JP2016212000A - 地表面含水情報取得方法、地表面含水情報取得装置及びプログラム - Google Patents

地表面含水情報取得方法、地表面含水情報取得装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】航空レーザ計測の計測データから地表面の含水状態を推定する。【解決手段】飛行体に搭載したレーザ計測部から地表面の注目領域にレーザパルスを複数回照射し、レーザパルスの注目領域からの反射強度を計測する。分布生成部404は複数回照射したレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する。含水状態推定部406は当該頻度分布に基づいて注目領域のうち非植生域について含水状態を推定する。含水状態推定部406は頻度分布のピークでの反射強度が小さいほど相対的に含水量が多いと推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、航空レーザ計測による計測データを解析して地表面の含水情報を取得する方法、装置及びプログラムに関し、特に地表面における含水状態の推定に関する。また本発明は、防災のために用いられる技術に関する。
従来、航空機にレーザスキャナを搭載して地形計測を行う航空レーザ計測が行われてきた。具体的にはレーザスキャナはTOF(Time Of Flight)方式で距離を計測することができ、レーザスキャナから発射したレーザパルスが地上との往復にかかる時間から距離を計測する。航空レーザ計測技術は、当該距離情報とレーザの照射方向、航空機の位置・姿勢の情報とから地上の反射点の三次元座標を算出し、地表面形状の計測を可能とする。なお、当該レーザ計測技術と共に、航空機から可視光や近赤外光の画像や波長多重レーザ光の反射の観測結果を併用することで、地表面の植生等の被覆状態の情報を得ることが提案されている(下記特許文献1)。
特開2011−175387号公報 特許第4521885号公報
豪雨などによる山間部や斜面などでの地すべりなどの土砂災害が問題となっており、その災害のおそれがある場所を安全かつ効率的に監視し防災に活用できる技術が望まれている。この点、航空レーザ計測のような非接触で広範囲の計測を可能とする技術が有効である。しかし、上述の地すべり等の災害には地表面における含水状態が大きく影響し、単に航空レーザ計測による地形計測だけでは足りないという問題があった。ここで航空とは、固定翼及び回転翼を有する航空機が好ましく、上空からレーザ計測できるものを意味する。衛星も上空からの測定に用いられる。防災の観点からは、災害現場へ急行し計測して監視する速さは人命や財産を守るために重要な要素である。
先行技術である特許文献2には、反射強度をRGBのG相当と読み替えて解析する画像解析方法であり、疑似近赤外画像の形成方法が記載されている。しかし、特許文献2における操作ステップは土壌の水分量を現場で土壌から直に測定するTDR計測により行う必要があり、その値を用いて回帰式を作って視覚化するので煩雑で対応できない現状がある。更に、植生が地表面の含水状態について大きく影響することが検討の結果、判明しているのであるが、特許文献2では当該影響は考慮されていない。よって、災害対策としては使えない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、航空レーザ計測にて計測されるレーザパルスの反射強度を活用して一度のデータ収集で、地表の水分量を直に測定することなく地表の含水状態の推定を可能とする地表面含水情報取得方法、地表面含水情報取得装置及びプログラムを提供することを目的とする。反射強度の特性のみに基づいた地表面のレーザデータ解析によって数値標高モデル(Digital Terrain Model:DTM)を生成するため、優れた効果を奏するものである。
(1)本発明に係る地表面含水情報取得方法は、航空レーザ計測により地表面の含水情報を取得する方法であって、飛行体から前記地表面の注目領域にレーザパルスを複数回照射する照射ステップと、前記レーザパルスの前記注目領域からの反射強度及び照射から反射波の受信までの往復時間を計測する計測ステップと、レーザパルス発射タイミングに同期して、レーザパルス発射時の前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データを取得するステップと、前記各レーザパルスについて、前記飛行データ及び前記往復時間から当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成するステップと、前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求めるステップと、前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定するステップと、複数回照射した前記レーザパルスに対する前記反射強度の頻度分布を生成する分布生成ステップと、前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定ステップと、を有する。
(2)他の本発明に係る地表面含水情報取得方法は、航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する方法であって、前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成ステップと、前記頻度分布に基づいて前記注目領域の含水状態を推定する含水状態推定ステップと、を有する。
(3)上記(1)、(2)の地表面含水情報取得方法において、前記航空レーザ計測は単一波長の近赤外線レーザ光を用いて行うことができる。
