JP6845823B2 - 地盤の水分状態を検出するための方法および検出システム - Google Patents

地盤の水分状態を検出するための方法および検出システム Download PDF

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Description

この開示は、地盤の状態を調べる方法に関し、より特定的には、所定エリアにおける相対的な水分量の分布を調べる方法に関する。
対象物に含まれる水分量を測定する技術に関し、例えば、特開2000−146834号公報(特許文献1)は、「波長が異なる2種の単色光を照射用導光体で導いて測定部材の表面に照射し、ある波長の反射吸光度と波長1350nm以下の反射吸光度との2波長間の反射吸光度差(ΔAλ)あるいは2波長間の反射吸光度比(Aλ’)を演算し、さらに、予め記憶しておいた反射吸光度差あるいは反射吸光度比と水分率との関係から、測定部材の水分率を算出する水分測定方法」を開示している(「要約」参照)。
特開2000−146834号公報
ある局面において、所定エリアの水分分布が必要とされる場合がある。例えば、山間部の土砂災害を予測するにあたり、斜面の水分分布が必要とされる場合がある。
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、植物繊維、合成繊維、食品などの材料の水分率を測定することを前提としており(段落[0021]参照)、所定エリアの水分分布を測定する技術ではない。したがって、所定エリアの水分分布を測定する技術が必要とされている。
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、所定エリアの水分分布を測定する技術を提供することである。
ある実施形態に従うと、地盤の水分状態を検出するための方法が提供される。この方法は、測定対象エリアの地盤に波長の異なる複数の光線を間欠的に照射するステップと、測定対象エリアの地盤によって反射された複数の光線を検出するステップと、複数の光線が照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて相対的な水分量に関する指標を算出するステップとを備える。
ある実施形態に従う方法は、所定エリアにおける相対的な水分分布を出力できる。そのため、ユーザは、当該水分分布に基づいて、地盤の状態を評価できる。
開示された技術的特徴の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
地盤の状態を調べる方法についての技術思想を説明するための図である。 航空機100の構成の一例を表すブロック図である。 照射装置250の構成の一例を表す図である。 航空機100の飛行経路410を表す図である。 航空機100によって取得される測定データ500のデータ構造の一例を表す図である。 コンピュータ600の構成の一例を表すブロック図である。 測定対象エリアの相対的な水分分布図を作成する処理の一例を表すフローチャートである。 CPU610により作成される水分分布図810の一例である。 CPU610により出力された合成図830の一例である。 土砂崩れの有無の判断手法について説明するための図である。 図10(B)に地下構造を付加した図である。 水分分布図と、地形図と、比抵抗分布図とが重畳された合成図1100である。
以下、この技術的思想の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
[技術思想]
図1は、地盤の状態を調べる方法についての技術思想を説明するための図である。図1(A)は、航空機100が地盤110の状態を調べている様子を表す。図1(B)は、地盤110の相対的な水分分布を表す。
航空機100は、波長の異なる複数の光線を地盤110の地点111,112,113,・・・に照射しながら測定対象エリアを飛行する。換言すれば、航空機100は、複数の光線を間欠的に地盤110に照射しながら飛行する。
図1に示される例において、航空機100は、波長の異なる光線LPと光線LNとを照射する。一例として、光線LPは水の吸収帯の波長(例えば1450nm)に設定され、光線LNは、水の非吸収帯の波長(例えば1064nm)に設定される。好ましくは、光線LPおよび光線LNの波長は、人の目に対する影響が少ない波長(所謂アイセーフ波長)に設定される。
航空機100は、光線を照射した地点ごとに、地盤110によって反射された光線の反射光強度を検出する。
