開放して配置されている。この燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207a(図示略)から燃料ガス供給部231aを介して供給される燃料ガスを、複数の改質チューブ102の基体管102aの内部に略均一流量で導き、複数の改質チューブ102の吸熱性能を略均一化させる。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域である。また、燃料ガス排出室219は、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出部231bによって、燃料ガス排出枝管209a(図示略)と連通されている。
また、燃料ガス排出室219には、セルスタック101の他方の端部が、セルスタック101の基体管101aの内部が燃料ガス排出室219に対して開放して配置されている。この燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管101aの内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出部231bを介して燃料ガス排出枝管209a(図示略)に導く。
また、図2および図3(斜視図)に示すように、燃料ガス排出室219には、改質チューブ102の他方の端部から排出される改質された燃料ガス(以下、改質ガスという。)を集約して改質ガス排出部231cに導く改質ガス集合管210が配置されている。改質ガス集合管210は、改質チューブ102の他方の端部から排出される改質ガスを、排燃料ガスと混合させずに改質ガス排出部231cに導く。
SOFCモジュール201の目標発電量に対応するよう、所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスが、酸化性ガス供給枝管を介して複数のSOFCカートリッジ203へ供給される。酸化性ガス供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部断熱体227bとに囲まれた領域である。
また、酸化性ガス供給室221は、下部ケーシング229bに備えられた酸化性ガス供給孔233aによって、酸化性ガス供給枝管(図示略)と連通されている。この酸化性ガス供給室221は、酸化性ガス供給枝管(図示略)から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電室215に導く。
酸化性ガス排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部断熱体227aとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス排出室223は、上部ケーシング229aに備えられた酸化性ガス排出孔233bによって、酸化性ガス排出枝管(図示略)と連通されている。この酸化性ガス排出室223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して酸化性ガス排出室223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して酸化性ガス排出枝管(図示略)に導く。
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101および改質チューブ102の合計本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101および改質チューブ102がそれぞれ挿入されている。
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101および改質チューブ102の合計本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101および改質チューブ102がそれぞれ挿入されている。
下部管板225bが有する複数の孔は、上部管板225aが有する複数の孔と対応する位置にそれぞれ設けられている。
上部管板225aは、複数のセルスタック101および複数の改質チューブ102が上部管板225aと平行な平面内で所定間隔を空けて配置されるように支持する板状部材である。上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部を筒状のシール部材101bを介して支持する。また、上部管板225aは、複数の改質チューブ102の一方の端部を筒状のシール部材102bを介して支持する。
シール部材101bおよびシール部材102bによって、燃料ガス供給室217と酸化性ガス排出室223とは、連通せずに隔離された状態が維持される。
シール部材101bを取り外すことによりセルスタック101の一方の端部が上部管板225aから取り外し可能な状態となり、シール部材102bを取り外すことにより改質チューブ102の一方の端部が上部管板225aから取り外し可能な状態となる。
下部管板225bは、複数のセルスタック101および複数の改質チューブ102が下部管板225bと平行な平面内で所定間隔を空けて配置されるように支持する板状部材である。下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部を筒状のシール部材101cを介して支持する。また、下部管板225bは、複数の改質チューブ102の他方の端部を筒状のシール部材102cを介して支持する。
シール部材101cおよびシール部材102cによって、燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221とは、連通せずに隔離された状態が維持される。
シール部材101cを取り外すことによりセルスタック101の他方の端部が下部管板225bから取り外し可能な状態となり、シール部材102cを取り外すことにより改質チューブ102の他方の端部が下部管板225bから取り外し可能な状態となる。
このように、上部管板225aおよび下部管板225bは、それぞれに対応する一対の孔に複数のセルスタック101および複数の改質チューブ102を挿入した状態で、シール部材を介してこれらを着脱可能に支持している。
そして、後述するように、セルスタック101の基体管101aと改質チューブ102の基体管102aとは、同一形状となっている。
そのため、セルスタック101および改質チューブ102は、上部管板225aおよび下部管板225bに形成される複数の孔のうちの所望の孔に挿入可能となっている。そのため、セルスタック101および改質チューブ102は、上部管板225aおよび下部管板225bに形成される複数の孔のうちの任意の孔にそれぞれ着脱可能となっている。