(4)上記(1)〜(3)の地表面含水情報取得方法において、前記含水状態推定ステップは、複数の前記注目領域について前記反射強度の平均値が小さいほど相対的に含水量が多いと推定することができる。
(5)上記(1)〜(3)の地表面含水情報取得方法において、前記含水状態推定ステップは、複数の前記注目領域について前記頻度分布のピークでの前記反射強度が小さいほど相対的に含水量が多いと推定することができる。
(6)上記(4)、(5)の地表面含水情報取得方法において、前記含水状態推定ステップは、さらに前記頻度分布の尖度が高いほど相対的に含水量が多いと推定することができる。
(7)本発明に係る地表面含水情報取得装置は、航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する装置であって、飛行体から前記地表面の注目領域へのレーザパルスの発射タイミングに同期して取得した前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データと、前記レーザパルスの照射から反射波の受信までの往復時間とから当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成する手段と、前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求める手段と、前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定する手段と、前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成手段と、前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定手段と、を有する。
(8)本発明に係るプログラムは、コンピュータを、航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する地表面含水情報取得装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、飛行体から前記地表面の注目領域へのレーザパルスの発射タイミングに同期して取得した前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データと、前記レーザパルスの照射から反射波の受信までの往復時間とから当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成する手段、前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求める手段、前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定する手段、前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成手段、及び、前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定手段、として機能させる。
本発明によれば、航空レーザ計測の計測データから地表の含水状態の推定が可能となる。地表の含水状態の迅速なる把握は、地表における状況変化を予測するのに役立てることができる。地表面の土壌を直に水分計測することなく、植生の影響を除き含水状態を推定することができる。また、災害地やその隣接地における作業者に危険な作業を強いることなく防災に活用することができる。
本発明の実施形態である航空レーザ計測システムの概略の構成を示すブロック図である。 レーザ計測部の概略の構成を示すブロック図である。 解析部の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態である航空レーザ計測システムを用いた地表面の含水状態を推定する処理の概略のフロー図である。 地表面の用途等の種類と頻度分布のピーク位置及びピーク強度比との関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態である航空レーザ計測システム1の概略の構成を示すブロック図である。本システムはレーザ計測部2及び解析部4を含んで構成される。レーザ計測部2は航空機、ヘリコプター等の飛行体6に搭載され、地表へレーザパルスを発射しその反射波を観測する。解析部4は例えば地上の解析センター8に設けられ、レーザ計測部2の計測データを解析する。レーザ計測部2で取得される計測データは、飛行中に解析部4へ無線伝送することもできるし、飛行中にレーザ計測部2に蓄積された計測データを着陸後に記録媒体や通信で解析部4へ受け渡すこともできる。
図2は、レーザ計測部2の概略の構成を示すブロック図である。レーザ計測部2はレーザスキャナ20、反射波受信センサ22、及びGPS/IMU(Global Positioning System/Inertial Measurement Unit)24を含んで構成される。
レーザスキャナ20は、制御部(図示せず)により、所定時間間隔でレーザパルスを発射するレーザ発射部20aと、レーザパルスを所定角度範囲内で振って地上のスキャンを可能とする回転ミラー20bとを備える。レーザスキャナ20はレーザパルスの発射時刻、及びそのときの回転ミラー20bの回転角を出力し、これらは計測データを構成する。
レーザの発射パルスに対する地表からの反射パルス(リターンパルス)は反射波受信センサ22により検出される。発射された1発のレーザパルスに対して、地上物による複数回(通常1ないし5回程度)の反射が生じ、それに応じてリターンパルスも複数回検出され得る。反射波受信センサ22は、計測データとして、各発射パルスに対する各リターンパルスの受信時刻及び反射強度を出力する。