航空機100は、複数の光線を照射したタイミングにおける位置情報を取得している。航空機100は、当該位置情報に関連付けて、光線LPおよび光線LNの反射光強度を記憶装置に保存する。当該保存された情報(以下、「測定データ」とも言う)は、後述するコンピュータ600に出力される。
コンピュータ600は、測定データに基づいて、複数の光線LPおよびLNが照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて相対的な水分量に関する指標(以下、「水分指標」とも言う)を算出する。この水分指標の算出方法は後述する。水分指標は、ある地点における水分指標と、他の地点における水分指標とを比べて、いずれの地点の水分量が多いか、といった相対的な水分量の判断に用いられる。つまり、水分指標は、絶対的な水分量(含水率)を表さない。
コンピュータ600は、上記地点ごとに算出された水分指標と位置情報とに基づいて、測定対象エリアにおける地盤110表面の水分分布図を作成する。コンピュータ600は、作成した水分分布図をディスプレイ640に出力する。図1(B)に示される例において、ハッチングの濃い部分ほど水分量が多く、ハッチングの薄い部分ほど水分量が少ないことを表す。
上記によれば、実施形態に従う方法は、測定対象エリアにおける地盤表面の相対的な水分分布図を出力できる。そのため、例えば、ユーザは、斜面における水分分布を見て、当該斜面において土砂崩れの危険性があるか否かを判断できる。以下、地盤表面の水分分布図を作成するために必要な構成および処理について具体的に説明する。
[航空機100]
図2は、航空機100の構成の一例を表すブロック図である。航空機100は、CPU(Central Processor Unit)210と、ROM(Read Only Memory)220と、RAM(Random access memory)230と、タイマ240と、照射装置250と、検出器260と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機270と、IMU(Inertial Measurement Unit)280と、を有する。
CPU210は、ROM220に格納される制御プログラム(図示しない)を実行することにより、航空機100の動作を制御する。RAM230は、CPU210のワーキングメモリとして機能する。RAM230は、測定データを保存する。タイマ240は、水晶振動子などにより構成され、計時可能に構成される。照射装置250は、波長の異なる複数の光線を間欠的に地盤に照射する。検出器260は、地盤によって反射された複数の光線を検出し、検出結果をCPU210に出力する。検出器260は、光線LPを検出するための検出器と、光線LNを検出するための検出器と(つまり、周波数特性の異なる複数の検出器)、を備えていてもよいし、1つの検出器によって複数の光線の各々を検出してもよい。GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機270は、GPS衛星から発せられるGPS信号を受信し、受信結果をCPU210に出力する。IMU280は、航空機100の姿勢を検出し、検出結果をCPU210に出力する。
また、図1に示される例において航空機100は、ヘリコプターであるが、航空機100はヘリコプターに限られない。例えば、航空機100は、飛行機やヘリコプターなどのエンジンを有するもの、気球などのエンジンを有さないもの、飛翔体、その他の空中を移動するもの全般を含み得る。飛翔体は、例えば、ロケット、ドローン(無人航空機)、ラジコンにより操作される飛行物体などを含み得る。
照射装置250から照射された光は地盤のみならず、地盤上に設けられた樹木などによっても反射する。そのため、ある実施形態において、検出器260は、地盤によって反射された光線(ラストパルス)を検出可能に構成される。CPU210は、照射装置250が光線を照射してから、当該光線に対応するラストパルスを検出するまでの時間(以下、「TOF(Time Of Flight)」とも言う)をタイマ240によって計測する。
図3は、照射装置250の構成の一例を表す図である。照射装置250は、レーザ310とレーザ320と、ビームスプリッター330とを有する。ある局面において、レーザ310およびレーザ320は、ファイバーレーザーであり得る。また、ある局面において、ビームスプリッター330は、ハーフミラーであり得る。なお、照射装置250は、他の光学素子(例えば、レンズ)をさらに有し得る。
計測機器として赤外線カメラやマルチスペクトラムセンサを用いることも可能であるが、当該計測機器では、地盤上の樹木を計測する可能性もある。一方で、レーザは、光線の径を小さくすることにより樹木等をすり抜けて地盤まで到達させることが可能性である。