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101および改質チューブ102の合計本数に対応した複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101および改質チューブ102の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101および改質チューブ102の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを有する。
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出室223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225aはインコネル(登録商標)などの高温耐久性のある金属材料からなる。これにより、上部管板225aが、発電室215内の高温に晒されて熱変形することが防止される。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出室223に導く。
本実施形態のSOFCカートリッジ203は、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管101aの内部を通って発電室215に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225aが座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出室223に供給される。
また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒータ等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101および改質チューブ102の合計本数に対応した複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101および改質チューブ102の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101および改質チューブ102の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを有する。
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給室221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225bはインコネル(登録商標)などの高温耐久性のある金属材料からなる。これにより、下部管板225bが高温に晒されて熱変形することが防止される。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給室233に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導く。
本実施形態のSOFCカートリッジ203は、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管101aの内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225bが座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。
また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒータ等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電機構(図示略)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。集電機構によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、インバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
次に、図4を参照して本実施形態のセルスタック101について説明する。図4は、図2に示すセルスタック101の要部拡大図である。
セルスタック101は、軸X1に沿って延びる円筒形状の基体管101aと、基体管101aの外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とを順次積層して形成されたものである。
また、セルスタック101は、基体管101aの外周面に形成された複数の燃料電池セル105のうち、基体管101aの軸方向において最も端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を有する。
基体管101aは、内部に燃料ガスが流通する筒状部材である。基体管101aは、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlとされる。この基体管101aは、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管101aの内周面に供給される燃料ガスを基体管101aの細孔を介して基体管101aの外周面に形成される燃料極109に拡散させる。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を有する。この触媒作用は、基体管101aを介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを式(1)に示すように水蒸気改質反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。
CH+HO→3H+CO (1)
また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において式(2)および式(3)に示すように電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
+O2− → HO+2e (2)
CO+O2− → CO+2e (3)
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを有するYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。
このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。
リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
このように、セルスタック101は、燃料極109側に供給される燃料ガスに含まれる水素(H)および一酸化炭素(CO)と空気極113側に供給される酸化性ガスとを電気化学的に反応させ、直流電力を得るものである。
次に、図5を参照して本実施形態の改質チューブ102について説明する。図5は、図2に示す改質チューブ102の要部拡大図である。
改質チューブ102は、軸X2に沿って延びる円筒形状の基体管102aと、基体管102aの内周面に形成された改質層102dとを有する。
改質チューブ102は、入口部102eから流入する燃料ガスを改質させて出口部102fから排出する。
改質層102dは、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。この場合、改質層102dは、改質層102dの成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を有する。この触媒作用は、基体管102aの内部を流通する燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを前述した式(1)に示すように水蒸気改質反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。
このように、改質層102dは、燃料ガスとして用いられる炭化水素系ガスの改質反応を促進させる触媒作用を有するものである。この改質反応は吸熱反応であるため、改質チューブ102は周囲の温度を低下させる。
本実施形態のSOFCカートリッジ203にセルスタック101とともに改質チューブ102を設けているのは、セルスタック101の発熱によって局所的な温度上昇が発生することを抑制するためである。改質チューブ102を局所的な温度上昇が発生する位置に配置することにより、改質チューブ102における吸熱反応によって局所的な温度上昇を抑制することができる。
図5に示す改質チューブ102は、図5に示す軸方向(X2方向)のいずれの領域でも改質層102dの厚さを一定とし、各領域における改質反応の促進量を一定としている。このようにすることで、軸方向(X2方向)における温度分布に偏りがない場合に、各領域における改質反応の促進量を一定とし、吸熱反応によって軸方向(X2方向)における温度分布に変化が生じないようにすることができる。
図6は、図2に示すSOFCカートリッジ203の平面図である。図6は、図2に示す上部ケーシング229aを省略した状態を示している。
図6の平面図に示す例は、上部管板225aに7×15の計105箇所に孔を形成し、最も外周側にセルスタック101を配置するとともに内周側にセルスタック101と改質チューブ102を交互に配置した例である。
図6において、105箇所の孔に挿入されるセルスタック101および改質チューブ102のうち、中央を黒で示したものが32本の改質チューブ102であり、中央を白で示したものが73本のセルスタック101である。
セルスタック101はシール部材101bを介して上部管板225aに形成される孔に取り付けられ、改質チューブ102はシール部材102bを介して上部管板225aに形成される孔に取り付けられている。
セルスタック101が配置される平面における最も外周側は、それよりも外周側にセルスタック101が存在しないため、局所的な温度上昇が発生しにくい。そのため、最も外周側には改質チューブ102を配置していない。
一方、内周側に配置されるセルスタック101は、隣接する位置に他のセルスタック101が配置されるため、局所的な温度上昇が発生し易い。そこで、図6に示す例では、局所的な温度上昇が発生し易い内周側に改質チューブ102とセルスタック101を交互に配置し、局所的な温度上昇を抑制している。
図6に示すように改質チューブ102とセルスタック101を配置することにより、局所的な温度上昇を抑制しやすい。しかしながら、図6に示すSOFCカートリッジ203の周囲の温度分布や、図6に示すSOFCカートリッジ203の各セルスタック101の経年変化等による発熱状態の変化により、図6に示す配置が適切でない場合も発生する。
例えば、図6に示すように改質チューブ102とセルスタック101を配置した場合に、局所的な温度上昇や局所的な温度低下が発生する場合がある。この場合、局所的な温度上昇が発生する領域のセルスタック101と局所的な温度低下が発生する領域の改質チューブ102を取り替えて、温度分布の偏りを減少させるのが望ましい。
前述したように、本実施形態のセルスタック101の基体管101aと改質チューブ102の基体管102aとは同一形状となっている。
そのため、セルスタック101の基体管101aにシール部材101b,シール部材101cを取り付けることにより、上部管板225aおよび下部管板225bに形成される任意の孔に取り付けることができる。
同様に、改質チューブ102の基体管102aにシール部材102b,シール部材102cを取り付けることにより、上部管板225aおよび下部管板225bに形成される任意の孔に取り付けることができる。
よって、局所的な温度上昇が発生する領域のセルスタック101と局所的な温度低下が発生する領域の改質チューブ102を取り替えて、温度分布の偏りを減少させることができる。
ここで、「同一形状」とは、基体管101aの形状と基体管102aの形状とが完全に一致することに限定されるものではない。
基体管101aの形状と基体管102aの形状とは、それぞれが上部管板225aおよび下部管板225bに形成される孔にシール部材を介して取り付けられる程度に形状が一致していればよい。
例えば、基体管101aと基体管102aのいずれか一方の外径が大きい場合、この外径が上部管板225aおよび下部管板225bに形成される孔の内径以下であり、かつ孔と基体管の外周面との間にシール部材が挿入可能な隙間が形成されていればよい。
次に、本実施形態のSOFCモジュール201における各種のガスの流通系統について図7を参照して説明する。
本実施形態のSOFCモジュール201は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2に含まれる水素を水素分離器270で分離し、一酸化炭素を含む第1排燃料ガスG1をセルスタック101へ供給するものである。