本実施形態のレーザスキャナ20はLeica社製のNd:YAGレーザを使用しており、発振波長は1064nmで近赤外波長域である。Nd:YAGレーザの水に対する吸収係数は大きくなく或る程度は透過できることが知られている。また、本実施形態において反射強度Prのデータは0〜100%の反射率に対応して0〜255の値で与えられる。
GPS/IMU24は、レーザスキャナ20のレーザパルス発射タイミングに同期して、レーザパルス発射時の飛行体6の位置・姿勢(GPS位置、傾き情報等)を含む飛行データを出力し、これらも計測データを構成する。
レーザ計測は地すべりの監視を行う斜面全体などを対象範囲として行われる。後述するように解析部4は注目領域の反射強度の頻度分布を生成する。ここでレーザ計測の対象範囲をメッシュ状に区分した区画それぞれが注目領域とされ、解析の単位領域となる。飛行体6からのレーザ計測は、各区画に複数回、レーザパルスが照射されるように行われる。
解析部4は各区画を注目領域として地表の含水状態を推定する。よって、含水状態をどれだけの空間分解能で把握するかに応じて区画の大きさが設定される。但し、当該区画はレーザスキャナ20の空間分解能よりは大きく設定される。具体的には、航空レーザ計測では区画は数メートル四方などに設定することができる。
図3は解析部4の概略の構成を示すブロック図である。解析部4はレーザ計測部2による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する地表面含水情報取得装置であり、演算処理装置40、記憶装置42、入力装置44及び出力装置46を含んで構成される。演算処理装置40として、本システムの処理を行う専用のハードウェアを作ることも可能であるが、本実施形態では演算処理装置40は、コンピュータ及び、当該コンピュータ上で実行されるプログラムを用いて構築される。
演算処理装置40はコンピュータのCPU(Central Processing Unit)からなり、後述するDTM生成部400、植生推定部402、分布生成部404、含水状態推定部406及び解析画像生成部408として機能する。
記憶装置42はROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置である。記憶装置42は演算処理装置40にて実行される各種のプログラムや、本システムの処理に必要な各種データなどを記憶し、演算処理装置40との間でこれらの情報を入出力する。
入力装置44は、ユーザが本システムへの操作を行うために用いるキーボード、マウスなどのデバイスである。また入力装置44には、レーザ計測部2の計測データを取り込むための手段、例えば、レーザ計測部2との通信手段やレーザ計測部2から受け渡される記録媒体を読み込む読込装置が含まれ得る。
出力装置46は、ディスプレイ、プリンタなどであり、本システムにより生成された地表面の含水状態を画面表示、印刷等によりユーザに示す等に用いられる。
演算処理装置40は上述したようにDTM生成部400、植生推定部402、分布生成部404、含水状態推定部406及び解析画像生成部408として機能する。
DTM生成部400は、各レーザパルスについて、計測データから当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデル(Digital Terrain Model:DTM)を生成する。各レーザパルスに対する反射信号の末尾にて得られるラストパルスは地表での反射によるものであると期待できる。そこで、DTM生成部400は点群データのうちラストパルスに対応する点に基づいてDTMを生成する。
植生推定部402は、点群データのうちファーストパルスに対応する点に基づいて数値表層モデル(Digital Surface Model:DSM)を生成し、DSMからDTMを減算してNDSM(Normalized Digital Surface Model)を生成する。植生推定部402は、NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定する。
分布生成部404は地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する。具体的には、分布生成部404はレーザパルスの反射点の座標に基づいて、注目領域に対応する区画からの反射パルスの計測データを特定し、区画ごとに反射強度の頻度分布を生成する。ここで、地表面の含水状態は地表で反射されるラストパルスに反映されるので、分布生成部404は、ラストパルスの反射強度について頻度分布を生成する。
含水状態推定部406は分布生成部404により生成された頻度分布に基づいて注目領域の含水状態を推定する。含水状態推定部406についてはさらに後述する。
解析画像生成部408は、例えば、DTM生成部400により生成されたDTMを用いて、含水状態の解析の対象領域の地表面形状の画像を生成し、さらに当該地表面形状に各注目領域の含水状態を合成した解析結果画像を生成する。例えば、解析画像生成部408は地表面形状の画像として起伏をシェーディング等により表現したモノクロの精密起伏表現画像を生成する。ユーザは画像に表された地表面形状から、解析対象領域について例えば、山、沢、水田、畑などの種類を把握し得る。また、解析画像生成部408は地表面形状の画像にて植生域と非植生域とを判別可能に表示することができる。解析画像生成部408は、当該地表面形状の画像上にて含水状態を例えば、色で表示することができる。
図4は航空レーザ計測システム1を用いた地表面の含水状態を推定する処理の概略のフロー図である。
飛行体6からレーザ計測部2からのレーザパルスにより計測対象領域を走査し、解析の単位領域とする区画内に所定数以上のレーザパルスを照射する(ステップS10)。各区画に照射するレーザパルス数は、その反射強度の頻度分布をどの程度の精度で求めるかに応じて設定される。具体的には、解析部4にて含水状態を推定する際に用いる、頻度分布のピーク位置や後述するピーク強度比の誤差をどの程度以下に抑えるかを考慮して、各区画に照射するレーザパルス数を定めることができる。