そのため、航空機100は、レーザを採用することにより、正確な水分分布を算出し得る。
レーザ310は、光線LPを間欠的に照射する。レーザ320は、光線LNを間欠的に照射する。ビームスプリッター330は、光線LPの入射角が45度になるように配置され、かつ、光線LNの入射角が135度になるように配置される。また、ビームスプリッター330は、光線LPおよび光線LNの入射点が同じになるように、配置される。その結果、ビームスプリッター330を介した光線LPおよび光線LNは、同軸で地盤に照射される。また、CPU210は、レーザ310および320の照射タイミングを同期させる。
仮に光線LPおよび光線LNが異なる軸から発射された場合、飛行中の航空機100の揺れ、凸凹な地盤表面に起因して、これらの光線が同じ地点に照射されなくなる。係る場合、後述する水分指標の算出精度が低くなってしまう。一方、ある実施形態に従う照射装置250は、同軸で、かつ、同期して光線LPおよび光線LNを照射する。そのため、照射装置250は、航空機100の揺れ、および地盤表面形状によらず、これらの光線を同じ地点に照射できる。そのため、ある実施形態に従う方法は、水分指標の算出精度を高め得る。なお、他の実施形態において、照射装置250は、光線LPおよび光線LNを、異なる軸で、または、同期せずに照射してもよい。
なお、照射装置250の構造は、図3に示される例に限られない。例えば、ビームスプリッター330に替えてプリズムを利用することにより、同軸で光線LPおよび光線LNを照射してもよい。
他の例として、照射装置250は、2つの異なる波長の光線を合波器により同軸で照射してもよい。さらに他の例として、照射装置250は、1つのレーザを有し、当該レーザから照射された光線をスプリッターによって2つに分割し、一方の光線の波長をフィルタ等により変換し、他方の光線を遅延させることによって一方の光線と同軸かつ同期して照射してもよい。
さらに他の例として、照射装置250は、1つのレーザを有し、当該レーザから照射された光線のうち外周部の光線の波長をフィルタ等により変換することによって、波長の異なる2つの光線を同軸かつ同期して照射してもよい。
さらに他の例として、照射装置250は、1チップ複数波長の発振レーザを採用することによって、波長の異なる複数の光線を同軸かつ同期して照射してもよい。
[測定データ]
次に、航空機100が取得するデータについて説明する。
図4は、航空機100の飛行経路410を表す図である。図5は、航空機100によって取得される測定データ500のデータ構造の一例を表す図である。
図4に示される例において、航空機100は山間部を飛行経路410に沿って飛行する。このとき、航空機100は、照射装置250から光線LPと光線LNとを間欠的に照射しながら測定対象エリアを飛行する。一例として、CPU210は、互いに隣り合う照射地点の水平面における間隔が予め定められた距離(例えば50cm)になるように、照射装置250の照射タイミングを制御する。図5に示される例において、CPU210は、飛行経路410上の地点P1,P2,P3,・・・に対して、光線LPと光線LNとを照射する。
なお、本例においては、説明を簡易にするために地点毎に間欠的に光線LP,LNを照射して計測する場合について説明するが、特にこの方式に限られない。光線LP,LNを所定のエリア(面)に対して照射して、当該照射されたエリアから反射した反射光を計測するようにしても良い。また、光線LP,LNを間欠的に照射する必要もなく連続的に照射することも可能である。
CPU210は、検出器260の出力に基づいて、地盤によって反射された光線LPおよび光線LNの反射光強度をそれぞれ検出する。
CPU210はさらに、GNSS受信器270およびIMU280の出力に基づいて、光線を照射した各地点の地理座標系における位置を算出する。地理座標系は、地球上の地点を表すための座標系として機能し、一例として経度と緯度とによって表される。
CPU210はさらに、各地点における光線LNのラストパルスを検出するまでのTOFをタイマ240によって計測する。
ある実施形態において、CPU210は、各地点P1,P2,P3,・・・ごとに、地理座標(E,N)と、反射光強度(LP,LN)と、TOF(T)とを互いに関連付けて、測定データ500としてRAM230に保存する。
コンピュータ600は、測定データ500を有線または無線通信によって航空機100から取得する。コンピュータ600は、測定データ500に基づいて、飛行経路410に対応する測定対象エリアの相対的な水分分布図を作成する。