図7に示すように、本実施形態のSOFCモジュール201は、SOFCカートリッジ203と、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2および改質チューブ102から排出される燃料ガスG3に含まれる水素を分離する水素分離器270と、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2の一部を燃料ガス供給枝管207aへ循環させる第1排燃料ガス循環系統(循環流路)240と、水素分離器270から排出される第1排燃料ガスG1を第1排燃料ガス循環系統240へ供給する第2排燃料ガス循環系統(供給流路)241とを備える。
水素分離器270は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2および改質チューブ102から排出される燃料ガスG3から水素を分離し、高純度の水素を精製する装置である。水素分離器270として、例えば、パラジウム合金膜透過式の装置を用いることができる。
図7のSOFCモジュール201によれば、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2に含まれる未反応の水素および改質チューブ102における水蒸気改質反応により生成された燃料ガスG3から高純度の水素を精製して、適宜に利用することができる。
セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2には、燃料ガス供給枝管207aから供給される炭化水素系ガスの未改質分と、セルスタック101の内部での改質反応により生成された水素および一酸化炭素の未反応分と、セルスタック101における水素および一酸化炭素と酸化性ガスとの反応により生成される水蒸気および二酸化炭素とが含まれている。
また、改質チューブ102から排出される燃料ガスG3には、燃料ガス供給枝管207aから供給される炭化水素系ガスの未改質分と、セルスタック101の内部での改質反応により生成された水素および一酸化炭素が含まれている。
そのため、水素分離器270により水素が分離されて排出される第1排燃料ガスG1には、炭化水素系ガス、一酸化炭素、水蒸気および二酸化炭素が含まれている。
特に、改質チューブ102から排出される燃料ガスG3には、炭化水素系ガスの水蒸気改質反応により生成されてそのまま水素分離器270に導かれる一酸化炭素が多く含まれている。
第1排燃料ガス循環系統240は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2の一部を第2排燃料ガス循環系統241へ合流させる流路である。第2排燃料ガス循環系統241は、水素分離器270から排出される第1排燃料ガスG1を燃料ガス供給枝管207aへ供給する流路である。第2排燃料ガス循環系統241の流路上には、循環ブロワ250と流量調整弁260とが設けられている。
循環ブロワ250は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2の一部を、第1排燃料ガス循環系統240および第2排燃料ガス循環系統241を介して燃料ガス供給枝管207aまで導くように送風する装置である。
流量調整弁260は、開度を調整することによりセルスタック101から排出される第1排燃料ガスG1のうち、燃料ガス供給枝管207aへ導かれる排燃料ガスの流量を調整する装置である。
第1排燃料ガス循環系統240へ供給された第2排燃料ガスG2は、第1排燃料ガスG1と合流した後に第2排燃料ガス循環系統241を経由して、燃料ガス供給枝管207aまで導かれる。燃料ガス供給枝管207aまで導かれた第2排燃料ガスG2および第1排燃料ガスG1の混合ガスは、セルスタック101および改質チューブ102へ導かれる。
SOFCモジュール201が備える制御部(図示略)は、改質チューブ102が配置される位置の温度を温度センサ(図示略)で検出し、目標温度よりも高い場合は流量調整弁260の開度を小さくするよう制御する。一方、制御部(図示略)は、温度センサ(図示略)が検出する温度が目標温度よりも低い場合は流量調整弁260の開度を大きくするよう制御する。
第1排燃料ガス循環系統241に導かれる第2排燃料ガスG2は、セルスタック101における発熱反応により加熱されている。そのため、第1排燃料ガス循環系統240から燃料ガス供給枝管207aへ第1排燃料ガスG1を供給することで、改質チューブ102に供給される炭化水素系ガスの温度が上昇する。
一方で、第1排燃料ガス循環系統241に導かれる第2排燃料ガスG2は、セルスタック101における改質反応により燃料が消費されている。そのため、第1排燃料ガス循環系統241から燃料ガス供給枝管207aへ排燃料ガスを供給することで、改質チューブ102に供給される燃料ガスにおける改質反応に寄与する成分が減少する。燃料ガスの改質反応に寄与する成分が減少することにより、改質チューブ102における改質反応による吸熱量が減少する。
したがって、流量調整弁260の開度が小さくなると、排燃料ガスによる温度上昇よりも改質チューブ102による改質反応による吸熱量が増加する。一方、流量調整弁260の開度が大きくなると、それに伴って改質チューブ102に供給される炭化水素系ガスの温度が上昇するが、改質チューブ102に供給される燃料ガスの改質反応に寄与する成分が減少し、改質チューブ102における改質反応による吸熱量が減少する。
また、第1排燃料ガス循環系統240から燃料ガス供給枝管207aへ第2排燃料ガスG2および第1排燃料ガスG1を供給することにより、これらの排燃料ガスがセルスタック101へ供給され、燃料電池セル105における反応に利用される。第2排燃料ガスG2が再利用できるのは、セルスタック101から排出される炭化水素系ガス(例えば、メタン)の未改質分と、水蒸気改質反応により生成される一酸化炭素(CO)の未反応分とが含まれているからである。また、第1排燃料ガスG1が再利用できるのは、改質チューブ102で生成される一酸化炭素(CO)が含まれているからである。
なお、以上においては、燃料ガス供給枝管207aまで導かれた第2排燃料ガスG2および第1排燃料ガスG1の混合ガスを、改質チューブ102に導くものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、第2排燃料ガスG2および第1排燃料ガスG1の混合ガスを、改質チューブ102には導かず、セルスタック101のみに導くようにしてもよい。
このようにすることで、一酸化炭素を含む第2排燃料ガスG2および第1排燃料ガスG1の混合ガスをセルスタック101に導いて、酸化性ガスと反応する燃料ガスとして用いることができる。