レーザ計測部2はレーザパルスの反射強度などを計測し、計測データを取得する(ステップS20)。
解析部4はレーザ計測部2にて取得された計測データを解析する。分布生成部404は反射パルスのうちラストパルスの反射強度について各区画における頻度分布を生成する(ステップS30)。
含水状態推定部406は非植生域に属する各区画の頻度分布に基づいて当該区画の地表における含水状態を推定する(ステップS40)。含水状態推定部406は例えば、複数の注目領域について反射強度の平均値、又は頻度分布のピークでの反射強度が小さいほど相対的に含水量が多いと推定する。さらに含水状態推定部406は頻度分布の尖度を考慮に入れて含水量を推定してもよい。具体的には、反射強度の平均値や頻度分布のピークでの反射強度が同じであれば、頻度分布の尖度が高いほど相対的に含水量が多いと推定することができる。本実施形態では、頻度分布のピーク(最頻値)の1/2を半値幅で除した値をピーク強度比IRと称し、これを尖度を表す指標として用いる。
例えば、含水状態推定部406は頻度分布のピークでの反射強度自体を含水状態を表す指標として出力することができる。この場合、当該反射強度が低いほど含水量が多い状態であることを意味する。また、例えば、含水量の高低について複数段階のランクを定義し、頻度分布のピーク位置、又はピーク位置とピーク強度比との組み合わせに当該ランクを対応付けたテーブルを記憶装置42に格納しておき、含水状態推定部406は当該テーブルに基づいて、各区画について含水状態のランクを決定する構成とすることもできる。
以下、実測結果に基づき、地表面の含水状態と反射強度の頻度分布との関係について説明する。図5は地表面の用途等の種類と頻度分布のピーク位置PP及びピーク強度比IRとの関係を示す模式図であり、縦軸がピーク位置での反射強度、横軸がピーク強度比である。
解析対象領域にて用途が水田である土地については、レーザ計測が6月に行われたので田植え後で水が張られている状態の水田(稲の高さは30cm程度)(水田Aとする)があり、その一方、田植えをしていない水田(裸地状態で水張りなし)(水田B)や耕作放棄された水田(草繁茂状態で水張りなし)(水田C)も存在した。湛水が確認できた水田AについてPP=15〜30,IR=28〜245であった(図5に示す領域R1)。表面から水面が後退した水田BについてはPP=60〜75,IR=19〜24であった(領域R2)。
つまり、水田Aでは反射強度Prが低い位置に高く鋭いピークが形成され、一方、水田Aと比較すると、表面から水面が後退した水田Bではピークの位置は高反射強度側にシフトし、ピークの高さは低くなる。さらに、草のない水田Bから草の繁茂する水田Cへ変化するにつれて、ピーク位置はより高反射強度側へシフトするという結果が得られた(領域R3)。具体的には、反射強度のピーク位置は、水田Aから、草が稀な程度にある水田、丈の短い草が多くなるが土の部分が十分に露出している水田、草が繁茂している水田の順に高反射強度側へ移動した。また、草本がほとんど無くても地表面が白っぽくなったドライな状態の水田は、草本が繁茂した水田と同程度の高い反射強度を示す。
以上の観察結果から、頻度分布のピーク位置及び高さは表層の水分状態によって大きく変動することが分かった。特に、水の張られていない水田ではピーク強度比IRは4.3〜20であり平均値は12.1であった。また水田での反射強度の頻度分布から推定される“水面”のピーク位置PPに関する判定閾値は15〜20にあり、水面は当該閾値より低い反射強度にピークを生じる。
また、用途が畑である土地については、上述した水田のうち湛水された水田A以外のものと同様の結果が得られた。
渓流等における水際における水面下や濡れた石礫については、水田Aよりも低い反射強度にピークが観察された(領域R4)。また、岩盤での水部(表流水または地下水の滲出)についても同様の結果が観察された。
なお、裸地斜面、地すべり斜面、雪渓についてはPP=45〜60,IR=54〜98であった(領域R5)。植生の回復していない崩壊斜面についてはPP=10〜115,IR=10〜53でありIRの平均値は27であった(領域R6)。
反射強度の頻度分布のピーク位置PPに代えて反射強度の平均値を指標として用いることができる。また、尖度を表すピーク強度比IRに代えて、頻度分布の標準偏差を指標として用いることができる。
崩壊斜面と裸地状態の水田との観測結果から、(a1)湛水した水田Aは、そうでない水田B,Cに比べ反射強度が小さいこと、(a2)植生の回復していない崩壊斜面は水田Cに比べ反射強度が低い場合が多いこと、(a3)植生の回復していない崩壊斜面は水田Cに比べ標準偏差が小さい場合が多いこと、などがわかった。
含水状態推定部406は上述の観測結果に基づき、既に述べたように、反射強度の平均値、又は頻度分布のピークでの反射強度が小さいほど相対的に含水量が多いと推定したり、さらにピーク強度比IRが高いほど相対的に含水量が多いと推定したりする。解析画像生成部408は含水状態推定部406の含水状態の推定結果に基づいて、例えば、含水量が多いところを赤色、少ないところを青色、それらの間を含水量が多い側から橙色、黄色、緑色というように色付けした画像を生成しユーザに提示する。
1 航空レーザ計測システム、2 レーザ計測部、4 解析部、6 飛行体、8 解析センター、20 レーザスキャナ、22 反射波受信センサ、24 GPS/IMU、40 演算処理装置、42 記憶装置、44 入力装置、46 出力装置、400 DTM生成部、402 植生推定部、404 分布生成部、406 含水状態推定部、408 解析画像生成部。

Claims (8)