[コンピュータ600]
図6は、コンピュータ600の構成の一例を表すブロック図である。コンピュータ600は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、ディスプレイ640とを有する。
CPU610は、コンピュータ600の動作を制御する。RAM630は、CPU610のワーキングメモリとして機能する。RAM630は、測定データ500を格納している。コンピュータ600は、その他、ユーザからの入力を受け付けるための入力デバイス(例えばキーボード、マウス)や外部装置(航空機100)と通信可能な通信機器等を有していてもよい。
[水分分布図の作成]
図7は、測定対象エリアの相対的な水分分布図を作成する処理の一例を表すフローチャートである。図7に示される各処理は、CPU610がROM620に格納される制御プログラム(図示しない)を実行することにより実現され得る。
ステップS710にて、CPU610は、航空機100から通信機器を介して直接的に、または間接的(例えば、サーバ経由)に測定データ500を取得する。なお、取得の方式については種々の方式があり、その方式は限定されない。
ステップS720にて、CPU610は、光線が照射された地点P1,P2,P3・・・ごとに、光線LPおよび光線LNのそれぞれの反射光強度に基づいて、当該地点における水分指標を算出する。
ある実施形態において、CPU610は、光線LNの反射光強度から光線LPの反射光強度を差し引いた値を水分指標として算出する。
他の実施形態において、CPU610は、光線LNの反射光強度を光線LPの反射光強度で除した値(つまり、両者の比)を水分指標として算出する。
ステップS730にて、CPU610は、地点ごとに算出された水分指標に基づいて、測定対象エリアにおける地盤表面の水分分布図を作成する。
図8は、CPU610により作成される水分分布図810の一例である。この水分分布図810は、色の濃い部分の含水率が、色の薄い部分の含水率よりも高いことを表す。
なお、当該水分分布図は、測定対象エリアのある一部の領域を拡大したものである。
ユーザは、水分分布図を見ることによって、相対的な含水率を把握することが可能である。
ステップS740にて、CPU610は、測定データ500に含まれるTOFに基づいて、地点ごとの標高(地盤の高さ)を算出する。
ステップS750にて、CPU610は、算出された標高に基づいて数値標高モデル(DEM: Digital Elevation Model)を作成する。たとえば、図4に示されるようなDEMに基づく地形図を作成することが可能である。
ステップS760にて、CPU610は、作成した水分分布図と地形図とを重ね合わせた合成図830をディスプレイ640に出力する。
図9は、CPU610により出力された合成図830の一例である。
一例として、CPU610は、水分分布図と、地形図とを重ね合わせた図9に示される合成図830をディスプレイ640に出力する。
このとき、CPU610は、水分分布図の色を、地形図の色と異なる色に設定しても良い。これにより、ユーザは、水分分布図と地形図とを容易に区別することができる。なお、他の実施形態において、CPU610は、合成図830をディスプレイ640ではなく、紙などの媒体に出力してもよい。
なお、他の局面において、CPU610は、測定対象エリアのオルソ画像と、水分分布図810とを重ね合わせてディスプレイ640に出力するように構成されてもよい。係る場合、航空機100は、測定対象エリアを撮影するためのカメラ(図示しない)をさらに有し得る。
このように、実施形態に従う方法は、測定対象エリアにおける相対的な水分分布図を出力できる。ユーザは、水分分布図を見ることによって、各種考察を行ない得る。一例として、ユーザは、水分分布図を参考にして、測定対象エリアにおいて土砂崩れが起こる恐れがある場所を特定し得る。
図10は、土砂崩れの有無の判断手法について説明するための図である。図10(A)は、土砂崩れが生じる可能性が低い斜面を表す。図10(B)は土砂崩れが生じる可能性が高い斜面を表す。
図10において、ハッチングの密度が高い部分の含水率は、密度が低い部分の含水率よりも高いことを表す。図10(A)に示される例において、斜面表面の含水率は、標高が下がるにつれて均一に高くなっている。このような水分分布は、例えば、雨が降って数日後に表れる。
一方、図10(B)に示される例において、斜面表面の含水率は、標高が下がるにつれて均一に高くなっていない。具体的には、領域910の含水率は、領域910よりも標高が低い領域920の含水率よりも高い。この現象は、領域910の地下において亀裂が生じ、その亀裂を通じて湧水が生じていることを表し得る。係る場合、領域910および領域910の上側の領域930は、崩れ易い状態になっている。