この場合、流量調整弁260の開度は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2のうち第1排燃料ガス循環系統240に導くべき目標量に応じて適宜に調整される。
また、図7に示すSOFCモジュール201は、改質チューブ102を備えるSOFCカートリッジ203を用いるものであったが、他の態様であってもよい。
例えば、図8に示す変形例のSOFCモジュール201’のように、改質チューブ102を備えずセルスタック101のみを備えるSOFCカートリッジ203’を用いるものであってもよい。
また、図7に示すSOFCモジュール201および図8に示すSOFCモジュール201’は、いずれも第1排燃料ガス循環系統240を備えるものであったが、第1排燃料ガス循環系統240を備えないようにしてもよい。
この場合、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2の全量が水素分離器270へ供給され、第2排燃料ガスG2から水素が分離された第1排燃料ガスG1が第2排燃料ガス循環系統241へ排出される。
また、以上の説明において、セルスタック101の内部における水蒸気改質反応は、燃料極109で行われるものであったが、他の態様であってもよい。
例えば、セルスタック101の基体管101aの入口部分の内周面に、炭化水素系ガスに対して触媒作用を有する材料を塗布し、基体管101aの入口部分で水蒸気改質反応が行われるようにしてもよい。
炭化水素系ガスに対して触媒作用を有する材料としては、例えば、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物(例えば、Ni/YSZ)を用いることができる。
以上説明した本実施形態のSOFCモジュール201が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のSOFCモジュール201によれば、改質チューブ102に供給される炭化水素系ガスを改質して、水素および一酸化炭素を含む燃料ガスG3を生成するとともに燃料ガスG3を排出する。改質チューブ102から排出された燃料ガスG3は水素分離器270に供給され、高純度の水素が生成される。一方、水素が分離された燃料ガスG3は、一酸化炭素を含む第1排燃料ガスG1として水素分離器270から排出される。
本実施形態のSOFCモジュール201によれば、水素分離器270から排出された第1排燃料ガスG1が第2排燃料ガス循環系統241を介してセルスタック101の燃料極109へ再び供給される。セルスタック101は、一酸化炭素と酸化性ガスとを反応させて電力を得ることが可能である。そのため、第2排燃料ガス循環系統241を介して燃料極109へ供給される未反応の一酸化炭素が再び燃料ガスとして利用される。
このように、本実施形態のSOFCモジュール201によれば、改質チューブ102から排出される燃料ガスG3から水素を分離して有効活用しつつ、水素が分離された燃料ガスG3に含まれる一酸化炭素を燃料として利用可能にしたSOFCモジュール201を提供することができる。
本実施形態のSOFCモジュール201において、セルスタック101には炭化水素系ガスが供給され、セルスタック101は、燃料極109で炭化水素系ガスを改質反応させて燃料ガスを生成して燃料極109側に供給する。また、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2が水素分離器270へ供給される。
このようにすることで、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2から水素を分離して高純度の水素ガスを得ることができる。また、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2に含まれる一酸化炭素を、第2排燃料ガス循環系統241を介してセルスタック101の燃料極109へ再び供給し、燃料ガスとして利用することができる。
また、本実施形態のSOFCモジュール201は、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2を水素分離器270の上流側からセルスタック101へ循環させる第1排燃料ガス循環系統240を備える。
このようにすることで、セルスタック101から排出される第2排燃料ガスG2に含まれる未反応の水素および一酸化炭素を再びセルスタック101へ供給して燃料ガスとして再利用することができる。
101 セルスタック(固体酸化物型燃料電池)
102 改質チューブ(改質器)
105 燃料電池セル
107 インターコネクタ
109 燃料極
111 固体電解質
113 空気極
201,201’ SOFCモジュール(固体酸化物型燃料電池システム)
203,203’ SOFCカートリッジ
207 燃料ガス供給管
207a 燃料ガス供給枝管
209 燃料ガス排出管
209a 燃料ガス排出枝管
240 第1排燃料ガス循環系統(循環流路)
241 第2排燃料ガス循環系統(供給流路)
250 循環ブロワ
260 流量調整弁
270 水素分離器
G1 第1排燃料ガス
G2 第2排燃料ガス
G3 燃料ガス

Claims (3)

  1. 燃料極と電解質と空気極とが順次積層して形成されるとともに前記燃料極側に供給される燃料ガスに含まれる水素および一酸化炭素と前記空気極側に供給される酸化性ガスとを反応させる固体酸化物型燃料電池と、
    前記固体酸化物型燃料電池に隣接して配置されるとともに炭化水素系ガスを改質して水素および一酸化炭素を含む前記燃料ガスを生成する改質部と、
    前記改質部から排出される前記燃料ガスに含まれる水素を分離して一酸化炭素を含む第1排燃料ガスを排出する水素分離器と、
    前記水素分離器から排出される前記第1排燃料ガスを前記燃料極へ供給する供給流路と、を備える固体酸化物型燃料電池システム。
  2. 前記固体酸化物型燃料電池には炭化水素系ガスが供給され、
    前記固体酸化物型燃料電池は、前記炭化水素系ガスを改質反応させて前記燃料ガスを生成して前記燃料極側に供給し、
    前記固体酸化物型燃料電池から排出される第2排燃料ガスを前記水素分離器へ供給する請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
  3. 前記固体酸化物型燃料電池から排出される前記第2排燃料ガスを前記水素分離器の上流側から前記固体酸化物型燃料電池へ循環させる循環流路を備える請求項1または請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池システム。
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