  1. 航空レーザ計測により地表面の含水情報を取得する方法であって、
    飛行体から前記地表面の注目領域にレーザパルスを複数回照射する照射ステップと、
    前記レーザパルスの前記注目領域からの反射強度及び照射から反射波の受信までの往復時間を計測する計測ステップと、
    レーザパルス発射タイミングに同期して、レーザパルス発射時の前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データを取得するステップと、
    前記各レーザパルスについて、前記飛行データ及び前記往復時間から当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成するステップと、
    前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求めるステップと、
    前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定するステップと、
    複数回照射した前記レーザパルスに対する前記反射強度の頻度分布を生成する分布生成ステップと、
    前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定ステップと、
    を有することを特徴とする地表面含水情報取得方法。
  2. 航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する方法であって、
    前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成ステップと、
    前記頻度分布に基づいて前記注目領域の含水状態を推定する含水状態推定ステップと、
    を有することを特徴とする地表面含水情報取得方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の地表面含水情報取得方法において、
    前記航空レーザ計測は単一波長の近赤外線レーザ光を用いること、を特徴とする地表面含水情報取得方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の地表面含水情報取得方法において、
    前記含水状態推定ステップは、複数の前記注目領域について前記反射強度の平均値が小さいほど相対的に含水量が多いと推定すること、を特徴とする地表面含水情報取得方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の地表面含水情報取得方法において、
    前記含水状態推定ステップは、複数の前記注目領域について前記頻度分布のピークでの前記反射強度が小さいほど相対的に含水量が多いと推定すること、を特徴とする地表面含水情報取得方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の地表面含水情報取得方法において、
    前記含水状態推定ステップは、さらに前記頻度分布の尖度が高いほど相対的に含水量が多いと推定すること、を特徴とする地表面含水情報取得方法。
  7. 航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する地表面含水情報取得装置であって、
    飛行体から前記地表面の注目領域へのレーザパルスの発射タイミングに同期して取得した前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データと、前記レーザパルスの照射から反射波の受信までの往復時間とから当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成する手段と、
    前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求める手段と、
    前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定する手段と、
    前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成手段と、
    前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定手段と、
    を有することを特徴とする地表面含水情報取得装置。
  8. コンピュータを、航空レーザ計測による計測データを解析し地表面の含水情報を取得する地表面含水情報取得装置として機能させるためのプログラムであって、
    当該コンピュータを、
    飛行体から前記地表面の注目領域へのレーザパルスの発射タイミングに同期して取得した前記飛行体の位置及び姿勢を含む飛行データと、前記レーザパルスの照射から反射波の受信までの往復時間とから当該レーザパルスの反射点の三次元座標を算出し、当該反射点の三次元座標からなる点群データを用いて数値標高モデルと数値表層モデルとを生成する手段、
    前記数値表層モデルと前記数値標高モデルとの差分をNDSMとして求める手段、
    前記NDSMが森林等の植生から想定される或るしきい値以上に高い場所を植生域と推定し、逆にしきい値より低い場所を裸地、水域、草地などの非植生域と推定する手段、
    前記地表面の注目領域に照射した複数のレーザパルスに対する反射強度の頻度分布を生成する分布生成手段、及び、
    前記頻度分布に基づいて前記注目領域のうち前記非植生域における含水状態を推定する含水状態推定手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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