ユーザは、図10(B)に示されるような不均一な水分分布を見つけることによって、測定対象エリアにおいて土砂崩れが生じやすい場所を特定し得る。
他の例として、ユーザは、水分分布図に基づいて、河川の堤防から水が漏出している箇所、つまり、堤防の劣化箇所を特定し得る。さらに他の例として、ユーザは、水分分布図に基づいて、地下水が湧いている部分を特定し得る。
上記の例では、コンピュータ600がディスプレイ640に水分分布図を表示し、ユーザが水分分布図を見ながら何らかの判断を下す。他の実施形態において、コンピュータ600が、水分分布図に基づいて、測定対象エリアのうち予め定められた条件を満たす領域を特定するように構成されてもよい。
一例として、コンピュータ600は、土砂崩れが生じる前後の複数の合成図(地形図と水分分布図とが重畳された図)に基づいて機械学習された学習モデルを有する。CPU210は、当該学習モデルに基づいて、生成された合成図において土砂災害が生じる可能性が高い領域を判断する。CPU610は、当該領域と、他の領域との表示態様を異ならせる。例えば、CPU610は、土砂災害が生じる可能性を3段階に分類し、それぞれ異なる色でディスプレイ640に表示する。当該構成によれば、ユーザは、合成図を一目見て、土砂崩れが生じ得る場所を特定し得る。
[他の構成]
(表示方法)
ところで、土砂崩れが生じる恐れがあるか否かは、地盤表面の水分分布によってではなく、他のパラメータによっても判断され得る。
図11は、図10(B)に地下構造を付加した図である。上述のように、図10(B)に示される領域910および930は、水分分布の観点から土砂崩れが生じる恐れがある。しかしながら、湧水以外の要因によって領域910の含水率が一時的に高くなっている(つまり、土砂崩れが生じる恐れはない)、という場合もあり得る。
そこで、ある実施形態に従うコンピュータ600は、測定対象エリアにおける、土砂崩れに影響を与える他のパラメータの結果を併せてディスプレイ640に表示する。これにより、ユーザは、土砂崩れの予測確度を高め得る。
図11に示される例において、領域910および930の地下には、空洞1010が存在する。このように、地下に空隙を多く含む領域910および930は、崩れ易い。
地盤は、その構成物および含水状況などによって比抵抗が変化することが知られている。例えば、空隙の多い領域や、空洞が存在する領域の比抵抗は高い。換言すれば、地下の比抵抗分布を調査することによって、地盤構造を推定することが可能である。そこで、ある実施形態に従う航空機100は、測定対象エリアにおける水分指標および比抵抗を測定する。
一例として、航空機100は、いわゆる空中電磁探査法を採用して比抵抗を測定する。より具体的には、航空機100は、送信コイルと受信コイルとを収納したバード(図示しない)を吊り下げながら飛行する。航空機100は、一定速度かつ一定高度で空中を飛行して、予め設定された時間間隔で電磁波を送信し、当該電磁波と同一周波数の電磁波を受信コイルで観測することにより各地点の探査を行う。航空機100は、地理座標系における位置と比抵抗とを互いに関連付けてRAM230に保存する。航空機100は、電磁波の周波数を操作することによって、比抵抗の探査深度をコントロールし得る。
コンピュータ600は、測定対象エリアにおける比抵抗の測定データを航空機100から直接的または間接的に取得する。ある実施形態において、コンピュータ600は、上述の測定対象エリアの水分分布図と、測定対象エリアの比抵抗分布図とを重ね合わせて出力する。
図12は、水分分布図と、地形図と、比抵抗分布図とが重畳された合成図1100を表す。図12に示される例において、測定対象エリアにおける比抵抗が等しい箇所を結んだ比抵抗等深線(比抵抗分布図)が重畳されて表示されている。
ユーザは、合成図1100の地形図と水分分布図とを見て、斜面において不均一な水分分布を見つけることによって、測定対象エリアにおいて土砂崩れが生じやすい場所の候補を特定できる。ユーザはさらに、土砂崩れが生じやすい場所の候補のうち、比抵抗が高い場所を、土砂崩れが生じる可能性が高い場所であると判断できる。このように、ある実施形態に従う表示方法によれば、ユーザは、土砂崩れの予測確度を高め得る。
なお、他の局面において、航空機100は、複数の周波数の電磁波により、異なる深度(例えば、表層崩壊の危険性のある1m20cm程度と、深層崩壊の危険性のある10m程度)における比抵抗を取得してもよい。係る場合、コンピュータ600は、ユーザの入力に基づいて、ディスプレイ640に表示される比抵抗分布図の探査深度を変更し得る。
なお、測定対象エリアにおける比抵抗の測定データが既に存在する場合もある。係る場合、コンピュータ600は、航空機100によって取得された比抵抗の測定データ(比抵抗等深線)ではなく、既に存在する測定データに基づいて比抵抗分布図を作成してもよい。
(光線の数)
上記の実施形態では、照射装置250は、測定地点において、水の吸収帯の波長に設定される光線LPと、水の非吸収帯の波長に設定される光線LNとを1つずつ照射するように構成されているが、照射する光線の数は2つに限られない。例えば、ある実施形態において、照射装置250は、1つの光線LPと、波長の異なる2つの光線LNとを照射してもよい。係る場合、CPU610は、2つの光線LNの反射光強度の平均値または合計値を水分指標の算出に用い得る。当該構成によれば、水分指標の算出精度が向上し得る。
[構成]
以上に開示された技術的特徴は、以下のように要約され得る。
(構成1) ある実施形態に従うと、地盤の水分状態を検出するための方法が提供される。この方法は、測定対象エリアの地盤に波長の異なる複数の光線(例えば、光線LPおよび光線LN)を間欠的に照射するステップと、地盤によって反射された複数の光線を検出するステップと、複数の光線が照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて水分指標(相対的な水分量に関する指標)を算出するステップ(S720)とを備える。
(構成2) 複数の光線を照射することは、複数の光線を同軸で照射することを含む。
(構成3) 複数の光線を照射することは、複数の光線を同時に照射することを含む。
(構成4) 複数の光線は、水の吸収帯の波長の光線LPと、水の非吸収帯の波長の光線LNとを含む。方法は、光線LNを照射してから当該光線LNの反射光を検出するまでの時間(TOF)を検出するステップと、当該TOFに基づいてDEMを生成するステップ(S750)とをさらに備える。
(構成5) 方法は、所定エリアの比抵抗を測定するステップをさらに備える。
(構成6) 方法は、地点ごとに算出された指標に基づいて、所定エリアにおける相対的な水分量分布図を出力するステップ(S760)をさらに備える。
(構成7) 水分量分布図を出力するステップは、当該水分量分布図と、所定エリアにおける地盤の高さ情報(DEM)とを重ね合わせて出力することを含む。
(構成8) 水分量分布図を出力するステップは、当該水分量分布図と、所定エリアの比抵抗図とを重ね合わせて出力することを含む。
(構成9) 水分量分布図を出力するステップは、所定エリアの指標の分布に基づいて、所定エリアのうち、予め定められた条件を満たす領域を特定することと、条件を満たす領域の表示態様と、条件を満たさない領域の表示態様とを異ならせることとを含む。
(構成10) ある実施形態において、測定対象エリアの地盤の水分状態を検出するための検出システムが提供される。この検出システムは、測定対象エリアの地盤に波長の異なる複数の光線を間欠的に照射するための照射部(例えば照射装置250)と、地盤によって反射された複数の光線を検出するための検出部(例えば検出器260)と、複数の光線が照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて相対的な水分量に関する指標を算出するための算出部(例えば、CPU210またはCPU610)とを備える。
上記説明した各種処理は、CPUによって実現されるものとしてあるが、これに限られない。これらの各種機能は、少なくとも1つのプロセッサのような半導体集積回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのDSP(Digital Signal Processor)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、および/またはその他の演算機能を有する回路によって実装され得る。
これらの回路は、有形の読取可能な少なくとも1つの媒体から、1以上の命令を読み出すことにより上記の各種処理を実行しうる。
このような媒体は、磁気媒体(たとえば、ハードディスク)、光学媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、DVD)、揮発性メモリ、不揮発性メモリの任意のタイプのメモリなどの形態をとるが、これらの形態に限定されるものではない。
揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含み得る。不揮発性メモリは、ROM、NVRAMを含み得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 航空機、110 地盤、220,620 ROM、230,630 RAM、240 タイマ、250 照射装置、260 検出器、270 GNSS受信機、310,320 レーザ、330 ビームスプリッター、410 飛行経路、500 測定データ、600 コンピュータ、640 ディスプレイ、810 水分分布図、830,1100 合成図、910,920,930 領域、1010 空洞、LN,LP 光線。

Claims (10)

  1. 地盤の水分状態を検出するための方法であって、
    測定対象エリアの地盤に対して第1波長の第1光線と、前記第1波長よりも水に対する吸収率が低い第2波長の第2光線とを含む複数の光線を間欠的に照射するステップと、
    前記地盤によって反射された前記複数の光線を検出するステップと、
    前記複数の光線が照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて相対的な水分量に関する指標を算出するステップと、
    前記地点ごとに算出された指標に基づいて、前記測定対象エリアにおける相対的な水分量分布図を作成するステップと、
    前記第2光線を照射してから当該第2光線の反射光を検出するまでの時間を検出するステップと、
    検出した時間に基づいて地形図を作成するステップと、
    前記地形図と前記水分分布図とを重ね合わせた合成図を出力するステップとを備える、方法。
  2. 前記複数の光線を照射することは、前記複数の光線を同軸で照射することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の光線を照射することは、前記複数の光線を前記地盤に同時に照射することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記合成図を出力するステップは、前記地形図と前記水分分布図との表示態様を異ならせることを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法
  5. 土砂崩れが生じる前後の複数の合成図に基づいて機械学習された学習モデルを用いて土砂災害の可能性を判断するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法
  6. 前記土砂災害の可能性を複数段階に分類するステップと、
    分類結果に基づいて表示態様を異ならせて出力するステップをさらに備える、請求項5記載の方法
  7. 前記方法は、前記測定対象エリアの比抵抗を測定するステップをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記合成図を出力するステップは、前記地形図と、前記水分分布図と、前記測定対象エリアの比抵抗図とを重ね合わせて出力することを含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記合成図を出力するステップは、
    前記測定対象エリアの前記指標の分布に基づいて、前記測定対象エリアのうち、予め定められた条件を満たす領域を特定することと、
    前記条件を満たす領域の表示態様と、前記条件を満たさない領域の表示態様とを異ならせることとを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 測定対象エリアの地盤に対して第1波長の第1光線と、前記第1波長よりも水に対する吸収率が低い第2波長の第2光線とを含む複数の光線を間欠的に照射するための照射部と、
    前記地盤によって反射された前記複数の光線を検出するための検出部と、
    前記複数の光線が照射された地点ごとに、当該複数の光線の反射光強度に基づいて相対的な水分量に関する指標を算出するための算出部と、
    前記地点ごとに算出された指標に基づいて、前記測定対象エリアにおける相対的な水分量分布図を作成する水分量分布図作成部と、
    前記第2光線を照射してから当該第2光線の反射光を検出するまでの時間を検出する時間検出部と、
    検出した時間に基づいて地形図を作成する地形図作成部と、
    前記地形図と前記水分分布図とを重ね合わせた合成図を出力する出力部とを備える、検出システム。
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